1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年三月三十一日(月曜日)
午前十一時五十一分開会
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出席者は左の通り。
委員長 河野 謙三君
理事
木内 四郎君
西川甚五郎君
小笠原二三男君
平林 剛君
天坊 裕彦君
委員
青木 一男君
岡崎 真一君
木暮武太夫君
酒井 利雄君
左藤 義詮君
塩見 俊二君
土田國太郎君
廣瀬 久忠君
山本 米治君
大矢 正君
栗山 良夫君
小林 孝平君
野溝 勝君
杉山 昌作君
前田 久吉君
衆議院議員
大平 正芳君
国務大臣
大 蔵 大 臣 一萬田尚登君
政府委員
大蔵政務次官 白井 勇君
大蔵省主計局次
長 佐藤 一郎君
大蔵省主計局法
規課長 小熊 孝次君
大蔵省主税局長 原 純夫君
国税庁長官 北島 武雄君
建設省道路局長 富樫 凱一君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
説明員
大蔵省主税局税
制第一課長 塩崎 潤君
国税庁間税部長 泉 美之松君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○関税定率法の一部を改正する法律の
一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○所得税法等の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○法人税法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○租税特別措置法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○酒税法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
○入場税法の一部を改正する法律案
(衆議院提出)(第二十七回国会継
続)
○道路整備特別会計法案(内閣提
出、衆議院送付)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/0
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001・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより委員会を開きます。
理事の辞任についてお諮りいたします。左藤義詮君より都合により理事を辞任いたしたいとの申し入れがありました。これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/1
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002・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議なしと認めさよう決しました。
つきましては、その補欠を互選いたしたいと存じます。互選の方法は先例により成規の手続を省略して、委員長の指名に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/2
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003・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
それでは私より木内四郎君を理事に指名いたします。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/3
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004・河野謙三
○委員長(河野謙三君) それではこれより関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、酒税法の一部を改正する法律案、以上五案を便宜一括議題として質疑を行います。
なお、租税特別措置法の一部を改正する法律案は、衆議院において修正されておりますので、この際、修正点について説明を聴取いたします。衆議院議員大平正芳君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/4
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005・大平正芳
○衆議院議員(大平正芳君) ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する、衆議院における修正案につきましてその趣旨を御説明申し上げます。
修正案の案文につきましては、お手元に御送付申し上げてありますので、朗読を省略させていただきます。
今回貯蓄の増強に資するための臨時的措置といたしまして創設される貯蓄控除制度の対象となる貯蓄につきましては、改正案の第四十一条の二におきまして、預貯金、証券及び生命保険ということになっておるのでありますか、その中には相互銀行が主要業務といたしております相互掛金が含まれていないことになっております。ところか相互掛金の中には、現在貯蓄目的のために活用されているものもあるのでありまして、その割合は契約高中金額にいたしまして約二〇%、件数にいたしまして約三〇%を占めている現状であります。また相互銀行におきましては、相互掛金について主として貯蓄を目的とするものと、主として融資を目的とするものとを作りまして、前者すなわち主として貯蓄を目標とする相互掛金契約により、貯蓄性資金の獲得吸収に努力している実情でございます。以上のような事情から考えまして、この際貯蓄的性質を持つ相互掛金につきましても、これを貯蓄控除制度の対象の中に含めるのは、妥当かつ当然なもりと認められる次第でございまして、これが本修正案を提出いたしましたおもなる理由でございます。何とぞ御賛成あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/5
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006・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより質疑を行います。御質疑のある方は、順次、御発言を願います。政府委員はただいまのところ、北島国税庁長官、木村税関部長、泉間税部長、塩崎税制第一課長が出席しておられます。ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/6
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007・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/7
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008・大矢正
○大矢正君 租税特別措置の内容について二、三質問をいたしたいと思うのであります。一昨日の当委員会において一、二質問があったと思うのでありますが、九十二条に書かれているところの航空機の乗客の通行税の軽減に対する問題でありますが、本法が三十三年の三月三十一日で切れるものが、三十四年の三月三十一日までとして一年間の特例の延期がなされておるのでありますが、これは一体いかような理由のもとにこのような措置をされたのか、この点まずお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/8
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009・塩崎潤
○説明員(塩崎潤君) 御説明申し上げます。御承知の通り航空機の通行税につきましては、二十八年以来二〇%が一〇%の軽減となって若干途中で期限か切れたこともございますが継続いたしております。この趣旨は、御承知の通り戦後立ち直りました航空機の事業につきましてしばらくめんどうをみよう、こういう趣旨でございます。御承知のように、日本航空にいたしましても、またローカル線を担当いたしておりますところの地方航空会社にいたしましても、経営収支は非常に苦しい状況であったわけでございます。最近におきましては、御承知の通り日本航空は国内線におきまして相当状況がよくなって参りました。ただ、まだローカル線を担当いたしておりますところの宝日本空輸と申しております会社につきましては相当な赤字を持ち、まだ今後なお収支採算が苦しいようでございます。そんなような関係をみまして、なお一年継続することにいたしました。本来消費税の性格からみますれば、乗客が負担することになりますので、こういう趣旨から助成するのはどうかという税の面からの御疑問があろうかと思いまするけれども、何と申しましても通行税の負担というものは料金にはね返る。従いますと収入の面がその面から制約を受けまするので、結果的には収支の面に相当苦しい点が出て参る、こういう趣旨もございます。それも考えまして、今回なお一年特例措置を継続する、かように考えましてこのような措置をとった次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/9
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010・大矢正
○大矢正君 三十一年度分でけっこう、でございますが、本法の特例措置によりまして減税されておるところの金額はどの程度になっておるのか。それから日本航空株式会社と他との比率はこの減税の面でどういう比率になっているかということをこの際お示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/10
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011・塩崎潤
○説明員(塩崎潤君) 税収におきまして通行税の収入見込み額は三十三年におきまして四億ばかりでございます。そのうち約三億ばかりが日本航空でございまして、一億足らずがローカル線によりますところの収入でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/11
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012・大矢正
○大矢正君 あなたの御存じのように、三十三年度の予算付属の資料の中に出されておりますところの日本航空の損益計算書の中には、大体三十三年度の見込みとして約八億以上もの黒字が計上をされておることは御了承の通りであります。三十三年度の見込みにおきましても大幅な黒字が見込まれております。かようにして特例措置の大部分を占めるところの日本航空がすでに黒字が、その金額も相当上回ってきておるにかかわらず、なお一年間それを延長しなければならないという理由についてはどうも私は納得ゆきませんので、再度あらためてお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/12
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013・塩崎潤
○説明員(塩崎潤君) おっしゃる点相当問題がございます。私どももその点につきましても十分検討いたしたつもりでございます。ただ御承知の通りに、日本航空につきましては、飛行機の減価償却につきまして必ずしも法定耐用年数によるところの償却が完全にできておるような状況ではございません。貸借計算によりまして減価償却につきましての繰り延べ措置をしておる、こんなような状況でございます。さらにまた国内線と別の問題でございますけれども、国外線につきましてDC7Cといった新しい機種を入れまして、国際線におきまして相当激烈な競争の中に入っていかなければならぬ、こんなような状況もございますので、こういう事情を加味いたしまして、日本航空につきましてもなお一年延ばそう、かように考えたわけでございます。
なお、通行税につきましてローカル線はよろしい、あるいは日本航空の方は特例をやめまして二〇%に返そう、こういう考え方もあるかもわかりませんが、消費税の性格から見まして、なるべくそういう形をとらない方がいいのではなかろうか、どういう基準によりまして、まだ収支採算が苦しいところのローカル・ラインの航空機事業、国際線あるいは日本全道をまたにかけておりますところの航空機事業をつかさどっております日本航空と区別するかという基準も非常にむずかしい、そういう性格は消費税の面ではできるだけ入れない方が適当ではなかろうか、かように考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/13
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014・大矢正
○大矢正君 あなたが今言われた減価償却の年限を引き延ばすということが実際に日本航空の中では行われているという話でありますが、なぜ一体減価償却の期限を延長しなければいかぬのか、その点を一つ聞きたいと思うのですが、おそらくそれは減価償却を短縮することによって黒字が出て来ないという結論しかないのじゃないかという気がするのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/14
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015・塩崎潤
○説明員(塩崎潤君) 税法上の耐用年数によりまして償却するのが私は企業経理上普通に行われている方法だと思うのです。ただそれによりますと、今申し上げましたように、必ずしもその会社の実態に沿った償却となるかどうか、これは会社の判断によってやるべきではないか、かように考えております。それからまた利益の面におきましても、必ずしも償却を法定償却によってみるのがいいかどうか、そこはみずからの見た償却方法により、また耐用年数によって償却する方がより合理的であろう、こういうことからきておるのではなかろうか、かように考えております。もちろん利益がそんなに出るならば償却をして内部留保を多くする、あるいは見せかけの利益だ、こういう考え方もございまするけれども、それは企業の自主的判断によってやった方がいいのではないか、こういうところからきているのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/15
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016・大矢正
○大矢正君 そうすると、三十三年度の決算見込みにおきましても八億以上もの黒字が日本航空において見込まれているということは、それ自身無理があるのだというあなたの結論ですか、また大蔵当局の考え方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/16
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017・塩崎潤
○説明員(塩崎潤君) 私どもこれは直接監督いたしておるわけではございませんが、おのおの担当部局あるいは運輸省におきまして種々の見方があるかと思いますが、私どもの種々検討いたしましたところにおきましては、そういう法定耐用年数で償却額を計算するところにまだ苦しさがあると、こういうふうに判断いたしました。その他今申し上げました八億という問題はおそらく上期におきまして見積られました収益状況だと思います。下期になりますとだいぶ状況も悪くなりつつあるというふうに判断されております。
それからまた三十三年度におきましては、先ほど申し上げました国際競争線におきますところの新らしい要素の追加によります苦しさが増してくる、こういうふうな判断をいたしまして、こんなような特例措置をなお一年継続しよう、かように考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/17
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018・大矢正
○大矢正君 それじゃ逆の方から申し上げますが、一年でいいという結論を出された理由は一体どこにあるのか。もし実際に日本航空に限らず、ローカル線を含めてすべての航空機事業をこの際保護しなければならないという立場でありますれば、一年間の税法の延長ではどうも私は理解できない。なぜ一年間でいいという結論を出したのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/18
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019・塩崎潤
○説明員(塩崎潤君) 非常にむずかしい御質問でございますので、的確にお答えができるかどうか自信がないわけでございますが、まず今までは、二十八年あたりに、こういう通行税の特例措置を講じましたときに、日航を基準といたしまして収支採算状況をとりまして、この程度ならば収支が合うということで三年間ばかり延長したこともございます。しかしそういう状況は一つの仮定に立っておりますので、なかなか、必ずしも思ったように動いて参りません。あるいはまたその新しい要素がその上に追加されまして、必ずしもそういうふうに、当初の予定通りに特例措置がされぬような場合もあったわけでございます。根本的には、私ども、は、この当委員会で問題になりますように、特別措置はできるだけ短い方がよろしいという気持ちを持っております。そういう関係からいたしまして、私は、日本航空につきましては、本来特別措置は早くやめてもらいたい、こういう気持ちを持っております。ただ主として今回の特例措置の延長の理由が、ローカルラインにおきますところの不況を何とか援助したい、こういう気持ちでございますので延長しようというわけでございますが、今申し上げましたように、直接消費税の性格から見まして、この二つを区別するというのは適当でないという観点に立っております。そういたしますと、これは日本航空の状況はよくなっておりますが、しかし来年度は非常に苦しいということが運輸省あるいは私どもの判断でもしたわけでございますが、そういう来年度の状況を見まして、もう一ペん判断いたしたい、こういうところから一年とした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/19
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020・大矢正
○大矢正君 あなたも御存じのように、租税特別措置法に載っているところの期限というものは殆んどが二年ないし三年、中には三年三ヵ月というものもあって、一年切りの租税特別措置というものはこの中にはあまり数がない、私が見ている範囲においては……。そうすると、あなたの言われた、租税特別措置というものはできるだけ短期間を目標においているということと、この租税特別措置の内容というものは相違を来たしているのではないかという感じがいたします。それは私の感じでありますから、あなたの御説明と違う点はあろうと思いますけれども、その点はその点としてよろしゅうございますけれども、あなたが言われたような、一年間だけ保護政策をとれば、結論的に日本の航空事業はいいだろうという考え方がどうしても私には理解できないんです。たとえば、日本航空の場合だって、すでにもう設立されてから数年間をたっておりまして、資産の上におきましても、内容の面におきましても相当地固めができてきたことは御存じの通りでありますから、ですから一年々々航空事業というものが、産業というものが、低落をしていくというようなことはおそらく私には考えられないことであります。あなたは何かしら、本年度、すなわち三十三年度の立場としては、日本航空の場合に非常に内容的には苦しくなる可能性があるために一年と限定されたやに説明がなされておりますけれども、あなたのいう、そういう説明ではとうてい私は納得いきません。ほんとうにあなたが言われているように、内容がまだ脆弱なものであるとすれば、一年間限りの法律じゃなくて、二年なり、三年なり、本法の最大の期限というものを付して私はやはり保護すべきじゃないかと思うんですが、それを一年切りでやられるということは、そういう企業の内容がどうこうというよりは、むしろ乗客が減少するであろうということに重点をおいて、国有鉄道との間における運賃の差額における乗客の減少ということに重点をおいて、もし国鉄に乗客をとられたならば困るだろうという立場から、この一〇%の軽減税率を適用しているのじゃないかという気が私はするのですが、私のそういう考え方は間違いですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/20
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021・塩崎潤
○説明員(塩崎潤君) お答え申し上げます。私どもは国鉄との関係は、通行税の面におきまして負担の問題といたしましては考慮いたしますけれども、特にこの一年に限ったことの理由といたしましては、先ほど大矢先生おっしやいました国鉄に客がとられるということを考えたわけではございません。日本航空につきましては、先ほど来申し上げております通りに、償却不足の繰り越しの問題、その他新しい国際線におきますところの新しい事態の発生、これらを考えまして、なお様子を見て判断しよう、こういうところから一年延ばしたわけでございます。趣旨はローカル・ラインにおきますところの苦境を是正する見地の方が強く考えられている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/21
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022・大矢正
○大矢正君 では次に第十三条に載っておりますところの新築住宅、もちろんこれは貸家でございますが、これの割増償却の問題について質問いたしたいと思いますが、この法律は従来内容を見ますと、比較的短期限に期限の延長がやられておったんでありますが、これが思い切って今度の法律によっては三年三ヵ月という長期、言いかえれば三十七年三月三十一日までということで本法の適用を延長しておりますが、こういうようにして長期にわたって特例措置を認める法律改正を行なった趣旨は一体どこにあるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/22
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023・原純夫
○政府委員(原純夫君) これは住宅政策のために税が協力するわけでありますから、住宅政策の方での一種の時期の切り方というものをよく伺いますと、ただいまの住宅建設促進計画ですが、これがここにありますような三十六年度までということを一応の目途としてやっておられると伺いましたので、その年度の終る三十七年三月三十一日ということを期限にいたしたわけであります。あとの方にも登録税あたりで四条ばかりございますが、同様の趣旨で三十七年三月末ということにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/23
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024・大矢正
○大矢正君 あなたは建設省の当局じゃございませんから、細部にわたる内容については御存じないかもわかりませんけれども、しかし法律をかりに三年三ヵ月も延長するにおいては、おそらく相当の期限に対する裏づけのある根拠を大いにお持ちになっておられるものと思いますので、そういう意味で三十六年度になったならば、一体日本の住宅はどういうようになるか、あなたの知っている範囲における内容をお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/24
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025・原純夫
○政府委員(原純夫君) 実は私のことを申してなんですが、この住宅の問題は、たしか昭和三十年度に大きく取り上げられたんで、その後三十二年度に改訂があって、新しい五カ年計画ということになっております。大体こういうことになっております。住宅の不足数を見込みまして、それからそれに毎年新しい人口増等で新しい需要がふえる、そこで住宅を補充する必要があるのが何戸ある。それに対していわゆる民間人建設が幾らあって、政府の計画で補充されるものが幾らある。で、毎年毎年不足が幾らとやって参りますと、大体三十六年一ぱいでいけると、三十六年末で若干残ります。三十七年度にはむしろ何といいますか、計画の勢いでやると余りが出るというようなところで、そういうような意味で三十六年末を一応の目途にしてやっております。もし数字が必要ならここで概略申しましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/25
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026・大矢正
○大矢正君 具体的な数字はともかくとして、三十六年一ばいたつと、日本の住宅不足というものは緩和されるという結論になるんですか、どうなんですか。現状の住宅不足が緩和ざれるのだと、こういう結論から三十六年度にめどを置いているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/26
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027・原純夫
○政府委員(原純夫君) その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/27
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028・大矢正
○大矢正君 それは当然人口増も含んで新しい家屋を必要とする人々も一切を含めて三十六年度には、あなたの言明からいうと、本法が実施されることにより、もちろん国としての住宅の建設もありますけれども、こういう民間の住宅建設によって、日本の国の住宅の必要量というものは満たされるんだというふうに私解釈してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/28
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029・原純夫
○政府委員(原純夫君) その通りでございます。もちろんまだこの住宅の規格その他で、なお不満なところが残るという点はあると思いますが、数としては大体三十六年度末の、ただいまおっしゃいましたたまった不足分と新たにできる不足分とを、今後の新規に建てる戸数で大体満たし得るという、少し残りますが、それは翌年まる一年度かからないでいけるというところまでいけるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/29
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030・大矢正
○大矢正君 そうすると、あなたが本法をざらに三年三ヵ月延長するという前提に立って、ここの三年三ヵ月の間で、この法律によって適用される、またこの法律を利用する前提の上に立って考えてみた場合に、これを利用した住宅というものは一体どの程度増加するというふうにお見込みになっておられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/30
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031・原純夫
○政府委員(原純夫君) ただいま申し上げました系列での数字は、民間自力建設ということになるわけであります。民間自力建設の戸数は、三十二年度から三十六年度までの五カ年計画の期間、最初の年度が三十万戸、最後の年度が三十八万六千戸というふうに見込んでおります。その間徐々に二万戸ぐらいずつふえて参るという見当でございますから、三十三年度から申しますと、これは私の目の子でございますが、約百四十万戸ぐらいが民間自力で建つ。大体その民間自力で建ちますものがこの十三条の利益を受けるということになって参ります。もちろん十三条はこの償却でありますので、自分の住む住宅の分は課税問題が起りませんので、そうではなく貸家の分についてこれが働いてくるということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/31
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032・大矢正
○大矢正君 あなたは今どういうようなことで借家やアパートが貸されているかということを御存じになっておられるかどうかということでありますが、極端なことをいますと 最近のいわゆる借家というものに対しては相当これはいまだ、住宅が緩和されたといえども高い料金を取っております。これが一つ。特にアパートなどにおきましても、大体六畳間二つぐらいつなぐと、一万円から二万二千円ぐらいまで取っている。特に新築なんかの場合は非常に高い。こういうことが行われていることが一つ。それからまたそういうような高額な料金を徴収するために、それを全部表面に出さないで、いわば隠しているという、そうしてそれを税務署等に申告しているというようなことを私は往々にして聞くことがあります。こういうようにして人から家を借りるんでありますから、当然生活の余裕のない者であります。そういう者がいじめられて、いじめられてですよ、なおしかも、その借家の持ち主が脱税行為をしているというような事実が非常に数多く国内にあるにもかかわらず、なおここで割増償却をしなければならないという考え方は、どうも私は納得がいきませんが、たとえば、あなたはそういう気持で割増償却をされているとは存じませんけれども、高い借家賃、それから、そういういような比較的脱税行為と見られるような方向があるという点について、どう処置されようとしているか、どう考えられておるか、この点についてのお考えを聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/32
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033・原純夫
○政府委員(原純夫君) おっしゃる点は、まことにごもっともな点で、まあ率直申して、今までそれについて、すでに十分な何というか押えが足らなかったと思います。今度、私どもは、これをお延ばしいただくという際に、こういう利益を受けながら高い家賃を取って、まあ、ぼると言っちゃいけませんけれども、そういうようなことをする向きには、この利益を与えないということにしたいと思います。で、坪当り幾らという貸し賃の最高をきめて、それ以下で貸す場合にのみこれの特別償却は認めるというふうにいたしたい。あの政令で御意見願っております事項でできると思いますんで、そういうふうにいたしたいと思っております。今までについては、御指摘いただいてまことに恐縮するばかりでございますが、今後はそういうふうにいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/33
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034・大矢正
○大矢正君 住宅金融公庫の金の貸す対象には、おそらく、人に貸すためのアパート等に対する融資も含まれていると私は解釈しているのでありますが、詳しいことは存じませんが、そのようにして融資の面におきましては低利の一資金を住宅金融公庫を通じて借りることができる。しかも、また、ここで、割増償却をすることができるというたいへん有利な状況に置かれておるにもかかわらず、先ほど私が指摘したように、非常に高借、家賃で家を借りる人間を困らせているというふうな点では、非常に私は納得がいきかねるの、でありますが、この際、こういうようなものがかりにあったとしても、このことによって住宅建設が促進されるんだとはとうてい私は考えられないと思うのであります。従って、租税特別措置ができる限り早い期間に整理をしなければならないとすれば、とりあえずは、こういう内容なんかはその対象に私はなるべきだと存ずるのであります。そういう点について、どうですか主税局長、私の言うことが間違いですか。それから、まだまだこの割増償却があることによって住宅建設が行われるんだというようなお見込みがあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/34
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035・原純夫
○政府委員(原純夫君) 私ども、特別償却の中で、この新築住宅の特別償却は、必ずしもきき目がないほうのものだとも思いません。御案内の通り、貸家を建てるという場合には、やっぱり建てる方はなるべく早く資本を回収したいという気持があるわけです。で、建物の償却期間というものは、木造でも、三十年というようらなことで、鉄筋あるいはその他になりますと相当長い期間でありますから、これを短かくするということは相当きき目があるんじゃないかというふうに私は思っております。全体として、特別措置の中で、特別償却、まあ大企業、中小企業の議論はございますが、特別償却は、必ずしも成績の悪いほうとも思わないのでありますが、その中で、住宅の分がまた特におくれているというふうにも考えません。御指摘のような点について、十分押えを打つべきだという点は、私は全然同感でありますけれども、制度そのものとしては、もう必要はないからすみやかに整理するという部類のものではないというふに私は考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/35
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036・大矢正
○大矢正君 次に私は、今回の租税特別措置の整理の中で国民の要望を受け入れてただ一つだけ行なったと目されるところの重油ボイラーの改造費の特別償却についてこの際承っておきたいと思うのであります。これは、租税特別措置の特例から除外をしたことが悪いとかいいとかという立場でないことをこの際あらためて申し上げておきたいと思うのでありますが、これは、重油ボイラーが普通一般の石炭ボイラー等に転換をするその必要性が今日においてはなくなったという立場において本法の特例を除外ざれたのかどうか、その点についてのあなたの見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/36
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037・原純夫
○政府委員(原純夫君) この制度は昭和三十年にできたものでありまして、お話の通り、当時石炭の状況が非常に悪い。その前もとうとうたる勢いで重油化が進んでおったわけですが、まあ、石炭か油かというのは非常に議論の多いことでありますが、そのときにおきましては、やはり、石炭を救うといいますか、石炭の方につっかい棒をするために、重油ボイラーにしたものを石炭のボイラーにするというのならば、そのする費用はそのとき全部改造であるから資本支出になるけれども、全部落させようということこいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/37
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038・大矢正
○大矢正君 あなたが今日まで本法を除外するという立場において聞いてこられた考え方というものは、これはすでにもう重油ボイラーを一般石炭ボイラー等に切りかえる必要性がなくなったという立場においてこの法律を削除されようとされておるのかどちかということについて私はあなたの考え方を承りたいと思うのでありますが、それは、当然今後の政府の政策の重点がより石炭を必要とさせる方向に持っていくのかどうか、いや、そうじゃなくて、依然として重油ボイラー等をこれからむしろ奨励をする、とまではいかなくても、それを認めるという立場、こういう立場においてこの削除法案というものが出されてきているのかどうか、この点についてのあなたの知り得ている範囲における見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/38
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039・原純夫
○政府委員(原純夫君) 結論として申しますと、油も石炭との間については、通産行政においてもまあ若干の行ったり来たりがあったというのは、御案内の通りであります。現に三十年にこの制度を設けましたが、勢い込んで設けましたものの、もう間もなく石炭の方が調子がよくなったというようなことで、しいてこれをなにして石炭に切りかえるというような例がなくなったような状態です。この特別償却というのは、まあそういうことを御報告申し上げると、私どもとしては恥を申し上げることになりますが、もうすぐ石炭の方が条件がよくなったものですから、ボイラーを使う人は、それを取りかえて石炭でたくものにするというのは必ずしも得でないというようなことになって、実を言うと、この特別償却の適用を受けたボイラーは一つもないんです。自来若干の浮動はありましたが、石炭についてそう強くボイラーの型式まで変えさすというまでのことはなくなっている。近頃でも炭主油従というようなことをいわれますけれども、ちょっと当時のような緊迫した貯炭が山ほどになってどうにもならんというような状態の問題でなくて、まあ油に依存するのを何とか考えてみなきゃいかんというような意味での積極的な腰がまえでする炭主油従でありますから、私どもとしては、こういう貯炭の山に追われてボイラーを使われるのだけれども、壊して切りかえるというような政策までは今必要がないというふうに判断しております。かたがた期限がきたりで、これはこの際消滅するというのもよろしかろうと思う次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/39
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040・大矢正
○大矢正君 政務次官、あなたに一つ承わります。一昨年の十二月に、当時の臨時税制調査会が非常に内容豊富たな税改正に対する考え方を表明されております。もちろんこれは当時の鳩山内閣の要望によって、諮問によってお答えになったことでありますが、その中の、特に今私が質問している租税特別措置に関係する点では、その基本的な考え方として、租税特別措置というものは、これは比較的わずかの企業や、わずかの人間に多額のいわゆる減免税、あるいは繰り延べを行わしめているので、こういうらい意味においては、本法はすみやかにでき得る限り早い期間にこれを検討をして、切り捨てるものは大幅にこの際切り捨てるべきであるという答申が出ております。おそらくこれは、、もうあなたは政務次官としてお読みになっておると思うのでありますが、ところが今回出されておるところの和税特別措置法は、減らされ、そうして整理をきれ、さらには合理化されたということでなくして、むしろたとえば企業に対するところの、今回のこの技術企業化用の機械設備等の特別償却などといって、あるいはまた控除等といって増加をはかられている。これは基本的に税制調査会の一昨年の答申や、それから八百幾億円といわれるところの、この租税特別措置によるところの減免に対し、国民は一日も早くこれをなくすべきであるという、こういう要望とはおよそ相いれない結果が今日出されておるのでありますが、大蔵大臣おりませんので、あなた一体こういう基本的な問題についてどう考えておられるか、御所見を拝聴したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/40
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041・白井勇
○政府委員(白井勇君) 大蔵省といたしましては、税制調査会の御意見もあります通りに、できるだけやはり整理すべきものは整理をしていく、こういう方向におきましては間違いないと思います。ただやはり経済界の情勢等によりまして、一つの政策を進めて参ります場合いろいろ手を考えるわけでありますが、やはりそれに側面から援助するというような意味合いにおきまして、税制におきましても特殊の措置を講じますことが、むしろ新らしい政策を進めて参ります場合必要であり、かつ合理的であるというような情勢も出てくるわけでありまして、そういう場合に特例といたしまして浮び上ってくる、こういうこともまたやむを得ないのじゃないかと、こら考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/41
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042・大矢正
○大矢正君 本来こういう特別措置などいうものは臨時のものであって、いつまでもあるベきものではないということは私が申しあげるまでもないと思うのです。ところが何年たっても現実には減ってこないのです。この通りでいったら来年またふえますよ、この特別措置は。それでは基本的な考え方とはおよそ反するのじゃないかと私は思うのです。そんなに特別措置を設けて優遇するような措置を講じなければいけないのならば、それは減税であるとか、免税であるとかいう措置でなくて、政府の一般会計の予算の中で、補助金制度としてこの問題を取り入れればいいんじゃないか、政策として取り上げていくならば私はいいと思うのです。少くとも税金というものは繁雑を避けて、そういう意味においては、国民に見られても一目でわかるような内容のものが好ましい、こういう特例措置があることによって、ますます国民が理解に苦しむような法体系や法律の内容では決してこれはいいものではないと私は思う。あなたは、一体、今日大蔵省の内容によりますと、八百七億の平年度特別措置によるところの減収があると言われておりますが、これは一体いつになったら解決されるのか、またいつごろまでにはこいつを何とか一つ解決してやろうというお考えがあるのか、政務次官の御見解を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/42
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043・白井勇
○政府委員(白井勇君) 方向といたしましては、先ほど申しあげました通りに情勢に応じまして、一ぺん設けられたものでありましても、整理すべき情勢にありますれば、これは当然できるだけ早く整理をすべきだと思います。御案内の通り従来設けられたものでありましても、現在残っているものは、内容をよくごらんになれば、御承知の通り内容におきましては相当情勢に応じまして手を加えられているものがあるわけであります。ただ今大矢委員のおっしゃいました通りに、いつごろまでというふうに私がここで期限を切りまして申し上げることはできませんが、これはやはり今後の経済情勢なり、いろいろな社会情勢の移り変りに応じまして、適切な措置を通しましてやはり軌道に乗すべきものは乗せていく、こういう考えをとりたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/43
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044・大矢正
○大矢正君 政務次官、私は一つの例としてあなたに承わりますが、たとえば利子所得の非課税及び税率の軽減、あるいはまた配当所得に対する源泉徴収率の軽減というような形で、軽減もしくは減税措置が講じられておりますが、これがねらいとするところは、おそらく私の想定では、貯蓄率を強化しようという、ことに最大のウエートがあるのじゃないかと思うのであります。あるいはまたむだな国民の消費活動をできる限り抑制をすることによって、貯蓄の方向に向けて行こうという気持がこの中にあると思うのであります。それじゃ一体、国民が消費を抑制しなくてもよいのだとか、あるいは貯蓄をしなくても、よいのだという時期が、一体日本の国にはいつごろ訪れるかということなんです。そんな時期は永久にこないですよ。永久に日本は、やはり貯蓄をしなければいかぬ、それから消費活動もできる限り国民は押えて、そうして雇用と両々相待って日本の経済の建て直しをやろうじゃないか、あるいはよりよい発展をしようじゃないかという、この目標においてはいつになっても変りはない。ところが租税特別措置としてここにあげていることは、あくまでもこれは臨時の措置でしょう。そうするとつじつまが合わないじゃないですか、これは一体どうお考えになりますか、政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/44
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045・白井勇
○政府委員(白井勇君) 日本国民といたしまして、消費を規制し、さらに貯蓄をしていかなければならないということは、今大矢委員のおっしゃる通りだと思います。ですからそういう情勢が変るなんということはどうしても私どもは考えられぬと思います。ただ去年のように国際収支がああいうような格好になりまして、そうして緊急時を切り抜けて参ります施策といたしまして、いろいろな手が考えられたわけであります。その場合にやはりこの貯蓄、国内蓄積の増強という点は特に重点的に呼ばざるを得ないような格好になるわけであります。ところが御案内の通りに貯蓄の増強なんというものにつきましては、なかなか名案というものがないわけでありまして、まあせめてこの税関係におきましても、こういう一つの手を時に考えるのだというような、何といいますか、旗じるしというようなものを掲げることによって、一つのまあ気運を醸成していくというようなこともまた必要であろうと思いますので、特に今回のようなことが考えられたと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/45
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046・大矢正
○大矢正君 僕は大蔵大臣が出て来て、この基本的な問題、特に特別措置に対して基本的な点で答弁をしてくれるというならば、今言っているような質問はやめてもいいけれども、もしそうでないとすれば、これから具体的に一つ政務次官の私は御答弁をいただきたいと思います。委員長どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/46
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047・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/47
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048・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとって。
残余の質問は後刻に譲り、暫時休憩いたします。
午後零時四十一分休憩
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午後二時五十四分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/48
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049・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 休憩前に引き続きこれより委員会を開きます。
質疑のある方は、順次、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/49
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050・大矢正
○大矢正君 三十三年度の予算が、すで、に予算委員会を通過して近く本会議に上程をされる運びになって参りまして、本大蔵委員会におきましても、所得税を初めとして、歳入関係の税法が具体的に俎上に上せられまして、これまた近く採決をとらなければならない段階になって参りました。今度の税法改正につきましては、こまかい点ではあまり問題点がないと存ずるのでありますが、しかし考え方の上におきまして、私どもの立場と非常に大きな開きがあることについて、私はこの機会に二、三大蔵大臣の考えを承わっておきたいと存じます。
まず第一に、大臣の見解を承わりたいと存ずるのでありますが、それは税法全体に関連をする問題でございますが、御存じのように、現在は日本は不景気のどん底ともいうべき状況に立ち、至っておりますが、このどん底にある日本の経済の実態の中で、これをもし立て直すとするならば、景気の回復をはかろうとするならば、それはもちろん金融面におけるところの手当番必要でありましょうけれど、今、大蔵委員会に当面かかっておりますところの税制の面における手当も必要かと存じます。そこで、念のために承わりたいことは、私は今日漸次よくなりつつあるところの外貨の事情と、それから、アメリカを初め、ヨーロッパの景気刺激策等から考えてみまして、この際、日本におきましても、金融面は、これは切り離して考えてみましても、税法の立場において考えてみて、購買力の増加であるとか、消費力の増進のために税法を改正すべきであるという考え方、そうしてその考え方をさらに積極的に進めることによって日本の経済を刺激し、景気を上向きに持っていく必要があったのではないかと考えますが、こういう私の考え方に対する大蔵大臣のお考えをこの際承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/50
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051・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) お答えいたします。これは二つの問題があると思うのですが、一つは原則的な議論、これはもう申すまでもないのでありますが、一応断わっておきますが、もしも国家のそのときにおける歳出需要をまかなってなおかつ税収に持続的な財源が見通されるというような場合におきまして、私はこれは、これを減税に振り向けるということに異存はありません。そうすべきだと考えております。
次の問題は、今の日本の経済の状況と減税という問題でありますが、実は減税につきましては、昨年度において一千億に上る面接税を中心とする減税をやったのでありますが、まあ今回はここに小規模の、幾らかこれを補完する意味におきまして減税をいたしたのでありますが、私は今の財政状況並びに国家歳出需要、財政需要から見まして、今後の経済の成長のない限りにおきましては、そう大きな財源的ゆとりは小さいのじゃないか、こういうふうに考えておりますが、特に景気をあおる意味におきまして減税をするという意味においては、私は賛成をいたしかねているのであります。やはり何としても国際収支がよくなったといいながら、単に国際収支だけ見るのは適当でないのでありまして、国際収支だけ見れば、仮に輸出が増加しなくても、輸入が減れば、これはもう差し引き計算、国際収支はやはり黒字になるのでありますが、しかしそうすると、これは縮小均衡の経済になりまして、他面におきまして、日本のような大きな人口をもっている国では、雇用の問題が非常に困難になり、これがまた大きな財政負担になる、こういうふうな循環を呈すると私は思うのでありまして、従って今の日本の国際収支が若干よくなったといっても、そんなに安心すべきでないのでありまして、常に問題になるように、来年度において、雇用関係からみまして三%の経済の成長というものは絶対必要だ。それには三十一億五千万ドルの輸出を必要とする、こういうふうな計画になっているのでありますが、その輸出を実現することは非常に困難じゃないかというのが、ほとんど多くの人が言っているところであります。私もこれはぜひ達成しなくてはならぬが、また達成する見通しもないことはないが、しかし非常な努力を要するという点において見解を異にするのであります。こういうような見地に立ちます場合において、日本の経済において、アメリカあたりがあれほどの自力を持っておる国がやると同じような意味において、景気の対策として国内需要を、消費を喚起する、これはとるべきじゃない、国内消費を換起することは全面的に……。ある物についてのみ消費をふやすということは統制経済にでもしない限りは不可能でありまして、全体において消費がふえるという傾向をとると私は思う。そうして日本の経済自体が貿易に依存する、いわんや東南アジア諸国というものを考えて、これを日本の今後の輸出市場に考えていくとすれば、私はむしろ日本の貿易に対する物資需要は非常に大きいのではないか、国内的において需要というものを換起するよりも、むしろ真にそれが必要であるならば、むしろ東南アジアに向って物資の供給を考えるということの方が、将来輸出市場開拓という見地よりしても適当じゃないか、大体そういうような見解をとっていく場合において、日本の経済はどちらかといちと、膨張的な傾向、自分の自力以上の、膨張ではなくて、むしろインフレ的な要因を常にはらんでいる経済である、かように考えておるわけ、でありまして、そういう意味からも私は今特に景気を刺激する意味において減税をするという説には賛成しかねるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/51
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052・大矢正
○大矢正君 今日の段階では、減税をして、その減税によって税収面から国内の景気の伸張をすべきではないという大臣の意見は依然として変りないようでありますが、これはある意味においては見解の相違もありますので、これ以上具体的な話をしてもしようがないと思うのでありますが、しかし海外投資の面を見ますると、例年これは大幅に日本の海外投資活動というものが増加をしておるという、この事実を眺めて見ましても、国内消費の問題で極力、しかも積極的に規制をしなければならないという大臣の考え方について、は私はどうも納得いきません。そこでこの問題について法人税との関連において一点お伺いしたいと思うのでありますが、神武景気が急速に緊縮政策という結果にしなければならなかった最大の理由は、それは各会社の利益の増加に伴うところの、収益の増加に伴うところの設備投資活動、この結果によってあのような外貨の不足をきたし、急速に日本の経済を縮小しなければならない結論が出てきました。これが最大の理由であると私は思うのであります。だといたしますならば、今度法人税を二%一律に引き下げるというこの措置は、神武景気が一ぺんにひっくり返ってデフレ景気となった、こういう考え方とは反する結果が出てくるのではないかという気がするのであります。特に百二十何億の法人税の減税の中で注意しなければならないのは、二百万円以下の所得金額の会社は総数において約八六%であるにかかわらず、実際にこの会社が受けるところの減税の恩典というものはわずか一四%であります。裏を返して言えば、九%しかない大企業が八六%の減税に浴するという結果になって参ると思います。少くとも減税の恩典というものが、より公平に、より広く分布をされる段階においては、さほど設備投資その他による景気の刺激は出てこないかもわかりませんけれども、内容を別にしても――具体的な数字の高は別にしても、かようにして大企業を刺激するような法人税の減税を行うということは、あなたがなお緊縮政策を進めようとする趣旨とは、およそ反するのではないかという気がするのでありますが、大臣の見解を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/52
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053・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 一応の理論的な見地に立ちますれば、そういうお考えについても私異論はありません。これは諸外国でも景気減少の調節にこういうような税の減免を活発にやりまして、いわゆる会社の内部保留とか、あるいは償却年限を長くしたり、短かくしたりすることにして、景気の調節ということをやっておりますから、私それを必ずしも理論的に否定いたしませんが、日本の場合におきましては、私はむしろ法人税を軽減して内部保留をさせることが、企業の健全化、あるいけまた投資なんかの行き過ぎをむしろ是正するのだ、なぜかと言えば、今日企業の外部借入金、ことに銀行融資に仰いでいる点が非常に大きいのであります。これは一面において企業から言えば、競争等の見地、あるいはまた科学技術の進歩からして、できるだけ合理化といいますか、企業の近代化をはかろうという意欲、一方また金融がやや緩慢というときにありますれば、むしろ金融機関の方から金を供給する、むしろ金を使ってほしいというようなことも競合してくる、こういうようなことになりますと、これはかえって企業投資が行き過ぎる、なるべく自己資金を豊富にして、自己資金で企業の近代化等をはかっていく、あるいはまた新らしい設備をするとなれば、そこで私はよほど慎重な態度をとっていくとい傾向もある、いずれにしても、今日本の企業におきましては、自己資本をもう少しふやさしてやるということ、言いかえれば、内部保留というものがもう少しふえて、自分の金をもう少し持っていく、これは私は企業の経営の上からも、今後の企業の拡大の上からも、ぜひとも必要である、かような見地に立っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/53
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054・大矢正
○大矢正君 日本の各企業をアメリカの企業と比較してみた場合には、約三分の一程度しか資本力においてはその力がないと言われている、ところが大臣の言われることをもってしても、私はよくこのことは私自身も存じておるのでありますが、そこでこのことをそれじゃ中小企業に発展さして、あなたの考えを聞きたいのでありますが、三十三年度の予算の中で、中小企業対策として盛り込まれた金額はわずかに三十一億であります。三十二年度はたしか私の記憶では十八億でございまして、十三億増にしてもなお三十一億程度しか具体的に中小企業対策の一般会計の予算としては見積られておりません。いろいろ意見を述べれば、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫から金を借りたらいいじゃないかという議論も成り立ちけれども、これはあくまでも借りる金であって、政府の政策では私はないと存じます。そうなって参りますと、今政府が当面とらなければならない措置は、そうしてこれを税制面の点で考えてみるならば、税制のもとにおける中小企業、特に小企業の立場を保護するという施策、政策が必要じゃなかろうかと思います。ところが今回行われました法人税の引き下げは、一律に二%の引き下げでありまして、大企業もまた小企業も同様に、率においては二%しか変化を示しておりません。ために私が言ったような結論が出て参ると思うのでありますが、今日必要なことは、中小企業をいかにして保護するかということにあると思います。もちろんこれは貿易政策にもつながることでありますが、だといたしますれば、経済の変動を一番受けやすい中小企業を救う意味において、今回の法人税の改正がもし行われるとするならば、それは小企業に重点を置き、また中企業に重点を置いて行われるべきではないかと思うのでありますが、ところが依然として大部分が、大企業が恩恵に浴するような法人税の改正しか行われていないということは、まことに政府の方針と、それから実際税務行政、税制との面で開きが出ているのじゃないか、違いが出ているのじゃないか、私はこう思うのでありますが、大臣の見解を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/54
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055・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 中小企業に対しまする対策はいろいろありますが、ただいまの御質問の税に関する範囲において御答弁申し上げますが、私も税法上から申して、中小企業についてできるだけのことをいたしたいという気持は持っているのでありまして、今度の税制改革におきましても、その点を十分考慮いたしまして、大体においていずれも中小企業に有利になるように考えて、中小企業対策といっていいような税法の改正をいたしておると思うのであります。ただしかし、やはり中小企業については事業税というものを与える必要があると思っておるのです。これはまあ地方税になりますが、これを実は私は軽減をしたい、こういういふうに思っております。そしてこれ自体地方税として適当であるかどうかという点もやはり考慮の対象になります。この点につきましては、今回は見送ったのでありまするが、この三十三年度中には中央、地方の税全体に関しまして検討を加えて、そうしてもう少しすっきりした税制というものをか考えたい、かように存じております。その節にはぜひともそういう事業税についても研究を進め、そして成案を得たい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/55
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056・大矢正
○大矢正君 一萬田大蔵大臣は、与党の中におきましても、また政府の部内におきましても、相当有力な力を持たれた方でありますから、かりに内閣の改造が行われたり、衆議院の解散が行われてもよもや大蔵大臣がかわるとは私考えません。そこで大臣自身もおそらくそれだけの確信を持っておられると思うのでありますが、そういう立場から考えれば、単に今の日本の経済やそれから日本の予算だけでなくて、将来に対する見通しも定見もお持ちになっておられると思いますので、私はこの際大臣に承わっておきたいと存ずるのでありますが、昭和三十一年度、昭和三十二年度においては相当大幅な自然増収がありましたが、現在の税法のもとにおいて、もちろん今回の改正、も含めますが、自然増収がなくなると見られているのか、来年度、さ来年度、そういう年度において自然増収というものがほとんどなくなるであろうということが想定されるのか、あるいはそうじゃなくて、現行の税法の中においても自然増収というものがまだ相当数見込まれるというお考えを持っておられるのか、判断を持っておられるのか承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/56
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057・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 三十三年度のこの予算を組みます場合におきましても、三十二年度の予算編成当時の税収入より以上に実際収入があるだろうと思うもの千億以上を財源に立てております。従いまして私は今後におきましてそう大きな自然増収というものは考えにくいのじゃないか、むろん税全体としては今後の日本経済の成長率というようなものによってふえるでありましょう。またその間における景気の状況等において、特に国際的な影響を受ける日本経済としては若干のやはり自然増収というものも、そういう景気の推移によって起ってくるだろうと思うのでありますが、しかしそれにしても、私どもとしては一応経済については、長期の計画も立て、五カ年計画というようなものも持っております。そして大かたの経済の成長率ということをもってそういうところから税収というものもある程度前もって予定が比較的に正確にできるのでありまするから、そうして考えてみますと、私はそう大きな自然増収というようなものは考えにいくのじゃないか、またそらあまり自然増収があるのは適当で、ない、もしもそういうことが引き続いてあるとすれば、私はやはり減税を考える、そうしてそう大きな自然増収が常にあるというような状態はないようにするのがいいのだ、こういう見解を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/57
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058・大矢正
○大矢正君 三十一年度におきましても、三十二年度におきましても、一千億以上あるいは一千億近い自然増収が見込まれておりますが、大臣は三十三年度の、今まあ予算が編成期でもありますけれども、三十三年度の自然増収というものは一体あるようにお考えになっておるのか、あるいはないとお考えになっておるのか、もしあるとすれば、どの程度あるというように考えておられるか、こういう点についての見通しを承わりたいのです。それはあくまでも、これはあとから大臣の言ったことをどうこうという気はありません。また来年になって大臣の言ったこととその結果の数字が違うじゃないかといって、そういうことをとやかくいう気持はありませんが、今当面する税法の改正に対する考え方の一つとして大臣の考え方をこの際承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/58
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059・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 三十三年度も、一応三%の経済の伸び、国民所得も伸びるわけであります。国民所得の伸びに比べると、私はやはり税収の伸びの方が大きいだろう、これは累進税率とかいうような関係があります。そうしてみると、実際やってみないと何も言えませんが、どちらかといえば、やはり自然増収というものは若干は出る、出るとみた方がいいんじゃなかろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/59
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060・平林剛
○平林剛君 関連。今大矢さんの質問に対して、今後この自然増収というのはあまり大きなものを考えることはできない、もちろん経済の伸長があればこれは別でありますけれども、そうでない限りは自然増収に対して大きな見込みを立てることは困難だというお話しがありました。先ほど減税についての基本的態度をお尋ねしたそのときは、財源があるときに減税をするというのが政府の一貫した考えだ、経済の伸長がない限り財源の余裕はないように思うというお答えもあったわけであります。そうすると、私は政府のただいまの言明は、将来の展望に立って、ここしばらく減税ができないという結論に一足飛びにはいかないけれども、そろいうことになっていくと思うのです。しかるに来年は事業税の軽減をしたいと考えておるというお話しがあったり、税全般についてはまだ重いという感じが残っておるのですから、政府としても今後減税については引き続き国民の要望にこたえて検討しなければ、ならぬ、しかるに一方財源の方は自然増収にしてもただいまのようなお答えであるとなれば、事業税の軽減のときでもそうだが、これからも一般的に重税とされている所得税の軽減のようなときに、一体どこに財源を求めるか、こういうことになってくるわけでありますが、大蔵大臣はそのときの財源についてはどういうふう考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/60
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061・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) これはまあ税制今般についての研究をしてみなければならぬ、今ある税自体だけでいいのか、これは私は相当日本の税については考える余地があると思います。それからまたこの直接、間接税の関係、それからまた他面租税特別措置で、おそらくこれは八百億くらいなものがあると思う。これも私は相当やはり整理する必要もあるだろう、いろいろ、ありますから、まあ私はある程度減税ということも今後考えていける、こういうふうに思っておりますが、具体的にどうするようになりますか、もう少しこれは税制調査会なんかで研究さしてみたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/61
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062・大矢正
○大矢正君 租税特別措置の問題については、あなたが特段あらためてここで税制調査会にその答申を促さなくても、一昨年の十二月に、当時の鳩山さんの時代に税制調査会が具体的だ答申を出しております。それはこんな厚いパンフレットになって事実国民に見られておることでありますから、今あらためて特段租税特別措置の諮問を求める必要はさほどないじゃないかと私は存じますが、とにもかくにもあの答申案にもありましたごとくに、租税特別措置というものは本来あるべきものではない。それが長期にわたって継続されるということはどうもうまくない。しかも特定の人間に大きな額の減免税、もしくは繰り延べを与えているというこの事実は、すみやかに解決をしなければならないということが当時の調査会の答申として政府に出されているはずであります。ところで今回の租税特別措置の提案を見ますと、減ったのは重油ボイラーの規制だけでありまして、あとむしろ増加をしているというのが実態であります。おそらく今年度六十億の増額になる、こういう結果がでておりますので、一体政府としてはこの租税特別措置法というものを整理するという考え方があるのか、あるいはそうじゃなくて、まだまだこいつをふやしていこうという考えになっておられるのか、その点については私ども、どうも疑点があります。個々の内容についてはいろいろ議論がありますが、総体的にいって、今私の言ったような議論が多く出されているところでありまして、この租税特別措置に対する基本的な考え方、これを承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/62
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063・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 税法上の特別措置は、むろん特定な国家目的を達するために、政策的に設けているものでありますから、その目的が達成され、従ってそれが必要がなくなると、すみやかにこれは廃止すべきだ。そして原則的に言って、なるべく早く廃止し得るように客観情勢や持っていくとともに、廃止するという立場をとっていく方がいいと思います。政府におきましても、それで昨年、三十二年度において約四百億くらい特別措置を整理している、そして三十二年度に二百五十億、百五十億は三十三年度にこれが現われてくる、こういうふうな状況でありまして、私はやはりなるべくすみやかにこれを軽減せしめていく内容にしたいと思っております。たとえば今回出ておりますのは科学振興とか、あるいは国民貯蓄に必要なる意味において、特別措置をお願いしているのでありますが、特殊な必要がある場合には、これはやむを得ない、こういうふうに考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/63
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064・大矢正
○大矢正君 租税特別措置の今回の改正案の中には、午前中に大臣がいないときに、政務次官に私は申しあげたのでありますが、三年も先まで減免税をするという提案をするものもあれば、一年だけの期限で提案をするものもある。非常に内容の期限においては種々雑多であります。そこですでに三年の期限のあるものは、三年間は延長されるということでありますから、その期間は整理ができないのだという決論に通ずるのだと思うのでありますが、そこで一年々々改正をされて出される租税特別措置もありますが、これは一体いつまで続け、また続けるお考えなのか、この点について承わってみたいと思います。毎年々々一年ずつ期限の延長をやっていくというふうなことは、あまりにも政府はその内容において検討されていない結果があるために、一年々々提案をするという結論が出ているのじゃないかと私は思うのでありますが、もっと租税特別措置については、全体的にいつごろになったら、どの程度まで整理ができるというようなはっきりした経済の将来に対する見通しと、それからあわせてこの税制の見通しが立てられなければならないのじゃないかと思いますが、大臣の見解を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/64
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065・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) ごもっともでありますが、これはやはり対象によって異なってくるだろうと思っております。何カ年かの計画によるというようなものについては、何カ年かやはりしなくてはならない。それからものによっては一年でもいいんだが、どうも一年たってもその効果が十分でない、もう一度延ばした方がいいというような、性質の事柄もあろうかと思うのでございまして、これは事柄によって違いまして、一がいに言いがたいのじゃないか、かように考えております。しかしながらあまりこういうような措置が長期にわたるというようことは、これは原則的に私は不適当であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/65
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066・大矢正
○大矢正君 三十二年度の決算期における自然増収の見込みというのは、当初見込みよりは崩れてきているというような意見も出されておりますし、さらには日本の現在の経済の動向、それから各種事業、個人の収益の状況、所得の状況から推しまして、三十三年度はこれまた大幅に自然増収を見込むことは困難である。おそらく漸次自然増収というものは減っていくだろう。減り方はいろいろあるでありましょうが、もしそうだとすれば、明年あたりに秘税特別措置法を大幅に整理をして税収源を求めることが好ましいのじゃないかと私はそう思うのでありますが、毎年々々今回はこれだけの期限、今回はこれだけの期限ということで延長提案されることにつきましては、私どもは非常に不満があります。少くともある程度の見通しを立てて、この時期になったならば租税特別措置法によるところの内容はどの程度まで規制ができるというような方向は示されなければならないと思うのでありますが、私はそういう立場において、賢明な大臣でありますから、おそらく相当いつごろになったならば処理ができるのだというようなお考えがあるだろうと思いますので、この際承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/66
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067・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 来年度におきましては、できるだけ私は整理をいたしたい、かように考えております。言いかえれば、三十四年の予算編成のときまでには、この特別措置についてできるだけ整理をしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/67
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068・大矢正
○大矢正君 考え方と気持の上においては特段ここで述べてもらわなくても、特別措置それ自身が長期間維持されるものではないという前提があるのでありますから、私は問題ないのでありますが、要は大臣が考えられてどの程度まで明年は整理ができるであろうというような具体的に私は見通しがほしいのであります。ただやりたいと思うというだけでは、これはもう作ったそのときからやりたいと思う気持においては当然なんです。第一こんなものを、長期間に特別措置が行われるなどということは考えられない。だから作ったそのとき自身から、もう短期にこれを解決しなければならないのだという私は解釈になると思うのでありますが、大臣は具体的にどの程度まで明年は整理されようとしているのか承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/68
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069・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 三十二年で先ほど申し上げましたように四百億に及ぶ整理をいたしました。これだけ増税、税がふえたわけでございますが、そういうこともありまして、今ここでさらに具体的にどういうものをどうするかというところまで私まだ結論をみておりません。今後十分検討を加えて参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/69
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070・大矢正
○大矢正君 この特別措置の内容の中には非常に多くの点があります。ところが基本的にはこれは必要のないものはおそらく特別措置の中に含まれるわけがないのでありますから、全部が必要だという立場において行われておるものと私は思いますが、考えてみまして、たとえば貿易政策に対して、特に必要だから貿易関係の企業については特別措置による減免を行うのだ、こういうかりに考え方があったとすれば、日本の国が将来において貿易の面で、貿易政策をより具体的に進行しなくてもいいのだ、まあ、一般商社に勝手にまかしておいてもそれでいいのだという時期はおそらくこないと思うのであります。貿易だけが日本の国の唯一の生きる道であるということは、大蔵大臣が常日ごろから言われている。そうだといたしますれば、貿易を振興するための税制面の優遇措置というものは、永久にこれを切り捨てることができないという結果が出てくるだろうと思うのでありますが、大臣どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/70
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071・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) この輸出振興のための税法上の措置でありますが、むろん私は輸出振興については各般の施策をしなくてはなりませんが、しかし税法上の特別の措置をするのは、むしろ非常に大きな応急的なものではないかと思っておりますで、時期が許せばこういうものはまず私は廃止したい、やめていきたいと考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/71
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072・大矢正
○大矢正君 あなたはやめていきたいとおっしゃるけれども、そうすると貿易関係の企業というものが、このことによって痛手を受けることになりやしませんか。そうすると、そのことによってあなたの希望する方向であるところの貿易政策とは異なった結果が出てくるんじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/72
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073・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) これは先ほど申しましたように、貿易振興には、もう少しやはり税負担の軽減というようなことでなくして、もっと積極的な振興策が多々実施を見つつあるのであります。自然、この取引の上におきましても、あるいはまた取引量の上におきましても、あるいはまた商社等の資力の充実等から見ましても、私はこういう税法上の措置はそういうようなことを十分勘案をして、そしてなるべく早い機会にこれをやめていく、それが適当であろう、かような方針を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/73
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074・大矢正
○大矢正君 午前中、これまた私は申し上げたことでありますが、少くともこの特別措置によるところの税法上の優遇策というものは、できる限り早い期間に、もしどうしても輸出貿易に対する企業に対し、優遇措置をしなければならないとすれば、これは国が政策として取り上げて、そうして一般会計その他の中で補助金を支給するなり、あるいは振興費を支給するなりという、こういう形の中で取り上げていくべきはずのものであって、いつまでもこれを租税特別措置として扱うことは本質に反するんじゃないかと、私はそう思うのであります。だといたしますれば、日本の国が貿易の面において将来あまり伸ばさなくてもよろしいんだというような時期は永久にこないとすれば、これは切る時期はいずれにしても、これはもう単に内容の問題ではなくて、相対的に考えられることじゃないかと思います。従ってこの際、私は貿易振興もさることながら、租税特別措置というものを大幅に切り捨てて、そうして、もしその面によって貿易企業その他の企業が痛手を受けるならば、政策として府が取り上げて、これを一般会計予算その他の中で行うべきじゃないか。この租税上の特別措置も打ち切るべきじゃないか、私はこう考えるんですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/74
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075・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 私もお考えと同じような考えを持っております。やはり貿易振興については、貿易を振興するような施策を政府としてする必要があれば政府としてすべきじゃないか。たとえば具体的に言うと、一例ではありまするが、ジェトロというようなものを充実して、そうして十分こんなものを活用さして貿易振興さしていくというようないき方が、私はむろん正当的ないき方であろうと、かように考えております。ただ特定なときに、そういうても、なかなか成果が上げにくい、何とか早く効果の上ることで処置をしなければというような場合に、こういうふうな税法上の特別措置で参る、こういうことに相なろうと思うのであります。いずれにしても、私はこういうふうな処置は他の貿易振興策に置きかえられるべきである、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/75
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076・大矢正
○大矢正君 あなたの言われていることは、考え方においては私と同じだという結論まではいいんですが、最後の方になってくるとみんな違ってくるわけでありますが、もっと別な問題で取り上げてみれば、生命保険料の控除であるとか、貯蓄控除であるとか、あるいは利子所得の非課税、及び配当所得に対する云々、こういうような貯蓄を増強するということを目標として減税措置というものは、一体いつになったら要らなくなるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/76
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077・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) これは昨年あたりから、いわゆる企業等の合理化、まあ資金が非常にそれには要る、がしかし、その資金が十分でない。特に長期資金が十分でない、こういうふうな状況下に対しまして応急にいたすものであります。従いまして、これはもう私は今度の二年と思っておりますが、二年あれば十分と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/77
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078・大矢正
○大矢正君 あなたは二年とおっしゃるのですが、そうすると、今回貯蓄控除として新しく提案をされて参りました内容というものは二年間据え置いた場合に税金の控除をする。こういうことになるわけですね。そうすると、この法律によって二年間貯蓄をしたそのときにはもうこの法律はなくなってしまうという結果になるわけですね、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/78
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079・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 私はこの法案によりましてこの内容とする貯蓄が増加いたしまするが、同時にこの機会に特に大衆という向きにおいて貯蓄するようにという、そういう一つの慣行も打ち出していきたい、かように考えておるわけであります。この法の期限が切れましても、むろんこの法律に基く恩恵から新しい預金というものはできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/79
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080・平林剛
○平林剛君 貯蓄減税についてちょっとお尋ねをいたします。貯蓄減税の構想については政府側から大体御説明を聞きましたが、大蔵大臣の財政演説やその後のお話などいろいろ聞きまして、私は今回大蔵大臣が議会に対して提案をした中では、貯蓄控除制度と財政資金のたな上げが一番大蔵大臣の独創的な御工夫をしたものであるという印象を受けたので、それがいいか悪いかは別でありますが、目の悪い議員は貯蓄減税と財政資金のたな上げを大蔵大臣から除いたら、あとは何にも残らんなどということを言う人もありますけれども、この貯蓄減税の構想は、私も去年の六月ごろから、大蔵大臣が大臣に就任された当時から新聞談話で発表されたことを記憶しておるのでありますけれども、昨年十二月の、一昨年になりますか、臨時税制調査会では銀行利子免税のような特別措置は、これは税制上適当な措置でないから廃止すべきだという答申があったにかかわらず、引き続きさらにそれを上回って今回のような貯蓄控除制度を創設なさった理由は一体どこにあるのか、私は大臣から直接その構想をお持ちになった理由をお尋ねをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/80
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081・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) これは御承知のように日本の経済が急速な角度で伸びましたが、その際におきましても、投資というものが貯蓄の範囲内に行われなかったというところに大きな一つの原因もあります。しかも他面日本の経済は今後ますます世界の水準に達するのには近代化をはかっていかなければならない、それにはいよいよ資本が要る、こういう見地に立ちまして、何としても当時資金の蓄積を国民に大きく呼びかける必要があるという見地に立ちまして考えた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/81
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082・平林剛
○平林剛君 そうすると、貯蓄控除制度というのは大蔵大臣が就任当時から持たれてきた構想で、従来の経済政策の欠陥として貯蓄の範囲内で投資が行われなかったという、いろいろな分析に基いて、現下の情勢ではどうしてもこういうことが必要だと確信をお持ちになって提案をなさったのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/82
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083・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/83
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084・平林剛
○平林剛君 私衆議院の大蔵委員会で、今回の貯蓄控除制度について答申案をめぐって、井藤半弥会長を参考人として呼ばれたときの模様を承知しておるのであります。そのときに自由民主党の代議士から、この貯蓄控除制度は一体だれが発案をなさったのか、政府が提案をなさったのか、それとも政府は税制特別調査会という隠れみのをもってそこでうまいこと答申をさせて、そして理論的な裏づけを行なわせて政府が提案したのか、どっちなんだという質問をしたのです。そうしたら井藤半弥さんは、これは政府から諮問はありませんでした。税制特別調査会の方で発案をして、そうしてこれを政府に建議をしたのです、こういう答弁をしているのです。大蔵大臣がうそをいっているか、井藤半弥さんが委員会に参考人として出てきて誤まったことをいうておるのか、どっちかだ。大蔵大蔵がまさか――今私がお聞きしたら就任当時からの構想で確信に燃え立って提案をなさったというし、衆議院の大蔵委員会で井藤半弥さんは、これは政府からちっとも諮問がなかった、諮問があったのは別のことだ、これは諮問がなかった。これは委員の中から発案をしたものだ。これはしっかりはっきり申しあげますと、こういうことまでいっておる。どっちがほんとうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/84
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085・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) どういう手続きを具体的に事務当同局がとりましたかは私存じません。存じませんが、ごく率直に申しまして、私一ぺんあの委員会に出ましてごあいさつしたことがございます。そのときに自分はこういう考えを持っておる、一つ皆さん方も十分検討してほしいと、こういうことを言いましたから、これがあるいは諮問といいますかね、お聞きしたことを、それを受けてどういう手続を、何か紙に書いたものか、こういうことは私よく具体的に聞いておりませんが、紙に書いたもので、何の件右諮問すというようなことをやりましたか、これは私よく存じません。しかし私は委員会に出てそういうことを申しました。これは何も率直にありのままを申します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/85
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086・平林剛
○平林剛君 その点はやはり議会の権威にかけてはっきりさせて、おかなければならないと思う。諮問事項となさったのはこれこれだと井藤半弥さんはそのときの質疑に答えて説明をしておるが、はっきり貯蓄控除制度は、これは諮問の中には入っていなかった、こう言われていますけれども、どうも今大蔵大臣はそのあいさつのところで言ったのは、これは諮問をなさったのですか、あいさつなんですか。この点がどうもあなたの答弁と大へん食い違っている。もしあなたがあいさつの中で、これは諮問したというものであれば、井藤さんの衆議院の大蔵委員会に対する説明は明らかに違っておる。とにかく井藤さんの言うのはどうもおかしいということになるが、これは大蔵大臣はあれですか、あなたの当初の構想であって、私があいさつの中で諮問したものであったということをはっきり今ここで、おっしゃいますか。そうするとまたこれはあとの問題になりますけれども、はっきりしておいて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/86
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087・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) そり諮問というのを、受ける人がどういうふうな考えで受けましたか、それによるのですが、具体的にもう私率直に申しましたように、私はあそこの席に出まして貯蓄の控除の必要がある、いろいろ意見はあるが、自分としてはこういうことは、これはドイツあたりでもやっておるんだが、それについても意見があるが、しかしこういういうふうことは僕も一つ考えてもらいたいのだと、こういうふうに言いましたから、考えてくれたのか、しかしそれをまたとる人においては私の演説ぐらいに思ったかもしれません。それで私諮問というのは一体どういう形式を備えたのを諮問というか、その辺私もはっきりしないんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/87
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088・平林剛
○平林剛君 そうすると、井藤半弥さんが委員会で言うたのは、その言の通りであるとすれば間違いであると、あなたは自分の政治的な判断に基いて、そしてその情勢からどうしてもこういうことが必要であると考えて諮問なさった、こう理解して、よろしゅらございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/88
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089・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) むろん私は、自分は必要で、自分はこういうふうに信ずるが、しかしこれはいろいろ、税ですから複雑でもあるし、また他にもなかなか関係もある、専門家の諸君で一つ考えてみてほしい、こう言うたんです。これは私そういう心底でやりたいという意欲を持って私は申したのに間違いはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/89
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090・栗山良夫
○栗山良夫君 私この際、大蔵大臣に一点だけお伺いいたします。まず前提としまして、各種税法の規定する範囲内においてということを前提にしてお尋ねいたします。範囲内において全国の納税者の税の捕捉というものは、公平に行われておるかどうか、どういうふうにお考えになりますか、これをまずお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/90
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091・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) できるだけそれに努めておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/91
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092・栗山良夫
○栗山良夫君 そうでなくて、現に大蔵省の徴税行政において、各納税者に対して公平に行われておるかどうか。はっきりお答えがないようですから、もう少し具体的に申しますと、勤労者の納税額というものは、ほとんどこれは税法の定めるところに従って一〇〇%捕捉されているだろうと私は思う。これはおそらく今首を縦にお振りになったから肯定せられたと思うのですが、そういたしますると、その次に大きく業種を分けまするというと、農林業あるいは個人企業者あるいは中小法人、大法人、こういうものに大まかに分類してみました場合に、税の捕捉率というものはほぼどの程度になっているか、勤労者を一〇〇%といたしました場合に、どの程度になっておるか。大蔵大臣としてはどういう見通しのもとに、ただいまの税務行政というものをおやりになっておるか、これをまず伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/92
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093・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 大蔵省としては課税の対象につきましては、できるだけ正確に所得を把握することに努めるということは言うまでもありません。ただしかし対象によりまして、やはり把握困難なもののあることはどうしても否定できません。いろいろ基準とか標準というものを作ってやっている。そういう意味におきまして、今お話しのように、勤労所得、これはもうほんとうに隠すところはありません。一〇〇%課税になるだろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/93
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094・栗山良夫
○栗山良夫君 私がなぜこういう質問を突然申し上げたかと申しますると、先ほど来、減税論が盛んに叫ばれております。減税を叫ぶゆえんのものは、やはり税の公平な負担、全国民に対して税が公平な負担でなければならぬということが、やはり基本の一つの考え方から出ていると私は思います。そこで国家の歳入を確保していく上においては、各国民が納税義務というものを公平に、しかも真実に負担をしていく、こういう思想が出て、そしてそれが世論に育ち実行に移っていけば、かりに税の捕捉が十分でなかった部面があるとしても、そこからどんどんふえていく、そうして全体の予定歳入がふえれば、そこで思い切った公平な減税というものが断行できるわけです。そういう意味で、大蔵大臣に私が政治的な意味でお伺いいたしましたことは、減税論一つ取り上げてみても、少くとも一国の大蔵大臣たる者は、国民各層に課しておるところの税金の捕提率がどの程度になっているかという具体的な数字を認識されていなければ、ほんとうの意味の税制などというものは確立できないのではないか、こういうことをお尋ねをしておるわけです。
〔委員長退席、理事西川甚五郎君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/94
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095・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 数字を十分把握すれば、これはほんとうであります。しかし実は私はなはだ申しかねるんですが、どういうふうな数字になっておるか、資料を持っておりませんので、国税庁長官から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/95
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096・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 課税の公平な執行ということは、私ども税務行政のいわば至上命令でございまして、極力税法に沿って、しかも適正公平に課税いたすべく努力いたしておるわけでございますが、ただもしこれを完全にその通り実現されているかと申しますれば、私も率直に申しまして、もちろん完全であるとは考えておらぬのでございます。しかし現在の人員をもってしてできるだけ調査能力も向上し、職員の資質も向上させまして、理想に一歩でも近づきたい、こう努力しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/96
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097・栗山良夫
○栗山良夫君 これは今どうも長官も大臣も数字をおっしゃいませんが、私の長い議員生活の中で、こういうことをお尋ねをして、ある数字的な結果をお聞きしたことがあると私記憶いたしております。それなのにきょうその御答弁がないということははなはだ私遺憾に思います。
それでは、今のように正確に捕捉できていない、勤労者はできているとおっしゃいましたが、そうすると正確に捕捉できていない部分と、勤労者の正確に捕捉できておる部分、これの調整を何としてもやる必要があるじゃありませんか。私はだから常に勤労者に対しては基礎控除が少い、あるいは中小企業その他法人には営業費というものが認められている、これは自由職業の人にも認められております、職業経費というものは認められている、そういうものを勤労者にも当然認められて控除するべきではないかということを今までも主張しておりまするが、今国税庁長官、また大臣も現実に勤労者の税の捕捉率は一〇〇%である、その他は数字をお述べにならなかったけれども、努力目標としては一〇〇%に近づけるが、一〇〇%でないということをおっしゃいました。そうすればその調整をどうしておやりになるか、これを一つ承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/97
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098・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) これは税制全般がどういうふうな負担状況にあるかということをまず考えなければなりませんが、そういう場合において所得税が重いという状況にある。むろん私は所得税を減税することに先鞭をつけなければならぬ。そういう場合には立法を考える場合におきましてもあるいは控除を考える場合におきましても、こういう勤労所得というようなものはあからきまなんだから、そのまま税の対象になる、そういうことを十分頭に入れてやはり立案をすべきだと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/98
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099・栗山良夫
○栗山良夫君 主税局長に伺いますが、私の今の主張に対してあなたは局長としてそういう理論を納得されるかどうか、もし納得されるとすれば、具体的にどういう行政をやろうとするのか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/99
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100・原純夫
○政府委員(原純夫君) 税制で非常にむずかしい問題の一つであります。私おっしゃる気持に一面同感であり、同時に同感の気持だけでやったのでは日本の税制は終局においてよくならない、妙な申し上げ方ですが私はそう思っております。というのは、事実現在の勤労控除の意味に、勤労者の所得と他のたとえば事業所得者の所得の申告の仕方が違うという点が相当考慮に入っておるということは事実です。しかし日本の税制はそういう制度だということは、私は終局的にはいいたくないです。事業所得者は所得を正直に申告しないものだ、勤労者のは一〇〇%つかまるものだ、だからこうなんだということは、いかにも税制としてはおかしいと思うのです。また日本の申告納税者がそういうものだという烙印を押すような形で、これを押し通していくという税法であってはならないと私は思います。従って事業所得の把握といいますか、把握というような徴税者側の言葉でなくて、申告と税務行政、これがいずれもよくなって、そちらの課税の状況が十分充実するという道を今後一生懸命両方で努力しなければいかぬと思っております。同時に前段の、事実上差があるから勤労控除を考える場合には、それが考慮に入るということは当然やむを得ないという気持でおります。それをどの程度に割り込んでいくかというのは、これはかなりデリケートな問題になりますので、税制全般を十分総体的に検討しながら結論を出す、随時そういう気持でやっておるということを申しあげたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/100
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101・栗山良夫
○栗山良夫君 そうしますと、大蔵大臣に総括的に御答弁願いたいのですが、将来減税問題を取り上げるときには、所得税の減税を優先的に取り上げる、そういうお約束は願えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/101
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102・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) これは税制全般について十分検討を加えた上でないと、いずれをどうということは、にわかに申し上げかねますが、しかし私の気持としては、特別な条件の違いがないなら、やはり私は今所得税が重いということが前提にたちますから、所得税の軽減ということを考える。そうして私の考えは、なるべくそういうふうにしまして、給与関係なんかも実は確立したいのです。給与を何とかしたいと思っても、どうも税に持っていかれるということで、そうするとどうも何といいますかね、いわゆる公けの金と個人的な所得が乱れまして、会社で何でもかんでもまたやらなければならぬという事態になって、これがまた社会の上に非常な悪影響を与える。ですからそういう意味からもやはり所得の関係は、もしも税の上からそれを妨げておれば――急にはなかなか今の国情ではいかぬかもしれませんが、できるだけそういう支障を取り除いていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/102
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103・栗山良夫
○栗山良夫君 最後に、過日中小企業団体法ができましたが、私は中小企業の税金の問題は非常に微妙であり複雑であり、しかも困難な問題がたくさんありますから、きょうはもうしあげませんが、あのいわゆる中小企業団体法が規制した中小企業より上のクラスにある法人ですね、これは大きいのは二百億をこえる会社もあると聞き及びますが、こういう大法人の税の捕捉というものは完全にできておるという工合にお考えになりますか、そういう自信お持ちになっておるか、あるいはこれも少々怪しいとお考えになっておるか、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/103
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104・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) これはその後における貨幣価値の変動もありますので、むずかしい点もあるかと思いますが、大よそできておるのじゃないか、むしろこれは国税庁長官おって、税を取っておりますから 私よりもはっきり知っておると思いますか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/104
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105・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) これは私の考え方を率直に申し上げますが、昭和二十四、五、六年あたりまでのインフレの激しかった時期におきまして、私は率直に申し上げまして、法人ことに多くの大法人がその当時のインフレと税制との矛盾から相当程度実際にあるべき姿から漏れておったと思うのであります。しかしその後インフレも終息いたしまして、それから税制ももとへ返っており、もしかりに大法人でもって万一査察をやられたりいたしますと相当大きな痛手をこうむりますので、大法人においては相当私はその後申告はよくなってきておる、こう思います。わずかのことで脱税して大きな問題が起きたら非常に法人として損失であります。それからまた法人の組織から申しますと、大法人は各係においてチェック・アンド・バランスの制度がありまして、なかなか相当大きい脱税はできにくい。しかし昭和二十四、五、六年においては、大法人組織の脱税があったのでありますが、しかし私は最近においては非常に少くなっておるのじゃないか、こういうふに感じます。一方大法人を調査する組織といたしましては、昭和二十四年に国税庁ができましたときに、国税調査官制度というものを創設いたしました。これは実はアメリカ式の制度であります。考え方は最もベテランの税務官吏を置いて、申告納税のあと大法人をゆっくり地道に調べて所得を捕捉する、こういうやり方でありまして、当時全国の税務署員の中から優秀な者――当時六百名だと思いました、六百名を抜擢いたしまして、国税調査官として各国税局に配置いたし、その後次第に数を増加いたしまして、現在は千百名おります。そうして国税調査官の所掌事務は、個人でありますれば所得金額一千万円以上、それから法人でございますと資本金額または所得金額一千万円、これは税務署の所轄でなくて、国税調査官が実地に調査することになっております。しかも、調査する場合におきましては、原則として二人連れで、あらかじめ十分なる準備調査を行いました上で、会社の提出の資料を客観的に諸種の資料とつき合せて検討の上、現場へ行って調査いたします。大体これが調査日数、最近では一千万円以上の法人に国税調査官が行きます場合は、やはり十数日調査に時間をかけておると思います。現在いわゆる調査課所管の法人が全国で一万五千ございまして、これをただいま申しました千百人の国税調査官が調査いたしております。当初から次第に系統を整えて参りまして、主として部門別に分担さしております。繊維なら繊維、食品なら食品というふうに、税務署と違いまして、部門的に、分担、専担させまして、商況等をがっちり調査さしておりますから、私は非常に最近の調査は向上しているのじゃないか、こういふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/105
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106・栗山良夫
○栗山良夫君 私は今、資料要求しておりました大企業の税査察の組織等についても御答弁がありましたが、資料まだ出ておりませんよ。私はきょう税制をやる前にぜひほしいと申したのですが、出ておりません。それはあとですぐ出していただきたいのですが、話は進んでしまいましたが……。
今の国税庁長官の言葉の中にもありますように、日本の経済力をささえておる一千万円以上のいわゆる組織的な大企業、こういうものの税の捕捉すらいまだに完全に自信がないということですね。現に、私は大蔵大臣は御承知かどうか知りませんが、最近この委員会で日新精糖事件、あの脱税事件を取り上げた、あの脱税事件の認識そのものに対しても、大蔵省は非常に甘いということを私この前の委員会で申し上げましたが、検察庁の方がシビヤーなんです。どんどんどんどん新しい事実を出しては発表している。ああいうことが、ほんとうに経理が整然とあるべき大企業の中で行われておるということは、まことに遺憾至極なことだと思う。国民の納税意識に非常に影響を与える。
〔理事西川甚五郎君退席、理事木内四郎君着席〕
本来ならばここで国税庁長官、大蔵大臣はもとよりですが、少くとも相当なスタッフを集めて経営している日本の経済にある程度責任を持っておる大企業には、勤労者と同じように納税の問題においては絶対に間違いありませんと断言するだけの自信があってしかるべきだと思う。それがないということはきわめて私は遺憾だと思う。この点について大蔵大臣は今後どういう所信をもって大事業の法人の税査察をおやりになり、税の完全捕捉について努力せられるか、この点はやはり所信として承わっておきたいと思います。特にこの委員会で同僚議員が、三悪追放と絶叫せられた総理大臣自身、自己の個人所得というものをこの委員会に提出されたいという要求がありましたが、これは私ではありませんが、まだ提出されていないようでね。どうですか。これなども、この委員会の発言を聞いておりますと二百万円以上になるだろうというわけです。二百万円以上になればこれは全部所得は公開されているわけですから、文化人、俳優、声楽家、その他全部新聞にどんどん番付が発表になるでしょう。そういうふうなのになぜ総理大臣の所得だけ発表できないか、これはやはり三悪追放なんということを言わなければいいですよ。三悪追放ということを言っておられるのですから、言っておられる御本人がまず範をたれる、そうしなければあなた納税意識なんか出てきませんよ。もし総理大臣の納税の中にいささかでも間違いがあってごらんなさい。これは重要問題ですよ。総理大臣の納税の中に少しでも間違いがあったら重要問題です。これを大蔵大臣は何と解せられるか。今日まで大蔵省が当委員会でとって参った、ちょっと資料を出されたいといっても出さない。そうして、吉川英治だとかなんとかいう作家だとかなんとかはどんどん発表して新聞の社会面をにぎわしている。一体どういうことですか。総理大臣の所得を社会面には発表して、このくらい清潔な納税が行われておる。そういうことを発表されたらどうですか。これに対して大蔵大臣の一つ御所信を承わっておきたい。大企業の税の完全捕捉と合せて、国民の納税意識を高揚するのに、そういうところから始めなければできないじやないかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/106
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107・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 大会社等の所得をよく把握しておる、こういうような確信をもって、何といいますか、所得の把握を十分にして、よく徴税をしておるということに間違えはないと思います。そういうことを十分やるのに何らかの支障がありますれば、これは一つ国税庁長官とも相談をいたしまして御趣旨のように相なりますように努めたいと思っております。
まあ、その他の、それぞれ個人の税金についていろいろのお話がありますけれども、これはまあ私どうということはありませんが、これは税務署に行けばはっきりいたしますでしょうが、国税庁もありましょう。まあ、しかし人のことをかれこれいうのもどうかと思います。まあ、研究いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/107
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108・栗山良夫
○栗山良夫君 どうも今よく聞えなかったのですが、まあ、大法人の所得番付は必ず毎年出ます。個人所得の所得番付も必ず出ます。こういうものは、ですから発表してしかるべきものであるし、別に秘密書類ではないと思うのです。そこで議員から、たまたま、これは政治問題も含んでおるかもしれませんが、道徳教育を一生懸命絶叫せられ、しかも三悪を追放する、暴力、汚職、貧乏を追放しようじゃないか、こういう工合に国民に呼びかけられて大いに日本の建て直しをやろうとしておられる総理でありますからその総理の個人のことでも、これほどまでに日本の国政に御熱心であられる総理であるから、喜んで真先にでも率先して自分の所得は発表せられるだろう、こういう私は総理の気持をお持ちだろうと思いますよ。ところが、そういう気持をそんたくして当委員会で公表を迫ったところが、大蔵当局はそれを受けつけない、資料を出すとは言わない。こういうことでありまして、それがこの前の委員会の話では、もう当然今朝出ていなければならぬ。もう出ているでしょうか、出てないでしょうか。約束じゃ、ちゃんと出ているはずなんですよ。それが出ないといてのはどういうわけですか。大蔵大臣はこれは今承了されたから、声がちょっと小さかったけれども、事務当局に向って早く当委員会に提出すべし、こういう一つ命令があってしかるべきだと思いますが、いかがですか。
〔理事、木内四郎君退席、委員長着席〕
これは大臣ですよ。命令……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/108
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109・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) ちょっと実は速記をとめていただいて、私の率直な気持をお聞き願った方がよろしいかと思うのでございますが、委員長いかがなものでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/109
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110・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/110
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111・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとって。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/111
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112・平林剛
○平林剛君 先ほど私が貯蓄控除制度について、大蔵大臣がこれは政府が確信をもって提案をしたもので、新たな構想だとこう言うし、衆議院の大蔵委員会では井藤半弥さんが、これはわしの方が自発的に提案したものだというふうに、明白に食い違っている、だからこれはどうでもいいという問題じゃ、ありません。これがもし井藤半弥さんが政府の責任者であれば、閣内のそれぞれの見解が違っているということで重大な問題にたりますが、あなたは井藤半弥さんの方が間違いだ、こら言われるから、この問題はあとでまた問題にいたしましょう。しかしこういうあいまいなやりとりの中で、今回の貯蓄減税が出てきたということだけは事実です。私は井藤半弥さんも人格を持っておられる方だから、まさか参考人として出られて、委員会で全く根拠のないことを言われたとは思わない。しかし一応私は、政治家としての大蔵大臣を信用いたしましても、これは、こういうあいまいな中で貯蓄減税の構想が練られたということは、やはりお互いに記憶されておかなければならぬことです。大体こんなふうなことになるのは、最大の理由はどこにあるとあなたお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/112
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113・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 私は率直に申しまして、貯蓄の増強のために所得の税法上の特別の措置、これを考えております。これを委員会にかけ、いろいろ御審議願いたいと思っておます。が、しかし私自身そういう手続をとったわけじゃありません。私はこういう考えがあるのだが、一つこれについてはまたいろいろの御批判も御意見もあるだろう――私はああいうことを言うたけれども、いろいろ違った意見も、賛成にしろ反対にしろ意見もあったわけでありますから、だから調査会あたりで十分検討してほしい、ほしいという字を使ったかどうか私覚えがありませんけれども、とにかくそういうふうな意味のことを私は話したことがありますが、それがどういうふうにそれから先に扱いになりましたか、これは私今何とも申し上げかねる。今そういうふうなことはどうしてできたかというふう御質疑と思いまするが、これはまあ一つ、手続的なことになりますか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/113
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114・平林剛
○平林剛君 あなたは自信がなく言っているとみえて、だんだん声が小さくなってこっちには聞き取れない。私はこれは、答申をするときの手続のやり方とか、それからあいさつの中で入れたとか入れないとかいう言いわけをお聞きしているわけじゃない。大体日本の国民の納税者全般で、一番関心の深い税金の制度を研究する機関が、あるときは臨時税制調査会、あるときは税制特別調査会という工合に、その構成においても前の委員会とあとの委員会では半数程度もがらりと変ってしまい、出てくる結論も、だから最初の委員会では利子免税のようなものは廃止すべきだというが、今度の委員会では、貯蓄減税のようなものは、現状を考えてやむを得ないという工合に首尾一貫していない。その原因はやはり税制調査特別委員会の性格そのものに私はあると思うのですよ。こうような委員会というものは、単に大蔵大臣の諮問機関的だものでなくて、むしろこれは税制の根本問題について研究する機関として法制化すべきものじゃないだろうか、そうしてもっとしっかりした構成と権威の中において結論を出させるような配慮を加えることがもう必要な段階に来ているのではないか。従来おやりになったことが間違ったとは言いませんけれども、これとてもほんとうはちゃんと法制化して、その権威の上でやらせるのがほんとうで、そういうことが欠けているから、今度のようにおれがやったんだとか、いやこっちはこうだという欠陥が、結論として現われてきたと思うんです。今後税制と根本問題については、引き続き検討しなければならない段階でありますから、政府としては、今後税制全般について検討するといちお話ですから、これを法制化したその中で検討する御用意がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/114
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115・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) この御趣旨は、非常に私はごもっともと思います。やはり法制化してやるというのは、私はこれに何も反対する理由はないように思いまするが、また一面、税でありまするから、非常に達観的立場に立ち、公平な考えを持っておる人に委員になってもらわなくちゃならぬというような、構成上の問題も私はあると思います。従いまして、これ十分検討を加えまして、いずれにいたしましても、いわゆる単に諮問機関だからどう、法律に基いてどうということでなくて、ほんとうに確固たる方針と信念を持ってやると、そういう調査会にいたすことに私は努めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/115
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116・平林剛
○平林剛君 いや、諮問機関であったっていいんですよ。やはりこれはメンバーがそのつど半分もかわるようなことでなくて、ある程度委員の構成についても、各界の代表が網羅され、公平な立場で議論ができるようなものにしたらどうだろうかと、そういうことを法律で定めるような提案をなさる考えがあるかと、こう聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/116
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117・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 結局問題は、この委員会を法制化するかどうかという点におありになろうかと思いますが、今法制化するかどうか、私は法制化するという考えは持っておりません。一番こういう委員会で心配というか、考慮を払いますのは、ごく公平な、特に税ですから、公平で、しかも税に練達な方をどういうふうにして集め得るかと、こういうふうなことに注意を払っております。そういう点から、どういう根拠に基くかという点は、あらためて一つ検討を加えてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/117
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118・平林剛
○平林剛君 従来の臨時税制調査会や、今回の税制特別調査会が、その構成において公平であるかどうかということについては、大いに議論がある。たとえば、その委員の顔ぶれを見ましても、どちらかというと民主団体の代表が少かったのですね。特に勤労者に最も税金が重いとされているにもかかわらず、労働者側の代表というものがわずかに一人であったり、そういう点では、今後は法制化する場合でも、新しい税制の調査会を発足させる場合において、もっと十分配慮をして、構成についてもっと十分配慮をして、構成選任してもらいたい、こういうことを要望しておきます。
そこで、貯蓄減税のことについて質疑を一歩進めますが、先ほどのお尋ねでは、これは政府が現在の事情から見て、どうしても必要だという確信に燃え立って提案なさっておる。しかるに、銀行利子免税でも、あるいは配当所得に対する税の軽減にいたしましても、一面考えますと不労所得的な傾向があるわけです。また逆に言うと、これらの所得を包む人は担税能力にすぐれた人である。こういう面から見て、非常に不公平であるという批判が強いわけでありますが、それは別にしても、あなたの判断では、経済政策を遂行する上において、どうしても必要だと、こういう一つの政策に基いて提案をなさっておるわけでありますから、そういう政策に私は責任というものが伴わなきゃうそだと思うんです。しかるに、去年ですね、昭和三十二年の貯蓄目標を検討してみますと、一兆四千億円である。銀行関係では、その一年間に八千三百億円だけ達成をするという目標であるにもかかわらず、実際には四千三百十九億円で、達成率はわずかに、五二%になっておる。農協や相互銀行は、これは政府の貯蓄奨励に割合と協力して、農協のごときは実に十三八%の達成率を上げているにもかかわらず、銀行の方では五二%である。一番大きな貯蓄目標の役割を果さなければならぬところが、わずかに五二%しか達成していない。私は、銀行利子免税のあったときに、一体こんな銀行利子免税をやってどれだけ貯蓄をふやす確信があるのかということをお尋ねしたことがあるのです。しかるに、こういう状態です。去年貯蓄に見合った投資が行われなくて、貯蓄を上回った投資があったことで、今日の経済的な混乱の一つの原因があるというお話でありましたけれども、これはまさしく政府の責任でもあるのですよ。政府が責任をもって、政策的に銀行利子免税を強力に提案をしてきながら、銀行の貯蓄達成率というのはわずかに五十二%である。これは政府の怠慢である。経済的な混乱を起した原因が、貯蓄を上回った投資にあるというなら、国民全般には租税負担の公平を破りながら納得させておいて、結論としては半分にしか達しないということが経済混乱の原因だとすれば、政府の責任も重大だと思う。今度もあなたは、ことしの経済事情から見て、貯蓄減税を新たに提案をしておる。当面どうしても必要だ、こう言われておる。きのうも私は政府当局に、ことしの貯蓄目標は幾らだとお尋ねをしたら、昭和三十三年度においても一兆四千億円である。もしこの目標に達しないような事態があったら、政府は一体どれだけの責任をお感じになるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/118
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119・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 三十二年度の貯蓄目標と貯蓄の実績でありますが、この貯蓄目標はやはり若干は目標でありまして、ドライブする意味から、実績よりも高いのはいいと思います。そして、三十二年度五二%ですか、五〇%程度しかできないじゃないか、これはしかし貯蓄性預金は大体において順調な伸びをしている。ただ営業性預金は、御承知のように金融は非常に詰まりました。日本銀行の貸し出しも、五千億、六千億、七千億、こういうふうな状態になりました。従って、営業性預金が、全部銀行から貸し出しても、引き出して、かんかんになるまで引き出してしまいまして、そうして使って、足らぬところはさらに銀行、銀行はまた日本銀行、こういうふうな金融情勢、言いかえれば投資が非常に伸んだとか、資金との間の需給関係がマッチしなかったとか、そういう状況、それからこれは預金が思うように伸びなかった、かように御判断願いたいと思います。
三十三年度、これはまあ専門家が集まりまして、若干は私はやはりかくあるべきであろうという想定実績よりも上目にとってあると思います。思いまするが、しかし何としてもこういうふうな特典も存するのでありますから、あらゆる努力を払って目的を達成いたしたいと考えております。ただしかし、何さま貯蓄というものは、経済の自主性と非常に相関関係を持っております。そうして、経済の見通しというものは、むろんほんとうに百%見通しが当ればこれは非常にりっぱなことなんでありますが、そういう見通しを立て得る人は、おそらく世界においてないと思います。ですから、やはり経済の動きというものについて、若干の変化があります。それによる変動というものは、これはやはり私は結果としてやむを得ない、かように考えておる次第であります。むろんあらゆる責任をもって目的達成にあらゆる努力を払らということは私はここで申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/119
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120・平林剛
○平林剛君 政府の貯蓄目標というものはかくあるだろうという想定だけなんですか。それとも今回貯蓄減税を提案してきたのはいろいろな経済事情を想定して、政府の貯蓄目標を想定するためにはどうしても租税の原則を破ってもこのものが必要である、この確信に立って提案をなさっておるのですか。今のお話では政府の貯蓄目標というのはかくあるだろうだけの想定であって、経済に自主性があるからどうのこうのと言いわけばかりしておったのでは、こんなどこから出てきたかわからない貯蓄減税われわれはまともに審議できないじゃないですか。どの程度責任を感じられるかということを私は聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/120
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121・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) むしろかくあるべしなんで、このぐらいはぜひとも一つみんなで努力してやろうじゃないかというのが貯蓄目標ですから。貯蓄目標になっている、ただ、目標であります、必ず達成し得る実績というのよりも若干上目のことは、これはまああらゆる場合において私はそうだと思っております。従いまして今私が申し上げ得ることは、いろいろな今後の経済の変動もありましょうが、われわれとしてはその目標を達成し得るようにあらゆる努力を払う、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/121
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122・平林剛
○平林剛君 どういう努力を払われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/122
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123・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) ただいま御質疑の、いわゆる目標を作っておるが、これは一体何かとおっしゃるから、この目標を達成するように努力を払う、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/123
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124・平林剛
○平林剛君 聞えなかったようですが、どういう努力をお払いになるか。去年みたいに五二%程度の達成率しかないということになれば、あらためて政府の銀行利子免税措置というものは、これは私に言わせるというと、それ以外の事情によって影響されるものであって、銀行利子免税があったからそれで貯蓄がふえるとか、貯蓄減税が今度行われたからそれで貯蓄目標が達せられるというものではない、こういうふうに理解せざるを得ないのですが、もしあなたの方がそういう伸縮性のあるものであったとしても、国民にいろいろ迷惑をかけるのだから、この程度は絶対確信を持ってやる、こういう程度の言明がなければ、私はこれはこういうものには賛成できない。まあ私はそういう意味では大蔵大臣もこれを提案をなさった以上は相当の責任を感じて、一年後にわかることですから、そのときはあらためて責任を追及をしなきゃならぬものである、こう考えております。それだけ申しあげて、関連質問だから、この程度で終っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/124
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125・大矢正
○大矢正君 長時間大臣にとどまっていただいて大へん恐縮でございますが、きょう一日の日でございますので、どうか最後までおつき合いをいただきたいと思います。大体税制全般にわたる基本的な考え方に対する質問がほとんど出ましたので、最終的に私は集約して、二点だけ大臣に確たる御答弁をいただきたいと存じます。
その一つは法人税に関する問題でありますが、前の池田大蔵大臣と違って、今の一萬田さんは大へん中小企業に対する思いやりの深い方だというもっぱらの評判が出ておりますので、そういう意味で私は考えてみまして、今回の法人税に対する税率の引き下げは、中小企業というよりはむしろ大企業に片寄った形で行われておりますが、今さらこれを法律改正して、あらためて出せといっても、大臣はなかなかできないだろうと存じますが、もしことしできなければ、来年でもけっこうでありますが、特に小企業と目される、資本金でいえば百万円以下、また所得でいえば百万円あるいは二百万円以上のこの部分に限って税率の引き下げをいま少しく行うことによって、経済の変動やその他にたえ得る力を税制の面から与えてやるというお気持がないかどうか、これはもち今私が幾らすぐやれと言っても、大臣はみずからの出されたものでありますから、それが間違いだとも当然これは考えられても言えないはずでありますから、それを私はここで望むことはあまりにもひどいと思いますので、それを決して望むのではなくて、来年度は一つことしの、できない、そういう部分を大臣としてはやるというお考えがあるかどうか、もしあるとすれば、この機会にはっきり表明をしていただいて、選挙も近いことでありますから、国民に少しでも喜ばれるようなことをこの際やっておいた方がますます大臣の株を上げる結果にもなるのじゃないかと思います。岸ブームは沸かないが、一萬田ブームは沸くということにも通ずると思いますので、どうか一つこの際大臣のお答えを明確にいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/125
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126・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 中小企業対策というものにつきましては、私はひとり税ばかりでなく、ほんとうにわれわれいわゆる進歩的な保守党も真剣に考えていかなければならない、これがやはり今後の政治に大きな農業政策と相並んで問題だと、こういうふうに思っております。従いまして、今後大いに検討を加えるつもりでありますが、特に今税の問題、税につきましても中小企業に対する税制というものは一体どうあるべきかというようなところから、一つ税制調査会にも諮問をして考えてみたい、かように考えております。十分検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/126
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127・大矢正
○大矢正君 最近の一萬田大蔵大臣は大へん答弁がうまくなったというのがもっぱらわが党内の評判です。そこでまあ古い議員は古参議員に対するお答えはまあまあうまくなったという程度でよろしいのでございますけれども、私のようなかけ出しの議員や陣笠議員には誠心誠意わかりやすく、しかも現実的な御答弁をいただきたいと、そう希望いたす次第であります。
法人税の問題については確たる大臣の御答弁をいただけないことを非常に残念に思いますが、それじゃ租税特別措置に対する大幅な削減と申しますか、整理と申しますか、これを明年は、やりたい、かように先ほど大臣が答弁されておりますが、それをそのようにまっ正直に受けてよろしいものかどうか、至って私は昔から正直の方で名が通っておりますが、この機会に大臣のお答えをいただいておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/127
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128・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 政策的に設けました税法上の特別措置につきましては、来年度これは大幅といっても、やはりこういうものを設けた以上、その目的を達成しているかどらか、もちろん必要がなくなったかどうかということを十分吟味した上でないと、ただ何でもやめればいいというわけにはいきません。そういうものは十分吟味いたしまして、考え方としてはでき得るものはすみやかにこれを廃したい、かような考えで来年度には検討を加えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/128
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129・大矢正
○大矢正君 私はこの際、大臣に申し上げてみたいと思うのでありますが、租税特別措置法それ自身長い間実施をすべき内容のものではないという前提が明らかにされておるのでありますから、できる限り年々その立場においてまた角度において検討をされて整理をするものは整理をするという方針が必要じゃないかと私は思います。そういう意味においては租税特別措置法の内容が三年も先まで、あるいは四年も先まで税法上の特例を与えるようなことではなくで、できる限り年々基本的に検討をし直してやるという態度が必要じゃないか、こういうように私は思うのでありますが、大臣の考え方をこの際承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/129
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130・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 全く同じ考えでありまして、年々検討を加えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/130
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131・大矢正
○大矢正君 それじゃ特に今度の法律改正の中にも多数ありますし、また今までの法律の中にも多数ありますが、この内容とするもののすべてを一年間に期限をつけるという方向外修正をされたらどうですか。そうして来年の春になったらまた果してその当時の経済情勢に即応するものであるかどうかということを基本的に検討して、延ばすものは延ばすという態度をとったらよろしい、こう考えるのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/131
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132・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) それは対象によりまして、むろん臨時措置でありますから、あまり長いというのはこれは考えられませんが、しかし対象によって一年々々ということは、これは受ける方から見て、どうも見通しが立たないということになりますから、これは対象の性格といいますか、性質にありまして、一年でいくものはむろん一年一年でやっていくという考えはないと思います。しかしやはり何年という期限を切る必要もある、私はかように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/132
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133・大矢正
○大矢正君 私はできることならば、大臣から法人税の問題についてはできる限り早い期間に、特に小企業の部分、小さい少い所得の部分に限って税率の引き下げを行う。また法人税につきましては特に明年度以降、自然増収が見込めない、ないしは非常に減ると目されるような、こういう実態から考えて、これを整理する、大幅に整理をするという、こういう二つの態度を実は表明していただきたかったのであります。私はそうすることによって、ただいま議題となっておりますところの税法関係についてはある程度賛成をしたいという気持もあったのでありますが、どうも今の大臣の答弁を聞いておりますと、法人税の問題についても、租税特別措置の問題についても、私どもの意図するところが十二分にお聞き取りいただけないのか、大臣は大臣自身として魂胆があって、私どもの考えや気持を汲んでいただけないのか存じませんが、とにもかくにもこういう点については、十分な私どもの気持を受け入れられないことをまことに遺憾に思います。私はこの二点を大臣に強く、要望いたしまして、私の大臣への質問を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/133
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134・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ちょっと申し上げますが、大胆ただいま衆議院の方から連絡がございまして、議運を衆議院は開く段階になったそうですから、こちらの方があき次第、大賞に議運の方に御出席願いたい、こういう連絡がありましたから、委員の各位も一つお含み置き願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/134
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135・平林剛
○平林剛君 私ほかの質問に入るに、ちょっと大臣にお尋ねしておきますが、さっき私、大矢さんの関連質問でお等ねをいたしましたところ、来年度は事業税の軽減について実施をしたいと考えておる、三十三年度には検討を加えてすっきりした税制を考えておるということから、この減税の財源をどこに持っていくのかとお尋ねをしたら、あなたは租税特別措置法だという意味のお話しがございました。そうすると、来年度は租税特別措置法をいじると理解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/135
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136・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) この特別措置法をどういうふうにするかは、先ほどから申しましたように、これは廃止し得るものは廃止していく、そこだけ財源は出ます。来年度にはこれから幾ら財源が出るかということを申したのではないのでありまして、今後の財源の一つとしまして、これを廃止し得るものは廃止する、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/136
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137・平林剛
○平林剛君 租税特別措置法は、当然必要な財源として、いじると、私は理解をしております。今後いじらなかったらさらに政府の責任を追及していきます。
そこで大蔵大臣は最初の第一問だけ答えてくれればいいわけです。今度酒税法の改正がありますけれども、あれは清酒だとかしょうちゅうだけであって、ビールの方の減税をなさらなかった、私ビールずきでありますけれども、一般の国民大衆ももら少し安くビールを飲みたいものだとおそらく要望しておると思う。今回なぜビールの減税をしなかったか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/137
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138・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) ごもっともで、まあビールは、これは一番嗜好される大衆的なものと思いますけれども、今回は、特にビールはだれでも飲む、大衆的な。裕福な人もみな飲むというようなこともありまして、特に低額所得者という人の対象になる酒ということに限界を設けまして、低額所得者の嗜好する酒ということにはっきり線を引いたわけであります。はっきり申しまして、別に他意があるわけではありません。今後においてはビールもやはり考えなければなりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/138
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139・平林剛
○平林剛君 あとあなた時間があれば、私のこれからの質問をお聞きになっていれば、私の質問の趣旨がどこにあるかおわかりになると思いますが、国税庁長官に今度は聞きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/139
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140・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/140
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141・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/141
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142・平林剛
○平林剛君 国税庁長官、あなたにお尋ねいたしますが、酒の減税については大へん政治的な減税という批判がありまして、私は今大蔵大臣には、ビールの減税は大衆性があるから減税すべきだということを申し上げましたが、実は、三月二十日の朝日新聞にこういう記事が出ておるのでございます。「国税庁がこのほどまとめた二月分までの酒類の売行き調べによると、同級酒類を中心に売行きが減る傾向が高まり、特に好調を続けていたビールの売行きが、二月に入ってガタ落ちになるなど、売行不振が急に目立ってきた。」、こういう報道がされているわけであります。しかしさらに付け加えてありまして「これは四月から実施される予定の減税を目当に、小売商が仕入れを手控えているせいもあるだろうが、減税にならないビールまでが減っているので、やはり不況の影響が酒の売行きにまで及んできたためと、同庁ではみている。」、こうあるのでありますが、酒の売れ行きが――清酒、しょうちゅうの売れ行きなどが、小売商が仕入れを手控えて伸びが少いということはわかりますが、ビールまで下っている理由というのはどこにあるのか。今年は暖冬異変といって、暖い時期でありましたから、私はビールはもう少し売れ行きがあっていいと思うのですが、どうも下っているようです。どこにその原因があるかということを国税庁は分析になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/142
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143・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 間税部長よりお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/143
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144・泉美之松
○説明員(泉美之松君) 御質問の点は、ビールが二月中の出荷が昨年に比べまして八六%に落ちたという点に関連してのことと思います。私どもはその原因がどういう点にあるか、いろいろビール会社に当って調査しておるのでありますが、原因が的確にわからないのでありますが、二月上旬、中旬のこの二旬の期間におきまして非常に昨年に比べまして出荷が落ちたのであります。お話しのように、減税前に卸、小売が仕入れを控えるという点がたしかにありまして、これが減税の対象にならないビールにまで影響をしたことは事実だろうと思います。しかしこの現象が酒類に対する需要が減ったからと断定するまでに至らないのでありまして、その後の三月の上旬、中旬の出荷の状況を聞いてみますと、三月に入りまして前年実績に比べまして相当多くふえております。従って何らかの原因によって仕入れ関係が変動したのでありまして、二月一カ月だけをとって傾向を云々することは危険でありまして、やはり二月、三月なり、さらにもう一月間なり、やはり三ヶ月ぐらいの長い期間を見なければ、その一月だけをもって一つの傾向として認識することは困難である、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/144
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145・平林剛
○平林剛君 原因については、なお引続きお尋ねいたしますが、初め参考のために、現在のビールの会社、それから工場別に二月分の課税石数、幾らになっているか。それからその税額は幾らになっているか。これは庫出しのときに課税をすることになっておりますから、当然おわかりになっておると思いますから、それを私の次の質問に入る前に明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/145
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146・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) ちょっと手元に資料ございませんので、至急に国税庁に電話をかげましてお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/146
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147・平林剛
○平林剛君 それでは至急取り寄せてもらいたい。
そこで、私はここでちょと重大な質問をします。私の耳は地獄耳だから何でも聞こえてくるのであります。が、三月の上旬に国税庁とビール会社、この会社の協会とが話し合いをなさっている。そうしてそのときどなな話し合いがあったか、 私そこまでは聞こえなかった。ただ朝日新聞に書いてある理由不明の二月へ入ってがた落ちになった理由の中に、国税庁が関係しているのじゃないかという情報が入っているのです。これは国税庁からその所管の税務署に対して指令が出ている。そして二月分の庫出し石数を二〇%減らして申告しなさい。そこですでに申告をしてあったビール会社も前の申告書を引っ込めて、あらためて申告をし直した。その裏に私は何があるかということを疑問に感じている。二月のビール会社の庫出し石数は、例年であればこんなに下るわけはないの、です。しかるに急にこれが下った。いろいろ勘ぐってみるというと、酒の税金についてはいろいろ政府と話がついて今回のような減税になって、ビールの方は、先ほどの大蔵大臣の答弁で、破棄されている。それが最近あまりやかましいことを言わない。おかしいなと、こう思っていた。しかるに私の地獄耳に今のような情報が入ってきた。国税庁がかような指令を出して、一たん出した申告を引っ込めきして、二〇%ないし十八%減に修正申告させるとしたら、これは国税庁みずから酒税法違反をやっているということに相なる。こういう事実はございませんか。ないと言えば、また私あとで次の質問をします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/147
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148・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 私そういうお話は全然初耳でありまして、どこからそういうことになりましたのか、あるいは間税部長がもし存じておれば、お答えいたかも知れませんが、私は全然そういうことを存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/148
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149・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 間税部長どうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/149
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150・泉美之松
○説明員(泉美之松君) 私先ほどお答え申しましたように、二月の出荷が減りましたのは、初旬、中旬から減っているのでありまして、二月分の申告は三月になってするわけでございますけれども、三月の十日までにするわけでございますが、その三月の十日になって中旬、初旬のものを変更するわけではないのでございますから、さようなことを国税庁が申すことはあり得ないわけでございますし、申告書を出して変更するということはあり得ないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/150
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151・平林剛
○平林剛君 この問題の起きたのは三月七日です。だからちょうど三月十日に申告をする三日前にこういう措置が行われておった、こういうわけです。そこで私はこれは今あなた調べて持ってくるというビール会社の工場別の庫出し石数と、二月分の課税石数として申告をしたものを照し合わせて見ればすぐわかることですね。何ならこれから出かけていって調べてもいいわけです。明らかに違っている。そこで私はそういうことを一体どういうことで行われるのかということが疑問なんです。私のこの指摘について国税庁長官はすぐさま調べて下さい。そして調べたあとで、まだ委員会がありますから、そのことについてお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/151
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152・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 御指摘のようなことが事実ございますのか、直ちに調査いたして御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/152
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153・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ちょっと速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/153
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154・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記とって。
暫時休憩いたします。午後六時再開を予定いたします。
午後四時五十六分散会
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午後七時四分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/154
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155・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 休憩前に引き続き、委員会を開きます。
税法五案につき質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/155
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156・小笠原二三男
○小笠原二三男君 酒税法の一部を改正する法律案についてでございますが、一昨日私は内容に立ち入っては御質問申し上げませんでしたが、と申しますのは、この法律案には衆議院において付帯決議が付せられ、その付帯決議の趣旨が政府側において尊重されるものかどうか、その点について懸念を持っておったから、一応留保しておいたものであります。しかもこの院議の問題は、事、他院に関する問題でございまするから、他院の院議尊重に関して政府との意見の調整の上において、一昨日の白井政務次官が代表して政府の見解として述べられました立法上の減税措置と、それから行政上の小売価格の値上げの問題というものが、一昨日の答弁通りになるものかならぬのか、この点については不定のものとして私は聞きとったわけであります。そういう意味では種々の、いろいろな経緯がありましたから、白井政務次官の一昨日の言とその後における発言の食い違いというような点については、院議尊重の趣旨に沿う限りにおいてはわれわれは何らこれを追及しようという意思を持ちません。そういう意味において、白井政務次官も御安心して一つ本日の衆議院における院議尊重に関する折衝の経緯から結論が、一昨日私に御答弁になったことと違うような点が生じておりますならば、やはり白井政務次官も率直な御答弁をいただきたい。しかもこの点は先ほど来幾たびも与党の理事諸君あるいは委員長の諸君ともお話をしました通り、今本会議において一萬田大蔵大臣は予算審議の中途でありますために、本委員会に御出席になり得ない。これも自明の点であります。従って白井政務次官にお尋ねしていることは、白井政務次官の御答弁を聞くということではないのでありまして、政府を代表し、所管大臣である一萬田大蔵大臣を代表して明確な御答弁をなさるものとしてわれわれは聞きたいのであります。ですから、そういう点も前提としては明確にやられた上で、一昨日と趣旨において変る点がありましたならば御答弁願いたい。変らないということであれば、この酒税法についてはこのまま終局せしむるということについては、われわれ断じて承服できない。以上申し上げて御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/156
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157・白井勇
○政府委員(白井勇君) 一昨日来この問題につきましては、いろいろ御心配をいただきまして、まことにありがとうございました。一昨日申し上げましたことと、多少食い違いがありますので、はっきり私から政府の態度を申し上げます。衆議院の付帯決議が院議にきまりましたので、それをどこまでも尊重いたしまして、政府といたしましては、酒税法が通りますれば、直ちにそれに伴いまする衆議院の付帯決議の趣旨の通りに作業いたしたいと思います。一昨日申し上げました原料の値上り等によりまする価格引き上げというようなことにつきましては、将来別途考慮いたしたい、こら考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/157
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158・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうしますと、一昨日お答えになりました通り、法律上の問題として四月一日減税をする点も国民の前に明確にします、ただし値上げの問題はこれは行政範囲の問題であるから、これは政府としてやはり国民の前に切り離して明らかにした上で同日この問題も処理します、こういう趣旨の御答弁だったのですが、その点は取り消され、政府の見解は変ったのである、こう了解していいか。了解していいとなれば、多少などという修辞ではなくて、大きく変ったことなのであって、大きく変ったと了解してよろしいか。もう一度。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/158
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159・白井勇
○政府委員(白井勇君) お尋ねの通り大きく変ったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/159
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160・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 他に御質疑はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/160
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161・平林剛
○平林剛君 先ほどのビールのことに関する私の質疑は資料の提出がまだありませんから、別途、資料の提出を待って質問をすることにして、本日は留保しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/161
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162・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 承知いたしました。後日、平林君の留保されました質疑につきましては、当委員会で取り上げて、質疑を行なっていただきたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/162
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163・小笠原二三男
○小笠原二三男君 笑い話にもされませんから、一応申し上げる点だけは申し上げておきたいと思うのですが、再三他院のことでありますけれども、一応院議がきまった、しかるに翌日ただちにそれを受けて、政府の態度は、統一された見解として異なる見解を示した、そうしてまた一転しまして、院議尊重という本日の御答弁になる。こういうあり方というものは、私は立法府と行政府の間において望ましい姿ではないと思うのです。そういう点については、遺憾であるとも何ともいうことでなしに、大いに変りましたということですましておられますけれども、これはそつのない岸内閣のやり方としてはまことに遺憾です、事、他院の問題についてさえそらなんですから、本院における、あるいは直接当委員会において将来付帯決議等において、行政府に対して種々な要望決議があげられるというようなことになった場合には、完全にやはりその趣旨は尊重されるという慣行が出なければ、これは議院内閣制なり新憲法の趣旨にもとると思う。そういう点も御賛成であるかどうか、この際、遺憾の意を表する気持があるなら、ごあいさつを願っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/163
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164・白井勇
○政府委員(白井勇君) 今回の問題につきまして、こういうことの起りましたことはまことに遺憾と私ども存じております。今後は十分私たちといたしましても留意をいたしまして、院議を尊重するような措置を講じたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/164
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165・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それも前言は取りかえるというようなことのない政府の
一貫した方針であると了解してよろしゅうござんすか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/165
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166・白井勇
○政府委員(白井勇君) けっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/166
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167・小笠原二三男
○小笠原二三男君 よく了解しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/167
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168・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 他に質疑はございませんか。――他に質疑はないようでありますから、ただいま議題となっております税法五案の質疑は終局したものと認めます。
それではまず閥税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。 別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/168
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169・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 多数であります。よって本案は、可決すべきものと決しました。
なお、諸般の手続等は先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/169
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170・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よってさよう決しました。
それから多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
木内 四郎 西川甚五郎
天坊 裕彦 青木 一男
酒井 利雄 岡崎 真一
左藤 義詮 木暮武太夫
塩見 俊二 土田國太郎
廣瀬 久忠 杉山 昌作
前田 久吉
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/170
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171・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 次に、所得税法等の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/171
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172・大矢正
○大矢正君 私は社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案外二法律案に対しまして反対の討論をいたします。
本法律案が本会議に上程をされる時間が切迫いたしておりますので、基本的な点のみとらえまして反対理由を述べてみたいと思います。
まず第一番の所得税法の一部改正でありますが、この法律案につきましては、私どもは、政府が本法律案を出します以前から、今の日本の経済の現状等とからみ合せて、特に低額所得者の基礎控除の引き上げ等を中心といたしまして大幅な所得税の減税をなすべきであると考えておったのでありますが、遺憾ながら今日の政府提案にかかわる内容にはそのことが載せられていないということについてまず反対の第一点の理由を求めるのであります。一説には所得税の減税を行うことによって購売力の増進ないしは消費力の増加等によりまして、日本の経済に悪影響を及ぼすかのごとき言辞が弄されておりますけれども、私といたしましては、漸次日本の外貨の保有高が好転しつつある矢先でもありまするし、また国際的にもどん底景気から上昇景気にたどりつく今日でございますので、あえてこの際租税を、特に所得税の減税を行いましても、これが日本の経済総体にとって悪影響を及ぼす結論にはならないという確信の上に立っておる次第であります。
次に私は法人税をめぐる問題について一点反対の理由を述べたいと思います。
それは今回の政府の提案にかかわる税率の引き下げは、先ほどの私の大蔵大臣への質問の中にも申し述べた通りでありますが、内容においては大企業を中心とした減税という結果になりまして、特に経済基盤の低い脆弱性な小企業に対しましては、減税の恩典がほとんどないといってよいような結果が現われて参るのであります。私はこの際法人税の減税を行うならば、特に小企業を中心として所得百万円以下を中心としたところの減税を重点的に行うべきでありまして、大企業に対する減税は必要がないという、こういう立場から法人税の政府提案にかかわる一部改正には反対をいたすものであります。
最後に、租税特別措置法の一部改正に対して反対の理由を申し述べます。
まず、このことについての根本は、税制調査会が開かれまして、その答申のたびごとに言われることでありますが、この措置はすみやかに、できる限り早い期間に合理的に改善をすべきであるという、また整理をすべきであるという答申が述べられておるにもかかわらず、今日の政府提案では何ら整理をされていないばかりではなく、むしろ増加をしていることにつきましては、まことに遺憾とするところであります。さらにこのたび新しく提案をされました貯蓄控除につきましては、内容の深い検討を行うこともできませんでしたけれども、今日までの知り得ている範囲におきましては、これまた金を持った人間がより恵まれるという立場以外に、低所得者に対するところの控除という結果にはならないという点であります。
それからまたもら一つ言い得ることは、この貯蓄控除が生まれることによって必ずしも貯蓄が増強されるということが裏づけられないからであります。もし貯蓄が裏づけられないで、貯蓄控除のみが履行きれた場合には、ただ税金のまけっ放しという結果になるのでありまして、こういう点からも貯蓄控除につきましては賛成をすることができません。
以上、私は簡単に三法律案についての反対の理由を申し述べた次第でありまするが、もしも政府の考え方の中に、法人税の、特に小企業に対する今後の措置がなされるならば、あるいはまた租税特別措置の大幅な整理を確約していただくことができるならば、賛成してもよろしいのではないかと考えたのでありまするが、残念ながら本日の大蔵大臣の御答弁の範囲をもってしては、このことも望むことができませんので、私は社会党を代表してあえてここに三法律案の反対理由を述べた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/172
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173・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 他に御発言ないようでありますから、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
まず、所得税法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/173
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174・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 多数であります。よって本案は可決すべきものと決しました。
次に、法人税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/174
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175・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 多数であります。よって本案は可決すべきものと決しました。
次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/175
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176・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 多数であります。よって本案は可決すべきものと決しました。
なお、ただいま可決いたしました三案についての諸般の手続等は、先例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/176
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177・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よってさよう決しました。
それから、多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
木内 四郎 西川甚五郎
天坊 裕彦 青木 一男
酒井 利雄 岡崎 真一
木暮武太夫 左藤 義詮
塩見 俊二 土田國太郎
廣瀬 久忠 杉山 昌作
前田 久吉
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/177
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178・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 次に、酒税法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/178
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179・土田國太郎
○土田國太郎君 原案には賛成いたしまするが、今回の酒税引き下げに対しまする大蔵省の御処置が適切を欠いたことは、非常に私は遺憾に存じます。本案に関しましては、数回、当委員会におきまして私どもの質問にたいしまして堂々と申し述べられたことと、 本日の大蔵省の処置は雲泥の差を生じた。その状態は実に見るにしのびないのでありまして、私ども与党として攻撃する意思ではありませんが、将来のこともありますので、一言警告いたしておくのでありまするが、過般この処置ついて小売業者のマージン削除であるとか、あるいは課税対象としてバルク・ラインの問題とか、こういう問題につきまして意見を申し上げてあるはずでありますが、どうか今回のこの処置に反省されまして、課税の基準であるとか、あるいは方法であるとか、将来のこのマル公問題の欠陥というようなことについては十分の御検討を願いたいと存じます。で、私は原案に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/179
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180・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/180
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181・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとって。
他に御発言ありませんか。――他に御発言もなければ討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
酒税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/181
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182・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致であります。よって本案は可決すべきものと決しました。
なお、諸般の手続等は先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/182
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183・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認め、よってさよう決しました。
それから多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
木内 四郎 西川甚五郎
小笠原二三男 平林 剛
天坊 裕彦 青木 一男
酒井 利雄 岡崎 真一
木暮武太夫 左藤 義詮
塩見 俊二 土田國太郎
廣瀬 久忠 山本 米治
大矢 正 杉山 昌作
前田 久吉
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/183
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184・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 次に、入場税法の一部を改正する法律案を議題に供します。
別に御質疑ございませんか。――別に御発言もないようでありますから、本案の質疑は終局したものと認めます。
本案に対し各派共同提案にかかる修正案が委員長の手元に提出されておりますので、この際、本修正案について便宜代表者より説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/184
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185・平林剛
○平林剛君 入場税法の一部を改正する法律案に対して自由民主党、緑風会、無所属及び日本社会党の各派共同提案による修正案を提出いたしましたので、その内容について御説明申し上げます。
修正案はお手元に配付されてありますので朗読を省略いたしまして、若干理由を御説明申し上げますと、入場税法の一部を改正する法律案につきましては、昨年三月、第二十六回国会において純演劇である歌舞伎、新劇等につき、諸般の事情にかんがみ、その入場税の税率を軽減する必要を認めて、全会一致をもって衆議院より送付、本院において継続審議を続けてきたものであります。本委員会におきましては、今日まで慎重に審議を行なった結果、演劇芸術の普及と発達をはかることは国家としての当然の文化政策であり、観客大衆が入場税軽減により比較的安価な入場料金でこれらの公演に接する機会を多くし、大衆娯楽の質的向上と国民の情操教育の向上に資するため、この際純演劇に限らず演劇全般に入場税の税率を軽減するよう提案のように修正しようとするものであります。
なお、修正法律の実施時期につきましては、税務行政の必要上、必要な最小限の期限を考慮してかようにいたしました。
何とぞ全会一致の御賛成を得られるよう希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/185
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186・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ただいま説明を聴取いたしました修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣に対し意見を述べる機会を与えなければなりません。よってこの際、ただいまの修正案に対し内閣から意見を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/186
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187・白井勇
○政府委員(白井勇君) 当委員会の御趣旨は了承いたしますが、入場税収入は実質的には地方財源でありますので、関係官庁とも協議の上政府といたしまして善処いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/187
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188・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより入場税法の一部を改正する法律案及び修正案を一括して討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/188
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189・杉山昌作
○杉山昌作君 私はただいま議題になっておりまする入場税法の一部を改正する法律案につきまして、修正案を含めて賛成をいたします。本案は先ほど修正案の提出者からお話のありました通り、過去一年間、本委員会において、あるいは公式にあるいは非公式に各派が慎重に審議をして参ったものであります。その審議の途中におきまして、入場税全体につきましていろいろな疑問が起きました。たとえば映画、演劇、演芸、音楽等各般の均衡あるいはそれらとスポーツとの均衡問題、あるいは最高の税率が入場料金の五割というふうなものは高過ぎるのではないかというふうな問題も出たわけであります。その結果、先ほどの修正案に一応まとまったわけで、まことにその点はけっこうだと思いますけれども、やはり今回これによって一応入場税は一歩前進をしたとは申しましても、さらに今申し上げましたような大きな問題が残されておりますので、政府はすみやかに入場税全体に対して検討をして、その改正を提案すべきものと考えるものであります。その意味で修正案の協議と同時に、各派が協議して次のような付帯決議を本委員会の決議にしたいと思います。この付帯決議を提案いたします。
入場税法の一部を改正する法律案に関する付帯決議案
政府はすみやかに入場税を全面的に再検討し、適切なる改正案を提出すべきである。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/189
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190・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 他に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
まず、各派共同提案にかかる修正案を問題に供します。本修正案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/190
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191・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致であります。よって修正案は可決せられました。
次に、ただいま可決されました修正部分を除く原案全部を問題に供します。修正部分を除く原案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/191
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192・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致であります。よって本案は修正議決すべきものと決しました。
次に、先刻討論中に述べられました杉山君提出の付帯決議案を議題といたします。本付帯決議案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/192
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193・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致であります。よって杉山君提出の付帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
なお、諸般の手続等は、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんが。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/193
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194・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よってさよう決しました。
それから委員会の報告書に付する多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
木内 四郎 西川甚五郎
小笠原二三男 平林 剛
天坊 裕彦 青木 一男
酒井 利雄 岡崎 真一
木暮武太夫 左藤 義詮
塩見 俊二 上田国太郎
廣瀬 久忠 山本 米治
大矢 正 野溝 勝
杉山 昌作 前田 久吉発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/194
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195・河野謙三
○委員長(河野謙三君) なお、この際、さきに可決されました付帯決議について政府から所信をお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/195
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196・白井勇
○政府委員(白井勇君) 御趣旨の点は十分尊重いたしまして善処いたしたいと存じます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/196
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197・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 次に、道路整備特別会計法案を議題に供します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/197
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198・大矢正
○大矢正君 私はこの際、委員長に一言苦言を呈しておきたいと思うのでございますが、道路整備の特別会計法案については過去に一度連合審査が行われただけでありまして、ほとんど審議をする余裕がなかったというような実態であります。これはわれわれ議員の勉強の仕方が足りなかったということではないと思うのであります。衆議院からこちらに送付をされて、本審査になるこの期間的な問題で、われわれが十分に道路整備特別会計法案に対して審議ができないということは、これはまことに遺憾であります。ほんとうから言いますならば、もっと具体的に審議をして、本法律案についての賛否を明らかにしたいところでありますが、何分にも本法律案は明日以降実施をしなければ、特に働いておる人々に対するところの給料も払えないという非常に大きな意味のある法律でございますので、いたし方なく、この際、本問題についての内容を明らかにするわけでありますが、どうか一つ委員長におかれましては、これからかようなことが起らないよう善処されるよう私はお願いいたしておきたいと思います。
それから政府に対して私は一つだけ質問をいたしておきたいと思うのでありますが、それはもしこの会計法案ができ上った場合におきましては、ガソリン税を中心といたしまして、地方の負担とそれにまた一般会計からの繰り入れによって道路の整備が行われるのでありますが、しかし考えようによりましては、五カ年間で九千億という膨大な道路事業を行おうといたしますれば、それを計画通りに実施する段階になりますと、当然ガソリン税の増徴であるとか、あるいは地方負担金の増額ということが行われる危険性があります。もしそうだといたしますれば、この特別会計法案というものは非常に重要な意義のあるものでありますが、当面政府はそこまでしなくても五カ年計画の趣旨が十二分に達成することができるとお考えになっておられるかどうかということを政務次官に承わっておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/198
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199・白井勇
○政府委員(白井勇君) 現在のところにおきましては、ガソリン税の値上げでありますとか、あるいはあらためて地方負担を増強するということなしに計画を遂行できるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/199
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200・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 私からも大矢きんに一言おわびをさせていただきます。
御承知のように委員長のはなはだ不手際のために、本法案につきまして、期日の最終日の三十一日の、しかも今七時四十分まで審議の機会をほとんど与えなかったということについては、これは全く委員長の手落ちでございまして、今後十分注意いたしますから、何分御容赦いただきたいと、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/200
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201・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ただいまの大矢委員の質問に対して、白井政務次官の御答弁はまことに近来時宜を得た御答弁であると拝聴いたします。今まで私たちは追及いたしておりましたことですが、地方の負担をこれ以上増すことは考えないということであって、まことにこれは時宜を得たことでありますから、すみやかにそういうふうに来年度以降の法律措置をとられることとして、ただいまの答弁を了承いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/201
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202・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 他に御質疑はありませんか。――他に御質疑もないようでありますから、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。
御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
道路整備特別会計法案を問題に供します。本案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/202
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203・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致であります。よって本案は、可決すべきものと決定いたしました。
なお、諸般の手続等は、先例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/203
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204・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よってさよう決しました。
それから委員会の報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますので、本案を可とされた方は、順次、御署名を願います。
多数意見者署名
木内 四郎 西川甚五郎
小笠原二三男 平林 剛
天坊 裕彦 青木 一男
酒井 利雄 岡崎 真一
木暮武太夫 左藤 義詮
塩見 俊二 土田國太郎
廣瀬 久忠 山本 米治
大矢 正 杉山 昌作
前田 久吉発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/204
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205・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 本日は、これにて散会いたします。
午後七時四十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02419580331/205
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