1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年三月二十八日(金曜日)
午後一時三十八分開会
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出席者は左の通り。
委員長 小林 武治君
理事
大沢 雄一君
小柳 牧衞君
加瀬 完君
鈴木 壽君
委員
伊能 芳雄君
西郷吉之助君
成田 一郎君
本多 市郎君
成瀬 幡治君
森 八三一君
国務大臣
国 務 大 臣 郡 祐一君
政府委員
自治庁財政局長 小林與之次君
自治庁税務局長 奥野 誠亮君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
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本日の会議に付した案件
○連合、審査会開会の件
○地方税法の一部を改正する法律案
(内閣送付 予備審査)
○地方交付税法の一部を改正する法律
案(内閣送付、予備審査)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/0
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001・小林武治
○委員長(小林武治君) これより委員会を開きます。
まず、連合審査会の開会についてお諮りいたします。
道路整備緊急措置法案、道路法の一部を改正する法律案、日本道路公団法の一部を改正する法律案、以上、三案についての建設委員会との連合審査会は、先般一応終了したのでありまするが、その後、さらにもう一度連合審査会を開かれたい旨の委員各位からの御要望がございましたので、委員長において建設委員長とも協議いたしましたところ、建設委員会としても再度これを開くことに意見の一致を見たということでございます。従いまして、当委員会としまして、建設委員会に対し、三法案について再び連合審査会の開会申し入れを行うことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/1
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002・小林武治
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会は明二十九日午前十時より開会することに相なりました。また、これには大蔵委員会会も参加の予定でございますので、念のため申し、添えておきます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/2
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003・小林武治
○委員長(小林武治君) 次に、前回に引き続き、地方税法の一部を改正する法律案
地方交付税法の一部を改正する法律案
以上、両案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
御質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/3
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004・鈴木壽
○鈴木壽君 奥町さんにちょっとお尋ねしようと思います。きのうも成瀬委員の質問の中にもありましたが、最初木材引取税についてお尋ねします。
昨年の地方税法の一部改正の際に、この木引は、当時の税率五%を四%に引き下げておるのでございますが、この問題だけではもちろんございませんでしたが、他の税目等のいろいろの話し合いのうちに、奥町さんは、もう地方税はこれ以上いじらないつもりだ、こういうようなことをはっきりおっしゃっています。これは私の質問に対してもそういうふうにはっきりおっしゃっておったと私記憶しておりますが、この木引税が昨年五%から四%に税率を引き下げてさらに三十三年度においては、それを二%に引き下げようとしておる。こういうこと自体には、私非常に奥野さんの言葉と照らし合わせて不審に思うわけでございます。この木引は、私から今申し上げるまでもなく、山林を持っておる山村にとってはいわば非常に大きな財源でございまして、これの率の大きな引き下げというようなことは、非常に大きな村当局の財政に影響を与えるものであることは、これは言うまでもないのでございまして、そういう点からいっても、私今回の措置は非常に残念だと思うわけでございます。私ども聞くところによると、いろいろな業者の動きとか、あるいはそのほかにいろいろのうわさを耳にしておりますが、いずれにしても、今回のこれは私、苦々しいことだと思っておるわけでございます。そこで、一体この税というものについて、果して今までの税率が不当に高いものであるかどうか。これは税率の問題になりますと、いろいろ考え方があるわけでございますけれども、先ほど申しましたような地方財政の状況等からして、特に山村におきますところの税源の不足、税収入の非常に少いこと等からいたしまして、私は四%というものが必ずしも高いわけじゃない。なおまた、税の額そのものからいっても、業者の引き取る際の四%という税は、私は決して不当な負担を彼らがしておるものとは思えない。現に、これは特に営林署関係等の引き取りの場合は、価格でこの面の相当な考慮が加えられておる、払い下げの価格において。こういうような現実からいって、私はこの税の何といいますか、率が高いものだと思わないし、不当なものだとは思っておりませんが、この点について一つこれは奥野さんからお考えを聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/4
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005・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 地方税制につきましては、戦後年々大幅な改正を加えて参ってきております。その結果、ある程度国情に適したものになって参りましたし、税負担も合理化されて参ってきていると思っております。ことに、たびたび改正をいたしますと、せっかく地方団体が見込んでおります税収にも大きな変化を与えるわけでございますので、自立的な財政運営を期待して参りますためには、税制をすみやかに安定させなければならない。そういう意味で、昨年もそう思っておりましたし、今もそう思っておるわけでありますが、あまり大幅な改正をたびたび加えることは避けて、すみやかに安定した体制に持っていかなければならない。かように考えているわけでありまして、木材引取税も昨年一%引き下げます際に、ことし引き続いてさらに引き下げるというようなことは毛頭考えていなかったわけであります。しかしながら、税率引き下げ、それと並行して運営を適正にしていくということになって参りますと、具体の市町村におきましては、税負担が一挙に二倍、三倍になった。その結果、税率引き下げによって負担が軽減されると考えておった向きにおいて、逆に二倍、三倍に税負担が上るというようなことがあって、非常な恐慌を来たしました。そのことがまた争いを一段と熾烈なものにすることになってしまったわけであります。そういうようなことから、いろいろ検討いたしました結果、昨日も申し上げましたような事情から、思い切って現在着手されております総額を目途にして税率を定めるということから二%にいたしたわけでございます。
木材引取税の税率はどの程度であるべきか、これはいろいろ議論があろうと思いますが、しかし、木材引取税として残しておきます以上は、二%以下ということはあり得ない、こういうようには考えておるわけでございます。そのときの経済情勢その他に応じまして、税率というものは多少増減があってしかるべきだと思うのでありまするが、木材引取税として存置していきます以上は、固定資産税の税率よりも低い率できめるということはこれはあり得ないのじゃないか、やはり最小限度二%の税率は維持していかなければならないのじゃないか、かような考え方を持っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/5
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006・鈴木壽
○鈴木壽君 実は、私お聞きしたかったのはこういうことなんです。四%という税率が高いものかどうかということなんです。というのは、これはまあ課税する場合に価格にかけてやる場合もあるでしょうし、あるいは石数によってある単価をきめてやる。これはまあいろいろ町村によってはやり方が違っておるだろうと思う。いろいろという意味は、二つの方法のいずれかをとる場合に、違ったやり方をしておるところがあると思うのですが、それはともかくとして、平均して今のこの法に、現行法に定められた四%というものが高いものかどうか。問題は、あなたがおっしゃるように、現在の税収入の総額を抑えていきたい、こういうことなんでございますけれども、その以前に、この率というものが果して適正なものかどうか、私はこれは問題にされるべきだと思うのです。総額が変らなければ率がどうあってもいいのじゃないかということは、私は税を考える場合にはむしろ不適当な考え方であろうと思う。ですから、そういう意味で、果して四%という税率が不当な高いものであるかどうか。私はさっきも申しましたように、これはいろいろな意味の売買価格あるいは特に営林署と業者との間の引き取りの際には、これはそういうのも含めて営林署の売り渡しの価格がきめられておる事実を私は幾らでも知っておるのですよ。そういう点からいたしますと、これは私は高いからというようなことに立つならば、私はちょっと考え違いじゃないだろうか、こういう意味でお聞きしたのです。その点いかがでしょう。
それから、いま一つ。あなたは将来、税を二%以下にはしない、こういうことを今おっしゃったのですが、二%にしておいて、将来この木引というものをずっと存続させるつもりなのかどうか、木引そのものを存続させていくつもりなのかどうか、あわせて一つお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/6
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007・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 木材引取税の税率が四%であった場合に、木材引取税として高過ぎる税であるかどうかという問題でございます。この点につきましては、立木に固定資産税が課せられていない、また林業に対して事業税が課せられていない、そういうことを総合して考えました場合に、木材の引取価格に四%の税が課せられて、それが木材の価格に算入されていくということは、私はそれだけで他の諸税と比べまして、非常に過酷な税負担になっているとは考えておりません。そういう見地から二%に引き下げる措置をとられたわけじゃございませんで、繰り返し申し上げておりますように、木材引取税を合理的な運営のもとにおいて徴税されていく、そうして同時にこの税を安定した姿に切りかえていきたい、こういう見地から起っている問題でございます。二%に引き下げて将来やっていくつもりかどうかという御質問に対しましては、そういうことを期待して今回の制度改正を行なったのだということを申し上げたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/7
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008・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、お話聞いておりますと、税額はやつぱり現在の税収の額を一応基礎に考えてやったようでございますが、そんならあれですか、昨年ですね、この税の問題について一%の率の引き下げの場合に、今度こそいわゆる税の合理化、適正化がこれによって行われるのだ、これは徴収等の問題もございますけれども、そういうことをあなたは御説明しておられるのです。わずか一年になるかならぬうちに、前のがいかにも不合理であり、不適正であるというようなあなたの御説明を、私は今聞かざるを得ないことは、非常に残念に思うのです。
それからいま一つ、もし、かりに現在のあなた方が見込んでおられますところの税収総額が、かりに二十億なら二十億円といたしましょう。これが木材の生産が高まったり、あるいは何かの事情によって、支持価格等の変動によって、もっと上り得る場合が出てくると思う。そうした場合にはやっぱり二十億という線で、三十三年度は二十二億五千万円ばかり見ておりますが、こういう線であなた方は今度率の異同を考えますか、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/8
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009・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 昨年五%の標準税率を四%に引き下げるときには、その後に九州地区等において起りましたような非常な混乱を実は予想しておらなかったのでありまして、その結果なおいろいろ検討して参りますと、さらに思い切って、税率を下げざるを得ない、また下げた方がこの税を安定した姿に持っていけるということになったわけでございまして、昨年五%を四%に下げた場合に、なお先を見通す思慮において欠けておった、これはまさにその通りでございまして、この非難は幾ら強く申されましても、私としては全く甘受せざるを得ない、かように考えておるわけであります。見通しを十分深くいたしておりませんでしたことは、全く申しわけなく存じております。ただ、その後の経過から、あえて二%に思い切って税率を下げていろいろな争いをなくし、納税者も林野庁も全体的な協力のもとに、市町村問に不均衡のないような運用をしていきたい、こう考えたわけであります。あくまでも市町村間に均衡のとれた課税をやっていきたい、そういうことがねらいでございまして、将来木材の価格が上っていく、あるいは伐採数量がふえていく、その結果増収になったからといって税率を引き下げる必要はない、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/9
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010・鈴木壽
○鈴木壽君 あなたはこの税の安定する姿を期待しており、さらに適正な課税の税としたいということを念願しておると、こういう話ですが、私はその安定とか合理化とか、あるいは適正化ということは、もっと別の面で考えられなければいけないのじゃないか、現在までこの点についてはいろいろないわば欠陥というようなものもありました。徴税がどうも思わしくないとか、捕捉が不十分であるとか、脱税行為があるのだというようなこともずいぶんありましたが、そういうことをきちと直すことがより適正な税の、あるいは合理化のそういう線に進むべぎものであって、税率を上げ下げすることによって適正だとか合理化とか、あるいは安定するという私は問題じゃないと思う。全然ないというわけにはいかないかもしれぬけれども、私はこの問題は、考え方が少しおかしいと思う。私もっとはっきり業者の実態を言うならば、業者は、先ほど言ったように、買い取るときにすでに税の引き当ての分を所有者から引かしているのが大部分です。特にさっき言ったように営林署関係においてはそうです。それを見て売り渡しの価格をまあ勘案してもらうということが一つ、それから民間の場合の取引においてもそういうことがこれは公然と行われておるのです。しかも今度は業者は販売の際には、買う場合の相手方にはそういうことをさせておきながら、自分たちは今度はさらに一般大衆といいますか、あるいは需要する人といいますか、そういう人に振りかえたような形でやっている。まことに私はその間における業者のやり方というものは、これはひどいものだと思っておる。幾つも私は事情を知っている。そういう人たちが何の理由あって、この税を引き下げとか何とか、あるいは過大な負担だとか何とか言って騒ぐ理由はごうまつもないと私は思っておる。ただ考えなければいかぬことは、税がそのまま大衆の方に、需要者に負担をかけるようなこと、これがもし大きいとすれば、これにその面において考えなければいけないと思うのですが、業者そのものの言い分なり、事情はこうだとか何とかかんとかいうけれども、それは大部分うそなんですよ。そういう業者の言い分をあなた方が聞いて、今回こういうことをしたということは、私は先ほども申し上げましたように、まことに私は残念だと思う。税そのものに対して国民に不審の念を与え、税というものはいいかげんなものじゃないかというような感じを今回のこれを契機に植えつけるのじゃないかということを私心配します。どうも奥野さんのよろめきにしては少し残念なよろめき方をしたと私は思うのです。これは大臣、この間のことについてどういうふうにお考えになるか、一つ大臣からもこの際お考えをお聞かせいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/10
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011・郡祐一
○国務大臣(郡祐一君) 今、政府委員から申しましたように、木引という税が市町村の税になりまして以来の経過、どうも必ずしも円滑な動きをして参っていないように思います。これはある意味では、税というものが落ちつきますのにはかなりの長い年月のかかるものであるせいもございましょう。しかしながら、それ以上に木材引取税というような種類の税金というものが何かむずかしいところがある。このままでは市町村の徴税費がかなりにかさむところ、よくとれるところは割に楽に参るけれども、むずかしいところはどこまでもそういう状態が続いていく、こういう感じを持ちまして、そうしてこの際はっきりと関係省の協力も求め、市町村がそういう無理なしにとれる税金にする必要がある、こういうふうに考えまして、素材価格の点でも、特別徴収義務者の協力の点でも、あらゆる点で手配ができるならば、この際税率を引き下げ、そうして安定した状態に置こう、こういう決心をいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/11
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012・加瀬完
○加瀬完君 今、大臣がそうおっしゃいますが、一月二十三日の全国林野関係市町村代表の会合に、あなたの代理として出ました中島政務次官は、昭和三十三年度は木材引取税につき改廃、税率引き下げ等の措置はしないというごあいさつをしておるのですね。一月二十三日は自治庁はそういう態度であったと思う。それが突如、それから何日間かの間に今のような御説明をしなければならなくなったその間の事情をもう少し説明をして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/12
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013・郡祐一
○国務大臣(郡祐一君) 何か非常に裏があるようにお考えになる必要はないのであります。もっとも、こういう考え方もいたしました。今度は地方税法に出ておるようなどの一つの減税もせずにおこうかというようなことも考えました。と申しますのは、三十三年度中に私は相当思い切った税の改正をいたしたい、そうすれはなまじ動かさないことにしようかとも考えました。しかし必ずしもそうする必要もない、大きい木筋の税については触れないことにするけれども、若干のどうしても手を触れた力がいいものは触れよう。御承知のように三十二年度の実績を見ましても、かなりに市町村のやり方は正しいのではありまするけれども、素材価格を非常に的確に押えると、急に飛び上ったような増収になる。事実上の増税になるというようなことで、立場々々によってそれは違いましょう。しかしながら、こういう不安定な状態にある税はほかにないのであります。それじゃ直そうじゃないか。最小限にしぼった直し方をしようというような経過をとりますれば、それは一応減税はしないのだ。ことに、税というものは、それはお話のようにみだりに減らすべきものじゃありませんが、減税はなるべくしないという方針をとろうと思った時代もあります。しかし、やはり最小限手をつけようということになりまして、その間の経過はございまするけれども、考え方は、どこまでも地方の税務行政を円滑にしようということだけで、他意はないことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/13
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014・加瀬完
○加瀬完君 一月二十三日といえば、大体税体系というものが固まった時期だと思う。これ以前にいろいろ議論が出たでありましょうのに、結論としては、木引税については改廃、税率引き下げはしないという態度で固まっておって、一月二十三日以後に、今御説明のような変化をしなければならないということは納得いかないんです。それならば、その議論というのは、当然一月二十三日前に行われておって、少くもこういうはっきりしたことを政務次官たる者が関係者のところで発言をするということはあり得ない。もし、その前にそういう話し合いがあって、中島さんが全然御理解がなかったというならば、これは中島政務次官の責任を追及せざるを得ない。そのときには、長官代理として、自治庁の態度として、木引税については改廃、税率引き下げはしないということであって、その後、今、長官のおっしゃるような変化があったとするならば、それはそれ以後の自治庁の固まった態度が、どういうわけで今の長官の御説明のような態度に変ってきたかということは、今の長官の御説明じゃ納得できない。もう少しはっきりお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/14
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015・郡祐一
○国務大臣(郡祐一君) 何もそう責任を追及するとおっしゃるようなことじゃないんでして、減税のときに、暮から、どうしようか、こうしようか、今度の税はどうしようかということを考えますが、何も、一月二十三日で、ものが夜と昼とに分れるわけじゃない。ずっと経過はございます。しかしその当時の状態で、まだ外部に、そういう――ことに、直接、税をとってやっていく人々の会合で言うべき状態でないときに申さないのは、これは立場上当然でございまして、その間、どうすべきか、あまりこれは手をつけぬ方がいいのじゃないかなどと思いながら、しかし、ある程度の最小限の扱いをいたそうというだけのことでして、どっかで、ものが急に曲り角に来たというような工合にはお考えにならずに、その経過の間に二つの考えが絶えず流れておったということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/15
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016・加瀬完
○加瀬完君 関連ですから、あとでまた伺うことにいたしまして、私ども、何もその問に何か曲り角のカーブを、よその力でもって曲げさせられたのだということは一つも申し上げておらない。あなたの方で盛んにそういうことを弁解しているけれども、われわれ、まだそこまで質問してはおらない。しかしですね、あなたは何でもないことだとおっしゃいますけれども、常識で考えて、当然、院の付帯決議などがありまして、考えられていいものも考えないで、そのままの三十二年度の基本線で三十三年度も押していくという前提に立って他の税の方は押しておるのに、木引税だけ――これが昨年の七月とか、八月とかいう半年も前ならいざしらず、税体系がほとんど固まっておる一月のもう下旬に、政務次官がはっきりとこういうものはかまわないの、だ、いじらないと言っておって、それから急に変ったとすれば、どういうわけで変ったかという疑問が出てくるのは当然ですよ。ですから、これは長官代理として発言をされたわけですから、いずれ私はあらためて中島政務次官においでをいただいて質問をいたしますので、関連質問でありますから、長官の御説明だけではまだ私には納得できないという点だけで、あとで、質問を保留することにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/16
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017・鈴木壽
○鈴木壽君 しきりに長官も税務局長も、この税の安定ということをお話になりますが、税の安定ということは、昨年五%の率を四%に引き下げた、ことし、二%に今度はさらに大幅に引き下げる、これによって私は税の安定ということを考えるのは、ちょっとおかしいのではないかと思うのです。昨年この税の合理的な、あるいはまたこの税の適正化というようなことで四%に引き下げたすぐ直後でございますから、私はまず一応四%にしておいて、この税のうまくない点は何か。たとえば捕捉が不完全であるとするならば、その、原因はどこにあるのか、徴税成績が悪いというのはどこにその欠陥があるのか、こういう点について十分検討し、またそれの対策を考えてやって、その上で私は、もし、どうしてもいけないということだったら、私はいわゆる安定ということを別に考えてもいいと思う。率の引き下げによるか、よらないかは別として、そういうことをあなた方は全然しておらない。たとえば、これはあとで私お聞きしますけれども、昨年の私どもに対する説明の中に、捕捉率を引き上げるのだ、あるいは徴税の成績が悪いから、これをもっと率を引き上げるのだということを言っておられますが、今度のあなた方の言う合理化、適正化の中には、そのことについては触れておりますけれども、内容的には、少くとも私どもにあなた方から示された資料によると、昨年に示された捕促率あるいは徴税率を上回る措置を期待しておらない。これはあとで私申し上げますが――ついでですから申し上げましょうか。昨年はこの捕促率をあなた方、現在まで大体六〇%であるというものを七二%に引き上げるということを言っている。徴税率が七七%しかないから、これを八〇%に引き上げるということの措置を考えている、そういうことをあなた方はいろいろなことで書いてもおりますし、指示もしておられる。ことしはやはりそういう率はそのままなのです。このあなた方からいただいた資料によれば、その率はそのままです。これはあとで私詳しく申します。私はそういうことをまず、あなた方が捕捉率なりあるいは徴収率というものの不公平といいますか、そういうものからくる不公平なり不合理というものを是正するために努力してやるべきが、ほんとうに税の合理的な、あるいは税の適正化という線に向く措置だと思うのです。それを全然しておらないで、今度は率の問題だけを考えるというのは、私は筋が合わないと思う。今、私の言ったよりな措置をして、うんとふえてきた、これでは少し下げてもいいのではないか、こういうことであれば、また私は一つの考え方としてここに生れてきていいと思うのです。そういうことを一向あなた方はやっておらない。一昨年度の場合に十八億の木引をあなた方は予定しておって、昨年度も税率の一%引き下げにつき、なおかつ十八億、ことし大いに合理化、適正化をはかろうとしても、やっぱりその徴税率や捕捉率は依然として昨年度と同様なものを考えておられる。私はここに問題があろうと思う。さらにこの点は、いわゆる税の安定という問題を考える場合に、私はこの税の占めるところの、町村のいわゆる税全体について、特にこの場合の木引が、その町村における税収入の中に占めるウエートというものをやっぱり私考えていかなければならないと思う。きのういただいた資料の、三十一年度歳入決算中に占めるところの木引の割合に関する調べというものを見ましても、これは全国全部ではございませんが、抜き取りでございましょうが、こういうものを見ましても、この税の占めるウエートというものは非常に大きいということが一目明瞭で、ございます。中には七三%というような率を占めるものがある。五〇、六〇という、こういう率を占めるものがあるのですから、これは町村にとっては、特に先ほど申しましたように、山村のそれにとっては大事な税だろうと思う。こういうものをやはり頭に入れて考えていかないと、非常な錯誤を犯すのじゃないかと思うのですが、奥野さん、そういう点どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/17
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018・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 率直に今までの経過からお話しさせていただきたいと思います。
昭和二十四年までは木材は府県税でありまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/18
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019・鈴木壽
○鈴木壽君 あまり昔のことは要りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/19
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020・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 二十五年に市町村の独立税となったのでありますが、収入額は四億円でございました。二十六年度は八億円、二十七年度が十億円、二十八年度が十三億から四億円くらいであります。どうも税率と伐採石数とを基礎にして考えて参ります。と、収入額が少な過ぎる。同町に市町村間において木材引取税の徴収額というものは非常にアンバランスである。こういうようなことからいろいろ苦慮いたしまして、二十九年の夏に、初めて樹種別、地域別に素材の価格を示したわけであります。このときにやはり一騒ぎがございまして、たびたび私農林委員会に参りまして御説明申し上げました。要するにその価格で課税をしたのでは、急激に木材引取税の負担が重くなる団体が生じてくる。こういうことから、木材引取税についての反対運動がかなりきびしく起って参ったわけであります。私たちといたしましては、税務行政を適正に行いたいものでございますので、地域によって税負担が酷になってくる。これはやはり御指摘のありましたように税制に関する国民の信頼感を失わせていくことになるおそれがございます。そういうことでこの素材の価格を示したわけであります。同時に三十年、三十一年とかけまして、国有林材について国の営林署が全面的に特別徴収の義務を負ってくれるようにたびたび話して参りました。その結果、了解済みで、通達も出すようになって参ったわけでございましたが、なお、なかなかそのような措置をとってくれない地域もかなり残っておりました。昨年税率を引き下げまして、市町村間の課税の均衡化をさらに前進させたい、こう考えたわけでございましたが、先ほども申し上げましたように、その結果は税負担が二倍、三倍になるようなところが出て参りまして、そのような状態に実は私どももあぜんとしたわけでございましたが、そういうこともございました。その間に、特別徴収すべき国の営林署長が、なかなかそういうことをがえんじない。ちょっと私こういうことを申し上げるのはどうかと思いますが、大へん率直にお答え申し上げさせていただいておるわけでありますが、ちょっと腑に落ちなす過ぎるのであります。特別徴収すべき国の営林署が、木材業者の立場に立っていろいろ言われることはいかがかと思うのでありますが、とにかくそういう現状でもあったわけであります。そういうようなところから、なお、林野庁の全面的な協力を得て、市町村間におきましても思い切った適正課税でやっていく、そういうことを考えて参りますと、なお一段税率を下げて、石当りの負担はそれほど急激に今まで低いところでもふえるわけではない。しかし若干ふえるところはなおかつあり得るだろう、また下がるところもあるだろう。そういうようなことで、全体の収入を見合いながら一つ税率を定めよう。そうしたことによって、林野庁として一段の協力をしやすい、こういう話もありました。これも非常に率直な話でございます。そういうような経過を経まして、昨日申し上げましたように、林野庁との覚え書も交換して税率を引き下げておる。その結果、若干の市町村には非常に迷惑をかけることにもなりますので、そういう団体につきましては、今までにあまりとられていない減収額の全額を特別交付税でさしあたり補てんする、こういう措置も自治庁としてはきめて参りまして、今回のような改正をいたしたいということをきめたわけでございます。
なお、木材引取税の徴収成績、徴収率の問題でございますが、お手元にお配りしております資料について、さらに詳しいものをお配りしておりませんために、誤解が生じたようでございますので、この部分につきましてはプリントにしてさらにお配りをいたしたいと思いますが、一応御説明さしていただきますと、やはり徴収率も一段、改正後は上るということを考えておるわけでございます。平年度で申し上げますと、直営生産の部分が千九百七十八万六千石ございますが、この部分は百パーセント捕捉されるだろう。徴収率も百パーセント、こういう計算をしております。それから、国有林で原木のまま売り払われる分が千二百八十三万三千石くらいあります。この部分は、営林署からそのつど通知を受けて協力もしてもらうわけでございますが、やはり転々、さらに立木のままで売り払われたりいたしますので、捕捉は九〇%にとどまるだろう。徴収率も九〇%にとどまるだろう。こういう見方をいたしております。民有林材のものにつきましては、来年度は捕捉事は七五%にすぎないと考えておるわけでありますが、平年度におきましては、それが七千九百万石で、八五%の捕捉ができるだろう。同時に徴収も八五%は確保できるのじゃないだろうか。こういう計算をいたしまして、二十二億五千七百万円という木材引取税の収入を期待いたしておるわけでございます。現実にまた若干ずつ成績の上ってきておることも事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/20
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021・鈴木壽
○鈴木壽君 一つ別の面からお聞きしますが、今、税率等お話しがございましたが、私どもの今までいただいておる資料では、先ほど私が言ったようになって、計算の基礎がそういうふうになっておるようでございました。あとで一つこの資料を詳細にいただきたいと思います。私どもこういう資料からいたしまして、実は税率が二%に引き下ったにもかかわらず、なお税収全体の上において四億五千万円も昨年度よりふくれ上った。こういうことに対して非常に不思議に思っておるわけなんです。この点について、やはりこまかいことになりますけれども、お聞きしたいと思うのですが、三十二年度では十八億四百万円の税収を見ておられたのですね。昨年のあなた方からいただいた資料の中にはそういうふうにありますし、予算の対比にもそういうふうに出ております。今年は二十二億五千七百万という数字があげられておるのでございますが、一体これはどういう根拠でこういうものが出てきたかということを実は私疑問に思うわけです。そこで、あとであるいはこまかいことがまた違ってくるのだ、こうなれば別ですが、私、昨年から今までいただいた資料からしますと、こういうふうになるのですが、これも一つ確認して、それから話を進めたいと思いますが、よろしゅうございますか。
昨年は十八億四百万円と、一昨年のいわゆる三十一年度の税収入と同じに見ております。四%になったにもかかわらず、一%の現状引き下げにもかかわらず、三十一年度も十八億四百万円、三十二年度も十八億四百万円、そこであなた方のしばしば言われるところの捕捉率の強化とか、あるいは徴収の適正化というふうなことで、先申し上げましたように、従来はすべて六〇%の捕捉率を見ておったものを、七二%にするのだ、徴収の適正化、合理化というようなこともはかって、七七%の率のものを八〇%にするのだと、まあこういうことで計算をいたしておるようでございます。そこで、昨年はいわゆる現年度分として十五億一千五百万円を見ておる。これでは、課税の見積りの石数を一億九百五十万石と、こう押えまして、その捕捉率を七二%として七千八百八十四万石、これが捕捉石数でございます。それから、それに単価六百円――支持価格の六百円をかけまして四百七十三億四百万円と、こういう数字を出しておられる。これの四%の、さらに徴収率が八〇%と押えて十五億一千五百万円という数字を出しておられる。これに滞納繰り越し分の二億八千六百万円を加えまして十八億百万円と、こういう数字になっておるわけでございます。これは去年いただいたあなた方の税収入の見込みのこれから拾りたのです。これはその通りでいいと思うのですが、ことしは、今度は一体、生産石数をどのくらいに押えておるのかということが一つ。捕捉率を、先ほど営林署とか、いろいろお話がございましたが、全体として、どうあなた方のこの計算の上では見ておられるのか。これは、さまざま率が違うようでございますから、平均してどう見ておられるのかですね。それから、支持価格をことしは引き上げるようでございますが、これは幾らにするつもりなのか。徴収歩合をどの程度に見るのか。さらに、いま一つは、繰り越し分が幾らあって、その繰り越しのものの徴収歩合をどの程度見て、どのくらい値上げされるつもりなのか。これを一つ数字的に御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/21
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022・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 三十二年度当初の地方財政計画で見込んでおりました額は十八億円でございます。三十
一年度におきましてもその額を見込んでおったわけでございまして、三十二年度は三十一年度と同額と見込んだわけでございまして、ところが、三十一年度において、すでに実績は二十億円になったわけであります。三十二年度も、年度の中途で市町村からの報告を求めて参ったりしておりますと、二十三億五千万円見当と見込まれるわけでございます。三十三年一度改正がなかったならば、この程度の額は収入として見込めるであろうと、そういうことで改正前の見込額を立てたわけでございます。改正前の見込額の場合の素材引取石数は一億一千百六十一万九千石でございます。この全体として捕捉率が七五%、石当り価格を平均しまして七百五十円の見込みでございます。昨年当初は六百円と見込んでおりました。私たちが市町村に示しております石当り価格を加重平均いたしますと九百八十三円であります。九百八十三円になるにかかわりませず、市町村の実際の課税をやっているところを見ますと、平均しますと六割くらいにすぎなかった。そういうようなところから、六百円という価格を収入見込みの場合に用いざるを得なかったわけでございまして、適正課税をねらいまして、この額を逐次市町村においても上げてもらって参ったわけでございます。同時に、昨年は税率も引き下げたわけでございますが、そういう努力を繰り返しながら、市町村間の負担の均衡化をはかってきて参っておるわけでございます。七百五十円と見まして、徴収率を八〇%と見て、滞納繰り越し分は二億四千八百万円と見込んでおります。改正前におきましては、こういう計算が四ヵ月分ございます。七月から改正税率が施行になりますので、七月以後にかかります八ヵ月分につきましては、先ほどちょっと申し上げましたように一億一千百六十一万九千石を三つに振り分けをしております。国有林村のうちで直営生産いたします部分が千九百七十八万六千石でございます。千九百七十八万六千石は、これは営林署が全面的に特別徴収をやってくれるわけでございますので、捕捉率も徴収率も百パーセントと考えられております。ただ、石当りの価格につきましては、九百八十三円という価格を一六・三%平均して上げる、こう考えておるわけでございますので、九百八十三円に一・一六三を乗じたもの、要するに一一六・三%をかけたものを使っておるわけでございます。税率は二%として計算いたします。なお国府林で立木のまま売り払う分が千二百八十三万三千石ございます。この捕捉は、先ほど申し上げましたように九〇%にとどまるだろう、同時に徴収率も九〇%にとどまるだろう、こういう計算をいたしております。民有林材につきましては七千九百万石、この捕捉は、ことしはやはり、なお七五%しかできないだろう、徴収率はやはり八〇%にとどまるだろう、この部分が来年度になりますと、なお若干よくなって、捕捉率は八五%、徴収率も八五%を期待をいたしまして、現在と変らないものを平年度においては期待できる。こういう計算をいたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/22
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023・鈴木壽
○鈴木壽君 そうしますと、ただいま、いただいたこの資料の中の木引についての資料は、これはだめですね。ことしの、三十三年度の「地方税及び地方譲与税収入見込説明」というこれは、全面的に変えなければいけませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/23
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024・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) この資料は、結論的なところだけ書いておりますので、その過程をお出ししておりませんので、疑問が生じたのではないかと思います。従いまして、その過程の数字も全部印刷にしてお配りを申し上げたい。かように存じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/24
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025・鈴木壽
○鈴木壽君 というのは、これはおかしいのじゃないですか。三十一ページを見ますと、これは結論を伴いたというのだが、過程のことは今お話を聞きました。さらにあとで詳細プリントしたもので承わりたいと思うのですが、こういう計算が成り立ちますかね。八行目の調定見込額、(イ)に百分の四をかけるというようなこと、これはいつの率なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/25
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026・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) これは、先ほど私が申し上げましたように、本年度四ヵ月分は四%の税率で課税されるわけでございますので、四%の税率がかかっておるわけでございます。今御指摘になっております三十一ページの数字は、これは改正なかりせば、要するに改正前の税法における収入見込額でございまして、そのあとの方に改正後の数字があがっているわけでございます。それが結論しか書いてないということを申し上げたわけでありまして、三十七ページの一番最後でございます。非常に結論的なところだけしか書いてございませんので、そういう御疑問が生じたのではないかと思っております。三十一ページは、現行法に基く収入見込額でございまして、私が申し上げたのは、ことしの四ヵ月分の計算方式を年間に伸ばしただけのことでございまして、そこは若干私は詳しく出し上げたのでありますが、そのことが三十一ページのところに出ておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/26
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027・鈴木壽
○鈴木壽君 そこで、そこに現年度分とあるから、私も見違えないように読んでおったつもりです。ただ、最後の合計のところにいって、「を昭和三十三年度収入見込額とした。」、こうありますから、一体、変っておりながら、変ったところが全然ここに載っていないでしょう。そこで私、こういう書き方が一体どういうことなのかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/27
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028・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 資料の作り力においてあるいは不備な点があったかもしれませんが、目次のところに「現行法」というところでもずっと書いておりまして、それからページをあらためまして、「改正法」の部分が、三十四ページから改正法になるわけであります。現行法の説明をずっとそこまでやっておるわけであります、三十三ページまで。三十四ぺ-ジから改正法の説明をやっておるわけでございます。少し見にくいかと思いますが、そういう趣旨でございますので、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/28
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029・鈴木壽
○鈴木壽君 私は、現行の分を、そのまま結論にした、ここの書き方なものですから、実はやはり書き改めなければいけないんじゃないかと、こういうことなんです。(C)合計を、数字を書いて、「昭和三十三年度収入見込額とした。」と、こういうことですから、これは説明には少しおかしいのじゃないかと、まあそこはそこでいいのですが、そうしますと、もう少し具体的に、数字にわたって恐縮でございますが、ことしの生産石数を一億一千百六十一万九千石と、これの捕捉率も、全体としては七五%ですね、見込むと。そして七百五十円をかけますと、そしてこれは、徴収率の低い場合を八〇%としますと、二十五億何がしかになるわけですが、そういうことになりますね。これは、あとでさらに資料をもらってから、もう一度検討してみたいと思います。私は、こういう今回の措置は、非常に地力の貧弱な町村に対して大きな打撃を与えると思うのですが、その急激な変化を与えないために、やはり激変緩和のために、特別交付税で穴をみてやると、こういう、いわゆる自治庁覚書なるものを出されたようでございますが、この点について少しお聞きしたいと思いますが、徴収率あるいは捕捉率は、依然として大した……、あなたは、この率が引き上ることは期待しておらないようでございますね。昨年とほとんど変っていません。これは九〇%とか九五%というのであればいいわけですが、全体としてはきわめて、私は税としては八〇%とか八五%とかいうのは、これは低い徴収率であり、課税の率だと思うのですが、その点まず一つ、課税の適正化をはかっていくと覚書にあるが、適正化の内容……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/29
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030・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 木材引取税の課税の適正化の問題といたしましては、一つは、素材の評価をどうするかという点がございます。それとあと、御指摘になっております捕捉率、徴収率の問題がございます。昨年は、自治庁から示しております基礎価格が加重平均で九百八十三円であるのに、平均いたしますと、そこまでたかなかきていない、六百円ぐらいにとどまっておったわけでありまして、だんだんそれが引き上げられてくる、引き上げられてくるものですから、木材引取税廃止運動に拍車をかけるというような、いたちごっこのようなことがあったと思うのです。当初見込額としましては七百五十円と、こう見込んでおるわけでございます。しかし改正法は税率を思い切って下げますかわりに、関係方面の協力も得、ほんとうの適正化ができるだろうということで九百八十三円に、さらに一六・三%の引き上げまで見込んでおるわけでございます。なお捕捉率の方は、改正前におきましては七五%、それが改正後は、本年度においては、先ほど申しましたように、三つに分けますと、一〇〇%、九〇%、七五%、それが平年度は一〇〇%、九〇%、八五%と、こういうふうに上っていくだろう、徴収率につきましても同じような上り方が出てくるだろう、こういうふうに考えておるわけでありまして、昨年から考えていきますと、かなりそういう点について一段の向上を期待しながら、制度改正、あるいは市町村の指導をやっていきたい、かような考え方を持っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/30
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031・鈴木壽
○鈴木壽君 これは三十三年度限りの措置なんですか、特交で見るというのは、この点どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/31
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032・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 三十三年度の措置におきましては、現実の収入額の減少分の百パーセントを特別交付税で補てんしたい、しかし激変緩和というものは、一年度限りでやめられるような程度ではないと思いますので、三年程度は逐次逓減しながらめんどうを見ていかなければならないだろうと、こういう考え方をいたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/32
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033・鈴木壽
○鈴木壽君 いわゆる自治庁覚書の中のこの税にかかわる「基準財政収入額を基礎として算定した税収見込額が前年度の木材引取税の収入済額に満たない市町村に対して当該満たない額を特別交付税として当該市町村に交付する。」、この点をもう少し具体的に一つおっしゃっていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/33
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034・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 市町村におきましては、標準税率超過課税をやっている団体がございます。三十三年度税率が引き下げられましても、やはり標準税率と標準税率超過課税によりまして、なおそれ以上に課税できる見込があるわけでございます。従いまして、三十二年度において、標準税率は四%でありましたが、五%の超過課税をやっておった、そういう場合には、その実績に五分の四倍したい、そのかわり三十三年度の収入見込額は、標準税率で算定をしていきたい、そうして差額を特別交付税として交付するようにしたい、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/34
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035・鈴木壽
○鈴木壽君 これは「三十三年度に於て同年度分の」云々とありますから、この点三十三年度というものと今の御説明とのかかわり合いはどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/35
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036・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 三十三年度において、三十三年度分の標準税収入額ですね、これと前年度ですから三十二年度の実績とを比較したい、こういうことでございます。その場合に三十二年度の実績は、超過課税をやっておった団体がある。その団体はやはり三十三年度において超過課税をやるかもしれない。そうすると交付税で見込む収入以上の収入が得られるわけだから、従ってまた、三十二年度の実績分について、超過課税をやっているなら、標準税率であったならば、課税をしたその額を差し引き、計算の基礎に使いたい、そのためには、三十二年度の実績に対しまして、五%分の四%をかければよろしいのじゃないか。それと三十三年度の場合の標準税収入と比較すればよろしいと、こういう考え方を持っているわけであります。三十三年度を三%の税で計算いたしませんで、三十三年度分を二%で、これは見込みでございますから計算をしておく、三十二年度に対応する分は、やはり標準税率に置き直さぬと不つり合いになるわけでございますので、その分はそういう意味で五分の四倍をした方がよかろう、こういう考え方を持っているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/36
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037・鈴木壽
○鈴木壽君 これは三十三年度において、基準財政収入額を見る場合には二%前後で見るというのですね。そうした場合に、今の制限率の問題もございますけれども、三十二年度において見る額との差額があった場合に、五分の四をかけるということもありますがね、いずれその差額を見る、こういうことなんですね。そういうふうに解釈していいのですか、簡単に言ってですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/37
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038・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/38
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039・鈴木壽
○鈴木壽君 そうして、それは三十三年度だけじゃなしに、今後三年ぐらいは、程度の差こそあるけれども、見てやらなければいけないと、こういうふうなお考えですね。これはもう一度確かめておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/39
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040・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 三十三年度、三十四年度、三十五年度と、三年度ぐらいは考えていかなければならない、かような相談をしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/40
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041・鈴木壽
○鈴木壽君 そこで、一体こういう場合に、激変緩和ということは、これは当然考えられなければならないと、私も実際問題として考えます。それを特交に持ち込むことについて私は多少の疑問がないわけじゃないのです。というのは、昨年も住民税の率の問題にからんで、特交に持ち込まざるを得なかったことがあったと思うのです。ところが昨年、こまかいことまで調べておりませんが、総額において、確かに特交がそれに見合うだけの額が出ているようでありますけれども、果して個々の町村に行った場合に、いわゆる穴というものが埋められているかどうかということを、これは私ちょっと疑問だと思っておるのですが、そこら辺の事情はこれはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/41
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042・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 特別交付税の制度は、やはり制度改正によって、市町村に不測の変化を与えた場合にその穴埋めをしていく、私はこれは特別交付税本来の機能の一つだと、こう考えておるわけでございます。なお、昨年の市町村民税の改正によりまして、第二方式をとっておったところで、法律の精神に即していけば相当な減収を生ずる、そういう団体に対しまして、総額で二十一億円くらいじゃなかったかと思いますが、それぞれの市町村に一定の客観的な基準で特別交付税が交付されたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/42
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043・鈴木壽
○鈴木壽君 それが今の住民税の場合に、穴の補てんが各町村ごとにあまり苦情のない形で行われたかどうかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/43
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044・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) これは従来、やはり超過課税をかなり激しくしておった団体に対しましては、一律に比較的多く特別交付税が配分される。こういう方式をとったわけでございまして、標準税収入の一・二倍をこえて二倍までの額について百パーセントでありましたか、それをこえる額につきましては一五%であったと思いますが、こういう機械的な方式でそれぞれの市町村に配分をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/44
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045・鈴木壽
○鈴木壽君 私は今の御説明のような配分の仕方をしたために、市町村においては、当初特交で見てくれるというようなことで期待したような穴埋めが全部に行き渡って行われておらないということを私は聞いておるのです。そうすれば、今回のこの措置によって、木引の問題による穴は特交で埋めてやる、こう言われても、なかなか市町村では安心ができない部面が出てくるのじゃないかと思うのです。今度は、さっき私お聞きしたように、この穴をこれは百パーセント――超過課税をしている場合には百パーセントいかないかもしれないけれども、少くとも正常な課税をしておった場合にはこれは百パーセント穴埋めができるということなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/45
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046・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 市町村民税の改正の結果起ります問題について、ある程度特別交付税を交付する、これは昨年も当委員会で申し上げましたし、また申し上げました通りの措置をとりたわけでございます。その際に、今回の木材引取税の場合のように、個々の団体につきまして差額をそのまま特別交付税として補てんをしていくのだということを申し上げませんでしたし、また市町村民税につきましては、そういう措置をとるべきじゃないと思っております。木材引取税につきましては、先ほど来御指摘になっておりますような特別交付税の配分の仕方をしたい、こう考えておりますので、市町村民税の場合とはおのずから措置も結果も違ってくる、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/46
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047・鈴木壽
○鈴木壽君 あなたは今、不測な事態によって歳入欠陥を生ずるような場合には特交で見るべきが至当だ、こういうふうなことをおっしゃっております。私はその通りだと心います。特交のあれを見ましても、いわゆる特別なる事由として、そういうことの救済ができるようになっておりますから、ただし税の改正に伴う、それが率が引き下げられたために出てくる穴埋めを、いわゆる不測な事態あるいは特別なる事由による特交で見るべきものだ、こういうふうに直ちに特交の精神と結びつけることについて私は疑問があるわけです。昨年のあなた方がおやりになった住民税の場合についても、根本的に私はそういう考えを持っておるのです。むしろこれは特交でなしに、当然税の引き下げによって起るそういうものは、基準財政収入額の見方、その点においてこれは断然取り上げなければいけない問題で、そういう限りにおいて私は、普通交付税の中で考えられるべき性質のものだと思うのですが、この点どうでしょうか。これは特に財政局長の方からもお聞きしたいと思うのですが、まず奥野さんから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/47
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048・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) これは少し性質が違うのではなかろうか、こう思います。交付団体でありますと、基準財政収入額に減収を来たすような措置をとりました場合に、当然財源不足額というものが多くなって参りますので、地方交付税がふえていくわけであります。それに関します限り、何ら改正を加えませんでも、原則的には――七割分であるとか八割分とかいうような問題はございましょうが、地方交付税制度によって補てんされる、こう考えているわけでございます。また、市町村民税の場合には、これは市町村で増税しようと思えば増税はできるというような形でやったわけでございます。が、今回の木材引取税の改正は、これは制限税率も二%引き下げるわけでございますので、従来かなり無理をして税収入を確保しながら仕事をしておった。そうしますと、最小限度の、たとえば財政需要額を地方交付税の制度によって保障されておりましても、それにプラスする財源を東北ないし北海道の一部の町村においては得ておったと思うのでありまして、これは制度改正によって、市町村の力ではどうにもならない財源だけ取り上げられてしまう、こういうことになってしまうわけであります。それに見合った行政も行われているだろうと思いますので、そういう意味では、この際、激変を緩和するための措置はとっていかなければならないのじゃないか、こういうふうに思わけであります。なお、税制改正の場合には、納税者の立場から行われる場合が非常に多いわけでありまして、そういう場合に、地方団体の方にいろいろな影響を与えて参りますので、最小限度の財源をそれぞれの団体に保障していくという地方交付税制度の本質からいいまして、それを特別交付税制度によって経過的に是正をしていく、こういう考え方をとっているわけであります。財源全体としては、御指摘のように他の特別税収入なりあるいは地方交付税の増額によって考えていかなければならない。同時にまた、全体として行政水準を引き上げていくという問題になりますと、基準財政需要額を増大するという問題になってくるだろう、かように心得ているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/48
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049・鈴木壽
○鈴木壽君 どうもあなた方と考え方か違うようで、議論になりそうですが、これは今回の木引税の税率を下げることについて、市町村の側から猛烈な反対といいますか、そういうものがあった。一方業者の方からやいのやいのつつかれて、苦しまぎれに特交に逃れたのじゃないかというふうに端的に私は考えているのですが、私は税の改正の場合に、さっきも言ったように、だからといってすぐ特交に持っていくということは、特交の精神からいえば、あなたは当然だというけれども、私は現在の特交の建前からすれば違うと思うのです。あなた方は法を作って、そうしてまたこれを運用する場合に、いろいろな解釈をしておられるようですが、特交の考え方からすれば違うと思う。あなたが言う不測の事態によって、災害とか何とかそういうことによって起った歳入欠陥ならばいざ知らず、法の改正によってできてくるやつを、そのまますぐ特交に持ち込んで穴埋めをするとか救済をしていくという考え方は、私はおかしいと思う。こう言うとちょっと議論になりますが、その点は重ねてどうでしょうか。財政局の方の特交の担当者からお聞きしましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/49
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050・小林與之次
○政府委員(小林與之次君) 税制改正に伴う跡始末をどうするかという問題で、これは結局、財源全体をどう考えるかという問題と、それから個々の団体に具体的に及ぼす影響をどう考えるかという問題と、二つあるわけです。財源全体の問題になれば、これは全般的の立場でどういう財源を見合いにして減税をやるか、こういう論議で、必要な財源を新たに補てんするという問題もあれば、自然増収その他でカバーするというような、いろいろな考え方があり得るだろうと思うのであります。それとともに、今度は財源的に見て、総体的に一応のめどというか、考え方のもとに減税をやったとして、これは個々の団体に具体的に、どう影響が及ぶかという問題でありまして、これは一般的にいえば、普通交付税というものは、まさしく個々の団体の財政不足を調整する作用でございますから、普通交付税の流れで百パーセント、カバーできる、こういう理屈が実は成り立つわけなんでございます。しかしながら、個々の団体にとっては、それじゃ非常に減収が大きくなる、こういうことは、これは当然あり得るのでございまして、そういう場合には、個々の団体に生ずる激変というものを何か調整しなければ、その当該団体はまことに困る、こういうことがあり得るので、そうした激変を緩和する措置として、まあ特別交付税の制度を活用するということは、私はそれは考えられる措置であろうと思います。税務局長もそういう趣旨で申しておられるのでありまして、そういう場合に、具体的に起った激変はほうっておくわけにはいかぬ。それで、この特別交付税の制度を活用して、激変緩和の措置をとる、こういうことであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/50
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051・鈴木壽
○鈴木壽君 私は、穴をそのままにしておけとかなんとかいうことに立ってものを言っているのじゃなくて、穴の埋め方の、埋める金の出どころを、こういうものに頼ることが果していいかどうかということなんです。これは、あなた方は専門家でございますが、地方交付税のできたところの精神、あるいは特交のそれからして、私は、どうもあなた方の考えは少し便宜主義的だと思うのですよ。何べんも言うように、穴が出たものを、そのまま見過ごしておけというのじゃない。穴の手当は、やはり市町村にとっては大事な問題でございますから、手当は当然しなきゃいかぬ。しかし、たとえば特交の第十五条にあるような精神が、税改正に伴って一律に、あなた方がいわゆる思いやりを出して、町村長と約束したり、安心をさせたりする、そういう格好で特交で見るべきものかどうか、私は、ここに根本的な問題かあると思う。ですから、私、さっき言ったように、昨年の住民税の場合だって、私は実は不思議に思っておった。これは、そういうことはすべきじゃないだろうと思っておった。もし、そういうことが許されるとすれば、今回の自転車荷車税の廃止に伴って大きな穴のあかぬようなところはないわけじゃない。ありますよ。それは、あなた方は、やはり特交で見なきゃいけないということになる、それは一部分であるかしれないけれども、見なきゃいけない、あなた方の論法からすれば。私は、特交というものは、そういう精神でできたものじゃないと思う。それぞれ特殊な事由ということで、いろいろ毎年変るのですけれども、とにかく明らかにされておる。そういうことは、税法の改正によって起る部分的な穴埋めに使えということではないと私は思うのです。やむを得ない措置としてならとにかくも、あなた方が、交付税の精神からして当然だというような説明をされると、私は交付税の論議をしたくなる。ほんとうに小林さんは今、そういうこともあり得るようなことで、私はその通りだろうと思うのですが、奥野さんは、いかにも自信ありげに、そうだと言うのですが、あなただって、今まで財政担当もしておったこともあるのだから、おかしいと思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/51
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052・小林武治
○委員長(小林武治君) 速記をとめて。
午後二時五十三分速記中止
――――・――――
午後三時十二分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/52
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053・小林武治
○委員長(小林武治君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/53
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054・郡祐一
○国務大臣(郡祐一君) 先ほど来いろいろ承わりまする特別交付税に関しまする御意見は、よくわかるのでございます。が、今回の措置によりまして収入に激変を生ずることとなる町村に対しましては、普通交付税だけでは十分に救済することができませんので、その激変を緩和するため、やむを得ず特別交付税により措置することといたしたいのであります。何とぞ御了承をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/54
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055・鈴木壽
○鈴木壽君 その点はそれでよろしゅうございます。
一つ奥野さん、さっきもちょっと申しましたが、北海道の場合ですね。今回どのくらい特交が出るのか、私わかりませんが、北海道の場合、ここ二年、はかり例の風倒木で相当平常な姿とは違った要素でこれが入っているところがあるんじゃないかと思うのです。そこで、この取扱いをどうするかということを、やはり私は一つ考えてもらわないといけないと思うのです。というのは、今まで、たとえば百万円しかそれが入っておらない、風倒木の払い下げでうんと利益したという事例を私知っていますから、そういうところを今度ぐんとあなた方の覚書によってよけい見られるということによって、特交であなた方が予想しておったワクを相当多く食われるのじゃないかと心配するのですよ。ほかの市町村では不十分な姿でがまんせよと言われるのじゃないか。この覚書なり、あなた方がさっきおっしゃったように、正常な姿における穴を埋めると、その通りにいけばいいけれども、たとえば二億なら二億、三億なら三億というワクを定めておいて、その中の配分を考えるとすれば、私が今心配するようなことも出てきやしないかと、こう思うのですが、そこら辺はどういうふうになさるおつもりなんでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/55
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056・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 木材引取税にかかる基準財政収入額を算定して参ります場合には、施業案によって伐採について届出をしたり、許可をしたりいたしまするので、この場合の府県別の石数、これを基礎にいたすわけでございます。その結果は、三十三年度で基準財政収入額を見込まれる場合には風倒木が考慮されていないのに、前年度の実績では風倒木の収入が入っておる。従って、不当に恩恵を受ける市町村が出てくるではないか、こういうことはあり得ると思います。あり得ると思いますが、なお、これはよく財政当局とも打ち合せをいたさなければならぬ点でございますけれども、それはそういう計算でやむを得ないじゃないだろうか、こういう感じを持っておるわけであります。ただ、総額としましては、これも財政当局とこまかい点打ち合せをしていないのでありますが、三億円くらいのものではなかろうか、こう思っておるわけでございまして、この措置によりまして、特別交付税の運用に非常に大きな支障を与えるというような額ではございませんので、別にその点について心配するには当らないじゃないだろうか、こう思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/56
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057・鈴木壽
○鈴木壽君 私お聞きしたかったのは、たとえば、これの救済措置として二億なら二億、三億なら三億というものをワクをきめておいて、中で配分したという場合であれば、私が言ったようなことが起り得る。あなたがおっしゃったように、このままでやれば、また、ちょっと平年度とは起ったような格好だけれども、特別に何もはたで文句をつけたりすることもないから、私はそれはそれでいいと思うのですから、ワクはきめないで、さっきから何べんもおっしゃったような、こういう覚え書の通りに、とにかく歳入欠陥のところは埋めていくと、いういうことでいいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/57
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058・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) そういうように自治庁内部では決定いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/58
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059・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっと参考のために伺うのですが、あとで林野庁の方と一つ打ち合せて、北海道における風倒木の払い下げの状況、三十一年度、二年度で大体終っていると思うのですが、そこの状況を一つ各市町村ごとに、石数、金高、それによって生ずる今までの木引の税額ですね、そういうものを、あとでけっこうでございますから、お調べ願いたいと思います。一応この問題についてはこれで打ち切っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/59
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060・小林武治
○委員長(小林武治君) 両案に対する質疑はさらに続行するこことし、本日は、この程度にいたします。これにて散会いたします。
午後三時十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X02119580328/60
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