1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年三月九日(水曜日)
午前十時三十九分開議
出席委員
委員長 佐藤洋之助君
理事 秋田 大助君 理事 淺香 忠雄君
理事 進藤 一馬君 理事 橋本登美三郎君
理事 早稻田柳右エ門君 理事 片島 港君
理事 森本 靖君
上林山榮吉君 木村 武雄君
井手 以誠君 金丸 徳重君
松前 重義君 八百板 正君
小沢 貞孝君 堤 ツルヨ君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 植竹 春彦君
出席政府委員
郵政事務官
(大臣官房電気
通信監理官) 松田 英一君
委員外の出席者
日本電信電話公
社総裁 大橋 八郎君
日本電信電話公
社副総裁 横田 信夫君
日本電信電話公
社職員局長 行廣 清美君
日本電信電話公
社営業局長 大泉 周藏君
日本電信電話公
社計画局長 伊藤 誠君
日本電信電話公
社施設局長 平山 温君
日本電信電話公
社理事
(経理局長) 山本 英也君
専 門 員 吉田 弘苗君
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三月九日
委員金丸徳重君及び池田禎治君辞任につき、そ
の補欠として佐々木更三君及び堤ツルヨ君が議
長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する
法律案(内閣提出第一三号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/0
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001・佐藤洋之助
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
この際、松田電気通信監理官より発言を求められております。これを許します。松田監理官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/1
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002・松田英一
○松田政府委員 昨日森本先生から、加入電話の問題につきまして、国際電電会社の場合と電電公社の場合との問題について御質問がございました。それにつきましてお答え申し上げたいと思います。これにつきましては、問題を二つに分けて考えさせていただきたいと思いますが、まず第一は装置料の問題でございます。第二は債券の引き受けの問題でございます。
装置料の問題につきましては、電電公社といたしましては、多数の加入電信の申込書というものを相手とすることを考えておりますので、そのコストを平均的に考えまして均一料金としてやっておるのでございますが、国際電電の場合には、その加入電信の加入者が限定されておりますために、個々の場合の実情による実費主義をとっておるわけでございます。そういうわけで郵政省としましても、その形で認可をいたしておるわけでございます。そこで従来の実例におきましては、国際電電の加入電信加入者の場合におきましては少額で済んでおりました。つまり実費ということでございますので、施設がある程度、いわゆる電信室までできておるということで、そのあとの仕事は非常に少ないというふうなことから、かなり安く済んでおった例が大部分でございましたが、ある場合には高額に取っておった場合もあるわけでございます。そこで装置料の取り方につきましての計算の根拠についての考え方は、両方とも同じ考えをしておりまして、この点につきましては、今後とも郵政省といたしましては電電公社、国際電電の考え方をよく調査いたしまして、調整のとれたように運用して参りたいと考えておりますが、先ほど申し上げましたように、片方は実費主義、片方は均一料金主義をとっているということは、両方の実情の差に基づくものでございまして、その点につきましては一つ御了承をいただきたいとお願いする次第でございます。
次に債券の問題でございますが、これは国際電電の加入電信の場合におきましては、三十五年度におきましても、計画で大体八十程度の需要を予想しておるだけでございまして、しかもこの八十をつけてしまいましたそのあとでは一体どれくらいふえるかということは、むしろあまりふえないんじゃないかというような予想もしております。これは国際電報の利用者というものの範囲が非常に限定されておりますためにそういうことになるわけでございます。そういうわけで需要が非常に少ないという予想があるわけでございます。そこで、これに要します資金は少額でございますので、特に債券によって加入者の方に協力をしていただくという考え方をしなくてもまかなっていけるだろうというふうに考える次第でございます。ところがこれに反しまして、電電公社の場合には急速に加入電信の拡充をはかる必要がありまして、現在の加入数は千四百程度でございますが、それを三十七年度末には四千にはしたい。さらにそれは多量に拡充をして参らなければならないということが予想されておりまして、そのためには相当の資金量を必要とするわけでございます。そこで、もし債券の引き受けをしてもらわないでやっていくという場合には、そのしわ寄せが電話の方に参りまして、電話の拡充に悪影響がございましたり、あるいはそうでなければ加入電信自身の拡充が阻害されてくるというような結果になりますので、そこで電話の場合とのバランスを考えまして、債券を引き受けてもらって急速に拡充していくというのが妥当ではないかというふうに考えた次第でございます。なお、加入電信を設置いたしますのは相当大きな商社等でございますので、その程度の債券を持っていただいても負担の可能性もありますし、また債券を持ったあとの財産運用というふうな面におきましても、そう支障もないだろうと考えまして、そういうことにしたわけでございます。そして引き受け金額の問題につきましては、電話の場合と大体バランスした考え方をとりまして、一応六十万円というものを最高ときめたわけでございますけれども、これにつきましては、加入電信は現在の段階においてはある時期まではむしろ急速に伸ばす必要がある。と申しますのは、加入電信が五千あるいはそれよりも少し上ぐらいまでいきますまでは、これをむしろ相当積極的に伸ばすような方策を講じないと、効用が発揮できない。それ以上になればかなり効用が発揮できて、どんどんおのずからふえてくるという状況もございますので、それまでの間はこの六十万円をもっと軽減いたしまして、たとえば四十五万円ぐらいというふうなことにでもいたしまして、普及を促進していくというふうな考え方もとっていいのではないかと考えておりますので、そういう点もあわせてお含みいただきまして、御了承をいただきたいと思う次第でございます。
それから、きのうもう一つお話がございまして、これは加入電信の自営の場合の債券の問題でございますが、これにつきましては、昨日も申し上げましたように、自営ということを公社でやるという考えは、まだ具体的にきまっていないわけでございます。と申しますのは、加入電信につきましては、まだ機械そのものが不安定な要素もございますので、もう少し状況を見定めて、実施するとすれば実施したいという考えでございますが、そういうときには大体どの程度の債券を持つかという考え方につきましては、結局直営の場合と同じ算出方法をとるということにいたしまして、従って自営部分だけ除いた部分につきましての約半額——と申しますのは、この前もちょっと申し上げましたように、加入電信一加入当たりの経費はほぼ百二十七万円くらいと考えておりまして、それに対してほぼ半分に近い六十万円を最高と考えておるわけでございますが、それにつきましての自営部分、つまり加入電信の設備に要する費用というものを除きまして、残りの部分が、大体加入電信の全体についての加入者の方々の寄与していただく部分と考えまして、それの大体半分程度という考え方をとることにいたしたいと思います。そうすれば、大体二十万円程度ではないだろうかというふうに予想されておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/2
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003・森本靖
○森本委員 そうすると、この五十五条の八の自営の場合は、自営でない場合の半分、こういうことですね。長いこと言われたけれども、はっきり言うと……。一方が四十五万円ということになったら半分の二十二万円か二十三万円、五十万円になったら二十五万円程度、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/3
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004・松田英一
○松田政府委員 六十万円と考えました場合に、大体二十万円程度になるだろうということでございますので、それよりまた——先ほど申し上げましたのは、ある一定期間は、普及促進のためにそれより低い金額できめていくということを考えておりますので、四十五万円に対して二十万円という意味じゃございませんで、六十万円ということにした場合に大体二十万円程度になるんじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/4
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005・森本靖
○森本委員 それから、今回のこの暫定措置に関する法律案、この法律案は大体いつごろまで——この改訂第二次五カ年計画が済めばこの法律はもう必要がない、郵政省としてはこういうふうに考えておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/5
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006・松田英一
○松田政府委員 そうではございませんで、この法律の附則にも書いてございますように、大体この法律は今のところの予想といたしましては、第四次五カ年計画、四十七年度末、そのころまではこういう必要があるだろうということで考えておる次第であります。ただし法律の附則にも書いてございますように、もちろんその以前に廃止し得る状況がくればしあわせでございまして、私どももそういう努力はしたいと思っておりますけれども、しかし現状の予測ではちょっと四十七年度前にはむずかしいのではないかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/6
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007・森本靖
○森本委員 そうすると、この法律案件は大体附則の中で「四十八年三月三十一日までに廃止するものとする。」と書いてあるけれども、実質的には四十七年まではこれを廃止することは今の計画ではあり得ない、こういう考え方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/7
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008・松田英一
○松田政府委員 私どもが考えております今の一応の計画といたしましては、そういうことにならざるを得ないだろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/8
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009・森本靖
○森本委員 これは大臣にお聞きしますが、大臣は法律家だそうでありますが、これ以外の法律で、こういうように暫定措置というような法律で昭和四十八年というふうに、十三年間も先まできめるというふうな暫定に関する法律というものは何かありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/9
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010・植竹春彦
○植竹国務大臣 私は法律家ではございません。しかし、こういったような時限法で十三年というのは、具体的に今すぐここで思い浮かばないのでございますが、何かあったような気がいたします。よく調査してから答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/10
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011・森本靖
○森本委員 現在問題になっている安保条約でさえ、十年間が長過ぎるということで与党の中でも、河野一郎氏なんかから盛んに意見が出ているような情勢において、昭和四十八年までこの法律が通用する、今日の科学の日進月歩の際に、場合によってはあとからテレビ電話みたいなものができる可能性もあり得る今日の科学技術の進歩です。それから電話交換の行ない方についてもすべて日進月歩で進んでおるわけでありますから、あと四、五年もすれば今日と違った形の電話形態ができる可能性も多分にあるわけであります。そういうときに「昭和四十八年三月三十一日までに廃止するものとする。」でありますから、それは三十六年に廃止をしようともこの法律ではかまわぬわけでありますが、しかし今の監理官の答弁では、昭和四十七年までは廃止する意思は大体ない、こういうなにでありますが、そういうことになると法律の題名そのものが、どだいこんなインチキな題名をつける必要はないと思う。電信電話設備の拡充法案、それならそれで話がわかりますけれども、電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案という、とりあえずの法律案というようなものを書いて出しておいて、それで安保条約よりも三年も長い年月にするなんということは、これは法律の形態上からいっても非常におかしいんじゃないか、こう私は思うわけでありますが、大臣どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/11
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012・植竹春彦
○植竹国務大臣 なるほど暫定という言葉につきまして、長い人類生活のことを考えますれば暫定でもいいかもしれませんが、全く御意見の通りの御議論も成り立つかと存じますけれども、やはり暫定には違いないと存じます。そこで、ただいまのテレビ電話のような画期的な発明があった場合にはどうかというお話でございますが、そういったような画期的な発明があるとすれば、なおさらに十三年ぐらいとっておきました方がよろしいかと思って、あまり急激に莫大な資本をかけましたときに、非常な夢に見るような画期的な発明が行なわれましたときにはどうも資本投下がもったいないと存じますので、これはやはり十三年ぐらいが適当かと存じますが、十三年は長過ぎるか、あるいはただいまお話のございました九年という方が適切であるかということにつきましては、設備の完成の全体から考えましてそれをどういうふうに割り振っていくか、財政上また技術上の観点からそういうふうな計算が出ましたわけでございますので、この点はいろいろ御議論もおありかと存じますが、傾聴すべき御高見でございますが、この程度で一つ御協力のほどお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/12
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013・佐藤洋之助
○佐藤委員長 井手以誠君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/13
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014・井手以誠
○井手委員 一応速記録は読んで参りましたが、あるいは重複するかもしれませんので、その点はお許しをいただきたいと思います。
提案されております法案によりますと四十七年度までということになっておるようでありますが、四十七年度には大丈夫需給関係は一致点を見出して、この暫定措置に関する法律が必要でなくなるという確信がおありになるのでありますか、その点を私はまずお伺いをいたしたいと思うのであります。重ねて申し上げますが、外債の点については、これもあとで別の法案でお伺いをいたしますが、雲行きも必ずしもよくはないのでありまして、その見通しについて一つお伺いをいたしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/14
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015・大橋八郎
○大橋説明員 ただいまの私どもの第二次五カ年計画の改訂の案につきましては、大体今の計画の通りに進みますれば昭和四十七年度の終わりにおいては現在の積滞数を全部一掃して、その他二、三の目標がありますが、それらの目標が大体達成せられる、こういう前提に立ってこの法案も作成されたわけであります。ただいま私どもの考えておりますところでは、まずこの間に完成できるものと、かような考えで進んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/15
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016・井手以誠
○井手委員 総裁から確信ありという御答弁でありました。ところが外債は利回りも高くなって参りますし、世銀がいろいろと政治的な動きもいたしておるようでありまして、私は必ずしもこの点についての楽観は許さないと考えております。もし外債ができないということであれば、ほかの方法をもっても四十七年度までには積滞数を一掃し得るという御確信がおありになるかどうか、重ねてお伺いをいたしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/16
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017・大橋八郎
○大橋説明員 外債そのものにつきましては、実は私しろうとでございまして、あまり確信のあるお答えはできかねるかもしれませんが、本日まで承っておりますところでは、現在のニューヨーク市場の市況によりますと必ずしも非常に楽に募集のできる状態とは承っておりませんが、しかしこれは市場のことでありますから、おそらくこの年度の半は過ぎにでもなればまた条件が変わってくるのではなかろうか。現在の状況といたしましても二千万ドル程度の外債の募集は必ずしも不可能な状態ではないというふうに私ども承っておりますので、多分できることと考えております。なお、かりにこれができなくても、今後の情勢に応じて適当なまた計画を立てまして、四十七年度までにはぜひ所期の目的を達したい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/17
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018・井手以誠
○井手委員 総裁自身が外債の見通しについては楽観を許さないという御答弁でございました。その点はあらためてその法案のときにお伺いをいたしますが、そういたしますと、そういう外債ができなかったという場合には、別の方法をもって所期の目的を達成する、事業は相手のあることでありますから、なかなか思う通り、計画通りにいかないことは御存じの通りでありまして、やはり最悪の事態をも計算に入れて事業を計画し遂行しなくてはならぬことは、私が申し上げるまでもないのであります。そこでその点についての締めくくりでお伺いしたいのは、もしそういうものが不可能な場合でも、いろんな方法をもって、この法案が予定いたしております四十七年度には滞積数を一掃するという御確信がおありになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/18
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019・大橋八郎
○大橋説明員 先ほどの説明にちょっと補足いたしておきますが、来年度の予算といたしましては、御承知の通り加入者で申しますと、三十七万の新規加入をつけるという前提のもとにこの計画を進めております。その上に予算総則において二千万ドルの外債がもし成立いたしました暁には、さらにそれに加えて三万名の新規増設をやる、かようなことになっております。三十七万名の予算に認められておる点は、もちろんこれは可能かと考えております。その上に先ほど申し上げましたように、ニューヨークの市場が許しますれば、さらに二千万ドルの外債、こういう仕組みになっておりますから、その点は一つ御了承願いたいと思います。
なお今後十年以上の歳月の間でありますから、景気のいいときもあるし、悪いときもおそらくあるだろうと思います。従いまして、今日私どもの考えておる今後十三年間の一応の計画というものが、その通りに一厘一銭の違いなく行なわれるとはもちろん考えておりませんけれども、大体においてこの通りに参る、私どもはかように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/19
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020・井手以誠
○井手委員 計画でございますから、一銭一厘をお伺いしておるわけではないのであります。ただいま総裁の御答弁によりますと、三十七万個の上積みに三万個を加えるということでありますが、ここに配られております参考資料によりますると、四十万個の予定で昭和四十七年度には滞積数を一掃するということになっておるのであります。外債による三万個は、これは織り込み済みであると私どもは考えておりますが、違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/20
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021・大橋八郎
○大橋説明員 もとより私どもは、この外債の募集は可能なりという前提に立ちまして、来年度は四十万個つける、かような考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/21
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022・井手以誠
○井手委員 それでは四十七年度までに滞積数を一掃する、やはりこういう法律案——利用者に、国民に負担をかける、独占事業、ほかに利用の方法がないものでありますから、これはもう国民に、利用者に、加入者に強制をするものでありまして、従って今後の計画というものについては、一銭一厘とは申しませんけれども、やはり精密な計画がなくては、国民が承知しないのであります。
そこでお伺いしたいのは、四十七年度までにどのくらいの資金が要るのか、資金の内訳を、一つ今までの実績から申しまして、資金計画をお伺いしたいのであります。資金計画をお伺いしなくては、私どもは十四カ年という長年月にわたるこの債券発行については、簡単に了承するわけには参らないのであります。その資金計画の裏づけがあってこそ、初めて四十七年度という暫定措置の法律案が生まれて参るわけでありますので、この点について、私は正確な資金計画をお伺いいたしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/22
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023・横田信夫
○横田説明員 ただいまの先生の御質問に対しまして、今後の需要予測というものにつきましては、お手元に先般差し上げました改訂電信電話拡充第二次五カ年計画に、需要予測というものを予測いたしまして、それをどういうふうに充足していくかという問題になるわけでありますが、このわれわれの計画といたしましては、先ほど総裁からお話いたしましたように、来年度は四十万、その次に四十三万、さらに四十六万、そういうように第二次五カ年計画といたしましてはしり上がりにだんだんいって、そして第三次五カ年計画に入りましても、四十九万、五十二万、五十五万、五十八万、六十一万、こういうようにだんだんしり上がりにいって、それで初めて、四十七年度末に予定いたしております需要に対して供給量が一致するというようなことを、一応われわれとして考えておるわけであります。そういう計画をもとにいたしました場合に、およそどのくらいな資金が総額として要るかと申しますと、第二次五カ年計画の今後の三カ年につきましては約四千五百億円、その次の第三次五カ年計画の予定が約九千四百億円という資金をおよそ必要とするというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/23
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024・井手以誠
○井手委員 それでは端的にお伺いをいたしますが、四十七年度まで、いわゆる需要供給が一致する四十七年度、国民が、利用者が待望しておる負担のかからない四十七年度末、そこに至るまでにどのくらいの資金が、建設費が要るのか。その一兆何千億円に達するでありましょう資金は、その財源はどこから持ってこられるのか。あるいは運営費の方からの剰余金でどのくらいの見通し、公債発行でどのくらいの見通し、財政投融資でどのくらいの見込みを持っておるかという、そういう資金計画を私はお伺いしております。それは各年次ごとでなくて、総計でけっこうです。三十五年度以降四十七年度に至る十四カ年間の総計でけっこうです。
発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/24
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025・横田信夫
○横田説明員 今後三カ年間におきまして自己資金以外の加入者債券及び財政投融資といたしましては、加入者債券といたしまして約千四巨億円、財政投融資に期待いたしますものの予定が約七百五十億円、それから第三次五カ年計画におきます加入者債券に大体期待いたしますものが二千三百五十億円、公募債等財政投融資等に期待いたしますものが約千二百億円、第四次五カ年計画の五カ年間におきますものが加入者債券におきまして約二千八百億円、財政投融資等におきまして約千二百億円、こういうものを、大体先ほどの資金総額のうちで期待いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/25
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026・井手以誠
○井手委員 大事な点でございますから、若干時間はかかりますが、お許しをいただきたいと思っております。今後三十五年度以降三カ年間に、四千五百億円の資金需要に対して、加入者債券千四百億円、財政投融資七百五十億円、こういうふうな御答弁がありましたが、一つまとめて、四十七年度までに自己資金幾ら、加入者債券幾ら、財政投融資幾らという計数を一つ出していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/26
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027・横田信夫
○横田説明員 ちょっと今の数字が若干違いましたので訂正させていただきます。第二次五カ年計画の今後三カ年間に加入者債券等約千四百億円と申し上げましたが、第二次五カ年計画の前二年度を合わせました六千二百億円——四千五百億円と言いましたけれども、それが第二次五カ年計画の五年間は今までのものを合わせて約六千二百億円、その中で加入者債券等に期待するものが約千四百億円、それから財政投融資等に期待するものが約七百五十億円でありますので、その点御了承いただきたいと思います。
それから今先生のお尋ねの点は、別途集計いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/27
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028・井手以誠
○井手委員 計算ができます間に一、二点お伺いをいたしたいのでありますが、第三次五カ年計画の資金需要九千四百億円、その中に加入者に期待するものが二千三百五十億円、財政投融資千二百億円、そうなりますと、あと六千億円というのは自己資金ということになると思うのですが、いかがでございますか。現在の加入者が高い料金を払って新規加入建設に振り向けるということになるわけでありますが、それが九千四百億円のうち六千億円にも上る計算になるわけでありまして、一カ年間に千二百億円の剰余金を生まねばならぬ、こういう計算になりますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/28
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029・横田信夫
○横田説明員 あと、約六千億円のうち、おもなものは、約三千二百億円は減価償却引当金から大体予定される金でありまして、損益勘定からの受け入れ、すなわち収支差額からの受け入れば約二千三百億円予定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/29
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030・井手以誠
○井手委員 総裁にお伺いをいたしますが、この資金計画というのは、やはりこういう法案を出すときには当然用意してあらねばならぬと思います。この期限を切った根拠になるわけですから。きょうはいたし方ないと思いますけれども、その点については今後十分の用意をお願いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/30
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031・大橋八郎
○大橋説明員 全く用意が足らなかったということはおわびいたしますが、大体各五カ年計画ごとの数字は、先ほど副総裁から御答弁申し上げましたようにできているわけでありまして、ただ、全体を通じての総計ができてなかったのでお手間をとらせてはなはだ申しわけないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/31
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032・横田信夫
○横田説明員 先ほど申し上げました数字を総計いたしますと、今後十三年間に加入者債券に期待いたしますものが約六千四百億円、公募債等財政投融資等に期待いたしますものが約三千百億円、合わせまして約九千五百億円ということに相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/32
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033・井手以誠
○井手委員 資金の総需要、総資金は幾らで、そのうち加入者債券が幾ら、財政投融資に期待するのが幾ら、自己資金が幾ら、こういうふうにはっきりお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/33
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034・横田信夫
○横田説明員 総額は、先ほど申しましたものを総計いたしますと約二兆五千億円、うち加入者債券、公募等は今申し上げましたように九千五百億円、その他自己資金等に期待いたしますものが一兆五千四百億円、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/34
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035・井手以誠
○井手委員 その他の一兆五千四百億円というのが非常に大事でございますので、その点の内訳をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/35
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036・横田信夫
○横田説明員 ただいま期別に分けた自己資金の中の内訳の方を別途集計いたしますから、しばらくお待ち下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/36
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037・井手以誠
○井手委員 総裁にお伺いいたしますが、そういたしますと、将来のことはあまり論ずる必要もないようにも思いますが、この需要供給が一致して参りますれば、一応加入者債券というものはその時点では必要なくなってくる、こういうことになるわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/37
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038・大橋八郎
○大橋説明員 要するに、現在の計画はたくさんの申し込み積滞数を一掃し、また全国の市外通話を即時通話に改め、また大部分の九五%までの電話を自動電話に変える、この三つの大きな目標を達する期間、昭和四十七年度までこの状態を続けたい。それで今の目標が達せられました後においては、ノーマルな状態になると考えておりますので、そのときになればまずその必要はなかろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/38
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039・井手以誠
○井手委員 ただいまあげられました三つの目標、これは先般もお伺いをいたしておりましたが、いずれも緊要ではありますが、資金計画から考えまして、その三つの目標のうちいずれを重点にお考えになっておりますか。いかなる場合でも並行してやろうというお考えでございますか。一般の利便から考えた場合に、どうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/39
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040・大橋八郎
○大橋説明員 ただいま私の方といたしましては、この三つのものは並行してやっていくつもりで考えております。しかし、これは感ずる人の感じによりまして、現在おそらく電話を持っているような方はできるだけ早く即時通話を全国至るところにできるようにするのが一番便利だとお考えになるだろうと思います。どれが重くて、どれが軽いということは申しかねるのでありますが、まず一応私どもとしては、その二つを並べて考えれば、電話のつかない方にできるだけ早くつけるということの方が一番痛切じゃないかと考えておりますが、しかしそれだけに重きを置いて市外通話の方を閑却するというわけではありません。大体先ほど申し上げた三つの目標は並行して行ないたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/40
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041・井手以誠
○井手委員 そういたしますと、三つの目標のうちに滞積数一掃が重要に考えられるが、できるだけ並行してやっていきたい、こういうような御答弁でありました。そういたしますと、これだけの大きな二兆五千億円にも達する資金のうちに、その滞積数一掃と市外即時通話と九五%の自動化、その資金の比率はどの程度になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/41
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042・横田信夫
○横田説明員 これを集計し直すと、先生のような数字が出ると思いますが、今の計画は先生御承知のように、大体今の基礎設備としての市内設備をどうするか、その市内の設備をどうするかという中には改式の場合に、いわゆる改良ですね、共電が磁石に変わるという場合に、それとともに拡張いたすわけですから、その拡張することによって加入者が入ってくる。それを改式なら改式としての経費を生かしていますので、その改式の中で新規加入に当てらるべきものと、現在の加入者が共電から自動に変わることによって、いわゆるサービスが改良されるものと、その比率を分けて先生の御質問に対する集計をしようと思っております。そういう集計をしなければならぬものですから、先生の御質問に対してぴたりと当たる数字を出そうと思うと、すぐここではなかなか困難だと思いますが、大体今の拡張改良の計画のうちに改良分と拡張分とどういうような比率になっておるかといいますと、大体改良分が約四〇%、拡張分が約六〇%、大体の大きな振り分けをいたすと、そんなところじゃないか、こう思います。それで、先生の言われるような分け方に全部振り分けするということになると、また別途いろいろ計算をしなければならぬ問題でありますので、しばらく御猶予をお願いしたい、こう思います。
〔上林山委員「資料々々」と呼ぶ〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/42
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043・井手以誠
○井手委員 資料という話が出て参りましたが、私はこの資金計画が基本だと思う。暫定措置法であればやはり見通しというものをはっきりしなければならぬと思う。これは上林山榮吉君はかねがね力説されておるところでありまして、その滞積数一掃であるとか、市外即時通話、あるいは自動化というものの大体の比率がわかって参りますと、資金計画に狂いが生じたときに、いずれを先にやるべきかということの貴重な資料が出てくると私は思うのであります。そういう意味で私は承っております。特にまた部内の労働問題にも関連をして参るでありましょう。あるいは先刻総裁のお話しになった滞積数一掃というのが全国民から見れば大事ではなかろうかというお話もございました。そういうことを考えて参りますと、資金が思うように供給できなかった場合、財源の目当てがつかなかった場合には、やはりそこに優先順位というものが出てくると私は思う。そういう意味でお伺いしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/43
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044・横田信夫
○横田説明員 そういう意味でありますならば、そうこまかい計算でなしに、大体のことはお話ができると思いますので、計画局長から御答弁いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/44
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045・伊藤誠
○伊藤説明員 改良と滞積数一掃というように計画を分けた場合に、どういう割合で資金が分けられるかというお尋ねでございますが、大きく分けまして市内電話と市外電話、それから電信とか、いわゆる町村合併あるいは農山漁村に対しまする特別対策というように分けられるのでございますが、総資金のうち市内電話に投下いたしますものが大体半分でございます。これによりまして局舎を作り、加入者をふやしていく、積滞を解消していくということでございますが、その市内電話のうちで改良部分が大体四分の一くらい、残りが増設に相なるわけでございます。市外電話につきましては、これは即時通話でありますとか、そういう関係でございますが、これが全体のうちの約四分の一でございまして、その市外電話のうちの改良部分は大体半分ちょっと足らないのでございますが、大体市外電話のうちの半分弱が改良部分、残りが増設部分ということに相なっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/45
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046・井手以誠
○井手委員 先刻の資料、まだ数字出て参りませんか。なおかかるようであればほかの問題に進んでもいいと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/46
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047・伊藤誠
○伊藤説明員 先ほどの自己資金のうちの内訳でございますが、減価償却引当金が大体一兆でございます。残りの五千四百億程度が利益繰り入れ、いわゆる収支差額というふうに相なっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/47
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048・井手以誠
○井手委員 減価償却引き当てが一兆円にも上っておりますが、相当かかることは承知いたしておりますけれども、それは間違いないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/48
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049・伊藤誠
○伊藤説明員 ラウンド・ナンバーでございますが、ほぼ間選いはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/49
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050・井手以誠
○井手委員 今までの建設費は、もちろん内訳でありますが、二兆五千億の建設資金の中に、一兆円の引当金、二五%に当たるわけですが、そんなに高額になるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/50
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051・伊藤誠
○伊藤説明員 そういうふうに相なる計算になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/51
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052・井手以誠
○井手委員 それはそれで、あとでまた伺います。
大臣にお尋ねをいたしますが、この法案の説明にあたって、この法律によれば、加入者の負担が軽減されると言われておるのであります。私の計算では、どうやってみても、いろいろ級別はございますが、二倍かう二倍半の高率になってくるようであります。どこに負担が軽減されるのか、あまり当てにできないところまで計算をされたことはないだろうと私は思います。大臣の言明ですから。その点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/52
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053・植竹春彦
○植竹国務大臣 今回は債券を負担していただくのでありますから、いわば新規加入者からお金を貸していただく立場なので、加入者としては出し切りのお金ではないかう、負担料といたしましては、総計算いたしますと——総計算と申しますのは、利回りとか総体の金額、それから利子の計算等を、従来の負担法の場合と新しい法律案の場合とを比較いたしますと、そこに私は、約六千円でありましたか、はっきりした明確な数字はただいま監理官から御答弁させたいと存じますが、大体その見当得するというふうな計算の説明を聞きまして、了承して法案を提出したような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/53
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054・井手以誠
○井手委員 だんだん電話が普及して参りまして、零細企業、個人に普及して参っておるわけであります。今の金で平均十万円だと承っておりますが、そう簡単な金であるとは考えておりません。右から左にだれでも現金をもって融通できるものでないのであります。これは先般大臣も御答弁になっておるようでありますが、そうしますと、将来六分か七分の利回りを考えて、長い年月の間に利益だから軽減されるというお考えですか。そういう御答弁ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/54
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055・植竹春彦
○植竹国務大臣 それは長い期間を見ませんでも——即座にもその債券が金融の道の開けるもとともなり、あるいは売却が可能ということになりますれば、そう長い目で見なくとも、さっそくにも負担は軽減される、さような計算をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/55
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056・井手以誠
○井手委員 その債券が売れるというところに私は問題があると思います。債券について政府は何か保証をいたしますか。いつでもある歩合で買い上げるという保証がありますか。保証がないものにそう簡単に言えるはずがございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/56
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057・植竹春彦
○植竹国務大臣 政府保証はございませんけれども、その金利におきまして大体政府保証と同じ程度の利息でございますから……。そしてまた電話事業の信用から考えまして、その債券を持っておる人たちが不安な気持になることはない。しかも、それが万が一売れないといたしましても、それを担保にして金融の道がつきますれば、そこにまた担保による利息が必要でございますが、債券を持っていることによって入ってくる利息と金融によって出ていく利息との差額だけが——むろん金を借りる方が利息が高いのでありますが、そのわずかな差額でもって金融の道が講ぜられる、さような観点から、先ほど申し上げましたように、今度の法律案の方が負担法より安上がりになる、さような計算をいたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/57
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058・井手以誠
○井手委員 いやしくも法案を提出されて大臣が説明される場合に、債券の引き取りの保証がなくては、私は軽減されるということは簡単に言えるものではないと思います。売るか売らないかは本人の自由であることもちろんでありますけれども、しかし、政府は最低これで買うという保証がなければそんなことを言えるものではない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/58
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059・植竹春彦
○植竹国務大臣 信用取引におきましては、結局それに対する具体的な保証がなくとも、債券に対する社会的信用、経済的信用がしっかりいたしておりますれば差しつかえない、さように基礎的に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/59
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060・井手以誠
○井手委員 政府機関の債券ですから、信用があるとかなんとか、そういうことを私は申し上げません。しかし、平均十万円の債券を買う、それをいつでもある金額で必ず手軽に政府が引き取る、こういうことであれば軽減の対象になるかと思うのですが、幾らで買われるかわからないものを軽減になるなどと、そんなことが法案提案理由の説明になるとは思いませんが、大臣としてそんなことが言えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/60
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061・植竹春彦
○植竹国務大臣 経済界の通念といたしまして、結局保証があるないということは信用があるかないかという問題に帰着すると思います。その信用を得るための保証でありますから、この債券はつぶれない債券だ、ほごになってしまわないという明確な社会的、経済的信用がありさえすればそれが保証と同じ目的を達するわけでありますかう、必ずしも保証は要らない、その債券の信用程度いかんによる、さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/61
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062・井手以誠
○井手委員 それでは幾らで売れるという確信がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/62
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063・植竹春彦
○植竹国務大臣 財界のことでありますから、そのときの諸般の経済情勢によって違ってくると思います。かりにこれが負担法による場合におきましても、電話そのものに対する価格といたしましても、そのときの市場性、経済界の事情によって価格の上がり下がりがあると同様に、債券市場におきましても、やはりそのときの経済情勢によって上がり下がりがございますので、ただいまここでもって幾らに売れるといった明確なことは言えないわけでありますが、今までの諸般の情勢から見た予想につきましては、大体利回り最高九十円、最低が八十二円三十九銭くらいを平均値として予想いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/63
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064・井手以誠
○井手委員 今、大臣の御答弁にもあったように、変転きわまりない経済情勢、九十円と八十円という十円の差があります。三十四年度でもこれだけの差がある。いつこれが七十円にならぬとも保証ができないわけです。そういう場合に、最低幾らでは政府がいつでも買い上げるという、そういう保証がなくては、私は軽減などとは簡単に言えるものではないと思うのです。それで、私はさらに話を進めますが、この資料によりますると、いかにも債券が売れるから、利用できるから負担の軽減になるかのごとき答弁がありましたけれども、この資料の2の「電信電話債券引受者の債券売却状況」というあなたの方から出されたものを見ますと、三〇%しか売却をしておりません。この三〇%というものの比率で今後売れるということに一応私は見通しを立てねばならぬと思うのです。あなたの方では今後PRするから大丈夫だというお話があるかもしれませんけれども、そういうことは当てにはならない。現実にこういう実績が出ておるのです。三〇%しか売却をしていない。ほかの六〇何%かを自分が保有しておる理由はいろいろあるでありましょう。しかし三〇%しか売却をしていないということになりますと、あとの七〇%近くは無理な債券を買わされて困っておるということにもいえると私は思うのです。それをあなたは負担軽減だと言うことができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/64
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065・植竹春彦
○植竹国務大臣 三〇%しか売る者がないということはいかに電電公社の債券が信用が厚いかということに解釈いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/65
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066・井手以誠
○井手委員 それでは、あなたが非常に力説されておる八十円かう九十円で売れる、そういうことであるから決して負担の過重にはならないで軽減になるということでありますが、今の加入者がお互いそんなに楽に加入債券を買うことができるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/66
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067・植竹春彦
○植竹国務大臣 これは勧業銀行等に大体交渉が成立しておりますので、買い入れ期間の見通しもついておるわけでございますし、この債券を保有する人がたくさんあるということは、それだけ売らないでも大丈夫だ、ほごには絶対にならない。しかも金融市場の定則と申しますか常識と申しますか、定則から申しますれば、これはもう御理解いただいておるとは存じますが、八十二円から九十何円の相場ということは、ただいまの金融市場におきましては信用厚いものだと解釈して差しつかえなかろうと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/67
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068・井手以誠
○井手委員 これから先は意見にもわたりますのでそう長く申そうとは思っておりませんが、私は電電債の信用が厚いから保有する者が多いと、そう簡単に言えるものではないと思うのです。それじゃ勧業銀行がどこでもございますか。そう簡単に売れますか。私はその点は答弁は求めませんけれども、そう簡単に手軽に九十円で売れるものではございません。先刻の御答弁によりますと、今後加入債は十四カ年間に六千四百億円という巨額に達するのであります。お互いが困って参ります。あなたのおっしゃるように、保有しておる者が多いのは余裕があるからだとばかりは言えない時期になって、これだけのたくさんの六千四百億円という債券が市場へ一時に殺到するような場合には大へんなことになろうと思う。これはどういうようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/68
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069・植竹春彦
○植竹国務大臣 これは負担法によります場合にもあるいは今回のように債券の方式によります場合にも、恐慌のありました場合には、経済界の混乱極度に達してまさに経済界が破壊されるような場合には一切がっさいあげて別でございます。たとえば革命の起きましたような場合には、これはあげて非常事態でありますかう、そのときのことはまた全然別の話になろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/69
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070・井手以誠
○井手委員 そうあまり文句も言えないようなおかしな答弁で、私は何も革命であるとか関東大震災のことを予想して聞いておるわけじゃございませんよ。ことに最近でも見てごらんなさい。神武以来の景気のあとの不景気ということがあったじゃありませんか。もしそういう変動の場合に債券を持った者がいかに電電債が信用があるといっても、おれもおれもといって一時に殺到した場合にはずっと値がくずされますよ。そういう場合に九十円と考えておったのが七十円でも売れないという場合はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/70
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071・植竹春彦
○植竹国務大臣 いわゆる防戦買いの現象が起こるのはそこであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/71
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072・井手以誠
○井手委員 もう少し詳しく言って下さい。私が聞いておりますのは仮定ではございません。そういうことは当然予想しなくちゃならぬ。大臣自身言ったじゃありませんか、経済界は変動するということを。そういう場合に九十円を予定しておったものが七十円前後に落ちるような場合、これでもあなたは負担軽減だとおっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/72
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073・植竹春彦
○植竹国務大臣 それは経済界が変動いたすことはただいまお話の通り私も認めておりますけれども、一時に電話の債券だけが殺到いたしますということは電電公社の業態が急激に非常に悪化した場合でありますが、郵政省が行政の監督をし、しかも監督なしにいたしましても電電公社が今日のような堅実な運営をいたしておる信用絶大な公社としては、その仮定の事実は私はあり得ないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/73
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074・井手以誠
○井手委員 公社の方にお伺いをいたしますが、従来債券は非常に少のうございました。ところがこの法律によりますると、三十五年度には三百億以上、数字は私若干間違っておるかもしれませんけれども、相当の債券が出ることになるわけであります。そういう場合でも今後どんどんふえていく場合でも、この最高値、最低値、平均八十七円三十三銭というものの、そういう平均値の前後は持続、持合ができるという確信がおありですか。ずっと債券が出た場合、今までと違います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/74
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075・大橋八郎
○大橋説明員 お手元に配付した資料の中にあるいはあるかと思いますが、ちょうど昭和三十年度から電電公社債が株式市場で取引されております。それ以後の実績を見ますと、昭和三十年度が平均して八十三円六十九銭、三十一年度が九十四円四十四銭、三十二年度が八十二円三十九銭、三十三年度が八十七円十四銭、三十四年度が八十七円三十三銭、さようなことになっておりまして、現在の六分五厘の社債の状態でありましても、最高九十四円四十四銭から最低八十二円三十九銭の間の価格を保っておるのであります。ほとんど八十円を下回るということは特殊な現象以外の場合は考えられません。しかも多少変動があったにいたしましても、これは一時的な現象にすぎないということがこれで大体省察できると考えております。また、ただいま御指摘の従来よりも債券が売れているのじゃないか、従って市場によけい流れる。これは一応そういうふうに想像されます。しかし一方におきましては従来は六分五厘の利付の債券であった状態においてもこれだけの価格を保っておったのでありますかう、今後その利率も一般の公募債と同じように七分もしくは七分以上のものに改めようというのでありますから、一方に御指摘のような多少幾らか不利益な条件といいますか、ファクターがあるかもしれませんが、一方にまた利率の点において有利な条件も加わるのでありますから、差引して大体においてこの程度が可能、かように私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/75
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076・井手以誠
○井手委員 きびしい経済界のことでございますからそう甘く考えるわけに参りません。一割五分引きかあるいは二割、二割五分引きになるということも私は考えなくちゃならぬと思うのであります。将来の見通しについてはこれは意見もございましょうから多くは申し上げませんが、私はこういうときに何と申しますか、かんぬきと申しますか、ある金額は公社が保証してやるという、そういう何かの構想が必要ではないか。そうすることによって債券の信用もさらに高まっていくでありましょう。一般債券とはこれは同様には参りませんが、何かそういう構想というものがございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/76
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077・大橋八郎
○大橋説明員 ただいま御指摘のような手段がもしとられれば一そうけっこうだと思いますけれども、公社の債券なりあるいは公債なり、いろいろな政府関係もしくは政府自体の債券が出ておるのに、電電公社債のみについてかような特殊な施策をやるということも、全体の点から見まして、すぐ実現しようとも考えられません。ただ私どもといたしまして社債の低落ということは、非常に警戒といいますか関心を持たなければならぬことは申すまでもないことであります。ことに、ただいま御指摘のように、今度相当多額の社債が発行されるということでありますから、できるだけ価格の維持の対策については始終留意しなければならぬということは考えております。従いましてただいま考えておりますことは、元来価格の維持ということは、債券の引き受けをした者がなるべく売らないで持っていてくれるのがよろしい。売ることによって市場に流れ出るから変動するということが起きるわけでありますので、できるだけ債券の売却を抑制するという手段をとらなければならぬ。これは今回利率をもう少し引き上げるというようなことを先ほど申し上げましたが、そのような機会に、従来少し宣伝が足りなかったと考えられる点もありますので、今後はできるだけ一般に対して、電電社債の有利であるという点を周知してもらって、たとえば割引債は課税対象にならない債券、つまり税のかからない債券であるとか、あるいは利率等におきましても、郵便貯金や銀行の定期預金等に比較しても利回りはむしろ遜色がないというような有利な点を、加入者に徹底的に周知せしめ、これによって売却の抑制をはかる。また、さらに売却された債券につきましても、その投資物件として有利であるという点を広く一般に周知宣伝せしめまして、消化度の拡張をはかる。こういうことを今後私どもとして第一にやっていきたい、かように考えております。
さらに、先ほどちょっと申し上げましたが、従来は六分五厘の利付き債券でありましたが、今回はこれを七分——これはまだ大蔵省と交渉中でありまして、どうなりますか確かなことは申し上げられませんけれども、この法案にあります通り、他の公募の債券よりも悪くない状態においてきめる、こういうことになっておりますから、従来の例から申しますと七分もしくは多少七分に色がついた程度になりはしないか、かように考えております。これも社債の価格を維持する一つの大きなファクターになりはしないかといううに考えております。
そのほか、先ほど大臣からもちょっとお話がありましたように、勧業銀行その他の銀行と話し合いまして、この債券を引き受ける場合の資金を月賦制度によって貸してもらうという方法をも、この際——現在すでに勧業銀行だけ試行的にやっておりますが、来年度からはもう少し幅を広げまして、銀行の種類もふやし、もっと広くこの制度を実行したい、かように考えております。
そのほかいろいろな多少こまかい手段は考えておりますが、なおそのほかに、従来とも加入者に対する周知が非常に足りなかったうらみがありますので、公社の電話局にも相談所を設けまして、月賦金融に関する、加入者のための相談に応ずる、あるいは金融のあっせんなり債券の売買の指導等、ここらで加入者によく説明をしてあげて周知せしめる、こういうことも考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/77
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078・井手以誠
○井手委員 銀行はどういうふうにお考えになっておりますか。広げるということでありますが、勧銀のほかにどういうことをお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/78
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079・山本英也
○山本説明員 ただいま銀行で扱っておりますのは、先ほど御答弁申し上げました通りに、勧業銀行一行でございますけれども、来年度からは都市銀行に対しましては、長期信用銀行及び興業銀行あるいは東京銀行というような特殊な銀行を除きまして、都市銀行全部に対して加入申し込みの際の小口金融をこの際していただくように、ただいま折衝中でございますが、都市銀行の方はほぼ応諾される見通しになっております。従いまして、銀行の数で申しますと十三行でございます。それから地方銀行の方につきましては、ただいま各通信局におきまして取引銀行がございますので、それに都市銀行とほぼ同じ基準、条件をもちまして、小口融資の道を加入者に対して開いてくれますように、各銀行と目下折衝中でございまして、この方も大体取り扱ってくれることに相なると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/79
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080・井手以誠
○井手委員 債券の売買についてはこれ以上申し上げませんが、今まで御答弁になったようなそう甘いものでないことを一つ御留意をいただきたいと思っております。そこで証券会社は別にいたしまして、私は詳しいことは知りませんが、電話の売買、債券の売買、こういう業者が跳梁するであろうことも予想しなくてはならないのであります。電話売買、債券の売買、そういうものが現在どういう状態であるか、あるいは跳梁するであろうそういう業者の取り締まりはどういうふうにお考えになっておるか。これは電話公債ばかりではございませんで、こういう者はよく地方に回って安い値で買いたたいてぼろもうけをするのが非常に多いのでありますが、その点についてもおそらく電電公社は万全の用意があろうと私は信頼いたしておりますので、その用意を承りたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/80
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081・横田信夫
○横田説明員 ただいま先生の御指摘の点は非常に大事な点でありまして、従来ともその点がいろいろ問題でありましたので、先ほど総裁がお答えいたしましたように、社債市場としても気配相場を立ててもらう、これが一番大事なことであります。その気配相場につきましては毎日の新聞紙上に出るようにいたしております。これをやり出してから、先ほどお手元に差し上げましたように、この加入者債券についての相場というものがほんとうに安定いたしまして、そういういわゆる業者の暗躍では動かし得ない足取りをたどるというようになって参ったのでありますが、その気配相場のことについて、そういう意味で大ていのお客さんはもう御存じだと思いますけれども、今後なお一そう気配相場の周知というものをやっていく、これが一番大事なことだろうと思っております。そのほか先ほどの電話業者の取り締まりにつきましては、先般来いろいろお話がありましたが、電話業者の非違行為と申しますか、そういうものの防止については、あるいは転売につきましての印鑑証明の提出とか、あるいはある期間についての制限、いろいろそういうことをやる、またそのほかブラック・リストに載るようなもののお互いの情報を全国に流す、そういうような意味の諸種の方法を通じまして、いろいろ取り締まりをいたしております。そのほかに先般来お話が出まして、電話業者についてはもう少し間接統制でもいいから積極的な指導ということをやるべきではないかということで、この点についてはなお一そう努力いたしたい、こういうように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/81
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082・井手以誠
○井手委員 気配相場を周知徹底させれば大体よろしいというお答えでありますが、地方にあっては、そう簡単に、官報に載っておるから大丈夫だというわけには参らぬわけでありまして、すべての加入者にわかりやすく周知させる工夫が一段と必要であると私は考えております。ただ何かに公示するとかいう程度のものでは済まぬと思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/82
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083・横田信夫
○横田説明員 先ほど申しましたのは、官報ではなくて、実は新聞でありますが、新聞に気配相場が出ております。これは官報よりは相当いいと思いますけれども、そのほかにも周知のできてないところについてはなお一そう今後努力したいと思っております。実情からいたしましては、今お話しいたしましたように、この気配相場ができてからは、これについて電話業者の暗躍というものは事実上むずかしくなって、それによってだまされるお客さんはまあまあほとんどなくなってきていると思いますが、なお一そう努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/83
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084・井手以誠
○井手委員 次に、少し雇用関係にも進んで参りたいと思いますが、一兆五千億円の資金をもって電話の需要供給を一致させるという四十七年度までの計画、その計画によりますと、雇用関係はどういうふうに変わって参りますか。自動化あるいは市外即時通話、そういう雇用関係にどういう影響が起こってくるのか、この点をお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/84
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085・横田信夫
○横田説明員 先生もよく御承知のように、電信電話事業につきましては世界的に設備の近代化対策というものが相当進んでおります。わが国におきましても、この世界的傾向と同様に、サービスを向上し、あるいは事業の経済化をはかっていく、両方の面からいきまして、また従業員のほんとうの労働の将来の進歩という点から考えましても、こういう設備の近代化というものは当然行なわれるべきことだと考えておりますが、これに伴っての人の労働生産性と申しますか、そういうものが当然設備の近代化によって相当上がってくるわけであります。そこで相当の配置転換あるいは職種転換というようなことを必要といたすわけであります。同時に、われわれの事業といたしましては、これだけの拡張をやるわけでありますが、幸いにして一切の首切りということはせずにやっていく。しかし職種転換、配置転換は必要であろうと思いますので、そういうことによってこの問題は乗り切れると思っております。なおそのほかに、これだけの拡張でありますので、相当数の増員も伴いながらこの拡張という計画をやっていかなければならぬ、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/85
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086・井手以誠
○井手委員 首切りをしないということは何回も承りました。しかし九五%を自動化する、市外即時通話を完了するということになって参りますと、相当の配置転換が必要になってくると思うのであります。この労働対策の前にもう一言先に承っておきたいと思うことは、先般私、予算の分科会でちょっとお伺いいたしましたが、最近六カ年ばかりの間に、一人当たりの収入、生産性というものは大体二倍に高まっておるのであります。そうなって参りますと、この暫定措置法が終了を予定いたしております四十七年度にはどのくらいの生産性が向上されるのか、その点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/86
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087・横田信夫
○横田説明員 生産性の向上につきましては、従来の生産性向上の傾向が今後も引き続いていくと思っておりますが、過去の生産性向上の具体的なデータを職員局長から説明いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/87
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088・行廣清美
○行廣説明員 労働生産性のデータのとり方にもいろいろとあるかと思うのでありますが、一応私どもでとりました労働生産量のとらえ方をまず申し上げたいと思います。
通信の要素といたしまして、市内度数、市外時数、電報通数、こういうものがございますが、これはそれぞれの要素別に違っておりますので、これを一応総合的に考慮いたしまして、総合生産量というものをまず出すことを考えたわけでございます。まずそれを一つの基礎といたしまして、その総合生産量と人員との関係を比べまして労働生産性の数を出しております。このようなやり方で見た場合におきまして、今手元にありますのは昭和三十年を基礎としたものでございますから、それによりまして一応お答えいたしたいと思うのであります。
昭和三十年を一〇〇といたしました場合に、昭和三十三年におきましては、その指数が一三五・六ということになっております。人員につきましては、同じく昭和三十年を一〇〇といたしますと、三十三年が一〇六・九ということになっております。そこで労働生産性指数はどのように変化してきているかということを申し上げますと、三十年におきまして一〇〇といたしますと、三十三年においては一二六・八ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/88
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089・井手以誠
○井手委員 わずか三カ年間にそれだけの向上を見ておるわけでありますが、四十七年度にはどういうことに予定をされておりますか。一方では設備をどんどん拡充していくならば、そこに当然生産性の問題も計画がおありになるだろうと思うのです。その点についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/89
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090・行廣清美
○行廣説明員 ただいま申し上げました方法によりましての労働生産性の伸びというものは、四十七年度末までのものはまだ作っておりません。と申しますのは、度数、時数、いろいろな要素がからんで参るわけでございますし、従って現在の段階ではそこまでのものは作っておらないということで御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/90
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091・井手以誠
○井手委員 四十七年度でなくても第二次計画の最終年度、あるいは第三次計画の最終年度、その程度でもけっこうです。片方の建設のプランはどんどん進んでおる、片方の労働のプランはわからないでは困るから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/91
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092・行廣清美
○行廣説明員 ただいま手元に持っておりませんが、第二次五カ年計画の終了時のものは一応予測したものがありますので次の機会に説明申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/92
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093・井手以誠
○井手委員 それはどうしても出してもらいたいわけであります。私は今から今後の雇用政策、労働生産性並びにその配分、いろいろのそういうものについての質問をいたしたいと思っておりますから、一つ午後の再開劈頭には間に合うように用意を願いたいと思います。私その資料がほしいのでありまして、私の質問に満足なお答えができないようで、午後にはいいということでありますので、この辺で一応打ち切っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/93
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094・佐藤洋之助
○佐藤委員長 午後二時より再開することとし、この際暫時休憩をいたします。
午後零時十一分休憩
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午後二時二十三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/94
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095・佐藤洋之助
○佐藤委員長 再開いたします。
午前中に引き続き質疑を行ないます。井手委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/95
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096・井手以誠
○井手委員 午前中に資料を要求いたしておりましたが、すでに十分御用意ができておると思いますので、引き続き質問を続けます。
昭和四十七年度までにいわゆる労働生産性はどのくらい向上していくのか、その点をまずお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/96
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097・伊藤誠
○伊藤説明員 労働生産性の向上が四十七年度でどのくらいになるかというお尋ねでございます。けさほど職員局長から実績につきましてお答え申し上げたのでございますが、その算定方法は、市内の通話度数でございますとか、あるいは市外の通話時数でございますとか、あるいは電報通数というようなものを総合いたしまして、生産性の向上をやって、実績が出ているのでございますが、私ども長期の計画のための労働生産性の向上に対しましては、使いまする要素が違っておりまして、私どもがやっておりまするのは、一人当たりの受け持ち加入数を生産性の算定の基礎にいたしておるのでございます。それによりますると、昭和三十四年度を一〇〇といたしますると昭和四十七年度におきましては一九五ということに相なる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/97
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098・井手以誠
○井手委員 機械化して参りますと、向上していくことは申すまでもございませんが、同時にまた神経を非常に使うようになって参りまして、いわゆる労働強化にも相なるのであります。その点についてはどのようにお考えになっておりますか。大体十三カ年ばかりで生産性が二倍に上がっていく、その労働強化の面はどのようにお考えになっておりますか。同時にまた、いわゆる労働時間などについてはその点どういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/98
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099・行廣清美
○行廣説明員 お尋ねの点でございますが、私ども労働生産性の伸びを見る場合におきまして、その要素はいかなるものによるかということをまず第一に考えなければなりませんし、その場合におきましては、私どものように機械というものが相当大きな要素を占めておるものにおきましては、機械化ということによりまして、平たく言えば、機械が生産性を向上するといったような面もあるわけであります。要するに、労働生産性の場合におきましては二つの要素がございまして、一つは資本部分であり、一つは労働者の働きによる分である、このように考えております。そのように見て参る場合におきましては、私どもとしては、必ずしも労働強化といったようなことが著しく現われてくるかどうかということにつきましては、やはり問題があるのではないかというふうに考えておりまして、機械化によってカバーされることによりまして、労働強化をしないで労働生産性が伸びていくということもあり得るというふうに考えているわけでございます。
なお、それに関連いたしまして労働時間の問題でございますが、私どもといたしまして、労働時間の問題を考える場合におきましてはいわゆる能率を向上いたしまして、いわゆる要員の増を伴うような意味における労働時間の短縮というふうなことは、一般的な傾向ではないというふうに考えております。そこでそのような面から見た場合におきましては、私どもの一般的な考え方としては、今後能率を向上することによりまして生産性が上がってくる場合におきましては、一般的な傾向といたしましては、労働時間の短縮ということを考えていくことは必要であろうというふうに考えておりますけれども、現在の時点におきましては、私どもの労働時間というものは、先般も総裁からも御答弁申し上げましたように、一応適当なものであるというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/99
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100・井手以誠
○井手委員 それでは現在のところ、労働時間の短縮についてはお考えになっていないわけでございますか。それほど労働生産性が高まって参りますと、ただいま申し上げましたように、非常に注意力を要することになって参るのであります。機械がものを動かして参りましても、やはり労働の密度と申しますか、それが非常に高まってくると考えておりますが、その点については現在のところお考えはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/100
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101・行廣清美
○行廣説明員 先ほど申し上げましたように、現在の時点におきましては、労働時間というものは適当なものであるというふうに考えておりますので、短縮を今すぐ実施するということは考えておらないわけでございますが、今後生産性の向上の実情に応じまして、先ほど申し上げましたように、必ずしも要員の増を伴うといったような意味におけるものでなく、真の意味における生産性の向上ということが実現する場合におきましては必要な労働時間の短縮という問題も考えなくてはならないというふうに考えておるわけでございます。今後の見通しといたしまして、一般的な傾向としては、今申し上げたような趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/101
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102・井手以誠
○井手委員 なおこの問題についてはあとで同僚の松前委員から質問があろうかと思いますので省略をいたしますが、そういたしますと、四十七年度における要員の増加はどのくらい予定されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/102
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103・横田信夫
○横田説明員 今の計数については、今別途計算いたしますから、しばらく御猶予願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/103
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104・井手以誠
○井手委員 総裁にお伺いをいたしますが、ただいま職員局長から、労働時間の短縮については現在は考えていない、しかし将来は考えなくてはならぬだろうというお話でありました。労働時間の短縮はもう世界の大勢でございますから、同時にまた生産性がここ十二、三年の間に倍加するということになって参りますと、労働の密度というものは非常に高まって参りますので、やはりその点はお考えにならなくてはならぬ重要な要件であろうと考えておりますが、この際総裁の所見を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/104
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105・大橋八郎
○大橋説明員 その点はただいま職員局長からお話し申し上げましたことと同様であると考えますが、要するに労働時間の短縮はできるだけ将来やっていかなければならぬという考えは持っております。ただ時間は短縮いたしましても、生産性は向上こそすれ決して低下しないという限度において時間の短縮をやっていかなければならぬ、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/105
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106・井手以誠
○井手委員 承るところによりますと、組合との間に二、三年ほど前合理化計画に伴って、合理化の進展に伴って労働条件を向上する、こういう約束が第一項にあるようであります。これは先般予算の分科会でもちょっと触れておきましたが、この長期の四十七年度までの間の労働条件の向上、こういったことについては、すでにあなたの方では、建設計画が一方では具体的に進められておりますから、その面についても私は御計画があろうかと思いますが、その点について副総裁でけっこうですから、ありますれば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/106
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107・横田信夫
○横田説明員 お話のごとく設備の近代化なりわれわれの事業の向こうべき目的としましては、お客さんへのサービスの向上と事業の発展、従業員の生活の向上、これが三つの大きな目的であり、われわれの所期しなければならぬところであろうと思います。そういう意味におきまして、設備の近代化の目的も、近代化によって総体としての待遇の改善をはかっていくということが当然方向でなければならぬわけでありまして、そういう意味の申し合わせはできておるわけであります。
そこで、一体設備近代化のこういう計画が従業員の生活の向上とどういう関係を持ってくるかということになるわけでありますが、設備の近代化による御承知の改式あるいは増築、こういうこと自身が作業環境の改善と非常に密接に結びついているわけでありまして、従来の木造の非常に狭隘な局舎がこの改式とともにあるいは拡張とともに本建築になり、作業環境がよくなり、しかも局舎がこうやって大幅によくなるということは、お客さんへのサービスの向上であるとともに、従業員の作業環境の向上に役立っておるわけであります。そのほか住宅計画あるいは病院の計画、そういうものにつきましても、こういう厚生福利についても当然配慮をいたしておりますが、なお直接の給与の問題につきましても、給与のべースの向上ということにつきましては、これも今後生産性の向上によってだんだんと上がっていくべきものであろうと思いますが、これは同時に、わが企業だけではなくて、日本の経済の成長率というものとべースの問題というものはある程度見合っていくべきもので、ことに独占的公共事業としてのわれわれの事業におきましては、そういう程度の国民経済全体との均衡ということも当然考えらるべきものだろうと思います。いずれにいたしましても当然上向きの方向にいくべきものであるし、われわれもそういう点について努力いたしたいと思っております。
そのほか生産性の向上に伴っての直接の問題といたしましては、三十五年度の予算から初めて顔を出したわけでありますが、予算上に見込まれる生産性向上に伴って仲裁裁定第四項の手当、どういうものを予算化していくか、これは今後も毎年継続いたすわけでありますが、その予定された生産性向上になお超過して向上されるという場合におきましては、業績手当というものを所定の手続によって出していく、こういうことに相なろうかと思います。そのほか今の厚生福利施設というようなものについても今後できるだけ努力していきたいこういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/107
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108・井手以誠
○井手委員 給与の問題については、これは大きな事柄でございますのでさらにまとめてお伺いをいたしたいと思っておりますが、住宅などの福利厚生施設は、七カ年計画でございますかあるいは何カ年計画でございますか、そういう計画のもとにお進めになるのが当然だと考えておりますが、そういう用意ができておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/108
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109・横田信夫
○横田説明員 住宅につきましても、業務上あるいは厚生方面としての住宅計画はできております。その計数については職員局長から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/109
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110・行廣清美
○行廣説明員 私どもといたしましても、社宅の建設につきましては、業務上の必要を十分考慮いたしまして計画的に整備を進めていくべきであるというふうに考えております。そこで第一次の電信電話の設備の拡充五カ年計画が立てられましたのと並行いたしまして、社宅につきましても二十八年度から三十二年度まで第一次の五カ年計画を立てて遂行して参ったのでございます。その後引き続きまして第二次五カ年計画を設定いたしまして現在その完遂方に努力をいたしておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/110
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111・井手以誠
○井手委員 要員はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/111
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112・伊藤誠
○伊藤説明員 先ほどの能率で計算いたしまして、四十七年度末における従来員数は大体二十九万になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/112
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113・井手以誠
○井手委員 そうしますと、どのくらいふえることになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/113
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114・伊藤誠
○伊藤説明員 現在に比べまして約十一万増加と相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/114
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115・井手以誠
○井手委員 そこで要員に関連して一言お伺いしたいのは、組合との協約の中に、要員に関係あるものは事前に打ち合わせをするということになっておるようでありますが、四十七年度までに十一万人が増加をする、そうなって参りますと、そうでなくてはならぬのに、三十五年度の予算要求に際しては、あなたの方からは一万名近く要求なさっておるのに五千名そこそこしか認められていない、こういうように私どもは承っておるのであります。そうなって参りますと、必要な要員が得られないためにその分だけ労働は強化される、事業の業績の向上が要請されるということになってくると考えられますが、その点はどうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/115
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116・横田信夫
○横田説明員 この増員につきましては、これはほかのものについてもそうでありますが、やはり一つの見通しということであります。現実の問題となったときに、この予算要求の人間そのものが全面的にそのまま容認されるかどうかということは確かに問題があるわけであります。予算折衝の過程におきまして種々の折衝を経て、客観的に見てもなお一そう合理化を進め得る、しかしこれは決して労働過重という意味ではなくして、そういうことのできる範囲はできるだけそういう方向にある程度合わしていくというようなことで、結局最後の人間が五千三百人になったわけです。その細目につきましては経理局長から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/116
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117・井手以誠
○井手委員 細目は要りません。同僚の松前先生お待ちになっておりますからあとに譲りますが、私は予算要求の当初にあたって、水増しの要員を要求されたとは考えたくないのであります。そうであってはならぬのであります。必要人員を要求しておきながら、半分に滅らされるということは、結果においては、業績の向上が要請されておりますから、その分だけは労働が強化されるという結論になって参ると考えるのであります。
そこで私は、ここで一言締めくくりをいたしたいと思っておりますのは、電電公社の方では、建設計画はどんどん進んでいっておる。場合によっては強引に進められておる。ところが、この建設計画に比して、片一方の働く方の立場がほとんど進んでいない。計画は一部あるけれども、予定通りに運んでいない。公社の発足当時のこの公社法の精神から考えても、ここに大臣はおりませんけれども、独立採算制、サービスの向上、こういったことを考えて参りますならば、もっと強い態度で大蔵省に折衝さるべきが私はほんとうであると考えるのでありまして、わずかばかりの業績手当で——これほど、十何カ年の間に二倍にも相当するような労働の生産性が向上されるものでありますならば、わずかばかりの業績賞与程度で済まされるものではないと私は考えております。この点について、もっと高いところから、もっと強い信念を持って、電電公社は予算折衝あるいは事業計画に当たるべきである。建設計画は具体的に進んでおるけれども、労働計画についてはほとんど見るべきものがない。私はあとでまた詳しくお尋ねしますが、今まで聞いたところでも、労働関係については進んでいない、雇用関係については精密な計画が立っていないように見受けるのでありますが、この点に対する総裁のお考えを承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/117
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118・大橋八郎
○大橋説明員 先ほど御指摘の、来年度の予算の要求が大へん——一万名の要求をしたのが、五千三百名に査定されたということは、御指摘の通りであります。私ども決して水増しの予算を請求したわけでは毛頭ないのでありまして、私どもとしてはできるだけ理想的の予算を要求したつもりであります。しかしながら、いろいろな他の権衡その他の関係もあり、さらに大蔵各方面としてはまた、いま少しく合理化をしたならば人を減らしてもいいじゃないか、こういうような見解もありまして、結局最終の場合において、先ほども申し上げましたような五千三百名という人員に決定いたしたわけであります。しかしながら、これをただ手をこまぬいて、約五千人のそれだけの分量を労働過重にするというわけでは毛頭ないのでありまして、これに伴いましては、それぞれ作業の機械化なり、あるいは仕事のやりくりなり、いろいろな方面で改善を加えて、できるだけ労働の過重にならないように今後むろん操作をするつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/118
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119・井手以誠
○井手委員 労働過重にならないように進めていくということでございますが、何かそんな妙手、妙案がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/119
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120・行廣清美
○行廣説明員 先ほど総裁からもお答え申し上げましたように、私どもといたしましては折衝の過程におきましては、当初大蔵省といたしましても非常にきびしい人員の査定があったのでございますが、私どもは合理化をする余地というものをさらに検討をいたしまして、さらに復活要求をした結果五千三百名となった、こういう経過もございます。そこで、私どもとして五千三百名をもって一応了承したことは、ただ漫然と了承したわけではないのでございまして、たとえば作業の機械化を進めていく。たとえば料金計算事務の機械化という問題もございますし、あるいはまた工事の機動力を強化するという問題もありますし、そのような作業の機械化という点を考えていこうではないか。なおまた、作業の標準化ということも考えていきたい。たとえば設計につきましては標準化をはかっていく。また積算事務についてもその簡素化をはかっていく。このような作業の機械化、標準化等によりまして仕事の進め方を合理化して参りまして、それによりまして職員の労働強化にならないようにということに十分留意しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/120
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121・井手以誠
○井手委員 なおこの点についてはあとでお伺いをいたしたいと思っておりますが、この機会にもう一言お聞きしておきたいことは、千五百億円ですか、今度の建設工事費と申しますのは。それだけの膨大な工事をどうして消化されるのか。私は工事能力にも限度があろうかと考えておりますが、その辺の見通しはどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/121
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122・大橋八郎
○大橋説明員 私どもとしても、この際、相当大幅に拡大された工事を円満に遂行することについては、最も強い関心を払っておるわけであります。このことにつきましては、昨年五カ年計画を立てた当時から、その点に最も深い注意を払いまして、各般の点について考えて、また実行をいたしております。
第一に、昨年いわゆる分権制度を施行いたしまして、従来いろいろなことが本社まで来て本社の決裁を得、また本社との間に数回照復をして初めて決定したようなことを、相当大幅に地方の通信局段階にこれをおろしたということも、今回の工事の遂行に対して相当貢献するところがあろうかと考えておるのであります。
それから第二には、昨年建設局を設置いたしまして、今後の工事の進捗について統一的に全体の促進をはかるという趣旨において、専門の建設局を設置いたしました。また局舎あるいは工事の施行についての設計の標準化、先ほどもちょっと御説明がありましたが、従来は非常に精密な計算を一つ一つの局について計算してやっておるのでありまして、これが一番いい方法であることは申すまでもないのでありますが、同時に、これがために非常に手もかかり、工事もおくれるということで、今後はできるだけ設計の標準化をはかって、それによって工事の促進をはかろう、これも一つの工事促進の手段として考えておるわけであります。
それから工事命令の簡素化、これはやはり工事命令も、非常にこまかい工事命令を一々出しておりますので、これがために手もかかりますし、なかなかめんどうなことが多い。これもできるだけ簡素化した工事命令を出そう。いま一つ、敷地の購買につきましても、これが一番根本になるわけでありまして、まず敷地がきまらなければ電話局の建設というものはなかなか行ないにくいのであります。従って、その建設あるいは内部の機械の装置ということもおくれる。そこで、今度はできるだけ早手回しにこの敷地の購買について仕事を進める。
それからいま一つは、御承知のごとく、道路の関係の交渉でございますが、これが建設省の関係もありまして、従来なかなか行き悩んだことが多いのでありますが、これらにつきましては昨年来、特に建設省の当局にいろいろお願いをいたしまして、将来はできるだけ簡素に事が運ぶように、場合によっては法律なりあるいは政令等も直していただくということまでわれわれは要望しておるのでありますが、とりあえず現在のところ、建設省の当局と私の方の建設に関する当局との間に小委員会を作って、できるだけ手数の省略をはかっていきたい、こういうことでだいぶ話が進んでおりまして、漸次やりつつあるわけであります。そのほか、御承知の通り、現在の工事のやり方としては、直営の工事と、直営の工事の手の足らぬところは民間の建設会社、施設会社の請負工事を利用しておるのでありまして、建設工事につきましても、直営の工事につきましては工員の確保またその養成能力の向上ということに力を注いでおります。また機動力を増加するために従来よりも車両等を増設し、できるだけ早く仕事の運ぶようにやる、これでもなお今度の大幅の建設に手が足りない場合には民間の会社の力をかりて請負工事にある程度回す、かようなことで工事の促進をはかろうと思っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/122
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123・井手以誠
○井手委員 公社の方でも建設工事の促進についてはいろいろお考えになっておるように承りましたが、現在の能力では、工事内容にもよりましょうが、金額としてどの程度まで直営工事が実施できるのか。また現在請負は何割くらいおやりになっておるのか。その点を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/123
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124・大橋八郎
○大橋説明員 従来は大体において半々ぐらいにやっておるのでございます。ただ今後、来年度以降実際においてやはり半々でいけるかどうか、これは少しやってみないと、そう正確には参らぬかもしれません。まあ大体そのような見当でいきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/124
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125・井手以誠
○井手委員 建設工事の人を固定化するということについては問題はあろうかと思っておりますが、請負についてはとかくいろいろな風評を招きやすいのでありまして、長期間にわたって建設工事が進められるということになりますと、さらに思い切った直営工事の陣容を整える必要がありはしないか。ただいま総裁は、今までも半々であったが、直営工事の陣容もある程度整ったから今後もほぼ半々であろうというお話でございましたけれども、私はさようには受け取りにくいのであります。もっと直営工事の規模、陣容を整備されるお考えはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/125
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126・平山温
○平山説明員 お答え申し上げます。直営工事の陣容をもっと整備する考えはないかというお尋ねでございますが、今、先生もおっしゃいましたように、私どもの電信電話の工事は全国各所で行なわれますし、ことに電話局を建設するというような大規模な工事は、同一の個所におきましては、一ぺんやりますと、しばらくたちませんと同じところではなかなか工事が起こらないというふうに、全国的に見ますと考えられます。そこで、もし直営でこういった工事能力を持つといたしますと、各所に散在させておく必要がありますので、総合的にいいますとそういった大規模な工事の建設を実施する場合には、むしろ工事要員を集中的に集めておいて、そしてこれを機動的に活用する方が望ましいと思いますので、やはりこういう面におきましては請負工事にたよらざるを得ない、またこの方が能率的である、こう考えるわけでございます。そこで先ほど総裁からも申し上げましたが、今までは大体半々で参りましたけれども、第二次五カ年計画の規模が大きくなりましたので、今後はこの比重は、請負の比重がややふえていくのではないかと思いますが、一方私どもといたしましては、この場合に一番気をつけなければなりませんのは、こういった基本的な工事を部外の力ばかり利用いたしますと、直営の方の技術能力の低下、これが一番心配になります。そこで量的に言いますと、先ほど申しましたように、直営の方を請負に出してさらに強化していくというよりも、どちらかといいますと、やはり請負の方が少しずつ全体の規模が大きくなる方向にいくであろうと思いますが、質的に言いまして、直営の工事力が低下いたしませんように、やはり何といいますか、数はそうたくさんでありませんでも、代表的な工事を一、二各地で直営の工事力をもってやるということは私どもとして考えていくつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/126
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127・井手以誠
○井手委員 請負の方が増加していくといろ御答弁でありましたが、との予算、もちろん自信はおありになるでしょうけれども、完全に消化するだけの今の能力、それは大丈夫ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/127
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128・平山温
○平山説明員 お答え申し上げます。大体来年度の工事の範囲は、今御審議願っております予算がもしその規模のまま通過いたしますとすれば、私どもとしては総額として千四百億程度の規模になると思いますが、工事能力の方は大丈夫かということにつきましては、最近工事会社の方でもこういった事態に備えますために要員の増強をすでにはかっておりますので、工事を消化するだけの体制は十分に備え得るものと思っております。なお設計その他の問題につきましては、私どもが直接やらなければならぬ仕事につきましては、先ほど総裁から申し上げた通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/128
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129・井手以誠
○井手委員 私はこの法案をめぐっての電電公社の運営について、大臣に少しお伺いしたいのでありますが、見えませんので、一応この程度で保留をいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/129
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130・佐藤洋之助
○佐藤委員長 ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/130
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131・佐藤洋之助
○佐藤委員長 速記を始めて。
次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後三時二十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404816X01119600309/131
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