1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年四月十八日(金曜日)
午前十一時三十二分開会
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委員の異動
四月十七日委員杉山昌作君辞任につ
き、その補欠として村上義一君を議長
において指名した。
本日委員村上儀一君辞任につき、その
補欠として杉山昌作君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 河野 謙三君
理事
西川甚五郎君
小笠原二三男君
平林 剛君
天坊 裕彦君
委員
青木 一男君
岡崎 真一君
左藤 義詮君
塩見 俊二君
土田國太郎君
廣瀬 久忠君
山本 米治君
大矢 正君
杉山 昌作君
政府委員
北海道開発庁総
務管理官 中平 榮利君
大蔵政務次官 白井 勇君
大蔵省主計局法
規課長 小熊 幸次君
運輸政務次官 木村 俊夫君
運輸省港湾局長 天埜 良吉君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
説明員
大蔵省主税局税
関部長 木村 秀弘君
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本日の会議に付した案件
○交付税及び譲与税配付金特別会計法
の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
○関税法の一部を改正する法律案(内
閣提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/0
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001・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより委員会を開きます。
議事に入ります前に、委員の異動がありましたので御報告離し上げます。
昨四月十七日付をもって、委員杉山昌作君が辞任され、その補欠として村上義一君が委員に選任され、本日付をもって、委員村上義一君が辞任され、その補欠として杉山昌作君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/1
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002・河野謙三
○委員長(河野謙三君) まず、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案について政府委員から内容の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/2
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003・小熊幸次
○政府委員(小熊孝次君) 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案につきまして補足説明を申し上げます。
今回の改正は、地方公共団体におきまするところの財政の健全化を推進いたしまするために、別途今国会におきまして地方交付税法の一部を改正する法律案を提出いたしまして御審議を願い、この法案の成立を見るに至ったわけでございまするが、その実体法の改正に即応いたしまして、本特別会計につきましても、交付税の税率を百分の二十六から百分の二十七・五に引き上げることにいたした次第でございます。
なお、御参考のために、従来の交付税率の変遷を申し上げますと、昭和二十九年度に取得税及び法人税につきまして、一九・八七四%、酒税につきましては二〇%、こうなって発足いたしましたのが、三十年度におきまして二二%、それから二十一年度におきまして二五%、三十一年度に一六%、今回の改正はこれを一七・五%に改正しようとするものでざいます。
簡単でございますが、これで補足説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/3
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004・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 本案につきまして質疑がある方は、順次、御発言願います。1別に御発言もないようでありますから、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。
御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/4
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005・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとって。
交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。
本案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/5
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006・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致であります。よって、本案は可決すべきものと決定いたしました。
なお、諸般の手続等は、先例により委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/6
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007・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 異議ないと認めます。よって、さよう決しました。
それから、委員会の報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますので、本案を可とせられた方は、順次、御署名を願います。
多数意見者署名
西川甚五郎 小笠原二三男
平林 剛 天坊 裕彦
青木 一男 岡崎 真一
左藤 義詮 土田國太郎
廣瀬 久忠 山本 米治
大矢 正 杉山 昌作
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/7
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008・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 次に、関税法の一部を改正する法律案を議題に供します。質疑のある方は、順次、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/8
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009・大矢正
○大矢正君 関税法に関連をいたしまして、最初に重要港湾の指定について質問をいたしたいと思います。重要港湾に指定を受ける場合の条件というのは、大体どういう内容のものであるか、御説明をいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/9
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010・天埜良吉
○政府委員(天埜良吉君) 重要港湾の指定にはいろいろな要件がございますが、その地方の一つの門戸として輸送をするような場所、それから輸出入の貨物が相当あり、また現在はなくてもかなりふえる見込みのあること、それからその港を基点として地方開発を行わなければならないこと、あるいはまた開港になっているようなこと、それからまた何と申しますか、そのブロックと他のブロックとの間の連絡上緊要なことというような要件をいろいろあげております。その要件は全部必ずしも満足されなくても、そのうちで相当重要な二、三のものが満足されれば、重要港湾として選定するという方針をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/10
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011・大矢正
○大矢正君 三十三年度の指定を受けている重要港湾に対する予算というものは、具体的にきまっておるのかどうか。港別にこの点をお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/11
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012・天埜良吉
○政府委員(天埜良吉君) 三十三年度につきましては、重要港湾も、地方港湾も避難港も、大体もうきまっております。ほとんど確定をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/12
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013・大矢正
○大矢正君 重要港湾に指定されている中の、特に二、三の港についてただいまから、私、具体的にその港に対する予算がどの程度ついているかということを、この際、御質問して、お答えをいただくことができるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/13
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014・天埜良吉
○政府委員(天埜良吉君) 大体のお話はできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/14
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015・大矢正
○大矢正君 それじゃはなはだ恐縮でございますが、北海道に関係をして、留萌、稚内の二港の三十三年度の予算はどういう内容になっておるかをお答えをいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/15
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016・天埜良吉
○政府委員(天埜良吉君) 留萌につきましては、三十二年度は四千万円の工費でございましたが、三十三年度は五千万円の事業をいたしたいという予定にいたしております。この内容は、七メートル岸壁の改造を二十六メートル、船だまり浚渫これはマイナス四メートルに浚渫するのでありますが、四千立方メートル、それから陸地の掘さくがございますが、これが三万二千立方メートル、それから補償費その他を入れております。なお、外港の泊地の浚渫、これはマイナス八メートル、これが四万立方メートルほどの予定になっております。
次に、稚内でございます。稚内は、三十三年度は四千八百万円の事業費でございました。三十三年度は、五千八百万円の事業費を見込んで、実施に移したいと思っております。これは事業の内容は、第一副港のマイナス四メートル物揚場がございますが、これを十一メートル、それから四メートルの浚渫でございますが、これを三万九千立方メートル、第二副港のマイナス四メートルの物揚場を二十六メートル、浚渫一万六千六百立方メートル、それから物揚のエプロンを鋪装するのが二千平方メートル、大体以上のような事業を考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/16
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017・大矢正
○大矢正君 逆戻りをするようですが、先ほどの御説明をいただいた重要、港湾の指定の基準の内容でありますが、これは大体私が調べた範囲による、と、大きい点では五つの条件があるというように考えているわけでありますが、この五つの条件の、いずれか一つが満たされると指定を受けると、こういうことになるわけですか。それとも一つじゃいけない。二つ、ないし三つというように重ならなければ、その指定の基準に到達しないのか、こういうことについてのお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/17
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018・天埜良吉
○政府委員(天埜良吉君) この条件は五つ、六つあるのでございますが、これは必ずしも一つを満たされればよいとか、あるいは三つくらい満たされなければならぬとかいうことでなしに、その一つであっても、これが非常に重要であるというふうに考える場合に一は、一つでも重要港湾の選定をいたしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/18
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019・大矢正
○大矢正君 具体的な内容を申し上げて恐縮ですが、先ほど、私が予算の面で御説明をいただいた留萌、稚内の二港は、最初重要港湾に指定をされる場合に、どの基準に合致して、重要港湾に指定をされたのか、できたらお答え、をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/19
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020・天埜良吉
○政府委員(天埜良吉君) 留萌、稚内の重要港湾に選定された理由は、はっきりは私記憶にございませんが、大体のところを申し上げますと、これは留萌にいたしましても、稚内にいたしましても、石炭の輸送、国内輸送に非常に重要な地歩を占めている。なお、稚内につきましては、島の関係の基地にならなければならぬところであるというような点を主として考えておりまして、大体重要な国内輸送ということを主眼にいたしたのと、それから地方の開発ということを、非常に重点を置いて考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/20
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021・大矢正
○大矢正君 今度関税法の一部改正が行われて、国から相当大幅な事業費の予算の裏づけをいただいている港も、実のところ開港ではなくなるという結果が出て参るわけであります。どうも国の重点施策として、予算の裏づけを行なっておりながら、反面では開港ではなくなるということは、首尾が一貫しないような感じがするのですが、あなた、港湾局長の立場で、こういった私の疑問について、どう御判断されるかお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/21
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022・天埜良吉
○政府委員(天埜良吉君) 開港でなくなるという問題につきましては、これは関税徴収の面、その他から、行われることでございますが、私の方の港湾の整備の問題といたしましては、ただいまも申しましたように、これは必ずしも、開港でなくても、重要港湾としての使命は、十分あるのでございますから、この点で、重要港湾というものの整備を怠るということはないので、この点は、開港の取り消しになるのにかかわらず、進めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/22
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023・大矢正
○大矢正君 開発庁からお見えになっているようでありますから、北海道の開発の現況と、それから将来の展望、特に外国の貿易上の観点から考えて見て、今回法律の実施によって北海道におきましては、留萌、稚内、根室の三港がおそらく不開港になるのではないかという危険性をはらんでおるわけでありますが、開発行政の立場に立って、そういう結果が出ることについて、どう判断されるか、お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/23
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024・中平榮利
○政府委員(中平榮利君) 北海道開発庁がどう考えておるかという御質問でございますが、順を追って申しますと、留萌港でございますが、これはただいも若干実績がございまして、ボーダーラインすれすれのところにございます。将来どうなるかということでございますが、開発庁の計画によりますと、大体第二次五カ年計画の最後の年度に当ります昭和三十七年はどうなるかということでございますが、そのときは大体三万トン程度の開港場になるのではないかというふうに考えております。その内容は、将来のことでございますから、はっきりしたことも言えませんが、五年後になりますと、対ソ貿易も相当あるのではないかということを考えまして、ソ連から木材など輸入することになるのじゃないかというふうに考えております。従いまして、留萌港といたしましては、開港場として残していただいた方が将来のためにもいいんじゃないかと考えております。
稚内は、先ほど港湾局長からも御説明ありましたように、これは主として外国貿易と申しますよりは、石炭の積み出し等に重点をおきまして、国内取引のために使うということになるのではないかと思いまして、特に外国貿易港として使用するということには重点を置いては考えておりません。
根室でございますが、これは地域的にみましても、相当東の方にある港でございまして、外国貿易等も大して使うことはあるまいと思われますが、また対米貿易その他もそうあるまいと考えまして、これも主として内国取引並びに漁船関係が使用する。こういうふうになるのではないかと考えております。
従いまして結論的に申し上げますと、開港場としてぜひ残したいと考えますのは留萌でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/24
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025・大矢正
○大矢正君 税関部長にお尋ねをいたしたいのですが、今度の法律改正の解釈について誤まりがあってはいけませんので、念のためにお尋ねしておきたいと思うのですが、付則の中に「昭和三十四年一月一日から施行する。」、こういうことになっておるわけですが、そういたしますと、これは三十四年の一月一日から法律が施行されるのでありますからして、三十四年、それから三十五年の二ヵ年間の実績をみた上で、もし条件が基準に達しない場合には、三十六年の一月一日以降において開港の取り消しを受けると、こういうふうに解釈をしていいのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/25
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026・木村秀弘
○説明員(木村秀弘君) 三十四年一月一日から施行するということになりますと、これは関税法の九十六条で、この年の起算点が一月一日になっております。それで三十四年の終り、結局、三十四年と三十三年の二カ年の実績をみて、三十五年の一月一日に結論が出る、こういうことになりますので、今おっしゃったのとは一年の食い違いがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/26
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027・大矢正
○大矢正君 実は法律を忘れてきまして、ここへ持ってきていませんが、その中には最後の方にいって、二年間の実績をみるということがたしか書いてあると私記憶しているのですが、そういたしますと、この法律の改正によって、基準の条件が変るわけですから、変ったときから起算をして、九十六条ですか、明記されている二年間というものが計算されるのが妥当じゃないかと思うのですが、それが法律を実施する以前の三十年度の実績を一年間使うということは、どうも私理解ができないのですが、私のこういう考えが誤まりかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/27
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028・木村秀弘
○説明員(木村秀弘君) この施行が三十四年の一月一日でございますというと、結局三十四年一ぱいの実績を見る。しかしそれはあくまでも現在の関税法の九十六条の改正でございますので、その九十六条には、これこれに「達しないことが引き続き二年に及んだとき。」とございますので、三十四年と三十三年、いわゆる過去二年を見る、こういう格好になりますので、三十五年の一月一日には結論が出るということに解釈上なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/28
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029・大矢正
○大矢正君 どうもそこがわからないのですが、結局私は基準が変らないのならいざ知らず、基準それ自身がこの法律によって変えられるのです。ですからその前提となるのは、基準が変えられた以降において二年間の実績を見るというように法律の解釈をすべきじゃないかと思うのですが、どうもあなたの言う説明と私の考えることが食い違うのですが、いかがでしょうか。そういう私の言うような解釈にはならないのですか、法律の基準が過去において五千万円、二十五隻、その基準であったのが、両方の条件が備わらなければ取り消しを受けるというようなことです。それが変ったのですから、変った以降の二年間の、法律に書かれておる二年間の実績を見た上で取り消しなら取り消しをするという解釈になるのじゃないかとそう思う。しろうと考えかもしれませんが、そう解釈されるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/29
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030・木村秀弘
○説明員(木村秀弘君) ただいま申し上げましたように、「引き続き二年に及んだとき。」とございまして、その引き続き二年ということは、結局この改正法が施行になっておる年とその前年、その二ヵ年が引き続いてそういう状態に及んだときと、ごう読むわけでございます。従ってもし今おっしゃったような趣旨にするとすれば、昭和三十五年一月一日からということになれば、ただいまおっしゃったような結論にかるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/30
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031・大矢正
○大矢正君 白井政務次官に質問いたしたいのですが、先ほど北海道の開発庁の関係者もちょっと申しておったのですが、特に北海道においては留萌港などは将来において発展性があるから、この際できることなら開港の取り消しをしない方が好ましいというような発言もあったのです。今回の法律改正によって一挙に五千万円と二十五隻というものの両方の条件が備わらなければ取り消しを受けるのだということで、あまりにも急激に基準というものを変更させるということは、どうも行政上私は好ましくないのじゃないかと思うので、できることならば、この基準やあるいはまた法律の施行年度の引き延ばし等を行うことによって、将来の日本の貿易の発展に対処する方がよろしいのではないかと、こう思うのですが、政務次官の御見解をこの際承わっておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/31
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032・白井勇
○政府委員(白井勇君) 前々から大矢委員がその点を問題にして、おられたようでございますが、一応この法律は、申し上げるまでもなしに、あまり開港としまして実績のあがっておりませんもの、ことに中には全然開港になりましても船が入っていないというものもあるわけでありまして、そこに一々税関の関係のものを置きまして、むだな店を張っておるということもおもしろくないじゃないかというような点からいたしまして、一つの規制を考えたわけでありまして、その場合にどういうふうに基準を置くか、いろいろ問題があるわけでありますが、少くとも船は毎月一そうぐらいは入らなければ開港としておかしいじゃないかというようなことから、少くも年に二十五隻という基準が生れたわけであります。従来から見ますと、相当きついような措置になろうと思いますけれども、一応三十四年の一月一日から施行するというような一つの幅を置きましたので、まあこの程度でどうかと政府当局としては考えておるわけであります。
お尋ねの北海道の諸港の問題につきましては、きょういろいろお話がありまして、御検討願えますれば、根室なりあるいは稚内は大体国内港とか地方の資源開発港としまして、むしろ開港としまするよりも、国内港としましての重要港、というようなお話もありまして、ただ、留萌が今お話のあったような点もあるのでありまして、この点は私たちとしまして、将来できるだけ考えなければならないと思います。これはわれわれとしましては、本法律案が、先ほど申し上げましたような意味合いで一つの規制でありますので、これが適当かと考えてお出しをしたわけであります。国会の皆様方のお考えによりまして、何らか手を加えることを是といたしますれば、それに政府といたしましても別に異存はないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/32
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033・大矢正
○大矢正君 先ほど申しましたように、今回一挙に二つの条件を満たされないという場合には開港の取り消しを受けるということと、それから、今、日本の貿易が、今後ソビエト、中国を含めてどう発展していくかという非常に重要な時期でもありますので、この際、基準の問題、それから法律施行の期日の問題等について、当然考慮をはらってもよろしいのではないかというように考えるのでありまして、もし、私のこういう考え方をこの際受け入れていただくような余地が大蔵省当局にあるとすれば、私はただいまから法律の改正に対する修正の提案をいたしたいと存じますが、政務次官のお答えをこの際いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/33
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034・白井勇
○政府委員(白井勇君) ただいま申しましたように、政府といたしましては、原案が最適のものといたしましてお出しをしたわけでありますが、いろいろ論議の過程に皆様方のお考え方もあるかと思います。そういう総合判断から、必要がありまして手を加えられるとしますれば、政府といたしましては、それに即応いたしますように措置をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/34
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035・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/35
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036・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記を始めて。
他に御質疑はございませんか。——他に御発言もないようでありますから、本案の質疑は終局したものと認めます。
本案に対し、各派共同提案にかかる修正案が委員長の手元に提出されておりますので、この際、本修正案について、便宜、代表者から説明を聴取いたします。大矢君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/36
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037・大矢正
○大矢正君 先ほどの質疑の中で申し上げましたごとくに、一挙に両方の基準を合致せしめるということはなかなか問題点が多いことでありますし、なお、大蔵当局の方としても修正をすることには応じてもよろしいという態度の御表明がありましたので、この際、各派共同提案という形で政府の提案いたしております一部改正を修正する提案をいたしたいと思います。
内容は、お手元に配付してあります修正案に書かれておる通りでありまして、従来の二十五隻の隻数を十二隻に改めることが一つと、それから附則の中にあるところの三十四年一月一日から本法を施行するこの期日を、三十五年の一月一日に改めるということが中心でございます。
以上修正の各派共同提案を申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/37
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038・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより関税法の一部を改正する法律案及び修正案を一括して討論に入ります。
御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
まず、各派共同提案にかかる修正案を問題に供します。
本修正案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/38
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039・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致であります。よって修正案は可決せられました。
次に、ただいま提出されました修正部分を除く原案全部を問題に供します。
修正部分を除く原案に賛成の方は御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/39
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040・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致であります。よって本案は修正議決すべきものと決しました。
なお、諸般の手続等は先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/40
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041・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よってさよう決します。
それから委員会の報告書に付する多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
西川甚五郎 小笠原二三男
平林 剛 天坊 裕彦
青木 一男 岡崎 真一
左藤 義詮 塩見 俊二
土田國太郎 廣瀬 久忠
山本 米治 大矢 正
杉山 昌作発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/41
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042・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 本日はこれにて散会いたします。
午後零時十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814629X03019580418/42
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