1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十五年三月十日(木曜日)
午前十一時一分開議
出席委員
委員長 福田 一君
理事 淺香 忠雄君 理事 岡崎 英城君
理事 高橋 禎一君 理事 高橋 等君
理事 前田 正男君 理事 石橋 政嗣君
理事 石山 權作君
生田 宏一君 内海 安吉君
小金 義照君 谷川 和穗君
富田 健治君 橋本 正之君
八田 貞義君 保科善四郎君
山口 好一君 飛鳥田一雄君
久保田 豊君 杉山元治郎君
中原 健次君 柳田 秀一君
中村 時雄君
出席政府委員
総理府総務長官 福田 篤泰君
総理府総務副長
官 佐藤 朝生君
内閣審議官
(内閣総理大臣
官房審議室長) 大島 寛一君
検 事
(刑事局長) 竹内 壽平君
農林事務官
(農地局長) 伊東 正義君
委員外の出席者
内閣官房内閣審
議官 福山 芳次君
専 門 員 安倍 三郎君
―――――――――――――
三月十日
委員受田新吉君辞任につき、その補欠として中
村時雄君が議長の指名で委員に選任された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
農地被買収者問題調査会設置法案(内閣提出第
一号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/0
-
001・福田一
○福田委員長 これより会議を開きます。
農地被買収者問題調査会設置法案を議題とし、前会に引き続き質疑を許します。中村時雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/1
-
002・中村時雄
○中村(時)委員 その前にお尋ねしておきたいのは、総理、農林大臣、大蔵大臣の出席要求をしておったのでありますが、これに伴うところの御返答はどういうふうになっておるのか、まず第一点にお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/2
-
003・福田一
○福田委員長 中村委員にお答えをいたします。きのう御要求がありましたので、さっそく総理、大蔵、農林大臣に要求したのですが、ただいまは御承知のように参議院で予算総会をやっておりますので、その方の関係でこちらへ出席ができないということでありましたので、農地局長と、それから御要求があった刑事局長に出てきてもらっておるような次第でございます。適当な機会にそういうあれをするようにいたしますから、ただいま出店の政府委員で、その関係の質問をしていただければけっこうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/3
-
004・中村時雄
○中村(時)委員 それでは今の委員長の御発言によりまして一応承認をすることにいたします。ただし今おっしゃいましたように、この問題は簡単なように見えるけれども、今までの経過からいきますと、非常に重要な問題をたくさん含んでおる。しかも政治的な問題が多分にその中に内包されておるような状態のために、今申しました各大臣の出席要求は、質疑の中からも当然出てくると思いますけれども、将来において各大臣を呼んでいただき、十分なる質疑応答をさしていただきたい、このように思っておりますが、委員長の方のお取り計らいについての考え方を一つ御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/4
-
005・福田一
○福田委員長 ただいまの御希望に極力沿うよう努力をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/5
-
006・中村時雄
○中村(時)委員 まず総務長官にお尋ねする前に、各同僚議員から、すでに過去数年にわたっての問題でありまするので、あるいは重複する点が一、二出るやも存じませんが、その点は一つ寛度をもって御了承のほどを願いたいと思っておる次第であります。
この調査会法を見てみますと、皆さん方、ついうっかりするのは、非常に簡単な調査会を作るだけだから、問題はないじゃないかという考え方を多分に持っていらっしゃるようです。そこでお尋ねいたしたいのは、総務長官の御答弁を聞いておりますと、のらりくらりといいますか、何かわからないことがわかったような格好になるような御答弁の仕方をやっておる。そこでそれが総務長官自身の本質的な問題なのか、あるいはそうでなくして、のらりくらりしていることが意識的なものか、意識的なものであれば、これは実にずるいやり方であろう、このように考えられるわけなんです。そういうことからあなたの本質的な問題として取り上げていきたい。それだけにあなた自身も責任を持って、自分の自覚を持って御答弁を願いたいこう思うわけなんです。
その意味におきまして、まず第一点お尋ねしたいのは、この調査会法が当初自民党の案件として出て参ったものが、現在では政府提案に切りかわっている。この理由はどこにあったのか、これをまずお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/6
-
007・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 御存じの通り、この調査会は総理府の中に設置されますので、政府提案といたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/7
-
008・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると自民党提案となっておったときの状況は――それはどういう理由で切りかわったのか、もう少し詳しく言っていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/8
-
009・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 今回が三回目の提案でありますが、前二回ともいずれも政府提案でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/9
-
010・中村時雄
○中村(時)委員 私は故意にそれを言ったわけなんです。ところがあなた自身は、自信がないからはやもううしろを向いて御相談をしなければならぬというほど、内容、経過がわからないのじゃないかと思うのです。
そこで次にお尋ねしたいのは、何ゆえにこの調査会法を出されていったか。出されていった原因、理由、それをもう一度明確にお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/10
-
011・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 これは提案の理由を説明した場合に申し上げた通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/11
-
012・中村時雄
○中村(時)委員 私は少々頭が悪いので、もう一直その点の理由、要するにどういうところの基礎においてこういう提案をされていったのか、その点をもう一回お尋ねをしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/12
-
013・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 戦後行なわれました農地改革が適法のものであり、かつこれが国民経済の上にも非常に大きな寄与をしておる。これは政府も十分認識しておるわけでありますが、ただこの農地改革という大きな変革に随伴して、いろいろな問題が起こった。特に旧地主の問題についていろいろな問題が起こっておりますので、その実態を調査しなければならぬ、そういう点が提案したおもな理由でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/13
-
014・中村時雄
○中村(時)委員 旧地主に限って問題が起こったという定義をされたのは、どこからそういう判断をされたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/14
-
015・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 農地改革が原因でございますから、当然地主が中心になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/15
-
016・中村時雄
○中村(時)委員 それは農地改革という法律が出たので、地主が苦しんだという判定はだれがしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/16
-
017・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 その実態はまだわからないので、調査会で調査しようというわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/17
-
018・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、一つの法律が出まして、実態がわからなければ何でも調査会を作らなくちゃならぬというお考え方に聞き取れるのですが、そういうふうに受け取ってよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/18
-
019・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 これは問題の重要性によって違うと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/19
-
020・中村時雄
○中村(時)委員 その重要性とおっしゃいますけれども、ただうわさやその実態が、あるいはだれかがこういうことになっておるじゃないかと言うような問題があってこそ、初めて問題が具体化してくるのです。ただ法律が出たから、その法律が出た結果においてこうじゃないか、ああじゃないかということをあなたが認定され、判定をされて、こういう結果を作っておるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/20
-
021・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 これは政府部内の認識と申しますか、世論と申しますか、それに基づいて考えたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/21
-
022・中村時雄
○中村(時)委員 ただ単にばく然と政府部内とおっしゃいますが、政府部内のどういう方々がどういう機構を持って、どういうふうにしてこういう結果が出てきたのかをお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/22
-
023・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 農地改革に関係のある関係であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/23
-
024・中村時雄
○中村(時)委員 もっとはっきり言ったらいかがですか。農地改革関係に関係のあるといっても、これはばく然としてわからない。少なくともあなた方だってりっぱな政党なんでしょう。私たちが実際に感心してながめておる政党なんです。政党の中においては当然そういうものに対する機構なり部会なりというものが出てくるはずです。だからどういう部会なり調査会なり、名称は何でもいいと思うのですが、あなたにはわかっておることですし、おそらく他の方々にもわかっておられると思うけれども、あなた自身は、いろいろ調査会なりあるいは研究会なり、何か知りませんが、どういう機構によってそういうことが言われ出したのか、それをお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/24
-
025・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 今党の関係をお話しになったようでありますが、これは中村委員も御存じの通り、自由民主党の中にも特別調査会が二年前作られまして、その問題をいろいろ研究したことがあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/25
-
026・中村時雄
○中村(時)委員 そうするとはっきりしましたね。この原案を出されていったその主体というものは、自由民主党の中にあるところの特別調査会の答申なり、それらの話し合いによってこの原案が出された、こういうことになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/26
-
027・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 今党のことを申されたので、党の調査会を申し上げたのですが、これは一つの判断の要素になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/27
-
028・中村時雄
○中村(時)委員 それではほかに判断の要素があったら、それもはっきりとここで明言していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/28
-
029・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 前答えた通り、やはり政府部内の判断もあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/29
-
030・中村時雄
○中村(時)委員 大事なことですから、もう少し明確にしておいていただきたい。政府部内のだれが、どのような角度で、どういうふうにということをはっきりさせていただきたい。あなたのような頭のいい方が、そんなにばく然としているようなことはないと思うのですよ。もう少しはっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/30
-
031・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 政府の提案ですから、中村委員もよく御案内の通り閣議で決定いたしますので、総理大臣以下関係の者がその必要性を認めたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/31
-
032・中村時雄
○中村(時)委員 私は現象に現われてくる閣議決定を言っているのじゃない。今おっしゃったように一番大きな要素は特別委員会の問題もあるし、そのほか一般のいろいろな要素が、こうおっしゃるから、その一般の要素なりそういうものをきっちりさして、やはり一つのきっちりとした機構なり、そういうような考え方を整理しておいて質疑に入りたい、こう思っているわけです。そういう意味で、ただばく然とした、ただ人のうわさである、部内の一部からというようなことで、そういう事柄を取り上げるということになると、私は大へんな問題が起こると思う。少なくともあなたが間違いのないような方向をとるという意味においても、このことをはっきりとしておいていただきたい。それで申し上げているわけです。一つだけはっきりしてきた。それは特別委員会というものがここではっきりと打ち出された。ところが、またあなたのおっしゃるには部内の一部とおっしゃるが、当然あなたは党人であろうと思う。党の関係から出てきて、それを執行する責任をあなたは持っていらっしゃる。そうすると、部内のいろいろの状況とおっしゃるその部内のいろいろの状況を、やはりはっきり認識されておかれる必要があなた自身にもあると思う。われわれとしてもそれを認識しなくちゃならぬという立場で、それがやはり国民から負託されたところのわれわれの責任であろうと思う。ただあいまいもことした立場から審議に入るわけにいかない。こういう立場からお尋ねしているのですから、そういうもろもろの条件、事柄の性格をはっきりと御答弁願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/32
-
033・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 前にもお答えした通り、提案する以上政府がその必要を認めてそう判断したわけでありまして、党の調査会の問題も一つの判断の要素になるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/33
-
034・中村時雄
○中村(時)委員 だから、一つの判断の要素とおっしゃるのですから、まだほかにも要素があるということでしょう。そうでしょう。そうすると、ほかの要素というものは何かと言ったら、一部の党内の人たちとおっしゃるから、それでは党内のどういうところで、どういう方々が、どういう要素をもってこういうことに出してきたのか、こういうことになってきたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/34
-
035・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 政府が提案いたしました以上、これはもう総理府の仕事であり、総理大臣が最高の責任者であります。従ってその要素の分析につきましては、こまかく申し上げる必要がないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/35
-
036・中村時雄
○中村(時)委員 要素の分析についてこまかく申し上げる必要がないということになると、要素の分析についてはこまかい事柄がいろいろあったということにもなると思うわけです。そうするとこれは非常に大事なことなんです。だからその要素のこまかい分析が、そのためにいろいろな誤解を招いているのですから、――私は反対するとも、賛成するともまだ言っていやしない。だからそういうような事柄を私たちが質疑応答の中に明確にすることが、私たちに負託されたところの問題であろう。そういうような立場から考えますと、長官自身がそういうあいまいもこたるものの考え方でなくして、もう少しシャープに頭脳を整理されて、そうしてそういうようなことをあなたは御承知なんです。要素ということをはっきりうたっていらっしゃるのですから。それをもう少し具体的に、国民を納得さす上においても当然必要じゃないかというので、これはしつこく聞いているような格好に見えますけれども、一番大事な点なので、その点だけはもう一応きっちり整理しておいていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/36
-
037・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 政府提案する以上は当然閣議決定が必要でございますから、全閣僚が必要を認めたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/37
-
038・中村時雄
○中村(時)委員 閣議決定といいましても、その主体的な中において――まああなたは閣僚のごりっぱな方ですから、十分内容を知っていらっしゃるかもしれませんが、それではほかのだれを連れてきて尋ねても十分内容を知っているかというと、そうはいかない。主体になる人がどういう発言をされて、同意をされて、閣議決定されているか。その大もとというものは、あなたのおっしゃっている内閣なんです。そうすると、内閣のあなた方がそれを立案されている基本というものがあるでしょう。その基本について今入っているわけです。その基本の一部は明確に出てきた。ところがまだほかのものがあいまいもこになっているから、その点を、こういうものもああいうものもあったということを、はっきりしていただきたい。そうすると調査会というものは、ああ何だ、そういうものかということになるかもしれない。いやそうじゃない、それはけしからぬものだということになるかもしれない。そういうようにまだ納得のいかないような問題の基本が残っておる。その基本から入るのが、私たちは当然お尋ねするだけの義務を持っていると思う。そういう意味で言っているのですから、そういうことは隠さずとはっきり打ち出されたらいかがなものでしょうか。それはあなた自身としても、あなたの実際今までとっている行為あるいは内容、そういう中からでもあなたは十分そういうことを御承知の上でやっていらっしゃるだろうと思う。だから、その点を一つ十分われわれにお話し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/38
-
039・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 最終の判断や決定は、もちろんこれは政府がいたします。しかし今政党政治でありますから、先ほど申し述べた通り党で有力な意見があり、また一つの機構を持った調査機関もあって、それに対する意見の反映も相当強く政府に反映するのは、政党政治では当然なことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/39
-
040・中村時雄
○中村(時)委員 だから話をごちゃまぜにしないで、整理して言っていただきたい。私も先ほどから言っている。あなた方は政党の代弁として出てきていらっしゃる。だから、政党の内部というものがその基本になって、この調査会の問題が提案となって現われてきている、それを代弁するのが内閣である、こういう順序なんです。そこで政党の中においてはどういうふうな方法がとられたかというと、二年前に特別調査会というものができ上がって、それから問題の一つの要素となってそれが現われてきた。ところがもう一つの要素はいろいろな個々の有力な意見がある、こうおっしゃっている。そこで有力な個々の意見というものは一体どういう内容なのか、どういう方々がそれをそういうことにまとめていったのか、それをお聞きしたい。だから二つ出てきたわけです。一つは今言ったように機構を通じてはっきりしてきている。一つは今言ったようにあいまいもこになっているから、そこでどういう方々が、どういう発言をなされて、どういう立場に立ってこれがなされたか、これが釈明できれば二つの要素がきちっとできてくる。それをお尋ねしている。それはなぜお尋ねするかというと、今言ったように政党内閣ですから、政党の中においてこういう議論がなされてきているに違いない。そのなされてきているに違いないということが、あいまいになっておるということで、提案になる一番前提になる基礎が、土台が非常にぐらついているのでは、ほんとうにりっぱなものはできないのではないかという考え方がその中にあるから、お尋ねしているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/40
-
041・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 政党政治でありますから、政党の、与党の中にそういう強力な一つの意見があり、それがまた当然必要であると判断した場合には、これを政府が取り上げるのは、私は当然であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/41
-
042・中村時雄
○中村(時)委員 強力な意見というものは、おそらくその基礎があって、調査会というものを一応やろうじゃないかという根拠になり立つものだと私は思うのですが、長官はどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/42
-
043・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 党の内部については、政府として話をしたくありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/43
-
044・中村時雄
○中村(時)委員 私は正しい意見であるならば、この際実際にこの委員会を通じて全国民に訴えるという、最も有利な立場を今あなたはとっていらっしゃると思うのです。そのことを言明して、そのことによって国民に納得さすという最もいい有利な立場なんです。あなたがその党のことは自分は発言ができませんということになると、これは最も懐疑される、疑いを持たれるという結果になりはせぬかとおそれる。だから強力な、有力な意見という、その意見の骨子というものがあるはずです。それを一つここで御答弁願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/44
-
045・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 おそらく中村委員の言われることは、党がそういう機構を持ち、調査した裏には、一つの世論というものを考えてやったのではないか。いわばその世論というものは、旧地主の団体というようなものから相当強力な意見があるのではないか、こういうことを言われているのではないかと思いますが、やはりあらゆる要素を勘案して、政府は最終的に必要だ、こう認めて提案しているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/45
-
046・中村時雄
○中村(時)委員 あなたが非常に頭のいいということが立証されたのですが、私はまだ何も言いはしないのに、自分で推察されて私の脳裏まで見分けられるわけですから、非常にりっぱはものだと思います。しかし私はほんとうにそういうことを考えていないのです。私はこの調査会というものが、いろいろな質疑応答の中からほんとうに必要なのかどうかということは、まだ結論もつけていはしない。そこで今言ったようなことをお互いに話し合って、その話し合った中から、これが正しいものかどうか、正しければやったらよろしい、いけなければ皆さん方が撤回すればよろしい。それだけの度量を持っていらっしゃるだろう、こう思っているわけです。人間一人の能力なんて大したことはありません。そこであなた方自身も、なるほどこれはいろいろ聞いてみるといけないことがあるなと――ただオール・オア・ナッシングで、だめだからこうしょうという考え方を私どもは持っているわけじゃない。その点は冷静に考えていただきたい。だからお互いに質疑応答の中で、なるほどこれは少し考え方を違えなくちゃいかぬなということにあなたが勘づかれるならば、当然この問題は修正するなり、撤回するなり、あるいはほかの法案を提出するなり、機構も内閣ではなくて別のところに持っていくなり、そういうような幅広い、シャープな考え方を持っていらっしゃるかどうかをお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/46
-
047・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 政府が提案する以上は、その成立を期することは当然でございます。ただいかなる党派におきましても、われわれが聞くべき御意見なりまた筋の通った御意見があれば、当然私どもも謙虚にこれを伺いまして、それに対する貴重な参考意見とする、これも当然だろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/47
-
048・中村時雄
○中村(時)委員 参考意見まではまことによくできたのですよ。しかし最初の、政府が提案すればこれを可決さすのはあたりまえだ、こういうお話ですが、私はそこに考え方の問題があると思うのです。そのことの目的はけっこうです。出したのですから正しいと思ってやっていらっしゃる行為なんでしょうが、私は今言ったように、そうでないということも起こり得る場合がある。そうなった場合には、あなた方は別の角度からこれを考えていく。ただ参考だ、いや十分配慮をいたしますというのではなくして、いけなかった場合にはそれを変革するという考え方を持っていらっしゃるかどうか。ただそうでない、お前らの言うことは何でも参考意見には聞いておく、十分しんしゃくはする。しかし法律だけは通すのだ、出した建前上面子もあるから……。これでは話にならないと思うのですが、その点を間違いないように御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/48
-
049・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 まだこの法案の審議を終わらないうちに、これをどうするか、あるいはどう取り扱うかということは、政府として立場上言えないわけでありまして、出した以上は、もちろん成立を期しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/49
-
050・中村時雄
○中村(時)委員 私はそういう意味においてこれから質疑に入っていくわけですが、入る前提として、あなた方の立場が謙虚なものか、あるいはあくまでもどういうことがあっても通そうという考え方を持っていらっしゃるのか、その点はあなたのお答えの中から、とにかくオール・オア・ナッシングでどうしても通すのだ、こういうお考えなのか、その点をはっきりお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/50
-
051・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 従来たくさんの政府提案がございました。法案もあって、場合によっては修正されることもありますし、場合によっては撤回することもあります。しかしこの法案についてはまだ審議が終わらないわけでありまして、私どもはこれは正当なものであり、必要なものであると信じて提案している以上は、その成立を今考えているのは当然だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/51
-
052・中村時雄
○中村(時)委員 考え方はそれでいいのですよ。だから今おっしゃったように、修正する場合もあれば撤回する場合もあればということが出たわけです。だから実際の問題として、あなた方が審議の過程において、これが間違っている、あるいはまたこれをこういうようにしなくちゃならぬということが出てくるならば、そういうフェアな考え方で、この審議を進められるという基本だけはあるということなのか、それとも今言ったように、あなたのおっしゃっていることは、修正もほかの法案ではする場合もあるということを言っておるけれども、この法案だけはそういう考え方は絶対にしないのだ、あくまでも通すのだというお考えなのか、それをお伺いしているわけです。あなたのおっしゃるのは二面的で、非常にわかりにくい答弁をしていらっしゃるから、その点をすっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/52
-
053・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 これは法案の審議には当然二面性があるわけでありまして、政府が出した以上、成立を期するのはあたりまえでありますし、また審議の過程において修正されたり、その他の手続が必要な場合も出てくるわけでございます。その点を申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/53
-
054・中村時雄
○中村(時)委員 それではそういうふうに、たとえば審議の過程においていろいろな問題が起こり、修正する場合には修正するというような――これは委員会の一つの権限ですから、修正しようと修正しまいと、委員会の中において行なうことなんで、政府に拘束されるものではない。与党の方々は一つのフェアな考えではなくて、与党という立場からそういうことに反対する。それも勝手なことです。だから事柄によるけれども、私の言うのは、基本的にあなたがフェアな、そういう度量を持った一つの考え方を基本に持っているかどうかをお聞きしておったのだから、それは審議の過程において修正されるなら修正されることも起こるだろうというお考えならば、それを了解することにいたしましょう。
次にお尋ねしたいのは、これはきのうのことなんですが、衆議院の常任委員会庁舎に、自民党の民情部というのが――民情部というのが自民党の党内にありますね。自民党の党内に民情部というのがあるかどうか、これをお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/54
-
055・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 あるように伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/55
-
056・中村時雄
○中村(時)委員 ちょっとお尋ねしますけれども、あるように思いますといって、あなたは実際は、先ほど言ったように党を代表して長官にしてもらっているのだ。将来は大野派の巨頭にもなろうというような福田さんが、党内の内容を十分知らなくて、この法案を出されたということでは大へんなことになる。おそらく何から何まで党内のことは十分エキスパートになって、長官になっていらっしゃると思う。それが、民情部というものがあるように思いますというのでは、実際あなたは党の代表なのかどうかということは疑わしいと思う。疑わしい人に質疑応答をするというわけにも参らなくなるから、その点はっきりして下さい。民情部があるのですか、ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/56
-
057・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 私が、あるように伺っておりますと言いましたのは、実際私はその部屋に行ったこともありませんけれども、あるということを聞いておるわけであります。あることは事実であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/57
-
058・中村時雄
○中村(時)委員 どうもあなたの答弁は、あることを聞いておりますと言いながら、あることは事実でありますと言う。あることが事実でありますと言ったら、それで終わりなんです。それを余分なことを言って、どうも何か自信のないものの言い方をするので、お互いにざっくばらんに話をしましょう。だから、そういうような詭弁や、そういうようなのらりくらりするような態度というものは抜きにして、ほんとうにこれはこういうようにしようじゃないかという気持で、お互いに話し合っていきたい。私もそうします。長官もそういうようになっていただきたい。どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/58
-
059・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 当然そう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/59
-
060・中村時雄
○中村(時)委員 そういうふうに考えるなら、すっきりと民情部はありますと、あとで一番最後に答えた通りでいいのですよ。聞いております、だからあると思いますと言わなくたって……。その点はっきりしてもらいたい。その民情部に、向こうの衆議院の常任委員会庁舎の中に、御存じのように全国農地解放者同盟というのがあるのです。おそらくこの庁舎の貸付は、議運を中心にいたしまして、私は党に貸し付けておると思うのです。おそらく直接にこの全国農地解放者同盟そのものには貸し付けてないと思うのです。私の考えでは庁舎の問題は、議運を通じておそらく自由民主党に貸し付けておるというふうに解釈しておるのですが、これはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/60
-
061・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 そういうこまかい手続は存じません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/61
-
062・中村時雄
○中村(時)委員 存じませんと言ったところで、この問題に関連してくるところの全国農地解放者同盟というものすらわからないということになったら、大へんなことになってきます。しかも党内においてこういうような事柄もあなたは知らずして、これをただ提案しておる。それでは何ですか。ただ絵にかいたぼたもちみたいに、自分が絵をかきおるだけの話で、それでは話にならない。だから実際の問題として、事務当局にでもお尋ねしますが、一体この貸付の限度というものはどういうふうになっているのですか。これはどこがよくわかっているのか。委員長ちょっと調べていただきたいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/62
-
063・福田一
○福田委員長 中村君にお答えしますが、その問題は議運で取り扱って、そうして議運の小委員会か何かできめて、それを議運の総会で認めて、部屋割りをきめたりしておるようでありますから、御質問の気持はよくわかりますが、この委員会でこれ以上究明されることは少しむずかしいのではありませんか。もし必要なれば、議運の関係でやっていただいて、その上でここでまたやっていただくようにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/63
-
064・中村時雄
○中村(時)委員 だから私の言っているのは、何も無理な究明をしよるのじゃない。どうなんでしょうかとお尋ねしている。それ以上のことは突っ込んでいやしない。私の知っている範囲内では――これは間違っておりましたら私の方が訂正いたします。今委員長のおっしゃったように、議運の中でおそらく自由民主党にこれを貸し付けていらっしゃるのだ、私はこう解釈しているのです。だからその通りだと思うのです。そこでその全国農地解放者同盟というものが、実はその自民党から借りてきた部屋の中に看板をかけておった。ところがきのうの一時から当委員会においてこのことが問題になりそうだということで、看板をはずしておる。長官にお尋ねしておきたいのは、そういうことがあるかどうかということは、党内のいろいろな機構とも関連しますから、御調査をしておいていただきたい。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/64
-
065・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 党によく問い合わせて調査いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/65
-
066・中村時雄
○中村(時)委員 次に一つお尋ねしておきたいのは、農林委員会との関連性の問題でありますが、去る昭和三十一年の六月三日に衆議院の農林水産委員会は、解放農地国家補償を要求する地主の活発な運動に対して、与野党の意見の完全一致で決議いたしました。そのことの案文なり決議の趣旨、あるいは本法案に対するところの関連性、そういう事柄は長官はよく御存じですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/66
-
067・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 三十一年の六月の今指摘の決議は存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/67
-
068・中村時雄
○中村(時)委員 よく御存じなれば、その内容をどういうふうに解釈されていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/68
-
069・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 当時場所は忘れましたが、集団的な一つの地主の動きがありまして、これに対して委員会が取り上げて、やはり農地改革の実績を今後ますます上げようという趣旨のように伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/69
-
070・中村時雄
○中村(時)委員 その集団的なという、集団的なものは何であるかということを一点お尋ねしておきたいのと、それから決議の内容を読まれて、この決議というものの目的がどこにあるのか、そのことをあなたはどういうふうに受け取られたかをお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/70
-
071・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 いかなる趣旨でも、現在の農地法の改正、場合によっては後退というような点はあくまで避くべきである、そういう考えのようにこの趣旨を拝見しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/71
-
072・中村時雄
○中村(時)委員 そういたしますと、今御質問いたしました集団的なという、こういう集団的なものの実態はどういうものなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/72
-
073・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 農林省農地局長からお答えいたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/73
-
074・伊東正義
○伊東政府委員 そういう動きが起きましたのは昭和三十一年、三十二年ごろでございます。特に多い例といたしましては、香川県で旧地主が貸しておる小作地を自作したいという賃貸借契約の解除という運動でございます。申請件数で申し上げますと、香川県だけでございますが、昭和三十一年の六百八十七件、昭和三十二年に三千五十九件、昭和三十三年に五百十六件、合計しますと四千二百六十二件くらいの件数がございます。これに対しまして県では実は一件も許可をしなかったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/74
-
075・中村時雄
○中村(時)委員 今のことは非常に重大なことなのですが、長官はよく覚えておいていただきたい。昭和三十一年、三十二年の間に地主の今言った解放問題に対する問題が四千件以上もあった。またそれだけに非常に激烈をきわめたということ。そこでまずお尋ねしたいのは、長官はこれは旧地主のいろいろな動き方、そういうものに対するところの大体のうわさなり報告なり、あるいはそういうようなことに接していらっしゃるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/75
-
076・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 よく陳情を伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/76
-
077・中村時雄
○中村(時)委員 それでは解放農地国家補償期成同盟というのは御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/77
-
078・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 たしか三、四年前だと記憶します。その時分あったように記憶いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/78
-
079・中村時雄
○中村(時)委員 あったように記憶いたしますと言うが、あなたのところに陳情やいろいろなものをたくさん受けました。事実その人たちはあなたに陳情していらっしゃる。また自由民主党の中にはたくさんいらっしゃる。しかもその世話人の中には、あなた方の党の方々がたくさん入っていらっしゃる。たとえば青森県においては楠見省吾さん、ずっと読み上げては膨大なものでありましょうが、一々読み上げてお知らせいたしましょうか。たとえば山形県は松沢雄蔵、黒金泰美、兵庫県は永田亮一、徳島県は生田宏一、岐阜県は野田卯一、三田村武夫、大橋忠一、三重県は長井源、濱地文平、岩手県は小澤佐重喜、宮城県は愛知揆一、福島県は助川良平、群馬県は福田赳夫、福井盛太、埼玉県は福永健司、荒舩清十郎、千葉県は川島正次郎、中村庸一郎、富山県は内藤友明、松岡松平、石川県は大森玉木、福井県は植木庚子郎、山梨県は内田常雄、長野県は井出一太郎、宮沢胤勇、静岡県は神田博、西村直己、愛知県は江崎真澄、滋賀県は小林郁、奈良県は仲川房次郎、和歌山県は世耕弘一、広島県は永山忠則、高橋禎一、山口県は田中龍夫、愛媛県は越智茂、福岡県は山崎巖、熊谷憲一、楢橋渡、長崎県は中嶋太郎、以下ずっと名前が出ておりますが、これらの方々はほとんど世話人としてはっきりしておる。そういうような大きな団体の中に現減員あるいは元議員、そういう方々が入って一つの組織を作っていらっしゃる、こういうことをあなたはほんとうに明確に知らないとおっしゃるのかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/79
-
080・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 知らないとは申しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/80
-
081・中村時雄
○中村(時)委員 それではよく御存じであるなれば、一つここでお尋ねしておきたいのは、そういうようなものが一般にいわれるように地主団体の圧力となって、いずれこれはあとで実証しますけれども、自由民主党の党内がまず動き、そこで先ほどあなたのおっしゃったように特別調査会というものができ上がっておる。その結果参議院選なり衆議院選なりを通じて――選挙によるものか何によるものかはあとからお尋ねしたいと思っておりますが、それが圧力となって自由民主党の中に今言った特別調査会ができ、それが一つの要素となってこの法案ができ上がった、こういうように解釈していいものでしょうか。あなたはどういうふうにこの団体と党との関係を解釈していらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/81
-
082・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 これはこの委員会でも前に申し述べたと記憶しておりますが、民主政治で志を同じくする者が政治結社を作る、あるいは団体を作る、これは右だろうが左だろうが、あらゆる思想、あらゆる目的を問わず私は自由であると思います。またこれに基づいて党がこれに共鳴し、あるいは関心を持つ者が機関を作り調査会を作って研究する、これも自由であろうと思います。ただこの法案の提案につきましては、党の意見その他が一つの判断の資料といいますか、参考になるという点は前に申した通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/82
-
083・中村時雄
○中村(時)委員 今のお答えはけっこうだと思うのです。それぞれの任意によるところの人たちがいろいろな結社を作り、いろいろなことをやる、そのことに私は反対をいたしません。しかしその結社の目的いかんによっては、それを行なうべきか行なうべきでないかということは、その人たちの良識に待つ、私はそういうふうに判断する。そこでお尋ねしたいのは、さきの衆議院選挙には、今言ったように衆議院の庁舎に名前をかけておった全国農地解放者連盟が、三十三年五月八日の新聞によりますと、百六十名の推薦議員を発表しておる。その中には現福田農林大臣あるいは中曽根国務大臣、あるいは楢橋運輸大臣、あるいは農林、運輸両政務次官、またあなたもその中の一人の要員となって入っておる。あなたはそのことを御存じかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/83
-
084・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/84
-
085・中村時雄
○中村(時)委員 そうするとこれらの団体の推薦を受けて、彼らが要求するものは何かといえば国家補償ということなんです。そうでしょう。そのことも御存じなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/85
-
086・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 地主の方々の団体のいわゆる表現には、いささか行き過ぎもあろうかと思いますが、私は国家補償ということは政府として考えていないわけでありまして、これは地主の方々も了解していると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/86
-
087・中村時雄
○中村(時)委員 それではその団体の推薦を受けたことは承認されていらっしゃる。それは拒否されましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/87
-
088・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 喜んでお受けしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/88
-
089・中村時雄
○中村(時)委員 そうするとその団体が掲げる目標というものははっきりしているのですよ。農地に伴う国家補償とはっきりしている。そのことがはっきりしておりながら、それを受けました。受けたということは、その趣旨に同意をするために受けたわけなんでしょう。あなたのことですから、何も選挙に票をもらうために受けたのじゃないと私は解釈したい。あなたのような強い方が、票をもらうためにああそうですが、それはありがとうございましたというわけのものじゃなかろうと私は善意に解釈したい。そうするとあなたの方では、考え方からいくと、その趣旨に賛同するという意味において受けられたものと解釈してよろしいかどうか。それともそうではなくて――あるいは資金をもらったかどうか私は知りません。あるいはまた今言ったように、選挙の票をもらうために受けたやら、それも知りません。そこでその点をはっきりさせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/89
-
090・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 この団体の推薦を受けた以上は、当然その趣旨は賛成であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/90
-
091・中村時雄
○中村(時)委員 それではこれだけのことを一つお願いしておきたい。現在の役員並びに全国的な機構並びにその資金、並びにその経常費、あるいはその徴収するところの運用資金はどういう手続で取り上げているか。そういう事柄に関しておわかりであったら発表していただきたいし、わからなければ調査をして、全委員に配付をしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/91
-
092・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 今お述べになりました内部のこまかい点については、私は全然存じません。また私はそれを調査する立場にあるかどうかもよく検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/92
-
093・中村時雄
○中村(時)委員 それではあなたはどういう理由で推薦を受けたのですか。喜んで受けましたとえらい張り切っていらっしゃるのですが、その喜んで受けましたという理由は、その内容については賛成をしていらっしゃる。内容について賛成していらっしゃるというなれば、その人的機構なりそういうものが当然関連してくるわけです。ただ何でもあなたはいいことを言うてくれたから喜んで受けます、何のことをやるのやらわからぬ、相手にだまされるのやら何やらわからないでは困るのです。やはりそこには組織があって、そこにはどういう人がいて、その資金はどうなって、またどういうふうに運用されて、それらを含めてあなたの方では十分抜け目なく、なるほどこれはいいからおれは推薦を受けるのだというように、私はあなたをりっぱな意味においての理解をしていきたいと思っている。そういたしますと、今言ったような事柄は、あなたは十分承知をせずして推薦を受けたということになりそうなので、その点を明確にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/93
-
094・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 推薦団体のいわば内部機構、あるいは資金のやりくりとか、そういうこまかい点まで調査云云ということは、私は必ずしも必要でないと考えている。ただ田中萬逸さんはわが党の長老でありますが、この方が会長になられて、前にいろいろありました二つの団体が発展的解消を遂げて一つの団体になった、こういうふうに私は理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/94
-
095・中村時雄
○中村(時)委員 しかしこれはおかしいのですよ。その内容を何も知らず推薦を受けるといったら、自分の反対の党がたとえば一つあなたを推薦いたしましょうと言ったときに、内容を何も知らずに、私のところに票が一万票あるからあなたに上げましょう、それはありがたいと喜んで受けるというものではないと思う。
そこで私は今委員長に一つお願いしたい。今言ったようなことは、調査資料として当然これは私どもの要求として責任があると思うのです。そういった意味において今言った資料の提出方をお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/95
-
096・福田一
○福田委員長 そういう資料を政府として出すべきかどうかは、総務長官が言ったように、研究した上でお答えをするようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/96
-
097・中村時雄
○中村(時)委員 委員長、えらい苦しいような答弁をして、長官に花を持たせているような御答弁なのだが、それでは長官に再度お尋ねしたい。私の方はどうしてもそれは今後の一番重要な問題のファクターになってくる。それは何かと言えば、そのことをいけないときめつけるのではない。そのこと自身が正しければ正しいことで援助していけばよいのです。そういう立場から言って害意に解釈をして、今言ったようなその調査会におけるところの団体の役員並びに機構、できたら全国組織の役員並びにその機構、それから資金の出方、資金の運用、そういうような事柄をやはり十分把握される、あなた自身も把握される必要があるし、推薦を受けた建前も個人としてもあられるだろうし、公的にも私たちはそういうようなりっぱなものかどうかを知りたい。りっぱなものであれば私たちもどんどん援助をしていきたい、そう思っておりますし、また推薦も受けたい、こういうことにもなるでしょうから、その点も含めてあなた方の善処方をぜひとも要望するということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/97
-
098・福田一
○福田委員長 私からもう一ぺん……。あなたは説明が足りなかったように言われたので、私の気持をもう一ぺん申し上げますと、それはわかり切ったことですけれども、法案の審議というものの資料は、できるだけ提出するのは当然なことです。委員が、要求されたものをできる限り提出すべきでありますけれども、たとえば団体の役員の氏名とかあるいはそれに参加しておる人というようなもの、それを出すということなら私はできることだと思う。しかしその資金をどういうふうに集めて、その会計をどういうふうにしてまでというようなことは、今ここのこの法案にどれだけの関連性を持つかというような問題もありますし、そういう意味でよく政府としてそこまで干渉してまでできるかどうかたとえば政府部内の問題でしたら、当然政府は出すべきものでありますけれども、今はそれは農地被買収者同盟というか、その同盟は政府の直接の関係でもありませんから、そういう意味で総務長官があなたにそういう答えをしたのだろう、こう思ったから先ほどのようなお答えをしたわけであります。決して苦しかったわけでもありませんから、その点は御了解を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/98
-
099・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 御趣旨の点はよく検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/99
-
100・中村時雄
○中村(時)委員 それでは今の問題に関連して委員長に一言、私の考え方を言っておきます。それは先ほど言ったように自由民主党の中に、向こうの常任委員会の庁舎の中に今言った名前が出ておるわけです。ということは、党とそことは関連があるということです。これは既成的な事実です。その庁舎の中に看板をちゃんと掲げてあるのです。ということは、党とその団体との関連性はあるということがはっきりしておる。これが第一点。そうすると長官は党を代弁していらっしゃるわけです。政党政治ですから党を代表して福田長官というものはでき上がっている。そうすると、間接的ではあるかもしれませんが、当然これは関連性を持つと言わざるを得ない。そうすると、関連性を持つというこの一つの団体に対して、私たちがこういう資料をほしいということは、当然要求ができる筋合いのものであろうと思う。そこで今委員長のおっしゃったように、その機構なりあるいは幹部の名前はこれは発表はできるかもしれませんと、こういうふうにおっしゃいましたが、それはそれでけっこうだと思う。そこでもう一歩できればと私はこう言っておるのです。できれば今言ったように、運用資金の問題であるとか、そういう問題までも資料として提出することができればしていただきたいというふうに言っておるわけでありますから、誤解のないように、その点はきちっと整理をしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/100
-
101・福田一
○福田委員長 よく了解をいたしました。ただし今の問題で一言申し上げておきますが、私も何かどこか議会のうちに連絡所があるというふうなことを聞いているのです。ところが私は心配をして、実は田中会長に聞いたのです。そうしたところが田中さんは、前議員ですね。そこで農地同盟の何か正式の事務所というものを自分の家か何かにしてあったのだけれども、ときどき自分があそこに行った場合しょっちゅう出るから、あそこは前議員が集まる場所ですから、あそこへ行くことは当然ですね。そういう場合に便宜あそこでそんな連絡をしたこともあるという程度で、私が聞いているところではそういう看板をかけたなんという話は実は聞いてないのです。あなたは看板をかけたのを見られたのですか。あなたが見に行ってきたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/101
-
102・中村時雄
○中村(時)委員 もちろんそうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/102
-
103・福田一
○福田委員長 それはそれとして、今あなたの言われるように幹部の名前とか、そういう機構の内容というものは、当然それはできます。しかし内部的な問題まで……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/103
-
104・中村時雄
○中村(時)委員 だからそれはできればと言ってあるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/104
-
105・福田一
○福田委員長 その点において先ほど申し上げたように了解したということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/105
-
106・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 先ほど民情部の話が出ましたが、私も党の立場を考えましていつでありましたか、この委員会の質問を受けた後に――だれが言ったかよく調べますけれどもも、二、三人の方が陳情に来られて、党に行く前にほんとうかどうか実は伺ったのです。実はそうだというお話でした。これはやはり党に迷惑をかけてはいかぬから、分けた方がいいのではないかと個人的に申し上げたのですが、実は社会党の方にも日中友好促進同盟とかその他四つか五つ本部の中にあるので、どこの党でも同じなんだから、そういうおとなげないことは言わぬでくれということでした。その点だけ補足的に申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/106
-
107・中村時雄
○中村(時)委員 これは私はえらい不勉強であったので、自由民主党の中にはそれがあったということをこの目で見たのですが、社会党の中にもあるということになると、これは政党自身がよく注意しなければいかぬ。ないのは今でき上がった民主社会党だけだということになってくると、私どもは両方に対して監視の眼を向けなければならないということになってくるわけなんです、一体社会党の中に四つあるというのはえらいよくお調べになったと思うのですが、もののついでですから社会党の四つの名前を、ここで一応明確にしておいていただけるといいのじゃないかと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/107
-
108・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 はっきり事情を伺って調べてみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/108
-
109・中村時雄
○中村(時)委員 それではその問題はあとでよく調べて御報告願いたいのです。
それからもう一つ今の資料、団体における規約、それから私と委員長とお話をして、今言ったように委員長は名委員長で整理しながら考えているのです。だから規約であるとか機構であるとか役員とか、そういうものに対してはできるのじゃないか。私も知っています。無理を言って尋ねているのじゃないのです。だからその次にこういうことができれば、それも一緒にやっていただきたいということを言っているのです。だからそれができようとできまいといいのです。運用の問題であるとか資金の問題であるとか。そこで私が一番骨子に立てているのは、規約、役員の問題、機構、これはあなたの方も考えてみますだけではなくて、こういうことは当然やれることだと思うのです。またそれは正式に出し得る団体なのですから、出してもいいじゃないかというところの判断をつけての質問をしているのです。しかし今言ったような内部の、要するにいろいろな秘密事項もあるでしょう。そういうところまで暴露しようとかなんとかということではないのです。できればそれも、運用部面であるとか資金調達であるとか、そういうものもできればつけ加えていただきたいということで言っているのですから、二つの問題があるわけです。一つの方でもできるとなればできるということにして、御調査を願えれば幸いだと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/109
-
110・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 よく検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/110
-
111・中村時雄
○中村(時)委員 検討するのではなくて、出してもらわぬと次の質問ができにくくなる。なぜならば、推薦をしておるという議員が百五十人おる。ところが百五十人の中で、今の福田先生のようにはっきりと、私は喜んでこの推薦を受けましたという方と、そうでない方がいるのです。そこでその問題で非常に迷惑をしてなさる人もいらっしゃるわけです。そういう事柄がお互い同僚議員としてあるものですから、私はせめて機構、役員、規約――これは一つの団体ですから、規約は当然本部で出していらっしゃるでしょう。それから機構も、当然その中には人的機構も載ってくるでしょう。あるいは組織も載っているでしょう。そういうことを考えられるので、その面だけでも一つ資料として提出をしていただきたい、こういうことなのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/111
-
112・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 政府としても正式に本委員会に出すことは、やはり政府として考えなければいかぬ。人事でありますとか機構その他は、党に照会すればすぐわかりますから、この点は私の立場からすぐ調査いたします。しかし資料として政府が出すことは、中村委員も先ほど御指摘のように、何かそこに直接の関係があるという印象を与えますし、そういうことは政府としては考えねばならぬ。この点は一つ検討さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/112
-
113・中村時雄
○中村(時)委員 これはこだわるようなのですが、そういうものを資料として出した場合に、いろいろな疑義を持たれるとか、そういうことはないと思うのです。そういうものは公式的なものですから、それを利用してどうするとかこうするとかいう筋合いのものでもないです。ただ運用資金の問題であるとかなんとかいうことになってくると、あるいは秘密事項に属するかもしれません。その問題は今のところそんなに高く評価もしていませんから……。それでもう一回、そういう点はやはりすっきりとした態度をとっていただく方が、かえって誤解を招かないのじゃないかと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/113
-
114・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 これは任意団体でありますから、政府の資料としてこの法案に関連して出すことは、私は検討さしていただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/114
-
115・中村時雄
○中村(時)委員 しつこいようですけれども、私の方の希望要求としてはそれを出していただきたい。あなたはそれはどうするこうするということをおっしゃるのですが、そのどうするこうするということ自身が一つの疑義を持たれる原因にもなるし、またそういう事柄が何も重要視されるような問題でないにもかかわらず、あなたは非常に慎重にとっていらっしゃる、そういうふうに判断をして、この資料の問題はあなたにおまかせすることにいたしましょう。
その次に、横の方から農地局長が一生懸命に頭をしぼって言っておってさびしそうですから、農地局長にお尋ねしたい。いずれあなたとは農林委員会でいろいろな問題に関して質疑応答をやっていきたいと思いますが、この中で特に問題になるという点を一、二取り上げてみたい。それは現在の農地改革で発行した農地証券の年賦償還金の問題に関してであります。それに伴うところの現金払いの代金受取未済が、三十四年度において一体幾らあるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/115
-
116・伊東正義
○伊東政府委員 発行いたしました農地証券の総額は九十二億五千百万でございます。それで三十三年末までに償還いたしましたのは八十三億六千三百万。それから買収の取り消し等がありまして取り消しました額が四億九千四百万ございまして、三十三年度末現在高は三億九千三百万ばかりでございます。そのうち一億四千四百万ばかりは供託してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/116
-
117・中村時雄
○中村(時)委員 この利子の履行というものはどういうふうになっていますか。利子の履行は五年間にして、二年間据え置き三年目から支払われ、元利は大体十年でやっているのか、私は正確に記憶していないのですが、大体そうでなかったかと記憶しているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/117
-
118・伊東正義
○伊東政府委員 これは二年間据え置きで二十二年償還、元利均等年賦支払いということで、証券の発行しましたのは二十二年度ないし二十四年度まででございます。それ以降は発行しましたのは例外でございまして、遡及して買収が行なわれたというような場合に発行しただけで、証券の発行は二十四年七月まででございます。それから予算的に二十五年の三月から二十九年までは実は買上償還を行ないましたので、今申し上げましたように三十三年度末までに八十三億六千三百万償還したというような形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/118
-
119・中村時雄
○中村(時)委員 その点はもちろん地主側には証券を渡して、買い入れ者側には現金で取引をやっているというので、相当余裕金が出ておる。そこにあなたの今言ったように四億近くのものが残ってきた。その四億近くのものに利子を加算していきますと、将来かなり膨大な数字になってくると思う。そこで今の四億円に対して、実際に地主側が受け取るという見通しがあるのかどうか。あるいはこの問題は、私の考え方はそこへ入れませんが、実際に償却ができてしまって全部ゼロにすることができる見通しを持っているのかどうか。あるいはその四億円は宙に浮いてしまうのではないか。そのときの四億円ですから現在に直せば膨大な全額になるわけなのですが、それが一体どういうふうな方向で処理されているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/119
-
120・伊東正義
○伊東政府委員 先ほど申し上げました三億九千三百万でございますが、そのうちもう時期がきまして渡すべきもの、供託しておるのが一億四千四百万ございます。そのほかはまだ時効にならぬということになるわけでございますが、大体毎年それにくる地主さんの金額にしまして六百万円くらいがとれるという形になっております。先生がおっしゃいました売った方は全部一時払いじゃないかということでございますが、これは一時払いもございましたが、例の五分五厘三十年という農地法の規定もございます。償還期限三十年以内でございますればいいのでありまして、まだ実はとっておりませんのが約二十一億くらい残っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/120
-
121・中村時雄
○中村(時)委員 見通しとしてはどうなんです。大体それが解決できるという見通しを持っていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/121
-
122・伊東正義
○伊東政府委員 先ほど申しました供託いたしておりますのが一億四千万、毎年六百万くらいずつとれるということでございますので、われわれとしましてはこの問題はなるべくきれいに片づけてみんな支払いを終わりたいというようなつもりで、行政当局としては考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/122
-
123・中村時雄
○中村(時)委員 つもりはけっこうなんですけれども、現実にそれから割り出してみて六百万円として計算をして実際に片づきますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/123
-
124・伊東正義
○伊東政府委員 先ほど申し上げましたように、行政の方針といたしましては、何とかこれは支払いまして大きな改革の有終の美をなしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/124
-
125・中村時雄
○中村(時)委員 それに利子やいろいろなものが加えられてくるわけです。あなたのおっしゃるように目的や考え方はけっこうなんです。しかし責任を持って自信を持ってこれがちゃんと支払われるようにすることができるかどうかということを私はお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/125
-
126・伊東正義
○伊東政府委員 これは証券をお渡しした方々の考え方にもよるのでございますが、証券としましては一応二十二年間でございまして、まだ権限が残っております。でありますから、われわれとしましては正当な期限のうちにこれは渡して片づけたいというふうな考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/126
-
127・中村時雄
○中村(時)委員 あまり突っ込んではと思っていたのですが、そういうふうにおっしゃるならば、たとえば二十二年間といたしますか、そうすると現実に今の状況から判断して実際に証券を受け取るというのは、私たちの目から見るとほとんど少ないのです。だから二十二年でそれを全部償却してしまうというわけにはいかぬのじゃないかという見方がある。というのは、私たちの聞いている範囲内でも、旧地主の考え方は、その当時の金額に対してただもらうものは証券である、こういうことなんですね。そういうようなものをもらってみたところで一体どうなるやら、不安定でわからない。もう一つの原因は、農地が返ってくるなりあるいは国家補償なり、そういうようなものがあるから、実際にはそういうものは受け取っていないという意識的な者もたくさんおる。私の知っている範囲内でもたくさんおります。あなた自身はそういう者がないと言えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/127
-
128・伊東正義
○伊東政府委員 全部調査したわけではございませんので、絶無とは言い切れませんが、先ほどから申します通り私の方としましては、何とか正式に出しました証券につきましては支払いを終わりまして、最終的に完済するというふうにいきたい心がまえでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/128
-
129・中村時雄
○中村(時)委員 長官、今お聞きになっておわかりになったように、まだ償還金がここに四億円から残っておるのです。そこへもってきて利子を加えて二十二年ということになったら、六億円以上になってきますよ。そうでしょう。それだけの金が当初からずっと残されて、インフレとかなんとかいっているけれども、実際その当時の金に換算したら膨大な金額になる。実際それが残っている。その残った原因はどこにあるか。農林省としては一生懸命努力しておる。努力をしておるけれども、努力目標には達してこないのじゃないかという見方を私はしている。達せられたら私はほんとうにけっこうだと思う。そういうことを言っていらっしゃるけれども、達せられなかったら農地局長は責任をとらなければならぬと思うのです。しかしそのときがきましたらもう農地局長はいはしないと思います。そういうような現状を考えた場合、この証券の今後における扱い方がいけなかった場合には、一体この金額はどうするのか。そういう事柄を今からお考えになっておるのかどうか。これは冷静な意味で、考えがなければ今から考えなくてはならぬ問題だと私は思っているのです。だから十分その点の御検討を願いたいし、今何かお考え方があれば明確にお答えしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/129
-
130・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 この問題は農政本来の問題でありますので、農林当局に十分その点を注意していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/130
-
131・中村時雄
○中村(時)委員 それでは農林当局にお尋ねいたしますが、もう一度、買収金を取りにこないということですね。このことは一体どういうところに理由があるのか、この一点お聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/131
-
132・伊東正義
○伊東政府委員 私の方でまだ取りにこない人の理由を一々調査するということはいたしておりませんので、正確なことは申し上げかねますが、先ほど先生がおっしゃいましたような理由の人も中にはおるかもしれません。これはもう少し調査をいたしました上でお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/132
-
133・中村時雄
○中村(時)委員 今言ったように膨大な、その当時の金で四億円からのものがあるわけですが、当然これは国家としても大きな問題であろうというふうに私は考えるのですが、長官はどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/133
-
134・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 御意見の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/134
-
135・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、それほど重大なものであるなれば、農林当局としても早急にこの問題の解決点を見出さなくてはならぬと私は思う。そういう立場から資料もあるいは今お手元にありますならば発表していただきたい。まず第一に県別農地証券の年度別発行数とその額、二番目には、同じく県別に受け取りのないところの数及びその額、三番目に、以上に伴うところの裏づけの資料、これはあなたは調査をしなくてはならぬとおっしゃっておりましたが、そのようなことに伴う裏づけ資料、これを一つ御提出願いたいし、今あなたがそこで明確に答弁でき
るならば答弁をしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/135
-
136・伊東正義
○伊東政府委員 今県別等を資料として持っておりませんので、これは調査の上で提出いたします。それから裏づけの資料でございますが、これはなかなか問題がありますので、どの程度になりますか、できるだけ調査してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/136
-
137・中村時雄
○中村(時)委員 この問題はその資料が基礎になる非常に重要な問題ですから、当然次の質疑という問題が生まれてくるわけなんですが、この問題に関して資料を提出されるまでは、この問題だけに関しては一応保留という格好に御了承願いたいと思いますが、委員長、そのお取り計らい方をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/137
-
138・福田一
○福田委員長 資料が出てから質問を続行されるという意味ですね。了解しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/138
-
139・中村時雄
○中村(時)委員 それではもとへ返りまして、総務長官並びに委員長に一つお願いがあるわけなんです。今質疑の中に、その団体の問題が出てきた。その団体の問題が間接的、直接的にしろ、いろいろ問題があるということははっきりしてきた。そこで私は、現在の農地解放者同盟に対する今の資料に不十分な点があるということになるならば困るので、この田中萬逸さんを本委員会に参考人として呼んでいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/139
-
140・福田一
○福田委員長 それは理事会で相談した上で処置をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/140
-
141・中村時雄
○中村(時)委員 それではその問題は理事会の方におまかせするといたしますが、できる限りこの希望はいれていただきたい。ということは、この問題は簡単なようですけれども、与える範囲、影響というものが非常に大きいので、そういうような問題をきちっと整理する建前からも、理事の方々も賢明な方々がたくさんいらっしゃいますから――きょうは少ないようですけれども、十分御配慮を願ってその結論を出していただきたい、このように思っております。
次に農林大臣がいらっしゃいませんので、この点は次の時期に繰り越していきたいと思うことが一点あるわけなんです。それは農業法人との問題なんです。この農業法人との問題に対して総務長官、お答えができますかどうですか、それをはっきりしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/141
-
142・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 所管外でありますから御答弁いたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/142
-
143・中村時雄
○中村(時)委員 だから私は最初から農林大臣の要求をした。一括してこの問題は関連があるわけですから、そういう要求をしておったのですが、しかしきょうは委員長の御答弁を了として、私もこの問題はそれでは次の機会に延期をするということを、委員長、御了承願いたいと思うのです。それともわからないならわからないでもいいからやれというならやらなくちゃならない、その点の一つの感度を御了承願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/143
-
144・福田一
○福田委員長 農地局長に一応事務的に聞いてみられたらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/144
-
145・中村時雄
○中村(時)委員 これは農地局の内容的な問題じゃないのです。内容的な意味においてはこれは農林委員会の所管になっている。ところが問題は党内における問題と今の調査会法案との問題が関連がある内容なんです。一つの例をとってみましたら、農業法人は作らなくちゃならぬ、こういうふうに言っている。ところが最近に至って農業法人というものがストップ状態になっている、足踏みになっている。それにはいろいろな原因がある。党内においても、これは名前を全部あげてもいいのですが、皆様方の自由民主党の与党の中におきましても、それに対する異論が出ておるのです。その異論が原因になって、いろいろな問題を起こしておるわけなんです。だからこれは当然その政治的な意味におけるところの責任者が答弁に立たないと、おそらく農地局長では無理じゃないか、こう思うわけなんです。そういう立場から今言ったように農林大臣の出席においてこの問題の質疑をやっていきたい、こういうふうに御了解を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/145
-
146・福田一
○福田委員長 承知しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/146
-
147・中村時雄
○中村(時)委員 それから次に、去る三日の日に石田委員の三十四、三十五年度の各予算に一千万円計上し、そのうちで各四百万円計八百万円を委託調査費として支出するが、その委託先はどこにあるのかとの質問に対して、総務長官は委託先は中央調査所と答えましたが、この通りなんですか。――自分で答えておいて今相談せんならんとは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/147
-
148・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 今ちょっと打ち合わせましたのは、今あなたが御指摘になった趣旨に私の答弁とちょっと違で点があるから、そのために打ち合わせたわけでございます。たしか約四百万足らずのものが調査費にありますが、これは中央調査社でございます。私前に所と言ったかもしれませんが、社でございます。そこに一括して委託調査をお願いしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/148
-
149・中村時雄
○中村(時)委員 一体その機関というのはどういうものなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/149
-
150・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 その前にちょっと正確な数字を申しますが、調査委託費は三百八十八万でございます。この調査社は時事通信が前から作りました組織でありまして、御承知の通り総理府で大体毎月一回世論調査を各般の問題でやっておりますが、それをずっと担任してもらっている経緯がある調査社でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/150
-
151・中村時雄
○中村(時)委員 私の方はそういうものがはっきりわかりませんから、次のことをお尋ねします。今言った名称はわかりました。それから所在地はどこにあるのか、役員はどうなっておるのか、それから職員数はどういうふうになっているのか、そして調査したおもなるものはどういうものがあるのか、そういうことを一つ御発表願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/151
-
152・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 おあげになりました点を全部正確に調べまして、お手元にお送り申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/152
-
153・中村時雄
○中村(時)委員 それではこの問題も正確に調べて資料として提出されるわけですね。資料として提出されるということになると、この問題も資料を得てからでないとまた質疑ができなくなる。これは資料がだいぶ足らないということになってきたわけですが、この点も委員長、お取り計らいを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/153
-
154・福田一
○福田委員長 承知しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/154
-
155・中村時雄
○中村(時)委員 それから同じくその日に私もここで聞いておったのですが、地主の調査はどういうものを対象に調査するのかという石田委員の質問に対しまして、長官は、在村地主でなくて農業を離れた者を対象とすると答弁されたのですが、これはその通りに受け取ってよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/155
-
156・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/156
-
157・中村時雄
○中村(時)委員 それでは不在地主、離村地主、その数をはっきりとここで明確にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/157
-
158・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 大体百七十万戸のうち、農林省が調査いたしました現在でも農業に従事している者が七十万足らず、約百万はまだ未調査というのが実情でありまして、正確な数字は今調べて再び御答弁いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/158
-
159・中村時雄
○中村(時)委員 この間の御答弁では、調べるも調べぬもない、今言った百七十万戸の解放者のうち、農林省の地主調査は百万戸が残されているからそれを調査する、このように私は聞いておる。それでいいのですか。――そうするとお尋ねしたいのは、農業を離れた地主というものが、あなたのおっしゃっているように、一体百万戸ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/159
-
160・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 一応不在地主と考えられるものが約三十六万戸でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/160
-
161・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると農林省の地主調査は百万戸が残されているからそれを対象にするということでなくして、私が今言ったように農業を離れていった地主というものの対象は百万戸でなくして、三十六万戸ということがほんとうだろうと思うのですが、あなたは一体人から聞いただけを発表したのか、それとも責任を持って百万戸ということを出したのか、お尋ねをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/161
-
162・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 細部につきましては福山説明員に説明いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/162
-
163・福山芳次
○福山説明員 この調査会設置法案で調査の対象として考えております戸数は、約百万戸でございますが、そのうち一応不在地主と考えられる数字は、正確な調査がございませんのではっきりはいたしませんけれども、約三十六万戸、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/163
-
164・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると地主調査という意味の対象は、どういうところに基本を置いてとっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/164
-
165・福山芳次
○福山説明員 ただいま申し上げましたように、この法案の調査の対象として考えておりますのは約百万戸、そのうち三十六万戸が不在地主として考えておりますので、大きな問題は不在地主を中心とする問題になろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/165
-
166・中村時雄
○中村(時)委員 百万戸を対象にしているけれども、大きな問題は三十六万戸だと言う。そうすると片一方の残りの六十四万戸そのものは、どういうことを対象にして何を調べようとしているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/166
-
167・福山芳次
○福山説明員 従いまして、百万戸から三十六万戸を差し引いた残りの数字は、不在地主でないということになるわけでございますが、調査の目的は先ほど……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/167
-
168・中村時雄
○中村(時)委員 ちょっと最後のところがはっきりわからないから、はっきり言って下さい。おそらくみんなにもわからないと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/168
-
169・福山芳次
○福山説明員 調査の目的につきましては、数回にわたります本委員会の審議におきまして御説明いたしておる通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/169
-
170・中村時雄
○中村(時)委員 もう一回その調査の目的をはっきりしてみて下さい。私の言っているのは、六十四万戸に対するところの調査の目的と三十六万戸に対するところの調査の目的と、その内容をはっきりと聞かせてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/170
-
171・福山芳次
○福山説明員 ただいままで説明申し上げておりましたのは、三十六万戸を含めました全部の問題でございますので、包括的に申し上げておったわけでございますが、提案理由の説明以来申し上げておる内容は、先ほど来申し上げましたように、三十六万戸を中心にしての問題でございますけれども、根本は共通するものがあるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/171
-
172・中村時雄
○中村(時)委員 あなたの御答弁は、あなたが自分ではわかっているけれども、私たちにはあなたの答弁がわからぬことがわかった。もっとその対象をはっきりとらえて、そうして内容はこうなのだ、こういうところを重点的にこう調査するのだ。ということは、当然三十六万戸というのが重点的だというならば、重点的に款項目に分けた調査項目があるはずだ。また残りの六十四万戸に対しては当然少なくとも事務当局としては、こういうような一つの資料に基づいたこういう調査項目をこうしようじゃないかという一つの構想も私はあると思う。でなかったら事務当局なんかの行き方は何も意味をなさないということになる。それらの集約されたものを、主管の長官が、その問題の取り上げ方をはっきりとわれわれに明示している。事務当局に対するものであれば、それだけの明確なる一つの判定を下していなければならぬのじゃないですか。だから事務当局としてはどういうふうに考えておるのですか。はっきりして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/172
-
173・福山芳次
○福山説明員 調査の対象となります戸数につきましては、先ほど申し上げました通りでございますが、調査の具体的な方法等につきましては、調査会が発足いたしましたあとで、調査会の決するところによりまして調査いたしますのが順当ではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/173
-
174・中村時雄
○中村(時)委員 私の言っているのは、あなたが答弁されたのですよ。三十六万戸ほどのものは重点的なものでありますと、残りのものは付帯的になっているわけです。そうすると、その重点的と称するものは何を考えておるのか。そうしてまた残りの地主に対しては一体どういうことを考えてそれだけ大幅に広げたのか、それを聞いているのですからはっきりしているじゃないですか。それくらいのことがわからないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/174
-
175・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 いろいろ御質問の点でありますが、これも前の委員会におきましてもお答えしたと記憶しておりますが、大体の概数は百万戸、しかもそのうちに今内訳になりましたので三十六万戸という概数が不在地主として考えられて出ましたが、もちろん調査の手続、対象、方法等、こまかい点につきましては、調査会が発足してから正式にきまると思いますが、今の私どもの構想では、権威のある調査所に一括委託して、何分にも数が多いものでありますから、大体一万五千戸くらいを抽出調査してみたらどうかという考えを一応持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/175
-
176・中村時雄
○中村(時)委員 だんだん集約されてきた。抽出調査の方が、もちろんこれは款項目に分けて調査項目をきちんとしてからの結果ですが、それの方がまだ資料としては的確じゃないかと思っております。にもかかわらず百万戸を対象として云々とおっしゃるから、それを対象としてどういうような事柄をどういうふうにやっていくのかということを聞いたわけです。それに対する御答弁はない。今までの答弁の中で、百万戸というのは一応対象から抜いて、そうしてここに明確にこういう抽出調査をやるなり個別調査をやるなり、そういうような方向に具体的にきっちりとするというお考えを持っていらっしゃるかどうか、それをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/176
-
177・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 現在、今でも農業に従事しておる約七十万戸足らずのものは農林省が相当詳しく調べておりますからこれには触れませんが、残る百万戸について抽出調査の方法が一番結果的によいのではないかというのが私どもの今の考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/177
-
178・中村時雄
○中村(時)委員 そのことのよい悪いは別として、調査の一つの技術的な問題としては、百万戸を対象とするのではなくて、それに内包された中の、たとえば千五百戸なり、あるいは一万五千戸なり二万戸なり、何ぼでもいいのですが、私は数は、その地域性もあるし、耕種別の問題もあるだろうし、いろいろな問題がその中に加味されるので、おそらく二万戸近くのものが出てくるのじゃないかと思っておりますが、そういうふうに切りかえてやられるという一つの基本をここではっきりされるということなんですか。そうすると、この前の石田宥全氏の御質問の内容は、今までの百万戸全体ではなくて、そういうふうに切りかえて解釈してよろしいかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/178
-
179・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 対象は、石田委員にもお答えいたしました通り、やはり百万戸でありますが、実際上この膨大な数を今の貧弱な予算をもちましては不可能でありますので、今言ったように抽出の方が適当ではないか、またそれ以外に今のところ考えられないのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/179
-
180・中村時雄
○中村(時)委員 それは技術的な問題ですから深くは申しません。
次にお尋ねしたいのは、全国農地解放者同盟の前身であるところの全国農地国家補償連合会というものがあったはずですが、これは内容を言いますとまた時間をとりますので申しませんが、この全国農地国家補償連合会を下條さんがやっておったということは、もちろん長官はとくと御存じのはずだと思いますが、そのことはやはり御存じでいらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/180
-
181・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/181
-
182・中村時雄
○中村(時)委員 そういたしますと、そこの顧問をしていらっしゃる佐藤貞という方は御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/182
-
183・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/183
-
184・中村時雄
○中村(時)委員 あなたは存じないかもしれませんが、自由民主党の中にはこの方をよく御存じの方もたくさんいらっしゃる。この方が三十一年七月七日に山形県のこの連盟のさる大会の講演において、こういうことを言っておる。「吾れ吾れの行く手には一つの大きな障碍――農林水産委員会があります。二十四日付毎日新聞を御覧なさい。所謂、農林省の一官吏が六年間にわたって農林水産委員会に年千万円、計六千万円を流したと云う事件があります。これは何を物語っているのか、」「農林省に巣喰うアカの手先になっているからであります。」こういうふうに言っている。それからまた「農林省の官吏と彼等から賄路を貰った一部の代議士、それと地方官吏の一部が、これの悪事露見をおそれ、連合会の大きくなることを非常に警戒しておるのであります。そこで分派行動を誘導し分裂を企したのでございます。」このようなことを補償連盟の大会の席上で公然と言い放っておるのです。国の最高機関である国会を、しかも国会の構成機関である委員会をさして、農林省の官吏から年一千万円、計六千万円を委員会が受け取っていると放言をしている。私はこのことに関してはこれをこのまま済ますわけには参らない、こう思っているわけなんです。そこで、はたして当時の農林水産委員会が六千万円受け取ったかどうか、当時の委員長及び委員にただす必要があると私は思うのです。このことは、先ほど言ったように皆さん方は問題がないとおっしゃるかもしれませんが、現在あるところの解放者連盟の前身であって、それが一緒になって、今でき上がっている解放者連盟なんですから、そういうふうな立場からいって、この問題は私たちは明確にさしておかなくてはならぬ。そういう立場から、今申しましたように六千万円を受け取っておるかどうかということを、私はただしたい。農林省の官吏が六千万円農林水産委員会に流したというが、事実かどうか、その内容を説明してもらわなくてはならない。ところがそれに対しましては、現在のところさっぱりその担当者がここにはいないと思うのです。その問題が一つある。その問題に関しまして、委員長はどういうふうに取り上げたらいいのか、その問題をまず委員長からお聞かせを願いたい。これは非常に大きな問題になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/184
-
185・福田一
○福田委員長 私はそういう人がおることも知らぬし、そういう個人々々がどこかでそういう講演をしたからということで、それを全部委員会へ持ってきて審議をするというようなことは、私の気持では適当でないと思いますから、それには応じかねます。ただしそれは理事会で相談をした上で、これの御返事をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/185
-
186・中村時雄
○中村(時)委員 私はここまで言いたくなかったのですが、総務長官にしてもそうですよ。選挙の際に現在の全国農地解放者連盟から推薦をされており、喜んでお受けしましたと言っている。その前身のこういうところが、今言った大会においてそういうことを発表しておるわけなんです。だから実際のところをいいまして、今言ったような問題は、完全にこの委員会とも関連が出てくるわけなんです。しかしあなた方が疑いを持つならば、全文私が読み上げてもいいのです。ここに全文出ておりますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/186
-
187・福田一
○福田委員長 私から申し上げますが、それは疑いを持っているから申し上げておるのではありません。この委員会の審議の必要が、そういう問題まで関連して、そういう人のことまで調べてやる必要があるかどうかということは、理事会において決定をした上でやっていただくようにいたしますと申し上げたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/187
-
188・中村時雄
○中村(時)委員 理事会において理事会においてと言われますけれども、しかし問題の内容というものを考えていって、非常に重大な内容を持っている。それは受けた人間はおるかおらぬか知りませんよ。知りませんけれども、これは重大な問題なんです。しかもそれが山形県の解放農地国家補償の大会のときに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/188
-
189・福田一
○福田委員長 何を受けたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/189
-
190・中村時雄
○中村(時)委員 今言ったように贈賄を受けて、六千万円を受け取っている、こういうのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/190
-
191・福田一
○福田委員長 それは裁判所の問題で、検事局の問題でしょう。そっちの方でおやりになったらいい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/191
-
192・中村時雄
○中村(時)委員 だからここでその問題をどのような処理をしたらよろしいか、委員長にお聞きしている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/192
-
193・福田一
○福田委員長 それですから理事会においてきめて、そうして御通知をいたします。委員会の運営ですから当然ではないですか。やはり理事会でもってそういう問題を取り扱っておりますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/193
-
194・中村時雄
○中村(時)委員 それでは法務省の刑事局長は来ていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/194
-
195・竹内壽平
○竹内政府委員 来ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/195
-
196・中村時雄
○中村(時)委員 それではお尋ねいたしますが、もしも農林水産委員会において六千万円の贈賄を受けたということが事実無根であるとするならば、はなはだその権限を侵されるという結果が出てくると思うのです。そういう場合に、私は名誉棄損としての告発を行なうべきである、こう思うのですが、法務省の刑事局長の御意見はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/196
-
197・竹内壽平
○竹内政府委員 ただいま仰せのような事実があったかどうか、私どもは少しも存じておりませんが、かりにそういう事実があるといたしますならば、これは委員会の名誉を失墜することはなはだしいものだと思います。それにつきまして名誉棄損という問題でございますが、本罪は親告罪でございますので、告訴がなければ処罰はできない筋合いにあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/197
-
198・中村時雄
○中村(時)委員 それでは今ここで一つ読んでみましょう。(「理事会ですべて根本方針を相談しなければならぬよ。」と呼ぶ者あり)そうおっしゃるならば、この問題は自民党といかに関係があるかというところから読んでいきましょう。
「最近の中央情勢について」という題で、今言ったこの連盟の前身であります補償連盟の、そのときの本部顧問佐藤貞氏が講演をしていらっしゃる。それは山形県の農地解放問題に関する大会であります。
只今御紹介をいただきました本部顧問の佐藤貞でございます。今回本部の情勢報告の為全国各地を廻り、会員各位としたしく語り合い、全国の会員の御努力により非常に活発化してまいりました事は、本部として非常に心強い次第であります。
依って本日はしたしく山形県の各位に中央の実情と併せて本部の方針を下条会長に代ってこんにち迄の経過を詳細に申し上げて、会員各位の強力なる御協力を御願いいたしたいと存じます。
偖吾れ吾れは旧地主として今日なにを求めておるか、このあまりにも当然過ぎる正しい私達の運動に対して残念な事にこの度分派的行動を弄する者があり、免角の問題を起し、全国会員に一方ならぬ迷惑を掛けておる事は、会員諸君とともに痛恨に耐えない次第であります。
依って本日皆さんに、事の真相を詳細に御報告申し上げ、猶かつ不明なる点は遠慮なく御質問をいただき、皆さんの納得のゆくまで話し合いたいと思いますから、何卒御遠慮なく御質問を御願い致します。
私は昨日九州から帰京したばかりでありますが、夜行で当地に伺ったような次第でございます。なんと申しましても中央に遠隔な地ほど本部の内容というものには疎くなりがちなものとみえて、当地同様に九州方面もその例に洩れず、今回の反乱的分派行動に対して随分心配しておられる方が沢山御座いました。
幸い、私が行って色々お話し申し上げましたので「雨後晴天の気持だ」と大変に喜んでいただいた訳であります。今日は一つ皆さんと共に時間が長くなると思いますが、膝を交えて心ゆくまで話し合い、一日も早く補償の、実現を期したいと存じます。
私は福島県相馬郡八沢村に三百余町歩の田畑を持っておりましたが、皆さん同様農地法と云う憲法上最も疑義のある法律によって没収されて仕舞いました。昭和二十五年の十二月十五日のことでありました。私は突然農地の事で警察署から呼び出しを受け、いまだかつて体験のない手錠を篏められて故郷の街路を引き廻され、十二日間ブタ箱に監禁の身となったのであります。
敗戦直後我が日本はアメリカの軍政下に置かれた事は皆さん御承知の通りであります。武器を捨て平和な姿に立ちかえった筈の日本ではありましたが、残念ながら魔の手は要赦なく吾れ吾れ旧地主の頭上に恐ろしい爆弾が投下されたのであります。
地主なるが故に私にまでも及んで来た、その爆弾こそ今回皆さんと共に泣きながら語らねばならぬ農地法なのであります。
ブタ箱生活をした私はその為めに病床の身となり、色々と名医の診察を受けました処、ショックに依って心ぞうが犯されておる事が分ったので、僅かの耕作地と本宅及び屋敷を売り払い、其の金で東京の中野に転住し、家内と二人こんにち細ぼそと暮しておるわけであります。
折にふれ下条会長を御訪ねいたしましては、悲惨なる全国の旧地主の心情を訴え、下条先生夫妻と共に暴政を憤り、全国会員の要求する権利の正しい事を語り合い乍ら、一抹の慰安を満たしてまいりました。其度ごとに下条先生夫妻より「是非全国の同志の為め本運動に協力してもらいたい」と再三懇望されたのでありましたが、なにぶんにも静養中の身でもあり、特に医師より公開の席上に於いてしゃべることは心ぞうに悪るいとの理由で禁じられておりますので、これを辞退申し上げ、時々先生夫妻の相談相手ぐらいで、ご勘弁を願っておった様な次第であります。ところが去る五月十七日の午前三時発信の電報が突然私の処へ届いたのでございます。早速電文の内容を見ますと「ホンブニスグコイ」とありましたので、本部に午前六時駈けつけまして事情を聴きました処、意外にも深刻なる策動のもとに分派行動のある事を打ち明けられ、其問題にて本部は二日間に渉り徹夜をしてその対策に腐心し、分派組と本部側と協議をしたが、どうしてもラチがあかず弱っておるとの事で、晴天の霹瀝とはこの事で私も実に驚いて仕舞いました。そこで、「どうか、私に立ち上って問題解決のために一肌脱いでくれないか」と云う事を今村弁護士立会の許に会長夫妻から御話しを受けたので御座います。瞬時も猶予出来ない事を知りましたので、早速調停の役を引き受けたのであります。
そんなわけで四ッ谷正駅前の主婦会館に於て約七県の分派組の代表が集まり気勢をあげて居る処に乗り込み、調停の口火を切りました。幸いにも同席の本部派の氏家さんに不明な点を内証で教へていただき、はじめて北海道の大和田君、新潟県の斎藤君、仙台の早坂君、香川県の天野君、佐賀県の江口君、其他の分派行動の名前を始めて知った様なわけであります。
この人達の主張されました内容は「下条康麿は、いやしくも会長の重責にありながら全国の会員の会費を三千万円も不当に横領して私腹を肥やして居るから、絶対会長を認めることは出来ない。と主張し、殊に補償問題に対する国会方面の空気は非常に悪いため、現会長が存在する限り、此の空気の打開策は到底講ぜられそうもない、即時辞任せよ」と大きな声を張り上げて述べ立て、本部に難癖をつけておりました。特に北海道の大和田君の発言は、農林水産委員会の村松委員長が「下条会長のやめないうちは絶対に補償要求は議会が通さない」と言っている等と盛んに本部に詰め寄り、たいした権幕で堂々とまくしたてるのであります。こんな調子で午前中は分派の方々が次から次と立ち上り、本部派の穏健な発言もために封じられると言う苦境に陥ったのであります。
私は遂に勘忍袋の緒を切って、大和田君の本部攻撃を終へるや否や間髪をいれづ発言を強行し、「大和田君はいろいろと下条会長辞任の理由を挙げられたが、果たしてその申立てておらるる事柄に対し一つ一つの証拠があるや否や、私の納得のゆく証拠の提出を要求し、然る後会長辞任理由の裏付けを求めたのであります。特に国家補償連合会は一種の組織体であるから、会長の辞任は大会の総意によって決定すべきものであって、一会員の資格で、然かも感情的に辞任を勧告することは許されない、その行動は組織を破壊するものであって、更に他の会員の意思を無視することになるので大いなる矛盾である」と反撃を加えました。
大和田君は必死に抗弁しておりましたが、到底私の納得する回答がないのであります。
私はここぞと鋭く折り畳式に彼れ等の非行を追及したのでした。彼はとうとう回答に窮して仕舞ったのであります。
この様子を見た、反乱軍側は危しと見て、佐賀の江口君が立ち上り色々と陳弁をした為め、定時の会議を延長し、午後五時に到りようやく次のような和解条件が成立いたした様なわけであります。
一、下条会長は三千万円を着服したと言うことは事実無根であった事
二、これからは国会対策に関する運動は一致結束してあたる事
を文書で約し、署名捺印を終え、一応円満に解決する事に成功したわけであります。
以上は私が五月十七日に仲介の労をとって纏め上げた内容で御座います。こうしてさしもの紛糾も問題はひとまず収まったので、本部では早速その内容を全国の会員に文書で配付した事は、皆さん御存じの通りで御座います。今日皆さんの御手元にある文書がそれであります。然るに翌十八日の出来ごとであります。
私は農地問題で行政訴訟を提起しようとしておりました為め、丸の内幸町の長野法律事務所に行っておりました処、暫くして前日和解署名捺印された面々が突然長野事務所に訪れて、長野先生に吾れ吾れをどうして呉れる気か――この長野先生というのは本部の顧問弁護士なんですが――ぜひなんとかしてもらいたいと哀訴たんがんを繰り返しておりましたが、丁度長野先生は外出せんとする矢先でしたので話しがつかず、奥の部屋に私が居るのを見付けて一同は押し寄せてまいり、同じ様な事を繰り返し、これからどうしたらいいんだと、私の顔を眺めて居るのです。意外な場面に驚いた私は、「今更あなた方は何を言うんだ、昨日署名捺印までして和解し円満に解決しておる筈なのだから、これ以上なにも本部に遠慮する必要はないのだから、早く本部へ行って大いに提携を強め、議会方面が悪るいなら悪るいように猛烈な運動を展開しなさい」と注意をかん起したのであります。
所が驚く勿れ。これをキッカケとして彼等は再び下条会長排斥のノロシをあげてきたのであります。
偖皆さんはこの事情を御知りになった以上どう御考えになりますか、いやしくも日本人としてこの伝統を誇る署名捺印迄して約束をしながら、まる一日もたたないうちに彼等はガラリと態度を変え、彼等一味の者で大会を開き、その席上言を再び翻して下条会長は三千万円を着服費消したとの理由で、告訴する事を決議したのであります。この事は吾れ吾れの常識をもってはして到底理解する事が出来得ないのであります。
道義タイハイも斯うまでなると何をか言はんやであります。
其後、私は各県代表の本部派の方々と補償問題の実現方を御願いする為めに、国会の選挙対策委員長の川島正次郎代議士と面会を致しました。この方は私の実兄、釘本が代議士をしておった頃の知人でありますから、旧交を温める意味でご挨拶旁々本部の事情を申し上げて、実は今日御伺い致しましたのは、党規委員会に解放農地の国家補償に関する決議案の採択をしていただくための面会の趣旨を申し上げたのであります。
其時、川島代議士は私に答えた事には「飛んでもない話だ、そう簡単に出来るもんじゃありません。とりあえず党規委員会の方に御紹介いたしますから、そこで詳しく説明して下さい」と、本運動に対する熱意のない態度に接したのでした。やがて川島代議士の秘書の案内にて党規委員長の小林代議士を御伺い致しました。この方は日本大学の教授で下条会長とは同輩なそうです。そのほかに戦時中名参謀で鳴らした辻政信代議士、永田秀次郎さんの御子息の永田亮一代議士、千葉県出身の椎名代議士、農林水産委員の木村代議士、其他こう云う人達がズラリと迎へてくれましたので、一応御挨拶をし名刺の交換をいたしました。それが終るが早いか、辻代議士が私に喰ってかかるではありませんか。曰く「第一君等は君等の事は君等自身がやるべきであるにかかわらず、なんの為めに官僚の古手下条なんかを通じてやるんだ。そんなことで君らはなにが出来ると云うのだ」と激しい口調で私達に迫って来たので御座います。――これは自民党のいろいろな内面の問題でしょうが――尚も色々な角度から罵倒的な言葉を弄して私達を惑わしたのであります。そんな具合でありましたから、今更さからっては却って本運動に不利な結果になるから、ここが我慢のしどころと、言わせるだけ言わせて置きました処、さすが軍人あがりの辻さんも疲れたと見えて一寸言葉を切りましたので、やれやれと思う途端、こん度は隣にをった永田代議士が口をはさみ「いやしくも、吾れ吾れ国会議員たる者は一年中朝から晩まで予算の数字を見てをるのだ、然るに一年の国家予算を遥に上廻るところの補償を要求して来るとは何事だ、これは我れ我れを侮辱するのも甚だしい」と申されたのであります。
これを聞いた私はたまりかねて発言を求め、「ちょっと御待ち下さい。今日は一つ私は本部の顧問として来たのでありますが、一応其の肩書を捨てて一自民党員としての立場から永田先生に御質問いたしたい。――この方は自民党員だったのでしょう。――あなたは只今こんなベラボウな要求は五年や十年かかっても叶へられそうもないと極言されましたけれども、それだけ代議士として自信のある持論を御持ち乍ら、なぜ吾れ吾れの此の運動に対し前以て聞かせて呉れなかったのか、特に代議士を侮辱した等とは何事です。もう、これ以上私等は何も言うことはありません。すぐこの場を去りましょう。只最後にたった一言だけ。これは辻さんも聞いていて下さい。あなた方が今言われた論旨はあまりにも立派過ぎて勿体ないから、内容を全部印刷物にして全国三百万の同志に読んでいただき、本格的な対抗策を講ずるつもりですから宜しく」と席を去ろうとした時、永田代議士は「一寸一寸待って下さい」、私は「もう御話は終った筈ですが」、永田代議士は「いや実は今まで言った事はあなた方をホントウに我身になって心配してのことです、別に悪い気持で言ったんぢゃない、個人としての意見であって代議士としての意見ぢあない」私はこの時ここらが手の打つどころとみて「そうですが、私はなにも喧嘩をしに来たんぢゃない、話がわかって貰らえばそれに越したことはないのです。これまでのいきさつは一切綺麗サッパリ水に流しましょう。ところで今日御伺いした用向きは、この決議案をなんとか本国会に通して頂きたいと思ってやって来たのです」とポケットから決議案を出し、永田代議士に手渡しました。それを受取った永田代議士は疑って見ておられましたが「この位の事は当然だ、やってあげます」、君子豹変とでも申しましょうか。いや、然し其時だけは私もホットいたしました。然し君子豹変もまったく顔負けの有様でした。この日はこんなわけで御礼の言葉を申し述べまして、自民党の党規委員会を退場に及んだわけであります。
これは自民党との折衝の過程であります。
早速首を長くして首尾はいかにと別室に待って居る同志の所へ引き返し、洩れなく会見の事情を話しました。同志の人達も大変喜んで下さいまして、勇気百倍と云うわけです。
そして其勢で農林水産委員長の村松さんを訪ねて、北海道の大和田さんの言われた「下条が居るうちは絶対補償要求は認めない」と言ってる事が真実か、嘘か、確める為めに行こうと云う事になりました。生憎留守でしたので翌日再びお邪魔することにして、村松代議士の秘書に委細を頼み、本部に引き揚げたのであります。この方は宮城県の出身で私の兄とは大変親しい間柄であり、語れば私もマンザラ知らないわけではありませんから、是非語り合って見様と考えたのであります。
其翌日議会内の面会手続其の他の斡旋役等一切の手配は、副会長の井手君がやられることになっていたので、その方の通知がある筈なのに待てども待てども通知がありませんので、地方からの会員の方々は「もうこれ以上在京することは出来ない。もう帰る」と言い出す始末、まあまあ、折角決議案を通してやると云う確約を得たし、だから決議案を通すという約束を、自民党の中でやったわけです。あとは農林水産委員会さへ了解して呉れれば、万事OKと云うところまで漕ぎつけて来たんだから、もう一日だけ待って呉れと頼み、やっと思いとどまって頂いたような次第で御座いました。
愈々次の日の午前十時頃、上京中の各県の代表は皆下条会長邸に参集して居りました。そこへ周章て井手君が飛んで来て小声で「佐藤さんが一昨年あれ程苦心して決めて来た決議案の件は、党規委員会が再び悪化して元の振り出しに戻って仕舞いました」と。「いったいどう云うわけでそんな馬鹿な事になったのです」、驚きの余りこう反問しました。
この時の井手君の話では「分派行動に対する本部の態度が非常に誤解をうけているからに相違ありません」この言葉にハッとしました。
私はこの時つくづく考えました。巷間伝えられるところに依ると、本部に反逆者が居るそうだが、外敵防ぎ易く内敵防ぎ難しの讐への通り、とんと見当が付き兼ねていました。内々それとなく目を四方に配ってはをりましたものの、早合点して相手を傷つけてはと思い、慎重に注意致し、其の対策に苦慮して居ったのでありますが、只今其の内容がハッキリわかったのであります。副会長その人こそ本部内に巣を喰う反逆者であったのであります。これは皆さんたちの推薦された内容の紛争であります。
私は泣きました。男泣きに泣きました。なんと卑怯な行為で御座いましょう。
こんな時皆さんも御承知の通り明治中期福島県相馬郡で起った相馬事件で、後藤新平がその真相を世に広く訴えた為め有名になった相馬事件であります。立役者に錦織剛清と云う人が居りますが、この方は私の実家の裏にある竹藪の辺りを流れる小川で寒中水凍りを取りながら、この相馬事件の不正を正さうとした事であります。この事件の内容は私は小学校の時代からお父さんに聞かされておったせいか印象に残っているのです。所謂旧藩主を巡る物欲、地位欲に狂った人々のみにくいお家騒動ですが、改めて人間の本性というものは変らないものだと反省させられたわけでございます。
私はそれ以来下条先生に対し「分派という病菌を本部から退治せぬ限り、本部の動揺は到底防げないから、如何にあなたが信用しておられた副会長にしろ断固処分しなければなりません」と進言いたしました。この時下条先生は涙を流されてこう答えられました。
「佐藤さん、いわれるまでもなく責任は充分感じています、前に幹部の江口君を首にしたのも深い事情があって止むを得なかったのですが、全国の皆さんには大変誤解を受けました。この動揺したとき、この度は副会長をやめさせたとしたら、一層世の疑惑を深めることになりはしないか。それを恐れるのです。どうか適当な時期が来るまで待って下さい」
私は先生の立場に心から同情いたしました。それ以来私は副会長の動静を一方では探りつつ本運動の促進に協力を誓いました。
矢張り彼はスパイでした。時がたつにつれまして、益々本性を曝露してきました。
事茲にいたっては容赦は出来ない、毒をもって来れば毒をもって制するの譬えで、直接不正なる行動を鋭く追及いたしました。
しかし彼は平然として何等悔ゆるところがありません。寛容な下条先生とは云えこんどばかりは容赦できず、その日限りで本部の出入りを差し止めにいたしました。以上が事のあらましでございます。他にも目にあまる事実が数多くあるのですが。この席上で一つ一つ申し上げるのは省かして頂きます、と、云うのはそのなす所余りにも悪らつで言うに忍びんからであります。
ではなぜ彼れはそうしなければならなかったかと申します。と、下条先生を参議院から落して自分が出たかったと云う野心と、自ら本部の実権を握りたかったからであります。
ともあれ本部といたしましても非常に責任を感じております。ただ会長がここで辞任されては、折角軌道に乗った補償問題を投げ出して責任を回避した様に思われますので、下条先生に「絶対会長の職責に留まって、この三百万の会員が等しく熱望するところの補償問題解決に全力を尽して下さい」こう御願いいたしました。
下条先生御夫妻は泣きながら「全力を尽して戦います」と誓って下さったので御座います。然し乍ら真を知らない全国会員の方々には、劣極まる分派の謀略に惑わされ、いだに動揺していると云う情報に接ていますので、その日からこの誤だけはといていただかなくちゃ、全国を行脚しているのが現在の私御座います。ここからまたいろいろな問題が出て参ります。
偖次は世上兎や角噂されておりま参院選に於ける下条会長の自民党認取り消し問題について申上げます。自民党の某代議士らが弘前で猛な下条排斥の演説をブッたり、パフレットを全国にバラ撒いたりし為め容易ならぬ事態に立ちいたりしたので、一日も早く本問題の解のため、渋谷の岸幹事長邸……当時岸さんは幹事長であります。事長邸を訪れたのは去る五月三十の午前八時のことでした。すると親切にも「佐藤さん、必ず御期待添うよう努力しますから、足並みけを崩さないようにしていて下さ」と励まして下さったのでありす。
ついでだから申し上げますが、岸んは補償問題について大変理解のる方でございます。二ヶ月程度前にの故郷に来られた時、青年団の補問題に対する考えいかん、というに斯う答えられたことでもわかりす。
「あの問題は、既に三千万円の調費を予算でとっており、関係方面実態調査もやっています、また五数名に上る代議士が調査会を作り任委員まで送出しているのだか、近い将来必ずあなた方の念願は成されます。決してあせらず、もしばらく辛棒して下さい「と言われそうです。」亦吾党は国民に約束し置きながら実行できないでいる問が二ある。海外引揚の問題と今回なた方から要求されておるところ解放農地の犠牲者補償の問題で。この二つは是非実現して一日もく皆さんに安心してもらいたいと夜努力いたしております。斯うし事は常に幹部の方も語り合っておます」こういって下さったのであます。私も、うれしくて居てもってもおれなくなり、岸さんにおの申し上げようも御座いません。
”昔のたとえに古川に水絶えず”云うことばがありますが、旧地主農地解放の大なる犠牲を蒙り、僅の人々を除いては古川に水も絶え水も飲めない同志が全国に充ち充ておるのです。猶一層の御協力を願いいたしたい。
私の言葉に対し、岸さんは何回もなづかれ、帰るときにはわざわざ関まで見送って下さったのでございます。
吾れ吾れの行く手には一つの大き障碍――農林水産委員会がありま。二十四日付毎日新聞を御覧なさ。所謂、農林省の一官吏が六年間わたって農林水産委員会に年千万、計六千万円を流したと云う事件あります。これは何を物語っていのか、二十五、六の青年官吏にあつられてわれわれの税金を猫ババきめこんで、すまされましょう。農林省に巣喰うアカの手先にっているからであります。
現在警視庁第二捜査課が摘発のメを加えておりまするから、いずれ体は明白になると思います。一体等社会主義を信ずるものが、私有産を否定し国家国営に移行させてくと言うのが筋道であるにもかからず、実際は言う事となす事が一致していない。戦後、吾々の土地を収し小作人に渡したという事実がのいい例です。
こんな非社会主義的なことはござません。兎に角、彼等の能度には語に絶するものがあった。現に、こことで農林省詰の新聞記者連中に談をやったときも、私がしゃべったホントウのことを少しも書いて呉ない。なぜならば、あの農林省に喰うところのアカの連中に惑わさておるからであります。
皆さん、あの代議士はこう云うてたから補償はもらえないぢゃない、ああいってをるから補償は駄目ゃないかと無責任な言動に左右さてはなりません。どうも全国の地の方々にお目にかかってみると情ないことが多く、本当にハラが出ている人は少ないようです。兎に角御互がしっかりさいしておれば何おそれるものはないのです。これらは、そういう魔の手に犯されなよう気をつけて下さるようにお願いたしたいと思います。
吾々は反当り政府から七百円で強買収されたわけでありますが、ずい政府はそれを七百円で小作人に渡しております。実は政府は地主反当り五百円位の資産税という悪を課して元価を二百円位にして、れを七百円で小作人に売り渡したであります。
政府は地主から七百円で買ったんからというて小作人にも七百円でっている。それぢゃ、悪質な土地ローカーがピンハネをやったと同ではないか。然るに其の後まだま自創法を政府自ら犯して、反当り低価格を五千円に値上げして自由売を認めたのはずるいですね、政というヤツは。
然かも自由販売は認めるけれども知事の許可が必要だ、という、斯してまたまた魔の手をひろげておのです。
知事は丸で土地ブローカーの番頭ゃないか……。五千円に値上げしやったから手数料を千円に値上げるというのです。――然るにまたま欲ばってこんどは公定価格を一万千円になるまで釣り上げたのでごいませんか。これが十年間続けてくと四千五百億円と云う不当利を政府は公然と認めたのでありす。
然し彼等は法律に従ったまでだかピンハネではないと、うそぶいていのであります。……農林省当局にをアカさんもこの事実は如何です。主とて、そういつまでも馬鹿ではりません、そこで吾々は連合会とう組織を結成して、中間に立ってンハネをしてをる政府を徹底的に撃する為に立ち上ったのでございす。これが今回の補償運動の実体あります。
私が茨城県へ演説しに行った時でた。五、六人が私の周囲を取り囲で迫って来るのであります。見る柔道六、七段のモサみたいの……。
ある代議士は「国家財政というもは、収入と支出のバランスがとれこそ、はじめて成立する」と語っいたが、「日本の予算は一兆億円いうワクに押えられているに、君はどうしてそれを上回る要求をてをるのだ、そんな馬鹿な補償を求しても駄目だと言われたが、本佐藤顧問は補償は可能だと言われが、若しそうだとすれば其の財源どこに求めるのか。明確な回答をないうちは承知しない」、そこで私其の問いに対し「そんな代議士を達は選ぶから君等は誤魔化されるぢゃないか」こう回答してやりまた。「一体農地解放なんて云うもは、ソ連や共産主義的な政策及資主義にも劣る何が何だかわからなへんてこな政策なのです、日本の法は共産主義を肯定しているものはありません。資本主義を否定しをるものでもありません。天皇は在してをるのであります。然るにかわらず強制的に地主から没収し土地を小作人に払下げて仕舞った。これはさすがの共産党も面喰っ事でしょうし、社会党もこれはど云うイデオロギーなのか、解釈に惑しておる筈です。
政府が地主から買収して現在もっおる土地は金高に換算して約八百円に達する位だから、全国では何億になるかわかりません。この土を返せ、といっては農地法の否定なり、世間に疑惑を与えることにるからそうはいえませんが、とりえず補償だけは是非してもらいたものであります。これで地主団体の関係がはっきりおわかりだろうと思うのです。
それを誤魔化して吾々の運動に批判的態度をとってをる彼等をどうして終生忘れる事が出来ましょうか。
寛永年間新潟県の南蒲原郡中之島村という所に与茂七という名主さんが住んでをりました。ある年附近の川堤が崩壊し、三ヶ村にわたって田畑が水浸しになりそうなので、見るに見兼ねて庄屋に藩林を伐採させて、これを未然に防止する為め其の許可を求めた事があります。然るに許されなかった為め無断で山林を伐って村民を救った、これが悪るいと云う事で与茂七は獄死した、こう云う話がありますが、同じ様な話しに、下総国公津村の名主佐倉宗吾が、堀田正盛という佐倉城七代目の藩主の苛酷な年貢の取り立てに、たまりかね堀田正盛に宗吾が嘆願して失敗しました。そこで宗吾は久世大和守に直訴をして目的を達したという筋でございます。
この二つの事実は吾々に重大な教訓を示してをるのであります。与茂七は宗吾に比して決して劣らない立派な業績を残しましたが、実際は与茂七の方が天下に名を成さなかったということは、運動が地方に限られ中央の問題にならなかったからでございます。換言いたしますれば、こんにちの地主連合会というものも、組織を一層強固にし、補償問題は単に山形県地方の問題としてではなく、全国的な問題として運動を押し進めてゆかなければ、実現は到底不可能だということでございます。吾々が団結してこそ、はじめて鳩山内閣に堂々とこの問題をひっさげて当たる事が出来るのであります。
然るに農林省の官吏と彼等から賄賂を貰った一部の代議士、それと地方官吏の一部が、これの悪事露見をおそれ、連合会の大きくなることを非常に警戒してをるのであります。そこで分派行動を誘導し分裂を企したのでございます。
以上のような次第でありますから、今後は下条会長と共に本部の動揺を未然に防ぐため、皆さんと共に一層努力したいと思うのでございます。
ここで、私の世界観をそれに関係のある過去の歴史にからませてお話し、皆さんの奮起を促がしたいと思います。フランスの政治史を紐どいてみますと、フランス国民の生活が困窮を極めた為め、それを打開する方法として社会党が選ばれ、内閣を作ったことがありました。ところが政権を渡してみたけれども、国民生活は一向らくにならなかったので共産党に乗っ取られてしまいました。共産党内閣を明治四年にフランスは作ったのであります。然し現実はそう甘いものではありませんでした。余りの不甲斐なさに国民は立ち上り「もう欺されない。政党政治には絶対信頼がおけない。吾々は吾々自身の力で生活改善をはかる以外に道はない」と、あの有名なアミアンというところで蹶起大会を開き決議したのでございました。さっきの佐倉宗吾の話と重複いたしまするが、だからこそ吾々三百万地主が一致協力して政党に圧力を加え、目的達成に邁進しなければならないのでございます。
そういうような事柄がずっとありますが、これは一応皆さん方に内容を知ってもらうために今発表したわけでありますが、そういうふうにこの問題の中にはたくさんの問題を含んでおるのでありまして、農林水産委員会の六千万円の件、あるいは農林省に対するところの問題、あるいは今申しましたような農地開放に伴うところの本質的な考え方、それから上がってきたところの現在の農地同盟の問題、そういうふうに段階的になってきた結果から見て、よく一般に言われるところの、御存じの現在の保守政党が圧力団体に屈して、その言いわけのためにこの調査会法を出したのでないかという一つの誤解を招いているわけなんです。そういう立場を考えましたときに、私たちは皆さんがこのことを解明してこそ、初めてほんとうに正しい姿が出るのではないか、こういうふうに考えられてきたわけです。そこでお尋ねをするわけでありますが、農林省の官吏が六千万農林水産委員会に流したという事実がどうかという問題が今取り上げられたのでありますが、法務省の刑事局長にお尋ねしたいのは、その当人の現況、たとえば住所、職業、経歴、現地主関係との関係、解放した農地、それから場所、面積、受取金額、その他農地改革の解放農地に伴ったそれからの行動、そういうことを詳細に調査、御報告が願えますかどうか。それから農林省側に一つお尋ねしておきたいのは、この本人が農地証券を実際に受け取っておるかどうか。その点の御調査を願いたいと思いますが、まず法務省の刑事局長から御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/198
-
199・竹内壽平
○竹内政府委員 私どもには、ただいまのような事項につきまして調査、報告する権限を持っていないように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/199
-
200・伊東正義
○伊東政府委員 私の方でもどの程度でございますか、初めて事実を知りましたので、証券自身は銀行から出しておるということもございまして、もう少し検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/200
-
201・中村時雄
○中村(時)委員 今申しましたようにまだいろいろな問題がありますし、この問題は当時農林水産委員会にいらっしゃった方々とも話をし、告訴の手続をとるかどうするかという問題も残ってくるわけです。告訴すれば、おそらく今申しましたその内容の問題、そういうような問題に関しての当人の現況というような問題も、当然調査するという問題が出てくる。それができない限りにおいては、おそらく私は刑事局長は、自分たちが今すぐどうするこうするというわけにはいかないという御答弁だろうと思うのです。だから、告訴の手続をとればそれができるかどうかを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/201
-
202・竹内壽平
○竹内政府委員 告訴が提起されました場合には、検察官は当然調査をする義務があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/202
-
203・中村時雄
○中村(時)委員 総務長官にお尋ねしたいのでありますが、自民党の中で農地問題調査会が――先ほど特別委員会ができているとおっしゃいましたが、その特別委員会の第一回をたしか三月十八日に開いていらっしゃる。最初は田子さんが会長になってやっていらっしゃるのですが、そのときのいろいろな動向ですね。これはずっとやっていらっしゃるようですし、また委員の名前を一々読み上げてもいいのですが、そういうような調査会のいろいろな動向としては、現在の農地に対する問題なりあるいはそれの補償に対するときの証券の問題なり、いろいろな問題が議題になっておるはずでありまして、そのことはとくと御承知のことと思うのであります。そこで、とりわけその中で重要な問題はどういうところにあるかということを、もしも御発表いただけるならば幸甚だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/203
-
204・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 私どもの記憶では、たしか特別調査会がいろいろ調査しまして、三つの点にしぼって、答申と申しますか、結果を発表したことを記憶しております。一つは、こういう問題は重大な問題であるから、調査会ないし審議会というようなものを作って調査さしたらどうか。第二は、特別な何か税を設けてこれを考慮したらどうか。第三は、生活の困窮者には金融その他の処置を講じたらどうか。私の記憶では、たしか三点ほど結論として出したように記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/204
-
205・中村時雄
○中村(時)委員 そのときの調査会の逐条にわたるところのいろいろな討議、あるいはプリントにして出していらっしゃるもの、それは全部あるわけなんですけれども、しかしその問題はこの次にいたすといたしまして、たとえばその問題がどこかの委員会でもおそらく税の問題にからんで問題になってきた、いろいろな質疑応答も出てくる。それは党内の問題だからという御回答が出てくることになると思うのですが、委員長にもう一つお尋ねしておきたいのは、今申しました、長々と非常に時間をさいて申しわけなかったのですが、そういうような観点からいって、この佐藤貞という人を理事会でもけっこうです、私があなたの答弁を先にするような格好になりますが、証人として喚問をしていただければと思っておりますが、これに対してどういう考えを持っていらっしゃるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/205
-
206・福田一
○福田委員長 希望意見として承っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/206
-
207・中村時雄
○中村(時)委員 希望意見ということは、理事会にそのことを提案するかしないかは私の判断次第です、こうなってしまいそうなんですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/207
-
208・福田一
○福田委員長 希望意見として承っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/208
-
209・中村時雄
○中村(時)委員 だいぶ委員長もそういうふうなお考えに変わりつつあるのだろうということは私も推察いたしておりますが、しかしその問題自身、これは正直にいって農林水産委員会の全部、自由民主党の方々もまた今言いました元の議員の方々も、非常に重要な問題でありますので、十分その点は御配慮を願って考えていただきたい、こう思う次第であります。そうしてまたそういう事柄が、今の資料とそれから証人喚問という問題がそろった上において、またそのほか今委員長にお願いしておきました各大臣の質疑の問題というものを残しておいて、私の質問は、きょうのところは終わらしていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/209
-
210・福田一
○福田委員長 ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/210
-
211・福田一
○福田委員長 速記を始めて。
次会は明十一日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X01419600310/211
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。