1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
本小委員会は昭和三十四年一月二十七日(火曜
日)委員会において設置することに決した。
一月二十七日
本小委員は委員長の指名で次の通り選任された。
逢澤 寛君 中山 マサ君
長谷川 峻君 細田 義安君
山下 春江君 受田 新吉君
北條 秀一君 山口シヅエ君
同日
山下春江君が委員長の指名で小委員長に選任さ
れた。
—————————————
昭和三十四年一月二十八日(水曜日)
午前十時十九分開議
出席小委員
小委員長 山下 春江君
逢澤 寛君 中山 マサ君
長谷川 峻君 細田 義安君
受田 新吉君 北條 秀一君
山口シヅエ君
出席政府委員
厚生事務官
(引揚援護局
長) 河野 鎭雄君
小委員外の出席者
海外同胞引揚及
び遺家族援護に
関する調査特別
委員長 田口長治郎君
厚生事務官 渡邊光太郎君
厚生事務官 安福 信雄君
—————————————
本日の会議に付した案件
未帰還者に関する特別措置法案起草の件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103936X00119590128/0
-
001・山下春江
○山下小委員長 これより会議を開きます。
未帰還者に関する特別措置法案起草の件について議事を進めます。
本件につきましては、昨日の委員会において委員長より御発言のありました大綱に基き、小委員長において、お手元に配付いたしました試案を作成いたしました。この際この試案に基き、簡単に御説明を申し上げます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103936X00119590128/1
-
002・山下春江
○山下小委員長 終戦後、すでに十四年を経過する今日、なお三万三千余名に上る未帰還者があり、しかもその大部分が、現在も生存しているという期待の持てない者ではないかと推測されながらも、依然としてそれらの消息を明らかにし得ない状況にありますことは、ただにそれら関係留守家族の方々のみならず、国民のひとしく痛恨にたえないところであります。
このような未帰還者の調査究明及び帰還の促進については、従来から政府、民間一体となって努力して参りましたが、未帰還者の大部分が、終戦前後の混乱期にその消息を断った者であることを考えますと、いかに調査を徹底的に行いましても、なお状況を明らかにすることのできない者も多いのではないかと思われるのであります。
国会においても、従来からしばしばこの問題について調査、検討を進めて参ったのでありますが、結論として、このような未帰還者に関しましては、最終的戸籍処理を国が裁判手続によって行うことが妥当であると考えられ、また留守家族の希望に沿うことでもあると思われますので、この際国が所要の手続を講じ、その結果死亡したものとみなされる者の遺族には、できる限りの援護がなさるべきであると考える次第であります。
まず第一に、厚生大臣は、調査の結果に基いて末帰還者が終戦直後の混乱期及びこれに引き続く時期において死亡したのではないかと思われる者であると認める場合には、民法第三十条の宣告の請求を行い得ることとしたことであります。なお、この請求をする場合には、厚生大臣は、留守家族の意向を尊重して行わなければならないことにし、また、この厚生大臣の請求に基く民法第三十条の宣告を、この法案では戦時死亡宣告と呼ぶこととしております。
第二に、未帰還者が戦時死亡宣告を受けたときは、その遺族に対し弔慰料を支給することとし、その額は三万円、ただし、その未帰還者に関し恩給法による公務扶助料、戦傷病者戦没者遺族等援護法による遺族年金、遺族給与金等を受ける権利を取得した者に対しては二万円としたことであります。
第三に、終戦前後の混乱期及びこれに引き続く時期において死亡したのではないかと思われる夫帰還者が戦時死亡宣告を受けたときは、恩給法及び戦傷病者戦没者遺族等援護法等の適用については原則として公務によって死亡したものとみなして、それぞれの法律の規定による処遇を与えることとしたことであります。
第四に、未帰還者留守家族等援護法に規定する留守家族手当または特別手当は、本年八月一日以後は、過去七年以内に生存資料のない夫帰還者の留守家族には支給されないこととされておりますが、この期間を、未帰還調査の現状にかんがみ、さらに三年延長することとしたことであります。
その他、時効、弔慰料の免税、実施機関等所要の事項を規定しておりますが、この法律により昭和三十四年度において戦時死亡宣告がなされる件数は約五千件、これに要する経費は留守家族等援護費のワク内で処理できるものと見込んでおります。
それではこれより懇談会に入ります。
————◇—————
〔午前十時二十五分懇談会に入る〕
〔午前十一時十五分懇談会を終る〕
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103936X00119590128/2
-
003・山下春江
○山下小委員長 これにて懇談を終りたいと思います。
ただいま御協議願いました試案については、別段の御異議もないようでありますから、字句の訂正等は私に御一任願うことといたしまして、一応この案で小委員各位の御了解があったということにいたします。
本日は、これにて散会いたします。
午前十一時十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103103936X00119590128/3
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。