1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年四月二十二日(火曜日)
午前十時四十二分開議
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議事日程 第二十四号
昭和三十三年四月二十二日
午前十時開議
第一 職業訓練法案(内閣提出、衆
議院送付) (委員長報告)
第二 科学技術庁設置法の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院
送付) (委員長報告)
第三 放射線障害防止の技術的基準
に関する法律案(内閣提出、衆議
院送付) (委員長報告)
第四 一般職の職員の給与に関する
法律の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)(委員長報
告)
第五 特別職の職員の給与に関する
法律等の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)(委員
長報告)
第六 防衛庁職員給与法の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院
送付)(委員長報告)
第七 裁判官の報酬等に関する法律
の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)(委員長報告)
第八 検察官の俸給等に関する法律
の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)(委員長報告)
第九 国会議員の歳費、旅費及び手
当等に関する法律等の一部を改正
する法律案(衆議院提出)(委員
長報告)
第一〇 公職選挙法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送
付)(委員長報告)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/0
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001・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/1
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002・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) これより本日の会議を開きます。
日程第一、職業訓練法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長阿具根登君。
〔阿具根登君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/2
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003・阿具根登
○阿具根登君 ただいま議題となりました職業訓練法案につきまして、社会労働委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
近来、産業の発展、高度化に伴い、技能労働者の不足が著しい反面、多数の失業者や不完全就業者の存在する状況にかんがみ、現在の職業補導と技能者養成の制度を統合拡充し、技能検定制度をも設けて、系統的な職業訓練制度を実施するのが本法案の趣旨であります。
そのおもなる内容は、第一に、労働大臣等の定める計画のもとに職業訓練を行い、学校教育との連絡を密にすること。第二に、求職者のため、一般、総合、身体障害者の各職業訓練所等において公共職業訓練を行うこと、中央及び総合の職業訓練所において職業訓練指導員の訓練を行い、前者において職業訓練に関する調査研究等を行うこと、雇用者のための事業内職業訓練について基準を設け、これを援助し認定すること。第三に、職業訓練指導員の試験及び免許制度を設けること、職業訓練修了者を中心として技能検定制度を設け、合格者は技能士と称し得ること。第四に、中央職業訓練審議会を設け、労働大臣の諮問により、職業訓練の計画、基準、技能検定等の重要事項を調査審議すること、都道府県においても、これに準ずる都道府県職業訓練審議会を設け得ること等であります。
委員会におきましては、事業内職業訓練と学校における職業教育との関係、職業訓練指導員の待遇とその充足、労働組合の行う職業訓練に対する援助、公共職業訓練を受ける求職者に支給する手当等について、熱心な質疑が行われましたが、詳細は会議録により御承知いただきたいと存じます。
かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、片岡委員は、日本社会党を代表して、職業訓練施設の拡充及び補助、職業訓練指導員の待遇改善等の希望意見を付して、衆議院送付案に賛成せられ、次の付帯決議を提案せられました。
附帯決議案
職業訓練の振興をはかるためには、学校教育との重複を避けるとともに、密接な関連のもとに行うことが肝要である。特に職業訓練を受ける青少年勤労者の学校教育との二重負担を軽減することが必要である。
よつて政府はすみやかに適切な措置を講ずべきである。
右決議する。
というのであります。
討論を終り、採決の結果、全会一致をもって、衆議院送付案通り可決すべきもの、また、片岡委員提案の付帯決議も、全会一致をもって、本委員会の決議とすることと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/3
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004・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/4
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005・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/5
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006・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 日程第二、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案
日程第三、放射線障害防止の技術的基準に関する法律案
日程第四、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
日程第五、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案
日程第六、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上、五案を一括話して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/6
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007・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長藤田進君。
〔藤田進君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/7
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008・藤田進
○藤田進君 ただいま議題となりました科学技術庁設置法の一部を改正する法律案外四件につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案及び放射線障害防止の技術的基準に関する法律案の二法案について申し上げます。
科学技術庁設置法の一部を改正する法律案の改正の要点は、最近における電子技術の著しい進歩に対処するため、科学技術庁に、諮問機関として電子技術審議会を新たに設置せんとする点であります。従来、政府においては、すでに昭和三十一年九月、科学技術庁の諮問機関である科学技術審議会に電子部会を置き、同部会の意見を尊重して、電子技術振興のため、外国技術の導入、電子技術に関する技術者の海外派遣、関係行政機関の電子技術に関する試験研究費の見積り方針の調整等、諸般の措置を講じてきたのであるが、最近における電子技術の著しい進歩に伴い、電子技術部会の審議事項は、おのずから広範多岐にわたることとなったため、従来の電子技術部会を発展的に解消させて、電子技術審議会を新たに設置することとしたというのがこの改正の趣旨であります。なお、電子技術審議会の組織、所掌事務、議事等は政令で定めることになっております。
次に、放射線障害防止の技術的基準に関する法律案につき、政府がその提案の理由として述べるところによりますと、従来、放射線障害の防止に関しては、各種の法律で規制が行われてきたが、これら各種の法律で、異なった技術的基準により障害防止の規制を行うことは好ましくないので、この際、放射線障害の防止に関する技術的基準策定上の基本方針を明確にするとともに、総理府の付属機関として、放射線審議会を新たに設置して、放射線障害の防止に関する技術的基準の斉一をはからんとするものであるとのことであります。なお、この放射線審議会の新設に伴い、従来、科学技術庁の付属機関として設置されておる放射線審議会は、発展的に廃止されることとなっております。
内閣委員会は、以上二法案につきまして、正力科学技術庁長官、その他政府委員の出席を求めて審議に当りましたが、その審議におきまして、電子技術審議会を設置するに至った経過と設置の必要性、この審議会の今後の運営方針、科学技術の振興のため科学技術庁を省に昇格するの要否、科学技術会議とこの審議会との関係、わが国の電子工学研究の水準、科学技術の研究の成果が政府の施策の面にいかなる程度に取り上げられておるかの点、科学技術関係予算特に科学技術関係の各研究機関の研究費の現状、放射線障害の被害状況等の諸点につきまして質疑応答が行われましたが、その詳細は委員会会議録に譲りたいと存じます。
昨日の委員会におきまして、以上二法案の質疑を終了し、別に討論もなく、よって直ちに右二法案を一括して採決いたしましたところ、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
次に、給与関係の三法律案について申し上げます。
一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、昨年七月十六日付の人事院勧告に基いて、一般職の国家公務員に対し、新たに通勤手当を支給しようとする趣旨のものでありまして、この法律案においては、その通勤手当の支給範囲及び支給額を定めております。
次に、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案は、現在、特別職の職員と一般職の職員との間に給与の均衡が失われているので、この際、特別職の職員についても、その俸給月額の改定を行うとともに、あわせて給与制度全般についての整備を行わんとするものでありまして、すなわち、その第一は、特別職の職員の俸給月額を改定し、この改定に関連して、俸給表の体系に再検討を加え、俸給額の上下差を広げるとともに、職務の複雑困難性等を考慮して、それぞれの官職に適合する俸給月額を定め、秘書官に対しては、一般職の職員の例により通勤手当を支給することとし、委員会、審議会等の委員長、委員等で、他の職務に従事し、それより生ずる所得が主たる所得となっている者には、俸給月額を支給せずに手当を支給する等の改定を行うこととした点であります。その第二は、特別職の職員の俸給月額の改定に伴い、暫定手当の額に改定を加えた点であり、その第三は、会計検査院法、国家公務員法、文化財保護法及び自治庁設置法の一部を改正して、特別職の職員の給与改定に関連する所要の規定の整備を行なった点であり、その第四は、防衛庁職員給与法の一部を改正して、防衛事務次官及び統合幕僚会議議長の俸給月額を改定するとともに、その給与体系を特別職の職員に準ずるように改正することとした点であります。
また、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案は、防衛庁職員に対しても、一般職の職員と同様の通勤手当を支給できるようにするとともに、昨年末行われた期末手当の増額に伴う航空手当等の額の俸給日額に対する割合の最高限度を改める等、所要の措置を講じようとするものであります。
内閣委員会は、以上三法律案につきまして、一萬田大蔵大臣、津島防衛庁長官、今松総理府総務長官、その他関係政府委員の出席を求めて審議に当りましたが、その審議におきまして、特別職の給与改正に関する法律案附則第一条において、内閣総理大臣、内閣官房長官及び総理府総務長官の俸給月額の改定に関する部分の施行期日を別に法律で定める日まで、延期した点、特別職の各官職の俸給の改定率が不均衡である点、通勤手当の支給額を算出するに当り一律に百円を控除した点、自衛官の給与が日額制になっておって月額制にしない点、航空自衛官のパイロットの待遇改善に関する点、三法律案施行に要する経費の点等の諸点につきまして質疑応答が重ねられましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
昨日の委員会におきまして、以上三法律案の質疑を終了し、別に討論もなく、よって直ちに右三法律案につきまして順次採決いたしましたところ、各法律案とも、賛成者多数をもって、衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/8
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009・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより五案の採決をいたします。
まず、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案及び放射線障害防止の技術的基準に関する法律案全部を問題に供します。
両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/9
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010・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/10
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011・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/11
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012・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/12
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013・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 次に、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/13
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014・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/14
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015・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 日程第七、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案
日程第八、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/15
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016・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。法務委員会理事一松定吉君。
〔一松定吉君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/16
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017・一松定吉
○一松定吉君 ただいま議題となりました裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案並びに検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、法務委員会における審議の経過並びに結果について、一括して御報告を申し上げます。従来、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官並びに検事総長、次長検事及び検事長の報酬または俸給は、内閣総理大臣等の特別職の職員の俸給に準じて定められていることは、皆様御承知の通りでございますが、昭和二十三年六月以降、その増額は見送られたまま現在に至っているのであります。その結果、一般の裁判官、検察官並びに一般の政府職員の報酬または俸給に比較いたしまして、著しく均衡を失しているのであります。そこで、今回提案されました特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の趣旨に歩調を合わせまして、現在の報酬または俸給の月額について、最高裁難所長官を十五万円、最高裁難所判事を十一万円、東京高等裁判所長官を十万円、その他の高等裁判所長官を九万五千円に修正すべく本法案が提案せられたのであります。また、検察官の俸給につきましても、検事総長を十一万円、次長検事を九万円、東京高等検察庁検事長を九万五千円、その他の検事長を九万円に修正することにいたしたいのでございます。
この両法案につきまして、衆議院におきましては、四月一日から適用することに政府原案を修正の上、当参議院に送付して参ったのであります。
そこで、当委員会におきましては、三月十日、政府当局より提案の理由を聴取いたしました後、三回にわたり慎重審議を重ねまして、一松、大川、棚橋、亀田の各委員から熱心な質疑がなされたのであります。特に、司法権の独立及び法曹一元化の見地からいたしまして、最高裁判所の長官及び判事の報酬は、内閣総理大臣等の俸給に追随することをやめまして、独立して定むべきものであるということ、最高裁判所の裁判官の職務の特殊性にかんがみ、長官と判事との間における報酬の差を少くすべきこと、一般の裁判官の報酬をもっと増額すること等に論議が集中せられましたのであります。かくのごとき論議が盛んにかわされました理由は、人権の擁護ということについては、裁判官の人物を得るということと、裁判官の裁判というものが、合法的に国民の信頼を受けるような判決を得なければならないというところから、特にこれらの人々の地位を高め、待遇を改善するという趣旨に基いたのであります。これらの詳細につきましては、会議録をごらんを願うことにいたしまして、ここには申し上げることを省略をいたします。
かくして、四月十八日、両法案につきまして討論に入りまして、大川、棚橋両委員から、それぞれ賛成の討論がなされまして採決に入りましたところ、全会一致をもって衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたしたのでございます。
特に、最後に申し上げておきますが、衆議院において修正せられましたことは、この附則の、「この法律は、昭和三十三年四月一日から施行する。」ということを、これを修正して当院に回したことは、さきに申し上げた通りでありますが、この法律は公布の日から施行し、昭和三十三年四月一日から適用するということは、衆議院において修正せられ、そのまま当院においても、これをのんだのでございます。
以上をもって御報告を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/17
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018・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。
両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/18
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019・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/19
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020・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 日程第九、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長安井謙君。
〔安井謙君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/20
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021・安井謙
○安井謙君 ただいま議題となりました国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案について、議院運営委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、本法律案のおもな内容につい
て申し上げます。
第一点は、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の改正でありまして、今回の特別職の職員の給与改訂に対応し、国会議院の歳費に関する規定を整備するとともに、議員が公務上死亡した場合においてその遺族に対し特別弔慰金を支給する制度を新たに設けようとするものであります。すなわち、各議院の議長は内閣総理大臣の俸給月額に、副議長は国務大臣の俸給月額に、議員は政務次官の俸給月額に相当する金額を、それぞれ歳費月額として受けることとし、また、議長、副議長及び議員が公務上死亡したときは、弔慰金のほかに、歳費月額三月分に相当する金額を特別弔慰金として、その遺族に支給することといたしております。
第二点は、国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律の改正でありまして、最近における立法事務の激増に対応し、現在、議員一人につき一万円となっております立法事務費を、二万円に増額しようとするものであります。
第三点は、国会議員の秘書の給料等に関する法律の改正でありまして、秘書の給料につき一般職の職員の給料との均衡をはかるため、これを是正するとともに、滞在雑費を百円増額し日額三百円とするほか、期末手当について特例を設けようとするものであります。すなわち、秘書の期末手当につきましては、従来、六月一日から十四日まで、または十二月一日から十四旧までの間に議員の任期が満限に達し、または衆議院が解散されたときは、それぞれ六月十五日または十二月十五日に在職したものとみなし、これを支給していたのでありますが、今回さらに六月十六日から十一月三十日までの間、または十二月十六日から五月三十一日までの間に、右の事態が生じた場合は、その日に在職する秘書に対し、その者の在職期間に応じて期末手当を支給することといたしております。なお、本法は四月一日から適用することといたしております。
本委員会におきましては、慎重に審議いたしました結果、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/21
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022・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/22
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023・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/23
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024・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 日程第十、公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長小林武治君。
〔小林武治君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/24
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025・小林武治
○小林武治君 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案について、委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
本法案の内容は、大体次のようなものであります。すなわち、第一、衆議院議員の選挙区の境界にわたって郡の廃止またはその区域の変更が行われた後、旧郡の境界にわたって新たに町村の設置があった場合において、当該町村の所属すべき選挙区については、政令でこれを定めることとし、第二、都道府県の議会の議員の選挙区の画定方法について、実情に即するよう郡市の合区を認める場合を明確にし、また、いわゆる飛び地の取扱い方を定め、第三に、衆議院議員の選挙の期日は、現行少くとも二十五日前とあるを改めて、少くとも二十日前に公示または告示しなければならないものとし、第四、選挙運動に関し、町村長の選挙に小型自動車もしくは軽自動車一台または船舶一隻の使用を認め、参議院議員の場合を除き、選挙運動用はがきの枚数を増加し、また、新たに町村の選挙についても、その使用を認め、ポスターについても、大体同様の改正を加え、第五に、立会演説会の会場における秩序保持に関する規定を強化し、第六に、この法律は、昭和三十三年六月一日から施行する。ただし、衆議院議員の選挙に関しては、次の総選挙からこれを施行するものとし、さらに第七として地方自治法の一部を改正して、市町村の選挙管理委員の定数を、現行三人から四人に改める等が改正の主要点であります。
大要、以上のごとき政府原案に対し、衆議院においては、公職の候補者等の氏名等を冠した後援会等の団体は、政党その他の政治団体等に対する場合を除くほか、当該選挙に関し、当該選挙区内にある者に対し、寄付をしてはならないという内容の修正を加えて、本院に送付して参ったのであります。
地方行政委員会におきましては、四月十六日、郡国務大臣より提案理由の説明を聞き、古川衆議院議員より、衆議院修正の趣旨について説明を聞き、十七日には、本法案の重要性にかんがみ、特に岸総理大臣の出席を求めて質疑を行い、自来数回にわたり、主として政府側との間に質疑応答を重ね、慎重審査を行なったのでありますが、その詳細については、会議録によって御承知を願います。
四月二十一日、質疑を終り、討論に入りましたところ、久保委員は日本社会党を代表して本法案に反対の旨を述べられ、反対の理由として、「法案提出の時期が選挙まぎわになったことは当を得ない。また、衆議院議員の選挙運動期間の短縮は改悪である」等の点をあげられました。
かくて採決の結果、本法案は多数をもって、衆議院送付案通り可決すべきものと決定した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/25
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026・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。久保等君。
〔久保等君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/26
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027・久保等
○久保等君 私は、ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案に対しまして、日本社会党を代表して、反対の討論を行わんとするものであります。
公職選挙法は、申すまでもなく、日本国憲法の精神にのっとり、民主政治の健全なる発展を目的とする選挙に関する重要な基本法であります。従って、これが改正を行うに際しては、いやしくも時の政府や一党一派の立場からなされるのではなくして、主権者たる国民全体の立場に立って、十分な検討と慎重なる審議がなされなければならないことは当然であります。しかるに、このたびきわめて問題のある改正法律案を、国会解散必至の情勢を前にして、唐突に提案して参ったことは、政府並びに自民党の党利党略から出たものであると断ぜざるを得ません。
昭和三十年二月における前回の総選挙以来、保守合同の実現、鳩山内閣から石橋内閣、さらに岸内閣の成立と、総選挙を行うべき幾多の機会を経て今日に及んでいるのでありますが、その間、選挙法の改正すべき点にも何ら手をつけることなくして、第二十八国会も末期を迎え、いよいよ国会解散不可避の情勢となった三月末日に至って、突然この党略的な改正案を国会に提出して参ったのであります。いわば、長い間守られてきたスポーツのルールを、試合直前になって、突然、勝手を知った古い一部の選手の手によって、その者の利益のために、これを変更するのと全く同じことでありまして、まことに不明朗、不公正と言わざるを得ないのであります。
次に、法案の内容について反対の理由を明らかにいたしたいと存じます。われわれが、ここで特に強く反対せざるを得ない点は、衆議院議員の選挙の運動期間を短縮しようとする点についてであります。政府は、最近における交通、宣伝等、選挙運動手段の発達の状況にかんがみて、運動期間を二十五日から五日間短縮することが妥当であり、参議院議員の運動期間の二十五日間とのつり合い上からも当然だとして、きわめてさりげない態度を装っているのであります。しかしながら、その意味するところは、きわめて重大であり、また、その意図するところは、まことに反動的、党略的と言わざるを得ないのであります。
およそ新憲法下、民主政治を確立せんがためには、まずその基盤であり、基礎である選挙が、きれいな正しい姿で行われることが何よりも必要であります。そして、それがためには一面において、不正な、よごれた選挙運動を徹底的に防止するとともに、他面においては、選挙の公営を拡大し、公然の場における選挙運動を、より活発化すべきであります。また、主権者たる国民には、このことを通じて候補者の政策と人物を十分に理解し、批判する機会が与えられなければなりません。運動期間が五日間短縮せられたことは、自民党が当初もくろんだ立会演説会、街頭演説会廃止のねらいが、ある程度実現したことにもなっていると思うのでありまするが、これは選挙の事前運動や裏道運動、不正な運動を活発化せしめる結果ともなり、選挙の不正、ひいては政治の腐敗を助長することに相なると思うのであります。
われわれは真の政治の浄化、汚職の追放は、選挙の公営を徹底させ、金のかからない公明選挙を強力に推進することにあると信ずるものであります。従って、立会演説会、個人演説会等は、むしろこれを拡大しなければならぬと思うのであります。しかし、このたびの改正案では、逆に運動期間の短縮によって、おのずからその回数も減少せざるを得ないばかりか、街頭演説会の回数も従来より著しく制限を受けることになるのでありまして、はなはだしい改悪と言わざるを得ないのであります。また、この期間短縮は、いわゆる「地盤、看板、カバン」に強い候補者、すなわち保守系の現職議員の候補者には、重宝な改正ではあっても、新人候補者や革新候補者には、不利な改悪であって、一般に、新人締め出しの改悪案と非難されているのも、まことに当然であります。
われわれは、今回のかかる運動期間の短縮を中心とした選挙法改正には、強く反対するものでありますることを表明し、私の反対討論を終るものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/27
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028・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) これにて討論の通告者の発言は、終了いたしました。討論は、終局したものと認めます。
これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/28
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029・寺尾豊
○副議長(寺尾豊君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。
午前十一時十六分休憩
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午後二時五十八分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/29
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030・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。
参事に報告させます。
〔参事朗読〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/30
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031・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して調理師法案(草葉隆圓君外四名発議)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/31
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032・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長阿具根登君
〔阿具根登君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/32
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033・阿具根登
○阿具根登君 ただいま議題となりました調理師法案について、社会労働委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本法案は、調理技術の合理的な発達と国民の食生活の向上に資する目的のもとに、調理の業務に従事する者の資質向上をはかるため、一定の調理、栄養、衛生に関する知識技能を備えることを調理師の資格要件として、調理師の免許制度を設けることにいたしました。
調理師の免許を受けるには、義務教育修了後、従来の身分的徒弟制度を解消し、かつ、働きながらでも資格を取り得るよう配慮して、三つのコースを規定いたしたのであります。調理師の免許制度の効果としては、調理師でなければ調理師の名称を使用をしてはならないという名称使用の制限を規定しております。
最後に、これら調理師が自主的にみずからの技能を向上させ、その他福祉の増進をはかるための自主的団体としての調理師会の組織に関し規定いたしております。なお、この調理師制度の創設に関連して、特定多数人に対して食事を供給する施設で、栄養指導員の指導を受け、または栄養士の置かれているものについては、これらの者の栄養指導に従う旨の規定を栄養改善法に設けることといたしました。その他、経過措置として、すでに条例等によって調理師免許を取っている者、または五年以上の実務経歴がある者については、本法案による新しい免許を受けられるように措置が講じてあります。
本法案につきましては、山下委員よりの動議により、質疑を打ち切り、討論を省略し、採決に入りましたところ、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/33
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034・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/34
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035・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/35
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036・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、刑法の一部を改正する法律案
刑事訴訟法の一部を改正する法律案
証人等の被害についての給付に関する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上、三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/36
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037・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。法務委員長青山正一君。
〔青山正一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/37
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038・青山正一
○青山正一君 ただいま議題となりました刑法の一部を改正する法律案、刑事訴訟法の一部を改正する法律案及び証人等の被害についての給付に関する法律案の三案につき、委員会における審議の経過並びに結果について一括御報告申し上げます。
御承知のように、これら三案は、政府の標榜する汚職の防止並びに暴力追放の政策の一環として提案されたものでありますが、まず、刑法の一部を改正する法律案の改正点について申し上げますと、第一は、いわゆるあっせん贈収賄を新たに取り締るため、公務員が請託を受けて他の公務員に職務上不正の行為をさせ、または相当の行為をさせないようにあっせんをすること、または、したことの報酬として、わいろを収受し、またはこれを要求、もしくは約束した場合等を処罰しようとするものであります。第二は、暴力事犯の取締りを強化するため、その一、刑事事件の捜査審判に必要な知識を有すると認められる者、すなわち、証人等に対するいわゆるお礼参りの行為として行われる面会強請及び強談威迫の行為を新たに処罰すること。その二は、強姦罪等が輪姦的形態においてなされた場合並びに器物損壊罪、私文書毀棄罪を非親告罪とすること。その三は、二人以上の者が他人の生命、身体または財産に対して、共同して害を加える目的で集合した場合等、いわゆる持凶器集合罪を処罰することであります。
次に、刑事訴訟法の一部を改正する法律案の改正点を申し上げますと、第一は、権利保釈の要件を整備し、いわゆるお礼参りをすると疑うべき「充分な理由」を「相当な理由」に改めること。第二は、証人が被告人の面前では圧迫を受けて十分な供述ができないと認められる場合には、一定の要件のもとに、被告人の立ち会いを制限し得るようにすることであります。
次に、証人等の被害についての給付に関する法律案は、刑事司法の機能を十分に確保することを通じて、間接に暴力事犯の取締り強化に資することを趣旨とし、その要点は、証人、参考人等が供述または出頭に関して危害を受けた場合、国がその補償をなすこととし、その補償の要件、種類、範囲、金額、支給方法等について必要な規定を設けるものであります。
なお、刑事訴訟法の一部を改正する法律案につきましては、衆議院において、検察官及び弁護人の意見を聞いて、被告人を退席させるように修正され、また、暴行脅迫罪を緊急逮捕できるように改めようとする改正規定が削除されたのであります。
さて、委員会におきましては、二月二十日、証人等の被害についての給付に関する法律案につき、また、三月二十四日、刑法の一部を改正する法律案並びに刑事訴訟法の一部を改正する法律案につき、それぞれ政府当局から提案説明を聴取した後、その重要性にかんがみ、四月十五日に、学識経験者、弁護士等六名の参考人から意見を聴取し、四月十九日には法務、社会労働連合審査会を開く等、前後十二回にわたり慎重に審議を重ね、この間、一松、大川、棚橋、亀田、小林、戸叶、成瀬、高田、大和、赤松の各委員から熱心なる質疑が行われましたが、これが詳細は会議録に譲ることといたしまして、そのおもなる点を申し上げます。
まず、刑法の一部を改正する法律案については、あっせん収賄関係では、汚職防止の根本策、あっせん収賄罪の本質、公務員、請託、不正行為、あっせん報酬としてのわいろ等、各構成要件の意義、内容及びかかる要件を規定した理由及びその可否、公務員の身分とあっせん行為との関係、刑期の当否、検察フアッショの防止策と裁判の民主化、汚職事件に対する指揮権発動等について、また、暴力関係では、暴力追放の根本策、お礼参り処罰、持凶器集合罪、輪姦的犯罪の各構成要件の意義、内容、器物損壊罪の非親告罪化に伴う警察官の労働運動への不当介入の危険性、かかる危険を排除するための特別立法の要否等に関し、次に、刑事訴訟法の一部を改正する法律案については、権利保釈の制限強化の具体的必要性、被告人の退席措置立法化の具体的理由等に関してであり、また、証人等の被害についての給付に関する法律案については、補償の本質、鑑定人に対する補償の必要性の有無、証人に対する給付要件、給付要件の立証責任の主体、慰謝料と補償との関係等であります。
委員会におきましては、四月二十二日、質疑を終了しましたところ、刑法の一部を改正する法律案に対して、亀田得船君及び一松定吉君より修正案が提出され、亀佃得治君から趣旨説明を聴取いたしましたが、そのおもな内容は、私文書投棄罪及び器物損壊罪を非親告罪とする結果、労働運動に対する官憲の不当な介入を招くおそれがあることのほか、その罪質、暴力団の取締りとの関係を考慮いたし、これらの毀棄罪を親告罪として存置しようとするものであります。
かくて三案及び修正案について討論に入り、亀田得治君及び大川光三君より、それぞれ賛成の意見があり、次いで、刑法の一部を改正する法律案に対して採決に入りましたところ、修正案は、全会一致をもって可決せられ、修正部分を除く衆議院送付案に対しても、全員の賛成を得、かくて本案は、修正可決されました。
次いで、刑事訴訟法の一部を改正する法律案及び証人等の被害についての給付に関する法律案について、順次、採決に入りましたところ、全会一致をもつて、それぞれ衆議院送付案通り可決されました。
なお、刑法の一部を改正する法律案につき、大川光三君から、次のような付帯決議案が提出され、採決の結果、これまた全会一致をもって可決された次第であります。
付帯決議の内容は、
本改正案の趣旨並びに経緯にかんがみ、政府は、特に暴力関係の罰則(第百五条ノ二、第二百八条ノ二)の運用に当っては、ことさらに労働運動を抑圧することのないように、警察活動の行き過ぎを深く戒め、また、あっせん贈収賄罪については、政治活動を阻害しないように、その運用に留意するとともに、将来、第三者供賄の処罰について検討すべきである。
右決議する。
とのものであります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/38
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039・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。
まず、刑法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。
委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/39
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040・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は、委員会修正通り議決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/40
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041・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 次に、刑事訴訟法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/41
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042・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/42
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043・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 次に、証人等の被害についての給付に関する法律案全部を問題に供します。
本案に賛成の諸君の起立を求めまる。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/43
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044・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。
議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。
午後三時十四分休憩
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午後五時四十五分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/44
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045・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。
参事に報告させます。
〔参事朗読〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/45
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046・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
恩給法第十一条第一項等の金融機関を定める法律案(第二十六回国会田畑金光君外四名発議)
国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案(千葉信君外八名発議)
以上、三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/46
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047・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長藤田進君。
〔藤田進君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/47
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048・藤田進
○藤田進君 ただいま議題となりました行政機関職員定員法の一部を改正する法律案外二件につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本法律案の趣旨は、その第一は、今回の改正においては、昭和三十三年度における各行政機関の事業予定計画に即応して、その事務の増加に伴う所要の増員を行うとともに、業務の縮小に伴い余剰定員の縮減を行うこととなっており、この改正により、各行政機関の職員の定員を新たに四千七百九十一人を増員し、他方において千七十人の減員を行い、差し引き三千七百二十一人の増員を行うこととなっております。その増員の主たるものは、科学技術庁の付属研究所等の拡充に伴うもの百四十三人、国立学校の学年進行に伴うもの七百八十四人、郵便取扱業務量の増加に伴うもの千六十七人、電気通信施設の拡張に伴うもの千九百二十二人等であり、また、減員のおもなるものは、郵政省の電信、電話業務を日本電信電話公社の直轄に移管するのに伴うもの六百九十八人、調達庁の業務減少に伴うもの百三十五人等であります。その第二は、定員外職員のうち、新たに一万九千六百十五人の定員化を行おうとするものであります。今回の改正によっては、結局、この両者を合わせた二万三千三百三十六人を増加し、行政機関の職員の定員の合計は、六十六万七千二百六十一人となるのであります。なお、今回の定員外職員の定員化については、政府は、現在、総理府において検討中の公務員制度全般にわたる改正を待って、問題の根本的解決をはかりたい所存であったが、公務員制度の改正がいまだ結論を得る段階に至っていないので、今回は暫定的に、各行政機関における定員配置の適正化を行い、あわせて定員外職員の処遇改善をはかるため、必要な定員外職員の定員化を行なったとのことであります。
内閣委員会は、前後三回にわたり委員会を開き、石井行政管理庁長官、その他関係政府委員の出席を求め、審議に当りましたが、この審議におきましては、定員外職員の定員化に関連する各種の問題を中心として、政府との間に質疑応答が重ねられましたが、その詳細は会議録に譲りたいと思います。
本日の委員会におきまして、質疑を終り、松岡委員より、お手元に配付の通七の定員外職員の定員化についての修正案が提出されました。
次いで討論に入りましたところ、千葉委員より、本修正案の可決せられることを条件として、本法律案に賛成の旨の発言があり、また、八木委員より、希望を付して本法律案に賛成する旨の発言がありました。
討論を終り、まず、松岡委員提出の修正案について採決いたしましたところ、全会一致をもって可決せられ、次いで、修正部分を除く原案について採決いたしましたところ、これました全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
次に、恩給法第十一条第一項等の金融機関を定める法律案について申し上げます。
本法律案は、第二十六回国会において、田畑金光君外四名より提出せられ、当委員会において継続審査となっていたものであり、その提案の趣旨は、恩給法による恩給、戦傷病者戦没者遺族等援護法による遺族年金等については、これが受給権者の生活の保障を目的とするものであるため、その権利を譲渡し、また、担保に供することが原則的に認められておらず、現在は例外的に国民金融公庫に対してのみ、これを担保に供することが法律に認められているに過ぎないため、受給権者の生活の安定をはかるため、今回、労働金庫に対しても、これを担保に供することができることといたすものであります。なお、この改正に伴い、関係法令に所要の改正を行わんとするものであります。
内閣委員会は、提案者たる田畑金光君、一萬田大蔵大臣、今松総理府総務長官の出席を求めて本法律案の審議に当りましたが、その審議におきましては、労働金庫を今回持に恩給担保金融機関に加えた理由、本案に対する政府の意見等につぎ質疑応答が重ねられましたが、その詳細は委員会会議録に譲りたいと存じます。
本日の委員会で質疑を終了し、次いで討論に入りましたところ、永岡委員より、お手元に配付の通りの修正案が提出せられました。かくて討論を終り、まず、右の修正案を採決いたしましたところ、賛成者多数をもって可決せられ、次いで、修正部分を除く原案について採決いたしましたところ、これまた賛成者多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
最後に、国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
本法律案は、四月十一日に、本院議員千葉信君外八名により提出せられたものであり、その提案の趣旨は、昭和二十四年法律第二百号によって、国家公務員に対し寒冷地手当、石炭手当が支給せられて以来、最近に至るまでの間における実績等にかんがみて、その支給額及び支給区分等が、現在の実情に沿わない点があるので、これを実情に沿うように改正しようとするものでありまして、石炭手当については、その支給区分を甲地、乙地、丙地の三区分とし、それぞれ世帯主である職員には四トン、三・五トン、三・一トン、その他の職員に対しては一・三トン、一・一トン、一トンを、それぞれ時価によって換算いたしました額以内で支給できるようにするとともに、それぞれの地域を別表によって指定いたすこととし、また、寒冷地手当につきましては、本俸及び扶養手当月額の合計額の一〇〇%を最高額として支給できるように改めようとするものであります。
内閣委員会は、三回にわたり委員会を開き、本法律案の審議に当りましたが、その審議の詳細は会議録に譲りたいと存じます。
なお、今松総理府総務長官より、政府を代表して、本法律案に対しては、予算の裏づけもない等の理由により、賛成しがたい旨の発言がありました。
本日の委員会において質疑を終了し、討論に入りましたところ、緑風会を代表して島村委員より、本法律案に反対の旨の発言がありました。かくて討論を終り、採決に入りましたところ、賛成者多数をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/48
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049・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。
まず、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は、修正議決報告でございます。
委員長報告の通り、修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/49
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050・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって委員会修正通り議決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/50
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051・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 次に、恩給法第十一条第一項等の金融機関を定める法律案全部を問題に供します。
委員長の報告は、修正議決報告でございます。
委員長報告の通り、修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/51
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052・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は、委員会修正通り議決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/52
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053・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 次に、国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/53
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054・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
次会は、明日午前十時より開会いたします。議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
本日は、これにて散会いたします。
午後五時五十六分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102815254X02519580422/54
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