1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年十二月十六日(火曜日)
午前十時二十九分開会
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出席者は左の通り。
委員長 田中 啓一君
理事
大沢 雄一君
占部 秀男君
鈴木 壽君
委員
植竹 春彦君
小柳 牧衞君
館 哲二君
成田 一郎君
本多 市郎君
吉江 勝保君
加瀬 完君
森 八三一君
国務大臣
法 務 大 臣 愛知 揆一君
政府委員
自治庁選挙局長 兼子 秀夫君
自治庁財政局長 奧野 誠亮君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
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本日の会議に付した案件
○地方公共団体の議会の議員及び長の
選挙期日等の臨時特例に関する法律
案(内閣送付、予備審査)
○公職選挙法の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
○地方行政の改革に関する調査の件
(町村合併に伴う都道府県議会の議
員の選挙区の画定に関する件)
○昭和三十三年七月、八月及び九月の
風水害により被害を受けた地方公共
団体の起債の特例に関する法律案
(内閣送付、予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/0
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001・田中啓一
○委員長(田中啓一君) これより委員会を開きます。
先ほど理事会におきまして、本日の日程を相談いたしましたので、あらかじめそれを報告いたしまして、御承認を得て進めたいと思いますが、ただいま当委員会には風水害関係の法律一つ、選挙関係の法律二件、三件が予備審査として付託になっております。そこで、前回に風水害関係の法律につきましては提案理由の説明を一応伺いました。そこで、まず残りの選挙関係の二法案の提案理由の説明をしていただきまして、そのあとで風水害関係の法律の質疑に入りたいと存じます。
まず、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案及び公職選挙法の一部を改正する法律案を一括して議題に供します。
政府より提案理由の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/1
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002・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) ただいま議題となりました地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げたいと存じます。
御承知のごとく、都道府県及び市町村を通じて、全国大多数の地方公共団体におきましては、議会の議員及び長の任期が、明年四月または五月をもって満了することとなるのでありまして、現行法によりますれば、その任期満了前一カ月以内に多数の地方選挙が集中して行われることになるのでございます。
政府といたしましては、前例にもかんがみまして、これら多数の選挙の円滑な執行を期するとともに、国民の地方選挙に対する関心を高める意味におきまして、これらの選挙の期日を統一して行うことが適当であると考え、この法律案を提出した次第であります。
この法律案の内容は、前回提出いたしましたものと全く同じでありますが、以下、その概略について御説明申し上げます。
第一に、期日を統一する選挙の範囲につきましては、明年四月及び五月中に任期が満了することが予定されている地方公共団体の議会の議員又は長の任期満了による選挙を行う場合と、これらの議会の議員又は長について選挙を行うべき事由が発生し、四月中に選挙を行うこととなる場合並びに明年四月及び五月中に任期が満了することが予定されていない地方公共団体の議会の議員又は長について選挙を行うべき事由が発生し、四月中に選挙を行うこととなる場合について、これらの選挙の期日を統一することといたしておるのでございます。
第二に、選挙期日につきましては、都道府県及び指定都市の選挙にあっては、前例及び年度末の都道府県議会の会期との関係を考慮いたしまして、これを四月二十三日とし、市町村の選挙にありましては、市町村の選挙における立候補届出受理の事務と都道府県の選挙における投票及び開票の事務との関係を考慮いたしまして、これを四月二十八日とするとともに、これらの選挙期日を告示する日につきましては、各選挙の選挙運動期間が公職選挙法に規定する最短期間となるように、これを法定いたしたのであります。
第三に、この法律の規定により統一期日に行われる各選挙は、法律上当然に同時選挙の手続によって行うものとして選挙管理事務の簡素化をはかるとともに、統一期日に行われる選挙の候補者となった者は関係区域において行われる他の選挙の候補者となることができないこととして、重複立候補による弊害を除くことといたしたのであります。
なお、この法律の規定の適用を受ける選挙の手続その他その執行に関し特に必要があるときは、政令で特別の定めをすることができるものとし、選挙の円滑な執行をはかることといたした次第でございます。
以上が、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案の提案理由及びその要旨であります。
次に、公職選挙法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
この法律案は、最近における選挙の実施状況にかんがみ、その一つは立候補の手続及び要件に所要の改正を加えること。二つは、政党その他の政治団体の選挙における政治活動の規制を合理化すること。三に、その他選挙の管理執行に関する規定を整備することの三点を骨子として、公職選挙法に所要の改正を加えようとするものでありまして、施行の時期に関する規定を除いては、去る第三十回国会に提出いたしました同名の法律案と全く同じ内容のものであります。
次に、内容の概略について御説明申し上げます。
まず第一に、立候補の手続及び要件に関する改正であります。御承知のように現行法におきましては、郵便を利用して立候補の届出をすることも不可能ではないのでありますが、このような届出は、その受付の時期及び順序の認定、記載事項に不備な点があった場合の措置、受理した後における選挙運動関係物件の交付方法等についていろいろな問題を生ずるのでありまして、確実迅速を旨とする立候補の手続としては、まことに不適当であると考えられるのであります。そこで、今回の改正案におきましては、立候補の届出は、本人または代人が直接選挙長のもとに提出すべきものといたしたのであります。また、立候補届出書の記載事項につきましては、従来施行令で定めていたのでありますが、他の管理執行規程との関連もあり、これを法律で規定することといたしました。
次に、最近における選挙の実情をみますのに、町村長の選挙におきましても、いわゆる泡沫候補と称せられるような立候補がしばしば見受けられるのでありまして、この際、町村長の選挙について新たに供託の制度を設けることにいたしますとともに、既存の供託制度につきましては、その金額はおおむね二倍程度に引き上げることといたしたのであります。
次に、現行法におきましては、都道府県知事及び市町村長は、任期満了による選挙に限り、在職のまま立候補することが認められているのでありますが、このような独任制の執行機関の職にある者が在職のまま立候補いたしますと、公務の執行と選挙運動との区別があいまいになり、弊害も認められますので、選挙運動の公明をはかる見地から、これを禁止することといたしたのであります。
改正の第二点は、政党その他の政治団体の選挙における政治活動の規制の合理化に関するものであります。現行法上、政党その他の政治団体が選挙運動の期間中及び選挙の当日特定の政治活動をすることができる資格を取得するためには、一定数以上の所属候補者を有することが必要とされておりますが、その所属候補者の意義について法律上明確を欠いておりますため、政治運動の規制の取扱いにつき妥当を欠く点があったように思われるのであります。そこで、この点について明確な規定を設けるとともに、都道府県知事及び市長の選挙にお、ては、無所属として立候補し、特定の政党その他の政治団体の推薦を受ける場合が多いので、その選挙の実体に着目して、そのような推薦候補者を有する政党その他の政治団体についても、一定の条件のもとに政治活動の特例を認めることといたしたのであります。
なお、政治活動用ポスターの掲示につきましては、政談演説会と同じように、所属候補者を有する選挙区に限りこれを認めることといたし、また、政談演説会または街頭政談演説については、投票所周辺の静穏を確保するために、選挙の当日投票所を閉じる時刻までの間は、その投票所を設けた場所の入口から三百メートル以内の区域において、これを開催することができないようにいたしたのであります。
改正の第三点は、その他選挙の管理執行規定の合理化に関するものでありまして、その一は、基本選挙人名簿の調製期限を十一月十日、確定期日を十月三十日といたしまして、選挙人名簿調製事務のために十分な時間的余裕を与えるとともに、名簿登録資格の年令を暦年と一致せしめることにより、名簿調製の完璧を期することといたしたのであります。
その二は、衆議院議員及び参議院議員の選挙においては、選挙人名簿調製後他市町村へ住所を移しても選挙権は失わないので、これらの者に不在者投票を認めて投票の便宜をはかることといたしました。
その三は、開票立会人及び選挙立会人となるべき者の届出については、届出の便宜と適確とを期するため、市町村の選挙管理委員会に届け出ることにいたしました。
その四は、市町村長の選挙が行われる場合に、これと同時に行われる市町村の議会の議員の再選挙または補欠選挙は、当該選挙の執行に必要な準備期間を確保できるものに限り義務づけることにいたすとともに、選挙執行の手続としては、必ず同時選挙の手続によって行うことにいたしました。
そのほか、附則におきまして、ただいま申し上げました公職選挙法の一部改正に伴い、関係法律の規定の整備を行うことにいたしたのであります。
以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
以上、御説明申し上げました二件につきまして、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/2
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003・田中啓一
○委員長(田中啓一君) 選挙関係二法案につきましては、本日はこの程度にいたしまして……。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/3
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004・加瀬完
○加瀬完君 今御説明をされた直接の問題ではありませんが、選挙局長いらっしておりますから、ちょっと伺いたいのでありますが、本委員会で地方選挙特に都道府県議会議員の区割に関する法律が制定されたわけでありますが、各府県におけるその後の選挙区決定の状況を見ておりますと、必ずしもここで審議された、あるいは決定をされた法律の精神には忠実ではないと思われる節々が非常に多いわけであります。で、これらについて、自治庁は地方に対しましてどういう行政指導を施してきたか。特にこの十二月の県会では、ほとんどの所がもう区割が決定すると思う。で、あのときも、ああいう形の法律を作る結果として、現役優先のゲリマンダーみたいなものができちゃ困るということが地方の中にも言われたし、そういう点は、自治庁としては、任意合区その他いろいろな問題が説明の中にありまして、そういうことのないように行政指導に努めるというお話があったんだけれども、それで、私どもの見ておりますところでは、必ずしも地方においてはあのときの心配が杞憂に終ったとは言えない。心配がそのまま現実になって現われておる節々がありますので、それらの点について、十二月が終ればほとんど決定してしまうわけでありますから、そのときにまた、新聞などでもいろいろ問題になっておりますが、結局法律というものの精神が何も行われないような区割ができると困りますので、この点について、一つどんな行政指導をしてきたか、お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/4
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005・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) お答えいたします。第二十九国会に、都道府県会議員の選挙区につきまして、公職選挙法第十五条の規定の改正が行われたわけでございまするが、この都道府県会議員の選挙区の従前の「郡市の区域による。」という原則をどう考えるべきかということにつきましては、当時選挙制度調査会にもお諮りをいたしまして、最近の町村合併の状況から、はなはだしい郡は六つの地区に分れておる。いわゆる飛び地の状況を多数呈して参りましたので、その処理をいかにするかということを研究していただいたわけでございます。その研究の結果、「郡市の区域による。」という原則は一応生かしまして、しかもなお、飛び地というものは、それぞれのその地勢、交通等の状況から一単位として考えることが可能な場合はそれでも考えていこう。従いまして、その基準といたしましては、その地区の人口が〇・五未満の議員配当数になります場合には、これは強制的に合区しなければならぬ。〇・五以上あります場合は合区してもよろしいし、それから合区しないでもよろしい。いわゆる任意合区と申しますか、そのような制度をとったものでございます。従いまして、府県は、その実情によって、従来の郡の境界と申しますか、郡の境というものを尊重しながら、実情に合わした選挙区の作成が可能となったわけでございます。ただ、具体的に選挙区を作ります場合に、御指摘のような心配がありやしないかという問題は考えられるわけでございますが、しからば、この郡市の区域によって、しかも飛び地を一つの単位として考え得るという方策以外に具体的にいかなるものがあるかという、従来の「郡市の区域による。」という原則そのものでいくのか、あるいはもう全然その原則を離してしまって、市町村でもって、市町村単位に選挙区を作るという別個な原則にするかどうかという問題が当時研究されたのでございますが、そのような原則は、ともに町村合併の結果とり得ないのではないかということから、ただいま申し上げたような現行法の原則が採用されたわけでございまして、府県には、この最近の町村合併の実情から、結局は、選挙区につきましては、府県住民の意思によってきめる問題でございますが、住民の批判に十分こたえるような公正な態度で選挙区の区画の条例を作らなければならぬということは、十分この法律が通過いたしましたときに徹底をはかっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/5
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006・加瀬完
○加瀬完君 徹底をはかっておると言ったって、事実は、一つもあのときここで論議されたような問題点あるいは法律の目的として自治庁が説明したような条件が各地域に参りますと満たされておらないということを私は問題にしているのです。たとえば、郡市の原則というものでいけるならば、何もあんな改正をする必要はなかった。郡市の原則というものでは、町村合併で変化が起った今日ではできないから、そこで清合区をする。強制合区の条件にはならないが、少くとも任意合区を行わなければまずいであろうということで、任意合区の性格というものも入れたわけです。従って、飛び地で、どう考えてもこれは郡市の原則ではやれないというところは、任意合区の精神というものが相当生かされていると思う、第三者として考える県の地方課なんかの考え方としては……。ところが、郡市の原則というものをそのまま貫くことを考えておって、あの法律で考えた任意合区の精神というものをすっかり忘れておる、こういうものを原案として出してきておるような府県がかなりある。それが結局現職の県会議員が、飛び地であろうが何であろうが、選挙民の都合やあるいは選挙の目的というものを考えないで、自分たちの投票の上から都合がいいかどうかという一つのゲリマンダー的な考え方が、ああいう法律が出たにもかかわらず、相変らず旧法でやろうという考え方に立って、これをそのまま見過ごしていいかどかという問題なんです。十二月が終ればきまってしまうのだが、そういう結論の出し方が非常に多い。これは、新聞等にも伝えられている所が多い。新聞に出ない所も相当多い。これをそのまま自治庁は見のがしていいかどうかという、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/6
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007・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) 公職選挙法の第十五条の精神と申しますか、原則はやはり郡市の区域による、従来の郡市の原則をそのままとっておるのであります。その場合に、郡市の区域をとりました場合に、市がまん中にできまして、飛び地が両方にあるという場合等におきまして、これは都市の原則によった方が妥当であるというふうにお考えになりますれば、これは第一項の措置で参るのでございます。いろいろ飛び地がありまして、その飛び地の処理で困る、やはりその地域の住民の感情に合わないという現象がありますので、二項以下の規定が入りまして、その場合には、その地区の住民の感情を満足するような選挙区条例を作るということをねらいにいたしておるのでございまして、今のお話を伺いますと、郡市の区域の原則というものを変えてしまったというふうにお伺いいたすのでございますが、やはり考え方としては、郡市の区域というものを原則にいたしまして、飛び地の発生いたしました所は、その飛び地を一つの単位として考える、いわば複合的の考え方に立っておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/7
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008・加瀬完
○加瀬完君 そうじゃないですよ。具体的に申し上げますと、飛び地を飛び地として単位とするならまだ話はわかるけれども、AとBと、この両極端に郡が分れてしまって、まん中にC、D、Eという他の選挙区が入ってしまう。両方飛び地なんです。こういう所を、郡が一つだから一緒の選挙区にするというような原案を出す考え方は、この間の作られた法律の精神とは少しかけ離れておるのじゃないか、こういうものをそのまま郡市の原則という旧法の通りでやっていっていいか、それに対しては何も指導をしないのかと、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/8
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009・兼子秀夫
○政府委員(兼子秀夫君) その辺のところは非常にむずかしいところであります。まん中に一つ新しい市ができた場合には、この両方に飛んでおるものは、郡の一体性が非常に強いのでありますが、まん中に幾つか市ができておるという場合に、従来同一の選挙区であったから、飛び地を一つの郡として扱う——これは中央で見ておりますと事情がわかりにくいのであります。やはりその府県の住民の妥当と考える考え方によって選挙区を作るという考え方のもとに第十五条の法制はできておる、このように解釈いたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/9
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010・田中啓一
○委員長(田中啓一君) 次に、前回に引き続きまして、昭和三十三年七月、八月及び九月の風水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案を議題に供します。
まず、政府委員より詳細説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/10
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011・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 第一条で、今回地方財政法の規定では起債の対象にできない仕事について起債を認めるということを規定いたしておるわけであります。その場合に、風水害を昭和三十三年七月、八月及び九月に限っておりますのは、集中的にこの時に災害が起っておるからでございます。被害を受けた地方公共団体を政令で指定いたします趣旨は、特に被害の甚大な地方公共団体に限りたいということでございまして、従来は、災害復旧事業費の総額がその団体の標準税収入をこえておるというところで線を引いておるわけであります。なお、一項、二項に該当いたしますような額が起債を認めるに足る額をこしているということがあわせて条件にされてきているわけでございます。一号で、地方税、使用料、手数料その他の徴収金で命令で定めるものの減免とうたっておるわけでありますが、命令で定めますのは、たとえば、地方税でありましても、法人事業税のようなものは、分割関係その他がございますので、これは除外して考えたい。使用料のようなものでありましても、公営企業関係のものは除外して考えたい。また、これに考えておりますものでありましても、分担金のようなものにつきましては、減免額を起債の対象に考えていきたいということでございまして、従来の例によって規定いたしたいと考えております。
二番目の、風水害による災害救助対策、伝染病予防対策、病虫害駆除対策、救農土木対策その他これらに類する命令で定める災害対策、こう規定いたしております命令も、従来の例に徹しまして、農産対策、畜産対策、公衆衛生対策、牧野対策というようなものを規定いたしたい、かように考えておるわけでございます。
地方債の引受を第二条で書いておるわけでありますが、こういう種類の地方債でございまするので、低利の資金の融通ができるようにしたいというようなことで、全額を政府資金で引き受けるということをうたっておるわけであります。これの利息の定率及び償還方法は、政令で定めることにいたしておるわけでございますが、政府資金の利息は、現在六分三厘でございますので、さようにいたしたいと考えております。償還方法につきましてては、従来六年以内で元利均等償還をするのだ、こういたしておりますので、その線で規定をいたしたいというように考えております。
第三条では、手続の規定を置いておるわけでありますが、この点、政府資金が引き受けなければならないという義務づけをいたしております関係とあわせまして、それぞれの資金に応じて、大蔵大臣や郵政大臣と自治庁長官が協議して起債を決定するのだ、かようにいたしているわけであります。なおこの関係で、地方債を五億円程度見込んでおるわけでございます。さらに、今回の災害関係から、地方債を増額しなければならないと考えておったわけでありますが、今申し上げましたようなものも合せまして、三十三年度の地方債に三十億円追加いたしたい、かように決定いたしておるわけであります。その内容は、災害復旧事業費のうち、現年補助災害については、当初二十億円を予定しておったのでありますが、十億円を追加して三十億円にしたい、また現年度の単独災害復旧事業につきましては十五億円を予定しておったわけでありますが、それに十二億円を追加して二十七億円にしたい、さらに、今御審議いただいております法律案に基きまして、歳入欠陥の補填や災害救助諸対策の費用について起債を認めるわけでありますが、これについて五億円を追加したい。さらに、災害関連の緊急治山、緊急砂防につきまして、国で予備支出も行われておりますので、それの支出に三億円を追加したい、かように考えておるわけでありまして、今申し上げました追加額合計いたしまして三十億円になるわけであります。これだけの地方債を追加すれば、大体ことしの地方債を必要とするような災害復旧事業費につきましてはやっていけるのじゃないだろうかというように期待をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/11
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012・田中啓一
○委員長(田中啓一君) これより質疑に入りたいと存じます。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/12
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013・占部秀男
○占部秀男君 奥野局長にお伺いいたしますが、この前に、たしかこれと同じような法律案が出たわけでありますが、臨時国会で出たときに、第四条というのが入っていた。地方債の元利補助金という問題で、国が第一条第一項の規定による地方債の当該年度分の利子及び償還金の額に相当する額の地方債元利補給金を当該地方公共団体に交付する、こういうふうにこの前のときにはなっていたと思うのですが、今度の法律案にはそれがないわけであります。そこでお伺いをしたいことは、こういう第四条をなぜこの前には入れたのかという点が第一点。それから第二点には、今度それを落したのはどういうわけかという、この二点についてお伺いをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/13
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014・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) さきの国会には、実はこの関係の法律案を提案するに至っていなかったわけであります。今回初めてこの法律案を提案いたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/14
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015・占部秀男
○占部秀男君 これは失礼しました。しかし、法律案の原案としては、自治庁の方でそういうことも考えたのじゃなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/15
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016・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 歳入欠陥補てんのための地方債について、国が元利補給すべきだというような考え方は持っていなかったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/16
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017・占部秀男
○占部秀男君 初めから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/17
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018・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/18
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019・占部秀男
○占部秀男君 今度のこの法律案を見て、私は一番不思議に思うのは、こういうような特例の場合に、特に現在の地方財政の状況からして、当然今度のこの特例の問題については、この特例の起債に対する利子補給をやはりしなければ、各地方団体としては非常に困るのじゃないかと私は思うのですが、そういう点について、奥野局長の方で何かお考えになったことはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/19
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020・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) この種の地方債は、昭和二十八年、二十九年、三十年と、三カ年間特例を設けまして起債を認めております。二十八年は、この種の地方債のみならず、いわゆる小規模災害につきましても、地方債をつけて元利補給をする、そういう線が打ち出されたわけであります。二十九年、三十年は、全くこの法律案と同じ内容のものでありまして、歳入欠陥と災害諸対策費だけについて地方債を認める、従って、元利補給の線は打ち出されていなかったわけであります。しかし、いわゆる単独災害復旧事業費とこの種の災害債とは同じような扱いをしてよろしいのじゃないか、こう思っておるわけであります。そういう意味で、この部分は単独災害復旧費につきまして、今年度から元利償還額の三〇%程度のものを普通交付税に算入する扱いをいたしております。従いまして、この部分につきましても、特別交付税を計算する場合には、同じような扱いを原則として行うべきだろう、こういう考え方を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/20
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021・占部秀男
○占部秀男君 特交の中である程度のものは見よう、こういうようなお話だったと思うのですが、この災害問題は、これは、今度交付税を最初に予定すると言ってはおかしいのですが、地方財政計画などで予定は当時あったわけじゃなかったのですね。これは突然として七月、八月、九月に起ってきた問題なわけなので、そこで、やはり特交の中で見るといっても、これは、地方の方は、特交というのは与えられるものですから、予定はしておるわけです。そういうことになると、同じような、タコの足を食い合うような、一つのワク内でこれは操作がされるという結果におのずから私はなってくると思うのですがね。そういうような意味合いでなくて、やはりこういうような突発的な風水害、特に、設例にもある通り、今度の被害は昭和二十八年に次ぐ大きいものである。こういうようなところを、特にまた被害の状況がある地域にこの前のときよりはもっと地域的には限定されて、そうして地域的には被害の及ぼす影響が深刻であるということ、地域がこう限定されているがゆえに一そう深刻である、そういうような意味合いから見ても、これは特交とか何とかいうような問題ではなくて、やはり特別に利子補給の点を考えるべき性質のものじゃないかと、こういうふうに考えるのですが、そういう点については、局長の見解はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/21
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022・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 公共災害復旧事業費につきましては、国が一定分を負担いたします。残りの地方負担部分につきましては、原則としては、本年度は全額地方債を認めるわけであります。この地方債の元利償還額は、九五%まで基準財政需要額に加算されて参ります。従いまして、そういう面につきましては、当該地方団体の負担は非常に軽微になっていくだろうと思います。また、歳入の減少でありますとか、あるいは災害救助の関係で、相当負担はされていくのじゃないかということを考えまして、従来からも大体事業費の二%程度のものを特別交付税の配分方針の中に入れているわけでございます。これは、やはり今回もそういうものを被災団体に交付いたしたいと考えております。それ以外に、別途にさらに特別の団体におまきしてはこういうめんどうも見ざるを得ないのじゃないか、こういうふうに考えているるわけでありまして、総額五億円程度のものをそういう意味で期待いたしているのでありますが、一応従来から方針とされて参っております起債団体に対する援助措置、これは従来通り行われる、それ以外に、さらに重ねて、特に、たとえて申し上げますと、埼玉県の川口市のような所は、交付税の交付を受ける団体でございません。しかしながら、今回の災害がかなりきびしかったものですから、減免額も相当額に上らざるを得ないだろう、そういう団体につきましては歳入欠陥債を認める。また、歳入欠陥債を認めていきますと、ああいう団体でありますと、将来十分に自力で復旧していけるのじゃないか、もとよりそういう団体につきましては、先ほど申しました諸措置をとるわけです。諸措置をとりまして、なおあわせてこういう措置によって救うことによって、特に乏しい特別交付税の配分をさらに窮屈にするおそれもないのじゃないか、また、当該団体におきましても、それでしのいでもらうことができるのじゃないか、こういうような考え方をとっているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/22
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023・占部秀男
○占部秀男君 基準財政需要額の中に算定するという、その意味はわかるのですがね。ただ、特別にこういうような法律を作るということ自体が、特に今度の七、八、九月の問題が非常に深刻だった。そこで、それが直接地方財政の上に影響があるのだから、従って、こういう法律を作ろう、こういうわけでしょう。そこで、その深刻の度合いということは、さっき私が言ったように、非常に地域的に限定されている。そこにもってきて、あなたの言われるように、基準財政需要額の中に算定してと言われますけれども、やはりそれが十分にそういう点をカバーするというほどのウエートは、これは被災してみなければわからぬと思いますが、私はないと思うのです。やはり五億なら五億というのは、これはどうしても緊急対策の問題でありますから、緊急対策に必要な、いわゆる伝染病の問題であるとか、あるいは緊急に収入がなくなる、減収する、あるいは免税するというような、そういうものに対する歳入欠陥の問題でありますから、やはり今の地方財政の現状から見て、特に税収というものは一般的に頭打ちになっている、こういうふうな状態から、この五億の問題については、五億円予定していると言われておりますが、五億の問題については、やはり利子補給してやるところの必要性があるのじゃないか、こういうように私は考えるのですが、そういう点については、特に、私の考えるような考え方については、自治庁の方として討議したことはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/23
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024・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 私どもは、本米地方団体の負担に属するものについて当該地方団体の方が負担にたえないという点に対して、いろいろな補てんの措置を講じている。そういう一連の措置として地方交付税の制度があると考えているわけであります。地方交付税二千二百億余りの金が現在あるわけでありますけれども、そのワク内で措置しきれるかしきれないか、こういう問題が一つございます。そういう点では、五億の金というものはそれほど大きな部分を占めているとは思っていないわけでございまして、従来から考えられている地方財源のワク内で処理してしかるべきだと思っております。こういう問題とは別個に、本来地方団体の負担すべきものではないのだ。本来地方団体の負担すべきではないものにつきまして、あるいは便法として起債しているとか、あるいは便法として当該地方団体に支払わせていると、その跡始末をどうするか、それを地方財源全体のワクの中で措置できるのじゃないか、こういう考え方をもし持っておられたら、それは私はお断わりしたい。それはそれなりで、便法として、あるいは立てかえて支弁するならば、あるいは地方債でやるならば、元利補給をしてもらいたい、あいるは国費支出をしてもらいたい、こういう考え方をしているわけでございまして、本来地方団体の負担に属するものでありますならば、やはりそういうものについては、地方税制なり、地方交付税制度なり、地方譲与税制度があるわけでありますから、そのワク内で原則として処理すべきである。処理しきれないような、何百億あるいは何十億というような大きな金額になりました場合には、国に援助措置を求めざるを得ないだろうと思うのであります。そういう点につきましては、現在のところ、今の地方財源のワク内で処理していくことができる、こう思っておるわけであります。単に、本来地方団体の負担に属しないものについて地方債の発行を認めるとか、あるいは立てかえの支弁をさせるとか、こういう問題があります府県については、それは、かりに地方債を認めても、国はひもつきで元利補給をすべきだ、こういう主張をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/24
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025・占部秀男
○占部秀男君 これは考え方の違いにもなるわけですが、今局長の言われた後者のような場合は、これは当然当りまえの話なんです。これはやっぱりもらわなければならぬと思うのです。ところが、今度の場合は、いわゆる前者の場合として局長の方ではお考えになっておると思うのですが、その前者の場合でも、特に地方財政の現状からこう対応してみたときに、しかも問題が突発的な問題であって、そうしてそれに対する金が要るんだと、こういうような場合に、地方の方が金があり余る——あり余ると言うのは少し語弊があるかもしれませんが、相当余裕のあるときならばあれですが、もうだんだん税も頭打ちになっておる状態の中であるから、やはりこういう突発的な問題に対しては、特に前例もあるんだし、これはやはり、何といいますか、利子補給の点ぐらいは国で見てやるべきじゃないかと考えるのですが、あとでまたそれに関連する質問をいたします。
もう一つ質問をしたいことは、この第一条に、「地方公共団体のうち政令で指定するものは、」と書いてありますな。これはどういう範囲になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/25
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026・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 原則として、災害復旧事業費の総額がその団体の標準税収入を上回っている団体、そうしてその団体の一号、二号に該当する金額が地方債をつけてよろしい程度をこえるものとしたい。こう考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/26
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027・占部秀男
○占部秀男君 これで私の質問を打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/27
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028・大沢雄一
○大沢雄一君 ちょっと関連しまして、今占部さんから、この問題近くにまで触れられてのお話がありましたので、私この際確かめておきたいのですが、この本来地方団体の負担すべきものでない災害復旧単独事業、これを便宜的に地方団体でやらなければならないような場合には、これは地方財源から支弁しないと、つまり元利補給等については、従ってまあ国からなり何なりこれは補給をしてもらいたいということが、その裏にはお考えとしてあると思うのであります。そういたしますると、ここで、二号の救農土木対策というものにつきましては、自治庁としては、どういうものが本来地方団体の負担すべきもの、またどういうものが本来地方団体で負担すべからざるものというふうにお考えですか。たとえば、今度いろいろ政治的に問題に先般なっておるように承知しましたが、農地の小災害ですね。こういうものにつきましては、それはどちらの方に入るというふうにお考えになっておりますか。それはどういうふうにお扱いになるおつもりでございますか。これは現実の問題ですから、一つその辺を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/28
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029・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 御指摘になりました農地の小災害の問題でございますが、農地が災害にかかった、それを復旧するものはやはり農地の所有者と考えております。ただ、現在は、一件当り十万円以上のものになりますと、国が五割を補助するわけでございます。十万円を下りますと、国の補助はないわけでございます。昭和二十八年には、こういうものにつきましても、さらに十万円という金額を三万円まで引き下げまして、三万円をこえるものについては、さらに五割を引き上げて、たしか九割だったと思いますが、国が補助するという制度が作られたことがございます。こういうものに関連いたしまして、十万円を下っても、三万円までの間のものについては国が援助したらどうか、こういう議論がございました。これをめぐりまして、一応、現在のところ、十万円を下る小規模の災害であっても、補助限度額を引き下げるかわりに、一応市町村で引き受けてやれないだろうか。そういう意味で、市町村工事について、その財源を一部は地方債でまかなう、言いかえれば、補助金相当額は地方債でまかなう。あとの分は農林漁業金融公庫から融資をすると、こういう話があるわけでございまして、そういうものについて地方債を認める、その地方債の元利償還額については、国において財源保証をする、こういうことになっておるわけであります。なお、財源保証の仕方も、先ほど占部さんからちょっと言っておられましたように、地方交付税でめんどうを見ればいいじゃないか。いや、これは本来地方団体の負担に属するものではない。国が補助限度額を引き下げ、補助金を交付したいという考え方があるのだが、一件々々の査定も大へんだ。そこで、便宜補助金相当額を地方債で振りかえて処置しておいてはどうか、こういう話になってきているものですから、そういう性格のものなら、国費の支出のかわりに地方債を認めるのだから、その元利償還額は別個に引き離して、国が元利補給すべきである、こういう主張を実はいたして参ってきているわけでございます。そういう点が実は今問題になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/29
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030・大沢雄一
○大沢雄一君 そういたしますると、まあ自治庁の御見解としては、今のような場合には、地方交付税でそれを処理するということは不当であるというお考えの上に立っていると思うのでございまするが、そういたしますると、自治庁としては、どういうふうに今後その問題についての処理をなさる御方針でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/30
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031・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 現在小規模災害についても地方債を認める、同時に、その元利償還額については国において財源を保証する、こういう方針が閣議決定できめられておるわけでございます。従いまして、小規模の農地災害につきまして、市町村が農地の所有者にかわって復旧事業をやってやろうという団体があります場合に、復旧事業費の半額については地方債を許可したいと考えております。残りの半額については、農林漁業金融公庫から融資をするということになっておるわけであります。言いかえれば、本来個人負担に属するものについては、農林漁業金融公庫が融資を行う。また、限度額を引き下げて国庫補助金を出すのだというような趣旨のものは地方債をつける、ここまでははっきりしているわけであります。その場合に、市町村の起しました地方債の元利償還額、これはあとで払わなきゃならぬようになってくるわけでございますが、それをどういう格好で国が財源保証をしていくのか、こういうことについては、なお話し合いが残っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/31
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032・大沢雄一
○大沢雄一君 そうすると、今、元利償還額について国が保証をするということが閣議で決定になっておるということでありますが、国が保証するという以上、これは、私ども常識的に考えて、国がやはり財源の措置をするということでなければ国が保証するということにならぬ。さっきお話のあったように、もともと本来の地方財源である交付税でこれを処理させるということであれば、お話があったように、タコの手を食って腹を満たすというのと少しも違わないわけであって、国が保証したことに私はならないように思うのですが、その点について局長の御見解を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/32
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033・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) これは、実は率直に申し上げまして、自治庁の考え方と大蔵省の考え方とは食い違っているわけであります。大蔵省では、財源計算にそれだけの元利償還額を入れるわけだから、それで財源措置をしたことになるのだ、そしてその元利償還額を基準財政需要額に算入してくれれば、個々の市町村についてもめんどうを見たことになるのじゃないかという考え方であるわけであります。それに対しまして、私たちは、先ほどちょっと申し上げましたように、本来地方財源でまかなうものとそうでないものとのけじめを明らかにしたい、財源の多い少いではなくて、経費負担の筋道を明らかにしていきたいのだ、そうでなければ、将来財政の秩序は非常に乱れてくる、この金額はそれほど大きな金ではないけれども、将来ものの考え方に混乱を来たすのじゃないか、金の多い少いを議論するのではなくて、ものの筋道を立てたいということを言っているわけであります。本来補助限度額をそれだけ引き下げたい、そうしますと、一件々々の査定の問題が起きてくる。補助金適正化の問題が起きてくる。そういう混乱が予想されるので、とにかく地方債を農地復旧についても認めてくれないだろうか、こういう話が農林省その他から起っておるわけであります。自治庁としては、正直なところを申し上げますと、小規模の農地復旧について市町村に責任を負わせるような国の建前をとることについてちゅうちょしたわけであります。ちゅうちょしたわけでありますが、いろいろな話を持ち込まれまして、それならば、まあその元利償還額について元利補給する、明らかに国庫補助金の立てかえを地方団体がそういう意味においてやっていくのだということであればやむを得ないと思っておったわけであります。ところが、その後になりまして、財源保証はするが、それは交付税の措置でやっていくのだ、こういう話になったものでありますから、私たち非常に困っているわけであります。なおその辺の問題の打開に努めている最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/33
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034・大沢雄一
○大沢雄一君 ただいまの問題につきましては、自治庁の考え方をはっきり伺いまして、私どももそれが全く正しいと信ずるわけであります。つきましては、あさってまた、この問題について中田さんからも御質問があるようですから、その際、大蔵省から御出席願って、問題が取り上げられた以上、もう少し究明したいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/34
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035・田中啓一
○委員長(田中啓一君) 委員長において大蔵省に出席を要求することにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/35
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036・鈴木壽
○鈴木壽君 大臣、この問題どうなんです。今、局長からそういうようなお話がございましたが、やはり筋道としては、私どもは、前に御質問があった方なり、この点は、局長の今お答えになった、そういうふうであるべきだと思うのですが、考え方としては、やはり金高の問題でなしに、何かごまかしみたいな感じがするわけなんですよ、これでは、今のままでいくと。その点どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/36
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037・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) 本件につきましては、今、奥野君から非常に率直に申し上げました通りでございます。実は、私も非常に頭を悩ましておるわけでありまして、先ほど説明をいたしましたように、本来地方団体がやることが適当であるかどうかというようなことについて、諸般の事情から引受けなければならなかったという事情がまず第一にあるわけであります。たとえば、小災害について、本来ならば補助金等で措置すべきものであるが、あまりに件数も多いし、一々そのものに対して国が直接に補助金を出すのは不適当であろうかというような考え方から、地方債というような方法を便宜の手段として考えたものと私自身も理解しておるのであります。従って、そういったようなものの跡始末の元利の償還については、これは地方自治体がいわば国のやるべきことをかわってやるわけでございますから、その跡始末は国が直接にやるというのが、私も筋道であると考えるわけであります。従って、私どもの主張が、十一月の四日でございますかの閣議で、国がその財源を保証するというところまではようやくこぎつけたわけでありますが、まだこれを法律化するというところまで話がつきませんでしたことは、私も非常に遺憾に存ずるのでありまして、なおその努力を続けて参りまして、ただいま御指摘のおりましたような趣旨に沿い得るように、さらに努力を続けたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/37
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038・加瀬完
○加瀬完君 前の方々から出た問題とも関連するわけでありますが、すでにもう御説明がありましたとすれば、はなはだ恐縮でございますが、重ねてお尋ねをするわけでありますが、この法律案を出します前提ともいうべき点について、実は私、明白にさせておかなければならない点があるんじゃないかと思いますので、その点について伺いたいのであります。と申しますのは、御説明にもありますように、今度の災害の被害額は、公共施設だけから見ても七百五十億円に上っておるのでありまして、従って、地方団体が直接間接に負担しなければならない被害額まで入れますと、相当の額だろうと思うわけでございます。それらの対策といたしまして、いわゆるこういう大きな風水害の被害対策という財政計画を特別に立てないで、いつもやはり一部、特交でやるとか、あるいはこの法律案の内容のように、起債でやるとかというだけでは、私は処理ができなくなってくるのではないか。たとえば、今までの赤字団体というものの原因を調べてみますと、やはり風水害等による被害を背負ってしまって、そのやりくりがつかなくて、赤字の原因を作っておるというのも一つあります。それから、当然一般財源を充てなければならない計画を、起債を財源のような扱いをして与えたために、その起債の償還に苦しんで、赤字を累増しておるという団体も一部あるわけであります。今度は、風水害の被害というのが一つある上に、今までと同じように、根本的に風水害対策に対する財政計画というものをしないで、また一部分を起債でまかなっていく、こういう形でありますと、またこれは今問題になっておる赤字団体の原因を新しく作るということになるのじゃないか。なぜ根本的に、こういう風水害に対する地方団体の財政に対しまして、風水害対策としての財政計画を新しく立てないのか、当然国でもいろいろ予算措置が講ぜられたわけでありますから、それに並行して、風水害に対する新しい財政計画というものをきちんと立てて、そこで、財源として当然国なら国で見ていかなければならないものは見てもらう、あるいは地方で計画ができるものは地方で計画を立てる、こういう計画を立てなければ、やはりこういう大被害というものに対する根本的な対策は立たないと思うわけでありますが、この点は、すでに御説明がありましたら恐縮でありますが、政府としてはどのようにお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/38
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039・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 風水害は、毎年ある程度のものがあるわけでございますので、国の予算の編成に当りましても、災害準備金を見込んでおるわけでありますし、また、地方財政を考えます場合にも、それに対応する災害復旧の費用というものを予定いたしておるわけであります。それを個々の具体的な団体に当てはめて参ります場合には、現実に災害が起りました場合に国が査定をして、その復旧事業費の一部を国庫負担していく、その場合に、国庫負担の仕方も、災害の規模によっては、一定の限度をこえるものについて全額国が負担するというような仕組みもとられているわけでありまして、災害の種類に応じまして、国の援助のやり方にはいろいろな方法がございます。残りの地方負担額につきましては、当該年度に関します限りは、百パーセント地方債を認めるわけでございます。この地方債の元利償還額につきましては、先ほども申し上げましたように、九五%までは基準財政需要額に算入して参るわけでありますので、地方税が特段に伸びて参りません限りは、元利償還額がふえました場合には地方交付税が増額されていく、こういう仕組みになっているわけであります。また、補助対象になりませんような災害復旧事業につきましては、これは地方債をやはり許可いたして参りまして、この地方債につきましては、公共災害ほど一件々々こまかく査定して参るわけではございません関係もありまして、地方債をつけました。その地方債の元利償還額につきましては三〇%程度……正確に言いますと、二八・五%ということになるわけでありますが、その部分は基準財政需要額に算入されて参るわけでございますので、後年の負担がかなり緩和されていくということになるわけであります。そういたしましてもなお、今取り上げられております税の減免額でありますとか、若干それ以外の地方負担も予想されますので、今までは、府県、市町村それぞれに対しまして、災害復旧事業費の二%程度のものを特別交付税として交付する、こういう措置をとって参っておるわけであります。そういうような大筋によって大体問題は解決されるのではないだろうか、こういう考え方に基いておるわけでございます。しかしながら、不交付団体などでありますと、当該年度の減免額がかなりの額に上る、交付団体といえども精一ぱいの事業をかかえているわけでありますので、その減収額のやりくりに困っているとかいう問題もございますし、また、事情によりましては、国で考えている以外に、さらに災害諸対策というものを災害の規模によりましては押し進めなければならないというような事態に遭遇するような場合もあるわけでございますので、災害の規模が大きくなりました場合には、それ以外に何らかの措置をとらざるを得ない、こういうことになってくるわけであります。そういう意味で、今提案しておりますようなことを災害の多かった年々にとって参ってきておるわけであります。場合によりましては、こういうものは恒久化してもいいのではないか、こういう考え方も成り立つかと思うのであります。しかしながら、現在の地方財政法の建前では、地方財政の健全化を推進するという建前から、歳入欠陥のための地方債は認めないのだ、こういう方針を貫いておるわけであります。また、大災害があった場合にこういう特例措置をとるか、かりに地方債を認めるにいたしましても許可の問題があるわけでございますので、そういう場合には、そのつどに法律案を提案して御審議いただいて、異例の措置をとるのだということを明らかにした上で、歳入欠陥債を認めるということも一つの方法ではないか、そういうことによって、いたずらに歳入欠陥があれば地方債に依存できるのだというような不健全な考え方を持たせないことに役立つのではないか、こういうことを考えまして、あえて今回もまた今年の災害に限ってこういう措置をとるのだということで、御審議をわずらわすことにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/39
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040・加瀬完
○加瀬完君 局長の今の御説明の、たとえば災害に対する法律的な特別交付税の措置とか、あるいは予算的な災害復旧費用とかいうものは、災害規模をある一定限度に押えた想定のもとに成り立っていると思うのです。ですから、災害規模がある一定のワクの中であれば、今のような措置で運転がつきますけれども、今度のような場合は、それをはみ出してくるわけでありますから、なかなか特交というもので処置しようと言っても処置ができない。あるいは国だけの災害費用というものを地方に流すことによってカバーしようとしてもカバーできないということが現実ではないか。それからもう一つは、今のような方法でやってきて、災害復旧に伴うところのいろいろな起債等の関係も一つの赤字の原因を生んでいることも認めざるを得ない。そうすれば、また同じような方法をとっていくならば、これが今度の災害の地域が必ずしも貧弱県でないということでもあればまた別ですが、そうでないとすると、それからまた一つの赤字を重ねる原因を作るのじゃないか。そうであるならば、やはり地方の財政計画の上からは、起債とか何とかという、償還義務が裏づけられるような形をとらせることはなるべく避けて、もっと一般財源である程度復旧できるような方策というものを地方財政計画の上でも新しく考えていかなければまずいのじゃないかというような心配がどうしても私どもは消せないのです。特に大きな災害があった所は、それでもこういうような措置が幾分か出ますけれども、こういう対象にもならないところの小規模であるけれども、その町村にとりましてはある程度の財政負担になるという災害だって相当ある。こういうものもこういう大災害に伴って出てくるわけであります。地方財政全体が相当やっぱり苦しくなるという見通しをつけなければならない。災害のためにいろいろな苦しくなる情勢が出てくるということも見通しをつけなければならないということになりますと、特別交付税なり、それから交付税の配分なりというものを、ただ災害関係だけに優先的にやるということは事実上できなくなってくる。どうしてもやはり地方とすれば、ある程度の災害対策の財政計画というものを立ててもらうような方法を打ち出してもらいたいと思うのです。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/40
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041・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) お話の問題は、国全体として災害に対する措置が十分であるか十分でないかという問題と、災害を受けた個々の団体の運営が適正化しているかいなかの問題、二つあるだろうと思います。前者の国全体の措置が十分であるか十分でないかということは、災害の規模とからみ合って起ってくる問題じゃないだろうか、こう思うわけであります。昭和二十八年の災害のときには、今提案しておりますような地方債を認め、その地方債を五十億円として、五十億円の全額について元利補給を行なったわけでありまして、言いかえれば、五十億円の特別交付税を追加したと同じような措置をとったのであります。今回は、そういうところまで踏み切っていないわけであります。二十八年の災害は、二千百八十五億円という数字に上っております。今回は七百五十億円前後であります。やはり災害の規模から言いますと、だいぶ差があるのじゃないだろうか、こう思っておるわけであります。また、後段の問題になって参りますと、たとえば、災害があった場合に、かつて国がとりましたように、災害復旧事業費の全額を国が負担してやるということで、非常に依存心を持った。その結果、どこまで復旧するかについて、かなりあとはどうなってもというくらいに災害の復旧に全力を注いだ。その結果、あとで財政困難を来たしたということもあり得るのでありますから、やはり当該団体に災害復旧についても責任を持ってもらうのだという建前ではっきり貫いた方がいいのじゃないか、こう思っているわけであります。そのかわり、当該団体に当然負うべきものについては、先ほど申し上げましたように、公共災害の地方負担分については、その元利償還額の九五%まで基準財政需要額に算入していき、単独災害については、その元利償還額の二八・五%まで基準財政需要額に算入していくというようなやり方をいたして参っているわけであります。結論的に申しますと、私は、やはり災害の規模において弾力ある措置を国としても考えていってよろしいのじゃないか、こう思っているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/41
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042・加瀬完
○加瀬完君 起債の元利償還の九五%までを基準財政需要額に見積っていくということですが、それは、起債そのものの元利償還分の九五%は基準財政需要額に盛られるかもわかりませんが、そうすると、結局、この起債のワクの中だけで一切の被害復旧ができるという形にはならないわけですか。起債だけを財源に被害復旧をしていくわけなら、当然一般財源の持ち出し分というものはたくさんあるわけです。ですから、基準財政需要額はそうでなくても、たとえば、静岡県なら静岡県の例をとりますと、平年における、災害のなかったときにおける静岡県の財政需要額のバランスというものと比して、どうしても、災害復旧というものに重点を置く財政需要額の計画をしなければなりませんから、どうしても一般の行政費用というものはある程度カットしなければならないということにならざるを得ないと思うのです。そうなってくると、それは、さっきから言っておるように、確かに九五%の基準財政額は認めてもらったかもしれぬけれども、だからといって、一般の従来通りの行政水準が維持できるような財政関係が裏づけられたかということになると、やはり裏づけられないということになって、どうもやはり、地方の負担分は当然地方が責任を持つべきものですけれども、あまりにも地方の負担分が災害によって重過ぎて、行政水準そのものを低下させなければならないという悪循環を繰り返すのではないか、こういう点、心配がないかどうかということを私たちどうもはっきりしないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/42
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043・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 災害が起りました場合に、その団体の財政がかなり窮屈になる、これは御指摘の通りだと思います。それを救済していくのに、どういうやり方がいいか。国が肩がわりするような制度を打ち出していくことはいろいろな弊害があろう、こう申し上げたわけです。従いまして、現在地方団体に責任をとらせる建前をとりまして、公共土木事業について、その災害の規模が非常に大きい場合に、一定の規模をこえる部分は国が全額負担する。地方債を認めるが、九五%までは元利償還費を基準財政需要額に算入していく、こう申し上げておるのです。その場合に、他の基準財政需要額は別に引き下げるわけではありませんので、特に他の行政費を特段に圧縮するということにはなっていきませんが、しかし、いろんな対策のためにも金が要ることでございますので、たとえば、災害常襲地帯に対して特別の考え方を盛るべきであるというような議論が国会内にもあるわけでございまして、そういう点につきましては、機械的にものを見ていくわけにも参りませんので、当然特別交付税のワク内で見られる限りの配慮をしていくべきである、こう思っているわけであります。しかし、何か客観的、機械的なよい基準がございますならば、お教えいただきまして、今後とも私たちも研究して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/43
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044・加瀬完
○加瀬完君 昭和二十八年の災害のときは、むろん災害も大きかったかもしれぬけれども、財源措置としては、地方にとりましては、今回政府が考えておるよりも有利な条件で財政措置が行われた。しかし、三億何がしという赤字の原因は、あの災害というものが非常に一つの原因になっている。それだけの立法措置や行政措置が行われても、あとに災害の復旧のために赤字をかかえて、県全体の行政水準をも切り下げなければならない状態になっているということを考えますと、やはり今度のような一つの特例法だけで、起債のワクを広げ、あるいはその償還計画に対して一つの方法を打ち出したところで、やはり私は、佐賀、熊本の作った原因のようなものはあとに残ってしまうのじゃないかということを心配するわけです。これは、質問より意見がましくなりましたから、一応質問を打ち切りますけれども、重ねて、起債だけでまかなっていくという災害に対する財政計画というものには、あまりどうも私どもは安心ができない。詳しいことはあとでまた伺うことにいたしまして、きょうはこの辺で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/44
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045・田中啓一
○委員長(田中啓一君) 他に御質問はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/45
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046・鈴木壽
○鈴木壽君 あれですか。「地方税、使用料、手数料その他の徴収金で」云々というところがありますが、これで大体、今のところは減免高がどのくらいか、回答がおできになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/46
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047・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 災害関係につきましては、自治庁で減免条例の案を示しまして指導いたしておりますので、それに準じて減免を行なっていくとしますならば、七億円弱の減免額になるのではないかと、こう思っております。これは税、使用料、手数料の減免、そのほか災害諸対策というものを合せまして、一応十二億五千八百万円というような推定をいたしております。この金額を特にこの特例地方債の発行の認められるような団体にしぼって考えて参りますと、五億円前後のものではないだろうかというようなところで地方債の増額分を予定いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/47
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048・鈴木壽
○鈴木壽君 今の地方税で七億弱が、使用料、手数料等で合計約十二億だけれども、しかし、指定団体で計算した場合には大体五億程度になるだろう、こういうお話でございますね。そうすると、これと特交でこれらの減収に対して手当をする場合との関係、この場合はどうなりますか、起債額を特交で見る場合は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/48
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049・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 災害の激しい団体につきましては、さらにそれ以上に自分が事業をやらざるを得ないような格好になって参ると思いますので、別途に特別交付税は特別交付税として配分して参りたいというように考えておるわけでございます。大体、たびたび申し上げますように、府県、市町村それぞれ二%程度ずつ配分しておりますから、二十億ないし三十億円くらいのものが特別交付税の中からも出ていくということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/49
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050・鈴木壽
○鈴木壽君 重ねて確かめておきますが、特交で見る場合については、この起債とは別に、関係なしに、特交で従来通り見ていく、こういうことでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/50
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051・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) その通りであります。特別交付税の場合は、御承知のように、基準財政収入領を是正し、基準財政需要額を是正して、やはり差引計算をするわけでございますから、不交付団体で超過分の多い団体には、今のような計算をやりましても特別交付税が行かないという場合が出て参る。そういう場合におきましては、この歳入欠陥補てん債がそれらの団体に対する対策になってくると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/51
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052・鈴木壽
○鈴木壽君 二号のこれは、ここでどのくらいの財源が必要であるのか、これは、現地でのいろいろ仕事にもよると思いますから、はっきりつかめないとも思いますが、大体どの程度と見通されておりますか。必要な経費の予想の額と、それからそれに半分の起債だとすると、その関係は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/52
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053・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 二号で予定しています地方債は、一億三千万円くらいと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/53
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054・鈴木壽
○鈴木壽君 そうしますと、一号の場合に約五億、それから二号の一億三千万円くらいと、こうなりますと、六億三千万円になると思いますが、先ほどのお話ですと、地方債の予定額が大体五億くらい程度だと、こういうようなお話がございましたが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/54
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055・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 先ほど私が申し上げました十二億五千八百万円というものは、税と諸対策と合せての数字であります。もう一ぺん申し上げますと、私たちのこれは一応の推定でありますが、税の減免額が六億七千四百万円、使用料、手数料の減免額が千三百万円、それから災害救助費の地方負担額その他の諸対策費合せまして五億七千百万円、合計して十二億五千八百万円、こう考えておるわけであります。そのうち特例債を許可してもらいます団体だけに限定して参りますと、まず歳入欠陥補てんの方には三億七千万円くらい、災害諸対策費一億三千万円くらい、合計で五億円くらいの予想でよろしいのではないか、こういうふうに見ておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/55
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056・鈴木壽
○鈴木壽君 わかりました。先ほどの数字は、十二億という大体の数字はこの一号に関係するそれだけだ、こういうふうに私聞きまして、そうしてまた、その指定団体分については約五億あるだろう、こういうふうに聞きましたものですから、もし二つのものを合せるとすれば、そうすると、ちょっと最初にお話が出ました五億をこすのじゃないだろうか、こういうふうについ考えたものですから、それをお尋ねしたわけです。
それから二号の場合のこれは、交付税特に特交等との関係は、これはどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/56
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057・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 原則的には、二号におきましては、国庫補助負担金を受けて行います諸対策費の裏を見ていきたい、こう思っておるわけであります。特別交付税の場合には、それ以外のいろいろな諸対策費がございますから、先ほど申し上げましたような配分方式をとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/57
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058・鈴木壽
○鈴木壽君 じゃ二号の場合には、直接にはこれに、何といいますか、特交とは別に考えて、起債の面だけでこの場合は考えていくと、こういうことなんでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/58
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059・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/59
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060・田中啓一
○委員長(田中啓一君) それでは、本案についての質疑は、本日はこの程度にいたします。
次回は明後日木曜日、十時から行いまして、本案に対する質疑の残り並びに、できますれば他の予備審査になっておりまする法案、さしあたり選挙期日に関する法案の質疑をいたしたいと思います。
本日は、これにて散会いたします。
午前十一時五十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00319581216/60
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