1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年四月一日(水曜日)
午前十時四十四分開会
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出席者は左の通り。
大蔵委員
委員長 加藤 正人君
理事
土田國太郎君
山本 米治君
平林 剛君
天坊 裕彦君
委員
青木 一男君
江藤 智君
迫水 久常君
塩見 俊二君
森田 義衞君
小笠原二三男君
小酒井義男君
柴谷 要君
運輸委員
委員長 大倉 精一君
理事
成田 一郎君
相澤 重明君
委員
植竹 春彦君
平島 敏夫君
野溝 勝君
松浦 清一君
大和 与一君
市川 房枝君
岩間 正男君
建設委員
委員長 早川 愼一君
理事
稲浦 鹿藏君
岩沢 忠恭君
委員
上林 忠次君
小山邦太郎君
西岡 ハル君
安井 謙君
内村 清次君
上條 愛一君
村上 義一君
国務大臣
大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
建 設 大 臣 遠藤 三郎君
政府委員
大蔵政務次官 佐野 廣君
大蔵省主計局次
長 佐藤 一郎君
大蔵省主税局長 原 純夫君
運輸省自動車局
長 國友 弘康君
建設省道路局長 佐藤 寛政君
建設省道路局次
長 關盛 吉雄君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
常任委員会専門
員 古谷 善亮君
常任委員会専門
員 武井 篤君
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本日の会議に付した案件
○揮発油税法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
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001・加藤正人
○委員長(加藤正人君) それでは、ただいまから大蔵・運輸・建設・連合審査会を開きます。
前回に引き続き、揮発油税法の一部を改正する法律案に対し質疑を続行いたします。
前回は、大倉委員の質疑中に散会となりました関係上、今日は最初に大倉委員の質疑を続行していただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/1
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002・大倉精一
○大倉精一君 きょうは他に発言者もおありのようですから、前回の私の質問に対しましての大蔵大臣の御答弁の未完成部分について、若干質問申し上げて、次の発言者に譲りたいと思っております。
前回の私の質問に対しまして、名神国道の予算、決算について、昭和三十二年度、昭和三十三年度及び昭和三十四年度の予想からして、予算の大部分を使い切っていないということに対しまして、大臣はそれは土地の買収等がはかばかしくいかなかったためである、こういうような答弁がありました。そこで、お尋ねしたいのですが、今度の新五ヵ年計画につきましてはそういう心配はないという、そういう具体的な計画がおありになるか、これについてお伺いしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/2
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003・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) もちろん、土地の買収は、最近の状況非常にむずかしい問題があることは御了承をいただけると思います。在来の路線の改修ということにおきましても、路面を、幅員を広げたりその他でやはり買収問題があると思いますが、国民の協力を得まして、計画はぜひとも計画通り実施したい、こういう気持でおるのでございます。そこで、その詳細につきましては、建設当局から御説明さしていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/3
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004・關盛吉雄
○政府委員(關盛吉雄君) お答え申し上げます。名神道路の建設につきましては、今回の道路整備五ヵ年計画におきまして、三十七年度その完成を目途として事業費を計上いたしております。ただいまのところ、お話のように用地取得の関係の経費等におくれがございまして、三十四年度へのかなりの繰り越しが予定されると思いますが、大体本年の三月から四月にかけましての、用地の取得の交渉の状況から見まして、今後三十七年までに予定の計画による事業の達成が、用地の取得見通しも徐々に好転をして参ってきておりますので、消化をする見込みで今進んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/4
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005・大倉精一
○大倉精一君 非常に抽象的な御答弁になりますけれども、私のお伺いをしておることは、この莫大なガソリンの税金を取り、莫大な予算を計上してこれから五ヵ年間で道路を建設しよう、その受益につきましてはこうこうこうだというような、こういう抽象的な説明があるのでありますけれども、それは本来ならば、本年度は何県と何県、どこどこをどういう程度に作って、どういう進捗状況であるから、これに要する経費はこうだ、こういうような具体的な計画がなければならぬはずですが、そういうような計画がおありになるかどうか、御発表を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/5
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006・關盛吉雄
○政府委員(關盛吉雄君) 名神道路の建設につきましては、すでに建設省におきまして道路の建設についての整備計画を指示いたしまして、三十三年度につきましても全路線についての用地の取得を進めているのでございます。そうして三十四年度におきましては、この用地事務を完了いたしまして尼崎・栗東間の本格的な工事を行う見込みでありますので、ただいま申し上げましたように、三十五年度以降の急速な工事の進捗と相待って五ヵ年計画における予定事業の達成ができるものと考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/6
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007・大倉精一
○大倉精一君 どうも抽象的な説明でよくわからぬのですけれども、たとえば、国鉄の運賃値上げをやる場合におきましても工事計画、その他を、明細に具体的に報告をして、一三%値上げをするというような、そういう論議をしたわけでありますけれども、道路に関する限り、これはもうきわめて抽象的な答弁であって、そうして名神道路も、今までは用地買収でこうこうこうだ、これから先は好転する見込みである、こういうことでもって、この大事なガソリン税というものを無計画に、そうして無方針に増徴をするということにつきましては、私はどうも納得いきません。なお、さらに大蔵大臣は、相当信念を持っておられるようでありますけれども、あなたの方の党の内部におきましても、相当大幅な修正の意見もあるやに聞いております。こうなってくるというと、一体五千五百円でいいのか、あるいは四千円でいいのか、三千七百円でいいのか、さっぱり見当がつかぬ。国民が迷うと思うのです。さらに受益者におきましても、一体どこがどうなって、来年度はどこがどうなるのだ、来年度は、それによってわれわれはどんな利益を受けるのか、さっぱりこれは見当がつかぬだろうと思います。従って、このガソリン税のお金を出す方が、なるほどそうだというような御説明を、この委員会を通じて具体的に説明を願いたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/7
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008・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように、一兆円五ヵ年計画というものを党におきましてすでに取り上げ、そうしてこれが実行計画を立てて参りました。これが過般の選挙における自民党の公約事項ということになっております。政府といたしましては、与党である自民党の公約事項の実現可能なりやいなや、またその財源をいかにして調達するか、これを工夫いたしまして、今回の予算の編成をいたしておるのでございます。もちろん、建設当局におきましては、道路五ヵ年計画、この一兆円の割り振りにつきまして、国道、地方道、さらに有料道路、公団関係のものですが、そういうことで、この一兆円予算の大分けをいたしております。そうして予算成立次第これを具体化する、本年度の実行計画を立てて参るということでございます。ただいまのところは、机上プランとしての一兆円道路整備計画というものを、政府におきましては策定いたしておる次第であります。問題は、御承知のように、他の公共事業、河川費その他にいたしましても、この予算が成立いたしました後に、それぞれ実行計画を立てて参るのでございますから、そういう意味の計画を建設当局が持っておりますし、それをこの機会に説明さすことにいたしたいと思います。ただいま大倉委員のお話のように、これが修正意見が与党内部にもあるではないか、こういうようなお話でございます。与党の一部において修正意見のあることは私どもも耳にいたしております。また国会の御審議を通じましても、各方面において修正意見があるということは伺っておりますが、今回の予算編成に当りましては、五ヵ年計画実行に必要な資金確保、こういう意味で、一面に財政資金からの分担も計画をいたしましたけれども、また他の面におきましては揮発油税の増徴によりましてその資金獲得の計画を立てておるのでございます。いろいろの御審議の過程におきましては御批判もあることだろうと思いますが、政府といしたましては、五ヵ年計画推進のために必要なる資金として、ただいまのようなガソリン税増徴案を御提案いたしておる次第であります。その建設省が持っております計画については、建設省から説明さすことにいたさしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/8
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009・關盛吉雄
○政府委員(關盛吉雄君) ただいま御質問のございました、道路整備五ヵ年計画の概要でございますが、三十三年度から道路整備に一兆円の投資を行う基本的な計画でございますが、そのうち、政府が道路整備五ヵ年計画として閣議決定いたしておりますのは、地方単独事業の千九百億円を除きました八千百億円のものについて、国の施策として行う事業をきめているのでございます。そのうち、一般公共事業におきまして、六千百億円、有料道路事業におきまして二千億円を、この計画中に、事業費として予定いたしておりまして、総計八千百億円が、今回の道路整備五ヵ年計画の事業の内容になるわけでございます。
一般道路事業におきましては、その特色といたしましては、一級国道は、昭和三十三年から七ヵ年間に全路線の整備をおおむね完了することを目途にいたしまして、整備を全路線について促進することを考えておりまして、その概要、結果につきましては、現在の五ヵ年計画の実施直前の整備状況が、三十三年三月末の改良が五〇%であるに対しまして、七二・八%に引き上げる。さらに舗装につきましては三四・一%を六三%に引き上げる。こういうふうな計画をいたしておるのでございます。さらにこの二級国道、あるいは都道府県道、その他の地方道につきましても、それぞれ改良、二級国道は三十三年三月末、三〇・六%の状況に対しまして、この計画実現後におきましては四〇・三%の改良済み延長の区間を整備することにいたしておりますし、舗装につきましても、三十三年三月末の一三・八%を二五%まで引き上げる。こういうような目標で進んでおります。また高速自動車国道といたしまして、先ほど出て参っておりました、名神等含めました事業の整備につきましては、今回の計画におきましては、中央道の小牧・吹田聞及び吹田・西宮間と、さらに東京・小牧間の部分につきましての事業費も含めまして、九百九十五億円の事業を計画いたしております。なお、有料道路の二千億のうち、日本道路公団が行いますものは千四百億円余りでございまして、この中には、ただいま申しました名神道路ほかその他の一般道路事業をも含んでおります。なお、首都高速道路公団の事業といたしまして、二千億円の中には約五百九十二億円の事業を予定いたしております。かようにいたしまして、今回の道路整備が、各道路の種別に従いまして、大体の計画を立てまして、各事業の実施をはかっておるのでございまして、今回の財源措置と並行いたしまして、ただいまの目標を達成すると、こういう計画にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/9
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010・大倉精一
○大倉精一君 どうも私の要求する答弁にはなっておらないと思うのですけれども、私は、今ここで何パーセント完成する予定だというような、そういうようなことを聞いているわけじゃない。簡単に言うならば、一つのわかりやすい要図でも作って、ここからここまでは第一次、何年何月から何月まで、ここからここまではどうだ、こういう具体的な資料がなければならぬと思うのでありますけれども、そういうような資料は建設委員会あるいは大蔵委員会等において提出をなさっておるのかどうか。なさっていなければ、この際、そういうような具体的な資料をもらわないというと、どうもわれわれしろうとには納得できない。つまり、今大臣が、五ヵ年計画遂行に必要な云々という言葉があったけれども、この遂行に必要な具体的な計画について、この際一つ資料を出してもらいたいと思うのですけれども、この点についてはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/10
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011・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) この五ヵ年計画、ただいま御説明いたしましたように、八千百億円を、三十三年度に実施した分がもうすでにございますが、その三十三年度は九百二十四億という金額を予算の上に計上いたしたわけでございまして、三十四年度は千四百二十五億。この千四百二十五億のうち、一般道路は千百五十一億、有料道路は二百七十四億、それで、その残りの部分は、三十五年から三十七年度の間にそれぞれ支出をするといたしまして、五ヵ年計画の残額、五千七百五十一億というものが三十五年以降三十七年までにこれが支出される予算になるわけでございます。この五千七百五十一億、そのうちの一般道路は四千百二十四億であり、有料道路は千六百二十七億、こういうことになるのでございます。この中身の詳細につきましては、建設委員会等において十分御審議をいただいておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/11
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012・大倉精一
○大倉精一君 私の聞いておるのは、その何年度に何百億円使う、何年度に一千何百億円使う、その使うお金は一体どこへ使うのだという、こういうことでございますね。何県から何県にまたがる道路、あるいはここからここに行く道路、これがいつごろぐらいまでに完成して、それが幾らかかるのだ、こういうことが私は知りたい。しかも、ややもすれば、従来、こういうような建設については、ある政治屋の利害関係によって、必ずしも有効的な計画遂行ができていない、こういうように聞いております。今回におきましても、非常に莫大な金を使っておるにもかかわらず、何県がどう、どこどこがどうという具体的な計画が示されていない。あるいはあるかもしれないが、それをうっかり示すというと、議員の利害関係にまたがって、どうも工合が悪いということもあるかもしれません。そういう不明朗なことによってこのガソリン税が使われるということになりますというと、非常にこれは重大問題になる。でありますから、私は、このガソリン税の増徴によって、莫大な予算をもって、この道路の画期的な建設をやるのでありますからして、こういうような具体的な資料を一つ出してもらいたいと思う。つまり、簡単な、われわれしろうとにわかりやすい要図を書いて、適切なる注釈をつけて、なるほどこれならこれだけの金がかかる、こういう工合に一つ資料を出して説明をしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/12
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013・關盛吉雄
○政府委員(關盛吉雄君) 道路整備五ヵ年計画の具体的の内容についてのお話があったわけでございますが、五ヵ年計画全体といたしましては、道路整備緊急措置法に定められております通り、整備の目標、道路の種別ごとに事業の量とともに決定することになっております。従って、われわれも、その線に沿いまして、全体の整備の目標をきめたわけでございますが、ただいまの御質問にかかわる個々の路線の具体的な五ヵ年間の個所等につきましては、目下慎重に調査もいたしておる分もございますので、具体的には目下検討をいたしております。ただ、各県知事には、法律に定められました趣旨に従いまして、ただいまの整備の目標なり事業の量を通知いたしたのでございますが、全体としては、個々の路線ということにつきましては、ただいま検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/13
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014・大倉精一
○大倉精一君 これはどうも、ますますもって納得できないのですけれども、金を取っておいて、目下検討中ということがどうも私にはわからない。それで、あなたの方で、大体道路の五ヵ年計画というものが、そういう構想があり、計画があるとするならば、日本の地図の上にずっと一つ筋を引っばって、ここからここまではどうだ、ここからここまではどうだという、そういう計画があり、その費用の積算をもって、何千億円、あるいは一兆円、こうなってこなければならぬと思うのであります。ところが、それが全然計画がないということでありますと、これは何を目標にして一キロ当り五千五百円というような、そういうものをはじき出したのか、どうも私は納得いかない。これもまた党内でいろいろ意見があるようでありますが、また、最終的にきまるのは、足して二で割ったというような妙な格好にきまって、何の議論も理屈もない。こういうことであっては、たださえ中小企業が苦しんでおる中を、そういう不明朗な、無方針な税金をとられ、しかも、そのとられた税金によって作られる道路というものが、順序も何もなく、いわゆるボスやいろいろな物理的な力関係によってばらばらに建設されて、そうして非常に不明朗な状態が展開される。こういうことを私は心配するわけであります。でありますから、私は道路にはしろうとでありますからして、しろうとにわかるように、日本の地図にずっと線を引っぱって、ここからここまではこうだ、ここからここまではこうだ、こういうような資料を一つ作って出してもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/14
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015・關盛吉雄
○政府委員(關盛吉雄君) この道路整備の具体的の個々の路線の、どこからどこまでというのは、これは今のところ、まだ公表する段階に至っておりません。ただ、そういうものが全然ないから公表しないということではなくて、われわれの作業におきましては、各道路の種別に従いまして、事業の改築並びに輸送の計画の案というものは持っておるのでございます。ただ、公表ということになりますと、正式に国の管理する路線なり、また都道府県知事の管理する路線等につきましては、いろいろな手続も要しますので、今回の法律の規定におきましても、道路整備五ヵ年計画は、道路の整備の目標と事業の量を決定する、こういうことにいたしております。従って、毎年度毎年度当該道路の路線を整備するということは、今回の道路整備五ヵ年計画の各道路の種別の整備の目標に従って採択し、また計画を立て、行うのでありますので、ただいまのような御心配はないものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/15
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016・大倉精一
○大倉精一君 計画はあるが、発表する段階ではない。まあ、われわれを信用せい、こういうことだろうと思います。思いますけれども、どうも私は信用できない。なぜかといえば、選挙のときにはいろいろ自民党が公約されますけれども、国民はほんとうかしらんと思って投票する。ところが、今度選挙が終ってしまうというと、いや、自由民主党と政府とは別だということになってしまって、さっぱり国民は何を信用していいかわからないというような、こういう現実が今までの実態であります。特に今度のガソリン税につきましても、自由民主党の党議によりまして、増徴分だけは全部——増徴分に見合う財政資金を出すのだ、こういうことがあるにもかかわらず、政府は自分の与党のそういう決議には何ら従おうとしない。無視しておる。こういうことで、計画はあるが、今発表する段階ではない、信用せい、こう言われても、どうも信用できない。そこで、大蔵大臣にお伺いするけれども、計画があって発表できない理由を、一つこの際明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/16
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017・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 大倉委員のお尋ねになりますのが、どこからどこまでの区間と、こういうことを示せと、こういうお話でございますから、ただいま事務当局が申すようなお話になるのでございます。もちろん、計画といたしまして、この閣議決定をいたしました道路整備五ヵ年計画というものがございますが、その中にも明らかにいたしておりますように、一級国道、二級国道、その他主要地方道、あるいは単独の都道府県道というふうに分けまして、同時に大体整備に必要なキロ数を策定し、そのキロ数のうち、改良するものと、まあ舗装だけで済ますものと、いろいろキロ数を計画いたしまして、五ヵ年整備計画というものが立つのでございまして、そして予算ができ上りました上で、予定いたしておりますキロ数に該当する線区をそれぞれ実行の場合に確定していくということは、ひとり道路ばかりではなく、その他の河川工事にいたしましても、あるいは土地改良工事にいたしましても、予算と予算の実行についてのそれだけの時間的のズレは全部あるのでございまして、ひとり道路だけが、ただいま言われるように、具体的の、どこからどこまでこれを一つ明示しなければ、というようなお話は、これはちょっとこの時期としても、事務当局に対しても無理ではないかと私は思うのでございます。全然計画を持たないわけではなく、ただいま申すように、整備のキロ数を計画をいたしまして、そのキロ数について、各道路の性質により改良、舗装、こういう大きな区分で、それぞれの計画を立てておるというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/17
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018・大倉精一
○大倉精一君 その整備のキロ数というのは、どうやったら算出ができるのですか。やはり、たとえば、国鉄にいたしましても、ちゃんと計画線とか、あるいは調査線というものはちゃんと図上に明示してあって、それに順位がつけてあって、それによって計画が遂行される。しかも、予算の範囲内において、その順位をつけていかれる。道路については、全然そういうような要素もなければ、あるいは図表もない。そして今、予定するキロ数といいますけれども、そのキロ数の算定方法について、一つ説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/18
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019・關盛吉雄
○政府委員(關盛吉雄君) 道路整備の事業の量といたしまして、この五ヵ年計画には、それぞれ一級国道の改良は二千七百十五キロメートル、舗装は三千二百七十キロメートル、こういうふうに、二級国道以下についても同様の事業の量を閣議決定いたしておるのでございます。この改良、舗装のキロメートルの積算はどうして出たか、こういう御質問でございます。これは各道路の種別に従いまして、それぞれ整備の基準となるべき、いわゆる採択基準というものを事務的には定めまして、そして各路線につきまして、それぞれそのキロに該当する部分を調査の上、今日まできめましたものを積算をいたすわけでございますが、今回の五ヵ年計画におきましては、特に他の道路と違いまして、原則的には一級国道は七ヵ年間というものを定成目標にいたしておりますので、それはその観点でその量を定めております。
なお、二級国道におきましても、それ以下の道路の種別におきましても、それぞれ道路の種別に従い、いわゆる整備の基準というものを定めておりますので、その基準に従いまして、各路線ごとに定めましたものがこの整備の基準の量になる、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/19
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020・大倉精一
○大倉精一君 そこで、私の要求しておるのは、今あなたのおっしゃった各道路の種別に従って、あるいは各路線に従って、こういうような発言がありましたけれども、各道路、各路線、そのあなた方の積算されたところの具体的な各道路、各路線の、もう少し、どこがどうだということを示してもらいたい、こういうことを私は要求しておるのです。今、あなたの答弁でもって、その各路線、あるいは各道路の種別に従って積算したものを、こうこうこうだ、こういう説明がありましたから、その各路線、各道路の、もう少し説明することができると思いますが、それはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/20
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021・關盛吉雄
○政府委員(關盛吉雄君) これは、先ほど申し上げましたように公表ということになりますと、今回の整備計画の期待いたしております内容そのものを、各路線について申し上げますことは非常に影響するところも大きいし、また各細部につきましてはさらに検討する必要がありますので、ただいま申しましたような全体の路線についての全体の計画をきめている。また今後の問題につきましては、道路関係省とも十分協議する必要がございますので、今のところ、まだ公表するのはいかがかと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/21
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022・大倉精一
○大倉精一君 それで、最後にお尋ねするのですけれども、大蔵大臣、は今の答弁で、影響するところが大きい、さらに細部にわたって検討を要する、こういう御答弁があったのですけれども、影響するところが大きいということについて、大臣から一つ説明を願いたいと思います。さらに、また細部にわたってさらに検討を要する、という答弁に対して、大蔵大臣として、どういう部分について細部の検討を要するか、こういう点について、一つ納得のいくように説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/22
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023・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 建設当局の話は、よほど事務的な話であり、いわゆる政治責任者の話とは相当違っていると思います。相当小胆な発言をいたしていることだと思います。しかし、今日、道路の悪いことは、もう各地方ともこれは全部でございます、そういう意味から見ますと、この五ヵ年計画を整備するに当りましては、できるだけ早くやってくれというのは、これはもう人情でございます。どうせやるなら、自分のところを先にやってくれというものはございます。しかし、やはり道路の整備計画、御承知のように、五ヵ年整備計画と銘打って計画的にこれを実施するといたしますならば、仕事の段取りというものは非常に大事なことであります。今でもそうですが、私は東京都内に住んでいますが、こちらへ通う道などは年がら年じゅう工事をしている。一体、何をしているかわからないというようなことがあるし、あるいは百メートル走って百メートル先まで工事をやっている。ずいぶんこの建設というか、道路の改良計画そのものが、今のところは相当金をかけておりながら効果が非常に上らない、こういうものも実はあるのでございます。そこで、総体のキロ数としての予算を計上はいたしております。そしてそのキロ数について予算の編成を得ますならば、この計画を実施して参ります場合に、工事にむだがないようにまた実際の運用上に支障を来たさないように、これはやはり十分工事施工に当って考慮していかなければならないのであります。ただいま指摘いたしました各道路についての説明は省略さしていただきたいと思いますが、一級道路などについては、これは比較的わかりやすい道路でございますから、必要だとおっしゃるならば、この一級国道を七ヵ年間において全部完成したい、そのうちの五ヵ年計画がただいまの計画でございます、ということをはっきり申し上げ得るのであります。そうして、その一級国道の整備状況についての建設当局の計画はこれこれだということは、これは必ず建設当局は説明し得ることだと思います。思いますが、今日までの予算審議に当りましての実際問題といたしましては、国会の審議の方に携わっておられる方におきましても、計画の全貌についての御審議を賜わる具体的の、どの地点からどの地点ということについては、これが東京—名古屋というようないわゆる幹線道路についてのそういうものはございますが、それにいたしましても、経過地点等についてはいまだにきまらないというのが実情でありますが、ちょうどそれと同じように、この実行計画を何々区間、何キロというものを明示しろといわれることは、私はこれは現段階では無理なお話ではないか、こういう気がいたしております。大体、予算の実行計画を策定いたします場合において、もちろん、今日まですでに事務当局といたしましては、地方からの要望なり、地方についての調査なり、実情は十分把握しておりますが、工事を施工いたします場合において、十分地方利用者側の意見も尊重はして参りますが、一面工事遂行上の観点に立つ、いろいろの計画もあるだろう、そこらにその政府としての責任の所在もあるわけであります。そういう意味で、先ほど来道路局次長は、少しその案について説明を差し控えておるのではないか、かように私存ずるのであります。私別に事務当局について肩を持つわけではございませんが、予算とその年度における実施計画、これとの関連がひとり道路計画ばかりではなく、その他の公共事業全般についても、ただいま申し上げるような方法で、実施計画を立てておる、その実情を御了承いただきたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/23
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024・大倉精一
○大倉精一君 どうも、大蔵大臣は答弁がうまくて、私の聞こうとするところをすっとそらしちゃうのですけれども、私の今聞きたいのは、計画はあるが、今発表するというと、影響するところが非常に重大だからという発言と、それからさらに細部にわたって検討を要するからという、その点の説明を求めたのでありますけれども、どうもその説明ができていない。が、たまたま今の説明中に、どうも次長と食い違っておるところがある、どれだといいますと、大蔵大臣は、ただいまの段階においては何々区間が何キロメートル、何々区間が何キロメートル、これをお示しするということは非常に困難ではないか、ちょっと無理ではないかというような答弁があったのですけれども、次長は、そうじゃない。そういうキロメートル、具体的な何々区間何キロメートル、何々区間何キロメートル、これを積算して、こうなったのだ、こういうような答弁があったのです。どっちがほんとうなんですか。一体、そういうような数字があって、それが積算されておるのか、あるいは、だろう、だろうでもってきめたのか、どっちなんですか、それは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/24
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025・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 個々の路線について、建設省の事務当局は、事務当局の案を持っておると思います。これはもちろん、建設当局として責任官省でありますから、もちろん持っております。しかし、これを実行に移します場合においては、関係官省において実行予算の割り振りをはっきりきめなければならないのでございます。そういう意味では大蔵当局も、全然建設省の案をそのままうのみにするかどうか、これは十分私どもも審査の責任がございます。そういう意味で、この段階で、建設省だけの責任において発表するというのは無理だというのが私の考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/25
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026・大倉精一
○大倉精一君 それでは、大蔵当局が建設省の数字をうのみにするわけにはいかん、こういうお話なんですけれども、それでは、大蔵当局として金額を査定をされた根拠については、別に数字をお持ちになっておるのだ、建設省と違った数字があったら、大蔵省の数字を一つ発表していただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/26
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027・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 基本的な数字のワクは、私どももすでに了承しておるのでございます。先ほど読み上げました三十四年度における千四百二十五億、このワクは大蔵省もちゃんと承認しておる数字であります。さらにそれを三十四年度は内訳をいたしまして一般道路が千百五十一億、有料道路が二百七十四億、こういうことになっております。このワクはちゃんと了承いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/27
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028・大倉精一
○大倉精一君 どうも私の聞き方が、質問の仕方が悪いのかどうかわかりませんけれども、聞いておることの答弁がないのが、非常に残念に思っております。もう一回聞きますけれど、私の聞いておるのは、建設省では一つの積算の基礎になっておる数字を持っておる。何キロメートル、何キロメートルという数字を持っておる。しかし、大蔵省はそれをうのみにするかどうかは別ものだ、こういう答弁でありますから、私どもしろうと考えといたしましてそれでは大蔵省がお金を査定する上において、建設省と別の数字を持っておられるのかどうか、持っておられたら発表願いたい、こういうことなんですけれども、その点どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/28
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029・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど言われております閣議決定をいたした数字は大蔵省も了承しております。従いまして、キロ数もきっちりいたしております。ただ問題は、そのキロ数をどこに割り振りするか、一番問題が起りやすいところの有料道路について考えてみますと、いわゆる有料道路ということから、これは観光路線ばかり選定されるようなことでありますと、必ず問題が起ると私は思います。まさか建設当局が観光路線ばかり選んではこないでございましょうが、そういう意味においては、大蔵省は建設省が選んだ具体的な線区をそのままうのみにはできないということを、大蔵当局としてまた審査いたしますということを申し上げておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/29
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030・大倉精一
○大倉精一君 どうも、何かわかったようなわからないような答弁でもって、さっぱりこっちはわからぬのですけれども、今までの答弁では、いわゆる名神国道がお金を使うことができずに余ったんだけれども、これからはやれる、こういうことでありますけれども、どうも信用できない。また、こういうたくさんのお金をやってそうしてこのお金のぶんどり合いでもって非常に不明朗な状態が出たり、あるいはまた工事に手をつけることができなかったり、こういうことでもって、さらにまたたくさんの金が使われずに残っていくんではないか、こういう心配があるわけであります。従って、ただいま次長の方から、影響するところが大だといいますけれども、これはもう、この日本の百年の大計の道路建設の計画を持っておるのでありますから、大体産業経済活動には建設順位にして、これこれこれだと、こういう確固たる信念と自信がなければならぬと思う。これを今発表するというと、非常に重大な影響があるということは、これはやはり外部の変な物理的な力関係によって、この道路の建設順位というものが振り回されていくんではないか、あげくの果てに、そういう格好でもって決定することができない、こういうような状態が起るんではないか、こう考えるわけであります。従って、この影響するところが非常に大だということは、私は非常に重大な発言として私の耳には響いてくるのでありますけれども、こういうことでは、どうもガソリン税を増徴をして、そうして道路建設をして日本の経済発展に云々というようなりっぱな美辞麗句が、何か陰にきたないものがうようよしておるような気がしてならぬ。でありますから、この際この道路建設につきましては、画期的な予算を組んでやるんでありますが、国民の前に道路建設の順位、それからその程度、あるいはその他の事情について国民がわかりやすいように明示をする必要があると思う。これはいたずらに、きまっておって、資料は持っておるけれども、今出すというと、非常に影響が大きいというような、そういうことではこれはどうも納得できない。でありますから、大蔵当局も建設当局も、これはもう絶対明瞭にわれわれしろうと議員にわかるように、簡明なる資料を一つ出してもらいたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/30
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031・關盛吉雄
○政府委員(關盛吉雄君) ただいま私の御答弁が間違った点で、いろいろ御理解をされるのに大へん納得いかないような点がたくさんおありのようなことで御質問ございましたが、道路整備事業の量につきましては、先ほども申し上げましたように、一定の道路の種別ごとの採択すべき基準に従いまして路線の計画を立てることになっております。細目につきましては、従って、当初申し上げましたのは、この五ヵ年計画をきめるに当りまして、現実のいわゆる路線の状況から見まして、個所等につきましての検討した案はあるということで申し上げたのでございますが、この道路の種別に従ってきまっております整備の事業の量を、大倉先生の御質問では、これから実施するところの個所についてはっきり示せと、こういう御質問でありましたので、そういうふうなことになりますと、具体的の予算の実施との関係では、採択基準並びに工事の実施の個所等の道路の構造とか諸般の問題もございますので、これは慎重に調査の上、細目を決定しなければならない要素もございますので、それをそのままに今公表するという案にはなっておらぬ、こういう意味でそれを申し上げたのでございます。重ねて申し上げますが、細部につきましては、各道路の種別に従った採択の基準に従いまして路線計画を定めまして、その路線計画に基いて今後の五ヵ年の事業を、五ヵ年計画に定めました道路の種別ごとの延長事業量にあわせまして実施するわけでございますので、ただいまその実施計画の個々の路線についての個所等について公表をやるというのはまだその段階ではない。こういうふうに御理解願いたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/31
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032・大倉精一
○大倉精一君 それでは、その公表される段階というのは、どういう段階が公表される段階なのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/32
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033・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) 道路局長でございますが、衆議院の建設委員会に参っておりましたものですから、大へんおそくなりまして失礼申し上げました。ただいま、次長から答えがございましたように、われわれといたしましては、かなりこまかい計画を持っておるわけでございます。しかしながら、これが公表ということになりますと、具体的にどこからどこまでどういうふうにするんだという発表ということになりますと、今説明いたしましたような工合で、今直ちにそれを発表するという段階には至っておらないわけです。しかしながら、現地の各都道府県なり市町村なり、事業を実施いたします立場といたしましては、この事業がどういうふうになるかということについては、関心を持っておるのは当然でございます。従いまして、その実施計画が固まり次第、年度当初におきましては、はっきりしたことを知らせることは当然でございますが、次年度以降のものにつきましても、ある程度実施計画が固まりましたらば、それほどおくれないうちに事業全体の規模がわかる程度のものは一つ知らせるようにいたしておきたい。いろいろ予算経費等の準備の都合もございますから、そういう全体の規模等につきましては、よくわかるようにいたすようにいたしたい。こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/33
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034・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 今の道路局長の説明でいいかと思いますが、今回の大蔵省といたしましての考え方を一通り申しておきたいと思います。大蔵省といたしましては、例年のことでございますが、公共事業費関係について四半期ごとに認証を出しておるわけであります。この認証を出す時期が非常におくれるということで、いつも批判を受けておるのでございますから、ことしは、参議院の選挙等もございますが、事務当局といたしましては、十分早目に認証いたしまして、工事の促進をはかる、こういう考え方で全般についての考え方をいたしております。この点を御披露いたしておきます。この認証をいたしますれば、当然その際には工事期間は明確に発表されるのでございます。ただ、道路の場合なり、補助事業等について、この認証がおくれております理由に、大へん弁解がましくなりますが、それぞれ相手の県に対して工事内容を十分協議する、それが受け入れの県と申しますか、工事を施行いたします県においていろいろ協議が早目にまとまりますれば、政府としての工事認証が早く出るということでございますが、相手方において、県会その他の関係で長引くようなことがありますと、例年のような、七月だとか八月だとか、こういうことに実はなるのであります。予算の使い方から申しまして、かようなことはまずいと思いますから、その予算の決定次第、ただいま申しますように、今年は特に公共事業費についての工事認証は早目に出すということで、事務当局を督励いたしておりますから、そういう意味で、発表の時期も比較的早目に、例年よりも早目に御希望に沿うようになるのじゃないか、こういう点を御披露いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/34
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035・大倉精一
○大倉精一君 もうこれ以上お尋ねしても、これ以上のお答えは出ないと思っております。結論は、要するに、今までいろいろお尋ねをして、いろいろな状態を知りたいと思いましたけれども、この程度では、ちょうどめくらが手探りで探っておるようなもので、さっぱり何が何だかわからないようなところへ金をつぎ込むようなものだと思っております。こんなことでは、なかなかあなたの方で、受益がどうとか、これだけ利益があると言ってみたところが、あるのかないのかさっぱりわからない、こういうことになるだろうと思っております。そこで、この際、この段階においてどの程度の資料が出るか、この段階において出る資料を出していただきたいと思います。それから、自民党の党内におきましても、いろいろこの問題の党内調整をおやりになっておるようでありますけれども、大蔵大臣はあまり面子にこだわらぬで、そうしてさっぱりと、こういうようなものを白紙に返し、そうしてみんなの意見を傾聴する、こういう態度でやってもらいたいと思っております。あなたが一人がんばっておると、いつまでたってもこの問題は解決がつかぬ。そうして、みんなが非常に迷惑をしますので、どうか一つ大臣もこの際率直に白紙に返って、みなの意見を十分に聞いてもらいたいと思っております。他の発言者もおありになるようでありますから、一応これで私の質問は終りまして、要すれば、さらに質問をさしてもらうことを保留して一応終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/35
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036・村上義一
○村上義一君 昨日の参考人各位の公述は、建設委員会や本会議のために傍聴することができず、まことに遺憾でありましたが、本法案を衆議院で審議せられまして以来の質疑応答を拝承しますると、どうも今回一キロリッター当り五千五百円税を上げるということについては、どうしても納得がいかないのであります。従って、二、三点についてお伺いをしたいと思うのでありますが、まず、日本の揮発油税は、英仏等に比較して、アメリカを除けば非常に安いのだ、英仏に比較すると非常に安いんだという御説明があったようであります。しかしながら、ノミナルの数字で比較するということは、国民負担にかんがみて当を得ないと私は信ずるのであります。どうしても税負担を比較する場合には、国民生活水準、言いかえれば国民所得を考慮に入れる必要があると思うのであります。現に、政府の提出しておられる資料によりましても、日本のガソリン税の現在の負担を一〇〇としますれば、イギリスは三八余りであり、フランスは七一余りであるというようなふうに資料で拝見しております。この数字をもってすれば、決して日本のガソリン税負担は、現行で安いじゃない、むしろ高きに失しておると言い得ると思うのでありますが、国民所得を考慮せんければ、税負担の重軽を論ずることはできないと私は思うのですが、これについて政府はどういうふうにお考えでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/36
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037・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 外国の税率を御披露いたしましたことは、いろいろ議論を巻き起しておると思います。これは、軽い意味で、外国の税率は参考という程度にお考えをいただきたいと思うのであります。ただいま村上委員の御指摘になりますように、もちろん、税率はただいまそれだけで簡単に高いとか安いとかきめるべきでない、これはもう御指摘の通りでございます。そこで、今度逆な所論も実は立つのであります。この辺は議論になりましてまことに恐縮でございますが、いわゆる国民生活水準の非常に高いところの国、そういう所でございますと、税率が非常に低くても、ガソリンの消費量は相当多いということは、これは容易に想像がつくのであります。一人当りのガソリン消費量はおそらく国民生活の高いところと低いところではこれはもう格段の相違があると思います。さようにして考えて参りますと、この消費する総量、それによっての支払うべきガソリン税額、これは金額でございます、この金額はこれは相当の負担であるということも言える。今、御参考に供しておりますのは税率でありますし、一人当りの消費量という問題から支払う税額は一体幾らになるかということの見当はなかなかつきかねておるのであります。そういう意味で、今税率を参考にしておることは、これは非常に軽い意味におとりいただきたいと思います。
他の例で申しますならば、あるいはたばこだとか、あるいは酒だとか、こういうような場合でもなるほどこれは非常に税率は高いが、その消費量が非常に多いと、その個人の負担する税額は非常に多くなる、問題はその税率にあらずして税額、それが負担に耐えるかどうかということに実はなってくる。こういうように私どもは考えておりますので、これは一がいに税率だけでは言えない。そうして御指摘になりますように、外国の税率を御参考にはいたしておりますが、そういう意味では軽い意味におとりをいただきたい。これは、外国の例がこうだから、これよりも税率を安くするのだとか、高くするのだという議論はなかなか私も賛成いたしかねております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/37
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038・村上義一
○村上義一君 ただいまの御説明は、自家用車についての問題としては若干首肯し得ると思うのでありますが、営業関係のものについては、すなわちその分量が多かろうと少なかろうと、国民全体として、物資にかぶってくる関係は、これはそれに正比例するのであります。結局、営業車については、ただいまの御説明はどうも通ならいように思うのであります。まあ、時間も相当たっておりまするし、その問題は、今半面を御説明になったと私は解釈しまして、関連して伺いたいと思うのでありますが、今揮発油税を五千五百円一キロリッターについて値上げしたとて、自動車の、運輸業界に及ぼす影響はきわめて微弱だ、という御説明が今までにあったのであります。これは非常に私は事実に反しておると考えておるのでありまして、政府のお示しになっておりまする数字によりましてもハイヤー、タクシーは一年に一車平均十二キロリッター消費する。バスとトラックは平均一重十キロリッターである、そうして今一キロリッター五千五百円だけ上るとしますれば、今の十二倍あるいは十倍にすればいいのでありまして、ハイヤー、タクシーは一年に六万六千円増税になり、ハスとトラックは一両平均五万五千円の負担過重になる、こういうことはきわめて明瞭であります。しかるに、これまた運賃査定に関する政府の基準になっている数字でありますが、ハイヤやタクシーは営業収入、営業支出、その差額が、つまり純利益が一両について年間十二万六千八円、十二万一千六百八円、それからバスは十万六千九十三円、トラックは二万七千九百三十三円、こういう数字、これはもちろん全国平均であります。こういう数字になっております。そうすると、タクシーやハイヤー、あるいはバスというものは六万六千円なり五万五千円なり税負担が加重するために、この利益は半額もしくは半額以下になるはずであります。トラックに至っては、今二万七千九百円しか利益がないのでありますから、明瞭に赤字が二万七千円余り出ることに相なるはずであります。で、この影響が微弱であるというような政府の考えは非常に納得がいかないのでありますが、この点について一つ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/38
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039・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 今日、よほど各運輸業界が無理をしておるかどうかという問題も一つあると思います。これはまあ、非常に無理をしておれば、ただいま御指摘になりますように、運賃の問題にこれはいくということも考えられるのであります。昨日の参考人も、ただいま御指摘になりましたような、三十一年度の利益額なり三十四年度の増徴の結果の利益額推定というような数字を詳細に説明いたしておるようでございます。これはまあ、業界の説明だと私どもは一応感ずるのであります。村上さんも運輸業の大先輩であられます。私も過去におきまして自動車関係についてはいささか理解を持っておるという立場のものでございます。今回、大蔵大臣になって所説を変えたのじゃないかというようなおしかりも一部にはございますが、私はみずから十分事情も知っているというその立場において、しかもなお、今日の状況においては道路整備上、この程度のガソリン税の引き上げはやむを得ないという実は結論を出しております。
で、ただいまの数字等についてもいろいろの見方があると思います。その数字の争いをここでするつもりはございません。もちろん、今回のガソリン悦を値上げすることによりまして利益率に影響のあることも、私どもこれを頭から否定するというような考えはございません。ございませんが、直ちに、しからば、運賃構成にこれが影響していくものかどうか、これはやはり別途の考え方で、運賃が適正なりやいなやということは十分考究していきたいことだと思うのであります。運賃構成上、ガソリンが大きな要素であることは私も了承いたしますが、やはりこの運賃構成にはいろいろのデータが必要でございますから、各方面のデータと合わして、これがどういう影響を持つか、これで一つ御判断をいただきたいものだ、かように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/39
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040・柴谷要
○柴谷要君 関連質問。大蔵大臣に伺いたいのでありますが、大蔵委員会あるいは連合審査会等において、あなたからしばしば御説明をいただいておるのですが、その説明の内容を大体要約しますと三点になるのだ。一つは諸外国の例を引かれて、低いからこのくらいのことは上げてもいいんではないか、これがまず第一点。それから第二点は、五千五百円の増徴は大して影響がない、かようにおっしゃっておる。それから第三点は、道路が整備されると自動車が受ける利益が多い、だから、このくらいの課税は当然である、かようにおっしゃっていると思う。そこで、明確にこの三点にわたって、今の御見解を聞いて参りますというと、諸外国の例は軽い意味に一つとってくれ、あまり重要視しないでくれ、こういう御答弁であったと思うそれから、道路受益の問題については、大倉委員と長時間にわたってやりとりいたしましたが、これもあいまいもことしておる。それから影響の点でありますけれども、影響の点については、業界を納得させるような答弁ではなかったと思う
そこで、私は質問いたしたのでありますが、この影響がないという政府の見解は誤まりである、私はかように指摘をいたしたいと思う。その一例を申し上げますと、あえて参考人の言を全部私は信用しようとは思いません。しかし昨日、大蔵委員会におきまして、長時間にわたって参考人の意見を聞きましたが、各階層から出た参考人が一体となって言われたことは、影響が重大である、よって料金、運賃の値上げは必至の問題である、かようなことを力説されております。それのみか、今や労使間の問題にまで問題が波及をいたしまして、ガソリン税の値上げが行われるから、諸君らとの団体交渉は一切応じられないとして、今春の賃金改訂あるいは福利厚生施設の面に対する要求に対しては何ら応じていない、経営者陣営は。このような情勢の中で、影響なしと政府が見たことは私は誤まりではないか、この点を指摘いたしたいのでありますが、これに対する大蔵大臣の見解をまず最初にお伺いをして、それからあとにはいっていきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/40
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041・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来申しますように、影響がないとは私も言わない、ただ影響の度合いが非常にフェイタルな影響か、あるいは重大なる影響かという問題になるだろうと思うのであります。で、私どもは、今回上げますものが、いわゆる運賃に占むる割合から見れば二%ないし三%の影響を持つであろう、こういう見方をいたしております。それで、この関係から判断して参りますと、いろいろ運賃を決定いたしまする場合には、自動車代がどうなっておるとか、あるいは修繕費がどうなっているとか、あるいはオイルや、あるいは揮発油の消費量がどうなっているとか、いろいろのデータを全部拾い上げて、しかる上で決定すべきものだと思います。さように考えて参りますと、私、大蔵大臣として運賃が適正なりやいなや、運賃を上げなくともいいと申しておるわけでもございません。また必ず上げるべきだと、こう結論を申しておるわけでもございません。そういう点は、運賃が適正なりやいなやということを、運輸当局において十分御考究願ってしかるべきだと、かように考えておるのであります。私も一面において、ガソリン税を引き上げることによって、経費がその面において増加することは、これはもうお説の通りであります。これを否定するものではございません。しかしながら、運賃が適正なりやいなやということは、全般としてやはり考究を願いたいということであります。
それから同時に、この利益率の問題でございますが、前回のガソリン税引き上げの場合、その前後における道路運送業の経営分析調査というものが、日銀から出ております。また大蔵省は、法人企業統計というものを出しております。その数字等から見ますと、前回の、三十二年度の際におきましては、この利率の引き上げは、この税率の引き上げは業態には大した影響はなかったという数字が出ておるということを実は申し上げておるのでございます。で、一つは、一面におきまして、やはり経済情勢、経済活動ということにも多分に影響のある問題でございます。そういう点からも、やはり十分御判断をいただかなければならぬ、かように私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/41
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042・柴谷要
○柴谷要君 影響がほとんど軽微だというお説から、だいぶ影響が出るということのお考えになられたようですから、次の問題を質問したいと思うのですが、実は今大きな問題として、世論も高まっておりますところの、いわゆる暴走トラックの問題、あるいは神風タクシーの問題、この問題をめぐりましては、政府も本腰を入れられて、事故防止対策本部を設けられて、いろいろ指示をされておるわけです。ところが、この政府の見解が即業界に伝わって、それでは完全にこれが政府の方針通りに実施されておるかどうかという点になると、遺憾ながら私は今日十分とは言えないと思う。そういう、いわゆる業界と働く者との間の話し合い等も今日の段階ではまだ十分でない。そこへ加えて今回の課税ということについては、より一そう経営者陣営を硬化せしめて、もはや君たちの要求は少しも入れられないのだ、こういう態勢になっていると思うのです。そこに加えて、先ほど村上委員から御指摘になりましたように、一社当りのバスにしろ、ハイヤー、タクシーにしろ、トラックにしろ、運輸省の調査を先ほど御発言になったと思う。運輸省がかくかくの調査をした結果、利益がある、これは課税をされた場合には、トラック業界においては赤字になると明確に出てくる、運輸省の調査を元手にしていきますと。こうなるというと、大蔵省と運輸省というのは同じ政府機関の中にありながら、別な角度からこのような調査の内容を出しておるのだ。こういうことでは、われわれは大蔵大臣の言を信用したいのですけれども、まるまる信用するわけにはいかぬと思う。そこで、運輸省の調査が誤まりであるのか、これが事実であるか、これは運輸大臣がお見えにならぬようですから、運輸省の関係者から一つ明確にお答え願いたい。その上に立ってまた質問を続けたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/42
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043・國友弘康
○政府委員(國友弘康君) お答え申し上げます。村上委員のおっしゃいましたのは、運輸省の調査ではないのでございますが、運輸省としまして調査いたしました点を申し上げますと、先ほど大蔵大臣から御答弁のありました影響率二%ないし三%という数字は、一緒に合っております。試みにトラックについて申し上げますと、これは昭和三十二年度の一社当りの営業収支率を見てみますと九六・四%でございますが、私どもの方で計算をいたしてみますと、揮発油税五千五百円、軽油引取税二千四百円の増徴がありました場合には九八・二三%になる。すなわち一・八三%の影響があるという概算の数字が出ておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/43
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044・柴谷要
○柴谷要君 運輸省の調べで、こういうふうになっているのです。タクシー、ハイヤー、営業収入は百九十万九千五百八十六円、支出は百七十八万七千九百七十八円、利益は十二万一千六百八円、運輸省の調査で出ておる。トラックにしても百五十七万三百八円、支出が百五十四万二千三百五十五円で、利益が二万七千九百五十三円、これは運輸省の調査です。自動車局長、このくらいのことをはっきり数字をつかんでおらぬということはけしからぬ、ちゃんと運輸省の調査が出ておるのだ。
そこで、お尋ねするのですが、五千五百円を上げるというと、トラック業界はマイナスになる、赤字になる、こういう数字がはっきり出てくる、運輸省の調査によると。そうなるというと、今トラック業界における実態というものはどういうものであるかおわかりだと思うのですけれども、積載過重であるとか、トンボ返りとかいうような無理な運転をさせて、そうして辛うじてこのような収益を上げている。だから、この課税が加算された場合にはどうなってくるかといえば、当然これは運賃に、あるいは料金に責任を転嫁しなければならぬ。それを運輸大臣が、運賃料金の値上げは絶対認めないのだ、こういうことを答弁されたというようなことを聞いているのだけれども、それなら、このトラック業界はどうして生きようとするのか、この生き方について、政府に考え方があるなら、一つお聞かせを願いたい。われわれは、数字的に判断していくというと、トラック業界は全部、倒産、破産どころか、なくなってしまう。そういうことを国の政策として認めていくのかどうか、これを明らかにしてもらいたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/44
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045・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 今、御指摘になりました数字は、確かに運輸省調査の数字でございます。ただし、それは三十一年度の自動車業種別全国平均一社当りの収入実績でございます。そうしてこれは社団法人日本自動車会議所の税制委員の小野君の出しておるものの中に明確に書いてあるのでございますが、ただいまのものは運輸省調査の数字であり、三十二年度についてはこう書いてあります。「昭和三十二年度は揮発油税キロ当り五千三百円増徴となり負担増となったが、営業収入も増加したので大体三十一年度程度の利潤であります。」ということがはっきり書いてあります。これはその税制委員としては事実をそのまま言われておることと思います。この三十一年、三十二年、こういう時期と今回の三十四年という時期がどういう関係を持つか、こういうことも考慮のうちに入れていただきたいと思うのでございます。私は、先ほど来申しておりますように、また運輸当局もこれは同様だと思いますが、今回の値上げが直ちに運賃引き上げを生ずるものだ、こういう結論を今持つことは早いのではないかということを申しております。それかと申しまして、運賃値上げは一切まかりならぬと、こういうような議論もまたその実情に合わないものだと、かように考えておりますので、そういう点は実情に沿うように運輸当局において十分審査されてしかるべきことだと思うのでございます。
一例をとって申しますならば、すぐおわかりになりますように、非常に満員で走ります都市のバスと、また山間僻地で非常に乗客の少ないところと、こういうところで考えてみれば、すぐこのガソリンの値上げというものがどういう影響があるか。非常に客の少ない所で、現状においてもなかなか採算がとれないような路線も幾つもあるのでありますから、そういうような場所においては必ず今回の値上げが影響してくること、これはもう火を見るよりも明らかだと思います。しかしながら、会社全体として全営業路線についてどういうような運賃が適正なりやいなやということは、これまた別でございますが、各線区についてお考えになりましても、これは必ず容易に想像のつくことでございます。また、トラック自身にいたしましても、最近は非常に長途を走っておりますが、長遂においてこれが満載して走る場合、あるいは八〇%の積載量で採算点を維持できるとか、あるいは六〇%なら維持できるとか、いろいろ採算点があると思うのでございます。そういう点を十分勘案して、その運賃料金が適正なりやいなやということを判断しなければならない。ただ、そのガソリン税がこれだけ上がった、だから現実にこの長途のトラックは幾らの距離を走っていてその消費量は幾らだ、従ってこれは運賃においてこれだけ響く、こういう計算では、運賃料金の適正はなかなか維持できぬということを実は申し上げておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/45
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046・柴谷要
○柴谷要君 大臣はなかなか御答弁が御上手でいらっしゃいますから、ついそのような気持になってしまうのです。だけれども、その点はどうも受け取れない節が多々ありますので、再び質問をいたしたいと思うのですが、どうも税金が上がって負担がかさむと、どうしても負担がかさんだだけは弱いところへしわ寄せが行きます。これは大臣もお認めになると思う。そのしわ寄せがどこへ行くかというと、やはり働く労働階級に寄せられていく。それが現実として今現われているわけです。そういう点は絶対お前たちが心配するような点はないと、こう大臣が言い切ってくれるなら、この問題はがぜん違った方向に行くと思う
そこで、再びお尋ねをしたいと思うのですが、世論を沸かせました神風タクシーの問題をめぐって、業界に対する要望が政府みずから出されておるのです。事故対策本部から出ておるのです。それもまだ百パーセント完成をしていない。たとえば、累進歩合等が多過ぎるから、これを固定給をなるべく増大さして危険な累進歩合は引き下げていけ、こういう方向については、業界の良心ある方々は努力されておりますけれども、まだ総体的に見ていい結果でない。それが今回この春の戦いの中で進められておるにかかわらず、このガソリン税増徴という問題があるからノーコメントということで、絶対交渉に応じていないということは、これは関係しておりまする労働者諸君には重大な問題になると思う。それだけに、政府がごらんになっておりますようないわゆる負担力があると見ておるならば、そのような見解は出てこないはずだと思う。ところが、これが今現実に出ておるという点について、大臣は卒直にどのようにお考えになっておられますか。この点を一応お聞かせ願いたいと思う発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/46
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047・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 運輸業、ことに中小企業であります運輸業においては、なかなか経営上の困難があることは、これは想像のつくところでございます。そういう意味から、いろいろの問題が起ると思います。ただいま言われるような経営者の苦心というものが、やはり経営費、所要の出費がかさむ、何とか経費を下げなければ経営が立ちゆかないというような意味で、中にはいろいろの考え方をする人もあろうかと思います。これは今回のガソリン引き上げとは私は直接の関係はないと思いますが、私ども経済のあり方なり国民生活の向上を願っておりますものから考えてみますと、一面において通貨を安定させ、それは低金利で進めていくこと、同時に減税をやっていく、こういうことは望ましいのでございますが、一面において物価が安いということ、低物価、これは消費者の立場から、この低物価、低運賃ということは必ず希望されることに違いないと思います。しかしながら、そういう場合において、この低運賃なり低物価というものが働く者の犠牲において行われるということであっては、これは正しい意味の低物価、低運賃だとは言い得ない、こういうことを実は私は考えておるものでございます。過日も他の委員会において、小酒井さんだったかと思いますが、低物価政策についてのお話が出ておりましたが、これはよほど、言葉だけで、低物価というだけで簡単に賛成できない、実情を十分考えてみないといかぬということを実は申したのでございますが、そういう意味で適正運賃というものがやはり必要なのでございます。
先ほど来、このガソリン税を引き上げた場合に、適正運賃が維持できるかどうか。適正運賃と申せば、適当な賃金も払い適当な経費を引いて、そうしてある程度の利潤が残るということでなければ、その事業は成り立たないのでございます。そういう意味で、この適正運賃というものがどうなるのかということを、運輸省もあらゆるデータを積み上げてその基礎を出すわけでございます。そこで、経営者に対しましても事業の経営の合理化を心から願いますし、またその職場で働かれる方々においても、今日もちろんむだをしておられるとは申しませんが、できるだけむだのないようにして生産性を向上していく、やはり経営者に協力していく、こういう考え方で、全体が繁栄していくような方法でありたいものだ、これが私の基本的な物の考え方でございます。中小企業の面において非常に困難がある、困難があるために、働く弱いものにしわ寄せされるということがございますが、そういう点は企業体内部の問題として、今申し上げるような意味合いにおいて十分考えていただきたいと思います。基本的になります料金の問題については、運輸当局もいたずらに、これが大衆の負担になるからというだけで、いわゆる角をためる意味において牛を殺すようなことを運輸当局がするとは思いません。しかし、運賃料金が上がれば大衆の負担になるということも懸念されますから、運輸当局は運賃料金の適正なりやいなやということについては非常に慎重に、各方面のデータをもってそうして最終的結論を出しておる、かように御了承いただきたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/47
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048・大倉精一
○大倉精一君 今の答弁の中で非常に重要な現実の問題があるので、この際当局の認識についてただしておきたいと思います。適正運賃と言われますけれども、適正運賃とは何だ、これは私は非常に問題だと思う。ところが、適正運賃というのは、数字で書いて認可料金を出して、これが適正運賃だと思っておると、これは違うと思う。なぜかというと、現在認可料金というのがあります。ありますけれども、ほとんどこれは実行されていない。実行されていないということは、これは運輸行政の乱脈といいますか、こういうものに原因をしておると思っております。ところが、その犠牲はだれが払っておるかといえば、全部労働者が払っておる。運送屋というものは、これは大臣も若干御存じだと思うのですけれども、非常に簡単な商売であります。いかにして安い人間を使うか、それだけのことであります。でありますから、この人間の相場はきまっておらぬから、安い人間を使う、だからダンピングが行われる、こういうことになってくる。ですからして、今おそらく各産業の労働者の賃金条件を比べてみても、ハイヤー、タクシー、あるいはトラック、通運あるいは港湾運送事業、こういう事業者の労働者の賃金条件というものは一番悪いだろうと思う。これは私は運輸行政の乱脈から来る労働者の大きな犠牲であると思っております。
そこへ持ってきてガソリン税の値上げ。これはやはり業者も生きていかなければならないから、その値上げの分をどこへ持っていくかといいますと、経費の節約。経費の節約といえば、これは紙や鉛筆を節約してもしようがありませんので、人件費の節約。従って、これは言うならば、ガソリン税の値上げというものは、労働者の割勘でもって払うという結果になるわけであります。
そこで、今大臣は、適正なる料金だ、あるいは何だかんだとおっしゃいますけれども、適正なる料金というたら、口では言いますけれども、現実にいって、適正なる料金を、運賃を一体どうやってとらえるか、こういう点について、一つ現状についての大蔵大臣の認識を伺いたい。ですから、この問題が、ひいてはですよ、交通安全を害するところの、いわゆる巷の悲惨な交通事故の原因になっておる大へんな問題です。社会問題になっておる。こういう問題について、簡単に運賃料金の適正化なんと言っているのは、観念的な考えではどうも納得できない。この点について、現状についての大臣の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/48
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049・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) どうも、大蔵大臣の説明よりも運輸省当局の方から説明してもらった方がいいと思いますが、私の見るところ、考え方を申しますと、その実情は、非常に競争激化の結果、運賃料金は守られておらない、あるいは自家用車の業界進出が非常に激しい、そういう状態で業界は立ちゆかないと、こういうお話でございますが、これらの点はいわゆる適正な問題でないのでございますから、揮発油税の税率引き上げの問題とは実は別個の問題として考えなければならない。これが手薄だと言われますが、今のいわゆる不当競争ということになると、当然の前提だとして承認する考え方と、それを承認しないものの考え方とは、そこに自然に結論の相違が当然出てくるのでございます。これがガソリン税の場合におきましても、これは過去においてあったことでございますが、今回のようにガソリン税を引き上げますと、今後はそういうことがなくなるだろうと思うのは、いわゆる石油販売業者が一部において非常に競争した、これは原油から精製の過程において、ガソリンは比較的量が多いと、こういう関係もございました。過去において相当ディーラーが負担していた向きもあるやに伺うのでございます。しかしながら、今回のように引き上げがまた重ねて行われますと、いつまでもディーラーが負担するわけにはいかないと、こういう事柄もあるのでございます。もちろん、問題は、競争いたします場合においては、やはり強弱の関係がありまして、一概にこの場所でこの税は負担されるのだ、こういうようにきめてしまっては非常に合わないのであります。
これは、実情の議論を今なさいますが、実情から見ますと、これはやはりガソリン税そのものは消費者が負担していく、こういうような考え方で私どもは物事を見ていっております。また、それが当然だと思います。また、事業経営にいたしまして、一社年間収入幾らと申しますものは、これはただいま大倉委員が御指摘になりましたようにいわゆる不当競争の結果から割り出されたものであるとするならば、なおさら、私はその数字を基礎にして議論することは当らないと思います。これは、先ほど来言われております一社当り年間収益というものは、いわゆる適正運賃を基礎にして割り出されたものだと、かように考えておりますから、これで初めて話が軌道に乗ってくることでございますが、現状においてやみがある、あるいは自家用車の進出がある、そういう個々の具体的な事例を出されて、そうしてお前の言っていることは違うのだ、実情はそんな甘いものじゃない、これだけ苦しんでいるのだ、こういうお話でございますれば、これは私ちょっと、議論の対象としては私には不向きな問題のように実は考えますので、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/49
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050・大倉精一
○大倉精一君 これは大蔵大臣私は意外なことを聞くのですけれども、とにかく今の現実の現状が、あなたのおっしゃっているような、そういうきれいごとじゃない。つまり、認可料金がきまって、認可料金をきちんととって正常なる公益事業をやっておると思っておられ、それを前提としてガソリン税の負担ができるのだというようなことでもって、どうも考えておられるようでありますけれども、これはちょっと問題が大きいのじゃないかと思っております。で、端的にいうならば、いわゆるもぐり業者の出現とか、あるいは運賃のダンピング、こういうものによって、企業によって格差はありますけれども、大部分の企業者が非常に経営困難にあえいでおる。それを労働者が引っかぶらざるを得ない、こういう状態になっている。これをもってして、あなたはこの前の御答弁でも、事業者はこれだけの負担力は十分にあるのだ、こういう前提のもとに五千五百円の値上げを決定したというような発言もありましたが、これは理論、理屈じゃなくて、具体的に現在現状にそういうような業界の状態において、果してこれだけの大幅な増税の負担力があるだろうか。現実の問題を見る必要があると思う。あなた、今の答弁によりますと、それは業界が悪い、認可料金をもらえばいいじゃないか、そういう無理があったり不当競争をやったり、そういうことを前提として大蔵省としては考えるべきではない、こうおっしゃっておりますけれども、具体的に実現の姿はこういう姿である、こういう現実の点について大蔵大臣は、一体どういうふうに考えておられるか。こういうガソリン税の大きな問題を負担させるということになれば、現実には一体どうなるか、こういうことについて、もう一回明確な認識について御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/50
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051・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 業界の秩序が確立されるということは、これはもうほとんど運輸業界ばかりではない、あらゆる業界において必要なことでございます。そうして初めて正常的な物の考え方が出てくるのでございます。この度御指摘になります点については、運輸当局におきましても、あらゆる機会に業界に警告も発し、あるいは業者の数がこれでいいのか悪いのか、そういうことも考えており、そうしてまた業界自身も自主的にいろいろ調整をしておられる、かように伺っております。いわゆる神風タクシーとかあるいは神風トラックとか、こういうようなお話が出ている今日でございます。ことに取締り対象から見まして非常に困難な問題は、いわゆる自家用車の営業への進出だと、かように私ども考えておりますが、こういう問題についての運輸当局の、業界の秩序確立のための努力というものは、私も過去においても経験をいたしておりますが、今日は一そうはなはだしくなっているので、まことに涙ぐましいものがあると、かように私考えております。
そこで、しからば、ただいまそういうところの業界が大部分であるという状況のもとにおいてこれがどうだ、こういうような御議論であろうかと思いますが、私は、この秩序は秩序としてもちろん樹立され、またそれが確立されなければならないし、また実勢力を持ちます大きな事業者として、ちゃんと運賃料金を確保しているといいますか、適正運賃の収受をいたしておりますそういう業界、業者ならば、一般の信用も博していると、かように考えますので、そういうところを対象にしてやはり考えていくことが望ましいのではないか。で、いわゆるやみ、これを相手にして税を考えるということは、私はそういうことが全然ないとは申しませんが、これは私は無理な話ではないかと思います。ことに、税金の問題につきましても、税の把握力、これはときにずいぶん徴税がきついという非難も受けますが、これは過去の例等でごらんになりましても、徴税率はなかなか上らない。最近は納税者の協力によりまして、順次納税成績は上っておるというような実情もございます。私はきれいごとばかりを申しておるわけではございません。もちろん、実情において御指摘になりますような業界かくらん者、しかもそれが大へん強力なギャング的なものであることもよくわかり、そして善意な業者が非常な迷惑をしておることもよく承知いたしております。これを征伐するというか、こういうものをなくすることが、やはり運輸当局の仕事であり、また業界自身もそういう意味では御協力を願っておる、かように私ども考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/51
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052・大倉精一
○大倉精一君 関連の最後に、一点だけお伺いしておきたいんですけれども、どうも大蔵大臣、御認識があるようでないようで、どうもこの辺あいまいもことしておるように思います。たとえば、大きな会社でもって適正料金を収受したというようなことがありましたけれども、しかしながら、最近の状況によりますというと、政府みずからが認可料金を下回った入札等の方法によって、法律違反をやっておるという例もあります。こういうことが反映してくるというと、なかなか大臣の言うように、きれいごとにはいかないと思います。従って、ガソリン税の値上げ分の負担力云々につきましては、業界の秩序が正常に運営されておるという、こういう前提のもとに立っておるようでありますから、これは一つ、きょうは運輸大臣おいでになりませんけれども、運輸省としても大きな責任があると思う。と同時に、大蔵省としても運輸省と協力をして、そうしてこの輸送秩序の確立については、格段の努力を払う責任があると思う。そういう点について、この際一つ、大臣から明言を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/52
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053・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 輸送秩序の確立、これは大倉委員御指摘になりますように、運輸当局といたしましては、これは長い間の問題だと思います。ことに、いろいろ業界も協会その他が各種できておりますし、協会、組合等の関係におきましても、調整を要するものがあるやに私どもも看取するのでございます。私は、どうも大蔵大臣よりも、運輸省の方が適任かもわからないというか、長い間苦労し、ことに私の運輸省における大部分の勤務が、いわゆる監督行政といいますか、民間事業との関連において、実は役人生活を終ったものであります。従いまして、いわゆる鉄道のプロパーの仕事については、これはしろうとでございますが、いわゆる民間業界との関係における行政のあり方は、十数年それに専念をいたしておりますので、いささか私も経験があり、また私の感じも持っておるのでございます。そういう意味において、ただいま御指摘になりました業界秩序の確立ということにつきましては、私も及ばずながらベストを尽して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/53
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054・加藤正人
○委員長(加藤正人君) ここで一応議事の整理をしたいと思います。関連関連で、村上君の質問が妙なことになります。村上君に最後の結びをつけていただいて、御参考に申し上げますが、次は柴谷君に戻ります。それから岩間君、相澤君、こういう順序になっております。
それから、政府の御答弁も、御丁寧ははなはだけっこうですが、時間の関係上、なるべく簡潔に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/54
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055・村上義一
○村上義一君 政府は、道路整備による自動車の受益という問題を非常に大きく考えておられるようですが、これについて私は納得いかないのでありまして、もちろん、この五ヵ年計画を三回も繰り返して行なった暁には、相当の受益があると思うのです。現在では、建設当局の示されておりますごとく、わずかに七%の整備ができているにすぎない。そうしてこれを実行しますについては、とにかくその間掘り返したり、とにかく工事遂行のためにワン・ウェイを実行しているということは、これはもう普通でありまして、東京市内において、もうこれは先刻大蔵大臣がみずからお話しになっていたように、統制のない、あるいは水道とか、あるいはガスとか、あるいは下水とか、さらにまた地下鉄の工事関係もあったり、とにかく自動車に乗っている者は、いろいろ工事遂行上迷惑をこうむっている。車のガソリン消費量も多くなりますし、でこぼこの所をしいて走るというようなことにもなりまして、車体の損傷、タイヤの損傷その他いろいろ考慮しますると、決して現在において受益しているとは言えないと思うのであります。
もちろん、米国のごとく八、九〇%も完全道路になる、また英国、フランスのごとく六、七〇%完全な道路になるというようなことになりますれば、これは受益ということができるでしょう。しかし、日本のごとく、この五ヵ年計画を実行しても、わずかに十数%にすぎない。五ヵ年計画を三回繰り返して、ようやくドイツ程度、すなわち五〇%の完全舗装ができるという程度であるように、先刻説明を聞いているのであります。従って、今少くともこの五ヵ年計画を三回くらい繰り返した暁に、初めて受益ということが考え得るのであると思うのであります。現在では受益じゃない。むしろ、被害者といい得る場合もあると思うのであります。こういう点を考慮しますると、今までの政府当局の御説明では、どうしても納得がいかないのでありまして、一キロメーター当り十円程度の受益があるというような御説明があったやに伺っておりまするけれども、そういう数字は、これは全く根拠のないものであると思うのであります。
私は、先刻申しましたごとく、日本の現在の税率が決して世界的に見て安いものじゃないということ、また今回のガソリン税の引き上げということは、自動車運輸業界に及ぼす影響がすこぶる重大であるということ、ただいま申しました道路整備によって自動車が受益者だと言い得ることは、なお十五年くらいの後の問題であるというふうに考えるのでありまして、しかし、まあ道路整備五ヵ年計画は、これはぜひとも完遂してもらわんければならぬ問題だと思いまするけれども、また予算もすでに昨夜成立いたしました現段階からいいますれば、今政府が計上せられたこれだけの消費量の伸びがあるからこの程度の、つまり五千五百円の課税増加という点が主要だというお考えは、もう一応検討せられる必要があるのじゃないか。言いかえますれば、三十四年度の揮発油消費量は一そう大きいものになる。一〇%くらいではないと私は信ずるのであります。
先年、五千三百円の増率のときにも申しましたのですが、あのときたしか政府の見るところとは、消費量が少くとも五%は多くなるという私の見通しを当時述べましたと記憶いたしております。その結果、私の見通しをさらにオーバーした実績が上ったのでありまして、三十四年度におきましては、この一〇%という消費量の増加見積り、これはあまりに僅少であると私は思うのでありまして、一方、道路公債に一面よるべきものであるということを、前回の値上げの際にも強調いたしたのでありまして、その趣旨は、ただいま申しましたごとく、この五ヵ年計画を三度繰り返してようやく五〇%の完全道路が整備できるという実情であります。で、観念的に申しますれば、おそらく五ヵ年計画を、四回、五回と繰り返した暁に完全なものができて、そうしてそのときこそ初めて自動車は大なる受益があるといい得るのであります。そのときこそ相当な負担に耐え得るはずであります。しかるに、今の政府の道路計画及びこれに対する財源の捻出というやり方は、受益しておらぬ自動車から負担をとる、負担において道路整備を遂行していくという方針であるのであって、この点がどうしても私は納得できないのであります。現に道路整備特別会計法の第十条にも、国の負担分について借入金をすることができるように法律は明示しております。しかるに、一回もいまだかつてこれを行なったことはない。ただ、地方負担の分につきまして、国が収入源を充当するというために、三十三年度では五十六億、本年度は七十七億程度を予想しておられるようでありますが、しかし、国の負担の分についてもっと根本的に私は考えられる必要があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/55
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056・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 村上君に申し上げますが、なるべく簡潔に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/56
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057・村上義一
○村上義一君 一つこれらの点について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/57
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058・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 簡潔に答弁しろと言われますが、事柄の性質上、少し時間をかけて私はじっくりお話をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/58
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059・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 質疑も答弁も簡潔に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/59
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060・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) できるだけ努めます。
そこで、お話しになりましたように、この自動車道路の整備と、それから走る自動車が利益する面が相違しておるのじゃないか、その点から非常に問題があるのだ、この点でございます。とにかく道路がよくならなければならない、受益者から税金は出すのだ、それで道路がよくなるのはこれから先だ、だから受益者負担というか、前払いは困る、こういうお話だろうと思います。御承知のように、この種の事業は、これはなかなか長年月を要するものでございます。百年河清を待つとまでは私は申しませんが、なかなか、道路は直したあとからあとからどんどんこわしていっておる。しかも、その道路をこわすのは機械がこわす、道路を直すのは人力というようなことでございますから、破壊がなかなか大きい。こういうのが現状であります。そこで、道路を整備する必要は、これはもうどこの面でも考えられております。かように考えますと、長い時間かけて道路を整備するということでありたいものだと思います。いろいろの計画にいたしましても、たとえば学校のすし詰の教室解除、これをなくするための五ヵ年計画というものを立て、一般税金でこれをまかなっておりますが、税金を納められる方の人からいえば、学校が直ってからなら払うけれども、学校が直らないうちに負担するのは困るというお話だろうかと思いますが、それは私どもは賛成できない。
そこで、問題は、揮発油税を目的税にすることがいいとか悪いとか、この道路の整備を揮発油税を目的税にしてやっておることがいいとか悪いとかいう議論が、基本的に一つあると思います。私は、実は、個人的な意見を申してまことに恐縮ですが、揮発油税を道路整備のための目的税にしろという実は年来の主唱者でございます。今日のような揮発油税が生まれましたその基本におきましても、私この問題を取り上げたつもりでございます。そういう点から実は考えて参りまして、なぜそれを目的税にするかと申しますと、道路の整備の必要であることはわかるが、これを一般財政でまかなうといたしますと、いわゆる年度計画というものはつきかねるのであります。この道路整備のために一兆円五ヵ年計画といって、一般財源の上からこういうものをぽっかり取られますと、なかなか他の、この歳入歳出の関係で、その計画の遂行の責任は負えない。こういうのは、この種の基本計画においては一般財源でまかなわない、それで目的税をもってこれを整備していく、こういう考え方でございます。ただ、目的税であるからといって、幾らでもとっていいという考え方ではございません。業界に対して耐え得る程度のものかどうか、これは十分考えていかなければならぬと思います。そういう意味で、外国の例等におきましても、ガソリン税を道路整備の目的税にしておるこのシステムだけは、わが国にも取り入れたい。かように考えまして、今日この状況になっておるのでございます。
そこで、この日本の状況から見ますと、ガソリン税だけで道路を整備するというようなわけにはいかない。業界自身は、これは十分の負担力ありとは言えない。こういうところで、今日のような程度のガソリン税を負担していただいておる。そこで、その不足分は一般財源からこれを補っておるというのが現状でございます。
そこで、村上委員から御指摘になりますように、しからば、一般財源でできないなら、特別会計だから公債でやったらどうか、そうすりゃあ計画が着実にやれるじゃないか、こういう御議論が、先ほどもお話の中に少し出ておるかと思いますが、そこで公債による可否という問題、これはやはり公債論としても、いわゆる通貨価値安定という点から見て、今日の状況においてそれが望ましいかどうか、こういうことを実は判断して参りますと、私は公債論にはまだ踏み切る考え方を持ち得ない、こういう状況でございます。そこで、今回もガソリンの税の引き上げを計画し、それによって道路の整備をするという考え方でただいまやっているのでございます。
そこで、一番困りますことは、とにかく、なるほど税金は先に納めるが、いわゆる言っているような受益者の利益というものが出てこないじゃないか、こう点でございます。いろいろ計算すれば、今日までの道路整備された結果は、一キロ当り改良によって受ける利益は二割程度だと、あるいは舗装によって受ける利益は三割程度だと、こういうことを実は申しております。申しておりますが、この金額そのものにとらわれるわけではございません。しかし、やはり受益というものは、これは一応正確なデータに基いて割り出したものではございます。しかしながら、現実の問題として、あるいは道路の改修、あるいは舗装工事、その期間が非常に長い。その間の何といいますか、むしろ負担増になっておるというような見方すらある現状において、これがどうも幾らの利益があるからこれで納得しろと申しましても、これはなかなか納得がいかぬだろうと思います。やはり道路の整備は、長期計画と申しますか、そういう意味でこの道路計画を進めていく以外に方法はない。そしてやはり確定財源を持ってこの計画を進めていく、こういう考え方で割り切っていくよりほかに方法がない。その場合に、業者が負担に耐え得るかどうか、これは十分考えて、私どもも適正な——適正というか、その負担過重にならないようには工夫して参りたい、かように考えて、今回の五千五百円、三割増加、これが多過ぎるという御意見のように伺いますが、私どもは、現状としては、この程度は一つごしんぼう願いたいというのが私どもの結論でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/60
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061・加藤正人
○委員長(加藤正人君) あと発言者は二人ございます。ちょっと答弁が長過ぎます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/61
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062・柴谷要
○柴谷要君 時間がございませんから、ごく簡潔にお尋ねしておきます。実は昨日、大蔵委員会の参考人から重要な発言がありましたので、これだけは一つ大蔵大臣にお尋ねしておきたいと思うのですが、それはほかでもありませんが、衆議院におきまして軽油引取税の修正が行われた。そこで、揮発油税の問題について、業界の幹部が実は自民党の幹部の方々と話し合いをした。衆議院の段階では揮発油税の修正はできないが、参議院の段階でできるだけその要望にこたえたいと、かように言われたというのだが、大蔵大臣、この内容を御存じであるか。かつまた、そのような方向に進まれる場合に、あなたはどの程度まで一つ譲歩ができるのか。お持ち合せでございましたら、一つ公開願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/62
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063・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、どんな話が党の幹部と業界の人とであったか存じません。私自身は、衆議院におきまして悪戦苦闘いたしました結果、原案を衆議院を通過さしていただいたのでございまして、ただいま参議院において御審議をいただいておる段階でございます。で、私どもの一番念願いたしておりますのは、とにかく道路が悪いのだ、この道路を何とかして直したいという念願でございます。その意味において、この道路計画を遂行するに支障のないようにはどうしてもいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/63
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064・柴谷要
○柴谷要君 大臣のまあ所信は非常にかたいことはわかるのですが、どうも、そうなってくると、私は信じたくないのだけれども、「ガソリン税増収の内幕」というパンフレットが出ておるのですが、大臣ごらんになりましたか。この内容を見まするというと、こういうことが書いてある。これは私は信用しないのですよ。これは大臣の性格をよく知っておるから、信用しないのだが、あなたが大蔵大臣になられる際に、大野さんと河野さんが、あなたが大蔵大臣になるならば、従来運輸業界と手を握っておるあなたは、とにかく従来の形とは違って一つ何か打ち出せるか。ついてはそのガソリン税値上げができるか、こう言われたから、やりましょうということで、一札取られておるということが書いてある。
そうなるというと——いいですか、これは大臣、大事なことだから聞いて下さいよ。衆議院では軽油引取税を修正をした。しかし、あなたの顔を立てるために、無修正でもって揮発油税だけは衆議院を通過したが、参議院ならまあまあやむを得ない。一つ参議院は揮発油税の修正は押してやろうという気持になっておられるかどうか。かりになっておられないとすれば、河野さんや大野さんへの面子のために、あなたが一人だけがんばっても意味がないことで、業界に及ぼす影響、あるいは中小企業に及ぼす影響が大きいですから、そのようなことを私どもは信じたくありませんが、あまりあなたが固執されますというと、そういうことがまことのようにとられますので、ある程度御譲歩なさって、ここにおいでになる自民党の皆さんもガソリン税反対という気持でおられるから、百六十何名の方が反対をしておられるようですから、一つそこで大臣としての面子にこだわることなく、やはり国会の運営に従って、一つ修正をされる場合には大幅に修正に応じてもらうように私は要望して、質問を打ち切りたいと思うのですが、そのような御用意がおありでございましょうか。一つお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/64
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065・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) このパンフレットはただいま——今まで見ないのですから、ただいま見ただけでございます。私が大蔵大臣に就任する条件に、さようなことはございません。私は、大蔵大臣になりましてから、一兆円道路計画を実行に移すために、いろいろ財源も苦心し、在来の経過から見まして、この種の問題がしばしば途中で計画が変更されるので、党の幹部については十分の決意を促したことは再三にとどまらないのでございます。そういう実情はございますが、ここに書いてある内容とは全然違っております。
この案の取扱い方については、先ほど私の所信をお話しいたしましたが、変りございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/65
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066・岩間正男
○岩間正男君 私はまあ二、三点お伺いしたいのですが、そのうち、先ほどからの論議を通じて聞いておりますというと、影響率の問題ですね。これは二%から三%ある、こういうようなことですが、これについての詳しいデータですね、このデータが一体あるのかどうか、そういう点についてデータを出してもらえるのか、この点、まず最初に明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/66
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067・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 事務当局から説明させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/67
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068・原純夫
○政府委員(原純夫君) ハイヤー・タクシーと、定期バス、貸切バス、トラックというふうに分けて、運輸省で積算いたしていただいた数字がございますが、まずハイヤー・タクシーは、キロ当り運賃収入二十六円八銭。そのキロ当り揮発油の消費量は〇・一三二三リットル。税率引き上げによるキロ当り増加経費七十三銭。さっきの二十六円八銭で割りまして、二・八%ということでございます。次の定期ハスの数字を、その四つの数字をずっと読んで参ります。六十一円七十八銭、〇・三二四三リットル、一円七十八銭、二九%。貸切バスは九十三円二十六銭、〇・三二四三リットル、一円七十八銭、一・九%。トラックは七十五円、〇・二九六九リットル、一円六十三銭、二・二%ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/68
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069・岩間正男
○岩間正男君 これはまあデータをもらってないので、これをしさいに検討するわけにはいかないのですが、そのデータはもらえますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/69
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070・原純夫
○政府委員(原純夫君) 差し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/70
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071・岩間正男
○岩間正男君 これはまあ手に届いていなかったのですが、この問題は、もう少しわれわれもデータに基いてもっと明らかにしてみたいと思うわけです。
第二の問題は、運賃値上げですね。ガソリン税の値上げに伴うところの運賃値上げの問題、この問題について、先ほどの蔵相の答弁によりますというと、これは今後検討してこのことを決定したい、こういうような話なんですね。これは非常に私は重大な問題じゃないかと思うのです。こういうことは、最初に、大体このガソリン値上げによって影響するところがどうなのか。ことに、これは業者に対する影響の問題もありましょう。しかし、先ほどお話しのように、最終負担は、これは大衆に来るわけです。労働者並びに大衆に来るわけです。この点に対する影響を十分に考えて、そうして、今の現在の姿からいけば、当然これはほかの物価との関連なんかもさらに出て参りまして、どうもこれは運賃の値上げということは必至になってくるだろうと思う。この問題を明らかにしないで、このようなはっきりした調査の上に立たないで、単にもうこれだけ必要なんだと、道路のこれは建設のために必要だということで先取りしてしまうというような態勢、この行政のやり方ですね、これは非常にやはり非科学的だと、こういうふうに考えるのですが、もう少しはっきりした態度をここで明確にすることが私は必要だ。これとの関連で、この問題を私たちはやっぱり討論しなけりゃならぬのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/71
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072・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 非常にはっきり申し上げたつもりでございますが……。と申しますのは、この程度ならば私はすぐ運賃を上げる必要はないと一応考えております。しかしながら、業界において運賃を上げる必要がありとすれば、これは運賃引き上げの申請が参ります。申請書が参りました場合に、各種のデータをあわせて検討されるということが実際の扱い方でございます。これは私どもが、この点だけから運賃を上げる必要なしといって絶対に運賃はさわらない、かようなことを申すことはこれは言い過ぎだと、かように思っております。業界が実情に即して運賃申請をしていく、その場合に十分検討していくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/72
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073・岩間正男
○岩間正男君 私は、そういう事務的、技術的なことを聞いているのじゃございません。それは申請が来てそれに対して許可するということは、これは事務的なことです。しかし、政治的な判断。とにかく一方では政府は減税をやっておる。公約の七百億はこれは十分にできなかったわけだが、とにかく四分の三程度はこれはやった。しかし、その大半はガソリンで吹っ飛んでしまう。非常にだから今後大衆の生活には、深い影響を持つものです。この問題について明確な今後のこれへの与える影響というものを政治的に判断する、政治的な方針をはっきり確立する、その上に立ってこの問題を決定しないで、何かもうつかみ取り式に、腰だめ式に、最初からもうこれだけは必要なんだというので、これに与える影響については第二義にしておいて、この問題を徹底的に検討することなしにとってしまう、こういうやり方は、私は現在の大蔵省当局のやり方というものは、これだけじゃありませんけれども、このやり方というものは実情に合わないのじゃないか。従って、その点が明確になっていないために、今後たとえば料金値上げというものは、これは起ってくる。必至的に起るだろうというような条件のものであります。これはもっと詳論すれば、いろいろあげることができるのだが、そういう状態になっておる。そうすると、それに対する一体影響から起る諸問題について、こういう問題についてのこれは責任をどうするのか、この点がはっきりしないというと、私はこのガソリン税の値上げの問題を決定するわけにはいかぬと思う、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/73
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074・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど政治的判断は申し上げた通りでございます。私は、この程度ならば直ちに運賃を値上げするという結果にはならないというのが、政治的判断でございます。しかしながら、実情に即した措置をとることは当然でございます。だから、運賃がやっていけるかやっていけないか、こういうことは各業種一律に考うべきことではございません。これはもう各業態によって、これはまちまちでございます。そのまた走っておる路線等によりましても、それぞれ違っておるのでございます。そういう意味で具体的にこれは考うべきだ、かように申しておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/74
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075・岩間正男
○岩間正男君 まあ今のような答弁があるのですが、しかし、現在のタクシー界の実情、それからトラックの実情、こういうものについては、これは今まで、先ほど他の委員からも話があったと思います。これは経営が、非常に過当競争で、ひどいところに追い込まれている。われわれはこの前、タクシー問題を、昨年参議院のこれは運輸委員会で取り上げたのです。政府に対しましてこのとき十六ヵ条の勧告をしたわけです。その後の様子を見ますというと、この勧告が完全に実施されているかというと、そういう格好にはいっていないのです。最終的にその犠牲がどこに行っているかというと、これは労働者に行っていると思うのです。つまり、神風タクシーの問題を解決するために走行キロを制限する、運輸大臣のこれは通牒でもってこれを制限したのです。しかし、業者は自分のこういう損失を負担しようとは考えていない。最終的にはどうしても、弱いところへこれは負担されてくる。従って、労働者が結局もとの賃金を割る、こういう形でこれはひどいところに追い込まれているわけです。これと同じような状態で、しかも、なかなか安定していないところに、運賃値上げ——一キロ五千五百円のこれは税金値上げということが起れば、当然これが経営に響いてくるということは、これは明白だと思うのです。こういう点から考えれば、当然運賃値上げ、料金値上げということが必至になってくる。そういう態勢について十分にやはり考慮する。その上についてこの問題を検討していくということは、絶対私は必要だというように考えるのですが、この点については、単に今のこれくらいの程度では値上げの必要がない、こういう政治判断をしたというのでありますが、これは私は正しなくいと思う。現状に合わないと思うのですが、この点について、単にばく然とした政治的判断では私はこの問題は解決しないと思うのですが、実情と合せて見て、果して大臣はそう考えておられるのかどうか。先ほどのばく然とした答弁では、私は納得することができません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/75
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076・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) どうも納得することができぬと言われましても、これが実情でございます。今回のガソリン税を引き上げた、だから全部について一律に幾ら上げる、こういうことをきめるべきではない。これはもう運賃のあり方として、さようなきめ方はよろしくないということを申しておるのでございます。そこで、弱い者にしわ寄せされるこういうことになりますが、この運賃が適正なりやいなやという場合に、やはり経費が適正なる支出なりやいなやということは十分運輸当局も検討するわけです。この経費の中で大きいものを占めるのはやはり人件費でございます。そういう意味においては十分検討されると、私はかように理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/76
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077・岩間正男
○岩間正男君 現在タクシー、トラックに対する政府の保護政策というものは、私は十分でないと思う。金融の面一つ見ても、こういうことが言えると思うのです。しかし、道路を建設するのだということの資金源としては、こういう税金を引き上げて、絶えずこういうような形で財源にされていくわけですけれども、その結果影響する問題について、十分にこれは運輸当局とも話し合ってみたのか。それから運輸当局としては、こういうような軽油税の引き上げについてどういう一体見解を持っていたのか、この点についての両省の意見をここで私は明らかにしておいてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/77
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078・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) もちろん、運輸当局、あるいは建設当局、または大蔵省は大蔵省として、それぞれの立場においてそれぞれの考え方がございます。政府といたしましては、三省の意見の一致を見まして、最終的にこの案を決定いたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/78
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079・國友弘康
○政府委員(國友弘康君) 運輸省といたしましては、業界の実情等について大蔵省にも申し述べまして、いろいろと交渉をいたしました結果、閣議決定の線に落ちつきました次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/79
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080・岩間正男
○岩間正男君 そういうときのあなたたちの主張は、これはあったと思うのだが、これは最終的な決定はそうなったと言うが、全然そういう主張はなかったのですか。つまり、業界の実情を一番反映しておるのはあなたたちだと思う。そうすると、どうしても事業に対して圧迫が来るのです。これはどうやっても来る、来ざるを得ない、こういう現状です。そういう態勢の中で、あなたたちは一つの事業を守るという立場から、そうしてしかもこれは公益事業です。こういう点から考えましても、どうしてもこういう問題についてもっと対決することが必要だと思うのですが、こういう点についてどういう主張をしたのか、この点もし明らかにできるなら、ここで明らかにしておいてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/80
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081・國友弘康
○政府委員(國友弘康君) ガソリン税及軽油引取税の増徴に関しまして、自動車業界に対しましてその収支に相当の影響がありますことは、もう否定できませんので、それにつきましては、影響度合い等についても大蔵省と折衝したのでございますが、しかし、先ほどの大蔵大臣からの御答弁もございましたように、道路整備に関しましては、これはやはり国策といたしましてこれを実現する必要がありますので、先ほど申しましたように、種々議論いたしました結果、道路整備に要しまする経費の大部分を、政府原案のように、揮発油税等の増徴に待たざるを得ないという結論に達したわけでございまして、私どもとしましては、こういう政府としましての結論に達しましたことにつきまして、今後いろいろ使用者の負担の軽減とか、あるいはいろいろなことがございますが、それらの趣旨に関しましては、今後におきましても努力をいたしたいと思っておりますが、まあ先ほど申し上げましたように、政府原案としてはあの線で決定いたしたという次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/81
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082・岩間正男
○岩間正男君 どうもはっきりしないのですがね。あなたたちのこの主張点が明白でないし、従って、今後たとえばトラック、タクシー、そのような自動車業をどういうふうに守っていくとかいうような運輸省としての方針が、このガソリン税との対決の中で明白に貫かれているとは思えない。この点はあなたの立場でここで言えないものかもしれないけれども、それでは私は非常にたよりないのじゃないかと思うのです、業者の人は。並びに、最終的にはこれは労働者大衆に負担される問題なんですから……。こういう点について、これはまあもっと明白にその点を、政策面を明らかにする必要があるというふうに考えます。
これはまあこの次の問題として、そこで私は、これはバスの料金、トラックの料金、こういうものが値上げが必至だと私は考えるのでありますが、ことに私鉄運賃が上り、またガスも電気やラジオも上る、新聞も上る、あらゆる物価が上るわけです。ここに経企庁長官おりますが、一体このガソリン税が値上げされることによって、日本の物価政策に対する影響というものは、これは少くとも大蔵当局としては、一応これに対する検討はつけられなければならないだろうと思うのです。そういう点から、このガソリン税値上げによってどれだけの物価に対するはね返りが来るか、こういう点についての一体検討があるのか、そのようなデータもあるか、こういう点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/82
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083・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 地方鉄道の値上げ、あるいは新聞料金の値上げ、あるいはラジオ聴取料の値上げ、その他幾つも生活に密接をしておるものが値上げされた。今回はガソリン税の引き上げ、これが物価にどういう影響があるかということでございますが、物価そのものは、今のように安定した成長をする経済の状況のもとにおいては、一、二物価が上ったからといって、直ちにそれが他に悪影響を及ぼすものだとは、そう簡単には私考えておりません。ことに、諸物価等につきましても、一次産業あるいは二次産業、三次産業、それぞれの関係がございまして、それら全般についての見方が一体どうなっておるか、これをやはり判断してみないと物価の方向というものはわからないのでございます。私ども今のところでは、なるほどこれだけをとってみれば、CPに対しまして〇・一%程度の影響はあろうかというような数字は出ておりますが、いわゆる生活自身をこれで直ちに圧迫するというような結論は、早急には出てこないようにかように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/83
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084・岩間正男
○岩間正男君 まあ今のお話は、答弁は、非常にあきたらない。いつでもそういうことを繰り返されるのですが、経企庁長官もそういうことを言うのです。物価を上げて、それが生活には直接響かないのだということを言いますが、とにかく私鉄を突破口として、物価は上げられて、政府の低物価政策の一環がくずれた。その結果が連鎖反応を起しておると思うのです、現在は。そうして、その中でガソリン税も大きなやはりウエートを占めておると、私はこう思うのです。こういう点に対する、これは客観的な一体調査をやっておるのかどうか。単に頭の中で影響がないのだという説明、こういう説明だけでここをまかり通るというような形で、このような措置は、私は非常に工合が悪いのじゃないか。少くとも科学的にそういう検討をしておるのか、それについての何かデータを持ち合せておられるのか、この点伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/84
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085・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) これだけでは、さような調査はいたしておりません。しかし、諸物価の物価指数というものは、絶えず全般といたしまして、私ども絶えず検討いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/85
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086・岩間正男
○岩間正男君 私はあと終りたいと思いますが、この問題ですね、これはまあ大蔵当局からもっとこういう問題について突っ込んだ私はやはり資料を出すべきじゃないかと思うのです。とにかく今までのやり方を見ますというと、とにかくとれるところからはとる。そうしてこれで腰だめ的に予算をきめて、これでまかなっていく。さて、その後の影響については、いつでもこれはほとんど責任の所在が明確にならないということが今までのやり方だと思います。おそらく軽油税の値上げ問題もそういう私はコースを踏むだろうということが、今から予測されるんです。これは自動車業界の現状を見、そうしていろいろな過当競争で悩んでいる問題、あるいはまた今神風問題で騒がれている、こういう中、しかも依然として労働者の生活条件が改善されていない。そうして、しかも、そのしわが逆にさらに深刻になろうとする様子が見えます。こういう問題と国民の生活にはね返ってくるこの影響を、もっともっと慎重に私は検討する上に立って、そのような基礎的な調査の上に立って、やはり政策を立案しなければならないのじゃないかと思う。どうもこの点は、さっきの道路問題で大倉委員の質問のありましたことと関連して、最初に路線の決定を見ていない。そうしてそれについての十分の調査、そういうものの上に立って私は政策が進められていない。こういうやり方で、いつでも結果においては弱いところからどんどん吸い上げる、大衆生活のしわ寄せの形で終ってしまう。その成果がはっきりと形となって残らないと思うんです。こういう点についてのこのたびのガソリン税の措置ですね、これについて、私は非常に漠然だと思うんですが、この点どう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/86
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087・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま御指摘のありましたのは、岩間さんの御意見に属する点も多分にございますが、それらの点は別といたしまして、政府といたしましては、十分各方面に及ぼす影響等を勘案して、この結論を出したのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/87
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088・相澤重明
○相澤重明君 私は二、三の点お尋ねをしたいのですが、大蔵大臣が各委員からの質問に対する説明に当って、道路整備を主とした目的税である。これはほんとうに目的税なんですか。今までの各委員からの質問並びにあなたの答弁を聞いていると、私は目的税的な税金であろう、こう思うのだが、目的税なんですか。その点は、はっきりしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/88
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089・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 非常に正確に申しますと、完全な目的税ではございませんが、目的税に準ずるものと、かように扱っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/89
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090・相澤重明
○相澤重明君 目的税というもし解釈を政府がとられるなら、やはりこの目的のために私は使用されてしかるべきだ、こう思うんです。そうすると、この道路のため以外に使われるものは、当然あなたの方でそれに対する措置をしなければならぬだろう、こう思うんですがね。政府の根本的な考え方はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/90
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091・原純夫
○政府委員(原純夫君) 揮発油税収入は全部道路整備に使っております。ほかには使っておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/91
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092・相澤重明
○相澤重明君 いや、私のお尋ねをすのは、もちろん、揮発油税の増徴についての徴収をしたものは道路に使うでしょう。しかし、政府の道路政策に対する国費は一般財源でありますね。それはどういうことになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/92
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093・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) このガソリン税を道路整備に使い、なお計画実施上不足分を一般財源から補填いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/93
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094・相澤重明
○相澤重明君 その一般財源から支出している政府の費用というものは、実際は使っておらないんじゃないですか。どうなんですか。これはあなた方の答弁を聞いていると、実際に政府は金を出しますよと言っているけれども、その金は使っておらぬのじゃないですか。それとも全部使っていますか、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/94
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095・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 使わないとおっしゃるのは、どういう意味ですか、これは予算のうちにちゃんと、いわゆるたな上げ資金をくずして、そのうちから百億道路費に回しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/95
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096・相澤重明
○相澤重明君 使っておらないといったところで、毎年あなたの方の政府予算というものは出しておりながら、実際には次年度に繰り越しておるでしょう。これは明らかに、この間も本会議で話があって、羊頭を掲げて狗肉を売ると同じように、ガソリン税というものは、何でも取り上げるものはとっちゃって、そして政府が予算に組んでおるものはなるべく出さないようにしておる、こういう形のものが、現実にあなた出ているじゃないですか。この間の説明ではそうじゃないですか。全部あなたは予算が組んであると。予算が組んであるなら、当然それは使わなければいけないですよ。使わない予算なら、何も組む必要はないじゃありませんか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/96
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097・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来の名神国道のお話かと思いますが、どの金が後に繰り越されておるか。それはもちろん政府の予算だけが繰り越されて、ガソリン税だけは使ったと、こういうことではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/97
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098・相澤重明
○相澤重明君 そういう答弁をあなたがするようだから、なかなか各委員が納得できないのだよ。それは政府はうまいことを言って、国民からは税金は遠慮会釈なくとるは、しかし、それだけではどうも思うような仕事ができないから、まあ一つ何とかかんとか理由をつけて、多くの人から取るだけとろうというのが、目的税的な今度の税金なんだよ。そういう意味じゃ、今までの三十一年なり三十二年なり、ずっと今までの経過措置を見てごらんなさい。実際に政府が一般財源から出しておるものは使っていない。もっと政府が一般財源から道路費というものを国費で出して使うということなら、ガソリン税は値下げできるのだ、文句はないのだと。これは前の池田大蔵大臣が、この道路整備についてのガソリンの値上げ税当時の経緯というものを説明されて、われわれも連合審査でやったのだ。そういうときの経緯を考えてもらえば、政府はだんだんと、それをもう忘れたのだろうぐらいの調子でやっておるのじゃないか。だから、もっと根本的にいえば、政府は、この道路整備について一般財源の中から出して、出したものを的確に使うなら、ガソリン税などはもっと下る、そんなに多く値上げしなくても済む、こういうふうに思うのだが、大蔵大臣はその点はあまりお考えになっておらぬですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/98
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099・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) これはとんでもないのでございます。言葉は不適当でございますが、意外なお尋ねを伺ったと思っております。大体財源として、ガソリン税と一般財源と一緒になりますから、繰り越しの費用が、どの金が残ったということはなかなか言えないと思います。逆に、三十二年は国会の修正を受けまして、政府が予定した数量が入らなかった、現実にですよ。そこで、一般会計からその穴埋めを出しておるという例すらございます。従いまして、今言われるような、政府が税金だけは取って、自分の方の金は使わないのじゃないかということは、とんでなもいことでございまして、さようなことでは予算の執行はできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/99
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100・相澤重明
○相澤重明君 これは私は、時間があれば、ゆっくり資料であなたと対決しようと思っていたが、時間がないから、その二、三の点だけでやっているのだが、これはもうからくりですよ。これは完全に、一般財源を道路整備費に使うということでいくならば、ガソリン税の増徴ということを、なるほど国会できめたから、それはその通りぴちっととっているわけです。ところが、その金が現実にふくらんでくる。ふくらんでくるから、あなたの言うように、一般財源の金と取り上げた金を一緒にして使うのだから、どれがどれだかわからぬと言うけれども、ところが、僕の言っているのはそうじゃない。国民からとった税金というのは、国家一般の予算になるわけです。この一般予算で、税金をとったのだから、それで仕事をやってもらいたいというのが国民の期待なんです。ところが、それだけではできないというので、政府の方では目的税的なガソリン税、こういうものをあなた方徴収をしよう、よけいとろうというのじゃないですか、根本的な考え方が。あなた方は、かすみのようにごまかそうとしているのだけれども、今サクラの花が咲くころだといっても、かすみのようにはなりません。国民ははっきりしている。そういう点をもっと一つ考えてもらいたい。
そこで、その次にお尋ねをしたいのは、先日衆議院でこの法律案を出すときに、いわゆる与党の中でも、もちろん私ども社会党としてもこれは反対なわけだが、増徴には反対なんだ。ところが、与党の中でも、幾ら何ぼ何でも佐藤大蔵大臣が五千五百円を、向うはち巻でもっていばっているけれども、困る、こういって、与党の中でも反対という署名運動もやられた。そのときに、衆議院では修正をしようじゃないか、こういったときに、七役会議なり総務会というものを開かれて、とにかく一応参議院へ回して、参議院で修正をしてくれ、こういうお話があった。これはあった。これはあなたも、しようがない、衆議院でやらなければ面子が立つからということでうなずいたのだろうと思うけれども、それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/100
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101・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) さようなことはございません。先ほど申した通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/101
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102・相澤重明
○相澤重明君 さようなことはございませんというけれども、じゃ、あなたは提案者であるから、とにかくもう一歩も引けない、五千五百円一銭一厘たりともまけることは相ならぬ、こういう今日でも心境でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/102
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103・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) もちろん、国会の審議権をとやかく私申すわけではございません。私は、提案者といたしまして十分慎重に審議いたして結論を出しておりますので、どうかこのまま通していただきたいと心からお願いする次第でございます。これを再三繰り返して申しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/103
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104・相澤重明
○相澤重明君 そうすると、あなたの今のお言葉は大へん含みがあると思うのですね。私は提案者であるから慎重審議していただきたいと言う。ですから、慎重審議をいたしたところが、これは修正をしなければいかぬ、あるいはこれはやめなければならぬ、こういう形になることも大体腹には了承をしておる、こう考えて——これはまあしかし答弁は要りませんね。そういうことで一応私もよくわかりました。
これは、まあ与党の諸君や、野党のわれわれも、もうよくわかったのでありますが、しかし、大臣は少くとも政策論議として、今日の事情というものはもう各委員から指摘をされた通りにおわかりを願っておりますから、そこで、これから以後は、もうあなたの提案はわかったのだ、提案はわかった。そこで、まあ委員会のいわゆる審議に、もうすべてをまかされる、こういうことでありますから、大蔵省の既定方針というものは本日をもって終り(笑声)こういうことを私が理解をしたいと思うのです。
そこで、私は大蔵大臣にお尋ねをしておきたいと思うのは、この自動車やあるいは農村で使う機械化のために、非常な収入というものが私は考えられると思うのですが、特に五ヵ年計画の中で、どのくらい日本の自動車がこれからふえることや、あるいは農村の機械化によって消費量が見込まれているか、いわゆる増徴が考えられるのか、こういう点について、あなたはどういうふうに大蔵省の中で、あるいは関係各省の中で、数字を出されたのですか。もしあったら、御発表いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/104
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105・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) その数字は事務当局から説明いたしますが、先ほどの基本の大蔵省の政府原案、これはすでに衆議院において原案が通過いたして参議院にかかっております。この実情を十分御勘案の上、御審議を賜わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/105
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106・原純夫
○政府委員(原純夫君) 揮発油の消費量の見込みでありますが、昭和三十四年度は自動車用四百二十六万八千キロリットル、工業用が八千キロリットル、航空機用が八万八千、合計四百四十四万二千、それが三十五年度は四百九十六万三千キロリットル、三十六年度が五百五十四万四千キロリットル、三十七年度が六百十八万八千キロリットル、これに三十三年度の分を加えまして、総合計で二千五百十二万キロリットルというふうに見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/106
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107・相澤重明
○相澤重明君 今の点は大蔵当局の方で資料を作っておるようでありますが、これは一つ委員に具体的な資料を私は作成して配付してもらいたいと思うのです。特に、農村関係について先日も大臣の答弁があったのですが、私どもはこれからの農村の機械化ということを考えるときに、非常に重要な問題になる。そういう意味で、一つ今の資料については、こまかく一つ書いて配付をしていただきたい。
そこで、いま一つの点は、ちょうど建設大臣も一緒だから、大蔵大臣と両方一つお答えをいただいておきたいのですが、今度のこの予算の中で、この間の大蔵大臣の答弁では、公団に対する出資、それから国道、公道ですね、こういうような点に一兆円予算というものを投入をしたい、道路をよくしたい、こういうような御説明であったわけですが、有料道路の問題のことについてはどういうふうになっておるのか。これは道路政策の問題と関連をするわけですから、公団としての有料道路の関係については、どの程度今年度はこの中でやろうとしておるのか、あるいは政府の計画の中で、予算額としてはどういうふうになっておるのか、こういう点を少し私は明らかにしてもらいたい。これはどうも大蔵大臣は、公団に出すものとそれから国道の関係と公道に対するいわゆる関係、こういうことをこの間答弁をされたのでありますが、その点どうもまだ私にははっきりしない。ちょうどいい時期でありますから、建設大臣と一つ両方、その内容を御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/107
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108・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 建設大臣から詳しく御説明を願いたいと思いますが、先ほど読み上げた数字のうちに、五ヵ年計画全体としては八千百億、そのうち有料道路が二千億の計画になっておる。三十四年度計画は二百七十四億。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/108
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109・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 有料道路の方への出資が五ヵ年間で三百十二億でございます。そうして三十四年度は五十五億になっております。出資であります。その他の事業費は資金運用部資金その他の借入金でやりたい、こういう建前になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/109
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110・相澤重明
○相澤重明君 ちょっと、どうなんですか、これは大蔵大臣の説明と今の建設大臣の説明の、事業量の問題と出資の問題と、両方混同しておるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/110
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111・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 五ヵ年計画で、有料道路の方で、事業量としては二千億でございます。その二千億のうち政府が出しますいわゆる政府出資が三百十二億、そのうち三十四年度分は政府が出すのが五十五億、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/111
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112・相澤重明
○相澤重明君 特にその有料道路の関係については、すでに初年度、三十四年度ですね、この三十四年度についても計画はできておるわけですね。そういう点についての資料を私どもはやはりちょうだいをしたいわけです。今は答弁していただかなくてもけっこうですが、資料を一つ配付をしていただきたいと思うわけです。
そこで、そういう中で日本観光協会法という法律が私ども運輸委員会で通ったわけですが、観光関係についての道路整備というのは何%ぐらい、あなた方はお考えになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/112
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113・佐藤寛政
○政府委員(佐藤寛政君) 観光関係の道路と申しましても、その路線が観光目的のみというものはほとんどございませんで、この路線が同時に国の産業経済上重要な路線に該当しておりますものがたくさんございますので、ただいま観光関係だけで何%になっておるという考え方はいたしておりません。しかしながら、観光に対しましても、政府の観光関係機関が御研究になりまして、きわめて重要と、こう考えまする路線につきましては、道路整備計画におきましても相当慎重に考えておる実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/113
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114・相澤重明
○相澤重明君 これは私の所属の問題ですから、運輸委員会としても観光協会法を通した建前もありますから、やはり建設大臣によく聞いておかぬといかぬ。
そこで、その不急不要とまあ私どもは理解をするんですが、純然たる観光道路なんというのは。今の日本の産業発達のためには、国内の経済成長を考えるには、やはり何といっても産業道路、これが一番主要道路と私ども考えなければいかぬ。そういう面で、一般財源の中で道路政策というものを考えていく場合、特に今回はガソリン税の増徴によってそれをやろうとしておる。こういう中に、たとえば不急不要のそういう問題が大きくなると、これはやはりいかにわれわれが賛成をしても賛成のできない面がたくさん出てくるわけですね。その点は明らかにしてもらわぬと、内容を混同されてしまっては困る。そこで、建設大臣にそういう点について、政府部内で、少くとも観光協会という法律が通ったと、しかし一体その内容は、今言った、局長の答弁するように、道路の問題と観光とは今区分することはなかなか困難だ、こういう話だけれども、それが区分することが困難だから、今度は観光道路の方へよけい行っちゃった、こういうことであってはこれは私はやはり問題があろうと、こう思うのです。これはそういう意味で、運輸委員会でも非常にその点議論もしたわけですが、一つ有料道路、特に観光道路の問題について、建設省でおわかりになったら、私はやはり資料を添えて一つ御提出をいただきたい、こう考えるわけです。本来ならば、せっかくまあ道路整備という名目で発足をしているんですから、私はそういう点について、産業経済のためにどうしても重点的予算の使用方という点を私どもは望んでおるわけです。そういう意味で申し上げたんでありますけれども、ぜひ資料を御提出をいただきたい。
以上をもって私終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/114
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115・天坊裕彦
○天坊裕彦君 時間もだいぶたちましたし、また私は大蔵委員会で大蔵大臣に出ていただいてまた少し質問させていただく機会があろうかと思いまして、ごく簡単に、きょうは建設大臣もおいでなんで、一つ二つだけ聞きたいと思います。
先ほどから大蔵大臣に伺っておりますと、道路はこれはどんどんよくしなければならぬ。これはその通りだと思う。そうしてガソリン税は目的税として——目的税的であるかもしれませんが、とにかくそれを主力にしてやっていくというお話なんですが、これは道路予算がふえるたびにガソリン税がふえる、増徴される、こういうふうに話が聞えるわけですが、そういうふうに理解してよろしいかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/115
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116・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 必ずしも私さようになるとは思わないのでございます。やっぱり増収というか、自然消費量の伸びもございますから、そういうことを考えて適正であることが望ましいと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/116
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117・天坊裕彦
○天坊裕彦君 この点は、たとえば、今のお答えしか——道路建設の費用が、道路建設がふえればすぐガソリン税が増徴されるとはなかなか言えないだろうと思いますが、多分に、先ほどからのお話からうかがうと、そういうふうな気分がおありなことはよくわかるんですが、そう解釈せざるを得ないんです。しかし、これはなかなか、そうなるとこれは大問題になる。これから道路を盛んにやってもらいたい、われわれそう思うのですが、簡単に言えなくなる。これは大問題だと思う。この点はあとに問題が残るのです。
それから、道路の整備計画について、先ほど大倉委員からもいろいろ質問があって、お答えを聞いておったのですが、なかなか、私どももしろうとですから、よくわからない。ことに一番理解しにくいのは、どうも皆さん道路局の方のお考えが、道路に対して最近は道路は交通機関だという言い方もあるわけなんですが、交通機関というふうな観念の仕方が非常に足らぬように思うのです。ぜひ私はその点を、そういうふうにお考え直してもらいたい。先ほどからお話しのように、道路種別に応じて、何キロ分をどうするというような行き方は、今の段階、あるいは今までの仕事のやり方からいって、そういう言い方しかできないこともわかりますので、とにかく道路は、その上を自動車が走るなら走るようにしなければだめなんで、ある目的地までの道路をよくするということは、半分だけできても意味がないのです。どうもそういう感じがするような言い方になるのです。そこのところを一つわれわれにわかるように整備計画もこしらえるようにやっていただきたい。これは私希望するわけです。
それから、もう一つ、これは希望で、ぜひ建設大臣と大蔵大臣と協議してやっていただきたいのですが、先ほどから大蔵大臣も言われたように、また村上委員も言われたのですが、とにかく東京の町中なんか一つもよくならない、自動車を使う面からいうと。なるほど道路に非常に金がかかるということはわかるのです。しかし、幾らつぎ込んでも、少しもよくならないのではないかというふうな印象を受ける。それは、しかも東京都なら東京都だけで、大体毎年これはいろんな名目で、このガソリン税だけじゃありません、東京都のいろんな金で、道路に使っておられる金は、おそらく百億近いのではないかと思う。しかし、ちょっともよくならない。よくなったのでしょうけれども、しかし掘り返している。掘り返しているという原因が、その理由が道路を新しく舗装してよくするのだという所もありましょうし、でき上った所を、下水道だとか、水道だとか、ガスだとかいうようなことで、やっているというのもあるでしょう。そうしてそういうものは、道路のこういう整備の費用とは別に、ガス、水道、その方持ちでやっているかもしれません。だから、非常に大きいものです。しかし、たくさん使うけれども、少しも自動車を使う方からいえば、自動車に受益が出てくるなんということはどこにもない。これは自動車のガソリン税というものが、今度の改正案が通って、大きく負担するとしないにかかわらず、今まで政府はとにかく安いといっておられるけれども、非常に高い税金を払っているのです。だから、その金でやっていくのだという面で、できるだけ効率的にその道路の工事をやっているのだという感じを、やはりみなに持たせるようにしてもらいたい。そういう意味で、このほかの原因からやっているのだというものも、何とかもう少し一緒にやるとか、合理的なやり方というものがあるのだろうと思うのです。これは私自身とにかく役人育ち、経験もありますから、なかなかむずかしい問題だということはわかるのですが、これは一つ強力に何とか合理的にやれるという方向に、ぜひ建設大臣に一つやっていただきたい。これはぜひお願いしたいと思います。この点、私そう要望するのですが、その点に対して、私どもの要望にこたえていただけるかどうか、努力をしていただけるかどうかを、一つお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/117
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118・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 道路の実際の交通に非常に各地で支障を来たしておりますことに対しては、私も非常に国民の皆さんに対して申しわけないと思うわけです。御承知のように、ただいまほとんど全国的に道路の建設を進めております。実は、きょうも私出てくるときに、いろいろな掘り返しなんかやっておるわけであります。これは前前から特に注意をしてやっておるのでありますけれども、いろいろの事情がありまして、ただいまなかなかうまく参りません。しかし、これは関係各省とよく連絡をとりまして、あるいはガスの場合、あるいは水道の場合、あるいは下水道の場合、あるいは単に路面の補修をする場合等、いろいろ事情が変っておりますけれども、それらを協力をしまして、交通に不便を来たさないように、最善の注意を払っていただくことを努めておる次第でございますが、しかし、なかなか思うように参りません。
しかし、今度は交通の非常にひんぱんなところに対しては、なるべく夜間に仕事をするというようなことで、交通に障害を起さないようにするとか、あるいは関係のそれぞれの部局でもって連絡をして、すぐ掘り返すようなことをしないようにするとかというようなことを、いろいろ今打ち合せしておるわけでございます。道路交通上に障害を与えております。ことは、なはだ恐縮に思います。しかし、一そう注意をいたしまして、国民の皆さんに御迷惑をかけないように努力して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/118
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119・大倉精一
○大倉精一君 関連してお伺いし、また要望するんですけれども、東京都内の道路工事については、今のようなお話の点もありますけれども、もう一つ、やはり予算が使い切れないというか、あるいは故意に余すというか、年度末になるというと、一ぺんに工事をおっ始めるのでありまして、大体年度末近くになりますと、東京都どこへ行っても掘り返しておる。こういうことでは、非常にこれは工合が悪いんじゃないか。要するに、これは選挙道路になってみたりいろいろな不明朗なものもありますので、予算は平均して使う、工事をずっと年間平均して計画してもらう、こういうような指導をしてもらわなければならぬ。年度末に工事を集中されたら大へんなことになりますから、これは一つあわせて、要望でありまりますが、御所見だけを伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/119
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120・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) 実は、昨年の秋ごろから、ほとんど全能力を発揮して道路の工事を進めておるわけであります。今年の大体の操り越しは、昨年に比べてはるかに少いんで、大体三分の一、大体十五億程度の繰り越しでとどまるような状況になって参りました。道路関係では、特に年度末に集中してやるというようなことはないと思いますけれども、それは御指摘のような点も十分注意しなければならぬ点でありますので、一そう今後戒めて参りたいと思います。そして年間を通じて平均して道路工事が進むように、今度は年度の当初から計画的にやらせるようにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/120
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121・天坊裕彦
○天坊裕彦君 同じことを言ってくどいですけれども、今建設大臣は、自分のところの工事はそういうふうに努力してやるとおっしゃったので、私はけっこうだと思うんですが、お宅でおやりになる工事だけじゃなくて、今申し上げたような水道とか、ガスとか、そういう問題もぜひ何とか、お宅でやるときに一緒にしてやるとかいうような連係をとってやることを、これはなかなか各省いろいろな系統の問題があって困難だと思うんですが、これはぜひ手をつけていただかなければならぬ。これはガソリン税を、現在の額を出すだけでも——それ以前の問題だと私は思うので、ぜひお願いしたいし、重ねて要望します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/121
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122・遠藤三郎
○国務大臣(遠藤三郎君) それは確かに御指摘の通りだと思います。先般来関係各省の次官会議を数へん開きまして、そうしてそれぞれの関係省でもって最善を尽してみよう、こういうことで、具体的なその問題の解決策を今進めておる次第でございます。一そう努力して参りたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/122
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123・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 大蔵・運輸・建設連合審査会は、この辺で終了いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/123
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124・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認めます。よって連合審査会は、これにて終了することに決定いたします。
これで散会いたします。
午後一時三十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114614X00219590401/124
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