1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年二月十二日(木曜日)
午前十一時十一分開会
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委員の異動
二月十一日委員前田佳都男君辞任につ
き、その補欠として佐野廣君を議長に
おいて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 早川 愼一君
理事
稲浦 鹿藏君
岩沢 忠恭君
田中 一君
委員
石井 桂君
小山邦太郎君
酒井 利雄君
西岡 ハル君
秋山 長造君
内村 清次君
村上 義一君
国務大臣
建 設 大 臣 遠藤 三郎君
政府委員
建設大臣官房長 鬼丸 勝之君
建設大臣官房会
計課長 南部 哲也君
建設省計画局長 美馬 郁夫君
建設省河川局長 山本 三郎君
建設省道路局長 佐藤 寛政君
建設省住宅局長 稗田 治君
建設省営繕局長 櫻井 良雄君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
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本日の会議に付した案件
○建設事業並びに建設諸計画に関する
調査の件
(昭和三十四年度建設省関係予算に
関する件)
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001・早川愼一
○委員長(早川愼一君) これより建設委員会を開会いたします。
まず委員の変更について御報告いたします。
二月十一日、前田佳都男君が委員を辞任され、その補欠として佐野廣君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/1
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002・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 昭和三十四年度地殻省関係予算に関する件を議題といたします。
本件につきましては、前回までの委員会で、各局別に細目の質疑を行なって参りましたが、本日は、建設省関係の予算についての総括質問を行います。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
なお、本日の出席は遠藤建設大臣、鬼丸官房長、美馬計画局長、山本河川局長、御用住宅局長、櫻井営繕局長、佐藤道路局長、海部会計課長の各政府委員でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/2
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003・内村清次
○内村清次君 建設大臣にお尋ねいたしますが、三十四年度の予算計画の一般予算の中におきましては、政府の重点政策として道路整備というものが、産業基盤の強化という意味でなされて、先般のこの委員会でも大臣の説明があっておりますが、その道路整備の予算増加に対しましては、「三十三年度以降五箇年間に総投資額一兆円を規模とする新しい道路整備五箇年計画を樹立し」と、こういう説明がなされておるんですが、先般の委員会で、これは道路局長にも質問いたしておりますけれども、この根幹となる五カ年計画というものが、まだ樹立されておらないというような説明もあっておりますが、もちろん、これは検討中であると、閣議決定までいっておらないというようなお話ですが、これはどうですか、大臣は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/3
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004・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 三十三年度からの道路五カ年計画について、実は法律の要求もあり、すみやかに五カ年計画を閣議決定の運びにもって参りまして、そして一日も早く確定をしなければならなかったのでありますが、御承知のように補助金の特例の問題等が未決定のままにありますし、なお当初五カ年間に九千億の計画を見当に立てておったのでありますが、その後種々の情勢を勘案いたしました結果、五カ年間に一兆円の投資をするというふうに拡大されて参りました、一千億の増大についても、その割りふりをどうするかという問題が残っておりまして、だんだん五カ年計画の決定がおくれて参ったのでありますが、昨年の暮れの三十四年度予算編成に、原案を作るに当りまして、政府としての最終的な態度がきまって参りましたので、すみやかに五カ年計画を最終的に決定しなければならぬ段階になって参っております。政府の方針もきまって参りましたので、近いうちに、この予算の御審議の間に合う間に、この五カ年計画の確定案を提出いたしまして、そうして皆さんに御審議を願いたいと、こう考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/4
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005・内村清次
○内村清次君 いろいろの事情もあったと思いますけれども、これは、根幹となる問題でありますので、予算を検討する上については、ぜひ必要でありましょうし、特に今回確聞するところによりますると、ガソリン税の増徴というような問題で、あげて、関係団体はもちろんでございますけれども、相当国民の間に、これに反対するという機運も醸成しておることだし、当委員会といたしましても、この問題等は、十分関連のある問題でもあるし、この財源が、一体どういうふうな形で五カ年計画というものが遂行されていくかということは、これはもう必要緊急な問題であろうと思うのですが、そこで、私も先ほど委員会で、大体この五カ年計画の財源内容について一応検討してみる必要があるというようなことで、ここで発言もいたしましたが、私たちの方の手もとに、ガソリン関係の反対陳情やあるいは道路利用者というような団体からの財源関係についての要望事項というような問題を資料としまして検討しておりますが、大体、その数字で、一応いいでしょうというような話もあっておりますが、これで私も、一つきょう大臣に、この資料に基いて質問をしてみたいと、こう思っておるのですが、大臣の手もとにも、たとえばこういうような陳情書、こういうものは来ておりますかどうですか、こういうものを見られたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/5
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006・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 話では聞いておりましたが、その陳情書は、あるいは道路局長の方に来ておるかもしれませんが、私は見ていないのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/6
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007・内村清次
○内村清次君 私は、こうやって質問いたしていきますにつきましても、閣議決定の正式資料がない以上、どうも権威を欠くような感じもしますが、しかし大体、私はこれの資料によって質問をしたいと思うのですが、よろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/7
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008・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) それはけっこうでございます。五カ年計画の建設省としての大体の案がまとまっておりましたので、それを今それぞれ関係省にも相談をし、道路関係の審議会にも諮って、最終的な決定をする段階になっておりますので、確定はまだいたしておりませんが、大体、建設省の考え方というものは、もうきまって参りましたので、それを基礎にして御論議いただけば、けっこうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/8
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009・内村清次
○内村清次君 それでは一つ、これで質問して参りますが、この数字が、これは、まあ通路局長でもけっこうですが、大体の様相は、大臣も一つ頭に入れておいてもらいたいと思いますが、五カ年全体で、政府の計画しておるところの所要額というものは五千三百二十二億、それに財源の内容といたし年して、ガソリン税収からくる財源が四千六百二十一億、そのうち値上げのための増徴分として一千六十億、直轄相当借入金として三百八十四億、一般財源が三百十七億、このうちの道路公団出資金が三百十二億、こういった数字が出ておりますが、これでいってよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/9
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010・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) 大体、建設省の方では、そういうことでよろしうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/10
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011・内村清次
○内村清次君 そうしますと、三十三年度の所要額は、これは、もう確定額でございましょうが六百六十九億、内訳財源といたしましてガソリン税収が五百六十七億、価上げ分の増徴はなし、直轄相当借入金五十二億、一般財源が五十億、うち道路公団出資金五億、そうしていよいよ三十四年度に所要額九百九十二億、ガソリン税収八百十五億、うち価上げ増徴分として百九十三億、直轄相当借入金が七十七億、一般財源が百億、うち道路公団出資金が五十五億、そうして三十五年から三十七年までの間において所要額が三千六百六十一億、ガソリン税収が三千二百三十九億、うち値上げ増徴分が八百七十五億、直轄相当借入金が二百五十五億、一般財源が百六十七億、うち道路公団出資金が二百五十二億、こうやった五カ年計画の財源関係が出ているわけでございます。これを検討いたしてみますると、ほとんどこの道路費というものは、ガソリンの税金でまかなってしまっておる。しかも特に三十五年から三十七年度にかけましても、ガソリン税の収入が三千二百三十九億でございますからして、道路財源のパーセンテージから言いますと九五%をガソリン税の費用でまかなっておる。そうして直轄相当借入金が二百五十五億で、わずかに七%半ですね、七・五。しかも一般財源ではマイナスの二・五%になるわけなんです、ほとんど一般財源というものはマイナスの八十五億になって、一般財源からの道路予算というものに対する財源関係は全然ないというような状態で組まれておりますが、こういうことで、大臣はいいものであるかどうか、その点につきまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/11
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012・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) お尋ねのように、昭和三十五年度以降の所要経費は、大体、全体の所要額の三千六百六十一億に対して揮発油税が三千二百三十九億、そうして百六十七億程度の国費の純一般会計の負担というような形になって参っております。
この点については、私どももお尋ねのような疑問を最初は持っておりましたが、しかしこれは重大な問題でありますから、十分に検討をしなければならぬということで、昨年来、諸外国の事情その他いろんな精細な調査をして参ったのでありますが、外国におきましては、アメリカのごときは、ガソリン税及び自動車関係の税で、道路整備費の全部をまかなって、なお余裕が出てくるような状態になっておる。それからフランス、英国等におきましても、ガソリン税で、もちろん道路整備費を全部まかなっております。それから、なおそのほかに余分の財源をガソリン税の方の関係から取っておるようなことでありまして、外国の例を参考にしながら、日本の実情はどうかということで、いろいろ検討してみたのでございますが、日本の現実の自動車の事情を調べてみますと、大体自動車のバス、トラック等の走行費の二〇%程度が、ガソリンの費用になっておるのでございまして、今回のこの程度の値上げが、運賃その他に及ぼす影響を計算してみますと、二%ないし三%程度にとどまる。全然これをこのまま、事業主体の運賃その他に転嫁する場合でも、二%ないし三%程度でおさまっていく。しかも道路整備が進んで参りまして、道路が改良され、あるいはまた舗装されて参りますと、ガソリンの消費量が非常に減って参ります。その上に、自動車の消耗費も減って参りますし、計算をして参りますと、十分、これはカバーができる、決して無理な税金ではない。もちろん税金は、安いほどいいに違いありませんけれども、財政、非常に苦しい現状でありますので、この程度の負担をお願いすることはやむを得ないであろう。この程度の負担をしても、なお道路の整備をやっていくということが、日本の経済全体としては、はるかに大きなプラスになってくるのであるし、しかも負担をする事業主体の方々に対しても、それほど決定的な無理をしいることにはならない、こういうことで忍んでいただいて、一つ大きな道路整備をやることに協力していただきたい、こういう態度に決定をしたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/12
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013・内村清次
○内村清次君 従来も、この道路財源として、ガソリン税が充当されておる経緯は、これは私たちもよくわかります。わかりますが、今回、一キロリットルに対しまして五千五百円の増徴が、これを政府の方針として出しておるわけですが、果してこの五千五百円というものが、そのまま充当されていくとすれば、この既定の五カ年計画という問題の財源は、それで数字として積算がなされておるとは思うのですが、これが、また途中において、やはり減額されてくるというような経緯も過去にあったわけですね。そうしてきますると、たとえば三十五年度からは、一体どうなるのか、これは既定の五カ年計画の財源というものは、根底からやはりこわされていくのじゃないかという点も、また一つの問題が残るわけですね。
が、しかしこれに対して政府の方で、私は今確答を迫っておるわけではございませんよ。これは相当、今後、問題になって参りまするからして、私たちも、そういった、また委員会の席上においても、政府の五カ年計画の決定と同時に、意見も申し述べてもいきたいとは思いますけれども、そういった経緯もありますが、大臣は、一体どういうふうな勘定をしておられるか、そういう問題は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/13
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014・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) ガソリン税の五千五百円の増徴の問題については、政府といたしましては、まあ何が何でも、これは一つお願いをしていきたい、もし、これが穴があいてくるような結果になって参りますと、自然に道路整備の費用が多大になってくる、従って五カ年計画につきましても、再検討をせざるを得ないような情勢にもなろうかと思いますので、これはどうしても、原案の通り一つお認めを願って、そうしてこの日本の将来の経済の基盤を養う上で、道路整備に御協力がお願いしたい。
こういう態度で進んで参りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/14
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015・内村清次
○内村清次君 その点に対しましては、私たちも意見がありますけれども、とにかく、まだ確定されておりませんから、意見は、この場合差し控えてはおきます。しかし根底からくずれていくという点は、これは、はっきりしておるわけです。私が聞きたかったのは、もしそういう場合があったときには、一体どこから、また財源を持ち込んでくるかという点が聞きたかったのです。まあしかし、それに対して大臣は、やはりなるだけ一つ、まあかんべんしてもらいたいというようなお話のようでございますけれども、これは推移にまかせておきましょう。
ところが道路公団の出資金の中に、この一般財源の方から引き出していくというようなことですね。これは、どういうふうですか。それを一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/15
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016・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) 財源関係につきましては、ただいま建設省の試案の程度でございますが、五カ年計画全体として眺めてみると、道路公団に出資をすることを予定しております国費以上のものを一般財源から出していただくというのが想定になっております、五カ年計画全体から見ますというと。ただ、これを将来的に見ますというと、昭和三十五年度から七年度までの間に、そういうふうに数字の上では見える点はございますが、全体といたしますと、ただいま私が申しましたように、若干国費の方を余計出していただいて、ガソリン税が出資の方に回ることがないような形にしていきたい。
こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/16
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017・内村清次
○内村清次君 先ほども私が財源で申しましたように、三十四年度までは一般財源関係が百億、そうしてうち道路公団出資金が五十五億、だからしてまあ差し引き四十五億だけは一般財源として一般道路の整備のためにお使いになるということになりますけれども、三十五年度から三十七年度までの間におきましては、一般財源は百六十七億で、道路公団に対しましての出資金は、二百五十二億という数字が出ておるわけですね。
そこで、先ほども言ったように、一般財源が、一般道路関係に対しましてはマイナスの七十五億という数字が出ておるわけです。そうすると、これで一般道路関係は、整備されていくかどうかという問題が残るわけですけれども、この点は、どうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/17
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018・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) 全体といたしましては、先ほど申し述べたようでございますが、三十五年度から七年度までを見ますというと、私の方の試案の数字は、御指摘のような点があるわけでございます。これに対しまして、一般道路の方が、それだけ食われるというような形になるわけでございますが、有料道路の事業も、一般道路と同様に、産業経済の発達のために重要な地点を実施いたしておるわけでございます。一般道路事業とあわせまして、大事な道路の整備を進める。こういう考えで計画をし、実施いたしておるわけでございますので、事業の上では、特に、一般交通の必要な部分が、やれなくなるというようなことはなかろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/18
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019・内村清次
○内村清次君 その点は、一つ確定後において、また質疑をしていきたいと思います。
そこでこの道路整備の充実と同時に、地方財政との関係について、お尋ねしたいと思いますが、公共事業の国庫負担臨時特例法が廃止になりますね。そこで一般の公共事業の地方負担分というものは、非常に増大してきやしないか、一体、この増大分というのは、どれくらい道路関係で壇大していくか。その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/19
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020・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) 道路関係につきましては、幸いにいたしまして、地方負担に非常に関係いたします国の負担率、補助率は、来年度以降、この五カ年計画実施の期間は、三十三年度と同様な負担率、補助率を考えていくということを、われわれの方としては考えておるわけでございますので、この補助率、負担率が変るための地方費の不足要求という関係はなくなる見込みでございます。
ただ、事業が拡大いたしますために、国費も、それだけよけい要りますが、地方費もよけい要ると、こういう問題はございますが、これに対しましては、一応地方の財源についても、道路譲与税、軽油税等でまかないがつく見込みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/20
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021・内村清次
○内村清次君 この事業量の拡大で、どれくらいの数字をあなたの方では見ておられるかという、数字の点ですね。これが一点ですが、さらに公共事業費としての事業の拡大ですね。道路関係は、もちろんあなたのおっしゃるように据え置きますけれども、公共事業費としては、これは、先ほど言ったような臨時特例法というものが廃止されますね。そこで、負担率、補助率が違ってきますわけですね。そういったために、どれくらいの数字が、地方の財政負担に増加してくるかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/21
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022・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 三十四年度の建設省関係の公共事業を実施して参ります場合に、地方負担が、どの程度になるかという、一般的な傾向といいますか、今後のいろいろな御審議の上に御便宜と思いますので、ここで申し上げておきたいと思うのです。
大体、三十四年度の建設省関係の公共事業と住宅計画の予算を執行して参りますと、地方公共団体の負担が、直轄事業におきまして百五十億円になります。補助事業におきまして五百四十三億円になります。合せて六百九十三億円でありまして、前印度に比べまして相当ふえて参ります。前年度は五百五十四億でありましたから、百三十七億増加する、こういう結果になって参ります。
この百三十七億の問題を、はっきり見通しをつけなければなりませんので、自治庁とも、いろいろ相談しておったのでありますが、この財源は、どこからまかなっていくかといいますと、第一は、軽油引取税が、今回の増徴によりまして百三十六億円、約七十一億円増加であります。それから地方道路税の関係が百四十八億円になりまして、十七億円の増になります。で、前年度に比べて八十八億円ばかりふえて参ります。総額は二百八十四億円であります。約八十八億円ばかりふえて参ります。
そこで、直轄事業の問題については、これは問題がございません。大体、これは交付公債で五十億円参りますから、問題はありません。一般会計から十七億円と、道路特別会計の二十三億円、ダム特別会計の十億円。そうしてこれは八十七億円が補助事業の増でありますが、この八十七億円の増は、一般会計二十五億円、道路特別会計五十六億円、住宅が六億円でありますから、この道路特別会計の五十六億円に対しましては、軽油引取税と地方道路税の増の八十八億円で十分に間に合う。ところが、道路特別会計以外の補助事業の三十一億円というものが、財源がはっきりしてこないものが出て参ります。これに対しては、地方税の収入の増が、大体今年度においては、五百六十二億円見積ってあります。それと、起債を六十五億増加いたしますから、合計で六百二十七億円、地方財源がふえてくる。この六百二十七億円で三十一億円の負担増の分は十分吸収していける、こういう計算を立てまして、建設省関係の公共事業を三十四年度に実施して参ります場合に、地方負担がふえて参ります分は、十分穴埋めをしていくことができる。
こういう計画でおることを一つ御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/22
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023・内村清次
○内村清次君 この点は、地方自治関係の指導監督なさる自治庁とは、十分了解されておりますか。あるいはまた大蔵省とも了解されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/23
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024・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) これは、十分に了解を得て、打ち合せてやっておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/24
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025・内村清次
○内村清次君 この問題は、もちろん私が建設大臣のみに聞きましても、まあ今言われたように、十分了解されておるといえば、それまでのことですから、私たちは、まあ地方税関係における減税関係、それに対するところの交付税の増加、こういった問題とにらみ合せまして検討したいと思うのです。
そこで、果してこの財源関係が、地方財政の圧迫になっておるかどうかという点ですね、これを質疑をしていきたいと思いますが、一応、時間の関係もありますから、この次に、この点も回しておきたいと思います。
そこで、この道路予算が、非常に拡大されたと、さらにまた、公営住宅の方におきましても、まあ資材や道路費の値上り、あるいはまた、その道路予算の拡大によって、土建ブームが起きてきはしないか、いわゆる単価というものが非常に上げられやしないかというような心配がなされておりますけれども、この点は、大臣の方で検討されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/25
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026・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) この道路予算その他公共事業全体の予算が、非常に大きく伸びておりますので、所要資材等の需給関係に、非常に大きな影響があるだろうという点は、私どもの最も注意した面でございまして、これを間違いますと、これをぼんやりやって参りますと、その公共事業が、当初の計画通り遂行できないような結果になって参ります。非常に大きな政治上の問題だと思いまして、私ども検討して参りました。
大体、今回の建設省関係の三十四年度の予算を実行して参りますと、鋼材において四十一万八千トンを使って参ります。前年に比べて六万四千トンばかり鋼材の使用量がふえて参ります。それからセメントが四百十一万九千トンばかり必要になって参りまして、前年に比べますと四十七万九千トンばかりふえて参ります。木材におきまして八百十三万八千石ばかり使って参りますので、前年に比べて四十八万五千石ばかりふえて参ります。それぞれ住宅、あるいは営繕、あるいは公共事業、こういうふうに私ども分けて内訳を検討しておるのでございますが、これらの資材の手当の問題については、鋼材、セメント等、それぞれ連絡をいたしておりまして、それぞれ供給余力の十分ある、現有の設備の稼働率等から見て参りまして、十分にこれは供給することができるということを確信を持っておる次第でございます。
これが不足のために、非常にこれらの物資の需給関係にアンバランスを来たして騰貴をするようなことは、絶対にない、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/26
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027・内村清次
○内村清次君 そこで、まあこの標準建設費というものは、大体据え難くという御方針でしょうね。
そうしますと、問題は、まあ地方公共団体におきましても、非常にこの工事そのものが疎漏になってきやしないかというような懸念もまたわいてくるのですが、一面におきまして。こういう点の御注意は、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/27
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028・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 公共事業にいたしましても、住宅建設の方面にいたしましても、大体前年通りの方針で進めて参りまして、ただ住宅用地その他の用地買収の関係では、多少の値上りを見ないと、非常に無理なところが出て参りますから、一五%ないし一〇%の値上りを考えておるものもありますが、これは物価の騰貴を刺激するような意味でなくして、あまりに安く買うというところに、非常に無理な点がありますので、それを是正するという意味でありまして、全体としては、三十三年度のこの経済情勢を基礎にして、そうして三十三年度の方針をずっと貫いていくと、こういう考えでやっておるのでありますが、それがために、非常に工事がずさんになるということは、絶対にないと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/28
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029・内村清次
○内村清次君 次に、住宅関係についての一つお尋ねをいたしますが、大臣の説明によりますと、特に三十四年度においては、この低家賃住宅という問題については、重点を入れておるというお言葉があるようですが、私たちがこれを検討してみますと、そう大臣が言われたような——またこれはこの委員会でも、予算委員会でも、従来私たちが主張いたしておりますが、特に低家賃住宅という問題について重点を入れた政策であるとは、どうしても考えられない節があります。
これを数字的に申してみますと、第一種公営住宅は、前年度に比較しまして千百戸に増加になっておるのですね、これが第一種住宅の前年度の九百戸から見てみますと、ほとんど伸び率というものは四%くらいですから変りありません。変っておらない。こういった数字になっておるが、どの点に重点が置かれているか、大臣、どうお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/29
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030・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 住宅建設の目標をどこにおくかということについては、これは、いろいろ議論があるのでありますが、大きな筋としましては、公団住宅、あるいは公庫住宅、あるいは公営住宅等につきましても、一種、二種等のそれぞれの段階における需要量を基礎にして、要求を基礎にして大筋の計画が立って参るということは当然であります。しかし、その間におきましても、特に公営住宅においては低家賃の、特に低家賃の住宅を供給するというところに、私は特別のニュアンスを出していきたいということをかねがね申し上げておったのであります。今回の予算におきましても、予算の表面にあまり出ておりませんが、運営の上において、これからまた御審議願う公営住宅の関係の法律等も関連いたしまして、運営の面において、できる限りの低家賃住宅を建設する、こういう線を出していきたいと思っておる次第でございます。
なお、御必要とあらば、住宅局長の方から、詳細な計画を説明させてもけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/30
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031・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 午前の質疑は、この程度に打ち切りまして、午後一時から再開したいと思います。
これで休憩いたします。
午前十一時五十四分休憩
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午後一時三十八分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/31
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032・早川愼一
○委員長(早川愼一君) それでは午前に引き続きまして委員会を再開いたします。
昭和三十四年度建設省関係予算について質疑を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/32
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033・稗田治
○政府委員(稗田治君) 先ほどの内村委員の御質疑に対しましてお答え申し上げます。
昭和三十四年度の住宅対策におきましては、低額所得者に対する住宅の供給を重点の一つに取り上げておるわけでございます。このため、公営住宅を昭和三十三年度より二千戸増加しまして、四万九千戸建設することとしたわけでございますが、政府の建設する賃貸住宅全体の七割近くを低額所得者に供給することといたしておるわけでございます。御承知のように公営住宅の家賃は、平均いたしまして、第一種公営住宅で二千三百円、第二種公営住宅が千百十円程度でございます。しかしながら、大都市におきましては地価などの関係から、第二種の公営住宅でございましても中層耐火の構造の住宅になりますと、二千円から二千五百円程度になる場合もございます。従いまして、家賃の支払いの困難な、特に低い収入の者に対しましては、千円から千五百円程度でこれを供給するように措置いたしたいという考えでございます。また、既存公営住宅の管理を合理化いたしまして、入居者の家計の実情によっては家賃の減免等を積極的に行う等の措置を実施いたしまして、低額所得階層の住生活の安定をはかりたいというように考えておるわけでございます。さらに、月収二万円から三万円のいわゆる中間階層に対しましては、その住宅難世帯中に占める大きな比率から考えまして、供給戸数を増加する必要がございますので、比較的家賃の安い公庫の簡易耐火構造の賃貸住宅を新たに一千戸建設することといたしておるわけでございます。なお、公団の賃貸住宅の家賃の低廉化につきましては、従来からいろいろと努力をいたして参ったのでございますが、この点につきましては、さらに今後検討を重ねていきたいというように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/33
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034・内村清次
○内村清次君 この住宅金融公庫の住宅ですね、これが前年比一万戸増になっていますね。これは比率にすれば一〇%の伸び、そうすると、先ほど言われました第一種、第二種の伸びと住宅金融公庫の増の伸びというのは、やっぱり公庫住宅の方がよけい伸びておりますね。これの家賃はどれくらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/34
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035・稗田治
○政府委員(稗田治君) 一般の公庫賃貸住宅、つまり中層耐火構造のものでございますが、これの家賃は、大体平均いたしまして、四千五百七十六円というわけでございます。それで新しく千戸作りますものの家賃につきましては、四千百六十二円という程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/35
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036・内村清次
○内村清次君 そこにやはり公庫住宅というのは、入居条件にしましても、月収三万円とか三万五千円だとかいうようなことで、非常に契約条件が構いですね、条件が非常に高くなっておる。そこで、この点にも問題がございますけれども、私が主張いたしておるのは、低家賃住宅としての先ほど御説明がありましたけれども、これが伸びるとしましても四%である、公序住宅は一〇%である、こうなって伸び率が、もう数字が明確にはっきりしておりますから、大臣がうたっておるように、低家賃住宅に対して重点を非常に入れておるのだというようなことが——私はちょうど二年前、南條さんが建設大臣のときに、予算委員会でこの点十分ただしたわけです。それ以後、この点には相当力点を入れて住宅難に対処する、一番要求しております住民が、満足できるような雰囲気に早く到達させていきたいという念願から、私は常にこれを主張しておるんですけれども、これがやはり具体的にあまり至らないような感じがするんですが、大臣どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/36
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037・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 低家賃住宅をもう少し作りたいと思いましたんですが、財政負担が非常に大きくなって参るものですから、財政事情からなかなか思うようにいかなかった。しかし、考え方としてはそういう方向を示し、まあ一歩の前進であろうということで、三十四年度はこの程度で参りまして、そして逐次こういった面に力を入れていくようにしたい。そういう考えでいることを一つ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/37
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038・内村清次
○内村清次君 そこで私は、まあこの前の委員会でも住宅局長にお願いしたわけですけれども、公共団体が補助金をもらうために相当要望があなたの方に出ているはずだ。もちろん、前委員会でも問題になりました繰越金の問題も、相当局長もこの改革の点については強く要望されておりますけれども、やはり地方団体から相当私は要求が出ているはずだと思うのです。こうやったところに対して、これは現に私も、熊本県の問題もございまして、熊本県のあれは建設課長か何かが来て、これだけ要求しているけれども、一つも見てくれないといったような話もあったものですから、当時係の方にも要望をしておきましたのですけれども、相当ああやった県、市町村も、市としても相当要求出しているだろうと思うのですね。こうやったことが、どうもあまり重点的にお取り上げにならないような気配もいたしますから、特に私こうやって申しているわけでございますけれども、この点につきましては、一つ大臣も、今何とか今後重点を入れてやろうというようなお話でございますから、特にこの点は重視していっていただきたいと思います。
それから、先ほど局長の御答弁の中に、まあ千円くらいの引き下げをやるのだというようなこと、これは何か法的に——今回公営住宅法が改正になりますね。これは政府の方で出しておりますが、この改正面からすれば、入居者、現に入居している者に対しては、その収入が著しく低額である、あるいはその他の特別な理由のある者に対しては家賃の減免することができるというような改正案が出ておりますね。これは入居者だけの条件であって、まだ入居しておらない者、今後入居したいという希望者の、そうやった悪条件に対しても減免をするお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/38
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039・稗田治
○政府委員(稗田治君) 先ほど申しました、大都市等におきましては、第二種の公営住宅でございましても、二千円から二千五百円程度になる場合がございまして、そういう大都市の低額、ごく低い所得の方々は、大体都市の密集部に住んでいる場合が非常に多いわけでございます。職業あるいは生活条件等からいきまして、なかなか郊外に家を建てても移り得ないという方々が多いものでございますから、そういう方を入れる中層耐火構造を建てまして、非常に地価の高い所でございますので、高度利用した中層耐火構造を建てるわけでございますけれども、普通に計算すると、これが先ほど申し上げたような家賃になるわけでございます。そこでこれを千円から千五百円程度まで初めから減額しました家賃で供給しまして入れようというわけでございます。
それから、なお今申し上げましたのは、大都市における密集部に住んでいるごく低い所得の住宅難世帯に対してでございますけれども、一般の中都市あるいは郡部等における住宅困窮者の者の中で所得の特別低い方に対しましては、今後御審議をお願いいたします公営住宅法の改正に伴いまして、当初から計画的に、ある一定の割合をもちまして減額措置をしまして入居させようという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/39
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040・田中一
○田中一君 一つ大臣に伺っておきたいのですが、現行の住宅金融公庫法で可能な限り、農村の住宅に対する融資というものを特別に住宅金融公庫の方の事業のうちに加えてできるような道を開いてほしいということです。これは、御承知のように、だいぶ最近は農村の長男でも次男でも、同一住居に住んでいる連中でも、大きな部屋、むだな部屋、使いものにならない部屋、これは御承知のように、農家というのは部屋が全部作業場みたいなものですから、寝室というのは納戸でもって、ほとんど不健康なものです。若い者は、新夫婦だけの別むねを建てたいという希望が相当強いそうです。そこで、現在の住宅金融公庫の事業計画でもってできると思うのですが、ただ、その収入——月賦金というものが毎月々々払えぬということなんです。これは、現金収入がある時期しかありませんから、こういうやつは、農協なら農協が裏づけをして、都市の勤労者の住宅と同じような形の融資方法をとって、そうして若い連中の、若い夫婦の部屋を作ってやるというような措置をとれると思うのですよ。何も法律改正とか、新しい法律を作らぬでもいいと思うのです。そういう形の行政指導をするつもりはないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/40
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041・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 金融公庫の貸付方針としましては、地域的な制限はほとんど撤廃してあるわけです。お尋ねのような点は、確かに農村の方に大きな問題としてあると思います。特に、増築などをする場合にその必要性が各方面からいわれているわけです。その必要に応じて、なるべくそういう要望に沿い得るように一つ運営して参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/41
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042・田中一
○田中一君 ただ、これは現在やっておるような、毎月々々金を払うという方式では困るわけなんです。問題はそこにあるわけなんですね。むろん、供出後、金が入る時期というのはさまっているわけですね。まあ都市に近いところは、野菜等で現金収入というものが毎月ある場合もありますけれども、それにしてもささいなものです。従って、貸付方式というものを変えればいいわけですね。年に二回にするとか、あるいは年に一回にするとか、そうして割合に借金をするのをいやがるものですから、自分の金で払いたいと思えば、農協なら農協にたのんでやってもらうという便法があると思うのです。農協にたのんでやってもらうとなれば、農協自身が仕事が繁雑になりますから、そこのところを住宅金融国庫自身が、まあ第三者の保証程度のことはいいとしましても、今までのような方式ではたえられぬと思いますから、そうでない形でやってほしいと思う。これはもう問題が常に起っておる問題です。そういう要望がある。これは三十四年度の事業の遂行に当って、住宅金融公庫法の改正が出ておりませんから、この際念を押しておきたい。それからまた、おやりになろうと思えばできるのです。これは、もう少し具体的に住宅局長にもお聞きになって、実施するようにしていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/42
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043・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) お尋ねの点は、非常に大事な点でございますので、できる限りそういうことができるように一つさっそく検討してみたいと思います。今、住宅局長から伺いますと、六カ月間の一括払いにできるそうであります。今の法律では。でありますから、それらを見て、実際に合うように運営をやってみるように研究してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/43
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044・田中一
○田中一君 それで三十三年度、今までの住宅金融公庫の増築部分の融資資金ですね。これはまだ余っておるでしょう。現在どのくらい余っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/44
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045・稗田治
○政府委員(稗田治君) 三十三年度の増築資金につきましては、ほとんど出払ったような形でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/45
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046・内村清次
○内村清次君 現在、人口増加によって世帯数が増加していきますですね。人口百万以上といわれておるが、それによって世帯数が増加をしていく。それから既設の家屋が老巧化してしまっておる。あるいは災害等によるところの滅失がある。こういった条件の中に、年間一体どれくらいの戸数が必要であるかということを御調査なさっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/46
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047・稗田治
○政府委員(稗田治君) 新たな新規需要増のことでございますが、三十二年度はこれを二十二万戸というように見込んでおるわけでございます。三年度におきましては二十万九千戸、三十四年度は十九万六千戸、これは災害等の関係の滅失戸数がだんだんと減ってきておるわけでございますので、少し漸減してきておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/47
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048・内村清次
○内村清次君 そうすると、全体の現在の家屋の不足戸数はどれくらい見積っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/48
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049・稗田治
○政府委員(稗田治君) 三十三年の当初におきましては、これを二百八万戸というように数えておるわけでございます。三十三年度の建設計画が予定通り終りますれば、三十四年度の当初におきまする不足戸数は百七十七万というように数えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/49
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050・内村清次
○内村清次君 そうすると、大臣説明で、政府の施策によるところの住宅戸数は二十一万一千戸、大体先ほど言いましたような滅失、その他人口増加というような戸数に見合っておりますね。あとはほとんど自力建設と民間建設に依存しておるというのが政府の住宅対策のように見受けますが、その点はどうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/50
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051・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 今、住宅局長から説明いたしましたように、大体二十万戸ぐらい新規需要がふえてくるわけでございます。それに対して、二十万戸ばかり政府が実際手を出して作っていくやつができてくる、その残りを民間で大体三十万戸ぐらい作っていく、こういうような形で、御指摘のように、戸数からいきますと、そういうような計算が出てくるわけです。だんだんそれで自力建設の方も進んで参りまして、三十四年度の終りになりますと、百四十五戸ぐらいの不足になる。それでまた新規のやつが二十万くらいふえて百六十万戸くらいになっていく、こういうような計算でいきまして、四年間くらいやっている間にだんだんと緩和されていく、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/51
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052・内村清次
○内村清次君 この点はどうもあまり建設大臣もおいばりになれないようなことじゃないかと思うのですね。先ほど私も自力建設の問題につきましては、相当局長さんにもお尋ねいたしまして、年々の統計もまた出していただいておるわけでございますが、そこに私は住宅問題の一つの大きな、何と申しますか、決して明るい見通しじゃないという点が気にかかるわけです。この点はやはりこれは政府施策によって、何か不足戸数に対しまして追いつくような、自力建設のみでなくて、政府施策によって、これを追いつかせていくような方法はないか、言葉で言われますと、大体「五箇年間で安定させる既定方針に基き」というような言葉も入っておるんですけれども、どうもその言葉の裏を見てみると、そういった問題が欠けてはおらないかという気がいたします。まあこの点につきましては、もうこれは数字を見ればはっきりすることですから、大臣も一つ今後留意していっていただきたいと思います。こうなってくると、私は一番問題になるのは、たとえば政府の方ではこの宅地の問題は、大体計画的に開発をして、公団や、その他公庫の住宅関係に対しては、支障のないような方法でやられるかもしれませんけれども、民間にまかせた宅地の取得というのが非常に困難になってきておる現在、これは一体どういう宅地政策についてのお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/52
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053・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 宅地問題というのは非常にむずかしい問題でありまして、今やっておりますことは、大体一面においては宅地造成ということをやっていく、あるいは崩壊しておるところとか、あるいは山になっているようなところをだんだん宅地に造成していく、そういう努力を一方においてやると同時に、やはり都会地の人口が非常に棚密なところにおきましては、立体的に二階とか三階とかいうようなことでもって、宅地の実質上の増加をはかっていく、こういうこともあわせて考えてやっておるわけであります。しかし、この問題はなかなか簡単に参りませんので、だんだん都市の周辺を開いて参りまして、交通が便利になるに従って、その距離も相当延びて参りますから、そっちの方面へもだんだん住宅地の造成をやっていく、こういうようなことをあわせてやっていくごとによって、なしくずしのように解決していく以外には方法はないんじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。首都圏の問題について、首都圏の過度の人口集中を排除するという意味の法案を、この間の国会で御審議願っておったのでありますが、そういうことをあわせてやると同時に、直接の不足宅地対策というものをやっていく、こういうことでございます。あんまりはっとしたよい計画というものはないのですけれども、実際問題としてはそういうことをやっていく以外には方法はない、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/53
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054・内村清次
○内村清次君 この問題につきましては、これは私たちも十分意見はありますよ。というのは、果して今の政府が都市計画事業といたしまして高層建築というようなことに重点を入れられておるかどうか、あるいはまた、建設省管内だけでも、区画整理の問題と、この都市住宅建設の宅地問題というものを解決するための考慮がなされておるかどうかということが、どうも私たちは計画的に、疑問に思っておりましたが、大臣どうですか、この点。これはまた所管の局長さんにも一つ話して……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/54
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055・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 実はこれは常識論でありまして、あなたのおっしゃることと、私どもの考えておることとはそう違うものじゃないのでして、お話のような区画整理の問題も今度はやっぱりやらなければいけないというので、区画整理法の一部改正の法案を今度はこの国会に提案して御審議願うことになっております。しかし、宅地としての適地をどんどん開発していくということについて、それへ重点を置いてずっとやっていくといったような建前になっておりません。だんだん、しかしそういう方向へいかなければもう行き詰ってしまうという考えで、いろいろな面でそういう形を出してきておりますけれども、実際、私は率直に申し上げましてまだ足りないと思います。今後はこういう方面へずっと力を入れていかなければいけない、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/55
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056・内村清次
○内村清次君 私も一昨年欧米を回りまして、特にイタリーとかドイツ、それからニューヨークはもちろんでございますけれども、ああいったところにおきましての高層建築、それから住宅対策と宅地問題との関連性ですね。これが非常に行き届いておることを見てきたわけでございますけれども、どうも日本に入ってくると平面——もちろん、これは日本人の今までの歴史的な、また人情的な趣味その他もありましょうけれども、住宅問題に対しましては、そこまでまだ行き届いておらないような感じがするのですね。まあこの点は一つ、十分大臣の方で考えてもらわないと、私は今二百八万戸だとか、こういった現実の不足住宅、また人口増加によるところの今後の住宅難の問題を考え合せてみますると、これはしっかりした計画をお立てにならないと、行き詰るところがくる。国民の非難はもうごうごうたるものであるということだけは強く認識していただきたいと思います。この住宅建設の五カ年計画というのはもう確定しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/56
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057・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 住宅建設の五カ年計画は、これは閣議を通して閣議決定になっておるものではないのであります。大体の目安を建設省で立てておる計画であります。ただ公営住宅建設三カ年計画の問題は、これは住宅法の法律的な裏打ちをもって進めておるのでございます。住宅計画全体としましては、一応の目安を五カ年間にこうやる、大体の目安をつける、こういう意味の計画でありますことを一つ御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/57
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058・内村清次
○内村清次君 そこで、これも先の委員会で質問しましたけれども、たとえば三カ年計画では、あなたの方で立てられたのが十五万七千戸、これを三十三年度が四万七千戸、三十四年度が四万九千戸、そうしてくると、三十五年度には六万一千戸建てなくちゃならぬ、三年度の終りに六万一千戸というものをほんとうにお建てになるかどうかですな。どうも年度の一番終りになってくると財政難だと、こういうようなところで、またさらにこの計画を立てるというようなことが、従来しばしばこの委員会を通じて政府の態度が示されておりますが、こういうようなことはないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/58
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059・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 公営住宅の建設は大体年間五万戸、四万何千戸から五万戸程度できておるわけです。三カ年計画の完成ということは政府に課せられた一つの義務にもなっております。やはり一万戸以上ふえる結果になっておりますが、これはどうしてもやりたい、こういうことで三十四年度の予算の編成に際しても、三十五年度の一つの目標を出して、こういうことになるということで、早目に了解を待て、ぜひともこれを実行したい、こういう決意をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/59
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060・内村清次
○内村清次君 先ほどちょっと触れましたが、宅地の入手難という問題の中に、非常に地価が上っておるのですね。これは自然ほうっておけば、おそらくもう十倍以上になるでしょう。二、三年で二倍くらいになっておるし、あるところは十倍以上にもなっておるところがございますから、こういった現象を見ておりますると、そこで一番利得するのは地主、さらにまたブローカーですね。こういった人たちが一番利得をして、そうしてすべて、たとえば地主の方では評価価格が上っていくと税金が上っていく、税金は全部そのたな子さんに課せられてしまい、自分の方はいつもゼロ、いつもゼロというような地主さんたちがこれは常道ですね。これは家が建っておるところがそうでございますけれども、一体にさら地のところでもなかなか、家を建てたい、家は何とか、退職金で金だけはできたけれども、宅地を買うだけの金はないというような人たちにも非常に困難性が出ておるのが現実の状態ですから、これに対しては何か対策がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/60
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061・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 宅地価格の問題は御指摘のように非常にこれは困難な問題でありまして、なかなか簡単には参りませんのであります。しかし、これは需要と供給との関係からくる値上りの問題でありまして、権力で押えるというようなこともできませんし、結局、宅地の造成をやっていく、あるいは地域的に広い方面に宅地を求めるということをやると同時に、高層建築というようなことで、宅地の供給を全体として多くしていくことをまず地道にやっていくことが第一である。その他の税金の問題やあるいは価格統制の法規の問題等は、現在としては考えておらないのでありますが、将来はしかし、このまま放置いたしますと、どんどん、どんどんしって参りまして、非常に大きな住宅問題、住宅難の問題にぶつかっていくのでありますから、
〔委員長退席、理事田中一君着席〕
これは非常に大きな問題として一つ十分検討して参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/61
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062・内村清次
○内村清次君 この問題は大臣しんから考えてもらいたいと思うのです、閣議でも。これは、たとえば自治庁関係も必要でございましょう、固定資産税の関係がございますから。それから大蔵省の関係もございますし、いろいろ関連性があるから、この問題はやっぱり、たとえあなたの方の資本主義経済を信奉しておられるところの内閣であろうとも、あまりにもひどいのです。現在では銀座の一かどが二百五十万とかいうようなことであるし、地方財政は、私たちから言わせれば、政府の方で圧迫しておるのだから、地方財政の方では固定資産税をやっぱり増徴したいというような感じもありますし、評価価格を上げていくというようなこともあるから、この問題は一つあなたの万では至急に考えてもらいたいのです。そうして私は何か法的に、もちろん昔のような統制令を存続さしていくというような思想からしたがいいか、あるいは別に法的な問題を考えて押えていく、とにかく押えていくというような方法がありはしないか、この点につきましては一つ考えてもらいたいと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/62
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063・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 研究することは非常にけっこうでありますが、なかなかこれは困難な問題でありまして、一朝一夕に結論は出て参りません。しかし、御指摘のように非常にこれは重大な問題でありますので、せいぜい一つ勉強して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/63
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064・内村清次
○内村清次君 これはやはり力の弱い者、金を持たない者が一番みじめなんです。この点が一つ、私たちも持たない階層の一人でございますから、非常に全く年来の希望を持っておるのが、なかなか手に入らないという現実である以上、これは国民一般もそういう考え方だろうと思うのですが、ぜひ一つ、事業をやっておる人たち、それから優にそういうようなものが買い得るところの階層の人たちというような人たちと、私たち国民層の持たない人たちの考えておることは、これはもう一つなるたけ平等なような形に持っていくように政府の施策を私は特に希望いたしておきます。
そこでですね、この住宅難によって、一つ家を建てたいというような人たちに、これはもう国民の大半、ほとんど全部だろうと思いますけれども、こういった国民の意欲をとらえて、たとえば電建、それから殖産だとか、太平だとかなんという建築会社が今できておる。しかも、それには月掛で建築資金を取って、そうしてそれを利用して、あるいはかってあったような貯蓄関係の不始末で、そういった建築希望者に対して非常に迷惑をかけるというよう事故が相当私は発生しておると、こう見ておるのです。これは詐欺か、あるいはまた欺瞞していくのか、とにかく不当利得を取って国民が迷惑をしておるような会社が相当あると私は見ておりますが、大臣はこういう点についてお気づきではございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/64
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065・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 非常に住宅が不足しておりますので、民間に相判の数の会社が、住宅建設を目標にした会社があることも承知しております。その会社が非常に国民に迷惑をかけておるという点については、私はあまりまだ聞いておりませんですが、あるいは事務当局の方の人たちは聞いておるかもしれませんが——私自身は非常に心配をしておるのであります。というのは、月掛けで、あるいは日掛けでもって長い間掛けておる間に、その掛金が行方不明になってしまったというようなことになりますと、これは非常に迷惑をかける結果になってくる。それぞれ今信用のある会社がやっておることと思いますけれども、政府としてはその監督を十分にしなくちゃならぬと思いますけれども、現在の法規ではそれを監督する手がないのであります。現在の法規では……。しかし、これを不用意に手をつけますと、影響するところも多いのでありますから、よく調べまして、そうしてこういう会社のいいところはやはり伸ばしてやればよろしい。もし弊害の出てくるおそれがあるとすれば、そこをきちっとふさいでおきまして、そうして安心して国民が住宅建設のために貯蓄をしていくというような、そういう機運を生がしてやるようにしたらどうか、こういう考え方で、今事務当局にもその点を調べてもらっておるような状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/65
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066・内村清次
○内村清次君 これは、やはり私もそういった会社ができまして、そして今正確な、要望にこたえた現実的な方法でやっておるというようなことであればけっこうでありますけれども、私も多くの人から、そういった被害の言葉も聞きますので、まあ、一つ警告的にここで発言しておるわけですけれども、大臣も調べてとおっしゃるし、これは至急にやはり調べておかないと、先ほどの関連といたしましては、やはり自力建設におそらく政府も依存しておられるような立場である以上、それ以上に、やはり国民としましては建設意欲がありますから、これを利用されて、かつての保全経済会だとかいうような金融関係で迷惑をかけたならば、非常に大へんなことになる、悪の上塗りであると私は思っておりますからして、一つこれは調べられまして、一ぺん委員会でお話し願いますように、私は特に希望いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/66
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067・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 この三十四年度の治水事業費の要求に対しまして、五カ年計画の三千五百億を計上されて要求せられたのでありますが、これに対しては国民はもう非常な期待を持っておったのでありますけれども、大臣初め所管の事務当局はそう称しておりますけれども、結果において従来と同じような形になったのは非常に遺憾に存じておるのであります。その一つに、閣議の申し合せというようなことがあって、審議会とか、あるいは閣僚懇談会とかいうようなことで、この治水費の財源ということについて今後検討するのだと、こういうような内容に承わっておるのですが、その点大臣は、もうこの国会が済めば直ちに三十五年度の予算作成というようなことに相なると思うのですが、それに対する準備として、この審議会なり、あるいは閣僚懇談会というものを二本立でおやりになるわけですね。審議会というものはどういう性格のもとであるか、その内容はどんなのですか、伺えたら構想を一つお話し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/67
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068・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 三十四年度の予算の編成の際に、治水五カ年計画を提示し、この五カ年間に約三千五百億円の治水事業を実施するという案を持って臨んだのでありますが、いろいろな点から検討いたしまして、三十四年度には、もう一年一つ詳しい事情の調査をしようということになりまして、三十五年度にこれを決定することにしようという閣議の了解があったことは、新聞等で御存じのことと思います。そこで、その際了解いたしましたことは、主として農林関係の砂防事業との調整をはかるということが第一点、それから第二点は、総額三千五百億円について、一方においては目標は同じであるけれども、二千四百億円程度でもってその目標を達することができるではないかという議論がありまして、その金額について河川一つ一つに当っていくという問題が一つ、それからもう一つは、特別会計を作って参りますと、財政投融資をしていくという結果になって参りますが、一種の公債的な問題がここに発生してくるわけであります。その公債に対する考え方について、もう少し議論をしようじゃないかと、こういうことで、大きく言えば三つの点が結局詰まらなかったわけで、この三つの点を詰めるために、閣僚の懇談会で一つ具体的に取り上げていこうということになりまして、この三十四年度の予算案が少し手が抜けるようになって参りましたならば、この国会中にぜひ第一回の会合を開いていきたい、閣僚懇談会をやりまして、そして財政の裏打ちをする、農林関係の調整をはかる、そして金融政策の方面からの検討をする、こういう問題について閣僚間に十分な意思の疎通をはかる、数字上の検討を加えて——大体八月ごろになりますと、三十五年度の予算の編成期になって参りますから、そのころまでに結論を出すようにしたいという考えで今進めておるような次第でございます。なお審議会の問題につきましては、治水審議会がございますので、これはその審議会の方の意見を、大きな大筋のものについてはそれを採用していく、こういう考え方でありまして、その具体的な実行を閣僚懇談会でやっていく、こういう建前をとって参りたい。審議会と閣僚懇談会とは、大きな問題は、もちろん審議会で進めて参りますが、その具体化のための財政の裏打ち等の実行は閣僚懇談会でやっていく、こういう建前で進めて参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/68
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069・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 先ほど、財政の裏づけと、こういうお話なんですが、結局、三十四年度の予算の審議の過程におきまして、特別会計というものは償還財源がない、だから財政投融資をしても、将来における償還がほとんどむずかしいというのが、大蔵省の全体の意見であることは御承知の通りなんです。でありますから、今度審議会を作っても、あるいは閣僚懇談会を作っても、あるいは先ほど財政の裏づけということは、三千五百億というものが、実際上に大蔵省の査定では——査定というのはおかしいですが、見込みでは、二千四百億になれば、五カ年で一応の目的が達するじゃないかといったように聞いておるんですが、その二千四百億を五カ年間でやる、財政の裏づけをやると、しかし、特別会計を設定することは、これは非常にいろいろの点において難点があるから、むしろ御承知の通りに、直轄河川は全部継続としてすぐ計上したのですね。でありますから、今度も五カ年間にこの重要河川について、重要個所を二千四百億か、あるいはまた建設省の三千五百億の工事費において、五カ年間の継続費を設定する、そういうような意味合いの財政の裏づけを審議するのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/69
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070・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 五カ年計画の金額を三千五百億か二千四百億かという点については、いろいろ議論があります。しかし私どもは、当初出しました三千五百億というその金額については、何らの疑問を持っておりません。これでやらなくちゃいかぬと思っております。しかしその三千五百億円の裏打ちをする場合に、一般の治水公債を出すかどうかという点が一つの議論になりました。治水公債の問題については、私は大蔵大臣といろいろ議論をして参ったのでありますけれども、その議論の、要点をここでざつくばらんに申し上げますと、今年度の財政計画全体から見まして、大体二千四百億円程度の散布超過になっている。しかも三十三年度の年度末の金融状況を見てみましても、千五百億ないし二千億円の散布超過になって参りますから、三十四年度の場合には相当だぶついたような金融情勢が出てくるのであろう。これは一種の物価騰貴を刺激する要因になっておるのではないか。そういう場合に、まあ日銀を通してマーケット・オペレーションをやるのじゃないか。単なる、なまぬるい考え方でなくして、強硬に、もっともインフレを刺激しないような基本的な公共中業に使うべきである。これが私の主張であったのであります。それに対して、それだけの散布超過が出て参りますから、これは公共投資にいたしましても、ある程度のやっぱりインフレの刺激になっていく、でありますから、金融の一般的な常識によるところの日銀の操作というものを基本に考え、しかも金融懇談会のようなああいう資金の統制という言葉は行き過ぎておるかもしれませんが、資金のある程度の自主的なコントロールをはかって、そうしてインフレの刺激を避けていくのだ、こういう建前をとるべきだという大蔵大臣の意見との間にいろいろ議論があって、そうして結局大蔵大臣の意見が通って、私の意見が通らなかった、これが実情でございます。
私は今ざっくばらんに申し上げますが、しかし私は現在でもそう思っております。現在でも私の意見は間違っておらないと思います。しかし、それをいつまでも議論しておりましても、閣内不統一とか何とかいうことになりますから、金融問題については大蔵大臣の意見にそれじゃ譲歩しようということで、譲歩して参りましたが、情勢はだんだん変っていくと私は思っております。三十四年度を経過しております間にだんだん変って参りますので、再び私の議論がやはり正しかったというようなときが私はくるのではないか、ある程度私ども、その私どもの意見が採用されていくときがくるのではないか、そこへいって初めて治水公債ないしは財政投融資の形でもって、こういう公共事業に投資をしていくという議論をするチャンスがまた出てくるであろう、こういうふうに思います。ただし、その議論が尽きない場合をいろいろ考えてみましても、特別会計自体におきまして、償還の見通しのつかない投融資をしていくということについては、それを避けて、償還財源を、その裏打ちのある財源だけでもって特別会計を作るというやり方もあるわけであります。その余の部分については、一般会計から補給していく、一般会計から補給する分が相当多額になって参りますけれども、事柄の性質上、当然これやるべしだという議論も成り立つわけであります。この予算の編成の最中に、そういう議論もずいぶんやりました。そうして議論をやっている間に、だんだん時間切れになって参りまして、これはもう少し延ばして決定しようじゃないかということになっておるわけであります。従いまして、その裏打ちの金額をどうするかという点については、まだきまっておりませんので、これから閣僚懇談会で私どもの主張をきちっと通していこう、閣議におきましては、三十五年度に特別会計を作って、そうして治水の根本的な解決をはかる、こういう趣旨の申し合せをしておるのでございます。そういうことでありますから、御了承を一ついただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/70
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071・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 そうしますと、今の大臣の御説明によると、三十五年度では、三十五年度の予算提出と同時に、これは特別会計を作るという意図のもとに、この懇談会とかあるいはまた審議会を運営していく、こういうことなんですね。しかし客観情勢から見ても、この特別会計における償還財源というものは非常に、やはり懇談会にしても審議会においても相当議論があることだと私は思うのですが、従って、どうも従来の例から見ますと、閣議申し合せというのがいつもから証文に終るというのが非常に多いのですね。でありますから、そういったような、是が非でも建設省としては三十五年度には特別会計を設定するということに一つ御尽力願いたいと思うのであります。
もう一つは、そういったような財源の方法とか、償還の財源のいろいろ問題に難関があった場合には、先ほど私がちょっと触れました、五カ年の、重要河川においての継続費を設定するということには、これは一般財源でずっと五カ年間で各河川ごとにできるのですから、これは次善策として、審議会なりあるいは閣僚懇談会において、建設省として一つ御提案をしてもらいたい、こういうふうにまあ一つ希望しておきます。
〔理事田中一君退席、理事稲浦鹿藏君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/71
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072・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 三十五年度に治水の根本策を講ずるということについての閣僚の申し合せは、ときどきそれがほごになるおそれがあるということでありますが、私は今回は絶対にほごにしないでやっていく。それをまあ一つ建設省あげてがんばっていこうと思いますから、直接、間接に一つ御援助をお願いしたいと思います。
なお、継続費の問題は、河川事業の関係で、治水事業の方の関係で二十億——国庫債務負担行為で二十億ばかり、今度継続して次年度にわたる事業が認められております。しかし、これはごく範囲も狭いし、われわれの考えておるところの九牛の一毛にもすぎないのであります。御趣旨のところはよくわかりました。これは実際必要だと思いますので、これからその問題についても十分一つよく練って参りまして、推し進めていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/72
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073・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 もう一つ下水道の問題なのでありますが、下水はだんだんこれから都市の要望あるいは市町村の要望として、文化生活の面から当然必要なものなんですね。それで、三十四年度の予算も、三十三年度に比べれば非常に大幅に伸びたということは、私は認めておるのです。しかし、これをもって満足すべきものじゃなくて、将来はもっともっと下水道の整備というものについては努力をしなければならぬと、こう思うのですが、あの下水道法によって、厚生省とそれから建設省が——終末処理の点ですね、これをまだ建設省が、なぜ下水道の一環として終末処理を建設省の所管にしないか。これは永久に建設省としては、もうあの下水道法にきめた、あるいはまた厚生省との申し合せによって、終末処理にタッチすることができないと、こういうふうにお考えになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/73
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074・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 下水道問題は、やっぱり御指摘のように非常に重大な問題でございます。三十四年度の予算で、下水道の五カ年計画を一つ作って、そうして徹底的にやってやろうという考えでやっておりました。私は弁解したりごまかしたりすることはきらいなので、ざっくばらんに皆さんに申し上げるのですけれども、だんだんやっておる間に、どうも一般会計の方が苦しかったものですから、思うように予算がとれませんでした。昨年に比べますと、非常な大きな、予算としては増額されましたけれども、私どもの考えておる下水道計画と遠いこと、はなはだしいものがあります。でありますから、ここで小さな五カ年計画などを、三十四年度の予算を基礎にして五カ年計画などを作りますと、かえって将来に向ってよくない結果を残すのでありますから、下水道問題については、これまた一年延ばしておこう、そうして三十五年度に下水道計画についてはもっと練って、そうして大計画を立てていきたい、こういう考えでおります。
ただ、しかし、終末処理の問題については、御指摘のように、これは理論的にいいましても、実際的の扱い方におきましても、一貫しておることがいいにきまっております。しかし、厚生省方面では、これは分離しておる方がいいという議論をしておる人もあるわけでございまして、事、所管問題になりますので、あまりこれを私が力んでしまうのもどうかと思いますので、全体の予算がそういうことになっていくときを待とうと、ことに、下水道問題がほんとうに大きな国家的な事業になって参りましたときには、その問題は私はひとりでに解決していくだろう。そういうやりもしないで、仕事もしないで、おれの方によこせよこせといったようなやり方はまずいので、下水道計画というものの大きなものを出して、これでいくのだということになれば、これは所管問題をはっきりしなきゃならぬときが必ずくる。そういうふうな考えで、今この所管問題を先にはっきりさせようというふうなことにあまり力を入れないで、自然にそういう機運ができることを待っておる、これが私の心境でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/74
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075・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 大臣はなかなか徳川家康式で、鳴くのを待とうというような形になるのですが、この下水道は今お話の通りに、だんだん五カ年計画で大規模にやろうというこの際、そういうような不自然な懸案を解決する時期じゃないと思うのですが……、それで下水計画をやる場合終末処理というものを全然抜きにして、建設省はただ下水管といいますか下水渠を作るというだけの問題で、一番うま味といいますか、部分的に見てあるいは科学的に考えての一番必要な終末処理ということを、当然一貫的に考慮しなければ下水計画というものは成り立たない。しかも今後五カ年計画で大幅に下水道処理をやろうというこの際に、少くとも今年度は間に合わなければ、三十五年度におきましてはこの問題を、鳴くまで待とうというようなゆうちょうでなくて、もっともっと積極的に僕は建設省が進んでもらいたいということだけの希望を申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/75
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076・田中一
○田中一君 今の岩沢君の質問に関連するのですが、どうも近年、三十四年度予算を見ても予算の繰り越しですね、これを党々とやって、むろんこれは事業の繰り越しになる、年度内に事業そのものを完遂できないから次年度に持ち越すというものと、事実上たとえば工事とか設計とか何とかという、当然持っていなければならぬというようなもの、これはあると思うのです。また一面今年は河川に二十億、道路に三十億という債務負担行為を要求しておる。私は、どうも政治的な含みで事業の増大を国民にいたずらに誇示したりするために、財政法違反を犯しているのじゃないか、あるいはすれすれのところで予算を編成しているのじゃないかというような気がするのです。財政法じゃ明らかに年度のもの以外には使わないことになっているのです。そうして一ぺん返してまたやればいいんですけれども、それを前年度取った予算は取っておいて、それを一つ含めた事業計画、同時にその年も繰り越すということが前提になっておる予算編成、こういうように見受けられるのですが、このことは公共事業、ことに建設大臣が担当しておる事業の単年度会計では不可能だということが、実際となってそこにきているのじゃないか、非常に好意的に見て。従って今岩沢さんが言っているように継続費というもの、またそういう予算を前もって取っておく、事業ごとに、あるいは二年なら二年、短かいものは二年、三年なり五年なり、前もって国策的の大きいものは十年なら十年取っておくといいと思うのです。それはむろん単年度ごとの事業によって変更されることはあるかもしれませんけれども、そういうような形をねらってのこういう予算の編成か、あるいはだらしがなくて、ついそうなったということできているのか、その点一つ大臣から説明を願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/76
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077・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 予算の編成について、後年度にわたって実行ができるような予算の編成の仕方をするということについては、これはおそらく公共事業を担当しておられるすべての人がそういう考え方だと思います。ただ一方予算の編成の技術的欠点の面からいいますと、後年度に約束された予算額というものが多いものは、後年度の予算編成に非常に大きな拘束を受けるので、それを極度にきらっておるわけです。そういう事情の中におきまして、私ども三十四年度の予算を編成したのでありますが、なるほど三月の三十一日までに全部予算を使ってしまいますと、四月一日から事業をすぐ実行するわけにはなかなか参りません。でありますから多少の繰り越しがないとそこに事業が飛び抜けていくといった問題が出てくる、そういう意味の繰り越しは確かにあったと思います。またなければ円滑な事業の遂行ができないのでありますが、しかし三十三年度におきましては、御承知のように繰り上げ施工をやって参りまして、その結果も非常に所期の効果をあげて参ったのであります。例年に比べて今年度の来年度への繰り越しの金額というものは、非常に少なくなって参りました。従って私どももこの予算がもし国会を通過いたしましたならば、四月早々から仕事が始まるように早目に用意をいたしまして、そうしてそこに三十三年度の予算と三十四年度の予算との間に段差ができないように、円滑に移っていけるようにしたいと思っているわけなのであります。実際問題としてそういう意味の繰り越しの問題もありますけれども、用地の買収その他の関係で、どうしても繰り越さざるを得ないような場合も出ております。これは決して計画的にやっているものではなくして、近年ますますこの用地買収が困難になって参りましたので、そういう結果が出てくるのでありますが、これは極力そういう意味の繰り越しがないように努力して参りたいと思っております。決して三十四年度の予算を誇示するために意識的にいろいろの計画をやっている、という意味ではございませんので、まあ真裸になってやるべきことをやる。そして予算をとるべきものはとる、そういう考え方でやっておりますことを一つ御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/77
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078・田中一
○田中一君 まあ大体公共事業の性質からいっても、これは継続事業になれば一番楽なんです。また今のそういうような時間的なロスというものはなくなってくるわけです。それにしてもこれが常道になってきたわけですね、限度をこえて。私は限度をこえていると思うのです。たとえば住宅金融公庫にしても、これは二、三年前ですが、ちょうど住宅金融公庫の例からいえば、第一次の鳩山内閣が住宅政策をぽんと出したときから、そういうしわ寄せというか予算の繰り越しを持ってきている。昨年は堂々と繰り越しをさせるというようなことで予算の編成をやっている。これは少くとも現在の財政法に対して、これを変更させよ、改正させよというような意図でやっているのか、あるいは力足らずして消化し得ないでやむを得ずやっているのかという問題になってくるのです。そこでこれは道路局長、佐藤君だと思うけれども、消化させるには十分に職員を督励して消化させますというようなことを、昨年の国会で言明したことがあるのですが、ただそんなもので解決できないのですね。もしも債務の問題ならば今言った通り債務負担行為で大幅に取っておいてもいいのです。で、住宅の場合には戸数を大にして誇るために消化し切れないものも示している、ということになってくると思うのですけれども、これはいつごろに——これを公然な繰り越しをしなければ時間的な断層がある、その断層を埋めるために繰り越すのだということは、これはあり得ると思いますけれども、それ以外の大幅な繰り越しというものをなくするのだということを、前回の委員会でも政務次官にも聞いたのですが、これは大臣に聞かなければわからぬと思って延ばしたのですけれども、このままの形で今のような金額を毎年々々繰り延べていくかどうか、単なる設計とかあるいは用地買収のためのものじゃなくて、作為的なものがあるのじゃないかというように見受けられるような予算の立て方なんですね。これは大臣はどうお考えになっているかしらぬけれども、一つその点はもう各省各局全部がそういう形に堂々となっておりますから、ここで一つもう一ぺんそういうことでなくて、財政法上から見てこれが是か非か、またこれをこのままで押し通していくのか、あるいはどんどんこれを押し通していって財政法の改正をして、公共事業の継続費というものを確立するためにやるのか、その点答弁願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/78
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079・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 先ほども申し上げましたのでありますが、公共事業が計画的に年々繰り越されてきているということは、これは今の財政法の建前からいきますと不自然であります。もしそういう必要があって実際そういうふうにやらざるを得ないならば、財政法を改正されてもよろしい。そして他年度にわたっての事業が実施できるような、そういう財政法の改正をしなければいかぬと思う。しかしそれはそれとしまして現在の建前では、どうしても本年度に見積られた予算というものは本年度に消化していくのだ、そういうことでいかなければならぬと思います。決して計画的に毎年繰り延べをしていく、こういうような繰り越しをするといったようなことをやる考えはないのですが、特に三十四年度の予算、三十三年度の予算はかなり今までのやり方を是正することができたと思いますが、三十四年度におきましては一そうその点に注意して、そして年度内に予算の施行を完全に行う、こういう目途で一つやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/79
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080・内村清次
○内村清次君 道路公団の工事繰り越しはどれくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/80
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081・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) 三十三年度から三十四年度へ繰り延べます額は、全体でおおむね七十億程度という予想でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/81
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082・内村清次
○内村清次君 そこでこれは大臣にお伺いしたいのですが、こういった公団の工事繰り越しというのが出ておりまして、その上に世界銀行から借入金をするというような腹案も実際額もきまっておりますか、大体。そういう腹案があるようでございますけれども、今年こういった繰り越しがありますのに、どうして世界銀行から借りなくちゃならぬか、こういう点に疑問がありますのと、それからいま一つは、巷間に言われておることを聞きますると、どうも日本政府は世界銀行から、たとえば道路にしても鉄道にしましても借り入れておるというような事態だが、これは植民地政策の一端をになっておるのじゃないかというような話もあるのですが、そういうことの根拠が違っておるかどうか。それから世界銀行の対象となりまする担保条件だとか、利息の問題だとかというような点につきまして一つ御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/82
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083・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 大体七十億程度の繰り越し、この問題につきましては、実は私も昨年来非常にこの問題に関心を持っておりました。ことに公共事業全体を繰り上げて施行しようという指令を強く出しておりましたので検討しておったのでありますが、用地買収等がなかなか困難でありまして、なかなかそれが進まなかったのであります。しかしこの予定地の沿道の県民の各位も非常に協力をしてくれまして、最近は用地買収が非常に進んで参りました。買収までいかなくても話し合いがだんだん進んで参りまして、もう工事ができるというような段階にきておる所が相当ふえて参りました。従って三十四年度におきましては、この繰り越し分を消化して、大体私の見当では百億くらいになると思うのですが、名神国道のあの工事を推進するために投資をしていくという考えでございます。これは三十四年度には相当事業が進んで参りますから、そう今度は大きな繰り越しをしなくても済むようになるのじゃないか、こういうふうに思っております。
なお世界銀行の借り入れの問題でありますが、実は世界銀行との交渉がだんだんおくれておりまして、何しろその話の相手がアメリカでありますから、文書の往復にも非常に手間取るようなことで、だんだんおくれて参りました。しかし昨年の暮に世界銀行の係が参りまして、大蔵大臣とも私とも会いましたのですが、大体今年のアメリカの予算年度内に、六月ごろまでにこれが具体化される、実現されるという見通しがほぼついて参りました。従いましてこの世界銀行からの借入金を合せて消化をしていく、こういう計画になっております。
なお世界銀行から金を借りる場合に、植民地的な立場に日本が立つのではないかというお話もいろいろなところから出て参りますけれども、私どもはそうは思わないのであります。これは金を借ります場合に当然担保を提供するとか、あるいは償還をする場合のいろいろな条件等はありますけれども、そのために日本の国の独立性をおびやかすとか、あるいは自主性を大いに傷つけるようなことは絶対しない考えであります。ただ金を借りさえすればいいという考えではなくして、外国の資金を導入しまして、そうして日本の道路がりっぱになって、しかもその道路からあがってくる収益によってそれを償還をしていく、ちゃんとペイする方策が立つから外国から借りるという考えを持つのでありまして、これが日本の経済から見ますと非常に大きなプラスになる。こういうことを私どもかたく信じておるわけであります。むやみにやかましいことを言われて、そうして頭を下げ通しでやっていくような、そういうきたない金を借りるのは私はいやなんであります。実はざっくばらんに申し上げますと、エアハルトが参りましたときに、ドイツから借款をしないかという話もあったのでありますが、私はドイツからの借款に対しては反対的な態度をとっておりました、アメリカの場合と違いますから。アメリカの場合は、これは何にもやかましいことがないのでありますから、借りて日本の道路の整備を早くやって、そうして日本の経済の手直しをする、経済の根幹を養っていくということは、日本に経済的に非常に大きなプラスになってくる。こういう考え方で進めておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/83
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084・田中一
○田中一君 今のに関連して伺いますけれども、ドイツはどのくらいの金を幾らの金利で貸すというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/84
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085・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) これはドイツが貸せるということを言ったのではないので、いろいろな人が中に入って、ドイツから借りてやったらどうかということを言って参ったのでありますけれども、私はドイツから借りることはだめだと言って断わってしまって、具体的な問題に入らなかったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/85
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086・田中一
○田中一君 私は大体日本に有料道路制というものができておる以上、原則には反対はしますけれども、できておる以上、私は道路に対する借款は借りた方がいいと、私はそう思っておる。ただ金利の問題と条件の問題が一番問題になると思うのですが、そこでこの前聞いたのですが忘れたんですが、幾らでしたかな、あの金利は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/86
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087・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) 世銀から外資を借り入れます際の金利の問題は、ただいま確定的なところまではまだわかりませんですけれども、従来の傾向から見まして、手数料を含めて五分五厘程度にはいくものと見ていろいろ計算をしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/87
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088・田中一
○田中一君 それはたしか佐久間ダムで借りた金利よりも非常に高いと思いますが、そうではなかったかな。これは河川局長に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/88
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089・山本三郎
○政府委員(山本三郎君) 今はっきり佐久間の場合を覚えておりませんから、お答えできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/89
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090・田中一
○田中一君 じゃ私から二、三点大田に伺いたいのですが、本年度のいわゆる三十四年度の工事の専業量の伸びを見てみますと、消化事というものをどのくらい民間の力をかりてやろうとするのか。それからまた現在持っておるところの各地建の力でどのくらい仕事をするのか。道路の方は御承知のようにもう五カ年計画でこれは減るということはないわけです、計画年度までは。そういう点はどうなっておるか、一つ聞かしていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/90
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091・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) こまかい数字は私は頭の中に入っておりませんが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/91
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092・田中一
○田中一君 パーセンテージでいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/92
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093・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 大きな方針といたしましては、直轄事業でやっていくのにどうしても必要な人員というものは、これは政府の職員として採らなければならない。そうして今度は補助事業その他間接的に業者等にやってもらう仕事については、その監督をするに必要な最小限度の人員は採らなければならぬと思っております。それ以上のことはなるべく民間に仕事をやつていただく、こういう建前で、あまり役人をふやさないで民間の仕事を民間で十分こなしていただく、こういう方向でやっていきたい、こういう基本的な考え方をもって進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/93
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094・田中一
○田中一君 道路局長から伺いますが、一体どのくらいの比率になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/94
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095・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) 来年度の事業につきましては目下計算中でございますが、従来の傾向を見ますと、直営と請負の割合は、直轄事業におきましておおむね三五%、六五%、あるいは四〇%、六〇%の間に入っておるものと推察しております。来年度事業につきましては、従来直営でやっておりまして今後も直営でなければ非常に事情の悪いものはやむを得ないといたしまして、極力事業の実施は民間建設力の活用を考えて参りたいと思っております。またそうでないと十分な消化がしきれませんから、そういうふうに考えております。ただこれはただいまの職員の数だけの問題でございませんで、職員のこの請負監督等の能力の問題もございますので、果して、従来直営で実施しておりました手を、できるだけ請負監督の方へ向けるとしたらどういうことになるか、ということをただいまいろいろ研究中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/95
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096・田中一
○田中一君 そうすると、現在保有しておる直営事業を行う人間というものは、これは確保するということは間違いないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/96
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097・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) 現在直営でやっております必要なものは、これはどうしても直営で続けていかなければなりませんから、そういたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/97
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098・田中一
○田中一君 請負に出すと、今大臣が言っておるように、監督要員というものはどうしても必要になるわけです。これは現在仕事をやって何といいますか、自分が仕事をやっておる連中を転用をするのか、新しくそういうものを雇い入れるのかどっちなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/98
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099・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) 道路の場合で申しますと両方でございます。従来建設局で持っております要員で、研修等によりまして請負監督のできる者はできるだけそういう方向へ回ってもらう。それと同時にその程度では、先ほど申しましたように、ある程度の直営はどうしても維持していかなければなりませんので、それだけではとうてい十分な要員を確保できませんので、一方におきまして新増員を御承知のように要求いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/99
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100・田中一
○田中一君 現在、研修所を先年作って、そこで再教育すれば十分に、政府部内の仕事の仕方も知っているんですから監督要員に仕立てられる、再教育できると思うんです。それでことさらに仕事がふえ、請負事業がふえるから、そのために新しく定員を要求するというのか、あるいは自然退職者が相当あるから、年次的にきまっている人間を採っていこうとするのか、その点を一つ明確にしてほしいと思います。これは単に道路局関係ばかりではございません。建設省全体としての問題ですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/100
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101・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) 今回地方建設局職員としまして二百九十名増員になりましたのでございますが、この考え方は、先ほど大臣からも申されました道路関係の請負業者に対する監督要員、あと若干設計等の要員もございますが、それが非常に足りないということで増員されましたので、これの充足につきまして、ただいま道路局長からもお話がありましたように、新規に採用する者と、それから現在地建の職員で相当能力のある者が準職員等におりますので、このうちから採用するというようなことに相なると思います。それからなお、その他の地建の方の直轄事業の関係におきましては、現在の職員のうちから研修等によりまして、現に請負業者に対する監督要員としての転用方をある程度ふやしていくことによりまして、施工方針として請負への振りかえをある程度実現する、こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/101
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102・田中一
○田中一君 請負に出す場合に、その請負人は作業全体の請負じゃなくて、何もそこに何時間作業をやれとか、あるいは何というか突貫工事で夜間作業もやれとかいうような条件はついていないと思うんです、従来までも。しかし請負によりますと、どんどん何といいますか夜業等をやることが多いと思うんです、採算上ですね。そうすると、自然に監督要員というものもそれと同じような作業を続けなければならぬということになると、三十四年度の超勤手当の問題です。これはどのくらいそういうものを見込んで予算を組んでいるか。現在では大体月二十時間程度しか超勤手当というものはとっていないんです。そうすると、一日のうち平均すると大体平均一時間ですね。二十五日にしても一時間未満です。そんなものはざらにやっているんです、現在でもやっているんです。しかし、超勤手当というものはおそらく本省の中ではこれはもう生活給的なものになっちゃって、超勤しようがしまいが頭割りで皆分配しているんです。これが実際なんです。ところが現場ではそうはいかないんです。請負に出せば出すだけそれについていかなければならぬ。まさか請負人から超勤手当をもらうわけにいかぬから、どうしても国が支払うことになる。それが予算にどのくらい見込んであるか、それを説明していただきたい、三十四年度予算に。今までの慣例はこの職員の奉仕によってやっているんです。実働通りちゃんと払っているという実例があるならば、これは河川局長、道路局長それから計画局長からちょっと伺ってみたいと思いますが、どうなっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/102
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103・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) 超過勤務手当のことにつきましてお答えいたしますが、ただいま田中先生の御指摘のように、請負工事が増大いたしまして特に突貫工事等がふえる傾向にありますので、来年度の予算におきましては、特に夜間勤務、超過勤務手当の増額といたしまして約五百万円増額しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/103
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104・田中一
○田中一君 夜勤手当が三十三年度は幾ら出したか、事業の伸びに加えて三十四年度はどう出したか、という明細な説明を願いたいと思うのです。しいて言えば単価でいいです。月に一人の職員に対して何時間それを見込んであるか、従来はたしか二十時間くらい見込んであるのです、月に。三十四年度は何時間見込んでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/104
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105・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) 従来は一人平均いたしまして、これは超勤でございますから、まあ夜勤全部を含めてでございますが、二十時間くらいでございまして、それが来年度の予算の積算といたしましては、二十四時間に若干の特殊手当と申しますか、そういうものがプラス・アルファでついております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/105
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106・田中一
○田中一君 念を押して聞きますがね、これは確かに超勤ですね、超勤という形のものですね。夜勤ですか、超勤ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/106
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107・南部哲也
○政府委員(南部哲也君) 三十三年度と三十四年度の超過勤務手当の額でございますが、これは行政部費から一般会計並びに道路特別会計、多目的ダム特別会計全体を通じまして、総計で申し上げます。三十三年度、三億一千六百六十二万四千円が、三十四年度は三億八千二百十九万二千円で、増は六千五百五十六万八千円となっております。積算のもとといたしましては、地方建設局の分につきましては、一応二十時間が積算の平均の基礎でありまして、そのほかに先ほど申し上げました夜間超勤であるとか、水防超勤であるとかいうものがプラス・アルファで積算されております。その夜間超勤の分が先ほど官房長から申されました五百万、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/107
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108・田中一
○田中一君 五百万は現在の地建の職員に当てはめると何時間になりますか、二十分ぐらい……、幾らになりますか、ちょっとそっちで調べて下さい、何分になるか。そこでこの程度のものではこれはどうしても労働強化になるのです。これは佐藤君なんか関東地建の局長を長くやっておったからよく知っておる通りなんです。ほんとうに補助員とか準職員等は実働超勤をもらっておる面もありますけれども、おおむね監督的な立場に立つ人は定員法上の職員かあるいは準職員程度になると思いますが、同じように割当制で分配してしまっておるんです。これは公平でいいかもしらぬけれども、これは公平と思われる不公平なんです。本省にいる連中だって何にも超勤しないでもらっている人もいるんです。これは本省はどうですか、会計課長に聞きますが、実働給与になっているんですか、手当は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/108
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109・南部哲也
○政府委員(南部哲也君) 実働給与になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/109
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110・田中一
○田中一君 地建ではそうすると全部実働給与になっておりますか。現在は土曜日等は役所を休んでおるところが多いんですね、土曜日の半日は。ところが請負人は土曜も日曜もやります。請負になれば休むよりも天気のいい目はどんどんやっている。それについていかなければならぬのです。そういう場合にこの程度の超勤でまかない得るものじゃないんです。これは一つ地建で局長であったころの道路局長から、実態というものを大臣によく示していただきたいんです。そこでここでもって答弁して下さい。あなたの答弁を求めるのはいかぬかもしらぬけれども、前局長であるところの道路局長に聞くならいいでしょうから、どういうことになっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/110
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111・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) これは私の御答弁する事項ではございませんので、体験を御説明申し上げます。地建におきましては、とにかく工事を遂行するというはっきりした目的を持っておりますので、ものによりましては休みであろうと正月であろうと、そういうときに休んでおられないというようなことがございます。また河川工事等は出水のようなときには当然そんなことは言っておられません。従いまして職員一般にはそういう点につきましてはずいぶん御苦労をお願いしなければならない実情でございます。その際超過勤務手当等につきましては、これは決して不公平なことはいたしませんで、やはり実働に応じて超過勤務手当を支給するようにいたしております。ただその際にただいま申しましたような事情にございますので、かなり職員に勉強してもらっておる、こういう実情にあるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/111
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112・田中一
○田中一君 まあ道路局長は言えないからああいうことを言っているんですが、実態というものは労働者の奉仕、職員の奉仕によって仕事が進んでいるんです。勤勉なんということは要求するもんじゃないんですよ、ちゃんと給与がきまっているんですから。これは一体本年度のように相当請負に出すとどうしてもそういう傾向が強くなってくる。これに対して必ず実働超勤を払うということを建設大臣から今言明を願いたい。むろんこのためには予備費がございます、予備費があるから当然払えるはずでありますから、そういう言明を一ついただきたい。その場合には当然働いているんですから、その者に対する超勤手当は、実働に見合う超勤というものを払うということは、これは当然建設大臣として言えるものであるし、また言うべきであろうと思うのですが、一つごまかさないで答弁して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/112
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113・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) これは田中委員も御承知のことと思いますけれども、実際問題としましては何時何分から何時何分で、一時間何分だから勤務手当幾らといったようなことにはならないのでありまして、やっぱりみんなして勤勉を出し合って奉仕していくというような精神が同時に伴わなければならぬと私は思うのであります。ただその勤勉で奉仕するというだけではいけませんので、できる限り超過勤務手当を政府においても出していくということで、持ちつ持たれつでなければ、なかなかこれは実際問題としては仕事がやっていけない。こう思いますので、できる限り超過勤務手当というものは出すようにいたしますけれども、お互いに助け合っていくようなことでこの事業をやっていきたい、こう思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/113
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114・田中一
○田中一君 冗談言っちゃいけませんよ、当然国家公務員でありながら日雇い的な立場にあるところの補助員とか準職員というものに対して、それ以上になお自分の能力を奉仕しろということはあり得ないですよ、そんなこと。そういうことを言うから東北地建のように、警官まで総務課長か総務部長が入れて、抗議を申し込んでおる職員を追い出すようなことをするんです。ことに東北地建などは勤務評定をやっておる。これは農林省の農地局にしても、運輸省の港湾局にしてもやっておりませんよ。それを勤務評定書を出せと言って、それも労働組合の組合員であるところの係長にお前が評定せよとこういうことをやっておるんです。全然国が義務を負わないで、一方的にそういう末端の、当然職員でありながら、職員になれないような日雇い的な国家公務員ですよ、勤務評定をするというようなことでむちゃくちゃやっておるわけです。そうして抗議を申し込んですわり込みすると、警官を何十人か引っぱって来て暴力でつまみ出す、その事実は建設大臣ご存んじでしょう。私はそういうような職員にせめて勤労を奉仕させるならば、奉仕させるような処遇を与えて、本人の意思によるところの奉仕をさせるんですよ、勤勉をさせるんですよ。そういう裏づけがなくて、当然もらうべき権利の超勤というものを払わない。私は今会計課長が全部超勤は実働超勤でございますと、こう言っておるから一応そのことだけは速記にとめましたから、私はこれはこれから調べてきます。超勤というものは、とにかく年度計算というもので、きちっと一銭残らず払うということは無理なことです。多いか足りないかということはあり得ることです。実際それが超勤をきちっと過不足なく年度々々消化されているなんということは、これは割当給付しているからきれいにいくんだと思うんです。やはり上級のあなた方が、職員に向って義務以上の労働をさせるならば、処遇は当然考えなければならぬということは、だれが考えてもわかることなんです。私は遠藤さんはかつて官僚だったということを聞いておりますけれども、あなたは割合に、はだざわりもいいし、そうした苦情に対する理解も深いようで珍しい建設大臣だと思っている、歴代の建設大臣よりも非常にいいと思っておる。だからわれわれ野党でも協力しようという気持になっておるんですが、今のような当然支払うべき超勤というものを、ほかの官庁と同じように割当制の予算をとってくるのでは、仕事は絶対に完遂できません、絶対にできません。会計課長も実働超勤で払っておりますということを言っておる、十分調べて来ます。うそをついたならば私はもう一ぺんこれまた問題にいたしますよ。それから地方も全部調べて来ます。しておらないんです、実働超勤を払っておらないんです。二十時間の予算では払い切れないんです。かつて赴任旅費等についても流用を認めますということを、大蔵省の方の主計局では言っておることがございまして、現に流用をやっておるはずです。従って実働超勤を払うという原則に立って、またこの予算でも、今のような二十時間と五百万円のプラス・アルファで予算は通りましょうけれども、流用によって超勤手当の実働支給をここで大臣確約して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/114
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115・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 私があまり確約しますとえらいことになってしまうので、うっかり確約はできないのでありますが、しかし御趣旨はよくわかります。でありますから、政府としては超過勤務に対しては、その実働に応じて払うようにだんだん努力して、これは今までのいわば率直に言えば、そこらを糊塗しておったいき方を、はっきりした形にだんだんもっていくということを努力しなければならぬと思います。昭和三十四年度の予算におきましても、まあ結果からいいますと、あまりはっきりしたものは出てこないのでありますけれども、確かにそれは努力して参りました。しかしこれは一朝一夕に努力してきちっとやってしまうわけには参りませんので、だんだん努力したい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/115
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116・田中一
○田中一君 どうしてできないのですか。人を働かしておいて、そうしてその賃金を払えないということはないですよ。法律にちゃんとあるのです、超勤手当の制度というものは。まあことしやってみて、平均二十時間でまかなえるかもわからない。まあ実働超勤なら、まかなえぬ場合には主計局と話し合って、流用いたしても実働超勤はお支払いいたしますということを、あなた一言いえばいいのですよ。努力なんということはないのです。そんなことはあり得ないと思うのですよ。
では申し上げますが、払ってやれない場合には、この今の債務負担行為というものを発動して、その中からでも払いますか。これは次年度に債務になるのだ。そのくらいの決意がなくちゃ、人間というものは。あなたの末端の職員は生産意欲が起きないわけなんですよ。自分の方の制度を変えないで——制度はいいのです。制度はいいけれども実行しないで、職員を警官の手に渡すなんという暴挙をあえてする。これはもうこの点については、賢明な建設大臣は何もかも知っているのだから、この際勇気をもってやるのだと、こういってくれればいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/116
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117・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 実は勇気を出したいのですが、あまり勇気がないものですから、はっきりこういうことを申し上げることはできないのですが、しかしこれは政府の予算全体の問題になっているわけです。これは政府全体の問題になって参りまして、非常に大きな問題でもあり、しかしこのことは確かに御指摘のような点はわかります。今後改善すべき問題だと思います。だんだんそういう方向にきちっとやっていくような建前を作り上げるように、私どもも努力して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/117
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118・田中一
○田中一君 では超勤手当をくれないから超勤拒否をしてもこれはやむを得ませんね。当然な労働に対する報酬が払えないのなら、拒否してもこれは一向差しつかえないはずですから、これは当然です。これは裁判所へ持っていっても勝ちますけれども、あなた方には首を切るという手があるから、そういうやつは非協力であるというので首を切る。やはりこれはこっちはこわいです。だから超勤拒否をするということは、あり得るということを大臣は一つ確認して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/118
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119・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 超勤拒否をして働かないというのを、無理に執達吏を向けて働かせるわけにも参りませんが、しかしそういう気分ができないように、まあ誠心誠意仕事に協力するような機運を作るように、地建の局長にもうまくそこは運営をさせたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/119
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120・田中一
○田中一君 本省等で机の上に足を乗っけて雑談しながら仕事をしている、あるいはそういう者もいるかもわからない。そういうものと、さっきも河川局長言っているように、それこそ命がけで現場で働いている者と比較した場合には、当然そういう者にこそ——本省でまああまり雑談ともいえないが、雑談しているやつもいますが、私行って見てそうなんだから、そういう者と比較して、やはりからだを張って現場で働く者を考えた場合には、あなた自身がこれはどうにかしなければならぬという気持になると思うのですよ。しかしあなた方はやはり任免権を持っているものだから、へたすると首切りなんという権力でやるから、やむを得ず超勤に出る場合があるのですよ。従って、今年はこうしていただきたいのです。請負工事がふえればふえるほど強制されるということなんですね。どうしても今までのように地建が自分の方の直営工事として持っておるものは、これは上の者がさせません。きまっている働きをすれば、計画的に仕事をするのですから年度内にできるのですけれども、請負工事にいたしますと、請負人が自分の方の利益追求というか、そういう面から役所と同じような仕事の段取りをとらないですよ。しいていうならば役人の目をかすめて仕事をしようというのが多くなってくるのです。監督のいない所で重要な仕事をしていくという者がおる。これが請負工事の実態なんです。さもなければ、建設省が辛い予算を組んでいるのに、あれだけの利潤をあげたり、あっちこっち政治献金したりできるものではないですよ。それは地方の末端の業者になればなるほどそれをやっているのです。そうして心配するのは、末端の監督官が請負人からお金をもらうようになってしまうのです。一ぱい飲みたくなってしまうのですよ。佐藤君だって君の地建の局長時代にどれくらいあったかしらぬ。君の知っている通り、末端の職員が収賄をやった汚職事件がたくさんあったでしょう。そうなるのですよ。当然国が負担すべき手当も出さないでいれば、そうなるのです。請負が多くなれば多くなるほど、そういう危険を多分にはらむのです。だから私は大臣に言うのです。あなたが大臣の席におる以上、もうその期間には汚職なんかないんだということにするには、当然支払うべき義務をあなたが実現するというような決意でなくてはならぬと思う。でなければ、超勤拒否か、請負人にぶら下ってそこから少しの分け前でももらう、というさもしい根性が出てくるのです。この請負工事がふえればふえるほどそうなるのです。これは良心的な職員は超勤拒否をいたします、良心的な職員は。そうでない非良心的な者は、まあその請負人にぶら下っていれば飲むことにこと欠かないのです。これは常道ですよ。佐藤君知っていますね、あなたの地建局長時代にはそういう汚職があったですね。それを心配するから言うのですから、これは一つ何とかこの際、当然なる給与というものは完全に払うというような仕組みを、三十四年度の事業を遂行するに当って、実現するように努力、でなくて、そうするように、努力なんということよりも、お金を払うというように決意していただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/120
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121・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) おっしゃることはよくわかるのであります。努力ではいかぬと言いますけれども、やはり努力をすることにしたいと思うのです。すでに三十四年度の予算もきまっておりますし、そうかといって、事業費の方を流用して食っていくようなことも大問題であります。でありますから、これは予算の形においてこの事業を実行するということにして参りたいので、今の超勤問題についても、だんだんこれを努力して、政府全体の問題としてこれを解決していくようにしていきたい、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/121
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122・田中一
○田中一君 その点、今の、ことに補助員、準職員の問題、これは公務員制度を改正しようということになっておりますが、今まで官房長あるいは事務次官の間で、各省の間で話し合える問題です。それから閣議でそういう問題が出たかどうか。いつごろそういう制度改正をするという法律改正を上程されるか。その際には大臣はどういう決意でそれに対処するか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/122
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123・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 補助員、準職員の問題でありますが、私は、でき得る限りすみやかに、早い機会にこれを解決していきたいと思っております。これは昨年来の懸案であり、いやむしろ数年来の懸案でありまして、だんだん少しずつ解決して参りましたけれども、まだ建設省でも問題が残っております。私は、口の先だけでなくして、ほんとうにこの問題は早く解決しなければならぬ、また努力したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/123
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124・田中一
○田中一君 もう一々努力々々でかなわぬ、実際。そこで伺いたいのは、今度の道路整備五カ年計画が確立して、現場並びに緩急順序がきまると思う。私は、大幅な地建の職員の異動が行われるじゃないか、というような予想を立てておるのですが、その点はどういう見込みでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/124
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125・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) その点は今後の問題として研究しなければならぬと思っておることでございまして、ただいま成案を得るところまでいっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/125
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126・田中一
○田中一君 大体道路予算がふえて参りますから、河川に従事する者も道路の方に向ける、あるいは研修所で再教育してやるとかということになると思うのですが、ここで申し上げたいのは、もう毎年々々辞令は出すけれども旅費を払ってくれないです。辞令は出す。これは服務規程か何かあって、金がなくたって借金しても任地へ行かなければならぬ。これは旅費手当というのは任地で払うようになっておりますからね。あなた方の方の機構は、新任地が負担することになっているようですから。先にくれないですね。金を貸してもくれない。下級職員はみんな苦労して借金して赴任しているのが実情なんです。そして異動が多ければ多いだけ、赴任旅費というものが、各局とも割当の予算が減ってくるわけですね。そうすると、まあ四半期ごとにまとめて払っているのが実情なんです。昨年の九月、昨年の九月ですよ、調べてみますとやはり四、五十万ずつ未払いになっておる。昨年の通常国会でしたか、それも指摘して、大蔵省の主計官も呼んで、流用を認めます、要求するなら流用も認めます、ということになっておりますけれども、地建というものはやっぱりその金というものを持っておらないですよ。ですから今度の仕事をするに当っての配置転換の場合、赴任旅費は必ず前払い、あるいは任地へ着いたら必ず支払うということを、ここで大臣から確約していただきたい。このくらいいいでしょう、努力、でなくて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/126
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127・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 実は私の役人当時とだいぶ話が違うようでありますから、最近のこまかいことはどうなっておりますか、会計課長から説明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/127
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128・南部哲也
○政府委員(南部哲也君) 赴任旅費の全体の予算は、本年度につきましては、二千七百六十八万円でございましたが、明年度の予算におきましては、三千三百二十八万円と約五百六十万円増を見ております。しかし本年度におきましても約一千万円ほどの不足がございまして、これはほとんどすべてのものがみなそのようなことになっておりまして、一応の計上予算を使い尽しました四・四半期に入ってから流用を認める、というのが大蔵省の方針なものでございますから、ただいま流用の申請をしております。そんな関係で赴任をいたしました職員に対しましては、大へん迷惑をかけておるという面がございますので、できるだけこういうことを避けるように、できるだけ予算をたくさんつけてくれということでがんばったのでありますが、残念ながら五百六十万ほどの増で、ただいまのところは終っております。しかしこの予算の範囲内でできるだけ時期を勘案いたしまして異動の命令を出していただくということをもう少し地建の方で工夫をしていただきますならば、従来のような御迷惑をかけないでやっていけるというふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/128
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129・田中一
○田中一君 大臣、お聞きの通りです。千何百万もあるそうです、全体で。足りないというのは払っていないことですよ、おわかりでしょう。三十四年度どうします、この点を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/129
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130・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) 先ほど会計課長が御説明申し上げましたように、本年度の不足分の千万円につきましては、月下流川の申請をいたしておりますから、それでまかなえると考えております。ただ非常に支給時期がおくれたという点は事実でございまして、そのために御迷惑をかけておるという事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/130
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131・田中一
○田中一君 三十三年度のことはよくわかりました。これは今やっているから努力でも了承しますが、三十四年度はそういう事態に対して、大臣はどう対処するか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/131
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132・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 三十四年度は、三十三年度の経験をよく取り入れていきまして、無理のないように一つやってみたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/132
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133・田中一
○田中一君 無理がないというのは、命令が出たらば旅費の前払いを、あるいは貸してやる。一下級の職員というやつは細君や子供連れで旅行するのに、そんな金持ってないですよ。そこにいらっしゃる方々と違うんですよ。だから先にやることができなければ、新任地でもって負担するんだそうですから、着いたならば、必ずもらえるというように、任地へ行ったら必ず向うからもらうというように、一つこれを実行していただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/133
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134・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) なるべく御趣旨に沿うように努力いたしますが、ただまあこの種の問題は、なかなか今まで長い間そういう事態を生じておりまして、一挙に理想的な段階には達し得られない点もございます。そこで、人事の異動の時期等も考えてあれしますとか、それから大蔵省に今の流用の申請を、できればなるべく早めに行なって、第四四半期の流用をもっと早く認めるような努力をするとか、そういうことを工夫努力を重ねまして、御趣旨に沿うようにいたしたい、今のところはまあそれ以上ちょっとお答えいたしかねますが、どうか御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/134
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135・田中一
○田中一君 私はそんなものじゃ了承できないのですよ。義務的な負担じゃないですか。当然なことをあなた方がしないで、あなた方の部下が抗議を申し込んだりすると、首を切るとか何とか言って脅かすのです。いけません、そういうことは。労働者の反発というものを上級でもってさしておるのじゃないですか。あなた方が当然命令を出したならば旅費を支払いなさい。大臣、それを確約して下さい。その場合に、地建に金がなければ、局長の権限で銀行で借りたっていいですよ。あるいは共済組合から借りたっていいですよ。まるっきり命令を出しておいて低い給料をもらっている職員に三月も四月も半年も貧打をかけるということはあり得ません。それこそまた汚職を生むもとなんですよ。これは、大臣は官房長のようなあいまいな答弁でなくて、大臣としては必らずそれを実現するようにする、こういう答弁をしなければいかんですよ。あなた方をよこすときには金庫に納まっている金をばっと持って行って出張するのでしょう。そうじゃないのですよ末端の連中は。このくらいは大臣は努力じゃなくて実行させるように命令させましょう、こういう答弁は出そうなものです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/135
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136・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) あなたのおっしゃっておることは一々もっともだと私は思います。実は、私昔の役人の生活の経験から見ましておかしいと思うのです、今の建前は。しかし現実に金がない、ない袖は振れないという問題が出て参りますので、配置転換する場合にいろいろ考慮しまして、そういう変なことが出てこないように努力したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/136
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137・田中一
○田中一君 また努力なんだ。そのくらいのことは当然すべきですよ。そこで今度は一体赴任した場合の住宅問題が起きてくるのですよ。三年ほど前にも、これは当時の大臣に厳重に申し入れをしたのですけれども、大体まあ貸家がたくさんあるというような地域が少ないわけですね。これは道路局長わかるでしょう。住宅の対策をどう考えておるか。それでどうも家もなくて行かれませんというならば、それじゃやめろということにして、だんだん直営工事を整理しようというのか、そういうような疑惑を持つわけです。従って転任さす場合には、住居を与えることが義務であるという観念に徹していただきたいのですよ。それに対するところの対策はどう考えられておるのか。これは官房長の所管でしょうけれども、仕事の面は道路局長が一番多いですから、あなたの部下がそういう苦しみを味わっているのですから、官房長三十四年度にはどういう対策を立っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/137
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138・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) 従来とも職員の住宅のことにつきましては、できるだけの心配、努力をいたしておりまするが、御承知のようにまだ十分に行きわたっておりません。特に異動を相当行いますと、住宅に困る人が相当出てくるときには、まあ住宅がないので異動が困難になるというような事態もありましたことはまことに遺憾でございます。ただ来年度の予算におきましては、事業費の増加に伴いまして、事業費の中に含まれる営繕費、この率は一%に変りはございませんが、実額におきまして、従来より二億八千万ほどふえておりますので、こういうものを使いまして、事業のふえました事務所、出張所等におきまして、計画的に営繕費による住宅を建設して参りまして、これに異動による職員をもちろん優先的に入居さしたい、かように考えておりまして、目下具体的な計画を検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/138
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139・田中一
○田中一君 砂防工事の現場とか、山の中の道路の場合には、これは飯場的な宿舎ですね、臨時的な宿舎ですよ。こういうものを作る予算があるのですか。本年度の予算、三十四年度の予算にそういうものを組んでおるのですか。道路局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/139
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140・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) この新しい箇所に事務所等を設けなければならぬというような場合には、とりあえず職員がそこへ参ることができるような、ただいま宿舎の問題でございますが、宿舎の問題につきましても、十分な施設ということはとうてい間に合いませんが、とりあえず単身でも何でも宿泊できるような施設は事業費の中の営繕費で営造できるようになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/140
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141・田中一
○田中一君 妻帯者等も収容できるような、逐次、応急のものと、それから一年以上続く工事が多いのですから、そういう場合には妻帯者等も生活を二つ分けないで、一カ所にやるというようなことも考慮されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/141
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142・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) 応急的にただいま申しましたような措置をするほか、所定の営繕費によりまして逐次住宅を建てて参りまして、先ほど官房長から答弁がございましたように、異動のあった者を優先的にそこに入れて参るようにしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/142
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143・田中一
○田中一君 それから賃金ですね。あなたの方の工事費の中に含んでおる賃金、これを三十四年度は従来の額より、標準よりも改正しようという意図があるやに聞いておりますが、その辺はどういうことに考えておりますが。というのは、おおむね労働大臣と協議してきめておるPW、これは一般の問題ですね、ここにあなた方の方の予算編成の賃金の基準があると思う。そこで従来のものより三十四年度は少し増額しよう、改定しようというお考えがあるように聞いておりますが、その点はどういう考え方を持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/143
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144・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) 道路事業に対しましてただいまのところ特にそういうことは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/144
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145・田中一
○田中一君 もう時間だからやめますけれども、もう一ぺんこれは法案の審議等の場合に、建設大臣にいろいろ伺いますけれども、先だっての東北地建で起きたあの警察官導入、庁舎の中に導入して、座り込んでおる職員をつかみ出した、実力行使でつかみ出したということ、これはむしろ大臣の耳にも入っておると思いますが、この始末はどうつきましたか、この問題の始末は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/145
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146・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 詳細なことは実は聞いておりません。問題が解決したということだけ伺っておりましたので、この点については官房長から一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/146
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147・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) ことしの一月の中旬から末にかけまして、東北地建におきまして全建労の闘争が行われました。この目的は御承知のように勤務評定の反対と昨年の秋季闘争に関する処分撤回の二件にわたって要求されたものでございますが、一月末、当局と組合との間におきまして現在実施中の勤務評定は白紙に返す、昨年の暮になされました賃金カットに関する処分につきましては撤回しないという二点につきまして交渉が妥結したものでございます。そこで、勤務評定のやり方につきましては、別にこれが違法であるとか不適格であるとかというふうには考えておりませんけれども、多少第一線のやり方において、お互いにこれは遺憾な点があったというようなことでございますので、今後あらためて白紙に戻したしでやり直すというふうに考えておる次第であります。はなはだ簡単でございますが以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/147
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148・田中一
○田中一君 この問題について、この国会中のある時期に地建の局長並びに総務部長をここにきてもらって実情を調査したいと思うのです。
そこで、大臣に伺いますが、あなた方の方の上級の職員と末端のそうした職員との間のそうした争議的な、団体交渉的な行為に対して、常に警察官を導入して鎮圧する——何もしておりませんよ、何も仕事のじゃまをしておるわけではない、それにかかわらず、そういう行為をするということに対して、警官を入れるということはいいことと思っておりますか。それからまた今後ともそうしてどしどし警官を動員してつかみ出すという態度でおりますか、それを一つ大臣に伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/148
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149・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 警官を役所の中に簡単に入れることは、きわめてこれは不穏当だと思います。ただしかし、局長の事務を扱うことに障害を与える、実際問題として仕事ができないようなことをやっておるといたしますれば、これは公務執行の妨害でありますから、実力で排除すること、これまたやむを得ない事態が生ずるかもしれません。そこは具体的な問題について、警察を入れなければ何ともできないというような事態であるか否かの判断によってきめるべきものだ、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/149
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150・田中一
○田中一君 今後とも、そうするとあなたは状況の判断ですね、状況の判断というものを言っておりますから、まあその点はそれでいいと思います。だからその問題については、地建の局長なり総務部長を当委員会に呼んで調べてみますが、そういうふうにあなたは、仕事する上においてですね、解決し得る道があるにもかかわらず、東北地建のように警官を導入するなんということが当然であるというように考えておられるのか。現にもう話はついたんです。ですからそんなに警官を呼ばないでもいいというように私は判断しておるのですけれども、その点はあなた建設大臣として、そういう点については好ましい、好ましいというよりも当然であるというように考えられるかどうかの問題なんですよ。あなたの方の職員の間に警官を導入して解決しなければならない、解決というか、事態をおさめなければならぬというほど重大なトラブルがあるとお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/150
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151・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 私は先ほども申し上げましたように役所の中に警官を入れるということはまことに穏やかでない、解決の道があれば、そんなことをすべきじゃないことは当然だと思います。しかしどうしても解決の道がないということになれば、これまたやむを得ない。しかもそれが公務執行妨害というようなはっきりした犯罪を構成するような場合には、それが話し合いでどうしてもいかぬときには、警官を入れることもまたこれやむを得ないということは認めざるを得ないのじゃないか、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/151
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152・田中一
○田中一君 あなたがここでそういう警官を入れなければならぬというような事態はあり得ないという前提に立って答弁しないと——いいですか、話し合って解決つかない問題は、自分の所管の部局においてはございませんという態度で答弁しないと、今後話し合いで片づくものであっても、平気で警官を導入するようなことになり得るんです、ことにどの役所もやっておらない勤務評定などを——やっておらないですよ、現業官庁では、末端の職員についてはやっておらないんです。あえて東北地建だけにそれをやらして、ほかはやっておりませんよ、地建は。そうして話し合いがつく問題、それを警官を入れて解決しようとするなんということはこれはあっちゃならないのです。あなたの答弁はそれじゃ非常に危険です。ましてや義務負担の旅費とか、赴任旅費とか、手当とかを払わないで、当然な超勤手当を払わないで、そうしてそれを弾圧するなんということはあり得ないのですよ。むしろそういうものを含んだ抗議をしているのです。決してむちゃくちゃな筋が通らぬ抗議をしているのじゃないんです。必然政府が負担しなければならぬという問題に対して、要求しておるにもかかわらず、それを警官を入れて解決しようなんという考え方を是認するような大臣の答弁では、ほかの地建でもまた招くおそれは多分にございます。これはもう当然な負担行為なんですよ、それこそ国の。それを払ってくれと言って要求しに行って、話し合いがつかぬからというて警官を呼ぶようなことがあっちゃならぬです。だから大臣の答弁としては、そういうことは、自分の任期中絶対にさせないようにいたしますというぐらいのことの答弁はしなければいかぬですよ。理屈じゃないですよ。各地建の末端の職員と局長との間の摩擦というものは大がいそんなもんですよ。超勤だって払ってないじゃありませんか。国として赴任旅費だって払ってないじゃありませんか。私は、今の建設大臣の答弁は不満足です、今後もそういうことが起るかもしれません。国家公務員には争議行為は許されておらないのですよ。最大限の合法的な抗議をしようとするときに、一々警官を呼ぶなんということは不祥事です。これは、そういうことは絶対にさせないように措置いたしますという答弁をして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/152
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153・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 重ねてのお尋ねでございますが、これは具体的な問題に臨んで判断をしなければならないと思います。お話のように、軽率に何でもかんでも警察で解決するというようなことはもってのほかでありまして、これは厳に私は戒めたいと思うのであります。ただ頭から、これはもう一切そういうことをすべきでないというようなことを言うのも、これは言い過ぎかと思いますので、これは具体的な問題に臨んで、地建の局長なり首脳部の判断を誤まらないように、私はしょっちゅう言っておるのでありますけれども、建設省関係の、建設一家の気持でもってお互いに理解し合ってやっていく、そういう建前を強調していきたいと、そういう意味で、具体的な判断を誤まらないようにすることを、私は局長にも申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/153
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154・田中一
○田中一君 最後に二つだけ簡単に伺います。この常勤的非常勤職員は、今度官房の人事課に登録したと聞いておりますけれども、それは事実ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/154
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155・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) 常勤的非常勤職員、いわゆる補助員につきましては、登録制度を実施することにいたしまして、昨年の暮れでございましたが、そういう措置を講じております。現在各地建におきまして、それぞれ事務的に処理を進めている、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/155
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156・田中一
○田中一君 その意図は、むろん私はこう解釈します。定員法上の職員と同じような処遇を考えようというところにあると解釈したいのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/156
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157・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) お説の通りでございまして、期末手当、勤勉手当等の手当はもちろん、共済組合加入等につきまして、定員法上の職員と同等の処遇の対象といたしたい。そのためには、一応定数的に数をはっきりさせておくことが必要だと考えたからでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/157
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158・田中一
○田中一君 非常に幸いです。
もう一つは、準職員の日額旅費は、どういう工合に、今度の十四年度の予算に織り込んであるかですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/158
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159・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) 準職員の日額旅費につきましては、平均五千三百円というふうに来年度の予算には計上しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/159
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160・田中一
○田中一君 定員法上の職員と同じ待遇にしているんですか。それとも差違ございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/160
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161・鬼丸勝之
○政府委員(鬼丸勝之君) 定員法上の職員は、平均一人約一万一千円でございまして、準職員の日額旅費とはそれだけ開きがあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/161
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162・田中一
○田中一君 まだあるのですが、これは次側に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/162
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163・稲浦鹿藏
○理事(稲浦鹿藏君) ほかに質問ありませんか。——質問もないようでございますから、これで建設省関係の予算についての質問は一応終了したものとして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/163
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164・稲浦鹿藏
○理事(稲浦鹿藏君) 御異議ないようでございますから、これで終了したことといたします。
本日は、これにて散会いたします。
午後四時五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114149X00819590212/164
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