1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年三月十日(木曜日)
午前十時四十分開会
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委員の異動
三月九日委員安田敏雄君辞任につき、
その補欠として小柳勇君を議長におい
て指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 加藤 武徳君
理事
高野 一夫君
吉武 恵市君
坂本 昭君
藤田藤太郎君
委員
鹿島 俊雄君
勝俣 稔君
紅露 みつ君
佐藤 芳男君
谷口弥三郎君
徳永 正利君
山本 杉君
片岡 文重君
小柳 勇君
村尾 重雄君
竹中 恒夫君
国務大臣
厚 生 大 臣 渡邊 良夫君
政府委員
厚生政務次官 内藤 隆君
厚生大臣官房長 森本 潔君
厚生省公衆衛生
局長 尾村 偉久君
厚生省医務局長 川上 六馬君
厚生省医務局次
長 黒木 利克君
厚生省社会局長 高田 正巳君
厚生省児童局長 大山 正君
厚生省保険局長 太宰 博邦君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
説明員
厚生省医務局総
務課長 鈴村 信吾君
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本日の会議に付した案件
○社会保障制度に関する調査
(昭和三十五年度厚生省関係予算に
関する件)
○医療金融公庫法案(内閣送付、予備
審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/0
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001・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) それではただいまから会議を開きます。
まず、委員の異動を報告いたします。
三月九日付をもって安田敏雄君が辞任され、補欠として小柳勇君が選任されましたので、御報告をいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/1
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002・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 次に、社会保障制度に関する調査の一環として、昭和三十五年度厚生省関係予算に関する件を議題といたします。
これより質疑に入りますが、前回の当委員会において厚生大臣に対する質疑が行なわれて、その答弁も残っておりまするし、また、質疑をすべきものも残っておりますから、きょうは厚生大臣も出席をされておりますので、午前、厚生大臣に対する重点的な御質疑を願いたいと、かように考えるわけであります。なお、ただいま政府からは、大臣のほかに、森本官房長、尾村公衆衛生局長、川上医務局長、黒木医務局次長、大山児童局長、高田社会局長たちが出席をしております。
それでは、御質疑のおありの方は、逐次御発言をいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/2
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003・坂本昭
○坂本昭君 前回、厚生大臣の質疑が残っておるというお話でしたけれども、前回は厚生大臣御欠席であって厚生大臣の質疑はきょうが初めてであることを一つお断わりしておきます。
で、前回、次官並びに各局長から、討論の内容については大臣にお取り次ぎいただいたと私は思ってこまかいことはお尋ねいたしません。まず第一に、従来の委員会の討論を通じても、一番感ずることは、厚生省の上層の人たちが下情に通じていないということであります。これはもう討論をすればするほど、お互いが確認せざるを得ない。そして厚生行政というのはサービス行政であって、現況を知らなければやることのできない行政であるにもかかわらず、事情を知らないで行政が行なわれておる。一々例を申し上げません。たとえば医務局長ならば、病院、療養所の看護婦の勤務の実態がどうなっておるか、少なくとも国立の病院、療養所については、ほかの看護婦と違って四十八時間勤務という長い勤務が初めから規定されておる。そして人手不足の中でどういう勤務をしておるか、あるいは炊事場で炊婦の人たちがどういう仕事をしているか、調理の人たちがどんなに苦労しているか、そういうことをどうも確認しておらない。あるいは社会局長についても、公衆衛生局長についても、結核の空床対策についてこの間お尋ねしたけれども、要入院患者八十六万というのは架空の数であって、実際ちまたには空床を満たすだけの患者はおらないと、そういう答弁をしておる。要するに、実地に下情を知らないというのが今日の厚生行政の指導者の人たちの実態だと思う。で、この下情を知らないのをどういうふうにして知らしめることがでざるか、それについて大臣の意見を承りたい。先般次官にもそれをお尋ねして、何とか考慮したいということを答弁しておられました。で、厚生大臣のお考えを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/3
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004・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 御指摘のよりに、なかなか下情に通ずるというここはむずかしいことかもしれません。しかし、下情に通じないから厚生行政か行なわれないと、こういうことはとても許されないことでございまするので、できるだけ下情に通ぜしむるように努力いたすというようにお答えするよりほかにないのではなかろうかと思います。現地を一日、二日ぐらい視察いたしてみましても、なかなか下情というものが一日にしてわかるというもりでもなければ、できるだけやはり詳細なるところのデータを、常にそれを熱心に、誠意をもって研究し、下情に通ずる——ただいま申されましたサービス事業である以上は、これはあくまでも下情に通ぜしむるということが、厚生行政としまして、国民生活と密着する以上、どうしましてもそういうような方に努力せしめると言う以外に、お答えすることはできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/4
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005・坂本昭
○坂本昭君 今の問題は、渡邊大臣も十分御承知だと思いますが、これは元の大臣の方々も個人的な会談の中で指摘している事実であります。特に官庁に経験のある大臣は、サービス機関の厚生省が下情に通じていないということは確かに指摘をしておられる事実であります。もちろん一日視察をするということじゃなくて1私はこの間三つの提案をしたのであります。それは厚生省には事務系統と技術系統があり、事務系統の人たちは、各都道府県の末端で課長とか部長とか実際に末端の行政をやられると、霞ケ関に戻ってきても比較的末端の事実を承知しながら行政ができるのじゃないか。たとえば、一つの案でありますけれども、自治庁との人事交流をやってそうして都道府県の課長、部長からさらに厚生省の局長になる、そういうことも私は一つり機構改革として考えられるのじゃないか、こういうことを事務系統の人については申し上げた。それからまた、技官については、ずっと見ますと省内に停滞している、非常に長く停滞している。そうしてどんどんそういう人たちを第一線に出して一線の事情を知らしめるならばよいのに、非常に長く停滞させている、こういうことも私は大口の腹一つででき得ることじゃないか。これは省内における特に技官の実情について申し上げたのですが、さらに各地方における——これは特に問題になっている国民皆保険と関連しての審査機構の中にある技官、こういう人たちが長く一定の土地にとどまって、そのために、いうならば、ボス化して、よくない国民皆保険の指導者としての地位を占めつつある、こういうふうなことから、やはり技官についても地方に停滞している人たちは異動させる必要があるのじゃないか。先般、次官にもこの三つの提案を申し上げたのですが、返答をいただけなかったので、きょうは大臣から御意見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/5
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006・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 従来は事務系統につきましても、技術系統につきましても部長クラスになりますと、なかなか容易に交流人事というものは行なわれておりませんけれども、特に事務系統におきましては、地方庁との間に絶えず交流人事をやらせておるような次第であります。今後も、これは私も多くの官庁をいろいろな意味において知っておりまするが、できるだけ本省と地方との交流人事を常にやることにおいて、末端の事情というものがよく把握できるということはよく知っておりまするから、そういう点におきましてできるだけ努力いたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/6
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007・坂本昭
○坂本昭君 できるだけの努力ということはきわめて抽象的なお答えで、それではとうてい納得できない。来年から皆年金あるいは皆保険ということがいわれておるが、これは両方とも庶民の生活のまっただ中につながった大事な行政です。そうしてこれに対しては、行政の指導者が末端に至るまで十分把握していないといろいろな問題が起きてくる。たとえば福祉年金について、厚生省の行政に対してせっかくの福祉年金についてさえも多くの批判が行なわれた。これなども一つ一つ例をあげていけば、母子福祉年金についての問題、あるいは老齢福祉年金の受給者が支払い直前に死亡した場合の問題、もちろん法律的にもむずかしい問題であります。あるけれども、最近国民の批判は、どうも法律のためにあるいは予算のためにやっておって、国民のほんとうの希望と要求に一つも従ってくれていない。そういう声が非常に強い。これは厚生大臣は下情に明るい方だから御承知のはずだと思うんです。こういう問題が出てくるのは、やはり厚生行政のやり方に基本的な欠陥があるのではないか。私はそれを心配するので申し上げている。それについてもっと大臣として、明確な御意見を——大臣としての御意見を聞かしていただかない以上、これはなかなか来年からの、多くの社会保障の問題について、私は行政上の難点が生まれてくると思う。もう少し具体的な決意というものはおありでありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/7
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008・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) やはりこの人事の交流をやる場合におきましては、今御承知の通り、昔のような内務省でありまするというと、各部長、課長という者が本省で各地方庁と自由に人事の交流ができたものでございますけれども、近ごろにおきまするところの各地方庁の人事というものは、いわゆる地方長官が、地方の知事が人事権を握っておりまするもので、私の方でできるだけそういうような下情に通ぜしめるようなこういう人事をやりたいと努力いたしましても、相手のあることでございまするから、ここで必ずやるということを断言いたしましても、なかなか、容易にできるかどうかということはわかりません。しかし、できるだけそうせしむるように、特に現在衛生部長クラスとか、あるいはまた、保健課長クラスとか、あるいは他の省で言いますれば土木部長とか、いろいろこの本省と関係がなくてはやり得ないところのいろいろな地方の末端の行政機構との関連があるものでございまするから、そういう面において、まあ国務大臣といたしまして一つ私も大いに努力いたしたいと、かようにお答えする以外に、今のところ具体的にどうということは申し上げかねる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/8
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009・坂本昭
○坂本昭君 今、社会保障の曲がりかどに来ていると言われて非常に大事なときであると言われます。ですから、この問題だけ取り上げて、場合によれば閣議に諮っていただく、あるいは関係の省とも相談していただいて、この日本の社会保障推進のためにせっかく渡辺大臣が外郭団体の医師会あたりとも協調していこうというふうな成果を上げておられる際でございまするから、この点は私は特にお願いしておきます。
それから次に、先般の大臣の厚生行政に対する所見の中で、社会保障の二つの柱が述べられまして、まことにけっこうでございますが、そこで皆保険というものですね。皆保険というものは皆医療なのか、あるいは医療保障なのか。この辺のお考えを一つ聞かしていただきたい。官房長も隣からあまり入れ知恵せぬようにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/9
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010・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) まあ私も試験台にされているようですが、皆保険は皆医療でもあり、皆保険でもあり、これは両面から見まして、私どもは国民の医療制度の万全を期するものでもあり、要するに、両面から私は必要なことであろうと、かように考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/10
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011・坂本昭
○坂本昭君 私はむずかしいことを聞いているのではなくて、実は非常に大事なことなんですよ。これは少なくとも大臣にしっかり頭に入れていただかないと、国民が非常に迷惑するのですね。たとえ今皆保険は皆保険だと言っておられましたけれども、この皆保険は皆医療にならないと、私はそう思うんですね。それはなぜかというと、この間も私は日雇健康保険の例をあげて申し上げたのですが、日雇健康保険の場合は、あの手帳をもらって、そうして二カ月の間に二十八枚印紙を張ってもらう。二十八枚張ってもらわないと使えない。健康保険の手帳として使えない。あるいは六カ月に七十八枚張ってもらわないと使えない。しかも困ったことには、二十八枚張ってもらうその二月の間は被保険者になれないのです。普通なら、国民健康保険などでいうと、たとえば東京都で十二月一日から始まりましたが、あの場合だと、保険料を払えば、それであと途中で一回ぐらい払わなくても被保険者になって、そうして国保のつまり恩典にあずかることができる。日雇健康保険のときは印紙を張っていって最初の二月の間は被保険者にもなれないのです。そうして二十八枚二月張ったときに、三月目に初めて被保険者になれるのです。だからその二月目というものは、つまり皆保険から法律的に漏れるのです。それから場合によって二十八枚張れない場合は、三月目になったってこれは被保険者になれない。そうして手帳をもらっていると、一年間は国保にも加入できないという矛盾が実はあるのですね。だから、せっかく大臣は皆保険を皆医療だと言ったけれども、その大臣の言われるこの皆保険、まずその皆保険にもならないのですね。この間保険局長の説明だと、四千八百万の国保と、四千三百万の健保と、それから百五十万人の生活保護、これは保険に入りません。それから施設にいる人二十万、それでも若干まだ漏れる、漏れる中で立法的に漏れる、これがその一例が日雇いの問題です。これはこの間から早急に法改正やると言っておりました。どういうふうに法改正やられるか私は存じませんが、これは早くやってしまわないと、来年に皆保険の制度ができ上がるときに、私はこれは日雇いまでは国保の制度の中で救い上げたらいいではないか、そういうふうに考えております。そうして健保と国保という二本立てで全部に網をかぶせることができる。今の皆保険にならないという事実と、それから今一例を日雇いについての大臣のお考えを一つ聞かしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/11
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012・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) これはなかなか制度上、私はこの間もこの問題についてちょっとほかから質問受けまして制度上のやはり考えが、早急に考えなければならぬ欠陥だと思っております。できるだけこれは早急に検討いたされましてそういうような谷間に陥れられないようなことを早く立案さしていきたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/12
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013・坂本昭
○坂本昭君 大臣がこれを欠陥と認めて、早急に是正するということだけは、私も確認しておきたいと思います。
次に、保険というのは、私の見たところでは、大臣は医療保障だと言っておられるけれども、実は医療の保険ではなくて、医療費の費用の保険にしかすぎない。決してその医療保障には私はなっていない、そういうふうに思うのです。この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/13
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014・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) その通りであると思います。私もそういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/14
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015・坂本昭
○坂本昭君 そうすると、当然医療保障としてもちろん一歩々々充実していくためには段階が必要だと思います。従って、大臣としては、よもや現在あるものを後退させる、そういうお考えは私はないだろうと思うんですね。ところが、実際においては、もうすでに現在後退の兆が実は若干見えている。たとえば医療の中で一番大事なのは私は初診だと思います。一番最初に診察を受ける。これはもちろん診察を受けなかったらあるいは治療も始まらないのですが、この初めに診察を受ける、受診をすることを意識的にあるいは無意識的に制限をするというようなことが行なわれるとすれば、これは医療保障には私はならないと思う。ところが、例の一部負担の問題があります。これは一部負担を課すことによって前回保険局長は、これは受益者負担であるというようなことを言って強弁をしておったのですが、一部負担をすることによって受診というものは著しく妨げられる。最初から百円もかかるのでは診察を受けに行きにくいということは、結局初診がおくれるというと、今全国にあるように、赤痢が地方的に非常に流行している。ああいうようなことも私は起こり得ると思うのです。従って、例をあげると、一部負担というような制度をやめるということ、これは私は医療保障を推進する一つの大事な点であると思う。なぜ一部負担をおやめにならないか。その理由を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/15
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016・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 現行の仕組みにおきましては、各種の保険制度とにらみ合わせまして、これは将来保険財政というものが全部均衡のとれるという意味におきましては、将来段階的においてそれは考えられるかもしれませんけれども、今一部負担というものは、やはり保険の性質上これはやむを得ないのではなかろうか、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/16
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017・坂本昭
○坂本昭君 保険の性質上というのは、保険のいかなる性質上やむを得ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/17
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018・太宰博邦
○政府委員(太宰博邦君) 便宜私からお答え申し上げます。御承知の通り、ただいまの制度は、まあ健康保険ならば健康保険でとって申し上げますと、被保険者本人は十割給付でございます。従いまして、病気になりました場合は、すぐお医者さんのところへ行ってまあ被保険者証を出せば必要な医療が受けられる仕組みになっております。そうしてまた、お医者さんと被保険者との間において医療行為が行なわれまして、それがこの医療費の問題は、それがツケとして保険者の方に回ってくる、まあこういう仕組みになっておるわけであります。そこでまあこういう現在の制度の下におきましては、やはり多数の人の保険料のもとに成り立っている制度でございますから、いわゆる何と申しますか、自分だけの掛金ではないのだ、みんなの掛金である、そうして制度自体を効率的に運営していくことについては、みんながそれぞれ分に応じて考えていただかなければならない仕組みに相なっておるわけであります。そこで大多数の人の中には、保険料をかけるだけで医療を受けないという人も、それは中にございます。これはこれでもって保険でございますから一向差しつかえないわけであります。しかし、まあその人たちのことも考えますと、医療を受ける立場の方もやはり必要なものは必要なものとして受ける。しかし、まあいわゆるぜいたくとかあるいはまあむだというふうに言うと語弊がちょっとございまするけれども、やはりその辺のことは十分考えていただく。それから同じく今度は病気になりました人の門でも、ある場所では入院が、病院施設がありまして入院可能である、そういうようなところにおきますと、入院中の食費までも全部保険でもってもらえる。片一方におきまして、同じ程度あるいはそれ以上重い病気の人がありましても、たまたまその地区に病院がないというために入院ができないということのために、自宅で療養を受けているという場合におきましては、その人は少なくとも食費の点などは自分でもって負担しなければならない、こういうことに相なるのであります。そういうことでございまして、まあ他の被保険者との関連、あるいは他の患者との関連というようなものにおきましてやはりその間の均衡というものを考えて参りました場合に、今日の制度のもとにおきましては、若干の一部負担制度はこれはやむを得ないということが大多数の学識者の御意見であります。もちろんこれが度をこしますというと、またそれに伴う弊害が起こってくるわけでございます。この病気はどうもおかしいと思った場合には、できるだけ早くお医者さんにかかるという、いわゆる早期受診ということもまた非常にけっこうなことであります。そこでまあ早期受診という、そういうことからいえばけつこうであるという意味から、先ほどから申し上げましたように、負担の均衡というような点からいたしましての負担のチェックというものとを考えあわせまして、まあこの程度のものならばやむを得ないだろうということに相なっているわけであります。現在の制度のもとにおきましては、どうもこういう方法以外の点でチェックするということがなかなか困難でございまするので、これは今日のような仕組みを続けて参ります限りにおきましては この程度の一部負担はやむを得ないものでなかろうかということが、今日の私どもの見解でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/18
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019・坂本昭
○坂本昭君 いろいろ局長はへ理屈を述べておられるので、大体健康保険の昔は、今のような一部負担を取っていないという時代が長く続いているのですよ。そうしておいてだんだんと社会保障が進んで、国が責任をもってこれをやろうという段階になってから、こういうふうな一部負担をかけてきた。もちろんいろいろな理由のあることはそれは私も理解します。しかし、今の食事の問題ですね。入院の給食の問題、これなどは私は別個に考えていただいたらいいと思う。別個に考えていただいて検討をすればいいと思う。しかし、少なくともこの初診ということについては私は非常な重大な意味がある。先般の健康保険法の一部改正に至るまでは初診が全然ただの時期があった。それから次に初診五十円の時期があり、それからさらに百円とだんだん上がってきた。しかも政府管掌の健康保険は、先日の局長答弁によると、初診の費用というものは大体年間十億円ぐらいです。今の百円の費用というものは大体年間十億円ぐらい、今度千分の六十五を六十三にすることによって、二十数億円これはつまり収入が減ってくる。だからそのままの率でいけば二十数億円というものが出るのだから、年間十億円ぐらいの一部負担というのは十分まかなって余りあるのです。ことに政府管掌の健康保険は、いわば医療保険のモデル的なものであって、私は当然これをもとへ戻してそうして政府の心配するように非常にこれが受診率がふえてくるかどうか、そういう点も再検討をしていただきたい。私は、これについては受診率がふえて保険財政が困る、そういうようなことを心配するのは、私は国民を二重にばかにするものだと思う。一つは、国民というものはそれほどばかなものではないのです。たとえば、英国であの健康保険サービスを始めたときに、確かに最初は非常に受診率が高まった。しかし、お互いに自省していくものであります。これはたとえば隣の中国で、人民公社ができて食事が全部ただになった地域がかなりに達しております。共同食堂ができて食事がただになる。そうすると、第一日目はみんなただだからというので、よけい食うのです。食わなかったら損だというので予定された分量よりもはるかにたくさん食う。二日目になるとぐっと減る。三日目になると大体予定されたところに落ちつく国民というものは、私はただだからといってよけい医者のところにいく、そういうことは決してするものじゃありません。また、これから医療保障を進める上に大事な点は教育であります。これは厚生省でも公衆衛生の基礎は一に教育、二に教育、三に教育と言っておられる。国民に教育する上においても、この一部負担ということを受益者負担という考えでやっていくということは、従来まで進捗してきた日本の医療保障というものを後退させる以外の何ものでもない。今の局長の答弁の点だと、ずっとこういう方針を貫くというようなお考えであるけれども、これはなかなかゆゆしき答弁であって、大臣はかつての日本の健康保険の制度の歴史を見て、こういう一部負担制度というものを、現在はともかくとして、将来あるいは近い将来どういうふうなお考えをもっておられるか、大臣から直接承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/19
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020・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 今局長が申されるのは、私は現在の局長の立場としては当然ではないか、かように考えるわけでございます。それは坂本先生もよく御承知のことであろうと存ずるのでございまするが、将来、社会主義福祉国家の建設、医療保障といったような面から考えましたときには、段階的に私ども検討はいたしてみたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/20
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021・坂本昭
○坂本昭君 それでは、将来は一部負担制については段階的に考慮するというふうに私も承っておきますが、近く政府は、船員保険法の一部改正をお出しになる予定と承っております。これは、この前の健康保険法の一部改正に伴なって船員保険の一部改正も行ないましたが、船員の場合は船が港に着く。港に着いてそこで見てもらう。たとえばかぜを引いて一月ぐらいこじれる、この港で見てもらう、初診料を払う。また、こっちの医者に見てもらう、医者がかわるとまた払う。非常に過重の負担がかかってくる。そういうことでこの船員保険法の改正のときに特に問題にされたのです。ところが、今度の船員保険法の一部改正の内容を仄聞するところでは、例の労災法の一部改正に含んだ点だけを改正して、こういう一部負担の問題、特にもう先般から船員の場合については問題になっておった点などはちっとも改正がされていない。少なくとも大臣が段階的に将来は改正していきたい、そう言われるならば、その段階の中で、船員保険の場合などは私は一番最初に取りとげるべきであって、今回こういうものをこの中に取り上げてしかるべきじゃないか。ほかのものはともかくも、船員保険法については取り上げていく、私はそういう態度をとっていただきたいと思いますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/21
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022・太宰博邦
○政府委員(太宰博邦君) 私どもも船員保険法につきましては、労災保険法の改正とにらみ合わせて若干改正をいたしたいということで今手続を進めておりますが、この一部負担の問題につきましては、今回はやはり見送ることにいたしておきたいと考えております。
先ほどのあれにちょっとつけ加えますけれども、かりに今の医療費の支払い方式が変わってくると、たとえば人頭割しでいくとか何とかいうことになりますれば、それによりましても私は、この一部負担の問題が同時に影響を受けて参ると思います。で皆保険になりますこの機会に、私ども医療保険全般について、いろいろ考えねばならぬ点があると思うのでございまして、政府としても社会保障制度審議会にも諮問しておるという現段階でございます。従いまして、それとの関連において私どもはこの一部負担の問題も検討していく。これを残すといたしましても、やはりその中においてもなお改善する点はないかという点についても検討して参りたいと考えておるのであります。船員保険におきましても、やはり今日のような支払い方式のもとにおきましては、やはりこの一部負担という制度は私どもは必要なものであろうと、今日のところでは考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/22
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023・坂本昭
○坂本昭君 社会保障制度審議会に諮問されている相互調整との関連の中で、こういうものも取り上げていく、そういうふうな御意見を承りましたが、それでは大臣に直接伺っておきたいのですが、今かなり社会保障制度審議会の相互調整にペンディングにされている問題が各方面にあります。
〔委員長退席、理事高野一夫君着席〕
今の一部負担の問題についても、これは審議会の相互調整にゆだねるおつもりであるかどうか、それを一度確かめておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/23
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024・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) これは総括的に審議会の答申を待ってお願いしておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/24
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025・坂本昭
○坂本昭君 次に、例の政府管掌の健康保険に対する今まで昭和三十一年、三十二年と三十億の補助金が一般会計から出されておったのが、昨年は十億でした、今年は五億に減少された。来年から皆保険だとこういう大事なときに、この前年度にこういう五億に減らしたということは、大臣としてはどういうお考えのもとに減らされましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/25
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026・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 一応お答えとしまして、保険財政が黒字になった、しかし、これは約束じゃないか、黒字になっても出すのがほんとうじゃないか、こういうまだ御反問がくるかと思いますが、しかし、私どもは、赤字になればまたこれをさらに増額することはやぶさかでない、こういう考えのもとにおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/26
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027・坂本昭
○坂本昭君 そうしたら、今の一般会計からの繰り入れということは、赤字のときにだけこれを繰り入れて、黒字のときには繰り入れない、そういうふうな規定になっている。そういうふうに理解しておられるのですか。健康保険法の七十条の三には、政府管掌健康保険事業の健全な発展をはかるため一般会計から補助金を繰り入れる、健全な発展ということは財政的なことだけしか意味していないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/27
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028・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 十分わかりますが、私といたしまして社会保障全般のことを考えまして特にことしは比較的社会保障費というものが全般的にふえておる。他の面に回した分がかなりふえておる、こういう面におきましてその点なども御了承願したいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/28
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029・坂本昭
○坂本昭君 それは了承できないですよ。そういうようなことだったら、来年からの皆保険、皆年金とずいぶん大きな看板を掲げておられるけれども、意味がありません。やはり従来の実績は維持して、その上にさらに社会保障の網を広げていくというきぜんたる態度でなければ、厚生大臣たるものの職務を遂行しているとは言えない。大体大臣は、保険医療というものには財政的なワクがあるということをお認めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/29
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030・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/30
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031・坂本昭
○坂本昭君 保険医療が、大臣も段階的に医療保障の完全な態勢をとるためには段階的に進まなければならないというお考えをお持ちになっていると思うのですが、単なる保険医療から医療保障にするためには財政的なワクを広げざるを得ない、これはもうお認めになると思うのです。今のような財政的なワクがあることでは、完全な医療保障にはならない。どうしても財政的なワクを広げていかなければならないということは、これはお認めになると思うのですが、これはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/31
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032・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/32
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033・坂本昭
○坂本昭君 私はこのワクを広げるのに、二つの道があると思うのです。道というよりも考え方があると思う。一つは自動的な、アクティブなワクの広げ方、もう一つは他動的といいますか、パッシーブなワクの広げ力、前者の場合は医学の進歩に伴って、これは前回も申し上げたのですが、結核の治療は、昔は燐酸コデインと胃薬だけでしたが、今ではストレプトマイシン、あるいは大きな外科治療をやるので、非常に金がかかる。ところが、昔は四、五年でみんな死んでしまう。今は完全になおって結婚もできれば、運動選手になることもできる。つまり、完全になおるようになったがうんと金がかかるのです。医学の進歩がそういうふうな段階にきた、これがつまり自動的に保険財政のワクを広げざるを得ない一つの運命だと思う。これはおわかりになるだろうと思います。それからもう一つは、他動的な問題、というのは、社会保障と国の責任の問題なんです。従来保健医療というのは、それに加入している人たちが、それぞれ保険的に相互扶助するという形ですが、今日の社会保障というのは、国がこの責任を持つということに相なってきております。つまり、国庫負担が非常にふえてきておる。これは諸外国の例を見ても全くそうだと思います。今私が申し上げたこと、つまり、前者は、医学の進歩に伴って非常に金がかかるようになった、そういう面で保険財政のワクを広げるべきではないか、これが一点。もう一つは国が責任を持って、労働者あるいは雇い主だけじゃなくて、国自身が責任を持って、たとえばイギリスやあるいはスエーデンのように、国庫負担を六割、七割、八割もかけていく、こういう点で財政のワクを広げるべきではないか、この二つの点、大臣はどのようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/33
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034・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 社会保険全般についての均衡のとれた形で進みたいと、かように考えております。従いまして、おくれた面に対しましててこ入れをしながら進めていきたい、かように考えております。将来、保険財政がだから全般的にこれを広げていかなければならぬということは、当然われわれとしては考えておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/34
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035・坂本昭
○坂本昭君 私は、つまり医学の進歩が財政的のワクを当然自動的に広げているではないか、そういうふうにお考えになるかならないかということと、もう一つは、田が責任を持つ態勢になってきたので、国がもっと国庫負担をして、そういう面で保険医療の財政のワクを、国の負担によって広げられるべきではないか、その二つを伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/35
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036・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) それは二つながらの面から考えられることでありまして、保険財政というものを国が大きく考えていくということと、また、一面において保険の性質上どうしても保険財政がなかなか間に合わないと、日進月歩進むところのこの医療技術、あるいは新薬といったものに対しましては、これはとうていそれは間に合い切れない場合におきましては、やむなくやはりそうした面においては、これは別途な方法において検討していかなければいかぬと、かように考えておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/36
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037・坂本昭
○坂本昭君 答弁やや、だいぶ不明確ですが、とにかく医学の進歩というものはお認めになっておると思うのですね。従って、そのためにうんと金がかかるから、従来の保険財政ではやっていけないから、その分については広げなければならぬだろうと、そういうふうに大臣はお答えになったと思うのですが、大体そうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/37
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038・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/38
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039・坂本昭
○坂本昭君 それでとかく従来は保険財政というものに私はとらわれ過ぎていると思うのです。厚生省は、保険財政ということよりも国の、国民の医療保障を完備させる、そういう面で保険財政とは別個に、今大臣も言われましたけれども、保険でみんなが集めた金にプラス・アルファー、プラス・アルファーというよりも、プラス・アルファーの方が大きくなるかもしれません。そういう形で国民医療を保障していけば、これはもちろん保険という要素がありますよ。しかし、保険の要素以外の面での要素がたくさん入ってくる。つまり、それが国庫負担という形で入ってくる。現に国民健康保険でもそうじゃありませんか。一割の国庫負担と五分の調整交付金がついている。二割五分といういわば国庫負担をやっている。これをさらに四割、五割、六割とふやしていくことが私は当然これからの医療保障の上では必要ではないか、私はそういうことを伺っているのです。この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/39
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040・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) その通りのように私も考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/40
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041・坂本昭
○坂本昭君 そのためには、国の富が有効に再分配されることによって先ほどから言われているそのバランスの問題、いわば財政のひずみが是正される。これがつまり近代国家の社会保障制度だと思うのです。大臣はそうお思いになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/41
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042・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 社会保障全般的に私は各種の方策というものを考えていかなければならぬと思っております。それにはあなたが今までるるお述べになりました以外に、まだアルファーというものがあるような私は考え方を持たなければならぬようにも考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/42
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043・坂本昭
○坂本昭君 それは私が申し上げたのは、今のような国庫負担を国民健康保険について二割五分、あるいは三割、四割、五割と引き伸ばしていく必要が生まれてきやしないか。大臣のお考えだと、私は当然そういう考えが生まれてくると思う。それでそういう二割、四割、五割という国庫負担というものは、これは国民一般の税金から取ってくるわけです。結局国の富というものがもう一ぺん再配分される、そういうことによって農村のお百姓さんの病気も全部あるいはただで見てもらえる、そういうことで世の中のひずみというものがなくなっていくのではないか。これがつまり社会保障の大事な役割りだと、これは今の言葉は私が言ったんじゃなくて、これは堀木前厚生大臣の緒言の言葉なんですよ。それで、堀木厚生大臣と渡邊厚生大臣とは考えがお違いだとは思えないのですけれども、堀木さんの時代の社会保障というものは、国の富を再配分することだ、言いかえれば、累進課税で金のある人からたくさん取る。そして取った税金を一般会計で国民健康保険に対する国庫負担として、今二割五分ですが、それを五割も六割もどんどんふやしていく、そうすると、よけい富のある人の富がもう一ぺん再配分されて、貧乏な国民、貧乏とはいいながら一生懸命働いているのですからね、その国民に再配分されていく。これは国民健康保険だけではありません、年金についても言えるわけです。年金は政府が立案されたものは、全部の掛金の半分を国が負担している。その半分はつまり税からくるわけですね。だから、そういうことを大臣は十分お認めになられるかと言って聞いているのです。これはちょっと待って下さい、局長じゃない。これは一番大事なことだから大臣に、堀木さんはそう言われたんだけれども、渡邊厚生大臣はどう考えるかということを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/43
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044・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 基本的にはあなたのただいまの御発言のように私も考えております。しかし、やはり社会保障にはある一つの極端な社会保障国家というものの将来というものはどういうことになるかということは、これはまた研究しなければいかぬと私は思っております。要するに、組合主義国家といったような、共産主義一歩手前のような社会主義保障国家というものを、現在われわれが論ずる段階であるかどうかということは、私は今そこまで考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/44
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045・高野一夫
○理事(高野一夫君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/45
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046・高野一夫
○理事(高野一夫君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/46
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047・坂本昭
○坂本昭君 今の大臣の答弁は、組合主義だとか、社会主義だとか、だんだん変な答弁をされておりますが、私はそんなことを聞いているのじゃありませんよ。大臣は、社会主義国家のくることをおそれておるか期待しておるか知らないが、私はそんなことは聞いていない。現段階で、医療社会保障を進めるために率直に言って、国庫負担をふやすつもりはないかということを聞いておる。そのためには、具体的に言えば、もっと税の制度を変えたらどうか、税制を変えることの要求は厚生大臣がすべきじゃないかということです。ほかの大臣よりも、厚生大臣から累進課税をもっとよけい取れ、租税特別措置法をやめてもっと取れ、取った分で社会保障をやる、これはだれにも恨まれませんよ。そういうことを私は聞いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/47
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048・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 基本的には私も賛成でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/48
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049・坂本昭
○坂本昭君 基本的に賛成ということは、具体的にも賛成ということにならなければうそだと思う。そうでなければそれは詭弁ですよ。で、来年から皆年金、皆保険になりますが、一つ非常に心配されるのは、国民健康保険の一世帯平均が、先般の局長の説明だと、昭和三十三年三千三百十円だということです。私は来年になると四千円くらいになりゃせぬかと思う。年金の方は一世帯二人強で二千四百円から三千六百円くらい、かりに平均一世帯三千円とします、合計七千円というものが皆年金、皆保険という名目でこれは強制徴収になるわけです。で、一体国民はこれを支払うと思っておられるか。たとえば皆年金、皆保険について言うと、二里も三里も遠いところにある医者へ行かなければならない、なかなかこれは診察を受けることができない、そういう人がこれは一体保険料を払うか、あるいは年金は正式に四十五年の後に支払いを受ける、こんな高い三千円というものを一体出す気になるか、年金については、出さない場合には九十六条の適用で執達吏が行って差し押えることができる。私は大臣がこの皆年金、皆保険をうたっておられるが、両方とも国民が支払ってくれると期待しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/49
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050・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 私は支払い得るものと思いますけれども、年金制度については免除規定も今検討されておりますので、これは今後の問題としております。今後の問題というと、手ぬるいと言うかもしれませんが、今始まったばかりの問題でございますので、一応われわれはこの二つのものは支払い得るものと考えております。この問題は、いろいろ各方面からその声はよく聞いておるわけでございますけれども、これは一応とにかくやり得るものと現在考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/50
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051・坂本昭
○坂本昭君 皆保険をやって、保険料を国民から支払ってもらうためには、これは午後の医療金融公庫の法案のところでまたお尋ねしようと思っているのですが、医療施設の適正な配置をやらなければならない。そうしなければ国民は払わない。また、年金については、年金のありがたみがわからなければ、国民の気持を支払う方向にそそることはできない。その中で一番大事なことは、積立金の問題だと思うのです。これは大臣に御就任になった日に、私は積立金のことと結核のことを御質問した。あれ以来だいぶ年限がたちましたから、積立金については大臣独自の御見解ができておられると思う。国民年金の積立金の使用について明確な態度を示さないと国民はそっぽを向くと思う。この国民年金の積立金の問題の解決の手前には、長い間、昭和十七年からきている厚生年金保険積立金の問題がある。この積立金の還元融資あるいは利子、これはずいぶん議論して、きょうも資料が出ておりますからこまかいことは申し上げませんが、厚生大臣の厚生年金保険の積立金の管理についての決意を伺っておきたい。それから引き続いて国民年金の問題。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/51
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052・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) これはできるだけ還元自主運営にするということを私どもは考えております。国民年金は本年の六月くらいまでに結論を出して、そうして明年四月の拠出年金が始まるまでくらいに、何とかその自主運営をやるかどうかという問題につきまして結論を持っていきたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/52
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053・坂本昭
○坂本昭君 やるかどうかの結論ではなくて、これはもうやらなかったら、大臣、年金の金は集まらないですよ。だから、これは一つ大臣が職を賭してやっていただきたい。それで、それについてわれわれも協力を惜しまない点もありますから、だから、今のようななまぬるいことでははなはだわれわれとして信頼が置けないのです。もう少しこの点については、きぜんたる態度をもって邁進されんことを要望しておきます。
それから、委員長から時間を制限されましたから、私はたくさん質問は残っておりますが、先般、本会議で高田議員から質問したことについて、大臣が答弁をお忘れになった——その点はこの前指摘しておきましたので重ねて申し上げますが、保育対策を徹底的に計画的な施策を示していただきたい。保育対策についての大臣の返事がなかった、で、これについて大臣の御答弁をここで承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/53
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054・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 保育対策につきましては、年々これを、保育所あるいは幼稚園の設置というものを増加せしめる、こういう方向に努力をいたしております。また本年、保育所の保母の期末手当等も〇・五カ月分を増額いたしまして一・五カ月分といたしましたし、それからまた、おやつ代もわずかではございまするけれども、一日三円——三億円の増額をいたしたような次第でございます。で、保育所はできるだけ、やはり保育所の乏しい所に設置いたしたいと、今年も百七十二カ所設置するという、こういう方向に進んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/54
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055・坂本昭
○坂本昭君 大臣は、幼稚園と保育所と、文部省の所管のものまでごっちゃにされては困りますよ。幼稚園の方はこれは文部省の所管でございますから、大臣の所管ではないのです。しかし、実際は幼稚園と保育所の問題、これは一緒に検討してしかるべきだと私は思います。で、そういう点で、ただいまの御答弁では、これが徹底的な計画の御説明とは私は考えられない。もっとこれは勉強もしていただくし、さらに御検討もしていただきたい。
特に例の一昨年七月から保育所の運営について新しい措置費の改善方式というものがとられて参りました。そのために各保育所ではお母さんたちにとっての保育の費用がずいぶんかさまってきている。さらにまた、保育所の運営もきわめて困難になってきている。その中で一番困っているのは、従来特別単価で経過措置をとってきたところの施設、そうしてそれらの施設は、従来厚生省の指導方針に従って比較的理想的な運営をやってきた。やってきたところが、今度はその運難の単価を切り下げられてきた。それで非常に運営に困難を生じた。この特別保育単価を一応、今、経過的に措置をしていますが、来年度、昭和三十五年度、これは一体どういう御方針を持っておられるか。これは聞くところによると、先般の保育関係の課長会議では、これを断固全部打ち切ってしまうというふうな説明をされたやに承っておりますけれども、そういうことではせっかく大臣の言われる保育所をもっと増設してそうして児童対策を推進したい、そう言われる大臣の御所信にも反すると思う。今の経過措置をさらにどういう方針でやっていかれるのか、御意見を聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/55
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056・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) その経過措置でございますか、運営費でございますか、これは公私立ともに八割を国が負担するということになっております。大体、三十五年度におきましては、全国におきまして三十四億円というふうな数字が出ているような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/56
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057・高野一夫
○理事(高野一夫君) 坂本さん、まだだいぶありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/57
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058・坂本昭
○坂本昭君 今のは答弁ではないのです。一つ、局長から答弁して下さい。今のは答弁になっておらない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/58
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059・大山正
○政府委員(大山正君) ただいまの大臣の御答弁を補足して申し上げますが、来年度の保育単価の経過措置につきましては、原則としては、私どもはただいま御指摘にありました三十三年の七月の制度改正の趣旨に沿いまして経過措置を解消して参りたいと考えておりますが、ただ来年度急に経過措置を解消することによりまして経営が困難に陥るような私立の施設につきましては、ある程度経過措置を継続して認めざるを得まい、かように考えております。
今後の運びといたしましては、近く各県の担当官を集めましたブロック会議で各県の実情を伺いまして、どうしても経過措置をせざるを得ないというものにつきましては、来年度におきましても若干継続する、かような考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/59
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060・坂本昭
○坂本昭君 どうも大臣、一番肝心な保育所問題の一番今問題点になっている措置費の問題なんです。今の経過措置の問題が運営上の一番問題になっているのです。ですから、そういう点で先ほども下情に通じないということを申し上げたので、実際にいなかの保育所に行きあるいはちまたの保育所に行って、そこの運営状態を見ていただきたかった。あるいは保母がどういう勤務をしているか。保母の労働基準法との関連において、まだ明確な定めができておりません。それが日本の実情です。ことに保育所について、ただいま大臣は保母の期末手当が一・五カ月になったというようなことを言っておられる。けれども、大体保育所の場合と保育所以外の場合のいろいろな人件費の内容を見ましても、保育所の場合が非常に低いのです。このことはこの間の本会議で厚生大臣が答弁したあと、大蔵大臣が立って、この問題についてこういうことを言っております。「児童福祉の関係で見ますと、非常に予算的措置がおくれておるようでありまして、ただいままでおやつ代は一円も出ておらない。あるいはそこの職員の期末手当等におきましても他に比べまして非常におくれておるという点等がございます」、こういうことを大蔵大臣が指摘しているのです。大蔵大臣にこんなことを指摘せられてそうして便々としているような大臣は私はどうかと思う。よその大臣が、厚生省の特に保育関係、児童福祉関係は非常に予算的措置がおくれている、こういうことを大蔵大臣が言っということは、これは私はある意味では来年はこれを言質にして、おくれているならちゃんと正常に戻せという非常に大事な手がかりになると思うけれども、一体こういうおくれた措置をとらしてきた責任は一体だれにありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/60
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061・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 大へんむずかしい御質問でございまするが、これは、ことしは非常に期末手当の問題やそれからおやつ代の問題で、大蔵大臣並びに総理大臣のところへ与野党の方々が予算編成期に殺到いたしてきたわけでございます。それでまあ大蔵大臣といたしましては、十分ではないかという、こういう意味でお話しになったものだと思うのでございます。しかし、期末手当もまあ十分ではないけれども、〇・五月分もふえたし、あるいはまた、おやつ代も三億円も新増額いたした、こういう意味でありまして、私は叱責された意味というふうにはとっていないわけなのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/61
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062・高野一夫
○理事(高野一夫君) あと一つくらいでいいでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/62
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063・坂本昭
○坂本昭君 もう一ぺん今の問題で……。これは本会議での大蔵大臣の答弁なんですよ。これは一つ児童局長の部屋にでも額に入れてかけておいて、そうして次の予算折衝のときにはこれで交渉していただきたい。しかし、これは非常におくれているということは厚生省の私は責任だと思う。私はだからその点を言っているんだけれども、大臣は、顧みて他を言わなければ因るのですね。児童福祉だけでありません。全般的におくれているのです。こういう点で大臣の今後なお一つ奮発をお願いして、時間の関係で一応きょうの質問だけ終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/63
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064・高野一夫
○理事(高野一夫君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/64
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065・高野一夫
○理事(高野一夫君) それでは速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/65
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066・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 私から、時間もありませんししますから、ごく簡単にお伺いしたいと思います。
先刻もちょっと話が出ましたが、医療なるものは公私二本立でやらんければならぬということは昔からの定説でございますが、最近、私的医療機関がだんだんと先細りして非常に悲観の状態になっておりますのが、幸いにして今回は医療金融公庫などができるようなふうな話で、幾らか私的医療機関にも潤いがきそうな気配でございますが、
〔理事高野一夫君退席、委員長着席〕
とにかく、御承知のように、医療費はきわめて低廉なために、私的医療機関は非常に困っておるのであります。従って、社会保険だけのいわゆる課税問題はただいま二八%の課税標準になっておりますけれども、これはいわゆる公私同じような立場で医療費なるものは算定されておるのでございますからして、やはり私的医療機関の課税なるものもこれは免税にしてまうのが正常じゃないかというようなふうに考えておるのですが、大臣はいかにお考えでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/66
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067・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 私的医療機関が非常に末細りになりつつあるということにつきましては、私どもも、公的医療機関とひとしく私的医療機関もこれは国民のやはり主治医であるという建前から、幸いに皆様方の御協力を得まして、国民医療金融公庫等もできましたことによりまして、その開業医の体質改善等もはかっていきたいと、こういう意味からこれの救済策をできるだけのことを考えていきたいと、かように考えております。しかし、何しろこの税の問題につきましては、私大蔵当局その他あるいはまた、党の税制対策委員会等とも話し合わなければ、ここで自分ができるだけこれを免税してやりたいということも責任をもって言いかねるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/67
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068・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 厚生大臣として完全にこれをどうするということはおっしゃりにくいというようなことは十分承知いたしております。ただし、この厚生行政、特に社会保険が今回はだんだん進んでいって皆保険にまでなるという時代でありまするから、厚生大臣はまあ大蔵省辺と大いに折衝して、何とかこういう方面に力を尽くしていきたいというような御決心のほどをお伺いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/68
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069・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 十分努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/69
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070・鹿島俊雄
○鹿島俊雄君 大臣に、関連してお尋ねいたします。
ただいまの社会保険診療報酬に対する非課税の谷口委員の御意見でありますが、これは単に私的医療機関に対する一つの特別的な措置と申しまするよりも、昭和二十六年に、かつて社会保険診療報酬の暫定単価引き上げ措置がきまった、その際に、その引き上げが適正でないため、その条件といたしまして、医療金融公庫の設立並びに税の軽減措置が政府側の公約としてきめられたわけであります。なお、その際、医療報酬単価につきましては、わずかに一円相当引き上げという暫定措置でありましたので、直ちに適正化のために審議会を作り、これの適正算定をするということになったわけでありまするが、意見の一致が見られず、延引を続け、昭和三十二年と記憶しますが、一応医療担当者側からその適正要求単価として当時要求いたしました引き上げ要求額を見ますると、一点単価において約七円四、五十銭程度の引き上げ要求があったわけであります。ところが、その要求に対して、昨年ようやくきまりました引き上げ額がいわゆる八・五%、すなわち一円程度のものでありまして、これについては医療担当者側は深刻な不満があり、現在に至るまでこれが原因となって皆保険対策上の大きな暗影を投じているのであります。しかしながら、一面において直ちにこれを適正額にまで引き上げるということは、予算措置の面、被保険者の負担面等から考えまするとき、急速に引き上げることは現在至難であるとも思われるのであります。従って、この際、ただいま谷口委員の御要望のように、税措置につきましては、現行の二八%租税特別措置法による軽減措置よりも、むしろこの際に、適正診療報酬の確定まで皆保険の要素も含め、あるいは公的性格あるいは公的、私的医療機関のバランスも考慮いたしまして、当然非課税に持っていくことが医療担当者に対する政府の公約の履行の義務であると、かように考えるのでありまして、従いまして、そういった点から社保診療報酬につきましては非課税とすべきものと思うのでありまして、ただいまの谷口委員の御指摘の条件とともに、また、ただいま申し上げた別な角度から大臣におかれて十分に御認識をしていただかなければならぬ問題でありますので、この点の御所信を重ねて伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/70
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071・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 先ほど谷口さんにお答え申しました通り、十分皆様方の御意向等も尊重いたしまして関係当局と折衝いたしてみたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/71
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072・竹中恒夫
○竹中恒夫君 私もただいまの谷口委員の御質問に関連して大臣に所信をお伺いしたいと思います。
大臣は、非常に医療関係につきましては多大の御関心をお持ちになって、過去において御就任以来非常に御努力なさっていることを私はかねがね聞き及んで、その御労苦には感謝いたしておるものでございます。国民の広く健康を保全するという意味合いから申しましても、当然歴代の厚生大臣は医療担当者の間の摩擦を防いでスムースにやるということでなければならない。特に渡邊大臣は、その方面に非常なる御努力をなさっておるということは、ただいま申し上げましたように感謝いたしておるわけでございまするが、そこで、先ほど坂本委員が御質問になられた、健康保険勘定の一般財源からの繰り入れでございます。三十億が十億になり、五億になって先細りに漸次なってきておるわけであります。この問題を取り上げて質問いたしますと非常に時間がございませんので、きょうはやめまするが、あらためてまたお尋ねしたいと思いまするが、そういうように、保険財政というものは、国で援助する力がだんだんと、いわゆる大臣の言われる総合調整という見地から、政府所管の健康保険には非常に冷たい扱いが傾向的に出てきておるわけであります。そういうときに医療担当者の立場から申しまするというと、財源のない関係から、新しい、進んだ医療を行ないたいということを思いましてもできないようなことになりまして、非常に医者としては精神的な苦痛を感じつつある。また、そういう精神的な苦痛を感じつつある一方においては、経済的な面におきましても、社会保険の診療報酬というものが決して私は適正でないと思う。その適正でないということに対しまして、医者が労働時間を延長して、十二時間なり十八時間の労働をしてカバーして生活している現状を見て、医者は食っているのだから報酬は適正だということには決してならないのであります。そういう点が非常に一般世間も認識を欠いており、医業の再生産もおぼつかない。医者は自分の子供を医者にしようと思っても、とても三人、三人の子供がいてはできない、医業を再生産することさえできないのであります。一般業者においては、当然そういうことを考えあわせました報酬が、商業にしましても、あるいはサラリーマンにしましても、ある程度のことができるわけなんでありますが、医業に関しまする限りは、老後における生活保障もなければ、危険分散の対策もない。みんな自前でやるということに、非常に苦しいことになっております。その結果が二十六年以来の日本をゆるがせたような大きな医療に対する問題が起きてきた。その結論として、ただいま鹿島委員が言いましたようないろいろな三つ、四つの条件が残されまして、そうしてどうしても政府としてはこれ以上の金は出せないのだから、一つ単価は一円程度の、一円五十銭程度の値上げをすることによってこの四つの条件を解決しようということで、時の大蔵大臣の池田さんと、橋本龍伍厚生大臣と、それからここにおられる谷口さんがお話し合いになってきめたわけです。その後ずっときて、やっと医療金融公庫というものができたわけなんです。私は、ここで大臣にお聞きしたいのは、一昨年の十月から実施された点数表によるところの社会保険の報酬金というものが、はたして適正と思っておられるのかどうか。これは根本問題だ。適正であれば、正しい収入に対しては、適正な収入に対しては、当然国民として適正な方法によって、合理化された税の納税ということは、これはもう議論の余地がないわけなんです。ところが、われわれから考えまするというと、一昨年の点数改正によりまするところの規模の拡大というものは、単価一円値上げに相当する八・五%の引き上げなんです。言葉をかえて言えば、単価一円引き上げたわけなんです。昭和二十六年以来のほかの物価指数その他から比べあわせましてやっと三十三年に単価一円値上げして今日に及んでおるわけであります。はたして単価一円値上げしておるところの社会保険の報酬金が適正かどうかということについての大臣の私はお答えをまず第一にお伺いしたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/72
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073・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 私も就任以来、これらの問題につきましていろいろと御要望を承っておるのでありまするが、何しろ国民の支払いに関する問題でございまするので、今直ちにここに単価が適正であるかどうかということを私も判断しにくいのでございます。それで目下私どもといたしましては、事務当局や、あるいは各界の人々の御意見等も聞きまして目下検討いたしておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/73
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074・竹中恒夫
○竹中恒夫君 私決して意地の悪い質問をいたしませんが、適正か不適正かわからぬような人に、料金を払うのもどうもはっきりわからぬというような量見でもって医療を担当させるというのが実はおかしいと思う。大臣としてはやはり大臣の立場があられますし、政治家の常識として先ほどの非課税の問題についても当たりさわりのない御答弁をなさっておられます。当然そういう席上ではそういうお答えはやむを得ぬと思うのですが、先年草葉さんが厚生大臣の時分、だいぶ古い話なんですが、やはり単価は適正かどうかということをお聞きしたときに、単価は適正か不適正かわからないが、公正妥当でないと思うと、これも禅問答のようなことを御答弁なさったことがあるのです。実際、大臣としてこれは適正かと言われたら、立場上適正だと言わざるを得ぬと思うのです。しかし、常識から考えて、二十六年以来の単価が一円上がったことについて適正だと、少なくともほんとうを言わなければならぬ大臣がわからないと、言うようなところに私は問題があると思う。どうか単価問題につきましても、きょうは関連質問ですから申し上げませんが、そういうように医療報酬金というものがきわめて担当者から不満であり、当局としてもはっきり適正と言い切れないようなときにあるわけなんです。そこで、今度は国民保険になりまして、医者の収入というものは全部社会保険なんです。ほかの収入がなくなるわけなんです。ガラス張りなんです。収入が全部基金を通じてガラス張りなわけです。いかなる国民階層におきましても、ガラス張りの報酬というものは、いわゆる会社あたりの勤労者の方々以外、一般商業人あたりにはないわけなんです。非常にそういうような低賃金で働いておって、医業の再生産もできない。また、医療の公共性を考えあわせた場合において当然非課税という面が出て参るわけなんです。で十二分な報酬金を出しておられて、それによって課税するということにならない限りは、この措置は絶対に私は医療担当者としては必要であり、また、大きな政治問題になろうと実は懸念いたしておりまするので、どうかそういう点も十二分に御勘案いただきまして、各諮られる機関もあられるそうでございますから、それぞれの機関に諮られるときには、大臣としては少なくとも報酬金はどうもあれではかわいそうだ、不適正だという観念に立って、そうして御答弁賜わりたいということをお願いしておくわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/74
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075・渡邊良夫
○国務大臣(渡邊良夫君) 十分努力いたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/75
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076・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記落として。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/76
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077・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記起こして。
本件に対する午前中の質疑はこの程度にしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/77
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078・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないものと認めます。暫時休憩いたします。
午後零時七分休憩
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午後一時二十一分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/78
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079・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 午前に引き続いて会議を開きます。先般提案理由の説明並びに細部説明を聞きました医療金融公庫法案を議題といたします。御質疑のある方は逐次御質疑を願います。
なお、厚生大臣はただいま参議院予算委員会に出席をいたしておりまして内藤政務次官が代わって出ておられます。なお、政府委員といたしまして、川上医務局長、黒木医務局次長が出席をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/79
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080・坂本昭
○坂本昭君 先般大体の説明はしていただきましたけれども、肝心の政令、省令にゆだねる部分についての説明が不十分でありますので、本日出されました資料について、この御説明をまずしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/80
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081・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) それでは、ただいまの坂本委員の御発言の中に、詳細説明で意を尽くしておらない点とか、あるいはきょう配付を受けました貸付条件の案とか、あるいは受託金融機関の基準とか、あるいはその他の参考資料につきまして、詳細な御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/81
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082・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) それでは、資料の御説明をいたしたいと思いますが、第一は、医療金融公庫法案参考資料という、こういう白い表紙のものと、追加資料、追加分というのがございます。それと指定医療機関の指定の基準、この三部でございます。
そこで最初に申し上げました参考資料の第一の御説明を申し上げますと、目次に書いてございますように、提案理由と法律案の要綱、それに関係法令の参照条文、関係統計資料、この六十三ページをお聞き願いたいと思います。
六十四ページに、目次がございまして、医療機関の都道府県別の統計がございます。病院種別、病院数及び病床数の統計資料、第二は、地域区分別、
一般病床数の年次推移資料、第三は、経営主体別、病院数及び病床数、第四は、経営主体別、規模別、一般病院の構成率、第五は、公的医療機関整備資金に対する起債及び融資の状況、第六は、私的医療機関整備資金に対する融資の状況でございます。
それから本日追加いたしました資料の目次をちょっとお開きを願いたいと思います。経営主体別診療所数、診療所の地域分布、これは人口規模別に出してあります。三番目に、都道府県別薬局数、都道府県別無薬局町村数、それから病院分類における経営主体別、部門別状況、それから六番目に、私的医療機関の建物の現状、保安度とか腐朽度とかいうようなものを数県の調査の分を統計にしてあります。それから医療機関の整備計画の医務局の試案、この試案を作りました数字、病床数の算定のいろいろ方法についてそれともう一つは受託の金融機関の基準がございます。そのうち以上のうちで、大体病院なり、診療所なり、薬局なりが現在どういうふうに分布されておって、どういう状況にあるかというものと、公的医療機関、私的医療機関に対するいろいろの融資の現状というものが中心でございまして、特にこの私的医療機関の融資の状況を御説明申し上げますと、この第一の参考資料の七十三ページでございますが、最後のところに中小企業金融公印と国民金融公庫の昭和二十九年から三十三年度までの融資の件数と金額が書いてあります。三十三年度末の貸付の残高を申し上げますと、私的医療機関が中小企業金融公庫から借りている貸付の残高が三十九億七千六百万円、国民金融公庫の分が二十、億六千八百万円で、六十二億四千四百万円というものが貸付残高になっております。なお、その上に昭和三十三年度の融資額が書いてありますが、中小企業金融公庫では十七億九千二百万円、国民金融公庫では十九億六千九百万円でございまして、計三十七億六千百万円でございます。なお、これに対しまして、前の公約医療機関の整備資金に対する起債なり融資の方の状況でございますが、これは昭和三十三年度につきましては総額四十三億九千三百万円でございます。なお、備考に公的医療機関に対する融資と私的医療機関に対する融資の年利、利率の比較をしてありますが、中小企業金融公庫では年九分六厘、公的医療機関の融資、起債は年六分五厘でございます。償還期限は中小企業金融公庫等は五カ年以内、公的医療機関の方の融資、起債は耐火建築については二十五年、木造については二十年、こういう非常な開きがあるということを示してあるのでございます。
それから次に、政令の問題でございますが、これはこの法案の参考資料の要綱のところをごらん願いたいと思いますが、この医療金融公庫法案要綱の七ページでございます。七ページに業務というところがございまして、これは法律の十九条でございますが「公庫は、その目的を達成するため、病院、診療所、薬局その他政令で定める施設」とございまして政令事項が一つございます。この施設は助産所を予定をいたしております。それから「個人又は医療法人、民法第三十四条の規定により設立した法人その他政令で定める法人」というふうにございますが、ここで政令事項がございます。これは中小企業金融公庫法の第二条で、中小企業金融公庫が対象とする法人の名称が書いてあるのでありますが、これによりますと「医業を来たる事業とする法人」とございまして、その中には、この医療法人のみならず、社会福祉法人というようなものが入っておりますので、中小企業金融公庫の医療権関に対する融資が、あとの附則でございますように、将来廃止になりますと、この国民金融公庫一本で一元的に医療金融をやることになります。そうしますと、中小企業金融公庫法でせっかく対象にされた法人が除外されることになりますので、それをこちらで引き継ぐということが必要になって参ります。そこで、その法人を政令で定めるというのでございます。政令事項は一応それでございますが、それから次は、この公庫の運営の大綱は、業務方法書というものによってきめられるのでございますが、これはこの第四の業務の三にございますように公庫は、業務開始の際、業務方法書を作成して、主務大臣の認可を受けなくてはならない。そこで公庫の開始の際までには、この業務方法書が作成されなくてはなりませんが、これをこれからきめていくわけでございます。あとはこれに関連いたしましていろいろ貸付の準則とか、その他細則を作る必要がございます。大体以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/82
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083・坂本昭
○坂本昭君 今度の医療金融公庫法の目的とするところは、「国民の健康な生活を確保するに足りる医療」その医療の「普及向上に資するため」ということが目的となってきていますが「国民の健康な生活を確保するに足りる医療」これの具体的なプランをこの際、御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/83
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084・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) この文言は、医師法とか歯科医師法の第一条に、医師なり歯科医師が国民の健康な生活を確保することを任務とするという規定がございますので、こういう金融機関で医療機関に対して融資をすることを品的とするものに、そういう医師なり歯科医師法で規定したような何と申しますか、基本的な目的というものを書いたのでございます。従って、具体的にはいろいろございますが、要するに、医師なり歯科医師についての基本立法の第一条を採用いたしましてこういう医療金融公庫の目的にその文言を使ったというような意味でざいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/84
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085・坂本昭
○坂本昭君 時が時であって、来年の皆保険を前提としたそういう意味で、私たちは、この際医療金融公庫というものを考えているのであって、従って、当然皆保険との関連において事務局としては、所管は医務局であるけれども、具体的なプランを私はお持ちになっているだろうと思います。そうじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/85
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086・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) 御質問の前に、実はこの第一条の読み方でございますが、「医療金融公庫は、国民の健康な生活を確保するに足りる医療の」云々とありますが、この「足りる」は「適正な普及向上」ということにかかるのでございます。
なお、御質問の国民の医療をどうやって確保したらいいかということにつきましては、午前中から御論議がありましたように、単に社会保険によるのみならず、国民医療というものは、公衆衛生の面からいろんな面からこれは保障をしなければなりませんので、国民の医療を確保するための計画というものは、そういうようなあらゆる施策の総合的な結果、確保されるのでありまして厚生省におきまして、各局におきまして、それぞれの部局において案があり、それを実行いたしておるのでありますが、なお、こういう問題の総合的な調整と申しますか、あるいは総合化と申しますか、そういう点はこれから必要になって参りますが、せっかく社会保障制度審議会で御検討中でありますから、そういう結論を待って計画を立てる、同時に医療制度調査会が近く発足をいたしますので、ここにこういう問題の、いわば前提になるような医療機関なりあるいは医療関係者の問題について、国民医療を確保するためにどうしたらいいかということの御審議を願う、こういうようなことで将来の計画を立てる準備の今段階にあると思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/86
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087・坂本昭
○坂本昭君 とにかく健康な生活を確保するに足りる医療の基盤になるものは医療機関であることは間違いないので、その医療機関を充実するための金融公庫であることも間違いないと思う。ただ、今御説明のように、厚生省の各局がそれぞれ、たとえば保険局は保険局で、こういう医療を充足するためにやる、あるいはまた、社会局は社会局で生活保護の患者を対象とするためにやる、そういう各個ばらばらなことではこれは間に合わない、当然日本の医療制度全体に対しては、医務局が主管であると思う。そしてかつ、先ほど午前中の論議でも、一応皆保険が皆医療にはならぬということを大臣もはっきり申しておられる、そしてこれが医療の社会保障にもなっておらない、きわめて不十分だ。従って従来皆保険・皆医療とか、皆保険・皆医療保障とかいう言葉は、私は少しごまかしの言葉だと思わざるを得ないと思う。それにしても、皆保険をやっていくことによって、今当面の目的としている国民の健康な生活を確保しょうとしている努力が行なわれているのであって、あなた方として、局は違うけれども、皆保険の問題はあなた方の当面するこの医療を充足するために密接な関係のあることは私は間違いないと思う。そこで、午前中も、皆保険というけれども漏れる人があるじゃないか、この問題につきましては、あなた方は日本の医療制度を充実していくためにどういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/87
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088・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) 午前中の御論議で教えられたのでありますが、国民医療を確保するための医療行政のウエートといいますか、従来、国民医療を確保するために社会保険というものが非常に普及して参りましたが、社会保険は医療の普及の手段でありまして、あくまでもやはり医務行政と申しますか、そういうものが主体性を持って国民医療を確保するような建前に、あるいはそういうような運営にならなくちゃならぬということを午前中の御論議で痛感させられたのでありますが、今後私たちも医務行政と申しますか、こういうものにやはり主体性を回復いたしまして、国民医療の確保に当たりたい。保険はいわば医療の普及の一つの方法であり、普及の手段であるから、その他社会扶助の方法もあり、あるいは進んでは公衆衛生の方法もあり、そういうものを医務行政の主体性の立場で計画を立てて運営をして参るという方向に進んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/88
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089・坂本昭
○坂本昭君 ちょっと次官に伺いたいのですが、抽象的なことのようですが、私は実は抽象的なことだけ言うつもりではなくて、これがきわめて具体的なことに関連してくるので、そういうつもりでお聞きいただきたいのです。
今、次長は、医務行政の主体性の確保ということを言っておられたのですが、日本の古い医療制度というのは、医師法や医療法、こういう医務局所管の法律によって伸びてきたのです。ところが、最近の行き方は、健康保険法と国民健康保険法、この二つの保険法によって日本の医療というものが樹立されるようになってきておる。これがいいか悪いか、いろんな問題を含むと思いますが、これがとにかく日本の医療の立法的な面からあるいは厚生行政の中の面から移り変わってきた事実であることは、実は間違いない。そこで、今日の日本の医療制度というものを取り上げる場合には、完全に保険局行政になっているということもこれは間違いない。今医務局の方は医務行政の主体性を確保していかなければならぬと言っていましたが、これは具体的にどうやって確保するおつもりか。まずその点をお伺いしたい。そうしないというと、こういう医療金融公庫で資金を融資する場合にも、基本的な原則というものがぐらぐらしてくるのです。その点私は明確にしておきたいと思います。どういうふうにして医務行政の主体性を確保するか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/89
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090・内藤隆
○政府委員(内藤隆君) お答えいたします。
今、医療制度調査会等でその根本の問題の調査をやりつつあるような状態で、その答申を待ってわれわれは一つ大いに検討しなければならぬ、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/90
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091・坂本昭
○坂本昭君 そんな調査会の答申を待っておったのでは、医務の行政は何をしておるのかということになるのですね。現在だって医務局にはしなければならぬ仕事があるし、第一、国立病院、療養所という日本の基幹的なモデル病院をも持っている。そういうふうな中でいまさら調査会の答申を待つというような、そういうことではこれは医務局怠慢のそしりを免れないと思います。もっと積極的なお考えはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/91
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092・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) 実は根本的な問題は、そういうふうな審議機関で御審議願ってお知恵を借りたいと思っておりますが、現在におきましても、医療機関の適正な配置といいますか、整備の問題につきましては、厚生省内に医療機関の整備の調整連絡会というようなものを作りまして、医務局の原案をもとにしまして、新しく年金の融資あるいは補助金を出しまして医療機関を新設をしあるいは増設いたします場合には、医務局が主体性をもちまして適正配置ということをやっているのでありまして、ただこれでは融資なり、補助金の対象になるものしか規制できないので、医療法の一部改正案を提出いたしまして、国会で御審議願っているような次第でございます。一例にすぎませんが、こういうことで現在の制度で、できる限り医務行政の主体性を回復して参りたいと思っておりますが、個人的な見解にわたりますが、医療制度調査会等では、こういう厚生省の機構の再編成と申しますか、医務行政の主体性が確保できるような厚生行政の機構の再編成までに至りませんと、なかなか実現はむずかしいのでありまして、そういう点を期待しておりますために、そういう制度調査会というようなところでせっかく御検討願うつもりであるというようなことを希望的に申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/92
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093・坂本昭
○坂本昭君 今お話のあった医療機関整備審議会、これは医務局の所管の審議会と思います。これはどういうふうに運営されて、実際に何回くらい開催されておりますか、ほとんど開店休業じゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/93
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094・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) これは法律にございますような医療機関整備審議会でなしに、厚生大臣の伺い定めで作りました厚生省内の機関でございます。一昨年の二月でありましたか、スタートいたしまして、それ以後の厚生省の保険局なり公衆衛生局の病院なり、その他の医療機関の新設あるいは増設の場合の起債あるいは補助は全部この調整連絡会の議を経なければ決定しないというようなことで、原案は医務局の医療機関の整備の計画に沿って審議をいたされているのでありましてかなりの成果を、少なくとも起債とかあるいは補助の対象になる施設については上げているつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/94
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095・坂本昭
○坂本昭君 それは何回開かれておりますか。ほとんど開かれていないと思う。何回開いて何を具体的に審議したか、今説明できる資料があれば説明願い、なければあとで資料を出して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/95
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096・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) これは毎年補助なり、融資の決定をするときには、一昨年以来かなり開きまして、この議を経なければ補助の決定あるいは融資の決定をいたしておりません。いろいろ資料もございますから、必要によりましては提出させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/96
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097・坂本昭
○坂本昭君 それでは医療機関整備審議会の審議の内容、具体的な事実については資料で提出をお願いします。なお、この医療機関整備審議会と今度の医療金融公庫法案との関連は将来どういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/97
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098・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) これは第一条に「医療の適正な普及向上に資するため」という規定もございまして適正な医療機関の普及整備をはかりたいということも、この医療金融公庫法の目的の一つでございますので、何が適正かという基準でございますが、何らかやはり基準が必要である。その基準の一つとして医療機関整備計画というものが、実は昭和二十六年にできたものがありまして、それを修正しながら現在に至っているわけでありますが、医療法の一部改正案の御審議の機会に、こういうような、案につきましても、いろいろ御審議願って、こういう何らか適正化の基準の一つ決定を見なくてはなりませんので、この法の建前から申しましても、こういうことが一応やはり前提になるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/98
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099・坂本昭
○坂本昭君 そうすると、何かこの医療金融公庫の貸し付けの場合にも、医療機関整備審議会の議を経なければ最後決定はできないことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/99
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100・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) 先ほどの先生の医療機関整備審議会と、私の申しました厚生省内に設置されておりまする医療機関の調整連絡会といいますか、これとは、別個のものでございまして医療法の規定でなしに、厚生省の大臣の伺い定めで実はそういうものを決定いたしまして、厚生省の融資とか、あるいは補助金の決定の場合に運営をして参っているわけでございます。
それから後段の御質問の、医療金融公庫法の運営とこういう医療機関の整備の計画との関係でございますが、この公庫の成立のいきさつから、医療機関の過剰な地域に対しましてこういうような金融の対象にしてそれを促進するようなことはやはり好ましくないのではないか、そういうことで「適正な普及」というふうな第一条に目的を掲げたのでありまして、医療金融公庫の運営の一つの大きな基準としてこの医療機関整備計画というものがやはり用いられなくちゃならない、これは第一条の目的からして当然であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/100
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101・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/101
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102・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/102
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103・坂本昭
○坂本昭君 私の申しあげておった、医療機関整備審議会というのは、医療法第三十二条による医療審議会のことをさしているのであります。そうしてこれは公的医療機関についての規定の中に書かれていますが、この医療審議会が現在いかに働いているか。そうしてまた、この医療審議会の審議を通して医療機関の整備というものが行なわれているはずなので、それについて若干御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/103
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104・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) この医療審議会は、この三十二条で、公的医療機関の整備に関しまして、医療機関の整備に関する重要事項を調査審議するということになっておりますが、実はこの規定では十分でございませんので、医療法の一部改正法案というので、この医療審議会で公的な医療機関に対する規制がもっと有効に行なわれるようにということをお願いしておるのでございます。そこで、現在の医療審議会におきましては、こういうような医療機関の整備の規制につきましては見るべき効果は上げていないのでございます。なお都道府県単位の医療機関整備審議会は全国的に見ては低調でございますが、活発に運用されておるところもございまして、こういうような公的医療機関の整備についてかなりの効果を上げておるところもあるのでございますが、しかし、中央にある医療審議会もそういう運営の状態でありますので、これを強化するために先ほど申しました法の一部改正をお願いしておるわけでございます。なお、医療金融公庫ができました場合も、この医療審議会、それから都道府県における医療機関整備審議会との関係でございますが、医療法の一部改正が通過いたしますと、この医療審議会で公的な医療機関の規定というものが有効に行なわれる。都道府県単位におきましても、都道府県にある医療機関整備審議会の有効な活用がなされ得ると思うのであります。ただこれは公的医療機関に対する規制でございますが、私的医療機関に対しては何ら規制の方法はないわけでございますが、しかし、医療金融公庫が行なわれるようになりますというと、私的医療機関が金融の貸付の申し込みをした場合、先ほど申しましたような、過剰な地域に対して、医療機関の新増設ということは好ましくありませんので、医療金融公庫法の運営の方針としてそういうところは貸付の対象から除外する、少なくとも優先順位を与えないというような運用をして参る。その場合のやはり基準が必要になって参るのでありますが、この基準は医療法の一部改正が通りますと、医療審議会が諮問を受けまして決定をする、こういうことになりますので、医療金融公庫もこの医療審議会が諮問を受けてきめられました医療機関の整備基準と申しますか、そういうものにのっとって運用されるということになるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/104
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105・坂本昭
○坂本昭君 それでは、先ほどの資料は、あなたの言われた省内の調整機関においてどういうふうに審議をしてきたかということでお出し願いたい。それからなお、この目的のところで私立という言葉が明確に規定されておりますね。従って、私立ということは、これは公的医療機関に対する言葉だと理解しますが、ここでこの医療法の第三章でも規定されている公的医療機関、この中の範疇に入るものですね、具体的に何々であるか、例示していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/105
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106・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) これは先ほど要綱の第四の業務のところで御説明申し上げましたように、個人の経労するもの、それから医療法人の経営するもの、民法三十四条の規定において設立した法人の経営するもの、これは社団法人と財団法人がありますが、医師であるとか歯科医師であるとかというものが社団であります。その他医療事業をやる財団もありますから、こういうものも入るのであります。それにその他政令で定める法人で、社会福祉法人ということを申し上げましたが、それの経営するものが入ることになります。なお、この私立とありますのは、公立とか公的と対立した言葉ではなしに、このような具体的なものがありまして、それを総称して私立と称しておるのでございます。なお、公的医療機関の説明をつけ加えておきますと、医療法の三十一条に規定がございますが、現在のところでは、地方自治法に規定する地方公共団体の組合、それから国民健康保険法の規定による普通国民健康保険組合、それに日本赤十字社それに済生会、それに全国厚生農業協同組合連合会の会員である厚生農業協同組合連合会、それに社会福祉法人北海道社会事業協会。なお、医療法の一部改正が通過しますと、社会保険の組合の病院がこの公的医療機関に規定をされる予定になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/106
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107・坂本昭
○坂本昭君 そうすると、今北海道の社会福祉法人のものは、これは私立になるのですか、公的になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/107
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108・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) これは、私立でございます。社会福祉法人立は私立でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/108
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109・坂本昭
○坂本昭君 いや、今あなたの説明の中で……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/109
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110・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) これは社会福祉法人北海道社会事業協会で、北海道の社会事業協会だけでございます。その他のものは私立になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/110
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111・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/111
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112・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/112
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113・坂本昭
○坂本昭君 そこで、医療の適正な普及をはかるためには、当然計画が必要になってきます。そのために医療機関の整備計画というものがここに示されておりますが、この医療機関の整備計画表について御説明いただきたい。
なお、この医療機関整備計画は、これはだれの責任でお作りになったかということも明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/113
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114・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) 本日の資料に差し上げてあります医療機関整備計画と申しますのは、これは先ほどちょっと次長が申しましたように、昭和二十五年に医療機関整備中央審議会というものがありまして、そこでそういう方針を出しましてそうしてその後におきまして、この数字を社会保険の入院率でありますとか、あるいは一件についての入院日数とか、そういうような点から推計いたしまして一応昭和四十年度までにはこれぐらいな病床に持っていくという計画をいたして参りました。その他のいろいろな、ここに書き上げました内容につきましては、こういう考え方が従来ありまして、それを大体現在踏襲をして参っておるようなことでございます。その計画の責任はどうかと言われますが、これは私の方で総務課で一応こういう計画を持っておるのでありまして、むろん一応この計画につきましては医務局が責任を持っておるということになるわけでありますが、ただここに出しましたものは、私の方はこれは絶対にこの計画で参らねばならぬというふうにそうかた苦しくは実は考えていないのであります。先ほども次長が申しましたように、これは医療法一部改正が通りますれば医療審議会にかけまして、そうして病床を規制するというような、そういう場合の基準にするというようなことになってそこで初めてこの審議会の御意見を入れてしっかりしたものを作り上げる、こういう考えでございますから、そういうものができるまでは従来のそうした考え方によって、一応こういうものを基準にして、先ほど申しましたように厚生年金を分ける場合におきましても、あるいは今度の場合の医療金融公庫の融資をはかる上におきましても、一部こういうものを参考にしてそれまでやってはどうか、こういうように考えておるわけであります。
それからちょっとつけ加えますが、こういうものをかりに作りましても、これでもってすべてを画一的に律するというような考え方は持っておりません。どうせ都道府県の医療機関整備審議会におきまして、こういう一応の基準を参考といたしまして、そうして現地に即応するような、そういう整備をやっていこうという、そういう考え方を持っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/114
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115・坂本昭
○坂本昭君 医務局の総務課がこれを作った。特にこの中で病床の問題について昭和四十年には総病床八十六万七千八百三十一床にする。ところで、これの具体的な根拠、これを見ますというと、人口三十万以上の都市については、万当たり五十五床云々ということになっておりますが、そういう万当たり幾らということで計算されて出た病床の数であるか、それとも各都道府県の医療機関整備審議会がそれぞれ都道府県の実態に応じて、どこそこの村には何床の総合病院を幾つ必要とする、そうしたものを積み重ねてそれを整備されたものであるか、どちらでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/115
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116・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) これは大体今までの実績をもとにしていろいろ検討したものでありますが、詳しいことは総務課長から申し上げることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/116
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117・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) では私から簡単にこの積算の仕方を申し上げます。
実はこれは昭和二十五年の医療機関整備中央審議会におきまして一応御承認得ました昭和二十五年立案の方式に大体のっとりまして、若干数字はだいぶ変わっておりますが、方式はほとんど同じであります。考え方を申し上げますと、現在健康保険の被保険者が一応まあ自己負担ゼロの十割給付という格好になっております。それからそういう十割給付のものと、国民健康保険の被保険者とか、あるいは健康保険の被扶養者、つまり五割給付、自己負担が五割のもの、そういうものの受診率を比べますと、簡単にいって入院率を比べますと非常に差があるわけであります。で、自己負担がゼロの場合の入院率が非常に高く、自己負担の五割の場合の入院率が非常に低いということは、給付率によって非常に入院率に差があるということを示しておるわけでありまして、そこに着目いたしましてこの数字を導き出した、こういうことになっております。そこで出し方は、昭和四十年におきます日本の人口を推計いたしまして、これをおおむね九千五、六百万と推計いたしておりますが、この九千五、六百万の昭和四十年の推計人口に国民の平均入院率をかけまして、そして出た数字が総病床の数字になっております。入院率の出し方は、先ほど申し上げましたように、十割給付と五割給付に非常に差がありますことを着目して出したのでありますが、十割給付の場合の入院率が幾ら、五割給付の場合が幾ら、そうしますと、七割五分の場合には幾らになるかということを推計をして入院率を出しております。それでわれわれが昭和四十年における国民の平均医療給付率を七割五分と見ましたのは、国民皆保険が当然近く実施されます。そして国民が何らかの疾病保険に加入するというふうに仮定をいたしまして、しかも現在五割給付であるような個々の被保険者とか、それから健康保険の被扶養者等が将来七割給付にまで引き上げられるであろう、その七割給付に引き上げられるという予測は、昭和三十一年の社会保障制度審議会の勧告にもそういうものがありますので、一応そういう勧告の線に沿いまして、七割給付に引き上げることを予想いたしたのであります。そういたしますと、人口分布からいたしまして、十割給付の人口と、それから昭和四十年における七割給付の人口、これをならしますと、大体国民平均七割五分給付という線が出てくるわけであります。七割五分給付率の場合の入院率は、私が先ほど申し上げました十割給付、五割給付の入院率に差があることから幾らと出て参ります。その出ました入院率を九千六百万という人口にかけて出した数字がこのここに出ておる八十六万七千八百三十一という数字になっております。そういうふうに総病床を出しまして、それから各特殊病床の精神、結核、伝染、らいという病床を別々に算定いたしましてそれを差し引きましたものが一般病床の数字になっております。われわれは総病床から特殊病床を引くことによって一般病床の数を出す、そういう出し方を一応ここでしたわけでありますが、これに対しましてそういう出し方でなく、初めから一般病床、精神病床、結核病床、伝染病床、らい病床と個々にはじいた方がいいじゃないかという批判も実はあるわけであります。われわれはそういう批判に対しまして今別な様式の積算もやっておりますが、このここにお出ししております積算は、今申しましたような総病床を出しまして、それから特殊病床を差し引いておるという出し方になっております。
それから一般病床で参りますと、昭和四十年に人口万当たり四十という推計が出ておりますが、それをなぜここにありますような人口三十万以上の都市五十五とか、十万以上が五十とか、その他の市町村が三十五というふうに引いたかというお尋ねでございますが、これは二十五年の医療機関整備中央審議会の場合には、こういうふうに人口三十万以上というのでなくて、たとえば大都市というふうに分けまして、あるいは中小都市と、それからその他の市町村というふうに分けておったのでありますが、われわれはやはりもう少し具体的に分けた方がいいだろうということで、こういうふうに、やや具体的に出したわけであります。それから当時数字は、たとえば大都市は四十五とか、中小都市が三十とか、その他十五というような、特に、その他の市町村にしてみれば、これよりも万当たり二十病床も低い数字になっている。そういうような大都市とその他の町村の間に非常な差があったのでありますが、やはり国民皆保険下の昭和四十年のことでありますので、さらに一番低いところでも、万当たり三十五床ほしいのじゃないかということで、下を大幅に上げまして、上との差を詰めたわけであります。もちろん上も若干上がっております。具体的な数字は現在の六大都市なり、その他の都市の病床の普及状況を一応実績も考慮し、また過去の伸び方、それから将来の理想的な姿も勘案いたしまして、一応この線を出したわけであります。しかし、もともとこういう数字は絶対にこれでなくちゃならぬというような理想的なものができにくいものでありまして、やはり一つの客観というと語弊がありますけれども、そういう現状と、理想と、過去の伸び方というようなものから、最も適当であろうということで出した数字がこの数字になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/117
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118・坂本昭
○坂本昭君 この整備計画の説明のところにある医療機関整備中央審議会、それから医療審議会、これはあれですか、ここ十年ぐらいの間に法律が変わって名称も変わってきたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/118
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119・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/119
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120・坂本昭
○坂本昭君 それでは医療機関整備中央審議会というのは現在なくて、医療審議会になっている。そしてその医療審議会は、公的医療機関だけでなくて昭和二十六年のときには一般の、全部の医療機関の整備をやっておった。そして現在は、これはもう公的医療機関だけに限られているのかどうか、念のために、もう一ぺん伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/120
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121・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) 前の医療機関整備中央審議会が、先ほどおっしゃったように医療審議会に変わったわけでありますが、その審議会で扱っておる対象は公私合わせて扱っておるわけであります。規制の方は御承知のように、今度の一部改正で公的なものだけしかやりませんが、(「言葉をはっきりわかるように言ってもらわないとよくわかりません」と呼ぶ者あり)公的私的両方の医療機関の問題を扱っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/121
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122・坂本昭
○坂本昭君 それでは、この医療機関整備計画と国民皆医療との関係はどういうふうになります。一番大事なことですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/122
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123・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) 皆保険も達成できるように、医療機関をやはり整備していくということをわれわれは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/123
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124・坂本昭
○坂本昭君 私は皆保険の前に、皆医療という言葉を使ったんですね。とにかく保険の制度がなくたってどうでもいい、とにかく医療を受けられるようにするために、この医療機関整備計画というものはできたか。つまり、人口三十万以上に五十五床とかどうとかということももちろん大事な計数の基礎ですけれども、三十万以上の都市などは、医療の問題というのは実際、問題じゃないのですよ。だから皆保険もさることながら、全部の人に医療を受けさすためにこの医療機関整備計画というものがこれは作られたのか。そのことを念を押して聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/124
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125・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) 国民全体に適正な医療を受けられるようにするというのが根本的な考え方でありまして、特に皆保険になりますというと、当然皆保険が達成されるようにやっていかなければならぬというので、その面において整備を急がなければならぬというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/125
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126・坂本昭
○坂本昭君 どうもとんでもないことですよ。これはこんな計算ならば小学生だってできる。たとえば、診療所整備の目標について先ほど詳しい説明なさったけれども、人口二千人当たり一診療所を整備する。それで割ったらあと数出てきますよ。そんなことで国民皆医療ができるのですか。そんなことでお役所でめし食っておったらば、こんなやさしい役人ってありゃしない。こんなばかなことないですよ。少なくとも医務局が医療機関整備計画作るならば四国、九州の果てあるいは北海道の果てどこの村には三千人人がおって医療機関がない。そういう具体的な数字をあげて、そうして北海道のどこそこにはどういう総合病院を作る、どこにはどういう診療所を作る、それだけのものが全部できてこれが初めて医療機関整備計画です士。こんなものを出して、これが整備計画だといったって、われわれ受け取るわけにいかない。次官いかがですか、あなたこの医療機関整備計画というのをごらんになったことありますか。そうして、これで満足できますか、この青写真でほんとうに医療機関の整備できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/126
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127・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) 先ほど申しましたように、この計画は一応従来の考え方を踏襲したことをここに出したわけでありますが、都道府県に医療機関整備審議会を作るのでありますから、まあ診療所につきましては人口二千に一つというような一応計画が出ておりますけれども、むろんこれは都市の大小によりましてあるいは郡部等によっていろいろの事情が違いますので、そういうこまかい、さらにこれをどう、三十万の都市にはどういうふうに分けるかという問題は今後考究していきたいと思うのであります。なお、こまかいあるいは先ほど坂本さんがおっしゃったようなそういう資料につきましては、実は従来の診料所の資料をいろいろあたってみましたけれども、なかなかいい資料ございませんで、今その資料などにつきまして大急ぎで都道府県別の調査もいたしているような状況でありまして、ただこれをもって一律に押しつけるというような考えはございませんので、その点も一つお含みを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/127
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128・小柳勇
○小柳勇君 議事進行。これはもちろん医療整備計画についても相当の問題かありますがね、これ、今、われわれか医療金融公庫法を論議しておるわけです。それでこの医療整備計画に要する昭和四十年の金額ですね、金ですね、整備計画の金、それが、医療金融公庫の方の金を持っていってやるような直接的な関連があるのかないのか、あれは今からずっと、これ、私も質問して参りますが、こいつは一つの整備計画案でございますと、この金は金融公庫からも若干は出ましょうけれども、また別途政府の予算そういうものが必要であるということであれば、少しこれは問題が別ですから、そこのところをはっきり言って下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/128
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129・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) 今それを一応別に考えざるを得ないわけです。四十年のことをきめてそれぴたっと合わせていくというよう資金計画を一方に持って、それを完全にやっていくというようなところまでまだ至っておりませんのであります。やはり資金の方もできるだけ今後増資に努めたいと思っておりますけれども、まあ努力目標と申しますか、そういうように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/129
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130・小柳勇
○小柳勇君 そういたしますと、今ここで関係資料としてわれわれにお示しになって説明されました、その真意はどこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/130
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131・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) 先ほど申しましたように、この医療金融公庫の目的というものが適正な整備ということにあるのでありますから、一応ある程度の基準をもって、少なくとも医療機関の過剰なところに対しましてはこういう特別な融資をはからないで、不足なところとか、あるいは現在の医療機関で非常に老朽で、あるいは設備も更新しなければならぬ、こういうようなところに融資をし上というふうに考えておるので、そういう一つの資料として実は持ち出したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/131
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132・小柳勇
○小柳勇君 そうしますと、一応ずうっと全国の医療機関などの施設が大体わかりますね。そういたしますと、そういうような施設がもう十分だと厚生省で判定するようなところには、たとえば法人なり個人が融資を申し込んでも、それは厚生省で調整するということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/132
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133・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) いや、調整はいたしません。これは、現在の医療法一部改正は、公的医療機関の規制だけに限っておるわけでありまして、私的なものに対しては調整的にそれを押えていくという考えは持っておらないのですけれども、一方に、公的医療機関は過剰なところに作ることを規制するという方針でございますから、私的医療機関をそこにまた助成までして医療機関を増設するということはいかがなものだと、こういうように考えておるわけで、規制ではありません、融資の方で……。しかし、先ほど言ったように、たとえばベッドが過剰だということになれば、ベッドをそこにふやす、あるいは病院をそこに新しく建てるということに対しては特別に融資をはかりませんけれども、現在ある病院などの、先ほど申し上げましたように施設が非常に古くなったとか、あるいは機械設備が非常に時代おくれになったとか、そういうものに対しては融資をしていこう、医療公庫から融資していこう、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/133
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134・小柳勇
○小柳勇君 少し問題を整理しておきませんと、論議が進みませんから整理しておきますが、まず今の問題はおきまして、この金融公庫法の中におけるいわゆる仕様書というものの案はもうあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/134
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135・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) いろいろ研究しておりますけれども、業務方法書できめるようなこまかい問題は、必ずしも私は今、私の役所でこれをきめるべきかどうか——銀行の方におきましてその責任におまかせしなければならぬものもあるわけでございますから、いろいろと内部で検討いたしておりますけれども、こまかいものはまだここで示すものがありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/135
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136・小柳勇
○小柳勇君 まあ、これで一応質問を終わりますけれども、ずっと見てみますと、整備計画、非常に理想的なもののようです。しかし、これを検討していきますと、相当の予算も必要でありましょう。それから、現在の公的医療機関と私的医療機関の比率を見てみますと、私的医療機関が大体五八・八%ありますね。そういうものにとってはこれは非常に大きな問題ですね、整備計画。しかも、金額についてもまだわからない。で、今私どもは中心的には医療金融公庫法というものを論議しておりますから、こういうものをお出しになって、これで長時間かけてここで答弁しておかなければならないのか。私はどうも、直接この法案とは関係がないような気がしてならぬので、もう一回一つ御説明いただいて、それから議事進行して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/136
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137・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) 一つの参考として適正——先ほど申しましたように適正整備の御参考として出したわけでありまして、今申しましたように、これを絶対的なものだとむろん思っておりませんし、機械的にこれを適用したいとも考えておりませんので、まあ私としては、この問題に今ここでそれはどの御審議を願うのもどうかというように思うわけでございますけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/137
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138・高野一夫
○高野一夫君 ちょっと委員長、速記をとめて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/138
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139・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/139
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140・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/140
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141・高野一夫
○高野一夫君 ただいま小柳委員の御質問に対しての医務局長の御答弁では、整備計画が、この公庫法案の審議について、関係があるのかないのかの御意見がはっきりわからなかった。ただ参考には一応資すべきであって、参考に出したのだから、この公庫法案の審議に際してこれに重点を置いて御審議願う必要はないのじゃないかという意味の言葉を言われたと思う。これは私がそういうように聞いた通りの御見解ですか、説明して下さい。私、聞き間違いだったかどうか、もう一ぺん医務局長から説明を求めておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/141
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142・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) 今、高野委員のおっしゃった通りでございます。私の方は、この整備計画は、本法案の審議の前提だというふうには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/142
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143・高野一夫
○高野一夫君 この点は、この整備計画が基本になるのかならぬのかは、だいぶいろいろわれわれの方でも、党の内部においても論議したのであって、それは川上医務局長が一番よく承知しておられるはず、そこで、ある議論は、整備計画を基本にせずして何で一体こういうことができるかと、こういう議論があった。そこで、やはりそうだと、その整備計画は目下進めつつあるのであります、こういう説明もわれわれはっきり記憶している。そこでそれはそれとして、たとえばさっき坂本委員、小柳委員の御質問の中にあるがごとく、人口が集中している都会で、人口割りということはわかるかもしれない。いなかでは、二千人とか三千人とかいっても千人の部落があって、しかもそこに医療機関が一つもない、五百人の部落があって、一つもない。こういうところには、いわゆる無医村として、二千人に人口が満たなくても、診療所を置けるように、計画を進めていくべきだ。同時に、都会の中にあっても、都会の中にたくさんある医療機関を、そう大事にする必要はないという考え方でなくして、その老朽化した施設あるいは新しく設備改善をするためには、都会の密集した、医院があり余っているところであっても、やはり金を貸さなければならぬものだと私は思っている。これをはっきりして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/143
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144・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) 今、高野委員のお話のように、私どもはこの医療金融公庫の大きなねらいは、まあ二つあると考えているわけであります。先ほど申しました適正な配置という問題もありましょうけれども、もう一つは、現在の医療機関が相当老朽化して、そうして設備の非常に悪いものが多い。医学がどんどん進歩しているかり、ことに私的医療機関は、そういう面では立ちおくれた面が少なくない。こういうことから、むしろこの医師会、歯科医師会あたりには、そういうところに、あなたが申されましたように、そういう現在の医療機関の機能を高めていくというようなことに、むしろ融資をすべきではないかという意見が出ているわけでありまして、この二つの見地から、金融公庫の運営をはかっていきたい、こういうふうに考えております。われわれが特に取り上げておりまする僻地の医療というものにつきましては、これはやはり私はこれくらいな低利融資の金で僻地医療をやるということはむずかしいだろうと、この点は従来のように公的医療機関でやっていかなくてはならない、こういうふうに大体考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/144
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145・高野一夫
○高野一夫君 そこのところがあいまいなのです。僻地といっても、たとえば離島とか、ほんの山間僻地は別としまして、いわゆるわれわれの言う僻地対策の対象になる僻地は別として、普通のいわゆる無医町村みたいなところでは、千人なり、七百人なりの部落がある。これはわれわれが僻地対策で言う僻地の対象ではない。そういうとこうに一つ医者が開業したいという場合に融資をする対象にすべきだ。それから都会の中で老朽化したものに施設の改善をするということに対しても融資をすべきである。こういうようにわれわれの間で、いわゆる僻地対策という、いわゆる離島僻地対策の対象ではないけれど、無医村である、そういう部落に私が行って開業をしたいという場合には、優先的に金を貸すはずだと、われわれは思って党内で審議をしてきたはずです。これはそういう説明だったのです。これは委員会では初めてこの問題は出るのだけれども、同時にそればかりではなくて、都会の密集している、開業医がたくさんいる場合、こんなにたくさん要らないのじゃないか、五軒もあればいいのに、十軒も、十五軒もこんなにたくさんある。すでに既存の開業医であっても、その中の施設改善をすることによって、完全な医療が与えられる。こういうことなら設備改善のためにこの公庫の金を貸す、当然そういう考えをすべきであります。従って無医村の中のそういうところに行きたい医者にこれを貸すという場合に私的医療機関の整備の計画というものが入ってくるわけです。それにはこの問題もすでに去年はつぶれたけれども、われわれが承知してからもまる三年かかっております。従って地方の衛生部長に命令を下されれば、鹿児島なら鹿児島、熊本なら熊本に、どういう地方に無医村があってそうしてあの町村には政府助成をしてやれば開業医が行かれるという町村ができていてしかるべきだと思います。そういうことでありますから、だから整備計画は単なる資料にすぎないのであって、この公庫法案の審議にはさして深い関係がないという考え方であるならば、私はこれは門雇いであると考えます。都会においてもそうであります。公的医療機関の整備ともかね合わせて、私はまだこれ以上だってこの問題については絶えず十分に審議するつもりですが、両委員の質問に対する答弁があいまいですから、はっきりこれをただしておかなければならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/145
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146・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) 先ほど申しましたように、適正な配置ということがこの公庫を設けた一つの大きな目的でありますから、その適正な配置の一つの整備計画というものを一応ここにお出ししたわけであります。私が申しますのは、この計画通りに機械的にやるというのじゃないのですから、その点を一つ前もって御了解を願ってこの計画をごらんいただきたい。なお、しかし、いろいろ御指摘の点がありますれば、十分になお御審議を願ってできるだけいいものにしていきたいということは考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/146
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147・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/147
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148・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/148
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149・高野一夫
○高野一夫君 私は、これは関連質問でありますからこれでよしますが、さっき次長が、第一条の目的等で、坂本委員の質問に対して、国民の健康な生活を確保するに足りる医療の適正な普及向上とはどういうことかと、こういうことを坂本委員がただされた。そのときに、足りるのは適正な普及向上の意味だとあなたは説明された、次長は。適正な医療の内容でなくして、適正な普及向上に十分足りさせるようなことをするのがこの目的だ。それなら私の言う無医町村の整備であろうと、都会の内部の整備だろうと、合わせてここに出てこなければならない。はっきり次長が足りる。坂本委員はこの点について質問された。僕は非常にずぼしをさされたと思っているのです、実は。この足りる説明をはっきりそう言われた、次長が。そうすると、今の局長のさっきの答弁ではあいまいだから、一番法的の、第一条の一番大事なところだから、これは今質問が出て、私は関連質問で申し上げなかったのですけれども、はっきりされるべきである、こういうことを私は言っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/149
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150・内藤隆
○政府委員(内藤隆君) ただいま高野委員より関連質問として仰せになったことは、われわれもさように考えておるのでございます。ただ、そういう申し出が実際にあった場合において調整その他の関係において勘案はいたしますけれども、さような場合にはこれは当然融資の対象となると私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/150
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151・竹中恒夫
○竹中恒夫君 大体わかってきたのですが、局長がはっきりと答弁されないのも、要するに十億円ぐらいの政府出資ですね。無医村を解消したり、わが国の医療機関の整備をはかろうとするところに僕は無理がある。従って、僻地対策、無医村対策、あるいは過剰な都市の老朽医療機関を整備しなければならぬということがあるわけです。わずか十億円の政府出資としては局長として全部やるのだと言いにくいところもありはせぬかと思うのです。今、高野さんがおっしゃったように、この法律の一番根本問題、貸付対象が一番問題です。貸付対象というのは地域的に見れば、今言われるように、僻地もあれば無医村もある、過剰な都市もある、こういうわけです。過剰な都市を一応敬遠するというのは新設の場合をいうのであって、そういう意味合いで地域的には三段に分けて一応これを審議していきたいと思います。同じ貸付対象としては新設は当然これは無医村地が主だと思う。医療機関の多い都会には必要ないわけでありますから、ですから、種類なり目的によって新設はこうこうだ、大きくやっているところあたり、過剰な都市等では医療機関が非常に時代おくれの設備をやっておるというようなところは、当然過剰と言いながら都会も入れなければならない。それを一括に過剰したところには金を出さないのだと言われると、一体この法律の目的がどこにあるかということになっておる。貸付対象というのは今申しましたように、地域的に、あるいは貸付目的によって都会にもあれば無医村にもあるのだということでないと、審議する上において非常に混乱を来たしてくると思うのですが、そういう点も従来通りでやむを得ぬが、出資金十億円ということで当然あなたも満足しているわけじゃなかろうが、そういう点についても御所見をはっきり承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/151
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152・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) 今お話がありましたように、過剰なところは、つまりベッドの過剰であるとか、あるいは診療所が過剰だ、そういうところにおきましては新しく病院を建てる、新しく診療所を建てる、それからベッドをふやす——ベッドの過剰なところはヘッドをふやす、そういう面に対しましては融資をはかるということはできないと思いますけれども、今のお話のように、過剰な地区におきましても既設の医療機関の改築をやりますとか、あるいは設備の更新をやりますとか、そういうものに対しては融資をはかるという考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/152
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153・佐藤芳男
○佐藤芳男君 関連して……。私は、整備計画は、貸付対策をやはり個々に決定する場合において重要な参考となるべきもの、しかし、配付されました計画表はそれはあまりにも調査が不十分で参考としてはあまり価値が少ない、かように考えるのでありますが、私は、この貸付対象のこの問題はきわめて重要な問題、政府がこの金融公庫の問題を発案されましたことは、まことに私はこれは近来にない厚生省の功績だと思う。しかし、この運用を誤ると九仭の功一簀に欠いてしまう。私は、貸付対象を御決定なさる一つの基本的な考えとして都市偏重にならないように、それからまた、二重投資に陥らないように、ひいては国民の医療費にしわ寄せをされないようにという、こうした建前を貫いてもらわねばならぬ、原則としてですね。この建前を貫くためには、私は第一には、病床数それから医師数が全国平均を上回る地区の新設または増床というものに対しては、私はできる限り差し控えてもらいたい。
第二点といたしましては、公的医療機関の配置されておる地区及び配置が予定をされておる地区にして、その診療圏にある医療機関の新設または増床及び高価な機械、器具こういうものもできる限り原則としてこの対象にしていただきたくない。今度老朽施設の建てかえにしても貸し付けられるのは、これは高野委員のおっしゃる通りけっこうなんです。ただし、制約された金額でございますから、その優先順位の決定は、やはり以上述べましたような考え方を準用していただきたい、私はそう思うのですね。従って、これを今度裏返しにしますというと、こういうものにはどうしても貸していただきたいという条件が私は出てくると思います。すなわち無病院、無医地区及び著しく医師数、病床数の不足地区における病院、診療所の新造、改築及び医療機械、器具の整備、こういうものにはほんとうに優先的に貸し出してもらわねばならぬ。
また、第二には、公的医療機関の配置されていない地区にして地区センター病院として実質を持つか、持ち得ると思われる病院の新造、改築及び医療機械、器具、こういうところがどうしても優先的に貸し出してもらいたいので、なお、ここに連関して今日まで厚生省は医療法の三十五条第二項の発動をなさったことはございませんようですが、やはり開業医に対しましても、大いに公的医療機関がサービスをする必要がある。すなわち、検査設備のごときはこれを地区の医療機関に開放するという指示を厚生省は私は与えるべきものだ、私はかように考えておるのでございますが、これに対する局長の御見解はどうですか、原則的に申し上げておるのでありますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/153
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154・川上六馬
○政府委員(川上六馬君) 今の御発言は、医療機関が重複して資金が二重に投資になったというようなそういう面は是正しなければならぬということであります。これは全く同感で、実はその医療機関整備計画も、そういうような趣旨で考えておるわけであります。地方の、府県の医療機関整備審議会はそういうことに重点を置いて今後審議をしてもらうようにいたしたい、こういうように考えております。ただ、無病院地区、無医地区に融資を特にはかれというお話でありますが、むろんこれは希望者があればけっこうでございますけれども、なかなか経営が成り立たないというようなところでは、やはりこの融資でそこを整備していくということはむずかしいかと思うわけでございまして、御趣旨はけっこうでありますけれども、これが、公的医療機関がそういう経営の困難なところはやはり今後ともやっていかなければなるまいというふうに考えておるわけでございます。
それから検査施設も確かに御意見の通りに、私も公的医療機関はなるべく検査施設を利用させる、開業医等に利用させるようにいたしたい。これは確かに公的医療機関の一つの性格でもあるわけでございますから、そういう方向にだんだん指導をいたして参りたい。こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/154
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155・勝俣稔
○勝俣稔君 きょういろいろと、どういう人に貸すか貸さぬかというような話がまあまちまちになって、聞いておる方も頭が混乱した状態になって、それから無医地域の問題——無医村はおそらく私は世の中にないくらいになったんじゃないか。無医地域の問題等についての問題ですが、大都市にも無医地域は私はあるのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。無医地域でも私的医療機関が成り立っているところと、全然成り立っていないところと、こういったような線を明確に出していただいて、そういうところはあるいは僻地医療の、今度厚生省医務局が予算を折衝し、あるいは公的医療機関で、政府の方で組合の非常にたくさんの融資を一つ作ってやるというような事柄もございましょうし、この融資はむろん金融公庫のではありません——貸さないので、厚生年金やらいろいろの方から出てくるのもございましょうから、そういうような意向を見て、だれも見てすぐわかるようにしてそういったものを一度お出しになるというようなお考えはお持ちはないのでしょうか。その方がおわかりになりはしないだろうか。個々にいろいろ御質問になっていきますと、いろいろのちぐはぐがそこにできたり、また、頭も聞いている方も混乱した状態になって、私のような頭の悪いやつはどうも混乱状態になってしょうがないから、何かそういうような便法を講じていただければ、おそらくこの整備計画というものは、各府県からお集まりになったり、いろいろの地区から出てきたものであって、こういけば大体にはいくだろうというので、実際には当たってはおらない、机上の、頭のいい人の作った案であって、実際にはなかなかうまくいかないのじゃなかろうか、そういう線でこれから議事の進行をなさっていただければ、みんなが胸に落ちるのじゃなかろうかと私は思うのでございますが、一言それだけ申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/155
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156・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) ちょっと速記を落として。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/156
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157・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/157
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158・佐藤芳男
○佐藤芳男君 なお、この整備計画、こんな資料でなしに、もう少しわれわれの審議の参考になるような資料を一つ、これはお出しになることはできませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/158
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159・坂本昭
○坂本昭君 それに関連して。先ほどせっかく医療機関の整備計画を私論じておったら、だんだんと関連質問で質問が先へ流れていくのですが、これは一番基本的な問題で、次官の答弁をいただいてないのですが、これは次官、富山県でしょう。富山県には、富山市、高岡市、それから倶利伽羅峠も富山県でしょう。倶利伽羅峠のところにいったらおそらく診療所はないと思うのです。あの辺の人は困っておると思う。この目的にある、「医療の適正な普及向上に資するため」というが、普及が先です。診療所がなくて皆さん困っておるならば作らなければならない。そういう点で、この医療機関整備計画というのは、何にも役に立たない。私はお願いしたい。佐藤委員の質問に関連してですが、医療機関不整備実態調査を出して下さい。各都道府県についてどこに診療所がなくて、どこに総合病院を作りたい。赤いまるは病院、青いまるは診療所、それでずっと作った一覧表をここに出していただきたい。そうして場合によれば、ここには何ベッド、ここにはどういう診療所を作ったらいいとか、あるいはここは老朽になっているから直さなければいかぬというところは黄色のまるとか、そういうものを、一週間ぐらいあれば出ると思うのです。各都道府県に言えば各都道府県は喜んで出します。その不整備実態調査を出していただいて、それを見た方が早そうですね。そのことを提案して、次官から今の医療機関不整備実態調査表が出るかどうか御答弁いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/159
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160・片岡文重
○片岡文重君 資料についてですが、今の資料を出される際に、精神病者、結核病者、らい病者、これらはいずれも大ざっぱな人口比率はありましょうけれども、地帯的にどうかと推定するわけにいかぬ病人です。従って現在、たとえば精神病患者で入院を要する者はどのくらいおるか、そういう結核患者はどのくらい、らい病患者はどのくらい、しかもこれはどういう傾向をたどっておるか。それは参考として同じ資料の中につけてもらいたい。これは添付さえすればできると思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/160
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161・竹中恒夫
○竹中恒夫君 僕は驚いたのだが、この医療金融公庫で医療機関整備をなさるおつもりのようなことを聞いたのですが、医療金融公庫というものは、医療機関を整備する目的であるべきではないと思うのです。しかし、だんだん話を聞きますと、全国各地区の無医村患者の需要度、いろんな流れ等を調べて出せという資料要求をしていますが、そうしますと、私はそれに伴うところの融資の予想額を一応推定してもらいたいと思う。というのは、十億円出資なさって、資金需要が二十億円、かりに三十億円といたしますと、年々そういう大きな計画のない今でも昭和三十三年度の貸付残高が、いただいた資料によりますと、六十七億円という金が今出ておるわけですね。六十七億円という、そういう大きな計画でなしに、もうすでに医師諸君が使っておられる金がすでに六十七億になるのですね。そこへもってきて十億の金でもって無医村解消、僻地解消まで含めて医療制度を整備するのだという考えであるならば、私はあまりにも金額が少な過ぎると思うのですが、そういう点について厚生省としては、大蔵省に一体どのぐらいの金を要求すればこういうことができるのだという概算を同時に示してもらいたい。無医村あるいはそういう僻陬の地は金を貸しても金はおそらく返りませんよ。医師対策、整備問題が今問題になっているようですが、金は百万円貸しても、二百万円貸しても回収の見込みも容易でない。採算がとれないから無医村はいつまでたっても解消しない。金を貸しただけで無医村解消とはあまり虫がよすぎると思う。そういう点も考え合わせてもっともっと経済的な裏づけも、同時にあらゆる角度から勘案した予算といいますか、見積額も出していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/161
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162・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) そうしますと、数名の委員の方の御発言は、資料の要求と何がしか政府の考え方も聞きたいということも含まれておりますが、この点一括いたしまして内藤政務次官から御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/162
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163・内藤隆
○政府委員(内藤隆君) ただいま各委員の各位からいろいろと資料提出のお話を承りましたが、これは今事務当局ともただ単にここで話をしている程度でもなかなか困難だとこういうことでありますが、私も相当膨大なものになってくるので困難ではあろうと思いますが、早急にこれを出し得ない何か事務的な理由があると思いますので、この点は事務当局から一つ御答弁さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/163
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164・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) 資料の点に関しましてお答えをする前に、実はここにあります基準は、都道府県の医療機関整備計画のいわば標準的なものを示したにすぎないのでありまして、都道府県におきましては、昭和二十五年以来膨大なる精細なものがあるのでございます。ただ、人口万当たり各地区別に幾らあったら適正かというこの基準がここに新しく示されたのでありまして、これが決定をいたしますと、この基準に基づいて都道府県が従来持っている詳細な計画を構成するわけでございます。従ってこれが単なる、先ほど申しましたように人口対病床の各地域別の基準を示したということと、もう一つは病院、地区の構想と申しますか、一体病院の体系をどうするかという一応の方向をお示ししたものでございます。
なお、御要求のございました資料でございますが、実は人口万当たり幾ら病床が必要かということにつきましては、世界各国いろんな方式でやっているのでございますが、非常に複雑な要素がございましてたとえばアメリカではコンミッション・ホスピタル・ケア方式というのがありまして、ここでは傷病のための病床の需要を病院内での死亡件数に比例するというようなやり方でやっております。わが国におきましても日本建築学会方式というのがございまして、これに準じた方式をとっておりますが、しかし、これはやはり金のある国、経済的な要因を入院の場合に無視してもいいような国のやり方でございまして、日本のように医者が入院をする必要があると、また本人も入院をする決心をしましてもいろいろ経済的要因等がございまして、それをどう見るかというような一例にすぎませんが、非常に複雑な要素がありまして、実は人口万当たり、たとえば大都市、中都市、町村とかいうものにおいてどの程度一体必要数があるかということが、そもそも算定がむずかしいのでございましてそういうことでなかなか御要求の資料を速急に整備し、応ずることはむずかしいのでございます。また県の精細なる膨大なるこれは計画がございますけれども、数県の例でよろしかったら持って参りますが、全国的にこれをまた集計をすると、また膨大になりまして、一月や二月で間に合いそうもないものでございますから、できるだけの、御要望を体しましてできる限りの資料を差し出すということで御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/164
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165・高野一夫
○高野一夫君 そうすると、ちょっと厚生省に伺いますが、この貸し出す事態が起こった場合に、それがいろんな方法が、これからいずれ質疑をして説明がなされましょうが、最後の査定はやはり厚生省でやることになるわけでしょう。厚生省の別個の機関、公庫なら公庫にしても、それは厚生省が中心になって査定をする何らかの機関でなければならない。これはよいという、これはいけないという最後の判断を下す材料が何もないわけです。そうすると、そこで私はどういうようなふうに貸付する査定をするか、そのいろいろなこまかい条件ですね、条件、それも一つ資料でほしい。それと、いいとか悪いとか、これはやろうとか、やるまいとかいうような、これは各県に割り当てたワクをすでに越えているから、これはもうこれ以上は困るのだ、こういうことになるのか、その辺の最後の査定の条件というか、材料になる資料も一つあわせてお出し願いたい。これがなければ、それはどこがやるにしても困りますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/165
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166・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) ちょっと速記を落として下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/166
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167・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こして。
本日の質疑はこの程度にしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414410X01219600310/167
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168・加藤武徳
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないものと認めます。
では、これで散会いたします。
午後三時十八分散会
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