1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年三月四日(水曜日)
午前十時二十五分開議
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議事日程 第十四号
昭和三十四年三月四日
午前十時開議
第一 消防法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第二 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第三 開拓融資保証法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第四 森林開発公団法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第五 企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第六 株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
第七 昭和三十三年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第八 酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第九 在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第一〇 社会福祉事業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第一一 中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案(内閣提出)
第一二 工場立地の調査等に関する法律案(内閣提出)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/0
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001・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
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002・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
内閣総理大臣から発言を求められました。この際、発言を許します。岸内閣総理大臣。
〔国務大臣岸信介君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/2
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003・岸信介
○国務大臣(岸信介君) 去る二月二十五日の当本会議における私の留保答弁に際しましては、私の不注意のため、答弁漏れその他疎漏の点のありましたことについて、ここに遺憾の意を表します。今後十分注意いたしたいと存じます。
この際、答弁漏れの点についてお答えをいたします。
第一は、ドレーパー氏と会談したとき、ドレーパー氏は、日本側にいかなる意見を述べたかという御質問でございます、ドレーパー委員長からは、「今回自分が大統領の特命によって特に調査を命ぜられた事項は、アメリカと軍事並びに経済援助に関係ある諸国に対する過去八年間の軍事援助並びに経済援助の実情の調査と、その結果に基く軍事援助並びに経済援助の今後の対策をどうすべきかという点にあるのであるから、これらの点について忌憚のない意見を伺いたい」ということでありました。
第二は、いわゆる植村構想の提示があったのではないか、また植村構想に対する所見はどうかということであります。植村氏がドレーパ一氏と会い、防衛産業のあり方等について、いろいろと意見を述べたということは承知いたしております。わが国に対する米国の軍事援助は、今後次第に無償援助から有償援助へと切りかえられるものと予想されますが、この場合、有償援助についてはできるだけ円貨払いとし、これを国内に積み立てて域外調達に充てるという、植村氏の構想そのものにつきましては、国内産業育成の上から好ましいと考えますので、その趣旨には賛成であります。しかしながら、無償援助が急激に削減されることは、防衛関係費の膨張をもたらすことになりますので、今直ちにこれに賛成いたしかねます。しかしながら、将来の問題としては、米国の対外援助の推移とにらみ合せて慎重に研究をいたして参りたいと存じます。(拍手)
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/3
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004・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 日程第一、消防法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
まず委員長の報告を求めます。地方行政委員長館哲二君。
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〔館哲二君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/4
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005・館哲二
○館哲二君 ただいま議題となりました消防法の一部を改正する法律案について、委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
本法案は、危険物の規制の改善と徹底をはかることを中心として、消防法の一部を改正するものでありまして、その内容は、第一に、従来危険物の規制に関する実施規定を市町村の条例にゆだねておりました点を改めて、法律またはこれに基く命令で規定するものとすることであります。
第二は、消防吏員を有しない市町村、すなわち消防本部及び消防署を置かない市町村の区域にかかるものについては、都道府県の知事をして危険物に関する行政を行わしめるというものであります。
第三は、危険物の製造所、貯蔵所等の位置、構造、設備並びに危険物の貯蔵、取扱い、運搬などの方法につきまして、政令で画一的な基準を定め、この基準に従って危険物を取り扱わしめるものであります。
第四は、危険物取扱主任者及び映写技術者は、都道府県知事の行う試験に合格して免状の交付を受けた者でなければならないとすることであります。
第五は、危険物に属するもののうち、動植物油類及び塗料類について、別表を改正して、これらの性状に即した規制が行われるよう合理化をはかる等のことを要点とするものであります。地方行政委員会におきましては、二月十七日、青木国務大臣から提案理由の説明を聞いた後、当局との間に質疑応答を重ねて慎重審査を行いましたが、その詳細につきましては会議録によって御承知を願いたいと存じます。ただ、この際、右の質疑応答の中で、特に各委員より、今回の改正が消防法上の危険物だけに限られ、これと並んで火災防止上ゆるがせにすることのできない電気に関する施設等の保安の問題には何ら触れておらず、いわばこの点が野放し状態に置かれているのは遺憾である、これについて政府は早急に研究を進めて、適当の対策を考えるべきではないか、との発言が強くなされましたことを申し添えておきます。
二月二十六日討論に入りましたところ、大沢委員は自由民主党を代表して、本法案に賛成の旨を述べられ、附帯決議案を提出されました。すなわち、その内容は、
政府は、電気による火災の増加と、この災害の発生が、国民生活に与える影響の重大性に鑑み、電気工事をする者の資格試験の実施、不良電気器具の排除等、電気火災防止のための措置に遺憾なきを期すべきである。
右決議する。
というものであります。
かくて採決の結果、本法案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
次いで大沢君提出の附帯決議案は、これまた全会一致をもってこれを委員会の決議とすることに決定した次第であります。
以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/5
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006・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/6
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007・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/7
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008・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 日程第二、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案、
日程第三、開拓融資保証法の一部を改正する法律案、
日程第四、森林開発公団法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、
以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/8
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009・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。農林水産委員長秋山俊一郎君。
〔秋山俊一郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/9
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010・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 ただいま議題となりました農林水産関係の三つの法律案について、農林水産委員会における審査の経過並びに結果を報告いたします。まず、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案について申し上げます。
農林漁業の生産力の維持増進に必要な長期かつ低利の資金を融通する機関として、昭和二十八年、農林漁業金融公庫が設置され、今日に至っておりますが、公庫に対する政府の出資を、昭和三十四年度において、一般会計から七億円、産業投資特別会計から七十億円、合計七十七億円増額するとともに、造林に必要な資金の貸付条件について、従来、償還期限二十年以内、据置期間五年以内となっておりましたが、これを償還期限十五年以内、据置期間二十年以内に改めるため、この法律案が提案されたのであります。
委員会におきましては、農林漁業金融の疎通及び公庫融資の促進等に関する諸般の問題について政府の所見がただされ、かくて質疑を終り、討論に入り、東委員から日本社会党を代表して、造林融資を森林組合等林業者団体に優先重点的に行い、造林の促進をはかるべき旨の、また、千田委員から、融資の公正を期すべき旨の希望を付して賛成が述べられ、続いて採決の結果、この法律案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
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次に、開拓融資保証法の一部を改正する法律案について申し上げます。
昭和二十八年、開拓融資保証法が制定され、開拓者の団体と政府または都道府県との共同出資によって、中央及び地方に開拓融資保証協会を設立し、開拓者の金融機関に対する債務を保証して開拓者の農業経営に必要な資金の疎通に努めてきているのであります。しかして政府は、現在、中央開拓融資保証協会に三億一千万円を出資しているのでありますが、昭和三十四年度においてこれを八千万円増額して、保証ワクの拡大をはかろうとするのが、この法律案の提案の理由並びにその内容であります。
委員会におきましては、開拓営農の現況、開拓に関する基本方針及び開拓振興対策等について政府の見解がただされ、かくて質疑を終り、討論に入り、雨森委員から、自由民主党を代表して、法律案に賛成し、さらに、開拓営農の振興安定、特に開拓者の負債の整理と天災融資の疎通に関し、政府の善処を求める趣旨の附帯決議を提案せられ、続いて清澤委員及び千田委員から、開拓営農振興対策の強化と附帯決議の措置の完遂を希望して、賛成が述べられ、続いて、採決の結果、この法律案は、全会一致をもって、雨森委員提案の附帯決議とともに原案通り可決すべきものと決定いたしました。
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次に、森林開発公団法の一部を改正する法律案について申し上げます。
年々増加する木材の需要に対処して奥地未利用林を開発するため、国有林については国有林野事業により、また、民有林については、国庫の補助あるいは長期低利の融資、特に熊野川流域及び剣山周辺の地域では森林開発公団によって、林道開設事業が行われております。ところが、奥地幹線林道の開設を一段と促すため、国有林の民有林協力の一環として、豊富な森林資源を持つ国有林と民有林が相接して所在し、これらの森林の開発がおくれている地域のうち、政令で定める区域内の森林を開発するため必要な奥地幹線林道、すなわち関連林道の開設または改良事業、及びこれら林道で工事期間中の災害復旧事業を国有林野事業として行うこととし、しかしてこれらの国有林野事業を国の委託によって森林開発公団が行うことができることとしようとするのが、この法律案が提案された理由並びにその内容の骨子であります。委員会におきましては、林道の開設及び管理その他について政府の見解がただされ、かくして質疑を終り、討論に入り、別に発言もなく、採決の結果、この法律案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
以上、これが詳細は会議録に譲ることを御了承願いたいと思います。
右、報告を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/10
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011・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/11
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012・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって、三案は全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/12
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013・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 日程第五、企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法の一部を改正する法律案、
日程第六、株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出)、
日程第七、昭和三十三年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案、
日程第八、酒税法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、
以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/13
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014・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。大蔵委員長加藤正人君
〔加藤正人君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/14
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015・加藤正人
○加藤正人君 ただいま議題となりました四法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、企業経営の実情にかんがみ、再評価積立金の資本組み入れを促進するため、昭和三十五年三月末日を含む事業年度の直前の事業年度までの間、資本組入率が三割未満の場合には、年一割五分をこえる配当ができないこととなっております現行規定を若干強化して、昭和三十五年三月末日を含む事業年度以降二年間は、資本組入率が三割未満の場合には年一割二分をこえる配当を行なってはならないこととし、また五割未満の場合には年一割五分をこえる配当を行なってはならないことに改めようとするものであります。
なお、この適用期限が終了した後においても、企業資本充実の緊要性にかんがみまして、引き続いて資本組み入れの促進をはかる措置を講ずることを規定しております。
また、損失を埋めるための再評価積立金を取りくずす場合、現行法におきましては、株主総会の普通決議で行なうことになっておりますが、今回、株主保護の観点から、これを減資の手続と同様に株主総会の特別決議を要することに改めようとするものであります。
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次に、株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、資本組み入れ及びその新株の発行の場合、株主総会の特別決議によらねばならないこととなっております現行規定を改めまして、定款に特別の規定がない限りにおきましては、一般の有償増資の場合と同様に、取締役会の決議で行い得ることといたしまして、資本組み入れの簡素化をはかろうとするものであります。
また、資本組み入れによって新株を発行する場合に生ずる端数株式の処理につきましては、現行では切り捨ててよいこととなっておりますのを、株主の権利を尊重する意味から、端株の売却等によってその代金を株主に分配することに改めようとするものであります。
委員会におけるこれら両案の審議につきましては、わが国経済の体質改善について、二参考人より意見を聴取するほか、本案施行に伴う証券市場への影響等につきまして熱心なる質疑応答がありましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
質疑を終了いたしまして、両案一括して討論、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
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次に、昭和三十三年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案について申し上げます。
昭和三十三年産米穀につきましては、所要数量の確保をはかるために、生産者からの事前売り渡し申し込みによる集荷制度が実施されたのでありますが、本案は、昨年と同様、昭和三十三年分の所得税について、その売り渡しの時期の区分に応じ、玄米一石当り平均千四百円を非課税とする措置を講じようとするものであります。
委員会の審議におきましては、昭和三十四年度移行の本特例措置廃止と米価との関係等につきまして質疑応答がありましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
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最後に、酒税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本改正案のおもなる点を申し上げますと、第一に、酒税の税率を一石当りより一キロリットル当りに改める等、尺貫法による計量単位がメートル法に変更されたのに伴う所要の改正を行おうとするものであります。第二は、みりん甲類が大部分調味料に使用されている現状から、他の調味料及び種類の税負担との均衡を考慮して、税率を引き下げ、一キロリットル十四万円としようとするものであります。その他、みりん乙類の規格の引き上げ、即売会場等における期限付販売免許等、所要の改正を行おうとするものであります。
本委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。
質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)
発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/15
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016・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/16
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017・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより四案の採決をいたします。
まず、企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法の一部を改正する法律案、
株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律の一部を改正する法律案、
昭和三十三年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案、
以上三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/17
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018・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって三案は可決せられました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/18
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019・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 次に、酒税法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/19
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020・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/20
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021・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 日程第九、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず委員長の報告を求めます。外務委員長杉原荒太君。
〔杉原荒太君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/21
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022・杉原荒太
○杉原荒太君 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案につき、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
この法案の内容は次の二点であります。
第一点は、政府においては、ハンガリーとの国交回復を初め、貿易、移住の促進等、わが国の対外関係の改善に資するため、在外公館の新設並びに昇格を行う必要を認め、その法的措置として、在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正しようとするものであります。すなわち、この改正によって、ハンガリーに公使館を、ブラジル南部のポルト・アレグレに総領事館を、米国テクサス州のヒェーストンに領事館をそれぞれ新設し、また既設のイラク、レバノン、ポルトガルの三公使館をそれぞれ大使館に、ニューオルリンズ及びカサブランカ領事館を総領事館に昇格しようとするものであります。
第二点は、以上の新設及び昇格の措置に伴い、当該公館に勤務する外務公務員の在勤俸を設定し並びに所要の訂正を加えるため、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正しようとするものであります。委員会の審議におきましては、ヒューストン及びその所在のテクサス州が合衆国において占める政治的、経済的地位の比重特に大なるにかんがみ、新設の領事館を早期に総領事館に昇格する意向はないかという点、ハンガリーとの国交回復の形式並びにその時期、新設ハンガリー公使館の任務、国交夫回復国であるハンガリー、ルーマニアとの国交回復並びにそれらの国に公使館設置についての見込み等について本質疑が行われましたが、詳細は会議録につき御承知願いたいと存じます。
委員会は、昨三月三日、質疑を終了し、採決を行いましたところ、本法律案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
以上報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/22
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023・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/23
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024・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めますよって本案は全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/24
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025・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 日程第十、社会福祉事業法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
まず委員長の報告を求めます。社会労働委員長久保等君。
〔久保等君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/25
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026・久保等
○久保等君 ただいま議題となりました社会福祉事業法の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
本法律案は、精神薄弱者援護施設を経営する事業を第一種社会福祉事業に加えることを、その内容とするものであります。精神薄弱者に対する福祉施策といたしましては、従来、児童福祉法により、十八才未満の精神薄弱児童を対象とする収容施設及び通園施設を設置の質問に対しては、政府委員より、「民間でこの種の社会福祉事業に経験を持った熱心な人がやることは非常に大事なことでありますので、昭和三十五年度において考慮いたしたい」との答弁がありました。その他、民間篤志家の処遇改善、施設における精薄者に対する職業訓練等についても論議が行われたのでありまするが、詳細は会議録によって御了承を願いたいと存じます。
かくて質疑を終り、討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定した次第であります。
以上御報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/26
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027・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 別に、御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/27
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028・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/28
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029・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 日程第十一、中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案(内閣提出)を議題といたします。
まず委員長の報告を求めます。運輸委員会理事相澤重明君。
〔相澤重明君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/29
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030・相澤重明
○相澤重明君 ただいま議題となりました中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案につきまして、運輸委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。
まず本法案の趣旨について申し上げますと、本法案は、中小造船所が、需要の不安定及び資本蓄積の乏しいため、大手造船所に比べてその施設及び技術が著しくおくれている現状にかんがみ、最近における東南アジア諸国に対する賠償の進展や、中小型船に対する輸出の引き合い等、需要の増加に対応して、船舶の性能の向上及び船価の低減をはかるために、その合理化を促進しようとするものであります。本法案は五カ年の臨時立法でありまして、その骨子とするところは次の通りであります。すなわち
第一点は、昭和三十八年度末における合理化目標等につきまして基本計画を定め、次に、毎年これを実施するため実施計画を定めて公表し、中小造船業合理化に関する政府の施策を明らかにすることであります。
第二点は、合理化実施計画達成のため、政府は所要資金のあっせんに努め、また技術向上のための基準を定めて公表し、中小造船業の合理化を促進することであります。なお、このため、三十四年度予算に標準船型設計委託費四百万円が計上されております。
第三点は、モーターボート競走法の一部を改正し、全国モーターボート競走会連合会に対する交付金を造船業の合理化に対し利用し得る道を開き、本法の目的達成の一助とすることであります。
この法律案につきましては、熱心な質疑が種々行われたのでありますが、取りまとめて申し上げますと、第一は、合理化計画案の構想に関する質疑でありまして、これに対し政府委員は、「合理化計画は海運造船合理化審議会に諮って決定し、その原案は、この審議会に小委員会を設け、そこで検討してもらう。合理化計画については、中小造船所の実態を明確にし、一方、中小造船所に対する需要の正確な把握に努め、もって合理化の基本資料としたいが、合理化計画は、現在の事業規模においてその内容を充実させることに最大の眼目を置き、現在の中小造船所の整理統合は考えていない」との趣旨の答弁がありました。第二は、合理化のための所要資金に関する質疑でありまして、政府委員は、「中小造船所の合理化所要資金は、五カ年間で大体五十億円、本年度約十億を見込まれるが、その半額を開銀融資に待ち、他の半額については市中金融機関からの融資のあっせんに努めたい」旨、答弁いたしました。第三は、政府による融資あっせんの運用に関する質疑でありまして、政府委員は、「融資あっせんに当っては、市中金融機関との共同融資になるので、銀行側との意見の調整を要するが、ぜひ必要なものについては運輸省当局として強く推進したい。また小規模業者についても、その内容を充実させる方向で進みたい」旨、答弁いたしました。
その他、中小造船所の資本規模、経営状況、労務状況、中小型船に対する輸出等の需要見込み、並びにこれに関連して、賠償関係、鋼材価格の安定策、全国モーターボート競走会連合会の交付金利用期待額等について質疑が行われたのでありますが、その詳細は会議録に譲ることを御了承願いたいと存じます。
討論に入りましたところ、相澤委員及び松浦委員より、それぞれ、資金のあっせん等については公平に行い、いやしくも中小造船所が政府の施策によって脱落することとならないよう、十分考慮して本法を運用されたい趣旨の要望を付して、賛成意見が述べられました。かくて採決に入りましたところ、本法案は原案通り可決すべきものと全会一致をもって決定いたした次第であります。
以上御報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/30
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031・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/31
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032・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/32
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033・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 日程第十二、工場立地の調査等に関する法律案(内閣提出)を議題といたします。
まず委員長の報告を求めます。商工委員長田畑金光君。
〔田畑金光君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/33
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034・田畑金光
○田畑金光君 ただいま議題となりました工場立地の調査等に関する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果の概要を御報告いたします。
近年における工業生産の著しい増大と技術革新の目ざましい展開にもかかわらず、わが国においては新規工業地帯の造成と開発がおくれ、既成工業地帯に工場が過度に集中しておりますために、種々の看過し得ぬ問題が発生していることは、御承知の通りであります。かかる事態に対処するためにまず必要なことは、わが国のすべての工場適地の立地条件について、国家的見地からする科学的な調査を行い、その結果を、新たに工場を設置しようとする企業に広く利用せしめることによって、わが国工場立地の適正化をはかることなのであります。本法案はかかる趣旨に基いて立案せられたものでありまして、その内容を申し上げますと、
第一に、工場適地の調査については、通商産業大臣が調査地区の実地調査並びに当該地区の立地条件に関する資料の収集によって行うものとしております。なお、その際、必要ある場合は、関係事業者より、その業務の状況についての報告を徴取し得るとの規定があります。
第二に、調査結果の利用については、工場立地調査及び事業者よりの報告に基いて作成された工場立地調査簿を、一般の閲覧の用に供せしめることにより行うこととしておりますが、また、新たに工場を設置しようとする者は、通商産業大臣に対し、必要な助言を求めることもできるのであります。
第三に、通商産業大臣の諮問に応じて、調査地域の選定、調査方法、その他、工場立地調査に関する重要事項について調査審議するものとして、工場立地調査審議会を設置することを規定しております。
以上が本法律案の大要であります。当委員会における審査の際に問題となりましたおもな点は、実際の工場立地調査の内容とその方法、通商産業大臣の助言の性格とその範囲、欧米における工業立地問題とその対策、中小工業のための工場立地施策、将来の工場地帯造成事業への見通し等の問題でありますが、その詳細は会議録に譲ることをお認め願いたいと存じます。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、栗山委員から、次の附帯決議を付して、賛成意見が述べられました。その附帯決議案は、
わが国経済における工業化の進展にかんがみ、政府は、本法の施行とあわせて、全国的視野に立つ工場立地適正化のための計画を樹立し、新工業地帯の開発造成をはかるため一段と強力なる施策を講ずるとともに、企業の立地指導に当っては中小企業に対しても適切な配慮を加え、立地の適正化を期するよう格段の努力をなすべきである。
というのであります。
次いで、小幡委員からも、本法案及び附帯決議案について賛意が表明されました。
討論を終り、採決いたしましたところ、本法律案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお、栗山委員から提案されました附帯決議案も、これまた全会一致をもって原案通り本委員会の決議とすることに決定いたしました。
以上御報告を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/34
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035・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/35
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036・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/36
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037・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) この際、お諮りいたします。岡田宗司君、佐多忠隆君、曾祢益君から、いずれも海外旅行のため、明日から十一日間請暇の申し出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/37
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038・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よっていずれも許可することに決しました。
次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時九分散会
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○本日の会議に付した案件
一、日程第一 消防法の一部を改正する法律案
一、日程第二 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案
一、日程第三 開拓融資保証法の一部を改正する法律案
一、日程第四 森林開発公団法の一部を改正する法律案
一、日程第五 企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法の一部を改正する法律案
一、日程第六 株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律の一部を改正する法律案
一、日程第七 昭和三十三年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案
一、日程第八 酒税法の一部を改正する法律案
一、日程第九 在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案
一、日程第十 社会福祉事業法の一部を改正する法律案
一、日程第十一 中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案
一、日程第十二 工場立地の調査等に関する法律案
一、請暇の件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01419590304/38
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