1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年三月二十七日(木曜日)
午前十一時七分開会
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出席者は左の通り。
委員長 藤田 進君
理事
上原 正吉君
大谷藤之助君
委員
木村篤太郎君
近藤 鶴代君
田中 啓一君
苫米地義三君
増原 恵吉君
松村 秀逸君
伊藤 顕道君
千葉 信君
田畑 金光君
松本治一郎君
八木 幸吉君
政府委員
宮内庁次長 瓜生 順良君
皇室経済主管 高尾 亮一君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
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本日の会議に付した案件
○皇室経済法施行法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814889X01619580327/0
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001・藤田進
○委員長(藤田進君) これより内閣委員会を開会いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814889X01619580327/1
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002・松本治一郎
○松本治一郎君 私は先般、高松、秩父、三笠の三宮家の全財産及び収入の実態の資料を請求しておいた。ところが、三月二十七日付で出されたものを見ますると、私の求めておった資料とは相当開きがある。第一の答えに、「宮家の私有財産に関することであって、詳細をつくし得ない」と。こういうところが問題だと思うのです。この間の新聞を見てみますと、内廷費の三千八百万円が今後五千万円になる、皇族費百九十万円を三百万円にしてもらいたいということについて、ある宮が非常に生活上苦しい、それを補うために宝石を売ったり、家を貸したりしておるというようなことが、談話の形で新聞に出ておったのです。そこで、私の知ろうとするのは、家を貸したり、宝石を売ったりした金額なんですがね。
ところが、この資料では、秩父宮家では、土地が九千二百六十五坪、建物が百九十五坪、それから生ずる収入は年間約五十七万円と書いてある。高松宮家の方では、土地が八千五百五十坪、建物千八百五十九坪、それが東京都港区及び神奈川県三浦郡葉山町所在。それと、有価証券等である。これから生ずる年間の収入は約百九万円。三笠宮家では、土地が二千七十八坪、建物百八十坪、これは品川区。これは建物のみで、土地は借用だと。それと、長野県の軽井沢の所在。それと、有価証券であって、これらから生ずる収入は年間約六十万円であると、こう書いてある。この土地の東京都にあるのと、神奈川県にあるのを、別に詳細に書いて出してもらいたい。それと、貸しておるかどうか。
なかんずく、私が求めましたのは、高松家の所有であるという光輪閣、これについては、建坪八百七十坪の、それから幾ら貸し賃が上っておるかということが知りたい。どういうふうにそれが使われておるか。これを見ますると、「現在は、国際親善及び文化振興のため、光輪クラブに貸与してある。」と。(註)の中に、「光輪クラブは、その規約によれば、会員相互の親睦をはかると共に、会員又はクラブが知名内外人等を招待、懇談して、国際親善及び文化振興の実を挙げることを目的としている。」、こう書いてあるんですが、この光輪閣については、世間では相当の非難があるのであります。で、この内容を詳しく知りたい。どういう者がそこへ入って、それを維持支配しておるか。高松氏が直接支配しておるのか、そういう点も詳しく知らしてもらいたいと思うのです。
これが、ただ百九十万円が三百万円になるというのは、増額分を含めすべてが国民の税金である。増すなら増す理由があって、国民に説明のできる筋合いのものを知りたいのであります。そういう意味で、詳細にこの資料を出してもらいたい、こう再び要求する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814889X01619580327/2
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003・藤田進
○委員長(藤田進君) 要するに、今言われた点のほかにも、やはり果してこういう法改正をして増額しなければならないかというその実態を、審議のやはり都合上必要だと。で、宮家等の直接の御要求ではなくて、案外宮内庁あたりでこういうふうに出されたのではないかというふうにも思われるので、やっぱりどういうふうな、苦しいとすれば苦しい実情なのか。過去、明治憲方下の議会ということは御承知の通りでありますから、それぞれやはり、他の法律において行うと同じような態度で十分審議されることと思うので、それらを関係者におかれても、審議ができる、促進されるように、資料もできるだけつけていただきたい。
ただいまの資料要求について、何か御発言がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814889X01619580327/3
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004・瓜生順良
○政府委員(瓜生順良君) 今の点は、なお、私どもでも、おわかりになりやすいように資料を準備するつもりでございますが、この表の中に、たとえば秩父宮家の土地がたくさんあると。これは、こういう所から直接収入が出ておるんじゃありません。主としてこれは、秩父宮家ですと、有価証券から出ております。それから、高松宮家も、貸し賃が入っておりますのは葉山町の方だけでございます。それから、三笠宮家のは、この土地というのは主として軽井沢の土地で、東京の方は借り賃を払っているということでございます。それから、光輪閣の貸し賃ですけれども、貸し賃は取っておられないのです。
ただ、ついでに申し上げますと、あそこの光輪閣は、高松宮さんの所有なものですから、固定資産税がかかります。固定資産税が約六十万円かかっております。それから、あの土地の大部分は、終戦後に財産税として国へ出された所でありまして、それをまあ借り地をしておられる。従って、土地の借り賃というのを一年間に百三十万円ぐらい出しておられるのです。百九十万円ぐらい、あの建物を持っておられるために経費が出るわけです。その経費を光輪クラブの方で持っておると。それだけを光輪クラブの方から出す。従って、高松宮家としては、現金は何も入ってこない。しかし、税金と賃貸料を払われる、その借料をクラブの方で出しておるというわけで、高松宮家の方では、光輪閣から得る収入というものはないのでございます。
そういうようなことでございますが、なお、もう少しわかりやすくというお話でございますから、なお検討して、資料を準備いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814889X01619580327/4
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005・藤田進
○委員長(藤田進君) 都合により、暫時休憩いたします。
午前十一時十七分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102814889X01619580327/5
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