1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十三年七月一日(火曜日)
午前十一時十分開会
―――――――――――――
委員の異動
六月二十四日委員斎藤昇君辞任につ
き、その補欠として木島虎藏君を議長
において指名した。
六月二十八日委員大野木秀次郎君辞任
につき、その補欠として剱木亨弘君を
議長において指名した。
本日委員木島虎藏君、近藤鶴代君及び
天田勝正君辞任につき、その補欠とし
て松野孝一君、塩見俊二君及び岡三郎
君を議長において指名した。
―――――――――――――
出席者は左の通り。
委員長 竹中 勝男君
理事
野本 品吉君
三浦 義男君
松永 忠二君
常岡 一郎君
委員
大谷 贇雄君
川村 松助君
剱木 亨弘君
後藤 義隆君
塩見 俊二君
下條 康麿君
中野 文門君
松野 孝一君
吉江 勝保君
秋山 長造君
岡 三郎君
高田なほ子君
湯山 勇君
吉田 法晴君
加賀山之雄君
国務大臣
文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
政府委員
文部政務次官 高見 三郎君
文部省初等中等
教育局長 内藤誉三郎君
事務局側
常任委員会専門
員 工楽 英司君
―――――――――――――
○継続調査要求の件
○委員派遣承認要求の件
○教育、文化及び学術に関する調査の
件
(当面の文教政策に関する件)
○市町村立学校職員給与負担法の一部
を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/0
-
001・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) それではこれから文教委員会を開会いたします。
委員の異動がありましたので、報告いたします。
六月二十四日斎藤昇君が、また二十八日には大野木秀次郎君が辞任され、補欠として木島虎藏君及び剱木亨弘君が選任されました。また、本日木島虎藏君及び近藤鶴代君が辞任され、その補欠として松野孝一君及び塩見俊二君が選任されました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/1
-
002・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) 次に、委員長及び理事打合会の経過について報告いたします。
本日の日程につきましては、まず前日に引き続き、当面の文教政策について文部大臣に対する質疑を続行し、次いで市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案について、提案理由の説明を聴取した後、理事会においてその後の審議について協議を行うことになりました。
次に、教育、文化及び学術に関しては今期国会開会以来調査を行なって参りましたが、会期も切迫し、会期中に調査を完了することは困難でありますので、本院規則第五十三条によりまして継続調査要求書を議長に提出することに意見の一致を見ました。
さらに、文化財その他の教育、文化及び学術に関する諸問題調査のため、今期国会閉会中、委員派遣を行うことについて協議いたしました結果、本院規則第百八十条の二により、委員派遣要求書を議長に提出することについて意見の一致を見ました。なお、要求書の内容及び手続などについては、これを委員長に御一任願いたいと存じます。
次に、教職員の勤務評定に関する参考人として被実施者、実施を受ける側からも出席を求めたい旨の提案、南極地域観測について関係者から意見を聴取し、質疑を行う件、また、定通法の一部改正法律案の審議につきまして協議をいたしましたが、結論を得るに至らず、後日理事会において協議いたすことになりました。
以上報告の通り、取り運ぶことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/2
-
003・大谷贇雄
○大谷贇雄君 ただいま、委員長から委員長並びに理事打合会についての御報告がございましたが、今日文部大臣に御出席を求めまして文教政策一般についての質疑をいたすことにつきましては、異議ありません。ただ、二十七日の委員会におきましても、文部大臣の出席要求は大体二時間程度だと、こういうことでお願いをいたしてあったのでありますが、今日はやはり同じような時間の程度だと思いますが、それについての委員長のお考えを承わりたいことが一点。
それから第二点は、ただいま管理職手当等の問題につきましては、大臣に対する一般質疑の後に提案理由の説明を聞いて、そうしてそこで休憩に入って理事会で協議をすると、こういうことでありますが、その理事会の申し合せにつきましては、私ども一般委員としましては、非常に不満であります。と申しますることは、すでにこの管理職手当の問題は、私ども自民党といたしましては、これは事務的な法案であって、大した問題ではない、校長並びに一般の先生方がこれはきわめて喜ばれることであって、事務的な問題であると思っておったのでありまするけれども、社会党さんの方におきましては、これはきわめて重要法案であるからということで、本会議において質疑もなされたのであります。従って、社会党さんのおっしゃるような重要法案であるとしますならば、私どもは直ちにこれは衆議院から回付されました上において、委員長は直ちに委員会を開催をして、連日審議を取り行なっていただくということが当然であろうと存ずるのでありまして、すでに二十七日以来私どもは委員長に対しまして、委員会開催の要求を連日実はお願いをいたして参ったのでありますが、委員長はこの会期切迫せる重大なる時期におきましていずれへか御旅行である。私は国会役員としての委員長として、私は会期中はぜひとも滞京なさって、そうして、この委員会を開催なさるということが、この国会役員としてのおとりになる私は大事な職掌であろうと存ずるのであまりす。従いまして、私どもはそのことに対しまして委員長の釈明を要求したい。
さらに、そういうようなわけで、私どもは連日委員会を要求いたして参ったのでございまして、従って当然この法案の提案の趣旨説明があるならば、続いて質問を続行するということは、あと三日間に迫っておりまするこの会期におきまして 一日一刻を争って私どもは社会党さんに大いに論議を尽していただくということが当然であろうと思うのであります。その意味におきまして、私は一般委員といたしまして休憩をして理事会にさらに諮るというその真意が理解しかねるのでありまして、ぜひとも、この提案理由の説明がありましたら、質疑を続行するように一つお願いをいたしたいということを、委員長に特に希望いたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/3
-
004・松永忠二
○松永忠二君 今の大谷さんの御意見だと、本日の大臣質問について時間をどういうふうにすべきであるとか、あるいは管理職手当の提案後に審議をすべきであるとかいう問題、それからなお委員長が土曜日、日曜あたりに所用で帰られたということについて等のお話があった。この問題については、委員長理事打合会でもうすでに討議をして結論を得ておることであって、もし自民党内でそういう御異論があるようならば、直ちに休憩をしていただいて、自民党で一つよく御相談をいただいてあらためて委員長理事打合会をなさるのが、私は適当だと思うのであります。そういう点について向うの一つ私は理事の方に、今の御発言は自民党としての意見のまとまったのであるものか、あるいは本日のことについては、皆さんの御賛成を得られないままに御出席になったのか、その辺を一つお話をしていただいて、もしそういう御異議が党内でおありのようでありましたら、今直ちに休憩をしていただいて、自民党の中で十分に御討議をいただきたいと思うのであります。そういう点、一つ向うの理事からまず御説明を願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/4
-
005・大谷贇雄
○大谷贇雄君 私は社党さんにお尋ねをしておるわけじゃない。私は委員長に対してお尋ねしたのでありますから、委員長としての御所見を承わることは、私は当然であろうと思う。お答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/5
-
006・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) 委員長からお諮りいたします。ただいま大谷君の発言に対しては、松永委員が御答弁した通りでありまして、すなわち、理事会において決定いたし、話し合ったことについて、自民党の中でまだ了解が得ていないものであるならば、この際暫時休憩いたしまして、理事と打ち合せていただき(「委員長、委員長」と呼ぶ者あり)発言中です。(「乱暴だな」と呼ぶ者あり)取り計からって下さい。どうですか、今の点どうですか。(「休憩のあれを出しますよ」と呼ぶ者あり)……それではそちらの方で話し合って、まだ意見が統一できないと、理事会の打ち合せが委員に徹底していないと認めますので、(「委員長ちょっと」と呼ぶ者あり)暫時休憩いたします。
午前十一時二十二分休憩
――――・――――
午前十一時四十二分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/6
-
007・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) それでは委員会を開会いたします。
先ほどの大谷委員から質問された点については、すでに委員長理事打合会において決定いたしたことでありますから、委員長からあらためて答弁する必要はありません。
それでは先ほどに引き続きまして、以上の報告通り運ぶことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/7
-
008・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) 御異議ないと認めます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/8
-
009・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) それでは、当面の文教政策に関する件を議題といたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/9
-
010・高田なほ子
○高田なほ子君 先般文部大臣から当面の文教政策について一般の御所信についてお伺いしたわけでありますが、この問題について、順次文相に対して、お尋ねをしたいと思うのです。私が第一にお伺いしたいことは、今日の文教行政の中で、御承知のように勤評問題、これを中心にしていろいろな意味での混乱があるわけであります。事教育に関する問題については、常に話し合い、納得と了解の上で、漸次進歩の方向に文教行政も進んでいく、これが当然であろうかと思うわけであります。私はよぶんなことにわたりますが、参議院に登場いたしましてから、今日まで八年の月日を経、その間ほとんど文教委員会に御厄介になっておりますが、当初は文教委員会の運営そのものについても、まことに円滑にすべて話し合いに、かつ建設的に物事が行われてきました。当時また、文部大臣も政党に所属しない文部大臣を充てられました。すべて教育的に問題を解決するために、衆知をしぼってきたわけであります。しかし、遺憾ながら文部大臣が政党所属の大臣におなりになってから、これは私の偏見と言われればそれまででございましょうが、はなはだしく、やはり文教委員会の運営そのものについても政党的なにおいというものがきわめて強くなっています。私は文部大臣が、大臣の席は継続して、これは占めるのが妥当であると思う。そうでないと文教行政の一貫したものを求めることができない。年中文部大臣がくるくるくるくるかわったのでは、これは何もできない。できるならば長い期間大臣の席を占めて、一貫した文部行政をやりとげていきたいという御所信の表明がございました。私はこの表明については、大臣の席におつきになった灘尾文相としては、当然の御所信の表明であることも了解するにやぶさかでありません。しかし、教育が権力の支配から守られなければならない、こういうような観点に立ったときに、必ずしも政党所属の大臣が適任であるかないかということは、相当私はこれは大きな問題になるのではないか。灘尾文相は岸内閣のこれは閣僚の一員として、いうならば自由民主党の堂々たる党員である。指導的な立場にある方として、文部大臣の席にお坐りになったときに、岸内閣のその政権そのものの中でで、りっぱに教育の中立性を守り抜くということは、ある意味においては、しかく困難な面があるのではないか。政治権力はこれは自分は権力者ではないとは言いますけれども、機構の上から言うならば、これは明らかに一つの権力であります。その権力の中にあられる文部大臣が、党人として党の意思をこの文教政策の中で推し進めようとする場合に、二大政党の対立の中で、必ずしもこの中立性というものを完全に守り抜くということについては、相当私は疑問を持っておる一人である。従いまして大臣が継続して大臣の席にあり、一貫した文教行政をしていきたいということと、政党関係の文部大臣が果して適任であるかどうか。なかんずく教育の中立を、政党の支配から守っていく、政治権力の支配から守っていく。こういうような建前において政党所属の大臣が適任であるか。あるいはしからざる立場における大臣が適任であるか。はなはだ大臣にとっては申し上げにくい質問でありますが、私の所信を述べて、あなたの御見解をお伺いしたいわけです。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/10
-
011・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) 文部大臣の御答弁にちょっと先立ちまして、この際委員の異動について報告いたします。
本日天田勝正君が辞任され、補欠として岡三郎君が選任されました。以上。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/11
-
012・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) お答えをいたします。私は今日の日本の政治形態の上から申しまして、いわゆる政党政治の形態をとっておるわけでございます。さような関係からいたしまして、文部大臣が政党から出るということは、格別おかしくはないと思っておるわけであります。またわれわれといたしましては、教育の中立性を保持するということは、私の所属いたしておりまする自由民主党といたしましても、その主張を持っておるわけで、自由民主党といたしましては、教育の中立性を維持するということに努力して参りたいということを常に申しておるわけでございまするので、私たまたま自由民主党の党員でございまするけれども、これが文部大臣となりましても、いわゆる教育の中立性を維持するということにつきましては、何らの不安を感じておらない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/12
-
013・高田なほ子
○高田なほ子君 御答弁は御答弁として承わっておきます。前松永文部大臣は、やはり灘尾文相と同じように、政党支配のもとから教育を守っていく大臣として、このことは当然である、こういう確たる御返答をちょうだいしたわけであります。しかしながら、政党人としてあるからには、政党の目ざす教育行政に忠実であることは、当然党人としての私はそれは義務だと思う。しかし、事、教育に関する場合に、あなたの党の政策が、即文教行政として、必ずしも国民全般に対するものであるとは考えられないわけであります。従って社会党の主張、あるいは民間人の主張、そういうものを公平に受け入れた場合に、自民党の文教政策と、時に相そぐわない場合があり得るかと存じます。このことは、大臣が好むと好まざるとにかかわらず、社会の構成、政治機構の中で、当然そういう立場に追い込まれる場合があり得る。松永文部大臣は、一つの例をとれば、勤務評定の問題については、実施前において、国会の皆さんにもこの内容、経過等については、十分に御説明もし、皆さんの納得と了解のもとで、この勤務評定というものを私は実施したいというふうに考えています、こういうことをたびたびおっしゃっておりました。しかし、仄聞するところによると、松永文相のそうした善意は、遺憾ながら皆さんの政党の強い主張に押されて、ついにわれわれ文教委員として大臣の善意を満場一致のもとに実現することが、まことに困難であったことを、私は松永文相とともに悲しむ一人であります。御承知のように、一昨々日、実施後において、混乱の中において、取り返しのつかないような状態の中において、ただ形式だけわずかに二時間に足りない時間を、勤務評定実施者側の方から意見を聞くことによってお茶を濁したということは、これは明らかにやはり自由民主党の政策の中で、遺憾ながらこういう悲しむべき事態を惹起したのだということを、しみじみ痛感させられたわけであります。そこで、あらためてお尋ねいたしますが、自民党の文教政策と、またわれわれ社会党、あるいは民間人とのその考え方の中で、格段の違いが招来したという場合に、あなたは政党人としての義務を果されるべきであると思いますが、この場合の調整をどういうふうにおとりになっていかれますか、具体的にお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/13
-
014・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 御質問の御趣意は、よくのみ込めないのでございますが、自民党には自民党の教育政策があるわけでございます。これは高田委員の方の社会党さんにおかれましても、同じく教育政策をお持ちになっていらっしゃると思いますが、従いまして、もちろんわれわれが教育政策を立てますにつきましては、いろいろな事情を調査し検討した上で立てるわけであります。自民党といたしましては、その政策が最も適当であると考えておる次第であります。自民党によって政府が組織せられております場合に、その自民党に所属いたしております文部大臣として、党の政策を実際の政治の上に現わして参ることに努力する、これまた私は当然のことであろうと思っております。たまたま、その政策が、高田さんの方の政策と違っておるというようなことがありましても、これはやむを得ない。現に自民党が政権を担当いたしまして、その責任において政治をやっておりますわけでございますので、これは私はやむを得ないかと思うのでございます。もちろん、党にいたしましても、また内閣といたしましても、政府といたしましても、各方面の御意見、あるいは御要望等については、十分これを考慮に入れまして、検討の上で適切な教育政策を立て、これを実現することに努力して参ることは、これは当然のことでございまして、今申しましたように、党といたしまして掲げました政策につきましては、私といたしましては、これが実現に努力するのが当然の任務であろうかと考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/14
-
015・高田なほ子
○高田なほ子君 政党政治の常道をお説きになりました。まことに政党政治の常道をお説きになることには、これは異論ございません。しかし、教育基本法の第十条をつぶさにこれを読んでみると、申し上げるまでもないことでありますが、「教育は、不当な支配に服することなく、」ここは私もその通りだと思う。その次です。「国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。」国民全体に対し、直接に責任を負って行われるべきものである。このことは、明らかに教育の中立を維持するために根本的な原則です。すなわち、分析するまでもなく、不当な権力の支配から守るということと、教育自体が、国民の全体に対して、責任を持って行われなければならない。すなわち、政党政治のもとでは、今大臣がおっしゃったようなことで、私は自由民主党の一員だから、自由民主党の文教政策を遂行するのは、当然であると言われましたが、国民は、全体が自由民主党ではありません。無所属もあれば、緑風会もあれば、社会党もあれば、こういうような広範な国民の中でこそ、教育が論じられるのであれば、少くとも政党政治の原則だけを押し通すということについては、この第十条と考えて、若干の疑義を持たざるを得ない。国民全体に対する責任というものと、政党政治の中における自由民主党に所属する文相との立場というものについて、遺憾ながら了解いたしかねるわけであります。この点について、再度御説明をわずらわしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/15
-
016・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) いかなる政党が政権を担当いたしましても、私は日本国の憲法ないしは教育基本法の精神は、これを守っていかなくちゃならぬと思います。従いまして、われわれといたしましては、今日教育行政をやるにつきましては、この精神から逸脱しないように留意いたしておるつもりでございます。高田委員の御質問は、これはどんな政党がやりましても、この精神は守っていくという建前でおやりになることと私は思います。われわれもそのつもりでやっておるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/16
-
017・高田なほ子
○高田なほ子君 国民全体に対して責任を負う、こういう問題について明快な御答弁をちょうだいしたわけであります。従って私が大臣の御答弁から拝察するところによれば、国民全体に対して直接に責任を持たなければならない文教行政について、時に自由民主党のいわゆる文教政策と、国民全体の立場が相反する場合には、大臣はこの間の調整という問題については、今後お考えになっていかれる、こういうふうに拝察するわけでございますが、この通りでよろしゅうございますか。重ねてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/17
-
018・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私どもといたしましては、もちろん、すべての行政について、国民全体に対して責任を負う立場におるわけでございます。ひとり教育だけの問題じゃないと思います。どの政策を実行するにいたしましても、国民全体に対して責任を負わなくちゃなりません。しかしわれわれが、これでもって適当であるという政策を実行するということについては、これまた当然のことであります。これがいいか悪いか、これは国民諸君の批判に待つのほかはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/18
-
019・高田なほ子
○高田なほ子君 大臣の御答弁が少し冷たいように私は思います。大へん突っ込んだ質問ですが、これは非常に大切なので、私しつこくお尋ねしておるわけでございます。どうぞ、もう少しお気持をやわらげて御答弁をいただきたいと思います。重ねて了解のいかない点についてお尋ねをいたします。なぜ、政党支配のもとに教育があってはならないか、なぜ政党支配のもとに教育があってはならないか、なぜ中立を守っていかなければならないか、こういう問題が解明されなければ、大臣の御答弁はやわらがないと思います。よろしゅうございますか、二大政党の対立の中で、今は自由民主党が政権をお取りになっていらっしゃる。その次は社会党が取るかもわからない。またその次には、自由民主党がお取りになるかもわからぬ。こうなって参りますと、その政党の遂行しようとする文教政策のみを忠実におやりになった場合、今度はがらっと政権が変れば、また今度はこういうふうに違う方にいってしまいます。また変れば、こうなってしまう。これでは次代の青少年をどっちの方に持っていくかということについては、相当これはおとなたちが慎重に考えなければならないと思うのです。子供は政党には関係ございません。子供たちはすなおに伸びてもらえばいいのです。日本の国を、ほんとうに繁栄に導くに役立つような社会人に仕上げてもらえばいいのです。でありますから、文部大臣は政党そのものにに忠実であるよりは、むしろ、次代の子供にいかなる方策をとるべきかということを、これを慎重に考えなければならないので、政党に所属する文部大臣は国民全体に責任を負うという立場において、なかんずく教育問題においては政党にあまり拘泥することなく、もしこれに対する反対の意見があるならば、この間の調整をとってほんとうに中立の道を守っていかれるということでなければ、私は教育の真実が守り得ない、こういう観点からお尋ねをしているわけでありますから、私は灘尾文部大臣を政党大臣だからけしからぬという立場でこれを申し上げているのでなくて、中立というものを守らなければならないという重大な意味合いから申し上げておるわけであります。政治全般について国民全体に責任を持つということは、これはわかっていますが、なぜ教育基本法の十条に、持に教育行政の基本問題をここに書いたかということ、今申し上げたような、中立というものは将来の国民に対する責任として規定せねばならないから、こういうふうに書いてあるわけなんです。そこで、具体的にお尋ねをいたしますが、勤評問題に例をとりますと、これは自由民主党の政策として、何でもかんでもこれをやらなければならない、また、私どもの政党では現在こういうような形にあって行われる勤務評定については、非常な疑問を持っておりますので、実施について反対という建前をとっているわけであります。(「それをここに書いてある」と呼ぶ者あり)ところが、これは社会党だけが反対という態度をとっているのではなくて、御承知のように直接教育の現場にある先生方、これを一口に日教組々々々と言われますが、参日教組は単に執行部の五十人や六十人の指導によってものごとを左右するところではないのです。五十万の先生方が、それぞれの論議を経たその結論が、日教組の結論になるわけですが、こういうことは余分のことでありますが、先生も、それから学者も、またわれわれ社会党に属する者も、しからざる者も、反対という立場をとっている者は多いわけであります。こういうような大きな立場を異にするような場合にこそ、文部大臣は自分の方の政策だから、これは何でもかんでも強行しなければならぬ、聞かない者は警察でも何でも動員してでも、これをやってしまわなければならない、こういうようなお建前というものは、私は特に政党大臣である場合には、これは十分御検討の上この措置をとらるべきではないか。具体的に言うならば、勤評問題についても、こういう混乱の中で、大臣はもう一度これを白紙に返して、そしてお互いに胸襟を開いて、将来の子供たちのために再検討しようじゃないかという共通の広場をお作りになることこそ、私は文部大臣の貫禄ではないかと思うのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)教育の中立を守る文部大臣の貫禄は、これを白紙に還元して、胸襟を開いていかにすべきかという問題を、謙虚にあなたがお出し下さって再検討するというようなところに歩を進めていただきたい、これは私の切なる心からの願いです。政党人としての願いではありません。切なるこれは一人の母としての願いです。これについて大臣は、どのようにお考えになっておられますか。お尋ねをしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/19
-
020・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 決して冷たい心持ちでものを申し上げておるわけではありません。その点は一つ御了承願いたいと思いますが、今回の勤務評定に関する法令の実施につきまして、これを中心としていろいろ御意見があり、またかなり強い反対があるということも、私はよく承知をしております。まことに残念なことと思っている次第でありますが、ただ、高田委員に申し上げたいのでございますが、私はこの勤務評定の実施ということと教育の中立性ということとの間には、格別の問題はないんじゃないかと思うのであります。現在御承知のように、現行法で勤務評定を実施することになっているわけでございます。これは国会におきまして議決せられました法律でございます。この法律を実施しようというだけのことでございます。これが直ちに教育の中立性云々というようなこととは、私は格別関係ないことじゃないか、特に政府の当局者といたしましては、この勤務評定に関する法令を実施するのが、私はその任務であると考えているのであります。(「しかも国民の声だ」と呼ぶ者あり)従いまして、これの実施につきましていろいろ意見もあり、御要望もあるということでありますれば、もちろん、そういうふうなものにつきましては、関係当局において十分これを考慮に入れて実施することが適当であろうと考えますけれども、この法律の実施そのものについて、あくまで反対する、あくまで拒否するというようなやり方は、私はすでに現行法のあることでございますので、筋道が違っているのじゃなかろうか、かように考えているわけであります。あるいは法律に反対であるというのでありますれば、この現行法をどうするかという問題として、また御検討を願えばいい問題であると思いますけれども、ただいまのところ、われわれといたしましては、この勤務評定を実施することが適当であるという考え方のもとに物事を進めているわけでございます。いろいろ地方で、はなはだ不愉快と申しますか、不幸な事態が起っておりますことは、私は前に申し上げます通りに、まことに残念に思っております。しかし、この法律実施という建前について御了解をいただいて、その上でおだやかにお互いに意見があるならば、意見を申し出られて、そうして論議を進めていかれることが根底だと思うのであります。今の場合におきましては、ほんとうに子供さんのことを考えれば胸が痛む思いがございます。しかし、その原因はどこにあるかということを、静かに反省をしていただきたいものと念願をする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/20
-
021・高田なほ子
○高田なほ子君 評定と政治的中立とは関係がない、全くそうでしょう。勤務評定と政治的中立は、それは関係ないと思いますが、法律を実施することと政治的な中立と、これは関係がない、全くその通りだと思うんです。しかし、現行法そのものに疑義があって、御承知のように、私ども社会党も前国会でこの法改正の提案をすでにしたわけであります。これは国会の脚光を浴びた改正案であります。この改正案を果して文部大臣は御検討下すったのでしょうか、この改正案を自民党の皆さんは御検討下すったのでしょうか。われわれは現行法の欠点を指摘して、現行法の改正のために鋭意衆参両院とも努力いたしました。遺憾ながら、これは提案だけにとどまって、はなも引っかけられないという状態の中で強行されております。私は現行法が悪いなら、国会で直すべきだとうそぶいておられますが、多数を擁する自民党の文部大臣であればこそ、あなたは謙虚な態度を失せられておるのではないか。真にあなたが教育の中立を守ろうとするなら、われわれ社会党が、前国会でこの法修正を出したいきさつも御勘案下すって、また、国民の中にある反対の声も、現行法そのものに対する疑問を持つがゆえにこその反対なのでありますが、こういう現在の状態というものと、われわれの法改正の真意というものをお汲み取り下すって、今しばらく白紙の状態において、お互いに研究しようということこそ、私は政治的中立をお守りになる大臣としての御使命ではないかというふうに考えられますが、われわれの法改正に対して大臣はどのような御所信をお持ちになっておられますか。お尋ねをいたします、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/21
-
022・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) われわれといたしましては、現在の勤務評定の制度を改正する必要を認めておりません。むしろ、これを実施すべきものである、かように考えて仕事を進めておるわけでございます。その点はさように御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/22
-
023・高田なほ子
○高田なほ子君 言葉を返すようでありますが、これは疑問あっても何でも実施しようという御意思を持っていらっしゃるわけですか。たとえばこの法律がこういう欠陥があるということを指摘されても、それが多くの人に指摘されても、これは政党で決定したものだから、もう何でも実現しようとする、そういうお考えなんですか。もし、この法が悪いという点があるならば、これを正していこうとするお考えも持っていらっしゃるのですか。まことに微妙な問題ですから、この点はっきりお答え下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/23
-
024・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私どもといたしましては、現在の法律それ自体に別に疑問があるとは思っておりません。ことに、これが政党の圧力でどうするとか、こうするとかいうような問題ではないと思います。現にある法律を実施しようというのにすぎないのであります。さように御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/24
-
025・高田なほ子
○高田なほ子君 私そういうことを質問したんじゃないんです。実施しようとしている勤務評定の内容について、私どもも疑義を持っているし、国民の多くの方も疑義を持っておる。その疑義を解明するために、実施に当っても、大臣はこれらの改正というものについて留意をするお心組みがあるかないかということをお尋ねしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/25
-
026・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 御承知のように、この勤務評定の実施をいたしますのは、今さら私申し上げますまでもなく、地方の委員会でございます。文部大臣といたしましては、この法律に基いて勤務評定を実施してほしいという立場にあるわけでございます。従ってその勤務評定をどういうふうにしてやっていくかと、こういう事柄については、もちろん文部当局といたしましても、全体を総括しておるような立場にございますので、検討しなくちゃなりますまい。また同時に、実施の責任を負っております、地方の委員会にいたしましても、十分研究をいたしまして、適当な計画のもとにこれを実施してほしい。これは私どもの気持でございます。そういう意味におきまして、実施するのについてどうする、こうするというふうなことについては、私は地方の、都道府県の委員会におきましても、十分検討の結果、今日仕事を進めておるものと考えるのでございまして、問題が今もつれておりますのは、実施すること、それ自体について頭からこれに反対する動きが非常に強く、そこにむずかしい問題があるように私は思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/26
-
027・高田なほ子
○高田なほ子君 この原因について、もう論議すれば長くなりますから、論議ははしょりますけれども、ただ頭から法律があるのだから実施するんだぞという、こういう権力的なものに対しては、これは承服ならないというのは、これは私は大きな反対の理由だと思うのです。そういうような点は、実はこの間の文教委員会で参考人をお呼びしたときも、何で教員が反対をするんだかわからない。これは幹事長さんの本島さんの陳述の中で承わった言葉であります。何で反対をするのかわからないで、これを実施するというのも、不見識な話じゃないかということで、こちらから御質問申し上げたのですけれども、反対する理由もわからないで、ただ実施するのも、これもずいぶんせっかちな話しじゃないかと思うのです。現にその文部省も賛同を表しておられ、この勤務評定の要素の観察内容表の中に、「異る意見、立場、習慣に対する理解や包容性があるか。」こういうような評定がある。こういうようなことは、何も教員にだけ異る意見や立場に対して寛容であるかないかというような前に、やはり文部大臣自体も、こういう評定内容をつけられれば、少しこれは点が悪いんじゃないですか。私がこんなに申し上げても、なかなかあなたは寛容の度を示さず理解を示されないんですね。こうなってくると、私が校長だとすると、あなたにはこれはバッテンつけますよ、灘尾さんにバッテンということになる、こういうような点にも、異る意見、立場、こういうものに対して包容性があるかないかということになって参りますると、だれも人間は主観というものが強く先に参りますから、こういうような評定内容を持っていること自体がずいぶんこれはおかしなことである。なかなか科学的にはこれは評定できないという一つの証左にもなるわけです。こういういやみを申し上げることは、私は好みませんけれども、あまり大臣が、しいて私への答弁をおそらしになることを心から遺憾に思って、その次に質問を進めたいと思います。
ただ、御答弁漏れが一つありました。私ども現行法に対しては、御承知のように国会で数分間きり論議してないんです。教育者に対する勤務評定。御承知のようにこれは人事院の規則の中にもございますが、勤務評定が近く実施するのに困難であると思われる場合には、この勤務評定を無理に実施しなくてもいい、こういうことがこの人事院規則の中に盛られてある。従いまして私どもは、こういう建前から言いますと、現行法に対する疑義を持つがゆえに、法の改正というものについて、だんだんの研究をして国会に提案をしたわけでありますが、大臣は社会党の出します現行法に対する改正案、これに対してどういうお考えをお持ちになっておられますか、お尋ねしたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/27
-
028・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) その点につきましては、先ほどお答え申し上げたかと思うんでありますが、私は今日勤務評定を実施すべしという考え方に立っておるわけでございます。法律に基きましてやっていこうと、こういう考え方に立っておるわけでございます。従いまして社会党の皆さん方のこの勤務評定を削除すべしという御意見に対しましては、御同意をいたしかねるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/28
-
029・高田なほ子
○高田なほ子君 そういたしますと、これは人事院規則の十の二の中にありますが、特にこの「(勤務評定の具備すべき必要条件)」、この中で、試験的な実施を行い、その他の調査を行なって、この勤務評定が容易に実施できるものであるということを確めなければならない。これは正しく条文を読むと一番いいんですが、こういう意味の条文があるわけであります。ところが御承知のように、文教委員会でもこんな重大な問題であるにかかわらず、数分間の論議きりしなかった。内容については全くこれを論議もしなかった、国会においてもさっぱりお互いに善意を持ちながら、審議する機会を失つてしまった。こういうような、この経過を持つ勤務評定は、人事院規則の十の二の中では、勤評の具備すべき必要条件として幾多の問題があげられておるわけなんですね。ところが、遺憾ながらこの試験的な実施というものも、あまり私、聞いたことがないんです。その他の必要な調査を行なって、その他の必要な調査というのはどういう調査がされたのか、これも私どもは何ら知らない。少くとも立法府にある者が勤務評定というものを通した以上は、行政面における責任もまた負わねばならないと思う、これは国会議員の責任だと思うんです。与党、野党を問わざる責任であると思う。そういう責任において、人事院規則十の二を詳細に読めば、その他の必要な調査がどんなに行われたのか、容易に実施できるものであること、勤務評定は容易に実施できるものであることという、この条件というものを果して具備されているのか、そういうことが確めなければならないとあるが、いつだれがどんなところで確めているのか。それほど確めているのならば、こういう混乱は未然に防げたものを、こういうような必要条件を具備し得なかったという行政上の欠陥が今日の混乱の私は大きな原因だと考える。大臣はどうお考えになられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/29
-
030・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 法律に基く行政のやり方がいいとか悪いとかということにつきましては、これは私どもの責任に属することでございます。国会の皆さん方におかれましても、平素から常に御調査をいただき、また、御鞭撻をいただいておる次第でございますが、今回のこの勤務評定の実施、これはいわゆる行政の作用に属することになって参るわけでございますが、私といたしましては、各地方の関係者におきまして十分慎重に検討いたしました結果、一つの案を作ってこれが実施をはかっておる、こういう段階にあると承知いたしておるわけでございまして、格別そのことによりまして、非常にむつかしいことを、不可能なことを押しつけておると、こういうふうには私は実は考えておらない次第でございます。さようにまあ御了承願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/30
-
031・松永忠二
○松永忠二君 関連して、今高田委員から、勤評実施の法律についても検討すべきだという御意見があった。私も、そういう点は、十分審議を法律として尽していないので、そういう必要があるという主張を持っておりますが、文部大臣は、きめてあるのでそれを実施する段階だというまあお話しなんですが、その実施をすることについて、実は現段階においてああいう混乱が起っておるわけです。そういうことになると、法律にあるから実施をするんだと、実施を前提として考えたとしても、やはりこの問題については研究するという期間を置くということが、非常に妥当ではないかというふうに私たちは考えるんですが、そういう点については、どういう御意見ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/31
-
032・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は、この勤務評定の計画を立てましたいわゆる責任者でありますところの都道府県の教育委員会といたしましては、相当なまあ研究調査を遂げた結果、この案をやっておることと思うのであります。これに関連いたしましていろいろ地方で混乱を起しておりますけれども、その混乱を私は終息せしむることもきわめて大切なことと思うのであります。ただ、問題は、勤務評定というものを実施するかしないかということが争いとなっておるのでは、なかなか問題は解決しないと思う。勤務評定というものを実施する、実施するについては、ここをこうするとか、ああするとかというような、お互いに冷静な静かな話し合いを行われるということであれば、それほどむつかしい混乱を私は生じないと思う。願わくは、勤務評定を実施するという建前のもとに、関係者がいろいろ協議をいたしまして、なるべくいい案がスムースに行われるように、こういうことでありますならば、しごくけっこうなことだと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/32
-
033・松永忠二
○松永忠二君 そういうふうな円満な案ができて話し合いが持たれて――円満な案ができてやっていないから結局混乱も起しているし、そういう妥当でない案を実施するということについてまで問題が起っていると思う。別に妥当な案ができて、非常に地方の教育委員会がよく慎重に考えて実施をしているということであれば、こんな混乱は私は起らないと思う。一体、現実の事態を、円満に地教委が非常に慎重にやられているという御判断をなさるなら別ですが、私たちはそういうことではなかろうと思うわけです。事実、文部省は、そういう何ら混乱を起していない事柄についてさえも、指導助言ということをやられておるわけです。現実にその案について問題があるし、その案を実施することによって混乱をするということで、その案自体に問題があるし、従って、またさかのぼって、実施に問題があるというところにまで論議をして、非常に混乱をしているのであるから、こういうときにこそ、文部省は指導助言を行なって、この問題について十分な研究をし、そうしてまた、その間の調整をとっていくということの必要性をお認めにはならないのですか。その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/33
-
034・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は、現在の地方における混乱の状況というものを考えてみます場合に、法律の実施ということを頭から拒否する、しかも、それを拒否するためには実力闘争もあえて辞さない、こういうようなやり方でやっておられますので、地方の当局者といたしましても、御意見を聞こうにも何をしようにも、どうにもならんような状況になっておるのじゃないかと思うのでございます。さような状態であるから、一歩下がってこれを白紙に還元しろ、あるいはまた、もう一ぺん出直せと、こういうふうなことは、私自身といたしましてはちょっと賛成いたしかねるのでありまして、この実施ということについては、どこまでも御協力を願う。その御協力という建前の上においてのお話というものが進むことを期待いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/34
-
035・松永忠二
○松永忠二君 それは、勤務評定の問題について、この前私も教育長や教育委員長に質問したときも、そういう感じを持っているんですが、自分たちの案は非常に公正妥当であるという前提を作って安易に考えて、そうして、それだから実施をすれば、教育の効果が上がるんだと、こういう御議論をなさっておるわけなんです。ところが、私たちは、その案自体が公正妥当でない場合には、勤務評定については実施をすれば教育の効果は上がらないし、勤務評定実施ということ自体の中に、実は人事的なマイナスがあるということは、もうすでに研究をされている。そういうことのために混乱が起っているのであって、なんにも有無を言わせず、どうこうしているとかということではなくて、それならば、各県でもってPTAの方々であるとかその他の方々、良識ある方々も、これについてはやはり賛成をされている部面の人たちもあるわけです。事実また、この案自体については、これでは実施すれば教育の効果が上がらないということを、学者や文化人が指摘をしているわけです。岸総理は、建設的な意見なら聞くというお話を言っているし、あなたも、そういうことについてはやぶさかでないというようなことを言われているんですが、あなたは、どういう方法で一体建設的な意見を聞くという、具体的の方法をどうお考えになっておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/35
-
036・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 具体的な方法というお尋ねでございますけれども、地方々々によって、いろいろ事情もございましょうし、一がいなことを申し上げるわけにも参らないと思うのであります。ただ、私は、勤務評定を実施するというこの筋道は一つお認めを願って、その結果、都道府県教育委員会がいろいろ計画を立ててこれを実施しようといたしておるわけでございますので、ここのところはこう、ここのところはこう、というようなことで意見を開陳せられ、また、それに対しまして都道府県教育委員会も謙虚な気持でその意見に基いてさらに検討をする、こういうふうな姿で物事が進んでいくということが望ましいと思うのでありまして、今のような状態では、いわば都道府県教育委員会も、やむを得ずかたくなっちまうというふうなことにもなろうかと思うのでありまして、この筋道だけは、一つ認められて、その上での話にお願いをいたしたいと、かように考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/36
-
037・松永忠二
○松永忠二君 私は、先ほどお話しのように、実施する前提に立っていった場合でも、ということを話しておるんですよ。実施するということをあなたは言われているし、実施するのは当りまえだというお話しなので、実施するという前提に立っても、それでは研究の期間を置くとか、いや外部の建設的な意見を聞くという具体的な方法は何がある、また、文部省は何をそういう点でやろうとされているのか、大臣はそういう点を具体的にお持ちであろうと思う。抽象的にただ意見を聞くとか、建設的だとかというのじゃなかろうと思うので、その点一つ。
もう一つは、前に高田委員からお話がありました政党と教育との問題ですが、あなたはこのごろ四権分立というようなことを言われたり、あるいは、外国では、文部大臣必ずしも政党人でないというようなことになっておるところもある。そういうことについて、あなたは、やはりどういうところに、尊重すべきものがあるし、そういうものもどういうふうに日本の政党の大臣としてとっていかなきゃできないかということについて、どうも少し御答弁が私ども納得いきませんので、しまいにその点を一つお聞かせをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/37
-
038・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) この勤務評定の実施ということにつきましては、もう相当長いと申しますか、相当な期間が経過してきておるわけでありまして、地方の都道府県教育委員会におきましても、あるいは規則を制定いたしましたり、あるいは規則の内容を作って、これが実施をはかっておるわけであります。従いまして、私は、その段階に即応して、それぞれの方々の御意見があれば、なるべく一つ御意見を聞いて、謙虚な気持で、改善すべきものは改善したらよろしいと思うのであります。、そうでなくて、ここの段階まで来ておるのに、これをもとへ戻して、もう一ぺんやり直せということは、事実問題として、なかなかむずかしいことでもありますし、ものの考え方といたしましても、私は、勤務評定は、政府といたしましても実施したいという考えのもとに、地方の都道府県委員会を指導いたしておるわけでございます。願わくは、今申しましたような段階にございますので、具体的な、あるいは建設的な御意見がありますれば、どしどしお出しを願って、今後の参考にさしていただければけっこうだと思うのでございます。
なおまた、文部大臣というものの地位といいますか、そういう点についてのあれでございますが、教育のいわゆる政治的中立性を守るということは、この日本の教育の基本的な考え方であろうと思います。もちろん、われわれといたしましては、その考え方のもとに行動をして参らなければならぬことは、これは当然のことであります。あるいは四権分立とか、あるいは文部大臣は政党人でない方がいいというふうな御議論も、中立性というところから、おそらく出てきておる議論であろうかと思うのであります。これにつきましては、十分傾聴もしなければならぬかと思いますけれども、私どもは、あくまでも教育のいわゆる政治的中立というものを守って参りたいという考え方のもとに立っておるつもりでございますので、さよう御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/38
-
039・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/39
-
040・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) 速記をつけて。
それでは、暫時休憩いたします。
午後零時三十三分休憩
――――◇―――――
午後一時五十六分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/40
-
041・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) それでは、これから委員会を再会いたします。
午前に引き続き、大臣に対する質疑を続行いたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/41
-
042・高田なほ子
○高田なほ子君 勤評の実施について、午前中から大臣の論旨とされたところは、法律にあるからこれを実施する、これは法律論としては、常識としては正しいと思う。しかし、法律に基く行政措置、この行政措置については、相当幅のあるものであって、そこに行政の妙味といいますか、行政運営の妙味というものがあるのだと私は思う。もし、大臣の御論旨をかりて、私どもをして言わしむるならば、こういうことも成り立つのではないかと思う。たとえば憲法には国民の教育の機会均等に対する規定があります。国民はすべてその性能に基いて教育を受ける権利を有す、義務教育はこれを無償でなす。これは憲法の条文であり、法律は必ず守り、必ず実施しなければならないということになるならば、義務教育無償の原則というものは、すでに憲法制定当時から、これをそのまま法律通りに国は運営してしかるべきだと思う。しかし、私どもはたとい憲法にこのようにあったとしても、国の経済の基盤あるいは予算上の問題、そういうような点から、国をしてこれを行政面において逐次進展の方向に向っていく、こういうことについて私どもはこれは当然な措置だと思うのです。従って、勤評の場合も法律にある、だからこれを実施しなければならない、こういうような御論旨は、若干私は飛躍した御論旨ではないか。何も行政面の幅とか運営の妙味などというものは、全部これは取りのけて、このままで実際何でもやったらよろしい。しかし、そういうような横やりを今私が申し上げるわけではありませんが、少くとも法律にあるからやるのだというのではなくて、行政上、運営上の妙味というものを、ここで十分御考慮になって、さいぜんからくどく申し上げているように、社会党としては現行法に対する改正案をすでに出し、この国会においてもすでにこれが用意されている、こういうような中でありますから、この行政面において、運営の面において、こうした混乱の中で、ただ大臣がばかの一つ覚えのように、法律にあるから実施するというのではなくて、冷却期間を置き、相互の了解と理解の上に立って、これをよい方向に押し進めていくというような賢明な措置がされるべきではないか。先ほど法律の問題が出ましたので、法律と法の運営面について、大臣の基本的な考え方と、特に勤評についてお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/42
-
043・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私はこの問題につきまして、そうしかつめらしい、かた苦しいことを申し上げるつもりはないのであります。しかし、勤評の問題はもちろん、これが実施についてはもちろん十分検討いたしまして、円滑な実施をはからなけれはならないということは、行政当局としては、当然考えなければならぬと思うのでございますが、問題は勤評を実施するという建前のもとに、その規則をどういうふうに作っていくかとか、あるいはまた、内容をどういうふうに計画していくかとかというふうな問題として考えられます場合に、いろいろの意見がある、その意見についてこれを虚心たんかいに聞く、いい意見は取り入れて、なるべくいいものをやっていく、こういう心を持つべきことは、これは当然だと思うのであります。従いまして今の問題に関しましても、都道府県の教育委員会に対しまして、そこのところはこういうふうにしてほしいとか、こうあってほしいとかという建設的な意見がどしどし出てくる、それに対しまして、都道府県教育委員会は十分に検討いたしまして実施するという姿なら、何も文句を言うことはないと私は思うのであります。問題はさような実施に向って進んでおります都道府県の行き方に対しまして、実力を持って阻止する、絶対拒否するというようなことでは、どうにもこうにも手の施しようがないというのが、現状ではないかと思うのであります。文部大臣といえども、これをどうすることもできません。願わくは法律を実施するという建前のもとに立って、その上で地方の当局と先生方の間に、いろいろ建設的な意見の交換が行われる、そういう姿であってほしいと思うのであります。どうもそういうふうに参りませんので、話がレールにのってこない、こういうふうに私は現状を見ておるわけであります。従いまして今のあのやり方によを絶対反対、あくまでも実力をもって争うというふうなことを一つお考え直しを願って、そうしてここをこうしてほしい、ああしてほしいというような性質の問題として、静かに友好裏に話し合いが行われることを、私は期待するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/43
-
044・吉田法晴
○吉田法晴君 今の答弁は、少し高田さんの言葉をもって言えば、冷たいばかりでもなさそうでありますが、この間私は関連で、秋山君の質問に関連をいたしました御答弁の際には、行政作用の問題でございますから云々という答弁があった。そうして意見を申し出られることは差しつかえない、けれども聞かれるから云々ということは、これは了承しがたい。重ねて、法律に基く行政作用でありますので、これはあくまでも当局の責任においてやるのだ、当局が考えて実行するのだから、これはあくまでも強行をする、こういうまあ御答弁であったように思うのです。関連ですから、長くお尋ねをいたしませんが、行政作用であるから意見は聞く、しかしやることはやる、これはまあ、あなたの文部行政一般について私は少々官僚的だと思うのであります。少くとも民主的な行政ではないのではなかろうか。もちろん、行政は法律に基いて執行をいたします。しかしながら、その執行に当って、この行政に協力をする機関、あるいは行政作用を受ける者についても意見を述べる自由があり、そうして少数意見といえどもそれを取り入れてやっていくというところに、私は民主的な行政作用があるのではなかろうか、論議の場合でもそうであります。ところが、論議についても社会党いろいろ言われるけれども、これについては態度を緩和するというか、あるいは修正するというか、そういうことは受けつけない、あるいは許さぬ、こういう態度が、先ほど御質問を申し上げたときにも、あなたにもおありになったようですけれども、行政作用の執行についても、私は民主的な教育行政というものは、そういうものではないのではなかろうか、この画一的な文部行政、それは戦争の時代の弊害の批判もありますが、従来の文部省の戦争協力の教育というものが、末端にまで一本にずっといった、それが失敗であったから、そこで地方行政の中で、地方自治体の仕事として行政をやらせる。従って教育委員会も、これは市町村の教育委員会、しかも、この地方教育委員会は、初め選挙するというやり方、そこに民意を反映せしめるという構想であったわけであります。これは変りましたけれども、変えられたのも、これは自民党……これは多少の制度の変更もございますが、法律に即して議論をすると、聞きたくなりますけれども、民主的な教育行政というならば、それは野党の意見も入れていこうし、あるいは地方教育委員会の意見も入れていく、それから実際に教育をする教師の納得を得るために、意見を入れていくというのが、民主的な教育行政じゃなかろうかと思うのでありますが、どうも先般来御答弁しておられましたところでは、行政作用だから意見を述べることはいいけれども、それは聞かなくてもやっていくのだ、こういう態度のようでありますが、それは間違いではなかろうか、重ねてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/44
-
045・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私はこの間のお答えは、ものの筋道を申し上げたつもりで、従って行政作用を営みます場合に、できるだけ各方面の意向を聞き、最もいいところで物事を進めていくというのが、これは当然考えてしかるべきことだと思うのでありますが、しかし、ものの筋道から申しますれば、意見はもちろん伺いもしよう、参考にもしよう、しかし、この意見がいれられなければ、絶対やっちゃならぬというふうなことではないと私は思うのであります。その筋道を申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/45
-
046・高田なほ子
○高田なほ子君 先ほどの御答弁で、建設的な意見はこれは大いに聞かなければならないというお考え、これはもちろんそうだと思う。しかし、この勤務評定実施について、教育的な効果があるかないかというような、最も基本的な問題の話し合いを抜きにして、ただ技術的な問題だけを論ずるのではいけないと思う。私は教育者は、単なる技術屋ではないのですから……。教員は一般の生産をする労働者ではない、物事を作り上げる労働者ではない、やはり次代の子供をにない、子供の成長をほんとうに考えて、そうして日々職場に働くこれはやはり労働者、そういうような観点から見たときに、教育の基本的な問題を論じ合って、この勤評についての是非をただすという根本的な態度を持つことは正しいと思う。それをただ単にA項が悪いとかB項が悪いとか、五段階に分けていいとか悪いとかというような技術的問題よりも、そういう基本的な問題を話し合おうというときに、これは反対だから、さっぱり建設的じゃないというような、そういう即断をすることは、私は教育者に対する冒涜じゃないかと思う。特にここに内藤初中局長がお見えになっておりますから、この点ただしたいと思うのですが、教員がこうした基本的な問題について、せっかく教育長、当局と話し合おうとするときに、なぜ文部当局は話し合いなんかする必要ない、団交なんかする必要ない、話し合いには応ずるなというような挑発的な、話し合いを阻止するような通達を流したということは、これは建設的な話し合いも何もめちゃくちゃにたたきこわすいわゆる破壊的な私はやり方だと思う。なぜ話し合いの途中に、なぜあるいは話し合いをせんとするそのこと自体に、文部省は干渉をして話し合いを打ち切らせ、今日の混乱を招くような素地を作ったかということを私は責めたいのです。内藤さんは、お伺いすれば熱心なクリスチャンだと聞いております。あなたのクリスチャンの精神というものはどこにも見受けられないじゃありませんか。それじゃ。左の頬を打たれたなら右の頬を回して、これに打たせよという、自分の敵に対してさえも寛容の度を示すことはクリスチャンの、信徒としての常識だと思います。しかるにもかかわらず、ただ一つの話し合いの場にすらも、文部官僚としてこのような謙虚ならざる通達を流して混乱を巻き起したという責任は、明らかに私はあなたにあると思う。何ゆえにこういう基本的な問題の討論に対して、くさびを打ち込んだか、その真意を私はただしたい。
第二に、教員が勤評実施に当って、教育的な効果という問題について論議することがなぜ悪いか、どういうわけで悪いか、その理由をあなたに聞きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/46
-
047・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) この勤評の問題についての御議論は、いかなる御議論をなさろうと、それをかれこれ申し上げるべき筋合いのものじゃない。反対の御議論があれば、反対をなさることもけっこうです。賛成なら賛成を述べられるのはけっこうであります。ただ、高田委員に御了解を願いたいと思いますことは、つまり文部省にいたしましても、あるいは地方の都道府県の委員会等におきましても、これは行政の立場におるわけであります。法律に基きまして行政をやっていこうという立場におるわけでございます。その場合に、立法論でもってこれをかれこれ言われるということは、立場をもう少しお考えいただきたいと思うのでございます。立法論は立法論として、またそのことももちろんよろしいのでございますけれども、法規に基いて行政の機関が何かやっていこうという、そういう立場で仕事をしておるのだということは、ぜひ御了解を願いたいと思うのであります。
それからまあ話し合いについてのお尋ねでございます。いずれ局長からもお答え申し上げると思いますけれども、話し合いということの意味が、どういうことであるかということも、私は関係してくると思うのであります。今のように、前々から私が申し上げておりますような形において、いろいろ意見の交換が行われるとかというふうなことは、しごくけっこうだと思いますけれども、いわゆる団体交渉というようなことで、しかも、これにいけなければこうだというような、いわゆる実力闘争というようなことは、私はこの行政作用を行います上におきまして、取り上げるべき話し合いの姿ではないと考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/47
-
048・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) この件につきましては、鳥取県の教育委員会から、給与、勤務時間その他の勤務条件に該当するかどうかと、こういうお尋ねがございましたので、私どもは、勤評はこの給与、勤務時間その他の勤務条件には該当しない、こういう趣旨のものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/48
-
049・高田なほ子
○高田なほ子君 該当しないの、その先にあるでしょう、まだ、その先のことを聞いている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/49
-
050・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 従って、法律に定めるところの団体交渉の事項ではない、こういう趣旨の回答をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/50
-
051・高田なほ子
○高田なほ子君 法律で定める団体交渉権はない。このことはお互いに知っておることです。しかし、物事の慣行ということは、これは忘れてはならない問題だろうと思うのです。特に労働問題でも、労使間のよき慣行はこれを守っていくということはこれは原則です。しかし教育は、これは労使間というふうに当てはめるわけにはいきますまいが、今日まで文部省と日教組はなかなか各県におても、各県の教育委員会と、また県の教員組合がそれぞれ長い慣行の中で話し合いというものが、何の無理もなく非常に友好の中に進められてきた場面は幾多あります。その友好の中にあげられたいいろいろの成果も数えあげることができます。従って文部当局としては、こういう混乱の中にありそうだということが予測されるような場面にあって、わざわざその話し合いを打ち切らせるようなそういう措置はとるべきものではないということを、私はこれは意見として持つわけです。ですから今日私が終始一貫主張しておることは、大臣に対しましても、白紙に戻して、もう少し冷却期間を置いてお互いに話し合おうではないかということを申し上げておるわけです。
第二に、文部大臣は、行政面だから、立法府にある者はそれと区別してくれというようなお話がありました。私はまことに議員としては未熟、浅学、かつ非才、従いまして、あなたの御論説に反論をするわけではありませんが、立法府と行政府の区別くらいは多少でも心得ておるつもりであります。しかしながら、行政府は立法府と全くその精神を異にして行なっていいという筋合いのものではないと思う。立法の精神を尊重して、立法の欠陥のあるところは、運営の妙味においてこれを補てんするというのが、私は行政官としてのこれは腕前ではないかと思う。私が文部大臣に期待するのは、そこにあるのです。それをごっちゃにして物事を考えられては困るというようなお話しでは、これは議論になりますから推し進めませんが、それくらいは心得て御質問を申し上げておることだけ御了解いただきたい。次にお伺いいたしたいことは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/51
-
052・吉田法晴
○吉田法晴君 ちょっと委員長、高田委員の御質問中ですが、内容にお入りになるようですから、内藤局長にお尋ねをしたいと思いますが、勤務評定は労働条件に関係がないと、こういうお話しでありますが、それはどういう根拠、法律に基いてお考えになるんでしょうか、私ども聞いておりますところは、愛媛で問題になりましたときにも、再建団体で全部には昇給をすることができないから、勤評を実施し、それで昇給をどの程度にするかということをきめようとされた。これは実施はなさいませんでしたけれども、そういうことで勤評の実施をなされようとしたと、私どもは承知をしておる。それから勤評を実施して、特別昇給にしても、何にしても、これはその資料に全くならぬのでしょうか、勤務評定とそれから勤務条件というものとは、関連が全然ないという御見解のようでありますが、法律あるいは見解に基いてそういうことをおっしゃるんでしょうか、局長の御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/52
-
053・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 御承知の通り、勤務評定は人事管理上必要な参考資料でございます。そこで、この勤務評定そのものが直接勤務条件を左右しておるものではございません。かような趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/53
-
054・吉田法晴
○吉田法晴君 この人事管理上必要だというこは、人事管理の面においていろいろなことが行われるでしょう、その人事管理上の条件は、これは勤務条件だと思うのですが、これは人事管理には関係があるけれども、勤務条件に関係がないというのは、私は強弁だと思うのですが、重ねて具体的に御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/54
-
055・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) たとえば給与の問題とか、あるいは勤務時間とか、こういうようなものが勤務条件の大きな問題だと思います。そこで勤務評定といいますのは、人事管理上、どういうような勤務の仕方をしておるか、勤務のしっぷりがどうなっておるのか、こういうような点を見る一つの大きな参考資料でございます。こういう点で、直接勤務条件には関係ございませんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/55
-
056・湯山勇
○湯山勇君 関連。内藤局長にお尋ねしますが、和歌山県で勤務評定によって昇給をさせるという条例を、議員提案によって作ったという事実がありますが御存じでしょうかどうでしょうか。そしてそういうことがもし許されるとすれば、今局長が言われたように、給与と関係ないということは言えないし、それからあなた方が今まで言われた特別昇給にしても、やはり給与ですから、もし勤務評定がそれに関係を持つということになれば、勤務評定と給与が無関係だということにはならないと思うのですが、その二点お伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/56
-
057・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 和歌山県の事例につきましては、私も存じております。で、法律にも書いてございますように、この勤務評定を行なって、適切な人事管理をしなきゃならぬ。で、勤務評定の結果、適切な措置を講じなきゃならぬということが、地方公共団体の任務だと思います。そこで和歌山県でそういう条例をお作りになったというので、私どもは勤務評定そのものは先ほど来申し上げますように、直接給与等に関係はございません。これをいかに活用するかという問題は、私は別な問題だと思います。(「関連があるよ。」「それはおかしい」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/57
-
058・湯山勇
○湯山勇君 あなたは和歌山県のをよく知っておれば、そういう御答弁出てこないと思うのです。直接関係をつけた条例を作っておるので、私が前回あなたにお尋ねしたときにも、文部大臣も前文部大臣でしたが、これと定期昇給とは直接関係はないんだ。それからこれをやらなければ昇給できないというようなことは誤りだということを、はっきり言っておられます。ですから今の和歌山県の条例は、今までのあなた方の御説明によれば、明らかにこれは違法の措置である。それから給与と勤務評定が関係ない、無関係だということは、これも今までおっしゃってきたところから考えて、それはいろいろなことに使われますけれども、それを直接給与と結びつけたということについては、これはやはり関係できてくるわけですから、無関係だということは言えないと思います。で、もう少しそういう点は明確に御答弁願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/58
-
059・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 私も先ほど来申し上げていますように、勤務評定そのものは、これは勤務条件ではないとこういう意味でございます。で、もちろん昇給等に際しまして、勤務評定の結果を参考とすることは、これはあり得ると思います。(「おかしいぞ、その答弁は」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/59
-
060・湯山勇
○湯山勇君 ちょっとおかしいね。それをやらなければ昇給ができないというような条例を作っておるのですから、それを関係ないと言えるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/60
-
061・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 私が申し上げているのは、勤務評定そのものが勤務条件ではないと、こう申し上げておるので、その勤務評定の結果をいかに活用するかということは、これは私、別個の問題だと思います。(「因果関係があるじゃないか」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/61
-
062・湯山勇
○湯山勇君 おかしいな。答弁が非常にいいかげんな答弁で、まことに心外です。今、吉田委員が尋ねておるのは、給与と関係があるかないかということを言っておるので、あなたのような答弁をもってすれば、それは関係ができる場合もありますというのが、ほんとうなんです。その勤務評定を何に使うかというのは、非常に幅が広いけれども、その中には給与も含まれておる。あなたの答弁をもってしてもですよ。それなら関係がないという答弁をするのがおかしいので、あります、関係ができる場合があるのだと言わなければ、あなたの場合はそういうことをごまかしておるので、もっと端的に、正直に御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/62
-
063・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 先ほど来申し上げていますように、たとえば給与体系をどうするとか、あるいは勤務時間を四十四時間にするとか四十八時間にするとか、というような問題と違いまして、勤務評定は、あくまでも勤務の実態を把握するための基礎資料でございますので、私が申し上げましたのは直接関係がない、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/63
-
064・湯山勇
○湯山勇君 それですね、お尋ねしておるのは、和歌山の場合は直接関係しておるのですよ。あの条例は。御存じでしょう。(「知らないんだよ」と呼ぶ者あり)知っておるというから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/64
-
065・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 和歌山の条例は、勤務評定の結果をこれに活用するということであって、勤務評定そのものとは私は関係ないと思います。(「そんなばかなことがあるかな」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/65
-
066・湯山勇
○湯山勇君 おかしいね。勤務評定と昇給と、それは別なものだということくらいはわかっています。どう結びつけるかが今問題になっておるのですよ。それが和歌山でははっきり結びついておるのだから、これが給与と関係ないと言えないでしょう。それから特別昇給の場合、これはあなた方がしばしば言ってきたように、関係を持っておるんですから、これも給与と関係がないとは言えないでしょう。どういう形にしても関係を持っておるんですから。それを関係ないという言い方は、あまりどうもいいかげん過ぎると思うのです。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/66
-
067・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 私も関係のあることを否定しているわけではないのです。ですから、これはこの法律に言う給与、勤務時間、その他の勤務条件そのものではないと、こういうことを申し上げておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/67
-
068・湯山勇
○湯山勇君 そのものでないことはわかっておる。(「大臣に質問したらどうだいな」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/68
-
069・吉田法晴
○吉田法晴君 湯山君や私がお尋ねしておるのは、勤務評定が勤務条件に関係があるかないか。こういうことをお尋ねしておる。労働時間あるいは給与そのものでないことは、私たちも知っておる。しかし、勤務評定をして幾つかに、とにかく勤務の状態を評価分けをする。評価分けをすることは、ただ評価だけをして、それで終るわけじゃない。和歌山県の場合もそうです。それからあなたも、給与なりあるいはこの年末手当には影響ないかもしれませんけれども、勤務条件を決定する判定の基礎になることは、お認めになったんじゃないですか。そうすると、勤務評定というものと勤務条件というものとは関係がある。勤務評定を基礎にして勤務条件が決定をせられる。こういうことについては、これはお認めになったんじゃありませんか。そういう意味で勤務評定と勤務条件というものとは関係があるんじゃないか、こういうことをお尋ねをしておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/69
-
070・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 先ほど来御答弁申し上げておりますように、勤務評定は私これは勤務条件じゃございませんと、ただ勤務評定の結果、いろいろと特別昇給とか、あるいは昇格とか、そういう人事管理の問題に当然関係してきますと、こういう趣旨でございます。(「だから関係があるんじゃないか」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/70
-
071・吉田法晴
○吉田法晴君 そうすると、勤務評定と勤務条件とは関係があると。勤務評定を基礎にして勤務条件がきめられる、こういうことはこれはお認めになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/71
-
072・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) これは直接関係ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/72
-
073・吉田法晴
○吉田法晴君 直接関係ないというけれども、その勤務条件そのものではない、時間をきめることではない、給与をきめることではない、しかし、給与をきめるときに、その勤務評定が基礎になる、あるいは基礎になり得るということをお認めになった。そうすると勤務条件をきめるもの、あるいは条件であるという点をお認めになったんでしょう。そうすると勤務条件に関係がありという、これは事は直接関係がないというお話しでしたけれども、これは関係があるんじゃないですか。(「給与条例の方が関係が起ってくるんだよ」と呼ぶ者あり)あなたに答弁を求めておらぬ。(「なっておるから言うんだよ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/73
-
074・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 勤務評定というのは、私は勤務条件とは直接に関係がないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/74
-
075・吉田法晴
○吉田法晴君 そのものではないけれども関係があるでしょう。関係があるかないか聞いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/75
-
076・高田なほ子
○高田なほ子君 勤務評定はですね、勤務条件に関係ありということが今ここで明らかになったわけですね。(「いや、そうじゃないぞ」と呼ぶ者あり)関係があるとあなたは言っておられた。速記をあとでお調べ下さい。勤務条件に関係がある。勤務条件そのものではないが、勤務条件には関係があるとおっしゃっておる。それは正しいと思います。(「そんなことを言ったか」と呼ぶ者あり)そうだとするならば、また逆に戻れば、勤務条件でないから話し合う必要がないというあの通達というのは、やはり勤務条件に関係があるものだから、これはやはりそういう通達を出されたということは行き過ぎじゃないかと私は思う。全然これは無関係のものでも話し合うことはあるわけです。たとえば教育研修の問題、それからいろいろな講習会等の問題、そういうような問題も、これはやはり今まで話し合いが続けられてきているわけですね。結局勤務条件そのものではなくとも、話し合いという慣行はずっと続けられてきている。今のここでわかったことは、勤務評定そのものは勤務条件ではないが、関係があるということになれば、これは当然話し合いをすることは違法ではないし、また、そういう話し合いをする態度を守るということは、慣行尊重の立場から正しいと思うのです。どうしてそういうふうにして話し合いをやめるようにされたかということについて、はっきりまだお答えがないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/76
-
077・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 私どもも、先ほど来文部大臣からお答え申し上げておりまするように、建設的な話し合いを決して拒んでいるわけじゃございません。ただ、この公務員法にいうところの、職員団体等の性格、すなわち給与、勤務時間その他の勤務条件に関し当局と交渉する、この交渉事項に入るかどうかという法律的な見解を尋ねられたから、法律的な見解といたしましては、これには該当いたしません、かような趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/77
-
078・高田なほ子
○高田なほ子君 それでは該当いたしませんということは、話し合いをする必要がないということになりますか。文部大臣は今日までの話し合いの慣行というものについてどういうような御態度をおとりになられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/78
-
079・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 少しお話がこんがらがっているように思いますが、私は組合側と都道府県の当局者というものが会うことが、別に悪いというわけでもありませんし、また、いろいろなことについて相談することについて、一がいに悪いという問題のものでもありません。ただ問題は、いわゆる組合の交渉権と申しますか、そういうような法律的な立場に立って、そういう権利があるかないのかというふうな問題になってきますと、話が自然かた苦しくなってくるわけであります。局長の申しましたように、この問題は、いわゆる交渉の権利の中には入っておらない、こういう法律上の解釈をいたしておるわけであります。そういうふうな考え方でおるわけでございますので、それではあとのことは一切やらぬかと、こう仰せになりましても、別にやることをとめるわけでも何でもございませんが、法律論としてやるかやらぬかというきびしい話しになってきますと、自然そういう結論が出てくる、こういうふうに申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/79
-
080・高田なほ子
○高田なほ子君 そうすると、具体的にお伺いしますが、和歌山の場合には、勤務評定に基いて昇給という問題がすでに条例として決定されるということになってくると、これは明らかに勤務条件に属する問題になってきますね。そうなって参りますと、法律的な団体交渉権というものはないにしても、勤務条件に対する話し合いというものは、慣行として尊重せられるものでありますから、当然私は話し合いの対象としてこれを育成していく、育成という言葉は、ちょっと語弊がありますが、守っていくという立場をおとりになることが至当だと思います。従って和歌山県の今度のこの決定そのものについても、今後いろいろな話し合いが展開されるでありましょう。この場合に、またぞろ文部省が勤務条件でないから、これは団体交渉権じゃないからというようなこの四角四面な法解釈一本やりでこの話し合いをみずから阻止さしていくというような方向をおとりになってはならぬと思います。こういう問題について直接御関係はないにしても、今後こういう今までの例もありますから、一応大臣にお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/80
-
081・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 問題はそのときどきの状況によることだと思うのであります。ただ、普通の立場として話し合いが行われるというようなことでありますれば、それをかれこれお互いにいうこともないかと思います。その状況によっては片方話しを受ける方の側から申しますというと、そういう話し合いはごめんだということもあり得ると思います。そういうような場合に、では一体法律上はどうなんだ、こういう御質問であれば、法律上はこうでありますということを言わざるを得ないのであります。私どもといたしましては、さようなかた苦しい話ではなく、何とか闘争とか、何とか闘争というのではなく、お互いに教育に関係するものでありますから、なごやかな気持のもとに、それぞれの立場を了解しつつ話し合いができれば非常に仕合せだと思うのであります。すぐに闘争だ、実力行使だという姿で迫って参られますと、受ける方の側から言いますと、かた苦しいことを言わざるを得ない、かようなことにもなろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/81
-
082・高田なほ子
○高田なほ子君 なごやかな話し合いということは、非常にこれはけっこうであります。また、私どもそれをひたすらに望む次第であります。従いまして、また基本論に入りたいと思いますが、人事院規則の十の二、勤務評定の第三条の第二項、ここには行政面からもこれは考えていい問題だと思うのですが、勤務評定実施の除外例があります。「職務と責任の類似するものが著しく少ない官職を占める職員、隔遠の地に所在する官署の長その他勤務評定を実施することが著しく困難と認められる職員」こういうふうにこの勤務評定の実施の除外規定が設けられてあるほど、この問題については人事院側としても慎重な態度をとっているようであります。今日までずっと勤務評定が実施できなかったというのは、やはり相当困難な事情がここに介在しているものと認められます。特にこの第二項の中に示される「職務と責任の類似するものが著しく少ない官職を占める職員」これは明らかに教職員に該当すると私は思う。かつて人事院に教員の職階制と給与の問題を質問したときに、教員に対する職階制の規定というものはしかく困難である、たとえば教育に対する責任、その責任の度合いは、校長あるいは教員、助教諭、養護教員というふうに内容は違うけれども、生きている子供、成長する子供、これに対する責任というものはそう格段の相違がない。従って教職員の給与において職階制を明確に規定することは、大へん困難だということを委員会において十分承わった経緯がございます。従ってこの除外規定の中でこの第二項について、文部省は相当人事院とお打ち合せになったと思うのです。この点人事委員会の第二項に対する見解を文部省はどういうふうに把握してこられたものか、あらためてお伺いをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/82
-
083・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 人事院は、すでに昭和二十七年から勧告を受けておりまして、文部省は国立学校については、これを実施しておるわけでございます。従って人事院がこの二項をもって教職員の職務であるとは考えていないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/83
-
084・高田なほ子
○高田なほ子君 今の御答弁は人事院の見解ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/84
-
085・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 人事院の見解であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/85
-
086・高田なほ子
○高田なほ子君 あろうと思いますという御答弁では困るのです。私はこの問題については、非常に重要な要素を含んでおりますから、後刻人事院の方の御出席も求めて十分に私も研究してみたい。あなたは二十七年から国立学校に実施されていると、こう言っております。なるほど法律的にはそうでありましょう。また、行政的にもそうでありましょう。しかし、実際問題としてこの国立大学の付属小学校の場合に、果して勤評が実施されているか。これはあなたも御承知のように付属小学校の教諭は、これはより抜きの、粒よりの教諭がそろっているはずでございます。これはのちのち学芸大学を卒業される方々が、教員としての実習をされる場所です。いうところの教員の実習機関、といっては当りさわりがありますけれども、そういう部面がたくさんあるわけです。従ってここに勤務される教諭というのは、いうならば粒よりの教諭、非常にりっぱな人たち、こういう人たちにABCDの五段階をつけるということは、まことに困難だ。粒よりの教師を集めて、その粒よりの教師の五段階の段階をつけるということは非常に苦痛である、こういうようなお言葉を伺っておるし、私もまたそうだろうと思う。少くとも次の若い教師たちをここでもって十分と教養をさせる、その研究機関としてもD段階の教師がおられてはちょっと心もとない。だからすべてA級の方々のお集まりのところへ、あえて勤評をつけようということは、あまりに無理なことであります。従ってそれについては当局としても、そうやあやあお騒ぎにならないように私は承知しておる。ですからここで二十七年から実施をしているというふうに開き直られると、そういう反論もしたくなる。言うなれば職種の、「職務と責任の類似するものが著しく少ない官職」にこれは該当するわけであります。あったとしても、実際にそれは行われ得ないことから、再度勤務評定についての基本的な考え方をお互いに研さんすることも、決して無理なことではないじゃないかという論拠として、これは申し上げているわけです。実際におやりになってますか。正確におやりになってますか、できれば資料をちょうだいしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/86
-
087・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) これは二十七年から文部省は国立学校に実施しております。二十八年から省令で出ておりますので、後刻資料は差し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/87
-
088・高田なほ子
○高田なほ子君 まあ、文部省のお役人ですから、そういうお答えになるでしょう。これはお答えとして了承いたします。
次にお尋ねをいたしたいことは、これは先ほども申し上げましたように、勤評を実施する場合に、いろいろな具備すべき必須条件というものが規定されておる。この必須条件というのは、かなり綿密な私は条件だろうというふうに解釈をしております。この場合、第二条の第一項は、「勤務評定は、職員が割り当てられた職務と責任を遂行した実績」「を当該官職の職務遂行の基準に照らして評定し、並びに執務に関連して見られた職員の性格、能力、及び適性を公正に示すものでなければならない。」と書いてあります。これは勤務遂行のために執務が行われて、執務に関連して見られた職員の性格、執務に関連して見られた能力、執務に関連して見られた適性、従ってこれはやはり広義に解釈するならば、先ほどの論議の中にあったように、明らかにこれは勤務条件の中に入る問題である。これは執務に関連しているんですから、勤務条件です。執務に関連していることは勤務条件なんです。従って広義に解釈せられるならば、すなおにこれを解釈せられるならば、やはりこれは勤務条件の内容に明らかに組まれるものだというふうに考えられる。これは私の私見でありますが、文部省側でもどうぞ私の私見を、一個人の私見としてではなくて研究をしていただきたい。事執務に関する問題です。そこで、こういうふうに公正に示すものでなければならない。従って公正に示すためには、どういう方法が実施されなければならないかというところで、第二項がここに出てくるわけです。「勤務評定は、あらかじめ試験的な実施その他の調査を行って、評定の結果に識別力、信頼性及び妥当性があり、かつ、容易に実施できるものであることを確めたものでなければならない。」こういうような必要条件があります。従ってここで伺っておきたいことは、どういうような試験期間を置いて、どんな方法で試験を実施したか、これが一つ。その次は、「その他の調査」とはどういう調査を行なったか。これは教育委員会から資料として来ておるはずだからあなたに伺う。その次は、「評定の結果に識別力、信頼性及び妥当性があり、かつ、容易に実施できるものであることを確めたものでなければならない。」、どういう方法で確められたのか、先般の本島幹事長の言によれば、教員の勤評反対の理由がさっぱりわからない、さっぱりわからない。こういうような御答弁をいただいておりますと、どうも妥当性があったり、それから容易に実施できるものであることを確めたとは考えられない。あれほど文部省がさか立ちになって、地方の教育委員会に飛び、督励し、そうして、実施せしめたと言った方がいい、文部省が実施せしめた勤務評定は、こういう根元にさかのぼってくると疑いを持たざるを得ない。従いまして、以上私が質問いたしました数点について、具体的にお答えを願って、私の納得と了解を得るように努力してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/88
-
089・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) あらかじめ試験的な実施をしたかどうかというお尋ねでございますが、すでに都道府県の教育委員会におきましても、静岡その他約十県が高等学校において実施済みでございまして、なお、小、中学校におきましては富山、愛知県等においても実施済みでございます。その後愛媛県において実施を見たわけでございます。なお、国立学校につきましては、昭和二十七年から実施しておるわけでございまして、そういう実施の結果を十分見た上で、今度の教育長協議会の試案ができたわけでございます。
それから次に、その他の調査はどういう調査を行なったかというお尋ねでございますが、これも国立学校の勤務評定の実施状況、あるいは一般公務員の勤務評定のやり方、あるいは民間における大きな会社、銀行等でもやっていますので、民間における勤務評定のやり方、あるいはアメリカ、西ドイツ等でやっておるところの勤務評定のやり方、こういうようなものの資料を十分検討されて、都道府県教育長協議会の試案ができたと私は聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/89
-
090・高田なほ子
○高田なほ子君 いろいろなことが試験されたといって、例をあげられました。私の仄聞するところによると、その試験というものは、試験期間というものは、必ずしも科学的なものじゃなかったと思う。今日までも、実際面においては、勤務評定はやられてきたんだから、それは試験だと、試験と同じ効果を持つんだというような言い方をされる方もありますが、これは勤務評定とは違うんですね。地方教育行政法の第三十九条では、任免その他の進退について意見の具申権を持っているでしょう、その他の具申権というのは昇給昇格のこれは具申権、それに基いて具申することを、いわゆる勤務評定のこの試験期間であったかのような錯覚を持たせるということは、私は大へんまずいことだと思う。もし、ほんとうの試験期間があったとするならば、実験期間があったとするならば、私どもにもそういうりっぱなものを見せていただきたかったものなんです。ところが、私どもにはそんなものはさっぱり何も見せていただけなかった。まことに貝がらの中に閉じ込もったように、こそこそと教育委員会を教唆扇動され、そうしてこういう実施の方向に持っていかれた。これは私はうまくないと思うのですね。
次にお尋ねしなければなりませんことは、今の御答弁は、はなはだしく満足を欠くものでありますが、これはまた人事院がおいでになりましてから、この内容等については十分伺いたいと思います。はなはだ具体的な問題になって参りますが、評定者は校長になりますね。この校長が、この間お示しになったような観察内容表に基いて評定をしていく。ところが、どうもこの評定内容表というものは、読めば読むほど、良心的な校長さんはこれは立ち迷ってしまって、ちょっとこれはつけにくい点がある。私は自分で校長になったとしても、これにはちょっとつけられませんよ。という具体的な理由は、まずここに資料をお持ちでしょうから、お開きいただけばわかりますが、これは養護教諭、養護助教諭、寮母、保母、看護婦、これらに対する評定要素の問題であります。こういう観察内容等を見れば見るほど、今内藤局長が責任をもって試験的な期間があったと答弁されたが、私の聞くところによれば、養護教諭の勤務評定に関する試験は、全く行われていなかったといっても差しつかえない、実際行われていないのです。それをあなたはこの人事院規則の第十の二項に違反してまで実施しようとするところに問題が起ってきているのです。養護教諭に対する試験期間なんていつありましたか、どういう方法で調査したか、はなはだ詭弁です、これは。そこで時間の関係がありますから、あなたの良心に私は御回答願えば、それでいいから、その次一つ一つ尋ねてみましょう。
まず、観察内容といって六十何項目ありますね。健康管理という評定要素が出ております。この健康管理の中に五つの項目が出ています。その第一は、「学校身体検査の準備・実施の補助は適切であるか。」こういうわけなんです。ところが、北海道あたり、岩手県あたり、福島県の僻地、こういうところに参りますと、学校身体検査の準備、実施の補助というものはしたくてもできない。サツマイモの目方をはかるようなものを持ってきて、これで良心的に十分な補助ができたというようなことを、養護教諭、良心あったらできませんよ。特に北海道に野本先生と参りましたときに、はかりがない、一年に一ぺんの身体検査にはかりがない。そこでサツマイモをはかる農業協同組合だかのはかりを持ってくるわけにもいかず、寒風にさらされながら、列を作ってそこではかるのだということを言っておる。そういうような条件の中で、学校身体検査の準備、実施の補助は適切であるかと、こういったときに、適切でないという断定をせざるを得ないはずである。どんなに養護教諭がさか立ちしても、ないそでは振れない、準備できない、適切に措置しょうとしてもできない。こういうような基礎条件を抜きにしたこの健康管理の観察内容というものは、これは明らかに押しつけですよ。そんなことをするよりも、なぜこういう適切でないかという問題については、とくと教育行政の任に当られる文部大臣は掌握されてしかるべきなんです。掌握した上で、こういうことを書かれるならば、まだいいのです。しかし、掌握されないでこういうものを書いてくることについては、点のつけようがないと断定せざるを得ない。もし、これに適切な了解を得るような御答弁があったら承わらしていただきたい。
第二点、同じく健康管理の三項の中に、「学校健康相談の準備・実施は適切であるか。」こういうのです。どうですか、これは小学校の子供が千五百名について一名の養護教諭の配置です。中学校またしかり。そういうようなところでも、まだまだ人数が足りないために、三つも四つもの分教場を自転車でかけめぐって歩いているというのが、たくさんの養護教諭の切なる訴えです。そういう現状にあるものに対して、学校健康相談の準備、実施は適切であるか、どういうふうにしてこれやります、きょうはAの学校に、あすはBの分校に走り、あさっては六里の山道を自転車をかってCの学校へ走らなければならない。年中こういうことが繰り返されていて、どうして学校健康相談の準備、実施が適切に行えるか。私はかよわい、あえてかよわいと申し上げましょう、そういう女性たちが、この僻地の中で悪戦苦闘している状況を思うときに、この評定をつけるということについては、いささかどうも良心が苦しくてつけられないというのが、私は校長の心境ではないかと思う。もし、これに適切に解明を与える御用意があれば、伺わしていただきたい。
その次第四項、「学校伝染病の予防方法の実施に努力しているか。」学校伝染病の種類にはたくさんあります。まずトラコーマの例をあげてみましょう。このトラコーマを予防するために、どういう方法をとらなければならないかということは、養護教諭は知っておるわけです。しかし、千五百名の児童に対し、いやそれ以上に対してもその養護教諭の配置がないという場合に、トラコーマの予防方法の実施にどうやって努力できますか。特に東北における農村の僻地にはトラコーマが多い。非常に苦慮しながら、この努力というものについて、どうしていいかわからないというのが、この人たちの訴えです。校長はこれで勤務評定をつけるわけです。これにいいとか悪いとか、やや良好とか優秀とか。
その次同じく健康管理の第五の問題、「児童・生徒の疾病の発見、観察・予防処置について、適切な措置をとっているか。」生徒の疾病の発見に努力することは当然です。観察に努力することは当然です。もちろん、予防処置について適切な措置をとることも当然であります。しかし、配置のできない、千五百名にたった一人の養護教諭が疾病の発見、予防処置、観察、そうして緊急な手当、研修、事務の処理、そういうものが完全に行われるとしたならば、これは私は文部大臣よりももっとえらい人だと思う。こういうおそらくできないようなこと、基礎条件というものを抜きにされた観察内容というものはあり得ない。
その次「ロ」の項をごらん下さい。「虚弱者の養護救急処置・身体」ここに三項に分れております。「安全計画の立案と実施に積極的に協力しているか。」これは積極的に協力しようとしてもできないでしよう。数年前にあの三重県の津で夏休みの夏季訓練のときに、子供を引率した先生、ところがあの海岸でがたんと深みにはまってしまって、子供がたくさんなくなった。結果としてこの間の裁判によると、三重県の校長は起訴されて処分された。先生方みんな転任されておる。こういう悪いことをしたから転任されておる。しかし、あの内容を聞くと、当時養護教諭はこの安全計画について意見を持っておった。しかし、それのいれるところとならなかった。そういうような安全計画のようなものについても、なかなかむずかしいのですね。地教委との話し合い、地教委との立案に一養護教諭がくちばしをいれるということは、現在の行政機構の中では、困難ですよ。そういうような安全計画の立案なんというのは、学校独自の問題じゃないですよ。教育全般の問題として、当然地教委あるいは県教委が安全計画なんというものは立案すべきなんです。その重要な立案等に、果して積極的に意見を具申する機会なんというものはあるものでしょうか。また、そういうような親切な措置が講ぜられておるものでしょうか。一方的にこうした人たちに責任を負わしめて、これでもって評定していこうというのは冷酷に過ぎます。
その次第二項、「救急看護を適切に行っているか。」これは救急看護を一生懸命やろうとしておるのです。ところが、きょうはAの学校に行った、あしたは自転車で行って、途中で自転車がパンクしてしまった、三時間も自転車を引っぱって歩いたというときに、たまたまBの学校にけが人が起った、こっちの学校に電話で聞き合してみたところが、もう二時間も前に出発しました、来ない。ところが、その二時間の間、汗みどろになって自転車を引っぱっているのを知らないで、どうもこの学校に来方がおそい、来なくちゃならないが、来方がおそいから、出血多量でこういうことになった、これは養護教諭の責任だというふうになる。こういうようなこともずいぶんにあるのです。もし、こういうことがあったときに、もし看護を適切に行なっているかという場合に、行なっていないという評価をつけられても仕方がない。
その次、「身体虚弱の児童・生徒に対する養護を適切に行なっているか。」これは養護を適切に行なっていない、行えない状態にある。養護学級がどの学校にもありますか、養護学級がどの学校にも設置されておりますか、おりません。その場合に、各学級における身体虚弱の児童、生徒に対して、いかに養護教諭がさか立ちになったとしても、この養護を適切に行うということは、しかし困難なことです。そうすると、以上は(イ)と(ロ)の項をあげたわけです。全項目にわたって実行不可能であり、観察内容として、はなはだしく不適当であることが羅列されている。私は(イ)と(ロ)の項だけをあげましたけれども、続いて(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)(ト)、それからずっと観察内容八十四項目を、私に言わせれば、これはもう大半はできない相談です。こういうできない相談のものが、果して科学的であり、合理的であるのか、私は大きな疑問を持たざるを得ない。少くとも子供に対して良心的な考え方を持つ私どもとしては、納得できない。しかし、内藤さんは文部省きっての能吏でありますから、私の質問には相当な御答弁をされるでありましょう。学校保健法は先般通った、これに基いてやるのだとおっしゃるでしょう。しかし、学校保健法そのものにも、私どもは付帯条件をつけて、あの法律そのものが、きわめて内容の低いものである、実施困難なものである。従ってあの法案が通過するときに、財政的な裏づけとか、そうして厚生省とよく相談をして、保健所の充実、保健婦の充実、寮母の充実、これらのものをはからなければ、あの法律は一片の空論にしかすぎないということをば御警告申し上げておった。そういうような建前からも、一つそっちの観点もからみ合せて、今私が質問申し上げました具体的の問題について、明快な一つ御答弁をわずらわしたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/90
-
091・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) ただいま御指摘になりました健康管理、虚弱者の養護、救急処置、環境衛生等、これは養護教諭の勤務評定についての項目でございまして、健康管理とは大体どういうことなのか、これが各校長さんがまちまちに評定されますと非常に困りますので、できるだけより客観的に、より合理的にしたいというので、ここに健康管理の場合には五つの項目が出ております。また、御指摘になりましたように、虚弱者の養護、救急処置等につきましては、三つの項目が出ております。ですから、こういうような方向に御努力願っているかどうか。なるほど御指摘になったような事例も私はあろうかと思います。しかしながら、養護教諭のこれは当然の努めではなかろうかと思いますので、こういう養護処置を、大体評定者は腹に置いて、そうしてその健康管理はうまくいっているかどうか、あるいは環境衛生がうまくいっているかどうか、こういうふうに総体的に御評価を願うわけでございます。ですから、それが出てくるのは一表の方に出てくるのでございまして、あくまでもこれは評定するための基礎的な、あるいは準備的な段階であろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/91
-
092・高田なほ子
○高田なほ子君 それは今のは良心的な御答弁にならないし、また私を納得させるに足るものではありません。確かに健康管理の問題でありますが、その健康管理の内容というものを、ここに摘出してあるのですからね。摘出してある以上は、やはりこういうものに基いて、ここに健康管理という一つの小さな総合点をつけていくことになるのですから、それはあなたの御答弁は私を納得させるに足るものではない。私がなぜこういうことを御質問申し上げたかといえば、これは御承知であろうと思いますが、合理的であり、科学的であるとはいうけれども、実際にこれを開けて調べてみると、何ともこれはしようがない。こういうような内容等については、これはお互いに議論のあるところでありますからね。明確に私を納得させるに足りないということは、妥当性を欠くということになるのではないか、私は自分ではなはだしく浮き上ったつもりではございません。子供を持っている母親としてこういうものを見たときに、すぐとこういうことがピンと感じられる。私は男の方と違う感情かもしれませんけれども、非常に強く感ずる。こういうものを無理無理に実施しようとするところに、困難な問題が出てきたり困難が出てくる。ですから重ねて言うように、やはり冷静な立場をもって、お互いに胸襟を開き、話し合う共通の広場というものは、これはどうしても必要である。これは法律だから実施するということにまた戻るんですけれども、どうしてもこれは重ねてくどく申し上げざるを得ないのでございます。
その次に伺わしていただきたいことは、こういうような評定を、かりに校長さんがやむを得ずつけたといたしますね、愛媛県で見るように。とにかく校長さんはやむを得ない、これも月給の一部でありますから、無理でも何でも、やはりしなければならぬ、こういうことになって、良心的に点をおつけになりますと、存外総点において高い点がずっと出てくるわけです。これは愛媛県の例です。そうすると第二次評定者は、これは点が良過ぎるからといって、また突っ返してしまう。点が良過ぎるから減せというんです。Aの学校とBの学校と比べると、Bの学校の方が、どうも点が高いから、もっと減らせと、また突っ返してやる。要するに第二次評定者という側は、これは地教委になりますから、たとえば東京都の品川で言えば、三千七百名の教員に対して、第二次評定者である教育委員会の皆さん方が一人々々を十分御存じかというと、御存じではないわけなんです。従いまして、総体の点をとって、立会の学校は高過ぎる、品川の学校は低過ぎるから、もっと点を下げろというような、まるで教員を物価表みたいに評価をつけるような傾向になってくることは、これはいなめない事実です。愛媛県の例を考えてもそういうふうになってくるんです。それでは品物の評価のような取扱いになってしまうということが非常に大きな問題になっておるわけなんですね。こういうような点は、すでにあなたはオーソリティという自信を持っていらっしゃるから、私が質問をしても、納得のいくような御答弁はいただけないと思いますが、これについて一つ御答弁を願い、さらにアメリカの勤務評定についても、相当研究したというようなお話がございましたので、そのアメリカの勤務評定の現状はどういう推移をたどってきておるか、念のために私どもそれを知らしていただきたい、参考になりますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/92
-
093・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 第二次評定者が地教委であることは、その通りでございます。で、個々の教員を最も把握しておりますのは、やはり校長さんでございますので、職員につきましては、校長が第一次評定者になっております。そこで、第二次評定を行う場合に、よほどのことがない限り、私は教員については、大体地教委ではそのまま尊重されるだろうと思います。さらに校長につきましては、これは地教委がみずから評定しなければならぬことになっております。で、そういう点で、大体県にも指導主事あるいは管理主事もおりますことだし、あまりこの結果が乱れたようなことになることはなかろうかと思うのでございます。特に従前からも、ある意味では、何らかの形の勤務評定が行われておるわけであります。それをこのたびこういうような形において、客観的、より合理的なものにした程度でございます。
それからアメリカのお尋ねがございましたが、アメリカにつきましては、いろいろ各州各市まちまちでございまして、アメリカで最も有力に行われておりますのは、職員の研修について使っているそうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/93
-
094・高田なほ子
○高田なほ子君 職員の研修に使っているだけですが、あなたの御研究は……。これはね、あなたは勤務評定は職員の研修機関ではなくて、先ほどから人事管理の問題に触れているでしょう。従ってアメリカの勤評というのは、アメリカの現在行われている人事管理というものと、どういう関連をもって変ってきているかということについては、これは相当研究されただろうと思うのです。それを研修機関に使っていますというような御答弁は、あまりお粗末ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/94
-
095・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 人事管理はいろいろございまして、特に勤務成績の悪い人、あるいは能力の足りない人もあろうかと思います。そういう人たちには、研修の道を開いて、よりよき学習効果を上げるようにしていただくことも、これも一つのねらいでございます。さらに、特に優秀なものには特別昇給をするとか、あるいは教頭や、校長に抜擢する道を開くとか、いろいろあろうかと思います。そういう意味で、研修も一つの人事管理の大きな要素であろう、かように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/95
-
096・高田なほ子
○高田なほ子君 今やはり人事管理に関してアメリカの制度は、特別昇給ということが大きく今出てきております。しかし、最近のアメリカの勤評に対する傾向というものは、だんだんとそういう段階から、お互いに研究をしながら、人事管理の面に新しい傾向が出てきている。これは内藤さんも御研究になったと思いますが、全国教育協会、これはアメリカの一つのりっぱな教育者としての組織であります。この組織の調査によると、定期的に教師の活動の質に対し一定の評価を行なっている都市は、一九二二年度五七%、一九三〇年度四六%、一九四〇年度では四〇%にだんだん減ってきている。そうして、しかも質の面においても、変ってきている。単に勤務評定を行なっている都市が減ってきたというだけではなくて、質の面において変ってきている。現在あなた、文部省がお先棒になって実施されようとする勤務評定は、これは非公開の原則になっております。しかし、今日のアメリカの動向では、五一年の調査で、勤評を実施している都市の四〇%は本人に知らせている。ただ上から押しつけて、秘密裏に本人の勤務評定をするのではなくて、ちゃんと本人に知らせ、評定の素材そのものについても教職員とともに研修する。また、教職員もみずから自己批判もする。教職員もまた校長に対してはいろいろの意見を具申する。こういうような新しい、いうところの人事管理の方式に徐々に変ってきている。それを一世紀前のアメリカの勤務評定の実施をあなたは持ち出してきて、あたかも勤務評定が人事管理の最大のものであり、アメリカにおいてはそれが特別昇給の素材になっているような御答弁をなさることは、私ははなはだしく穏当を欠くものだと思う。しかも、この最終的な結論として、今申し上げた全国教育協会では、この給与と、それから勤務評定、特別昇給でも何でもかまいませんが、給与そのものと、勤務評定を結びつけるということについて、最近次のような決議をしております。これは昨年の七月代表者会議の決議です。読んでみましょう。「教師の俸給決定において、教授活動の質を判定する主観的方法を用いることは、教育過程に有害な影響を及ぼす。このような判定(一般に実績評定として知られている)をすることは、学校をひっくり返すようなあつれきを作り出す。それは教師の職能的道徳を破かいし、教師と行政官との間に闘争を引き起し、教育の質の悪化をもたらすものである。教師の俸給をかかる主観的な評定に結びつけることは強く非難さるべきである。」他の職業に関しても同じく言えるように、教職の活動の質を他の労働生産者と同じように結びつける、勤務評定そのものを給与そのものと結びつけていくということは、まことに教育上有害だ。こういうふうにしてアメリカでも、この勤評に対する考え方というものは質的に変ってきているということ。近代的な人事管理の方式に今進みつつあるということ。私どもはこのアメリカがこうした結論にくるまでの勤評の、各種の研究機関でやってこられた経緯というものを、多少なりとも実は研究してみて、その思慮の深さに心からなる敬意を払い、こういう新しい人事管理、すなわち秘密でない、非公開でない勤務評定、お互いが話し合い、新しい職場のモラルを確立する、職業的なお互いの道徳心、職員間の協調、こういったようなものが新しい人事管理の面から生れることが望ましいとともに、これを完成するために、教育行政機関をあげて諸機関の整備に当らねばならぬことが指摘されている。私は何でも近代的なことを好むわけじゃありませんが、少くともこの勤評の、アメリカの実施状況から考えみても、今般この日本で行われようとする勤務評定、これに対しては大きな反対の議論というものがあることは当然である、ともかく、もう少し近代的な人事管理というものを考えていただきたいと思うのです、これが最善というならば……。文部大臣、人事管理ということについて、勤評が最大唯一のものであるというふうにお考えになっておられますか。それとも、もう少し人事管理という面についての御研究をどこかの機関でされているものでしょうか。人事管理という問題についてお尋ねをしておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/96
-
097・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 人事管理が非常に大切なものであるということは、これは申すまでもないことであります。いろんな方面において人事管理とうことについては研究をせられていることと私は思うのでございます。政府部内におきましても、また世間におきましても、人事管理の重要性にかんがみて、それぞれ研究がなされていることとと存ずるのでございますが、お尋ねは勤務評定以外に何も考えていないかというような御趣旨でございますが、私どもといたしましては、勤務評定だけというわけにも参らぬかと思うのでございますけれども、現在の状態から考えますれば、この勤務評定を実施することが、人事管理の上におきまして、少くとも一歩進めるものである、こういうような考え方でこれをやっているわけでございます。(「名答名答」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/97
-
098・高田なほ子
○高田なほ子君 一歩進めるということは、これは私どももやぶさかでないのです。しかし、その進め方があろうと思う。進め方はこの人事院規則にも明確にあるように、妥当であると認められ、まあ円満に実施ができるようにという、そういう根本的な条件をあげているのにかかわらず、こういうような問題が起ってきているということは、単に日教組だけ反省すればいいという問題ではないと思う。やはり人事管理の面において、一歩進歩したとはいいながら、そこにまだまだ研究の余地があるのではないかということを私は考える。現在の先生方は、なかなかよく勉強しておられる。私はこの本を現職の先生からお借りした。すでにこういうことを研究しておられるのです。先生方が現在の勤務評定に対して、一つの一見識を持っているということは、これはいなめない事実なんです。まあ、内藤さんなり、文部大臣は、大へん教員というものを甘く見ていらっしゃる点があるのじゃないかと思うのです。まあ、私ども昔の教員ですから、とても質が古くて、質が悪いのです。(「いやそうじゃないです、おりっぱですよ」と呼ぶ者あり)しかし、今の先生方は、社会科というようなものを担当している先生方は、やはりいろいろな社会科学の面を十分に御研究になっていらっしゃる。これはほんとうに私ども国会の議員としてでも、これだけの研究を積んでいらっしゃる先生方が大ぜいいらっしゃるということに、たびたび私はこうべを垂れておるのです。それを文部大臣並びに文部省の皆さん方は、どうも先生というのは、何でも上から言えばいいと言うことを聞くものだという悪い癖を持っている。そういうような慣習からごらんになると、この反対闘争をするというのは罪悪のように思ったり、教員としてやるべき筋合いのものじゃないのじゃないかというようなことをお考えになる。それは謙虚じゃないと思う。(「それはやるべき筋合いのものじゃないよ」と呼ぶ者あり)懲罰委員長はそんなことおっしゃるのはいけません。そこで、そういうような指揮権を持っているということを頭に入れていなければいけない。ただ、日教組の執行部が旗を振ったから反対するのだというのでは、まるで一年生のような議論で、これを押しつぶすというのはきわめて愚劣ですよ。大自民党の文部大臣として愚劣ですよ。また、文部省の官僚としても、まだまだ謙虚じゃありませんよ。私は混乱を起した原因というものを、全部文部省にあるなどとは申し上げませんけれども、もう少し現代の先生方の意識、現代の先生方が勤評についてどういう研究をしておられるか、人事管理はこういう方法がいいのじゃないか、こういう方法もあるのじゃないか、こういうような真摯な研究というものにお耳を傾げていただくことこそが、私は民主的だと思うのですよ。また、人事院の規則でも書いてありますよ。そういうふうに書いてありますよ。ちゃんと民主的にやるにはこうするのだと書いてある。そういうことを一つお含み願っていただいて、その先生方が反対するのがけしからぬというようなことが、この席からも出たのですが、そういう誤まった御認識をお持ちになっていただきたくない。なぜならば国家公務員法の八十六条では俸給、給与、その他あらゆる勤務条件に関するこの適当な行政上の措置要求ができることが法に認められておる。不満なことを言っちゃいけないというのじゃないのです。これはまずい、私はこういう見解を持つのだ、だからこういうふうにしてもらいたい、そういうようなことを要求し、また、そういうようなことの意見の開陳をする、法的に許された権利というものが、ここにあるわけでありますから、こういうような行政上の措置要求に対しては、やはりこれを合法として認められて、耳を傾けていただきたいものだという意見を持つものでございます。従って文部大臣にお伺いすることは、適当な行政上の措置要求に対して、文部大臣としてはどういうような見解をお持ちになっておるか、これをお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/98
-
099・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) きわめて抽象的なお尋ねでございます。適当に、つまり合法的に措置要求をお出しになるということであれば、それはそれとしてまともに受け取るべき性質のものだろうと、私は考えます。また、今のお話しでございますが、私は勤務評定についていろいろ貴重な研究をなすっていらっしゃる方があれば、どしどしそういうふうな御研究の成果なり、意見なりというものをお出しになってちっとも差しつかえないことだ、問題は今混乱いたしておりますのは、そういうことでない、あくまでも実力をもってこの勤務評定の実施ということを阻止する。違法であろうが、何であろうが、どこまでも実力で阻止するということに、私はやかましい問題が起っているように思うのであります。あなたがおっしゃるように、まじめな研究の結果をどんどんお出しになって、これを参考に供していただくということは、決してかれこれ申し上げるべきでない、むしろ歓迎すべきだと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/99
-
100・高田なほ子
○高田なほ子君 大臣は非常に現象面だけをおっしゃるが、なるほど現象面だけをとらえれば、大臣としてそういうお申し分もあり得ると思います。けれどもやはり、こういう現象の陰に何があるのか、その陰にあるものをお互いにえぐり出すことが、大へん大切な問題だと思う。それは日教組が絶対反対だから、こういうことをやるから、こうなるのだというのではなくて、どうして反対なんだろう、どういう点が反対なんだろう、どうしたならば賛成さすことができるだろうか。ここに勤務評定を実施する実施上の必須要件として、いろいろな規定が人事院規則に見られるのは、そのためであります。ただ現象面だけ取り上げて、こういう点だからいけない、こういうことをおっしゃっては、これは水かけ論になってしまう。そこで、大臣に重ねてお伺いいたしますが、今回の勤務評定は明らかに勤務条件に関係あるものとして、そういう判定の上に立って措置要求をしたわけです。この措置要求は法的に見て正しいことは、これは大臣も異存のないところであります。ところが、先般の東京都の教員組合の手入れに際して、警察庁はこの措置要求の書類まで持っていってしまった。押収品目として持っていってしまった。一体この措置要求書までひったくるということは許されていいことなのか。大臣としては最低限度、法に許されたそういうものが警察権力をもって侵されるという事態に対して、どういうふうな見解をお持ちになられますか。これをお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/100
-
101・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 勤務評定が勤務条件であるかないか、あるいは関係があるかないかというような御質疑が先ほどからございましたが、私は内藤局長の答弁の通りと考えているのでありますが、ただあるいは言葉の使い方等について、行き違いがありはしないかと思います。私どもは勤務評定というものは、法律的に言えば勤務条件ではないと思っております。もちろん給与、その他の問題に何か関連があるということはあり得ると思いますが、勤務条件そのものでないと、私はさように考えるのでございます。従ってまた、これについて行政上の措置要求をするというようなことは認められておらないだろうと、私は思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/101
-
102・高田なほ子
○高田なほ子君 これはやはり勤務条件に関係あるものとして、適当な行政上の措置要求をすることは、これは当然なのです。この措置要求は、ここに具体的に言えば、都教組の場合を申し上げましょう。都教組の場合の措置要求は、これは何も教員がそうだろうと思うから措置要求をしたという、そんな筋合いのものでない。教育者ですから、やはり合法的に、法律的に疑義のないような方法をとるべきであるという結論から、もうほんとうに法に許される最低のぎりぎりのものです。これは多くの弁護士団が集まりまして、合法的な方法として措置要求がされた。で措置要求のことについては、これが違法であるとか、合法であるとかいうことは、文部省が決定する権利はない。もしこういうことを決定しようとすれば、それは越権行為です。そんなことは裁判所でやる仕事で、文部省が法的の見解を下して違法であるとか、ないとか言うべき筋合いのものでない。すなわち、都教組が勤評に対して関連する措置要求を行なったのは、弁護士団の見解に基いて合法的な最低の方法であるとしてこれを行なった。それをあたかも悪いことでもしたかのように、しかも、その捜索に来る者が措置要求書の押収まで行なっている。こういうものはやはり教師の良心というものをむしろ傷つけるものじゃないか、私はこういうような行ぎ過ぎたことに対して、断固としてやはり文部大臣は検察当局に対して、そういうことはすべきでないというくらいのお言葉があってしかるべきだと、私は思うが、そうはお思いにならないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/102
-
103・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 法律の解釈につきましては、もちろん終局的には事件がありましたときに、裁判所の見解によってきめるということでございます。しかし、何から何まで裁判でやっていけるものじゃありません。一応その法律を所管しておりますところの官庁、官機関と、いたしましては、やはり行政解釈といいますか、行政庁の解釈というものをもって物事を進めていくということは、これは許されておると思うのであります。従いまして、私どもといたしましてはお話しのありましたような問題につきましては、われわれの見解、文部省なら文部省の見解をもって物事を進めていくというように御了承いただきたいと思うのでございます。その見解を定めるのにつきましては、もちろんいろいろ研究をする必要もございましょうけれども、行政庁は行政庁としての立場においてこれを解釈してやっていくということは、お認め願いたいと思うのであります。裁判等になりますれば、もちろん裁判の判決を待つ以外にございませんけれども、普通の場合におきましては、そういう立場で物事をやっていくということを御了承願いたいと思うのでございます。
それから警察の問題でございますが、私前々から申しておりますように教育の範囲に警察権が入っていく、そしていろいろなことが行われるというようなことに、これは不幸なことであります。決して望ましいことではないのであります。さような事態の起らないようにお互いに気をつけていかなければならない、かように存じておる次第でございますので、今回の勤務評定をめぐる各地のまあ争いと申しますか、そろいうふうな事柄についても、警察というものが介入するのについては、よほど慎重に扱っていただきたいということは常に申しておることでございます。従って警察側におかれましても、十分その点については慎重を期しておられることと私どもは思うのでございます。同時にまた、あまり警察の手数をわずらわさないように一つお願いしたい、その点も一つ皆さんにもお考えいただきたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/103
-
104・高田なほ子
○高田なほ子君 警察の手数をわずらわす、わずらわさないということになると、少し文相としては言葉が穏当じゃないじゃないですか。教員が警察の手をわずらわすというような、いわゆる愚連隊一味のような表現の仕方は、ちょっと私はまずいのじゃないかと思うのであります。だれも教育者が警察のお世話になろうなどと考えている者はありません。従って物事を行動する場合に、絶えず弁護士の専門的な見解を聞き、こういう問題を惹起しないように慎重な行動をとってきているということを、私はあえてつけ加えたい。しかるにもかかわらず何ですか文部当局は、あの大検挙が行われる前に、検察当局に私は行きました。そのときに非公開の席でありましたが、文部省は文部行政として単独にやられているものだと私は思ったのです。ところが、あにはからんや検察庁、警察庁、そういう席に文部省が対等の立場でそこに入ってあの検挙に大きな役割を買っているというのは、どういうことなんです。これはまことに牽強付会な行動だと思う。どういうことなんです、尋ねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/104
-
105・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいまのお尋ねにつきましては、事実がどうであったか私もよく承知いたしておりません。その点は局長からお答え申し上げます。ただ、今お話しでございますけれども、私どもは教育者であるだけに、よほど慎重にやっていただきたいと思うのであります。現在の法律の解釈というものは明らかでございます。また、われわれの見解も明らかでございます。これにつきましては、しばしばわれわれの方からも御注意申し上げておるわけでございますけれども、依然として法律違反の行為をやっておられるということは、まことに残念に思うのであります。教育者であるだけに、やはり法律というものについては、これを一つまじめに取り上げて、そうしてこれに従っていただきたい、明らかに法律を無視するというふうなことはぜひ一つお考え直し願いたいというのが、これは私の切なる希望でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/105
-
106・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) ただいま高田委員から文部省が検察庁あるいは警察当局と一緒になって協議したというような御指摘がございましたけれども、私どもは断じてそういう事実はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/106
-
107・吉田法晴
○吉田法晴君 関連をしてお尋ねをいたしますが、実力でもって阻止しようとしておる、こういうお言葉がございました。どういう実力阻止をしようとしたか、私はふびんにして知らぬのであります。勤評の実施を実力で阻止しようとした私は事例を聞かない。法律については、文部省の解釈が明らかだと言われますが、先ほど高田委員も質問をいたしておりましたが、地方公務員法四十六条の「職員は、給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、人事委員会又は公平委員会に対して、地方公共団体の当局により適当な措置が執られるべきことを要求することができる。」この先ほどの勤務条件に関するかどうか、こういうことでお尋ねをいたしましたところ、勤務条件に関連をすることは認める、勤務条件そのものであるとは思わないけれども、勤務条件に関係があるということはお認めになる、その勤務条件に関係をして、この四十六条に基いて措置要求をするのがどうして違法ですか。はっきり法律に基いておる、勤務条件に関連するかどうかということは、これはこの法律に基けば、公平委員会なりあるいは人事委員会等がこれを判定をすればよろしい。それを勤務条件に関係がないということは、これは一方的な解釈じゃないか。しかも、措置はちゃんと合法的に行われておる、それを法律を無視するということを一方的に言われることは、これは私は文部省の答弁としてはどうかと思う。
それかもう一つ、今高田委員からも御質問ございましたが、これはこの間関連をして質問をいたしましたときに、文部大臣は文部省が意見を述べることはあるだろう、こういうお話しでありました。地方公務員法違反であるかどうかということは、これは明らかじゃない、どうして明らかだと言われるか、そこのところを具体的に御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/107
-
108・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 私どもは措置要求についてどうこう申し上げているのではなくて、東京都の場合には、御承知の通り十割の一斉休暇闘争が計画されたわけでございまして、これについては、その防止方につきましては、文部大臣を初め都知事、その他も非常に御努力になりましたけれども、遺憾ながら十割休暇闘争に突入したわけでございます。そのときに都の教育委員会からは今回の休暇は認めない。一斉賜暇は認めないという態度を明確にし、さらに都の教育委員会は授業に出るべく、すなわち就業の業務命令を出しておるわけであります。この就業の業務命令を出したにもかかわらず、一斉休暇闘争が行われたことは、これは三十七条の違反容疑があろう。かような見地から警察権の介入をみたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/108
-
109・吉田法晴
○吉田法晴君 文部大臣に重ねてお尋ねいたしますが、措置要求をしたことは、大臣は違法であるかのような御答弁がございましたが、今局長は答弁をそらしました。措置要求について違法であるのかないのか、文部大臣から重ねて御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/109
-
110・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 間違っておりましたら局長から訂正すると思いますが、東京都の人事委員会におきましても、今回の措置要求につきましては、これを却下いたしております。つまり取り扱うべき問題としておらないわけであります。違法という言葉は、あるいは不適当かもしれませんけれども、人事委員会で取り上げるべき性質のものではない、こういうようなことで却下いたしておるような次第であります。なお、私は措置要求をすることそれ自体がかれこれ問題になっておるわけではない、今日問題となり、警察あたりがいろいろ動いておりますのも、結局地方公務員法の三十七条でございますか、それの関係におきまして認められておらない行為をしておる、あるいはまたそれをあおり、そそのかす人がおる、ころいうふうなところから動いておる次第であります。措置要求の問題とは、その関係においては別個の問題とお考え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/110
-
111・吉田法晴
○吉田法晴君 それでは先ほどの実力をもって阻止しよう云々という点も、これはお取り消しになりますか。それから措置要求それ自身は、合法的であるという御答弁であったと思うのでありますが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/111
-
112・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 措置要求をするということが違法であるとか不当であるとかいうことではないと思いますけれども、問題の案件は、措置要求の対象となるべき事項ではない、こういうふうに考えておる次第でございます。なおまた、実力云々の問題でございますけれども、これは世間でしばしば言われている言葉でございます。実力をもってあくまで阻止をするというような言葉も、しばしば聞かされている言葉でございますが、要するに要求を通しますために、争議行為というようなものをもってやってこられるというということは、適当でないと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/112
-
113・吉田法晴
○吉田法晴君 そうすると措置要求をすることは合法的である、こうお認めになったわけでありますね。それから実力云々ということは、世間で言っているから自分も言っていることであって、実際には休暇を取ったことは合法的であるかどうか、こういうことだと、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/113
-
114・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 何といいますか、組合の決議をもちまして十割闘争であるとか、三割休暇であるとか、十割休暇であるとかいうようなことは、私は法が認めておらないと思う。そういうような方法でもって圧力をかけてくるということは適当ではないと、かように考えているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/114
-
115・吉田法晴
○吉田法晴君 それでは文部大臣としては、措置要求が非合法かのごとく言ったのは、これは間違いである。それから実力云々、実力行使云々という点は、世間的に言われているから、そういうことを言ったのであって、実際は休暇を取ることがどうか云々という点だけであって、実力でこれを阻止する、いわゆるこれは実力というか、暴力というか、そういうことではない、こういうことだと思うのです。そうすると、これはやはり文部大臣の答弁としては、きわめて非科学的な点がありますし、あるいは法律云々の点から言えば、きわめて妥当でない答弁であったと思うのでありますが、このことはお認めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/115
-
116・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は決して妥当でない答弁をしたつもりはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/116
-
117・吉田法晴
○吉田法晴君 それでは実力云々という点は、休暇云々の点を除けば、実力云々の点は自分がそれを実力だと思ったわけではない。実力行使というのは、これは世間でそういうから実力ということを言ったのであって、実力で阻止するということを答弁された。しかし、それは実力で阻止しようというのではなくて、休暇云々の方法で反対をするについて妥当でない、こういう意味であると、こういうことでしよう。あくまで実力でもって阻止しようとしたとこう言われるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/117
-
118・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 組合が決議をもちまして、一斉に何割休むとかいうようなことは、私はかようなことを実力をもって阻止する一つの方法だと考えるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/118
-
119・吉田法晴
○吉田法晴君 それは通俗的に言っているかもしれませんけれども、文部大臣が実力で阻止する云々ということを、公式の場面で言われるのは、これは不穏当だと思う。突き詰めていけば、措置要求をする場合に、その措置要求の仕方が何割かの賜暇を取ってやることが妥当であるかどうかという点は、措置要求それ自身を合法的だと認められれば、実力をもって阻止しよう云々という点は、私は文部大臣の答弁としては不適当だと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/119
-
120・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 措置要求ということと、休暇云々のことと関連してのお話しのようでございますが、措置要求をせられることそれ自体をかれこれ申し上げているのではございません。ただし、その措置要求が認められるか認められないか、これは別な問題でございます。それをかれこれ申し上げているのではございませんので、その要求を通すために、いわゆる争議行為をやられるということは、これは適当でないということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/120
-
121・吉田法晴
○吉田法晴君 それでは措置要求をする方法、または争議行為であるかどうかということは、あとで論議をいたしますが、休暇を取ってするような方法について、妥当であるかないかということを言われれば、それを実力をもって阻止する云々という点からいくと、実力というとこれは実際実力です。措置要求とか、休暇という問題ではありません。それを実力をもって阻止する、こういう態度だということは、文部大臣の答弁としては妥当でないのではないですか。実際に実力でここであなたはやろうとするのをとめる、これなら実力でしょう。しかし、その実力でもって勤務評定の実施を阻止しようとしている、こういうことをあなたは答弁された。それは答弁としては間違っておる。あるいは表現の方法としては妥当ではありませんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/121
-
122・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は実力云々ということは、必ずしも暴力行為がなければ実力とか、あるいは実力問題に触れぬというふうには考えておりません。明らかにわれわれの見解をもっていたしますれは、違法なことをあえていたしますとか、多数の力をもってこれを貫いていこうということは、組合の実力をお示しになるものと考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/122
-
123・吉田法晴
○吉田法晴君 それじゃちょっとお尋ねをいたしますが、国会でもそうですが、多数で一つの法案を通していこう、あるいは意見を通していこうとされれば、これは実力でしょうか。実力行使ですか。(「おかしいぞ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/123
-
124・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいまのお尋ねは、ちょっとお返事がしにくいのであります。おあげになりました例は、私は必ずしも適当だと思わないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/124
-
125・吉田法晴
○吉田法晴君 国会の内部のやり方は、事例として適当であるとかないとかというお話がございましたが、しかし、多数でもって主張を通そうということ、それが実力行使だ、こう言われるから、それならあなたの表現もこれまた適当じゃないのじゃないですか、問題は、措置要求は合法的である。それから、これからまあ問題にしようと思うのですけれども、休暇を取ることが合法か、非合法か、こういう問題になってくるのですが、しかし、それを実力だと、こういう表現をしておられることは不正確でなかろうか、あるいは不適当ではなかろうか。文部大臣が公式の場面で、文部省の正式の意見として表明せられるのは、これは不適当ではなかろうかと思うのでございますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/125
-
126・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) たびたびのお尋ねでございますが、私の見解をもっていたしますれば、明らかに合法的でない行為を、多数の方が決議せられまして、そうしてこれによって集団的に行動をせられるということになりますれば、これは実力を行使せられるものと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/126
-
127・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) 吉田委員まだたくさんありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/127
-
128・吉田法晴
○吉田法晴君 実は私も予算委員会で質問をしなければなりませんので、関連質問は適当なところで終りたいと思うのですが、実は問題が、この前質問をいたしましたところとも関連をいたします。なお多少の御質問をお許しをいただきたいと思います。これは高田さんにもお願いをいたします。
賜暇を取ることが、休暇を取ることが実力だと、こういうお話しであります。あるいは違法であることは間違いがない、こういうお話しでありますが、それではどこでそういう決定がなされたか、この間まあお尋ねをいたしましたけれども、裁判できまったわけではない、一応行政解釈としてとっておられる。それからその行政解釈としてとっておられるのは、文部省の意見が検察庁、警察庁を動かした、といってはどうかと思いますが、実際に文部省の解釈がそのまま警察なり、あるいは検察庁の解釈になっている。そういう意味において動かしたということができると思うのであります。それには、佐賀の例が引き合いに出ているようであります。内藤局長が、おそらく会議に御出席になったかのように私想像をするのであります。もし、内藤局長が出ておらないとしても、文部省の課長のだれかお出になったと思うのでありますが、この前文部大臣の答弁の中に、文部省としてはこう解釈するのだという点があるから、文部省としては一応そう考えられておられると思うのでありますが、その法違反と考えられる佐賀の例から、それから具体的に一つ承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/128
-
129・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 私どもは三十七条の違反の容疑があると思っております。しかし、これは捜査線上のものにつきましては、これは刑事関係の事件でございますので、これは独立犯で検察庁なり警察庁がお考えになるべきことでありまして、文部省がとやかく言う筋ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/129
-
130・吉田法晴
○吉田法晴君 局長はそういう会議には出たことはない、こういうお話しですが、この前文部大臣は私の質問に答えて、意見の交換をすることは、これは関係当局としてはあり得ることと思うのであります、こういうような御答弁をしておられます。どういう情報交換をされ、関係当局と打ち合されたか、それを具体的に承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/130
-
131・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 私どもは、東京都の事件に関しまして、何らか警察当局あるいは検察当局とお打ち合せした事実はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/131
-
132・吉田法晴
○吉田法晴君 内藤局長が当らなかったということでありますが、文部大臣は意見の交換をすることが関係当局としてもあり得ることと思うのであります、こういう答弁をしておられますから、そこで文部大臣に伺いますが、文部省としてだれがどういう会合に出て、どういう意見を述べられたか承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/132
-
133・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私はさような事実の有無は承知いたしておらぬのでありまして、ただ、こういう問題でございますので、文部省の見解いかんというふうなこともあり得ることでありますので、意見の交換というものはあり得ることと思うということを申し上げたのでありまして、事実それがあったかどうかということは、承知いたしておらぬのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/133
-
134・吉田法晴
○吉田法晴君 内藤局長は自分も出たことはない、あるいは自分の関係課長も出ておらぬ、こういうお話しでありますが、私どもの聞いた範囲内では、文部省の意見が警察、検察庁が動き出す大きな根拠になっておる、あるいはその解釈が警察、検察庁の解釈になっておる、かように承知をいたしておるのであります。事実については否定をされますから、お尋ねをいたしませんが、その際に言われておることは、この前も申し上げましたけれども、佐賀で地方公務員法違反と考えられるから、そこで東京都の場合においても、休暇を取ったことが、地方公務員法違反であろう、あるいは違反の疑いがある、こういうお話しであります。文部省としては、佐賀の場合も同様この場合に地方公務員法違反だと、こういう工合に先ほどから伺っておると解釈をしておられるようでありますが、そうでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/134
-
135・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/135
-
136・吉田法晴
○吉田法晴君 この佐賀の場合については、私もこの前も申し上げましたが、これは大臣に申し上げますが、二十八年の災害のときに、三億というこれは裏づけのない金を水害救済のときに出しました。福岡県の関係者の中から、佐賀の知事さんは、行政の経歴がないから思い切ったああいう措置せられると、こういうことを言っておりました。しかし、私は水害救済のために裏づけのない金といえども、最大限の金を出されたことは、私はその当時敬意を払った。ところが、これが裏づけがないから埋まらない。国からの援助がない、そこで、再建団体になったわけであります。財政が苦しくて再建団体になった。そうして県職なり、あるいは教職員の昇給もストップした、あるいは定員も削減しようとしたわけであります。最後に六百であったかと思いますが、削減をすると、教育委員会自身もあるいは知事もでありますが、教育の円満な遂行ができないということで、特別の交付税なり、最後の六百の首切りについては、それが実現しないように努力中なのであります。努力中に警察の捜査がありましたから、こういうことは好ましくないことだ、あるいは教育委員会と教育長との間に、どうして教育をやっていくか、人員をどんどん削除していったのでは教育ができない、教育を守るためにはどうしなければならぬかということで相談中、その相談中のときに休暇という問題が起りました。しかし、この休暇について警察が横から入ってきて地方公務員法違反云々というようなことで、検挙をしたり捜査をしたりということは、まことに困ったことだ、知事としてきわめて遺憾であると、こう言われた、これは間違いない事実です。佐賀の知事から聞いた話しであります。そうすると、この地方公務員違反という点が佐賀の場合においてもそれは文部省として、そうだ、どんな事態になっても休暇をすることは間違いのようだというようなことで、警察なり検察庁が動き出すようにもし文部省が解釈をせられ、あるいはそれが警察なり、検察庁なりを動かすということになれば、これはきわめて遺憾な事態ではないでしょうか。先ほど来民主的な教育行政の進め方、民主主義教育を進めるについては、これは教職員の納得も得なければならぬ、あるいは教育の問題については、あるいは教育行政については話し合いでいかなければならぬと、私ども主張しておりますが、基本問題は、とにかくいかなる場合にも、あるいは文部大臣も努力しているが、その努力を、話し合いが進まない間に横から警察権が出るということは、むしろ文部省としては好ましくないと言われるのが私は当然であって、いや、あれは地方公務員法違反だから、この捜査、強制勾留は当然だ、こういう態度は文部省としては、私はとられるべき態度じゃないんではなかろうか、こう思うのでありますが、重ねて一つ文部大臣の御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/136
-
137・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 佐賀の事件がございました当時は、ちょうど私も文部大臣をやっておったころのことであります。その当時お答えを申し上げたと思うのでございますが、私は教職員の方々が、法令は一つ守っていただきたいと思うのでございます。法令を無視するような態度は教職員としてよほど慎重に考えていただきたいと思うのであります。教職員組合の動き方につきましても、こういうことをせられると、法律の違反になる、あるいはまた、場合によるとそれが刑罰法令に触れる、従って、十分自重していただきたいという趣旨のことは、しばしば文部省としては申しておったことでございます。ただ、佐賀の問題を警察が取り上げるというふうなことについて、文部省自身が佐賀をどうしてくれとか、ああしてくれとかいうようなことは、これは全然ございません。また、佐賀の問題は、今のお話しになりましたような問題について、関係者がいろいろ努力しておった最中であります。教育委員会も努力する、県当局も努力する、そうして皆が心配をいたしておりました最中でございますが、その最中に三割、三割、四割のいわゆる賜暇闘争というようなことをやろうというお話があったわけであります。関係者はせっかく心配しているのだから、ぜひそういうことをやらずにおいてほしいということをしばしばお話ししましたけれども、とうとう聞き入れられなくて、いわゆる休暇闘争に入ったようなてんまつでございまして、私といたしましては、まことに残念に存じておりました次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/137
-
138・吉田法晴
○吉田法晴君 文部省として法律に触れないようにという通牒を出されることを、全部否定をするわけではありません。しかし、問題は地方公務員法違反の疑いがあるという通牒で、いわば、とにかくわなをかけるような方法は私はやはり問題だと思う。今佐賀の場合についても、東京都の場合についてもそうですが、教育委員会とそれから教職員とで話し合いをしている、それがどういう形であろうと話し合いをしていることには間違いはない。そういう際に文部省として法の違反は断じて許さぬぞ、これに触れることを好まぬというお話しでありますけれども、そこのところの態度が文部大臣の今の態度にしても、あるいは局長名の通牒の場合にしても、私は法に触れないようにというのじゃなくて、お前のやることが法に触れるぞと、こういうことで、いわば強圧的あるいは弾圧的に出ておられるところが問題である。法に触れることは、寸毫といえども許さぬ、こういうお話しですが、問題は、教育委員会と教職員との間で話合いを進めて、そうして一方的な、とにかく強行にならないようにするのが、私は文部省の態度じゃないでしょうか。東京都の場合についても、文部大臣が最後まで行かれて努力をされた、努力をされたという点については、私は文部大臣のとにかく努力をあの場合についても買いました。あるいは誠意についても買った、あなたが法務大臣あるいは検事総長なら私はこういうことを申しません。しかし、文部大臣、文部大臣で民主的な文部行政なり、民主的な教育をどうして円満に進めるか、こういう点について腐心されるあなたが、違法は起らないように、違法は寸毫といえども許さぬ、こういう態度では、私は文部大臣としては勤まらぬのではないか。自民党の文部大臣として、日教組を弾圧したり、あるいは分断することに功績を上げられれば、あるいはほめられるかもしれません。しかし、一国の文部大臣として、私はそれでは済まぬのじゃなかろうか。その休暇云々の点についても、措置要求は合法だと言われる。あるいは措置要求をどういう工合に判断するかということは、あるいは人事委員会なり公平委員会の問題でしょう。しかし、それを初めからあなたはそれは委員会の取り上げるべき問題でない、こういう御解釈あるいはそういうお答え、これでは私は民主的ではないんではないか、こういうことをまあ申し上げておるのでありますが、休暇を取ることについては、これは福岡の場合等についても休暇を合法的に取ったものもあります。あるいは佐賀の場合についても、休暇願いを出した。しかし、休暇願いを受け取るな、こういうことが行われますから、それが合法的な休暇ということにならなかったのでありましょうけれども、休暇願いを出したときに休暇願いを取るな、こういう御指示をされることは、これはやはり文部省が高いところに立って、文部行政を円満に進めるゆえんでなくて、むしろやはり、弾圧の文部省になるということではないでしょうか。法違反だということを初めからきめてかかることは、これは検察庁なり、何なら別でありますけれども、文部省の態度としては、私は間違いではなかろうかと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/138
-
139・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は決して弾圧するとか、抑圧するとか、そういうふうな心持ちで考えてはおりません。ただ、教職員組合として活動をなさる場合においても、やはり合法のワクの中で活動してもらいたいと思うのであります。しばしばそういうふうなことが行われて参りました。それでは合法的でないという見解のもとに、さようなことは一つやらぬように、自重してほしいということを文部大臣として申しておるわけであります。そのことが決して私は教職員組合を弾圧するとか、抑圧するとかいう問題ではないと確信をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/139
-
140・吉田法晴
○吉田法晴君 この措置要求は、合法だと認める、あるいは休暇を取ることは、これは合法でしょう。ね、そうじゃありませんか。そうすると、その休暇を取ることが、初めから非合法だときめられることは、これは文部省としては間違っているんじゃありませんか。合法であるか、非合法であるかということは、これは争いがある。休暇を取ることが合法であるかどうか、休暇を取ることが合法である場合もありましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/140
-
141・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 休暇を取ることが、すぐに非合法とか不法だということにはなりません。もちろん、休暇を取られることも認められておることであります。これは当然のことでありますが、その取り方によっては、これが法律違反になってくる、こういうことを申しておるわけであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/141
-
142・高田なほ子
○高田なほ子君 措置要求は、これは法に認められた合法的な行動であるということは、もちろん論をまたないのですが、ところがみんなでやる場合はいけないという解釈というものは、そう私は簡単に成り立たないんじゃないかと思う。なぜなれば、この有給休暇は当然労働基準法でも認められているところであります。有給休暇を請求をするという権利は、当然与えられた権利であります。この有給休暇を請求した、それ自体に効力を発生するという説と、相手が認めなければ効力を発生しないという、いわゆる請求権というものに対する、この法的な解釈は、今二様あると思う。今大臣の答弁されているのは、一人でやった場合はこれはいい、大ぜいでやった場合には、これは認めない場合は、違法であるという解釈をとっておられるようですけれども、いうところの、有給休暇の請求権の法的な解釈というものは、今言うように法律的な分野からも二様の解釈がある。そういう解釈が十分に成り立たないうちから、文部当局がこれは違法であるという解釈断定を下すということは、これは私穏当じゃないんじゃないかという見解を実は持っておるわけです。従って、この請求権というものに対して、法的な見解というものを、あらためて私は灘尾文相から聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/142
-
143・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題につきましては、文部省といたしましても、いろいろ研究を加え検討をいたしました結果、さような解釈をとっているわけでございます。詳細につきましては、政府委員からお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/143
-
144・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) ただいま御指摘になりましたのは、労働基準法の三十九条かと思いますが、これは労働者に一定の有給休暇は権利として認められております。しかしながら、使用者が業務の正常なる運営を阻害すると認めたときには、休暇を与えなくてもよろしいことになっているのは、御承知の通りだと思います。ですからただいまのように、佐賀の事件は三、三、四割という事態でございますが、東京都の場合には十割の休暇でございます。こういたしますと、学校の正常なる運営が阻害されると、かように私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/144
-
145・高田なほ子
○高田なほ子君 これは私はやはり法解釈の問題に関することだろうと思う。今言ったこの業務全般の運営の面から許可をしない場合もあり得る。許可を与えないこともあり得る。しかし、それは物を生産するというような場合に、一部門がストップした場合に全産業がストップするというような場合には、こういうことが起り得ると思います。しかし、教育は常時一学級の担任教師が、年次計画を立て、一カ月の計画を立て、一週間の計画を立て、こうして業務は継続的に組織的に行われておる。こういう部面は、一般の生産部面と教育者の活動分野というものは、形の上に運用において違う。従って一人が措置要求をしようが、二人一緒にしようが、三人一緒にしようが、教員が一週間の活動計画に基いてそれぞれの計画に基いて自主的に判断をして、教育の流れがストップしないという、そういう判断のもとに行われる請求権というものは、これは無視すべきではない。いうところの一般生産部面に働く労働者の部面と、いうところの教育活動の流れというものとをごっちゃにして、混同されることは、ちょっと私どもは解釈の間違いじゃないかという気がする。何よりもかによりも、この請求権という問題は、やはり相当大きな権利として認められているものであり、現在法曹界でも、請求権についてはいろいろな解釈が下されておるのでありますから、やはり文部当局としては慎重な私は検討が必要ではないかと思う。従って個人の措置要求の場合はいい、みんなでやってはいけない、このみんなでやってはいけないというのは、これは刑事事件のワク外の問題だと思う。それを文部省が検察当局と一緒になって、これを刑事事件として取り扱うように方向づけていったということにつきましては、これは文部省、行き過ぎではないかと思う。一体教師がほんとうに良心的に、許された最低の合法的な限界で意思を表示することは、これは刑事事件のワク外で処理されるべき問題だと思う。それを文部省の方は三十七条違反であるという大上段から振りかぶって、これを刑事事件に持っていこうとする意図そのものが、やはり警察権力の介入によって、この権力によって勤評を実施させようとする、こういう意図じゃないかというふうに勘ぐられても仕方ないと思う。これをどういうふうにお考えになりますか、刑事事件の私はワク外だと思う。どうしてこれを刑事事件にまでしなければならないか。どうしてそういう違反だと断定するか、どういう部面から来たって請求権の法的な解釈については、それほど確固たる意見を言う権限が文部省にあるかどうかこれは疑問です。答えて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/145
-
146・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) この措置要求する場合に、一人だからどうの、あるいは集団でしたからどうの、というわけじゃございません。ですから、たとえば、土曜日の放課後とか、あるいは日曜日とか、こういうときにおやりになるなら、これは差しつかえないと思います。しかしながら、学習計画というものが、継続的な学習計画が組まれておる際に、教職員組合の一方的な御都合でそして学校の正常な運営を阻害すると、このことを私どもは問題にしておるのであります。ですから、学校の正常な運営を阻害しない限りにおいては、当然休暇も認められるし、措置要求もけっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/146
-
147・吉田法晴
○吉田法晴君 議事進行について。先ほど来高田委員と私から、文部省の見解が警察、検察庁の発動に関係があるのではないかということをお尋ねいたしましたが、これを否定されました。私どもの承知いたしておりますところとは違います。そこで、警察、検察庁列席の上で質疑をいたしたい。それから、基準法上の休暇請求権について、これは文部省の一方的な見解が述べられましたけれども、これは労働基準局長の御出席を求めて、両者の法的な、基準法の解釈については、これは基準局長が責任官庁であります、呼んだ上で明らかにしていただきたい。それからもう一つ、これは私は、予算委員会の関係がございますから、中座をして質問を留保いたしますが、強制捜査をせられました場合に、捜査の対象が特定せられない。あるいは、文部省が要請をして警察権、検察権が発動をいたしました際の勾留についても、勾留申請が却下せられた後も、なお勾留が続けられたような実態からいたしますと、検察庁、警察当局、その責任者を呼んで、そこで列席の上でなければ、文部省の答弁を得ることができないと考えられますので、委員長において、これらの関係者御列席の上、事態を明らかにするようにお取り計らいを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/147
-
148・高田なほ子
○高田なほ子君 委員長は今の吉田委員の発言をどういうふうにされますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/148
-
149・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) 検察関係者並びに労働基準局関係者をここに来ていただいた上にさらに質問をしたいという吉田委員の希望を、そのように取り扱わなくちゃならないだろうと思います。(「反対々々」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/149
-
150・高田なほ子
○高田なほ子君 これは御反対ということがあれば、また私は質問を続けざるを得ないんです。これは、ぜひ、私も良識に基いて(「いいかげんにどうですか」と呼ぶ者あり)それはやめようと思いますが……(「そんなばかな話しない」「いや約束だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/150
-
151・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) ちょっと静かに願います。発言中です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/151
-
152・高田なほ子
○高田なほ子君 それでは、今の問題は理事会等においてまた御審議いただくことにして、一点だけ文部大臣にこの問題について伺っておきたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/152
-
153・吉田法晴
○吉田法晴君 委員長、取り計らうと言われましたから、その発言を信頼いたしますが、質問の機会を留保して私は予算委員会に参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/153
-
154・高田なほ子
○高田なほ子君 一つ今の質問に関連してお伺いしておきたいことは、これは、教育問題にできるだけ警察権というものは介入させるべき問題じゃないし、当然文部省もこういう問題については積極的にこの介入を防いでいくというようなお立場をとるのが私正しいと思う。ところが、先ほど吉田委員からも発言があったように、拘置請求に対して却下されても、さらにまた特別抗告を行なってどんどんと逮捕の網を広げていこうとしている。証拠隠滅、逃亡のおそれのない者に対して、これの網を広げていこうとする。私は、この問題はまことに教育上大きな問題であると思う。事のいかんを問わず拡大捜査をしていこうとするこういう方向に対して、地裁の判決を無視してこれを行なおうとする当局の動き方に対して、文相は何とかこれを最小限度に食いとどめていこうとする努力をなさるおつもりであるかどうか、この点をお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/154
-
155・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私の心持につきましては、もうしばしば申し上げている通りでございます。重ねてお答えをする必要もないと思うのでございます。おあげになりました問題につきましては、検察当局においてそれぞれ成規の手続をとって合法的に処理いたしておるものと思うのであります。それにつきまして、今かれこれ私は言葉を差しはさもうとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/155
-
156・高田なほ子
○高田なほ子君 かれこれその具体の問題について言葉を差しはさみ、また、これに介入するということについて、私御要請申し上げているわけではないんです。今度の拘置請求却下の問題は、これは一つの具体の事実として出ているのですが、特別抗告をさらにやって、この特別抗告の判例は、ほとんどない。東京、大阪、仙台等で特別抗告が行われておるわけですが、この判例を見ると、恐喝、窃盗、騒擾というような、いわゆる窃盗とか恐喝というものに対して、法的な解明は別問題として、事実自体に不明な点があるとしてこれは特別抗告を行なっている。しかし、これは三十七条の法的理由の問題について、事それほどまでに捜査網を拡大して事実を追及しなければならないという筋合いのもので私はないと思う。三十七条の違反であるかどうかという問題については、これは明かに法解釈であり、教員組合が正々堂々と組織を通じ、そして組合の公開の席において決定した事実については、何も逃亡もなければ証拠隠滅もない。具体の事実をそれほどまでにして捜査網を広げて、これを押えつける必要は、さらさらないと思うんです。私は灘尾文相が長い官吏としての御生活をお持ちでありますから、そういう非常識な検察当局のやり方に対しては、文相としては、やはり相当のお口添えというものがあってしかるべきである。それを、これは検察当局がやっているのだからそれは知らないよというやり方では、はなはだしく私は不親切ではないかと思うのです。こういうような点について、警察権の介入は許さないのだというそういう御意思というものを、私は表示願いたい。それはできないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/156
-
157・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) しばしば申し上げているところでございます。教育の社会に警察権が介入するというようなことは、一般的に申して、決して喜ぶべきこととは思いません。望ましいことと思いません。しかしまた、警察が手を入れなきゃならんような事態があった場合に、警察が手を入れるということを、頭から拒否するという理由も私はないと思う。ただ、願わくは、警察当局が事を慎重にやってほしいというだけでございます。今お話しの問題につきましては、具体的な内容等につきましては、われわれつまびらかにいたしておりません。検察当局の必要によって成規の手続をとりますことについて、今私はかれこれくちばしを差しはさもうというふうには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/157
-
158・高田なほ子
○高田なほ子君 くどくど申し上げるようですが、三十七条違反の疑いをもって捜査令状が出された場合に、三十七条違反の証拠を固めるために必要な押収物件というものは、おのずから限界があるだろうと私は思う。それを、教育の研究資料まで警察当局が持っていっているというようなことについては、これは私は明かに検察当局の行き過ぎだと思う。こういうときにこそ、文部省は学問の自由を守るために、学問の自由を侵害すべきものではないというように、はっきりした意思表示というものはあってしかるべきではないか、こういう見解を私は持っておる。大へんくどくなり、またお疲れなので、御答弁が非常に私の思うようにおっしゃっていただけないことは残念ですが、どうも御意思がはっきりしない。そういうことが検察当局を図に乗らせるもとだと思う。委員長、私はこれも大臣の御答弁をいただかないで、そういう具体の問題を出して、ここに提起して、そうして検察当局、警察当局にここに御出席を願って、あらためて具体の事実として本問題について私は質問したいと思う。
それでさらにお尋ねをしていきたいことは、PTAのあり方という問題についてであります。特に今度の勤評問題について、各地のPTAの中でいろいろ好ましからざる事態が起っております。少くともある県のごときは、PTAというのはやめてしまって、そうしてPだけにしてしまって、Tは抜かしてしまおうじゃないか、実質的なPTAの解散ですね、そういうことをやられておるところがあるようでございますが、遺憾ながらこうしたPTAの動きの陰に、教育の中立を守るのだと、当初文部大臣はりっぱな御意見をお出しになっておったにもかかわらず、あなたの所属する自民党が、PTAの切りくずし工作に一役買っているという事態があるということは、まことに遺憾きわまりないことだと思う。私はみずからも政党人として、少くとも子供と、そして教師をもって組織されるPTAを、わざわざ自民党が指示、指令をもってこれを切りくずしていこう、そうして勤評の闘争が行われている中で一役買っているということはまことにけしからぬことです。これは事実かどうか、一つこれを一応申し上げて大臣に御答弁をわずらわしたいと思うのです。これは六月二十四日の国際新聞に書かれてあることです。トップ記事に出ております。自民党が指令をなさったことが書いてあるのですが、「①行政処分をすみやかに実施する②警察権を発動させる③自民党各支部、青年団、婦人会などを中心に各学区ごとに十人程度の調査員、各郡市にその責任者、県に十人程度の指導機関を置くこと。調査員は闘争中の教員の言動、スキャンダルや幹部の動静、自民党に協力する教員などの調査に当る④和歌山市で代表者会議を開き「教育問題研究会を」全県的に組織する⑤学区ごとにPTA臨時総会を開き、勤評反対の態度をとる役員の改選を行うとともに、総会では父兄から教員に対してその信条を聞かせ、また調査員の調査事項を発表させる⑥「教育を守る市町村民大会」を開き、ここでは闘争に参加した教員の登校を拒否したり退任を求めたりする。また和教組に反感を持つ教員にできるだけ多くの会合を持たせ声明書を発表させる。これには教団連(日教組から分裂した右派)の田中委員長の指導をあおぐ。
さらに日高郡の教育行政協議会をモデルに「教育を守る県民組織」を全県にひろげ、これを恒久的な機構として教員の人事調査などを行うことを指令している」、これは自民党の支部の行われた勤評に対する一つの指令であります。私はこういうPTAの切りくずし、あるいは教員の中で、反対だと思われる教員を洗いあげて、そうしてこれによって教員内部のみぞを作り、はなはだしきに至っては、この闘争に参加した教員の思想調査、私行調査というようなことまで指令してやるなどということは、もってのほかだと思う。もしこのことが事実とするならば、これこそ教育を破壊するおそるべき工作である。私はこういう工作が行われているというような新聞を信じたくありませんが、あまりにもこのことは和歌山県のいろいろの事情をお伺いしますと、何かすべてこの通りにいっているように思われてならない。こういう事実について御存じでございましょうか、もし、こういう事実がありとするならば、あなたは党のりっぱな幹部として、あるいは一国の文相として、かかる事態にどういう善処をなさろうとするのか、この点についてお伺いをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/158
-
159・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は、ただいまお読になりましたような事実については全然関知いたしておりません。さようなことがあったということにつきましては、何にも存じておりません。さように御了承を願いたいと思います。(「議事進行」「進行もくそもない」「こっちにも発言させろ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/159
-
160・野本品吉
○野本品吉君 議事進行について。大臣に対する質疑はこの程度にとどめて、直ちに学校職員に対するいわゆる管理職手当の法案(閣法第三号)の趣旨説明に入ることの動議を提出いたします。(「賛成々々」「休憩」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/160
-
161・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) 速記をとめて下さい。
午後四時二十七分速記中止
――――◇―――――
午後四時五十七分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/161
-
162・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) それでは委員会を再開いたします。
ただいま野本委員から議事進行に関する動議が出ましたが、委員長においては、同一の趣旨をもってこの大臣に対する質疑をこの程度で打ち切ろうとしておったところでありますから、ただいまここでこの動議に対する採決を省きまして、次の段階に進むことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/162
-
163・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) それではそのように取り計らいます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/163
-
164・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) それでは直ちに市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。政府から提案理由の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/164
-
165・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 今回政府から提出いたしました市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
改正の第一は、市町村立の小学校、中学校等の教職員に対する管理職手当を都道府県の負担とすることであります。すなわち、国立大学の学長、学部長等につきましては、これらの職員が管理または監督の地位にあることにかんがみ、一般職の職員の給与に関する法律第十条の二の規定により昭和三十一年度から俸給の特別調整額、すなわちいわゆる管理職手当が支給されておるのでありますが、国立の高等学校以下の校長に対する管理職手当につきましても、本年度からその支給に必要な予算措置が講ぜられたのであります。国立の高等学校以下の校長に対して管理職手当が支給されることになりますと、教育公務員特例法第二十五条の五の「公立学校の教育公務員の給与の種類及び額は、国立学校の教育公務員の給与の種類及び額を基準として定める」という規定により、公立の高等学校以下の校長に対しても、同様管理職手当が支給されることになるのであります。この場合、市町村立の義務教育諸学校等の経費のうち教職員の給与費については、従来都道府県の負担となっていたので、今回、校長に対する管理職手当につきましても他の給与と同様、都道府県の負担とすることが適当と考えられるのでこの点を規定したものであります。
なお、都道府県が負担する管理職手当のうち義務教育諸学校分については、義務教育費国庫負担法第二条の規定により、その実支出額の二分の一を国が負担することとなっているのであります。
管理職手当の支給に伴う財政措置といたしましては、義務教育費国庫負担金として約四億四千五百万円を計上しておりますほか、地方負担分につきましては地方財政計画等において必要な措置を講じておるのであります。
改正の第二は、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律により、国家公務員に対し、新たに通勤手当が支給されることになっておりますことに伴い、市町村立の義務教育諸学校等の教職員に支給される通勤手当を、管理職手当及びその他の給与と同様、都道府県の負担とするためのものであります。
なお、通勤手当の支給に伴う財政措置といたしましては、義務教育費国庫負担金として約五億五千六百万円を計上しておりますほか、地方負担分につきましても、地方財政計画等において所要の措置を講じているのであります。
改正の第三は、給与を都道府県が負担する事務職員の範囲が吏員に相当する者であることを明らかにする等規定の整備を行うことであります。
最後に、この法律は、公布の日から施行し、昭和三十三年四月一日から適用することといたしております。
以上、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概略でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/165
-
166・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) それでは委員会を一時休憩いたしまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/166
-
167・吉江勝保
○吉江勝保君 理事会を開かれることになったようでありますが、ただいま提案されましたこの法律案は、社会党の方からも、重要法案といたしまして本会議に説明を要求された法案でありますので、また、会期も余日少なくなっておりまするので、もちろん、理事会におきましては十分に審議されまするように御相談になることと存じまするが、本日私どもはお待ちをいたしまするから、理事会の決定をここで御報告を願い、さらに、この法案が審議されまするように御相談をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/167
-
168・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) 委員長としては承わっておきます。
それでは委員会開会後行われました理事会の経過報告で御承認いただきました通り、これから委員会を休憩いたしまして理事会を開き、今後の審議について協議することといたします。
それでは休憩いたします。
午後五時四分休憩
――――◇―――――
午後十時五十九分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/168
-
169・竹中勝男
○委員長(竹中勝男君) それでは、ただいまから委員会を再開いたします。
先刻開会いたしました委員長及び理事打合会において、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案等の今後の審議日程について協議を行いました。
委員長は、明日から本法案の審議に入りたいと切なる希望を述べましたが、結局結論を得るに至りませんでしたので、明日午前九時五十分から委員長、理事打合会を開き、協議を行うことに意見の一致を見ました。
本日はこれにて散会いたします。
午後十一時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102915077X00419580701/169
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。