1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年三月二日(水曜日)
午後一時四十九分開会
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委員の異動
二月二十六日委員米田勲君及び大竹平
八郎君辞任につき、その補欠として椿
繁夫君及び加藤正人君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 山本 利壽君
理事
川上 為治君
古池 信三君
栗山 良夫君
牛田 寛君
委員
井川 伊平君
上原 正吉君
岸田 幸雄君
小林 英三君
斎藤 昇君
鈴木 万平君
阿具根 登君
近藤 信一君
吉田 法晴君
島 清君
加藤 正人君
国務大臣
通商産業大臣 池田 勇人君
国 務 大 臣 中曽根康弘君
政府委員
科学技術庁長官
官房長 原田 久君
科学技術庁原子
力局次長 法貴 四郎君
通商産業政務次
官 内田 常雄君
通商産業省鉱山
局長 福井 政男君
中小企業庁長官 小山 雄二君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
説明員
通商産業省企業
局工業用水課長 藤岡 大信君
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本日の会議に付した案件
○放射性同位元素等による放射線障害
の防止に関する法律の一部を改正す
る法律案(内閣送付、予備審査)
○重油ボイラーの設置の制限等に関す
る臨時措置に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣送付、予備審
査)
○アジア経済研究所法案(内閣送付、
予備審査)
○中小企業信用保険公庫法の一部を改
正する法律案(内閣提出)
○中小企業振興資金助成法の一部を改
正する法律案(内閣提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/0
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001・山本利壽
○委員長(山本利壽君) これより商工委員会を開会いたします。まず、委員の異動について報告いたします。去る二月二十六日米田勲君及び大竹平八郎君が委員を辞任され、その補欠として椿繁夫君及び加藤正人君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/1
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002・山本利壽
○委員長(山本利壽君) それでは、まず放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府より提案理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/2
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003・中曽根康弘
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいま議題となりました放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。
わが国における放射性同位元素の研究と利用につきましては、昭和二十五年に放射性同位元素が初めてわが国に輸入されて以来、急速に進展し、現在では各種の試験研究機関、病院、工場等において広範に使用されており、原子力平和利用の一環として、産業医療その他の面において多大の成果をあげつつあり、なお、将来における一そうの発展が期待されている実情であります。
かかる放射性同位元素の利用の増大に対処し、その放射線障害の防止に万全を期するため、昭和三十二年六月放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律が制定され、翌年四月に施行になり、政府といたしましては、その施行に万全を期して参った次第であります。しかしながら、現在におきましては、法制定当時予想されました事態とも若干の相異が生じて参りましたので、法施行後の経験にかんがみまして、法の規制の方法を一段と合理的な姿に修正するとともに法の不備な点を是正する必要が生じて参ったのであります。かかる情勢に対処するため、法の一部改正の措置を講ずることとし、鋭意検討を重ねました結果、今般成案を得ましたので、ここに本改正法案を今国会に提案する運びとなった次第であります。
以下本法律案の内容の概要につきまして、重点的に御説明申し上げます。
第一に、規制の対象についてでありますが、改正前の法律では、機器に装備されている放射性同位元素は、放射性同位元素装備機器として一般の放射性同位元素とはやや異なる規制を行っておりますが、これを一本化し、機器に装備されているものも、放射性同位元素として同様の規制を受けさせることとしたわけであります。放射性同位元素と放射性同位元素装備機器とり区分は、実際上必ずしも明瞭でなく両者を区分することにしばしば困難を感じており、国際的にみてもかかる区分は採用していない現状でありまして、他方、機器に装備された放射性同世元素についても一般の放射性同位元素と同様に販売の業、運搬、所持等を規制する必要が痛感されて参りましたので、両者の規制を一本化することにより、より合理的な規制を行なうこととしたわけであります。第二に、使用について新たに届出制を設けたことであります。改正前の法律では、使用は許可制となっておりますが、その使用の実状からみて特定の放射性同位元素を一定数量以下使用する場合につきましては、その危険性の度合いからみて、必ずしも許可制の下に厳重な規制を行なう必要がないもりと認められますので、届出制を設けることにより、設備面の規制を緩和しあわせて手続面の簡易化をはかることとしたわけであります。
第二に、放射性同位元素または放射性同位元素によって汚染された物を廃棄する業を新たに許可制としたことであります。改正前の法律制定当時には、未だ放射性同位元素の利用が緒についたばかりの情勢で、かかる廃棄を業として行なうことを予想していなかったのでありますが、最近に至り、諸外国の事例にならって我国においてもかかる廃棄を業として行なう者がその業務を開始する運びとなって参りましたので、かかる実状に照らし、廃棄業者に対しても、使用者及び販売業者とほぼ同様の規制を行なうこととしたわけであります。
第四に、放射線取扱主任者の選任について、二段階に区分したことであります。使用者、販売業者等は、放射線取扱主任者を選任しなければならない義務を有しており、改正前の法律では、科学技術庁長官の行なう放射線取扱主任者試験に合格した者及び特に認定を受けた者に対し、放射線取扱主任有免状を交付することとなっておりますが、このうち認定制度については、該当者の認定はほぼ終了したものと認めれますのでこれを廃止することとし、また、放射線取扱主任者免状を第一種及び第二種に区分して比較的安全と考えられる特定の放射性同位元素を使用する場合には、第二種放射線取扱主任者免状を有する者のうちから放脚線取扱主任者を選任できることとし、放射性同位元素の利用の促進に資することとしたわけであります。
以上が放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由並びに概要でございます。
何とぞ慎重御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/3
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004・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 本案の質疑は後日に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/4
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005・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 次に、重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案及びアジア経済研究所法案を便宜一括して議題といたします。
政府より提案理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/5
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006・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) ただいま議題となりました重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。
重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律は、石炭鉱業合理化臨時措置法が制定されました際に、石炭と競合関係にある重油を使用するボイラーの設置を制限することによって適正規模の需要を確保して石炭鉱業の合理化達成に寄与するため昭和三十年に制定されたものであります。
自来五年間、石炭業界はその合理化のために努力を傾注いたして参りましたが、その間経済情勢の変動等の事情もあって、必ずしも十分には所期の目的を達成し得ないうらみがありました。しかしながら石炭鉱業のわが国経済に占める重要性よりいたしましてその合理化はこれを早急に達成すべき問題であると考えております。
今般、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正いたしまして、石炭鉱業の生産、流通両面にわたる合理化をさらに強力に推進して、昭和三十八年度には、競合エネルギーである重油と十分に対抗し得る態勢を整備することとなりましたが、このためには、さらに一定規模の石炭需要を続けて確保する必要がありまして、今回本法の期限を更に三年間延長することといたした次第であります。
なお本法の延長にあたりましては、石炭鉱業の合理化の達成の障害とならない範囲内におきまして、小型ボイラーを本法の規制対象から除外することとして、中小企業の合理化近代化に配慮いたしますとともに、三年後には自然失効する形式を採用することといたした次第でございます。
何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。
次に、アジア経済研究所法案につきまして、その提案の理由及び要旨を御説明いたします。
最近のわが国経済が、高度の成長率を維持しつつ、かつ安定した発展をたどっていることは御存じのとおりでありますが、その基礎には、官民一体となっての輸出努力による貿易の順調な拡大が存することは申すまでもありません。政府といたしましては、今後とも海外依存度の高いわが国経済を、長期にわたって拡大発展させるため、貿易拡大のための諸施策の実施に引き続き努力する所存であります。
ところで、最近における貿易自由化の傾向と特に欧州に顕著な地域化の動向の下にあってわが国の貿易を拡大するためには、低開発地域、ことにわが国と地理的にも歴史的にも関係の深いアジア諸地域の経済開発への協力を促進することによって、これらの地域との経済交流の拡大をはかることが特に必要であります。このためには低開発地域の経済、なかんずくアジア地域の経済に関する十分な判断資料が不可欠であります。しかるにわが国におきましては、これら地域の経済に関して適切な判断を下すための基礎的かつ総合的な研究資料は整備されておらず、そのため、アジア地域に対する貿易の拡大あるいは経済協力の促進にあたっては、従来から幾多の不便を感じておりました。
かかる情勢にかんがみ、とりあえず、財界、学界等各界からの要望に基づいて、一昨年十二月十九日財団法人としてアジア経済研究所を発足させ、同研究所に対して補助金委託費を交付し、調査研究の業務を実施させて参りました。今回、わが国におけるアジア経済研究の中心機関として長期的調査研究体制を確立し、その内容を拡充強化するため、同研究所を発展的に解消して政府が強力に援助する体制を整えるとともに、民間の出資をも認め、政府の監督する特殊法人とすることといたしました。
この法案は、以上の経緯及び趣旨に従いまして、アジア地域等の経済及びこれに関連する諸事情について基礎的かつ総合的な調査研究を行ない、並びにその成果を普及し、もってこれら地域との貿易の拡大及び経済協力の促進に寄与することを目的といたしましてアジア経済研究所を設立しようとするものであります。
次に、この法案の要旨を御説明いたします。
まず第一に、アジア経済研究所の資本金は、政府及び政府以外のものからの出資金の合計額とし、政府は一般会計から研究所の設立の際一億円を出資することにいたしました。
第二に、研究所の役員として、会長、所長、理事及び監事を置くこととし、会長、所長及び監事は通商産業大臣が任命し、理事は会長が任命することといたしております。なお、研究所の行なう業務は広範囲であり、その調査研究は適正妥当なものであることが要望されますので、参与会を設け、広く学識経験者の意見を取り入れるようにいたしました。
第三に、研究所の行なう業務でありますが、アジア経済研究所設立の目的に従いまして、アジア地域の経済及びこれに関連する諸事情に関して、資料の収集、調査研究、現地調査及びそれら調査研究成果の普及等の業務を行なわせるとともに、必要に応じ、アジア地域以外の地域たとえばアフリカ、中南米等についても調査研究及びその成果の普及等の業務をも行なわせることといたしております。
第四に、研究所の財務及び会計でありますが、研究所の事業計画、資金計画、収支予算等につきましては、通商産業大臣の認可または承認を要することとしておりますが、これは研究所の業務の公共性によるほか、研究所の特殊法人としての性格上、政府以外の出資者の発言権が認められないため、通商産業大臣がこれらのものにかわり研究所の財務及び会計に関与する必要があること等の理由によるものであります。また、利益を生じた場合、これを配当することなく積み立てることとし、本研究所が営利を目的とするものでないことを明らかにすることにいたしました。
第五に、研究所は、通商産業大臣の監督を受け、通商産業大臣は、研究所に対して監督上必要な命令をなし、または報告を徴し、職員をして立ち入り検査ができることといたしました。
最後に、研究所の設立に関する事務は、通商産業大臣が任命する設立委員に処理させることといたしますが、設立に当たりまして財団法人アジア経済研究所の一切の権利義務を包括承継できることといたしまして、従来から行なってきた調査研究業務の継続に支障を来たさないようにいたしております。
なお、このほか研究所に対する課税を減免するため各種税法の一部改正を行ないまして、研究所の業務の運営に遺憾なきを期した次第であります。以上、簡単でありますが、この法律案及びその要旨を御説明いたしました。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/6
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007・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 両案の質疑は後日に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/7
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008・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 次に、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案、中小企業振興資金助成法の一部を改正する法律案、以上一案を便宜一括して議題といたします。
これより質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/8
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009・近藤信一
○近藤信一君 過日の委員会でも中小企業庁の長官にちょっとお尋ねしたわけですが、きょうは大臣が御出席になっておられますので、大臣にちょっとお尋ねしておきたいと思います。中小企業協同組合の問題でございますが、ちょうど協同組合に小組合の設立ができるようになってから今日まで、過日長官からの答弁によりますると、一年有余にわたってわずか四組合しかできていない、設立されていない、こういうことでございまするが、やはりこれに対しては、中小企業協同組合の小組合の指導方法というものが非常に欠けておるのじゃないか、こういうふうに私は判断するのですが、その点いかがですか、大臣から御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/9
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010・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 小組合は、お話しの通りまだ全国で十くらいしかできていないと聞いております。何分にも私はまだその実情を十分存じません。しかしこの中小企業、ことに零細企業の組合化ということは、私はぜひ必要なことでございますので、今後実情に沿いまして、小組合の制度が普及し、発達するよう導いていきたいと思います。今回提案いたしておりまする商工会等の趣旨もこういう点を考えていきたいという趣旨であるのであります。もちろん小組合ばかりではありません。中小企業、ことに零細企業に対します指導育成をやっていこうと考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/10
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011・近藤信一
○近藤信一君 今大臣の御答弁の中にありましたように、やはり大臣も、所信表明のときにもそれを言われましたが、特に零細企業については、今後重点を置いていきたい、こういうお話でございました。そういう点からいきますると、やはり私は、今零細企業が非常に悩んでおる、特にこれは金融面において、いつも問題になってくると思うのです。文字の上においても、いつも法律案等におきましても、中小企業、特に零細企業云々ということが言われるのでありまするけれども、実際面において、じゃ中小企業が、金融の面なんかにおいても、そう簡単に道が開かれておるかというと、なかなかそういう点、運用の面においてはむずかしい点が多くあろうと思うのであります。こういう点について、もっと零細企業をほんとうに育成するということであれば、そういう金融の面なんかにおいても、もっと重点的に考える必要があると思うのですが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/11
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012・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) お説の通りでございまして、零細企業に対しまする金融につきましては特に力を入れておるのであります。信用保険公庫への出資——昨年末、これは災害の関係とは申しても、十億円を補正予算で計上いたしますと同時に、今回、十億円のほとんど倍近くの十八億円を出資いたしましたのも、主として零細企業の方にという気持でやっておるのであります。また国民金融公庫、中小企業金融公庫、あるいは商工中金等につきましても、貸付原資の増大をはかっておるのであります。私は従来からも考えておりましたが、特に二重構造の問題であるとか、あるいは所得格差の問題等から申しまして、零細企業に関しましては、今後十分、もっともっと力を入れていきたいという考えで進んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/12
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013・近藤信一
○近藤信一君 零細企業の金融の面で、今大臣がいろいろ、ことしもある程度みておる、こういうお話ですが、実際、今零細企業が、大てい金融の対象とするのは、国民金融公庫、または中小企業金融公庫、こういうところが対象になるわけですよ。で、実際に融資をしてもらおうということになりますると、なかなか簡単にはいかないと思うのです。というのは、やはり国民金融公庫なんかは、無担保ということで貸してもらえるわけでございまするけれども、無担保ということになると、少額しか出ないわけです。で、やはり今零細企業なんかで、そう大きな金も必要ない、大てい運営資金として二十万、三十万、こういうわずかな金であるけれども、それでも満足に借りることができない、こういうまあうらみがあるわけなんです。こういうときに、やはり、ほかの何か、もう少しいい方法というようなものがないかどうか、この点お答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/13
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014・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 国民金融公庫は原則として無担保が多いのでございまして、二十万、三十万の程度のものでいわゆる零細企業の方には私は相当出ておるのじゃないか、現に無担保で貸しましても、国民金融公庫の回収率というものは非常にいいのでございます。あまり欠損がないという状態で、私は理事者ともときどき会っておりまするが、まあ限られた貸付原資でございまするから、全部が全部ということはございませんが、大体私は所期の目的を達しつつあるのじゃないかと思います。また、国民金融公庫で大口のものにつきましては、あるいは保証協会の方の保証という場合もあるかと聞いておりまするが、これはやはり原則として政府機関でございますので、普通の一般金融機関がやるようなひどいことはしないだろうと思っておりまするが、国民金融公庫につきましては、いわゆる信用保証協会にたよることのないように一つ指導していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/14
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015・近藤信一
○近藤信一君 この中小企業金融公庫の融資の問題で、今大臣の言われましたように、保証協会の保証ということがまあ衆議院の委員会でも、これは問題になっておると思うのです。実際中小企業という政府から融資しておる金庫で、さらに保証協会からの保証が要る、こういうふうなことになってくると、何かそこに矛盾があるようにも感ずるのですが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/15
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016・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは私は矛盾とは考えておりません。これは程度問題でございまして、やはり中小企業金融公庫といたしましては、銀行としての、金融業務としての担保率という、保証率ということは考えにやならぬと思う。ただその点が、一般銀行と同じようにということでないことは望ましいことでございます。現実の問題といたしまして、貸したいのだけれどもどうも回収が確保できぬというような場合に、例外的にそういうことがあるということはこれはやむを得ぬのではないか。しかし政府機関であるから、信用保証協会の保証をとるべきにあらずということでは、かえって私は、借りるときに借りる人の方が迷惑をこうむる場合があるのじゃないか。やはり具体的な場合々々で考えていきたい。原則としては、普通銀行よりももっと簡単に、あるいはなるべくその保証協会の手をわずらわさぬようなことが望ましいことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/16
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017・近藤信一
○近藤信一君 この場合、ちょっとほかの話になりまするけれども、お聞きしておきたいと思うのですが、中小企業にしわが寄せられるという一つの大きな原因として、この間も何か池袋で薬の乱売があったのですね。ああいうふうに、大きな産業資本家が、いわゆる大量生産からストックになる。そういう点で、いろいろな乱売合戦というものが薬だけじゃなくして、ほかの製品でも往々にあるわけなんです。特に私ども今不思議に思うことは、たとえば自転車にいたしてもまた電機製品にいたしましても、あらゆる広告を使って、さらに卸し屋からまた小売屋にしょっちゅう招待、温泉へ招待だとかあそこへ招待だとかいって、ほとんど月のうちに何回とあるわけなんです。あれがみな今度は小売、中小企業の方べしわ寄せがくることは当然だと思うのですよ。ああいうのに対するところの何かの規制といいますか、そういう方法は考えられぬものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/17
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018・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 私は、一つのこれは経済行為でございますから、それが絶対に悪いというべきものじゃない。ただ問題は、そういうようなものが一般消費者に転嫁されるという結果はよくないので、そこはやはり、一般消費者あるいはまた経営者が、悪結果が起きた場合に考え直して、徐々に是正していくということになるのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/18
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019・近藤信一
○近藤信一君 やはりね。一般消費者に私は影響があると思うのです。というのは、小売屋や卸し屋を招待したり、また物をどんどんくれたり、どれだけ売ったら何をやるとか、洗濯機やるとかテレビやるとか、こういうまあ奨励をしているわけなんです。そんなところにそういう高価なものをやるなら、もっとコストを安くすれば、小売値段というものはもっと安くなるのではないかと、こういうふうに考えられるのですがね。それがもうあらゆる産業に対して行なわれておるというのが、今日の状態ではないかと私は思うのです。こういう点、私はもっと何か規制する方法があってもいいと考えるのですが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/19
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020・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 私はそういうことを規制することが経済全体としていいか悪いかということに疑問を持っております。私は、そういうことはある程度自由競争のあれで、度を過ぎればそれが倒れると、こういうことになる。よく聞きますると、広告費の三倍五倍が売り上げ増になるというようなことが、こういういわゆる広告激化の原因を来たしておるのでございましょうが、これはやっぱり時代の流れでございまして、ときにそういうこともありますが、またそれをやり過ぎても失敗するのでございます。自然の成り行きで、落ちつくところに落ちつくのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/20
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021・近藤信一
○近藤信一君 その影響がさらに中小企業、特にこれは零細企業のところにしわ寄せがくることは当然だと思う。というのは、やはり電機メーカーにいたしましてもほかのメーカーにしましても、やはりその下請けに出しておる。その下請けに出しておるというのは、やはり五人や三人くらい使っておる小さな工場へ回り回ってくるわけなんで、そうすると、だんだんと下へ行けば行くほどたたいて、そうしてこう値段をうんと下げてくる、請負単価を。そうすると、中小企業がそれを無理してでもやらなきゃならぬ。その仕事を失わぬためには、少しくらい値段をたたかれてもがまんしてやっていかなきゃならぬ。こういう状況になってくるわけなんです。従って私は、そういうことは、一般消費者並びに特に零細企業に対するしわとして寄せられるのじゃないかと、こういうふうに判断するのですがね。この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/21
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022・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) そういう事実があるということは私も認めます。これはもう小企業者のみならず、小企業者のところに勤めておる労務者にもそれが及んできておるのでございます。こういう点につきましては、やはり経済全体を見ながら、親会社もまた下請会社も、そこをやはりお互いに末長く立ち行くような考え方で交渉することが必要であろうと思っております。これを法律で規制するとか何とかということは、なかなか困難なことじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/22
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023・近藤信一
○近藤信一君 そういうようにだんだんと下にしわ寄せらる、こういう状況があると思います。だんだんと工賃を安く安くと、こういうふうに考えるのですから、下請はさらにその下請べと、こういくと、今私の方の地方でもございまするが、農村へだいぶ進出しておる、工業が。農村では、納屋を直して工場にして、そこにまあ小さな小ダライやターレット等を、二台か三台の機械を入れて仕事をとってくる。そうすると、やはり農村ですから、これは本業の片手間にまあやるわけなんです。で、そこに持って行けば安くやれるから、そこへ必然的に仕事は向いていく、こういうふうになると、都市における工業がだんだんと農村に入って——農村の工業化ということは私は反対じゃございませんけれども、だんだんとそういうふうに農村へ行って、だんだんと従業員の賃金も下がってくると、こういうふうな状況が見られるわけなんです。これらに対するところの何らかの方針を政府としても将来考えていかなきゃならぬのじゃないかと思いますが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/23
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024・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 私は、農村へ向かってそういう下請の進むということは、国全体としていいことじゃないか、こう考えております。それによって賃金が下がる問題もありましょうが、長い目で見たら、賃金問題は別として別に解決していく、農村の工業化ということは望ましいことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/24
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025・近藤信一
○近藤信一君 農村の工業化は私も賛成なんです。しかし、二、三台の機械を入れてまあ家内工業的にやると、その請負単価というものがだんだんと切り下げられてくる危険性があると私は思うのです。この面についてどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/25
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026・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは下請ける人のいわゆる経済の考え方でございます。全般的に下がっていくことがいいか悪いかということは別問題です。これは私は全体としての傾向はいいんで、賃金の方の問題はまた別問題で考えていくべきじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/26
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027・近藤信一
○近藤信一君 私は将来そういうように農村が工業化していく面について、やはり政府としては、あまり労働者にもしわの寄らない方法で指導していく必要があるのじゃないかと考えるのです。従って政府はそういう面に対する何かの考え方を持っていらっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/27
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028・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 別にそういう問題につきまして、こうしようという考え方は今ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/28
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029・近藤信一
○近藤信一君 私は、将来そういう発展を政府はただ傍観しておるというのじゃなくして、善意な方法で指導していってもらいたい、こういうように私思うのです。農村の工業化については、将来——従来もいろいろと叫ばれた点であるから、私は農村が工業化していくことは非常に望ましいと思うけれども、間違った方向でこれが発展していくと、また経済に大きな変動を及ぼすような危険性があると思うのです。この点一つ政府としてもよく考えて指導していただきたい、かように希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/29
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030・島清
○島清君 中小企業振興資金助成法の一部を改正する法律の中に、事業協同小組合を加えたい、こういう改正の御趣旨のようでございますが、私たちが先年中小企業団体法を審議成立をせしめたその過程におきまして、零細企業に対して政府は格段の助成措置を講じてほしい、こういう要望を特に野党側から熾烈に要望いたしまして、私は条文をただいま記憶にはございませんが、この小組合に対しましては税制等の関係においても特別の措置を講ずるように、確かに法文化までしてあったと記憶をいたしております。そこで、税制的な措置は大蔵省の所管でございますので、通産大臣に直接にその責任を求めることは無理かと思いますけれども、この小組合に対してそのような要望がなされたことについて、通産省としては大蔵省にどういうような折衝をされたか、その成果については具体的には現われておりませんので、その折衝の経過等について御説明が願えたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/30
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031・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 通産省といたしましては、大蔵省に、こういう法律ができておるのだからという要望はしておるのだそうでございます。ただいま御承知の通り税制調査会の審議が行なわれ、通産省としても再度申し出ることにいたしまするが、何分にもこの中小企業等協同組合法の二十三条の三を見ますと、「政府は、事業協同小組合の組合員に対し、税制上、金融上特別の措置を講じなければならない。」、こういう組合員ということになりますると、この組合へ入っておる人と入っていない人の租税上の不公平を来たすということが、私は税の立場からなかなかむずかしいのではないか。小組合というものが非常にたくさんできて、そうして相当の活動をし、という場合におきましては、ある程度認めるかもわかりませんけれども、今申し上げたように、全国で十くらいのところで小組合の組合員にどうこうするということは、なかなか税制上むずかしいのではないか。金融面につきましては、これは特別の措置ができると思います。申し込んではおりまするが、法律上なかなかこれがやっかいではないかと思います。しかし国会の意思でございますので、通産省といたしましては軍ねて今後も要求していくつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/31
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032・島清
○島清君 ただいませっかく大臣の御答弁でございましたが、そういうふうな表現をしております精神は、この小組合に該当するような組合員という限定したものに対して、金融上、税制上の特別の措置を講ずるというのではなくしてそれらに該当するような零細企業に対して税制、金融の特別の措置を講じなければならないという趣旨だと思うのです。私たちが法案を審議いたしました場合でも、そういう趣旨において私たちは私たちの意見を述べておったということをいまだに記憶をいたしておりますので、もしかりに大臣が大蔵省等に折衝されまする場合に、その法文の上で十分に零細企業に対して金融、税制の面において措置を講ずることができないということでございますならば、その税額面について補強をいたしまして、さらにその精神を十分に施策の上に反映をするようにしていただかなければならないと思うのですが、大臣は今近藤委員の質問に対しても、何か小組合というものは十ぐらいしかできていない。そうすると、組合員に限定をして金融、税制の措置を講じなければならぬということになりますというと、今大臣が御答弁になりましたように、これははなはだむずかしい問題でございますが、もしかりにその条文において、われわれ委員が希望いたしましたことがそういうような施策の上に反映することがむずかしいということでございまするならば、それを容易にするために、あるいは法律の改正であるとか、あるいはまたそういう零細企業に対する法文的な配慮というような拡張の解釈からいたしましてそのような零細企業に対して金融、税制の面から特段の措置をお講じになるお考えがあるかどうか、その点お聞きをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/32
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033・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは私はこの小組合に対して課税上、税制上の措置というのだったら割に楽にいくのではないかと思いますが、これを組合員を対象ということになると、小組合に入った人と小組合に入らない人とが非常に税の負担が違うようになってくるというのは、なかなか税制上できにくいのじゃないか。組合の方の軽減ならこれは割合に楽にいくんじゃないか、こういう気持を持っております。しかしこの趣旨も今島さんのおっしゃったように、一般零細企業の課税について税制上特に考えろ、こういうふうな趣旨が根本におありとするならば、これは全く同感でございまして、私はそういう零細企業の課税につきましては、思い切ってやはり減税していくのがほんとうだと思います。このことは今せっかく税制調査会で検討いたしておりますので、私は零細企業に対しまする減税の措置がとられることを期待し、それに向かって努力を続けたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/33
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034・島清
○島清君 ぜひただいまの大臣の御答弁のように、そのように一つ御検討願いたいとお願いをしておきたいと思います。
それから中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案に原資を、産業特別会計からですか、それを十八億資金源に求めたい、こういう改正の趣旨のようでございますが、資金を拡大されることについては、私たち同様に大へんに賛成でございます。だが産投の方はたしか、私の記憶に誤りがなければ、この財源というものは非常に不安定なものだと思うのですが、たとえばバナナの差益金の吸収をしたり、パイナップルの差益金の吸収をしたりするような財源ではなかったかと思うのですが、そういう不安定な財源に原資を求めるということが、特に中小企業は非常に不安定と言われておりまして、その中小企業の振興育成というものは、それの安定化ということにありまするので、特にその不安定要素を持っております財源に、その原資を求めたことについては、何か一つ安定的な財源がありそうなものだし、また当然にそれは考えなければならぬものだと思うのですが、具体的にもっと強固な財源をどうしてお求めにならないで、そういう不安定な産投などにその原資をお求めになろうとするか、そこらの一つ説明を願えたらと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/34
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035・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 産業投資特別会計の財源は、決して不安定なものじゃございません。それは一部例外的にバナナとかいろんなものが入っておりましょうが、これは例外的のものでございます。産投会計には開発銀行への出資も相当ございます。これは決して不安定なものじゃございません。バナナとか何か変なもののと申しましても金に違いないのでございますから、そういうものが入らなくなったときに、これは保険公庫の方に出す金がなくなるのじゃないか、こういう心配は私はないと思います。産投には相当の出資財源がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/35
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036・島清
○島清君 そのあれですが、まあ大臣が進めておられます為替・貿易の自由化が進んで参りますというと、バナナの収益にいたしましても、パインの収益にいたしましても、それはゼロにはならないにいたしましても、少し減るということは予想できるわけでございますね。ですから、こういうものが減りました場合に、ただいまこの十八億を拡大していかれようとするものを、将来に悪い影響を及ぼすようなことがあるのではないかというような心配に基づいて、私は大臣に御質問を申し上げたわけなんですが、そういう心配はいささかもないものと、こういう工合に大臣の御答弁から受け取ってよろしいわけなんでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/36
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037・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これはもう産投がなければ一般会計から出してもいいことなんです。今産投会計でそういうことをしておりますから出しておるだけでございます。バナナとか、パイナップルのカン詰の収益が大元をなしているものじゃございません。これはどこべももっていきょうがないからあすこへもっていったので、本体は産投会計が出資、貸し付けたものの回収、入ってくる利益金から出すのが本筋でございます。バナナとかパイナップルとか、ああいう金は私は自由化したらだんだんなくなることを期待いたしているのであります。これは収入の目的にやっているのじゃない。ああいう曲がったことは、私は徐々にやめていきたい、将来は——今すぐというわけには参りませんが、やめていきたいという考えをもっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/37
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038・山本利壽
○委員長(山本利壽君) そのほかに御質問ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/38
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039・川上為治
○川上為治君 この中小企業信用保険公庫法の改正の問題につきまして、十八億の増資をされて、保証協会にこれを融資するということはまことにけっこうだと思うんですが、こうした場合に、来年度におきましては、保証の料率はどの程度まで下げられるということになりましょうか。実は中小企業に対する金利は、御承知のごとく、非常に高いわけでございます。さらに、これに対しまして、保証料率がかかるということになりますと、ますますこれは金利が高くなるわけなんですが、そういう点からいいましても、保証料率は相当これは切り下げるべく努力しなければならぬと思いますけれども、たしか三十一年度は年利が二分三厘一毛程度になっているのですが、この十八億来年度出しまして大体どの程度にこれが下がるということになりましょうか。また、今後におきましては、金利その他の面から見まして、どの程度までこれを引き下げるということが最も妥当な線であり、そのためにはどれくらい今後原資をふやすというようなことになりましょうか、その点を一つお伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/39
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040・小山雄二
○政府委員(小山雄二君) 保証料はなるべく下げたい方針です。今度の融資財源の作業もそういうことをねらっているわけなんです。今御指摘の通り、三十一年度は二分三厘、現在三十四年度は、推定でございますが、約二分でございます。その間三年間で約一四%下がっております。今回四十八億増資をいたしました結果、どのくらい下げるか、見込みでございますが二厘下げて一分八厘程度までにもっていかれるのではないか、これは推定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/40
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041・川上為治
○川上為治君 私はこの保証料率につきましては、なるべくもっと下げるように今後一つ努力していただきたいと思います。それを特にお願いを申し上げておきます。
第二の問題としまして、融資保険制度をだんだん廃止して、そうして保証保険の方へ切りかえていく、これはまことに方針としてはけっこうなんですが、融資保険につきましては、いつこれを全廃するということになっておりましょうか。また融資保険を全廃することによって、かえって融資保険に非常に頼っておりました中小企業者の金融が阻害されるというようなことは、最近の、今までのいろいろの事情から見ましてないでしょうか、どういうことになっておりましょうか。その点を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/41
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042・小山雄二
○政府委員(小山雄二君) 融資保険と普通保証保険は、まあ逆選択ということもあって、なるべく包括して保証保険になるという方針にもっていきたいと思います。現在の計画では、三十六年度から融資保険はやめたい、そのためには信用保証協会が包括保険の方にどんどん入ってきてもらわなければならぬ。昨年今年にわたりまして相当多数の協会が包括保険に入ってきておりますが、まだ少し残っております。極力その方に追い込みまして、三十六年度から実施いたしたいという方向で検討しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/42
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043・川上為治
○川上為治君 今の融資保険を普通保証保険の方に切りかえる、特に包括保証の方へ切りかえていくということなんですが、包括保証保険の第二種の方は、五十幾つかの協会のうちで三十ぐらいしかまだ入っていないようですが、これはいろいろな点からみましてたとえば保険の料率の問題とか、あるいはこの危険の負担の問題でありますとか、そういういろいろな点からいいまして、少し保証協会の方が利用するに非常にむずかしい点がまだあるんじゃないかという気がするのですが、これをある程度改正して、そして包括の二種につきましても相当これを利用できるようにやろうというようなお考えがありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/43
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044・小山雄二
○政府委員(小山雄二君) 包括保険に入っております協会は、三十三年度には第二種の方は三つであったと思います。それが現在では三十一にふえております。五十二協会ですからあと二十一ばかり入ってないわけです。これに入れば中小企業者のためにはいいことは明らかでございますが、協会の運営を非常にかたくかたくやっていくという人からみますと、保険料が損するというような何かあるわけです。その調整は、法律にも、何といいますか、事故率が多いところと事故率が少ないところと、保険料が損する得するというようなことを調整するような規定もございます。将来そういう点も研究いたしましてそれを動かしまして、自分の協会だけの損得から入らないというのは理屈に合わないので、大勢もどんどん包括二種の方に入っていく大勢にございますから、そういう方向でなお一段と指導いたしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/44
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045・川上為治
○川上為治君 私は融資保険制度を近くやめて、それから保証保険の方へどんどんこれを移行さしていく、そのうち特に包括保証保険の方へ移行さしていくというようなお考えでありますれば、やはり包括保証保険については、第一種もそうですが、第二種につきましても、今の保険料率の問題とか、填補率の問題とか、そういうような問題については、十分一つ考えていただいてこの制度がますます利用されるように、一つこれからも格段の努力を払っていただきたい、そういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/45
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046・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) お説ごもっともでございまして、私は零細企業の金融にはこれが一番必要だと、こう考えておりますので、その方向で進んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/46
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047・栗山良夫
○栗山良夫君 大体ただいま提案になっている法律案は、中小企業に対して信用度を高めていこうという方針でありますから、わが党ももちろん賛成をしているわけでございますが、ただ一つこの点で伺っておきたいことは、こういう計画というものは、大体従来の流れをずっと追っているわけです。そうして従来のシステムを増強しながら、中小企業者の要望にこたえていくと、こういうことでありますが、ここで今考えなければならぬことは、貿易の自由化という新らしい問題が起きて来たわけです。
そこで貿易の自由化につきまして、中小企業の立場からどう分析をし、どういう対策を講ずるかということは、まだ政府の方もはっきりしておりませんし、当委員会としてもまだ調査が未完了でありますから、何とも言えませんが、通商産業大臣としては、貿易の自由化が中小企業にどういう影響を及ぼすかということを、どの程度認識なさっておるのかこれをまず伺いたい。業態によっても違うでありましょう。大企業の下請系統の中小企業、あるいは中小企業が専門としておる業態によっていろいろな違いがありましょうが、そういうものを若干区分けして、どういう認識のもとにおられるか、これを伺いたいと思います。そうしてその認識いかんによっては、中小企業対策というものは、従来のシステムをずっと拡大強化していく程度のものでいいのか、ここで抜本的なやはり何らかの手を考えなければいけないのではないか、そういう二段的な考え方をしなければいけないと思います。ですから、この二点について伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/47
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048・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 中小企業に対しまする影響は、ただいまとりました自由化で影響はあまりございません。ただ問題になるのは繊維関係でございます。御承知の通り今までとりましたのは大部分原料についてのあれでございます。中小企業に直接に影響はございません。それからあと残る石油、石炭、砂糖につきましても中小企業に対しての影響はあまりございません。ただ問題は、繊維関係と機械関係でございます。機械関係のものにつきましては、種々雑多でございます。それからまた原料、資材以外の消費物資の自由化、これによりまする影響が、これは農産物関係につきましては、これは別にいたしまするが、中小企業に影響する場合は相当あると思います。しかしこれはやはり今後いつやるともきめておりませんから、経済全般を通じ、また機械なんかにつきましても機械工業、あるいは自動車工業なら自動車工業は生産体制、合理化等を見ながら、自動車の輸入をある程度徐々に解除していく、こういうような方法でいく。今原料については自由化をやっておりますが、これにつきましても、繊維以外はあまり中小企業の影響はない。たとえば中小企業と関係のありまする皮革なんかについて自由化したら大へんなことになるんじゃないかといわれますが、これは日本の国産の皮革と外国の皮革はおのずから分野が変わっております。外国の皮革でも今ではAA制をとっておりますドル地域からの輸入が非常に多いのでございまして、アメリカからの、ドル地域からの分を自由にしても中小企業に大した影響はない。で、非常にみんな御心配になっておられるようでございますが、繊維関係を除きまして、中小企業に影響があるのはいわゆる機械、それから次は一般消費物資の問題、たとえば先般もアメリカのある実業家が参りまして、コカコーラの問題を自由化してくれと申しますが、これは自由にいたしますと、清涼飲料部門に相当影響がございます。今入れておりますが、特定の場所で飲むことだけにしております。こういう問題はさしむき中小企業に影響がございます。自由化になるなら、これも自由化になるんだと、こうお考えになりますと、そうじゃないのでありましてこういうものにつきましては、国内のあれを十分見ましておいおい中小企業にさしたる影響がないかどうかということを見きわめないとなかなかいかぬことです。今の原材料の輸入につきまして直ちに中小企業はどうかということは少し驚き過ぎる状態ではないか。繊維関係につきましてはそういうことで、その他の問題につきましての、その他の原料の自由化につきましては、あまり大した影響はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/48
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049・栗山良夫
○栗山良夫君 まあ、われわれがただいままで勉強してきましたところも、ごく概略的に言えば、大臣の御答弁になったことを理解できると思いますが、その中でやはり一番問題は繊維だと思いますね。繊維を大臣は来年の四月までに自由化するとおっしゃっています。ですから繊維業界というものは、相当に動揺をしていると私は見ているわけです。ですから繊維業界は大手の紡績等は別といたしまして、機屋からさらにメリヤスその他の加工業者まで見ますれば、もう中小企業は相当なウエイトを占めておる。で、この繊維関係の中小企業対策だけを考えてみましても、従来の行き方だけではいけないのではないか。この前神武景気のあとに、繊維関係の商社筋が相当倒産をしましたが、またことし一月になってから繊維業者の倒産は相当にふえておる。これは具体的にふえておる。商社が倒産するということは、やはりメーカーにも影響をするわけですから、従って具体的に来年の四月ということはきめられたのでありますから、大臣に繊維に限ってまずお尋ねしたいのは、今の繊維の動揺がおさまって安定の見通しが来年の四月までにつけばけっこうですが、もしつかなかったときには繊維の自由化はさらに若干延長せられる、そういうお気持があるか。もう理由はどうあろうと、とにかく来年の四月には断行する、こういうお考えであるかどうか。それからまた動揺を押える方法としまして、羊毛、綿花の輸入は自由化する、しかし国内における紡績あるいはメリヤス機械等の織機の機数の制限を何らかの方法で現状に維持していく、そうしてこれ以上に過当競争的な過剰生産が絶対にないような、そういう措置を講ずる、これによって安定させる、こういうお気持であるのか。その辺のところをもう少し明確にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/49
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050・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 御承知の通り、繊維関係でAA制にするということにつきましては、二、三カ月業者の間に十分協議させまして、そして大体全員一致という程度のところで措置をきめたわけであります。今、商社が破産しておるということを私聞きます。繊維関係商社が破産しておるということを聞きますが、今、繊維関係全体から申しますると、糸安の製品高とは申しませんが、製品が普通の状態になっておる。だから織機の方の、機屋は各地とも非常にいいのです。糸を持っておる人がかなり困っておる。AA制に対しましての関係で、綿糸問屋がある程度思わくをしたとは申しませんが、予想以上に下がって参りました。そういうのがございます。繊維関係自体といたしましては、織機の方は非常に好景気、糸の方がある程度痛手をこうむっておるようでありますが、これは私は徐々に落ちつくと思います。また毛糸も相当下がりすぎるほど下がっておりますが、これはいろいろな仕手関係等があって、思わくの関係がああいう状態でございますが、これも落ちついてくると思います。従って私は来年の四月から綿花、羊毛を自由化するということを変える考えはございません。従ってこれが対策といたしましては、今お話しのように、綿花、羊毛がどんどん入ってくる、あるいは商社割当、生産者割当等々がもうはずされてしまうのですから、急に入ってくるというふうな場合につきましては——今は輸入につきましては、商社の方の自主調整はやっております。しかし今後におきましては、メーカーと一緒に自主調整ができるように輸出入取引法を改正いたしたいと、今案を練っているところでございます。それから原材料が十分入ってきたときに、今度は紡機、織機の取り締まりをどうするか、ということは、これは前にも触れましたごとく、今御承知の通り、格納封緘等をして生産の制限をしておりまするが、この考え方は今後も続けていきたい。で、それに要しまする繊維工業設備臨時措置法、これの改正は今案を練っておりまして、本国会に先ほどの輸出入取引法の改正と二法案を提出する考えでございます。従いまして原料の輸入につきましても、ある程度の調整を加えますし、またそれを製造する設備につきましても、これは永久ではございませんが、過渡的の問題でございまするから、非常な変化が起こって、わが国の繊維工業の実体に悪影響がある、輸出に非常な悪影響がある、また国内物価の急変等々を阻止いたしまするための最小限度の調整はいたしたいと考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/50
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051・栗山良夫
○栗山良夫君 ただいまのお話を承りますと、自由化は一応来年四月に断行する、繊維業界の動揺を安定させる方法としては輸出入取引法を改める、一方紡機、織機の機数の封緘制度をずっとさらに実施していく、こういうことであると、自由化と輸出入取引法とをチェンジしただけで一向に改まらない、現状には何ら変更が生産面ではないように思いますが、一体利益はどこにあります、その自由化をそこまでやって急ぐ……。ほんとうの自由化ならば、紡機、織機の封緘解除までやった方がいいと思いますが、そういうことはしないで、そうして自由化をやる、封緘維持だけでは困るんで取引法の改正をやる、こうおっしゃるというと、どうも私どもそこのところの筋道というものがよくわからないのです。何のために自由化をやるのか、その理由がよくわからないことになりますが、どういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/51
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052・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは割当をやめて、そうして輸入調整とかあるいは設備制限、これは同じことじゃないかというふうな御質問でございます。これは同じでないのです。そこに経済のおもしろさといいますか、ある。これを、こっちをやめてこれをやるんだから同じだ——決して同じじゃない。お話しのように、これをやめてあと全部野放しにしたらどうだ、こういうことをやったら大へんでございます。そこが経済の私は妙味だと思うのでございまして、そうしてそういうふうに徐々にやっていくことが、今日本の置かれた産業界としての現状であるのであります。もちろん自由化でございまするから、全部自由にしてしまったらいいじゃないかといっても、そうはなかなか今までの惰性でいかないんです。自由化してこっちを制限したら同じじゃないか、これは決して同じじゃない。同じでないから、いろいろな問題が起きておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/52
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053・栗山良夫
○栗山良夫君 そうすると、紡機、織機の封緘制度の継続はわかりますが、輸出入取引法を改正しようと考えておいでになる、輸出と輸入面の改正の要点はどんな点でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/53
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054・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 今いろいろ考えておりまするが、今のは繊維関係でございまして、輸入の点を申し上げたのでございます。今輸出入取引法で輸入業者の調整だけはきめております。輸入業者についての輸出入取引法での調整は規定しておりますが、メーカーの方の調整を規定しておりません。従いまして今までは商社あるいはメーカーに割り当てておりましたが、今度商社だけの綿花、羊毛の調整を取引法でやりましても、製造業者が勝手にどんどん入れるということになりますと、それは意味をなさぬようになりますから、今までの商社のみならず、今度はメーカーも加えて調整さしていこうとしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/54
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055・栗山良夫
○栗山良夫君 そういう構想になりますと、今の政府の御説明では、自由にして安い原材料を入れれば、その原材料はそのまま消費者のところまで利益が及ぶようなふうに言われているんですね。安い原材料でくれば消費者は安く買える、このうたい文句が、そこでしぼるというと消えてしまうんじゃないか、輸入業者も製造業者も、ある一つのカルテル行為をやって、そうしてしぼる、紡機も織機も封緘制度を維持する、そういうことになれば、消費者の面からいっても現状とほとんど変わりなくなるんじゃないか、消費価格の面では。これはどこへ利益がいくかということを探求しなければなりません。現実に安い材料が入ってくることだけは事実です。それでしかもこういうような談合が行なわれて、生産数量は今まで通りに調整できるということになると、どこに一体利益がいくか、そこがまだ探求が私は足りないんですが、そういう場合においても、大企業と中小企業とどっちの方が利益率が多いか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/55
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056・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど申し上げたように、数字でこっちかこっちかかという問題じゃないのであります。そこで綿花なら綿花を輸入するときに、商社あるいは製造業者を一緒にして調整したならば、その調整の度合いでございます。これは過当に輸入競争の起こらない程度にしなければならぬ、それからまたわが国の置かれた現状といたしまして、安いものであれば何でもかんでもみんなで競争して持ってくるというわけにいかぬ場合がございます。やはり輸出を考えます。そういう点を業者の間で十分調整していくように——しかしこれによりまして、今まで多かったときの三割とか二割とかいうふうな割当による不当な価格というものはなくなることはたしかでございます。私はこれだけでも相当の改善になると思います。しかし自由に輸入して、とにかく最小限度の調整でございまするから、そこの間に今までのように切符でやっておるということよりよほど自由な姿になる。初めから調整するという意味じゃなく、過当な輸入競争が起こって、そうして非常にこちらの方の原料価格をむちゃに下げたり、上げたりするということのないように、最小限度の調整ということでございまするから、今までのようにぴしゃっと切符でやるときよりも、よほど自由な姿になってくるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/56
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057・栗山良夫
○栗山良夫君 大臣の今の御説明をずっと拝聴していますと、中小企業にはとりわけて述べなければならぬような打撃はないであろう、こういうことになりますが、自由化そのものは、資本主義の合理性を徹底的に貫いていく方法なんですね。ですからこれは言葉を非常に強く言うならば、弱肉強食の一番露骨な面が出てくるわけです。ですから資本力が弱い経営能力の弱い中小企業が打撃を受けることは常識的にはっきりしている。それにもかかわらず、打撃がないとおっしゃるのですから、さらにいろいろ勉強をして、またお尋ねしなければなりませんが、かりに中小企業に自由化をした結果相当に悪い影響が出てくる、こういうことがはっきり出てきたときには、今政府のおとりになっている中小企業政策に何か特段の措置をおとりになる用意があるでしょうか。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/57
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058・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 私は自由化したために、中小企業に対しまして、紡績の方で申しますると、まあ中小資本、十大紡と新々紡との差は、これは出て参ります。それはいろいろ基礎条件の違いもございます。それから資本力の違いもございます。技術面、設備面の違いもございます。そういうところの場合においては、やはり強いものが得をするという格好になるかもしれませんが、そういう場合におきましては、今のように、今度御審議願うことにいたしておりまするが、中小企業業種別振興法とかこういうもの、あるいはまた金融面その他の組合関係の調整を強化いたしましたり、このしわを最小限度にとどめる、とにかく自由化ということが本来の姿であり、これが私は一般大衆の利益になるということであるならば、踏み切ってやって、そうしてしわの部面では別個にこれを伸ばしていく、こういう方法をとる考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/58
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059・栗山良夫
○栗山良夫君 私はただいま問題になっている信用保険公庫の方の質問はこれでいいのですが、あと振興資金助成法は、これの始末がついてからあとおやりになりますか。それともこれはきょう一緒に並行に質疑いたしますか。どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/59
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060・山本利壽
○委員長(山本利壽君) どちらもきょうあげていただきたいと思って皆さんやっていただいたわけです。これは一括です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/60
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061・栗山良夫
○栗山良夫君 一括ですか——それじゃこちらの方を今度ちょっと。中小企業振興資金助成法の一部改正ですね。ここの中で特にお尋ねをいたしておきたいのは、工場の「汚水処理施設に係る貸付金の償還期間を延長する必要がある。」、こう書かれておりますが、その中に「償還期間は、七年をこえない範囲内で政令で定める期間」とありますが、政令では何年とお定めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/61
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062・小山雄二
○政府委員(小山雄二君) 七年にするつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/62
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063・栗山良夫
○栗山良夫君 七年にする。そうですか。
それから汚水の処理の問題は、まだ二、三年前に、三十三年度でしたか、法律案が、工業用水の問題が非常に問題になりまして、できた法律に基づいているわけでありますから、その当時法律案を審議しましたときには、何しろ急遽作られた法案で、実際にどういうようなことに運営がなるのかも質疑では明らかになっておりません。実際にそれがどういうことになっているか、二、三お尋ねをいたしたいと思います。
その一つは、公共用水域の水質の保全に関する法律というものがありますが、そこで企画庁の長官は、指定水域の指定とか、水質基準の設定、そういうことをするために、水質の調査に関する基本計画というものを作らなければいかぬということになっておりますが、その基本計画なるものは、もうできているのかどうか。基本計画というのはできているのかということがまず第一点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/63
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064・藤岡大信
○説明員(藤岡大信君) ただいま専門委員会を作って調査をいたしておりまして現在まだ基本計画はできておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/64
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065・栗山良夫
○栗山良夫君 もう一年以上たっているわけですが、いつできます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/65
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066・藤岡大信
○説明員(藤岡大信君) 現在の見通しといたしましては、いつできるということは明言できない審議の状態でありまして、三十五年度予算に当たりましても、この基本計画を作るべく大いに努力をいたしたわけでございますが、専門委員会の結論を得ないままで、三十五年度予算に入りましたので、三十五年度予算には間に合わなかったわけでございます。なお、引き続いて継続して審議いたしておりますので、近い将来に基本計画ができるものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/66
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067・栗山良夫
○栗山良夫君 そうすると、指定水域と、それから水質基準ですね、これはもうできておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/67
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068・藤岡大信
○説明員(藤岡大信君) 指定水域につきましても、三十四年度に水域の調査をいたしておりまして、その水域の調査が終わって、これにつきまして指定水域の指定と水質基準を同時に各地域ごとにきめることになっているようであります。それで、現在まだ調査中でございまして、この調査が終わらないと、その指定水域の指定及び水質基準をきめるわけには参りませんので、この四月以降にその指定水域及び水質基準の設定が行なわれるものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/68
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069・栗山良夫
○栗山良夫君 四月以降といったらいつのことかわかりませんね。いつまでにと、こう言ってもらわないと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/69
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070・藤岡大信
○説明員(藤岡大信君) これは、所管といたしましては企画庁で所管いたしておりますので、私自身あるいは通商産業省で決定するという事項ではございませんが、われわれが聞いております範囲内におきましては、今年度の調査が終われば、終わったものから逐次整理をいたしまして案ができれば、できたものからやっていくというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/70
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071・栗山良夫
○栗山良夫君 第七条には、指定水域の指定とか、水質基準の設定、そういうものについて公示しなければならぬことになっておりますが、そうすると、今までは一つも公示されたものはないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/71
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072・藤岡大信
○説明員(藤岡大信君) 現在までに公示したものはございません。現在調査しております水域は、三十四年度に石狩川、利根川、木曾川、淀川、雄物川の五河川でございまして、それについて調査を行なっておりますので、先ほど申し上げましたように、調査を完了して公示するという段階に至ったものは現在ではまだございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/72
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073・栗山良夫
○栗山良夫君 そうしますと、工場排水等の規制に関する法律というのですね、同時にあのとき作りました法律の第十二条に「汚水等の処理の方法の改善等の命令」というものがありますが、これをまだおやりになったことはどこもないということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/73
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074・藤岡大信
○説明員(藤岡大信君) まだ現在ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/74
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075・栗山良夫
○栗山良夫君 そうすると、今のお話だというと、本年一ぱいは水域の指定も水質の基準もやらぬというわけですね。できないというのだから。従って、排水等の規制に関する法律という十二条の命令も出ていない。本年中にも出る見通しはない。こういうことになるので、振興資金助成法だけで汚水処理施設にかかる期間を延長する必要があるというふうに言われたのですが、これはちっともそういう必要など起きていなかったのじゃないですか。これから起きるわけですか。どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/75
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076・藤岡大信
○説明員(藤岡大信君) 現在ではその必要はないわけでございます。三十五年度早々に指定水域になりますと、その指定水域になった日から直接この規制がかかりますので、その事前の措置として予算措置をしたのと、それから三十五年度には当然指定水域になるものと予想して予算措置をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/76
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077・栗山良夫
○栗山良夫君 ですから私は、水質の問題は、九州の水俣を初め、全国的にずいぶん問題になって、三十三年に法律ができているわけです。これを非常に急いでもらいたい。現に各地において当事者間で係争中のものがあるのですから、紛争中のものがあるわけですから、急いでもらいたい、そう申し上げたのですが、技術的に非常に困難なことなのかもしれませんが、結論がなかなか出ない。そこで結論が出て、公示になる期間も、非常に何というか、怪しげな期間と私は拝聴したのですがね。従って、法律で新しく期限延長をおやりになる用意というのはけっこうでしょうけれども、もう少し調査なり水質基準の決定なりというものを急いでもらいたいと私は思いますね。これは急いでもらわなければどうしても困る。それからもう一つは、水質の基準とか、あるいは指定水域、こういうものは、これからのこと、法律に基づいてやることですからね。現に悪水が流れて、各所で問題の起きているやつですね。だから、工場は自主的にいろいろ自分で手当てをしておりますね。問題を解決するために。そういうものは、これには入らないわけですか。補償の対象には入りませんか。法律で定める。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/77
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078・藤岡大信
○説明員(藤岡大信君) 法律の中に、第二十一条に和解の仲介という制度がございまして、現在法律が施行されていない場所でありましても、和解の仲介という手段で解決をするように法律にきめられております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/78
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079・栗山良夫
○栗山良夫君 第十六条の「国の援助」というのがあるでしょう。「国の援助」、これが適用になっているかどうかということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/79
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080・藤岡大信
○説明員(藤岡大信君) 助成措置の方は別にこの法律の施行を待ってするというものではございませんので、一般的に対象になるようになってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/80
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081・栗山良夫
○栗山良夫君 私が伺いましたのは、当事者間に紛争が起きた場合に、和解の仲介等はこの法律に基づいてもう現におやりになっておる、こういうことですね。そういうことであれば、国の援助等も、現実にもう問題が起きているわけですから、おやりにならなければいかぬのではないか。一つの法律が国会で可決成立すれば、全面的に発動していかなければならぬのに、今聞いていると、国の援助の方はまだ発動しないのだ、この法律とは関係ない、和解の仲介の方は、これでやっていると、こういうことは、一体首尾一貫しないじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/81
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082・藤岡大信
○説明員(藤岡大信君) 汚水の処理施設に対する助成措置といたしましては、法律にきめてございます固定資産税の免税措置もいたしまして、地方税の免税をいたしております。それから特別償却をやっておりまして、租税特別措置法の施行令の第五条によりまして三年間五割増しの特別償却が認められております。そのほかに、これは直接のあれではございませんが、特別都市下水路の事業といたしまして、予算としては、建設省についてございますが、そういう共同排水路につきまして国が補助をいたしております。そのほか試験研究補助金が工業技術院から出されております。三十四年度はこれに対して九百万円の補助が出てございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/82
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083・栗山良夫
○栗山良夫君 ですからそういう今まで出ているものについて、この法律の第十六条に該当するものだとして、今提案になっておるこの振興資金助成法の一部改正が成立した場合には、もう直ちにこの貸付金等の償還期限が七年に延長できるのかどうか、先ほどのお答えだと、水域の指定が行なわれ、水質基準が本年度中に一応調査が終わって、三十五年度に公示になる、公示になってからこれを適用するんだ、それの準備だと、こうおっしゃったですね。ところがこの法律は今国会で成立するでしょう、みんなが賛成すれば。そのときにはすでにこの法律の十六条によって期間延長七年やっていいわけじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/83
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084・藤岡大信
○説明員(藤岡大信君) 準備と申し上げましたのは多少語弊があると思いますが、現在までに指定水域になってないために、申し込みがあまりないわけでございます。で、実際上指定水域になれば、相当申し込みがあるであろう、という、そういう準備という意味でございまして、法律的には、もちろんこの国会で御承認をいただければ、直ちに発動するわけでございますので、今仰せられましたようなことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/84
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085・栗山良夫
○栗山良夫君 法律の条文に従って聞いているのに、だろうというのは、不明確じゃないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/85
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086・藤岡大信
○説明員(藤岡大信君) なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/86
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087・栗山良夫
○栗山良夫君 まあちょっとそこに疑問を持ったのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/87
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088・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 他に御発言はございませんか。——他に御発言がなければ、両案の質疑は終局したものと認めます。
それでは、まず、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案について討論に入ります。御意見のある方は賛否を明かにし、お述べを願います。——別に御発言もなければ討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
本案を可決することに賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/88
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089・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/89
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090・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 次に、中小企業振興資金助成法の一部を改正する法律案について討論に入ります。御意見のある方は賛否を明かにしてお述べを願います。1別に御発言もなければ討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
本案を可決することに賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/90
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091・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
なお、ただいま可決すべきものと決しました一案につきまして議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/91
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092・山本利壽
○委員長(山本利壽君) 御異議ないものと認めさよう決定いたします。
本日は、これにて散会いたします。
午後三時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414461X01119600302/92
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