1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年三月十三日(木曜日)
午後一時三十八分開会
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出席者は左の通り。
委員長 竹下 豐次君
理事
石井 桂君
稻浦 鹿藏君
西田 信一君
田中 一君
委員
岩沢 忠恭君
小山邦太郎君
斎藤 昇君
中野 文門君
武藤 常介君
内村 清次君
村山 義一君
国務大臣
建 設 大 臣 根本龍太郎君
政府委員
自治庁財政局長 小林與三次君
建設省道路局長 富樫 凱一君
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本日の会議に付した案件
○日本道路公団法の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
○道路法の一部を改正する法律案(内
閣送付、予備審査)
○道路整備緊急措置法案(内閣送付、
予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/0
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001・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) ただいまより建設委員会を開会いたします。
まず、御報告いたします。
地すべり等防止法案、地すべり等による災害の防止等に関する法律案の参考人については、前回の委員会で参考人の人選、時日等を委員長、理事に御一任願ったのでありますが、理事各位に協議いたしました結果、参考人には、全国治水砂防協会専務理事赤木正雄君、早稲田大学工学部教授中野実君、日本石炭協会総務部法規課長朝比奈治郎君の王氏に御出席を願うこととし、その時日は三月十八日午後一時とすることに決定いたしました。
右、御報告いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/1
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002・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) それでは、これより本日の議事に入ります。
道路整備緊急措置法案、道路法の一部を改正する法律案及び日本道路公団法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/2
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003・田中一
○田中一君 ちょっと議事進行についてですが、この審議の仕方ですがね、総括的な質問で全部やることにしますか、それとも前回の地すべり法案のように、一章々々でもって説明を聞いていくか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/3
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004・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/4
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005・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 速記を始めて下さい。
それでは、三法案を一括して議題に供してやりますか、まず、そのうちの日本道路公団法の一部を改正する法律案についての質疑をお願いいたしまして、それに関連した部分がほかの二つの法案にあるわけでありますから、道路公団法の一部を改正する法律案に対する質疑の際に、それも関連して御質疑を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/5
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006・田中一
○田中一君 法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律第三条、これらの実態と、それから外資の総ワクですね、そういうものと、現在開発銀行、輸出入銀行、愛知用水公団等が受けておる外資ですね、これらの点について、一つ御説明を願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/6
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007・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) まず、世銀から借款をしております現状を申し上げますが、借款されておりますのが、電力借款、これは借入人が日本開発銀行でございます。これがまた転借人がございますが、関西電力、九州電力、中部電力が転借人でございます。これは総額で四千三百万ドルでございますが、この利率は五%でございまして、期限は二十年間でございます。それから八幡製鉄が借款いたしております。これは八幡借款と呼ばれておりますが、借入人は日本開発銀行でございます。転借人は八幡製鉄でございまして、金額が五百三十万ドル、利率は四・六三五%でございます。期間は十五年間でございます。それか機械借款というのがございますが、これは日本鋼管、トヨタ自動車、石川島重工、三菱造船でございまして、これらを合せますと八百十万ドルでございます。この分に対します利率は四・七五%、期間は十五年間でございます。それから第一次川崎借款というのがございます。これの借入人は日本開発銀行でございますが、転借人は川崎製鉄でございまして、金額は二千万ドル、利率は五%で、期間は十五年間でございます。それから第一次農業借款というのがございます。これの借入人は農地開発機械公団でございます。これの借りております。金は四百三十万ドル、利率は五%で、期間は十五年間でございます。それから第二次農業借款というのがございますが、借入人は愛知用水公団でございます。これの金額は七百万ドル、利率は五・七五%で、期間は二十年間でございます。それから第二次川崎借款というのがございます。これは借入人が日本開発銀行でございまして、転借人が川崎製鉄でございます。金額は八百万ドルで、利率は五・六二五%、期間は十五年間でございます。
先ほど機械借款のところで借入人のことを申し上げませんでしたが、借入人は日本開発銀行で、さっき申し上げました日本鋼管その他は転借人でございます。
これらを総計いたしますと、九千二百九十万ドルに相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/7
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008・田中一
○田中一君 本年度の外資の総ワクは幾らになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/8
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009・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 本年度の借款につきまして、ほかの部分は存じませんが、通路につきましては、外資を四十六億円期待いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/9
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010・田中一
○田中一君 いや、本年度のきめられておるところの外資の総ワクです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/10
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011・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 今調べまして、お答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/11
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012・田中一
○田中一君 じゃ、それはお調べになって答弁していただきますが、保証の方法はどういう形でやっているか、今までの借り入れの契約書の写しでもあれば一つだけ例示していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/12
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013・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 用意いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/13
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014・田中一
○田中一君 この利率の違いは、これは一方的に貸す方の側の意思を受け入れての利子ですか、まあ他のことは別としても、今回の道路公団が借りようという四十七億でしたか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/14
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015・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 四十六億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/15
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016・田中一
○田中一君 四十六億は、どういう利率になるのですか、話し合いは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/16
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017・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 道路に対します借款につきましては、ただいま交渉を始めておるところでございますが、先般世銀からも調査員が参りまして、実際につきまして調査をいたしましたその結果によりまして、今後貸すか貸さぬか、貸すとすればその条件はどうかということが協議されるわけでございまして、ただいまのところはわかっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/17
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018・田中一
○田中一君 そうすると、従来の、現在借りたところの日本開発銀行または農地開発公団等の利率というものは、一方的に向うからこの期限で、利率はこうということを申し入れてきているのか、あるいはこちらから、一つの意思表示をして、話し合っての結果の妥結点か。たとえば道路公団が今日話し合って貸すか貸さぬかきめるというけれども、何カ年で借りようと、こちらが、道路公団がするのか、利率はこの程度にしてくれということを言っているのか、その点のこちらの意思、道路公団側の意思というのは、どういうことになっておるのですか。何年間幾らで貸してほしいという意思表示がなければならぬと思う、世銀の借り入れは全部一方的に向うがきめてよこすのか、その点、明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/18
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019・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 道路の場合について申し上げますと、公団のこの借り入れにつきましては、希望条件がございます。これらをまだ提示はいたしておらぬわけでございますが、具体的になりました場合には、公団の希望も述べまして、その条件等を協議することになろうと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/19
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020・田中一
○田中一君 従って私が申し上げているのは、ここでこの法律案の改正ということに対して、賛成せよというならば、審議をせよというならば、大体において、借りる金が——額はわかりました、四十六億ということは。何カ年間で何分ぐらいの利率を希望するということの意思表示がなければならないと思います。現在世銀から借りているものは全部が一方的に期間も金利も向うのあてがい扶持という前例なら前例だとおっしゃっていただきたいのです。しかしながら、どの場合でも、少くとも借りる方の側にもむろん条件があるはずなんです、だからその場合の道路公団としては、こうだということのものがなければならぬと思います。それらの問題が、まだその段階じゃないというなら、日本道路公団の総裁でもお呼びになって、ここにさっそくお呼び願って、そうして自分の方の意思はどうかということを、一つ答弁して、説明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/20
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021・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 先般調査団が参りましたときにも、いろいろ折衝があったわけでございまして、この利率等につきましては、向うも調査の関係が、現地について実際を技術的に調査をするということでありましたので、この点は話にならなかったわけでございます。ただ、公団が従来希望しておりましたところは、利率は安い方がいいし、期間は長い方がいいということだったわけでございますが、これらの条件のうちで、最も好条件のものを、道路公団としては希望したいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/21
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022・田中一
○田中一君 しかし何か、私は、ほかのものと違って電力等は、これはまあ火力発電の借款と思うのですが、これはまあ直ちに経済効果が現われます。十五年の期間で借りたものなら十五年たたずして経済効果というものが現われてくると思うのですよ。道路の場合には、少くとも現在の有料通路法の建前からいっても大体二十年と押えているから、関門隧道のように財政投資をしながらなおかつ二十年と押えられているのです。国民としては、金利の安い長期借款ならそれだけ償却も延びますから、国民の負担するものも安く済むのだと思います。だから、そういうものの見通しが立たなければ、やはり公団としてのほんとうの職務を遂行するゆえんではないと思うのです。だから、道路公団が考えて希望する線というものと、世界銀行の主張とがあるいは食い違っても一向差しつかえないと思う。こっちとしてはどういうような意思を表示するか。ただ、日本も世銀に加盟している国でありますが、おあてがい扶持でもってどうか貸して下さいでは済まないものと思う、こっちの意思というものが表明されなくちゃならない、もらうんじゃないのですから。だから、われわれの考えておりますところの、直ちに経済効果の現われない、ことにこれが名古屋−小牧間の高速道路に使うのだと思いますが、その際に私ども了承しておきたいのです、これは当然だと思うのです。私は、国民としても大体日本道路公団の計画、それを、日本政府が、どういう工合に道路公団は申し入れているかということぐらいはわからぬといけないと思います。これは、直接おれの方でしていないということなら、委員長、直ちに道路公団に連絡をとって一応……、今後もございます、今後もございますから、もしこれでいいとなれば、まだまだ日本では道路整備、あるいは新道等を作る場合にも、とても今日の財政規模というか、あるいは政府の考え方では、道路に対してそう財政投資ができないと思う。従ってもしもよければ、私は野党の立場におりますが、幾ら借りてもいいと思いますから、できるだけ大いに入れようじゃないか、何も道路では向うに持って行けませんから、そういう気持でいるのですから、重要な国策の一つとして道路整備をやるという建前から、何かもっと詳細なこっちの意思、日本政府の意思、あるいは公団の意思というものをこの委員会において国民の前にはっきりとしなければならないと思います。そういう場合において単に四十六億の借款ができればいいというのじゃなくて、もっと希望するところは、あと百億でも二百億でも一千億でも借りてほしいと思います。そういう私は考え方から要求しているわけですから、委員長、もし政府がここで説明できなければ道路公団をお呼びになって説明を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/22
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023・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま田中さんからお話しのあったことは非常に合理性のあることだと思います。先ほど道路局長から御説明を申し上げましたように、実はこの世銀借款につきましては、ほんのアウトラインについて話し合っているだけにすぎません。先般参りました向う側の責任者におかれましても、一応の現地の状況と、こちら側の意思を聞きたいということでありまして、具体的折衝にまだ入っておりません。向うの方といたしましても、道路についての日本の借款申込みに対する受け入れ方は今回初めてなので、事務的にも十分調査の上、そうして各国の例もありまするので、十分に向うの受け入れ態勢を作ってから交渉に応じたい、その結果は、今の大体の経緯からしますと、本年末ぐらいでなければ具体的な折衝にいく段階にいかないじゃないかというふうに向うの方では言っているようでありますが、そういう関係上、道路公団としましても、実は具体的な折衝のあれでは、大蔵省が窓口になるような関係もございまするので、一応の試案はあるだろうと思いまするが、まだお示しするまでに固まった案がないだろうと思っております。しかしこれは、折衝をする場合における現実の状況によっては、また向うの出力その他を見て、これは考えなければならんと思いますから、少くとも道路公団とすればどういう条件が望ましいということは考えられるべきだと思いまするので、本日中にというわけには、ちょっと道路公団としても準備があると思いますから、いずれ政府から道路公団に命じまして、今の条件等をどういうふうに考えているか、資料として提示し、またそれに基いて御質疑に答えるというふうにさしていただければ非常にけっこうだと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/23
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024・田中一
○田中一君 ではまあ、そういう工合にお願いします。
では続いて伺いたいのは、日本では初めて道路に対する融資を願うということになっておりますが、世界各国では世銀から道路に対する融資という事実はございましたか。もしあるならば、どこの国にどれぐらい貸して、そしてその利率は幾らである、ということを御報告願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/24
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025・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 道路につきまして外国で、世銀から借りた例を一、二聞いております。それらに対する条件等につきましては、いずれ資料をもって御報行いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/25
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026・田中一
○田中一君 ここで建設大臣に申し上げますが、これらの質問は、当然衆、参両院の委員会でもって持たれなければならない質問なんです。そしてなぜ政府は、これは常識上の問題なんですが、そういう資料の調製をして事前に配付をしないかということは、はなはだ遺憾でございます。今日までまだまだ今国会たくさんの法案はきておりませんけれども、どの法案を見ましてもだれもが聞きたい点、それらの資料が調製ができないのが多いのであります。これは、大臣から十分に事務当局に向って万遺漏のないような手を考えるように…。ことに私は、あまり大臣に質問したくないのです。お互いに、大臣がすらすらとできる答弁ならば質問したいけれども、つっかかる答弁はなかなか聞く方もつらいものですから……これはもう事務当局の責任でございます。あなた、口でもってうまいこと答弁すればいいとお思いになるかもしれませんが、そういうものではなくて、数字の問題ですから、そういう点は督励して、審議を早くお進めになりたいならば、どうか十分にその点の手はずを遺漏のないようにしていただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/26
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027・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/27
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028・田中一
○田中一君 これらの世銀からの借り入れというものは、現在開発銀行と農地開発公団とこの三つに現在なっておるように伺っておりますが、利子に対する所得税の免除ということが、同じく今まで御説明を聞きましたところの機関には適用しているものだと思います。その点間違いございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/28
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029・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) これら借款を受けておりますもの全部につきまして、利子についての所得税は免除されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/29
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030・田中一
○田中一君 そうしますと、また貸しされた各営利企業会社の所得税の免除の措置はどうなっているか、同じような形で所得税を取られておるのか…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/30
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031・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 先ほどちょっと申し上げました点に間違いが、ございましたので訂正させていただきますが、所得税の免除されておりますのは政府機関のものについてでございまして、愛知用水公団等がはまるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/31
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032・田中一
○田中一君 そうすると、八幡製鉄、日本鋼管等はそうされておらないということに了解してよろしいのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/32
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033・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/33
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034・田中一
○田中一君 今、資料を三つほどお願い申しました。従って、それがきてからもう一度この問題について私は質疑をいたします。そこで今の契約書は、どうか日本文のものをお出し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/34
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035・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/35
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036・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 他に質疑の方は御発言を願います。——もしなければ、日本道路公団法の一部を改正する法律案についての質疑を一応これで留保いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/36
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037・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 次に、道路法の一部を改正する法律案について御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/37
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038・田中一
○田中一君 政府の考え方、今度の法律改正をする重要な点についての政府の考え方、これが、とりあえず千五百キロ程度、主として東京−大阪その他重要なる、主要なる道路について整備、維持、管理をやろうという考えでおりますが、大体ほんとうの考え方はどの点まで延ばすつもりでおるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/38
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039・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 先般の当委員会においてもこの点について、基本的な考え方を申し述べたつもりでございまするが、一級国道につきましては、将来においては全面的に政府が維持、補修、管理に当りたいと、こういうふうに考えておるのでございますが、理由につきましては、申すまでもなく、道路を全面的に整備していく場合、ややもすれば従来、道路輸送が非常に長距離輸送になっておるにもかかわりませず、各府県別に知事に委任しておりまする関係上、県境方面において非常に差が出てくるということと、それから国費を相当投じまして思い切った改築、改善をやりましても、この維持、補修が完備されておりませんというと、どうも責任の所在が明確にならない。特別会計を設けてやっておる状況からいたしましても、これはやはり一級国道だけは全面的に将来においてはやっていきたいのでありますが、しかし、事業量の関係、それから現在までの経緯からいたしまして、今回全面的にこれをやるということは非常に困難な事情がありまするので、漸次これを拡げていきたい、こういうふうな考えを持っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/39
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040・田中一
○田中一君 私ども社会党としては、一級国道を全面的にやるという考え方よりも、主要なる幹線道路は全部国が維持管理をすべきであるという建前をとっております。従って、今の建設大臣の御答弁に対しては共鳴を感ずるものではございますが、ただ、一級国道であるから全面的にやりたいという考え方に対しては、多少疑問を持っております。
たとえば、先般も竹下委員長、あるいは稲浦委員等と一緒に関門隧道の完成に参りまして、その後、一級国道の視察をやって参りました。そういたしますと、下関を起点とする小郡まで、いわゆる、山口県の県庁所在地の山口市を通ずる道も、これまた、小郡−山口間は一応整備されておりますけれども、まことに下関−小郡間というものは、一級国道でありながら、トラック一つ通らないような狭隘な、原始そのままの、しいて申しますならば維新前そのままの姿の道路が、そのまま放置されていたという現状。そうして、ではこれが今日幹線道路としての、あるいは一級国道としての用務を果しておるか、果しておらない。が、しかし、これにかわるべき並行線、海岸線というものが完全に整備されて、この方を全部の交通機関が利用しているという現状から見ても、ただ一級国道なるがゆえにこれを国がするということでなくして、これはむろん道路審議会の答申によって変更されることもございましょうが、一級国道がそのように自滅の状態にあって、そうして、別の並行線としての幹線道路がある場合には、名分にとらわれず、直ちに重要な路線の方に国道を切りかえるべきであるという点を強調したいんです。今、下関−小郡間の現在の一級国道は、経済的にも、そう大きな効果がないというように私は見て参った。海岸線の方は重さが違います。工場地帯がたくさんございまして、これを全部縦貫して通っておる道路であります。だから、そういう意味においても、一級国道、二級国道、あるいは一級国道に準ずる並行線というものなどは、今日の産業規模、あるいは交通の実態から見て、変更すべきものはどんどん転換さすとか、二級国道を一級国道にするとか、それから府県道を一級国道にするとかいうような措置をとらないと、国民は間違うことになるんです。ただ地図を見て、地図の面だけでもって、これが幹線道路であるといって引いてあると、大きな間違いを犯す。ことに、そのように熱意が今までないんです。そういうところ、私はまた、大体過去八年間において、相当の幹線道路を歩いておりますけれども、先般視察に参りまして、全く驚き入ったんです。もう御維新そのままの道路、やっとトラック一台が通れるか通れないかというものもあるわけなんです。何ら整備をしておらぬ、そのままの姿なんです。こういう点については、このように国か直轄して維持管理をやろうという方針になりますと、一級国道じゃなく——一級国道なら一級国道にいたしましてもかまいませんが、指定がえをするというような考え方はないかどうか、という点を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/40
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041・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 田中さん御指摘の通り、私も実はあの道路を見て参りました。全国にわたって見まして、実は驚いた次第でございまして、地図上では一級国道としてりっぱに通じておるはずのものが、所々でもほとんど用をなさない、むしろ県道の方が非常にりっぱだというところが随所にあるようであります。そういう観点かりいたしまして、将来においては実態に即しまして、二級国道から一級国道に編成がえすべき必要のあるものも出てくると思います。これは今後十分にそういう点を考慮して、実態に即した編成がえも漸次行わなければならぬと思いますが、この道路法で管理の責任の所在を明らかにしたのは、あまりこまかく規定すると、かえってわかりにくくなりますので、原則として一級国道は国でやるという方針を今後立てたい、その裏には、今、田中さんが御指摘になったように、一級国道として今あるものでも、路線を変えた方がいいという場合もこれはあり得ると思います。今ここで責任ある、どの路線というわけにいきませんけれども、たとえば北陸、東北方面におきましても、山の中をずうっと道路が通っておって、これにどんどん金を入れましても、統計をとると大へんなことになる。それよりも海岸線を、今一級国道でないものでも、むしろこちらの方をやる方が一級国道より効果があるんじゃないかと思われる線があるようでございます。こういう問題は、いずれ十分に地方の状況を調べて、また相当これは地元の調整が必要であるのでございまして、御承知のように、一級国道を他の方に持っていくということは、かなりこれはデリケートな政治問題にもからんで参りますので、そういう方面を十分考慮の上、御趣旨に沿うように措置いたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/41
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042・田中一
○田中一君 次に伺いたいのは、今度の改正措置によって来たるところの地方負担の面であります。三十三年度は特例を開いて、従来までの三分の二、三分の一という負担額を四分の三、四分の一と、地方負担を軽減するような措置をとっております。しかし、これはこの法律によりますと、とにかく三十三年度だと、こう言っておりまして、この特例は。われわれは次に審議いたしますところの道路整備五カ年計画というものに対して非常な関心と意義を感じておるものでございまするけれども、三十四年度以降の四カ年はどういう措置をとるつもりか、その点を一つ、これは財政当局から、聞くべきでありましょうけれども、建設大臣として、なぜ三十三年度だけの特例にしたか、という財政当局との交渉並びに大臣の決意等を明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/42
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043・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 御承知のように、昭和二十九年に当りまして、当時地方財政が非常に窮迫しておる、しかも一方においては公共事業をどんどんやらなければならないという観点からいたしまして、ただいま御指摘のような臨時措置法を作られまして、この期間が昭和三十三年までになっておるわけでございます。ところで、この道路整備五カ年計画をわれわれが立案し、また特別会計を設けるに当りましては、これは地方財政の窮迫という問題とも関連はいたしまするが、事業を円滑に、かつ急速に実施するためには、地方負担分をできるだけ軽減するという方向にいくべきだということで、この点は大体自治庁とわれわれの方は、意見は大体歩調を合して参ったんです。ところが田中さんも御承知のように、本年度予算編成に当りまして、第一次内示案を大蔵省が示したときには、特例法が三十一年まであるにもかかわらず三十三年から特例法を廃止するということで、これは道路のみならず、農業関係、運輸関係、全面的に廃止の予算を立ててきたんです。そこで、これはまことにおかしげな現状だ、もとより大蔵省の見るところによると、昭和三十三年度としては相当に地方財政がよくなっておる。交付税の税率を上げるとか何とか言っておりまするけれども、少くとも時限立法、しかも非常に長期なあれでなく、わずか五カ年間の見通しのもとに立てた時限立法を繰り上げて廃止するということは、しかも関係閣僚に連絡なく、これが政府原案と出したのははなはだ遺憾で、処置いたしかねるということで、これはつぶしたわけであります。それに関連して、われわれの方では、同時にこの負担を道路整備五カ年計画に当っても継続してやるべきだということで、これは非常に議論が沸騰いたしました。どうしても結論を得るに至りませんでした。そこで自治庁とわれわれの方は、この負担率、補助率、これも現在の時限立法の趣旨によってやるべきだという主張を譲っておらないわけであります。その結果、現在とにかく三十三年までこの法律がある以上、これでいく。で、あとの負担なり補助率の問題については、あらためてこれは道路のみならず、全般の公共事業費に対する問題として、今後各省協議の上決定する、こういうふうに政治的妥結を見たのであります。そういう関係上、これは御指摘のように、ちょっと法律の体制としてはあんまり好ましい形ではございませんが、三十三年だけは現行の通り、あとは他の法律によると、こういうふうになったのが今日までの経緯の実際の姿でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/43
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044・田中一
○田中一君 ちょっとお言葉の中ですが、三十三年度は現行でなくて特例の通りということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/44
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045・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/45
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046・田中一
○田中一君 現行の通りと発言したけれども、特例の通りとなるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/46
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047・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/47
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048・田中一
○田中一君 三十四年度から別途考えるということになる・・・。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/48
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049・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/49
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050・田中一
○田中一君 ちょっと訂正しないと困りますよ。私があなたの発言を訂正しちゃ工合が悪いから。あなた、現行の通りと言いましたよ、三十三年度は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/50
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051・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 私の言葉が足らなかった……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/51
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052・田中一
○田中一君 言葉じゃない、間違っていたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/52
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053・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) いや、いや、私の申し上げておるのは、時限立法が現行の法律でございまするので、その意味で申したのであります。田中さんの言われておるのは、時限立法にあらず本法における現行と御解釈になれば私が間違っておることになりますけれども、私の申し上げたのは、臨時特例法の現行通りと、こういう意味でございますから、間違いないように御訂正願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/53
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054・田中一
○田中一君 では、建設大臣の意思としては、三十四年度からはこの特例、補助金四分の三、地方負担四分の一というものが、これより下回らないという考え方で現在おりますか。それとも今後の政治的な折衝によって、あるいは現行通り三分の一だったかな、になるような公算が強いか、ですね。あなたの信念はどういう考え方を持ってますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/54
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055・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) この問題は、御承知のように、特例法が地方財政の実情に関連してできた問題でございます。従いまして、これは自治庁の地方財政の見方が、果して負担し得るかどうかということに一番大きなウェートがかかって参るのであります。われわれは、地方自治体が、これによって事業が円満にいけないということを看過してそのままおるわけには参りません。われわれの方といたしましては、問題は、事業がりっぱに地方においても責任を持ってやり得るということが一番の目安でございます。その点が今のところ、われわれが本年の判断におきましては、やはり現行の、時限立法の現行の方が地方としてはやりやすいのではないか、こういう意味において自治庁に同調して参ったのでございます。今後地方財政の見通しが相当有利になりまして、いわゆる時限立法を廃して本法にかえってもやり得るということになりますればこれは、それにも理由のあることであるならばやむを得ないと思いますけれども、まだその点の判断がはっきり、私が現在地方財政の実態についてまだきわめておりませんので、明言いたしかねる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/55
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056・田中一
○田中一君 この地方負担の問題については、自治庁のだれか呼んでいただかぬと、今の見通しの問題がはっきりしませんから、自治庁の人を呼んでいただきたいと思うのですが、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/56
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057・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 法律の説明ですか……。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/57
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058・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 速記つけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/58
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059・田中一
○田中一君 次に、維持、修繕その他管理の費用の負担は従来三分の一であったのが今度二分の一、双方五分々々負担をすることになっておりますが、これは恒久的なものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/59
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060・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) これは、これだけは一応確保したつもりでございます。これはやはり臨時特例法の線をたてに大蔵省はだいぶ抵抗しましたけれども、しかし維持管理について従来一つの例が……修繕についてはやはりこの際一歩でも前進しておきたいということで、これをきめたのでありますから、これはこの法律が施行される限り、改正されなければこのままでいくと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/60
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061・田中一
○田中一君 そこまで建設大臣が努力したならば、当参議院の委員会におきまして、与党諸君と話し合いの上で前段の負担の問題を恒久的なものに修正をすることは、おそらく自治庁当局も、建設大臣としても希望するところであろうと思うのです。三十三年度の特例ではなくして、五カ年間全部この負担率でいくんだというような修正を国会でした場合には、まことに力足りなかった根本建設大臣の主張を補うことになるのではないかと思うのです。そういう点についての見解はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/61
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062・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) お答え申し上げます。この問題は、先ほど今日までの経緯を申し上げたことによって御判断いただければけっこうでございまして、政府がこの原案を作るに当りましては、先ほど申し上げましたように、地方負担の状況その他を十分考慮の上あらためて法律で定めるということになっておりますので、私はやはり内閣の方針に従いまして原案のままにこれが御承認になることを望むのでございます。その負担の問題をどうするかは、将来皆さんの御協力によって善処したいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/62
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063・田中一
○田中一君 この際、これに関連してちょっと伺っておきたいのですが、特別会計に道路整備特別措置法がもたらす編入する金のうちですね。何といいますか、特別会計に積み上げる資金のうち、金利は、地方負担分の起債分だけの金利がくるのか、あるいは工事費全部の金利が加算されて地方負担になるのか、その点ちょっと私不明確なものですから、これは道路局長でいいですから伺いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/63
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064・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 三十三年度におきましては、直轄工事の地方負担にかかわる分だけを借り入れするわけでありまして、その借り入れにかかわる利子が地方の負担になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/64
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065・田中一
○田中一君 くどいようですが、もう一ぺん伺いますが、そういたしますと、地方負担の分だけの金利を地力は負担するということであって全額じゃないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/65
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066・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/66
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067・田中一
○田中一君 では、どうして国が直轄して維持管理をしなければならないかということ。第一点としては、建設大臣から県境の整備がバランスがとれてないという点も指摘されましたけれども、地方公共団体の道路整備に対する熱情と申しますか、もう一つは、ひいては政府の指導というものがかかって遠因があるのじゃないかとも考えられます。従って一つの例を申します。四国なら四国という四つの県の県境、そうして国がどういう指導をして今までの一級国道に対する維持、管理をさしておったかという点、それから過去四年を経ておりますところの五カ年計画、第一期の五カ年計画ですね。ちょうど四年を経ております。この四年間その地元の四つの県は、国に対して一級国道の整備に対する熱意をどのように働きかけておったかという点について詳細に報告願いたいと思うのです。言い回しの悪いことを言っておりますけれども、こういう意味です。第一次の五カ年計画の四カ年を経ました今日まで、三十二年度で四カ年を経たわけです。その間、ことに四国といって指摘したのは、たとえば愛媛県の川之江市から高松に来る国道を見ましても、愛媛県側は非常に道路が悪い。もっともここには地盤沈下等海岸線のいろいろな悪条件があったかもしれませんけれども、香川県に入りますると道が非常によくなってくる。むろん改修もし、十分整備してある。こういうことは、単に都道府県知事の意思ばかりではなくして、それらを指導するところの政府の責任も大きいのではないか。で、県がその意思をもつ道路整備の要求を出さなければ国は黙っておるのだ、いわゆる県の熱意でもって施行されるのだ、県の要請によって補助金のつけ方もするのだというのが今までの通例じゃないかと思うのです。四国の四県の県境の道路を道路局長よく頭に浮かべながら、その県の当局が過去四カ年間においてどういうような要請をしておったか。ただ、県の要請だけでもって予算をつけるものはつける、つけないものはっけないという形できたのか、あるいは政府の指導というものはどの辺まできているのかというところを率直に御報告願いたいと思う。こういうことを伺うのは、今日あらためて国が一級国道並びに主要な道路を維持管理するということは、県境の両方の比較から見ても非常にバランスがとれてないという点だけじゃなくて、政府の指導の責任が大きに重要な要素を占めているのじゃないかと思うのです。そういう点から見て、今日までの一級国道維持管理の、あるいは改修等の予算の配分というものは、どういうところから過去四年間やってきたかという事例を、四つの県について詳細御説明を願いたい、こういうわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/67
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068・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 昭和二十九年から出発いたしました前の五カ年計画は、仰せのように三十二年度で四年たっているわけでございます。この中の一級国道につきましては、計画的に全国的に進めておったわけでございますが、この五カ年計画におきましては、国がやります分は改築、舗装、修鮮であったわけでございます。この全国の一級国道につきまして、一級国道の状態を把握いたしまして、それによって計画を立て、その計画によって実施してきたわけでございますが、ただ県々でいろいろ違いますのは、二十九年度の出発点においてすでに差があったわけでございます。それでは全体的に見て、最も悪いところからやるかということになるわけでございますが、これは最も交通の状態を考えて隘路になっているところを先にすることは当然でありますが、そのほかに県の財政のことも考えなければならんわけであります。初めのスタートラインの違っているものをいろいろ調整して参りますので、まだ、四年たちましたけれども、県によっては差異があるわけでございますが、今度の五カ年計画におきましては維持のあれも含めております、そういった関係で管理の内容が国の行います分につきましてふえてきたわけでございますので、こういう管理につきましては、もっと徹底したやり方がとり得ると考えているわけでございます。で、その県に予算を配分いたします場合には、これは一つには交通状況に応じて道路がどのように整備されているかということが一番先にくるわけでございまして、改良舗装を要する延長がどのくらいあるかということから大体の考えをきめまして、それについて県の意見も聞くわけであります。県の方の負担も伴うわけでございますので、一方的に国だけできめられない点もあるわけでございますが、こういうものはできるだけ交通の状況に応じた全国的にわたる改良計画を立てたいと考えているわけであります。仰せのように、四国におきましても香川県は進んでおりまして、愛媛県はおくれております。また徳島、高知といきますと、大体愛媛程度というふうなことでございまして、香川県は進んでいるわけでございますが、これはスタートラインのときから香川県は相当道路に金を入れておりまして進んでおったということが大きな違いではなかろうかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/68
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069・田中一
○田中一君 それでは小林君に伺いますが、今度の道路法の一部改正でもつて、維持、管理については地方負担が変って参ります。三十三年度は特例として四分の一、四分の三という比率になったわけですけれども、三十三年度の特例ということだけではわれわれ納得できないのです。少くとも五カ年計画なんですから、五カ年間はそれでやるということにならなければ筋が通らんわけです。ところが建設大臣からは、過去の五カ年計画の五年目が三十三年に載っているものだから、現行法でそのままでやるということになったのであって、自分の希望としては、そうではなくて、今度の特例をそのまま延ばしたいという気持を持っているけれども、財政当局からのいろいろな政治的折衝においてこれを突いたのだ、自治庁としては建設省と同じ意見であるというように伺ったのです。これで間違いなかったですね、そういうような御見解でしたね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/69
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070・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 大体そういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/70
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071・田中一
○田中一君 それでわれわれといたしましては、過去の五カ年計画の五年目が、第二次五カ年計画の一年目というような計画の変更もございますが、財源等もこうして確保され、そうして一級国道並びに主要幹線道路については、国が直轄でやろうというところまで発展したのでありますから、一面、地方に対する負担を軽減しなければ、知事会等がずいぶん反対しておるこの問題が解決されないから、こういう五十三年度だけの特例を作ったのではないかと私は考えておるのです。自治庁としては、もしも地方財政が相当好転した場合には、特例じゃない現行の負担率でやらした方がいいというお考えなのか、あるいは道路整備の第二次五カ年計画というものを完遂し、またその意欲を持たせるには、この特例を明年度から延長してやった力がいいという考えを持っているか、その点が一つ。もう一つは、今後この第二次五カ年計画を遂行するに当っての、道路の面から見る道路整備の重要性と、地方財政全般の回復のし方というか、好転と申しますか、伸びの問題はどういうような判断をしておられるか、これが第二点。第三点としては、どう変化があろうとも、われわれがこの参議院におきまして、まだ今日は予備審査の段階でありますけれども、特例をそのままこれからの五カ年計画全部に押し込んでいく、というような修正をした場合には、好もしく思うか、希望する気持でおるかどうかですね。これはもう財政当局からの反対があろうとも、今まであなた方予算折衝で相当努力なすったと思いますから、その意を体して当委員会がやった場合には好もしいと思うかどうか、小林君一つ答弁して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/71
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072・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 政府委員ですから答弁しにくいこともあります。が、自治庁の立場からの気持をお尋ねでございますから、自治庁としてこれについてどういう考えを持っておるか、ということだけを率直に申し上げたいと思います。
私たちの気持から申しますと、やはりこの新しい道路整備緊急措置法というものは、第二次道路整備の五カ年計画を、道路の緊急性にかんがみ御制定になるのですから、これに必要な計画を作るとともに、必要な財源を確保するということが根本で、その財源という場合には、国の財源もあれば地方の財源もある。どうせ国のお立てになる計画でございますが、地方の負担分は当然にありますし、それからまあ国の計画に直接には現われぬかもしれぬけれども、その裏になる地方の単独事業の計画も当然に随伴するものでありまして、これは国地方を通じて総合的な財源を整備しなかったら、なかなかこの五カ年計画というものは計画通り実現できぬのじゃないか、ということがわれわれの基本的な考えでございます。でございますから、五カ年計画というからには、中央地方あわせて考えなかったならば、計画そのものが立ちにくいのじゃないか、という気さえわれわれとしては率直に申しましておるのでございます。それで、地方財政が最近相当よくなったともいわれておりますが、これもある程度事実だと思います。しかし問題は要するに・地方のよくなったという財政に見合ってこういう公共事業をやっていくのだ、地方財政に合わせて仕事をやっていくのだというのなら、これは地方の財政状況のいかんによって、仕事の伸び縮みがあるわけでございますから、補助率をどうこうする、こういうことは大した問題でないかもしれません。しかしそうでなしに、一つの計画でほんとうに緊急に、地方の立場のいかんにかかわらず、早く幹線道路を整備しよう、こういうことになれば、地方の個々の事情を一々顧みておるわけにいかぬ、顧みておればうまくいかぬ。こういう場合にはやっぱり特殊な態勢を考えなければできぬのじゃないか。特にこれからの公共事業の伸びを考えますと、一般の公共事業は、ことしの予算をごらん願いましても、大して伸びておりません。道路費は圧倒的にこれは伸びております。ことしの伸びくらいじゃ五カ年計画はできぬのでありまして、明年以降はもっと飛躍的な伸びをせざるを得ない。こういう形になりますと、この道路の地方財源というものはほんとうに真剣に考えなければ、私は、ほんとうの将来にわたる有効な五カ年計画というものは、樹立もできなければ達成もできないのじゃないか、というふうな気持を、きわめて率直に申しますとわれわれは抱いておるのでございます。そこでこの法案立案の過程におきまして、そういう意味でやっぱりはっきりしなければいかぬのじゃないか、という主張を重ねて参ったのでありますが、いろいろ話がつかなかったものだからこういう形で提案になった次第でございます。先ほど申しました通り、基本的にはそういう考え方で、それで、一般財政が伸びていくということは、やはり、従来のようなひどい状態から地方財政が脱してきて明るくなってきたということは、私はこれは事実だと思います。しかし来年以降どういう形になりますか、これは経済全般の伸びとの問題でございますので、おととしから去年にかけ、去年からことしにかけたような形で果して伸びるか伸びぬか、ということも私たちは率直に申しまして疑いをこれは持っております。そういう意味でございまして、多少かりに伸びたにいたしましても、先ほど申しました道路の緊急性という性格から考えて、それからその事業の伸びから考えて、私はついていけぬのじゃないかという感じを持っておるのであります。現に建設省の方で予定しておられますこの計画は、七千百億でございまして、正確な内訳はまだわかっておりませんが、その計画に基きまして、ことしの補助率でいく場合と、それからそうでない今の道路法の補助率でいく場合と比較いたしてみますると、地方の負担分は五百億は優に違います。そのほかに交付公債の負担分を考えれば六百億くらい変ってくるはずです。交付公債の負担は事業年度に直ちに払うわけでありませんから、多少後年度にずれて参りますが、これもまあ過去の道路の交付公債は償還期に入っておるわけでございますから、そうずれる、ずれると言ってもおられぬ事態になるだろうと思います。かりにそれを無視しましても、五百億というものを四カ年間にかりに分けるというと百何十億地方がそれだけで負担増になるわけでありまして、今の事業費の伸びに伴う負担以外に、補助率が変るだけで百何十億の負担増になる。これはことしの公共事業全体の伸びに伴う地方の負担増から比較をしましても、これは非常な数字でございます。そういうことでございまして、非常にこちらとしては心配をいたしております。その問題はぜひ総合的にお考えを願わなくちゃいかぬじゃないか、という感じを持っておるのでございます。いずれにしましても、明年度のことは明年度法律できめるということに政府として方針がきまっておりますから、われわれは法律制定の場合には、当然そういう前提で制定されなければ、とてもなかなかついて行けまいという考え方で、自治庁としては臨む考えでおる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/72
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073・田中一
○田中一君 まあ本年度は、閣内における政治的な敗戦でこうなったというのならば、三十四年度から以降、三十七年度までの補助率というものは、四年間を通じての補助率を設定するつもりでいるか。本年と同じように年々地方財政の実情から見て、それから整備の状態から見て変えていこうとするのか。三十三年度はこれでいくが、三十四、五、六、七の四年間は今、小林局長が言っているように、割り切って推進するために四年間の一律の案を立てようとするのか、その意図を一つ明らかにしていただきたい。建設大臣並びに自治庁から考え方を表明してもらいたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/73
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074・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 先ほど来いろいろと御質疑がありまして、それに対する従来の経緯を御説明申した点からも類推されてわかると思いますが、この五カ年計画の場合は、やはり本質的にはそれは五カ年間の補助率負担分の基準を示すべきだと思います。ただ先ほど申し上げましたように、現在、臨時特例法がありますので、それが三十三年まで有効であるからということで、私はこうしたと思っております。従いまして、次に別の法律をもって定めるということは、自後の四カ年間を通ずるところの基準を法律に一定するのが至当であると私はさように考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/74
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075・田中一
○田中一君 小林君どうです、三十三年度は、建設大臣は、過去第一次五カ年計画の特例が生きているからやむを得ずこうしたと、第三次のやつは三十四年度から一応それを起点としてやるんだ、別の四年間を通じての負担率をきめたい、こう言っているのですが、自治庁はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/75
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076・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) これはもうお尋ねの通り、私は率直に言えば、この新しい道路整備緊急措置法からそうすべきじゃないか、というくらいの気持を持っておったのでございまして、かりに新しく法律を作るなんというときには、当然に、少くとも来年度以降の場合は一貫してお作りになるべきだ、またそうしなければほんとうの道路財源の立法にならぬじゃないか、こういうふうな気持を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/76
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077・田中一
○田中一君 そこで、それは法律論を根本さんと取りかわす必要はないのですけれども、新しい立法ができますと、古い法律はおおむね死ぬのが常道のように私は思うのです。あなたは現行法の第一次五カ年計画があるからこうした、ということを強弁しておられるけれども、新しい法律の方がやはり勝つ方が常道ではないか、優先するのが常道ではないかと思うのです。もしもそういう点についてあなたが、現在あるところの第一次五カ年計画の五年目が残っているからということで強弁されるならば、その点の優先の問題については、参議院の法制局を呼んで一ペん聞いてみますから、その点は一つ法制局を委員長呼んでいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/77
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078・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) これは私に答弁を求めたかどうか……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/78
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079・田中一
○田中一君 求めません。あなたは強弁しているのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/79
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080・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) これは優先か、あとになるかという問題ではないと思います。これは田中さんの考えは、新しい一つの体系の法律ができるならば、それに合せるように、現行の法律があっても、それを含めても一つの体系を作るべきじゃないか、という意見が本旨ではなかろうかと思うわけであります。が、これにつきましては、もう数次にわたって、この立法に至るまでの各省間の経緯を申し上げたことで、御了解を得られると思うのでありまして、これは法律の優先とかどうかという問題では私はないと思いまするので、私の意見だけを申しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/80
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081・田中一
○田中一君 生まれない法律をもって現在の法律は殺せませんからね。この第二次五カ年計画で第一次三カ年計画の五年目を抹殺すれば、当然、完全な第二次五カ年計画の初年度になるわけです。第二次五カ年計画の法律で、この法律変えるのですから、第一次の五カ年目を抹殺すれば、第二次の五カ年計画の初年度になるわけです。とにかく第一次、第二次の五カ年計画の中では、通算九年をもって第一次五カ年計画、第三次五カ年計画とするということに問題があるのでありまして、その場合には第一次の五カ年計画の五年目を第二次の五カ年計画立法によって殺せば、第二次五カ年計画の初年度になるわけなんですから、第一次五カ年計画五年目が生きておるからなんという強弁は、われわれにははなはだ不可思議に聞こえるものであって、殺せなかったという実情をあなたがさっきからるる言っておるのでしょうけれども一そう了解しておったのですが、やはり二回目も同じように、第一次五カ年計画の五年目が生きておるからその法律を尊重した、という言葉は財政当局から聞く場合にはいいけれども、建設大臣から聞くということははなはだ不満であるということを申し上げたいのです。まあそれはいいです。
では、新設または改築の費用は現行法通りであるというような規定を、今回の法律をもってしておりますけれども、私はこの点は先ほど道路局長がるるとして、道路整備、道路計画のスタートからおくれておるとすればおくれておるのだと、だからそういうような差ができるのだということを言っておるならば、同じような条件に保つには、どっちみちこうして自民党の重要政策の中の道路整備なんですから、この際新設または改築についても、相当大幅な地方に対する補助率の増加は考えられるだろうと思うのです。この点についてまあ建設大臣よりまず自治庁から伺いたいと思うのですが、先ほど道路局長は道路整備、道路計画のスタートからおくれておる県と進んでおる県とがある、それを過去四カ年間経ましたところの第一次五カ年計画の上においても、なかなかそれが取り返しができなかった、こういう説明をしているのです。それならば、私もつぶさに国道を見ておりますけれども、そのおくれを取り返すために、同じ第二次五カ年計画のスタート・ラインにつかす場合には、新設または改築、これについても大幅な補助を地方に与えなければ同じような条件にはならぬと思うのです。こういう点については自治庁は、三十三年度予算編成に当ってどういう主張をなすっておったか伺いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/81
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082・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 三十三年度の予算編成に当りましては、これは従来の五カ年計画の仕組みで予算が組まれておりますので、それと、まあ率直に申しましてこの第一年度ですけれども、道路費はこの程度の伸びてございますから、自治庁としては地方の財政の状況を考えまして、これはこの程度なら十分に今年度は引き受けれると、こういうことでわれわれは了承いたしたのでございます。ですから問題はことしの問題でなしに、ほんとうに今五カ年計画を考えておられるような形で、五カ年間になし遂げるためにはどうすべきかと、国の財源をどうし、地方の財源をどうする、その点を総合的にぜひ考えてもらわなければとてもだめであろうと、ことしは非常に地方財政がよくなったといって——地方の負担分の増はたしかもう七十億しかないわけです、差し引きますと。それは先ほど申しました通り、負担率を下げるだけで百億円以上の金額に変ってくるというようなことになれば、ほかの事業だって当然ある程度延びますし、そういたしますと、私はなかなかその部面から仕事の遂行が制約されるということになりはせぬか。そこのところを非常にわれわれとしては心配いたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/82
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083・田中一
○田中一君 建設大臣その点はどうですか。今の道路局長の言ってるようにスタートから、道路計画、道路整備というものがおくれている県は、過去四カ年たってもおくれを取り返せないと、こういっておるのです。それならば舗装は別としても、まだ改良、改築ができない所がたくさんある。先ほどの下関、小郡間なんかも改築ができておりません。これは現行の負担率ではやはりそのおくれは取り返せないじゃないか。従ってその改築の補助率は現行法通りだというのでなくして、もう少し地方の負担を軽減するような措置をとったならば、おくれを取り返せるのじゃないか。こういうことを今自治庁に質問したわけですが、建設大臣はどういう考えでこの法律を提案されたか。同時にまた財政当局とどういう話し合いをしておったか、全然しなかったのか。その点をお伺いしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/83
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084・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 先日も御説明申し上げたと思いまするが、特に一級国道の問題が、今当面の問題として提起されておると思いまするが、これにつきましては、出発点の差がいろいろあるということもいわれておりまするが、同時にやはり先ほど田中さん御指摘のように、その県における道路政策に重点を入れるかいなかという重点の置き方によっても、必ずしも財政だけでなく、そこの力点の置き方によっても違ってくると思うわけです。そういう観点からして、新設、改築、それから重要路線についての維持補修も政府が直轄でやっていく。こういうことによって、これは相当程度是正されると、かように考えておる次第でございます。ただし補助率がそれだけ多くなれば、地方財政が非常にそれだけ楽になりまするから、スムースにいくという点については同感でございまするが、従来は原則として、これが府県知事にまかしておった、というところに非常なアンバランスができ、また推進がなかったと思うのでありますが、今度は明確にこの法律の裏付けによって措置することによって、これは振興できるのじゃないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/84
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085・田中一
○田中一君 改築の場合はどういうことになるのですか。道路局長から一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/85
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086・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 一級国道の改築の場合につきましては、国が四分の三、府県が四分の一でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/86
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087・田中一
○田中一君 最後に伺いたいのは、むろんこれは当面考えておりますところの千五百キロというものも、第二次五カ年計画の計画の中に入ってるものと思います。そこでこの道路整備緊急措置法の審議のときに、五カ年計画の計画案というものを、案でもやむを得ませんから、案というものをお示し願いたいと思うのですが、その際には、今考えておられるところの千五百キロというものがどの地点であるか、ということを一つ明確にお示し願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/87
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088・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 昭和三十三年度におきましては、お話のように、直轄で維持修繕する区間を千五百キロにみております。五カ年計画につきましては、なお検討中でございますが、相当延長が延びることになろうと思います。ただこの千五百キロがどの地点かということでございますが、この次の委員会までにそれを提出できるかどうか、ただいま検討を進めておるところでございますので、抽象的な、あるいは補充的なことはお答えできると思いますが、区間を示して千五百キロの内容はこうだということはまだちょっとお示しできないかと思いますので、御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/88
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089・田中一
○田中一君 だいぶこの問題については、知事会等が反対をしておったことも御承知の通りです。従って、東京、大阪等主要都市並びにその主要地点というようなことを説明しておりましたけれども、大体において、何もこまかいどの地点がどうだこうだということを言わぬでよろしいから、地点だけぐらいは、これはお示し願えると思うのです。これもむろん五カ年計画は閣議決定でありますから、閣議決定しなかったら責任を負わぬのは当然です。しかしこの際は草案の草案でもよろしい、これは責任を負う必要はございませんから、一応その地点だけでも、せめてこの部分の地点だけでもお示し願いたいと思います。これは何も次の委員会とは言いません今月一ぱいぐらいまでに、この千五百キロ程度のものはお示し願えると思いますから、場合によれば図面に一応のしるしをつけて、わきに数字でもつけてくれればけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/89
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090・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) ただいま道路局の試案を検討いたしておるところでございますが、大臣の御決裁もいただいてないわけでございますので、四月の上旬ぐらいにはお示しできるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/90
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091・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 せっかく小林局長が見えておるのだが、一つ自治庁の見解を伺いたいと思うのですが、御承知の通り、今度建設省が画期的に重要幹線の一級国道を維持管理するということで、従来非常にまちまちであった維持管理というものが、今度統一的に非常に迅速にできるというふうにわれわれ考えておるのです。ところが知事会では非常に全面的に反対をしておるという点について、自治庁の見解を一つ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/91
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092・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 知事会の維持管理についての反対論は、私も詳しいことを聞いておりませんが、この移管につきましては、自治庁自身もこの法案審議のときには大体考えが変っておりましたけれども、いろいろ議論も実はあったのでございます。われわれの気持は、現状の段階において直ちに一級国道の維持管理を国がやるということは、事実上できないじゃないか。日本の一級国道全部について国が維持管理をやるということは、それだけの態勢も要るし、人も要るし、組織も要る、そういうことを現在やるよりも、むしろわれわれの考えは、道路の改良舗装に重点を置くべきじゃないか。そうしてほんとうに一級国道が改良舗装されれば、おのずから管理の形態も変ってくる。砂利道中心のとそうしたりっぱな舗装ができたのと違ってきて、そうなれば、むろん県の境界にかかわりなく、ほんとうの統一した管理形態がとれるのじゃないか。そういう点をわれわれは総合的に考えて、全体の道路行政というものをうまくやっていくためには、現在地方に組織もあるし、機構もあるから、こういうものはすべて活用してやるのが筋じゃないか。そういうような考え方で、直ちに一級国道を今のままで、維持管理を国が取り上げる、ということには少し行き過ぎがある。そうじゃなしに、改良が進むに従って、その部分について国がまとめて管理をやるということを、それは考えられるのじゃないか。こういうことで、いわばこういう形の特定な道路、重要な道路から国が責任を持つという態勢に、自治庁としてはこれは賛成をしたのであります。ただ知事会の言っておられるのは、そういう意味が、あるいはわれわれと同じ考えかどうか知りませんが、そこのところはおそらくは、道路の維持管理などは、地方のいろいろな各般の情勢と相関的な関係にあるし、国道だけでなしに、いろいろな道路の問題、道路の再用の問題、その他そういう問題があるから、むしろわれわれにまかしていいじゃないか。問題は財源の問題じゃないか。金さえあれば地方だってできるというので、金がないからできぬので、国がやるからといってやったって、国だって金がなければできっこない。国か地方かによってそう違いはないじゃないかという気持が、率直に言って私は知事会側にあるのじゃないかと考えておるのでございます。しかし、まあわれわれといたしましては、その金のありなしという問題があるとともに、道路の管理の形態として総合的に考えて、国が一元的にやった方がいいという部分については、私は国が取り上げても一向にかまわぬ。しかし国が取り上げるなら取り上げるような体制と形でぜひ取り上げてもらいたい。たとえば国が管理するといいながら、その経費の三分の二を地方に押しつけてみたり、こういうことはどう考えたって筋が通らぬのであります。国の責任でやる以上は、国の責任を明らかにすべきであって、そういう形はまことに妙じゃないか、やって突き当って地方に回すという形になっては、これは筋が通らぬというのが率直なわれわれの気持でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/92
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093・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 小林君の話は仮定のもとにおいて否定をするような口吻が見えておるのだけれども、要するに今度は、国が政策としてこの幹線道路を、七年間に一級国道を全部改修し、舗装をするということならば、当然それに対する国が責任をもって、あなた方今、心配するようなことは、知事会の方でも心配するようなことは絶対ないと思うのだが、しかも従来の経過からみると、府県がその舗装なり改修をすれば万事終れりというような傾向になると、この幹線道路はやはり永久に国の幹線道路として確保するということを、国自体がとったということは、非常に僕は進歩だと思うのです。だから自治庁でも、知事会からいろいろのことを言っておる、知事会をもっと啓蒙してもらいたい。どうも自治庁の考え方は知事会のプレッシュアによってあっちに寄り、こっちに寄りするというような傾向が僕は見えて仕方がない。少くともタイアップしてこの幹線道路を一日も早く完成し、また維持管理も完備してもらいたいというようなことを一つやってもらいたい、とこう思っておるのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/93
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094・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) これは知事会の考えと私はこの点については多少違っておるかもしれません。われわれ自身はこの案に、その形態は賛成も実はしたのであります。ただ申し上げます意味は、今の現状で直ちに、たとえば五カ年間か七カ年間かで要するに舗装が完了するわけですが、そうでなしに、今日ただいま日本中の道路を国が直轄で維持管理できるか、そういうことになってくると、やはりこれはむしろマイナスになるのじゃないか。そうなればむしろ国の組織を、ダブっておかなければならぬ。そのために経費も要りますし、それからどうせ砂利道などが中心でございますから、そうなればそういう砂利道中心の管理形態を考える、それはおかしいのじゃないか。それは今はともかく改良舗装に重点をおいて、一日も早く五カ年を待つ必要がない、三カ年間でもやった方が私はむしろいいと思います。そういう意味で国の力というものは集中的に改良舗装をやる。そうして改良舗装ができた部分には、これはおそらく管理の形態が全く違うと思います。そういう意味で管理の形態がとれるような所から国の管理とした方が適当じゃないかこれは自治庁の見解です。そういう考え方は知事会の見解に対しては私は変らず申すつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/94
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095・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 今、小林局長の話は、私も、最初建設省が一級国道も、日本の一級国道九千キロにわたってこれを維持管理するというような案を示されたときはへ非常に反対したのです。今、あなたが言う通り、何も全然交通量の少い所、またほとんど未改修のところを維持管理をするということになれば、すべてのことがダブってきてむちゃくちゃに費用を要する。それならばその費用をもって必要なところの道路を改修なり舗装するということが最もいい。ところがだんだん建設省も反省したか、あるいはまたそのいろいろの問題をしぼって千五百キロの既改修で、しかも舗装してあり、あるいはまた今後舗装しなきゃならぬというものに限定したのだから、だからそういう面から見ると、知事会が反対するという根拠は非常に僕は薄くなったと思う。また将来この五カ年計画でなりあるいはこの七カ年で、日本の一級国道が完成した場合においても、やはりこの統一的なすべての舗装なりあるいは管理ということが最も必要になってくると思いますから、その点は十分お含みの上で一つ知事さんの方にお話し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/95
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096・田中一
○田中一君 この三十三年度の千五百キロの、これを国がこのような法律の改正によって実施した場合、地方の財政はプラスかマイナスかという点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/96
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097・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) これは今の維持管理は、従来は全部県の負担でございます。それからみればともかくもキロは少いかもしらぬが、その部分について三分の一は少くとも国が一応負担をする。それだから三分の一分だけは地方、得じゃないか、差し引き計算をすれば。そういう理屈は金の面だけならば成り立たぬわけじゃ私はないだろうと思います。われわれの議論しておるのは、そういう金の面のことでなく、これは建前の問題、国がやる以上は国が責任を持つ、地方にまかせる以上は地方に責任をとらせる。その態勢をはっきりさすべきじゃないか。直轄であるといいながら地方の方に三分の二を負担させるというようなことになれば、これはもう国の責任、地方の責任、負担区分などというものは全く乱れまして、これは筋違いになる。こういうのがわれわれの考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/97
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098・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 今の小林君の議論は、建前から、国が維持管理するから全額でやると、こういうことが望ましい、こう言っているのだけれども、僕の方ではやはり付近の受給者の負担ということがあるのだから、その道路改修をすると、その近所のものが、その県のものが相当の利益を受けるのだから、その利益に対するその報償として何がしかを負担しなきゃならぬ。こういうとだと私は思うのだけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/98
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099・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) それはそり通りでございます。私はまるまる国か持てという気持は一つもございません。これは道路だって川だって地方が応分にもってしかるべし、そういう考えを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/99
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100・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) ほかに道路法り一部を改正する法律案についての御質疑ございませんでしたらば、一応こり問題につきましては御質疑を保留いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/100
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101・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 次に道路整備系急措置法案につきまして、御質疑をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/101
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102・田中一
○田中一君 、五カ年計画の閣議決定はいつごろするつもりでおりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/102
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103・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) これはこり法律が成立してから後、関係各省と協議をしてやることになるわけでありまするが、今のところはっきりとした見通しはございません。閣議決定するまでには各省の意見調整の上、さらに道路審議会の議を経なきゃなりませんが、一番問題になりまするのは、私は、今ここで御議論なさっておる負担率、補助率の問題が相当問題になるだろうと思います。必ずこれが一つの前提条件となって論戦がかわされると思います。その点に時間がかかるのじゃないかということと、それから、具体的に路線決定の場合、これには単に自治庁、大蔵省、私の方のみならず経済企画庁、運輸省、農林省、それから、通産省が関係して参るわけです。そういう観点からいたしまして、せっかく作る場合においては、やはり関係各省が全部共同の責任をもってもらわなきゃなりませんので、若干時間がかかりますので、今いつごろということをはっきり申し上げることははなはだ困難でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/103
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104・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) ちょっとお諮りいたしますが、小林財政局長まだおいで願った方がいいんでしょうか。お帰りになってよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/104
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105・田中一
○田中一君 けっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/105
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106・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) それでは質疑を続行して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/106
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107・田中一
○田中一君 そうしますと、まあむろん負担率の問題が相当重要だと思うのです。従って三十三年度やってみなきゃわからぬなんてことはないでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/107
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108・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 今田中さんの御指摘になったのは、例の負担率の問題と、これが三十三年度にやってみなきゃわからぬ、ということになりやしないかということですね。これは私はかなり可能性があるんじゃないかと思います。そういうふうに推されることは、五カ年整備計画を立てるときに事業量を、路線はきめてもあとは別の法律をもって定めるということになってくるということで、これは大蔵省と自治庁の間がなかなかまとまらないじゃないかというのが、私の今の率直な見通しです。そこで問題は、事業量その他からずっとやっていけば、逆にそれを根拠としてこういうふうな計画、こういうふうな路線でいくとして、どこの県がどれだけの仕事をするという場合、その県の財政状況からみて、これは困難じゃないかというような議論が、むしろ自治庁から出ることによって、この問題の現実的な論議に入り得るのじゃないかと思います。そうでありませんと、観念論でいきますと、これはなかなか困難じゃないかと思いまするので、そういう意味で少しおくれるだろうと思いますので、それにいたしましても、事業量の方から、路線の方からきめていった方が私は進めるためにはいいじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/108
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109・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/109
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110・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 速記始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/110
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111・田中一
○田中一君 今速記のないうちに建設大臣がいろいろ内輪の話をしましたが、その通りと思うのですよ。だからね、第二次五カ年計画はないですよ。自民党が一生懸命大政策として道路政策を出すという、今度の選挙にもぶっておるかもしれないけれども、それは計画になってないのです。第一次五カ年計画の五年目なんです、しょせん。そこで、それはそれでもよろしいですから、せめて第二次五カ年計画を打出した以上、建設省の草案として持っておる負担率は、必ず路線だけでも草案を出していただきたい。これは金の問題はかまいません。草案としてこれを早い機会に当委員会に資料としてお出し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/111
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112・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 今度の政府の五カ年計画が、第一次のあと始末だけだという御議論は御議論として拝聴しますが、道路整備緊急措置法に基く五カ年計画の内容の問題は、先ほどお話しした通りでございますが、建設省の草案はなるべく早く出したいと思います。実は先ほども衆議院においてこの建設委員会でも、これが討論採決されるに当りましてその内容を示せという御要請がありましたので、四月中には建設省の草案はお示しすることにいたします。それと同時にこちらにお示しするのが至当だと思います。そのように取り計らいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/112
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113・田中一
○田中一君 私としてはその計画が提示されなければ、当委員会の採決等は待つのが正しいあり方ではないかと思うのです。これは金は……今言う通り全体のものとしてはお示しになる通りと思いますけれども、負担率が違うことは政治的に大きな問題なんです。そこでいつごろまでに出せるか、まあ国会は五月十八日まで会期がございますから、それまでに採決をしてもいいわけでございます。しかしながらこれは社会党として申し上げておるので、しかし予算に関係が深いから、三月一ぱいにせよと言うならば、三月一ぱいになるべく五カ年計画をお出し願いたい。かように考えておりますが、その約束は大臣できますか、大臣の答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/113
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114・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 先ほど申し上げた通り衆議院における要請に対して、四月中に草案を差し出しすることを約束しましたので、それと同時にこちらにも御提出申し上げたい、こう申し上げておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/114
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115・田中一
○田中一君 衆議院は衆議院、参議院の場合は三月一ぱいまで、この法案の採決までにお出し願うことの方が非常に国会の運営としては正しいあり方ではないかと思うのです。きょう業界新聞を見ますと、一応要綱程度のものを発表しておりますから、それで厳密な意味において路線が変更されることはむろん認めます。閣議決定になっておるから認めます。認めますから草案の草案でもいいから、政府として期待しておる本法案の採決までに並行してお出し願うことが正しいと思います。またそうでなくちゃならぬと思いますので、その点をもう一度、衆議院側に出すからそれをまたこっちに回すというのじゃなくて、参議院は参議院として、まあ三月一ぱい程度までに草案をお出し願いたい。路線の変更はこれはやむを得ません。そうしてそれがまた衆議院に資料として提出する段階において、参議院に提出された資料と相違がありましても、一向差しつかえがありませんから、一応参議院には三月末までにお出しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/115
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116・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) できるだけ御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/116
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117・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 御質疑の方は御発言願います。……それでは三法案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめまして、本日はこれで散会いたします。
午後三時三十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01219580313/117
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