1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年三月二十五日(金曜日)
午前十一時三十一分開議
出席委員
委員長 福田 一君
理事 淺香 忠雄君 理事 岡崎 英城君
理事 高橋 等君 理事 前田 正男君
理事 石橋 政嗣君 理事 田万 廣文君
生田 宏一君 内海 安吉君
小金 義照君 始関 伊平君
谷川 和穗君 富田 健治君
橋本 正之君 保科善四郎君
山口 好一君 岡 良一君
久保田 豊君 中原 健次君
中村 時雄君
出席国務大臣
国 務 大 臣 中曽根康弘君
出席政府委員
総理府総務長官 福田 篤泰君
総理府総務副長
官 佐藤 朝生君
科学技術政務次
官 横山 フク君
総理府事務官
(科学技術庁長
官官房長) 原田 久君
総理府事務官
(科学技術庁計
画局長) 久田 太郎君
建設政務次官 大沢 雄一君
建設事務官
(大臣官房長) 鬼丸 勝之君
委員外の出席者
建設事務官
(計画局総務課
長) 川島 博君
専 門 員 安倍 三郎君
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三月二十五日
委員柏正男君及び受田新吉君辞任につき、その
補欠として岡良一君及び中村時雄君が議長の指
名で委員に選任された。
同 日
委員中村時雄君辞任につき、その補欠として受
田新吉君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第八三号)
建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第九二号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/0
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001・福田一
○福田委員長 これより会議を開きます。
総理府設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前会に引き続き質疑を許します。保科善四郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/1
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002・保科善四郎
○保科委員 総理府総務長官に対しまして、対外経済協力に関して、若干御質問並びに私の所見を申し上げたいと思います。
この対外経済協力審議会は、「対外経済協力に関する基本的かつ総合的な政策及び重要事項を調査審議する」ということになっております。従ってこれは仕事をしようとすれば、相当重要なる、仕事をするに必要な資格を備えた人がこれをやらなくちゃいかぬということになると思います。このメンバーには、閣僚やあるいは学識経験者をもって充てられておることは、この前前田委員の御質問にお答になったのでありますが、これらの方々がほんとうにこの法案に盛られたような事項を実現しますためには、どうしてもこの準備をする人は、有能なる人とそれから相当の陣容をこれに充てないと、結局ロボット化するということになりはせぬかと思います。対外経済協力は日本の運命を決し、将来の世界の平和に非常に重大なる関係がある事項であり、次の世界の大きな課題になっておることは御承知の通りでございますので、従って私はそういう意味から、いわゆる事務を扱う人にどういうようなお心持でもって、こういう方を選考されるかという点について、長官の御所見を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/2
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003・福田篤泰
○福田(篤)政府委員 御指摘の通りこの調査会というものがいかに重大な使命を持っているか、私どもも痛感しておる次第であります。従いまして総理大臣を議長とし、関係閣僚をメンバーにいたしますが、今お尋ねの下部機構と申しますか、事務の点につきまして今考えておりますことは、各省の次官クラスを中心とした幹事会を作りたい。なお外務省及び経済企画庁から、兼任という形はとりますが、専門の者を、もっぱらこの調査審議に当たらしめる者を作りたい。さらに事柄によりましては、各省に随時諮問その他をいたしまして、連絡を密にするというような一応構想を持っております。ただいまのところは、事務的にはそういう考え方でおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/3
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004・保科善四郎
○保科委員 大体長官の御意図がわかりましたが、結局兼務で、自分がその仕事をほんとうに精神を打ち込んでやるというようなことができないような形では、私はほんとうの仕事にならぬと思いますので、相当幅の広い、有能なる人が、ここに自分の精魂を傾けてやれるような場所を将来においてお作りになるように、ぜひ私はお願いいたしたいと思います。ことに私は、対外経済協力の関係を今まで副委員長としてやってきたのでありますが、この関係する各省の事務が非常に入り込んでおりまして、これをタイムリーにうまく片づけて仕事をする人が、ほんとうに意欲をもってやれるような体制にしますためには、始終それをホローして大局的に見ておる人がいませんと、これはなかなか仕事がうまくいかずに、従ってせっかくやろうとする人に意欲をなくならせるというようなことになりはせぬかということを、従来そういうようなことがありましたので、非常におそれておるわけであります。こういう観点から、今申し上げましたようなことに特別に関心を払いまして、将来相当な人がこれに精魂を傾けてやれるような工合に御配慮を願いたいと思います。
次に——経済企画庁の方おいでですか。だれも来ていませんか。——この問題に関連するのでありますが、おいでにならぬようですから、私はこれをもって長官に対する質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/4
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005・福田一
○福田委員長 次に岡良一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/5
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006・岡良一
○岡委員 中曽根大臣の御出席を要求いたしますが、その前に、それでは局長が見えているようでありますから、ロケットの研究開発についてアメリカとの協力が得られたという風聞が伝えられておるが、その内容についてお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/6
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007・久田太郎
○久田政府委員 お答え申し上げます。ロケットと限らず、宇宙開発の問題につきましては、国際的な協力が最も大切でございまして、この点につきましては、国連において委員会が作られまして本年または来年度において科学会議が開かれるというような情勢になっておりまして、わが国としましても、この線で国際的な協力を進めて参りたいとは考えるわけでありますが、その間、特に米国と限るわけではございませんが、特定二国間との間におきまして、この宇宙開発の協力を進めていくべきであるという考えに基づきまして、まず米国との間におきまして、そういう協力関係設定の可能性があるかどうか、どういう問題がこういった協力関係設定の内容として考え得るか等の打診をいたした段階でございまして、まだ具体的な内容等は、今後この五月に日本でロケット等のシンポジウムがございますが、その際にアメリカのNASA、航空宇宙局の代表者等が参りまして、それらを通じて逐次それらの話し合いを具体的に進めていくという段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/7
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008・岡良一
○岡委員 時間もありませんので、簡潔に御答弁を願います。
中曽根国務大臣が見えられましたので、重ねてお尋ねをいたしますが、宇宙開発に対するアメリカとの協力関係の設定については、具体的にいかなる内容を持っておるものでございますか、この機会に簡潔に明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/8
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009・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 宇宙関係、特に科学技術開発という問題は、国際連合を中心にいたしまして、総会の決議で特別委員会を作り、今年または来年には科学者会議を世界的に開くということが決定されまして、その準備を着々といたしておるのでございます。御存じのように世界的機構においてはコスパルというのがございまして、これは技術を除いた宇宙関係の学術上の研究連絡会を世界的に持っているわけであります。コスパルではそういう学術上の情報の交換等ができますが、日本が非常におくれておる技術上の問題については、そういう世界的スケールで連絡調整を行なうということは、今のところできない状態にあります。そういう関係からいたしまして、日本の要望を達してくれる国があるならば、技術上のそういう交換をも提携協力していくということは、おのおのが自主性を守っていく限り妥当であろう、こういう考えで今まである程度太平洋を隔てたアメリカと事実上の協力関係がございましたが、できたらこれをある程度軌道に乗せて計画的に総合的にやっていきたい、こういう考えをもちまして、就任以来私はそのことが可能であるかどうか打診して参りました。先般糸川教授、青野電波研次長並びに井上調査官をアメリカに派遣いたしまして先方といろいろ話し合いまして、たとえば学者の研究会の開催であるとか情報の交換であるとか、あるいは技術者、科学者のお互いの視察あるいは訓練と申しますか、若い人たちの訓練、そういうような問題については向こうも、それは趣旨はけっこうである、またロケット等の研究につきましても、お互いが困難な問題を考え合うというようなこともけっこうである、あるいは日本が将来宇宙通信を目ざしてパラボラ・アンテナを建設するというような場合には、お互いに今までの技術上の経験を話し合って協力し合うということもけっこうであろう、そういう大まかな専門的な基礎的なお互いの話し合いをいたしまして、大体どの程度の水準にお互いがあるかということを確認し合って、そうしてでは個々具体的にどういう協力が可能であるかというような見当をお互いがつけて帰ってきただけでありまして、まだ具体的にではどの点をどういうふうに協力するかということが正式に固まったわけではございません。しかし私はでき得べくんば国際連合を中心にして、そういうような技術的な協力まで将来は伸ばしていくということが非常に望ましいと思いますので、それが促進の一つのステップともいたしまして、とりあえず日本側の要望をアメリカが達するならば、アメリカともそういう関係を設定いたしまして、できたら交換公文というような形で、学者がこそこそ陰でやるようなことをしないで、政府がちゃんと監督できる立場のもとにそういうことをやっていただくようにしたらいいと思っておる状態であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/9
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010・岡良一
○岡委員 日本における宇宙の研究開発を推進する、特にその心棒であるロケットの開発に努めるという方針は異議はありません。しかしもしそうであるならば、すでにアメリカの国内ではミサイル・ギャップ論争というように、ソ連に対して少なくともロケットについては技術的にも、基礎的な研究の分野においても、立ちおくれをしておることは御存じの通りでございます。従って宇宙の研究開発、ロケットの研究開発というような、いわば真理を探求しようというならば、国境を越えてより進んだ国に協力を求めるということが、私は日本の当然の道ではないかと思うのでございますが、なぜアメリカを選ばれたのであるか。またそうなればそれがソビエトの協力を求めることを阻害をすることも憂えられるのでございますが、はたしてソビエトに対して協力を求められる御意思があるかどうか、まずこの点をお伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/10
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011・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 従来IGYの関係から、いろいろ人工衛星の観測とかそのほかの関係で、アメリカとの具体的な協力関係があったわけであります。従いましてアメリカとやるということについてある程度見当もついておりましたので、とりあえずアメリカとやるように進めておりますが、われわれの要望を達してくれる国ならばアメリカに限ったことではなくて、適当な国ならば私はどことでもやっていいと思っております。ソ連につきましては、どの程度われわれに協力して下さるかわかりませんが、もし可能であるならば調査官を出すことになっておりますが、たとえば燃料とかエンジンの構造とかあるいは研究所の施設とか、そういうところまではたしてソ連がやらしてくれるかどうか、向こうの意向を確かめてみることは有益だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/11
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012・岡良一
○岡委員 科学の真理は人間の人為的な政治的な体制の対立を越えた問題でございますので、この際すぐれた国の技術に学ぶ、研究を受け入れるという堂々たるおおらかな態度で、ぜひこの宇宙の研究開発については政策を進めていただきたいのでございます。さらに私はこのような政策が、先ほど計画局長の御答弁にもございましたが、昨年十二月十四日のアメリカの国連代表ロッジ氏のあの演説の中でも、宇宙の研究開発というものが国際的な協力のもとに進められることによって、むしろ世界の平和が進められるのであるというところまではっきり言い切って、ぜひともこれを全国際協力の姿において宇宙の研究開発を進めたいという意思を、アメリカ自身が漏らしていることは御存じの通りでございます。ところがその間の時間的なズレをおもんぱかって、とりあえずアメリカとの間に二国間の協力関係を設定するということは、むしろこのような大きな国際的な規模における技術的なあるいは英知の協力に対して、むしろこれを阻害する結果があるのではないか。むしろこういう科学の分野において東西両陣営の対立を激化するとまでは言わないまでも、それを是認するというようなことは、科学の政策においては私は許されざるものだと思うのでございまするが、この点についての中曽根長官の御所信を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/12
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013・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 その点につきましては、国境を越えて、可能な限り平和を目的にして協力するということは好ましいことであるとは思っておりますが、現実の見通しから見ますと、やはり二国間の協力が網の目のように広がっていってそしてそれが国際的な統一的な協力関係に発達していくというのが、今までの経験に照らして妥当のようであります。原子力なんかもやはり二国間協定ができてそれからIAEA、国際原子力機関というものができたので、大体同じような傾向で進むのではないかと私は思います。先に国際機関というものが抽象的にできて、それから各国がその網で進むというと、どうしても現在の国際原子力機関を見ましても、なかなか中は動きませんで、われわれが期待しているような成長発展をしていけないのを見ましてもわかると思うのであります。従って現実的政策といたしましては、話の合う国と進めていって、そうして善意をもって逐次国際的な統一の方向へ進んでいくというのが、現実的な手段であろうと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/13
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014・岡良一
○岡委員 私はまた別な機会に申し上げたいと思いますが、しかしあなたは国際原子力機関を引用されましたが、私は全く逆だと思います。御存じのように国際原子力機関の事務総長のスターリングコール氏自身が、二国間協定が国際原子力機関の発展にいかに有害であるかということを、自分の母国のアメリカで堂々と演説をしておられるではございませんか。そういう意味で、せっかくここにアメリカが音頭をとり、また全世界の国々が参加をして、国際的な規模の上に宇宙の研究開発に対する協力機構ができようとするときに、求めて二国間の協定を急ぐということは、これは国際原子力機関の事務総長のスターリングコール氏の嘆きを、日本みずからがまた求めて繰り返せしめる結果になるということは私は当然だと存じます。その意味において、私はそのような行き方に対しては納得することはできません。しかしこれはまた別な機会に触れることにいたします。従って三月十一日に学術会議が、宇宙科学研究シンポジウムを開いておられます。その結果は、長官も御存じではございましょうが、ここではいろいろな学者の諸君、たとえば早川博士、それから藤本博士、小沼助手等、これらの諸君が真剣に二国間協定というものを急ぐべきじゃないということを学者の立場から言っておられた。私はこれらの学者の意見が、全部が全部是なりとは思いませんが、しかしながらこのような意見を聞いていくということは、やはり学問の世界の問題であるだけに当然必要であろうかと存じます。そういう意味において、今これから発足しようというこの宇宙開発審議会なるものが、こうしたまじめな若い日本の科学者の意向を無視して一方的に進められるというようなことは、断じて私どもは納得しがたいのでございます。そういう意味において、審議会は最も民主的に、特に専門の学者の意向に十分に耳を傾けながら宇宙の研究開発を進めていく、こういう御所信でございますか、この点を明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/14
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015・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 御趣旨にはおおむね同感でございますが、ただいまの二国間の協力関係から、国際的な統一的な協力関係に進むということは、やはり私はそれが正しいと思っております。その点だけはやや意見を異にしておるように考えられます。
なお、この間の学術会議のシンポジウムの意見につきましては、いろいろ調べまして、私が聞いたところによりますと、あれは会議という性格のものではなくて、発言者の中には大学の職員がいたり学生がいたり、まあ説明をしたのは正規の学術会議の委員とかあるいは責任者がやったらしいのですが、質問をしたりした方は学術会議の正規の資格を持っておる人は藤本教授一人で、あとは職員その他の方々が自由に発言なさったのでそれがあの分野全体の学者の意見であるととることは速断である、そういうように私は思います。元来そういう性格の、好きなことを何でも述べ合うという会議であったので、必ずしも資格者全員が出たわけでもございませんので、そのときに出た意見は、そういうものが出たということは記憶にとどめて、行政上の参考にしなければならぬと思いますけれども、それが学者全体の意見であるとは私は考えておりません。しかしただいまお話しいただきました御趣旨につきましては、関係者の意見をよく聞いて、そうして学者の考え方がどこにあるかということを総合的に正しく把握して、行政に資するという意味から、新しい宇宙開発審議会というものの構成について、慎重に考慮するということは全く同感でございますので、そのように処置いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/15
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016・岡良一
○岡委員 あのシンポジウムにおいて、アメリカとの協力関係決定について最も批判的であったのは、あなたの御指摘になった藤本教授が私は最もきびしい意見を持っておられたと思います。いずれにいたしましても、ぜひ今言明になったように、やはりまじめな若い学者の意見を十分に尊重するということで、政府の一方的な暴走は厳に戒めていただくように、この機会に強く要望いたしておきます。
なお、これまでの防衛庁のロケットに関する研究費、それから平和利用と申しましょうか、本年度は二億三千万円でございますか計上されておりますが、これまでの防衛庁のロケット研究に投じられた費用は幾らでございますか。——それでは私の記憶で申しますると、大体本年度を加えて十九億ということでございます。一方平和利用としてのロケット研究費としては二億三千万円でございますか、予算に計上されておる。ここに日本のロケット研究というものが、開発早々における一つの大きな見のがしがたい偏向を私は見出すのでございます。そこでこのロケットの今年度の予算において、宇宙研究開発としての予算の中で、ロケットにかかる部分は六一体どの程度のものであり、他の分野におけるものはどの程度のものでございますか、数字を一つお示し願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/16
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017・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 ロケットの関係というのは私は案外重要だと思っておるのです。と申しますのは、羽田の飛行場を見ましても、もうプロペラの飛行機というものは時代おくれになりまして、ジェットになりつつあります。ジェットの次はもうロケットであります。そういう意味で、輸送手段としても、あるいは通信手段としても、あるいは学術上の道具としての宇宙空間のいろいろな諸元を探査する上にも、ロケットの機能というものは非常重要でありまして、そういう点からすると、燃料の研究とかあるいはエンジンの研究とか、こういうことは次の時代の文明の推進力として、原子力に劣らないだけの潜在的な重要さを持っておると私は思います。従いましてロケットが一部軍一部に使われるというがゆえに、ロケットのそういう平和利用の面を軽視するということは行政上とりたくないと思います。しかし今回われわれが獲得しました予算の中におきましては、いろいろバランスを考えまして——比較的日本の学術は宇宙空間の研究では電離層とか宇宙線とか、あるいはそのほかの部面について割合に発達しております。しかしロケットの技術という面は非常におくれておる。戦争に負けて以来十年以上の空間がありますから非常におくれておるので、これを追いつかせるためにももっと力を入れなければならぬと私は思っておるのであります。それでもバランスということを考えまして、今度の東大生産研の研究費では総額一億六千万円出してありますが、そのうちロケット関係は九千万円、それから六千万円がテレメーター等の計測関係、それから一千万円がその他の経費ということでございまして、七千万円対九千万円という比率になっておりまして、この点から見ましてもロケットが偏重されておるとは私は思わないのであります。それから科学技術庁におきまして、気象ロケットを開発しようというので三千万円の予算を今度取りました。おもなものは大体その程度であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/17
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018・岡良一
○岡委員 国のロケットの開発に対する予算が、十九億に対して一億六千万円程度の本年度の予算は、私は大きな片寄り方があると思うのです。これは別といたしましても、その二億数千万円の予算の中で、今そういうふうなお話がございまして、予算の分配においても計測関係も加えてあるという御説明がございましたが、しかし先般のシンポジウムで見ますと、ある方はこういうことを言っておる。宇宙の研究開発というようなものを総合的に進めようとすれば、これは私から申し上げるまでもなく、天体物理学なりあるいは宇宙医学なり、こうしたもろもろの問題が含まれてくるわけであります。これらが総合的に進められて、宇宙の研究開発というものが一歩々々確実に進められることは申し上げるまでもございません。ところがその重要な天体物理のグループでは、たった十五万円の予算をひねり出すこともできず、学会に出るための会合費さえないのであるということを、その早川名大教授は訴えておられるのでございます。こういうふうにしてロケットには大きく出されておるが、一方まじめな基礎的な天体物理学等の研究においては学会に出る会合の費用さえもない、こういう苦衷を訴えておるということは、日本の宇宙の研究開発というものが均衡のとれた計画の上に乗せられておらないということを、私は如実に物語るものであると存ずるのでございます。私はそういう意味で宇宙の研究開発ということになれば、ロケットの推進ももちろん必要ではございますが、こうした天体物理学なりあるいは宇宙生物学なり、そうしたもろもろの基礎的な研究においても、十分にこの分野の職員諸君が研究し、調査し、開発し得るような予算をさいて、均衡のある計画を立てるということが、この出発点にあたって重要な問題であろうと存ずるのでございますが、この点に対する大臣の御所信を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/18
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019・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 その点は全く同感であります。ただシンポジウムにおける早川教授の御意見は、必ずしも全般をとらえた御意見ではないようでありまして、あのときのお話では十五万円くらい割り当てられても、実際使えるのは五万円くらいしかないというような御発言があったのでありますが、全般的に見ますと、東大生産研に配りました一億六千万円というものが宇宙探査関係にばらまかれるわけです。そのうち六千万円程度は先ほど申しましたテレメーター及び計測関係に、一千万円程度がその他に行っておるのでありまして、天体物理その他を軽視しているというわけでは絶対ないのでございます。しかし均衡ある発達をはかるということは非常に重要であると思います。われわれが作りました大体の計画でも、第一は宇宙空間物理、第二が宇宙空間通信、第三番目が宇宙空間飛翔体、第四が宇宙空間計測、第五が医学、法学その他の部分、こういうふうに分けておりまして、この五つの部門の均衡ある発達をはかるように今後も努力しておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/19
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020・岡良一
○岡委員 原子力の利用と違いまして、ロケットということになりますとミサイルに転換されることはきわめて容易であります。なかなかその判別がしにくい。従いましてこの際原子力基本法のように、宇宙の研究開発についても平和利用を目途とする民主あるいは自主あるいは公開の原則を採用するというような基本法、すべての平和を愛好する学者の諸君も国民もあげて協力し得るような基本的な基本法の制定というものが必要だろうと思いますが、その御意思がないか、この点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/20
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021・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 原子力の場合は原子爆弾というものにつながりまして、非常な危険を人類に及ぼすおそれがあるのでありますが、飛翔体の場合はそれを運ぶ道具でありまして、原子爆弾の方を厳重に規制すればその必要がないようにも感じられますが、しかし御意見のほどは慎重に検討してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/21
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022・岡良一
○岡委員 これは今後の新しいしかも底知れない深い研究の分野でございますが、ぜひ一つ原子力基本法のごとく明確に平和利用、民主、自主、公開の原則をうたった基本法の制定を強く要望いたすものでございます。
なお関連してお尋ねをいたしますが、先般防衛産業界の代表の諸君が、アメリカあるいは英国へミサイルの調査のために御出張になられたことは御承知の通りであります。そこでこの調査団は、たとえば今意図されておるところのアメリカとの協力関係が設定をされますと、それによってわが方が得ることのできる技術援助あるいは技術提携というものは、このミサイルの生産についても、あるいはまた日本国内における研究開発についても当然あり得るということになるのでございますが、このように理解していいのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/22
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023・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 この間の調査団は主として通産省が送りまして私はその送ることにはタッチしてはおりませんでしたが、行くということは大体報告を聞いております。行ってどういうことをやってくるか、私の領域でありませんのでよく存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/23
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024・岡良一
○岡委員 重ねてお尋ねをいたしますが、アメリカとの間に宇宙の研究開発について、特におそらくロケットに重点を置いての協力関係が設定をされる。そうなりますると、その協力関係の設定された協定か交換公文か、何らかの形における協力関係を通じて、技術援助なり技術提携というものが当然予想されます。ところがミサイル調査団が前後して出発しておりますが、日本の防衛産業においてもこの協定に従っての技術援助あるいは技術提携が行なわれ得ることになる、これを防ぐ道は決してないと私は判断せざるを得ないのでございますが、この点について長官としての御所信はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/24
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025・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 科学技術の発達のために、技術提携をしたり技術援助を与えたり受けたりすることは、必ずしも悪いことではないと思う。それによって国産技術が開発され、発達していくという、非常に大きな使命も持っていると思うのです。現に日本の技術が発達した大きな部面は、明治以来外来の技術を導入して消化してきたからだろうと思う。そういう意味において、ミサイルの場合でも原子力の場合でも、必ずしも一がいに否定すべきものではないと思う。ただそれをどういうふうに使用すべきか、何に使うかという問題だと思うのでありまして、科学技術庁が関知するものに関する限りは平和利用を目的にして、学術科学上の問題にのみとどめていく所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/25
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026・岡良一
○岡委員 それではアメリカとのロケットを中心にする宇宙開発に関する協力関係ができた場合に、それに伴ってあるいはそれに基づいて技術援助、技術提携が、ミサイル分野にどんどん入ってくるということは、科学技術庁の知らないことではあるが、通産省がそのような方針をとるならばそれはいたし方がない、こういう御答弁でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/26
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027・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 もちろん技術提携等が行なわれる場合には、関係各省の審議会に諮りますから、科学技術庁はそういう点については、それがいいか悪いか判断して発言する地位にあるわけでございます。科学技術庁がだめだと言えば、だめになるということになっておるのであります。従いましてそれは出てきたケース・バイ・ケースをよく慎重に調べて処していくべき問題だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/27
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028・岡良一
○岡委員 最後に私は強く要望しておきますが、原子力基本法によって特に明確に平和利用ということがうたってあるために、現在も原子力の軍事的利用は厳に禁ぜられている。防衛庁も防衛産業もこれに手を出すことは禁ぜられておる。ところが現在科学兵器の発達は、原水爆の製造よりも、むしろその運搬装置にあることは今さら申すまでもありません。運搬装置が日本においてどんどんできてくるならば、核弾頭をこれに装備すれば直ちに原子兵器化する。原子兵器化するくらいになってきている。ですから私はそういう立場からも、宇宙の研究開発については平和目的に限るということを明確にうたったところの一方的な措置が当然必要であると思いますので、この点についてはぜひとも善処せられんことを心から希望いたしまして、私の質問を終えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/28
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029・福田一
○福田委員長 ほかに御質問はありませんか。——御質疑がなければ、これにて本案についての質疑は終了いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/29
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030・福田一
○福田委員長 これより本案について討論に入るのでありますが、別に討論の申し入れもございませんので、直ちちに採決いたします。
総理府設置法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/30
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031・福田一
○福田委員長 起立総員。よって本案は可決されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/31
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032・福田一
○福田委員長 本案に関し、前田正男君外二十八名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、この際本動議について趣旨の説明を求めます。前田正男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/32
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033・前田正男
○前田(正)委員 この附帯決議はただいま委員長が述べられた通り全員の、また三党の共同提案であります。
内容についてまず先に朗読をいたします。
総理府設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は宇宙の開発にあたり、国際的には常に世界平和を念願して、国際機構の確立と育成に、最大の努力を期し、政治体制の対立を超えて、国際的協力を推進すべきである。
国内的には、関連する各分野における基礎的研究をもあわせて、均衡ある総合的計画を策定し、かつ此の計画の実施にあたっては常に公開の原則を守り、民主的かつ恒久的な開発を期すべきである。
右決議する。
その決議の趣旨につきましては、この案文にも書いてある通りでございますが、特にこの宇宙の開発等につきましては、わが国の国是にもあります通り、世界平和を中心といたしまして開発すべきものでございまして、またこれの開発にあたっての国際的な協力については、国際連合その他国際的な機関と広く各国にわたりまして政治的な対立を越えて協力すべきではないか、こういうことがこの趣旨の第一点でございます。
第二の点につきましては、先ほど来岡委員からも質問がありました通り、現在のところの国内的に開発しておられますやり方については、相当各方面にわたって、また基礎的な研究にもわたって努力しておられるのでありますけれども、しかし一部にはロケット開発に向かっていくのではないか、こういうふうなことを言われる方もあるのでありまして、そういう点についてはいろいろと表に出る事項の関係からも、そういうふうに誤解されているところもあると思いますけれども、しかし特に今後のこの開発については、この附帯決議にあります通り、また従来政府その他学界におきましても努力しておられる通り、関連する各分野の基礎的研究を十分に考えられまして、しかもまた各方面にわたって均衡ある計画を作ってやるべきではないか。同時にこれらのものは先ほど申した通り世界平和を念願してやるわけでありますから、もちろん公開、民主的という原則を守ってやるべきでありますし、同時にまた単に世界の宇宙科学という時代の波に乗って、ただ線香花火的にやるというような開発研究に努力するということではなしに、やはり恒久的に世界平和を念願として、また各国と協力し、そうして私たちの国の民生の発展その他にも大いに寄与するように恒久的な開発をとらなければいけない、こういうようなことがこの決議案の趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/33
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034・福田一
○福田委員長 本動議について採決いたします。本動議を可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/34
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035・福田一
○福田委員長 御異議なしと認めます。よって本動議は可決されました。
なお、本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/35
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036・福田一
○福田委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。
なお、この際中曽根国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/36
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037・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 ただいま御決議になりました趣旨につきましては、万遺憾なきを期しまして、御趣旨を体して政策実現に邁進する所存でございます。ありがとうございました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/37
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038・福田一
○福田委員長 次に建設省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を許します。中村時雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/38
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039・中村時雄
○中村(時)委員 建設大臣の御出席を要求いたしたのですが、いらっしゃらないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/39
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040・福田一
○福田委員長 建設大臣はきょうは衆参両院とも非常に多忙でどうしても出られないということですので、よろしくお願いいたします。政務次官に出てきていただきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/40
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041・中村時雄
○中村(時)委員 それでは政務次官にお尋ねいたします。
まず第一点は、今度でき上がりますところの調査会と称するものの設置の目的はどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/41
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042・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 ただいまお尋ねの公共用地取得制度調査会設置の目的でございますが、御案内の通り最近における公共事業及び公益事業の増大に伴い、これらの事業に必要な用地が著しく増加いたしておるのでございますが、その迅速、的確な取得が次第に困難となっておるのでございます。その対策といたしまして、土地収用法の改正に関する要望が非常に高まって参っておるのでございますが、申し上げるまでもなくこの公共用地の取得の問題は、他面におきまして私有財産権の保護という最も重要な憲法上の問題に関連いたします重要問題であるのでございます。この公共性と私有財産の保護という両者の調整をはかり、そうしてこの制度の改善すべきところがあれば改善するということが必要であると存じまして、私どもといたしましては、この問題について改正すべきかどうか、またいかにしたならば、ただいま申し上げましたような調整を完全に近くやることができるか、そういう問題点について、関係各省はもとよりでございますが、学識経験者等を加えてこの調査会を設置して慎重に検討いたしまして、その結論を得てこの問題を処理したい、かような趣旨からこの調査会の設置を考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/42
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043・中村時雄
○中村(時)委員 いろいろ御慎重にやっていらっしゃるから、御慎重な答弁をお願いしたいと思うのですが、第二点は、お聞きすることを先に持って参ります。
新聞報道なんかでも一応騒がれたのですが、慎重に考えられた結果この調査会を設けまして、その結論によっては新しい土地収用法の手続を簡素化するという目的が非常に強く出ている。そこで政務次官はこれを、そういう具体的な問題としてお考えになっていらっしゃるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/43
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044・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 問題点の一つといたしまして、迅速に土地を収用すべき場合にこれを収用しあるいは使用したいということが、確かに一つの問題点になっておるわけでございます。しかしながらどうしても収用する公益上の必要があるといたしましても、同時に適正な私権の保護あるいは補償の問題、また単に補償の問題にとどまらず、収用される方々のその後における生活再建の問題等いろいろな問題がありますので、そういう点もあわせて解決しなければならない、かような考え方でおる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/44
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045・中村時雄
○中村(時)委員 第三点は、調査会は、今までの要綱とかいろいろな参考書なんかをながめてみますと、建設大臣の諮問に応じて公共用地取得制度に関するいろいろな重要な事項を調査審議しまたはその事項について関係行政機関に建議する、このように理解をするわけですが、建議する事項は通産または農林省の所管事項にも及んで参りますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/45
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046・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 ただいま御質疑の通り、関係いたしまする省、通産省あるいは農林省あるいはまた厚生省、各省の関係に及びまして建議し得るものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/46
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047・中村時雄
○中村(時)委員 委員の数と構成の範囲をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/47
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048・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 委員は十五名以内ということにいたしております。委員は学者、実務家、収用委員会の委員等、学識経験を有する者の中から、目的に照らしまして適任な方々を選定いたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/48
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049・中村時雄
○中村(時)委員 学者、実務者、収用委員並びに学識経験者の大体の割り振りをもう一回言っていただきたい。特に学者と学識経験者との相違、実務者の質的な問題。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/49
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050・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 ただいま申し上げました委員の区分の割り振りの問題につきましては、今検討いたしておりまする段階でございまして、まだ確定いたしておらない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/50
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051・中村時雄
○中村(時)委員 実務者というのはどういうものをさしていらっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/51
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052・鬼丸勝之
○鬼丸政府委員 実務者と申しますのは、実際の土地の評価、鑑定等をやっております、そういう経験を持っておる人を考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/52
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053・中村時雄
○中村(時)委員 政務次官、あなたのおっしゃったのはちょっとおかしいですね。学者、実務者、収用委員、学識経験者と、こうおっしゃっておるわけですね。そうしますと、学識経験者と学者というのはどういうことになっているのか、あるいは今言った実務者というのは経験者の中へ包括されるものか、一体どうなんですか。どうもあいまいもことして非常にたよりない御答弁をなさっていらっしゃる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/53
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054・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 私は学者、実務家、収用委員会の委員等の学識経験者、かような意味で申し上げたつもりでございますが、もし言葉が足りなければ御訂正願いたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/54
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055・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、あくまでも等の学識経験者ということになれば、学識経験者が主体になるということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/55
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056・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/56
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057・中村時雄
○中村(時)委員 そういたしますと、もしも関係各省の政府委員と学者のみでこういうふうな構成ができるということになってしまうなれば、おそらくほとんどが実務者であるところの民意が反映されないという結論が私は出ると思うのですが、そういう問題に関して政務次官はどういうお考えを持っていらっしゃるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/57
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058・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 関係各省の方面は専門委員として参画してもらう考えにいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/58
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059・中村時雄
○中村(時)委員 私の質問にお答えがピントがはずれているのですが、私の言っていることは、その各省の連中が専門委員でもけっこうであります。そうすると実際に構成される内容というものは、大半のものが今言った専門委員とそれらの委員ということになってしまうと、政府委員と学者のみが中心になってしまうのじゃないか、こういうことになってしまう。そこでそういう構成になるなれば、民意がほとんど反映されないのじゃないかという結果が生まれてくるであろう、このように考えられるのだが、そういう民意を反映さすというお考えを持っているかどうかということを聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/59
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060・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 委員は先ほど申し上げました通り学識経験者、これは民間の方でございます。専門委員は調査をしていろいろな資料を提供する、こういう関係になりますから、私どもといたしましては民間の意見は重視してそれに聞く、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/60
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061・中村時雄
○中村(時)委員 そういうことをおっしゃるならば、学識経験者の学者というのはほとんど大学の教授とかそういったものをさしておるものか。もっと具体的にいきますと、一体どういう学者をさしていらっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/61
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062・鬼丸勝之
○鬼丸政府委員 調査会の委員として考えられます学者と申しますのは、公法、私法の専門家、また経済学部門の専門家を考えておりまして、これらの学者の中から適当な方をお願いしたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/62
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063・中村時雄
○中村(時)委員 そういたしますと学者というのは、公的に地位を持っていらっしゃる人を中心に考えていらっしゃるのですか。たとえば大学の教授とか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/63
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064・鬼丸勝之
○鬼丸政府委員 必ずしも公的な大学教授の地位を持っておる者というふうにこだわる必要はないと思います。適当な方があれば、今は大学の教壇を引退しておるという人の中にもそういう方はあり得ると思います。しかし公的な大学教授の地位を持っておる人からでも選ばれるということはあり得るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/64
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065・中村時雄
○中村(時)委員 もう少し突っ込んでお尋ねしたいのですが、今現実にどういう方をあなた方の構想の中に入れていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/65
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066・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 具体的な人選については、まだ検討いたしておる段階でございまするので、人事にも関することでありますし、今申し上げることは遠慮させていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/66
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067・中村時雄
○中村(時)委員 検討されておるということは、経過といたしましては当然ある程度のところまではきておるということになる、私はこう理解したらいいのではないかと思います。そうなりますと人事のことだから云々といいましても、そのことが基本になってこの調査会の内容が出る。その人たちによって構成され、しかもその部外からは専門調査委員というものを作って、それは各官庁にわたる人たちが一つの目的を持って方向が進められていくというおそれを私は抱いておる。なぜならばほんとうに権利者である農民あるいはそれらの団体というものは、一つも入ってないというふうに今のあなたの答弁では解釈されてくるのです。もっと具体的に言いますと、そういう団体なり代表者を、あなた方はその中に入れる御意思を持っていらっしゃるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/67
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068・鬼丸勝之
○鬼丸政府委員 学者というふうに限定しますと問題が少し片寄ると思いますが、広く学識経験者の中におきましては、被補償者あるいは被収用者の立場の意見を適正に代表されるような方も、委員としてお願いしたい。また一面、起業者側の立場で意見を言われるような方もお願いしなければならぬと思っております。従いまして公平な立場で各層の方々にお願いしたい、こういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/68
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069・中村時雄
○中村(時)委員 わずか十五名でそれだけのことをお考えになっていらっしゃるということになれば、今言った農民の代表の方々を入れることに重点を置いていただきたい。このことをはっきり申しておきますが、事務当局の方々は十分うなずいていらっしゃるようですが、なお執拗な問い方になるかもしれませんが、政務次官からもお答えを願っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/69
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070・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 ただいま事務当局が考えました通りに私も考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/70
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071・中村時雄
○中村(時)委員 そうなってくると、次に比率が問題になりますけれども、その比率の点は大体どの程度に考えていらっしゃるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/71
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072・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 比率の点につきましては、まだいろいろと検討いたしておる段階でございまするので、今ここで申し上げ得るまでに至っておりませんことを御了承願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/72
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073・中村時雄
○中村(時)委員 この法案は一年間でしょう。しかも来週あたりは通そうという御意思も持っていらっしゃる。もうあとわずかの期間ですよ。にもかかわらず、その準備さえあなた方の事務当局としては考えていないということになれば、大へんな問題だと私は思うのです。大体承認するのかあるいは否認されるのか知りませんけれども、しかしそのことの追及はやめておきましょう。ただし、なおかつ私つけ加えておきますけれども、今言ったように学者、経験者と同時に、やはり数の上からいった場合の比例をとっていけは、少なくとも農民代表というものは大きなファクターにならざるを得ない。そこで農民代表というものに対して、はっきりと皆さん方が重点を置くということを御確認なさいましたので、これ以上問題の人事については申し上げませんけれども、十分その点はお心得願いたい、これを政務次官に一言御答弁願っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/73
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074・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 御趣旨に沿うように検討いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/74
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075・中村時雄
○中村(時)委員 次にこの法案の目的について、一、二お尋ねをしていきたいのでありますが、去る二月二十五日の参議院の建設委員会であったと思うのですが、村上建設大臣が調査会に土地収用法等の改正について諮問すると述べていらっしゃる、このことを政務次官は御存じでいらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/75
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076・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 調査審議事項として、ただいまお述べになりましたよりに、大臣もお答えになっておると承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/76
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077・中村時雄
○中村(時)委員 しかも常識的に早く土地の利用ができる方途を検討させると言っていらっしゃいますが、土地収用法の欠陥と、改正したいという点、それを明確にお答えを願いたい。今私の言っているのは、土地収用法等の改正について諮問するということとあわせて、常識的に早く土地の利用ができる方途を検討させるのだとおっしゃっている。そこでその二つの問題から、土地収用法の欠陥——欠陥があるからこそ、今言った二つの問題が出てくるわけなので、その土地収用法のどこに欠陥があるのか、また改正をしたいという点はどこなのか、その点を明確にお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/77
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078・鬼丸勝之
○鬼丸政府委員 明確なお答えをこの際申し上げ得ることになるかどうか危ぶむものでございますが、土地収用法の改正の問題につきましては、実はいわゆる起業者、事業を行ないます起業者側から、もう少し短期に収用の効果あるいはこの土地使用の効果を確保できるように、土地収用法を改正すべきであるという要望が、この数年来出てきております。ただ最近は現行土地収用法の適用につきましては、被収用者側もだんだん理解されまして、この適用件数も年々ふえてきておりますけれども、しかし一面収用の手続を踏みまして、実際に裁決に至るまでには相当な期間がかかっておる。また一面収用の手続をとる場合にあたって、非常に被収用者側の理解が得られないために、かえって用地の取得を困難ならしめるような傾向に陥っておる、こういうような事態にありまして、問題点として今考えられておりますことは、これはお断わりしておきますが、建設省といたしましてこういうふうに改正いたしたいということは、まだはっきり申し上げられないのでございます。ただ問題点がある、そこでこの問題点につきまして、資料なり案を立てて、審議会にお諮りして、慎重に検討したい、こういう前提のもとに、問題点を申し上げますが、まず一つは補償額を決定する前に、事業主体である起業者に土地の使用権を認めるという制度を、現在は緊急使用ということで非常に狭い範囲に限定されておりますが、これをもう少し一般化する、これは非常に大きな問題だと思うのでございます。これはいわゆる公共の利益を増進するという立場と、私有財産の保護という立場の調整点をどこに求めるかという根本の問題になるわけでございますが、起業者は土地の使用を補償額決定前にもう少し一般的に認められるような制度の改革を考えてもらいたいということを強く要望しております。第二点は、これは土地収用の法的な手続をもっと簡素化いたしまして、手続の面から迅速な土地取得ができるようにする、この点は事務的には従来も検討いたしておりまするが、ある程度こういう手続の簡素化が考えられるのではないかというふうに思うのでございます。第三点は、収用委員会の組織なり運営の問題でございますが、これを収用の裁決が迅速に、かつ公平に行なわれるように、収用委員会の組織構成なり、あるいは委員会の収用手続をもっと合理化する余地があるのではないかという点でございます。大体おもな事柄は以上の三点でございまして、私どもは事務的には今までも検討してきておりまするが、まだこうあるべしという結論にはもちろん達しておりません。その点御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/78
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079・中村時雄
○中村(時)委員 そういう考え方があるということが、私は最も重要なことだろうと思うのです。もちろんなかったら、こういうことは出てきはしないと思うのですが、そこでそういう考え方自身に対して、あなた方が自分たちの自発的な打ち出し方ができない。悪い意味から見れば、この調査会を作ってそこへ諮問をする、あるいは建議をさせるのだという建前をとりながら、事実はそういう裏面的な、今言ったような三つのいろいろな目的を持っていらっしゃるようですが、その三つの目的達成のためのクッション式に、遠回りながら何とかしょうという考え方すらも、悪く申しますれば、当然出てくるような立場になっているのではないかと思うのですが、この問題は一つ一つ明確にあなた方から御答弁を願いたいと思う。
そこでまず第一点は、今おっしゃいました補償額の決定以前に土地収用権を取得したいことが目的の一つである、この通りに言っていうっしゃるわけですが、さすれば補償額の決定以前に収用権を取得することは、現行土地収用法が——憲法の二十九条でこう書いてあります。二十九条には、「財産権は、これを侵してはならない。」、二は「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」、三は「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」、こうなっております。そこでこれを考えました場合において、一番には、財産権の不可侵のことを言っている、私はこう考えられる。また第二点としては、権利の内容は公共の福祉に適合するように法律で定める、こういうことになっている。もう一つは、私有財産は、正当な補償のもとに公共のために用いることができる。すなわちこれらの中心をなすものは、正当なる補償ということが中心になっていると、私はそう考えられるのであります。この考え方に対してあなたはどう考えていらっしゃるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/79
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080・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 先ほど官房長からお答え申しましたときにも、よくお断わり申した通り、先ほどの三点は現在問題となっている点であって、建設省がそういうことをしようということを考えているのではないということは、最初にお断わりを申し上げて、その前提のもとに御説明をいたしたつもりでおるわけであります。ただいまお述べになりました点は、全く私どもも同様に考えておる次第でございます。財産権不可侵の原則、あるいはまた公共のための使用の範囲、補償、これはもう全く同様に、私どももきわめて重大な問題といたしまして、私権の保護という——憲法に保障された私権の保護、これを尊重しなければならぬということを考えまして、それなればこそかような制度につきましては、私どもも単にこれは行政官庁としての省というような考えだけでなく、ぜひ一つ民間の、そしてまた学識経験者等関係する人の意見をよく聞きまして、それによりましてこの憲法の趣旨に忠実に、しかもまた一面におきましては改正すべき点があれば改正したい、かような考え方で進んでおるわけでありますことを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/80
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081・中村時雄
○中村(時)委員 そうすれば、当然この問題を切りかえようとするなれば、私は逆に言えば、憲法違反の姿になって現われてくるおそれすらあるのじゃないか、こう考えられる。そういうことを承知しておきながら、それだけのりっぱなお考え方を持っていらっしゃりながら、なおかつそのことがどうとかこうとかいうこと自身が非常に疑問な点が出てくる、こういうことになってくるわけなんです。そうなりますとクッション式に、先ほど言ったように調査会のあり方に私どもは大きな疑義を抱いてくるということが出てくるわけなんです。——わからなければ言ってみましょう。それだけのりっぱなお考え方を持っていらっしゃるなれば、憲法違反を行なうような、この三点をくずすようなことはいたされないというお考えかどうかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/81
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082・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 もとよりそういう考えでおります。御意見は全く同感で、私も御意見として承ったつもりでおりました次第で御答弁申し上げなかった次第でございますが、考えは全く同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/82
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083・中村時雄
○中村(時)委員 さすればこの出てきているところの、先ほどどなたですか、官房長のおっしゃった三つの点というものは、これは業者側から出ている非常に大きな問題としての取り上げ方なんです。この三点がはっきりしておれば、そういう要求なり問題というものはできないことであるということが明確になってきておる。にもかかわらず、それを問題として一応取り上げるという真意はどこにあるのかを官房長にお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/83
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084・鬼丸勝之
○鬼丸政府委員 先ほど申し上げました問題点につきまして、土地収用法の改正の上において、あるいは収用法の運用の面において、どういう措置を考えるべきかという点につきましてはもちろん憲法に違反するような、あるいは違反する疑いのあるような結論に持っていくことは、私どもは少しも考えておりません。ただいまのお話では、調査会をクッションに使って憲法違反の疑いのあるような成案をまとめるのではないかというような御疑念のように拝聴いたしましたけれども、この点は私どもも十分注意いたしまして、たとえば問題点の二番目の点等につきましては、これは被収用者側の立場に立つ考慮も十分なされるべきだろうと思いますし、それから起業者側が強く要望しておるからといって、被収用者側の財産権を不当に押えて憲法上疑念を持たれるこういうような制度の改正ということは、全然考えておりません。あくまでもこの調査会を、法律論としてもあるいは実際の運用の面においても徹底的に審議していただきたい、こういうフェアな気持で考えておりますことを御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/84
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085・中村時雄
○中村(時)委員 私はこの三点がいともはっきりしている以上は、そういうことは問題外だという考え方を持っておりますが、あなた方はあなた方の立場上非常に苦しいところがあるでしょうし、その問題をかりに法律的には憲法の違反にならないと仮定しても、今度は政治的に一つ取り上げてみたい。政治的に取り上げた場合においては、現在の日本のそういう公の権力の強さと、今度は一般にいわれる国民の、農民なら農民のその弱さからいって、手続を簡素化して公の権力を強化するねらいというものは、政策的に見ても適当ではない、私はそう思うのです。そこで政務次官は今の立案、考え方からいってどういうふうにお考えになるか、その点をお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/85
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086・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 私は公共のためにどうしても収用しなければならない範囲がもしありと仮定しますならば、できるだけ局限した範囲におきまして、土地の収用ということを公共のために最小限度でしかも最大の補償をいたしまして、そうして財産的な補償はこれはもとより憲法の規定しておりまするところに従いまして、十分しなければならぬことは、先ほどの御質問に述べられた御趣旨の通りでございますが、なおさらに進めまして冒頭にも申し上げましたように、現在の社会情勢から申しまして、ただ土地の価格の補償というだけでは十分でないと考えますので、生活再建その他のこともあわせ考えまして、どうしても公共のために収用しなければならぬものにつきましては、さような行政的な各種の制度と相待って進めなければならない。手続の迅速かつ簡素化といいましてもこれは限度のあることでございまして、基本的な私有財産権の保護、その権利、こういうものを無視して手続が簡素化されるということは、これは許されないことと考えておりますから、おのずからそこに限度がある。そういう点を十分に、学問的にも行政的にもあらゆる方面から検討して、適正な調整のための結論を出していただくことを、調査会には期待しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/86
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087・中村時雄
○中村(時)委員 私は、今言った三つの——憲法二十九条の財産権の不可侵あるいは「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」これは法律で定めるとなっておりますが、そういう点の法律の立て方、あるいは私有財産は正当な補償のもとにこれを行なうというような問題に関して、何もあなた方が今、おっしゃった事柄を肯定するのじゃないのです。私は原則としては、この三つは厳然とあるものだという仮定の上に立っておりますけれども、かりにあなた方の立場を考えて、そうして今言ったように公的な権力というものを強くしていく、その場合において非常に弱いところの農民は大きな圧力がかかりはしないかということを心配しておるのでありますから、この点政務次官もそういうことのないような、審議の過程においてもそういうことの絶対にないような一つの行為をとっていただきたい、私はこれをはっきりと言っておるわけです。政務次官もそういう趣旨に沿ってやって下さるものかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/87
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088・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 全く同感でございます。御趣旨に沿うて進めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/88
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089・中村時雄
○中村(時)委員 それでは事務当局の方に一つお尋ねしたいのですが、そういうふうにいたしますと、今の三つの問題を中心にこれからいろいろ発展をさせてみたいと思うのですが、土地収用法ができたのが昭和二十六年ですから、二十六年から、昨年のはまだ無理でしょうから、二十三年までの八年間に、土地収用法の事業設定件数は一体何件あって、裁判まで持ち込まれたものは何件ありましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/89
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090・鬼丸勝之
○鬼丸政府委員 事業認定の件数でございますが、これは戦後のトータルをまず申し上げたいと思います。ただいま御指摘のように戦後旧法時代が二十六年まで施行されておりましたが、そのうち大臣の認定をいたしましたものが四百八十五件でございます。このうち四十六件は旧法時代の二十六年まで、従いまして残余が新法の大臣認定の件数でございます。それから知事が認定いたしましたものは、これは全部新法施行後でございますが、これが百四十八件というふうになっておりまして、合わせまして戦後の事業認定の総件数は六百二十二件、次に収用の手続によりまする裁決件数を申し上げます。これは新法施行後三十三年度までの分がまとまっておりますので、これにつきまして申し上げますと、全部で百三十四件に相なっております。内訳につきましては、またお尋ねがございますれば申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/90
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091・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、ここで疑義が一つ出てくるのです。片一方で全体で六百三十三件なんですね。問題を起こしてとやかくわんわん言っておるような格好に見えておるが、実際裁判までいったものは幾らかというと、百数十件、六分の一でしょう。そうすると実際に今建設省の中で、この三つの業者側の意見は意見でありますと正直に打ち出されているこの意見に対しても、それほど重点を置いて改正をせんならぬという必要性は私はまだ十分に納得がいかないということがここではっきりと生まれてくるであろう。実に明確である、こう思うわけであります。同時にまた土地収用法が使われないというのは、土地収用法に欠陥があって使われないのではなくて、おそらくこの中の百三十四件といういろいろな問題、これも問題になったところをたずねてみれば私はたくさんあると思う。たとえば電気事業においての、これはあるところが調査をしたのでありますが、電力会社が当権利者に対して無断で工事に立ち入り、あるいは同一地区内の同一条件にあるものがまちまちの補償額を提示する等が権利者を刺激させて、そのためにこれらの農民を硬化させておるという実例はたくさんあるわけです。これはあなた方自身の方が御調査でよく御承知だろうと思う。また実際の例としても、群馬県の高崎地区のある農民に聞いた場合、こういうことを言っていらっしゃる。会社の言い分を聞かなければ土地収用法にかけるぞ、収用法で収用すればあなた方には一銭の金も出ませんよ、こういうような行き方までやっておる。こういうような事柄が事実の上に現われてくるからこそ、このようないろいろな問題が裁判となって現われておる、私はそう考えるのですが、実際の重要な点として、あなた方は今申しましたように、六百三十三件のうちで百三十四件だけしかそういう問題が起こってないにかかわらず、あくまでもこの調査会を作ってそういうような行為をとろうとなさるものかどうか。これは政治的な問題ですから、政務次官にお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/91
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092・鬼丸勝之
○鬼丸政府委員 先ほど私がお答え申し上げましたことにつきまして、さらに補足的に申し上げますと、六百二十三件は戦後のトータルでございますから、この総計のうちから四十六件を引きますと五百八十七件になります。これに対しまして、先ほど申し上げましたように、百二十四件の収用の裁決件数を見ておる、こう申し上げたのでございますが、実は裁決に至らないで協議によって話し合いがついているという件数がそのほか大部分でございまして、この五百八十七から百三十四を引いた残りの件数は大部分そういうことですでに処理されておる。ただ、ただいまもちょっと御指摘がありましたように、若干は起業者の運用の手違い、あるいは扱い方等で紛争を生じたりして、まだ未処理のものもございますけれども、大部分はこれが処理されておりますから、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/92
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093・中村時雄
○中村(時)委員 そのことがはっきりしておればなおさらでしょう。これは協議事項として、内容は申しません。協議事項として処理をされておるならば、その協議をさしていくような方向にすべてのものが努力をしていくということが重点であって、今言ったように、一つの強権をもってかよわい者を取り締まって、それを専決するというような考え方は、この際捨ててしまった方が私は政治的にもいいのじゃないかという考え方が出てくるのだろうと思う。その点政務次官にお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/93
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094・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 その点につきましては、私ども見方が若干違うのでございます。この裁決の件数が少ないということは、決してそれがスムーズに行って裁決が少ないということでなくて、これは起業者としての建設省の立場から申しましても、実はもう何年も仕事ができない、さればといって、できるだけ土地収用法の裁決によって収用するというような強権は発動したくないということで繰り延べして、延ばし延ばししておるのが実際は非常に多いわけでございまして、単に裁決の数が少ないからそれがスムーズに行っておる、公共事業の建設がスムーズにいっておるということにはなっていないというのが、実際の事業から見た実態でございます。確かにただいま先生のおっしゃいますようなこともその裁決数から見ればありますが、しかしさらに一歩内容に入ってみますと、話し合いと申しましても、それに至りますまでに必ずしもそれが適正に進められておるかどうかということにつきましては、やはり検討すべき問題を多く含んでおる、私はかように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/94
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095・中村時雄
○中村(時)委員 あなたのおっしゃるようにそれがスムーズに行けばけっこうであります。ところがスムーズに行かない例はたくさんあります。それは行かないのが普通です。そんなあなたが言うようなわけにはいかない。片方は農地を出してしまうのです。たとえば一反歩十五万円なら十五万円で出して、三反歩あれば四十五万円です。そうすれば三反歩全部農民は取り上げられてしまって、しかも四十五万円なんか一年で全部使ってしまいます。今のところは将来の保障なんかありません。ほとんどない。そうすれば少しでも高くしていきたいということは当然なわけです。だから、一方的にこうだああだと言ってみたところで、自分の生活権の問題が出てくるから、そんなにスムーズに、こうやったらこうくるということで、十五万円で売りましょうというわけにはいきません。そうでしょう。かりにあなたが農民の立場になって考えてごらんなさい。土地収用法を適用して、今一反歩十五万円でよこせ、十五万円やろうというように、起業者の方としては安くしていきたいでしょう。ところが実際農民の方としては高く売りたい。しかも片方は法律を根拠にしてこうだと押えられておる。そこで仕方がない、十五万円で売りましょう。私は現在の反当たりが大体平均して十五万円しているからそう言っておるわけですが、そうすると三反歩で四十五万円です。四十五万円なんか一年の生活費に飛んでしまいます。だからあなたが考えているように、百数十件がスムーズに行っていなかったのだからといっていばれる問題ではなくて、これは当然の姿だと思う。あなたはどういう御理解でそういうことをおっしゃるのか、もっと真意をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/95
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096・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 土地収用法の実際のやり方の問題でありますが、今お話のように、収用法にかければ幾らだということはあらかじめわからないから、収用法にかければ幾らだからこれを出さなければ云々というようなことはできないはずでございます。収用委員会側におきまして適正な評価が行なわれまして、それによって最後に値段がきまってくるわけでありまして、これは賢明な先生のよく御承知の通りでございます。私どもはむしろ収用委員会の公正なメンバーでいろいろな現在の経済情勢、あるいは生活環境というようなものを含めました適正な値段が収用委員会できめられる、願わくはそういうことになりました方が公明な解決であろう。話し合いの解決も決していなむものではありませんが、収用法の手続がめんどうであるために、何とか無理をして話し合いで解決だけはしていこうというところにいろいろな問題が起こって、実際は非常に長引いて、そのために、建設省の起業者としての立場から申しますれば、多額の国費が使用されないで、公共のためにどうしても必要な仕事でありながらそれがおくれる、そういうことからやはり国家国民の経済の発展のためにならない、こういう面も出て参りますので、いかにして起業者の立場、国も地方団体も大きな起業者でございますが、その立場と、私有財産の保護、これをどうして調整したらいいか。この点については、あらかじめこうするのだというような結論は、先ほど来申している通り持っておらぬのでございます。ただ問題点はこういうことがあるということを、最初から申し上げておるのでございますが、そういう点を十分に検討してもらいまして、手続もできるだけ迅速にしていく。しかし迅速のために私権の保護ということを犠牲にすることは許されませんが、私権の保護に欠けるところのない限り、迅速にしたい。そういう観点から、改正の点があればそれを検討していただきたい、こういうふうな立場でものを考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/96
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097・中村時雄
○中村(時)委員 あなた方の考えを私も善意に解釈して、わからぬことはないのです。善意に解釈しているから、こういう質問をしているのです。悪意に解釈するのだったら、徹底的にいきます。善意に解釈しているということは、先ほど官房長が、三つの目的に対して私たち自身はこうだという結論は持っておりませんと言った。持っていないからこそ、それではそういう問題に対してはこういう考え方もあるし、こういう状態にもなるでないかということの質疑を私たちはしているわけなんでしょう。もしもあなた方が持っていらっしゃるのだったら、もっとはっきり対決するはずなんです。持っていないからこそ、あいまいもことしているからこそ、この点をはっきりさしていこうじゃないか、こういうふうに善意に立って私たちも考えておるのですから、その点は誤解のないようにしていただきたい。今の問題の保障に関しましては、非常に重要な問題ですからあとで十分討議をやっていきたい、このように思っております。いずれ保障の問題にも入りますけれども、その前にもう一つ、今度の事業の主体的な問題に対して一、二お尋ねをしておきたい。それは調査会で審議する事業の対象は現行収用法の三条、これは一々読み上げましたら、非常に長くなりますし、あなた方も腹も減っているだろうから、読み上げることはやめますが、三条は御存じの通りと思います。そこで三条で厳格に規制されておりますが、この範囲内でやろうとするのか、またはこれより以上広げようという考え方を持っていらっしゃるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/97
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098・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 ただいまの御質問の趣旨にございました通り、この三条は厳格にこの事業の範囲を限定したものでございますが、私どももこれをなお広げようというようなことは考えておらない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/98
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099・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると次に、それでは範囲を広げないかわりに、範囲内のものは全部の事業に、現行法よりももっと簡易な手続で当てはめて収用されようとするお考えなのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/99
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100・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 それらがこの調査会を設けまして、学識経験者の方に十分検討していただきたい点であるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/100
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101・中村時雄
○中村(時)委員 もう一点お聞きしておきたいのは、もっと具体的に、たとえば軍事基地として土地を収用せんとする場合には、一体何の法律によって行なわれるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/101
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102・大沢雄一
○大沢(雄)政府委員 私どもこの問題を考える場合に、軍事基地としての収用の問題は一つも考えておりませんが、どういうことになりますか、事務的なことでありますから官房長にお答えさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/102
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103・鬼丸勝之
○鬼丸政府委員 駐留軍につきましては、先生も御承知の通り、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用に関する特別措置法というのがございまして、この法律で行なわれているわけであります。私どもといたしましては、今回の調査会のねらいといたしておりますところは、駐留軍やあるいは自衛隊の基地造成を容易ならしめるという目的を持ったものとは考えておりませんので、現行の土地収用法の第三条の事業に限定して、先ほど政務次官から申し上げましたような範囲で考えております。ということは、結局公共事業あるいは公益事業、要するに端的に申しますと、産業基盤の育成なり国土保全の事業の用地の取得の問題を考えていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/103
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104・中村時雄
○中村(時)委員 それは今言った土地収用法の中からは一切考えない、こういう結論なんですね。そう了解してよろしいのですね。
次に公益局長、来ていらっしゃいますか。——委員長にお願いしたい。これはあなたの所管ではないですが、われわれ行政府ではなくて立法府なので、先ほど今の局長に通知いたしましたところが、局長が行方不明だというのです。これは政務次官、よく閣内において御統制を願いたい。ときどきこういうことがあるのです。各官庁において、各局長がどこへ行ったか省内でわからない。しかも昼間ですよ。そういう事務的な長になる人間が、自分の出所進退をはっきりしていないようなことでどうなりますか。これはあなたに言ったってしょうがないのですが、よくあることですから、委員長からも局長が出席の場合は厳に警告していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/104
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105・福田一
○福田委員長 承知しました。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/105
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106・福田一
○福田委員長 速記を始めて。
次会は来たる二十九日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後一時八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X02019600325/106
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