1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十四年三月十八日(水曜日)
午前十時五十五分開議
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議事日程 第十七号
昭和三十四年三月十八日
午前十時開議
第一 千九百五十八年の国際砂糖協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第二 盲学校、聾(ろう)学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第三 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタンとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案(内閣提出)
第四 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とノールウェーとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案(内閣提出)
第五 関税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第六 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第七 国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第八 海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
第九 旅行あつ旋業法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
第一〇 児童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第一一 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/0
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001・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
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002・平井太郎
○副議長(平井太郎君) これより本日の会議を開きます。
この際お諮りをいたします。三月三十日から四月五日まで、フランスのニースにおいて開催される列国議会同盟本年度春季会議に、本院から宮澤喜一君を派遣いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/2
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003・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 御異議ないと認めます。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/3
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004・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 日程第一、千九百五十八年の国際砂糖協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
まず委員長の報告を求めます。外務委員長杉原荒太君。
〔杉原荒太君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/4
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005・杉原荒太
○杉原荒太君 ただいま議題となりました千九百五十八年の国際砂糖協定の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
この協定は、一九五三年の国際砂糖協定が昨年末終了することとなっておりましたので、これにかわる新たな協定として、昨年十月ジュネーブで開催された国際砂糖会議において作成されたものであります。この協定は、従来の協定の運用の成果を考慮して、種々の修正を加えておりますが、その根本の趣旨とするところは従来のものと同様でありまして、砂糖の輸出入国の立場を相互に調整し、世界の自由市場における砂糖価格を安定させることを目的としております。
政府におきましては、わが国がこの協定の当事国となることによって、砂糖輸入国としてのわが国の立場を十分に保護することができるのみならず、自由市場の砂糖需給計画の樹立に積極的な役割を果すことができるとの見解に立ち、昨年十二月二十三日にこの協定に署名いたしたのであります。なお、協定の受諾期限は、一応本年一月一日となっておりますが、政府は、協定の規定に従って、英国政府に対し、本年六月一日前に協定を受諾するよう努力する旨の通告を行なってあるとの説明がありました。
委員会の審議におきましては、砂糖の国際価格が、スエズ紛争のときのように暴騰することを今後阻止するため、条約上どのような措置がとられ得るのか。わが国が貿易関係において出超国であるフィリピン、インドネシア、ブラジルより砂糖を輸入することを貿易操作上考えているか。琉球と本条約の適用地域との関係、国内に生産されるテンサイ糖と輸入糖との価格調整等につき、熱心な質疑が行われましたが、詳細は会議録により御承知を願いたいと存じます。
委員会は、昨三月十七日質疑を終え、討論に入りましたところ、石黒委員より、砂糖の国内生産が増加に向いつつあるのはけっこうである、政府は今後ともこの方向に意を用うべきであるとの希望を付して賛成の意見が述べられ、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/5
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006・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 別に御発言もなければ、これより本件の採決をいたします。本件を問題に供します。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
「賛成者起立」発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/6
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007・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって承認することに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/7
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008・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 日程第二、盲学校、聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず委員長の報告を求めます。文教委員長相馬助治君。
〔相馬助治君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/8
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009・相馬助治
○相馬助治君 ただいま議題となりました盲学校、聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、文教委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
この法案の要旨は、去る昭和二十九年に、盲聾及び養護学校への就学奨励法の制定を見て以来、これらの学校への就学の奨励がきわめて大きな効果をおさめ、これらの学校の高等部に就学する者に対する援助も、義務制に準じて、学校給食費、教科用図書の購入費が、すでに就学奨励費の対象となって今日に至りました。しかし、なおいまだ不十分のうらみがありまするので、今回高等部の生徒の通学または帰省に要する交通費を新たに就学奨励費の対象に加えることにより、さらに一そう就学奨励の実をあげる目的をもって、所要の改正を行おうとするものでございます。
委員会の審議に当りましては、高等部への就学状況について、高等部を義務制に準じて取り扱うことのより徹底化の問題について、幼稚部及び高等部の教職員給与費を国庫負担とすべき問題に関連して、付添人の交通費に関する処置の問題について、特殊学級の増設措置及び特殊教育振興のための根本施策の問題について、盲人の職業修得についての特別措置の問題について等の諸点に関して、各委員より熱心な質疑が展開されましたが、これらの質問並びに政府の答弁の詳細につきましては会議録に譲りたいと存じます。
質疑を終り、討論に入りましたが、別に御発言もなく、直ちに採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
右報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/9
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010・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/10
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011・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/11
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012・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 日程第三、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタンとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、
日程第四、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とノールウェーとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案(いずれも内閣提出)、
日程第五、関税法の一部を改正する法律案、
日程第六、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、
以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/12
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013・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長加藤正人君。
〔加藤正人君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/13
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014・加藤正人
○加藤正人君 ただいま議題となりました四法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタンとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案について申し上げます。
今国会において、わが国とパキスタンとの間に、所得に対する租税に関して、二重課税の回避及び脱税を防止するための条約が、本院で承認せられておりますが、本法案は、この条約に規定されている事項のうち、特に法律の規定を要するものについて、所要の立法措置を講じようとするものであります。すなわち、パキスタン法人の配当所得に対する課税の税率を、一定の場合一百冷の二十となっているのを百分の十五に軽減し、その他、日本国内におけるパキスタン税額の徴収につき、パキスタン政府の委嘱を受けたときは、国税徴収の例によって行う等、所要の規定を置いております。
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次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とノールウエーとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案について申し上げます。
今国会において、わが国とノールウエーとの間に、所得に対する租税に関して、二重課税の回避及び脱税を防止するための条約が本院で承認せられておりますが、本法案は、この条約に規定されている事項のうち、特に法律の規定を要するものについて、所要の立法措置を講じようとするものであります。
以下、本案の内容について申し上げますと、第一点は、使用料、配当または利子の所得について、所得税法の特例を定め、事業を有しない非居住者等に対する特別税率百分の二十を百分の十五に軽減しようとするものであります。第二点は、特許権、意匠権等の譲渡により生ずる所得に対する所得税及び法人税法の特例を定め、現行では一般税率によっているのを、百分の十五の税率を定め、それ以上は免除しようとするものであります。以上、二案の委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。質疑を終了し、両案一括して討論、採決結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
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次に、関税法の一部を改正する法律案にいて申し上げます。本案は、開港の閉鎖基準を改め、現行の輸出入額五千万円、出入外国貿易船二十五隻との両基準に欠けた場合となっているのを、出入隻数を十一隻超に改めるとともに、そのいずれか一つの基準が欠けた場合、開港を閉鎖することに改めようとするものであります。なお、これについては、現在実績の少い開港の事情をも考慮し、改正規定の適用を来年末までの実績を見ることとしております。その他、新たに姫路港、佐賀関港、伊丹空港をそれぞれ開港と税関空港に指定しております。
委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。
質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
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最後に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
産業投資特別会計は、経済の再建、産業の開発及び貿易の振興の目的をもって設置されたものでありますが、その財源はきわめて弾力性に乏しいので、本案は、昭和三十四年度におきまして、資金内容の充実をはかるため、さきに設けました経済基盤強化資金から一般会計への受入額のうち、五十億円を限り、この特別会計に繰り入れることができるようにしようとするものであります。
委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。
質疑を終了し、討論、採決の結果、多数をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/14
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015・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 別に御発言もなければ、これより四案の採決をいたします。
まず、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタンとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とノールウエーとの間の条約実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、
関税法の一部を改正する法律案、
以上三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/15
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016・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 総員起立と認めます。よって三案は全会一致をもって可決せられました。
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017・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/17
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018・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/18
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019・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 日程第七、国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長館哲二君。
〔館哲二君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/19
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020・館哲二
○館哲二君 ただいま議題となりました国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
本法案は、国有提供施設等所在市町村助成交付金、すなわち、いわゆる基地交付金の対象資産として、新たに自衛隊が使用する政令で定める弾薬庫及び燃料庫の用に供する固定資産を加えようとするものであります。
地方行政委員会におきましては、三月三日、青木国務大臣から提案理由の説明を聞いた後、当局との間に質疑応答を重ねて、慎重審査を行いました。その質疑応答におきましては、今回の改正によって基地交付金の対象に加えられる弾薬庫及び燃料庫の範囲は、政令できめられることになっており、具体的には、それは土地だけに限られ、その上にある建物、工作物などは対象に含まれないとする政府の意向のようであるが、その理由いかんという問題、あるいは、交付金の対象たる国有財産の評価に現在非常なアンバランスがあるが、政府は、どうして、また、いつからこれが適正化をやろうとするのかという問題、その他、基地交付金本来の性格、それから交付金総額のワクなど、多くの問題が取り上げられましたが、その詳細については、会議録により御承知を願いたいと存じます。
三月十七日質疑を終了し、討論に入りましたところ、大沢委員は、本法案に賛成の旨を述べられ、次の附帯決議案を提出されました。すなわち、その内容は、
本法の実施に当り、政府は、制度の趣旨が固定資産税に代え関係市町
村の財政援助を目的とするにかんが
み、左の諸点に留意してその運営の適正を期すべきものと認める。
一、本法制定に当り本委員会が行った附帯決議を尊重し、すみやかに対象資産の範囲の拡大、評価の適正化、助成交付金予算計上額の増額等に努めること。
一、「政令で定める弾薬庫及び燃料庫」については、その資産の特殊性にかんがみ、土地建物及び工作物の全部を対象とする等、実情に即するよう措置すること。
右決議する。
というのであります。
かくて採決の結果、本法案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
次いで大沢君提出の附帯決議案は、全会一致をもって、これを委員会の決議とすることに決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/20
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021・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/21
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022・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/22
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023・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 日程第八、海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案、
日程第九、旅行あつ旋業法の一部を改正する法律案(いずれも衆議院提出)、
以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/23
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024・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。運輸委員会理事相澤重明君。
〔相澤重明君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/24
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025・相澤重明
○相澤重明君 ただいま議題となりました海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案及び旅行あつ旋業法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げますと、現行法は、海上保安官に協力援助した者等の災害について、国が療養等の給付を行うことを定めたものでありまして、犯人の逮捕に関しましては、海上保安官が現場にいることを前提といたしまして、現に援助を求めたか、または求めなくても、これに協力援助することが相当と認められる場合に限り、それによって災害を受けた者に対して、国が療養その他の給付を行うものとしておりますが、この改正法案は、国が給付を行う場合を拡張し、海上保安官が現場にいなくても、海上における殺人、傷害、強盗、窃盗等、人の生命、身体または財産に危害が及ぶ犯罪の現行犯人の逮捕または被害者の救助に当り、それによって災害を受けた場合も、国が療養その他の給付を行うことができるようにしようとするものであります。
本委員会におきましては、格別の質疑もなく、また討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。
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次に、旅行あつ旋業法の一部を改正する法律案につきまして御報告申し上げます。
まず、この法案の要旨を申し上げます。現行法では、旅行あつ旋業者が営業の登録を受けます際に、営業保証金として現金または国債証券を供託することになっておりますが、この法案では、その点を改正して、これらのほか有価証券をもって充てることができるようにしようとするものであります。発議者の説明によりますと、かく改正することにより、供託が容易となるばかりでなく、利息の面においても少からぬ差を生じ、中小企業の多い旅行あつ旋業にとり、企業合理化促進の一助となるのみならず、一般旅客に対する接遇の向上も期待し得られるとのことであります。
本委員会におきましては、質疑なく、討論に入りましたところ、別に発言なく、採決の結果、本法案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/25
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026・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/26
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027・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 総員起立と認めます。よって両案は全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/27
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028・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 日程第十、児童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長久保等君。
〔久保等君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/28
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029・久保等
○久保等君 ただいま議題となりました児童福祉法の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、本法律案の趣旨を御説明いたします。本法律案は、骨関節結核すなわちカリエスにかかっている児童に対する療育の制度を設けることを主たる内容とするものであります。御承知のように、骨関節結核の療育は長期間にわたるものでありまするが、特に児童については、心身の発育途上にあることにかんがみ、適当な生活指導のもとに医療と教育とをあわせ行うこととし、これらの児童を政府が適切と認めて指定する病院に入院させ、医療の給付及び学習に必要な物品の支給を行い、これに要する費用は都道府県の支弁とし、国庫はその十分の八を負担するものであります。以上が本法律案の概要であります。
本委員会におきましては、まず、本法案の提案理由の説明を厚生大臣より聴取した後、委員と同大臣、政府委員との間に熱心な質疑応答がなされたのでありますが、その内容を御紹介申し上げますと、「療育給付の制度を、骨関節結核児童だけでなく、一般結核児童に対しても適用すべきではないか」との質問に対しましては、政府委員より、「一般の結核の場合に比べ、骨関節結核の場合は、特に長期の療養を必要とする実情等にかんがみ、今回はまず骨関節結核児童について実施することにしましたが、今後一般結核児童に拡充実施するよう十分研究努力する」との答弁がありまた。その他、療育、養育、育成等の用語の意義、結核児童の療養指導、指定療育機関の基準内容等についても論議が行われたのでありますが、詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
かくて質疑を終り、討論に移りましたが、発言なく、採決の結果、本法律案は、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定した次第であります。
次に、木下委員より、本法律案に対し、次の附帯決議を付するの動議が提出せられました。
児童福祉法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
今回骨関節結核にかかっている児童に対する療養と教育の制度を設けることは極めて時宜に適したものであるが、政府はすみやかにこのような制度を骨関節結核以外の結核にかかつている児童にも拡大するよう適切な措置を講ずべきである。
右決議する。
右について採決を行いましたところ、これまた全会一致で本法律案に対する附帯決議とすることに決定した次第であります。
以上御報告を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/29
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030・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/30
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031・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/31
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032・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 日程第十一、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。法務委員長古池信三君。
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〔古池信三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/32
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033・古池信三
○古池信三君 ただいま議題となりました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本法律案の趣旨は、最近、民事、刑事の事件数の増加、裁判官の不足等の事情から、訴訟が著しく遅延しているばかりでなく、地方裁判所においでは、本来合議体で取り扱うことが望ましい複雑困難な事件をも、やむなく一人の裁判官で取り扱っている場合が少くない実情にありますので、この際、第一審を充実強化して、裁判の適正と迅速な処理をはかるため、さしあたり必要最小限度の範囲で判事補二十名を増員しようとするものであります。
委員会の審議に当りましては、二月三日、政府当局から提案理由の説明を聴取した後、大川、高田、亀田、北村の各委員から、合議事件の充実促進と判事補増員との関連性、判事補の給源と補充対策、一般裁判官の欠員補充、裁判所補助職員の増員、定員外職員の可及的定員繰り入れ等について熱心なる質疑が行われましたが、これが詳細は会議録に譲りたいと存じます。
さて、三月十七日、質疑を終了し、討論に入りましたところ、亀田委員より次のような附帯決議案が提出されました。すなわち、
今次の判事補の増員をもってしては、審理の促進、合議の活用等に寄与するに必ずしも十分でないものがある。よって最高裁判所及び政府は、今後、裁判官の充足、庁舎、法廷等諸施設の充実に努力し、特に司法修習制度及び判事補制度の改善並びに判事補及び裁判所補助職員の適正な増員等についても、その方策を積極的に検討されたい。
というものであります。次いで、自由民主党を代表して大谷委員から、また、日本社会党を代表して高田委員から、それぞれ本法律案並びに附帯決議案について賛成の討論がなされました。
かくて討論を終了し、本法律案並びに附帯決議案について採決いたしましたところ、それぞれ全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/33
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034・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/34
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035・平井太郎
○副議長(平井太郎君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時三十三分散会
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○本日の会議に付した案件
一、議員派遣の件
一、日程第一 千九百五十八年の国際砂糖協定の締結について承認を求める件
一、日程第二 盲学校、聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案
一、日程第三 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタンとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案
一、日程第四 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税一の防止のための日本国とノールウェーとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案
一、日程第五 関税法の一部を改正する法律案
一、日程第六 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案
一、日程第七 国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律の一部を改正する法律案
一、日程第八 海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案
一、日程第九 旅行あつ旋業法の一部を改正する法律案
一、日程第十 児童福祉法の一部を改正する法律案
一、日程第十一 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103115254X01719590318/35
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