1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年四月十八日(金曜日)
午後一時十八分開会
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委員の異動
本日委員木村篤太郎君辞任につき、そ
の補欠として佐野廣君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 小林 武治君
理事
大沢 雄一君
小柳 牧衞君
加瀬 完君
鈴木 壽君
委員
伊能 芳雄君
佐野 廣君
西郷吉之助君
館 哲二君
本多 市郎君
久保 等君
中田 吉雄君
成瀬 幡治君
松澤 兼人君
白木義一郎君
国務大臣
国 務 大 臣 郡 祐一君
政府委員
警察庁刑事局長 中川 董治君
自治庁選挙局長 兼子 秀夫君
事務局側
常任委員会専門
員 福永與一郎君
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本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
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001・小林武治
○委員長(小林武治君) これより委員会を開きます。まず、委員の異動を申し上げます。本日、木村篤太郎君が辞任され、佐町廣君が後任として再び委員となりました。
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002・小林武治
○委員長(小林武治君) これより議事に入ります。
内閣提出、衆議院送付の公職選挙法の一部を改正する法律案を議題に供します。
昨日に引き続き、質疑を行います。質疑のおありの方は、御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/2
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003・成瀬幡治
○成瀬幡治君 具体的な例は別として、当選をした場合に、たとえばこの前、楠見さんの問題にからんでああいう、佐野市ですか、佐野市の選管の手落ちに基いて、本人が被害をこうむったといえば私は被害をこうむったといえる、あるいは投票用紙が事前に渡って、そうしてそのことが問題になって、選挙をやり直したというようなことが起きたと思うのですが、そういうことに対して、何かその賠償と申しますか、本人にとっては非常に不利なことなんです。で、いわゆる選挙管理委員の手落ちに基く損害と、もう一つは、保管をしておくべき投票用紙の金庫の不備と申しますが、そういう器物が不備のために紛失したと申しますか、何かそういうような若干いわば不可抗力的なことによっての問題と、私は二つあると思う。そうした場合に、当選者がそれがために、もう一ぺん再選挙するという場合、前のときは当選したのだけれども、次に選挙をし直したら当選しなかったというような不利益が出てくると思うのですが、そういう場合に、今の法律案によって、何かそういうことで迷惑を受けた人が賠償を起すことができるのか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/3
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004・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 選挙管理の上におきまして、過失または故意によって立候補者が損害をこうむった場合に、国家または地方公共団体が賠償の責任があるかどうかという問題でございますが、それにつきましては、国家賠償法に国家の責任については規定があるわけでございますが、私どもは国家賠償法の規定は、第一条「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、」と、こういう規定になっておりまして、公権力の行使かどうかということがまず第一点に問題であろうと思います。それから、その公務員が職務を行うについて「故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたとき」と、こういう規定になっておりまして、故意または過失ということはあり得るわけでございますが、公権力の行使に選挙の管理が該当するかどうかという点につきまして私どもは、選挙のたとえ過失がありましても、これは該当しないと、こういう見解をとっております。現在、佐野市の一部無効事件につきましては、関係者の方から、国を被告として訴訟が提起されて、現在係属中でございますが、私どもはそういう見解をとっておりましてこれは法務省が被告になっておりまして、現在訴訟を係属中でございます。その判決の結果を待たなければわからぬわけでございますが、現在のところはそういう見解であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/4
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005・成瀬幡治
○成瀬幡治君 そうすると、何にもないということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/5
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006・郡祐一
○国務大臣(郡祐一君) これは理屈を申しますと、ともかく初めの選挙が間違っておった状態だから再選挙をする、そうした場合に、一体その賠償のようなことが両立するかどうかというような考え方がありまするし、それから一体公けの主体がいたしますることに、そういう賠償という理論が組み合わされるかどうかという問題が、行政仏学上の問題が私はあろうと思います。しかしこの場合に、実際の何と申しまするか、国民の考え方、われわれの通常の考え方というものに、何かそうしたときに全部それを物質的な——精神的なものを補償するというのでありませんでも、何かそこに考えるということができるのじゃないだろうかという問題が一つあると思います。それからもう一つは、いろいろ選挙管理委員会に……、これは違うことでありまするが、選挙管理委員会に公営をさせる、そうすると人間のやることですからどうしても間違いがあり得る。そのあり得たときに、一体どの程度のものが選挙の公正を害するものとして再選中その他をせにゃならぬものか、あるいは選挙管理委員会の責めに帰せられるべきものであろうか、確かに形の上の間違いはあった。しかしそうしたものについてどこまで……、選挙というような非常に重い、ことに緊張してやっておっても出てくる結果では、これは選挙管理委員会のために、ある程度寛大な見方をするということが法律の上にも現われていいのじゃないか、佐野の問題などを通しまして私は現にそういう考えを持っております。御指摘の点は、これは国のいたしまする、国と申しまするか、公けの権力を持っておりますもののいたしますることについての、全体に通じた一つの根本的な問題だと思います。考えにゃならぬ問題だと思っております。今の選挙法はともかくといたしまして、考えにゃならぬ問題があるのだ、そういう点にお触れになったことでありますから、十分一つ、これはひとり選挙だけのことじゃございません。問題が大きくなるのでございますが、考えなきゃならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/6
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007・成瀬幡治
○成瀬幡治君 国家賠償法にからんで公権力の行使か、行使じゃないかという点も、私はここで議論しても、と思いますが、それはそれとして、問題は、その悪意をもって投票用紙を紛失されやすいようなところに置いて、そうして選挙を行われる。そうしてそれか事後になって、当然そういうことですから漏れてきて、そうして無効、再選挙だというようなことについて、被害者は選挙民であり候補者だと思うのです。そういうことに対して何ら賠償的なことがこの法規の上にないということはおかしいのですが、そういう問題については、たとえば他の刑法等で、あるいは民法等でやっていけるのか。今お聞きしておると、選挙法にももちろんないけれども、刑法、民法、その他にも一つもないようなふうに受け取れるわけですが、そうなっているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/7
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008・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 選挙管理の係員が故意に選挙の事務を違法に執行させるという原因を作ったような場合のお話でございますが、そのような場合には、これは公職選挙法にそれぞれ罰則の規定がございまして、選挙を適正に管理できるような建前に法制がなっておるわけでございます。そういう場合にはそれぞれの罰則の規定、もしそれに該当しない場合には、刑法の罰則によって公正に行われることを担保いたしておるわけでございましてそれによって損害をこうむった候補者が、国を相手にして訴訟できるかどうかということは、面接には国家賠償法の問題に該当するかどうか、いま一つは、民法の問題になると思うのでございますが、国家賠償法の方は、先ほど申し上げましたように、私どもの見解は、選挙の管理専務は公権力の行使ではないという見解をとっておりますことが一つと、いま一つは、その損害が相当因果関係を持っておるかどうかということが要点になろうと思うのでございます。先ほどお話がございましたように、初めの選挙では当選したけれども、再選挙の場合に落選した、それは損害だと、このようなお話がございましたが、これは当然選挙がありました場合に、何らかの原因によって再選挙を執行する必要が起るといいます場合には、選挙の結果が初めのものと変ってくるということは当然でありまして、次の再選挙の結果が選挙の正しい姿である、こういう法の建前になっておるものでございますから、それは損害とは考えられない、私どもそのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/8
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009・成瀬幡治
○成瀬幡治君 私も、よく刑法、民法を知っておるわけじゃないのです、勉強もしておるわけじゃございませんが、少くとも、まあ故意ということは別として、選挙の建物と申しますか、器物と申しますか、保管するそういう器具等が不備のために候補者に及ぼした被害というものについては、何らかの形で補償されるのが妥当じゃないかと思う。今、故意あるいは過失の場合は別途法律であると、こうおっしゃるが、それはそれとして、私はあるとおっしゃるから、刑法の問題で、あるいは選挙法の中に故意でやった場合はあるとおっしゃった。ところが、そうではなくていわゆる造営物の不備のために無過失過失というのですか、そういう形で及ぼしたものに対しても何らかの形で賠償と申しますか、損害補償というものは当然考えていいのじゃないか、こういうように考えておるのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/9
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010・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 故意または過失の場合におきましても、これは刑法等によって制度が適正に行われることを担保しておるということでわれわれは足りるのではないかという考え方をとっております。国家賠償法の規定の適用はないのではないか、これは裁判の結果を見なければわかりませんが、私どもはそういう見解を持っております。従いまして、ただいまのお話しの、設備が不完全であるということによって、それが原因となって故意でもなし、過失でもないという事例をおあげになったのでございますが、そういう場合にも同様に、私どもは選挙管理の面から国が賠償責任を要するというようには考えておらないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/10
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011・成瀬幡治
○成瀬幡治君 長官の方は、そういうことについて一つ考えてみようじゃないかと。私はあなたの事務当局としては、こういう問題について相当議論されておると思うのです。その議論された結末として、やはりこういう無過失過失についても賠償には応じない方が諸般の情勢上いいと、こういう大体結論が出ておるわけですが、その結論が出ているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/11
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012・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 現に佐野市の事件が起っておりまして、国家賠償法の解釈の問題として、私ども研究をいたしておるのでございますが、ただいまお話しのありましたような設備の不完全のための事例というような場合にどうすべきかというむずかしい点につきましても、まだ議論をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/12
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013・成瀬幡治
○成瀬幡治君 故意または過失の場合に、国家権力の行使であるかどうかという問題については、今法務省で扱われておる、だからこの結論を待つ、これは当然であります。しかし一つ無過失過失における損害問題も私はあると思います。こういう問題についてもどこかで口をあけておくのが私は妥当な取扱いじゃないか。あるいはそういうことについても研究しないというのは、事務当局として私は答弁は間違いであって、おそらく議論をされ尽されて、こういうことはあまり適当じゃないという結論になっておるのじゃないかと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/13
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014・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 非常にむずかしい問題でございますが、設備が不完全の所に投票用紙等を収納して、それが事故の原因になったという場合には、責任を追及していきますと、これは法律上故意でなければ過失の問題が起るのじゃないか。そうでなければ過失でない、無過失で責任があるかどうかという議論が起り得ないのではないか、このように考えておりますが、私ども選挙管理を統括いたします立場におきますと、選挙管理機関のあやまちによって、これは誠心誠意やりましても過失がないとは言えないのでございまして、そのような場合に一々賠償責任が生ずるということは、選挙管理の立場にある者としては非常に不安でございますので、そういう面からも、私ども結論というわけではございませんが、そのような考え方をとっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/14
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015・成瀬幡治
○成瀬幡治君 私は無過失過失というものをずっと追及していけば過失になるのじゃないか、こういうお考えのようですが、それは少しあなたの方の結論が誤まっておって、設備であるとか、いろんな問題については私は万やむを得ない状態にあると思う。そういう点も具体的にどうこうということはさておきまして、一つこの問題についても十分御研究を願って、私は損害補償をやるべきだとも申しませんけれども、一つ十分考えていただいて、少くとも一度当選した者が過失に基いて再選挙をやり直して、しかもまた、それがひっくり返るというのでは、それは本人の身にとってみれば耐えられない問題だと思うのです。ですから、そういうことのないように十分留意をしておやりになるのが事の当然であると思うのですが、なおそれに基いても不利益なことが起きたということについてはどうするかということについて、十分御研究を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/15
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016・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 十分研究いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/16
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017・成瀬幡治
○成瀬幡治君 次に、この小選挙区制の問題、昨日総理との間に議論があったようでございますが、大臣にお尋ねしたいと思いますが、一体、選挙区というのは一つの土俵であって、このルールを少しからだが大きくなったから相撲の土俵を大きくしようじゃないか、縮めようじゃないかといって、その時その時に変えるということが一番のもとだと思う。だからそういうことを勝手に作り直していくということは、軽々にすべきでないという考え方を持っておるのですが、どんなふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/17
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018・郡祐一
○国務大臣(郡祐一君) 私も軽々にすべきものでないと思います。非常に基本的な問題だと思います。一体これからの選挙というものが、健全な発達をしていくかどうかということの基本に関する問題でありまするから、ごく慎重に扱いたいと思います。以上がお尋ねに対するお答えとお受け取り願います。
以下は一つ私見を申し述べさしていただきます。さて、現在、日本の衆議院で行われております中選挙区という問題、これは一体どういう特徴を持っておるものであろうか。中選挙区にいたしましたときは、こう言うております。この中選挙区は大選挙区の特徴と小選挙区の特徴とを合せ実現しようとするのであるということを提案理由に言うております。一体、中選挙区で大選挙区の特徴と小選挙区の特徴と両方がうまくかみ合わすことができるものであるかどうであろうか。申すまでもなく、小選挙区の特徴というものは多数代表であります。多数を持っておるものが、場合によっては、そういうことは事実上ございませんけれども、全部の議席を持つことがあり得る。そういたしますと、事柄のよしあしは別といたしまして、政局も安定をいたします。その小選挙区の特徴と、今度は大選挙区というものは、少数代表と申しますか、そこで非常に多くの候補者を一選挙区から出しますと、いろいろな系統を集めることができる。大政党ももちろん出て参りますが、小政党も出て参ります。あるいは無所属の者も、純粋な無所属の者が、人格がすぐれておるというようなことで出て参る。そういう特徴も出て参る。しかし、一体、中選挙区ということで両方の特徴を兼ね備えることができるか。これになりますと非常に疑問であります。ただ、私はこういうことは言えると思います。歴史的に見まして、沿革的に見まして、選挙というものは、私はいつもこう考えております。民度の進み方と一緒に選挙法というものは進んでいっておる。従ってある時期の民度ということで、なるほど中選挙区というものが考えられるかもしれない。しかしながら、理論的には中選挙区というのは全く説明のしようがない。だから外国の政治学者なんというものは日本式選挙区と言っておる。説明のしようがないから、日本にだけある選挙区だから日本式選挙区と言っておる。一体どこでも選挙区というものはどういうものかというと、小選挙区か、しからずんば大選挙区であります。比例代表か、あるいは多数代表に徹するか、少数代表に徹するか。すぐれた識見を持った者が多く出てきた方がいいという国情にあるか、あるいは多数党ができて、そうして政局が安定する方がいいという国情にあるか、これは多数代表で政局が安定しまして、その政局を担当しました内閣というものが失敗すると、国民はこれに対してあいそをつかす、その次には少数党が多数を得ます。そうして政権の転換というものが行われる。しかしながら、ある安定したところで自党の政策が行える。こういうのが、まあそのほかにも申せばまだいろいろの点をあげなければなりません、この選挙区の問題では……。しかしながら、ごく大づかみに申せば、多数代表に徹するか、少数代表に徹するか——まあ多数代表という言葉は説明するまでもありませんが、その多数代表の場合には、極端に申せば五一%まで持ったものが全部を取り得るかもしれない。そうすると少数代表の徹底した大選挙区、比例代表でいきます場合には、これは非常に——これも理想的に言えば均衡した形に持ち得る。そうしてこれも政党の発達と民度の発達とが関係いたすことであって、日本がもし二大政党として相当発達してきているなら、ここでどちらかに徹した選挙区というものをとらなければいかぬのじゃないか。しかしながら、これは少数に分れます比例代表をとるということは、これは何といっても無理でございます。
そういたしますると、世界の選挙区の形としては、私は小選挙区をとるべきときにきているのではないか。いつまでも日本式選挙区ということで説明もつけがたいものだということ、ただ、これが慣熟した、長年やっておったというだけのことで、維持することが可能であろうかどうであろうか、こういうことを私は考えております。しかし一口に申せば、一体、日本の政党の発達の段階がどうか、二大政党以外の政党を否認するのがいいのかどうか。否認とは申せませんが、事実上そうした結果になることがいいのかどうか。また、民度は一体どういうところにあるのであろうか、そういう点は十分御趣旨の通りとくと考えなければならぬ問題であると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/18
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019・成瀬幡治
○成瀬幡治君 まあ私見のことについて私はとやかく言えば議論があるわけでありますが、それはそれとして、まあ小選挙区を主張する大きな理由として、私は三大政党なんというようなことをよく聞くわけなんですが、二大政党ということに、選挙区を小選挙区にしぼって、二大政党にしてしまおうという考え方も私は間違っているのではないか。
それからもう一つは、二大政党だから小選挙区の方がいいという、二大政党というものが絶対だということは、私は言えぬと思う。自民党がいつまた二つになるかもわからぬと思う。だからこういう二大政党だから小選挙区がいいという議論も、私は少しおかしいのではないかと思う。三大政党というものが絶対だということを言うことができなくて、いつ二大政党ではなくて、三つになり、あるいは四つになるかもわからないと思うのですから、そう早く私見として小選挙区が絶対いいというような結論を出されるということはいかぬのではないか。戦後まあ十三年をたって、選挙区もちょいちょい変った。そう変ってくるということはおかしいので、私は十年とかあるいは二十年とか、あるいは三十年、五十年というような長い歴史の上に立って考えるべきである。そうすれば、おのずから長所も出てくるのではないかと、こう考えますので、十分そこのところをお考え願いたい。
まああなたがおっしゃるように少数代表、少数意見というものを、極端に言えばあなたのおっしゃるように五一%、あとの四九%というものが全然出てこぬじゃないか。むろん多数政党がそういう内閣で失敗すれば、次にかわっていいじゃないかということになるかもしれませんが、そうではなくて、やはり政治の妙味というものは、一色に塗りつぶさずに、国会を通して少数は少数としての意見を述べて、そこで切磋琢磨していくところに私は政党の進歩があり、政治の発展があると思うのであります。そこのところも一つ十分とくとお考えを願いたいと思いまする。
私は何かきのうの総理大臣の意見を、解釈を聞いておりますと、党内派閥があって、派閥解消のためにもこういうことが必要だというようなことでは、これはもってのほかだと思う自分勝手の都合によって選挙区を変えていくというようなことは、まことにそれはおかしな意見だと思う。(「総理はそんなことは言ってない」と呼ぶ者あり)そういうことではなくて、今、大臣が御答弁になったように、そう簡単にルールを、土俵を変えずにやっていく、こういうことでお願いしたいと思っておる。これはまあ一つの要望であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/19
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020・郡祐一
○国務大臣(郡祐一君) ちょっとこれは私見に足して述べさせていただきますが、それで結局私はこう思うのですよ。現在のやはり中選挙区でいきますと、同じ政党から出ておりながら、おれは乙という候補者とは違った考え方を持っておるぞというようなことがある。同じ自民党でありながら、同じ社会党でありながら、幾らかずつ自分の違った立場を強調しなければならないのが今の選挙なんです。だから、小選挙区でほんとうに徹底いたします場合には、一つの政党の者は同じ考え。今は何とか同じ政党に属していながら、少しずつ違ったことを表わさないと選挙演説にならない。これは一体それでいいかどうかなという私は疑問が起ってくるのであります。しかし、小選挙底が今の民度に合っているかどうか、また上院と下院というもので、片一方では徹底した多数代表で、片一方では違った形をとった方がいいのじゃなかろうかという組み合せの問題もありますが、そういう工合で、御趣旨のように十分研究いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/20
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021・成瀬幡治
○成瀬幡治君 特に衆議院の小選挙区にからんで、そうして参議院の方の全国区を廃止して何かにやろうというようなお考えがあったのでは、私は二院制度というものがおかしくなってくるのではないか。参議院の廃止の意見を聞いてみますと、組織のない者はどうも当選が困難であるから、組織のある人が有利であるから、こういうものはけしからぬ、こういうような、ざっくばらんに言って御意見だと思うのです。そうじゃなくて、やはり全国的に票を取らなくても、一県で多数の票を取って、そうして全国区で当選されることがあると思う。だから、その人のやはりいろいろな持っておいでになる持ち味によって、全国区は必ずしも組織オンリーとは考えられないと思うのです。ですから、衆議院も小選挙区にしたから、参議院の選挙区も変えなければならないという何か相対的なものに考えて……。参議院の全国区というようなものなどについても、一つ二院制度という点に主点を置いて、私は選挙区というものを考えてもらわなければならない。ただ単にどちらにやったらどこの方の当選に都合がよいとか、不利だとかいうことでなくてこれもまだ戦後十二、三年、選挙でいえば三べんか四へんしかやっていない。これが二十年とか三十年やっているなら、そのよさ、それに対する運営の仕方というものが、やはり国民的な世論としていろいろな意見が出て参ってくると思います。そのときにやったっておそくないじやないか。それを一つ衆議院の小選挙区をやるから、あわせて参議院の全国区もやるというような考え方は、少しあせり過ぎているのじゃないか。もり少し土俵は改正せずにおいて、それに合うような一つ相撲を取ってみたらとうたというふうに持っていくべきでもって、今の制度というものをもう少し助長するような政策といいますか、選挙の指導というものをとるべきであって、何か政党が自分に都合のよいもので旗を振っていくというのは私は間違いであると、私はこういうふうに思っておりますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/21
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022・郡祐一
○国務大臣(郡祐一君) 私もおっしゃることの点について共鳴する部分も多々あります。一体、直接選挙を前提としてお話しになった点でありますが、直接選挙という前提のもとで、二院の特異性を出すことが果してどうしてできるものであろうか、どうであろうか。現在、全国区から出ておいでになっておる方々が、それぞれ組織なりあるいはまた独自の非常な御見識で出ておられることをよく承知をいたします。ただ、初めて参議院の選挙がありましたときに、これは笑い話としてお聞き取り願いたい。私の聞きそこねであるかもしれませんから、これはお許し願いたいのでありますが、今の最高裁の長官田中さんが、おれが出たのは全国的に田中という姓が非常に多いものだから、ひょっとしたらつながりがあるかもしれぬという票がずいぶん多いようだよという話でありまして、これは全国区というものは、当時ことに交通が極端に不便な時代で、あの全国区をやりましたときに、お互いに無理庁というような感じを持ったのでありますが、そのときから今日になりますと、だいぶ変ってはきております。従いまして、ことにイギリスのような長いこと、ある選挙区にはほとんど有権者がいなくなってもその組織制度は変えないような国、ああいうようなところで、非常に二百年かかって理想的な形になったということを考えますと、おっしゃるように、現在の制度というものの特徴というものを、できるだけ好意をもって見るという考え方は、私はいいと思います。それと政党の発達というものを相関連させて考えるという点は、私はおっしゃる通りに考えていっていいと思います。しかしながら、日本の政治のこれからの発展、急速にもっと発展して、安定したものにしなければいかぬときに、一方では慎重な態度をとりますが、ある場合には勇断をもって事に当る必要のあるような政治の段階ではなかろうか、こう思いまするけれども、抽象的な考え方としては、私は、おっしゃることに多く反対するところを持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/22
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023・成瀬幡治
○成瀬幡治君 日本で政党ができたというのは、やはり、まあ戦前にもあったのじゃないかといわれれば、それまでかもしれませんが、私は、やはり新憲法以降、政党というものは生まれておるんじゃないか、今、新しい意味における政党というものは。しかも、自由民主党も一年前くらいに一緒になった。産声を上げられて、まだ自由民主党としては選挙の洗礼も、私は衆議院としては受けておいでにならない段階である。そういうようなときに、いろいろな不満はあるけれども、二大政党になってしまった、だから一つ小選挙区に持っていこうというのじゃなくて、いま少し政党の発展と申しますか、政党が今後どうなっていくかということを見きわめて、一つ今後この問題も十分考えるとともに、参議院の全国区については、あの当時あなたがおそらく選挙管理、何といいますか、全国の事務局長というのですか、何かをやってお作りになった、私は一つの新しい制度だと思います。あなたでいえば、生みの親にも当る人が、もうちょっと二、三べん選挙をやって、そのまま変えてしまうというような朝令暮改のようなことをせずに、もう少し生みの親としては、あるいは名づけの親としては、行く行くまでも見ていくというような、育てていくというような態度で接してもらいたい。特にあの当時、戦後とは非常に違ってきて、交通通信というものは非常に発達してきていると思うのです。あるいは新聞等の活躍、あるいはラジオ等の戦後の発達というものは目ざましいものがあると思うのです。だから、そういうような社会の移り変りとをにらみ合せつつあるといえば、それまでだと思いますが、私はいい方向にきている、むしろ全国区をやるのに、これが逆な方向ではないと思うのです。ですから、そういうような点については十分考えていただいて、何かこの前言ったように、小選挙区を出したのだから、どうも、もうへっこみがつかない、しかも答申案にも言うように、審議会の答申を得るために、相談をしてからやらなきゃならぬというようなことで、一つ事を片づけ仕事にせずに、一つは、日本の民主主義を守っていく、もう一つは、政党が正しく発展をする、そういうことに、政党政治が発展をしていくようなことに主点を置いて、一つ十分この選挙区の問題を考えていただきたい。この問題には、まだ各委員からも御質問があろうかと思いますから、私は以上で、次に公営の問題についてお尋ねしたいと思うのですが、一体、公営を推し広げようとしておるのか、そうではなくて、何か今度の提案されたものを見ると、縮めていくような気がするのですが、どちらの方に方針があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/23
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024・郡祐一
○国務大臣(郡祐一君) 私は、公営は推し広げたいと思います。ただ、これも今までの御議論の経過に出ておりまして、もし政党というものが、自分は何党の政策を支持するのだ、何労賃だから当然その政策に従うのだということになりますと、あるいは公営一点ばりでいいのかもしれないのでございます。ところが、今の日本は、御指摘の中にもありましたように、自分は何党に属するが、こういう政策を自分は持っておるのだというのが、かなりそこにニュアンスの違いがございます。そうしますと、現在の段階では、私は公営と個人の選挙活動、これが両方でき得る限り伸ばしていくという、選挙運動方法の両建でございますかね、これが必要なんじゃないか。それから一体、先ほども御指摘がありました佐野の場合に、ちょっとしたはずみで選挙がひっくり返ってしまうというようなことで、一体いいものかどうかというような反省から、公営は、最も候補者なり選挙運動をする者に適切なものを選んで、そうして公けの機関でなければできないものを公営にしていったらよろしい。ですから、たとえば昭和の初めに施設の公営をいたしたようなときに、考え方としては、現在の立会演説会のような考え方もないではなかったのであります。それはなかなかできぬことだ、ところが、しかし、施設の公営なら施設の公営をして、どうぞお使い下さいということで提供するのだから、これは全く候補者の選択を何ら阻害することなしに、この学校へ来て、この場所で演説すればよろしいという公営までなら例外なしにできるのじゃないかということでございます。それが戦後、今日は、ああいう工合に立会演説会をやっても、あれを公営として人が怪しまずに、けっこうだということになって参りました。そうすると私は、公けの−機関がする選挙の公営というものをみなが信用してくれるところにきておると思います。そういたしますと、もっと広くこれから考えますのに、街頭で自由に、これは瞬間をどうしなければいかぬとかということでなしに、そこへ行って自由に演説できるような場所を提供するということを考えていいのじゃないか。そのときに、各候補者に同じく平等に使えて、公平に、雨の日も晴れの日も、非常に公平にというような条件を、言うとむずかしくなります。私は選挙の公営というものはありがたいことで、広げていく、ただし、どういうことが考えられるかということは、十分検討を要する問題だと思います。選挙公営は広げていくような方向でなければ、相なりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/24
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025・成瀬幡治
○成瀬幡治君 公営を推し広めようという御意見のようですが、そうして今、こちらから質問せぬでも、どういう方法で具体的に何をやるかということは、検討しなくちゃならぬ、こうあっさり言ってしまえば、私は、検討するというのじゃなくてなくて、たとえば具体的に言って、何を推し広げていかなければならぬかというような点も、私は十分御検討になっておるはずだと思うのです、ですから、その具体的なことについて承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/25
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026・兼子秀夫
○政府委員(廉子秀夫君) 選挙公営を拡張すべきであるという考え方につきましては、ただいま大臣から御答弁申し上げました通りでございますが、しからば、何を拡張すべきかということになりますと、選挙制度調査会におきましても御研究をわずらわしたのでありますが、なかなか、御承知のごとく日本は世界に一番公営を徹底してやっておりますので、今回、公営を拡張いたしました公営はがき、あるいはポスターの枚数の増加というような点は、これはすでにレールが敷かれておりますから、公営の拡張は可能でございます。が、新しい種類の公営を増加するということになりますと、なかなかむずかしい問題でございまして、直ちに結論か出ないわけでございます。議論かありますのは、テレビの公営をやったらどうかということもあるのでございますが、現在、テレビの普及状況は全国的になっておりませんので、これは公営として取り上げるのはまだ早いのではないかという結論になっておるのでございます。ただいま大臣がお答えになりました施設を提供して、これは各候補者利用の均等というような観念はあまり強く出さず、ただ、便宜供与という観点から公営は考えられるではないかという御答弁がございましたか、そういう点につきましても、今後研究はいたしたいと思いますが、なお、その−利用の仕方いかんによりましては、いろいろ議論が起るものでごさいますから、慎重に検討いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/26
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027・成瀬幡治
○成瀬幡治君 具体案としてまあ、はがき、ポスター、立会演説、それ以外にない。テレビは八十万台くらいですか、そのくらいしかまだ伸びていない。あるいは地域的にも全然伸びていないからだめだ、こうおっしゃると、具体的なものはポスター、はがき、立会演説ということしかないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/27
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028・兼子秀夫
○政府委員(廉子秀夫君) 現行制度では、それ以外にお説のごとく……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/28
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029・成瀬幡治
○成瀬幡治君 あなたの方で考えられておることはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/29
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030・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 新しい種類の公営を考えるということはいろいろ御研究を願っておるのでございますが、そのとき論議に出ましたのはテレビをどうするかということでございまして、新たな種類の公営の方法というものはなかなか知恵がないようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/30
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031・成瀬幡治
○成瀬幡治君 そうすると、まあほかには意見のある方もあると思いますが、それはそれとして、今度の選挙法で立会演説は私は最もいいことだと思うのです。比較する、あるいは政策を比する、あるいは人柄に直接触れる機会というものは立会演説以外にないと思うのです。だから立会演説回数が、この法律が施行されるとどの−くらいふえるとあなたたちはお考えになっておりますか、あるいは何か省令等を出して政令等をお出しになってふやそうと考えておるのか。今までこれだけの回数があったから、二十日に縮めたらこれだけやれるだろうと、そんなことじゃなくて、公営を拡大していくという意味において、立会演説を積極的にふやしていくにはどういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/31
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032・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 立会演説会につきましては、法律の規定に従いまして、できるだけ回数を増加しなければならないということで指導しておるのでございますが、具体的に申しますと、各府県の面積と申しますか、面積と交通の状況によって各府県の事情がまちまちでございます。でございますので、従来のやはり実績というものを基礎にしてそれからふやせるか、ふやせないかということを検討いたすわけでございます。今回は運動期間が短縮になりましても、これは従来立会演説会の開始がおくれておりましたので、これを早めることによりまして、立会演説会は減らさずに、むしろふやす方向に指導いたしたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/32
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033・成瀬幡治
○成瀬幡治君 そうすると、立会演説会は今までだというと、選挙戦に突入して四、五日ひまが、ひまがあったと言っては何ですけれども、やらなかったのですが、今度は選挙戦に突入したその日から立会演説を大体やらせるというふうな方針で、あなたの方は御指導になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/33
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034・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 立会演説会につきましては、立会演説会の開催計画の決定と告示をいたすことになりますので、これを今回の改正で、第百五十五条の第一項の規定でございますが、その計画の決定を告示の日から従来当以内ということを二日以内に改めまして、これを一日繰り上げております。そういたしますと、現実の立会演説会の開始は四日目ぐらいから立会演説会は開始できる。従来は全国的に申しますと、九日目ぐらいから開始をいたしておったのでございますが、今回はそういう点を繰り上げて実施するように指導して参るつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/34
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035・成瀬幡治
○成瀬幡治君 立会演説会は多くやらなければならないという訓示規定のあることはわれわれも承知しておりますが、思い切って、これは一つの私案なんですが、候補者を公営の自動車にでも詰め込んじゃって、朝から晩まで、立会演説会場に回したって私はいいんじゃないか。なるほど各県、その地域地域によって事情があるじゃないかとおっしゃいますけれども、候補者というものは、大体その地域というものを一巡ないし二巡すると思うんです。ですから一巡するような計画に基いて一切候補者というものは、もう選挙戦が始まったら立会演説一本でゆく、そうして事務的には、はがき、ポスターを張ってゆくというふうな思い切ったことをやらないと、何かこう買収、供応とは言いませんけれども、そちらの方にもやはりいろいろとある候補者によっては時間をさいていかなくちゃならないということがあると思うんです。で、そういうことは思わしい方向じゃないと思いますから、一日に四回くらい立会演説をやる。そうすれば地域的に、自動車であれば三十分あれば相当なところまで飛んでいけるわけです。ですから、そういった思い切ったことはやれるものか、やれぬものか、そういう方向は、私は公営としてはむしろいい方向じゃないか、こういうふうに考えておるんですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/35
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036・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 立会演説会を主にいたしまして、他の公営方法も若干は用いますけれども、演説会は立会演説会一木にする、こういう考え方
で昭和、十年に立法されました大改正
の前に、昭和二十九年に例の五党会談
のときにその議論が出たわけでございます。これは五党の方々が御相談になったわけですが、その当時、具体的の人の名前を申しては何でございますが、自民党の方から完全公営論が熱心に主張されまして、社会党の委員の方は完全公営はいかぬ、それだけじゃない、選挙運動の自由を認めろという議論でだいぶ渡り合ったことを、私正式の委員会でなく、五党会談の審議の経過でございますが、そういう記憶がございます。その当時その方は非常に完全公営に熱心で、党内におきましても盛んに主張されたんでありますが、結局、そういう議論はとるべきでないという結論に当時なったんでございます。また選挙管理機関といたしまして、各立候補者を班に分けるにいたしましても、バスにカン詰めにして、次から次へ旅行する、これはやってやれないことはないわけでありますが、なかなかその間にむずかしい問題もあるわけでございまして、そこまでは管理機関としては行くべきではないんじゃないかという考え方を現在とっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/36
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037・成瀬幡治
○成瀬幡治君 立会演説一本がいいか悪いか、私側人的には一つそういう方向に進めた方がむしろいいじゃないかと思っております。これは他の意見もあるかもしれませんけれども、少くとも公営を推し広げるということになれば、私は今考えられておる法規というものは、これは立会演説を強化する、拡充してゆく以外にないと思うんです。ですからそういう御指導を願うとともに、少くとも一日に二回というのは少し回数が少いじゃないか、だから回数を指定するということは、法律の建前からも困難かもしれませんが、およそ最小限三回以上やれというような通達と申しますか、そういう御指導を願うようなわけには、あなたの方としてはやり過ぎになりますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/37
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038・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 立会演説会の計画の決定に当りましては、第百五十五条の三項の規定によりまして、政党の意見を聞いて計画を立てることになっております。一日三回やらなければならぬ、そういうふうに指導しろということは、私は率直に申しまして、指導の行き過ぎではないか、個々の地区によって具体的の事情も違いますし、できるだけ多くやれ、立会演説会が有権者に迎えられておる、利用されておるところは、できるだけ多くやっていけという指導で足りるんじゃないか。それ以上に何回やらなければならぬということは、これはやはり候補者の運動の自由と申しますか、そういう面もチェックするわけでございまして、現在の立会演説の計画につきましても、候補者はからだが縛られて困る、自分はそっちの方へ行きたくはないんだけれども、からだがそっちの方へ行って縛られて困る、こういうような御意見もあるわけでございまして、その辺は各府県の事情が違うのでありますから、統一的な指導はできないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/38
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039・成瀬幡治
○成瀬幡治君 ほかの例は知りませんが、今から七、八年前、名古屋市の市長選挙をやった。そのときに候補者が二人ありまして片一方の方は立会演説を拒否したわけです。そうしますと立会演説というものは流れるというか、むしろ取りやめちゃうのですね、こういうことはいいものか悪いものか、取りやめて、どうも法的にいって、あなたが言うように百五十五条の第三項で多数決で破れれば、おしまいでやれなくなっちゃうものか、もしやれないということになればおかしなことで、そういうふうなことではなくて、片一方は拒否しても、立会演説はやれるような私は法の裏づけが必要じゃないかと、こういうふうに思ったのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/39
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040・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 立会演説は、多数の候補者があります場合に、立会演説会をやるという考え方で制度ができておるのでございまして、候補者が二人の候補者のうち一人がやらない、一人だけで立会演説会やるかということになりますと、一人では立会演説会にならない、こういう考え方をとっておるわけであります。そういう場合には中止する、こういう考え方をとっておるわけであります。お話のような仮定の、五人なり十人なりの候補者のうち、ほかの人がみんなやめてしまって一人になった場合にどうするか、そういう場合はないと思いますけれども、立会演説会は、私どもでるだけおやりなさいというように指導はいたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/40
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041・成瀬幡治
○成瀬幡治君 いや、知事とか市長という首長選挙になってきますと、候補者というものはお互にしぼられて二名ということが多いわけです。そこで、片方はそれをやめる、不利だからやめると簡単に言えば、そうしますと、今聞きますと、それはやむを得ぬから、一人で立会演説はしないのだからないのだと言える。公営だと、片一方はそう言いながら、片一方ではそういうことが中止になることを認めておる。これはむしろそういうことのできないような保障があって、初めて公営であり、また公営を拡充していくという方向にマッチすると思うのです。矛盾していませんか、方向がもしそうだとするならば、改正しなければいかぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/41
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042・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 法の解釈の問題でございますが、私どもは、立会演説会という以上は、やはり二人以上の候補者を予想しての制度ではないかと思います。おっしゃるように首長選挙等で候補者が二人しかいないという場合があるかと思います。そういう場合には、これは個人演説会という方法もあるわけでございますから、そういう方法を整備していくのが至当ではないか、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/42
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043・成瀬幡治
○成瀬幡治君 公営を一つやっていこうとして、その公営では立会演説というものが非常に重要な地位を占めておるわけです。だから法律が、現行法としては、二人の場合に名が拒否すれば、それは会演説にならないのだ、それは法律としてわかりました。しかし、方向はそうじゃなくて、あなたが言われるように、公営というものを一つ拡充していこうじゃないか、こういう方向にあるときに法律がそうなっておったら、私は直す方が妥当ではないか、こう言っておるわけです。現行法がどうこうということじゃない。矛盾があるから、そういう悪い点があったら直していく方が妥当じゃないか、それは今度直らなければ、この次の国会にそれを出してそれを直すとか、いろいろなことがあると思います。どういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/43
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044・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) おっしゃるような事例につきましては、立会演説会の公営として処理をすべきであるか、あるいは個人演説会の公営として処理をすべきであるかという問題があろうかと思いますが、十分御趣旨の点は検討いたします。このように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/44
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045・加瀬完
○加瀬完君 関連して。成瀬さんの質問はそうじゃないと思うのですよ、立会演説を公営の線で進めるということが前提であるならば、今例に出したようなものはどう措置するのが妥当かと、そういう場合、局長のお話だと、個人演説会に切りかえたっていいじゃないかというけれども、公営という建前であくまでも立会演説会というものを進めていくならば、立会演説会を拒否する者に対して何らか方策を立てるとか、またそういう事態に対して、どういう基本的な考え方を持っているのだということをはっきりさせなければおかしいじゃないか、こういうことだと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/45
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046・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 公営の面でなく、立会演説会を拒否する場合にどう処置すべきかというお尋ねでございまするので、その点は今後十分に検討いたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/46
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047・成瀬幡治
○成瀬幡治君 なるほど、演説会は、個人でも立会でも、おそらく公営かもしれないのです。しかし、そうじゃなくて公営を行うとかいう、そういうことじゃなくて、これから予測されるのは、特に首長選挙になってくれば候補者は一人というのが多いのですよ。これが完全に立会演説の形式でい行われるのが最も好ましい姿だとあなたはお考えになっているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/47
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048・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) まあ立会演説会は、これまた日本で発達しとた申しますか、各党寄っての演説会での、日本で戦後非常に効果が上っている制度です。これにつきましては、各党一緒にやることがどうかというような議論もあるわけでございまして、そのような場合に、現在やっております立会演説会、各党の方々が共同でやるという制度は、これは私非常に効果が上っておって、けっこうだと思うのでございますが、二人の候補者があります場合に、片方の候補者が立会演説会に応じない場合に、これを強制させるかどうかというような点につきましては、なおよく検討をいたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/48
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049・成瀬幡治
○成瀬幡治君 そうじゃなくて、検討するとか何とかいうのじゃなくて、あなたは立会演説というものを推し進めていこうということは、方針はいいでしょう。ところが、二大政党になってきますと、首長選挙になれば、候補者が二人になった場合に、片方が拒否したら実際立会演説はできないのですよ。だから立会演説ができるような方向に持っていくのが当りまえじゃないですか。そのことに検討するとか何とかいうことが必要なんでしょうか、方向はそれが正しいのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/49
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050・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) そのような場合に、立会演説会の方向を進めるのが正しいかどうかという問題でございますが、これはやはり片方が承知しないと、立会にならぬのでありますから、強制をさせるという措置が必要になろうと思います。でございますので、果してそういう措置をとることが適当かどうかという点につきましては、検討を要するということを申し上げておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/50
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051・成瀬幡治
○成瀬幡治君 選挙は、一つ公平に大ぜいの人たちが接触される機会の方がいい。どうしてもやはり立会演説といったものをやっていくのが、日本の姿としては今最も妥当だと思います。それが今申しましたように、首長選挙になって参りますと、とかく片方の候補者がそれを拒否するようなことがあるのです。これは好ましい姿ではないと思うのです。だから、一つこの次のときには、改正する場合には一つ十分考えて立会演説を拒否するということは、少くとも立候補権を放棄するとは私は言いませんけれども、とにかく、何かあるいは一人であっても立会演説がやれるような道を開くとか、拒否する方に懲罰的なことはかけなくても、やろうとする者がやれるような方向に持っていくのが好ましい姿だと思うのです。だからそういうふうな方に一つ法改正をやるようなふうに、一つ十分検討してみて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/51
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052・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 十分検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/52
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053・久保等
○久保等君 関連してちょっと。そういう今、成瀬さんの質問されているような例は、全国的にいろいろよく耳にすることだし、私もぶつかった場合があるのですが、非常にこれは選挙民の立場から考えても私はけしからぬことだと思うのですが、立会演説会をボイコットすることによって、予定をしておったことがいろいろ支障を来たしてくる面がある。特に市長選挙、知事選挙あたりでも、多くの場合候補者が二人ということがよくあるのですが、そういったような場合に、立会演説会を拒否されたことによって他の候補者は非常に迷惑するのです。まあ本人がどうしても立会演説会をやりたくない、また行ってしゃべるのもいやなのだということなら、これにしゃべれといっても始まらぬだろうし、これは無理だと思う。しかし、私はそのことによって、せっかくの立会演説会が全然やれないということは、これは単に本人の自由という程度でなくて、むしろ人に迷惑をかける。あるいはまた、選挙民に非常に迷惑をかけるということにもなるので、なるほど二人の場合には、一人欠ければ立会演説会ということには名実ともにはならぬと思うのだけれども、しかしやはり、選挙管理委員会としてもそういう準備を進め、その他選挙民も当然そういったことがあり得ることを期待している。にもかかわらず、そういうことがやれない。と同時に、特に候補者自体は、他の候補者は非常に大きな、私はそれこそ被害を受けると思うのです、率直に申し上げて。だとするならば、なるほど二人の立会演説会で、本人から直接政見を二人並べておいて聞くことはできないにしても、他の候補者には私はせめてその施設なり、その機会がやはり十分利用せられるというようなことが、むしろ公平の原則に合致するんじゃないか。片方の方は、放棄する方は本人の自由において放棄したのですから、そのことによって起る損害といってみたところで、あるいは不利益といってみたところで、これは覚悟の上だと思うのです。しかし他の方がそれによって被害を受ける、不利益を受けるということは、これは非常に私は、何といいますか、制度の欠陥というか、運用の欠陥というか、問題があるのじゃないかと思うのですがれ。しかも市長選挙、知事選挙等の場合に二十五日間まるまるその期間全然そういう実は機会がない。で、すべてやられるのは個人演説会あるいは街頭演説会だけで選挙が終ってしまうというようなことでは、あまりにも何か拒否をした者の立場だけが結果的には擁護せられておるような結果になるんで、気まま動手なことをやって、他の候補者に迷惑をかけるというような結果になると思うのです。だから何とか、立会演説会という、名はどう変えてもいいと思うのですが、もしそういう場合の救済方法といいますか、対策としては変えてもいいと思うのだけれども、公営の方法で他の候補者に対して十分にその機会が与えられるような方法を、これは私はぜひ考える必要があるんじゃないかと思うのですがね。特にこれはままあることだ、比較的多いのです。特にそういう立会演説会を拒否されるような候補者というものは、まあわれわれ、今日の選挙制度の建前からいけば、やはりどうもあまり適当な人ではないと思われるような人の場合が多いと思われるのですが、しかし現実にそういったようなことが非常に、非常にというほどでもないかもしれぬが、まああっちこっちに実はある問題なんです。大きなそういった知事選挙あたりでもそういった問題があっちこっちにあるというような現状に対して、私は特定候補者の恣意によって選挙の実はやり方そのものが非常に変ってしまう。これは立会演説会なんというものは、今特に選挙民としては一番関心も持たれ、非常にこれが年々歳々盛んになってきておる現状からいっても、まあいわば公営制度の中心的なやり力の問題がやはりやれなくなるというようなことについては、何とか私は考える必要があるのじゃないかと思うのですが、単にまあ考慮して検討したいという程度じゃなくて、もう少し積極的な何か方法が脅えられるのじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/53
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054・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 積極的に考慮いたしたいと思います。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/54
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055・小林武治
○委員長(小林武治君)長官、今のお話ですが、始終あるのです。二人の候補者の場合に、一人が立会演説会に出ないために演説会ができなくなっちまう。これはまあ非常に私も不合理だと思うのです。これはまあ私は、代理も出せるのですから、せめて代理でも出さなければならないというふうな規定でもきでないものか、そんなことはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/55
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056・郡祐一
○国務大臣(郡祐一君) これは立会演説会を公営にしますときに、それまで、まあ戦後非常にああいう形の演説会がはやりましてね、主体が明瞭でないのがやたらに発生して、それで候補者に顔を出せというと、これは困ると、しかも聞く方の人間も、主催がどこだかわからぬので、そうして候補者が出てぐるところと出てこぬところとある。これは何とかせにゃいかぬというために、何かもう立ち会いということが頭に入りまして、制度をこしらえる私どもも、そういう工合に考えておりまして、御指摘のような点は、委員長なり久保委員なり言われた通り、確かにそういう立会演説で出発したものが、途中で、本人は何の考えもないのに違ってしまって、しかもそういう場合に、公営することは初めからそういう工合に計画をしておることであります。これは御趣旨のように、立会演説会というようなこと、これはあるいは私どもの頭がむしろ立ち会いということにこだわり過ぎておるかもしれません。その点十分考えて、できるようにいたしましょう。そういう場合のおかしいことのないようには次の機会には改めるようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/56
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057・松澤兼人
○松澤兼人君 このいただきました班別組織ですか、立会演説の班の組織、この表を見ますというと、いかにもこれは各都通府県の選挙管理委員会の自性にまかしてあると、こういうのですけれども、いろいろこう基準というか、あるいは規格というか、そういうものが違っておりましてこういうことで果していいものかというちょっと疑問が起るのですけれども、たとえていってみますと、山梨県は十二人候補者があって、これは一班になっておるわけです。これはまあ全県の一区だからこういうことになるのかもしれませんが、そんなら同じ全県一区の鳥取県では、七人の候補者が二班に分けられておる。そういうことで、全県の一区ということを考えてみましても、十二人のものが一班になる場合と、七人のものが二班になる場合と、非常に私はその候補者自身も心身の貧打といいますか、そういうものについては非常に大きな負担の相違があると思うのです。こういう基準というものは一体どこにあるのか、この点、大臣のお考えを承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/57
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058・郡祐一
○国務大臣(郡祐一君) 正確な点は政府委員なり、また説明員なりから申し上げさせることにいたしますが、これは確かに演説会の時間の関係もあり、また有権者に趣旨を徹底いたさせますために、伸縮はありましても、適当な標準をきめることが、事実、画一的にいたすわけじゃございませんが、何か統制をとった力が好ましいと思います。候補者の見込み違い等をいたしまして、後に非常に数がふえて、それを一班にいたしたというようなことはあろうかと思います。その点はよく善処いたしたいと思います。詳しいことは政府委員から申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/58
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059・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) お手元にお配りいたしました資料、立会演説会の資料でございまするが、注に書いてございますように、「班別編成によらない選挙区については開催計画による回数」ということにいたしておりまするので、具体的に山梨の御指摘がございましたが、これはちょっと調べておりませんが、ちょっと十二人というのは非常識でございますので、これは班別編成によらない方法ではないかと思います。私ども、幾らという基準は示しておりませんが、時間からいって、まあ二時間半ないし二時間四十分程度が、聴衆にとっても聞きやすい時間ではないかということに考えておりまするので、こういう、多いことは実際問題としてできないのではないか、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/59
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060・松澤兼人
○松澤兼人君 山梨県の場合は、十二人で一班ということをはっきり書いてありますから、これは班別組織によらないものであると、これはもちろんおっしゃる通りでありまして、少いものは、一班が三点幾らというようなところ、あるいは三というようなところが、まあ少い方だろうと思うのでございます。こういうものをこのままほうっておけば、これはもちろん聴衆にもですけれども、候補者にとつても相当大きい負担になると思う。最初に出る人はそうでもないけれども、あるいは最後に出る人は、十二人目なんということは、もうほとんど考えてみましても、まじめに政見を発表するなんということよりは、むしろ場内の空気によって、そのときのいいかげんのことを言っておしまいにするというようなことが非常に強くなってくるのじゃないかと、こう思うのです。基準とすれば、大体どの程度のところが適当とお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/60
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061・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) これは、選挙区の立候補者数の実績と申しまするか、従来の傾向と、それから選挙区の施設等によって班数を考えなければならぬと思いまするが、そういう制約がないといたしますれば、大体七、八人程度が最高ではないかと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/61
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062・松澤兼人
○松澤兼人君 かりに、まあこだわるようですけれども、山梨県などでは、これは三十年の衆議院選挙のときですが、以前にもやはりこういうような形をとっているのですか。もっとも、それは候補者の数によっても違うと思いますが、それはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/62
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063・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 山梨県のこれは一班ということになっておりまするが、なお班別編成の方法によっているかどうかという点は、至急調べましてお答えをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/63
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064・松澤兼人
○松澤兼人君 もちろん、それは全国画一的にやるということはできないと思いますが、交通機関だとか、あるいは道路、または選挙区の広さ、いろいろあると思うのですが、少くともまあ五、六人が一班を作るというようなことが、候補者の身になってみれば非常に適当なことだと思う。そうして考えてみると この山梨の十二人が一班というようなことは、少し多過ぎるということは、だれしも考えられますが、そのほかに、十人が一班、たとえば愛知の一区では十人が一班、それからそのほかはまあ九人が一班というようなところだと思うのですが、九人でも、もちろん私は、四人なりあるいは五人なりが一班を作ってやった方が、趣旨は徹底するし、落ちついて話もできると、こう思うのです。何かこういう選挙になる場合には、どの程度が望ましいというぐらいな、内示といいますか、あるいは示達といいますか、そういうものを与えることが望ましいのじゃないかと思いますけれども、今度の選挙につきましては、そういうことをおやりになるお考えがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/64
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065・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 立会演説会の実施計画の策定の仕方につきましては、十分にそういう点を合理的にするように指示する考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/65
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066・成瀬幡治
○成瀬幡治君 立会演説のことについてはもう一言、この百五十二条によりますと、知事までになっているわけですが、これに一つ市長までくらいは広げるお考えはないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/66
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067・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 第百六十条の二、任意制公営立会演説会の規定がございまして、公営は制度としてはありまして、現に相当やっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/67
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068・成瀬幡治
○成瀬幡治君 いや私は、百六十条の二の任意制の公営立会演説会ではなくて、百五十二条の義務制の公営立会演説会、この中に、少くとも市長までこれを広げていく、公営を広げる、そういう考え方に立てば、当然ここに市長まで入れていいじゃないか。もしそれができないとするならば、推定部市くらいまでは当然入れるべきじゃないか、こういうように考えるが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/68
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069・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 市によりましては、御承知のごとく、規模の小さい市もあるわけでございまして果してやり得るかどうかという点もあるわけでございまして、これは自治体の考え方にまかしておるわけでございます。今直ちにこれを、実際やろうと思えばできるわけでございますので、任意制の立会演説会を兼務制の方に規定を移すという考えは持っていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/69
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070・成瀬幡治
○成瀬幡治君 いや、それはね、任意制であるから道はあいているじゃないか、こういうことを言われると思いますが、それはわかるわけです。しかし、そうじゃなくて知事までやったということになれば、もう一歩それを広げていって、自治体としては、指定都市もあれば政令都市もある。なるほど市には規模があるじゃないかとおっしゃるけれども、範囲としては、今市しましたような政令都市あるいは指定都市までなり、広げていくのが筋ではないか、むしろそうする方がいい方向にあるのじゃないか、まあ自治体のことだから、自治体の全部、何と申しまするか、意向を尊重するのだ、自主性を認めるのだといえば、それまでかもしれませんけれども、むしろこういうことはお広げになった力がいいのじゃないかと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/70
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071・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 指定都市につきましては、今後十分研究いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/71
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072・成瀬幡治
○成瀬幡治君 次に、県会並びに市会の選挙ですけれども、これも百六十条の二にあるからいいとおっしゃるのですが、実際にあなたの方の調査によりまして、県会なりあるいは政令都市、指定都市等で、条例を定めて立会演説をやっておるところがあるかないか、あるとするならば、どこにあるのか、お知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/72
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073・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 県会では、公営で選挙公報等はやっておる県がございます。立会演説会等になりますと、今ちょっと資料を調べていますが、これは県会議員になりますと、選挙区が御承知のごとく非常に多くなりまして、選挙公報の公営だけでも相当な仕事になるわけでございます。選挙公報と立会演説会、いずれを主にすべきかという問題もあるわけでございまして、それぞれの自治体の何と申しますか、選択にまかして、両方やっておるところも、県会でなく、指定都市のうちにはあるわけでございます。両方やっておりますところは、私ども非常に注意を……、立会演説会と選挙公報、それは管理の面からいって非常に心配でありますから、任意制の規定にいたしておりましても、県議会で両方やってほしい、やるべきだ、こういう御議論でありましても、短かい選挙の期間に果してよくやり得るかどうかという点は、十分検討しなければならないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/73
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074・成瀬幡治
○成瀬幡治君 あなたの方に資料として、やっておるところもある、まあこれは資料が出てから、一つこの問題についてはお尋ねをすることにします。一つ、資料の方をお願いをいたします。
次に、選挙公報の問題でございますが、この前のときにも、何か広告めいたものを非常に書く、だから、これを制限しなければならないという意見もあったと思います。それに対して制限することは現行法としてはできないのじゃないか。私の意見としては、そういうことについて何を書いたらいかぬ、これを書いたらいかぬということを言うべきではないと思います。そういうことは制限すべきじゃないのじゃないか。当然そういう薬の広告を出せば、その人もおのずから批判を受けましょうし、そんな薬は、選挙公報に便乗しているような広告は、選挙民は相手にしないのじゃないか。だからそういうことについては制限をせずに、やはり本人の良識なり、あるいは選挙民の良識に待っていくという態度が妥当じゃないかと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/74
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075・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 選挙公報の現行の内容の問題でございますが、これが取扱いにつきましては、私どもおっしゃる通りの考え方で現任おるわけでございます。ところが、非常にはなはだしい事例が最近出て参りまして、まるまる広告である場合には載せるのはおかしいじゃないかという議論がだいぶ出ておるのでございまして私ども研究をいたしておるのでございますが、現在の段階におきましては、ただいま御意見の通り、まだこのままにしておいて、有権者の判断によってそういう候補者なりあるいは広告主というものが、道徳的に非難されるということで足りるのではないか。選挙管理機関、あるいは有権者としては、はなはだ迷惑でございますが、直ちに立法措置によってそのようなものを禁圧するということにいたしますと、それに付随して何らかの弊害が起りはしないかという心配を私どもいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/75
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076・成瀬幡治
○成瀬幡治君 次に、選管の事務局を置いたらどうだというような意見がございます。まあこういう事務局を置くことの是非についていろいろな意見もあると思いますが、一体今、条例等を設けて、県、市で置いておるところはどのくらいあるのか、これを一つ資料として御提出を願って、資料後について質問を申し上げたい、これは一つ資料の方にしていただきたいと思います。
続いてお尋ねしたいのは、選挙管理委員が副知事であってみたり、総務部長であるような場合、いわゆる兼職をしておられる場合があるわけです。こういうものについては、どういうふうにお考えになっておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/76
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077・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 選挙管理委員の選任につきましてはご承知のごとく、これは広く有権者のうちから議会で選ぶことになっております。何ら資格の制限はいたしておらないのでございます。最近と申しますか、今おっしゃるような副知事とか助役という特別職、あるいは総務部長というような人が選挙管理委員になっておったのでございますが、昨年でございましたか、衆議院で相当御議論がありまして、昨年の秋から今年にかけて、選挙管理委員の任期が満了いたしましたので、その機会に特別職はできるだけ避けるようにするのが立法の趣旨ではあるまいかと、指導をいたしたわけでございます。そういう指導によりまして、現在そのような問題はほとんど解決しておると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/77
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078・成瀬幡治
○成瀬幡治君 ほとんど解決したとおっしゃると、まだあるところがあるわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/78
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079・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) その後、まだ十分調査いたしておりませんが、全然絶無であるということは申せないと思いますが、これは全般的に見まし、て議会の選任するに当りまして、そういう特別職等の方は除外するようにということを指導いたしましたので、そういう点はなくなったと、このように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/79
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080・成瀬幡治
○成瀬幡治君 兼職禁止と申しますか、なるほど総務部長等がやっておって、そうして地方課の職員を動員して仕事を手伝ってもらえば非常に便利だという議論もあるかと思いいますが、たとえば県の総務部長なり副知事等がそこに出ておりますと、その意見が大筋として通るのが私は実情だと思うんです。ですから、便宜的なことは何か便宜的なこととして考えられていいと思います、少くとも選挙管理委員というものは公平に運営された方が私はいいと思いますから、一つ予算や、そういう人を提供する側の人たちが選挙管理委員につかないような、あなたがおっしゃる指導によってこれを解決していただきたい。だから法の方は法としてそのままにして置いて、一つ解決するということであるなら、それを推し進めていって、ぜひ一つ兼職のないようにやっていただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/80
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081・松澤兼人
○松澤兼人君 昨年の秋から、そういうことはないように指導しているというんですけれども、実際それじゃそういうことの指導をなさったのはいつごろですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/81
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082・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 今ちょっと正確に記憶いたしておりませんが、昨年の十二月ごろが任期満了の府県が多いので、昨年の十月ごろにそういう趣旨の指導をしたと、このように記憶いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/82
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083・松澤兼人
○松澤兼人君 繰り上げ選挙を禁止するという法律の改正がありまして、現在で市長が現職のまま市長選挙に立候補できるというようなことになっております。そういう場合に、総務課長が選挙管理委員だったり、あるいは総務課長が事務局長だったり、兼任しているというようなことであれば、選挙管理委員会という一つの中正的な行政機関というものを設けた意味は全然ない。まあ選挙管理委員長が課長である場合、その名前によって、市長選挙のときに適当な選挙管理上の注意を与えたり要求をしたり、あるいは文書を出したりすると、形はもちろん別のものでありますが、実質は同一です。だから現職の市長が立候補している、そうして現職の総務課長が選挙管理委員長であるというようなことは、どういうふうに考えてみても適当じゃないと思う。そういうことを今までお認めになっているということ自体おかしいと思う。まあ改めていらっしゃるのはけっこうですけれども、今までどうしてそういうことになっていたんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/83
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084・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 選挙管理委員制度が初めて創設されましたときに、やはり事務のわかっておる者が加わっておった方がいい、これは現在におきましても、委員でなくても、仕事に詳しい者が入っておった方が望ましいわけでございますが、現在の段階におきましては、少くとも特別職のような人は、これは委員として適当ではないじゃないか、選挙管理委員がたとえ複数で、今回市町村を通じて委員としては四人になるわけでありますが、たとえ四分の一でありましても、そういう人を選任すべきではない。法律の方は有権者のうちから選ぶということになっておりまして何ら制限をしてないわけでございますが、そういう考え方に立ちまして、昨年の改選期から強く指導をいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/84
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085・松澤兼人
○松澤兼人君 特別職の職員はいけない。それなら総務部長というような特別職でない、一般職の職員だったらかまわない、そういう御主張ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/85
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086・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) これは一般職の職員は、御承知のごとく地方公務員法によって規律されておるわけでございまして、そういうところの判断につきましては、任命されます県議会の判断によって、適当な人であるかどうかということをよく考えた上で委員を任命することになろうと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/86
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087・松澤兼人
○松澤兼人君 これは衆議院の会議録を見ますというと、福島県の場合は、県選管委員長には県の総務部長、県選管書記長には地方課長ということが書いてある。こういうことはあり得ないということですか、現にやっぱりそういうことをやっているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/87
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088・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 福島県はその後変っているように記憶いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/88
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089・松澤兼人
○松澤兼人君 それは現在としてはもちろん特別職の委員というものは望ましくない。それから幾ら、事情がわかっていたとしても、総務部長、総務課長、地方課長、そういうような人たちが、委員になれなくても、事務局長になるということも適当でない。本来ならば、まあ末端の町村なんかはどうか知りませんけれども、本来ならば、やはりこれは別個にすべきものである。委員はもちろんでありますけれども、その事務局なども、やはり市町部局でない、別個の職員がおるべきであるというお考えでありますか。しかし、まあ末端までくれば、人間や金の関係でどうでもいい、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/89
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090・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 選管事務局の問題は、年間的に常時仕事が——最近はまあ常時啓発の仕事がふえて参ったのでありますが、そうでない以前の状態でありますと、市町村の方が割合に仕事が忙がしいと申しますか、定量的な仕事かあるわけであります。そういたしまして、市は比較的、選挙管理委員会の事務局は任意でございますが、作っておった事例が多いのでございますが、府県は何と申しますか、片手間にやっておるのでございまして、地方課の二部の者が選挙の事務を担当いたしておる。行政の仕事を持ちながら選挙の事務をやっておるというような事例が多いわけでございまして私どもといたしましては、できるだけ選管職員、府県ばかりではなく、市町村におきましても、事務局を設置することは望ましいということは考えておりますか、地方財政等の事情もありましてなかなか思うように参らないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/90
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091・成瀬幡治
○成瀬幡治君 この前、衆議院のわが党の井堀代議士から選挙法に対しての質問趣意書が出まして、その中に指定都市の選挙管理委員会の区選挙管理委員会に対する一般的指揮監督権を明確に規定すべきである、こういうものが出ておるのです。それに対しまして、答弁書には、趣旨に賛成である、こういうことを言っておられるわけでございます。従って、今回は若干明確を欠いておる点があるから、次の機会等で一つこれを明確化しよう、こういうお考えがあるものと受け取っていいか悪いか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/91
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092・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 指定都市の選挙管理委員会の区選管に対します指揮監督権の規定の根拠が明確でないという点は、御指摘の通りでございます。これは地方自治法には「都道府県の選挙管理委員会は、市町村の選挙管理委員会を指揮監督する。」という規定がございましてそれから選挙法の方の規定に、区の選挙管理委員会は、指定都市の区は市と読みかえおりますので、市の選管の区選管に対する指揮権が不明確に、御指摘のごとくになつておるのでございます。この点につきましては、地方自治法の施行令におきまして、その点をはっきりといたしたいと、このように考えておりますので、機会を見てそのような改正をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/92
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093・成瀬幡治
○成瀬幡治君 そうすると、あなたは自治法の方で明確にしようとされるのか、選挙法の方の、たとえば百六十九条の方で明確にしようとするのか、ちょっと私は聞き漏らしたのですが、公職選挙法でやられるのか、自治法でやられるのか、どっちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/93
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094・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 指揮監督権の規定は、地方自治法でございますので、地方自治法の施行令で改正をいたしたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/94
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095・成瀬幡治
○成瀬幡治君 私もこの法文を読んでみて、あちらに読みかえるとか、こちらに読みかえるものとするとかいうので、どうもよくわからないわけでありますが、少くともこれを厳密に解釈していきますと、なるほど地方自治法の中では二百五院二条等で明らかになっておるではないか、指揮監督ができると、こう言われるけれども、具体的に二百六十九条でやって参りますとどうも不明確になる、厳密に解釈すると、非常にぎりぎりに解釈すると、やはり不明確になるではないか。あるいは現行法の五十八条などで参りますと、投票所の出入りの問題、あるいは市選管でできないことになってくると思うのです。ですから、若干おっしゃるようご自治法の施行令を直せば、それで事が足れるというのではなくて、それに関連をして やはりこの公職選挙法の方においても、条文を明確にしていくいわゆる明確にするというそういう方向でなければならぬと、こう思っておりますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/95
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096・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 指定都市の選管の区選管に対する指揮監督権は、先ほどお答え申しあげた通り、一般的には地方自治法に根拠を持つ規定であるべきであるとは思うのでありますが、選挙法上の個々の事務につきまして明確を欠いておる点があるいは御指摘の点があるかもしれぬと思うのであります。今回も同時選挙に関しまして、公職選挙法に規定を入れたのでございますが、同じ問題じゃございませんけれども、指定都市と区選管の関係においてあるいは字句を拾いますと、おっしゃるようた問題もないとは言えないのでありまして、研究を十分にいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/96
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097・成瀬幡治
○成瀬幡治君 研究するということでなくて、五十八条と百八十六条、百五十一条等は、やはり拾って参りますと若干疑義がある。ですから一つあやまってやるというのではなくて、せっかくできる法律案ですから、正しく割り切って、だれが読んでもわかる、こういうふうに解釈できるのじゃないか。我田引水的な解釈をすれば、それで十分だというのではなくて、やはり整理をされるのだったら、あなたの方も熱意を持って、誠意を持って御整理に当られるのが妥当ではないか。こう思いますから、十分検討をされた上、一つ善処方してもらいたい、こう思います。あんまりごちゃごちゃやるのはいやだというので、労を惜しむことをやらないようにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/97
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098・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 御指摘の問題は、私ども従来から気がついておる問題でございまして、包括的に地方自治法の施行令の規定の改正で足りるのじゃないか このように考えております。なお、ただいま御意見がございまましたので、十分検討はいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/98
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099・成瀬幡治
○成瀬幡治君 この問題については、五大市の選管等も、今ここで私は上申吉というものを配られているのですが、五人前の選管等でも、この上申書の趣意書を読んでみますと、何か研究をされて、一つのものが出ておる、委員長の方からあなたの方にも渡したと存じますが、関係のところもあるわけで研究しておられるようですから、十分検討してやってもらいたいということを要望として申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/99
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100・大沢雄一
○大沢雄一君 私は刑事局長さんにお尋ね申し上げたいのですが、百九十九条の二、百九十九条の三があるところに、今回百九十九条の四が加わりまして、公明選挙の趣旨から非常にけっこうな・修正であると考えておるものでありますが、これで一応後援団体名を使っての寄付ができなくなるわけであります。しかし、私は従来不思議に思っておりますのは、衆議院のようにいつ 今回の解放は別でありますが、大体もう前からいわれたのでありますが、参議院のように任期がきまっておる場合に、実情は一、二年前からだんだん盛んに事前運・勤としてあるいは招待戦術だとか、寄付戦術だとか、こういうものが実際だんだんと強化されまして、期日が非常に切迫してくる、そうすると、やはり新聞その他の世論の批判もきびしくなって大かたやる方の側から見れば、大体悪質の買収の目的が達してしまったころに、選挙管理委員会がしぶしぶ注意を促す。そうすると、それに従って少しずつ少くしていって告示になってしまえばこれはやめてしまう。そういうふうなことが大手を振ってまかり通っているわけですね。百九十九条の二とか三とかは、候補者なり、あるいはまた候補者が責任者である会社その他の法人、団体、そういう寄付の・禁止のわけでありますが、こういうものが大手を振って実際上おるところに、百九十九条の四が加わりましてないよりはけっこうなんでありますが、もとの百九十九条の二なり三なりというものが、ほんとうに励行されなければならないのじゃないか。従来どこにくぐれる穴があるのか、何がゆえにこういうものが実際上行われてまかり通っておるのか、一つ局長さんの立場から、どこに穴があってこれはできないのか、その点一つお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/100
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101・中川董治
○政府委員(中川董治君) 大沢委員の御設例、まことにごもっともと考えるのでありますが、これは現行法の百九十九条の二、百九十九条の二についてもそうでございますが、それ以外の公職選挙法に関するほとんど全部の規定がそうなんでございますが、選挙に関する行為でないと規制されない、こういうことが根本問題であろうと思うのであります。いろいろ今日、事前運動の問題が大へん大きな問題だということも十分わかるのでございますが、私どもやっております事柄は、現在事前運動でやっている事柄が、選挙に関する行為かどうかということについて証明するのに非常に苦心をいたすのでございます。言いかえて申しますと、選挙に関しないと認められる一般の社会活動、一般市民としての社会活動は許された行為である。政治家としての政治活動をされるということは許された行為であろう、こういうことに相なっているのであります、すべての条文が。それで問題は、一般の政泊活動なりや、あるいは一般の社会活動なりや、選挙に関する活動なりやという認定が、私ども証拠に基いてやらなければいかぬ関係等もございますので、そこに非常に私どもの苦心の存するところがございます。この問題で、選挙に関しないという形式を持っておりますけれども、実体は選挙関するものだということを証明することに努力しておりまして、そういうものに対して検挙をした事例もございますけれども、選挙に関しないという弁解のつくケースが非常に多いのでございます。たとえば百九十九条の二の規定でございましても、選挙に関する番付をしてはならない、こう書いてございます。それから、その次の二項で、通常一般の社交の程度をこえないものはよろしいけれども、こえるものは選挙に関するものとみなす、こういう規定になっておりますので、いろいろ世間で行われております行為が、通常一般の社交として行われているなりや、社交をこえて行われているなりやという点を百証明して、私どもの方で研究して参っているのでございます。穴という言葉が適当かどうか疑問でございますけれども、通常一般の社交の程度をこえるかこえないか、ここに問題の要点があろうかと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/101
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102・大沢雄一
○大沢雄一君 私も大体そうだろうとは察しているわけです。しかし今度の百九十九条の四にも、「当該選挙に関し、」というやつをここに入れてきているわけです。今、通常社交の程度かどうかといいますが、たとえば、たとえ会社の事業の広告宣伝のためといいましても、町村長あるいは町村会議員、あるいはその他相当の指導的立場にある人、こういう人を選挙の一年前から、たとえばどこか温泉場に招待するとか、そうしてそれに汽車賃を出す、あるいはみやげものを持たして帰す、こういうのは、これは社交の程度をこえていることは明白だと思うのです。しかし、それが今のようなことでは、実際は何ら取締りの対象に事実上なっておらない、これが実情でございます。そうならば、今のあなたの、社交の程度をこえないものはいいということは、これはどうも言葉だけであって要するにどうもおかしいと私は思うのです。
それから、やはり選挙に関するか、画しないかは、その人が立候補するか、しないか、これが私は決定的だと思うのです。それを除いたらこれは何とでも遁辞ができる。そういう場合に、もう少し何とかこれは、何といいますか、勇気をもってといいますか、公正ですね、勇気というより公正だと思うのです。公正にやらなければ、いかに条文だけ整えても結局何もならないのじゃないかと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/102
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103・中川董治
○政府委員(中川董治君) ただいまの大沢委員の御設例の、有権者の方々をどこか温泉場につれていってごちそうする、こういうような行為は社交の程度をこえます。それで選挙違反にかかります。そういったものにつきましては、当該関係人が、お述べにもなりましたように、特定の選挙に関し行われるものでなければなりませんので、当該の関係者等が立候補するような場合におきましては、きわめて明白になるのでありますが、立候補をしない前におきましては、やはり不明確なのでありますが、そういった点は、過去の事例に徴しま・しても相当検挙されてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/103
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104・大沢雄一
○大沢雄一君 明白といっても、実際は一つも検挙されておらないという実例がはっきりあるのでございますね。まあ私は過去のことは問いませんが、将来はそういうことがあったら必ず検挙いたしますか、いつそれは検挙いたしますか。
政府委員(中川董治君) 今の問題で、そういう温泉場へ行ってごちそうするような行為は、社交の範囲をこえます。ところがその行為が特定の選挙に関し、特定の候補者の当選を得せしめる目的を証明しなければなりませんので、その証明するため等につきましは、やはり立候補という行為が比較…重要なキィ・ポイントになるということを一つ御了得願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/104
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105・大沢雄一
○大沢雄一君 それから、今のような温泉場に招待するとか、あるいは自宅に盛んに招待して供応するとかいうようなことは、これは取締り当局が、何といいますか、公正な勇気さえあれば私できると思うのです。ところが、多くまぎらわしいような場合があるのですね。たとえば祭礼等に個人あるいは会社の名で、本人と不可分の、会社名をいえば本人が類推されるというような会社名で、催しもの等を祭礼等の場合に寄付をする。つまりお祭のところへ行って、あるいは浪花節の何か催しものをやるとか、あるいはそのほかの催しものをやるとか、そうしておいて、あと会社の宣伝をかねて候補の予定者の宣伝をやると、こういうふうな場合には、これはどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/105
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106・中川董治
○政府委員(中川董治君) ただいまの御説例の問題は、その行為が特定の選挙に関する行為であるかということについて、相当ボーダー・ライン・ケースだと思いますので、そういった関係は、その証拠に基いてその選挙に関するということが証明される場合におきましては、検挙いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/106
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107・大沢雄一
○大沢雄一君 選挙に関するといいますがね、選挙が近くならなければやらないわけですね。選挙が近くなって、一、二年たつと、だんだんそういうことが始まってくるわけですよね。それまではそう広い範囲にわたってはやらない。もとより自分の郷里とかそういうところはそれはやりますがね。しかし全県下なり何なりにわたって、近くなれば盛んにそういうことが始まるということは、もう選挙に関すること明瞭じゃないですか、立候補すれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/107
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108・中川董治
○政府委員(中川董治君) 大沢委員がお述べになりましたように、立候補すればきわめて明瞭になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/108
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109・大沢雄一
○大沢雄一君 いろいろお話が出ましたので……。いっそれはやるのですか。今のお話しの通りやるというのは、立候補したらすぐそういうものはあれしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/109
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110・中川董治
○政府委員(中川董治君) これはやはり犯罪でございますので、その特定の行為が、特定の選挙に関する行為であるということの証明がつきました場合において、できるだけ早くやるべきだ、こういうことに相なっておるのであります。それにつきましては、私ども捜査員といたしましては、あらゆる努力を傾注いたしておるのであります。そこで、全般的に御了解いただきたいのでありますが、すべての選挙違反、——選挙違反に限らないのでありますが、犯罪等につきましては、証明しないと相なりませんので、証明する時期というのが若干ずれる、一般的にこういうことは言えようかと思うのであります。それで、こういう選挙の公正を確保するために、刑罰権による措置といたしましては、証拠とか、そういう問題が何といっても大きい問題になります。証拠に基く捜査活動を私は十分やっていきたいと思います。しかし、証拠に基く捜査活動というのは若干ずれますので、選挙管理機関にお願いいたしまして、選挙管理機関が啓蒙活動によって、一般の有権者の方々の自覚、関係者の方々の自覚によって、そういうまぎらわしい行為を抑制していく、こういう措置と相待ちませんと、どうしてもまぎらわしい行為が波及して参っておりますので、いつの選挙におきましても、啓蒙活動、刑罰活動というのが表と裏といいますか、そういう関係でやって参りたいと思います。刑罰権の発動ということになりますと、証拠との関係になりますので、その点は一つ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/110
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111・大沢雄一
○大沢雄一君 有権者をまぜた一般の選挙民にいろいろなものを、これは見木もありましょうし、そうでないものもありましょうが、そういうものを寄贈する行為は、ここにいう寄付に入りますか、百九十九条の四「寄付をしてはならない。」というその寄付に入りますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/111
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112・中川董治
○政府委員(中川董治君) 寄付金の寄付は一切入りますが、その寄付行為が、一般社交の程度をこえるものであるかどうかということが一つの判断の基準であるということが一つと、その行為が特定の選挙に関するものであるかどうかということが他の資料である、特定の選挙に関するということの証明と、それからもう一つは、一般社交の程度であるということの証明をするということが、私どもの努力目標で寄ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/112
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113・大沢雄一
○大沢雄一君 それから新聞あるいはテレビ、ラジオ等で、何々社長だれ某ということで盛んに商業放送をするというような場合は、これはどうなりまするか。こういう広告等は、おそらくこれは経費は会社から出ていると思うのです。おそらく個人の支出じゃない。しかもスポンサーを通じて広告を頼めば、リベートは、これを依頼した個人には一割なり二割なりがくるのであります。こういうことが実際にあるのです。ですから会社から広告料を払わして本人は今度はリベートを取るということも可能なわけです。広告会社等に依頼すれば、広告会社は一割なり二割なりリベートを出しますから。そういうふうなものは、実質的に見ますと、これは非常に私は質がよくないと思うのですが、そういうものはどこにかかりますか、合法的ですか、選挙に関して、そういうことにして名前を広めていくということは…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/113
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114・中川董治
○政府委員(中川董治君) 広告全般について申し上げてみたいと思うのですが、よくわれわれいつも問題にいたしまして捜査するのでございますが、出版物の広告、それから会社の広告、そういった広告行為があるわけでございますが、その広告行為が通常一般の広告であれば、これは許された行為である。ところが、通常一般の広告の範囲をこえまして、特定の候補者を特定の選挙に関し宣伝する目的である、こういうことが証明されます場合においては百二十九条、事前運動の罪に相なるわけであります。それは通常一般の広告なりや、通常一般の範囲をこえて特定の選挙に関し特定の候補者の投票を得せしめる目的で宣伝する行為であると、こう認められる範囲におきましては非合法であるその事実関係を立証することに努力いたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/114
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115・小林武治
○委員長(小林武治君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/115
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116・小林武治
○委員長(小林武治君) それでは速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/116
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117・加瀬完
○加瀬完君 警察庁にお願いしますが、選挙違反の疑いのある事前運動についてそれが違反か違反でないかということは、事後の行動、それから先ほど御説明の証拠がなければわからないということになりましょうが、一応疑いのある実情については相当の御調査があると思うのです。その御調査のおもなるものを一つ資料にして御提出いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/117
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118・中川董治
○政府委員(中川董治君) それは今証拠の内偵をしておりますので、それが出ると全く証拠隠滅が行われてしまいますので、私どもは責任を持ちまして犯罪であるということにつきましては一生懸命努力して参りたいと思いますが、全くそういった証拠の内偵をしておる最中であるので、ごかんべん願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/118
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119・加瀬完
○加瀬完君 それは、だれがどうしたということでなくてもいいですよ。こういうような具体的な例というものを伺えればいいのですから、概括的なものでいいですから、ここで検討する上に、やはり事前運動ということは相当問題ですから、警察がこれはまあ注意をした方がいいと思われるような事例を、将来の調査に御支障のない程度にお出し下さればけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/119
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120・中川董治
○政府委員(中川董治君) その点になりますと、ただいま大沢委員と私と質疑応答したようなことが大体大部分でございまして、あとは何のそれがしがどうということになってしまいますので、いつの選挙でも同じような手口が多うございますので、第一線で内偵をしておりますので、内容等は、今大沢委員と私と質疑応答いたしました内容がほとんどすべてでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/120
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121・成瀬幡治
○成瀬幡治君 こういうことはできませんか。疑いがあって調査をしておるというのが何件くらいあるのですか、それは各県別に出すことは、非常に証拠隠滅等で困難であるというなら、まあ加瀬君はどう言われるか知らぬけれども、全国的にどのくらいあるというような数字が出ればいいじゃないかと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/121
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122・中川董治
○政府委員(中川董治君) その点は、ここで皆さん御審議いただきますのに、私どもが全体を中央で押えますと、選挙干渉の疑いがありますので、それこそ都道府県公安委員会が自主性に基いてやっておりますので、現在統計などは全くとっていないのでありますが…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/122
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123・加瀬完
○加瀬完君 新聞などでは、悪質違反の疑いがある事前運動の典型でこういうことが対象として取り調べられておるといいますか、調査されているということが出ているのです。それなのに警察庁で、大体何県には何件くらい現在事前運動について調査をしておる実例があるということの件数も言えないというのはおかしいと思うのです。新聞で内容までわかっているのに、件数までもあなたの方で知らせないというのは、おかしいと思う。やっているのか、やっていないのか、やっているのなら、そんなことは簡単に報告できるはずです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/123
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124・中川董治
○政府委員(中川董治君) これは率直に申しますが、各府県で一生懸命やっているということは事実でございます。ところが、ただいまの段階においては、その統計をとっていないのです。もっと後の段階においてはとり得る時期もあろうかと思いますが、今の段階においては、非常に各県で工夫してやっております最中でございますから、今日の段階においてはとっていない、これが事実でございます。従って、私ども中央機関が、新聞社等の問いに、それについて答えたことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/124
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125・加瀬完
○加瀬完君 ないというのを出せと言っても仕方がない話だけれども、それでは、警察庁が悪質事前運動についてどういう点に注意をしているか、そういうことは御説明できますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/125
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126・中川董治
○政府委員(中川董治君) ただいまいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/126
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127・加瀬完
○加瀬完君 ただいまでなくても、文書にしてお出しいただいた方が、われわれあとから質問するのに都合ようございますから、大綱でけっこうでございますから、一応文書にして出して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/127
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128・中田吉雄
○中田吉雄君 選挙違反の各種選挙ごとの統計、府県別の資料、これはいただきましたかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/128
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129・中川董治
○政府委員(中川董治君) 過去の選挙につきましては統計があるのですが、府県別といいますと、大部になりますので、私どもの方で全体まとめたのは全国的な統計でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/129
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130・中田吉雄
○中田吉雄君 府県別にです。およそ選挙法の改正法案を審議する際には、もう要求を待たずして出していただくべきだと思うわけであります。労をいとわず、各府県別の集計を出して下さい。あなたのところはそれ専門でしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/130
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131・中川董治
○政府委員(中川董治君) 全国的な統計はございますのでお出しいたしますが、府県別といいますと、統計技術で全国的な統計で出て参りますので、全国的な統計で大体大勢はわかると思いますので、今回の改正は、違反の関係はあまりございませんものですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/131
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132・中田吉雄
○中田吉雄君 いや、過去のですから、あなたのところにあるやつは、各府県別のやつを集計しておるはずでしょう。統計学の一ページを習った者ならそんなことはわかり切っておることで、府県別集計、それが出ねば審議に応ずることはできませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/132
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133・小林武治
○委員長(小林武治君) それでは質疑はさらに続行することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時二十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814720X03219580418/133
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