1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年三月十七日(火曜日)
午後一時四十七分開会
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委員の異動
三月十三日委員小林孝平君辞任につ
き、その補欠として大和与一君を議長
において指名した。
三月十四日委員高野一夫君辞任につ
き、その補欠として横山フク君を議長
において指名した。
三月十六日委員横山フク君辞任につ
き、その補欠として酒井利雄君を議長
において指名した。
本日委員野田俊作君辞任につき、その
補欠として重宗雄三君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
理事
江藤 智君
成田 一郎君
相澤 重明君
委員
石原幹市郎君
植竹 春彦君
重宗 雄三君
平島 敏夫君
天田 勝正君
杉山 昌作君
市川 房枝君
岩間 正男君
国務大臣
運 輸 大 臣 永野 護君
政府委員
運輸政務次官 中馬 辰猪君
運輸大臣官房長 細田 吉藏君
運輸省海運局長 朝田 靜夫君
運輸省港湾局長 中道 峰夫君
運輸省観光局長 岡本 悟君
海上保安庁次長 和田 勇君
事務局側
常任委員会専門
員 古谷 善亮君
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本日の会議に付した案件
○海上保安官に協力援助した者等の災
害給付に関する法律の一部を改正す
る法律案(衆議院提出)
○旅行あっ旋業法の一部を改正する法
律案(衆議院提出)
○国内旅客船公団法案(内閣提出、衆
議院送付)
○特定港湾施設整備特別措置法案(内
閣提出、衆議院送付)
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001・相澤重明
○理事(相澤重明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
委員の異動を報告いたします。
三月十三日、小林孝平君が辞任、その補欠として大和与一君が、同十四日、高野一夫君が辞任、その補欠として横山フク君が、同十六日、横山フク君が辞任、その補欠として酒井利雄君が、本日、野田俊作君が辞任、その補欠として重宗雄三君が、それぞれ選任せられました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/1
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002・相澤重明
○理事(相澤重明君) ただいま出席の政府委員は、運輸政務次官中馬辰猪君、官房長細田吉藏君、海運局長朝田靜夫君、観光局長岡本悟君、海上保安庁次長和田勇君、以上であります。
海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。、
本案は、前回発議者から提案理由の説明は聴取いたしました。本法律案について御質疑のおありの方は順次御発言願います。
それでは委員長から一つだけお尋ねしておきたいと思うのですが、第三条の二「海上における殺人、傷害、強盗、窃盗等人の生命、身体又は財産に危害が及ぶ犯罪」の場合、こういう点についての、海上におけるボートで旅客等を輸送した場合に窃盗等が行われたときに、海上保安官がいない場合でも、申告があった場合、あるいはまたそれに協力した人等に対する措置はどういうふうにお考えになっておるか、御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/2
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003・和田勇
○政府委員(和田勇君) お答えいたします。ただいまのような場合にもこの改正案が適用になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/3
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004・相澤重明
○理事(相澤重明君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/4
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005・相澤重明
○理事(相澤重明君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/5
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006・相澤重明
○理事(相澤重明君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決をいたします。
海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本法律案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/6
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007・相澤重明
○理事(相澤重明君) 全会一致でございます。よって本法律案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/7
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008・相澤重明
○理事(相澤重明君) 御異議ないものと認めます。よってさよう決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/8
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009・相澤重明
○理事(相澤重明君) 次に、旅行あっ旋業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案は、前回発議者から提案理由の説明は聴取いたしました。本案について御質疑のおありの方は御発言願います。——別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/9
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010・相澤重明
○理事(相澤重明君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/10
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011・相澤重明
○理事(相澤重明君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決をいたします。
旅行あつ旋業法の一部を改正する法律案を問題に供します。
本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/11
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012・相澤重明
○理事(相澤重明君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたします。
なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/12
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013・相澤重明
○理事(相澤重明君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/13
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014・相澤重明
○理事(相澤重明君) 次に、特定港湾施設整備特別措置法案を議題といたします。
本法案につきましては、去る二月十八日、提案理由の説明を、三月十二日、法案の内容の概要について補足説明を聴取いたしました。また三月六日、衆議院から送付され、付託されました。
本法案について御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/14
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015・相澤重明
○理事(相澤重明君) 速記を起して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/15
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016・相澤重明
○理事(相澤重明君) ただいま特定港湾施設整備特別措置法案を議題にいたしましたが、政府委員の出席の関係で、国内旅客船公団法案を議題といたします。
本案につきましては、去る一月三十日、提案理由の説明を、二月十八日補足説明をそれぞれ聴取いたしました。また去る三月五日、衆議院から送付され、本委員会に付託されました。
本法案に対し御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/16
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017・江藤智
○江藤智君 国内旅客船公団が発足いたしまして、これは五カ年計画で一応計画が終了するものと考えられるのでございますけれども、ただいま、予算に組まれております資金あるいは資金運用部資金から融資をする額、そういうもので十分に目的を達し得るかどうか、その点について政府の見通しをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/17
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018・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) お答えいたします。ただいまの五カ年計画で私どもが考えておりますのは、約二万トンばかりの老朽船の代替建造あるいは改造といったようなものを含めて考えているのであります。これは一応の、第一期の計画として私どもが考えているところでありまして、老朽船の非常に多い現状からいたしまして、なお不十分であると考えております。従いまして、五カ年計画が、一応めどとして私ども考えておりますのは、今申し上げました計画に引き続いて、さらに老朽船の代替建改造というものを続けて参らなければならないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/18
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019・江藤智
○江藤智君 そこで、まだこれで十分ではないということになりますというと、やはり代替建造するについては、一番老朽で危険度の高いものと申しますか、そういうものから優先して改造していかれるのではないかと考えられるのでありますけれども、そういう方針でしょうか。どういう方針で代替建造を進められますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/19
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020・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 大体今御指摘になったような方針で参りたいと思っております。民生安定上必要な航路というものと、老朽船の度合いといったようなものから、その緊急度に応じて計画的に代替建造ないし改造を進めて参りたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/20
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021・江藤智
○江藤智君 そこでお配りの資料を拝見いたしまして、これは訂正されたようなんでございますが、従って訂正された資料を今初めて見たのでございますけれども、この「五カ年計画完了後と現状との国内旅客船船齢構成比較表」というのがございますね。これを拝見しまして、鋼船において三十年以上というようなものが相当残っている。大体船齢というものは二十年というふうに鋼船においては考えておられるようであります。その鋼船についても、三十年未満のものが相当残っておりますし、木船におきましても、これは十年未満におさめたいのが理想でございましょうけれども、木船におきましても三十年以上というようなものが相当残る。そういうようなことになりますというと、むしろこういうものを二万トンだけやりかえるならば、大体二万トンだけではおさまらないでしょうけれども、こういうものの方をうんと減らしていく、こういうような考え方になるのじゃないかと思うのですが、その点はどういうことなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/21
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022・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) この五カ年計画を一応完了いたしました後の船齢構成というものと現状との比較の点で今の御質疑でありますが、まことに仰せの通りでありまして、できるだけその船齢の多い三十年未満あるいは三十年以上といったものに主力を注いで参りたい、こういうふうに考えるのでございますが、ここで法案にあげておりますような「民生の安定に必要な航路」というものと、それから自力で資金が調達可能なもの、あるいはもっぱら遊覧あるいは観光といったものに従事するものを除いておりますので、実際の船齢構成の比較は、これよりも改善されると存じているのでありますが、仰せの通り、なお相当船齢の耐用年数以上に超過をいたして参る船舶が減らないと思うのであります。従いまして、年々の資金計画におきまして、資金運用部資金からの借り入れで事業を遂行していくのでありますが、その資金の毎年度におきまする予算折衝においての私どもの努力の点にも関連をいたしましょうし、かといって、相当膨大な額というものを一挙に各年度これをとれるものでもありませんので、その点はなお資金の確保について努力をいたして参りまして、船齢の相当超過いたしておるような船舶の一掃に努力を続けて参る、こういうふうに考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/22
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023・江藤智
○江藤智君 御趣旨はけっこうなんですけれども、少しくどいようですが、この表を見まして、鋼船で三十年以上というものが現在で五十九隻ある。五カ年の後におきましてやはり五十六隻も残っておる。せっかくこういう公団を作りましても、三十年以上のものの隻数も変っていない、ほとんど減っておらないというのは、どうも少し計画に、これはもちろん、ほんとうの概数の見当だから、こういう数字が出ておるのでありまして、実際のときには十分考えられるだろうと思いますけれども、まあ政治的に考えましても、こういうとにかく法案を出しておきながら、しかも一番の老齢の三十年以上の隻数がほとんど変らぬというような数字が出ておるというのは、どうも納得がいかないのですが、この点は何かあれですか、検討されて、自信を持って、やはりこの程度はまあ残ってもいいのだ、こういうようなおつもりなんでしょうか、もう少し詳しく御説明を願えませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/23
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024・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) その点について御説明をいたしますと、これでなお努力を要すべき余地があるとは存じますが、一応ここで考えております計画につきましては、木船が現在で、お手元の表にございますように百十八隻、それがまあ一応この計画は第一次の計画が完了いたしますと三十六隻に減るわけであります。この三十六隻をゼロにしてしまいたいのでありますが、航路の事情、船舶の適格性、そういったようなものから考えまして、そこに集中して参るわけにもいかないような実情もございます。従いまして、百十八隻が三十六隻に減り、逆に木船を鋼船に切りかえるというものがほぼ半数あると思いますので、従いまして、十年未満の鋼船が現在の六十七隻より百三十隻にふえる。逆にそういったようなふうな木船から鋼船に切りかえていきたいというような気持もその計画の中に入れておるのであります。これは必ずしも十全の、完全な計画であるというふうには考えておりませんので、実施に当りましては、御趣旨に沿ってその辺の努力を続けて参りたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/24
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025・江藤智
○江藤智君 まあこの案はほんとうの計画でございますから、実施に当って十分に実情に沿うように計画を立てていかれるという御趣旨でございますから、その点は了解いたします。
次に、今年度及び来年度以降の資金計画について御説明を一つ願いたいと思います。それで、これもまた資料が変ったんですが、三十四年度の資金計画だけが変つたので、あとのそれ以降の計画というのは配付になりましたこの表でいいのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/25
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026・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 当初に配付を申し上げましたが、資料と変っておりますのは、事業計画というところが変っておりまして、各一年度、二年度、三年度といった各年度の計画は大蔵省の方とも連絡をいたしました結果、なるべくそういった確定的なふうに考えられるようなものはちょっと除いてもらいたいと、全体の計画として五カ年計画というものをあげまして、来年度だけは確定をしておる規模を第一年度としてあげておるのであります。そのほかに先ほど御指摘になりました「五カ年計画完了後と現在との国内旅客船船齢構成比較表」というのが変っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/26
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027・江藤智
○江藤智君 そこで収入は来年度は政府の出資金が二億円の資金運用部の借り入れが三億円、その他船舶収入が千五百万円と、こうなっておりますが、この収入につきましてもう少し詳しく御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/27
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028・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 政府出資金の二億と資金運用部借り入れで三億でもって事業資金と考えておるのでございますが、船舶収入の千五百万円と申しますのは、使用料を運航事業者からとるわけですが、大体二十カ年間の等額償却を基礎にして使用料を見込んで、運航事業者からとり得る収入額としてあげましたのが千五百万円であります。運用部資金の借り入れでもって大部分、出資以外の資金としては資金運用部資金から供給を仰がなければなりませんので、この間その資金に対しまするところの資金運用部資金の金利が六分五厘であります。きわめて零細な企業が多いものでありますので、公団といたしましては、その六分五厘の金利に若干安全率を加えまして約七分程度でもって、その使用料の方にもその分を見込んで参りたいというようなことで、来年度の運航事業者から徴収いたしまする使用料は、船舶収入といたしましてさらに千五百万円ということで掲げております次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/28
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029・江藤智
○江藤智君 そこで、零細企業だからこういう公団を作って国がとにかく応援してやろうと、こういうことになっておるのに、いわゆる外航船舶に対する計画造船におきましては、これは開銀融資で六分五厘だ、この場合には資金運用部から直接公団が六分五厘で借り入れるわけでありますが、それに〇・五%ふやして、もちろん、中小企業であるという信用度合いが少いからということかもしれませんけれども、とにかく資金運用部資金から六分五厘という一応低率な資金が融資されておるにかかわらず、そこでとにかく〇・五%ばかりふやして、これを貸さなければいけないというところが、どうも問題が多少あるじゃないかという気がするのです。むしろ零細企業であったならば、ほかにやはり保証方法もあるけれども、わずかこれっぽっちを積み立てるか何かしらぬけれども、したために、それだけの保証がそれほど強められるというふうにも思われませんが、そういう点はどういうふうに政府としては考えておられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/29
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030・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 仰せの通り、資金運用部資金の利子が六分五厘でありますので、それ以上に、零細な企業者から、安全率とはいいながら、若干のマージンを見て使用料として取り立てるということは、制度の趣旨から見て不適当じゃないかという御趣旨でありますが、私どもといたしましても、そういったものは若干の安全率を見込まなければならないのでありますが、それが公団のとりますところの使用料に含ませる余裕がほとんどないというふうに考えておるのでありますが、しかもなおかつ、〇・五%といったものを含ませておりますことは、公団の維持、管理の上からいいましても、あるいは純然の安全率、零細企業が多いのでありますから、それに対しまするやはり保証の手だてというようなことも、公団自身の運営からいってみますと考えておかなければならない問題であります。その点は相当、大幅に認めてはいけませんが、若干の安全率を見る程度はやむを得ないと私どもは考えておるのであります。
この問題は、政府全額出資の二億といったものの額を相当大幅にふやしますというと問題は解決するのでありますけれども、予算折衝の過程におきまして、この公団を新しく創設する場合に、一応政府部内では二億円ということに定められました結果、六分五厘というものに大体少しの安全率を見込まなければならぬというような事態であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/30
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031・江藤智
○江藤智君 そこで私は、当初は、こういう国内の旅客船の会社は皆零細企業だから、それに対する一つの安全措置として積み立てるために、〇・五%余分にとるのかと思ったのです。ところが今のお話では、公団の運営費というか、そういうものが足らないから、多少さやをとってそれでまかなおうと、こういうような意味も入っておるようなんでありますが、これは非常に私は問題じゃないか。もともとほうっておいたらつぶれそうなんだから、国がとにかく助けようといってこういう公団をこしらえておきながら、たまたま、政府出資金が思うほどとれなかったから、それの利子の差額で、多少でもとにかく運営の金をふやそうというような行き方は根本的におかしいのじゃありませんか。もしも、二億で足らなかったならば、来年度はそれでできる程度にしておいて、そうして再来年度、さらに政府の出資金をふやすように努力をするというようにすべきであって、少くとも計画造船の場合の開銀融資の六分五厘と歩調を合せて、国内のこういう小さい船でも、私らの気持からいえば、もっと安くしてやらなければ困ると思うのでありますけれども、せめて六分五厘の外航船舶とは歩調を合せるというようにするのがほんとうじゃないかと思いますが、この点いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/31
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032・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 少し私の説明が明確を欠いたと思いまするので、誤解を生ずるような答弁を修正の意味におきましてお聞き取り願いたいと思いますが、資金運用部資金の金利が六分五厘で、安全率を加えて七分ということにつきましては、これはその管理費が足りないので七分にするという意味ではございません。資金運用部の借入金に対しましての五厘というものは、今御指摘の通り積み立てていくものでございます。管理費は、政府全額出資の二億に対しましての金利でもってまかなって参りたいということでありまして、政府全額出資のものと資金運用部資金から借り入れているものとの、その資金の間に少し私混同を生ぜしめるような御答弁申し上げたように思いますが、その点は御訂正の上お聞き取り願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/32
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033・江藤智
○江藤智君 それでは政府出資金の方もやはり七分で運用されるのですか。それともここは、これもやはり七分で、そうして〇・五%は積み立てられる、こういうことなんですか。で、もし積み立てをされるんなら、やはりこの支出の方に積立金というようなものをはっきり入れられるべきじゃないかと思うんですが、何だかそこで少し利ざやをかせいで、ぐずぐずとやるような感じを受けるのは、まあこの公団の設立の趣旨にかんがみて、その点は少しはっきりしておく必要があるのじゃないかと思われるのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/33
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034・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 御指摘の通り、資金運用部資金に対しまする五厘の点につきましては、はっきりと積立金として計上するようにいたしております。政府全額出資の二億円に対しましては、これは一つのけじめがつきませんので、七分ということでもって公団の運営に必要な管理費はまかなって参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/34
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035・江藤智
○江藤智君 それから原案によりますと、三割は自己資本でやるようになっているんですけれども、とにかく多数のこの業者というものは、非常に経営状態もよくないようなんでありますが、三割といえども、ただいまの外航船舶のような場合でも、なかなか市中銀行は大会社でさえ貸してくれない。ましてや、こういう小企業に対して三割という市中銀行の融資が得られるかどうか、その点のお見通しはいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/35
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036・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 三割と七割の公団と運航事業者の持ち分の比率でございますが、ただいま私どもの考えとしては、大体七割、三割というようなことになっているのでありますが、あとの三割の自己資本というようなことについて、零細企業が多いから非常に困難ではないかというような御質問であろうかと思いますが、この点につきましては、大体船体保険等との関連もございまして、そのうち半分くらいはそういう保険会社からの借り入れというようなことも実情において考えられますので、あとの半額程度のものを何とかして都合してもらうというようなことで、私は何とかしていけるのじゃないかというような考え方をいたしております。しかしながら、七割・三割というのは、ここ相当長い間にわたって実際動かすべからざる現象だというふうにも考えておりませんので、公団運営の将来において考えて、万全を期するような手だても将来持たなければならぬというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/36
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037・江藤智
○江藤智君 次に、この運営事務費のことなでんすが、まあここで一千万円ということになっておりますが、この全国にわたるこういう非常に零細な企業の船舶を調べて、そして技術指導もせなければいかぬでしょうし、金融のあっせんもしておらなければいかぬというのに、一カ月に九十万円足らずぐらいの事務費でこれをやれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/37
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038・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) ただいまのお話の一千万円は初年度であります。大体六月くらいから操業を開始したい、こういうふうに考えるのであります。いずれにいたしましても一千万円という額は非常に窮屈な額であります。また二億でありますので、先ほど申し上げましたように、平年度七分として考えますならば、公団管理事務費というものにつきましては一千四百万円になるわけであります。その一千万円という、操業費は別といたしまして、管理費の一千万円というものは、非常に窮屈であるということは考えております。ただ、先ほども申し上げましたが、二億という出資に、その点が問題があるのでありまして、将来これで一度やってみまして非常に無理だとは思いますが、冗費の節減をいたし、予算の大体見込まれておる管理費の範囲内において何とかやっていくよりほか仕方がないというように私ども考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/38
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039・江藤智
○江藤智君 そこで来年度は、まあこれでやむを得ないとしましても、それ以後、この計画をほんとうに自信をもって遂行するためには、大体どういうような組織で、そして経費は一体どれくらい要るというふうに政府としてはお考えなのか、その点を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/39
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040・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 公団の組織として今考えておりますのは、法案にもございますように理事長が一名、理事が二名、監事が一名、役員が合計四名でございます。内部の組織につきましては、まだ確定的なものではございませんが、大体二分四厘か程度のもので、役員を含めまして二十名足らずの陣容で参りたい。
ただ、今御指摘になりましたように、窮屈であることは十分認めるのでありますけれども、この予算の範囲内におきまして、極力合理化の線で運営をいたして参るよりいたし方ない。きわめて窮屈であることは事実でございます。とにかくこの範囲内で一応発足してやるだけはやってみようというふうに考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/40
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041・江藤智
○江藤智君 最後にこの離島振興法との関係がありましたね。私は、とにかくこういう離島というようなものは、特殊の場所を除いては、これは初めから赤字覚悟で運航せなければいけないというようなところが相当あるのではないか。船はこの公団で一応ある程度改造されても、離島航路のそういう運営の補助というようなものはやはり並行して、少くも減らすべきじゃない。むしろ実情に応じて十分に考えてやらなければいかぬ、こういうふうに考えておるのでありますが、そういう点についてはどういうふうにお考えか、お聞かせを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/41
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042・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) ただいまの離島航路整備法による助成につきましては、御承知のように航路補助と、建造、改造の場合の利子補給という二本建で離島航路整備について私どもは考えておるのであります。航路補助につきましては、航路経営上の欠損、赤字に対しまして交付する補助金でございますがこれは国内旅客船公団が設立されまして、業務が相当円滑に進みましても、この航路補助というものにつきましては、今後ますます拡充強化をして参らなければならぬというふうに私は考えておるのでございます。と申しますことは、これによりまして老朽船の代替、改造が行われるのでございますけれども、新しい船舶が入りますというと、やはり減価償却、金利とか、あるいは船舶保険料、こういったようなものがやはり増大して参りまするし、老齢船でもなおかつ赤字を出しておったような航路に対して、今申し上げたような資本費の負担というようなものが相当重って参りますので、先に申しましたように、ますます拡充強化することが要請されるべきであるというふうに私どもは考えておるのでございます。離島航路整備法の今申し上げる建造の利子補給の問題につきましては、これは一応昨年度から、予算には計上いたしておりません。と申しますことは、新しい新規の利子補給は計上いたしておらないのでありまして、これは助成の重複を来たすということで、抜本的にこの公団を通じて老齢船を改造ないし建造して参るという方針を確立いたしました以上は、助成の重複は避けるべきである、こういうふうに考えておるのでございますが、前者の航路補助につきましては、ますます強化していただかなければならぬ、こういうふうに考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/42
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043・岩間正男
○岩間正男君 ちょっと速記をとめて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/43
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044・相澤重明
○理事(相澤重明君) 速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/44
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045・相澤重明
○理事(相澤重明君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/45
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046・岩間正男
○岩間正男君 この法案の趣旨は、これは今までのいろいろな海難事故があったりして、そういう中で民生の安定の点から老朽船を改造する、こういうところに大きなねらいがあるようですが、私は、こういう中でぜひただしてみたいと思うことは、ただいまの江藤委員の質問とも関連するのでありますが、大体どうですか、あなたたちは、たとえば老朽船がたくさんある。これを今ここでかりに急速にこれを絶滅する。そうしてほんとうに航海の安全性を確保する、こういうことをかりに考えたとしたら、これについてどれだけの一体資金計画がこれに伴わなくちゃならない、こういったような一つの調査がありますか。たとえば、一年では無理だと思うけれども、五年計画で老朽船を絶滅する。そうして一つは耐用年数というやつをはっきり、いわば税法上できまっておりますね。固定資産の減価償却の耐用期間というものはさまっていると思います。そういうものは法律的にきまっておりますから、法的な範囲内でこの問題をはっきり解決するとしても大した額じゃないと思いますが、そういう点から一つ計画をはっきり持っておるのかどうか。そういう計画に基いて、しかも今やれないというので第二、第三の方法をとっておるのかどうか。そこのところは一番私は根本的に問題だと思うので、かりに五カ年計画で完全に老朽船をなくする、そういう場合には、どういう一体具体策をとったらいいか、こういう点について、あなたたちの一つプランがあるだろうと思うから、それを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/46
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047・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) ただいまの岩間先生の御質問につきましては、私どもも当然この国内旅客船公団の立案に当りましたときから考えておるのであります。五カ年計画において、一応これは理想的ではございませんけれども、資金の点を顧慮しないで老齢船の一掃ということについてはあまりに理想的過ぎるものでございますから、その点は考えておりませんが、私どもはできるだけ最小限度この程度までは船質改善に、計画的に建改造をやるべきだという一つの計画があるのでございまして、それは大体公団の負担額が五カ年で四十一億程度になります。従いまして事業の量としてははるかに大きくなって約六十億くらいの程度になるかと存ずるのでありますが、それが大体先ほど申し上げました老齢船の船齢構成につきましては、現在鋼船で船齢二十年以上のものは百三十九隻、三万三千百四十五トン、これが全鋼船の隻数にいたしまして六〇%に当るわけでございますが、この計画が一応、今申し上げますものが完了いたしますと、百六隻、二方七千二百七十一トンになりまして、隻数において三九%、トン数において三七%、こういうような船質の改善ができるというふうに考えるのでございます。木船で申しますと船齢十年以上のものは現在三百六十七隻、一万四千八百二十一トンございます。これが大体完了いたしますと、三百二十七隻、一万二千三百四十二トンになりまして、全木船の隻数におきまして五五%、トン数におきまして五八%になるわけでございます。この木船の隻数、トン数の比率があまり変らぬじゃないかということがここで問題になるのでありますが、木船全体として先ほど御答弁申し上げましたように、鋼船に切りかえていくということでありますから、木船全体の数が少くなって参りますので、パーセンテージというものはあまり変っていない。しかしながら隻数、トン数においては相当の改善が企図されるというふうに私どもは考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/47
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048・岩間正男
○岩間正男君 私はやっぱり質問に答えていただきたいと思うのです。あなたたちの理想案としてたとえば五年でこれを絶滅するという案を持っているか、持っていないかということをお聞きしているのです。ところがこれはやっぱりお持ちにならない。私はそうではなくて理想案をきちっと立てて、そこから現実との関連で第二次案、第三次案というような形で出していくのでなければ、いつまでたってもこれは改まらぬのではないか、こう思っておるのです。それをお持ちになる場合と、お持ちになっていない場合と私は非常に違うと思う。そういう状態からいうと、今の説明されたものは、これはもう現実的な、そうして何ともならないという一つのワクを加えられてそこから、物を考えている。これではいつまでたっても私は行政は改まらないと思うのです。そういう点をお聞きしているのですが、五年間で絶滅するという案はないのですね、なければないでいいのです、無理して作ってもすぐばれてしまう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/48
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049・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 五年間で全部一掃するという計画は、ただいま計数的には持っておりません。そこでそういう老朽船の現状というものについては、私どもは把握しておりますけれども、それを計画として立てたことはございません。なおその点についても検討をいたして参りたいと思いますが、ただ法定の耐用命数、こういうことのために老齢船を一掃するというような考え方については、私どもはそれをとっておらないのでございます。法定の耐用命数というのは、税制における船舶の償却の問題であります。安全性の問題については、船舶安全法その他諸関係法令に基いてその問題を解決すべきである、こういうふうに考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/49
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050・岩間正男
○岩間正男君 それではその案がないということはわかりました。それから、これは税法上の問題と現実は違うという話ですが、そういうこともあるのだろうが、あまりにこれは調べ過ぎたのでは話にならぬ。どこを基準にして論ずるかという、論点のよりどころがなくなってくる。こういうところに二重行政の姿があるので、この点はわれわれはそれはそのままに了解することはできない。
さて、そういう案がないかあるかということが、どんなふうにこの法案を作るときに必要かという点、実は今検討してみたのです。大体この五カ年計画で、鋼船を百十三隻・総トン数が一万五千九百十トンということですね。現在鋼船についてみますと、二百三十隻、七万トン、これは私はかりに税法上の二十年耐用、こういうような点で計算してみたのですが、これはどうなりますか。少くとも五カ年間に、私の計算では一万七千トン作らなければ前進しない。現状を維持するのが五カ年間に一万七千トン、そうでしょう。木造船に至ってはもっとひどいと思う。木造船に至っては、五カ年間に一万一千トンやらなければ、実際は現状よりだんだん後退するわけです。ところが、これは四万三千トン、そうすると現状維持の線よりも三分の一、今鋼船に転換するというけれども、鋼船の方は、そうなってくればもっと、一万七千五百トンということでなくて少くとも、ざっとみても二万トンぐらい五年間にやらなければならぬという格好になってくる。そうなると、私はこの法案で驚くのは、このままでやっていったのでは、少くとも税法上の耐用年数も考えていくと、現状よりもだんだんとマイナスの方になる法案だということがはっきり言えると思う。これはどうなんです。あなたたち、少くともこの点を検討しないで、この法案を出して、これで現在の老朽船を解消するのだ、そうして公共の安全性を増進するのだ、こういうことが言えますか。私は言えないと思う。どうなんです。こういう根本的なところを、われわれはちょっと見たって、これを見てすぐぴっと頭にくる。そうでしょう。こんなものは簡単な計算でやってみればすぐ出る。少くとも法定の耐用年数をもとにして考えていくと、そういうことになる。どこに一体、公共の安全性を維持増進するという線がどこから出てくるか、わけがわからない。この点明確にしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/50
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051・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) ただいまの御趣旨で考えますと、私どもといたしましては、この法案が後退をするというよりも、むしろ現状のままで放棄しておけば、今私どもが考えております不満足な案でも、実行できないということでありますので、五カ年計画として私どもが考えております規模は、まことに不十分なものであることは私も認めますけれども、これでもって後退をするとは考えておりません。少くとも船質改善に相当の寄与があると思うのでありますけれども、理想的な五カ年計画というふうには考えておりません。従いまして逐次第二次の計画に進んで参らなければならぬと思うのであります。むしろ五カ年計画の計画自体もっと繰り上げて理想的なものにするように、各年度におきまする資金運用部資金の確保につきましても努力をいたしたい、こういうふうに考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/51
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052・岩間正男
○岩間正男君 そうすると、提案理由にこう書いてあります。「民生の安定上必要な航路の維持改善をはかり」こういうことですから少くともマイナスじゃなくて、プラスにならなければならないのですが、ところが維持さえ困難だ、私のあげた数字では、そうでしょう。少くとも現状を維持していくためには、今言ったような法定耐用年数でいけば、鉄鋼船は現状でも一万七千トン、木造船は一万一千トンくらい作らなければならぬ。さらに木造船を鋼鉄船に変えていくということになると、鋼鉄船は二万トンとか木造船は八千トンとか、そういうことでなければ現状維持もできない法案なんです。そうすると、この法案にこういうことを書くことはできないんじゃないですか。だから私たちこれはごまかされてはならぬと思うのはそこなんです。法案だけはこううたっているけれども、しかし裏づける計画、この計画を微細に数字をあげてやっていくとそうならない、ここに問題がある。法定耐用年数を割っている船がめちゃくちゃに多い、それが日本の現実だ。それにこうやくをはるのだ、現状では改善というやつはもうできないのだ、そういうところの法案だというふうにこれをうたえばいい。そうでなければ合わないでしょう。こうやくをはる法案だ。民生の安定に必要な航路の維持改善をはかる法案だということはうたえないでしょう、数的に押していけば。そうして、しかも運用の中で法定耐用年数よりも現状ではもっと使えるからというので、そうして結局それが無理をしている、限界がわからない。それが南海丸になり今までの紫雲丸になってきた大きな原因です。私たちはこの問題に今までタッチしてきて、ここのところでやはり積極的にやらなければならぬというのは、運輸委員会の責任において今まで問題にされてきた。そうして具体的にこれは政府の出した法案を見ておると、こうやくばり法案なんです。現状さえ維持できない法案です。こういう問題について、さきのあなたたちが最初に五カ年なら五カ年にこれでいくのだという案を持っているのか、持っていないのか、これが今の運輸行政の中にどういう位置を占めるのかということが明白にされない限り、こういう法案を出してきて、これで目隠しをされてきてもこれは実際問題としてわからなくなってしまう。そうでしょう。私はあとで運輸大臣にお聞きするのだけれども、こういう問題と関連して、たとえば利子の問題が先ほど出ました。これは資金運用部資金よりもちょっと五厘だけ上回るということで、維持管理費にそれを充てるのだ、こういうことです。しかし、一方ではどうですか、最近は外航船なんかについても利子補給ということがそろそろ頭をもたげてきた。運輸大臣の答弁でもこれは御承知のように出てきている。だれでも知っておる天下周知の事実です。そういうことを言っておいて、一方では逆に資金運用部資金よりも上回るような金利でやって、そこからピンはねをしてそこから管理費をとる。こういうことで一体はっきり統一した民生の安定のための公共性を守る法案になりますか。これはあとで運輸大臣に聞くのだけれども、あなたたちこの点で行政事務官として一体どういう常に覚悟をもってやっているのか。それから今度の予算を作るときに、そうして法案を作るときに、一体どういう覚悟でこの問題を折衝したのか、ここのところをちょっと聞かしてもらわないとわれわれ応援のしょうがない。あなたたちを応援したいと思っているけれども、実際こういうふうなことでごまかされて、全く何だかほんとうに羊頭を掲げて狗肉を売る法案です、こんなことは。現状さえも維持できない、現状よりも後退する法案を出してきて、名目上は何か維持改善だ、こういうことを言っても、実質的には金利の面から見たって、利子の問題から考えたって、これはとても問題にならぬ。こういうことは犠牲になってそして大きな外航船、この大きな船の製造に対しては国家はあらゆる援助をしていく、そういうことは問題にさえなったんだけれども、ほとぼりがさめたんでまただんだん復活してきた。非常に世論のあるところだ。実質的に国内のこんな零細な、ほんとうに実際一ぺんにやろうと思えばできるでしょう。四十何億でしょう、全部やろうとすれば。今年度の一体造船の何を見てみますと、海運関係で開発銀行から百八十億、それから輸出入銀行、こういうものからの何を見ると相当膨大なものになっているでしょう。この中で一割も要らないのだね。そういう金を出せばちゃんと公共事業の安定性を確保することができる。五カ年でぴちんとできる、十億ずつ出してごらんなさい。こういう点であなたたちちょっと事務に当っていて矛盾を感じませんか、私は打ち明け話をお聞きしたい、折衝したなら。どうも良心的な事務官として……。一体日本の今の、追い落されている老朽船をかかえて非常に困っている。あらしが来るとすぐに船が傾いたり、それから港に退避しなければならない、こういうような現状にある。これを打開すると、こういう点で実際矛盾を私は感じると思うのですが、どうなんです。こういう点で積極的にあなたたち努力したことがあるのか。これはあなたたちを責めても無理かもしれませんが、ここで漏らして下さい。運輸大臣が来たらわれわれは公的にやる。行政的になってない、こんなものはだめだ。この点聞かして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/52
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053・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 私どもは今の御発言のように、国内旅客船の現状から考えて、外航海運とのバランスにおいて矛盾を感ずる面もないとは申し上げませんが、今の国内旅客船の現状から考えて、どうしてもこの公団を創設すべきであるという事務的な検討から、また当委員会なり衆議院の運輸委員会等におきましても御決議の趣旨もございました。予算折衝において全力を尽して折衝をいたしたのであります。その結果がやはり公団の新設を抑制をいたしておるような情勢でありましたけれども、少くとも国内旅客船公団だけは設立をしようということにまで政府部内の協力を得たのであります。私どもはいいかげんな気持で法案を出し、予算の折衝に当ったわけではございません。
ただ、今五カ年計画においては現状維持すらも困難じゃないかという御意見でございますけれども、十分でなくても、先ほど数字をあげて御説明をいたしましたように、船質の改善につきましては隻数、トン数において改善をし得る計画であるということを申し上げておるのでありますけれども、一面においてこの五カ年計画というものは、絶対的に動かすべからざる計画であるというふうには政府部内でもなっておらないのであります。一応のめどでありまして、各年度の財政投融資計画においても、先ほども申し上げましたような決意をもって毎年度予算の折衝に当って、できる限りの資金運用部資金の確保に努めたい、こういうふうに考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/53
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054・岩間正男
○岩間正男君 まあその苦衷のあるところはわかりますけれどもね、少くとも私は、たとえば一万七千トン鉄鋼船を作らなくちゃならないというのに二万トン作った、ところがまだ不十分ですという法案だったら私たちは一応納得ができるのだけれども、一万七千トン作らなくちゃいけないときに一万五千トンで、維持もできないという数字が出てくるわけですね。それで、しかし今までの日本の海運界の現状においてはこの耐用年数を実際延ばしているのだから、というようなところに逃げ込んでいるわけだね。それがまた非常に公共の安全性に関係がある。現実に何隻かの船が沈んで、何百人、何千人の人命が奪われているのだね。行政的に見ればそういうような第二次、第三次的なごまかし的なやむを得ない政策ということによって、現実的に国民の尊い命が奪われている。こういうことについて、私たちが解決するということは議員の任務だと思うのです。そこで次官がお見えのようですが、この問題は行政官だけにまかせておくことはできないと思うのですが、予算折衝の中で、少くともこの点で法案の提案理由説明の点でうたわれている現状維持、あるいはそれ以上なんぼでも頭を出すということは、少くともこの国会に新たなる法案として出されてくる限りは、それがなければ、われわれこれをうのみにのんで引き下るわけにはいかないと思うのですが、この点について今まで、論議をされ努力をされたかどうかお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/54
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055・中馬辰猪
○政府委員(中馬辰猪君) 先ほどから運輸大臣に対する御質問という形もあったと思いますけれども、外航船舶の利子補給の問題が、むしろこういう国内の旅客船公団法案その他よりも優先する、というような御趣旨に受け取れたような御発言がございましたけれども、少くとも本年度大蔵省と予算折衝を私どもはいたしましたけれども、その際におきましては外航船舶の利子補給の問題よりもはるかに強い要望といいますか、重いウエイトをもって大蔵省に折衝いたしたことは事実であります。特にこの国内旅客船公団の予算の問題と外航船の利子補給、その中においては船員の厚生施設等の予算も含まれておりますけれども、この二つの問題は、特に海運局としては外航船舶の利子補給りよもむしろ大きく取り上げて大蔵省と折衝いたしたことは、大蔵省との折衝の過程におきまして、外航船舶の利子補給はほとんど第一ラウンドにおいてわれわれは引き下ったけれども、この問題は最終回まで持ちこたえましてがんばったという事実が何ものよりも証明するのではなかろうかと思うのであります。従って予算編成の過程において、かような経過があったということは、この問題に対して運輸省、特に海運局内においては非常に強い熱意を持っておったということの証明になるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/55
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056・岩間正男
○岩間正男君 利子補給について努力されたという点のお話があったのですが、もっと根本は全体の計画の中で、今言ったように現状さえ維持できないような形で、こういうふうに正体が出てきては始末が悪いと思うのです。こういう点について基本的な努力が不十分じゃなかったかと思うのです。
それからもう一つは、基本的な計画をはっきり立てて、先ほどないと言ったのですが、こういうものを立ててみたらどうですか。やはり五年か六年の計画で老朽船を改良する、今後ルートに乗せる。こんなものはやるつもりだったらできると思うのです。できないというのはむしろ思想問題で、それを実際あとに回すというような、頭が別な方に動いておればできないのだ。しかし現実には非常に国民の生命財産と深い関係を持っておるものであり、大いに努力すべきじゃないか、こういうふうに思うわけです。こういう点について何か計画をあなたたち持って当委員会に出されたらいいと思うのです。この法案は流れるか通るかわからぬけれども、かりにこの法案が発足したってこれは中身を本物にしなければならないでしょう。そういうことについてはっきりと現状を明らかにして、これに対するPRもやらなければほんとうに国民のものにならないわけですよ。あなたたちが胸の中でもやもやと考えていても、実際の政治の上に反映するという形はうまくいかない。大衆に非常に影響を持つ問題です。南海丸一つ見てもそういうなにが起ってくる。そういう点でそういうプランを作ってあなた方自身が一つの何というか良心的な施策を講じたいというものがあって、初めて私は働くのではないかと思いますが、こういう点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/56
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057・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 仰せの通りでありまして、事務的に考えましてもそうあるべきだと私は思います。今後そういう方向に向って努力をさしていただきたいと、こう考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/57
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058・岩間正男
○岩間正男君 その次に、これは大体資金の量というのは一応二億、三億ときまっておりますが、建造計画、これは大体の何ですが、むろん細密なものまではできぬかもしれぬが、しかし大体資金計画はきまっておるのですから、これは漠然と資金を取ったのではなくて、一応現場調査の中でこれだけは必要だということで一応きめられたのだと思うのですが、大体どこにどういうふうにというような点で計画、プランはきまっているのですか。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/58
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059・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 私どもといたしましては、先ほどお話のありました全体の建造計画あるいは老朽船代替計画というものをもって、それで現実の問題も織り込んであるいは五カ年計画というものを作るべきであると思いますが、私どもといたしましては、全体の老朽船の現状はこういうことである、五カ年計画の先に現実の様相が出て参りまして、今の、先ほどから申し上げますように、不十分な計画になっておるのでございますが、初年度の事業計画といたしまして、この航路別にこの船舶を代替するという、具体的にはここで計画として織り込んでおりません。全体の中で約四千百トン、こういうことが第一次年度で隻数にいたしまして四十五隻ということを予定いたしておりますが、これも先ほど来お話のありましたように零細企業でありますし、運航事業者の申し出によって公団が実際に判断をしていく、あるいは航路の民生安定上必要の度合いあるいは老朽船の度合い、そういったものを考えあわせまして、公団が実際のこのワクの中で実施計画を立てていくことの方が実情に合うというふうに考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/59
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060・相澤重明
○理事(相澤重明君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/60
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061・相澤重明
○理事(相澤重明君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/61
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062・岩間正男
○岩間正男君 やはりこれについては大体融資運営の大綱のようなものがきめられるのですか。大した額ではないけれども、しかし実質の問題としては一応そういう方法がないと、そこで公団の考え方だけでやっていくというような運用の面だと、実はもっと早くしてほしい所になかなかいかないで、そうでもない所にいくというような、中小企業の金融なんかの場合に起っているように、零細にはなかなかいかないで、中小企業でも大きい所にいく。融資の条件の問題、担保の問題、そういうようなこと、それからコネクション、そういうようなもので運用が必ずしも法案の志向する方向にいかないということが起ってくると思うのだが、大体今後こういう法案ができて、あなた方の手を離れて公団まかせということだけでは、果してこの法の所期の目的を達成することは困難じゃないかと思うのですが、そういうような融資の運営ということについて、一応大綱的にあなたの方でお考えになっているのか。それを今後実施する面において、どういうように行政上注意を必要とするお考えなのかそれを伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/62
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063・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) ただいまの御質問は、公団ができましたあとで運営いたします場合に、非常に重要な問題の一つであると私は考えるのであります。公団が整備いたします国内旅客船の先行という問題につきましては、公団の業務方法書というものを具体的に定めさせる予定にいたしております。この業務方法書はどういうことを記載するかというようなことも、運輸省令で定める方針を今のところでは考えておるのであります。国内旅客船の先行といいますか、いずれを先にしてどういうものを具体的に実施していくかという公団側の運営の問題につきましては、ただいま言い得ますことは、代替船の建造の緊急度、と申しますことは老朽船舶の老朽の度合あるいは不適格性の度合というものが第一になるのじゃないかと思います。その次には、就航航路の重要性、法案にもうたっておりますように、民生安定に必要な航路であるかどうか、あるいは事業者の適格性、あるいは代替船舶の航路事情に対する適格性というものが検討されて、初めて具体的に実施をしていくのが本当である。こういうふうに考えておりますので、その業務方法書に記載すべき事項は省令で定め、業務方法書を作って参りました場合には運輸大臣の認可を得てやらせる、というふうに監督上も措置をしていかなければならぬというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/63
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064・岩間正男
○岩間正男君 これはやっぱり相当この問題も重要な一つだというようなお話も今ありましたから、検討して、一応の筋道は明確になっておるように、公団に渡す前に、やっぱり運輸省のそういう点が、当委員会なんかでも実はもう少し論議されておけば、先に行ってあまり公団の自由自在な運用というようなことでなく、一つの公共事業性とつらなるものだから、これについて方針は大まかに、こまかいところまで、はいれないだろうが、これは一応ここで明らかにされておく必要があると思うので、こういう点ももう少し検討して、これはできたら、そういうことについて大綱でもいいから発表してほしいと思います。
もう一つですが、法案の第一条によると、「国内旅客船の整備について、その資金の調達が困難である海上旅客運送事業者等に協力する」、こうなっているのですが、これはどうですか、こういう調査はできておりますか。全体のこれはどのくらい資金の調達が困難であるか。すべて調達困難と言えばそうかもしらぬけれども、ここにはやっぱり法案でこううたっておるのですから、いろいろな段階があるわけでしょう。これはやっぱり調査できていますか。この資料はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/64
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065・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 第一条のその資金の調達が困難である事業者という者を明確にここで申し上げることは、非常にむずかしい問題であると私は思うのであります。通常資本金が多いからといって資金の調達が容易であるとも言い得ませんし、配当の有無によって、その旅客船航路事業を経営していく上において、資金調達が可能であるというようなふうにも一がいに言えないのであります。また金融機関側からいたしましても、融資をいたします場合に資産、信用力、あるいはその償還の確実性といったようなものも、具体的に判断をいたして融資をするかいなかということがきまる問題でありましょうからして、具体的にここで資本金何万円以上、あるいは配当は何パーセント以上の者は調達困難でないというようなことは、一般論として私は申し上げることは困難であろうと思うのであります。しかし旅客船の現状から見ますと、八百八十余りの事業者がございますけれども、御指摘の通り零細企業が大部分であります。しかも個人企業というものが圧倒的に多いということからいたしまして、また公益性を持っておる事業でありますので、運賃の値上げ等もある程度おさえられる、あるいは島民の負担能力からいたしましても、そうコマーシャル・ベースで運賃というものが決定できないというような点等から考えまして、あるいは担当いたしまする事業者の規模からいたしまして、大部分が資金調達が困難であるというふうに私は考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/65
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066・相澤重明
○理事(相澤重明君) ちょっと速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/66
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067・相澤重明
○理事(相澤重明君) 速記を起して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/67
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068・岩間正男
○岩間正男君 どうも私は、立法、ことに新しい法案が出されるとき、この前のターミナル法案なんかでも質問したのですが、調査が非常に不十分だということだな。官庁はそういう統計をとり情報を集める機構を持っているんですからね、われわれと違って。だからもう少し調査——漠然とうたっておるわけでしょう。それで法案を見ると資金の調達が困難だと、ただ漠然と目の子算みたいにやっておるんですね。ほんとうに調査して、その調査の上に立って立案しないから非常に弱いと思うんですね。さっきの現状維持、こういうものも実は調査がどれほど十分できたのか。それから今の資金調達困難という人たちも、一体全業者の中でどれぐらいあるのか。そこにもいろいろABCというようななにもあるのだろうと思うがそういう点で、政策を明確にすることは、私はこれはできないと思うんですね、こういう法案で。どうも法案そのものを見ておると、いかにも必要性のあるような法案に見えてくる。しかしそれをもっと政策面で追及するためには、全く科学的調査というものが裏づけされていない限りは明確な線が打ち出せない。科学行政になっていないわけだ。そういうことを今の答弁からも感ずるわけで、法案を作りっぱなしというようなことじゃなくて、ほんとうに大綱はおさえる、現状を把握する、そういう努力を私は、やっぱりされるべきだと思うんです。これはこの法案についての私の二、三今ここで考えたような質問ですよ。なにも頭をひねって十日も考えてきたという質問じゃない。ここで今ちょっとどうもおかしいと思って数字を合わせてそろばんをはじいてみると、ほんとうに一年生の数学みたいなやり方でやってみてさえこれはぶつかる問題なんです。これじゃ少しまずいのじゃないかと思うんですね。こういう点で、私は、もう少しはっきりした調査をいつでも裏づけして、そうしてはっきりその面から一体どういう道を切り開いて現状を打開していくのかという、そういう政策がはっきりしているような点を努力していただきたいと思います。どうもこの点、この前のターミナル法案のときにも聞いたのと同じような格好で、どうも行き当りばったりで、こうやっておけばだいたいいいんじゃないかというような法案で、そういう点、私は非常に不満だと思います。この点とも関連してこの次に大臣にぜひ基本的の問題で二、三ただしたいと、そのことを保留して、私は一応これで終りとしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/68
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069・杉山昌作
○杉山昌作君 今の岩間君の質問に関連してですが、業者の経理状況というものは、各業者から決算の報告をとるとか何とかというような調査は、従来おやりになっておりませんか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/69
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070・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 海上運送法の法律の条項に基きまして従来やっております。特に今詳しい調査をとっておりますのは、航路補助のような場合には、詳細な調査をいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/70
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071・杉山昌作
○杉山昌作君 その航路補助をやらないような一般的なものは、ただ一応、決算——株主総会へ提出するようなものを一応出させて検査をするという程度で、特に経営指導とか、経営の改善についてタッチするというようなことはないのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/71
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072・朝田靜夫
○政府委員(朝田靜夫君) 航路補助以外のものにつきましては、一応そういった経理状況がわかり得る範囲のものをとっておりまして、現地の海運局なり、本省において、その経理状況を一応見ておるという程度であります。
先ほど申し上げましたように、航路補助金を支給するような場合におきましては、査定もいたさなきゃなりませんし、申請通りのものでもございません、そのものを、そのまま受け取るわけにも参りませんので、さらに突っ込んでやっておるという程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/72
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073・相澤重明
○理事(相澤重明君) 運輸大臣が、本院の予算委員会に御出席のために、大臣に御質問のある方は、次回に譲っていただきまして、本日は、この程度でこの法案については、質疑を終りたいと思いますが、よろしゅうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/73
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074・相澤重明
○理事(相澤重明君) それでは、さようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/74
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075・相澤重明
○理事(相澤重明君) 次に——特定港湾施設整備特別措置法案を議題に供します。御質疑のある方は、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/75
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076・江藤智
○江藤智君 特定港湾施設整備特別措置法案につきまして、二、三御質問したいと思いますが、第一点は、この特別会計におきましては、従来港湾管理者が五割の負担で施行ができたものにつきまして、十分の六まで負担をするというような事柄が第四条の第二項に出ておるわけです。
そもそもこの法案の目的とするところは、「重要な港湾施設を緊急に整備することにより、経済基盤の強化に資する」、こういうわけであって、特に今年度以降は、港湾を急速に整備しよう、こういう意気込みで大いにやっておるにもかかわらず、従来は、五割程度の地方の負担でよかったものが、逆に六割にふえている、この点につきましては、一体政府は、どういうふうに釈明をいたしますか、その点について、御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/76
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077・中道峰夫
○政府委員(中道峰夫君) 今回の港湾の整備に関しまして、特別会計を設けて、急速にわが国の港湾を整備しようということになりましたのですが、ただいまの御質問の御趣旨の点につき産しては、この計画の中で、石炭を扱いまする港湾と、輸出貨物を扱います港湾の中で、門司のセメントを扱いまする埠頭、それから下関の肥料を主として扱います埠頭及び大阪の鋼材をおもに扱います埠頭の港湾につきましては、港湾管理者が、本法の第六条の規定によりまして、特別利用料というものを徴収することといたしております。この徴収金額は、同条の規定によりまして、工事費の二割、北海道の港湾につきましては一割の相当分となっております。
従いまして、従来の港湾法の負担率から参りますと、重要港湾につきましては、港湾管理者と国が五割五割の負担をいたします。今回のように二割の利用料を徴収いたしますというと、それが港湾管理者の負担ということになりますと、お話のように港湾管理者が六割ということになるわけでございますが、この点につきましては、この特別利用料徴収金額を港湾管理者、つまりこの特別利用料と申しますのは、港湾の建設費に充てるための特別の利用料として徴収するものでありまして、一般の港湾の使用料とは、若干性質を異にいたしておりまして、工事が完成いたしますれば、それで完了をするということになるわけであります。かっこの港湾管理者との協議をいたしまして、その協議がととのった場合に限りまして、この港湾特別利用料徴収金相当額を港湾管理者の立てかえ的負担といたしますために、その負担割合を引き上げることとしたような次第になっております。
負担割合の料率は、ただいま申しましたように港湾法によりまして重要港湾と、特定重要港湾、また北海道開発のためにする港湾工事に関する法律によりまして、各港湾について、それぞれ負担率をきめまして、それによりまして料率を計算をしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/77
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078・江藤智
○江藤智君 そこで、この十分の六というのが、特別利用料と関係があるというお話になっておるのでありますが、これで見て、この特別利用料を取る港湾に二種類あるわけです。一つは特定の物資を主として輸出するであろうという輸出港に対する特別利用料と、いま一つは、不特定多数の、たくさんの石炭業者が、石炭を専門に積み出す、そういう石炭港についてと、この二つについて、特別利用料を取ろうと、こういう、まあ新しいこれは考え方のようでありますけれども、まずこの輸出港について、私らがどうも納得がいかないのは、たとえば関門の港のごとき、下関は、現在特定重要港湾で、すでに岸壁ができているわけです。その横に第二の突堤ができるものについて、おそらくここは、肥料を主として輸出するであろう、まだ、どういう設計にするかもはっきりわかっておらないのに、今度の岸壁については、やはり特別の利用料金を課する。門司についても同様であります。
これまでの埠頭については、これは、特別利用料というものは取らないで建設しておるにかかわらず、これから先作る岸壁には、そういうものを取ると、そういう場合に、一つの港の中で、この岸壁は利用料を取る、この岸壁は利用料を取らない、そういうようなことが一体できるものかどうか、その点は、どういうふうに運用されるのか。その点について御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/78
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079・中道峰夫
○政府委員(中道峰夫君) 最初の御質問の点でございますが、一般の輸出港湾の中で、輸出の貨物を扱います埠頭については、この特別会計によりましても、神戸、横浜等は、港湾法の負担割合で、港湾管理者と国が、それぞれ負担をする規定になっております。門司と下関及び大阪の埠頭につきましては、やはり輸出港湾ではございますが、しかし扱います貨物が、一般の輸出埠頭に比べまして、その扱います貨物が、あるいはセメント、あるいは肥料、あるいは鋼材というふうに比較的限定をされ、その貨物が、大部分はそういった貨物を扱います埠頭ということに計画をいたしておるわけでございます。
従いまして、その利益を受ける向きが港湾管理者、また、その施設を利用する利用者ということになって参りまして、そういうふうな限度におきまして、その施設の利用者から、工事の一部に充当するために、特別に負担金的なものを徴収をしようというのが、この考え方でございまして、それから第二段の石炭関係の設備でございますが、これはなるほど御説のように、不特定多数の扱い者になるわけでございますが、これもやはり、ただいま申しましたように石炭という品目に、大体限られるわけでございますので、これらにつきまして、その管理者及び利用者から、工事の費用に充てるために一部、工事費の二割程度の利用料を徴収して工費に充てるという考え方であります。
これは、石炭関係で申しますと、もしこういった埠頭ができません場合には、どうしても沖荷役等の、非常に不経済な荷役をしなければならない。現在の施設が、すでに一ぱいになっておる事情でございますので、これ以上に、石炭を出す、あるいは積むというふうな経済の見通し、あるいはそれらによって起ります港湾貨物の増加状態から考えますと、どうしても、それらの貨物を扱いますためには、増強しなければならない。しかし、そのためには、この現状のままでは、非常に不経済な沖荷役をやらなければならないというふうになるわけでございます。その場合には、相当現在の荷役費に比べまして、かなり多額の利用料等を負担しなければならないというふうな状況になって参ります。従いまして、これらから考えまして、二割程度の負担をいたしましても、工事費を、現在以上に沖荷役等によって負担いたしますのに比べまして、それほどの負担にはならない。しかも、それによって利益を受ける、相当の利益を受けるという観点から、工事に充当するために、その程度の負担をすることは差しつかえないというふうな観点に立って、この二割の負担割合をきめておるというふうな実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/79
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080・江藤智
○江藤智君 私が主として伺いたいという点は、従来のそういう港の隣の岸壁は、そういう特別利用料というものを取っておらない。しかも門司のごときは、相当にセメント船用に使われておるわけです。ところが今度、その直ぐ隣りにできるものについては、特別利用料というものが取られる。そうすると今度の岸壁と、それから元からの岸壁は、その間に利用料金の差があるかどうか、石炭についても同様です。
苅田を一例にとって見れば、そういうような特別利用料を取らないで、現在じき積みをやっておるわけです。岸壁荷役をやっておる。ところが、その隣りにできる、今度の特別会計によって、しかもこれは大いにかねを叩いて、国が港湾整備をやると言いながら、そこの方は、今度は特別利用料だけ高くなるわけでしょう。
そうすると、そこでアンバランスが起らぬか、そこは一体、どういうふうに調整するかということを聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/80
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081・中道峰夫
○政府委員(中道峰夫君) 私どもは、たとえばお話の出ました苅田港につきましても、現在の施設は、もうすでに古くなっておりまして、今後増産されます貨物には、とうていマッチしない。そのためにこれを急速に整備しようというわけでございますが、しかも、その増産計画が、相当急ピッチに予想されますので、それらの施設は、能率的な近代的な優秀な施設を整備するというふうに考えております。
従いまして、それによって受けます管理者、あるいは利用者の利益も、従来の施設にくらべまして、相当利益を受けるのではないかというふうに考えますので、この程度の利用料は、やむを得ないものだ。従いまして、優秀な施設を使います関係で、従来の施設とのアンバランスということは、必ずしもそれほど顕著には現われてこないというふうに考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/81
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082・江藤智
○江藤智君 どうも、優秀な機械を使うから、この利用料ぐらいは、とにかくカバーして、とんとんか、場合によっては、安くなるような口振りなんですが、大体、最近、新しく施設をしたものは、みな高い。第一、苅田の施設なんか、戦前に作った設備だから、ほとんど償却を済んでおるような状態で、幾ら優秀な機械を今から使ったって、計算すれば直ぐわかる。ここに非常に矛盾がありますね。第一、こういうような一つの岸壁、港湾の中で、この岸壁は、この設備については、この特別の利用料を取る、こっちのは、従来の利用料しか取らないというような、そういうべらぼうな港湾管理は、私はないと思います。
ですから、一つ、これは港全体として、何かプールしていけるような方法であるかないか、もし、そういうことまで検討しておられるならば、その点について、一つ御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/82
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083・中道峰夫
○政府委員(中道峰夫君) お説の通りと思いますが、ただ、最初のお話の、この施設はいい、この施設は悪いということではなくて、先ほど、ちょっと申しましたように、石炭関係では、大部分の港が現在間に合いませんので、今後のものは、もしそのままで置けば、非常に高価につく沖荷役等の方法によらなければならないということになって参ります。従って、その利益も相当の程度になるのじゃないかと思いますが、ただ、お話のように一部の港では、近接した部分もございます。
従って、それらの料金徴収等につきましては、港湾管理者の港湾管理の面——港湾管理者の方といたしまして、十分にそれらのバランスを失わないように、管理面で検討して公正を期していきたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/83
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084・江藤智
○江藤智君 第一、こういう特別利用料なんという、それは受益者負担というのは、従来わかっているのですけれども、こういう特別利用料なんというのは、これは、もう非常にへんちくりんな料金だと思うのです。これは、まあ施行するまでに、少しまだ年限もあるのでしょうから、その間に一つ、十分に検討されて、そして一つの港の中で、この部分については、特別の金を取る、片一方の方ではないというような、そういう、とにかく港の運営全般の根本的な問題に関するような事柄については、もっと将来十分検討されて、もしこういうものを訂正する必要があるならば、これは一つ訂正する必要があると思う。
で、今この法案は、いろいろ予算の裏付けもできておるのでありますからして、今、これをここで訂正するというところまでは、私は主張しませんが、しかしこれについては、非常な疑問を持っておるということを私はここではっきり申し上げておきたい。
いま一つは、従来の日本の港で、はなはだおくれておるのは、荷役設備なんです。この輸出港については、なるほど従来の特定重要港湾と同じような比率で、岸壁とか浚渫とかというようなものは、国が負担することになっておるのだけれども、肝心の荷役設備については、一体どういうふうになっておるのか、これまた、従来通りに港湾管理者に任せておいたのでは、これはもう、今までの通りなんです。岸壁ができたって、荷役設備は、はなはだ貧弱だ。諸外国の港に比べて一番貧弱なのは、この荷役設備がおくれておるということなんですが、この点については、どういうふうに政府は考えておるか、御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/84
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085・中道峰夫
○政府委員(中道峰夫君) 今回の特別整備につきましては、港湾を一体的に使用できるようにしたいということが主眼でございまして、防波堤、浚渫等の外郭あるいは水域施設とあわせまして、接岸施設であります岸壁、それから道路、鉄道、上屋、荷役機械、倉庫、そういったようなものを全部、一体的に築造いたしまして、できたものは、すぐに利用できるというふうに計画をいたしております。
ただ、これの築造に要する負担割合、あるいは負担の支出区分等につきましては、港湾法によりまして国費あるいは港湾管理者の負担、あるいは今回は、資金運用部の借入、あるいは起債というふうな方法によりまして、財源を確保いたしまして、この施設を整備するわけでございます。
今、お話の荷役機械でございますが、荷役機械も、その線に沿いまして、この施設が、十分活用できるように必要な荷役機械、荷役施設を整備する予定でございます。
ただ、この荷役機械につきましては、国費の対象となっておりませんで、港湾管理者の起債等によって、これを整備する、これは計画としては、一体的に考えておりますが、事業といたしましては、港湾管理者の起債ということになりまして、ただ、この場合に港湾管理者と協議をいたしまして、それらの起債事業を、この特別会計を実施いたします国の直轄事業に委託をいたしまして、同時に施行するという建前をとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/85
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086・江藤智
○江藤智君 港湾の機能を一体的にバランスのとれたように考えているということは、非常にけっこうなんであります。
しかしながら、とにかく計画ばかりいくら考えても、肝心の予算というか、金の裏付がなければ、できないことは明らかなんです。今までも同じように荷役機械などにつきましても、港湾管理者が、これを負担する、起債をしたり何かして負担する。委託することは、これはけっこうですけれども、その委託する金がなかったら、何にもならないわけなんです。しかも地方の、そういう負担力というものは、これはもう特別に、最近ふえてきたというわけでもないのだから、今までと同じように放っておいたならば、今まで程度しかできないと思う。その点については、どう考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/86
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087・中道峰夫
○政府委員(中道峰夫君) 実は、先ほど申しましたように、港湾を一体的に利用するため、荷役機械等の整備につきましても、国がその一部を負担するということを、当初私どもは財政当局と折衝をいたして参ったわけでございますが、財政の都合等もございまして、今回の政府案といたしましては、ただいま申しましたように荷役機械等は、港湾関係の起債事業、工事は直轄工事というふうになって参ったわけでございます。ただ、特別に重要な施設を整備するという今回の建前から申しまして、港湾を一体的に整備するため、どうしても、それらの施設が必要でございまするので、計画施工に当りまして、港湾管理者とも十分協議いたしまして、目的を遂行できるようにやっていきたいと考えております。
なお、お話のこれらの荷役機械等におきます国家負担につきましても、地方の財政等考えまして、できるだけ国家負担が行われるように、今後努力をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/87
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088・江藤智
○江藤智君 私は運輸委員としての立場から、これは道路の一兆円予算と並んで、わが国の港湾を緊急に整備せなくちゃいかぬということで。この港湾特別会計に対して、期待するところが非常に多かった。ところが、実際問題としては、わけのわからぬ特別利用料というようなものを徴収せにゃいかぬ、あるいはバランスのとれた、とにかく港湾計画を施行するのだという、ただいまの説明にもかかわらず、肝心の荷役機械であるとか、あるいは岸壁の背後の埋め立てであるとかというものについては、全部、これは港湾管理者の負担におっかぶせてしまっている。これでは、これまでとあまり変らないわけなのであって、実際に、所期するような仕事ができるかどうかという点についても、非常にあやぶまれるわけであって、この点については、どうも、私としても非常に釈然としない。
しかしながら、これは今後、これを直す熱意があるかどうかというような事柄につきましては、これは運輸大臣が出たときに、大臣に一つ聞くことにいたしたい。そういう意味で、保留をいたしまして、きょうの質問は終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/88
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089・相澤重明
○理事(相澤重明君) 別に、ほかに御発言もなければ、本日は、この程度で終りたいと思います。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103113830X01319590317/89
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090・相澤重明
○理事(相澤重明君) それでは、速記をつけて。
本日は、以上をもって散会いたします。
午後三時四十一分散会
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