1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年二月十日(火曜日)
午前十時二十八分開会
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委員の異動
二月六日委員前田佳都男君辞任につ
き、その補欠として三木與吉郎君を議
長において指名した。
二月九日委員山本利壽君辞任につき、
その補欠として安井謙君を議長におい
て指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 早川 愼一君
理事
稲浦 鹿藏君
岩沢 忠恭君
田中 一君
委員
石井 桂君
小山邦太郎君
西岡 ハル君
松野 孝一君
前田佳都男君
武藤 常介君
秋山 長造君
内村 清次君
村上 義一君
政府委員
建設政務次官 徳安 實藏君
建設大臣官房会
計課長 南部 哲也君
建設省計画局長 美馬 郁夫君
建設省住宅局長 稗田 治君
建設省営繕局長 櫻井 良雄君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
説明員
建設省計画局総
務課長 国宗 正義君
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本日の会議に付した案件
○建設事業並びに建設諸計画に関する
調査の件
(昭和三十四年度建設省関係予算に
関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/0
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001・早川愼一
○委員長(早川愼一君) これより建設委員会を開会いたします。
まず委員の異動を報告いたします。山木利寿君が委員を辞任され、その補欠として安井謙君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/1
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002・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 昭和三十四年度建設省関係予算に関する件を議題といたします。本日は計画、住宅、営繕各局関係の予算について質疑を行う予定にいたしております。
まず計画局長から計画局関係の予算について御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/2
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003・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) 計画局関係の三十四年度の予算は、お手元に計画局の三十四年度予算説明書という説明書をお配りしてございますから、便宜それに従って御説明申し上げます。
最初の一ページから御説明申し上げますが、昭和三十四年度におきます計画局所管の都市計画事業予算は、道路整備特別会計に計上されたものが百三十五億九千四百万円ございます。前年度に比べまして二二九%、それから一般会計の都市計画事業という項目で計上されたものが十六億二千五百五十万円、前年度に比べまして一六〇%、こういうことでありまして、そのほかに都市災害復旧事業費六百六十三万、都市災害関連事業費百六十七万、下水道施設一般鉱害復旧事業費六百五十一万、こういうものがございまして、総額百五十二億三千四百三十三万、前年度に比べまして四割増ということでございます。三十三年度当初予算に比べまして四十三億の増というふうになっておりますが、増額のおもなものは街路事業が三割九分、下水道事業が約七割という予算増になっております。
二ページに参りまして、私どもの方の所管の事業はそこにあります国営公園整備費一千八百五十万というのがありますが、これは建設省直轄でやっております。この二千八百五十万以外は全部地方公共団体に対する補助金、こういうことになっております。この中で特別失対関係、臨時就労関係というのが十一一億、二十二億という数字になっておりますので、一般公共事業費は百十六億八千万、こういうことになっております。そうしてそれを事業費に換算いたしますと、道路整備特別会計に含まれている街路とか区画整理の関係の事業が約二百二十二億八千万円、それから一般会計に含まれております下水道関係、公園関係等は五十二億二千五百万円、合計二百七十五億一千一百万円と、こういう事業費が三十四年度は見込まれておりますが、ここにありますように、これはただ補助率から換算しただけでございまして、特に下水道等は起債とか一般単独の財源が相当加わりますから、それらを合計いたしますとこのほかに約百億の事業費が見込まれまして、都市計画事業としては、総額が三十四年度事業費に換算いたしますと三百七十五億程度になるものと推定されます。
次に四ページは、ただいま申しました内容を予算の表にいたしましたのでございますが、四ページの上段は、特別会計、一般会計に分けまして、三十四年度と三十三年度予算及び事業費を対比しまして、一番右側にふえた率を書いておりますが、予算はそういうふうにふえておりますし、増加率にしましても特別会計が三九%、一般会計が五四%、合計して四〇%増ということになっております。今度さらに特別会計の内訳を下の表に書いておりますが、この表を見ていただきますと、特別会計のうち一つの柱として街路事業、これは都市計画区域内の市街地を中心とした道路事業の実施でございますが、まず街路事業といたしまして土地区画整理事業費というのがございます。そうしてその土地区画整理事業の種類といたしましてそこにずっとあります戦災復興、災害復興、港湾地帯、それから六ページに参りまして接収解除、都市改造、旧軍関係、こういういろいろ事業でありますが、すべて区画整理事業でございます。そういう事業がございまして、さらに大きい項目といたしまして街路事業というのがございます。その街路事業は内訳が改良、橋梁、舗装、こういうことになっております。特別会計の大きい立て方はその二つの立て方でありまして、その下の方に北海道関係とか離島関係、それから地方財政再建の補助率差額というのがございますが、立て方はその二本でございます。
ただいま申しました事業の補助率の関係、予算の増加の関係はこの表を見ていただくとわかりますが、総体といたしましては三割九分の増加になっております。
次に八ページをめくっていただきまして、これは一般会計の方の説明でございますが、八ページは都市計画事業費というのがございます。その中に国営公園整備費、公園事業費、下水道事業費と、これが大きな立て方になっておりますが、この都市計画事業費でカッコにしておりますが、これはその下に国営公園整備費、直轄と書いておりますが、このカツコでございまして、事業費以外の事務費関係を含めた数字で申しますと、上のカッコの数字になるわけでございます。
都市計画事業費関係はそこにありますように、総体では六割増、一六〇%になっておりまして、国営公園関係では二八二%、公園事業費は全体といたしましては、右にありますように九三%で落ちておりますが、これは公団事業関係のずっと下にあります京都国際文化というのがございますが、この関係は三十四年度には建築費が落ちておりますので、この二千万が減っておりますので、全体としては数字は減っておりますが、実質は多少プラスになっております。
それから下水道事業費、これは全体として七割一分の増加となっております。
各項目の説明は次に各事項別で参ります。
それからその次をめくっていただきまして、十ページは特殊なものでございまして、離島振興、あるいは都市災害復旧、都市災害関連、下水道一般鉱害復旧、こういう関係の予算とか事業費あるいは増加率というのを計上いたしました。
それから御説明いたしますが、この予算の重点といたしまして、十二ページにあります第一番が戦災復興事業でございます。それから第二番が(2)として都市改造事業の促進、それから第三番目が十三ページにあります街路事業の推進、それから四番目が下水道事業、それから五番目が公園関係の整備事業として、国営公園が新規に一カ所三十四年度からやることになっております。霞ケ関公園、こういうことになっております。事項別の説明を十五ページから簡単にいたしますが、十五ページの3事項別説明というのがございます。
まず戦災復興事業でございますが、これは三十四年度予算額は九億五千五百万円、こういうことでありまして、この事業は昭和二十年十二月の閣議決定に基きまして、被災都市が百十五都市、面積一億八千万坪を対象といたしまして事業に着手して、三十三年度末ではその六十都市が専業を完了しまして、昭和三十四年度は国費が九億五千五百万円、事業費十九億一千万円をもちまして五十都市が完了する予定になっておりますが、特に東京、横浜、名古屋、大阪、神戸のこの五大都市につきましては、なお相当量の残事業が事業として残りますので、これは今後都市改造事業ということにいたしまして、三十四年度以降四カ年計画をもって事業を完了することになっておりまして、三十四年度事業費といたしましては、二十三億を王大都市の都市改造事業として計上いたしております。
それから次に災害復興専業でございますが、予算額は五千七百万円、これは昨年大水害を受けました静岡県の韮山村と、一昨年同様水害を受けました長崎県諌早市を、早急に復興するための土地区画整理専業を実施する経費でございます。
それから(3)の港湾地帯整備事業、予算額一億五千四百万円、これは大阪港湾地区に対しまして、昭和二十五年度以降地盤かさ上げを実施するとともに、土地区画整理事業を行なってきましたが、三十三年度末をもって約六五%の進捗を見る予定でありますが、三十四年度以降三カ年計画によって事業を完成しようと、こういう計画のもの外ございます。
それから(4)といたしまして、接収解除地区整備事業、予算九千六百万円、これは横浜と神戸の両都市の駐留軍の接収跡地のうち、都市計画上緊急整備を要する地区を対象としまして区画整理事業を実施するもので、昭和三十四年、三十五年度のニカ年間で事業を完了する予定でございます。
それから都市改造事業、これは私どもの局といたしまして、戦災復興事業がほとんど今年度で終りますので、これにかわるべき一つの事業として推進いたしておるものでございますが、予算額として二十二億九千六百万円、そこに説明といたしまして「都市改造事業は既成の市街地内において、家屋の稠密した商業地帯、官公街地帯、及びこれらに隣接する住居地帯のうち、交通機能の低下、都市災害の発生し易い地帯等について土地区画整理事業を実施し、国道又は重要な地方道となるべき都市計画街路及び駅前広場の整備等を行なっておるものでありまして、これは昭和三十一年度以来東京では八重洲口とか五反田を初め全国二十三脚市の事業に着手してきましたが、昭和三十四年度はこれらの事業の継続と、さらに戦災復興事業関連の、先ほど山しました五大都市の事業を都市改造事業として行いますが、この五大都市の分と新規に二十都市の都市改造事業も実施することにしておりまして、その予算額が二十二億九千六百万円ございます。
それから(6)といたしまして、旧軍関係土地区画整理事業、予算額二億円、これは戦争中電部整備事業、新工業都出整備事業として着工した土地区画整理事業が、終戦及びその後の経済変動に伴い完了されないものがあるので、このうち都市計画上特に緊急を要する九地区に対しまして、これはたとえば相模原とかあるいは光、こういう都市でございますが、全国で九地区に対しまして、昭和三十三年度から事業に着手し、三十四、三十五この両年度をもって完了する予定でございます。今までは区画整理事業でございます。その次が街路事業でございます。そこにありますように、三十四年度予算額といたしましては、九十五億一千九百万円、それを首都圏、四大市、一般都市に分けてみますと、そこにありますような数字になりまして、倍率にいたしますと、首都圏関係は前年度に比べまして一・二倍、四大都市関係は一・八倍、一般都市は一・五倍、平均が一・六倍でございます。結局交通難が非常にはなはだしい大都市に予算も集中していくという形をとっておりすす。特に首都圏につきましては、後ほど御説明いたします首都高速道路の建設をやることになっておりまして、これに関連して都内の街路を相当程度整備することにいたしておりまして、そのために経費が相当ふえている次第でございまして、この予算をもちまして三十四年度には個所といたしましては、そこにありますように立体交差が四十三カ所、改良が五百十九カ所、橋梁が四十四カ所、舗装が三百六十一カ所、これはまあおおむねの予定でございますが、こういう個所をやる予定になっております。
次に十九ページに参りまして、一般会計に計上された都市計画事業でございますが、そのうち公園関係のうちまず国労公園整備事業、予算額三千百方円というのがございますが、これは現在国常公園といたしまして、皇居外苑と新宿御苑、京都御苑、この三つを建設省で継続的にやっておりますが、三十四年度から新しい事業といたしまして、国会議事常前から旧参謀本部跡にでわたる三宅坂一帯の約二十万坪を霞ケ関公園として、これはもう都市計画の方の決定には先年なっておりますが、この霞ケ関公園を新設していこうということで、来年度はその経費が一部ついております。
それから(2)の公園及び墓園整備事業、これは地方公共団体に対する補助事業でございますが、予算額一億四千九百万円、都市の主要公園、児童公園並びに国際観光上重要なものについて実施することとしており、墓園については、市街地の高度利用並びに環境整備等の見地から、近郊地の適地を選定して墓園を整備するもので、昭和三十四年度においては一般公園百四十二となっておりますが、百四十七カ所でございます、それから児童公園三十八カ所。二十ページに参りまして墓園が十二カ所となっておりますが十三カ所でございます。この実施予定になっております。
それから(3)といたしまして下水道整備事業、これの必要なことは申し上げる必要はございませんが、三十四年度といたしましては、そこにありますように事業費として百二十二億を見込んでおります。補助といたしましては、その欄の上段にありますように十四億四千八百万円、これは先般起債計画として六十億という額がきまりまして、補助とこの起債はきまった数字でございますが、地方単独費というものが四十七億五千万円ございまして、私ども三十三年度の実績から申しまして、三十四年度はこの程度の地方単独費は、おそらく計上されるであろうということのもとに組んだ事業計画でございます。三十三年度の七土石億の事業量に対しまして、三十四年度は百二十二億、こういう事業量を予定しております。伸び率といたしましては六割三分増ということになっております。下の欄はこの下水の内訳でございまして、どういう事業をやるかということでございますが、一番大きいのは何と申しましても公共下水道、これは一般の下水道法による一般の下水道でございますが、公共下水道、その次に都市下水道、これは開渠でやります簡単な水路のようなものでありますが、特に排水等の点から非常に要望される個所が多いのでありますが、これが都市下水道。それから特別都市下水路というのがございますが、これは少し前をめくっていただきまして十四ページの中ごろに説明が書いてありますが、中小企業が比較的密集した都市で、工場排水を集中して処理することが望ましい都市については、従来静岡県岳盾地一帯、愛知県の尾西地帯、大阪府の長瀬川沿岸、和歌山川沿岸の四地区に特別都市水利事業を実施してきたが、三十四年度は新規に東京都の板橋区、愛知県の木曾同時、三重県の鈴鹿・岡山県の倉敷、愛媛県の今治市の五工業地域を対象といたしまして整備する、特に中小工場地帯を対象とした工場排水の処理の下水でございますが、そういうのをやろうという計画を立てております。
それから二十ページに帰っていただきまして地盤沈下対策、これは新潟市を中心といたしました地盤沈下に対しまして、下水道施設をやる経費でございます。こういうことで、三十四年度は下水道経費としてまあ私どもが要望しておった額には満たなかったのでございますが、重点的にこれをもちまして特に都市の水質が非常によごれておる地域であるとか、あるいは都市排水上非常に必要な地域であるとか、あるいはまた道路舗装に先行いたしまして下水をやらなければならぬ地区とか、そういう地区に限定いたしまして公共下水道としては百三十六カ所、都市下水道としては百十一カ所、特別都市下水道としては九カ所、こういうのを実施する予定にしております。あと二十一ページは省略さしていただきます。
次に二十四ページを御説明いたしますが、ただいまのは公共事業費関係でありますが、行政部費関係であります。これは主として行政部費関係もいろいろございますが、この中で特に御説明を申し上げておきますのは、二十四ページの下段の方に河川及び水路水質汚濁防止の調査に必要な経費三百四十九万というのがございますが、下水道事業とも関連いたしまして、特に最近河川の汚濁がひどいものでございますから、こういうものを調査の対象にいたしまして、いろんなことをやる予定にしております。
それから二十五ページの日といたしまして、産業開発青年隊事業に必要な経費として四千三百万円という経費がございます。これは従来産業開発青年隊をやっておりましたが、来年度におきましてはさらに直轄隊三キャンプ七十五名を新設する、こういう予算を計上しておりまして、これに要する経費が四千三百八十五万ということになっております。
それから国土計画、地方計画の確立推進に必要な経費、あるいはその他いろいろございますが説明を省略さしていただきます。
それから次に二十七ページの財政投融資というのがございますが、首都高速道路公団、いずれ詳しい資料は差し上げたいと思いますが、本日はその資料で簡単に御説明いたしますが、東京都区部の街路交通が現状のまま放置すれば、昭和四十年ごろには自動車交通の激増のため、そのほとんどが麻痺状態に陥るものと推定されますので、その対策として丸ノ内、日本橋、銀座等の都心部と、新宿、渋谷、五反田、池袋等の副都心部との円滑迅速な自動車交通を確保するため、自動車専用道路網を急速に整備する必要があり、このためには単に国の資金のみでなく、東京都の資金をも活動するのが適当であると考えるので、国と東京都の共同出資によりまして、新たに首都高速道路公団というのを新設いたしまして、首都高速道路の建設に専心従事しようとするものでありまして、これは予算並びに公団法というのを今国会に提出することになっております。その事業計画といたしましては、全路線では八本ありまして、延長六十九キロ、事業費として九百十四億、それから道路五カ年計画の中に入る数字といたしましては五路線で、延長が約四十三キロ、事業費約五百四十三億ということになっております。昭和三十四年度の公団の予算額としては三十五億、こうなっております。
次の二十八ページはこの全体計画、五カ年計画、三十四年度計画に応じました公団の収支の関係でございまして、三十四年度といたしましては、ただいま申しました三十五億は資本金が二十億、これは都と政府が十億ずつの折半でございます。それから借入金が九億、東京都の補助金が六億、合計三十五億で、八路線の中のとりあえず急ぐ二路線のうちの一部に着工するという計画になっております。五カ年計画とさらに全体計画ではおおむね収支の関係はそこにありますような計算になっております。
以上簡単でございますが計画局所管の予算を御説明申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/3
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004・早川愼一
○委員長(早川愼一君) ただいまの計画局長の御説明に対しまして、御質疑がございましたら御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/4
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005・田中一
○田中一君 戦災都市事業は三十四年度で終るんですか、三十三年度でしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/5
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006・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) 三十四年度です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/6
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007・田中一
○田中一君 そうすると今お話のように三十三年度までに六十都市、三十四年度に大体五十都市を完成して、残っているものは大体首都並びに五大都市ということになるというような説明でしたけれども、まだだいぶ残っている所があるんですがね、それは戦災都市の事業で、どのくらいありますか。私はあなたの方にどういう報告をしているか知らぬけれども、地方を見て歩いてわかるのは、三カ年延長して、で、今日になっても相当まだ緒についたのみの所がたくさんあるわけですね、そういうものはどうするつもりです。都市改造事業で継続してやるのか、今の説明ではどうもその点が明確になってない。ことに各戦災都市の中小都市で、その実態というものはほんとうにつかんでいないんじゃないかという気がするんですがね。その辺はどうなっておりますか、説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/7
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008・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) 戦災復興の関係は今説明いたしましたように、三十四年度をもちまして一応終了するという予算上の建前にはなっておりますが、現実の問題としては計画を相当縮小したような部面もございまして、実体の事業は残ってくるのでございますが、これはここにありますように、都市改造事業ということが三十三年度に比べまして三十四年度は予算的にも相当大きくなっております。将来この都市改造事業という形をとって行なっていくか、あるいはまた戦災復興事業の中心をなしておりますのは、やはり街路事業でございまして、これは道路会計におきます一般街路事業が今後相当飛躍的に伸びる見込みでありますので、この街路関係の経費を集中いたしまして、事実上の戦災復興事業の終息をやりたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/8
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009・田中一
○田中一君 土地区画整理事業と街路事業と、おのずから性格は違うんです。土地区画整理事業は御承知のように、——御承知というか、僕らが知っておる通り市民の負担において事業を完了しよう、目的を達成しようというようないき方をしておるんですね。街路事業ならば当然これは買収なり補償なり、という形で仕事が推進していくわけなんです。今日まで二十年から戦災都市の仕事をずっと続けて来ておりながら、計画の縮小々々で今日まで来ておるんです。これが相当大規模の計画のもとに減歩率その他をきめて、そうして部分的な市民の反対があるから、あるいは予算の措置で縮小した場合に、減歩率がそれに応じて伸び縮まる、というどっちにしても不公平が生まれてくるんです。そういうことになるでしょう。そのままの減歩率できたのならばかまいませんよ。大きな計画でやって道路を保有している、公園を持っているところへ全体の大きな百の計画でやって、減歩率を三分なら三分にきめておったものを、それが今度第第二の縮小でそれが八十になり、それが今度五十になったとすると、三分の減歩率でその部分が完成すればいいけれども、減歩率の変更ということになると、これは減歩率を正しく明らかにしないと、減歩率の縮まった場合でも伸びた場合でもこれは問題が起るんです。そういうことがあるから、今まで中小都市の事業は完了しないわけなんです。この実態をほんとうに政府はつかんでいるかどうかということです。それが今言う街路事業でやるとなると、これは街路事業でやれば土地区画整理法でこなければ、おのずから一方的に行政府がこれは道路を作るんだ、その分については買収しようということになるんです。土地区画整理事業と道路事業を併用すると、これはまた新しい問題が起きるわけです。これは一つの例ですが、現に浜松市なども今までの街路事業の事業区域というものを縮小して、残っている部分に対する道路というものは、これはどうにもならぬから当然買収しなければならぬ、これはそういうわけでしょう。初めがもう土地区画整理事業でこの部分を全部やっているが、一方は道路は幹線道路を作っている、それを半分に縮めた場合、ここまでは土地区画整理事業でくるけれども、こっちの分は買収しなければならぬということになる。そこに市民の間に損得の問題があって、その事業というものが円滑に推進できなくなってくる。国の方針に協力した者がばかをみたという結果にならざるを得なくなってくるんですね。これはむろん各地方的な行政当事者の力の弱さという問題もあるでしょうけれども、これはやつぱり政府が今度いよいよ三十四年度で終るんだ、あとどうするんだという対策をほんとうに立てなければ、この予算を発表すると同じにまた問題が起ります、地方に。だから完成をしないところの、あなた今百十五カ所のうち六十カ所は完成してございます、三十三年度までに。三十四年度にあとの五十カ所は完成します。従って百十カ所は完成して、首都と五大都市だけが残っていると言っておるけれども、事実においては、全国的に来年度に五十都市というものは完成する自信があるかどうかということですよ。そうしてまた的確に戦災都市の復興事業に対して把握しているのかどうかということです。これを一つ説明して下さい。それは口先ではだめなんです。それは実際あなたの方の資料で、何市はどうという、何市はこう考えるという説明をしなければ、いたずらにこの本年度の予算をもってしてはまた問題が新しく起るということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/9
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010・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) 各都市別の詳細な資料はただいま手元にありませんから、いずれ必要がありますれば、あとから調べてお答えいたしますが、私どもといたしましては、おっしゃいますように戦災復興事業は実質的には政府の方でいろいろ収縮をいたしておりまして、おっしゃるように相当事実上残る部分がございますが、これは三十四年度の予算にも、都市改造事業を相当大幅に計上いたしておりまして、新規に二十都市を計上いたしておりますが、こういうふうな都市改造事業というのを今後大きくとっていきまして、そうして戦災復興等の事実上の残の整理をいたしていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/10
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011・田中一
○田中一君 そうすると、その都市改造事業というものは、土地区画整理で行う事業というのですか。それとも独自の別の案を、その都市に対するその自体の考え方をもって別途に考えるのですか。戦災復興の跡始末をするために、都市改造事業というもので締めくくりをしていくということなのか、新しい試みで出発するのか、ということで非常に違いがあるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/11
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012・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) 都市改造事業は区画整理事業でございまして、名前は都市改造といっておりますが、現実は区画整理事業でございます。この中には五大都市の関係を初めといたしまして、戦災復興に関連した都市がだいぶ入っております。ですから戦災復興で事業量が相当残っているような事業を、できるだけこの都市改造事業として取り入れまして、これで将来を救済していきたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/12
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013・田中一
○田中一君 もう少し的確に伺いますがね。そうすると都市改造事業というものは、昭和二十年から出発しているところの戦災都市復興事業が完了しないから、戦災都市という名前を変えて都市改造という費目で、実質的には戦災都市の復興事業を完成していくのだということと、そのほかにもまた別の構想をもって新しい土地区画整理法で、新しい都市改造という面からの事業をも行なっていくのだ、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/13
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014・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/14
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015・田中一
○田中一君 そうするとあなたがさっき言ったように、街路事業でそれをやっていくという場合は一体どういうことになるのです。事業が縮小したために、その区域を建設大臣が今度は改定を承認して、これは事業を半分にしたいとか、三分の一にしたいという改定を承認するわけですね。補助金をやらないのですからそのままできなくなってしまう。その場合残ったものを、総体的に計画を立てた減歩率等の不公平というものは、清算のときにあるいはあなた方それは清算いたしますというかもしれないけれども、どういう形で不公平というものを、負担の不公平ですよ、減少の不公平というものを是正していくかということなんです。土地区画整理というやつはその区域の全体計画によるところの、新しいその一つの事業なんです、部分的な。従って減歩率は違うわけなんです。縮まったために得する場合もあるし、縮まったために損する場合もあるということになるわけです。そういう際には、清算というものはいつどこで、しようという考えなんです、不公平というものを、負担の不公平です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/15
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016・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) ただいま私の説明が誤解を起すような点がございましたが、街路事業でやると申しますのは、戦災復興事業を一緒にやるという意味ではございませんで、戦災復興事業は戦災復興事業で打ち切ってしまいまして、これは区画整理事業として清算やらなければなりませんから、減歩の問題はそれはそれでございますが、さらにそういう打ち切りをやっても、後年度ないしその次の年度において、やはり問題は都市の街路を広げるという点が大きく出てくる問題でございますから、事実上の点で街路事業で救っていくのだ、これはもちろん本則じゃございません。本則はやはり都市改造事業という区画整理事業でやるのが本則でございますが、しかしそれでもどうしても救えないというような面は、別個の立場から街路事業というものを実施いたしまして、その都市の街路の拡幅をやっていきたいということでございまして、戦災復興の区画整理の関係とは計算はもちろん別という形でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/16
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017・田中一
○田中一君 そうすると、結局街路事業というのは道路事業ですね、道路事業でお前の敷地の前面を三メーター幅供出しろということはできないでしょう。できますか。それは、無償で供出しろということはできますか。できないでしょう。買収しなければならぬでしょう。補償しなければならぬでしょう。そういう性格のものと、土地区画整理のように、市民の減歩によって都市改造しようというものと、おのずから性格が違うわけですよ。救いにならないのですよ。そこに不公平が生れてくるのですよ。ことに、それが土地区画整理の一工区になった場合に、その工区を半分にした場合には、当然区画整理の区域であったけれども、縮小したために、その部分の、これはそのままやっておれば減歩で自分の負担でもって道路を広げなければならぬけれども、縮小になったから、その部分に対しては今度は事業をする人間が、買収なり補償なりでもって道路の拡幅をしていくのですよ。そこに不公平が生れるではないかというのですよ、私のいうのは。国が二十二年の意気込みのように相当に推進していけば、こんな不始末はないわけですよ。そこが当時の政治の貧困というか財政その他いろいろな問題で縮小に縮小を重ねてきて、それもえんえんとして十何年もたって、どうにもしようがないということに追い込まれた。三年前に、あなた御承知の通りに、全体の会議を開いて、延ばそうか延ばさないかということで三年間たって今日まできているわけです。そうして、そこに生れたところの不公平というものは、やはり市民の社会生活というものに混乱があるということになるのですよ。当然区画整理でやらなければならない地域が縮小されたために、その部分の人たちは、自分の敷地というものは事業主体が補償してくれる、あるいは買収してくれるということになると、相当な不公平が出てきますよ。そういう問題をどうするか、今後に残された問題です。私、非常に危険だと思っているのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/17
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018・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) ただいまの戦災復興事業の実質上の残の救済は、おっしゃるように、街路事業と区画整理事業というものでは確かに性格が異なりますから、私どもは、都市改造事業で区画整理事業としてやっていきたい、こういう方針を持っておりまして、三十四年度の予算におきましても、都市改造事業を戦災復興関連の終末として相当取り上げて実施しておるという次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/18
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019・田中一
○田中一君 そんなことを言っていいのですかほんとに。今そういうことをあなたがここではっきりと答弁して速記に残るけれども、そうすると、結局戦災復興事業として残された計画というものは、そのまま縮小しないのだという前提に立たなければならぬでしょう、その計画そのものは。しかしながら、今までのものは戦災都市の復興事業としての予算を計上する、残余のものは都市改造事業として区画整理を行うのだということでいいのですか。そういうことを大胆にあなたはおっしゃるけれども、全国の都市の実態というものを知らないからそういうことを言うのです。そういうことを言っていいのですか、ほんとに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/19
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020・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) もちろん、各都市が要望いたしております戦災復興の事業区域というのは、これは相当膨大なものでございまして、これは私どもの立場から申しましても、これを全部やっていくということは事実上、財政上の問題等ありまして、なかなか困難でありますので、その中で特に私どもの立場から見てもやらなければならぬというふうな緊要度の高い地区は、これは都市改造事業として今後予算に盛り込んで実施していきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/20
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021・田中一
○田中一君 戦災都市の補助率と都市改造の補助率はどうなっています。どう違いがあります。今後やろうとする都市改造の補助率。戦災復興は二分の一ですね、今。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/21
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022・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) 補助率は同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/22
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023・田中一
○田中一君 同じにする。それじゃ最後に聞きますがね。そうすると、残余の百十五の戦災都市復興の指定した事業地の中の六十は三十三年度で完了した、残っている残余五十のものは三十四年度で完了するつもりだ、そうしてあとの五都市というものは、首都、五大都市として今後都市改造事業として実施するのだ、という局長の説明があった。ところが実態というものは、それは手直しとかあるいはだめまわり的な事業じゃなくして、事業のほんとうの主体、本質というものが全然手をつけられない都市があるのです。また都市の区域があるのです、しいて言えば工区があるのです。そういう実態というものをどう把握するかということが重要問題です。それに対してあなたは、そういう点が必要ならば資料としてお出ししましょう、そうして、なおそういうものを含めて都市改造事業としてやっていくんだということをおっしゃっておる。しかし、実際あなたの方で二十年から今日まで、せめていって三十年でいいです、戦災復興が完了する見込みだったところの三十年でいいや。三十年においてどれだけの事業の進捗率があったか。実態はなるほど補助金をやって補助金は使っているんだ。事実使っている、ちょこちょこ使っております。その金を使わなければ返せと来るから使っておる。しかしその分の事業というか、事業の実態が進んでいないということがたくさんあるのです。あなた方の方も手薄だから、各地の状況をちっとも見ておらぬかもしれないけれども、そういう工区がたくさんあるのですよ。そういうものは一体どうするか。ことに、市長とか町長とかという首長選挙というやつは民選でやっておるからね、常にジグザグがあって、あなた方三十四年度で全部百十都市は完成するのだと言うけれども、完成していない、その実態が。そうして事業の縮小をどんどんやっておる。当初の事業計画の縮小をどんどんやっておる。そうした場合その跡始末を一体どうするかということを何っておるのであって、それはあなた方の方は百十都市というものは完成するのでございますと言うならば、これは何をか言わんやです。実態は完成しておらぬということです。三十四年度になっても完成する見込みがないということです。これはあなたの方は補助金を出せばいいかもしれないけれども、実際の事業というものは完成しない。資料を要求すれば資料を出すというならば、実態を出して下さい、百十都市の。五都市は残すといっておるからこれはよろしい。三十四年度で全部完了し、または完了せんとする百十都市の区画整理の実態というものを——政府の補助金じゃありませんよ、地方が負担する補助金を含めて、各地方がどういう支出をして、現在どうなっておるかという実態を、まあおそらく一年ぐらいかかるかしらぬけれども、なるべく早急にあなたの方の首都高速道路公団法が通る前に一つ出して下さい。そういういいかげんなことはいかぬです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/23
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024・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) 資料の点はよくわかりましたが、まあ私どもの方針は、三十四年度で一応戦災復興事業というのは打ち切ることにいたしましたが、これは御承知のように、戦災復興事業というふうな形をとっておりますと、もう終戦後相当年月もたっておりますので、いつまでもこういう形の予算を続けていくのはどうだろうかというような意見もございまして、まあ事実上いろいろ場所の終息が行なわれたのも事実でございますが、私どもそういう各地方の希望するところから、あるいはある程度終息させまして、どうしても国として今後何かの形でやらなければ事業効果が上らないというふうな地区につきましては、戦災都市改造事業というふうな形でもって、今後拡充していきたいというふうな気持でおります。必要な資料等は、今後提出したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/24
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025・田中一
○田中一君 ずいぶん、まあ国会答弁としては、その辺でもって、だれもわからぬから、それでいいじゃないかという気持になるかしらんけれども、実態が違うんだということなんですよ、実態というものが。
じゃ、もう一つ聞きますがね、三十四年度に百十都市が完成したとするならば、清算事務はいつごろまでにさせる、つまり法律じゃ清算の期限はなかったかしら、土地区画整理の問題で。それで一体、どのくらいで、何年くらいでもって、それを整理しようという、一部改正した、たしか五万円程度のものは、前払い的に払っていいことになっていた、たしか都市計画法では。そういう法律を改正したことがあったと記憶するんだけれども、五、六年前に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/25
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026・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/26
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027・田中一
○田中一君 都市計画法で、一件五万円程度のものは、前払いするというような形の法律案を改正したことがあるように記憶するんだけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/27
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028・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 速記を止めて。
[速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/28
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029・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/29
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030・田中一
○田中一君 それは、よく調べて下さい、その問題は。
一体、清算というものを、あなた方は、いつまでにさせようとするつもりでおるのか。なるほど、交付金は補助金で出せばいいんです。しかしながら地方公共団体の財政上の実態というものが、政府が許可した計画とタイミングを合わして予算を立てるという状態の場合、あるいは市民並びに理事者側が一致した見解でもって事業を推進する場合には、伸びております、そのまま。しかし、そうでないのが多いというのが、都市計画事業の性格なんです。ことに清算というものは何年たって清算するのかわからぬ、これは下手すると、死んじゃうよ、きめられた該当者が。ということもあり得るような、野放図もないところの二十年、五十年たっても清算しないでもいいんだということになるならば、これは、ちょっと問題だと思うのですよ。あなたの方は、補助金だけくれてやればいいんだろうけれども、市民は、迷惑な話なんですよ。
そこで、今の百十都市というものは完成するんだというならば、完成した後の処置というものを考えておかなきゃ困るのですよ。それを都市改造事業という費目であらためて再工事をして土地区画整理を行なって完成するんだというならば、その部分というものは、どのくらいあるか、これは二つの問題がある。一つ、資料でも何でもいい、腹をきめて答弁して下さいよ、この問題は。
そしてたしか——何年ごろだったか、戸塚君が大臣の時分だから、そのときに、特別都市計画法を一部改正して、そしてたしか五万円程度の金を前払いしていいというような法律改正をしたことがあるのですよ。この点も調べて下さい。それが今土地区画整理法になって、どうなったかということ、その措置というものが。私は実際、今のお話のような説明では納得しないんです。あなた方が、あまり実態を知らなすぎる、知っていても、ほおかぶりしてるんだと思うのですよ。国は大臣の認可、許可があれば、仕事が進むものだということばかり考えておって、事業そのものは、一向進んでいないという実態をほんとうにつかんでないのですよ。ことに、おそらく計画局では、その方の人間なんかも減っているのだろうと思うのだ。それで、もうしょっちゅう、一年に一ぺんくらいずつ、ぐるぐる人間が変ったのじゃ、目が届くものじゃないのですよ、人が足らないから。これは、非常な重要な問題です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/30
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031・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) ただいまの戦災復興事業の終息と、それから土地改良との関連、いずれ資料を調製いたしまして、詳細に御説明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/31
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032・田中一
○田中一君 都市公園法ができて、私なんか非常に喜んで賛成したのです。ところが今見ると、予算なんというものは、全く鼻くそくらいしかついていないのだ。そこで、これは国全体の宅地政策というものとの関連が非常に大きいのですよ。一億四千九百万、このうち一般公園が百四十七カ所、児童公園は三十八カ所、これをやるのだ。これは補助費でしょう。そうしてこの程度の金でもって、どこの児童公園をどうするか、具体的に伺いたいのです。そうしてそれの三十四年度に完成するものが幾つあるのか、手を着けるのはわかりますけれども、百四十七カ所の一般公園と児童公園三十八カ所というものが、手を着けることはわかりました。これは、三十四年度に完成するものは幾つございますか。また、三十三年度までに完成したものが幾つございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/32
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033・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) 資料を調製いたしまして、御説明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/33
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034・田中一
○田中一君 一体、補助費なんというものは、手を着ける箇所をきめて、金さえやれば完成するのだという間違いを犯しちゃならないのですよ。こういうものはどんどん作らぬから、野放図もなく都市が市外へ市外へと伸びていくのですよ。一方においては、どんどん農地や、あるいは緑地をつぶして宅地造成をしなければならぬのです。私は、そういう意味で都市公園法に賛成したのです。都市並びに都市の周辺に児童公園なり一般公園なり、どんどん作っていって、そうして呼び戻す、宅地が野放図もなく広がることを制限しなければならぬじゃないかという気持で賛成しておったのですよ、なるほど、補助金はやるけれども、完成というものを考えてみなければならぬでしょう。ことに芝公園なんか、ああいうとんでもないマンモス・タワーなんかできて、公園じゃなくなっちゃったじゃありませんか。
芝公園なんというものは、あれは東京都は、民有地に、資本家に売ってしまったというのだから、これはどうにもしようがないけれども、資本家なんかに公園を売ることができないような立法措置が必要なんですよ。一方においては、こうやって公園を作りながら、一方においては伝統ある公園というものを、子供の時分に親しんだ公園というものをどんどん資本家に売ってしまって、そうしてああいうような全く、とんでもないようなものもどんどん作ってくる。逆行しているのですよ、政治が。一部のそういう事業家がもうけているに過ぎないのですよ。それならば、それでいいから、かわるべきものをどこに作るかということです。これを一つ出していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/34
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035・秋山長造
○秋山長造君 それに関連して、ちょっとお尋ねいたしますが、建設省でやられる児童公園というのは、どの程度の規模のものなんですか。何か一つの規格があるのですか。
たとえば厚生省あたりで、児童遊園地というものをずいぶん作っておりますね。あれより規模は大きいと思いますが、規格といいますか、規模といいますか、それをちょっとお伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/35
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036・国宗正義
○説明員(国宗正義君) 児童公園の規模は、子供が遊びにこれる範囲内のまず場所を選定いたしまして、その中の設備とすれば、すべり台、ぶらんこ等、一応子供の遊戯施設を備えた規模を考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/36
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037・秋山長造
○秋山長造君 広さは、どのくらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/37
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038・国宗正義
○説明員(国宗正義君) 広さの方は、ちょっと今正確な資料は持っておりませんが、子供の野球ができる程度の大きさ、本式の野球ではなくて、子供の軟球の野球ができる程度の広さを一般に考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/38
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039・秋山長造
○秋山長造君 子供の野球といいましても、児童といいましても、十八才以下は、全部児童なんですが、十七、八才くらいになった子供の野球というと、相当広くなければならないし、五つか六つの子供の野球なら狭くてもいいのですが、どのくらいのものを作っておりますか、広さは。野球ができるという抽象的なことではなしに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/39
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040・国宗正義
○説明員(国宗正義君) 面積を正確に申し上げられないで恐縮ですが、補助金にいたしまして三十万から五十万見当でございまして、それの三倍、百万から百五十万程度の設備費を考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/40
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041・秋山長造
○秋山長造君 そういたしますと、厚生省の児童局あたりでやっておる児童遊園地と、まあ似たり寄ったりのものですね。すべり台とかぶらんこくらいのもので。
私はむしろ、そういう規模のものなら、児童公園というようなもっともらしい名前でなくとも、厚生省あたりでやっておる児童遊園地というものに、むしろ一本化して、そちらの数をどんどんふやしていくということにして、それで建設省のやられる児童公園というのは、もう少し私は、児童公園といえば、やっぱり相当もっともらしい名前ですから、もっと花壇を設けたり木を植え込んだりして、規模の大きいもので、ほんとうに子供のリクリエーションといいますか、何といいますか、相当数の子供が、かなり伸び伸びと楽しめるという規模のものを数は、少々少くともいいから作っていくということの方が、本筋ではないかという感じを受けるのですが、児童公園というのは、ぶらんこやすべり台があって、小さい子が野球ができるという、特に野球ができるといっても、野球をやられては、野球をやる子供はいいでしょうけれども、あとの子供は遊べませんからね。だから、ほんとうは何にもなりはしませんよ。それは、むしろやっぱりその程度のものなら、厚生省の方に統一して、そっちにもっと力を入れて、建設省のやられるのは、もっと大規模なもので、数は少くても、大規模なものを作っていかれたらどうですか。その方がよっぽど私はいいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/41
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042・田中一
○田中一君 秋山君、施行令に、規模がちゃんと書いてある。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/42
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043・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) ただいまの児童公園の関係は、都市公園法の施行令に一応の基準がございまして、それによりますと、「もっぱら児童の利用に供することを目的とする都市公園は、誘致距離の標準を二百五十メートルとして配置し、その敷地面積は、〇・二五ヘクタールを標準として定める」、〇・二五ヘクタールと申しますと、坪に換算して何十坪になりますか——二百五十坪でございますか、この程度のものでございます。
で、建設省の計画局の関係と厚生省の児童遊園地の関係は、これは、密接に関係した部分がございまして、おっしゃるような意見もございますが、何さま公園の予算全額として一億五千万円程度の予算で、全国非常にいろいろ要望がございまして、そういう個所にやっているものでございますから、一地点としては、先ほど申し上げましたように、非常にささやかな、小さなものになる現状でございますが、まあ府県におきましても、あるいは市町村におきましても、これを誘い水といたしまして、相当児童の遊園施設をやりたいという希望が多いのでございまして、そこらの点から、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/43
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044・秋山長造
○秋山長造君 まあ、法律で広さなんか、大体きまっておるようですから、現状としてはやむを得ないかもしれませんね。
ただ、どうですかな、今の一億四千九百万円というものが、一般公園から児童公園、全部含めての金ですから、まあ、地方の要望もあるでしょうけれども、まあ言ってみれば、これはないよりも、少しでも空地を作ってあった方がましだろう。道路で遊ぶよりも、空地で遊んだ方がましだろうという程度のものだと思うんですがね。今の現状としては、あまりにも遊び場が少いものですから、どろなわ式に、とにかくないよりましだろうということでおやりになるのですから、それはそれでけっこうだと思いますけれども、やはり将来の計画としては、どうですか、都市計画なんかの面からも、あわせて考えていただかなければならぬと思うんですが。
これは、次第に人口が都市に集中して、実際東京、大阪というような大都市はもちろんですが、地方の都市にしても、これはもう、東京や大阪を小型にしたようなもので、やはり実際、児童公園なんかというものは、ほんとうに教育的に考えても、いろいろな面から考えて必要だと思うんですがね。
やはりそうすれば、ほんとうに申しわけ程度の規模のものでなしに、かなり思い切った、まあ東京でいえば、神宮の公園だとか、あるいは日比谷公園あたりだとか、皇居前広場だとか、ああいうような青い木を植え込んで、芝生も作ってやったり、それから、もちろんすべり台だとか、ぶらんこというようなものも、これは必要でしょうけれども、ただ子供の野球ができるというようなことでなしに、もう少し青いものを殖え込んで、いわゆる公園らしいものを子供のために作るというのは、これはやはり一行政の問題だけでなく、一つの大きな政治の問題だと思いますけれどもね。そういうことは、今日の児童の社会問題になっておりますが、そういう対策としても、やはり一番必要なことじゃないかと思われるのですがね。ないよりはましだ程度の、ただちょっとあき地を作ってやるという程度のものでなしに、もう少し積極的な、文字通りの児童公園というようなものに、建設省は踏み切られたらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/44
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045・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) おっしゃる通りでありまして、私どもも、予算の折衝の過程におきましては、もう少し規模の大きい、相当大々的なものを全国的にいろいろ考えておったのでありますが、残念ながら折衝の過程におきましては、まあ前年通りというふうな形になりまして、こういう結果に落ちついたのでございます。私ども、こういう規模の小さいささやかなものじゃなくして、おっしゃいましたような相当大規模な、根本的なものを今後はぜひ考えていきたいという気持は持っておるのでございまして、その点で御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/45
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046・秋山長造
○秋山長造君 政務次官へ、重ねてお伺いしますがね。これはやはり、政府あたりが一つの新年度の大きな政策として、大衆にアッピールする、一つの国の政策として掲げてもいいくらいな、私はやはり児童公園は、大きい問題だと思うのですよ。
これは少々、岸さんが演壇から子供に道徳教育を説教したくらいで、これはきき目のあるものではないと思うのです。これは、そういうことよりも、ほんとうに子供がいかがわしい映画館なんかをうろつかぬでも、やはり青々とした広い場所で、日曜あたりには太陽の光を浴びて、ゆっくり楽しめる、それからまた、あっちへ行けば熱帯植物も作っておる、こっちへ行けば、また寒い国の植物も植えてあるというようなことで、一日弁当持って、そこで遊んでくれば、いろいろな植物の知識も得られたり、あるいは動物の知識も得られたりというような式のものを、そう、一カ所で何億もかけいというのではないけれども、最小限度その程度のものくらいは、全国に、一ぺんに何カ所もできぬでしょうけれども、やはり年次計画で何カ所かずつでも、全国の主要都市くらいには作っていくということが、最大のやはり児童政策としても、私は一番魅力のある政策じゃないかと思うのですがね。ことしは、もう予算組んで済んだのですからね。もう、今さらというわけにもいかぬかもしれぬけれども、今の局長の話によれば、今後は考えたいということですが、これは政府としても、一建設省の問題でなしに、一つの国民に訴える政策の問題として、来年度あたりから考えられたらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/46
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047・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) お説、ごもっともだと存じます。ただ今の建前を見ておりますと、児童公園といいますのが、あまり大規模でなくて、ほんの、つい近所隣へ子供が、ちょっと行って遊ぶというようなほんの小規模のところを考えておるようでございます。
そこで、少し大規模の一般公園というものにつきましては、もちろんこれは、国も考えなくちゃなりますまいし、地方公共団体で、相当考えなくちゃならぬと思いますが、ここに予算に計上されておりますが、児童公園というものが、ほんとうの町の小さい公園、朝から子供を連れて一日遊んでくるというような場所でなくて、ただ近所で遊ぶのだというような、広場といいますか、ほんの同じ町内に小さい公園を持つのだというような規模の小公園、児童公園というような考え方で立案されているようでございますが、しかし、今お話のような点も、ごもっともでございますから、一ぺん、厚生省との関係もございますので、よく相談いたしまして、町検討いたすようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/47
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048・小山邦太郎
○小山邦太郎君 ただいまの御質問に対してのお答えで、私満足しますが、これは、非常にいいお考えで、一体厚生省にあるのと、こちらとねらいは、どこにどれだけ違いがあるのか。これをはっきりさせて、その上こいねがうところは、都市計画の一環としては、どうしても私は、児童遊園地と申しますか、公園というか、こういうものは、もう大規模のものは、少し距離が離れても、いいものを作る。児童の遊び場というものは、やっぱり相当、都市計画の一環としての計画の中に、一つどうしても織り込まなければいかぬというふうに、積極的に考えておかなければならぬ。
そう思いますと、ただいまの御質問に対してのお答えを、これは一片のここのお答えだけにとどめないで、十分厚生省と打ち合せをして、そうしてこちらはこちらで、別に予算を取るからには、都市計画の一環として恥かしくない対策を一つ織り込んでいただきたい。私も、全然同感でございます。また強く希望を要請する次第です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/48
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049・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) 御趣旨、よくわかりましたから、再検討いたしまして、いずれ適当なときに、また御答弁するようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/49
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050・秋山長造
○秋山長造君 ちょっとお伺いしますが、このまわりで、簡単に見に行けるところで、建設省関係の児童公園というのはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/50
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051・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/51
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052・秋山長造
○秋山長造君 どこら辺……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/52
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053・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) 都内にもございますが、あとで御連絡いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/53
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054・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) ただいま補助は、公園をこしらえますのに地所を買ったりするような、そうした費用でなくて、今建設省で対象にしております補助の関係は、施設に対する補助らしうございまして、従って東京都なら東京都が、大きな公園は別でありますけれども、これをその、近所で、あるいは三カ町とか四カ町とかの間に一カ所くらい遊び場をこしらえてやるというようなことに対する施設費を国の方で補助していくという状態らしうございまして、おそらく東京でも、大阪にいたしましても、相当な町には、小さい遊び場をこしらえてやるというようなことが、最近よくはやっておりますし、また各都市でも、それを盛んに予算を計上してやっておるわけでございますから、そういう点も、よくにらみ合せまして、厚生省との関係もございますから、検討いたしまして、なるべく御趣旨に沿うような方法を講じたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/54
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055・村上義一
○村上義一君 ちょっとお尋ねいたしますが、八ページの公園事業費の中で、京都国際文化という項目がありますが、これは会館建設費でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/55
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056・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) これは京都に、国際会館を建てる建設費の補助でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/56
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057・村上義一
○村上義一君 そうすると、三十三年度に補助費が二千万円、事業費として六千万円計上してあるわけですが、これは廃止になったのですか。また途中で中止になったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/57
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058・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) これは完成いたしましたので、二千万円差し上げただけで打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/58
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059・村上義一
○村上義一君 完成したのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/59
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060・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) 完成しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/60
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061・田中一
○田中一君 下水道事業費のうち、地盤沈下七千九百万とありますね。さっき局長は、新潟市の地盤沈下対策のために使うんだと言っておりましたが、建設省は単独で調査した結果の支出なんですか。
それとも、御承知のように、むろん分担の区域は違いますけれども、運輸省もやっておりますが、全体的な調査の結果、七千九百万という支出を意味するのか。一応この結論が出て、これを出そうとするのか。もし結論が出たならば、その結論というものを委員会の方に出していただきたいのです。建設省の結論か、総合的な、あそこにも、新潟市にも、市県総合的な対策委員会を持ってやっております。われわれは昨年まで当委員会で、いろいろ運輸省並びにあなたの方にも質問しておるのですけれども、なかなか原因というものはわからぬし、わからぬものだから、対策というものも、なかなか立てにくいということをいっておったのです。
そこで、七千九巨万の予算を計上したということ、何かそこに的確な対策というものが確立して、予算を計上したのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/61
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062・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) これは、各省にいろいろ関係がある、建設省で申しますと、河川局の関係、また計画局の関係、あるいは運輸省の港湾等の関係がありまして、この地元におきましても、県を中心といたしました連絡協議会のようなものがございますが、国におきましても、これは経済企画庁が中心となりまして対策協議会というのを置いておりまして、そこと連絡をとりながら、各省いろいろ自分の所管の仕事を分担いたしまして、地元の希望等も勘案しながら、来年度は、この程度の事業をやっていきたい、下水の仕事といたしましては、ポンプ場と都市下水路の水路をやる、こういう計画になっておりまして、現実に、地盤がどんどんどんどん沈下しておりまして、この原因等につきましては、国におきましても、いろいろ対策を研究しておりますが、しかしそういうのと並行いたしまして、現実の地盤沈下を防ぐために、三十四年度には、ぜひこれだけの事業費をやらなければならないという根拠のもとに、この経費を計上している次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/62
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063・田中一
○田中一君 私の言っているのは、地盤沈下の対策というものは、地盤沈下していくのだから、下水道その他のものをやって、また沈下したら、こわして、また下水を作るのかということなんですよ。
たとえば、河川のうち、河川の床が上ってきたといった場合に、工業用水あるいは上水道、いろいろな取り入れ口を作る、ところがまた上ってきたら、また上の方へ作るということなのか、それとも根本的な対策が確立して、これで、もう沈下は一応停止するのだ、ごうすれば停止するのだという、一切の理論的な対策が確立して、その上に立って、これは、ちょうど三分の一の補助ですから一億三千万という事業ですがね、これらのものを出そうとするのか。応急対策として、とりあえずこれを出すということになつたのか。その点は非常に重要なんですよ。
われわれの今までの通念では、知っている範囲では、原因が突きとめられない。まあ新聞等で見ますと、ガスのくみ上げをある部分では停止した、中止したというふうなことも聞いております。また最近、これはもう、分水——何分水と言いましたかな、ずっと向うの方にありましたね、信濃川の分水をやったために、土砂の流下がなくなって、そうして地盤沈下の現象、それから海岸浸食の現象というものが起ったのじゃないかというようなこともいわれておりますし、実際、まだ地盤沈下に対する的確な対策というものが立っておらないのじゃないかと思うのですよ。応急施設としてやるにしても、これは二億何千万なんという工事は、相当な工事ですよ、あれだけの部分的な、あれだけの地域なんですから。どこにどういう、具体的に、たとえばもう、これは海岸浸食は、どんどんありますからね、だから、これは信濃川流域に対しての下水道というものを持つことは、これはだめだ、だから、今度はもうよそへ持っていくのだ、つけかえるのだということなのか。これは相当な事業ですよ、新潟市の場合、考えてみても、一億三千万という事業は。
その点はどういうつかみ方をしているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/63
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064・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) 数字的なことは、当該局長から御説明申し上げますが、新潟のこの地盤沈下につきましては、すみやかにその原因をきわめて、そうして、ここに原因があるということをはっきりさせなければ、国の施策といたしましても、まるでどろぼうに追い銭みたいなことばかりやっていちゃいけないということで、早くその原因を究明したいということで、あらゆる総力を結集して努力しておるわけでありますが、巷間伝えるところによりますというと、ガスが一番大きな原因ではないかという説も行われておりますけれども、しかしまだ結論が出ておりません。
しかし、その結論を見ましてから対策を講ずるということになりますというと、目先に非常な被害をこうむっておるのでありますから、そこで一方の方では、できるだけすみやかに原因を究明して、そうしてその原因を——そういう沈下する原因をなくするように努めることが第一でございますが、それを待っておりましたのでは、地元民が非常に困窮いたしますので、もうこれで沈下しないのだというめどは、まだついておりませんけれども、取り急ぎこれだけの施設は、計画局関係でしてやりませんというと、地元民が、どうにも安心しておれないという現状にかんがみまして、この予算を計上しておるわけでございまして、全くどろぼうに追い銭のような形でございますけれども、これは、まあ現実の問題といたしまして、災害をこうむっております関係から、万やむを得ない処置としてとっておるわけでございまして、できるだけ早くその原因をきわめまして、そうして根本的な対策を立てたいと、一生懸命努力しておる最中でございますが、この予算は、以上のような状態でございますので、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/64
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065・田中一
○田中一君 これは、今調べてみると、運輸省にも、予算として千三百九十一万円の予算を組み、運輸省の方でも、おそらくここに相当な費用を見ていると思うのですよ。
そこで、建設省は何をするのかということを━━調査するというだけでは、予算が大き過ぎる。従って、これは対策として、具体的にどういうことをしようとするのか、これを一つ説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/65
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066・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) これは、実は、ことしの三十三年度の予備費におきましても、非常に沈下が激しいということで、予備費が、国費にいたしまして、たしか私どもの方の計画局所管としては、四千万円ぐらいの予備費がついておるわけでございまして、これに引き続き、三十四年度におきましても、この継続事業をやるのでございまして、やるのは、非常に沈下いたしまして海水が浸透いたしてきますから、このための排水のためのポンプ場の設置と、それから水路の開さく、こういう予定の経費でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/66
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067・田中一
○田中一君 それは通産省または運輸省の方等とも、ちゃんと全体の計画として打ち合せの上でやっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/67
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068・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) これは、政府部内におきましては、経済企画庁の中に、新潟の地盤対策連絡協議会というのがございまして、関係各省が、そこに集まりまして、自分の方の所管の計画予算の計上の問題等、打ち合せてやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/68
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069・田中一
○田中一君 むろんこれは、新潟県並びに市は、それに参両して、了承している事業なんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/69
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070・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/70
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071・内村清次
○内村清次君 この都市計画事業のまあ総括説明からは、予算関係は皆増加しておるようでございますね。特にまた、その街路事業費においては、増加しておるようですが、先般、これはもう、さきの委員会で配られました、昭和三十四年度の建設省関係の総予算額ですか、この中に、財源関係の内訳として、街路関係の区画整理事業、これが二億六千八百万円、三十三年度は五億七千百万円、こういうふうに減っておるのですね。
これは、どういう内容ですか、この内容、事業内容ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/71
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072・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) この五億七千百万円が二億六千八百万円に減っておりますのは、これは区画整理事業として、戦災復興関係の区画整理事業が相当多かったのでございますが、それが、三十四年度には減っておりますので、そういう関係から減っておるのじゃないか、こういうふうに考えますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/72
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073・内村清次
○内村清次君 戦災復興の問題は、先ほど田中君から、いろいろ質問がされましたけれども、まあ私も、その点には事例を一つ持っておりますが、これは別の問題ですから、だんだん質問で、また明らかにしていきますけれども、しかし先ほど、局長が説明されました街路事業においても、みんな予算が増加しておるのです。これを戦災復旧の事業関係を引いたから、少くなっておるというようなこと、ただそれだけですか、この問題は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/73
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074・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) 五億ですか……。ただいま、そういう説明だと思いますが、いずれまた調べまして、この数字を説明いたしますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/74
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075・内村清次
○内村清次君 この点を一つ、あとで説明をつけ加えて下さい。内容が、ちょっとわかりませんですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/75
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076・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/76
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077・内村清次
○内村清次君 それから政務次官にお尋ねいたしますが、下水道の緊急五カ年整備計画というのは、できておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/77
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078・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) 一応五カ年で千五百億円という目標を掲げまして、案だけはできておるわけでございます。その案に基きまして、緊急度の強いものから、今年は予算を計上しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/78
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079・内村清次
○内村清次君 下水道関係が、今回は約五億九千万円だけは増加しておるわけですね。しかしこの伸びというのが、全体的な財源関係から考えてみると、どうも私たちは、少いと思っているのです。
そこでそのうちに、ただいま言われた総事業費が千五百億と、そうして建設省関係の総事業費が千三百億ですか、そのうちに、国費として二百八十億を充当する。そこで私は、その計画の立て方としてまだ明示されておりませんから、正確なものが……。意見めいたことは差し控えますけれども、そうすると、一体この建設省関係の総事業費として千三百億のうちに、国費が二百八十億と言えば、あとはみな起債に依存するわけでしよう。そうですね、そうすると、起債が八と二の割、二がすなわち補助関係ですね。こういった計画の立て方というものは、私は地方公共団体というものが好むかどうかという問題が、一つあると思うのですね、その点、どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/79
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080・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) ただいまの御趣旨、ごもっともだと思いますが、これには、いろいろ理由があるように思いますし、それから普通の地方の事業とは違いまして、下水につきましては、要するに上水道と同じように、料金を徴収し得るような制度もございまして、相当起債により、あるいは市町村の財源によってまかないましても、特別会計その他の方法によって収支の償うような計算はついておるようでありますから、従って大幅な補助を与えていないことは、まことに残念だと思いますけれども、大体建前は、そういうふうになっているようであります。
それで、予算の内容につきましての詳しいことは、局長から説明いたしますからお聞き取り願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/80
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081・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) この下水の財源の問題でございますが、この下水の財源といたしましては、国庫補助と起債だけではなくして、やはり一般私費というのを相当計上していきませんと、なかなか事業の財源として補助と起債だけでは無理でありますから、私どもの緊急整備計画におきましても、国費と起債のほかに、一般私費を相当程度つぎ込んでおります。この三十三年度の実績等は二十ページに、ただいま説明申し上げたところにございますが、この二十ページの数字で申しましても、三十五年度の実績といたしましては、補助金が八億五千万円のほかに、起債が三十五億、それから地方単独のが三十一億ございますが、この三十一億は、これは一般私費、この中には都市計画税から回すものとか、あるいは使用料等を回し込んでいるところもございますし、そういう一般私費が相当程度計上されることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/81
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082・内村清次
○内村清次君 この問題は、たとえば一般私費の問題にしましても、最近下水道法が制定せられましてから、各都市の地方公共団体は、条例を作っているようです。しかしその点は、あなたの方の方針か、大蔵省自体の強い方針か知りませんけれども、これも、非常にまだ問題があるのです。というのは、全体的に、この下水道というものはおくれていますね。しかもまた、おくれているのと、地域的に非常に何というか施設の差があるようですね。
特に私たちは、これは都市の形態としては、下水道も並行して完備していかなくちゃいけない。そうして住民の文化的な生活をするために、またこれは公衆衛生の問題からも、そう論ぜられていきますが、非常に都市について差異があるのですよ。ただ、私が政務次官にお尋ねすることは、今回の政府の予算でも、建設省関係の予算でも、一体道路予算というものが相当伸びていることは事実ですね。そうすると、やはり舗装の進度も高くなってきているようですね。こうやったものと、やはり下水道の施設というものが並行していかなくちゃ、また掘り返し掘り返しというようなことに幹線下水道がなっていけば、これは街路の交通というものは、非常に困る問題です。そういったその舗装の伸びと並行して、下水道の完備というものがなされておらないのですね。
こういう点はどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/82
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083・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) ただいまのお説の通りの事態が、各方面に現われておりまして、各方面から、非常に非難を受けているわけでございますが、今年の予算の策定に当りましては、そうした道路の舗装の伸びに応じまして、両方——計画局と道路局と話し合って、そして将来下水道を作りまする場所には、もう掘り返さなくても、先に下水をしておいてから、すぐ舗装をやる、あるいは将来下水をするところには、舗装に先行して、下水を先にしようとかというような工合に話し合ってやるという工合に、今調整をとっておりますが、そうした伸びを勘案して、来年度には下水道関係の補助金も相当に伸びを見ておるような状態でございますから、なるべく将来は、そうした面につきましては、非難のないような策定をいたしたいと考えておりまして、十分、これは注意するように、大臣からも各局に注意をしますし、各府県にも、その旨を十二分に話してございますので、なるべくそうした非難のないような処置をとりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/83
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084・内村清次
○内村清次君 そこで、私は資料を要求したいのですが、どうも、私が先ほど言った各都市関係の、たとえば需要に対しまして、予算の配賦というものが、これはまあ起債にいたしましても、補助率にいたしましても、どうも何というか、片寄り過ぎてはおらぬかという感じを受けるのですから、そういったやはり需要関係、予算要求関係を一つ都市別に、これはまあブロック別でもいいんですから、ちょっと見せていただきたいと思います。
それから政務次官に、特に、このまだ緊急五カ年計画というものが明確になっておらないというお話ですが、そのときに、やはりただいま申しましたようなことを十分勘案して早く作って、地方関係の都市建設に対して計画が立てられるような方法をとっていただきたいと思うのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/84
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085・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) ただいまのお説は、私どももよく承知いたしておりまするし、また、ごもっともだと思います。この一千五百億の五カ年計画につきましては、予算の要求のときに、その案を立てまして大蔵省と折衝したのでありますが、三十四年度におきましては、こちらの方の要求通りには通らなかったわけでございますので、従ってこの予算をもって、五カ年計画とマッチしておるかと言われれば、そうも参らぬかとも思いますが、なるべくこの計画を来年度からも、あるいはその次の年度からも、実現に移すように努力いたしたいと考えておりまして、それには、道路の方の関係と計画の方の関係とは、相当調整をとって立案いたしておりますので、後刻また、資料等によりまして、御説明申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/85
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086・内村清次
○内村清次君 下水道法の施行期日とか、政令は、どういうふうな状態になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/86
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087・美馬郁夫
○政府委員(美馬郁夫君) 法律は公布になっておりますが、ただ政令関係で、関係各省といろいろやっておりまして、実は、一番問題になっておりますのが、水質基準の関係が、今度の水質汚濁防止法との関係の基準と関連を持たす必要がありますので、その関係で、今調整をやっておりますが、できるだけ早い機会に、政令を制定したいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/87
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088・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 計画局関係の審議は、この程度にいたしまして、暫時休憩をいたしたいと思います。
午後零時十五分休憩
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午後二時六分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/88
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089・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 午前に引き続き委員会を再開いたします。
まず住宅局長から住宅関係の予算に関しまして御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/89
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090・稗田治
○政府委員(稗田治君) 住宅局関係の三十四年度の予算につきまして御説明申し上げます。
お手元に配付してございます横とじの長い表になっておるのがございますが、その資料に基きまして御説明申し上げます。公営住宅でございますが、三十四年度は四万九千百十五戸でございまして、予算総額は百十六億一千八百万円でございます。ここに百十五戸という端数の戸数がついてございまして、これは三十三年度にも四万七千百九十三戸というふうに端数がついてございますが、この端数は災害公営住宅関係でございます。従いまして災害公営住宅を除きます一般公営住宅にいたしますと、三十三年度に対しまして二千戸の増でございます。予算額はいずれも国庫補助金でございまして、総額におきまして公営住宅におきまして九億九千九百万ほど増加になっておるわけでございます。
次は公庫住宅でございますが、三十三年度は九万二千戸でございましたが、三十四年度は十万二千戸、一万戸戸数におきまして増加してございます。予算総額は三百三十億でございまして、三十三年度に対比いたしますと五十七億の増でございます。内訳は政府の出資金が四十五億で、三十三年度に比べまして二十億増でございまして、政府の低利資金が二百八十五億、三十三年度に対しまして、三十七億の増でございます。
次は公団住宅でございますが、戸数は三十三年度と同様三万戸でございまして、予算総額は三百五十二億でございまして、三十三年度に対比しまして四十億の増でございます。内訳を申しますと、政府の出資金におきまして三十三年度に対しまして三十八億ふえまして七十五億でございます。政府の低利資金は三十三年度に照らしまして九十八億の減でございまして七十七億、民間の借り入れは三十三年度に比べまして百億増となってございます。そこで、この公団住宅の資金でございますが、民間の借入金が百億ほどふえてございますけれども、政府の用資金が先ほど述べましたように三十八億もふえてございますので、資金構成等においては影響がなくなっておるわけでございます。
次は不良住宅地区改良の清掃費としまして千四百万円、千戸分の建物を買収し除却するという清掃費でございますが、これが千四百万円計上されておるわけでございます。
次は防火帯でございますが、防火帯は三十三年度と同様一億でございまして、延長五キロメートルの防火帯を造成していこうという数字でございます。
以上で、住宅局関係の予算としましては、総額七百九十九億三千二百万円でございまして、三十三年度に対比しますと百六億七千三百万円の増となっているわけでございます。
次は二ページの三十四年度における政府計画住宅の建設計画でございますが、公営住宅におきましては総計四万九千戸でございまして、三十三年度に対比しまして二千戸の増になっているわけでございます。内訳は二分の一の国庫補助による第一種公営住宅が九百戸増、三分の二のより低額者に供給する第二種住宅が千百戸増でございます。
次は公庫住宅でございますが、個人住宅におきまして三千八百戸増でございます。分譲住宅は主十三年度に対比しまして七面戸減でございます。産業労働者川の住宅は一千戸ふえてございます。中高層耐火建築物に対する融資でございますが、これが住宅の戸数にしまして七百戸ふえております。それから増築は三万戸でございまして、三十三年度に対比しまして五千戸増でございます。合せまして、住宅金融公庫の戸数は一万戸増となっているわけでございます。
公団住宅におきましては、三十三年度と同様賃貸が二五戸、分譲が一万戸でございまして合計三万戸でございます。以上合計しまして、三十四年度における建設省関係の政府計画住宅は十八万一千戸でございまして、三十王年度に対比しまして一万二千戸の増となるわけでございます。このほかに厚生年金やその他、他の省の所管する政府計画住宅がございます、それが三十三年度と同様三万戸ございまして、合せまして三十四年度の政府計画住宅は二十一万一千戸、三十五年度の十九万九千戸に対比しまして一万二千戸の増と相なるわけでございます。
その次は三十四年度の公営住宅の事業計画でございますが、三十四年度におきましては、一般の公営住宅は四万九千戸でございまして、これを内地と北海道に分けますと内地が四万五千二百五十戸、北海道が三千七百五十戸でございます。この内地と北海道の分け方でございますが、これは大体北海道の従来の戸数比が七%になっておりますので、そのような比率でとってあるわけでございます。
それで各構造別、種別ごとの戸数は一覧表に書いてございますので、読み上げることは省略いたしますが、第一種と第二種の、二分の一の補助のものと三分の二の国庫補助のものとの割合でございますが、これは三十三年度の第一種、第二種の戸数の割合と同じ比率で配分したものでございまして、大体全体に占めております三分の二の国庫補助の二極の割合は五七・三%でございます。
それから特に三十四年度におきまして、三十三年度に対比しまして意を用いてございます点は、第一種公営住宅で中層耐火構造に、小家族向きというのが六百五十戸あったわけでございます。それから、同じように、第二種で簡易耐火構造の平家建に、同じく小家族向きというのが千五百戸あったわけでございますが、坪数はそこに書いてございますように、中層耐火の小家族向きは八坪、簡耐平家の第二種の小家族向きにおいては六坪でございますが、いずれも入居世帯の占有面積は同じように六坪程度でございまして、これを間取りに直しますと、六畳一間に便所、炊事場というふうな施設がついた建物でございます。非常に狭小な住宅でございますので、三十四年度におきましては、今回これらの狭過ぎる住宅は解消しようというので、質の向上のために、これらの戸数は全部普通の規格の十二坪なり八坪の規格のものに直したわけでございます。
それから公営住宅の不燃率の問題でございますが、不燃率は五〇・四%でございまして、三十三年度同様でございます。それから宅地の取得難、また市街地の高度利用というような点に特に重点を置きまして、三十四年度と三十三年度におきまして対比いたしますと、中層耐火構造の戸数でございますが、三十四年度におきましては、第一種の三千戸と第二種の二千四百六十戸と合算しまして五千四百六十戸でございまして、三十三年度の中層耐火構造のもの、第一種、第二種合せまして四千五百戸でございますので、九百六十戸ほど中層耐火構造をふやしたわけでございます。
なお単価について申し上げますと、建築等の単価は据え置きでございますが、用地等につきましては一五%の増を見たわけでございます。
次は住宅金融公庫の事業計画でございますが、御承知のように、住宅金融公庫は、先ほど申し上げましたような住宅の建設のための融資を行うほかに、なお住宅用地の取得及び造成、それから災害による被害住宅の建設や修繕、並びに地すべり防止区域内における住宅の移築等に対する資金の貸付を行うのでありますが、そのほかに住宅融資の保険に基いて、住宅融資の保険を行なってございます。
そこで三十四年度と三十三年度の予算で対比いたしますと、特に意を用いた点につきまして御説明申し上げますと、個人、組合供宅の一番上のところでございますが、三十四年度におきましては、一戸当りの坪数を十四坪に引き上げてございます。三十三年度におきましては十二坪と十五坪のものがまざつておりまして、平均しまして坪数は十三坪台であったわけでございますが、それを十四坪に引き上げまして規模の向上をはかったわけでございます。
次は賃貸住宅のところでございますが、共同住宅の下に簡易耐火という欄がございまして、貸付戸数一千戸という欄がございますが、これは三十三年度にはなかったものでございまして、三十四年度に始まって簡易耐火構造の賃貸住宅を一千戸計上したわけでございます。これは簡易耐火構造の賃貸住宅でございますと、従来の中層耐火構造のよりも家賃が低額になりますので、中堅階層に対する戸数を増加するという意味で一千戸ふやしたわけでございます。
次に中高層耐火建築物の融資の欄でございますが、既成市街地の高度利用をはかりますために、三十四年度は三十三年度に比べまして、住宅戸数を七百戸ふやしまして六千七百戸といたしたわけでございます。
なおいわゆるげたばきという、げたに当るところの店舗等の施設の面積でございますが、これも五万二百五十坪というように拡大したわけでございます。
なおその次の欄の増築でございますが、増築は二万五千を三万戸に、五千戸ふやしたわけでございますが、最近の増築の需要にかんがみまして、これを五千戸ふやしたわけでございます。
それから宅地のところでございますが、住宅建設の隘路として宅地事情が非常に大きな障害になっておりますので、低廉な宅地を提供するための宅地造成につきまして、三十四年度におきましては用地取得が四十五万坪というように、三十三年度の三倍ほどに引き上げたわけでございます。なおこれを造成していく費用の方も、十五万坪を三十一万坪というように、約二倍に引き上げたわけでございます。
なおお手元に配付してあります表の備考のところに、所要資金の欄がございますが、それを簡単に御説明申し上げますと、三十四年度におきまして、ここに掲げてありますような新規の事業を完遂いたしますのには、三百八十億円の金が要るわけでございますが、そのうち三十四年度内に実際の支出が要るのは約六〇%と押えまして二百二十八億円、なお同じような意味で、前年度から残りが繰り越されてきております金が百五十一億、合せて三百七十九億円の所要資金が要るわけでございますが、自己資金が四十九億円ございますので、差し引き三百三十億円の予算が計上されておれば足りるというわけでございます。これはその下の欄に、昭和三十三年度の充当事が五七%というように書いた欄がございますが、この充当率を六〇%に引き上げたわけでございます。事業の進捗状況が改善されて参りましたので、充当率を引き上げたというわけでございます。
次は三十四年度の日本住宅公団の事業計画でございます。戸数、坪数等は三十三年度と同様でございまして、賃貸住宅は規模の十四坪のもの二万、分譲住宅は同じく十四坪のもの一万という計画でございます。三十三年度と対比しまして特に重点的に増額されているところを申し上げますと、宅地造成事業でございますが十九億計上してございます。これは三十三年度のところで三十五億計上されてございますけれども、そのうち二十億というのは三十二年度における債務負担額を含んだものでございまして、それを差し引きますと、十五億から十九億というように宅地造成事業におきまして四億円の実質の事業増になっておるわけでございます。
次の次年度以降用地費でございますが、公団の住宅の建設が円滑に進捗いたしますように土地を先買いしておく分でございますが、従来三十三年度までこの次年度以降用地費というのは計上されておらなかったわけでございますが、宅地事情がいよいよ深刻になって参りますので、どうしても先買いをして手当をしておくということが建設の進捗上必要でございますので、これを十一億計上したわけでございます。
その次は市街地の施設等でございますが、これは先ほどの住宅金融公庫の場合の、中高層の場合の店舗以外の施設部分の面積と同じような、つまり市街地に、もっと便利な場所に公団住宅を建設する、その場合に下の方の一階二階等を住宅以外の商業用等の施設に使わなければなりませんので、このげたに関する額でございますが、これを十五億というように増額しておるわけでございます。詳しく申し上げますと、この十五億のうち学校施設等が二億五千万円ございまして、今言ったような純粋の住宅関係の施設としましては十二億五千万円でございます。で、三十三年度に対比いたしますと、一・七倍の施設等の面積がふえることに相なるわけでございます。こういうように都市の市街地を再開発する、既設の市街地の宅地の高度利用をはかっていくというような観点から、市街地施設をふやしたわけでございます。
なお公団の予算の単価でございますが、建築費等におきましては公営住宅等と同様でございまして、三十三年度と同じようでございますが、用地費におきましては、賃貸住宅の用地につきまして一〇%増額してございます。
最後は、三十四年度の公営、公庫、公団住宅の平均規模、不燃率及び中高層事等の一覧表でございます。そこにごらんになりますように、公営住宅におきましては平均坪数が九・二から九・四、〇・二坪ほどふえてございます。同じように公庫住宅におきましても一三・四坪から一三・八坪、〇・四坪ほどふえるのでございます。公団は三十三年度と同様でございます。不燃率、中高層率等におきましては、公営は不燃率は三十三年度と同様でございます。中高層率、つまり三階建以上の戸数の全体に対する割合でございますが、これは九・六から一一・一というように公営では若干引き上げてございます。なお公庫におきましては、多少数字が落ちておりますけれども、政府計画住宅としまして全体をながめますと、平均規模において若干引き上げられた、不燃率、中高層率等におきましてはほぼ昨年と同様であるという結果に相なるわけでございます。
簡単でございますけれども住宅局関係の説明は以上の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/90
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091・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 今の説明に対して御質問のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/91
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092・内村清次
○内村清次君 この住宅建設の五カ年計画はできておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/92
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093・稗田治
○政府委員(稗田治君) 三十四年度の計画も大体従来から、三十二年度から五カ年間でおおむね住宅事情は安定させよう、という基本方針に基きまして策定せられたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/93
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094・内村清次
○内村清次君 その内容はどうですか。この点は委員会に一つ総括質問のときまでに出してくれませんか、内容を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/94
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095・稗田治
○政府委員(稗田治君) 五カ年計画の大体の構想は、三十二年度を起点といたしまして五カ年間で、大よそ安定できるようなところまで持っていこうというので、三十二年度に政府計画住宅が十九万九千戸、その後は国民の所得の増に応じまして漸増して、三十六年度の事業を終えれば若干不足戸数は残っておるけれども、大よそ大体の住宅難といいますか、不足戸数の解消はできるのではないか、というような大ざっぱな立て方になっておりまして、三十三年度、三十四年度、三十五年度、三十六年度におのおの何戸建設するかという、そういう細目の五カ年計画というものはオーソライズされてはおらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/95
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096・内村清次
○内村清次君 そうしますと、あなたの方では公営住宅の建設の三カ年計画というものがあるでしょう、ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/96
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097・稗田治
○政府委員(稗田治君) 公営住宅は公営住宅法によりまして三カ年計画がございます。それで三十四年度は第三期三カ年計画の二年度に当るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/97
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098・内村清次
○内村清次君 そこでこの五カ年後においては、三十二年から五カ年後、三十六年になりますね、その間には大体住宅事情というのは安定するという基本計画ですね、五カ年の基本計画、それと公営住宅の三カ年計画というのはどういう関連性がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/98
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099・稗田治
○政府委員(稗田治君) 公営住宅の三カ年計画も、大よその住宅の安定をはかるという意味で、その線に沿って十五万七千戸という三カ年計画が立てられておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/99
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100・内村清次
○内村清次君 そうしますと、この公営住宅の建設予定といたしましてですよ、三十三年度は四万七千戸、三十四年度は四万九千戸、そうすると、三十五年度で、これはもう三カ年計画の一番終りですね、終りには六万一千戸建てなくちゃならぬが、これはどうですかな、見通しありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/100
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101・稗田治
○政府委員(稗田治君) 公営住宅の三カ年計画でございますが、第一期、第二期の計画におきましては、百パーセント達成すべく努力いたしたわけでございますが、残念ながら財政上等の理由もございまして、実際の成績の達成率は第一期が六九%、第二期が九二%ということに相なっておるわけでございます。で第三期公営住宅建設の三カ年計画につきましては、第一期、第二期の公営住宅建設三カ年計画に引き続きまして、百パーセント完成を目途として鋭意努力するという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/101
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102・内村清次
○内村清次君 まずその鋭意努力というのがどうもね。いつもあなた方で計画は出すのだけれども、最後の年になってくるとふん詰まりで、これはとにかく今の予算も、御説明によるとみんな三十三年度に対しては三十四年度は増だと、確かにこれは増加しているのは事実です。事実ですけれどもこの伸びから考えていきますると、三十五年度にはとても六万一千戸という公営住宅が建つかどうかということは、私たちは信用なりませんね。そうしてきますと、全体の住宅建設五カ年計画というものも今数字も分明しないけれども、五カ年後には住宅というものも一応安定するのだという考え方は、私たちは、もう少し政府は、ほんとうに政治の面から考えてもらわなければ、この住宅不足の場合において安心感……計画性というものがずさんじゃないかという感じがしますがね。これはまあ大臣にもお尋ねしますけれども、あなたの実際の事務当局としてそうお感じにはなりませんかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/102
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103・稗田治
○政府委員(稗田治君) 五カ年間で住宅事情をおおむね安定させるということになっておりまして、それでは大体その見込みがどうかということでございますと、三十二年度におきましては政府計画住宅が十九万九千戸、なお民間の自力による建設が約三十万戸、合せて五十万を計画したわけでございます。それで直後国民経済の伸びに応じて住宅建設を増加させていくということになっておるわけでございますが、三十三年度におきましても、政府計画住宅は前年度通り十九万九千戸にとどまりましたけれども、民間自力建設は約三十二万戸でございまして、五十二万戸の建設が見込まれるわけでございまして、なお三十四年度におきましては、政府計画住宅を二十一万一千戸にふやしてございますので、民間の自力建設とあわせて考えますと、三十四年度間に約五十六万戸の建設が予定されるわけでございます。従いましてこの計画通りに住宅建設が進捗いたしますと三十五年の四月一日現在の住宅不足は新規需要増を差し引きますと、約百四十万戸の住宅不足戸数が推定されるわけでございますが、他方三十五年度、三十六年度の両年度におきましても、現在の建設の伸び等から考えますと、六十万戸近くの建設が見込まれますので、若干の恒常需要等の不足は残りますが、おおむね不足戸数は解消されるのではないかというように考えておるわけでございます。なおしかし、この住宅難が漸次緩和する過程におきまして、国民生活の向上に伴って住宅難そのものの様相も漸次変ってきておるわけでございます。たとえば現在不足戸数の要因に上っております狭小、過密住宅という問題にしましても、九畳未満の家で、かつ一人当り二・五畳未満という水準でございますので、戦前に比べてはまだはるかに低いものでございます。戸数的に一応充足いたしましても、住宅事情は必ずしも十分な水準に安定したと考えることは適当でないかとも考えておるわけでございます。で、これらの問題点につきましては、昨年十月一日に行いました住宅調査の結果が本年の六、七月ごろになりますと集計が終って参りますので、これらの調査を基礎として十分な検討を行いたいというように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/103
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104・内村清次
○内村清次君 たとえば民間の造成します住宅ですね、三十四年度は三十五万戸ですか、あなたの方の見積りは。そうすると、これが三十二年度あたりから、政府はやはり民間の造成の住宅をお考えになっておる、加えておられますね。そうしておられますが、これはその年度別に一つ御説明願いたいのだけれどもね。民間に相談することでなくて、民間で建てておるところの住宅戸数はどういう御判定をなさっておるか、どういう方法によってそれを統計出して、確かにこれは百パーセント以上だというような見通しをしておられるかどうかですね。この点一つお伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/104
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105・稗田治
○政府委員(稗田治君) 民間自力建設の建設戸数の推定につきましては、建築の動態統計がございまして、それで全国における着工する住宅戸数を統計にとっておるわけでございます。そのうちから政府計画住宅等を差し引きまして、残りが民間自力建設の住宅ということに相なっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/105
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106・内村清次
○内村清次君 その累計と実際に完成したあなたの統計を、一つ戸数をお知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/106
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107・稗田治
○政府委員(稗田治君) ただいま手元に資料がございませんので、いずれ早急に資料を整えましてお届けいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/107
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108・内村清次
○内村清次君 この点、総括質問の口まで一つ作ってやって下さい。
それから宅地造成の問題ですけれども、ただいまの御説明では、一〇%ないし一五%の増をみてやっておられる。これもやはり、たとえば自力建設にいたしましても、政府、公団が建てるにいたしましても、一つの住宅建設の隘路になっておる。これは引当ひどい私は将来隘路になっていく問題だと考えておるんです。だからして、果してこの御計画通り進むか━━この面からでも私は御計画通り進んでいくかということを危惧いたしておりますがこの問題に対する見通しについては、政務次官はどう考えていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/108
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109・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) 宅地造成につきましては、かねがねからいろいろ施策を考えておるわけでございますが、現在の情勢ではなかなか思うように参りませんので非常に困っておりますけれども、しかし政府の施策を相当強化することと、それからこれに携わっております公団等につきまして、非常に督励をいたしながら努力しておるわけなんでございますが、東京で申しますと、旧市内等につきましての宅地造成は非常に困難が伴いますので、やはり郊外地帯におきまして相当な団地を作って、そうしてそこで宅地造成の実績を上げたいというような考え方から、いろいろの調査を行なっておるような次第でございます。その他の詳細な数字につきましては、局長から説明するようにいたしますが、努力はいたしておるんですけれども、なかなか旧市内の方では困難だろうということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/109
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110・稗田治
○政府委員(稗田治君) 宅地造成につきましては、先ほど申し上げましたように、住宅金融公庫の宅地造成におきましては、面積を三十三年度に比べまして三倍の四十五万坪というように事業量を拡大したわけでございます。
なお公団におきましての宅地造成でございますが、第一期事業の三百万坪を完成しまして、第二期事業につきましては、従来実施しております二百二十五万坪の事業に引き続きまして実施しまして、新たに七十五万坪の造成に着手する計画でございます。このほかに工業用地造成事業及び水面埋立事業等につきましても、引き続きその進捗をはかる計画でございます。
なおお尋ねの件は、用地の値上りをどういうようにして調整するかというような点かと察するわけでございますが、一応用地の値上りをある程度調整いたしますのには、どうしても安い土地を造成して、これを需要者に与えるということが一つでございます。なお用地の使い方、たとえば既設旧市街地等における休閑地等でございますが、こういうもので、住宅適地のものはできるだけそれを住宅用地に使っていくと、なおその建て方は、なるだけ宅地を高度利用できるような構造形式のものを使っていくというようなことで、一方に安い単価の宅地を供給するとともに、他面住宅建設する構造形式等も、住宅の用地を十分節約できるような、都市計画的に考えましても、合理的な構造形式のものを多く採用していくことによって、この住宅五カ年計画を完遂していきたいというように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/110
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111・内村清次
○内村清次君 この宅地問題はこれはまた政治的な問題もありますから、大臣の方に総括質問としてもお尋ねしたいと思っておりますけれども、問題は、先ほど言いましたように、公団にいたしましても、公庫住宅にいたしましても、宅地の値上り分もやはり一〇%ないし一五%を見ていかなくちゃならぬというような御計画でありますが、これが家賃に一体どう響いていくかという問題がこれが一つ。同時に、私は自己建設の場合には一〇%、一五%じゃないと思うのです、問題は。この宅地の高騰というものは、これはもう税金面でもわかっておりますように、評価価格からいたしましても、あれは数年の間に倍以上になっておるのですからね。そうしてきますと、あなた方は、自己建設がどこに障害があるかという点も十分おわかりのはずだと私は思っておるのです。これでどうなって行き詰まるか。しかしやはり人間ですから、人間社会においては、住宅は建てなくちゃならぬという意欲は、これはもうだれしもが一人残らず意欲はありますから、建ててはいくでしょう。建ててはいくでしょうけれども、やはりそこに数においてどこかに障害がくると私たちは見ておるのですね。だからして当面これは一体どういうふうにして、この空地の値上りというものを防止していくか。そうすると、あなたの方では、たとえば都会から離れた所に宅地を求めてそれを開拓していく、そうしてそうやった開拓から値上りを防止していく、それでは私たちはどうも十分な対策ではないと思いますね。そうお考えになりませんか、どうですか。これは政務次官でもどちらでも。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/111
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112・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) いろいろ御指摘がございますが、これはちょっとさかのぼって御説明したいと思いますが、住宅建設に対する計画性についての御質問がございましたが、いずれこれは数字をもってあとから資料を差しあげながら説明すると思いますけれども、私どもの計画はそうずさんでないということだけは、過去の実績におきましてこれは証明していただけると思うのです。三十年度に計画いたしましたときに、大体不足が二百七十二万戸あるという調査に基きまして、その後自然的にどうしても需要のふえる数というものを約九十万戸ぐらい加えまして、そうしてそれを年度割りにして五カ年くらいでやっていこうという考え方で計画したわけでございますが、ちょうど本年度末の住宅不足というものをいろいろの数字から算定いたしますと、これまで建ったものと先ほど申し上げました数字と差し引きますと、約百七十万戸ぐらい不足するというような数字が出ておるわけでございます。これをあとの残った年に、三カ年に割って建設するということになるわけでありますが、政府の方の建てるものは大体予算に、はっきりしておるわけでございますが、先ほどお話しになりました民間側の方はどうかという御懸念があったようでございます。これはもちろん何人も、その点につきましては懸念するところでございますが、この計画を立てましてから後の諸統計を全部比較検討いたしますと、大体民間の自力建設住宅というものは、政府が考えておりまするような数字、建設された住宅と政府の建てましたものと合計して差し引きますと、大体その数字に匹敵いたしておりますので、三十二年度も三十三年度も、民間自力住宅建設というものにつきましては、あまり見込み違いはないというように、ただいまのところでは考えておるわけであります。この見込み違いさえありませんでしたら、大体この計画は最初計画いたしましたように実現できるものと考えまして、そうしてまあ年次割りをこしらえて進んでおるような状態でございますが、それ以上のことはあとからまた数字をもって御説明申し上げたいと思います。
宅地の問題につきましては、私ども実際問題として頭を悩ましておりまして、何とかして安いもので提供できるようなことについていろいろ考えておるわけでございますけれども、しかしこれはなかなか重要な問題でございますと同時に重大な問題でありまして、今の法律だけではそう簡単に中心部等で宅地を造成することは困難だと考えられますので、立体的な建物をできるだけたくさんこしらえまして、そうして余った土地を有効に利用するというような勧奨もやったらどうかということで、そうした方面にも公庫も公団も一応話を進めておるようでございますが、なかなか中心部におけるところの商店街や住宅街というものは、いろいろな過去における関係がありまして、土地に対する執着が非常に強いために、総合した大きなビルのようなものを建てるということにつきましては、一人や二人が反対いたしますと、多数の者が賛成いたしましてもどうしても実現できないというようなことから、もし強い法律でもできまして、そうしてこうした商店街でありますとか、あるいは裏の方に建っております住宅街でも一本に固めて、高層建築ができるような法が立ちますならば、中心部における宅地もある程度まで解決するのではないかと思いますが、今の場合ではそれがはなはだ困難であります。
それから、建っていなくてほうりっぱなしの宅地もたくさんございまして、一体これをどうするかというようなことがときどき問題になるのであります。これらもしかし今の法律の制度では、建てないからといって政府の方で取り上げるわけにも参りませんし、命令を出して建てろというわけにも参らないのでございまして、その間にいろいろと問題があるわけでして、私どもこれに悩んでおるわけでございますが、ほんとうにそうしたほうりっぱなしになっておりまするたくさんの宅地、値上りを考えて、住宅を建てずに野っ放しになっておるというような宅地も相当ございまするし、それからほとんど中心部にも一階建てのものがたくさんございまして、これを立体的な高層建築にしますれば、宅地も相当余剰が生ずるじゃないかというような所もあるのでございますけれども、そうした問題を解決いたしますためには、やっぱり法的処置を講じなくちゃならない、こういうことで、部内ではただいまそうした問題についても検討はいたしております。いたしておりますが、なかなか法律問題や憲法問題等ともからみまして、容易にその結論を得ない状態でございます。幸いにして、委員各位におかれましても、こうした問題に一つ御協力を賜わりまして、さらにいい知恵がございましたら一つ私どもに教えていただきまして、そうして何とかこの宅地問題を解決いたしたいものと苦慮いたしておるような現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/112
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113・内村清次
○内村清次君 きょうの十時のNHKのラジオで住宅問題を放送しておったのです。その放送の数字をちょっと私こちらへ来がけでしたから書いてきましたが、二百六万戸の不足住宅がある。そうして政府資金は三〇%、自己建設で民間資金約七〇%、だからとうてい不足住宅の解消というものはむずかしいというような放送をやっておったが、この数字は私相当違っておるだろうと思うのです。しかし、そうやってやはり民間の人たちも、政府をこれは攻撃しようというのかどうか知りませんよ、私は、そうじゃない、そういう意味じゃないだろうと思うけれども、とにかく住宅難であるという現状を放送しておるのですね。そうすると、私は先ほど資料の提出を願いましたように、この委員会は権威ある委員会といたしましては、数字によって今後論じていきたいと思いますから、三カ年計画の見通し、それから五カ年計画の見通しですね、ただいま政務次官も御説明になりましたけれども、その点もう一つ出していただきまして、十二日の日に一つ十分論議したいと思っております。
そこで、この不良住宅地区の清掃費ですね、これが三十四年度の新規として千四百万円出してあります。これは取りこわしをするだけの費用ですか、あるいはその取りこわしに対して補償をするというようなことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/113
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114・稗田治
○政府委員(稗田治君) 不良住宅地区改良関係の一千戸の清掃費につきましては、買収費と除却する費用が千戸分としてそこに千四百円組んでおるわけでございます。それで建てかえる費用はどうかということになりますが、これは第二種公営住宅の、その土地にあった形のもの、場所が中心部であれば中層耐火構造というようなものを建てるわけでございます。で、組んでございます清掃費は買収費と除却費だけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/114
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115・内村清次
○内村清次君 それから公団の自己資金として三十五億と予算説明の中に書いてありますね、これはどういうような自己資金の性質、内容ですか、説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/115
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116・稗田治
○政府委員(稗田治君) 大部分は敷金でございます。敷金を運用するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/116
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117・内村清次
○内村清次君 もう少し詳しく……、敷金といいますと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/117
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118・稗田治
○政府委員(稗田治君) 公団住宅の自己資金は御承知のように、公団住宅は分譲住宅と賃貸住宅の両方をやっておるわけでございます。それで分譲住宅の分譲代金の回収があるわけでございます。そういうような費用と敷金の運用というようなことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/118
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119・内村清次
○内村清次君 どうも少しまだ私わかりませんですけれども、まあ私たちが調査に参りましたときに、この分譲住宅ですね、これがなかなか成績がよくないというような話をよく聞くわけですね、これはどこに原因があるのか。たとえば何年計画かで買うのでしょうが、いわゆるその最初の、買う場合のときの金額が高い、あるいはそういった需要関係が非常に分譲住宅の場合は開きがあるのかどうか。何か原因があると思うのですが、こういうような状態はあなたの方では聞いておりませんか。
それといま一つ、一体分譲住宅の計画をこうやっておられるのですが、年度で残るというような、分譲しきれないというような数はどれくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/119
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120・稗田治
○政府委員(稗田治君) 現在公団でやっております分譲住宅は、大部分が特定分譲になってございます。ごくわずかが一般に売り出される分譲になるわけでございます。特定分譲と申しますのは、御承知のように、事業会社が社宅等を公団の方に建ててもらって、それを分譲代金で自己所有にだんだんしまして、社員にはそれを低家賃で貸しておるという形のものでございます。それが大部分でございまして、一般分譲にやっておりますのは、ごくわずかな戸数を既成市街地の再開発とか、そういうような意味でやっているわけであります。この一般分譲につきまして、大体建てた立地条件によりましていろいろ需要の率が違うわけであります。場所がよくて、しかも戸数もあまり一度にどっと売り出さないというときは非常にこれが殺到するわけでございますが、時たま場所もあまり便利でない所で、しかも一度に売り出した戸数が多いというような場合は、どうしても申込率が多少減るわけでございます。しかしながら究極におきましては大体消化されておるような状況でございます。公団発足の当初におきましては、そういった分譲住宅の建設形式等におきましても不なれでありましたために、賃貸住宅と同じような建て方をして分譲に売り出したところがあまり買い手がないというので、むしろ場所柄からいってこれは賃貸住宅の方が適当である、というので振りかえたものはございますけれども、最近におきましてはそれらの経験にかんがみまして、分譲住宅は先ほども申しましたように、それぞれの事業会社の社宅を建設するというので、会社の方に用地を用意してもらいまして、そこに建てて社宅としてやっていくというのが大部分でございまして、一般に売り出すものは市街地の再開発のような意味で、ごく便利な場所に売り出しているわけでございます。従いまして、そういった便利な場所に出て参りますと、用地も比較的高いものもございますし、土地が高ければまた宅地を高度に利用しなければならないというのでこれを高層化する。高層化しますと日本では地震等の関係もありますので建築の構造費も上る。場合によればエレベーターもつけるというので一戸当りの分譲代金も比較的多額になるということも起るわけでございます。そういうものにおきましては、後来の実績から聞いておりますのは、むしろそういうものは非常に申し込みが多いように聞いているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/120
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121・田中一
○田中一君 この三十三年度の繰り延べられる見込みのものは今のところわかってないですか。ということは、稗田君、君知っている通りだ。大体繰り延べが見込まれることが往々あるのですよ。で、三十二年度は一体繰り延べがあったかないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/121
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122・稗田治
○政府委員(稗田治君) 公庫、公団等につきましては、先ほどお配りしてございます資料の備考欄でございましたように、三十三年度におきましては、新規の事業は住宅金融公庫におきましては五七%の充当率でございまして、四三%が繰り延べになるという考えで組まれたわけでございます。それから公団におきましては、同じく三十三年度におきましては、充当率が五七%でございまして、四三%が繰り延べになるというわけで、当初予算が計上されたわけでございます。
しかし御承知のように、三十三年度におきまして、公庫におきましては予算総則にございましたように弾力条項がついておったわけでございます。それから公団におきましては、これは借入金につきまして、もしこの五七%をこえるという場合は、一時借入金によって事業の進捗をはかるということで打ち合せができておったものでございます。公団におきましては、大体本年度、三十四年度におきまして充当率を七六%にいたしましたのは、三十三年度の実績が、ほぼ七二%になっておりますのでこういうようにしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/122
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123・田中一
○田中一君 では、初めから何も戸数なんか書かないで、正直なところを書けばいいじゃありませんか。三十三年度に実施される戸数はこれでございます、三十四年度は、これでございますと書けばいいんですよ。たとえば三十四年度にしても、拝見すると繰り延べられると見るものが六〇%ですか。充当率が六〇%ですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/123
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124・稗田治
○政府委員(稗田治君) 公庫の方でございますか……。
公庫の方は、六〇%充当率を見ておるわけでございます。御承知のように、公庫住宅におきましては、建設の融資でございますので、どうしても公庫自体が建設するものでないものでございますから、事業の進捗を促進するというには、結局申し込みを早くとるという以外には手がないわけでございます。そういうわけで、もちろんこの充当事が六〇%では足りないというような状態が非常に望ましいわけでございますけれども、残念ながら現在の事情では、この程度の充当率で、ほぼ十分ではないかという結論が出ておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/124
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125・田中一
○田中一君 じゃあ公団の場合は、これは三十四年度は三百三十七億のうち二百四十五億というものが、前年度からの繰り越しということでいいですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/125
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126・稗田治
○政府委員(稗田治君) 公団の場合は、新規の三万戸と宅地造成とかその他の事業を加えまして、新規に着手しまする事業の総額が三百三十七億でございますが、その資金が三十四年度中に必要になる資金は七二・六%であるというので、二百四十五億が組まれておるわけでございます。なおそのほかに同じような意味で、前年度の事業で三十四年度になってから資金を要するものが百四十二億あるわけでございます。合せまして三百八十七億、そのほかに自己資金が三十五億ございますので、自己資金を差し引きますというと三百五十二億の予算総額ということに相なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/126
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127・田中一
○田中一君 そうすると、予算の立て方としては、前年度のものは繰り越しとして一ぺん前年度で切ってしまって、新規の分にその前年度の残を加えて、年度の計画ということにしているのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/127
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128・稗田治
○政府委員(稗田治君) 三十四年度と三十三年度は、そういうような方針で組まれてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/128
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129・田中一
○田中一君 三十二年度はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/129
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130・稗田治
○政府委員(稗田治君) 住宅金融公庫の方は、三十二年も三十三年も三十四年も同様でございます。年度内に要る資金と年度を越して要る資金とを分けて組まれておったわけでございます。
それから公団におきましては、三十二年度は、こういうようなことでなしに全額が組まれておったわけでございます。しかしながら御承知のように公団住宅におきましても、三十年度の年半ばに発足いたしまして、非常に工事がおくれておったわけでございます。そこへ持ってきまして、三十二年度に飛躍的に戸数がふえてきましたので、非常に事業の進捗がおくれたということで、三十三年度に予算計上をいたします場合に、この資金充当率の問題が出て参ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/130
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131・田中一
○田中一君 公団の場合に、初年度から予算の計上と実施と繰り延べというやつの一覧表をちゃんと出して下さい。とにかく、こういう初年度に、あれはたしか鳩山内閣時代だと思うのですけれども、住宅政策というものをぽんと出して、国民を全く欺瞞しておったということだけは証明されておる。それを一ぺん表にして見せて下さい。
それからもう一つ、住宅金融公庫の方ですね。これはどこに原因がありますか。もう発足して十年たっておりますね。相変らず繰り延べということになると、どこに、その、原因があるか。これも、できるだけ十年前から今までのやつの実績と、それから予算の実績と繰り延べというのを一覧表にして出して下さい。これは出せるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/131
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132・稗田治
○政府委員(稗田治君) 年次をさかのぼったものにつきましては、ここに資料を持ち合せてございませんので、後日資料を整えてお出しいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/132
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133・田中一
○田中一君 そこで、局長に……。
あなたは、技術家の局長ですから、むろん住宅金融公庫並びに住宅公団等、おそらく指導よろしきを得ると思うのです。そこで、こういうものを、こうした繰り延べしたというものを、延びた場合には、別途充当するということを言っておりましたね、今、言っておりますね。そこで今年度は、こうした計画によるものだけをすればいいとお考えになるのか、あるいは三十四年度なら三十四年会計年度内に、もっとうんと伸ばそうというつもりでおるのか。ここにすべてこうした繰り延べなんという、あまりうれしくないような予算の立て方というものは是正されて、年年内の竣工ということになり得るのです。従ってこの立て方を年度内の予算ということにしてやるには、どうしたらいいかというようなお考えを持っていますか。どうすればそれが達成できるか。今までのしわ寄せを、不勉強か、いろいろな悪条件によって繰り延べられた予算の消化ということが——あなたは予算の消化と言うでしょうが、国民としては、一日も早くやってくれということなんです。
従ってそういう悪い習慣というもののしわ寄せを、どこかでやはり一ぺんチェックして正常に直さなければならない。あなたのような優秀な技術家が今度局長になったのですから、おそらくそういうところに自分の任務、自分の職責があるのだというふうにお考えだと思うのです。従って稗田局長にして、初めてそれらのものが正常な伸びを示す、予算上の実績の面においても、プラス・アルファということになり得るのだということにしなければならないと思う。従ってあなたは、どういう指導をして、この繰り延べ制度というものは三年ほど前から、そういうものができた。これをしわを延ばして、国民のほんとうの要求に応ずるような行政指導をするかということの決意を一つお話し下さい。遠慮することはありませんよ。あなたは大いにやっていいのですから、繰り延べの場合は、あなたは金を出すのだということを説明しておられるのだから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/133
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134・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) ただいま田中委員からの御質問に対しまして、局長にお尋ねのようでございますから、局長から、また私以外のことについて御答弁することと思いますが、私ども方針といたしましては、先ほどお話のように、次年度にたくさんの事業量を残すというようなことは、ほんとうに政府といたしましても、国民を欺瞞することにもなりますので、なるべく当初組みました予算は、年度内に施行するということが正しいのであります。
そこで私ども就任いたしましてから、大臣もこの点につきまして、非常に過去の実績等を見まして、遺憾に思いまして、そこで三十三年度からは、少くも後年度に残さないように、どんどん仕事をしてやってもらいたいということで、各関係者を督励いたしまして、これはひとり住宅ばかりではございません、道路関係等におきましても、相当に次年度に繰り延べがございまして、これは繰り延べせざるを得ない原因が当局ばかりではなしに、地方公共団体等、いろいろな関係がありまして、原因を究明して参りますというと、容易ならざるものもあるようでございますけれども、とにかく、しかし、組んだ予算は、年度内にぜひ執行してもらいたいという強い訓示もいたしましたし、あるいは通牒も発しまして、三十三年度におきまする住宅関係で申し上げますというと、十二月末現在におきまして、公営住宅は九八%が着工済みに相なっております。それから公庫住宅は、十一月末現在におきまして八一%が貸付承認済みでございます。公団住宅は、一月の二十日現在におきまして一〇〇%発注済みでございます。
その内訳等につきまして、もし必要がございますれば、公営、公庫、公団、分類いたしまして、ただいま着工済みになっておりますもの、貸付承認済みになっておりますもの、発注済みになっておりますもの等が大あらましわかっておりますから、あとで局長から申し上げたいと存じますが、とにかくしわ寄せをどこかの機会に完遂いたしまして、しわ寄せのないように、そうしてさらに、その年の仕事だけはその年に仕上げていく。そうして国民に約束したことを十分果たさなければならぬという考え方で、三十三年度におきましては、鋭意その方針で努力をしておる状態でございますので、御了承いただきたいと思います。
その他の数字的な小さいことにつきましては、局長から御答弁いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/134
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135・田中一
○田中一君 徳安さん、そんなことおっしゃるけれども、どうすれば、それが完遂するのかという心組みを一つ示して下さい。今までのあなたの言っておることは、毎年々々大臣なり政務次官なり言っておることですよ。それと同じことを繰り返しておるのですよ。どうすればそれが完遂されるか。同時にまた予算として、それは今あなたの言っておるような説明では、予算のごまかしなんですよ。結局悪い予算の立て方なんですよ。ある一年は、三十三年なら三十三年は、残念ながらこういう予算をとったけれども、これしかで畳ませんといって、あとは打ち切って新らしい予算を組むようにしたらどうです。戸数、戸数にこだわっておるから、そうなるのであって、これはやっぱり行政に携わる連中もつらいですよ。
たとえば今お話のように、政府ばかりではなく、補助事業ですから、従って地方公共団体の財政等も考慮しなければならぬというならば、そういう地方公共団体の財政等を考慮しない予算の組み方というものは間違いであるということに気がつかなければならぬ。間違いである。それはできるだろうという予想のもとにやったことが、一年に一ぺんくらいの現象なら、まだ許されることもありますけれども、二年、三年、四年と続けて、今後もまだ続けていこうというのなら、これは間違った予算の組み方である。こういうことにならざるを得ない。
従って、せめても三十四年度の事業完遂に当っては、これを完遂するにはこういう方法、こういう方法をもって今までのしわを伸ばす。あるいはここにそうした原因があった、この原因は、こういう工合に対処していくのだという方針の説明が伺いたいんです。ただ単に、今まで何年も続けてきているところのあり方を、努力いたしますじゃ、これは三十四年度、あなた方のような、熱意がある行政担当者がきている今日、これは、そんなものじゃ、われわれは納得できない。間違っている予算の立て方なら、正しい立て方をおやめなさい。そうしてまた、本年は努力するなら努力するで、ここに問題がある、この問題は、こう解決して、こうするのだというような答弁をしなければいかぬと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/135
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136・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) ただいま申し上げましたのは、三十三年度、私どもが関係しましてから以来の現在やつております実績を申し上げているわけでございまして、三十三年度におきましては、そうした過去のしわ寄せもございますけれども、予算に計上いたしておりますものにつきましては、今申し上げたように、すでに着工済み、承認済み、あるいは発注済みでございまして、後期に繰り越すようなことは、おそらくないということを申し上げたわけでございます。
従って、じゃ、これまでの実績にかんがみて、今年はどういう点に心持をいたして、どういう工合に実績をあげるかという問題でございますが、これは、今までいろいろな問題について、公営住宅につきましては、公営住宅に、いろいろな隘路があったようでございます。また公庫住宅には公庫住宅に、隘路がたくさんあったようにも思いまするし、また貸付問題につきましても、掘り下げて参りますというと、過去においてのしわ寄せを来たした原因が幾つもあったようでございますが、こうした過去の問題につきましては、局長から御説明申し上げた方がいいと思います。
ただ、私どもはそうした状態を、隘路がありましたならば、それを切り開いて、早くやらなくちゃならぬということで、昨年の六月以来、一生懸命で督励いたしまして、隘路の点につきましても、十分切り開けるものは切り開いた結果が、今申し上げたように、大体三十三年度におきまするものは、やる都合ではなくて、もうすでに、大体予算を消化し得る、消化しつつあるという実績の数字を今申し上げたわけでございますから、この点一つ、ぜひ御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/136
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137・稗田治
○政府委員(稗田治君) 事業予算進捗率をはかる方策でございますが、御承知のように、公団住宅に、おきましても、漸次進捗率をあげて参りまして、ぜひこのおくれを取り戻したい。本来言えば、年度内の工事は、年度内に今部遂行して入居できる姿になるのが、最も現想的なことでございますので、鋭意それを目標に、おくれを取り戻しつつあるわけでございます。
そういうような意味から、三十二年度におきましては、公団住宅等も、比較的に戸数をふやしたわけでございますけれども、それが過重な負担になっておりましたので、一応その後は、戸数等におきましては、若干荷を減らして、年度内の完遂に努力しているわけでございます。
なお、公庫等におきまして、多少資金の出がおくれたと申しますのは、御承知のように、中高層の耐火建築物に対する融資等におきましては、これは三十二年度から始められた融資でございますけれども、御承知のように、市街地で相当土地の高いところで、上に住宅を載せるというような計画でございますので、計画を設計するまでに貸し付けを申し込む方の側におきましても、相当長い期間がかかるわけでございます、設計その他に……。それで、なおまた貸付承認になりましてからも、またいろいろと、共同建築等の場合には、またトラブルが出てくるというようなことがありまして、先ほど政務次官から申し上げました着工率の中でも、中高層住宅が、一番着工率が低くなっているわけでございます。これは中高層建築と市街地の再開発関係の仕事には、全部つきまとうかと思うのでございますが、土地に対する権利等が非常に輻湊しておりまして、なかなか現行の法律のもとにおきましては、一挙に早く解決するという方法はむずかしいんではないかと考えておるわけでございます。逐次これらの市街地の再開発等につきましても、何らかもう少し促進できるような方策を今後研究したいというふうに考えておるわけでございます。公庫住宅関係で特におくれておりますのは、そういうような関係でございます。
なお公営住宅におきましては、先ほど申し上げましたように、着工率は九七%でございまして、これも現在十二月までで竣工しておるのは二二%でございます。で、年度内にぜひ全戸数完成をすべく事業主体を督励しておるわけでございますけれども、いろいろ事故発生等のこともございまして、一〇〇%年度内竣工というのも、なかなか期待できないんではないかというふうに考えてございます。しかしながら昨年よりも本年、本年よりは三十四年度というように、逐次繰り越しの額は圧縮してきたわけでございます。三十三年度に三十二年度から繰り越された額は、前年に対しまして約六億ほど詰めたわけでございます。
そういうわけで、正直なところを申しますというと、二十四年度に三十三年度からの繰り越し総額につきましては、これはシンプルの数字にしてほしいということで、事業主体の方を督励しておるわけでございます。一〇〇%完遂が目標でございますけれども、いろいろ事故等が起る場合もありますので、それを一〇〇%を目標にはするわけでございますけれども、繰り越しは、ぐっと少くしたいというようにやっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/137
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138・田中一
○田中一君 だから三十四年度は、予算を組んでしまったのだから、しようがないとしても、三十五年度には、全部繰り越しをやめてしまって、前年度はこれこれの未建設部分があったということを住宅白書でもって発表して、本年度はこうするのだという勇気がなくて、ならぬのですよ。数字にこだわって、ごまかしほうだいごまかして、一ぺんうそをつきますと、そのうそを糊塗するために、その上にまたうそをつく、そんなことはいかぬですよ。三十四年度は、これこれでもって、せっかくの計画よりも、これこれしかできませんでしたと、示さなければならない。あるいは三十四年度できなければ、三十一年度からしわ寄せの問題は、今日までこうでございます、実績は、こうでございますということをはっきりと、計画と実施との食い違いを国民に表明して、三十五年度からは、こういたしますというような勇気がなければならぬと私は思う。
そこで、なんですよ、今、あなたがるるとして、障害となる、おくれたという、いろいろな法律その他の隘路というものについて、いろいろ言っていますが、そんなことはわかっていることなんですよ。それをどうするかの問題は何もしないで、今まで通りでもって、馬のしりをひっぱたいて走らすようなことをしているからだめなんです。もう少し科学的に、理論的に、なぜこうなのかということを考えなければならないのです。むろんこれには、地方財政の問題もある。それから宅地の問題もある。あるいは中高層の場合にも諸権利の問題がある。これをどうすればいいかということが考えなければならぬことなんです。そういうことを全然考えないでやるということはいけないのですよ。
それに対しては、そういう隘路、そういう諸問題は、これこれで解決して、こうするのだということを示してならば、わかるけれども、相変らず同じことを言って、努力いたします、それじゃできるものじゃないです。人間の力には限度があります。競馬馬だって、うんとむちを打ってひっぱたけばくたばっちゃいますよ。そじゃなくして、急にむちで打つのじゃなくして、問題は、そうしたいろいろな意味の障害というものは、こうしてこの方針で参りますという意思表示がなければだめなんです。
それができなければ、はっきり三十三年度の実績は、こうでございます。従って、かくのごとく年度分は、何戸作ると言いましたけれども、何戸しかできません。次年度は、何戸作りますが、何戸しかできませんと、はっきり——徐々にあなたは伸びてきたと言うから、伸びてきたなら伸びてきたということを、はっきりと社会に公表しなさい。そうして三十四年度は、こういたしますということにすることが、一番正しい行政なんです。正しい政治の姿なんです。これはおそらく良心がある政務次官にしても、住宅局長にしても、私の申し上げることはよくわかると思う。過去の数字にこだわって、国民をごまかし、一つのうそをつくと、そのうそを糊塗するということのために、もう一つのうそをつくということになりまして、国民に与えるところの欺瞞というか、これはおそろしいものだろうと思いますし、そういううその上に、うそを重ねていくということであってはならぬ、反省して、ある時期に、今までのしわ寄せというものをはっきりと国民の前に出して、そうしてこれからはこうするのだ、これまでの失敗というものは、決して無価値なものじゃないのです。非常に価値があるのです。過去の失敗の上にのって、これをこうするのだという対策がなければ駄目なんです。
これを表明すべきが、政治家としての義務ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/138
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139・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) 田中委員のお説ごもっともでございまして、私どもも、決してうそをついているわけでもございませんし、過去における実績等におおいをかけて、そうして国民に知らせないような考え方をしているわけではございませんので、しばしば建設省の白書等にも出しておりまして、実績などにつきましては、事こまかく、何も隠さずに公表している次第でございます。住宅等におきましても、今申し上げましたように、しわ寄せはたくさんございますけれども、三十三年度は、こういう実績でございますということを、大体数字を申し上げたわけでございますが、法律を改正して隘路を打開せねばならぬものもあるかと思います。
しかし、そうでなくて、これは、施行するいわゆる公団でありますとか公庫でありますとか、そういうようなもののいわゆる幹部の監督とか指導とかによりまして、そうした隘路を切り開くことを考えるというものもたくさんあるようでございますので、そういうことを始終当該関係者を招きまして話を聞き、さらに私どもの方でも、衆知を集めて、その打開策について、いろいろ協議をして、こうしたらどうだ、ああしたらどうだということで、そうしてなるべく今申しますように、年度内には、少くも年度内の予算は消化し得るというような方針で進めにやならぬという強い線を出して督励をいたしておるわけでございます。
ただ、この住宅関係ばかりではございませんが、道路等につきましても、田中先生のお話のように、地方公共団体との裏付け等の関係もございますが、この方も私ども今回初めてでございますが、過去の実績を聞きますというと、県当局と打ち合せて、この程度ならば裏付けがなし得るという、大体の了解のもとに、私どもの方では補助率をきめて出したところが、その途中において、あるいは県の財政状態が悪化いたしますとか、あるいはまた交付金の見込み違いがあったということにおいて、どうも消化できないというようなことも出て参ります。
これは一貫性ある国の行政としては申しわけないことだと思いますけれども、そうしたところに、やろうと考えておった仕事が繰り延べになりましたり、あるいは補助金が返ってきたりするものもございます。今後はそうしたこともできるだけなくするように、自治庁等とも、よく連絡を保ちまして、起債の面、補助の面、あるいは交付金問題等につきましても、なるべく事前に、私どもの方と自治庁の方とも打ち合せをいたしまして、そうしてそこに過不足が生じましたり、不自然な違いが生じたりすることのないように努力いたしたいと思いまして、三十四年度の予算につきましては、相当突っ込んで話をするわけでございます。過去において、いろいろ非難を受けた点もございますし、申しわけない点もあると思いますけれども、せいぜい努力いたしますから、一つ、皆さんの御協力をぜひいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/139
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140・田中一
○田中一君 公共事業なんというものは、これは、今の資本主義機構でもってやろうとするところに間違いがあるのですよ。ことに、全部あらゆる労使の間に、労使といいますか、労働条件の悪化だけを考えて、労働者に対する圧迫だけを考えるというところに遠因があるのです。すべてこれはあなた方が信頼しているのだと言っている職員も、それから公団にしても、どこにしても、これはやはり生産意欲というものを沸き立たせるような労働政策というものをとらなければ、ものは進むものではないのですよ。まして請負々々といって、請負にやらしているような状態であって、これらの者はどうか、これらの者も、やはり何とかごまかして、もうけようということが主なんです。結局ごまかして、もうけるわけです。
大体公団住宅の一棟の予算を見てごらんなさい。よく見てごらんなさい。それが、現在その積算の上に、利益が入っているか、手数料が入っているか、何が入っているか、よく分析なさい。従ってでき上った質というものが、よくないのです。それをよくしようなんということはできないのですよ。そうした意味の契約上のいろいろの問題とか、またその辛い予算の中から、頭をはねて請負人が下請に回す、下請が、そいつを頭をはねて労働者に回す。そうしてまた税金にしても、元請が税金を取られる、下請が税金を取られる、その次の小回りするような親方が、また税金をとられる、そういうような形でもってやっている機構というものがある以上、これは、そんなものは完全にできるものじゃないのです。能率の問題ばかりではないのです。質というものを考えた場合には、おそろしいものです。私はね、今、ただけつをひっぱたいて、仕事をさせればいいのだということばかりではない、今、政務次官が言っているように、たとえばここにことしの——これはまあ、前の局長鬼丸君にやかましく——これは鬼丸君から、数年前から聞いている不良住宅地区の改良なんという、すぐ宅地になるような要素を持っているものを放置している、再三再四です。大正何年かにできた法律というものを、何十年間というものを放置して、手をつけない。こんなことがあり得るかといって、今まで数年来鞭撻したのです、建設当局を。法律がありながら、法律を一ぺんも使ったことがない、一ぺんも発動しない。今度千四百万か、何をするか、あとで詳しく伺いますけれども、不良住宅地区の改良なんというものは、法律ができているのです、ちゃんと。手をつけないで、今度ようやく、鬼丸君が予算を作ったのでしょうから、鬼丸君が、官房長が、こういう予算を組んだ、何するか伺うのですがね、今死文化している各法律等を生かしていくならば、これは、相当な仕事ができるのです。たくさんあります。
たとえば耐火建築促進法、これに対して耐火建築助成金というものは一億、これは、こちらの要求は四億とか六億とかいっていました。ところが大蔵省は、これは削ってくる。ようやくのことで、あなた方は面子が立たんから、一億というものをやっと盛り込んだのでしょう。これでも、そうです。十億なら十億というものをつけた場合には、やはり中高層というものは、どんどん進んでいくのです。呼び水になるわけですよ。融資、融資と言わないで、補助金というものが出るならば、それを呼び水にすれば、今までも、諸権利が幅湊しているというけれども、五千円でも八千円でも補助金がもらえるとなれば、それらの問題は解消するんですよ。そうしたことをしないで全く金貸しと金を借りるやつの関係のような状態において、実績を上げようなんということは、大きな間違いなんですよ。
これは僕は徳安さん、あなた非常に熱心だから、すんでおるけれども、三十四年度は、これを完遂して、あなたが三十五年度まで続けてくれればけっこう、今度、大臣になってくれればけっこうだけれども、そうはいかないにしても、これはやっぱりここでもって、一つの今までの悪い習慣、今までのしわというものを伸ばすんだという意図を、三十四年度の事業遂行に当って、その覚悟を持たなくてはならぬと思う。
そこで、まあ僕はお説教ばかりしたってしようがないから、そこで不良住宅地区改良費というものは、何をして、どういうところに使って、どういう事業をするか説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/140
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141・稗田治
○政府委員(稗田治君) 清掃費でございます。千四百万円は、清掃費でございます。それで、補助対象の戸数は一千戸になっております。建物を買収する費用と建物を除却する費用でございまして、補助率は二分の一になっております。建てる方は、先ほど申しましたように第二種公営住宅の主として中層耐火構造のものを建てるわけでございます。
それから先ほど、多分昭和二年ごろであったと思いましたが、制定されました不良住宅地区改良法で、文語体の法律が今も残ってございますが、それをなぜ活用しないのかということでございますが、それは建物全部補助率が二分の一になっておるわけでございます。現在の不良住宅地区等に居住しております入居者の収入等から考えまして、やはり三分の二の程度の補助率でなければ、実際に移しかえが困難であるということで、古い法律を使ってないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/141
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142・田中一
○田中一君 あの法律を動かすこと、改正することは、どうして困難があるんです。法律でもって、これを規制され締めつけられるのは困るというのは、大蔵当局の意見ですか、考え方なんですか。悪い法律は、どんどん直せばいいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/142
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143・稗田治
○政府委員(稗田治君) お答え申し上げます。
不良住宅地区改良につきましては、従前は、先ほど申しましたような理由で、建物に三分の二の国庫補助があった方が、事業主体としましては有利ではないかということで、公営住宅の第二種中層耐火構造だけをやっておったわけでございますが、不良住宅地区改良も、都市の再開発というような面から、試験的な段階を飛び越して、だんだんと拡充していかなければならないという目途のもとに、この清掃費を要求したわけでございます。それで三十四年度のこの清掃費その他をかみ合せましてやりました実績等に徴しまして、そうして近い将来に、不良住宅地区改良につきまして、もう少し新しい角度からの法律を研究したいと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/143
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144・田中一
○田中一君 この千戸というのは、どこを対象にしていますか、ちょっと説明して下さい。どこを対象にしています。何という都市の、どの地区を対象にしていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/144
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145・稗田治
○政府委員(稗田治君) これは、全国の事業主体と、今打ち合せ中でございます。まだ確定にはなっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/145
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146・田中一
○田中一君 そういうことじゃね。まず絵をかいて、これをどこかにはめてみようということにすぎないんであって、たとえば広島にしても広島の特殊部落、言葉は悪いけれども、特殊部落でもって、非常に困っておるところがたくさんありますよ。これを一応解決するといっても、それだけでは解決されない問題があるんですよ。まず最初にそういう人間をどうするか、清掃するというと言葉は変ですが、ほうきか何か持っていって、その人間をほっぽり投げることを考えるけれども、その人間は、やっぱり権利を持っているんです。その人間をどうするかということを考えなければならないんですよ。それに家賃の問題、生活条件の問題が出てくる、そういうことを十分に考えられておると思うんですよ。ただ、これをやってみようということじゃ困るんであって、具体的にどの地区のどこと交渉しているなら、交渉していると、はっきり言って下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/146
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147・稗田治
○政府委員(稗田治君) 三十四年度の、この清掃という言葉が悪いそうでございますけれども、清掃費の要求をいたしました場合には、もちろん全国の要望をとりまして、一応の大体計画を立てたわけでございますが、その計画の実施戸数そのままが計上されたわけではないわけでございます。
従いまして、緩急の度合い等を考慮し、なお事業主体の要望等をさらにこの計上された予算のもとにおいて、再検討をしつつあるという段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/147
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148・田中一
○田中一君 それじゃこれは、この法律によらないというんですから、どういう実施計画を持っているか、その実施計画の実施要項というものもあるんでしょうから、それを当委員会にお出し願いたい。
それから対象として考えているのはどこかということ、対象の事例というものを、全国で幾つかあるでしょうから、その事例の現状というものを報告して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/148
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149・稗田治
○政府委員(稗田治君) 資料を整えましてこの次の会までに提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/149
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150・田中一
○田中一君 どうも住宅金融公庫の融資というものが、常に住宅金融機関が、いわゆる金貸しが、住宅資金を貸してくれという者に対して、貸してやるんだというような、非常に国民から見る場合には、恩恵がましいような形の窓口であるということを、これは、もう国民のひとしく感じたところなんです。この住宅金融公庫法というものが、よく政務次官にもわかってほしいのは、この目的にはっきりあるように、住宅金融公庫は、国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足る住宅の建設に必要な資金で、銀行その他の一般の金融機関が融通することの困難とする者に融通するんです。いいですか、困難とする者に融通するんです。本人が、どこでも資金が取得できる者に対しては、融通する必要がないんです。そういうものを対象にしていないんです。それを本人の収入が幾らあるだとか、それから、どれだけの物を持っているかとか、財産は、どれくらいかということだけを対象にしているのが今の現状なんです。
住宅金融公庫が、融資をして、金を借りた人間が、金を返さない場合には、この場合には、土地でも、家屋でも、あるいは保証人でもというものが、ちゃんと市中銀行にいけば、いつでも貸してくれるような条件、物件をもって、並びに保証人をもっていかなければ貸してくれないんですよ。これは法律違反ですよ、現在の姿というものは。だれも金を貸してくれない人間に、金を貸すんだとちゃんとここに書いてある。それを住宅金融公庫は、住宅金融公庫がじかにやっておるんじゃありません。これは、やっぱり住宅金融公庫の窓口になっている金融機関が金を貸しているんです。金を貸す事務を扱っておりますけれども、これは法の立法精神というものから、非常にかけ離れた実情なんです。だから金があるやつ以外には、金を借りられないというのが現状です。こういう点、だから年々の融資の予算というものが余るんですよ。
これは、中高層の場合でもそうです。物件を、土地を担保にとって、またそのほかに余分に物件を担保に入れる、二割五分というものは、その分だけ余分に保証していることになる。そうしていて、なおかつ適当な保証人とか、別の物件の差し入れとかいうことを言っているんです。それでは仕事というものは、前進するものじゃないです。そうした現状というものを、現行の制度というものをこれは十分に考えなければならぬですよ。住宅局長は、今中高層には、諸権利が幅湊するのだという、その通りです。その通りですが、事実それをきれいにするなら、銀行で貸してくれるのです。それをきれいにするように道を開いてやることが、住宅金融公庫の目的なんです。金を回収できないで、赤字を作ってごらんなさい。住宅金融公庫が相当な赤字を作る。これはまことに喜ばしい善政なんです。赤字を作ることによって、善政なんです。事ほどさように、この法律に忠実である。そうしてこの赤字は、どうしましょうかといって、国会へ持ってくれば、その実態を調べれば、喜んで、むだな自衛隊にやる金なんか、そっちへ回して、それを補てんしてやることなんかも考えられる。これは私だけの考えではない。徳安さんだって、そういう考えをきっと持ちます。そういうところに、運営の間違いがたくさんある。
これらの点で、十分にお考えになって、それが、今日繰り延べをするような事態に追い込んでいるというようなこともあるのです。全部とはいいませんけれども、それは、住宅金融公庫自身の窓口ではなくて、住宅金融公庫が、委託業務として預けているところの、出先金融機関に、それがある。こういう点は、十分にお考え願わなければ、やはり来年度も、そういう問題が起きるのです。むち打って鞭撻するということは、そういうような機構とか、そういう窓口の問題を、大臣や次官が、じかに行って見て、触れて見て、そうして運営上、行政上の改正すべき点を改正するというような運営がなくては、やはり繰り延べということは、解消されないということを一言申し上げたいのです。おそらく政務次官は、住宅金融公庫融資の窓口に行ったことはないと思うのです、あなたのような金持は、対象になりませんから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/150
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151・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) 金融公庫につきましては、私は、借りには参っておりませんが、借りに行った方々から、非常に不平なり、不満なりを何十、何百人から聞いております。私一人ではありません。大臣も聞いているようでございます。
そこで私どもも、先ほどお話がございましたように、法の精神をよく体しまして、はき違いがないようにやらなくちゃいけないということで、しばしば注意はいたしているのであります。また出先の、代理店と申しますか、そういう金融関係の方でも、やはり法の精神をはき違えて、そうしてずいぶん不親切で、相手方を怒らせているような案件も、私も、しばしば耳にいたしまして、そのつど、その事件につきましては、公庫の最高責任者に対しまして、注意を促しているような次第でございますが、ただ、どの程度に私どもが、公庫の言いわけを聞いて参考にするかということは、別問題といたしまして、私どもは、しばしば注意するたびに、やはり公庫も、一つの企業体でございますから、今、田中先生のお話のように、金を払ってくれなくて、未回収がたくさん出てもかまわぬというような経営もでき難くて、やはり回収ということを一応のめどにして貸し付けをいたしたい。こういう考え方から、法に従って、いろいろ小めんどうなことをやっているようでございます。これは、できるだけそういう手続におきましても、簡素化し、そうして一部から、非難がございますように、金持のみだけが借りるのだ。貧乏人は借りることができぬというようなことも、ずいぶん私どもの同士や先輩からも、忠告を受けておりますので、こうしたことにつきましては、法の精神を十分理解をして、そうしてそういう非難のないように運用されるよう、しばしば注意をいたしております。もし、そうした点につきまして心当りでもございましたり、また非常に不公平な点がございましたなら、一つ私どもにお教えいただきまして、十分注意をさせたいと思います。
ただ、今申しましたように、公庫も、一つの企業体でありますから、ただ幾ら損してもかまわないというような形にも持っていけない関係から、経営者の頭の持ち方が——今田中先生のお話に、赤字が出たら、政府で喜んで全部補てんしてやるというようなところまでに、私どもの方でも指図するわけには参りませんので、なるべく、やはり貸したものは、順次回収がよくなるようにということは、これもまた、一つの監督の立場から、全然無視するわけに参りませんので、そうした点と、法の精神と、どこで調和させるかという、そうして、どうして親切にするかというようなことが、私どもに課せられた一番大きな責任だろうと、かように考えまして、その小さい法律的のことや技術的のことはわかりませんけれども、国民の金融公庫を利用する方々の声を十分当該者に徹底さして、そうして不平不満なからしむるように努力するということには、一生懸命で努力しているつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/151
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152・田中一
○田中一君 ことに、公庫の場合でも、不燃率というのは、四〇%から三七・二に落ちている。これは、金融公庫の目的には、第三項として「住宅金融公庫は、前二項に規定するものの外、相当の住宅部分を有する建築物で土地の合理的利用及び災害の防止」、これは、やはり中高層をさしているのですね。「に寄与する云々」、それがやはり逆行して減ってきているということになっているのですよ。これらは、どういう政策の現われかしらぬけれども、相当お考えにならなければいかぬと思う。
ことに家賃という問題、それから住宅金融公庫の月賦金という問題については、いずれ公営住宅法の一部改正がありますから、そのときに、くわしく皆様方の方に質問をいたします。これは結局、住宅金融公庫の償還金というものを、家賃と見合うものを、一定の収入の中から、生計費の中から、節約したりなんかして、その分だけをお返しをして、そうして自分のものにするということになっておるのです。国民の生活というものの中から、住宅金融公庫の分の償還金というものは、国民が努力しながらやっているのですよ。従って、払えない場合もある——これは言えるわけです。特に、中高層の場合には、そうですね。おそらく相当地価の高い所を提供して、中高層を作った場合には、これはもう、どんな場合でも、資本主義的な計数の上からいっても、損はないのですよ、法律が、やはりその権利というものを守っていますから。公営住宅だって、そうです。三ケ月家賃を払わなければ追い出すといっても、追い出した例は少いと思うのです。また減免規定もございます。公営住宅法には、払えない者には、免除してやるということもあるのです。ちゃんとある。だから私は、住宅金融公庫というものは、やめちゃって、これは全部公営住宅なり何なりというものに、賃貸住宅あるいは分譲住宅というものにしてしまって、国が建設してやるという形にした方が国民はすっきりするわけですよ。私の土地に作って下さい、作ってもらって、払っていけばいいのですよ。それには、高層化して、自分の負担のほかに、自分の敷地の上の方からでも、家賃をとって、地代をとって償還するということにすれば、喜んで進むのです。これは、住宅金融公電のあり方というものをほんとうに検討しなければならない。私はこれは大きな住宅政策のガンであると思っているのです。
何のための住宅公団ですか、何のための公営住宅ですかということを考えると、融資なんかおやめになって、公営住宅、もう一つは公団の分譲住宅くらいのものに、二本立にしてやらなければならぬと思う。どの敷地でも建ててあげますよ、あなたの敷地に建ててあげます、建ててあげますが、要らない空間だけは、どうか別の人間に貸しますから、そこに公営住宅を乗っけますから、やって下さい、そうすれば、安く、家を建ててあげます、こういうならば、喜んで貸すのです。大体これは、いずれ公営住宅法の一部改正でもって、いろいろお話ししようと思いますが、そういう点において、大きな間違いを犯しているのです、政府は。従って、その同違いをごまかすために次々と手を打たないで、間違いは間違いであるとし、これをどうするかというところに、考えを持っていっていただきたいと思うのです。
まだまだ言いたいことはうんとありますが、時間が時間だから、これでやめますが、よく政務次官も、お考え下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/152
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153・早川愼一
○委員長(早川愼一君) ほかに御質疑がなければ、一応住宅関係につきましては、この程度にしまして、引き続きまして、営繕局関係の御説明を伺うことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/153
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154・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) 昭和三十四年度の官庁営繕予算につきまして、概要を御説明申し上げます。
一般会計の官庁営繕予算のうち、建設大臣が実施すべきものにつきまして、概略三百億円の予算要求を出したものに対しまして、建設省所管の官庁営繕費といたしまして二十四億二千五百余万円、また各省の施設費に、合計数十億円になるかと存じますが、計上されましたわけでございます。この各省に計上されましたものは、いずれも建設省に支出委任されまして、建設大臣が実施をするという建前になっておるわけでございます。本日は、お手元に差し上げました二枚続きましたプリントによりまして、建設省所管の官庁営繕費につきまして、御説明を申し上げます。
そこにございますように、三十四年度は、総額二十四億二千五百十九万五千円でありまして、三十三年度の十七億八千四百万円に対しまして、六億四千一百万円の増額と相なっております。その大きな内訳といたしましては、第一に、中央官庁々舎の分といたしまして、六億八千八百五十万八千円が計上されております。この中央官庁につきましては、古くから中央官術計画というものが、いろいろ計画されておりまして、最近におきましては、首都圏整備委員会においても、首都官街地区整備計画が樹立されまして、霞ケ関、大手町、淀橋の三地区につきまして、近く決定を見ることになっております。また、建設省におきましても、霞ケ関の官公庁地区につきまして、都市計画の決定をされまして、その地域等を先般きめたわけでございますが、この霞ケ関地区だけにつきましても、ここに立法、司法、行政の中央官庁を全部集めますと、今後まだ約三百億円ぐらいの金を要するわけでございますが、これを十年ぐらいでできましたらと思って、努力いたしておるわけでございます。
そういった情勢にかんがみまして、本年は、特に老腐朽等のはなはだしく緊急整備を要しますものにつきまして、要求をしました結果、ここにございます四件ほど中央官庁の予算が認められております。
第一は、総理府の庁舎でございますが、これは五百万円の調査工事費がつきましただけでございます。次は外務省の庁舎、これにつきましては、四億五千余万円がつきまして、大体全体規模といたしましては、ここにございますように、SRCと申しますのは、鉄骨鉄筋コンクリート八階建、延坪二万五千平方メートル、全体の金額が十二億四千万何がし、これが三十四年度をもちまして完成をいたすことになっております。次は気象庁の庁舎、これにつきましても、五百万円の調査工事費が認められただけでございます。大手町の合同庁舎、これにつきましては、二億二千四百六十七万円が認められておりまして、三十三年度五千万円計上されております分と合せまして、本年度は地下室工事、相当鉄骨が進むという予定になっております。ここに入ります官庁は、右にございますような労働省、関東財務局、関東地方建設局が予定されております。
第二番の大見出しとしましては、地方官庁合同庁舎二億一千一百余万円でございます。地方の官庁を合同集約化する、そういたしまして、これを経済的に建設しまして、能率の増強、それから公私の利便をはかるという点も建設省の一つの方針でございますので、これまで要求いたしました四件が計上されまして、第一は札幌地方合同庁舎、これは大体四階までできておりますけれども、第二期計画といたしまして五階、六階、三千六百万円が認められております。仙台の合同庁舎、これは百万円の調査工事費が認められただけであります。広島の合同庁舎、九千七百四十六万余、これは昭和三十一年から始めておりまして、三十四年度に仕上げ工事まで入るわけでございますが、なおもう一年度要する見込みでございます。熊本の合同庁舎七千百余万円、これも、三十二年度から予算がつきまして、もう三十五年一力年、予算を計上いたしまして完成をする予定でございます。
第三番目は、港湾合同庁舎、港湾関係のいろいろの機関を集めて、合同庁舎とするものでございまして、これにつきましては五千七百八十万円、内訳は、神戸の港湾合同庁舎、これは三十四年度完成をいたします。新規の分といたしましては、鹿児島の港湾合同庁舎一千万円、これは三十四年度、三十五年度ニカ年で完成する予定でございます。
四番目には、官庁施設特別修繕費一億二千九百万円、これは昭和三十年度から毎年計上されておりますが、なかなか新営は困難な官庁、木造の庁舎につきまして、今、ある程度修繕をしますれば、見違えるようにきれいになりまして、その耐用年数が十年間くらい延びるという、非常に効果的な計画でございまして、おおむね坪当り五千万円程度をかけますと、大体百万円程度の修繕が百件以上できる予定になっております。
次のページにございますのは、その他一般のものの集計でございまして、総計で百一件、十二億九千三余万円でございます。
各省別の内訳がございますが、総理府十件、二億二千二百余万円、内密は右にございますように、警視庁警察学校、これは継続でございます。自治大学の新しい予算、その他でございます。法務省関係二十三件、三億五千四百余万円、これは各地の法務支局等の庁舎でございます。大蔵省関係十八件、二億九千一百余万円、これは大蔵本省、ただいまございます一階は、石が張ってございますが、上の方は、タイル張りの予定が、戦争でとまっておりますために、非常に表面が風化していたんでおります。これも、タイルを張って保護をするという工事、それから税関、税務署等を各地に建てる予算でございます。次は文部省二件、厚生省三件、農林省六件、通産省一件、運輸省十一件、郵政省一件、労働省二十二件、それから最後に建設省四件が計上されております。
この建設省の分のうち、最後にございますが、国際会館というのがございますが、これは京都方面に大きな国際会議場を作って、国際会議を日本に誘致しようというための大計画でございまして、これにつきましては、三十三年度五百万円の庁舎費が計上されておりますが、三十四年度には、五千万円の設計委託費が計上せられましたので、本年は、敷地を決定して設計に着手いたしたいと、かように考えております。
以上が、大体官庁営繕費でございますが、なお先ほど申しましたように、各省の施設等から、建設省に支出委任をされますものが、このほかに数十億円ございますが、おもなものは、現在継続工事中でございます国立国会図書館でございますが、これが、四億数千万円ございまして、三十四年度、仕上げまで手をつけますけれども、なお三十五年度には、工事が相当残る予定でございます。
それから、御承知の東宮御所につきましては、宮内庁予算でございますが、なお一億四千万ほど、三十四年度計上されまして、ことしの末あたりには、完成をさせるという見込みでございます。
その他、日比谷公園のこちら側——向い側で、厚生省と並んで、検察庁の総合庁舎、これも継続中でございますが、これにつきましても、一億何千万がついておりますが、これも支出委任でもって、継続して工事をいたす予定でございます。
そのほか参議院、衆議院、両議院議長公邸の予算もつきましたので、これも支出委任を受けるべく、国会方面と協議を申し上げておるという段階になっておるわけでございます。その他こまかいものは、まだ詳細わかっておりません。
概略、以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/154
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155・田中一
○田中一君 この委任される仕事の内容を出して下さい、予定……話がきまったのでも、きまらないのでもかまいませんから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/155
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156・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) 各省に計上されました予算は、いろいろ各省の機械等の施設と一緒になったものもございまして、なかなか分類がしにくい面もございます。それから、果してこれは、建設大臣の所管にはっきり入るものか、各省の権限の独自の予算であるか、分類しにくいものもございまして、なかなかこまかい点は、相当先へ進みませんと、これがどちらともわかりかねますのでございますが、大きいものでよろしうございますか。各省の予算の内容、見当のついたものだけは拾えるわけでございますが、しばらく時間を拝借いたしまして研究いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/156
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157・田中一
○田中一君 これは官庁営繕法にのっとって、せんだって、この前の国会で改正した分は、これに全部入っておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/157
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158・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) 建設省では、あの法律によりまして、建設大臣が行う工事の範囲がわかっておりますので、各省と相談しまして、建設大臣が行うべきものは、全部建設省の方から予算を要求したのでございますが、大蔵省が予算を配賦いたしました際に、先ほど申しましたように、その一部が、官庁営繕費という工合に建設省に計上されまして、その分は、先ほど御説明した通り、はっきりわかっておりますが、その他の方は、各省の施設費に計上されておりますその分が、支出委任になるというわけでございまして、この法律の建設大臣の範囲内と、予算の配賦とは、一致しておらない事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/158
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159・田中一
○田中一君 官庁営繕の分は、全部耐火建築ですか、木造じゃありませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/159
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160・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) なるべく耐火構造で要求いたしておるのでございますが、大体、官庁営繕費に属しますものは、延べ面積で申しますと、約九〇%が耐火構造、あるいは大体不燃の構造でございます。約一〇%が依然として木構造になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/160
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161・田中一
○田中一君 木構造の内訳と予算とを資料で出して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/161
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162・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) 資料を作りまして、提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/162
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163・田中一
○田中一君 それから委託された東柳御所の建設について、あなた、入札に間組を入れて一万円で落したということは、もう新聞で知っておる通りで、新聞に出た通りでありますけれども、これに対して、どういう考えを持っておりますか。非常にあなた、営繕局長として、技術的な良心で、そのまま率直に述べるとも、あるいは政治的な含みを持とうとも、一向差支えありません。議事録に載りますから、その点は、よくお考えになって、御答弁して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/163
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164・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) 東宮御所の造営につきましては、非常に大事な工事でございますので、指名者の選考等につきまして、慎重を期したわけでございます。入札につきましても、業者に慎重考慮するようによく注意をいたしたのでございますが、結果は御承知の通りになりまして、お騒がせしたことを申しわけないと思っております。従いまして、その結果、いかに収拾するかということにつきまして、また、非常に慎重熟慮いたしまして、各省とも相談をいたし、また大臣等とも、よく相談いたしまして、御承知のような結末をつけたわけでございまして、結果は、非常にうまく結末がついたというふうに思っておる次第でございます。今後、この結果を参照いたしまして、今後この種の工事につきましては、万間違いのないように、これを参考としていい方法を考えてみたいと、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/164
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165・田中一
○田中一君 私は、一万円で落札したのを間違いと思っていないのです。本人は、一万円で仕事をしようと思ってやったことですからね。遺憾であるとか、騒がしたとは考えてない。そういう考えがあっちゃならぬと思うのです。聞くところによりますと、法律的には、あれで正しいのであるということならば、なぜ一万円でやらせなかったのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/165
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166・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) 法律の手続上は、一応正しいというふうに解釈をしておりまして、ほんとうの法理論から申しますと、相当疑義があるようでございます。
そこで、あの際は、再考を促した方がよろしいのじゃないかという工合になりまして、あのような処置をとったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/166
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167・田中一
○田中一君 法理論でもって疑義があるならば、失格をすればいいのです。そして新しい入札をすればいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/167
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168・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) 失格、つまり無効という工合に宣言することにつきましても、相当疑義がございまして、なかなかはっきりと有効、はっきり無効というきめ手が、なかなかないということでございますので、そういうことでもって、もめておりましては、これは事態が紛糾するばかりでございますので、そういうことは、抜きにいたしまして、とにかくそれでは事態を収拾しようという、再考を促そうというので、ああいう措置をとったのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/168
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169・田中一
○田中一君 現行法のままでは、ああいうことが次に起きるということは、もちろん予想されますね。それは予想されないと見ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/169
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170・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) 相当安い札が入るということは予想されましたが、まさか一万円ということは、予想いたしませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/170
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171・田中一
○田中一君 現行法のままなら、ああいうような事態が、今後とも起り得るということが予想されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/171
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172・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) 普通の工事であれば、ああいうことはあり得ない、よほど何か変ったことがなければ、あるとは思っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/172
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173・田中一
○田中一君 現行法では、ああいう事態が起るということは、予想されませんか、されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/173
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174・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) 現行法では、ああいうことがあっても防げないという意味でございましたならば、防げないのでございますが、ああいうことが、ままあるという工合には考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/174
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175・田中一
○田中一君 そうすると、現行法では、ああいう変り者が出た場合には防げないということを考えておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/175
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176・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) 変り者が変ったことをした場合には、防げないということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/176
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177・田中一
○田中一君 あなたは、大体そうした営繕関係の仕事をなさっておる方として、現在の、現行法のままであっていい、またああいうことが起きたら困るから、何とかしなければならないという、どっちの考えを持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/177
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178・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) 現行法では、ああいう事態が起きますと、相当困ったことになりますので、何とか特別な方法が講じられるようなふうに、法的措置がとれればいいのじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/178
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179・田中一
○田中一君 昨年の通常国会の末期に、二十六国会でしたか、参議院において可決され、衆議院に回った法律案が衆議院で通った例の会計法の一部改正、ああいうふうな法律ができれば、こういうものは防げるのではないかというように考えておりますが、考えておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/179
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180・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) その当時の法律の内容を詳しく存じませんが、大体、そういう法律ができますれば、こういう事態は防げると思っておりますが、なかなか実際の取り扱いは、相当むずかしいように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/180
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181・田中一
○田中一君 どういうように現行の会計法を改正したら、ああしたことが、会計法の今までの立法の精神をそこなわないで可能であろうと考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/181
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182・櫻井良雄
○政府委員(櫻井良雄君) まだ私としても、こうすべきだというはっきりした案はないわけでございまして、建設業者とも、よく打ち合せまして、研究中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/182
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183・田中一
○田中一君 政務次官に伺いますが、これは、この間も雑談的にお話ししたことなんですが、大臣も、了承したと思いますけれども、こういうことが、今後とも起きないということは言えないと思いますね。
そこで一つ、政府としても、かつて大蔵省が提案したあの法律案の改正というものが、あれでも不十分ならば、もう少し十分なようなものを政府として、この国会中に提案する意思はございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/183
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184・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) 先般田中委員から、そうした問題についても、お話がございまして、大臣にも、その意思は伝えてはおきました。こうした問題が、将来起きないように処理をしたいということで、大臣も、非常に頭を悩まして、法律の改正その他につきまして、ただいませっかく検討中でございます。ただ、今国会に提案し得るかどうかということにつきましては、大体この国会では、すでに、もう御説明申し上げましたような法案のみに限っていきたいというような考え方を持っておりますので、よほどの事情のない限り、この会計法を改正する法律案は、次の国会でなけらねば提出できないのではなかろうかと考えておりますが、しかしその内容等につきましては、ただいま慎重に検討いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/184
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185・田中一
○田中一君 そういう御意見ならば、社会党から議員提案いたしましょう、われわれは立法権を持っていますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/185
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186・内村清次
○内村清次君 国立国際会館ですか、あれはどこにしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/186
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187・徳安實藏
○政府委員(徳安實藏君) これは、ただいままだやる場所はきめておらないのですけれども、方々から意見がございまして、それを大体、初めきめたときには、京都が妥当ではないかというようなことで、閣議では話が出て、そういうつもりで、予算は一ぺん三十三年度の予算に五百万円計上されたわけでございます。ところが各省関係で相談しましたところがやはり、通信施設の関係あるいは宿舎の関係、あるいは交通等の関係で、どうも向うへ持っていきましたのでは困るという外務省を初めとして、たくさんの役所の関係から、抗議が出まして、そこで、そういうものを勘案をして、あるいは東京を第一次にし、京都を第二の候補地にしたらということで、今もんでいるわけであります。今候補地が決定しておりませんので、まことに、内容について詳しく御説明できないことを遺憾に思いますが、しかし不日、日ならずして最後は閣議決定をみなければならぬと思いますから、ただいま大臣ともお話をいたしまして、あるいは事務次官等とも相談して、次官会議にかけて相談しておりますから、あるいはこの予算審議中には、大体どこでやりますというおおよその見当は申し上げられるかと思います。
また候補地につきましても、京都付近といいましても、やはり京都では、御所の付近という話もございますし、あるいは少し離れた場所もございますし、あるいは宇治の付近というような陳情もございますし、いろいろな方面から陳情が出ておりますので、もし関西——あちらの方面ということになりますれば、現地につきまして、さらに検討いたしまして、最後の決定をいたしたい。
ただ、おおよその、あるいは東京を中心にしてやりますか、京都を中心にしてやりますかということは一応閣議で決定してもらいたいということで、今閣議に問題を出しております。不日決定いたしましてから御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/187
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188・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 本日は、この程度で散会いたします。
午後四時二十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00719590210/188
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