1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年三月一日(火曜日)
午前十一時七分開議
出席委員
委員長 吉川 久衛君
理事 秋山 利恭君 理事 田口長治郎君
理事 永田 亮一君 理事 本名 武君
理事 芳賀 貢君 理事 小平 忠君
今井 耕君 金子 岩三君
倉成 正君 笹山茂太郎君
田邉 國男君 高石幸三郎君
綱島 正興君 赤路 友藏君
茜ケ久保重光君 足鹿 覺君
石田 宥全君 中澤 茂一君
日野 吉夫君 松浦 定義君
山田 長司君 小松信太郎君
中村 時雄君
出席政府委員
防衛庁参事官
(防衛局長) 加藤 陽三君
外務事務官
(アジア局長) 伊關佑二郎君
農林政務次官 小枝 一雄君
農林政務次官 大野 市郎君
農林事務官
(畜産局長) 安田善一郎君
水産庁長官 西村健次郎君
水産庁次長 高橋 泰彦君
海上保安庁長官 林 坦君
委員外の出席者
外務事務官
(アジア局北東
アジア課長) 中川 豊吉君
海上保安官
(海上保安庁警
備救難監) 松野 清秀君
海上保安官
(海上保安庁警
備救難部長) 樋野 忠樹君
参 考 人
(永田水産所属
第五八幡丸甲板
長) 永田利一郎君
専 門 員 岩隈 博君
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二月二十七日
委員茜ケ久保重光君及び足鹿覺君辞任につき、
その補欠として木原津與志君及び永井勝次郎君
が議長の指名で委員に選任された。
同 日
委員木原津與志君及び永井勝次郎君辞任につき、
その補欠として茜ケ久保重光君及び足鹿覺君が
議長の指名で委員に選任された。
同月二十九日
委員中村時雄君辞任につき、その補欠として受
田新吉君が議長の指名で委員に選任された。
三月一日
委員受田新吉君辞任につき、その補欠として中
村時雄君が議長の指名で委員に選任された。
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二月二十四日
開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律
案(内閣提出第七三号)
本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
養鶏振興法案(内閣提出、第三十一回国会閣法
第一八五号)
漁船損害補償法の一部を改正する法律案、内閣
提出第四三号)
農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(
内閣提出第四四号)
果樹農業振興特別措置法案(内閣提出第四五
号)
漁業協同組合整備促進法案(内閣提出第六一
号)
中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案(
内閣提出第六二号)
農林水産業の振興に関する件(第五八幡丸事
件)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/0
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001・吉川久衛
○吉川委員長 これより会議を開きます。
この際、参考人出頭要求に関する件につきましてお諮りいたします。すなわち、第五・八幡丸事件について、本日当委員会に、第五・八幡丸甲板長で第五・八幡丸の船長代理をいたしております永田利一郎君を参考人として出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/1
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002・吉川久衛
○吉川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/2
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003・吉川久衛
○吉川委員長 次に、本日までに付託になりました内閣提出の漁船損害補償法の一部を改正する法律案、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案、果樹農業振興特別措置法案、漁業協同組合整備促進法案、中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案を議題とし、まず政府に提案理由の説明を求めます。大野政務次官。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/3
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004・大野市郎
○大野政府委員 ただいま議題となりました漁船損害補償法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
昭和二十七年現行の漁船損害補償法が漁船保険法にかわって制定施行を見て以来、保険加入隻数は義務付保制度が漁業経営の安定をはかる上に果たす役割はますます重要性を加えて参っておるのであります。しかしながら、翻って制度運営の現状をしさいに検討いたしますと、なお小型船の加入率が低いため、沿岸漁業者の経営の安定が十分には実現されていないほか、小型船関係と大型船関係との間に保険料率が不均等を示している等、漁船保険事業の健全な発展を阻害している点が見受けられるのであります。従いまして、政府は昨年五月、農林省に臨時に漁船損害補償制度調査会を設け、制度の改善策を諮問いたしましたところ、その調査審議の結果、九月に至り、同調査会から制度の改善に関する答申が提出されたのであります。政府におきましては、この答申を基本として、この法律案を立案し、今回提出した次第であります。次にこの法律案の内容について概略御説明申し上げます。
第一点は、料率体系の合理化をはかるため、普通損害保険及び満期保険の普通損害保険について保険料率及び再保険料率の算定基準を法定したことであります。現行の元受純保険料率によれば、保険収支は、大型船関係では黒字、小型船関係では赤字となっておりますため、小型船の引き受け意欲が低調であり、また、小型船を主体とする保険組合においては、経営の困難、執行体制の脆弱化等の事態を招いている状況であります。従いまして、純保険料率は危険率を基礎とし、保険収支の長期均衡を目的として定めるべき旨の規定を設け、この点の更生をはかり、小型船の積極的引き受けに対する保険組合の体制の整備を期することとした次第であります。また、現行制度におきましては、再保険料率は純保険料率と同率とすると規定しているのでありますが、本来、再保険と元受保険とは危険分散の範囲を異にしている点にかんがみ、両者を切り離して定めることとし、再保険料率の算定基準を純保険料率とは別個に法定することにいたしました。すなわち、再保険料率は、台風その他の異常な天然現象にかかる危険率を基礎として各保険組合ごとに算定される以上危険部分の率と、再保険本来の全国分散の建前にに立って全国平均の通常の危険率を基準として算定される通常危険部分の率とを合計した率といたしたのであります。
第二点は保険料の国庫負担の方式を改善したことであります。現行制度においては、義務によって保険に付された漁船等について、そのトン数の大小を問わず一律に一定の保険金額に見合う純保険料の二分の一を国庫が負担することとしているのでありますが、経営規模による負担能力の較差を考慮すれば、このことは必ずしも合理的ではないと存ずるのであります。従いまして、今回漁業経営の規模に応じて国庫負担の階層差を設けることといたしたのであります。すなわち、異常な台風その他の天然現象による危険率は負担能力の劣弱な小型船階層に特に高く、また、それが不可効力的な危険であることを考慮して、当核異常危険率に対応する部分の純保険料は全額国庫が負担することとするとともに、通常危険率に対応する部分の純保険料については一定の保険金額に見合う部分に対し漁船の規模の大小に応じ最高百分の六十から最低百分の四十までの割合を乗じた額を国庫が負担することとし、この部面においても小型船階層に対する国庫負担を増額する措置を講じたのであります。この点の改善によりまして、義務付保等の場合について右の料率体系の合理化に伴う小型船階層の保険加入の促進に資することとした次第であります。
なお、以上のほか、義務付保が成立しがたい場合において純保険料率の引き上げにより小型船階層の任意加入が阻害されることとなることを防止するため、義務付保以外の場合について一定数の小型船の加入が実現した場合には、これに対し義務付保の場合の二分の一に相当する国庫負担を行う措置を新たに講ずることとし、小型船の保険加入の促進について万全を期することといたしております。
第三点は、義務付保の単位となる地区の範囲の明確化及び合理化をはかったことであります。現行法におきましては、義務付保の対象となる地区を漁業協同組合の地区の変更當により対象地区の範囲が不確定となるほか、漁業協同組合の地区が重複し、または広域である等のため、付保義務の発生が不円滑となる場合もなしとしないのであります。従いまして、義務付保の単位となる地区は、都道府県知事が原則として漁業協同組合の地区と一致するように指定するものとして、対象地区の範囲の決定をはかるとともに、漁業協同組合の地区が重複し、または広域である等の場合には、都道府県知事は漁業協同組合の地区の一部を対象地区として指定することができることとし、付保義務の発生に円滑に行われるよう配慮した次第であります。
なお以上の三点のほか、保険組合の役員に関する規定、保険関係の承継に関する規定等についても、あわせて所要の改正を加えることといたしております。
以上がこの法律案の提案の理由及びその内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
次に、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 農林漁業金融公庫は、その設立以来七年、その前身である農林漁業資金融通特別会計時代をも通算いたしますとすでに九年間にわたり、農林漁業の生産力を維持増進するために必要な長期かつ低利の資金を融通して参りましたことは、各位のよく御承知のところであります。この間公庫の貸し付けて参りました資金の総額は昭和三十四年度末において約二千七百億円、その融資残高は約千八百億円に達する見込みでありますが、昭和三十五年度におきましては、前年度に引き続き重要農林漁業施策に即応して農林漁業の生産基盤の強化と経営の安定のに必要な資金の融通を行うこととし、資本金の増額、業務運営の円滑化、融資条件の変更等の措置を講ずるため、本法律案を提案した次第であります。
以下農林漁業金融公庫法の改正の内容について御説明申し上げます。
第一点は資本金の増額であります。昭和三十五年度における公庫の貸付予定計画額は五百十七億円でありまして前年度に比較して八十五億円の貸付を行うための原資は、年度内の資金交付所要額等を勘案いたしまして、一般会計からの出資金七億円、産業投資特別会計からの出資金七十億円、借入金といたしまして資金運用部から百二十八億円と簡易生命保険及び郵便年金特別会計から百三十億円、合計四百八十九億円となっております。以上の通り、政府が一般会計及び産業投資特別会計から七十七億円を出資することとなっておりますので、現行の資本金に関する規定を改正することといたしたのであります。
第二点は貸付金の回収業務の円滑な運営をはかりますため、公庫が、その業務にかかる現金を郵便振替貯金とし、まてゃ農林中央金庫もしくは銀行に預け入れることができることとすることであります。公庫の業務の拡大とともに、公庫の直接貸しの事業量は年々増大してきているのでありますが、このような資金の借り入れを受けたものが返済いたします場合、現行公庫法によりますと国庫代理店である日銀またはその代理店を通じて返済するほかなく著しく不便でありますことから、借入金の返済にあたりましては、郵便振替貯金による送金の道を開くとともに、同様の趣旨から農林中央金庫または銀行に預金できることとし、これにより公庫の貸付金回収事務の簡素化をはかることとし、現行第二十六条の規定を改正することといたしたのであります。
第三点は、土地改良に必要な資金の貸付にかかる貸付条件の変更であります。御承知の通り、土地改良に必要な資金の据置期間は、現行公庫法上最長五年と定められておりますが、都道府県営野土地改良事業に対し貸し付けられる資金につきましては、据置期間は現行の五年ではなお短期に過ぎることから、この期間を七年に延長し、もってこれら土地改良事業の一そうの円滑化を期することとし、土地改良に必要な資金の貸付条件中据置期間に関する規定を改めるものであります。
以上がこの法律案を提案いたす理由であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
次に果樹農林振興特別措置法案の提案の理由を御説明申し上げます。
今後の日本農業の発展に大きな役割を果たすことが期待される部門の一つとして果樹農業があげられていることは御承知の通りでありますが、最近における果樹農業の急速な成長は、この期待を十分に裏づけているものと思われるのであります。
今その成長率について見ますと、昭和二十五年度を一〇〇とした場合、昭和三十三年度には二四八・四とおよそ二倍半の伸びを示しており、またその粗生産額は昭和三十三年度において六七九億円に達し、その農業総生産額中に占める割合を見ますと四上二%という大きな比重を持っているのであります。
しかしながら、今後の国民経済の発展と食糧消費構造の高度化に即応した農業構造の確立と農業経営の近代化に資するためには、このような趨勢にある果樹農業をさらに安定した発展の軌道に乗せることが必要であり、このため国及び都道府県による積極的かつ総合的な対策を講じなければならないと考えるのであります。従いまして、政府といたしましては、別途農林省設置法等関係法令の一部を改正いたし、果樹に関する行政を総合的に振興局の所掌とするとともに、振興局内に新たに園芸課を設置することにより、果樹行政の強化拡充をはかるほか、生産、流通、消費及び輸出の各分野にわたり一段と総合的な施策を推し進めて参りたい所存であります。特に、将来の果樹農業の振興をはかるためには、流通、消費の改善と並んで、果実の長期的な需給の動向に即応しつつ果樹の適地において合理的な経営の確立をはかることが必要と考えられるのでありますが、今後の果樹園経営合理化の基本的方向は、適正な経営規模を維持しつつ生産から販売に至るまでの諸過程においてできるだけ共同化を促進することにあることにかんがみ、その基礎条件である樹園地の集団化と効率的な機械及び共同施設の導入を計画的かつ積極的に推進することが緊要と考えられるのであります。
この法律案は、右に申し述べました樹園地の集団化及び農作業等の共同化を推進することを目標として、果樹の計画的かつ集団的な栽培を促進するための資金融通の措置、その他果樹園経営の基盤の確立をはかるための措置を法律制度として確立し、果樹農業の健全な発展に資そうとするものであります。
以上がこの法律案を提出する趣旨の大要でありますが、次にその主要な内容を御説明申し上げます。
まず第一に、果樹の計画的かつ集団的な栽培を行なうことによって合理的な果樹園経営の確立をはかろうとする農業者の集団またはその組織する法人であって、その樹立にかかる果樹園経営計画につき都道府県知事の認定を受けたものに対して果樹の植栽その他に要する資金を農林漁業金融公庫から長期かつ低利の条件で融通することとするとともに、その場合の貸付条件等を規定しております。
第二に、資金の貸付を受けようとする者は、果樹園経営計画を作成して都道府県知事の認定を受けることとし、その経営計画の内容及び都道府県知事の認定基準並びに認定申請の期間を規定しております。
第三に、国及び都道府県による果樹園経営計画の作成またはその達成のために必要な助言及び指導その他果樹農業の振興のために必要な援助についての規定を設けております。
第四に、農林省に果樹農業振興審議会を設置して、果樹農業の振興に関する重要事項について調査審議させることといたしております。
第五に、以上と関連して、附則で農林省設置法および農林漁業金融公庫法に所要の改正を施しております。
以上がこの法律案のおもな内容でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さいますようお願いする次第であります。
次に、漁業協同組合整備促進法案の提案理由を御説明申し上げます。
昭和二十四年二月現行の水産業協同組合法が施行されまして以来、漁業協同組合の組織化は着実に進み、沿海の地区出資組合の数は三千百余組合に達しており、これらの組合が沿岸漁民の唯一の協同組織としてその経済的・社会的地位の向上と生産力の発展をはかる上に果たしている役割は、ますます重要性を加えて参っておるのであります。
しかしながら、これらの漁業協同組合の中にはなお多くの経営の不振な組合が存在しているのでありまして、これら不振組合の整備を早急にはかり、もって漁業協同組合の本来の使命の遂行に遺憾なからしむる必要があるのであります。このことにつきましては、第二十四国会における衆参両院の農林水産委員会及び第三十一国会における衆議院農林水産委員会におきまして、漁業協同組合の整備を促進するようにとの御決議があり、また、昨年十月の漁業制度調査会の農林大臣に対する中間報告におきましても、沿岸漁業振興のにない手としての漁業協同組合の整備強化をはかる必要性が強調されておりまして、政府といたしましても、これらの御決議等の趣旨を体しまして、鋭意その対策を検討いたした結果、今般この法律案を立案し、提出いたしました次第であります。
次にこの法律案の内容について概略御説明申し上げます。
まず、第一点といたしましては、事業の継続に著しい支障を来たすことなしにはその債務を弁済することができないいわゆる赤字不振組合についての整備の目標、その手続、都道府県知事の援助及び弱小組合の合併についての勧告等につき法定したことであります。すなわち、これらの組合がこの法律案の規定によって整備を行なおうとする場合には、都道府県知事が指定する日現在により組合の資産の適正な評価を行なって貸借対照表を作成し、これに基づいて整備計画を立て、これにつき、都道府県知事の認定を受けなければならないこと、整備計画の内容には、組合員及び関係連合会との利用及び協力を強化するための措置、執行体制の改善、増資等、組合の整備を進めるために必要な事項を定めねばならないこと、整備の目標としては、五年間に固定化債務の整理と欠損金の補てんを行なうべきこと等につき法定いたしまして、組合整備の実効を期することとした次第であります。また、これらの組合がその整備を進めますにあたりまして、都道府県知事が必要な助言またはあっせんができることとし、さらに、組合が有する過去の欠損金の補てんを容易にするため法人税法上の特例を設けることといたしております。さらに、漁業協同組合の整備の一環といたしまして、いわゆる弱小組合の合併につき都道府県知事が勧告をすることができるようにするとともに、合併を内部的に促進するため、漁業協同組合の漁業権行使に関する定款の設定及び変更についての特例を設ける等の措置を講ずることにいたしました。なお、信用事業を営む漁業協同組合連合会が整備を行なう組合の組合員に対して直接貸しを行ない得ることととし、組合の整備を側面から援助するための規定も設けることといたしております。
次に、第二点といたしましては、漁業協同組合の整備を助成するための組織として漁業協同組合整備基金につき定めたことであります。
組合の整備を促進するためには、前述の諸措置のほか、信用漁業協同組合連合会及び農林中央金庫がこれらの組合に対して有する債権の利息の減免を行ない得るようにすることが必要であるわけであります。従いまして、漁業協同組合の整備につき密接な関係を有しております漁業協同組合連合会、漁業信用基金協会及び農林中央金庫をもって組織する漁業協同組合整備基金という団体を設け、整備基金は、これらの者が出資する出資金及び国から無利息で貸し付けられる資金の運用益をもって、整備を行なう組合に対し利息の減免をした信用漁業協同組合連合会または農林中央金庫に対しまして、その減免利息の一部を助成する業務を行なうこととし、もって、これら金融機関の整備組合の整備に対する協力体制を強化しようとするものであります。また、整備基金は、この利子補給の業務のほか、合併奨励金の交付及び漁業協同組合の整備に関する指導業務も行ない得ることとなっております。
次に、整備基金の内容についてでありますが、前述のように、整備基金に出資し得る者は漁業協同組合連合会、漁業信用基金協会及び農林中央金庫でありまして、これらの出資者は、出資者総会において役員の選任及び定款の変更、業務方法書の設定、変更等についての議決をすることができることとなっております。また、国は、整備基金に対して、その業務の運営に必要な経費の財源の一部をその運用によって得るための資金を無利息で貸し付ける旨を定め、整備基金の業務の財政的基礎を強固にするための措置を行なうことにいたしております。その他、整備基金の財務に関しまして出資者配当の禁止等の規定を設けましたほか、所要の監督及び罰則規定を設けまして、整備基金の運営が健全かつ円滑に行ない得るよう配慮いたしました次第であります。
以上がこの法律案の提案の理由及びその内容の概略であります。何とぞ、慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
次に、中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
昭和二十七年十二月中小漁業融資保証法が公布施行されて以来、現在三十九の漁業信用基金協会が設立されて、中小漁業者のためにその債務の保証事業を行なっており、その保証累計額は昭和三十四年十二月末現在で三百六十億円を上回り、漁業金融の円滑化のために大きな役割を果たしております。しかしながら、ひるがえって、本制度の運営の現状をしさいに検討いたしますと、債務の保証額が増加するにつれて債務者に対する求償権も次第に累増するに至り、これが回収の円滑化をはかることは中小漁業融資保証事業の健全な発展のためにきわめて必要なことになっているのであります。ここにおきまして、政府といたしまして、この法律案を立案し、提出した次第であります。
次にこの法律案について概略御説明申し上げます。
現行制度によりますと、政府は、漁業信用基金協会とその保証につき保険する契約を締結し、この契約に基づき保険金を支払った場合には、協会が有する被保証人に対する求償権について、支払った保険金の限度で協会に代位して求償権の一部を取得し、さらにこの権利の管理及び行使を協会に委託することにいたしております。今回は、これを改めまして、政府が保険金を支払った場合においても、協会の被保証人に対する求償権に代位しないこととし、協会は、求償権の管理及びその行使にあたり、これにより回収した金額があるときは、その金額のうち支払いを受けた保険金とそれに対する利息との合計額に相当する金額を政府に納付しなければならないものとしたことが第一点であります。
第二点は、漁業信用基金協会は、保証債務を被保証人にかわって弁済をした後、三月を経過しなければ、政府に対して保険金の支払の請求ができないのが現行制度でありますが、これを一月に短縮した点であります。
第三点は、さきに申し上げました第一点の改正に伴う経過的措置であります。すなわち、政府は現在すでに代位により取得した約四億円の求償権を所有しておりますが、この権利は、その管理及び行使を協会に委託しております結果、改正後生ずる求償権と異なった取り扱いを受けることになりますので、これを避けるため、政府の所有している求償権を協会に譲り渡しまして、求償権の管理及びその行使の一元化をはかることにしたのであります。
なお、以上の三点のほか、第一点及び第三点の改正に伴い中小漁業融資保証保険特別会計法に所要の改正を加えることといたしております。
以上がこの法律案の提案の理由及びその内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことを御願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/4
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005・吉川久衛
○吉川委員長 ただいま提案理由の説明を聴取いたしました五法案についての質疑は後日に譲ります。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/5
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006・吉川久衛
○吉川委員長 第三十一国会内閣提出、養鶏振興法案を議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/6
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007・吉川久衛
○吉川委員長 本案についての提案理由の説明聴取は、継続審査でもあり、すでに聴取いたしておりますので、これは省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/7
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008・吉川久衛
○吉川委員長 御異議もないようでありますので、さように決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/8
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009・吉川久衛
○吉川委員長 次に本案についての質疑に入るのでありますが、別に質疑の通告もありませんので、質疑はこれにて終局をいたすることとするに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/9
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010・吉川久衛
○吉川委員長 御異議ないようでありますので、そように決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/10
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011・吉川久衛
○吉川委員長 この際本案に対し事由民主党、日本社会党及び民主社会党共同提案による修正案が提出されております。修正案はお手元に配布いたしてある通りであります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/11
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012・吉川久衛
○吉川委員長 修正案の趣旨について提出者の説明を求めます。石田宥全君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/12
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013・石田宥全
○石田(宥)委員 私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して修正案を提出いたしたいと存じます。
修正案は、お手元に配付いたさせております通り、三十三国会同様の趣旨でありますので、その詳細の説明は省略させていただきます。
何とぞ前国会同様に御賛成を賜わらんことをお願いする次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/13
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014・吉川久衛
○吉川委員長 以上をもちまして修正案の趣旨説明は終わりました。
本修正案につきまして国会法第五十七条の三により内閣に対し意見を述べる機会を与えます。大野農林政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/14
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015・大野市郎
○大野政府委員 本案につきましては、慎重検討をいたしたい点もあるやにも思われますが、養鶏振興法そのものには異存はありませんので、本修正案が国会通過の暁は、これに規定する個々の事項については適切に運営をいたしたいと存ずる次第であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/15
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016・吉川久衛
○吉川委員長 これより修正案の質疑に入るのでありますが、別に質疑の通告がないようでありますから、原案及び修正案を一括して討論に入ります。
討論の通告がありませんので、直ちに採決に入ります。
まず、修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/16
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017・吉川久衛
○吉川委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。
次に、修正部分を除く原案について採決いたします。修正部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/17
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018・吉川久衛
○吉川委員長 起立総員。よって、本案は石田宥全君外三十九名提出の自民、社会及び民社共同提案による修正案の通り修正議決いたしました。
次に、お諮りいたします。ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/18
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019・吉川久衛
○吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。
午前十一時四十分休憩
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午後一時四十一分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/19
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020・吉川久衛
○吉川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
第五・八幡丸事件について永田参考人に御出席をいただいておりますので、この際参考人に一言ごあいさつ申し上げます。
本日は御多用中のところ本委員会の調査のため遠路わざわざ御出席をいただきまして、まことにありがとう存じました。厚く御礼を申し上げる次第であります。第五・八幡丸事件に関しましては、本委員会といたしまして、わが国漁業の将来、また人道上の問題等より考えまして、きわめて深い関心を持っておる次第であります。従いまして、参考人の方には十分この点をお含みの上、あなたのお立場から忌憚のない御意見を承り、もって本委員会の調査に資したい所存であります。何とぞよろしくお願いいたします。
なお、参考人の御意見は初め十五分程度お述べいただき、あとは質疑によりお答えをお願いいたします。それでは、第五・八幡丸事件について、まず海上保安庁より本件の経緯等に関し説明を求めます。林海上保安庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/20
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021・林坦
○林(坦)政府委員 第五・八幡丸拿捕事件の経過につきまして御説明申し上げます。
海上保安庁第七管区本部からの報告によりますと、長崎県五島の永田水産所属の第五・八幡丸、これは五七・九一六トン、乗組員は十三名でございますが、第五・八幡丸は僚船第六・八幡丸とともに、二月十日の午前一時、五島の奈摩港を出港いたしました。十二日の朝四時ころ、農林二四五区の一——といいますと、二四五区の北東の部分でありますが、その付近で韓国警備艇八六七号艇——これは後にわかったのでありますが、韓国警備艇の追跡を受けまして、救助を頼む旨の通信を五島の奈良尾漁業無線局あてに連絡しつつ退避を開始したのであります。同時に、第六・八幡丸の方は別に逃走退避に成功したのでありますが、四時五十七分、韓国の警備艇に強行接舷されまして、警備兵一名が移乗して参りまして機関停止を命ぜられたのでありますが、これを押えましてなおも逃走を続けておりましたところ、五時三十八分、農林第二四五区の一で機関停止、ついに拿捕されるに至った。その後韓国の警備艇はこの船を連行いたしまして、済州島方面に向かう途中、八時十三分、第五・八幡丸は船体が傾斜いたしまして水船となり沈没に瀕しましたので、乗組員を韓国警備艇に強制移乗をさせられたというのであります。同船は、八時二十七分、ついに農林二四四区の九——北緯三三度七分、東経一二七度三四・三分の場所で完全に沈没した。韓国警備艇はその後第五・八幡丸の乗組員全員を収容したまま済州島向けに連行を続けた。というのがその概要であります。
海上保安庁といたしましては、当時、李ラインの特別の哨戒のために巡視船を六隻派遣いたしておりまして、警戒中でございました。事件発生の水域につきましては、二月十一日の午後五時三十分から警報を発令いたしております。なお、十二日の午前一時三十分、重ねて警報を発令いたしておりますが、朝の四時十四分から四時二十分にかけまして、そのうちの一隻——巡視船の「やはぎ」から、「あまくさ」という巡視船、これはその日の指揮船でありますが、「あまくさ」あてに、長崎県五島の永田水産の第五・八幡丸が韓国警備艇に追跡されている旨奈良尾の漁業無線局あて連絡しているという通報が入ったのであります。四時二十五分、「あまくさ」は巡視船の「つがる」、「あわじ」というのに対しまして、現場向けの方向を急行するように指示いたしますとともに、みずからも現場に急行したのであります。
その後第五・八幡丸は午前の四時五十八分から五時三十八分までの間に機関停止いたしまして拿捕されたのでありますが、拿捕されるまでその模様を通報して参っておりましたが、五時三十八分以後通信は途絶いたしまして、五時四十五分、「あまくさ」が第五・八幡丸を喚呼したのでありますが、応答がなかったので、拿捕されたものと判断いたしまして、さらに現場への急行を続けたのであります。
それから約一時間ほどたちまして午前六時四十五分、「あまくさ」は農林第二四五区の七という付近で、付近を済州島向けに第五・八幡丸を連行している警備艇を発見いたしましたので、これに接近しまして釈放方の交渉に当たらんとしたのであります。七時二十分、第五・八幡丸を先行させてそのあとを航行しておりました韓国警備艇の右横約三十メートルを「あまくさ」が追尾航行しておるのであります。七時二十五分、「あまくさ」が第五・八幡丸の至近距離に近づきましたところ、この警備艇は、本船の進路を妨害するなという信号を掲げまして、機銃のカバーをはずしまして巡視船に向けこれを擬した、こういう状況に立ち至ったのであります。「あまくさ」はその際一応距離を約五百メートルほどに離脱いたしまして、機を見て警備艇の右舷後方または真横の五十メートルから百メートルというところに接近しまして、釈放交渉に当たったのでありますが、相手は応答しない、こういう状況であります。この際視認いたしましたところでは、第五・八幡丸のブリッジに二、五名、後部に二名韓国側の警備員を認めましたが、第五・八幡丸の乗組員はその際認められなかったというのであります。八時十分に第五・八幡丸の船体が傾きました。八時十二分にはほとんど横倒しとなってしまったのであります。乗組員が上甲板に出ているのを見かけましたが、八時十三分、第五・八幡丸は沈没しかかりましたので、「あまくさ」はこの船に接舷を試みまして、乗組員の救助に当たるべく、第五・八幡丸の左舷一メートルのところまで接近し、あわや、これと接舷せんとしましたときに、一瞬警備艇の方がその向こう側で乗組員及び韓国警備員を強制収容いたしまして、「あまくさ」の釈放要求に応じなかった、こういう状況であったのであります。
八時二十七分から八時三十四分の間、第五・八幡丸は完全に沈没いたしました。付近海面には重油が一面に流れ、トロ箱その他が散乱しておったのであります。その沈みました場所は、北緯三十三度七分、東経百二十七度三十四分でございます。「あまくさ」は、沈没を確認いたしました後、韓国警備艇をさらに追尾をいたしまして、再三漁船の乗組員の釈放交渉に当たったのでありますが、韓国警備艇はこの要求に応じないで済州島方面に航行を続けました。
一方、八時四十五分ごろから「あまくさ」と韓国警備艇を見つけておりました巡視船の「つがる」は、九時四十分に警備艇との距離三十メートルまで接近いたしました。さらに、第五・八幡丸乗組員の釈放交渉を旗流信号によって行なったのでありますが、相手はこれに応答しない、こういう状況でございます。
その後、「あまくさ」と「つがる」は韓国警備艇の城山浦入港まで追尾を続けたのであります。午後一時に警備艇は済州島の城山浦に入港いたしまして、午後二時三十五分になりまして、再び出て参りまして、済州島の山地に向けて航行を再開した。「あまくさ」はさらにこれを追尾いたしますとともに、再度接近して連行漁夫の引き渡しを交渉したのでありますが、何ら応答なく、午後五時三十分に警備艇が山地の港口に達しましたので、やむなく交渉を断念して引き返したというのが当時の経過でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/21
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022・吉川久衛
○吉川委員長 次に、永田参考人から当時の経緯等についての参考意見を承ります。永田参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/22
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023・永田利一郎
○永田参考人 わしらは二月九日の午後二十三時四十五分に奈摩港を出港しました。それから約四・五ノットぐらいでウエス・バイ・サウスへ航走しました。西風が十メートルぐらい出ておりました。そして十日午前九時に投網しました。その日は七メートルか八メートルの風で、四回操業しました。それから二四五区の三に行きまして、方向探知機で測定したところ、いつも来ているところに来ましたので、魚群探知機の測定などを見まして操業しました。十一日の晩十時ごろに、片船の春日船長が寒冒のために第六・八幡丸船長の木戸博美さんと僕が交替しまして、僕が六号を指揮してやっていたのです。そして十二日の午前二時五十五分に韓国の警備艇を発見しました。そのときは韓国の警備艇とはわからずに、三時ごろ確認したのです。それで第六・八幡丸に五十メートルぐらいに接近しました。そのときにはもう第五・八幡丸と第六・八幡丸は三十メートルぐらいにくっついておりまして、それで、ワイヤーを渡して、すぐ僕は第五・八幡丸の船首を回って船尾の方へ回りました。そうしたら、韓国の警備艇が右舷の方に回りまして第六・八幡丸を追跡しました。追跡してから五分か十分——無灯でしたものですから時計は見られずに、多分五分ぐらいだと思いますが、追跡されましてウエスの方に逃げました。それから、わきにおった第五・八幡丸の方に警備艇が転進した。そして進路をサー・ウエスの方に向けて走ってから、また進路を変えまして、サー・イースの方向からイース・ノー・イースへ転進して福江の北に入りました。それで、三時五分か十分ごろ第五・八幡丸と別れてから、その後はわからなくなったのです七
それまでの状況を図で説明しますと、発見したのは二四五区の三です。警備艇がここに来たときは、すでにワイヤーを六号から五号に渡して、エンジンをかけて、第六・八幡丸は回って、警備艇はここに来た。警備艇が回ったから、六号は逃げ出したら、ここまでついてきた。それで、六号はウエスの方に逃げて、警備艇はこう回って五号の方に来た。ここまで来たときは五号はすでに見えなかった。
これが九時に操業を開始した位置です。それから南の方へ三時間来まして、ここで揚網しまして、それからサー・ウエスの方に回りまして、サー・ウエスの方へ行きました。ここで操業しているのです。それで、その日は第五・八幡丸の船長が寒冒のために、第六・八幡丸の木戸博美が第五・八幡丸に乗船しまして、私が第五・八幡丸から第六・八幡丸に移動して第六・八幡丸の指揮をとりました。そして、ここで操業した後、午前二時五十五分に南の方へ走って、こんな状態になってきたのです。それで、来たから、韓国警備艇を六号はウエスの方に逃げて、それからサー・ウエスに転進しまして、サー・イースで二時間ぐらい、それからイース・ノー・イースと福江へ来た。
操業位置は魚群探知機で確認したのです。それで、女島の灯台と大瀬崎の灯台から出ている電波をキャッチしながら、この辺で操業しておったわけです。(綱島委員「その地図で言えば、壱岐はどの辺になりますか」と呼ぶ)壱岐はこの辺です。(綱島委員「対馬は」と呼ぶ)対馬はこの辺です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/23
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024・吉川久衛
○吉川委員長 本件について質疑の通告があります。これを許します。中村時雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/24
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025・中村時雄
○中村(時)委員 まず第一にお尋ねしたいのは、八幡丸の方の問題なんですが、八幡丸の方の第五、第六、どちらでもけっこうなんですが、海上保安庁の巡視船から無電連絡を受けましたか受けませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/25
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026・永田利一郎
○永田参考人 無電を海上保安庁から受けたか受けないか、それはわかりません。無線上が受けて——翌十一日には奈良尾の無線局からは何か出たのですね。そういう無線士が受けたやつを船長に報告するわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/26
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027・中村時雄
○中村(時)委員 第五・八幡丸の方には無電を受ける装置があるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/27
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028・永田利一郎
○永田参考人 してあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/28
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029・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、その韓国船があなた方を発見をし、追跡する、こういうことになってきたわけですが、その場合に、たとえば海上保安庁の方から、今こういう状態にあるからというような無電やそういうものは受けていないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/29
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030・永田利一郎
○永田参考人 そういうことは私はわかりませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/30
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031・中村時雄
○中村(時)委員 海上保安庁にお尋ねしますが、その事前に無電を旧して警戒の警告をしておるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/31
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032・林坦
○林(坦)政府委員 いたしております。先ほど御説明申し上げました通り、二回にわたりまして警報を出しておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/32
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033・中村時雄
○中村(時)委員 そういたしますと、この無電を受けておるということを本船に乗っておったあなたは全然知らなかったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/33
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034・永田利一郎
○永田参考人 私は知りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/34
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035・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、海上保安庁の方はその無電を出して、その後、これはおそらく第五・八幡丸との応答連絡があったと思うのです。そうすると、第六の方は、今言った通り参考人が船長代理をしていらっしゃったが、それの御確認がないようでありますが、あなた方が打電をいたしました反応はどういうふうに現われてきましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/35
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036・林坦
○林(坦)政府委員 警報は放送によってやっておりますので、各船はそれぞれそれを聞いておる、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/36
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037・中村時雄
○中村(時)委員 そのときに、第五・八幡丸からは、それに伴っての応答は何にも連絡はなかったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/37
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038・林坦
○林(坦)政府委員 ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/38
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039・中村時雄
○中村(時)委員 受電後韓国の警備艇を発見したのは一体いつごろだったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/39
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040・林坦
○林(坦)政府委員 海上保安庁の船が第五・八幡丸を発見いたしましたのは、第五・八幡丸が韓国警備艇に連行されていく途中でございまして、朝の六時四十五分でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/40
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041・中村時雄
○中村(時)委員 第六・八幡丸の代理船長にお尋ねしたいのですが、韓国の警備艇は、先ほど地図で見ましたが、拿捕されたときの地図の中において、どういう方向から来て、こちらの船はどういう方向に逃げていくか。たとえば、この地図からいきますと、これはあとから御質問したいと思いますが、李ライン外——李ラインというものがあるなしは別として、一応仮定いたしますが、その李ラインの外から、ということは東になりますね。そして西の方に追い込まれていくような状態になったのかどうか。それを一つお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/41
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042・永田利一郎
○永田参考人 韓国の警備艇は東から来ています。それで、船をライン内に入れよう入れようとしていました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/42
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043・中村時雄
○中村(時)委員 保安庁の方でもその点は大体御確認されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/43
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044・林坦
○林(坦)政府委員 それは私どもの方では確認いたし得ません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/44
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045・中村時雄
○中村(時)委員 もう一つ、今度は、船長代理にお尋ねしたいのですが、韓国警備艇は、そのときに点灯をしておったか。点灯に気がついたのは何分くらい前ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/45
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046・永田利一郎
○永田参考人 点灯に気がついたのは五分くらい前であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/46
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047・中村時雄
○中村(時)委員 保安庁にお尋ねしたいのですが、その韓国警備艇の速力は何ノットくらいか、あるいは、トン数はどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/47
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048・林坦
○林(坦)政府委員 二百五十トンくらいで、十二ノットの速力を持っておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/48
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049・中村時雄
○中村(時)委員 点灯というものは甲種と乙種に分かれていると思うのです。警備艇の点灯しておったのは甲種の方に入っていますか乙種の方に入っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/49
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050・林坦
○林(坦)政府委員 甲でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/50
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051・中村時雄
○中村(時)委員 そういたしますと、甲種の光といったらかなり明るい光になるわけですが、大体どのくらいな距離からその灯というものが肉眼で見えるか、船長代理にお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/51
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052・永田利一郎
○永田参考人 大体甲種は二海里以上くらい見えます。乙種では一海里以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/52
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053・中村時雄
○中村(時)委員 そういたしますと、私はここで一つの疑義を持つわけだ。それはどういうことかといいますと、十一ノットとして五分間くらいなところで灯が見えた、こう言う。そうすると、肉眼で見ても大体三千六百メートルくらいなところは見えるわけだ。ところが、五分間に十一ノットで走らせてみたらどのくらいの距離になるかというと、千五百メートルくらいにしかならない。そうすると、実際は近距離に来るまでは点灯していなかったのではないかと推察されるのですが、それに対して参考人の方はどういうふうに考えていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/53
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054・永田利一郎
○永田参考人 それは、第五・八幡丸、第六・八幡丸をライン内に追い込もう追い込もうとして東から来るために点灯してきたのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/54
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055・中村時雄
○中村(時)委員 保安庁にお尋ねしたいのですが、今の速度の問題と、それから肉眼でそれを確認をしていったときの状態と、こういうことを考えまして、少なくともその以前には点灯せずして航行しておったのではないかと思いますが、これに対してどういうお考え方を持っていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/55
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056・林坦
○林(坦)政府委員 こちらはその現場におりませんので、その事情はわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/56
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057・中村時雄
○中村(時)委員 しかし、今申しますように、現場におらなかったからといって責任をのがれるのではなくて、合理的な、科学的な、そういう計算の上に立った場合には、そういう結論は当然あなた方は出すべき筋合いのものでもあるし、また、責任者としては当然その内容に立ち入るべき筋合いのものであろうと私は思う。そういうような立場から言って、あなた方はどういうふうなお考えを持っていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/57
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058・林坦
○林(坦)政府委員 警備救難監にちょっと説明をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/58
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059・松野清秀
○松野説明員 ただいまの点につきましては、おそらく漁船の力で普通の見張りをやっておれば当然見えたはずだと思います。また、当時の状況がよくわかりませんが、当時操業でもしておりますと、あるいは近寄っておるのを気がつかなかったというようなこともあり得ると思いますので、私どもとしては、ちょうど現場にいなかったので、その辺のところがはっきりはいたさたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/59
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060・中村時雄
○中村(時)委員 あなた方は、警備をするために、護衛をするために、あるいはそういうようなことをしなければならぬのに、その事件が起こった結果について私たちはそういうことを見ていなかったから知りませんと、そういうようなことで一体ほんとうの責任が果たせるのですか。こういうふうに拿捕されている、船が沈んでいる、そういうようなことの確認の上に立って調査をし、そうして資料を整え、十分な一つの方向を外交として持ち出さなければならない。その場合に、私は現場におりませんでしたから知りません、こうおっしゃる。そういうようなことであなたの責任が務まるのですか。もう少し慎重に答弁をしなければ、また、それだけの資料を十分整えなくては、一体、対外的に相手と折衝するのに、はっきりしたことができないのじゃないか。それは良識の問題ですが、あなた自身は知りませんでそのことが済むと思っていらっしゃるのかどうか、あなたの良識に訴えてお聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/60
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061・林坦
○林(坦)政府委員 お尋ねの件でございますが、現場の状況をよくわからないでお答えするわけに参りませんので、私どもの方は、今お尋ねの件については、こちらはわからないと申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/61
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062・中村時雄
○中村(時)委員 だから、そういうことは、実際にここに参考人もいらっしゃる、そうでしょう。そういうことはなぜあなた方寸身が責任を持って十分に調査をされるということをやらなかったかということを聞いておるのです。やっているはずでしょうが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/62
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063・林坦
○林(坦)政府委員 漁船の方に尋ねた調査によりますと、南の方に網を引いておるときに、千五百メートルから二千メートル付近で突然航海灯をつけ第六・八幡丸に向かってくる船影を発見したという報告がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/63
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064・中村時雄
○中村(時)委員 それがはっきりしておれば、今言ったように科学的に計算をしてごらんなさいよ。そうすると、突然という言葉を今あなたは吐かれた。突然ということは、その以前には点灯していなかったのじゃないかという推察ができると思う。どうお考えなんですか。あなたのような明敏な長官になれば当然のことですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/64
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065・林坦
○林(坦)政府委員 発見したのは突然でございますけれども、それまで消しておったのか、それまで気がつかなかったのか、そういう点につきましては、ちょっとわからないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/65
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066・中村時雄
○中村(時)委員 船長代理にお尋ねするのですが、あなた方はその付近でやっているわけなんだから、常に韓国艇というものに対して警戒もし恐怖もしているのだろうと思うのですが、ふだんはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/66
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067・永田利一郎
○永田参考人 わしらとしては安全操業区域と確認して操業をやっています。それで、警戒はしています。でも、ライン外で操業しているから絶対に安心だと思ってやっていると、突然、航海灯が見えずに、五分ぐらいになって見えたから、警備艇か何か確認——わきに来てから警備艇とわかったのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/67
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068・中村時雄
○中村(時)委員 先ほど参考人もおっしゃったように、ほんとうに突然であったと思うのです。五分くらいなところということになれば、距離にしましても半分くらいなところです。
そこで一つ保安庁にお尋ねしたいのですが、国内法で海上衝突予防法というものがありまして、点灯することに国内法ではなっておりますが、国際法の方ではどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/68
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069・林坦
○林(坦)政府委員 国際法上は航海安全に関する条約がありまして、それによって点灯するはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/69
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070・中村時雄
○中村(時)委員 どういう条約になっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/70
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071・林坦
○林(坦)政府委員 ちょっと調べさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/71
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072・中村時雄
○中村(時)委員 もう一つ、これは参考人にお尋ねをしたいのでありますが、きょうの朝日新聞を見ますと、自沈をしたようなことが書いてあるんです。その自沈をしたという意味において、あなたが推察されて、自分の立場から言って、かりに第六・八幡丸が連行されたような場合に、あなた方はその第六・八幡丸に乗っていたわけでありますが、その場合に自沈をするような理由があるかどうかということをお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/72
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073・永田利一郎
○永田参考人 僕はそういう自沈させるとかなんとかは絶対認めません。自分が乗っている船を自分で沈めるとか、そういうことはだれが考えてもできないと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/73
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074・中村時雄
○中村(時)委員 きょうの朝日新聞を見ると、キングストンバルブを開いて自沈さすというような問題もちょっと出ているわけですが、バルブというものはエンジン・ルームの下にあるはずです。それを実際に開いてやっていくというのは時間的に見て食い違っている。とてもあの状況から判断してそういうことはできない。かりに自沈すると仮定しても、私はできないと思う。かりに強制的にそう言われた場合にはそういうことが行なえるかもしれないという推察を受けるわけですが、もう一度、今の内容から言って、あるいは乗組員の平素の行動から言って、自沈するような行動は全然ない、そうあなた自身ではお考えができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/74
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075・永田利一郎
○永田参考人 それはできます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/75
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076・中村時雄
○中村(時)委員 もう一つお尋ねしたいのは、李ラインということは、私はどうも変に思っているし、日本でもそれを認めているわけではない。それはあとでお尋ねしますが、参考人にお尋ねしたいのは、あなたが的確に、一般に言われる李ラインの外において操業をしておったという確証はどこから出されるか、それを一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/76
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077・永田利一郎
○永田参考人 それは、女島の方探局と大瀬崎の方探局で電波を発してもらって、それで船の方向探知機ではかって位置を出しましてまた、船には魚群探知機がありまして、瀬をはかってます。それから漁場を南西に移して操業しております。それで確実に二四五区の三であるということは認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/77
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078・中村時雄
○中村(時)委員 海上保安庁の方でもそういう御確認があるようでありますが、保安庁の方としては確かにこれはいわゆる李ライン外において操業をしておったものと確認されておるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/78
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079・林坦
○林(坦)政府委員 位置につきまして今参考人の言ったのと違った説明を先ほどちょっといたしました。私は二四五の一付近ということを申し上げたわけであります。二四五の一も実はラインの外でございます。従って、われわれは無線で第五・八幡丸が奈良尾の無線局に打っておりましたのを傍受いたしまして、それを二四五の一付近ということでそこを捜索いたしたのであります。その船からみずからの危険を知らせる場合に、李ラインの内におるのに外におるという行動をするはずはないと思いますので、操業は李ラインの外におった、かりに多少の差異はあったにしても、さように考えております。また、現実の拿捕地点につきましては、一応「あまくさ」が韓国警備艇と第五・八幡丸を初思いたしました六時四十五分の地点、これの韓国警備艇の位置は李ライン内約一マイル半ほどの場所であります。この地点から逆算いたしますと、第五・八幡丸が五時三十八分韓国警備艇に拿捕された地点は李ラインの外であるとわれわれは認めておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/79
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080・中村時雄
○中村(時)委員 それで、参考人も保安庁も、一応拿捕された位置は李ラインの外であるということが科学的にはっきりしてきている。これは非常に重要な問題でありますので、第一点の御確認をしていただきたい。それはもうはっきりと確認をしていいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/80
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081・林坦
○林(坦)政府委員 私どもはそういうふうに推定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/81
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082・中村時雄
○中村(時)委員 それで、韓国の警備艇が接近をしてくるときに銃撃をしたかどうかということを参考人にお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/82
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083・永田利一郎
○永田参考人 接近してくるときには銃撃なんかしませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/83
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084・中村時雄
○中村(時)委員 銃撃ということは終始全然なかったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/84
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085・永田利一郎
○永田参考人 それは、一時間ぐらい逃げるときに、照明弾は打ち上げられたのです。ほかの銃弾なんかを撃ったのは聞いてないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/85
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086・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、もう一つ参考人にお尋ねしておきたいのは、沈没をした理由、この理由というものは一体どこにあるかをお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/86
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087・永田利一郎
○永田参考人 私は、警備艇が第五・八幡丸の方に接触をしてきた際に、ブルワークのサイドの下の木材に当たって裂けたのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/87
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088・中村時雄
○中村(時)委員 ということは、どういうことなのですか。その目は風速が十メートルくらいあった、波の高低もきついのだというような立場から、接舷をしていった、こういうふうに御推定なさるわけなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/88
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089・永田利一郎
○永田参考人 そう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/89
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090・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、海上保安庁の方では、どういうふうな御見解を持っていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/90
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091・林坦
○林(坦)政府委員 接舷の際に衝撃破損を与えたということは事実であると思います。これは韓国側の口上書でも認めておることであります。「あまくさ」が接近しました際、船が傾斜し、そうした状況から見まして、これは衝撃によって沈んだものではないかと推定したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/91
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092・中村時雄
○中村(時)委員 いま一つ、私、保安庁にお尋ねしたいのですが、保安庁の巡視船、現在の「あまくさ」、それが大体何トンでどのくらいな速力を持っているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/92
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093・林坦
○林(坦)政府委員 「あまくさ」は四百五十トン型の巡視船でございまして、スピードは十三ぐらい出るかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/93
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094・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、ノット数にしてみたら、韓国の警備艇よりも日本の巡視船の方が速力は早いというわけですね。
そうすると、一つお尋ねしたいのは、その巡視船の中に備えておるところのレーダーによって、いち早く、警備艇が来るということのキャッチの仕方、そういうことができなかったかどうか。そのときの状況を、あの地図を見てもっとみんなに詳しくわかりやすいように説明していただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/94
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095・松野清秀
○松野説明員 この地図に載っておりますが、午前四時当時の位置が黒いまるで示してありますが、そこに「つがる」の位置が載っておりますし、それから左の方の済州島の方にやや近い黒いまる、これが午前四時の「あまくさ」の位置であります。こういうような状況にありましたので、もし向こうの警備艇がこの中間を通って北の方から下がってきたとしますと、距離から申しまして二十海里くらい離れることになるかと思いますが、現在の巡視船が持っておりますレーダーのレンジは二十海里でございますけれども、実際はせいぜい十二、三海里という程度でございますので、そういう巡視船のレーダーのレンジの中をずっと通ってきますれば、もっと早く行動はつかめたと思いますけれども、おそらく当時はそういう巡視船のレーダーのレンジの外を通って南へ下がってきた、こういうことではないかと私どもは推察いたししております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/95
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096・中村時雄
○中村(時)委員 そこで、一つお尋ねしておきたい。今長官は、完全に李ライン外から操業しておって、それから拿捕されて李ラインの中に連れ込まれた、こういうような御見解をはっきり出していらっしゃる。おそらく巡視船に乗っていらっしゃる方々もそれは同様なことをそのときは考えておったと思います。そういう場合に、結果において李ラインに入っておったという問題よりも、原因においても李ライン外であったものであるという立場を考えた場合に、当然これを保護する立場においてそれに対処する処理ができなかったか。あるいは直接停船を命じて飛び込んでいくとか、いろいろな方法があったと思います。そういう点に対しては一体どういうようなお考えを持っていらっしゃるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/96
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097・林坦
○林(坦)政府委員 もちろん、李ラインの外であったということは、その巡視船も推定しておったでありましょう。ただ、問題の起こった場所は李ライン内でありますが、李ラインの内外ということは、実は、問題といたしましては、不法である点においてはわれわれは同じだと思っております。もちろん、この場合に、すでに拿捕されております関係上、何人かの人がすでにもう韓国警備艇に乗せられておるのであります。わずかに数人の者だけが第五・八幡丸に残って、そして連行されておる、こういう状況であります。巡視船といたしましては、極力これに接近して何とかこれを助け出すという方法をとるべく懸命の努力をいたしたのであります。もちろん、力及ばずしてついにこういう状態になったことはわれわれ遺憾でございますけれども、向こうから銃を擬せられても、なおかつ数回にわたって近づいて釈放の交渉をしておるという状況でございますので、決して手ぬるいやり方をしておるとは考えてはおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/97
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098・中村時雄
○中村(時)委員 ところが、今までにあなたのおっしゃるようなことは再三再四やっておるのです。相手を見きわめてあなた方もそこに出ておるわけであります。そうでしょう。その一つの例が、昔三十三年ですか、星丸事件を思い出してごらんなさい。五島のすぐ目の先です。日本の領域内であります。そのときに、引っぱられていって飛び込んでおるのを、しっかりがんばれといってほったらかしておる。それと同じですよ。ただ口で言う、あるいは手旗信号をやって、それによって相手が聞くものとあなた思っているのですか。あなたは懸命な努力をしたとおっしゃっておるけれども、懸命な努力をして話をつけて、手旗信号をやってそういうことで解決ができるとあなた方思っていらっしゃるのですか。その点はっきり聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/98
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099・林坦
○林(坦)政府委員 もちろん、私どもも、これを救い出すために、あるいはさらにもう一段何か必要とするものがあるようなことは当然考えられるのでありますが、現在は韓国と交渉中でもございますし、われわれとしましては、韓国との用に武力をもってこれに対処するということにつきましては、国の方針としましてまだそういう段階でないと考えております関係上、現在のところにおいてなし得る最大の努力をいたしておるというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/99
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100・中村時雄
○中村(時)委員 そのことはよくわかります。私も、何もわけのわからぬことを言っているんじゃない。そうすると、あなたは、もう一段段階が何かあるだろう、こういうお考え方を今出したわけなんですが、その何かあるというのは何を意味しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/100
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101・林坦
○林(坦)政府委員 私の申し上げましたのは、国の方針が変わった場合のことを申し上げております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/101
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102・中村時雄
○中村(時)委員 それでは、あなたは、今のままの現状で、これれ歴然たる李ライン外でありますが、その外において引っ張られていっても依然として手旗信号式の方式をとられる、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/102
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103・林坦
○林(坦)政府委員 現在におきましては、国と国とのこういう紛争問題でございますので、武力によって片づけるということは、まだ段階としてきまっていないという状況でございますので、現在におきましては従来の方法を続けていくよりほか仕方がないというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/103
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104・中村時雄
○中村(時)委員 長官、これは今に始まったことじゃないんですよ。それを依然としてあなたが今のような方法でやっていくよりほかにないということになれば、相手が既成事実を作ってどんどん出てきたらどうしますか。どうぞ連れていって下さい、お義理的に手旗信号を出すしか方法がないとおっしゃるなら、いつまでたっても同じじゃないですか。もう少し何とか保安という上から考え方があろうと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/104
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105・林坦
○林(坦)政府委員 どうも、先生の御質問は多少私どもの立場を誤解なすっていらっしゃるのじゃないかと思います。海上保安庁は大体国内の治安を維持することを使命といたしております。もちろん、海上における人命・財産の保護の立場からやっておりますが、私どもの方は平時における処置を担当いたしております。その辺をお考え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/105
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106・中村時雄
○中村(時)委員 それでは長官にお尋ねしたいんですが、巡視船に対して今度は砲備をつけているということを聞いているんですが、現在砲備をつけていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/106
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107・林坦
○林(坦)政府委員 海上保安庁の船は、国内の治安維持の関係から言いましても、砲ないし機銃等を積む必要もある場合を考えまして、すでに積んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/107
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108・中村時雄
○中村(時)委員 砲を積んでおりますと言われるが、何も今の手旗信号方式でやっていくんなら、砲なんか必要ないんじゃないですか。それはどういう理由なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/108
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109・林坦
○林(坦)政府委員 海上保安庁の船は国内のいろいろな治安を維持する上において必要とする装備をつけておるわけでございまして、これはまたさらに必要な場合に使うつもりでつけておることは事実でございますが、現在のところこの国際紛争の武力行使ということはやらない建前にしておりますので、積んではおりますけれども、李ライン方面では現在のところ使用していない、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/109
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110・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、保安庁の方では、国内的に問題が起こった場合は砲をぶっぱなして国民を傷つけるか、対外的な問題としては何もやっていない、こういうことなんですか。どうも私にはそういうふうに理解できる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/110
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111・林坦
○林(坦)政府委員 国内的に申しましても、最近だんだん暴力化してきたので、いろいろな海上の治安を維持する上に必要とするものについてはやります。また、海上保安庁といえども、もちろん海上治安を維持する上において砲を使うということは、当然将来において考えなければならぬ問題だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/111
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112・中村時雄
○中村(時)委員 どうもあなたのおっしゃることがつじつまがちっとも合わない。対外的には、手旗信号式に、あやまります。お返し下さい、そして、いけないと言えば、そうでございますかと、こう言う。それで実際中には砲も積んでおるという。その砲は何にするのかといったら、国内においても暴力化していくような傾向があるという。一体国内の暴力化というのは何を意味しているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/112
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113・林坦
○林(坦)政府委員 誤解があるかと思いますが、実は、砲の場合は、一面において海上において停船の信号等にももちろん使う場合がございますし、また、先般も実例がございましたけれども、九州の西方で非常に暴力的な密漁等が行なわれた場合がございます。そういった場合に現在の拳銃だけではとうてい及ばないという場合がございますので、そういう場合のことももちろん考えておりますし、また、その他機銃等につきましては、機雷を哨戒したりなどして、浮遊機雷等を撃つというような関係でもこれを使うために積んでおるというようなこともあるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/113
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114・中村時雄
○中村(時)委員 密漁やそんなものに対して、保安庁の四百五十トンからあるものに砲を積んで、そういうものにぶっぱなすということは実例がありますか。密漁をやっているのはしょっちゅうやっているのですよ。どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/114
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115・林坦
○林(坦)政府委員 現在のところ、まだ使っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/115
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116・中村時雄
○中村(時)委員 ただいまあなたのおっしゃっている内海における密漁に対してその砲を使うような実例が出てくると思いますか。どうです、はっきりしなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/116
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117・林坦
○林(坦)政府委員 将来の問題でございますので、その点につきましてはまだわかりませんが、先般の九州方面におけるあの暴力的な密漁に対しては、何かそういう措置を講じてもらいたいということは、現地の方からも言うて参っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/117
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118・中村時雄
○中村(時)委員 私の言っているのは、暴力的なことがあろうと、——そういうようなことは、今の漁民が非常に苦しい立場をとっているからいろいろな問題を起こしているのですよ。そういうような場合に自分の生活権を擁護するためにやむなくやっているのです。このことの事実は認めなければならない。そのことをどうするかということは、これは政治の問題、政策の問題ですよ。その場合に、現在日本の漁区で起こっているいろいろな紛争の問題において、あなたのおっしゃっているような大砲を使用するというような事柄が、推察でもなんでもいいから、起こるかどうか、考えてごらんなさい。それでもまだわからないですか。はっきりした答弁をしてごらんなさい。間違いなら間違いだったでよろしいから、はっきりしてごらんなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/118
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119・林坦
○林(坦)政府委員 砲を積みました関係は、今申し上げましたような趣旨において積んだのでございます。ただ、国際的な事件の解決というものに武力を使うという場合には、国全体の問題でございます。私どもの海上保安庁だけで使える問題ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/119
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120・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、李ライン内外を走り回っているときに砲は絶対に使いませんという、その砲だったらおろした方がいいでしょうが。もっとはっきりしてごらんなさいよ。ただ、今言ったような密漁程度のものに対してそんな大砲をぶっ放すとか、国内的のこっちに向けて土手っ腹に持ってくるとか、そういうことではなくて、もっとはっきりしてごらんなさいよ。必要があるのですか。一体、李ラインの周辺を走り回っているときに砲を積んでいく必要があるのかどうか、それをはっきりしてごらんなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/120
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121・林坦
○林(坦)政府委員 問題は国の政策の問題であると思いますので、私どもはそういう事態があった場合に使い得るように積んでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/121
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122・中村時雄
○中村(時)委員 国の政策だといって、あなた方はそういうものは必要があるのかないのか、あなたは長官の立場においてはっきりすることが第一点。第二点は、国の政策とおっしゃったなれば、国の方からそういう指示があって、大砲を積めとおっしゃられたのかどうか。その二つを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/122
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123・林坦
○林(坦)政府委員 海上保安庁の船に砲を積んでおりますのは、もうすでに数年前から積んでおることでございます。ただ、李ライン方面に行く場合に、トラブルが起こることを避けて今まで砲をおろして行っておったのであります。ところが、昨年の七月でございましたか、李ライン方面の問題が非常にやかましくなりまして、従来のあの方面に哨戒しております船だけではとうてい足りないというので、ほかの地区からも応援を相当出さなければならなくなりました。その際、ほかの地区の船の砲をおろして、そうしてまた李ラインへ出し、帰ってくればまた従来の装備に返るということが、非常に繁雑でもございますので、今後は李ライン方面といえども一応おろすことを今度はやめようじゃないかということで、そのままにして出るようにしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/123
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124・中村時雄
○中村(時)委員 私は、あなたの御答弁にはどうしても納得ができない。どうしてかといったら、あなたは、人命にすら関係するような、人間が勝手に向こうに連れていかれるときに、指をくわえてぼやっと見ておる。そうでしょう。ところが、国際的にそんな重要なときに、実際には砲を積んで、向こうと問題が起こったらいけません、しかし繁雑であるから砲はそのまま置いておくんです、そんなばかな理屈が一体通りますか。私は、ここにいる委員だって、おそらくわからないと思うんですよ。あなただけにはそういう解釈の仕方ができるかもしれないけれども、私には解釈のそのあなたの仕方というものは理解ができない。できないという理由は、今言ったように、砲を積んでおくということが、おろしたり上げたりすることが非常に繁雑であるからという理由によって砲をそのままにしておく、しかし、一方においては、国際間における非常に大へんな場合があるので実際にはその砲を——国際間の中で大へんな問題があるから、それゆえに人が引っぱられていくときはただ指をくわえて見ているだけにすぎない、こう言っている。それだったら、複雑な問題のあるなしにかかわらず、ほかに砲を積む必要はないのだから、砲をおろしましょうということがなぜできないのか。それくらいなことはわずかなものですよ。そうすると、あなたの意見は、私はそうしたくないと思うのだけれども、国の政策だからそれをつけなさい、こう言われているのかどうかということをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/124
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125・林坦
○林(坦)政府委員 砲を今度積むことにいたしましたのは、海上保安庁として考えて積むことにいたしたのでございます。今までおろしておりましたのも、海上保安庁としておるしておりましたが、これをおろさないことにしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/125
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126・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、あなたは、国際間におけるところの非常に緊張している度合いから、あるいはそういうようなものを持って、もしも万一のことがあったらいけないと、先ほど言っていらっしゃるわけですね。そうでしょう。そういうふうな状態の中に、はたして砲が要るんですかどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/126
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127・林坦
○林(坦)政府委員 海上保安庁は、また、まさかの場合にももちろん国の治安維持に当たらなければなりません。従って、砲を積んでおるということは、やはり砲の訓練なり何なりをする必要がある。そうすると、常時積んでおる船と、それからおろしておる船とあるのでは、その間に非常に不便でございます。従って、そういった不便をなくすること、また、そういった砲を用時保守その他において完全に保守をしていくという必要もありますので、砲をおろさないままでいくことにしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/127
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128・中村時雄
○中村(時)委員 ちょっとお尋ねしますが、砲の積み上げあるいはおろすこと、これはどのくらい時間がかかります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/128
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129・松野清秀
○松野説明員 むろん一日でできます。経費も五、六万円でございますが、ただいま長官から申し上げましたように、この李承晩ライン方面に出ないという巡視船は、常時いろいろな射撃訓練とかやっております。保守も十分やります。ところが、出るたびにおろし、あるいは訓練するときにまた積むというようなことになりますと、手数ばかりでなしに、やはり保守の点で非常に不工合であるというような、いろいろな支障がございますので、そのまま出す、こういうことになったわけでございまして、積んで出ましても、従来からの拿捕防止のためには実力は行使しない、そういう一つの国の方針には変わりがない、こういうような状態
で積んで出しておるというのが現実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/129
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130・中村時雄
○中村(時)委員 それでは、もう一つお尋ねしますが、一体李ラインの付近を巡航しているところの船というのは何隻あります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/130
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131・林坦
○林(坦)政府委員 時によるのでありますが、——今御質問がはっきりしませんでしたが、海上保安庁の船でござ
いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/131
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132・中村時雄
○中村(時)委員 海上保安庁の船が、今言ったように常に何隻ぐらい遊航をし、それから隻数としては何隻くらい持っていらっしゃるかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/132
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133・林坦
○林(坦)政府委員 常時六隻が大体遊航しておりまして、そのために約二十隻近い船を充てておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/133
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134・中村時雄
○中村(時)委員 そういたしますと、おかしいですよ。六隻で二十隻、そうすると十四隻、それだけの船は別にあるわけです。もちろん、休ますときもあるでしょう。あるいは国内的な問題で遊航しているときもあるでしょう。そういうことになってくる。そうでしょう。そうすると、向こうに出ていくものの六隻に対して、今の砲の上げおろしはわずか一日でできる。十分の準備期間はとれるわけです。にもかかわらず積んでいく理由をもっとはっきり明確に申していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/134
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135・林坦
○林(坦)政府委員 先ほどもちょっと御説明申し上げましたように、常時四隻程度でありますならば、船を固定しましても、十数隻でございまして、第七管区に所属する船だけで大体間に合う状態でございます。しかしながら、昨年からこれを強化いたしました関係で、ほかの管区から非常に入れかわりこれに応援を出す、こういう形で、現在延べにしますと二十隻くらいの船が行ったりきたりしている、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/135
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136・中村時雄
○中村(時)委員 とにかく、私は、これは納得のいかないことおびただしいと考えるわけです。
そこで、ただ一つはっきりしてきたことは、海上保安庁としては、今言った李ラインの中においても、相手方が不法に日本の漁民を引き連れていって拿捕する、その場合においては指をくわえて見ておるということがはっきりした。それは手旗信号やいろいろなことがあったでしょう。しかし、それにいたしましても、ただ指をくわえて見ているだけのことにしかすぎない。それによって保安庁としての意義があり、またそれによって自分の責任を果たしているものだ、さような長官の御答弁と解釈してよろしいかどうか、この一点をお聞きしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/136
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137・林坦
○林(坦)政府委員 私どもは決して指をくわえて見ておるわけではもちろんございません。(「結果はそうじゃないか」と呼ぶ者あり)それでは、けさの実例を申し上げますと、けさも李ライン内におきまして韓国の警備艇に日本の漁船がまさにつかまるところまでいったのでございますが、巡視船はその間に割って入ることができまして、幸いにこの船はのがれることができました。そういうふうに、幾たびか間に割って入りあるいは洋上交渉によって今まで救助に成功した例も幾つかあるのでございます。もちろんわれわれの方が現場に居合わせなかった場合につかまってしまった、その場合に、それを取り返すということになりますと、実力をもって取り返すことはなかなかできない実情でございますけれども、つかまる前でありますれば、急遽それに間に合う場合は、相当の割合においてこれを助けるということは今までにいたしております。また、海上保安庁の船は、あの方面に回りまして、常に韓国の船の動静をキャッチいたしまして、これを漁船に警戒警報として情報を流しておるのであります。この情報を確実に守ってもらっております船はつかまっておらないのであります。結局、この情報を十分に守らずにおった場合につかまったのが従来の例でございます。今度の場合のごときは、二隻ございまして、実際に聞いたか聞かないかよくわからない状況でございますけれども、われわれの方としては、李ラインの外にある程度距離を保って、警戒警報の出ておるときには十分に注意をしてくれるようにということは、非常にやかましく現地の漁業の方々に申し上げて御協力を願っておるようなわけであります。これに協力していただきました船は従来ほとんどつかまっておらぬというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/137
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138・中村時雄
○中村(時)委員 それではお尋ねしますが、これは資料として提出していただきたい。一体、そういうような助けられたところの件数、そのことでまず第一にお尋ねしたいのは、李ライン内なのか外なのか、その件数、それから、その船名、期日、トン数、そうして、今言ったような李ライン内、李ライン外の理由、そういうことをはっきりと打ち出していただきたい。私は、あなたのおっしゃっていることは、まるで何といいますか非常に高姿勢になってそういうことを言っていらっしゃるが、しかし、その問題が解決できるのは李ライン外の問題だろうと思うのです。李ラインの外におるというような場合においてそういうふうに拿捕されなかったものだと私は思うのです。一般にいわゆる李ラインの中においてそういうような実例があるかどうか、そういうことも一つお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/138
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139・林坦
○林(坦)政府委員 いずれ資料を提出いたしますが、もちろん李ラインを越して韓国側の方でそういう事件が起こっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/139
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140・田口長治郎
○田口委員 関連。
海上保安庁の活動に対しましては、この近海で仕事をしておる漁業者が常に感謝をしておる状態でございます。その第一は、海上保安庁の船が、このラインあるいは内外を四そうないし六そう航海をいたしまして、そうして無電あるいは方向探知機で韓国の巡視船の位置を知る、そういうことで、第一回に出します一般警報、それから警戒警報、特殊警報、この三通りを出しておるのでございますが、ほんとうにまじめに各漁船が無電を聞いておりますと、その最後の警報は、少なくとも向こうの船で全速力で走りましても五時間しなければこちらの漁船に達しない、その距離において最後の警報を出すのでございますから、当然退避もできる状態になるのでございますが、これによって非常に安心して全漁船が仕事をしている、これは事実でございます。底びき船あるいはまき網、こういう船が非常に安心してやっておりますことは、これは海上保安庁の大きな働きであると思うのでございます。第二に、長官が砲を積む問題について非常に遠慮した答弁をやっておられると思うのでございますけれども、先ほどから同僚の中村委員が話されましたように、ただ手旗信号あるいは無電で、人を返せ、こういうことでは何にもならぬじゃないかということ、これはごもっともな御意見でございましてこの場合に最も有効な方法は、漁船と韓国の警備船の間にこちらの船が割り込む、こういうことが一番有効適切な方法でございまして、非常に危険なことでございますけれども、そういうことをやってたびたび逃げさせるしあるいは助ける、こういうようなことをやっておるのでございますが、この場合に、漁船と韓国の船との中間に突っ込んでいくのでございますから、どうかいたしますと向こうの船が機関銃なんかを発射するような場合も、かつて一回私はあったと思うのでございまして、そういうようなこともありますから、決してこっちから撃つとか何だとかということではありませんけれども、自衛上ほんとうにやむを得ない、こういうようなことが想像されるのでございまして、向こうから散々撃たれる、そのままこちらは手も出せない、こういうようなことでは困るから、私どもといたしましては、少なくとも海上保安庁の船には、防弾的の設備もございますし、そうして向こうから撃ちまくられるときはこちらも撃つ、いわゆる自衛上やむを得ない、こういうような装置だけはしておいて漁船と向こうの船との間に割り込むことによってこの危機を打破する、こういうことが必要と思うのでございます。常にそこまで一つ思い切ってやってもらいたい。そうして、向こうからどんどん撃つ場合は仕方がないから自衛上こちらも撃てるような準備だけはしなければならぬじゃないか。こちらが撃つとか何だとかいうことについては、これは国の方針がきまらなければそういうことはできないけれども、今の場合において、中に割り込むためには、向こうから撃たれるときはこちらも防ぐ、これだけの設備をしなければならぬ。そういうことを主張しておる一人でございますが、この点をどうも長官は遠慮して答弁をしておられるようでございますから、申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/140
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141・吉川久衛
○吉川委員長 長官、田口委員の発言に対して何か……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/141
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142・林坦
○林(坦)政府委員 ただいま田口先生から海上保安庁の立場について御理解のあるお言葉がありました。私ども深く感謝申し上げております。私どもは、ただいまもお話のございましたように、現場における海上保安庁の保安官は、非常に危険に身をさらしながら、ともかく、自分の使命を全うするために、本百も、先ほども実例を申し上げましたような行為をやって漁船の保護をいたしております。また、それだけでなく、事前にこういう警戒警報を出しましてそれによって問題を事前に起こさないようにするということに極力全力を尽くしておるというのが現状でございます。なお、李ライン方面においては、とにかく数百隻以上の船があそこに就業しておるのでございまして、一旦この方面が非常に混乱状態になりました場合に操業ができなくなるというような場合を考えますと、軽率な行為はできないということから、われわれとしても非常に心を使いながらこの警備をいたしておる状況であることを申し添えさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/142
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143・中村時雄
○中村(時)委員 あなたの答弁はわかったようなわからぬようなことを言っておるのですが、もっとはっきりさせていただきたい。
その意味において防衛局長にお尋ねするのだが、自衛上ということをよく言われるのですが、そこで、一つお尋ねしたいのは、私はこう考えているのです。要するに、領域内において相手方から発砲された場合には、自衛上発砲することができるかどうか、自衛権を行使することができるかどうか、その問題について一点お尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/143
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144・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 私どもは日本の防衛という立場から考えておりますが、その立場におきまして考えました場合におきましては、急迫不正の侵害に対しまして、他にこれを防衛すべき手段がないという場合に自衛権が発動される、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/144
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145・中村時雄
○中村(時)委員 私は、そういう意味において保安庁の中において今の巡視船に砲を備えつけたものである、こういうことならばはっきりしておることです。撃つ撃たぬは別として、おそらくその限界点がなかったら、砲をそこへ備えつけるという意味をなさない、私はそう考えております。これに対して保安庁の長官はどう考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/145
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146・林坦
○林(坦)政府委員 海上保安庁としましても、今防衛局長の言われたような場合における、急迫不正で他に方法がない場合には、自分の持っておるあらゆるものを使って防衛することはできる、正当防衛をすることはできると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/146
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147・中村時雄
○中村(時)委員 そういたしますと、その巡視船の船長ならば、はっきりそういう認識を持っておりますかどうか。首をひねらなくても、あなた方が常にそういうことを教えておるわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/147
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148・林坦
○林(坦)政府委員 問題はその具体的の場合における状況によるのであります。従って、今の正当防衛の権利の問題になりますれば、あらゆる場合にできることは当然知っております。ただ、現在は、そういうふうにして紛争を起こすことを避ける意味で——ほかにあらゆる方法がない場合にはそういうことを申し上げましたけれども、現在のところは、とにかく折衝によって片づけるというふうに方針がきまっておりますので、それに従ってやっておるという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/148
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149・中村時雄
○中村(時)委員 今の防衛規模の漸増からいって、あなたを内閣総理大臣にしたいくらいの立場ですが、それもなかなかできないことでしょうが、しかし、そういうことになれば、一点お尋ねしておきたいのは、今後においてこういう不祥事件——私はこれは不祥事件だと思っている。非常に議論が長くなりますし、あなたの解明では私は納得できませんが、不祥事件がこういうふうに発生した場合に、一体具体的処置はどうされますか。たとえば、田口委員が先ほど言ったように、その船に相手が飛び込んできて、あなた方保安庁の連中が連れていかれるということになれば、国論としては大きな世論となっれ現われてくるので、そのくらいの土性骨を持っていなければこの問題の解決はできないと思っている。にもかかわらず、手旗信号式の考え方をあなたは持っていらっしゃる。そういう立場を考えた場合に、今後こういうことが起こった場合に具体的にどう処理されるかということを一言お聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/149
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150・林坦
○林(坦)政府委員 こういうふうにつかまった場合は、外交交渉によって折衝するというのが従来までのやり方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/150
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151・中村時雄
○中村(時)委員 依然として外交交渉でいくということになれば、今度のように拿捕されていったように状態で理屈がはっきりしておっても、やはり依然として手旗信号式で返してくれという訴えのみにしかすぎないんだ、結果においてそれがうまくいく場合もあり、いかない場合もあるでしょうが、いかない場合は万やむを得ないんだ、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/151
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152・林坦
○林(坦)政府委員 現在までのところではそうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/152
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153・中村時雄
○中村(時)委員 保安庁に対してもったいない国費を出してこういうようなことをやりながら、連れられていく人たちの身の上を考えた場合に、私たちはそれでは納得いたしません。そういう立場から言って、この問題は政治的にかなり大きくなりますので、第一点としては、防衛庁の長官をこの次には呼んでいただきたい。
それから、第二点は、外務省にちょっとお尋ねしたい。外務省の方にお尋ねしたいのは、この拿捕事件に対して、今般の——一応今般に区切りましょう。今般の拿捕事件に関して、あなたは参議院の農林水産委員会においてもかなり強い態度を見せて、私どもも非常に頼もしく思っている。そういう立場から考えましても、どういう抗議を今後やっていこうというお考え方があるなれば、はっきりと明示しておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/153
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154・中川豊吉
○中川説明員 本件につきましては、御承知のように、事件の起こりました翌日、アジア局長が柳大使に直ちにとりあえずの抗議をしておいたのでありますが、その後海上保安庁その他関係の機関よりいただきました資料に基づいて、とりあえずのところとして正式の抗議をその後三日くらいあとでしたわけでございますが、それに対して韓国側の方から、事実関係が異なっているという逆抗議が来ておるわけでございまして、現在、その逆抗議がはたして正しいかどうかという点につきまして、海上保安庁、水産庁その他関係機関にお願いいたしまして資料を蒐集中でございまして、私たちは、韓国の主張しておりますように、たとえば本件が李ライン内で行なわれたとか、あるいは水没したのは船員がバルブをひねって沈めてしまったとか、そういう事情に基づいておるというようなことは、大体あり得ないことだというふうに信じておるのでありますけれども、何分にも、十分な証拠を集めましてその証拠に基づいて抗議すべきであるというふうに考えておりますので、その資料が集まり次第、数日中に厳重な抗議を続けるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/154
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155・中村時雄
○中村(時)委員 非常に適切に言われたのですが、それは現実につかまった日から換算いたしますと時期としてはかなりおくれた時期になっておると思います。そこで、数日中にとおっしゃいましたが、それでも結論ははっきりしたと思います。参考人にしても、今お聞きになるようなたよりない保安庁でありますけれども、そのたよりない保安庁の意見にいたしましても、一応李ライン外であるという限定ははっきりしたと思います。そういうような立場が明確になったならば、大体どういう抗議をされる予定でおりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/155
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156・中川豊吉
○中川説明員 普通の場合にはいろいろ方法があるのでございますけれども、韓国の場合には、御承知のように、わが方の出先の機関が京城にないわけでございます。従いまして、普通の場合では、柳大使に通知するとともに、出先機関としてありますわが方の大使にも連絡して、十分わが方の意のあるところを確認するのでございますけれども、韓国の場合は、柳大使が日本におるだけでございますので、結局柳大使を呼んで厳重に抗議をするというやり方しかなかろうかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/156
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157・中村時雄
○中村(時)委員 今の日本の外交というものは、そういうことは非常に軟弱です。そういうことの一つの実例を見ましても、御存じのように、昭和三十三年に韓国から抑留されている者九百二十二名が送還されました。そのあとで第二星丸事件があった。九百二十二名を帰すとき、向こうは、刑期が終えたと、こう言っているが、こっちは何もそういう罪を犯したとは思っていはしない。しかし、向こうでは刑期が終えたと言っておる。かりに百歩譲って、それでは刑期が終えたならば一人々々帰ってくるかというと、ほとんど帰っていないと私は思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/157
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158・中川豊吉
○中川説明員 刑期の終えた者を、まだ帰しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/158
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159・中村時雄
○中村(時)委員 そういうような相手を対象にしておるのです。そこで、御存じのように、この前大韓民国政府に引き渡した韓国出土文化財についての資料を出された覚えがあるでしょう。そして、実際には、その文化財を向こうの方に送り返すというようなことで、やみ取引をやって、九百二十二名の者が帰ってきました。今度もそういうようなことが言えると思う。韓国米を三万トン入れてくれ、そうしたら帰しましょう、入れましょう、これは一体何のことですか。それは、日本が今米が足らないとか足りるとかいう問題ではなくして、そういう外交路線にあなた方はそれを使おうとしていらっしゃるのか、使わないようにしていらっしゃるのか、その点をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/159
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160・中川豊吉
○中川説明員 米の問題は前からもあったのでありまして、たまたま時期が一つになった次第でありますが、釜山における漁夫の釈放と大村におきます韓国の収容者の送還、この二つをまず実施いたしまして、そのあとで、空気のよくなったところで、韓国米の取引もするし、それから、在日韓国人の地位その他の日韓間の懸案がありますが、そういう問題も話し合おうかという話し合いをしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/160
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161・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、やはり韓国米云々が出たことは確かなんですね。これを一つはっきりお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/161
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162・中川豊吉
○中川説明員 出ておるわけでありますが、直接には関係せずに、直接にはいわゆる漁夫の相互送還をまず実施する。そうして、空気がよくなれば、それにつれまして、貿易の再開とか、それからその他の懸案の解決ということに進むわけでございますけれども、その貿易の再開の中には、かねてからの非常なアンバランスの問題もあるので、ぜひ米を買ってもらいたいという話があるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/162
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163・中村時雄
○中村(時)委員 非常に言いにくいような帯しそうな御答弁なんですが、一点だけはっきりしておきたいのは、そういうことがもしあるなれば、私はこの漁船に対する拿捕は完全なる李承晩の人質政策だと思う。こんなことを言うと外務畑の人はおしかりになるかもしれませんが、しかし、完全なる人質政策と見ていいのではないか、私はこう見ておるわけです。それと同時に、あなたのような見解からいけば、現在の日本の生産量か。来る農業政策として、入れるか入れぬかその点をはっきりさしてよろしいということになるのか、そうでなくして、やはり外交政策と相関連してこの問題を解決したい、このようにお考えなのですか。その点明確な御答弁によって私の質問もいろいろ変えていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/163
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164・中川豊吉
○中川説明員 幸いに農林大臣の方も非常に困難な事情はあるにもかかわらず米の買付を承諾していただきましたのでございます。そうすれば、かねてから話し合いのありましたことも解決する次第でありますし、漁夫の問題もその前に先行して解決していくものだ、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/164
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165・中村時雄
○中村(時)委員 あなたの苦しい答弁はわかるのです。私もわからぬことはないのです。だから、外交上とそれとを密接に結びつけて云々されることもよろしい。しかし、その半面日本の国内の農業の政策が問題になってくるので、その問題は農林大臣との問題ですからここでは申しません。このように、一つの問題が、人質を取られておいて、その人質を返すときには、文化財をよこせ、また、米が余っているから今度は米を買いなさい、こういうようなことを歴然としておくと、それが既成事実となっていつまでも、この人質戦術といいますか、こういうことが常に繰り返されるという危険性を持つわけなんです。そういう点に関してあなた方は今後どういうふうな考え方を持っていらっしゃるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/165
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166・中川豊吉
○中川説明員 韓国もいわゆる人質政策のようなことはいつまでも続けることはないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/166
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167・中村時雄
○中村(時)委員 あなたはないと断言できますか。あなたのは希望的観測じゃないですか。その点はっきりさしておいていただきたい。私はそれほど外務省をたよりにはしてない。返答して下さい。わからぬならわからぬでよろしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/167
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168・中川豊吉
○中川説明員 いつまでも人質外交のようなことは韓国はしないはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/168
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169・中村時雄
○中村(時)委員 しないはずでございますということは、自分で自信のない答弁でございますと言うことと同じことなんです。だから、そのことをあなたに追及してもしようがない。ここまで来たから、これも政治情勢になりますから、この次には外務大臣の出席を要求しておきます。私は外務省の今の外交路線というものをそれほど高くは評価いたしておりませんので、そういうような立場から言って、はなはだ失礼なんですけれども、個々の人はりっぱな人がいらっしゃるけれども、政府の問題の追及になりますからここでは申しませんが、もう一点、李ラインをあなた方は外交上から認めておるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/169
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170・中川豊吉
○中川説明員 認めておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/170
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171・中村時雄
○中村(時)委員 そこで、今のように気持よくはっきりとおっしゃっておるにもかかわらず、現実の行為としては、保安庁のように、李ラインを認めた行為をとりながらうろうろしておる。一体このつじつまの合わないのはどういうふうに合わせますか、保安庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/171
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172・林坦
○林(坦)政府委員 李ラインを認めておると決して私は申し上げたつもりはないのでございます。季ラインの中でありましても、もちろん巡視船は十分入っております。入って警備に当たっておるわけであります。決して季ラインを認めるというような方針のもとに行なっているわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/172
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173・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、いともはっきりしてきた。かりにこういうふうに李ラインなら李ラインで騒がしながら拿捕さしていけば、だんだんこれが既成事実になって、最後には李ラインを認めていいじゃないかという方向になりはしませんか。どうなんですか。そうでないというなれば、なぜその海上においてもっと接触をし、たとえば船と船と、ぶっつけたっていいじゃないですか。もっとはっきりした手段で、大砲によらないでも、もっとできる方法がある。そう考えた場合に、あなた方のような、ただ手旗信号のような方式でやっていれば、いつの間にか李ラインは形成されてしまいますよ。それに対してあなた方は今後どういうふうな処置、どういうふうな手段をとりますか。先ほどは手旗信号をやっておるということでありましたが、あなたは非常に鋭敏なのか、私が鋭敏でないのか、あるいは屈辱的なのか、そういうことを承認しようとしておるのか、さっぱりわからないのですが、そういう点を明確に自分として打ち出しておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/173
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174・林坦
○林(坦)政府委員 李ラインの問題につきましては、外交交渉でこの問題を解決するというのが根本的なやり方でございます。私どもの方は、現実にあの地域において漁業ができるように、漁船に対して事前にいろいろと警告を発する、あるいは現場におり合わせるときに、漁船の拿捕が行なわれるような場合には間に削って入ってでもこの拿捕を阻止するということはいたしております。ただ、先ほど言いましたように、相手がこちらの漁民なりを拿捕して中に入れてしまったような場合に、これは、私どもとしては、交渉はそばにつきながら交渉していくというほかに、さらに武力を用いるとかなんとかいうことがない以上は、そういうやり方よりほかないのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/174
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175・中村時雄
○中村(時)委員 あなたの話を聞いておると、どうもぴんとこない。片一方は、李ラインを認めませんとはっきり言っておる。そうでしょう。そうすれば、李ラインの中であろうと外であろうと、そんなものがあるはずがない。だから、あなた方は概念的に向こうの言っておる中に入っておる。そんなものは中に割って入っていく土性骨をすえてもらって解決しなければどうにもならない。あなたの今のお話は、一応李ラインというものをかりに認めたような格好だから、警告を発するとか、そういうことを言っておる。警告を発するということは、季ラインをある程度承認しておるからこそ、李ラインの中に入ってはいけぬ、向こうの言っているところには入ってはいけませんよということを言っておる。そういうことでなくて、もっとはっきりした態度で、外務省と打ち合わせてやってもらいたい。その点を私は希望条件にしておきましょう。
あなたは手旗信号方式によるというのは一応はっきりしたのでありますが、そこで、外務省の方にお尋ねしておきたい。この李ラインというものを認めないとおっしゃっておる。ところが、今度御存じのように日韓交渉の中で五つの委員会を設けられた。その中の四つは曲がりなりにも解消してきた。たった一つ残っておるのは、李ラインとは申しませんで平和ラインと言っておる。その平和ラインの今後の交渉のあり方、内容、そういうものについて一言御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/175
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176・中川豊吉
○中川説明員 再開されました日韓会談におきましては、平和ライン委員会はたった一回開かれただけでございまして、今後どういうような話し合いになりますか、今のところまだ会談の内容のみから言いますと見当がつかぬ状況でございます。もう少し話し合ってみないとわからないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/176
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177・中村時雄
○中村(時)委員 それではこういうことになりますよ。——せっかくアジア局長がいらっしゃったからそれを整理して二、三点お話をお伺いしたい。
一つは、先ほどから議論になっておったのでありますが、星丸事件の当初において、要するに文化財を韓国の方に返していくという条件に基づいて九百二十二名の者が日本に帰ってきた、しかも、そのとき、向こうは刑期を終えたとこう言っている。われわれとしては、刑期をつけられるような悪いことをした覚えはない、こういう原則に立っておる。しかも、百歩譲って、刑期と考えた場合には、その刑期が終ったごとに人々が帰ってきたかといったら、ほとんど帰っていない。ある意味で人身御供と言いますか、そういうような状態で今までやられておる。これは御存じの通りであり、先ほどからの答弁の中にもはっきり出てきたわけなんです。そこで、再び今度も外米というよりも韓国米の問題が現われてきたわけなんです。その韓国米の問題につきましても、三万トンが白米で来るか玄米で来るかという問題が生じてきますけれどもやはり依然として人身御供に対するところの裏づけになっておる。こういうことを何回も繰り返しておりますと、このことが既成事実になって、李ラインを承知する者はないとしますが、海上において常に漁船が拿捕されていく、その拿捕されている者に対する裏づけが常にこういうような状態で現われてくるということは、私たちはいかぬと思う。しかし、外交折衝の期間ですから、今のところそれは追及いたしませんが、今後においてはそういうことのないようにしてもらいたいと私たちは希望する。同時に、それに対して外務省としての見解がどうなっているか、これが第一点。
それから、第二点は、韓国の口上書に対して政府はこれからどういうふうにするか。その理由は、先般局長が参議院の農林水産委員会におきまして、今度の第五・八幡丸事件に対して旬日中に方向を確立していきたいというようなお話があった。今課長もそうおっしゃった。そこで、その解決の方法、内容、そういうことを第二点としてお伺いしておきたい。
それから、この第五・八幡丸の拿捕に関するところの実態調査を今はっきりとここで打ち出して確認をされるなれば、これに対して強硬な態度をとって相下側と交渉する、こういう御回答があったわけなんですが、そういう回答に対して、将来への見通しというものをお伺いしておきたい。
それから、第四点といたしましては、李ラインを認めるかと言いましたら、認めないと言う。にもかかわらず、現在日韓交渉の中で五つの委員会がある。四つは大体話し合いがついておりますが、あと一つの平和ライン委員会といいますか、この李ラインをめぐっての問題があるが、本質的な問題で、やはりこれは、こっちは認めぬ、向こうはあるんだという、並行線になると思う。だから、この本質的な問題で、何らかの手段をもってこの問題の解決がはっきりできるものかどうか。こういうことに関してお尋ねをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/177
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178・伊關佑二郎
○伊關政府委員 第一点につきまして、刑期と申しておりますが、刑期と言うべきかどうかということは問題でございましょうが、刑期を終えた漁夫ということを言っているわけでございますが、この釈放につきまして、前には文化財というような問題があった、今度は米三万トンというふうなただいまの御質問でございましたが、この点につきましては、日韓会談を開くにあたって、——今再開いたしておるのでありますが、これを実質的に進める前に、日韓会談以外と申しますか、日韓会談以前と申しますか、相互送還の問題とかあるいは貿易再開というふうな問題を片づけて、そして空気をよくして実質的な日韓会談に入ろうという考えでおるわけであります。その日韓会談以外というか以前というか、この二つの問題につきまして、まず大村と釜山の相互送還をやり、そしてその上で今度は貿易の再開をやる。貿易につきましては、御承知のように相当のアンバランスがある。そこで、米を買ってほしいというふうな話になっておるのであります。直接にこれが漁夫の釈放とからんでおるわけではないのでありまして、そういうふうに、相互交換をやる、やった上で貿易も再開したい、そして空気をよくして日韓会談の再開をやりたい。貿易をする際には、前々から米の問題があって、昨年の秋からこういうことを言っておるのでありますが、ぜひこれをやってもらいたいんだが、その点を今約束してもらえるかどうかというふうな話になっておりまして、筋としては直接からんでおるというものではございません。
それから、第五・八幡丸につきましては、こちらの抗議に対しまして二、三日前に先方の返事が参りまして、これは非常にわれわれの言っていますことと向こうの言い分は違っておるわけであります。われわれとしましては、もう一度、向こうの返事を見ました上で、これに対しましてわれわれの方の材料を集めて、これをまた反駁し、強く抗議をするという段階になるわけであります。それでもわが方に応じぬ場合にどうなるかという御質問に対しましては、どうしても応じぬという場合にどういう手をとるかということになりますと、なかなかここではっきりどうするということは申し上げかねる点があるんじゃないかと思いますが、できるだけ話し合いによって解決をしていきたい、今のところはそういうふうに申し上げるしがなかろう、こう思っております。
李ラインの問題につきましては、これは、日韓会談が開かれますれば、その委員会において話し合いをいたすわけでありまして、どういう解決案を持っておるかということになりますと、この前の委員会等におきましても、昨年の初めとか一昨年の暮れから始まりまして、昨年の一月に中断をしまして、また昨年の秋にも二、三回やっておりますが、そうしたときに日本側の一応の案というものは出しておるのであります。それが最終案というわけではもちろんございません。お互いに歩み寄らなければならぬと思いますが、日本側の案というものは一応あるわけであります。そういう案の線に沿って話し合いでもって解決していきたい、こう考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/178
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179・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、向こうから二、三日前にその書類が来た、それによると、日本と韓国との主張には現状においてかなりの食い違いがある、こういうような結果が出てきたわけであります。そこで、材料を集めて向こうの方に云々するとおっしゃるのですが、その材料を集めてということは、参考人もいらっしゃいますし、保安庁の方からの話も出たし、そういうようなことは課長がよくお聞きになっておるから、そういうことも内容の一つの参考になろうと思う。そこで、材料を集めるということは、既成的な材料は集まっておると思う。そういうような立場から、いつごろその問題について話し合いをするか、その点を一つ、これは家族としては大へんな問題でありますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/179
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180・伊關佑二郎
○伊關政府委員 今急いでおりますので、これは二、三日中にできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/180
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181・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、二、三日たってからの結果でないとその問題はわからないと思いますが、そういうふうに明言されて二、三日うちということになれば、一つの見通しというものもついてくる。その結果によって私たちも再度考えていきたいと思っております。
同時に、もう一つお尋ねしたいのは、先ほど言った米の問題は、外交の路線とは別だと言いながら、実際の話し合いの中には出てきておる。向こうにいる方をこっちに帰していただくことについてもまだ十分の話し合いの内容ができていないにかかわらず、その問題がはや貿易の問題として取り上げられる。私はこの問題と送還の問題とがやはりある程度加味されておるものと思って黙認しておった、しかし、それが全然ないということになれば、当委員会においても同様のことが言えると思いますが、それは、日本の貿易、農業政策、そういう上から入れるか入れぬかという議論を蒸し返されてよいか、その点をはっきりさせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/181
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182・伊關佑二郎
○伊關政府委員 建前といたしましては、これは直接の関係はない。しかし、日韓の空気をよくする、気分をよくする、雰囲気をよくして日韓会談を開くというふうな意味においては関連があると申してもいいかもしれませんが、直接の関連はないという建前でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/182
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183・中村時雄
○中村(時)委員 それですっきりとしたわけでありますが、しかし、問題は、先ほど言ったように、こういう事柄が緩和をされるからといって、一方においてこのことが、私は今の白米にするか玄米にするかにつきましても国内的には大きな問題があると思う。そういうような観点もあるから、要するに、外交交渉の路線の中においてそういうような受け付け方、そういう内容、そういうようなことは今後一切やらないように御注意願いたいと思いますが、それに対してどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/183
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184・伊關佑二郎
○伊關政府委員 この問題はこういうふうな関連もございませんし、また、われわれが今話しておりますラインでは、今後は、いわゆる認める認めぬは別にいたしまして刑期が終わった者は刑を終わり次第そのつど直ちに釈放するということをはっきりした文書による確約をとってやるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/184
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185・中村時雄
○中村(時)委員 それから、今の李ラインの問題は、李ラインというよりも、平和ラインといいますか、その問題は、内容のいろんな問題があると思いますから、これ以上お聞きはいたしません。しかし、外務大臣に、この問題は政治的な問題があるので、あわせて一つお願いしておきます。
それから、次に農林省に伺いますが、同僚委員もおりますから、一つ簡単に簡明に、話をよく聞いておって御答弁願いたいと思います。ということは、このような事件が起こりました場合、第五・八幡丸の乗組員、こういう方々は、現在のところ特殊保険にも入っていないと思うのです。それに関して、入っているか入ってないか、まずお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/185
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186・西村健次郎
○西村(健)政府委員 乗組員が入っているかいないかは給与保険だろうと思います。八幡丸は給与保険に入っておらないというふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/186
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187・中村時雄
○中村(時)委員 そういたしますと、こういうような事件は往々にして再三再四起こってきているのです。これは御承知の通りだと思う。そうすると、これは、つかまった、向こうへ連れ込まれた、その後におけるところの問題はちっともない、こういうことになると、その家族なりその本人たちも非常な不遇な立場になるわけなんです。そこで、たとえば特殊保険加入ができるものかどうか、あるいはそういうような指導なり考慮をすることができるかということを一点お聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/187
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188・西村健次郎
○西村(健)政府委員 私どもは、この方面の、ことに以西の底引き等につきましては、特殊保険あるいは給与保険にできるだけ入るように勧めております。これは強制力はありませんので、船主の判断で入らない方もおありのようです。ただ、こういった非常に不祥な事件が起こった場合に、乗組員が向こうに抑留されるというような事実が起きた場合には、留守家族に対しましては月額一万円、それから、抑留乗組員の見舞品、これをこっちから送りまして、月当たり八千円という補助を国の方からやっております。これは大体一年の四月、八月、十二月の三期に分けて国から出しておる、県は毎月々々これを交付しておる、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/188
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189・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、月に見舞金が八千円、それからもう一つは給与額が一万円、こういうことになっておるのですね。一万八千円というものを送っているわけですね。ちょっとその点はっきりしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/189
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190・西村健次郎
○西村(健)政府委員 一万円は留守家族に対する見舞金であります。八千円は、こちらからいわゆる差し入れと申しますか——私たちは差し入れという言葉ははなはだ適当でないと思いますが、釜山の方の抑留所の生活は必ずしもよくないので、そこに対する慰問品と申しますか、その代金として、すなわち八千円相当を送っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/190
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191・中村時雄
○中村(時)委員 家族には一万円、これははっきりしています。そこで、一つお尋ねしたいのは、李ライン内——李ライン内と言ったら語弊があるかもしれないが、入った場合には、特殊保険加入ができておるわけですね。特殊保険加入の中にこういうような問題が入るか入らないか、そういう御検討はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/191
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192・西村健次郎
○西村(健)政府委員 特殊保険と給与保険、特殊保険は船体の方で、いずれもその李ラインの内外は関係ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/192
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193・中村時雄
○中村(時)委員 私の言うのはこういうケースの場合に、そういうことが適用できるような法律改正とか、そういうことができるような可能性がないかあるかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/193
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194・西村健次郎
○西村(健)政府委員 ちょっと御質問の趣旨が私よくわからなかったのですが、今たまたま給与保険には入っていなくてこういう事件が起こったという場合、入っていなくても入ったものと同様に取り扱うことができるかということでございましょうか。——そういたしますと、保険を強制保険として強制加入するような制度、これは立法論としては多分議論はございますが、そういうことをしない限り、任意加入であるにかかわらず保険に加入しない者が加入した者と同額にものがもらえるということは、保険として成り立たないだろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/194
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195・中村時雄
○中村(時)委員 私の言うのは、保険立法の現行法の中ではできないということを言っておるのです。そこで、たとえば農村であれば共済組合の問題、これは米の場合は強制加入です。特にこういうような危険な時期があるので、そういうような立法措置を考えるか、あるいは立法措置ができなかった場合にはそれに相類似するような別な何かの方法を政策的に打ち出していただきたい。たとえば一万円というのもそうなんですが、しかし、一万円ではおそらく十分なことではないと思っておる。そういうような立場から、何らかこれに加算されるような形をとるとか、何らかの方法が検討されるかどうかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/195
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196・西村健次郎
○西村(健)政府委員 私の申し上げておる意味は、立法論としては、保険に加入していない者を加入者と同様に取り扱うことはおそらくできないだろう、これははなはだ不均衡を生ずる、こう思っております。現在のところ、私どもとしましては、特殊保険ないし給与保険につきましてできるだけ入っていただく。この以西底びきの業者というのは、今その加入率は、ここへ持っておりませんが、非常に高い率加入しておる状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/196
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197・中村時雄
○中村(時)委員 私がなぜそういうことを言うかというと、自然災害やそういうものと違って、不意の事故なんです。しかも、自分が期待をし、自分が喜んで云々しておるわけではないのです。そういうような立場に立っておる人たちを考えた場合に、ただ単なる普通の保険の姿でなしに、もっとより価値のある、よりいい意味におけるところの問題の取り上げ方を政府の方としてはできないものか。
この問題は課長に云々言ってもしょうがないし、まだあとに同僚議員もおりますから、一応打ち切るといたしまして、最後に、外務大臣、それから防衛庁長官、それから農林大臣には非常に関連性を持ってきております。でき得れば最後には総理大臣にも出てもらってこの問題の一つの考え方の基本的な状態をいろいろ話し合ってみたい、こう思っておりますので、その点委員長に、——賢明な委員長ですから当然こういうことは手抜かりなくやられると思いますが、そういう立場から、一つしっかりとこの問題を討議させていただきたい、このように希望しておいて、一応私の質問はこれで終わらせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/197
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198・吉川久衛
○吉川委員長 芳賀貢君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/198
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199・芳賀貢
○芳賀委員 永田参考人にお尋ねしますが、先ほどの供述によって大体の経過はわかったのですが、お尋ねしたい点は、名簿によりますと、あなたは第五・八幡丸に所属しておるわけですね。たまたま拿捕当時に第六に移乗しておったというふうに考えられますが、これは平常そういうことをやっておったのですか。あなたは船員としての船籍の方では第五・八幡丸におることになっておるけれども、操業する場合においては、第六の方に常に乗って、そうして船長の代理をやっておったのかどうか、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/199
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200・永田利一郎
○永田参考人 それは、十一日の晩に木戸博美船長は第六・八幡丸から第五・八幡丸に移りまして、それから僕が第六・八幡丸に移って漁業の指揮をとった。それが十一日の午後二十時ごろです。普通は僕は五号にいたのです。春日船長が感冒でちょっと工合が悪いから木戸船長と交代して操業してくれというので交代したわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/200
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201・芳賀貢
○芳賀委員 俗に言う李ラインの周辺で操業する場合は、一応危険な海域と見なければならぬわけですね。ですから、そういう地域に操業に出かけて、船の場合には船長とか艦長というのは重大な責任と指導権を持っておるわけですから、そういう場合に、漁船であっても、みだりに船長が他の船に移っておってこういう非常に急迫した事態に当面した場合においても正しい指揮をすることができないというような状態は、これはやはり慎しむ必要があると思うのです。病気等によってそういう事態があったかもしれませんが、これらの点については、たとえば水産庁や海上保安庁においては適切な指導を今日まで怠っておったのではないか。こう思いますが、その点はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/201
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202・永田利一郎
○永田参考人 私といたしましては、船長は病気で一日か二日くらいしたらなおるし、そう危険な区域じゃないということで乗り移ったわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/202
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203・芳賀貢
○芳賀委員 水産庁や海上保安庁では常時そういうような指導をやっておりますか。こういう危険海域とみなされを地帯で日本の漁船が操業する場合の態度というものは、おのずから緊張を要すると思うのです。そういう場合に、たとえば漁船法や船員法の規定に基づいて適切な指導を今までやっておったかどうかという点を、水産庁並びに海上保安庁にお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/203
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204・西村健次郎
○西村(健)政府委員 今の問題は、船舶の航行と申しますか、漁撈そのものじゃなしに、航行の問題でございますので、一般的な問題として運輸省あるいはその外局である海上保安庁という方で、随時、いろいろな法令もございますし、それに基づいて指導いたしておるわけでございますので、その点は関係者の方からお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/204
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205・林坦
○林(坦)政府委員 そのような場合は、もちろん船員法の適用を受けるわけでございます。従って、船長が事故がある場合には、その事情によりまして代理者を選定してやらせることはもちろんできるわけでありますけれども、船を去るというようなことはあまり適当な処置ではないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/205
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206・芳賀貢
○芳賀委員 ただいま水産庁長官が言われましたが、この八幡丸が操業地域に到着して投網したのは前日なんですね。ですから、航行中とは言えないと思うのです。投網して、底びきですから、その網を曳航する仕事というものはいわゆる操業ですから、操業中である場合においては、やはり水産庁においても、航行中だからといって運輸省の所管ということにはならぬと思う。操業中というのは一番危険であり、不安じゃないですか。航行中であれば、何も漁業に従事しておらぬし、漁業をやっておるのじゃないからしてこれに対しては韓国側においてもそれほどの追及はしないと思うのですが、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/206
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207・西村健次郎
○西村(健)政府委員 私の申し上げた趣旨は、なるほどそのときは投網して漁撈作業中でありましたが、漁撈作業中であれ航行中であれ、船舶の安全というものについては一定の法令上の要件がございます。私どもは、もちろん、船長はいなくてもいいというようなことは言っておりませんが、ただ漁撈中であれ航行中であれ、これは法令上当然船長、責任者がちゃんと乗っておるべきものだ、こういうふうに了解しておりますので、私の方でその点について特別な指導をする必要は、むしろ今まで当然のことと思って、そういうことはしておらないわけであります。そういう点を申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/207
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208・芳賀貢
○芳賀委員 永田さんにお尋ねしますが、あなたの八幡丸は、大体、——これは一月、二月等でもいいのですが、操業する地域は、今回不幸にも拿捕された農林海区の二四五、二三五、その地帯で操業されておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/208
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209・永田利一郎
○永田参考人 大体この二三五区から二四五区くらいで操業しております。常時やっておったのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/209
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210・芳賀貢
○芳賀委員 それなら、常時そこで操業されておるのですから、その海区が一番魚群が生息しておる地域ということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/210
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211・永田利一郎
○永田参考人 魚群といっても、魚なんか時期でやるので、あの二三五区の五をやったり、それから二四五区の下をやったりして、ずっとあっちこっちやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/211
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212・芳賀貢
○芳賀委員 私の聞いておるのは、結局、——李ラインがありますね。ですから、李ラインの外で操業するか内で操業するかというような判断も起きるわけなんですよ。その場合に、漁業ですから、李ラインの外側に魚群の生息地帯があるのだということになれば、何も危険を冒して先方へ行ってライン内に入ってそこで操業する必要はないということになる。この地図にもありますが、二四五区に瀬がありますね。その瀬の周辺が漁獲上から言うと一番操業するには有利な地点なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/212
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213・永田利一郎
○永田参考人 大体この瀬の付近を魚群探知機で探してやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/213
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214・芳賀貢
○芳賀委員 それで、お尋ねしたいのは、一月、二月も大体その地域で操業されておったという場合、その付近にたとえば韓国の警備艦等が常に出動しておったのか、あるいはわが方の海上保安庁の巡視艇等が常にあなた方の操業の安全を守るために、監視や開成に当たっておったのか、そういうような状態はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/214
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215・永田利一郎
○永田参考人 これは、海上保安庁の巡視船等は、月に一回か、多くて二回くらい会います。会うというのは、やはり操業しているわきを通ったり何かして、普通通っても、わきに来ても何とも話はしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/215
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216・芳賀貢
○芳賀委員 そこで、その海上保安庁の船の任務というものは、私が言うまでもないのですが、たとえば、特に李ラインを中心にした付近が一番不安な地点になるわけですから、皆さんがかりそめにもライン内に入るような状態であった場合には、常に海上保安庁の巡視船等が適切な連絡とか注意を今まで与えておるものかどうか、その状態はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/216
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217・永田利一郎
○永田参考人 それは、一月ごろは、奈良尾無電局から連絡がありまして、その方は無線士が船長とだけ打ち合わせてやっておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/217
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218・芳賀貢
○芳賀委員 保安庁長官にお尋ねしますが、参考人の意見では、あまり操業中の漁船の行動等に対しては連絡や注意をしてないようですが、これはどういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/218
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219・林坦
○林(坦)政府委員 第五・八幡丸の方に無線を持っております。従って、第五・八幡丸の方がその当時傍受していなければ別でございますけれども、私の力で出しておる警報は聞いておるはずであります。私どもの方といたしましては、李ラインの周辺をずっとあちこちと体制を整えて回っておりました。そうして、いろいろ、韓国警備艇の動静等につきましても、無線を聞いておる船はよしとして、聞いていない船あたりに対しても、ときには回って参りましていろいろ注意をするということは実際にやっております。この船はあるいはたまたまその警報を聞いていなかったかもしれませんが、第五・八幡丸の方のことはちょっとわかりませんですけれども、この船は無線を持っていないというのでございますから、第六・八幡は聞いていなかったのかもしれません。第五・八幡が聞けば、僚船に対しては注意をするはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/219
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220・芳賀貢
○芳賀委員 そこで、保安庁の巡視船の場合、たとえば李ライン周辺を哨戒している場合には、このラインの付近のどの地点でどのような船名の漁船が現在たとえば底びきなら底びきの漁業に従事中であるという、そういう状態は時々刻々わかるようなことになっておると思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/220
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221・林坦
○林(坦)政府委員 当日の状況は、済州島の東方海域、それから南方海域、西方海域等の出漁船の状況につきましては、資料によってお配りしてありますが、わかっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/221
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222・芳賀貢
○芳賀委員 そうすると、巡視船の場合には、海図を持ってそれに正しく漁船の操業地点というものを記録しておるわけなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/222
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223・林坦
○林(坦)政府委員 毎日、何区に何隻、何区に何隻という意味においてまとめてはおりますけれども、時々刻々どれがどこに行っているというところまで詳しくは常時抑えているというわけではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/223
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224・芳賀貢
○芳賀委員 こういう点は、保安庁の方でも、船も足らないし、なかなか激務に携わっておるということはわかりますが、こういう危険水域で操業する漁船の操業の安全を保つということに最大の任務があると思うのです。従って、やはり、哨戒とか警備という場合においては、できるだけ綿密に漁船の操業状態というものを把握して、いささかも不祥な状態が起きないようにやっていくということに一段と熱意を傾ける必要があると思います。お配りになったこの資料によっても、現在の位置で見るとほとんどラインの中の韓国側の方へ寄った済州島の付近に四隻の巡視船が固まっておるように見られるわけなんです。ですから、ラインの外に、特に斜線の内側に漁船が操業中であるという場合においては、巡視の隊形ももう少しそれに当てはまるような状態の警備とか巡視をやるべきじゃないですか。これはどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/224
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225・林坦
○林(坦)政府委員 私どもの海上保安庁の船は、できるだけ韓国の基地ないし韓国の警備艇の近くに近づきまして、その動静を知って、それを連絡してこういう事故の起こらぬようにするということをもって処置といたしております。従って、操業の多い場所とかあるいは警備艇のおる近くの場所というところに比較的海上保安庁の巡視船も行くということが多いのであります。何せ、あの方面に出ております船は数百に上っております関係上、あらゆるところに全部手を配るというわけには参りませんけれども、重点的に考えまして最も適当だという場所に巡視船を配置して警戒に当たっておるという状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/225
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226・芳賀貢
○芳賀委員 次に、伊關局長にお尋ねしますが、外務省の方では問題が起きた直後の十五日に韓国の代表部の柳大使に抗議の口上書を渡しておるわけであります。この内容は当然のことが述べられておりますが、これに対して二月の二十七日に韓国代表部から日本側の抗議の口上書に対する反論の意味の口上書がこちらの方に渡されたことはわれわれも知っておりますが、この内容を見ると、全く日本側の抗議を全面的に駁論しておるということにしかなっておらぬわけです。これは非常に食い違いがある。これらの内容について現在外務省当局としてはどのような理解のしに立って今後これを処理するために外交交渉を進めていくか、その態度なるものを説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/226
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227・伊關佑二郎
○伊關政府委員 先方は、李ラインの中であるとか、あるいはみずから船を沈めたものであるというこの二点を主にして反駁してきております。それに対しまして、そういう点につきまして今こちらの集め得る材料を鋭意集めておるという段階でございまして、先ほど申し上げましたように、材料がまとまり次第二、三日うちにまた抗議をするつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/227
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228・芳賀貢
○芳賀委員 この韓国側の反論の中の二に、第五・八幡丸は韓国警備艇の接舷によって損害を受け、警備艇に引かれていく途中浸水を増したことは事実だが、この間同船の乗組員は排水ポンプの口をあけて自沈をさせたものであると言っておる。この自沈については非常に問題があると思うのです。これにも、さらに内容を詳しく分けて、この自沈であるという点については拿捕した日本の漁船の乗組員に対する取り調べの結果、これは自供したものである、それによると、韓国側に保護されるよりはみずからの手で処分した方がましだ、船を沈めて海上に避難すれば追跡中の日本の巡視船から救助されるかもしれないという希望をも持ってこれを自沈したものであるということをこの拿捕された船員が述べておるということも加えてあるのですね。この点についても両国においての主張点の相違でありますが、この点について永田参考人にお尋ねするのですが、あなたはほんとうは第五・八幡丸の乗組員であり、また責任のある甲板長ですから、操業に出る場合、万一李ラインの周辺で韓国の船が来てこれを拿捕するような場合においては、その心がまえとして、覚悟としては、むしろ自分らの手で船を沈めて日本人の意気を示した方がいいとか、そういう心がまえというものを常にどのようにか持たれておったかしれませんが、その点はどういうことなんです。
〔委員長退席、田口委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/228
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229・永田利一郎
○永田参考人 僕としてはそういうことは全然考えません。普通の乗組員にもそういうことを与える人は全然いない。機関長にせよだれにせよ、そういうひまがあったとは僕も考えません。結局、自分が乗った船を自分が沈めるということは、だれも考えるということはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/229
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230・芳賀貢
○芳賀委員 その点、お尋ねしてはっきりしたからいいわけですが、これが自沈であるか、韓国側がこれに激突を加えて結局沈没させたのかということは、今後の交渉上の争点になると思いますが、この点についての立証を今後外務省としてはどうやるつもりなのですか。たとえば、先方に拿捕されて抑留中の自供をしたと称する乗組員を全く抑圧されない公平な状態の中へ置いて、そこで本人の自由なる意思でどうであったかということを述べさせる、そういう状態が作れれば自供というものがどういう内容であったかということがわかるが、今のような日韓間の状態の中でそういうことははたして望めるかどうか、これは局長どう思っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/230
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231・伊關佑二郎
○伊關政府委員 現在のような状況で、こちらの弁護十をつけるといっても向こうが応諾しないような状況でありますから、自供したと申しておりますが、それがはたして自由なものであるとかどうかという点については、かなり疑問があると私も思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/231
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232・芳賀貢
○芳賀委員 この反駁書の中に、李ラインは国際法上認められておるということを向こうは断定しておるわけです。わが方においては、李ラインというものは、当然、公海であるからして、韓国側のこのような不当な主張は今まで容認していないわけですが、たとえば、韓国側の言う国際公法上認められておるという根拠、これを外務省が先方の立場に立って考えた場合において、彼らは何を根拠に国際法上認められておるということを今日までも主張してきておるのか、その点はおわかりと思いますので、ここで明らかにしておいてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/232
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233・伊關佑二郎
○伊關政府委員 われわれ国際法上認められたものであるとは全然考えておりませんが、先方はそういうふうに言っておるわけであります。ただ、実際の会談において漁業委員会等が始まりますれば、必ずしもそういう主張をするかどうかという点はまだ今後の問題だと思いますけれども、一応そう言っておりましてそれはきわめて少数の説であろう、国際法上認められるとかどうかということになりましたら、一般に認められた説でないことは間違いないことでございます。きわめて少数な、自分に都合のいい説である、こういうふうにわれわれは考えております、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/233
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234・芳賀貢
○芳賀委員 その点は、国際法上から見ても論拠が薄弱であるとかあるいは全く先方の言い分は根拠がないとかいうことであれば、もう少し勇気と自信を持って日本側においてこれを指摘して、こういう不当な向こうの主張を撤回させる必要があると思う。それが今まで行なわれていないのですね。全然やらぬわけではないが、われわれから見ると、非常にこれはなまぬるい態度で今日まで外務当局——現在の政府ですね。これは岸政府が当たってきているのですが、たとえば、この韓国とアメリカとは外交的にも経済的にもあるいは軍事的にも非常にこれは緊密な交際を持っているが、一体アメリカはこの李ライン問題に対してどういう見解を承っているか、これはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/234
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235・伊關佑二郎
○伊關政府委員 アメリカは韓国と友好関係にありますけれども、公式にアメリカがどういう発言をしているかという点は、ちょっとはっきりいたしませんし、また、おそらくそういうことは言わぬと思いますが、いろいろ話をしておりまして、アメリカ側もそうした韓国の主張を国際法上正しいものと認めているということはないと私は思っております。
それから、わが方としてはそれに対しては常に強く反駁しておるのでありまして、わが方の考えは、極端に申しますれば日本の漁船が出てとるとなれば韓国側は非常に技術が幼稚であって一匹もとれぬというのが実情でありまして、そういう実情に照らしまして、韓国側の漁業もある程度成り立つように考えていこうというのがこういう問題に対する考え方でありまして、そういう点は考えておりますが、先方の主張というものを認めぬ点は、はっきりしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/235
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236・芳賀貢
○芳賀委員 とにかく、韓国の李承晩と台湾の蒋介石と日本の岸氏はアメリカ陣営に最も忠実な極東の三人男と言われておるのですが、こういうような韓国と日本の間におけるラインの問題等については、韓国に対しては、軍事的にも経済的にも主導権を持っているアメリカ等がもう少し積極的に不法なる韓国の主張を是正させるような努力をするように、日本の政府としても努力する必要もあると思うのです。そういう努力は今まで試みたことがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/236
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237・伊關佑二郎
○伊關政府委員 この点につきましては、アメリカ側と非常に密接な連絡をとっております。日韓会談とか、今の一般的な日韓の交渉等については、しょっちゅう向こうからも聞きに来ております。また、わが方は京城にも何もございませんので、向こうの京城の大使館等も、いろいろと韓国の事情を伝えてくれます。アメリカ側といたしましてはもうできる限りの努力をしてくれているというのが実情だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/237
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238・芳賀貢
○芳賀委員 これに関連して、小枝政務次官が来ておりますが、一体農林省の態度はどういうことなんですか。すべてを外務省に、これは外交問題であるからまかせるということでいるのか、あるいは、農林省として独自な態度に出て、そうしてそれを外務省を通じての外交交渉等にも打ち出しておるのか、内容はどうなっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/238
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239・小枝一雄
○小枝政府委員 御承知のように、漁業につきましては、これは農林省の所管でありまして、農林省側といたしましては、わが国の漁民が漁業をいたします上に支障のないようにしたいという考え方をもって努力をしております。こういう問題につきましては、農林省側も常に外務省側と連絡をとりまして強力にこれを進めるという方針をもって今日まで参っているような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/239
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240・芳賀貢
○芳賀委員 それでは、今回の問題はどうやってやるのですか。強硬々々といっても、何も見通しはないじゃないですか。今度はどういうような具体的な方策を外務省と協力してやるというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/240
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241・小枝一雄
○小枝政府委員 今回の問題につきましては、御承知のように、はなはだ遺憾な問題でありまして、私ども、これは明らかに韓国側の不法な問題のように考える。従いましてこの問題は、拿捕された者につきましてはすみやかにこれを送還してもらいたい、並びに、今後かような問題を繰り返さないように、農林省としては極力これを主張いたしまして善処したいという考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/241
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242・芳賀貢
○芳賀委員 稲田農林大臣は、この問題が起きた直後に、政府として韓国米を三万トン日本が買い付ける、しかも、この三万トン買付は、先ほどは、外務省の方では、これはこの問題と関係はないのだという説明がありましたが、福田農林大臣の当委員会における答弁は、これは人命にはかえがたいのだ、不法に拿捕された日本のこの乗組員諸君をすみやかに釈放させるためには、この買付を行なうことによってそのことが促進され、実現されるのであれば、これは当然人道上の問題からも買付をしなければいけないのだということを、この国会において明らかにしておる。それならば、この問題は明確に今回のこの拿捕事件あるいは今日までの抑留者の早期送還の問題等に大きな具体的なつながりがあると思うのです。われわれとしては、その方法の一つだと思うのです。そういう点はやはり政府においても明らかにされていったらいいと思いますが、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/242
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243・小枝一雄
○小枝政府委員 ただいま芳賀委員からお尋ねの点は、私も、事務当局から、大臣が答弁いたしましたように一応承知いたしております。私も、人命にはこれはかえがたい問題でありまするし、これによって将来李ラインの問題、日韓関係の問題が好転するということなら、政府のその輸入米については食管会計内における操作に待つといたしまして、これはやむを得ぬ措置ではないかと今日まで考えておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/243
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244・芳賀貢
○芳賀委員 この点については、私としても、これは人道あるいは国民的な立場から見ても、この日韓の漁業関係の問題初めこれが糸口になって根本的な解決が行なわれるのだということであれば、これは非常に効果的かもしれぬと思う。ただ、これが前例になって、拿捕して、今度は米を買えと言えば日本側は幾らでも米を買うだろうとか、あるいは、向こうで売りたい物資を買えと言えば、また日本は人道上の見地という立場から応諾するだろうというような悪例を残したり、自木の外交の弱腰を見抜かれるようなことになっては困ると思うのです。ですから、この韓国米の買付の問題等についても、解決のためにこれが有効であると確信が持てるということであれば、その方針というものを明らかにして、関係がないとかなんとかいうことを言わぬで、これでやりますならやりますということを明確にして、積極的な態度で進んだらいかがと思うのですが、これは外務大臣が来ておりませんから、局長としてはどう考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/244
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245・伊關佑二郎
○伊關政府委員 われわれは、あくまでもすべての問題に先行して漁夫の釈放が行なわれなければならない、こういうふうに考えております。漁夫の釈放が行なわれ、貿易が再開されました場合に、そこで米の問題を実施する、こういうふうに順序としましては考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/245
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246・芳賀貢
○芳賀委員 それでは、問題の解決に関係があるということが明らかになったので、次に移ります。
二月十八日の新聞によると、いよいよ海上保安庁も李ラインに出動する特哨巡視船等については今度は装備をする、大砲や機銃をそれに装備するようにきまったということが、これは二月の十七日に海上保安庁の本庁から第七管区海上保安本部に通達があったということが出ておりますが、この点はいかなる内容になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/246
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247・林坦
○林(坦)政府委員 海上保安庁の巡視船に砲を積む問題は、実はもう数年前からやっておることでございますが、李ライン関係の巡視船につきましては、韓国との間に武力的なトラブルが起こることを避けるという意味におきまして、一応おろして巡視警戒に当たるという態度をとって参りました。これは、もちろん片一方において外交交渉等によってこの李ライン問題が平和的に解決することを期待し、また、韓国側に対してもことさらによけいな摩擦を起こさないで、別途その方面に操業する船舶あたりに対しては警戒をいたしまして、警告を発しまして、それによって保護していくという全体的な体制のもとに行なっておったわけであります。ところが、昨年の夏非常に李ライン問題もやかましくなりまして、従来あの方面に配置しております船だけではとうてい足りないということになりました関係上、ほかの管区の船を入れるということになったわけであります。ほかの管区の船が入れかわり立ちかわり実は李ラインに就航して警戒に当たらなければならなくなりましたので、ほかの管区の船につきましては、いろいろ訓練の関係もありますし、その他そういう武器の保守関係から申しましても、積んだりおろしたりすることは経費の面からも時間の面からも非常にロスでございますので、これは積んだまま入れたわけでございます。そういう状態がすでにもう昨年の秋くらいからずっと続いて参っております。従って、海上保安庁といたしましては、この行き方は、もうすでに、初めにおろしてやるというやり方によって従来とっておりましたやり方は今において必ずしも絶対に必要であるように感じなくなりましたので、一応今言いました趣旨で七管区の船も積んでもよろしいということにいたしました。大体もうほとんどの船に定められた武器を積み終えたような状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/247
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248・芳賀貢
○芳賀委員 この方針の決定は、海上保安庁として決定したのか、あるいは政府の方針としてたとえば閣議等においてこのような処置をすることにしたのか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/248
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249・林坦
○林(坦)政府委員 このおろしておりますのが、これはだいぶ前の話でございますけれども、政府の国際的な紛争解決に武器は使わないという方針にのっとりまして海上保安庁においておろしたものでありますので、今度積ませましたのも海上保安庁においていたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/249
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250・芳賀貢
○芳賀委員 私の記憶では、これは、昭和二十七年に、特に李ライン周辺に就航する保安庁の巡視船等については、そういう装備を持って就航する場合には韓国側を刺激する、そういうおそれがあるから、この海域に就航する場合においては装備をはずすということを閣議決定として行なっておるというふうに記憶しておるわけです。ですから、そうなると、今回の措置も、これは当然政府の方針として海上保安庁に対してこれを行なわせるようにしたのではないかとわれわれは判断しておるのですが、それは事実と違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/250
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251・林坦
○林(坦)政府委員 それは事実と違います。閣議によって積まないということになったわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/251
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252・芳賀貢
○芳賀委員 これは非常に重大な点だと思うのです。海上保安庁だけの一存でこの海域においては装備をはずしたりまたつけたりする。それでは、一体、北洋の海域に出動している保安庁の巡視船は装備を持って行動しているのかどうか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/252
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253・林坦
○林(坦)政府委員 他の海域の巡視船は、みな積んだままでやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/253
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254・芳賀貢
○芳賀委員 委員長に申し上げますが、この点は保安庁長官だけの答弁ではわれわれは納得できませんから、総理大臣等に出席を求めて、この李ライン海域だけに装備をしないという問題が、はたしてこれは海上保安庁の一存だけで行なったものかどうかということは、さらに保留して政府の明確な所信を尋ねたいと思います。
次にお尋ねしたい点は、それでは、今度装備することになった装備の内容はどういうことになっておりますか。たとえば、四百五十トン級とか、三百トン級とか、二百トン級とか、いろいろ巡視船にも級がありますが、その船の力に応じた装備をすることになると思いますが、その装備の内容について、差しつかえなければここで御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/254
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255・林坦
○林(坦)政府委員 装備の内容等につきましては、資料等がもしなにでございましたら、後ほど整えた上御説明いたすことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/255
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256・芳賀貢
○芳賀委員 これは大体新聞等に出ておりますが、責任のある資料をお出しになるとすれば後刻でもいいです。
この際防衛局長にお尋ねしますが、海上保安庁に所属する巡視船等が装備をする場合には、これは防衛庁と全然所管が違うわけですが、大砲あるいは機銃を装備するということになると武装ともみなされるわけですね。そういう場合には、防衛庁との間において協議か何かが行なわれて、このような装備をすべきであるとかどうとかいうことになっておるかどうか、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/256
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257・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 これは御承知と思いますが、海上保安庁は平常時における海上の治安維持に当たる機関でございます。ただ、自衛隊法によりますると、防衛出動とか治安出動というようなものが発動されますと、一部内閣総理大臣の統制下に入りまして、海上自衛隊と一緒に行動する任務を与えられるわけでございます。そういう点から申しまして、将来は海上保安庁の船の装備につきましてもいろいろ協議をしたいと思うことがございますが、ただいままでのところはいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/257
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258・芳賀貢
○芳賀委員 現在までは何らの関連もないわけですね。——海上保安庁でどのような装備をするかというような場合にも。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/258
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259・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 現在までは相談をしたことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/259
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260・芳賀貢
○芳賀委員 そこで、お尋ねしたいのは、この急迫不正の事態には、海上保安庁の任務として、国民の生命・財産あるいは当然の権利を守るために出動するわけなんですが、李ラインは彼らの一方的な主張ではあるが、明らかに李ラインの外において急迫不正な行為が絶えず繰り返されるということになると、これは黙過することができないと思うのです。ただ、わが方の漁船を拿捕してそれを曳航して韓国側へ帰るあとだけを追尾して返してくれ返してくれという程度では、これは急迫不正の事態を防ぐことにはならぬと思うのです。ですから、今後の事態については、先ほども消極的な答弁がありましたが、一体どのような態度でこの国民の生命・財産や公海における当然の権利を守る具体的な行動をやろうとするか、その点をお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/260
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261・林坦
○林(坦)政府委員 先ほどから御説明申し上げております通り、現在の状態におきましては、漁船の李ライン関係における保護については武力を行使しないで極力折衝によってこの問題を解決するというのが国の方針になっております。従って、その方針にのっとってこの問題に対処いたしております。私どもとしましては、問題が起こる前にいち早く韓国の警備艇の動静その他も知りまして、それに基づいて、出ておる漁船を指導して問題を起こさないようにする、また、たまたまそういう場合に出っくわした場合には、あるいはけさほども起こりましたことのように、でき得れば敢然と間に割って入ってでも阻止をすることはする、しかしながら、もうすでに拿捕されてしまい、乗組員も韓国の警備艇に乗せられてしまったというような場合におきましては、極力洋上において折衝をし、あわせて外交交渉によって折衝をするというのが現在の取り扱いの方法でございます。それによって成功した場合もあり、また、聞かれない場合もあったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/261
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262・芳賀貢
○芳賀委員 それでは、今後このような危険水域における完全な任務を果たすためには、現在の保安庁の巡視船の保持トン数や装備程度ではたしてやれる自信はあるのですか。あるいは、全くこれは不足しておって、いかに保安庁の責任だと言われてもやれない程度のものであるか。その点はいかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/262
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263・林坦
○林(坦)政府委員 もちろん、現在の状態におきましては、海上保安庁は現在の足りない装備をもって全力を尽くしてやっております。しかしながら、だんだんいろいろと状況も複雑になってむずかしくなって参ります。私どもの方といたしましても、さらに通信なりあるいはその他の方面におきまして装備を充実いたしましてわれわれに与えられているものでできるだけのことはいたしたいという覚悟で当たっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/263
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264・芳賀貢
○芳賀委員 関連してですが、それでは、昭和三十五年度の予算等で海上保安庁の船の建造とかあるいは組織上の拡大が一体期待されるように行なわれておるかどうか。保安庁の組織というものは自衛隊とは違いますからね。これは明らかに海上における秩序維持の警察力であることは言うまでもないわけです。その警察力というものは、国土の中においても、あるいはわれわれの領海内においても、あるいは漁業の操業中の公海においても、完全に秩序が保たれるという状態に置かれていなければならないと思うのです。一方においては防衛関係の予算だけはどんどんふえるが肝心な海上における秩序維持の設備は少しも伸びていかないということになりますと、これはずいぶん問題があると思う。こういう点は所管大臣等の意見を聞くのが当然ですが、今日は都合で来ておりませんので、参考までに意見だけを聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/264
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265・林坦
○林(坦)政府委員 李ライン方面の問題につきましては、私どもも現在の装備等につきましては決して十分であると思っておりません。来年度につきましてもいろいろ巡視船の増強という問題について政府部内において討議し折衝もいたしたのでありますが、なかなか財政面等の関係から思うにまかせない状況でございます。しかしながら、大体従来毎年一隻程度作っておりました二百五十トンの船を来年度は二隻作ることにいたしました。その地平六百万円ばかりの金を李ラインの通信関係の装備その他に使い得るように予算に計上することができた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/265
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266・芳賀貢
○芳賀委員 次にお尋ねしますが、先ほども水産庁長官から抑留漁民や留守家族に対するたとえば給与保険等の話がありました。たとえば留守家族に対して毎月一万円、あるいは抑留者に対しての生活費八千円程度では、とうてい生活維持はできないと思います。しかもそれは保険に加入していなければその給付を受けることができないというような状態は、このままでは満足でないと思うのですね。しかも、李ラインの外で操業を行なっておったものが不当に拿捕されあるいは撃沈されるということになりますと、これは漁業に従事する国民の何らの過失ではないと思う。従って、この点に対してはもう少し政府としても熱意のある処理方針をきめる必要があると思いますが、どのように考えておるか。これは農林省の政務次官から伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/266
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267・高橋泰彦
○高橋(泰)政府委員 私からお答えいたします。
先ほど長官からも御説明があったわけでございますが、現在、拿捕された船員に対するいろいろな援護措置につきましては、乗組員の給与保険の未加入者に対しましても一人一カ月当たり一万円ということになっておりまして、給与保険の加入者であって低額な加入者、これは一万五千円以内と思いますが、この場合は、差額についても、その差額の三分の二になっておりますが、三分の二を見るということになっております。従いまして、この場合は、必ずしも乗組員給与保険加入者だけではなくて、未加入者に対してもそれぞれ適切と思われる援護措置を講じているということでございます。それから、もう一点は、差し入れ品の購入費に対する補助金でございまするが、これは、先ほどの御説明のように、一人年額九万六千円ということになっております。これらにつきましても、大体年三同程度に分けるわけですが、合計これを支出しているというような状況でございます。
なお、この額についてどう思うかという御質問でございますが、もちろん、私どもは、これで十分であるというふうには必ずしも考えておりませんが、しかしながら、財政当局との打ち合わせの問題もあり、他の援護措置とのつり合いの問題もあり、一応この程度で不満足ながらめんどうを見るということになっておるというふうに御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/267
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268・芳賀貢
○芳賀委員 今の次長の答弁は水産庁長官の答弁と少し違うのですが、それでは、未加入者の留守家族に対しては一万円の支給を行なって、加入者については見舞金のほかにさらにまた正規の保険給付が行なわれる、そういう意味なんですか。そこをはっきりして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/268
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269・高橋泰彦
○高橋(泰)政府委員 これは、乗組員給与保険の加入者のうち低額な加入者、すなわち月一万五千円以下の非常に低額な場合は、保険金額と一万五千円との差額の三分の二を補給するというような措置をとらしていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/269
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270・芳賀貢
○芳賀委員 もう少しはっきり説明して下さい。給与保険に加入している者に対する給付は正当に行なわれると思いますが、そのほか、国としての配慮、見舞金といいますか、その金額というものは、これは加入者であっても未加入者であっても均霑さるべきものであると思うのです。そのことがそのように行なわれておるかどうか、その点ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/270
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271・高橋泰彦
○高橋(泰)政府委員 これは、通常の場合ですと、乗組員給与保険に入っていただくことをお勧めしておるわけでございますから、通常の場合は給与保険制度でもってカバーできるわけでございますが、しかしながら、強制的な加入の方法はとっておりませんので、どうしてもその中には乗組員給与保険に未加入の方がおるわけでございます。従いまして、その場合、給与保険に入っていないから仕方がないというわけには参りませんので、その場合には、一人一カ月当たり一万円の範囲内において政府の方から支出する、こういうような考え方に立っております。
〔田口委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/271
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272・芳賀貢
○芳賀委員 それでは、この抑留者に対する月八千円の生活費を送金するのですが、この八千円の程度で大体安心できるような健康が維持されておるかどうか、その点の確認はどういう方法でやっておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/272
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273・高橋泰彦
○高橋(泰)政府委員 これは、ただいま問題になりましたように、乗組員の給与保険制度と、もう一つは、差し入れ品の購入費の補助金という、主としてこの二つの方法で援護しているわけでございますが、この漁民側の状況につきましては、県を通しあるいは団体を通してその状況についてお聞きしておるような情勢でございます。
なお、韓国の抑留者でありまして、帰還後に抑留に原因いたしまして病気したような場合でありまして社会保障によります医療給付を受けられない者に対しましても、一定の年限相当の額の援助をいたしておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/273
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274・芳賀貢
○芳賀委員 この韓国に抑留中の日本人の船員の生活状態とか健康状態を適切に判断したり認めるという場合は、これはやはり国際赤十字の機構を通じて人道上の見地からも韓国側が十分責任を持って抑留者の健康保持等についても当たっておるかということを確かめたことは今までないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/274
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275・伊關佑二郎
○伊關政府委員 国際赤十字に対しましては随時実情の調査を依頼しております。昨年も二月、と九月にそういう依頼をいたしまして、一応の返事をもらっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/275
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276・芳賀貢
○芳賀委員 その内容はどういう報告になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/276
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277・伊關佑二郎
○伊關政府委員 昨年の二月の場合は、国際委員会が韓国赤十字にまた調査を依頼したというふうなことになりまして、その出た報告によれば、抑留漁夫は満足な待遇を受けているという回答が来ておりますが、これはじかに自分で行って見ておらずに韓国赤十字からの報告でありますので、それがはたして真相に近いものかどうかという点は問題があるかと存ぜられます。昨年の九月にもそうしたことを依頼しておりますが、その際は、慰問品を送って、これが無事に着いたということを言ってきております。それから、昨年の七月でありましたか、漁夫が集団的に収容所を出てデモをやったという事件がございました。そのときは、待遇が悪いのが原因じゃないかということで、非常に急を要しましたので、釜山にありますアメリカの総領事館に頼みまして実情を調査した。このときの報告は、それほど悪いものではない、非常にひどい待遇とは言えない、まあ普通の待遇をしている、——これは、日本国内におきます場合と、韓国におきます場合、一般の韓国人の生活状態との比較もございましょうから、日本の場合に比較してどうということにならずに、向こうで見てそれほどひどいというものではないというふうな報告が参っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/277
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278・芳賀貢
○芳賀委員 次に関連してお尋ねしますが、三日の下旬にジュネーブで国際海洋会議が開かれることは御承知の通りです。この海洋会議においては、毎年の論争になっているところの、たとえば領海の問題、あるいは領海に接近した漁業の浅海地区の問題等が当然の議題になるわけですが、これに対して日本の政府としてはどのような態度でこの海洋会議に臨もうとしておるか。世界的に、たとえばソ連等においては領海は距岸十二海里、あるいは日本においては三海里ですが、たとえば南米等においては、ペルー、チリー、アルゼンチン等においては、距岸二十海里が領海というような主張がされておる。非常にこれは不統一なわけです。ですから、これは国際上の重大な問題ではあるが、やはりこれらの領海に対する国際法上の定説等も早く統一する必要があるし、また、漁業関係の問題についても、領海をも含めた自国だけの専管の漁業地域というものもやはり検討すべき時期でないかというふうに考えるわけです。そういう点が漸次整理されていけば、やはり漁業の場合には魚群の生息する地域以外のところで操業する必要は当然ないわけですから、この点は相当今年の会議は重要性を持つものと考えられるが、一方においてはすでに現在北洋の日ソ漁業交渉も開始されておりますし、また、一方においてはこのような国際海洋会議が開かれることになっておるので、当然政府としては出席に対する態度等はきめておると思うのですが、この機会に内容を明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/278
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279・伊關佑二郎
○伊關政府委員 この問題は、外務省の中でも条約局が主管しておりますので、私も非常に詳しい点については存じませんが、まだ最終的な訓令は出しておりません。今、いかなる訓令を出すかということについて、もうきわめて近い将来に出さなければなりませんので、協議をいたしております。日本は三海里ということを従来言っておるのでありますが、アメリカは、六海軍の領海、その外に漁業専管権を認めている。これは五年以上の実績を持つ他国の権利に考慮を払わなければならぬというのがついております。カナダは、六海里に対してまた六海里の漁業管轄権があるというような案でございまして、まあこれは最終的に外務省の意見あるいは政府の意見はきまっておりませんが、そういうふうなアメリカ案のようなものでまとまりますならば三分の二の多数がとれるならば、それもいいんじゃないかというふうな考えもいたしておりますが、私は専門でございませんので、まだ最終的にきまっておらぬということだけは存じております。この程度であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/279
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280・芳賀貢
○芳賀委員 この問題はまたいずれ別の機会にただしたいと思いますが、きょうは永田参考人に御足労を願って永田さんを中心にしての質疑でありますから、この程度にして、残余の保留した問題はまた適当の機会に質問したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/280
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281・吉川久衛
○吉川委員長 金子岩三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/281
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282・金子岩三
○金子委員 私は水産庁の高橋次長にお尋ねしますが、現在水産庁の監視船がこのシナ東海から李承晩海域にどういう配置で何隻の船を配船しているか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/282
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283・高橋泰彦
○高橋(泰)政府委員 ただいま配置しているのは四隻でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/283
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284・金子岩三
○金子委員 どういう配置をしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/284
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285・高橋泰彦
○高橋(泰)政府委員 大体月二回くらいの航海を予定しておりますが、季ライン及び華東ライン周辺の調査、指導、取り締まりに当たっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/285
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286・金子岩三
○金子委員 昨年来李承晩ラインが非常に険しくなりまして、そのころも論議されたのでございますが、水産庁には相当の船もチャーターされて持っておる。しかし、この李承晩海域で操業する漁船に言わせますと、かつて水産庁の船を目にしたことはないということをよく言われておる。主として、水産庁としては、華東ラインのいわゆる安全操業、あるいは中共との紛争防止のために、以西底びきの安全操業のために、ここに配船をしておると当時言われておったのでございますが、この華東ラインというものは、四六時中さような国際紛争を起こすような危険を伴った操業は以西底びきはやっていないということははっきりしている。私に言わせるならば、あまり必要もないところに配船して、かように海上保安庁の船が手不足である、こういった事態であるこの季ライン付近に水産庁の船が配船されないということは、私は、主管官庁としてまことに遺憾である、かように存じますが、このことについて意見をお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/286
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287・高橋泰彦
○高橋(泰)政府委員 お答えいたします。私どもは李ライン並びに以西底びきトロール漁業の調査と取り締まりの任に当たるわけでございますが、現在のところ、この種の事件の起こりますのは、御指摘のように李ライン周辺が多いわけでございます。それで、私どもといたしましては、紛争の起こる区域を意識的に回避するようなことはいたしておらないわけでありますが、なおそれらの誤解もあろうかと思いますので、その点につきましては、御趣旨に沿うように検討させていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/287
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288・金子岩三
○金子委員 私の知るところでは、海上保安庁の、いわゆる海上における安全操業の使命と申しますか、これは、農林省、いわゆる水産庁の要請あるいは水産庁の計画に基づいて海上保安庁はその船の行動を指揮することに相なっておると私は承知いたしておるのでございます。その水産庁が、自分の手持ちの船を、シナ東海から李承晩ラインに、この国際漁場における最も危険地域である地域に回すように、昨年来強く業界から申し入れておるのに、今日も依然としてその船を有効に配置しないということは、私はどうかと思いますが、この点、今まで配船をしていない理由、根拠を一つはっきりお知らせ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/288
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289・高橋泰彦
○高橋(泰)政府委員 御承知のように、この季ライン周辺におきます、水産庁で行なっておる取り締まりが用船によるものでございまして、その性能も必ずしも十分ではございません。この船にはもちろん私どもの取り締まりの任に当たる水産庁の乗員が乗船しておるわけでありますが、船は用船のために思うような活躍が必ずしも十分にできるとは言えない状況でございます。この点につきましては、この水産庁の調査船をその方に回すということも考えられますが、基本的には、用船を、本来の調査・指導船の方に切りかえていくことが望ましいのでありますが、やはり、この問題は水産庁だけでは十分ではありませんで、どうしても主体を海上保安庁の取り締まりの方にお願いいたしまして、それと十分緊密な連絡をとることが一番いいのではないかというふうに考えておるわけでございます。その点、用船でございますので非常に不満足だとは思いますが、なお、その点につきましては、財政当局とも相談いたしまして、漸次充実して参りたいというふうに考えておる状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/289
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290・金子岩三
○金子委員 海上保安庁の松野警救監にお尋ねいたしますが、このたびの第五・八幡丸の事件について、永田参考人のお話を聞いておりますと、これは、確かに、李承晩ラインを認める認めないは別といたしまして、ラインから約二十マイル程度五島の西岸に寄った漁場で操業しておったことにこれは相違はないと思うのでございます。この永田参考人が申されております第五・八幡丸は、話によりますと、当然安全地帯で操業するからということで、特殊保険にも入ってないということを先ほども申されておる。その安全地帯で操業をしているということで、かりに巡視船から今の警報が出ましたといたしましても、比較的その警報をキャッチするのにルーズだったのではないか。ラインを入って操業する船はよくその指揮に従ってやっておることと想像もつくのでございますが、比較的五島列島寄りのライン外と称するところを常時操業を続けるという船は、割合私は警報を聞いていないと思う。この事件が起こりました当時、警報はどういう警報を出しておったのか。先ほど来同僚がいろいろ御質問しておりますが、警報について、いかなる警報が出ておったかということはどなたもお聞きになりませんので、その点を一つまず明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/290
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291・松野清秀
○松野説明員 先ほどの参考人の方のお話もございまして、私どもも、先ほど長官からお答えいたしましたように、当時、第五・八幡丸にしましても、ラインの外少なくとも私どもの推定では数海里くらいじゃないかと思っておりますが、いずれにしましても、ラインの外にあったことは間違いないのじゃないか、かように推定いたしております。従って、お説のように、ラインの外で操業をしております場合には、どうしても私どもの巡視船から出す警報に対しましても若干注意をしないで過ごしてしまうというようなこともあろうかと存じますが、御承知のように、従来からも実は李承晩ラインの確かに外と思われるような個所で拿捕されたケースが非常に多いのでありますので、やはり、もし私どもの推定のような位置だといたしますると、私どもの警報をやはり十分聞いていただくということでないと、今後も事件は起こるであろう、かように考えております。なお、当時におきましては、十一日の十四時に、ちょうど八幡丸が操業をしておりました海域に対しましては、いわゆる厳戒警報というのを出しております。さらに、十二日の午前一時三十分に、重ねて、やはりあの方面に対しまして若干区域を広めまして厳戒警報を出しております。ですから、もし通信士が当直しておられるならば、おそらく第五・八幡の方は聞かれたのではないか、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/291
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292・金子岩三
○金子委員 厳戒警報中であったとすれば、特に、この第五、第六の八幡丸が非常に不注意であったということもまあ認めなければならないと私は思うのでありますが、とにかく、八幡丸にすると、ラインの外で操業するという一つの安心感を持って、比較的そういう警報を聞き漏らすのじゃないか、こう考えます。まあ、永田参考人が申します通り、韓国のいわゆる警備艇は、東より西へ西へと追い込んでいった、日本の巡視船はみな済州島寄りの西におったというので、当時の実情をよく承知いたしますと、まことに気の毒な、まあ自分のいわゆる五島列島——これは五島の船籍でございますから、自分のいわゆる沿岸を操業しておった船を韓国の警備艇が中に追い込んでいった、それを、日本の巡視船はずっと内側で警戒態勢をとっていたので、これを早く接舷前に発見ができなかったといったような事態を考えますと、まことにこの事件は不祥事件で、船主の永田さん初め乗組員の一同に対しましても、国家としてほんとうに気の毒だということを考えなければならない、かように私は存ずる次第でございます。先ほど田口先生が申されておりました通り、特に第七管の渡辺本部長は非常に熱心で、献身的努力を続けられまして、この海域の安全操業に全力を尽くされておるということは、業界ひとしくこれは感謝をいたしております。ただ、この事件をつぶさに検討いたしますと、やはり、上手の手から水が漏れた、私はかように考えまして、いささか海上保安庁のいわゆる巡視船におきましても手ぬかりがあった、かように一つ海上保安庁でも率直に御認識をいただきたい。従って、今後の処置について一つ大いに検討すべきである、かように私は存ずる次第でございます。
それで、かようなまことに気の毒な、いわゆるラインから中には越境しないということで安全地帯で操業しておった船で、特殊保険もついていない、こういうことでございますので、今度外務省におきまして賠償をこれは一つ強く要求していただきたい。相手が相手ですから、もしそういったことが実現できなかった場合は、やはりこれは日本国政府において——こういういわゆる特殊ケースと申しますか、少なくともライン外の日本領海と思われるところでかような不祥事を起こして犠牲になった場合は、船主に対しても国は適当なめんどうを見るべきだと、かように私は考える次第でございます。これは水産庁が主管でございますので、一つ水産庁で大いにはっきり御検討になっていただきたい、かように存じます。
次に、この海域は、来たる七月ごろからまたまき網の盛漁期になりますので、隻数が現在東西で約三百数十隻という資料をいただいておりますが、おそらく千隻以上になりましょう。そういった場合、常時六隻の海上保安庁の警備体制で、はたしてそのような韓国の態度を続ける間完全なる警戒に当たっていけるかどうか。外交交渉の見通しでございますが、私らは非常に悲観的でございまして、やはりことしの夏から秋にかけてもこういう事態がこのまま続くのではないか、かように考えられますので、今後一つ国会の先生方も、警備が手不足であるならば、他の管区にチャーター船を回し、優秀船をあの海域に回すというような、昨年とったような措置もとれるのでございますから、一つ国会の先生方によく御認識をいただきまして、予算かれこれの面も適当な御協力をお願いいたしまして、万全の対策をとっていただきたい、かようにお願いする次第でございます。
先ほど来、大砲を積んだ意味はどうなのか、撃てるのか撃てぬのかというようなことをしきりに言われておりますが、この八幡丸の場合は、かような船が沈没するまでいろんな特殊ないきさつがあったのでございますが、このときでも、けさの事件のように中へ割って入るというようなことは、臨機の措置がとればとれたのではないか。いささか現地のことで思うようにいかないこともございますので、その是非はここで私は論ずる考えは持ちません。ただ、大砲を積んだ、あるいはたまを撃つとか撃たないとかいったようなことよりも、今海上保安庁がとっておられます常時六隻というこの海域の警備体制は、今後シーズンに向かうわけですし、役所の仕事は二、三カ月かかりますから、今から一つ関係各省でよく御相談いただきまして、万全の体制をとっていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問をこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/292
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293・吉川久衛
○吉川委員長 本件に関する調査は、本日はこの程度にとどめます。
参考人には長時間にわたり本委員会の調査に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げる次第でございます。
次会は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405007X00619600301/293
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