1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年二月二十四日(火曜日)
午後一時三十四分開議
出席委員
委員長 塚原 俊郎君
理事 簡牛 凡夫君 理事 堀内 一雄君
理事 井岡 大治君 理事 久保 三郎君
理事 土井 直作君
宇田 國榮君 川野 芳滿君
菅家 喜六君 關谷 勝利君
高橋 英吉君 高橋清一郎君
羽田武嗣郎君 原 健三郎君
杉山元治郎君
出席政府委員
運輸政務次官 中馬 辰猪君
運輸事務官
(大臣官房長) 細田 吉藏君
運輸事務官
(海運局長) 朝田 静夫君
運輸事務官
(鉄道監督局
長) 山内 公猷君
委員外の出席者
大 蔵 技 官
(主計官) 鹿野 義夫君
日本国有鉄道副
総裁 小倉 俊夫君
日本国有鉄道参
事
(総裁室文書課
長) 谷 伍平君
専 門 員 志鎌 一之君
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二月二十三日
国鉄自動車古江川北線延長に関する請願(前田
郁君紹介)(第一六六〇号)
は本委員会に付託された。
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二月二十三日
伊勢線の存続に関する陳情書
(第三七六号)
日勝鉄道敷設継続工事費確保に関する陳情書
(第三七七号)
港湾管理行政国営化反対に関する陳情書
(第四三一号)
伊勢柏崎駅の貨車取扱い存続に関する陳情書
(第
四三二号)
国鉄四国支社設置に関する陳情書
(第四三三号)
港湾荷捌施設費国庫補助に関する陳情書
(第四三四号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一三三号)
国内旅客船公団法案(内閣提出第八七号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/0
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001・塚原俊郎
○塚原委員長 これより会議を開きます。
日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行います。
質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/1
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002・久保三郎
○久保委員 日本国有鉄道法の改正についてお尋ねしたいのですが、今回のこの改正は、先ごろの提案説明を伺いますと、支社制度を強化するのが一つ、もう一つは部外投資の問題、こういうふうになっているようでありますが、その二点についてお尋ねをしたいのであります。
まず第一に国鉄の機構そのものでありますが、公社になってから相当変革もございます。これはもちろん国鉄の持っている使命からいって、能率的な機構になることだと思うのでありますが、特にその中でも、最近閑散線区等においては管理所方式というものをとられておる。これは新しい仕組みでありまして、そうしますと、鉄道監理局の下に管理所があり、管理所の下に現場機関があるということで、一つの段階が差しはさまれたように考えるわけです。こういう点についてまず機構が複雑化しはしないか。むしろ今日の行政からいけば、本庁あるいは監理局長が持っている、あるいは支社が持っている機構を、それぞれ現場、末端まで権限をおろしていくということの方が適切ではないか。ところが現場機関に対する権限等の移譲は、あまり今までも見受けておらぬ。むしろ管理所というものができることによって、現場長の権限等が取り上げられる傾向もある。こういうことになりますと、最前線におけるところのサービスあるいは運営の低下というのは、やはりいなめないことになりはしないかと思うのであります。こういう点について、まずどういうふうに国鉄は考えておられるか、これをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/2
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003・小倉俊夫
○小倉説明員 管理所についてのお尋ねでございますが、管理所の考え方は、最近一つの線区を指定しまして、なるべく経済的に運営いたしたいということで発足しました観念であって、実のところまだ多少試験的の意味もまざっておるのでございます。管理所は、管理所にその線区のほとんど全部の権限を与えまして、もちろん他線区との重要な関連は別といたしまして、その線区につきましては管理所長に権限をゆだねまして、その線区の改善に専念せしめるということでございまして、これには大局的に局長あるいは支社長も指導いたしますが、大体におきましてその線区の運営は管理所長がするという新しい試みでございます。仰せの通りに、機構というものはあまり段階がつきますと複雑になって参りますので、そういう点は十分戒心いたさなければならぬと思いますが、ただいまのような管理所の方式では、その線区の大体における権限を渡すということにいたしておりますので、決して権限の重複ということは起らぬかと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/3
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004・久保三郎
○久保委員 今回支社長を理事にして支社を強化していくということでありますが、それとただいまの末端における経営形態である管理所方式、いわゆる線区別に重点を置いた経営方式、こういうことと関連して考えますと、さらにもう一つは、国鉄の現在における公共性、企業性というものを考え合せますと、今のままで支社制度を強化することは、即線区別の経営を強化するということだと思うのであります。線区別の経営を強化するということはすなわち公共性、企業性の相反する二つの性格を持っているものが今日では同居しているわけですが、それをそのままにしておいてやることは、ひいては末端におけるところの労働強化、あるいは一般利用者に対するサービスの低下、こういうことになりはしないかという心配が非常にございます。この点はどういうふうにお考えでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/4
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005・小倉俊夫
○小倉説明員 支社の制度は、これは一つの区域でございまして、ただいま申し上げました管理所方式は線区の管理でございます。そういう点で違いがございますが、管理所は決してそう大きな線区を受け持っておるのではございませんで、支社と比較することのできない規模でございます。それで一つの線区につきまして、ある場合にはいろいろ業務機関がまちまちであったり何かしますと、結局総合的な運営がむずかしくなりますので、やはり一部の線区、たとえば五十キロとか八十キロくらいの線区につきましては、これは一つの目でいたすのがいいのではないかということで、管理所方式を試みに研究しているただいまの過程でございます。それでそれにつきましては決して地元の方の御不便にならぬように、旅客の扱いも貨物の扱いも十分気をつけ、また決して労働強化になるような考え方では進んでおりませんで、むしろ余ったところの人手を今手が非常に込んでいるところの方へ向けまして、実際効果的な運営をいたしたいということでございまして、ただいまのような御懸念は全然ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/5
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006・久保三郎
○久保委員 御懸念はございませんというお話であります。私からお尋ねしたいのは、それでは労働強化あるいはサービスの低下はこの支社制度の強化というものには全然含まれておらないのだ、こう了解してよろしいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/6
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007・小倉俊夫
○小倉説明員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/7
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008・久保三郎
○久保委員 それからもう一つこれに関連してお伺いしたいのは先ほど申し上げた公共性と企業性の調和の問題でありますが、現在の国鉄の経営の中では残念ながら調和がとれてない、こういうふうに私は見ているわけです。たとえば今の姿は、企業性は内部の労働強化あるいはサービスの低下によってわずかにこれをやっていく、公共性の方は野放しといっては大へん語弊がございますが、野放しの姿で強要されている、こういうふうに思うのであります。一つの例でありますが、法律に基いて傷痍軍人の無賃といいますか、運賃の減免がございます。これなども全額を国庫からもらっておらない。これは小さいものでありますが、もらっておらない。あるいは政策的な運賃割引についてもこれは全部国鉄自体がしょっている、こういう形を置き、さらには新線建設という問題がございます。新線建設も今後の交通政策の上から鉄道でやらなければならぬ地区ももちろんあると思います。これはたとえば採算が合わぬでもやるべきだと思いますが、そうでなくて全体的な日本の交通政策からいっても、あるいは今後の変遷する交通構造というものからいっても、鉄道でない方がいいというのも政策的に新線建設が強要されている。これが膨大な赤字を生じてくるというようなものがあるわけです。これを処理しないでおいて支社制度あるいは線区別の経営合理化をおやりになっても、なかなか国鉄の健全な発達は望み得ないのじゃないか、こういうふうに私は思うのです。それに対して運輸省並びに国鉄ではどういうふうに今お考えになっているか、その点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/8
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009・山内公猷
○山内(公)政府委員 ただいまのお話は非常に根本的な問題でございまして、パブリック・コーポレーションにおける公益性と企業性の調和ということはいろいろな面でいつも問題にされ、そのために政府もそのための審議会をたびたび開かれまして、検討いたしておるところでございます。根本的に言えば今言いましたような公益性を要望されるとともに、企業性におきましても十分発揮をしなければならないのだということでございますが、これはなかなか困難ではあるが、どうしてもその調和を見出さなければならない。それでたびたびのそういった審議会の答申におきましても、それらの点が多々取り上げられておるわけでございます。今回の支社制の強化というものも、独立採算制に近づけるための一つの方法として、審議会からの答申に基いて、運輸省におきまして立案し、今御審議を願っておるわけでございますが、ただいま御指摘のようにこのパブリック・コーポレーションの形を完成させるという問題につきましてはまだいろいろな問題が残っております。運輸省といたしましてもそれらの指摘されましたものを一つ一つ研究しまして、成案を得たものから実施に移す予定にいたしておるわけでありまして、ただいまのような点につきましても十分検討をいたしたい、さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/9
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010・小倉俊夫
○小倉説明員 ただいまの運輸省からの御答弁の通りでございますが、御指摘のように国鉄は公共性と企業性という、両方の使命を課せられております。これは実は率直に申し上げますとほとんど相反する使命でございまして、公共性に徹すればとかく企業性の方がうまくいかず、企業性を主にいたしますれば公共性がうとんぜられるというような点がございます。しかしこれは国鉄というものに課せられた宿命ではないかと考えております。私どもはこの宿命のもとに公益性と企業性をできるだけ調和して参りたい、こう考えて努力を続けて参ったのでございますが、もともと国鉄は国家事業から公共企業体になりましたので、その国営の時代は公共性に徹しておりましたので、ただいままでかえって部外からいろいろ企業性の御指摘を受けておりますが、決して企業性によって現在の公共性を失うあるいは目に立つほどの欠点が出て参ったものと考えませんで、ますます私どもは公益性を見ながら企業性を推進していかなければならぬのじゃないかと考えております。ただいまの傷病軍人は御指摘の通りでございますし、新線建設、そのほかにも通勤の割引だとか、いろいろございますが、これはやはりただいま申し上げましたように鉄道がしょっていかなければならぬ公益性の一端だ、こう考えておるのでございます。ただ新線建設や割引について申し上げますと、昭和三十二年に運賃値上げをしていただきましたが、そのときにはこういうふうな公益性による損失も全部プールにいたしまして、運賃値上げを認めていただいたのでございまして、この点については国鉄としては不足がないと考えておりますが、将来の建設線あるいは割引等につきましても、これは赤字のその部分については不足して参る点もございますが、そういう点につきましては、いろいろ収入の増加をはかってカバーして参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/10
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011・久保三郎
○久保委員 公益負担の問題は、もちろん現在の国鉄が全然公益負担をしないということではいけないと思うのでありますが、これはやはり国家の政策あるいは要請、こういうものに基くものでありますから、当然それに見合ったものは国家予算として組んで国鉄に移すのが妥当ではないか。そういう努力は運輸省等でもちっともしておらないのではなかろうか。そうしてやむを得ず国鉄は、企業合理化という名のもとにその赤字を克服するのだということで、線区別にあるいは管理所別に単位を置いて、あるいは今度の支社を強化して、そこで何とかやっていこう、こういうことなんで、これを全然否定はいたしませんけれども、それだけでは国鉄の万全の運営は私はできないと思いますし、限界があるのではなかろうか、こう思うのです。よって運輸省の方にお尋ねしますが、そういう努力はたとえば来年度予算の中でしたのかどうか、ちっともそれの答えは出さないのじゃなかろうか、こう思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/11
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012・山内公猷
○山内(公)政府委員 御指摘の通り、たとえば新線建設という場合に、現在行われております新線建設のほとんど大部分は赤字になるというようなところでございます。これらに対しましては、運輸省は毎年、その新線建設の利子の補給という点につきましては、財政当局にも十分話をしておるわけでございますが、まだ遺憾ながらそういう点は認められておらないわけでございます。ただ新線建設が非常に多くなりまして、ということは、結局赤字路線が相当ふえてくるという状態でありますと、御指摘の通り限界というものも考えなければならない。それらにつきましては、将来そういった国鉄の負担にならない——あるいはなるにいたしましても、どうしたならば現在よりももっと軽減された姿になるかということはさらに検討いたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/12
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013・久保三郎
○久保委員 この支社制度の強化について、一つだけ最後に念を押しておきますが、先ほど副総裁の御答弁では、サービスの低下とか労働強化とか、そういうことは全然考えておらぬということでありますが、実際は、相反する二つの性格を持ちながらやっていく国鉄としてはどうしてもいろいろな方面からの勧告もあり、もう少し合理化しろ——合理化しろというのは安上りにしろ、こういうことで、当然そこでは公共性は全然排除できないということで企業性を追求する。合理化というのは名前をかえて言えば簡便にしていくということでしょう。そこで私が一番心配するのは、今度の支社制度の強化という、まずもって一つの見方はあると思うのでありますが、もう一つの見方は、そういうことで支社単位の独立採算を強要していくというところにとられたのでは、大へんな間違いだと思うのです。むしろ今運輸大臣、運輸省あるいは国鉄総裁も考えていただきたいのは、公共性と企業性の調和を国政の中で考えてもらわなければいかぬということだと思う。この点は念を押しておきたいと思います。
次に、部外出資の問題でありますが、今度新しくバスターミナルということだそうでありますが、これはバスターミナルと法律は限定いたしておりませんけれども、今度どういう限界まで伸ばしていくのか、その予想はどうなんでしょう。それを一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/13
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014・山内公猷
○山内(公)政府委員 現在法律に考えておりますのは、国鉄と他の運送事業者が使用する輸送施設ということに限定をいたしておるわけでありまして、この法律の意図いたしておりますところは、国有鉄道というような膨大な資本を持っておる公社が無制限に投資ができるということになりますと、一般経済に対して好ましくない影響を及ぼすこともあり得るということで、厳にこの投資の対象を限定をいたしたわけであります。現在までのところ、国鉄が投資いたしておりますのは帝都高速度交通営団、これは法律によりまして投資いたしておるわけでございまして、この法律で考えておりますのは、直接には、ただいま御指摘のありましたようなバスターミナルを、ほかの業者と一緒になって作るというような場合に投資を認めようというのが、具体的に考えておるところでございます。将来こういったような投資を無制限に認めようという意思はございませんで、その法律にもありますように、予算に上げ、かつ運輸大臣の認可というように、厳重に縛って運用していくわけでございます。具体的にどういうのがあり得るかということは、ちょっと言いにくいわけでございますが、たとえば将来私鉄とか運送事業者と一緒にコンティナーというようなものを作って、その経営をする会社ができるというような場合が一例に考えられるわけでありますが、これはやるという意味じゃなくて、しいて考えるとそういったものが当てはまる。要は、国鉄が自分でそういう施設を持つよりも、共同して持った方が有利であるというような場合に認められるものでありまして、国鉄が独自で持つ施設はこの中に入ってこないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/14
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015・久保三郎
○久保委員 そうしますと、たとえば外国の鉄道にあるように、車両に投資をしてその車両を借り上げてやるというようなことは考えてはおらないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/15
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016・山内公猷
○山内(公)政府委員 そういう場合に、外国の鉄道におきますような、寝台車を供用するというようなことは、日本の私鉄でもあり得ませんし、一つの輸送施設を国鉄だけでなくして、多くの交通業者が共同で使うという場合でございますので、あるいは貨車というような場合には考えられるかもしれませんが、ちょっと貨車の場合でも、今の私鉄の状況と国鉄の状況と考えますと、急にはそういう例に入るかどうかは疑問だろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/16
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017・久保三郎
○久保委員 当面バスターミナルというようなことであるようですが、バスターミナルは来年度どの程度考えておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/17
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018・小倉俊夫
○小倉説明員 バスターミナルにつきましては、最近各方面でその必要性がだんだん認められてきつつあるように聞いております。バスターミナルは、利用者の方々が非常に便宜を得られるので、最近のようにバスが相当高度に発達してさましたら、大きな都市におきましては、駅前に限らず、その都市の格好の地に共同でターミナルを作りたいというふうな、いろいろの御意見があるように聞いておりますが、まだ、どこの都市、どこの都市ではっきり計画が具体的に進められておるということは、承知いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/18
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019・久保三郎
○久保委員 部外投資の問題でありますが、これは輸送施設の共同ということのようでありますけれども、志免炭鉱の払い下げというか分離というものと関連して考えると、どうもわれわれは割り切れない気持がするわけです。理屈はつけようでありますが、自分の持っているそういう財産、しかも使う品物、これを部外者に片方では渡し、片方では今度は新規にやっていくんだ、投資していくんだということは、当局並びに運輸省はどういうふうに考えておるか、その点お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/19
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020・山内公猷
○山内(公)政府委員 ただいま例にあげられました志免炭鉱というような事業と、今度の法律で考えております投資の対象とは、全然われわれはその対象は違うように考えておるわけでございまして、志免炭鉱というような直接輸送に関係のない事業というものにつきましては、たびたび当委員会でも問題になりましたように、審議会あるいは行政管理庁から、国鉄の経営から切り離した方がいいのではないかという答申をいただいておるわけでございますが、今回の法律で考えましたものは直接輸送に必要な施設でございまして、その点で考え方が違うようにわれわれはこの日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の条文では書き分けておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/20
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021・久保三郎
○久保委員 今後のことでありますから、今からとやかく申し上げるのもなんですが、こういう法律ができる当初は、たとえば御説明のあったように、今はバスターミナルということに限定しているようでありますが、だんだん拡大解釈しまして、国鉄が片方で企業性を発揮するということ、そういうものに理屈をつけて、何か国鉄の資産が食われるようなことも今後出てきやしないか、政治的に利用される場合も出てきやしないか、こういう心配をしておるわけです。この点はあらかじめ御忠告を申し上げたいと思うのです。
それから前に戻りますが、今度理事の点は支社の数、六ですか、六人をふやすのでありますが、もし今後新しい支社ができるとした場合に、それは定員外でありますから理事になりませんが、そうしますと甲乙の差がつくようでありますが、これはどういう工合に考えておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/21
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022・小倉俊夫
○小倉説明員 仰せの通りに、今後できます支社につきましては定員がございません。しかし、これは私どもの方としましては、同じような権限も与えまして、待遇も関係諸方面とお打ち合せしまして、できますれば理事待遇といったようなものを考えまして、その間に権限の差異はつけないようにいたしたいと思います。それならば、どうして全部理事の定員をとらなかったのかというような御質問がこの前も当委員会でございましたが、公共企業体の理事の定員配置というものはいろいろむずかしい点もございますので、まずこの法案を提出いたしましたときに現在する支社の数だけをお願いいたしまして、また次の新しく増設される支社につきましては、その成長の工合も見ていただきまして、またいろいろお願いする機会もあるかもしれない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/22
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023・久保三郎
○久保委員 それでは、支社長に権限移譲なんでありますが、ほとんどの権限をこれは移譲することになりますか、どういう程度に移譲するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/23
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024・小倉俊夫
○小倉説明員 国鉄は、やはり本社におきまして重要な仕事はもちろん今後もいたして参りたいと思っております。その重要なる仕事と申しまするのは、国鉄の長期計画あるいは近代化計画というような根本的な問題の調査、研究、計画立案、その推進といったようなものは依然本社でいたして参らなければならぬと思います。それから国鉄全体に関しまする予算、決算事務はもちろん本社でいたさなければなりません。そのほか、あるいは電化でありますとか、ディーゼル化でありますとか、あるいは線路増設でありますとか、いろいろ輸送、営業その他の面でやはり根本的な問題がございますので、そういうものはやはり中央の本社でいたして参らなければならぬと思いまするが、それ以外に本社のワクの中におきまして実際作業するあるいは運営をする、工事をする、あるいは品物を調達するというふうな実務につきましては、できるだけ広範囲に支社に権限を移譲したい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/24
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025・久保三郎
○久保委員 この各支社における独算制ということでありますが、これはどういうふうにおやりになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/25
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026・小倉俊夫
○小倉説明員 実は独算制という字句が実際当てはまるかどうか疑問に思っております。と申しまするのは、支社におきまして、収入がいい支社と悪い支社がはっきりいたしております。たとえば北海道の支社におきましては、大体六、七十億の赤字ということは、これは宿命的に負わされております。また逆に、関東支社におきましては、二、三百億の益金というものが大体予定されております。従いまして、いかに有能な人が北海道へ参りましても、これを厳格な意味の独立採算で赤字を消すということはとうてい不可能でございます。でありますから、あるいは独算制という字句の使い方が必ずしもぴったりしなかったのではないかと実は考究中でございまするが、この意味は、予算を北海道なら北海道の支社にワクとして落しましたときに、その予算の運用をできるだけ効果的に使いまして、あるいはその土地の事情に応ずるような予算の配分をいたしまして、できるだけ効果を上げる。その結果によりまして赤字を減らす。逆に申しますれば、関東におきましては、予算の有効な配分のために、従来よりもなるべくよけいに収入を得られるような、有効投資を考えてもらいたい。そういうふうな意味合いで、実は少し当てはまらないのでございましたが、独立採算制といったような字句を使った次第でございます。
〔委員長退席、堀内委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/26
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027・久保三郎
○久保委員 今のお話と関連して、褒賞金制度というのがございます。あれは自然現象ではないですが、たとえば都会地は自然にもうかるのです。そのもうかるところと、北海道のようにもうからぬところという差が出てくるわけなんですが、その褒賞金制度で何か労働者をつっていくという考えがそこに若干でも含んでいるとするならば、これはどうも困ったもんだとわれわれは思うのですが、その褒賞金制度というのはどういうことを考えておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/27
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028・小倉俊夫
○小倉説明員 実は行賞の意味でございまして、今まで褒賞金と申しますると、期末手当のようなことをする慣例がありますが、期末手当あるいは業績手当というようなものは、国鉄の職員全体に通ずる問題でございまするから、これは本社で一本できめるという立て方でございますが、ここに褒賞金と出ておりましたか、褒賞金で賞を行う、まあ褒賞金でございますが、それはたとえば踏切警手がけがをしてまでお客さんを救った、あるいは非常に有効な発明をしたとか、そういうふうな個人々々で特殊に功績があった場合には、支社長限りで出す。一人当り七千円でありますか、金額は別といたしまして、その程度の褒賞をすることができるということでございまして、一般の北海道の職員には全部で業績手当を幾ら出す、東京では幾ら出す、そういうことではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/28
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029・久保三郎
○久保委員 ちょっと私の尋ね方もまずかったかもしれませんが……。それで、そういう形でなくて、たとえば関東の支社長は非常な財源を持っている。たとえば差引純益これだけ上ればこれだけはお前の範囲において使え——使えといっても、それはもちろんむやみやたらに使うわけじゃないでしょうが、そういう仕組みを今やっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/29
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030・小倉俊夫
○小倉説明員 先ほど申し上げましたように、東京はもうかる、北海道はマイナスであるというのは宿命でございますから、毎年北海道では大体赤字がこれほどできるのが普通である、あるいは東京ではこのくらいの利潤が上るのが当然であるということで、本社で調整をいたしております。つまり北海道でもし六十億マイナスがいくということをきめますれば、六十億マイナスでありましてもこれは百点満点でございます。それから関東支社におきまして三百億利潤があるということでございましたら、三百億が欠けましたらこれは百点以下になるということでございまして、あらかじめそのときのその支社の収益性というのは考慮のうちに入れておりまして、この褒賞と申しますのは決して利潤分配の意味ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/30
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031・久保三郎
○久保委員 それじゃその問題で最後にお尋ねしますが、予定収入を上回る純益が出てきたという場合には、支社長に割り戻しと言っちゃ語弊がありますが、その一部を権限内で使っていい、こういう制度が今ございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/31
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032・小倉俊夫
○小倉説明員 予定以上に増収がありましたような場合には、その一部はその管内の工事費に使い、あるいは修繕費に使うというような割り戻しのことは実施いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/32
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033・久保三郎
○久保委員 その割り戻しがいいか悪いかは別にしまして、そこで何かいろんな問題がありはしないか、こういう心配をしているわけです。それがたまたま労働強化になり、あるいは地方によって甲乙の差がついてくる、こういうことがあると思うのですね。それで私は一ぺん御研究——私もこれはいいか悪いかがよくわかりませんが、結局平衡交付金制度のようなものを、六支社ございますが、こういうものについて一つ考えてみたらどうか、もう少し合理的なものを考えてみたらどうだろうか、こう思うのです。予定収入よりよけい上ったらすぐやる、予定収入より上らぬといっても、これはお客さんや荷物が来なければ当然上らぬのですから、たまたまそこが何かの工合で予定よりも旅客、荷物があったということのために何かかげんされるという方法はちょっとどうかと思うのです。そのために、予定収入より上らぬというので、さらに団体募集をしろ、あるいは出荷誘致をやっているということでは、限られた人員ではなかなか容易でない面もあるし、置かれた環境によっても、そういう条件で違ってくるということは、非常に田乙の差が出てくる。だから、そういう平衡交付金制度というのがいいか悪いかは別にして、もう少し合理的に考えてみたらどうか、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/33
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034・小倉俊夫
○小倉説明員 そういう点は、私どももいろいろ研究してみますとむずかしい点が多々ございますので、こういう点はさらに研究を深めて、改善してみなければならぬとかねがね思っておる次第でございまして、今後さらに研究いたすことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/34
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035・堀内一雄
○堀内委員長代理 高橋清一郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/35
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036・高橋清一郎
○高橋(清)委員 久保氏のただいまの御質疑と関連することが相当あるのですが、今回の改正の大きなねらいとしますところは、だいぶ御質疑もございましたが、国鉄経営改善のための支社制度をうんと強化しまして、支社長に相当の権限を与えて、事業の能率的な運営を確保するということと、特定の事業に投資することができるようにする点にあると思うのでありますが、その通り、そのままに解釈してよろしいかということをまずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/36
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037・山内公猷
○山内(公)政府委員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/37
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038・高橋清一郎
○高橋(清)委員 もう少し具体的に、しからば支社長にいかなる範囲の権限を持たせるお考えであるかということでありますが、私ただいまの久保氏に対する御答弁の中でまだいろいろはっきりしませんことがあるのです。一つの例を申し上げますと、関東支社長の東京駅長に対する任免権と申しますか、これはどうなるものであるか。私は新潟でございますから関連させていただきますが、新潟の駅長に対する任免権は支社長でできるかどうかというようなことであります。このラインをどこに引くかということを少し具体的にお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/38
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039・小倉俊夫
○小倉説明員 東京駅長は特別の身分でございますから、それは本社でいたしますが、ほかの大部分の駅長は支社長限りでできることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/39
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040・高橋清一郎
○高橋(清)委員 新潟駅長は新潟支社長で……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/40
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041・小倉俊夫
○小倉説明員 できます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/41
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042・高橋清一郎
○高橋(清)委員 そうした権限を縦横にふるわせるためには、国鉄経営の性質から見まして、常に国鉄中枢部との間に十分な連絡を持たせておく必要があるということは言うまでもないのであります。従いましてそうなりました場合、総裁、副総裁、常務理事というような方々と一体となりまして業務を遂行しなければならないと思うのでありますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/42
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043・小倉俊夫
○小倉説明員 その通りと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/43
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044・高橋清一郎
○高橋(清)委員 これを言いかえてみますと、支社長はみな理事にすべきものと思います。これが本筋であらねばならないと思うのであります。ところがいろいろ大蔵省との折衝で、ずいぶん国鉄当局、特に副総裁に御努力願ったようなことを聞いておるのでございますけれども、伝えております新しく支社を設けられようということに関連いたしまして、どうも予想せられます三社については理事になれないというようなことを聞かされておるのでございまして、非常にさびしい思いを持つわけでございます。これにつきましてただいまの御質疑に対する答弁にもあったのでありますが、なぜ六名にとどまったのであるか、私はこの際、ただいま申し上げましたような意味におきましても、何としても理事にしていただきまして、外部に対する印象もございましょうし、やはり支社長におきます気位という点にも関連して参る問題でありますだけに、十分その点は御努力を願わなければならないと思いますが、大蔵省の主計官もおられますので、一応これについての御所感をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/44
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045・鹿野義夫
○鹿野説明員 支社の強化に伴いまして、理事の増員のお話があったわけですが、法律改正のときに御要求になりましたといいますか、御協議に来られましたときの員数は六名という話で、そのまま六名の理事の増員ということになったのであります。
〔堀内委員長代理退席、委員長着席〕
今後支社がどういうふうに増加いたしますかにつきましては、まだ私らも別に御相談にあずかっておりませんし、また支社の増加ということにつきましては国鉄の独自のお立場でできることだというふうに考えておりますので、支社が増加して、その後今後に至ってどういうふうな御相談があるか、今何とも申し上げられませんので、それに対して大蔵省がどう考えるかということも申し上げかねるのでございますが、理事の増員の面だけをとらえてみますと、電電公社、専売公社、その他——その他といいますか、二公社に比較しましても今回の六名というのは決して少くない増員であったと考えております。専売公社もたしか地方の支社に相当する地方局長のうちで理事の方は二名、電電公社ではたしか三名ということになっているかと存じます。それぞれやはり支社のうちで非常に重要な支社について支社長といいますか、支社長にかわるべき支局長でございますが、理事者になっておられるというふうに存じておりますので、支社の数すべてが理事になるべきものであるかどうかということは、なおいろいろ今後の検討に待つべき問題ではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/45
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046・高橋清一郎
○高橋(清)委員 たとえてみますと、理事が六名の要請しかなかったから六名にとどめた。それに対しまして私ども聞かされておりますのは、大体支社を新しく設立いたします場所につきましては三つだというふうなことを聞かされておりますが、もう一歩熱意を持って副総裁は大蔵当局に御折衝になる過程を持たれていいんじゃないかと思うのであります。今鹿野主計官のお話を聞きますと、非常に温情ある点も聞き取れるわけでありますが、これほどの親心をお持ちであられる鹿野主計官に対してもう一歩前進して、あと三つだけなんですよというような熱意を持ってお当りになられたらと思うのです。ここでせっかく支社は一応できる、しかも今回の改正に当りましてこの理事の増員について認められるというようなありがたい気持を持たれるようでありますが、この現段階におきまして、たとえば高橋から話があるのだからもう三つというわけにも参りますまいと思うのでありますが、私は今後すみやかにぜひ副総裁、また今のようなあたたかい温情をお持ちでございます鹿野主計官に特にお願い申し上げるのでありますが、私どもにさびしい思いをお与え願わないように切にお願い申し上げたいと思うのであります。鹿野主計官に対しましては、お気持のほどわかりましたから、あと御質問いたしません。お忙しゅうございましたら一つお帰り願いたい。
もう一つお聞きいたしますが、理事は何人に増員になるかということでございますが、先ほど合計どうなんでございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/46
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047・山内公猷
○山内(公)政府委員 現在十名でございますので、この法律によりまして六名ふえますから十六名になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/47
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048・高橋清一郎
○高橋(清)委員 それで理事でない支社長の場合のことを想定して申し上げさせていただくわけでありますが、新潟支社ができましても新潟の支社長は理事でないということを覚悟いたさなければならぬ段階でなかろうかと思うのでございます。しからば先ほどちょっとお話があったのでありますが、理事待遇というお話でございますが、理事待遇という新しい職階制をお持ちになるということなんでございましょうかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/48
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049・小倉俊夫
○小倉説明員 新しく考えております支社につきましては、それが理事でございませんでもやはり支社長という名称をつけるつもりでございます。それからその職員でございますが、その待遇をいかにいたしますかということはただいま研究中でございます。
それでつけ加えて蛇足のようでございますが、それは決して職権であるとか私どもの扱い方とかいうものは区別はいたしておりませんで、やはり支社は同じように支社として扱うのでございまして、支社長が理事でないからということでさびしいというふうにあまりおっしゃいますと、かえって地元の方がさびしがるのじゃないかと思います。私どもは同じようにいたしますので、その点は地元の方々にあまりさびしがらせないように一つお取りなしを願いたい、かように感ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/49
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050・高橋清一郎
○高橋(清)委員 この問題に関する限りぜひ委員長にお願いしたいのでありますが、もう一度あとで場所等につきましてもお尋ねしたいと思いますけれども、理事でない支社長ができます場合におきましては、本法案が通ります場合におきましてぜひ理事にしてもらうべく委員会の附帯決議にしていただくという点について御研究おきを願いたいと思います。
現在の支社長に新たな権限を与えまして能率的な運営を行わせるためには、運輸の実情、地方経済の状況などから考えてみまして、適切な業務担当区域を定めませんと、せっかくの改正の目的に沿わないことになると思うのであります。いろいろ御考究になりました結果、先般の委員会でもお話のありました新潟と高松と広島を支社にするというふうな御言明があったと思うのでありますが、そのように解釈していいかどうかということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/50
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051・小倉俊夫
○小倉説明員 そういう予定でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/51
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052・高橋清一郎
○高橋(清)委員 予定でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/52
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053・小倉俊夫
○小倉説明員 そういう考え方で進んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/53
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054・高橋清一郎
○高橋(清)委員 関連いたしまして、しからば新潟支社の場合、実現するものといたしまして、新潟支社の担当区域はどこになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/54
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055・小倉俊夫
○小倉説明員 ただいま一応考えております区域は現在の新潟局でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/55
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056・高橋清一郎
○高橋(清)委員 ただ監理局が支社に昇格したという程度のことでは、先ほど申しました円滑な国鉄の運営というようなことに関連しまして、正しいきめ方、適当なきめ方というふうな解釈に当らぬだろうと思うのであります。そういうふうな趣旨にはならないだろうというふうに思われるのでありますが、将来しからばせっかく新潟に支社を作る場合にはこのように実は考えているんですよという御腹案がございましたら御披露願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/56
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057・小倉俊夫
○小倉説明員 仰せの通りに一つの局が支社になるということは徹底した措置ではないと思います。ただその場合に、やはり一局でありましても支社ができますればそこに支社長の権限が拡大されますし、しかも本社との連絡がよくなるという意味合いでもちろん効果はございますが、普通考えますれば、一つの局が支社になるということは物足りなく私どもも考える次第でございます。ただ新潟について申しますれば、国鉄としましては裏縦——貫日本海岸線とも言っておりまするが、裏の縦貫鉄道の強化ということが必要でございまして、これには日本海岸線強化期成同盟会というのができておることも承知いたしております。私どもは新潟の支社ができますればこの裏縦貫全体の強化ということを使命に考えて参りたい、かように考えまするが、ただいままだいろいろ局の問題がございまするので、局の問題もあわせて考えませんと、必ずしも新潟支社のはっきりしたあり方をきめるわけには参りませんので、局のあり方も至急研究いたしましていい姿に持って参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/57
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058・高橋清一郎
○高橋(清)委員 理事は部外に対しまして何らかの代表権を持つものである。もし持つものといたしますれば理事支社長と理事にあらざる支社長との間に代表権の差ができはしないかという疑問が出てくるわけでございますが、これについて伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/58
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059・小倉俊夫
○小倉説明員 今回の法律では法律上の代表権を支社長に与えておりません。また従来の法律では理事にも与えておりませんで、代表は総裁だけということになります。ただ実際問題として国鉄を代表して部外の方々と折衝し、協定をし、契約をするというようなことにつきましてはいずれの支社も同じになることは御承知おき願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/59
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060・高橋清一郎
○高橋(清)委員 この際でございますから私お尋ねさせていただきたいと思いますが、アメリカのこうした例はどの程度の現象を持っておるかということをお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/60
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061・谷伍平
○谷説明員 アメリカそれから諸外国の例につきましては私の方で調査をいたしておりますが、何分にも、アメリカの例で申し上げますと経営の姿がこちらと違いまして、私営でございますので、いろいろな点で比較しにくいかと存じますが、たとえば大きな鉄道で申しますとペンシルヴアニア鉄道でございますとか、あるいはニューヨーク・セントラルでございますとかいうところは、この四、五年前に大幅な権限移譲の組織改正をやはり行なっております。現在鉄道会社のみならず、分権化ということが世界の鉄道経営の趨勢になっておりまして、いろいろな点で個々の権限につきましては比較しにくいのでありますけれども、原理はやはり地方あるいは現場になるべく権限をおろすということで組織改正が行われております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/61
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062・高橋清一郎
○高橋(清)委員 私の御質問申し上げました中心課題の本音と申しますか、そこは理事の増員につきましてぜひ特別の御配慮を賜わりたいということであります。ぜひ当委員会におきましても法案を上げます場合におきましては附帯決議として御採用賜わりますようにお願い申し上げまして、以上で私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/62
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063・堀内一雄
○堀内委員 ただいま高橋委員からの質問の問題に関連しまして一つお伺いしたいのですが、先ほど副総裁の御答弁の中にも、この支社の行政区域に関しては、現在のいろいろの不便な問題を直すように検討したのだというお話でありますが、ぜひそれを十分にやっていただきたいと思うものであります。そこで一つ具体的な問題をお伺いしたいのですが、現在長野の監理局はどこの支社についておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/63
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064・小倉俊夫
○小倉説明員 中部支社でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/64
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065・堀内一雄
○堀内委員 中部支社というと名古屋と思いますが、そこで今度新潟の支社ができるというような場合に、単に現在の新潟の監理局の区域だけということでなくて、長野の監理局というようなものの区域も新潟の支社の中に含ませるというようなことが望ましいと思うのでございます。と申しますのは、御承知のように私は出身が山梨県でございますが、山梨県のごときは現在監理局が三つになっておって、甲府の付近までは中央線は東京、それから甲府のちょっと向うの、たしか韮崎と思いますが、その辺から以西は長野、それから南甲府の辺からは静岡ということになっておるのでありますが、今度新潟の支社というようなものに長野の監理局をお加えになって、それに伴って山梨県の中の甲府から富士見ですか、小淵沢ですか、あの辺までのものを東京の方へ戻して、長野県の行政区域だけを長野監理局に移して新潟につけるというようなことはどんなふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/65
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066・小倉俊夫
○小倉説明員 具体的の局の分界、あるいは監理局の改廃というようなものにつきましては、ただいまこれから真剣に調査をいたそうということでございまして、具体的にはまだお答え申し上げられませんが、従来かって四十九管理部がありましたのが、現在二十七の監理局にしぼられました際に、いろいろ曲った姿が出ておるということは重々承知しておりまして、山梨県のごときはその例だと存じます。一つの県が三つの監理局に分れておりますと地元の方々が非常に御不便になる。それとまた半面国鉄といたしましても非常に不便でございまして、たとえば甲府中心の輸送をどうするかという場合には、一々三監理局が集まらなければ計画が立たぬというようなことで、国鉄といたしましても非常に不便を感じておりますので、こういう点につきましては慎重に研究の上、できるだけすみやかに是正いたしていきたい、かように考えておりますが、そういうことが山梨ばかりでなくほかにもございますので、あわせて研究して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/66
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067・堀内一雄
○堀内委員 ただいま副総裁の御答弁のような問題は、われわれも現地の人たちからたびたび聞いておるのでありまして、この委員会におきましても先般川野委員から、宮崎県の例等でたびたび質問があったような事情であります。そこで同時に支社ができましても、その下部機構というものがそれに伴っていかなければだめだということも今さら申し上げるまでもないことでありますが、ぜひこの辺につきましてこの際抜本的な御検討をすみやかにお願いしたいと思います。これで私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/67
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068・久保三郎
○久保委員 主計官がお見えになっておりますので、旅客船公団法案の質問の前に、先ほどの質問に関連して大蔵省の主計官に伺っておきたいと思います。
先ほど国鉄の経営について国鉄並びに運輸省にお尋ねした中で、公益負担の問題があるわけです。一つの例として、たとえば傷痍軍人の運賃の問題ですが、これは法律では全額国庫が負担するんだということになっておりながら、全額どころか半額くらいしかこれをお出しになっておらぬようでありますが、大蔵省としてはどういう見解をお持ちになっているのでしょうか、この点を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/68
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069・鹿野義夫
○鹿野説明員 戦傷病兵の負担金、法律でたしか国が全部持つことになっております。予算も必要額相当として計上していると私は考えております。実績的には若干少いというような面が出ているかもしれませんが、たしか必要相当額を予算に計上いたしておると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/69
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070・久保三郎
○久保委員 必要相当額というが、これは全額国庫負担というのは精算額だと思うのですが、そうきっちりした精算額でなくても大よそ見合った額だと思うのです。われわれが調べたところによりますと、九千万の運賃額に対して三十二年度はたしか三千八百万、差引六千二百万を国鉄で負担しているようになっている。これは九千万の背中で国庫負担が二千八百万では、法律の手前からいって少し恥かしいのじゃないかと私は思うのです。これは一つの例であります。そこで、国鉄関係を御担当でありますから国鉄のことは十分御案内だと思いますし、私から申し上げる必要もありませんが、とにもかくにも公共性と企業性を同居させておく今日、この調和はなかなか困難だと思うのです。そこで公共性を全然排除して、今負担しているものを全部国鉄にやれば企業性一本になりますから問題はありませんが、それではまた国鉄の使命ではないと思うのです。そこで国策による、たとえば今のようなもの、あるいは身体障害者の問題、あるいは貨物運賃の問題というような国家の政策によるものは、せめて原価くらいは国庫で負担すべきではなかろうかと思うのですが、主計官のお考えはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/70
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071・鹿野義夫
○鹿野説明員 確かに国鉄は公共性と企業性の二面を持っているわけですが、むしろそのうちで企業性というのは一種の公共的な目的を達成するための能率的な手段として企業体という形をとったというふうに私個人的には割り切った解釈をいたしております。そこで今おっしゃられた公共性の追求の問題ですが、たとえば山奥の新線建設といったような問題もあるかと思います。元来公社という形で発足しまして、現在一億何千万かの資産を持っておりますが、出資金はたしか八十億くらいですか——ただ再評価した後の資産というものが減価償却を引いてたしか一億何千万かある。これはむしろすべて国の財産であるものを全額出資しているわけです。出資にいたしましても、公社の性格からいきましてそれに対する配当を要求しているわけでもございません。事業体といたしましても、いろいろの税金その他においても免除されているという点がありまして、いわば非常に大きな国の資産を国鉄に一種の信託をして経営をしていただいているという感覚が出るかと思うのですが、そこに上ってくるいろいろな利益というものは、いわばあげて一方の公共目的の達成のために費されているかというふうに考えております。たとえて言いますと、東海道では非常に大きな利潤をもちろん上げておりましょう。その利潤はすぐ国に巻き上げるわけではございません。やはりそれが不採算線の方に費されておる。よく言われますが、おそらく国鉄の七割近いものは赤字路線になっておる。赤字路線と幹線の黒字とが一緒になって、全体として一つの公共的な目的を達成するために運営されているというふうに考えております。特別にわざわざ税金をもとにした国からの比資あるいは補助金、利子補給というような形においてする一歩手前に、やはり国鉄は国鉄自体として出てくる利益から公共的な目的を達成していくというところに、一つの企業体の形をとって全体を能率的に公共的な目的を達成していくというゆえんがあるのじゃないかというように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/71
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072・久保三郎
○久保委員 御説なるほどごもっともな点もあるのですが、利潤を公共性に投資していくということは御説の通りだと思う。ところが残念ながら、利潤というものがその前に切られているという形があるわけですね、先ほど申し上げたような問題が。これの全部を負担するというのではなくて、限界を置かない限りは、たとえば旅客運賃なら旅客運賃の値上げによって国鉄経営を先般まかなったわけです。ところがそれを即今度は公共性の方の投資に振り向けていく、あるいは通勤輸送の緩和であるとか、幹線輸送の増強に振り向けていくのが当然だと思う。そこに公共性というものがあると思う。もうかったものを配当に持っていくとかあるいは国に納めるというのでなく、そのまま国民に返していく。ところが国民に返すというところまでいかないで、その前に国策の名のもとにしっぽを切られるということで、そのしわ寄せばどこにいくかというと、たとえば毎日切符を買って乗っておる大衆にいく。景気が悪くて、三十三年度も予定収入までいかない、赤字だ、そういうものの穴埋めは運賃値上げによる。運賃値上げによって老朽設備の取りかえあるいは幹線輸送の増強ということになっていくのではなかろうか。せめて国民の財産を投下している国鉄だから、企業性というものは主計官がおっしゃるような意味でとれば、それ以前の、たとえばこの法律に出ておるようなこういう例、あるいは政策的な運賃割引、こういうようなものについては国策だから国家の手によってある程度補いをつけなければいけないのじゃないか。早い話が、運賃を負担する国民大衆の背中に乗っかって公共性を追求しているというような姿も見ようによっては出るわけですね。こういう点は一つ何とかもう少し考えてほしいものだと私は思うのです。これは要望ですが、いずれその問題についてはまた申し上げます。
もう一つは、国鉄で金を預けておる預託金の問題であります。預託金は大蔵大臣がきめるところによって利息をつけるというのでありますが、大体企業性を追求しているのでいろいろ金が問題になるわけでありますが、預託金等の扱い、それに対する金利の問題等はどういうふうになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/72
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073・鹿野義夫
○鹿野説明員 たしか預託金は日歩八厘を付するかと思います。たしか四十億までは無金利で、四十億をこえた預託金は日歩八厘を付するということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/73
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074・久保三郎
○久保委員 四十億ときめておられる根拠はどういうことなんでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/74
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075・鹿野義夫
○鹿野説明員 数字的なこまかい根拠は実は十分用意しておりませんからあれでございますが、いわば一種の当座預金的な感覚で、しょっちゅう出し入れがあるわけでございますので、その中の一部分は当座預金的な感覚で無利子が穏当ではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/75
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076・久保三郎
○久保委員 ほかの公社等も同様でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/76
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077・鹿野義夫
○鹿野説明員 同様でございますが、電電はたしか四十億が二十億というところで線が切れているかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/77
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078・久保三郎
○久保委員 国鉄全体の予算あるいは財政からいけば、実際は大した金利ではないと思います。しかし電電が二十億で国鉄が四十億だというのはどういう考えでやっておられるのか、われわれには理解しにくいことと、もう一つは、当座預金的なものであるというが、国鉄は百五十億なら百五十億を限度に一時借り入れをします。当然これは利息を払っていると思います。それからコマーシャル取引で、とにかく商業的な取引でおやりになるのが一番明朗ではないか。私は国と国鉄の関係は非常に不明朗だと思います。公益負担の問題にしても、預託金一つとりましても、どうも何か経営がすっきりしないんじゃないかと思うのです。それは国の財産であるから、あるいは国鉄は安い金利でちょいちょい金を持っていくんだからということで、どうもそこらに一つ問題がありはしないかと思うのです。だからこれを四十億ときめることについては、当座預金というが、通知預金には普通金利はつくわけですね。そうすると当座預金というのは小切手で引き出すということでしょうか。それをもう少し研究していただいて、やはり公正なものにしていただく方がいいし、電電公社と差がついているようなことはどうも何か納得がいきかねますので、これも一つ御研究をいただきたい、こういうふうに思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/78
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079・塚原俊郎
○塚原委員長 次に、国内旅客船公団法案を議題とし、審査を行います。
質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/79
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080・久保三郎
○久保委員 国内旅客船公団の問題でお尋ねしたいのです。先般の御質問にお答えになったのですが、これは朝田海運局長にお尋ねいたします。五カ年計画でおやりになるということでありますが、五カ年計画の資金計画はどういうふうになっていますか。ことしの資金計画はわかりました。出資二億円、投融資三億円、合計五億円ということでありますが、五カ年計画のあとの、来年度からのものはどういうふうになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/80
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081・朝田静夫
○朝田政府委員 仰せの通り初年度の事業計画は出資二億円、資金運用部資金三億円の融資を仰いで、政府部内においては内定をいたしておりますが、次年度以降につきましては主として資金運用部資金でまかなって参りたい、こういうふうに考えておりますので、毎年度財政投融資計画の問題がございます。予算と並行してこの問題が毎年度ごとに決定をされる。しかし資金運用部資金でまかなって参りたいという考えはただいま持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/81
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082・久保三郎
○久保委員 まかなう根元はわかりますが、先般御配付いただいた資料によりますと約九億ずつを期待しているようでありますが、大体ことしは出資を含めて五億なのであります。来年度約倍額、投融資は三倍にもなるのですか。これはどういうふうに見通されているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/82
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083・朝田静夫
○朝田政府委員 前回の当委員会でも大蔵省から御発言があったと存じますが、この五カ年計画の資金計画につきましては、運輸省がこういうめどを持っているという御答弁であったと思うのであります。先ほど申し上げましたように、毎年度の資金運用部資金の手当が必ずこういうふうに参るということのお約束はできないと思いますが、私どもの五カ年計画ではこの程度の老朽船を一掃したい、代替して参りたい、こういう計画から、大体毎年度八億ないし九億程度の資金運用部の資金が必要である、こういうふうな考え方でおるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/83
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084・久保三郎
○久保委員 主計官にお尋ねしますが、大体大蔵省でこういう制度を作る場合には、およそこれは五カ年計画という規定でありますが、次年度からの資金計画といいますか、そういうものは全体としてやはり押えて、こういう制度をその中へ一つお作りになったと私は思うのですが、そうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/84
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085・鹿野義夫
○鹿野説明員 単に一年限りの補助金を出したというものと違いまして、公団を発足いたしたわけでございますから、全体としてどのくらいのベースでやっていくかという、いわば感覚的なものが当然あるわけでございます。ただ全体の計画というものは、住宅公団を作りました際も、道路公団を作りました際も、全体計画が確定して公団を発足させたわけでございませんで、大体の処理すべき全体の仕事のボリュームを考えながら公団を発足させていく。今緊急やむを得ないものを五年でやるか、今後八年でやるか、あるいはより完璧を期して十年でやっていくか、年がたつとまた新しい老朽船もできてきまずから、さらに年限も延びていくということにもなりましょうし、当初出資金二億、借り入れ三億、計五億で出発したということは、まあ初年度という面がありますが、一応五億という程度のものが一つのベースになって考えられてしかるべきだと思います。もちろん今後の財政全般の、投融資計画の全般の問題になりますから、余裕があれば少しでも早く老朽船の解消ということは当然やっていくべきことだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/85
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086・久保三郎
○久保委員 海運局長にさらにお尋ねしますが、大体九億のめどで五カ年計画は来年度から一応お考えになっているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/86
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087・朝田静夫
○朝田政府委員 私どもの考え方は、政府部内で——ただいま大蔵省からも御発言のありましたように確定はいたしておりませんが、私どもに関する限りそういう計画で進んで参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/87
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088・久保三郎
○久保委員 今の考えは、法案提出前に大蔵省はそういう計画の内容を承諾したかしないかわかりませんが、一応そういうことではお話は通じてあるわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/88
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089・朝田静夫
○朝田政府委員 事務的には御連絡を申し上げております。ただ毎年度の資金計画については、お約束をいただいておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/89
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090・久保三郎
○久保委員 この前、井岡委員からお話がありましたように、この五カ年計画では老朽船を一掃することは大へんなことだというような、全然できかねるというふうな御発言があったわけです。なぜ朝田海運局長はこういう小さいワクで、五カ年計画でお考えになったのか、その点あらためてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/90
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091・朝田静夫
○朝田政府委員 大体私どもの考えといたしましては、先ほど久保先生の御発言にもありましたように、当初の年度におきまして五億ということで出発をいたしましたのですが、事業資金が次年度から飛躍的に増加するということはなかなかむずかしいということ等もあわせて考えまして、必ずしもこれで満足をいたしておるわけではございませんが、一応五カ年計画というもののめどを立ててみますと、大体少くとも二百二十九隻、二万五百トンという数字が、これは最小限度の数字である。私どもはこの計画をもって足れり、こう考えておるものではございません。毎年度の財政投融資計画におきましても、できるだけ大幅な増額を期待いたしておるわけであります。五カ年計画だけでまだ老朽船が一掃されるとも考えられないような実情でありますし、次の五カ年計画あるいはそれ以後相当半永久的に続けて参らなければならぬというようなことも考えておるのであります。この五カ年計画が必ずしも十分なものとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/91
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092・久保三郎
○久保委員 もう一つお尋ねしますが、将来の国内旅客船による輸送の展望の上に基いてこういうのをおやりになったかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/92
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093・朝田静夫
○朝田政府委員 国内旅客輸送の青写真をかきますことはなかなかむずかしいことでありますが、将来の輸送量の増加といったようなものをあまり考慮に入れておりませんので、むしろ現在のままでも老朽船が非常に多いということの実情にかんがみまして、船質改善を計画的に代替をして参らなければならぬ、こういう考え方から出ておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/93
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094・久保三郎
○久保委員 そうしますと、今度これができると離島航路の問題の法律はやめになるわけでございますか。ああいう運命をたどるようにも考えるわけですが、そういう見通しは別に考えておらぬのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/94
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095・朝田静夫
○朝田政府委員 離島航路の整備法に基きます新船建造の利子補給の問題と同じような運命をたどるのじゃないか、こういう御質問だと思います。利子補給につきましては一般会計の予算の今までの経験から考えまして、なかなかそう広範に補助金というものが出ないということでありますし、また相当広範に計画的に老朽船を代替して参らなければならぬということのために、抜本的な措置として今回のこの公団を設立いたしたいということになっておるのでありまして、ああいう小規模な新船建造の補助というようなことでなしに、根本的な対策の一つである、こう私は考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/95
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096・久保三郎
○久保委員 今のお話で、離島航路のようなことにはならないだろう、こういうふうに考えておるようであります。私は新しいのでよくわかりませんが、離島航路なども十分発揮するのかと思ったら途中でやめてしまって、こういうことに切りかえるという、そのもの自体は安定性がないのじゃないか、これでやっても今度また一年やって、どうもうまくないから別なやつでやるということで、一貫していかないのじゃないか、こういうふうに心配するのです。この点で海運局長に要望しておきたいのは、もう少ししっかりしてやってほしいものだ、こう思います。
それから次にお尋ねしたいは、先般井岡委員の質疑の中で、たしか新しい船を作ると当然会社の負担も当面増す、だから運賃値上げもというような意味の御答弁があったかと思うのですが、そういうこともあり得るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/96
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097・朝田静夫
○朝田政府委員 公益的な性格から考えまして、国内旅客航路の運賃につきましては、値上げをするということは好ましくないと私は思います。しかしながら前会御答弁申し上げましたように、旅客船公団というものができましても、それによりまする新船建造から資本費の負担が相当大きくなって参りますから、その点につきましていろいろな航路補助といったようなもの、あるいは地方庁の協力といったようなものも期待はいたしますけれども、それにも限度があるとするならば、この旅客航路の利用者がある程度——程度の問題はございましょうけれども、ある程度負担をしなければならぬということもやむを得ないことだ、こういうふうに考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/97
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098・久保三郎
○久保委員 離島航路の整備の補助金は三十三年度はどれくらいでしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/98
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099・朝田静夫
○朝田政府委員 三十三年度におきましては三千三百万円であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/99
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100・久保三郎
○久保委員 そうしますと、これは見方によりますか知りませんが、政府出資二億で始まる仕事で、あとは財政投融資にといっても、これは返す金であります。それで作ったものが大衆の運賃値上げになる場合もあるというのではどうもわれわれ納得しかねる。これはこの間も質疑の中でありましたが、離島航路にやりっぱなしの金が年間三千三百万もある。それなら当然そういう金を公団運営の金にするなり何なりしてそういうところをカバーしなかったら、なるほど船会社と船はよくなるかもしれませんが、国家の負担は二億で、大衆は運賃値上げでまた締め上げられるということではどうも納得いきかねる。そういう点、海運局長どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/100
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101・朝田静夫
○朝田政府委員 三千三百万円の航路補助でありますが、これを旅客船公団にぶち込んだといたしますると、新船の建造あるいは老朽船の改造、こういうものに使われる事業資金でございますが、そうでない現在離島航路を運営いたしております運航の赤字に対する、欠損に対する補助でございますので、そういうことはなかなかむずかしいと考えるのであります。ただ、今御発言の旅客船公団ができたので新船ができるからといって運賃が上るということを私は申し上げる意思はないのであります。できる限りの行政措置あるいは地方庁の協力も要請いたしまして、やむを得ない場合があるであろう、こういうことを申し上げておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/101
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102・久保三郎
○久保委員 けっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/102
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103・塚原俊郎
○塚原委員長 ほかに御質疑はありませんか。——次会は来たる二十六日木曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後三時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103830X00919590224/103
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