1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十三年三月二十日(木曜日)
午前十時四十八分開会
出席者は左の通り。
—————————————
委員長 重政 庸徳君
理事
柴田 栄君
藤野 繁雄君
鈴木 一君
上林 忠次君
委員
秋山俊一郎君
雨森 常夫君
佐藤清一郎君
田中 啓一君
仲原 善一君
堀 末治君
堀本 宜実君
東 隆君
大河原一次君
河合 義一君
北村 暢君
千田 正君
北條 雋八君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
説明員
農林省農林経済
局企業市場課長 鈴木 一美君
—————————————
本日の会議に付した案件
○中央卸売市場法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/0
-
001・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
中央卸売市場法の一部を改正する法律案(閣法第一三七号、内閣提出、参議院先議)を議題にいたします。
この法律案につきましては、過日の委員会において提案理由の説明を聞いたのでありますが、委員派遣等の都合もありますので、ここで法律案の内容その他参考事項について、補足説明を聞くことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/1
-
002・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 私、企業市場課長でございます。経済局長が衆議院の方の年金法の会議に出席しておりますので、私がかわって御説明をいたしたいと思います。まず御配付いたしてございます資料につきまして、先に御説明したいと思います。一番初めに、関係の要綱とか、そういうものを入れました中央卸売市場法の一部を改正する関係資料がございます。その次に、中央卸売市場の関係資料というのがございます。もう一つは、中央卸売市場の卸売人の要覧というのがございます。もう一つは、類似市場要覧というのがございます。それに昨日御配付いたしましたガリ版刷りの書類がございます、それらのものを一応の関係資料としてごらんいただきたいと思います。
まず農林省といたしましては、農林水産物の流通改善につきまして、いろいろと努力しておるのでありますが、特に昨年の秋、農林省内に農林畜水産物の流通改善のための対策会議を設けまして、ししと研究を続けてきておるのでございます。そして、そのうちの生鮮食糧品の流通対策につきましては、特に現在の中央卸売市場法に基きまして、中央卸売市場の指導と育成並びに監督、これらのことをやっていくことが必要であろうと思いまして、改正案の御審議をお願いをしたのであります。中央卸売市場といたしましては、大量に、集中的に、しかも、そういうふうな取引をいたしまして流通経費の節減と適正かつ安定した価格形成をして、そして需給の調整をしよう、こういうような機能を持っておるのでございますから、そこに最も力を入れなければならないと、こう考えたような次第でございます。
そこで、現在の中央卸売市場の現状につきまして、まず関係資料で御説明申し上げたいと思います。まず、中央卸売市場の関係資料をごらんいただきたいと思います。これにいろいろ書いてございますが、第一表はこれは推定数字でございますが、青果物、水産物の総生産量のうちどれだけが販売されてどれだけが中央卸売市場で扱っておるかという、こういうふうな大ざっぱな内容を作ったのでございます。量にいたしますと、生産されたもののうち、販売されるものを一〇〇といたしまして、総計におきまして中央卸売市場では、その一番右側の三七%、すなわち三〇%以上の取扱い高がある。こういうことを言おうとする資料でございます。
その次に、各中央卸売市場の昭和三十年及び三十一年の一月から十二月までの期間の表をつけ加えたのでございます。各中央卸売市場ごとの数字をつけ加えたのでございます。すなわち、昭和三十一年の方の数字の一番しまい、すなわち十ページの一番しまいを見ていただきますと、一千五百七十億円ばかり金額にいたしまして取り扱っておる。うち、六大都市が千四百二十九億円ばかり取り扱っおる。こういう実態になっております。そこで、先ほどの二ページの数字と多少違いますが、これは数字の方の取り方の問題でございまして、その点は必ずしも一致しておりませんが、現実に中央卸売市場でどれだけ取り扱っておるかという数字は、この市場ごとの数字をごらんいただけばよいと思うのでございます。
それではその次に、現在中央卸売市場というものはどういう都市に開設されておるか、そして幾つあるかという問題でございます。それは今の表の十三ページをごらんいただきたいと思います。それで一番左の東京、横浜、川崎以下、全部で十五都市になっおります。最近このほかに、小倉と和歌山と札幌と仙台及び千葉、こういう都市が開設を準備しております。さらに最近肉の関係の枝肉市場も開こうとされております。それには、大阪は本年の一月開きましたが、名古屋が近く開く、こういうふうな格好で準備を進めております。そこで、そういう都市で開かれて、さらにその都市の中に、本場と分場という格好で出ておるのが、この次に、今の表の十三ページの次の二欄目に、東京でいえば、東京本場、神田分場、江東分場、荏原分場、以下ずっと出ております。そういうふうな都市で、公共団体において開設されておる。そうして市場は今のような状況になっておりますが、それではその中に働いておる人はどういう人かと申しますと、御承知のように、まず卸売人でございます。十三ページの表は卸売人の青果と水産とその他と分けて、合計その表の一番右の端に二百五者がある、こういうことが現状でございます。卸売人は二百五者、うち二百三が青果、水産その他で、二が大阪の肉が入っておるために二百五、こういう数字になっております。
以下仲買人及びその以外の売買参加者がこれらの中で働いておるわけでございます。売買参加者と仲買人、この十四ページに仲買人、十五ページに仲買人以外の売買参加者という数字を載せてございます。そうして十六ページ以降が小売業者の状況をここに載せてございます。以上のような内容でございます。
それで今度は、中央卸売市場といたしまして、どういうところが問題点であるかということをまず申し上げたいと思います。
まず、中央卸売市場につきましての問題点は、その施設の点とそうして今度は売買取引の二点について問題があるのでございます。
まず第一に施設の点でございますが、施設の点につきましては、地方公共団体がいろいろその市の財政事情によりまして施設を整備してきて、そうして農林大臣に申請して、そうしてその際、いろいろの起債の関係が出てきております。その関係を農林大臣は自治庁と相談をして、できる限りの御便宜をはかっておる、こういう実情でございます。なおそのほか、補助金を取りまして、補助金を交付したり、さらに余剰農産物のような、ああいう場合においての低利の融資をあっせんしてやる、こういうふうなことになります。それで、昨日お配りいたした資料のガリ版刷りの方にその状況が出ておるのでございます。第一ページ目は、東京以下五大都市の一番初めの設立当時における建設費の状況を載せたのでございます。第二ページ目は、昭和三十年度と三十一年度における状況を載せたのでございます。三十年度につきましては、補助金を約六千万円取りまして、これらの都市に交付をいたしました。そうして建設費に使った。その下の方は三十一年の余剰農産物の融資の額でございます。四億一千九百万円ばかりになっております。これは四分十五年、こういうふうな内容でございます。それでは、各都市がどういうふうな施設計画をしておるかというのが、以下の中央卸売市場施設整備計画、横の長い表でございます。さらに、以下名古屋と大阪と広島につきまして、特別にこまかい表もつけ加えておきました。特に御視察なさる皆様方のためにも御便宜かと思いまして、つけ加えた次第でございます。要するに、第一表で見ていただくとわかるように、こういうふうな都市が人口に応じた整備計画を立ててやつておる。そうして下の方に三十三年と三十四年と三十五年の総金額が、これくらいの金額がかかると、合計額の一番右下の欄に出ております。三年間で六十一億、こういうふうに出ております。そうして三十三年三十四年三十五年で、おのおの二十一億二十一億十八億という程度になっております。こういうふうに、各都市におきましては、おのおの現在の施設につきまして改善を要する点、さらに広げなければならぬと、こういうふうな点につきまして金がかかる、これに当つては、いわゆる起債に負うておるというのが実態であります。そしてさらにこれにつきましては、農林省といたしましても、自治庁とよく相談をして、これの起債に便宜をはかっておる、こういうのが問題点でございます。現在の内容を申しますれば、各都市とも人口増と、そうして施設と比べますと、非常に人口増に合わないような施設でございまして、非常に狭隘を感じておる。こういうふうなのが結論的に市場施設の上では言えるのではないかと思います。しかし、その場合におきまして、広げる場合においても、いきなり広げるというのは当該都市の財政事情ということも考えてやらなければいけないという点もあります。こういうことでございます。
それではその次に取引の内容でございますが、どういうふうな点が問題であるかを申し上げたいと思います。まず生産者から荷が出荷される、その場合におきまして、青果と水産と多少趣きを異にしておる。という意味は、青果物につきましては、御承知のように零細生地者が多数あって、それらが個人または出荷組合、農協系統を使う、いろいろの形において市場に持ってこられる、そうしてその間にいろいろの人が介在する。さらにそれが中央卸売市場の卸売人のところにいく。そしてこの取引はせりを原則としておる。せり、委託、こういうふうな条件でございます。さらに水産の方につきましては、産地に揚げられた荷が、青果と同様な格好において市場に持ってこられる。だけれど、水産の方はここに冷凍加工のような状況が、いわゆる加工施設が、非常に進んできておる。そのために、産地の問屋の関係と中央卸売市場の関係、さらにその間におけるいろいろの加工形態、こういうふうな関係上、青果とは多少趣を異にしておると、こういう点が問題点ではないかと思います。それで、この場合におきまして、今度はその卸売人に持ってこられる場合におきまして、卸売人が先ほどの表でごらんいただくように、ほとんどの市場が複数制度の実情でございます。そのために卸売人同志において非常な過度の競争が行われておる、これが実態でございます。その過度の競争が行われておって、非常にいろいろの名目において経費が支出されておる、こういうのでございます。そのまず御説明申し上げるために、昨日お配り申し上げましたガリ版刷りの中の卸売人の費用構成比率(百分比)これのうちの費用を各都市別にずっと当つておりますが、費用を一〇〇として計算をずっと出しておるのでございます。上が青果で下が水産でございます。それで、その中の一番大きな問題点は一の売上高割使用料及び交付金の下の荷主交付金と売買参加者交付金という欄を見ていただきたいと思います。荷主交付金、売買参加者交付金、たとえば東京の例で申しますと、青果の方では一六・三四が荷主交付金、売買参加者交付金が一三・二五、こういうふうになっおる。そして今度は水産の方では荷主交付金が一・四九、売買参加者交付金が三・四九、こういうふうになっおるのでございます。これは、卸売人が過度の競争をしておる、それはどういうことかと申しますと、荷を引つぱるためにいろいろの前渡金だとか奨励金だとか、そういう名前でもってまず出荷者の方に金を出しておる。それが一つと、もう一つは、先ほど申し上げました売買参加者及び仲買い、こういう人たちに対しても、またいろいろの交付金——一種の交付金という形で金を出しておる、すなわち卸売人は、サンドイツチマンみたいに両方から攻められておる、要するに引つぱるためにも一生懸命で、荷主の方にも金を出し、さらに売る方のためにも金を出しておるこれが実態でございます。そのために荷主交付金と売買参加者交付金、これは荷主に対してくれてやる金でございます。売買参加者交付金というのは参加者にくれてやる金。さらにその次の表を見ていただきたいと思います。卸売人の前渡金、諸経費調査表、その中の「前渡金調」というところの欄を見ていただきたいと思います。まず前波金がA、自己資本がB、借入金がC、あとは割合でございますが、たとえば東京の水産関係九社の例をとつてみますと、前渡金が十一億出ておって、自己資本が八億一千だと、すなわち前波金の方が自己資本よりも多いのだ、要するに自己資本以上に前渡金を出しておる、こういうふうな実態でございます。さらに今の例を申しますと、借入金と自己資本の割合を出してみますと、借入金の半分以上を前渡金に出しておる、こういうのが実態でございます。以下東京の青果、大阪の青果なんかを出してみると、割合が、前渡金の自己資本に対する百分比が一三三%、二二二%、九五%、二一二%、こういうふうな非常に多くの前渡金を出しておる、これが荷引きのために出されておる。さらに、前渡金以上に、先ほど前ページで御説明申し上げましたように、荷主に対してくれてやる一種の奨励金を出しておる、さらに今度は買う方の売買参加者に対してもくれる、たとえば東京の十九社の例で申しますと、経費のうち一三・二五くらい出しておる。非常に多くの競争をすることによって、こういうふうな金が出ておる、これが実態でございます。すなわち、複数制で非常に多くの競争をしておるがために、そういうふうな過度にわたると思われるような経費がたくさん出ておる、こういうふうなのが現状でございます。それで、卸売人自体が、自分自身の経理の内容を非常に悪くしておる、こういうふうなことでございます。それで、次にきのうのガリ版刷りの表でございますが、十ページをお開き願いたいと思います。先ほどの関係資料で、現在の卸売人の数が二百五社と言いましたが、ここの十ページの表には、報告のありました二百二社をとらえたのでございますが、十ページのまん中の一番下に二百二社というのがあります。卸売人の数二百二のうち、あとで御審議願う法律の純資産額をたとえばゼロとした場合において、すなわちマイナスのある会社が幾らあるかというと、二十六ある、こういうふうな実態になっております。すなわち卸売人の一割以上がマイナスの会社である、こういうことでございます。さらに第二表は、うち東京がどういうふうな内容になっておるかという表でございます。さらにその次のページに、欠損会社は、それではどういうものがあるかという表をつけ加えておきましたわけでございます。以上のように、卸売会社そのものも非常に経営の状況が悪くなっておる、こういうことでございます。
さらに、それではそれのどの程度に悪くなっておるのかというのでございますが、お配り申し上げておりますこの印刷物の中央卸売市場の卸売人要覧というのを見ていただきたいと思います。これは一番初めに卸売人の数の表を載せまして、あと、東京以下全卸売人の数を、ずっと名前を書きまして、そのまん中辺に財務状況というのが、純資産額が幾らというのかずっと載せてございます。個々の会社につきましては、最近の財務諸表からいえば、こういうふうな状況になっておる、こういう関係資料でございます。
それでは、従来われわれは、農林省といたしまして、どういうふうな措置をとつてきたかという点でございますが、これに対しましては、この前の法律改正をしていただきまして以降、卸売人の悪い会社につきましては、なるべくいい会社の方に統合していただくという方向で進んでき、さらに、これらに対する次官通達なんかを出しまして、指導して参ったのでございます。さらに、そのほか開設者、県及び農林省が一体となりまして検査の指導を続けてきたのでございますが、不幸にも、御承知のように、昨年九月東〇事件のようなものも、中には生じた、これが実態でございます。
それで、現在われわれといたしましての信用強化方法といたしましては、いろいろ考えられるのでございますが、本日御審議をいただく法律の要点によりまして、三点をお願いする、こういうふうな内容になっております。
それでは、従来の法律、この前法律を改正していただきました内容はどういうふうに進められているかということにつきまして、ちょっと御説明して、そして以下、要綱によりまして改正の内容を御説明したいと思います。
三十一年の法律改正をしていただきました要点は、御承知のように、中央卸売市場の重要性にかんがみまして、その性格をはっきり明らかにした。そして、中央卸売市場の開設者は、地方公共団体に限定したという点が一点、さらに、中央御児市場の区域指定の基準を明らかにした、すなわち、人口十五万以上の都市につきましては、中央卸売市場を作つて、そしてこれらを指導育成していく、こういうふうなことがはっきりされたのでございます。さらに、卸売人につきましては、業務規程で数の最高限度を定めるということ。さらに第三点といたしましては、卸売人の許可は、農林大臣が開設者の意見を尊重してやるということ。第四点は、卸売人の間における合併など、営業の譲渡、取引条件に関する協定には、独禁法の適用除外の規定を設けた。第五には、仲買人に対する規定を設けた。第六には、類似市場に対する監督規定を設けた、こういうことでございます。それで、これらのことにつきましては、その後全部省令で、そういうような内容によりまして、これを指導して参ったのでございます。すなわち、区域指定につきましては、先ほども申しましたように、人口十五万以上の都市、そうして卸売人の数の問題につきましては、各都市とも業務規程でその最高限度を定める。その場合においては、現在員数をもとにしてやった。さらに、新しい所は、当初、許可するときの数を最高限度とする、そして、今度は卸売人の許可に当りましては、いずれも開設者と意見を異にしてやったことはないような次第であります。そして、卸売人の合併等につきましては、大阪と名古屋の例かありましたが、これも公取と協議して、異議なくこれが申請通り認可されたような内容になっております。さらに、仲買人に関する事項につきましては、業務規程を改正して、仲買人の規定を入れました。類似市場につきましては、開設者から法律に基きまして届出が行われている現状でございます。さらに保証金の問題につきましては、従来の一万円から五十万円以下というのを、三十万円から六百万円以下というふうに改正して、万遺憾のないように、最大の努力をしてやつているような次第でございます。
かような状況でございますが、先ほども申しましたようないろいろの点につきまして、なお改正する必要がある、こういうような考え方から、今度法律案の改正をお願いしたような次第でございます。
それで、今度は法律案の要綱につきまして御説明を申し上げたいと思います。お配りいたしました資料の中に、中央卸売市場法の一部を改正する法律案要綱がございます。
まず、今回お願い申し上げます点は三つあるのでざいますが、第一の点は、名称使用の制限の問題、第二の点は、取引方法の規制の問題、第三は、卸売人の純資産額の問題、この三つの点でございます。
第一の点はこれは現在中央卸売市場法の施行規則にございますが、それを法律にあげたその理由は、中央卸売市場とその他の市場との間におきまして、中央卸売市場をその他の市場と間違えないように、要するに出荷者が遠方から出荷をいたしますものですから、その他の市場と中央卸売市場と間違えないように、ここにはっきり中央卸売市場というものは中央卸売市場という名を使ってもらいたいと、こういうふうな意味合いでございます。「中央卸売市場の取扱物品の全部又は一部の卸売をするため開設される市場であって中央卸売市場でないものは、その名称中に中央卸売市場という文字を用いることができないこととする。」こういうふうな改正でございます。それで、これは従来は罰則がなかったのでございますが、今度はここにはっきり罰則も規定するということでございます。
第二は、取引方法の規制の問題でございます。先ほどのようないろいろ過度にわたるような取引が行われますものですから、これについての規制をしたのでございます。それで、業務規程をもって卸売人の卸売業務にかかる取引方法を制限することができる、こういうふうな内容にしたのでございます。
第三点は、卸売人の純資産額の点でございます。現在の法律におきましては、資力信用という言葉で表わしておるのでございますが、資力信用という言葉では、非常に漠然として運用に非常に困る、こういう意味合いにおきまして、この資力信用というのを、はっきり純資産額という額をきめて、そうしてやりたい、こういう考え方から、純資産額という制度を設けたい、こういう趣旨でございます。それで、純資産額をきめまして、純資産額を割った場合におきましては、農林大臣がその卸売人の業務の停止をすることができる、そうして六カ月たった場合において、その純資産額がその基準額の最低額よりもまだ上らない場合においては、これは当該卸売人を取り消すことができる、取り消す、そしてもし上った場合においては、その停止を解除する、こういう思想でございます。二ページ、三ページの内容は、それで取消したり業務停止をする場合においては、聴聞会をやる、そして万遺憾なきを期する、こういうようなことでございます。しかしながら、現在の卸売人につきましては、改正法が施行されて以降二カ年以内に純資産額の増加計画を出していただきまして、そうしてその増加計画にパスしたもの、農林大臣が適当と認められるものにつきましては、二カ年間はよろしい、しかし、その間においてだめなものは業務を停止したり取消しをする、こういうふうな内容でございます。それで、ここで問題になる純資産額の内容は、それじゃどうかと申しますと、なるべく低く、その卸売市場における取引の形態だとか員数だとか、その他の事情を勘案してきめる、農林省告示でもってきめると、こういうふうな考え方でございます。これは法律がもし通った場合におきましては「公布の日から起算して六十日を経過した日から施行する。」こういうふうな改正案の内容でございます。
以上が、一応の御説明でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/2
-
003・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) この法律案の本格的な審査は、日をあらためて行うことにいたしたいと存じますが、委員派遣等の都合で、ただいまの説明のうち、御質疑の向きは、この際、御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/3
-
004・大河原一次
○大河原一次君 ちょっとお伺いしますが、中央卸売市場でないものについては、その名称を、中央卸売市場という名称を使っていかぬということなんですか、これはどういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/4
-
005・鈴木一
○説明員(鈴木一君) たとえば例を申し上げると、一番わかりやすいかと思いますが、現在岡山に中央卸売市場の適用を受けておらないものであって、そうして岡山中央卸売市場、こういうふうなものがあるのでございます。そういうふうなものはいけないと、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/5
-
006・大河原一次
○大河原一次君 前渡金というやつは、いつ頃からやっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/6
-
007・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 前渡金は、戦前にはほとんどなかったと、こういうふうな実情のようでございます。戦後の実情のようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/7
-
008・大河原一次
○大河原一次君 これはやはり一種の奨励金ということですか、奨励金というものとも違うのですか。前渡金というものと、そのほかに奨励金と、別にあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/8
-
009・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 奨励金と前渡金と別でございます。奨励金の方は、いわばただくれてやると、私のところにたくさん出してやればそれにくれてやる、そうして前渡金というものは、それのほかに、これだけのものを買うからという意味において、優先するために金を出す、それを通常を越えて出しておられると、これがそうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/9
-
010・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 この純資産額というのでありますが、この資産というのは、どういうものを意味しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/10
-
011・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 資産の総合計から負債の総合計を引いた残でございます。いわば、だから資産の総合計から負債の総合計を引くと、通常そこに資本金、準備金それにマイナス——従来の欠損金と、こういうふうな内容になるかと思います。なお、これらのこまかいものにつきましては、省令ではっきりしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/11
-
012・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 純資産はそれでわかるのですが、資産ですね、総資産というものの中に、何といいますか、営業権といいましょうか、そういったものも含めておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/12
-
013・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 要するに総資産の内容でございますが、要するに資産構成といたしましては、おもなるものは、現金だとか、預金だとか、売掛金、そうして固定資産につきましては建物、いろいろあります。さらにその中に、いわば意匠権だとか、営業権だとか、そういうふうないろいろのものもありますが、営業権も当然入りますが、ただ、評価の仕方につきましては、適正な評価を認めよう、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/13
-
014・大河原一次
○大河原一次君 いま一つ、前渡金と、それから奨励金の区分についてお伺いするのですが、京都、大阪、そういう各都市については、都市におけるところの前渡金並びに奨励金というものは、一律になっているのですか、奨励金の額ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/14
-
015・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 都市によって、また会社によって全部違うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/15
-
016・大河原一次
○大河原一次君 そうすると、こういう前渡金並びに奨励金というものは、いわゆる市場における価格の面に、さらに具体的にいえば、このことによって、そのしわ寄せというやつが、一般消費大衆の上にかかってくるということも考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/16
-
017・鈴木一
○説明員(鈴木一君) そういうふうな中央卸売市場の性格にかんがみまして、そういうのが過度にわたる場合におきましては、非常にそのせり原則として価格内容に響いてくる。それでありますから、こういうような過度にわたるものを何とか適正な方何に持っていきたい、こういう思想でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/17
-
018・大河原一次
○大河原一次君 これは僕らしろうとでよくわかりませんけれども、農家のやはり供出来に対する前渡金というものと非常に性格が違うわけですから、従って、われわれから見れば、こういう前波金あるいはまた奨励金というものは、むしろない方がいいような気がするのですが、そういう点についてはどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/18
-
019・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 原則としては、われわれもこれはない方がいいと思っております。しかし、これを一時にあしたからやめろと、こいうことは非常に問題がありますものですから、これとうらはらの関係である卸売の手数料、これとの関係において、順次に改正していきたいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/19
-
020・河合義一
○河合義一君 ただいまの手数料でありますが、その額は規定されておるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/20
-
021・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 現在これが業務規程によって各卸売会社に認可されておる、こういうふうになっております。それで、大体のところ、蔬菜につきましては一割、そして果物については八分、そして水産については六分、これが現状となっております。それを最高限度としてやっておるのが内容でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/21
-
022・河合義一
○河合義一君 その規定が厳格に守られておるのでありましょうか、あるいは一割取るところを一割五分も取っておるような例はありませんか、また、それをどういうふうにして監督をして正しく行なっておるということを認定するのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/22
-
023・鈴木一
○説明員(鈴木一君) その手数料そのものについては、やはりそれ以上はその名目においては出しておらないと思います。しかしながら、他の名目で、今言うような前渡金だとか奨励金だとか、そういう名目、さらにいろいろの別途その会社におけるサービス、こういうふうな内容において、個々に全部違うと思います。それで、その場合におけるやり方といたしましては、当該卸売市場において、それ以上には、この名においては出しておらないようなのが内容でございます。それで、検査におきまして、われわれとそして開設者自身がやって、できるだけ努めておるのでございますが、それが万全だとは現在考えておらない次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/23
-
024・河合義一
○河合義一君 私の承知しておるところでは、表面は一割といいましても、実際には一割五分も二割五分も——まあくだものなどはちゃんと量目がはっきりしておりますが、水産物などに至りましては、鯨の肉が百貫といいましても、実際は百二十貫あるやつを、百貫どころじゃない、九十貫として、そして手数料は一割ということを公表しておりましても、一割五分も取るということが在米は往々にあった。現在はそういうことを、農林省としましても開設者としましても、どういうようにそれを監督しておるのか、その辺は非常に私は疑問を持つのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/24
-
025・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 農林省といたしましては、監査の際にそれを検査いたしまして、できるだけ不当のないようにと、こういうやり方をやつております。開設者につきましても同様なふうにやつておりますが、いかんせん十分だとは思っておりません。何とかなお改善したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/25
-
026・河合義一
○河合義一君 どういうふうにして農林省は監督しておるのでありますか。それが厳格に行われておるのでありましょうか。ごまかされておるようなことかないのでありますか。荷主もこれにはまことに利害関係がありますから、鋭い限を持っておるのでありますけれども、荷主が直接それを精査するということは困難です。それで、開設者なり農林省が、厳格に監督する必要があるのでありますが、それは往々にして、私は実現していないと思う。実行されていないと思うのであります。どうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/26
-
027・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 現在、御承知のように卸売人の複数制でございますものですから、そのきめられた以上のものの率は取っておらないのが現状でございます。しかし、先ほど申しましたようなその率という名目以外の名目でなっておる。先ほど申しましたような前渡金だとか奨励金だとかさらにサービスだとかそういう格好においていろいろ逃げておる、こういうふうにわれわれは考えておるわけであります。それで、何回も申しますように、検査といたしましても十分ではない、これがまあ実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/27
-
028・河合義一
○河合義一君 この手数料でありますが、表面は一割と申しておりましても、実際には一割五分も二割も取っておるのが実際にはあるのです。今まではあったのです。それで荷主ばかりじゃありません、第三者におきましても一目瞭然とわかるような、何か方法があるのでありましょうか。また帳簿を、最も利害関係を持っております荷主が見たいというような場合でも、ちょっと遠慮して見せてくれということもいきませず、今までの地方の委託販売、中央市場の卸光人じゃありませんが、地方の市場におきましても、帳簿を大福帳式なややこしい帳簿にいたしまして、ちょっとわからぬようなことをやっておったのであります。一目瞭然とした何かここに規定をこしらえまして、こういう式の帳簿によらなければいかぬとか、また小売人が買い取りまして、卸売業者は百円で売ったと申しておりましても、実際は小売業者は百十円で買っておるというような場合が往々にしてあったのです。それを第三者が——卸売人、出荷者それから買い受けた小売人が、一貫して一目瞭然とわかるような何か方式上の規定を作る必要があると思うのです。そういうことはお考えになっておるのでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/28
-
029・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 御指摘の通り帳簿を何とかして、少くともそういう面においても調製していく、こういうことにつきまして、昨年のこの前の法律改正以来、その帳簿の統一化ということにつきましては努めておるのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/29
-
030・雨森常夫
○雨森常夫君 ちょっとお伺いしますが、第十条の九でもって御売業者は毎年二回純資産額を報告しなければいかぬという規定になっておって、二十五条で、この報告をしない場合には五万円以下の罰金だと、こうなっておるのですが、そうすると、私は非常にしろうと考えなんですが、年に十万円ずつ出しておれば、報告しなくてもいいのだということにも考えられますが、これはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/30
-
031・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 御承知のようにこれを報告しなければ、その過料、罰金には処せられまするが、さらにこれの業務報告をしないということによるその罰則以外に、業務停止なり、業務取消なりもっと大きなことが行なわれるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/31
-
032・雨森常夫
○雨森常夫君 それは別に規定があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/32
-
033・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 十八条関係にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/33
-
034・堀本宜実
○堀本宜実君 これはあす大阪の市場を見るわけですがね。そこで、ただ単に風聞ですよ。見たら一目瞭然としてわかるわけなんですが、だがしかし、当局が大阪の枝肉市場のことを、この間できただけですから、まだ結果についてはおわかりにならぬと、知りませんとおっしゃるだろうと思いますが、どうも聞くところによると、すでにもう何か混乱することを予定して作ったようなふうに、いろいろの点でわかる。たとえばもう市場は要らないのだから廃止すべき市場であるのにもかかわらず、類似市場を金をかけて作っている。どういうつもりで作るのかわからないが、作っている。そうして、たとえば甲の中央畜産に加盟すべき株主が、片一方の、もう一つありまする大阪畜産株式会社の株主になっておるというような、すでに混乱したようなものを聞きますが、当局はそういうことを耳にして、承知をして、許可になられたのではございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/34
-
035・鈴木一
○説明員(鈴木一君) そういうことはわれわれは聞いておらないのでございます。それで、とにかくこの枝肉市場といたしましては、大阪が日本で初めてでございます。とにかく大阪市があそこに作りたいと、こういうので、われわれの方も畜産局と十分相談をして、そうして許可をしたわけでございます。それで、その許可をするに当っては、何らの間違いはなかったかと思うのでございますが、いかんせん、この枝肉市場は初めてでございますものですから、なお至らぬ点があるかと思うのでございますが、その点につきましては、私もまだ実際上見ておりませんのでございますが、御視察願って、なおよい方向に持っていきたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/35
-
036・堀本宜実
○堀本宜実君 もう一点。これはいずれの市場にも当てはまる問題だと思いますが、最近、流通面の問題はいろいろの角度から各産業の部門において重視されております。特に農水産の問題につきましては、特に今後経済流通面をどうするかということが大きな課題であろうとわれわれは考えておる。そこで、生産者というものを卸売市場の中へ入れる申請があっても、それを認可しないというようなことがあるのでありますが、これは商権擁護とか、あるいは従来やられておった人たちへの保護育成のためにとる手段か、あるいは将来大綱としては生産者が卸売市場まで出てはいけないというお考えなのか。そういう基本的な考え方を、どういうふうにお考えになっておられるのか。一応聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/36
-
037・鈴木一
○説明員(鈴木一君) かような重要な問題につきましては、やはり政府委員の方からお答え願った方がいいと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/37
-
038・堀本宜実
○堀本宜実君 私もそうしたいと思うのだけれども。——そうですが、それじゃけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/38
-
039・鈴木一
○鈴木一君 先ほど問題になりました前渡金の性格ですがね、これが金融的な意味が強いのか、それとも金を出すことによって荷を引くための呼び水的な性格が強いのか、どちらなんですか。両方があるのか知りませんが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/39
-
040・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 御承知のように、前渡金につきましては、その内容かいろいろの性格に分けられると思うのでございます。この前渡金を見ますと、現まの御売人が複数であって、競争が激しい。それで、一応自分の手数料というものはきめられておる。だから自分の営業をふやすためには、総取扱い量をふやさないと、自分自身の仕事がふえていかない。利益も余計にならぬ。こういうために、前渡金が荷を引くために、こういうために出されたと思うのでございます。さらに、それではその内容がどういうことかと申しますと、いわゆるこれは水産物だとか、また物によっも違うと思うのでございます。たとえば今度は農産物、青果だとか野菜なんかの方を考えて見ますと、その前渡金の中には、とにかく目的は荷を引くためでございますが、いわゆるその性格的には金融的なものもあるし、さらにもう一つ、要するに出荷奨励金的なものもたぶんあるわけです。いろいろ内容的には分けられるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/40
-
041・鈴木一
○鈴木一君 そうするとあれですね、野菜や果物の場合を見ると、直接の生産者のところまでいっていないのですね。途中の荷主団体というところまでいっているのですね。生産者に対しては一つもこういうのは流れていっていないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/41
-
042・鈴木一
○説明員(鈴木一君) この前渡金の行く末でございますが、これは一、二のものを調べて見ましたところ、やはり出荷会社自体に、生産地における出荷会社自体にいっている。さらに出荷組合自体にいっているもの、さらに農協とかそういうところにいっているもの、こういうふうに分けられるかと思います。だから出荷者自身が生産者自身であると、こういう場合においては、出荷者自身にもいっているかと思います。だから、その内容は区々になっているかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/42
-
043・上林忠次
○上林忠次君 先ほども何かお答えがあったような気がいたしますけれども、交付金というものは、各社によってまちまちになっていると思うのです。これは結局値段に影響することになってくると思いますが、これは限度は、農林省はお作りになりませんか。交付金を何パーセント以上はやったらいかぬ、これ以内でやれというような限度ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/43
-
044・鈴木一
○説明員(鈴木一君) あるいは御承知のように交付金の内容が二色に分けられるかと思うのです。いわゆる出荷者に対する交付金と、売買参加者に対する交付金、要するに物を委託する方と買う方と、両方に対する交付金になるかと思うのですが、まず後者の方につきましては、比較的に簡単にある程度作られるかと思います。しかし、前者の出荷者に対する交付金というものの率というものにつきましては、非常に困難な点が多かろうと思いますが、われわれは現在の実情を、よく開設者なりと相談をいたしまして、遺憾のないように順次——いわば、できるならばゼロの方向に持っていきたいと思いますか、順次改善していきたい、こういうふうな考え方でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/44
-
045・上林忠次
○上林忠次君 これが昔の統制時代のように、一社でやっていますときは、交付金も要らないというようなことになるのじゃないか。また、前渡金の率も、これはまあ一定にしておいてもいいし、また出さないことにしておいてもいいし、そういうような点が、結局値段に影響する。各社の競争を強化しているのじゃないかという感じがしますが、そういうような点から考えますと、今の東京におきますような六社も七社もあるというのが——東京都でいいますと、神田の市場における六、七社あったということが、おかしいじゃないか。昔の方がかえっていいじゃないか。単独になりますと、値段はそれは上ります。競争者がないから上るという点があるけれども、こういうようなむだな競争を起すような交付金をやったり、前渡金で競争させるということになると、その功罪はどっちがいいのか。ほんとうに消費者から考えて、それかどっちの方がほんとうに安い品物が買えるようになるのか、そういうふうな点はとうですか。ちょっと内容が、意味がとれないかもしれませんが、交付金も前渡金も、ただむだな競争を激化させるもとになるのじゃないか。どうせこれは何かの形で——前渡金はかかってこないにしても——品物の値段にかかってくる。交付金というものは直接かかってくる。その交付金も各社によってまちまちになっておる。これを制限しなかったならば、いたずらに競争を激化させる。こういうのなら、むしろ昔のようにコントロールした時代のように、一社でやらしていった方が、かえって品物は安くなるのじゃないか。無競争ですから、反面競争による品物の低価というものは望めませんけれども、こういうふうな交付金があったり前渡金がまちまちになって、盛んに競争するということになりますと、かえって高くなると思う。消費者に売る値段は高くなるのじゃないか。そうすると、井に返った方がいいじゃないか。今は自由な時代ですけれども、こういうふうなものがあるなら、これは考えなければいかぬじゃないかというふうな気もしますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/45
-
046・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 非常にこれはこの前の改正法のときにも御議論になりました例の単複の本輿論の問題のようでございまして、やはりこれも微妙なことでございますから、やはり政府委員の方から御答弁願った方が間違いないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/46
-
047・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) それは君、政府委員でなくても、むしろ政府委員の局長よりも君の力がよく知っておるのだから、だから君の課長の意見として何か述べて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/47
-
048・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 現在の指導方針はこうしております。既設の市場につきましては、なるべく統合することによって数を少くする、こういうふうなやり方です。今後新しくできる市場につきましては、単数を局長名義をもって申進しておる。こういうふうな現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/48
-
049・上林忠次
○上林忠次君 ただいまの状態では、各都市に五社も十社もある。そういうふうな状態になりますと、先ほども、資産の中には、のれん代の権利金も入っておるというふうなことも言われましたけれども、これもどこまでがいいのかわからぬ。八社かいいのか、五社がいいのか、二社かいいのかわからぬ。そういうふうなことで、いいかげんな運動によって獲得した権利を——権利金も資産の中に入るということはどうなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/49
-
050・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 要するに帳簿価格を基準にいたしまして、それがあまりに不当でなければ、帳簿価格によりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/50
-
051・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) 私一つ質問したいのですが、交付金の問題が出ましたが、いわゆる荷主、農協とか何とかいうことになるのだが、それに対する交付金と、それから小売人に対する交付金と、こう分けられるのだか、小売人に対する交付金は、卸売人は勝手としても、私は荷主に対する、たとえば農協に対する交付金というものは、これは生産者の手に渡っておるか、生産者の利益になっておるかどうかということがきわめて疑問なんで、それで荷主に対する交付金というものは、漸次僕は廃止していいのじゃないかと思うのだ。そうすると、弱体卸売人はおのずから整理できるのじゃないかと思うのだか、農林省の、人口によるこの市場は、どのくらいな数の卸売人が適当であるかということは、おのずから科学的にわかるのだから、そこまで整理できるのじゃないかと思うのですが、その点は、課長どう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/51
-
052・鈴木一
○説明員(鈴木一君) 御趣旨の通りに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/52
-
053・田中啓一
○田中啓一君 二十三条のここの類似市場の問題ですが、これはこういう規定が先般できまして、これはどうするかとか、ずいぶんみんなが頭を悩まして、とりあえずこの程度のことを一つやったらよかろうということで二十三条ができたのですか、その後、これによって何かやりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/53
-
054・鈴木一
○説明員(鈴木一君) お配り申し上げました資料の類似市場、これの一覧表に全部名前が載せてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/54
-
055・田中啓一
○田中啓一君 一覧表を作っただけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/55
-
056・鈴木一
○説明員(鈴木一君) それで、こういうような実態を把握した、こういうようなことが次の段階の第一歩といたしまして、とにかく非常な前進かと思います。さらに現在進んでおりますものは、たとえばの例でございますが、広島とか、そういう所の類似市場は、当該市が、これは中央卸売市場法に基く市場に持っていく、こういうことを漸次やっておるような現状でございます。だから、これらの小において漸次中央卸売市場の方向に改組していくというものもあるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/56
-
057・重政庸徳
○委員長(重政庸徳君) この件については、本日は、この程度にいたします。
これをもって散会いたします。
午前十一時五十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815007X02019580320/57
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。