1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年三月二十九日(火曜日)
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議事日程 第十四号
昭和三十五年三月二十九日
午後一時開議
第一 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第二 糸価安定特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第三 国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
日程第一 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 糸価安定特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第三 国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とインドとの間の協定の締結について承認を求めるの件
関税及び貿易に関する一般協定へのスイス連邦の暫定的加入に関する宣言の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
運輸省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
じん肺法案(内閣提出)
国鉄貨物運賃公共政策割引に関する緊急質問(菊川君子君提出)
中国地方開発促進に関する決議案(遠藤三郎君外五十名提出)
午後四時二十六分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/0
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001・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。
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日程第一 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/1
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002・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 日程第一、地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
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003・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員長濱地文平君。
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〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔濱地文平君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/3
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004・濱地文平
○濱地文平君 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
本案は、国民負担の軽減をはかるために昨年行われました所得税の減税に対応して、昭和三十五年度以降において住民税の減税を行なうことを主眼とし、その他、所得税法及び法人税法の改正に伴い、必要な規定の整備を行なおうとするものであります。本案施行の結果、昭和三十五年度におきまして約百二十二億円、平年度において百三十八億円の減税となる見込みでありますが、この減税に伴う地方財源の減少に対しましては別途提出されております臨時地方特別交付金に関する法律によって所要の措置を講ずることとしております。
本案は、二月十一日本委員会に付託され、翌十二日石原国務大臣より提案理由の説明を聴取し、自来、地方財政関係法案及び地方財政計画とも関連せしめて審査を行なうとともに、地方税法の一部を改正する法律案等審査小委員会を設けまして、本案はもとより、地方税財政制度全般にわたる根本問題にも触れて検討を加えるなど、審査に慎重を期したのでありますが、これら詳細については会議録によって御承知願いたいと思います。
去る三月二十五日、本案について、小委員長より、小委員会における審査の経過及び結果について報告がありました後、本案に対する質疑を終了し、直ちに討論に入りましたところ、委員太田一夫君は、日本社会党を代表して反対、委員渡海元三郎君は、自由民主党を代表して賛成の意を表されました。
採決の結果、本案は賛成多数をもって原案の通り可決すべきものと決しました。
右、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/4
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005・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。加賀田進君。
〔加賀田進君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/5
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006・加賀田進
○加賀田進君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案に対しまして反対の討論を行なわんとするものであります。
まず、反対理由の重要な一つといたしまして、この地方税の改正案の中には、国民や地方自治体が長年にわたって政府に要請し続けて参りました地方税の負担の均衡と適正化の内容が一点として盛られていないということであります。
元来、地方税法は、その実施にあたっては、地方議会という調節機関を持っているために、国税と異なって、国民の関心に比較して、国会ではややともすれば軽視されがちな性格を持っているのであります。従って、かかる日陰者の地方税を適正に守るために、担当委員会であります地方行政委員会では、よく住民の意思を反映するために、特に、与野党の立場を越えて、国民の声に十分耳を傾けつつ討議を重ねてきたのであります。そのために、牛歩のごとく遅々としたものではありましたが、毎年改善が加えられて、今日まで進んできたのであります。しかるに、今度の改正案は、ただいま御報告のあった通り、昨年の所得税法の改正に伴う関係事項の整備で、いわゆる義務的改正にのみとどめまして、今までたどって参りました改善への歩みの前に大手を広げて立ちふさがった反動性を内包した改正案であります。これは、まさに、民意を無視する岸内閣の独善的な性格をそのまま暴露したものといわなければなりません。(拍手)
さらに、本案に対する自民党の不可解千万なる豹変ぶりであります。昨年の第三十一回国会において、本年と同じく地方税法に関する小委員会を設け、種々論議を重ねて意見の調整をはかった結果、与野党一致で、具体的な内容を列挙した附帯決議が決定され、昨年の地方税改正に付されているのであります。つまり、三十五年の改正にあたって、政府に対しては、具体的な内容を示してその実施を要求するとともに、国民の前に改正の方向を明らかにして、その決意を表明したのであります。しかるに、本国会になって、その附帯決議の一端すら含まれていない政府原案に修正を加えようともせず、そのまま、まるのみにしようとする諸君の卑怯きわまる裏切り的態度には、今さらながら、国民とともにあきれざるを得ないのであります。(拍手)聞くところによりますと、自民党の地方行政部会では、次から次へと同僚諸君から改正点が持ち込まれて参りまして、収拾がつかなくなったとか。つまり、遊興飲食税を軽減しようとすれば、公給領収書の廃止問題が出てくる、電気ガス税を検討すれば、非課税範囲の拡大で次から次へとメジロ押しのように要求が飛び出してくる、娯楽施設利用税に目を向ければ、逆にゴルフ場から減税の圧力がくる、たばこ消費税では、もちろん大蔵省がかぶりを振って言うことを聞かない、というような工合で、あちらの岸にもこちらの岸にも上がりかねたこの地方税が、進退ここにきわまって、最後のきめ手として、逃げるにしかずと、しゃにむに原案を通過させようとすることになったということであります。これでは自民党の内部はおさまっても、長い間期待を持っておりました国民は、かかることでは承服しないと存じます。国民不満の累積は、政治への信頼をだんだんと失い、やがては民主政治が崩壊の一途をたどる要因を作り上げることを、われわれは知らなければなりません。公約無視は自民党のお家芸であるかもしれませんが、われわれは、かかる無節操な態度は一日たりとも許すことはできないと存ずるのであります。
従って、社会党は、従来の態度を堅持して、国民への約束を忠実に守るために、去る二十二日、地方税法の一部改正法案を別個に議員立法として提出いたしました。その内容には自民党の諸君もまた賛成される点が多々あると存じますので、ただいま政府原案に賛成されようとする諸君の再考をうながし、反省を求めるためにも、その主要な点を二、三明らかにいたしたいと存じます。
まず第一に、遊興飲食税の改正についてでありますが、戦後、国民生活の向上に伴って、食生活も漸次上昇をたどって参りまして、そのつど、遊興を伴わない、家庭生活の延長にひとしい、いわゆる大衆飲食に対しましては、その免税額が引き上げられて参ったのであります。百円が百五十円に引き上げられ、百五十円が二百円に、さらに、昭和三十二年の第二十六回国会で、二百円を三百円に引き上げて、大衆課税の軽減がはかられて今日に至っておるのであります。自来二年後の現在、食水準の上昇と比較して、これを当然五百円に引き上げるべきだと私たちは信じております。自民党の議員も、昨年は、そのことについて了承されていたはずであります。その証拠に、昨年の秋、京都の岡崎公園の勧業会館で催されました全国料理飲食組合の全国大会の席上におきまして、自民党を代表して大野さんが、きれいどころを前にして、遊興飲食税は自民党にまかしてくれ、社会党ではだめなのだ、来年は必ずやると、ぽんと胸をたたかれたのも、私はそういう裏づけがあったのではなかろうかと思います(拍手)さらに、これに見合って、旅館の宿泊料につきましても、現行の八百円から二百円免税点を引き上げることにいたしております。
次に、娯楽施設利用税につきましては、ゴルフ場の利用税を五百円にすることにいたしております。ゴルフは現在のところ、社用族や特定の政界人または財界の人々の娯楽場であって、大衆娯楽としての要素を持っていないのであります。従って、利用者の担税力も、三百円程度の値上げでは私は問題にならない思います。この際、地方自治体の自主財源に資するために増額すべきだ、とわが党は信じます。
なお、これに関連いたしまして、ゴルフ場の固定資産税についても、われわれはメスを入れました。現在のゴルフ場は、雑草や雑木のはえております原野と同様の評価額でもって、同じ税率が課せられているのでありますが、その利用価値や収益は他に比較して格段の相違がありますので、他の固定資産税との均衡を保つ上からも、担税力からも、別途に、制限税率を百分の七に引き上げることにいたしております。(拍手)
第三点は、電気ガス税についてでありますが、これは全くの大衆課税であります。近代社会の生活で、電気ガスの光熱は一般家庭生活と不可欠の関係にあることは、諸君も御存じの通りであります。従って、かかる大衆課税を、電気ガス税として一割もの税率を課しているということは、今日の社会では許されないことだ、とわれわれは考えます。そこで、わが党は、さしあたり、これを本年度百分の七に引き下げることにいたしまして、住民の要望にこたえたのであります。そのために起こる減収の補てんの一部としましては、従来政府が輸出の振興や資本の蓄積、低物価政策などの美名に隠れて独占資本や大企業を守ってきましたいわゆる租税特別措置法と同様の性格を持っております電気ガスの非課税品目に検討を加えるとともに、新たに百分の二の税率を課すことにしたのであります。家庭の主婦が使う電気ガスについては税金を取り、収益を目的とした製造会社に税金を免除することは、本末転倒もはなはだしい愚策といわなければならぬと存じます。(拍手)
なお、社会党は、青少年を初めとする犯罪防止のためにも、明るい町を築き上げるためにも、街灯設備の充実を企図いたしまして、このたび、市町村長の指定する街灯には電気税を課さないことにいたしました。電気料につきましても、別個に考慮いたしまして、電気料の引き下げを考えております。
第四点といたしましては、消防施設税でございます。消防施設税は、長年の懸案となっておったのでありまして、消防関係の各級機関はもちろんのこと、自治庁においても賛成されてきた税目でありますが、どうしたことか、少し頭をもたげて参りますると大蔵省は損害保険会社と協力して政府内部に圧力をかけ、現在まで日の目を見なかった、いわくつきの税金であります。社会党も、一昨年、この消防施設税を提案して審議を求めたのでありますけれども、これまた与党の良識を得ることができずして、やみに葬り去られました。現在、市町村では、財源不足の中にも消防施設の充実をはかり、消防思想、防火思想の普及徹底に努力して、火災から住民の資産を守ることに鋭意努力をいたしておりますが、これはみな国民の負担による財源で行なわれておるのであります。国民負担による防火施設の向上は、もちろん火災被害の減少となっておりますが、その反面に、自動的に損害保険会社の利益の増加をもたらして参っております。負担は住民、利益は会社と、かかる矛盾を少しでも解消するために、収入火災保険料の百分の三を課税率といたしまして、市町村の財政に貢献しようといたしたのであります。
その他、中小企業育成のための事業税の軽減、自動車税の軽減等、なお多く内容として持っておりますけれども、時間の関係上、省略いたします。
このようにして、地方住民の意思にこたえて、適切なる改正案を今次国会にわれわれはすでに提出いたしました。政府原案のごとき、一切の声に耳をおおい、ほおかむりして中央突破をはからんとする悪政案に対しましては、社会党としては断固として反対をいたします。(拍手)
私は、最後に、地方税に関連して、今日の地方財政の問題に少し触れてみたいと存じます。
産業の二重構造による弊害は、経済の発展とともに、独占資本と中小企業との間にいよいよ激しい断層をもたらしております。それと同様に、政治の二重構造からくる独占資本と同じような立場にある中央政府と、その下請企業的性格に転落をいたしました地方自治体との断層も、また黙過できない現状にあると存じます。民主政治の基盤である地方自治体が、国の財政圧力の前に、その自主性と自律性を失いつつあるということであります。御存じのように、国の事業計画の遂行は、そのほとんどが地方公共団体に依存しております。教育、労働、社会保障、公衆衛生、道路整備、治山治水、あるいは産業開発、農地改良等、国民へのサービス行政のすべては、自治行政の手を経て現在行なわれておるのであります。これらの財源は、一部を国から負担金、補助金として支出され、他は自治体の負担となって、財源負担の区分が明確にされておるのであります。しかしながら、その負担金、補助金に見積もられているいわゆる予算単価と、現在実行されつつある実行単価には相当の相違がございまして、これらの不足額のすべては現在自治体と住民の負担に転嫁されて、今日まで事業が遂行されておるのであります。中小企業の犠牲の上に膨大な利益をむさぼっている独占企業と同じように、国は地方自治体や住民の犠牲の上に健全財政を堅持しているということを、われわれは忘れてはならないと存じます。(拍手)
政府は、この際、民主政治の土台である地方公共団体の財政事情に正しく目を向けて、自主財源を与えるための抜本的改正を行なわなければ、民主政治も砂上の楼閣となってくずれ去ることを、私はここに政府に強く警告をいたしまして、反対討論を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/6
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007・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 田中榮一君。
〔田中榮一君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/7
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008・田中榮一
○田中榮一君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題になりました地方税法の一部を改正する法律案について、原案に賛成の討論を行なおうとするものであります。(拍手)
御承知の通り、本年度当初におきまして、国税、地方税を通じて平年度七百億円の減税を行なうというわが党の公約に基づき、国税においては、所得税の三百七十九億円を中心として、初年度四百十三億円、平年度四百六十五億円の減税を行なうとともに、地方税におきましても、零細負担の排除と負担の均衡化を重点として、個人事業税の基礎控除額の引き上げ、法人事業税の軽減税率の引き下げと、その適用限度額の引き上げ、固定資産税の制限税率の引き下げと免税点の引き上げを行ない、これにより初年度百一億円の減税措置を講じたのであります。その際、住民税につきましても所得税の減税に対応して減税を行なう方針を決定し、これによって地方税全体として平年度二百二十九億円の減税を見込んだのであります。ただ、住民税につきましては、所得税の減税に伴い、その影響が翌年度において自動的に現われて参ります関係から、その機会において、また、その限度において減税を行ない、あわせて、これに伴う地方団体の減収の補てん措置を講ずることとし、従って、法の改正はこれを昭和三十五年度において行なうことといたしたのであります。
今回提出されましたこの改正案は、この前年度決定した方針を実施に移すことを主眼として提案されたものでありまして、そのほかに、昨年行なわれました所得税法及び法人税法の改正に伴い、必要なる規定の整備を加えたにすぎないのであります。すなわち、その内容は、住民税の減税方法として、まず第一に、道府県民税の所得割の課税総額算定の基礎となる標準率及び市町村民税の所得割のうち、所得税額を課税標準とする、いわゆる第一課税方式の標準税率はこれを据え置くこととして、所得税における扶養控除の引き上げ及び最低税率適用範囲の最高限度額引き上げによる減税の影響をそのまま受け入れることとするとともに、これと均衡のとれるよう、その他の課税方式の準拠税率を改めることとしておるのであります。なお、このほか、ただし書き方式を採用する市町村につきましては、扶養親族の数に応ずる税額控除額を引き上げるよう指導する方針をとったのであります。
以上のごとく、本改正案自体は、実質的にはすでに本年度当初において決定を見たものといえるのでありまして、当時すでに適切妥当な措置として各方面から歓迎せられ期待されて参ったところでありまして、今さらあらためて論議を繰り返すまでもないと思うのであります。この措置により、わが党の減税公約は完全かつ忠実に実現されることとなるのでありまして、私は双手をあげて賛意を表するものであります。(拍手)
ただ、ここで問題になりますのは、今回の改正によって生ずる減収に対し、いかなる措置を講ずるか、ということであります。御存じのように、この措置は、別途提案されておりまする臨時地方特別交付金に関する法律案によって行なわれることになっておるのでありますが、その額を国税三税の〇・三%相当額とし、これを、本年度から当分の間、減税によって生ずる地方財源の減少に対して、特別交付税の例によって交付することといたしておるのであります。この措置につきましては論議の余地があり、地方財政の現状に照らして、われわれも必ずしも満足するものではないのでありますが、明年度は幸い経済界の好況が持続するという見通しのもとに、地方税収入において、本年度当初計画に比し約八百億円の自然増収が見込まれており、また、地方交付税も増額されましたので、大多数の地方団体については、減税による影響はさして懸念すべきものではないと思われるのであります。ただ、税収のきわめて乏しい団体や、災害によって大きな被害をこうむった団体等にとりましては、相当な痛手となることが予想されます。また、昭和三十六年度以降の諸情勢の変化をも考慮せねばなりませんので、この補てん措置の実施につきましては、政府当局が特に慎重な態度をもって臨み、事態の推移に即応して適処されるよう要望してやまないのであります。
さらに、本案に関連しまして、かねてから懸案となっておりました大衆飲食及び宿泊に対する遊興飲食税の軽減、合理化を初め、一連の減税措置をこの際実施すべきであるという意見が各方面から主張されておりますことは御承知の通りであり、現に、日本社会党からは、これらを含めた相当広範な改正案が提出されているのであります。申すまでもなく、現行の地方税制につきましては、たび重なる改正にもかかわらず、今なお負担の過重な面、均衡を欠くに至っているものなど、是正を要する点が少なくないことは、われわれもよく承知いたしておるのでありまして、修正を主張される御意見の多くの部分につきましては、趣旨においてまさに同感であり、それゆえにこそ、その実現のためには年来努力を傾けて参ったのでございます。しかしながら、一方、地方財政の現状は、今なお赤字の再建過程にありながら、わが国産業経済の発展と国民生活水準の向上に即応できるよう、行政水準の維持向上をはからなければならないという強い要請のもとに置かれており、これに加うるに、本年度の大災害に伴う災害復旧、災害防除等の事業費は、明年度において大きな負担増となっているのでありまして、税の自然増収が相当程度見込まれるといたしましても、減税の余地については、われわれはなお慎重に考慮を要するものと考えるのであります。また、目下税制調査会または地方制度調査会におきまして、国・地方を通ずる租税制度の抜本的改革が鋭意検討されている段階でありますので、現行税制の部分的改正は、よほど緊急を要するもの以外は、増減税ともにこの際はこれを回避して、地方財政に無用の混乱を生ぜしめないよう努めることが適当であろうと思うのであります。
なお、この際、特に強調しておきたいことは、長い間の懸案であり、また、われわれの強く主張して参りました税外負担の解消という問題が、明年度から日の目を見るに至った、ということであります。御承知のように、従来、地方団体は、財源が乏しいために、本来公費でまかなうべき教育、消防等の経費の負担をPTAその他の寄付金に求めるという慣行が生じており、その額は、現在、明確なものだけでも二百五十億円に達しておるのでありますが、明年度より、これらの税外負担の漸進的解消のため、法令を整備するとともに、財政的にその実施を裏づけるため、約七十億円の財源措置を行なったのであります。その効果いかんは地方団体の今後の努力に待つところが大きいのでありますが、これは消極的ながら大きな減税方策とも考えるのでありまして、本来、あらゆる減税に先たって行なわれるべき措置であったとも言えるのでありまして、私は、その成果が今後十分に達成せられ、住民負担の軽減に、減税にかわって大きく寄与することを念願いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/8
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009・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 門司亮君。
〔門司亮君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/9
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010・門司亮
○門司亮君 私は、民主社会党を代表しまして、ただいま議題になっています地方税法の一部を改正する法律案に対しまして、この政府原案に反対の意思表示をするものでございます。(拍手)
この政府提案は、昨年の所得税の七百億減税に伴う地方税の住民税の点だけに対するきわめて事務的な調整案でございまして、本質的には、私は、税法改正と銘を打つほどのものではないと考えております。同時に、もし今の賛成演説のようなことがあるといたしまするならば、もう少し考えていただきたいことは、この法案によって、当然、地方の税金は、三十五年度に百二十二億、平年度で百三十八億の減収を見るのでございます。政府が、ほんとうに、ただいま賛成演説のございましたように、地方財政を十分に見る御意思があるならば、私は、いまだ十分でない、ことに決算の面ではまだ赤字をたどりつつありまする現在の地方財政にかんがみて、当然、この百三十八億は交付税その他のものによってこれが補てんさるべきであったと考えておるのでございます。ところが、この処置はちっともとられておらない。わずかに三十億ばかりのものを出してこれをごまかそうとすることは、政府の地方財政計画に対する認識がいかに不足であるか、不親切であるかといわざるを得ないのでございます。
さらに、この問題をもう一つの面から見て参りまするならば、もし、政府の意図するような、住民の負担の均衡を考えておるといたしまするならば、今日の税法の中で、国民の所得に対する税負担に対して最も不均衡なものはこの住民税でございます。いわゆる第一方式、第二方式、第三方式、さらに、第二、第三には、ただし書きがついておる。五つの税金を徴収する方法が講ぜられておる。従って、その結果は、Aの地区におりまする場合に納めた税金と、Bの地区に移動いたしました場合には、所によっては、同じ所得者でありながら、二倍、三倍、五倍というような、課税が非常に過酷になるということは、この税法のこの条文の持つ最も大きな欠陥であると私どもは考えておるのでございます。(拍手)従って、政府の言うように、税の負担の均衡をはかろうとするならば、なぜこの税法を第一方式一つにまとめることができなかったかということであります。この点、この法案を審議するにあたりまして、きわめてわれわれは納得のいかないものであるということを、はっきり申し上げなければなりません。
次に問題になって参りますのは、先ほどからも申されましたように、昨年の国会で地方税改正をいたします場合に、附帯決議をつけて、三十五年度におきましては、ことに遊飲税を中心にして税の根本的改革を行なわなければならないということが、衆議院においても、参議院においても、院議として決定をされておるのでございます。ところが、どうしたことか、自由民主党の税制調査会がまだその結論を得ていないから、この程度で一応ごまかそうということではないか、と私は考える。もし、そうだといたしますならば、院議で決定したものを、自由民主党の党内事情によってこの遂行ができないとするならば、政府や与党は、院議の決定に対してきわめて不忠実であるというそしりを私は免れないと考える。この点は、この法案を出された自民党の最も大きな悩みではなかったかと私は考えます。しかし、実質的には、今申し上げましたようなことをいわざるを得ないのでございます。
さらに、この税法についてのもう一つの問題は、先ほどから話がされておりますように、国民負担の軽減と、さらに税の負担の均衡をぜひ期したいという御意思がございますならば、私は、この機会に申し上げておきたいと思いますが、これとは別に、政府原案として、与党の諸君もお考えになって、ただいま賛成演説にありましたような内容を盛ったものを、ぜひこの会期中に一つ提出してもらいたいということを強く要求いたしまして、私の本案に対する反対討論を終わりたいと思います。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/10
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011・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) これにて討論は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/11
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012・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/12
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013・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 起立多数と認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
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日程第二 糸価安定特別会計法の
一部を改正する法律案(内閣提
出)
日程第三 国有林野事業特別会計
法の一部を改正する法律案(内
閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/13
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014・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 日程第二、糸価安定特別会計法の一部を改正する法律案、日程第三、国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案、右二案を一括して議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/14
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015・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長植木庚子郎君。
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〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔植木庚子郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/15
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016・植木庚子郎
○植木庚子郎君 ただいま議題となりました二つの法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果について報告申し上げます。
まず、糸価安定特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
昭和三十三年及び三十四年産の生糸及び繭の価格の安定対策は、昭和三十三年七月に制定されました繭糸価格の安定に関する臨時措置法に基づいて行なわれて参ったのでありますが、繭糸界の不況に対処するため、同法により糸価安定特別会計において行なう生糸及び繭の政府買い入れ資金を補強することが必要になりまして、昨年、一般会計から二十億円をこの会計に繰り入れるとともに、同会計の借り入れ限度額を七十億円から一挙に二百七十五億円に引き上げる措置が講ぜられたのであります。しかるに、その後、糸価は次第に回復しまして、三十五年産の繭及びこれを原料とする生糸につきましては、臨時措置法によるような異常な事態に対処するための措置を引き続き継続する必要がなくなりましたので、今回、糸価安定特別会計法を改正いたしまして、この会計の借り入れ限度額を二百七十五億円から百十五億円に引き下げることといたそうとするものであります。
次に、国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
この法律案は、別途今国会に提出されております治山治水緊急措置法案に定めている治山事業十カ年計画の実施に伴い、同法に規定する治山事業に関する経理を一般会計と区分して行なうこととし、もって事業の収支及びその成果を明らかにいたそうとするものであります。
すなわち、まず第一には、現行の国有林野事業特別会計を国有林野事業勘定と治山勘定との二つの勘定に区分いたしまして、国有林野事業勘定におきましては、従来からこの会計で行なっております国有林野の事業に関する経理を行ない、治山勘定におきましては、さきに申し上げました治山治水緊急措置法に基づき、民有林野について国が直轄で行なう治山事業及び都道府県等が行なう治山事業に対する補助金の交付等に関する経理を行なうことといたしておるのであります。
第二には、治山勘定の歳入及び歳出でありますが、歳入といたしましては、国が直轄で行なう治山事業に要する費用にかかる国及び地方公共団体の負担金、都道府県等が行なう治山事業にかかる国の補助金、負担金に相当する金額等を予定し、歳出といたしましては、国が直轄で行なう治山事業に関する費用及び都道府県が行なう治山事業にかかる国の補助金、負担金その他を予定いたしております。
なお、国が直轄で行なう治山事業及び災害復旧事業に関する事務取扱費は、国有林野事業勘定において一体的に支弁することとし、これに相当する金額は治山勘定から国有林野事業勘定に繰り入れることとするほか、この会計を二つの勘定に区分したことに伴い、必要な規定の整備をはかることといたしております。
右の両法律案につきまして、審議の結果、去る二十五日、質疑を終了し、採決を行ないましたところ、全会一致をもって原案の通り可決となりました。
以上、報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/16
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017・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 両案を一括して採決いたします。
両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/17
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018・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り可決いたしました。
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所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とインドとの間の協定の締結について承認を求めるの件
関税及び貿易に関する一般協定へのスイス連邦の暫定的加入に関する宣言の締結について承認を求めるの件(参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/18
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019・天野公義
○天野公義君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とインドとの間の協定の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定へのスイス連邦の暫定的加入に関する宣言の締結について承認を求めるの件、右両件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/19
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020・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 天野君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/20
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021・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とインドとの間の協定の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定へのスイス連邦の暫定的加入に関する宣言の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/21
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022・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。外務委員長小泉純也君。
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〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔小泉純也君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/22
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023・小泉純也
○小泉純也君 ただいま議題となりました所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とインドとの間の協定の締結について承認を求めるの件、並びに、関税及び貿易に関する一般協定へのスイス連邦の暫定的加入に関する宣言の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
わが国は、インドとの間に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための協定を締結するため交渉を行なった結果、協定の全条項につき両国間に意見の一致を見、東京において仮調印を行ない、本年一月五日、ニューデリーにおいて、この協定が署名をされました。
この協定の内容は、わが国が、米国、スカンジナヴィア三国及びパキスタンとの間に結びました二重課税防止条約とほぼ同様でございます。従来のこの種協定に見られなかった新しい規定といたしましては、インドが経済開発のためにとっておりまする特別措置により軽減された税額は、日本の納税者がインドで払ったものとみなして、日本で税額を控除することとしております。
この協定は、目印両国間の経済協力の推進に寄与するのみでなく、文化等の分野における両国の交流を緊密にするものと思われます。
次に、スイスのガット仮加入宣言について御説明申し上げます。
スイスは、かねてから関税及び貿易に関する一般協定、すなわちガットに加入したい意向を表明いたしておりましたが、ガットの規定を完全に実施することができないので、ガットヘの正式加入が不可能でありましたため、暫定的加入が許されることになったのであります。
スイス政府は、昭和三十一年のガット総会に対し、ガットの若干の規定を留保してガットに仮加入することを要請し、同総会で、スイスがガットに仮加入するための関税交渉会議開催等を条件とする諸取りきめが、締約国団により承認されました。
この関税交渉会議は、昭和三十三年五月からジュネーブで開催され、わが国を含む十八カ国が参加し、十一月二十二日にこの宣言が作成されたのであります。この宣言は、ガット締約国でこの宣言の当事国となるものと、スイスとの間に一般協定に基づく通商関係を設定し、スイスとの関税交渉の結果作成された譲許表を相互に許与することを規定しております。
わが国は、スイスとの関税交渉において、スイスからサケ、マス・カン詰等、五税目の関税譲許を獲得するとともに、同国に対し、ほぼこれに見合う薬品等、五税目の譲許を許与することになりました。この譲許表は、両国間の交渉が宣言作成の日までに間に合わなかったため、調書の形で別に作成されておりますが、法律的には宣言の附属譲許表と一体をなすものであります。わが国は、昨年十一月十三日に、この調書に署名を了しました。
この宣言が発効し、譲許が実施に移されますれば、わが国は、新たな譲許を、スイスを含めた全ガット締約国に与えるとともに、スイスの全譲許品目を含め、他国の譲許についてもガット関係に基づいて利益にあずかることとなり、関税引き下げの面からする貿易の増大に寄与するところ大なるものがあると期待される次第であります。なお、現在までに、この宣言には、すでにスイスを含めて二十一カ国が署名を了しております。
第一の目印協定は、三月二日外務委員会に付託され、また、第二のスイスのガット仮加入宣言は、二月五日予備審査のため本委員会に付託され、その後、参議院において承認の上、本院に送付され、三月二十一日本委員会に付託されました。よって、本委員会は会議を開き、二件につき政府の提案理由の説明を聞き、質疑を行ないましたが、詳細については会議録により御了承を願いたいと存じます。
かくて、この二件は、本三月二十九日、討論を省略し、採決の結果、いずれも全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。
以上、御報告申し上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/23
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024・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 両件を一括して採決いたします。
両件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/24
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025・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両件は委員長報告の通り承認するに決しました。
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運輸省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/25
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026・天野公義
○天野公義君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわちこの際、内閣提出、運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/26
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027・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 天野公義君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/27
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028・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/28
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029・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長福田一君。
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〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔福田一君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/29
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030・福田一
○福田一君 ただいま議題となりました運輸省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本案の改正の第一点は、国内旅客船公団の監督事務を能率的に遂行するため、海運局に国内旅客船公団監理官一人を置くこと、第二点は、自動車輸送に対する需要の膨大化にかんがみ、これが輸送及び保安に関する基本的な問題を調査審議させるため、本省の付属機関として、その存置期限を一年とする自動車審議会を設置することであり、その他、日本国有鉄道法の改正に伴い、陸運局長の所掌事務について所要の改正を加えることであります。
本案は、二月五日本委員会に付託され、十一日政府より提案理由の説明を聞き、三月二十九日、質疑を終了し、討論の通告もなく、採決の結果、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
右、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/30
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031・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。
本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/31
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032・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
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農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/32
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033・天野公義
○天野公義君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、内閣提出、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/33
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034・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 天野公義君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/34
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035・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/35
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036・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。農林水産委員長吉川久衛君。
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〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔吉川久衛君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/36
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037・吉川久衛
○吉川久衛君 ただいま議題となりました、内閣提出、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案につき、農林水産委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
農林漁業金融公庫は、昭和二十八年設立以来、七年間にわたり、二千七百億円に達する長期低利資金を農林漁業者に対し直接または間接に融通し、農林漁業生産力の維持増進のために貢献して参ったのでありますが、政府は三十五年度においても、引き続き、公庫に対し、農林漁業の生産基盤の強化と経営の安定に必要とする資金を追加投資いたしますとともに、あわせて、業務運営の円滑化と土地改良事業への融資条件の緩和等の措置を講ずることとしておりますが、これがため公庫法の一部を改正しようとして本案を提出したのであります。
まず、公庫の昭和三十五年度貸付計画は五百十七億円であって、その原資は四百八十九億円、その調達方法は、政府出資金七十七億円、借入金二百五十八億円、回収金等百五十四億円と予定せられておりますが、原資のうち七十七億円の政府出資を行なうことが改正の第一点であります。
次に、償還金の返済方法について、郵便局の振替貯金による送金及び指定金融機関への払い込み送金による返済方法を新たに設けようとするのが改正の第二点であります。
次に、土地改良事業に対する貸付条件のうち、据置期間を実情に合うよう緩和することとし、従来の五年を七年に延長しようとするのが改正の第三点であります。
本法案は、二月十二日委員会に付託となり、三月一日提案理由の説明を聴取し、三月二十九日質疑を行ない、同日質疑を終了し、討論を省略して採決いたしましたところ、全会一致をもって政府原案通り可決すべきものと議決した次第であります。
なお、本案に対しては、公庫の原資構成の内容を改善すること、乳業施設資金のうち特に必要なものについて新たに貸付対象に取り上げること、土地改良事業の完成期と土地改良資金の償還開始の時期を符合せしめることの三点について、全会一致をもって附帯決議を付することといたした次第であります。
以上、報告を終わります。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/37
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038・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。
本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/38
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039・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
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労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
じん肺法案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/39
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040・天野公義
○天野公義君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、内閣提出、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案、じん肺法案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/40
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041・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 天野公義君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/41
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042・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案、じん肺法案、右両案を一括して議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/42
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043・清瀬一郎
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。社会労働委員長永山忠則君。
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〔報告書は会議録追録に掲載〕
—————————————
〔永山忠則君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/43
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044・永山忠則
○永山忠則君 ただいま議題となりました労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案及びじん肺法案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
〔議長退席、副議長着席〕
労働者の業務上の傷病に対する予防及び災害補償につきましては、労働基準法及び労働者災害補償保険法に基づいて実施されているところでありますが、けい肺等の職業病についてはその予防が困難であり、また、三年間療養補償を受けた後においてもなお引き続き療養を必要とするため、昭和三十年以降、けい肺及び外傷性せき髄障害に関する特別保護法等による保護措置を行なって参ったのでありますが、今回これらの保護措置について根本的な検討を加えた結果、予防及び健康管理については、最近における医学の進歩、粉じん管理に関する技術的研究の成果等を基礎として、粉じん作業に従事する労働者について、けい肺のほか、鉱物性粉じんの吸入によって生ずる他のじん肺をも含めるじん肺法を新たに制定することとし、補償については、けい肺及び外傷性せき髄障害に限らず、重篤な業務上の傷病にかかった者及び重度の身体障害を存する者に対して、現行の一時金による打ち切り補償費等にかえて長期給付を行なうこととして、労働者災害補償保険法に所要の改正を行なうものであります。
まず、じん肺法案について、その内容を申し上げますれば、粉じん作業に従事する労働者の健康の保持その他福祉の増進をはかるため、じん肺に関して、予防及びじん肺健康診断、健康管理区分、作業の転換その他健康管理に関する制度を確立するとともに、じん肺審議会及び粉じん対策指導委員の設置その他政府の援助等の措置に関する事項を定めることであります。
次に、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案の内容は、けい肺または外傷性せき髄障害にかかった労働者の実情等にかんがみ、労働者災害補償保険法、けい肺及び外傷性せき髄障害に関する特別保護法、及び、けい肺及び外傷性せき髄障害の療養等に関する臨時措置法による現在の保護制度の統合をはかるとともに、長期傷病者補償制度その他の適切なる保護制度を設けることであります。
本案は、昨年十二月二十九日本委員会に付託せられ、本年三月二日労働大臣より提案理由の説明を聴取した後、特に、本法案の、じん肺等職業病に対する特別保護に及ぼす影響、長期傷病者補償の給付内容、労働基準法による打ち切り補償と長期傷病者補償との関係等について慎重なる審議を行なったのでありますが、これらの詳細については会議録によって御承知を願いたいと存じます。
かくて、本日の委員会において質疑を打ち切りましたところ、自由民主党を代表して齋藤委員より、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案に対する修正案が提出されました。
そのおもなる要旨は、第一に、入院療養の場合の傷病給付のうち、平均賃金百八十八日分を二百日分とすること、第二に、遺族給付及び葬祭給付は、長期傷病者補償の開始後六年以内に死亡した場合に限定せず給付を行なうこととし、遺族給付の内容を改善すること、第三に、けい肺等の特別保護措置によって療養給付を受け、四月一日以降引き続き療養を必要とする者に給付すべき長期傷病者補償から差し引く額について、平均賃金七十九日分を四十日分とすること、第四に、賃金上昇に基づく給付額の改訂について、改訂後の改訂を行ない得ることとすることであります。
次いで、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して滝井委員、民主社会党を代表して佐々木委員より、それぞれ原案並びに修正案について反対の意見が述べられたのであります。
かくて、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案について、修正案並びに修正部分を除く原案について順次採決を行ないましたところ、本案は多数をもって修正議決すべきものと議決いたした次第であります。
次に、じん肺法案について採決を行ないましたところ、本案は多数をもって可決すべきものと議決した次第であります。
なお、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案について附帯決議を付すべしとの動議が提出され、自由民主党の大坪委員より趣旨の説明がございました。これを朗読いたします。
附帯決議
一 長期傷病者補償を受ける者については、にわかに住居に困難を生ずるごときことのないよう住宅等の福利施設の確保等につき関係機関において配慮せられたいこと。
二 遺族補償及び遺族給付は一時金となっているが、遺族の生活の安定をはかるため、政府はすみやかに遺族年金制を採用するよう検討せられたいこと。
三 けい肺患者、外傷性せき髄障害患者のうち、過去に打切補償のみによって災害補償を打切られる等(労災保険法の適用を受けないものを含む)今回の長期傷病者補償を受けることができないものについては、療養生活を継続しうるよう政府関係機関において適切な措置を講ずるよう配慮せられたいこと。
四 長期傷病者補償を受ける者のうち、生活困難なものについては、生活資金の融資につき有効適切な方策を考究すること。
五 今後職業病についての総合的立法について検討すること。
かくて、本動議について採決を行ないましたところ、全会一致をもって附帯決議を付することと決した次第であります。以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/44
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045・中村高一
○副議長(中村高一君) 討論の通告があります。順次これを許します。伊藤よし子君。
〔伊藤よし子君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/45
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046・伊藤よし子
○伊藤よし子君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になりました、じん肺法案並びに労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案に対しまして、反対の討論をいたすものでございます。(拍手)
まず第一に、今回の政府案は、じん肺の予防、健康管理の面を、じん肺法で行ない、労災法の一部改正という形で長期傷病者に対する補償を行なおうとしておられます。今さら申し上げるまでもなく、じん肺は、予防が非常に困難な上に、病状が慢性的に重くなる進行性の疾病であり、また、現在の医学でも根治の療法がなく、死に至るまで進展するという特殊性を持った職業病でございます。
今回のじん肺法案が、単にけい肺のみでなく、石綿肺、アルミニウム肺等、広くじん肺一般を保護の対象とされたことは、妥当だと思うのでございますが、じん肺の多く発生する鉱山、炭鉱、窯業等の産業は、日本の産業経済上、また、国民の生活の上に必要欠くべからざる産業でございまして、このような産業に働く人たちは、今日、防塵マスクなどをして一定の予防措置を講じましても、なおかつ、じん肺の発生を防ぐことは困難であり、完全なる予防措置を講ずれば労働力を著しく阻害することになります。しかも、たれかが、このような粉塵を浴びて鉱石や石炭を掘り出し、れんがを作り、陶器を作らなければなりません。こうした社会の必要性から生まれてくる悲惨なじん肺病患者に対しまして、現行の臨時措置法を改正して、せっかく恒久立法としてじん肺法案を御提出になるならば、いま一歩進めて、総合的、抜本的な職業病全般に対する予防、健康管理、補償を一括した単独立法とすべきであると考えるのでございまして、その点、第一に、私どもが今度の政府案に対し強い不満を感じ、反対するゆえんでございます。
第二に、補償の点でございますが、政府は、現行の労災法を改正して補償を行なおうとしておられますが、労災法は、元来、偶発的事故を中心として作られている点から考えまして、じん肺のような職業病も、偶発的な事故による災害も、同一の範疇に入れて同一な扱いをすることは、職業病に対する企業主の責任と国家の保障という特殊の理念を弱めることになるのでありまして、この点は、社会保障制度審議会の答申にも指摘されているところでございます。ところが、政府は、一向にこの点についての配慮を払われておりません。これは非常に重大なる根本的な検討を要する問題と考えます。もちろん、せき損等の長期療養を要するお気の毒な方たちに対しては、現行法の不合理を是正して、安心して長期療養ができるようにしなければならぬことは当然のことでございます。
第三に、このような不治の傷病の発生する責任の所在でございますが、今回の改正によりますと、業務上の傷病に関する使用者の責任が不明確、あいまいでございまして、長期傷病者に対しては打切補償を支払ったものとみなされ、解雇制限の義務を解除されているのでございます。この点はきわめて重要なる点でございまして、長期傷病者の家族は、解雇によって社宅等から追われ、今まで受けていた各種の厚生福祉施設なども利用できなくなるのでございます。ただでさえ一家の働き手が不治の病気にかかり、何かと療養費もかさんでおります際に、生活保護程度の給付で解雇される家族の人たちのことを考えますと、私は寒心にたえません。これは、ぜひ、どうしても一定期間の解雇は制限すべきものと考えます。この点、政府案は、長期療養給付という美名の裏に隠れた心なき改正案といわなければなりません。(拍手)私は、この点を強く指摘する次第でございます。
第四に、じん肺患者にとって一番切実なる問題は補償の点でございます。今回の傷病給付の基礎になる平均賃金の算定の方法でございますが、これは、労働基準法に定める、休業に至る最終三カ月の平均賃金の二百四十日分となっております。この点、じん肺によって療養を必要とし、休業する場合には、すでに症状が進行していて、労働能力も低くなり、稼働日数も少なく、あるいは職場の転換等によりまして、毎月の収入も、健康時よりははるかに低い賃金で働いていると見なければなりません。このような立場の三カ月の平均賃金を基礎に補償給付をきめられることは、じん肺患者にとっては特に不利であり、酷であるといわざるを得ません。(拍手)この点、諸外国の例をとってみましても、業務上の長期傷病者に対する補償は、多いところは一〇〇%、少なくとも八〇%というのが通例でございます。この点も、政府の職業病としてのじん肺病に対する認識の不足と考え、私は強く指摘をしたいと思うのでございます。(拍手)
また、次に、今回の政府案では、じん肺は第一種と第二種に分け、入院と自宅療養者との給付に差別をつけておられますが、御承知のように、じん肺患者には、特に牛乳とか卵のような栄養食の補給が一般の疾病以上に必要であることは、医学的にも認められているところでございます。政府案がこのように一種と二種とに区別される真意は、入院患者を早く退院させる意図が隠されているのではないかという疑いすら持たれるのでございまして、この点も、私は政府案に反対する一つの点でございます。(拍手)
第五に、厚生年金保険法の障害年金との関係についてでございますが、今回の政府案では、長期傷病者補償を受ける労働者が、障害年金または廃疾年金を併給される場合には、国及び使用者の負担による部分として、障害年金の五七・五%、廃疾年金の七〇%に相当する額を減額することになっております。本来、厚生年金保険に加入していた者にとっては当然支払いを受くべき権利があると思うのでございまして、これを減額することは、私どもにとっては、とうてい納得できません。現に、老齢年金と障害年金は併給されることになっております。また、全額支給されても、平均して二千円程度の少額であり、平均賃金の六〇%にも満たないような長期療養給付者にとって、せっかくの厚生年金が減額されることは、まことに忍びがたいところであり、私どもは、これまた政府案に強く反対する点の一つでございます。
次に、私が今回の政府案で一番不審にたえないのは、遺族給付の点についてでございます。政府案によりますと、一年から六年までの間に段階をつけて、年々遺族給付を逓減することになっております。一家の主たる働き手にいつ死なれても、遺族にとっての打撃は同じことで、むしろ、長く病んでおればおるほど借金もふえ、家族の生活は苦しくなっていることは、想像にかたくありません。政府が、このような遺族に対し、療養期間の長短によって遺族給付を逓減している点は、私どもはとうてい納得できないところであります。いつ死亡いたしましても、現在の労災法の趣旨に従って千日分の遺族給付をすべきものと考え、この点も政府案に反対する次第でございます。(拍手)
以上、大まかに指摘いたしましても、今回の改正案については幾多の問題がございます。今回の政府の改正案が伝わりまするや、全国各地のけい肺患者からは、私どものところに深刻なる陳情が殺到しております。このように幾多の問題点を残し、慎重なる審議を要する今回のじん肺法と労災法の一部改正案は、年末に国会に提出されたとはいえ、実質的に委員会で審議が始まったのは今月の二十二日からでございまして、本日までの短時間に審議を終わり、採決いたしますことは、私どもは、この点について強く抗議を申し上げたいところでございます。(拍手)本日の委員会におきましても、わが党は、徹底的な検討の期間を持つために、現行措置法を一カ年延長する法律案を提出したのでございますが、残念ながら、与党の委員の賛成を得ることができないで否決されました。私ども野党の、委員会における激しい追及に対して、これを無視できず、今日、自民党から政府案に対する修正案が提出されましたが、これはまことにおざなりな、弁解的な修正でございまして、ただいまあげましたような根本的な問題について少しも解決するものではございません。もちろん、不合理なる現行の臨時措置法を改正することは急務ではございますが、せっかく恒久立法を出すならば、今日の日本の産業発展に伴って今まで予想もしなかったような各種の職業病も発生して参っていることでもございますし、また、今日、社会問題化しておる現状から申しましても、最初に申し上げましたように、総合的、抜本的な職業病全般に対する予防、健康管理と補償とが一貫したりっぱな恒久立法を作るためには、いま一カ年間臨時措置法を延長してもやむを得ないではないかと考える次第でございます。全国のじん肺患者にとりましても、必ずやその方を望むと私は信ずる次第でございます。
時あたかも、わが国は国民皆保険、皆年金の時代に入ったことでもございますので、わが国の社会保障制度の総合的な調整の問題等ともにうみ合わせまして、職業病全体にわたる一貫した恒久立法を作るため、今からでもおそくはございませんから、政府案を撤回されまして、現行の臨時措置法をいま一カ年延長することを重ねて私は強く主張いたしまして、私の討論を終わりたいと存じます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/46
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047・中村高一
○副議長(中村高一君) 本島百合子君。
〔本島百合子君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/47
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048・本島百合子
○本島百合子君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました、じん肺法案並びに労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案に反対の討論を行なうものでございます。(拍手)
そもそも、わが国の憲法二十五条におきましては、国民の生存権並びに国の社会的使命を規定してございます。今さらこの憲法を申し上げる必要もないかと思いますが、この線に沿いまして、私どもは、国が福祉国家を建設するためにあらゆる努力を払うべきものであると考えておる次第であります。従いまして、ただいま提案されておりますところの両法案の内容は、本来、労働者側にとりましては、福祉増進に根本的な改正をなさなければならないということが強く要望されて参ったものであります。にもかかわらず、政府がただいま提案いたしておりますところのこの両案の経緯について特に考えなければならないことは、けい肺審議会、あるいは労働者災害補償保険審議会、あるいは社会保障制度審議会、こういうところにおきましては意見の一致を見ることができなかったわけであります。にもかかわらず、政府は、この意見の一致を見られないままに、けい肺の臨時措置法が時限立法であるということで、今月一ぱいでこの法律の期限が切れてしまう、そういうような立場に追い詰められまして、労働基準法、厚生年金法、あるいは船員保険法、その他社会保険との調整をはかることなく、暫定的な形で、幾多の矛盾と不合理をそのまま放置いたしまして、弥縫的にこの法案を提出したものであります。従いまして、私どもは、今回のこの政府案に対しましては大きな不満を持ちまして、委員会におきましても、終始一貫、職業病法的な恒久立法化をしていかなければならないということを主張して参ったわけであります。その理由は、いかなら職業につこうといたしましても、その職業から生じて参りますところの事故並びに職場から生まれてきますところの病気に対しましては、何ら不安も生じない安全と衛生、健康管理を要求するのは労働者として当然でなければなりません。ところが、不幸にいたしましてその災害を受けたときは、療養と生活権とは完璧に守られていかなければならない。これが福祉国家の第一要諦でなければならないと存ずる次第であります。従いまして、この改正案が提出されますにあたりまして、この政府案は、法体系上幾多の矛盾と混乱を犯しておるのみならず、その補償正面におきましても、内容的にきわめて不十分であるばかりか、補償の考え方自体に多くの矛盾を内包しております。このような内容をもっていたしましては、とうてい職業病対策には万全を期することができない、私どもは、こういう観点に立ちまして、職業病並びにその類似病に対し、その特殊性にかんがみ、また、そのゆえにこそ、労災法の存在とは別に、けい肺特別保護法、けい肺臨時措置法等が制定されてきたいきさつも考えまして、この際、抜本的な救済策を盛り込んだところの単独の職業病法を制定すべきであるという考え方に立って、政府案に反対するものであります。(拍手)
しかし、このことが現在の段階で困難であるということでありますならば、暫定的にございますところのけい肺臨時措置法を一年間延長したいということは、社会党並びにわが党におきましても基本的に同じであり、その間に職業病法の制定を慎重に討議すべきであるということは、委員会でもたびたび主張いたしましたが、それが今日いれられないわけであります。しかし、今からでもおそくないということが先ほど伊藤議員からも言われましたが、今回の政府案は、せっかく芽を出しかけましたところのけい肺法等、その他の職業病的な保護法案の芽を完全につみ取っていくということを、皆さん方に知っていただきたいのであります。この法案が実施されました場合におきまして、おそらく、将来におきますところの職業病等に対するいわゆる保護立法というものが忘れられていくことになる。これは、私どもが言わずとも、皆さん方が御承知の通りであります。従いまして、何といたしましても、この機会におきまして、職業病法的な恒久的な法律を制定すべきであるということをもう一度主張いたしまして、保守党の方々の御賛同を切に願う次第であります。
また、政府案におきまして、この内容に私どもが反対いたします理由の一つといたしまして、補償給付の面では、労災法の改正をもってこれを行なわんといたしておるのでありますが、本来、労災法の建前は偶発的事故、疾病を予定して、これに対する無過失損害賠償責任を明らかにした法律でありまして、このような法律に、全く性格の異なった職業病等を含めることは、異質のものを同一扱いにしようとするものにほかならないのであります。これをもし強行するといたしますならば、職業病的な特殊な保護立法をいたそうといたしますことを非常に弱めて参るものであるということは、先ほども申し上げた通りであります。
なお、労働基準法には、労働者の災害について、事業主がその全責任を負うことを明記いたしてあるわけでありますが、個々の補償について、一定の基準を定めていることは、御案内の通りであります。しかし、改正案は、この基準法に掲げるところのいろいろな原則との均衡が全くはかられていない点が最も特徴的であるのであります。すなわち、改正案では、国庫負担の導入によって事業主の補償責任をあいまいにいたし、一体だれが基本的にこの責任を負おうといたしておるのかが全く不明確なものになっておるのであります。
さらに、改正案では、傷病補償におけるところの年金等の採用、打切補償の廃止、このようなことによりまして、基準法等と著しく均衡を失して改正を行なっている。こういう基準法とのバランスが全く調整されていないというきわめて重大な点を私どもは指摘して参ったわけであります。従いまして、労災法並びに労働基準法との両方の適用を受ける労働者は、一体どちらの基準に従っていいか、この法案が実施された場合におきましては、混乱を見ることは火を見るよりも明らかであるのであります。
さらに、今回の改正案提出に際しまして、政府は、他の社会保険との均衡をはかるということを申しながら、その総合調整の段階にあるところの年金制を、何らのちゅうちょもなしにこれを採用したり、さらに、その年金におきましても、厚生年金、船員保険法等と全く均衡がとられていない改正をあえて行なって参っております。たとえば、傷害年金についていえば、船員保険は六年までが年金になっているにもかかわらず、改正案では、三年までしかその年金化が考えられていないことが、その最も端的な例であります。すなわち、政府が、他の社会保険との均衡をはかると言っていることも、全く根も葉もないことであることが、この一例を言ても明らかに証明されるのであります。
また、改正案では、補償給付の面では、じん肺だけではなく、類似病も補償の対象としておきながら、その予防、健康管理の面では、じん肺法案という形で、じん肺以外の職業病、類似病を全く除外いたしていることが明らかであります。こうした矛盾を少しも調整することなく、今回の法案提出となって現われて参ったわけであります。
第二の点でございますが、最も重要なことは、改正案の内容で、なかんずく、その補償給付の内容がきわめて不十分であるばかりでなく、補償の考え方については完全に混乱を来たしているという点であります。長期傷病者給付、この補償制度を採用した点でございますが、これとても、従来の打切補償のいわゆる引き直しを行なったにすぎず、あるべき補償の根本的検討は行なわれていないというのが実態であるのであります。つまり、長期傷病者補償、これを行なうにあたって、単に従来の打切補償を六カ年間で割った額を年金として支給するという、きわめて安易な方法をとっており、この結果は、療養費が年間三十日分しか支給されないというような、きわめて不当な結果になっているのであります。私たちといたしましては、長期傷病者補償を行なう以上は、現行法によって支給されているところの療養に必要な費用の全額及びその間の生活維持に必要な費用は全部合わせて行なわなければならないということを主張いたしているわけであります。この点が全く考えられていない実情である。この改正案は、補償のあり方について、その考え方が基本的に確立されていないところに、まず重大な欠陥があるということを指摘いたしたいわけであります。こうした立場に立ちまして、長期傷病者補償が、療養に際して要する一切の費用の補償でありとするならば、そこに本来一種、二種の区別があるべきではなく、これも先ほど言われた通りでございます。こういう改正案の考え方は、根本的に誤謬を犯していると断ぜざるを得ないということを申し上げておるわけであります。(拍手)
さらに、遺族給付については、六年以後は支給しないこととし、また、それ以前については、すでに支給された長期傷病者補償分を差く引くというような、いとも残酷なものの考え方がこの法案の中に入っておるわけであります。(拍手)これは、遺族給付に対する認識を全く誤ったものといわなければなりません。遺族給付は、その死亡時期のいかんによって、支給したり、されなかったりすべき性質のものではない。遺族の生活補償という観点に立って考えられるべきものであります。また、改正案のように、遺族給付から長期傷病者補償分を差し引くに至っては、両者の給付の性格を全く混同していると申さなければなりません。この点は葬祭給付も同様であります。
さらに、改正案は、長期傷病者補償その他については厚生年金差し引きの方式をとっておりますが、この点もきわめて不合理であります。本来、保険制度は、自己掛金分以外の給付を受け得る権利を保障するものであって、その完全併給は何らこれを制限すべきものではないわけであります。(拍手)また、改正案が、解雇制限について、長期傷病者補償が行なわれるに至ったときは、打切補償が行なわれたときと同一視しようとする点も、私たちにとっては全く理解に苦しむ点でございます。長期傷病者補償が開始されたときは、打切補償の一部が行なわれる場合に相当するものであって、打切補償が完全に支給された場合とは異なることについて、改正案は全く留意されていないのであります。
以上のほかに、障害補償の問題、経過措置の問題等、内容的に幾多の不合理が認められ、また、こうした点についてこまかく指摘いたしたいのでございますが、時間の制限がありますので、以上、ほんの一例をあげまして、政府案の不合理を指摘したわけでございます。これらの点につきましては、社会保障制度審議会でも同様に指摘している点でもございまして、要は、今回の政府の改正案等をもってしては職業病に対する根本的解決策にはならないということでございます。これを私どもは主張して参って、この際、政府がこれらの法案を撤回されまして、そして、一年間のけい肺臨時措置法の延長をはかられ、この期間に根本的な再検討をいたし、慎重に審議をいたし、単独の職業病法の制定にあらゆる努力を傾注していただきたいということを私どもは心から願って審議に当たって参ったわけでありますけれども、遺憾なことには、これが否定されたのであります。
従いまして、私どもは、最後に、将来、日本の勤労者の立場、労働者の立場に立ちまして、職業病法的な恒久立法を緊急に制定すべき必要があるということを要望いたす次第であります。
以上のことを強く政府に要望いたしまして、私の討論を終わりたいと存じます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/48
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049・中村高一
○副議長(中村高一君) これにて討論は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/49
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050・中村高一
○副議長(中村高一君) 両案を一括して採決いたします。
労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案の委員長の報告は修正、じん肺法案の委員長の報告は可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/50
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051・中村高一
○副議長(中村高一君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り決しました。
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国鉄貨物運賃公共政策割引に関する緊急質問(菊川君子君提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/51
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052・天野公義
○天野公義君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、菊川君子君提出、国鉄貨物運賃公共政策割引に関する緊急質問を許可せられんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/52
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053・中村高一
○副議長(中村高一君) 天野公義君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/53
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054・中村高一
○副議長(中村高一君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
国鉄貨物運賃公共政策割引に関する緊急質問を許可いたします。菊川君子君。
〔菊川君子君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/54
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055・菊川君子
○菊川君子君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題になりました国鉄貨物運賃公共政策割引につきまして、この際、政府の所信をお尋ねいたしたいと思います。
この問題につきましては、三月十六日、わが党からも強力に運輸大臣に申し入れをいたしましたが、あらためて私どもの考え方を明らかにいたしたいと思うのでございます。
ところで、国鉄当局は、九月末日まで公共政策割引を延期いたしましたが、伝えられるところによりますと、この問題の削減、また廃止の意向を捨てていないといわれております。このことはきわめて重大な問題であり、特に、この問題と直接関係を持つ農漁民にとりましては大きな影響がありますので、私どもといたしましては、これを簡単に黙視し去るわけにはいかないのでございます。御承知のように、昨年、鉄道運賃制度調査会が政府に対して運賃問題等について答申を行ない、政府は、昨年十二月までにこの結論を出すことを明らかにしたのでございます。にもかかわらず、政府は、この問題についていまだに何らの方針も明らかにしないで、おざなりに、本年三月までこの制度を延期し、今また、九月末日まで問題を回避する態度に出ていることは、きわめて無責任な態度といわざるを得ないのでございます。(拍手)この問題の成り行きを大きな不安を持って見守っておる農漁民のためにも、早急にその考え方を明らかにし、こうした不安をなくすために万全を期すべきであると考えるものでございます。
ところで、今までの動きを見て参りますと、ただいまも申し上げた通り、国鉄当局は、公共政策割引の削減、また廃止の案をもって関係当局に働きかけると同時に、その案を経済企画庁を通じて閣僚懇談会に提出いたしました。この案は、国鉄経営の収支面にのみ重点を置く運賃制度調査会の結論に基づくものといわれておりますが、国鉄運営の基本精神からいたしまして、これはきわめて遺憾なことだといわざるを得ないのでございます。そこで、私は、運輸大臣にまずお伺いいたしたいのは、一体、こうした事実があるのかないのか、この際、明らかにしていただきたいと思うのでございます。
さらに、総理大臣並びに運輸大臣にお伺いいたしますが、国鉄が現在考えているような割引制度の廃止の意向について、政府はどのようなお考えを持っておられるか、また、そのような廃止を行なう場合、一挙に廃止するのか、あるいは段階的に廃止するのか。もし、政府が廃止する意向でおられるとするならば、その廃止の際の影響をどのように考え、そして、これに対するどのような対策を用意しておられるのか。現在の段階におきましては、この割引制度が、運賃制度の改定のときに、その急激な影響を緩和するためにできた制度であることを考えますと、何らこれを廃止する理由がないと思うのでありますが、この点、政府はどうお考えになられるか、政府の所信を伺いたいと思います。
次に、私は、この公共割引制度が、等級制度とは基本的に異なるものであるという観点から、政府のお考えについてお尋ねいたしたいと思うのでございます。
御承知のように、この公共割引制度は、過去における運賃制度の改定に際して、運賃の不均衡な上昇の調整措置を本来の目的としておりまして、その制度自体、何ら恩恵的な意味を含まない制度であると理解すべきだと思うのであります。従って、等級制度との関連において検討したり、また論議したりする性質のものではなく、等級制度では調整し得ない問題であるからこそ公共政策割引が作られたと理解していいと思うのでございます。にもかかわらず、このような基本的な制度のあり方を忘れ、特別等級と同じ趣旨のものを廃止して等級に含ませろという意見もありますが、これは、まさに玉石混合の考え方といわなければなりません。私どもとしては、現在の割引制度が運賃値上げの緩和策としてとられた以上、恩典的制度の立場に立つべきではないと考えておりますが、この点、政府はどのようにお考えになっておられるか、本制度に対する政府の基本的な認識について明らかにしていただきたいと思うのでございます。
第三点といたしまして、本制度の削減また廃止は、農漁民、消費者に大きな影響を与える結果になることは明らかでございますが、この点について政府のお考えを伺いたいと思います。もし、この公共政策割引制度が廃止されますと、運賃は実質的に値上げされたと同じ結果になることは、あえて申し上げるまでもないと思うのでございます。過去の運賃値上げの際の影響を見ましても、値上げによる犠牲は、大部分が消費者、生産者にしわ寄せされている現状でございます。特に、公共政策割引の対象が農林畜水産物である現状を見ますと、国民の消費生活、また、生産者に与える影響はきわめて大きいのでございます。運賃制度の欠陥は、この割引制度より等級制度にあるといわなければなりません。運賃制度調査会の答申にも見られるように、八級以下の運賃の不足は六級以上の貨物運賃で負担しているといわれておりますが、実際は、六級以下の運賃を五級以上の運賃で負担しているのが現状なのでございます。六級以下の運賃の適用を受けているおもな物資は何かと申しますと、セメント、石油類、石炭、鉱石など、大企業向けの原料物資がそのほとんどを占めているのでございます。結果として大企業に奉仕してきた赤字を、公共政策割引の廃止で、農漁民、消費者の犠牲において行なおうとするのが、このたびの国鉄構想にほかならないのでございます。
そこで、運輸大臣にお伺いいたしますが、このような公共割引の廃止は、今申し上げたような理由で、必然的に消費者価格また生産者価格に響くと思いますし、さらに、これが消費者並びに生産者に大きな圧迫を加えることになると思いますが、これらの点についてどうお考えになられるか、また、現在の問題としては、公共割引よりもむしろ等級制度に問題があると思いますが、この点も、あわせて御見解を明らかにしていただきたいと思うのでございます。
私どもとしては、以上の観点から、公共政策割引は、それ自体一つの制度としてこれを存続し、よりよい制度にするための努力がなされていいのではないかと思うのでございます。特に、農林漁業におきましては、貿易の自由化その他の影響に対処するために生産基盤の整備拡充、体質改善が要求されている今日、いたずらに流通及び価格に混乱をもたらす以外に何らの益もない本制度の廃止は絶対に行なうべきではないと考えるのでございますが、これらの諸点について政府の御見解をお尋ねいたしますとともに、あわせて、私どもの要望として、この際、国鉄にその反省を促す次第でございます。
最後に、公共政策割引が九月末日まで延期されたとはいえ、ただいま指摘した問題についての政府の見解は明らかにされておりません。これでは、問題を単に九月まで引き延ばしたというだけであって、九月になりますと再び混乱を招くことは明らかでございます。特に、農産物の出荷期を控えて生産者に与える不安、影響を考えますと、このまま見過ごすわけには参りませんので、あえて緊急質問に立った次第でございます。
以上の諸点に対する政府の明快な御答弁を要求し、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
〔国務大臣楢橋渡君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/55
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056・楢橋渡
○国務大臣(楢橋渡君) ただいまの御質問の点でありますが、本来、国鉄の貨物運賃が、農林水産物資に対して、公共政策的な見地から実施しておる特別の措置に二つあるのであります。その一つは、国会の承認を得た貨物運賃体系の中に組み入れられた正規の特別等級であります。すなわち、今日の米麦等の農林水産貨物等に対しては、普通等級とは別に、特に低廉なる特別等級を設けて、公共政策的な割引を行なっておるのであります。ただいま質問されましたその問題は第二の点でありまして、これは、正規の運賃とは別に、国鉄総裁限りで一部の貨物に対して行なっておる暫定割引であります。これは運賃改定による急激な影響を緩和するために、期限を限って、特に暫定的に実施したものであります。この暫定割引は、その後の諸般の事情から本年の三月末まで延長をされておりますが、これは、さきに述べました特別等級とは異なり、あくまでも臨時的なものであります。このような農林水産貨物に対する公共政策割引には、特別等級によるものと暫定割引によるものとがありますが、この中の特別等級制度は、運賃法による正規なものでありますので、今後にわたり存続させたいと思っております。しかし、暫定割引は、国鉄総裁限りの臨時的なものである上に、今日、国鉄の財政は憂慮すべき状態にありますので、貨物運賃体系を正常な姿にする意味からも、また、国鉄財政を改善する意味からも、逐次整理さるべきものであると考えておるわけであります。しかし、暫定割引の廃止による、今おっしゃいました荷主等に対する影響等も考慮いたす必要がありますし、また、国鉄も、他の公共負担あるいは運賃体系等の問題とも関連をいたしておりますから、慎重に検討する必要がありますので、四月一日からさらに六カ月間だけ存続させることにいたした次第であります。
なお、運賃全体の体系については目下慎重に検討いたしておる次第であります。(拍手)
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中国地方開発促進に関する決議案
(遠藤三郎君外五十名提出)
(委員会審査省略要求案件)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/56
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057・天野公義
○天野公義君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、遠藤三郎君外五十名提出、中国地方開発促進に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/57
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058・中村高一
○副議長(中村高一君) 天野公義君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/58
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059・中村高一
○副議長(中村高一君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
中国地方開発促進に関する決議案を議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/59
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060・中村高一
○副議長(中村高一君) 提出者の趣旨弁明を許します。遠藤二郎君。
〔遠藤三郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/60
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061・遠藤三郎
○遠藤三郎君 ただいま上程せられました、自由民主党、日本社会党及び民主社会党共同提案にかかる、中国地方開発促進に関する決議案につきまして、その趣旨弁明を行ないたいと存じます。
まず、本案の内容を朗読いたします。
中国地方開発促進に関する決議案
わが国経済の地域的格差を除去し、全国的視野に立って、これが均整ある安定的伸長発展を遂げしめることは、経済施策の基底をなすものであり、いわゆる低開発地域の開発促進について、それぞれの地域的特殊性に即応する適切な方途を講ずることは、刻下喫緊の課題である。
ひるがえって、中国地方についてみるに、本来一体たるべき陰・陽両地域間相互の連絡交通網の不備、地形、土じょう、気象等特殊の自然的悪条件の制約に加えて、内陸には未開へきすうの山間地帯を、内海には多数の島しょをかかえ、ほとんど産業の見るべきものなく、住民所得、地方財政力等いずれも全国水準を下まわり、開発の立ち遅れは特に顕著なものがある。したがってこれら経済、民生上の低位、後進性を打破し、積極的開発の実を上げるためには、一にかかって国の建設的助成にまつのほかはない。
他面、本地方は、阪神、北九州の二大工業地帯に膚接し、また、三面海を擁して、臨海工業地帯の造成その他産業立地上きわめて好適な地歩を占め、豊富な未利用資源の高度活用と相まって、陰・陽両地域を打って一丸とする経済基盤の整備強化を図るにおいては、多大の開発効果を期待し得るものと思料せられ、このことは、ひとり本地方住民の民生の向上、福祉の増進を期するゆえんたるのみならず、広くわが国産業の助長振興、経済の伸長発展に寄与するところきわめて大なるものがある。
叙上の趣旨をもって、政府は、すみやかに、まず本地方開発に関する基本計画を確立し、更に進んで、積極的開発を促進するため、立法その他所要の特別措置を講じ、国の資金の重点的投資、各種財源の計画的投入、民間資本の積極的導入等、施策の万全を期すべきである。
右決議する。
この提案理由の説明を詳細にしたいと思うのでございますが、時間もありませんので、この決議案の内容をもって御理解いただきたいと思います。(拍手)
なお、この決議案は、単に形式的にそういうことにきめたということでなくて、これを実際実行するのだという決意のもとに、満堂の御賛成を得たいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/61
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062・中村高一
○副議長(中村高一君) 討論の通告があります。順次これを許します。中村英男君。
〔中村英男君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/62
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063・中村英男
○中村英男君 ただいま提案になりました中国地方開発促進に関する決議につきまして、私は、日本社会党を代表して賛成の意見を表明するものであります。(拍手)
国土の総合的な開発の緊要性につきましては、歴代政府によって強調されて参りましたが、しかし、実態は、日本経済の異常な発展にもかかわらず、大都市と地方都市、都市と農村では、ますますその格差が広がりまして、後進地域は常に置き去りにされてきたのが現状かと思います。さらに、今後の日本の経済の発展を着実に行なうためには、道路、港湾を初めとする基本的施策の拡充がぜひとも必要になって参ります。一千万の過剰人口を有するといわれる日本の雇用対策を考えても、貿易の振興もさることながら、国土の総合開発こそが最も肝要なことだと存じます。わが党は、勤労大衆の生活安定と雇用の拡大という見地より、国土総合開発を特に重視して参ったわけであります。
こういう観点に立ちまして中国地方の実情を見て参りますと、中国地方は、本州の最西端に位し、国の政治、産業、経済の中心から隔離しまして、鳥取、島根、岡山、広島、山口をもって構成され、その面積は三万一千六百余平方キロで、全国の八・六%に当たっております。人口は六百九十九万余人で、全国の七・八%を占めるにすぎません。従って、一平方キロ当たりの人口も二百二十二人で、全国平均二百四十一人、四国地方二百二十六人にも達しない、低位の人口支持力であります。昭和三十一年度における中国地方住民の生産所得は七万七千四百円、全国平均八万二千四百円にも及ばないことは、中国地方が国内市場を狭めている結果となり、わが国の経済発展にマイナスの面をもたらすものといわねばなりません。その反面、当地方の人口支持力が低いことは、将来の発展性を多分に残していることであり、原始産業に対する開墾、干拓適地の所在、第二次産業に対する用地造成適地、水資源の保有などは、このことを示しているのであります。
次に、当地方がいかなる理由により開発の立ちおくれを招いたかの理由を考えてみますと、そのおもなるものとして、次の諸点をあげることができます。
一つには、中国山脈が東西に走って、日本海側と瀬戸内海側との陰・陽連絡交通を困難ならしめ、当地方の一体化を阻害していること、二つには、山陰側は寒冷なる気候が産業経済の発展を妨げていること、三つには、山陽側は沿岸地域の大半を旧軍部並びに駐留軍に接収され、平和産業の発展に制約を受けてきたこと、四つには、未開発後進地域なるがゆえに、従来国の施策の恩恵に浴することが少なかったこと、及び、当地方の経済力が貧弱なため、地場資本による自力開発が困難であることがおもなる原因だと思います。
次に、中国地方の財政状態と県民生活の現状を一つ一つ見ましても、きわめて後進地域であるということが証明できると思います。これらの点を一々列挙することは省略いたします。
以上、中国地方の現状と問題点の一端を申し述べましたが、歴代政府の国土開発計画の推進に対する熱意と努力が足りなかったことを物語っていると断言せざるを得ないと思います。(拍手)それには中央・地方にわたる強力な施策が必要であります。
日本社会党は、国土開発に対する具体的な施策として、一つには、国土総合開発法を、計画法から実施法に移すこと、二つには、開発実施上の障害となる地方公共団体の財政窮乏に備え、特別な措置をとること、たとえば、災害復旧は全額国庫負担にすること、地方財政再建団体の再建計画上、指定開発事業はワク外として取り扱うこと、国の直轄工事の付帯事業等、相当規模の公共事業は国の直轄に移すこと、地方団体の事業についても、開発計画に掲上するものについては補助率を引き上げること、工業の適正配置の促進に関する基本法の制定を促進すること、特に、中国開発については、開発事業金融を円滑にする措置を講ずべきこと、さらに、事業計画の新事業の創設、経営及び出資の機関として、中国開発公社案も検討すべきだと思います。
こういう一連の措置を講じつつ、当面の中国地方開発の主導目標である交通網の整備、特に陰・陽連絡の鉄道、道路の整備、資源開発及びその高度利用、産業立地条件の整備、観光事業の振興、国土の保全、島嶼の開発等の実施を期したいと考えておる次第であります。
以上、法制上、予算上、必要な措置をすみやかに講ぜられんことを要望いたしまして、本決議案に賛成の意を表する次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/63
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064・中村高一
○副議長(中村高一君) 内海清君。
〔内海清君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/64
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065・内海清
○内海清君 私は、民主社会党を代表いたしまして、中国地方総合開発に関する決議案につき賛成の意を表するものであります。(拍手)
言うまでもなく、わが国経済の発展は、年を追って成長いたし、国民生活もまた向上いたしておりますが、近年、その地域的跛行性は特に顕著なものが出てきておるのであります。中でも、第一次産業、すなわち、農業あるいは漁業を中核とする地方においては、これらの持つ特殊性から、経済的に恵まれず、ますますその格差を広げる傾向にあることは、論を待つまでもないところであります。それに比べ、工業の発展は目ざましいものがあり、工業地帯をかかえる地方は、特に著しい発展を遂げておるのであります。政府のいう所得倍増も、これらの地方においては十分その目的を達するでありましょうが、工業地帯をかかえぬ、いわゆる第一次産業を中心とする地方においては、それらの恩恵を受けないのみか、資本集中化の結果、逆に、富裕県に貧弱県の資本が吸い取られ、ますます跛行性を激しくする結果となるのであります。真の国民経済の発展は、全国民がひとしくその生活において向上することであり、一部の地域のみの発展を意味するものではありません。また、この発展の向上を平均化することこそ、今日われわれに与えられた大きな任務といわざるを得ないであります。
かかる観点に立って中国地方を見まするとき、その後進性ははなはだしく、中国地方住民の生活が著しく低位にあることを痛感せざるを得ないのであります。その原因は、第一に、中国山脈が東西に走り、陰・陽連絡交通を困難にしておることであります。第二は、山陰側は寒冷な気候であり産業の発展に適しないということであります。第三に、山陽側は、戦前、戦時中を通じて、沿岸海域の大半、特に良域は、旧軍部、戦後は駐留軍に接収せられ、平和産業の発展を阻害しておるのであります。第四に、未開発後進地域ということで、国の施策から見放されると同時に、地方経済力が貧弱なため、地場資本による自力開発が困難であったことであります。これらの四つの原因は、今日、中国地方の発展をおくらす大きな原因であることは、周知の事実であります。第一、第三の問題は、国の責任において当然その打開の道を講ずべきでありましょう。また、第四の点についても、経済の平均化、国民生活の向上を願う限り、当然、国の責任においてその対策が講ぜらるべきであります。また、第二点でありまするが、畜産等による高冷地農業の振興対策をとることによって、これらの自然的条件をも克服できるのであります。今日の中国地方は、一平方キロ当たり人口二百二十二人という、全国平均に達しない人口支持力を示しており、また、生産所得も、七万七千四百円と、全国平均を下回っておるのであります。逆に言うならば、人口支持力の低さは、将来の発展性を多分に残しておる証拠であり、一方、生産所得の低さは、国内市場を狭隘化する大きな原因と、同時に、対策いかんによっては有力なる国内市場に発展する可能性を示すものであります。
このように見て参りますと、阪神、北九州の二大工業地帯の中間に位し、水、エネルギー、労働力等に恵まれた中国地方が、今日まで、後進地域として、その総合対策等が講ぜられなかったことは、国の施策の大きな怠慢であり、この見地からも、中国地方開発促進はおそきに失した感を免れ得ないのであります。
最後に、中国地方が今日まで後進地域を脱却できない大きな要因は、何といっても、中国地方各県が、その総予算に占める自主財源を持たないということであります。全国平均三三%に比べ二五%であり、これが同地方の後進性を決定的なものにしておるのであります。これは地方財政制度の大きな欠陥といわなければなりません。今日の財政制度は国税中心主義であり、これが地方財政を枯渇化せしめ、地域的跛行性を生じる原因となっておるのであります。府県税三三%、国庫依存五三%、その他一四%という、全国平均各県の財政内容は、地方行政を中央集権化するばかりでなく、各地方に適応した産業投資を阻害するきわめて大きな要因となっておるのであります。国庫補助金は、そのほとんどがひもつきで、地方負担を必要とし、また、府県財政の八〇%から九〇%は経営費その他で費やされ、県が独自に使用できる金はわずかに一〇%内外という状態では、県の自主的発展は全く望み得ないのであります。交付税等、財源調整制度があるとはいえ、地方団体の各県別の格差のない自主財源を国は地方に与えるべきだと考えるのであります。(拍手)もちろん、後進地域は補助金の県負担を軽くすべき等の意見もあるが、ともかく、このような抜本的地方財政の改革が行なわれない限り、経済の地域的跛行性は、基本的には解決でき得べきものではないのであります。
九州地方総合開発、四国地方総合開発、ここに中国総合開発、また北陸総合開発等の法制化の動きは、経済の急速なる発展の中から取り残されようとする後進地域住民の切なる願いの現われであります。こうした地域開発事業の法制化は、健全なる政治の建前からいうならば、きわめて残念な動きといわなければなりません。こういった地域格差、階級間格差の調整こそ、国の果たすべき大きな役割であることにほかならないからであります。近い将来、一つの法律によって全国のあらゆる後進地域が健全なる発展を期するよう、その地方住民が豊かな暮らしを営めるようになることを目途とし、ここに中国地方総合開発に関する決議に満腔の賛意を表する次第でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/65
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066・中村高一
○副議長(中村高一君) これにて討論は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/66
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067・中村高一
○副議長(中村高一君) 採決いたします。
本案を可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/67
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068・中村高一
○副議長(中村高一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/68
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069・中村高一
○副議長(中村高一君) この際、菅野国務大臣から発言を求められております。これを許します。国務大臣菅野和太郎君。
〔国務大臣菅野和太郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/69
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070・菅野和太郎
○国務大臣(菅野和太郎君) ただいま決議されました中国地方開発促進に関する件につきましては、決議の趣旨に沿いまして、今後できるだけ努力いたしたいと存じております。(拍手)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/70
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071・中村高一
○副議長(中村高一君) 本日は、これにて散会いたします。
午後六時三十六分散会
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出席国務大臣
運 輸 大 臣 楢橋 渡君
労 働 大 臣 松野 頼三君
国 務 大 臣 石原幹市郎君
国 務 大 臣 菅野和太郎君
出席政府委員
内閣官房長官 椎名悦三郎君
外務政務次官 小林 絹治君
大蔵政務次官 奧村又十郎君
農林政務次官 小枝 一雄君
運輸省鉄道監督
局長 山内 公猷君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長 廣瀬 眞一君
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103405254X01619600329/71
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