1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年二月二十七日(金曜日)
午前十時四十八分開議
出席委員
委員長 長谷川四郎君
理事 小川 平二君 理事 小平 久雄君
理事 中村 幸八君 理事 南 好雄君
理事 田中 武夫君 理事 松平 忠久君
赤澤 正道君 新井 京太君
岡部 得三君 岡本 茂君
鹿野 彦吉君 菅野和太郎君
木倉和一郎君 坂田 英一君
始関 伊平君 中井 一夫君
野原 正勝君 前尾繁三郎君
渡邊 本治君 板川 正吾君
内海 清君 大矢 省三君
勝澤 芳雄君 小林 正美君
堂森 芳夫君 水谷長三郎君
出席政府委員
通商産業政務次
官 中川 俊思君
通商産業事務官
(大臣官房長) 齋藤 正年君
通商産業事務官
(軽工業局長) 森 誓夫君
中小企業庁長官 岩武 照彦君
委員外の出席者
厚生事務官
(社会局生活課
長) 中村 一成君
通商産業事務官
(中小企業庁指
導部指導課長) 小林 健夫君
専 門 員 越田 清七君
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二月二十六日
委員永井勝次郎君辞任につき、その補欠として
黒田寿男君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十七日
委員黒田寿男君辞任につき、その補欠として永
井勝次郎君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
小売商業特別措置法案(内閣提出第二一号)
商業調整法案(水谷長三郎君外二十三名提出、
衆法第一三号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/0
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001・長谷川四郎
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
小売商業特別措置法案、商業調整法案、硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法の一部を改正する法律案及び輸出品デザイン法案、以上四案を一括議題といたしまして、審査を進めます。質疑の通告がありますので順次これを許可いたします。田中武夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/1
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002・田中武夫
○田中(武)委員 私は昨日の質疑に引き続きまして小売商業特別措置法案と商業調整法案につきまして質疑を続けていきたいと思います。
まず最初に次官にお伺いいたしたいのですが、この小売商業特別措置法案を見ました場合に感ずることは、政府は生活協同組合といわゆる購買会、これを同じように考えておられる、こういうような感じを受けます。と申しますのは二条、三条、四条等の規定を見ました場合に、この区別がなされていないのではなかろうかという疑いを持っております。政府は一体いわゆる購買会と生協を同一視しておられるのか。それともどういうように生協、購買会を把握しておられるか、まずお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/2
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003・中川俊思
○中川(俊)政府委員 生協と購買会とはおのずと事情が違っております。法律に規定してあります通り、員外利用を認める認めないということにおいて違っておるわけであります。しかしいずれにいたしましても小売商との摩擦が生ずることは購買会、生協とも同じことでございますから、従ってこれらの関連する問題を解決するためにこの法案を出したのでございまして、両方とも小売商との摩擦がなるべく緩和するように持っていくということが本旨でございます。購買会は購買会としての使命がございましょうし、生協は生協としての員外利用をさせない、なるべく生活協同組合の組合員の利用に供するということが本旨でございますから、そういう点におきまして趣きを異にしておる、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/3
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004・田中武夫
○田中(武)委員 生協と購買会とは違う、だがしかし小売商に対して影響を与えるという点においては同じだから、この法案において同じような扱いをしたんだ、このような御答弁であったと理解いたします。そうするならば、百貨店も小売商に及ぼす影響の面からいえば同じことになります。だがしかし百貨店をこれに書かなかったのは、百貨店法が別にあるからだとおっしゃると思うのです。それならば生協につきましても消費生活協同組合法という法律があって、それによって指導監督を政府がみずからしておられるわけであります。小売商業特別措置法案で規制ということではなく、母法であるところの消費生活協同組合法によって指導監督の面からその影響緩和を考えるべきじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/4
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005・岩武照彦
○岩武政府委員 その点は立法技術の問題かと存じます。ただ小売商業者を保護し、できるだけ活動の機会を多くしょうという建前からいいますれば、消費生協法の方に入れるのは、ちょっと法律の趣旨からいって筋が違いはせぬか、こういうことが普通法律を作る場合の常識でございますので、われわれとしましては、消費生協の員外活動のところにおきまして小売商との摩擦が起るわけでありまして、その点は小売商業を律する法律の方で規制するのが本当だろう、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/5
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006・田中武夫
○田中(武)委員 生協の母法においても員外活動は原則として禁止しておって、特に都道府県知事の許可があった場合に許す、こういうことになっておるわけであります。従ってその規定の上に立って認可を受けて、そうして消費生活協同組合法によって政府みずからが指導監督をしておられるわけなんです。それになおそういった面が生ずるということは、政府みずからの、これは厚生省関係が直接担当とは思いますが、指導監督が十分でないということも言えると思うのです。しかも今おっしゃるように、小売商に及ぼす影響という点からならば、これは百貨店の方がより大きな影響を与えておる。それならばなぜ百貨店のことについてもこの法律において取り上げないのか。その理由は百貨店法が別にあるからだと言うと思う。それならば生協においても、なぜ生協法によってこれを規制しようとしないのか、この法律にあげたのか、この点はただ単なる立法技術上というあいまいなことでは許されないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/6
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007・岩武照彦
○岩武政府委員 生協法の目的は、これは生協をある秩序立った組織をもって発展さすということにあるわけであります。小売商との関係でありますれば、むしろ無制限な発展は困りやせぬか、やはりある点の調整は要るだろうということが当然考えられるわけであります。その調整点といいますのは、やはり員外利用の点であります。員内の点につきましては生協法が実際あるわけでありますから、問題はないと思いますが、員外はむしろ小売商との調整をはかる意味の小売商業関係の法律で行うのが理屈だと思います。百貨店法は百貨店の助成をするものじゃありませんで、これは百貨店活動を規制するというのが趣旨でございますから、これは小売商業特別措置法と趣旨を同じくしておりますので、百貨店と小売商との関係は、向うの法律で改正してもよろしい、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/7
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008・田中武夫
○田中(武)委員 それはおかしいと思うのです。小売商側からながめて影響があるから、生協に対しても小売商業特別措置法を規定したのだ。こうでしょう。それならば百貨店においても同じことなんです。百貨店は百貨店法があるから、その法律でやるのだ、それならなぜ生協に対しても母法においてこれをやろうとしないのか。単なる立法技術上の問題というようなことじゃないと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/8
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009・岩武照彦
○岩武政府委員 消費生活協同組合法の目的は、御承知のごとく、その第一条に、「国民の自発的な生活協同組織の発達」と書いてあります。この意味は消費生活協同組合という組織の発達をはかるということでありまして、従ってその組織の活動を抑制するというような事項は、ほかの法律を作るとしますれば、その中に入れるのが当然だと思います。百貨店法は、これは消費生活協同組合法とは違いまして、初めから小売商業との摩擦を解決するためにできた法律であります。だから別段この小売商業特別措置法で解決しなくても、向うの法律で必要ならば改正したらよろしかろう、これは前に申し上げた通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/9
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010・田中武夫
○田中(武)委員 生協の目的は今読まれた通りなんです。そうするならば、一体政府は生協という組織、すなわち国民の自発的な活動、これを規制しようとしておるのか、それとも指導育成しようとするのか、その点についてはどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/10
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011・岩武照彦
○岩武政府委員 経済社会のことは、一つの組織があって、それが完全な独走を許すということは困るだろうと思います。やはりほかとの摩擦があれば、できるだけ摩擦のないようにするのが、われわれの政策の任務だろうと思っておりますから、消費生活協同組合の発展は、これは国としましても各種の法措置が講じてあるわけでございますが、員外活動まで保護するのは、これはどうかと思っております。むしろ小売商との摩擦が起ればこれはやはり何らかの形で規制するのがほんとうだろう、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/11
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012・田中武夫
○田中(武)委員 生協法自体に、十二条三号にちゃんとそのことを規定してあるではありませんか。その許された範囲において行動をとっておる。それから出てくる問題について他の法律によって規制しようとする考え方は、私はどうも理解ができない。もしその許された法の範囲内における活動を逸しておるというならば、生協を指導監督する、その衝にある者が当然やるべきことであって、中小企業庁長官ごときが、はたからとやかく言うべき筋合いじゃない。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/12
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013・岩武照彦
○岩武政府委員 消費生活協同組合法の員外利用の許可の問題につきましては、主務官庁の厚生当局からも屡次通牒が出ております。おりますが、その範囲はきわめて限られたものに認めるという趣旨でございまして、たとえば山間僻地の場合であるとか、あるいは生活要保護者が一定の証票を持ってきた場合に限りやられておりますが、現実にはそういうことでないということは事実御承知の通りだと思います。現にわれわれのところにも各府県あるいは商工会議所からいろいろな事例も参っておりまして、今の母法はやはり母法の精神がございますから、組織の健全な発達をこいねがう余り、ややともすれば、その範囲を逸脱しておるのではないかと考えられますので、小売商業を助長いたしますためには、全般的な法律の一部に入れて、この問題を考えていくのが妥当であろう、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/13
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014・田中武夫
○田中(武)委員 それではあなたは、厚生省がしておられるところの生協に対する監督指導、あるいは法の委任によってなすところの都道府県知事の指導監督、これが誤まっておる、こういうことをはっきりお認めになるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/14
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015・岩武照彦
○岩武政府委員 誤まっておるとは申し上げません。十分力を尽しておると思いますが、なお行き足らぬところがあるようだ、こういうことを申し上げたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/15
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016・田中武夫
○田中(武)委員 誤まっていなければ、何もそのほかの法律で、とやかく所管外から文句をいう必要はないと思う。ところが今言っておるのは、生協自体が生協としての本然の姿でなく、他のことをやる。そこからくるトラブルがあるから、この法律で云々と言われるでしょう。それなら、そういう事実があるとするならば、まずその監督の衝にある者が監督を誤まっておる、こういうことをはっきりとあなたが指摘せられたということになるのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/16
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017・岩武照彦
○岩武政府委員 監督を誤まっておるわけではございませんし、適正な方法で十分行われておりまするが、ややもしますれば、下部の組織はその趣旨を理解しませんで、いろいろ行き過ぎもあるようであります。むしろこういう法律が出ますれば、監督官庁の方もよけい指導しやすいであろう。また消費生協の方でも、昨日も申したように、やはり員内の利用で利益を組合員に還元して参るというのは、これは東西の消費組合運営の理想であります。だれに売ったかわからないというふうなやり方をしておるのは、これは消費生活協同組合運営の本来の姿じゃないだろう。だからこういうふうにいたしますのは、結局組合員に対するサービスの度合いがはっきりわかりまして、消費生活協同組合自体としても仕事がやりやすくなる、こう思っております。だから、よそからこれを仕事を押えるというのではございませんで、組合本来の仕事がやりやすくなるということで、むしろわれわれとしましては、消費生活協同組合自体も、また監督官庁も、この法律によって適正な運営が行われるということで、やりやすくなる、こういうお手伝いをしておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/17
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018・田中武夫
○田中(武)委員 もしおっしゃるような誤まったことがかりにありとするならば、あなたの方でとやかく言う前に、当然法によって監督すべき立場にある人が監督するのが当然でしょう。それをなおかつあなたの方からこういう法律を出すということは、その監督の職にある人の監督が不十分であるというか、監督ができていない、こういうことの上に立って出すのでなければ出せないのです。こういうものを出す以上、あなたは厚生省並びに都道府県知事の生協に対する指導監督に誤まりあり、こういうことを岩武中小企業庁長官が認定せられた結果である、こう思わざるを得ません。もう一度御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/18
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019・岩武照彦
○岩武政府委員 監督に誤まりあったとは私存じておりません。現に厚生省から出されました員外利用の許可の場合の通牒は、非常に範囲も狭く、かつ適正なものだと思っております。ただその通達の趣旨が、末端におきまして十分に徹底しないうらみがある、こういうように考えております。従ってこういう法律によりまして、その監督がしやすくなるのじゃないか、こう思っております。別段われわれの方から、厚生省の監督がどうとかこうとかいうことでなく、厚生省もこの法律によりまして監督しやすくなるだろう、こういうことを申し上げたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/19
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020・田中武夫
○田中(武)委員 かりにおっしゃるように、末端においてこの趣旨が徹底していないがために起る事態ありとするならば、一体その責任はどこにあるのですか。末端の生活活動者にあるのか、それを当然指導監督すべき任にある人にあるのか、それともまたその通牒等を十分伝達徹底させなかった人にあるのか、これはどこにあるのかお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/20
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021・岩武照彦
○岩武政府委員 それはいろいろな場合がございましょうから、一がいに申せることではないと思っております。ただ申せますことは、各地で御承知のようにいろいろな事態が起っておる、あるいは起きたことがある、こういうことでございます。個々の場合におきまして、だれが責任あるとかないとかいうことは、この際あまり問題じゃないだろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/21
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022・田中武夫
○田中(武)委員 もしそういうことがあるなら、法律によって指導監督すべき人がきまっておるのですよ。その人がまず第一次的にやればいいのです。それがやれないというのですか、それともやっていないというのですか。それならそういう職にある都道府県知事あるいは厚生省自体が怠慢である、こういうことにならざるを得ないと思うのです。あなたはそういうことを認めた上でなければ、そういう発言はできないと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/22
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023・岩武照彦
○岩武政府委員 そういうふうな個々の事態になりますれば、一例をあげましょう。たとえば米子の生協のごときは、これは厚生当局も心配され、現地を調査されておるのであります。また県も非常に心配しまして、何とか小売商業者と消費生活協同組合との間を取り持とうと数次にわたってあっせんしたのでありますが、消費生協側は席を同じくして語るのはいやだと拒否しております。そういうことになりますれば、これはもう監督の責任を論じますよりも、むしろ生協の理事者のあり方いかんということになるのでありますから、私はそういうような責任がどこにあるとかないとかいうことよりも、この事態を円満に片づけるにはこういうものがあった方がよかろう、こういうことを申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/23
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024・松平忠久
○松平委員 関連して質問したいと思うのですが、岩武君も御承知のように、消費生協の法律の中には監督規定というものがかなり詳細に規定されております。第八章はことごとく監督規定である。九十五条から以下ずっと監督規定がありまして、これは改正も数回されております。そうして立ち入り検査とかあるいは員外利用の場合の罰則もついておるわけなんです。あなたはそれを御承知なんでしょう。しからば、今あなたが言ったのはこの監督規定というものは不備だ、こういうことになるのか、あるいは監督をするものの側にあるつまり厚生省、都道府県知事の行政的な措置というものが何らかの不備がある、こういうことをあなたは言っておるのですか。どっちなんですか。それは両方なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/24
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025・岩武照彦
○岩武政府委員 私が申し上げたいのは、法律はよくできておりましょうし、また厚生省当局の指導も十分できていると思いますが、何せこういう自発的な組織でございますから、いろいろと各地で問題があることは、これはまた事実だろうと思います。ただ一片の法律の監督だけで是正されるとは考えておりません。やはり角度をかえまして、小売商との摩擦を解決するという見地から、この問題をもう一ぺん取り上げ、そうして法律規定を整備いたしまして、監督の方々が仕事がやりやすくなる、あるいは消費生協自体も自分の本来の運営がうまくいくようになるということを、この法律ではねらっておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/25
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026・松平忠久
○松平委員 そういうことであるならば、これは消費生協の法律自体を改正すればいい。これは監督規定が不十分である。その趣旨がよく徹底していないということをあなたは言っておった。そういうことであるならば、その個所を直していく。本法があるならばその個所を直していったらどうですか。私はそれが一番常道であろうと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/26
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027・岩武照彦
○岩武政府委員 話は前に戻るわけでありますが、消費生活協同組合という組織の発展をはかる法律では、やはり監督規定その他は、これは法律の趣旨に照らしまして十分でないこともあるかもしれませんし、また施行する人もその発展をはかるという見地から監督指導する。やはり立場をかえまして、見地をかえて、小売商との摩擦防止という見地から、新しい法律秩序を作り出す方が、この問題妥結にはよりベターではないか、こういうことを申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/27
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028・松平忠久
○松平委員 要するにこれは員外利用が小売商との間に摩擦を生ずる、こういうわけであるわけです。そこで員外利用をしてはいかぬ、しかし特別の許可があった場合には員外利用をしてもいい、こういうわけなんだから、そのときに厚生省が中小企業との間の摩擦を避けるためにそれも考慮しながら、員外利用を許可する場合にはそれも考慮の上に置いてやるということを、厚生省自体がやっていけばいいことじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/28
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029・岩武照彦
○岩武政府委員 員外利用については、先ほど来申し上げまするように、かなり厳格な通牒は出ておりますが、その通牒の趣旨が十分徹底してない場合があります。あるいは員外利用の許可を受けなくて利用させている場合もあるようであります。いろいろの場合がございまするので、やはり先ほど来申し上げましたように、消費生活協同組合法という法の見地からでは、そういう問題を律するには不適当だと思っております。従って小売商との摩擦を解決し、小売商に活動の機会を確保するという趣旨の法律からこの問題をもう一ぺん取り上げて、新しい法律関係として規律した方が問題の解決にはベターだろう、こういうことを申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/29
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030・松平忠久
○松平委員 それはおかしいと思うのだ。員外利用をしてはいかぬということがあって、そして員外利用をした場合には罰則の規定もある、立ち入り検査等の監督上の規定もある。であるにかかわらず、もしそれだけでは不十分というなら、それを補強していけばいい、それが常道ではないかと私は言ったんだ。あなたはどう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/30
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031・岩武照彦
○岩武政府委員 そういうお話であれば、この消費生活協同組合法を根本から直さなければいかぬだろうと思います。(「直したらいいじゃないか、何を言っているんだ」と呼ぶ者あり)そういうことはそう緊急にできませんから、だからこういうふうな新しい角度からこの問題を律した方がいいだろう、こう申し上げておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/31
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032・田中武夫
○田中(武)委員 大体岸内閣は精神分裂を起したのと違うのですか。ということは、これは次官に聞こう。今も長官みずからが読まれたように、消費生活協同組合法の第一条の目的には、「この法律は、国民の自発的な生活協同組織の発達を図り、もって国民生活の安定と生活文化の向上を期することを目的とする。」とあります。国民生活の安定と生活文化の向上が目的なんですよ。それを一方において他の法律において押えようとする。一方において生活向上、安定ということを持つ法律に対して、一方違ったことをやろうとしておる。これは精神分裂を起したのではないかと思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/32
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033・中川俊思
○中川(俊)政府委員 精神分裂を起したかどうかは一つ田中さんの御判断におまかせをいたしまして、私はここで岸内閣が精神分裂を起したとかどうとかいうことに対する答弁はいたしませんが、先ほど来いろいろ言っておられるけれども、私がいつも考えておることは、日本ではあんまり法律が多過ぎると思う。実際多過ぎて、そしてがんじがらめに国民を縛り上げてしまうという風潮がある。実際われわれ自体も法律はわからないのですよ。この国会にどういう法律が出たのかということを突然地方へ行って聞かれても、わからぬ場合がある。そういうことで、私は法律をきわめて複雑にすることはほんとうはきらいなんですよ。私はそういう趣旨で、今までもわずかの期間ですが、通産省でいつでも事務当局に、あまりやかましいことをやらぬ方がいいだろうと言っておる。言っておるが、考えてみるとやはり国民自体も考えてもらわなければいかぬことは、(「政府だ、国民の責任じゃないよ。」と呼ぶ者あり)政府も考えなければならぬが、国民が、われわれを初めとして、なかなか法律がわからないから、自然読まないということにもなるのだろうと思いますが、実際法律を守らない。だから先ほど来いろいろ言っておられるように、通産省と厚生省との間に、厚生省のやることを通産省がよけいなことをやらぬでもいいじゃないかというようなお話もありますけれども、これは御承知の通り厚生省と連絡をとってやっておることですし、生協法だけを改正したらいいじゃないか、何も小売商業法をやらぬでもいいじゃないかということでございますが、しかしこれは外部から関連補強をするという手もあると思うのです。何も厚生省関係の法律だから通産省はこれに全然関係をしてはいけないということもないと思うのです。通産省関係の法律で、外部から関連補強をやる場合もあるだろうと思うのです。しかし要するに問題は、小売商業特別措置法とか生協法とかいう法律があっても、それを生協なら生協がきちっと守ってくれれば問題はないのだけれども、守ってくれないので、こういうことを外部から関連補強をやらなければならぬという結果になるのです。だから私は先ほど来申し上げます通り、こんなに法律をやかましくして複雑なことにするということはほんとうは反対なんだ。反対なんだが、日本国民というのは法律を守らない。抜け道ばかり考える。どうしたら脱法行為ができるかということを考える悪質なのも相当おるのですから、(「岸内閣が悪いのだ」と呼ぶ者あり)岸内閣が悪いのか、だれが悪いのか知らないが、そういう点からいいましたならば、やはりこれは今回通産省が出しました小売商業特別措置法でもって関連補強をやろうというのです。だからそういう点で、厚生省の関係の法案に対して、通産省はけしからぬじゃないかというようなことがありますけどれも、同じ岸内閣の政府ですから、厚生省も通産省もありませんよ。しかもこれを出すについては厚生省と十分に打ち合せをやって出しておるのですから、(「反対しておる」と呼ぶ者あり)いや、前は反対しておったけれども、今は了承しております。了承しておるのですから、そうあんまりがみがみ言わぬようにして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/33
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034・田中武夫
○田中(武)委員 物事には順序があるのです。このことは次官もよくおわかりと思います。生協法に若干の違反がかりにありとしても、それを是正するのには物事に順序がある。まず厚生省の手において、あるいはその委託を受ける都道府県知事の手においてやって、だがどうもわれわれの手に負えませんから、敏腕をもって鳴る中小企業庁長官にお願いいたしますということがあって、初めてこういうことになるかと思うのですが、どうなんですか。最初は反対しておったが、今はそうでもないと、こういうことなんですが、厚生省自体はこれに反対しておる、事務局も反対しておったと私は聞いております。先ほどまた長官みずからが、そういうことなら生協法を根本的に直さねばならないと、こう言う。根本的に直すのは、どこが根本か私知りませんが、第一条の目的に沿うて生協法を直すならそれは直したらいいと思う。なぜ生協法改正ということを考えずに、こんなことをやったのか、もう一ぺんお伺いします。誠意ある答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/34
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035・中川俊思
○中川(俊)政府委員 厚生省が反対しておったとかなんとかおっしゃるけれども、この法律を出しますのにはもう各大臣がみな出てきたところで閣議の了解を得て出しておるのですから、初めはそういういきさつがあったかしらないが、今日はそういうことはありませんから、これは一つ誤解のないように願います。それから生協法を改正したらどうかという、これもいいでしょう。私は別に何もこれにこだわるわけでもないけれども、しかし先ほど来申しますように関連補強ということも考えていいと思うのです。何もこれは生協法だけ改正して、それなら小売商業特別措置法案を出さなくてもいいということにも私はならないと思う。生協法を改正すべき点があったら厚生省は十分に改正案を作って、そうして閣議にかけて出せばいいのであって、厚生省がこれを直ちに出さぬというのは、これは厚生省がその必要を認めていないのかもしれません。(「その通り」と呼ぶ者あり)それは小売商業特別措置法を出してくればそれでいいというふうに考えておるのかもしれません。私は厚生省の考えはどうか知りませんよ。知らないが、私はそうじゃないかと思う。だから要するにこの小売商業特別措置法案を出して関連補強すれば、私は厚生省はそれで満足しておるのじゃないかと思うのです。厚生省はどう考えておるか知りませんが、それは必要があれば出すでしょう。私はそう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/35
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036・田中武夫
○田中(武)委員 どうも話が語るに落ちるところにきよると思うのですが、おっしゃるような事態があるとするならば、その直接の担当であるところの厚生省が消費生活協同組合法改正ということを考えるでしょう。担当局自体がその必要を認めていないのに、ほかから、人のせん気を頭痛に病むというのですか、そういう言葉がありますが、そういうことをなぜやらねばならないのかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/36
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037・中川俊思
○中川(俊)政府委員 それは私が先ほど来しばしば申し上げております通り、これは閣議にかける前に御承知の通り各省でもって、事務当局同士で十分協議をして、そこで、それじゃこの国会ではとりあえず小売商業特別措置法でいこうじゃないか、こういうことになったのですから、厚生省と通産省は何も対立しておるわけじゃございません。事務当局の話し合いを済まして閣議にかけて出しておるのですから、厚生省としても生協法を今改正する時期でないと考えておるのかもしれない。このたびは、とりあえず通産省の出した小売商業特別措置法でいい。もしこの法律が施行されて後になおいろいろな障害が生じて、どうしても生協法を直さなければならぬというふうになれば、あるいは直すかもしれません。私はそう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/37
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038・田中武夫
○田中(武)委員 次官にそれではもう一ぺんお伺いしますが、本来ならば、物事を順序を立ててやることが望ましい、これはお認めになると思うのです。先ほどの御答弁の中でも、ほかの法律で外部補強をすることもかまわぬではないか、こういうことですから、それは次善の策だと言える。そうするなら、本来の姿である生協法によって、あるいはその改正によってそういうことを是正することができる、こういうことなら、道はその方が本筋である。このことはお認めになりますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/38
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039・中川俊思
○中川(俊)政府委員 本筋であるかどうか私はわからないです。あるいはこの方が本筋であるかもしれないと思うのです。あるいは小売商業特別措置法というものからやっていくのが本筋であるかもしれない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/39
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040・田中武夫
○田中(武)委員 ちょっと今の答弁はおかしいですよ。先ほど外部補強という言葉を使われた。少くとも小売商特別措置法ということは、生協に対しては直接的な法案じゃないのです。外部法なんです。それなら内部法によって是正を考えていく、これがほんとの筋ではないか、しかも員外利用のことについては、この母法の十二条三項に、何回も言っているように明記してあるのです。だから、その必要があるなら母法でやればいい。このことをお認めになるかどうか、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/40
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041・岩武照彦
○岩武政府委員 法律論になるようでございますので、私から申し上げますが、小売商の全般の施策に関係しますことは中小企業庁がやっておるわけであります。またこの法律でできるだけ中小商業者に関しますることを律して参りたいと思ったわけでございます。従って、この生協と中小商業者との摩擦が起るところは員外利用でございます。この法律でやるのも当然だと思っております。ただ、幾らやると申しましても、員内に売る場合のいろいろなやり方その他については、これはいろいろ母法がありますし、できればその方がいいでしょうけれども、それが間に合わなければこれでやってもいいんじゃないかと思っております。だから、これはそういう意味で小売商業者の立場を考えた法律でございますし、またその立場は、われわれは中小企業庁でございますから、むしろわれわれとしては員外のことはこの法律でやるのが当然だと思っております。向うの方は、むしろただし書きで例外を作ったのでございますから、私の方でやるのがほんとうだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/41
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042・田中武夫
○田中(武)委員 長官もまた精神分裂を起したようだ。前段の答弁と後段の答弁が食い違いました。できるならば母法でやるのもよかろう、こういうことだった。できるなら母法でやっていいんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/42
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043・岩武照彦
○岩武政府委員 内部の活動を申し上げたんです。内部の活動、つまり員内の活動に関しますことは、これはできるだけ消費生活協同組合法の方がいいでしょうが、それが間に合わなければとにかくこれでやっていいが、員外のごときにつましてはこの法律でやるのが当然だと思います。だから、員外活動については小売商に摩擦を起すこともありますので、この問題はむしろこれでやってけっこうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/43
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044・田中武夫
○田中(武)委員 員外々々とおっしゃるが、員外活動は原則としてこの母法において禁じてあるのですよ。それをなぜ員外々々とおっしゃるのか私はよくわからないのです。そうするならば、あなたがおっしゃるように、小売商に関係のあることはこの方面からというなら、この小売商業特別措置法に載っている以外のことで、きのうからも私が何回も申している、他にもっと大きく影響を与える面がたくさんあるのです。そのことに対してほおかぶりしておりながら、こういう点に対して、しかもはっきりとした監督庁もあり、監督規定も多くあり、母法もあるにかかわらず、こういうことをやるということは、私はきのう申し上げたように、いわゆる分裂政策をもって臨むというこの筋に立って、小売商と生協と相争わしめる、そういうことによって保守政権の安定をはかっていくという分裂政策、かつてイギリスが植民地政策として用いた分裂政策、これに立っておると言わざるを得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/44
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045・岩武照彦
○岩武政府委員 昨日来田中委員等の御質問に対してお答えいたしましたが、小売商業に関しますことはできるだけ広くこの法案に入れたいということがわれわれの念願であります。昨日御指摘のありましたスーパー・マーケットのごときもこの法律で全部処理する考えであります。また昨日ありましたこの登録制の問題、これはいろいろ見解の相違かと思っております。私の方も、登録制なりあるいは許可制ということが実行可能でありますれば、これはこの案に取り入れるにやぶさかでございませんが、そういうふうな制限措置は、国の雇用政策あるいは就業問題の一番基本原則でございますから、われわれ当局としましてはこれはとり得ない、こういうことで申し上げたのであります。従いましてごらんのように、今まで問題になっております小売商業に関します問題は、全部とは申し上げませんが、きわめて広く取り上げておるつもりでございます。なお、お答えしておきますが、小売商業の振興の正攻法は、これはむしろ他のものを抑えることだけではだめでございますから、われわれとしましては小売商業者の組織の強化、その金融の円滑化等につきましては、これは今後とも一段の努力をするつもりでございます。この法律だけで振興が大いにできるということは申し上げておらぬわけでございます。その趣旨におきまして、これは特別措置法というふうにきわめて遠慮した名前をつけてあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/45
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046・田中武夫
○田中(武)委員 今おっしゃるように、この特別措置法案が小売商に影響を与えるすべてのものを網羅していないということはお認めになったわけです。しかも、たとえばスーパー・マーケット等の野放しになっているところすら、そのまましてておいて、はっきりした法律があって指導監督を受け、罰則まで持っておるものに対して、なお二重の規定を置くということは、私はどうも納得いかないのですが、もう一度御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/46
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047・岩武照彦
○岩武政府委員 スーパー・マーケットの問題は、昨日申し上げましたように、これはいろいろなスーパー・マーケットがございます。百貨店資本とか私鉄資本だけでなく、いろいろなものがございますが、そういう問題が起りますれば、これは都道府県知事のあっせん、調停で片づけよう、こう申し上げたわけであります。そこでみんな拾われております。それからメーカーや問屋の小売行為の問題もこれでやろう、だから今まで問題が起っておりますことは、ほとんど大部分がこの法案で処理できると思っております。あるいは小さい二、三の問題が残っておるかもしれませんけれども、私の了解します範囲では、登録制、許可制の問題を除いては大体この法案で処理できる、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/47
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048・田中武夫
○田中(武)委員 スーパー・マーケット等については、知事のあっせん調停によって処理ができる。こうおっしゃるのでしょう。ならば、生協自体は現に知事の監督を受けておるのですよ。スーパー・マーケットとかメーカーの直売とかいうような問題、しかも生協よりか資本力を持つ問題が知事の調停、あっせんによって処理できるにかかわらず、生協には現に同じ知事が指導監督をしているにかかわらず、それになおこういう法律を必要とする理由はどこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/48
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049・岩武照彦
○岩武政府委員 それは先ほど申しました米子生協の例で明らかであります。これは県当局のあっせんも拒否されておる状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/49
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050・内海清
○内海(清)委員 今のと関連してちょっと質問いたしますが、この法案にあっせん、調停、勧告とこうありますが、百貨店はこの法案では勧告の対象になっておらぬと思うのですが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/50
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051・岩武照彦
○岩武政府委員 百貨店の方は百貨店法の規制に属しておりまするから、百貨店法第九条でありましたか、主務大臣の勧告規定もございまするので、その方で処理するということでこれからはずしております。しかしこの勧告は同じ趣旨でございまするから、やはり小売商業者に活動の機会を確保するという趣旨からいいますれば、百貨店法の規定の勧告もこの法案によりまするあっせん、調停も同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/51
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052・内海清
○内海(清)委員 そうすると大体スーパー・マーケットとか、あるいはその他の卸売の小売進出というような面はこれでいく。ところが百貨店は百貨店法でやるから、これは勧告の対象になっておらぬ、そういうことであるならば、生協にも生協法というはっきりしたものがあるのです。同様に考えていいのじゃないかと思うのですが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/52
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053・岩武照彦
○岩武政府委員 先ほどから申し上げまするように、消費生活協同組合法は消費生活協同組合の発展をこいねがっている法律であります。従ってそれらの勧告もそういう趣旨でございますから、われわれとしましては小売商業者と摩擦の起る面は、こういう法律で処理するのが適当だろう、こう申し上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/53
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054・内海清
○内海(清)委員 どうも言われることがはっきりわかりませんが、生協法によっては生協の育成発展をはかるのだから、これではできないから、この法案によってやるということである。ところが生協法にもちゃんと生協に対する規制のあれがある。員外利用に関してはちゃんとした規定がある。この母法にあるものをなお強化補足することによってこれをやれば、何もこの法でやる必要はないと思う。これは今の百貨店法の場合も同様である、この点、はっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/54
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055・岩武照彦
○岩武政府委員 消費生活協同組合法で員外利用を押えておりまするゆえんは、消費生活協同組合の健全な発達をはかるためには、員外者に対するサービスよりも、まず員内を固めて十分に活動できるようにしようという趣旨からできておるわけであります。むしろ、この法律の第一条にございまするように、生活協同組合組織の発達をはかるために、員外利用を押えたわけであります。だからやはり根本はあくまで組合の発達をはかるために員外利用を許可制にしたわけであります。小売商との摩擦を防止する云々ということのために員外利用を制限しておるわけではないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/55
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056・松平忠久
○松平委員 それはちょっとおかしいと思う。山間僻地であるとかあるいは独占企業に近い電気、ガス事業あるいは保育園、生活保護者に対する事項、こういうように列挙して員外の利用を許可する基準というものを通達しておるわけです。そのこと自体はどこから見ても、小売商との摩擦を避けるという趣旨がちゃんとそこにあるわけだ。これは山間僻地にしてもそうだし、あるいは電気、ガスにしてもそうです。そういうことであるから、それは摩擦がないわけじゃない。摩擦がないということを前提にしてやっているわけなのです。摩擦があったら困るということを前提にして許可をしてはいかぬということになっておる。それはどう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/56
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057・岩武照彦
○岩武政府委員 厚生省の通達でありますが、許可基準の最初には組合員の利用を妨げない限度内においてなされる、これが第一の問題であります。という意味は、やはり員外をあまりやると組合員の利用を妨げて、本来の組合の健全な発達に害がある、こういうことだと思っております。害のないような場合、あるいは御指摘のように、ほかに適当な組織がないとか、あるいは社会的見地から見て、いかにも生活保障とか何とかをしなければならぬという問題のときには、これは例外として認めるということでありますから、これはむしろ小売商との摩擦防止ではございませんで、付帯的なサービスできわめて限定されている場合だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/57
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058・松平忠久
○松平委員 それだったらその通達の中へ、小売商との摩擦を避ける場合には、員外利用をしてはいかぬということを入れたらよいじゃないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/58
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059・岩武照彦
○岩武政府委員 通達でできますことなれば、今まで十分やっておるだろうと思いますが、やはり末端の組織なりにいろいろな問題が起っておるのでありますから、この際見地を変えて、こういう摩擦の調停という見地から、員外利用を規制したらどうか、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/59
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060・松平忠久
○松平委員 そういう通達は出したのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/60
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061・岩武照彦
○岩武政府委員 最近厚生当局の意見は知りませんけれども、現にあれほど問題が起っておる場合もありますので、一片の通達ごときもので片づくとはとうてい考えられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/61
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062・松平忠久
○松平委員 そういうふうに、中小小売商との間に摩擦があれほどあったと言われておるけれども、そういう場合に、あなた方は厚生省に対してそういう通達を出せということをやったかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/62
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063・岩武照彦
○岩武政府委員 この問題は内閣の中小企業振興審議会でありましたか、あるいは通産省の産業合理化審議会の中小企業部会でございましたか忘れましたが、たしか三、四年前に問題になりまして、厚生当局にも種々伝えていろいろやったことはございます。十分そういう趣旨は伝わっていると思っておりますが、やはり末端ではそう参りません。これは小売商との摩擦調整という国の意思がはっきり末端に伝わる方法はやはり要るだろうと思っております。そのためには消費生活協同組合法に基きます通達ということよりも、別の見地からの法律の一部としまして、はっきり国の意思を明示した方が問題の解決にベターであろうということを先ほど来申し上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/63
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064・松平忠久
○松平委員 私の聞いているのはそういうことではない、現にいろいろな摩擦があったというから、そのときにあなた方は厚生省に話して、通達を出せということをやったかどうかということを聞いておるのだ、それだけ答弁すればよいんだ。あなたは今末端においてはそういうことは不徹底だということを言ったけれども、末端に対してそういう通達を出したかどうかということを聞いているんだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/64
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065・岩武照彦
○岩武政府委員 それは先ほど来から申し上げますように、出したかどうか具体的な事実は私は存じませんが、出してもらうように話をすることは当然だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/65
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066・松平忠久
○松平委員 出してもらうように、あなた方はいつだれに話をしましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/66
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067・岩武照彦
○岩武政府委員 三、四年前の事実でありますから調べまして申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/67
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068・松平忠久
○松平委員 それでは調べて、いつどういう会議で出したか、それは文書によって出したかどうか、しからば何ゆえに厚生省はあなた方の要望を取り次がなかったか、それは追って厚生大臣に伺いたいと思う。委員長、その点は厚生大臣に答弁をしてもらうように取り計らって下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/68
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069・田中武夫
○田中(武)委員 話があっせん、調停のところへ参りましたので、私の予定からいえば数段先になるのですが、その方を先にお伺いしてみたいと思います。十五条の三号の「前二号に掲げるもののほか、中小小売商以外の者の行う一般消費者に対する物品の販売事業に関し、その者と中小小売商との間に生じた紛争」こういうことがあっせん、調停事項になっておりますが、「物品の販売事業に関し」とこういうことですが、これは農協とか生協とかいうのはこの号には含まれないと解してよいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/69
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070・岩武照彦
○岩武政府委員 農協はこの法律のあっせん、調停ということで考えたらどうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/70
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071・田中武夫
○田中(武)委員 農協は含まれるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/71
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072・岩武照彦
○岩武政府委員 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/72
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073・田中武夫
○田中(武)委員 生協は含まれないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/73
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074・岩武照彦
○岩武政府委員 生協も員外利用のこういうふうな施設をしたにかかわらず、なお問題があればこの問題になろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/74
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075・田中武夫
○田中(武)委員 もっとはっきり聞きたいのですが、この三号のあっせん調停の対象と、生協とか農協とかいう協同組合組織の法人団体は入りますかと聞いておるのです。われわれは入らないと解すが、それでいいか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/75
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076・岩武照彦
○岩武政府委員 農協も生協も入ります。ただ生協の方は員外利用の点で問題がありますれば、まず員外利用を防止する措置を講じて、なお紛争が起るという場合に、この規定の発足があるかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/76
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077・田中武夫
○田中(武)委員 御承知のように生協、農協がやることは物の販売事業じゃないのです。供給行為なんです。これで三号の販売事業と生協等の供給行為とは同一とお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/77
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078・岩武照彦
○岩武政府委員 農協、生協は営利を目的としておりませんから、販売の営業ではないかもしれませんが、継続販売しておりますれば販売事業だと思います。供給ということは事実行為でありまして、法律的には販売になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/78
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079・田中武夫
○田中(武)委員 それならばなぜこれも供給ということにしないかという疑問があるのですが、生協等が組合員に物を供給という法律の言葉になっておりますが、これを販売だとあなたは解釈しておるのですね、どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/79
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080・岩武照彦
○岩武政府委員 販売も供給も法律的には同じだと思いますが、(「違う、違う」と呼ぶ者あり)販売の方が概念としては広いだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/80
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081・田中武夫
○田中(武)委員 販売の方が概念として広いとするならば、供給行為で、販売の行為の中に入るのか入らないのか、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/81
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082・岩武照彦
○岩武政府委員 ちょっとお尋ねの趣旨がよくわかりませんが、まあ販売といいますのは要するに物の売買あるいはそれに類似する行為だろうと思っております。供給の場合もこれに入ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/82
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083・田中武夫
○田中(武)委員 もう一ぺん読むと、「中小小売商以外の者の行う一般消費者に対する物品の販売事業」となっております。だからこの「中小小売商以外の者」という中には、どういうものを考えておられるかということをお伺いしておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/83
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084・岩武照彦
○岩武政府委員 先ほど来申し上げましたように、営利を目的としない各種の組合も入りましょうし、あるいは大小売商も入りましょうし、いろいろあると思います。それから誤解があるようでありますが、一般消費者というのが問題であります。供給という言葉をお使いになりましたが、要するに員内の従業者あるいは組合員に対します物品の販売、供給はこの法律のねらうところとは違っておると思います。員外者の方が問題になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/84
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085・田中武夫
○田中(武)委員 その大小売商というのはどういうものをいうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/85
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086・岩武照彦
○岩武政府委員 先ほどおあげになりましたスーパー・マーケット等のことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/86
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087・田中武夫
○田中(武)委員 それでは百貨店は大小売人となりますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/87
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088・岩武照彦
○岩武政府委員 百貨店も大小売商たることは間違いありません。ただ百貨店の方は百貨店法の関係のいろいろな措置がございますから、都道府県知事のあっせんよりも主務大臣の勧告で処理したい。スーパー・マーケットの方は資本系統がいろいろありましても、現在のところでは百貨店法の対象になっておりませんから、これはこれでやろう、こういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/88
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089・田中武夫
○田中(武)委員 中小小売商以外のものには百貨店、スーパー・マーケット、農協、生協等も含まれる、こういう答弁だったんですね。しかし百貨店は百貨店法があるのでこれには入らない。それでは生協も別に生協法で規定があるから、これに入れる必要はないと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/89
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090・長谷川四郎
○長谷川委員長 田中君の質問がよくわからなかったそうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/90
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091・田中武夫
○田中(武)委員 百貨店も入る、しかし百貨店は百貨店法があるから、その方でいくのだ、生協とか、農協とかは、生協法とか農協法ではいかないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/91
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092・岩武照彦
○岩武政府委員 先ほど来申しておりますように、中小小売商以外のものという解釈には入ります。入りますが、組合員に対しまする関係の物品販売業はそのあっせん調停の対象にならない。一般消費者とありますので、一般消費者というのは、組合員やその他は入っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/92
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093・田中武夫
○田中(武)委員 生協、農協は入るが、それは一般消費者に対する販売行為が入って、員内利用といいますか、組合員に対する供給行為は入らない、こういうことなんですね。そうするならば生活協同組合が、いわゆる組合員の便利のために、どっかに店舗といいますか、事務所を持つ、供給析を持つ、こういう場合に対してかりに紛争があったとしても、それはこの範疇に入りませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/93
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094・岩武照彦
○岩武政府委員 それがいろいろの立地の関係で、員外者の利用に供せられるおそれが多分にあり、それで付近の小売商がそれを極度に心配していろいろなトラブルが起るという場合には、あるいは都道府県知事はあっせんして、これは員外者に行くこともあるだろうし、あるいは行かないこともあるだろうから、小売商の言い分を聞く、その辺の事実問題であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/94
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095・田中武夫
○田中(武)委員 員内利用は入らないでしょう。組合のための供給事業も入らないでしょう。そうすると組合員のための供給所を置くことですよ。それは当然入らないと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/95
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096・岩武照彦
○岩武政府委員 組合のためにということは、これは生協本来の目的で当然であります。ただいろいろな場所の関係で……(発言する者多し)現在でもそういうことがございますので、員外者が多い場合なんかは、やはりそういうことで小売商が事実上問題にせざるを得ない場合があると思います。そういう場合は都道府県知事が取り上げて事実を判断してやるより以外にないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/96
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097・田中武夫
○田中(武)委員 員内利用は入らない。だから員内利用のための小売商ということは当然その範疇に入ると解釈するのはどういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/97
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098・岩武照彦
○岩武政府委員 場所によって入るというのは、員外利用とか、員内利用の問題はないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/98
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099・田中武夫
○田中(武)委員 員内にたくさん利用されているというのは、小売商が非常に心配して問題を起す場合が多いだろうと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/99
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100・岩武照彦
○岩武政府委員 そのときに都道府県知事が判断して心配いらぬという場合もありましょうし、あるいは組合員といっても、員外者にやるというような場合もあると思います。それはいろいろあると思います。(「それはおかしい」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/100
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101・田中武夫
○田中(武)委員 員外利用をさせることを目的としておるのではないのですよ。員内のために供給所を置くのですよ。それを小売商から誤解等があって云々する場合はこの事項に入るあなたの今の答弁ではそういうことなんです。そうするならば、先ほどの一般消費者に対する物品販売事業に関しという答弁と食い違ってきますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/101
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102・岩武照彦
○岩武政府委員 それは取り上げてみてこの規定に該当するか、しないかという問題であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/102
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103・田中武夫
○田中(武)委員 やってみなければ員外利用かどうかわからぬでしょう。現に今建てようとしておる。ここに建築しておる。それはあくまでも供給行為をやろうとしてやっておる、そういう場合を言っておるのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/103
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104・岩武照彦
○岩武政府委員 目的だけではよくわかりません。それはすべての消費生活協同組合の行為が、やはり員内者のための目的だと思いますけれども、事実問題としてそうでない場合がございます。それでトラブルが起るわけでございますから、それを実際に両方の言い分を聞き、いろいろな立地その他の条件を考えて、この規定に当てはまるかどうかということを県知事が認定するわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/104
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105・松平忠久
○松平委員 今の十五条の問題は、これを読んでみると、「一般消費者に対する物品の販売事業に関し」、こうあるわけです。だからそのやっている行為、事業そのものが員外利用になって、そうしてそれによって起ったところの紛争を調停あっせんするということになっておるわけなんです。そういう場合と限っておるのです。それに関してなんだから、要するに「物品販売事業に関し」なんだ。物を売ることに関しなんだから、従ってこれから新しく生協なら生協をどっかへ作ろうという場合には、まだ販売事業を行なっていないわけなんです。販売事業も行なっていないのに、員外利用があるかもしれぬということで、これを紛争の種にして、それをあっせん調停するというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/105
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106・岩武照彦
○岩武政府委員 あっせん調停になるかならぬということもやはり問題になるわけであります。だからそれは今おっしゃいましたように小売商側に誤解もありましょうし、あるいは心配することもありましょうし、いろいろあるだろうと思います。だから都道府県知事へかけ込んで、これを一つあっせんしてくれということで小売商がいった場合に、これは客観的に見て一般消費者に対して物品の販売事業を行うとは考えられないか、申し立ては取り上げない、あっせん調停に入らぬということもありましょうし、あるいはそういういろいろの情勢を考えて、その危険性があるからあっせん調停に乗り出そうというかもしれません。これは要するにあっせん調停の対象になるかならぬかということから問題が起るわけだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/106
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107・田中武夫
○田中(武)委員 あなたの解釈は拡張解釈にわたっておると思う。もっとよく読んで下さい。あなたは提出の責任者として条文をよく読んでおらないのと違いますか。「一般消費者に対する物品の販売事業に関し、その者と中小小売商との間に生じた紛争」——現にこの販売事業で紛争の生じた場合ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/107
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108・岩武照彦
○岩武政府委員 申し上げますが、実際に問題が起ります場合はいろいろなケースがありますが、最終的にあっせん調停のことは、これはこの法律に書いてある通りであります。ところがその前に一体これはあっせん調停の対象になるかならぬかという問題であります。これは事実小売商側がいろいろ陳情し訴えてきますれば、やはりそれは都道府県知事が両方の言い分を聞くということもございましょう。それは何も正式のあっせん調停じゃなくて、あっせん調停になるかどうかを調べるといいますか、聞いて判断するわけであります。そういうことは当然訴訟その他でもあることであります。最終的にこのあっせん調停の対象になるかどうかということをきめるのがこの条項であります。その前にいろいろありますので、別段私は法律を拡張解釈をしておりませんし、実際の場合に合うように御説明したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/108
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109・田中武夫
○田中(武)委員 あなたの言っていることはあっせん調停以前の問題であります。私の聞いておるのはあっせん調停事項になるかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/109
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110・岩武照彦
○岩武政府委員 それは普通の訴訟と同じでありまして、訴訟条件に合って訴訟を受理するかどうかというまでの段階であります。だからこれはあっせん、調停になるかどうかというときには、この法律の規定によって判断するわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/110
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111・田中武夫
○田中(武)委員 訴訟と同じように訴状を出すことは勝手なんです。それを受け付けるかどうかということは法によって定まるわけなんですね。いわゆる訴訟条件というものが民事訴訟法なら民事訴訟法にきまっておる。それと同じように、そういうことを揣摩憶測をして、陳情をし、あっせんをしてくれということは、これは自由でしょう。だがしかしそれがあっせん事項になるやいなやということは、法の解釈からくるわけです。そういう場合に今言ったようなことが、この条文によってあっせん事項になるかどうかを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/111
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112・岩武照彦
○岩武政府委員 あっせん、調停事項になるかどうかは、これはあっせん事項ではありません。だから先ほどから申し上げましたように、あっせん調停に乗り出すかどうかはこの条文で判断しなければならぬと思います。それで具体的にあっせんが始まるわけであります。その前にいろいろ事実上の陳情、訴え等ございましょうから、それをあっせん事項に当るかどうかということを判断するのには、やはり一方だけの言い分ではいかぬこともありましょうし、また実際を調べる必要もありましょうし、そういうことは実際問題としまして、行政官庁としましてはやはり判断するためにいろいろな調査もいたすわけであります。その結果この法律に該当してあっせん、調停事項になると判断いたしますれば、具体的なあっせん、調停を始めるわけであります。該当しなければ、これはあっせん、調停に乗り出す筋合いではない、こうなるわけであります。そこらあたりは事実問題でありまして、私は具体的に問題の経過に即して御説明したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/112
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113・松平忠久
○松平委員 どうもさっきから田中君と長官の質疑応答を聞いておっても、ぐたぐた回りくどいことでおそらく皆わからぬと思う。田中君の聞いておるのはこういうことなんです。ここに新しく生協が店舗を設けるということになる。そういう場合にその付近の人が、こんなところに生協の店舗を設けられては困る、こういうようなことで陳情やら何やらが出ることがあるわけですよ。そういう場合にまだ始めもしないのに小売商がそういうことをいって、がやがや騒いだというときに、それを紛争と認定して、これを取り上げて知事があっせんなり調停をするということも、この第十五条、十六条には含まれておるかどうかということを聞いておるわけです。それだけの返事をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/113
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114・岩武照彦
○岩武政府委員 今のような段階はあっせん、調停ではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/114
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115・松平忠久
○松平委員 早くそういう答弁をすればいいのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/115
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116・田中武夫
○田中(武)委員 これで大体結論が出たと思いますが、もう一ぺんはっきりとだめを押しておきますが、員内利用は十五条三号には当らない、こういうことははっきり御答弁が得られたと思う。従ってそのための今の供給所を設けるというようなことは、この条文によるところの調停事項ではない、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/116
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117・岩武照彦
○岩武政府委員 結論的にはさようでありますが、員内利用か、員外も入るかということは事実認定の問題と思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/117
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118・田中武夫
○田中(武)委員 それではそのことでは大体入らぬ、こういうことの答弁があったものと了解いたします。次に入りたいと思うのですが、何か生協が小売商に圧迫を与えるとか、影響を与えるということになると、ばかの一つ覚えのように松江が持ち出されるわけなんです。これは特別な事項であろうと思うのですが、先ほどから長官の答弁を聞いておると、いかにも生協が員外活動をどんどんやって小売商をものすごく圧迫しておるように解釈しておられるようですが、これは感じだけではいかぬです。一つ具体的に数字をあげて、調査をせられた結果どのような圧迫を、どの面において行われておるか、これをはっきり出して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/118
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119・岩武照彦
○岩武政府委員 員外利用の程度いかんという問題、これは前々会も御質問がありましたが、調べるのは非常にむずかしい問題でありまして、またその数字等が適切であるかどうか、これは私たちも若干何といいますか、そううのみにできないことだと思っておりますが、御参考までに私のところに参っております報告を申し上げます——。資料を持ってきておるのですが、今ちょっと見当りませんので、あとで申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/119
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120・田中武夫
○田中(武)委員 資料はゆっくり探してもらってあとから出してもらうとして、ただ注文をつけておきますが、局地的な資料、調査事項であるとか、そういうものでは納得できません。法律で押えろという以上は、全国的影響ですから、全国的にどのような影響を具体的に及ぼしているかという資料を、具体的な数字で出してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/120
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121・岩武照彦
○岩武政府委員 一例だけ申し上げます。(田中(武)委員「推定ではあかんぞ」と呼ぶ)最初から申し上げておりますように、小売商とその他の団体との摩擦の問題は、その土地、土地で様子が違っておるのであります。生協の影響を受けているところもあるし、購買会の影響が大きいところもあるし、場所によりましては大都市ではスーパー・マーケットがあります。一例としまして、これは兵庫県の神戸市の神戸勤労者生活協同組合、これにつきまして三十二年から三十三年にかけまして兵庫県当局、神戸市当局、神戸商工会議所からそれぞれ報告が参っておりますが、会議所からの報告が一番具体的のようであります。「開店当初は生協の無制限員外利用及び廉売による影響のため周辺小売商等に相当の打撃を与えた。神戸市商店連合会は、(1)員外利用をやらぬこと、(2)市価主義を実行することを生協に要望したが、その後依然として員外利用は公然と行われている。」三十三年一月九日の会議所報告であります。
次は米子の問題でありますが、これにつきましてはわれわれも数字に信頼をおきがたいので、ただ御報告だけにとどめておきます。数字は私たちもどうかと思っております。昨年一月八日の鳥取県の報告は、「従来から問題となっていたが依然として員外利用が跡を断たない。県より員外利用の禁止を通達した。」ここは御承知のように組合員の数もかなりありますし、また非常に消費組合の幹部の経営の仕方が上手であります。かなり活発な発達を見ております。会議所からの報告は、「昭和二十八年ごろから、いわゆるおとり販売を行なったため食料品、菓子、化粧品等の面で商品流通秩序の混乱を来たしてきたが、昭和三十二年度においても員外利用者は増加の一途にあり、不当廉売も相当行なっている現状である。員外利用者は顧客の七〇%ないし八〇%程度と思われる。」これは私はどうかと思っております。そんなには員外利用はないだろうと思います。これはかなり割引して聞く必要があると思っております。これは二つの例でございますが、さきの神戸勤労者生活協同組合も員外利用の許可を受けておりませんし、米子のこれも許可を受けておりません。
それからなお申し上げますと、同じく鳥取県の東部勤労者生協、これは同じく三十三年一月八日県からの報告でありますが、「員外利用は跡を断たず、付近の小売商特に青果商と紛争を起している。県は生協に対し員外利用の禁止を通達した。」ということを言っております。
それから徳島県西部生活協同組合、池田町であります。三十二年十二月二十七日の徳島県からの報告によりますと、「三十二年六月、店舗を国鉄阿波池田駅近くの商店街に移してから員外利用者が増加し、さらに漸次支店の新設、店舗の拡張を行い、現在では一日総売上高七万円に達している。このため、各小売商とも相当な脅威にさらされ、すでに一部小売商(食品関係)においては倒産一歩手前の状況である。これに対し、地元商工会議所が中心となって生協対策委員会を設け、価格協定、事業拡大の阻止、員外利用の禁止について生協側と交渉しているが、解決を見ていない。」これは員外利用の許可を受けていないものであります。その他報告はだいぶ参っております。たとえばこれは佐賀県の鳥栖でありますが、生活協同組合協栄会、三十二年の十二月十六日佐賀県からの報告であります。「廉売のため、市内小売商は相当な打撃を受けている。特に新聞折り込みを行い員外者にも廉売している。医薬品関係の小売商の受ける打撃は大きい。県は員外者販売について勧告を行い、地元小売商と生協間で交渉中であるが、解決の見通しはない。」二、三の例はこの調子であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/121
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122・田中武夫
○田中(武)委員 報告書を今読まれたわけなんですが、その報告書は商工会議所あるいは県からですが、それなら県知事は監督せねばいかぬ。現にそのような事実があるならば、員外利用を許していないなら、知事自体一体何しているのですか。(「それは知事に言ってくれ」と呼ぶ者あり)厚生省は今いないけれども、法律によって厚生省が指導監督している。その法律の委任事項で知事がやっているのだから、そんなことなら厚生省から知事に言って、まず監督の規定を発動しなければいかぬ。ただ員外利用がものすごく行われている、どうもそういった抽象的なことだけではわれわれは納得できないのですが、数字的にもっと、これこれ具体的な事実があるということでないと——それで法律まで作って全国的に押えようというのでしょう。一部米子とか神戸とか——神戸はそんなことないですよ。そういうところの一部のことで全国的にやるということはどうかと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/122
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123・岩武照彦
○岩武政府委員 厚生当局も十分注意しておると思っております。思っておりますが、やはり私が申し上げますように現在の法律の員外利用というのは、これはむしろ員内の発展をはかるための員外を押えるという趣旨のものでございますから、小売商との摩擦の調整の点についてはやはり遺憾な点があると思う。そこでわれわれの申しますように、小売商保護という見地から新しく員外利用禁止という点をつけ加えましたが、従来の監督も行き届くだろうと思いますし、また小売商との摩擦も調整しやすいだろう、こういうことを申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/123
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124・田中武夫
○田中(武)委員 どうも私はそういったことだけで、こういった法律をもって全般的に規制しよう、私はそういう必要があるのかということを疑うのです。ただ一、二のところからの報告書、ただ員外利用はなはだし、こういうようなことぐらいで、そういう必要があるのですか。それならもっとそういう事実を確かめて、そしてまず、最初言ったことに戻りますが、母法による監督をやって、なおやれないということならやってもいいと思うのだが、物事には順序がある。何回も言うが、その母法によるところを何もやらずに、すぐやっていくということはどうもおかしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/124
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125・中川俊思
○中川(俊)政府委員 事務当局ではちょっと答弁できないと思いますから私が言いますけれども、具体的な例を、何県にどういうのがあるか、どの県にどういうのがあるかということを出せと言われますと、これはちょっとむずかしい。われわれのところへ陳情の来ておるのを見ますと、あなた方も御承知の通り今小売商の方々が東京へたくさん全国からやってきておられて、その大会を開いたりいろいろやっておられるのです。(「織物物品税だよ」と呼ぶ者あり)いや、それだけじゃありません。この問題もある。それでわれわれのところへ陳情に来ておるのを見ましても、全国的に非常にそういうのが多いんですよ、実際。各県からそういう苦情が来ておるのです。だから決してこれは一部のところで、あるからこういう法律を出したというのじゃないのですから、実際問題としまして、先ほど来お話しになっておりますけれども、供給所を生協がどこへ作ったということになったら、それじゃどうなるだろうかということですが、これは常識問題で、ケース・バイ・ケースで処理していかなければ、なかなかむずかしい問題だと思います。だがしかし、そういう弊害があることは事実なんですね。生協がそういうようなことで、ずいぶん小売商を圧迫しておる事実は、いろいろな観点から、われわれのところへ陳情は山ほど来ておるのです。ですから、決して一部のなにがあるからこういう法律を出すというわけじゃないのですよ。それは一つ誤解のないように願いたい。ただあなたが、それならどこの県にどういうのがあるのか出してみい、こういう具体的なことになりますと、おそらく私は事務当局にもそういう具体的なものはないだろう、また今の、われわれのところへ来ておる全国からの苦情も、いろいろなこういう例がある、こういう例があるというような抽象的な例をたくさんあげてきておるのであって、実際問題として、生協に関係のある人が自分で反省されてみられても、私は員外利用が非常にはなはだしくて小売商を圧迫しておるという面はあるだろうと思うのだ。小売商の方から考えれば、それは非常にこれが圧迫になっておるというふうに考えておるだろうと思うのです、実際問題として私はそういう点はあると思うのですよ。しかし、先ほど来言う通り、具体的にこうです、ああです、この県でどうか、どの県でどうかと言われると、これは短時日の間にはむずかしいと私は思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/125
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126・田中武夫
○田中(武)委員 少くとも法によって規制する法律を作るのでしょう。そんなら、何か具体的な事実をつかまれた上であろうと思うのです。ところが今の御答弁では、私は感じだけだと思う。そういう多くの員外利用によって小売商が圧迫を受けておるだろうという感じ、これだけだと思うのです。大臣も次官もよく使われるが、ケース・バイ・ケース——この問題についてケース・バイ・ケースとは何か。まず母法があるのだから母法でやれることはやって、それでもだめならどうだ。それなら先ほど松平委員からも言ったように、一応そういうことでは困るからということで、厚生省へも行って話をしてやったが、それでもだめだ、こういうことでいわゆるケース・バイ・ケースの道を踏んできて、ここへ来ざるを得ないということならともかく、最初からこういうことを出すということには私どもは疑問を持っている、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/126
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127・岩武照彦
○岩武政府委員 先ほどは員外利用の許可を受けなくて員外利用が問題になった組合の例をあげましたが、このほかに員外利用の許可を受けておるので、小売商との関係の争いの絶えない組合もだいぶあります。そういうことで結局問題になるのは、先ほど来申し上げましたように員外利用の点でございます。これについては、厚生省当局も、割に狭い範囲の通知を出して監督に努めておられますが、何と申しましても母法の精神が違うものでありますから、この問題の解決にはうまくいかない。そこで先ほど来私が申し上げますように、やはり立場を変えて小売商の保護、その調整という見地から、この問題を解決することが必要だ、そう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/127
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128・田中武夫
○田中(武)委員 母法の精神が違うといったって、それが私はおかしいと思う。その母法によって生協をほんとうの、いい生協にしようというのが生協法であって、そのことによって、何もこういう規定がなくてもいいわけですね。だから、母法によってまずやったらよい、こういっておるのです。精神が違うといっても法律を出すのに、精神分裂症のように違ったものをだらだら出すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/128
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129・岩武照彦
○岩武政府委員 先ほど来申し上げますように、第一条の精神は、やはり組合の発達でございますから、員外利用の規定もそういう見地で行われておる。ところが実際は、法の精神に反して違っておることがわかりますと、やはりこの問題は見地を変えて、小売商の利害の調整——組合の発展ではありません、小売商の利害の調整という点で問題を解決しなければいかぬだろうということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/129
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130・田中武夫
○田中(武)委員 何回も言うようですが、いわゆる母法による健全な生協であるならばそういうことはない。こういうことは言えるので、私はあくまで母法によってやるべきである、こういうことをあくまで主張いたしまして、ここは食い違っておるからそのままにしておきましょう。
そこで次に第三条ですが、第三条の条文の中に、「中小小売商の事業活動に影響を及ぼし、その利益を著しく害するおそれがあると認めるときは、」こういう言葉になっておるが、具体的にまず中小小売商というのはどの程度のものを言うのか。それから「事業活動に影響を及ぼし、」こういって次に「利益を著しく害する」という利益とは売り上げが減ることを意味しておるのか。具体的に利益を著しく害するというのはどういうことを言っておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/130
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131・岩武照彦
○岩武政府委員 第一の中小小売商ということでございますが、これは中小企業者の範囲と大体同じように考えております。つまり物品販売業でありますから、常時従業員おおむね三十人以下のところというふうに考えております。影響を及ぼし、利益を著しく害するというのは、一人、二人の売り上げが減ったという、そういうことではないと思いますが、ある範囲の小売商に売り上げがかなり減る、あるいは閉店せざるを得なくなる、いろんな現象があるかと思います。こういうことは事実問題で考えるべきだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/131
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132・田中武夫
○田中(武)委員 事実問題でということがばく然としたものですが、これによると、その認定はすべて都道府県知事が行うのですね。厚生大臣または都道府県知事、こういうことになっておるが、厚生大臣、都道府県知事は、それじゃその人たちの感じでやるわけですか、それに対する一応の基準といいますか、そういうものは考えておられないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/132
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133・岩武照彦
○岩武政府委員 その点は単なる感じ、憶測ではいかぬだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/133
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134・田中武夫
○田中(武)委員 感じ、憶測ではなく事実問題であるというのですが、その事実はいろいろ雑多な事実が起ると思うのですが、それに対してこういう処置をとる、これの判断の基準はどういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/134
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135・岩武照彦
○岩武政府委員 いろんな場合があるのだと思いますが、これは例がいいか悪いか知りませんけれども、たとえばこんな販売をする生協はないと思いますが、あまり組合員のおらない町のまん中に物品販売所を建てるということは、員外販売をし、かつ付近の小売商に影響を及ぼすことは当然であります。そういう場合は、「影響を及ぼし、その利益を著しく害するおそれがある」ということは、当然いえるだろうと思います。それは一つの例で極端な例であります。いろんな場合があると思いまするけれども、そこらあたりは事実に即して考えなければいかぬだろう、こういうことであると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/135
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136・田中武夫
○田中(武)委員 事実に即してとか、事実問題とかいう言葉なんですが、実際問題としては起ってきた事実に対して、尺度をきめる場合に何らかの基準というものがなかったら、その人の専断で行われる、こういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/136
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137・岩武照彦
○岩武政府委員 専断ではありませんで、大体物事の常識というものがあるだろうと思いますから、健全な常識で判断してもらう、こういうつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/137
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138・田中武夫
○田中(武)委員 あなたのように頭のいい人と私のようなものとはだいぶ常識も違うと思うのです。その逆でもよろしい。私のような頭のいい人とそうでない人との場合で考えてもよろしい。ともかくその常識といっても、これは法律的には社会通念というような言葉でごまかす場合があると思いますがこれは一応の尺度というものがなければいかぬと思う。常識だけではできぬと思うのですが、常識は各人で違うと思うのです。どうなんです。それはやはりそうすると、その人の専断ということになると思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/138
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139・岩武照彦
○岩武政府委員 それは個人々々の判断ではありませんで、やはりある地域の行政の責任を持っておりまする都道府県知事が判断することであります。都道府県知事一人ではございませんで、それを補佐する組織もございまするから、そういう行政面に携わる諸君が事態を冷静に判断しまして、こういう判断を下す、こういうふうに思っております。ただその「影響を及ぼし、その利益を著しく害する」とございますから、一人、二人の売り上げが減ったということでは幾ら何でもこの規定に当たらぬだろうと思います。そこらあたりはやはり事実の問題でございますから、またそういう責任と権限を持っておりまする行政庁が判断をすることだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/139
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140・田中武夫
○田中(武)委員 そうすると、私のこの法案だけじゃないけどれも、ほかの法案でもよく申し上げるけれども、結局はその衝に当る官僚の考え方だけで左右せられる、こういうことになるのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/140
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141・岩武照彦
○岩武政府委員 都道府県知事は民選の知事でございまして、しかも働いておる諸君もこれは府県の公吏でございます。決して言われるような官僚ではないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/141
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142・田中武夫
○田中(武)委員 知事といったって実際知事がやるわけではないから官僚がやりますが、その点はそういうことにしておきましょう。そこでこれは「中小小売商の事業活動に影響を及ぼし、」でポツがあって、「その利益を著しく害する」ということは、これはどっちか一方でもこういう事項に該当する、こういう解釈になるのか、ここに「かつ」という言葉を入れておくべきかどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/142
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143・岩武照彦
○岩武政府委員 私は法律的なこまかいことは答弁する能力がありませんけれども、法律的な解釈でございますれば政府の法制局長官もおりますから、答弁していただきたいと思いますが、私が解釈しまするに、これはやはり影響を及ぼしかつあるいはその結果というふうに読むことが常識だろうと思っております。しかしこれは私の見解でございまして、法律的に最終的な権威があるかどうか、これは一つ法制局長官にお尋ね願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/143
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144・田中武夫
○田中(武)委員 これは所管の長であるあなたが言われるのだから、これでも行政解釈としては最終的な解釈と理解してもいいのか、それともそれほどに自信がないのならば、法制局を一つ委員長呼んでいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/144
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145・長谷川四郎
○長谷川委員長 そういうこまかい点につきましては、小委員会を設けてありますので、本日さっそく小委員会を引き続いて行いますから、こまかい点について疑問がありましたら、どうか小委員会において十分御検討を願うことにいたしまして、質問を続行願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/145
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146・田中武夫
○田中(武)委員 それでは私は三、四条からずっと一条ずつやるつもりでおったのですが、それは小委員会で行います。次に物わかりが悪いからもう一つだけ聞いておきます。それはこの前の二月五日の参考人のときにも私はちょっと申し上げておいたのですが、二重罰則の点です。いわゆる員外利用という一つの事実をとらえて、消費生活協同組合法にも罰則がある、本法にも罰則がある、こういう二重罰則の点については、どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/146
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147・岩武照彦
○岩武政府委員 これは別段不思議なことでありませんで、刑法の理論でございます法条競合ということで処理することだと思っております。つまり両方に該当するということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/147
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148・田中武夫
○田中(武)委員 一つの事実について二つの罰則があるのですよ。刑法でいう場合は、一つの行為が数個の罪名に当る場合ですよ。これは一つの事実です。これに対して罰則が二つあるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/148
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149・岩武照彦
○岩武政府委員 一つの行為に対して二つ以上の罰則が適用される、同じことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/149
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150・田中武夫
○田中(武)委員 刑法の場合は、たとえば窃盗罪の場合、家宅侵入をやって窃盗をやったという場合、この場合は重きをもって処断をするというふうに片方でいくのですね。この場合はそうでないのです、一つなんですよ。同じ行為なんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/150
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151・岩武照彦
○岩武政府委員 一つの事実に対しましても、これを取り締る法規が二つ以上ございますれば、やはり法条競合ということになってくるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/151
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152・田中武夫
○田中(武)委員 ただ一つだけの事実に対して、これが競合するということが、もうすでに明らかなんですよ。(「殺人の行為には傷害が入るぞ」と呼ぶ者あり)いや、それは一つの行為として数個の罪名に当る場合なんです。だから一つの行為に対して二つの罰則をつけようということが初めから目的だとしか考えられない。一つの行為で罰則が競合する場合は、重きに従ってという片方でいくなら、これは初めから二つ考えなくていいわけなんです。窃盗とかあるいは強盗のような場合は、いわゆる行為の連続によって数個の罪名が出てくる場合があるのです。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/152
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153・岩武照彦
○岩武政府委員 そういう場合もいろいろございます。これで一つの行為に対しまして、やはり二個以上の違反行為が成立する、違反といいますか、適用する法条があるということは、これはいろいろあることであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/153
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154・田中武夫
○田中(武)委員 そういう場合、具体的に一、二の例をあげて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/154
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155・岩武照彦
○岩武政府委員 わかりやすい例があるかどうか、私存じませんけれども、こういう刑法上のむずかしい議論になりますれば、これはやはり法制局長官の方がいいと思います。こういうことはよくあるようであります。別段これが異例とか、あるいはおかしいということではないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/155
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156・田中武夫
○田中(武)委員 いや、対象になるのは一つだけの行為なんですよ。それにすでに罰則があるのに、また罰則を設けたわけなんです。これがおかしいと言っておるのですよ。あなたの言っておるのは、一つの連続した行為が最終的に罰せられるまでに数個の罪名のある場合で、それとは違うんですよ。どうですか。これも法制局ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/156
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157・岩武照彦
○岩武政府委員 そういう専門的な事項で、ことにそういう法令の例があるかないかということでありますれば、これはやはり小委員会で専門の方にお願いするよりほかないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/157
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158・田中武夫
○田中(武)委員 それじゃまだたくさんあるんですが、全部小委員会ということなら、よろしい、小委員会でやりましょう。よします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/158
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159・長谷川四郎
○長谷川委員長 本日は、これにて散会をいたします。
次会は、来たる三月三日火曜日の午前十時より開会いたします。
午後零時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104461X02119590227/159
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