1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年三月十九日(木曜日)
午前十時四十五分開会
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委員の異動
本日委員吉江勝保君辞任につき、その
補欠として廣瀬久忠君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 館 哲二君
理事
大沢 雄一君
小林 武治君
占部 秀男君
鈴木 壽君
委員
郡 祐一君
小柳 牧衞君
西郷吉之助君
成田 一郎君
加瀬 完君
成瀬 幡治君
松澤 兼人君
衆議院議員
纐纈 彌三君
国務大臣
国 務 大 臣 青木 正君
政府委員
自治政務次官 黒金 泰美君
自治庁財政局長 奥野 誠亮君
自治庁税務局長 金丸 三郎君
運輸省自動車局
長 國友 弘康君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
説明員
自治庁税務局府
県税課長 大村 襄治君
自治庁税務局市
町村税課長 鎌田 要人君
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本日の会議に付した案件
○中小企業に対する事業税撤廃の請願
(第一一四号)(第一二〇号)(第
一五七号)
○遊興飲食税減免に関する請願(第六
五号)(第六六号)(第三八一号)
(第四九三号)(第四九四号)(第
四九五号)(第五三二号)(第五五
二号)(第五五三号)(第五八六
号)(第九五六号)
○個人の市町村民税の非課税範囲拡大
等に関する請願(第九六二号)
○公衆浴場業に係る固定資産税軽減の
請願(第五号)(第六号)(第八八
号)(第一六六号)(第二五七号)
(第九三七号)
○地方税法中大規模償却資産に対する
固定資産税課税改正の請願(第八一
三号)(第八四〇号)(第八五七
号)(第八七八号)(第一二八三
号)(第一三七三号)(第一三九一
号)(第一四四七号)(第一四七六
号)
○昭和三十四年度地方交付税の税率引
上げ等に関する請願(第九六三号)
○地方財政の確立に関する請願(第四
五一号)
○地方交付税率引上げ等に関する請願
(第二四〇号)(第三五三号)(第
三五七号)
○地方税の減税措置に関する請願(第
六一三号)(第七一五号)
○国の減税による地方財源減少補てん
措置等に関する請願(第五七一号)
○昭和三十四年度地方財政措置の拡充
強化に関する請願(第八六五号)
○公債費対策に関する請願(第七九二
号)
○地方交付税法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
○地方税法等の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○地方税法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査
(昭和三十四年度地方財政計画に関
する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/0
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001・館哲二
○委員長(館哲二君) これより委員会を開きます。
本日は、前回に引き続きまして、地方交付税法、地方税法の改正案について質疑をお願いいたすのでありますが、その前に、これら法案に関連のあります請願が相当数付託になっておりますので、慣例によりまして、まず請願の審査から行いたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/1
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002・館哲二
○委員長(館哲二君) 御提議はないと認めます。地方税法関係といたしまして、百十四号中小企業に対する事業税撤廃の請願外二十九件、それから地方交付税法関係として、第九百六十三号昭和三十四年度地方交付税の税率引上げ等に関する請願、それから両法案並びに地方財源措置関係として、第四百五十一号地方財政の確立に関する請願外八件、以上四十件を便宜一括して議題といたします。
お手元に配布してあります一覧表によりまして、専門員から説明をいたさせますから、御聴取を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/2
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003・福永与一郎
○専門員(福永与一郎君) 最初に、事業税関係の三件から御説明申し上げます。
すなわち第百十四月外二件は、いずれも中小企業に対する事業税撤廃の件でございまして、内容は、中小企業従業者に対する退職金制度を創設実施するための財源充当の目的をもって、今国会において中小企業事業税撤廃が実現するようにお願いしたいというものであります。
次は、遊興飲食税関係十一件でございます。これは、いずれも遊興を伴わない飲食に対する免税点を現在の三百円から五百円に引き上げを要望するものであります。
次は、市町村民税関係一件でございます。請願第九百六十二号は、地方税法の二百九十五条と申しますのは、市町村民税の非課税の範囲を規定しておりますが、その中に、前年中において所得を有しなかったものは非課税、市町村民税を課せられない旨が規定されておりますが、この規定を改めて、前年中の所得が、所得税法第十二条の規定による基礎控除額すなわち九万円に満たないものは、零細所得者として市町村民税の課税の対象からはずすように法律を改めるとともに、これによって減収をもたらす税源措置については、別途適当なる補てんの道を講じていただきたい、かような趣旨のものでございます。
次は、公衆浴場にかかる固定資産税の軽減に関する請願六件でございます。内容は、公衆浴場の特殊性にかんがみ、その営業用の土地及び建築物の固定資産税を軽減すること、また、公衆浴場の営業用土地及び建築物の評価については、その建築物の特殊構造にかんがみて、特別の減点基準を設けること等の措置を要望するものでございます。
その次は、大規模償却資産に対する固定資産税の課税規定を改正していただきたいというものでございます。内容は、まず地方税法第三百四十九条の四、すなわち大規模償却資産に対する固定資産税の課税標準の特例として、現在基準財政需要額の百分の百十とありますのを百分の百七十に改められたい。その次には、三百四十九条の五の規定でありまして、新設大規模償却資産に対するこれも課税標準の特例として規定されております課税対象が、「新たに建設された一の工場又は発電所の用に供するもの」とありますのを、工場と発電所のほかに変電所を加えられたいというものでございます。なお、第三点として、新設のそういう大規模償却資産に対する課税の特例の適用年度を、第一年度は百分の百八十、第二年度は百分の百六十、第三年度は百分の百四十とありますのを、一様にその固定資産税が課税されるようになった年度から五カ年間の間は、一様に基準財政需要額の百分の二百に改める。以上三点の改正を要望するものでございます。
その次は、地方交付税の引き上げ等を要望するものでございまして、昭和三十四年度には、地方交付税の税率を最低三%引き上げるとともに、合併市町村に対する財政措置については、その需要額算定に最も影響の大きい種地の決定に特に著しい不利を来たさないように、規定の改正を望むというものでございます。
その次は、地方財政の確立に関する問題でありまして、地方税の減税の問題については、地方財政確立の重要性にかんがみて、特に公約減税の円滑なる実施と、地方自治の育成保護に万全を期せられたいという趣旨のものでございます。
その次、地方交付税率の引き上げに関する件三件、その次の地方税の減税措置に関する件というのが二件ございます。合せて五件は、いずれも今回の地方税の減税に関連いたしまして、地方交付税率を一・五%引き上げること、たばこ消費税率を三・四%引き上げること、個人事業税の減税額を三十五億円以下にとどめること、中小法人に対する減税は、法人税の軽減、税率の引き下げによること、入場税、遊興飲食税の改正はこの際行わないこと、減税に伴う減収補てんのための地方団体間の財源調整は行わないこと等を要望するものでございます。
その次の第五百七十一号と八百六十五号、この二件は、いずれも地方財政に関連いたしまして、国税及び地方税の減税によって生ずる地方財源の減少については、たばこ消費税率、地方交付税率の引き上げによって完全に補てんの措置を講ずること、地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律は、三十八年度までその適用期限を延長すること、道路整備緊急措置法に基く国庫負担の特例は、これを維持すること、既発行の交付公債にかかる利子については、これを無利子とすること、昭和三十四年度における地方債を相当額増額するとともに、公営企業金融公庫の出資金を相当額増額する等の実現を期せられたいという請願でございます。
最後に、第七百九十二号は、公債費に対する恒久的対策として、特別法をこの際制定するとともに、特別の財源措置を講ぜられるように、格段の考慮をお願いしたいという趣旨のものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/3
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004・館哲二
○委員長(館哲二君) 以上、請願につきまして説明をしていただいたわけでありますが、これらにつきまして、御質疑なり御意見なりがありましたら、御発言を願います。政府側におきましても、ありましたらお述べを願います。——別に御発言がなければ、請願の審査はこの程度にとどめておきたいと思います。各請願の願意をごしんしゃくの上、法律案の御審議をお願いいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/4
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005・館哲二
○委員長(館哲二君) これから引き続きまして、地方交付税法の一部を改正する法律案、地方税法等の一部を改正する法律案、地方税法の一部を改正する法律案、昭和三十四年度地方財政計画に関する件、以上四件を一括しまして議題といたします。
ただいま議題といたしました三法律案は、昨日衆議院から本院に送付されて参りましたが、そのうち地方税法等の一部を改正する法律案は、修正議決であります。従いまして、質疑に入ります前に、まずこの修正点について、衆議院側から説明を聴取いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/5
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006・纐纈彌三
○衆議院議員(纐纈彌三君) ただいま議題となっておりまする地方税法等の一部を改正する法律案は、衆議院におきまして修正の上、去る三月十八日に通過いたしたのでありますが、その修正部分につきまして、修正の理由を簡単に御説明申し上げます。
政府原案は、道路整備計画の推進に伴う地方道路財源の充実をはかるため、軽油引取税について現行税率一キロリットルにつき八千円を一万二千円、すなわち現行税率の五割増しに引き上げようとしているのでありまするが、本税は、揮発油税及び地方道路税が国及び地方団体の有力な道路財源となっていることにかんがみまして、これとの均衡をはかりまするため昭和三十一年に創設されたものでありまして、当時の税率は、一キロリットルにつき六千円でありましたものが、翌三十二年には八千円に引き上げられ、今また一挙に五割の引き上げを行いますならば、僅々三カ年間に二倍の増税になるのであります。現在すでに相当多額の負担を課しておりまする実情から見まして、さらにあまりに急激な負担の増高を生ぜしめますことは、創設後日なお浅い本税の健全な運営にかえって支障を来たすのみならず、バス、トラック事業等につき、運賃の値上げあるいは従業員給与の切り下げ等、好ましからぬ影響の生ずることも考えられますので、この際、現行税率の三割、すなわち一キロリットルにつき二千四百円程度の増額にとどめることが適当であると認めまして、政府原案に対して、右趣旨の修正を加えようとするものであります。
なお、この修正によりまして、地方財政計画上約十六億五千万円の歳入欠陥を生ずることとなりますが、政府におきましては、今後本税及び地方道路税の徴収確保に努め、道路整備五カ年計画の達成に遺憾のないよう指導することを期待したいのであります。
以上が修正内容及び修正理由の要旨であります。何とぞ慎重御審議の上御賛成いただきたく、お願い申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/6
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007・館哲二
○委員長(館哲二君) それでは、これから各案件につきまして質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/7
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008・館哲二
○委員長(館哲二君) 速記を起して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/8
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009・鈴木壽
○鈴木壽君 前の委員会でお聞きしましたことについて、最初資料のお願いをしたいと思います。いわゆる基地交付金について資料をお願いしたいのですが、これはまあちょっとめんどうなことになるかとも思いますけれども、いろいろ問題となっております課税対象の評価の問題等について知りたいと思いますので、昭和三十二年、三十三年、この両年度に分けて、各市町村ごとに課税対象になっているもの、これは大まかに、土地その他の施設と、この二つぐらいに分けていただきたいと思いますが、あまりこまいところまではなかなかめんどうだと思いますし、で、土地の場合には面積等も入れまして、それに対応する土地台帳の価格、それから交付金の配分に当っての、例の八割で配分した額と、それからさらに二割で、いわゆる調整を含めた意味での配分がなされているというふうに聞いておりますが、この二割で配分をした額、合計、こういうことで、両年度比較ができますような形で、その形式の点は適当でよろしゅうございますから、めんどうでも一つお願いをしたいと思います。なお備考欄に、できれば、調整を含めた二割分の配分につきまして、特に指摘をしなければならぬような事情がありましたら、お書き入れいただければありがたいと思います。少しめんどうな資料でございますが、それを一つお願いしたいと思います。よろしゅうございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/9
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010・館哲二
○委員長(館哲二君) 政府側ではいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/10
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011・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) できるだけその御趣旨に沿うように作成をして、御提出をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/11
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012・館哲二
○委員長(館哲二君) できるだけ早くお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/12
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013・鈴木壽
○鈴木壽君 それから、この前に、法定外普通税の問題について若干お尋ねをしたわけなんですが、いま少しこの問題についてお尋ねしてみたいと思います。それから、さらにいま一つは、超過課税の問題でございますが、最初の問題につきましては、大体この前いろいろお尋ねもし、またお答えもいただいて、お考えのあるところは承知いたしたわけでございますけれども、これは、何といってもやっぱり最後には、地方団体がいろいろ財政上の苦しさから、それなしではやっていけないというようなところに、いつまでたってもこの税の撤廃ないしは廃止ができないという、そういうことになっておると思うわけなんですから、単に自主的な廃止を望むと、これだけでは何年たっても、いろいろな不合理を指摘されながらも、なかなかこれはやめるということにはならぬじゃないだろうか。従って、今後いろいろな面で指導していく、あるいはまた財政需要の面等で考えていくと、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、もっと私、突っ込んだ財政措置というものが考えられなければならぬじゃないだろうか、こういうふうに思うわけなんですが、繰り返しになるようで恐縮でございますけれども、その点、いま少しく積極的な、そういう財政措置の点まで大きく考えていっていただけるものかどうか、お考えをお聞きしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/13
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014・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 法定外普通税は、御指摘の通り、相当財政のつらい所で起しておるのが多いわけでございますが、また、特殊の事情から、ちょうど適当な物件があるとして法定外の普通税を課しておる所もあるわけでございます。実は、三十三年度におきまして、約一億一千万円程度の法定外の独立税の整理をいたしております。こういうことができましたのも、最近財政の状況が漸次好転をいたして参りましたこと、また、できるだけ零細な法定外の普通税を整理するというような私どもの気持が府県や市町村に反映をして参りまして、府県、市町村が努力をいたして参った結果であろうと、かように考えておるわけでございます。これを徹底してなくするということは、この制度の趣旨からいたしまして、私どもどうかと思うわけでございますけれども、できるなら、零細な、またほかにあまり見かけないようなものであれば、できるだけこういうものはやめて、一般の法定の税によって収入を上げるようにすることが望ましいわけでございます。特別な財政措置と申しますというと、あるいは普通交付税で考えますとか、あるいは特別交付税で考えますとかいうようなことが考えられるわけでございますが、今回の普通交付税の改正は、相当税源に乏しい団体に有利な改正に、相当に思い切った措置がとれることになっておると、かように考えるわけでございます。で、それ以上、法定外の普通税を設けておる府県なり市町村に特別なことを考えるということは、こういうような府県、市町村が地域的にも別に一カ所に集中しておるわけでございませんし、あるいは山村なり、あるいは漁村なり、いろいろいたしまして、独特の制度を設けるというわけにも参りませんので、御指摘のように、徹底した措置をとるということは、私ども制度的になかなか困難であろうかと思いますけれども、全体的に府県や市町村の財政力を強化するというような大筋の行き方によりまして、あとは当該の地方団体の財政運営によろしきを得つつ、やはり漸次できるだけ、零細なものあるいは時勢から見て不適当と思われるものを廃止する、こういう方向へ持って参りますことが、法定外普通税の性格からいって妥当な線ではなかろうか、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/14
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015・鈴木壽
○鈴木壽君 ただいまのお話では、積極的に現在以上の、何と言いますか、国が財政措置を与えるというようなことについてはできないというようなお話、それと、もう一つは、法定外普通税そのものからして、全部が全部廃止されるべきものではないと、こういうようなお話であるように私聞きましたが、これは地方税でございますから、しかも、法律にいわゆる法定外普通税を認めておる立場からしますと、そのときの事情によっては、その団体の事情によっては、これは許されていいことだと、私も原則的な意味ではそういうふうに考えます。ただ、現在行われております普通税のうち、じゃ、いずれもそういう税という面からいって当然だと、こういえるものばかりであるかどうかというのは、私はちょっとやはり疑問だと思うのです。ですから、この中には、どうしてもその団体によってははずせないのももちろんありましょうし、この程度のものであれば適当だというようなものもあるだろうと思うのですが、しかし、今言ったように、全般的に見て、必ずしもそういうものばかりだとは私は言えないと思うのです。そこで一体、まあ一つ、よくいわれますことは、地域の団体によって、甲の団体、乙の団体、その中に居住する住民の間のいわゆる税負担の不均衡というような面、あるいは、今申しますように、税そのものがどうかと思われるような問題、こういう問題を考えていけば、やはり方向としては、大体整理していくような方向に立つべきであろうと、こういうふうに私考えるのです。この点、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/15
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016・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 法定外普通税は、先ほども申し上げましたように、いろいろその設定の根拠と申しましょうか、事情がございまして、法定税目との均衡から、有力な税源だと考えて課税をしておるものがございますし、受益者負担的な性格から、目的税的に運用されてきたものがございますし、また、林産物の移出のように、法定税目に変えまして、課税方式を変更して課税をしているものがございましたり、あるいは犬税、ミシン税のように、財政収入をできるだけ上げようということからあえて課税をいたしておりますもの、あるいは接客人税とか扇風機税とか金庫税のように、廃止されました法定税目をそのまま継続して存置しておるようなもの、こういうふうに、五つぐらいに分類できるのではないかと思います。このうちの犬税、ミシン税、それから接客人税、扇風機税、金庫税というような、この二つの種類のものは、私どももできるだけ極力廃止するようにいたした方がよろしい。展近数年間、交付税のき引上げその他によって相当な財源を強化いたして参っておりますから、私どもも、そういう点につきましては全く同感でございまして、できるならば、このような法定外の普通税はできるだけ早く廃止した方がよろしい。ただ、ほかのものは一概にそういうふうにも言えないのではないか。やはり府県や市町村の財政の自主的な運営ということも尊重して参る必要があるのではないか。ただ、法定外の普通税を設定いたします場合、私どもとしては、できるだけすみやかに一般財源で充当するように、その期限はできるだけ短期間の期間を限って許可もいたしましたり、運用上はそういう注意はいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/16
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017・鈴木壽
○鈴木壽君 いま一つお聞きしますが、今の御答弁の中で、はずすべきが至当であるというふうに考えられておる税は、市町村分でいえば何々でございますか。いま一度一つ。今あなたがおあげになったのは、市町村税に関係したことだと思うから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/17
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018・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 必ずしも市町村だけとは限りませんけれども、犬税、ミシン税、このように、もっぱら財政収入を増加しようという計画で設定をいたしております種類のものが一つ。もう一つは、接客人税、扇風機税、それから金庫税というように、従来法定税目でございましたものが廃止されましたけれども、それをそのまま法定外普通税として変更して徴税をしているもの、この範疇のもの、この二つの種類のものは、私どももできるだけ早く整理をして、一般財源でまかなうようにするようなことを強く勧奨をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/18
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019・鈴木壽
○鈴木壽君 これは、いわゆる法定外普通税、自治体のお考えによるのだといっても、実際はあなた方との間の、言葉は正式に何と言ったらいいか、認可というか、あるいはどうか、私はそこら辺はっきりしませんが、何かの形で、いわゆるオーケーをとらなければやれないことになっている実状じゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/19
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020・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) それは、自治庁で許可をいたすことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/20
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021・鈴木壽
○鈴木壽君 これは、期限も大体付せられておるように聞くのですが、それはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/21
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022・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 期限も、こちらの方で付し得ることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/22
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023・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、今の犬税、ミシン税、あるいは扇風機税、接客人税、金庫税は、市町村分についてだけ言いますと、これは団体の数が相当、犬税等は五百七十五も今までやっておったのですが、もちろん団体によって違うでしょうが、時期的に大体いつごろまでに、あなた方許可する場合の期限を付した場合のものとすれば、いつごろまで、そういう調査ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/23
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024・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) このような零細なものには、従来期限を別に付さないで参っております。すでにこれは、従前許可いたしたものでございまして、犬税等については、期限がついておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/24
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025・鈴木壽
○鈴木壽君 そうしますと、これはまた、ただそれこそ自主的に廃止することを期待するだけで、どうにもならぬというような、現実の問題としては、そういうふうになってくるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/25
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026・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 法的にはその通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/26
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027・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、なかなかはずれていかないということになりますね、現実の問題としては。この前もちょっとこれに関連するようなことをお聞きしましたが、三十四年度で、一体どこどこの団体がはずれるような、はずすような取扱いをしているのか、わかりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/27
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028・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 三十四年度の見込みはまだわかりませんけれども、三十三年度におきましては、犬税は、約百市町村ほどやめております。三十二年度は六百六十四団体ございましたのが、三十三年度中に五百六十七団体に減っておりまして、約百近くやめております。ミシン税では……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/28
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029・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっと数字が、あなた方から出ている数字と違いますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/29
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030・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 調査の時期が違いまして、二月五日に私どもの方で調査いたしました数字によって申し上げますと、あとでなお資料を御提出申し上げますが、ミシン税では、五十五団体でありましたのが、三十三年度中に三十二団体に、二十三市町村が廃止して減っております。それから立木伐採税でも、七市町村減じましたり、特別家畜税でも、七市町村減税をいたしましたり、こういうふうに、やはり私どもの方の指導によりまして、相当な市町村が漸次その方向に努力をして参ってきておる、かように存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/30
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031・鈴木壽
○鈴木壽君 数字がちょっと違うようですから、あとで新しい正確な資料を一つお願いしたいと思うのですが、指導によってそういうふうに減じたということですが、私も、三十二年度のそれと三十三年度のと比較したのを、ちょっとこれは、あなた方の前に出ておる資料から拾っておりますが、大体減っている傾向は確かでありますが、その指導というのは、どういうふうな指導をなさいますか、具体的に言うと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/31
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032・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 私どもの方から通達で方針を示しまして、府県の地方課がやはり市町村に対して同じような趣旨で、できるだけそういうような税を廃止するようにという指導をいたすわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/32
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033・鈴木壽
○鈴木壽君 そういうような税を廃止するということは、法定外普通税全般についてでありますか。それとも、先ほどあなたがおっしゃったように、たとえば犬税とかミシン税とか、あるいはその他の三つばかりおあげになったような、そういう税についてでございますか。具体的にはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/33
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034・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 主として今申し上げましたような種類の法定外の普通税は、できるだけこれは重点として整理をするようにという指導をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/34
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035・鈴木壽
○鈴木壽君 府県団体に対しては、どういうふうな指導の仕方をなさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/35
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036・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 府県に対しましては、市町村よりも私どもとの交渉がもっと密でございます。従いまして、法定外の普通税の設定の事前に、私どもの方に実はいろいろ下相談がございます。そういう際に、期限の来ますものは、もうできるだけいろいろな財政の状況を考えて期限の延長をしないようにとか、あるいはできるなら、全廃はできないでも、半分にしたらどうかとか、これは相当個々の指導になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/36
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037・鈴木壽
○鈴木壽君 三十二年度と比べますと、三十三年度では、府県団体では五つの県が、家畜税、犬税、自動車取得税、種類は三つございますけれども、団体としては五つはずしております。せんだってのお話では、今度北海道と長野でございましたか、家畜税——名前はそのまま県で使っているかどうかしれませんが、そういう性質の税をはずす、こういうお話でございましたが、家畜税というものは、これはやはりはずすべきものだというふうなお考えだというふうに考えていいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/37
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038・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 北海道と長野県は自動車取得税でございます。私どもも、実はその家畜税につきましては、家畜の少い県におきますというと、最近の自動車、自転車あるいはオート三輪等の実情から申しまして、そう税額としても大したことがありませんければ、私ども、廃止もしてよろしいのではないか、かように考えておりますが、畜産県に参りますというと、やはり数千万ないし一億以上の実は税額に上っておる所もございます。そういたしますと、やはり財源の点も考慮いたさなければなりませんので、一がいにやはり各府県共通に家畜税は廃止した方がいいとも実は私は言いかねるんじゃないか。だから、その県の実情によりまして、税負担の関係あるいは徴税費の関係、財源の見合い、そういう点を総合考慮して、具体的に府県ごとに家畜税の整理をした方がいいかどうかは考えていくべきではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/38
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039・鈴木壽
○鈴木壽君 道府県分についても、やはり犬税等については、先ほど来のお話からしても、やはり廃止すべきが至当だというふうにお考えになっていることに変りはありませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/39
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040・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 原則として、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/40
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041・鈴木壽
○鈴木壽君 それから、こまかいことになりますが、市町村分で入漁権税というのは、これは性質上どういうものでございましょうか。今の漁業権の所在等からして、これでそのままでいいものかどうかですね。あるいはもっと特殊な場所におけるそれであるかもしれませんが、ちょっと見たところでは不思議に思いますから、お伺いするわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/41
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042・鎌田要人
○説明員(鎌田要人君) この入漁権税は、北海道の市町村において課税しておると思いますが、他の市町村の住民がその市町村の地先水面に入ってきて漁をする。これに対しまして課税をしておった税のように記憶しておるのでございますが、なお、手元に資料を持ってきておりませんので、後刻調査いたしまして、御報告さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/42
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043・鈴木壽
○鈴木壽君 今のいわゆる漁業権のあり方からすると、市町村自体がこういうものを果して取れるものかどうか、私ちょっと……私も十分勉強して自分自身で自信のある答えを持っておりませんが、何かちょっと不思議なような感じがするものですから、これはちょっとお調べになっていただきたいと思います。
それから、税額できわめて少い金庫税なんという、これは、先ほど局長から再三、こういうものは撤廃したいんだと、これはすぐにもできるんじゃないかと思うんですが、税としてその町村で二万円ぐらいの税を、一体税としての価値があるものかどうかですね。何人金庫を持っているか知りませんが、これはどこです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/43
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044・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 北海道の弟子屈町でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/44
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045・鈴木壽
○鈴木壽君 弟子屈は、これの税がなければどうにもならぬというふうな所なんですか。そんなにちっぽけなところでもないんでしょう、弟子屈は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/45
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046・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 弟子屈は、北海道でも温泉もございましたり、最近は夏観光客も非常に多いところでございますが、できるだけ、先ほど来申し上げますように、一般の財政運営によって、この程度の税は私どもも整理できるのではなかろうかと思いますが、あるいは何か町に特殊の事情でもございまして、こういうものを設けたかもわかりませんし、実情等も調査して、できるだけ廃止する方向へ持って参ることが適当であろう、かように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/46
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047・鈴木壽
○鈴木壽君 弟子屈は、今お話のように、温泉もあるし、観光のお客さんもたくさんあり、そういう方面の税で多少よけい取るというのなら別ですが、わずかこんなものを、あなた方も正直にこういうものを出してしまうと、ちょっとみっともないような格好になってくるんですがね。これは、私はこまかいこと申し上げましたが、こういう税についてはやっぱりもう少し……どうせ法定外の税についてはあれでしょう。あなた方に相当の、何と言いますか、自治庁としてのこれに対する指導なり、あるいは、はっきり言えば、許可するかしないかという権限まであるんですから、これはできるだけ一つ、一挙に全部の法定外普通税をはずせということは、土地の事情によっては無理なところもあるかと思いますけれども、少くとも税として不適当なもの、あるいは税額のきわめて少い、こういうようなものについては、私は一刻も早く廃止させるような指導がなされるべきであろうと思いますが、これは、実は私、これらの問題について、一昨年もいろいろお聞きしたことがありますが、できるだけこういうものを廃止したいと思っても、多少町村では減ってきている傾向にはありますけれども、なおかつ不合理なもの、あるいは不適当なものが残っておる現状でございますから、強く私はあなた方のそういうことに対する指導を期待いたしたいと思いますが、いかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/47
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048・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) できるだけそのような御趣旨の線で私どもも指導いたして参りたい、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/48
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049・鈴木壽
○鈴木壽君 それから、先ほど、一番初めに申しました第二の問題ですが、超過課税の問題なんでございますが、これは、超過課税は、特に市町村の段階になると非常に多い状況なんで、その額なんかも、標準税率をこえる額も、総計は相当大きな額になっておるはずなんです。この一々について、今どうするこうするということは言っておられないと思うんですが、これに関連をしてせんだってもちょっと申し上げたと思いますが、再建団体に対する超過課税の問題ですが、これは、税務当局というより、むしろ財政局の方の問題だと思うんですが、再建団体が新しい税を起したり、あるいは、いわゆる超過課税をやって、財政の苦しい状況をしのがなければならなかったという事情も、私一応わからないわけじゃないのです。特に再建計画を立てる場合に、国の援助なり、いろいろな方策をやっても、なおかつ、こういう方法をとらざるを得なかったという所もあると思うのですが、最近になると、一方再建団体の再建期間の短縮という問題が出ておる。だとすれば、私、端的に申しますと、再建団体の短縮も、もちろんそれは、その団体にとって大事なことでありますけれども、むしろ住民の立場からするならば、八年のものが七年に、一年短縮されるよりも、住民税あるいはその他の事業税等が、あるいは不動産取得税等が多く取られておる、これを何とか廃止してもらいたいというのは、これはほんとうの私は願いであろうと思うのです。と同時に、私は、やはり税の問題からすれば、そういうことをやはり考えていくべきでないだろうか、こういうふうに考えるわけなんですけれども、それらの関連をどのように考えておられるのか、一つ奥野さんからでもお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/49
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050・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 先般来申し上げておりますように、再建計画が達成できるという限りにおいては、当該団体の自由な施策に方針をゆだねておるというふうにいたして参っておるわけでございます。先般、三十二年度におきまする予想外な増収のありました機会に、できる限り再建期間を短縮してもらいたい、こういうことで再建団体の指導に当ったわけでございまして、一応できる所はする、できない所は短縮をやらないというようなことで、けりがついておるわけであります。その際に、期間を短縮するよりも、むしろ今までやっている増税を取りやめたいのだというような話のありました団体は、実は承知いたしていないわけでございます。いずれの方法を選ぶかというようなことは、それぞれの団体で問題があろうかと思うのでございます。よく私らのところで、むしろ行政水準の引き上げに金を使いたいのだというような話も相談を受けるのでありますけれども、今申し上げましたような意味の相談にはあずかったことはないわけでございます。やはりそれぞれの団体の実態に応じて、できる限りその団体の意思を尊重して運営して参るべきであろう、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/50
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051・鈴木壽
○鈴木壽君 奥野さん、あなたね、これは再建期間の短縮というような問題、あるいは、今私がお尋ねした増税の問題等、再建団体の自主的な考え方にまかしてあるのだと、こういうふうにおっしゃったのですけれども、実際はそうじゃないのですよ。局長さん、あるいは一々そういうことまでどうのこうのというふうなことで言っていないかもしれませんが、そうじゃないのです。お前のところは二年短縮せい、あるいは一年短縮せいと、こういうことで、むしろ至上命令的な形で、受け取らざるを得ないようなことになっておるのです。その場合、これは、さっきも申し上げましたように、再建期間の短縮ということは、それ自体としては、むしろできるならばそういう方向にやはり早く進むべきであろうと思うのですが、一方再建団体の相当数の府県では、町村団体まで申し上げませんが、相当数の府県では、いろいろな意味の増税をやっているのです。ただ自主的にと、こうでなしに、やはり再建団体の再建期間を短縮するという問題についての指示を与え、あるいは指導するならば、私はやはり、あなた方の指導の態度としては、こういう増税の問題をどうするのか、超過課税の問題をどうするのかということをやはり指導の一つの考え方として織り込まなければならぬと思うのです。そういうことが実は全然行われておらない。それは、行政水準の引き上げのために金がほしいというふうなところももちろんあるでございましょうが、これは、取る立場からすれば、いろいろやはり金の入ってくるのが減ることは好ましくないかもしれませんが、住民は困ると思うのです。ですから、こういうことは、単なる自主的なということだけでなしに、実態は私は必ずしも自主的だとは思っておりませんということは、ただいま申し上げました通りでございます。そういう面で、もっとやはり積極的なあなた方の考え方なり指導の方針というものがあってしかるべきだと思います。それがないことは残念だと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/51
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052・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 先ほども申し上げましたように、再建期間の短縮をするよりは減税をしたいんだという意味での相談を受けた事例を私承知しておりませんので、さように申し上げたわけでございます。ただ、標準税率、超過課税を何をおいても先にやめさせるべきだというような考え方をとれとおっしゃいますならば、私は、そうあってはいけないんじゃなかろうか。やはりできる限り当該団体が当該団体の実情に応じまして、いずれに施策の重点を置くべきかということについては、責任を持ってきめさせた方がよい、こういう気持を持っておるわけでございます。もとより、国民全体の負担を見まして、標準税率というものをどの程度に置くか、標準税率で課税をしていけば、必要最小限度の財源はまかなえるんだという徴税制度のもとにおける保障をやっていかなければならないと、そう思うわけでございますけれども、それ以上の施策の重点を、法定外普通税の整理であるとか、あるいは標準税率、超過課税の引き下げというところに置いていかなければならぬという意味でありますれば、これはやはり、できる限り当該団体の考え方を尊重して参りたい、こうお答え申し上げたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/52
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053・鈴木壽
○鈴木壽君 再建団体における県民税の引き上げ、あるいは事業税の引き上げ、あるいは不動産取得税の引き上げというようなことは、これは、実は自分みずから好んでやったことじゃないんです。いわゆる再建計画に合せるために、さっきも言ったように、国の措置あるいは他のいろいろの収入との関連で、どうしてもできないということで、これはやむを得ずやった仕事なんです。大体私はそうだと思うのです。具体的に例をあげてもいいんですけれども……。ですから、そういうものを、お前のところは貧乏で、再建団体になっているんだから、赤字がたくさんあるからやむを得ないんだ。住民の負担が多くなってもかまわないという考え方を私はいつまでもとるべきではないと思うのです。再建団体の赤字の原因というものは、住民の責任じゃ私はないと思う。極端なあるいは言い方かもしれませんけれども、住民一人々々が再建団体の赤字の要因になり、そういうものの責任を私は負っておらないと思う。団体全体としてのいろいろの財政運営の点においては、欠けるところがあるいはあったかもしれませんけれども、住民にそういうものを直接的にこういう増税という形でしわ寄せすることは、私はとるべきでないと思うのです。そういう問題が一つあると思うのです。それが、今言ったように、再建期間をかりに五年なり七年なりということを設定する場合に、やむを得ずとった一つの増税措置です。従って、もし再建期間を短縮するという問題があるならば、私はやはり、増税の問題をどうするかということは、当然、あなた方の立場として、単なる自主的な判断にまかせるということでなしに、これは考えるべき問題だと思う。これは、最初から何べんでも申し上げますけれども、好きで超過課税をやったり増税をやったりする団体はございません。やむを得ずとらせられた一つのこれは措置としてこういうものが出ておるというところからしても、それは、地方の自治団体のあくまでも自主的判断にまかせるべきだという一つの理論として正しさはあるとしても、実際こういう問題を取り扱う場合に、私は少しのがれ道にあまり早く入って行き過ぎると思うのです。おかしい考え方だと思うのですが、重ねて一つお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/53
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054・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 先ほど申しましたように、標準税率、超過課税を引き下げたいのだ、そのかわり再建期間を短縮したくなしのだ、そういうような相談を受けておらないのであります。しかし、今後もしそういう問題が起りました場合に、標準税率、超過課税を当該団体が最優先の問題だと考えているといたしますならば、私たちもできる限りその御希望に沿うように善処していかなければならないだろう、こういうことをはっきり申し上げることができると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/54
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055・鈴木壽
○鈴木壽君 相談を受けないからと、こういうことなんですがね。これは、いわゆる相談をするような余地を与えないような再建期間の短縮の指示なんですよ。すったもんだやって、二年間を一年でようやくかんべんしてもらった。あなたは、直接そういう団体と個々に今折衝しておらないかもしれないが、再建期間についてそういう指導をやっておるのですよ。私は、特定の団体についてどうのこうのということを言いたくないから、そういうことが、特定の一つの団体ではなしに、再建期間の一般的指導として行われているのじゃないかと私は思う。もしそういうことだとすれば、自分たちの方はいやいやながらやったいわゆる増税措置であるけれども、超過課税の措置であるけれども、そういうことよりも前にすでに、大きな前提として短縮という問題をぶつけられるのですから、これは何ともかんとも、増税のことなんか、それをはずすということなんか言える義理合いじゃないんですよ。局長としてのあなたの地方団体に対する一つの指導方針としては、私はあなたのおっしゃることは了承しますが、しかし現実はそうじゃないということ、しかも、そういうそうじゃない現実をそのまま私は放置できないと思うのです。あれですか。再建団体の期間短縮については、内輪か何かは知らないけれども、ああいうものは、全然あなたの方では、こういう超過課税や増税の問題については、考慮する余地がないようなそれだと私は思うのです。この点どうしても、あなたの公式的な、地方自治団体の自主性を尊重する、考え方を尊重し、判断に待つというような態度については、繰り返しますが、私もそれでいいと思いますけれども、しかし、この問題の扱いにおいては、私は必ずしもそれだけではいけないと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/55
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056・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 私は私なりの考え方で申し上げたわけでありますが、私の課の方でおのおの持っております考え方に食い違いがあるような御懸念がございますので、重ねて、今私が申し上げましたような考え方を徹底させるように努力をしたいと思います。また、再建期間を短縮する、減税も行うというような措置をとった団体が相当多数ございます。たまたま三十二年度非常に地方財政の状況がよかったものでございますから、それを単純に財政規模の膨張に持っていかせてしまいますと、またぬかるみに入ってしまうというような心配もございますので、特に三十三年度においては、方向を期間の短縮ということに向けたわけでございまして、その際に、標準税率、超過課税をやっているのを引き下げる、そういうような地方自治団体の希望をじゅうりんするというような考え方は毛頭とらなかったわけでありますし、また、私どもの課の方でも、そういうことはないと思うのでございますが、せっかくの御意見もございますので、重ねて注意いたして参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/56
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057・鈴木壽
○鈴木壽君 昭和三十三年度で、再建団体で、いわゆる起過課税の一部をはずしたのは交野県で、不動産取得税についてこれをやっています。それから山形県、これも不動産収得税について、税額はあまり大きくありませんが、あまり大きくなかっただけにやりやすかったのかもしれませんが、それぞれそういうふうにやっております。今度は、昭和三十四年度では、再建団体の状況について、これは、この前にも資料を出していただきたいというふうに、私たしかお願いしたと思ったのですが、どういうふうになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/57
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058・奥野誠亮
○政府委員(奥野誠亮君) 早急に提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/58
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059・鈴木壽
○鈴木壽君 さらに、資料が出てから、この問題についてまたあとでお尋ねすることもあると思いますから、この問題は一応これで終ります。
それから税務局長、三十五年度の所得税の減税に伴う住民税の減額が百億以上、百十八億ですか、今のあなた方のお見込みであるとすればこういうふうなものが見込まれるようですが、これに対して、地方団体の穴埋めをどうすべきものとお考えになっておられますか、この点一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/59
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060・黒金泰美
○政府委員(黒金泰美君) 今のお話でありますが、私どもも、今度の法案に規定をいたしておりませんけれども、所得税の軽減に伴いまして、住民税の課税方式も、三十五年度では変更いたしたい考えでございます。従いまして、そこに百十何億かに上ります減税の穴が出て参ります。その補てんの方法といたしましては、われわれとしては、たばこ消費税の引き上げによりまして穴を埋めることが最も適当と考えておるのでありますけれども、まだ政府部内の意見が完全な一致を見ませんために、今申し上げました所得税の軽減に伴います住民税の税率の変更につきましても、またこの補てん方法につきましても、今後検討して、今申し上げた方向で何とかまとめて参りたい、こういう方針のもとに、今回の法案からは削除をいたして提出いたしたような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/60
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061・鈴木壽
○鈴木壽君 これはやはり、今回の所得税の減税に伴う住民税の減額になる分の額が百億以上、百十八億というように予定されておるようでありますが、私、地方団体にとっては非常に痛い問題だと思うわけなんです。今回の減税分にしても、自治庁としては強く、地方にはいわゆる持ち出し減税の余地はないのだ、こういうことを主張しておりましたし、私どもも無条件に、いわゆる持ち出し減税になるようなことは、これはなすべきでないと思っておるわけなんですが、従って、三十五年度においてこういう大きな穴、ことしの減税額よりも大きい穴がさらにあくということになりますと、私は、非常に地方団体にとっては痛手だと思うわけであります。だれしも、減税そのものは反対すべきでないし、喜ぶべきであろうと思います。しかし、地方自治団体にとっては、この税が何といってもこのような大きな減額を示すということは痛いことになると思います。そこで、今のお話では、たばこ消費税の引き上げによってカバーしていきたいと考えておるけれども、しかし、政府部内の意見がまだまとまっておらぬ、こういうようなお話でございますが、これはもちろん、三十五年度の予算編成のときまでには、これはそういう結論をはっきり出してもらわなければいけないと思いますが、今までの話では、重ねてくどいようでございますけれども、まだその点についてのしっかりした見通しというものは、やはり立たないわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/61
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062・黒金泰美
○政府委員(黒金泰美君) その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/62
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063・鈴木壽
○鈴木壽君 この穴埋め、たとえば、住民税の所得割の税率の引き上げとか何とか、そういうような形で埋め合せられる——全部ではないかもしれないけれども、そういうようなことについては、心配する必要はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/63
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064・黒金泰美
○政府委員(黒金泰美君) 住民税の税率の引き上げによりまして穴を埋める考えはございません。一応住民税も、所得税の減に伴いまして減をさせたいと考えております。それをどうやって埋めるか。今申し上げましたように、たばこ消費税の増徴、増率によりまして埋めて参りたい、こういう考えで今までも努力をして参りましたし、今後とも努力を続ける考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/64
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065・鈴木壽
○鈴木壽君 重ねてお伺いしますが、この穴埋めを、今お答えになったような、所得割の税率の引き上げとか、あるいは均等割の額の引き上げとかいうようなことでなしに、たとえば、たばこ消費税の引き上げというような形で、別途穴埋めをしなければならぬというようなことについては、政府部内でどうですか。具体的な方法はともかくとして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/65
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066・黒金泰美
○政府委員(黒金泰美君) ただいまの御質問は、結局地方の中で調整しないで、国と地方との間で調整する方向にまで意見がまとまったかどうか、こういう御質問だと思うのでありますが、まだそこまではさまっておらないような次第で、まことに恐縮であります。また、地方の団体に対しても安心感を与えることがまだできません。はなはだ残念でございますが、今後ともに、私どもとしては、国からの財源補てんによりまして住民税の軽減をはかって参りたい、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/66
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067・鈴木壽
○鈴木壽君 非常に私もお話で残念だと思うのですが、こういう国税、地方税を通じての減税が行われる際には、具体的にどのような税目で、あるいはどのような形の財政措置をするかということはともかくとして、やっぱり本筋だけは立ててなければならぬと思うのです。何かお話からもうかがえるところなんですが、政府の今回の地方税の減税に対する考え方というのは、まことに私、はっきりしないものがあると思うのです。こういう問題ですね。やっぱり私は、一応三十四年度において国税も減税し、地方税も減税する、国税の減税、所得税の場合には、必ずこれはどこかにこういう形でしわ寄せが出てくるのですから、当然予想されることに対してまだお考えがきまらないということは、まことに私残念だと思うのですが、いつごろまでに、こういうふうなことについての基本的な態度と申しますか、先ほど来申し上げたような意味でのそれがきまる見込みですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/67
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068・黒金泰美
○政府委員(黒金泰美君) 終局的には、再来年度の予算編成時期までにこれはきめざるを得ないわけです。ただ、その間におきまして、別途御審議願っております国、地方を通じます税の調査会その他もできますので、その間にいろいろとお話がありまして、だんだんに結論に近づいていけるのじゃないか、こういう期待をいたしておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/68
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069・鈴木壽
○鈴木壽君 少くともこの会期中に、何かこういう問題について一つの基本的な線というものを、もっと、私、端的に申しますと、さっきあなたがおっしゃったような形で、たとえばたばこ消費税の引き上げというような形で補てんをするのだ、手当をするのだというような線が出ないものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/69
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070・黒金泰美
○政府委員(黒金泰美君) 結局、努力が足りないというおしかりを受けるかもしれませんが、今の状態では、この議会中、つまり三十四年度予算の施行前に、あるいは施行当初にきめるということは、なかなか困難かと思うのであります。一方におきましては、今後の経済情勢その他も見合った上で考えたいというような強い主張もございまして、今早急にこれをきめることはなかなか困難だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/70
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071・鈴木壽
○鈴木壽君 私は、こういう問題は、何べんも申し上げるように、筋だけはやっぱりはっきり立ててきめておくべきじゃないだろうかと思う。今後の財政事情のいろいろな変遷は、もちろんこれはあると思います。それから、お話のように、根本的な国税、地方税を通じるところの税制改革についてのそういう委員会もできると、従ってその結論を、あるいは審議の過程のいろいろな意見を参酌してやるというようなこと、これも考えられないことじゃないと思うのですが、さっきも言ったように、何べんも言うように、初めから予想される所得税減税についての当然の結果として出てくることに対して、果して税制審議会、まあ正式の名前はどうなるか、はっきりしませんが、いずれ今後の国税、地方税を通ずるところのいろいろな検討の審議会等におきまして、これはいつまでに果して結論が出るかということも——私は、非常にむずかしい問題をかかえる審議会になろうと思いますから、従って簡単に、半年やそこらで結論というものはうまく出てこないのではないだろうかということを憂えている一人なんですけれども、そういう点からしますならば、やはりどうも、少し心細いと思うんですがね。まあこうなると、何と言いますか、あなたにお尋ねするというよりも、自分のただ考え方を述べるということになってしまったようですけれども、もっと早い機会に、これに対する一つの線だけは出すべきであろうと思うんですが、その点について、一つ要望しながら、お考えのほどをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/71
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072・黒金泰美
○政府委員(黒金泰美君) 再三仰せのありますように、将来の問題につきましても、根本的な方針を一つきめておければ、もちろんそれに越したことはないと思います。従いまして、この点、努力をいたしたのでありますが、いまだに十分な結論を得ていない、これはまことに恐縮に考えている次第であります。同時に、今仰せのありました通りに、調査会におきましても、最終的な結論は、あるいは年内に出ないかもしれませんけれども、しかし、その間も、いろいろと話し合いその他によりまして、少くとも三十五年度予算までには何とかこれはきめなければならぬ問題でございまして、われわれいたしましては、地方税も減税をされるかわりに、国から財源を見てもらう、こういう方法でこの上ともに善処をいたしたいと考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/72
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073・鈴木壽
○鈴木壽君 この点については、いずれ大臣なり、あるいは大蔵当局の今考えている点についても一つお聞きしたいと思いますので、多少そういう点について留保させていただきたいと思います。
それから、住民税の問題については、ほかにちょっと一つお聞きしておきたいと思うんですが、課税方式について、いろいろまあ税懇なりその他で論議があったようでございますが、自治庁としては、現在の五つの方式について、今後どういうような方向で、もし整理するものであるとすれば整理をするか、そこら辺の五つの方式についてのお考え、それを一つ、抽象的な聞き方でございますけれども、お聞きしておきたいと思います。今、あなた方のお考えになっている態度についてお聞きしたいと思います。と申しますのは、税懇とか、ああいうところでも、なかなか結論が出ない。答申なんかを見ますと、こういう意見もあった、ああいう意見もあったんだ、こういうことだけで、結論が出ておらないように思うんです。ですから、そういう点について、一つ自治庁の現在考えておられるところについて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/73
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074・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 住民税の課税の方式につきましては、現状がいいとか、統一するならばオプション・ワンの方がいいじゃないか、あるいはツーの方が適当じゃないとか、まあいろいろ意見がございます。御承知のように、昨年地方制度調査会、それから税制懇談会におきましても、住民税課税方式の統一の問題が出たわけでございますが、まあ両調査会、若干ニュアンスの違いはございますけれども、オプション・ツーに統一をする方向で検討すべきだ、こういう趣旨の答申が出ておる次第でございます。私どもも、本年引き続きましてその線に沿いまして検討を続けて参りたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/74
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075・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、オプション・ツーの方向で検討を進めておるというのですが、オプション・ワンというものについては、これはまあ従来からワンあるいはツー、いろいろこうあったわけでありまして、これはやはり踏み切りますか。私は、踏み切ることによっての影響というものはまた相当大きいものがあると思うのですが、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/75
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076・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) オプション・ワンに統一をいたしますことは……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/76
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077・鈴木壽
○鈴木壽君 いやいや、統一をせいということではありません。あなたのお話では、オプション・ツーの方向で、整理という言葉は当らぬかもしれないけれども、大体方向としては、そういう方向に検討を進めて参りたい、また、そういう答申もあったとおっしゃるのですが、オプション・ワンを捨てた場合に、相当いろいろな問題が私あろうと思うのですが、そういう点について、きちっとした考え方で行けるかどうかということなんです。ちょっと心配するところがあるものだから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/77
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078・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 御指摘の通り、オプション・ツーにかりに統一をするといたしますと、主としてオプション・ワンを採用いたしております大きな都市、こういう所では、従来住民税を納めていない層にまで納税をさせる、また金額がふえて参りまして、実質的に相当な増税になって参るという、まあ一つの政治的な問題がございます。もう一つは、納税義務者を捕捉しますために相当な人員と経費、そういうものを要して参ります。そういう事務的な障害があるわけでございまして、従って、どちらかと申しますというと、大きな都市では、オプション・ツーに統一することには反対でございます。ただ、私どもは、府県民税の均衡の問題、それから市町村相互の間における住民税の不均衡の問題、こういう点から考慮いたしますというと、統一をするということにも非常に強いと申しますか、傾聴に値する主張があると私は思っております。しかし今日では、私の感じを率直に申しますというと、どちらに統一した方がいいとか何とかいう議論の段階ではございませんで、かりにオプション・ツーに統一をするとしたら、政治的な問題あるいは事務的な障害、そういうものが現実にどういうふうに来るか、その点を実証的に調査をいたしまして、そしてこの程度の障害があり、問題があるけれども、それでもあえて統一をした方がいいか悪いか、こういうような結論を実証的に私は出した方がむしろいいのではないかと、こういうふうな感じを持っております。できますだけ今年はそういう実証的な調査をいたしまして、統一をした方がいいかどうかの結論を出すように持っていきたい、実はかように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/78
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079・鈴木壽
○鈴木壽君 かつて私も、この委員会で、奥野さんが局長時代ですが、この問題についてお尋ねをしたとき、やはりあなたもお述べになっておられるように、いろいろ税負担の不均衡の問題等からして、まあそういうオプション・ツーでやってもいいという考え方も一つ成り立つと思うから、そういう意味でお聞きしたことがあるのですが、当時は、やはりあなたの言う事務的な問題が一つ、オプション・ワンを廃止し、オプション・ツーに切りかえた場合のそういう問題が一つ、さらには、実質的な相当な住民にとっての増税という形になるわけですが、この問題についてなかなか簡単に踏み切れるものじゃないのだと、こういうことで、自治庁としては、ややこしいけれども、現在のような五つの方式によってやっていくよりないのだ、ただ大勢は、団体の数等からしますと、オプション・ツーの方が圧倒的に多いのだ、方向としては、今言ったように、そこへまでにわかに踏み切れないというような意味の御答弁があったように私記憶しておるのですが、あなたの言葉からしますと、それは非常に大きな前進と申しますか、一つの進んだ方向が打ち出されておると思うのです。ただ、切りかえの際の障害と思われる点について検討をしていくというようなことをおっしゃるのは一つの作業としてで、方向としては第二の方式なんだ、こういうようなお話ですが、ただしかし、私はやっぱり、従来からいろいろこの運用の問題について論議があったように、なかなか踏み切るという点になりますと、いろいろなむずかしい問題が出てくるのじゃないだろうか、こういうふうに思うわけなんです。むしろ住民の立場からするならば、オプション・ワンでやってもらった方がありがたいのですから、こういう問題はやっぱり無視するわけにいかぬし、特にこういうふうな、税の軽減というようなことがいろいろ取り上げられ、叫ばれてくる場合には、なかなかやっぱり問題があるのじゃないかと私は思うのですが、そこで、これで私はこの問題はやめますが、自治庁の方向としては、税懇等の一つの大体の方向を示された、それに従うと同時に、自治庁当局としては、第二方式にまとめていきたい、こういう方向であるということについては、そういうふうに考えてよろしいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/79
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080・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 先ほどお答え申し上げた通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/80
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081・鈴木壽
○鈴木壽君 この点、一つまたあとで機会もあると思いますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/81
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082・加瀬完
○加瀬完君 今の問題ですが、これは、交付税の税率を変えるときも、それから目的税なんかの特別税の引き下げのときでも、いつでも、今までの既存の財源というものは縮小されてくると、しかしながら、縮小されてきても、財政需要そのものが減るわけじゃないのだから、その穴埋めを住民税に転嫁されるのじゃないかということが、この委員会でもたびたび問題になったと思う。たとえば、第一方式が第二方式、第二方式が、もっと住民の負担というものがふえるように変ってくるのじゃないかということが、何回か質疑の中で繰り返されたと私は思う。そのときに、住民税などによって住民負担に転嫁するというようなことはないということが、自治庁の一貫しておる御答弁のように私ども記憶しておるのです。今度も、法人税が変ったり、あるいはまた、事業税が変ったりすると、そのいろいろなはね返りというものが地方税にはないのでありまして、今までよりも財源に欠陥を生じてくる。そうなってくると、その穴埋めは、どうしても何かほかの財源に求めざるを得ない、地方団体としては。そこで今度は、今自治庁がおっしゃるように、これは第二方式にするのだということになれば、今まで自治庁が答弁しておったにもかかわらず、代替財源のしわがみんな住民負担にかかってくる、こういう形をとらざるを得ないと思う。これは私は、非常に交付税の精神からいってもおかしいのじゃないか。当然交付税でやらなければならない場面までも、住民税の形で新しく負担を増大されるということでは、これは、いつまでたっても地方住民の負担だけで、地方財源の法律の改正その他の条件による地方財源の不足というものをカバーしていかなければならない。これではジリ貧になってしまうと思うのですが、この点、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/82
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083・黒金泰美
○政府委員(黒金泰美君) 実は、お見えになる前に鈴木さんからお話がございまして、所得税の転減に伴う再来年度の減収を一体、どうやって補てんするのか、こういう御質問がございました。まだ閣内でもって意見がまとまらないもので、今度の法案に提出できなくて、まことに恐縮でありましたけれども、たばこ消費税の増徴によりまして埋めたい、そうやって努力をやって参る決心でございます。こう申し上げまして、その問題は多少留保がございましたが、済んだあとで、実は、今また鈴木さんから、住民税の課税標準統一があるけれども、一体どういうことになっているかというお話がございましたので、別個の問題として、住民税についての課税標準がいろいろと方法があるのでありますが、それを統一すると、一体どんな方法に持っていくのかという御質問にお答えしておった次第でありまして、住民税の減少を、住民税の課税方法の統一、ことに今お話の出ましたようなオプション・ツーによってだんだんに税額がふえていくというような方向で、埋めようと、こういう問題ではないのであります。今申し上げました通りに、住民税がはね返りとして減りますものは、たばこ消費税によって国から補てんを得て埋めて参りたい、こういうような心組みで努力をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/83
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084・加瀬完
○加瀬完君 そうだとするならば、これは、住民税の第一方式なりあるいは第二方式でも、その新しくきめる標準税率というものを第一方式に近いようなものに押えて統一するというなら、私は話はわかる。そうでなくて、ただ漫然と、第二方式みたいなものを基準にするということであれば、第一方式をやっておるところは、財源的に何も第二方式を採用する必要がない。事務的に面倒だ。さっき御説明があったような議論も起るであろうし、また、ただし書きを使っておるところは、第二方式の今の標準税率みたいなものに押えれば、なおさら財源の不足を来たすということで、また別な角度から問題が生じてくると思う。いずれにしても、昭和二十五年あたりを基準にして考えますと、一応国税というのは、ある程度減税の度合いというのは進歩しておりますが、地方税というのは、減税の度合いよりも、むしろ増徴された度合いの方が強いと思うのです。そこで、その増徴された度合いというのは、たとえば、府県民税というものがなかったものが、府県民税ができて、あるいは市町村民税にいたしましても、市町村民税が第一方式であったものが、ただし書きのような形でふえている。第二方式、ただし書き、第三方式、ただし書きみたいなものに、近い方がふえてくる。みんな住民税に現実において転嫁されつつあると思うのです。ですから、その住民税を減税させるというやはり方針というものを打ち出していただかなくては、事業税なら事業税というものを取り扱っても、あるいは木引税みたいなものを取り扱っても、それは部分的で、全体の住民に対する地方税の減税効果というものは、住民税そのものをもう少しきちっときめなければ問題の解決にならない。ところが、ほかの個々のものをいじって、そのしわ寄せを、法律の内容のように、交付税でカバーするか、あるいは今、次官のお話のように、たばこ消費税できちんと欠陥を補てんするというならわかりますけれども、どうもそうではなくて、局長のさきの御説明のように、ある程度住民税ででもカバーさせるという方向に自治庁の考え方が移っているように思われるのです。ここに私どもまだ若干の疑問を残さざるを得ない。住民税に転嫁して財源の欠陥を埋めるというようなことは全然ないと、こういうお考えであるかどうか。もう少し明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/84
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085・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 私どもは、所得税の減税に伴います住民税の減収の穴埋めを、課税方式の統一によって補てんしようという考えは毛頭ございません。この点は、よく申し上げておきたいと思います。この統一論が起っておりますのは、やはり机を並べております一人は、たまたま東京とか大阪に住んでおりますために、非常に住民税が安い。一人は、近傍の町村から通っておりますために、非常に住民税が重い。府県税についても同じことが言えるわけでございます。そういう不均衡の問題が一つあるわけでございます。
もう一つは、オプション・ワンをとっておりますというと、所得税の減税に伴いまして、住民税を納める人が非常に減って参ります。国税と地方税と、独立税といいながら、実質は付加税的なものになってしまいまして、国税の減税のたびに住民税が減って参る。これでは、自治団体の自主性も何もあったものではないじゃないか。できるならば、やはり一つ切り離して、国税は国税において減税の必要があるから、所得税の減税をする。地方は地方で、住民税を減税する必要が、積極的な理由があるから減税をする。何らかやはりそこに別な段落を設けました方が適当なのではなかろうか。こういうような考え方も私はあるのじゃないかと、かように思うのでございます。ツーにいたします結果、オプション・ワンのところは実質的に増税になって参ります。これは、過渡的にはそういうことがいえますけれども、これは、独立の財源が増加する。こういうふうに考えればいいわけでございますし、それでは、不交付団体は非常に金持の団体で、もう財源は要らぬのかといえば、別に必ずしもそうも言い切れない。負担が軽いことにしくことはございませんけれども、あながち不交付団体だからといって、オプション・ツーに切りかえる必要が全然財政的にないとまでいわないでもいいのじゃないか。また、統一をするようなことになるかどうか、検討の結果でないとわかりませんけれども、かりにそういうふうにするといたしましても、現在のオプション・ツーの方式そのままに、本文にそのままよるのか、あるいはただし書きによりますか、より方にも私はまたいろいろと問題もあろうかと思うのでございまして、そこまで私どもも結論を得ているわけではございませんけれども、そういうように、大きく申しまして、できるならやはり国税と地方税を切り離せるものなら切り離すことがどうであろうかということが一つ、府県民税と市町村民税との問題もございますし、そういうようなふうのことから、統一ということをなお具体的に検討してみたらどうであろうか、こう思っているのでございまして、財源を補てんしようという考えは毛頭ないことを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/85
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086・加瀬完
○加瀬完君 それはおかしいと思うのです。政府の減税政策というものを打ち出すなら、その減税政策というものは、国税についても地方税についても、私は減税政策というものが出てこなければうそだと思います。納税者である一人々々の個人というものを考えてみるときに、国税では減税されたが、地方税では増税された、差引税金そのものの納める額は変らないとか、あるいは割増しになったということでは、これは、一つの政府の減税政策としては首尾一貫しておらない。今までのやり方というものはどうも、国税では減税するけれども、地方税ではむしろ増税なり増収の方法というものを考えて、個人のふところそのものから見ると、さっぱり減税効果が現われておらない。こういうまやかしの減税というものが今まで行われてきたと思う。特にこれは、国税で減税されたその余波というものは地方税にしわ寄せされるという傾向が、これはもう、自治庁のいろいろお出し下さった統計の資料によりましても、否定することのできない点である。自治庁そのものは、国税と地方税というものは別なもので、国税で減税というものが行われても、地方税そのものは独自に地方税で考えて、そこで増税すべきか減税すべきかということは別途考えるということであったら、私は、政府の言う減税政策というものは、どうも一貫性がないと思うのです。減税ということが大切であるならば、税体系全部を、あらためて地方財源をどうするか、国の財源をどうするかということは別に考えべきであって、減税政策というものを出すならば、それは地方税であろうが国税であろうが、同じ趣旨で考えなければいかぬ。政府の方針としておかしいと思う。また、国税の減税の幅と地方税の減税の幅が違うということはあり得ますけれども、国税で減税されたけれども、地方税では増徴されて、結局個人の負担というものが増加されたということでは、一つも減税ではございません。ここをもっと、政府の立場として私ははっきりさしていただかなきゃ困ると思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/86
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087・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 私の申しますことがあるいは正確でなかったのか存じませんが、私は、国税の減税即地方税の減税とは限らないと、かように思います。やはり、国税の減税の必要と地方税の減税の必要とは、私は必ずしも一致いたさないので、従いまして、政府でもし減税をやるとすれば、国税でこうこういう税のどの程度の減税をやる、地方税についても、この税は高いから、こういうふうの減税をやる、できますならば、スタートにおいてそういうふうの歩調の合った減税のやり方が望ましいと、この点については、私も加瀬委員の御意見と全く同感でございます。ただ、やはり国税と地方税は全然実情が違い、主体の違うものの税でございますから、必ずしも一がいには言えないのではないか。ただ、減税を言いながら、一方で増税になりますことは、何か裏切られたような感じがいたしますので、その点、計画におきまして、国税の減税と地方税の減税をはっきりして減税の政策を打ち出して、そのような感じが国民に起きないようにする周到な配慮は私も必要だと、かように考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/87
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088・館哲二
○委員長(館哲二君) 午前中の会議は、この程度で休憩いたします。
午後零時三十一分休憩
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午後一時五十八分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/88
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089・館哲二
○委員長(館哲二君) それでは、これより委員会を開きます。午前に引き続きまして、地方交付税法の一部を改正する法律案ほか三件を一括して質疑を行なっていきたいと思います。質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/89
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090・成瀬幡治
○成瀬幡治君 大臣にお伺いしますが、この前のときに、消防施設税というような言葉がございましたが、たとえば、ガソリン税が一つの目的税の性格を帯びていることは、十分わかっているわけですが、今度は消防施設税というように、名目をはっきりされたということは、目的税というものに踏み切られたかのごとき感があります。名前から受ける感じなんですけれども、一応内閣として、目的税にいこうじゃないかというふうに考え、あるいは大蔵省とも了解をとりつけられて、そういう方向に踏み切られたものと了承していいものかどうか。目的税をやるかやらぬかという点についての御見解を一つ承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/90
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091・青木正
○国務大臣(青木正君) 消防施設に関連して、目的税についてどう考えるかというお話でありますが、大蔵省当局は、従来から目的税には原則としてあまり賛成しておりません。また私どもも、税のあり方から見まして、いろいろな税を目的税にしてしまうということになりますと、いろいろ国政の運営あるいは地方財政運営に支障を来たすことになりますので、一般的の目的税というものがいいというようなことは言えないと思うのでございます。しかし私は、消防に関しましては、これは、御承知のように、当委員会でもいろいろ御指摘がありましたように、税外負担の一つの大きな問題になっておるわけでありまして、そうしてまた、交付税で消防施設を見ると言ったところで、交付税は言うまでもなくひもつきでありませんので、他に流用されるおそれもありますので、私は、消防のごときものは特に税外負担の多いという問題につきましては、やはり特定の財源を与える方がいいんじゃないか、こういう考え方であり、また、御承知のように、消防審議会の答申も、消防については消防施設税を設けよ、こういう答申が出ておるのであります。この答申を尊重することも当然しなければなりませんし、私どもも、できれば消防施設税をぜひとも実現いたしたい、かような考えのもとに、実は昨年の秋から、党内部におきましてずいぶんこの問題を検討いたしたのであります。検討いたしたのでありますが、いろいろ障害と申しますか、まだ大蔵省方面等におきましても十分納得を得ることができず、私どもはまことに残念でありましたが、この国会にはあきらめざるを得なかったのであります。しかし、私どもは、現在でも消防施設税を設けなければならぬと、また、何とかして消防施設税を実現するように、今後も全力を尽してみたいと、かように考えておるのでありまして、党内におきましても、地方行政関係の方々は、皆さんそういう考えでおるのでありますが、ことしは、何と申しましても、例の端的に申し上げまして減税問題がありまして、あの問題に全力を尽さざるを得ない。そのために、消防施設税の方までそう力が及ばなかったということも、これは、まあだから、それでやむを得なかったということは、お許し願えぬかもしれませんが、実情はそういうことで、減税問題を最小限度に食いとめるということに全力を尽したために、消防施設税の方の実現ということはできなかったと、しかし私どもは、今後どうしてもあれは実現しなければ、答申に対しても申しわけない、かように思って参っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/91
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092・成瀬幡治
○成瀬幡治君 そうしますと、自治庁としては、まあ答申等もあり、前からのいきさつ等もありまして、消防施設税を一つやろうじゃないかという点で、目的税にするとかしないということは別として、何ぞ手当をせなくちゃならぬということから出てきておるので、消防施設税というものになっておるのだが、大蔵省が非常に反対をしておる。党内の問題は別として、大蔵省の方に、目的税に対するまあ非難と申しますか、了承が得られないから、今日の段階にあるという態度のようですが、大蔵省があくまでも消防施設税というものに反対をするということは、目的税だからいかぬというのか、それとも取り方のその内容、たとえば、あなたの方が答申を受けられたその内容でネックがあるのか。目的税は絶対にいかぬという趣旨で反対をしておるのか。その辺のところ、もう少し内部に立ち入った一つ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/92
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093・青木正
○国務大臣(青木正君) 大蔵省の方で難色がありますのは、目的税だからいかぬという点でなくして、消防施設税というものについて、まだ納得いっていないようであります。それは、端的に内情を申せということでありますから、率直に申し上げますが、消防施設税の取り方がどうかということよりも、もう少し大蔵省の気持と申しますかを私どもそんたくいたしますと、消防本部というものの機構の問題もあり、それから、消防本部についての予算の従来のいきさつ等を見まして、まことにやむを得なかったことでありましょうが、一定の計画を立ててずうっとやるということではなくて、ただ消防施設に補助してもらわなければならぬということで、つかみ金式な予算の出し方をしておられたわけですが、そういうことでなしに、やはりもっと確固たる資料に基いて、一定の計画に基いて、今後日本の消防施設を充実するためには、これだけの国としてあるいは地方として負担しなければならぬ。従って、そのためには、財源措置としてかくあるべきであるというような、もっと掘り下げた基礎的な考え方をとらなければいかぬのではないか、こういうことが根本にあるようです。私ども、その点はまことにごもっともと考えるのでありまして、今度消防組織法を改正いたしまして、消防審議会を中へ置きまして、その中でそういう点も真剣に一つ検討しなければいかぬのではないか。人口規模あるいは面積規模に応じて、一応の基準と申しますか、どうしてもこの程度の施設が必要である。この施設を完備するためには、どういうことが何年間にどうせなければいかぬか。一応のものは現在できておりますが、その一応のできておりまする計画というものが、必ずしも科学的根拠に立っていないという点もありますので、私は、そういう点も検討し、さらに消防施設税については、別の方面からもちろんいろいろ反対の意見はあるわけですが、損害保険に対する大蔵省側の考え方もありますし、そういう難点もありますが、両々そういうふうな点もあって、大蔵省がなかなか納得しかねておる、こういうことだと思います。この二つの難点に向って、いろいろ私ども大蔵省に納得を得るように努力していきたい、こう考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/93
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094・成瀬幡治
○成瀬幡治君 自治庁は内部的に固まっておると、こういうふうにあなたもおっしゃいますし、私どももそう承知しておるのですが、その自治庁を自治省によるとかいう、あなたの方の内部の一つの、消防庁を吸収するとかいう機構の問題で、かりにここで目的税的な消防施設税というものが出れば、おそらく自治庁にこれを機構上一緒にするという問題が、私は、遠のいていく方向が出てくるのではないか、そういうような点につきましては、どういう見通しをお持ちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/94
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095・青木正
○国務大臣(青木正君) かりに消防施設税を設けましても、市町村消防の財政的なめんどうを見るのは、これはやはり消防庁が見るというよりも、むしろ自治庁として、現在もそうでありますが、財政局で見る問題になりますので、私は、その点は、かりに目的税を設けたからといって、消防庁というものが自治庁から離れてしまって、浮くということにならぬと思うのです。なおまた、かりに消防施設税を設けましても、それだけで十分というわけにももちろん参りません。やはりいろいろ地方財政計画の上に、消防についても財政上見てやらなければいけませんし、そういう点で、自治庁の財政局で従来やっておったようなことはやっていかにゃいかぬのではないか。従って、消防施設税を設けましても、それは地方財政計画の中に織り込んでやっていく、こういう形に当然私はすべきものと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/95
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096・成瀬幡治
○成瀬幡治君 私はこれで終りますけれども、まあ減税をやるときに、一つの増税計画になって、まずいのではないかという点で見送ったとおっしゃる点もわかるのです。それにしても、消防の問題についての手当が非常におくれておるときですから、非常に名前だけのもので、何してもお金がなくて困っておる場合があるわけです。そこで、自治庁にこれをどうこうするということは別として、私個人の意見では、私は、目的税ということになって、非常に好ましくないような感じもするのですけれども、事消防に関しては、大臣がおっしゃるように、何とかしなければならぬということで、一つ目的税の是非を議論することはおいて、消防施設税だけは一つ実現してもらいたいという点に努力していただきたいと思うし、来年度ある程度これが実現するような可能性があるものかどうか、努力するということはおっしゃるし、それから、今年はそういうような事情で見送つたとおっしゃるのですが、それじゃ来年はどうなるかという点ですが、参議院選挙の直後に、もうすでに予算編成に入られるわけですが、その辺のところは、この予算でまだそこまで話が進んでおらないとおっしゃればそれまででありますが、その辺は、たとえば大蔵省と折衝して、一つ来年度は、両方で意見の食い違いがあるけれども、意見を調整してやろうじゃないか、自民党内の地方部会は固まっておる、それならば、私はよくわかりませんが、総務会なり七役会に持ち込んでやっていこう、こういうような大筋の話ができていれば、お聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/96
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097・青木正
○国務大臣(青木正君) 私どもが今まで努力して参りましたのは、消防施設税という一本の線で努力して参ったわけであります。しかし、それをやっている過程におきまして、また、その後いろいろ検討して参りますと、別の形もあり得るのじゃないか。別な形だと、割合に損保方面からも協力が得られるのではないかということも考えられる。と申しますのは、これは私、別にコンクリートの意見ではありませんけれども、私の私見でありますけれども、私の感じでありますが、たとえば、消防施設についての一つの方向といいますか。何か一つの融資団体的なものを作りまして、これに国で出資してもらう。その出資した公庫式なものに対しましていろいろな、たとえば損保方面から相当の額を常に融資をさせるという形において、そうしてその資金を活用してやっていくというような道もあり得るのじゃないか。また、そういう形だと、案外関係方面の了解も得られるのではないか。しかしできれば、理想的には、われわれの当初の考えの消防施設税の方針を貫きたいと、こう考えておりますが、そういうようなことも多少の考慮に入れつつ、何か一つ来年は形を考えて、ただ努力するということだけでなしに、実を結ぶようにしてみたい、こういうことで、いろいろ関係方面とも内々折衝といいますか、折衝とまではいかんでも、打診はしております。そういうような何らかの形で、とにかく今のように、ずいぶん今年もいろいろやってみたのですが、結局一億しか増額ができない。去年も私、副幹事長をしておりまして消防の方はあまりほかに人がないものですから、大蔵省と折衝したのですが、去年もわずかしか取れない。補助金だけをわずか年々五千万や一億ふやすことであっては、どうも消防施設の充実ということはなかなかできませんし、やはり消防施設税なり、あるいは基金制度なり、何か一つはっきりしたものを作らなければいかんじゃないか、かように考えておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/97
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098・成瀬幡治
○成瀬幡治君 よくわかりましたし、私は、手当するという点が一つと、それからもう一つは、全家屋というのですか、全戸数というのですか、それに対して、ああいう損保に加入されておるのが非常にわずかな数になっておるわけです、パーセンテージからみまして。だから、一つは、多くの人たちが加入ができるというのですか、片一方では宣伝するというのですか、ただ単に損保会社の宣伝ではなくて、もう少し自治体なんかと協力してやったら、非常に加入者もふえるのじゃないか。従って、掛金も少くなってくる、だから、相互扶助が、もっとうまくいくのではないかと思いますから、今あなたがおっしゃった公庫ではないけれども、一つの団体を作ってやるという考え方もいいと思いますけれども、金が出るというだけではなくて、もう少し加入者がふえるというような観点に立っても一つ御検討願えれば、やはり最初にお考えになっておったような、消防施設税式のようになっていった方がいいんじゃないかと思っておりますが、これは私の考えですけれども、一つ何していただけるように御努力願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/98
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099・青木正
○国務大臣(青木正君) ただいまのお話、確かに一つの考えと思います。単に損保にいろいろ負担させるというばかりでなく、やはり相互扶助的な考え方も確かに一つの考え方と思いますので、それも私ども念頭に置きまして、努力してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/99
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100・大沢雄一
○大沢雄一君 私、自動車局長さんと税務局長さんに、市町村の軽自動車税に関しまして、いろいろお尋ねしたりお願いしたりしたいと思うのですが、御案内の通りに、今年から自転車荷車税が廃止されまして、残ったものが軽自動車税ということになって、原動機付自転車、軽自動車、二輪の小型自動車、これが軽自動車税として市町村税になっておるわけでございますが、現在この軽自動車税の課税事務につきまして、市町村の事務の簡捷という上からいっても、また、経費の面からいっても、非常に多額の失費を要して、非常に困っております。その主たるよって来たるところはどこにあるかといえば、これは、この軽自動車が、原動機付自転車は別といたしまして、各県に一つしかない陸運事務所に届出をしなければならない。そこで課税客体を把握するほかない。全県下の市町村がこれを課税するわけでありますから、これは、非常に困るのは当りまえだと思う。どういうことをやっているかということになれば、県の税務職員が陸運事務所に出張しておって、そうして陸運事務所に届出に来る人に、まず税務職員の方に納税の申告書を出してもらう。そうして申告書の受理の済んだ者が陸運事務所の事務の方にそれを届け出る、こういうふうなことをやっておるようです。そして今度は、県の税務職員は、全県下の市町村で作っている協議会、これを県町村会の事務所内に作って、そこに常駐の職員を置いて、そこに月に何回か集めて、連絡をとって、台帳を作って、それから、そこから各市町村に流す、こういう繁雑なやり方をしておりまするから、職員費も非常にかかりまするし、事務費も非常にかかる。そしてまた、一たん届け出てから、さらに転売してしまう、所有者が変ってしまうということになってしまう。もしそれを届け出ていないということになれば、課税する市町村の方では、前の人に令書がいく、そうすれば、納めないというようなことで、脱税が行われても捕捉ができないというようなことで、非常に困り切っているというのが実情だと思うのであります。そこでこれは、行政事務の簡捷とか、あるいは能率化とか、行政経費の節約とか、いろいろ言われている中に、こういうことが残されておるわけですが、そのよって来たる中心になっているのは、陸運事務所にこの軽自動車を届け出なければならないということによって来たと思うのです。
自動車局長さんにお伺いすることは、原動機付の自転車は、これは届出しないでいいわけです。そのほかのこういういわゆる軽自動車といわれるような、小型の二輪車であるとか何とかいうようなものは、これは、原動機付自転車同様に、届出をしなくてもいいのではないか。これをどうしても届出をさせなければならぬという理由はどこから来ておるのか。それからまずお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/100
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101・國友弘康
○政府委員(國友弘康君) 二輪の小型自動車につきましては、検査をやっておりますのは御承知の通りでございますが、軽自動車につきましては、届出制度をとっております。この届出制度をとっておりますのは、届出の際に、陸運事務所としていたしますことは、その届出のありました軽自動車が軽自動車の範囲に属しておるかどうかというようなこと、また、保安基準に適合しておるかどうかというような技術的なこと、それから、さらにトラックにつきましては、最大積載量あるいは定員の指定というようなことにつきましても、その届出の際に調査をし、届出済証に記載をするという方法をとっておりまして、今申し上げましたような、技術的な内容まで調査し、書き込んでおりますので、ぜひ、そういう技術的な面につきましては、専門家のおります陸運事務所でやらせるべきではないかというふうに現在考えておりまして、原動機付自転車につきましては、陸軍事務所に届出をやっておりませんが、原動機付自転車と軽自動車では、やはり相当違いまして、最近は、相当大きな、そうしてスピードもあります軽自動車もできておりまして、やはりこの程度のものはやらなければならないのではないかと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/101
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102・大沢雄一
○大沢雄一君 今トラックといいますけれども、ここでいうのは軽自動車、それから二輪の小型自動車、まあスクーターというものでしょうか。そういうふうなもので、現在の市町村役場の、ことに拡大された市町村役場の能力でもってすれば、これは、何とかもう市町村に対する届出だけで済ませて私は差しつかえないように思うのですが、あまりこれを一律に、必ず届け出て、そしてナンバーをもらわなければならぬということに一律に縛ってしまうということはどうかと思うのですが、それらについては、何とかこれを市町村の届出で済ませるという方向に検討はできませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/102
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103・國友弘康
○政府委員(國友弘康君) 運輸省といたしましては、軽自動車等の届出があります際に、現車の確認というものをする場合としない場合がありますが、現車を持って参りまして、先ほど申し上げましたような、保安基準に合致するとか、あるいは軽自動車の範囲に属するかどうかというようなことも見るわけでございますが、見ない場合も、たとえば型式の認定をしておりますような場合は、見ない場合もあるのでございますが、型式の認定を受けておりませんようなものが相当ございますし、まあそういうものにつきましては、技術的に一応見なければなりませんし、ことに最近事故がやはりふえる傾向にございまして、こういう軽自動車関係の事故もふえて参っておりますので、たとえば警察の方あたりの要請といたしましても、相当技術的な検査をしてもらいたいというような希望もございますので、市町村にもしこれを届出受理させるといたしましても、相当技術的な職員が必要じゃないかと思いますので、全部の市町村に対しましてそれをむしろ要求いたしますよりは、陸運事務所の方で一括してやった方がいいのではないかというふうに現在のところ考えておる状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/103
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104・大沢雄一
○大沢雄一君 それで、改善を望みますが、もしどうしても現在の陸運事務所に対する届出が、技術的に必要だということであれば、一歩退いて考えて、やむを得ないかとも思うのですが、私は、もうこの程度のものは移譲してもらって差しつかえないと信ずるのですが、ここでそれを論議してもどうかと思いますので、そうとすれば、受け付けたものを、これを市町村に対して陸運事務所の方で通知をする義務を負ってもらうということは当然だと思うのですが、なぜそれができないのですか。これをわざわざ市町村が今のようなことをして、そうして課税客体をとらえなければならない。納税事務に国にしても他の公共団体にしても協力するのは、これは当然なんです。税法にもそういう精神が規定されてある。やむを得ず今のようなことをして、県の税務職員が常時出張して、まず台帳に控えなければならぬ。また、全県下の町村で数十万円、多い府県では数百万円拠出して、連絡職員を県町村会に置いて、そうして陸運事務所への届出あるいは変更等の控えを区分して、それぞれ全県下の市町村に流さなければしようがない、そうしなければ課税ができない、こういう状態にあるのですね。その点についてはどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/104
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105・國友弘康
○政府委員(國友弘康君) 自動車税につきましては、御承知のように、都道府県税でございましたが、小型自動車及び軽自動車につきまして、市町村税に定められたわけでございますが、その前の都道府県税でありました場合には、陸運事務所に都道府県の職員が参りまして、同時に課税事務及び徴税事務をやっておりましたのですが、市町村税となりまして、全部市町村の方で取ることになったわけでございますが、その移管のときに、自治庁と運輸省とで申し合せ及び打ち合せをいたしまして、自動車局長から陸運局長へ、自治庁の税務局長から各都道府県へ、この軽自動車税の扱い方についての方法を通達しておるのでございますが、それに、陸運事務所といたしまして納税に関しまして協力することはできる範囲では大いにしておるのでございますが、ただ、通知とかというようなことになりますと、やはり通信料その他経費も要りますので、陸運事務所の方では、その種の経費については、私どもの方といたしましても配付いたしておりませんので、市町村の指定職員なり、あるいは市町村から委託を受けた都道府県の職員なりが、陸運事務所から、その陸運事務所で集めております税の申告書を回収するという方法で現在実施しておる次第でありまして、まあ県によりましては、それに相当な職員が、あるいは今先生からおっしゃいましたような集計とかいうこともやつておるかと思いますが、まあ、陸運事務所で集計しておりますものを、今申し上げましたように、市町村の指定職員なり、市町村から委託を受けた都道府県の職員が回収に来るという方法で実施いたしておるのが現状であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/105
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106・大沢雄一
○大沢雄一君 現状はもうよく承知しとおるからお尋ねしておるのですが、その現状が困るわけでして、その現状を改善しないで、そのままに置くということはいかにも不親切というか、何というか、制度の改正ということをこれは国がやったので、なるほど府県が府県税でやられておる場合には、今のような問題はまず起らないでよかったのですが、市町村税になった以上、やはりその際に、その制度の改正に即心する方途をできないわけではないのですね。今もう、ただ事務費がないということのようですね。それについては、自治庁の税務局長はどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/106
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107・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 私どもといたしましては、事務的には、できますならば、届出の現在なされております陸運事務所の方から関係市町村へ通知してもらうようにいたしますことが一番便宜かと思うわけでございますが、ただいま自動車局長からお答えを申し上げました通り、まあ純然たる向うの事務ではない面もございますし、なお今後打ち合せをいたしまして、できるだけむだなく、また、運輸省としても筋の通りますような格好で、できますならば陸運事務所の方から通知をしていただきますか、あるいは、先ほど大沢先生のおっしゃいました、軽自動車等の検査の実際の必要等から、私どもは、できますならば、もう市町村の届出にしていただいてもいいのではなかろうかと、こういうふうに思っておるわけでございますが、そういう点もいろいろと問題もあるようでございますし、なお政府部内で打ち合せをさしていただきたいと、かように存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/107
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108・大沢雄一
○大沢雄一君 いろいろ技術面について検査その他の必要があるということは、今の段階ではわからないわけじゃありませんが、これは必ずしも、それだからといって、もう一々全部届出をさせるということもあながち必要ではない。違反を摘発するということだけでもいいのじゃないかという感じもするわけです。まあそれはそれといたしまして、今のせめて市町村への通知義務は、何とか考えてもらって、今のようなばかばかしいことで、市町村がむだな経費を使って困っておるというふうなことのないように、これはぜひ改善を望みたいと思うわけであります。
それからなお、この際お伺いしたいのですが、農耕用の軽自動車というのですか、トラクターというような名前で呼ばれておりまするが、これは、ほかのものと違って、その道路を長い間走るのが目的でなく、農耕に使うわけでありまするから、これはもうきわめて道路その他を損傷することも少いし、またスピード等ものろいし、そういうふうな関係にあると思うのです。これは免許制度でなくて、これはもう免許からはずしていいのじゃないかと思いますが、自動車局長さん、どうお考えになりますか。願わくばはずしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/108
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109・國友弘康
○政府委員(國友弘康君) 農耕用のトラクターにつきましては、スピードもおそいことでもございますし、運輸省の関係の道路運送車両法の面から申しますと、これは軽自動車の届出で処理しておるのでございますが、ただいま大沢先生のおっしゃいましたのは、運転手の運転免許の点でございまして、運転免許の点は、警察の方が扱っておりますので、私の方の関係ではないので、お答え申し上げられないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/109
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110・大沢雄一
○大沢雄一君 そういたしまするとね。さらに、自動車の損害賠償保険の対象にされておるようですが、その方はあなたの所管かとも思うのですが、これは、今申した通り、道路を走らせるものではなく、人がいない、たんぼの中を走らせるものですから、これを損害保険の対象にしておくのも、いささかどうも酷でありますし、これは一般普及化するわけでございますから、これはどのようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/110
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111・國友弘康
○政府委員(國友弘康君) トラクターも自動車という範疇に入りますので、自動車損害賠償保障法の観点から申しますると、やはり保険を強制保険としてかけるべきことになっておりますが、ただ、その料率の点その他につきましては、今後私どもの方といたしましても検討したいと考えておりますので、それを検討いたします際に、できるだけそういう実情を勘案しまして定めたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/111
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112・大沢雄一
○大沢雄一君 まあその現行法は、自動車になっておることはわかっておるわけですが、その現行法を改正して、その自動車損害保険から除いていただけないか。いただきたい。またそれが常識的じゃないか。たんぼの中を走らせるんで、これは道の上を走らせるものじゃないのですから、これを損害保険の対象に入れて、ただでさえ負担過重な農民に、こういうものの損害保険をかけさせるというようなことは、これはいささかどうかと思うのですが、一つ改正をお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/112
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113・國友弘康
○政府委員(國友弘康君) 先ほど申し上げましたように、まあ自動車でありますので、たんぼの中で耕作をいたしております場合には、まず人はおりませんのですが、やはりこのトラクターも、当然その道路上も走りますので、全然オミットしてしまうわけにも参りませんで、その際に事故があるいは起ることもございますから、その点については、よく研究したいと思います。ことに料率の点等についても研究いたしたいと思いますが、全然はずしてしまうこともいかがかと思いますので、よく検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/113
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114・大沢雄一
○大沢雄一君 その点は、一つよろしく御検討をお願いいたします。同情のある御検討を一つ農民に対してしてもらいたいと思います。自動車局長さんにはそれで私よろしゅうございます。
税務局長さんの方に一つお願いいたしたいのですが、今のこの農耕用の自動車でございますね。これは、その軽自動車税からはずしてやって相当じゃないかと思うのですが、どうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/114
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115・金丸三郎
○政府委員(金丸三郎君) 用途が一般の自動車と違う点はございますが、これは目的税でもございませんし、また、農業関係の市町村あるいは府県等におきまする自主財源のあまり豊かでない状況等を考えましても、また農業課税全般から考えましても、この程度の負担はやはりしてもらってもよろしいのじゃなかろうか。かように考えておる次第でございます。なお、軽自動車と申しましても、種類、用途によって税率は区分をいたしておりますが、特に農耕用の自動車につきましては、一般の自動車よりも負担を軽減するように指導いたしておりまして、私どもは、軽減されていると思っているわけでございます。そういう点で、やはり農耕関係の事情は考慮いたしてございますので、まあ現在の状況でもごしんぼう願えるのではなかろうか、またしんぼうしていただきたいと、かように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/115
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116・大沢雄一
○大沢雄一君 まあ市町村の財源も、非常に減税その他で何されてありまするから、軽減税率を適用するということであれば、それもやむを得ないかもしれませんが、しからば、駐留軍の持っておりまする軽自動車、これを特別措置で減税しているのはどういうのですか。これはもう減税の要がないじゃございませんか。これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/116
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117・大村襄治
○説明員(大村襄治君) 軽自動車税の関係でございますが、これは、軽自動車税が自動車税から分離されて市町村税となる前の自動車税の取扱いの段階におきまして、行政協定の実施に伴う地方税法の臨時特例に関する法律におきまして、合衆国軍隊用のものにつきましては、非課税という扱いになりました際に、軍隊用以外の軍人軍属の使用するものにつきまして、半額程度の課税をするという扱いをきめまして、その際に実施いたしました関係上、今日におきましても、軽自動車につきましてもその扱いがなされている、こういう経緯でございますので、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/117
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118・大沢雄一
○大沢雄一君 現在の原動機付の自転車は、これは今の扱いのほかになっておりまするから、一番その免税されている自転車と最も似ている原動機付のものがかえって高くて、それで、そのほかのものがかえって非常に安くなっているというような、非常におかしな関係になっておるのですね。これは、いろいろの点を考えて、当該市町村の財政収入という面もそうでございますし、また、事故を起すというような、いろいろな点を考えて、これはどうも、別に合衆国軍隊がそのまま使うのでなく、軍隊の構成員の人が所有しているものですね、この軽自動車については。これは、何も特別措置で軽減する必要は私はないと思うのですがね。これはもとに戻したらいかがなものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/118
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119・大村襄治
○説明員(大村襄治君) 御指摘の点につきましては、不均衡の点もございますので、御指摘の方向につきまして検討して参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/119
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120・館哲二
○委員長(館哲二君) ちょっと速記をとめて。
午後二時四十五分速記中止
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午後三時二分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/120
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121・館哲二
○委員長(館哲二君) 速記を始めて下さい。本日は、この程度で散会いたします、
午後三時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114720X01819590319/121
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