1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年四月七日(火曜日)
午前十時五十九分開会
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委員の異動
四月二日委員前田佳都男君辞任につ
き、その補欠として安井謙君を議長に
おいて指名した。
四月六日委員安井謙君、山本利壽君及
び松本治一郎君辞任につき、その補欠
として前田佳都男君、西岡ハル君及び
森中守義君を議長において指名した。
本日委員西岡ハル君及び高瀬荘太郎君
辞任につき、その補欠として山本利壽
君及び石黒忠篤君を議長において指名
した。
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出席者は左の通り。
委員長 永岡 光治君
理事
松岡 平市君
山本 利壽君
千葉 信君
委員
大谷藤之介君
大谷 贇雄君
木村篤太郎君
野本 品吉君
堀木 鎌三君
前田佳都男君
増原 恵吉君
松村 秀逸君
伊藤 顕道君
森中 守義君
矢嶋 三義君
横川 正市君
石黒 忠篤君
八木 幸吉君
国務大臣
文 部 大 臣 橋本 龍伍君
厚 生 大 臣 坂田 道太君
政府委員
内閣官房内閣審
議室長兼内閣総
理大臣官房審議
室長 吉田 信邦君
総理府総務長官 松野 頼三君
総理府総務副長
官 佐藤 朝生君
内閣総理大臣官
房公務員制度調
査室長 増子 正宏君
行政管理庁行政
管理局長 山口 酉君
自治庁長官官房
長 後藤田正晴君
防衛庁長官官房
長 門叶 宗雄君
調達庁長官 丸山 佶君
調達庁総務部長 大石 孝章君
大蔵大臣官房長 石野 信一君
大蔵省主計局次
長 村上 一君
文部政務次官 高見 三郎君
文部大臣官房総
務参事官 齊藤 正君
文部省初等中等
教育局長 内藤誉三郎君
文部省社会教育
局長 福田 繁君
文部省体育局長 清水 康平君
厚生政務次官 池田 清志君
厚生大臣官房長 森本 潔君
厚生大臣官房審
議官 小山進次郎君
厚生省医務局長 小澤 龍君
厚生省児童局長 高田 浩運君
農林政務次官 石坂 繁君
農林大臣官房長 齋藤 誠君
事務局側
参 事
(事務次長) 宮坂 完孝君
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
説明員
文部省管理局助
成課長 今村 武俊君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○農林漁業基本問題調査会設置法案
(内閣提出、衆議院送付)
○厚生省設置法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
○国家公務員に対する寒冷地手当、石
炭手当及び薪炭手当の支給に関する
法律の一部を改正する法律案(千葉
信君外六名発議)
○文部省設置法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/0
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001・永岡光治
○委員長(永岡光治君) これより内閣委員会を開会いたします。
委員の異動がありました。去る四月六日山利寿君及び松本治一郎君が辞任され、その後任として西岡ハル君及び森中守義君がそれぞれ委員に選任されましたが、本日西岡ハル君が辞任され、後任に山本利壽君が選任されました。
以上御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/1
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002・永岡光治
○委員長(永岡光治君) それではこれより議事に入ります。
まず、理事補欠互選の件についてお諮りいたします。ただいま御報告いたしました通り、山本利壽君が一たん委員を辞任されましたが、本日委員に復帰されましたので、この際山本君を再び理事に選任することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/2
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003・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めさよう決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/3
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004・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 次に、衆議院送付にかかる内閣提出法律案二件につきまして、これより順次提案理由の説明を聴取いたします。
まず、農林漁業基本問題調査会設置法案について説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/4
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005・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) ただいま議題となりました農林漁業基本問題調査会設置法案についてその提案の理由を御説明申し上げます。
わが国農林漁業の生産力は、戦後著しく増大し、国民経済の復興と成長に寄与するところ大なるものがあるにもかかわらず、その反面、農林漁業と他産業との間の所得の較差はなお相当の開きを示しているのであります。
このような情勢に対処いたしまして、農林漁業政策の基本目標は、農林漁業と他産業との均衡ある発展を確保し、農林漁業の所得の増大を通じて農山漁家の生活の安定向上をはかることにあると考えます。また、このことは、ひとり農林漁業対策上の基本的事項であるばかりでなく、国民経済の体質改善とその安定的成長に資するゆえんでもあると考えるのであります。
従いまして、農林漁業における生産性の向上と所得の増大をはかるため、今後、さらに生産基盤の整備拡充と生産流通機構の合理化を推進すべきはもとよりでありますが、新たな角度から農林漁業内部における経営の改善、就業構造の近代化等の基本問題やこれらと関連する雇用、価格、流通、貿易その他の国民経済上の諸問題についても、調査審議を行い、農林漁業の基本的施策の確立をはかることが現下の緊急の課題と考えるのであります。
以上申し上げましたような見地から、この際、総理府に、その附属機関として、農林漁業基本問題調査会を設置し、広く各界の学識経験者の意見を聞き、農林漁業の基本的施策の確立に資することといたしたのであります。
次に、本法律案の概要を御説明申し上げます。
農林漁業基本問題調査会の任務は、内閣総理大臣の諮問に応じ、農林漁業に関する基本問題を調査審議し、並びにこれに関し必要と認める事項について内閣総理大臣に意見を述べることができることといたしております。
調査会は、委員三十人以内で組織することとし、ほかに特別の事項を調査審議するため必要に応じ、臨時委員二十人以内を置くことといたし、さらに専門調査員三十人以内及び幹事十五人以内の設置を考えております。
また、調査会は、農林省の所管事項と密接な関連がございますので、その庶務は、農林省大臣官房で行うことといたしております。
さらに、調査会の調査審議は、おおむね二年を目途にその結論を得たい考えのもとに、この法律の有効期限を、昭和三十六年三月三十一日限りといたしております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いする次第であります。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/5
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006・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 次に、厚生省設置法の一部を改正する法律案について説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/6
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007・坂田道太
○国務大臣(坂田道太君) ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明いたします。
この法律案は、国民年金制度の実施に伴う事務機構を整備するため、新たに厚生省に年金局及び国民年金審議会を設置するとともに、医療に関する制度等について調査審議させるため、医療制度調査会を設置するほか、地方支分部局のうち、地方復員部を廃止すること等をそのおもな内容とするものであります。
まず、改正の第一点は、年金局及び国民年金審議会の設置であります。御承知の通り、国民年金制度につきましては、かねての公約通り、拠出及び無拠出による老齢、障害及び母子の三年金を包括する国民年金法案をすでに今国会に提案いたし、無搬出の年金につきましては、本年十一月分から支給を開始し、拠出制の年金につきましては、昭和三十六年四月から保険料徴収を開始する予定であります。本制度は、所得保障の本格的形式として国民の福祉の向上にきわめて重要な意義を有するものと考えるものでありますが、わが国としては全く未経験の分野に属する本制度が円滑に運営され、所期の目的を達成するためには、その実施のための事務機構の整備が不可欠の要件と考えられるのでありまして、このため、行政審議会の答申の次第もあり、新たに厚生省の内部部局として年金局を設置することとし、国民年金事業の企画、立案、指導監督等の事務に当らせようとするものであります。またこれに関連いたしまして、国民年金事業の実施に関する重要事項につきまして、広く国民各階層の意見を徴し、その適切な運営に資するため、附属機関として新たに国民年金審議会を設置することとした次第であります。
改正の第二点は、医療制度調査会の設置であります。
政府におきましては、国民の医療保障の実現を期するため、国民皆保険四カ年計画の達成、医療機関の整備等諸般の施策の推進に当っているのでありますが、国民皆保険の進展と医療事情の推移にかんがみ、従来の医療制度等につきまして根本的に検討を行う必要があると考えられますので、本調査会を設置し、各方面からの御意見を承わり、新しい情勢に適合した適切な医療制度の樹立に資したいと存じているのであります。なお、本調査会における審議につきましては、その設置の趣旨にかんがみまして、ニカ年程度の審議をもって結論を得られるよう予定しております。
改正の第三点は、千鳥ケ淵戦没者墓苑の維持管理を新たに国立公園部の所掌事務としたことであります。第二次世界大戦中海外におきまして戦没された方々の遺骨であって遺族に引渡すことのできないものが多数保管されているのでありますが、これらの遺骨につきましては、現在都内千鳥ケ淵の地に建設いたしております墓苑に納めることになっております。この墓苑は、国が設立する墓苑でありますので、今後の維持管理につきましても、国が直接行うことが適当であると考え、これに関する事務を国立公園部の所掌事務とした次第であります。
改正の第四点は、受胎調節に関する事務を公衆衛生局の所管から児童局の所管としたことであります。受胎講師につきましては、漸次その普及をみ、逐年その成果を上げて参りましたが、本来受胎調節は、母体の健康を保護することを目的とするものでありまして、児童局の行政面で取り扱っております母子衛生の分野と密接な関係を有し、健全な家庭の建設という点で共通の理念を持つものであります。従いまして、受胎調節に関する事務を児童局の事務とし、これらの事務を一体的に行うことにより、今後一そう家庭の福祉の向上をはかることができるものと考える次第であります。
改正の第五点は、地方復員部の廃止であります。地方復員部は、現在、横須賀、呉及び佐世保の三カ所に設置されており、旧海軍にかかわる復員関係その他の残務整理に関する事務等をつかさどっておりますが、漸次事務量の減少に伴い、これらの事務を中央において集約的に処理する方が能事的であると考えられますので、これらの機関を廃止し、今後引揚援護局において処理することとした次第であります。
なお、以上の改正につきまして、年金局及び国民年金審議会に関する部分は本年五月一日から、地方復員部の廃止は本年十一月十六日から、その他の部分は本年四月一日から施行することといたしておりましたが、このうちその他の部分の施行期日につきましては、衆議院におきまして公布の日と修正されております。
以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/7
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008・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 次に、国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案(参第一号)を議題といたします。
これより本案の質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/8
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009・千葉信
○千葉信君 議事進行について。社会党の委員がまだそろっておりませんから、委員部の方から至急連絡をとってもらって、来てもらってからやりたいと思います。速記をちょっととめてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/9
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010・永岡光治
○委員長(永岡光治君) ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/10
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011・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 速記を起して下さい。
御質問の方はありませんか。
別に御発言もなければ、本案は予算を伴う法律案でありますので、国会法第五十七条の三、及び本院規則第五十条第二項の規定によりまして、この際、本法律案に対する内閣の意見をお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/11
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012・佐藤朝生
○政府委員(佐藤朝生君) この法律案は、寒冷地手当及び石炭手当の支給額をそれぞれ引き上げようとするものでありますが、その内容につきましてなお検討の余地があり、またこれらの手当については、制度的にも再検討をする必要があります。なお、この法律案を実施するためには、相当額の新規財源を必要といたしますが、新年度予算にはそのための経費は計上されておりませんので、政府といたしましては、賛成いたしかねる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/12
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013・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ、これより本案の討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
なお、委員長のもとに、松岡平中君から、本案に対する修正案及び附帯決議案が提出されております。本修正案の御意見は、合せて討論中にお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/13
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014・松岡平市
○松岡平市君 申すまでもなく、この法律案は、当委員会にしばしは提出されておりますのみならず、これは前々、前国会におきましては、この法律案は出委員会におきまして、全会一致で可決いたしました。本会議におきましても可決の後、衆議院に送付せられて、審議未了になった法律案そのままでございます。その後いろいろな諸情勢の変化等もございまして、いろいろわれわれも考慮いたしましたが、この法律案をこの段階におきましては、多少の修正をすることが妥当であるとわれわれは考えたのであります。そこで、お手元に配付いたしましたような修正案を提出いたしております。
要するに修正案は、この法律案中寒冷地手当、薪炭手当等については一応これは認めない。もっぱら石炭手当については、諸般の一倍上これは認めざるを得ないだろう、しかしその手当の冊数童等については、やはり上原案通りは認めがたいということで、お手元に差し上げているような修正案を提出したわけであります。すなわち本法律案一中、もっぱら石炭手当については、数字を変更して認めるという趣旨のものでございます。で、法律案のうち「第一条第一項および第二項の改正規定中『第二条第一項中「百分の二十」を「百分の二十上五」に改め、同条第二項』を」という部分を全部書きかえまして、これを単に第二条第二項に改める。そして回収、正規定の表がついておりますその表のうち、四トンとあるのを三・五トンにその次に三・五トンとあるのを三・ニトンに、その次に三・一トンとあるのを三トンに、それから下段の一・三トンを一・二トンに改める。それから附則中、昭和三十四年四月一日とありますのを公布の日に改める。
こういうふうに修正をして可決をしていただきたいと考えます。同時に附帯決議案を付したいと思います。
附帯決議案は、今修正案に申し上げましたように、寒冷地手当につきましては、これをこの法律案の改正が希望するようにはこの段階ではいたしませんが、それはいろいろとそのことについては、もっと検討を加えた後でなければこういうふうに応じがたいが、しかし検討を加えて合理的に直さなければならぬということだけはわれわれも認めますので、そのことを政府に要望したいということであります。読み上げますが、
附帯決議(案)
寒冷地手当の現行支給率、支給地域区分等については、種々不合理不均衡の点があるので、政府は、これを合理的な制度に改めるよう根本的検討を加えられ度い。簡単なものでございますが、その附帯決議案を付したい、こういう趣旨でございますので御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/14
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015・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/15
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016・横川正市
○横川正市君 ただいま討論とともに提案をされました修正案に対しまして、社会党を代表して反対の意見を申し上げたいと思います。
この法律案が過去二回にわたりまして本院の当委員会で審議をされまして、そのつどこの実施に伴う予算を問題とするにおもなる原因がありまして、必要とする諸事項については、これは当院では満場一致了承をされておった法律案であったかと思うのであります。この観点に立ちますと、法律案の必要とする事項については了とされ、国が予算上資金上、これに対して法律案の通過以前に予算上の裏づけをしなかったという理由で次回回しとなったのが、前回の衆議院の議決の私は結果であったというふうに思うのであります。もちろん、まあ、予算の伴う法律案でありますから、参議院で議決される場合に、私は当然政府及び与党の皆さんの中にも、衆議院における予算を必要とすることを了承の上で賛否を明らかにされ、しかもそういうことを了解の上で私は賛成をされたものと、こう理解いたしておるのであります。法律案そのものの提案されている内容が了解されておるにかかわらず、今回は私はこの修正案のそのものの持っております理由というのは、法律案を必要とするという理由以外に、予算の問題による理由を相当大幅にこれは削減した修正案であるというふうに考えていいのではないかと思います。もちろん、予算の支出上の問題でありまして、政府においてはこれらの点について種々検討をされたかと思います。しかし、たとえば、これは必要であるということになりますと、私は、前回の仲裁裁定のように、予算の通過後におきましても、各行それぞれ移用その他の資金上の手当をいたしまして、これを完全にのむという態度を決定できるのでありますから、そういう点からいきますと、予算が私は全然これに手当のできなかったという理由を発見することは非常に困難なんであります。
同時に、前二回の国会でこの法律案が審議されまして了とされております当委員会において、私は、その予算の内容について政府、与党間においていろいろ話し合いの結果支出することができなかったということを、きわめて遺憾に思う次第でありまして、そういう点から修正案に対しましては、これは当然、法律案の持っております趣旨その他が当然の内容であるということを強く私どもは考えておりますので、修正案に対しましては反対をいたしたいと、かように考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/16
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017・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/17
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018・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
まず、松岡君提出の修正案全部を問題に供します。本修正案に賛成の方の挙手を願います。
[賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/18
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019・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 多数と認めます。よって、松岡君提出の修正案は可決されました。
次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/19
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020・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 全会一致と認めます。よって、国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案は、多数をもって修正すべきものと議決せられました。
次に、先刻討論中に述べられました松岡君提出の附帯決議案を議題といたします。本附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/20
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021・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 全会一致と認めます。よって、松岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
この際、ただいまの附帯決議案に対し、政府の御所信をお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/21
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022・佐藤朝生
○政府委員(佐藤朝生君) ただいま御決議になりました附帯決議の御趣旨につきましては、御趣旨に従って検討を加えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/22
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023・永岡光治
○委員長(永岡光治君) なお、議長に提出する審査報告書の作成につきましては、慣例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/23
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024・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/24
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025・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 次に、文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑を続行いたします。なお、政府側席の方々は、橋本文部大臣、齋藤総務参事官、福田社会教育局長、説明員として吉里社会教育施設主任官、今村教育施設部助成課長であります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/25
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026・横川正市
○横川正市君 前回の委員会で設置法についての審議をいたしましたが、大臣が出席されておりませんでしたので、その点について確認の意味で二、三お伺いいたしたいと思います。
まず第一は、官房に官房長を設置したいという意向なんでありますが、前回の委員会で私が質問をいたしました趣旨に答弁された内容を検討いたしますと、必ずしも官房長を置かなくてもいい機構上の内容を持っておるのではないだろうか、かように私は思うのであります。その第一は、文部省の場合には、たとえば大序管理、予算執行、それから局の運営、そういったものは、一つの事業目的を目的にいたしまして統一運営をされるということよりか、それぞれ別個に自主運営をされる部面が非常に多い。ことに附属機関——大学その他の機関を見てみましても、あまり中央の官房強化によりまして、それらに対する指図がましいことをやることによって、かえって運営それ自体がうまくいかないこういうことになるのではないだろうか。たとえばこれを大蔵省の官房長設置の問題に勘案いたしますと、大蔵省の場合には、税徴収それから予算編成そういうような統一した目的に従って部内の官房が一応の中心になって動くということは必要でありましょうけれども、私はそれとは違った意味で、文部省の場合には性格的に違うのではないだろうか、こういう点を御指摘申し上げたわけであります。その点について大臣のお答えをいただきたいと思います。同時に、官房の場合には三課で、全体の職員が千百十二人、そういうような構成でありますので、この面からも官房を置く必要は私は認めない。ことに法務省に官房を置かない理由をただしましたところが、官房を置かない理由としては、法務省はそれぞれその部局の独立性を官房を置くことによってそこなう結果ができるのではないかということを、法務省それ自体が知っておりまして、そうして官房を置くことに対しては別に大きな熱意を示しておらない、こういうようなことのように私は思うのであります。それと同じような意味で文部省には官房を置く必要はないのではないかという点を実は私はお聞きしたわけでありますが、その点についてはまだ十分なお答えをいただいておりませんので、まず、その点大臣からお答えいただきたい。
〔委員長退席、理事千葉信君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/26
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027・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 前回御審議の際、よそに出ておりましてまことに恐縮でございました。その際にもお話を申し上げたと思いますが、文部省も実はだんだんに各局内の総合を要する部面がだんだん大きくなって参りまして、昭和二十七年ごろからしばしば官房長設置につきまして、あるいは政府部内におきまして、あるいはまた、昨年は国会にも法案を出したこともあるのでありますが、お願いを申し上げておったのであります。これはいろいろ程度の問題はあろうと思いますし、各省それぞれその総合性を要する問題の範囲でありまするとか、あるいはまた、必要性について多少の強弱の差はあると思いますが、今日文部省の仕事を見ておりましても、特に科学技術教育の振興の問題、あるいは勤労青少年の教育の問題等いろいろ大学につきましても、あるいはまた初等、中等教育関係、あるいはまた社会教育からそれに関する施設面に関しまして、いろいろ各局間及び部外との連絡調整を強化する部面がふえておるのであります。私、文部省の仕事を見まして、どうも私が手がけて参りましたほかの行政面等から見て、もう少し部内におきまする総合会議によりまして、相互のやはり観点というものを十分に打合せ調整をする必要が非常にあると考えておるのであります。なお、省内に関しまする関係で官房の事務を能率的に遂行いたしまするためにも、ぜひ官房長を必要とすると考えております。どうかよろしくお願いをいたしたいと思います。
で、法務省についての御意見がございました。私は実は法務部内の組織等よく存じておりませんけれども、おそらく各省それぞれによりまして事情はあると思いまするし、文部省におきまする官房長設置の必要性というものにつきましても、いろいろな強弱の差とか色合いの差はあると思いますけれども、ただいま申し上げましたような観点から見まして、官房長を置いて、大臣、次官の手助けをぜひしてもらいたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/27
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028・横川正市
○横川正市君 提案をされたのでありますから、必要であるということの理由をお聞きいたしますとおそらくそういう答えしか出てこないわけです。実際には私は機構上の問題では、日本の場合には非常に複雑多岐であって、これを簡素化しなければいけないというのは、これは大臣の所属する内閣及び政党の方針ではないかと思うのであります。私どもはそれに対しては非常に賛成をいたしておるわけであります。ことに役所の事務で能率の一番落ちるのはどこかといいますと、一つ一つの窓口を何回か通るということで、もう一つは、縦に職階上の判断を一つの書類に何回か受けなければならない。そうしないと最終的決裁を得られないという非常に重複した、私は機構そのものが簡素化しなければならない大きな理由になっておるのであろうと思います。そういう意味合いから、私どもは機構をできるだけ簡素化し、判こを押す窓口を少くして、そうして要望に備えるような事務能率を上げたい、これは当然の私は考え方に一致すると思う。そういう観点から、この官房を置く場合にどういう結果が出てくるかといいますと、おそらく幾つかの部局がありまして、その部局の中の連絡が不十分ということになれば、これはまあ省議を開いて省議の結果出てくる結論に対して、次官ないしは大臣がいろいろな決裁をする、そういう事務の内容を官房で取りまとめて、官房長が決裁をして、あとはその上にあげていかない事務と、これを二つに種類を分けまして、そうしてできるだけその事務の簡素化ということよりか事務の繁雑さを、いわゆる政務次官、大臣のところへの繁雑さをこれを少くしていこう、こういう考え方が私は一つだと思う。もう一つは、官房に相当大きな権限を持たす。たとえば人事上の問題から言えば、局長から次官へというコースよりか、官房長から次官へというコースを持っていく、こういう重要さを官房長に持たせて省内の統括をしていく、この二つの面が私はねらいとして出されておるのではないかと思います。結果的に今度は逆な意味でどこに問題が出てくるかというと、部局の自主性と、それから運営に対して部局だけできめられない、いわば自主性のない運営をしいられる結果にならないか、ことにそういう結果は文部省のような場合に、教育部面に携っておって、それぞれの部局は独立性と自主性を持たなければならない場合と、それから大蔵省のような予算編成をやる場合の総合連絡をする官庁とでは、おのずとその性格が異ってくる。官房長を置いておる場合であっても大蔵省のような官庁で必要だという言い分と、それから法務省のように必要でないという言い分というのは、私はそこにそれぞれ部局の自主性のある運営ということに主点を置いておるからだと考えていいのではないか。こういう官房を置く意味合いから、二つの点から、一体文部省の場合にはどうなのか、こういうことをお聞きしておるわけなんです。ただ、今大臣のお答えになったような科学技術その他の問題ということになれば、ますますこれは独自の一つの機構を作りまして、総合的に科学の発展のために努力をしなければならない問題なわけであります。それと私は官房との関係というものは、あまり大きく持つ必要はないのじゃないか。ただ、現在の官房の中に人事、会計それらが課でもって構成されておるからという意味合いがあるようでありますが、それならばこれは部とか局とかいわゆる人事に即応し、会計に即応した機構というものを作るべきだと思う、同時に、これは人員の配置で決定さるべきものである、こういうふうに機構上の問題としては考えるべきだと思うのです。その点で前回の委員会のときにも御質問したのでありますが、今大臣の答えのような答えしか出なかったわけです。もう少し私どもは納得のいくように政策上の意味からもお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/28
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029・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 率直に申しまして、私は大蔵省あたり省議も非常によくやっておりますし、官房長の仕事も非常に多いのであります。厚生省の仕事も私手がけてやりましたけれども、官房長によりまする調整に相当のウエートを置きながらやっておるわけであります。文部省に参りまして各局がそれぞれ自主性を持ってやらなければならない部面もございまするけれども、もう少しやはり文部行政全体というものが、相当大きな問題についてはみんなの頭で脈絡をとりながらやらなければならないということを、私自身は痛感をいたしておる次第であります。で、お話しのございました御質問の点は、非常に大事なポイントでございますが、官房長は私、任命するに当りまして非常に大きな大官房長制度といったような、たとえば防衛庁だとか大蔵省あたりに似たようなものを官房長の手によって、もともとその次官なり大臣に上ってくる案件自身を相当大きくそこでさばいてしまうというような程度の官房長を置くのは、私は行き過ぎだと思っておるのでありますが、どうも今日文部省の中で大学学術局あるいは初中局あるいは社会教育局、調査局、監理局に分れておりましてその間に総合的につまりお話しのございましたように、将来はそういう各局に、きょう触れておる中でたとえば科学研究に関する部局をあるいは独立させていくとかなんとかいうような面の問題というものは、だんだん進化していく上で出て参るかもしれませんけれども、そういうふうな面の、つまり各局にわたって相当みんなで考えなければならないような問題というものが平素相当あるわけであります。もちろん、それは大臣、次席の主宰で省議を開いてやるわけでありますが、そうした問題を大臣、次官の手助けをしながら、相当やはり指図を受けて取りまとめ連絡調整をはかっていくということによりまして、省内の運営が非常に楽になって参ると思っておるのであります。なお、今日割合い各局独立でやっておるのを、もう少し相互の連絡というものを密にする体制でやる方が私はいいと考えております。そういう趣旨で私は何といいますか、省内一体の教育行政というものをもう少し進めて参りたいと思いまするし、その機関として官房長をぜひほしいと考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/29
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030・横川正市
○横川正市君 連絡を密にしたいというなら、これは局は局議、省は省議という重要な機関があって、そこで相当問題の検討は行える、あるいは昼食会だとかそういった名目ででも話し合いの場所というものはあるわけであります。ですから仕事の重要さ、あるいはその意思の連絡の必要さというものは、そういう機関で行なって私は十分だと思うのでありますが、局議や省議でどうして意思の疎通が十分にはかれないのか、その点をお聞きしたいと思
います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/30
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031・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 要するに、局議や省議で、細大漏らさずまとめていくということが無理でございますので、局議や省議で荒筋を立てながらそれで取りまとめて参りまする立場にございまして、それがやはり総務参事官あたりを集めて、局長を集めて次の省議を開くまでにこういう方向へまとめてくれといったような方向は、やはりおのずから仕事に限界がございますので、官房長の設置をいたしまして、そうして省全体にわたりまする問題についてこれの次官なり大臣なりの意図を受けて取りまとめていくということによって、官房長は相当大きな仕事をするわけであります。なおまた、こういう問題というのは、必ず省内でやっておりますると同時に、あるいは与党、野党なり、あるいはその他の国会機関であるなり、あるいはまた一般社会といったような面との接触を要して参るのでありますが、そういう場合におきましてもやはり大臣、次官の相当忙しくやって参りますので、官房長が大臣、次官の意図を受けて総体的な立場で接触をするということが非常に便利な場合が多いのであります。こういう趣旨で、この官房長を活用して参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/31
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032・横川正市
○横川正市君 重点になっている最後の大臣の言っていることは、これはいわば今回の法律でこの官房長を置こうというのは、文部省とそれから郵政省、最終的に官房長のないのは法務省と、こういうことになるのですね。ですから対外的に意思の疎通をはかりたいということは、ほかの省に官房があるのに、文部省に官房がないのは実は困るのだと、こういうような考え方が官房を次から次へと広げていった提案のおもな理由ではないか、それならば少しこれは機構縮小の問題もそういう方向にいくべきだという考え方、その方向とは違うのじゃないか、この点を御指摘しているわけです。そこで、今大臣は官房長は大官房長にはしないのだ、こういうことのようでありますけれども、大臣の任期からいきましても、そう生涯を通じて文部大臣ではないわけですから、大臣の方針が変って参りますというと大官房長制になるのか、それともこれは文部省の方針として事務連絡の文書課長にいささか毛の生えた程度の官房長を置くのであって、いわば事務上その他の連絡を密にする程度だ、これは永久不変に文部省としては変えないのだ、こういう一体取りつけがどこにあるのかという点に、私はどうも非常に大きな将来危惧をいたしますが、はっきりとお答え願いたい。
〔理事千葉信君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/32
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033・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 実はまだ法案は通っておりませんけれども大事な人事でございますので、そのときに備えて内部ではいろいろな検討をいたしております。実際的にはただ、まお話しのあった点につきましては、これは文部省は文部省としての省の性格があり、各局の性格がございまして、大臣の勝手で個別に大官房長を置こうとか、あるいはまたそれに次官か副次官のような官房長を置くまいとかなんとかいうふうなことはできかねると思うのであります。私が先ほど申し上げましたのは、どうでもできるけれども、こういうふうにすると印したのではございませんので、今日大学学術局がああやって五百の大学を監督いたしております。これはやはりそれ相当の局長としても高い地位にあります、そうして責任をもってやっていかなければいけない部面であります。また、初中局におきましても義務教育を担当、それと樹等学校を担当いたしまして、接触いたしまする教育委員会の部面だとか、あるいは学校の部面なども相当広いし、また地位の高い人たちとやはり教育その他の接触をして参るわけでありまして、従いまして各局をないがしろにして、官房長が出て、おれは次官、大臣がわりだといってやるようなことは、少くとも文部省のああした仕事の建前からいって限界があったのでありまして、これは本来からいって、陸海空の統一をはかっていかなければならぬという非常に大きな命題があります防衛庁あたりの官房長とは、これは仕事の筋が違うと考えておるのであります。私は大臣の考え方によりまして多少重さの置き方といったような点で差がないとは申しませんけれども、私はやはりどなたが所管大臣をやられましても、今日の要するに各局というものは、どういう立場に置いてどういう面と接触をしても、その全体にわたって総合調整をするに当っては、その総合調整の面においても官房長というものは、省内においても、あるいはそういう面で省外に接触する場合においても、おのずからやはり私は地位がきまってくると思いますので、先ほど申しましたのは、どうでもやれるけれども、文部省の官房長というものは大体こういうような趣旨でいかないと運営がうまくいかないし、また、そういう趣旨でやって今まで以上に能率を上げていきたいし、大臣や次官の仕事も幅のあるものにして参りたい、こういうような考え方で申し上げた次第であります。従いましてほかの方が来られましたときに、多少の差はあろうと思いますけれども、おのずからそういう性格的な制約というものは受けると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/33
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034・横川正市
○横川正市君 そこで官房の内容なんですが予算は六十一万二千円でありますがそれと現在の臨時職員が百六十名ぐらいいるようであります。私はこれは官房長を置いて官房長の所掌の中に相当大幅の事務をかかえ込む、そういう結果から自然的にはこの面が当然定員的に強化されなければならないと、こういうふうに思うのでありますが、その点については、官房を置いて機構の問題としてはどのようにお考えになっておりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/34
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035・齊藤正
○政府委員(齊藤正君) 官房長の設置に伴いまする機構でございまするが、これは先般申し上げましたように、現在調査局の所管になっております広報課、これは広報関係の職員は十人でございますが、この人員並びに機構を官房に移しまして官房の新たな定員三百二十七人という予定であります。官房庁の設置に伴いましてそれ以上のふやし方はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/35
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036・横川正市
○横川正市君 大体予算の面、それから機構の面、現在の官房の内容からいきましても、非常勤職員、それから臨時筆生を百六十人も使って相当たくさんな事務をかかえている。こういう点は私は当然官房長を置くことによって解決をしていかなければならない問題だ、こういうふうに思うのであります。同時に、先般私ちょっとお聞きしたのでありますが、文部省内の一般職の職員団体と、それから地方教育委員会が当然人事その他を担当いたします教員の職員団体、この二つについては直接的な関係と、それから直接ではありませんけれども、相当内容についてはおもなる関係を持つ文部省としてその接触面をどこに持っているのだと言って聞いたところが、これは初等中等教育局の地方課という話しであります。これは、まあ私は行政上の窓口としては地方課あたりは適当でありまして、ここへ校長さんかだれかが出てきて、いろんなことを陳情するとこういうことならば話はわかるのでありますが、いやしくも職員団体を構成しているものの窓口としては、いかにも文部省はどうも労務管理において一歩も二歩も後退しておったのではないかというふうに考えておるわけであります。その点でたとえば官房を置く場合には官房の人事課、あるいは管理課というようなところで必要として窓口を設ける、直接の問題としては文部省の中の職員団体、それから面接ではありませんけれども、相当重要な接触点として持っております全国の教員の職員との窓口、これを当然設けるべきだと思うのでありますが、その点について大臣の御意見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/36
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037・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 実は事務的な問題について申し上げた後、申し上げたいと思ったんですが、ただいまお話しのあった点は当然考えて参ります。ただ、接触して参りまする面におのずから公務員の待遇関係の問題と、それからいろいろ教育行政に関する問題とあるものですから、私は現実の問題としては今度官房長ができたんで、そういう面での接触を全部官房へ持ってこられても意に満たない場合もあるかと思います。ですからお話がございました点は十分考慮いたしまして、当然官房の所掌になると思いますけれども、おのずからやはり仕事の内容に従いまして従来の地方課で考えていたような仕事、地方課でやっていたような接触も必要かと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/37
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038・永岡光治
○委員長(永岡光治君) ただいま委員の異動がございました。高瀬荘太郎君が辞任せられ、後任に石黒忠篤君が委員に選任されました。以上御報告申し上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/38
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039・横川正市
○横川正市君 次に、青年の家の問題でありますが、これは相当私は一般世上伝えられるところでは、いろいろな意味合いで受け取られているんではないかと思う。機構上の問題からゆきましても、これは文部省で果してこれを所管すべきものか、それとも設置されている場所に最も密接な関係のある県が責任を持つのか、もちろんこれは文部省の財産であれば委託をするという格好になるでありましょう、そういうことでまず運営という問題は考えられるべきではないだろうか。それからどういう人たちを集めて、どういうふうに教育をして、どういう結果を期待するんだということになりますと、青年の家を作ります、ぜひ一つここへ来て練成をやって下さいというだけの簡単なものじゃないと思います。言いかえますと、これは戦時中の修練道場のような格好で、青年のいろいろな欲望をいわば一つの国家目的に合致するように鍛え上げてゆくんだというような方針がこの中にあるのではないか、つまりそういうにおいがするんではないか。実は私どもは作るということについての運営も先ほど得ったように地方の県に委託すべきじゃないか、こう思いますし、同時に、文部省では日本学士院とか、それから国立近代美術館とか、あるいは国立西洋美術館のような職員構成でゆきますと、これは文部省の職員として所掌しているんじゃなくて、独立しているわけですね。ですからこの青年の家の場合も、職員とか予算とかいう問題も、当然これは一つの独立した自主性を持たせたものを作る必要があるんじゃないか、こういうふうに運営上、それから経営上の問題からも考えるわけでありますが、その点について大臣の御意見を承わっておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/39
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040・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 実は中央青年の家は、今度初めてでありますが、御承知のように地方の青年の家を二、三年前からやっておるわけであります。非常に御所望が多うございまして、そうして喜ばれて地方公共団体で作り、そうしてやはりこれはもう社会教育法の精神に従いまして青年の自主性を尊重しながら、ほんとうに喜ばれて運営をしておるわけであります。今回やりまする中央年の家と申しまするのも、戦時中の特別の練成というようなことを考えているのではございませんので、全国的にも地方の青年の家をずっと発展をさせて参りたいと思いまするし、それから一般の社会教育面で青年団等の自主的な活動の助成をいろいろやつておるわけであります。でそのために青年たちが共同生活を通じて、一発的に規律の精神を体得したり、また共同学習を通じて社会的な知識を持ったりということはきわめて意義のあることだと考えております。そういうような趣旨からいたしまして、中央青年の家を作りまして、ただ地方々々の一地方だけにとどめないで、より広い視野から、全国の青年が一堂に会して青年相互の研修と交歓をはかる機会を与えるということがいいんじゃないかということで作った次第でございます。そしてこの運営に当りましては、何か近代美術館、その他これは文部省の附属機関という形で、そしてやはり国家公務員がずっと所掌いたしておるわけでございます。これもやはり同じような形で、附属機関という形でまとめて、特に青年に親しみを持ち、熱を持っている人に任命をしてやってもらいたいと考えておる次第であります。地方に委託したらというお話もございましたけれども、これも一つの便法かと思いまするが、財産としても国の財産でございまするし、それから経費等から見ましても、結局こうやって全国的な利用に供するということでありますれば、どうしてもやはり国で見なければなりませんので、施設も経費も国で持つということで、これは社会教育法の本旨に従って、文部省の附属機関という形でやつて参りますることが一番便宜だと考えてこういう提案をした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/40
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041・横川正市
○横川正市君 最後にちょっと、質問の内容に答えが少しはっきりしなかったと思うのでありますが、今度の青年の家は、この設置法によりますと、社会教育局の出先機関として設置されるごとになっているわけであります。それから文部省設置法の十四条の規定によるこの日本学士院とか、国立近代美術館とか、国立、西洋美術館等の職員、それから予算も同じくそれに伴ってありましょうが、それぞれ附属機関か、独立機関か、独立して私はそれぞれ運営されているんじゃないかと思います。その前者のあれでいきますと、社会教育局の出先機関になっているのでありますが、運営は一体出先機関ということと、十四条による独立機関ということと、どういうふうに使い分けようとしておられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/41
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042・福田繁
○政府委員(福田繁君) ただいまの御質問の点でございますが、この設置法の十四条の規定によりますと、たとえば科学博物館だとか、西洋美術館だとか、その他いろいろな機関が置かれておりますが、これらの機関は御承知のようにそれぞれ独自の機能を持った、教育研究に関する事業を行うような機関になっております。ところで、この国立青年の家の方におきましては、そういったものでなくて、単なる附属の機関として、たとえば文部省が持っております自然教育園だとか、あるいは史料館というようなものがございますが、そういった程度の附属の機関としてこれを扱うという意味合いにおきまして、十四条のそういった教育研究機関とは別個に扱って区別いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/42
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043・伊藤顕道
○伊藤顕道君 今の青年の家の行政機関のしから見た性格ですが、どうも明確でないのですが、これは大体文部省の附属機関になるのですか、そういう点をはっきり……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/43
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044・齊藤正
○政府委員(齊藤正君) 国家行政組織法第八条に定めます附属機関と相なるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/44
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045・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この青年の家の訓練を見ますと、団体宿泊訓練こういうことがあげられておる。この団体宿泊訓練の目標というのは、一体どういうものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/45
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046・福田繁
○政府委員(福田繁君) この団体宿泊訓練でございますが、こういった施設におきましては、一般のホテルや何かのように個々の個人々々を泊めるというようなことでなく、やはりある程度まとまった青年の宿泊というものを期待いたしているわけであります。従って、地方の各府県に従来作りました青年の家等におきましても、大体この青年団等あるいは勤労に従事している若い人たちの団体的な宿泊というものが非常に多いわけであります。従ってそういった青少年を対象にいたしまして、宿泊によってお互いがお互い同士の気持をあたためながら、生活上のいろいろな規律と申しますか、生活基準と申しますか、そういったことについて、いろいろ宿泊を通じて青年がそういう教養なり、あるいは規律というものを身につけてもらう、こういうようなことが従来行われております。従って、この国立青年の家におきましても、団体宿泊訓練と申しますのは、そういった共同生活を通じて若い人たちに必要な規律だとか、あるいは共同の精神を養ってもらう、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/46
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047・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この内容を見ますと、健全な青年の育成というまことにりつぱな内容になっておりますが、健全な青年の育成というこういう美名にかくれて、先ほど横川委員も指摘されたように、戦前のような団体訓練の強化がねらいである、そういうにおいがどうもいたすのでありますが、この点を明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/47
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048・福田繁
○政府委員(福田繁君) お尋ねの点でございますが、御承知のように社会教育の場におきましては、この社会教育法の精神もございますし、従来青少年の自発的な学習なり、あるいは自発的な規律の立て方、こういうようないわゆる上から与えるものでなくして、青年がお互いに切礁琢磨によって自発的にそういうものを身につけていこうということが非常に大事な点でございます。従って、従来地方の青少年の家等においても、そういった点を非常に重要視いたしておりまして、あるいは一般の学習を通じたり、あるいは野外活動を通じてそういったものを身につけてもらうというような施設として設けられてきたわけであります。従って、私どもは団体とい言葉は使っておりますけれども、これは個々人よりもむしろグループなり集団というものを相手にして、そのグループなり集団の中で青年がお互いにそういうものを身につけていって、りっぱな青少年としてこれが育っていくということを期待しておりますので、必ずしもそういったような、おっしゃるような意味に私どもは考えていないのであります。従って、この施設は文部省の附属機関として経営されますけれども、たとえば青年団その他地方の団体におきましてこの施設を借りたいというようなものがありました場合には、団体に対してある時期にある一部を限りましてこれを利用してもらう、こういうような方式も考えておるのでありまして、決してそういったような、戦争中にありましたようなやり方をここでいたそうというような考えは毛頭ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/48
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049・伊藤顕道
○伊藤顕道君 今、日本の青年が望んでおることは、いわゆる健全なレクリエーションとか、あるいは健全な宿泊、こういう点を熱望しておるわけです。そういう点に非常に欠けている。そこで、やはり健全なレクリエーション、健全な宿泊所を提供する、そういう考え方の上に立った青年の家というものが、非常に望ましいわけです。そういう点からいたしますと、どうもいろいろとおっしゃいますが、戦前の団体訓練、こういうふうに考えられるわけです。この点をいま少しはっきりさしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/49
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050・福田繁
○政府委員(福田繁君) その点につきましては、ただいま申し上げた通りでありますが、たとえば、地方におきましてこの面でやっております青少年の宿泊訓練所、あるいはまた、野営訓練所というようないろいろな名称を使っておりますけれども、そういうもののおもな行事を考えてみますと、たとえば、香川県で作っておりますような青年の家におきましては、教育キャンプとか臨海学習とか、水泳あるいはスポーツというような、いろいろなものをかみ合せまして、やはり青年が喜ぶようなものを取り入れてスケジュールを組んでおります。また、福岡県等におきましては、教育キャンプももちろんやっておりますが、登山、郷士の観察とか自然研究、青少年の交歓、ハイキングあるいはサイクリングの拠点としてそういうものを使ってきております。従って、現在青年の家等の施設におきまして、各県多少の特色がありますけれども、大体共通してそういったものが行われておるわけでございまして、従って、おっしゃるように、健全なレクリエーションあるいはいろいろな青少年のための教養の機会を提供するということについては、これは、青年たちも望んでおるわけでありまして、従って、私ども今後運営といたしましては、そういう青少年団体の利用者側の意見も十分これに反映いたしまして、意見を聞いて、これの運営に当っていきたいと考えております。従って、先ほど来申し上げますように、決して好まないものを押しつけるというような態度でなく、青少年がみんな希望するようなものをここでやっていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/50
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051・伊藤顕道
○伊藤顕道君 青年の家について、さらにお伺いしたいと思うのですが、時間の関係もありますから、機構の点で、大臣に一つ、二つお伺いしたいと思います。
政府の一つの機関である行政審議会は、先ほど横川委員からも御指摘があったように、機構の簡素化とか、あるいは、なるべく新設をやめて、改組活用、こういうことを強調しておられるわけです。ところが、同じ政府の機関である文部省は、さきに体育局を新設して、今また官房長を新設しようと、こういうふうに機構の拡充強化をはかっておるのは、そのねらいは、中央集権化ということを非常に文部省は急いでおる。こういうふうに私どもには解されるわけです。この点を大臣として明確にお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/51
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052・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 中央集権化のために文部省の機構を拡充するというようなことは、全然考えておりません。実は、私自身も、かつて行政管理庁の長官をやっておったことがありますが、この行政組織というものは、ほうっておくと何かかにか要らぬ役人がふえることのないように、十分な監督はしなければなりませんけれども、やはり社会の進化に応じまして、いろいろな出て参ります問題をさばくために、従来の、特に上の方に立ちましたる責任者の組織というものは、ある程度私は考えていかなければならぬと思っておるわけであります。従いまして、今日まで大学教育とか初中教育でありますとか、あるいは社会教育の中でさばいて参りました体育面の問題が大きくなりましたので、取り上げて、まとめて参ったわけであります。今回の官房長の問題も、そういう趣旨でございまして、中央集権化といったような問題はございません。
なお、ついでに私、この際申し上げたいと思いますのですが、全然そういうような趣旨でなしに、やはりよく意見の出て参りまするのは、今日の縦割り機関の省、部の編成に対して、科学研究というものを三体にした局を作ったらどうかという意見が相当ござい義するし、また別に、大学から幼稚園までを通して、私学というのは特殊の面もあるから、私学局を作ったらどうだという意見がございまして、こういうふうな意見は始終出て参るわけでありますが、やはり縦割り、横割りあわせて適当に考えなければならぬのでありまして、体育局を考えましたのも、ただいま私の申し上げましたような面で、大学、中小学、社会というふうな分け方でなしに、横に体育面を大きく取り上げる必要を感じられてやりました次第でありまして、特に中央集権化をはかるためにやったというようなつもりは毛頭ございません。今回の官房長についてもそうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/52
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053・伊藤顕道
○伊藤顕道君 お言葉ではございますが、その問題に関連して、さきに文部省は、教育委員会の公選制を任命制にしている。また、教育委員会に対する指導助言を強化している。あるいは視学、監学制度を強化しようとしている。こういう一連の動きは、やはり中央集権が底にあるのではないか、そういうふうに考えられる。この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/53
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054・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 教育委員会の制度につきましては、その当時だいぶ御議論のあったところでございますが、あくまで教育というものをほんとうに中正によくやって参りまする上において、今日の実情で、この公選制をとるよりも、公選で出てきた自治体首長の推薦によって、自治体議会が承認するという形の方が、より公正な人事を期することできるという、これは、いろいろ御意見はあると思いますが、そういう趣旨でできたものでございます。私は、今日もやはりそういう方向はいいと考えているのでございます。欧米等におきましても、教育委員については、公選制をとっておりまするところと、日本のような制度をとっておりまするところと、いろいろなのがあるようでございまして、意見はございますが、これは、あくまでも教育というものを一そう落ちついた中正なものとしてやって参りたいという考え方で出たものでございまして、特別に中央集権強化のために無理をしてやっているというつもりはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/54
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055・伊藤顕道
○伊藤顕道君 最後に、一点お伺いしたいと思いますが、文部省は、御承知のように、全国の教師の意思に反して、強力な反対にもかかわらず、勤務評定を強行されている。また、修身科を復活されている。これは、もちろん表面は道徳教育ということになっておりますけれども、実質は、戦前の修身科のねらいであります。こういう一連の反動文教政策も、以上申し上げたような関連で、今文部省の中央集権化の一つの現われである。こういうふうに私どもは解釈しているわけです。その点について、大臣の明確なお考えをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/55
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056・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 本会議また委員会等でたびたび申し上げたところでございますが、勤務評定の問題につきましては、ずっと以前から法律の規定のございまするのは、あくまでも、やはりこの教員の人事管理をやるに当りまして、やはりこの教育、学問に対する研究的な態度でありまするとか、あるいは子供に対しまする態度でありまするとか、それぞれの人々の得手、特質を考えながら、科学的になるべく公正な人事管理をやって参りたいというのが趣旨でできた法律でございまして、これを実施をしようというわけでございます。
なお、道徳教育の問題についてでございますが、これは、もう昨年から、一時間特設科目を置いております。これが戦後、昭和二十二年以来の教育においても、道徳というものが必要でないという意味ではないので、算数を教えながらでも、国語を教えながらでも、常住やはり道徳的な態度というものを子供に教えて参ったのでありますが、ただそれだけでは足りませんので、従来までのこの道徳教育に加えて、一週に一時間特設の科目を加えて、道徳についての子供の関心を高める、そうした機会をふやそうという考え方でございます。ぜひ一つ、こういう面につきましては、一般の御理解を願って、一そう教育の能率を上げたいと考えておる次第でございまして、特別な政治的意図などを考えてはおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/56
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057・矢嶋三義
○矢嶋三義君 時間の制約がありますので、政府委員の答弁時間も制約いたしますので、あしからず、頭を整理して、簡にして要を尽して下さい。
まず、官房長設置の問題については、おそらく質疑があったと思いますから繰り返しません。事務次官と官房長の関係、特に大物事務次官がいる場合の官房長の関係等、本質的な問題があると思いますが、触れません。ただ、現実的にわが国の現在の各省庁の行政機構等を見ますときに、一応外刻来の大臣の答弁を了といたします。今後は、行政能率の向上のために格段の配慮をわずらわしておきたい。
お伺いたしたい点は、おおむね文部省の提案理由というのは、むらにできているのですが、「科学技術教育の振興に関する問題等」、「等」がありますけれども、こういう説明は、どなたが起案したか知らぬけれども、適当でない。だから、他の委員から食いつかれる。今、科学技術教育は大事だからといって、科学技術教育と言ったら政治家はころり参るというような感覚でこういうものを書くというのは、これはあまりりっぱじゃないですよ。社会教育、あるいは体育行政にしても、あるいは大学学術局、初等中等教育局、これらの問題も、これに匹敵する、それ以上のものが山積しているわけです、文部省には。何もこれで国会議員が、科学技術といえばすぐ参るからというようなことで、ことさらこういう文章を表わすというのは、どなたが起案したか知らぬけれども、あまりりっぱじゃない。反省いかん。一分間で答弁をして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/57
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058・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) まことに恐縮であります。これは、例示は要らないことでありまして、要するに趣旨は、大学それから初中局あるいはそのほかといったような縦割り関係だけでは済まない問題が時々たくさんございまして、そういう面で、省内全体をあげて、相互に関連のある問題について十分練っていかなきゃならぬ。その機関の一人として官房長を入れることによって能率を上げたい、こういう考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/58
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059・矢嶋三義
○矢嶋三義君 その答弁でけっこうです。ところで、この「科学技術」という言葉が出ていますが、先般審議いたしました科学技術会議議員に文部大臣は入っているわけですが、この科学技術会議の運用と、あなたのところで重視している科学技術、さらに科学技術教育というものは、きわめて密接不可分の関係があり、しかも、文部省の使命の大きいところがあると思う。おおむねわが国の科学技術振興というものは業界の意向が強く反映いたしまして、そして応用面に独走しがちである、基礎的な面が軽視されている、そういう立場において文部省内自体の問題もありますが、さらに、科学技術会議等の関連において文部省の果す使命が大きい。私が聞きたい点は、科学技術会議にタッチするところのあなたのところの事務当局は、だれが責任者になっているかという、名前を特定してもらうことと、この矢嶋の基本的な見解について、どういう御意見を持っておるか。これも一分間で答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/59
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060・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 科学技術会議は、十四日発足をいたしますが、文部省においては、事務当局では大学学術局長が責任者でございまして、そうしてこの官房と連絡をとりながら、内部的な取りまとめをやりたいという考え方であります。なお、この基本的に、基礎研究というものをおもにしながら、科学技術の振興を考えなきゃならぬということは非常に大事だと思いまして、実は学術会議あるいは東大の総長等とも相談をいたしまして、文部大臣として、科学技術会議の運営に当る基本方針を私は最初から一つ述べて参りたいと思っておりますので、十四日までに検討いたしておく次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/60
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061・矢嶋三義
○矢嶋三義君 次に、社会教育局長に伺います。この国立中央青年の家の運営について、基本的にどういう心がけを持っているかということを、二分間にまとめて答弁していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/61
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062・福田繁
○政府委員(福田繁君) お尋ねの件でございますが、先ほども申し上げましたように、私は、この国立青年の家につきましては、青年の健全な育成に資するという趣旨でございますので、できるだけこの地方の青少年団体の意向というものを十分反映するように、民主的にこれを運営していきたいということが念願でございます。従って、事業の実施等につきましては、そういった青年関係の団体の意見も十分取り入れて運営したいと思います。同時にまた、この勤労青少年等につきましては、文部省以外の各省にわたる問題も多少ございますので、そういった点につきましては、これは、総理府を中心にいたしまして、できるだけ関係各省の御意向も伺いながら、参考にいたした、と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/62
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063・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あなたは、社会教育局長として、ことに青年問題にはタッチされていると思うのですが、総理府の青少年問題協議会とはどういう関連で行政を運営していますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/63
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064・福田繁
○政府委員(福田繁君) 御承知のように、この中央青少年問題協議会は、最初、青少年の不良化防止といったような観点から、いろいろ施策をするために設けられたものと思いますが、しかしながら、不良化防止といいましても、裏返せば、青少年の健全なる育成ということを抜きにしては、いろいろな施策はできませんので、そういった点に
つきましては、文部省でおあずかりいたしておりますそういった青少年関係
の行政と密接な関係がございます。従って私どもは、青少年問題協議会の事務局と絶えず連絡をとりながら、いろいろ御相談をして、具体的な事項の実施に移るようにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/64
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065・矢嶋三義
○矢嶋三義君 佐藤総理府副長官に伺いますがね。青少年問題協議会の発足の経過は、今、福田局長の答弁した通りである。ところが、最近、青少年問題協議会は総理府で所管しているのであるが、あなた方は、文部省の意向を無視して、独走の傾向があると思いますが、どういう見解を持っておられますか。同時に私は、この青少年問題については、警察庁あるいは法務省等でも若干あずかっておりますが、最も大きな発言力を持つものは文部省でなければならぬ。しかし、最近どうも総理府が若干独走している傾向がある。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/65
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066・佐藤朝生
○政府委員(佐藤朝生君) 青少年問題協議会は、各省のいろいろな青少年問題についての連絡調整をはかっておりまする機関でございまするし、もちろん、各省と密接な連絡を保っておりますし、また、文部省とも密接な連絡を保って仕事をやっておりますつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/66
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067・矢嶋三義
○矢嶋三義君 文部大臣に伺いますが、具体的な問題をあげますが、このたび皇太子殿下のめでたい御成婚に際して、日本の青年諸君を百名ばかり海外旅行させると、一応私はけっこうなことだと思います。問題は、この派遣者の選考等にいろいろ問題がありますね。それからまた、これを送り出すものの心がけ、それから、海外旅行した後に、これを受け入れる場合の心がけ等にいろいろ問題がある。それらの取扱い方によっては、私はマイナス面も出てくると思います。それは、今日は主題でないから論じません。しかし、ここに青年の家が、国立のものができるわけですが、この具体的な問題として、ああいうこの百名の派遣とか選考というものについては、私は、当然これは文部省が主導権を持つべきだと思うのですね。青少年問題協議会の方でこれの主導権を持って、そうして団員の選考等をするということは、私は、行政機構面からいっても逸脱だと思う。文部大臣は、いかなるお考えを持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/67
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068・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) この青年の海外派遣につきましては、派遣する趣旨なり心がまえなりのほかに、どういう方面にやったらいいかといったようないろいろな考え方がございまするので、私は、文部大臣の意見を十分尊重してはもらいたいと思いますけれども、内閣でまとめられるのは、私はけっこうだと思っているのであります。ただ、私も、実は内閣で十分慎重に一つおまとめ願いたいと思いまするのは、この間、私はちょっと仄聞いたしますと、ヨーロッパ班とアメリカ班と東南アジア班というように、三つに分けるのだというふうな話がありましたので、私は、今日これだけ移民政策等について骨を折っている折柄でもあるし、青年を出すというならば、農村青年も相当出るのだが、南米あたりに
一人も行かないというのはおかしいじゃないか。もう少し練ったらどうかということを、私実は側面から言うておいたので、いろいろ、派遣の方向でありまするとか、あるいはまた、派遣する青年の、何と申しまするか、質と申しますか、それからまた、行ってもらう青年たちに与える心がまえといった面につきましても、十分文部省あたりの意見を聞いてほしいし、あと農林でありますとか、通産とか、外務とか、いろいろ内閣においては練っていただきたいと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/68
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069・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私は、先ほどの文部大臣の答弁は、わが国の文教府の最高責任者としては感心いたしません。賛成いたしかねます。これは、行政機構の関係もありますが、いつの時代でも、おおむね総理府とか内閣官房でやることは、若干現実上いたし方ないと思いますが、政治的な考慮というものが入りがちなものですよ。政党的な色彩というものが相当程度入りがちなものです、総理府とか内閣官房でやることは。そういう立場において、この青少年の問題を対象にやる行政運営というものは、あくまでも私は、教育的な立場でなければならぬ。それが学校教育であろうが、社会教育であろうが、教育的な立場でやらなければならぬ。そうなれば、内閣全体の行政についての最も大きな発言力を持ち、それからイニシアをとるべきものは、当然私は文部省でなければならぬ。文部大臣の識見というものが強く反映しなければならぬものだ。かように考えますが、そういう私の考えからいうと、先ほどの文部大臣の答弁は、私は十分賛同するわけにはいかないのですが、重ねてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/69
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070・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 文部大臣の意見は百パーセント採用してもらいたいと思いまして、強く主張しておる次第でございます。ただ、農林省等も、派遣についてはいろいろな御希望もございまするし、私は、まあ総合調整をせられる場所として、内閣では立っていかぬから、文部省へよこせというほど強く申しておらないだけでありまして、文部省の考え方というものにつきましては、今、矢嶋委員のお話のございましたように、本問題については、最優先で尊重してもらいたいと考えております発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/70
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071・矢嶋三義
○矢嶋三義君 やがて国会自然休会に入りますので、緊急案件について、国家のためにお尋ねいたします。
その一つは、予算委員会でも論議したのですが、もぐり入学の件です。これは、要望によって、文部省から通達を出していただいた。ところが、武蔵野市に現実にこういう問題が起っている。文部省の通達を受けて、現在もぐり入学している出仕に対して、中学校一万円、小学校七千円出せば、その生徒はもぐり入学しても、そのまま学校に置く。しかし、中学校一万円、小学校七千円出さない子供は、文部省から通達が出ているので、二年生でも三年生でも、自分の校区に帰れと、強制的に追い出している。まことに遺憾だと思う。文部省の通達をそういうふうに解釈して、そういうふうに運用することは、私は絶対許されないと思うが、文部大臣の見解いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/71
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072・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) これはとんでもない話で、事実を調べて、厳重に監督いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/72
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073・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この本質的なもぐり入学の問題は論じません。ただ、今後のあなたたちの行政措置をいかにするかという点ですが、当然、こういう事態に対しては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第五十二条で、文部大臣は、教育委員会に対して措置要求をすべきであると思いますが、いかがですか。こういう場合に使わなければ使う場合はありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/73
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074・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 事実そんなようなことがございましたら、これはもう厳重に、法律に従って指導助言をいたすつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/74
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075・矢嶋三義
○矢嶋三義君 さっそく本日武蔵野市について調査して、その実情はいかがであったか、それから、それに対して文部省はいかなる措置をしたかということを、できるだけ早く委員長を通じて本委員会に報告していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/75
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076・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) とんでもない話でありますから、直ちに調べます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/76
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077・矢嶋三義
○矢嶋三義君 では、お願いいたしておきます。
次に伺う点は、昨日報ずるところによりますと、福岡県の門司市を中心とする北九州五市の市教育委員会は、北九州の実情から、現段階において勤務評定を強行することは、教育上適当でないという結論に達した、御了承いただきたいという意味の意思表示を文部省になしたということですが、この北九州の五市の教育委員会の自主的な、現地の実情に即したところの意思表示は、文部省はこれを受け入れるべきだと思うが、文部大臣の見解いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/77
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078・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) さような話を聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/78
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079・矢嶋三義
○矢嶋三義君 もしその書類が来たとしたら、いかに取り扱われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/79
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080・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 文部省の今日までの考え方は、私変える必要がないと考えておりまするので、教育委員会の方からそういう御意見がありますれば、どういう事情でありまするか、文部省の考え方をなるべく順奉してもらいたいと思いますので、十分懇談をいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/80
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081・矢嶋三義
○矢嶋三義君 法の定むるところによって、都道府県の教育委員会がこれを企画し、市町村教育委員会がこれを実施するとなっている。その実施機関であるところの当該市教育委員会が、現在のその地域の実情から、どうも教育上適当でない、やるにしても、もうしばらく猶予期間を置いた方が適当である、こういう見解に立ったとするならば、この意向というものは、助言と指導権を持っている文部省としては、これを受け入れるべきであって、いや、それではいかぬから、何日までに強行しろというふうな、かような態度に文部省は出るべきでない。これは、私は明白だと思いますが、重ねて文部大臣の御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/81
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082・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) もちろん、法の定める範囲内において実施をいたしますのは教育委員会の権能でございまするが、やはり法を順奉してもらわなければなりませんので、その範囲内で実施をはかってもらいたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/82
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083・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この点については、決して文部省は無理押しをしないように、特に私は要望を申し上げておきます。
最後に、もう一点伺いたい点は、これまた、最近非常にクロースアップして参ったことですが、かつてこの国会開会以来若干質疑応答がなされましたけれども、例の給食費、これは大体十円見当上るということなんですが、これは、全国的に見れば大へんなことだと思います。ことに本年度の予算の性格からして、ボーダー・ライン層、低額所得層に対して冷淡である。国民年金にしても、ことに都市の低額所得層というのは対象とならない。それ以外に、やれ新聞、放送料の値上げとか、あるいは足賃の値上げとか、いろいろそれらの事項を取り上げて、要するに千二百万人になんなんとするところのボーダー・ライン層、低額所得層というものは、非常に政治家に黙視されているということが指摘されているわけです。そういうときに、ようやく民主教育の一柱として非常に充実して参りました給食費が、わずかながらも、十円程度上っていくということは、これは、全国的に見た場合に、しかも、これは義務教育の生徒児童が対象ですから、事は私は重大だと思います。アメリカからの小麦の供与が云々ということをいわれておりますけれども、こういう時期が来るということは、もう数年来文教委員会で質疑されていることであって、その程度のことについては、私は、国が予算措置を講じて、父兄の教育費の負担が少しでも軽くなるように当然やるべきであると思いますが、国会がまさに自然休会に入らんとするときに、そういうことが末端で行われるということは、まことに遺憾であると思います。文部大臣の基本的な今後の善処の方針と、所官局長から実情を、三分間程度で承わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/83
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084・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) アメリカからただの小麦が来るのが減って参りましたので、やむを得ず給食費を上げたわけであります。ただボーダーライン層につきましては、今もお話のございましたように、教科書代でありますとか、そのほかの点で負担を軽くするような措置をずっと講じて参りました。
なお、給食費自体について、現状維持にしたらどうかというお考えでございます。これは、将来の問題といたしまして給食費の負担をできるだけ重くならぬようにいたしたいとは思いますが、当面の問題といたしましては、やはり給食費については、もっともっと範囲を広げていくという重要な課題もございますししますので、今回の給食費負担に関しましては、小麦の値上りについてだけある程度しるのはやむを得ないと考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/84
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085・清水康平
○政府委員(清水康平君) 小麦粉について、今までの経緯をちょっと申し上げたいと思います。
今御質問がございました通り、アメリカの小麦の贈与が、三十三年度に比しまして半減いたしたということが一つ、それからもう一つは、三十四年度から五十万程度給食人員がふえるということが大きな原因、それからもう一つは、ハンをおいしくする意味において、今までパンの粉が普通粉をだいぶ使っておったのでありますが、少しでありますが、それを準強力粉、あるいは強力粉に組みかえた。これは、非常に影響は少いのでございますが、主としてその三つの点で、三十四年度からは、約五十銭程度上る状況でございます。国といたしましては、三十四年度も、従前通り百グラムの小麦粉に対して一円の補助、全額で十五億七千万円予算を計上いたしておるのでございます。一食につきまして、パンについてだけ申し上げますと、五十銭上ります。というと、御承知のごとく、給食にはA型、B型、C型がございますが、A型が一週間に五日ないし六日、B型は四日、C型は三日になっていますが、月に二十日間給食した場合に、月に十円上るということになるわけであります。これは完全給食の場合でございます。しかしこれは、まだ給食を普及していかなければならぬ場合に、やはり影響は大きうございます。特に一先生が今御指摘なさいましたようなボーダー・ラインの方々に対してはどうするか、この点につきましては、御承知のごとく、前年度までは準要保護児童が一・五%であったのでありますが、二%に上げまして、その増額分は七千四百万円になっておるわけでございます。給食の補助費は、御承知のごとく、設置者が二分の一以上持った場合にその半分ということになっておりますが、われわれの予算は、全額持った場合の二分の一になっており、しかも、それはA型が中心になっておりますので、人員から申しますというと二%でありまするけれども、二・八%ぐらいに相なっておるわけでございます。しかしながら、今後給食の重要性などを考えますときに、われわれといたしましては、給食費の値上りを極力押えまして、補助金を増すとか、あるいはその他の方法を講じまして、あるいはまた、現場におきまする方の共同購入等にも工夫をお願いいたしますと同時に、文部省といたしましても、給食費の値上りを極力押えて、給食の普及充実に今後努めて参らなければならぬと思っている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/85
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086・矢嶋三義
○矢嶋三義君 所管清水局長の大臣への説明工作といいますかぬ。そういう働きかけが不十分であるから、今後努力をお願いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/86
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087・八木幸吉
○八木幸吉君 私、国立青年の家のことについて、文部大臣にお尋ねいたします。
現在各府県における青年の家の設置状況を専門員室で調べていただいたのでありますが、それによりますと、三十年度から三十二年までの三年間では、一府十一県七市五町二村、合計二十六カ所、三十三年は、十三県三市で十六カ所、現在までに四十二カ所設置されておって、補助金が、昭和三十年から三十二年までが一千七十九万五千円、三十三年と三十四年の間が各六千万円、こういう調べになっております。そこで、私の伺いたい第一点は、かように非常に全国に不平均に補助金が出ておりますが、これは、地方からの申請によってでありましょうけれども、これを全国的に普及するという道をとらないで、国立の方の青年の家が、米軍の何か施設が返ってくるので、それに便乗した形でやるというのは、私、どうも納得がいかないのでありますが、地方の一体青年の家の実績はどういうふうになっておるか、非常に成功している所と非常に成功してない所と、ごく簡単でけっこうでありますから、伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/87
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088・福田繁
○政府委員(福田繁君) ただいまの御質問でありますが、私どもといたしましては、おっしゃるような趣旨に従いまして、できるだけ全国的に、各府県に青年の家を設置していきたいというように考えております。また、府県当局におかれましても、非常に早急に熱望される所と、いろいろな準備その他の都合によりまして、あと回しになっているような県もあるようでございます。しかしながら、できるだけ全国的に、この青少年のために健全な施設として奨励をしていきたいという考えには変りはございません。ただ、今のお話でございますが、効果の上っておる施設と効果のしっていない施設というようなお尋ねでございますが、私どもの承知いたしております範囲では、たとえば、従前、三十二年以前に、補助金はわずかでございますが、設置いたしました施設は、割合に府県あるいは市町村におきまして小さな施設でございます。従って、三十三年度に作りました十六の施設とはだいぶん趣きが違っておりまして、従前作りました小さな施設でございますが、これは利用者が非常に多くて、とてもこれでは足りないというので、各府県とも、増設を計画いたしておる所が非常に多うございます。ただ、三十三年度の施設でございますが、これはまだ完成いたしてない施設もございまして、フルに利用いたしておりません。この三十四年度におきまして、三十三年度に計画いたしました施設ができ上りますれば、相当にこれはまた利用者がふえるものと考えております。そういった意味で、地方の各府県、市町村等におきまして、あるいは青少年団体等からも、非常にこれは要望されておる施設だと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/88
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089・八木幸吉
○八木幸吉君 今の答弁ですと、小さいものの方がよけい利用されておる。それであれば、国で一カ所一億円以上も金かけてやるよりも、小さいものをもっとふやした方がより能率的ではないか、こう考えるのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/89
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090・福田繁
○政府委員(福田繁君) 私の申し上げましたのは、ちょっと誤解を招いたようでございますが、小さい施設の方が利用率が多いと言って比較を申し上げたわけではございませんので、小さい施設を従来各府県、市町村において作って参りましたが、これは非常に利用者が多くて、とても収容等の関係から要求を満たし得ないほど需要があるということを申し上げたわけでございまして、従って、やはりある程度規模の大きなものも必要だというので、三十三年度から六千万円の補助金を計上いたしまして、さらに規模の大きなものに着手してきたというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/90
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091・八木幸吉
○八木幸吉君 私の申すのは、つまり村にもできておる、村にできているから非常に利用されるので、それを県庁所在地へ持っていくとか、あるいは全国的のものを静岡に作れば、たとえば、北海道でも鹿児島でも、来るにしても非常に旅費がかかるというので、小さく、府県よりも市町村単位でこしらえた方がより効果的ではないかと、今の御答弁ではさように思うのですが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/91
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092・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 私、補足して申し上げます。
実はこういうことであります。青年の家の前からの残っておるのがあったり、戦後作ったりしたのが非常に利用されておりますし、非常な希望がありまするので、国費を出して、お話のございましたように、この二年ばかり始めたのであります。で、この二年間だけの設立された分の利用成績というものを特別に取っておりませんが、一般的に聞いておりまするところによりますると、全部非常に成績を上げておるそうであります。従いまして、最近二年間やりましたような規模でぜひやってくれという要望が非常に多いのでございます。ただ、お話がございましたように、それなら全部一ぺんにやったらどうだというお話につきましては、まあ財政上、大蔵省と交渉いたしましても、そう一ぺんにやるほど金が取れませんのと、それから、もう一つは、やはり府県費をつけます上で、まあ府県によって、大きな仕事をやっております所がございますものですから、青年の家をやりたいという希望は全部持っておるようでございますが、必ずしも全部が今すぐということではございませんので、大蔵省と相談してできるだけ取りました金を、各府県から出て参りますので、これは非常に要望が多うございますが、順番をつけて、成果の上りそうな、非常に緊要度の高そうな所から配分いたしておるわけでございます。この二年間にできましただけの特別の成績というものを取っておりませんが、聞いておりまするところでは、皆非常によく運営をされておるということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/92
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093・八木幸吉
○八木幸吉君 私は、全部一ぺんにやったらいいじゃないかというのではなくして、むしろその逆の気持で、村の方が成績が上れば、わずかな金でも、そういうものの方にやったらいいじゃないか、こういう意味で申し上げたわけであります。
もう一点伺いたいのですが、この国立で今度の青年の家をおこしらえになる、国の費用をお使いになるというのは、何か国家目的的なものがなければならぬと思うのですが、先ほどの社会党側の委員の方と当局との質疑応答を伺っておりますと、地方の青年団の意向になるたけ沿うようにやりたいということで、何のために国でやるか、府県でもいいじゃないか、府県でやるということ以外に、国でやるということの理由が少しも現われていないと思うのです。そこで、国でやるためには、何か、たとえば愛国心を高揚するとか何とか、昔内ケ原でやりましたけれども、現在も国家目的的なものがなければならぬ、その点をどういうふうにお考えになっているのか、これは大臣から、根本的な問題ですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/93
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094・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 府県でとおっしゃいますけれども、たとえば、神奈川県へ全国の都道府県の青年を集めてやるというようなことは事実できないことであります。今日われわれの考えておりますのは、この社会教育面におきましても、青年の自主的活動の助成というものも全国的にわたってぜひやりたいと考えておる次第で、ただ、なかなか、やはり経費の関係等もあり、また、この幹部の指導の熱心でないところもあり、御承知のように、青年団の設置状態につきましても、活動状態についても、むらがあるわけであります。で、これは、各市町村でも十分やってもらいたいし、府県でもやってもらいたいと思いますが、やはりこの日本の全体の青年団の幹部というようなものが、これはやはり、ボーイスカウトにしてみても何にしてもそうでありますが、指導幹部の訓練ということが非常に大事でありますので、府県等でもそういうふうにやっておるわけでありますが、全国的に各府県から代表者に集まってもらって、そうしていろいろな相互の連絡をはかるということが望ましいと考えておる次第であります。学習指導等につきましても、この中央青年の家でできるだけやりまして、そうして各府県では府県で、やはりそういったような府県内で青年団活動をやってもらう、こういうっもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/94
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095・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 答弁それから質問を簡潔にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/95
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096・八木幸吉
○八木幸吉君 私の方の質問と大臣の方のお答えとが食い違っているように思います。神奈川県に全国の者を全部集めるということもできないというふうにおっしゃったのですが、私は、そんなことを一つも言っておりません。この国立青年の家は、神奈川ではないけれども、静岡県に全国の青年をお集めになっている。それを国家でおやりになるならば、国家目的の何か指導精神というものがなければならぬ。それは一体どういうものか。こういうことを伺っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/96
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097・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) ほんとうにりっぱな青年を育てたい。そして要するに、青年が自主的活動をする心がまえなり、また指導方法なりというものを体得いたしまして、そして各地方々々で活動してもらいたい、そのための訓練をやるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/97
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098・八木幸吉
○八木幸吉君 どうも私、ぴんと来ませんが、時間の関係もありますから、その点につきましては、この程度にとどめておきます。
そこで私、文部省の金の使い方について伺いたいのでありますが、この中央青年の家のために一億一千九百万の金が要る。なお、今後経常費の金が相当要る。ところが一方、私危険校舎の調べをしてみたのでありますが、耐力度五千点以下、これは専門的な言葉で、私にもちょっと内容がわからないところがあるのですけれども、いわゆる危険校舎と称せられているものが、三十二年五月一日現在で三百七十万七千五百九十坪ほどある。ずいぶん大きな数であります。ところが、その危険度をもう少し内容的に調べてみますと、このうちで四千五百点以下の、しかも義務制の学校だけで二百五十四万二千九百坪ある。最も危険度の高い、たとえば二千点以下のものでも約二万五千坪あります。この二万五千坪の危険校舎というものは、何回も今まで私は文部省に飼いましたけれども、はっきりしたお答えがないのですが、たとえば、三十メートルくらいの台風が来たらこわれるかもしれぬという校舎が、この中に私相当あると思います。あるいは、関東震災程度の地震が来ればこわれるかもしれぬというものが、この二千点以下の中には私は相当あると思う。この二万五千坪の二千点以下の、しかも義務制の学校の校舎をこのまま放置しておいて、もう一つ目的のはっきりしない青年の家に一億一千万円も金をかけるということは、これは、文部省の金の使い方としては間違っているのゃじないか。たとえば、文部大臣のお孫さんが小学校に行っておって、その小学校が三十メートルの台風が来たらこわれるかもしれぬ、そういう学校、義務教育のそういう学校を放置しておいて、青年の家、こういったようなことに金を使うということは、私は、金の使い方としては間違っているのじゃないか。危険校舎の非常に危険度の多いものを、なぜもっと早く、金をおかけになってお直しにならぬのか。私は、すぐこの危険校舎を鉄筋に直せ、そんなことを言っているのじゃない。たとえば、柱の間に筋かいを設けるとか、つつかえ棒を作るとか、安い金でもいいと思う。自分の子供が学校に行っていて、そうして九月になり、十月になって、台風が来たらこわれるかもしれぬ、死ぬかもしれぬ、こういったような学校を放置しておいて、青年の家に何億というようなことは、私は、文部行政の最高責任者としては、非常に私はこれは怠慢じゃないかと思う。この点数の取り方は非常にむずかしい。はりの大きさがどうだとか、地盤の関係はどうだとか、台風がどの程度ならつぶれないとか、いろいろな相関の係数がありますけれども、一番危険度の激しい千五百点以下でも、なお千坪から義務教育だけでもある。これを放置して、わずかに今年度の義務教育制の学校だけで八億七千三百二十八万五千円しか使っていない。私は、金の使い方が非常に間違っているし、こんなことで義務教育の子供を預かる教育の責任がとれるかと、私はこう思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/98
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099・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 危険校舎につきまして、非常に危険度のあるものを放置してはおりません。ただ、三十メートルもの台風というと、これは大へんな台風でございまして、木造建築物は、いろいろなあぶない点がございましょうけれども、しかし、今日校舎として使っておりまするものにつきましては、これは相関の金額をかけておりますので、危険の度合いの高いものからどんどん改修をいたしている次第でございます。もちろん、老朽校舎の問題につきましては、なるべく早くやりたいと思いますが、目前の非常な危険というものは十分考えて、そういうふうなものは、そのままにはいたしておらないのであります。ただ、この老朽校舎が一つでも残っている間は、ほかのものをやるなというのも、お考えかもしれませんけれども、これはやはり、おのずから文教行政面としては、いろいろな広い面があるわけでございまして、今日この老朽校舎の建て直しについても、相当の手配をいたしながら、国費全体としては、その一部をさいて、中央青年の家というものを作るというのも必要なことと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/99
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100・八木幸吉
○八木幸吉君 もう一点。そういたしますと、千流百点以下の耐力度の校舎は、五十メートルの台風に耐えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/100
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101・齊藤正
○政府委員(齊藤正君) 危険校舎につきましては、全国の悉皆調査をいたしまして、四千五百点以下のものにつきましては全部、四千五百点から五千点までのものにつきましては、その三分の二を全部、五カ年間でこれを改築する計画を立てまして、本年度義務制については二十六億余の予算を計上したわけでございます。お話のございましたこの危険度、それから坪数については、若干私たちの持っております資料と違っているように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/101
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102・八木幸吉
○八木幸吉君 私は、三百七十万坪に及ぶ危険校舎、五千点以下の危険校舎を一ぺんに直せ、そんなことを言っているのじゃないのです。一番危険度の多い千五百点以下のものが三十メートルの台風に耐えるかと言っているのです。そんなものはないと、今文部大臣がおっしゃるから、私は、千五百点以下のものでは、三十メートルの台風につぶれるのじゃないかと思ふ。現に室戸台風で、大阪の郊外の豊中市の新築の校舎がつぶれて、人が死んだということがあるのです。三十メートルの台風はめったにないとおっしゃいますけれども、毎年台風の時期になりますと、鹿児島県から福井県の方に行くのが台風の年中行事です。でありますから、非常に危険なものは、何をおいてもまず補強工事をしなければならぬ。これは、文部出局として当然だと思う。この三十メートルで、千五百点以下のものは一件もこわれないのか。これを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/102
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103・今村武俊
○説明員(今村武俊君) 千五百点以下の建物が、三十二年五月一日現在の調査において現われてきたわけでございます。それで、私ども、実際問題として、そういうのが建っているはずもないのじゃないかと考えましたので、個々にその学校について当ってみました。当ってみました結果、調査の漏れであったものもございましたし、それから、近く学校を統合するためにその建物は不要になるから、ほうっておいてもいいのだとか、あるいはまた、近く小学校の生徒が減るので、その分は取りこわしをしさえすれば十分だから、それでほうっておくのだ、そういったようなことでございまして、千五百点以下のものについて放置してあるがために、児童生徒の身体、生命に危険を及ぼすようなものはないということが、その後の調査の上から明瞭になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/103
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104・八木幸吉
○八木幸吉君 そういたしますと、これで私は終りますが、つまり文部省の調べでは、三十メートルの風が吹いても、こわれる校舎は一件もないと、こう了承してよろしゅうございますか。これは、文部大臣から御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/104
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105・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 技術的な問題でございますから、政府委員から答弁いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/105
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106・今村武俊
○説明員(今村武俊君) 台風の程度によりまして、いろいろ違うと思いますけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/106
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107・八木幸吉
○八木幸吉君 三十メートル。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/107
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108・今村武俊
○説明員(今村武俊君) 三十メートルというその台風も、学校の校舎に当る方向もございますし、いろいろ違うと思いますが、最近二十八年以降の毎年毎年の災害の度合いを見て参りますと、実に目立つほど激減しておるわけでございます。昨年度の伊豆の、あれほどの水害を受けても、あれで流れた学校は二校しかなかったというような事情でございまして、それからまた、私ども、補助金の分配に当りましては、三千点以下のもの、四千点以下のもの、四千五百点以下のものという工合に分類いたしまして、三千点以下のものにつきましては、その年度の申請の出たものは、なるべく優先的に採択するように努力いたしておりますので、絶無とまでは申しあげませんけれども、そのような御心配はだいぶ少くなっておる、かように考えております、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/108
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109・森中守義
○森中守義君 一、二問お尋ねいたします。
この改正案の中に、青年の家の内部組織については、文部省令で定める、こういう工合になっておりますね。今まで、大体青年の家の中身について、いろいろな御質問がありましたが、その政令、省令の内容を示していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/109
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110・福田繁
○政府委員(福田繁君) これは、他のものと大体同じように考えておりますが、大体この管理、運営に要する職員もおりますので、その大体庶務関係あるいは会計関係あるいは事業の関係そういったものの組織をこの省令でもってきめるようにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/110
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111・森中守義
○森中守義君 私は、省令とか政令というものの区別が大体わかってはいるつもりですが、そういう管理、運営だけのことをこの省令できめるのですか。そういうことになれば、先刻来御答弁があったように、たとえば、育成の具体的な目標は何か、あるいは何年で何人をどういう方法で育成をするのか、そういうのは別にきめないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/111
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112・福田繁
○政府委員(福田繁君) おっしゃいましたような点は、内部組織ではございませんので、内部組織と申し上げますのは、やはり庶務、会計あるいは事業といったような、そういった職員関係の配置あるいはそれに関連する必要な組織をこの省令できめるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/112
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113・森中守義
○森中守義君 組織、運営ということでは、それでいいでしょう。しかし先刻来承わらんとしている内容というものは、ときに何かの国家目標を持っているんじゃないか。そういうようなことが、戦前のきびしい時代を私ども知っておりますから、再びそういうことがあってはいかぬということで、今私が一、二指摘したように、何人をいつ呼んで、その内容はどういうものなのか。こういうのが何かの形にまとまりがついていなければ、やはり質問に対する答えにならないし、また、釈然として、中央青年の家というものがどういうものであるかということが理解ができない。従って、そういうものは何によってきめるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/113
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114・福田繁
○政府委員(福田繁君) 今おっしゃいましたような具体的な行事のスケジュール等は、これは省令できめるものではなくして、この青年の家のいわば運営委員と申しますか、たとえば一般の学識経験者あるいはまた団体等の関係者を網羅しました運営委員というようなものを設けまして、具体的に、たとえば、一般の青年に対してはこういう学習方法がいいとか、あるいはまた、野外活動の場合は、こういうスケジュールによった方がいいというような、いわば学校で申しますれば教科課程みたいなものは、これは省令でなくして、その個々の具体的な行事について、その中のやり方としてきめていきたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/114
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115・森中守義
○森中守義君 さっき八木先生の方から、予算が一億一千九百万取れている、こういうお話がありました。私も、実はどのくらいの金高になっておるのか、聞きたかったのですが、それでわかりましたけれども、この一億一千九百万という予算が計上されているということは、組織、運営あるいは青年の家の一切合財の費用等が全部見込まれて、それなりに積算の根拠がある。従って今、政令、省令はこういうものであって、その中にはどういう研修の内容等というようなことは、まだきまっていないというようなことのようですが、そういうものはまだできていないのですか。この金高は、何によってできたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/115
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116・福田繁
○政府委員(福田繁君) この一億一千九百万の積算でございますが、これは、本年度創設でございますので、今まであります米軍が使っておりました施設を転用して使うというような関係上、非常に施設が痛んでおります。従って、その施設をある程度補修をいたしまして、これを利用しなければならぬというような状態になっておりますのでその一億一千九百万円の中で、そういった施設の補修というような経費が非常にかさみます。それが約半分以上になっておりますが、六千二百八十万というような、そういう補修費がかかります。そのほか、この設備等も相当いたさなければなりませんので、宿泊等の必要な設備も相当整備する予定になっております。そういうものを除きますと、事業費としては割合に小さいものでありまして、私どもは、いろいろ事業をやります際に、できるだけこの青年に対する負担というものをかけないようにいたしたいというような観点から、一応事業費というものを、これはまあ事業費と申しましても、庁費その他の関係の消耗品等の資金でございますが、約一千万円見込んでおります。で、今おっしゃいましたような、具体的な行事のスケジュールというものは、事業費で必要な場合にまかなっていくわけでありますが、これは、今申しましたように、具体的にこの運営委員等に諮りまして、たとえば、研修の場合はこういう方式の方がいい、あるいはまた、野外活動については、たとえば一週間なら一週間の宿泊の場合には、こういうスケジュールでいくというような、いろいろの具体的な問題についてスケジュールをきめましてこれを実施していきたいこういうように考えておりますので、一般的にはまだきめておりません発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/116
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117・森中守義
○森中守義君 はなはだもってけしからぬ。そういうばかな話はないですよ。一億一千九百万という金を組んで、それで、この法律は四月一日の施行になっておる。それで具体的な案がないとは何事ですか。少くとも全国から何名、何月に呼んで、何日間研修をする、研修の内容はどういうものだ、それについては、青年一人に対して幾ら金がかかって、今、局長か課長か知らぬが、できるだけ個人の負担は少くしたいと思っておる、こういう話であるが、一体これで育成効果があると思いますか、全国から集めて。どういう内容のものですか。そういうばかげた、こういう案ですが、少くとも私は、省令は、今言われたから、手元にあるわけです。しかし、具体的な研修の内容というものは、案としてはできていない、それでもって四月一日施行とは何事ですか。講師はだれとだれとだれであるとか、何名であるとか、もう少し金高も正確にしないと、こういうのは話にならぬ。もっと具体的に説明してもらいたい。そんなばかな話はない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/117
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118・福田繁
○政府委員(福田繁君) 実は、先ほど申し上げましたように、今年度発足いたしますにつきましても、具体的に、この施設を補修いたしまして利用するといことから、若干実際の青年の家の事業の発足は、少しおくれると存じております。しかしながら、この間に私どもは、具体的な、いかなるスケジュールによって、今おっしゃいましたような、具体的なこまかい事業の内容をきめていきたいと考えておりますが、私ども構想といたしまして持っておりますのは、これは一例でありますけれども、たとえば、全国の青年学級に学んでいる勤労青少年がこの施設を利用したいといったような場合には、たとえば、期間を一週間と限定いたしますと、いろいろ青年学級等で平生勉強しているような事柄に関連した学習というものを中心に、これにレクリエーション等を加味して、一週間の行事を組んでいく。あるいはボーイ・スカウト等の幹部の講習会等もここで実施する場合におきましては、やはりボーイ・スカウトの幹部に必要な、リーダーとしての知識をここで勉強してもらうというようなこともあるかと思います。あるいはまた、地方の青年団等におきまして、自発的に幹部の研修会あるいは講習会をこの施設でやりたいから貸してもらいたいといったような場合には、それを受け入れまして、そういった青年団の幹部の講習会等もここでやっていくという考え方をいたしておりますので、個々の非常にこまかい具体的ないわゆるスケジュールについては、まだ、青年の家が発足するまでに決定いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/118
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119・森中守義
○森中守義君 文部大臣、私はいろいろな委員会で法案の審議をやってきましたが、文部省不親切ですよ。どこだってこういう法案の出し方はない。今課長か局長が一つの構想を述べたにすぎない。こういうばかな内容で、法案の審議をしてくれとは何ごとです。いつもそういう出し方ですか、文部省の法案の出し方は。私は了承できない。どうするこうするという単なる構想を述べたにすぎない。運営委員会ができるとか、審議委員会ができるかどうか知りませんが、そういうところに相談をしてどうこうという話まで出ておる。しかし問題は、一億一千九百万という予算を取っておいて、そういう際には、大蔵省には、現に要求のときに、いろいろな話の内容も出なければうそです。そうしてまた、法案を審議する際には、先刻来言っているように、期間はどの程度、何人、旅費は幾ら、何は幾らというように出てこなければ、こういう法案の審議にはならぬ。材料がない。だからして、先刻来しばしば質問にも出ておるように、何か特殊な政治目的を持っているのじゃないか、こういう勘ぐられても仕方がない。私は、ここで言いたいことは、文部省の法案の出し方そのものがきわめてずさんであって、ある意味では、国会に対する礼儀を失っておる。そう思いませんか。もう少し懇切丁寧に、具体案を整備して出して来べきです。その点について、あえて私は文部大臣の責任を追及したい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/119
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120・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) おしかりを受けて、まことに恐縮であります。実は、この国立青年の家につきましては、昨年の暮れに、この施設を米軍から返還を受けるということがきまりまして、そうして地元に返しますることその他、これの処理を早急にきめたのであります。その間において、この一部を国立青年の家に使うということ一を閣議決定いたしまして、そうして予算化をいたした次第でございます。ことしは、先ほど局長から申しました通り、施設の改造費が大部分でございまして、この施設をなるべく大至急改造して、夏がやはり青年の一番ひまなときでありまするので、何とか夏に、本来の目的のためにこの青年の家を開くように、間に合せるように修理をいたしたいと、実は考えておる次第でございます。従いまして、本年度におきましては、十分できるだけこの活用をはかって参りたいと思いまするけれども、初めてのことでございまして、いろいろやりたいことはございますけれども、それに対して国費で十分な運営費を取るということについて、まだ話が十分きまりませんので、とりあえず千万円ばかりの運営費を取りながら、ある程度府県なり当人なりが負担しなければなりませんけれども、できるだけその負担を減らしまして、平素地方でやっておりますような青年の学習なり、あるいはまた鍛練なり、あるいはレクリエーションなりというふうなものを全国的規模で、主として幹部訓練をやって、地方でそういう方面の振興をやっていくような目的に使いたいと考えておる次第でございます。なお、そのアイデアにつきましては、日青協でありますとか、あるいはそのほかいろいろな関係団体の意見等も聞きながら、今日練っておる次第でございまして、国会に対しまして十二分に、最初ではございまするけれども、一年間のスケジュールをはっきり申し上げることができないことは、まことに恐縮でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/120
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121・森中守義
○森中守義君 その限りにおいては、これ以上追及しても仕方がないようです。願わくば、これから先、文部省の法案の提出に当っては、もう少し整備をして、国会の審議に支障を来たさないように、特段の注意を払ってもらうように警告しておきます。
それから、もう一つ承わりたいと思いますのは、情操教育とか社会教育とか、そういうことが主たる眼目になっておるようです。そうだとすれば、現在義務教育を全国に行なっておるし、普遍的に、もう少し変った角度から情操教育なり社会教育を高めるという方向に、文部行政としては私は着想を置かれてしかるべきだと思います。そういう基本的なことはお考えにならぬですか。もっと極端に言うならば、義務教育はあと一年、二年延長していく。さらにそれに上積みをして、社会教育あるいは情操教育等を、従前行われていた義務教育の延長というような形で、各小中学校等で行うような方向はおとりになれないのですか。ただおそらく、この青年の家の構想からいくならば、ごく短かい期間で、しかも全国から選抜をして、それで何十人か何百人かを集めて開かそうというのですが、それで果して文部省が、大臣が意図されるような育成の効果を上げることができますか。もっと普遍的に教育を行うべきではないか、私はこういうように思うのです。その辺のかね合せはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/121
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122・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) もう既在の国立青年の家だけで青年教育ができるとか何とかいうことは全然考えておりません。今お話がありました点について、一番重視して考えておりますことは、公民館活動を通じて青年学級をできるだけやって参りたいということは、普遍的に文部省としては考えております。政府としては、ただいまのお話は、公民館活動を通じて実現したいと考えておる次第であります。ただ要するに、広い意味での文教行政をやって参ります場合に、ただ一つの方法がありさえすればいいということじゃなしに、やはり公民館活動、その一環としての青年学級の普及というようなことをやりながら、やはり青年団の自主的な活動があり、あるいは政府的な集会、私どもも、ときどき府県段階あたりのこうした合宿訓練みたいなところに、青年団から頼まれて参ることがありますけれども、これは主として幹部訓練であります、県内の。そうした面を全国的な規模で楽しみながらやるというような面も必要だと思いまして、この青年の家をできるだけ活用して参りたいと思っております。しかし決して、こういうものがあるから、ほかのことは要らぬというようなことではありませんで、むしろやはり基礎的には、ただいまお話がございましたように、義務教育の充実をさらに一そうはかって参ります。あるいはまた、義務教育が済んでからあとでも、やはり国としては、いろいろな面で、社会教育その他の面で、組織的にやはり国内におきまする知識なり徳育なり情操なりの運動というものはばかって参らなければならぬと思いまするし、そういう面は、十分御意見を承わって、改善に改善を重ねて参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/122
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123・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/123
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124・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 速記を起して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/124
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125・森中守義
○森中守義君 大へん時間が迫っておるということで、はなはだ言論の自由を封殺されて遺憾に思います。それで、この一問で終りますが、官房長の問題ですね。これは、今までどなたが文部省で、こういう官房長的な仕事をおやりになっていたのですか。それが一つ。それと、今度官房長がしかれて官房長はどの程度の職権を掌握することになるのですか。それが第二問。それからもう一つは、近来、いかなる省庁でも、こぞって官房長を設置したようですが、そういう一つの潮流に乗って、どうも文部省も官房長を置かないと工合が悪い、こういうことで、便乗的な意味合いを持つのではないですか。むしろ私は、この際言っておかなければならないのは、歴代の自由民主党内閣が、行政の簡素化、こういうことをしきりに選挙のときに公約として言ってきました。しかも最近、与党の内部に行政機構改革特別委員会、こう呼称された特別委員会があるようです。こういう委員会の意見等はともかくとして、少くとも保守党が選挙に臨んできた方向とはどうも少し逆の方向に行っておる。むやみに官僚の権限の拡大と増強に意を用い過ぎて、こういう官房長あたりが出てきたのではないか、私はこうも思うのです。そういうことも含めて、各行政機関が官房長を仰ったから、文部省も肩身が狭いので官房長を作ろう、こういう程度のことであるのかどうか。少くともこの提案理由の説明の中にうたわれている殺し文句では承知できない。それは、先刻同僚委員の矢嶋君が指摘した通り、科学技術教育がどうである、総合調整が必要である、これはあたかも殺し文句にすぎない。実態として官房長を必要とするかどうか。具体的に大臣から述べてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/125
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126・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 官房長がございません今日におきましては、それだけ事務次官が忙しく動いております。それからもう一つは、総務参事官が動いておるわけであります。官房長設置の必要性につきましては、先ほどもるる私から申し上げましたが、各省によりまして、いろいろ程度の差はあろうと思いますけれども、私、文部省に参りまして痛感をいたしますることは、やはり大学学術局でありますとか、大学を所管をする、あるいは小中学校を所管する、そういったふうに、ずっと縦割りに仕事を分けていきながら、間で十分な相互連絡をとって事を練っていくことが非常に必要でございまして、これは、先ほど科学技術あるいは勤労教育等を例に上げて、おしかりをこうむったのでありますが、特にそういうふうなもののみならず非常に大きくそういう面の問題があるわけであります中で、体育関係の問題だけは、これは、体育の重要性にかんがみて、縦割りの局の中に、横割りに体育というものを所管する局を昨年作っていただいたのであります。今日文部行政をやって参ります上において、省内において総体的に考えて参らなければならない問題がたくさんございまするし、そういう場合に、大臣、次官のところで省議をやって、全部練って参るというふうにも参りませんので、基本方針をきめながら、それを官房長にまとめさせる。その間に、そういう面でやはり外部との接触を保っていくということが、これがこの文部行政の能事を上げまする上においてぜひ必要と考えて、これをお願いをした次第でございまして、ただ流行だからまねをするという建前で出したつもりではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/126
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127・森中守義
○森中守義君 公約との関係はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/127
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128・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 文部大臣、質問の趣旨で、今まで行政機構の簡素化を公約したのに、それと反するじゃないかという点……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/128
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129・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) これも、先ほど私申し上げたのでありますが、この行政機構を簡素化するということは、非常に必要なことでございます。とかくほおっておくと、何かとあまり用がなくなった役所が残ったり、人員が残ったりいたしますので、行政機構を簡素化するということは必要でありますが、しかし、新たにどんどん複雑化いたして参る社会に対処いたしまするために、特に中央官庁におきましては、上になってさばいて参るものについては、私は、責任者を相当置いておいた方がいいと考えております。私は、前に行政管理庁の長官をいたしておったことがございますが、これは、イギリス、アメリカその他で見ましても、役人自体の数がふえないにいたしましても、行政組織の中で、責任を持つ中央省庁の部局というものがどこもやはりふえておるのであります。私は今日、たとえば中央官庁において局をつぶして、二局つぶして一局にする、一つの局長が非常に膨大な分量を所管するというふうなことは、これは行政能率を上げるとは思いませんので、やはり今日の行政組織としては、社会の機能が複雑化していくのにつれて、やはり行政組織というものも、責任者の組織というものは、ある程度単位が多くなっていくのは、私はやむを得ぬと思います。ただ、そういうふうなことに籍口いたしまして、行政費を膨張したり、あるいはまた、役人がふえたりすることによる行政能率の阻害ということを避けて参らなければならぬのであります。ただ、今日の文部省につきましては、昨年ふやしていただきました体育所管の体育局の問題にいたしましても、今日また局をさらに分化させることは考えないけれども、官房長を置いて、省内全体の仕事の能率を上げようということを考えておりますることは、本来行政能率を上げるという点から、公約をいたして参りました行脚組織の簡素化、能事化という話の筋からは決して離れておらないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/129
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130・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/130
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131・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 速記を起して下さい。
他に御発言もなければ質疑は尽きものと認め、これにて本案の質疑を終局することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/131
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132・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
なお、委員長のもとに松岡平市君へら本案に対する修正案が提出されております。本修正の御意見は討論中にお述べを願います。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/132
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133・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 速記を起して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/133
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134・松岡平市
○松岡平市君 私は自由民主党を代表いたしまして本案に賛成いたします。賛成の理由その他につきましては申し上げる必要はないと思いますから、ここでは省略いたします。ただ本法律案は改正せざるを得ない、修正せざるを得ないという事態に立ち至っておりますので、この機会に修正案を提出いたします。朗読いたしますから御判断を願います。
文部省設置法の一部を改正する
法律案に対する修正案
文部省設置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
附則中「昭和三十四年四月一日」を「公布の日」に改める。
申すまでもなく、これはすでに四月一日は過ぎておりまして、衆議院から送付した原案は四月一日から施行できません。公布の日からということに修正をしなければならぬと思いますので修正案を提出いたします。この修正で、他の部分については原案通り自由民主党は賛成でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/134
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135・伊藤顕道
○伊藤顕道君 私は日本社会党を代表いたしまして、次に申し上げるような二点から本法案に反対意見を述べたいと思います。
その第一点は、文部雑はさきに体育司を新設いたしました。このたびまらにまた同じ政府の機関である行政審議会が御承知のように行政の簡素化、なるべく新設を廃して、改組活用、こういう点を強調しておられる、この意にもきわめて反するものである、こういう一点。
さらに第二点といたしましては、国立中央青年の家を新設しようとする、こういう意図でございますが、私どもといたしましては、健全なる青年のためのリクリエーション、健全なる青年のための宿泊所を国が提供する、こういう考え方の上に立った国立中央青年の家であるならば、まことに好ましいと考えるわけでございますが、一方文部省といたしましては、団体宿泊訓練によって健全な青年の育成、こういうふうにうたってはおりますが、これはまさしく戦前の団体訓練の強化、こういうにおいがきわめて濃厚であるという点、こういうような二つの点から社会党といたしましては反対いたすものでございます。
以上簡単に申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/135
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136・八木幸吉
○八木幸吉君 私は本案に反対であります。その第一点は官房長を置かれるということは行政簡素化の趣旨に反するからであります。ことに官房に四百丘十九名の人員を擁する法務省ですら官房長を置かれておりませんのに、三百十七名の文部省が官房長を置くということには反対であります。
それから第二点は、先ほどの質疑応答の間にも明らかになりましたように、この青年の家はまず村、町というふうなところを中心に下から盛り上るという方式でもってやっていくというのがよいのでありまして、たまたま米軍から施設が返されたというので、その施設を使って天下り的にやるということは、本来の趣旨から申しまして実効を上げ得るゆえんではない、こういうように考える次第でありますことにこの費用には一億一千九百万円の金が要るわけでありますが、そのうちで八千四百万円というものは設備費や施設費にかかるわけでありまして、事業費はわずかに一千万円にすぎないのであります。つまり設備や施設にかけて仕事はきわめて少いということを考えるのでありまして、一億円以上も文部省が金をお使いになるのでありますならば、今最も危険に瀕している二千点以下の耐力度を持っている義務制校の校舎すら全国で二万五千坪もあるわけでありますから、たとえばこれに坪五千円の補修費をかけましても一億二千数百万円程度で一応の危険度は避けることができるのでありますから、義務教育をやっております当面の責任官庁としての文部省は、かようなはっきりしないことに金を使うよりも、子供を預かって国家が義務的に教育をしているその施設が台風がきたらこわれるかもしれぬ、子供は死ぬかもしれぬというようなもっと深刻な問題に対して真剣にお考えになるということが私は必要ではないかと思います。本案は岸総理が青年のためにというようなことを誓われるがために、たまたまこの施設が返ったからして、選挙も近いし、選挙の演説に便利だというような党利党略から出ておるというような面が多分に私には考えられるのでありまして、文部大臣が信念を持ってこの一億円の金を危険校舎等々と見比べてみて、どちらが文部行政の上から必要であるかということを虚心たんかいにお考えになって御提案になったとは私には考えられない。自分の孫が最も危険な千点以下の危険な校舎に日々通っておって、それに一文も金を出さぬということでもって、それで果して文部大臣の職責が尽せるかどうか、私は非常に危ぶむものであります。日本は非常に台風の多い所であります。年々鹿児島から中国を通って北陸に抜ける台風は毎年年中行事のように来るわけでありますが、その中に三十メートルぐらいの台風が来たからといって校舎がこわれんということを確言することはできない。そういったような文部行政というものは私は責任を尽したものではない。一億円の金があるならばその方に使ってもらいたい、こういう意見をつけ加えまして、私はその点で文部大臣の反省を促しまして私の反対討論を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/136
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137・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/137
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138・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。まず、松岡君提出の修正案全部を問題に供します。本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/138
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139・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 多数と認めます。よって松岡君提出の修正案は可決されました。
次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/139
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140・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 多数と認めます。よって文部省設置法の一部を改正する法律案は多数をもって修正すべきものと議決せられました。
なお、議長に提出する審査報告書の作成につきましては、慣例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/140
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141・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
暫時休憩いたします。
午後一時五十一分休憩
午後三時十八分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/141
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142・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 委員会を再開いたします。
まず、農林漁業基本問題調査会設置法案を議題といたします。
これより本案の質疑に入ります。
なお、本法案につきましては先刻提案理由の説明があっただけでありまして、本日中に直ちにこの問題の質疑に入って結論を出すということになりますと、これは異例の措置でありますので、そういうことは前例にしないという意味でお含み置きをいただきたいと思います。
なお、政府の出席は佐藤総務副長官、齋藤農林省官房長、久宗農林省企画室長。間もなく松野総理府総務長官は見えることになっております。以上であります。
御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/142
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143・千葉信
○千葉信君 あらかじめ確かめておきたいと思うのですが、ただいまの委員長のお言葉の中に結論云々の言葉がございましたが、これは決して採決云々の意味ではないと了解してもよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/143
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144・永岡光治
○委員長(永岡光治君) よろしゅうございます。
重ねて御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/144
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145・伊藤顕道
○伊藤顕道君 農林省に二、三お伺いしますが、この法案は農林漁業基本法の法制化推進のためのものであるかどうか、こういう点をまずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/145
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146・齋藤誠
○政府委員(齋藤誠君) 本調査会におきまする議題としまして基本法を制定することを目標としておるかどうか、こういう御質問であろうかと考えるのであります。
先ほど総理府の長官の方からも提案理由につきまして御説明がありましたように、農林漁業と他産業との生産性の較差、あるいは所得の均衡といったような問題の解決に当りましては、ひとり農林漁業ばかりでなしに、広く国民経済の分野にわたって慎重に審議し、検討し、それによって基本的な農林政策を確立する分野が多々あると思うのであります。従ってこの答申の結果によりまして、あるいは基本的な法制を作ることも当然予想されるわけでございます。しかしまた二面、それ以外に行政的な措置でやる部分もあろうかと思うのであります。また今後の農政を推進する上におきまする一つの基本的な考え方というものをここで打ち立て、それに基いて万般の予算なり行政なりあるいは現在の施策を是正するなりというようなこともあろうかと思います。しかし御質問になりましたような、そういう基本法的な法制も、当然検討の題材にはなろうかと考えているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/146
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147・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この農林漁業基本問題すが、これはどのようなものを指して言っているのですか。まずその大綱を承わりたいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/147
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148・齋藤誠
○政府委員(齋藤誠君) 今回の調査会の題名としまして基本問題と称し、また調査会の審議の対象といたしまして、今後の農林漁業のあり方というものを国民経済的な見地から、現在の地位、あるいは将来にわたる方向をも含めまして、農政の基本を確立いたしたいと、こういう見地に立っているわけでございます。従ってそれらの施策にわたる事項につきましては、おそらく農業内部の問題もありますけれども、それ以外にわたる部分によって解決すべき問題も多々あるわけであります。このような問題をわれわれは端本問題と言っているわけでありまして、いわば従来の各秘の農林施策につきましては、いろいろその分野にわたってそれぞれの目標を掲げて行政を行なっているわけでございますが、まあ卑近な言葉で言いますならば、いわばそれらの個々の木々、個々の林に対して、立木に対して、いわば林なり、森なりという環境から押えて、農林漁業の基本政策を確立したい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/148
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149・伊藤顕道
○伊藤顕道君 特に戦後、日本の農林漁業の生産性は非常に増大してきたわけで、国民経済の上に、非常にその復興と成長に役立ってきたと思うのでありますが、ところが半面、所得の面では非常に他の産業に比べて低い位置にあるということ、これも否定するわけいかぬと思うのですが、こういうことはいろいろ原因はありましょうけれども、従来の農林漁業政策の面においていろいろ欠けておったところがある、こういうふうに断ぜざるを得ないわけですよ。それで先ほど触れたように、この際農林漁業基本法というような法案を作って、そういう改善の面に基本的な考え方を打ち出していくと、こういうことはきわめて適切であろうと思うのですが、この点についてどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/149
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150・齋藤誠
○政府委員(齋藤誠君) 先ほどお答えしたことをあるいは繰り返すようになって参るかもわかりませんが、われわれといたしましては、先ほど申しましたような一つの農林漁業の基本を確立するということになりますると、その方策の一つとしてはもちろん法制的な措置を必要とするものも出てくる場合もあると考えるのでありますが、しかしそればかりに尽きるわけではないと思うのでありまして、この調査会におきまして答申を受けました結果、行政に移すべきもの、あるいは立法に移すべきもの、さらにまた今お話になりましたような基本法的なものも、この中に含まれることも当然予想いたしておるのでございますが、しかしここでちょっと基本法という言葉が出ましたので、それに付加して一言申し上げておきたいと思いますことは、かようなつまり基本法を、基本的な政策を実行する上におきまして、法制的な措置が必要であろうと考えるのでありますけれども、この法制をもって基本法というような言葉で現わすべきかどうかということにつきましては、それぞれの国におきまして、それぞれの農業事情に応じた、あるいはその国の経済状況に応じた各種の法制がとられておるわけであります。英国には英国の農業法があり、ドイツにはドイツの農業法がある。それぞれの国に応ずる、いろいろの条件に応じた基本的な立法というものがあるわけでございます。そういう意味からいたしますと、日本の場合におきましても、今申しましたような観点に立ちまして、いろいろの条件を検討して、そしてその上に立って、果していかなる法制的措置が必要であるかどうかというような点がむしろ問題になると思うのであります。言いかえれば、法案を作ることのその前の前提条件といいますか、そういった問題が十分論議されなければならないのではないか。従って今回調査会というものを設けまして、しかも期間を二年ということにいたしまして、特別に調査審議をいたそうと、こういうことにいたしたのも、かような趣旨に出ずるものでございまして、法律を作るという前提としまして、もっとその前になる各般の事項にわたって十分な検討調査をいたしたい、日本の農業事業、日本の国民経済に立脚した農業のあり方とか、今後の方向とかいうものについての調査、審議、検討を重ねて参りたい、かような考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/150
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151・伊藤顕道
○伊藤顕道君 日本の農民は日本総人口の大体四二%くらいだと思うのですが、それに対して農業国民所縁は逆に二四%という程度であろうと思います。でこれだけ比較して見ても、いかに農民の生活が苦しいかということが、このことだけでもよく察知できると思うのですが、これにはいろいろ原因があろうと思いますが、一つは政府の政策の中で、特に農民関係に対する予算が年々低下しておる、こういう点も考えなけりゃならぬ、そういうふうに私どもは考えるわけです。たとえば昭和二十八年の面を見ますと、これは戦後最大であったと思うのですが、国家総予算の一六・五%くらいを占めておるわけですが、三十二年にはもう七・九%くらい、翌三十三年、昨年度はもう七・五%というふうに、年々国家総予算に対する比率が下っておる。それと平行して考えられることは、予算が減っておることは、国の農林政策がだんだん熱意を失なっておる、そういうふうにも考えられるわけです。この重視の点がだんだん軽く見られておる、そういうふうに言われてもいなめない事実であると思う。やはり予算を見れば、その事業の重点が考えられるわけですから、そういう意味から、どういう考え方から農林関係予算が年々低下していくのか、こういうことも十分明らかにしないと、こういう問題も解決できないと思うのです。その点を明確にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/151
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152・齋藤誠
○政府委員(齋藤誠君) 御指摘の通り、農林予算の毎年成立いたします国家予算の中における率をとりますならば、今先生のお話になった傾向になっておるわけでございますが、ただわれわれといたしましては、農林予算の単純な比率だけで考えるわけには参らないと思うのでございまして、たとえば過去におきましては非常に災害が大きかった。たとえば二十八年のごときは非常に災害が大きかった。従ってその場合におきましては、当然に災害に伴う国家予算が、農林関係予算がふえましたために一六%とかいうような比率になったこともありますし、またその当時におきましては、いわゆる輸入食糧の価格調整のための食管会計の繰り入れというようなものもありましたためにそのような比率を示したのでございまして、今後におきましても、われわれといたしましては、やはり必要な予算は確保して参りたい。もっと率直にいえば、多々ますます弁ずるといいますか、必要な予算が農林関係として確保されることを望ましいと考えておりますけれども、しかし、単純な比率だけということではなしに、やはり必要な基本的施策に要する経費は確保して参りたいということで、むしろ今後の比率は結果的に出るものであって、われわれとしましては、あくまでも基本的な政策、または基本的な計画、これに基く必要な予算は確保して参る、こういうことでいきたいと考えるのであります。今回の調査会における論議の過程の中におきましても、当然今後の農業予算あるいは農業に対する投融資、こういう問題が農林漁業の他産業との均衡的な発展という見地に立ちまして、検討の時代に当然なろうかと考えておりますけれども、われわれとしては、今申し上げましたような考え方をとっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/152
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153・伊藤顕道
○伊藤顕道君 また金融の面を見ても、農民の零細な資金を集めた農林中金の預金を見ても、現在大体千数百億あると思うのですが、その大部分が農業に関係のない工業とか、その他の独占企業家に融資せられておって、肝心かなめの農民にはなかなかこれが還元されて融資がはかられていない。これが現実の姿であると思うのです。やはりこういうところにも先ほど言ったような国民所得が二四%、そういう問題にもつながると思うのです。これはきわめて遺憾な政策だと思うわけですが、この点はどうしてこういうふうになっておるか、この点明確にお答え願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/153
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154・齋藤誠
○政府委員(齋藤誠君) 御指摘のように、系統金融機関として末端に町村あり、県あり、農協の連合会があり、中央に農林中金がピラミット型に介在いたしまして、そして農林漁業関係の特に農民の預金があそこに吸収される。そしてまた必要な地域あるいは必要な業種に中金が系統金融機関を通じて貸付をする、こういうことに建前としてはなっておるわけであります。しかしながら、最近における状況から見まするならば、出回り期から暮にかけまして、一般的な米の販売代金が系統金融機関に集まって、その結果相当の余裕金が中金に生ずる。そこで中金の余裕金の運用という形で農業関係の団体に貸付を行なっている資金が今先生から御指摘のありましたような点になっておるわけであります。これは季節的な資金運用といたしまして、一面においてはそういうことが生ずるわけでございますけれども、他方におきましては、農業内部における資金の活用という面も当然考えて参らなければならないわけであります。そういう面で農林省としましても、系統金融にまず優先的に融資し、しからざる余裕金は他産業に、農林関係の団体に融資するということを認めておるわけでございます。今後におきましても今申しましたような方向で考えていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/154
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155・伊藤顕道
○伊藤顕道君 政府は農林水産業についての生産性の向上ということを従来から相当はでに宣伝してきたわけですが、実際にはあまりやっていない、そういうふうな印象を受けるのですが、この点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/155
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156・齋藤誠
○政府委員(齋藤誠君) 生産性向上ということは、いわば農政の最終の目標でも実はあるわけでございます。特に他産業との均衡化ということを考えていきます場合におきましては、農林業の自然的ないろいろの制約があることと思いますけれども、しかし基本の考えとしましては、やはり農業の生産性を高めていくということに重点をおいて今後も指導すべきであるのは言うを待たないところでございます。現在までの生産性ということにおきましては、まだ相当他産業との間におきまして較差がございますけれども、しかし最近における農業の生産力の進展状況からみまするならば、御承知のように経済計画におきましては、年率三・三%という農業の成長率を予定しておるわけであります。最近までの実績を見まするならば、大体三・三%以上の生産の伸びを示しておりまして、三十二年においては五・七%、三十三年におきましては三・七%というような生産の推移にございますので、われわれとしましては、経済計画の目標に照らして、まずまず順調な進展を示しておるものであるというように考えております。もちろんこれには各種の施策を伴なって実現すべきものでありますので、今後といえどもそういう観点に立ちまして、あらゆる施策を講じて参る考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/156
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157・伊藤顕道
○伊藤顕道君 政府が生産性の向上政策をとっておるから、今御指摘になったようなパーセントが上ってきたと、そういうような意味に受けとれたわけですが、それにはそれの理由がほかにあるわけです。決して政府が生産性の向上の政策を忠実にやってきたからとは考えられない。それどころか、生産性の向上とは逆の減産政策というものが現実に打ち出されてきておるわけです。たとえて申し上げますと、夏秋蚕の二割減産と、こういうような点で、明らかに養蚕農家にとって、もっとも手痛い二割減産というものが現実に行われて、しかも相当痛手を受けておる、こういう現実があるわけです。
それからいま一つの例をあげますと、酪農振興法によって牛乳生産量の調整とか、あるいは業者協定の強化が推進されて、その面でいわゆる酪農農家が相当手痛い仕打ちを受けておる、こういう現実が一方にあるわけです。従って先ほどの御説明では、政府は生産性の向上に向ってまっしぐらに進んでおるというような意味の御説明ではございましたけれども、逆の減産政策が一面において相当打ち出されておる。今の養蚕にしても、酪農にしても、そういうことが現実にいわれるわけです。これはどういうふうに解したらよろしいか、この点を明らかにしていただきい発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/157
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158・齋藤誠
○政府委員(齋藤誠君) 御承知のように、経済計画におきまして農業の成長率を三・三%というように押えておりますけれども、これはいわば農業生産全体としての年々の成長率を計上しておることは申すまでもないわけであります。従って、この年々の成長率を計算する内答といたしましては、耕種もあり、御指摘になりましたような畜産物もあり、養蚕もあるのでございますけれども、いわば全体として農業が年々三・三%程度の成長率を維持するならば、経済計画としてはほほ均衡のとれた生産ということに相なるわけでございます。従って、これを構成しておる各部門々々等におきましては、ときの状況によりまして、あるいは当初の計画通りにならないものもあり、あるいはそれ以上に伸びるものもあるということになろうかと考えるのであります。これはいわば経済計画としては農業全体として三・三%の成長率を占めるということでございまして、その中の部門々々におきまする数字につきましては、いわばそれの構成する基礎資料的なものでございまして、当然その間需給の状況その他によって変動が調整されてくる部門もあるのはやむを得ないと思うのであります。ただ、しかし全体としましては、先生の御指摘の通り一つの目標を掲げておる以上は、それに応ずるように各種の施策を講ずべきはもちろんでございます。私の申し上げた結果としましては、全体としてはほぼ経済計画の成長率三・三%を上回る数字が最近においては見られておる、こういうことを申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/158
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159・伊藤顕道
○伊藤顕道君 繭と牛乳の問題で一番大事な問題は、消費の増大ということをどういうふうに考えなければならないかという点にあろうと思います。ところが、いろいろ価格が下落してくると、政府としては一番やりやすい方法である減産の方針をとってきておる。これは一々例をあげるまでもないわけですが、そこで、もう少し前向きの政策が打ち建てられないものか。価格が暴落するとそれを防ぐために価格を安定せしめる面から生産を押えてしまうということでは、今後の農林漁業の向上は期しがたいと思いますが、そういう点を明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/159
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160・齋藤誠
○政府委員(齋藤誠君) 御指摘になりましたように、問題はいわば長期的な一つの生産目標を掲げ、そして農家に安心感を持たせ、それに応ずるような施策を計画的に実施すべきではないか、こういう御質問かと思います。御指摘の通りわれわれもさように考えておりまして、今回の基本問題調査会におきましても一つの重要な審議事項といたしましては、当然今後のいわば市場といいますか、長期的に見た需要の予測というものを立てまして、そしてそれに基く安定した生産を取り行うというようなことが当然検討すべき議題の一つになるかと考えるのでありまして、御指摘になりました繭とか、あるいは酪農のごときものにつきましては、非常に商品生産の性格が強いものでありますので、ひとり国内ばかりでなしに、国外のいろいろの影響も受けるというようなことで、非常に敏感な商品の性格を持っておりますので、なかなか長期的な予測のもとにおきましても短期的に変動しやすい性質のものであります。しかし今後の基本問題を考える場合におきましては当然安定した需要予測という長期的な観点に立ちました予測を立て、そして農業生産に安定した基盤を立てたいというような趣旨の事項を十分検討して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/160
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161・伊藤顕道
○伊藤顕道君 繭糸価格安定法によって繭は一貫千四百円、生糸一俵十九万、こういう最低価格はあったわけですけれども、最近の状況ではこれは現実に次々にくずされておるわけですね。こういう問題も当然これは政府の責任であって、これをこのままにしておくと同じことを年々くり返される、こういうことになるわけですが、これは何か対策として抜本的なものが考えられておるのかどうか、このままでは年々こういう問題がくり返されると思うのです。この点どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/161
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162・石坂繁
○政府委員(石坂繁君) ただいま繭、生糸の問題を御指摘になりましたが、これに対しまして価格問題等について昨年来今日までやって参りましたことはすでに御承知の通りであります。しかるに、この後の対策をいかにするかという問題でありますが、一面、昭和三十四年度の対策並びに恒久対策の両面相待ちまして養蚕業、蚕糸業の安定を期して参る方針でおります。昭和三十四年度の方針といたしましては何分にも経営の合理化をはかりまして生産費の低下をはかる。そのためには御承知の条桑育の奨励等によりまして生産の合理化をはかり、生産費の低下をはかっていこう、同時にまた繭、生糸の消費の拡大をはかりまするためには混織であるとか交織であるとか、あるいはまた新規の考案等を奨励いたしまして、そのためには繭を安価に提供するところの方法を講じて参りたいと考えております。なおまた国内消費及び国外の消費市場の失われたものを回復し、また新なる市場開拓のためには民間の関係団体とも協力いたしまして、啓蒙宣伝等に十分努力いたしますつもりであります。そうして恒久対策といたしましては蚕糸業の審議会に諮りまして打ち立てたいつもりでおりまするが、同時に、これはただいま問題となっておる農林水産基本問題調査会の一つの大きな題目となろうと考えておりまして、それらの調査会におきましても十分恒久対策について御審議を願い、結論を得ていただきたい希望を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/162
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163・伊藤顕道
○伊藤顕道君 ただいまの繭糸価格安定法によって特に秋蚕の場合だったのですか、結局、乾繭共同保管ということを政府が政策として打ち出して、養蚕農家とか、あるいは農協がこれに協力して相当面が乾繭共同保管をやってきたわけですね。ところが、最低価格を基準にしていろいろな関係から相当正直者がばかをみるというたとえのごとく、政府の政策に即応して共同乾繭保管をやったものがばかをみておる。相当いろいろな点で質も低下するし、目方も減るし、結局、なま繭で売ったときの方がはるかに有利であった。そういうことで最近いろいろと関係方面でその損害補償について陳情に来ておると思うのです。そういう点は一体どういう処理をするか、これは当然政府の責任でなければならない。政府がそういうことを奨励して乾繭共同保管ということを打ち出した。そうして正直な養蚕農民が、また農協がこれに即応してこういう政策に協力してきたわけです。従って、そういう政府の政策に協力したものに、あえて損害をかけさせるということは当らないと思います。当然これは政府の責任において補償するのが理の当然だと思うわけです。そういう点はどういうふうにしようと考えておるのか、この点を明確に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/163
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164・石坂繁
○政府委員(石坂繁君) 乾繭を共同保管いたしました結果、その保管の時期がやや長期にわたりましたので、品痛み、もしくは数量減というようなものが生じて参りまして協同組合の損失を招いた点も、私どもの方にもだんだんその事情を申し出てきておる向きもあるので、御指摘のような事情を確かに承わっております。従いまして、これは政府の施策に伴いましてそういう結果になったわけでありますから、政府といたしましても何らかの方法を講じなければなるまい、こういう考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/164
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165・伊藤顕道
○伊藤顕道君 重ねてお伺いしますが、私は群馬県で、養蚕家が非常に多いので特にこの問題に関心が深いわけですが、なま繭で売れば貫千四百円で売れたものが、政府が乾繭共同保管という政策を打ち出してきたので、これはまあいいことだということで、先ほど申し上げたように協力してきたわけですね。従って、なま繭と同じような値段で売れれば——損害なければ、これはそれで問題ないわけですけれども、先ほども申し上げたように、政府の政策に協力した者だけが損失を受ける、こういうことはどうしても考えられない。そこで、政府としては、適当に考えるとは言いますけれども、具体的にほんとうにやるのかどうか、ただここで答弁として簡単に片づけられない問題だと思うのです、責任のある御返事をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/165
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166・石坂繁
○政府委員(石坂繁君) 昨年の繭、生糸の需給の状況は、まことに異常な需給状況でございましたために、価格も著しく変動いたしたわけでありまして、それをある程度実勢の価格に落ちつきますために、乾繭の共同保管というような方法も講じて参りました。しかし、政府がとりました方針に従ってやった結果が損害があったということになれば、政府といたしましても何らかの方法を講ぜなければならない、こういう考えは持っております。ただいま、私におきまして、具体的にそれをどうするというところまでの具体的な案を持ち合わしておりませんが、決してこれはおざなりの答弁で糊塗しようという考えで申し上げておるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/166
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167・伊藤顕道
○伊藤顕道君 時間の関係で、最後に一点お伺いしますが、この乾繭共同保管に即応して農民としては協力してきた。しかし、これをいろいろとあっせんし、骨折ってきたのは農協その他の団体であったと思うのです。これが政府の政策を宣伝するために、また浸透させるために、いろいろ諸経費がかかっておる。あるいはまた指導、集荷費とか、そういう具体的な面でいろいろ、こういう農協その他の団体が経費を負担しておるわけですね。これは、なま繭で措置すれば全然必要のないこういう経費が、乾繭共同保管に伴って出てきたいわゆる団体としての一つの損害とも見ることができると思うのです。従って、政府としては、農民が政府の政策に協力して損害を受けたものは政府が補償する、したいと、そういうことであるならば、同じ考え方から、こういう団体が政府の政策に協力して、そうしてその趣旨の徹底に努めたために特別にいろいろな経費がかかった、これはまた当然政府がこれを補償してしかるべきものである、従って、農民に対する補償と同様、かような農協その他の団体に対しても同じような考え方から責任をもってこれを補償する考えがあるか用意があるかないかということ、こういう点を明確にお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/167
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168・石坂繁
○政府委員(石坂繁君) 先ほど私の答弁いたしましたのは、直ちにこれを補償するという表現はいたしておりませんが、先ほどからの言葉が足りませんでしたが、先ほど御指摘の点も十分に調査いたしまして何らかの方法を講じたい、こういうふうなことを申し上げたわけであります。
さらに農協が投じた費用その他の点についてどうするかという重ねての御質問でありますが、いろいろ御指摘になりましたような具体的の問題につきまして、私がこれをつまびらかに承知いたしておりませんので、事情をとくと調査いたして、適当な措置を講じたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/168
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169・横川正市
○横川正市君 基本法に対する関係の向きの要望というものは非常に熾烈なものがあるというふうに私どもは判断をいたしております。同時に、これはどろぼうをつかまえてからなわをなっておるような、政府の施策としてはきわめておそきに失したうらみが私はあったと思うのです。そこで、この法案の成立については、私どもは必ずしも反対をするものではない、賛成をするものでありますけれども、まず第一に、現在の政府のとっております自由経済の立場から、この基本問題の調査の結果を一つの、方向づけるとすれば、現在までの農林行政の中では、たとえば農業関係に対しては耕作地の確保、反別の増高、それから土地改良、これに加えて次三男対策もあわせて価格安定、価格補償、こういうようなことが私は現在までの行政機構の中で相当熱心に行われ、日本の農業の一つの基盤というものは作られてきたと思う。そういう行政あるいは政治上の一つの結果というものが、さらに基本法の必要とするそういう要望にこたえて、私は政府の中に方向としては、たとえば米価に対する二重米価の廃止の問題とか、あるいは輸入制限を解除して、ある程度その輸入に依存をするとか、あるいは方向としては自由米価というものを近々これをとりたいとかというような、そういう方向を指向しながら、この基本問題というものを考えようとしておるのではないか、この点は非常に重要問題だと思いますので、これを明らかにしていただきたいと思います。同時に、漁業関係では、日本の周辺の漁区は、これはもうきわめて零細化をいたしております。いわば沖釣、一本釣というようなことに生計を託しておる。あるいは沿岸でアワビやコンブをとって生計をしておる、いわゆる漁家の収入は、これは農家の収入よりか、もっと零細化しておるということが言えると思う。これはよってきたる原因というのは、私は漁家に対する保護政策というものは、日本の場合ほとんど今までなかったといってもいいのではないか。これは船を作るにしても、相当大きな資本を必要とするというところから、資本のないものはどんどん零細化していく。一回しけや何かにあいますと生活ができない。一漁期に不漁になりますと、すぐに次の支度ができない、こういう状態が私は沿岸漁民ないしは漁業に従事する人たちの零細化という結果になってきたと思う。そのためには最近いろいろ言われておりますけれども、漁区の問題では他国との間の折衝も当然これは必要になってくる。しかしいずれにしても沿岸の方々と、相当程度資本を持って漁業できる人との関係というものは、これは決して今は対等にしていろいろ独自の操業のできるような状態に私はなっておらぬと思う。そういうような問題とか、あるいは計画水揚げの問題、あるいは魚族保護のための研究対策の問題、水温の調査の問題、それからこれに対処するためには計画造船の共同化の問題、こういったことが当面漁家の人たちは、非常に差し迫った問題として要望されておるわけです。しかもこれは行政上はある意味では手がけられて、一つの基礎的なものはありますけれども、それはほとんど見るべきものがないというのが現状ではないだろうか。そうなってくると、私はたとえば電探を持った、船が魚を追って、そうして底びきで取り歩く、これを沖で小船でもって沿岸の漁業をやっておりますが、それが指をくわえて見ているというような、そういう関係で放置されるような、そういうことであっては、私は基本法ができる趣旨にもとるのではないか、そういうことから、この点について政府としては実際上漁家のこれらの対策をどのようにされようとして基本法にその調査を待とうとしておるのか、その点を第二点として明らかにしていただきたい。それから林業の問題は先般もいろいろここで論議をいたしたのでありますが、第一にこれだけの地域であって、林道の実際上の開発計画というものは非常に遅々として進んでおらないわけです。そのために当然国の資材として活用すべきものが山の中で腐っていってしまうとか、あるいは細菌によって非常に大きな損害を受けておる、こういう状態であります。これは戦時中の乱伐と相待って、植林を急ぐということとあわせて、これらの保林のための林道を敷設しなければならないということは、近々の問題になっておるわけです。このことで実際上私どもは林業そのものについては、現在までの行政は予算その他の問題に制約をされて、実際上見るべきものがなかったのではないか、こういう点でこれは三つにも共通することなんでありますが、国がまず基本法を作られたら、これは国のいわゆる産業の基本なんでありますから、そういう意味では国の財源、予算をある程度思い切って投入してこれを実施しようとする心がけ、これが私は必要なんじゃないかと思うのです。そういう点についてどうお考えになっておるか。それは根本的には第四の問題として、この法律案は運営については総理府が担当し、それから事務の処理については農林省が担当いたしております。ことに人員の構成を見ますと、調査、臨時職員、専門調査員、幹事等百名ぐらいな人たちによって調査されようとしておりますが、機構からいくと、おそらく私は頭が二つあるような気もするわけです。そういう観点と、もう一つは二年間に成案を得たいという考え方でありますが、実際上は、これは一体どの程度熱心に、どの程度熱意をもって、そうしてこれをやろうとしておるのか、この点はこの運営、機構上の問題からいきますと、いささか期待とマッチしておらないように思うわけでありますが、その点についてお答えをいただきたい。
以上五つでありますが、これは時間がありませんので、一括して私の方から質問申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/169
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170・石坂繁
○政府委員(石坂繁君) 農林省は一昨年の農業白書におきまして、従来の農林行政についての一つの反省をいたしました。そうして将来の農林行政の方向を示し、赤信号といたしまして五つの点を指摘いたしております。すなわち日本農業の生産性の低さということ、第二は食糧自給度の低さということ、第三は国際競争力の弱さということ、第四には兼業農家の増加ということ、五つには農業就業構造の勢弱化、この五つのものをあげておのまして、それぞれこれらのものに反省を加えまして、そうしてこの後の日本農林行政をどうやっていくかという問題につきましての考え方を進めておりますが、これを端的に要約いたしますると、要するに日本農業の生産性を高めて、同時に所得の増加によって農林水産漁家の生活の、安定をはかろう、従いまして方向の大きな問題といたしましては、生産基盤を強化して参るということが基本的の問題と考えております。従いまして昭和三十四年度の予算におきましても、この目標からいたしまして、それぞれの施策を請じておることは御承知の通りであります。
第二の水産業に関する問題といたしましては、まさに御指摘の通りでありまして、私どもも水産業、ことに沿岸零細漁民の生活のはなはだしく他の産業に比較いたしまして劣っておることを十分に痛感いたしております。あるいは従来の水産施策というものがはなはだ欠けておったのではないか、こういう御批判もあろうかと思いますが、この水産業全体の問題といたしましては、一面水産漁業制度調査会という会もありまして、そちらの方でも制度のみならず、水産業の全体の検討を願っておりますが、これも新たにできる調査会の大きな項目となろうかと思っております。しかし当面の問題といたしまして、それをそのまま放っておくわけには参りませんので、昨年あたりから沿岸漁業振興の対策を講じまして、魚族の保護なり、あるいは沿岸漁業の零細漁民に対する施策を講じて参っておるような次第であります。
要するに、この林業の問題も御指摘になりましたが、林業の問題につきましては、昭和三十四年度の施策といたしましては、一つは森林開発公団法を改正いたしまして、官有林と民有林との協力態勢を強化いたし、官有林と民有林との接触の深い奥地林道につきましては、この森林開発公団に政府が林道の開さくを委託してやらせるようにいたしております。なお戦華中の伐採、あるいは乱伐、もしくはそのあとの植栽ができておらない面も多数あるのでありますが、林政上の大きな問題といたしましての植林に対しましては、優秀な林木をできるだけ広範囲に広めて植栽をしていこう、そのために昭和三十四年度におきましては林木育種場を全国に五カ所設置することによりまして、そういう点に大きく前進して参ることだと思っております。
最後に、新たにできる農林水産基本問題調査会の運用の点につきましての御指摘がございましたが、これは総理府に設置されることになりましたことにつきましては松野長官からも御答弁ありましょうが、これはひとり農林水産漁業内部の問題ばかりでなく、ことは国民経済の全般に関連することであるのであります。そういたしますれば、ひとり農林省関係ばかりでなく、他の各省にもいろいろの関係を持つようなことからいたしまして、これは総理府に設置することが適当であるという考えで総理府に設置することになりました。ただしその庶務的なこと、事務の取扱いにつきましては、何分にも農林水産業を主管する農林省内に置きました方が適当であろう、こういうふうの考え方から庶務的な仕事を農林省でやろう、決して頭が二つあるような、そういう考え方ではないのでございます。御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/170
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171・横川正市
○横川正市君 結果的にこれは方向としては自由米価——、二重米価の廃止ということと結び付かないかという問題については、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/171
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172・石坂繁
○政府委員(石坂繁君) 米価の問題につきましては、生産者米価についても消費者米価につきましても、毎年非常に熱心な議論がかわされてきておることは、つとに御承知の通りであります。本年もまた遠からず米価審議会を開きまして、米価審議会において御審議を願うことになりますが、きょうは本院におきましては国会議員六名の人たちの満場一致の御決議も得たような次第でございまして、米価の問題につきましては米価審議会の審議の結果に待つのでありますが、昨年の米審においての強い希望といたしまして、従来のパリティ方式を改めて生産費補償方式でやるようにと、こういう御要望もあっております。従いまして、どういう考え方で米価を算出するかという点につきましては、今事務当局におきましては、これをいろいろ検討いたしておりますが、パリティ方式並びに生産費補償方式というようなこれらの方式を種々検討いたしまして、政府は政府としての一応の結論を得たいと、せっかく今努力をいたしておるような段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/172
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173・八木幸吉
○八木幸吉君 この審議会で米の統制撤廃の可否、御審議になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/173
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174・石坂繁
○政府委員(石坂繁君) おそらくこの委員会ができましたときに、米の統制撤廃というような問題は、取り上げられる問題ではないのではないかと、私はただいまは、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/174
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175・八木幸吉
○八木幸吉君 前に、予算委員会で岸総理に私この問題を伺ったときに、米価審議会でこの問題も合せて審議する、こういうふうな御答弁がありましたけれども、一向審議された形跡もないし、そのときの御答弁も実はあやしいものだと思って聞いておったのですが、農山漁村の根本的の問題を審議するというこれだけの大きな審議会が、現在米の統制の問題に触れないというようなことは、私はよくないと思うのですが、なぜお触れにならないのか。御承知の通り、この問題をいえば長くなりますけれども、昭和二十六年、今よりずっと需給状況が悪い時分に、すでに吉田内閣では自由販売を閣議決定をしたことがあるのです。ましていわんやそのときから見ますれば、現在はよほど食糧事情はよくなっておるのですが、当然この問題は研究の対象にならなければならぬと思うのですが、こういう問題を、一体農山漁村の根本的の問題を審議するというのに、のけるというふうな御答弁は私は納得はいきませんが、御訂正になるお考えはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/175
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176・石坂繁
○政府委員(石坂繁君) 私の答弁の表現がはなはだどうも適当でなかったと思いますが、今回の調査会は農林水産基本問題調査会で、私の先ほど答弁いたしましたのは、今の私の考えで、米の統制を撤廃するかどうかということは議題にならぬのじゃないかと、こういうふうなことを申し上げましたが、もちろん基本問題でありますから、いろいろの問題が論議されるでありましょうし、これは農林水産物の価格対策の問題として、そのうちには取り上げられることであろうかと思います。ただ私が申し上げましたのは、米の統制を撤廃するかどうかということを一つの項目として、それを諮問するようなことはおそらくないのじゃないかと、こういうふうなことを申し上げたわけでありますが、要するに調査会発足後、調査会自体の自由な、かつ広い視野からのいろいろの御論議、御検討のあることを私どもは期待いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/176
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177・八木幸吉
○八木幸吉君 次に、この基本問題の調査会に、蚕糸関係の問題も審議するという先ほどの御答弁でございましたが、そういたしますと、この蚕糸業振興審議会、それから繭糸価格安定審議会、これとの関係はどうなるかという点が一つ。
それからもう一つは、現在農林省に農山漁村振興対策中央審議会、こういうものがありますが、これとこの基本問題審議会との関係はどうなるのですか、これが第二点。
それから第三点は、この基本問題審議会に、国会議員も、学識経験者もしくは国会議員としてお入れになるかどうか、この三点を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/177
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178・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 各種の委員会との関連は、農林関係でございますから、各種の産業についての審議会、委員会がございまするが、そういうものだけで解決できない場面が今日非常にふえて参りました。蚕糸におきましても、蚕糸の価格安定だけでは永遠の解決はできませんので、そういう臨時的なあるいは個別的な審議会とはもちろん関連はございますけれども、それだけで解決できない問題が今日農村問題には多数出て参りましたので、この際、基本問題という大きな観点からこの審議会を作ることが妥当であろうという意味で、この審議会の発足をいたしたいと存じます。
なお、この中に国会議員を入れないということは、今日いろいろな審議会がございますが、一応法案に、いずれ議会に再び御審議をいただくものがたくさんございますので、あえてその前に、国会議員の方の御議論をいただく前に、一応学識経験者の審議会を発足して、その後において議会を通じて国会議員の方に審議していただくことが妥当じゃなかろうか、この意味で今回は入れておりません。
今日、政府のいろいろの審議会がございますが、飼料審議会には国会議員という名義で入れてございます。これは価格を対象として、直ちに議会関係の法案に関係ございませんので、国会議員の方が入っていただくことが妥当だという意味で人っております。いろいろまだ明確には判断、判決はまだできませんけれども、一応基本問題でございますから、農林委員会で再び御審議をいただく問題が結局出てくるかと存じまして、その前に学識経験者をもってこの審議会の運営をはかりたい、こういう趣旨で、国会議員の方はこの審議会の中には入れないつもりで実はおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/178
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179・八木幸吉
○八木幸吉君 国会議員としてではなしに、卓識経験者としてもお入れになりませんか。私は入れぬ方がいいと思いますが、お入れになりませんか。そういうことが一つ。
それから蚕糸業関係の方はわかりますが、農山漁村の中央審議会とは、どういう関係になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/179
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180・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 国会議員の方は、ただいまのところ入れないつもりでおります。ただ絶対に入れないか、国会議員としては私はお入りいただかないつもりでおりますけれども、学識経験者として他に求めることができない場合にはその方をお願いする場合があるかもしれません。しかし、これがたまたま国会議員であるために、そういう学識経験のある有能な方を排除するという積極的な意味もございませんので、一応国会議員という資格ではお入りいただかないつもりでございます。ただ、学識経験者として他に求めることができないような代表者の方がおられた場合には、国会議員だからあなたは入れませんと、そういう積極的意見は、私はある程度今日差し控えたいと存じますが、国会議員としては入れないつもりでおります。
なお、ただいまのあとの問題は、農林省からお答えをお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/180
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181・齋藤誠
○政府委員(齋藤誠君) 御指摘になりました農山漁村中央審議会でございますが、これは具体的には御承知のような新農村建設事業というのを、昭和三十一年から五カ年計画で進めておるわけです。この内容は御承知のように、全国四千五百の農業地域につきまして約一千万の事業を町村で行なっていくことにいたしております。この審議会におきましては、いわばそれの実行的な基準、あるいは指針等の審査をいたしておるわけでございまして、この事業に伴ういわば中央の審議会になってるわけであります。従って今回の基本問題調査会とは、固有の業務を持っておりますので一応違ったものでございます。同じような意味で農林省に各種の制度がございますけれども、先ほど総務長官からお答えがありましたように、直接のそれぞれの目的を持った調査会に対しまして、これはもっと基本的な問題を調査したい、こういうことで発足しておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/181
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182・森中守義
○森中守義君 内容そのものは歓迎すべきことですし、今まで二、三の質問もありましたからあえて繰り返しませんが、この調査会の帰属を総理府にされているようですが、これが私はどうもちょっと合点がないかいのです。総理府設置法の第三条に項目が四つありますが、あえて総理府関係に該当するとすれば、三の「各行政機関の施策及び事務の総合調整」、これにかかっているのじゃないかと思います。しかし問題は農林漁業の基本問題を審議会にかけ、あるいは調査、答申を行おうというならば、むしろこれは農林省のこれこそ基本的な問題じゃないか、こう思うのです。従って本来総理府よりも当然農林省、農林大臣がこれを所掌するというのが建前ではなかろうか、こう思うのですが、その点について、農林省及び総理府のおのおのの見解を承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/182
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183・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 総理府設置法の三号、ただいま森中委員のお読みの通りであります。従って、特に各省に関連のあるもの、いわゆる専管とするにはあまりに関連が多くて、各省に多くの関連を持っておるものは、総理府において各種の委員会をここに設置しております。本日ただいま審議いただいておる中に税制審議会というのが国税及び地方税を通じましてございますが、所管は大蔵省でございますけれども、その関連が非常に大きな場合には総理府に実は設置し、事務局を大蔵省あるいは自治庁にいたすという例が今日そうやっておりますので、その運営がどちらでなければいけないという理由はありませんが、一応設置法の目標がそこにありますので、今日までそのような運営をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/183
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184・石坂繁
○政府委員(石坂繁君) ただいま松野長官から御答弁申し上げました通りでございますが、なおそれに若干農林省としての考え方を付加いたしますならば、なるほどこの調査会は農林漁業に関する基本問題を調査する会でありまして、事は農林漁業に関してはおりまするけれども、およそ農林漁業というものは、先ほど私も一言いたしました通りに、ひとり農林漁業内部の問題ばかりでなく、国民経済という観点においての農林漁業の地位あるいはその立場、それと関係するところは広くかつ多いのであります。従いまして、単に農林省内部に設置いたしまするよりも、各省、関係各庁ともいろいろな関連も出て参りまするので、これを統括して内閣に設置いたしました方がより適当だという考え方からこういう構想になったのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/184
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185・森中守義
○森中守義君 これは総理府設置法に違反しておるわけでもありませんから、そうむずかしく論議する必要もな
のです。ただ答申が出た場合に、答申の扱いはどうなるのですか。つまり総理府で行政行為を主としておやりになるのか、あるいは農林省がこの行政行為をつかさどっていくのか。そういう答申の扱い等がどうもここでははっきりしない。さっき横川君から、頭が二つ、問題が一つじゃないか、こういった問題が出たようですが、確かにそういう感じがするのです。従って協議をする、あるいは話し合いをする、これだけのことであれば総理府でも一向かまわない。しかし調査会が一たん答申をして、もちろんこれは総理大臣に帰属しているわけです。総理大臣が農林大臣の方に移していけばさして問題はないでしょうが、要するに形と実体とが少し食い違ってくるような気がするのですが、そういう場合どうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/185
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186・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) お説のように総理大臣あてに答申が出て参りまして、その所管別に各省にそれを配分をいたしまして、そして必要の措置をとる、こういうことになっておりまして、社会保障審議会も、つい先般総理大臣に答申が出まして、厚生省関係としてその法案については厚生省に、税及び大蔵省関係は大蔵大臣に、その部分のあとの担当をお願いしているわけであります。答申としては総理大臣あてに出て参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/186
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187・森中守義
○森中守義君 それからもう一つ、二年間の時限正法ということですが、大体この二年の間にわが国の農林漁業の基本的な政策については、ほぼ百パーセントに近い水準まで実行に移し得る、こういうような構想のもとに二年間という時限立法になったのですか。それとも二年の間に構想をまとめ上げてしまおう、そのどちらなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/187
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188・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 実は時間的に申しまして、一年でこの答申が出てるならば非常に期待をいたしておりますが、一年で果してこの大きな、膨大なものが答出るかということも多少心配がございますので、あと一年を予備的に見て、できるならば一年で答申が出るように運営をやっていきたい。しかし一年間ではこの大きな問題ですから、あるいは多少時間的に間に合わないかもしれませんので、その予備的な意味で一年というのをつけ加えたわけであります。その後において私たちの方はその答申をいただいた結果、当然政府としての対処すべき方向をきめなければならない、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/188
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189・石坂繁
○政府委員(石坂繁君) 農林省の考え方でありますが、ただいま森中委員の御質問には、二年間に基本的な日本の農林行政の全部がそれで確立するかどうか、こういうようなことでありましたが、これはできるだけすみやかにということでありまするけれども、二年間のうちに基本的な諸問題に対する結論を得ていただきたい、こういうことでありまして、松野長官の答弁の通りであります。そこでいろいろ、農林行政でありますが、これは二年間のうちにこの調査会の答申が出るからと申しまして、農林当局といたしましてはそれまで従来通りのしきたりで、安易なイージー・ゴーイングをやるわけには参らぬのであります。先ほど私が農林白書の反省する五つの赤信号を指摘いたしましたように、あの反省のもとに立ちまして、本年度も生産基盤の拡充のためには、あるいは耕地の整備をやるとか、あるいは治水、灌漑の点を促進するとか、あるいは畑作振興に特に重点を置きまして、ことに畑作振興のためには深層地下水の開発等によってやるとか、その他各般の施策につきましては、それぞれ前年度よりも相当積極的な、数歩進めました予算も御審議を願い、またそれに予算を裏づけするところの政策も出しておるわけであります。昨年度の農林関係当初予算に比べますと、本年の農林関係の一千六十二億というのは、まさに五十五億の増加となっておるような状況でございます。これが成立いたしました後に、新年度になりますれば、それぞれの新しい計画をできるだけ進めて参るつもりであります。しかし、その生産基盤の拡充と申しましても、あるいは畑作振興と申しましても、これが単年度でいわゆる百パーセントでき上る性質のものばかりでもないのでありますから、かたがたわれわれといたしましては、結論を得れば、また結論を得たことに即応するような方策を立て、それまでは、それまでにできるだけの適切な施策を積極的に進めて参る、こういう方針でやっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/189
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190・森中守義
○森中守義君 先刻八木委員の方から、関連をした幾多の委員会だとかあるいは調査会だとか、これとの関係がどうなるのかということに対する松野長官の御答弁はいささか抽象的であって、どうもやはり釈然としない。しこうして、問題はその農林漁業全体に関する問題を調査、審議していく中に、関連をした幾つかの調査会あるいは委員会等と意見が対立するようなことも多分にあると思う。そういう際に、作りはしたが逆に半身不随になって、片一方の方はとまってしまう、これもとまってしまう、こういうようなことも全く想像されないことはない。で、そういう場合に他の関連をした調査会なり委員会等との関係はどうなるか。その点を一つもう少し運用上の問題としてお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/190
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191・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 委員の構成につきまして、そういうそごはないように十分留意いたすつもりでおります。なお委員の中に必要な場合には、臨時委員あるいは特別その関連の委員会の合同審議会をやるとか、いろいろの問題も出て参りましょうから、運用においては十分すべての問題、農林漁業の問題に関連をする審議会がたくさんありますので、運用の際に十分それは留意して参りたい、こう考えております発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/191
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192・森中守義
○森中守義君 ちょっと松野長官、質問のとらえどころが違う。私は人ではない。人はたくさんおいでになりましょうからね。人ではない。つまり政策士の問題として……。この委員会では繭糸問題はあまり比重は置かない。ところが片一方の繭糸委員会の方では、それでは困るということで、意見がまつごうから政策論争として対立するような場合があると思う。これは私は総合的な基本問題を諮問をし、調査をするところですから、ときにはやはり比重の置き方が漁業に中心を置いていくとか、あるいは農業に中心を置いていく、林業に中心を貫いていく、そういうことが過程では起り得ると思う。そういう場合にどういうようなお考えであるか。これを聞いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/192
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193・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) まあ例を蚕糸にとられました。もちろん蚕糸の委員会は蚕糸専門におやりになりますから、非常に百パーセント蚕糸問題については権威があり、しかも一致した御意見が出るかもしれません。この基本問題——基本問題として農林全般として取り扱いますので、蚕糸の委員会、審議会でやられるような議論は、あるいはある場合にはある程度制約されるかもしれません。もちろん蚕糸関係の代表者も入っていただきますし、林業の方ももちろんこの委員会に入っていただきますが、ただその専門の専業の委員会と基本問題の委員会においては、全然相反する意見は私は断じて出ないと思いますけれども、ともに日本の農林漁業の所得増強という意味においては、これは少しも差はございませんので、根本的にはもちろん意見の相違はないと思いますが、ある場合に比重の置き方においては多少は私はニュアンスの違いはこれは出てくるだろう。しかし、それをやることがより以上農林行政全般の経済推進によりいいというのであるならば、おのずからそのある場面において調停点が出てくると私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/193
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194・森中守義
○森中守義君 そうしますと、各種の諮問委員会等は一応法律によって保障された委員会です。やはり国会としてはいずれが先んじていずれがあとになる、こういったような判断はつき得ない。しかし今松野長官の御説明を聞きますと、どうもこの基本問題の方が優先権を持っているような気がする。だからある場合には——なければいいですよ、いずれも一つの問題を討議するのですから、反対、賛成の意見はあるでしょう。あるでしょうけれども、やはり基本問題の方が先行してその他のものをある程度制約を加えるというようなこともあり得るというような御意見のように受け取れる。そうなると、いずれもの委員会がそれぞれの任務を持ちながら、しかも法律の保障によって運営をされておるのに、いささかまずい結果を免じはしないか、こういうことも若干心配になってくる。その点について他の委員会との調整が——今長官ははしなくも調停という言葉をお使いになりましたが、そういう調停機関はこういう中にどこにもない。そういう際には一体どういうようなことになるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/194
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195・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 各種の委員会の答申はその委員会独自で出されますが、いよいよ対策を立て、これを法案としてあるいは予算として議会に出しますときには、おのずから財政難局の意見及び関係各省の意見の調整の上に予算が成立するということが現実の姿であります。従って審議会の答申が百パーセントその通り参ることもございましょうけれども、やはり他に関連があるとき、財政に関連があり、他省に関連があるときには、そこの省との調整というものはおのずから私は出てくるだろう。そういう意味におきまして、この委員会において蚕糸の審議会が希望通り百パーセントの意見はもちろん出て参りましょうが、最終的にその意見が百パーセント全部出てくるということは、これはこの調査会の内容の運営において、私はおのずから調整があってしかるべきじゃなかろうか。こういう意味で申し上げたのであって、すべてが全部ならば、各審議会で出てきたものを全部まとめさえすれば百パーセント入った実は意見にはなりますけれども、しかし農林漁業の基本問題そのものに触れて議論するときには、やはりおのずから基本問題に触れた審議が行われることが、私はより以上農家のためになるのじゃなかろうか。こういう意味で全然相反した意見は出てこないと思いますけれども、ある程度の調整的な、調停的な答申が出てくることは、これは基本問題そのものでありますから、私は当然だろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/195
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196・森中守義
○森中守義君 そうすると、この基本問題の関係でその他の委員会が制肘を加えられるということはない、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/196
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197・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 運営において上下の関係及び制肘を加えることはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/197
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198・松岡平市
○松岡平市君 ちょっと私は関連しますが、これは三十六年三月三十一日までの時限立法ですね。ところが審議会に三十七人もの事務局組織を持つ、二年間しか存続しない。これは廃止後の計画は新しく設けられるのだろうと思うのだが、それともこれは農林省の職員の兼務であって、この審議会が二年で廃止された後の職員の整理といいますか、職を失うわけですが、そのことについてはどういうふうな計画になっておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/198
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199・齋藤誠
○政府委員(齋藤誠君) 御指摘のありました通り、農林省でこれを担当する職員は三十七名を予定いたしておりますが、そのうちすでに従来官房に企画室がございまして、農林漁業に関する各種の企画調査に従事しておる者が二十名含まれておるわけでございます。しかし今回新たにそれ以外の者を増員することにいたしたわけでございますが、二年間におきまする答申の結果、今後行政の組織なりあるいは行政措置なりによりまして、これに応ずるようなことも当然考えて参らなければならないかと考えております。従いまして、二年後のことでございますので、今具体的にどういうふうな配置がえをするかということまでは考えておりませんけれども、ただいま申しましたようなことが当然それに応じて農林省内部において措置すべきであると、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/199
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200・松岡平市
○松岡平市君 少くとも相当な職員を何人かは二年間の期限を切って御採用になる。この大調査会に十分に役に立つという人を、何らかの職務を他に持っておる、新しく全員ではないでしょうが、何人かはこのために二年間だけ御採用になる。二年間すればこの調査会はなくなる。そうすればこの調査会に役に立つような人を、二年間の時限を切って非常に有用な人を採用し得るということは私もちょっとわからないのです。結局結論は、こうしてこの二年間でこの調査会が自然に仕事が終ってやめるときには、そこで御採用された職員だけは宙ぶらりんに浮く。あるいは農林省はそれは何らかの形で当然別なところに接収をされるといいますか、そこの中に織り込んでいかれるというふうに考えておられるのか、これはまさしくたった二年間だけということで、しかも相当大規模な事務局を持たれるのだから、事務局職員の二年間だけ使われる職員の措置というものが私は非常に気になる。そのことをもう少しはっきりわかるように、それはこういうことでそういう特別りっぱな人を二年間だけを限っても採用できるんだ、心配は要らないからというふうに、わかるように説明していただかないというと、ちょつとしろうとにはわからない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/200
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201・齋藤誠
○政府委員(齋藤誠君) もう少し具体的に申し上げますと、これに従事する職員を一応三十七名予定いたしておりますが、そのうち二十名はすでに官房の企画室において従来からこれらの調査事務に携っておる職員でございまして、残り十七名のうち、新規の定員としてわれわれの考えておりますのは五名でございまして、あとの十二名につきましては、農林省の中における他の定員の振りかえ等によってこれに向けられる職員を予定いたしておるわけであります。従って新規の定員増として考えられますものは五名でございますから、これに新しく農林省部内における人をもって充当するということになろうかと考えます。従いまして、従来通りの組織でいきますならば、当然三十七名中二十名は官房の企画室の所属職員としてそのまま存続されるわけでございますし、他の十七名につきましても、今申しましたように他の局から特にこの調査会設置のための所要の人員として振りかえをし、その局における事務の合理化もはかりまして、いわば農林省としてはこの基本問題調査会の重要性から、全省的に一つこの業務に携わろうということで、各局からの振りかえによって充当するような考えでございますので、二年間における事業が済みました場合におきましても、それらの事情を考えまして措置することにいたすとすれば、その間何らの支障はなかろうかと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/201
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202・松岡平市
○松岡平市君 大体今の話によると、だれも新しい採用をせんでもいいようなことになる。その二年間二十人は現在自分の方で持っておる人間を使う。それから十七人要るわけですが、その十七人は方々の局から現在いる人を集めてくるんでしょう。それでそれらの人々は二年間仕事が終ればもとのところへ戻る。従ってその二年間の仕事が終ったときに、この事務局に働いた人の処置は困らぬと、こうおっしゃる。私はそれならば、この人件費経費として年額二千万——あなたの官房におられる人でも他の部局から来る人でも、これは現在ちゃんとそれぞれ俸給をもらっておられると思う、そうしたらば、この二千万もの人件費というものはこれはおそらく一年分の予算だろうと思う。あるいは、一年分かもしれぬ。二年分としましても一千万という人件費は一体だれに払うのか。私は少しその説明はわからない。今言ったように、現に官房におられる人を二十人だけ使い、十七人は他の部局にいる人を集めるということで、そういう事務局であれば二千万もの人件費というものは計上される必要はない。これは私にはちょっとわからない、そこのところが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/202
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203・齋藤誠
○政府委員(齋藤誠君) 人件費関係二千十四万五千円というものを一応予定いたしておりますが、既定の二十人分が七百八十四万五千円、残りの新規増員分とそれから他局からの振りかえりによる職員ですが、合計いたしまして、七百八十四万五千円の既定の人員と、新規増員分の七百十五万一千円と、それから併任分の五百十四万九千円で約二千十四万五千円、こういうことになるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/203
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204・矢嶋三義
○矢嶋三義君 一、二点伺います。ちょうど予算委員会へ行っておりましたので、重複しておったら重複しておるといって簡単にお答え願ってよろしゅうございます。事務総長来ておられますか。——それではその質問はあとにして、総理府総務長官に伺いますが、おらそく質疑があっただろうと思うのですが、次の区別はどういうふうにつけているのか。それは総理府設置法の十五条の一項の取扱いで出るのと、こういうふうに単独法で出て、総理府の付属機関になるのと、それから各省庁の設置法の改正で各省庁の付属機関として出るのと、それから各省庁の付属機関として単独法で出るのと、各種各様あるわけですね、審議会なり調査会は。それを政府ではいかようにこれを区別され、解釈されているのか、統一見解を承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/204
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205・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 総理府設置法の一部として先般御審議をいただいております以外に、同じように総理府設置法の中に農林漁業審議会の設置というものを今度は別な意味で提案いたしました理由は、おのずから今回あの中にはすでに過去におきまして閣議決定によって提案をいたしておりますものを、今回は法律事項として提案をいたしたのがございます。ことに農林漁業の場合は、その性質上新たな観点からこの問題を提出いたしましたので、別な法案にいたしました。それともう一つは農地被買収者問題調査会法案、この農林漁業基本問題調査会法案、この二つはその性質上総理府設置法という一括にせずに、別な新しい観点と新しい立場から御審議願う意味で別にいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/205
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206・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私が伺わんとしているところは、ちょっと答弁できていないのですが、ここは内閣委員会ですから、行政機構という立場から毛として重点を置いて審議しようとしているわけです。私はその立場から、内容に触れませんが、国民もこれが明確にならないで不便な場合があると思いますので、政府は統一見解として一体どういうものを持っているかということを聞くわけですよ。繰り返しますが、総理府の十五条一項のあれで出る場合と、それから総理府の付属機関であるが、こういうふうに単独法で出る場合、さらに各省庁の設置法の一部改正で各省庁の付属機関として出る場合、それから各省庁の付属機関でしかも単独法で出る場合と各種各様あるわけですね。さらに事務局を独立事務局を持つ場合と持たぬ場合とがあるわけですね。これは説明を聞かぬでも大体わかると思うのですが、いかように区別しているのか。あなた方が国会に提案される場合に、これは総理府の付属機関の単独法でいくか、十五条一項でいくか、あるいは所管省庁の設置法でいくか、あるいは単独法でいくか、こういうふうに審議会、調査会等を設ける場合、どういう立場で区別されておられるのか、その点を承わっておきたいと思うのです。私よくわからないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/206
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207・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 明確に区分というものはございませんが、おのずからその審議会の性質の重要性と申しますか、議会において、当然新しい問題として提案になるものは単独法で提案いたし、一応ある程度継続的なもの、あるいは過去における継続的なものというものは、総理府設置法という法案で一括して提案している。矢嶋委員も長い間内閣委員で御承知でいらっしゃいますが、明確にこうだという、基準という明確な法文的なものはございませんが、そういう運営を今日提案に当っていたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/207
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208・矢嶋三義
○矢嶋三義君 確かに明確でないと思うのですが、それで各省庁の付属機関よりも総理府の付属機関の方が、予算をとるとか何とかの場合に都合がいいのですか。何か重みをつけたような感じがするのです、順序の感じからいくと。各省庁の一部改正の場合と、それから単独法の場合、それから総理府の付属機関でも、十五条一項でいく場合、それから同じ付属機関でも単独法でいく場合と、何かクラスをつけているような——各省庁みずから付属機関を持っているならば、これをみずから軽べつし軽視して、そうして総理府の付属機関になろうとしている傾向がある感じがするのですがね。こういう点僕は不明確だと思うのですが、どういう見解ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/208
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209・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 明確に区別するということは、今日までの過去の実例から申しましても、明確にこうだということはございません。総理府に特にこの問題を置きましたのは、やはり農林漁業の基本問題という相当広範囲なもので、各省にまたがることが非常に多い問題を調査するという意味で、やはり総理府設置法の条文の中にありますように、非常に調整が必要だというような問題を含んでいるという意味で、総理府に設置することが妥当であると考えて今回出したわけで、農林省の所管事項の専管でございますから、農林省でやったとしても、これはあえて何ら組織法に違反はいたしておりませんが、審議の内容の事柄そのものが相当税の問題とか、あるいは輸出入の問題とか、いろいろに触れる点が多々あるという内容を含んでおりますので、総理府に設置したわけで、必ずしも総理府でなければいけないんだ、どこに法文があるんだ、そういう明確な運営を今日まではいたしておりませんが、おのずからその調査会の審議内容の範囲と影響によって、農林省だけでやるよりも、いずれ他省に関係が非常に深い問題ならば総理府に置いて、その調査会そのものにおいて十分各省関係と連絡調整をする必要があろうという意味で、総理府の設置法に基いた運営をいたす意味で基本問題調査会を総理府に設置したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/209
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210・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私は総理府に設置したごとに異議を唱えているものではないのです。
それから次にお尋ねすることは、庶務を総理府で処理するのと、各省庁で処理するのとありますね、これはどういうふうに区別されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/210
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211・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 総理府で処理いたしておりますものは、おのずから各省に深い関連性がややもすれば薄い、もちろんその事柄は深い関連がありますが、観光事業というようなものに関しましては、これは一応内閣で運営をいたし、そうして運輸省の観光局で取り扱っているというふうに、おのずから非常に根の深さという——これは別に内容じゃありませんけれども、行政上において根の深いというものについては各省にその事務局を設けております。税制あたりになりますと、これは大蔵省が非常にその機構と組織が完備しておりますので、大蔵省を事務局として使うことも妥当であろう。そういう場合に各省の行政の組織というものについて、これは大体見当をつけて、事務局というものを置くか置かないかというときの判断にしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/211
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212・矢嶋三義
○矢嶋三義君 時間がないから例をあげて言いませんがね。そうすると、総理府、お宅で庶務しているのがあるのですがね。そしてある特定の省庁に非常に密接な関係がある。その省庁に庶務をとらしてもよさそうだと思われるのに、お宅でとっているところがあるし、そういうところが僕はどうも整理しなきゃならぬと思っているのですがね。それでちょっと伺ったのだが、答弁は私満足するような答弁じゃございません。
それから次に伺う点は、具体的に伺いますがね。内閣提出の法律案の経済企画庁の設置法の一部改正法律案で九州地方開発促進法が出ましたね。その後与党さんの議員立法で、総理府付属機関として単独立法で出ましたね。この場合は政府と与党の立場は違っておったわけですが、こういうのがやはり総理府付属機関として出るというのは、やはりクラスが上ったというような、こういう見解に立っておられるのじゃないかと思うのですが、こういうところはどういうふうに御説明なさるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/212
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213・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 議員立法で出ましたもので、私の方に特に意見を求められたこともございません。企画庁に置くか、総理府に置くかという問題が実はありましたが、企画庁の方が過去におきます——北海道は北海道庁がやっておりますが、東北開発審議会は総理府に非ずして企画庁に設置されておりますので、企画庁に設置することが慣例上運営がよろしいという考えを持っておりましたが、与党の方々が総理府の方が自分たちは運営がよろしい、こういう意味で総理府に審議会の設置ができまして、あえてどちらでなければならないというわけでもございませんし、しかしそういう御希望があり、またそういう方が運営がよろしいのだという御判断の上でなされたことで、私の方も実はどうだと言われますと、どちらの方がいいと——一応東北を考えて参りますと、東北と同じ運営をしていただいた方が運営がいいのではないかと、こういう考えを持っておりましたが、議会の方で総理府に置けと、こういう御趣旨でしたから、その御趣旨をそんたくしただけで、特に私がただいま質問されましても、どちらがいいという断定的なものは、私どもの考えとしてまだ出ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/213
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214・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 速記をちょっととめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/214
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215・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/215
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216・矢嶋三義
○矢嶋三義君 事務総長、来ていますか。事務次長は……。今後のこともあるわけですがね。こういう法律を内閣委員会に付託するのはどういう理由ですか。もしこれを内閣委員会に行政機構の一部だとして付託するならば、九州地方開発促進法なんかを建設委員会に付託するのは筋が通らぬと思うのですがね。機構という立場から言えば、内容的にこれはほとんど農林省関係で、たとえば九州地方開発促進法、ああいうのを建設委員会に付託するのならば、これは何も農水委員会に付託してよかろうし、これは従来の慣例は、こういうものを機構の問題として行政機構担当の内閣委員会に付託するのならば、総理府の付属機関としてできる九州地方開発促進法もこちらに付託しなくちゃならぬ。この付託権は、諮問機関の議を経て議長の権限で付託するわけですが、あなたは次長だけれども、総長の代理で、国会の役員であり、議長を補佐する責任と権利があるわけですから、どういう見解に立っているのか、この際承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/216
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217・宮坂完孝
○参事(宮坂完孝君) 十分の御経験のある矢嶋先生に申し上げるまでもないことでありますが、行政機構一本だけの法案でございますれば、それに重点を置きまして、参議院規則第七十四条の内閣委員会(ニ)の国家行政組織に関する事項、これに該当をいたしますので、そこに付託する、これは例外がございません。しかし、行政機構と他の問題とともに起案されておる法律案につきましては、それの重点の置きどころによって種々なる考え方が出て参りまして、これはそのつど議院運営の理事会にお諮りいたしまして、その重点によってあるいは当該のその事項に重点がある場合にはそこに入れますが、また行政組織の方が他の部分に比較して重要性がありますれば、これは内閣委員会に付託いたします。こういうような取扱いをやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/217
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218・矢嶋三義
○矢嶋三義君 総理府総務長官と並びに事務次長に私ちょっと意見をいいますから、これを聞いて今後善処してもらうとともに、意見も答弁として承わっておきたいと思う。
まず、総理府総務長倉にですが、私はこの総理府設置法の法の運用には、今後根本的に再検討をする必要があるのじゃないかと思うのですがね、その意味で一問、ニ問を発したわけですが、そうして総理府の長は内閣総理大臣となっておると、で、少くともこういうのを総理府で扱うということであれば、これは総理府総務長官を大臣にするか、副総理をおかなければ私は無理だと思うのです。たとえば独禁法が出てもあなたのところでやる、それからこういう問題もあなたのところでやる、これは国会の審議とも関連するのだが、内閣委員会は国家の行政機構という立場から限度があると思うのですね。内容的にはこの問題は農林委員会で十分審議しなきゃならぬ問題だ、独禁法だったら商工委員会でやらなくちゃならぬ、九州開発促進法が出れば、機構としてはここに付託して、そうして内容的には最も関係あるあるいは商工とか、あるいは運輸とかで審議するという、こういう行政府と立法府の統一ある再検討をしなければ、今のままでは僕はいけないと思うのだ。だから国会役員としての事務総長にいいますが、僕は国会法の改正等で、たとえばこういう法案は機構として機構を所管しているのは、行政府の行政機構を全般的に眺める意味で内閣委員会に付託することはよろしいですよ、と同時に、こういう庶務も農林省で処理することになるんですが、こういうあれならば、一つの例として、たとえば農林委員会と連合審査をしなきゃならぬという義務規定を僕は設けるべきだと思う。そうでなければほんとうの審議はできませんよ。また政府側の答弁も、国家行政機構の全般として総理府総務長官が、あるいは今国務大臣が任用できるようになっているのですが、あなた国務大臣になっていませんが、副総理になれば担当するかもしれません。そういう人が国家行政機構の立場から述べるのはよろしい、ただ限度があると思う。内容的にはどうしてもこれは当該委員会に所管省庁が相当な責任を持っておるような形の態勢を行政府も立法府も作らなければ、僕は十全を期せない、こういうふうに思うのですが、こういう点は聞いておいて善処してもらいたいとともに、今どういう御見解を持っておるか、ごく簡単に一分程度で言って下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/218
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219・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) お説のように、総理府には各省の意見の対立のあるもの、あるいは多少他省に関連のあるものはみんな総理府にどちらかというと最近は集中する傾向がありまして、事務能力、そのスタッフがそのたびに非常に混乱することもございます。従ってある程度行政の複雑化といいますか、せんじつめて総理府の運営というものも、やはりある時期には変えないと、このままで参りますれば、おそらく入り切れないぐらいの事務がふえるのじゃないか、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/219
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220・宮坂完孝
○参事(宮坂完孝君) お説のように、連合審査会の運用によりまして、これらの点について両委員会の共同の御研究に待って善処することはしばしば議運の委員会でも論じられて、またそういうような御決定もあったことがしばしばございますり今後この問題について十分研究するようにお伝え申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/220
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221・八木幸吉
○八木幸吉君 委員長二分間だけ。先ほどの松岡委員の質問に関連してでありますが、この調査会の設置に約二千万円金がかかる。ところが総理府の方では百数十万円しか予算が出ていなくて、農林省に大部分出ている。この予算の組み方はおかしいと思うのですが、どうかわかるように一つ説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/221
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222・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) この調査会の運営費だけでありまして、委員の方の会議費及びそれに対する諸手当だけが総理府の予算に入っておりまして、私の方には特別に人件費とか調査費というものは入っておりません。この調査会の運営だけの費用でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/222
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223・八木幸吉
○八木幸吉君 それはどういうわけですか、おかしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/223
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224・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 調査会に対する運営費だけで、事務局は農林省でございますので、農林省予算の中にそれを組み入れたわけで、百三十万がこの会の運営費であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/224
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225・千葉信
○千葉信君 私は大体皆さんの質問できょうは質問すまいと思っておりましたが、どうも先刻来の質疑応答の中からどうしてもただしておかなければならない問題が出てきたようですから、若干の時間お許しを願いたいと思います。策及び事務の総合調整」という言葉が入っておりますのは、各省にもしこれを設置いたしますならば、当然設置法の大きな疑義が出て参りましょう。ただ総理府だけはそういう意味において、ある場合においてはそういうものを認めるという条項が、この設置法の第三条の趣旨じゃなかろうかと存じますので、これが各省の連絡調整の意味だと思う。もしこれが外務省その他各省にやりましたならば、おそらく千葉委員のおっしゃるような、行政に対して非常に大きな紊乱だというおしかりもいただきましょうが、総理府はある程度その意味におきましては、そういうものが総理府だという幅広い意味で、総理府の設置法というのができているのじゃなかろうか、こういう意味で総理府だけは、そういう紊乱というのはおかしいですが、そういう総合調整の趣旨でこういうものの運営を総理府に、逆に言うならば持ってこられるという、逆の立場から言うならば、私は総理府の設置法はその趣旨を認めていると、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/225
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226・千葉信
○千葉信君 私は今の総務長官の意見は、総理府設置法に関する限りはその通りでいいと思うのです。ただしかし今回の場合は、その総理府設置法に基いて、総理府の所管に属する事項、各省に属する事項、調整の要する事項、その事項を取り扱う調査会ですから、従ってこれは総理府に設置されるのが当然です。従って設置法の命ずるところに従えば、その事務機関も当然これは総理府内に、総理府設置法に基いてその事務機関が設置されなければならぬ。よそへ持っていくから私はおかしいのだからこの第八条の「調査会の庶務は、農林大臣官房において処理する。」とか何とかいって、そっちの力に事務機関を置くということは、総理府設置法、農林省設置法の違反だと私はこういうふうに思います。この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/226
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227・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 総理府設置法の違反だとは、私は実は率直に考えておりません。ただいまの条項は、あえて再び繰り返すのではありませんが、農林省設置法の方はちょっと私は即答はいたしかねますけれども、総理府設置法の趣旨から申しますと、やはり運営上他省にまたがる議案は審議いたしますけれども、その問題そのものは、農林省関係というものが非常に多いことは間違いございませんので、事務局を総理府に置けばこれにこしたことはございませんが、一応連絡調整の意味で、事務局は農林省に償いて、連絡調整を私の方でやる、こういう考えで、私はあえて明確に——これが明確だとは申しませんけれども、設置法の趣旨から言って差しつかえなかろう、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/227
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228・千葉信
○千葉信君 問題が発展して、今度は連絡調整という行政行為の問題に発展してきたようですが、その連絡調整という総理府の任務ということは、これは当然総理府の権限としてなすべき事項です。しかし今回設置されるこの調査会なるものは、これは行政機関ではないのですから、これはあくまでも諮問機関ですから、この調査会自体は、一切の連絡調整などという事項は扱ってはいかぬのです。そんなことをやれば、これは明らかに設置法違反になりますから、ですからそれは総理府でやる行政事務の中には人っているけれども、今回のこの調査会そのものとは全然切り離して考える。従って切り離して考えれば、なおさらそういう連絡調整等の行為を許さない事務機関を農林省の中へ置いたら、仕事に支障を生ずるし、設置法にも違反するという事態になるわけです。この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/228
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229・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) この調査会の運営及び諮問は、連絡調整という意味で諮問をいたすので、農林大臣所管の事項といえば、当然この調査会に諮問いたしますので、諮問は連絡調整という立場で、農林省所管以外の問題についても諮問をいたすことになると存じますので、その意味においてこの連絡調整という意味で総理府に置くというように、この提案は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/229
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230・千葉信
○千葉信君 私は、少し総務長官は勘違いをしておられるのじゃないかと思います。連絡調整という行政行為は総理府設置法に基いて、各省間の行政事務に対して連絡調整の権限が総理府には与えられております。いいですか。しかし諮問機関であるところの調査会は、連絡調整等の行政行為は許されておらないのです。これはちゃんと国家行政組織法第八条に明記されておりますから、諮問機関ですから、従ってそういう連絡調整の行為を行うことのできない調査会の事務局が農林省という一つの省にあるということは、総理府設置法に基いて総理府の持っている権限の中で行う業務の場合、総理府の中にある場合には、その行為は総理府の所管事項としては認められる、調査会の仕事として認められるのじゃなくて、総理府の行政行為として法律に規定されている。ここではその権限がないわけです。もしここにあるとしたら、これはもうはっきり行政組織法に違反するわけですから、従ってですね、そういうその事務局はどうしてもこれは総理府に設ける以外に、筋道の立った規定通りの設置はできないというのが私の意見なんです。どうですか、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/230
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231・吉田信邦
○政府委員(吉田信邦君) ただいまの問題、私どもは長年この問題を取り扱っておりまして、いろいろと考えて参ったところでございます。実際表面からみると、いろいろ問題の多いところでございます。先ほど総務長官からお話がございましたように、現実問題として、政府の施策の中で総合調査を要する仕事は非常に多うございます。そうしてまた審議会というようなものに諮問しなければならない問題には、とかくそういった各省にまたがる事項が多いわけでございます。従いまして、そういう意味で、その問題を各省に設置するとすれば、他の省との関係でいろいろ疑問が出てくるというような点から、総理府に設置するということになりました。同時に総理府自体の事務当局といたしましては、人数もそう大ぜいでございませんし、また生起するような問題について、それぞれの専門家の方も非常に少いわけでございます。そういうような意味から、便宜庶務は特に関係の深い方にお願いするということが必要になって参るというのが一つの実情でございます。その場合、今申されました総合調整との関係につきましては、総合調整を要する事項につきましては、私どもの方で、総理府で扱っております。そうして、庶務といたしましては、総理府と相談しながら、いわゆる庶務という立場において、会議の開催をお知らせしたり、あるいはまた、予算の要求をいたしたり、あるいはまたこの問題につきましてならば、農林漁業に関するいろいろな調査その他の資料を提出するというような庶務をやられますので、この場合、この審議会に対して諮問を出されるのは、総理大臣が出されるわけであり、その総理大臣が出される諮問をどういうふうにするかということにつきましては、総理府で各省を呼びまして、そうして意見を総合調整した上で、総理大臣の諮問として諮問をいたし、そうしてその際に審議会から各省にいろいろ御質問がございますが、それらのうちで総合調整を要する事項につきましては、私どもの方で調整してお答えをする。また答申が出ました場合にも、それを総理大臣が受理いたしまして、そうしてそれを各省でどういうふうにやっていただくかというふうなことにつきましては、また私どもの方で調整をいたす、そういうような形になっております。
それで、この庶務という言葉でございますが、これは事務局が全部その工務官庁に移ったという意味では必ずしもないと私どもは考えております。それは一般的にいわゆる会計、予算だとか、文書の往復だとか、そういうようなことについては、そういった庶務を農林省にお願いいたしますが、総理大臣の諮問に関する総合調整的な仕事は、これは総理府であくまでもいたして参るつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/231
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232・矢嶋三義
○矢嶋三義君 ちょっとそれに関連して。松野さんは所管政府委員ですから伺っておきたいんですが、今の説明を承わっておって、たとえばこれから審議する国民年金審議会ですか、国民年金制度は画期的な制度ですが、これだって大蔵、労働両省等関係があるわけで、この国民年金審議会は、厚生大臣の諮問に答えるよりは、総理大臣の諮問に答える形の方が適当じゃないかと思うのであります。これは、どうして総理府のあなたの方に持っていかなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/232
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233・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 社会保障制度審議会の答申が総理大臣に出まして、この中に国民年金の問題が入りまして、その答申を受けて、その一応の結論が出ましたので、法案にするために厚生省に出したわけでございます。この法案の運営上の問題が今度の審議会じゃなかろうかと存じます。従って、一応総理府に設置いたしました社会保障制度審議会のときには、各省にまたがり、広範でありましたから、総理府に設置いたしました。それが、いずれ答申が出て、そうして厚生省所管にこれを移し、その法律の運営そのものになりましたので、これは厚生省が妥当であろう、こういう意味で社会保障制度の最初の基本的調査の場合には、総理府に実は設置いたしました。その意味で各省に区別がついたものは、各省に移管することが妥当である、それがつかなくて、まだ総合調整の段階で総理府に今日なおあるものが、実はたくさんございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/233
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234・千葉信
○千葉信君 総務長官、国家行政組織法は、各省の所管事項、各省の権限を明確に限界を設けなければならぬという規定が第二条にあります。これは、ここで読んでみるまでもなく、総務長官御承知と思うのです。「内閣の統轄の下に、明確な範囲の所掌事務と権限を有する行政機関の全体によって、」とありまして、明確に権限なり仕事の範囲をきめるということになっておる。その精神に基いて、いかなる行政機関といえども、この精神のもとに設置されなければならぬ。ところが、連絡調整の問題は、私は一応あなた方の答弁で了承いたします。この連絡調整の関係はこの調査会とは関係なしに総理府設置法の所管事項として各省間の連絡調整をはかる、これは当然ですから、そこまではいいのですが、しかしそれならば、なおさら、なぜその庶務なり事務局なりを農林省に置いたか、設置法によれば、これは当然、そういう連絡調整を要する仕事を分担するところだから、農林省に置いてはいかぬ、貿易に関係することがあっても、これは通産省にも置けない。だから、各省間の連絡調整をはかる、他の部に属せざる事項をやるところの総理府に置いた。その総理府に置いた調査会の関係の事務機関をなぜ農林省に置いたか、なぜ農林省に置かなければならないのか。その理由をはっきりここでわかるように答弁していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/234
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235・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) なかなかはっきりと答弁があるいはできないかもわかりませんが、しかし、千葉委員も御承知のごとく、この問題を取り上げますと、非常に答弁に苦労いたしますが、行政機関そのものにも、各省設置法を読んでみますと、まだまだ調整を要するところがたくさんあるだろうと思います。それはいずれ伝統と今までのいきさつがある、そのために行政機構の改革という問題が常にうしろにあるのは、そういうようなことがたくさんあるように私は感じます。ことに、総理府に先般設置されまして早々でございますので、総理府だけ明確にいたしましても、各省の調整がなければ、これもまた明確ではございませんので、ただいまおっしゃったような国家行政組織法のその趣旨に沿って、なるべく行政機構というものを単純化し、あるいは明確にすることは、毎年、どの政府もこれは必要だと考えながらやっておりますが、なかなかまだその段階に至っておりません。しかし、その精神は今回総理府設置法になるべく明確にいたしますので、まだそこまで至っておりませんでなかなか苦しいのですけれども、どうぞ今回の場合は一つこれで御了承願って、次の場合に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/235
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236・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 速記をとめて。
[速記中止]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/236
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237・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 速記を冠して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/237
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238・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) ただいまの御指摘は、過去におきましてもまた今後におきましても、相当明確にすべき点がございますので、すでに予算も計上いたしておりますので、この国会はこれをもって御了承いただきまして、今後の問題として十分誠意をもって検討いたしますので、今回は、この国会はこれでぜひ御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/238
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239・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認め、これにて本案の質疑は終局することに御異議ございませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/239
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240・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/240
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241・八木幸吉
○八木幸吉君 私はただいま議題になりました農林漁業基本問題調査会設置法案に反対をいたします。
その理由は、第一に、これと同種の審議会等が農林省に相当たくさんございます。すでに農林省には三十四の審議会がございまして、定員は七百三十一名、公務員がそのうち二百二十三名で、学識経験者が三百八十八名、欠員百二十名であります。農林漁業の基本問題をこの調査会で審議するということになっておりますけれども、先ほどからの質疑応答を伺っておりますと、この調査会で審議するというような問題についても、すでにこれに関する審議会が相当できております。先ほど政務次官も、調査事項としてたとえば灌漑排水の問題、あるいは畑作振興の問題というふうなことをおっしゃいましたけれども、これらの問題の審議会はすでにできておるのであります。地域的に申しますと、たとえば急傾斜地帯農業振興対策審議会、湿田単作地域農業改良促進対策審議会、海岸砂地地帯農業振興対策審議会、畑地農業改良促進対策審議会、かんがい排水審議会、積雪寒冷単作地帯振興対策審議会といったようなものがあります。それから中央の問題といたしましては、農山漁村振興対策中央審議会、輸出の問題については、たとえば輸出水産物振興審議会、いろいろあるわけでありまして、製品の方の問題からいえば、農林物資規格調査会あるいは技術の方では、農林水産技術会議といったようなものがあるのです。
そこで問題は、つまりかような審議会を十分活用されまして、そうして農林当局がこれをいかに実行するかという点に真剣にお取り組みになれば、かような百名もの委員を擁して、屋上屋を架するようなこの種の審議会は必要でないと思うのであります。先ほど総務長官は、たとえば蚕糸の問題にしましても、蚕糸業振興審議会あるいは繭糸価格安定審議会があるけれども、もう少し商い見地でこの審議会で検討するのだ、こういうお話がございましたが、高い見地ということからいえば、たとえば繭生糸の支持価格制度を今でも支持されておりますが、昨年が戦後初めてという最低の生糸の輸出しかできなかったということは、この支持価格の制度があるからだ。だからこういうものをやめてもらいたいというのが実は通産省からの要望であったと伺っておるわけであります。でありますから、これを国の産業の方からいえば、基本問題ならばさらに産業全体の審議会を作らなければ、国策としてのこの問題のあり方はきめられぬというふうに、幾ら上ってみてもこれは限りのないことでありまして、要は、政府が行政機関としてどういう対策を立てて実行するか、ことに今政党内閣でありますから、政党がこういった問題を基本的に調査をする、そしてこれを政府に実行させるということであれば、あえてかような審議会を作る必要はないわけであります。それがために、と申しますか、私は反対でありますけれども、すでに一億七千二百万円という立法事務費というものまでも政府から政党に与えておるわけでありますから、かような問題は、審議会を作らなくて、要は政府がこれに対して慎重に取り組む。でありますから、こういうものは、われわれから言えば一つのゼスチュアでなければ自信の喪失に出たものだと、こういう批評もできるわけであります。さらに今の審議の過程におきまして、いろいろ問題がありましたけれども、つまり農林省の企画室に二十人今定員がおられるそうでありますが、その二十人が全部この基本問題調査会の事務局になって問題を審議するというふうなお話もありまして、もともとこれは企画室でやればいいわけで、あえて民間の人を呼ぶ必要はないのだ、その実態から見てもこれは必要ないということが明らかになるわけであります。
行政組織法の問題もありますが、さような、今申しましたような数点をあげまして、私の反対討論を終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/241
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242・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/242
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243・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。
農林漁業基本問題調査会設置法案(内閣提出、衆議院送付)全部を問題に供します。本案を衆議院修正送付原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/243
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244・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 多数と認めます。よって農林漁業基本問題認否会設置法案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、議長に提出する審査報告書の作成につきましては、慣例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/244
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245・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/245
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246・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 次に、厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより本案の質疑に入ります。政府側の出席は、池田厚生政務次官、森本官房長、小澤医務局長、福田児童局長、ほか説明員数名見えております。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/246
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247・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私は、自治庁並びに行政管理庁の政府委員の出席も要請してあるんですが、どなたが御出席になっているでしょうか、お伺いします。どなたがお見えになっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/247
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248・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 自治庁は、後藤田自治庁官房長、岸行政局行政課長、それから山口行政監理局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/248
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249・矢嶋三義
○矢嶋三義君 時間がないから簡単に若干伺って参ります。
まずこの法律案は、問題点が少くて、珍しく大へんけっこうな法律案で、年金局の設置にいたしましても、行政審議会の答申に基いたもので、別にこれらに対して質疑はいたしません。で、医療制度調査会、これもまことに時宜に適したけっこうなものだと思います。ただ、この点については要望申し上げておきますが、全国のお医者さんの医師会あたりの圧力によってよろめかないで、医療制度調査会の所期の目的を達するように、特に私は要望申し上げておきます。
なお、国民年金審議会については、先ほどもちょっと触れましたが、一応発足したので、厚生省でよろしいというような見解もあれば成り立つかと思うのですが、これも任期はニカ年と限定しているわけですね。いよいよこの十一月から一部発足するとはいえ、まだまだレールに乗っているとは考えられません。あらゆる角度から、従って国の大きな画期的な政策をこれから推進するという立場から、私ならば、他の経緯からいって、やはり先ほどの法案のように、総理府設置法の中に単独法として出して、そうして庶務を専門の厚生省で所管していくという形がすっきりするのではないか、こう感ずるのですが、この点、ちょっと厚生省の方は遠慮なさり過ぎたのじゃないかというような感じがするのですが、どういう見解をもっていますか、これを承わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/249
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250・池田清志
○政府委員(池田清志君) ただいまのお尋ねでございます国民年金の審議会の問題でございますが、この審議会につきましては、任期、期限というのをつけておりませんわけでございます。国民年金法を成立さしていただきまするというと、それを施行いたしますわけでありますが、その法律の施行につきまして、円満なる進み方ができまするようにという意味合いにおきまして、この審議会を設けている次第であります。
なおまた、国民年金制度全体につきまして、大きな問題とか、あるいは各省の関連の事項等ありました場合におきましては、それは御承知のように内閣にありまする社会保障制度審議会にお諮りをいたしまして、御答申をいただくことにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/250
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251・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この法文には出ていませんが、国民年金審議会というのは、大体ニカ年程度を目途にしているのだというようなことを聞くわけですが、
〔委員長退席、理事千葉信君着席〕
そういうこともなくて、恒久的にずっと置かれるというお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/251
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252・池田清志
○政府委員(池田清志君) 今のお尋ねは、国民年金の審議会のお話でありますが、それにつきましては、期限をつけておりませんのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/252
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253・矢嶋三義
○矢嶋三義君 了解いたしました。
そこで、年金局を新設したわけですが、初めてのことではあるし、相当の私は定員を要すると思いますが、この新設に当って、厚生省では、調達庁の方から百名程度受け入れられるということが、関係機関の間で話し合われているということですが、その経過はどうなっているのか、明確にお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/253
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254・森本潔
○政府委員(森本潔君) 国民年金の仕事につきまして、本省で六十名、それから地方で千七百四十名の増員をいたすことになります。一方、調達庁におかれましては、定員の整理等で減少がございます。従いまして、両省話し合いをいたしまして、調達庁で定員減になりますうちの百名程度を年金関係の事務に配置がえをする、こういうように話し合いをいたしております。両省におきまして百名程度の配置がえをする方針で話し合いをいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/254
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255・矢嶋三義
○矢嶋三義君 防衛方はどなたが出席されておりますか。防衛庁長官の出席を要請したのですが、おいでになっていないんです。だれがお見えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/255
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256・千葉信
○理事(千葉信君) 防衛庁長官も、防衛政務次官も、今、行方不明だそうです。連絡中だそうですが、行方がわからないという事務局の返事でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/256
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257・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私は防衛庁と、自治庁は国務大臣か、さもなくば政務次官おいで願いたいということをお願いした。それから行政管理庁の方は、長官みずから事情釈明に来ましたから、行政管理庁の国務大臣はおいでいただかなくてよろしいということを了承しております。防衛庁と自治庁の大臣並びに政務次官はどうして出席できないかということを一応明確にしていただいて、それから質疑いたします。防衛庁と自治庁です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/257
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258・千葉信
○理事(千葉信君) お答えいたします。自治庁の政務次官は今連絡中だそうでございますが、その連絡がまだ十分達しておりませんので、後刻また御返事申し上げますが、先ほどお話し申し上げました防衛庁の長官の関係は、ただいまの連絡では、トルコ国防相と会見中だそうでございまして、政務次官は出張中だそうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/258
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259・矢嶋三義
○矢嶋三義君 残念ですが了承して、質問いたします。
では調達庁長官に伺います。あなたの所得のところの三百二十名の減員は、二百名を防衛庁に、それから百名を厚生省に配置転換をするということが確定しているということですが、この数字は間違いないかどうか。調達庁長官並びに防衛庁、さらに厚生省の百名というのは、今の段階では、百名という数字は特定されているのか。三者からそれぞれお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/259
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260・丸山佶
○政府委員(丸山佶君) お話の通り、三百二十名の定員減が三十四年度において調達庁は予定されておりますが、その措置に関しまして、各省庁協議いたしまして、約百名を厚生省の年金の関係に、約二百名というものを防衛庁の各部局に、それぞれ御採用を願う、こういう話のもとに、ただいま勤務場所その他実行上の処置につきまして話し合いを進めておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/260
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261・森本潔
○政府委員(森本潔君) 厚生省の態度は先ほど申し上げました通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/261
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262・矢嶋三義
○矢嶋三義君 防衛庁は、大臣、政務次官以外にだれか来ているでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/262
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263・千葉信
○理事(千葉信君) お見えになっておらぬようですが、至急手配いたしますが、その前に、丸山調達庁長官から御答弁をいただいて差しつかえございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/263
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264・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この問題は、調達庁は防衛庁の付属機関になっていますけれども、調達庁長官と防衛庁というものは、立場が違うのですから、防衛庁関係もいなくちゃだめです。だから、大臣、政務次官、いなかったら官房長を呼んで下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/264
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265・千葉信
○理事(千葉信君) 至急連絡します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/265
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266・矢嶋三義
○矢嶋三義君 そこで、厚生省に伺います。年金局の仕事というのは、かなり私は専門的な仕事も出てくると思うのですが、百名を調達庁から充足するとすると、あとの充足はいかようにされる考えでおられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/266
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267・森本潔
○政府委員(森本潔君) まず本省の方でございますが、これは現在各局から年金事務準備のための局を編成しておりまして、そこで大体要員が準備できております。それから地方におきましては、年金関係に関係のあります仕事、たとえば国民保険でありますとか、健康保険、あるいは社会福祉の仕事、こういう方面を主といたしまして、地方公務員の方、あるいは健康保険でございますれば国家公務員でございますが、主としてそういう方面から配置転換をはかりたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/267
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268・矢嶋三義
○矢嶋三義君 終戦処理に努力された調達庁の関係職員を、年金局の創設とともに受け入れるということは、非常に私どもけっこうなことだと思う。先ほど調達庁の長官から、厚生省に配置転換される百名について発言がありましたが、その通り了承してよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/268
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269・森本潔
○政府委員(森本潔君) 百名を目途といたしまして配置がえを考えております。ただし、先ほども申しましたように、年金の事務は非常に特殊な事務でございますので、それに適した人を御選択願って御推薦願いたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/269
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270・矢嶋三義
○矢嶋三義君 若干それは専門的な面もありますし、そういう職員も必要だが、全部が全部そうというわけではないのですからね。あなたの発言は全面的に私は受けるわけにはいかぬと思う。重ねて確かめておきますが、調達庁長官は、年金関係に一名厚生省に移しかえることにきまっている、こういうふうに答弁しておりました。厚生省の方は、百名受け入れるのはいいけれども、あなたのところの——言葉は適当でないが、わかりやすいから申し上げますが、子飼いの公務員は働きやすい所へやって、今度よそから受け入れる調達庁の公務員は、あまり当事者が好まないような職場につける、こういう不人情なことは、厚生省のお役人さんとしてはなさらぬと思いますけれども、
〔理事千葉信君退席、委員長着席〕
何か、さっきからちょっと聞いていると、調達庁長官の答弁とあなたの答弁には若手のニュアンスの差があるので、私はここで明確に承わっておきたいのですが、調達庁から配置転換になる百名は、国民年金関係に配置されるものだ、かように了承してよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/270
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271・森本潔
○政府委員(森本潔君) 百名配置転換を受けることになっております。それからその個々の人につきましては、なるべく国民年金の業務に携わっていただくにふさわしい人を、調達庁の内部でやりくりされまして差し向けていただくことをお願いしておるような次第であります。ですから、個々の人選につきましては、両省よく協議したいと思いますが、総ワクにおきまして百名程度を受け入れるということには間違いございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/271
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272・矢嶋三義
○矢嶋三義君 その年金局を創設することによって、今、防衛庁長官、責任者はお見えになっておりませんが、調達庁の定員減の分を引き受けるということは、大臣同士の話できまったということを承わっておるわけです。私は政務次官に伺いますが、従って、調達庁長官がさっき言明しましたように、年金局の方に私は従属すきである、かように考えますと同時に、調達庁から配置転換になるところの百名をまま子扱いにするようなことはゆめあってはならないことで、申すまでもないことだと思うのですが、政務次官の答弁をわずらわしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/272
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273・池田清志
○政府委員(池田清志君) ただいまの矢嶋委員の人事配置の御高見はまことにごもっともなことでございます。調達庁関係から件名というものを総ワクといたしまして、国民年金方面に採用するという受け入れの態勢を私どもは整えております。さて、その具体的な配置でありますが、本人の希望等もありますれば、希望にできるだけ即したいということを念願いたしております。なおまた、年令、職階等によりまして、おのずから上下の区別が出てくるわけでありますから、これらのことにつきましても、旧暦を尊重いたしまして、適当な所に配置したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/273
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274・矢嶋三義
○矢嶋三義君 池田政務次官からなかなかりっぱな御答弁をいただいて私は感銘しておりますが、一応やっぱり調査して、希望をとられて、できるだけ希望に沿うようにやられるわけですね。非常に私はけっこうなやり方だと思うのですが、念のために承わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/274
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275・池田清志
○政府委員(池田清志君) 今の問題は、ただいまの百名に限った問題ではありませず、御承知のように人事配置につきましては、そういう点を考慮するようにというようなことになっておりまするところからいたしましても、私はできるだけそういうふうにいたしたいと考えております。なお、百名選び出していただきますにつきましては、官房長から注文と申しますか、希望を申し入れておりますように、年金制度の関係に直ちに役立っていただけるような方面の方をお選びいただきたいという要望をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/275
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276・矢嶋三義
○矢嶋三義君 調達庁の定員減を見ますと、四等級から八等級まであるいは二等級から五等級まで行政職の位置によってそれぞれ等級別があるわけです。ですから、これを厚生省が受け入れる場合に、調達庁で整理された等級別の人を受け入れられるように、年金局の職員を充足する場合には、まず優先的にこれを取り扱っていかないと、百人が百人皆同じ色の人ではないから、受け入れ技術操作が非常にむずかしいと思うのですが、その点はどういうふうに政務次官としてお考えになっておりますか、承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/276
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277・池田清志
○政府委員(池田清志君) 今の具体的な御希望でありますとか、勤務の所でありますとか、あるいはまた国民年金制度に興味のある者とか、事務にたんのうであるとかいうことにつきましては、事務的には両者の間で村議をいたしておるところであります。なお、国民年金制度で、本省におきまして六十人、地方におきまして千七百四十人というものをふやして参りますのでございますから、調達庁からおいでいただきます方々をどこかまとめて、あるいは上位の方にということにもいかないかと思いますが、これらの点は、人事配置の関係においてむずかしいことを御了承いただきまして、なるべく先ほど来私が申し上げましたような趣旨に従いまして配置をいたしたいということを、御了解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/277
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278・矢嶋三義
○矢嶋三義君 調達庁長官に伺いますが、三百二十人の中の百人を、今度のこの設置法改正に伴って厚生省に引き受けていただくわけですが、あとの残りの分についても、いままでいろいろな苦しい状況下に終戦処理に従事して参りましたあなたの部下ですが、そういう方々の希望に沿うような配置転換が十分なし得る、また防衛庁の長官にも協力を仰ぎ、防衛庁長官は閣内においても強い発言をして、十分処理はなし得るという見通しを持っておられますか、また熱意をもっておられますか、承わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/278
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279・丸山佶
○政府委員(丸山佶君) 調達庁の職員の問題につきましてまことに御同情のあるお話、私感謝にたえないのでございます。長年終戦以後米軍の関係に従事して参つた当庁の職員、これが時勢の推移によりまして、業務減のために定員減になり、この人事処理の問題は、歴代の長官、またただいま私長官として、最も心を労しておるところでありますが、幸いにして先ほどからお話がありましたように、本年度におきまして厚生省並びに防衛本庁の御同情ある御協力を期待できる情勢でありますので、私は、まずは職員に心配をかけずにこの定員減の措置ができるものと確信いたしております。なお、具体的には、百名の措置に関しましては、本人の希望それから勤務場所いろいろの問題がございます。それらに関しまして、また厚生省といたされましても業務の関係、全般的な人事配置の関係等で受け入れの御都合もあることでございます。従いまして、それらの具体的な細目等の事項を、目下両方の人事当局者がいろいろ打ち合せをいたしておる次第でございます。なお、防衛庁関係は、これは御承知の通り昨年の八月以来調達庁は防衛庁の傘下の機関になりまして、いわば防衛庁といえども調達庁と現在一体の形でございます。従いまして、私調達庁の長官といたしましても、防衛庁の長官である大臣、次官その他人事当局の者とは、これはほんとうにもう自分の内輪のものとして、今回の百名ほどの配置転換の問題に関しましても、ずっと具体的の措置の打ち合せを続けて参っております。従いまして、結果的に見て決して職員全般に非常な不満を来たすようなことはないと私は信じ、またそのために最大の努力を払っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/279
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280・矢嶋三義
○矢嶋三義君 官房長に伺いますが、この年金局の職員構成に当っては、農林省で定員減九十五人ほどあるそうですが、それもあなたのところに吸収されるというふうに承わっておりますが、そうですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/280
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281・森本潔
○政府委員(森本潔君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/281
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282・矢嶋三義
○矢嶋三義君 これに関してですが、おそらくきょう衆議院で行政機関職員定員法が本会議で上って、わが参議院に送付されて参ると思うのですが、この修正とも関連しまして、農林省のこの九十五人減は解消するということが第一院の内閣委員会で話されたことを、私承わっておるわけです。そうなりますと、農林省の九十五人というのはなくなるわけですね。私は、内閣委員として防衛庁関係に格別の関心を持って、この調達庁業務を見守って参ったわけですが、その点、調達庁の職員の今後の行方並びに今後の調達庁の行政機構を将来どうしていくかという点について予算委員会でも若干聞き、自分でも考えを持っているわけですが、この職員に聞きますと、防衛庁の付属機関になっておるけれども、防庁よりは福祉国家を建設するわが国において厚生省に行って働きたいというのが、不思議ですね、非常に多いんです。多いのですよ。だから農林省の九十五人減によるあなたの方への配置転換というものがなくなった場合に、調達庁には相当優秀な職員もおるそうですが、その九十五人に相当する分を、調達庁とも十分連絡をとられて、調達庁側からあなたの方に配置転換されるような配慮をしていただければ、これは両々非常によろしいのじゃないかと思うのですが、政務次官いかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/282
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283・森本潔
○政府委員(森本潔君) ただいま農林省の定員減がなくなるかもしれないというお話でございますが、従来私どもそれを予想しておりませんでしたが、かりにそういうことになります場合におきましては、調達庁の方とも十分打ち合せをいたしまして、できるだけ御協力申し上げたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/283
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284・矢嶋三義
○矢嶋三義君 政務次官に伺いますが、その点はぜひ配慮していただきたいと同時に、私冒頭申し上げましたように、この保険、年金というものはなかなかこれはむずかしいもので、一部は、多くは要りませんが、相当数は保険数理等にきわめてたけた、専門といいますか、優秀な人を若干は入れて置かなくちゃならぬと思うのですがね、そういう点については十分配慮されておることと思いますが、念のために承わっておきます。このけたが一けた違っても大ごとですし、将来をずっとおもんぱかっておるわけですが、十分配慮してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/284
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285・池田清志
○政府委員(池田清志君) ただいまのお尋ねは、国民年金事業の内容に深くごたんのうの矢嶋さんから具体的な御発言がございまして、私どもこの国民年金の機構を中央及び地方に組織いたしまするにつきましては、こういう点を考慮に入れておるところであります。なお、農林省関係のその問題が、あるいは予定通りにならない場合におきましては、国民年金の関係におきまして、おいでをいただいてしかるべき人が多数いらっしゃろうかと思いますので、この問題につきましては、官房長がお答え申し上げましたように努めさしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/285
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286・矢嶋三義
○矢嶋三義君 次に自治庁のお方に伺いますがね、この法案によって、地方自治法附則八条に基く都道府県職員が千七百四十人増員されるとなっているわけですが、これは皆さん方の自治庁のお考えを聞きたいのですが、あの附則八条に基く職員の身分を地方公共団体に移すということはいかがなものなんでしょうかね。どういう御見解を持っておられるのか。また、自治体の方ではどういう考えを持っておられるのか、この際、承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/286
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287・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 国の仕事を府県にやらせるという場合に、私ども自治庁の君、つまり地方自治を推進するという立場に立つ者といたしましては、これはやはり吏員をしてやらせるというのが私は自治法の建前でもあるというふうに考えております。しかしながら、この自治法附則の八条にありますような仕事に従事する職員は、現に暫定措置として、国の公務員として置かれておるわけでございます。で、今回の国民年金の施行に伴う事務につきましても、私どもは建前は先ほど申しました通りの考え方を持っておりますけれども、この事務がきわめて重要な事務であり、また政府としても、直接執行について、各県同じようなレベルで整備をせねばならぬというようなこともございますし、さらにまた、同じような府県の事務が、現在自治法附則の八条で、国の公務員として、まあ暫定措置として残されておるわけでございますので、今回のこの国民年金施行に伴う事務についても、やはり今回は国の公務員としてこれはまあやむを得ないのじゃないか、こういうことで政府部内の意見は一致をしたわけでございます。従いまして、将来の方途としては、やはり自治法附則八条が「当分の間、」とありますように、逐次これは地方自治の本旨にのっとってやっていくべきものと、かようには考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/287
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288・矢嶋三義
○矢嶋三義君 「当分の間、なお、これを官吏とする。」というのでは、「当分の間、なお、」というのは、続いているわけですね。そうして、こういうことでまたこの機会に千七百人もふえてくるわけですね。それで、国の事務を自治体に委任するのなら、その事務費を国が負担するのは当然だしね、また今のように人件費を補助するのもこれは当然だと思うのですよ。だから、国の事務を委任しているのだから、事務費と人件費を出して、そうしてその身分は地方自治体に移す方が私はすっきりすると思うのですけれどもね。「当分の間、なお、」ということですから、そういうふうにすべきじゃないかと思うのですが、自治体側は一体どう考えているのですか。あなた方の基本的な考え方に抵抗はあるのですか、ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/288
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289・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) もちろん自治体としましては、ぜひまあ吏員というようなやり方でやってもらいたいという希望があることは事実でございます。しかし、まあ先ほど申しましたような考え方で、今回はやはり国の公務員として、まあ事務をやってもらうということがやむを得ないのではないかと、こういうように存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/289
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290・矢嶋三義
○矢嶋三義君 自治体の考え方、あなた方の考え方はわかりましたが、それにかかわらず、なおこういうのが惰性でずっといっているということは、自治庁以外の政府部内の省庁に抵抗はあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/290
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291・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) なかなか、抵抗があるかと言われますと、ちょっとこうお答えにちゅうちょするのでございますが、やはりそれぞれの省には省としての仕事の面から見て、やはり当分の間は国の公務員で仕事をやった方が斉一な整備ができるというようなお考えもあろうかと思いますので、私どもとしては、建前は建前として、やはりこういう仕事につきましては、現在の段階ではまあやむを得なかろうと、こういうことで政府部内の意見が一致したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/291
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292・矢嶋三義
○矢嶋三義君 だから私はきょうは大臣あるいは政務次官においでを願ったわけでですね、事務当局としては、それ以上の答弁は幾ら聞いてもできないと思う。するわけにもいかぬと思う。だから、こいねがわくは、こういう意見があったということを大臣と政務次官にお伝えいただいて、次の国会までに、あなたのところがイニシアをとって、政府部内で検討していただきたいと思うのですが、このお約束できますか発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/292
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293・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 大臣にも御趣旨の点をよく伝えて、善処したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/293
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294・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あと二点、行政管理庁の山口局長さんお見えになっておるから伺いますが、先ほどこの調達庁の縮小傾向に伴う定員減、その処理の一端をここで伺ったわけですけれども、今もこの国会に行政機関職員定員法が出ています。いずれ近く国会に国家公務員法の改正が提出されるようなことになりまするというと、さらに大がかりに、行政機関職員定員法というものに手を加えなくちゃならぬということに相なると思うのです、私は。そういう場合ですね、行政管理庁としては、定員関係については各省との連絡調整をとり、相当の発言権を持っているわけですからね、だから、行政管理庁当局としては、この調達庁の職員の将来の身の振り方については格別の配慮を、行政機関職員定員法を扱う場合に、政府部内において考慮すべきである。努力すべきだと思うのですが、そういう御用意があるか、念のために山口局長に伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/294
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295・山口酉
○政府委員(山口酉君) 調達庁につきましては、業務の減少傾向にかんがみまして、本年も三百二十人の減員を予定いたしましたが、将来も減員傾向が予想される状況にございます。しかし、一方におきましては、他の省庁におきまして、いろいろの事由で増員される場合も予想されるわけでございます。本年国民年金関係で相当の増員がございますが、その方面に一部吸収するような措置を講ぜられましたが、なお年金関係につきましても、将来業務量は増大していく傾向にございますので、さような他の省庁との関連におきまして、できるだけ実際の出血を避けるように、行政管理庁といたしましても極力努力いたしたいと存じております。
なお、調達庁につきましては、防衛庁の準外局になっておりますので、防衛庁自体の業務の面におきましても、できるだけ転換をはかっていただくというような線で協議、あっせんをいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/295
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296・矢嶋三義
○矢嶋三義君 おそくなりましたから、門叶官房長お見えになったようですから、一つだけ伺っておきます。
今もちょっと出ましたが、ちょうど年金局に調達庁の職員百人を吸収する、配置転換をやるという点について伺ったわけです。今後の立法府における審議の情勢の変化によっては、厚生省としてはさらに考慮、善処しようという御答弁をいただいているわけであります。調達庁においては、約二百人を外局である調達庁から防衛庁の方に引き受けられるということを承わっています。これらについては十分防衛庁長官が所管大臣になっておりますから考慮されていると思うのですが、その点と、それからついでに、予算委員会でこの問題を私質問した場合に、調達庁の今後の恒久的行政機関としてのあり方については、鋭意政府部内において特に所管の防衛庁長官において研究、考慮中である、近く結論が出ると思うということでしたが、この機会に、どういう考究をされ、どういう結論が出んとしているか、それらの点についてお等えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/296
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297・門叶宗雄
○政府委員(門叶宗雄君) ただいまの矢嶋委員の御質問にお答えを申し上げます。
調達庁は、今回は三百二十名の減員と相なるわけでありますが、先ほどお話がございました通り、そのうち百名につきましては厚生省方面でお考え願いまして、残余の分、二百二十名については防衛庁の今回のいわゆるシビリアンの増員に関連いたしまして、ぜひ考慮いたしたいと、諸般の準備を整えつつある次第であります。
なお、調達庁今後の行政機構問題につきましては、私の方といたしまして目下鋭意検討を続けておる次第であります。防衛庁と調達庁におきましては、たとえば施設の問題等におきましても相当共通の面がございまして、これらに関連してすみやかに成案を得たい。ただ、現在の段階において、まがかくかくの次第であるということを申し上げる段階に至っておりませんが、誠意をもってすみやかに成案を得たいと、目下検討を重ねておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/297
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298・矢嶋三義
○矢嶋三義君 これが最後ですが、この法律案は、冒頭に申し上げましたように、珍しくりっぱな法律案でありすすので、時間もおそくなりましたし、この一問で終りますが、適正にして活発なる運用によって所期の目的を十分達せられるように、特に要望を申し上げておきます。
最後のお伺いといたしましては、千鳥ケ淵戦没者墓苑が先般あの地にでき上ったことは御苦労でした。非常にけつこうなことでございます。これを国立公園部の方で維持、管理されると、そうして常勤職員を二人置かれるやに承わっておるわけですが、お願いしたい点は、清浄な地として維持、管理できるように、格段の意を払っていただきたい。二人の常勤では私は無理じゃないかと思うのですよ。最近のこの国立公園部の維持、管理を見ていますと、皇居前の公園にしましても、あるいは新宿御苑にしても、一時よりはずっと管理状況がよくなってきたようですが、先般私は土曜日の夜に——話が違いますが——上野の公園に花見を見に行ったわけです。花見の状況を見に行ったわけです。ともかく驚いたのです。まさに外国人なんかに見せられるものではなくて、国辱ものです。それについてはここで多言をいたしませんが、あなたのところの所管の国立公園、特に今度これは戦没者の霊を慰める場所ですから、常勤二名予定されているということですが、願わくば省内で操作されて、若干ふやせるものはふやして、ともかく敬虔にして清浄なる場所としてぜひ維持管理していただきたい。これは強く要望するとともに、これに対する御見解を政務次官から承わって、きょうの質問は終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/298
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299・池田清志
○政府委員(池田清志君) 千鳥ケ淵戦没者墓苑につきまして、長いこと皆様方の御協力をいただいておりましたが、幸いにも去る二十八日竣工をいたし、天皇、皇后両陛下の行幸啓を仰ぎまして慰霊祭をおごそかにとり行うことができましたことは、私ども心安らかなるものがございまして、皆様方に心よりお礼を申し上げます。
御承知のように、あの墓苑はいわゆる聖域として長く長くりっぱに保存していかなければならない所であります。国立でありまする関係上、厚生省の私どもがそのことを担当いたし、省内におきましては公園部がこれに当るのでありますが、これはまさしく御指摘の通りに私どもは考えておるところであります。これに配置いたしました二名をもちましては少いではないかという御指摘でございますが、これは御承知のように宮城、外苑につきまして管理をいたしておりまするところから、その管理課に一緒にあわせましてこれを管理して参りますので、現在におきましては御趣旨に反するようなことはないと確信をいたしております。なおまた、この墓苑につきましては、御承知のように奉仕会という民間団体もおできになっておりまするので、この方々もその聖域維持に御努力していただくことを私は感謝をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/299
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300・永岡光治
○委員長(永岡光治君) ただいまの矢嶋君の発言に関連いたしまして、委員長から特に要望いたしたいことがあるわけでございますが、調達庁の職員の身の振り方については、先ほど質疑の中で明確になりましたが、もとよりこれは誠意をもってその受け入れに当ることは当然でありますが、問題は抜本的な解決の問題でありまして、ただいま門叶官房長の御答弁によりますと、検討を進めておるというお話でありますが、行政組織法上の委員会とか調査会というのは別といたしまして、特に責任のある国務大臣を持っておる防衛庁におきましては、何らかの形において、その問題に早急に結論を出すような対策委員会と申しましょうか、何といいましょうか、そういうものを設けて検討していただくものと理解いたしておりますが、そのように解釈してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/300
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301・門叶宗雄
○政府委員(門叶宗雄君) 先ほども御答弁申し上げました通り、この問題は防衛庁といたしましてもきわめて重要な問題でございますので、人事局長及び考査官を中心にしてこの問題について真剣に考究いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/301
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302・八木幸吉
○八木幸吉君 簡単にお伺いいたしますが、老齢、障害、母子年金の給付額は本年は百億七千八百万円、その事務取扱費が九億七千五百万円、これは平年度でありますと、年金給付額が幾らになるか、それが一つと、それから事務費は平年度におきましてもこの程度でいいのかどうか、それが一つ。それから事務費の中には、地方に仕事を移譲するのでありますが、移譲をしたために国からそれに要する費用を交付するわけでありましょうが、その金額も入っておるかどうか。もし入っていなければ、その金額は平年度でどれくらいになるのか、今年度でどれくらいになるか、この三点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/302
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303・小山進次郎
○政府委員(小山進次郎君) 第一の、平年度どのくらいかという問題でございますが、今年度は四カ月分の給与費を組んでおりますので、無拠出年金の平年度はその三倍でございます。大体三日十億から十五億程度というふうに考えられたらいいと思います。
それから事務費につきましては、今年度組んでおりますのは無拠出に関係した事務費でございます。この事務費の中には、本省の豊川はもちろん、地方に委託する場合の費用も全部組んでございます。無拠出に関する限り、大体これが平年度の事務費に近いのでございます。なお三十六年度から保険料の徴収を行いまして、本格的な拠出制度年金が始まりますが、この場合の事務費は、これまた別でございます。どのくらいの額になるかということについては、昨年来厚生省を中心に、関係省で検討しているところでございますが、まだ額を示して申し上げる程度にまでは固まっておりません。しかし、相当の費用になるものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/303
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304・八木幸吉
○八木幸吉君 次に、この無拠出の年金の交付額と事務費との比率は、同じような制度が外国にあれば、それと大体似たものがあるかどうか、これが一点。
もう一点は、問題は違いますが、医療制度調査会が今度設けられるのでありますけれども、今、厚生省にある医療審議会、それから医道の向上に関する重要事項を審議する、医道審議会、これと一体どういう関係にあるか。あるいはこの三つを一つにすることができないかどうか、この二点を伺って、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/304
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305・小山進次郎
○政府委員(小山進次郎君) 無拠出の給付費と事務費との関係については、別にこれといった一つの基準はございません。給付額がいかに多くございましょうとも、たとえば所得制限がないとかというふうに単純な仕事になりますならば、給付額が五百億であろうと六百億であろうと、事務費としてはむしろ少くて済むわけであります。その意味におきまして、現在私どもが御審議をいただいております案は、残念ながらいろいろ所得制限が強くなっておりますので、勢い事務費も思いのほかかかった、こういうことになっております。なお拠出の場合の事務費と給付費の関係については、制度の立て方によっていろいろございます。たとえば給付費の一五%程度というものが大体の例でございますが、多い場合は二五%程度までなっておる分もございます。いずれにしてもこれは将来の問題として、なるべく少い事務費で効果の上るようにしていきたいという研究をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/305
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306・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) ただいまあります医療審議会は、医療機関の配置、計画等を調査審議する機関でございます。なお、公的医療機関等の医療報酬について調査審議する機関であります。医道審議会は医師のこの人格と申しますか、道徳と申しますか、それに関与するものでございまして、医師において、医師として不適当な医師があった場合におきまして、行政処分等につきまして審議する機関でございます。今回設置を計画しております医療制度調査会は、これらのものを含め、さらに深く医療制度全般にわたって審議検討いたしたい。こういう機関でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/306
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307・八木幸吉
○八木幸吉君 全般にわたるものであるし、今の、含めるなら、吸収合併といいますか、吸収合併して、前のやつを二つやめてしまうということはお考えになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/307
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308・小澤龍
○政府委員(小澤龍君) 実は今回医療機関の配置につきまして、従来は医療機関は自由設置です、どこにでも好きな所に作られたのでありますが、医療機関は都市偏在の傾向が強いので、公的なあるいは公けの医療機関の、特に病院の配置規制をいたしたいと考えております。実はそれに関する医療法の一部改正法案を提出してございますが、この法案が通りますると、どういう地域にどの程度の医療機関を配したらいいかという、具体的な審議をいたします機関がなければなりません。それがただいま御指摘の医療審議会でございます。
それからまた医道審議会におきましては、年々相当数の医師の行政処分の問題等が出て参りますので、その行政処分等につきまして、そのケース、ケースを審議しなければなりませんので、今にわかにこれを廃止するわけには参らぬのでございます。なお、この医療制度調査会はニカ年の時限立法でございまして、二カ年たちますというと、わが国の医療制度の根幹についての結論をいただきまして、これを廃するものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/308
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309・八木幸吉
○八木幸吉君 行政管理庁の方で、これの合併を御検討になりましたか、なりませんか、簡単に御寺弁を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/309
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310・山口酉
○政府委員(山口酉君) 検討はいたしたのでございますけれども、ただいま御説明のありましたような理由で、今回は合併を見合わせた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/310
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311・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認め、これにて本案の質疑は終局することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/311
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312・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御発言もなければ、これより直ちに採決に入ります。
厚生省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)全部を問題に供します。本案を、衆議院修正送付の原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/312
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313・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 全会一致と認めます。よって厚生省設置法の一部を改正する法律案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、議長に提出する審査報告書の作成につきましては、慣例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/313
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314・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう取り計います。
ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/314
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315・永岡光治
○委員長(永岡光治君) 速記を始めて下さい。
本日は、これにて散会いたします。
午後六時三十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103114889X01819590407/315
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