1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年三月二十九日(土曜日)
午後三時四十六分開会
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委員の異動
本日委員松岡平市君辞任につき、その
補欠として川口爲之助君を議長におい
て指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 竹下 豐次君
理事 稲浦 鹿藏君
西田 信一君
田中 一君
委員 岩沢 忠恭君
斎藤 昇君
中野 文門君
内村 清次君
村上 義一君
森田 義衞君
国務大臣
建 設 大 臣 根本龍太郎君
政府委員
自治庁財政局長 小林與三次君
建設省道路局長 富樫 凱一君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
説明員
大蔵省主計局主
計官 松永 勇君
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本日の会議に付した案件
○道路整備緊急措置法案(内閣提出、
衆議院送付)
○道路法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
○日本道路公団法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
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001・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) ただいまより建設委員会を開会いたします。
委員の変更について御報告いたします。
本日松岡平市君が委員を辞任され、その補欠として川口爲之助君が委員に選任されました。
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002・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) これより本日の議事に入ります。
道路整備緊急措置法案、道路法の一部を改正する法律案、日本道路公団法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/2
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003・田中一
○田中一君 前回の委員会で要求しておきました資料が提出されておりますが、これに加えて建設省から提出されるように要望しておきましたが、第一次五カ年計画、閣議決定の実施計画及びその計画の実績を資料としてお出しを願うことになっておりますがまだ出ておりませんが、どうなつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/3
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004・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 本日持って参りましたのでただいま、お配りいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/4
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005・田中一
○田中一君 自治庁まだ出席しておらないようでありますから、じゃ建設省の方からこの資料について御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/5
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006・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 道路整備費の財源等に関する臨時措置法に基きます道路整備五ケ年計画は、お手元に差し上げてありますようなことで、昭和二十九年五月二十日に閣議決定されております。これは一級国道、二級国道、主要地方道、その他の地方道、修繕等に分けまして、それぞれ事業量、修繕等については金額をきめられております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/6
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007・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) ちょっと道路局長に申し上げますが、遠いので声がよく通りませんので、もう少し大きな声でお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/7
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008・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) それで、この閣議決定の資料は事業量で定められておるわけでございまして、金額の入つておりますのは修繕、機械費、調査費等だけでございます。そのあとにこの閣議決定の参考資料として出されました道路整備五カ年計画策定基準が参考につけてございます。そこでこの五カ年計画の実績でございますが、お手元に道路整備五カ年計画実施状況調べというのがお配りいたしてございます。これは一番左の方に五カ年計画をあげまして、その次の欄に昭和二十九年から三十二年度まで実施いたしました実績をあげております。それから昭和三十三年度、この五カ年計画は昭和三十三年度まであるわけでありますが、昭和三十二年度までに実施いたしました事業の残量を三十三年度にきまりました予算額で実施いたしたとした場合の事業量をそこにあげておるわけであります。それで昭和二十九年度から三十三年度までの合計を一番右の方にあげてございます。なおこれの年度別がその次の表に出ております。昭和二十九年度、昭和三十年度、昭和三十一年度、昭和三十二年度まで年度別にあげております。これでごらんいただきますように、総括表で申し上げますが、昭和二十九年度から三十三年度までの合計、これは事業費で二千七百七十一億九千二百余万円を使っておるのでございます。この閣議決定されました事業量を実施いたしますためにどのくらいの事業費が要るかというのを、別に参考資料で提出いたしたのでございますが、その際には、二千六百億となっておったのでございます。その二千六百億が二千七百七十一億余万円になっております。従いまして、事業費の方では、計画の事業費よりもよけい使ったということになるわけでございますが、これで進捗率はどうなるかと申しますと、この合計欄の進捗率を見ていただきますと、一級国道の道路におきましては七六・九%、橋梁におきましては八〇%、舗装におきましては九四・八%。それから二級国道の道路では七三・七%、橋梁では八四・九%、舗装では八四・五%。主要地方道の道路が七一・二%、橋梁が七六・三%、舗装が八五・四%。その他の地方道が、道路が八〇・九%、橋梁が七七・八%、舗装が一一六・三%でございます。
こういうような実績を示しておるわけでございますが、事業費がふえておりまして、進捗率が一〇〇%に満ちておりません。これは、この計画が策定いたされましてから実施いたします場合に、当初の計画と変りまして、交通量が非常に多くなってきたということのために幅を増大する分ができましたり、また用地費等の単価が上ったという点もございますし、また全般的に路床、路盤に力を入れて単価が上ったということもございます。もう一つは当初計画いたしました線が、その後の事情で金のかかるところを実施しなければならなくなったということもございます。それは、たとえば、当初第二阪神等につきましては比較的小さな計画を立てておったのでございますが、その後の状況から、この第二阪神は早急に完成する必要が起って参りましたので、これらに大きな事業費を入れたということがございまして、それらが原因いたしまして進捗率はお示しいたしましたような進捗率になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/8
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009・田中一
○田中一君 この総括表のうち、二十九年度から三十三年度の合計、この中に事業費と予算額というものが含まれておるのでありますが、三十三年度の分は、予算額は、事業費という組み方を—表わし方をしたのか。三十三年度はまだやっておらぬのですからね。これどういう内容になつておりますか。従つて、三十三年度は事業費と予算額とは同じものであるということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/9
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010・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 三十三年度は、先ほど申し上げましたように、三十三年度にきまりました予算額で事業を実施いたすとしますと、当初五カ年計画に定められておった事業をその予算で実施いたしました場合を仮定いたしまして、事業量を出しておるわけでございます。で、昭和三十三年度の事業費は八百四十六億になっておりますが、予算額が六百五十億九千七百万円、こうなっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/10
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011・田中一
○田中一君 一級国道の場合ですね。三十三年度予算額は二百二十四億八千二百万、一級国道でね。ところが事業費は二百四十億一千六百万になつておるのですがね。予算額よりも事業を余分にするということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/11
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012・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) この一級国道の実施の中には、補助の分も入っておりますので、予算額よりも事業費の方がよけいになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/12
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013・田中一
○田中一君 それではね、はっきりと補助の分の内訳もお出しにならないと、これではのみ込めないわけですがね。事業量というもののうちから、国の直轄の分も入って総事業費にならなきゃならぬわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/13
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014・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) この一級国道の分を直轄と補助に分けるというお話でございましょうか。この一級国道の分につきまして、直轄と補助と分けたらどうかというお話でございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/14
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015・田中一
○田中一君 ちょっと頭に入らぬわけなんだ。予算額はわかります、これは。予算額はね。事業費というものも一応わかります。で、従ってこの事業費の内容は、これ国庫負担のものと、地方負担の、補助工事の場合には地方負担が入つておるということ、それからもし第一次五カ年計画に県単工事があったとするならばそれも含まれておるかどうか、その点が不明です。従って、七六・九%という進捗率は、どこからこういうものを示されるかということもわからないわけです。どうして七六・九になるかということはわかっておらないわけですね、この場合には。これはあなたの方の持っておるものから、こうなりましたという報告にすぎないのです。だから、予算額はこれは間違いないでしよう。事業費の中には、道路整備五カ年計画の閣議決定によった計画の実施に当って、当時県単独工事というものがこのうちに幾らくらい入っておって、それから国の直轄分もあるはずですから、直轄分がどれだけ、補助工事はどれだけということにならぬと、ただ数字をここに書き立てただけであって、根拠が明らかにならぬのですね。それは、そういう資料は……私はそういうものがほしいと思つたのですが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/15
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016・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) この五カ年計画は県単独事業を含めておりません。で、この五カ年計画にありますものは国の直轄か補助事業かでございます。
一級国道の直轄補助につきましては、ただいま調べましてお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/16
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017・田中一
○田中一君 そうしますと、第一次五カ年計画は大体の、閣議決定になったものを見ますと、事業量を示して、そうして資金はどこで示しておるのですか。総括的にこの五カ年計画策定基準で示しておるが、もう少し詳しく説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/17
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018・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) この閣議決定になりました分は、これは事業量で閣議決定になった分でございます。そこでその参照書といいますか、の中には、事業費を入れたわけでございますが、これは当初五カ年計画の欄を見ていただきますとありますが、合計が二千六百九億七千八百万とありますが、これが五カ年計画の総事業費でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/18
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019・西田信一
○西田信一君 事務局案という形で五カ年計画の構想をお示しになったものを頂戴いたしましたが、この道路局試案によりますと、五カ年計画の構想は、金額で大体の構想は示されておるようでございます。
そこでお聞きしたいのですが、この前立てとれた、実施されておる五カ年計画は、閣議決定におきましても事業量でこれが示されておるようでございますが、この点は今度の計画ではどういう計画になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/19
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020・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 新道路五カ年計画の事業量で決定いたすつもりでございます。ただいまお出の——いたしておりますのは試案でございまして、まだ単価等の点がきまりませんので、事業量まで出すに至らなかったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/20
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021・西田信一
○西田信一君 次に、この法律が通つて、この道路整備五カ年計画というものが通った場合に、いつごろまでにこの計画は樹立されるのでしょうか。その時期をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/21
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022・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) この道路整備緊急措置法によりまして道路整備五カ年計画を立てるのでございますが、原案をただいま作成中でございますが、これができますれば、関係各省と連絡調整の必要もありますし、また、道路審議会にかける必要もございます。ことに道路整備の大きな計画を立てるのでございますから、関係の学識経験者の意見も十分お聞きいたしまして、できるだけ完全なものを作りたいという考えでございます。従いまして、これができ上りますのはまだ相当の日数を要すると思うのでございますが、衆議院の方におきましては四月中に建設省の素案をお出しすることをお約束いたしたわけでございますけれども、閣議決定になりますのはもっとおくれることになろうと予想いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/22
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023・西田信一
○西田信一君 次にお尋ねをしたいのは、この示されておる事務局案によると、この示し方が、全体計画の中に内地分、北海道分というような分け方で示されておるようでございますが、現在の臨時措置法による五カ年計画にはこういう地方、地方といいますか、北海道は予算の関係で分けてあると思いますが、北海道という意味でなくて何か地方別の計画というようなものが具体的に内容として盛られることになるのかどうかという点をお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/23
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024・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 閣議決定になります部分は全体についての事業量になるのでございまして、地方別等にはいたさぬ考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/24
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025・西田信一
○西田信一君 地方別にはならないということでございますが、しかし、内容を地方別にといいますか、そういう積み重ねたものが結局閣議決定の結論になるのだと思うのですが、そこで、非常に論議されておる地方との負担関係等ずいぶん論議されておりますが、そういうことも含めまして、さらにまた先ほど建設大臣が申されましたように、地方から非常に強い要望がある。こういうことも伺ったわけでございますが、そこで地方公共団体つまり都道府県等の考え方、希望あるいは意思、こういうものはこの計画にどのように取り入れようという御方針であるか、これを一つお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/25
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026・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) まず総体的に基本方針を立てまして、その基本方針の中には、一級国道、二級国道、主要地方道、その他の地方道路に分けまして、それぞれの目標をきめるものであります。その目標に従いまして道路整備計画を立てるわけでございますが、具体的には各都道府県からそれぞれの計画をお出し願いまして、それに基きましてこの五カ年計画を作るつもりでおります。閣議決定されますのは、このようにして積み上げられました計画の総括表といったものが閣議決定されるわけでございまして、これは事業量で示されるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/26
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027・西田信一
○西田信一君 その都道府県等から要望をとりまとめるということでありますが、それは単に補助事業等に関するものだけでなくて、全体計画について都道府県の意思を聞こう、こういうお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/27
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028・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) これは全体について御意見を伺うのが筋だろうと思いいますけれども、一級国道の直轄につきましては地方建設局、北海道におきましては北海道開発局がそれぞれの計画を立てております。その計画に基きまして直轄の計画は立てたい考えでございますが、実施いたします場合にはそれぞれの都道府県とよく協議する考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/28
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029・西田信一
○西田信一君 その点はよほど上手にやっていただかないというと、地方建設局あるいは北海道開発局等と都道府県との意思疏通が十分参りませんというとまずいと思いますし、またあるいは先にそういう計画を出す前に都道府県と話し合いをするということも一つの方法と思うのですけれども、これは一つ十分にやっていただきたいことを希望するにとどめておきます。
次にこの五ケ年計画ですが、この五カ年計画は、金額、事業量で示されるということであるが、金額におきましてもすでに初年度は平均よりもずっと落ちておる、下っております。そこでそれは事業の年度配分はどんなふうに考えておられるか、およそずっと平均にやっていくのか、あるいはそれでなくやるのか、この点はどういうような御方針でございましょうか。これは大臣から伺った方がよろしいと思うのですが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/29
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030・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) いろいろ考え方がございまするが、現在われわれといたしましては、経済の発展の伸びとも関連いたしましてスライドして参りたいと思います。均分制ではなくて、初年度は少いけれども、漸次スライドして後年度に事業量を増す、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/30
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031・西田信一
○西田信一君 この経済の伸びと並行してやっていこうという御方針のようでございますが、この措置法によるところの計画も、これは完全に計画通り進んでおらない状況に考えましても、そういう行き方はこれは当然とは思いますけれども、結局五カ年間の事業量を全部消化するということについては非常に危険といいますか、結局その経済の伸びが思うようにいかなかったというようなこと、あるいは財政上の理由等で、そういう危険も多分にあると思うのですが、そういう点は完全に実施する建前から果して適当かどうかと思いますが、何かもう少しそういう御配慮の余地がないものか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/31
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032・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) この財源のおもなるものがガソリン税になっておるわけであります。従いまして漸次経済の伸びとともに出て参るという点も一つの理由でございますし、なおまた御承知のようにこのような大きな事業をやる場合には相当これが用地買収に時間と経費がかかるのであります。従いまして用地買収の方をある程度まで確かめてからでないといけない点がありますので、初年度からずっと工作を進めて参りまして、それに見合う財源措置はいたそうと、かように考えましてスライド制度を一応考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/32
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033・西田信一
○西田信一君 お答えになることはよくわかるのでございますけれども、この財源との見合いによってやはり予算を組むということはこれは必要なことでございましょう。しかしながら特別会計で借り入れるという道も開かれておるわけでございますから、まあ用地買収等がおくれたために仕事が実施できないということであればやむを得ませんけれども、そうでない限りにおいては、一方経済の伸びあるいはまた経済の伸びから生ずるところのガソリン税の徴収、こういうものともにらみながら一つの見越しをつけながら、やはりそこに何といいますか、借入金等の措置によって、もう少しこれは事業量を均等化していくというこつとでないと、たとえば予算の面だけでなくて、事業を消化するといういわゆる技術的な面からもどんどん最後に非常に多くしよい込んでいくということは非常にむずかしいのじゃないかと考えますが、その点はもう少し御配慮をちようだいしたいというように考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/33
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034・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) そういう私見もありますので、スライドと申しましても急激なカーブは描かずに、できるだけゆるやかなカーブで参りたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/34
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035・西田信一
○西田信一君 次に雪寒道路のことについて一つ伺います。
今度雪寒道路もこの法律の中に取り入れて参らるるようになるのでありますが、実は私は北海道の事情をよく承知しておるから特に北海道を例にとって申し上げるわけでありますが、北海道等におきましても、このせっかくできた制度が十分に活用されないために非常に困っておる面が多々ございます。北海道ではたしか予算も現在の半分くらいをちようだいしておるようですが、二千キロ程度しか行っておらない。しかも一級国道、二級国道、主要道路等だけでありまして、市町村道には直接の除雪ということはやつておられません。しかもそれの延長は非常に多いものでございますし、今申し上げますように直轄のものでも半分ぐらいしか行っておらないということであります。昨年も実はこの委員会で申し上げたと思いますが、函館から上磯を通つて木古内に行く二級国道ですが、これが飛び飛びにしか除雪をやっておらない。それで実は木古内の大火のときに自動車が通れなくて途中まで行って、途中から汽車に積んで持って行った。そのために大火が済んでしまつてから自動車が着いたというようなことが起きておる。そこで、もう少し除雪を、少くとも主要な道路は全部やってもらうというくらいに徹底してやってもらいたいが、この予算を見るとそのほかに補助等については相当の額を盛られておるようでありますが、この五カ年計画ではそういう主要な国道等はほとんど除雪をする。あるいはまた市町村道等についても主要なものは除雪費をつまり除雪を補助か何かの形でやろうというような構想をもっておられるのでございましょうか。いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/35
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036・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 雪寒道路につきましては現在五カ年計画があるわけでございますが、一年のずれがありますので、六カ年計画にして、そのうち五カ年計画を新しい道路五カ年計画に上げる構想でございます。お話のようにこの雪寒道路事業の対象になる路線は非常に多いのでございますが、今きめられておる五カ年計画におきましても北海道におきましては、相当パーセンテージを上げて割り当てておるわけでございます。特に北海道におきましては、内地よりも基準を下げておりますし、また市町村道については、特に北海道だけ実施し得るようにいたしておるのでございます。お話の点もわかりますが、この新しい五カ年計画につきましては、十分その辺は検討いたしたいと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/36
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037・西田信一
○西田信一君 御考慮下さるということでありますから、市町村道等についても、その直接除雪に対する補助の道を開くという御意図があると、このように理解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/37
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038・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 北海道につきましては、現在でも市町村道について補助をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/38
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039・西田信一
○西田信一君 それは、直接の除雪費に対する補助をやつておらないでしよう。直接除雪、つまり直轄のやつは除雪をみずからやっておりますが、それと同じようなことを補助金の形においてやれないかと思うのですが、それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/39
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040・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 北海道の市町村道は直轄で除雪はやつておるのでございますが、補助のことを考えるかどうかのお尋ねでございますけれども、この点につきましては今後検討いたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/40
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041・西田信一
○西田信一君 大臣にお聞きをしますが、北海道開発法とこの法律の関係についてお聞きするわけでございます。
北海道開発法というのは、北海道の経済、国全体の経済の復興、人口問題解決のために、北海道総合開発計画を立てると、従って、この計画の調査、立案あるいは事業の実施に関する事務の調整等を、北海道開発庁の職務権限にされておるわけであります。それで、従いましてこの開発計画について調査する、立案をするということが北海道開発庁の権限の範囲内にあると思うのでありますが、そういう点から考えまするならば、北海道についての、しかも北海道は、この法律に基きまして、第二次五ケ年計画というものが、大綱が定められまして、そして閣議決定までも済んでおるわけでございますが、そのうちの道路五カ年計画というものも、北海道開発庁は立案をしなければならない立場に置かれておると考えるわけであります。ところが、この法律ができまするというと、今度は、建設大臣が、北海道分についても五カ年計画を作るということになろうと、そういたしますというと、何と申しますか、非常な競合が生ずるといいますか、あるいは見方によっては職務権限がこちらに移るといいますか、侵害されるというと、これは言葉は大へんおかしいかもしりませんが、そういうようなことになりはせぬかと思うのですが、この間はどのように調整をされるお考えでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/41
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042・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいまの御質問兼御意見はまことにごもっともな点でございまして、北海道の道路整備計画につきましては、事前に開発庁と十分協議いたしまして決定することになっております。ただこの場合、今御指摘にはなりませんでしたけれども、一部には、そういう観点から、この政令を定める場合において政令で協議するということを規定したらどうかと、こういう御意見もあるようでありまするが、御承知のように、道路整備緊急措置法案には、一般的な施行政令に委託するところの規定がございませんし、また従来もこういうふうな規定がありませんので、十分に、この点については検討してみたいと思いまするが、ただいまのところ、政令でこれを規定することは非常に困難じゃないかと、そこで、そういう場合におきましては、北海道開発庁と建設省と覚書を明確にしておきまして、いわゆる競合とか、あるいは意見の対立によってまずいことが起らないように十分善処いたしたいと思ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/42
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043・西田信一
○西田信一君 私の指摘したことは事実であるが、それに対する解決方法として、できれば政令に持ってゆくことも考えているけれども、政令に持って行くことが困難な面もあるようであるから、その場合は覚書でと、こういう御答弁のようでありますが、これは果して私も十分勉強しておりませんからよくわかりませんが、私は政令でできるのじゃないかと思います。ということは、土地改良の特別会計を作りました場合に、土地改良法の施行令で、「(北海道の区域内において行うものにあつては、農林大臣の定める基準に適合するものに限る。)」と、それが第五十条の三の規定でございますが、その第四項に「農林大臣は、第一項第一号又は第二号の規定により基準を定めようとするときは、北海道開発庁長官と協議しなければならない。」、こういう政令で実施されているのでありますが、これと同じような考え方からするならば政令にゆだねることができるのじゃないかと思うのでございますが、この点はいかがでございよしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/43
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044・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 土地改良法の問題は、今西田さんがお示しになりましたように、これは基準をきめる、こういうところでありますが、今度はこの実施計画のことでございまして、しかもそれが先ほど申し上げましたように、緊急措置法案が、たとえばそれは政令で定めることならば政令で定めるべきところの法律上の根拠がなければ、これは施行政令ができないわけでございます。そういう意味におきまして、従来の法律解釈からすれば、そういう形になておりますので、私は非常に困難ではなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/44
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045・西田信一
○西田信一君 大臣は困難だとおっしやいましたが、これは一つ今後、私も研究は十分だとは申しませんけれども、できるのじゃないかという根拠を申し上げますれば、それは北海道開発法、この第五条で、読んでみますと「北海道開発庁の所掌事務の範囲は、次のとおりとし、その権限の行使は、その範囲内で法律(これに基く命令を含む。)に従ってなされなければならない。」そうしてその一号に、「開発計画について調査し、及び立案し、並びにこれに基く事業の実施に関する事務の調整及び推進にあたること。」、こういうふうにございますからして、この「その権限の行使は、その範囲内で法律に従ってなされなければならない。」というこの法律というのは、この度制定されようとするこの法律ですね。これを指し得るかと私は考えるのですが、その点はいかがでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/45
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046・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) この点は法律的な専門的な解釈の問題でありまするので、政令で定める場合には、十分法制局の意見等も参酌して、善処いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/46
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047・西田信一
○西田信一君 大臣のお気持はよくわかりました。十分御検討いただきまして、そうして法律上できるということになるなれば、政令によっていただく、それからそれが不可能な場合におきましては、政令によると同等の効果のある覚書を取り交してその間の調整を十分やっていただく、そのことは単なる計画の樹立だけではなくて、計画の変更、すべてを含んで、そのような覚書を取り交していただく、そのようにしていただきたいと思いますが、そのように理解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/47
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048・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 御趣旨に沿うように努力をいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/48
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049・西田信一
○西田信一君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/49
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050・森田義衞
○森田義衞君 今の質問に関連いたしまして、一言だけ確かめておきたいと思いますが、この前の五カ年計画ですね、当初の策定基準にございますように、二十九年度以降五カ年間に、その総額といたしまして、事業費を二千六百億円出す、そのうち国費を千六百八十億円といったような想定でございまして、この道路実施計画を今年の予算も含めてでありまするが、みますると千七百七十一億になって、事業費の面においてはふえているが、事業量ではそういかなかったという御説明があったのですが、このうち国費の使つた部分は幾らになっているか、そうして揮発油税はこの五カ年間におきまして増徴もあったわけでありますが、そういったことを予想されて千四百億円と当初やられたことかどうかわかりませんが、一応そのうち揮発油税がどれだけ占めておるかといった内容をお示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/50
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051・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 直ちに取り調べましてお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/51
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052・森田義衞
○森田義衞君 それから次の新しい五カ年計画ですが、これが九千億になっておつて、そのうち地方公共団体だけで実施するものを除きますと七千百億になっておりますが、前の五カ年計画の二千六百億といったものとこの九千億が見合うのですか、七千百億が見合うのですか、どちらが見合うか御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/52
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053・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 前の二千六百億に対応いたしますものは五千六百億の分でございます。前の計画には県単独事業も含めておりませんし、有料道路も含めておらなかったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/53
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054・森田義衞
○森田義衞君 先ほど建設大臣からこの九千億なりあるいは七千百億といったような、私ども道路整備ではこういったような緊急整備をぜひ必要としてもらいたいのでありますが、本年度はそれほどの額も出ておりませんから、順次経済の拡大その他に見合つてこのような目標に向つて実施をはかりたいといったお気持よくわかりますが、その中で国費として、この前にも五カ年計画をお出しになりましたときには、一応先ほど申し上げましたように、事業費において国費を見込んでおるものでございますが、そのうち揮発油税を見込んでおりますが、揮発油税においてどれだけの国費をお見込みになる御予定でおありになるのか、その御予定があればお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/54
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055・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 新しい五カ年計画におきましては国費を現行の率で参りますと四千五百七十五億、このうち純国費が約四千二百億になるわけでございますが、この分に見込まれますガソリン税は三千六百億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/55
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056・森田義衞
○森田義衞君 そういたしますと、三千六百億といいますと、前のこれまでの五カ年では千四百億だったというものが三千六百億と二倍何ぼかに私はなると思うのでありますが、そういったような何と言いまするか、ガソリン税の増徴は少くともガソリン税の値上げを期待しないでお見込みになれますかどうか、その点のお見通しもお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/56
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057・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 私新しい五カ年計画には現行のガソリン税率をとっておるわけでございまして。足りない分は先ほど申し上げましたように、一般財源とそれから借入金を予定いたしておるわけでございますが、これだけのガソリン税が見込まれますれば、他の財源につきましてはまだ大蔵省とは折衝しておらぬのでございますが、全体計画については御了承を得ておりますので、財源措置はできるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/57
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058・森田義衞
○森田義衞君 そういたしますと、現行の税率をもって将来の五カ年において三千六百億見込むというのが現在の見通しでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/58
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059・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/59
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060・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) ほかに御質疑はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/60
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061・田中一
○田中一君 先日前委員会に提出された資料の第二次五カ年計画の草案の草案といいますか、建設省案というものを拝見してみますと、これと昭和二十九年五月二十日に閣議決定になった計画との根本的な相違点、それをまずお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/61
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062・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 相違点と申しますと、一つにはこの新しい道路整備五カ年計画は特別会計をもって実施しようという考えであること、それからもう一つには、この新しい五カ年計画には有料道路も含めたということでございます。なお前の五カ年計画は財源の方が先になりまして、その財源に合うように道路計画を定めた点もございますが、新しい五カ年計画につきましては、一級国道につきましては何カ年に完成するという一つの完成目標を立てておるわけでございますが、これらの点が変っておる点と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/62
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063・田中一
○田中一君 当然道路整備計画も前進しておるのですから、相当な相違点というものが、よりよい計画が第二次には策定さるべきものと私は信じております。そこで第二次五カ年計画の草案には一応金額で表わしてある、たとえば計画の概要というものを。そこでわれわれ知りたいのは、常に第一次五カ年計画の事業の実施状況というものは、年度々々の計画は持たずして、その年度の財政状況を勘案して、もうそれこそ事務局が大へんな苦労をして大蔵省と折衝をして、これらの予算を獲得して事業を遂行したものと思うのです。一方きよう提出された資料、道路整備五カ年計画実施状況調べでこの点がわかると思うのですが、第一次五カ年計画の第五年目、すなわち第二次五カ年計画の初年度、これはこの総括表を見ますと、一応閣議決定の事業量から今まで実施したものを差し引いた残りがこれに出ております。従って先ほど建設大臣は年次計画というものが立たなくても、初年度を一とするならば、全体の計画を見合つて、たとえば五カ年計画、あるいは七カ年計画によってスライドするのだということは、私は初年度がかりに——かりにですね、一とするならば、伸びを示すのだというように理解したいのです。むろん財政が貧困になつた場合はスライドするという意味は、その場合は財政の規模によって減るのだという理解は持ちたくないと思う。そういう国の財政の規模によって左右されるものは、少くとも岸内閣の唯一の重要政策として打ち出しておるところの道路整備五カ年計画にはあってはならぬと思うのです。そういうものならば、あえて特別会計とかあるいは五カ年計画と銘打つ必要は一つもございません。従って大蔵省は草案の——草案と申しますか、第二次五カ年計画の建設省の考え方、一応金額で表わしておりますが、これが三十三年度の事業量の、すなわち四年済んだあとの五カ年計画の残り分というものであるならば、これから相当に伸びが認められるものというふうな理解をする場合には、事業量としてどのくらいの量になるかということを当然事務当局としては考えられてあるものと私は思うのです。この際、第二次五カ年計画の初年度は一応第一次五カ年計画の五年度の分としてこれを押えてあります。従って、これはよろしいと思います。次年度から二年、三年、四年、五年と、どういう工合に伸びを示すかということは、ただ、それが国の財政の状態によってこうなるのだ、きまらないのだということであってはならぬと思う。一応金額としては抑えてあります。希望は出ておりますけれども、われわれの知りたいのは、事業量がどのくらい伸びていくものであるかというところを一つ具体的にお示し願いたい。これはむろん閣議決定によらなければ最後の決定はできませんけれども、少くとも事務当局で考えておりますところの事業量というものをお示し願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/63
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064・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 後ほど事務当局からいろいろと説明があると思いまするが、全体の構想として申し上げますというと、田中さん御指摘のように、五カ年計画がスライドしていくということはわかるけれども、財政の都合で縮小的なことがあってはいけない、その通りであります。その意味において、これは特別会計を設けた次第でありまして、もし、財政の状況が都合が悪くて、一般会計からの繰り入れが困難である、あるいはまた、ガソリン税はそういうことは絶対にないと思いまするが、これが従来より減ったというような場合、しかも一方においては道路の梗塞状況は依然として続いておる、こういう状況のもとにおいては、そのときこそこれは一般借り入れによって財源を確保する、こういう構想がわれわれの思想でございまして、その意味において、実は一般借り入れの規定を設けた次第でございます。
その次に、五カ年間の総体のワクは一応ここに示されておるけれども、問題はそのスライドのカーブがどういうふうになっていくか、これは財政の都合と同時に、一面においては、道路整備それ自身として建設省として案を持たねばならぬはずだ、その内容はどうか、こういうことでございますが、お示しの通りでございます。これは建設省といたしましては、閣議決定の場合には年度別の事業量を明定していくわけにはいきませんけれども、閣議決定の場合においては、少くとも建設省としては、いわゆるどういうふうなカーブをもって年次別に各種道路があるべきかという建設省の意見だけはまとめておきたい、かように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/64
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065・田中一
○田中一君 では一応の考え方を一つ道路局長からお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/65
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066・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) この第二次の五カ年計画におきましても、事業量で閣議決定をお願いしたいと思うのでございますが、その意味は、事業量できめておいた方が、計画が確実に実行できるという考え方からでございます。それは、金の方は、単価の値上り等で動いて参りますから、事業量できめる方が確実だという考え方でございますが、今のところは、この全体につきまして、まだ事業量を出すところまでいっておりません。事業量を出すためには、個所がきまりまして、その個所をどういう工法で実施するかということがきまらないと出てこないので、この草案におきましては、事業費で事業量を出しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/66
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067・田中一
○田中一君 大蔵省は、建設省が当委員会に提出した資料、すなわち建設省の草案として第二次の道路整備五カ年計画の案をごらんになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/67
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068・松永勇
○説明員(松永勇君) 今この席上で見せていただきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/68
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069・田中一
○田中一君 今建設大臣が言われたのと私は同じなんです。そういう懸念を持っている。特別会計もその意味においてわれわれは反対すべきものではないと思いますが、ただ、ここにガソリン税の伸びというものがまあ相当あるであろうという期待は持ちますけれども、それでは期待にすぎないのであって、的確につかめない、特別会計法でつかめるのは何かと申しますと、地方負担に見合う政府からの借り入れだけが的確に握っている数字なわけなんです。これはむろんこの七十二億程度のものは、少くともその量というもの、三十三年度の量というものから見合ったものであって、これはこの計画には的確につかんでおります。そこでこれらの大体五十二億程度になっている地方負担額というものは、地方行政の財政面の実態から見て可能か不可能かというような、今までの第一次五カ年計画中の実績を自治庁の方から資料として提案されておりますから、これを一つ、むろん道路局長はこの点は十分に調査の上、その実態を勘案しながら、今後実施に当っては、無理のないように施行していくものと考えておりますけれども、自治庁から一つ提出された資料についての、私はあまり地方財政のことは詳しくございませんから、親切な説明をしていただきたいと思います。これは道路局も大蔵省の方も十分に、私らと同じようにお聞き取りを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/69
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070・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 自治庁の資料は、実は過去の道路関係の経費の府県別の実態を調べるようにという御注文でございましたので、一応手元にありました資料だけを使いまして、経費の方では二十九、三十、三十一年度の都道府県の決算書のうちから道路費を拾ったのでございます。それと、いま一つは、道路の目的税、道路譲与税と軽油引取税の額を調べまして、一応お手元にお配りいたしたのでございます。それでございますから、これは過去の実績でございまして、今後の五カ年計画をどうやっていくかという上におきましては、これは必ずしも的確な資料には私はならないというふうに存じているのでございます。それで、一応補助事業と単独事業に分けまして、補助事業につきましては、国庫支出金と地方負担額に分けて各府県別の経費を出してございます。もっとも、この道路関係の経費、このうちには、備考にちょっと注意して書いてございますが、特別失業対策事業で相当道路をやって使っておりますが、この関係の経費が入っておりません。それから、道路関係の地方債に関する元利償還金等の経費もここに入っておりません。それから、市町村の道路関係の事業費も入つさおりませんので、道路費の全貌をここで知ることができないのでございまして、その点は急いだものですから手元に資料が十分なく、残念に存じているのでございます。
それで、三十一年度の経費の総額ににつきましては、どうも集計が入っておりませんが、三十一年度は府県でこういう特別なものを除きましたものでは、全体として事業費が三百四億五千万か、になるわけでございまして、このうちで府県のこの分だけの集計によりますと、国庫支出金は百三十四億、地方の負担が百六十九億になっております。三十年度、二十九年度も似たようなものでございまして、その割合は、三十年度では総事業費二百三十億のうち、国の支出金が百億余り、地方負担が百三十億見当、それから二十九年度では総事業費二百九十七億のうち国費が九十七億、地方費が百九十九億、こういうことになっております。それで一方のこの道路の特定財源は今の別にお配りしてあります地方道路剰余税と軽油引取税でございまして、これはその途中で税率の引き上げ等がございましたので途中で変っておりますが、三十一年度で地方道路剰余税が七十三億あったのが、三十二年度では百十一億、三十三年度の見込みが百三十一億、こういう数字でございます。軽油は三十一年度二十四億が三十二年度で五十六億、三十三年度の見込みが六十四億、こういう見当になっております。問題はむしろこの過去の道路費よりも、今後の五ケ年計画を遂行するにつきまして、どういう道路財源の見通しになるかという方が非常に重大な問題でございますが、現在のところは三十三年度につきましては、これはもう国及び地方の予算が確定しておりますので、われわれとしてでも十分な見通しを立て、地方の財政計画につきましても一〇〇%これに対応する措置がこれは完了いたしておるのでございます。しかしながら今後四ケ年間にわたって行われるであろう整備計画につきましては、現在のところ今建設省がお示しになつたこの資料もただいま手に入れただけでございまして、これだけでは的確なる判断と見通しがこれはつかないのでございます。で、結局千九百億の地方の単独事業分の今後の配分の問題は、結局国の方の計画に対応して作るということにこれはなるだろうと見当をつけておるのでございますが、国の五千六百億の年次別の計画がどうなるのか、それと年次別の直轄事業と単独事業の配分がどうなるか、そういうものが見通しが立たなければ、地方としてでも十分な財源計算がこれはできないのでございます。ただきわめて大ざっぱな見当をつけてみますというと、これは先ほどもちょっと口で申し上げた数字になるかと思いますが、要するに残された四カ年間における総事業費というものが、なるべくなだらかな線において今後四カ年間に行われる。おそらく経済の伸びとある程度照応しなければならぬから、均分ではなしに漸増の形になるだろうと思いますが、一番尻に大きな山を残しておってはこれは実行不可能な計画でございますから、おそらくは漸増の形で格好がつく計画を作らなければ、いずれも五年間で計画が達成できないという形になるだろうと思います。それに対応して地方の負担の増を考えなくてはいけません。それに対応して地方の道路財源の伸びというものを検討しなくちゃならぬ、こういうふうに考えておるのでございます。で、どういう形で伸びていくかわかりませんが、われわれといたしましては、かりに現在の、現行の補助負担率というものを基礎にしてかりに仕事を伸ばしていくとしましても、これはことしより相当飛躍的な仕事の伸びをやらなければこれは計画が達成できないのでございまして、私はやはりどうしたつて明年度にはこの単独の方ではまあ二十億前後の伸びを考えざるを得ぬし、それから国の計画に乗る部分におきましては、まあ五十億はちょっと多いと思いますが、やはり三、四十億はどうしたってやらなければ、今後計画が全部これはできないだろうと思います。ぎりぎりやれば五十億という数字でございますが、そこまでは来年なかなか実際問題として国の方でも引き受けがたい数字じゃないだろうかという見当をつけておるのでございます。そこでそういう程度のものならば、国の揮発油の増徴に伴いまして計画を伸ばしていかれるという程度のものならば、地方もそれに対応しまして地方の道路譲与税なり軽油引取税も伸びますししますから、それに対応する程度のものはわれわれの方でもこれはやつていけることがおそらく可能であろうと思います。で、問題は今の補助率の問題がどうなるかということがこれは決定的な問題になってくるのでございまして、補助率のいかんによりましては、場合によってはことしよりも二百億近い道路関係経費の負担を前提にしなければいかぬと、こういうようなことになりまして、そういうことになれば、どう考えましてもなかなか地方としては追いついていけるはずがない、国の財政が伸びないのに地方だけが破天荒に伸びるということは、これはありようがないのでございますから、伸びる力は国と大体バランスをとる、しかも国ほど地方が伸びるかといえば、これは国税と地方税の質が違いますから、私は国税ほどは地方税はなかなか実際は伸びない、そういうのがこれは大観いたしましての大勢でございますから、その上にこの補助率のいかんということによって、二百億も現在よりふえなければならぬということになれば、これはとてもついていきようがないじゃないかということを非常に気にいたしておるのでございます。そういう問題は結局五カ年計画の中身をもう少し建設省の方で御検討になりまして、お立てになります際に、われわれといたしましてこれを引き受ける可能性の限度というものを、やはり一応見当をつけなくちやならないというふうに存じておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/70
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071・田中一
○田中一君 大体地方道路税並びに軽油引取税のことをわれわれもちっとも知らなかったのですが、こういうものの実態がわかったのですが、建設大臣に伺いますが、これは午前から続けていろいろ問題になっております中心は、やはり地方負担が国の計画にマッチしてついていかないということになったならば、これは計画そのものがもう成り立たないわけなんです。というのは、ただ地方負担ばかりでなく、道路というものは起点と終点が完成しなければ用をなさないものですから、従ってむろん横断する道路あるいは取りつけ道路等、地方道も完成しなければ完全なものにならぬわけです。そういう点について実施の場合には十分検討されると思いますが、第二次五カ年計画の場合は県負担の分が一億九千万、それから第一次の場合には実際の県負担工事はどのくらいに結局なっておりましたか、今の自治庁から出たものでは、これはちょっと市町村等が入っておりませんから的確なものじゃないと思いますが、建設省の方の調べとして県負担工事はどのくらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/71
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072・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 今調べてすぐ御返事いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/72
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073・田中一
○田中一君 根本さんちょっとあなたに伺いますが、三十三年度の工事、これを起点として大体あなたの方の考え方はどういうカーブでもって、総額一級国道は七年間という距離で、どういうようなカーブになるか、大体考えておるだろうと思うのですが、五カ年目にはどう、七カ年目にはどう、どういう形でもっていくと想定されているか。というのは、ガソリン税、これは当然入っておりますし、その分の見方はいいと思いますが、ただ地方の単独事業と補助金というか、地方負担というものとのバランスの問題ですが、どんな工合に今まで考えておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/73
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074・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) 私まだその点は詳細に事務当局の報告を受けておらないのでわかりませんが、先ほど来一般的、抽象的に申し上げましたが、初年度は全体の計画からわりに少い。従って昭和三十四年度以降は相当程度これは事業量がふえなければならぬ。しかも非常に急激なカーブをしますというと、先ほど自治庁において地方の負担分の非常に困難性が出るのみならず、国の計画自身としてもあまり適当ではない。でき得るだけこれはなだらかな線でやっていくことがわれわれが工事を実施する面においてもこれは望ましい。かように考えておりまするが、いずれ具体的に事務当局で検討してから後御回答申し上げたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/74
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075・田中一
○田中一君 五カ年計画の初年度分ははっきりとここに示してありますから、だから相当な急カーブで伸びないと五ケ年でこれだけの事業はできないと思うのです。たとえば第一次五カ年計画は、策定基準を見ますと、事業費は二千六百億、国費は千六百八十億ですね、こういうふうになっておりますが、これと今度の七千百億というものと比べてみましても、初年度というものはここに出ておりますから相当な急カーブでいかないと五カ年間には達成されないということに私はなると思うのです。ことに来年も、これは相当額ではなくして、目的税的な性格を持って参っておりますし、特別会計の制度もできておりますから、もう少し強気で、勇気をもって早くそうした計画を策定し、かつブレーキとなるものは自治庁の所管の地方財政の問題となるわけなんですから、その点もほんとうにやる気ならばそうした面の問題を解決するということに、早期解決ということをめどにして努力しなければならぬと思うのです。物価、労務等の相当な上昇も見られると思いますが、これをやってすら一〇〇%の量は完成しておらない、三十三年度をやりましても。だから今度の場合は、私は期待しているのは、地方の負担率にしても特例でやる、それからまた同時に一切の問題を、場合によってはあの特例は時限立法でなくなっても、また別な観点から、もう少し十分の九くらいまでの国庫負担でやるくらいな意気込みが出なきゃならぬと思うのです。そうしなければこういうものは完成されないように見受けられるのですけれども、再三あなたに言っておりますけれども、先ほど小笠原君の質問に対してあなたは閣僚としての御答弁をしているが、ここは建設委員会でありますから建設大臣としての考え方と信念、あなたがこれを遂行するのに強い決意でやるのだということを、もう少し具体的に説明できませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/75
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076・根本龍太郎
○国務大臣(根本龍太郎君) これは田中さんが御指摘のように、今度のこの整備計画を実施するに当つて、一番問題になるのは地方負担の能力が地方財政としてあり得るかどうか、これが一番問題だと思います。従いましてこの点は地方財政を担当している自治庁の意見を十分に尊重しつつ、他面におきましては国全体の財源等も考えてもちろんこれはやらなければなりませんが、工事を担当するわれわれといたしましては、お示しの通りできるだけ政府が地方の圧迫にならないような考慮をしてやらなきゃならぬということについてはお示し通りに私も感じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/76
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077・田中一
○田中一君 それから小林さんに伺いますが、今までの地方負担の金というもの、これは起債によっている面がどのくらいございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/77
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078・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 三十一年度では地方債が三十六億ですが、三十二年度は三十二億、ところが三十三年度に一応ゼロ、三十三年度は来年度でございます。これはいわゆる一般財源が伸びたから地方債をやめちゃう、こういう前提で地方債が大幅に削減になっているのは御承知の通りだろうと思います。それでございますから、もうこれは一般の財源でさばきをつけるという原則に道路費はなるだろうと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/78
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079・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 先ほどお尋ねのありました道路の地方単独事業費でございますが、三十一年度が二百四十四億円、三十二年度が二百八十五億円でございます。ほかの年度の資料がただいまございませんので、以上申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/79
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080・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/80
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081・竹下豐次
○委員長(竹下豐次君) 速記を始めて
本日は本件に対する質疑はこの程度にとどめまして散会いたします。
午後五時十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814149X01819580329/81
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