1. 会議録本文
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000・会議録情報
本国会召集日(昭和三十四年十二月二十九日)(
火曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
の通りである。
委員長 佐藤洋之助君
理事 秋田 大助君 理事 淺香 忠雄君
理事 進藤 一馬君 理事 橋本登美三郎君
理事 早稻田柳右エ門君 理事 片島 港君
理事 森本 靖君 理事 大野 幸一君
石橋 湛山君 賀屋 興宣君
上林山榮吉君 木村 武雄君
藏内 修治君 武知 勇記君
塚田十一郎君 寺島隆太郎君
根本龍太郎君 平野 三郎君
星島 二郎君 渡邊 本治君
小沢 貞孝君 金丸 徳重君
久保田 豊君 佐々木更三君
原 茂君 松前 重義君
堤 ツルヨ君
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昭和三十五年二月五日(金曜日)
午前十時四十七分開議
出席委員
委員長 佐藤洋之助君
理事 淺香 忠雄君 理事 橋本登美三郎君
理事 片島 港君 理事 森本 靖君
上林山榮吉君 木村 武雄君
武知 勇記君 塚田十一郎君
寺島隆太郎君 平野 三郎君
渡邊 本治君 小沢 貞孝君
金丸 徳重君 池田 禎治君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 植竹 春彦君
出席政府委員
郵政政務次官 佐藤虎次郎君
郵政事務官
(大臣官房長) 荒巻伊勢雄君
郵政事務官
(郵務局長) 板野 學君
委員外の出席者
日本電信電話公
社総裁 大橋 八郎君
専 門 員 吉田 弘苗君
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二月四日
委員金丸徳重君、久保田豊君及び堤ツルヨ君辞
任につき、その補欠として八百板正君、成田知
巳君及び池田禎治君が議長の指名で委員に選任
された。
同月五日
委員八百板正君辞任につき、その補欠として金
丸徳重君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員金丸徳重君辞任につき、その補欠として八
百板正君が議長の指名で委員に選任された。
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二月一日
電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する
法律案(内閣提出第一三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
国政調査承認要求に関する件
電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する
法律案(内閣提出第一三号)
郵政行政及び日本電信電話公社の事業概況に関
する件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/0
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001・佐藤洋之助
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。本国会も従来通り委員会の所管事項、すなわち郵政事業、郵政監察、電気通信、電波監理及び放送に関する事項について国政調査をいたしたいと思いますので、この承認を得るため、その旨議長に申し出るに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/1
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002・佐藤洋之助
○佐藤委員長 御異議なしと認め、さよう決します。
なお、議長に提出すべき国政調査承認要求書の作成並びに提出の手続等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/2
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003・佐藤洋之助
○佐藤委員長 御異議なしと認め、さよう決します。
暫時休憩いたします。
午前十時四十九分休憩
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午前十時五十一分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/3
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004・佐藤洋之助
○佐藤委員長 再開いたします。
次に、郵政行政及び日本電信電話公社の事業概況につきまして、植竹郵政大臣、大橋電電公社総裁より説明を聴取することにいたします。植竹郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/4
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005・植竹春彦
○植竹国務大臣 当委員会におきまして所管事項の説明を申し上げたいと存じます。郵政省の所管事項につきましては、まず、ただいまのところ、この国会で御審議をいただくこととしております法律案は、すでに提出いたしました電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案のほか、日本電信電話公社法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案の二件であります。
電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案の内容につきましては、後ほどその提案理由において詳細御説明申し上げますが、電信電話に対する国民の需要が急激に増大したことに対応いたしまして、第二次五カ年計画の拡大改定により、電信電話設備の飛躍的な拡充計画を実施するためには膨大な建設資金を必要といたしますので、加入電話の加入申込者等に従来以上の御協力を願うことを趣旨とするものであります。
日本電信電話公社法の一部を改正する法律案も、同じく建設資金調達の一方法として日本電信電話公社が外債を発行する等のため必要な改正を行なおうとするものであります。
簡易生命保険法の一部を改正する法律案は、簡易保険の保険金最高制限額を引き上げようとするものであります。
なお、このほか公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の提案をいたすつもりでおりますが、これは、国家公務員共済組合法、恩給法等の改正に伴い、国家公務員と公共企業体職員との間に長期給付の内容の不均衡を生じておりますので、これを是正するため等の改正であります。
次に郵政事業の現況等について御説明申し上げます。
先般の全逓の年末闘争により、全国的にかなりの郵便物の滞留が発生し、年賀郵便の運行につきましても、相当な困難が予想されたのでありますが、藤林あっせん案によりまして団体交渉問題は一応の解決を見、団体交渉が再開されて、年末首業務はおおむね正常に近い状態で運行することができました。この間の皆様方の御配慮に対しましては、ここに厚くお礼申し上げたいと存じます。
団体交渉が再開されたことに伴い、懸案となっておりました全逓の新賃金問題につきましては、先般仲裁裁定が提示されましたが、省としては、かねてからすべての職員にひとしくこれを実施したいと考えていたところでありますので、その実施はできるだけ早急に行ないたいと思っております。その他、団交再開に伴い、組合から提起された問題に対しましては、誠意をもって交渉に当たり、解決して参りたいと考えております。このように、全逓の正常化によりまして郵政部内の労使関係が明朗性を取り戻したことは、事業のために喜ばしい次第でありますが、団交再開を契機とし、この際特に健全な労使慣行の確立に意を注いで参りたいと考えているところであります。
なお、年末闘争の違法行為者等に対する処分につきましては、事態が円満に解決したことを十分考慮に入れ、できるだけ避けたいところでありますが、昨年秋以来の違法な闘争により、国民に多大の迷惑を与えた事実、及び暴力、傷害、公務執行妨害等という刑事事件に該当するような行為は看過することができませんので、職場秩序の維持の上から、その責任を追及する行政処分を行なった次第であります。
郵便事業の運営はおおむね順調に進んでおります。すなわち、引き受け郵便物数の面から見て参りますと、本年度四月から十二月までの内国郵便の引き受け物数は、通常郵便物約三十九億二千万通、小包郵便物約六千九百万個で、これを前年同期に比較いたしますと、通常七・七%、小包七・八%、それぞれ増加しております。また、外国郵便では通常郵便物は約三千四百万通、小包郵便物は約七十七万個で、前年同期に比較しまして、通常九・三%、小包二一・三%の増加となっております。また同期間の郵便収入は四百六十三億円でありまして、予定収入に対して四・五%の増、前年同期に比較しまして八・六%の増となっております。
なお、今期年末首に差し出されました年賀郵便物は、目下集計中でありますが、およそ十億一千万通程度になるものと思われます。これは前年度に比べて約四・二%の増加であります。
郵便貯金につきましては、本年度の増加目標額は当初一千億円と決定したのでありますが、経済事情の好況と関係従事員の努力とによりまして、好調な増加を続け、早くも昨年十二月下旬には当初の目標額を突破し、年度初め以来二月三日までの増加額は一千三百八十二億円に達して、追加の分を加えた増加期待額一千二百五十億円をも上回る実績をあげ、これにより、先般の伊勢湾台風による災害復旧等の原資としての役割をも十分に果たし得たのであります。また、二月三日現在の郵便貯金現在高は九千七百五十二億円となっておりますが、郵便貯金は季節的な事情から、例年二月から三月にかけて減退を示しますので、年度末までの間、さらに努力を続けて参ります。
昭和三十五年度の郵便貯金増加目標額につきましては、本年度の増勢、来年度の財政投融資面からの要請及び事業経営上からの必要性等、諸般の情勢を考慮いたしまして一千三百億円と予定しております。郵便貯金の現在高は、本年六、七月ころ一兆円に達する見込みでありますが、わが国経済の安定的な成長をはかり、国民生活の向上を期するためには、さらにその増強をはかることがきわめて重要であると思われますので、増強施策等につきましても、一そう充実をはかっていきたい考えであります。
簡易生命保険及び郵便年金の両事業は、おおむね順調な伸張を見せておりまして、昨年十二月末現在、簡易保険の契約件数は四千四百五十六万件、契約保険金総額は一兆八千五百九十一億円に及び、郵便年金も契約件数は百二十八万件、契約年金総額は四十億円となっております。また、両事業の資金総額は、同じく昨年十二月末現在、五千八百五十八億円の巨額に達しております。郵政関係の犯罪は前年度までは漸次減少する傾向にありましたが、本年度は遺憾ながらただいままでのところ若干増加している状況であります。犯罪防止につきましては、昭和三十一年度以降、監察実施方針の重点を特に事故犯罪の徹底的防止、現業局における管理体制の指導に置いて、各般の措置を講じてきたのでありますが、本年度もこの面に一そう意を用いまして犯罪の防止の実を上げるよう努力しております。
次に電気通信関係について申し上げます。
太平洋ケーブルの設置については、新型ケーブルの利用による世界的な通信網の急速な発展の状況に即応し、わが国としましてもその設置の必要を認め、これについては、昨年当初にわが国の国際電信電話株式会社と米国側のアメリカ電信電話会社との間に瀬踏み交渉が行なわれ、その後検討を続けてきたところでありますが、最近米国側において、この種ケーブルに使用するさらに進んだ新技術についての研究試作が完成いたしましたので、新技術の視察と、なおケーブル設置問題について具体的な交渉を行なうために、目下国際電信電話株式会社から関係者が渡米している実情であります。
カラー・テレビジョンの問題につきましては、就任以来、約八カ月間にわたって慎重に各方面から御意見を承って考慮を重ね、また私自身ITUの会議に出席いたしましたおり、できるだけの時間をさいて各国の実情を見て参ったのであります。
また、わが国のカラー・テレビジョンに関する権威者、専門家をもって構成されているカラー・テレビジョン調査会におきまして研究調査の結果、昭和三十三年十一月第一次の中間報告として白黒テレビの発達状況から考えて、VHF帯では両立式が望ましい旨を発表し、さらに昨年十二月第二次の中間報告として現段階においてはカラー・テレビジョンを実施するとするならば、NTSC方式以外に見当たらないとの結論を発表いたしております。
私といたしましては、この結論を慎重に検討いたしました結果、カラー・テレビジョンについてはこの際、方寸を決定する場合には右の方式によることを明示するのが適当であると考えまして、その旨発表したのであります。
この方針を実施するためには、省令の改正等が必要でありますので、改正省令案を電波監理審議会に諮問いたす運びになりますが、電波監理審議会におきましては、さらに法律で定められた聴聞において関係各界の御意見を十分に承った上で答申を出されるものと考えます。私といたしましては、各方面の御意見や電波監理審議会の御意見を十分尊重いたしまして、遺漏のないよう措置いたしたいと存じております。
また現在、日本放送協会が実施しでいる東京及び大阪の二つの教育テレビジョン放送に加えて、二十七地区においても協会の教育テレビジョン放送の実施が可能になるように、本年一月十四日テレビジョン放送用周波数割当計画表の一部を改正いたしました。
次に、当省所管の昭和三十五年度予算案について御説明申し上げます。
郵政事業特別会計におきましては、歳入歳出予算総額は千八百九十三億円でありまして、前年度の千七百三十九億円に比べて百五十三億円の増加となっております。歳出予算の内訳は、業務費が千三百九十二億円、業務外支出額が四百二十四億円、郵便局舎等建設費が五十億円、公債及び借入金の償還金が十八億円、予備費が八億円、歳入予算の内訳は、郵便固有業務収入が六百九十五億円、他会計からの受入収入が七百三十九億円、設備負担金が七億円、借入金が二十七億円、業務外収入が四百二十四億円となっており、また定員は四千五百三十三人の増加となっております。
郵便貯金特別会計予算は、歳入歳出とも六百八十二億円を計上いたしておりまして、前年度に比べて八十七億円の増加となっております。
簡易生命保険及び郵便年金特別会計におきましては、歳入が千七百四十億円でありまして、前年度予算額に比べますと百七十億円の増加となっており、歳出は六百二十七億円でありまして、前年度に比べますと、九十三億円の増加となっております。以上の歳入歳出の差額千百十三億円は積立金になっております。なお、一般公共貸付の運用資金といたしましては、千百五十億円を確保する予定となっております。
一般会計におきましては、歳出予算総額二十億九千四百万円でありまして、これを前年度に比較しますと二億六百万円の増加となっており、定員は三十一人の増加となっております。
次に日本電信電話公社の昭和三十五年度予算案について申し上げます。昭和三十五年度は電信電話拡充第二次五カ年計画の第三年度に当たりますが、加入者開通は三十七万加入、公衆電話増設は一万三千個、市外回線増設は百九万キロメートル、電話局建設二百五十六局等の施設増によりまして、電信電話の拡充とサービスの向上を強カに推進いたしますとともに、町村合併対策、無電話部落対策にも重点を置きまして次の通り編成されております。すなわち、損益勘定におきましては、収入は二千二百九億円、支出は一千七百二十億円で、差引四百八十九億円の収支差額を生じますが、これは建設財源及び債務償還に充てられることになっております。建設勘定におきましては、その総額は一千二百八十五億円でありまして、前年度当初予算八百五十億円に対しまして、四百三十五億円の増加となっております。建設資金の調達は自己資金を七百九十七億円、外部資金を四百八十八億円と予定しております。また、これに対する支出といたしましては、一般拡張工程に一千二百二億円、町村合併に伴う電話サービス改善に四十億円、農山漁村電話対策に四十三億円となっております。なお、ほかに外貨債七十二億円を予定しており、この財源をもって加入者開通三万加入その他の施設工程を追加することを考慮いたしております。
日本放送協会の昭和三十五年度予算につきましては、でき得る限り早い機会に提出いたしたいと存じます。
以上をもちまして私の説明を終わりといたすのでございますが、どうぞ本委員会におかれましても、何とぞ格段の御協力、御支援を賜わりますように特にお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/5
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006・佐藤洋之助
○佐藤委員長 次いで大橋電電公社総裁。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/6
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007・大橋八郎
○大橋説明員 日本電信電話公社の本年度事業概況並びに昭和三十五年度予算案につきまして御説明を申し上げます。
まず、予算の実施状況でありますが、事業収入につきましては、最近の一般経済状況を反映いたしまして、きわめて好調でございまして、予算額の一千八百六十五億円を若干上回る増収が予想されるに至りました。
建設勘定につきましては、本年度は、成立予算額、弾力発動額、前年度よりの繰越額を合計いたしまして、予算現額は総額一千十九億円でありますが、十二月末までに六百八十一億円を支出いたしまして、進捗率は六七%で、おおむね順調に進んでおります。
現在までに実施いたしました工程のおもなものにつきまして申し上げますと、十一月末現在加入電話は農山漁村電話普及対策の分をも含めまして二十万八千、公衆電話は一万一千、市外電話回線は専用線を含めまして五千八百回線、四十六万四千キロメートルをそれぞれ増設いたしております。その結果、十一月末における加入電話の数は約三百十一万二千、公衆電話の数は九万三千、市外電話回線は専用線を含めまして八万六千回線、五百六万八千キロメートルとなりました。
次に昭和三十五年度予算案について御説明をいたしますと、最近における経済規模の拡大、国民生活の向上に伴って、急激に増大した電気通信サービスに対する需要に即応するために、公社は既定の電信電話拡充第二次五カ年計画の拡大修正を行ないましたので、これに基づいた電気通信設備の拡充を行ないますとともに、前年度に引き続き電信電話サービスの向上と経営の合理化をはかることにいたしました。
まず、事業収入について申し上げますと、電信収入百九億円、電話収入二千三十八億円を中心といたしまして合計二千二百九億円の見込みでありまして、三十四年度予算に比べて三百四十四億円の増加となります。
支出のおもなものについて申し上げますと、人件費は六百五十四億円でありまして、前年度に比べて、五十三億円の増加となっておりますが、これは昇給、期末奨励手当の増額、仲裁裁定による給与改訂の分、生産性向上協力手当及び増員等を見込んだためであります。物件費は二百八十七億円で、前年度に比べて二十七億円の増加となり、業務委託費は二百六十億円、減価償却費は三百七十三億円で、前年度に比べてそれぞれ十九億円及び六十億円の増加となります。以上の結果、収支差額は四百八十九億円となり、前年度に比べて百七十一億円の増加を見込んでおります。
次に建設勘定につきましては、三十五年度は総額千二百八十五億円でありまして、前年度の成立予算額八百五十億円に対して四百三十五億円の増加となっております。建設資金の調達は自己資金を七百九十七億円、外部資金を四百八十八億円と予定しておりますが、特に外部資金につきましては、今国会に政府より御提出の電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律によりまして四百八億円を期待するとともに、公募債券の発行を五十五億円、簡保及び運用部資金による電信電話債券の引き受けを二十五億円予定しております。なお、このほか、予算総則において七十二億円、米貨にいたして二千万ドルの外債を発行し得るよう規定いたされております。
主要建設工程について申し上げますと、まずサービス工程でありますが、加入電話は外債発行による三万加入を含めまして合計四十万加入、公衆電話一万三千個を増設してサービスの改善をはかることといたしております。市外電話サービスの改善につきましては、市外回線は専用線を含めて約百十三万キロメートルの増設を予定しておりますが、これによって大阪を中心としては近畿、中国地方の大半の県庁所在地相互間を即時化するとともに、きわめて密接な関連のある都市相互間、すなわち京都—福知山、舞鶴間、青森—函館間等二十二区間の即時化を行ないまして、さらに大都市と近郊都市等の市外通話でサービスの非常に悪い区間の即時化も予定しております。
次に基礎工程でありますが、三十四年度末におきまして設備が行き詰まって電話増設ができない局は四百五十五局に達しますので、この窮状を打開するため、三十五年度におきまして前年度より継続の九十八局のほか百五十八局の工事に着手し、合計二百五十六の新電話局の建設工事を実施いたしますが、このうち年度内に完成してサービスを開始いたします局は八十二局の予定であります。
市外伝送路につきましては、市外通話の即時化並びにテレビジョン放送局の開局に寄与するため、同軸ケーブル及び無装荷ケーブルを十六区間建設するとともに、マイクロウエーブにつきましては前年度からの継続六区間のほか、既設の幹線のルート増設を含めまして十八区間の新設に着手する計画であります。
電報の中継機械化につきましては、大分、東京、大阪及び岡山の四局について工事を実施する予定であります。
次に町村合併に伴う電話サービスの改善計画は、前年度と同様四十億円をもって実施することとし、四百二十八局の電話局の統合と二万二千四百キロメートルの市外回線増設を行なって約四百六十区間約六百局の局間通話の即時化を実施する予定であります。
農山漁村電話普及特別対策につきましては、特に農村公衆電話の増設に重点を置くことといたしまして、前年度に比べて八億円増の四十三億円をもって六千個の公衆電話及び約一万二千二百加入の共同電話を設置いたしますと同時に、百二十五カ所の団体加入電話の架設を予定いたしております。
次に公社関係の法律案といたしまして、電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案及び日本電信電話公社法の一部を改正する法律案がございますが、これらの法律案はいずれも公社の長期計画を遂行するための基盤となるものであり、公社といたしましてもその趣旨を体しまして十分努力いたし、もって国民の輿望にこたえる覚悟であります。
以上をもちまして説明を終わらせていただきますが、この機会にあらためて日ごろの御指導と御鞭撻に対しましてお礼を申し上げますとともに、今後ともよろしく御援助を賜わりますようお願いを申し上げます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/7
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008・佐藤洋之助
○佐藤委員長 次に、去る一日本委員会に付託になりました電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案を議題といたし、審査に入ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/8
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009・佐藤洋之助
○佐藤委員長 まず植竹郵政大臣より提案理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/9
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010・植竹春彦
○植竹国務大臣 ただいま議題になりました電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案について御説明申し上げます。
公衆電気通信設備の整備拡充につきましては、政府及び日本電信電話公社において鋭意努力しているところでありまして、加入電話の数は、昨年末において、戦前最高の百八万加入の約三倍に当たる三百十四万加入に達するという目ざましい実績をおさめております。しかしながら、わが国経済の急速な成長を反映して、加入電話に対する需要の伸びはまことに著しいものがあり、日本電信電話公社において実施いたしております電信電話拡充第二次五カ年計画策定当時の予想をはるかに上回り、加入申し込みをいたしましてまだ架設されない電話、すなわち加入申し込みの積滞数は年々増加の一途をたどっております。この間の事情を数字で申し上げますと、新規需要数は、昭和三十一年度において三十四万四千、三十二年度において三十三万七千、第二次五カ年計画の初年度たる昭和三十三年度三十五万九千と激増いたしております。これに対する新規架設の数は、それぞれ二十二万二千、二十四万一千、二十六万五千でありまして、これにより累加された積滞数を含めますと、加入申し込みの積滞数は昭和三十三年度において六十七万八千となりました。昭和三十四年度におきましても、二十八万加入の増設をするにもかかわらず、新規需要は三十七万をこえるものと見込まれております。現状のまま推移いたしますと、第二次五カ年計画末期たる昭和三十七年度ころには、積滞数は百万をはるかにこえるものと推測いたされます。
このような事情にありますので、早急に設備拡充計画の規模を修正拡大し、電気通信に対する国民の強い要望にこたえる必要がありますが、これに要する資金は相当大きな額に達し、その調達に特別な措置を講ずる必要が生じて参ったのであります。電信電話設備の建設資金は、日本電信電話公社の自己資金のほか、財政投融資並びに電話設備費負担臨時措置法に基づく負担金と加入者引き受け債券とによってまかなわれておりますが、自己資金については、その急激な増加は望み得ず、また外部資金のうち財政投融資計画に基づく分につきましても、建設計画の拡大に見合う資金需要を満たすことが困難であります。
従いまして、政府といたしましては、財政投融資による資金の確保に努力いたしますことはもちろんでありますが、改定計画に基づく増設を行なって参りますために、加入電話の加入申込者等についても、建設資金の調達に従来以上の御協力を得ることが必要であります。
このような次第でありますので、昭和三十六年三月末までの限時法たる現行の電話設備費負担臨時措置法にかえてこの法律を制定し、加入申込者等に、積滞を解消することができると見込まれる昭和四十七年度までの期間、相当額の債券を引き受けていただくことといたしたい所存であります。ただし、この法律案におきましては、極力加入申込者等の実質的な負担の軽減をはかるため、現行の設備費負担金の制度は廃止し、また引き受け債券につきましても、適正な利回りにいたすよう配慮しております。
次に、この法律案のおもな内容について申し上げます。
まず第一に、債券の引き受けを要する場合であります。これは、加入電話の加入申し込みの承諾の場合、構内交換設備の増設または変更の場合等現行の電話設備費負担臨時措置法において、負担金の支払いまたは債券の引き受けを要する場合と大体同様でありますが、このほか新たなサービスである加入電信につきまして、その加入申し込みが承諾された場合を追加することといたしております。
第二に、引き受けるべき債券の払込額でありますが、単独電話につきましては、電話取扱局の等級に従って、一級局たる東京及び大阪の十五万円以内を最高とし、十二級の二万円以内を最低として、その範囲内で政令で定める額といたしております。その他の場合の払込額は、一定の条件に従って、政令で定めまたは公社が郵政大臣の認可を受けて定めることといたしております。
第三に、引き受けるべき債券の種類及び発行条件につきましては、郵政大臣が告示で定めることといたしておりますが、この債券の利回りにつきましては、政府保証債との均衡を考慮して定めなければならない旨を法定することといたしております。
第四に、債券の引き受け免除につきましては、国に対しましてはこの法律の適用を除外し、地方公共団体の警察、消防機関等につきましては日本電信電話公社が郵政大臣の認可を受けて債券の引き受けを一部免除することといたしております。大体において現行と同様であります。なお、公衆電気通信法におきまして、加入電話の新規架設の宅内工事費に相当する部分を、装置料として四千円と定めておりますが、この装置料にかえ、加入電話の新規架設のために直接必要な工事費、すなわち加入者開通工事費に相当する部分につきまして、これを設備料として一万円とすることとして、附則において同法の一部を改正することといたしております。
その他、この法律案の附則におきまして、この法律は、本年四月一日から施行し、昭和四十八年三月三十一日までに廃止するものとする規定を置く等所要の措置を規定しております。
以上の通りでございますので、何とぞ十分御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/10
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011・佐藤洋之助
○佐藤委員長 この際淺香委員より発言を求められております。これを許します。淺香君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/11
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012・淺香忠雄
○淺香委員 本日の議題と別な問題で質問をお許し願いますことは非常に恐縮でありますが、再開第一回の委員会にあたりまして大臣に所見を伺っておきたいと思いますこと、年末、年始にああいう争議がありましたが、この争議のいい悪いということは別の問題としまして、とにかく郵便物や小包等が相当遅配いたしました。その際に、ことに雪国というような不便なところでは、村によりましては青年会あるいは婦人団体、農業組合等々が、配達を受ける家へ少しでもすみやかにこれを届けたいというお気持から、おとりまとめあるいは配達等願いましたことを新聞紙上を通じて私ども知りまして、非常に心あたたまる思いがいたしました。そこで、郵政省としてはこういった事柄に対して、感謝といいますか、お礼と申しましょうか、とにかく何らか謝意を表さなければ相済まぬ次第ではないか、私はこう考えるのですが、大臣としてどんなお考え、また、そういうことをなさる必要があるかないか、あるいはまた、あるといたしましたらどういう方法でそういうお方々に対する謝意を表すおつもりか、一つお考えを承りたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/12
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013・植竹春彦
○植竹国務大臣 ただいまの淺香先生の御意見につきましては全く同じ考えでございまして、ほんとうに今回の忙しいときにあたりまして、非常に各種団体また個人におきまして、全国にわたりまして協力してくれましたことは、まことに感謝感激にたえない次第でございます。
ただいまのところでは、各地方郵政局からそれぞれの協力を得ました方々に対しまして深甚の感謝の意を表して、伝達しておいた次第でございます。
なお地方別によりまして多少の差異はあろうかと存じますが、詳細はただいま郵務局長から御説明申し上げさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/13
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014・板野學
○板野政府委員 地方郵政局を通じまして、各郵便局におきまして郵便局長あるいは郵便課長等の責任者が出向きましてお礼を申し上げる、あるいは手紙等によりまして関係の向きにお礼を申し上げる、こういう方法で現在やっておりますが、実際にどういう具体的な、たとえば謝礼とかそういうようなことにつきましては、まだ全体の報告が来ておりませんので、具体的にどういうことをしたかということにつきましては、後ほど御報告申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/14
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015・佐藤洋之助
○佐藤委員長 次会は来たる九日火曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会いたします。
なお、委員会開会の定例日は、理事会で協議の結果、毎週火曜、水曜となりましたのでお知らせいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時三十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X00119600205/15
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