1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年五月四日(水曜日)
午前十時四十九分開議
出席委員
委員長 平井 義一君
理事 生田 宏一君 理事 關谷 勝利君
理事 久保 三郎君 理事 土井 直作君
宇田 國榮君 大島 秀一君
竹内 俊吉君 塚原 俊郎君
長谷川 峻君 福家 俊一君
堀川 恭平君 三池 信君
淺沼稻次郎君 下平 正一君
正木 清君
出席政府委員
総理府事務官
(行政管理庁行
政監察局長) 原田 正君
防衛庁参事官
(教育局長) 小幡 久男君
運輸政務次官 前田 郁君
運 輸 技 官
(船舶局長) 水品 政雄君
運輸事務官
(航空局長) 辻 章男君
委員外の出席者
防衛庁書記官
(防衛局第一課
長) 栃内 一彦君
専 門 員 志鎌 一之君
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四月二十八日
委員三池信君辞任につき、その補欠として賀屋
興宣君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員賀屋興宣君辞任につき、その補欠として三
池信君が議長の指名で委員に選任された。
五月四日
委員石田博英君及び山田彌一君辞任につき、そ
の補欠として大島秀一君及び堀川恭平君が議長
の指名で委員に選任された。
同日
委員大島秀一君及び堀川恭平君辞任につき、そ
の補欠として石田博英君及び山田彌一君が議長
の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案(
内閣提出第七八号)(参議院送付)
航空に関する件
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/0
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001・平井義一
○平井委員長 これより会議を開きます。
臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。
本案について御質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/1
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002・平井義一
○平井委員長 他にないようでございますので、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。
これより討論に入りたいと存じますが、討論の申し出もありませんので、これより直ちに採決したいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/2
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003・平井義一
○平井委員長 御異議なしと認め、これより採決いたします。
臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます、
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/3
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004・平井義一
○平井委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
ただいま可決いたしました本案の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/4
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005・平井義一
○平井委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
この際政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。前田政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/5
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006・前田郁
○前田(郁)政府委員 ただいま臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案につきましては、全会一致をもって可決下さいまして、まことにありがとうございました。厚くお礼申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/6
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007・平井義一
○平井委員長 それでは五分間休憩いたします。
午前十時五十二分休憩
――――◇―――――
午前十時五十八分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/7
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008・平井義一
○平井委員長 それでは再開いたします。
航空に関する件について調査を行ないます。
質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/8
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009・久保三郎
○久保委員 航空交通管制について、二、三お尋ねをしたいのでありますが、まず第一に先般小牧の飛行場で事故がございましたが、そのあと新聞等を見ておりますと、防衛庁は操縦に当たった自衛官の責任について、検察当局等にその解明というようなことをやった、こういう話も聞いておるわけなんです。これは見ようによれば、何か検察当局に、自衛官の方は全然責任がないというような見解に立っておるようにも見受けられるのであります。これはもちろん今後の検察当局等の調べではっきりすると思うのでありますが、ここでお尋ねしたいのは、管制官の責任と操縦士の責任の分界であります。これについて防衛庁はどのような見解を持っておられるか、これを一つお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/9
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010・小幡久男
○小幡(久)政府委員 ただいま管制官の責任と操縦士の責任の分界についてどういう見解を持っておるかという御質問でございますが、今度の事件に関連して申し上げますと、管制官の指示というものは事前にあったわけであります。この指示はいろいろ議論はありましたが、大体運輸省の見解では、テーク・オフ・クリアランス、すなわち、離陸してよろしいという許可であるという見解のようであります。しかしながら許可いたしましても御承知のように飛行場におきましては後続機も控えておりますので、前方に障害物がなく、飛行機の点検が終わり次第離陸すべしという強い期待がある許可である、かようにわれわれは了解しております。従いましてそういった関係に両者の間は立つわけでありますが、ただ操縦士にも前方の障害物をよく注視いたしまして、それを確かめるという責任は当然あるものと思っております。この事実の認定につきましては、現在権限官庁が調べに当たっておりますので、それを待ちましてはっきりしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/10
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011・久保三郎
○久保委員 そうしますと管制官の離陸許可というか、すべしという指示は、それによって操縦士は一切前方注視というか、危険に対する注意をしないで離陸することは違法である、こういう見解をお持ちでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/11
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012・小幡久男
○小幡(久)政府委員 管制官からそういう指示がありましても、前方を注視をする責任は操縦士にはあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/12
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013・久保三郎
○久保委員 先般防衛庁の責任ある方、どなたでありますかわかりませんが、検察庁に出頭されまして、何かお話をしたというのですが、それはいかなる目的で出頭されたのか、話の内容はどういうことであったか伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/13
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014・小幡久男
○小幡(久)政府委員 先般航空幕僚幹部の監察官が名古屋の地検の方におもむきましたことにつきましてであろうかと思いますが、これは地検の方から当時の事情を聞かしてほしいということと、それから前方注視というふうなことに関しまして操縦士の責任がありやなしやというふうな法律上の見解を防衛庁はどう考えておるかというふうな意見の聴取が求められましたものですから、私の方から参上したわけです。そのときに監察官から申し上げた内容も、ただいま私から申し上げた通り、指示は一つのクリアランスであるけれども、やはり前方に障害物がない限り、離陸してもらいたいという期待を持った許可である。が、しかし、それによって操縦士は前方注視の責任はないということは言えない、こういう趣旨の説明をしておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/14
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015・久保三郎
○久保委員 そのあと、これは立ち会われたと思うのでありますが、実地検証というか、同じような天候状況のときに当時の状況を再現して実地検証をしたというふうに新聞も伝えておるわけですが、そのときに航空局並びに防衛庁は立ち会ったのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/15
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016・辻章男
○辻政府委員 この前の実地検証でございますが、これにつきましては検察の指揮によりまして、私どもの方は飛行場を使う関係上そのお手伝いをしたわけでございまして、共同で実地検証をしたわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/16
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017・久保三郎
○久保委員 大体防衛庁並びに航空局は、当時の天候状況でいけば、これは新聞でも報じられておりますが、有視界飛行で前方の全日空の飛行機を完全にとらえることができた、そういうふうに理解しているのですか、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/17
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018・辻章男
○辻政府委員 先ほど申し上げましたように、航空局の職員側は、あの実地検証につきましては、お手伝いをした次第でございまして、実地に検証いたしておりませんので、公式な意見は持っておりません。ただわれわれは常識的に見えたんじゃないかという疑いは持っておりますが、それ以上の結論は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/18
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019・小幡久男
○小幡(久)政府委員 その点につきましては、防衛庁は若干見解を異にいたしまして、次のように考えております。なるほど、当日は有視界飛行のできる飛行状態であったのでございますが、月が出ておりませず、夕方塵埃等も非常に多い時刻でありまして、光は見えたが、機体そのものが見えるということは望めない条件であった、つまり物は見えなかったというふうに考えます。それからテーク・オフ・クリアランスが出ておりますので、少なくとも権限ある管制官が、前方に障害物なしという保証を与えたという一つの心理的な前提というものは、これはやはり無視するわけにいかないのじゃないかというふうに考えております。それからDC3が百八十度ターンをして引き返してくるということは、通常の観念からいいますと、非常に異例な措置である、そういうことはめったにないというのが通例の常識であるというふうにパイロットは申しております。それからDC3の灯火が、滑走路延長上で数日前工事中ずっとつけておりました灯火と非常に誤認されやすいという状況にありまして、それを、灯火は見ましたが、工事の灯であるというふうに誤認をしたということを操縦士は申しております。なおDC3の尾翼の頂上には、アンチ・コリジョン・ライトという衝突予防灯といったものがつけ得るしかけになっていなかった。従ってそういう赤い光が頂上で点滅しておれば、滑走路の中間に何かあるということがあるいはわかったのではないかというふうに、その点は残念に考えております。そのほかに御承知のように、86Dは高度のジェット機でありますので、非常に点検個所も多く、またヘルメットをかぶり風防越しに見ますと、なかなか白紙で前方を見るように参らぬ点もありまして、操縦士の前方を見る視野の広さというものは非常に制限されておる。そういった非常に数々の条件が複合いたしまして、われわれとしては操縦士が前方を見たにもかかわらず、光を誤認したことについては心から同情しておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/19
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020・久保三郎
○久保委員 今の防衛庁の見解に対して、たとえばDC3の尾翼に危険信号というか、そういうものをつける装置がなかったということが、これは一つの例でありますが、こういう見解に対して航空局はどう思っておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/20
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021・辻章男
○辻政府委員 これは地上に停止いたしまして、地上の移動の際にそれをぜひつけなければならぬという規則にはなっておりませんので、あるいはそれが今防衛庁からお話のごとく、ついておれば識別するのに便宜であったかという感じはするのでございますが、何分当該事故は非常な異例なことでございまして、滑走中に前方から飛行機が来るというようなことは予測もしていない、通常予測もできないようなことでございますので、その点やむを得ないことではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/21
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022・久保三郎
○久保委員 防衛庁にお尋ねしますが、Uターンしてくることはまれだという御見解のようでありますが、それはまれでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/22
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023・小幡久男
○小幡(久)政府委員 大体滑走路の運用法といたしましては、できるだけ早く着陸した飛行機が消えていくというのがその原則だろうと思っております。それでUターンの場合、みな着陸したすぐ近所のタクシー・ウエーへすぐ消えるというふうに運用されておるのが、パイロットの常識である。これは、その当日は、非常に長い距離を逆行しつつあったということが、一般のパイロットの常識から見ますと異例であった。そういうことはまさかないだろうというふうに考えるのは、無理もない点があるのじゃないだろうかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/23
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024・久保三郎
○久保委員 Uターンがまれなことであっても、小牧の飛行場の誘導路は、常時使いやすい誘導路は、先般誘導した誘導路だ、こういうふうにわれわれは承知しているのですが、そういうふうに思っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/24
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025・小幡久男
○小幡(久)政府委員 これは参議院の運輸委員会が現地視察されまして、その御報告された中にも、管制官が誤られた一つの原因は、飛行機の位置が、前方のUターンをするタクシー・ウエーのもう少し先のところにあるんじゃないかというふうに考えておられて、百八十度Uターンを命じたというふうになっております。ところが、実際のタクシー・ウエーは、そのUターンをしてすぐ入れるというところになくて、はるか後方にあったというのが、今度の管制官の誤った指示の原因に考えられておるのが、一つの証拠じゃないか。従って、あの運輸委員会の報告にもあります通り、そういった誤った指示があった結果、相当長距離のUターンを今度はしてくるという状況になったのじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/25
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026・久保三郎
○久保委員 私がお尋ねしているのは、常時使う、エプロンに直接入れる誘導路というのは――今回、管制官の間違いではなかったか知らないが、管制官は常時使う、使いやすい誘導路を目当てに指示をした。それは目測の誤りというか、それもあったでしょうが、結果としては、常時使いやすい誘導路であるというふうに了解しているのですが、それは違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/26
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027・小幡久男
○小幡(久)政府委員 管制官がUターンを命ぜられたのは、少しUターンをして走れば、すぐそこにタクシー・ウエーがあるという観念をお持ちになってやられたのでありますが、今度の場合は、そのタクシー・ウエーが前方にあったのです。従って、次のタクシー・ウエーの距離が非常に遠かったわけであります。その間ずっとUターンをして歩いてくるという、長距離の百八十度Uターンというものは異例であったということを、私は申し上げておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/27
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028・久保三郎
○久保委員 いや、私がお尋ねしているのは――百八十度Uターンして、かなり長距離を逆行してくることは異例であったと、私もいろいろな情報からわかるのであります。その近くに、あるいはそれより先に誘導路があったにかかわらず、それを逆に百八十度Uターンさせて、常時使うところへ入れようとしたということだと思うのです。そこで、それを聞いているのじゃなくて、常時使いやすい、いわゆる使っているのは、Uターンさせて入れようとしたところの誘導路ではないか、こういうことをお尋ねしているのです。常時使いやすい誘導路が、今度の事故を起こした誘導路だと私は聞いているわけなんですが、これはどうなんでしょう。航空局長に聞きましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/28
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029・辻章男
○辻政府委員 お説の通り、その誘導路に入ろうとして事故を起こしました当該誘導路は一番使いやすくて――エプロンにまっすぐに入れる関係上、夜間等におきましては一番使いやすい誘導路で、よく使用されておったものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/29
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030・久保三郎
○久保委員 そういう常時使っておる飛行場の状態というのは、自衛隊の方でもよくおわかりになっているはずだと私は思うのです。だから、そういう教育は――あなたは教育局長であられるので、教育の方を担当されていると思うのでありますが、その飛行場についての状況を、実際に当てはまった教育をしているのかどうかという問題もあるわけですね。これはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/30
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031・小幡久男
○小幡(久)政府委員 事故の安全対策、特に飛行場におきます事故の安全対策につきましては、特に注意をしております。現に小牧でも、三カ月ごとに訓練計画を、第三航空団司令が、在小牧の航空保安事務所長あてに出しまして、御調整を願っておるわけでありまして、現実に毎日々々民間機の発着を縫ってわが方の訓練をやっております関係上、当然飛行場の滑走につきましては習熟してもおりますし、そういうことにつきましてはあやまちなからんことを期しておるのは、当然だと思っておりますが、当日は、先ほども申しましたように、滑走路に対するタクシー・ウエーのあり方というものに関係いたしまして、DC3の位置の確認を誤ったがために、本来ならば少しUターンをしてすぐ入れるはずのところを、ずっと長くUターンをしたというような異例な結果になったということを、非常に残念に思っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/31
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032・久保三郎
○久保委員 航空局長にお尋ねしますが、先ほど教育局長の、管制官と操縦士の責任の分界というもの、そういうものの見解の表明があったのですが、それに御異論はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/32
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033・辻章男
○辻政府委員 大体先ほど防衛庁の方からお述べになりました見解の通りでございます。これは私どもと防衛庁、それから法制局とも打ち合わせをしました統一的な見解でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/33
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034・久保三郎
○久保委員 当日、当該の操縦士が前方の注視ができなかったかどうかという問題については、これは検察当局がその判断を下す、あるいは裁判その他によってやることですから、それに立ち入ることは必要ないかと思うのでありますが、そこで防衛庁にお尋ねしたいのは、管制方式というANCですね、それに対して、防衛庁長官は通達を出しておりますね。これはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/34
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035・小幡久男
○小幡(久)政府委員 おっしゃいます通り、アメリカのANCでございますね、それを基準としてやるような航空幕僚からの指示でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/35
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036・久保三郎
○久保委員 この教育の方法は、これは運輸省も、運輸大臣の通達を出しておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/36
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037・辻章男
○辻政府委員 運輸大臣から通達を出しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/37
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038・久保三郎
○久保委員 そこで、防衛庁は、運輸省と同様な教育というか、徹底をはかっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/38
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039・小幡久男
○小幡(久)政府委員 防衛庁は、自分のところに飛行機を持っておりますので、結局自分の守る一つの基準でございますから、その徹底につきましては、十分力を尽くしておるようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/39
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040・久保三郎
○久保委員 今回の事故の原因は二つあると思うのです。管制官のミス、操縦士のミス。先ほど防衛庁の見解によれば、それはジェット機で、点検する計器も多いし、それからヘルメットをかぶるし、風防ガラスを通してはとても見通しができなかったという話をしておりますが、これはやはりこのANC方式を徹底されているというならば、先ほどの御見解の通りに、操縦士の方にも一半の責任はあるというよりは、直接は操縦士が管制官の指令というか、指示というか、離陸してよろしいというのを、もう完全にすっ飛んでいっていいのだというふうに了解しなければ、自分の責任の分界をはっきりしていれば、これは起き得なかった事故なんであります。直接的な原因は、言葉をかえれば、極端かもしれませんが、操縦士の注意不足、こういうふうなことも言えるわけですね。こういうことはどうなんです。どういうふうに考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/40
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041・小幡久男
○小幡(久)政府委員 これは先ほどお答えしました通り、前方を見たところが、灯が工事の火と誤認されるような状況にあった。しかもその見る条件といいますのは、ジェット機の中で、風防を通して見るというふうに制限された条件でございます。ただ、もちろん、前方注視については努力は払っておりますが、いろいろな条件に制約されまして、月明がないとか、あるいはUターンしたとか、あるいは先は見えるが物が見えないような暗やみであるとかいうふうな条件が重なり合いまして、責任の義務を果たそうとしたにもかかわらず、それが果たし得なかったというふうに申し上げたのでありまして、決して前方注視の責任を怠ったということを申し上げておるのじゃないつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/41
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042・久保三郎
○久保委員 そうしますと、あなたの御見解では不可抗力だったということに結論はなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/42
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043・小幡久男
○小幡(久)政府委員 その最後のところは検察庁その他権限ある官庁の判断にまかせたいと思いますが、現在操縦士の証言を聞いておる範囲では心から同情しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/43
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044・久保三郎
○久保委員 心から同情しておるというのは、不可抗力という意味なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/44
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045・小幡久男
○小幡(久)政府委員 そこのところ、最後のところは、これは何回も申します通り、私自身も権限あるわけでございませんので、はっきり申し上げませんが、いろいろな条件を聞きますと、防衛庁としては無理もなかったのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/45
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046・久保三郎
○久保委員 そうしますと航空局長いかがでしょう、あなたの方も無理なかったという結論が出ますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/46
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047・辻章男
○辻政府委員 これは先ほど申し上げましたように、私どもといたしましてはごく常識的な見解でございますが、あるいは見得られたのではないか、いろいろな条件が加味されますが、全然識別し得られなかっということではないのじゃないかという疑いを持っておるわけでございます。この点につきましては、個人の刑事責任にも関係する問題でございますので、権限ある官庁の判定を待ちたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/47
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048・久保三郎
○久保委員 航空局長は何か遠慮されておられるのですが、今の防衛庁の見解から言えば、自衛官が目測を誤ってその少し前方に誘導路があるのにかかわらずそれをもっと手前であったというので百八十度Uターンをさせたのもこれはやむを得ざる不可抗力ということになりますな、防衛庁のような見解からすれば……。ここではっきりしたいのは、別に私は検察当局ではありませんから、これを聞いて裁断を下すというのではありませんが、少なくとも責任のあり場所が明確でない。あるいは不可抗力という一語で逃げようとするきらいがある。ここは、はっきり言うと、民間機と自衛隊の飛行機、あるいは米軍の飛行機とやっているのですが、数からいけば自衛隊の飛行機が大半です。そうなった場合に、これは再びこういう事故が起こらぬという保証はどこにもない。その場合に、責任のなすり合いというか、不可抗力でございますということで、今度は管制官はどうなるかという問題が出てくるわけです。それでこれは両当局にお尋ねするのですが、こういう点の責任の限界をはっきりすべきだと思うのです。これは今まであまり不徹底だと思うのですが、たとえば管制官の責任の分界はどこまで、離陸すべしというのが絶対的な命令であるのかどうか、それを聞いたら直ちにあとは操縦士はその指示通り動けばいいのかどうかということに相なってしまう。そうすると、管制官は離陸していくまでの責任を全部とらなければならぬ。ANC方式からいけばそんなことはないのですね。だから不可抗力であろうが何であろうが、今度の事故の直接原因はいわゆる操縦士が見誤って衝突した、私はわかりませんが、こういうことになるだろうと思うのです。ところが、どうも今までのお二人の見解を聞いていると、さっぱりわからぬ。いわゆる管制官の責任の限界はまず第一にどこまでなんですか。離陸すべしというのは絶対なものであるかどうか、これを聞きたい。それがはっきりしなければ、それ以上のことは操縦士が不可抗力ならそれで終わり。そうでなければ管制官が責任を負う。これは大へんなことになると思う。それは具体的に今度起きた事故ではなくて、これからの問題として私は聞きたい。そうでないと、管制官は容易に管制業務を遂行することが非常に困難ではないか。しかもお尋ねすればANC方式は両省ともそれぞれ長官並びに大臣通達で徹底されている。徹底させているならば、今のような防衛庁の見解は出ないはずだと思う。なるほど不可抗力ならそれでいいです。しかしこれは管制官の指示に従ってやったのだから、それで私どもの責任ではないという言い分になるのだが、それは違う。管制官の指示はありましたが、私の方の不可抗力のために追突しましたというなら、これはANC方式から出ます。航空局長そうでしょう。責任の分界がちっともわからぬ。私はこのような事故を追及しているのではなくて、責任の分界をはっきりしなければ、これから特に民間機と防衛庁の飛行機が競合する、あるいは防衛庁の飛行機がうんと多い場合は大へんなことになると思うのです。これに対して航空局長いかなる見解を持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/48
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049・辻章男
○辻政府委員 管制の指示に関しましては、作為あるいは不作為を命ずる命令的なもの、それから禁止を解除いたします許可的なものと二つの条項があると思います。どの条項がその命令的なもの、どの条項が許可的なものであるかということは、各条項に従いまして解釈をしなければならぬと考えております。今問題になりました離陸支障なし、クリアランス・テーク・オフという指示は、離陸を要求しております航空機に対しまして、滑走路上の諸条件が同機の離陸を許してもいいという判断に基づきまして、航空機の離陸を許可するという性格を帯びているものであると考えております。今、久保先生から御指摘ございました限界点でございますが、許可を与えて、あとの点につきましてはその当該航空機を操縦する人の前方の注視義務等の義務は当然あるわけでございます。ただ、かりに許可的なものであるといたしましても、判断を誤りましてそういう許可を出したという点につきましては、やはり管制の側にも責任があるということを深く痛感し、深く反省している次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/49
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050・久保三郎
○久保委員 離陸してはいけないという指示は絶対だと思うのです。離陸してよろしいというのはこれは許可です。許可があったら直ちにやっていいということではないのですね。それ以後の離陸する時期、判断は操縦士にあるのだというANC方式からいけばあると思うのですが、これはどうですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/50
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051・辻章男
○辻政府委員 離陸の許可が出ましても、何らかの事情によりまして離陸することが困難であるとか、あるいは離陸すべきでないというようにパイロットが判断しますれば、離陸をする必要はないわけでありまして、そういう場合はすぐに管制塔の方にそういう事情を訴えてくるのが通例でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/51
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052・久保三郎
○久保委員 防衛庁では今の見解をどういうふうに思っていますか。離陸してはいけないというのは絶対、離陸してよろしいというのは、それ以後離陸する判断は操縦士にある、こういうふうに思うのですがどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/52
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053・小幡久男
○小幡(久)政府委員 離陸してはいけないというのは絶対だと思います。それからテーク・オフというのは先ほど申しましたように許可であると思いますが、ただしその離陸に対しては前方が安全であるという判断を下しまして飛行機を点検して、前方に障害がなければむしろ飛び立ってもらわなければ困るという意味の期待を背後に持った許可であると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/53
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054・久保三郎
○久保委員 そのあとの早く飛び立ってもらわなければならないという期待ですね。そういうものを入れた指示である、こういうふうに考えることに問題がありはしないかと私は思うのです。それをつけ加えてやることがANCの方式なんでしょう。どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/54
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055・小幡久男
○小幡(久)政府委員 これは飛行場の利用上から見まして、次から次へと飛行機が並んでいるわけであります。単なる許可で、あとは一般の許可と何ら変わりないという状況ではないと思います。もう一つやはり交通の秩序から見まして、滑走路におきまして、管制官からそういう指示があった場合には飛行機を点検して、前方に障害物のありやなしやということを確かめて、障害なかりせばやはり飛び立つべしという期待を持った許可でなければ、飛行場における交通の秩序維持の見地から見まして、秩序が維持できないだろうというふうに推察するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/55
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056・久保三郎
○久保委員 操縦士は飛行場における交通秩序維持に責任を持たないでもいいのじゃないですか。交通秩序を維持するというのは管制官の仕事でしょう。操縦士はそこまで考える必要はないと私は思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/56
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057・小幡久男
○小幡(久)政府委員 それで期待されているという言葉を使ったわけでありますが、操縦士は、交通秩序に関係あります範囲で申しますと、前方に障害物ありやなしやということを確認するという点においては関係あると思うのでございます。その点さえ見きわめがつくならば、すぐに飛び上がれという意味の期待を管制官が持って出す許可であると私は了解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/57
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058・久保三郎
○久保委員 他人の責任分野の問題にまで立ち入って期待をするということは、自分の責任を軽減する格好になると思うのです。そこにあなたの方の教育の仕方の間違いがあると思いますが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/58
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059・小幡久男
○小幡(久)政府委員 今申し上げましたのは運輸省とも協議いたしまして、大体許可の性質は当然そういうことが期待としてあるという許可であるというふうに運輸省も御了解になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/59
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060・久保三郎
○久保委員 そうすると運輸省航空局長、今の見解はそういうふうな協議になって決定しておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/60
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061・辻章男
○辻政府委員 これは今防衛庁からもお話がございましたように、飛行場の滑走路の効率的な利用から申しまして、離陸の許可がございましてパイロットといたしまして前方その他を注視いたしまして、なるほど管制官の言う通り離陸の支障がないということを確認いたしますれば、できるだけ早く飛び立つということが望ましいのでございます。そういう意味では離陸に支障ない限りできるだけ早く離陸することを期待しているというふうに考えてもいいのじゃないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/61
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062・久保三郎
○久保委員 どうも責任の問題になるので、もっと明確に、期待するとかなんとかいう要素は付随的な話でありまして、この辺でやはり操縦士と管制官の明確な責任の分界をきめておく必要があると思うのです。それ以上に期待するというようなことは、それは当然いいと思うのでございます。ところが今のお話の重点は、その期待に重点があって責任の分界については重点がぼけてくるということで、われわれ了解できないのです。この点どうなんです。もう少しはっきりする必要があるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/62
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063・辻章男
○辻政府委員 責任の分界という点は具体的なケースにつきましては非常にむずかしい問題があるかと思うのでございます。繰り返すようでございますが、離陸の許可、離陸支障なしというのは許可的な性質でございまして、従って許可がありましても航空士としましては、特に有視界飛行のような状態におきましては前方その他を注視いたしまして、実際に離陸上の支障ありやなしやということを確認する義務というものは厳然としてあるのだ、私どもはそういうふうに考えておる次第でございます。まあ私ども、一般的な法律論といたしましても、責任の分界というものはそういう点に置くべきじゃないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/63
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064・久保三郎
○久保委員 いずれにしても航空局と防衛庁の間で先ほど教育局長が言うような期待という文句を入れて了解しておるというのは、今後のあり方としてはまずいと私は思います。だからこれはあらためて協議し直して、はっきり責任の分界をぴったりさせる必要が私はあると思います。
時間もありませんから先に進みますが、小牧においては、先般防衛庁からもお話がありましたが、今年度は半ばにおいては今より飛行機の数も多くなる、こういうことであります。最近の様子を見ると、緊急訓練というものが、必要以上というと語弊がありますが、大へん活発になっていると思うのであります。こういうことは、特に民間航空機を扱う共同の飛行場でさらに活発化する場合には、もちろん運輸省当局と協議の上おやりになっておると思うのでありますが、現在の管制能力あるいは飛行場のスペース、こういうものからいきまして、これははなはだしく猛烈過ぎるのではなかろうかと思うのでありますが、これを調整する考えはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/64
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065・小幡久男
○小幡(久)政府委員 ただいまお話の趣旨に従いまして十分調整してやりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/65
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066・久保三郎
○久保委員 航空局長はどういうふうに思っておられますか。この緊急訓練が非常に活発になってきているというのですが、今直ちに戦争が起こるはずはないのでありまして、あわてて能力の限界を越えた訓練をやる必要はないと思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/66
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067・辻章男
○辻政府委員 飛行訓練の内容につきましては、これは防衛庁の所管でございまして、私どもがかれこれ申し上げる筋ではないと思うのでございますが、ただ私どもは、小牧の飛行場におきまして、ある訓練計画が当該飛行場の管制能力ではとてもついていけないようなものであるかどうかという点に重点を置きまして、定期的に現地で話し合いをいたしまして、了承できるという判断をいたしましたものにつきまして防衛庁に御返事申し上げて、共用の形を続けておるというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/67
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068・久保三郎
○久保委員 いずれにしても管制能力の限界を越えるような形の訓練等は、航空局の立場からもやはりお話をすべきだと思うのであります。本問題ばかりじゃなくて、先般からも質問をいたしておりますが、いずれにしても管制業務というものが、現在の航空の輻湊といいますか、そういうものに応じ切れないのが現実ではないかと思うのでありまして、こういう点については、先般お答えをいただきましたが、早急に体制を整えてもらう必要がある、こういうように思います。
そこで次の問題でありますが、防衛庁にお尋ねします。管制教育団の育成というのを非常に力を注いでおやりになっておると思うのでありますが、この管制業務は、今度は運輸大臣の統制下に置かれるわけなんでありますけれども、管制教育団というものは、最終的に運輸省との関係はどういうことになるのですか、協力関係といいますか、これは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/68
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069・小幡久男
○小幡(久)政府委員 管制教育団自身は教育機関でございますので、現在のところ直ちに運輸省とどうなるという関係にはなりませんが、出ました管制官の仕事の仕方その他につきましては、運輸省の一般民間機の発着というふうなことに関する管制なんかも研究いたしまして、十分統制の実が上がるようにしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/69
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070・久保三郎
○久保委員 そこで聞くのですが、たとえば小牧なら小牧で管制塔の中に防衛庁派遣の自衛隊員が一人ないし二人おりますね。これは補助管制官ということらしいのでありますが、実際は補助管制官じゃなくて、ある一つの役割を持っておやりになっておる。先般私から意見を申し上げましたが、こういうのは形としてはまずいじゃないか、航空管制業務は運輸大臣が一元的に責任を持つということでありますから、そこへ自衛隊の管制官が一つのセクションを持つ、あるいは部署を持つということではなくて、そこに連絡官としておいでになることが正しい姿ではないか、こういう意見を申し上げたのです。これに対してはどういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/70
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071・栃内一彦
○栃内説明員 御説明いたします。航空局が管制をやりますことにきめられました飛行場におきましては、航空局の職員が管制を責任を持ってやる、そしてまた、その場合に自衛隊との関係が種々ございますので、補助官を出すということは適当なことではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/71
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072・久保三郎
○久保委員 補助官じゃなくて、これは連絡官を出すべきではないだろうか、こう私は思うのです。たまにいることはいいのです。たとえば一つのセクションを持っている、ポジションを持ってやっていることが今日の現状でしょう。それは正しくない。統制下にあるというのだが、これは共同で管制する形を今実際は持っているわけです。共同で管制している。だから共同の態勢をやめろ、連絡官としておいでになることはいいだろう、こういうふうに思うのですが、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/72
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073・栃内一彦
○栃内説明員 補助官と申しますのは、責任者の下について補助をする、こういうことでございまして、決して自衛隊が責任を持ってやる、こういうことには相ならぬ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/73
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074・久保三郎
○久保委員 航空局長にお尋ねいたしますが、今のタワーの管制を見てもそういう形はないと思う。たとえば主任管制官というものを――なるほど一応正式な名前であるかないかわかりませんが、おそらく正式の名前ではないでしょう、主任管制官というのは。そういうものを置いてやるのですが、主任管制官自身が一つのポジションを持ってやっているのです。指揮監督できないですよ、今のところ。そういう権限を与えられていないし、また実際に行なっていない。だから先般の村手管制官の問題についても、村手管制官は独自の立場で一つのポジションを持っている。これを指揮監督する大事なときに、それはどうだということで、それはやめろとかどうしろとか指示は与えられていない。与えられる立場になっていない。ましてや自衛隊から来ている者はポジションを持っているのです。何も運輸省の管制官と変わった形はないのです。ただ身分が違うだけの話であって、タワーの中にいる場合はお互いに同僚でやっている。こういうところに問題がありはしないかと思うのです。現実はどうなんです。私の言う通りだと思うのですが、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/74
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075・辻章男
○辻政府委員 これは管制塔におきましては、その交代の要員ごとに責任者というものをきめまして、これを私どもは主任管制官と言っておるわけでございます。今そういうものはないじゃないかというふうな御意見がございましたが、これは必ず交代の要員ごとにきめてやっております。ただ、実際問題といたしまして、補助官なりあるいは見習いの管制官の指示その他につきまして、すべてこれを指揮監督するという態勢までは至っていないことは事実でございまして、これらの点につきましても今後改善方を研究しなければならぬ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/75
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076・久保三郎
○久保委員 行管からおいでになっておりますから、今質問した問題についてお尋ねしたいのですが、まだ行管の方では一切の監査も完了したわけではないと思うのでありますが、実際においてはほとんど進行したのだろうと思います。そこでお尋ねしたいのは、今のような一つの管制塔の中に自衛官とそれから運輸省の管制官がいる。実際には今御説明があったようなはっきりしない責任分界でいるわけなんです。そういう点について一応の監察をなさっての御見解がおありでしょう。おありでありましたら一つ御披露願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/76
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077・原田正
○原田(正)政府委員 私どもは、現在航空行政に関します監察を実施いたしておりますが、これは四月から六月末まで一応現地的な調査をやり、そのあとにおきまして中央において補足調査並びに取りまとめをやる、こういうことでございまして、現在の状況では現地的調査をまだ始めたばかりでございます。従いまして、今御質問になりましたような問題につきましての調査結果なりというものはまだはっきりしておりません。しかしながら、今後の調査におきましてそれらの点について十分検討してみたい、かように考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/77
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078・久保三郎
○久保委員 航空局長にお尋ねします。今あなたから御答弁がありましたが、実際には交代要員の中から主任管制官というものを置くのだというのですが、実際職制上もはっきりしてないですね。だからここで、航空管制一元化ということから考えても、一つは、さっき申し上げた自衛官の方は連絡官として置く、ポジションは与えない。責任あるポジションを今与えております。これはやらぬということが一つ。もう一つは、職制として、主任管制官というのはフリーな立場で、四人なら四人いるものならその四人に対しての総合的な指揮監督していくという態勢をとるのがほんとうだと思いますが、これはどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/78
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079・辻章男
○辻政府委員 今御指摘のありましたような点を含めまして、管制官の配置その他につきましても検討していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/79
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080・久保三郎
○久保委員 それで、これは行管に要望しておきます。これからそれぞれ監察をなさるのでありましょうが、特に今回いろいろな問題が航空管制では出てきているのです。その一つは先ほど申し上げた問題、もう一つは管制官の責任体制というか、そういうものが非常にはっきりしておらない、というよりは、早くいえばその責任体制の裏づけも薄いという形があるわけです。それからもう一つは、管制官自体の充実も計画通りいっていないとわれわれは思う。それから諸施設についても問題があろうかと思うのであります。もう一つは、最後に管制官の身分でございます。あるいは待遇というかそういうことも非常な問題があると思う。今日の勤務体制を先般入間川の管制本部へ行って見て参りましたが、何というか、非常に近代的な業務には合わないような形が多いのでございます。そういう点を一つ十分監察いただいて適当な勧告を政府にやっていただきたい、こういうふうに要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/80
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081・原田正
○原田(正)政府委員 今回の航空行政の監察は、相当広範な分野にわたりまして監察をいたす計画になっております。またお話のありましたような問題につきましても、もちろん監察をいたす予定でございまして、飛行場及び航空援助施設の整備管理の問題、また航空保安に関する業務の運営の問題につきましても監察をいたすことになっております。その中におきまして、特に管制官の問題につきましては、管制職員の作業がきわめて高度の熟練を要する、こういう状況であります。従って相当の高い資格者の中から選考して、各管制官は配置されておるのでありますが、その配置、処遇の問題が、今回の事件等から見ましてもきわめて重要な問題である、こういうことにかんがみまして、管制職員の養成の状況、それから配置の状況、勤務及び処遇の状況、勤務方法、職場通勤方法あるいは宿舎の問題等、詳細に調査をいたしたい、かような計画でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/81
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082・久保三郎
○久保委員 最後に再び前の問題になりますが、これは防衛庁と航空局に言います。さっき申し上げたように、管制官の責任の分界、操縦士の分界、これははっきりした解釈を早急に出してほしいと思う。今のような、何か期待されるというような文句が入って教育されておるところに問題があると思う。この点をはっきりしないと、これからどんどん事故が起これば、責任のなすり合いになると思う。この点をはっきりしてほしい、こう思います。
以上でもって私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/82
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083・平井義一
○平井委員長 次会は来たる六日金曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時五十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103403830X01919600504/83
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