1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年三月二十四日(月曜日)
午後二時十八分開会
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出席者は左の通り。
委員長 河野 謙三君
理事
西川甚五郎君
平林 剛君
天坊 裕彦君
委員
青木 一男君
岡崎 真一君
左藤 義詮君
塩見 俊二君
土田國太郎君
廣瀬 久忠君
山本 米治君
大矢 正君
栗山 良夫君
小林 孝平君
杉山 昌作君
政府委員
大蔵政務次官 白井 勇君
大蔵省主計局次
長 佐藤 一郎君
大蔵省主計局法
規課長 小熊 孝次君
食糧庁長官 小倉 武一君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
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本日の会議に付した案件
○食糧管理特別会計法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○食糧管理特別会計における資金の設
置及びこれに充てるための一般会計
からする繰入金に関する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/0
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001・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより委員会を開きます。
まず、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案
食糧管理特別会計における資金の設置及びこれに充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案
以上両案を一括議題として大蔵当局より内容の説明を聴取します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/1
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002・小熊孝次
○政府委員(小熊孝次君) 食管特別会計の二法案につきまして補足して御説明いたしたいと思います。
まず第一に、食糧管理特別会計における資金の設置及びこれに充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案につきまして申し上げます。
食糧管理特別会計の運営の健全化をはかるための措置といたしまして、この法案による資金の設置及び別途御審議願っておりますところの食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案による勘定区分等と両々相待って一体をなすものでございますが、昭和三十二年度におきまして早急にとり得る措置といたしまして、とりあえずこの会計に資金を設けることにいたしたいと思うわけでございます。すなわちこの会計におきまして損失見合いで食糧証券を発行して泳ぐということは、この会計の運営を不健全化することになりますので、この会計自体に運転資金を保有せしめることが適当であると考えましたので、この資金に充てるために今回一般会計からの繰入金をすることといたしました。で、この会計の運営の健全化に資しようとするものでございます。なお、資金は先ほど申しました食管特別会計法の一部を改正する法律によるところの調整資金に承継することにいたしております。その他損失の処理の規定はいわば経理上の当然の取扱いを規定した次第でございます。
それから次に、食糧管理特別会計法の一部改正法案につきまして補足して御説明いたします。
この会計の予算規模は歳入歳出およそ八千億をこえるものでございますが、経理の対象といたしましては、米麦だけではなく、農産物等それから飼料その他種々の品目がございまして、経理は複雑をきわめております。これらにつきまして事業部門別の損益が一見いたしまして明確にされるということが望ましいわけでございます。従いましていわゆる食管の赤字が発生し、その補てんが問題になるたびごとに、損失発生の原因が経理方式に従い当然に把握し得るところの制度の欠如が従来からも非難されておったわけでございますので、このような現状にかんがみまして、この会計の経理を明確化する方途を制度的に確立いたしまして、損益処理の適正を期するための処置を講ずるために、この法律案を提出した次第でございます。
その要点を申し上げますと、第一は、この会計に勘定区分を設けることといたしている点であります。提案理由において申し上げました通り、勘定区分といたしましては六勘定が設けられることになります。
まず、いわば事業勘定といたしまして、国内米、国内麦、輸入食糧及び農産物等の諸勘定に区分いたしております。前述の諸勘定は農産物等とこれ以外の勘定との二つの類型に区分することができると考えます。その理由は、農産物等が農産物等の価格の正常な水準における支持を目的といたしまして、法的根拠といたしましては、農産物価格安定法に基き運営されるのでございますが、これに対しまして、国内米、国内麦及び輸入食糧の諸勘定は、食糧管理法に基いて行われる主要食糧の管理事業であることによるのであります。さらに食糧管理にかかる勘定の中におきましても、国内米、国内麦、輸入食糧は、それぞれ直接統制を受ける食糧、それから間接的統制を受ける食糧及びこれらを食糧政策上補完するとともに、国内産主要食糧と異なりまして海外の経済事情その他経済原則がそのまま反映する輸入食糧たる性格との差異に基きまして、経理にも勘定区分が設けられていることでございます。これらの事業勘定に対しまして、業務勘定とそれから調整勘定がまた別途設けられておるわけでございます。
まず、業務勘定はこの会計の事務取扱い及び施設通常に関するものを行うことといたしております。これはこの会計の業務の実態から見ますと、事務人件費、施設運営等一般的な管理費用というものを各勘定で分割して経理するということが実情に即しないと考えられるからであります。
次に、調整勘定でございますが、これは先ほど御説明申し上げました三十二年度から設けられましたところの調整資金というものをこの勘定に属せしめまして、この会計の所要資金を糧券の発行等の方法によりまして一括して調達いたしまして、他の勘定にその必要とする財源を供給するのでありますが、なお、重要な機能といたしましては、国内米、国内麦及び輸入食糧の三勘定において生じましたところの損益計算上の利益あるいは損失をこの勘定に集中整理するということにいたしております。つまりこれら三勘定は、先に申しました通りの理由によりまして、一応区分されておりますが、いずれも食糧管理としての態様を異にするものでは——管理の態様としては違いますが、食糧管理法に基く主要食糧の管理という点では共通の性格を持ち、相互に関連するものでありますので、このような経理をすることにした次第でございます。
第二は勘定区分が設けられますことに伴いまして、これらの勘定におきますところの利益あるいは損失の処理の方法を異にする点でございます。すなわち国内米、国内麦及び輸入食糧の三勘定の損益につきましては、ただいま申し上げましたように調整勘定に集中して整理されるということになるわけでありますが、その場合におきまして経理上の取扱いといたしまして、損失がございます場合には調整資金を減額して整理することができ、また利益がありました場合には調整資金を増額して整理することができ得ることといたしております。これに反しまして、農産物等の勘定の損益につきましては、先ほど申し上げました各勘定の損益処理とは全く分離いたしまして、その勘定の利益または損失につきましては、それぞれ当該勘定の独自の積立金とし、または当該積立金の取りくずしをいたします。あるいは一般会計から直接にこの勘定に損失を補てんする、こういうことができるようにしてあるわけでございます。
これらのほかに、これらの事項に関連いたしまして、所要の規定の整備をはかっているわけでありまして、二法案いずれもこの会計の運営の健全化、経理を明確化に資するための措置といたしまして提案している次第でございます。
以上で補足説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/2
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003・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより両法案に対する質疑を行います。御意見のおありの方は、順次、御発言願います。なお、政府よりはただいま説明なされました小熊説明員のほか農林省から小倉食糧庁長官が出席せられております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/3
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004・小林孝平
○小林孝平君 大蔵省からだれが来ておられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/4
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005・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 小熊法規課長が見えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/5
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006・小林孝平
○小林孝平君 政府委員は来ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/6
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007・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ちょっとほかの委員会の都合でいまだに見えておりませんけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/7
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008・小林孝平
○小林孝平君 これから来るんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/8
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009・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これからおっつけ見える予定になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/9
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010・小林孝平
○小林孝平君 来なければその質問はできないのじゃないのですか。政府委員が来なければ質問をせいたってできないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/10
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011・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ただいま申しましたようにおっつけ政府委員がお見えになることになっておりますが、もし食管の長官に対する御質問等がございましたら、順序を差し繰ってそちらの方からお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/11
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012・小林孝平
○小林孝平君 私は食管長官にもお尋ねしたいけれども、大蔵省の方にもお尋ねしたいのです。それは関連しておりまして、小倉長官に質問することは同時に大蔵省からも答弁してもらわなければならぬ。大体委員長に申し上げて、この質問を水曜日にすることにしていただきたいと申し上げておったけれども、きょうやるとおっしゃったから、ただいま議運の理事会開会中でありますが、特別にこちらにやってきたのであります。ところがこの状態ではこれはおかしいと思います。先般もこの政府委員の問題については、議運において官房長官から説明がありまして、政府委員それ自身についていろいろ疑義があるのです。われわれは。しかしまあそれはそれとしまして、政務次官も、大臣もいることだから来たらどうですか。大臣はどこへ行っているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/12
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013・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 小林さんに申し上げますが、委員長不行き届きでまことに御迷惑をかけて申しわけございませんが、先ほど申しましたように、大蔵省の政府委員はおっつけお見えになる予定でありますから、暫時お待ちいただきまして、他の委員の方で、食糧庁長官なりまたは小熊法規課長に御質問になる方は、一つ差し繰ってやっていただきたい、こう思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/13
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014・小林孝平
○小林孝平君 今、その大蔵省の何課長だか存じませんが、質問をせよとおっしゃいますが、先般大蔵省は、政府委員の任命について、主計局の三課長をぜひしてくれ、こういう要求がありました。任命することに同意を与えるかどうかということを非常に論議をしたのです。その際に、官房長官が言われるには、政府委員にならなければ責任ある答弁ができません、こうおっしゃったのです。説明員というのはほんとうに補足させる説明をするのだから、こういう説明だったのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/14
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015・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御発言中ですが、私ちょっと失言いたしましたが、法規課長は政府委員になっておられますから、この点私先ほどの説明員と申し上げましたのは訂正いたします。先ほど小林委員に御了解を求めたのですが、もし局長、次官が見える前に、今のお二人の政府委員で御質疑を願える方がございましたら、御発言いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/15
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016・小林孝平
○小林孝平君 先ほども申し上げましたように、私は水曜日にぜひお願いしたい、こう言っておったのですが、あなたがきょうぜひやれ、審議をやる、こうおっしゃったので、まかりこした次第でございますから、きょう若干やりまして、追って詳しくは水曜日にやることにしまして、まあやりましょう。
そこで、やる前に大蔵省に申し上げますが、この食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案要綱というのは、これは大蔵省から配付されたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/16
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017・小熊孝次
○政府委員(小熊孝次君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/17
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018・小林孝平
○小林孝平君 これはつまらないことのようですが、日本の一般の慣習では、横書の場合は左からちゃんととじるのが普通です。これは非常に見にくくて、あなた方はわれわれになるべくわからないようなものを出そうというつもりでやられたかどうか知りませんが、非常に見にくいですから、こういうことは今後おやめになった方がいいじゃないかと思いますから、念のために申し上げておきます。
最初に、食管長官に米価の問題をお尋ねをいたします。今年の予算米価は一万二百円になっておる。昨年の最終決定——三十二年度の最終決定は、一万三百二十二円五十銭になっておりますが、これは著しく昨年の米価より低いのですが、今年は昨年度より米価を下げるつもりかどうか、そういうつもりでこういう予算米価を出されたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/18
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019・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 本年産米価格を昨年より特に下げるというような必ずしも前提を置いて計算をいたしたわけではございません。三十三年産米の価格につきましては、これはもちろん予算は予算だからどうでもいいというわけではございませんけれども、従来の例によりまして、米価審議会の御諮問の答申を得まして後、そのときの諸情勢をいろいろ勘案して正式に米価をきめることに相なりますから、必ずしも予算米価がそのまま実行されるとは限らぬわけでございます。それにいたしましても、昨年度と比べてなぜ変っておるか、あるいは下っておるかと申しますと、一つは計算のやり方を若干変えておるのでございます。もっとも、この計算のやり方によって金額がそう大きな変動を受けるわけではありません。昨年の産米の価格は、基準年度を二十九年から三十一年の三カ年をとったわけでありますが、最近の情勢から言えば、むしろ三十一年だけをとった方がよろしいということで、基準年度を三十一年のみにいたしております。それが一つでありまするし、もう一つは、ただいまお話の 一万三百二十二円五十銭の中には、申し込み加算金——予約奨励のための百円が入っておるわけでありますが、一万二百円の予算米価にはそれが入っておりません。それから軟質米、硬質米の歩どまりにつきましては、昨年の決定米価には三十五円だけ平均米価にプラスいたしまして決定をなされておるわけでありますが、軟質米、硬質米の格差を平均米価にプラスするということは、これは適当でないという判断をもちまして、これは加算をしていないと、そういった理由から、一万二百円ということで、昨年の決定米価よりは多少下回っておる、こういうことに相なっておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/19
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020・小林孝平
○小林孝平君 これは多少とおっしゃるけれども、相当下っておる。特に予約申し込み加算金の百円が今御説明のように入っていないというのは、これはどういう理由で入っていないのか。それから、三十五円の軟質米、硬質米の問題も、これは適当でないとおっしゃるけれども、それはあなたがそうお考えになるだけであって、どういう根拠でだれが賛成したのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/20
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021・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 申し込み加算金の百円につきましては、これはもともと奨励的なものでありまして、予約奨励金とも別には呼んでおるわけでありますが、予約制度が始まって以来三カ年すでに経過いたしております。その関係もございますが、所期以上と言っていいくらいの成果をおさめておると言ってよいと思います。従って、予約制度というものは大体地についたと、奨励的な加算金というものはこの際よしてもいいのではないかと、こういう考え方で予算米価をはじいておるのであります。
それから、軟質米、硬質米の格差は、だれが賛成した、こうしたということではもちろんございませんですけれども、平均米価を出して、歩どまりがいいものはそれにプラスをし、歩どまりの悪いものはそれから引くということは理の当然であるというだけの話でありまして、今後三十三年産米の価格を決定する際に、なお、いろいろ御意見もございましょうと思いまするから、その際に、申し込み加算金、あるいは歩どまり加算、あるいはその他もあるかと思いますが、最終的に決定をする、こういう考えでおるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/21
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022・小林孝平
○小林孝平君 この昨年の一万三百二十二円の中には加算金の百円が入っておる。そこで、昨年もこの予算米価のときには入っていなかったのではないかと思うのですぬ。それが入っていないということが不当である、また不適当であるということで、その後百円が入れられることになって、これはもう検討済みなんですね、そうして、昨年と今年は何ら情勢に変化がないのですね。それだというのに、一方的に、予約売り渡し制度が地についたから入れないということは、おかしいと思うのです。しかも、この予約売り渡し制度が地についたとかどうとかおっしゃるけれども、これは地についた理由は、この百円という加算金があったから地についたのです。そういう苦労をさしておいて、うまくいったから今度はやめるというのは、卑属に合わぬと思うのです。この根拠は一体どこにあるのですか、そのやめるという根拠は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/22
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023・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) お話のように昨年も一万円の予算米価の中に百円の申込加算金が入っておりませんでした。私どもといたしましては本年ほどではございませんが、昨年の段階においても、奨励的な措置はもはや不必要ではないかといったような意味合いを含めまして予算米価には入れてなかったのですが、その後いろいろの御意見に従いまして、最終の決定にはそれを入れて額をきめたということになっております。今年さらにそういうことを再び繰り返すような愚をあえてするのはなぜかというようなお尋ねでございますけれども、先ほど申しましたように、奨励的措置ということでありまするから、昨年度ですら予算米価ではさような措置をとったのでありますから、もうすでにまる三年を経ておるといった事情を考慮いたしまして、予算上は加算をしないということで計算をした、その以外に特に特別の理由はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/23
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024・小林孝平
○小林孝平君 昨年ですら予算米価に入れなかったのですから今年は入れない、こうおっしゃるけれども、昨年予算米価に入れないということもそもそも何ら根拠がない。ともかく食管の赤字を少くしたいというので入れなかっただけの話で、何ら根拠がない。その根拠がないということを国会において指摘し、あるいは米価審議会において指摘されて、その結果政府もそうだと思って入れたのです。それが本年になって、その後何ら事情が変ってないのですからね、これはやはり初めから入れておくべきが当然で、まあ間違って入れてなければ、これは今後当然入れるものであるとこういうふうに解釈していいわけですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/24
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025・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 当然入れるというわけではございませんです。今後いろいろ米価決定までなお半年近く、半年もございませんが、この六月ごろ決定をすることに相なろうと思いますが、その際、あるいはまたそれまでの間、各方面の御意見を尊重してきめるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/25
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026・小林孝平
○小林孝平君 各方面の御意見を尊重するとおっしゃるけれども、昨年だって、国会、それから米価審議会においてこれは当然つけなければならぬという圧倒的の意見があって、そうしてつくようになったのですから、これは本年だって同じわけなんです。だからこれをそもそも落したということは、そういういろいろの各方面の意見を初めから無視したということなんですね。だから今はないけれども、これはもう答弁は必要としませんが、今までの私のお尋ねいたしました経過から考えれば、百円というものは当然これはつけなければならぬということになると理解しておきます。
そこでさらにもう一つお尋ねしたいのは、この早場米奨励金の問題ですが、今年のこの早場米の、予算米価の中にある早場米の金というのはどのくらいを予定されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/26
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027・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 予算上の問題だと思いますが、一万二百円ということでいっておりますものの中には積算の上では早場の時期の格差は百七十六円であります。ただしこれは早場として百七十六円を三十三年米価に出すのだと、こういう意味ではございませんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/27
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028・小林孝平
○小林孝平君 出すという意味ではないけれども、実際どのくらい出す予定なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/28
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029・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) まだ早場につきまして時期をどういう区分をし、どれくらいの金額を出すということについてはきめておりませんです。結局まあ奨励金という名前をつけたり、格差という名前はつけますけれども、米価の一部には違いないというふうにむしろ最近は理解されておりますので、そういう理解に立てば、米価の中には当然織り込むべきであるという意味で、三十一年度の実績をとりまして、これを加算しておるわけでございます。従ってかりに一万二百円を前提にいたしますれば、その中から幾ら早場として出すかということは、今後正式に米価といいますか、実際上の米価をきめる場合にきめるということで、予算の上ではもちろんでございますが、私どもの内々の考え方といたしましても、幾ら早場を出すんだ、その時期の区分をどうするんだということについては具体案を持っておりませんので、ただ昨年の予算の御審議のときにもいろいろ御議論がございまして、私どもの意のあるところと申しますか、考え方は若干大臣、政務次官などからもお話しを願ったと思いますが、この二、三年前までのように、早場奨励金というものを考えるわにはいかなくなったんではないか。米の需給の状況、食糧の需給の状況がだいぶん変って参りましたので、需給の安定という点から見れば、早場というものは以前ほどの必要性はなくなっておる、こういう認識は実は持って一おります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/29
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030・小林孝平
○小林孝平君 今の食糧庁長官の御答弁非常に重要だと思うのです。この早場奨励金を出すか出さないかということはまだ未定だということですね。今、われわれ当然この早場米の金額の高をこれから論じようと思っておったところが、今のお話では早場米として出すか出さぬかわからぬ、計算上は入っておるけれども、それはどうなるかわからぬというふうに言っておられるように、聞き違いではないと思うのだけれども、言っておられるのだが、そういうふうに解釈していいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/30
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031・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 突き進めれば、論理的に割り切ってしまうとそういうことですが、しかし今年から早場を全廃するというところまでは考えておりません。まだある程度出すのが適当であろうと思っております。ただ従来のようなことでそのままやるのかどうかということになりますと、なお検討の余地がある。額にいたしましても、時期の区切り方にいたしましてもなお検討の余地がありまして、そういう点についてはなお具体案を得ていない、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/31
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032・小林孝平
○小林孝平君 これは今の御答弁で非常に二つの重要な問題があると思うのです。早場米というものはもう食糧の需給上からあまり従来ほど重要でないから、これを減額するかもわからぬということと、その金額の問題ですが、これは長官も御存じのように、早場米奨励金というものができた理由は、需給上早場米が、早期供出を必要とする、早場米を必要とするということから早場米奨励金ができたんではない。これはこの委員会で何べんも当初繰り返し繰り返し論議されて、早場米奨励金の創設された理由というものについては、これは単作地帯の農家の経営が非常に困難であるから、これを援助するという意味で出されたものであるということは、しばしば政府も確認しておるのです。従って今おっしゃるように二、三年来の需給状況から考えてこの重要性は低くなったからやめようということは全くこれは当らないのですね。そこでこれは農林大臣はおられませんけれども、委員長、私は委員長にちょっとお尋ねしますが、今の食糧庁長官の御答弁非常に重要だが、こういうことをこのまま聞き流しておいていいかどうか、もっとはっきりと大臣から答弁を願う必要があるのじゃないかと思うのですがね。委員長どういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/32
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033・河野謙三
○委員長(河野謙三君) お答えいたします。小林さんの御意見、また食糧庁長官の答弁、それぞれ基本的に食い違った点もあるように拝聴いたしましたが、しかしこれはいずれも一つの意見でありまして、これを委員長に調整せよという意味ではないでしょうけれども、この措置を委員長にとれということは委員長の権限ではないと、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/33
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034・小林孝平
○小林孝平君 そんなことを言っているのじゃないですよ。あなたはそこにすわっておられて、こういう重要な問題は、これは所管の大臣が出てはっきりした答弁を求める必要があると私は思うけれども、あなたはどう思うかと言っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/34
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035・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 私は今の食糧庁長官の答弁を別に不穏当なものとも思いませんし、従って食糧庁長官の答弁は答弁として十分これはわれわれ委員としてすなおに聞いて差しつかえない。(笑声)従って今の答弁に関する限りにおきまして、さらに大臣なり政務次官の出席を求めるということは私は必要がない、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/35
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036・小林孝平
○小林孝平君 これはあなたは委員長になられたからそういうことを言われるかもわからぬが、あなたがかりに委員なら、そういうことでは済まぬと思う。従ってあなたがどうおっしゃろうが、次にはちゃんと、農林大臣がおられなければ代理大臣がおられるだろうから出て、答弁を求めたいと思いますから、その手続をして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/36
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037・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 小林君に重ねて申しますが、私は、小林委員が大臣の出席なり政務次官の出席を希望されることについて、何らこれを拒む権限もないし拒もうとも思いません。どうぞ小林君の自由な発言において、委員会において発言もし、また要求もされたらけっこうだ、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/37
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038・小林孝平
○小林孝平君 そこで、三十二年度の米価の一万三百二十五円の中に早場米奨励金として幾ら、実際手取りは幾らであったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/38
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039・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 三十二年度は二百十円くらいになったかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/39
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040・小林孝平
○小林孝平君 そういたしますと、昨年の計画は一体幾らなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/40
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041・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 正式に決定米価の見積りのときには百八十三円というのが早場の見込みでございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/41
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042・小林孝平
○小林孝平君 そうしますと、昨年は早場の見積りは百八十三円、そうして実際の手取りは二百十円、二十七円の開きがあるのですね。従って今年の見積りも百七十六円と、こう見ておられますけれども、これは実際は常識上もっとふえるだろうと思うのです。そういうことになりますと、一体どういうことになるかというと、今回の一万二百円の米価の中には、まず百円の予約奨励金が落ちておる、それから三十数円の軟質米、硬質米の格差が落ちておる。それからさらに早場米奨励金面七十六円と見積ったのが、さらに三十円前後の手取りが多くなるとすれば、この予算米価というものは非常に変ってくるのです。
そこで私がお尋ねしたいのは、政府の見込みでは、今回の調整勘定を作るに当って、三十二年度の予算は四十数億を予定されておると思うのですね。これは非常に大きく変ってくるのではないか、こういうふうに思うのです。そこで大蔵省にお尋ねしますが、この調整勘定百五十億を予定したときの赤字は、四十数億ということでやられておると思いますが、米麦だけについて、これはあなたにちょっとお尋ねしますが、この赤字はどれだけと考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/42
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043・小熊孝次
○政府委員(小熊孝次君) 三十三年度は一応四十三億と見込んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/43
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044・小林孝平
○小林孝平君 そうすると、百五十億の調整勘定のうち四十三億、こう見ておったのが、今のように予算米価において非常に見積りが狂ってくる、こうなれば、この赤字は非常にふえるわけです。もう、今ちょっと上げただけでもふえます。今、食糧庁長官は私のあれについて、百円についても今後さらに御意見を伺ってやる、それから軟質米、硬質米についても、またいろいろ御意見もあるけれども、今後いろいろ研究する。早場米奨励金については、食糧庁長官いろいろ言われたけれども、これは全部出さなければならない建前になっているのですから、そうすればあなたの、百五十億の調整勘定を作った根拠は全然狂ってきているわけです。これは一体どうなるか、大蔵省はそういう予算米価以外のものは全然認めないという考え方に立ってこの法案を提案されておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/44
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045・小熊孝次
○政府委員(小熊孝次君) お答えいたします。百五十億の調整資金を三十二年度に作るわけでございますが、これは運転資金でございます。そのうち九十六億が三十二年度の損失と一応予定しておりまして、これは資金を減額して整理するという予定でございます。
それから三十三年度の問題は、先ほど予算米価の問題につきましていろいろ質疑応答があったわけでございますが、その米価そのものにつきましては、米価審議会等の意見も十分伺いましてきめるということになると思いますが、現在の予算米価から申しまして、一応四十三億の赤字が出るのではないか、こう考えています。
ただ、これは三十三年の産米の数量とかその他各種の不安定な要素がございます。輸入食糧の価格あるいは数量、運賃というようないろいろな要素がございまして、それが確定いたしませんと、正確な損失の額というものが見込めないわけでございます。で、一応四十三億というものを見込んではおりますが、これがいろんな、ただいま申しました不安定要素等によっていろいろ動いてくるわけでございますが、その間、三十二年度の赤字を減額整理した残りの部分というものは、運転資金として発動する、こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/45
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046・小林孝平
○小林孝平君 あなたはその法律を立案されたあれで、法律のあればおわかりかもしれぬけれども、この実態の内容をよくおわかりにならぬのじゃないかな。百五十億の運転資金のうち、あなたのおっしゃったように三十二年度の損が九十六億円、そうすると、三十三年度の残というのは、引いた五十四億しか残っていないのです。そのうちすでに今あなたが言ったように四十三億の赤字が予定されている。さらにいろいろ不確定の要素と言われるけれども、そういうものを総合して、あなたの方がこの百五十億を出された、さらにそのうちほぼ確定したと思われるようなものが数十億の損となって出てくるのです。だからこの百五十億では全然もうやれない。その場合はどうするかと、こういうことになるのです。それをお尋ねしているのですが、この点については、先ほど申し上げたように、責任ある政府委員が来ておりませんから、私は水曜日に留保して質問したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/46
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047・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 小林委員に申し上げますが、責任ある政府委員が見えていないということでありますが、主計局の次長も今見えておりますから、なお政務次官はちょっと今退席されましたけれども、後ほどすぐ見えますからお含みおき願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/47
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048・小林孝平
○小林孝平君 それならその答弁をして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/48
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049・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) どうもおそくなりました。
ただいまの問題は、主計局といたしましては食糧庁ともよく相談いたしまして、非常に本年のごとき場合におきましてもずいぶん変動すべき要素が多かった。ほんとうに的確に幾らというのはなかなか計算のしにくい要素が多うございます。そういう関係で、われわれといたしましては食糧庁の意見を中心にいたしまして、まあ四十三億あるいは九十数億というものを一応のめどにすれば十分であろうという考え方で、これを組んだわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/49
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050・小林孝平
○小林孝平君 それは先ほどから、ある一方的な前提でやっておられるからそういうことになったのでありますが、今申し上げたように、常識的に考えてもさらに数十億の赤字になることは明らかなのです。従って根本が、もうすでに調整資金の百五十億を設定した根拠が全然間違っておるということを私は言っておるのです。一体それはその場合はどうするのです。もしこれで足りないときはどうするのです。その具体的な処理の仕方をお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/50
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051・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) 予算米価にいわゆる申込加算金もしくは時期別価格差というものをなぜ加算しなかったかということにつきましての一応の御説明はすでに申し上げてあると思いますが、これは毎年のことでもございますが、米価審議会においてもちろん具体的に決定されることでありますけれども、もういわゆる予約制度もすでに十分行われておるとか、いろんな観点から、やはりあらためて検討すべきものは検討するという方針のもとにこれを除いたわけでございます。一方においてもちろん赤字の減少する要素も相当ございますが、万一赤字がお前たちが考えている以上にふえたときはどうするかという御質問に対しましては、もちろんそれに相当の措置をいたさなければなりません。ただいまのところではこういう見込みであると、こういうわけでございまして、もし真実に赤字がふえるということになりましたならば、その赤字の措置についてまた別に考えなければならぬと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/51
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052・小林孝平
○小林孝平君 ただいまのところはとおっしゃったけれども、ただいまのところでも、だれが考えても、あなた方は別ですけれども、常識的に考えても数十億のさらに損失がふえることは明らかなのです。だからどうするかと具体的にお尋ねしているのです。その明らかなことはわかっているのですから、それに対してはどうする、補正予算を組むのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/52
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053・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) すでに御説明があったと思うのでありますが、万一これに不足をするというようなことがございました場合には、もちろん場合によりましては単独法による赤字繰り入れの方法を講ずる必要がある場合もあろうと存じます。またその情勢に応じましてはこの運転資本を増額するという方法も考えなければならぬ、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/53
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054・小林孝平
○小林孝平君 そうすると補正予算を組むのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/54
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055・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) これは、もしもほんとうに赤字が出るということになりますれば、もちろん決算の確定を待って、そうして明年度以降の問題としてこれを取り上げることができると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/55
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056・小林孝平
○小林孝平君 そういうことになるのですか、今度。今までは、この赤字の処理については、決算の確定を待って損失を填補をしたり、またはそうでないときは決算を待たないで見込みで当初予算または補正予算できめたわけなんでしょうけれども、今度はこの調整資金ができたので、この赤字の処理の方針が変ったのではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/56
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057・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) 当初に御説明申し上げたと思うのでございますが、今回運転資金を設定いたしました趣旨は、これだけの会計でございますからして、いわゆる糧券でもってできるだけ泳ぐということで、負担を少しでも軽くしたいという気持から適当な機会をつかまえまして、十分ではございませんが、運転資金を設定したわけでございます。この運転資金を設定いたしました関係で、もし利益がございますればそれを積み立てて繰り入れて参る。それから、もしも損失が生じました場合には、この資本金を減額して整理して参るという方法は、経理上当然の措置として行われることになるわけでございます。しかしながら赤字の補てんを本来の目的としてやったというわけではございません。本来の赤字の補てんということになりますれば、この資本金をもってまず補てんをいたしまして、どうしても足らないということになりますれば、単独法規による繰り入れということも考えなければならないことがまた起るかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/57
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058・小林孝平
○小林孝平君 先ほどお尋ねしましたように、この今の見込みでは、非常に百五十億の調整資金というのは困難である、窮屈であるということは明らかなんです。そこでこの調整資金を設定しました趣旨からいっても、すみやかに赤字の処理をする必要があれば補正予算を組んでこれを処理するのが当然だと思う。そこで組むか組まぬかということをお尋ねしたいのだけれども、主計局の次長では御答弁ができないでしょうから、これは水曜日に大蔵大臣に一つ御出席を願って御答弁をいただきたいと思うのです。というのは、これは非常に重要な問題であって、今予算委員会で審議しておる三十三年度の予算とも関連する問題なんですね。従って私はどうしても大蔵大臣にはっきりした御答弁をいただきたいと、こういうふうに思いますので、委員長においてはそういうふうに取り計らっていただきたいと思います。
さらに今の調整資金の新たなる設定に伴いまして、今次長が説明されたように、これの資金ができれば、なるたけこの資金の範囲内でやろうということに考え方は大蔵省としては来るのではないか。そうしてこの資金の中で特別会計をまかないたい、まかなってもらいたいという気持が強く起きてくるのではないか。こういうことになれば、非常に食管特別会計の運用上窮屈になる、また円滑を欠くということになるのではないかと思うのですが、そういう点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/58
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059・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 佐藤次長にちょっと申し上げますが、先ほどの小林委員の質問に対して、大臣の出席を待たなければ次長では答弁ができないだろうということでございましたが、先ほどの質問に対して、大臣にかわってあなたが答弁できるならば一つ答弁をしていただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/59
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060・小林孝平
○小林孝平君 私はね、委員長、それはあなた誤解なんです。私は補正予算を組むかどうかということをお尋ねしているのですから、次長にできるはずがないのですから、大臣からお尋ねしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/60
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061・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 小林君に申し上げますが、と申しますけれども、もし大臣にかわってできるならばしてみたらどうだ、こういうことを言うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/61
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062・小林孝平
○小林孝平君 できるならばってそんなこと……、委員長、そんなことおわかりにならぬのは当りまえじゃないですか、補正予算で……。そんなことなら、今の三十三年度の予算委員会の審議をもう少し慎重にやらなければいかぬのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/62
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063・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 重ねて申します。参考に御答弁を求めることは、もしそれが決定的のものでなくても、大臣とすでに打ち合せ済みのもので、次長がかわって参考に御答弁が願えれば、それを聞くことは私は決してむだなことじゃないと思いますから、そういう意味合いで、あなたが先ほど答弁ができないと思うけれどもと、こういうようなことをつけ加えましたから申し上げるのです。あなたが答弁ができないということで断定的なことをおっしゃったのなら、私は先ほどのようなことを申しません。あなたはできないであろうけれどもということをおっしゃったから申し上げたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/63
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064・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) ちょっと私の説明が不十分でございまして、あるいは十分に御了解願えなかったかと思いますから御説明申し上げます。
先ほども申し上げましたように、万一まあ赤字が出るというようなことになりますれば、もちろんこれをほうっておくわけには参りません。その場合におきましては単独法規を制定いたしまして、いわゆる繰り入れの法律でございますが、そうして決算の確定を待った上でそれだけの金額を一般会計から補てんするという道は、これは講じなければならぬと、こう思っておるのです。従いましてもしその必要がかりに起ります場合におきましても、三十四年度以降の問題になるかと思うのでございます。そういう意味で、一般会計が、万一食管会計に予定以上の赤字が出たときに処理をしないというのではございませんが、しかしそれは三十四年度以降に処理することが十分可能である、こういうことを実は申し上げたつもりでございます。
それからただいまの御質問でございますが、もちろん米の価格は、生産者の価格にいたしましても、消費者の価格にいたしましても、それぞれの筋道の上に立った一定の決定のルールというものがあるわけでございます。従いましてその原則のもとに米価審議会の審議を経まして決定をされる、こういうことになるわけであります。大蔵省が自分一人勝手に、ただ百五十億のワク内にとどめようといたしましても、もちろんそういうことは不可能なわけでありまして、一定の筋道を経て決定された場合に、その結果しかも赤字が出たということになりますれば、もちろん適当の処理をする、せざるを得ないわけでございます。今回資金を設置いたしましたのは、運転資金を設置したいという観点からいたしたのでございまして、ぜひどうしても一定の金額の中に無理やりにこの赤字を押し込める、こういうような特定の意図をもってしたわけではございません。もちろん、お断わり申しておきますが、大蔵省といたしましては、食管の赤字がどんどん巨額になっていくということについては大いに検討もし、経費の節約等についてもやってもらいたい、こう考えておりますが、それとはまた別の考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/64
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065・杉山昌作
○杉山昌作君 今の小林委員の質問で、結局、今度この特別な資金を設けることによって、食管会計の赤字補てんの方針が変ったんじゃないか。従来は食管会計の決算をして幾らの赤字が出る、あるいは決算の見込みによって幾らの赤字があるということで一々補てんの方法を考えた。ところが今度は初めから百五十円をまかせちゃって、それでその年々の赤字をその範囲内においてはやっていくというふうなことになるので、赤字補てんのやり方を変えたのじゃないか。こういうように小林さんが聞かれたと僕は聞いたのです。それに対して次長は、そうじゃないので、この資金は運転資金の供給を目当てとしているので、損益の方の問題でない、こうおっしゃるのですが、この三条を見ると、この資金は明らかに食管会計の損益をここで収支するのだ、利益があればこちらへ持ってくる。損失があればなくさせるのだ。この資金を設けたのはなるほど途中の資金運転のこともあるでしょうが、根本はこの三条の損益のしりをここでぬぐう。すなわち一般会計からの補てんをこれでやるのだということに主眼がある。それはこの資金の法律だけじゃなしに、今度の特別会計法の方を変えたところにも幾つかの勘定を設けて、そうした各勘定のしりは調整勘定へ持ってきて、調整勘定のしりはここでしりをぬぐうのだということが書いてある。そうすると、今の次長のようなのは、これは運転資金を供給するための資金ではなしに、むしろ逆に損益のしりをぬぐう資金なんだ、従って小林委員のおっしゃったように、従来のような補てんの方法というか、方針を変えて、頭から百五十円までは損をしたらだまって一々そのときに一般会計から繰り入れとか何とかいうことなしにどんどんやっていけるのだ、こういうふうになると私は思うのだが、もう一度そこを説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/65
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066・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) ちょっとそこのところニュアンスが違うと思っておりますが、この繰入金に関する法律をごらん願いますと、まず第一条で資金の設置をうたっておるわけでございます。その資金というものは、第二条で一般会計から繰り入れるのであるということを明確にいたしておるわけであります。いずれにいたしましても、この法律の本則といいますか、本体はこの第一条にあるわけでありまして、まず第一条でここで資金を設置する、こういうことをはっきりとうたったつもりでございます。しかし、ここに資金を設置いたしました以上、これはまあ経理の操作上、万一損益が出た場合にはこの資金を取りくずしてやることができるという損益の処理の方法を、第三条において、いわば結果というか、付帯的な気持でここに第三条を起して書いておるつもりでございます。従いまして、元来はやはり資金を設置すること、そのことがわれわれのねらいである、こういうような気持でございます。そうしてこの第一条によりまして設置せられた資金は、食管特別会計法の改正法律によりまして、さらに三十三年度に勘定が分離せられるのを機会に、調整勘定にこの資金が移される。そうしていわゆる調整資金ということになって引き継がれていく、こういうふうな考え方でございまして、考え方の筋はいわゆる運転資金を設定するという考え方に立っておるわけでございます。ただその結果としまして、こういう資金がございますものですからして、もし損失が生じたときには、まずこの手近な資金から取りくずして参る、こういうことをここにうたったつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/66
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067・杉山昌作
○杉山昌作君 それはただ同じことを表から重きを置いて見るか裏側の方に重きを置いて見るかですから、これはまあ見方の関係というか、言葉の問題ですから、これはようございますが、少くとも結果としては、この資金を取りくずすことによって 一般会計からの損失補てんというものが行われるわけなんです。そこで従来の一々食官会計の欠損を見ては補てんをしてきたようなやり方はやめちゃって、そうしてこの資金を取りくずすことによって自動的といっていいか、食管会計の中において簡易な手続でやれるようにしたということだけは確実なんです。その意味においては、従来のような食管会計の損失補てんの方針というか心がまえを非常に楽なものにした、やり方を変えた、こういうふうに理解されるが、それでよろしいか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/67
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068・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) 非常に極端な表現をいたしますと、かりに損失がなかった場合でも、私ちはこの運転資金を別にそれゆえにどうしようという気持はございません。まあこの損失の補てんを楽にするか、厳にするかということでございますが、先ほどちょっと、厳にするのじゃないかというような気持の御質問もあったと思いますが、私たちは、これによって楽にし、もしくは厳にするというような考え方は持っておりません。いたずらに楽にするということは、もちろんわれわれとしては困るわけでございます。従ってまた、ことさらに繰り入れるべきものを繰り入れないようにしようという気持も持っておらない。まあ、いわばニュートラルな気持でやったつもりでございます。ただ、もし損失が生じた場合にはどうするかと申しますと、この資金を取りくずす場合にも、もちろん決算確定を待って取りくずすことになるわけでございます。でありますからして、いずれにしましても、決算がはっきりしないことには、幾ら補てんしていいかということは、わからないわけでございますから、そういう意味において、特に従来の方針を大きく展開さしたというほどの気持もございませんが、もともと糧券でもって従来泳いで参ったものですからして、こういう形は財政が許す限り、できるだけやめていきたいという気持は持っておりまして、それで今回繰り入れをしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/68
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069・小林孝平
○小林孝平君 私は、今のこの調整資金の問題については、いろいろお尋ねしたいと思ったのですが、きょうは時間の関係でやらなかったのですが、いずれにしても、この百五十億というのは、大体一年分なんですね。赤字補てんの一年分しかないわけなんです。しかも、大蔵省はこれは赤字の補てんと言わないで、資金と言っているのですから、その点がいかにおっしゃっても、どうもこれは計画性がないような気がします。また、計画性がないばかりでなく、食管特別会計というものは非常に窮屈になって、だんだんそれが生産者、消費者にしわ寄せになってくるような気もしますが、それは次の機会にいろいろお尋ねしたいと思うのです。
もう一つお尋ねしたいのは、この経理区分の問題なんです。食管特別会計がどんぶり勘定になっており、そうしてそれが非常に不評を買った。国会などでもいろいろ追及されまして、不評を買ったので、その食管特別会計をもう少しはっきり合理化させよう、こういう見地から、この経理区分というものをされて、国内産の米、麦、輸入食糧、農産物等調整勘定、業務勘定というようにお分けになったと思うのですが、こういう結果は、食管特別会計の運用上非常に窮屈になってきて、その結果、特に国内の米、麦というふうに分けることによって、今後コスト主義を貫く一つの足がかりになるのではないかということをおそれるわけなんです。そうして、結局は、米についていえば、生産者と消費者にしわ寄せするということになる。また、麦については、生産者の買い入れ価格を下げるということを実質的に行わせるようになるのじゃないか。特に食管長官は、あなたは、麦については生産者価格の引き下げを強く主張されておるようなのでありますが、この経理区分を実施することによって、今申し上げたように、生産者と消費者にしわ寄せをする。さらに麦については、あなたもかねがね主張されておるような、麦の買い入れ価格を引き下げる動機にこれがなるのではないかというふうに考えるのですが、あなたはどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/69
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070・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 今回の特別会計の経理区分でございますが、お話しのように、経理区分をやるということにつきましては、いわゆるどんぶり勘定ということで、特別会計の損益の処理なり、さかのぼりまして、損益自体の状況が各事業別、あるいは物別に的確に把握されていないという御批判がかねてあったわけでございまして、そういう御批判にこたえるために経理区分をするということも、確かに今回の改正法案を御審議願う理由の一つでございます。ただ、しかしながら、経理区分をいたすというふうにいたしましても、いたし方はいろいろあるわけでありまして、徹底してやれば、特別会計で全部ばらばらに分けてしまうというのが、一番徹底したやり方であります。しかし、食糧管理、特に米麦につきましては、相互それぞれ関連もいたしますし、また、内地米あるいは内地麦、それぞれに当然に収支均衡をはかるべきであるということも言いにくいものでありまして、全体としてやはり観察しなければならぬ、あるいは運用しなければならぬ点もございますので、徹底した勘定区分ということは妥当でないということで私どもも考えており、今回の改正法案でも、さような趣旨を取り入れた経理区分に実はなっております。従いまして、農産物は、これは米麦とは違いますのですが、一応非常に独立勘定の色彩も強い、一般会計の関連におきましても、他の勘定とは別の行き方になっておりますが、米麦、輸入食糧につきましては、それぞれ損益を調整するという別の特別の勘定を設けておるほどに、関連が深いということは認めておるわけでございますから、従いまして、国内麦、あるいは国内米、そういったようなものにつきまして、物別に今後収支を明らかにいたしますけれども、同時に、当然にそこで収支というものを独立に考えるというまでには実は考えておりませんのです。もちろん徹底すれば、国内米は国内米、国内麦は国内麦ということで、それぞれコストを考え、それに応じた価格ということになるわけでございましょうけれども、こういうふうには実は考えていないわけでありまして、国内麦、米、輸入食糧、それぞれを相互勘案して処理する、ただ、相互勘案して処理する場合には、従来のようなどんぶりでは、たとえば輸入食糧の益がどういうふうに使われるか、あるいは国内麦の損がどういうふうに補てんされるか、明瞭でない。はなはだしきに至りましては、澱粉の買い上げの損を補てんするために、内地米の消費者価格を上げるのではないか、こういったような御心配も出てくるようなわけになりますので、そういうことはいたさないというような範囲で、一つ経理客分を実は考えて、今回御審議願いまするような改正法案にいたしたようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/70
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071・小林孝平
○小林孝平君 さっきお尋ねしたように、要するに、経理区分を実施することによって、それが生産者、消費者にしわ寄せされるおそれがないということは、はっきりと言い得るのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/71
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072・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 経理区分の趣旨が、区分に応じまして、国内米、国内麦等を別々にその収支、損益を明らかにするということが眼目であります。直接にそれによって基本の政策自体を左右するというつもりはございません。従来、いろいろ国内米のコストなり、その他について議論がございました節も、的確にこうだというふうに、制度上お答えする実は仕組みになっていなかったわけであります。実際問題として、二、三年来、勘定区分をある程度やっておるというだけでありました、われわれは法律上の何といいますか、要請に基いて実はやっておるものではありません。そういうことでは困る、そういうことでは特別会計がいかにもふしだらな、かえって印象を与えるということでありますので、その間をむしろ明白にする、こういうことが第一眼目でありまして、出た結果、すなわち、経理区分をした結果による経理の実情を政策にどう反映していくかということは、別にまたこれはお考え願うことになるのでありまして、経理区分と当然に特別会計の運用全体、あるいは食糧管理政策の持っていき方自体について既定観念があって、それと結びつけておるというわけではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/72
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073・小林孝平
○小林孝平君 私はまだいろいろ聞きたいことがありますが、他の委員の質問もありましょうから、次回に留保いたしまして、きょうはやめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/73
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074・栗山良夫
○栗山良夫君 この際前の国会に関連したことで、一つ食糧庁の長官にお伺いをしておきたいと思います。
それは、ただいまも説明の中に輸入食糧の問題についてのお話がございましたが、それに関連した黄変米の処分でありますが、昨年の二月十一万七千トンくらいの在庫量があって、この問題に対する農林省としての処分の方法、並びに国庫に与える損失の見込み等についても当時お尋ねをいたしました、資料も出していただきました。そのときに農林省としては私の質問に答えられまして、国になるべく与える損害を軽微にいたすように努力をいたしましょう、こういう約束をしていただいたのでありますが、その後経過はどういう工合になっているか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/74
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075・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 今お話にございましたように、たしか当時十一万七千トン余りの在庫があったわけでありますが、大蔵委員会におかれましても、できるだけ国損の少くなるように早く黄変米を処分すべしという御質問があったかと存じております。その後の経過を御説明いたしますと、黄変米の質によって区分をして、それによってできるだけ損のないように処理をするという方針であるということは、当時からも申し上げておったわけでありますが、そういう方針に基きまして、昨年の二月から最近まで処理いたしましたものを申し上げますと、約七万三千四百トン余り程度を処分いたしております。従いまして、この二月の初めには在庫は四が四千トンということになっております。処分いたしましたおもなる用途は食品加工、それから工業用ののり、それからアルコールでございます。現在ございます四万四千トンにつきましては、大部分が品質が悪いものでございますし、これは工業用アルコールに回すことにいたしております。通産省の関係のアルコール専売業用のアルコールでございますが、そちらに大量処分して、一部は飲用アルコールになるかと思いますが、そういうことで今後ほぼ一年と申しますか、今暦年度内には全部の処理がつくというつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/75
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076・栗山良夫
○栗山良夫君 今暦年度内といいますと、三十三年度という意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/76
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077・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/77
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078・栗山良夫
○栗山良夫君 大体処分の内容はわかりましたが、その七万三千四百トン、処分済みのものについて簿価と処分価格、それから実際国が受けた損失はどのくらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/78
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079・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) ここで今詳細の資料は持っておりませんのですが、食品加工用につきましては、これは準内地米でございますと六万七千円程度、それから普通の外米ですと五万一千八百円程度でございます。従いまして、この価格は取得価格と比べまして特に安い価格ではないと存じます。ただ買って以来相当の日月を経ておりまするので、損は金利、倉敷が損というふうになります。それから飲用アルコールは大体五万円足らずでございまするから、食品加工については高く処分ができておるのであります。一番安いのは工業用のアルコールでございまして、これは最近の処分の価格は二万四百円ということになっておりまして、これは相当の損ということになるわけであります。この七万三千四百トンだけの損を特に区分しておるのではございませんが、当初から今日まで、あるいはさらに全部処分するという前提に立ちまして見ました場合には、約五十億程度の損を見込まれるのであります。それは買い入れ価格と処分価格の差のほかに金利、倉敷等を見ているのでございます。大体お尋ねのところに当りまする三十二年度のこの七万三千四百トン、これに相当する正確な数字は今持っておりませんが、大体十億程度でなかろうか、こう存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/79
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080・栗山良夫
○栗山良夫君 そうしますと、このただいま法案に出ている食管特別会計の百五十億の資金措置をするというのですが、今のように五十億三十二年三十三年度で赤字が出るということになりますと、その赤字はやはり今の百五十億の中で補てんされることになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/80
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081・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 全体くるめて五十億というふうに見ておるわけでありますが、そのうち約四十億は三十一年までで処理できておるわけであります。従いまして、あとの十億程度が会計年度からいった場合の三十二年度の損になるのではないかというふうに考えております。従いまして、この三十二年度で処理されるものは大体十億見当ではなかろうか、こう存じておるのであります。三十三年度で処分するものがありまするから、三十三年度に損が持ち越すものも当然あるはずということになりますけれども、大体現在持っておりますものにつきましては、今後の処分の方針をきめて、おりますので、その処分先に応じた価格でもって本年度の決算をすると、在庫評価をそれだけ引き下げるということで、黄変米の損は三十三年度には出ないで済む、非常に異常な変更がありますれば別でございますが、ほぼ三十三年度では黄変米の損は出ないで済むように三十三年度できりをつけたいと、こういうふうな方針でいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/81
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082・栗山良夫
○栗山良夫君 そうしますと、今あなたのおっしゃった赤字五十億というのは、十一万七千トン、昨年の二月末在庫に対応するものではないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/82
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083・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) さようでございます。そもそもから全体の処分済みまでの総計を一応入れました全体の損の見込みであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/83
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084・栗山良夫
○栗山良夫君 それから昨年も私問題にしたのですが、これは倉敷料を毎年払っておりますですね。それはどのくらいに減ったわけでありますか、年間にしまして、今までの処分済みのものについては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/84
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085・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 年間にいたしますと、約三億余りが保管料ということになると思います。一年分であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/85
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086・栗山良夫
○栗山良夫君 それは十一万七千トンに対してでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/86
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087・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 十一万七千トン内外のものです。初めは十五万トンでありましたから、だんだん減って参りますから、正確に申しますと、少しずつ減って参るわけでありますが、十万トン内外あるときの金利、倉敷の保管というような見当て、この場合の倉敷料の見当であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/87
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088・栗山良夫
○栗山良夫君 そうしますと、大づかみに見てですね、これから四万四千トンが三十三年度内に処分されるとして、最大限これから残っておる倉敷料というのは一億円ぐらいと見ていいですか。要するに三億円の三分の一ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/88
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089・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 大見当としてはそういうことかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/89
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090・栗山良夫
○栗山良夫君 二十六国会のときの農林省のわれわれに対する約束は、四万トン程度のものについては一年以内、総額については三年以内で処分を完了しましょうと、こういうお約束をいただいていたわけです。今の御答弁ですと、大体約束の通り努力をしておられることは私もよくわかりました。もうはっきり不良品とわかってしまったものは、これは相手のあることですから、無理に押しつけるわけにはいかないでしょうけれども、国庫に損失を与えないように一刻も早く処分を完了されることを強く要望しておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/90
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091・杉山昌作
○杉山昌作君 この特別会計の方で今度勘定を六つ作ったわけです。これは先ほど食糧庁長官のお話もあったように、従来は食糧特別会計で非常に赤字がある、それはどんぶり勘定で、どういうわけでできたかわからないので、その経過をはっきりするためにそれぞれの勘定を設けた、まあこういうふうなことと思うのです。ところがですね、この各勘定を設けて、それで収支損益の事態を明らかにするというのは、明らかにすることだけが目的ではないので、明らかになったその損失の補てんに関連して、こういう理由でできた損失はこれは当然一般会計で補てんする、こういう理由でできた損失は一般会計での補てんはおかしいじゃないか、こういう補てんに関連させての考え方であったと思うのです。そこでこの規則を見ますと、農産物安定勘定の損益は、これはその勘定自身の積み立てをしたり、積立金をくずすことで、そこだけで始末をしておる。それから一番大きいのは、三つの食糧管理勘定ですが、その損失はこれを調整勘定でやる。そうすると、その調整勘定の最後のしりは、先ほど申し上げたような今度作る資金でプラスマイナスでやれということになっておりますのですが、ところがこれは考えてみますと、農産物安定勘定というのは、これはまあ行政的なものと従来言われてきたわけです。それから食糧管理勘定に属するようなものは、これはまあ事業損失というようなことで従来考えられてきたわけです。この行政的なものから出てきた損失というものは、これはその勘定の積立金でやれということなんですが、むしろこれらこそ行政的な意味から出てきた損失ならば、行政費として一般会計にさっさと持っていけばいい。それから食糧勘定なんというのは事業勘定だから、その損益を、百五十億円足りなければその資金をふやすという問題も起きてくるかもしれません。そういうふうに簡単に持っていけるようにしておるのは逆じゃないかと思います。これはどういうような状態になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/91
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092・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 農産物等安定勘定と米麦等の食糧管理勘定との損益の処理の仕方が違うことに関連してのお尋ねでございますが、まず農産物安定勘定の損益の処理でございますが、これは米麦とは同じ食糧管理特別会計で買ったり売ったりする操作は似ておりますけれども、目的が違っておるわけでありますから、これは米麦の損と混淆すべき性質のものではないということが一つでございます。それからお話もございましたように、農産物等安定勘定は、これは狭義のと申しますか、米麦等とは違ったさらに狭い意味での農業政策的な色彩が非常に強い、こういうことで、この損は一般会計とじかに関連をつけて、それで処理をするということにまあいたした方が適当だということでこうしたのであります。従って損があれば一般会計から補てんをするという建前にいたしたのであります。ただし、論理的に申しますと、形式的に申しますと、益が出る場合もこれはあり得るということで、その場合には積み立てるということにしただけでございまして、そのことは必ずしも自前で当然やるべきであるというわけではございません。
それから米麦等につきましては、これは御承知の通りでございますが、それぞれ価格についてもバランスをとらなければならぬ。特に販売価格についてはバランスをとらなければならぬというような関係がありまして、それぞれの勘定だけの収支でもって販売価格をきめていくというわけにも参りませんし、またこれまでの経過もございますから、損益は一応調整勘定というところで、いわばプールしてみるということが必要ではないかということで、調整勘定を設けました。ただし、損がすでに三十二年度でも見込まれまするし、三十三年度の予算でも損が見込まれておりまするので、そのままそれを放任しておくというのは、特別会計ということだけを考えても不健全でございますので、他方の必要でもって設置されます調整資金、これが場合によっては損の補てんのために取りくずしができると、こういうふうな仕組みにいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/92
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093・杉山昌作
○杉山昌作君 そうすると、まあ私の考え方が逆なんで、農産物安定勘定はその勘定だけで始末するように書いてあるんだが、一応こう書いてあるので、大体これは損失が多くて、積立金ができるというようなことは、一応は考えられるが、そのときは行政費とも考えるべきものですから、そのように考えて、補てんを別途してもらうのだと、こういうようなことを考えてこうやっておると、こういう意味でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/93
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094・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/94
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095・杉山昌作
○杉山昌作君 わかりました。そうしますと、これはこまかい問題ですが、農産物検査の費用は業務勘定に入っておる、しかもそれは調整勘定に入ってしまうのですが、むしろこれらこそは今の農産物安定勘定と同じように、行政費と同じように考えて、一般会計にすなおに切りかえをするというのがほんとうじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/95
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096・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) この業務勘定の取扱いについては、根本的に、お話のようにいろいろこれは御議論があり得ると思いまするし、また特別会計の諸経費のうち特別のものは一般会計が負担すべしという御議論もかねてありましたことも関連をいたしまして、取扱いは非常にむずかしいわけでありますが、私どもといたしまして、今回御提案をいたしておりまするものの考え方は、業務勘定というのは、それ自身としては特別の収入は生まない、もちろん検査につきましては、米以外の国内の産物、農産物あるいは麦につきましては、検査料の収入がございますが、これはごくわずかでございまして、業務勘定全体のものを取り扱うほどの収入にはなりません。従いまして、ほとんど大部分は他の事業勘定からそれぞれ分担をして金を出してもらうということで、いきなり一般会計ということでなくて、各事業勘定に業務勘定が必要とする金を出してもらって、損益のしりは各事業勘定でやる。従いまして、業務勘定は普通計画通りいきますれば、大体は収支とんとんになるところだ。ただここで便宜上のことがありまして、倉庫とか、そういう固定資産に属するものを処理することにいたしておりまするから、そういうものの償却というようなものが将来ありますれば、そういうこともありますし、あるいは火事で燃えるということの損ということもありますので、そういうことの損が特に出る場合があろう。その他の日常のものは大体各勘定に振りわけて収支とんとんでいける、こういうことで、特に一般会計に直接御迷惑をかける必要もなかろうということで、実際の運用を実は考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/96
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097・杉山昌作
○杉山昌作君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X01819580324/97
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098・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 両案に対する残余の質疑は後日に譲り、本日は、これにて散会いたします。
午後三時五十一分散会
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