1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年三月一日(火曜日)
午前十時三十八分開議
出席委員
委員長 福田 一君
理事 高橋 禎一君 理事 高橋 等君
理事 前田 正男君 理事 石橋 政嗣君
理事 石山 權作君
淺香 忠雄君 内海 安吉君
小金 義照君 谷川 和穗君
富田 健治君 橋本 正之君
保科善四郎君 山口 好一君
飛鳥田一雄君 久保田 豊君
杉山元治郎君 柳田 秀一君
出席国務大臣
国 務 大 臣 益谷 秀次君
出席政府委員
総理府総務長官 福田 篤泰君
法務政務次官 中村 寅太君
農林政務次官 小枝 一雄君
農林事務官
(大臣官房長) 齋藤 誠君
委員外の出席者
農林事務官
(畜産局飼料課
長) 安井 三郎君
農 林 技 官
(農林水産技術
会議事務局研究
調整官) 河原 清君
農林事務官
(林野庁林政部
長) 高尾 文知君
農林事務官
(水産庁漁政部
長) 林田悠紀夫君
専 門 員 安倍 三郎君
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二月二十六日
委員飛鳥田一雄君辞任につき、その補欠として
河野密君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員河野密君辞任につき、その補欠として飛鳥
田一雄君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十七日
委員柳田秀一君辞任につき、その補欠として辻
原弘市君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員辻原弘市君辞任につき、その補欠として柳
田秀一君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十九日
委員受田新吉君辞任につき、その補欠として中
村時雄君が議長の指名で委員に選任された。
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二月二十六日
法務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第一八号)(参議院送付)
行政管理庁設置法の一部を改正する法律案(内
閣提出第七七号)
同月三十九日
総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第八三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
行政管理庁設置法の一部を改正する法律案(内
閣提出第七七号)
法務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第一八号)(参議院送付)
総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第八三号)
水産庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第四二号)
農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第六七号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/0
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001・福田一
○福田委員長 これより会議を開きます。
行政管理庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。益谷国務大臣。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/1
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002・益谷秀次
○益谷国務大臣 ただいま議題となりました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。今回提案いたしました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案は行政監察局の所掌事務のみを分掌いたしております地方支分部局に、必要に応じて、行政監理局及び統計基準局の所掌事務の一部をも新たに分掌させることができるようにいたしますとともに、管区及び地方行政監察局の名称の変更及び北海道所在の地方行政監察局の管轄区域の変更等を行なうものであります。次に法律案の内容につきましてその大要を申し上げます。当庁の内部部局には官房のほかに、行政監理局、統計基準局、行政監察局の三局がありますが、地方支分部局であります管区行政監察局及び地方行政監察局は、設置法上行政監察局の所掌事務だけを分掌するように規定されております。一方、行政監理局の所掌事務のうち、行政機関の機構、定員及び運営に関する調査、企画、立案及び勧告等の事務には、各行政機関の中央及び地方を通じてその実態を十分に把握して初めてその全きを期し得るものがありますので、これらに関する調査の事務を必要な場合に地方支分部局をして行なわしめることができるようにいたします。また行政監理局及び統計基準局の所掌する事務を一そう円滑、適正に遂行するために、両局の所掌事務に関する資料の収集事務をも、必要な場合に地方支分部局をして行なわしめることができるようにいたします。また、管区行政監察局の個別の名称には、札幌、仙台等の都市名を冠しておりますが、この都市の名称を広域の名称に改める方が、管轄区域を明瞭ならしめて、より適切であると存じますので、管区行政監察局には広域の名称を冠するように改めます。また地方行政監察局の名称は、地方自治行政の監察機関であるかのような誤解を与えますので、地方行政監察局の個別名称から地方を除きます。次に、北海道における各支庁の所管区域内に市制が施行されますと、その区域は支庁の所管区域から除外されますので、新たに市制が施行されましたときには、その市を当庁地方局の管轄区域に編入する必要がありますこと、及び現在札幌管区行政監察局が管轄しております後志支庁の所管区域を函館地方行政監察局の管轄に移すことが、業務運営上一そう適切でありますので、北海道所在の地方局の管轄区域の変更をいたします。なお、内部部局の組織を定める長官の権限が設置法上規定されておりますが、国家行政組織法の規定との関係上誤解を生ぜしめ、無用と思われますので、この際この規定を削除いたします。次に、この改正法律は四月一日から施行することといたしております。以上が本改正法律案のおもな内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/2
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003・福田一
○福田委員長 次に法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/3
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004・福田一
○福田委員長 政府より提案理由の説明を求めます。中村法務政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/4
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005・中村寅太
○中村政府委員 法務省設置法の一部を改正する法律案についてその趣旨を説明いたします。この法律案の要旨は、長野刑務所の位置を長野市から須坂市に変更するとともに、村を町とする処分等に伴い、法務局及び地方法務局の管轄区域並びに少年院の位置等を定める法務省設置法の別表三及び五について所要の整理を行なうことの二点であります。一、まず長野刑務所の位置を長野市から須坂市に改めることについてでありますが、御承知のように現在の長野刑務所の舎屋は、明治十六年十二月、当時長野県監獄本署の舎屋として建設されたものを引き継いで今日に至っているのでありまして、その老朽はなはだしく、かつ著しく狭隘のため、つとにその改築、拡張を要望されていたのであります。しかしながら、同刑務所の所在地は長野市の中心部に位し、人家櫛比して、敷地の拡張は不可能であり、また同市内に他に適当な用地を得ることも困難でありましたので、政府といたしましては、収容者の拘禁状況の改善、作業の拡充等をはかるため、早急に同刑務所の舎屋を他に新営すべく鋭意努力いたしました結果、幸いに関係各方面の協力により、同市に隣接する須坂市大字須坂に約十五万平方メートルの敷地を入手して、同刑務所の舎屋の新営工事を実施しております。そこでここに法務省設置法別表四中の長野刑務所の位置を須坂市に改めようとするものであります。二、次に法務省設置法の別表の整理についてでありますが、村を町とする処分、市村の廃置分合及び村の名称変更に伴い、法務局及び地方法務局の管轄区域並びに少年院の位置等を定めている法務省設置法の別表三及び五について整理の必要が生じましたので、所要の整理を行なおうとするものであります。以上が法務省設置法の一部を改正する法律案の趣旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/5
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006・福田一
○福田委員長 次に総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提出第八三号)を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/6
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007・福田一
○福田委員長 政府より提案理由の説明を求めます。福田総務長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/7
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008・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 ただいま議題になりました総理府設置法の一部を改正する法律案についてその提案理由を御説明いたします。この法律案は、総理府にその附属機関として、新たに対外経済協力審議会及び宇宙開発審議会の二機関を置こうとするものであります。まず対外経済協力審議会について申し上げます。経済協力が世界経済の平和的発展に果たしている役割については、あらためて申すまでもありませんが、わが国にとりましても国力と経済事情を勘案しつつ、最も効果的な方策によりこれに貢献することはきわめて重要な課題であると考えるのであります。もとよりわが国もここ数年来、海外投資、長期信用供与、技術協力その他種々の経済協力を行なってきたのでありますが、経済協力に関する諸外国の著しい活動に比して、なお検討を要する問題が多々あるのであります。以上の観点から政府としては、この際本審議会を設けて、経済協力に関する基本的かつ総合的な政策及び重要事項について調査審議を行ない、もって将来経済協力の充実、拡大を一そう推進するためのいしずえを固めたいと考えるのであります。次に宇宙開発審議会の設置であります。御承知の通り宇宙科学技術の著しい進歩により、最近の宇宙開発進展はまことに瞠目すべきものがありますが、これに対応して世界各国の宇宙開発の体制もまた急速に整備されるとともに、宇宙開発に関する国際協力の体制も漸次軌道に乗りつつあるところであります。翻ってわが国を見るに、宇宙科学技術に関する特定分野における研究は、世界的に高い評価を受けているものもありますが、大観いたしましていまだ萌芽期の段階にあり、宇宙開発の総合的推進をはかるべき体制は整備されていない実情にあります。政府におきましてはこの実情に着目し、宇宙の利用及び宇宙科学技術を総合的に推進するための体制を確立することといたし、科学技術庁設置法の一部改正により、宇宙科学技術に関する事務の効率的な推進をはかるとともに、宇宙開発に関する重要事項を総合的な観点から調査審議するため、本審議会を設置しようとするものであります。以上がこの法律案を提出する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/8
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009・福田一
○福田委員長 水産庁設置法の一部を改正する法律案及び農林省設置法の一部を改正する法律案を一括議題とし、質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。久保田豊君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/9
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010・久保田豊
○久保田(豊)委員 まず質問に入る前に、政府並びに委員長にお伺いいたしますが、私はこういう官庁の機構等は、長年農林をやって参りましたけれども、あまり審議の状況になれておりませんのでお伺いいたしますが、この問題について政府から提出された資料を見ますと、きわめて簡単な法文の関係だけを出してあります。しかし官庁の機構をいじったり新設の課を作ったりということは、必要があればけっこうでありますけれども、問題は、その官庁がどういう仕事を実際にどうこなしておるかということ、それに連関した予算なりあるいは人員なり、そういうものの資料が整わなければ、本格的な審議ができないはずであります。ところが、それらのものがほとんど出ておりません。特に農林省関係についてはほとんど出ておりませんが、これはどういうわけでそういう関係の資料を出さなかったか。そういうことはあるいは慣例かもわからぬが、議会の方は法文だけいじくっておればいいということなら別でありますけれども、本格的にこういう問題をやるには、連関の資料を全般的に出してもらわなければ、審議ができないわけです。この点についての政府の答弁をあらかじめ求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/10
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011・小枝一雄
○小枝政府委員 ただいま久保田委員から、これらの資料について提出が十分でない、それらをそろえなければ審議に差しつかえるというお話でございますが、大体従来の慣例から申しまして、ただいま用意いたしております程度のものでございますが、必要なものにつきましては、誠意を持って資料を整えまして提出いたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/11
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012・久保田豊
○久保田(豊)委員 それではあとになって資料の要求をいたします。資料がすっかり出てから本格的な質問を申し上げたいと思いますが、きょうは一応概括的な質問を申し上げて疑点を晴らして参りたいと存ずるわけであります。今度のこの農林省設置法の一部改正案は、ずいぶん問題が多いわけであります。そこで、順次これに合わせて御質問申し上げていきたいと思います。第一の青果物に関しまする問題でありますが、これは果実農業振興特別措置法案ですか、あれには総合計画というものが出ておるようでありますが、これに対処する部局の編成がえ、あるいは新設ということだろうと思いますが、これについての概要を大体御説明を願いたいと思います。できればそういったものは関係資料として出していただくのが当然だろうと思います。そういう資料なしにこれだけこっちへ出されても困るわけですから、第一にこの点の全般的な説明を一つお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/12
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013・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 ただいま御質問になりました今回の改正法案の中で、経済局の所管にありまする蔬菜その他の青果物の生産、流通、消費の増進、改善、調整をはかること等をこのたび振興局の方に移しました意味は、今先生のお話しになりましたような線に沿いまして、実は果樹振興の行政につきましてこれを強化したい、こういうことからこの改正をいたしたのでございまして、果樹の行政につきましては、今後の日本の農業のいわば成長産業といたしまして、これらの行政面におきましては施策を強化していくべき必要があるということが、近年非常に要望されて参ったことも御承知の通りであります。しかるにこの面におきまする施策につきましては、従来融資等の措置によって行ないまする行政の面におきましては、各局にまたがった行政が行なわれておったわけであります。生産部面におきましては振興局で所管する、流通部面におきましては経済局において所管する、加工部面につきましては、たとえばびん詰、カン詰等の事項につきましては、食糧庁の食品課でこれを所管するといったようなことに相なっておったのであります。今回このような情勢に対応いたしまして、果樹振興法を策定して今後の果樹につきましての生産の合理化あるいは集団的な果樹栽培の方法等につきまして、積極的な指導育成をはかって参りたいということで、別途果樹振興法につきまして本国会におきましても御審議を願っておるわけであります。それに対応いたしまして、今回の改正法案におきましては、各局の所掌事務の調整をいたしたわけでありますが、振興局には新たに園芸課を設ける。従来園芸特産課というところで所掌いたしておったのでありましたが、この園芸特産課を園芸課と特産課に分けまして、園芸課を設けるということにいたしたい。この園芸課におきまして従来所掌しておりました生産市場の分野については従来通りの所掌事務を踏襲いたしまするほかに、経済局で所掌いたしておりました流通、消費の関係につきましても、生産、流通、消費を一元的にそこで所掌するということにいたすように、流通、消費の面につきましても、この園芸課の所掌事務といたす。ただ経済局におきましては、従来企業市場課というのがございまして、その課で所掌いたしておったのでありますが、企業市場課におきまして、たとえば中央卸売市場を所掌いたしております。これらは青果物のほかに、生鮮食品あるいは鮮魚類といったようなものについて、全般的な中央卸売市場の行政をいたしておりますので、その部面につきましては経済局の企業市場課に従来通り残るわけでありますが、しかし今申しましたように生産、流通、消費と一元的に所掌するという意味におきまして、流通、消費の分は責任を明確にするために振興局の方に移す。それから加工品の段階におきまする所掌事務は、先ほども申し上げましたように食糧庁の食品課で所掌するということに従来なっておった。これにつきましても、今回は振興局におきましても所掌するわけでありますが、ただこの点につきましては、たとえばジュース類におきましても、全く果汁を使わない、甘味ジュ—スもあるわけでございます。そういう人工のジュース類等の所掌は、やはり従来通り食糧庁でやっておるということになりますと、その間の調整をはかるというような必要もありますので、これは食糧庁でやると同時に、また振興局におきましてもその分は扱う、こういうことにいたしたいというような考え方で現在おるわけであります。いずれにいたしましても果樹振興法の推進をはかり、行政分野といたしまして従来多岐にわたっていたものを一元化したい、こういう考え方に基づいてこの経済局関係の所掌事務を改正する、こういうことにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/13
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014・福田一
○福田委員長 ちょっとこの際私から、先ほどの久保田委員の発言に関連してお答えをいたしておきます。従来慣例からいえば、法案の提案理由の説明があってから資料を要求して、その資料を出してもらうというのが普通の筋でありますけれども、しかし確かに久保田委員の言われた農林省設置法というのは、相当農林省の広範な行政に関連しての設置の内容のように了承いたします。水産庁の設置法の方は非常に簡単なものですから、これについて資料をあまりそろえてなくてもいいかもしれませんが、しかしこういうような農林省設置法のような相当広範なものになりますと、あの程度の理由だけを出しておかれるのでは、いささか不親切だという久保田委員の御要求は、私は当然のような感じがいたします。よって、一つ私からも希望をいたしておきますが、農林省の機構との関連性その他を図表で示すとか、何かあとで久保田委員からも要求があるらしいけれども、とにかくもう少し委員にわかりいいような説明資料を提出していただきたいと思います。これだけは一応御注意をいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/14
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015・久保田豊
○久保田(豊)委員 そこで今当局の齋藤政府委員から御説明がありましたが、今度の流通改善の問題の一番要点の一つになるのは、これは中央卸売市場法をどう統一的にやるかということだと思うのです。中央卸売市場法は、なるほどいろいろの分野が含まれておるが、少なくとも蔬菜、青果物についてはほとんどこれは統一された卸売市場が現実にあるわけです。これの今後の運営をどういうふうにしていくかということが、非常に大きな問題になると思うのであります。これに対して今のお話では、そうすると経済局と振興局と両方の共管になるのですか。どういうふうに実際にやるおつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/15
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016・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 中央卸売市場は、今お話がありましたように、流通過程の最終の段階における一つの集散施設といたしまして、重要な機能を持っておることは申すまでもございません。ただ現在も中央卸売市場の今後のあり方につきましては、御承知のように調査会を設けまして、本年の三月中には答申を得るということに相なっております。中央卸売市場といたしましては、もちろんその品目によりましてそれぞれ機能も違うわけでありますけれども、その卸売人なりあるいは仲買人なりに対する監督行政をいかにすべきであるかとか、あるいは施設についてどうあるべきであるか、こういったような中央卸売市場としての見地から、行政をいかにやっていくべきかというような点が一つの固有の行政としてあるわけであります。従ってそういう部面につきましては、これは経済局の所掌事務として専管で残るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/16
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017・久保田豊
○久保田(豊)委員 そうしますと中央卸売市場の運営なり整備なり、そういう問題については今度は振興局の方は扱わないというわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/17
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018・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/18
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019・久保田豊
○久保田(豊)委員 そういたしますと、かりに今度できます果実課といいますか、園芸課といいますか、そういうところでいろいろ生産だの、その以前の流通の段階を整備して参りましても、最末端、一番重要な結節点ともいうべき点がうまくいかなければ、その以前の問題をいろいろやってもなかなかうまい成果は出て参らないということが、一つの問題点になろうと思う。同にこの流通過程の合理化、こういうことになりますと、いやでもいわゆる農業協同組合の活動なり、あるいは機能なり、組織に今後はこの問題が引っかかってくる、こういう点については今度できる園芸課なり何なりと経済局との関係はどうなるのですか。こういう点がはっきりしない。これはいろいろ農協と今後のいわゆる農業の商品生産化、従ってその一番重点であります流通過程の合理化という問題とは、非常に大きな連関がある。農協自体にも問題がある。これらが流通過程という、普通言われる問題と中央卸売市場法の今後の構成なり、あるいは運営なりとも非常に大きく影響を持ってこなければならぬ、こういうところも突込んで検討しなければ、ただ流通過程の合理化なんということを文章でうたって、今まで農林省が言ってきたようないいかげんなことをやっておったのでは、これからの商品経済下における流通問題の本格的な片はつかない。もちろん大きな農林省というワクの中でやることだから、あるいは振興局でやろうと、経済局でやろうと、あるいはどこでやろうと、大した違いはないと言えばそれまでです。それまでだけれども、そうするとこれは私が言わぬでもよく政府側ではわかっておるはずです。特にこれは課の所掌あるいは局の所掌ということになりますと、農林省の中でもなかなかなわ張り争いが強くなって、結局中央卸売市場法を所管する課は、ともすればそこにおります卸売人なり仲買人なり、これに結びついている商人資本の代弁役に現在までなってきている、こういう点はなかなか調整がむずかしい問題が出てくるが、こういう点については将来さらにあらためて考え直すというのか。さっきお話の通り、今まで果樹園芸についてはほとんど農政としてはほったらかしだった。今度やっと頭を出したという意味においては、われわれはまだすぐにこれが割り切れたような官庁の機構にならぬということもやむを得ぬと思うが、しかしもっと突っ込んでいえば、果樹園芸にしましてもあるいは畜産にしましても、今まで農林省のやっていたように、行き当たりばったりで伸ばせ伸ばせと言って、伸びたときはいいが、たとえばそれが生産過剰になって、値が落ちたときには知らぬつらだということでは、農民は安心してやれません。その問題とひっかかって、やはり流通なり卸売市場なりという、少なくとも卸売市場法の段階までは総合的に流通過程の合理化ということを進めていかなければならぬ、こういう段階で、将来の振興なり何なりをどういうふうに考えておるか。ともすればこういう問題が一応こういう行政機構の設置法の一部改正とかなんとかいうことで、部局がきまってしまいますと、その部局はその限りでだけ、自分の権限の範囲でだけしかものを考えない、結局迷惑あるいは欠点は、農民が背負って立たなければいかぬということになる、これが今までの実績であります。こういう点について片方において御承知の通り基本問題調査会があっていろいろ論議をして、どんな結論が出るかわかりませんが、農政の基本的転換をやろうとかなんとかいうスローガンを出している以上は、少なくともこういう点についてももう少し突っ込んだ目標なり何なりというものがはっきりあっていいと私は思うのですが、こういう点についてはどうなんですか。これは次官に一つお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/19
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020・小枝一雄
○小枝政府委員 先ほど来久保田委員御質問のように、最近における果樹園芸あるいは蔬菜というようなものは、食糧としての地位が非常に向上いたしまして、主食よりもこれらの食物が将来非常に伸びていくということは農村としても望ましいことであり、また国民の食生活の上からいいましてもこれは必要なことだと思うのであります。そういう意味におきましてそういうふうに現在園芸における地位、特殊農産物の地位というものが非常に上がってき、変って参りましたので、一つこの際どうしても課を独立させまして、そしてこれが増産なり各方面の改善をいたしたい、こういう考え方でこの法律案を出したのでございますが、しかし御説のように生産と流通というものがこういう園芸作物等につきましては、なかなかむずかしいものでございます。そういう意味におきまして一部これらの流通方面におきましては経済局がつかさどり、生産方面においては振興局においてこれを所掌いたしまして、指導監督をいたすということでありますが、細部の問題につきましては仰せのようにいろいろ従来むずかしい問題がございまして、今なお未解決の点が多いのでありまして、今後の整備に待つものが非常にたくさんございます。そういう意味におきまして流通面におきましては、先ほど官房長からお答えいたしましたように、審議会を三月に開きまして、それまでに大体の結論を得たいという考えを持っております。そこにおいて成案を見たい。いずれにしても生産の方面と流通の方面とは一貫した関連性を強く持ってその合理化をはからなければ、完全にやることはできないと思っておりまして、農林省といたしましても鋭意検討いたしておるところであります。この問題は要するに政府の農林漁業基本問題調査会にも関係いたすのでございまして、そういうものとの関連そういう方面の結論、調査の段階等を照合いたしまして、われわれといたしましても極力その改善に努力をしていきたい、こういう考えでありまして、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/20
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021・久保田豊
○久保田(豊)委員 その次に直接問題になりますのは加工との関係ですが、あれは総合施策要綱によりますと、加工面についても農民の共同資本がある程度参加する方がいいというような意見のようであります。この加工関係はどこでやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/21
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022・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 先ほど申し上げました通り、加工部分まで振興局でやります。ただ従来食糧庁におきましては食品という面から統一的に取り扱った。従って果樹を全然使わない食品につきましても統一的に取り扱う。たとえばラムネであるとかサイダーとか、そういった競合の関係のあるような部面、あるいは同一の業者が取り扱っているというような部面もあるものですから、その部面におきましては食糧庁と協力という面もあると思います。しかし法律上の所管からいえば農産物の加工、果樹の加工部門につきましては振興局の園芸課で行なう、そして食糧庁との了承、協議の上で事務を進めていく、こういうふうなことにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/22
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023・久保田豊
○久保田(豊)委員 実はそこに問題があるわけでして、農産物の加工というものと非農産物の類似ないしは同種類の、たとえばジュースにつきましても植物製のジュース、つまりミカン・ジュースと非植物製の、果樹製のジュースとの関係が問題であって、所管の個所がいろいろ変わってくるというところに、いろいろうまくいかない点が出てくるというふうに思うのですが、こういった点、片方は食糧庁だ、片方は振興局だという点がどうも割り切れない。こういった点、もちろん植物製、つまり果樹だけを加工するという面は農業関係としては重視しなければならぬが、ほかの面からいえば、ほかの加工面も重視しなければならぬことは明らかですけれども、しかしここらの調整ということが大きな問題になると思うのです。そういう点について、そういうふうに二つ部局が変わって別々の所管をするというふうなことが、これはどういうふうな結果になるかということが、やはり相当心配になるわけです。この点についての調整といいますか、こういった点は機構の上で何とか考えなれないものか、これはどうせ簡単にはいかぬ問題です。しかもある程度長期の見通しを持っていただかなければならぬ問題だと思うが、この点についてはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/23
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024・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 お話のように、一つの行政をどういうふうに整理していくかという場合に、実はいろいろの分け方がある。これを一つの業種を中心に食品というような面で見れば、全部従来通り食糧庁でやるという考え方も成り立つ。あるいはまたこれを物資別に分けるということになれば、物資別で分けるというふうな方法もあり得るわけであります。さらにまたそれを流通あるいは加工部門といったような機動に着目してこの行政を分けるということになれば、そういうふうな行政の行き方もあるわけであります。従来これは農林省の計画で見ますと、食品局というものがありまして、そこで食品課というものから同一的に扱うということになって参ったのであります。これは要するにその時代々々におけるものの行政の重点ということによって、おのずからそういうふうな分類が行なわれるということになってくると私は了解しておるのであります。たとえば戦争中のように食品という面において、一時的な統制をやるといったような場合においては、食品という面から着目いたして行政分野を分けるということもあり得ると思うのであります。今日われわれが考えておりまする考え方は、これを物資別に縦割りにやってやる。そのことの方がより行政能率を高めるゆえんでもあるし、また特に果樹振興というような見地から着目し、かつそれに重点を置いて行政を進めるということになるならば、そこで一つ物資別に一元的に生産から流通、消費までやるということにむしろ重点を置いた方が、この行政を伸ばすことの方により便利であり、より効率的ではないか、こういう見地に立って事務を二つに分けたわけであります。しかし現実問題としては今お話のありましたように、食品という面から見ればどうしても競合し、競争するという関係もあるわけであります。また流通という面から見れば、同じような中小企業が取り扱っておる場合における対策をどうするかという面もおのずからあるわけであります。それぞれの分野においてそういう所掌事務を扱っておるわけでありまして、どこに重点を置いてかつまたより効率的にやるべきかという観点から、今回縦割りにいたしたのでありますが、そういう横の連絡調整という部分はこれはやはり残ってくるわけであります。これは農林省全体として省議あるいは局間の協議等によりまして調整をはかっていきたい、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/24
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025・久保田豊
○久保田(豊)委員 いろいろだんだんの御説明ですが、私は今大体果樹の振興案の裏づけになっておるいろいろの計画等を見ますと、相当これは画期的な増産をやろうと、こういうことですね。従って加工面についても相当いろいろ問題が出てくると思う。そういう場合に連関なり競合なりのものを国全体としてどういうふうに調整していくかということをよほど考えてやらないと、これはうまくいかないと思うのです。それをばらばらにそれぞれ所管個所を変えていけば、この調整が結局できない、うまくいかないという危険を私どもは非常に感ずるわけです。そこに私どもは問題があると思う。農林省全体としてワクを考えていけばいいじゃないかといえばそれまでの話でありますが、実際に基礎になるものは、やはり各部課の所掌の範囲のこととかいうことが、最後には官庁内ではものを言うということになろうと思う。こういう点について、最初の頭を出したところでありますから、あまり無理な注文もできないと思いますけれども、もう少し農林省としては、あれだけのある意味においては画期的な増産なり管理をやろうということなら、私はそういうことをもっと考えられて、目標をつけて所掌事務の分割なり何なりということをもっと合理的にやらなければ、こういうものもあるしこういうものもあるからいろいろの分け方があるが、今のところこういう分け方が一番よろしいと思いますという程度の考え方では、農家の方からいえば安心してやれませんよ。この点を一つもう少し突っ込んだ検討をお願いしたいと思う。もう一つお伺いいたしますが、輸出の問題はどういうように考えておるか、あるいは輸入調整の問題、今後の自由化の問題、御承知の通りすでにことしの下期の五百万ドルのワクに対して、果樹の加工品の輸入申請がうんと出ている。こういうふうな輸入関係の方も非常に問題がある。また同時に、今度の果樹振興法の裏づけになっておる計画を実行しようというなら、相当思い切った輸出の振興政策というものを立てなければ、あれだけのものはなかなか実行できない。これに対して、結局これは農林省内部だけではいかないでしょう。あるいは通産省の関係も出てくるでしょうし、いろいろあるに違いないが、この輸出入関係の調整を農林省としては、農民の立場としては、どこで実際に統一的に適確に指導するかということは、やはり大きな問題だと思う。これは今度できる園芸課なり何なりの法律上の権限のみならず、機構なり今後の活動なり作用なりというものが大きく問題になってきますが、ことしの果樹関係の予算を見ましてもあるいは資金を見ましても、あるいはこれを見ても、そういう問題についてはノー・タッチです。ノー・タッチでありながら、現実にすでにことしの下半期の輸入問題についても、ジュースを見ましても御承知の通り相当申し込みが多い。あるいはレモンとかその他いろいろの問題についても、片方において相当な増産計画を進めていくならば、当然輸出の振興策というものを考えなければならぬ。こういうものは一体どこでやるのです。そういうものは予算にも何も出ていない。この点はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/25
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026・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 お話の通り、今後果樹振興をやっていく場合におきましては、海外市場の開拓ということについては、われわれとしても重視すべきことであると考えております。また現にミカン等のごときは、ここ数年来着実な伸びを示しております。われわれといたしましても、輸出については決して軽視するどころか、今後果樹振興の一環として十分伸ばすべきものは伸ばしていきたい、こういう考え方に立っておることは、久保田委員のお説の通りであります。ただこれらの輸出の振興に関連し、またあるいはいわゆる自由化の線に沿って、海外から輸入するものについての競合関係をどう調整するかというふうなことは、それぞれの所管の局におきまして現実の対策については考究いたしておるわけでありますが、農林省の事務的なことを申し上げますと、総括整理する所掌の課といたしましては、経済局に経済課というものがございます。これが酪農生産については畜産局、あるいは果樹については振興局、それぞれがいかにあるべきかという具体的な品目についての対策、具体的にいいますとどういうものについてはどういう関税をかけるべきか、あるいはどういう輸入の制限措置をとるべきか、あるいはそれに対応する保護政策はどうとるべきであるかというようなことは、それぞれの原局において原案ができるわけでありますが、農林省全体としては経済課が一応所掌の課となりまして、これらを省全体として調整していく、こういうことに相なるわけであります。ただお話のことにちょっと触れて申し上げますと、今回におきましても、輸出の面におきましては、われわれといたしましても予算上の措置を講じておるわけでありまして、本年度は特に海外輸出振興のために、これは通産省に計上されるものでございますけれども、輸出振興についての海外市場調査あるいは宣伝事業等についての予算を増額いたしました。また生鮮食料品等につきましても、今後の輸出を考えまして規格の統一をはかるとかいうようなことにつきましても一段と努力する意味で、それらの所要の経費を計上するといったような措置も講じておるのでございまして、輸出入につきましても全く先生の御意見の通り今後も努力して参りたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/26
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027・久保田豊
○久保田(豊)委員 経済局の経済課が事務的に他の各部局なりを取りまとめるということは、私どももよく承知しておるわけです。いろいろその実態にも当たっておるわけです。当たってみますると、やはりきわめて事務的なようにも思うわけです。こういうことは所管が最後は事務的にどうなるにしろ、やはりしっかりした生産者の土台に立った基礎を扱うところがないと、なかなか生きて参らないように思う。いろいろ利害関係が複雑なもんですから……。そういう意味で今度できる園芸課は、果樹輸出入振興に関する事務というものは扱うのですか、扱わぬのですか。果樹ないしは加工品に対するあれは扱うのか扱わないのか、どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/27
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028・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 輸出入の直接の事務というとどういうことになりますか。たとえば今申しましたような具体的な振興策あるいは具体的な保護措置、あるいは輸入に対するいろいろの具体的な意見、これらはもちろんそれぞれの原局でしっかりした資料に基づいて対策を講ずる、こういうことになることは当然でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/28
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029・久保田豊
○久保田(豊)委員 そうしますと、一応具体的な課の内容などは政令に譲るということですから、ここには出ていないわけですが、原局としては少なくともそういう問題は、つまり予算措置なり資金措置、そういうことまで含めてはっきり扱うということでいいわけですね。そうすると今の経済局にまかせるのではない。経済局というものは、私どもは当たって内容を知っておるのですよ。だからこういう点を念を押しておるわけです。この点を明確にお伺いしておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/29
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030・小枝一雄
○小枝政府委員 久保田委員の御心配になりますのはごもっともだと思いますが、これはどこか中心になってこれを推進するものがなければならぬと思います。大体園芸課を今回独立さしてやるというねらいもそこにあるのでございまして、輸出の問題といわず資金の問題といわず、事務的には経済局がこれに関与いたしますけれども、中心となって推進するというふうに一つ御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/30
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031・久保田豊
○久保田(豊)委員 またこの仕事について一つお伺いするわけですが、今度中央では園芸課が中心になって——今度の園芸課の仕事はおそらく非常にむずかしい仕事だと思う。しかも総合的に非常にむずかしい仕事になるというふうに考える。ことしの予算あたりでは、大体四部落ばかり共同化ないしは集団化の実験部落を作って、そこでデータを集める、こういうことのようですが、そういう共同化なりあるいは集団化なりというものを含んだものということになりますと、農民の側から見ますと非常に関係をする面が実際に多いだろう。今まで農林省がやっておったように、機械なら機械の貸付をするとか、あるいは機械の資金を補助するとかなんとかいうことでは、なかなか簡単にいかないと思う。ことしは実験の段階だから四つくらいでしょうから、ざっくばらんにいって大したことないでしょう。こういう点を本格的にやりますと、これは相当複雑な要素があらゆる問題にかかってくるわけですが、こういう点については今後どういうふうに処理をするつもりか。たとえば果樹の生産という問題を一つとってみましても、そう簡単な問題ではないと思いますが、こういう点についてはどういうふうにやるおつもりか。これをどういうふうに園芸の仕事と結びつけてやっていかれるつもりか。この点も一つ具体的な見通しなりあるいは計画なり考え方があれば聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/31
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032・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 今後の園芸課における果樹振興の具体的な進め方をどうするかという御質問でございますが、従来ともいろいろの助成措置を講じておったわけでありますが、今回果樹振興法というものを制定いたしました。果樹振興法の内容となるべき重点事項は、一つは特定の果樹につきましては、その集団的な果樹の育成をはかるために、果樹経営の改善計画というものを作らせるということが一つでございます。さらにこれに基づきましては具体的な果樹に必要な資金的措置、あるいは助成的な措置を講ずることにいたしておるわけでありますが、法律上では新しく農林漁業金融公庫から長期かつ低利の資金を融通するということにいたしておるわけであります。第三は、果樹振興をはかっていくために果樹振興のための審議会を設けて、今後の果樹行政の重要事項を調査審議をするということに相なるわけであります。第一の部分につきましては、今中央におけるいろいろの調査あるいは研究の結果に基づいて、指導業務というものが当然行なわれるわけでありますが、当面は県に対する計画指導の助成をいたすということにいたしておりますので、予算上もそういう仕組みになっております。県がこれらに対しまして具体的な経営改善計画の指導に当たるということになって、中央はそれに対する統一的な企画なり、調査なり、あるいは指導、助成を行なう、こういうことに相なるわけであります。第二の資金の面につきましては、農林漁業金融公庫から新しく融通するという道を開くことにいたしまして、これは経済局におきます公庫の資金計画の中におきまして、本年度は五億の融資をすることにいたしておりますが、これらの資金の具体的な適否あるいは配分等の所掌事務は、やはり園芸課においてやるということに相なるかと思います。それ以外にも、審議会におきましては、もちろん園芸課が一つの事務局となってこれをやっていくということは当然でございます。今お話の中にありましたような実験部落を設けて、これに対する指導助成を行なうとか、あるいは経営改善計画における資金以外の助成措置、あるいは計画を立てるための研修をやるとか講習をやるとかいった施設であるとか、あるいは今後の果樹全体の長期の生産なり需給の見込みといったような研究調査につきましても、当然やっていかなければならない事項であると思うのであります。そういったような事務を今後園芸課の所掌事務として扱うことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/32
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033・久保田豊
○久保田(豊)委員 今の御説明で私もその点を質問しようと思ったのですが、今度の振興法の実施の中で一番大きな問題になりますのは、個人なり町村なりあるいは各県別に果樹振興計画というものを立てなければならぬ。これは裏を返していえば、現在の既存の果樹園に対する植えかえなり更新なりということ、同時に今後新規のものをやる場合における一種の統制であります。結局これを本格的にやろうとするなら、最後には各県別にある一つのワクを示さなければあれはできませんよ。それだけの用意は今農林省としてはなかなかないと思うのですが、今のような状況でいけば果樹はどんどん伸びますよ。伸びるけれども、問題は種類によってあんまり伸び過ぎては困る。同時に一定の生産目標なり拡張の目標なりというものを示してやる以外には、私はあれを有効適切にやる道はなかろうかと思う。しかもその準備は今十分にできていないというのが現在の段階ではないか。従ってこれらの事務を県がやるのだから、それを書類の上で審査をすればいいのだということでは手続や何かは非常にめんどうになりますから、結局私はしり抜けみたいな結果になりはしないかということを非常に心配するわけです。それと同時に、各個人ないしは個人の二人以上ということですが、果樹振興計画を農協が立てるというと補助金なり安い資金を取るために、末端の人が何も考えてないうちに、中間団体で書類上の果樹振興計画というものが必ず出てくる。そして補助金なり安い資金が来たら、それからぼつぼつ始めようじゃないかというのが現実の姿になろうと思う。それをさらに生きた計画なり何なりにするという仕事は、私は簡単にはできないと思う。そこでこの仕事はおそらく園芸課の一番大きな仕事になろうかと思う。これは園芸課の陣容なり何なりにひっかかってくるわけですが、この点についての用意は具体的にどの程度やっておるのかという点が一点。それからもう一点は、県によっては果樹園芸に相当力を入れております。静岡県あたりもミカンの全国的に有名な産地でありますから、これには相当力を入れておりますが、実際を見ておりますと末端にいきますとほとんど力がない。末端は幽霊みたいな格好になってしまう。だから結局ものがうまくいかないということになりがちである。そこで私がお伺いしたいのは、中央の陣容なり権限なり予算というものを裏づけると同時に、今後地方の県段階、市町村段階あるいは農協段階において、果樹の生産計画なり何なりというものを具体的に生かしていくためにはどうするつもりか。この見通しなくして中央だけにこんなものを作っても、大した効果はないと思う。中央には審議会が、県には協議会ができて、いろいろな意見は言うでしょう。しかし科学的な現実に即したデータがなければ、議論しても何にもならない。そのデータを作るのは、今の段階では県庁か農協以外にないわけであります。そのデータの一番土台になる末端が幽霊で力がなく、補助金を取り安い資金を取るために紙上の計画をこしらえ、各果樹生産家の方の実際計画と一つも結びついてないというのが、現在までの実績である。同時に今度のこの案についてもその危険が非常に多いわけであります。こういう点についてどういう見通しと用意を持って今度の振興法を出したか、その見通しと結びついて園芸課はどういう陣容で仕事をしていくのか、その見通しなりはっきりした計画があれば、そういうものを出してもらわないと、ほんとうの審議はできませんよ。この点について伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/33
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034・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 第一点の御質問の、果樹を今後振興していくためにおきましては、各県別あるいは全国的な計画、それに基づく各地域別の計画等がなければ、振興上円滑を欠くのではなかろうか、あるいは効率を上げにくいのではなかろうか、こういう御質問でございまして、全く御意見の通りであろうと思うのでありますが、ただ果樹の計画といいましても、御承知のように永年作物でありますので、二年なり三年なりあるいは十年の先まで全体の需要なり海外市場等をも見て、これが計画を立てねばならないというふうな性質のものでございまして、理屈は、そういう長期の見通しというものが必要であるということは重々わかるのでありますけれども、現実に、それでは今後十年先あるいは五年先に市場に出てくる見通しにつきまして、具体的な計画を立てて、これを各県に指導するというようなことにつきましては、理論上はそうであっても、実際問題としてはなかなかむずかしい問題もあるわけであります。従いまして今果樹の計画はどうであるか、地域別、県別にはどういうものをどう植えるべきものであるかというような、具体的な計画を立てるところまでには至っておりませんが、しかし長期の今後の計画というようなものにつきましては、これは一面、農業の今後の長期計画あるいは基本問題等の調査会等におきましても論議されている問題でございまして、これらをにらみ合わせながら、われわれとしては御趣旨の線に沿って今後検討して、かつ研究して参らなければならないと考えておるような次第でございます。それからこれをやっていく場合におきますところの体制というものはどうであるかということでございますが、現在園芸課に属する者が十七名おりまして、これに他局から今後移管される業務に応じて人員をふやす必要もありますので、さしあたり現在では二十一名で園芸課を構成する、こういう考え方に立っておるわけであります。今後の事業の伸展において、これらの所掌事務についてはどうであるかというようなこともあろうかと思いますが、さしあたりはそういう定員で実施して参りたい。ただ果樹の問題につきましては、ひとり園芸課の所掌事務というばかりでなしに、たとえば果樹統計等の部面も今後ますます必要になってくると思います。現在果樹の樹園地の面積等につきましても、実は詳細な計画面積というものははっきりしていないわけです。今回の予算におきましても、振興局関係の果樹振興についての経費のほかに、統計調査部におきましては、果樹の基本調査に要する経費といたしまして、二千六百八十八万五千円計上いたしまして、今後の果樹全体の基本調査をいたして参りたいというような経費も計上いたしておるのであります。また加工工場等の経営調査といったようなものも、ほかの局においてやっておるわけであります。そういったようなことで、果樹全体についてはひとり園芸課ばかりでなしに、それに関連したいろいろな施策と相待ってこれらを推進していくということに相なるわけでありまして、これらの法律の施行に伴って、一そう今後の体制を整えていくということにわれわれも努力して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/34
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035・久保田豊
○久保田(豊)委員 地方の末端の体制はどうするのですか、その点をお答え願いたい。末端から中間ですね。県なり市町村ないしは農協のこういったようなことに即応する体制についてはどう考えておるか、その点のお答えがない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/35
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036・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 御承知のように、最近の果樹の一般的な振興を今後やっていく必要という意味におきまして、昨年、一昨年以来から、例の普及員の中で特技普及員というのがございまして、これは三カ年計画で充実するということで、毎年五百三十名ずつ増加いたしておりまして、本年度は三年目に当たるわけです。今年度は五百三十八名のうちこの主たるものは、果樹と畜産と機械等を特技とする特技普及員を、三カ年にわたって充実して参ったわけであります。従って指導面におきまする組織といたしましては、まあ今日ある事態を予想するというわけでもありませんが、従来からそういうことに特に意を払いまして充実して参ったのでありますが、府県の段階における指導組織の強化という面におきましては、農林予算としては計上しておりませんけれども、自治庁における例の交付税の中に、人員設置の経費を織り込んでもらうということにいたしまして、大体各県二名程度の配置ができるように、今回特別の措置としていたしたわけでございます。町村段階における措置についてはどうであるかということでございますが、これはやはりその重要地域におきましては、町村においてもそういうような経費を見るように、あるいはまた団体を通じてもそういうふうな措置をとるように、今後指導して参りたい、かように考えております。特に予算的な措置としては、今回は計上しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/36
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037・久保田豊
○久保田(豊)委員 これはなかなかむずかしい問題ですが、地方の問題についてはやはり自治庁等々ともう少し突っ込んだ検討をしていただいて、地方の指導人員といいますか、これをよほど強化をしませんと、中央でいろいろの机上計画を立てて流しても、途中で消えてしまう。特に末端に行けば、これは要するに補助金取り、それから安い資金取りということで、その資金で取ったものがはたして果樹振興に使われておるやら、ほかの方に回っておるやらわからないという結果が、多くの場合において出てくる。特に果樹地帯において多く見られるのは、結局過去の焦げつきの借金が実際相当あります。こういったものの乗りかえ資金に使われる県が、大体ミカン地帯を見ましてもどこを見ましても相当ある。そういう県が非常に多いですから、こういう点、末端のほんとうの農家の計画というものに土台を置いたものにだんだんやっていって——これは全体の計画をほんとうに計画的にやるということは、なかなか困難なことはよく承知しておりますが、それなくしては私は、この果樹振興というものは魂が抜けたようなことになろうと思うので、この点について特に今後御留意を願いたいと思います。それから今お話の中央がさしあたりとしては二十一名だ。まあこれで一応出発するよりはかなかろうと思うが、少なくとも果樹を——米は土台として、それはその通りでいいと思います。あと畜産なり果樹を、少なくとも今後日本の農業の作物別に見た三つの柱に大きくしていこうというふうな、大上段に振りかぶったところに、その担当課がたった二十一名で、これでいくかということになりますと、私はここら辺どうも農林省の考え方が、とにかく百姓と同じ貧乏根性で、ちびりちびりで、牛の小便みたいなもののやり方である。ですから何をしたって効果が上がらない。やったつもりだけれども、まるで牛の小便みたいなやり方で、全く二階から小便したようなことになる。こういう点については、果樹を本格的に取り上げるということなら、私はもう少し思い切ったことをやらなければどうにもならぬと思いますが、この点はどうなんですか。最初で、今まで何にも手を触れていなかったのだから、とにかく今あまり大きくやったのでは、あちこちから風当たりが強くて仕方がないから、頭だけ出しておいて、これからだんだん大きくしていこうということなら別ですけれども、こういう態度というか、ものというか、考え方が、これは農民的と言えるかもしれぬけれども、少なくともこれからの変化の非常に多い、変化の激しい時勢に対処して、農業の体質改善をやっていこうのなんのと言って、大ぼら——大ぼらとは言いませんけれども、非常に大きなことを言っておりながら、内輪を見てみたら、こういう貧弱なやり方でやるというのはどうかと思うが、これはもう次官にはっきり——ことしは初めてだというからやむを得ぬですけれども、これはあえてせびろうとは思いませんけれども、こういうものの考え方の土台というものを少しはっきりしないことには、かりにたとえば基本問題調査会から幾らいい答申が出たって何したって、こういうものの進め方では、農業なんて伸展しませんよ、ざっくばらんに言って。あとはみな書類行政で、末端に行ってごらんなさい。技術屋が何をやっておりますか。上へ出す書類の作成に日がな一日飛び回っているじゃないですか。特技員をこれぐらい作ったとかなんとかいって、その特技員が何をやっているか。一生懸命に書類作り、資料作りに骨を折っておるというのが実情じゃないですか。こういうやり方というものは、根本的にやり直していただかなければいかぬと思うが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/37
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038・小枝一雄
○小枝政府委員 先ほどから園芸に関する造詣の深い御意見を伺いまして、私ども全く同感でございますが、大体今農林省各課三十名ぐらいが普通でございます。そこで二十一名というのは、私ども決して人員が多いとは考えておらないのでありますが、従来の政府のとって参りました果樹園芸に対する行き方と考え合わせますと、これは一つの飛躍でございまして、われわれといたしましても、御承知のように園芸振興の重大性にかんがみまして、この際一つ思い切って果樹の振興の方向に踏み切っていかなければならぬ、こういうふうに考えまして、課の独立を考えたのでありますが、久保田委員も御承知のように、この問題につきましては、一昨年ごろから国会の内部においても、それが必要であるという議論が非常に盛んになって参りまして、それから一挙に部を作ったらどうであろうかというようなことも一応論議されたのであります。われわれもそういう方向についても一応検討いたしたのでありますが、順序といたしまして、一応主務課を作って、それによって審議会も設置して、先ほどからお話のありましたようにこの振興計画というものをどういう方向に立てていって、どういうものを伸ばし、どういうものを計画すべきかというようなことにつきましても、一つ慎重な検討を加えまして、そして必要に応じて時勢の推移に応じて一つ増員も考えなければなるまい。そういうことを考えておりまして、御説のように人員におきましても、決してわれわれも十分とは考えておりません。従いまして必要に応じましてはあるいは部属の配置転換をはかりますとか、あるいはまた適当な機会においては増員をお願いするとかいたしまして、この果樹振興に支障のないように道を講じていかなければならぬ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/38
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039・久保田豊
○久保田(豊)委員 これは最初のことですから、注文は少し無理だと思いますが、少なくとも果樹の現在の農家経済において占める地位という問題、今後伸びていくという伸びを見込んでみても、私は最低、部くらいのものを作るだけの腹がまえがなければ、正直な話、果樹振興なんて言わぬ方がいいですよ。御承知の通り畜産は今のところは農家の経済からいえば、果樹よりは少なくとも全体としてウエートが違う。たとえば蚕糸と比べてごらんなさい。決して果樹の比重が小さいとはいえない。その蚕糸は局ができているじゃないですか。これはもちろん蚕糸局を小さくしろとかなんとかいうわけじゃない。少なくとも日本の作物別あるいは耕種別に見た三つの大きな柱の一つになろうというのに、その出発点が振興局の中に二十一名の課を作りましたというのでは、私は実際はどうにもならぬと思う。最初ですから無理な注文はしませんけれども、できるだけ早い機会に、できれば来年あたりには少なくとも部ぐらいは作って、もう少し突っ込んだ対策をとるくらいの意気込みが農林省にほしいですね。それなくして風当りのない、大蔵省あたりからあまり怒られないようにという程度の考えでは、これに乗って果樹振興をやった、果樹増産をやった百姓の方は、あとはまたしょい投げを食うようなことになりかねませんから、この点については、ことしは無理でしょう。これは最初の年ですから、私はあえてこの点を強く要求しませんけれども、少なくとも来年とか再来年ぐらいには、部ぐらいを新設してやるくらいの腹を持ってもらいたいと思います。この点についてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/39
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040・小枝一雄
○小枝政府委員 久保田さんのおっしゃるような熱意をもって、努力いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/40
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041・久保田豊
○久保田(豊)委員 それでは第一の果樹関係は大体このくらいにいたします。その次に放射線の育種場ですね。これに多少の説明がありますけれども、現在これはどの程度に行っておるのか。それから今後どの程度の規模をもって、どの程度のものにしようかという点を、もう少し具体的に御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/41
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042・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 現在までいわゆる原子力の平和利用という面におきまして、各国ともこれらについての利用方法が進んで参りましたので、農林省におきましても、三十一年度から放射線の利用についての研究室を各試験場に設けて、実施いたしておったのであります。従来までの大体のやり方というのは、主としてこの利用面につきましてはいわゆるアイソトープ、同位元素をトレーサーとしての利用方法、たとえば漏水を検査する場合に、それを中に入れまして漏水の個所をはっきりトレースする、あるいは飼料等にそれを入れまして家畜の摂取、形態を把握するとかいったような、トレーサ—としての利用方法が重要な一つの研究課題として進められておったわけであります。そのほかに照射室を設けまして、ガンマ線なりあるいはエックス線なりを照射することによって、品種改良等の研究も進めて参ったのでございますが、これらの照射室におきます研究は、勢い実験室という小さな範囲において研究を進めておりました関係上、自然的条件ではなくて人工的な条件である。あるいはその照射する強度につきましても、勢い非常に弱強度のものしか利用できないといったような制約があったのでございます。そこで今後の作物等におきまするところの品種改良等をやっていきます場合においては、さらに相当広範な地域において、しかも自然的な条件にさらされた圃場において実験する必要がある。また放射線の強度におきましても、相当高い強度のものを利用して参る必要があるというようなことで、世界各国ともその方面における研究なり実験がどんどん進んでおる状況に相なっておりますので、それらの施設等をも参考にいたしまして、どうしても各場所ごとに持つということではなくて、統一的な育種場を持つ必要がこの際あるのではないかというような考え方に立ちまして、実は三十四年度から一部それについての予算措置を計上しておったのであります。三十五年度におきましては大体圃場の候補地もきまりまして、茨城県の大宮に設けるということになりましたので、そこで三十五年度からは急速に施設の整備をし、事業も三十五年度から実施いたす、こういう考え方で今回育種場の設置法を提案いたした次第でございます。育種場におきまする主としての研究課題といたしましては、今回におきましてはもっぱら放射線の照射による品種改良ということを中心に考えております。農作物はもちろんのこと、果樹、茶、桑等の作物につきまして研究を進めて参りたい。育種場の規模といたしましては、大体定員を十七名ということに考えておりまして、現在の照射圃場といたしましては三ヘクタール、そのほかのいろいろの準備圃場だとかあるいは標準圃場等を入れまして、全体といたしましては八十ヘクタールの敷地を予定しておるわけでございます。ただこれらの照射に伴いまする危険防止という見地から、相当の面積を周囲に必要とするというようなこともありますが、大体におきまして敷地としましては現在八十ヘクタールの敷地を予定しているということで計画いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/42
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043・久保田豊
○久保田(豊)委員 これについては非常にけっこうなことだと私も思うし、むしろ実施がおそきに失したのではないかと思うわけですが、外国のこういうことに対しまする施設なりその成果というふうなものはどんなふうになっているのか、これはわれわれしろうとにもわかるような資料がありますれば、御提示をいただきたいと思うのです。それから今のお話の中で一つの問題は、はたして圃場におきまする放射線の照射によるいわゆる品種改良、非常にけっこうなことだと思いますが、これによる危険防止がはたして完全にできるかどうかというような点でありますが、この点についてはどうなんですか。見通しといいますか、こういった点について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/43
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044・河原清
○河原説明員 私からお答え申し上げます。外国の現在までのデータでございますけれども、一番最初にできましたのがニューヨーク州のブルックヘヴンというところの放射線育種場でございます。これは大体私どもが現在準備しておりますのよりは若干規模が大きなものでございます。これが一九四七年にできまして、今までのはっきりしたデータといたしましては、タバコで非常に品質のいい、収量の高い、また耐病性の強いものができておる。それから桃で固有品種よりも三週間わせのものと一週間くらいおくてのものができておる。それからブドウで非常に大粒のものができておるというようなことがはっきりわかっております。それからそのほかアメリカにも一、二大学に小規模のものがございます。それからスエーデンのストックホルム、これは林木の育種場でございます。これも規模の小さいものでございます。データははっきりわかっておりませんけれども、盛んに研究をしておるようでございます。なおスエーデンにはそのほかに果樹のための育種場もございます。そのほかノルウエーとかデンマークとかイタリアというところがすでにできておりますけれども、何分育種には相当の長年月がかかりますので、まだはっきりしたデータはできておりません。そのほか計画中のものは韓国も何か計画をしているようでございますけれども、これはまだ具体的に進んでいるのではなくて、一部の識者の間でこういうものを作ったらどうかというようなところらしいのでございます。従って私どもが扱いますのは、先ほど官房長から御説明申し上げましたように、農作物全部を対象といたしますので、対象の種類から申しますと、おそらくアメリカのブルックヘヴンと同じ程度の研究範囲を持ち、また線源も二千キュリーを入れますので、ちょうどブルックヘヴンと同じになる。ただ照射圃場が向こうは約五百ヘクタールでございますが、これは地積の関係から三ヘクタールにいたしますので、その点若干劣りますけれども、でき上がったらおそらく世界で二番目の規模のものになるのではないか。それから危険防止の点でございますが、これにつきましては特に私どもかねがね意を払っておりまして、理化学研究所の山崎研究室、放射線物理の大家の山崎先生のところにお願いいたしまして、直接出ます放射線は半径百メートルの外側に防護土塁を作りましてさえぎる予定になっております。直接出る放射線には危険性はないわけでありますけれども、地表などからはね返りまして外へ飛び出ますところの散乱線というものが問題になります。それで山崎研究室にお願いいたしまして、散乱線の調査をしていただきまして、その報告がまとまったのでございます。なおこれは世界じゅう今までこういう例がございませんので、いろいろの仮定を設けて研究したので、多少の誤差が伴うというお話でございましたので、昨年の九月末に、群馬県の相馬ヶ原の自衛隊の演習場でございますが、これは小銃射撃場で、周囲に御承知のように土手がございます。大体私どもが育種場を作ろうというのに似通った土手がございますので、そこを借りまして、五日間にわたって実際に放射線を出してみた。それで結果は前回行ないましたところの計算結果とほぼ合致いたしました。そういうことを勘案いたしまして、さらにそれに若干の安全性というものを見込みまして、一応立ち入り禁止区域と居住禁止区域を設ける、こういう関係で面積も非常に広くなりまして、八十へクタールくらいのものが要るわけでございますが、大体計算上は立ち入り禁止区域が、もし平坦地の場合でございますと、線源を中心にいたしまして二百六十五メートル、それから居住禁止区域が四百七十メートル、これは国際放射線防護委員会というものがございまして、これが昨年の七月に国民の遺伝線量というものを考慮いたしました新しい勧告をしてきたわけであります。従来日本の法律でとめられておりますところの許容線量というものの約三倍のきびしさを持っておる新しい勧告をいたしております。これは内閣に設けられております放射線審議会でも、大体この勧告の線に沿って法律改正を必要とするというような御意見が出ておりますので、私どもはこの新勧告の線を十分にくみ取りまして、居住禁止区域と立ち入り禁止区域を設けたい、大体立ち入り禁止区域における許容線量というのが、二百七十メートルの外周におきましてレントゲンの間接撮影を五回やっただけの量の出るところが立ち入り禁止区域、それから居住禁止区域はレントゲンの間接撮影を二回弱やったところを居住禁止区域ということにしたいと思っております。先ほど申し上げましたように、これはあくまでも平坦地の場合でございますから、多少丘陵地になっておりますので、こういう点は考慮いたしまして不整形にはなりますけれども、十分に安全性を確保いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/44
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045・久保田豊
○久保田(豊)委員 その点ですが、私どもしろうとでわからぬのですが、いろいろ今のように原水爆なり核兵器の実験禁止が一応続いておればいいのですけれども、そうでなくてまた変なことになって空中の一般のつまり核物質と降下量が非常によけいになってくる場合、これはおそらく年間常時やられるような結果になろうと思うが、そういうものが結びつくといいますが、競合して特別にその一帯がひどくなるということはないのですか、どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/45
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046・河原清
○河原説明員 もしもただいま仰せになりましたいわゆるフォールアウトと申します空中の放射能の塵埃、あるいはわれわれが定期的に受けますレントゲンの胸部撮影、そういうものを加算いたしましても大丈夫だというのでもって、国際放射線防護委員会からこういう勧告が出ておりますので、それを勘案いたしまして私どもとしては区域を設定いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/46
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047・久保田豊
○久保田(豊)委員 この点は私どもしろうとでよくわからぬのですから、くれぐれもそういう被害が及ばないように格段の注意を願いたいと思う。せっかく平和利用で始めたものが周辺が変なことになるということになりますと、非常に大きな効果があると思いますけれども、マイナスの面が出ますから特に注意をお願いしておきたい。その次は飼料検査所の新設でありますが、これは結局飼料の品質検査をやろうということだろうと思いますが、御承知の通り最近畜産関係が非常に盛んになるにつれて、飼料の需要も非常によけいになってくる。それに応じて各メーカーがいろいろのことを言っていろいろの飼料を作っているということで、飼料検査所を作るということは非常に私は適切なことだと思いますが、これは具体的にはどういうふうな陣容でどういうふうな運営をやっていくつもりか、この点を一つ説明をしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/47
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048・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 お話にありましたように、最近の畜産の振興に伴いまして飼料の需要量というものは年々ふえてきております。それに伴いましてまた飼料についてのお話しになりましたような粗悪品等についての検査を、一そう厳重にやっていくという必要も一そう強まって参ったのであります。現在これに対する法律といたしましては、御承知のように飼料の品質改善に関する法律というのがございまして、これに基づきまして現在飼料の検査等についての措置を講じておるわけでございます。その所掌の扱いといたしましては現在のところ、畜産局の飼料検査室というのを便宜設けております。しかしこれでは今申しましたような情勢に対応するのに不十分であるということから、新しく検査室を独立させまして飼料検査所ということにいたしたのでございます。現在の定員は二十名でございまして、本年度はそれに必要な施設の拡充ということで約千三百万円の予算をこれについて計上いたしております。御承知のように、また今御指摘がありましたように、飼料の品質改善に関する法律を完全に励行して参る。また現在市販で行なわれて販売されておる飼料について、飼料の品質等がはたして保証成分に合致しておるかどうか、特にまた各種の異物混合物等について違反の件数がどのようになっているかというようなことを考えてみますると、検査所を東京に一つ設けたというだけでは不十分ではなかろうかという感じをわれわれとしては持っておるわけであります。今後の事態においてはさらに全国的に支所を設けるというふうな形において拡充していくべきものであろうと考えますけれども、とりあえず本年度におきましては従来の検査室を独立させまして、そうして機能の強化をはかって参りたい、こういうことで対処していく考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/48
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049・久保田豊
○久保田(豊)委員 もうすでに農林省でもお気づきのことと思うのですが、非常な粗悪品とか、あるいは粗悪品か何かわかりませんけれども、このごろはたとえばビタミンがどうだとか何だとか、いろいろなものが入っておるようなことを言って宣伝にこれ努めておる。はたしてほんとうに有効な飼料かどうかわからぬようなものが実によけい出回っており、しかも宣伝方法が非常にうまくなりまして多いわけです。そこで東京へ一カ所実際にそういう検査所を設けて、全国にああいう大小の主要メーカーがわんさとおるのに、どういうふうな検査をやるのか。あるいは年内に一回検査をして、そのほかのものについては、たとえば検査証明書を交付するなり、交付するには実効的などういうふうなやり方をするのか。これはあるに越したことはないけれども、どうもこの十三名なり何なりの定員で、今のああいう非常に種類の多いものが、うまくいくかどうかという点が心配になるのですが、実際の運営はどういうふうにやられるつもりか、実際面をちょっと聞きたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/49
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050・安井三郎
○安井説明員 私から説明させていただきます。ただいまの御質問でございますが、現在やっておりますのは、やり方が二通りあるわけであります。一つは、先生のおっしゃいました各メーカーが新しい飼料を作って、これを農林省のいう登録飼料にしてほしいといって見本を持って参る場合でございます。これが年間大体三百件くらいございまして、その見本について分析いたしました結果、農林省の定めておる規格に合格いたしますれば、これに農林省の登録飼料という名前を与えるわけでございます。もう一つのやり方は、ただいま官房長から説明申し上げましたように、二十人の職員が、数は非常に少ないのでございますが、許される予算の範囲内で全国の製造業者、販売業者に出向きまして、随意サンプルを収去いたしまして、それを持ち帰りまして検査室で分析検査する。そうして検査をやった結果につきましては、いろいろサゼスチョンを与える、あるいは勧告するというようなことをやっております。収去いたしました件数は、現在、三十三年度で申し上げますと一千件、三十四年度も大体その程度の件数の収去になるだろう。それにつきまして異物の混入がどうだとか、表示されておる成分と、内容の成分がどういうふうになっておるかというようなことにつきまして、現在検査をやっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/50
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051・久保田豊
○久保田(豊)委員 この点は私はしろうとでよくわからぬのですが、二十人なり何なりで全国を回って歩いたって、現実に出てくるいろいろな飼料の検査はなかなかむずかしいと思う。これは一部を県なり何なりに権限委譲をしてやるというようなことをもっと緻密に検査をするようなことにしませんと、ずいぶんいかがわしい飼料が出回わる場合が多いわけです。しかもそれは大部分の場合登録なり何なり、そういうふうなものを取った場合が多いのじゃないかと思う。そういう点でこういうふうに畜産が盛んになってきて飼料需給が多くなれば、それに応じて飼料の種類が非常によけいになっている段階で、その点は何とか新しい工夫はないものかというふうに考えるのですが、この点はどういうふうになっているか、また今後どうするつもりか、お聞きしたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/51
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052・安井三郎
○安井説明員 御質問の、県にも検査権は委譲してあるのでございます。あるのございますが、従来国からの予算も全然参っておりませず、えさというものにつきまして従来二義的に取り扱われておったという経過もあると思いまして、まずあまりやられていないのが現実でございます。これにつきましては、今後国、県を通じまして検査機構の充実をはかって参りたい、こういうふうに存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/52
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053・久保田豊
○久保田(豊)委員 この点はぜひ予算もある程度つけて——二十人や三十人で全国をやるなんといって、なかなかうまくいくはずはないと思うのです。実際にはずいぶんいかがわしい飼料が出ております。しかもそれが相当にうまい宣伝をやってやるという場合が多いし、下手すると、県あたりにやらせると役人とそういうメーカーが結託をするというような危険もないわけではありませんから、何かここは新しく手を打たなければ、こういうふうに飼料需要がよけいになった段階では間に合わないのではないか。そうしてもっと的確な、少なくとも買うものについては、大体袋なんかについても、たとえば検査を通ったという証書がくっついているとかなんとかいうところまでいかないと、ほんとうのしっかりしたものにはならないというふうに思うわけです。もっとも主として問題になるのは配合飼料で、配合飼料のものをただ中央で役人や技術屋の方が、この配合飼料でいいのだといってきめて動かさないようにするのは、今日の段階では問題があろうと思う。われわれが牛や豚を飼っている連中にいろいろ聞いてみると、お役所できめた栄養基準なり何なりというものが現実に合っているかというと、必ずしもそうでない。ほんとうにうまくやっている連中は、やはりいろいろ苦労して独得の一つの配合飼料を作っているという場合が、成績がいいようであります。全国の例を知っておりませんけれども、少数われわれの触れた例ではそういうことで、技術屋やお役人さんのきめた飼料基準、栄養基準というものがいいかどうかということは、これまた検討の余地があろうと思う。従ってそこらの飼料の研究はお役人といえども、技術屋といえども、まだ不十分ではないかと考えるのでありまして、そこらにはある程度の余裕なり何なりというものを見ておく必要があると思うのです。少なくとも今のような状況でやっておるのでは困ると思う。おそらくこれだけのものを作っても、実効はあまり今までと大した違いはないのではないかというふうに思うわけですが、こういう点について特別な措置を考えて、予算もつけ何かをするということをやらないと、畜産々々といって騒いでも、これまたえさの方でごまかしがあって、これが商人資本なりそういう連中の食いものになるということでは、ただそれが畜産の肥育効果なりあるいは搾乳効果を悪くするだけではなく、病気になって殺してしまうという危険もあるわけでありますから、この点について将来何か効果的な打つ手を考えて、その出発としてやられたらどうか、この点もあらためてお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/53
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054・小枝一雄
○小枝政府委員 お話のように、今日本の農政の中で畜産は最も将来性のある仕事であると考えております。またそれに伴う飼料は、酪農の発展に伴って増大していくものと考えられます。ことにまた一方においては養鶏振興法案なども御審議いただきまして、この国会で通過するのではないかと考えております。そういう段階におきまして、飼料というものを最も有効な成分を含んだものにし、またりっぱなものを供給するということは、畜産振興上の大きな要素であろうと考えます。そういう意味におきまして私どもといたしましても検査室を独立させて、十分いい飼料を提供するようにしたい、こういう熱意を持って臨んでおります次第で、御説のように、ただ十数名の者で完全にこれがやれるかというと、これはとうてい望まれることではありませんので、先ほども官房長からお答えいたしましたように、府県に権限を委譲してあるものを十分に活用するということは、確かに有効な手段であろうと思います。これにつきましては国の予算をつけますか、あるいはその他自治庁の交付税の点等において考慮するというようなこともあるかと思いますが、要するに国をあげて中央、地方を通じて、この問題の十分な対策を考究していくということは、非常に必要な問題であると痛感しております。従って農林省といたしましてもこの問題は十分検討いたしまして、実効の上がるように善処いたしたい、かように考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/54
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055・久保田豊
○久保田(豊)委員 もう一点飼料の問題で、現在では国外から入ってくる飼料は、貿易自由化になるとだいぶ違って参ろうと思いますが、現在のところでは国内生産の米、ぬかは別といたしまして、おもな飼料はある意味においてはほとんど直接、間接政府の統制下にある。ですから飼料の単飼というか、そういうものがいろいろの形において配合飼料になる場合に問題になるわけであります。そういう点と価格の統制等とも結びつけて、何か考える手はないかというようなことが思われるわけでありますが、こういう点についての御検討は進められておるのかどうか、この点をお伺いしたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/55
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056・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 飼料の需給といいますか、十分な供給を確保するということは第一の前提でありまして、毎年飼料審議会で需要量を算定して必要な輸入量は入れる。大体飼料の需要量といたしますと七百五十三万トンぐらいの需要量に対しまして、輸入といたしましては百六十万トン程度を毎年入れております。その中には政府で直接輸入するものもあります。そして政府食管を通じて市場に放出するというのもあります。それからまた民間の手を通じて輸入されるものもあるわけであります。いずれにしてもまず供給面におきまして十分な量を確保して、市価を抑制していくということが必要であろうと思います。最近におきましては市価は前年同期に比べて大体一〇%くらい低くなっておるというように見受けられるのであります。その間政府の売買操作によりまして、売り渡し価格につきましては十分その点も考慮して、払い下げを行なうという措置をとっておるわけであります。今後ともそういう考え方で対処して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/56
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057・久保田豊
○久保田(豊)委員 この点についてはいずれまた農林委員会でもう少し突っ込んで御意見をお伺いしたいと思いますから、ここではこの程度にいたします。いずれにしても何か検査面でも従来よりは一歩進展でしょうが、特に大きなメーカはそうできないと思います。地方の小さなメーカーがいろいろなでたらめをやるわけでして、しかもこれがごまかし方がうまいわけです。そういう点も特に考えて、地方の末端における検査の徹底といいますか、品質の保全ということに格段の御注意をいただきたい、こういうように思います。その次は、名古屋農地事務局に高潮対策事業部を作るということですが、これは確かに伊勢湾台風のその後の措置をやるという点からいえば必要なことですが、これはどういう範囲のことをやられるつもりですか。要するに災害復興、つまり土木関係の事業だけを総合的にやられるというのか、あるいはその後における営農の回復というか、あるいは農家経済の回復というか、そういうところまで含めてやろうということですか、この点がはっきりわからないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/57
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058・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 今回名古屋に高潮対策事業部を設置することになりましたのは、昨年の伊勢湾台風によりまして名古屋、愛知あるいは三重等における海岸あるいは干拓地におきまして、相当の被害が出たことは御承知の通りであります。これらの災害復旧事業につきましては、従来名古屋の農地事務局で所掌いたしておったのでございますが、これらの復旧事業につきましては相当の事業分量に上るし、かつまた早急に復旧を要するというふうな関係もございますし、また復旧にあたりましては堤防の高さとかあるいは工法といったような点につきまして、関係省と統一して実施するという必要もあるわけであります。そういう見地に立ちまして、名古屋の事務局の従来の機構をもってしては、十分対処し得ないということにかんがみまして、このたび名古屋事務局に対策事業部を設けることにいたしたのでございます。従いまして御質問の所掌事務いかんということでございますが、これは従来名古屋事務局でやっておりましたような事業につきまして行なうわけでございまして、具体的に言いますと海岸の災害復旧事業の指導、監督、実施、それから干拓地における災害復旧事業の指導、監督、助成、つまり海岸事業あるいは干拓地における直轄の災害復旧事業の実行と、一般の補助事業についての指導、監督、助成を扱うことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/58
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059・久保田豊
○久保田(豊)委員 所掌事務は大体わかりましたが、そこでこれはもうすでに災害予算が決定したあとですから、今から言っては少しおそいかと思うのですが、伊豆の災害の経験から見て、ぜひこの機会に一つ政府の方で考えていただきたいと思うのは、今度はそういうこともあるまいと思いますけれども、要するに復旧の工法なり規模なり、たとえば堤防なり何なりにしましても、必要なものがなかなかできない。予算やその他で押えられて、どうしてもいいかげんなものになりがちだという点が一点。こういう点についてほかの場合、つまり原形復旧主義ではなくて、改良復旧主義を結局とるにいたしましても、その改良復旧のものの考え方の根本がどうかという点が第一に問題になるわけです。それから第二にどういう点が問題になるかというと、実際の業者を通じてやりました場合には、復旧の工事が予算できめられたほどやられておらぬのです。特に中央直轄の場合においては弊害は比較的少ないが、府県段階の仕事であるとかあるいは市町村段階の仕事になると、それが非常に多い。具体的に例をとってみますと、私の方で一番大きな災害をこうむりました熊坂部落あたりに行ってみますと、みんな泣いております。というのは、砂がずっと入って参りまして、これを取ることは取った。ところが下の方の大きな石ころはそのままです。その上にあの荒い砂をブルドーザーで押えて、一応たんぼの格好を作った。しかしあれだけでは稲はできません。その上に、あの設計書を見ますと、五寸くらいの作り土を持ってくるということになっておるわけであります。ところが時期的に間に合わなかったということも一つ、それから業者と係官が結託したとは申しません。申しませんが、そこらに手抜きがありまして、結局作り土が何もできておりません。ですから稲を作っても、下の方がブルドーザーでもって押えつけられておりますから、稲の根がこのくらいしか張っておりません。ですからこうして抜けばぽんぽん抜けてしまう。ですから米はできません。おそらくあそこあたりは、ほかの事情もありますけれども、ことしあたりは四俵にいかなかったと思います。さらに下の方に、大きなこんなのがまだごろごろしていますから、どうしてもこれは深耕をして、もう一度ほんとうに昔の作り土とまぜるか、あるいは作り土を持ってこなければ、これはほんとうのたんぼにならないわけです。ところがこういうものには補助も資金も出ないわけです。非常にそういう点で悩んでおるわけです。伊豆のほとんど大部分の災害地がそうです。お役人や政治家が来て、表側を見ると、格好だけはりっぱなたんぼができています。ところがたんぼとしては使いものにならない。しかもそれを自力で回復するということになりますと、熊坂のごときはおそらく一反歩二万円ではあがらないでしょう。せんだって私は行って、部落の連中と懇談をやってみたのですけれども、それで悩み切っている。伊勢湾台風の場合にしても、鍋田干拓にしても、塩抜きその他のいろいろなむずかしい問題がありましょうし、従来のいわゆる大急ぎでやったところは、とてもあとの負担ができない点があろうと思います。こういう点について、ことしはあるいは追加予算等においても、ぜひ農林省としては考えてもらいたい。第一には改良復旧なら改良復旧の規模を、具体的にどう考え直すかということ、この点がやはり一番大事なんです。特にその点については地方管轄のもの、こういうものについてもう一度再検討する必要はないかという点、特に耕地、農業用施設等については、今申しましたようなことが、——私はほかの地域のことはあまり調べておりませんからわかりませんけれども、私どもの経験からいうとそういう問題が非常に多い。こういう点について何らかの新しい救済策というものを講じなければ、格好だけ、表側だけできても、ちょうどようかんの皮ができたようなものです。中身は何もありません。甘味は何もないのです。これは自力でやれといってもなかなか簡単にはできません。こういう点について、特に高潮対策事業部というようなものを作る以上は、こういう点まで突っ込んで所掌事務にしてやってもらいたいと思う。そうしませんと大がいの場合は、いいかげんでおっぱなされてしまう、こういうことになろうと思います。この点に対するお考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/59
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060・小枝一雄
○小枝政府委員 ただいま御指摘のような問題は、過去においてあるだろうということがわれわれも想像できます。そういうことではいけないのでありまして、御承知のように今回の災害復旧は改良工事も相当高度にやるつもりでおるのでございますが、高潮対策事業部を設置いたしました以上は、どうしても改良工事をできる限り高度に行ないまして、そうして災害を将来未然に防止するということを完成しなければならぬと思います。お話のように下部の問題について、表面見かけは復旧したが、実質的には営農上非常に支障を来たすというような結果があるということは、はなはだ遺憾でございますので、私事務的にはどうかと考えまするけれども、あるいはこれは農地事務局の所管でやることか、あるいは事業部でやる仕事になるのか、そういう点については私よく存じませんけれども、いずれにいたしましても直接事業部に責任のある問題につきましては、末端まで仕事を完全に仕上げるということを浸透していかなければならぬ、かように考えますので、高潮対策の事業部を作りました以上は、あくまでその機能を完全に発揮いたしまして、そういう欠陥のないように指導いたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/60
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061・久保田豊
○久保田(豊)委員 次官からのお答えはきわめて常識的なお答えですが、これは当局から事務的に御説明を願いたい。そういう点については予算上の措置はどうとってありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/61
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062・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 今回の伊勢湾台風の事業の仕方につきましては、御指摘の点、改良事業をどの程度に見るかというような問題がありますと同時に、運輸省あるいは建設省等の事業との接続する部面等もありまして、同時的な工法で、あるいは同時的な基準でやるべきであるという点が、予算委員会等におきましても論じられておったところでありますし、また事務当局におきましても、そういう点については十分横の連絡をとって進めたい、こういうことにいたしたのでありまして、昨年度の十二月におきまして、関係省におきまするこれらの関係担当官並びに学識経験者も入れまして、堰堤の高さ、あるいは工法等につきましては、一応協議をいたしまして、統一的な基準があるわけであります。その基準に基づきまして今後の伊勢湾における復旧事業を進める、こういうことにいたしておりまして予算上の措置といたしましてはさしあたり本年度の台風期までに原形に復旧する。そして三十七年度の台風期までに改良工事も含めて完了をいたす。それから補助事業につきましては三十八年度までに完了いたす。こういうことで予算を計上いたしておるわけでございます。具体的には、伊勢湾につきましては直轄事業として二十四年度に七億五千百万、三十五年度において十三億二千四百万、補助事業につきまして三十四年度に四億八千百万、三十五年度において六億八千六百万、こういう予算の計上をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/62
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063・久保田豊
○久保田(豊)委員 基本的にはやはり中央直轄の事業にするなり何なりということが一番根本だと思うのです。この点についても、一番ネグレクトされるのは、さっき私が指摘しましたような町村営段階における団体営事業です。直接の農地ないしは農業用施設に関する面で、簡単にいえばいわゆる手直し経費というものが実際には非常に食うわけであります。これはさっき言いましたように、工事そのものがいいかげんで途中で打き切られた、その手直しをしなければならぬところもあり、非常に時期を急ぎますので、完全な工事ができない。しかもそれは災害者でありますから、自力でこれの復旧ができないというふうな場合が非常に多いわけであります。私の部落、あるいは村あたりでも、よく問題になるのはその点でありまして、少なくとも最低一反歩当たりについて四、五千円は手直しの金がどうしてもかかる。そのほかにもすでに相当の借金をしております。その個人の借金の元利の償却さえ困難なところへもってきて、さらに工事の手直し分が、災害復旧の正規のもの以外に相当かかるということで困っているわけですが、こういう点については今後見るつもりがあるのかどうか。これも状況を見るということになりましょうけれども、追加予算なり何なりで当然見ていかなければ無理だというふうなものについては、そういう点を見る気持があるのかないのか、この点を具体的にお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/63
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064・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 災害復旧事業におきまして、その工事が手直しを必要とするようになった場合の助成措置いかんということでございますが、私も的確にお答えをいたしかねるのでありますが、われわれといたしましては竣工検査をやるのでありますし、十分な所要の復旧費を現地査定によってきめるわけでございます。従って一応事業としては終わって、それに伴う手直しというようなことに関しましては、おそらく予算上の措置としてはむずかしいのではなかろうか、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/64
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065・久保田豊
○久保田(豊)委員 これは私は自分のところの苦い経験から言うわけですから、次官、ぜひもう一度再考してもらいたい。十分な予算上の措置をとると机上で言っても、現地の実情はそういっておりません。一度現地をごらんになったらわかります。それはひどいところが出ているわけです。稲が作れないところが出てきている。これを災害を受けてひどい目にあった連中に自力でやれと言ったって無理です。町村も銭はない。農協もひょろひょろになっている。本人たちもみなひょろひょろになって、食っていけるかどうかわからないというところへ、さらにそういう経費を出せと言ったって無理な話であります。特に災害復旧はどこの場合でも時期的に急ぐわけであります。そういう点でもう一度再考してもらいたいと思いますが、次官、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/65
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066・小枝一雄
○小枝政府委員 これは実際の具体的な問題もございますが、仕事の建前から申しますと、ただいま官房長からお答えいたしましたように、完成できるだけの予算を見まして、竣工検査のときにこれを十分に検査をいたしまして、設計の上、仕事の上に遺漏があるかないかということを見きわめて、これを完成するということが常道だろうと思うのであります。そういう意味において、ただいまお示しのように監督指導を十分にするということが、まず役所としての仕事の建前であろうかと考えるのであります。過去におけるそういう非常に困るというような問題につきましては、災害関係の問題として再考いたしまして、どういうものがあるか、どういうふうにしたらよいかということを十分検討いたしてみたい。これについて確実に予算をつけますということを、ただいま申し上げるわけに参らないのであります。いずれにいたしましても災害復旧を完成するという建前から申しまして、要は設計とこれに対する竣工検査の問題が一番の焦点であろうかと考えます。そういう意味におきまして、十分指導監督をいたしたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/66
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067・久保田豊
○久保田(豊)委員 しっぽの出ない御答弁で、それなら非常に安全だと思うのですが、実際はそう行っていないのです。だから私は申し上げるわけです。なぜ行かないかといいますと、一つの大きな原因は災害地は次の作付をする時期まで工事がぎりぎりになりますから、竣工検査なんていったって、一応格好だけやりますけれども、ほんとうのところを言って実際に行なわれておりません。これが第一の原因です。第二の原因は、地方の県なりあるいは市町村段階のことになりますと、御承知の通り技術屋が足りないのです。静岡あたりではあちこちからかり集めたというような状況で、技術屋が足りないから、ほんとうの竣工検査ができません。最後の段階は、どうしても作付をしなければ一年間が食えないわけですから、時期的に非常に急ぐわけです。それから技術屋が足りないというようなことから工事そのものが疎漏になる。そうしてこれに対する竣工検査等が普通の農地の場合なり何なりと同じようには現実に行なわれておりません。そういう二つの事情から手抜きがたくさん出て参るわけであります。もう一つの事情は、今の工事の請け負わせ方に問題があると思います。というのは、下請け、下請けで、五人から七人くらいのピンはね、ピンはねでしょう。だから最末端にいくと、だれが責任を負っておるかわからない、こういうことです。その結果どうなっているかというと、工事そのものがいいかげんでもって逃げてしまう場合が多い。それから私の方なんか、小さな食料品店その他に対する工事関係の借金だけで、私のところへ申し込んできて解決をしてくれと言ってきているのだけでも三千万円近くある。それで一番多いのは三十八万円くらいです。小さなものは一万六千円くらいから大体十一、三万前後、あるいは七、八万前後、これはみんな最末端の連中、下請関係の労務者が結局正当な賃金をもらえないという、その他いろいろな事情があって引っかけてやってきますから、そういうことで商人系統は二重、三重の負担を受けているということになる。私は工事単価そのものももう一度検討する必要があると思います。しかし単価の検討以前に、今のようなああいう土建屋の工事のやり方というものは、特に農林省関係に多いのです。はっきり申しまして、建設省関係より農林省関係の方がそういう事態がはるかに多い。この点について根本的な是正策というものは急には参らないと思いますけれども、これを再検討されませんと、今のようなお答えをしておっても現実はうまくいかない。そこでそういう問題もなかなか一気に解決するのは困難だろうと思いますが、いずれにしても災害を受けた町村なりあるいは農協なり、あるいは農民なりに、さらに出直して、三千円だ、五千円だという負担を持てといっても実際に無理です。そこらについて、私は農林省としてもう一度再検討する必要があるのではないかということを申し上げているわけです。たっぷり予算がふえたはずだから心配はないのだ、あとは検査をよくする、これは役人の言うことです。少なくとも次官の言うことではありません。小枝さんは御承知の通り農林省関係については実情を十分把握された自民党内のベテランですから、そのベテランのあなたが齋藤君と同じような答弁をしていたのでは、ざっくばらんに言って困ります。ですからこの点について私はもう一度はっきりと再検討するという言明をいただきたいと思うのですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/67
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068・小枝一雄
○小枝政府委員 久保田さんの御指導の点、私も久保田さんの農政に対する熱意、御識見に対し信頼いたしておりますので、全くお話の点は信用いたしておるのでございます。そういうことがあるのは非常に残念なことでありますし、そういうことは困りますので、あらゆる点からよく再検討いたしまして、そういう問題の起こらないように、一つ仕事させるように指導監督を厳重にするということをやっていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/68
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069・久保田豊
○久保田(豊)委員 今のお答えでは不満足ですが、これ以上くどく申し上げてもなかなかあれでしょうから、この程度にいたします。その次は臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会が今度廃止になるということですが、これはもうすでに答申が出たのですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/69
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070・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 まだ出ておりません。三月の上旬、たしか五日か六日だと思うのでありますが、三月上旬に出るということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/70
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071・久保田豊
○久保田(豊)委員 その点は答申が出ればあとは一応異論ないようなことですから、廃止はけっこうだと思います。その次は生糸検査所ですが、政府の買い上げる生糸なりあるいは繭なりの調整の業務を行なわせるという業務の内容、これはどういうものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/71
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072・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 生糸の買い入れ、売り渡しにつきましては、実は安定法があった当時から予想されておった事態でありますけれども、従来ひんぱんに売ったり買ったりするという事態がなかったために、本省の蚕糸局で行なっておったわけであります。御承知のように昨年から相当生糸を買ったり売ったりするというふうな事態が起こりまして、かつその場合におきましてはやはり集散地である横浜とか神戸等におきまして行なわれるということが当然であります。それで従来その場合におきまする買ったり売ったりする業務の契約関係を中央でやらざるを得ない。そこでその間非常に不便が生じておりますので、新しい権限としまして、生糸検査所にその所掌をさせたいということでございますが、御指摘の業務といたしましては、主として契約関係の業務が中心になりまして、価格をきめたり数量とかいうことはこれは中央でやるわけであります。もっと具体的に言いますと、検査業務といたしましては、売り渡しの決定であるとか、売買契約の締結であるとか、あるいは納入告知書の発行、現物の受け渡し、それから政府における生糸の買い入れについて売り渡しの申し込みの受付から売買契約の締結、代金支払い、現品受け渡し、寄託保管等の仕事を行なう、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/72
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073・久保田豊
○久保田(豊)委員 そうすると大体どのくらいの数量を売るとか、価格をどのくらいにするとかいうことは、要するに蚕糸局の方でやるというわけですね。その売り渡し、買い入れに即応する事務をこちらで全部所掌させる、こういうことですね。一つお聞きしますが、これに対する保管の責任なり、保管の施設はどうなるのですか。これは一年なり短期のうちに消化するならいいわけですが、しかし相当長期になると品いたみその他が出てくるわけです。保管の施設なり保管の責任はどこにあるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/73
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074・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 御承知のように現在保管しておる生糸は、それぞれ民間の倉庫業者に寄託させておるわけであります。従ってそういう契約に基づいて当然倉庫業者が保管の責に当たるわけでありますが、政府貨物全体の所有の責任者としてはもちろん農林大臣になるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/74
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075・久保田豊
○久保田(豊)委員 実際に倉庫をきめたり、業者をきめたり、そこから出したり入れたり、保管料のいろいろの清算をするとか、あるいは保管業務の監査をやるとか、そういうことはどこがやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/75
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076・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 今回の改正によりまして、生糸検査所がやることになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/76
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077・久保田豊
○久保田(豊)委員 その生糸の検査所には、いわゆる生糸の品質検査あるいは数量検査、そういう技術屋のほかにそういう事務部面をやる人を今度増員をしてやろう、こういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/77
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078・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 そういうふうに考えておりまして、特にこの方を担当する人間を数名ふやす、また繁忙時におきましては中央から現地に応援出張させるというような措置を考えて参りたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/78
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079・久保田豊
○久保田(豊)委員 乾繭はどうするのですか。生糸検査所にやらせるのですか、どうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/79
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080・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 乾繭も同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/80
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081・久保田豊
○久保田(豊)委員 乾繭はうまくいきますか。横浜と神戸の生糸検査所でそういった業務がうまくいきますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/81
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082・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 まだ具体的な事例としてそういう事例が起こっておらないのでございますが、うまくいくようにいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/82
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083・久保田豊
○久保田(豊)委員 一応これで終わります。あとは政府の方からもう少し詳しい資料を出してもらいたい。その上でまた次の質問をいたします。あとの質問は保留いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/83
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084・福田一
○福田委員長 次会は明後三日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01019600301/84
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