1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年三月二十二日(火曜日)
午前十時五十六分開議
出席委員
委員長 濱地 文平君
理事 飯塚 定輔君 理事 田中 榮一君
理事 渡海元三郎君 理事 吉田 重延君
理事 加賀田 進君 理事 阪上安太郎君
理事 門司 亮君
相川 勝六君 加藤 精三君
金子 岩三君 亀山 孝一君
川崎末五郎君 高田 富與君
津島 文治君 富田 健治君
三田村武夫君 太田 一夫君
川村 継義君 佐野 憲治君
野口 忠夫君
出席政府委員
自治政務次官 丹羽喬四郎君
総理府事務官
(自治庁財政局
長) 奧野 誠亮君
総理府事務官
(自治庁税務局
長) 後藤田正晴君
委員外の出席者
総理府事務官
(自治庁税務局
府県税課長) 降矢 敬義君
総理府事務官
(自治庁税務局
市町村税課長) 鎌田 要人君
大蔵事務官
(主計官) 大村 筆雄君
専 門 員 圓地与四松君
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三月十九日
全日制市町村立高等学校教職員の退職手当全国
通算に関する請願(堀昌雄君紹介)(第一二三
〇号)
同(大平正芳君紹介)(第一二九六号)
同(安井吉典君紹介)(第一三七一号)
同(宇田國榮君紹介)(第一四四二号)
同(床次徳二君紹介)(第一四四三号)
消防法の一部改正案反対等に関する請願(辻
寛一君紹介)(第一二九七号)
遊興飲食税減免に関する請願(吉田重延君紹
介)(第一二九八号)
電気、ガス消費税撤廃に関する請願(大矢省三
君紹介)(第一三六一号)
同(春日一幸君紹介)(第一三六二号)
同(菊川君子君紹介)(第一三六三号)
同(西尾末廣君紹介)(第一三六四号)
同(西村榮一君紹介)(第一三六五号)
同(北條秀一君紹介)(第一三六号)
同(松尾トシ子君紹介)(第一三六七号)
同(本島百合子君紹介)(第一三六八号)
同(門司亮君紹介)(第一三六九号)
同(安井吉典君紹介)(第一三七〇号)
同(芳賀貢君紹介)(第一四四一号)
地方自治権確保に関する請願(西尾末廣君紹
介)(第一三七二号)
は本委員会に付託された。
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三月十八日
地方公務員の退職年金制度実施促進に関する陳
情書(第三
九五号)
地方自治権及び地方財政確立に関する陳情書
(第四四〇号)
地方自治の自主性確保に関する陳情書
(第四四一号)
新市町村建設促進法の有効年限延長に関する陳
情書
(第四四二号)
町村財政の確立に関する陳情書
(第四四三号)
同
(第五三六号)
地方制度の改革に関する陳情書
(第四四五号)
同
(第五三八号)
新町村建設促進に関する陳情書
(第四四六号)
たばこ消費税の譲与税化反対に関する陳情書
(第
四五〇号)
教育関係起債の増額に関する陳情書
(第五一一号)
消防施設の強化に関する陳情書
(第五一二号)
地方債の利率引下げに関する陳情書
(第五一三号)
固定資産税の減収補てんに関する陳情書
(第五一五号)
積雪寒冷地における固定資産税の課税是正に関
する陳情書(第五
一七号)
新町村建設促進等に関する陳情書
(第五三七号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
三六号)
臨時地方特別交付金に関する法律案(内閣提出
第三八号)
地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の
一部を改正する法律案(内閣提出第七四号)
地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
提出第一〇三号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/0
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001・濱地文平
○濱地委員長 これより会議を開きます。
地方税法の一部を改正する法律案、臨時地方特別交付金に関する法律案、地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。質疑の通告がありますので順次これを許します。川村継義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/1
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002・川村継義
○川村委員 私は、きょうは地方財政法の問題について少しばかり御意見を聞いておきたいと思います。その前に、大臣がおられませんけれども、この前私が聞きました国民健康保険のことについて、ちょっと聞いておきます。
先ほど自治庁の方から国民健康保険事業の状況という資料をいただきまして、これでよく現状がわかったわけでありますが、私はこの前国民健康保険の仕事が相当地方財政に影響を与えているのじゃないか、このまま捨ておいたならば、皆保険というような国の政策が実現される場合に、やはり地方財政の負担という点からいえば大へん心配になる。保険事業が順調に運営できるかどうかということを大へん心配するものであるというようなことで、何か全国的に実施される皆保険については、やはり財政吾妻という面で見てやる必要はないかとかいうような点を一、二お聞きしたわけでありますが、この点についてちょっとさらに簡単にお聞きしておきたいと思います。このいただきました資料を見ますと、三十三年度は大体経営団体が八二%を占めておったが、三十四年度は八九%となっておると、非常に順調に実施されておる傾向が見受けられるのであります。ところが、さらにこの資料によりますと、大体経営の状況から見ていくと、取りまとめて四十二億くらいは一般会計から負担をしておるという状況が出ております。この点が大へん心配になるわけでありまして、この前自治庁長官は、何とかこれを財政需要で見ていくというような形に自分はしたい、こういうことを答弁しておられたと記憶いたします。この点について、きょうは大臣おられませんけれども、政務次官にもさらにお考えを聞いておきたいと思いますが、御承知の通りに、診療費等については二割の国庫補助が出ています。それから五分の調整資金が出ているわけであります。私が申し上げますように、一割程度地方の財政需要で見てやるか、あるいは五%の調整交付金の率を、厚生省と十分折衝されて一割くらいに引き上げるというような、いろいろ重要な点を考えていかなければならぬと思うのですが、この点どのようにお考えになっておられるか、もう一度一つお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/2
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003・丹羽喬四郎
○丹羽政府委員 ただいま川村委員からの御質問は、国民健康保険の経営の不完全な団体につきまして、その健全化をはかるために自治庁としてはどういうように考えるかという御質問と存ずる次第でございます。その点につきまして、ただいま御承知のように二割の国庫負担があるわけでございますが、それにプラスいたしまして五%の調整交付金で、その貧弱団体に対する不足を補うという制度を設けまして、その率でただいま補足をしている次第でございますが、それでもまだ足りない部分につきましては、もう少しその率を上げたらどうかという問題であろうかと思う次第であります。その点につきましては、自治庁といたしましても、できるだけ赤字会計の健全化をはかるために、あるいはあと五%ぐらい引き上げたらどうかということにつきましては十分検討いたしまして、そしてできるだけ健全化に資したい、こう思っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/3
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004・川村継義
○川村委員 今の経営の全般的の状況を見ると、そう心配は要らないだろうとも思われます。ところが、これが全国に実施されるということになって参りまして、おそらく皆さん方がおくみとっておられないような地方住民の負担というようなもの、あるいは国民健康保険に対する考え方というものがやはりまだ十分なものがありませんから、下手するとこれが非常に苦境に立っていくということも一応考えて、何とかその点、自治庁としては関係の厚生省等と十分折衝して、せっかくの国民健康保険が円滑にうまく利用されるように、経営されるように、これはぜひとも一つ大きな課題としてお考え願いたい。
それから同じ資料の状況によりますと、昭和三十三年度の分で見て参りますと、直診勘定が七億八千万程度繰り入れられておる、それから事業勘定には三十四億くらい普通会計から繰り入れになっております。この状況を見ると、これはもちろんいろいろ事業形態の大きさがあるから直ちには言えないかもしれませんが、何か直診勘定でやっておるところ、病院等を持ってやっておる市町村、そういうものの方が経営上はうまくいっているように見受けるのですが、この点はどうでございますか。これは財政局長でも、おわかりでしたらお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/4
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005・奧野誠亮
○奧野政府委員 国民健康保険事業を行なっている団体が、他方において病院経営をいたしておりまする場合に、保険給付にあたっての診療費の請求、この点について正確を期することができるわけでございますので、やはり経営上はその方が適正を期しやすいというような姿になっているようでございます。ただ、診療所でありますとベッドの数も少ないものですから、経常的には成り立ちがたい、こういう問題がございます。従いまして、診療所については、一般会計である程度の負担をしてもやむを得ないじゃないか、かような考え方を持っているわけでございます。病院ということになって参りますと、ベッド数が相当多くなって参りますし、従ってその経営も自然独立採算が大体において可能だろうと思うのであります。診療所と病院とにおいてそういう違いはありますが、いずれにいたしましても、市町村が自分でそういうものを持っているという場合には、報酬請求にあたりまして、大体において水増し等のような問題もございませんので、運営は比較的適正を期しやすいという長所はあろうか、かように考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/5
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006・川村継義
○川村委員 そういたしますと、全部の市町村にそういう病院を作れといってもこれはまた不可能なことかもしれませんが、できるだけ都市形態の町村にはそういうような病院を作らせるということは、これは国民の健康を守るという面から考えても、人口密度の高いようなところには、そういう直営の病院等を作らせるということはいいことなんですね。そう考えていいと思うのですが、これによりましても、三十二年度と三十三年度とを比べると、相当病院数が増加しておる。百十五も増加しておりますから、おそらくこういうような病院を直接経営したいというような市あたりは相当出ておるのじゃないかと思うのですが、この病院経営についてどういうお考えをお持ちでございますか。あんまりたくさん病院を市あたりが経営して作ってくれては困ると考えておられるのか、あるいはこれは非常にいいことだと考えておられるのか。言葉をかえて申すなら、自治庁としては奨励する考え方に立っておられるかどうか。これは厚生省あたりの考えも十分聞きたいと思うのですけれども、この点一つ聞かせてもらいたいと思うのです。やはり経営の内容を考えてみても、あるいは相当人口の密度の高い都市あたりで、みずから病院を経営するということは、やはり国民の健康管理の上からも非常に重要なことだと考えられますので、私、そういう疑問を持って率直なる御意見を聞いておるわけです。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/6
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007・奧野誠亮
○奧野政府委員 公立病院を整備するという意味で、現に厚生省からも補助金が交付されておるわけであります。地方債の面につきましても、公立病院が整備されるように配慮しておるつもりであります。ただ現状を率直に申し上げますと、地域的に病院が集中している。その結果、その地域においては共倒れ的な問題が起こっておるという点が一つございます。もう一つは、病院の地方債につきまして償還期限が短い。現実の耐用年数と合わして考えた場合には、開設当初において資金的にかなり苦しい状態に置かれておる。そういうような問題はぜひ解決をしながら、公立病院の整備に今後とも力を尽していきたいものだ、かように考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/7
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008・川村継義
○川村委員 大へんけっこうだと思いますが、そうなれば、本年の地方債計画について私はちょっと疑問が出てくる。病院経営に対する地方債は、昨年同様十二億、同じ額だと思います。そういうお考えであれば、やはりもう少し地方債計画の上についても手厚くしてやるということが必要じゃないか。また従来の償還期限等が短いということであれば、そういう点をうんと引き延ばしてやる、そうしてこの事業を大きく伸ばしてやるということが必要じゃないかと思うのです。その点については少しお考えと実際の施策というもののズレがある、手抜かりがあった、こう考えざるを得ないのですが、その点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/8
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009・奧野誠亮
○奧野政府委員 病院の地方債につきましては、別途厚生年金の還元融資を行なっておりまして、厚生年金の還元融資を受けられないような地域につきましては、一つ地方債でめんどうを見ていこう、こういうことになっているわけでございます。従いまして、厚生年金の還元融資につきましては、三十四年よりも三十五年度はさらにその金額を増額しているわけでありまして、別途数十億円の病院起債というものを計上いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/9
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010・川村継義
○川村委員 厚生年金の面で十分見ておるということですね。とにかくそういうような点につきましても、償還期限の点について十分検討を加えてもらって——これは他の私立病院等の関係がありまして、そう簡単にいく仕事でないということもわかりますけれども、やはり国民健康保険の経営を健全化するという意味においては、そういう点も十分配慮してもらいたい。それから先ほど申し上げましたように、国の負担率もできるだけ引き上げていくように、そうして普通会計から繰り込んで、一般の地方財政にこういう面で圧迫を加えないように、一つ十分努力してもらいたい。これだけ一つこの健康保険についてきょうはお願いしておきます。
次に、地方財政等の問題について二、三点お聞きしておきたいと思います。地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案が提案されております。これをちょっと見て参りますと、第一点として、年度間の財源調整という問題が取り上げられておるようでありますが、これを見て、こういう感じがしておるのです。地方自治体に対して、こういう財源が余ったような場合には、それを使うほかに、たとえば積立金をするところの大体の基準を示しておる。今度はその積立金を取りくずす場合の何項かを規定しているわけですが、こういうふうにきちっと積立金の取りくずし等について国があまりに縛りつけることがいいのかどうなのか、それがまず第一に疑問になってくるわけですが、この点についてまず自治庁のお考えを聞かしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/10
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011・奧野誠亮
○奧野政府委員 年度間の財源調整について若干規定を整備しているわけでありますが、積み立てた金を取りくずす場合に、別に自治庁の承認を受けなければならないというような規定は設けていないわけであります。しかし、せっかく積み立てたものが全く自由自在に取りくずしができるのだということでは、また意味がございませんので、取りくずし得る場合を限定して列挙しておるわけであります。しかし、ある程度弾力的な運営はできますので、考えようによっては、それほど窮屈な規定でもないということになるかもしれません。しかし私たちは窮屈に考えて運用してもらいたい。しかしながら、あえて許可にかからせるというような考え方は持っていないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/11
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012・川村継義
○川村委員 これを見て参りますと、地方交付税の額と基準財政収入額の合算額が、基準財政需要額をこえた場合、または当該年度の一般財源が前年度の一般財源より上回っておる場合の超過額、それが義務的経費の必要的増を著しくこえる場合には、これこれこれに使えとある。この著しくこえる額というものは一体どういう形になってくるのか、あるいはどのような場合が著しくこえる額であるのか、これが私の一つの疑問であります。それから著しくこえるという場合に、積み立てなければならぬという事態になったときには、一体だれがそれの認定をするか。これは一々自治庁に相談して、これだけ余りました、だからしてこれはこういう面に積み立てておきましょうか、あるいは使っていい分かというような格好で相談するのかどうなのか、その辺のところはどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/12
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013・奧野誠亮
○奧野政府委員 著しくこえることとなるかどうかということは客観的な問題だと考えております。なおまた積み立てる部分につきましては、一種の訓示的な規定でございまして、別に自治庁に相談するとかどうとかいうことではございません。財政運営にあたって地方団体が守っていかなければならない心がまえというものをはっきりここにうたっておるのだ、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/13
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014・川村継義
○川村委員 そうすると、著しくこえ額、余った、積み立てられるところの金が出てきた。これこれの理由によってこれは積み立てなければならぬ金である。そのときには、自治庁に一々相談してやるわけじゃない、こういうことですね。——その点はよくわかりました。そうすると、あなたがさっきおっしゃったように、何も自治庁が一々これを縛りつけていこうというような意図はないという気持もそれでくみとれるわけでありますが、もしもその場合に、その金を積み立てないで、ここに規定しておるような処置をとらなかった、こういうことになりましたら、どうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/14
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015・奧野誠亮
○奧野政府委員 地方財政法に違反する財政運営をやっておるということになるわけであります。地方財政法に違反する行為を行なった場合についての制裁的な規定が若干地方財政法の中にあるわけでございます。またそういうものについては自治庁長官が必要と考えれば、財政運営について助言を行なうことができるということになってこようかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/15
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016・川村継義
○川村委員 そうすると、かりに財政法のそういうような違反的なものに触れないでも、自治庁長官からいろいろ助言を受けるということになりますと、これは法がある以上は当然の事柄かもしれませんが、そういうようなものは、地方団体ではやはり議会の議決を経なければならぬ問題でありましょう。そうすると、議会が自分たちの意思に基づいて議決をして、何と申しましょうか、議決権を行使してきめたもの、それについてまた自治庁から、それは間違っておる、財政法違反だ、こういうようなことで出ていかれることもあり得る、こういうふうに考えて差しつかえありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/16
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017・奧野誠亮
○奧野政府委員 非常に財政が混乱に陥るとかいうような大きな問題になりました場合には、積極的に助言する必要もあろうかと思います。しかしながら、別段その議決を取り消すとかどうとかいうふうな権能は持っていないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/17
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018・川村継義
○川村委員 そうすると、大まかに言うと、今度のここに規定されるものは、一つの訓示規定、そういうふうに考えて差しつかえありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/18
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019・奧野誠亮
○奧野政府委員 その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/19
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020・川村継義
○川村委員 そうすると、次のようなものに積み立てろというようなことで大体の規定をしておる。それから積立金を取りくずす場合には、これこれのものに使え、そのほかに取りくずしてならぬというような規定が生れてくるわけでありますが、ここに書いてないような、何か地方団体が必要とする単独的な事業でもやろうとした場合に、議決をして、それを実行するということになれば、これはもう異議がない、やむを得ないのだ、こう考えて差しつかえないことになりますね。そういうふうに理解しておいてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/20
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021・奧野誠亮
○奧野政府委員 この規定全体があくまでも地方団体の良識に訴えておる規定でございます。従いまして、御指摘のような問題でありましても、たとえば、第四条の四の三号に、「緊急に実施することが必要となった大規模な土木その他の建設事業の経費その他必要やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てるとき。」と、かなり幅の広い取りくずしの規定を置いておるわけでございます。必要やむを得ないかどうかということは、当該団体が認定するわけでありますけれども、また客観的にもその認定が妥当かどうかという批判はあろうかと思うのであります。あくまでも良識に訴えて財政の健全化をはかってもらうようにわれわれとしては努力をしていきたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/21
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022・川村継義
○川村委員 わかりました。
それから二十七条の二、都道府県が市町村に負担させてはならない経費、あるいは同条の三、市町村が住民にその負担を転嫁してはならない経費、こういうような新しいものが出て参りまして、大体その内容は政令で定めるということになっております。先ほどいただいた施行令の一部を改正する政令案要綱案によりますと、いわゆる二十七条の三に規定する大体の問題点としては、(1)市町村の職員の給与その他の給与に関する経費、(2)市町村立小学校及び中学校の校舎の維持、修繕に要する経費、これだけ大体政令の内容として考えておられるようですけれども、これはこれでいいものでしょうか。実は私、俗っぽい言葉で申しますならば、何かちょびっとお義理的に考えておられるような気がしてならないのですが、もう少しこの内容の考え方を聞かしていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/22
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023・奧野誠亮
○奧野政府委員 市町村の住民に負担を転嫁してはならない具体の事項を、さしあたり限定的に政令できめていきたい、かように考えておるわけであります。たとえば学校の経費につきまして、だれが考えましても、修繕費までPTAに負担をさせることは穏当ではない、こう言い切れると、思うのであります。しかし父兄がピアノを寄付したいという希望を持っており、またピアノの寄付について必要な金を、特に有志の者がその能力に応じて積極的に負担をしたいというような心がまえがあるのに、学校の備品だから公費でまかなわなければならない、それはいけないのだと頭から法律で否定してかかることにつきましても、私たちは無理があろうかと思うのであります。やはりこういう性格のものは、それぞれ具体の事項に触れまして、常識的な判断で、これは当然公費で負担をすべきであって、寄付金等でまかなわれるべきものではないのだ、そういうような常識的な運営にゆだねていかなければならないものが非常に多いと思うのであります。そこで今回は、税外負担を解消していくというような精神を強く打ち出していきたい。そうして漸次財政の秩序が、法律が期待いたしておりますように確立されていくことを私たちはねらいたいものだ、かように考えておるわけであります。
なお、こういうような規定を設け、政令で負担転嫁の配慮項目を定めてありましても、なお非常な無理が行なわれるというような場合には、非常に無理だと思われるような事項をさらに取り出しまして、政令に追加をしていく、そうして漸次財政の秩序というものが確立されるように努力していきたい。一挙に何もかも法律で縛ってしまうということは、問題によりましては、かえって無理をしいるということにもなりかねませんので、漸進的に進んでいくべきものだろう、かような考え方を持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/23
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024・川村継義
○川村委員 この政令の内容に考えられた一つの基本としては、漸進的に進めたいということですね。その点ならば、ある程度了解できます。なるほどお話しのように、校舎の修繕をしたりなんかするまで負担させる、これはもってのほかの話でありますけれども、ピアノを買うたり、あるいはテレビを買うたり、そういうものをお話しのように全部公費でやれというのは確かに無理なところもあります。無理なところもありますけれども、大体地方の市町村のピアノとかオルガンとか、あるいは今よく使われてきておりますテレビとか、いわゆる教材費とでも申しますか、こういうものはほとんど市町村から出していないのです。
〔委員長退席、飯塚委員長代理着席〕
これは市町村の実態によってだいぶ違いますけれども、いなかの市町村あたりでは、大ていこれは父兄の負担で買っているわけです。そういうのが非常に多いから、この辺はどこで——たとえば一つの学校に対してピアノ三台までは公費でやれ、それ以上は父兄の負担でやることが差しつかえないというような線が引けるものではありません。ありませんけれども、この点は、やはり父兄負担の軽減ということから考えると、行政的にも財政的にも十分考えてもらわなければ、いつまでたっても、父兄負担の軽減にはならないのじゃないか。今ここにいただいておる資料によりましても、大体市町村で支弁すべきである学校経費を住民が負担しておるものが大体百四十億程度に上っておる。これは三十四年の文部省の調べになっておるわけであります。調査局から出しておられます資料で、そのほか市町村民の負担分を見て参りますと、膨大な額に上っておるわけです。今度自治庁の方で、長い間の懸案として財政計画の上に九十億程度の父兄負担の軽減ということを考えて処置してもらっておりますけれども、もちろんこれは十分ではないと思う。こういうようなことを考えて参ると、やはりこの政令の内容というものは十分に一つ検討してもらって、それに対処できる態勢を一つとってもらいたい。この政令の要綱の中を見ても、校舎の維持、修繕に要する経費ということは考えておられますけれども、校舎の建築等は考えてないようですが、これなんかはどうしてお入れにならなかったのですか。校舎の建築などはまっ先にお入れになる必要があるのじゃないかと思っておりますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/24
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025・奧野誠亮
○奧野政府委員 お話しのように、校舎の建築費は当然公費でまかなうべきであると思います。ただ部落などによりましては、かたがた集会などにも使いたいからもう少し規模の大きいものにしようじゃないか。ついては部落有林野を伐採してもいいじゃないか、こういうような話もあったと思いますので、一律的に禁止項目の中に並べることはいかがなものであろうか、こういうふうに考えたわけであります。いずれにいたしましても、今回は、都道府県や市町村が財政運営をしていく上についてどういう配慮をしなければならないか、そういうことを非常に強く打ち出したい。場合によっては政令や法律で転嫁が禁止されるのだ。そこまで強い精神が出されていくということは、今後の運営に非常に大きな影響を与えてくるのじゃないか、こういうふうに私たちは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/25
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026・川村継義
○川村委員 なるほどそれはそうかもしれませんが、この校舎等の建築に父兄が負担する分が非常に多い。これは全市町村とは申しませんが、今お話しの通り、確かに部落が持っておる部落有林といいますか、そういうものを寄付したりなどする場合もあるかもしれません。しかしそれは山間地帯の市町村ならいざ知らず、そうざらにあるものではありませんし、そういうものは別途一つ考えられるとして、やはり校舎の建築等に父兄が負担をしないというようなことは政令に打ち出してもらってもいいのじゃないか、これは私は筋が通るのじゃないかと思います。おれたちも使うからもう少し教室をよけいやっておけというようなことをあえて考える市町村はあまりないと思いますが、いかがですか。これはやはり校舎の維持費あるいは改築修繕費等で父兄に負担をさせないと考えるならば、校舎の建築においても父兄に負担をさせないということは当然必要じゃないかと思うのですが、どこに無理があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/26
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027・奧野誠亮
○奧野政府委員 御心配になっておる点は私もよくわかるわけでありますし、またどういう範囲まで政令で書くかということにつきまして、ずいぶん議論をしたことがございます。従いまして将来政令でさらにいろいろな事項を追加していくという場合に、十分今後とも検討をさせていただきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/27
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028・川村継義
○川村委員 今、漸進的考え方でということでありますから、それを一つ了解して、すべてこういう問題については、まだほかにもあるようでありますけれども、十分一つ検討を加えて、できるだけ公費でまかなうべきものを市町村民が負担している負担を軽減するように、より大きな努力をしていただきたい。
それからその次の問題として、地方財政再建促進特別措置法の改正に関してでありますが、どうもはっきりしない言葉がここに出てきているのです。これはどういうことになりますか、具体的によく説明していただきたい。それは第三条の六項、「自治庁長官は、前二項の規定により財政再建計画の変更について承認を求められた場合においては、当該変更に係る財政再建計画が当該財政再建団体の財政の合理的な再建の達成に支障がないと認められる限り、その行政について合理的かつ妥当な水準が維持されるよう配慮するものとする。」どうも何か非常にばくとしたような感じを受けます。一体そういうような進んだ、うまくいっておる団体については、再建団体としての再建債の処置についてどういうように考えておるのか。その財政再建計画についてどういうような態度をとろうとしておるのか。何かこの辺をちょっと説明してもらわなければ、これを読んだだけでは、ぐるぐるっと回ってしまうような感じを受けるのです。どうぞこの点を一つ説明していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/28
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029・奧野誠亮
○奧野政府委員 財政の立て直しをする場合に、当該自治団体の側では、再建団体になった場合には、事ごとに自治権が制約されないだろうかというような心配があるようでございます。その結果、赤字混乱に陥っているのに、いつまでもちゃんとした再建計画が立たないままでずるずる進行していく、こういう事例がございます。反面また再建計画の承認なり、変更の承認なりの事務を扱う側におきまして、ただ赤字を早く消さしたいというようなことで、いろいろ当該団体としては単独の仕事などももくろむわけでございますけれども、そういうことについてなかなか承認を与えない、こういうような例もあるようでございます。両者につきまして、再建計画の樹立とか、あるいは変更とかいうようなものは、そういうものではないのだということをはっきりしておきたい、こういうふうな考え方からこの規定を置いたわけであります。赤字に陥った場合に、再建計画を立ててほんとうの立て直しをはからなければならない。はかる場合には、何が何でも自治権が侵されてしまうのだという性格のものではないのだ、また再建計画の承認を扱う側でも、ただ赤字さえ消せばよろしいのだというようなことでその専務を行なってはならない。やはり行政について合理的かつ妥当な水準が維持されるようなことを配慮しながら、再建が達成されるように協力をしていくべきものだというような筋道を明確にいたそうということを考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/29
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030・川村継義
○川村委員 今お話を聞いていると、それは従来と同じじゃありませんか、違いますか。従来もやはりそういうような考え方で再建団体を指導してこられたのじゃありませんか。こういう規定を置かれたということは、結局、そういう再建の見通しが非常によくなったという一つの例を考えてみた場合に、再建団体について何かゆるめる考え方で、再建団体の自主性が今まで非常に押えられておったといわれるのだが、それを取り除いてやる考え方でこの規定を置かれたのですか。今お話を聞いていると、前と同じじゃないかという感じを受けるのですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/30
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031・奧野誠亮
○奧野政府委員 財政再建促進特別措置法を制定したときには、御指摘になりましたように、自主性を十分尊重していきたいということを考えておったわけであります。しかし、法律の条文の中には必ずしもその言葉が表われていないわけであります。その結果、今申し上げますようないろいろな危惧なりあるいは運営上の欠陥なりがあるわけでございますので、そういうことを排除いたしますために、その精神をはっきり法文の中に表わしていきたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/31
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032・川村継義
○川村委員 精神が法文に出てきた。しかし実際がその通りに動くかまた疑問になって参りますね。どうでしょう、八年なら八年の再建計画を立てておる団体、それが財政を非常にうまく切り盛りしてその赤字を消していって健全な方向に進んできた。大体五年か六年くらいでりっぱに達成できた。こういうときに、三年なり早まったわけですね、再建計画が達成された。そういう場合には、たとえば今まではよく自治庁が再建債を繰り上げてやってしまえ、こういう指導をしておられたわけです。そういう場合に、そう考えないで、りっぱに再建団体からはずしてやって、しかも八年なら八年で返すようになっておった再建債は、やはりそのまま返すようにして、せっかく立ち直った再建団体のその後の財政運営あるいはその団体の行政水準を引き上げる、こういう方向に持っていく。そういう考え方などはこれには全然含まっていないわけですか。そういうのは検討されていないのですか。その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/32
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033・奧野誠亮
○奧野政府委員 今まで、お話のありましたように、かりに八年の再建計画を樹立した。しかしその間に相当な増収があったので、その増収で再建債を消してしまえばそれですぐ片がつく。しかし団体としては、いろいろやらなければならぬ仕事も赤字のために押えてきたわけだから、若干は単独事業をやって行政水準を上げたい、そういう場合に、頭からそれを押えてしまわないで、むしろその希望をいれながら再建期間を八年としておいて、その間に行政水準の引き上げのために増収分を使っていってもよろしい、それが合理的かつ妥当な水準が維持されていく上に必要ならそれを承認すべきだ。こういうことがこの法文に書いてあるわけであります。もとよりその団体が増収分で全部再建債を償還してしまえば、もはや再建団体でなくなるわけでありまして、完全な自主性を回復した団体になってしまうわけであります。そのことはもとよりこれを否定するものではありません。むしろ望ましいかもしれません。そうでなくて、増収分を財源として積極的に仕事をしていくという場合にも、それが合理的なものである限りは承認しなければならないのだというよな考え方を再建法の中に打ち出そう、こう考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/33
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034・川村継義
○川村委員 今のお話でややはっきりしたようであります。承認しなければならない、そういう考え方でこの後の運営に当たるということをここに持ってきた。そういうことでありますが、これを読んだだけではどうもわれわれのような者には、何をしようとしておるのか、何を考えておるのかぴんとこないのです。一つ運営は誤りないように、今まで再建団体等について非難を受けておった再建法のそういう状態が早くなくなるように、十分努力して運営に当たってもらいたい。
それから二十四条でしたか、地方公共団体は専売公社とか、国有鉄道とか、こういうものに対して寄付金等を出してはならぬ、こういう規定がありましたね。これは当然なことでございますが、こういう場合はどうなるか。地方の市町村で、郵便局の中に電話局が一緒にある、宿借りしておった。そこで電話局を一つ独立して、電話の効率を発揮してもらいたい。こういう考えで電話局の新設等を考えている市町村がよくあるようです。しかし、これは電電公社と郵政関係の方で、非常にこまかな入り組んだ問題があるやに聞いております。この点はよく知りませんけれども、そういう問題がある。そういうときに、その町なら町から、独立の電話局を作ってくれ、こう言いますと、必ず、一体敷地は寄付するのか、建物を寄付するのか、こうこられるのです。ところが、そういうようなものに対して寄付をしてならぬということになりますと、じゃ建てませんよということになってしまう。これは自治庁だけに聞いてもわからない問題かもしれません。電電公社等の経営方針ということもやはり聞かなければなりませんけれども、そういう問題が出てくるのですね。そういうものはどういうふうに解決していこうとするのか、その点一つ御意見を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/34
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035・奧野誠亮
○奧野政府委員 御指摘のような事例を防ぎたいのが、こういうような負担区分をはっきりさしていきたいという念願で私たちが始めた事情でございます。弱味につけ込むとでも申しましょうか、国立大学を設けたい、それじゃ敷地を提供しなさい。自衛隊を持ってきたい、それじゃ土地を提供しなさい。こういうことが昔からあったわけであります。そういうことから、国と地方との間で負担区分を確立して、こういう場合には地方団体は金を出してはいけないのだというような規定が設けられてきたわけであります。今のような事例につきましても、やはり原則として、そういうことがあるからといって地方団体に金を出させるわけにいかないのだということを、公社等にもはっきり考えてもらいたい。そういうことが、こういうような地方財政法の規定にまでなって参ってきているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/35
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036・川村継義
○川村委員 これは電電公社だけの問題ではないと思いますが、その点、やはり関係の多い公社等については十分手を打っていただかないと、法律を作ったからといって、決して末端までその通りにうまく動くものじゃない。これは申し上げるまでもないと思うのですが、このことをぜひお考え願いたい。
それから次に、付則になりますが、施行期日の問題であります。先ほどお尋ねしました二十七条の新しく付けられた規定は、どうして三十六年四月一日から施行されるのですか。これだけ、どうして特別抜き出して施行をおくらしておるのですか。同時にやってもいいのじゃないかと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/36
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037・奧野誠亮
○奧野政府委員 府県が市町村に負担金を求める。あるいは市町村が住民に負担を求めるというような問題は、予算をきめるときに大体同時にきまってきているのが通常の例でございます。この法律の通りますときは、すでに府県、市町村の予算が大部分でき上がってしまっておるわけです。三十五年度の予算に、そういうものを財源にしていろいろ事業をもくろんでおったが、この法律が通ってから後にそれをやめなければならなくなってしまうと、事業の計画にいろいろ狂いが生じてくるということになりかねませんので、なるたけ一たび作られた計画につきましては、それを法律的に拘束をしないで——もとより自発的にそれを改めてもらいたいのでありますが、法律的に拘束してしまうというようなことは避けた方がよろしいのじゃないか。そういうこともございまして、その関係の規定だけは三十六年四月から、要するに三十六年度の予算を作るときからは、はっきりこの法律にのっとっていただきたい。三十五年度の予算につきましては、この法律が若干おくれておりますので、非常な混乱を避けたい、こういう配慮であります。もとよりこの法律にのっとった運営をしてもらうことを私たちは府県や市町村に期待はいたしておりますが、そういう方向で指導いたして参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/37
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038・川村継義
○川村委員 なるほどお考えはよくわかりますけれども、市町村や府県が三月に予算を通したと言われるが、これは私が知る範囲では、大体骨組みだけの予算であって、六月ごろに三十五年度の本格的な予算を組むようです。大体骨格的な予算を組んでおって、条例を作ったり、あるいはほんとうの予算は大体六月ごろの議会で作っているようです。そうなると、今お話しの点はわからぬではありませんけれども、あまりにも親切過ぎるというか、せっかく法律ができたらことしからぴしゃっと実行できるようにされても何も不都合はないと思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/38
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039・奧野誠亮
○奧野政府委員 私たちの気持は、一刻も早くこの法律の規定が動くように持っていきたい、こういうことでございます。しかし単独事業などは、当初予算から全体の計画を持っておるようでございます。公共事業などにつきましても、近来大体ある程度の見込みで計上しておこうというような努力をしているようであります。しかしながら、実際問題としてはそうはいかない場合もございまして、御指摘のように六月ごろに追加予算をすることが相当ございます。しかし、そういうことでございましても、府県が町村に負担を求めるということで当初予算にかなり計上されているわけでございます。また分担金を求めるための条例なども実はあるわけであります。そういうことから、それを財源にして予算を組んでいるのに、それを混乱さしてしまうということは一応制度としては避けておきたい。しかし運営上はできる限りそういう方向に踏み出すことを期待していきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/39
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040・川村継義
○川村委員 最後に希望を申し上げておきたいのです。私は先ほど地財法等の関係で一、二お尋ねしたのですが、近ごろ財政運営においてもその他においても、中央集権が強くなったということがよく聞かれ、そういうことが論議の的になっていることは御承知の通りであります。そこで地財法運営等についても、先ほど次官や同長から言われたように、非常に強圧的な考え方で地財法等の改正を今度やられているとは思っていないのでありますけれども、やはり運営にあたってはその点よく気をつけていただきませんと、おそらくこの条文を見たところの地方団体等の諸君は、そういう感じを受けるのじゃないか。これは私が言うまでもないのでありますけれども、地方財政法第二条等のこういう条正項をわれわれの頭に入れて物事を見ていくと、この地方財政法の改正点につきましても、将来の運営というものは十分気をつけていただきませんと、今度自治庁が自治省になるらしいのでありまして、そういうことにもひっかけられるし、財政運営上の問題につきましても、いろいろとこれまで問題をかもしていることでありますから、十分一つ気をつけて、国民からそういうような非難を受けないような立場でやっていただきたい、これを特に希望いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/40
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041・飯塚定輔
○飯塚委員長代理 速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/41
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042・飯塚定輔
○飯塚委員長代理 それでは速記を始めて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/42
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043・川村継義
○川村委員 議事進行。それでは金曜なら金曜に、今の門司さんの質問のある間大臣に来てもらうというように御努力願って、そのときに十分聞いていただくように進めていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/43
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044・飯塚定輔
○飯塚委員長代理 委員長から申し上げますが、ただいま川村委員からの御提案に対して善処することをお約束いたします。
本日は、これにて散会いたします。
午前十一時五十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404720X01519600322/44
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