1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年四月十五日(火曜日)
午前十時三十七分開会
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出席者は左の通り。
委員長 河野 謙三君
理事
木内 四郎君
西川甚五郎君
小笠原二三男君
平林 剛君
天坊 裕彦君
委員
青木 一男君
木暮武太夫君
塩見 俊二君
土田國太郎君
宮澤 喜一君
廣瀬 久忠君
山本 米治君
大矢 正君
栗山 良夫君
小林 孝平君
野溝 勝君
杉山 昌作君
政府委員
大蔵政務次官 白井 勇君
大蔵省為替局長 酒井 俊彦君
国税庁長官 北島 武雄君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
説明員
大蔵省主税局税
関部長 木村 秀弘君
国税庁間税部長 泉 美之松君
参考人
麦酒酒造組合常
任理事 中島 正善君
朝日麦酒株式会
社取締役社長 山本為三郎君
日本麦酒株式会
社川口工場工場
長 丸山 節三君
朝日麦酒株式会
社吾妻橋工場工
場長 中島 道雄君
麒麟麦酒株式会
社東京工場工場
長 色川 御胤君
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本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○外国為替及び外国貿易管理法の一部
を改正する法律案(内閣提出)
○租税及び金融等に関する調査の件
(ビール移出石数の問題に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/0
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001・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより、委員会を開きます。
参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
委員長及び理事打合会において、本日午後、租税行政に関する調査のため、参考人から事情を聴取することに決定いたしましたが、さよう取りはからうことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/1
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002・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。つきましては、参考人の人選及びその他の手続につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/2
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003・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/3
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004・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 次に、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案について質疑を行います。
質疑のおありの方は、順次、御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/4
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005・平林剛
○平林剛君 外国為替及び外国貿易管理法についていろいろ研究をしてみたのでありますが、専門外のことで、なかなかよくわからぬ。ただ今回の一部改正の法律案に限定することでなくて、全般の法律から若干政府当局の見解を聞いておきたいのでありますが、本法は昭和二十四年に制定されたもので、当時と現在とでは国の外貨の保有高も違うし、貿易量も違っているし、私の聞くところでは、本法は原則として全面的禁止の建前をとり、多くを政令や省令、告示、通牒で緩和しているという話を聞いたのであります。それこれいろいろ考えてみますというと、この際、法律全般についても根本的改正を行う必要があるのではないかという意見などもございまして、政府でもいろいろ御研究が進められていると思いますが、法律全般の根本的改正のために、何か政府としてお考えあるかどうか、まず、基本的な問題としてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/5
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006・酒井俊彦
○政府委員(酒井俊彦君) お尋ねの点ごもっともでございまして、この法律は、今仰せになりましたように、昭和二十四年に、国際通貨基金の規約に基きまして作ったものであります。今日、おっしゃるように、いろいろ情勢も変っております。そこで、先般一月以来、為替貿易に関する懇談会を開きまして、その席でも、ぜひこれは根本改正に手をつけるべきだという御意見がありました。これはまことにごもっともでありまして、私どももこの際、根本的な改正に手をつけたいと思います。ただ、何さま、根本的な改正に手をつけますといたしますと、非常に膨大な為替管理の組織機構というものを、全部現在の情勢に照らしまして、どうしたらいいかということを検討する必要がありますので、これはなかなか時間がかかります。時間がかりますが、われわれといたしましては、必要ならば、そういう民間の衆知も集めまして、少くとも今年度から真剣にこの問題に取り組みまして、できるだけ早い機会に、これを改正したいというつもりで、今やっておるわけであります。現在の法律は、御指摘のように、全部網をかぶせまして、為替取引に関することは一切いかぬ、ただ政令で定めた場合はよろしいというふうなきめ方をしております。これに対して、民間の方といたしましては、それは非常にわかりにくいので、これこれのことはいかぬと、それ以外いいんだというふうな、昔の為替管理方式のやり方を希望すると、こういうような御意見がありました。まあ、いずれがいいか、これは全般的な検討を経てからきめるわけでありますが、御指摘のように、私どもも、ことしから、これを徹底的に検討するということで、これから進めていくつもりでおります。いつごろまでにできるか、これはまた別問題でありますが、できるだけ早く、そういうふうな成案を得たいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/6
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007・平林剛
○平林剛君 今のお話について政務次官から、面接お答えを願いたいと思うのであります。法律全般の根本的改正を行うために、何か適当な専門委員会の設置などを設けて、これを推進をするという考えであるというお話がございましたが、政務次官にこの点をはっきりさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/7
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008・白井勇
○政府委員(白井勇君) 御承知の通り、非常に重要な問題でありますので、今為替管理につきましては、検討を加えたのでありますが、今御質問になりました通りに、御趣旨もありまして、私どもにおきましても検討を加えまして、さらにそういう専門的な委員会が必要でありますれば、そういうものを設置いたしまして、検討を加えるようにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/8
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009・平林剛
○平林剛君 次に、今回の一部改正の法律案は、結論的に言いますと、輸出振興の手続の簡素化にかかっておると思うのであります。そこで私は、この輸出振興の手続の簡素化と税関職員との関係について若干お尋ねをいたしたいのであります。
先般為替局長から、提案の理由のこまかい説明をお聞きしたときに、今後この法律が改正されますと、輸出をする場合、従来は、書類を作って、銀行の窓口に行き、為替管理法に違反しないかどうかを確認をし、それを税関に持ち込んで、それから輸出をする格好になっていたのを、今後は、一応貿易業者を信用して、初めの銀行の認証をやめて、いきなり税関に行く、それだけ手数をはぶけることにしたのが、この法律の趣旨であるという説明がありました。そうすると、いきなり税関に持っていくことになりますと、税関業務の中におきましては、従来銀行で行なった認証の役割を果す責任が加わって参ります。業務量が当然それに伴って増加するものと思われるのであります。また政府の説明では、簡素化の結果、一応貿易業者を信用して、ただいまのような簡素化の手続をとるけれども、脱法行為があった場合、あとで調べて脱法行為があるかないかということを調べてうまくいってるか、あるいはまずくいってるか、不正があったら、それに対して注意したり改善したりする。そこで立ち入り検査を新たに銀行あるいは両がえ商以外に拡充するという建前になるのだ、こういうお話がありました。するとここでも税関行政の業務量の増加ということが考えられるわけです。輸出振興の手続の簡素化はされましたけれども、税関行政の方に、それが必ず比例するわけではありませんけれども、対応してこの業務量がふえるということが考えられます。こういうことに対して、政府は税関行政に対して、特に職員の増員あるいはそれが業務量の増加にならないような適当な手配、これらのことについて、一体どういう方法をおとりになっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/9
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010・酒井俊彦
○政府委員(酒井俊彦君) 銀行の認証をやめまして、税関にいきなり持ってゆくという場合におきまして、税関が銀行と同じように厳重な認証をするということではございません。税関は従来のような調査をいたしまして、一応通すのであります。従いましてその輸出者を信用するということにいたしております。それからなお自後の検査権でございます。それはその個々の犯罪があったとか、そういう場合の犯罪調査ではございませんので、まあ何と申しますか、各銀行に対して、銀行法で銀行検査ができますように、ときどきうまくいってるだろうかということを調べまして、うまくいってない場合には、これに注意をして改善を加えるというようなことで、個々のケースにつきまして犯罪調査をする、これは検察庁のお仕事でありまして、そういうことはいたしません。なお、税関の職員をふやすかどうかという点については、ふやさないで済むと思いますが、ここに税関部長がおられますから、そちらから御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/10
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011・木村秀弘
○説明員(木村秀弘君) ただいま為替局長から御説明申し上げましたように、税関の事前の認証と申しますか、審査というものは、これは従来銀行でやっておったようなものではございませんので、たとえば銀行でやる場合には、いわゆるインヴォイスその他の必要な書類を取り寄せまして、実費的な内容の審査を行うわけでありますけれども、今回の税関の審査は、輸出為替の申告書というものを出してもらって、これを単に標準決済規則と照らし合せてどうかということで、形式審査をいたしまして 一応内容の審査には立ち入らないということになっております。なお、それでは違反が出るじゃないかという疑問も起りますけれども、それは自後審査の際に、外国為替銀行が為替買い取りをやりました場合に、その報告を税関が受けまして、前に出ている輸出為替の申告書と照らし合してみて、そうして前の申告通り入金ができたかどうか、あるいは所定の期日までに代金の受領が行われておるかどうかということを審査いたしまして、それで行われておれば、そのまま落していく。所定の期日までに行われなければその商社に問い合せを発するとか、あるいは前の申告書で出てきた決済方法と違った決済方法が行われておれば、それに対しているんな質問をするとかいうような事後審査にすべてをかからしていくということになりますので、必ずしも従来の銀行で要した手続と同じぐらいの煩瑣な手続を要するとは限らないと思います。
それから第二の問題といたしましては、為替関係以外の面でもできるだけ税関の手続を省略いたしまして、省略し得るものはできるだけ簡単にいたしまして、そして人員の節約をはかっていく。なお、それでも足らない部分につきましては、来年度以降において増員の要求をいたすつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/11
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012・平林剛
○平林剛君 あの税関の実際の窓口を見た場合、輸出と輸入のそれぞれの窓口があって、現在の人員では職員が休むこともできないという実情であるということを私は承知をしてお尋ねをしておるのです。今度の場合、今形式的に御説明をお聞きしておれば、さようなことを改正するのでは、今後いろいろな事故を防ぐことがかえってできなくなるのじゃないか。簡素化もけっこうだけれども、あとでいろいろめんどうな仕事になってからそれを整理するというのではよけい手間がかかるということになりまして、今の説明からいくと、逆に法律に対する疑問がかえって生まれてくるわけであります。私はやはり政府がこれだけの手続の簡素化を提案をしてくる場合には、その点を慎重に考えて、多分支障があるまいということで提案をしてきたものと見るのです。そうだとすると、勢い現実の問題としては税関の窓口はかなり責任は重くなってくる、こう見なければいけない。だから一人の人が休んでしまって、そのあとの仕事の行き違いが出るとか、あるいは定員が足りないために窓口のところでつっかえるとかいうようなことになれば、決して輸出振興を促進するという趣旨にはなってこない。この意味ではやはり定員についても検討を加える必要がありはしないか、こう考えるのであります。
それからまた事後調査でありますが、為替局長の説明では、立ち入り検査をやるから最初の手続は簡略にしても差しつかえないのだということになりますが、私いろいろ実情を聞いてみると、この立ち入り検査も結局おざなりになってしまうおそれがある。そして大きな貿易業者はこれは帳じりでも何でも帳簿でもちゃんときちんとやって来ますけれども、小さな中小企業的な貿易関係者はそういうことがどうしてもずさんになる。そこで今の税関の職員の立ち入り検査権を拡大をするということになると、相当ここに大幅の人員を配置して調査を総合的にさせたり、あるいは今回の手続の簡素化の結果生まれてくる欠陥を補う措置をとらないというと、政府の提案説明はしり抜けになってきはしないか、こういうふうに考えるのであります。ところが今の税関部長の話だというと、人員を簡素化することができるのだ、こういうお話ですが、私の知っている実情と違っているように思うのです。あなたはこの法律によってなおその人員を簡素化できるというように説明をされていたのですが、事実はそれと違うのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/12
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013・木村秀弘
○説明員(木村秀弘君) 多少私の言い方がまずかったかもしれませんが、人員を簡素化すると申し上げたのではございませんので、現在やっておりますいろんな手続のうちで省略し得る事項は省略して、たとえば今ダブル・チェックをしておるようなところは一回の審査で終える。場合によりますというと、税額の算定ぐらいになりますというと、初め業務でやって、次に検査官吏がやって、最後に徴収でやるというように、三重の、同じ計算を三回やっております。これを二回、できれば電子計算機を使って一回で行うというふうに、できるだけ手続の重複しておる面を省いて参るということを申し上げようと思ったのであります。
それから、今おっしゃったように、ただいまの税関の事務は現在の定員に比べて非常に過重であるという実情を御存じのようにおっしゃいましたが、まさしくその点は事実でございます。ただその仕事の密度に時期的な差異がございまして、これはいわゆる月末集中と現在言われておるように、月の初めから月の半ばごろまでは比較的閑散なのでございますけれども、しかし月の半ばを越えて月の終りに至るころににわかに申告がふえてくるというような状態になっております。従って月半ばまでは比較的閑散としておるのだが、月半ば以降になると、今度は毎日夜おそくまで居残りをしなければならないという実情になっておるのは、これは特に横浜、神戸等の大きな開港においては事実でございます。しかし今申し上げました、一方において手続を簡素化し得る面を簡素化しますと同時に、今回の外国為替管理の事務につきましては、たとえば事後審査を一つ例にとってみましても、必ずしもこれを月末の忙しいときに行う必要はございませんので、むしろ事後審査のような手続はできるだけひまな月の初めに行なっていくというふうにいたしまして、月末にはそちらへ人を回して、月の初めのひまなときに事後審査の方に人を持ってくるというふうにして、できるだけ定員の合理的な流用を行なって事務を進めて参りたいと思います。
なお、それでも不足いたします分が生ずるならば、これは来年度におきまして定員の増加を御要求申し上げたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/13
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014・平林剛
○平林剛君 税関の仕事が業務量の増大ではなはだ過重負担になっておるというお話を聞いておったのでありますが、あなたの御説明でもそれをお認めになったようであります。私も去年の大蔵委員会で、貿易量が増大するに従って、人員は、件数も多くなるのだから、ふやす必要があるのではないか。ところが貿易量は非常に増大をしたけれども、人員の面では昭和二十七年当時とほとんど変らない人員で仕事をしておる。去年の中国見本市における日本品の粗悪が問題になった際、その欠陥は税関行政の中にないかという疑問を出しておきました。また貿易振興政策の裏づけとしてもこの方面の仕事は重要になってくるから、その人員の検討が必要であるということを指摘しておいたのであります。ところが、現在でも税関の職員は毎日のように残業をやっておるという話である。あなたのお話ですと、中間は比較的閑散だというお話ですけれども、職員側の意見を聞くと、毎日残業を余儀なくされておる。輸出入の事務に従事しておる職員は特に月末と年末の繁忙時には夜の十時ごろまで仕事をしなければならぬ。また監視事務に従事しておる職員は数隻の入港船を一人で監視をし、また貨物の積みおろし事務の処理までしておる。こんな実情だということでありますけれども、これは事実でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/14
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015・木村秀弘
○説明員(木村秀弘君) ただいまおっしゃったことは事実でございます。輸出入事務につきまして、年末あるいは月末に集中して参りますというと、やはり同じ職長が毎日十時過ぎまで残らなければならぬ、ことにこれは大きな開港の問題でございますが、そういうことであります。
それから数隻の外国貿易船を一人ないし二人の監視官吏で監視をしなくちゃならぬということも、これは事実でございますが、ただわれわれといたしましては、外国貿易船も全部が全部同じ程度の密度でもって監視をするという従来のやり方には改善を要する点があると思うのでありまして、たとえば非常に反則の多い香港あるいはシンガポールあるいはフィリピンというようなところから参っておる船と欧米から参っておる船とでは若干取り締りに厚薄をつけてもいいのじゃないかということで、現在取り締りの何といいますか、密度を変えるように指導をいたしております。また輸出品の検査にいたしましても、先ほどおっしゃったように、中共見本市に対する粗悪品輸出等の例がございますので、できるだけ粗悪品の発見に手を尽くしております。現に相当のものが発見されております。ただこれも大量の生産品であって、規格の統一した工業製品のような場合と、あるいは雑貨あるいは手細工でやっておるような品物とでは、おのずからやはり検査の厚薄をつけてもいいのじゃないか。たとえばビールであるとかセメントであるとかあるいは鉄鋼であるとかというものの輸出と、それから玩具であるとかあるいは万年筆であるとか、そういうような雑貨雑品のようなものとの検査では検査に厚薄をつけていいのじゃないかというような観点からいたしまして、同じような検査方法をとらないで、重点を間違いの起りやすい品物に移していく、従って手のはぶけるところはできるだけはぶいていくということで、現在全体の輸出品の二割程度の件数しか検査をしておりませんけれども、その二割は非常に重要な、そういう間違いの起りやすいものに重点を置いておるわけでございまして、忙しいことは事実でございますけれども、できるだけ手のはぶけるような方向に持っていく、それからなおそれでも足らぬ部分につきましては新しい増員要求をいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/15
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016・平林剛
○平林剛君 大蔵省の税関当局は、昭和三十三年予算編成に際して総計五百五十九名の定員ワクの拡大要求を大蔵省に呈示をしたといいますが、その結果は一体どういうふうになりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/16
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017・木村秀弘
○説明員(木村秀弘君) 今おっしゃったような要求をいたしたのでございますが、こういう非常に増員のやかましい時代でございまして、結局増員ということは今年度は認められなかったのでございますが、これは毎年、来年も引き続き要求をいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/17
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018・平林剛
○平林剛君 一名も認められなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/18
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019・木村秀弘
○説明員(木村秀弘君) 一名も認められておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/19
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020・平林剛
○平林剛君 私の承知しているところでは、現在六十名ばかり新規採用をやっているという話を聞いているわけであります。それは認められた数ではないのですか。
それからもう一つは、政府では定員法を改正しないで大蔵省令の改訂によって、国税局の方の職員を税関の方に回すというようなやり方をとっておるというような話を聞いているのですが、その数も六十名、合計百二十名は、ただいまのような実情にかんがみていろいろ苦肉の策をとっているという話を聞いているのですが、今の話は一名も認められていないという話ですけれども、どうもこれは私の承知しているところと違いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/20
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021・木村秀弘
○説明員(木村秀弘君) 今の国税庁との関係のお話でございますが、これは多少誤解がございますかと思います。それは従来油の保税工場、それから砂糖の保税工場等におきまして、税関の職員と税務署の職員と両方が出ておって、一方は関税の徴収事務、一方は内国消費税の徴収事務というようなものを両方の役所からやっておったのが相当ございます。それでそういうような重複しておる面につきましては、どちらか一方の職員が両方の事務をすればいいじゃないか。たとえば保税工場でございますと、これは税務署なり、税関なりから非常に離れた場所にあるのが相当ございます。そういう場合に、税務署からも毎日人を出す、税関からも毎日人を出す、これは往復の時間だけでも相当のロスになりますので、これをどちらか一方の職員で両方の事務を兼務させるということによって、多少でも仕事の上の合理化ができるじゃないかという観点から、そういう油なり、砂糖なりの保税工場につきまして、両方の職員が出ておるようなところは、今非常に手のはぶけない税関の職員を派遣するということをやめまして、国税庁の職長にやってもらうということで、そういう意味で、これらの重複しておる保税工場の人員を集めましたところが、大体六十名程度になるということで、そういう数字が出てきたわけでございます。これは増員という意味ではございません。それからあとの六十名とおっしゃったのは、これは私ちょっとわからないのでありますけれども、おそらく前年度からの欠員が若干ございますので、この欠員をこの際、新年度の学生の卒業期を迎えて全部埋めるというために新規採用いたしております。その分ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/21
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022・平林剛
○平林剛君 今の最初の六十名は前年度の欠員であるかもしれませんが、あとの六十名について私は別の話を聞いているわけです。ただいまの説明だと、これは国税庁の職員が税関の行政をやっている。つまり税関の職員の方は手が足りないので、砂糖や石油、ミカンのカン詰等の保税工場については、税務署の職員がこれに当っている、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。もしそういうふうに理解をいたしますと、この人の給料は一般公務員なみの給料を受けている、こういう矛盾があるわけです。もし国税庁の職員であるならば、これは国税庁なみの職員の給与を支払わなければならない。しかるにこの六十名は税関職員と同じような給与の水準、一般公務員の給与水準を受けている。そうすると、あなたの説明はそこのところが狂ってくるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/22
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023・木村秀弘
○説明員(木村秀弘君) これはあくまでも兼務でございまして、俸給の支払い主はこれは国税庁になります。しかしながら純粋の国税庁職員ではございませんので、国税庁職員が税関職員を兼務するという形になりますので、給料は税関職員の給料になりますが、しかしながら超過勤務手当、旅費等につきましては、税関から出るわけであります、それからなお監督権は、国税庁と税関と両方でございますけれども、身分権そのものは国税庁が主管でございますから国税庁になるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/23
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024・平林剛
○平林剛君 ただいまのお話は私どうも納得できないから、政務次官は後ほどこのことについて検討してもらいたい。確かに実際の仕事としては税関の行政をやっておるのにかかわらず、身分は国税庁の監督を受け、そして国税庁の職員であるかのごとき答弁がございました。しかるにそれは兼務であるにもかかわらず、給与は一般公務員の給与水準を受ける、こういう工合に取扱いの上どうも理解しがたい点がございますから、政府はこういう点はよろしく監督をして、誤まりのないような方法をとってもらうことを希望いたしておきます。大蔵省の税関部は、ことしも五百五十九名の定員を要求をしながら、実際には一名も認められておらないという実情は、これは私去年指摘したにもかかわらず、まことに遺憾なことであります。先ほどの実情からいって、当然何らかの措置を行う必要がある。そうでなくったって、税関はよけいな仕事をさせられているのですよね。羽田の空港でもってよけいな、どこの指示か知らない——私に言わせれば、これははっきりアメリカ大使館かアメリカの軍当局か警察か、どこの指令でやったか知りませんけれども、よけいな仕事をやらせられている。まあこれは警察当局じゃないでしょう。警察当局がやるときには、警察が手柄にしたいと思うから、自分がぱっととんで行って、自分がそういうことをやるわけですが、これは警察がやったんでなく、他の方法だなと私はにらんでおる。こういうよけいな仕事をやったり、奄美の税関へ行くと、奄美大島の選挙の前に、パトロール船というのを配船して、わざわざ奄美大島の方に特に密輸か何かあるというのでパトロール船の準備を進めたなんという、よけいな仕事までときどきやらせられるので、あなた方は、そうでなくったって人が足りないときに、かえって税関の職員の業務負担が増大をしておる。政府の貿易政策の振興増強という点からいきましても、私はやはりこの職員の増加については政府当局も相当検討しなければならないと思います。どうか一つ政務次官はこの点についても研究を加えてもらいたい。
最後に一つお尋ねをいたしますが、輸出振興のため為替管理手続を簡素化した結果、予測される問題が幾つかございます。一つは、為替管理、貿易管理の緩和が、場合によっては過当競争などが始まって、業界の秩序を乱すおそれがあるのではないか、こういう問題が一つ、それからもう一つ、信用状付とDP、DAとはおのずから金融上の差違を生ずる場合があるから、この点を考慮する必要がある、こういう点が指摘をされておりますけれども、政府はこれについてどういう配慮がありますかお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/24
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025・酒井俊彦
○政府委員(酒井俊彦君) 第一点の過当競争の問題でございますが、これは厳密に申しますと、何が過当競争かという定義の問題になりますが、それはまあ一般的に常識的に過当競争ということを考えてみまして、確かにそういうものが現在でもあります。しかしこれは通商産業省におきまして過当競争のないように今貿易を扱っていらっしゃる各界の方に非常に御努力になりましてお話し合いを続けまして、この措置によって過当競争が激化されるということは万ないものと思っております。
それからDP、DAの問題でございますが、これは全部をDP、DAにしてしまうというのじゃございませんで、やはりLCベース、信用状付の貿易が大部分でございまして、ただ現在四、五百件DP、DAというものが出てきておりますが、これは標準外決済でございますために、一々政府の許可を受けなくちゃならぬ。しかしこれは金融機関等においても、おのずからやはり自己防衛上非常に確かなDP、DA以外は扱わないのでありまして、そういうものについてまで、一々中央に持ってきてこれを審査する必要はないのじゃないか、途中で金融機関等で十分チェックできますので、これは外しても大して支障はありません。現在ありますものを一々許可するようなそういう煩雑な手続をとらぬでもいいじゃないか。もちろん大部分はLCベースを外したわけじゃございませんので、銀行なり貿易商社から申しますと、LCがなければなかなか安心して貿易取引できませんので、結局LCべースが基本になりまして、若干のそういう例外的なものについて、これは手続を簡素化してもいいじゃないか、途中でそれ相当のチェックが民間で行われますので、それ以上に役所がやかましく言うことはないじゃないか、こういうつもりでDP、DAを一応標準決済に乗っけたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/25
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026・平林剛
○平林剛君 御説明にもありますように、やっぱり今回の措置によって私ども考えられることは、大きな貿易業者と小さい、あるいは中くらいの貿易業者との間に金融上の差が生れてきやしないか、何といってもお互いに輸出振興のために、いろいろ手続上の緩和があれば、多少危険は冒しても輸出を振興するという政策に向けられてくることになる。ところが大きな貿易業者でありますと、外国支店が整備されておりますから、その点は多少の危険を冒しても輸出を振興するということに協力ができるわけでありまするけれども、しかし小さな貿易業者になりますと、その点の保証というものがなくなってくる。勢い日本の銀行でもDPやDAの場合には容易に金を貸さないというようなことも起り得る。これは私専門ではありませんから、いろいろ人の話を聞いたのでありますけれども、やはりその懸念があるのではないか。そこで私どもとしては、そういう場合に政府で輸出金融制度であるとか輸出保険の制度の運用を円滑に行う必要がある。そうでないというと、ただいまの懸念が生れてくると思いますので、これを配慮せよという要望もかなり強いように聞いております。政府としてはこれに対してどういうお考えであるか、その点をお尋ねして私の質問は終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/26
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027・酒井俊彦
○政府委員(酒井俊彦君) 先ほども申し上げましたように、DP、DAを使います場合は特殊な場合でございまして、これは大商社の場合といえども、信用状付とDP、DAということでは、金融機関の扱いは相当違って参ります。ただDP、DAが中小業者は扱えないじゃないかというお話でございますが、これは実際問題としてあるいはそういうことが予想されぬでもございませんけれども、しかし非常に大きな支障になるというふうには考えておりません。まあ大きな商社が扱いましても、DP、DAとそれからLC付というものは非常に金融的に差があるのでありまして、途中の為替銀行の金融という面から見ますれば、これはやはりどうしてもLCべースということでないと確実に参りません、もしDP、DAを扱ってあとでうまくいかなかったということになりますと、これはその後におきましてそういう措置をとらせることを禁止するという措置を講じたいと思っておりますので、まあやらせてみまして、私自身の感じでは大したことはございませんが、もしそういうことがあれば、うまくいかないとすれば、それは個々のケースにつきまして、以後そういう扱いはさせないようにしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/27
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028・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 他に御質疑ございませんか。——他に御質疑もないようでありますから、質疑は終局したものと認めこれより討論に入ります。
御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を問題に供します。
本案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/28
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029・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致であります。よって本案は、可決すべきものと決定いたしました。
なお、諸般の手続等は、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/29
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030・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よってさよう決しました。
それから委員会の報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますので、本案を可とせられた方は、順次、御署名を願います。
多数意見者署名
木内 四郎 西川甚五郎
平林 剛 天坊 裕彦
青木 一男 木暮武太夫
塩見 俊二 宮澤 喜一
廣瀬 久忠 山本 米治
大矢 正 栗山 良夫
杉山 昌作発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/30
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031・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 暫時休憩いたします。
午前十一時二十二分休憩
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午後一時十六分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/31
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032・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 休憩前に引き続き、委員会を開きます。
租税及び金融等に関する調査を議題といたします。
二月分ビール移出石数の問題について参考人より事情を聴取いたします。参考人の氏名は委員長及び理事打合会において決定いたしておりますので、黒板に掲示いたしましたから御了承願います。
参考人の方には、御多忙中にもかかわらず、御出席をいただきましてまことにありがとうございました。なお、参考人の方に申し上げますが、御発言の際は委員長の許可を得てから御発言願います。
それでは二月分のビールの移出石数の問題について事情を参考人から御説明をいただきます。
それでは麦酒酒造組合常任理事中島正善君から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/32
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033・中島正善
○参考人(中島正善君) ただいま御指名がございましたので、経過につきまして御報告させていただきます。
三月の七日かと私は記憶いたしておりますが、担当者から報告を受けたのでございます。国税庁の酒税課から二月分の移出石数を一八%減じて申告するようにという御指示があったわけでございまして、酒造組合といたしましては、国税庁当局の御指示、御通知を伝達する任務を持っておりますので、その電話連絡を受けたのでありますが、受けました担当者は、そういう例がないものでございますので、不審に思って聞き返したそうであります。そのときに聞き返しましたが、いやそうしてくれということなんであります。それで従来われわれと監督官庁でございます国税庁との間柄につきましては、いろいろと御指示をいただいて、監督をされておられる立場の御意見を伺って仕事を遂行していくという立場にもあるわけでありまして不思議には思ったそうでありますが、当局の何らかの御都合があると了承いたしまして、担当者は電話で承知いたしまして、各社の本社にその旨を伝達したということを私は七日にその担当者から報告を受けたわけでございます。そのときの担当者といたしましては、それなら一八%をどうするかということにつきまして、これは当然三月に繰り延べと申しますか、入れられて申告すべきものと了解いたしまして、その旨各社に伝達をいたしたということも報告を受けております。そういたしましてその一八%をどうしたかというのには、これは三月の上旬、各旬にわれわれとしましての庫出し数字を大蔵省及び国税庁に報告いたしております。その一八%の数字は、それを加えまして報告をいたした次第でございます。
そういたしましたら、このたび国会において、こういう問題が出ました関係か存じませんが、四月の上旬になりまして、国税庁からやはり電話の連絡をもちまして、その一八%は二月の分として納税するようにという御指示を受けましたので、これまた同様に本社を経てそれぞれの工場に伝達をいたした次第でございます。概略の経過はそういう経過をたどっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/33
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034・河野謙三
○委員長(河野謙三君) それでは、御質疑のある方は、順次、御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/34
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035・栗山良夫
○栗山良夫君 今のお話の中で組合としては三月分に一八%を加えて申告なさって、そのあとで国税庁から二月分として処理をするようにという通達があったという工合に承わったのでございますがその通りでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/35
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036・中島正善
○参考人(中島正善君) いいえ、それは申告をいたしますのは、その月分の申告はその次の月の十日までに申告をすることになっておるわけでございます。しかし酒造組合といたしましては各旬各旬で庫出しいたしました数字を官庁に連絡するわけなんでございまして、私の申しましたのは、名旬の数字の報告に加えたということでございます。まだ三月の査定はそこに至っていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/36
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037・栗山良夫
○栗山良夫君 そうしますと、それは概数報告の意味でございますか、各旬の。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/37
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038・中島正善
○参考人(中島正善君) しばしばこの国会で概数とか確数というお言葉が出ておるのでございますが、その点につきましては、われわれとしては何をもって概数といい、何をもって確数というか、その辺のところははっきり的確にわからないのでございますが、われわれから報告いたしましたのは概数というふうにおとりになっておればそれが概数じゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/38
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039・栗山良夫
○栗山良夫君 そこが実は私どもも法令を読んでみても、概数報告というのが全然ないものですから、大蔵省の説明がぴんと理解できないのです。これはおそらくあなた方はしょっちゅうおやりになっておるから、慣習上慣れておいでになるから別に不思議に思われないのじゃないかと思うのですが、こうなんです。要するに法令によって三月の十日を締め切りとしまして報告をする、これがまあ移出石数の正式な報告になるわけです。法令の定めるところの申告になるわけです。ところが大蔵省としては、その十日の正式な申告を待てないで、その前にいつも電話で概数の報告を受けている、これを移出石数概数報告であると、こういう工合に申しておるわけです。そういうことが行われておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/39
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040・中島正善
○参考人(中島正善君) どういう目的でおとりになるのかは存じないのでありますが、酒造組合の方が各局の庫出しをいたしました石数を報告いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/40
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041・栗山良夫
○栗山良夫君 各旬ですね。そうしますと、われわれが国税庁の方から聞いておるのはそういうのでなくて、十日締め切りで、移出の正式な石数の申告がある前に、電話でその移出の一ヵ月の移出石数に見合う分の概数報告を前もって受けると、こういう工合に聞いておるのですが、違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/41
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042・中島正善
○参考人(中島正善君) われわれは課税ということを中心に考えませんで、需給関係を主としてやっております関係上、品物が出たという、庫出しをいたしたということを中心にやっておりますので、課税の申告の概数と申しますか、そういうものを受けたという例はございません。ただ名旬を合計したものを、月の累計としては報告いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/42
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043・栗山良夫
○栗山良夫君 そうしますと、その各旬の報告は、五日ごとに締切って御報告になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/43
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044・中島正善
○参考人(中島正善君) 五日ごとということでございませんで、私の方は各社から報告がございましてそれを集計いたしまして、でき次第報告いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/44
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045・栗山良夫
○栗山良夫君 そうすると各旬ですから、大てい十日ごとになるわけでしょうが、そこの間が幾にちか、はっきりぴっとはきまっていないという意味でございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/45
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046・中島正善
○参考人(中島正善君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/46
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047・栗山良夫
○栗山良夫君 なぜこういう問題がわれわれの手元で、国税庁との間にいろいろ質疑をかわしているかと申しますと、国税庁の答弁がはなはだどうもわれわれ理解しにくい答弁をするのです。それはここにも表がありますがね、移出石数概数というものを、今申し上げたように、十日前にいただくのだと、それから十日になってまず移出石数というものを正式にもらう申告とその間の食い違いが年度末になって非常に大きくなると困るから一八%引いて申告するように電話をしたと、こういうのです。ですからどんなに考えてもわれわれは理解できないわけなんです。あなた方は専門家ですから、その意味がおわかりになるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/47
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048・中島正善
○参考人(中島正善君) 私はどうもそのへんのところよくわからないのでございますけれども、ただ庫出し石数と申しますのは、こういうエキスパートの方を前に、あるいは御説明がましくなるかもしれませんが、実際に工場で作りましたものを、工場から出ましても、すぐそれが課税の対象にならないわけでございまして、その中にはよその工場へと申しますか、蔵置所と申しますか、よその工場に移しますときには、要するに非課税の移出があるわけでございます。その受けた工場から実際に出たときに課税されるわけになるわけでございます。私が申しますのは、工場側から集計をいたしますときには、その工場が自分で作ったものを工場から出す数字ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/48
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049・栗山良夫
○栗山良夫君 それは私ども、大体説明を聞いてわかっておるわけなんです。で、政府の方の言い方を、もう少し数字でこまかく申しますと、こういうのです。昭和三十二年の三月から、昭和三十三年の一月まで、二月が抜けているわけですね。一月までの累計によりますと、先ほど私が申し上げましたように、毎月概数で報告をいただいている、電話連絡らしいのですがね。その会話で報告を受けましたものの累計が二百九十五万六千五百六十五石になるわけです。ところがこれに見合うところの確定申告数は二百九十四万四千四百二十一石になっている。従いまして差石数ですね、今申しました概数と、確定申告数との差額、この差額が一万二千百四十四石である。従いましてこの差額があるので、二月分の概数報告を実績の通り報告されたのでは、二月分の確定申告が出たときにはみ出てしまう、従って一八%減しておきたい、こういう意思であったと、こう言うのです。それですから私どもは非常に不思議に思いまして、それならそれでよろしい、よろしいが、しからば一年前の昭和三十二年の二月のときの集計では、概数石数と確定申告石数とはどれほどの差があったのだ。こういうことはしなかった、一八%天引きはしなかったというのですから、どれほどの差がありましたかという点を尋ねますと、それはほとんど差がないわけです。ぴちっと合っているわけです。その前もおそらくそうでしょう。まだ資料を取っておりませんがね、合っているのです。これは合うのが当然のことですから合わないのがおかしいのです。それにもかかわらず、なぜこういう工合に今度操作をしたかということについて、はなはだ何べん説明を聞いても理解ができないものだから、従って、きょうは大へんあなた方お忙しいところ御迷惑をおかけしたのですがおいでを願いまして、他に何も含むところがないならないということを委員会を通じて国民にはっきりしなければならない。もしあるならばあるということを委員会を通じてはっきりしなければならない。それがまあわれわれの務めであると存じますので、そういう工合で御足労をわずらわしたわけであります。今の一八%天引きというのが業界の方でもよく意味がおわかりにならぬということであるならば、これは国税庁の今の酒税関係をやっている役人を全部かえてしまわなければならないでしょう、そんなしろうとは。そういうふうに極端に言うと、そういうことになると思うのですが、どういうものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/49
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050・中島正善
○参考人(中島正善君) 第一、概数と確数の差があるということがよくわからないのでありまして、私はそれがよく理解できないのであります。第一、概数という言葉が、確数という言葉がどういうのか、あまりそうい言葉を使わないものですからわからないのでありますが、大体その月々の月平均として考えた場合には、ある工場から他の工場へ出ますね。しかしそれから全部受け入れた工場から出てしまえば合いますけれども、そこに受けた工場で残っていればそれだけある月としては差がつくということがいえますが、しかしそれは繰り越しと繰り延べが両方がプラス、マイナスしていく性質のものでありますので、差があったものを合計するということもよくわからないのであります。月々の差があったということを合計するということも理解がちょっとその点わからないのでありますけれども、実は初めてそういう数字が……その辺もどういうふうになっているのか、第一、概数と確数がわかりませんので、あるいはそういうことになっておるのかもわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/50
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051・栗山良夫
○栗山良夫君 大体その点はよくわかりました。これはいずれまた国税庁の方の担当官に来てもらいまして、もう一ぺんよく私ども納得のいくように説明をただしたいと思います。
それから今度は業者のお立場について伺うのですが、酒税法の二十四条によりますと、移出石数等の申告、これが二十四条でございますが、二十四条には、業者において移出の行為を行なったときには、その行為の実績に基いて三月十日までに所在地の所轄税務署長あてに提出をしなければならぬとこう書いてあるわけですね。従って、実際にそういう移出の行為があった実績があるにかかわらず、役所からそういう理屈の合わない、今もお尋ねしておればどうもふに落ちないとおっしゃるのですが、そういう一八%天引きの通牒を、文書なら別でございますよ、文書なら別ですが、担当官が電話で指示したものをそのままうのみをしてお出しになったというその御心情はどういうものでございましょうか。これは法律では、そういう行為があれば、しなければならぬことになっているのです。それで文書で国税庁の長官なり部長名で組合なり各社あてに、二月分については一八%移出石数を控除して申告しなさい。こういう公文書が来れば別ですが、もしあなた方がそういうことで、それでは国税庁の役人というので氏名を詐称して協会へでもそういう電話をかけたとするとですよ、今までに例がない、初めてのことだとおっしゃいましたですね。毎年そういう慣習になっていれば、それは何ら不思議はないわけですよ。ところが全然そういう慣習のないのに、ぽっとそういう怪しげなる電話が、しかも協会の多年の経験上からいってあり得べからざる内容を持った電話がかかってきたものについて、はい、そうですというので、すぐ聞かれて、そうして実行に移されるということは、今度私は組合の立場を理解ができないのでございますがね。この点はどう理解されますか。組合の方からその傘下にある各会社へ、事業者に対して、そういうことを役所との間に全然確かめないで、そのまま移牒をされたという組合としての立場ですね。それが私は大へん理解しにくいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/51
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052・中島正善
○参考人(中島正善君) 従来われわれどもをへての各生産者へのあるいは御伝達とか通知というものは公文書によったという例というものは非常にまれなんです。それで慣習といたしまして、担当官から電話でわれわれの担当者へ連絡があるのが慣習的になっているわけであります。それが重要な問題じゃないかというふうに今おっしゃられますと、非常に重要だと思いますが、そういう慣習的なことで、文書でないということに対してはわれわれどもの担当者がそれほど疑わなかったのではないかと思います。いつもそういう窓口の担当官からの御通知は当然国税庁内部でそういうお話し合い済みのものと了解してわれわれ受けているわけなんです。それを念を押さないで、これは国税庁長官の御許可があったのかどうかというようなことまでは、おそらく平素としてやっておらない慣習なものでございますから、それで担当の係の方がおっしゃたので、そう信じたというふうにわれわれ了解しているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/52
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053・栗山良夫
○栗山良夫君 その点はまあそれでよく理解しますが、そうすれば酒税法の第二十四条によって移出の行為をしたときには、生産者としては所轄の税務署長に申告を三月十日までにしなければならぬ、こういうことになっているのですがね、それとの関係はいかがでございますか。役所の方が法を曲げてこういう行為をしろということを電話で通知して来たときに、何でもかんでも不審を持たないで、役所の言うことならば何でもお聞きになる、こういうことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/53
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054・中島正善
○参考人(中島正善君) どうも結果論からいきまして、そういうことになりますと、非常に知性のないやり方じゃないかというふうな御批判はいただかなければならないと思うのでありますが、酒類業界といたしまして、監督をなさっていらっしゃるお立場でなかなか酒類の行政はむずかしい点があるのでございまして、今いろいろと御意見を伺って、その御指示に従ってやっているという実情なんでございます。そういう点から国税庁の御指示を一応受けた当人は疑問を持ったそうでございますけれども、一つには時期的なお話もあったそうでございます。深くそれを検討しないで流したという点については、生産者に非常に迷惑をかけたという点はわれわれといたしましては責任は感じているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/54
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055・栗山良夫
○栗山良夫君 それからもう一つ、この問題が起きましてから、修正申告の件について国税庁からはどういう形式であなたの方へ通知がございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/55
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056・中島正善
○参考人(中島正善君) 同様電話で連絡がございました。二月分の追加として訂正して申告するようにという同様同じ係官からの連絡がありました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/56
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057・栗山良夫
○栗山良夫君 各会社にお尋ねいたしますが、各会社の方へは直接国税庁から何ら修正については連絡がございませんでしたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/57
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058・山本為三郎
○参考人(山本為三郎君) それじゃ私から、実はその事実は国会で問題になって初めて承知いたしました。麦酒酒造組合の事務員から本社の工務部へ通知がありまして、そのまま流れておりましたので問題になってから承知いたしましたので、初めて知って常任理事を呼んでけしからぬことだと、ビール会社はこういう前例がないのだと、われわれはそういうような御指示があってもすべきでなかったのではないかということをしかったのであります。申しわけありませんが、全然事実を承知いたしませんでしたわけです。もしもわれわれが知ったら、これは行わなかったと断言して差しつかえありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/58
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059・栗山良夫
○栗山良夫君 そうすると、国税庁とビール生産者との間のいろいろなやりとりは全部組合を通じておやりになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/59
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060・中島正善
○参考人(中島正善君) 組合の事業といたしまして、また定款といたしまして、当局の御指示、御通知は伝達するという仕事がありまして、私どもを経ていくのが習慣でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/60
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061・栗山良夫
○栗山良夫君 もう一ぺん重ねて伺いますが、これは麒麟さんでも朝日さんでも日本麦酒さんでもよろしゅうございますが、今度の間違いが起きて後に、ただいま中島さんは電話で修正申告をするようにという通知が国税庁からあったと、こういう工合におっしゃいましたが、各会社の方へはまた別の方法で別途に修正申告をするようにという達しはございませんでしたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/61
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062・山本為三郎
○参考人(山本為三郎君) 詳しいことは存じませんが、なかったはずであります。また来たと同じような道で訂正されたので、それも後刻承知したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/62
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063・栗山良夫
○栗山良夫君 よくわかりました。そうしますと、国税庁に対しましてはここで君たちは電話でそういうことを通知することはけしからぬ話だと、それでまあ起きたことはやむを得ぬとしてもすぐ取り消し、修正申告をすぐ行うように、遅滞なく行うようにということを文書でお出しなさいということを私ども要求しました。そうしたところが、国税庁の長官は文書で出しますと約束をしました、そうして出したかという問いをいたしましたところが出したと申しました、ところが今伺っていると出ていないことになりますね、その通りでよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/63
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064・中島正善
○参考人(中島正善君) 私は受取りませんでございますけれども、組合としては受け取っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/64
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065・栗山良夫
○栗山良夫君 この点は私はあとで国税庁に問題にしますから要求をしておいて下さい。
それから今度はやはり中島さん並びに各社に伺いますが、あの一八%の天引き申告がありまして、天引きの申告があったあとでしょう、報道機関がビールは大へん需要が減退したという記事を書きましたね、あれは御承知ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/65
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066・中島正善
○参考人(中島正善君) たしか朝日新聞だったと思いますが、朝日新聞にはそういうことが出ておりましたけれども、われわれは三月にすぐもう追加してものを考えておりますので、そう大きな問題としてはこれは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/66
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067・栗山良夫
○栗山良夫君 この点はこの間国税庁との質疑応答でも私ども追及したんですが、しかしあれだけ大幅な需要減があったということになれば、まあ暖冬異変だという理屈をつければ理屈ですが、ビールの需要が最近どんどんふえておるという社会常識と全く反する報道が天下の大新聞に囲みで入れられたということは、これは大蔵省発表ですが、入れられたということはビール業界にとっては非常に重要な記事ではなかったでしょうか、その点はいかがなものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/67
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068・中島正善
○参考人(中島正善君) 記事は国税庁なり、あるいは課税というお立場からああいう記事が出たのかもしれませんが、われわれといたしましては二月の下旬、三月の上旬というものをそう離れて考えませんものですから、あるいは月末にたくさん出ることもございますしするので、その点についてはおかしな記事だということは確かに考えましたけれども、それをどうこうしなければならないというほどに深くは考えませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/68
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069・栗山良夫
○栗山良夫君 それからもう一つ伺いたいのは、この前委員会で今度の移出石数——移出の概略石数というんですか、概数報告というんですかね、それについて問題が起きましたので、各メーカー別の石数をすぐ調べてくれ、こう言ったところが、国税庁の方ではメーカー別の石数というのはそう急にはわかりませんというんです、わかりませんと。そうして追及を受けたところが、すぐに今度は作って持ってきたわけです。それでどうしてできたんだと言ったところが、これは私どもは直接メーカーから取ったんではありません、組合の方から便宜上取ったんですと、こういう答弁でございました。この点も今までずっとお話を承わっておると、すべて組合を通して役所との間の仕事をおやりになっておるという建前と、国税庁の答弁とははなはだ食い違っているんですね。そうですから従来、なんですか、いろいろな資料というものをメーカーから直接、そういう統計的なもの、そういうものをメーカーから直接国税庁にお出しになることがありますか、あるいはそういうものは全部組合を通じておやりになっておりますか、この点を一つ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/69
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070・中島正善
○参考人(中島正善君) 直接お取りになったのは、私にはわからないわけですけれども、おそらく末端の税務署でお取りになって集計なさるのは存じませんけれども、国税庁から各社の本社にお問い合せになることはないんじゃないかと思います。それは私のところを経て資料を取るようになさっていらっしゃるように記憶いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/70
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071・栗山良夫
○栗山良夫君 そうすると、あなたのところである一つの緊急な要件が起きて、各ビール工場へ電話指令をやって統計を緊急にまとめようとする場合、まあものにもよりますけれども、こういうような各工場の一番中心的な仕事、こういうものはそんなに時間をかけなくてもすぐ集まるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/71
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072・中島正善
○参考人(中島正善君) 酒造組合は直接工場に呼びかけることはございませんで、各製造会社の本社を経て資料収集その他をやっております。なかなか緊急といってもそう間に合わないのが常識でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/72
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073・平林剛
○平林剛君 いろいろお尋ねしたいことがございますが、中島さんから御説明がありました点について最初お伺いをいたしたいと思います。
第一の点は、今回の問題につきましては、国税庁の酒税課から電話連絡があったと、しかもこれは従来の慣習から公文書でくることはまれで、通常電話連絡があったというお話がございましたが、私そこで疑問に感じますのは、麦酒組合にせよ、あるいはビールの会社にせよ、いつも国税庁から連絡があるのでしょうか。つまり、われわれ承知しております税務行政の機構からいいますと、国税庁があり、その下に各国税局があり、さらにその管轄を受ける税務署がございます。普通考えますと、税務署からその管轄地域の会社、工場に対していろいろな指示があるのがまあ機構上からいう通常のルートだと思っていたのであります。しかるに今回の事件となりました問題については、今のお話で国税庁の酒税課から電話があったということでありますが、いつもどこからくるのでしょうか。今回のような例はまれなんでしょうか。その点を一つ参考に聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/73
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074・中島正善
○参考人(中島正善君) 酒税課と申しましたのは、国税庁の間税部の酒税課でございまして、私の方はいつでも国税庁から御指示があります。それから今度の問題もわれわれの了解いたしますのは、当然国税庁は国税庁のルートにおいて末端のわれわれの生産会社の工場のある税務署に何らかの御指示があるものと理解しております。末端の生産会社の工場と税務署の間で、やはりそこに話し合いがあるというふうに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/74
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075・平林剛
○平林剛君 あなたの御説明によりますと、国税庁から麦酒酒造組合には常に連絡があるんだと、実際の税務行政として課税を申告させたり、あるいはその他の連絡があったりすることは税務署からもあると、二通りの道があると、こう理解をしてよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/75
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076・中島正善
○参考人(中島正善君) それはわれわれは、国税庁から酒造組合を経まして各社の本社から工場の方に指示が流れていく。それから国税庁の方はそれぞれのルートにおいて末端にいくということで、実際の問題は工場と税務署の問題になりますけれども、そういうふうに流れていくものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/76
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077・平林剛
○平林剛君 まことに、私の言葉が足りなかったのですが、今度の問題についてお尋ねをしておるのです。通常の例はよくわかりました。しかし今度の問題については国税庁のルートをたどって国税庁から国税局、国税局から税務署、税務署からそれぞれのビールの会社にいったのかどうか。それをいかないで、今度の問題に関してはその末端の税務署から連絡がいかないで、国税庁からいきなりあなたの方に連絡がいっただけに限っているのじゃないですかというお尋ねをしたんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/77
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078・中島正善
○参考人(中島正善君) ふだんのルートを経たと了解しております。ただわれわれの方が伝達の機能が早いと申しますか、末端にいくのが早くいっているかもしれません。そういうふうに了解いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/78
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079・平林剛
○平林剛君 今あとの御説明がありましたから、なるほどそうかなとも思うのですが、これは、墨田の朝日麦酒の会社は、御存じだと思うのですが、ビール会社の方から末端の税務署に問い合せがいっているのです。つまりどういう問い合せかというと、今度の二月分の申告については一八%減らしてくれということがきているけれども、それでいいんですかという質問がきている事実があるわけです。そこで、あわててその税務署では国税局に問い合せを出したら、まあその通りにしてくれという返事などがありまして、まさに、早い、おそいということで弁解がつけば別でございますけれども、何か逆の傾向が現われたものでありますから、そんなお尋ねをいたしたのであります。まあ善意に解釈すれば、あなたの方の電話指示が非常に早くて、国税局の方が末端の税務署に対する指示がおくれたと、こういうふうに理解できないことはございませんけれども、そんなことがございましたのでお尋ねをしたわけであります。
もう一つ先ほどの御説明でお尋ねいたしたいことは、あなたの方は国税局との関係から大体いつも連絡や指示などのあった場合、それに従うような慣習があるという向きの御説明がございましたけれども、確定申告を減らせとか、ふやせということはまああなた方承知すまいと思いますけれども、実際の庫出石数よりも減らせなんというような指示を今まで聞いたことはございますか。さっきその点は不明確だったのです。従来もそれがあったかのごときょうに聞きとれましたので、たぶんなかろうと思いますが、念のためにその関係を御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/79
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080・中島正善
○参考人(中島正善君) 過去にそういうことがあったというのは聞いたことはございません。聞きました当事者もそういうことを聞いたことなかったと言っておりましたが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/80
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081・平林剛
○平林剛君 全く今回の事件が異例のことであったということはよくわかりました。
きょう私の手元に麦酒酒造組合から資料の御提出がございました。これを読ましてもらいましたら、ビール三社の月別の庫出石数調べになっております。宝酒造が抜けておりますので、私の持っている資料と照し合せてお尋ねをすることができませんけれども、この庫出石数は、先ほど御説明がありました、未納税も含まれた数字であると、こう理解していいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/81
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082・中島正善
○参考人(中島正善君) この庫出石数と申しますのは、その工場で作りましたものの、その工場から出ていく数字でございますね。庫出しされる数字の集計でございます。それでございますから、その中には未納税の移出分も含んでいるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/82
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083・平林剛
○平林剛君 大体未納税というものに区別されるものは、大体その月に——各社によって事情が違うと思いますけれども、どのくらいあるのですか。それから、それはあとで調査をしてもようございますけれども、どの道いずれは私ども適当な機会を見つけまして、税務署で言えば検査簿あるいは概数報告の控えや酒税台帳等を照会し、あなたの方で言えば製品受払簿を照合すればぴったり合わなければならないわけですから、調べてはみますけれども、未納税の総体というものは把握できるものなのですか。今でもその月には未納税が幾らあった、実際に庫出しはこれだけあったのだが、未納税はこうだった、何月はこうだった、というようなことが記録として残っておりますか。数字とその第二の点について一つお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/83
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084・中島正善
○参考人(中島正善君) 私は残っておると思います。わかると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/84
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085・平林剛
○平林剛君 私の最初のお尋ねですね、各社によってその差はあると思いますけれども、大体庫出石数のどのくらいの割合になるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/85
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086・中島正善
○参考人(中島正善君) そういうことを中心に考えたことがございませんので、手元に資料がございませんからわかりません。しかし原因するところは、一つの工場で作っている製品を他の工場へ移しまして、それを詰め合せをして出す、いろいろの原因があるものでありますから、はっきりわかりませんけれども、原因としてはそういう原因が主たる原因だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/86
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087・平林剛
○平林剛君 実は今度あなたの方で、あるいはビール三社に対してその石数申告を一八%落せという誤まった指示をした基礎というものは、この未納税にあるという説明が政府からされているのです。その政府の説明に上りますと、三十一年の三月から三十二年の一月の未納税が三万七千七百三十三石ある。そこでいろいろ説明がございましたけれども、あなたの方では今度の事件をあとから照してみて、未納税というものが問題になっていることは多分御存じだと思うのですが、この政府の資料を疑うのはどうかと思いますけれども、あなたの方でなるほどそう言われれば、三十一年の三月から三十二年の一月までの未納税は三万七千七百幾ら、こまかく当っていないけれども、そのくらいはあったかな、というお感じはございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/87
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088・中島正善
○参考人(中島正善君) 見当がつかないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/88
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089・平林剛
○平林剛君 見当がつきそうなところでちょっとお尋ねしますが、三十二年二月の未納税というのは大体どのくらいあったか、これは一番新しいものでありますから、わからないはずはないと思います。あまり遠いことをお尋ねしたので、わからないというお答があったのかもしれませんけれども、三十二年二月の未納税は大体どのくらいになっているでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/89
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090・中島正善
○参考人(中島正善君) 酒造組合には未納税の報告がないのでありまして、庫出しだけの数字をとっておりますので、その点的確にわからないのでございます。この表をお出しいたしましたその数字だけが各社を経て出してもらっておるのであります。税金ということを中心にものを考えておりませんで、需給関係というものを中心にものを考えておりますので、そういうふうな資料を取っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/90
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091・平林剛
○平林剛君 税務署の職員は毎日のように各ビール会社に出向きまして、あなたの方で言えば製品受払簿を見て、あるいはそれぞれの台帳を調べて判を押して、そしてその日は帰ってくるというぐらい厳格な酒税行政をやられておるという話を聞いておるわけです。それでありますから、その点において庫出石数のときに夫納税が実際のルートにのったのが幾らというのが確認をされていなければうそだと思うのです。私は末端の職員から実情を尋ねたときも、その点は明確にしている、こういうお話がございました。そこで、あなたは全般の組合の理事さんであるから各社のことはわからないのではないかと思いますから、きょうは幸い各ビール会社の工場長が責任者としておいでになっておりますので、三社三十二年二月の未納税が大体どのくらいあったかということを参考のためにお聞かせ願いたい。これが非常に重大になっているのですよ。これが結局何石であったから、それをいろいろな数字と照らし合わせてみると一八%になった。従って一八%概数報告を減らせという基礎になっているのでございまして、はなはだ重大な資料になっておりますから、三社の工場長の方から二月分の未納税の石数をそれぞれお聞かせ願い、トータルを出せばすぐさま十八%の根拠が現われてくる、こういうことになるのです。あなたの方がわからないで、国税庁がわかるという話もございませんので、おそらく国税庁において調べての上で、われわれに答弁をなさったと思うので、工場長さん、まことに恐縮でございますが、それぞれ三社の未納税の石数についてお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/91
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092・河野謙三
○委員長(河野謙三君) それでは中島工場長、丸山工場長、色川工場長さん、この順序で御答弁いただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/92
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093・丸山節三
○参考人(丸山節三君) 三十三年の二月でございますが、私の方は未納税の移出ということは、ほとんどないのでございます。移入だけなのでございまして、その移入というのは特殊ビールでございます。黒ビール、スタウト、そのようなものでございまして、数量は非常に少いのでございます。その数を私は今持って参りませんので御報告できないのでございますが、きわめて少い石数であるということは申し上げられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/93
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094・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 私がさっきお願いしましたように、中島さんから順次……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/94
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095・中島道雄
○参考人(中島道雄君) 私の方の工場だけのことしかわかりませんのですが、三月には未納税移出はございません。ただ移入がございまして、それはやはり先ほど申し上げましたように黒ビール、スタウト——特殊なものでありましてごく少量であります。その数量に対しては、ちょっと記憶ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/95
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096・色川御胤
○参考人(色川御胤君) 私の方の工場におきましても、未納税のビールは入ってないのでありまして、二月には私の工場で作ったビールでないビールでございます。未納税のものは出しましたけれども、私の方の工場からは未納税は出さなかったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/96
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097・平林剛
○平林剛君 私は未納税の数で実は疑問を持っております。国税庁の説明は、三十二年度三月、つまり三十三年二月ですね、予算で言いますから三十二年度になったわけですが、三十二年度の二月の未納税は六千六百三十九石という数字が現われおります。今のお話は全部の会社でございませんから、工場でございませんから、どこから六千六百三十九石という数字が出てきて、それが三十一年の三月から三十二年一月までの三万七千七百三十三石の未納税の一八%になったのか、ちょっとわからないのでありますが、今のお話だけを聞いてみると、どうも未納税というのは、あまりたくさんなかったように印象を受けるのであります。これはいずれあなたたちだけのお答えでは十分でないかもしれませんが、国税庁からも聞くつもりでありますけれども、大体わかりました。私が聞いておったのでは、冬ビール会社ともそれぞれの地域に工場をお持ちであるから、そんなやたらに逋税して未納税として方々に移しかえるというようなことはないのだという話を聞いておった。それを参考のために確かめたのであります。
次にお尋ねいたしますが、これは川口のビール会社にお尋ねいたします。川口のビール会社は三十二年度の二月の確定申告をいつなさいましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/97
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098・丸山節三
○参考人(丸山節三君) 三月の三日に確定申告をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/98
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099・平林剛
○平林剛君 私の調べでも三月三日にあなたの方は一〇〇%の申告をなさったそうでございます。大へんけっこうです。それが当り前なのであります。ところが三月十三日になって、今度は八二%の申告をなさった、そこはいけません。こういう行為は、やはりいかに国税庁からの指示があったからといたしましても、せっかくなさった正直の申告を三月十三日になってまた修正をしてなさるようでは、これは納税観念からいってもまことに適当ではないと、私はそう思うのであります。この点は墨田の朝日麦酒の方も同様でありまして、せっかく三月七日に税務署に問い合せをなさりながら、理由がわからないままに一八%減の申告をなさるということも、これは適当ではございません。そこで本問題は税務署からのいろいろな手違いという説明ですが、私は手違いじゃない、こう主張しておるのでありますが、いずれにしても、国税庁の方からの指示で誤まった申告をなさるとすれば、皆さんはこれは酒税法の第五十五条「左の各号の一に該当する者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 さ偽その他不正の行為によって酒税を免れ、又は免れようとした者」、こういう場合には、「酒類に対する酒税又は還付金相当額の十倍が五十万円をこえるときは、情状により、同項の罰金は、五十万円をこえ当該相当額の十倍以下とすることができる。」。あるいは五十六条には同様に、「左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。」、こうなりまして、皆さんの場合はこの酒税法第五十五条に該当するか五十六条に該当するかそれはわかりませんけれども、とにかく二月分の申告を怠った分の十倍以下の罰則の規定がございます。今回は税務署の方から指示があったので若干情状酌量いたしますが、やはり酒税法は厳としてこれを定めておるわけでございます。このことについて何かあなたの方で御意見ございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/99
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100・山本為三郎
○参考人(山本為三郎君) 脱税の意思は毛頭ないことだけは申し上げます。どうぞそういう判決は下さないでおいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/100
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101・平林剛
○平林剛君 山木社長、あなたに脱税の意思がなくても、事実行為として誤まった申告をなさっておる。しかもこれは国税庁長官あたりが、いやそんな指示があったことは知らなかったと言うのとは違うのですよ。あなたの方のその担当している係の人は、これは脱税行為だということを承知して申告なさった。いかにお上の命令であっても、悪いことをした者はやはり悪いことをした者である。そういう意味で、あなたには脱税の意思はなかったかもしれません。しかし会社全般は社長が責任を負うべきものになるのでありますから、実際の行為としてはさような行為があったということは認めなきゃいけませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/101
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102・山本為三郎
○参考人(山本為三郎君) いやそういう事実は認めます。その手続上のことは認めますが、それは明らかに翌月の初旬に集計の申告がしてありますので、脱税の意思がないことだけは明らかだと思いますが、その手続上のことについては責任を負いますが、脱税については私は責任を負いませんから、そのおつもりで……。もう理屈は言いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/102
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103・平林剛
○平林剛君 いろいろ事情があったことは認められますけれども、そういう事実があったということだけは、あなたの方も相当考えなければならぬ問題だと思います。
そこで少しあなたの方にお気の毒なことを言いましたから、ビールの減税問題について若干この機会に……それじゃ、またあとで。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/103
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104・栗山良夫
○栗山良夫君 関連して。私先ほどの私の質問でもうあと二、三お聞きしたいところがありますので、お答えを願いたいと思います。
第一に、三月七日に一八%控除の申告をするようにという国税庁の達しが電話でありましたときに、その一八%控除をした分の処分については何かございましたのですか、それをどうしろという。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/104
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105・中島正善
○参考人(中島正善君) その一八%をどうしろというふうには御指示がなかった。ただしその受けた当事者、担当者は当然これは三月につけ加えてやるべきだということで各社に流した、そういうふうに理解したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/105
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106・栗山良夫
○栗山良夫君 これは国税庁の方も私は非常な手落ちだと思う。一八%控除するということは、彼らが言う通りに、国税庁の事務当局の事務処理上のことで必要であるということでやったとすれば、この一八%控除したものを一体どうするかというところまでやはり言うべきであっても、もしこれを国会で取り上げてからいろいろ疑惑を招いておる点は、この一八%控除をしたものがずっと永久にそのまま控除されっぱなしになるのではないかということに対する疑惑というものがあるのですね。私はきょうここで明らかにしたいと思ったことは、そのことなんです、大体。たまたまこういう例がないとおっしゃいましたから、この点は私どもそのまま百パーセント信用をしたいと思います。ところがちょうど今こういうときになって、一八%控除した、しかも控除したものについて、あなたの方で組合の事務の方が三月に回してつけるように、こういうことを自由裁量でやられたと、こういう話でありますが、そのこともはなはだ僣越なことだと私は思うのですよ。国税庁が一八%引けと言ってきたのに、それが不思議であることを全然確かめもしないでおいて、三月につけ加えておけばいいということでは税法は一体どこにありますか。もしそういうようなことが自由自在に役所と組合との間で行えるということになれば、税法のあなたの権威なんというものはどこにありますか。そこが非常に問題だと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/106
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107・中島正善
○参考人(中島正善君) 自由裁量でやったというんじゃなくて、当然これは税金を納めるべきものだという観念から、その次の月に入れるというふうにこれは当然考えたというふうに、裁量というよりも、当然にそういうふうに当事者は考えたというふうに私は解釈いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/107
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108・栗山良夫
○栗山良夫君 だから今度の問題のやはり役所の行政のかりに間違いとすれば、間違いをチェックする唯一の道は組合にあるわけですよ。組合が少しお前酒税法上の扱い方を間違えてやせぬかと一言国税庁におっしゃれば、あるいは問題はもっとはっきりしたかもしれない。ここのところが一つ私は問題点だと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/108
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109・中島正善
○参考人(中島正善君) そういうふうな御注意を受けますと、もう少し酒造組合としては検討していかなければならなかったと思いますが、そのときの当事者の話は、非常に時期的に急ぐからというお話があったということを聞いておるのでありますから、その点は時期的に急いだということと、今まで御指示が間違いがないということで、そういう措置をとったということに対しては、これは生産会社に非常に御迷惑をかけたことは、酒造組合としては申しわけなく存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/109
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110・栗山良夫
○栗山良夫君 それから三社の社長さんに伺いますが、少くとも今度一八%控除された石数に対する税額は四億五千万円ぐらいになるわけです。そうしますと、いつ納めるか、まああくる月ということになるでしょうが、今の組合の中島さんのお話では三月分に入れるのだというお話のようでございますけれども、少くとも各社によって、だいぶこの表を見ますと違いますが、一億二、三千万円から一億五、六千万円ぐらいの現金を一応この金繰りに使えることになったわけですから、一八%控除するということについては悪い気持はしなかったんでしょうね。(笑声)それはいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/110
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111・山本為三郎
○参考人(山本為三郎君) 結果においていいことであった、われに利益したと思いますが、実はこれは少し余談になりますが、過去においてはわれわれは税金を自分の資金繰りに利用ができたのですが、大体各社とも五、六十億の借金を持っております。この約半額ぐらいが税金の立てかえなんです。ビール税の立てかえなんです。立てかえて納税をして 一日たりともきょうまで滞納したことはないのでございます。それが助かったということになるのでしょうが、けれども世帯の大きさからいってありがたいこととは思いますが、そういう意識をもってやったわけでもなく、結果もありがたかったとも、今まであまりそれほど深刻に考えておらないのです。実に大きい金を立てかえておるので、大蔵省から実は少し補助をしてもらいたいとお願いをしておるくらいなものです。今定めの納税期間に集金ができません、多い月で二、三十億の立てかえになっておる現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/111
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112・栗山良夫
○栗山良夫君 大体気分はわかりました。そこで川口の工場長さんにちょっと伺いますが、あなたの工場へは今の一八%の控除の問題は、組合から通知が本社を通じてあったことは、先ほど伺いましたからよく承知をいたしました。税務署の方の系統の方からはやはりお話がございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/112
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113・丸山節三
○参考人(丸山節三君) 先ほど中島氏から経過御報告ありました通りでありまして、本社の方からその指示がございました。すぐ税務署の方にこういうわけで一〇〇%すでに提出してありますから、それをお返し願いたいということを申し上げたのであります。税務署の方としては御存じなかったのだろうと思います。それはちょっと待ったというわけで、それを返していただけなかった。そのときは一八%ということはわからなかったのです。ただ一〇〇%出したやつを書き直して出したいから戻していただけないかというふうにお願いしたわけですが、向うは一応預かり置くというわけで、翌日……それは六日でございました。七日に一八%ということがまた指示がございまして、そのことを税務署の方に申し上げた。で、税務署の方から、しばらくしまして承知したということで、初めてその八二%を提出しまして、一〇〇%の方を返していただいたわけであります。そういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/113
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114・平林剛
○平林剛君 さっき私はビール会社にはなはだ酷な主張をしましたが、これは決して酷と思っちゃいけないと思いますよ。なぜかというと、私は、今度の問題について、処理をもし誤まりますと、国税庁としては今後の酒税行政に大きな支障を来たすのじゃないかと実は心配をしておるのです。いかに課長補佐のあるいけ係官の誤まりであったにせよ、その人が誤まったからとか誤まらないとかでもって酒税法を曲げるわけにはいかないのですよ。法律は課長補佐が頭を下げたからそれでかんべんをするというようにはなっていないわけです。ですから、そういう意味では、今後の酒税行政ということを考えて、私は情状は十分酌量しなければならないと思いますけれども、あなた方もやはり大へん迷惑だったかもしれませんが、納税観念においては若干の誤まりを犯したという事実はやっぱり認めてもらいたい。それから、もしあなたの方がこの誤まりは誤まりとして国税庁に責任があるのだとして、その責めを免れるような行為がありましたら、ほれ、ビール会社は独占企業をやっておるから、それだから今までもこんなことがあったのだという変なことを、かえって誤解を受ける。そういう点をむしろ皆さんとしては十分配慮すべきではないだろうかという気持から先ほどの主張をしたのでございます。
そこで、次に、ちょっと質問しておこうと思ったのですが、栗山委員の質問に山本さんが、私が聞くと変なことを答えたものですから…−本問題には直接関係はないと思いますけれども、お尋ねをしておきます。
それは、今度の問題によって、ビール三社はある程度税額の面においてあるいは恩典を受けたかもしれぬ。しかし従来の立てかえ税というものがあって、実際は会社経理は赤字だという話がございました。私は経理の内容については全くしろうとで、存じませんから、それについては触れませんけれども、町のうわさを聞きますと、町のうわさによりますというと、ビール会社はビールを多数買ってくれる店に対してお金を貸しているという話を方々で聞くのですよ。それは、ビールを買ってくれた代金を受け取らないということではございませんよ。代金はちゃんと受け取っているのだが、そのほかにお得意さんであるからという趣旨もございましょうが、かなり金融をなさっておるといううわさを聞くのです。そんなことがありますかと聞けばないと答えるかもしれませんけれども、何かそういうようなことを営業政策上おやりになっておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/114
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115・山本為三郎
○参考人(山本為三郎君) そういうことはたまたまございましょう。けれども、今私が申し上げたのは、その問題ではなくて、税金を助かったために喜んでいるかと言われたから、それは喜んではおりますが、各社とも大きい税の立てかえをしておるような現状でありますと申し上げたので、その問題とこの問題とは別の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/115
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116・平林剛
○平林剛君 まあこれは問題外のことでございまして、ビール会社が営業政策上金融の問題を取り扱っているということを、私は、ないと言えば事実をいろいろ承知しておりますから、指摘をしようと思ったのですが、あなた正直にあると言ったから、まあそれで質問をやめておきます。
最後に、ビール減税のことについてお尋ねします。今回政府は酒、しょうちゅうについて減税をしました。そうしてこれが今度の議会で法律案として議論されたことは御承知の通りと思います。ビールも減税をしてもらいたいという陳情や請願を私ども文書ではよく承知しております。しかし今度の国会に対しては、あまりあなた方はビールの減税については熱意がなかったように承知をしておるわけであります。政府当局と何かこのことについて話し合って、今度の機会はまあがまんしようというようなことで落ちついてしまって、ビールの問題については熱意を示さなかったのかどうか、いかがなものでしょうか。私は先ほど酒税法の点で、少し辛いことを言いましたから、あなたに発言の機会を少し与えておきます。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/116
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117・山本為三郎
○参考人(山本為三郎君) 御好意はありがたく感謝します。熱意は持っておったのですが、あなた方まで通じなかったのでしょう。ビールは大衆の酒でないということを言われたことを遺憾としまして、それにつきましては十分皆さんに主張いたしたのでありますが、事、ここに至ってビールは阻害されたことが明らかになりましたので、われわれはしいて大衆運動をいたしませんでしたが、業界においては十分主張いたしておりますはずであります。ただ大衆の酒でないということだけは——国会の方にも、政府の方にもよく申し上げましたので、いつの間にか大衆酒というものが下級酒という名前に変ったのであります。さて、私はビールをこういう工合にお願いいたしましょう、この最近のビールの販売、いわゆる消費の曲線は実に順調なる伸長をしておる、外国の同様のものに比すれば実によい伸長である。一昨年の夏、中央調査社で調査した結果は、ビールの家庭消費は五〇%をこえておるという調査が出ておる。もしも一般に言われておるビールが奢侈的な方面にのみ用いられているというのなら、これも私は否定はしないが、これは価格の影響がないならば嗜好はこの方向に向いておるといっていいのではないか、奢侈方面以外には少い、——事実はそうじゃないが、認められるならば、これは価格が高いからではないのですか。しょうちゅうが一万三千何百円の税金に対してビールが二万円という税金は、世界のいずれの国を見ても高いのではないか、すなわちビールの価格が高いのは税金が高いのではないか、世界の例を私は申し述べまして、ビールは大衆酒であるということだけは明らかだと思う。いわゆる大衆酒でないと言われる方があるならば、これは価格が阻害しておるものであって、ビールは大衆酒であることだけはわれわれは断言してはばからないということを申し上げたのでありますが、議会の方でもこれをお取り上げ下さって、大衆酒という字を御撤回ごなりまして、下級酒と変えて、今度の減税措置をおとりになったのでありまして、私は下級ということは、下級の人が飲むのか、値段が安いので下級なのか、下級はどういう意味ですかとまでお尋ねをしたのでありますが、どうぞ国会においても一つきょうの査問のかわりに(笑声)減税の方に御努力を、一片の御協力をお願いしたい。なるべく大衆政党であるところも御協力を願いたいと、この機会に力強く主張いたしまして、一つお願いを申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/117
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118・平林剛
○平林剛君 私はビール減税が是か否かという意味でお尋ねしただけではないのでありまして、今回のいわゆる脱税といいますか、ビールの問題がここにつながっておるのだ、こういう推測もなされておるだけに、あなた方と政府当局の間に何かお約束なり話があったのかという意味のことを聞こうとしたのであります。町のうわさというものはなかなかいろいろ尾をつけたり、あるいは場合によっては的を射る場合もございまするけれども、今回の行為はどうも国税局の課長補佐が指示したにしては重大な誤まりに過ぎる、この裏には何か政府当局あるいはこれに関係のある政治家が動いて、そうして国税庁のルートを通じてこの事件が巻き起ったのじゃないか、こういう疑問を抱くものすらあるわけであります。そこであなた方が急にこの問題について、比較的表面に出ないでおやりになった問題でありまして、その事実があるかどうかを確めようと思ったのでありますが、まあこれはこの程度で、あと国税庁の方に問題を移しますから、私の質問はこの程度で終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/118
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119・山本為三郎
○参考人(山本為三郎君) いや、そういうようなことについては、われわれはいまだかつてどこにも伺いもしなければ、主張はいたしましたが、特別にお願いをした筋はありません。ビール団体は昔から政治活動はようしない団体でありまして、いかにもいくじがないことでありますが、そういう関連はこの問題には一切ございませんことを私は強く断言をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/119
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120・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/120
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121・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をつけて。
以上で参考人の方に対する質疑を終ります。
参考人の方には、長時間にわたりまして本審査に御協力いただきまして厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/121
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122・山本為三郎
○参考人(山本為三郎君) どうもありがとうございました、どうぞよろしく。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/122
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123・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/123
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124・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/124
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125・栗山良夫
○栗山良夫君 国税庁の長官にお尋ねをいたします。
先ほどビールの組合並びに各社の責任者来席のもとに、過日の一八%申告天引きの問題をただしましたが、その中で私はもう一度国税庁の長官にはっきりと確かめておかなければならぬことが一つあります。それは、この前この委員会で、四月の初めに問題になったときに、さっそく一八%控除取り消しの通知を出す、電話でする。電話をしただけでは足りない、文書でいたします、いたしましたというところまであなたはこの委員会で答弁をなさっておられます。それを確認されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/125
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126・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/126
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127・栗山良夫
○栗山良夫君 ところが今ビール業界の中島常任理事かに聞けば、そういうものはさらさらいただいていないと言われる。どういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/127
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128・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 申し上げますが、私どもは国税局長に対しまして、直ちに公文書をもって通知をいたしたのであります。ビール業界に対しましては、別途電話でもって至急追加申告をいたすよう通知いたしたのであります。この国税局長あて文書は、先日の八日の委員会におきまして私が申し上げたと思いますが、四月四日付をもちまして、私の名前で国税局長に対しまして、前文は省略をいたしますが、「その指示を誤ったため、2月分の移出石数を過少に申告する事態を生じこの申告に基いて課税が行われているのではないかとも思われるので、早急に2月分移出石数を確認のうえ、もし、不足税額があるときは、これを直ちに徴収決定して納付させるように措置されたい。なお、不足税額を徴収決定したときは、その税額等を別紙の様式により4月20日までに報告されたい。」これは内部の徴税の手続につきまして、国税局長に直ちにこのような指令をいたしたのであります。先ほどお話を聞きまして、麦酒酒造組合の中島さんのお話では書面をいただいておらないということでありますが、私どもは国税局長に対してこういうような百正式の通知をいたしたのでございます。なにとぞ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/128
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129・栗山良夫
○栗山良夫君 そうすると、その通知はなんですか、国税局長から各社の本社へ通知が行っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/129
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130・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 正式には国税庁長官から国税局長へ出しまして、国税局長から該当の税務署長に対しましてこの指示を伝達するわけでございます。一方これはビールの各社の中央の団体であります酒造組合、これは全国一本でございますので、これに対しましては国税庁の担当の方から追加申告を二月分として出すようにと、こういうまあ口頭の指示を行なったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/130
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131・栗山良夫
○栗山良夫君 そうすると、今会社の社長さんもそういうものをもらっていないと言っているじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/131
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132・泉美之松
○説明員(泉美之松君) ビールに対します課税は各工場ごとにいたしております。従って先ほど中島常任理事との間でお話のやりとりがございましたように、私の方からは正式のルートは国税局、税務署を経ましてその工場に行くわけでございます。その工場長が社長から申告についての権限を委任を受けておりまして、従って税務署はその工場長に対して指示していくということになります。しかしそれでは本社の方で、まあ工場の方から報告があって本社の方はわかるべきはずでありますが、本社の方で困るだろうという考えのもとに、麦酒酒造組合を通じて、本社を通じてまた工場の方へ流れる、これは別段正式のルートではありませんけれども、その間に間違いがあってはいけないという配慮から、正式のルートとそれから側面のルートと両方から話が流れていうことになっているわけであります。正式のルートは書面でやっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/132
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133・栗山良夫
○栗山良夫君 そういう僕は詭弁みたいなことを聞きたくないのですがね。たとえば一八%控除のときはですよ、正式ルートなんて一つもいっていないじゃないですか、今聞いた通り。そして側面ルートだけいっているじゃありませんか。そんなでたらめなことはありませんよ。一八%控除するという重要な問題のときに、側面ルートだけしかやっていない。そして川口の工場長が税務署へ聞きに行ったりしているじゃありませんか。それはあなた、まさに天下の詭弁ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/133
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134・泉美之松
○説明員(泉美之松君) まことにおしかりで恐縮でございますが、一八%の問題も先般申し上げましたように、国税局を通じまして税務署に来ているわけでございます。ただ川口の場合におきましては、麦酒酒造組合の方からの連絡の方が早くて、国税局、税務署を通じていったルートが一日おくれて行ったという事実でございまして、今回のことにつきましては、側面のルートだけでやっているというのではございません。御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/134
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135・栗山良夫
○栗山良夫君 それだから僕はそういうことをあなた方がきっと言われるから、先ほど念を押して聞いたじゃないですか。川口の工場長に私はその質問をしたいと思ったから、何も川口の工場長を特別に私は趣味で聞いたわけではありませんよ。そういうことがあったからそれを聞いたのですから、そうしたら川口の工場長は、本社の方の系統からもらいました。税務署の方からもらいませんでしたと言った、一八%の控除の問題は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/135
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136・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) やはり公式のルートを通じまして、これは前回も御説明いたしたと思いますが、国税局に電話いたしておるのであります。ただ先ほどもお話がございましたように、今回の場合は麦酒酒造組合を通じた方の指令が少くとも川口の方に先に行っておって、そして川口の工場の方が税務署へ行って申告書を取り下げたと言ってきたが、そのときは川口税務署にはまだ指令がなかったから返してもらえなかった。川口税務署が局へ確かめたのでございましょう。局から指令があってその通りだということになって、出し直しを許してもらった、こういうふうに私は先ほどから聞いておったのであります。これは決して公けのルートをはずしたわけではございません。酒造組合とそれから公けのルートと両方に通じておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/136
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137・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 私からちょっとお尋ねしますが、あなたは正式ルート、ルートと言われますけれども、この酒造組合に対して電話で連絡することが慣例になっておると、これはあなたの方から国税局の方への連絡は電話ですか、文書ですか。二回目のやつは文書ということがはっきりわかったが、一回目は文書ですか、電話ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/137
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138・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 第一回目は電話でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/138
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139・河野謙三
○委員長(河野謙三君) そうしますと、国税庁の方の内部おきましても、国税局なり税務署へはそれぞれ電話連絡ということが慣例ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/139
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140・泉美之松
○説明員(泉美之松君) 事によって文書でやる場合と電話でやる場合とございますが、重要な事項はすべて文書でいたすことにいたしております。ただ今回のことにつきましては、先般御説明いたしましたように、概数報告、確数報告との関係からいたしまして、電話でいいという判断のもとに電話でやった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/140
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141・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 重ねてお尋ねしますが、そうすると、私の方からすれば、これほど重要な問題を重要でないという認識で、一般の連絡事項と同じように電話でやられたということですが、問題になったあと第二回目におきましては、国税局の方へは文書でやられたんでしょう。さっきお読みになったように、同様に重要性にかんがみて酒造組合に文書でやるべきではなかったかと思うが、酒造組合の方にはあくまでも電話でやられると、こういうふうなことですね。そうではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/141
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142・泉美之松
○説明員(泉美之松君) さようでございます。まあ今から思いますれば、私どもの方は行政機構の関係からいたしまして、国税局を通ずるのが当然だと思っておりましたので、国税局に文書を出したのでありますが、念のために酒造組合の方にもその文書の写しを渡しておけばよかったと今になって思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/142
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143・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 最後に結論として私は伺いますが、今後はこの種の連絡は従来の慣例がどうであろうと、文書をもって酒造組合にも、管内の国税局にも税務署にもやるべきだと、これが役所の本来の建前だと思うのですよ、そういうことに改められるということに結論は出ておるのですか。それとも相変らず今までの慣例をまたそのまま踏襲して、今度の間違いは偶然の間違いであるということで、今までの慣例を踏襲されるのか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/143
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144・泉美之松
○説明員(泉美之松君) 今回のような事件が起きましたのは、文書でやらずに電話でやりましたためにそういう間違いが起きたということを深く自覚いたしておりますので、今後におきましては、こういうことにつきましてはすべて文書でやりたい、かように考えております。そういうふうに今後事務のやり方を改めたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/144
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145・栗山良夫
○栗山良夫君 それからその次に、今の参考人との質疑応答を通じて明らかになりましたことは、あなた方は過日来概数報告というものを非常に重要な報告書のようにわれわれに宣伝せられた答弁をせられましたが、先ほどの組合の中島さんの話では、概数報告などというものはきわめて軽視して、特に旬報だと、こう言うんだね。しかも、報告の期限のごときもきめていないと言うんです。そういう怪しげなる数字と確定申告数を合せるために、八%の天引きをしなければならなかった理論的な根拠を一つ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/145
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146・泉美之松
○説明員(泉美之松君) 先ほど組合の中島理事からお話がありましたのは、組合の方で出しておりますいわゆる旬報、これは庫出石数の報告でございます。それと、私どもの方が先般来申し上げております概数と申しますのは、前月分を取りまとめまして、翌月の早いうちに税務署へ報告をいただきまして、それを三日までに国税庁に報告を求めるのが、これが概数でございまして、これはビールだけに限りませんで、その他の酒類を含めまして、全部その概数というのを各税務署から国税局に集めまして、それから、国税局から国税庁に報告がくることになっておるのでございます。組合の方で旬報を集めておりますのは、先ほどお話しがございましたように、消費の動向がどうであるかということを主としておられるわけであります。私どもの方の概数と申しますのは、その庫出のうちから夫納税などを引きまして、課税の移出石数というものを調べておるわけでございます。で、この課税の移出石数というのは、本来、ある月分なれば翌月の十日に税務署に申告いたしまして、それが月末に国税庁に報告になるわけでございますが、その国税庁に報告になる、これがいわゆる確数でございますが、その確数と合うべき性質——もちろん戻し税の関係が若干ございますので、必ずしも正確には合いませんけれども、大体合っておるべき性質のものでございまして、ビールの組合の言う旬報とは内容が違っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/146
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147・栗山良夫
○栗山良夫君 あなたが部長に就任されたのは、いつですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/147
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148・泉美之松
○説明員(泉美之松君) 昨年の七月二十日に辞令をいただきましたのでありますが、秘書課長の方の仕事が残っておりましたので、実際部長としての仕事を初めましたのは、八月中旬でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/148
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149・栗山良夫
○栗山良夫君 私が非常に不思議に思いますのは、先ほども中島さんは、こういう確定申告の操作をしたことはないとおっしゃってるんです、過去に。ところが、これは私は事実として百パーセント信用したいと思うんだ。もしこれがうそならうそで、長官は前にもやったことがあるとおっしゃっていただきたいんですが、ないとおっしゃる。それから、役所も今まではないと主張してきたですね。昨年度だから、そうするとまだあなたが部長になられる前のことですね。前まではよかったと、こういうことになる。ところが、われわれがこれほどまでに——初めての例である、しかも、こういうことは国税庁として行うべきでないという結論を出すべきであると思い、これは酒税法から考えてですよ、そして一生懸命に努力しているにかかわらず、まだ、あなたは未納税と戻し税のことを理由にして、概数申告と確定申告とを何か調整しなきゃならぬような言辞を盛んに弄されるが、そうすると、来年も再来年も同じようにこの天引き制度をやろうというんですか。私は、だからこの前繰り返して聞いたでしょう。三十二年のときはどうでしたと聞いたら、十一万幾らで、概数と確定申告と大体合ってたじゃないですか。だから、三十二年のだけでは悪いから、もう少し前、五、六年さかのぼって、毎年の実績をもらいたいと、こういって資料要求してありますよ。そういうふうに、われわれはある程度合理的にこの問題を調査しようとするときに、あなたが間税部長になったばっかりに、毎年度末に一八%か、一〇%か、五%かしらぬけれども、申告数の調整をしなきゃならぬというのは、どういう理由です。どうもそういうふうにしかとれないじゃないですか。もう少し問題をあっさりとあなた答弁されたらどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/149
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150・泉美之松
○説明員(泉美之松君) 私が、この課税年度終了のときの概数と確数ということが、どうしてこんなに差があるかということに気がつきましたのは、私が部長になって、初めて間税の関係の仕事を担当する関係上、こんなに概数と確数とが差があるのはおかしいじゃないかということを言ったことから端を発したのでございます。ただ、今回こういうことがあったから、来年もまたそんなことをするだろうということを御推定になるのは、私、はなはだ残念に思うのでございまして、私どもは、初めて概数と確数との間にどうしてこんな差があるかということに気がついて、いろいろ追及した結果が、こういうことになりましたので、まことに遺憾に思っておりますが、それだから来年もまたかようなことをするだろうとおっしゃるのは、私、はなはだ残念に思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/150
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151・栗山良夫
○栗山良夫君 いや、そうじゃないのですよ、私の言うのは。あとで国税庁長官に答弁を求めたいのですが、私の言うのはそうじゃない。去年もよかった、その前もよかった、ことしもよかったのです。あなた方にこの間資料をもらったでしょう。一八%控除を取り消して修正したら、十二万五千七百七十八石になっているじゃないですか、一八%控除しない場合と確定申告はぴしゃっと合ってくる、何も戻し税とか未納税とか考慮しなくても……。これはこの前私が確かめた通りなんです。電話でやったと、そういうことになっているから、そんなことを考慮しなくても、業界はそんなに急激に変動するわけじゃないのだから、一八%控除ということはそんなに……、間違ったことは間違ったであっさりとされて、そうして、これから酒税法一本だけでいきますと、こういう答弁をしてもらえば、僕らは納得するのです。それをあくまでも一八%引いたことが合理的であったかのごとき——間違いであることを認めながらも、しかも、へ理屈をつけて、合理的であったかのごとき言辞を弄されるから、僕は納得できないのですよ。長官の答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/151
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152・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) これは先ほど泉間税部長が申しましたように、泉君としましては、間税の仕事は実は初めてでございまして、就任以来非常に間税行政について研究心をもってやってくれておるので承りますが、新任なるがゆえに、たまたま概数と確数との違いに不審を抱きまして、そうして、三月は最終月だから合せたらいいだろうというようなことを言った、これが実は端緒になったわけであります。ただし、一八%云々の理由につきましては、非常に合理的な説明がしにくいのであります。それは正確に申しますと、錯誤があるからです。従って、あとでもって合理的な理由づけはなかなかできません。一八%そのものが非常に誤解があったと思います。その誤解に基いて指示した、その指示が下まで伝わったことにつきましては、私国税庁長官といたしまして、非常に実は責任を痛感するのであります。先ほどもちょっと話が出ましたが、これは私どもといたしましても、内部で自己反省を十分にただいまいたしております。仕事のやり方、部内の人事配置、あるいはまた国税局、税務署への伝達の方法、こういう点につきましても多々考えさせられている点があるのでございます。これを機会といたしまして、今後絶対にこのようなことのないよう善処いたしたいと思います。どうか一つ今後をごらんいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/152
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153・栗山良夫
○栗山良夫君 長官が今のような答弁をされたので、私はおそらく長官の答弁の意思をくんで、部長もこれから行政にさらに勉強せられるだろうと思うので、これ以上追及しませんけれども、たとえば、一口に言うならば、三月七日に唐突にあんなものを——先ほどビール会社の諸君も言っておったけれども、あんなに急いでやらなければならなかったという理由がまずわからない。
それからもう一つは、よく従来の慣例も何も調べないで、ただテーブルをみて、概数石数と確定申告石数とが違ってはいかぬ、そういう抽象的なことでぽんと部下に指令を出したということ、これは非常な手落ちですよ、それならそれで、なぜ合わないかということをもう少し行政のエキスパートを集めてチェックして、その結果何%になるかぐらいまで部長は責任を持つ、そのくらいの責任感がなければいけません。そういうことを何ら反省されないで、われわれにただああだこうだと答弁されるならば、われわれは了承できない。できないけれども、長官が先ほどきわめて真摯なる態度で将来のことを言われたから、私はまあ了解します。そういうふうに一つやってもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/153
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154・泉美之松
○説明員(泉美之松君) 弁明めいて恐縮でございますが、私は今回の事件は私が指示の適切を欠いたことから起きておりますことを重々痛感いたしておりまして、今後の仕事のやり方その他につきましては、ただいま長官がおっしゃいましたような趣旨を体しまして、やっていくつもりでございますので何とぞ御了承をいただきたいと思います。(「了解」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/154
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155・平林剛
○平林剛君 私は若干質問を留保しておきます。
それはきょうの参考人からの御意見でも、一八%の根拠であった未納税がきょう出席なさった参考人の説明ではほとんどない。いわんや間税部長が説明をした二月分の未納税六千六百三十九石という根拠等についてはまだ疑問を抱いております。
それから概数と確数との違いがなぜ起きるかということについて、参考人は明らかにこういうものの差があることはわからない、間税部長は一生懸命なぜわからない——ということで分析をなさっているようでありますから、その結論が出るまでは質問を留保しておきます。
それからもう一つは、本問題の処理に当ってどうする。先ほど私は参考人に対して酒税法の趣旨を説明いたしました。まあ電話受信の誤まりであったといたしましても、ビール会社は脱税を承知して申告しているということ——国税庁長官は会社には責任はないとこう言いますが、酒税法は国民の法律でありますから、たとえ事情があったにしろ、これを誤まった以上は、その情状は別にいたしまして、法の適用を免れることはできないという見解を持っております。またもし国税庁長官がこれについて逡巡をなさるというようなことであれば、今後の酒税行政に対してやはり影響がくるのではないかという心配を私は私なりにしておるわけであります。ビール会社の立場から見ましても、これは誤まりだ、国税庁に責任をなすりつけて責めを免れるということはいけないということを指摘しておいたのでありますから、この処理についても、国民全般が納得する形で行われない限りにおいては、さらに質問を続けるということでこれは留保いたしまして、きょうは質問を
これで終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/155
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156・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 本日はこれに
て散会いたします。
午後三時四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X02819580415/156
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