1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年四月二十八日(火曜日)
午前十一時五分開会
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委員の異動
四月二十五日委員笹森順造君、重宗雄
三君、松平勇雄君、伊能芳雄君、大沢
雄一君、下條康麿君及び江藤智君辞任
につき、その補欠として青木一男君、
廣瀬久忠君、梶原茂嘉君、井上知治
君、宮澤喜一君、岡崎真一君及び苫米
地義三君を議長において指名した。
四月二十七日委員小笠原二三男君辞任
につき、その補欠として小林孝平君を
議長において指名した。
本日委員井上知治君、岡崎真一君、廣
瀬久忠君、苫米地義三君及び梶原茂嘉
君辞任につき、その補欠として西田信
一君、江藤智君、小幡治和君、吉江勝
保君及び田中茂穂君を議長において指
名した。
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出席者は左の通り。
委員長 加藤 正人君
理事
土田國太郎君
山本 米治君
平林 剛君
天坊 裕彦君
委員
江藤 智君
小幡 治和君
木内 四郎君
木暮武太夫君
迫水 久常君
塩見 俊二君
田中 茂穂君
西川甚五郎君
西田 信一君
吉江 勝保君
小酒井義男君
国務大臣
大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
政府委員
大蔵政務次官 佐野 廣君
大蔵省主税局長 原 純夫君
大蔵省管財局長 賀屋 正雄君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
説明員
大蔵省管財局外
国財産課長 田中 弘一君
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本日の会議に付した案件
○連合国財産の返還等に伴う損失の処
理等に関する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
○酒税の保全及び酒類業組合等に関す
る法律の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
○継続審査要求の件
○継続調査要求の件
○請願に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/0
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001・加藤正人
○委員長(加藤正人君) ただいまから委員会を開きます。
まず、委員の異動について御報告いたします。本日付をもって井上知治君、岡崎真一君、廣瀬久忠君が辞任されまして、その補欠として西田信一君、江藤智君、小幡治和君が委員に選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/1
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002・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 連合国財産の返還等に伴う損失の処理等に関する法律案を議題といたします。
御質疑のある方は、順次、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/2
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003・平林剛
○平林剛君 この法律案の審議に入る前に、先般の委員会で私どもが政府に要求した資料の提出がまだないのでありますが、われわれもしばらく議会を留守にしておったので、手元に届いておるのかどうかよくわかりませんが、委員会でお願いをした資料の提出がどうなっておるのか、これをまず最初に一つ確かめておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/3
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004・賀屋正雄
○政府委員(賀屋正雄君) 平林委員の資料の御要求でございますが、具体的にどういう資料が御入り用かという点につきましては、委員会の終了後ゆっくりお話を伺う予定になっておりましたところが、再三御連絡を申し上げたのでございますが、今朝までお目にかかる機会がございませんでした。果してどのような資料をお出しすべきかわからなかったのでございます。あしからず。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/4
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005・平林剛
○平林剛君 ちょっと速記をとめて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/5
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006・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/6
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007・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/7
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008・平林剛
○平林剛君 連合国財産の返還等に伴う損失の処理等に関する法律案の具体的内容はこれからお尋ねしますが、その前に、現在でもこれと同じような事案が残っておる、国際的紛争の案件として残っておる問題が二つあると、こういう提案理由の説明になっておるわけでありますけれども、現在残っておる問題とは何と何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/8
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009・田中弘一
○説明員(田中弘一君) 残っておりますのは二件でございまして、一件は、オランダから出ております返還請求でございまして、これはオランダの病院船オプテンノール号、これを返還してくれという請求が残っておりまして、わが方はこれを拒否しておる、こういうものであります。もう一つは、神戸におけるオール・センツ・チャーチ、もとの教会の土地の返還の問題でございまして、それがその上に建物ができておりまして、その建物の除去をするかしないかという問題につきまして紛争になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/9
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010・平林剛
○平林剛君 今のお話でありますと、いずれもオランダからの請求と聞えましたが、あとの方は違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/10
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011・田中弘一
○説明員(田中弘一君) オール・センツ・チャーチは英国でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/11
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012・平林剛
○平林剛君 この二つの国際的な紛争について、政府としてはお断わりをしておるということでありますが、どういう理由でお断わりしておるのですか。それが一つと、この法律とこの国際的紛争事案とは何か関係が出てくるものですか。法律が通れば、それについてもおのずから道が開けて解決をされるということになる性質を持っておるものかどうか、この影響を一つ聞かしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/12
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013・田中弘一
○説明員(田中弘一君) 最初のオランダのオプテンノール号の返還問題でございますが、これは概略申し上げますと、戦争の勃発後、ジャワ島に日本海軍が作戦をいたしました際に、当時のオランダ病院船が作戦行動を妨害する行為に出ましたので、これを拿捕抑留しましたものでございます。そしてそれが現在舞鶴沖の三・九マイルのところに、きわめて深い所でございますが、そこへ沈んでおるわけでございます。このオプテンノール号を返還してくれという要求でございますが、日本政府といたしましては、このオプテンノール号を、病院船を拿捕抑留、没収したということは国際法違反であるというオランダ側の主張に対しましてわが方といたしましては、作戦行動を妨害したのであるから、これは病院船としての国際法上の保護の要求権を失ったものであるという考え方を一つ持っておりましてそういう意味で、これはすでにオランダの所有権を離れておるという主張を前提として、いたしておるわけであります。そして第二の理由といたしましては、返還政令の規定によりまして日本国が外国の財産を返すに当りましては、日本の領域内にあるものさえ返せばいい、こういうことになっておりますので、かりに病院船の拿捕云々が国際法上疑義があるといたしましても、従ってオランダに所有権が現在あるといたしましても、日本の領域外に沈んでおる、領海三マイル説をとりますと、三・九マイルの所に沈んでおりますので、きわめて引き揚げ困難な所に沈んでおりますので、日本政府としては国際法上返還の義務はない、こういうことを断わっておるわけであります。
第二のオール・センツ・チャーチの土地の返還問題でございますが、これは、その土地の上に戦後オール・センツの関係者と共同して、ここに家を建てた人がいるわけでございます。その家を返す際に、オール・センツ・チャーチといたしましては、さら地で返してもらいたいということを言っているわけでございますが、日本政府といたしましては、オール・センツの関係者がここへ建てたのであるから、日本政府としてはこれを除去する義務はない、そのままで返せばいいということになっておりまして、従って、問題は、オール・センツの関係者かどうか、オール・センツに責任があるかどうかという点に問題紛争点があるわけでございます。
この両件とも、今回出しておりますこの法律案とは直接の関係はございません。と申しますのは、かりに日本政府が返還義務を認めましてこれを返しましても、損失を生ずるというのは日本国政府といいますか、病院船の場合日本国政府でございますし、またオール・センツ・チャーチの土地は政府が管理しているだけでございまして、この管理を解いて返せばいいということになりますので、処理を要すべき損失というのは生じません。従いまして、この法律案とは直接関係ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/13
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014・平林剛
○平林剛君 この種の戦争当時における補償問題ですね、現在政府として取り扱っている問題はこれで全部おしまいですか。まだこの法律が成立することによっていろいろなはね返りがあって、他にも同様の趣旨で補償しなければならぬというような動きが起きてくる、そういう心配は持っておらないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/14
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015・賀屋正雄
○政府委員(賀屋正雄君) 戦後の処理といたしまして補償をすべき案件は、これをもって完了いたすわけでございますが、ただ、従来やって参りました損失の補償の仕方が足りないとか何とかいう議論はあるようでございまして、たとえば、占領中米軍の行為によりまして被害を受けました国民に対する損失補償が足りない、あるいは実際に補償が漏れている、こういう主張もあるのでございます。この点につきましては、今回の三十四年度予算に、そのための実態調査をいたしますための費用として四百万円を計上いたしておりまして、これによって支給漏れあるいは見舞金額と実損額等についての実情を把握して、慎重な処置をとりたいと考えておりますが、これも別に新しく法律を作る必要はないのでございまして、そういうようなわけでございまして、過去のあるいは農地の補償の問題等もございます。これは要求としてはそういう要求があるわけでございますので、補償といたしましては、すでに法律を制定いたしまして解決をいたしている問題でございます。ただ、従来の措置に対しての不満はまだ多少あるようでございますが、それは今後慎重に調査して解決して参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/15
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016・平林剛
○平林剛君 私が一番心配をするのは、この種の法律が成立することによりまして、次々に新しい波紋が起きてくるのではないか。先般の接収貴金属の処理の問題についても同様だったのでありますが、その中身は違うといいましても、やはりわれわれから見ると、同様の趣旨の法律案が提案されると、引き続いて農地補償の問題についても、法律上は解決したといわれましても、やはりどこかに理由を見つけて新しい動きが起きてくるのではないか、こういう懸念もあるのです。と同時に、戦時中、国民全般が相当貯金をしておりましたにかかわらず、一定の金額をもって凍結をされたということもあって、このために経済上損失を招いたという理屈もつければつくわけですね。戦時中には、有形無形、国民はいろいろな形で損失を受けておるわけであります。これがいろいろな理由をつけて、またその要求復活という端緒になる、これが一番私の懸念をする点であります。後ほど大蔵大臣が出てこられれば、大臣としての責任ある回答を求めるつもりでありますけれども、あなたの方では、これらの問題については心配がないとわれわれに言ってもらえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/16
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017・賀屋正雄
○政府委員(賀屋正雄君) 連合国財産の返還に対する補償は、今さら申し上げるまでもなく、すでに法律でお約束しております措置でございまして、こういった意味で、ほかの案件とは全然性質が違うと考えますので、この法律を成立させましたからと申して、ほかに波及をするおそれは全然ないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/17
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018・平林剛
○平林剛君 その点は、なお私は疑問を残しますが、これはまたあとで審議を続けたいと思います。
今、お話の中に、この法律の生まれた根拠は政令で約束がしてある、こういうお話がありました。その政令は、先般私が資料で要求したもので、一つは、連合国財産の返還等に関する政令、連合国財産である株式の回復に関する政令、連合国財産上の家屋等の譲渡等に関する政令、このことをさすと思うのでありますけれども、この政令は、わが国が戦争に負けた結果、特殊な条件のもとで措置されたものでありますから、私は、日本の議会が国民の総意をもって定めた法律とは少し性格が違うのじゃないかという感じを持っておるのであります。政府の説明によりますと、後にこれら政令はすべて法律と読みかえるというふうに、一括して政令は法律なりということにしてあるというお話でありますが、これは総括的な意味では、当時の事情から新しい意思としてきまったかもしれません。しかし、私は、根本になる政令で、初めから後に補償その他は法律で作るなんということを、当時の政令が、将来の議会を拘束するようなものはまことにけしからぬと。いかに当時の勅令であろうとも、これで将来の国民の意思を縛るというのはまことにけしからぬと、こういうふうに考えておるのであります。
もちろん、政府の見解によれば、一括してこの勅令は法律に読みかえるというふうに述べられるでしょうけれども、これは特殊な事情のもとで行われた。もしこれがなければ、われわれは昭和二十一年当時、あるいは二十四年、二十六年当時に出された政令に義務づけられて、こういう補償の法律を審議しなければならないということに追い込まれているわけです。非常に私はこの点疑問を持っておる。この点について政府の見解はどういうふうに考えるか。私は、一括して政令は法律なりということがありましても、この種の問題は相当慎重に審議すべき性質を持っていると、かように考えているので、私が納得するように御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/18
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019・賀屋正雄
○政府委員(賀屋正雄君) 問題になっております三つの政令が法律的に効果を持っております理由については、平林委員も御了承になっていることと思うのでございますが、さらに詳しく法律的な点を申し上げますと、昭和二十七年四月二十三日に公布になりました法律第九十五号にこういう法律があるのでございまして、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く連合国財産及びドイツ財産関係諸命令の措置に関する法律、この法律の第九条に、今表題に載っておりますいろいろないわゆるポツダム政令の中で将来存続すべき政令というものを具体的に念書にしているのでございます。すなわち、第九条は「第一条、第四条、第五条及び第七条に規定する政令の規定は、日本国との平和条約の最初の効力発生の日以後も、法律としての効力を有するものとする。」ということになっておりまして、第一条が連合国財産の返還等に関する政令、それから第四条が連合国財産上の家屋等の譲渡に関する政令、第五条が連合国財産である株式の回復に関する政令と、この三つの政令を具体的に念書にいたしまして、これらの政令の規定は平和条約の効力発効後といえども将来法律として存続するということを規定しているのでございまして、この規定自体がただいま申しました昭和二十七年の法律第九十五号の中の第九条にあるわけでございまして、この法律第九十五号を国会で御審議をいただきました際に、もし万一政令等につきまして事情に適さないとか、あるいはこういう政令の規定を残しておくのは戦後の日本として不適当であるとかというような事情の変化に伴いまして削除すべき点があれば、この法律を出します際に、このうちのどの部分は将来は効力をなくす、あるいはどの部分は将来法律としての効力を残すという規定の仕方ができたわけでございますが、その点は私当時は関係しておりませんので十分存じませんが、この法律を御審議を願いました際に、国会としましては十分御検討になった上で、この政令はそのまま法律として残すべきものであるという結論が出て、この法律の九条ができ上ったものと了解しておりますので、そういう意味から、損失の処理ないしは補償に関する規定も当然後々の国会においては法律を制定すべき義務があるというふうに考えているわけでございます。
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020・加藤正人
○委員長(加藤正人君) ちょっと、この際委員の異動について追加御報告いたします。ただいま委員苫米地義三君が辞任されまして、その補欠として吉江勝保君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/20
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021・平林剛
○平林剛君 ただいまのお答えで、さきの国会で取捨選択をされて、今日では法律としての効果を持っておるというお話でありますが、私は、政令の中に後に法律でこれを補償するということを書いてあること自体がおかしかったのじゃないか。当時は十分議論されたと思いますけれども、どうもその点はただいまのお話でも納得するわけにはいかぬ。しかし、これは過去の問題でありますから、一応私の見解として申し上げておきたいと思うのであります。
そこで、もう一つお尋ねしておきますけれども、この法律を、私は、今日の委員会のような審議日程の中で十分審議を尽すことは困難ではないかと、頭からこれはきめておるのであります。いきなりこういうことを申し上げるというと、皆さんには私の真意がわからないかもしれませんが、内容を見ましても、いろいろ複雑な点があり、かつ影響力もかなり無視できないものがあります。幸い法律案の中には、「この法律は、公布の日から起算して八月をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。」と、こう書いてある。従来の法律から見ると、割合におっとりとした法律でありまして、この意味からいきますと、政府でも八ヵ月をこえない範囲内で政令で定める、こういうお気持があって提案をされておるものと思う。かなり余裕のある法律案と見られるのであります。また、中身を読んでみましても、支払いの手続その他につきましては、この法律の施行の日から二ヵ年以内に、政令で定めるところによって支払いの請求書を出しなさい、こう書いてあります。これもなかなか、二ヵ年間という期間を置いておるということは、まあ内容が多種多様であるから、慎重を期するという意味でございましょうけれども、これらを合せて最悪の場合は二年八ヵ月後ですね、初めて問題の具体的処理が進むということも考えられる法律案になっておるわけです。
こう考えてみますと、わずか半日、あるいは今日できるだけ処理をしたいという気持はわかりましても、今後の影響を考えると、慎重を期する必要があると私は念願をしておるので、これらの期間を相当置いておることから考えて、次の機会に譲ると。たとえば、予想せられる特別国会で、われわれにゆっくり審議の機会を与えるということで差しつかえないのではないか、かように考えるのでありますが、何か差しつかえる重大なる理由がありましたら、この機会にお話し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/21
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022・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 事務的な問題は事務当局から説明させますが、私、この法案を提案をいたしました責任者として、ただいま平林委員からお尋ねになりました点、また御意見を拝聴いたしましたことについて、率直に申し上げてみたいと思います。
この連合国財産の返還等に伴う損失の処理に関しまして、過去においてもいろいろ問題もございましたが、まあこのままになっておることは実は困る、こういう意味で今回提案をいたしたのであります。しかしながら、事柄の性質上正確を期する、あるいは周知徹底をさせるという要がある問題でございますので、相当の期間をやはりこれに充てるということに相なっておるのであります。この点は、この法律案が次の機会になりましても、やはり周知徹底して、また正確を期するという意味において、相当の期間の必要なことは同様でございまして、これを半年延ばすとかあるいは三月延ばせば、根本的な対策ができるという問題ではないように思うのでありまして、まあどうかその意味で、事柄の性質上、周知徹底あるいは正確を期するという意味においての期間の問題でございますから、この点から相当余裕を持っているんじゃないかという見方もあろうかと思いますが、それは実は、私どもが、おくれてもこれだけの期間は必要だろう、こういう考え方を持っておるのでございますから、その点を一つ御了承いただきたいと思います。
また、事柄の性質と申しますのも、過去においてポツダム政令等によって処理の方法というか、接収等が行われたその後のあとの問題でございますから、ポツダム政令のなき今日と申しますか、これは本来の法律によって定めるべき事項だ、かように考えておるのでございまして、この会期の迫りました今日、重要な法案の御審議をいただきましてまことに恐縮に存じますが、ただいまさような考え方でおる政府当局の意向も、どうか御了承賜わりたいとお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/22
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023・平林剛
○平林剛君 大蔵大臣がお見えになったので、私は、最初にお尋ねいたしました基本的な問題を繰り返し、大臣から御答弁を願いたいと思います。
これら連合国財産の返還等に伴う損失の処理は、いわば戦後の処理事項でございます。私が懸念しておるのは、これら戦後処理の問題については、今日でも農地補償であるとか、あるいは国民が当時相当預貯金をいたしておりましたのを、当時の経済事情から考えて、一定の金額を限って凍結をして、国民に対して経済的な損失を与えた、この補償をどうするかという問題もあり、なかなか戦時中の補償問題は、議論をして参りますと際限がなく出てくるのではないかと思うのであります。しかるに、今回この法律案を提出することによりまして、今後国民の間から当時の損失について補償せよという声が高まってきて、政府としても手に負えなくなってくるのではないか。かようなことに相なりますと、政府としても大へん苦境に立つ、あるいはその口実をこの法律通過によって作ることになりはしないか。これが絶対にないと、もうこれまでの分についてはすべて法律で解決しておるのであるから、もう出さないなら出さない、こういう性質ですべてを完了するものであるかどうか、私はこの点をお聞きしたいのであります。
それが一つと、もう一つは、この法律自体に、これから私は議論して参りますが、大体もうこれら財産の返還のときに、所有者に対してはとりあえず戦時中の売却価格相当額は支払ってある。あと払うと、こう言いましても、私はそのときにある程度対価が支払われたと、こう見るべきであって、これ以上のことをやる必要はないじゃないか。いわんや政令で後に法律でこの補償をするなんと言うことはまことにけしからぬ話で、当時の議会はこれは承知したかもしれないけれども、私はどうも納得ができないと、先ほどお話ししたのであります。まずこの二つの点について、大蔵大臣としての見解を聞きたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/23
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024・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように、敗戦、また敗戦の処理という場合におきまして、いろいろな問題があり、さらにそういう処理ばかりではない、インフレーションの高進、こういう事柄まで中に入りまして、いろいろむずかしい問題が起きておる、これはもう御指摘の通りであります。幾つもそういう事態が引き起っております。そういうものについて、敗戦の経験がないからそういうことがうまくいかないといえばそれまででしょうが、そういう経験のあるなしは別として、非常に戦争の終結といいますか、終局に当っていろいろな問題が生じてくる。それらについてはそれぞれここまで手をとって参ったと思っておりますし、また、インフレ高進の際の貯金等についての第二封鎖等も支払いができるようになったとか、それぞれ落ちついて参りました今日、過去の問題で取り残されたものを次々に解決して参ったと思っているのであります。今回提案いたしておりますものが、私どもが現在考えられるものではこれが実は最後じゃないか、こういう考え方をいたして今日法律案を提案いたしておるのであります。
そこで、この戦争の、ことに敗戦直後の状況で、政治的に見まして非常に同情するとか、あるいはまた政治的に、あるいは経済的に見なくとも、心から同情しておるとか、こういう気持の問題も幾つもあると思いますが、それらの問題を気持だけで、あるいはわれわれの感情だけで処理はできないし、そういうところのものがやはり一通り筋の立つことでないと処理のできないものも残っておると思います。そういう問題は別といたしまして、今日までのところ、政府の責任において処理すべきものとして残っておるものはこれじゃないか、今回そういう意味でこの案を提案いたしておるのであります。従いまして、敗戦後各方面に非常な不均衡あるいは不公平だとかと考えられるものがあるようでございますが、制度上から来るのでなくて、これはその状態に対する感情的と言うと語弊があるでしょうが、事態を認識すればするほど、気の毒だ、こういうものがあると、そういうものに対して何か政治的な処理は必要かもわからないけれども、これはもう別な問題だということで、私ども一応整理して参りまして、今回の法律案を出しておるのであります。この点を特に御了承をいただきたい。だから、まあいろいろな問題がございますが、これらの問題が、当然、新しい法律観念からいたしましても、そこまではお世話できない、そういう限度があるんだと思うんです。その点から見て、今回の処置を御審議をいただきたいということでございます。さように考えて参りますと、これは他に波及するものではない、かように実は考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/24
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025・平林剛
○平林剛君 これが政府としてどうしても法律上の義務から処理をしなければならない問題であるとしたら、なぜ大蔵大臣はこれを、昭和三十四年度の予算書の中に組み入れておかなかったのですか。私は、約二十億円に相当するこれの処理を公債で発行するという問題は、今後にやはり相当影響を及ぼすだろうと考えるわけです。従来やっていた戦後処理については、国債等で処理をしてきた例も私は承知しておりますけれども、しかし、政府としては、法律上の義務として処理をするとするならば、三十四年度の予算の中にこれを含めて提案をしてくるべきではなかったかと、義務なら。新しく起きた問題なら別です。従来からの政令があって、これが法律になってそれを処理するというならば、なぜ予算書に出してこなかったか、これをお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/25
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026・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 今言ったんですが、御承知のように、事務費、処理費はこれは予算に計上いたしております。従いまして、予算に全然関係がない、こういうものでないことは御了承いただきたいと思います。ただ問題は、御指摘になりますように、公債を発行するという、公債で交付する、こういう点が一つの問題であろうと思うのであります。もともと、公債につきましては基本的ないろいろの議論がございますが、私は、いわゆる公債を大幅に取り上げることについては現段階においてはその時期にあらず、こういう実は考え方をいたしております。しかしながら、公債発行は全然反対だ、こういうような考え方は今まで持ったことはないっもりでございます。ただいまの点から、公債の利子等については、これは三十五年以降の問題でございますので、三十五年度以降の予算編成におきまして、十分これを処置していきたい、こういうように私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/26
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027・平林剛
○平林剛君 私は、大蔵大臣の、予算には関係ないということははなはだ了解しがたいのであります。すでに予算書においても、その事務を処理するための経費が計上されているのでありますから、この法律が予定をされて、そして公債、国債を発行するということを予想されているわけです。昭和三十五年度からこれをやるというふうになっているわけでありますから、予算には関係がないというお話はどうも、私、受け取りがたいのです。
それから、もう一つは、大幅に公債発行などを取り上げる考えはない、こう言われる。しからば、小幅ならやるということに相なるわけですね。今回二十億円というのは、あなたの見解によると小幅に考えているようだけれども、そういうものはこれからもやるというふうに承知していいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/27
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028・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 第一段の、予算に関係がないというのでなくて、事務費等予算に計上いたしておりますから、もう予算の方はそれでついておりますという意味なので、そのお話は予算にも全然計上してないじゃないか、こういうふうなおしかりのように実は聞いたものでありますから、そうじゃないということでございます。その方の問題は解決したということなんであります。
それから、今の国債の問題でございますが、国債の問題についてはいろいろな議論がございます。ただいまのように、金額が少額ならどうこうというか、一体幾らまでがいいのだ、こういうふうに詰められますと、これはまことにお答えしにくいことでございますが、しかし、今まで、これは公社債等につきましても、ある程度国債類似の考え方のものは、すでに出ております。公社債は、そういう点も実は一つ勘案されまして経済、金融の全体からやはり判断すべきことではないか。この点はおそらく平林さんも、財政投融資関係等において、この国債類似のものも出ていることは、これはもう御指摘はすでにあったと思います。そういう点で御了承賜わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/28
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029・平林剛
○平林剛君 私は、先ほど申し上げたように、政府が法律で義務づけられているようなものなら、なぜ予算の中にこれを組み入れてこなかったかということなんです。二十億円の処理する予算をとらなかったか。まあそれは戦時中の処理はすでに国債、公債でやっとるということであれば、これは例だからということで御答弁があると思いますけれども、それなら開き直って聞くのですが、昭和三十四年の予算を編成するときは、いかなる形においても公債は発行しないということを、政府与党ではこれをきめている。昭和三十三年九月二十日に福田政調会長は、自由民主党の予算編成の構想としてこのことは明らかにしているのです。いかなる形においてもというのだから、二十億円でもいかなる形の中に入るわけです。そういうことをなぜおやりになったか。これは福田政調会長だけじゃないので、大蔵大臣の予算構想として伝えられているのも、やはり公債発行はしない、大蔵省としても不足の財源を公債発行やその他の方向ではやらない、こういう方針であった。ところが、予算は通ってしまった。あと穏やかになると、議会がもうあとじき終るということになると、こういうふうな公債を発行するというような法律案を出す。まことにあなたの方は都合のいいようなやり方をとっておる。この点、あなたがあやまれば別だけれども、そうでなければ、予算編成の構想その他から見て、まことにおかしいじゃないか。あらためて予算委員会でもこの点を取り上げてもらって、あなたを追及しなければならぬという性格を持っておる。これは単に二十億円の問題ばかりでないからですよ。将来の問題を考えると、やはり大蔵大臣は、このわれわれの疑問に対して一つ釈明をするなり、何か納得させるなりの話をしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/29
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030・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまのように詰められますと、あやまらざるを得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/30
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031・平林剛
○平林剛君 あやまったんですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/31
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032・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 端的に申します。そこで、政調会長の表現、それから私の表現にいたしましても、言葉が不十分であったという点は御指摘の通りだと思います。この種の問題は、今御指摘になりますように、過去において農地証券が出たとか、漁業証券が出たとかということでございますから、別に新しい構想ではないことは、これはもう平林さん御自身が御指摘になる通りでございます。で、その点の御了承は得るといたしましても、予算編成の際に、公債は一切発行しないと言ったじゃないか、一体何ごとだといって開き直られると、これはやはりどうもわれわれの説明が言葉として不十分であった、この点は認めざるを得ない、かように思います。この点は、そういう意味で言葉が不十分であった点をあらためて御披露いたしますから、御了承賜わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/32
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033・平林剛
○平林剛君 大蔵大臣はなかなか率直だから……。今の点は、私は政府の言い分とちょっと違うということを指摘するだけにしますが、問題はもっと別なところにあるのです。私は、この法律で一番重要に考えておりますのは、ただいま指摘した以外に、今回の補償の考え方です。法律案を見ますと、請求のあったときからいろいろ計算をしまして、ちょっと私が見たのではわからない倍数表というものをつけて、おそらくこれで計算するのでしょう。この倍数というのは、天下国家どこへ行っても通用する倍数ですか。これは政府当局に聞きます。これは掛値があったり、それからまたは故意に歪曲しておる倍数ですか。それとも、何人がこれを審議しても、その時期から比べて、建物及び構築物の権利についての倍数であり、あるいは動産に関する倍数表であり、どなたが指摘をしてもこの数字が納得されるという数字に相なっておりますか。これは事務当局にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/33
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034・賀屋正雄
○政府委員(賀屋正雄君) 御指摘の通り、この法律は、敵産管理人から買い受けますときに支払いました代金に一定の倍数をかけるということで損失を推定するという方法をとっておるのでございます。その倍数の取り方でございますが、土地、家屋、動産等とあるわけでございます。私どもが採用いたしましたのは、勧銀が作成いたしておりますものでございまして、土地につきましては、六大都市とそれ以外の地域に分けまして、それぞれ土地価格指数というものを勧銀が出しております。今日の日本におきます土地の価格指数につきましては、これが唯一の信用ある指数であるというふうに私どもは考えておる次第でございます。建物につきましても、やはり勧銀作成の建築費指数というものを採用いたしております。それから動産につきましては、これは乱暴といえば乱暴かもしれませんが、個々の動産について具体的にどういうものであったかということを検討せずに、日銀の卸売価格指数の騰貴率を適用いたしておるわけでございますが、これはやはり物価指数といたしましては、日銀以外の、たとえば経済企画庁等の指数もございますが、私どもは日銀の指数を一応採用したということで、三指数につきましては、いずれもわが国の今日のこの種の指数といたしましては最も信用し得る指数だというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/34
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035・平林剛
○平林剛君 あと一つ事務局当に質問して、大臣に聞きますが、これは関連をしているのです。今お話しのように、この資料は、倍数表としては天下国家を通用するもの、これには水増しもなければ何もない、国民だれが見ても常識をもって判断できる計数である、かりにこう理解をいたします。すると、疑問が出てくる。なぜかというと、大体この敵国財産を当時政府から払い下げを受けて、それを受けた人たちは、ただ死蔵しておったわけではない。死蔵しておったのではなくて、それをそれぞれの生活なりあるいは業務に活用をしておったと見るべきです。こまかいことはわかりませんよ。三千名全部のことはわからないけれども、大多数の人はそれを活用して、それから恩恵を受けたと見るべきだと思います。しからば、今度この法律案を見ますと、請求をしておったときからこの天下国家に通用する倍数をかけてこれを補償するということに相なりますと、エンジョイしていた、その恩恵を受けていたその期間ですね、その期間は、一体それはもうけ得ということに相なりはしませんか。そういうことから見ると、どうもその期間だけ有効に活用して、巨万の富とは言わないけれども、相当の利益を得た者があったらどうするか。私はあると思う。たとえば、具体的に、返還される神戸製鋼、東京瓦斯、日本鋼管、それぞれの大きな法人の中に——これは主として証券だろうから一律にきめつけるわけにいきませんけれども、概念的には考えられると思う。そうすると、不当にオーバーして今度は補償するということになりはしませんか。これは一体どうなっているか、これが一つです。
それから、局長にお尋ねしますけれども、大体この法律案をわれわれに説明するとき——これは非公式であるから、あまり言っちゃあれですけれども、もっと高くしろという要求もあるのだ、しかしこれを押えてこういうことにしたのだ、こう言われるけれども、私は、その形跡と努力の跡は遺憾ながら見れない。この倍数表は天下国家に通用するものであるということに御説明があったので、非公式ではあるけれども、そういうように読み取れないということに相なるわけです。今日返還を要求する人たちは、もっと高いことを言うておるでしょうけれども、それは不当だと、こう理解していいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/35
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036・賀屋正雄
○政府委員(賀屋正雄君) お答えいたしますが、ただいま御説明いたしましたように、土地、建物、動産、それぞれ一定の指数を適用いたしておりますが、この中で、土地以外の建物、動産等につきましては減価償却を見込んでおりまして、この法律の別表第二に掲げております率、倍数につきましては、減価償却を織り込んだものでございますので、当然それだけ低くなっておるということを御理解いただきたいと思うのでございます。
それから、返還請求がありましても、現実に返還をいたしますのはずっとあとになっておるという例は確かにあるのでございまして、その間は返還義務者が自由に使っておって、利益を得ておったのではないかということも、観念的に言えるわけでございます。しかしながら、実際について見ますと、大部分請求がありましてから返還が著しくおくれました理由は、その財産が連合国占領軍に提供せられまして、提供中であったために返還はされなかった、解除を待って返還したというのが多いのでございまして、そういう場合におきましては、返還義務者は実際自分の用には使えなかったということが言えるわけでございます。また、かりにその間自分が使っておったといたしましても、その間に利益を得ているじゃないかということを言われますが、しかしながら、今度の法律で補償をいたします場合の損失の算定時期を返還請求時に置いておるのでございまして、返還よりずっと、場合によっては先の昔の時点をとらえまして、つまり土地にしましても建物にしましても、騰貴がそれほど激しくなかったときの時点をとらえておるわけでございますので、その点から申しまして、非常に甘い措置だということは言えないわけでございます。
最後にお話がございました、この法律による措置は非常に辛めになっておるということだが、そのあれは見えないじゃないかというお話でございますが、普通憲法上の補償ということを真正面から突いてこられますと、損失補償をいたしますのは、この法律が通りました暁において補償するわけでございまして財産を取り上げたのはずっと以前でございます。従いまして、厳格なことを言われますと、あるいはこの損失補償をする時期の価格を補償すべきじゃないかということも一つの案でございます。それから、そこまでいかないにいたしましても、具体的に返還をいたしますまではその人に所有権があったのであるから、その返還の時期において補償するのが当然ではないかということも一つの議論かとも思われます。しかしながら、私どもはいろいろな考慮をいたしました結果、さらにそれよりも時期をさかのぼりまして、返還請求がありまして、そのものを具体的に返さなければならないという運命が決定いたしました時点をとらえまして、そこで損失を計算すると、こういう方法をとっておるのでございましてまあ見方でございますが、私どもはそう甘い案だとは考えておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/36
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037・平林剛
○平林剛君 そこで、大蔵大臣にお尋ねします。私は、この法律に対してはたくさんの疑問を持っておるから、賛成はしがたい見解を持っておるのであります。しかし、これは別にして、この補償の問題においては、今後相当ひっかかる問題がある。それは、ただいま局長が説明したことでおわかりにっなったと思うのです。なぜかというと、厳格にいえば憲法上の補償という意味では争いのある問題なんですよ、これは。まだ請求をしない人もずいぶんあるという話を聞きました。特に大きいところは、そんなもの返してもらえるのかという程度で、積極的に返還の請求意思なんていうものは持っていないところがあるのですよ。それを、私は、何もおぜん立てして国債で返してやるという必要はないという見解も持っておるのです。返還を請求する人は困っている人たちですよ。私は、それに対してはある程度、大臣が言ったように同情し、あるいは特別の感情でながめてやってもいいのではないか。感じとしては持っています。しかし、それらの人の補償をする基準というものは、政府が今回出したのよりもっと高いのですよ。そうすると、今後この法律が成立をいたしましても、民事訴訟上の問題は残る。もしやろうと思えば、これをこの法律は憲法上の補償をしておらないということからいって、争うことの権利は国民に与えられておる。こうなった場合、われわれ、うっかりこんな法律を通してしまつて、責任負えないです。大蔵大臣は、これは責任持てそうな顔しているけれども、どういう気持でこれを大丈夫だとわれわれに説明をできるのですか。
それから、現にこういう財産の返還については、今日、東京地裁で争われまして最高裁判所に懸案中の問題があることを御承知ですか。これは政府が敗訴しておるのです。政府はこれに負けておるのですよ。従って当時の法律を策定した議会としては、司法権の中においてはわれわれの決定が違っていたのだという結論をつけられておる。こういうような事例もありますから、私はうっかり、与党の議員さんも通してしまっておいてあとで困ったことになるということにしたくないというお気持ちがあると思う。それについてはどう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/37
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038・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) まあ法律的な問題の一つでございますが、その前にいろいろお話が出ておりますが、法人と個人だとか、あるいは組合だとか、こういうような場合でこれは所遇を一別にするわけにいかない、この点は御了承いただきたいと思う。もちろん、権利者がその権利を放棄することは、それはけっこうなことのように思いますが、建前としては法人、個人は最初から区別するわけにいかない。だから、それは同一の原則を適用しているということで、これはいいと思います。憲法上いろいろ争うという場合、これは勝つ負けるは別といたしまして、どの法律についても、そういう制度が原始的な制度でございますから、これは法律を作ります場合において、もちろん憲法上に疑義のないような問題にはしたいと思いますけれども、時に必ずしもこれは考慮しただけでは片づかない場合がございます。これは今の救済制度としても憲法上当然の結果だ、こういうように考えざるを得ないと思います。具体的な事例で当方が敗訴した事件につきまして、もちろんまだ懸案中でございますけれども、これは勝つか負けるかは別でございますが、この点で裁判所が独立し、そういう意味で、立法、それから行政、三位が同一の立場にあるのじゃないか、それこそ私ども政府として望ましいことというか、紛争を巻き起すという意味でなくてその国民としての当然の権利がそういう意味で保障される、かように私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/38
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039・平林剛
○平林剛君 私は、この法律案はそういう点についての問題を引き起すおそれのあるものだ。そこで、この点の見きわめをしなくちゃならぬということを考えておる。同時に、感情的とまた言われるかもしれませんけれども、接収貴金属の処理のときに絶えず強調したのです。それは、今回の連合国財産の返還に伴う損失の処理に当りまして、零細な、ほんとうに事情お気の毒な人に対する措置は、私はまあ気分的には何とか考えてやりたいという感じを持っておる。これは先ほど申し上げました。しかし、今度の国債二十億円の大多数を占めるのは東京瓦斯株式会社です。それから日本鋼管、神戸製鋼なんという大きな会社が、この国債の返還を受けるベスト・テンですよ。しかも、私は今日までの情報によりますと、これらの会社はこれを返してくれというような積極的な考えはないと聞いておるのですよ。ただ家を取られ僅かばかりの土地を取られて、非常に食うに困っておる人たちが騒ぎ回って、そしてそれらの大法人を動かして、一緒にやらないかという働きかけがあるということは承知しておりますけれども、これら大きな会社においては、こればかりのものを返してきてもしようがないと言うかどうかしれませんよ。あとでけつをたたく人があって、ぜひやれと、こういうふうに勧める人があればこれは別だけれども、現在まではこのような兆候は見えない。にもかかわらず、法律案でおぜん立てをして、そして返還の促進をするなんということは、私は、他の戦災に会った相当の犠牲を受けた国民の感情、あるいは比較権衡の上からいきまして、政府のとるべき措置じゃない、こう思うのですよ。大蔵大臣は今、権利を放棄することがあると言われましたけれども、東京瓦斯や、あるいは日本鋼管、神戸製鋼なんという会社は、権利を放棄するような気持があるかどうか、私はわかりません。おそらく権利を放棄するなんということはない。そうすると、そういう人たちがこの法律の効果を受けて、まああきらめていたやつまでも目を光らかして請求をするということになって、不権衡という点、これは法律上はどうか知りませんけれども、そういう点を拡大されることになりはしないか、こういうことを考えるのです。それについて大蔵大臣の社会正義的な通念、その国民感情という、面から見て、私はやっぱり十分考えてもらいたい。そういうお考えはどうか。
そこで、具体的な提案が一つあるのは、一定の金額に限ってこれを限定したらどうか。たとえば、その返還の金額が百万円なら百万円、これをこえるものについてはそれにとどめる、こういうような措置をとったらどうであろうか。そうすれば、あなたのお考え、先ほどの同情すべき者あるいは経済的にお気の毒に思う者については救われるのです。多少議論が残ると思いますが……。しかし、かつてこういう措置を政府でもとらないというわけではない、すでにとっておるのだ、だからとれるのじゃないか、私はそういう程度のことをやる必要がこの際あるのじゃないかと思うのですが、そのことについては法律案を出したのだからやりますとも言えないでしょうけれども、あなたの考えを一つ聞かしてもらいたい。私の意見はそうです。もし、かりにこの法律案をどうしても通さなければならぬというときには、そういうやり方をとるのがむしろ参議院の大蔵委員会としては良識的な態度ではないか、かように思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/39
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040・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 大へんごもっともなお話でございます。非常に御理解をいただいておるようでございます。そこで、今回の措置は、先ほど申しましたように、法律的な建前から見れば、会社と個人の間に区別をするわけにはいかない、これは同一原則を適用せざるを得ないということを申しました。それは結局、今回の措置が、ただいま御提案になるように、見舞金というような措置と申せば、これは一応可能なことだろうと思いますが、やはり補償という建前で考えて参りますと、法人、個人等によって、あるいは特殊会社というようなことで、区別するわけにいかぬじゃないか、こういうふうに思います。今回のお手元に差し上げて——大事な書類を差し上げておらないようですが、総体の件数から見まして、三千七百人くらいのうち少額の方が、一万円未満が二千百人というふうになりまして、パーセンティジから見れば五六%なんです。この少額の方、こういう方はこの制度によってやはり救済できるのじゃないか。この程度のものは、先ほど申しましたように、権利者としてなかなか金額が小さいとか、手続がめんどうくさいとかいって、案外出されないかもしれませんが、一万円未満とか、あるいは十万円未満とか、あるいは三十万、あるいは五十万から百万まで、こういうような少額のものが相当多数件数としてはあるわけであります。こういうものをやはり救済することが主体である。この点は、その大きなものを引き合いに出されて、これが非常に利益を受けるのじゃないかと言われますが、少数の多額のものを救済するのが目的にあらずして、少額の多数の人を救済するという実は制度の考え方であります。
そこで、金額の大きいものは一体どうなるのか、これはもうけ得か、過去においてもいろいろその施設を運用して利益を上げているのじゃないか、こういう問題を先ほど御指摘になりましたが、それについては、事務当局が申しますように、償却制度もあります。ことに、今回の措置をいたしますれば、税の問題としては、多額のものについては相当多額の税を支払わなければならない。おそらく地方税を一緒にいたしますと、その五、六〇%程度は税金として納めることになる、かように考えるのでございまして、今一応金額が評価されておるそのままが個人のふところに入るというわけにはいかない。非常に目につくところの、きわめて少数である多額のものを一体どうしたらいいのかという問題が一つございますが、これは何としても多数の百万円以下の方々をとにかく救済することが本来の趣旨でございます。そういう場合に、法律制度の建前上、やはり大きいものもこれで救済される、この点は先ほど来申し上げておるのであります。
これが補償の問題じゃなくて、純政治的な問題で見舞というような制度なら、上はちょん切るとか、そうして下だけにするとか、こういうことも可能かと思いますが、それではいわゆる憲法上、法律上の問題が必ず起るということでございますので、政府としてはその案には賛成しかねる。問題は、少数の多額の補償を受けるものは、税金によってその半分は納めざるを得ない。そういう点を勘案されまして、負担の公平といいますかということがある程度考えられる、かように御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/40
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041・賀屋正雄
○政府委員(賀屋正雄君) 平林委員の最後に御指摘になりました点について、補足的に御答弁をいたしたいと思いますが、頭を切るという措置は、すでに政府でとったことがあると御指摘になりましたのは、例の在外公館の借入金の処理のことを申されておるものと存ずるのでございますが、なるほど、昭和二十七年に在外公館借入金の返済の実施に関する法律という法律を制定いたしまして、これによりまして一人につきまして五万円で頭打ちの措置をとったのでございます。これが、先ほどもお話のございましたように、憲法違反だということで訴訟になりまして、第一審で国が敗訴になっておりますが、ただいま控訴をいたしておるのでございます。これにつきましての政府の考え方は、元来この借入金は国がはっきりとした法的根拠のもとに借りたものではない、正式な債務ではないという前提に立っておるのでございまして、審査会の確認の手続を経まして初めて国の債務として追認をすると、こういう考え方をとっておるのでございまして、従いまして、この法律は債務額を創設的に確定していくのでございまして、すでに幾らと確定しております債務を五万円にちょん切ると、こういう趣旨のものではないというふうな考え方でございますので、憲法違反の問題は起らないというのが政府の主張でございます。こういう例があるから、今回の処置についても、大法人等については何百万円とか、何十万円というふうに切ったらどうかというお話がございますが、これは先ほど申しました借入金の場合とは全然事柄が違うのでございまして、具体的な財産について所有権を強制的に移転せしめられたことに対する財産の補償でございますので、これを一定の金額に打ち切ることは憲法違反の問題が生ずることは明らかであろう、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/41
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042・平林剛
○平林剛君 先ほど大蔵大臣は、これは多額のものを救済する措置ではない、一万円程度の補償の額が二千百人もあるのだと例をあげられましたけれども、二千百人あったって二千百万円ですよ。公債の発行は二十億円ですよ。従って、私は、今回の返還の措置は一部の法人に集中されておる。数の上では多数でありましても、これは二十億に上る金額が一部の大法人に返還されるための法律だと言ったって差しつかえないんですよ。しからば、政府の提案はまさにその一部の法人に恩恵を与えるための法律案を提案したのだと、こういうふうに言いかえられなければならないと、私はこう思うのです。大蔵大臣が先ほどのようなお心持であれば、この際私の提案を率直に受け入れて、そうしてやはり最高の限度額を切って処理をするというのが正しい見解ではないか。いわんや、昔の政令の中には、これは私はこまかいところの資料を出してくれと言っても、出してあるからと言うが、見ないのですけれども、損失の処理または補償についてやるということで、今回のような提案を義務づけておるかどうかという点は、なお審議をしたいと思うのです。今回のような方法でやらなければ絶対いかぬのかということが、そこできめられておるのかどうかという点も、私は今後審議を続けていきたい問題です。まあ大蔵大臣がお答えがあった通りの気持であるとすれば、私の提案を受け入れるべきである。そうでなければ、一部の法人に不当なる利益を与える法律でございますと正面から言ってもらいたいと私は思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/42
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043・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) これは、先ほど申しますように、数の問題と金額の問題、これはもう明らかに逆になっております。金額から見れば、会社というか法人、これは相当多額になります。この数から申せば、先ほど申すように、格段の相違がございます。一応これはお話をして御了承を得た方がいいと思いますが、先ほど一万円未満五六%と申しました。一万円から十万円までが二九%、十万円から三十万円までが六%、三十万ないし五十万これが二%、五十万ないし百万円これが二%。それで、もうこの辺になりますと、少しは法人があるかと思いますが、百万円以上千万円、こうなると、これはもう完全な法人でございますが、この百万円以上のものが全体の五%なんです。百万円ないし千万円が四%、それから千万円以上は全体の数としては一%、こういう数なんです。
それは、先ほど来申して議論されておりますように、会社の場合と個人とを比較なさるのですから、なるほど件数は会社は一件、個人も一件ですが、今度は財産の金額から見れば、これは一件でもそれは問題にならない。だから、その点でいろいろな批判があるだろうと思いますが、制度そのものから申せば、これは法人だろうが個人だろうが、特殊会社だろうが、区別した補償方法というものを立てると、御指摘になっている憲法論の問題で直ちにこれは反対を受ける。しからば、そういうような多額のもの、金額的に非常に大きいから、それをやらないために全体を殺すということは可能かと考えてみますと、百万円未満の人たちに対しては、これは私は何らかの処置をしてあげなければならないことだ、そういうものまでも、大きいやつが目ざわりだということで、小さなものまで殺してしまうのは避けなければならないのじゃないか。そこで、どちらがしんぼうするかということになると、その場合に、私は、総体が救われ、そうして大きいものは税金で半分とっていかれる、そうなると一応均衡がとれたと御了承がいただけないか、こういうように実は思うのであります。この点では、先ほどから言われた通り、これはもう会社でございますから、法人の場合は資産が非常に大きい、これは金額も非常に多額になる、個人の場合とは比べものにならない、これだけは御指摘の通りであります。しかし、私は、これを区別する方法がない、個人に対して補償をするという建前だと、大きいものは大きくてもやはり憲法上の権利として当然の補償を要求してくる、そういう場合に別な率によって査定をされることは非常に迷惑である。先ほど倍数がこれは正しいものかどうかということを言われた。もちろん、御審議をいただくにつきましては、十分各方面から資料をとって、事務当局としては確信があるものを出しておりますが、これをやはり裏づけていただくのは国会そのもの、この立法府自身が、この倍数もやはり、これは国会の責任だという意味ではございませんが、やはり国会においてこれを裏づけ審議を与えていただく、こういう意味で権威あらしめていただくのはやはり国会だと、かように考えておるのであります。私どもは事務的には各方面にこれなら説明ができる、こういうことで提案をいたしております。
そこで、基本的な問題として、端数のものをやはり救う場合に、大きいものが救われるということもあるのじゃないか。これは大きいものを救う場合に端数のものも救われるという見方もあるのでございますが、私どもが取り上げたのは、そういう意味で取り上げたのではないということを、私は重ねて申し上げる次第でありまして、私などこの問題についても、会社の内容など今初めてここで事務当局から説明を聞いている程度でございまして、内容などはあまり詳しくは、私も存じておりません。その点を御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/43
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044・平林剛
○平林剛君 まあ私は、この法律案は、ただいま申し上げた点で、政府に検討をしてもらいたい。強く希望をいたすのであります。そこで、私、資料を要求したことを思い出しましたよ。委員長、私、政府に対しては資料の要求をしてあったのです。今お話しした個人、法人のベスト・テンを出してくれということを言ってあるわけなんです。あなた方は忘れちゃったでしょうが、とにかく私は、今御説明がありましたけれども、わからない。これは一つ文書で出してもらいたい。今大蔵大臣お話しになったので、初めてわかったのですよ。今のパーセントなんというのは、私は初めて聞いた。これは当然資料として出してもらわないと、われわれ正しい判断ができない。これは資料で一つ出してもらいたいということをお願いいたします。資料の内容は、おわかりのように、ベスト・テンですよ、法人と個人のベスト・テン。
それから、今度は質問でありますけれども、先ほど在外公館の借入金の返還ですか、この法律が憲法違反として訴訟で負けたと。政府はこれで争っておるということを承知しましたが、もし、かりにこれが憲法違反なりと認定をされたときは、政府は今後どういう措置をとられる考えでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/44
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045・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 今の資料の問題でございますが、この前の接収貴金属の際も、あれは秘密会議で資料を旧したように思いますが、今回のこの問題も、その点は御協力をぜひ願いたいと思うのですが、今の資料を出すこと、私ども別に拒むわけではございません。そういうように御了承をいただきたい。
第二の問題として、憲法違反という判決が下って、最終判決が確定いたしますれば、当然法律そのものももとへ返していかなければならないものでございますし、そういう場合について、過去の支払いそのものがどうなるか、それはその際にもう一度考えていきたいものだ、かように思います。問題は、期間が相当長いということを最初御指摘になりましたが、こういう点をも含めて、私どもが十分正確を期し、処理して参るということにならないと、周知徹底もさることですが、正確を期することの方が第一でございますので、そういう意味で期間も相当長いものをとっておるというように御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/45
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046・平林剛
○平林剛君 大きな法人、会社の名前は、すでに政府がこの委員会で公表されておる。だから、私はこれを秘密にする理由というのはないと考えているんですが、先般の委員会で政府の方から積極的に会社の名前をあげて御説明があったのです。だから、私は今度の二十億円の国債が、日本鋼管や神戸製鋼、あるいは東京瓦斯というものに返還されるということを承知いたしておる。大蔵大臣、非常に御配慮の結果、秘密会議がよろしいとおっしゃられるけれども、これは政府の方からお話があったことで、秘密にする必要はない。
むしろ正々堂々と国民の批判を受けて、当然返還すべきものなら何も秘密にしないで、国民の批判を受けるべきものだと私はこう思うので、特段に秘密にする必要はない、かように考えておりますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/46
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047・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 今の点ですが、今まで金額はあまり申し上げなかった、かように申しておりますが、会社の名前を、順位をつけて言ったり、個人を言うことなら、この席で直ちに御披露していい。ところが、金額は……。東京瓦斯はむしろ皆さんの方が御存じだったというように伺いますので、この金額そのものが、ただいまの段階は概算でございますし、こういうことが出ることはあまり賛成したことじゃないように思うのです。その意味で、先ほど来申すように、接収貴金属でも特に秘密会議をお願いしたのだから、同様な扱いが願えぬかということでございます。私、今ベスト・テンの名前を言えとおっしゃれば、ベスト・テンの名前だけなら、一応私どもが概算でかように考えておる、そこでつけた順位を、その順位について申し上げることはできます。その辺で御了承をいただければ、私ただいま申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/47
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048・加藤正人
○委員長(加藤正人君) ちょっと平林君に伺いますが、名前だけでなく金額まで必要ということならば、一応秘密会にして……。どうしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/48
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049・平林剛
○平林剛君 私は、こんなものは秘密にする必要はない、かように考えておるのです。何で秘密にするか。一部の人はすでに知っておるのですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/49
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050・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 接収貴金属の例もありますから、そう理屈をおっしゃらないで、先例もあり、どうか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/50
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051・加藤正人
○委員長(加藤正人君) そうしますと、政府はそう言われるし、平林君はそう言われる。時間をセーブするために、早く秘密会にした方が手っとり早いと思う。この際秘密会にいたします……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/51
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052・平林剛
○平林剛君 ちょっと待って下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/52
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053・小酒井義男
○小酒井義男君 秘密会に入る前に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/53
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054・加藤正人
○委員長(加藤正人君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/54
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055・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 速記をつけて。
名前だけ、とりあえず。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/55
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056・賀屋正雄
○政府委員(賀屋正雄君) 返還政令の適用を受けまして返還を受けます法人で、私どもの推算で金額の順位で十位までを申し上げますと、第一が日本鋼管、第二が産業設備営団、これは閉鎖機関でございます。それから第三番目が東芝でございます。第四番目が日本統計会計機株式会社、五番目が石油配給株式会社、六番目が神戸製鋼所でございます。七番目が東京瓦斯、八番目が台湾銀行、九番目が日本造船、十番目が横浜市でございます。それから個人は、一番目が大場金太郎、二番目が平田……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/56
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057・平林剛
○平林剛君 個人はけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/57
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058・賀屋正雄
○政府委員(賀屋正雄君) よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/58
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059・平林剛
○平林剛君 私は、この法人の十社、ただいまので承知いたしました。おそらく、数字を調べないとわかりませんけれども、二十億円の大多数はこれら法人のところに充てられるものに相なっておると、かように思います。もしそうだとすると、この点は、やはり先ほど大蔵大臣が言われたような精神とは相反しておる。この金額が、私、この法律案に対する成否を握っておる、かように考えておりますので、委員長はあと適当な機会に、これを私に承知をさしていただけるような配慮をしていただきたい。先ほどの大蔵大臣の答弁は、明らかに経済的にも困っておられる人、あるいは非常にお気の毒な人に対するための法律だと、こう言われました。しかし、おそらく金額いかんによっては、その御説明を撤回するか訂正をしてもらわないというと、法律提案の実体を備えていないということに相なりますから、数字が問題になります。あとで一つ、これを私承知いたしたいので、御配慮願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/59
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060・加藤正人
○委員長(加藤正人君) そこで、平林君に伺いますが、あとというのはいつの機会ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/60
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061・平林剛
○平林剛君 それは適当に、委員長、判断して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/61
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062・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 今の法人だけで、大体八億ちょっとくらいの金額。それで、総体から見ると、四割というような金額であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/62
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063・平林剛
○平林剛君 八億円。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/63
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064・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) ええ、八億くらいの金になるようです。それで、全体のパーセンテージから見ますと四割程度、四〇%、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/64
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065・平林剛
○平林剛君 そうすると、個人の方はあとでお聞きしなきゃなりません。個人はあとでこまかくお聞きします。それは、個人ベスト・テンは総体の何%を占めていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/65
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066・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 大体、この個人の今のベスト・テンで一番大きいものが、まず一千万です、金額といたしまして。そこで、大体まあ総体として一%程度じゃないかと思います。今の法人の二%。法人のベスト・テンと個人のベスト・テンを合計すると、大体四一%ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/66
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067・平林剛
○平林剛君 先ほどの話で、少額一万円のものが二千百人、これが二千百万円。ただいまの法人ベスト・テンで八億円、個人ベスト・テンで一千万円ということになりますと、あとはどういうふうになっておるのかわからない。おそらく、同席の議員全般、わからないと思うのです。わからないものは、やっぱり資料として提供していただかないと、正しい判断というものはできません。委員長は資料を委員会に提出するように御配慮願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/67
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068・加藤正人
○委員長(加藤正人君) それで、私の申したように、秘密会を開けばすぐ立ちどころにわかって審議を進めるわけにいくのですが、いかがですか。もう時間からいえば、十分もあればできることなんです。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/68
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069・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/69
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070・平林剛
○平林剛君 ただいま、私、法人の中で一つ非常に疑問に思いますのは、閉鎖機関が第二位を占めておるということです。この産業設備営団なる閉鎖機関というものはいかなるものであるか。特に私これをお尋ねするのは、接収貴金属の処理に関する法律案のときに、返還を受ける日本金属株式会社というのが、これまた閉鎖機関たる法人ですよ。一億円の資本金があって、払込金はわずか五百万円、その会社に十二億七千四百万円の金、銀、ダイヤモンドなどが返還をされておる。この閉鎖機関はおそらく清算を完了しておると思うのです。その清算が完了しておるところの会社に、先般は十二億七千四百万円が返還をされた。これは一体どういうふうに処理されるかということを、私は今後の課題として、きわめて興味をもって見ておるのであります。しかるに、今回また産業設備営団、閉鎖機関たる法人にこの債券が渡されるということになりますというと、ここは一体どういう会社で、現在どのようになっておるかということをわれわれは承知いたしませんというと、なかなかこの法律案は、責任を持って審議を完了するというわけには、どなたもいかないのじゃないかと思うのです。ここで御説明をいただければ説明していただきます。後ほど資料を提供していただければ、資料の提供を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/70
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071・賀屋正雄
○政府委員(賀屋正雄君) 産業設備営団は、戦時中にございました特殊法人でございまして、政府の出資が五四%ということに相なっております。そのほか農林中金等でございます。これは清算が完了しておるではないかというお話でございますが、そうではございませんで、ただいまやはり特殊清算人のもとにおいて清算を続けておるのでございまして、まあほぼ債権債務の整理は終っておりますが、この関係の補償金を待っておるというような状況でございまして、この関係の補償金を受け取れば、大体この債権債務の整理を終って清算を結了することに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/71
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072・平林剛
○平林剛君 どうも、資料を提供しないで、しゃべってしまって済まそうという考え方のように見受けられるのは、まことに遺憾で、かような審議の仕方はわからない。今聞いたことを他の委員がはっきり覚えていて、私に説明してくれるくらいみんなが理解していれば、私だけが頭が悪いということになるので、これ以上言いませんけれども、しゃべっただけではなかなか記憶に残らぬですよ。ほかの委員の人もおそらくそうだと思うので、私だけが頭が悪いわけではないと思う。そうすれば、これは速記につけてあるから、その速記録を見て検討するということもあり得る、こういうことなら私理解できますけれども、委員長、私らが十分審議できるような配慮をしてもらいたいということを、このときにおいて希望しておきます。
その次にお尋ねしますけれども、先ほど、在外公館に対する問題の処理が憲法違反になったら、憲法違反という判決が下されたら、最高裁判所のその決定に従って政府としても何らかの検討をしなければならぬだろうと、大蔵大臣がお答えになったのですね。まあ今日第一審、高裁におきましては、これは政府の敗訴になっておって、政府としても先ほど御説明があった通りの見解をもって今後対処せられると思うのです。しかし、私は、今度の法律と先般のこの法律とは違うのだという見解が、まだわからないのです。私は、先ほど申し上げたように、少数の法人を利益させるような結果に相なるから、これを最高の頭をとめて処理をするようなことにしたらどうか。しかし、これが憲法の違反であるというようなことに相なっては、われわれも憲法を順守しなければならぬ立場でありますが、どうも議論があると思います。しかし、私は、さきの法律に対して政府が抗弁をできると言うならば、今度の問題についても、頭で切っても十分それに対処すべき理論というものがあるのじゃないか。あなた方がお持ち合せがなければ、別の政府の法律問題を検討する機関は同様な見解を持つかもしれない。あるいは他の法律学者は私の主張を助ける理論を、学理的にも持っておるかもしれない。こういう国民の声というものも聞いてみたいと私は思うのです。これについては、今とりあえずあなた方の見解としては、どういう根拠だから前の法律とこれとは違うというふうにお考えになっておられるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/72
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073・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 在外公館で敗戦直後金の借り方をいたしまして、これはまあ敗戦直後の混乱だから仕方がない、こういうことはあるかわかりませんが、本来政府自身が金を借りる場合にそういう独断専行があるわけではございません。これはもう国会の審議というか、それぞれの手続を経なければならぬ、こういうことでございます。これはおそらく、在外公館で金を借りたといわれますが、そういう実際的な処理として、こういう引揚者というか、居留民というか、そういう方の便宜をはかるという意味の金を借りたという筋のもので、そこで政府があらためてそれを今度は五万円までは政府の責任として処理いたしましょうというのが、前回のあの法律の制度であります。従いまして、もちろん、現実におれは貸したのだ、こういう債務証書というか、債権証書を持っているのだ、こういうものがあったり、そのときの事態を明確にするようなものがありますと、あるいはもっと政府は支払えという議論が成り立つでございましょうが、一般的な建前としては、政府自身の本来借りたものじゃない。それをまあ政府が、さような言い方はずいぶんひどいから、金額を限ってその意味において処理しようという再確認、その確認したものは五万円だ、こういうことに私どもは考えておるのでありまして、そういう意味で裁判においてもこれは戦っておるわけであります。
ところが、今回の問題になっておりますのは、有体財産、それの接収、それの補償、こういう問題でございますから、これは当然の権利義務が生じておる。それが基礎がポツダム政令であろうが、非常にはっきりしておるものでございます。ここに権利の関係が生じたもとが違っておるということが扱い方の相違を来たしておるゆえんです。この意味から申しますと、今回の処置について将来不当だとかどうだとかという議論があった場合には、おそらく倍率が適当かどうかという議論になるだけだと思います。しかし、この倍率の問題になってくれば、私は、立法府がこれを倍率を裏書きするということによりまして、これはりっぱな法律として、いわゆる問題が起るとは思いませんし、起りましても私どもは必ず勝ち得る、かような確信を持っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/73
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074・平林剛
○平林剛君 先回の法律と今回の法律で少し違う点が一つある。それは憲法上の理論ではありません。政府の今日までの説明では、十の法人の中で、これは他にも法人があるのでしょうけれども、今日はまだ請求をしていない。この点が違うのですよ。前の問題については、全般が強く要望して一つの運動になって、それで政府としても考えられたという点があるのですけれども、私の聞いておったのでは、まだどの会社も請求をしていないと聞いておる。そうですが。実際問題として、先ほどお話しになった十の法人は堂々と請求をされておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/74
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075・賀屋正雄
○政府委員(賀屋正雄君) 請求がまだ出ていないというお話でございますが、請求はこの法律が施行されましてから正式に出るわけでございます。御要望は伺っておりましたが、幾ら請求していいか、そういったこともわかりませんので、もちろん請求は出ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/75
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076・平林剛
○平林剛君 だから、政府の方がおぜん立てをしてやっておる法律だと私は言うのですけれども、これらの人はおそらく権利を放棄しておるのですよ。それを何もおぜん立てしてやる必要はないじゃないかというのが、私がこの法律に対してどうも賛成し得ない理由の一つです。これは別です。
ところで、これから請求があって審査をするときに、接収貴金属の法律案の中では、これを合理的に正当に審議するために委員会が持たれましたね。ところが、この法律案にはそれがないのですよ。たとえ二十億円といえども、倍数その他、二千何百名というこまかいことをやるのに、だれがやるのかという問題が起る。だれがやるのですかによっては、その人の頭かげん、さじかげんによって、私らの目の届かないところでやる場合に、何かありはしないかと疑うのはまことに失礼なことだと思いますが、やはり政府がこういうときには何かの委員会を設けてここでやりますという正々堂々たる態度をもってやられることが、われわれを納得させる一つの道でもある。しかるに、今回の法律案としてはそういうことがない。私は、提案としてはそういう委員会を設けてそこで審査をすべきであるということを主張するのが、与党の議員さんの当然の主張としてあると思うのです。私は、そういうことについて今日政府がなぜ配慮をしていなかったかということを聞きたい。だれがそれをやるかということを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/76
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077・賀屋正雄
○政府委員(賀屋正雄君) 今回の補償の仕方は、この法律をごらんになると明らかなように、返還義務者が当初敵産管理人から財産を買い受けましたときに支払いました代金を基礎といたしまして、それにこの法律で別表で掲げております倍率を機械的に当てはめまして、補償金額をはじく、こういうことになっておりますから、接収貴金属の返還の場合のようなむずかしい認定の仕事はないわけでございます。敵産管理記録でありますとか、それから返還されましたときの記録でありますとか、売却しましたときの受け取りでありますとか、そういった諸般の資料さえはっきりしておりますれば、それによって数字的にこの金額を当てはめて掛算をすれば出てくるという問題でございますので、特に審議会等の制度を設けなかったわけでございます。従いまして、その仕事は当然大蔵省がやっていくということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/77
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078・平林剛
○平林剛君 大蔵省としてはそういうお考えのもとでありましょうけれども、私は、やはりこれらの問題を取り扱うときには、かりにも二十億円に上る金額を処理するときですから、特別の機関を作る方が慎重な配慮ということで適当ではないかと思うのですが、冒頭、大蔵大臣も、これらの問題については公正に慎重を期するという建前で、二ヵ年間の期間を置いたり、あるいは特別の措置を講じたいということを、その建前にしておられるのです。そういうお話が基本的な考え方であると受け取れば、当然それに従って適当な委員会を作って、そして審査をするということがより公正ではないだろうかと私は思うので、そういうやり方をとるべきである、かように思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/78
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079・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 実はこの案をこしらえます際に、委員会を設ける要がありやいなやということをもちろん考えたのでございますが、多くの場合は評価委員会というような制度を設けておりますし、また役所がやります場合においては、そういうことを考えるのが普通でございます。従いまして、今回の処置についてそういうものがないということに疑問を持たれるのは当然だと思いますが、先ほど賀屋君から説明いたしましたように、もともとその基礎資料があるのでございますから、これに対して倍数をかけていくということでございますから、これは自然に当然計算上出てくる数字であるということでございますので、特に委員会を設けて問題をいろいろ評価委員会の手かげんで左右するようなことの方が、むしろ望ましくないのじゃないか。ことに、事後の問題ではございますが、会計検査院という制度がございますから、この会計検査院において、事務当局の処理が適正なりやいなやということについては、十分御審議をいただく、これで建前としては一応十分であるということで、最終案を決定いたしたような次第でございます。従いまして、私ども現在の段階における特殊な委員会を設ける必要はない、かように考えておりますが、もちろん、この法律ができ上りまして実施する、それに際しまして必要を感ずるならば、私どもは委員会を絶対に作らない、かようにがんばる筋のものではございません。だから、その点は十分実施の状況といいますか、この問題が取り上げられた後に、さらに私どもが工夫を要するならば工夫をしてけっこうな問題だと思います。
ただ、私申し上げましたような事柄が、これこれの財産について補償すると申しましても、もとの金額というものがあるのでございますから、それを基準にして倍率をかけていく。そしてそれが適正に行われたかどうかということは、事後ではあるが、会計検査院から十分検査を受けるので、もうそれで十分ではないかという実は考え方でございます。その考え方が不十分で、もう少し念を入れろとおっしゃった場合に、これは念の入れようが比較的ない問題のように思うのです。委員会として取り上げる裁量の範囲があまり考えられない、こういう点で委員会を設けないという実は結論を出したのであります。しかし、私、この段階になりまして、この委員会は絶対反対だと、かようには申し上げません。従いましてこの法律ができ上った後、なお十分工夫の余地を感ずれば、皆さま方の御要望に沿って差しつかえない、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/79
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080・平林剛
○平林剛君 また、この問題については別に相談をいたしまして、委員会としての結論を得たいと、私はかように考えておるのです。
次に、お尋ねをいたしたいのは、先ほど大蔵大臣のお話があった中に、請求をせない者、権利を放棄することもあると言われましたが、これはそのときのことで言われたと思います。しかし、この法律で請求せない者については、これはおかまいなしという考え方で法律は解釈してよろしいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/80
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081・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) これは二年間たてば請求権がなくなるという建前でございますが、そこで問題なのは、小さな権利者というものの方が請求するかしないかということが、非常に問題だろうと思うのであります。ことに、一万円以下というような、金額の少額の場合だと、手続が煩瑣だとか、一々一万円でも評価委員会にかかるというようなことになりますと、なかなかうるさいやというような問題が、相当もうたっておりますだけに、あるのじゃないかと思います。従いまして、この点で、先ほど御指摘になりましたが、相当の実施期間を置いてのPRといいますか、そういうものが必要だ。十分周知徹底さすというこの必要は、むしろ少額な人にあるのでございまして、私ども、先ほどの表現で、大きいものが権利を放棄する者よりもおとりなっていると、この点は実際とよほど違っております。私どもが心配いたしますのは、少額な権利者、これに対する補償が十分いくかいかないか、これによって制度がうまく目的を達したかどうかということになるのでございます。その意味においては、周知徹底ということを十分心がけて参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/81
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082・平林剛
○平林剛君 だから、私もその点は非常に疑問に思うんですよ。大蔵省なんというようなおっかないところへ、やたら手続をとって、時間はかかる、めんどうくさい、結局放棄される国民が相当たくさんあるのじゃないか。そうなると、残ったものは、人はたくさんあるし、社長みずからやらなくていいんだ、社員にやらしておけというようなところが、結局この法律を有効に使うということになってしまって、大蔵大臣がお考えになっている、困っている人を救うという法律案にはなつちゃいない。私がへそ曲りかもしれませんが、だんだんそういうような性格になっているのじゃないかと、これは思うんです。
それは別にいたしまして、いずれにしても、この法律を実行いたしますと、私はあとで不服がたくさん出てくるだろうと思います。特に欲の皮の突っ張ったというと語弊がありますけれども、こういう方には、強い主張をするというようなところはおそらく問題がある。そこで、第六条に、不服の申立は六ヵ月以内でやりなさい、第三項には、大蔵大臣は、特にやむを得ない理由があると認めるときは、この期間を経過した後でもいいのだということになっております。まるでこれは法律を何のために作ったのかわからないような規定があるんです。これは一体、大蔵大臣は、どういう場合を予想されてこんな法律を作らしたのですか。「特にやむを得ない理由があると認める」というのは、どんなときですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/82
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083・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほどから、権利者が権利の上に眠るということが場合によったらあるだろうということを申しましたが、当方の、事務当局の考えでは、一応この権利者というのは、これはもうリストでわかるということでございますので、当方から通知をするつもりでいるわけでございます。しかしながら、相手方に連絡をとれないような場合もありはしないか。それはもう相当古い期間でございますから、そういうような意味で、一応の請求権としての連絡は十分とれても、処置しないというのと、連絡がとれない、こういうようなものがあるだろう。従って、法律とすればずいぶん体裁が悪いが、ただいまのような書き方になっているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/83
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084・平林剛
○平林剛君 どうも、この法律は、私は何のことかよくわからない。一応きょうは第一次の質問としてこの程度にいたしておきまして、次に返還を請求する権利者でございます。私はこれに非常な疑問を持っているんです。最初連合国財産が返還された、その人が非常に損失を受けたということはわかるのであります。しかし、最初敵国財産を民間に払い下げたとき、土地とか建物、これが次々に他に転売をされたということがあるじゃないかと思うのです。で、私は、国有財産を払い下げるときには、当時はどういう事情のもとに行われたか承知いたしません。しかし、国有財産を払い下げるときには、一定の目的のためにこれを使うというただし書きを一本とらして、これが他に利用されるときには返してもらうというような規定が現在の法律にあると記憶いたしておるのです。そうすると、これを転売されて、今日補償する人は最初の払い下げを受けた人とは違う場合が想定されるのですが、こういう事案はどのくらいありますか。そしてまた、そういう場合は、国家はこれを補償するということは、法にそむいておるということに相なって、お気の毒ではあるけれども、これは権利者として認められないと、こういうふうに考えるべきだと私は思うのですけれども、法律的の解釈はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/84
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085・賀屋正雄
○政府委員(賀屋正雄君) 返還政令関係で申し上げますと、請求権者の人数が千三百七十九人と相なっておりますが、そのうち第一次取得者、つまり敵産管理人から買い受けまして他に転売しない間に返還をさせられた人が千五十二人と相なっております。第二次取得者、転売を受けました者が三百二十七人。大部分は第一次の取得者でございます。今国有財産についてお話がございましたが、これは国有財産では全然ないのでございまして、敵産管理人が処分をいたしたものでございまして、国有財産とは関係のない話でございます。国有財産につきましては、なるほど御指摘のような事例がございますが、それとは全然関係ないということを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/85
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086・加藤正人
○委員長(加藤正人君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/86
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087・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 速記を始めて下さい。
では、再開いたしまして、すぐ秘密会をいたしたいと思います。政府関係者、事務当局以外の方は御退場願いすす。
午後一時十一分秘密会に移る発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/87
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088・加藤正人
○委員長(加藤正人君) これより秘密会に入ります。
速記をとめて下さい。
午後一時十二分速記中止
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午後一時四十四分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/88
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089・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 速記を始めて下さい。
これにて秘密会を閉じます。
午後一時四十五分秘密会を終る発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/89
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090・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 引き続き、質疑を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/90
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091・平林剛
○平林剛君 私は、最後に大蔵大臣に対して二つの点をお尋ねをして、今後政府がこの法律案を実施する場合に十分配慮してもらいたいという点を申し上げたいと思います。
一つは、大蔵大臣は、この法律案が、経済的にも大へん気の毒であり同情に値する人がある、しかもその大多数は少額の損失を受けた人たちである、こういうお話がございました。そこで、私どもがこの法律案に反対をしておる重要な根拠は、それにもかかわらず一部の法人にかなり大きい金額が返される、これはただいま数字を聞きましたからほぼ概要はわかりましたけれども、結果的に見まして、どうもこの法律は大蔵大臣の説明通りにならなかった。少数の大法人に対しておぜん立てをして恩恵を与えるような結果になりました。こんなことにならないような配慮を、政府は法律施行全般にわたって配慮すべきであると、私はこう思うのであります。この点について政府はどういう考えであるか、これを私はお聞きいたしたいと、こう思うのであります。これが第一点です。それから第二点は、政府は、この法律案については公正を期したい、しかも相当長い期間を置いたのは慎重に問題を取り扱うためだという説明がありました。一応これを私は前提として、もしさようなお考えであるならば、大蔵省の中に適当なる委員会を設けて、文字通りそれが執行せられるように、こういうことを強く要望いたしたいのであります。政府は、もちろん会計検査院があるから大丈夫だというお話がありましたけれども、しかし念には念を入れて、少しでも国民に疑念を持たせないというためには、そういう委員会の設置を私は必要と考えるので、こういう配慮をすべきだ、これを要望いたします。政府の見解はどうであるか、この二点について、私は大蔵大臣の責任あるお答えを聞きたい、こう思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/91
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092・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 第一点でございますが、この種の制度を設けますと、この制度が公正に行われること、これは十分大蔵省として責任を持つことは当然であります。そこで、今日まで大蔵省といたしましては、すでに詳細な資料を持っております。その資料に基きまして、関係者の請求が出ることを待つというようなことなしに、積極的に当方から権利者に対して漏れなく周知徹底の方法を講ずる考えでございます。ただいま平林委員の御指摘になりますように、この中小の権利者に対して疎漏がない、残りがないようにすることが、私どもの政治の大きな目標というか、目的である、かように考えておりますので、こういう意味では十分現在あります資料でトレースができるようでございますから、この権利者を的確につかまえまして、そして漏れなくこの手続を終了するようにいたしたい、そうして公正なる執行、これを十分に責任を持って執行に当りたい、かように考えております。
第二の問題の審議会につきましては、先ほど一応御説明いたしましたように、私どもとしては一応の目安はつけておりますが、ただいま御指摘になりますように、法律に基かない審議会を設けるということについては、何かと御議論はございますが、社会党の方も十分、どういう名前か、審議会か懇談会か、とにかく適正な委員会を設けて、そしてこれに対処しろ、こういう強い御要望であるように伺いますが、まあそういたしますと、全会一致の御要望だということになれば、これはもう政府といたしまして、当然国会の御意思は尊重する考え方でございますから、どういうものを工夫いたしますか、この実施に当りまして、基本的な方針なり運用方法なりはすでにこの法律できまりますから、問題は、この各界の方に集まっていただく委員会等においては、この算定が十分適正なものであるという、こういう意味の働きをしていただくようなものを、私ども工夫することに決してやぶさかではございません。この点を申し上げまして、実施案をいかに考えますか、十分事務当局等とも相談をいたしまして、この実施に関する委員会ということになるだろうと思いますが、そういう意味のものなら、行政監察といたしましてもあえて法律に基く要はない、かように考えますから、そういうものも一つ工夫いたしまして、公正な取扱いを期下るというところに重点を置いて、このどういう名前をつけますか、それは一つまかしていただきたいと思いますが、部外者の協力を得るような措置を一つ講じて参ることにいたしたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/92
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093・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 委員の異動について御報告申し上げます。ただいま委員梶原茂嘉君が辞任されまして、補欠として田中茂穂君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/93
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094・加藤正人
○委員長(加藤正人君) ほかに御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/94
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095・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 御異議ないものと認めます。
これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/95
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096・平林剛
○平林剛君 私は、社会党を代表して、連合国財産の返還等に伴う損失の処理等に関する法律案に対して反対の意見を表明いたしておきます。
この反対の理由につきましては、先ほど大蔵大臣との質疑応答におきまして各点からその論拠を述べておきました。まず第一に、私は、この法律案が成立を見まして、損失を受けた国民に対してこれを補償するということに相なりますと、これが各方面にはね返りまして、その結果、政府はこれを戦争処理の最終的なものとすると説明をされましたけれども、今後に悪い影響を残すのではないかという点が懸念をされます。これが第一の反対の理由であります。
同時に、これを、もし政府がまだ返還の請求もない法人その他に対しておぜん立てをして返還措置をとるということに相なりますと、国民の中に先ほど私がおそれたような動きが出てくる。同時に、不合理な面が後に発見をされるのではないかということを大へんおそれるのであります。
第三は、この法律によって補償すべき基準が定められておりますが、これも、返還を要望される国民との間に意見の対立がすでに見られておるのでありまして、後に国民が憲法上の権利として補償を要求されたときに、私はこの法律案の基準に対して責任を持つことができません。後に争いとなって立法府と司法との間に問題を提起するというようなことが予想せられると、これに対して、私どもは、今日の段階、審議の実情から見ましては、責任を持つことができません。そこでこれは反対をせざるを得ないのであります。
同時に、法律の施行に当りまして、私どもは今二点について政府に善処を求めて、政府はこれを受け入れ、私どもの意のあるところを実施されるということは了承いたしました。むしろ、これは当然の措置であるというべきであります。
特に、最後に、私、一段と声を大きくして希望しておきたいことは、この法律案によりまして返還を受ける大きな法人、これらと政府与党との結びつきであります。私は従来政府に対して、常にこれら法人が政治献金その他の面において政府を支援をしておるという実情を、政府の発表する数字でも承知をいたしておるのでありますが、私、今日多大の疑念を残しながら審議を終了した経過にかんがみ、政府が後にいやしくも国民からうしろ指をさされるようなことがないことを、これは特に社会道義上の見地から要望いたしておきます。後にこの点が指摘をされることのないように特に希望いたしまして、以上の理由をもって私は法律案に対する反対の理由といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/96
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097・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/97
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098・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 御異議ないものと認めます。
これより採決に入ります。連合国財産の返還等に伴う損失の処理等に関する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/98
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099・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/99
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100・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/100
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101・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 次に、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
御質疑のある方は、順次、御発言を願います。
この際お諮りをいたします。酒類の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、会期も切迫し、会期中に審査を完了することは困難でありますので、継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/101
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102・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、要求書の作成は委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/102
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103・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/103
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104・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
租税及び金融等に関する調査の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし上と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/104
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105・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、要求書の作成は委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/105
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106・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/106
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107・加藤正人
○委員長(加藤正人君) これより請願の審査を行います。
審議を促進するため、速記を省略いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/107
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108・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認めます。さよう取り計らいます。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/108
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109・加藤正人
○委員長(加藤正人君) 速記をつけて。
では、これにて散会いたします。
午後二時六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114629X02719590428/109
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