1. 会議録本文
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000・会議録情報
本国会召集日(昭和三十四年十二月二十九日)(
火曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
の通りである。
委員長 大平 正芳君
理事 稻葉 修君 理事 臼井 莊一君
理事 簡牛 凡夫君 理事 木村 武雄君
理事 高見 三郎君 理事 小牧 次生君
理事 櫻井 奎夫君 理事 辻原 弘市君
大野 伴睦君 加藤 精三君
木村 守江君 坂田 道太君
篠田 弘作君 高橋 英吉君
竹下 登君 谷川 和穗君
塚田十一郎君 灘尾 弘吉君
松永 東君 松村 謙三君
八木 徹雄君 片山 哲君
野口 忠夫君 長谷川 保君
堀 昌雄君 山崎 始男君
鈴木 一君 本島百合子君
―――――――――――――
昭和三十五年二月二十四日(水曜日)各会派割当
数変更後の本委員は、次の通りである。
委員長 大平 正芳君
理事 稻葉 修君 理事 臼井 莊一君
理事 簡牛 凡夫君 理事 木村 武雄君
理事 高見 三郎君 理事 西村 力弥君
理事 長谷川 保君 理事 小牧 次生君
大野 伴睦君 木村 守江君
坂田 道太君 篠田 弘作君
正力松太郎君 竹下 登君
谷川 和穗君 田村 元君
塚田十一郎君 灘尾 弘吉君
松永 東君 松村 謙三君
八木 徹雄君 勝間田清一君
金丸 徳重君 栗原 俊夫君
高田 富之君 原 彪君
山崎 始男君 鈴木 一君
―――――――――――――
昭和三十五年二月二十四日(水曜日)
午前十時五十三分開議
出席委員
委員長 大平 正芳君
理事 臼井 莊一君 理事 簡牛 凡夫君
理事 木村 武雄君 理事 高見 三郎君
理事 西村 力弥君 理事 長谷川 保君
大野 伴睦君 木村 守江君
篠田 弘作君 竹下 登君
八木 徹雄君 金丸 徳重君
栗原 俊夫君 鈴木 一君
出席国務大臣
文 部 大 臣 松田竹千代君
出席政府委員
文部政務次官 宮澤 喜一君
文部事務官
(大臣官房長) 天城 勳君
委員外の出席者
専 門 員 石井 勗君
―――――――――――――
二月四日
委員櫻井奎夫君、辻原弘市君、野口忠夫君、堀
昌雄君、片山哲君及び本島百合子君辞任につき、
その補欠として西村力弥君、金丸徳重君、原彪
君、高田富之君、勝間田清一君及び栗原俊夫君
が議長の指名で委員に選任された。
同月五日
委員高橋英吉君及び金丸徳重君辞任につき、そ
の補欠として堤康次郎君及び八百板正君が議長
の指名で委員に選任された。
同日
委員堤康次郎君及び八百板正君辞任につき、そ
の補欠として高橋英吉君及び金丸徳市君が議長
の指名で委員に選任された。
同月六日
委員小牧次生君及び鈴木一君辞任につき、その
補欠として西村榮一君及び中崎敏君が議長の指
名で委員に選任された。
同日
委員西村榮一君及び中崎敏君辞任につき、その
補欠として小牧次生君及び鈴木一君が議長の指
名で委員に選任された。
同月九日
委員金丸徳重君及び鈴木一君辞任につき、その
補欠として八百板正君及び中崎敏君が議長の指
名で委員に選任された。
同月十二日
委員勝間田清一君辞任につき、その補欠として
佐々木更三君が議長の指名で委員に選任された。
同月十三日
委員加藤精三君及び高橋英吉君辞任につき、そ
の補欠として田村元君及び正力松太郎君が議長
の指名で委員に選任された。
同月十六日
委員八百板正君辞任につき、その補欠として勝
間田清一君が議長の指名で委員に選任された。
同月十八日
委員田村元君辞任につき、その補欠として中川
俊思君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員中川俊思君辞任につき、その補欠として田
村元君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十三日
委員佐々木更三君及び中崎敏君辞任につき、そ
の補欠として金丸徳重君及び鈴木一君が議長の
指名で委員に選任された。
同月二十四日
理事櫻井奎夫君及び辻原弘市君二月四日委員辞
任につき、その補欠として西村力弥君及び長谷
川保君が理事に当選した。
同日
小牧次生君が理事に当選した。
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二月三日
盲学校聾(ろう)学校及び養護学校への就学奨
励に関する法律の一部を改正する法律案(内閣
提出第一六号)
国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一七号)
二月十二日
昭和三十五年度公立文教施設予算に関する請願
外一件(池田清志君紹介)(第二号)
学校給食用小麦粉に対する国庫補助に関する請
願(池田清志君紹介)(第三号)
同(田中武夫君紹介)(第四号)
奨励研究生制度拡充に関する請願(大平正芳君
紹介)(第五号)
義務教育費国庫負担等に関する請願(櫻井奎夫
君紹介)(第六号)
昭和三十五年度文教予算に関する請願(櫻井奎
夫君紹介)(第七号)
義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部改正に
関する請願(櫻井奎夫君紹介)(第八号)
公立義務教育諸学校の施設費増額等に関する請
願(櫻井奎夫君紹介)(第九号)
昭和三十五年度教育予算増額に関する請願外一
件(櫻井奎夫君紹介)(第一〇号)
公立義務教育諸学校の教職員定数改訂等に関す
る請願(櫻井奎夫君紹介)(第一一号)
公立義務教育諸学校の学級編成基準適正化等に
関する請願(櫻井奎夫君紹介)(第一二号)
高等学校の授業における生徒の編成及び教職員
配置の基準法制化に関する請願(内海清君紹
介)(第一三号)
同(小澤佐重喜君紹介)(第一四号)
同外三件(吉川久衛君紹介)(第一五号)
同外五件(田中織之進君紹介)(第一六号)
同外九件(辻原弘市君紹介)(第一七号)
同(中川俊思君紹介)(第一八号)
同(永山忠則君紹介)(第一九号)
同(西村関一君紹介)(第二〇号)
同(山中吾郎君紹介)(第二一号)
同(椎名悦三郎君紹介)(第七二号)
同外十一件(濱田幸雄君紹介)(第一〇八号)
同(石田宥全君紹介)(第一二六号)
同(井手以誠君紹介)(第一二七号)
同外二件(三宅正一君紹介)(第一二八号)
同(館俊三君紹介)(第一二九号)
学校栄養士配置等に関する請願(西村力弥君紹
介)(第二二号)
同(山崎始男君紹介)(第二三号)
学校給食に関する請願(山崎始男君紹介)(第
二四号)
産業教育に従事する国、公立高等学校の基礎教
科担当教員に産業教育手当支給に関する請願
(綾部健太郎君紹介)(第七一号)
同月十六日
高等学校の授業における生徒の編成及び教職員
配置の基準法制化に関する請願(八田貞義君紹
介)(第二〇四号)
同(相川勝六君紹介)(第四二七号)
同(大原亨君紹介)(第四二八号)
同外二件(横路節雄君紹介)(第四二九号)
へき地教育振興法の一部改正に関する請願(池
田清志君紹介)(第二四六号)
義務教育施策の拡充に関する請願(大平正芳君
紹介)(第二四七号)
同(田万廣文君紹介)(第三五二号)
学校給食費国庫補助増額等に関する請願(大平
正芳君紹介)(第二四八号)
産業教育に従事する私立高等学校教職員に産業
教育手当支給に関する請願(伊藤卯四郎君紹
介)(第三五〇号)
産業教育に従事する国、公立高等学校の基礎教
科担当教員に産業教育手当支給に関する請願(
伊藤卯四郎君紹介)(第三五一号)
同月二十二日
学校給食事業強化による牛乳の供用確保等に関
する請願(鈴木善幸君紹介)(第四九〇号)
産業教育に従事する私立高等学校教職員に産業
教育手当支給に関する請願(天野公義君紹介)
(第六〇五号)
高等学校の授業における生徒の編成及び教職員
配置の基準法制化に関する請願(内田常雄君紹
介)(第六四四号)
学校給食用小麦粉代金の半額国庫補助に関する
請願(瀬戸山三男君紹介)(第六四五号)
は本委員会に付託された。
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二月十九日
義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部改正等
に関する陳情書
(第二八号)
同(第二九
号)
同(第三〇号)
同(第三一号)
同(第九四
号)
同
(第九五号)
同
(第九六号)
同(第九七号)
同
(第九八号)
同(第九
九号)
文教施設災害復旧等に関する陳情書
(第一〇〇号)
社会教育費増額等に関する陳情書
(第一〇二号)
昭和三十五年度公立文教施設予算に関する陳情
書(
第一〇三号)
女子教育職員の産前産後の休暇中における学校
教育の正常な実施の確保に関する法律の一部改
正に関する陳情書
(第一〇九
号)
同
(第一一〇号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
理事の互選
国政調査承認要求に関する件
盲学校、聾(ろう)学校及び養護学校への就学
奨励に関する法律の一部を改正する法律案(内
閣提出第一六号)
国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一七号)
文教行政に関する件
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405077X00119600224/0
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001・大平正芳
○大平委員長 これより会議を開きます。
まず理事の選任についてお諮りいたします。
去る十日の議院運営委員会理事会の決定により、理事の員数及び各会派割当の基準は、当委員会におきましては、自由民主党五名、社会党二名、民主社会党一名、計八名となっております。
つきましては理事の選任を行なわなければなりませんが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405077X00119600224/1
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002・大平正芳
○大平委員長 御異議なしと認め、西村力弥君、長谷川保君及び小牧次生君を理事に指名いたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405077X00119600224/2
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003・大平正芳
○大平委員長 次に国政調査承認要求に関しお諮りいたします。
本会期におきましても前国会通り、学校教育、社会教育、教育制度、学術研究及び宗教、文化財保護に関する事項につき、議長に対し国政調査承認の要求をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405077X00119600224/3
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004・大平正芳
○大平委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
なお調査の方法、その手続等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405077X00119600224/4
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005・大平正芳
○大平委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405077X00119600224/5
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006・大平正芳
○大平委員長 次に盲学校、聾(ろう)学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案、国立学校設置法の一部を改正する法律案の両案を本日の日程に追加し、一括議題とし、それぞれ趣旨説明を聴取いたしたいと思います。松田文部大臣。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405077X00119600224/6
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007・松田竹千代
○松田国務大臣 このたび政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、昭和三十五年度における国立大学の学部及び国立短期大学の新設並びに国立大学に包括される旧制の大学の廃止等について規定したものであります。
まず、国立大学の学部の新設につきましては、京都大学に薬学部を、岡山大学に工学部をそれぞれ設置することとし、大学における薬学教育及び工業技術教育につきまして一そうの充実をはかろうとするものであります。
第二に、国立短期大学の新設につきましては、中堅技術者の養成をはかるために北見工業短期大学を設置することといたしましたことと、勤労百年の進学の希望にこたえるために、夜間において授業を行なう室蘭工業大学短期大学部及び香川大学商業短期大学部をそれぞれ室蘭工業大学及び香川大学に併設することといたしたものであります。
第三は、国立大学に包括されて経過的に存続しておりました若干の旧制の医科大学の廃止に伴い、これに関する規定を整理するとともに、国立学校における授業料その他の費用の免除及び徴収の猶予につきまして規定を整備することといたしたものであります。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、御賛成下さるようお願い申し上げます。
次に今回政府から提出いたしました盲学校、聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
御承知のように、昭和三十四年度から、経済的理由によって就学が困難な小・中学校の児童生徒のために、国及び地方公共団体から修学旅行費が支給されることになりましたが、盲学校、ろう学校または養護学校におきましても、さらに就学の普及奨励をはかるため、これらの学校の小学部及び中学部の児童生徒に対しましても、新たに修学旅行費を、就学奨励費の対象に加えることといたしたのであります。
次に、これらの学校の高等部の生徒につきましては、学校に付設する寄宿日舎において生活する者の数が少なくない現状であり、これらの生徒に対して寄宿舎居住に伴う必要経費を支給することは、就学奨励の上から見て、大きな意義がありますので、今回これを、小学部及び中学部の児童生徒の場合と同様に、就学奨励費の対象に加えることといたしました次第であります。
以上、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概略を申し上げました。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405077X00119600224/7
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008・大平正芳
○大平委員長 両案に対する質疑は次会以降において行なうことといたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405077X00119600224/8
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009・大平正芳
○大平委員長 この際文教行政に関し、松田文部大臣より発言を求められております。
松田文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405077X00119600224/9
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010・松田竹千代
○松田国務大臣 昭和三十五年度文部省所管の予算案概要について御説明いたします。
昭和三十五年度文部省所管の予算額は、一千九百四十七億八千九百十八万六千円でありまして、一般会計総予算の一二%強を占めております。これは補正後の前年度予算に比較しますと百八十九億二千五百八十三万八千円の増額であり、その増額分の内訳としては、義務教育費国庫負担金八十八億円、国立学校運営費四十六億円、文教施設整備費二十億円等がおもなるものであります。
次に、明年度予算案において特に重点として取り上げた施策について申し上げます。
その第一は、義務教育の改善充実であります。この点につきましては、前年度に引き続き教職員定数の充足と学校施設の整備を推進することといたしております。
まず、教職員定数につきましては、児童生徒数の自然増減に即応し、また、小学校にあっては一学級五十六人以上、中学校にあっては一学級五十四人以上のすし詰め教室を解消し、さらに教職員の適正配置をはかるため合計約五千九百人の増員を見込みました。このほか昇給、人事院勧告の実施等に要する経費を含め、義務教育費国庫負担金一千百十六億九千五百万円を計上いたしたのであります。
次に学校施設につきましては、公立文教施設整備五カ年計画の第二年次として、小、中学校校舎の増築、危険校舎の改築、屋内運動場の整備、学校統合に伴う校舎の新増築等のため、八十六億八千六百万円を計上し、特に中学校生徒の急増に対応する校舎整備に重点を置いたのであります。
第二は、科学技術教育の振興であります。諸外国に伍して学術文化の進展と産業の発達を期するためには、科学技術に関する教育、研究の拡充強化をはかることが、きわめて緊要であります。すでにこのことにつきましては鋭意努力を傾けて参ったのでありますが、三十五年度予算案におきましても、引き続き重点施策として配慮し、初等中等教育、大学教育及び学術研究の各面にわたって所要経費の増額計上をいたしております。
まず、科学技術教育の基礎段階であります初等中等教育につきましては、理科教育センター及び産業教育の設備更新に対する補助金の新設、中学校技術家庭科設備の整備、高等学校工業課程の拡充等、理科教育及び産業教育関係の補助金を増額して、施設設備の充実改善をはかっております。
次に大学教育につきましては、科学技術者八千人養成計画最終年度の国立学校分として理工系学生約千百人を増募することとし、そのために必要な学部学科の新設、改組をはかりその完成を期したほか、教育研究の質的向上をはかるため教官研究費の増額、施設設備の充実改善等に努めております。その他科学研究費交付金、民間学術団体の補助についても予算の増額をはかっております。
第三は、勤労青少年教育、婦人教育及び体育の振興普及であります。健全な青少年の育成は、国家、社会形成の重要な基盤をなすものであり、学校教育及び社会教育の両面において深く考慮を払うべき問題であります。
明年度予算におきましては、従来に引き続き、定時制高等学校の施設設備の整備を行なうほか、高等学校の定時制通信教育に従事する教職員に対して定時制通信教育手当を支給することとし、また通信教育にテレビの利用をはかる等、勤労青少年教育の振興をはかっております。
一方社会教育の面におきましては、改正社会教育法の実をあげるため社会教育指導者の養成、社会教育関係団体の助成、公民館等の施設設備の整備等に要する経費を増額計上するほか、青年学級、青年の家、少年団体活動の助成等に要する経費を引き続き計上しております。
また婦人教育につきましては、家庭婦人が教育活動に参加し、公民としての資質を高め、生活の合理化や地域社会の発展、健全な青少年の育成等に寄与することの重要性にかんがみ、これについての予算を大幅に増額して、婦人学級の拡充、婦人団体活動の助成等に努めようとしているのであります。
次に体育は、国民の心身の健康を維持増進する上において重要な意義を持つものでありますので、青少年のみならず、国民一般に普及奨励しなければならないものと考えております。そのため明年度におきましては、従来に引き続き青少年体育活動の助成、国民体育大会、国立競技場の運営等について必要な予算を計上したほか、体育館、プール等の国民体育施設の整備充実をはかっております。
なお、本年ローマで開催予定の第十七回オリンピック大会選手団派遣及びオリンピック東京大会実施準備等についても所要経費を計上しております。
第四は、私立学校教育の充実振興であります。わが国教育における私立学校の重要性については、多言を要しないところでありますが、明年度予算案におきましても、この点について格段の配意をいたしたのであります。まづ私立学校全般の充実振興を期するため、私立学校振興会に従来からの五十億円に加えてさらに三億円の政府出資を行ない、その資金運用の拡大をはかったほか、科学技術教育振興の一環として、私立学校理科特別助成補助金及び私立大学研究設備助成補助金を、前年度に比べ合計約四億円増額計上し、また、高等学校以下の学校についても、産業教育振興費補助金及び理科教育振興費補助金の増額計上をはかっているのであります。
第五は特殊教育、僻地教育、準要保護児童対策等、恵まれない事情にある児童生徒の教育の振興であります。これらの分野における教育は機会均等の趣旨に従い従来から強調されてきたところでありますが、三十五年度予算案におきましてもさらに一そうの充実をはかっております。すなわち特殊教育については、特殊学級、養護学校の増設並びに就学奨励費の拡充をはかり、僻地教育については、僻地の小、中学校にテレビ受像機を設置するための補助金を新規に計上し、準要保護児童生徒対策としては、学校給食費の負担軽減をはかるため準要保護児童生徒の率を従来の二%から四%に引き上げる等の措置を講じているのであります。
以上のほか、学校管理の適正化をはかるため、教頭に対しても管理職手当を支給すること、新教育課程の普及徹底をはかり、また教職員の資質向上を期するため現職教育を一そう徹底すること、その他国際文化の交流、文化財保存事業等についても所要経費を計上いたしたのであります。
以上文部省所管予算につきまして、その概要と重点を説明申し上げた次第であります。
なお、計数等の詳細につきましては、会計課長から補足して説明させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405077X00119600224/10
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011・大平正芳
○大平委員長 本日はこの程度とし、次会は明後二十六日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405077X00119600224/11
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