1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年六月二十四日(火曜日)
午後五時三十七分開議
出席委員
委員長 坂田 道太君
理事 稻葉 修君 理事 臼井 莊一君
理事 木村 武雄君 理事 永山 忠則君
理事 原田 憲君 理事 小牧 次生君
理事 櫻井 奎夫君 理事 辻原 弘市君
清瀬 一郎君 鈴木 正吾君
竹下 登君 谷川 和穗君
徳安 實藏君 濱野 清吾君
平井 義一君 八木 徹雄君
山本 勝市君 西村 力弥君
本島百合子君
出席国務大臣
文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
出席政府委員
人事院総裁 淺井 清君
人事院事務官
(給与局長) 瀧本 忠男君
総理府事務官
(自治庁財政局
長) 奧野 誠亮君
文部政務次官 高見 三郎君
文部事務官
(初等中等教育
局長) 内藤譽三郎君
委員外の出席者
専 門 員 石井 勗君
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本日の会議に付した案件
連合審査会開会に関する件
市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する
法律案(内閣提出第三号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/0
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001・坂田道太
○坂田委員長 これより会議を開きます。
この際、お諮りいたします。本日、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案の審査に関し、地方行政委員会より連合審査会開会の申し入れがありました。当委員会とし、地方行政委員会と連合審査会を開会することに決し、期日を明二十五日午前十時より開会することに決するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/1
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002・坂田道太
○坂田委員長 御異議なしと認め、さように決しました。
なお連合審査会は午前中のみにとどめ、午後は委員会を開会いたしますので、御了承を願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/2
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003・坂田道太
○坂田委員長 次に市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案を議題とし、前会に引き続き質疑に入ります。通告順によりこれを許します。永山忠則君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/3
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004・永山忠則
○永山委員 大体本法案で問題点になっておりますのは、教職員に対しまして、旧来教職員の任務は無定量であるから、超勤手当は出さずに号俸の調整によって、いわゆる特別調整によって、超勤手当に見合うような工合に特別調整がしてある。従って、校長の方もそういうように特別調整ができておるので、特別に管理職手当は出さぬでもいい。管理職手当はもう出したと同一なんだ。それをさらに今回管理職手当を出すということになると、これは校長は、特別に特別調整がある上に持っていって、また管理職手当をもらうんだから、均衡上から見ても他の公務員から比べて適正でないのでないかという点と、もしそうならやはり学校の先生に対しても超勤手当を出さなければいかぬということになる、この点に対して当局はどういうように考えておるか。すなわち校長に管理職手当を今回出すならば、従って職員に対しても超勤手当を出すという方針でいくのか、他の教職員には超過勤務手当は出さぬ、校長だけにやはり管理職手当を出すんだ、こういう方針でいく、そういう方針でいくならば、今度は他の公務員との均衡が果して正しいかどうかという、この点が問題になっておるのだと思うのでありますが、この点についての当局の所懐を明快にお示しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/4
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005・内藤譽三郎
○内藤政府委員 御指摘のように管理職手当につきましては、経過的、沿革的には確かに御説のように超勤手当の振りかえによった分がございます。この点は国家公務員についてもあるいは地方公務員につきましても同様でございます。しかし管理職手当は、イコール超勤の振りかえではございません。すでに国立の大学の学長、学部長、病院長、研究所長等には管理職手当が支給せられておるわけであります。御指摘のように超過勤務手当が調整号俸で解決された上に、さらに学長、学部長、病院長、研究所長には管理職手当が支給されているわけでありますが、今回は高等学校以下の校長に管理職手当を支給するわけであります。そこでお尋ねの管理職手当の関係は、そういう調整号俸があるために、学長、学部長、病院長等の管理職手当の率は、普通ですと一八%あるいは二五%が適当でありますけれども、その調整号俸が考慮されましたので、率が一二%になっておるのでございます。高等学校以下につきましてはさらに七%、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/5
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006・永山忠則
○永山委員 調整号俸が十分でないから、そこで管理職手当を出すのだという意味にもとれるのでございますが、そうすると調整号俸を十分にして管理職手当を出さぬということとの関連はどういうことになるのであるか、ということは、管理職手当を出す、調整号俸が十分でないということなら、超勤手当は他の職員にみな出してやるという議論でなければ、これは首尾が一貫せぬわけですから、そうすると調整号俸は校長級には十分できていないからこれは管理職手当を出す、職員の方には調整号俸が十分できているから超勤は出さぬでもいい、こういう工合になっているかどうか、すなわち調整号俸は下の方の職員の方は超勤を出さぬでもいい工合にできておる。ところが大学の先生になると調整号俸が十分できていない、そこでこれは管理職手当を出してやるというような考え方にも聞けるのですが、そうなればどっちかに思想を統一しなければならぬ。いわゆる調整号俸が不十分だから校長に管理職手当を出す、そうすると他の職員には同時に超勤手当を少くとも出すのだという、どっちかに理論を統一しなければ、いろいろ誤解を受ける点がございますので、この点を承わりたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/6
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007・内藤譽三郎
○内藤政府委員 管理職手当は、管理監督の地位にある者に支給するものでございますので、超過勤務手当とは直接関係ございません。先ほど来申しましたように、沿革的に超勤の振りかえであった、ですから教職員につきましては、超勤のかわりに調整号俸という形でこの問題は解決済みなんであります。にもかかわらず、学長、学部長、病院長等に管理職手当を支給いたしましたのは、これが純然たる管理監督の地位にあるという職責にかんがみて出したわけであります。私が申し上げましたのは、率が一般の公務員が二五%あるいは一八%という高率なのに比べて、学長、学部長の場合でも一二%である、この低率なのは、そういう超勤的な要素が調整号俸で解決済みになっておるので低率になっておる、こういう意味でございまして、この管理職手当は教職員に関する限りは純然たる管理監督の分に相当する分が支給されるのでありまして、超勤とは関係ございません。従って校長に管理職手当を出したからといって、教職員に超過勤務手当をさらに支給する理由にはならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/7
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008・永山忠則
○永山委員 そうすると、具体的に言いますと、本省の課長及び局長は超勤の調整号俸は全然ない、そこでパーセンテージが上だというように聞えるのでありますが、そうすると、一方校長さんは調整号俸があるから。パーセンテージの低い七%をやっておるのだというように聞えるのです。調整号俸が起動関係に十分見合っていない、そこでパーセンテージが低いというように言われるのでありますが、そうすると、七%にしたら、大体超勤関係の調整号俸と合せて本省の課長級と同じくらいであるかどうか、どういう計算でそういう七%というものが計数的に出てきたか。いわゆる特定郵便局の関係を持ち出されておりますけれども、それとは別個の意味なんで、今局長の言われるのは、超勤の調整号俸との見合いにおいて七%だという計数を言われたとするならば、その計算の基準をどこに置いてそういうことになってきたのであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/8
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009・内藤譽三郎
○内藤政府委員 国立学校につきましては、すでに学長、学部長あるいは病院長等に一二%という率を、これは人事院の方でおきめになっておりますので、私どもは高等学校以下の校長につきましても、一応一二%で予算要求をして参ったわけでございますが、予算の折衝の過程におきまして一二%の率は少し財政的にも負担がかかりますし、多少無理ではないかという点もございまして、七%に落ちついたわけであります。これは先ほども御指摘になりましたように、特定郵便局長、従来丁種と申しますか、丁種に相当するものが七%である、こういういきさつもございまして、七%にしたわけでございます。七%が果して適当かどうかということになりますと、これはいろいろ議論があろうかと思いますけれども、私ども予算の財源の関係あるいは教職員に産業教育手当等を七%支給しておりました関係等を考慮いたしまして、七%にきまったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/9
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010・永山忠則
○永山委員 そうすると、文部省の方としては七%では低い。一二%の線まで持っていけば、超勤関係の調整号俸もあるから、それとあわせて大体他の公務員の管理職手当と見合う水準にいくというように考えられておるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/10
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011・内藤譽三郎
○内藤政府委員 この点は、私ども一応予算要求といたしましては一二%を要求いたしましたのは、今御指摘の通りでございます。しかし現実に国立学校の学長、学部長の勤務の態様とか、高等学校以下の校長の勤務の態様等も勘案いたしまして、一方において財源の点も考慮されて、七%は決して理想的な率じゃございませんけれども、まあやむを得ないのではなかろうかと存じておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/11
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012・永山忠則
○永山委員 そこで、今第二の問題になっておりますのは、大体超勤手当が調整号俸で校長の方へも出ているのだから、管理職手当はこれに見合うものがあるのだから、出す必要はないという考え方で旧来来ておったのだ。ところが唐突として、いや調整号俸はまだ十分でない。だからして他の公務員と比較して低いのだ。それで七%くらいないしは一二%の管理職手当をぜひ出したいのだというように考えられてきたということは、最近に至ってどうも調整号俸も少いし、はっきり管理職の地位を確立しなければいかぬということでこの管理職手当を出すようにしたのだというように考えられるのですが、思想的には、前から管理職手当は出すべきであった、出すべきであったのだが、経済的理由で出すのがおくれておったという考え方であるのか、まあ超勤の調整号俸で十分だと考えておった。しかしどうしても管理職になっておる者に対しては手当を出して、その責任を明らかにする必要があるのだということで、中途そういう考えに変られたのであるかどうか、最初の文部省の気持ですね、その根本をお知らせ願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/12
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013・内藤譽三郎
○内藤政府委員 文部省といたしましては、従来教職員につきましては勤務の態様が複雑でなかなか把握しがたい、こういう意味から、デスク・ワークの人と違いまして、超勤を算出することも非常に困難でございます。こういうような事情から調整号俸でこの問題を解決したわけでございます。調整号俸で解決することは教職員一般でございまして、これは学長、学部長含めての問題であります。しかしながら学長、学部長、校長等には、管理監督としての別の意味があるわけでございまして、その別の地位に対して、何らか管理監督の地位にある者に報いる。また新しい給与体系が、職務の性質と責任に基いて支給さるべきものでありますので、当然学長、学部長、校長等にも管理職手当を支給いたしたいと念願いたしまして、自来文部省は予算要求をして参ったわけでございます。ところがいつも大蔵省に削られまして、ようやく三十一年度に大学の学長、学部長、病院長、研究所長等が入ったわけでございます。そのときも実は高等学校以下も要求いたしましたけれども、高等学校以下につきましては、特に地方財政にも大きな影響があるし、相当高額に上りますので、予算財源の関係でこれは落ちたわけでございます。それを三十二年にも要求し、ようやく三十三年度に財源の見通しがついたので、管理職手当を高等学校以下の校長に支給いたしたい、かように考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/13
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014・永山忠則
○永山委員 それじゃ予算要求はいつごろからおやりになったんでございますか。この校長の管理職手当を、大学の学長にしましても高等学校以下の校長にしましても、予算要求は超勤の調整号俸の問題の当時からずっと要求されておったが、それは気持はあったんだけれども、財政上の理由でやってなかったのだ。そこらあたり、大体要求はいつごろからおやりになったか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/14
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015・内藤譽三郎
○内藤政府委員 これは国立大学の学長さんたちから強い御要望がございまして、私正確に記憶しておりませんけれども、昭和三十年前後かと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/15
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016・永山忠則
○永山委員 どうも国立大学の方は調整号俸の方がうまくいってない。むしろ小中学校の方は調整号俸が初任給のときから調整されておって、これによって漸次に昇給していく。従って中学校及び小学校の校長さんは別に管理職手当を付加せぬでも、大体調整号俸で、本省の課長あるいはその他の管理職がもらっているような金額に見合うぐらいは一応できているのだけれども、大学の方はどうもそれがうまくできてないんだというような関係で、大学の方が強く要望したのではないか。だからして、大学の学長にやったという性格と、今度大学にやっているから同時に高等学校、中学校へやるのだということとは、多少ニュアンスが違うように言われておるのですけれども、その点はどうなんですか。大学の先生の方は、小中学校、高等学校の先生のような、初任給のときから超勤を入れた調整号俸がずっとできておって、一般職よりはいい俸給になっておるかどうか。これらの一つ情勢を知らしてもらいたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/16
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017・内藤譽三郎
○内藤政府委員 ただいまの調整号俸につきましては、これは高等学校以下の教職員も、大学の先生方も同様でございまして、この間には何ら差別はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/17
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018・永山忠則
○永山委員 当局の方で最初から管理職手当というものは非常に要望しておったんだ。たまたま大学の方からその申し出があったので、それを契機として予算化するに至ったのであって、いわゆる管理者の適正なる責任的地位の確立ということが時代的にも強く要望されておるので、これに相呼応してこのように進まれたのだというようなお言葉のようでございますが、いろいろ具体的に、大学の先生等の俸給の関係が必ずしも期待されたような、超勤を入れた調整号俸が十分できてないというように言われておりますので、これらはまたあらためて資料を要求いたしまして、十分具体的に検討を続けてみたいと考えておるのでございます。
次に通勤手当の問題等ございますけれども、あまり時間がおそくなりますので、きょうはこの程度で質問をやめさせていただきまして、あと一つ時期を見まして質問させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/18
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019・坂田道太
○坂田委員長 きょうはこれにて散会し、次会は公報をもって通知いたします。
午後六時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102905077X00319580624/19
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