1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年二月十八日(水曜日)
午前十時四十六分開議
出席委員
委員長 鈴木 善幸君
理事 亀山 孝一君 理事 纐纈 彌三君
理事 渡海元三郎君 理事 丹羽喬四郎君
理理 吉田 重延君 理事 阪上安太郎君
理事 門司 亮君
相川 勝六君 天野 光晴君
飯塚 定輔君 加藤 精三君
田中 榮一君 津島 文治君
中島 茂喜君 野原 正勝君
山崎 巖君 太田 一夫君
佐野 憲治君 下平 正一君
矢尾喜三郎君
出席国務大臣
国 務 大 臣 青木 正君
出席政府委員
警察庁長官 柏村 信雄君
警 視 監
(警察庁長官官
房長) 原田 章君
国家消防本部長 鈴木 琢二君
総理府事務官
(国家消防本部
総務課長) 横山 和夫君
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本日の会議に付した案件
警察官に協力援助した者の災害給付に関する法
律の一部を改正する法律案起草の件
消防組織法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一一八号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/0
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001・鈴木善幸
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
消防組織法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。
質疑に入ります。質疑の通告がありますので順次これを許します。田中榮一君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/1
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002・田中榮一
○田中(榮)委員 今回消防組織法の一部を改正する法律案の審査に当りまして、直接本法に関係があるかどうか存じませんが、おそらく本法の付属法令の改正が行われるものと考えております。この付属法令の改正に関して一、二質問いたしたいと思います。
御承知のように、われわれの日常生活に必要な危険物としましては、まずガソリンが第一であろうと考えております。特にガソリンを給油するガソリン・スタンドは、いろいろ商売の性質上交通至便の繁華街に設置する場合が非常に多いのであります。特に危険物を扱う繁華街の給油所、すなわちガソリン・スタンドの地下貯油施設の施工に関しましては、災害防止の上からも施工法の確立と、これを忠実に履行する監督と技術の優秀な良心的施行業者を必要とすることは論を待たぬのであります。従来ガソリン・スタンドの工事を施行するにつきまして、工事施行の監督については一回もしくは二回の消防官の立ち会い検査を行うのみでありまして、施行業者の素質に関しましては、全く監督上におきましては無関心でありますために、租税を支払うこともできない、きわめて内容の貧弱なもぐり業者も不正業者も、施工検査は一本だけで当座仕事ができる仕組みになっておるのであります。危険物であるガソリンを永久に埋没するこれらの施設を、検査官のわずか一回もしくは二回の視察検査で事足れりとすることは決して十分な措置とは考えられぬのであります。法の精神から見ましても大いに検討を要する問題であると思うのでありますが、私は、その危険物施工の監督行政の面から申しまして、この法を徹底させるためには、地下貯油施設、すなわち地下に埋没するガソリン・スタンドの工事を施行する業者の監督の方法の一つとしましては、登録制を実施する必要があるのではないかと考えております。これによりまして、施行業者の素質なり内容を十分に検討いたしました上で、その資格十分であると思うときに初めてこれを登録する。登録された者のみに十分にその施行業者として施行させるということも、危険防止の上から必要な措置ではないかと考えております。ただ、登録させることについては、憲法にいうところのいわゆる営業の自由の原則というものもありますので、その点は法的に相当検討を要する問題でありますが、現に今回提案されております小売商の振興法案の内容等の中にも、市場の許可に対しましては、関係府県の知事がこれを許可するというような建前にもなっておりまして、さような関係から登録制を実施するということは、社会公共の福祉の上からも、また安全保障の上からも、あえて法的には異論はなかろうとは考えております。現に水道を見ましても、施行業者に対しては厳重な資格審査を行いまして、登録制がすでに実施されておるのであります。工事のつど立ち会い検査をして、この制度もうまくいっておるようであります。水と油とでは非常に性質が違っておるかも存じませんが、水よりもさらに危険性を有するガソリンの地下施設業者を登録制にすることは、不正業者も、もぐり業者も一掃されまして、監督行政についてもその徹底が期せられ、災害を防止して国民の安全が確保されるのでありますから、この登録制を実施する必要があるのではないかと考えますが、今度の消防組織法の一部を改正する法律案のいわゆる付属法令の改正につきまして、こういう点について何かお考えがあるかどうか、所見を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/2
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003・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 ただいま御質問の、ガソリンの地下貯蔵所の施設の監督並びに施行者の登録等に厳重な制限を加えるようにという御意見でございますが、後ほどこの委員会にも提案されることと思いますが、主として消防法の一部改正に関する法律の問題でございます。この消防法の一部改正法律案の内容によりますと、従来、危険物取締りが一般に市町村の条例にゆだねられておりましたために、非常に取締りその他が不徹底な点がありましたし、また町村によってまちまちな点もありましたので、その危険物取締りの行政を法律並びに法律に基く命令によって全国一律に規制するという方針のもとに改正案を提案いたしたわけでありますが、この改正の危険物取締りの法律案によりますと、危険物の貯蔵所——当然ガソリン等もそれに入るわけでございますが、ガソリン等の貯蔵所等について、基準を政令によって定めまして、全国画一的に相当厳重な規制を加えるということになっております。従いまして、地下のガソリン貯蔵所についても同様な取扱いを受けるわけでございまして、設備の内容というものについては相当今度は徹底した規制ができることと存じます。その点からは御意見のような点が十分達成されると存じます。施設の内容について相当立ち入って規制を加えまして、その政令で定めました基準に適合しなければ使用させないという強い規制をいたしますので、施設自体については、ある程度御意見の目的が遂げられるのではないかと存じております。ただ、施行者の登録制等による資格の規制という問題につきましては、今回の消防法の一部改正による危険物の取締りの条文の中には加えてございませんが、将来地下ガソリン貯蔵所等の施行者の登録制の問題につきましても、他の危険物関係の規制の状況を十分検討いたしまして、御意見の点を十分検討いたしてみたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/3
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004・田中榮一
○田中(榮)委員 今のお話で大体貯油所の施行業者の登録というものについては、まだお考えがないようでありますので、この点は一般業者の利害にも非常に関連のあることでありますから、この点は十分に一つ慎重に御検討を願うことといたしまして、地下に埋没されたガソリン・タンクというものは非常に人目に触れないような性質でありますので、それがかりに粗雑な工事等によりますと、他の一般の者に非常に危険を及ぼすおそれもありますので、幸い消防法の一部改正でこれらの危険物の貯蔵所に対する監督権というものが相当強化されたわけでありますから、この法規の精神を十分に生かして、厳重に工事施行等も監督せられ、また平素の維持管理についても十分に御監督を願いたいと思います。
次に、最近都市計画に基きまして、また土地の不足のために漸次建物が高層建築物に移行いたしております。それに伴いまして一般の自動車の利用者数というものが非常に増加いたしておりまして、おそらく東京都内だけでも日々に百五、六十万台の、いな二百万台の自動車が常に往来しているような実情でありまして、これに要するガソリンも自然また増加しておる状態であります。そこでこの交通緩和のために駐車場等が逐次設置せられるような計画がございまして、すでに駐車場の設備のために日比谷公園の地下に地下三層のいわゆる地下駐車場ができるとか、あるいはまた東京ステーションの前の広場に地下三階の地下駐車場の工事が現在進捗いたしておるような状況であります。そこで、この地下の駐車場は漸次今後増加するものと考えておるのでありますが、この駐車場につきましてガソリン・スタンド等の必要もあるのではないか、あるいは給油所の必要があるのではないかと思うのでありますが、現在これは建設省関係の建築物関係の法令であるかとも存じますけれども、こうした地下の駐車場の中に給油所を設置しようとする場合におきまして、そうしたものが将来許可せられるものであるかどうか、また、危険防止の上から、消防法の上から、こうした地下駐車場における給油所というものが認められるものであるかどうか、あるいはまた建築法の取締りの上からこうしたものが将来認められるものであるかどうか、かような点について御意見を承わりたいと思います。われわれは、諸外国に参りまして地下駐車場を見ておりますると、やはり地下三階地下四階の駐車場におきましても、すでに地下にガソリン・タンクが埋没されて、そこでどしどしガソリンが給油されておるような実情もあるのでありますので、こうした点について、将来の御方針としてどういうふうにお考えになっておるか。その点について一つの御所見を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/4
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005・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 お話のように最近地下駐車場の計画がだんだん進められておりますが、この地下駐車場は災害予防の点から見ますと、非常に重大な問題でございまして、われわれも一つの悩みの種といたしておるのでございます。現在は多分東京等においては条例等である程度の規制をいたしておるかとも思うのでございますが、建築基準法には直接これが制限はいたしておらないようでございます。それでもちろん今後ガソリン給油所等を設ける場合には、当然危険物取締りの関係法令によって厳重な規制を加えるわけでございますけれども、地下駐車場にガソリンを貯蔵するということ、あるいは地下駐車場自体について、有力な建築学者が全くこれは危険であるからといって反対しておるようなこともございますので、相当その危険度の点からいいますと問題があるのでございますが、しかし、今日の東京都のような都市の発展状況から見ますと、地下に駐車場を作っていけないとか、あるいはその地下駐車場に給油所を置いてはいけないとかいうことを、あながち一概に禁止するということも、都市発展上非常に大きな問題かとも思いますので、危害予防上の措置を安全にいたしまして、たとえば十分な隔壁を設けて延焼しないとか、災害が広がらないような方法をとるとか、あるいは排煙施設を設備さして、まさかの場合の対策に遺憾のないようにするとか、何らかそういった十分な危険予防の措置を講じてこれを認めるという方向に進まなければならないのじゃないかと実はひそかに考えておるような次第でございまして、かねがね建設省当局とも十分その点は連絡をとっておりますが、今後とも十分連絡をとり、また学者の意見も十分取り入れて、御説のような危害の発生しない、万全の措置を講ずるような対策を研究していきたい、さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/5
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006・田中榮一
○田中(榮)委員 次に地上給油槽の取扱いについてお伺いしたいと思うのでありますが、現在のガソリン・スタンドの方式は、貯油量が大量の場合におきましては、私が御質問申し上げたような地下タンクを設備し、六百リットル以下の小量のタンクにつきましては、車輪がついた可動式の地上槽によって給油いたしております。数年来東京初め各地方におきまして、地上より地下の方がより安全であろうとのばく然とした理由から、地上槽の設置には漸次制限が加えられつつあるような状況であります。そこでこの地下式給油所は、設備費も一カ所につきまして最小限度五、六百万円を要するような非常に工事費がかさむ関係からしまして、一基十万円程度でできるような、いわゆる地上可動式のタンクを用いるというのも出てきているわけでありますが、最近は自動車の増加率から申しまして、給油の施設が足りないために、一般の業者が非常に困っている場合もあるのでありますが、今後やはり地上のタンクにつきまして許可される方針であるか、現在は、規定の上におきましては、たとえば東京都条例等におきましても、地上タンクというものが許可される方針でございますが、危険防止の意味からこれを漸次制限する御方針であるか、従来と同じようにこれを許可していく方針であるか、その点につきまして御方針を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/6
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007・横山和夫
○横山政府委員 お答え申し上げます。今度の制度の改正によりまして、従来条例で制定いたしておりましたものを政令等によって規制するわけでありますが、その際に、お説の地上における移動槽の構造及び設置等の制限の関係はお説のごとく規定しておりますが、特に地下槽等の安全度合いに比べまして非常に危険性は多いと存じます。そういう観点から、方針としましては、移動槽等の設置についての制限は、これを強化すると申しますか、逐次移動槽等はこれをなくしていくという方向に持っていくのが適当かと存じます。ただ場所によりましては、必ずしも地下槽一本にしぼることの不可能な面等もございますので、方法としましては、移動槽というものの設置はなお認めつつも、運用上その他の問題でこれらの設置は逐次減少していく、そうして安全な地下槽に切りかえていくという方向に向うべきではないか、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/7
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008・田中榮一
○田中(榮)委員 ただいまのお答えで可動式のものは漸次これを制限していく、勢いこれはどうしても地下タンクに移行することになると思うのでありますが、そうなりますと、今私が最初に質問いたしましたように、工事施行につきましては十分に一つ厳正な監督を施されまして、将来の危険防止の徹底方につきまして遺憾なきようにお願い申し上げたいと思います。
それからもう一つ、ついでに御質問したいと思うのですが、昨日の毎日新聞の社説に「悲惨な引揚者寮の火事」というのが載っております。最近引揚者寮の火災が非常に相次いで起っております。引揚者寮と申しますと、その多くは、かつて兵舎などに使っておったものを転用したものでありまして、木造の大きな建物の中に多数の家族が雑居しておりまして、炊事等におきましても、そうした設備がないために非常に無理をして生活をしておるというような状況から、どうしても火災が起りやすいのではないかと思うのであります。それから数年前に神奈川県下におきまして養老院か火災を起しまして、多数の悲惨な老齢者が犠牲者になりまして、相当社会の耳目を衝動させました。そのとき総理大臣からもわざわざ見舞が行ったようなことを私は記憶いたしておりまするが、おそらく全国に兵舎等を転用した引揚者寮、寄宿舎、そうしたものが多数あるんじゃないかと思うのであります。それらはいずれもすでに腐朽いたしまして、火災発生の場合においては非常な危険をかもすおそれがあるのでありますが、こうしたものに対しまして、本来ならば国から相当なる補助を出してこれが改築あるいは新築をすべきが至当であろうと考えております。この居住者というものは、きわめて低廉な家賃を出して居住している関係上、そうした改築あるいは新築のことすらできないような状況でありますが、今後こういうものに対しまして、この社説は、国として、政府としてこうしたものを徹底的に調査をして、そうしてもし非常に危険があるというものに対しましては、消防当局から厳重に施設の管理者なりあるいは所持者に対して警告を発して、これが改築あるいは新築等を慫慂したらどうかというようなことを書いてありますが、私は大へんけっこうなことだと考えておるのであります。これにつきまして何かそうした御意図があるかどうか、その点を一つお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/8
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009・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 最近引揚者の寮の火災が非常に続けてありまして、われわれも大へん心配いたしておるのでございますが、お話しのように、昔の兵舎を利用いたしました引揚者寮というのか相当数ございます。東京周辺、東京と神奈川県だけでもざっと四十数カ所の引揚者寮がございます。むね数にいたしますと二百余りのむね数になっておるようでございますが、相当なむね数になっておるわけでございます。このほかにまた旧来の陸軍の施設を転用いたしました病院等も入れますと、危険度の非常に高いああいう大きな建物が相当数に上るものと想像されるのでございます。それで各地方におきましては、所轄の消防署が重点的にその引揚者寮のような非常に燃えやすい不良建物に居住しておる人々に対する防火の指導は十分徹底的にやっておるのでございますが、概して申し上げますと、引揚者寮に住んでおるような方々は、一家そろって出て働くというような人が割合多うございます。従って新聞も満足に見ない、あるいはラジオ等も聞かないというようなことで、そういう広報機関を利用して防火宣伝をいたしましても、なかなか徹底しないというようなきらいがあるのでございます。そしてこれらの居住者に対する防火指導は非常にむずかしいのでありますが、そういうことを念頭に置いて徹底した防火指導、火を十分気をつけるように指導するように、一線に対してはわれわれ指導いたしておるようなわけでありまして、なお今後ともその線を徹底していきたいと考えております。なお、これらの数多い不良建築物の改築改造は、もちろん国家がある程度めんどう見て、すみやかに改造いたすべきものとわれわれも考えておるのでございます。調査はある程度できておりますので、従来とも建設当局等と十分連絡をとりまして、なるべく早くこういうものを改造いたす、あるいは住宅公団とか金融公庫を利用してこういうものの建物を改造するとかいう方に進めていただいておるのでございますが、今後とも十分お話の意を体しまして、関係各省と連絡をとりまして、こういった不良建築物の改造改築に対しては、消防としても、消防の立場から十分意見を述べて推進させたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/9
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010・田中榮一
○田中(榮)委員 ただいまの御意見でよくわかったのでありますが、こうした施設を一応調査する場合におきましても、非常に表面的なことだけしか調査しない。徹底した調査がおそらくまだ施されていないと私は思いますので、この機会に、こうした調査につきましては徹底した調査を一つ施行していただきまして、そしてそれの所有者なり公共団体に対しまして厳重に警告を発していただきたい。また、公共団体側におきましても、消防庁からの厳重なる警告によって予算もとりやすい面もあるかと存じます。ことにわれわれは火災だけを予想しておりますが、あるいはそのほかの風水害とか、あるいは震災とか、そういう点もまた考えられますので、この際十分に一つ事前の予防措置を講ぜられるように希望いたしまして、私の質問を終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/10
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011・鈴木善幸
○鈴木委員長 消防組織法の一部を改正する法律案の審査を一時中断をいたします。
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012・鈴木善幸
○鈴木委員長 この際、警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
これにつきましては、先般来両党間において御協議が進められていたのでありますが、この際、その案文並びにその趣旨につきまして御説明を願うことといたします。纐纈彌三君。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/12
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013・纐纈彌三
○纐纈委員 ただいま議題となりました警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する件につきまして、便宜私から申し上げます。
本件につきましては、先般来自由民主党及び日本社会党両党間においてそれぞれ検討を続けておりましたが、このほど意見の一致を見、ここに改正法律案の成案を得るに至りましたので、私からその法律案及びその立案の趣旨並びにその内容の概要を御説明申し上げます。
もとより本案は両党の合意による成案でありますので、各位の御賛同を得て国会法第五十条の二の規定により、本委員会提出の法律案とし、その成立を希望いたす次第であります。
まず、法律案の全文でありますが、これはお手元に配付してあります印刷物により、朗読を省略させていただきます。
この法律案を立案いたしました理由は、現行犯人がいて警察官等がその場にいない場合に、職務によらないでみずから現行犯人の逮捕等に当った者が災害を受けたとき、地方公共団体がその給付を行う制度を確立するためであります。
御承知のごとく、警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律は、昭和二十七年の第十三回国会において議員立法として制定され、自来この法律によりまして、警察官に協力援助して災害を受けた者に対する給付がなされて参りましたが、本法は、職務執行中の警察官が援助を求めた場合、その他これに協力援助することが相当と認められる場合における協力援助について規定し、警察官がその場にいる場合を対象としておりますので、警察官か現場にいない場合に、職務によらないで現行犯人の逮捕、犯行の阻止、被害の回復その他被害者の救助に当った者が災害を受けても、これを本法による災害給付の対象として救済することは困難であり、またそれについて別にこれを救済する明確な法的制度が確立していないため、せっかくみずから進んでこのような勇敢な行動に出て災害を受けた者について、これに報いることが十分でない実情にあります。そこでかような行為をして災害を受けた者については、本人及びその遺族に対して必要と認められる給付を行い、これら義侠的行動に対する公的な救済手段を確立する必要があると考えますので。この必要を満たすため、本法の一部を改正するこの法律案を立案いたした次第であります。
以下本案の内容について申し上げます。
その第一は、法律の題名を改めて、警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律とすることであります。警察官の要請に基いてこれに協力援助した者と、警察官がその場にいない場合に現行犯人の逮捕等に当った者とは、ともに警察官の職務に協力援助した者でありますので、題名をこのように改めたのであります。第一条の改正を行いましたのも、右と同様の趣旨であり、これに関連して第五条の規定の整備を行わんとするものであります。
次に、第二条を改正して、新たに給付を受ける者について定めております。すなわち、一、殺人、傷害、強盗、窃盗等人の生命、身体もしくは財産に危害が及ぶ犯罪の現行犯人がおり、二、警察官その他法令に基き当該犯罪の捜査に当るべき者がその場にいない場合に、三としましては、職務によらないでみずから、当該現行犯人の逮捕または当該犯罪による被害者の救助に当った者が、そのため災害を受けたときには、地方公共団体が給付の責に任ずることといたしました。ただし、たとえば米国軍隊の使用しております施設内、外国公館等警察官が通常職務を行なっていない場所については、この法律を適用することは適当でなく、またたとえば被害者自身とか、被害者の家族等とか、当然みずから救済的な行動に出ると認められる者または加害行為を誘発した者等、道義的に見て災害給付を行うに値しない者等については、この法律による給付を行うことは適当でないので、この法律の対象から除くこととし、そのような場所及び人についての細則は政令で定めることといたしましたが、これはもっぱら本改正による給付の対象を現実かつ明白なものに限り、また諸般の見地から不合理と認められるものを除外しようとする趣旨に基くものであります。
次に、第三条を改正して新たに一項を加え、給付を行う者について規定し、給付の原因である災害が、みずから現行犯人の逮捕または被害者の救助に当ったことに起因するものについては、当該逮捕または救助に当った場所を管轄する都道府県警察が置かれている地方公共団体かその組付を行うことといたしました。
右のほか、給付の種類、範囲、金額、支給方法等については、すべて現行法の規定によることといたしておりますが、付則においては、この法律の施行の日を公布の日からとし、題名の改正に伴い、関係法律の整備をいたしたのであります。
なお、本案施行に要する経費としては、平年度約三十万円の見込みでありまして、これは都道府県警察に対する国の補助金として交付されるものであります。
以上がこの法律案の立案の趣旨及びその内容の概要であります。何とぞ全会一致御賛同あらんことをお願い申し上げる次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/13
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014・鈴木善幸
○鈴木委員長 ただいまの纐纈委員の御説明に関連して御発言はございませんか——別に御発言もなければ、本案は予算を伴う法律案でありますので、この際衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取することにいたします。青木国務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/14
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015・青木正
○青木国務大臣 御提案の法律案は、現行犯人がいて警察官等がその場にいない場合に、職務によらないでみずから犯人の逮捕等に当った者が災害を受けたとき、地方公共団体かその給付を行う制度を確立するためのものであると拝承いたしたのであります。このようにみずから進んで勇敢な行動に出で、災害を受けられた人々について、これに報いるためには、このような制度を作ることはぜひとも必要なことであると考えます。またこれは社会一般の安全を保持する上からいたしましても、非常に役立つものと存ずる次第であります。なお法律案のような給付を行うことは財政的にも可能でありますので、その御趣旨には全く同意でございます。従って、政府といたしましても、その成立を希望いたす次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/15
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016・鈴木善幸
○鈴木委員長 それではお諮りいたします。本案を委員会の成案と決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/16
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017・鈴木善幸
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって成案とするに決しました。
引き続き本案の提出方法についてお諮りいたします。国会法第五十条の二の規定により、本案を本委員会提出の法律案とするに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/17
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018・鈴木善幸
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/18
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019・鈴木善幸
○鈴木委員長 それでは再び消防組織法の一部を改正する法律案の審査を進めます。太田一夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/19
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020・太田一夫
○太田委員 国家消防本部長に見解を承わりたいのですが、まず第一は、市町村の消防長並びに非常勤の消防団員は地方公務員法でいいますところの特別職であります。従って、地方公務員法三十六条の政治的な行為を制限される対象にならないわけでありますが、そこで問題になりますのは、現在各地におきまして消防団の団員の行動が、消防団活動の一環としてかなり顕著に政治的な行為を行なっておる。たとえば選挙の際に、特定の候補者を支持しまたは指示せざるために動員をされて見張りにつく、あるいは火の用心のポスダーを張るという名前で各戸を歴訪して、特定の政党候補者の後援団体の加入勧誘をする、こういうことが公然と行われておるわけです。これに対して現在の法の規定上これを制限する何ものもないように見受けられるわけなんですが、これに対する見解をお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/20
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021・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 消防団員の政治活動の問題でございますが、お話にもありましたように、現在消防団員は公職選挙法に基きましても、消防団長あるいは消防団員の名前において立候補することは差しつかえないことになっておりますし、また地方公務員法上も特別職として、地方公務員としての政治的行為の制限からははずされております点は、お話にもありました通りであります。消防団は、もちろん消防組織法第九条によりまして消防事務を処理する市町村の行政機関でございますので、行政機関としては、もちろんこれは一般の行政機関も同様でございますが、行政機関としての政治的行為は当然法律上認められるものではないと存じますが、消防団員が団員の資格において、個人として政治活動をすることは、これは現在の法律上禁止は全然されておらないわけでございます。従いまして、消防団員の資格を有する者が志を同じゅうすることによって集まって、政治的な行動をしても、これは行政機関としての消防団の活動とは認められませんので、現在の選挙関係の法律から言いますと、消防団員の個人的な集まりとして政治活動をすることについては、一般の選挙の規制以外の特別な規制はない現状でございます。消防団というものが自由消防であり、ふだんはそれぞれ生業に服しておって、火災等災害の発生の場合に出て、消防団として行政機関として活動するものでございますから、個人としての活動をどこまでも規制するということは、法律上も不適当かと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/21
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022・太田一夫
○太田委員 個人として非常勤の消防団員が活動される場合に、これが悪いということを言うわけではないのです。消防団の制服を着て、消防自動車に乗って、ただいま実例を申し上げました通り、火の用心の紙を配りながら、選挙に立候補しようとする特定の候補者のために個別にその支援を頼む文書を配付したり、そういう示唆を与える行動は適法かどうかということを、もう一回お尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/22
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023・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 消防団の一般的な服務は市町村条例できめることになっておりますので、消防自動車を勝手に使うとか、その他の器材を勝手に使うことは、それぞれの市町村の条例によって規制される場合もあるわけでございますけれども、消防団員で、今お話のありましたような政治的な行動をする者は、われわれはこれは消防団としての、行政機関としての行為ではなしに、消防団員個人として、あるいは個人の集まりとしてやっておるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/23
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024・太田一夫
○太田委員 そうすると、団としての行為でないというのと、個人の集団であるというのと見分ける基準は、あなたはどういうものだとお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/24
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025・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 消防組織法の第九条の規定でございますが、消防事務を処理するため、左に掲げる機関を置くということの中に、消防団というのがございますので、消防団が行政機関の消防団として行動するのはこの第九条の規定によるわけでございますから、消防事務を処理するために一定の指揮命令に従って行動するのが、この消防団の行政機関としての任務と心得ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/25
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026・太田一夫
○太田委員 あなたは私の質問に対しまして、少し隔靴掻痒の感がある御答弁をなさってしまっておると思うのでありますが、一体、消防組織法の精神から言いまして、非常勤の消防団員でありましても——常勤の消防団員ならなおさらのことですけれども、その服務は、少くとも制服を着て公的な施設を利用するというような場合には、消防組織法に定められた消防団としての行動であると見なければならないと思うのです。その場合には、消防組織法に何かしら流れておる精神というものは純正、中立であって、あくまで政治には関与しない不偏不党のものであるはずです。水害や火災の場合に人命救助という対象はありますけれども、政治もまた人命の救助なりということで、特定の政党なり特定の候補者を支持するということならいざ知らず、そのような逸脱は許されることではないと思うのです。実際の純粋な消防組織法の精神から言うならば、何々消防団と染め抜いた制服を着て、制帽をかぶって、一団となって消防車を利用してそういうことをするのは、特定の候補者の推薦、応援をやれということに類似すると考えられるに疑わしい行動をするのは、一切いけないと断言されるべきだと思うのですが、あなたはそれについては断言されますか、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/26
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027・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 消防団員あるいは消防団長として政治的行為をすることが許されております以上、消防団服を着てはいけないということは、ちょっと言いにくいと思うのでございますが、もちろん消防団服を着て一定の人数が集まると、いかにも消防団として行動しておるがごとくに誤解されるかもしれないのでありまして、そういう誤解を受けるような行動は慎しんだ方がいいのではないかとは存じますが、しかし、法律的に消防団員の政治的行為は許されておるのでございますから、それが何人か志を同じゅうする者が集まって政治的な行動を個人の立場においてやっていたとしましても、これを法律的に違法であるとか、あるいは禁止するとかいうことは困難じゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/27
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028・太田一夫
○太田委員 違法かどうかという点になりますと、消防組織法からあるいは地方公務員法からいいまして、多分に適法だという根拠はあるわけです。あるけれども、公器を使い、消防団なり消防団長の指示によって動いておる。そのまま錯覚されるような形態をもってそういう政治的行為をするということを、あなたたちがかりに現在の法制上それは誤解はあるようではあるけれども、ここには許されておるのだから、まあ禁止されておらないのだからいいというようなことをお考えになるならば、現在の消防団というのは全部政治的な行為のために動員されていきまして、あなたたちのおっしゃるような、もしも火災だとか水害の場合に、全町、全村、全面一致して消防活動などに協力する民意というものが薄らいでいくのではないかと思うのです。ですからあなたたちは、そういうことのないようにということは、はっきり言い切れると思うのですが、それを乱用してはいけないとはっきり思われるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/28
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029・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 先ほども申し上げましたように、消防団の服務に関しましては、市町村長が責任を持って監督いたしておるのでございまして、それの機材の使用等につきましても、もちろん市町村長が監督いたしておるのでございます。そういう消防団員が集まって、いかにも消防団らしい格好をして政治的な活動をしておるというのは、これは全国的に見ますと、ごく一部の消防団にはそういった誤解を受ける行動をしておるものがあるかもしれませんが、全体的に見て、そういう誤解を受けるような行動をしておるものはそうたくさんはないと存じます。それはすべて市町村長の監督に属しておるわけでございますので、法律上いけないという規定がない限り、われわれが国家消防本部としまして、これにとやかく指図をするということは、ちょっと現在の法律上は困難かと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/29
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030・太田一夫
○太田委員 指導方法、指導方針をお尋ねするわけです。今のようなお答えでありますと、政治的な行為というのは、実は消防団に限りましては自由だということに裏返しすればなるわけです。一部だとおっしゃいますけれども、これは一部ではない、全体的な傾向です。だからあなたは、そのように一部にでもあれば全体に波及するというおそれがある場合においては、それは本来の消防団の使命を逸脱するものであるから、そのような誤解を受けることは相ならぬ。またそのような乱用は相ならぬということをはっきりおっしゃるべきではないかと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/30
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031・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 もちろんただいまお話のような消防機材を乱用したり、あるいは消防団の地位を乱用するという点は、消防本来の目的に反するわけでございますから、乱用という点になれば、これはもちろん組織法第九条から申しましても不適当なことと考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/31
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032・太田一夫
○太田委員 そうしますと、消防団の制服、制帽を着て、某候補の後援会の加入届を持って配って歩くということは、非常勤の消防団員は自由だといいながら、制服、制帽の場合にはやはりこれはやってはいけないということと同じでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/32
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033・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 消防団員の資格において政治活動ができるのでございますから、制服を着てやったからどうということでは、必ずしも直ちに乱用ということにはならないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/33
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034・太田一夫
○太田委員 それはほんとうに責任を持ってお答えになるのですか。それでいいのですか。念のために聞きますが、制服と制帽を着て、消防自動車に乗って地方に行って、何か水防訓練もあるでしょうが、何があるかしれませんけれども、ついでに後援会の加入届を一軒々々配って歩くということは、あなたは個人は自由なんだから、地方公務員法で特別職で除外してあるから、それはいいんだということになると大へんなことになると思うのですが、それでいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/34
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035・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 非常勤の消防団員が、消防の団服を着て、団帽をかぶって政治活動をするということは、消防団員あるいは団長としての資格において政治的活動が認められております以上、絶対に制服を着てやってはいかぬということはいえないと存じますが、これが乱用という度を越したような行為になりますれば、これは違法といえないけれども、場合によっては穏当を欠くという程度のことは言えると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/35
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036・太田一夫
○太田委員 そうすると、消防自動車を使う場合、それから制服を着用する場合、これが有志の集団としてそれはなさる場合があるでしょうが、団員としての消防活動としておやりになる場合には、それはいけないのだとおっしゃった。それは放水試験があった。あるいはほんとうに火の用心のためにいろいろと注意を喚起する警戒行動があった。それは自動車に乗り、サイレンを鳴らし、あるいは制服、制帽をつける。これは当然のことだと思うのですが、それを同じ過程でついでに一軒一軒何々知事を応援してあげて下さい、何々君は今度立候補をするから後援会に入ってくれということを言って歩くことは、非常な大きな誤解を招いて、消防団は政治的行為を行うのは地方公務員法に関係なしに全くの自由だ。消防団の自由だということに地方民から錯覚されるのだから、市町村が条例で定めておるかもしれないが、消防長は市町村長でなさる場合が多いでしょう。してみれば県が監督なり、勧告なりをしなければならぬようなことになるし、従って、国家消防本部からもあわせてこの問題についても監督し、行き過ぎは戒めなければならぬと思うのですが、そういう行為が各地に出てきておるのに、まあこれは仕方がないものだとお考えになるのは、責任者として、消防、水防、人命救助という純然たる消防団活動の組織法の精神からいって、逸脱もはなはだしいことに対して、あまりにも無感覚過ぎると思うのですが、その点について、市町村長が監督をするという、市町村長自身が消防長なんです、そういうところが現実に多いのでしょう、これは御認識でしょう、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/36
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037・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 ただいまのお話では消防長というお話がときどき出たのでございますが、その消防長といいますのは、地方公務員法による公務員でございまして、普通、消防本部とか消防署のあるところの消防の親玉を消防長というわけでございます。ただ従来の法律によりますと、消防本部なり消防署のないところで、消防長の仕事をすべて市町村長がやるということになっておるだけでございまして、市町村長が直ちに消防長になるわけではございません。もちろん消防職員並びに常勤の消防団員は地方公務員法の規制を受けますので、一切の政治活動等についても地方公務員としての規制を受けるわけでございます。ただいままで私が申し上げましたのは非常勤の消防団員に関する問題で、おそらく御質問もその趣旨だと存じますので、非常勤の消防団員の問題としてお答え申したわけでございます。
消防団服を着、消防団帽をかぶっての行動については、先ほど申し上げた通りでございますが、もちろん消防ポンプを消防以外のいろいろな会合にみだりに利用したり、あるいは花見に利用したりということ、これは厳に戒めておるわけでございまして、何と申しましても、消防ポンプは消防団員にとりましては生命でございますので、これが取扱いについてはみだりな使用はしないということで指導いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/37
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038・太田一夫
○太田委員 そういう乱用はしないということにつきまして、厳正な指導がされることが望ましいと思います。今度の消防組織法の一部改正法案につきましては、第四条の十五には「火災防ぎょ計画の基準の研究及び立案に関する事項」十四には「施設の基準の研究及び立案に関する事項」ということがあって、かなり具体的に指導される意思が盛り込まれておりますね。市町村の消防というのは、あなたたちが東京でお考えになるような、そのような純正なものでない場合が多い。今のように、そういう権威、組織力というものを発揮をいたしまして、特定の政党候補者のために働くことが多いのですよ。そういうことはこの精神からいっても間違いなんだから、そういうことはないようにしてほしい。そのくらいな指導はあってしかるべきだと思うのです。都道府県の非常動は特別職である、それはその通りなんですが、絶対に無条件ではない。団としての行動はできないという以上は、少くともまぎらわしい行為は一切やめてほしい。そのために、そのようなことに使われるなら消防はやめた、私は本来消防のために非常勤の団員たることを承認しているんだが、特定の政党の政治活動に使われるのなら私はいやだといって、はっぴを返上した団員があるんです。そんなことは一部のことであって、歯牙にかけることでもないからどうでもいいとおっしゃるのですか。もう少し厳正に消防団規律ということをお考えになる必要があるんじゃないかということを考えるのですが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/38
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039・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 消防団員の規律、訓練、資質の向上等の絶対に必要なことは御説の通りでございまして、今度の消防組織法改正におきましても、あるいは消防講習所を消防大学校にするとか、府県の消防教養機関を消防学校というものに名前を統一して、消防職員並びに団員の教養を中央、地方を合せて徹底的に行おうという意気込みでこの消防組織法の改正もいたしたような次第でございまして、今後消防団員の教養を徹底的にやりまして、消防団の団務の執行に遺憾のないように教養訓練を続けていくということにつきましては、十分お話の御趣旨を体しまして教養訓練に努めていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/39
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040・太田一夫
○太田委員 その趣旨がわかっていただければいいと思います。できれば大臣に答弁を求めたいのですが、それはきょうはいらっしゃいませんから省略しましょう。
それでは一つ具体的な話になって恐縮ですが、消防団員が出動いたしました場合には、それぞれの条例で定めております手当を支給されることになっておる。この手当の支給などは、これはお互いに金銭に関することですからよけいもらった方がいいのですが、十人出動しても二十人分出動ということにして水増し支給をするから、消防団に正当な帳簿を備えつけることはできない、支出を明らかにすることはできないから、やみ帳簿になり、その経費が明らかでなくて、しかもそのお金はかなりな、今も申しましたような政治的の行為をしたあとの用に使われておる。こういうことがあるのですが、こういう事実に対しては、あなたはいかなる指導方針をお持ちであるか、これを一つ伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/40
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041・横山和夫
○横山政府委員 消防団員の出動手当の問題は、お説にもありましたように市町村が予算措置をいたしまして、支給のための条例を作り、あるいは規則による細則等に基きまして手当を支給いたしておるわけでありますが、それに対応いたしまして、地方交付税の算定の場合にも所要の財源措置はいたしております。ただ、実際の出動に対応しますところの財源措置は十分でありませんので、出動回数よりかなり低い手当が出されておるのが実情だと思いますが、御指摘のようなケースの場合につきまして、実はかなり出るにもかかわらず、実際に手当を支給するのは、財政上の措置が十分に参りませんために少いというようなところから、消防団員の出動手当は、実態としては、必ずしも一回出動すれば幾らときめられたものがそのつどその金額が適当に渡されるかどうかというのは、概して申しますならば、そういう姿になっていない、こういうように存じます。一応われわれが平均いたしますと、大体三十数回出動する。これは訓練を含めてでございますが、三十数回出動するというのが一般的に見ました平均値のようでありますけれども、しからば、その三十数回に見合うように常にそのたびごとに手当が出されておるかと申しますと、必ずしも実情はそうではないのでありまして、おそらく一年に数回まとめて、あるいは年に一回これをまとめて出初式のあと等に何らかの形で支給するというようなのが実態かと存じます。従って、設例になりましたような件につきましての手当の支給の問題は、厳密にどういう場合がどうだというようなことは、われわれの方で十分存じてはおりませんけれども、手当の支出の実態は以上申し上げたような状況にあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/41
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042・太田一夫
○太田委員 実態は三十数回でございましょう。年に数回分れることも実態だと思いますけれども、そういう意味でなしに、水増し支給ということは全然角度が違うわけです。角度も違うし、水増し支給をされて潤沢に資金が某々という消防団には支給されている。それは今の政治的行為の多寡によって支給されてくるのですから、そういうことがあるとするなら、これもまた消防団のいろいろな行動の腐敗のもとにもなっているわけです。行動がこれ、金がこれ、行動上に誤まりがあり、誤解が起る。経理の面において腐敗と誤まりが多い。こういうことの監督などというのは実は非常になおざりになっているのです。かつてこれが明確に答えられたためしはない。消防団に反対すれば水をかけられるからだまっておる。泣く子と地頭とには勝たれないというが、今の世の中にそんなことがあっていいはずがないのです。
国家消防本部長は、この問題の真相を十分把握して、適正な指導に出られるべきだと思う。そのために必要な法令の改正がいるならば、適正な改正をなさるべきだと思う。そのためのあなた方の綱紀粛正の決意というものを明らかに承わっておきたいと思う。ですから、そういう経理の腐敗不明朗というものについては、十分私どもは綱紀粛正のために努力するとおっしゃれば、われわれも安んずるわけですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/42
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043・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 ただいまも総務課長から答弁申し上げましたように、われわれは消防団員の出動手当がどうも思うように出ない、規定通り出ない町村が多いという不平を聞くことが多いのでございまして、出動手当と称して割増しをたくさんもらうというような話はあまり聞いたことはないのでございますが、もしそういう何らか別な意味で消防団に特別な金がいろいろ額を違えて出すというようなことがありとすれば、これは消防団の規律の上から申しましても、指導上から申しましても、世人の信用の点から申しましても、不適当な穏当を欠くことと存じます。しかし、今までそういう事実をわれわれ聞いたことがございませんので、もしそういう事実がございますれば、事実の内容を十分確かめまして、それに基いて指導すべきものは指導いたしたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/43
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044・鈴木善幸
○鈴木委員長 阪上安太郎君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/44
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045・阪上安太郎
○阪上委員 私は消防組織法の今回の改正につきまして、特に十九条の全面改正、これを中心として質問をいたしたいと思います。
そこでまず第一番に真意を問うてみたいと思うのですが、大臣おいでになりませんので、本部長からお答え願いたい。この改正案にきわめて簡単に一部改正案というような形で、事もなげに出されておりますけれども、いろいろとその内容を検討して参りますと、消防大学の設置などというようなことについてはむしろ必要かもしれませんが、十九条の改正というのは恐るべき改正だ、私はかように考えるのであります。考え方によると、過般の例の警職法の改正と同じような経緯をたどっていくという印象を私は受けておる。全国三万の常設消防とそれから百七十万の消防団員、これらを消防強化に名をかりまして、実はそれを国家権力の傘下に集めて、そうして全面的な何か国民運動的な一つの基盤にしていくというような考え方にしか考えられない。過去の例を考えてみましても、まず最初に問題になりましたのが例の市町村自治体警察、これは府県警察に移行し、府県というものは御承知のように中間的な団体でありますので、結局これは国家につながっておる。そんな方向にこれが移譲されてきた。また、最近問題になっております例の勤評の問題もそうであると思う。元来市町村教育委員会というものは、義務教育につきましては特に全責任をもってやっておる。これがだんだんと強化されて参りまして、これがまた府県に移行されておる。そうして文部省あたりが指導権と称して強硬なる干渉を行なっておる。こういうような状態に入っておる。この消防の経緯を考えてみましても、今回の改正には何らかそういった意図があるようにわれわれは見受けられる。ことに十九条の全面改正ということは、私はもってのほかだと、かように考えておるのですが、一体真意をあなた方はどういうところに持っておるか、一つこの際明確にお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/45
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046・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 組織法十九条の改正でございますが、これは端的に申しますと、ただいまお話のような中央統制的な意味は全然ございません。これを改正いたしました理由は、組織法の第六条に「市町村は、当該市町村の区域における消防を十分に果すべき責任を有する。」また、七条には、市町村の消防は、市町村長がこれを管理する。また八条には、その費用は市町村が持て。こういう六条、七条、八条の規定によりまして、市町村の消防は市町村の責任であるということが厳然とここに規定されておるわけでございまして、ここに日本の消防のあり方というものの大前提が掲げられておるわけでございます。こういうように市町村の消防は市町村の責任だという規定があります以上、市町村の消防行政に対して、国なりあるいは都道府県が、法律によらずに勝手に容喙するということは絶対にできないことは、自治法一般の原則から申しましても当然のことであると存じます。ここで市町村の消防は市町村の絶対責任だということをうたって、すでに市町村消防、自治体消防であるということの原則がうたわれておりますので、これと表裏して、この第四章の——第十九条は第四章の冒頭でございますが、第四章では、市町村と都道府県の関係とか、あるいは市町村相互の関係とか、あるいは消防と他の行政の関係とかいうものを規定しておるわけでございますが、その冒頭において、改正案のごとくに——改正案十九条によりますと、「国及び都道府県は、市町村の消防の自主性を尊重するとともに、その運営か円滑に行われるよう配慮するものとする。」こういう規定に改めたわけでございます。第六条とあわせまして、第六条で原則を規定し、第十九条においてそれを裏づけしたように、国及び都道府県は、市町村の消防の自主性を尊重して、これの運営が円滑にいくように配慮するのだという規定を設けた方が、両方相待ちまして市町村の自治体消防の原則を明確にいたしたという結果になると存じます。それで、現在の規定のような「運営管理又は行政管理に服することはない。」これは法律の規定がなければ、法律に根拠がなければ、当然国または都道府県が市町村の責任である消防行政に対して口出しはできないわけでございますので、それをさらにここで運営管理または行政管理に服することはないという、当然のことをうたう必要はないのでございまして、むしろ、改正条文の方がすっきりとして、自治体消防の本則を明らかにしたものと私どもは考えておるわけでございます。その上に、現行の十九条の「運営管理又は行政管理に服することはない。」という文章の書き方が、非常に誤解を生んだり、あるいは場合によってはかえって市町村のためにならないような誤解を生むということも間々ありますので、むしろ新しい十九条のようなはっきりとした規定でもって、市町村の、自治体消防の原則を、六条とあわせて表裏一体となってここに明確に示した方が適正かと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/46
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047・阪上安太郎
○阪上委員 今の答弁によりますと、改正十九条が非常に明確であるようなことを言われておりますが、私から見れば、これは少しも明確じゃない。むしろこの方があいまいもことしておって、そして先ほど言いましたように、権力集中の方向へ導くために非常に有利な十九条になっておる。あなたは先ほどから組織法の第六条、七条、八条等を引例されておりますが、それは市町村の区域における消防を十分に果すべき責任を規定しているだけであって、これが管理、運営等の事務的な指揮系統等につきましては、やはりこの十九条が明確に市町村の固有事務であるということをうたっておる条文で、これを何がためにことさらに変えられたか、今の説明ではちっとも私は納得できません。同時に今の言葉じりをつかまえるわけじゃないけれども、現行の十九条ではいろいろ誤解がある、ためにならぬ、こういうことを言われたが、一つ具体的に説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/47
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048・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 現行の第十九条の、国または都道府県の運営管理または行政管理に服することはないという、ここにいう運営管理、行政管理とはいかなることかということは、法律に明確にされておりません。従って、この運営管理、行政管理とは一体どういうことをいうのかということは、法律上は明確でありませんし、解釈も非常にまちまちでございまして、そのためにこの条文をたてにとりまして、運営管理、行政管理に一切服することができないのだから、国家消防本部長の言うことも、都道府県知事の言うことも何ら聞かなくてもいいのだというふうに、悪く解釈するものも出てくるような弊害のある文章でございます。十九条の次にあります二十条及び二十条の二によって、国家消防本部長及び都道府県知事は、市町村の消防に対して勧告あるいは指導、助言をすることが規定されておりますが、これらの規定がありながら、勧告、指導、助言をしても、それは十九条によって聞かなくてもいいのだからということを言うものがありまして、せっかくいろいろと研究いたして勧告し、あるいは指導、助言を与えておりながら、一向それが効果が上っていないということかしばしばあるのでございます。また、あるいは二十四条の二には、非常事態における都道府県知事の災害予防のための指示権かございますが、これらのことはむしろ運営管理に属することと存じますけれども、これらの規定とも十九条は非常に矛盾する規定でございます。
さらに、この規定か一番じゃまになると申しますか、市町村のために場合によると不利になる場合があるということを申し上げましたのは、財政上の問題でございます。この規定がかりにわれわれが長年市町村の消防の施設に対する補助、その他財政上の援助に対して、補助金を増額いたそうとしましても、政府の金を出したくない側の方から申しますと、この十九条をたてにとって、事務的なことを申し上げて大へん恐縮でございますが、お前たちは市町村の消防に対して黙っておればいいじゃないか、それが十九条にちゃんと規定してあるのに、この国家財政の苦しいときに、どうしてやらなくていいものを出す必要があるんだというようなことを、金を出すのをきらう方の側からいいますと、この十九条が非常にいい口実になるわけでございます。また、国家消防本部の機構をいろいろ充実し、仕事の内容を充実して、市町村の消防を指導していこうとしましても、やはり同じような問題にぶつかるわけでございまして、消防大学を充実しようとしましても、やはりこれが一つの牽制になるわけでございます。同様なことは都道府県にもございまして、消防に対する都道府県の補助は、全国的に見ましてもごくわずかでございますけれども、これを増額いたそうとしても、やはりこの十九条が支障になりまして、都道府県の予算を十分とれないということが実情でございます。そういういろいろ申し上げたような点からいたしますと、現在の十九条は、改正案の十九条のように改正した方が最も妥当であろうと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/48
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049・阪上安太郎
○阪上委員 よくわかりました。ためにならぬという点は結局財政上の問題だ、こういうふうに説明を受けたのです。これはもってのほかの考え方であって、少くとも消防の基本的な概念としては、やはり国民皆消防の理念に徹しなければならぬ。従って、こういう地方自治の固有事務であるということを明確に規定しておるところの十九条を削ることによって政府は財政援助をするんだ、こういうようなものの考え方は根底から間違っておるのじゃないかと私は思うのです。
そこでまず十九条の改正は「自主性を尊重するとともに」とありますが、そういったことはむしろあなたが先ほど説明された第六条ではっきりしておるのです。第六条の方が自主性の尊重などということについてははっきりしておるのです。それから今の財政的な問題については、八条で「市町村の消防に要する費用は、当該市町村がこれを負担しなければならない。」と規定してあるとともに、二十五条に「市町村の消防に要する費用に対する補助金に関しては、法律でこれを定める。」補助金をまっこうから否定するものでも何でもない、やらなければならない。それを今言ったように。十九条の規定があるからというので、要するに率直に言えば監督権が政府になければ、都道府県になければ、補助金は出さない。こういうものの考え方、これが今まで非常に消防の発展を毒してきておるのです。それと同じ考え方を今あなたから説明を受けて非常に私は驚いておる。あなたは監督権を持ちさえすれば補助金は出してもいいし、政府はそういう考え方である、こういうふうにお考えになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/49
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050・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 ただいまのお話では、十九条をとってしまうと、国なり都道府県に非常な監督権が出てくるようなお話でございますが、われわれは絶対にそういうふうには考えておりません。むしろ消防は市町村の自治体のものだということの原則が第六条によってきめられておるのでございまして、これで原則が打ち立てられておるわけでございます。いわば十九条はそれを裏から言っただけの話で、どうせ裏から言うなら、むしろ積極的な新しい十九条の規定の方が妥当であるとわれわれは考えておるわけでございます。運営管理及び行政管理に服することがないというのが、いわば誤解されたために効果が十分上らない場合があると申しましたのは、財政上の問題ばかりでなしに、先ほど申し上げました勧告、指導、助言の問題もございますし、また消防法の第四条に規定されております国家消防本部の事務あるいは十八条の二にあります都道府県の消防に関する事務というようなものにもそれぞれ支障を来たしてくるのでございまして、第六条に市町村の自治体消防だという原則が打ち立てられております以上は、あと現行法のような十九条がなくても、当然市町村の自治体消防に対しては、国または都道府県は法律に根拠なしによけいな容喙ができないということは、地方自治の原則から申しまして当然のことでございますので、むしろ十九条は、新しい十九条のように積極的な訓示規定と申しますか、積極的な形に書きかえた方がより適当であると私どもは考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/50
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051・阪上安太郎
○阪上委員 どうも同じような答弁でよくわからないですが、二十条の二の改正条項、この改正条文によりますと、都道府県も今までなかった立ち入り調査等もやらして実態調査をやらすということになっておるでしょう。この権限を新たに付与されたわけなんだ。そうすると、先ほどあなたは二十条の二項でそういった問題ははっきりしておるんだからという話ですが、この点非常に矛盾がある。
もう一点、そうなってきますと、五条の改正は一体どういう意味なんですか。現行法では「消防本部に、国家公安委員会の承認を得て国家消防本部の定めるところにより、所長その他所要の職員及び機関を置く。」ということになっておりますけれども、今度はそれがはずされてしまっておる。こういった関係は一体どうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/51
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052・横山和夫
○横山政府委員 第五条の関係につきましてお答え申し上げます。現行の第五条は、第一項におきまして、付置機関として消防本部に消防研究所を置くということを規定しております。これは四条の二のところに付置機関として置くということを規定いたしましたので、この一項は削除になります。
それから第二項の「国家公安委員会の承認を得て国家消防本部の定めるところにより、所長その他所要の職員及び機関を置く。」この規定は、はっきりしておるようで実ははっきりしないのであります。と申しますのは、所要の機関を置くという場合に考えられますのは、従来は消防研究所が特に第一項に書いてあるということになると、おそらく消防講習所——今度大学校に御昇格いただきます消防講習所等を主として考えたものじゃないかと思うのでありますが、そういうようなものの設置は、単に国家消防本部の定めるところによって機関を置くということは、国家行政組織法とのかね合いからいたしまして適当でないと考えられます。なお、所要の職員につきましても、国家公安委員会の承認を得れば消防本部の定めるところによって置かれるんだということも、職員の身分の保障ということから考えまして必ずしも適切とは考えられないわけでございます。そういう観点からいたしまして、今回はそういう不明確な点を落して、職員につきましては国家公務員法の規定に基いて本部長がこれを任命するのだということ、機関は、消防大学校にいたしましてもその他の機関につきましても、組織法上に明確に法律上の機関として置く。こういう考え方に立ちます関係上、第二項は不要の条文になりましたので削除いたしたわけでございます。それ以上の別に何らの意味合いもないと存じております。
なお、ついでに先ほどの点に触れさせていただきたいと思うのでありますが、新しく入れました十九条と第六条との関係でございます。第六条は、御説の通りに市町村の消防は当該市町村が全責任を負うてやるんだという基本的な原則を打ち立ててあるのであります。十九条の今度の改正部分は、これとうらはらの意味合いであります。その意味合いは、一つには六条の大原則を敷衍いたしますとともに、もう一つの意味合いといたしましては、現在の組織法の中において、国と府県と市町村との消防のあり方といいますか、そういうものの相互の関係が必ずしも原則的にははっきりしておりません。それは十九条に書いてあるような行政管理、運営管理に服することはないということが非常に誤解を受けております関係上、必ずしもはっきりしてない面がありますので、積極的な意味合いにおいてと申しますのは、誤解を受けるという点を排除する意味合いで、十九条の新しい関係、すなわち国、都道府県は市町村消防の自主性を尊重するんだということを明言いたしますとともに、その運営の円滑化を期するように努力をするんだ、こういう相関関係をうたってあるというふうに存じております。
それから二十五条の意味でございますが、すでに御指摘のように、消防組織法二十五条は、国が市町村の消防に要する経費に対して補助金を出すことあるべしという意味をうたっておりますけれども、そもそも二十五条のさらに背後にある考え方は、予算補助というものはいけないので、やはり出す補助は法律によってやれという考え方があるのでありまして、必ずしも二十五条は国が大いに積極的に補助金を出すということばかりにも、従来とられてない向きがあるのであります。そういう観点からいたしまして、実は先ほど申し上げましたように十九条の現行規定は、財政の面に問題を限定いたしましても、実は予算をとります場合に、必ずしもいい影響を与えないという結果がありましたことは、実は事実であるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/52
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053・阪上安太郎
○阪上委員 私は満足できません。そこで私の意見として申し述べたいと思うのでありますが、財政上非常にこの条文がじゃまになる——そのこと自体は私は間違っていると思うけれども、もしそうであるとするならば、二十五条を率直に改正したらどうですか。それからまた第八条を率直に改正したらどうですか。国民皆消防の見地から、むしろそちらに手をつけるべきではないか。基本的な固有事務として規定しているところの十九条を削ってしまって、こういうふうにあいまいもこにしていく必要はないと私は思う。この点に関しては、議論をやってもしようかないから、また大臣でもおいでになったら質問をすることにいたします。関連があるそうですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/53
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054・佐野憲治
○佐野委員 質問通告しておったのですけれども、私もやはりただしたかったのは十九条であったので、阪上委員の方から問題点が明らかになって参っておりますので、一応これに関連してお尋ねしたいと思います。
消防法が二十三年に改正されたとき、消防行政の質的な大きな変革をなしたということは、やはり警察行政から分離したということと、もう一つは、地方自治体を強化するために町村消防を育成するのだ、ここにあったと考えるわけであります。そういう意味から今の十九条が載せられたということも、民主主義の基盤である地方自治体を強化する——過去における中央集権の中にあり、あるいは警察機構の中にあった町村消防というものを、固有の町村消防としての性格を明らかにする。法律技術論から考えてみましても、この十九条は非常に重大な要素を持っておると考えるのです。改正されますところの案文を読んで参りますと、これは一つの倫理規定にすぎない。これを犯した場合に一体どうなるのか、どうもならない。いわゆる妥当ではないけれども違法ではない。こういう解釈が常に官僚の中において使われている用語でもありますし、そういう意味から、私はこういう十九条の改正の倫理規定なんというものは、あってもなくてもいいと思うのです。「運営管理又は行政管理に服することはない。」ここに自治体の消防としての性格か明らかになっておるのじゃないか。これをくつがえそうとする意図、考え方、そういうものが、非常に巧妙に、しかも技術的にいろいろ各条文の中に含まれて参っておるのじゃないか。ですから、自治体消防だということは、単に倫理的な規定としてずいぶん取り上げられておる。それを保障するものがぼかされてしまっていっているというところに、非常に危険な方向が考えられるのじゃないかという意味から、阪上さんが指摘しておられるわけでありますが、私もやはりそのように考えます。特に財政の問題を言っておられますけれども、自治庁から私の手元に来ておりますところの資料によりましても、町村の予算をもってまかなわなくちゃならぬ消防に対する経費の負担を、住民は九億円も払っておるということが明らかになっておりますし、それが実情だと思います。しかしながら、こういう町村財政の逼迫しておるということ、このことの中に、地方財政、地方自治が今日非常に危機に直面している問題があると思います。ですから、社会党が毎年消防施設税を取って、地方財政なり消防施設の拡充に向けるべきであることを主張しているのも、この点にあると思う。ですから、問題を別に解釈しなければならない。地方財政が窮迫している今日の状態をどう打開していくかということと、消防が今日陥っている財政難という問題と関連して考えらるべきであって、ただ中央から援助するのだ、だから中央がこれに対するところの干渉権の糸口を持ちたいのだというようなことは、非常に危険な方向じゃないか、かように考えるので、これらに対する考え方を、お聞きいたしたいと思います。
第二点として、十九条が明確に規定していると同時に、その中から二十条における指導あるいは勧告、こういうのが出てくると思います。しかし、この規定があってこそ指導監督というものが生きてくるのであって、これがない場合における指導監督というものはどういうものであるか。今日、勤務評定を中心とする国会の論議を通じて考えて参りましても、教育法案改正のときに、そういうことは予想だにしなかった。立法者も、国会における審議においても、そういうことが考えられなかった。しかしながら、今日文部大臣は指導権の名のもとに、県教育委員会に対してどういう行政的な干渉をやっておるか。立法の意思を乗り越えてしまっておる。こういうことが行われておるという現実から考えて参りましても、十九条による倫理規定に切り変えることによって、皆さんの指導監督というものがどういう現実的な力となって参るか。あるいは本委員会におきましても、地方財政再建整備に関する法律が出て参りまして、いわゆる利子補給の問題をめぐって、自治庁が赤字団体に対しましてどのような干渉を行なって、地方の自主性を阻害して参ったかということからかんがみましても、非常に大きな問題じゃないかということを考えます。
それから第三点といたしまして、町村消防の性格上から考えて参りましても、特に中央集権の中に警察権力の一翼をになって参った町村消防の過去における残痕というものが多く出ておると思います。これを拭払していくためにも、どうしても自主性、独立性を確保しなくちゃならぬという意味から、たとえば二十六条において「所要の機関を設置しなければならない。」これが正しいと思うのです。これを、消防学校を作らなくちゃならないという考え方、あるいは消防大学を作るんだ、こういう考え方より、現在はやはり消防講習所、こういう形こそが消防組織法全般の性格から、立法されました意思を尊重するという意味におきまして、それが正しいんじゃないか。今のような改正をなさることの中に、やはり中央集権化への方向がはっきりねらいとして出て参っておるんじゃないか、かように考えますので、その点に対する見解をお聞きいたしたい。
最後に、消防協会に対する事業委託費という、非常に疑惑といろいろの意味に包まれておるこういう方面に対しまして、年間千五百万円の事業委託をなしておられる。こういうことも非常に不明朗にさしておるわけでありまして、やはりこういうものをなくしていくことも、町村消防を育成するために必要なことじゃないか。具体的にどういう事業が執行せられておるか、そうしてその内容はどうか、どういう具合に消費されておるかということを考えて参りましたならば、こういう消防協会が存在するがゆえに、町村におきましては財政に逼迫をしておる。予算に組めない、住民の税外負担としてやられている中に、消防協会の何々を建築、何々のための負担金がやって参っておる。そうして政府からも千五百万円に近い金が委託されることによって、ますます疑惑に包まれる協会ができて参っておる。こういう点も、いわゆる自治体強化のための町村消防の独立性ということを非常に阻害しておるのではないか、こういうようにも考えられますので、それらに対する消防本部としての見解をお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/54
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055・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 お答えいたします。先ほど来阪上委員の御質問に対してだんだんと御答弁申し上げましたのに大体尽きるわけでございますが、われわれはあくまでも十九条の改正は、むしろ市町村の自治体消防と国及び都道府県のこれに対する態度というものを、改正法によって明らかにいたしたので、むしろ市町村の自治体消防の原則を強化したというくらいに考えておるわけでございます。市町村消防、自治体消防の原則は、むしろこの六条によって厳然としてきめられておるのでございます。先ほども申し上げましたように、この六条の条文があります以上、地方自治の本則に基いて、当然に法律上に根拠がなければ、国なり都道府県は町村の消防に対して勝手な容喙ができないというのが明らかなのでございまして、第十九条は、この市町村の消防に対する国なり都道府県の態度を明らかにいたしたわけでございまして、むしろこれが表裏となりまして、市町村の自治体消防としての原則をなお一そう明確にしたものとわれわれは考えておるわけでございます。また改正のわれわれの気持は、もちろん市町村の自治体消防の発展を企図いたすのでございまして、これに対していたずらな容喙をしようと企図いたしておるわけではございません。あくまでも市町村の自治体消防の自主性は尊重して、過去十年余りの自治体消防としての発達に十分な敬意を表して、これがなお一そうの発展をこいねがうという気持から出ておることには変りはないのでございまして、その点十分御了承を願いたいと存じます。
なお、消防協会に対する事業委託費の内容につきましては、別の政府委員から御説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/55
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056・横山和夫
○横山政府委員 消防協会に対します事業委託費は、主として予防宣伝関係の経費に使途としては使われておるようでございます。防火に関しますところのラジオ放送による予防の思想の徹底であるとか、あるいは映画の作成であるとか、スライド、幻灯等の作成でありますとか、あるいは防火宣伝のポスター、パンフレット、紙芝居、こういうような火災予防宣伝の関係を中心とした経費に重点を置いて事業委託費が出されておるという実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/56
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057・阪上安太郎
○阪上委員 同じような質問を繰り返すことになるのですが、今、六条によって市町村の自主性というものか消防に関してははっきりしておるのだ、しかして十九条においては、これはむしろ誤解を招くような条文だという、こういうような言い方ばかり先ほどから繰り返しておる。市町村の自主性を十分に尊重しなければならぬという原則に従ってこの十九条というものがあるのだと私は考えなければならぬのだと思うのです。そのためにこそ十九条が必要なのです。それを逆の解釈をされておるというのが、どうもおかしいのじゃないですか。あまりそう固くならぬで、少しやわらかに考えたらどうなんですか。当然こんな条文というものをここで改正する必要は毛頭ないとわれわれは思うのです。財政々々と言われるけれども、御案内のように、消防財源というものは一括して固定資産税というものが大きな役割をして、消防あるがゆえにこそ固定資産税というものがあるのだと考えてもいいくらいにはっきりしたものになっているのです。ここで町村の消防の自主性を具体的にそこねていき、しかも財政的な理由によって、こういう条文があるから財政的援助はできないのだというように頭ごなしに押えつけてしまう、そうして逐次自治権を奪ってしまう、自主性を奪ってしまうという方向に持っていった場合に、固有財源であるところの、独立財源であるところの市町村の固定資産税は一体どうなっていきますか。また財政需要額に算定されておるところのこれらの財政援助というようなものも、非常にそういう立場から、あなたのような考え方からいくと、逆にこれは押えられていく。都道府県も思い切って消防に援助すればいい。思い切って財政を出せばいい。わずか三億か何かのものを年間に全国へ出しているようなことではだめだ。思い切って出せば、これは財政需要額に算入されていくのです。そういうようなものの考え方があるにもかかわらず、筋は通っておるにもかかわらず、実施しないからそういうことになっておって、何も十九条かあるから誤解を受けてそれが実施されないのだ、こういう解釈は私は成り立たぬと思う。一体どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/57
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058・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 先ほど来申し上げましたように、市町村の自治体消防の原則は、他の条文並びに地方自治の原則から申して当然なことでございますので、この十九条の現在まで十年間経過いたしましたその経過から見ますと、この「運営管理又は行政管理に服することはない。」という条文が逆に誤解されまして、先ほど申し上げましたように、これが財政だけの問題ではございません。その他の消防事務にも関係あることでございますが、誤解をされて、そのためにややともすれば不利を来たすような場合があるような条文はむしろ除いて、新しい十九条のような原則をうたった方がいいとわれわれは考えたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/58
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059・阪上安太郎
○阪上委員 先ほどから障害があるのは大体財政援助の点だということであって、私は、もうそれは政府が監督権を握らない限り、都道府県が監督権を握らない限りは、こういった法律二十五条等に明記されておっても、なお補助金を出さないのだ、今までのように出し渋るのだ、だからこれは改正の要があるのだという、非常に消極的な消防本部の考え方だと私は思うのです。しかし、これはあとでまた論議いたしましょう。それから、もしそういうことであるならば、二十五条あたりをはっきりと改正すればいい。八条あたりを改正すればいい。趣旨がそこにあるなら、なぜ端的にそういうところへ改正点を持っていかないか。それをやらずに、何か逆にまた大きく戦前の——前段で私が申したように誤解を受けるような、市町村消防の自主性を奪ってしまうような、それこそ誤解を与えるような方向へなぜ改正を持っていくか、私は、ほんとうに真意を疑います。それはまたいずれ大臣に御出席を願って御質問することにいたします。
次に、私は少し消防団について御質問を申し上げたいと思います。簡単なことですから端的に一つお答えを願いたいと思います。現在消防団が市町村別にできておると思いますが、その上部組織というものがあるのですか、ないのですか、連合体というものはあるのですか、ないのですか、一つお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/59
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060・横山和夫
○横山政府委員 消防団の具体的な定め方は、町村の条例なり規則等にまかされておる部面が多いわけでございますので、その市町村によって必ずしも一定はいたしておりません。従って、ところによりましては連合団というような組織を持っておるところもございますし、なお、合併に伴うところの暫定的な措置の仕方として支団と申しますか、そういうような支団制度をとっておるところもございます。国の方で一応示しておりますところの基準は、通常の市町村の段階におきましては、連合団というような組織をとるのでなくして、単一の団で、あとはその中の分団なり、あるいは中間団体等を強化することによっていくのが適当ではないかということを、合併に伴う措置として示してはおりますけれども、実は先ほど申し上げましたように、ある地域においては支団というような制度ができましたり、連合団を作ったりして、地方々々によって区々でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/60
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061・阪上安太郎
○阪上委員 私かお伺いいたしたいのは、市町村段階はよくわかるのですが、府県段階あるいは国の段階において上部的な組織かあるかどうか、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/61
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062・横山和夫
○横山政府委員 府県及び市町村の段階におきましては、行政機関としての団体面ではございません。府県の消防協会なり、あるいは日本消防協会というような財団法人はございますけれども、これは何らいわゆる上部団体ではないわけでございます。市町村の単位団に尽きると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/62
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063・阪上安太郎
○阪上委員 それと消防本部との関係はどういうふうになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/63
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064・横山和夫
○横山政府委員 それとおっしゃいますのは、日本消防協会なり県の消防協会の意味だと解しましてお答え申し上げます。これは日本消防協会に対します監督権は戦時中の特例によって東京都知事に移されまして、直接国家消防本部あるいは内閣総理大臣の監督権にはまだ入っておりません。都道府県の消防協会につきましては、それ自体が単一の財団法人でございまして、日本消防協会のいわゆる支部という形にはまだなっていないわけであります。この財団法人に対する監督権は、民法の原則に従いまして、都道府県知事が一応監督する、こういう格好に相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/64
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065・阪上安太郎
○阪上委員 その消防協会には、それぞれの段階別で、消防団員は全部参加していますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/65
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066・横山和夫
○横山政府委員 都道府県の消防協会には、それぞれの市町村の団員が団員の資格において構成メンバーになる、これは日本消防協会の場合も同様でございます。各団員が団員の資格において構成メンバーになるというシステムになっておるわけでございますが、現実に全国の百七、八十万の団員がことごとくメンバーであるかどうかは、実は明らかにいたしておりません。たとえて申しますと、つい最近までは名古屋の消防団員は愛知県の消防協会には入っていなくて、最近入ったというように聞いておるわけでございます。そういうような事例からいたしますと、おそらく消防団員であるいは協会の構成メンバーになっていない者もあるのではないかと存じますが、明確に、どこがどうであるかというようなことは、今資料を持っておりませんので、お答え申し上げる段階に至っておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/66
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067・阪上安太郎
○阪上委員 末端の消防団が、先ほどお話がありましたように、率直にいって最近住民組織化している。ただ単に消防業務を目的とするばかりではなしに、一般的な住民組織としての形態をとって、政治活動もやり、その他いろいろな活動をやっております。こういう実態をわれわれはつぶさに見ておるのです。これについて消防本部の意見はどうなんですか。そういうことはいいんですか、悪いんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/67
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068・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 具体的に先ほども御質問がありましてお答え申したのでございますが、それは主として政治的な活動についてだんだんと御答弁申し上げたわけでございますが、消防団として、行政機関としては、もちろん当然法律上の任務がございますし、また消防団員としては、その消防団の構成員としての態度、厳正な態度をとらなければならないということは、指導上も当然のこととして指導いたしておるわけでございます。誤解を受けるような行動に出ることは厳に慎まなければならないと存じますが、それら一切、今後消防団の資質の向上のために十分教養を徹底して、消防団員のあり方というものにいささかも間違いのないような方向に一つ指導を徹底していきたい、またその指導のための組織も充実していきたい、さように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/68
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069・阪上安太郎
○阪上委員 次にもう少し伺っておきたいのですが、消防組織の強化という考え方の中に、常設消防化する方がいいのか、さらに消防団というものを今後ますます拡充していくのがいいのか。これらについて、あなた方の考え方を一つ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/69
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070・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 常設消防署でございますが、常設消防は、一定の市街地を形成しておる市町村においては、ぜひ常設の消防を置いてもらいたいということは、われわれの指導方針として、そのように指導いたしております。しかし、それぞれの地方によって、本職の消防署、常設の消防署と消防団との組み合せをどうしたらいいかということは、これはそれぞれの都市の構造とか町の構成、建物の状況とか町の広さということによっていろいろ変ってきますので、ある程度の基準はこちらで示しておりますが、一方があれば一方は要らないということは必ずしも言い切れない問題でございます。市街地のあるところには常設消防をぜひ置いてもらいたいというふうには指導いたしておりますが、それによって消防団は直ちに要らないということは言いにくいのでございまして、ことに市町村の地域が広かったり、また農村部が相当ありましたり、あるいはまた水害等の頻発するような地方で、頭数が非常に要るような場合には、やはり相当の数の消防団員を存置しておく必要がありますので、それはそれぞれの地方の実情に即して、常設の消防職員と非常勤の消防団員の数の組み合せは適切にいくように指導いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/70
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071・阪上安太郎
○阪上委員 私は消防団が要らないとは言っていないのです。自衛消防だけでやらなければならぬような僻地もあるでしょうし、いろいろな問題点があるけれども、実際理想としては、現在常設消防を置くことによって消防業務というものか非常に円滑にいくというような場所が非常に多いにもかかわらず、わずかに三万の消防職員しか今構成されていないという状態なんです。この場合、今言ったように、消防団をどんどん拡充していって、常設消防の不備を補っていくのか、そうじゃなくて、やはり常設消防に重点を置いて、これをどんどん拡充するように持っていって、そして真にやむを得ないところだけに消防団を存置するのか、そのどちらの方法がいいか、こういうことを聞いておるのです。これについて、中央では状況がわからぬからと言われれば、これは市町村に一切まかせるということになるのであって、そうすれば、こういった問題だけでも、十九条は存置しなければならぬということになってくるのです。こういった点ではどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/71
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072・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 国家消防本部といたしましては、お話にもありましたように、常設の消防を強化するということに重点を置いて、なるべく常設の消防署をふやすということに力を入れたいと考えます。それで、それのいわば補充的な役割としての消防団、また消防署を置けないような地方におきましては消防団だけになるかと思いますが、いずれにいたしましても、常設の消防を強化するということに重点を置きたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/72
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073・阪上安太郎
○阪上委員 以上でもって私の質問を一応打ち切りたいと思います。
つきましては、この際、委員長にお願いしたいのですが、問題はなかなか重要な問題だと私は考えておりますので、公述人あるいは参考人等を呼んで、十分に意見を聞くという機会を一つお作り願いたい、こういうように希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/73
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074・鈴木善幸
○鈴木委員長 ただいまの阪上委員のご提案につきましては、理事会に諮りまして方針をきめたいと存じます。門司君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/74
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075・門司亮
○門司委員 私、途中からまた来ましたので、わからぬが、どうもだいぶ押し問答がされておるようですが、資料を一つ出してもらいたい。こういう法律の改正をしなければならない具体的な事例があったら明らかに示してもらいたい。ただ物の考え方だけでは意見の対立になってどうにもならぬと思います。十九条があるために火災がよけい燃えたとか……(笑声)ほんとうですよ。火事は燃えるのですからな。ただ考え方の中だけで、あなた方役人の権力だけを強くすることで火事が消えればけっこうですけれども、火事は現実の問題ですからね。火事を消すためにこの法律の改正をするのでしょう。だから、このうちに、十九条があってどれだけよけい火事があって、どれだけよけい火事が燃えたという実例があるなら、はっきり示しておいてもらいたい。これはただ十九条だけではありませんよ。この十九条の改正が二十条の改正に非常に大きな関係を持ってくる。二十条は府県の当局に対する調査権を与えようとしておるのですよ。調査の権限です。何をねらっておるのですか。調査の権限を与えておるのです。十九条だけの改正ではない。二十条にこういうことが書いてある。この権限を与えることによって、どれだけ火事が減って、どれだけよけいに消火が可能になるかということの具体的な事実を示してもらいたい。それでなければ、こんなことを審議するわけにはいかぬ。相手は火事ですから、理屈じゃないのです。法律はすべてそうできておる。警察関係でも、ここにたくさん傷害者があってこれを取り締るにはこれをこうしなければならぬという具体的な事実に基いて法律はこしらえる。
同時に、もう一つお願いしておきたいことは、この法律のできたときの原因、経緯、それらについては十分あなた方は御承知だと思いますから、これも一つ考えておいてもらいたい。こういう法律自体に矛盾があるような法律をこしらえるものじゃないですよ。さっきから話されておりますように、六条がはっきりしておるにかかわらず、こういう「自主性を尊重するとともに」なんということは、一体どれだけ尊重するつもりなんですか。そして二十条に権限を与えておるというのですよ。こういう官僚的なものの考え方で火事が消えると御存じになっているのですか。一体火事はだれが消すのか、どういう形で消すのか、そのことの資料をぜひ出してもらいたい。具体的な事実を……。それでなければこれを審議するわけにいかぬ。
それからその次に聞いておきたいのは、財政々々と言われるが、一体消防に対する財政の処置として、従来地方行政委員会で種々考えられたことがある。一つの問題は、御承知のように地方自治法の改正によって、公共施設等に対する火災共済が行われております。これは今現実の問題として、これを消防その他に使うことが、こういう形ではちょっと困難になっている。いわゆる保険の対象になっておりまする関係から、これを直ちに市町村が消防施設に回すということは困難である。しかし、一つのこう言うようなものがあることは事実である。さらにこれを広げて、全体の都市に対する火災共済を、市町村か完全に行うことができるという法律に直して、その財源の一部を消防施設に充てることができるということになると、財源の問題は解決がつくと思う。これはそうむずかしい相談じゃない。しかし率直に言って、障害になるのは損保協会であろうと私は考える。これを乗り切る力があなた方の方にあるかどうか。
それからその次の考え方としては、消防施設は非常に重大な問題であって、住民の負担に大きな重圧になっておることは御承知の通りである。従って、消防の施設を充実させようとするには、一応この委員会でも考えられて、私ども法案の提出をすることにきめたのもありますが、あるいは自治庁も考えておるようですし、あるいは与党の方々もお考えになっておるようであるが、消防施設税というような税を創設することがこの際必要であると私は考える。そういう点について、一体消防本部は考えたことがありますか。もし考えたことがあって調査されたことがあるなら、その資料もついでに出してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/75
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076・鈴木琢二
○鈴木(琢)政府委員 ただいまお話しの各種の資料は、できるだけ集めまして、さっそく提出いたしたいと思います。
それから財政の問題でございますが、火災共済の問題について、全市町村の火災共済という問題は、実は私十分存じませんので……。われわれといたしましては、消防財源になるものは何でもほしいというのが、実はほんとうの心持でございまして、かねてから、お話の出ております消防施設税については、われわれも何とかこれを実現していただきたいと念願いたしておるのでございます。自治庁がかねてから計画いたしましたこの施設税につきましても、大体火災関係の資料は国家消防本部の方から出しまして、自治庁の施策の参考にいたしておるわけでございます。ただ現在のところでは、消防施設税は具体的になるまでに話が熟していない模様でございますので、われわれ消防の立場といたしましては、非常に残念に存じておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/76
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077・門司亮
○門司委員 私も、これ以上聞きませんが、またあとでこの問題は、さらに法律改正自体で納得のいかない点がありますし、それから大学設置の問題についても、かなり複雑な問題がこの中に入っておりますので、十分お聞きをしたいと思いますが、もう一応はっきりしておきたいと思いますことは、今申し上げましたように、消防財源については、かなりお互いが考えておるのであります。われわれも考えております。ところが、本尊様の国消の本部で、権力の拡張は考えているが、大事な火を消すことのためにはあまりお考えになっていないように考えられる。私は、もし国消がほんとうに消火に当られるというお考えがあるならば、今の市町村の財源ではうまくいかぬというなら、これはやはり財源の捻出その他についても、国消の本部としてははっきりしたものをお出しになることが、あるいはお考えになることが必要だと私は考える。私がさっきお聞きをいたしましたのは、御承知のように、現在市町村の共有の建物に対する火災共済ができております。これが自治法の改正によって行われておりますから、何もこんな法律を別にこしらえなくても、自治法の改正でやれると思います。また現にやっております。そしてこれの剰余金だけでも約二十億くらいのものを持っている。これは今の市町村の建物だけで、そして掛金は普通の営利会社の掛金の半分以下で済んでいるでしょう。これを全市民にやることは、むろん一定の限度もあるでしょうし、技術的なこともいろいろ考えなければならぬし、また民間とむやみに競合することは、今の資本主義の社会では、あるいは考えざるを得ないかもしれないが、しかし、いずれにいたしましても、一方においては市町村の共有の建物についてはそういうことが行われている。また一方においては、厚生省の所管ではありますが、各労働団体その他が火災共済を行なっていることも御存じの通りであります。これらの問題は、いずれも火災保険に対する掛金その他が高いからそういうものが出ておるのであって、それは限度を制限しても、もし各都道府県あるいは市町村でこれが行われることになるならば、その利潤の一部を消防施設費に回すことができるということになるならば、消防の施設は今よりはるかに充実してくると私は思う。こんな法律をひっくり回して、何か権力だけあなた方お持ちになるよりもポンプ一台ふえた方が火事はよけい消えるわけです。私は率直に言うけれども、そういうことをお考えになる方が、この際必要だと考える。こういう現実の問題については、そういう点を十分お考えになって——今市町村の建物に対する共済の制度も知らないというお話でございますが、これはずいぶんうっかりな話だと考える。少くとも国消が火災に関する限り、これが保険であろうと何であろうと、一体それがどう作用しておるかくらいのことをお考えになってしかるべきだと私は思う。これだけ申し上げて、そしてあとは、時間も非常におそくなっておりますので次会に譲ってもらってけっこうですが、さっき阪上君からお話のありましたことは非常に重大なことでありまして、私がなぜこの問題をやかましく言うかといいますと、さっきから申し上げておりますように、現実に燃える火事をどうするかということですから、権力だけで始末のつくものじゃない。机の上だけで始末のつくものじゃないのだから、どんなに法律だけでき上って参りましても、その火事を消す器具であるとか、機械であるとか、施設であるとか、さらに言うならば都市構造に至るまで考えなければ効果のないことです。法律の上でどんなにりっぱな統制機関ができてきても、火事ですから、なかなかうまくいかないことだと思う。さらにそれを上回るのが一つの気象現象ですから、こういう自然とある程度取り組んでけんかをしなければならないということは、警察行政よりも、もう少し消防の方が深刻でなければならない。警察は人間同士の考え方ですから、別に異常乾燥があって犯罪がふえたというようなことも少い。ところが、火事の場合にそういう事態がくれば、あるいは大きな台風下に火事が起れば、それが非常に大きな延焼を起すであろうということはわかっている。こういう自然現象とも取り組まなければならない一つの仕事であります。やはりお互いがこういう問題については真剣であるべきである。単に法律だけをいじくってよろしいものじゃないと思う。従って、一つ委員長におかれましても、公聴会その他の点について、十分御討議のできる時間を与えていただきたいということを、あわせてお願いをいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/77
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078・亀山孝一
○亀山委員 私も一つ資料をお願いしたい。最近の火災の現況を表でお示し願って、この次の審議の冒頭に、何か特異な火災現象でもあれば参考にお伺いしたいと思います。
それからこの機会に二つほどちょっと希望を申し上げておきたいと思います。一つは、やはりわれわれがこの委員会でたびたび当局にお願いしたいのでありますが、公共の建築物等の火災が依然跡を断たない。これはまことにわれわれとしては憂慮にたえないことなので、これらに対する防火措置あるいは防火訓練というようなもの、先ほど田中委員からもお話がありましたが、公共の建物あるいはこれに準ずる大きな工場、あるいは劇場、あるいは病院等について、木造建築等の場合は特にそういう点を御留意願いたい。先般、国会の第一議員会館の前で自動車がガソリンの火災を起しましたか、あのときの様子を見ておりましても、やはりこういう議員会館のごときところにおいてすら、防火上の措置については非常に手抜かりがあると私は思う。幸いに無風であったからよかったのですけれども、われわれとしては今後いろいろ検討させられるべき問題があったと思いますので、そういう点を今後十分御留意願いたい。
いま一つは、最近の交通の問題に関連してですが、われわれが東京都内あるいはその他を見ましても、自動車、自転車等の置き方によって、もし火災でもあったら入れぬと思う小路が非常に多い。ほとんど消防車が入れないと思うような車の置き方をしておる。これはもちろん警察においてやるべきでありましょうが、消防の方においても、あれでは火災のあった場合には消防車がどうかと思うような火災危険道路というもの、そういう道路上における放置された車両というものに対しては、十分注意されぬと、ああいうことがあるいは火災を大きくする原因ではないかと思うので、この二点を特に御留意願うことを希望申し上げておきます。
資料をどうかこの次お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/78
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079・鈴木善幸
○鈴木委員長 次会は明十九日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103104720X01119590218/79
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