1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年三月十二日(木曜日)
午後一時三十三分開会
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委員の異動
三月十一日委員苫米地英俊君及び前田
久吉君辞任につき、その補欠として西
田隆男君及び杉山昌作君を議長におい
て指名した。
本日委員大和与一君辞任につき、その
補欠として小林孝平君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
理事
江藤 智君
成田 一郎君
相澤 重明君
委員
植竹 春彦君
平島 敏夫君
小林 孝平君
柴谷 要君
松浦 清一君
杉山 昌作君
市川 房枝君
衆議院議員
關谷 勝利君
川野 芳滿君
国務大臣
運 輸 大 臣 永野 護君
政府委員
運輸大臣官房長 細田 吉藏君
運輸省港湾局長 中道 峰夫君
運輸省鉄道監督
局長 山内 公猷君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長 八木 利眞君
運輸省観光局長 岡本 悟君
海上保安庁長官 安西 正道君
事務局側
常任委員会専門
員 古谷 善亮君
説明員
日本国有鉄道副
総裁 小倉 俊夫君
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本日の会議に付した案件
○海上保安官に協力援助した者等の災
害給付に関する法律の一部を改正す
る法律案(衆議院提出)
○旅行あつ旋業法の一部を改正する法
律案(衆議院送付、予備審査)
○日本国有鉄道法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○特定港湾施設整備特別措置法案(内
閣提出、衆議院送付)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/0
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001・相澤重明
○理事(相澤重明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
委員の変動を御報告いたします。三月十一日苫米地英俊君及び前田久吉君が辞任、その補欠として西田隆男君及び杉山昌作君が、本日大和与一君が辞任、その補欠として小林孝平君がそれぞれ選任せられました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/1
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002・相澤重明
○理事(相澤重明君) 海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本法律案は、三月十日、衆議院から提出され、本委員会に付託されました。まず、発議者から提案理由の説明を願います。衆議院議員關谷勝利君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/2
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003・關谷勝利
○衆議院議員(關谷勝利君) ただいま議題となりました海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して提案の理由を御説明申し上げます。
現行法によりますと、犯人の逮捕の職務を執行中の海上保安官が、その職務執行上の必要により援助を求めた場合等、海上保安官がその場にいた場合に、これに協力援助した者の災害給付については規定がありますが、海上保安官がいない場所で、職務によらないで自発的に犯人の逮捕または被害者の救助に当ったため災害を受けた者には、国より給付を受ける方法がありません。しかしながら、最近の海上における凶悪犯罪の増加の傾向にかんがみ、右のような事態の発生が予想せられますが、このような場合、国といたしまして、これに対し療養その他必要な給付を行うことは、当然のことと存ずるのであります。この法律案はかような場合における国の災害給付を行うために現行法第三条を改正するとともに、これに伴って所要の字句の改正を行おうとするものであります。
以上申し上げましたところが、この法律案の提案理由の概要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/3
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004・相澤重明
○理事(相澤重明君) 慣例によりまして、質疑は次に譲りたいと思います。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/4
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005・相澤重明
○理事(相澤重明君) 次に、旅行あつ旋業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本法律案は三月九日衆議院から予備審査のため送付され、本委員会に付託されました。まず発議者から提案理由の説明を願います。衆議院議員川野芳滿君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/5
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006・川野芳滿
○衆議院議員(川野芳滿君) ただいま議題となりました旅行あつ旋業法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。
旅行あつ旋業法は昭和二十七年七月公布、同年十月から施行を見たものでありまして、それまで自由営業でありました旅行あつ旋業は運輸省または地方行政庁の登録制となり、しかも、その後三十一年五月の改正によりまして、本業に対する監督取締りはさらに強化されましたが、その間、業界の助長育成の面におきましては、いささか等閑に付されて今日に及んだ次第であります。本法により登録を受けました旅行あっせん業者は、全国で千五百件に及んでおりますが、その多くは中小企業でありまして、開業に当り、日本人のみを対象とする業者は最低一件につき五万円から最高二十万円まで、また外国人、あるいは日本人及び外国人をも対象とする業者は最低二十万円から最高五十万円までの営業保証金を供託しておりまして、現在その額は全国で約八千万円に達しております。
この営業保証金は現金または国債証券に限られておるのでありますが、この供託にその他の有価証券をもって充てることができるならば、単に供託が容易となるのみでなく、利息の面におきましても少なからぬ差が生ずるのであります。この利子の差額のみをもってしても中小企業であります本業界といたしましては、企業の合理化に益するところまことに多大なるものがあるのでございます。旅行あっせん業者の経営の健全化は、ひいては一般旅客に対する接遇の向上となり、健全なる旅行の発展に寄与するものと存じます。
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この意味におきまして、お手元にお配りしてありますような改正法案を作成し、本国会に上程することとといたした次第であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げ次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/6
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007・相澤重明
○理事(相澤重明君) 慣例によりまして、御質疑は次に譲りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/7
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008・相澤重明
○理事(相澤重明君) 次に、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題といたします。
速記ちょっととめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/8
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009・相澤重明
○理事(相澤重明君) 速記つけて。
前回に引さ続き、御質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/9
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010・柴谷要
○柴谷要君 大臣が時間的に制約があるそうですから、先に御質問いたしたいと存じます。
問題はほかでもありませんが、委員会で従来しばしば問題になっておりました志免炭鉱の問題をめぐりまして、少しく国鉄機構改善という中でこの問題をあわせて一つ御質問いたしたいと思うのでありますが、大臣は国鉄当局から上申をされた志免鉱業所の問題については、国会の答弁は、国鉄の職場から分離することは認めるけれども、二つの条件を付して国鉄に回答をした。これは過日の委員会でも御説明をいただいたわけでありますが、その際私どもの質問に対して、譲渡とかあるいは売山という問題については二つの条件が整ったあとでなければ許可はしない、こういうまあお言葉があったと思うのでありますけれども、今日本国有鉄道から、「志免炭鉱の皆様へ」という書面によりますと、大臣はすでに譲渡に関しての基本方針を支持されたということが書面となって参っておるわけです。これを見ますると、従来の委員会で御答弁をいただいたような内容と少しく違うと思いますので、国鉄から志免鉱業所は他に譲渡してよろしい、こういう御指示をすでになされておるのかどうか、まずこの点をお尋ねをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/10
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011・相澤重明
○理事(相澤重明君) 答弁に先だって、御出席の政府委員を御紹介いたします。運輸大臣永野護君、鉄道監督局長山内公猷君、国有鉄道部長八木利眞君、説明員として日本国有鉄道副総裁小倉俊夫君、総裁室文書課長谷伍平君であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/11
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012・永野護
○国務大臣(永野護君) ただいまの御質問は要点が二つあると思うのであります。一つはごく具体的に申しますと、あの分離というものは、即そのままそれが譲渡ということであるかどうかということだろうと思うのであります。今のビラというのは一体どういうことを書いているのかよく存じませんけれども、これは国鉄の当局者のあの私の通知に対する読み方と、私が申しております趣意との間には多少感覚のずれがあるのではないかと思うのであります。私は志免鉱業所がこのままではいかぬ、何らかの手を打たなければならぬということは、国鉄の当事者が考えているところと全く同様であります。国鉄は志免鉱業所を自分の独力で経営すべきでないという点にはもう全く意見の狂いは少しもございません。しかしこの間私の一月に出しました、何と申しますか、あれは許可――どういうものですか、内約書といいますか、法律上の言葉はよく存じませんが、そこでは分離することは認めるということをうたっておるのであります。そこでそのときに私の考えておりますことは、分離しなければならぬということだけは、国鉄の当事者と全く意見は違わないのでありますけれども、そのあとに結局は売却するということになるかもしれません。売却はいけないとは決してうたってないのであります。さりながら、その前に考えることがありゃしないかということをいっておるのであります。従って、分離の一つの形態であることはたしかであります。しかし売却だけだというふうに1結局は売却になるかもしれぬけれども、今すぐ分離即売却だけだという前に考えることがありゃしないかということを私絶えず申しておるのであります、申し続けてきておるのであります。その考えは今も変りません。つまり国鉄だけの経営とするということがいけないということにつきましては、国鉄当事者と私との間には全く意見の食い違いはないのであります。結局、総合開発をしなければ、だれがやってもいかぬという点も、意見はほとんどこれは政府当局と国鉄当局との間に意見が一致しているばかりでなくて、社会党の経営案でもやはりあれは総合開発すべきだということ言っておられるのであります。問題はその総合開発の形態であります。それで、実際問題といたしましては、国鉄が主体となりまして総合開発をいたしますことは、大蔵省というよりは国の財政計画の点でなかなか了承を得ることがむずかしいので、国鉄側があの付近の山をみんな買いまして、そうして大規模なる総合開発計画を国鉄がやるということは法律的には可能ですけれども、実際経済的にそういう運営はできぬといたしますと、ここに持分を持ち出し合ってやるというと、最初の投下資本が要りませんから、非常に実現の可能性の多い案がありはしないかというのが、私の気づきでありますけれども、これには立法措置が要ります。従いまして、その立法措置をいわゆる超党派的に問題なくできるというようなことができないとすると、やっぱり仕方がありませんから、売却して民営中心に総合開発をしなければならぬと、こういうことになると思います。その場合の条件として私二つの条件を出しておるのであります。一つは、それは競争入札でなくちゃいかぬということと、それから従業員との間の了解が十分につかなきゃいかぬということを申しておるのであります。そこに多少の、だからニュアンスの差があるかもしれませんけれども、私の考えておりますることは終始一貫いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/12
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013・柴谷要
○柴谷要君 ただいまの御答弁によって大臣の見解が明らかになったのでありますが、そこで私が再びお尋ねしたいことは、運輸大臣から譲渡に関しての基本方針が指示されたと、こうその文面に書いてあることは、少しく大臣の見解と違うと思う。私は運輸大臣から分離に関しての基本方針が指示されたと書かれるのが妥当だと思いますが、この二点についていずれが正しいか一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/13
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014・永野護
○国務大臣(永野護君) これは三百代言的なことになるかもしれませんけれども、譲渡ということは、どの意味においてもある意味における譲渡なんであります。新会社をこしらえてやりましても、これはやはり譲渡しなきゃいけない。それはただいわゆる競争入札も何もないのであります、持分譲渡するのですから。でありますから特定の、たとえば三菱なり三井なりに譲渡するのとは譲渡という形は非常に違いますけれども、これも一種の譲渡であります。もう国有鉄道の財産目録から落ちるのであります。新会社に譲渡するのでありますから、だから広い意味からいえば、広義におけるやはり売却の中に入るとすると、ただで譲渡するのじゃないのでありますから、持分を出すにしても必ずそこに価格の評価というものが加わって、それだけの評価で形の上からいえば新しい組織体から現金をもらって、そうしてその出資をしたという形になるわけであります。でありますから、分離即譲渡と言って必ずしも言えないことはないと思います。国鉄自体が経営するということは含んでいないのでありますから、だから、その売却という中に非常にニュアンスの違う二つの要素がありますけれども、広義の意味においては、分離即売却と言って言えないことはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/14
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015・柴谷要
○柴谷要君 大臣は、時間がたっというとだいぶ変って来られるね。ちょっと不審の念を私抱いたのですが、前回の私どもの質問に対して、分離に対しては国鉄に了承を与えたけれども、売却であるとか譲渡ということについては、あらためて申請をして来なければ判こを押さないと、委員会であなたは言い切っている。だから私は、生きた政治ですから、現実論をとらえて一つ見解を聞きたいと思う。そこで、広義に解釈すれば、分離即譲渡という形が出てくるかもしれない。しかし、あなたの御答弁では、国鉄に対しては、単に売却だけではなくて幾多の方式があるとこの間おっしゃって、衆議院では、別に企業体を作って経営する案などもあると、こういうお話もなさっておられるのですね。だから、私の言うのは、あなたの真意もわからぬことはありませんけれども、一つ人心を迷わさぬように、あなたの本質的なものをお尋ねしたいことは、分離即譲渡と、今日あなたはお変りになっておられるようだが、前の速記録をごらんいただきますと、われわれが指摘いたしましたのは、分離即譲渡ではないと、それにはもう一ぺん段階を経なければ譲渡にはならぬとおっしゃっておる、その点です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/15
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016・永野護
○国務大臣(永野護君) その通りであります。少しも訂正の必要がないのであります。分離、それはいわゆる譲渡であろうとも売却であろうとも、何ら私の許可権、認可権にはきずがついていない。もう一ぺん必ず国鉄法に基いた具体的の申請を出して、そうしてそれを私が承諾しなければ成り立たないのであります。でありますから、今私が分離を認可したといって、それは一つも、他日その売却なりどちらにしても、広義の意味の売却ですけれども、しますときには、具体的に私の承諾が要るのでありまして、分離ですぐそのあと何ら私の承諾が要らないということじゃない。その売却に対する私の許可権には、一つもきずがついていないということを繰り返し申しているのであります。でありますから、あの言葉を、分離即売却じゃないと言っても、何にも運輸大臣は関与することができなくなったのではない、その売却に対する譲渡の認可権と申しまするか、それは、全く無きずで残っておる、そういうことを申しておるので、それは今日も同じであります。でありますから、私の申しますことは一つも矛盾しておりません。前申しました通りの状態が今も継続しておるのでありまして、誤解の起るはずはないと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/16
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017・柴谷要
○柴谷要君 大臣、もう時間がございませんから、それでは国鉄当局に、ついでと言っては語弊がありますが、お尋ねしておきたいと思います。
「志免炭鉱の皆様へ」という書類を個々に送られておるのですが、この志免鉱業所の問題をめぐっては、団体交渉はやっておられるのですか、おられないのですか、一つお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/17
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018・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) こちらからは団交を申し込んでおります。しかし、聞きますところによりますれば、現地では、労組の方で団体交渉を避けておると申しますか、団体交渉に応じないようなことを聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/18
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019・柴谷要
○柴谷要君 団体交渉に応じないと聞いておるから、日本国有鉄道という名前で、「志免炭鉱の皆様へ」というこの書類を御発送になったのでありますか、この点お聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/19
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020・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 運輸大臣から一月十日付の指令書をいただきまして、ただいま大臣から御答弁がありましたように、分離ということについていろいろ考えまして、やはりあまり現地の山の皆さんを不安動揺の中に置いておいて何の手段もとらぬということは、かえって現地を惑わせることになりはしないかということで書面を発送したのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/20
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021・柴谷要
○柴谷要君 国鉄当局はこのような書面を出すことが、志免炭鉱の問題を国鉄当局が考えているような線で話し合いができるという考え方、あるいはその話し合いの糸口を作るという、その効果をもたらすために出したのだろうと思いますが、このような書面を個々に送るということが、果して皆さんの考えておりますような線に落着くものと考えて出されたものであるか、それとも団体交渉ができないから、やむを得ずこういうような手段をとったと考えておられるのが、いずれの点であるかお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/21
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022・永野護
○国務大臣(永野護君) はなはだ横合いから飛び出しまして恐縮でございますが、私は分離することはほんとうに志免鉱業所の従業員のためだと思っております。従いまして、それがたとえば三井とか三菱というところへ商取引で売るようなことになるか、あるいは新会社をこしらえてそれに譲渡するようになるかは別問題として、国鉄の今の状態でただそのまま引っぱっていくということは、経済的に言っても不可能でありますが、従業員のために考えてみて、それは私は従業員のためにはならぬと、これはほんとうに私は確信いたしております。従いまして、形はどうあろうとも、国鉄から分離することには賛成してもらいたいということは、実は国鉄から出したのは文句は読みませんが、私からも実は言いたいのであります。それがほんとうにあなた方のおためなんですよと言いたい。私は良心に恥じないでそう考えておりますから、何でもかんでも分離はいやだというような今の態度は従業員のためにほんとうにならぬと、こう考えているのであります。でありますから、今のその文句もよく読みませんけれども、どういうことを訴えているのか知りませんが、少くも国鉄からは分離した方がいいと思いますから、御賛成下さいというような意味のそれがビラであれば、これは私は国鉄が出したことは適当だと、こう私は判断いたします。何となれば、国鉄が出さなければ私が出したいくらいに考えている線でありますから、そう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/22
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023・柴谷要
○柴谷要君 あなたの見解で、分離することが志免鉱業所のためになると心から言われているようなので、その見解についてはいずれ機会を見て十分お聞かせ願おうと思いますが、ただ大臣が分離に対する二条件というものを出されております、国鉄に。国鉄当局はこの二条件に対して真摯な努力をされておりますが、その努力の中における一つの行き方として、「志免炭鉱の皆様へ」という書面が出ていると思います。私が今質問しているのは、これが果して国鉄当局が考えているような効果的なものになるか、逆効果を来たすか、どのように国鉄は考えておられるのか、これを答弁願いたい。私はその答弁を聞いた上でこの問題についての見解を述べてみたいと思います。ですから、書面が大臣の真意で出されたとしても、あなたの出された二条件に対して国鉄は真剣にやっているが、果してこのような書面を出すことによって、目的に向って前進できるものかどうか、あるいは逆効果が出ているのじゃないか、この点を質問している。本質の問題として国鉄から分離する方がいいというお話はゆっくり大臣からお聞きするつもりでありますが、この問題について果して作戦的に功を奏しているか、あるいは功を奏していないか、この点をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/23
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024・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 実はその書面は、何も作戦というようなことでは全然でございませんで、また団交にかわるものとも考えておりません。もう団交はできるだけ早い機会に持ちたいということで、団交は団交で常に声をかけておる次第であります。ただこの志免の炭鉱の分離につきましては、各所にいろいろな誤解の向きもありますし、また新聞の書き方もまちまちでございますし、何はさて三千二百の職員の個人々々に口頭で説明するというようなことも不可能でございますので、ほんとうに総裁が心から少しでも早く安心をしていただきたいという誠意から出たのでございまして、私どもはできるだけすなおに受けていただいて、その効果がいいことを期待しておりますが、逆効果かどうかということについては、これはまあその方々の御判断だと、こう存じます。ただ私どもは結果がよかれと、こう心から祈っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/24
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025・柴谷要
○柴谷要君 私は今反対の立場に立って御質問申し上げておるのでないということを一つ聞いてもらいたいのです、反対でないという立場で。それはまあ時期がくれば明確に申し上げますけれども、今はこの書面をめぐって、果して国鉄が組合に送るこういうような書面に金をかけて、あなた方の真意がそれでは全従業員に伝わるかというと、こんな手段では伝わらぬ。あなたが今日までいろいろ国鉄の経営に当ってきておられますけれども、この観念が一番悪いと思う。一枚の紙で従業員に真意が全部伝わったと、こういうふうにあなた方が考えられて国鉄の経営をしておるところに間違いがあると思う。先ほど大臣が自信を持って、分離することが志免鉱業所の職員のためにもなるという誠意を披瀝された。その誠意をいかにして伝えるか。こんな紙一枚で伝わりはしませんよ。しかもこの内容たるや、読んでいけば、多少疑惑を持つような問題も書かれているわけです。だから私はこういうことでなしに、あなた方が自信を持って言われるならば、実際団体交渉なり、あるいは組合の組合員にほんとうに経営者の皆さんの意思を率直に伝える気持になって山へ行って努力してごらんなさい、必ずや誠意は私は通ずると思うのです。ところがそうしないで、遠くの方からこのような書面で、とにかく全従業員に達しをしたのだ、だから、これに反対するなら強行処置をとらざるを得ない。すぐこのあとは尻をまくることを考えておる。そういうことではなくて、三千二百の職員がどのようなことを言わんとしておるか、ほんとうにこれらの家族なり、あるいは取り巻く市町村の方々の意見も聞いて、そうしてほんとうに大臣が言われたような自信のある、実際分離がためになるのだと言われるなら、こんなこそくな手段をとらないでやったらどうかということを私は申し上げたい。こんなようなものを出せば逆効果ですよ。これは私どもから見れば逆効果だ。しかもむだな経費を使っておる、こういうことですよ。この点について大臣いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/25
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026・相澤重明
○理事(相澤重明君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/26
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027・相澤重明
○理事(相澤重明君) 速記を起して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/27
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028・小林孝平
○小林孝平君 私は国鉄当局に上越線の複線化の問題について若干お尋ねいたします。新潟―上野間の列車本数を増加してもらいたいということは、地元の長い間の強い希望であることは国鉄出局のよく御承知のことと存じます。ところが上越線は現在の列車回数でもすでに線路容量を上回るものがあって、なかなか列車回数を増加することは困難である。のみならず、今のままだと、三十七年度になりますと、全面的に行き詰ってしまう情勢にあるようであります。そこで地元といたしましても、上越線の複線化については非常な関心を持っておりまして、その実現が一日もすみやかならんことを望んでいるところであります。幸い国鉄当局におかれましても、この実現について種々研究されまして、近く着工の運びになると聞いておるのであります。最近に至りまして、地元の新潟日報にこれに関する国鉄当局の意向なるものが掲載されて一般に伝えられました。しかも、その内容がきわめてあいまいでありまして、関係者を失望させたり、あるいは喜ばせたりしているありさまでありまして、まことに困った状態であります。そこで私はこの際当局に明確なる御説明をいただきたいと思うのであります。
そこで参考のために申し上げますが、この問題がどういうふうに誤まり伝えられておるかいあるいはそれが誤まりでないがもしれませんが、伝えられておるかということをちょっと御参考までに申し上げますと、二月七日の新潟日報に、「上越複線化持越し」、「関東東北国鉄首脳会議で決定」という大きい見出しで出たのであります。これは同月の六日の国鉄の関東東北首脳部の第一回事務連絡会議の模様を伝えられたものでありまして、その内容は、要するに上越線の複線化は東北本線の複線化計画が進んでおるので、この上越、常磐両線の複線化は今後の研究に残された、従って上越線の複線化は近く実現ができないのだということを大きく伝えられたのです。ところがその翌日の二月の八日の新聞には、また大きく「上越線複線化五月に着工」としまして、河村新鉄局長談として、初年度の予算は二十一億円ということで、きわめて具体的に、実現の計画を伝えておるのです。しかもこの記事は特に昨日七日の朝刊記事は誤まりであるということまでつけ加えてあって、非常に関係者は喜んで国鉄当局の熱意に感謝いたしておったのでありますが、その後だんだんどうもこの河村局長談もあやしいのだ、どうも前の持ち越しの方が正しいのではないかということがぽつぽつ方々で言われはじめまして、新潟日報といたしましても、こういうふうに大きく取り扱ったのを翌日、つまり前日の記事は誤まりである、こういうふうに河村局長の談話が出て、どうもそれがまたあやしいということで、新潟日報も非常に迷惑をしておるわけなんです。それのみでなく、これがこんなに問題になりましたのは、新鉄局長の河村君は物事を何でもきちんきちんとやる人らしいのでありまして、先般も衆議院の小林進君が国会で発言したことをとらえて、国会議員の発言としてふさわしくない、国会議員として適当な発言でないということを言われたほどでありまして、非常に問題を起された人でありますので、河村局長の言うことならこれは間違いはないだろうとみんなが思っているのです。国会議員の国会における発言すら批判されるぐらいであるから、同局長の談話であるからこの実現は確実であると、こういうふうに非常に強く印象を与えたのにかかわらず、今のようなことになっておる。そこでこの問題についてこういう経緯から考えて、この際国鉄当局は具体的にどういうふうになっておるのだということを一つ明確にしていただかないと、これは非常に困るのでありまして、河村局長の談話の方が正しいのだろうとこう思いますが、どうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/28
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029・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) ただいま御質問の上越線は、表日本と裏日本とを結ぶ最も重要な路線の一つでございまして、また御指摘の通りに近年非常に輸送量が張って参りまして、どうしてもこのままではいけないということが常識になっております。ただ数年前まで改良費が非常に不足でございまして、日本の国運の進展に国鉄がついていけるだけの工事費を投入いたしかねたものでありますから、各方面の重要路線について輸送量が逼迫して御迷惑をかけている点は非常に相すまなく、また情けなく考えておる次第でございまして、できるだけそういう主要幹線の行き詰りを急速に打開していきたいと、こう考えております。この上越線につきましては、かたがたにはこの予算に計上しない、かたがたには早急に予算を計上して着手するという二つの新聞が出ましたことは遺憾でございます。相反したことが出ましたことは遺憾でございまするが、まあ新聞の記事が必ずしも申した通りに出るものでもございませんで、そういう点で多少行き過ぎ、誤解があったかと存じまするが、現在本社で考えておりますことは、この全線を全部一度に複線にいたすということは非常に金がかかります。建設費が約八十三億かかるということになっております。それでその中には清水隧道のような超大隧道もございますので、これをにわかに全部複線化するということは、少し先へ延ばさなければならないと存じまするが、できるだけすみやかに水上―大穴一キロ三百、それから土樽―越後中里四キロ七百、それから越後中里から少し北へ行きましたところから越後湯沢まで二キロ六百三十というような所をできるだけすみやかに部分的な線増をいたしまして、さらに越後湯沢と石打の中間に信号所を新設いたしまして、かようなことにより全体の隘路区間の線路容量を増しまして、できるだけ輸送を円滑にいたし、さらに将来の計画として全線複線にいたしていきたいということでございまして、それらの計画は現在いろいろ各視野から検討をいたし、できるだけすみやかに実行に移したい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/29
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030・小林孝平
○小林孝平君 この伝えられたことは、新聞には話は正確に出ないこともあるということは、私も承知いたしておりますけれども、この新聞にこういうふうに出て、その翌日、そういう新聞記事に基いて今度は特に局長の談話が、具体的に出て、初年度はかくかくと、しかも同工事の中心である新清水トンネルは三十五年度に七十二億円の予算で着工される、こういうことまで書いてあるのですが、今の線増の三区間はもちろん今年から、三十四年度から着工されるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/30
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031・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) ただいまのところ、そこまではっきり申し上げかねるのでございまするが、何はさて非常に詰まっております線区でございますから、できるだけ予算のやりくりをして可及的すみやかに実行していきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/31
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032・小林孝平
○小林孝平君 そうしますと、この線増のところもはっきり言えない、ましてこの新清水トンネル七十二億円の三十五年度着工というのも、これもうそだ、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/32
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033・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) うそと申し上げるほどはっきりはしておりませんで、実は三十四年度の予算を組みましたが、実行予算につきましては、ただいまどの工事を取り、どの工事を延ばすというような、いろいろ実行予算の作業をいたしておりますので、その点はっきりお答えできないということでございますが、いずれにいたしましても、できるだけすみやかに着手をいたしたいということにつきましては変りございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/33
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034・小林孝平
○小林孝平君 そうすると、三十五年度に新清水トンネルの着工も、場合によっては可能である、こういうことですね、今のお話では。念のために……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/34
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035・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) いずれにしましても、できるだけすみやかに着工いたしますので、その年度でいつの予算にどれだけ入るかといいますことは、これはそのときの予算のでき工合、工事費のワクの問題でございますが、お言葉もございますし、地方の要望もございますので、できるだけすみやかにやって参りたい。ただ何年度にどのくらい工事費が入るかということは、三十四年度の実行計画もまだ全部終了しておりませんので、ただいまのところはっきり申し上げるところまでいっておらない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/35
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036・小林孝平
○小林孝平君 私は、国鉄としては全部の国民に関係する仕事をやっておられるのですからね、もう少しみんなが納得するように、また言ったことは責任を持つ、こういうことにしてもらわないと困ると思うのですね。今、新聞に伝えてくれたことは必ずしも正確でないことがあるとおっしゃいましたけれども、ここに大きく出たことは、少くともこれは正しくないところもあるどころではなくて、ほとんどきまっていないことを言った、そういうことになるのですよ。しかも、先ほど申し上げたようにこの河村局長の談話というものは、ほかの人の場合と違った意味に受け取っているのです。国会議員が国会で発言したことを、国会議員としてふさわしからざることであると言って、衆議院の議院運営委員会に河村局長を招致して、それをただそうという意見もあったのが、国鉄当局はまあまあというようなことで、一応かんべんしてもらったといいますか、そういうことになっているのでしょう。それに今度は逆に自分が言ったことは何でも言いっぱなし、そういうことで副総裁いいと思っておられるのですかね。もう少し責任を持って言うことでなければ私は困ると思うのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/36
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037・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 先ほどお話がありました二つの新聞の記事は、日を次いで出ましたので、それがおそらく偶然に両方が話したことが載ったのだと思いまするので、もう少しその期間でも離れておりますれば、双方打ち合せをする時間があったかと思いますが、しかし河村局長は――河村局長ばかりでございません。すべて現地の局長は自分の管轄区域の輸送を何とかしてできるだけよくしていきたい、それで局長の責任も果し、地元の御要望にもこたえたいと、そういうことで常々いろいろな輸送力の増強ということを念頭に入れて始終計画を立てておるのでございます。従いまして各地の局長、あるいは支社長の計画はできるだけ本社で尊重いたしていきたいと考えておりますので、それでただいまの河村局長がそういう談を発表いたしましたことにつきましては、もちろん私どももその責任の一半を負わなければなりませんので、かえってそういうことが新聞に出ましたことは、この上越線複線化の大きな推進に相なると思いまして、私どももできるだけそういう線に沿うて御期待に沿うていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/37
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038・小林孝平
○小林孝平君 副総裁の非常に御丁重な御答弁で感謝いたしておりますが、あまり御丁寧過ぎて、肝心のところがぼけるのですね。たとえば打ち合してないというけれども、これは前日出て、翌日今度は河村局長が帰ってきたので、こういうことになっているがどうだといったところが、河村局長はそれは間違いである。「「上越線の複線化は初年度予算二十一億三千万円で、五月着工が本決まりになった」と語った。」、そうして「(七日の朝刊記事は誤り)」、これは新聞がこういうふうに昨日の朝刊は誤まりなどというふうに掲載する場合は非常に例外の場合なんですね。しかもまたこれが今これもでたらめだということになると、これは新潟日報としては重大な信用問題なんです。この問題で今非常に新潟日報は苦境に立っているのです。そこで私は国鉄当局としては、こういう記事が出たことは推進する一つの契機になるとあなたおっしゃいましたから、おそらくこの初年度の予算には、もちろんここに書いてあるくらいは最低計上されることと思いますけれども、念のため、そういうふうに、御発言にならないと、今後これは新潟日報としては大へんなことになると思うのです。あわせてこれがまた衆議院に波及いたしまして、河村局長の言ったことはでたらめじゃないかということで、衆議院の議院運営委員会その他でまたこの問題が蒸し返されるおそれがあると思うのです。従って国鉄当局としては、非常にこれはいろいろの計画があって、つらいところであるかもしれぬけれども、河村局長の立場を擁護し、――河村局長は私は存じませんが、なかなか優秀な方のようですから、これをこういうことを出してけしからぬということでなく、そういうことを言ったなら、じゃ一つやってやろうということにしたらどうですか。そうでなければ私はこれは非常に複雑な問題になりますよ。念のため私は申し上げる。これは直ちに衆議院にこれは波及して、河村局長の国会における国会議員の発言の批判という問題にも関連いたしますし、衆議院ばかりでなく、場合によれば当院においてもこれはやらなければならぬことになると思うのです。従って副総裁はこの際、私は多くを望みません。明年から着工いたします、できるだけ早く。そうして三十五年度は新隧道の着工が決定だと書いてありますが、これは三十五年度とは言わなくとも、三十六年度ぐらいにはできるというぐらいのことは、あなたおっしゃるのがこれは国鉄副総裁として当然なことです。ほかのことは言いませんよ。もうそれだけ一つそういうふうに御答弁を一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/38
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039・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) お話よくわかりました。それで、実は少し弁解させていただきますと、こういう大きな工事につきましてはいろいろの案が出て参りまして、ずいぶん以前から研究に研究を重ねますので、その道程におきまして、道程のつかまえ方によりまして、これは既定計画になるのだとか、あるいは少し先に延ばされるのだとか、いろいろ変って参ることもなきにしもあらずでございます。で、おそらくこの上越線の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、非常に線路容量が不足している。しかも市要幹線である。三十七年度には相当各区間で行き詰りがくるという想定が推測が立ちますので、そういう資料もこしらえてありまして、ある段階では、これはぜひ全部ほかを犠牲にしても全部やろうというような議論が優勢なときもございましたでしょうし、あるいはそう集中して金をかけるわけにはいかぬから、先ほど申しましたような部分線増をとりあえずやって、また信越線の補助として他の迂回経路を強化しようというような議論が優勢だったこともあったのではないか。そのときどきのつかまえ方によりまして、多少結論が変ってくるので、そういう点であるいはその新聞の双方ともが誤解があった。やらぬというのも誤解でありますし、全部やるというのもあるいは誤解であったのじゃないかと存じまするが、ただいまそういうふうなことが発表にもなりましたし、またそういう地元の方が非常な御要望で、このためにまあ何といいますか、非常な御失望を感ずるというようなことがあってはいけませんので、この三十四年度から工事を前提にする調査をいたさせるごとに、帰りましてから事務の方と連絡をとるようにいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/39
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040・小林孝平
○小林孝平君 最後に、副総裁に今私はここではっきり御答弁をお願いしたがったのですけれども、まあいろいろの御都合もありしょうから、今お話のように、帰ってからよく研究するいとうことでございますから、どうぞ一つお願いいたします。今お言葉の中にもありましたように、失望を与えることもあると悪いからとおっしゃいましたけれども、これは失望するにきまっておるのです。現にこれはもうあやしいだけで非常に失望しておる。新潟日報は場合によれば非常に窮地に立たなければならぬというので、これまた非常に困っておる、こういう状態でありますから、いろいろ御勘案の上、特に河村局長の問題について、国鉄当局としては非常にこの河村局長を擁護されておるようでありますから、窮地に立たないようにお取り計らいを願いたいものだと私は思いますので、またいずれ機会を見まして、その進捗状況その他お伺いいたしますから、できるだけわれわれの期待にこたえるというだけでなく、上越線は非常に営業成績が上っておる線でありますから、裏日本の線はあまりもうからんというので、国鉄は手を抜いておられるようですが、こういうふうにもうかっている線だから、これは力を入れておやりになることをお願いいたしまして、本日はこの程度にしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/40
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041・柴谷要
○柴谷要君 関連して。この問題は結論を出さないままに質問が終ってしまうということは、これは重大なことだと思う。ということは、河村局長の立場というものが全然考慮されない御当局の発言だと思うのです。私は現場の第一線を守らせておる局長が、かりに今言ったように、新聞に前日出たものはもはやだめだと、絶望的なものを出され、翌日局長談として出されたものが、県民がだいぶ期待をかけるような新聞記事が出てしまった。しかしこれは、本社と少くとも出先現場の局長である者が話し合いなくして不用意に発言をしておるとは私は思わない。そして本社においてはしかるべき一計画があったので、局長がある程度のものを新聞の上に表わした。しかしその書き方が多少局長の真意をまげて、まげたということでなしに、とり方が多少よかったために筆が進み過ぎて大へん有利に書き過ぎたという結果が出ておるならば、少くとも国鉄当局の計画を発表され、かつまた現場の局長と本社の幹部が打ち合わされた内容とを明らかにして、やはり局長の立場を明確にしてやりませんと、何かなま殺しに終らしてしまうという結果が出てくると思う。そういうことであっては少くとも本社の大幹部たるものがそれでいいとは、私は許せないと思う。その点を明確にして、そうして河村局長が実はそういうことを申し上げたのではございません、こういうことを申し上げたのですが、新聞はこう伝えましたという真意をやはり明らかにしてやりませんと、この速記録を見たのでは、何か国鉄当局はどうも勝手なことを言いやがつたというような節合いが出てくるのじゃないかと思うのです。その点は一つ明確にしてやってもらいたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/41
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042・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) これにつきましては、ただいま申し上げました通りに、河村局長の発表もございますし、実は私どもも河村局長と同じようにこれをぜひ早くやりたいということで、根本的の観念は全く一致しております。ただ金の点で、局の方では全体の金の把握はなかなか困難でございますし、私の方はいろいろな工事がありますので、予算の割り振りをする結果、思うように理想的に工事が進まないという二とを申し上げたのでございまするが、先ほど申し上げましたように、お言葉もございますから、今年度の予算に、まだ実行予算は組んでおりませんが、私がここでお約束して、三十四年度の予算のうちにこの工事をできるだけすみやかに完成すべく調査、設計の費用を正規に計上する、こうお約束いたしますので、御了承を願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/42
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043・柴谷要
○柴谷要君 これで一歩前進したので、大へん調子がよくなってきたのですが、そこでもう一つ伺いたいのは、河村局長が初年度二十一億と、こう発表した。二十一億というのは新聞に出ておるのですが、新聞記者の人が局長が二十一億と言わないのに書くはずがない。だから初年度には大体工事としては二十一億程度要るであろう、これを何とかとろうということを言われたのだろうと思う、新聞に出たのだから。今の副総裁の答弁の中で、実行予算の中で二十一億とは言わんけれども、二十億八千万ぐらい組んで、初年度実行する熱意を示してもらわんと、これは現場の第一線の局長がえらいことになりますよ。新聞記者相手ですからね。鉄道会館問題で非常に信用を落した国鉄が、その後信用を回復してきた、職員の努力によって。これは歩いてみればわかるのです。これは局長の単なる放言でないと思うのです。これだけの事実を言っているのですから。それで御当局はいつも削るのが好きだから、二千万ばかり削って、二十億八千万くらいに初年度は組むとお約束してくれれば、河村局長の面目も回復すると思う。そういう意味で一つ今後の努力を希望して、この問題を終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/43
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044・江藤智
○江藤智君 今上越線の計画について、きょうの発表と明日の発表が一日ぐらいで違ったと、こういうふうなことの御指摘があったのですが、私はこれについて国鉄当局にむしろたびたび懇談的に申し入れておるのですけれども、その根本問題は、これは今度の支社制度にも関係があるが、国鉄の本社内におけるそういう大計画を進める上の責任体制というものが非常にはっきりしていない、そこによるわけです。現在こういう大計画について、その進捗状態を責任をもって今この段階になっておる、だからこういう格好だから、いついつまでには大体できるでしょうということを話せる人がいない。昔は御承知のようにこういう線増の関係でしたならば、これは施設局なら施設局でやる。それぞれの関係部局と相談をし、経理局とも相談してそして合理的にやる。とにかくすでに予算が、国会の審議の半ばを過ぎたならば、大体この程度のものは入れられるということを確信をもって言える人がおった。現在はこれを言うことができない。みんなが同じように、どういう格好か知りませんが、責任分散というような格好で、とにかくばらばら、手も頭もばらばらであって、最後に、審議室とかあるいは総裁室にまた調査役があるので、理事会に諮って理事会を通ったときに初めてそこで頭や手がくっついてぱっと人間ができてくる。それまでは実際ばらばらです。こういう点については一体国鉄の御当局はお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/44
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045・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) まことに痛い点の御指摘でございまするが、実はそういう大きな工事につきましては、できるだけ思想統一をしていかなければならないとかねがね思っております。もちろん先生には釈迦に説法でございまするが、一つの路線を増張いたしますについても、施設ばかりでなく、電気の関係も、車両の関係も、いろいろございますので、やはり各責任者が集まって計画を立てなければならず、さらにそれの予算の裏づけをしなければなかなか発表ができないのです。実は私でも――と申すと語弊があるかもしれませんが、私でもどこのこういう線路は、いつごろどういうふうにせられるということは、やはり企画委員会、この企画を全部統合して結論をつける企画委員会が決定いたしませんと、なかなか部外にこうしたい、ああしたい、あるいはこうなる、ああなるということは言いにくいのでございます。ただ地方におきましては、先ほど申し上げましたように、希望的な意見をもって、ときにはそれを計画として発表することもございましょうが、常に地方の計画は本社の計画よりも金の点を考えないために大きくなる傾向がございまして、五カ年計画でも本社では五千六百億としぼっておりまするが、地方で希望工事を出させましたら、一兆円の要求が出てきたようなわけです。そういう点は本社としてふるっていかなければならないので苦しいのでございます。それに私もただいま御指摘のように、いろいろ係が違うためになかなか一カ所で責任をもって言えない。これは昔は私よく存じませんが、現在私どもの欠陥だと考えまするので、今後できるだけ企画委員会を活用いたしまして、大工事の計画をできるだけきちんとすみやかに立てて参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/45
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046・江藤智
○江藤智君 私はいわゆる責任の場所をはっきりすればいいということを言っておる。で今さらおっしゃるまでもなく、一つの大工事をやる場合に、電気も関係するし、車両も関係するでしょうし、運転も関係する。これが鉄道技術であり、鉄道のエキスパートと言われるゆえんであって、線路を敷く者は線路を敷くことしか知らぬというような考え方で大体スタートすることが大間違いなのです。昔だっていくらでも線敷きでも何でもやっているのだけれども、やはりそのとき主体になる――線路を敷くのが主体のときにはそれが主体になって、そしてもちろん電気の問題もある程度わかっておって、それと相談し、また運転局にも相談して運転方面のこともとり入れてやっておったわけです。今のお話のように線路の方は線路のことしか知らぬ、電気の方は電気のことしか知らぬ、経理は経理だけしか知らぬ、だからそれをばらばらにして、全然別の企画委員会というものを作る、そうすると、これはやはり責任個所がはっきりしないから、言いたいことを言えば、結局まとまらない。だから、結局どこが主体なのか、結局最後のところは副総裁にお話を聞くしかしようがないというのが今の体制です。ところが、副総裁だって非常に膨大な仕事を持っておられるから、そこまでおわかりにならないのは当然です。ですから、現在は横に横にと切れまして、そのために結局どこがほんとうに責任を持ってはっきり言えるか、そういう所がなくなってい問題ではないか、仕事を進める上におきましても、あるいは社会の人々に信頼を受けて、なるほどこういうふうに進んでいるのだということをわからせる意味におきましても、一番大事なことではないか、そういうふうにばらばらになっているものだから、主管局自身が、われわれが国会で予算を知っておりましても、そのほんとうの仕事をやる主管局が知らない。それはなぜかと言うと、今のお話のように経理局が経理の関係をやっていて、ほしいものは言ってこい、あとは経理で査定をする。ところがそれだけではできない、こういう格好になっておりますから、今言ったように、河村君はどこかで聞いてきて、それでやりたいと言ったかもしれないが、これはやりたいばかりに、鬼の首でも取ったように……。そこまで言ったかどうかわかりません。二十一億と言ったから二十一億で着手に努力するのだぐらいは、局長は言ったかもしれない。現地では各新聞は着手ということぐらいは書くかもしれません。ですけれども、現在の鉄道の組織では、地方からきて、理事会を通ったらばこれははっきり言えるかもしれませんけれども、理事会通過以前のことについてはっきりした事柄を本社に来て聞いて帰ろうと言ったっても帰れないという組織になっている。これは根本問題です。この点につきまして、私も一つ御相談に乗りますけれども、また御意見も申し上げますけれども、ぜひもう少しすっきりした一つ格好を作ってもらいたい、現在は主管局の方に審議室がある、ところが審議室が経理局と話をしてはっきりしたことを出すかと思えば、そうもしない。今度また総裁室の方に……。目の前の計画については調査室というものができて、そこでもみ合っている。もみにもんで、どこに行くのかわからなくなっております。これが国鉄の現状です。きょうそういう問題がたまたま出ましたから言うのですが、私としてはもっともっと、これはほんとうに非常に遠慮した言い方なのですが、その点については、私は十分考えていただきたい。
それからいま一つ。国鉄五カ年計画というのは、これはまあわが党のことを言ってはいけないのですが、これは政府の公約であり、またわれわれ自民党の公約なのです。ところがそれの実行について、国鉄内の空気というものが非常にまちまちであるということを、一つここでちょうど機会がありますから御指摘いたしたい。ある部局におきましてはなるほど線増なら線増ということになりますと一生懸命やっておりますが、今度他の部局のところへ行ってみますと、五カ年計画でこの線増なんていうことはとてもできませんよ、はっきりそういうことを言っている。また、事実五カ年計画については、あれほどの要員というものについて、われわれとしても申し、また国鉄の内部において非常な熾烈な要求があるにかかわらず、五カ年計画の遂行のために要員をふやされましたか。その点一つお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/46
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047・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 御質問の前段の運営につきましては、今後とも十分気をつけて改善していきたいと思います。
それから五カ年計画につきましては、増員はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/47
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048・江藤智
○江藤智君 増員をしておらない――なるほど国鉄の要員をできるだけ押えたいことは事実なんですけれども、しかしながら、五カ年計画を遂行するということは一つの至上命令なんです。でありましたならば、とにかく一人も増員しないで、年をだんだん取っていくのです。とにかく年寄りが、昔は若かったかもしれぬけれども、そういう人が図面を引く、トランシットをかついでやって、それであなた五カ年計画をほんとうに遂行する意思を国鉄の最高幹部が持っていると、現場第一線あるいは現場で働いている工事の責任者が考えているかどうか、この点一つ幹部としてのお気持を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/48
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049・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 増員はいたしておりませんが、毎年自然減耗あるいは特別退職者がございますので、その補充はいたしてきております。それで、事実御指摘のように、だんだん事務が発展して参りまして、なかなかある面におきましては手が回りかねる、たとえば設計、調査、用地買収というような面には人手が不足して、何とかやり繰りをしながらやっている部面もございます。ただし運賃値上げの際に、経営調査会が五カ年計画はけっこうだ。しかし国鉄としてはその間に増員をしないで、できるだけ能率を上げることによってカバーしていきなさいというふうなお示しもありますので、その線に沿いまして、できるだけ能率化をすると同時に、人員の増加を防止しているような次第であります。しかしながら、これがいつまでこのままでできるかどうかわかりません。設計陣あるいは調査陣というようなものも不足になって参りますので、あるいは将来増員をお願いするというようなことができて参るかもしれぬと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/49
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050・江藤智
○江藤智君 そこで、さらにお尋ね申し上げたいことは、それは私もかつて経営者の立場にあったから、人間をむやみやたらにふやせということは申し上げないけれども、先ほど申したように、国鉄の輸送力増強というものが、ただいま最も大事な問題なのですね。ところがそれに対して、これは予算だって御承知のようにとにかく倍近くにふえているのですから、それでは今までの人間のままで一人もふやさないでそれだけやるというのだったら、今までの人間が遊んでおったのか、あるいは今度めちゃくちゃに労働がかかっているとしか考えられません。能率を上げるにしても、漸次上げることはできても、予算はとにかく倍になっているから、来年から倍働らけと言っても、これは無理なんであって、やはりそこに現場の人らの苦労というものに耳を傾けて、実際にどんな情勢になっているか、私らが現場を歩いたときにどれだけの深刻な要求が出ているかということは、これはおそらく副総裁の耳にも入っておらぬはずはないと思う。私だってたびたび申し上げておる。それが、何々が三千人もふえているというようなことは言いませんが、ほかの方の定員がはっきり例として資料を取ってみて言えますことは、あるいは決算を見て申し上げましたならば、その問題について非常な矛盾が出ていることはたちどころに私は指摘してみせることができる。とにかくほかの面においてたくさん人員はふえています。しかも工事の面においてそれほど輸送力増強が必要だ、必要だと言いながら、ほんとうに一人もふえていない。現在の現場では、予算ではありませんよ、もう設計能力、そこまで深刻に言っておるということを、私はこの機会に申し上げておきたい。
それからいま一つは、それほど大事な事柄であるにかかわらず、何ゆえに国鉄各部局の中において、ことにはっきり申し上げますと、工事関係に直接関係のないところ、あるいは輸送の方に直接関係のない部局におきましては、この五カ年計画の遂行というものについて、非常にあやふやな観念を持っている。たとえば人間の面におきましても、工事がこれだけふえたから、どうしてもこれだけふやしてもらいたいというのに対して、一人もふえていないということは、当局がやはりそういう頭でおるのじゃないかと思われる。その面については、副総裁は耳になさったことはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/50
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051・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 先ほども申し上げましたように、ある方面におきましては、非常に人員が不足して参っているということは聞いております。ただ、先ほども申し上げましたように、国鉄は一番多かったときには六十六万の職員がございまして、今四十五万でございますから、二十万以上の減員で、おそらくこれほど急速に人員が減った例は、ほかの企業ではないと考えておりまするが、それで、また反面六十六万というのは、戦後施設を人間で補充するという意味で非常に膨張したので、これでは人件費に全部食われてしまうから、できるだけ整理していかなければならないという強い覚悟のもとに、人員整理を行い、それからまたふやさないで努力して参ったのでございます。ただ、ただいま企業の運営の能率化ということを考えておりまして、たとえば通信を改善することにおいて、あるいは自動通信を有線から無線に切りかえるとか、あるいは事務の近代化、IBMとか、電子計算機を使うというようなことで、できるだけ能率的にかつ人員をふやさないで、その方面で生み出した人間を、非常に困っておる運転なり、設備なり、あるいは現場機関なり、こういうものに回していきたいという計画を立てて、ただいま実行中でございます。ただその合理化の方は少し手間がかかりますので、現在非常に困っている部面もございまするが、大きな目標はそこに置きまして努力いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/51
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052・江藤智
○江藤智君 国鉄の経営も楽ではありませんから、人員をできるだけ押えていきたいというお気持については、私はこれに反対するわけではないのですが、そうなったら、国鉄の業務量に応じて、各それぞれの職種の人間配置が妥当に行われておるかおらないかぐらいは、これは特に幹部としても考えていただかなければならない。ついては、戦前のノルマルな状態におきまして、たとえば本省の管理職なら管理職がどういう配分になっておるか。それに比較して現在の職種の配分というものがどういうふうになっておるか。たとえば総務関係、あるいは経理関係、あるいは資材関係という部局の人員の増加の割合と、ほんとうに仕事をやっておる主管局の人間の増加の割合とが、どういう比率になっておるか、こういう問題につきまして、これは一つ詳細な資料を私は要求いたします。しかる後に人間はふやさなくてもその配置がウエル・バランスしておるかどうかということにつきまして、私は一応検討させていただきたい。時間もありませんし、きょうは関連ですからこの程度で……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/52
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053・相澤重明
○理事(相澤重明君) 副総裁、今の資料の提出はよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/53
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054・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) けっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/54
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055・相澤重明
○理事(相澤重明君) 委員長からも今の江藤委員の言うことと関連してお尋ねしておきたいのですが、五カ年計画は先ほども言ったように国民の待望しているところなんですから、ぜひこの輸送力増強のために完遂しなければならぬと思います。そこで、三月十一日現在の国鉄の職員数が四十五万五百八人という資料をちょうだいをしたわけなんですが、そこで、五カ年計画を実行に移した三十二年の四月一日の現在員は幾らであるか、それと同時に、先ほどの江藤委員の御質問の資料というものを一緒に作って私は提出していただきたいと思うわけです。よろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/55
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056・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/56
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057・杉山昌作
○杉山昌作君 私は理事の定員の増加に関連いたしまして、国鉄のトップ・マネージメントの運営の方針とか、そこらについての御所見を承わりたいのです。
現在理事は十人で、うち四人は外部の方、これは理事会のあるときにだけおいでになるのじゃないかと思うのです。六人は部内でそれぞれの担当事務を持っておる。今度はさらに本社でない、地方にいる支社長を六人加える、こういうように承わっておるのであります。大体トップ・マネージメントの機構運営をどうするかということは非常に大きな問題で、現に鉄道でも、国鉄になって、前にはもう少し違ったのを、今度のようなことになったのじゃないかと思うのであります。部内の六人あるいは支社長というようなものは、これは言ってみれば、各省大臣みたいなもので国務大臣ではない、それぞれのラインを持っているわけです。ラインを持っている人をたくさん集めての理事会というものが各ライン公平なというか、全般としていい方針を出すのに便利かどうかという問題が起きている。どうしてもそのラインの、我田引水といってはなんですが、仕事に熱心のあまり、そういうことになるのじゃないかと思うのであります。いいトップのマネージメントというのは、ラインを持たない、まあいわゆる国務大臣で全般を主にして考えるのだということの方がいいのではないか。ことに今度は十人を十六人にもするというようなことになりますと、どっちの方へ結論がいくのだろう。もしもこの支社長等を理事にすることにつきまして、これはそういうトップ・マネージメントのやり方よりも、むしろ非常に地方で重要な仕事を担当しているのだから、これの待遇改善だということであるなら、これは別の方法があるので、社員のうちにさらに上級の社員を作ればいい。役員というものはこれは職員ではない。連帯責任で、全体を見ていかなければならない、責任を持っていかなければならないと思うのであります。そういう意味からいって、なかなかいろいろなやり方が従来もあって、また、それをすでに御経験もされていたのでしょうが、従来からやっておられる実際から考えて、今後新規に支社長等も入れたこういうラインのトップにいる人を集めての理事会というふうなものの方がいいというようなことでございましょうか、そこらの御所見をちょっと承わってみたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/57
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058・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 国鉄が、規模が非常に大きゅうございますので、トップ・マネジメントというのが非常にむずかしく、また非常に重要であると言われまして、これは行政管理庁や経営調査会、あるいはその他の方面から常に国鉄のトップ・マネージメントについての御批判を受けて参ったのでございます。三十二年に現在の日国法になります以前は、経営調査会というのがございまして、部外の方々数人お集まり願って、国鉄のトップ・マネージメントをしていただいたのでございますが、三十二年の改正の際に、やはり理事制を置き、部外からも有識な方を招いてトップ・マネージメントを強化すべきではないかという行政管理庁その他の御勧告がありましたので、経営調査会をやめまして、理事制をしいたのでございます。ただいま御指摘の通りに理事は十名でございまするが、そのうち部外の方は四人で、これは非常勤になっております。それで、総裁主宰のもとに理事会を招集いたしまして、重要案件を審議して参ったのでございまするが、非常にたくさんのボリュームがございますので、理事会だけではなかなか早急に判断もつきかねるという問題がございますので、その下部機構といたしまして企画委員会というのを、私が座長になりまして、各理事あるいは事案によりましたら局長を招致いたしまして、そこで十分討議をして、そうして理事会に上げるというような方式にいたしまして、これは私の方に運輸大臣から任員されております監査委員会というのがございますが、ちゃうど株式会社でいいますと監査役が集まって組織しておられるのでございますが、そういう方面からも国鉄のトップ・マネージメントは最近非常に改善されつつあると、こういうふうなおほめの言葉をいただいております。なお、ほんとうの国鉄の大きな動向につきましては、この理事会がなまのままで討議をいたしまして、それを下部へ移すというようなこともいたしております。それで、先ほどの御指摘の理事は担当を持たない方がいいのではないかという御指摘につきましては、私どもいろいろその点を考えたのでございますが、何はさて、本社に局長の数でも十二、三ございます。局長と肩を並べる室長といったようなものも入れますと、十七部局ぐらいございまして、やはりこれを統合していかないと、ばらばらになるということで、理事が手分けして数局ずつ持ちます。しかし、これは決して利益代表にならぬように、そこの事務を敏速に的確に処理するということだけでございまして、理事は一番の重要な職責は、理事会において国鉄の全体のトップ・マネージメントに当るのだという使命でやっておりまするので、ただいまのところは支障はないと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/58
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059・杉山昌作
○杉山昌作君 ただいまのところは今お話しになったのですが、それで、さらに今度それに支社長十六人を入れる方がもっとベターになるというところはどういうことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/59
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060・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 今度御審議をお願いしております法案で、理事が六名ふえますが、それは現在六支社ございまして、それは支社長が職員でやっておりました。ところが職員でありますと、その責任の分界も限度がございますし、今度支社を強化いたすということになりますれば、本社の権限をさらに大幅に落すということで、やはりこれは役員でなければ責任がしょい切れない、また、対外的な信用からいってもその方が至当であるということお願いいたしておる次第でございまするが、もちろんこういうふうな新しくできました支社長の理事も、理事会に出席いたさせます。本社の最高のトップ・マネージメントに加わることによって、現地における本社長の職責も本社の方針通り行えますし、また、地方の生きた諸情勢を理事会に反映せしむる利得もございますので、そういう点では、現在よりもプラスになって参ると、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/60
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061・杉山昌作
○杉山昌作君 これは考え方として私は一応よくわかるのですが、現地で支社長がいろいろおやりになる、支社の機構も大きくなり権限も大きくなるから、職員ではもの足りないから役員にしてという。この執行面における役員としての力、責任を持つことが非常に便宜だ、やりやすいということはわかるのですが、執行面じゃなしに、今度はトップ・マネージメントのメンバーになってきて、十人の会議であったものが十八人の会議となる。しかも、それらの人はそれぞれの固定した地域的なラインを持っておる人なんで、今の本社におられる六人の方は、これはある局を――数局を一つ一団ずつにして、一応の分担はあっても、これは非常に国務大臣的な考えを中心としてやるというのであります。ところが支社長になると、心ずしもそうではない。現実に自分が支社長としてそこで一定の権限をもらっているとともに、責任を持たされているということになると、実行面における理事に格上げして事を敏速もしくは強力にやるということについては、まことに僕はけっこうだと思うけれども、トップ・マネージメントのメンバーとして意見を述べるというようなことになると、そこに多少どうかという気がいたしますものですから伺ったんでけれども、まあせっかく従来からの御経験もあっておやりになるのでしたら……。私ちょっとそういう気がしたものですから申し上げるのでして、むろん反対をする意味ではないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/61
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062・柴谷要
○柴谷要君 ちょっと国鉄にお尋ねしておきたいのですが、その前に委員長に、大臣が出席していないようだし、大臣が出席しなければ政務次官ぐらい当然出席してしかるべきだと思うから、来ていないようだから、至急手配してもらいたい。
そこで、今組合との間に要求が出されて、団体交渉をやられておると思うのですが、団体交渉の結論が芳ばしくないというので、聞くところによると、あす闘争というようなことになっておるようですが、その経緯についてお聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/62
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063・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 組合の方は国労、機労、職能組合、新地労と御承知の通りに四つの組合がありまして、それらの要求事項もそれぞれ違っておりまするが、共通なものはべース・アップでございまして、それにつきましては、現段階で、当方ではそれに応じかねる、国鉄では定期昇給制度がございますから、がまんしていただきたいということで交渉をいたしたのでございますが、それで、その交渉が妥結成立いたしませず、調停に持ち込んだのでございます。で、ただいま御指摘の通りに調停で公益委員を中心として使用者側の代表あるいは労組の代表委員の間で議論がまとまとず、けさほど労働大臣の職権中裁に上ったと、かように承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/63
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064・柴谷要
○柴谷要君 賃金問題だけでなしに、そのほかに二、三あるのじゃないかと思うのですが、たとえば昇給問題について、あるいは年度末手当の問題等が団交の最も有力な議題になっておると思うが、この点はいかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/64
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065・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 仰せの通りに百。パーセント昇給でありますとかあるいは業績手当の問題でありますとかあるいは処分の撤回でありますとか、そういうものが組合によりまして多少違いますが、そういう条項が、多きは十項目、少くも五、六、項目の要求が提出されておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/65
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066・柴谷要
○柴谷要君 その中で、いわゆる業績手当の問題についてちょっとお尋ねしておきたいと思うのですが、三公社五現業の中で、国鉄だけゼロ回答だ。その他においてはすでに組合との間にほぼ話し合ができかかっていると、こういうようなうわさを聞いておるのですが、国鉄だけゼロで、あとは出るというようなことについて、国鉄当局は御認識になっておられるかどうか、この点を一つお聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/66
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067・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 他の二公社一現業におきましてもまだ業績手当について、はっきりした決定をしていないように聞いておりまするが、いろいろ説を出す面では、裏の、まあ裏と申しますよりも、何か多少のものは出るのではないかという予測をしておる向きもあるように承知いたしております。ただ国鉄としましては、これは非常に残念なことではございまするが、昨年度よりも実収入が五十億程度減っておりまするし、かたがた経営費も膨張しておりまするので、ただいまの成績では、業績手当は非常に出しにくいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/67
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068・柴谷要
○柴谷要君 三公社一現業が何らかの形で処置をされる。しかし国鉄は遺憾ながら五十億の減収でもあるし、経費の支出が多くなってきたということ出せないのは非常に残念だと思いますが、それだけで事が済むとは思えないのですが、大蔵省なりあるいは運輸省に対して、国鉄はどのような御努力をなさったか、また、その見通しがあるのかないのか、その点だけ一つお聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/68
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069・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) この年末には、実はうちの業績手当の計算方法でありますれば、公務員並みにはなかなか出し得なかったのでございます。御承知の通り業績手当は弾力条項でございまして、成績がよければ公務員並みよりも以上に出る。しかしながらその反面におきまして、成績が悪ければ公務員ほど出ない。と申しますのは、公務員では二・八の予算を組んでおりまするが、私の方は二・六五で、それ以上は成績がよければ増すというような弾力条項を持っております。でありますから、成績が悪ければ公務員よりも低い業績手当しか出せないのでございまするが、それでは年度末においていろいろ諸般の情勢から、国鉄としては何とかせめて公務員並みまで出したいということで、私も数度大蔵省へ参りましていろいろ交渉をして、公務員並みにまで予算上の処置をしてもらった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/69
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070・柴谷要
○柴谷要君 それは年末のときの御当局の御努力だと思うのです。今の段階における国鉄労組が要求をし、まあ皆さんが御努力なさっておることについてお聞きしたのですが、これはかいもくやっておらぬと、御答弁がないようですから、かいもくやつておらぬと、こう承知してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/70
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071・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) かいもくやっておらないのではございませんで、努力をしております。経理局長は始終主計局長と連絡をとっておりまするが、何がさて、先ほど申し上げましたように、この公共企業体としての国鉄のきまりから申しますれば、何としてもこれ以上の理屈が容易に立ちにくいものでございまするから、従いまして、現段階では支払いが非常に困難だと、こう考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/71
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072・柴谷要
○柴谷要君 私どもの聞くところによりますと、赤字のいわゆる公社であって、しかも、何というのか、団体交渉はやらない、こういうところでも適当に処置をして出そうと、こういうことで、ある程度話がついておると聞いておるのですが、正規の団交ができ、しかも大した赤字じゃないという前回の委員会の答弁、そこで出ないというのは不可解でなりませんが、政策的に出さぬと決意をされたのか、それともそのことは、別に、夏期手当の際にその分にプラスをして出すというお考えに立っておられるのか、その点をお聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/72
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073・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 政策的に出さぬということは全然考えておりませんで、私どもも国鉄の管理者でございますから、身内にはできるだけ手当をたくさん出したいという本能はございます。それですが、まあ公共企業体をあずかる責任の立場から、あるときはたくさん要求することもございまするが、またそのあり方といたしまして、出せないという場合も出てくるのでございます。将来につきましては、来年度は非常に明るい景気を予想いたしておりまするので、できるだけ成績も上げ、また関係各方面にもお願いして、できるだけの手当の向上をはかって参りたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/73
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074・柴谷要
○柴谷要君 そのことで聞いておりますと、どうも出す意思がない、国鉄当局に。それからまた昨年十二月の一・六五の予算が残っておるのを国家公務員並みに出したという点で、努力されて国家公務員並みに出したということでありますから、その際に、年度末は出さぬと大蔵省と約束をとりつけたのか、とりつけないのか。とりつけたから今回はこのようにどのようなことがあっても絶対に出し得ないのだ、こういう形のものに固定されておるのか、それとも他の二公社一現業が情勢を見て支出が行われるということならば、国鉄も多少工面をしても、先ほど江藤委員からも言われたように、非常に人員の少い中でよく仕事をやっておる、こういうお話もあったように、実に涙ぐましい努力をしておるこの現状を、あなた方は何とか経営者の立場で報いてやろうというお気持があるのか、これらの点について一つお聞かせをいただきたいと思うのです。特に大蔵省に対して言えない義理に国鉄はなっておるのか、それとも他の企業を見る場合には、どうしても国鉄としてはじっとしていられないのだ、大蔵省なり運輸省にぜひ現状を訴えて、何とかしてやろう、こういう気持を今日持ち合しておるのかおらないのか、この点を一つ明らかにしてお聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/74
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075・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 大蔵省に約束があるかないかというお話でございましたが、何も私の名前で一札を入れておるわけでもございませんで、ただ年度末に、先ほどお話しいたしましたように、年度末に公務員並みの業績手当を出すということは非常に難点がございました。もうそのころから本年の赤字ということは大体わかっておりましたものですから、非常に困難をいたしました。そういうふうな、折衝の際の、まあ話ですから、いろいろ多岐に触れた話し合いをしまして、また、年度末手当についても、こういうふうな成績であってはなかなか出しにくいというような話ももちろんそのときには出たでございましょうし、まあ私どもも今後の成績をできるだけ改善していきたいから、そのときはぜひまためんどうを見ていただきたいというようなことも申しましたが、文書その他で、はっきり大蔵当局に一札取られているというようなことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/75
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076・柴谷要
○柴谷要君 それでは国鉄の経営者の立場として、赤字経営であって、しかも、何といいますか、財政的には非常に困っておるような企業体があっても、そこの経営者はきぜんとして予算のやりくりをして出す。こういうようなところがあるにかかわらず、国鉄はどうしても健全財政を守っていくためには出さないのだ。こういう態度でいくのがいいとお考えになっておられるか。それから他の企業がそれくらい工面をしても、将来に向って経営の改善をはかり、業績を上げてもらうためには、多少のものを出してもいいのだというやり方と比較して、その方が誤まりだ、私の方が正しいのだ、こういうお考えを持っておられるのか、これが一点。
それから、大蔵省が少くともこれら企業体に対して見ている目が、国鉄に対してはどうも冷淡だ。だから、何を言っても大蔵省は言うことを聞いてくれないのだ。こういう立場にあるのだ。国鉄に対しては何だかどうも政府は冷たい態度をとつておるのだ。こういうふうにお考えになっておられるのか。
この二点についてお伺いしておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/76
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077・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 他公社、他現業についてお話がございましたが、このことは私は承知いたしておりません。ただ、国鉄がこれほどのはっきりした不成績でなければ、私も何とかしてお願いして獲得して参りたい。先ほど申しましたように、やはり私どもはできるだけ職員に手当を上げたいという真からの希望がございますから、もしこれが普通の状態でありますならば、何とでも要求して参りたいと思いまするが、本年度、三十三年度の収入は、予定収入に比較いたしまして大体百八十億ないし百九十億の減収でございます。先ほど申しましたように、予定収入と比較して減収ばかりでなく、昨年度の実績よりも五十億ぐらい減収である。かたがた経営費の方では、いろいろな仲裁のベース・アップの裁定、その他で百十億ほどふくれております。かようなことでありますから、業績手当の筋合いから言いますと、かけ離れて成績が悪いときには、やはりそのルールに従わなければならないのではないか。もしこれが公務員のように二・八ということがくぎづけで予算に計上されておりますれば、成績のいいときも二・八でがまんしていただきますが、その反面、幾ら成績が悪くても予算上の二・八が出るのでありますが、先ほど申しますように、それでは企業意欲を向上させ得ないという建前から、二・六を予算として、その上に弾力性を持たせておるという現在の状況でございますから、実に残念ではございますが、三十三年度の成績を前提といたしましては、なかなか年度末におきましては、支弁することは困難ではないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/77
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078・柴谷要
○柴谷要君 国鉄では、もはやこの段階においては無理だ。しかし運輸大臣等が、監督の立場からいって、労使間でいつも争っておったのでは思わしくない。よって一つ一はだ脱いで国鉄に出させよう、こういう空気が生まれてくれば、国鉄は喜んで出せるような情勢になりましょうか。その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/78
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079・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) それは、大臣の御指令がありますれば、私どもは被監督者でございますから、大臣の指令に従うと、こういうことに相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/79
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080・柴谷要
○柴谷要君 そういった場合に、大臣は、企業内でもって操作をしておけと、こういうような場合には、企業内の操作は可能でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/80
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081・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) それは非常にむずかしい御質問でございまするが、たとえばこれは違法でございまするが、もし、かりに今年度の決算を来年度に回すとか、あるいは減価償却費を減らすとかいうことが、鉄道会計の監督者、それは会計検査院もございますし、行政管理庁もございますが、また大蔵省もございますが、そういう違法を見のがしてやろうということでございますれば、それはできることになるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/81
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082・柴谷要
○柴谷要君 大へんどうもかみしもを着たようなむずかしいことを言われたのですが、過去において国鉄はそういうことをやった覚えはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/82
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083・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) いや、ただいままで違法な経理を関係監督官庁にお願いして整備した記憶はないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/83
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084・柴谷要
○柴谷要君 なければけっこうです。それは今までやっておったことはずいぶん私も承知しておりますけれども、名答弁だと思います。しかし、私はそれだけでは、副総裁、やはり現状は何ともならぬのじゃないかと思うのですよ。それで御承知の通り、昨年は〇・三プラス四百円で、大体九億何千万円、十億程度と思われるのです。国鉄の大企業で、十億くらいの金をやり繰りして容易に出せないで、第一線を守り通し、かつまた業績をあの程度に食いとめておるのですね。御承知の通り三十二年は神武景気にあおられて、駅頭には山なす滞貨があった。ところがことしは少しも荷物を出してくれない。出してくれ、出してくれと言ってもなかなか駅頭に集まってこないような現状なんです。こういう景気というものは、自民党さんの経済政策が失敗したことによるのでありますが、こんなことを言うと、江藤さんの協力が得られませんから申し上げませんけれども、とにかく駅へ行って見れば、きれいなもんです。荷物なんか全く残っておりません。それによって出た原因だからといって、従来職員が期待をし、とにかく三月は新規に子供を学校へ入れるとか、その他金掛りするわけですよ。そこで純真なる職員は、多少なりともいただけるのじゃないかと計算ずくでおるものが、ここで一銭も出ないというと、どういう結果を生むかということも十分御承知の上で御答弁なさっておるのですか。
委員長、大臣なり政務次官の要求はどうした、すみやかに手配してもらいたい。
もはや国鉄の段階では非常に至難だということはわかるのだけれども、しかし、政治的配慮ということもあるのですから、自民党の先生方にも御努力願うと同時に、運輸大臣にも一つ十分――それは他の専売等から見て十億というと、えらいでかい額になるのですが、とにかく四十五万人でございますから、決して十億という金は大金ではないと思うのだが、少くとも十億とか十五億の支出をやらして、一つ大いに努力してくれということの方が、経営者としては賢明な策だと思うのですが、副総裁、再度しつこくお願いするようで恐縮ですが、そのくらいの支出は可能だと思うのですが、支出できるようなお気持に変っていただけないものかどうか御答弁を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/84
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085・小倉俊夫
○説明員(小倉俊夫君) 繰り返して申し上げますが、ことしは、ただいままでるるお述べしましたように、残念ながら国鉄の成績自体が悪いので、この現行規則から見ますれば、理屈のつけようがないと、こう考えまするが、今貨物のお話がございましたが、この一月以降非常に好転して参りまして、駅頭の滞貨なども昨年の今ごろから比較いたしますと五割くらい増しておりまして、収入も昨年度よりもだんだんよくなって参りますので、来年度は十分期待をかけて職員の熱望にこたえて参りたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/85
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086・相澤重明
○理事(相澤重明君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/86
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087・相澤重明
○理事(相澤重明君) 速記を起して。
日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の質疑については、本日はこの程度にとどめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/87
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088・相澤重明
○理事(相澤重明君) 次に、特定港湾施設整備特別措置法案を議題といたします。
本案につきましては、去る二月十八日、提案理由の説明を聴取いたしました。また、三月六日、衆議院から送付され、本委員会に付託されました。
本案の内容の概要について、補足説明を願います。政府委員としては、港湾局長中道峰夫君であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/88
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089・中道峰夫
○政府委員(中道峰夫君) 今回提案されましたところの特定港湾施設整備特別措置法案につきまして、逐条的にその概要を御説明申し上げます。
第一条は、この法律の目的を定めたものでありまして、わが国現下の経済基盤を強化するため必要な港湾を緊急特別に整備することを目的といたしております。緊急特別と申しますのは、この法律の対象といたしております事業を、おおむね四カ年で完成することを目標といたしまして、国が特別会計を設けて行うということでありまして、これがため、港湾法等の原則法に対しまして、一部例外を定めたのが本法の大体の内容となっております。
第二条は、特定港湾施設工事、つまり、本法で行います工事を限定して定義づけたものであります。本来、港湾工事は港湾法によって行うべきでありますが、第一条の目的達成のため、例外的に本法によるのでありますから、本法の対象工事は明確に限定する必要があります。
特定港湾施設工事は、港名別に政令で定めることといたしております。
まず港名でありますが、輸出港湾といたしましては、横浜、神戸、名古屋、大阪、門司、下関の六港、石油港湾といたしましては、横浜、川崎、四日市、松山の四港、鉄鋼港湾といたしましては、室蘭、千葉、川崎、姫路、尼ケ崎、和歌山、洞海の七港、石炭港湾といたしましては、苫小牧、横浜、衣浦、四日市、大阪、神戸、洞海、苅田、唐津の九港を予定いたしております。
右各港のそれぞれにつきまして施設を政令で定めますが、その定め方は、横浜の例で申しますと、おおむね次のようになります。
輸出の方は、山下町地先大型船岸壁六、石油関係は、第三区の航路及び第四区の航路、水深は干潮面下十二メートルであります。石炭に関しましては、出田町地先中型船の岸壁を一つ。
なお、右各港湾のほか、第二号に掲げておりますのは、関門航路のことでありまして、同航路は国際航路になっておりますので、マイナス十メートルに改良する計画になっております。
特定港湾施設工事は、特別会計で行います関係上、必ず運輸大臣が施行することとなっております。つまり直轄事業であります。原則法である港湾法によりましてももちろん直轄工事はあり得るのでありますが、本法の直轄工事との相違点は次のような点にあります。直轄工事を行う場合、運輸大臣と当該港湾管理者との協議が整うことがこの場合の要件となっておりますことは、両者とも同様でありますが、協議がととのわなかった場合は、港湾法では補助工事として、すなわち港湾管理者の工事として工事自体は行われ得るのに対しまして、本法の工事は、直轄工事として行う以外は、補助工事として行い得ない工事ということになっておりまして、この点が両者の違うところであります。
第三条は、本法による工事は特別会計で行いまして、必要な場合は資金運用部からの借入金をもって工事財源とすることができる旨を定めたものであります。昭和三十四年度におきましては、特別会計の規模は約七十七億円でありまして、このうち約十九億円を資金運用部より借り入れることといたしております。
第四条は、費用負担の特例を定めたものでありますが、説明の便宜上、まず本法の対象といたしております工事を、民間資金の活用の面から分類いたしまして説明申し上げるごとといたします。
第一は、全然受益者負担金その他の民間資金を財源に見込まない部類でありまして、輸出港湾の大部分がこれに該当いたします。
第二の部類は、企業合理化促進法に基きまして、各受益事業者から申請があった場合に行うものでありまして、受益者負担金として国が直接事業者より事前に五割相当額を徴収することを前提といたしております。
第三の部類は、石炭港湾及び輸出港湾の中で、大阪の鋼材埠頭、門司のセメント埠頭、下関の肥料埠頭の三カ所でありまして、事業費の二割、北海道は一割相当の特別利用料を徴収することを前提といたしております。ただ、この場合の特別利用料は、港湾管理者が一応は立てかえて工事を行い、施設完成後、取扱い貨物に対しまして、トン当り使用料の形で施設利用者より港湾管理者が回収をするという考え方になっております。
そこで、各項の説明に入るわけでございますが、第一項は、第二の部類、すなわち石油港湾及び鉄鋼港湾において、企業合理化促進法により事業費の五割相当の受益者負担金を徴収する場合の負担割合の特例を定めたものでありまして、この場合は、受益者負担金を差し引いた残額の五割、すなわち全体の二割五分を港湾管理者が負担することとなっております。
第二項及び第三項は、第三の部類、すなわち石炭等の港湾で特別利用料として事業費の二割、北海道は一割相当額を徴収するものについての特例を定めたものであります。
これらの工事は、右の特別利用料徴収分相当額を一応港湾管理者が立てかえて、事後回収する思想になっておりますので、二割、北海道は一割相当分が港湾管理者負担分に算入される筋合いの計算になっておりまして、この点が港湾法の原則に対しまして例外になっております。
第四項は、建設利息の負担について規定いたしております。本法の工事は特別会計で行いまして、一部借入金を財源とすることは、第三条について御説明申し上げた通りでありますが、資金運用部から借入金をした場合、その利子相当額が港湾管理者の負担になることを定めたものであります。この利息は、前に説明いたしました第一、第三、第三の部類の全部に通じての港湾法の例外であります。
第五条は、企業合理化促進法による受益者負担金を国が徴収する場合に強制徴収の制度を認めまして、その手続を規定したものであります。その方法は、税金等について定められました手続と同様であります。
第六条は、右に申し上げました第三の部類すなわち石炭等の港湾施設について、その完成後の施設利用者から特別利用料を徴収できる根拠を定めた規定であります。その徴収額の限度は、すでに御説明申し上げた通り、事業費の二割、北海道は一割相当分となっております。この特別利用料は、申すまでもなく、港湾法第四十四条第一項の規定に基く港湾施設使用料の一種でございまして、その料率は地方自治法及び右の港湾法の規定によりまして、条例で定めるとともに、施行前三十日間の公示を必要といたしますが、なお、その決定手続を簡略にし、かつ、徴収を確実ならしめるため、政令で一定の基準を定めますとともに、利害関係人の異議の申し立て、運輸大臣の料率変更命令等の手続を定めた港湾法第四十四条第三項及び第四項の規定を適用しないことといたした次第であります。
第七条は、第四条第一項の工事、すなわち企業合理化促進法による石油港湾及び鉄鋼港湾にかかる工事につきましては、運輸大臣が、企業合理化促進法の主管大臣である通商産業大臣と協議した上で行うことといたしました。
第八条は、工事の委託について規定いたしております。本法による工事は、直轄工事でありますので、運輸大臣が、国の機関である各港湾建設局に命じて工事を施行いたすのを原則といたしますが、大阪、名古屋等地元港湾管理者が十分な工事能力を備え、従前より工事施行の実績を持っております所におきましては、かえってそのような港湾管理者に委託し、その組織を利用して仕事を行います方が時宜に則する場合なしといたしません。
なお、委託いたします場合におきましても、設計その他工事の基本となる事項は、国においてこれを定めまして、十分な監督のもとに施行させることは言うまでもありません。
なお、委託を行う予定の港湾は、大阪、名古屋、千葉、衣浦の四港でございます。
最後に附則でございますが、企業合理化促進法の一部を改正いたしております。
現行の企業合理化促進法は、北海道におきます港湾工事には適用されておりません。
本法の対象といたしております港湾には、北海道で室蘭港が入っておりまして、鉄鋼港湾として企業合理化促進法による工事を予定いたしております。
従いまして、北海道にも企業合理化促進法による工事を行い得るよう改正をした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/89
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090・相澤重明
○理事(相澤重明君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/90
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091・相澤重明
○理事(相澤重明君) 速記を起して。
他に別に御発言もなければ、本案については、本日はこの程度にとどめます。
次回の運輸委員会は三月十七日午後一時からといたしたいと思います。
本日は以上で散会いたします。
午後三時四十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01219590312/91
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