1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年三月二十九日(火曜日)
午前十時四十一分開会
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出席者は左の通り。
委員長 平島 敏夫君
理事
天埜 良吉君
江藤 智君
村上 春藏君
委員
佐野 廣君
三木與吉郎君
相澤 重明君
大倉 精一君
重盛 壽治君
中村 順造君
松浦 清一君
白木義一郎君
国務大臣
運 輸 大 臣 楢橋 渡君
政府委員
運輸政務次官 前田 郁君
運輸省鉄道監督
局長 山内 公猷君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長 広瀬 真一君
事務局側
常任委員会専門
員 古谷 善亮君
説明員
日本国有鉄道副
総裁 吾孫子 豊君
日本国有鉄道常
務理事 大石 重成君
日本国有鉄道常
務理事 中村 卓君
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本日の会議に付した案件
○日本国有鉄道法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
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001・平島敏夫
○委員長(平島敏夫君) ただいまから委員会を開会いたします。
本日は、まず日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題といたします。
念のため申し上げますが、本案は、去る二十五日衆議院において可決され、送付されました。
これより前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/1
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002・相澤重明
○相澤重明君 山内君にお尋ねいたしますが、前回の三月十五日の委員会で、私から、日鉄法の改正についての御質問の中で、新しく理事を一名ふやすという提案について、その理事が、東海道新幹線の管理体制を強化するために担当理事をきめるのだと、こういう御答弁をいただいたと思うのです。そこで、それではこの新幹線が終わったならばどうするかと、こういう質問をいたしましたところが、そのあとで、この東海道新幹線の管理状況、また国鉄全般の問題とも関連をして、また国会に諮らなければならぬと、こういうような御答弁をされておるわけです。これは非常に重要なことであるから、一つ政府側の意思もはっきりしてもらいたいというのが、私の当時御質問を申し上げた内容です。これは当時の速記録の二べージに載っております。そこで、そういう点について、政府としてはどういうふうに解釈を統一されたか、その点をまず最初にお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/2
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003・山内公猷
○政府委員(山内公猷君) ただいまお話の通りでございまして、でき上がったあとで、再び国会にお諮り申し上げるということは申し上げなかったように記憶しております。私の申し上げましたのは、この一名理事の増員は、東海道新幹線の建設というものは非常に大きな仕事であるために、特にそのための理事が必要である。でき上ったならば必要はないではないかという御質問がございましたので、法律面におきまして、一名の理事の増員が出ておるわけでございますので、再び国会の方に一名のあらためての増員をお願いするというのは、法律的の建前からいって、やはりおかしなことになりますので、その際には、さらにわれわれの方としても考えますが、実情として、想像いたしますのに、これはどの仕事でもそうでございますが、建設のときには、建設関係の仕事も非常に多いのでありますが、運営の面になりますと、それ以上に仕事が複雑になり、多岐になり、量が多くなるというのが通常でございますので、私どもは、その面で一名は必要であろうと考えておるわけでございます。また、そのときにはっきり申し上げなかったのは、一名は最低必要であろうと思いますが、それ以上必要があるかどうかというのは、そのときになって考えなければなりませんので、そういう点は、もう一ぺんわれわれの方で、十分実施の面において考えて参りたいと、一名は管理の面でも必ず必要であろうというつもりで御説明申し上げたのでございますが、言葉が足りなかったならば、そのように御了承下さるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/3
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004・相澤重明
○相澤重明君 いや、あなたの答弁は、きょうはそういう答弁だけれども、この間はこういうように答弁された。そのときの状態になると思うわけでございますが、東海道新幹線ができましたあとにどういう管理体制をとるかということにもかかってくるわけでありますけれども、それらに関連をいたしまして、終わったあとでその理事をどうするかということを、また国会に諮らなければならぬと思っております。」と、こうちゃんと言っておる。だから、そういうことを私は御質問をしておるわけなんです。
そこで、今あなたの言うように、あるいは理事をもっとふやさなければいけない態勢になるかもしれぬ、またそのときに現状のままでいいかもしれぬ、こういうことは、なるほどそのときの国鉄の状況によって考えられると私は思う。しかし、私どもの今一番この質問の中心になっているのは、昨年日鉄法を改正したばかりであって、そうして新幹線の問題についてもまるきり構想がないわけではなかった。それで当時は私ども参議院の運輸委員の中では、こういう意見まであった。たとえば、柴谷君の当時の意見としては、十一人から十六人という理事の増員についてのお諮りであるけれども、少いのじゃないか、もっと支社がふえていくならば、理事の数もふやさなければならぬということになりはせんか、こういうことを昨年当委員会でも質疑をしておったわけです。それに対して運輸省並びに国鉄当局から、いや、これで間に合うのである。こういうことで、昨年日鉄法の改正の際に、現在の十六人の理事をきめているわけです。そういう経緯がある。そこで、今度は新たに日鉄法の改正を出されるのは、東海道幹線の建設が非常に大きな業務である、こういう考え方で運輸省並びに国鉄当局は、担当理事というものを出されていると、こう思うのですね。従ってそういうことでいくと、昨年のこの日鉄法の改正の経緯、今回の提案の趣旨、そういうものからすると、一貫性がないのじゃないか、いやしくも法律というものは、その場当たりで提案をするわけじゃないでしょう。やはり一貫性を持った提案説明をしなければ、理屈が立たない。こういう意味で、この今回の一名の担当理事というものは、それじゃ東海道新幹線の建設工事が終わったら、理事はもう必要がなくなるのか、こういう点を私は質問しているわけです。その点についてのあなたの御答弁が、先ほど私が読み上げたような答弁であると、これは建設工事が終わったならば、それではいま一回国会に諮るということになるのかあるいはそのまま置くという統一解釈というものができたのか、極東の範囲ではないけれども、ときどき政府の解釈は、統一解釈の統一解釈がまた生まれてくるので、そういう点はっきりしておかなければならぬ、こう思って私はお尋ねしているわけです。いま一度一つ見解を明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/4
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005・山内公猷
○政府委員(山内公猷君) 先般お答え申し上げましたのは、あらためて一名の増員をどうするかということを、国会に諮るということを言いましたのは誤りでございまして、私の申し上げた気持といたしましては、言葉が足らなかったのでありますが、ただいま御説明申し上げましたように、一名増員をしたならば、これは管理運営の体制に入った場合には、少なくとも一名は必要であるということを考えて、増員をお願いしたわけでございまして、建設工事が終わりまして、一名要らなくなるということはないということでございます。あとで私いろいろ申し上げた言葉が、足りないというよりは、誤解を生ずるような話をしたわけでありますが、その点はおわびを申し上げますが、私の気持としましては今言いましたように、建設の段階であるよりも、管理の段階になった方が、いろいろ対外的な仕事もふえますし、日常の業務もふえますので、その面では一名で、はたして十分であるかどうかということは、今にわかにお答え申し上げにくいところでございます。と申しますのは、管理体制がどうなるかということもございますので、そういう点が十分はっきりわかりましたあとで、一名でいいとか、あるいは二名でいいとかいうことでございます。あのとき誤解を生じ、また誤解を生ずるような言い方をしましたのは、一名で足りるだろうかということが、ちょっと私頭の中にあるものでございますから、そういうことを申し上げたわけでございますが、少なくとも一名は要るということを、はっきり運輸省も考えております。建設工事が終わりましてから、この一名もやめてしまうということは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/5
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006・相澤重明
○相澤重明君 そうしますと、今の運輸省の考えとしては、今回の法律案提案にあたって、東海道新幹線工事の重要性からかんがみて、一名の担当理事を設ける。従って今後のその担当理事については、東海道新幹線の建設工事が終了をしても、別に理事を必要としないということではないと、こういう解釈が統一されたという意味ですね。
そこでお尋ねをしておきたいのは、支社制度というものが、昨年日鉄法改正でふえたわけであります。しかも、今後ますます国鉄輸送の現況から考えれば、運輸省としても相当全国的に業務の増大ということも考えられるから、さらにこういう支社制度の問題について再検討をされる時期があるのではないか。それから監理局制度についても、そういう問題が起きてくるのではないか、こういうことが予想せられるわけであります。そこでそういう場合に、現在の理事を十七人に、今回のたとえば法律改正でしたとしても、将来そういう点について理事を増員する考えでおるのか、それとも今のところはそういう点は考えておらないとお考えになっておるのか、この点は運輸省としてはどういうふうにお考えになっておるか、その点を一つ御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/6
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007・山内公猷
○政府委員(山内公猷君) 支社制度につきまして、先般の国会で支社のうち六名の常務理事を作りましたことは、御承知の通りでございます。その際、国会が終わりましてから、新潟、広島、四国が三支社に変わったのでございますが、現在また、今御指摘のように、国鉄のそういった体制というものを再検当する時期にきておるわけでございます。御承知のように、国鉄の体制は二十四年に企業体の組織になりましてから、ずっと組織の改正というものがあまり行なわれませんで、先般の支社制度の増加、三つの支社の増加というものが非常に大きなものでございます。これもまだ支社の範囲というものが、御承知のように、四国は四国でとにかく支社に入りましたが、新潟、広島につきましては、ただそういう支社ができたという段階でございまして根本的なまだ監理局の配分とか、あるいはそういったものも終わっておりません。それでわれわれの方は、そういうものの国鉄の業務のやり方というものは、十分でき上がってから考えたいと思っておるわけでございますが、支社というものに相当大きな権限を与え、支社単位で仕事をやっていくということが、名実ともに明らかになってくれば、やはり理事もそういう方向で考えざるを得ないということになるわけでございます。その際に本社と支柱との業務の配分がどうかというものも、十分監督官庁としての立場から検討いたしまして、ふやすべきものはふやし、ふやさないで済むものならば、ふやさないということを考えるべきでございますが、そういったまだ、支社制度というものはできたわけでございますが、その下部の機構というものが明瞭になっておらないので、それに対する権限の配分その他を十分検討いたした上で、結論を出したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/7
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008・相澤重明
○相澤重明君 そういたしますというと、支社制度の充実に伴って、将来は理事の定数もふやすようになるかもしれない、そういうことについては、今後具体的に検討した上で、そういう事態もあるかもしれない、こういう御説明をいただいたと、了解をしてよろしいわけですね。
そうすると、私はここに一つ新たな点をお尋ねをしたいわけでありますが、今回の日鉄法の改正提案である東海道新幹線業務に対する担当理事一名を増員する、従って理事の定数は十七名にする。こういうことになるわけですね。もし、今の運輸省の方針でいくならば、きわめて近いうちに、私は、支社制度の充実、確立ということからいけば、理事の定数をふやさなければならぬだろう、こういうことが予想されるわけです。そういたしますというと、むしろこの際は、担当理事一名をふやすということでなくて理事の定数を若干名にする、こういうことで、法律案の提案の趣旨はよかろう。そうする場合には、これは今度は委員会等で、いわゆる国鉄審議会等で十分御審議をされるならば、理事の定数もふやすこともできる。法律できちっと何名ということをきめてしまうと、非常にむずかしい点があるので、つまり国会の承認を得なければ、法律を改正しなければ、この定数というものはできない。こういうような形になってしまうので、むしろ理事の定数は若干名にするという、幅を持たせるという考え方は持たないのかどうか。こういう点について、法律の提案の技術的な問題もあるので、一つ運輸省の見解をお尋ねしておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/8
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009・山内公猷
○政府委員(山内公猷君) ただいまお話しのように、理事若干名というような規定の仕方は、業務をやる者といたしましては、割合に事態に即応した措置ができますので、非常に便宜な方法であると思うわけでございますが、まあこの日本国有鉄道法だけでなくして三公社あるいは公団というものの性格からいいまして、できるだけそういうものは明らかにして、国会の御承認を得て行なうというのが従来の例でありまして、御趣旨は非常にありがたいお話でございますが、今の法律体制といたしましてなかなかそういうものができにくいというふうに考えております。これはそういった国家的な機関というものが、財政的にも、こういう人間の面においても、できるだけ明瞭にしておかなければならぬという一つの要請がありまして、運輸省のみでそういう措置もとりにくいわけでありまして、国のこういう機関に対する考え方の全般の中の一環としまして、現在の体制では、理事の定数というものの最高限を押えるということは、一般の例でございますので、やむを得ないのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/9
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010・相澤重明
○相澤重明君 私の申し上げているのは、法律案の提案の技術的な面を、実は申し上げたわけなんです。もちろん、今の政府が提案をしている方針というものは、今のあなたの説明をされたことなんですね。そこで、そういうことでいくというと、毎年日鉄法の改正、そのたびに理事の定数をふやしていくというようなことは、私は趣旨一貫性を持たない。そういうことで、むしろそれならば、法律の趣旨から言って、十分生かせる道を技術的にお考えになったらどうなのか、こういう点を実はお尋ねをしているわけなんです。ですから、そういう点について、今の公式論だけではちょっと何か、運輸省としても一貫した趣旨を持っておらぬのではないか。来年になれば、また今度はそういうことで提案をしてくるのではないかという心配をするわけなんです。私がそういう点をなぜ心配をしているかというと、昨年の日鉄法改正の際に、特にここにいる大倉委員から強い御意見が出たのは、支社制度の確立をする、いわゆる支社長の権限を強化をさせるということが、すなわち、その作業のしわ寄せというものが、あらゆる面で従業員にかかってくるのではないか。そうして幹部だけが実際にそういうふうなスタッフをそろえるだけで、実際には無用な摩擦を起こすのではないか、こういう点を心配をされておったわけです。そういう点について、毎年この法律案の提案をするたびに役員の数はふやすけれども、実際に下部機構というものは一体どうなのか、こういう点と、いま一つは、地方住民と国鉄との関連というようなものを考えていくというと、どうも時代にあまり即応した体制をとっておらぬじゃないか、こういう点を心配をされるわけですよ。ですから、そういう昨年の日鉄法の審議の際の、各角度から貴重な意見が出されておるにもかかわらず、そういうものが十分考慮されておらないうらみがある。そうして今回、昨年そういうことを予想しておりながら、にもかかわらず、さらに一名の理事を提案をしていると、こういう点は、趣旨が一貫しておらぬというのが、私の追及をしておる内容なんです。従って、あなたの言う、先ほどの支社制度を拡充強化をする、確立をしていくということで、将来は理事の数をふやすということであれば、私はいま一度その点を、あなたにはっきり運輸省の態度を表明をしてもらわぬというと、私ども社会党としてはこれに賛成を明らかにするわけには参らぬ、こういうことになるわけです。いま一度その点を、提案の趣旨を、公式論でなくてそういうふうなことをあなたはどういうふうに考えておるのか、御説明をいただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/10
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011・山内公猷
○政府委員(山内公猷君) 理事一名の提案の趣旨は、繰り返して申し述べておりますように、新幹線の業務の担当をさせるということでございます。それで支社の管理上どうするのかというのがお尋ねの本旨であろうと思うわけでございますが、これにつきましては、国鉄が支社制度というものを重視いたしまして、支社中心に、言葉をかえますと、現業中心に仕事をやっていくということがはっきりして参りました場合には、本社の業務と支社の業務とどう配分するかということを、運輸省といたしましては十分検討をしなければならないわけでございましてその際に、あるいは本社の定員が減るという可能性もないわけではないと、われわれは考えておるわけでございます。その上で必要な人員を充足すれば足りるというわけでございます。で、たびたびこの定数の変更をお願いを申し上げたということは、はなはだ恐縮でございますが、われわれといたしましては、ただいま御指摘のありますように、国鉄全体といたしまして、常に合理的な経営をやっておりまして、現場の人の数もふやしておりません。それでこういう理事の数というものを、将来必要であるというので今ふやすということは適当でないのであって、必要の最小限度をふやすということでなければ、全体的に国鉄の定員というものを押え、さなきだに財政的に困難でございますので、経営の合理化に進んでおる場合に、先々必要であるという定員を前もって与えておくということも適切ではないので、必要のあるときにやはり国会にお願いをしまして、その理由を明らかにしてふやしていただくということが、その点ではたびたび提案をいたしまして申しわけないわけでございますが、そういう措置をとった方が、国鉄全体の考えからいいまして適切ではないかという趣旨でやっておるわけでございまして、御指摘の通り、国鉄の幹部も相当仕事がふえてきております。それで今回はこの新幹線に関する定員も相当ふやした次第でございますので、今後とも、先々必要であるという定員を前からつけておくということは、現在の国鉄の置かれておる情勢からいって困難で、必要のあるときにやはり国会において十分御審議を願いまして、理由を明らかにして定員をつけていくということが、今の段階ではいいのではないかというふうに、運輸省としては考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/11
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012・大倉精一
○大倉精一君 総裁がおいでにならぬから副総裁に聞くのでありますけれども、今度の東海道幹線の建設は、総裁みずからが異常なまでの熱意を持っておられる、世紀の大事業といっても差しつかえないのですけれども、これに関して、国鉄の方では担当の副総裁及び理事数人を置く、こういう意向を持っておられたように聞いておったのですが、国鉄の初めの原案について説明をしてもらいたいと思う。その理由ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/12
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013・吾孫子豊
○説明員(吾孫子豊君) 国鉄としましては、今度の新幹線はあらゆる点で最新の技術を取り入れ、また、世界の最高の水準を行くようなりっぱなものにしたい、こういうことで考えておりましたので、そのためにはやはりこれの建設のためにも、今後の運営のためにも、画期的な考え方でいかなければいけない。それには現在線の運営だけでも相当今手一ぱいで、いろいろ仕事に追われておるような状況にありますから、新幹線の方は、できれば別個のと申しましても、もちろん国鉄の中での外局的なものでありますが、そういうような組織を作りまして、それの一番トップには、これは必ずしも永久にという意味ではありません。建設期間中だけでもよろしいから、副総裁を別に専任の者を一人作りまして、それに理事を少なくとも五名くらい配置をする。そうして新幹線に関連して起こって参りますいろいろな、新しい基準をきめる問題でございますとか、新しい企画を決定する問題でありますとか、また建設そのものにつきましても、今後の運営につきましても、従来の現在線の経営というものにあまりとらわれない立場で、全力をそこに集中できるような機構を作ろうというのが、国鉄の最初の考え方であったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/13
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014・大倉精一
○大倉精一君 私はこういう問題はしろうとで、何人理事が要るのやら、副総裁が要るのやら、よくわかりませんけれども、実際この工事を担当して作るのは国鉄ですね。しかも運営の責任を負うのが国鉄なんですが、国鉄は副総裁が一名、理事三名くらい要る、こういうことを勘案されて、そういう必要を考えておられたのですけれども、運輸省の方は、いや、理事はとりあえず一名でいいと、非常に何といいますか、必要度の認識というものが全然食い違っておるのですが、これで国鉄は理事一名でやっていけるのですか、この世紀の大事業は、自信がおありですか。これを聞くというのは、この前一割三分の運賃値上げのときには、これは確かに国鉄当局としては一割八分の原案を持っておったと思うのです。これによって五カ年計画をやるのだと、こういう話だったのです。そこで一割三分という案が出てきたときに、総裁に、一体あなたは、一割八分で五カ年計画をやるというおつもりであったのが、一割三分でできますか、こう言ったら、何かこう非常にむずかしいような話だったけれども、やります、こういうことだった。ところがはたせるかなできない。もう来年終点ですけれども、できない。新しい五カ年計画に切りかえる、こういうことになってきたのですが、そういう工合にあなたの方で副総裁が一名、理事五名要る、そうして画期的な構想でもってやらなければ、この新幹線という大事業ができないのだ、こういう御自信をお持ちになっておったのですけれども、運輸省は理事一名とりあえずやっておこう、こういうことなんですね。どうです、やれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/14
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015・吾孫子豊
○説明員(吾孫子豊君) 国鉄として画期的な構想で、組織としても完全なものをもってこの新幹線の建設に当たりたいという構想であったことは、ただいま申し上げた通りでございますけれども、その後、運輸省初め関係の御当局等ともいろいろ御相談をいたしました結果、諸般の事情から、さしあたり、とにかく理事一名の増員ということでも、やりようがあるのではないかということになりましたので、この一名の理事の定員というものを活用させていただきまして、最善を尽くしていきたい。今後三十五年度からいよいよ建設工事も本格的な段階に入るわけでございますが、国鉄としましては、この一名の理事を十分に活用いたしまして、全力をあげていきたい、さように考えております。今後の工事の進捗の模様その他によりまして、また、新たな事情が発生いたしますような場合には、あらためてまた御相談を願うというようなことが起こるかもしれませんが、ただいまのところ、私どもは、一名の理事でもって全力を集中してやっていけば、必ずこの仕事は達せられるのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/15
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016・大倉精一
○大倉精一君 これは全く権威のない法律ですね、これは。副総裁一名、理事五名要るという、そういう確たる理由があったはずであります。自信もあったはずだ。それが御都合的に、ゼロにするのも工合が悪いですから、名くらいならいいじゃないか、そういう程度であって、今の御答弁聞きますというと、将来また新しい事態が起こったならば御相談をして……。全く世紀の大事業をやるについて、そういう御都合的な場当たり的な人事構成でやれるのですか、これは。ですから、ほとんど権威がないのですよ、この法律というものは。まあ運輸省はどういうつもりで一名つけたか知りませんけれども、どうも義理で一名つけたような気がしてしようがない。そういうことなら、これはない方がいい。むしろ将来どうしても要るということになれば、ちゃんとしたスタッフを国会に要求される、こういう熱意がなければ筋が通らぬですよ、これは。あなたの方で世紀の大事業である、そうしてもう総裁も非常な熱意をもってやるのだ、それには副総裁一名、理事三名が要るのだ、こういう大きな構想をもって出発された。しかも工事担当者は国鉄である、そこを何か運輸省で一名に削ってしまった。まあ、まるきりゼロというのも工合が悪いから、義理で一名くらいつけておこう、こんなことではないかと思うのです。それにいろいろ理屈がつけられているだけのことなんです。そういうことじゃありませんか。そういうことなら、一名というのはやめた方がいい、あらためてそういう必要が起こったらきちんとしたものを提案した方がいいと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/16
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017・吾孫子豊
○説明員(吾孫子豊君) 国鉄としましては、この新幹線の建設のことにつきましては、できるだけ完全な体制で臨みたいというふうに考えておりましたので、そういうお願いもしておったわけでございますが、そういうお願いが出て参りました事情というのは、この前運輸省の当局からたしか御説明があったと思いますが、現在の理事の配置では、いかにも手一ぱいで無理があるので、一名でもとにかく増員を認めてやろうというようなことで、この法律の原案を御提案いただいたようなわけでごございまして、私どもとしましては、国鉄の当初のお願いしておったことと違うから、それじゃもう増員なんか一人もなしでいいというふうにはとうてい考えられませんので、このお認めいただいた一名の増員はぜひ御承認いただきまして、それによってできるだけのことをやっていこう、またこれでもってやり得るのだという考え方でおりますので、この増員につきましては、ぜひ御承認いただきますようにお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/17
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018・大倉精一
○大倉精一君 私は、一名が反対、賛成と言う前に、そういう問題に疑問を持つわけなんです。あなたは、今、やっていきたいと思う、やっていけると、こうおっしゃる。それなら、初めから一名という構想でもって新幹線建設の構想を持った方がいいと思うのですね。やれないから副総裁一名、理事三名という構想をお持ちになったと、私は思うのです。やれるのだったら、副総裁一名、理事五名というようなことは、山をかけて要求したと見られてもやむを得ぬでしょう。どうですか。人が多いのですか。理事五名を要求されて、一名に削られたというのは、これはわかります。わかりますけれども、副総裁一名、理事三名を要求して、それでわずかに理事一名を義理でつけてもらって、これでやれると思います。やります、こう言う。どうですか、それはどうも勘定が合わぬじゃないか、これはあまりにも、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/18
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019・吾孫子豊
○説明員(吾孫子豊君) これは、まあ増員の問題にしましても、予算の問題にいたしましても、当初計画を立てます際には、できるだけ理想的な姿でやりたいと思うのは、これはまあ計画者としては当然のことで、ございまして、別に山をかけるとか何とかいうことではなしに、やはりそれだけの必要があるとそういう体制が整えば、自信を持って仕事も進められるのだという考えからお願いをしたわけなんでございますが、これはほかの予算の問題その他についても同様でございますけれども、いろいろな事情で原案に対して制約を受けるということは常にあることでございましてその場合は、その場合に即応して、その範囲内で最善の努力をいたすというのが、政府の監督下にある公共企業体の経営者としては、当然尽くすべき義務ではないかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/19
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020・大倉精一
○大倉精一君 これは、私は大臣にぜひともただしてみたいと思います。政府の監督下にある国鉄でありますけれども、やはり経営はあなた方の方が責任を持っておやりになるのでしょう。建設もそうでしょう。もっとやはり権威を持った発言をして、権威を持った要求をしないというとあまりにも御都合主義じゃないですかね。あの膨大な工事をやるについて、わずかといってはいかぬかもしれませんが、副総裁一名、理事三名のものを、理事一名にされたことは、どうも私はふに落ちない。私は理事一名でいいとか、国鉄の原案がいいとかはわかりません。わかりませんが、あまりにも開き過ぎるから、御都合主義だから、ふに落ちないところがある。将来、新しい事態が起こったら相談申し上げますじゃあ、全くこの大きな事業に全然自信がないことになるのじゃな
いですか。これは監督局長どうですか、むしろ大きな事業をおやりになるのだから、よし、じゃあ、それだけ増してやるというくらいのことは必要じゃないですか。私はふえることに賛成するわけじゃないが、政府の趣旨として、大きな事業を国鉄がやるのですから、それにはこれだけの理事と副総裁が必要だというなら、それじゃあ、やってみろということもあり得ると思うのです。それを一名に削ったというのは、どういうわけですか。ゼロじゃいかぬから、義理で一名やっとけというのじゃないか。どうも私はふに落ちない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/20
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021・山内公猷
○政府委員(山内公猷君) 大臣がおりませんので私からお答え申上しげますが、実はこの東海道新幹線というものは、たびたび御説明申し上げておりますように、現在線の輸送難を打開するために敷くものでございます。それで私どもといたしましては、東海道新幹線というものが単独ででき、単独で運営さるべきものではない。少なくとも現在の線の中の一環としてやはり建設されていき、また運営される場合にも、現在線と一体となって運営されていかなければならないという、まあ根本的な観念を持っております。東海道新幹線というものは、別の機関としてできるものではない。国鉄の中の一つの線としてできるものであるというふうに考えております。そういうものを突き詰めますると、別に要らないという御議論も先般出たわけでございますが、しかし、仕事の量が多いので、やはり担当の理事が一人必要ではないかという考え方でございます。
それで、われわれとしましては、この東海道新幹線を建設するにつきましても、現在の各部局がことごとくこれを応援して、現在の国鉄の中に新しいそういう線ができてくるというふうに、建設し、また経営されてもらいたいという考え方でございまして、その点、当初におきましては、国鉄が東海道新幹線は東海道新幹線として、単独で建設するという考え方だと、たくさんの人が要るかもわからないけれども、できるだけ現在の人と、それから現在の人の技術全体の中で建設されていくというものを推し進めてもらいたいという点は、十分国鉄と懇談をいたしました結果、それならば取りまとめの理事一名でできるのじゃないかという判断をいたしたわけでございまして、その点見解の相違が当初はございましたが、一名を出しますにつきまして国鉄の間に考え方の違いはないつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/21
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022・大倉精一
○大倉精一君 大臣においで願ったので、さっそくですけれどもお伺いしたいのですけれども、今私が質問しておるのは、理事一名の増員についてどうもふに落ちないところがあるからお尋ねしておるのですが、それは当初、国鉄がこの世紀の大事業をやるについては副総裁一名、理事三名という陣容、スタッフで完遂していきたい、こういう構想であったのが、それは全部御破算になって理事一名だけになった、こういうことなんですね。あまりにも開き過ぎるじゃないか。でありますから今副総裁にもお伺いしているのですけれども、とりあえずこれでやっていきますと、あるいはやっていこうと、そして将来新しい事態ができたら何とか相談してやっていきたい。こういう答弁ですけれども、それではあまりにこの大きな、大事業をやるについて行き当たりばったりではないか、まるつきり理事一名は、お義理で一名くっつけたというような感じがして仕方がない。これは工事をやるのは、政府が国鉄に責任をもってやらせるのですから、工事の責任は国鉄にある、経営の責任は国鉄にあるわけなんです。その国鉄が、総裁みずから非常な熱意を持っている新幹線について、副総裁一名、理事三名要るんだこういう構想でもって相談なされたのですが、それが理事一名、これでどうにかいけると、それじゃあまりにもこの法律は権威がないと思う。そこで従来の例をずっとたどってみましても、これは中途半端ですよ。たとえば、かつて国鉄の旅客運賃の値上げをやるときに、三等運賃を含めた値上げの原案であったものが、何か二等運賃だけの値上げをやって、二十億かそこらふやされたという例もあります。これは全くナンセンスです。あるいはこの前一割八分の鉄道運賃値上げの原案について、一割三分に削ってそうして五カ年計画をやる、国鉄総裁はどうも自信がないとおっしゃっておった、国会の答弁ではやっていこうと、果してやらなかったですね。私は値上げをするに賛成するわけじゃありませんが、あまりにも権威がなさ過ぎる、こう思うのです。ですから大臣にお伺いしたいことは、一体副総裁一名、理事三名という国鉄の構想に対して、理事一名でいけるとこういう工合におっしゃったその理由と、そうして果してこの理事一名でこの新幹線建設、あるいは経営というものができるのかどうか、政府としてそういうことをおやりになった以上は自信がなければならぬわけですが、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/22
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023・楢橋渡
○国務大臣(楢橋渡君) 今お尋ねの件でありますが当面の新幹線の場合は、まあ今大倉さんのおっしゃったように副総裁の問題、総裁からもお話がありましたが、いろいろと客観的な情勢その他大蔵当局、各方面等の意向並びにいろいろなことを勘案いたしまして、この場合は一名で一つやってもらって、しこうしてその必要性がいずれ進むに従って、ある場合においては考慮を払うということで、この場合は一つそういうことでやってもらいたい。御存じのように、今監理局その他のいろいろな諸問題等もありまして、できるだけやっぱり人をふやすといいますか、そういうようなことはなるべく避けたいという基本的な方針等もあるし、またいろいろ大蔵当局等の方の意向等も、ある程度までは参酌しなければならない段階にありますので、この機会は一名だけにしてもらっておいて、いずれ新幹線が進展し、事態が要請するに従って、そういうことは支障のないような態勢にこれを置こうというように実は考えておる次第でありまして従ってそういうことで一つ国鉄当局も全力をあげて努力をしてもらいたいということを指示しておるのでありますから、まあ端的に申しますと一つの含みを将来持っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/23
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024・大倉精一
○大倉精一君 ますますもって東海道新幹線の世紀の大事業をやるのに全く権威がないじゃないですか。これは大蔵省当局に金を出してもらうのに相談に行くのはけっこうなんですけれども、これは吾孫子さん、何でしょう、あなたの方がほんとうに責任を持っておやりになるのだが、できますか一体。将来また必要に応じて機構を変える、構想を考えようとおっしゃいますけれども、これは東海道の新幹線建設並びに運営に関する機構の変更ということになるのですね。副総裁を置くとか何とかということになれば途中で変えなければならぬ。そういうことでは全くこれは、この法律はますますもって権威がないと私は思う。また陣容をふやさぬ云々というお話がありましたけれども、必要な人員はふやさなければいけませんよ。国鉄なんか下部の方に行ってごらんなさい、駅長さんが切符切りだってやっている、ガリ版切りまでやっている。そういうところの人員は、必要なものをふやしていかないと公共に対するサービスにならぬですよ。だからこういう必要なものを、わずか副総裁一名、理事三名というものを一体大蔵省当局と相談しなければやれないのですか、これくらいのものが、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/24
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025・吾孫子豊
○説明員(吾孫子豊君) 新幹線の工事の関係につきましては、これは予算にいたしましても、五カ年でとにかくやり上げよう、こういうことで今かかっておりますので、当初私どもが政府当局にお願いをいたしました原案では、予算そのものを三十五年度は三百億というものをお願いしておったわけであります。しかし、それがいろいろな事情から二百億、二百七億ということになったわけでございますが、まあ、最初組織機構の問題にいたしましても、三十五年度から三百億の工事に着手する、こういう建前で、それとの関連で組織機構のことも考えておったわけでございますが、予算の方も三百億のお願いが二百億に圧縮されておる。しかし、そうなればそうなったで、これは当然国鉄としては、政府でお認めいただき、また国会御承認願ったワクの中で全力をあげるというのがわれわれの義務でございまして、そういう意味でできるだけのことをやっていくつもりでおりますし、また相当な程度まで御期待に沿えるようなことはやれるというふうに考えておるわけでございます。ただ、ただいまの五カ年間の予算の割り振りの計画を見ますと、五カ年間で仕上げますためには、第三年目からは大体五百億くらいの予算をこなしていかなければなりませんので、そういう膨大な予算をこなすという時期が参りました際には、またさらに即応した態勢のこともお考えいただきたいということを、大臣にもお願いをいたしておったというような事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/25
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026・大倉精一
○大倉精一君 そうしますと、五百億近い予算をこなすようになったら、あらためて人員その他の機構を強化する、ふやすというわけですか。大臣それはどうですか。そういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/26
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027・楢橋渡
○国務大臣(楢橋渡君) まあ仕事の推移に基づきまして今国鉄では理事一名でもって、現在の予算で、しかもまあ全力をあげてやるという態勢で、なるべくやるという態勢をとっておるのですが、工事の進むに従ってその事態に、必要性があれば副総裁なりあるいは理事をふやすということにはやぶさかでないけれども、当面はこれで全力をあげてやれということで指示しているような次第でありまして、そういうことで御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/27
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028・相澤重明
○相澤重明君 ちょっと今の……。大臣ね、今の大臣の説明では私どもちょっと納得できないのですよ。まず第一次五カ年計画の問題、それから東海道新幹線の問題、これらの業務運営こういうものからいま一度大臣に私どもはっきりした答弁をしてもらいたいと思っているのです。その上でないとこの審議はできません。そこで今、ところが予算委員会で全大臣がそろわぬと予算も上げられない、こういうことを言われておりますから、その点はやはり私も予算委員会に大臣を出席させなければいけないと思うのですよ。ですから、いま一度私はここではっきり申し上げておきたいのだけれども、五カ年計画の問題と東海道新幹線の問題とを考えた場合に、今のような必要なときが来たならばというような、場当たり的な答弁ではこれは許されません。従って統一見解を……。去年日鉄法の改正をしたばかりである。そういう一年たって一名の理事を増員をする。去年は私どももっとふやす必要があると言っておるのだ。そういうことを言っておったにもかかわらず、今度は一名しか出していない。しかも国鉄副総裁の原案を聞けば、副総裁一名、理事三名、こういうことを言っておるにもかかわらず、運輸省が大蔵省との関係ということだけでしぼられてきている。これじゃ提案している趣旨の内容からいって、これは非常にもう心配するわけです。だから五カ年計画とか、東海道新幹線の問題をはっきりしてもらわぬと、この法律案の改正を私は認めるわけにいかない。そこで、いま少し大臣にそういう点を意見を調整をしてもらう必要がある。予算委員会も大事ですから、予算委員会に大臣が出ることは認めますよ。しかしその見解をあとで一つ、十分答弁できるようにして、そうして答弁を聞いた上で日鉄法を上げましょう、私は上げないと言っているんじゃないんです。上げたいからこそそういう統一見解をはっきりしてもらいたい。そうでないと、大倉委員の言うように、われわれ社会党としてうのみにするわけには参らぬ。こういうことになりますからね。そこで大臣がどうしても引っ張られている、大臣の出席を要求されているから、それは一つ大臣のやはり顔が立つようにしなければいかぬとこう思って実は大倉委員の発言中だけれども、私御意見を申し上げているわけであります。そういうふうに、一つ委員長、あとで意見を統一してもらいましょうう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/28
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029・平島敏夫
○委員長(平島敏夫君) 速記をとめて。
午前十一時三十五分速記中止
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午前十一時五十一分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/29
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030・平島敏夫
○委員長(平島敏夫君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/30
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031・相澤重明
○相澤重明君 前回に続いて、国鉄の大石常務にお尋ねしておきたいと思うのですが、新幹線の通る場所ですね。これについて、私の地元の横浜の港北区日吉、慶応義塾大学がある所、あの日吉あるいは綱島、二俣川地帯の線路をわざわざ曲げて測量しておる。こういうことで国鉄の考えは一体どうかという点をただしたわけですが、当時総裁にしろ国鉄当局にせよ、決してカーブをむりに作って通すものでない、なるべく直線に線路を作りたいのだ、こういうお話があったわけです。ところが現実に聞いてみると、国鉄は何かそういうことをもう内々承諾しておる、こういうようなことで地元の人たちが非常に憤慨しておるところがあるわけです。そういう点が事実なのかどうか。国会で答弁したことと、現地でやっておることが違うということであると、許しがたいことだと思うのですが、担当常務の責任ある答弁を一つ求めておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/31
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032・大石重成
○説明員(大石重成君) この前私この委員会で御答弁申し上げましたように、綱島付近の路線につきまして、ただいままでいまだ決定しておりません。また一説に言われておりますように、S字型に曲がっておるような線にするのではないかというようなお話がございますけれども、いろいろ御説明申し上げましたが、なおまだ疑義がございますので、もう一歩突っ込んで申し上げますと、私といたしましては、さような曲げた線を作る計画はただいまございません。いずれになりますか、東横の電車が走っております線を中心にいたしまして、S字型にやるのではないかというようなことでいろいろ問題が出ておるように聞いておりますが、あれの北側に通りますか南側に通りますか、いろいろ調査いたしておりますが、いずれにいたしましてもS字型に通るというような計画は私どもといたしまして持っておりません。十分地元の方の御納得のいくように、最短距離を通りましてしかも沿線の方の御迷惑の一番小さいような地点と、また設計その他につきましては、十分皆さんの御納得のいくような線できめるように考えを持っておりますので、あらためて重ねて御説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/32
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033・相澤重明
○相澤重明君 今の責任者の答弁、その通りであれば私も了承できるわけです。ところが地元で話を聞いておると、東京急行電鉄と何か国鉄は打ち合わせをして、そして東京急行もすでに了解をされておる。その話を聞くと東京急行の土地が非常に莫大な値上がりをするわけです。それでわざわざこういうふうなことをやっておるわけだ、ということに地元民はとっておるわけなんです。それはそういう測量をするからそういうことになるのだ。これはけしからぬ話なんです。一私鉄会社の土地の値上がりをするために、国鉄新幹線を通すようなばかげたことを計画されたらたまったものでない。そんなばかな国鉄の首脳部とは私は思ってないですよ。信用したいと思うけれども、国会の答弁ではそんなことしませんと言いながら、現地ではそういう測量をする。ましてや、私のように少なくともやはりそういう関係の身にある者としては非常に困る。そういうところで少なくとも地元住民の協力を得る。しかも、新幹線が東京——大阪間を三時間で突っ走ろうという画期的な事業なんだ。それをカーブを作って特に住宅地のまん中を通ってみたり、電鉄を二回もくぐってみたり、土地の値上げをするようなことばかり考えている、国鉄の首脳部の方がそういうふうにくいを打つというようなことを聞いて地元民は納得いかないのです。そんなことはないと私は思うと、こう言っておるのだけれども、なかなか理由をはっきりしなければ納得できないと、こう言っておるのですよ。だからこそ私は再三にわたってこの委員会で実はお話をしているわけだ。これはそういう政治路線であったら、何としても参議院の運輸委員会は、良識をかけてこの問題については徹底的に究明しなければならぬ。こういうことになると思う。そういう意味で、もっと地元の人に納得のいくように、国鉄首脳部もたまには出かけていってそうして話をするぐらいの誠意があっていいと思うのですが、これはどうです。地元に出かけていく意思があるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/33
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034・大石重成
○説明員(大石重成君) ただいまお話のございましたように、決して一電鉄の便宜をはかってやるというようなこと、これは毛頭ございません。またさようなことを考えるということは大へんなことでございまして現地の者もさようなことは考えておる者は一人もおらぬというふうに私は信じております。またお話のような点でいろいろ地元の方との御連絡に円満を欠いておるというようなことが、私はないと思っておりましたが、先生の今のお話のようにあるというようなことでございますれば、これは大へんなことでございますので、できれば私も近い所でございますので現地へ参りまして、また直接仕事をやっております幹線工事局長初め関係者にも、直ちに現地へ参りましてよく御納得のいくようにお話し合いをいたしますような手配をいたしたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/34
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035・相澤重明
○相澤重明君 それで神奈川県なり横浜市なりの建設の協力態勢があるわけなんですね。ところがそういうところに行くと国鉄はもうそれでいいのだというような話をしているらしい。まことにけしからぬ。今、大石常務はそういうことはないと信じておるというお話だから、私もそれを信じていきたい。いきたいが、そういうふうなことがこれは地方議会でも非常に問題になります、あとで。ですからそういうことのないように、私もその点は十分監視をしていきたい。また話に十分乗っていきたいと思うので、大石常務の方でも、関係者に納得のいくように、説明のできるようにやってほしいと思う。これを要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/35
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036・中村順造
○中村順造君 時間がないので一つだけ運輸省に関連して質問をいたしますが、聞くところによりますと、あす東北本線の宇都宮——福島間ですか、電化が開通をする。非常に画期的な一つの事実であります。しかし、その内容をちょっと聞きますところによりますと、何かあしたの開通で心から手放しでそのお祝いをする、というふうな情勢でないように私は聞いておるわけです。どういうわけかと申しますとこれは前にもちょうど日光線の開通のとき例があったわけでありますが、非常に近代化をする、その近代化に関連をして、その移行の際に、これはまあ歴史的な一つの発展過程でありますからやむを得ないかもしれませんけれども、国鉄当局がやられることが、いわば百八十度のいわゆる近代化と申しますか、極端から極端、こういうことで、なかなか現地で問題が起きる。ちょうど日光線のときには、上野——日光間を一人乗せるか二人乗せるか、これは動力車の乗務員でありますが、そういうことで非常に問題が起こり、当時運転局長に対しまして、私はそのことが必ずしも妥当ではないではないかということを申し上げましたのですが、今度もやはりそれと若干形は異なりますけれども、同じような性質の非常に極端な移行措置を国鉄当局はとる。そのために現地で何か不必要な摩擦が起きる、こういう情勢にあると私は聞いておりますが、国鉄副総裁以下お見えになっておりますから、そのためにどういうふうな話し合いをしておられるのか、御存じなら一つ御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/36
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037・吾孫子豊
○説明員(吾孫子豊君) 明日福島までの電化開通式が行なわれるということは承知いたしておりますが、そのことに関連しまして、何かむずかしい事態があるというようなことは実は承知いたしておりません。現地のあるいは当局と組合との間で何か話し合いがあったかもしれませんが、そのために何か混乱が起こって電化が阻害されるとか、開通式がおくれるとかいうようなことは何もないじゃないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/37
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038・中村順造
○中村順造君 私がこういう問題を出すと、副総裁は、この前の委員会でも何か仲裁裁定の実施について団体交渉の協議の内容をあまり知らぬというお答えでしたが、先ほど来の理事の増員につきましても、あるいは東海道新幹線の問題につきましても、それだけが国鉄経営のすべてではないと思う、一切を含めてやはり国鉄の経営というものは、国民の負託にこたえなければならない、という最高の使命があるわけです。その中で起きた事象をとらえて、これは具体的に小さいようじの先でつつ突くような話をしているわけではない。少なくとも国鉄の労働事情がどうであるか、組合との間にどういう問題が起きておるかということを、常に関心をもって見ており、その見地に立って質問をすると、知らぬ、そんなことはあり得ないわけです、こういうことを副総裁は言われるわけですが、副総裁は相当高い地位におられるのでそういったようなことは知らないかもしれませんが、労務担当の理事もここには来ておられるはずですから、副総裁御存じなければその補佐をされるところの担当理事から、その辺の認識はどの程度認識されておるかどうか、その点お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/38
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039・中村卓
○説明員(中村卓君) お答え申し上げます。
福島電化につきましての具体的な問題は実は私まだ詳しく下から聞いておりませんが、一般的な問題につきましてはロングランの乗務キロ制限という問題につきましては、組合の方といろいろ話を進めておるというふうに聞いております。実はこれにつきましては先生も御承知かもしれませんけれども、昨日ちょうどこの問題をさらに具体的に、取りあえず一年間くらい見通した案というものを提案して団体交渉を始めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/39
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040・中村順造
○中村順造君 ロングランの問題はこれは今突発的に福島電化と関連して出た問題ではない。私が申し上げておるのは、少なくともあなたは国鉄の労務を担当しておられる理事として、私は申し上げておるので、一々具体的にここで説明をしなくともすでにおわかりだと思う。地方では今どういう実情にあるか。私は現地からいろいろと話を聞きましたが、とにかく当面入れられた電気機関車、これは交流機関車で非常に近代的なものでありますが、これの故障が非常に多い。これは私もまだ聞いてあまり時間もたっておりませんので、具体的にそれではどれだけの故障が今あるかということを一つ一つ申し上げるだけの、時間もないし用意もないわけですが、いずれにいたしましても、ざっと表を見ただけでもほとんどできた機関車をそのまま作った会社に戻さなければならない、あるいは国鉄の工場に入れなければ使われない。一方でははなばなしく電化の開通式が行なわれて祝賀会が行なわれる。しかしその内容を掘り下げると、入れられた電気機関車の三分の一が使われない、こういう実情にある。これまた日にちを追ってその原因を探求してみたいと思いますが、そのような客観情勢の中で今度は、交流電気機関車、これはもちろん構造上二両の機関車を連結して一組の乗務員で運転できます、理論的には。また実際的にもできるかもしれません。しかし現地における客観情勢はそういう事態ではない、こういうことを私は聞いておるのです。それを早急に転換教育をして配置転換を、配置転換ではないが、新しく蒸気からの転換教育を受けて、すなわち動力車の乗務員は従来一組一両の運転をしておったのを、二両連結を一組の乗務員で運転する。こういうところは移行をもう少し幅をもって考えれば、そういう極端な措置をしなくても、ただそういう構造上の問題ならそれなりに解決する方法があるわけです。あすのいわゆる意義のある電化の開通式を迎えて、日光線でも同じような問題が起きている、再びこれを福島で繰り返しているから、その間をどういうふうに把握しているのか。もちろんそれは先ほどお話のあった監理局長なり支社長に相当な権限があるはずだから、それなりに解決をするということも私は不可能ではないと思います。しかし肝心なことはそれらの問題は支社にまかしてあるから、監理局にまかしてあるから本社の理事は知らなくてもよろしい、副総裁は私はそんなことは存じません——これでは実際に、それは東海道新幹線なりあるいは新しく作られる理事については大いに力を入れられるかもしれませんが、国鉄の経営の内容というものはあなた方がお考えになっているような方向に進んでおらぬ、ということを私は言っている。そういう点についてあなたはどういうお考えを持っておられるのか。あしたはなるほど意義のある日だから、何とかしてそういう問題を解消して、これは解決不能の問題ではないわけですから、どういう考え方でおられるのか、最後にもう一回お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/40
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041・中村卓
○説明員(中村卓君) ただいまのお話、電気機関車が非常に工合が悪いということは、私としても実は初耳なんであります。まあ管理者側といたしましては、そういう車を配置して開業するということにつきましては若干問題があるのじゃないかというふうに考えておりますが、そういう問題につきましては、今先生のお話がありましたように、機関車の性能からいたしましては一応そう無理のない交番の組み合せといいますか、勤務の仕方と申しますか、そういうものを考えておると思うのでございまして、問題はむしろ非常に機関車の故障が多かったという点にあるのではないかと考えるわけでございます。これにつきましては具体的にまだ技術当局から私も副総裁も報告を受けていないわけでございまして、それに対する対策その他についてはさらに別途考えてみたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/41
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042・中村順造
○中村順造君 お話を承っておりますと、どうも副総裁は頭から知らぬと言われるから問題になりませんが、中村理事も内容はあまり詳しく知っておられないようですから、私が申し上げているのは技術的な問題も多分にありますので、その点は一つ本席でどうというわけにも参らないかも知れませんが、解決をするという基本的な考え方に立って一つ技術的な面について検討しながら、解決の方向に一つ進んでいくということにお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/42
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043・相澤重明
○相澤重明君 今の中村委員の質問は非常に私は重要だと思うのだ。国鉄の従業員の勤務条件等の問題を国鉄首脳部が知らないなんということは、これは許されぬ。少なくともそういう問題が今までも出ておるはずだと私は思うのです。きょうさっそく帰ってそれを調べてあしたの委員会に報告して下さい。そんなことではとても日鉄法の改正をしてこれから大きな仕事をまかせるなんということはできない。私はそんなことはないと思うのだが、中村委員からそういう専門的な立場からお話があると、私も黙っているわけにはいかぬ。きょうは一応内容をよく調べてあしたの委員会に報告してもらう条件をつけておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/43
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044・平島敏夫
○委員長(平島敏夫君) あした報告をしていただきます。
本日はこれで打ち切りまして、明日午後一時から開くことにいたします。
午後零時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103413830X01019600329/44
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