1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年二月二十六日(木曜日)
午前十時五十一分開会
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出席者は左の通り。
委員長 館 哲二君
理事
大沢 雄一君
小林 武治君
占部 秀男君
鈴木 壽君
委員
小柳 牧衞君
郡 祐一君
成田 一郎君
本多 市郎君
吉江 勝保君
島村 軍次君
成瀬 幡治君
森 八三一君
白木義一郎君
国務大臣
国 務 大 臣 青木 正君
政府委員
警察庁長官 柏村 信雄君
警察庁長官官房
長 原田 章君
国家消防本部長 鈴木 琢二君
国家消防本部総
務課長 横山 和夫君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
説明員
警察庁保安局防
犯課長 町田 充君
警察庁保安局交
通課長 内海 倫君
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本日の会議に付した案件
○消防法の一部を改正する法律案(内
閣提出)
○警察法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
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001・館哲二
○委員長(館哲二君) これより委員会を開きます。
本日は、まず、前回に引き続きまして、消防法の一部を改正する法律案を議題にいたします。
本案の質疑は、前回において終局しておりますので、これから討論に入りたいと思います。
御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/1
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002・大沢雄一
○大沢雄一君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっておりまする消防法の一部を改正する法律案に対して、賛成の意を表するものでございます。
この法律案は、さきの消防審議会の答申の趣旨にもかんがみまして、危険物につきまして、その規制の改善と徹底をはからんとするものでございますが、適当な改正と認めるのでございます。
しかしながら、なおその趣旨を徹底させるために、次のような附帯決議を付して賛成いたしたいと思う次第であります。附帯決議案を朗読いたしてみます。
消防法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、電気による火災の増加とこの災害の発生が国民生活に与える影響の重大性に鑑み、電気工事をする者の資格試験の実施、不良電気器具の排除等電気火災防止のための措置に遺憾なきを期すべきである。
右決議する。
この附帯決議案の趣旨につきましては、過日の質疑応答で各位御承知の通りでございますので、説明を省略させていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/2
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003・館哲二
○委員長(館哲二君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて、直ちに採決に入ります。
消防法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/3
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004・館哲二
○委員長(館哲二君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたします。
次に、討論中大沢君から提出されました附帯決議案を問題に供します。大沢君の提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/4
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005・館哲二
○委員長(館哲二君) 全会一致と認めます。よって本決議案は、全会一致をもって委員会の附帯決議とすることに決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条によりまして議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例によって、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/5
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006・館哲二
○委員長(館哲二君) 御異議はないと認めます。さように決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/6
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007・館哲二
○委員長(館哲二君) 次に、警察法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の提出理由の説明は、前回の委員会で聴取いたしたのでありますが、さらに詳細な説明があれば、政府委員の方から説明をしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/7
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008・原田章
○政府委員(原田章君) 先般公安委員長から、警察法の一部を改正する法律案の内容につきまして御説明ございましたのでありますが、細部にわたりまして若干補足説明を申し上げたいと思います。
戦後、刑事訴訟法が改正になりまして、証拠主義を徹底的に採用することになりましたので、もちろん、かねがね戦前からも、科学捜査につきましては意を払っておりましたのでありますが、特に戦後におきましては、証拠主義の立場から、捜査の裏づけを強化する必要がございますので、科学捜査研究所を昭和二十三年五月に設立いたしまして、科学捜査につきまして鋭意研究して参ったのでございます。これにつきましては、だんだんと実績も上げておりまするけれども、さらに強化する必要があるわけでございます。刑法犯につきましては、昨年に比べますると、七%の増という程度でございますが、総件数百五十万になんなんとする事犯を処理するに当りまして、特に最近の傾向といたしまして、犯罪が巧妙化して参りましたので、それに対応いたしまして、証拠を徹底的に究明する必要がございまして、科学捜査の役割が非常に大きくなって参っておる次第でございます。この科学捜査部門の研究実験につきまして強化しなければならぬことは、ただいまも申し上げましたところからいたしましても、必要性が大いにあるわけでありますが、それと同時に、最近少年犯罪が非常にふえて参りましたし、また、悪質化して参りました。それから非常に粗暴にわたる事犯がふえて参ったのでございます。総件数といたしましては、青少年の犯罪、非行件数は、昭和二十八年から三十年までの平均六十五万件に対しまして、昨年、一昨年の平均は八十三万件というように、三割近くの増加をいたしております。件数がそういうふうにふえて参っておりまするばかりでなしに、先ほど申し上げましたように、非常に悪質化しまして、こういう少年で大それた事件が敢行されるというような、目をみはるような凶悪な犯罪がふえておることは、御承知の通りであります。さらにまた、犯罪を起す少年につきまして、年令から申し上げますると、年少者につきまして、十六才から十八才までというような年少者の犯罪が非常にふえて参っております。こういう関係からいたしまして、この凶悪犯罪、粗暴犯罪、また性の犯罪、こういう増加して参りました悪質犯罪に対処するに当りましては、その事犯を検挙するばかりでなしに、すなわち、鎮圧するだけでは能がないわけであります。これを事前に防止し、補導をするということによって目的を達することができるわけであります。そういう意味合いからいたしまして、一般犯罪につきましても、犯罪防止関係につきまして今後さらに研究実験をする必要がございます。特にこの少年犯罪につきましては、この犯罪防止につきまして研究をいたす必要があろうかと思います。そういう意味合いからいたしまして、今回科学捜査研究所を拡充いたしまして、犯罪防止のうち特に少年犯罪の防止ということで、防犯少年部を作りまして、それで学者その他の研究実践家の参画を得まして研究を始めたいと思うのであります。
次に、交通関係でございますが、交通量が非常にふえて参りましたこと、並びにそれによりまして相当交通事故が多くなって参りましたことは、御案内の通りでございます。昭和二十三年に比較しますると、自動車の台数は約八倍になっております。昭和二十三年には、自動車の台数は二十三万台でございますが、昨年、昭和三十二年度におきまして二百万台という数に上っております。交通事故の発生も、昭和二十三年の二万件に対しまして、昨年度は、十四万七千件というふうに、七倍程度にふえております。交通事故を起さなくとも、違反をいたしまして、それによって立件送致しましたものにつきましても、昭和二十三年の二十一万件に対しまして、昨年度は二百二十一万件というふうに十倍の増加になっております。こういう交通統制違反並びに交通事故の発生に対処いたしまするにつきましても、警察はこれが取締りに当つておるわけでありますが、ただ取り締るだけではその目的を達することはできません。これにつきましては、合理的、科学的な事故防止の方法を講ずる必要があるのでございまして、かような面につきましても、心理学者、社会学者あるいは法学部門の研究員を動員することによりまして、これが事故防止、交通法令違反の防止に当りたいというふうに考えるわけでございまして、このたび科学捜査研究所を拡充いたしまして、交通研究部門を新たに加えまして、これが研究実験に当ることにいたそうとするわけでございます。
防犯少年部門におきましては、非行少年の性格を作つておる原因の研究とか、あるいは非行危険性の判定方法の研究実験、あるいは非行少年に対しまして警察官その他のものが面接し、補導する場合の技術の、その補導の方法に関する研究、あるいは補導室、保護室の構造とか、位置とか、設備等の少年に与える影響というようなものの研究、あるいは非行少年を誘発しまする社会環境、映画とか興業とか風俗営業等のそういう社会環境の研究、あるいは地域的に少年非行が多く発生しまする地域におきましての社会学的、心理学的な研究、あるいは性犯罪、麻薬中毒犯罪、あるいは精神薄弱者、性格変質者等の犯罪の予防に関する研究、そういうような研究部門をただいまのところ一応考えております。交通研究部門につきましては、速度制限あるいは通行制限、交差点の交通方法等の交通規制に関する研究、また、交通事故の原因探究、処理に関する研究、それから設備の面におきます交通信号機とか道路標識、区画線等の交通安全施設に関する研究、それから自動車運転免許試験のやり方に関する研究、あるいは道路の照明とか広告その他のものの形とか色彩、音響、気象等の運転者に及ぼす影響、運転者の心理に与える影響というようなものの研究あるいは運転者の疲労度とか酔度、酒を飲んで酔っぱらう程度、酔度とその運転者の心理、生理に関する研究、それから運転者の適性に関する研究というような面につきまして研究を始めたいというふうに考えておる次第でございます。この科学捜査研究所を拡充いたしまして、二つの研究部門を付置するにつきまして研究員の確保の問題でございますが、来年度の予算におきまして十名をお願いいたしておる次第でございますが、この要員につきましては、心理学者、社会学者あるいは精神病、精神衛生学を研究するものというような学者、有識者、実践家等の適当な方々を物色いたしまして、人材を吸収いたしましてこれが実験の効果を上げたいというふうに考えておる次第でございます。
簡単でございますが、一通り補足させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/8
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009・館哲二
○委員長(館哲二君) これより質疑に入りたいと思います。質疑のおありの方は順次お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/9
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010・吉江勝保
○吉江勝保君 今付置されます新しい部門については、従来はどうやっておったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/10
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011・原田章
○政府委員(原田章君) 従来は、行政部門を担当しております警察庁の原局の方におきまして行政のかたわら若干手がけておった面があるかもしれませんが、大体新しい分野であるというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/11
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012・吉江勝保
○吉江勝保君 そうしますと、研究所の方では、従来あった部門を広げるというのではなしに、全然新しく今度設けられることになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/12
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013・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 従来は、ただいま官房長から申し上げましたように、保安局の交通部なり、あるいは防犯部なりにおいていろいろ資料を集め、研究をいたしておったことは事実でございますけれども、しかし、どうしても俗に申します場当り的な思いつきというようなことで、こういうことがあったからこうしたらよかろうというような、やはり感じによってやるというようなことがどうも多かったように思います。それで、行政部内におきましては、日常の行政指導ということは、もちろんそういうことでやっていく必要もございますけれども、基本的にその科学的な研究を遂げまして、そしてこれを実際の執行面に活用していくということがなければ、いつまでもあとを追っかけるような形になるということでございますので、この際、新たに基礎的な科学的な研究を積み重ねていきたいというつもりで作ったわけでございます。従いまして、研究として全く新しいとも言い切れないかとも思いますが、今までのは、科学的というには価しないような研究ではなかったか。そういう意味におきましては、新分野を開拓するということも申し上げ得るのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/13
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014・吉江勝保
○吉江勝保君 そこで今度は、研究されて、結論といいますか、結果が生まれたときに、その研究所の分野から行政に移されるだろうと思いますが、活用されるときには、どういうふうに研究が活用に移されていきますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/14
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015・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) あくまでも科学警察研究所においては基礎的な科学的な研究ということでありましてこれを実際に第一線に生かしていくということにつきましては、警察庁の保安局において、これを実情に合せるべく、科学的な基礎的な研究と同時に、実態というものについての運用面については、また保安局自体が検討し、ここを通して行政を実施する。従って、第一線との関係におきましては、学問的な研究につきましては科学警察研究所でこれを行い、一般の統計であるとか、行政面の資料というものは、やはり保安局を通じてこれを取り扱うようにいたしたい。いわゆる調査が二途に出ないようにするというようなことは、十分に考えていきたいというように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/15
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016・吉江勝保
○吉江勝保君 研究所の方で研究の結果が出た場合に、保安局の行政部門に移して、そちらの方で実施に持っていく。筋道はその通りで、あるいはその一つのやり方になるかもわかりませんが、その研究所自体が、全国なら全国の関係者のあるいは講習とか指導とかいうものに直接これも当るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/16
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017・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 現在でも、科学捜査研究所において鑑識の講習等はいたしておりますけれども、できるだけそうした実際の指導あるいは教養というような問題になりますれば、やはりこれは、行政部門でやることを原則にいたしたい。現在の科学捜査研究所におきましては、地方のむずかしい鑑識等について依頼を受けて、これを処理するほかに、ある意味の一種の学校的な色彩を持っておりますけれども、第一線に出ていってこれを指導するというようなことは、現在いたしておりません。今後の防犯少年の関係あるいは交通の関係につきましても、ある場合講習会に講師として行くというようなことは、これは専門家として行わせるということもございましょうが、指導教養の面というものは、やはり行政部門でこれを行なっていくようにいたしたい、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/17
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018・吉江勝保
○吉江勝保君 大体わかりましたが、その研究した結果が実施に移される場合に、行政部門との調整というか、そういう面を十分に考えておいてもらいたい。こういう点だけ付け加えて、終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/18
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019・小林武治
○小林武治君 人員の関係はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/19
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020・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 先ほど官房長から申し上げましたように、技官十名がこの二つの部門について認められまして、現在予算にその要求をいたしておるわけでございます。これだけ広範な仕事でございまするので、とうていその十名の技官を増置したということだけでこと足りるとは考えておりません。将来も、できるだけ専門の要員を増置するように努力いたしたいと思いますが、さしあたりましては、部内あるいは警視庁との兼務というようなことによって、最小限度の要員というものを確保して仕事を進めて参りたい、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/20
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021・小林武治
○小林武治君 機構はどういうふうになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/21
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022・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 機構は、現在科学捜査研究所が八つの課からなっておりますが、この現在ありますものを総務部と科学捜査部に分けましてそのほかに防犯少年部、これは、部の下に課を二つ程度置くようにしたいと思いますが、防犯少年部と交通部、お互いに課を大体二つぐらいにして進めて参りたい。従って、総務部、科学捜査部、防犯少年部、交通部ということに相なるかと思いますが、総務部あるいは総務室というものにつきましては、これは、科学捜査研究所長を総括的に助けるという仕事、いわゆる総務の仕事、他の三部につきましては、部長はできるだけ学者、技術者というものをもって充てて参りたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/22
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023・小林武治
○小林武治君 今の機構は、どんな形で出るのですか。機構は内規ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/23
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024・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 総理府令で規定されるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/24
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025・小林武治
○小林武治君 今の機構の問題ですが、これは実施がいつか。今の人員の配置ですね、何かだいぶさっきの説明じや大がかりのようなものに思えるが、今の増員の必要ですね。それで間に合うのか、あるいはよそから兼務させるとか、こういうふうなことを言っておりますが、それで間に合うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/25
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026・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 先ほど申し上げましたように、わずかに十名の技官を認められただけでございますので、これでこと足りるとは考えておりません。将来も増員をはかりたいと考えておりますが、取りあえずは、とにかくできるだけ有能な者を集め、また部内からも、あるいは警視庁の兼務というようなことにつきまして、最小限度の要員は確保してやつて参りたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/26
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027・小林武治
○小林武治君 私は、しばらく欠席しておりまして、つまびらかにしておりませんが、全体の増員というものは、今年は大体十分取れたのですか、警察庁の問題ですが。それは御説明になつたのですか、一度。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/27
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028・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 国家公務員につきましては、ただいま申し上げましたように、非常にまあわれわれから申せば意に満たない程度のものでございますが、地方の警察官につきましては、当初三カ年計画で一万名の増員を考え、大蔵省とも折衝いたしたわけでありますが、従って、初年度四千、次年度三千、三年度三千ということで、来年度四千名の要求をいたしておったわけでありますが、いろいろ折衝の結果、来年度は二千五百名の増員を認められまして、現在、来年度の財政計画の中にその分は織り込まれて、また、これについての装備、教養等の費用については、来年度の予算案に考えられておるわけであります。まあ二千五百名では、われわれとしても将来の計画として十分なものとは考えませんので、再来年度以降において一万増員の実現をはかりたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/28
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029・小林武治
○小林武治君 国家公務員の関係はどういうふうになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/29
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030・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 科学警察研究所の今申し上げましたような拡充に伴いまして十名の技官と、そのほか通信の関係におきまして二十八名の増員を認められております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/30
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031・小林武治
○小林武治君 前から、警職法関係なんかの際も、警察の人員がある程度不足じゃないかということを申し上げて、この増員ということについて努力をしてもらいたいと、こういうことを言っておきましたが、これは今後——もうきまったものはやむを得ませんが、今のような程度の問題では私は需要に合わない、こういうふうに思うんです。その点は、もう始終、警察庁当局としても努力をして、そうしてことに地方の要望には、私非常に足りないと思うんです。そういうことについての努力を一そうしてもらいたいということをこの際注文しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/31
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032・成瀬幡治
○成瀬幡治君 結局、警察が青少年問題で出るといったつて、取締りという形になると思うんですが、問題はやつぱり予防の、環境の浄化の方にかかってくるということになれば、警察から離れて行政部門の方にいくじゃないか、だから、吉江さんも言っているように、それとの調整問題じゃないかという話も出たんですが、これが悪影響を及ぼすのが何かといえば、まあ映画、雑誌、あるいは広告、それから危険玩具というようなことも出ておるわけでありますが、これをいい方向へ持っていこうとするのに、たとえば、一学区のPTAの人たち、あるいは母の会の有志の人たちが少し立ち上って環境浄化に努めているわけです。そうすると、とかく今まであった一つの社会秩序に対して、その地域においては若干トラブルが起きてくるわけです。そういうような動きがあると、すぐ警察の方からその人の思想調査みたいな格好で、実はそういう立ち上った母親のところに出かけていくわけです。これは私は好ましいことじゃないと思うんですが、何か、警察がこういうようなことについてすぐ出てくるわけですが、これは警察の本来の、何かこういうふうにやれというふうなあなたの方の指示があったり、あるいは警察として、そういうことになったら何か思想調査をやらなきゃならぬというような一つの方針が決定しておるのか。私は、そういうことをやるのは間違ったことじゃないかと思うんですが、ですから、そういう警官はむしろ署長の方から取り締るとか、何というんですか、やらせないようなふうに、あなたの方から警察官なら警察官に、あるいは警察署長に示してもらわなくちゃならぬと思うんですが、どういうことになってますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/32
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033・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 警察といたしましては、いわゆる思想調査ということはいたしておりません。従いまして、そういうことについて、思想調査をするような指示というものは与えたことがございませんし、また、そういう今お話のようなことについて思想調査などをすることのないようにということは、それだけについて注意を与えたことはございませんけれども、一般的にそういう問題について、行き過ぎのないようにということは、日ごろ注意いたしておるわけでございます。
ただいまお話しの青少年の不良化防止について申し上げますならば、これは私は、基本として、警察の取締りなり、あるいは警察の事前の補導なりということだけでこの問題が片づくとは絶対考えておりません。今お話のように、むしろその他の……広く申し上げますれば、政治、経済あるいは文化、宗教、社会の環境、こういうふうな問題が根底にあるわけでございましてそういうことのごく端の出張つたところにつきまして警察がタッチする面が出てくるというふうに私どもは考えておるわけでありますが、しかしながら、先ほど官房長からも申し上げましたように、非常に不良化の傾向というものは深刻でございますので、その他の行政が先行していくのを待って警察が動くということに至らない場合も非常にあるかと思うのです。これは、警察としては、犯罪の予防、治安の保持ということから当然になさねばならぬことをやつておるわけでございますけれども、警察といたしましても、この問題に非常に関心を持っております関係上、ただいまお話のような、主婦の方であるとか、あるいはPTAの方であるとか、あるいは学校の先生方であるとか、こういうふうな人たちがこの青少年の不良化防止の問題に強い関心を持っていただき、これに必要な施策を講じていただくということはむしろ期待こそすれ、そういうことをやられる方の、あれはどういう考えでやつておるかということを警察がウの目タカの目で検討すると申しますか、視察するというようなことは、これは警察の立場としても絶対にあり得ないことだと思います。むしろわれわれとしては、そういう方々の中に入って、あるいは警察でやれることならばお手伝いをするというような意味において参加をしていくということはあり得ますし、またなければならないと思いますけれども、これを何か危険なものであるかのごとくに考えて視察をする、内偵をするというような問題は絶対にあり得ないことでありますし、今後もあらしてはならない、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/33
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034・成瀬幡治
○成瀬幡治君 長官のお考えはまことにいいと思うのです。その通りでなければならぬと思うのですが、実は、現象としては逆な現象が出ておるから私は心配するのです。たとえば、子供を守る会であるとか、それから、ある学年の父兄の方たちが相談をして、そうして一つ環境の浄化に乗り出そうじゃないか、悪い雑誌は一つ焼いてしまおうじゃないかというような極端なところまで議決をしたところもあるのですが、そうした動きが出て参りますと、警察のお方が、すぐそういう人の所に行かれて、そうしていろいろ話し込まれる。あなたがおっしゃったような、いい意味で協力を申し出て、一つやろうじゃないかということじやなくて、むしろ何か、そういう人たちの考え方が危険じゃないかというような聞き込みがあるわけなんです。だから私は心配をして、今ここで申し上げたのです。まことに私たちと同じような長官のお考え方ですが、非常に末端では逆な方向になって、非常に遺憾だと思います。そこで、たとえば、私たちが当該の警察署長に対して、もう少し運営をなめらかにやつていただいて、そうして目的は一つなんだから、長い目で見るとか、あるいはむしろ警察が協力してほしいというようなこと、あなたのおっしやるようなことを言っておるわけです。ところが、実際は別なことをやつておられるから、どうもふに落ちないわけです。そこで私は、あなたの御答弁を聞き、あなたのお考えを聞いても、実は行われておることが逆なことがあるから、納得しかねるものがある、こういうことを申し上げておるのですが、これは平行線になりますから……。そういうことのないように一つ。一般的な問題として思想調査をやつていないじゃないかと、ごもっともだと思います。また、やられることじゃないと思いますけれども、何かそういうことがありますから、一つまた機会がございましたら、そういうことのないようにやつていただきたい。それが一つ。
これはまあ要望になるわけですが、続いて、科学捜査研究所でおやりになるものとして、たとえば青少年の非行というものはこういう原因から出てくるのだという、そこにウエートがあるわけではなくて、むしろ青少年の犯罪防止と申しますか、非常に身近な方の防止であって、遠因をどうこうするというようなことまでおやりになるのか、あなたがおっしゃったような、政治、経済、文化、宗教、社会教育は大きな問題だと思いますが、そこまでメスを入れられるのか、その辺はどんなようでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/34
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035・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) まず、さきの御要望の点はよく拝承いたしまして、私は、そういうことはないと今まで確信いたしておったわけでございますが、不幸にしてそういうことでもありますれば、これは非常な間違いであります。また一面におきまして、とかく警察というものは何か取締りではないかという一つの先入感で、警察が何か聞くと、これは何かそういうことでやつているのではないかとお考えになる向きもあるのではなかろうか。警察として、青少年の不良化防止には非常な熱意を持っておるわけでございまして、そういうことをなさる方々も、できるだけ警察によく御連絡をいただいて、事前にこういうふうにしていこうという協力態勢になれば、まさか今お話のようなことは起らないのではないかという気がいたします。もちろん、御指摘の点は十分に拝承いたしまして、注意をいたしたいと思います。
それから、この研究部門でございますが、これは、関連をいたしましてある程度幅広くなるということはあり得ましようが、先ほども申し上げましたように、警察のタッチいたす面というのは、何としてもある行き過ぎというところに対して動いていくということになるわけでございますので、中心的な問題は、やはり非常に非行ということに密着した部面についての研究が多かろうと思います。しかし、これがだんだんと広がつていきますと、ただいまあるいは十府県くらいになっておるかと思いますが、映画とかあるいは出版物についての青少年に見せてはならない指定をするというようなことを知事部局でいたす、そのお世話役を警察もいたすというようなこともございまして、かなり広い面にも当然事柄が事柄だけに関連はいたして参ると思いますが、警察としては、警察だけでこの問題の全面的な解決策を樹立するというような大それた考えは持っておりません。むしろ今内閣にございまする青少年問題協議会、これは、民間の有識者が委員になられ、また各省の関係省の次官が委員になって構成されておるわけでございますが、こういうようなところで基本的な総合対策というものはすみやかに樹立され、その一翼として警察がタッチする面についての技術的なものを検討していくということがほんとうに望ましいことではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/35
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036・成瀬幡治
○成瀬幡治君 警察に対して事前に連絡があった方がいいじゃないかという話ですが、私は、そういうことすらすでに間違いじゃないかと思います。だから一つ、その地域における団体の行動に関して事前に警察に連絡をとるとか何とかいうことじゃなくて、それはなくても、私は、そこまで警察が神経を払わなくても、もう少し力を注ぐべき点は他にある。あるいは相談に来られたら、そのときに相談に乗ってやるということで、何も連絡がないからおれの方から出かけて行って、あの会できめたことはどうだとか、だれがどんな発言をしたとかと、これは、実例を出せとおっしやれば実例は出しますが、そういうことでなく、やはり警察には本来の使命があると思いますから、そういうことは一つ良識でやつていただきたい、こういうことを押し問答してもいけませんから、それはそれとします。
それから、大きな問題については青少年問題協議会でやるとしても、それらと連絡をとつて、警察は警察としておやりになるということでありますが、そうしますと、十名の技官が二つに分れているようですが、たとえば、十名の技官の中の一人とか二人という者は児童心理学の専門家と申しますか、そういうようなお方を入れる用意があるのか、それとも、そうではなくて犯罪捜査、そちらの方に、そういう方も児童心理学は関係すると思いますが、児童心理学者など、学者と言ってはいけないが、児童心理学の権威のある人を技官の中に入れることを予定しておられるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/36
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037・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 心理学についてできるだけ権威のある者を入れるというようなことについては、現在非常に熱望しているところでございます。現在あの記事が新聞などに出まして、かなり心理学専攻の方から希望者も相当出てきているような状況でございまして、われわれとしては、犯罪捜査というものは、これは今までやっておりました人でとにかく一応やつているわけでございますから、むしろそうした心理学者であるとか、あるいは社会学者であるとか、そういうふうな基本的な学問的な要素というものを中に取り入れていかなければならぬというふうに考えているのでございまして、先ほど申し上げました十名で十分とは申せないわけでございますので、各大学等においてそういうことを特に専攻しておられるような学者などには調査なども委託をいたしまして、広く知識を求めて参りたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/37
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038・成瀬幡治
○成瀬幡治君 次に、交通関係のことでちょっとお尋ねしたいと思います。資料を見ますと、三十三年に十六万八千件の事故で、死んだ人は八千二百名という数字が出ているわけであります。死んでいる率は、こういうふうに非常におそろしい大きな数字であります。これをいろいろ研究していただくのも非常に大切だと思いますが、私は、これこそ路上に出ている第一線のお方たちの監督指導というものが十分に行き届いたら、相当数減つていく問題だと思っている。だから、あなたの方の部内の警察官の数をそれだけすぐふやせというお考え方もあろうと思いますが、そういうことでなくて、もう少し部内操作の上において何か監督をしていただいて、人の命が八千人も一万人も、不具になった人を入れたらものすごい損害だと思いますが、そういう交通取締りというようなことについて、いま少し行政面で実績が上るような人員配置というものはできないものであるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/38
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039・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 確かに、御指摘のように、非常に事故の増大によりまして尊い人命であるとか、あるいは財産というものが毎日侵されていくということは、非常に遺憾なことだと思います。警察といたしましても、この交通関係の警察官というものは、かなり率としては多く配置をいたしているわけでございますが、今度の増員などにつきましても、そういう配慮をしているわけでございます。増員だけでなしに、部内配置の問題について研究しなければならぬ問題があろうと思います。ちょっと申し上げますと、実は交通事故あるいは犯罪になります交通事故等につきまして、これはよほど深く研究しないと、簡単には申し上げかねることかとも思いますけれども、実はそういう事故の処理につきまして、第一線に出て、いろいろ指導をしたり注意を与えたりする人間も相当ふやしておりますけれども、交通の関係の警察官というものの相当部分というものをそういう事件の処理のためのデスク・ワークに向けなければならない。これは訴訟手続の問題もあろうと思います。従いまして、われわれとしては、ほんとうに交通警察に従事する者の大部分が街頭に出て指導ができるような状況になりますれば、今よりはよほど事故や何かについても防止ということができるのじゃないかと思いますけれども、事件として取り扱うことになると、これを書類として検察庁に送致するということで、裁判の関係だけは、かなり簡易な方法をとられるようになりましたけれども、警察において行う事務というものは非常に複雑になっているわけであります。こういうことにつきまして、われわれは今後研究をいたしまして、これは取り締られる方についてもずいぶん迷惑な話であろうし、取締り側につきましても、実に屋内の作業が多いということはばかばかしいことでありますので、こういうことについては十分に研究し、しかし、そうかといって、むやみと警察の手続を簡単にして、人権を尊重することが薄くなるようなことがあってはいかぬと思いますが、その辺の調和を適当に求めまして、できるだけ簡易な方法で手続が進められるというようなことも研究して参りたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/39
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040・成瀬幡治
○成瀬幡治君 交通事故による災害が飛躍的に多くなったということは、他方では自動車がふえてきたとかなんとかということがあるかと思いますが、そういう社会の変化に即応して、私は、第一線におられる方がどういうふうに配置され、どういうふうに行動したらいいかというようなことについて、ほんとうに一つ科学的にもう一ぺん、何と申しますか、検討をしてでもいただかなければならない段階にきているのじゃないかと思うのです。まあとかく日本人は、犯則を監督される人が見ておられるとやらなくて、それが引っ込むと出てくる。若干ネコみたいなところがあるわけでありますから、そういう点等もにらみ合せて、ぜひ一つ、警察署の前にいくと、いつも、本日の死亡者は一名だとか二名だとか出ている。誰もあれを見ていい気持はしないと思いますが、ああいうことをお出しになることも非常にいいことだと思いますが、万般の手当を一つ御検討を願えれば非常に幸いだと思います。とともに、また神風タクシーというものが一応ああいう形でピリオドを打つたような形になっておるけれども、何といったって、片一方ではタクシーが早く走り過ぎると申しますか、それも一つの大きな原因だと思うわけです。そこで、タクシー業界のお方たち、経営者のお方たちとあなたの方との関係というものが明確になっていかなくちゃならぬと思っております。で、何かあの人たちの休まれるところ、いわゆる厚生施設ですね。あるいは水揚げの問題、あるいは下車制度、いろいろな問題があると思うのですけれども、それこそ私は、そういう中に入って、立ち入つた一つ御指導をしてもらいたいと思うのですが、こういうような仕事まで、それは交通関係の方たちがおやりになっておるかどうか、こういうことは、何か少し問題が、世間でさわいだときにちょっと思いつきでおやりになるものか、実情はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/40
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041・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) タクシー業者について直接の監督と申しますか、そういうことは運輸省の所管でございますけれども、この前、神風タクシー等で問題になりました際の、手前みそになりますが、原動力は、交通事故が非常に多い。その一つの要因は神風タクシーにあるのだということで、むしろ警察の取締り面からああいうことについての、神風タクシーが起つてくる要因というものについての検討をいたしまして、運輸省と共同いたしまして、業者とも連絡をとり、ある程度の是正を要請し、それが実現し得た面があるということでありまして、警察は直接に業者を監督する立場にはございませんけれども、しかし、運転者のやむを得ずに——やむを得ずということは言い過ぎかもしれませんが、生活上そういうふうに追い込まれるという要因が除かれれば、ある程度業者の利益というものには響くかもしれませんけれども、やはり都市交通の円滑という点からいきますれば大事な問題でありますので、あえて運輸省等とも連絡をとつて、業者の人たちにも申し入れをするというようなところまで警視庁としては考えていったわけでございます。こういう問題につきましては、行き過ぎというところまではならないように、これは注意をいたさなければならぬと思いますけれども、何もこれは強制的な措置ではございませんので、注意を喚起し、できるだけ多くの理解を深めるということが必要であろう。そういう面については、警察でも、できるだけ検討した結果というものについて、直接の人でないものにまでやはり注意を喚起していくという必要があろうと思います。現在もそういう線で進んでおると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/41
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042・大沢雄一
○大沢雄一君 私は、最近都心にだんだんと増加しているパークの施設等の問題につきましてお伺いしたいと思うのですが、だんだんパークがいろいろと施設をされて参りまして、そのパークの適正料金とか、あるいはその運営の方法とか、いろいろな点がまた警察の関係の私問題になっていくのじゃないかということを考えておりますが、このパークの施設権の根拠と、何といいますか、これに対する監督権ですね、そういうものの所在、また警察との関係はどういうふうになっておりますのか、その点を一つお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/42
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043・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 例のパーキングの料金制度は、あれはたしか駐車場法というものによって、いわゆる路面駐車について料金を取れるということになっておったかと記憶いたしております。それで、その料金については法律で限界を設け、おそらく条例で定められておるのであろうと思います。警察といたしましては、そういう条例で、そういうところについては料金を納めなければならぬ。料金を納めない者はそこにパークできないということになるわけでございますので、そういう法律あるいは条例に規定された規制の限度において警察権の発動という問題は起り得ると思いますが、また、東京都におきましては、そういうことの取締りのために、警察官の都独自の増員というものを考えておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/43
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044・大沢雄一
○大沢雄一君 そういたしますと、そのパークの取締りというのか、監視というのか、運営について警察に委嘱ができるといいまするか、あるいは警察の職務としてそういうことができるわけでございますか。そのために警察官を増員するということになると、こういう関係は、警察権との関係はどういうことに考えたらいいのか、その辺をもう少し明確にしてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/44
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045・町田充
○説明員(町田充君) 私、当面の担当者ではございませんけれども、駐車場法という法律に基きまして、路上駐車場として定められた場所以外には駐車できますが、路上駐車場では一定の料金を払わなければ駐車できないと、こういう建前になっておりますので、もしそういう法律に違反する状態がありますならば、警察側がこの違法の状態を是正する、こういうことに当然なるだろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/45
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046・大沢雄一
○大沢雄一君 そういたしますと、やはり警察のそれは一つの職務ということになってくると考えてよろしいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/46
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047・町田充
○説明員(町田充君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/47
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048・大沢雄一
○大沢雄一君 従ってそういう職務に関連して警察官を増員するというようなことになった場合に、警察が一種のパークの看守人といいまするか、そういうふうなことを警察の方として引き受けるというようなことでいいわけですか、その辺はどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/48
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049・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 直接料金についての仕事は、これはこの一般職員がやるわけでございます。その違法状態を予防し、あるいは排除するということが警察の職務になるわけです。これは一般に法律なり条例なりが定められて、ある事項を規制する、そうしてそれに罰則の規定をつけるというような場合におきましては、当然それだけ警察の仕事というものは広がつて参るわけでありまして、こまかく申しますれば、そういうたびごとに何名、このためには何名必要であるから何名増員ということになるべきであろうと思いますが、一々そうしたものについて、警察官の増員というものの要求はいたしておらないわけでありますが、今度は東京都あたりでは、そういうことによって相当の駐車場設置のための財源というものを確保するというようなこともございまして、それには当然取締りが付随して必要であるということに相なりますので、基準定員を越えてある程度東京都で増員をしたということも、私は、あながち不合理なことではないというふうに思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/49
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050・大沢雄一
○大沢雄一君 私も警察官の不足の状況、ことに交通関係の取締りの必要というようなことに関連いたしまして、今のパーキングの施設とそれによる財源等に関連して警察官が増員されるということは、非常にけっこうと思っておるわけでございますが、ただ問題は、何としても初めてのことでありまするので、この施設の適正と、あるいは料金の適正というようなこととの関連を、よほど慎重に考えていたしませんと、そのために、何といいまするか、警察に対する民衆の信頼というか何というか、そういう点につきまして、私は累を及ぼしてはならないと、一面にそういうことも考えまするし、それらの点を、これは慎重にやはり新しい問題として考えていっていただきたいということからお伺いをしているわけですが、この現在自動車の激増に対しまして、警察の方としては、それにどういうふうに対処するお考えでありますか。これは、何といいますか、現在の状況では、この交通の研究とかいうものはむろん必要でありまするけれども、根本の自動車の増加を野放しにして道路の拡充やら改修やら、これは急速にいかぬわけです。こういう状態では、われわれは平生実際体験するところ、これはいかなる施策をやつても、根本の自動車の増加の規制ということを考えないというと、追っつかないのじゃないかということを、日々の交通を実際に体験して、そういう感じがするわけであります。パーキングの問題もそれに関連しての何ですが、その根本の問題について、警察としてはどういう研究をし、どういうふうに対処していくつもりか、私は、この根本問題をやはりやってもらわなければ、これはちっとやそっとのことでは、交通事犯の問題は解決しないのじゃないかと思うが、どういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/50
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051・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 確かに御指摘のように、交通事故あるいは交通の不円滑というものが、自動車の急激な増加によっておるということは確かだと思います。これはしかし、自動車について、直接は運輸省の所管でございますが、警察としてもそういった事故防止といったような点から、重大な関心を持っておるわけであります。ただ、増加を相当強く規制するのが適当であるのか、あるいはやはりこの増加というものに応じて道路の整備であるとか、あるいは通行の仕方であるとかというようなものについて検討するのが正しいのかという問題は、お互いに関連する問題とは思いますが、ただいまは警察として、お話のように強い規制を自動車の増加に加えるというところまで踏み切った考えにはなっておらぬわけでございます。しかし、将来の問題といたしましては、あるいは自動車の数であるとか、あるいは形であるとか、日本のように狭い道路が多い所に、ああいう大型な自動車が勝手に走り回ることがいいのかどうかという問題は、当然研究に値することではないかと思っておるわけでございますが、ただいまのところ、そういう問題について、かくいたすべしという結論に到達しないということを申し上げておく次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/51
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052・大沢雄一
○大沢雄一君 今お答えにもございましたが、交通の取締りは警察、道路の建設は建設省、それから自動車の許可は、産業の将来だとかいや何だとかといって通産省、あるいは運転の問題については運輸省、それぞれこの根本の問題について、ただ所管だけのうちで検討して解決しようとしてもできないのですね。どうもそれらの点について、私は、もっと政府が根本的な問題から解決しなければ、ただ、いたずらにこれは他の省にその責任を持って回っているだけでは、肝心の交通事故、交通事犯の防止ということはできないと思う。この交通部門を、科学警察研究所を作つてやることもけっこうでありまするが、やはりさかのぼって政府としては交通の根本問題について解決するという勇気と熱意がなければ、これは結局、何というか、もうむだとまでいかないまでも、ほんとうのこうやくばりの一時的な問題、こういうことにならざるを得ないと私は思う。それらの科学的な研究をされるという結論を、先ほどもこれに関連した御意見かと思いまするが、少し根本問題にさかのぼって、やはり科学的な見地から結論を出されて、それによって政府全体の政策を生み出す基本にせられまして、ぜひこの問題の根本から一つ解決するように、私はお願いしたいと思うのです。
さしあたっての問題といたしまして、よく新聞等でも見受ける意見でありまするが、自動車の激増を、これをこのままにしておいていろいろなことを言うてもしょうがないのですが、激増を抑制する手段として、いろいろまあ自動車産業から苦情等があるかもわかりませんが、せめてガレージのない自動車の所有ですか、それは禁止したらどうかということもちょいちょい見受ける。これも私は一方法じゃないかと思うのですが、こういう点については、どういうふうにお考えになっておりますか、その点を参考のために伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/52
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053・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 交通問題につきまして、各省がばらばらであってはならないということは、まさしくお説の通りでございまして、実は、政府におきましても、三十年の七月に交通事故防止対策本部というものを内閣に設けまして、関係各省相寄りまして検討を続けておるわけでございます。こういうものを御指摘のように強力に運営して、抜本的な対策というものをすみやかに樹立するということが必要であろうというふうに思います。今度の科学警察研究所の拡充に伴いまして交通部面の研究をいたしますのも、そういう基本的な対策と並行し、あるいはこれに随従して検討がされるということが好ましいことではないかというふうに思っておるわけであります。ガレージの問題につきましては、ちょっと私今詳しく——そういうお説のようなことになるべきであるということは、私も同感でございますが、法制的に現在どうなっているか等につきましては、交通課長から申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/53
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054・内海倫
○説明員(内海倫君) かわりましてお答え申し上げます。ガレージの問題につきましては、警察側としましては、ただいまの御意見と全く同じような考えをもちまして、関係各省とも折衝をいたしてきたのでありますが、現在のところ、ガレージの問題につきましては、もし行政所管ということになりますと、これは運輸省の所管になろうかと思うのであります。と申しますのは、運輸省の方で自動車の登録をその行政所管としておりまするので、その登録の際に、ガレージを必要とするかしないかということを定めれば、これは非常にはっきりしてくるのでありますが、それにつきまして、運輸省としましては、もちろんガレージが持たれることは望ましいことであるけれども、現状ではなかなか完全なガレージを持つということは困難であるということもありまして、強制はいたしておりません。ただ、自動車置場というものを明示するように、登録いたします際に、備考欄でこれを要求はいたしておるようであります。従って、私が自動車を購入して登録する場合に、私の車の置き場所は何区の何番地であるというふうなことを、その登録する際の備考欄に書かせておるようでありますが、もちろんこれは強制力を持っておりませんので、いかんともしがたいところであります。で、まあ警察側としましては、先ほどの御意見のようなことで、非常に道路交通の妨害になっておりまして、現に事故もそういうことから発生しておるケースもございますので、何とかガレージを持つように指導してもらいたいということを要望しておるのでありますが、どうも特に東京のようなところでは、それだけの土地を持つことがなかなか困難というふうな事情もあり、それを強く要望すれば、自動車の生産の上にも影響があるというふうなことで、実は通産省の方からは、この点については、できるだけ交通取締りということで処理をしていただいて、ガレージ設置の義務を課するというふうなことについては、慎重な態度をとつてもらいたいというふうなことを、関係課長から当該課長であります私の方にも話があったような次第でありまして、従いまして、現在行政機関としましては、この問題をどうするかということの具体的な結論には至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/54
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055・大沢雄一
○大沢雄一君 事情はよくわかりましたが、結局これは地上でガレージを必ず求めるということも、これは東京都内では困難でしょうから、あるいは地下室を作るとか、あるいは何か施設に相当要することでありますけれども、これはやむを得ないのじゃないかと思う、いろいろ御苦心の点はわかりますが、一つ十分検討をされまして、私は、とにかく道路に対する自動車の負荷といいまするか、台数、こういうものの限度は必ずあると思う。ことに日本のような道路につきましてこれを十分一つ検討をされて、これに対処する施策を立てられて、強力に一つ進めていただきたい。それもこれから研究するというと、まごまごしておったのじゃおっつかないから、少しこれは一つ強力にやつていただきたいということを、皆さんだけに要求するのは、これは少しどうかとも思いますが、ちょうど問題が出ておりますので、一つお願いしまして、また適当な機会にそれぞれの所管の政府側には要求したいと思っておりますが、どうぞ一つお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/55
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056・占部秀男
○占部秀男君 簡単に御質問申したいと思うのですが、私がおくれて来たものですから、あるいは説明あるいは質問の中であったかと思うのですが、もし重複したらかんべんしていただきたいと思うのですが、この改正法で、新たに少年の非行の防止その他犯罪防止に関する研究及び実験が行われる。こういうことになるわけですね。そこで、研究の範囲の問題についてお伺いしたいと思うのです。というのはこういうような少年の非行という問題は、まあ大きな問題でありますけれども、この非行をする少年のいろいろな実例、私もしろうとながら聞いてみますと、まあ生理的な、精神的な要因もありますけれども、むしろ社会的な要因の方が私はより大きな感じがするのです。そこで、この研究の範囲をどの程度の研究の範囲にするのかという問題について、一応方針がございましたらお知らせを願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/56
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057・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 詳細はあと官房長から申し上げますが、基本的な考え方といたしましては、確かにお話のように少年非行という問題のよって来たるところは、決してその個人的な性癖のみから起るわけではなく、また性癖というものも先天的に持つたものだけから保持するものではない。従って、基本的には政治、経済、文教その他各般の社会的環境というものが、この少年の非行という問題を非常に深刻なものにいたしておるというふうに考えざるを得ないわけであります。従いまして、この非行防止ということについての基本的な対策というものにつきましては、警察がおこがましくも全部引き受けてこれを研究するということを、われわれは決して考えていないわけでありまして、むしろ、内閣にございまする青少年問題協議会、これは先ほども申し上げましたが、民間の有識者と、それから関係各省の次官から構成されております協議会等において基本的検討をされるべき問題と思います。従いまして、警察のこのたびの研究というものは、こういう基本的なものに即応して、できるだけ警察の仕事に密着した範囲においてこの研究を進めて参りたいというふうに思いますが、これは、なかなかどこで限界を切るかということはむずかしい。従って、あくまで態度としては、そういう警察の職責というものを中心にして、そして次第に広がつて薄くなるというような研究——これは非常に抽象的な申し方で申しわけございませんが、そういうように考えておる次第です。また研究の、何と言いますか、項目等についてもしお尋ねがございますならば、官房長の方から申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/57
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058・占部秀男
○占部秀男君 重複すると悪いですから、重複していませんか……。じゃちょっとお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/58
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059・原田章
○政府委員(原田章君) 先ほど長官から申し上げたところでございまして基本的には、その少年非行に密着する面についての研究でございます。従いまして、本人の性格を作つているいろいろな要因の研究とか、あるいは非行危険性の判定方法の研究とか、そういう本人に関するもの、それからまた、警察におきまして保護しましたり、補導しましたりする場合の保護室とか、補導室の構造とか設備とか、あるいは補導の方法に関する研究というようなもの、それからもう一つは、その非行少年を誘発しまする社会的な環境、まあ映画とか風俗営業とか、そういうものの研究、また少年犯罪がたくさん発生する地域等についての社会学的、心理学的な研究というような二つの面から研究をしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/59
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060・占部秀男
○占部秀男君 この点について、これは御答弁は要らないのですが、要望があるのですがね。というのは、今のような項目でけっこうなんでありますけれども、これを研究する場合に、おのずからやはり一般的な社会的要因にどうしてもつながるわけですね。そのときに、警察庁は警察としての一応の立場もありますけれども、だからといって、あまりそうした役所であるということにとらわれて、何か切ってしまうような形をとられてしまうと、その研究の結果から出た何か少年非行の防止のための施策といいますか、方法ですね、方法が、どうも取締りゃいわゆる監視的な補導の面に重点が置かれがちになっていくのじゃないかということを心配するわけです。そこで、なるべく一つ広く社会的な要因についても大胆に研究をして、結果を出していただきたい、かように思うわけです。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/60
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061・館哲二
○委員長(館哲二君) ちょっと速記をやめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/61
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062・館哲二
○委員長(館哲二君) 速記を始めて。
質疑は次回に続行することにいたしまして、本日は、これにて散会いたします。
次回は、三月三日の火曜日午後一時開会いたします。
午後零時十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01219590226/62
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