1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年二月十日(火曜日)
午前十時三十九分開会
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委員の異動
二月六日委員佐野廣君辞任につき、そ
の補欠として本多市郎君を議長におい
て指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 館 哲二君
理事
大沢 雄一君
占部 秀男君
鈴木 壽君
委員
小柳 牧衞君
郡 祐一君
成田 一郎君
成瀬 幡治君
松澤 兼人君
森 八三一君
国務大臣
国 務 大 臣 青木 正君
政府委員
自治庁行政局長 藤井 貞夫君
自治庁財政局長 奥野 誠亮君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
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本日の会議に付した案件
○地方自治法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
○地方行政の改革に関する調査の件
(昭和三十四年度地方財政計画に関
する件)
○市町村職員共済組合法の一部を改正
する法律案(内閣提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/0
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001・館哲二
○委員長(館哲二君) これから委員会を開きます。
まず、委員の異動を御報告申し上げますが、去る六日に佐野廣君が辞任されまして、本多市郎君が補欠選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/1
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002・館哲二
○委員長(館哲二君) これより本日の議事に入ります。
去る七日に、地方自治法の一部を改正する法律案が、本委員会先議議案として当委員会に付託されました。本日は、まずこの法律案を議題といたしまして、政府から提案の理由の説明を聴取いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/2
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003・青木正
○国務大臣(青木正君) ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
現行の地方自治法においては、国と都道府県の間及び都道府県相互間にあつては、退職年金制度上その基礎となる在職期間を通算することとなっておりますが、この際、市町村立全日制高等学校の教員等についても、恩給並びに都道府県及び市町村の退職年金及び退職一時金の基礎となるべき在職期間の通算措置を講じようとするものであります。
現行の地方自治法の規定によりますと、都道府県の退職年金条例の適用を受ける市町村立の義務教育諸学校の教職員及び市町村立の定時制高等学校の教職員につきましては、国と都道府県との間及び都道府県相互間は在職期間が通算されることになっているのでありますが、市町村の退職年金条例の適用を受ける市町村立の大学、全日制の高等学校及び幼稚園の教員並びに市町村の教育事務に従事する職員等につきましては、市町村の一般職員の場合と同様に、都道府県と市町村との間及び市町村相互間は在職期間の通算措置をするように努めなければならない旨の規定があり、通算措置を講ずるかどうかは、都道府県及び市町村の自主的な判断にゆだねられているのであります。
このように、市町村の退職年金条例の適用を受ける者について、強制通算の措置を講じなかったのは、都道府県の退職年金制度は、恩給法に準じて統一されているのに対し、市町村の退職年金制度は、国及び都道府県の制度と比較して、内容において相当の相違が見られ、在職期間の通算に伴う調整が技術的に困難であったからであります。
しかしながら、全日制高校の職員等についてこのような取扱いとすることは、都道府県、市町村相互間に人事交流の必要が強い教育職員の取扱いとしては適当でないばかりでなく、義務教育職員及び定時制高校職員との均衡の点においても適当ではないと考えられ、その是正について各方面から要望されていたところであります。政府としても、その取扱いについて慎重に検討を続けて参つたのでありますが、ここに成案を得ましたので、地方自治法の一部を改正し、市町村立の全日制高等学校の教員等につきまして、市町村の教育職員としての在職期間を、その市町村の教職員に適用される退職年金条例の規定が恩給法に準ずるような基準に従って定められている場合には、義務教育職員の場合と同様に、在職期間の通算措置を講じなければならないものとしようとするものであります。
以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/3
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004・館哲二
○委員長(館哲二君) 本案に対する質疑は、次の機会に譲ることにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/4
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005・館哲二
○委員長(館哲二君) 次に、昭和三十四年度地方財政計画に関する件を議題にいたします。
まず、自治庁長官から本計画についての説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/5
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006・青木正
○国務大臣(青木正君) ただいまお手元に配付いたしました昭和三十四年度地方財政計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。
昭和三十四年度の地方財政については、多くの地方団体がなお再建途上にあることにかんがみ、一面においては、地方税についても減税を行い、国民負担の軽減をはかることとしながらも、他面においては、可及的に地方財源の充実をはかり、行政水準の維持向上に留意することとして、次のような方針に基き、地方財政計画を策定することといたしたのであります。
第一は、中小企業の負担の軽減をはかるため、事業税を減税するほか、零細負担の排除と負担の均衡化を中心とする地方税制の改正を行うことであります。
第二は、減税による昭和三十四年度における地方財源の減少を補てんするため、地方交付税率を引き上げるほか、固定資産税の制限税率の引き下げに伴つて生ずる減収を補てんするための特別措置を講ずることであります。
第三は、公共事業を初めとする投資的事業の拡充に必要な財源を確保することにより可及的に行政水準の維持向上を期するため、次のような措置を講ずることであります。
その一は、道路整備五カ年計画の実施を確保するため、道路整備事業の国庫負担率は特に引き上げられた昭和三十三年度の負担率を維持するとともに、地方負担額の増加に対応し、軽油引取税の税率を引き上げて、道路目的財源の充実をはかることであります。
その二は、すし詰め教室の解消のための公立文教施設整備事業費等の必要資金を確保するため、地方債の総額を増額することであります。
第四は、人事院勧告に基く国家公務員の給与改善措置に対応し、地方公務員についても初任給の引き上げ及び期末手当の増額をはかることができるようにすることであります。
第五は、地方団体間の財源の均衡化を前進させるため、地方交付税制度等を改正することであります。
以上のような方針のもとに、昭和三十四年度の地方財政計画を策定いたしますと、その歳出規模は一兆三千三百四十一億円となり、昭和三十三年度地方財政計画に比して一千十八億円の増加を見ることとなつたのであります。
次に、歳出及び歳入のおもな内容の概要について、簡単に御説明申し上げます。
まず第一に歳出について申し上げます。
その一は、給与関係経費であります。給与関係経費につきましては、(一)人事院勧告に基く給与の改善のための経費、(二)すし詰め教室解消のための義務教育職員の増加、交通警察の拡充強化等のための警察職員の増加、消防行政の指導強化等のための都道府県職員の増加その他法律制度の改正に伴う職員の増加に要する経費をまかなうための財源を確保するほか、昇給、退職手当、暫定手当の増、恩給及び退隠料の増等を見込みました結果、前年度に比し四百四十一億円を増加し、五千三百九十一億円となつたのであります。
その二は、その他の消費的経費であります。このうち、国庫補助負担金を伴う経費につきましては、義務教育教材費、生活保護費等国庫予算の増加に伴う地方負担の増加をまかなうための財源を確保し、また、国庫補助負担金を伴わない経費につきましては、地方選挙費その他の増減経費を見込んだほか、特に駐在所勤務警察職員の配偶者等に対する協力報酬費を新たに計上することとするとともに、反面、可及的に、経費の節減合理化を期するため、旅費及び物件費について三%程度の節約を見込むこととしたのであります。その結果、前年度に比し、国庫補助負担金を伴う経費は、百五億円を増加し、一千二百七十八億円になり、国庫補助負担金を伴わない経費は、九億円を減じ、一千五百二十六億円となつたのであります。
その三は、公債費であります。公債費につきましては、一部償還期限の到来する地方債があること等に基き、昭和三十四年度は八百十六億円となり、前年度に比し、七億円の減を示しますが、直轄事業の地方分担金にかかる交付公債の元利償還費は累年増加する状況にあり、昭和三十五年度以降においては、公債費は再び増加を示すものと見込まれます。
その四は、道路、橋梁等の維持補修費でありますが、この経費は、前年度と同額の四百二十億円を見込むことといたしました。
その五は、投資的経費であります。このうち、国庫補助負担金を伴うものは、国庫予算において、道路整備五カ年計画に基く道路整備事業費、すし詰め教室解消のため公立文教施設整備事業費、治山治水対策事業費等の公共事業費が著しく増額されたため、前年度に対し四百十三億円増加し、二千六百六十六億円となつたのであります。
なお、地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律の適用期限の終了に伴い、関係部分の国庫負担率が引き下げられることもあつて、地方負担の増加額は二百十八億円に上る見込みであります。直轄事業に伴う地方分担金の増加額約七十八億円を加えますと、地方負担の増加額は二百九十六億円程度となります。
また、国庫補助負担金を伴わない地方独自の投資的経費につきましては、義務教育施設の整備事業費、道路整備五カ年計画における道路整備事業費、下水道整備事業費、新市町村建設に要する経費、昭和三十三年発生災害の災害復旧事業費等を中心として、前年度に比し、七十五億円を増額し、一千七十九億円としたのであります。
第二は、歳入であります。
その一は、地方税収入であります。現行制度による税収入は、前年度に比し、三百五十三億円増加するものと見込まれるのでありますが、固定資産税の制限税率引き下げに伴う減収額を除き、事業税を中心として九十七億円の減税を行うこととする反面、道路整備五カ年計画の実施に必要な道路財源を充実するため、軽油引取税の税率の引き上げ等を行うことにより増収をはかることとしていますので、差し引き四十九億円の減収を生ずることとなります。従いまして、結果において、前年度に比し、三百四億円の増となり、総額五千四百九億円となるものとしたのであります。
その二は、地方譲与税であります。譲与税収入については、三十一億円の自然増収が見込まれているのでありますが、入場税の減税に基く入場譲与税の減収十九億円を差し引きますと、前年度に比し、十二億円増加し、総額三百三十四億円となるものと見込まれるのであります。
その三は、地方交付税であります。地方交付税の総額は、二千四百八十六億円と見込みましたが、これは法定の繰入率を一%引き上げることとし、所得税減税後の国税三税の収入見込額八千二百十八億円の二十八・五%の額に、昭和三十二年度の精算分百四十四億円を加算して算定したものでありまして、前年度に比し、二百四十六億円の増となっております。
その四は、国庫支出金であります。国庫支出金は、義務教育費国庫負担金において八十六億円の増、その他の普通補助負担金において六十億円の増、公共事業費補助負担金において百八十四億円の増、失業対策事業費補助負担金において十一億円の増でありまして、総計において、前年度に比し、三百四十一億円を増加し、三千四百三十億円となっております。なお、国有提供施設等所在市町村助成交付金は、前年度と同額の十億円であります。
その五は、地方債であります。地方債につきましては、国におけるすし詰め教室の解消等の計画に即応し、適債事業の所要資金を確保するため、前年度に比し、六十五億円を増額し、その総額を四百九十五億円としたのであります。
なお、明年度における地方債としては、地方財政計画に計上する右の額のほかに、公営企業債四百八十七億円、準公営企業債百十八億円を予定しており、これらを合せて、地方債の総額は一千百億円となるのでありまして、前年度に比し、百億円の増加となっております。資金別の内訳は、政府資金八百五十億円、公募資金二百五十億円であります。
また、さしあたり交付公債をもって納付する直轄事業にかかる地方分担金の増加額が約七十八億円を見込まれていますので、これを加えますと、地方財政計画に掲げるべき普通会計分の地方債の増加額は、百四十三億円程度となる見込みであります。
その六は、雑収入であります。雑収入につきましては、高等学校の生徒増に伴う授業料の増、発電水利使用料の増その他の自然増によって、前年度に比し、五十億円増加するものと見込み、一千百八十七億円としたのであります。
なお、東京都及び五大市の下水道事業につきましては、これを準公営企業といたしますことに伴い、これにかかる歳入及び歳出をそれぞれ地方財政計画から除外しております。
これを要するに、明年度増加する一千十八億円の歳出の内訳は、(一)人事院勧告による初任給の引き上げ及び期末手当の増額に要する経費百五十七億円を含む給与関係経費並びに生活保護費等の国庫補助負担金の増加に対応する消費的経費において五百三十七億円の増、(二)公共事業、失業対策事業、単独事業等の投資的経費において四百八十八億円の増となっております。この投資的経費の増加額は、かなり著しいものがありますが、このうちには、道路整備五カ年計画による公共事業及び単独事業百八十二億円、すし詰め教室解消五カ年計画による公共事業及び単独事業八十八億円、災害復旧事業四十七億円等が含まれているのでありまして、これらによって相当行政水準の維持向上が期せられることになっているのであります。
以上が昭和三十四年度地方財政計画の概要であります。
なお、このほか、明年度の地方財政につきましては、別途、地方交付税制度の改正により、地方団体間の財源の均衡化をさらに前進させることを予定しており、また、地方道路譲与税の譲与基準等についても改正を加え、地方財源の適正な帰属について一そうの検討を加えることといたしたいと考えております。
最後に、一言お断わりいたしておきたいと存じますが、本財政計画は概算でありまして、今後精査の上、若手の異動を生ずることがあることを御承知いただきたいと存じます。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/6
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007・館哲二
○委員長(館哲二君) では次に、政府委員から補足説明を聴取いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/7
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008・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) お手元にお配りいたしてあります「昭和三十四年度地方財政計画の概要」と題しました六枚とじになっています印刷物で御説明さしていただきます。その二枚目に、「第二歳出の概要」と書いてございますところから申し上げます。
歳出の規模は一兆三千三百四十一億円となり、昭和三十三年度地方財政計画に比して一千十八億円の増加となるわけでありまして、ちようど八・三%の増加ということになっているわけでございます。右の方の数字で、カッコ書きになっておりますのは、経費から国庫支出金を差し引きました純地方負担額を示しているわけでございます。消費的経費では、五百三十七億の増でありますが、純地方負担額では、三百九十一億円だということでございます。給与関係の経費が多いわけでありまして、そのうち、給与費の(a)欄に書いてありますように、人事院勧告に基く初任給の引き上げ及び期末手当の増額分が百五十七億円で、純地方負担額では百三十一億円であります。この期末手当の増額分は、六月分で〇・一五カ月分、十二月分で〇・一カ月分ということになっておりまして、〇・一ヵ月分の年末に支給される部分につきましては、すでに国家公務員につきましても立法措置がとられたわけでありますし、地方公務員につきましても、昨年暮れそれに準じて支給が行われているものでございます。(b)は、すし詰め教室解消のための義務教育職員の増員の問題でございます。学級編成や、あるいはそれに即応して確保すべき教員の数について、標準を示す立法が行われたわけでございますが、漸進的に本法定数まで持っていくということで、昭和三十三年度におきましては、小学校の学級の児童数の最大限度は六十人とされておつたわけでございます。本法定数は五十人でございますので、大体五年を目途にその数に持っていくということで、三十四年度は五十八人に引き下げられておるということになるわけでございます。中学校は、昭和三十三年度は、一学級五十五人を最高限度に定めておつたわけでございますが、本法定数の五十人に五年がかりで持っていくという意味で、三十四年度は五十四人に引き下げられるわけでございます。そういうようなことから、七千三十人の先生を増員するということになるわけでございますけれども、児童生徒数の自然減がございますので、差し引きいたしまして、財政計画上の純増は三千二百七十一人と、こういうことになっておるわけでございます。(c)は、法律制度の改正案等に基く増員の問題でございまして、警察職員につきましては、二千五百人の増ということで、国の予算にも、拳銃その他の装備の費用が計上されておるわけでございます。給与費は全額地方負担でございますので、それに伴います財源措置をいたそうというわけでございます。また人口一万以上の市町村には社会教育主事を置かなければならないという立法がなされようとしておるわけでございまするが、それに対応いたしまして、公民教育に従事いたします人たちの増員が、人口三万人以上の市町村についてそれぞれ一人はできるように財源措置をいたしておきたいということで、五百八十八人の増員を予定いたしておるわけでございます。また、消防法の改正等によりまして、危険物取締りの関係の仕事が府県の仕事に加わつて参りまして、あるいはまた、消防訓練を充実するというような考え方があったりいたしまして、大体各府県について五人程度の増員を期待していきたいと、こう考えているわけであります。しかし、現実の人を振りかえることも可能でございますので、二人程度は、合併の事務が進捗してきたというようなこともございますので、純増として三人を考えまして、百三十八人と、こういうものを財源措置をいたしたいと考えておるわけでございます。また、昨年職業訓練法が制定されたわけでございまして、三十四年度から、府県が技能検定を行わなければならないということになっておりますので、各府県で二人程度のこの関係の職員の増員が必要であろうと、こう考えまして、九十二人についての財源措置を考えているわけでございます。(d)は、臨時職員の定数化の問題でございます。昨年、国の予算におきまして、臨時職員の二〇%程度を定数化したいということで、法律改正が行われたわけでございますけれども、国会の考え方もございまして、二七%に引き上げられたわけでございます。それに対応いたしまして、地方財政計画におきましても、七%程度の人たちを定数化できるように措置いたしたい、かように考えておるわけでございます。(e)は、暫定手当の本俸繰り入れに伴う附加給の増でございます。暫定手当につきましては、年を追うて整備していくという考え方がとられておるわけでございます。御承知のように、無紋地には三%の暫定手当、一級地には五%、二級地には一〇%、三級地には一五%、四級地には二〇%の暫定手当が支給されております。三十四年度からは、無級地の三%を五%に引き上げる。そして無紋地と一級地の違いの差をなくするということにされておるわけでございます。その機会に、五%だけは全部本俸に繰り入れてしまう。そうしますと、二級地、三級地、四級地の暫定手当は五%だけ引き下げられるということになるわけでございますけれども、従いまして、暫定手当の支給される区域は、二級地、三級地、四級地の三つだけに整理されてくる、こういうことにるわけでございます。しかし、暫定手当が本俸に繰り入れられますと、附加給の算定の基礎になって参りますので、それだけ附加給が給与費として増額になってくるものでございます。それから(f)は、昇給財源でございますが、それが百八十五億円、純地方負担額で百四十九億円、義務教育の関係につきましては、二分の一の国庫負担がございますので、その部分を差し引きました額が百四十九億円ということになっておるわけでございます。義務教育の関係の職員につきましては、すでに二分の一の負担額が国の予算に計上されておりますので、この計算にあわせまして財政計画の数字を決定いたしておるわけでございます。昨年度の予算に一%の増加を見込み、それからことし持っていきますために、さらに三%の増加を見込んで、予算がきめられています。その他の地方の一般職員でありますとか警察職員でありますとかというものにつきましては、四・二%の昇給財源を見込んでおるわけでございます。そういうものを合算いたしました額が、そこに計上されておる金額でございます。その他で五十億、ネットで三十七億ということになっておりますが、先ほど申し上げましたような暫定手当の問題でありますとか、あるいは高等学校の先生が、高等学校の収容人員の増加というようなことに伴いまして、千八百六十七人くらい増加しておるわけでございますが、そういうものの経費でありますとかというものを見込んでおるわけでございます。恩給及び退隠料二十三億となっております。これは、過去の実績に基きまして、毎年度の増加額を見て参っておるわけでございます。三%程度ずつ増加しておるというような計算をいたしておるわけでございます。
その他の経費では、(イ)国庫補助負担金を伴うものが百五億円の増で、国庫支出金を差し引きました純地方負担額が四十三億円の増加ということになっております。おもなものだけをそこに列挙しておるわけでございますが、義務教育教材費、生活保護費、児童保護費、結核予防費、都道府県警察費、その他というようなものでございます。
国庫補助負担金を伴わないものは、差引計算をいたしますと、九億円の減ということになっております。(a)が地方選挙費で、二十七億円の増加、(b)が駐在所勤務警察職員の配偶者に対する協力報償費、これは、駐在所勤務警察職員の配偶者に対しまして、月千円の報償金を給付するようにいたしたいという、新しい考え方に基くものでございまして、これに基きます主要財源は、交付税の警察費に関しまする単位費用の増額の形で全府県に保障をして参りたい。こう考えておるわけでございます。(c)が、生徒増、人口増に伴う経費の増十三億、(d)が、旅費及び物件費の節約が三十八億円の減、こういうことになっております。三十四年度の国の予算の編成に当りまして、物件費の性質別に、あるいは二%あるいは三%あるいは五%の経費の節減が見込まれたわけでございますが、地方の場合につきましてもそれに準じまして、旅費及び物件費に限り三%の節減額を見込もうといたしておるわけでございます。(e)は、合併の進行に伴う経費の減少等について、十三億円程度のものを合せて見込んでおるわけでございます。
公債費では、七億円減つて参るわけでございますが、普通地方債分につきましては、二十七億円という、かなり大きな減になっております。(2)の直轄事業分担金にかかる交付公債分では、二十三億円という、かなり大きな増加でございます。ことしは七億円の減少でございますが、三十五年度以降は、この直轄事業分担金にかかる交付公債分が新しく一そう増加して参りますので、再び増勢に転じて参るわけでございます。そういうようなことから、地方債の増額ということにつきましては、なお慎重を期して参りたいというように、将来の傾向からあわせまして、考えているわけでございます。以上のほか、東京都及び五大市の下水道事業を準公営企業に移しかえることとしたことにより、その関係の公債費三億円をこの部分から落しているわけでございます。
維持補修費では、増減を行なっておりません。
投資的経費では、国車補助負担金を伴うもので四百十三億円、国庫支出金を除いた純地方負担額で二百十八億円という、大幅な増加になっているわけでございます。これは、公共事業の規模を増大させようとする国の予算の編成の方針、それに基く国費の支出の増大、これが一つの原因になっているわけでありますが、なおそのほかに、地方財政の再建等のための国庫負担の特例に関しまする法律の期限が三十三年度で終了いたしますので、国の負担率が引き下げられるわけでありまして、反面地方の負担率が引き上げられることになるわけでございます。国費の支出額を臨時特例法の規定に基いて算定された額だと考えますと、地方の負担額は、補助事業で五十五億円の減、直轄事業で三十二億円の減ということになって参るわけであります。反面言いかえますと、この特例法の廃止に伴います地方負担の増加ということが大きな原因になりまして、地方負担が二百十八億円というふうに、大幅にふえることになつたわけでございます。公共事業費は三百九十二億円、その中には、普通建設事業費で二百五十八億円がありますが、道路整備五カ年計画の進捗に伴います部分が最も大きいのでありまして、道路整備事業費で百五十八億円、幸い道路整備に関しまする国庫負担率は、三十三年度の額がそのまま維持されますので、高率な国庫負担をしてもらうことができます。そういう関係から、地方負担の増加は五十六億円にとどまるということになるわけでございます。文教施設整備事業費は四十八億円、治山治水対策事業費で四十五億円、その他で百七億円の増加ということになっております。災害復旧事業費で三十四億円の増加ということになっておりますが、これは、昨年の災害が近来になく規模が大きかったということから災害復旧事業費がふえておりますので、こういう結果を見ているわけでございます。
(ロ)は失業対策事業費で、二十一億円の増加ということになっております。国庫補助負担金を伴わないものは七十五億円の増加でございますが、普通建設事業費は、文教施設整備事業費、道路整備事業費、下水道整備事業費、新市町村建設事業費等の関係で、六十二億円の増加が見込まれ、災害復旧関係では、三十三年度発生災害復旧事業費の増加が、三十四年まで影響をいたしまして、十三億円の増加ということになるわけでございます。
増加歳出の合計額が千十八億円で、純地方負担額は六百七十七億円ということでございますが、備考に書いてございますように、東京都及び五大市の下水道事業を準公営企業に移しかえることに伴い、昭和三十三年度財政計画から、公債費五億円、公共事業費十五億円、国庫補助金を伴わない普通建設事業費二十九億円、計四十九億円を控除して比較しているわけであります。なおこのほかに、これらの六大都市の下水道事業につきましては、一般会計から多額な金を繰り出しているわけでありますが、一応この部分だけを計画からはずして、準公営企業に持っていこう、その他は一般会計にそのまま残しているわけであります。そうすることによりまして、ある程度独立採算的な経営を強化し、事業の進捗をはからしていきたい、かたがたまた、公募地方債を相当多額につけながら、早期完成をいたしたいというように考えているわけでございます。
第三は歳入の概要でございまして、地方税では三百四億円の増加ということになっております。普通税では、(イ)の現行制度による増が三百十四億円、六・三%の増加ということになっております。事業税等の減税による減が九十七億円、国税の改正に伴う増が七億円、こういうことになっております。臨時租税特別措置法の改正等に伴いまして、その程度の増が見込まれるわけでございます。目的税では、現行制度による増が三十九億円でありますが、最も大きいのは、軽油引取税の自然増収ということでございます。都市計画税と合せまして、この増加額は二七%と、大幅な増加になっておるわけでございます。軽油引取税の税率引き上げによる増が四十一億円、全部差引計算をいたしまして、三百四億円の増加ということになるわけでございます。
地方譲与税では、入場譲与税の現行制度による増が十四億円でございまして、七・三%の増を見込んでおるわけでございます。別途入場税について減税が行われようとしておりますので、それによります減収が十九億円、差引しますと、五億円の減収ということになって参ります。地方道路譲与税につきましては、十六億円の増収を見込んでおるわけでございまして、一三%の増加ということになっておるわけでございます。特別とん譲与税が一億円の増加、差引計算をいたしまして、十二億円の増加ということになるわけでございます。
三番目の地方交付税では、二百四十六億円の増加でございますが、この中には、税率を一%引き上げることに伴いまする増収八十二億円が含まれておるわけでございまして、主税の二七・五%が二千二百六十億円、精算分が百四十四億円、こういうことになっておるわけでございます。
国庫支出金は、三百四十一億円の増でございまして、その内容は、義務教育職員給与費、義務教育教材費、生活保護費、児童保護費、結核予防費、都道府県警察費、その他の事項にわたっておるわけでございます。
公共事業費の補助負担金の百八十四億円の増加額の内容は、そこに書いておりますように、道路整備事業費で百二億円と、大幅にふえておるわけでありまして、その他文教施設整備事業費、治山治水対策事業費、災害復旧事業費補助負担金というようなものでございます。
失業対策事業費補助負担金も、十一億円増加いたしております。
地方債は、六十五億円の増加ということになっておるわけでございますが、これに対応いたします三十三年度の当初計画は、四百三十億円でございます。先ほど大臣からも御説明がございましたように、このほかに、直轄事業の地方分担金につきましては、交付公債の形で国へ納付いたしておるわけでございます。そういたしますと、三十三年度は、四百三十億円のほかに、百三十三億円の交付公債があったわけでございまして、合計いたしますと、五百六十三億円ということになるわけでございます。それに対しまして増加額が、ここに示しております六十五億円のほかに、直轄事業と交付公債で七十八億円の増加、大幅な増加が予定されておるわけでございます。合せますと、百四十三億円の増加ということになります。この百四十三億円の増加を、今申し上げました五百六十三億円で割りますと、二五%の増加ということになるわけでございます。普通会計分の地方債の純増は二五%という、かなり大きな増加を示すことになっておるわけでございます。六十五億円の方の増加額の内訳は、一般補助事業五億円、災害復旧事業二十五億円、義務教育施設整備事業二十五億円、一般単独事業で十億円ということになっておるわけでございます。一般補助事業につきましては、三十三年度から、適債事業というものを五つに限定をしたわけでございまして、総合開発、災害関連、港湾、都市計画、住宅、この五つにしぼつたわけでございます。そして大体五〇%程度の起債充当率を見たわけでございますが、ただ、都市計画事業につきましては、都市計画税がございますので、三〇%程度の充当率を見ておつたわけでございます。公共事業費の地方負担額が大幅に増加して参ってきておりますので、五億円増額いたしましても、都市計画事業につきまして三〇%の充当率、その他のものにつきましては四五%程度の充当率にとどまる、こういうような結果を見ることになっております。災害復旧事業につきましては、三十三年の災害についての復旧事業費に対する地方債がかなり多くふえて参ってきておるわけでございます。
雑収入で五十億円の増加を見ておるわけでございますが、発電水利使用料で八億円、発電料がかなり増加して参ってきておりますので、この程度の増加を見込んでおるわけでございます。高等学校の授業料、先生数の増加も対応して計上いたしておるわけでございまして八億円、その他で三十億円、雑入では、恩給納付金の増加が給与費の増加に対応して見込まれますので四億円、こういうことになっておるわけでございます。増加額の合計は一千十八億円ということで、一応歳入と歳出とバランスが合つているわけでございます。
備考は、東京都及び五大市の下水道事業を準公営企業に移しかえることに伴い、昭和三十三年度の財政計画から、国庫支出金四億円、地方債二十億円、雑収入二十五億円、計四十九億円を控除して比較してございます。
もう一つ、一枚紙で、「昭和三十四年度地方債計画」というものをお配りしてございます。今申し上げましたので、もうおわかりいただいておると思いますが、念のために、一応その紙を見ていただきたいと思います。
一般会計分が三十四年度計画額、A欄で、四百九十五億円、全額政府資金、三十二年以来一般会計分は全部政府資金でまかなうという方針をとつて参ってきておるわけでございます。三十三年度の計画額が四百三十億円でございましたから、六十五億円の増加になるわけでございます。一般補助事業につきましては、A欄で百五億円で、五億円の増加、災害復旧事業費で百四十五億円予定しておるわけでございまして、B欄から比べて二十五億円の増加、義務教育施設整備事業費で百四十五億円で、二十五億円の増加、一般単独事業が百億円で、十億円の増加、こうなっておるわけでございます。そのうちの下水道事業では二十億円で、六億円の増加、これは、六大都市分は除いたものでございます。その他で八十億円で、四億円の増加ということでございます。そのほかに、先ほど申し上げました直轄事業の分担金、交付公債によりますものが二百十一億円ございます。二百十一億円で、比較増減では七十八億円の増、こういうことになるわけでございます。
準公営企業分、これは、従来収益事業分と呼んでおつたのでありますが、どうもこの言葉がなじめませんので、準公営企業分というような表現を使いたいと考えておるわけでございます。百十八億円で、三十三年度よりも三十八億円の増加、こういうことになるわけでございます。港湾整備事業が四十五億円で、十一億円の増、浚渫に伴いますところの土地造成が主体になっておるわけでございます。簡易水道が二十五億円で、四億円の増加、屠場事業が前年通り五億円、六大都市分の下水道事業が四十億円で、政府資金が二十二億円、公募資金十八億円ということにしておるわけでございます。前年に比べまして、二十億円という大幅な増額をはかつておるわけでございます。宅地造成事業、これは、区画整備などを行います場合に、私有地の売却がおくれますので、その間起債でつなぎ事業で、区画整理の進捗をはかりたいというのがねらいでございます。新たにこういう項目を設けまして、そういう都市の事業の進捗をお助けしたい、かように考えておるわけでございます。
公営企業会計分が四百八十七億円で、七億円の増加、電気事業が百四十億円で、十億円の減、水道事業が二百四十五億円で、十億円の増加でございます。この水道事業の中には、工業用水道事業が三十二億円入っているわけでありまして、工業用水道としては、二億円の増加ということになるわけでございます。交通事業が六十五億円で、五億円の増加、東京、名古屋、大阪の地下鉄事業が相当に含まれておるわけでございます。病院事業が十二億円で、二億円の増加、市場、国際観光、ガスその他の公営企業は前年通り二十五億円ということになっております。
なお、退職手当債十億円を今まで予定しておりましたのを、三十四年度からは、予定することをやめたい。もとより合併市町村等におきまして必要があります場合には、一般単独事業の中で必要な資金の調達をはかりたいというふうに考えております。ただ、一般に退職手当債を予定するようなやり方は、三十四年度からはやめていきたい、かように考えているわけでございます。
総額として千百億円、前年度に比べまして百億円の増加、しかし、交付公債分の七十八億円を含めますと百七十八億円で、さらに大幅な増加になって参っているわけでございます。交通事業にいたしましても、工業用水道事業にいたしましても、ここにもくろんでおります金額だけでは、あるいは相当な不足を来たすのじゃないかということを心配しているわけでございまして、そういう場合には、個々の事業につきまして公募資金でも許可する心配をして参りまして、事業の進捗に応じまして起債資金が充当されますような配慮は、これに加えていたしたい、こういう考え方を持っているわけでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/8
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009・館哲二
○委員長(館哲二君) 本件に関します質疑は、次の適当な機会に譲ることにいたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/9
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010・館哲二
○委員長(館哲二君) 御異議がないようでありますから、さようにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/10
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011・館哲二
○委員長(館哲二君) それでは、次には、市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案につきまして、前回に引き続いて議題に供したいと思います。
政府委員から詳細な説明を聴取したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/11
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012・藤井貞夫
○政府委員(藤井貞夫君) 今回提案いたしております市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案の要点は二つでございます。一つは、いわゆる附加給付に関する特例の期間を三十五年、来年の末日まで延長いたしたいということでございます。第二点は、共済組合の短期給付に要します費用の市町村負担金についての特例期間を同じく三十五年の十二月末日まで延長いたしたいという、この二点になっておる次第でございます。
市町村職員の共済組合法は、三十年の一月から施行に相なって参っておるのでありますが、当時市町村職員を対象といたしまして、健康保険でもってこれらの事業の運営をいたしておったものを、共済組合の方に切りかえて参つたのでありますが、その場合に、附加給付の点あるいは市町村負担金につきましては、それぞれ共済組合法とは異なつた建前をとつておつた所があったのであります。これらにつきましては、職員の負担の関係もございますし、また、一般の健康保険法との権衡の問題もございます。急激に今変化を及ぼすということもいかがかと思われる節もございましたので、これらにつきましては、五年間にわたってこの特例措置を認めるということにいたしまして、移り変りについて円滑に参りまするように措置を講じて参つたのでございます。五年間でございまするが、この間全体の地方公務員につきまして退職年金、これと関連をしての共済組合法の取扱い等につきまして、いろいろ国家公務員との均衡の問題もございまして、改正の問題が論議をせられてきておるのであります。ただいま地方制度調査会におきましても、この問題について調査、御審議をいただいておりまして、遠からず御答申が願えるものであるというふうに期待をいたしておりますが、これらとの関連において、本問題につきましては、さらに再検討を加える必要がございますが、統一的な退職年金に関する問題につきましては、諸準備その他の都合もございまして、どうしても、早くても来年度以降に相なるものであるというふうに予想をいたしております。そういう点もございますので、これらの特例期間につきましても、もう一年間延長をとりあえずいたしておきまして、全般の制度の切りかえの一環といたしまして、本問題につきましても、あらためて検討いたして結論を見出したい、かように考えて、本法案を提案したような次第でございます。
附加給付の問題でございますが、これは、現在組合におきましては、法律上きめられております給付といたしまして、短期給付関係につきましては、保険給付、罹災給付、休業給付と、大まかにいってこの三つでございますことは御承知の通りでございまして、保険給付の内容といたしましては、療養給付、それから家族療養の給付、それから療養費、家族療養費、分べん費、配偶者分べん費、保育手当金、埋葬料、家族埋葬料、こういうふうに内容が分れております。また罹災給付につきましては、弔慰金、家族弔慰金、災害見舞金、この三つでございます。なお、第三の休業給付の範疇に属するものといたしましては、傷病手当金、出産手当金、休業手当金、この三つあるわけでございます。いわゆるこれが法定の給付に相なっておるわけでございますが、これらの法定給付のほかに、組合によりまして若干の附加的な制度を実施をいたしておるのであります。附加的給付を実施をいたしておりまする組合は七つございまして、たとえば、分べん関係で若干の補助をやる、分べんの補助費、それから、配偶者の分べん補助費、埋葬料の補給金、傷病見舞金、家族療養見舞金、それから結核患者の栄養補給金、こういった附加的の給付を実施をいたしておるのであります。こういうものにつきましては、今すぐにやめさせるという必要もないようにも思いまするし、国の場合におきましても、政令で、組合によりましては附加給付の道が開かれるというような運びにも相なってきておる状況でございまするので、もう一度全般的の制度の一環として再検討を加えてみたい、さように考えておる次第でございます。
次に、市町村負担金の特例でございますが、これは、共済組合制度の建前といたしまして、折半負担ということを一応原則にいたしておるのであります。しかしながら、従来健康保険でやつておりました時代におきまして、職員の掛金に対して、市町村が負担をいたしまする割合をずっと高めておるというところが、全国的に申しても非常に多かったのであります。それらにつきましては、急に折半負担の原則に戻りますことも、職員の負担に激変を来たすようなことにも相なりまするので、これらにつきましては、そのままの措置を認めることにして、今日まで来たつておるわけでございます。現在折半負担の原則でやつておりまするものは、全国で十一の組合でございまして、そのほかは、職員の掛金に対しまして、二倍、あるいは最も極端な場合におきましては三倍、三・八七倍というようなところもあるのでありまして、こういうものにつきましては、従来の沿革の問題もございまするし、また、他の健康保険組合との均衡の問題もございまするので、特例を認めておるのでありますが、これらの点につきましても、将来全般の制度との関連においてもう一度再検討する機会を持ちたいということで、さしあたりもう一年間特例の期間を延長いたしたい、かように考えておる次第でございます。
以上、ごく概略でございますが、補足的な説明を申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/12
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013・館哲二
○委員長(館哲二君) これより質疑に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/13
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014・占部秀男
○占部秀男君 局長にお伺いしたいのですが、今度のこの期限の延長の問題ですね。今お話のように、地方公務員の退職年金法案ができると、そこで、まあこの制度の一環として、とりあえず一カ年延長しておるのだ、こういうような御説明であったわけであります。そこで、まあ自治庁の予定通り、一カ年後に問題が解決をすると、こういうことになればこれでいいわけですけれども、それが長引くというような場合もやはり私は考えられるのじゃないか、そういうような場合には、いずれにしても、地方公務員の退職年金法が施行されるかされないかはっきりするまで、やはりこういう扱い方というものはしておいてもらうことは、現場の職員あるいはその理事者側の方としても、非常に混乱を起さずにいいわけでありますけれども、そういう点についてのお考え方は一つございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/14
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015・藤井貞夫
○政府委員(藤井貞夫君) 先刻退職年金の問題との関連性ということを申し上げたのでありますが、これは、御承知のように、現在の市町村職員共済組合におきましても、短期給付と、これにならいまして雇用員関係についての長期給付を行なっておりまして、これを同時に法律でもって規定をいたしておるのであります。そういう関連があるわけでございます。しかしながら、短期と長期というものは、必ずしも一緒にやつていかなければどうしてもまずいというものでもこれはないのではないかと考えております。短期の場合につきましては、率直に申して、私といたしましては、掛金の問題あるいは附加給付の問題、これは、そう潔癖に、法律で定められたもの以外のものはやらない、あるいはこれはどうしても折半負担でなければならぬというところまで踏み切る必要はむしろないのじやなかろうか。実際の問題といたしましても、あるいは従来の沿革から申しましても、あるいは職員の利益というような点から申しましても、このようなある程度の弾力性ということを認めて参りますることがむしろ適当ではないか、あるいは、さらには、一般的に申して、地方自治というような建前から申しても適切なことではあるまいかというような考えを実は持っておるわけでございます。しかしながら、退職年金制度との関連の問題もございまするので、これらにつきましては、できるだけすみやかに結論を得まして、法的措置を講ずる。その際に、本問題につきましても、私といたしましては、今申し上げました方針のもとに結論を下して、織り込んで参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/15
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016・館哲二
○委員長(館哲二君) 本案に対します質疑は、さらに次回に続行することにいたしまして、本日は、この程度で散会したいと思いますが……。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/16
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017・館哲二
○委員長(館哲二君) 御異議がないようでございますから、本日は、これにて散会をいたします。
午前十一時四十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X00719590210/17
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