1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年三月十一日(金曜日)
午前十一時五十三分開会
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委員の異動
三月八日委員木内四郎君辞任につき、
その補欠として梶原茂嘉君を議長にお
いて指名した。
本日委員大谷贇雄君辞任につき、その
補欠として高橋衛君を議長において指
名した。
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出席者は左の通り。
委員長 杉山 昌作君
理事
上林 忠次君
山本 米治君
大矢 正君
永末 英一君
天坊 裕彦君
委員
梶原 茂嘉君
木暮武太夫君
高橋 衛君
荒木正三郎君
平林 剛君
原島 宏治君
天田 勝正君
須藤 五郎君
政府委員
大蔵政務次官 前田佳都男君
大蔵省主税局長 原 純夫君
大蔵省銀行局長 石野 信一君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
説明員
大蔵大臣官房財
務調査官 大月 高君
大蔵省主税局税
制第二課長 志場喜徳郎君
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本日の会議に付した案件
○船主相互保険組合法の一部を改正す
る法律案(内閣提出)
○酒税法の一部を改正する法律案(内
閣送付、予備審査)
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001・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) ただいまから委員会を開きます。
まず、委員の異動について御報告いたします。
三月八日付をもって委員木内四郎君が辞任され、その補欠として梶原茂嘉右が委員に選任せられました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/1
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002・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) これより、船主相互保険組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑に入る前に、前回の委員会で野溝委員から委員長に対して要望のありました件について、御報告を申し上げます。委員長は、さっそく御要望の趣旨を大蔵当局に申し入れましたところ、大蔵当局においては、御要望の点に関連いたしまして、船舶の損害保険制度について補足的な説明を申し上げたいとの申し出がございましたので、これを許可いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/2
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003・石野信一
○政府委員(石野信一君) 三月八日の当委員会におきましての野溝先生の御質問に関連いたしまして、若干の補足説明をさせていただきたいと存じます。
先般の御質問の御趣旨は、各種の船舶に対する保険が全体としてどうなっているか、これらに対する補助等、国の関与の程度はどうか、ということであったと存ずるのでございます。従いまして、これらの点を中心にいたしまして御説明を申し上げます。
現在のわが国の損害保険という立場からこの船舶を分類してみますると、漁船と、それから漁船以外の木船、それから木船以外の船舶、すなわち銅造船、こういうふうに三つに分けて考える必要があろうと存じます。
第一は漁船でございまするが、漁船は、漁船損害補償法という法律に基づく漁船保険組合の保険にかけられております。この組合には地域組合と業態組合とがありまして、いずれも総トン数千トン未満の漁船を保険の目的といたしておるのであります。組合数は、四十六の地域組合と、七つの業態組合とがございます。これら組合においては、原則として保険金額の九割を国に再保険して、再保険の事務費は国庫負担となっており、その業務を行なうために漁船再保険特別会計が設けられているのでございます。
次に、第二は木船でございます。これは漁船保険組合の保険の目的となる漁船以外の木船につきましては、船主相互保険組合の船体のみの保険にかけられるのであります。現在、この種の録第七号組合としては二つの組合が設立されておるのであります。この組合におきましては、保険金額の七割を国に再保険して、再保険の事務費は国庫負担となっており、その業務を行なうために木船再保険の特別会計が設けられておるのでございます。
以上は木船及び漁船についての船体保険を組合組織で填補するものでありまするが、これら以外につきましては、主として鋼造船を対象として一般の保険会社が引き受けておるわけであります。
このように、船舶の保険はその種類によりましてそれぞれ引き受けの分野が分かれて、おのおのその役割を果たしておるものであります。これを統一的に運営することは一応の考え方ではございまするが、ただいま申しあげましたように、再保険の関係、国の補助等の関係もございまするので、おくれております点はやむを得ない実情もあるのでございます。
それで、その次に、銅造船につきましては、船体保険は、先ほど申しましたように、一般の保険会社に付保する建前でありまするが、これら保険会社の引き受けない特殊の分野につきましては、先般御説明申し上げましたように、船主責任相互保険組合に付保されておるのであります。従いまして、この組合の組合員はすべて、船主協会の会員と鋼造船の所有者または賃借人でありまして、先ほどの漁船とか木船━━木船は機帆船等でございますか、そういう船の所有者と違いますのぐ、純コマーシャル・ベースで、国の甘保険ということでなしに、純コマーンャル・ベースで運用されているものございます。国の再保険関係、補助笠等は全然ございません。今般御審議を願っておりまする改正案は、実質的には、この最後に申し上げました船主責任相互保険組合に関する部分のみでございまして、その他、漁船の関係とか、条文上非常に複雑に見えます規定はございまするけれども、それらは引用してある法律が、昭和二十五年、こり法律の施行後において改正せられましたこと等に基づきまして、条文の整理をいたしたものでございまして、実質的な変更ではございません。
以上をもちまして、先般の御説明に関する補足説明を終わらしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/3
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004・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) 質疑のある方は、順次、御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/4
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005・須藤五郎
○須藤五郎君 簡単に二、三点質問したいと思いますが、この組合員に含まれている船ですね、これは大体、大きいのは何トンから小さいのは何トンくりいの船か、そうしてその大小の隻数こいうものがわかっておったら、参考までに聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/5
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006・石野信一
○政府委員(石野信一君) これは普通の外航船とか、鋼鉄船ですね、郵船とか商船の持っておりますそういう船が全部入るわけでございますから、日本のいわゆる鋼鉄船、それは全部入るわけでございますから。記をつけて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/6
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007・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) 委員の異動について御報告申し上げます。
大谷君が辞任されまして、その補欠として荷稿料が委員に選任されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/7
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008・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) 別に御発言もなければ、質疑はこれにて尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/8
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009・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。━━別に御発言もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/9
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010・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。
これより採決いたします。船主相互保険組合品法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/10
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011・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なれ、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/11
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012・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/12
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013・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) 次に、酒税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
補足説明をお願いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/13
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014・志場喜徳郎
○説明員(志場喜徳郎君) それでは、今回御提案申し上げております酒税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨なり大体の概要を御説明いたしたいと存じます。
今回の酒税法の改正案は、清酒につきまして新たに準一級という紋別を設けますことと、合成清酒につきまして第一級、第二級の紋別区分を廃止いたしまして、現在の第二級のもの一本とする、この二点でございます。
順次申し上げますと、清酒につきましては、現在、特級、一級、二級とございまして、その小売価格は一・八リットル、つまり一升当たりそれぞれ千七十五円、八百二十五円、四百九十円、こういうことに相なっております。今回、一級の八百三十五円と二級の四百九十円とのおおむね一問をねらいまして、すなわち小売価格六百五十円を目途といたしまして準一級を作らう、こういうものでございます。価格も大体中間をねらいますので、それぞれの酒の成分、規格につきましても、大体第一級と第二級との中間をねらおう。つまり、二級はアルコール分が十六度以上、原エキス分が二十八度以上となっておりますが、第二級はアルコール分が十五度以上、原エキス分二十六・五度以上、つまりその中間をねらいまして、今百の準一級はアルコール分が十五・五度以上、原エキス分が二十八度以上。━━失礼しました、先ほどの第一級の原エキス分は二十九度以上でございます。準一級は原エキス分二十八度以上ということにしようというのでございます。
この趣旨でございますが、今申し土げましたように、第一級と第二級とでは、小売価格におきまして現在三百四十五円の値開きがございます。従いまして、その間隔が非常にたくさんありますので、この数年間の消費数量の動きを見てみますると、清酒全体といたしましては大体六、七%━━五%から八%ぐらいでございますが、伸びておるのでありまするけれども、これは主として、ほとんどもっぱらと申しますか、第二級が伸びておりまして、第一級におきましては大体三十三、四万石の線を平行線でたどっておるのでございます。つまり、相対的に申しますれば、一級なり特級なりの全清酒の消費数量の中に占めるウエート、割合が次第に下がりつつある、こういう状態でございます。今日のような、次第に消費内容が高級化すると申しますか、そういう傾向から申しますると、この点はやや不自然な動きに見られるのでございます。また、級別区分の意味というものがこのままでは滞れるというような点もございますし、消費者といたしましては、その間に処しまして、現在の第二級よりももう少し一級に近いと申しますか、うまい、いいものを飲みたいという気持もあろうかと思いまするけれども、そのしにいこうと思えば、いきなり三百四十五円も高いものを飲まなければならないということで、その点の不便と中しまするか、需要が満たされない向きがあるように思われます。
また、製造者の方から申しましても、そういうふうに次第に一級の消費が停滞して参りますると、その販売土におきまして次第に困難を加えてくるということでございます。従いまして、地方の酒屋さんの中で、たとえば秋田県の「両関」、「欄漫」といったような、その地方々々ではもう一番品質もすぐれており、銘柄も通っておるような酒であるにかかわりませず、一級の値段ではとてもちょっと手が及びかねる、さればといって二級よりももう少しいい内容のものにつきまして、消費者の需要を満たしてやりたいという気持でありながら、なかなか出し切れないというものもございます。また、現在、一級を出しております蔵といたしましても、次第にその売れ行きが困難であるというところから、今までの数最を保持して確保していくということがなかなかむずかしくなって参りまして、ややもすればその下の二級の方に転落するというような誘因と申しますか、気持をお持ちになるところも出て参る、そういうことになろうかと思うのであります。
いずれにいたしましても、生産者の面から申しましても、消費者の面から申しましても、現在のように一級と二級との間隔があまりにも開き過ぎているということが、お互いにそれぞれの希望と申しますか、あり方を満足し切れない断が残るという状態になっておるのであります。さようなわけでありますので、戦前の姿におきましては、自由価格、税率一本のときには、かなり値段が、一円五十銭クラスから四、五円クラスまで、たくさんのバラエティに富んでおりましたのでありまするが、現在これを特、一、二という三本だけに限定しておりますことが、やや少ない区分の仕方ではなかろうかということであります。さればと申しまして、一級なり特級につきましては、それぞれこれを需要するという向きもございますし、また、酒税全体といたしまして本年度におきましては減収をもたらしたくないという財政事情のもとにおきましては、一級なり特級なりというものをにわかに減税するということがこの機会におきまして適当でないと考えまするので、この際、一級と二級との中間に新たな規格成分のものを作って妥当な値段で売ることにしたらどうであろうかということが、こういうことが準一級設定の趣旨でございます。
そういたしますると、準一級が結局現在、第一級で売り出している蔵のうちで、やや一級では持ちにくいと、二級に転落しかかっておるという方々が準一級に移ろうというものと、それから、第二級のうちで先ほど申しましたような「両関」、「燗漫」といったような、もとより単なる事例でございますけれども、そういう地方での銘柄で、一つ、三級よりも上にいきたいという方々と、その両名から準一級というものが出されることに相なるわけでございまして、その出される見込みの数量につきましては、初年度のことでございますので、なかなか予測もつきにくいのでございますけれども、大体大ざっぱに申しまして、半々程度近くのもので、上から落ちたり、下から上がつたりするであろう。そうして初年度といたしまして約十万石程度の準一級が出されるのではあるまいか。これによります税収はほとんど減収をもたらさない、増減収なしということでいけるであろうという見通しも立ちましたので、今回の提案になった次第でございます。
次に、合成清酒につきましては、現在第一級、第二級の区分がございまして、それぞれ一・八リットル、一升当たりの小売価格が、一級では五百十五円、二級では三百八十円ということに相なっております。合成清酒全般につきましては、ここ数年間に消費数量が七十五万石の線を上下しておるような線でありまして、大体横ばい、若干弱含みのような傾向をとっております。従いまして、合成滑液全体につきましての問題もございますけれども、その消費が、ほかの酒類が、ことに相類似しております清酒が全体数伸びておるにもかかわらず、合成清酒が伸び悩んでおることの原因の一つといたしまして、ここに現在第一級、第二級の級別区分という問題もあるのではないかと考えられたのでございます。つまり、合成消費一級はこの数年間に、七十五、六が石の合成清酒のうちで、わずか五、六千石程度、一%に満たないというような庫出、生産、販売の状況でございます。従いまして、九九%というものが二級に相なっておりまするけれども、従って、いわば合成清酒は、現実の姿といたしましては全部二級である、こういうふうにもいえるのでありますが、そのほとんど全部のものにつきまして第二級というレッテルが張られております。さようなところが、消費者の感触といたしまして、何だか品質的に悪いのじゃないかという印象を強めるおそれが強いのではないかというようなことも考えられますので、こういうふうに、ほとんど一%に満たないという一級の状態における級別区分は実質的に無意味になっておるという事情を考えまして、合成清酒の停滞ぎみを救うと申しますか、ささえる一つの手段といたしまして、この機会に級別を廃止することが適当ではないか、こういうふうに考えられたのでございます。
従いまして、それによりまして、もちろん合成清酒一級の税率と二級の税率との差額につきましては、今まで一級が売られておりました五、六千石程度の分の減収が、それだけの計算では出ますけれども、今申しましたような心理的影響からいたしまして、消費の伸びが若干見られるであろうというところから、これまた清酒の場合と同様に増減収はないものと期待されるという見込みが立ちますので、今回、清酒につきまして準一級を設定しましたことと相あわせまして、合成清酒の級別を廃止することにいたしたい、こういう次第でございます。
法律は、従いまして、準一級の新たな税率を設けること、それから準一級という規定の必要のときの配慮をすること、合成清酒の紋別が書いてありますところを削るということだけでございます。また、附則はほとんど例文でございまして、いつもの通りでございますが、なお、これらに関連いたしまして、租税特別措置法でございますけれども、この中ではいわゆるソフト清酒と申しまして、アルコール分の低い清酒につきまして軽減税率を適用しておるものがございます。今回の準一級につきましても、ソフト準一級と申しますか、これを作ることが妥当であろうというところから、他の一級、特級の例にならいまして、アルコール分十三度のソフト準一級の税率をかけるということとか、あるいは特殊用途酒類についての税率の軽減につきまして、他の級別のものと同様な軽減税率を盛るということにいたしておるのでございます。これは附則による措置法の改正でございます。
以上、はなはだ簡単でございますけれども、今回の提案の内容と、あらましの理由を御説明した次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/14
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015・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) これより質疑に入ることといたします。質疑のある方は、順次、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/15
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016・大矢正
○大矢正君 資料でもらった方がよかったのだけれども、資料の要求をしていないので、今まで出ておりませんから、来週の火曜日の委員会までに資料をちょっと出していただきたい。一つは、今は量十四酒造年度になるわけですか、今は。ですから、この三十四酒造年度における九月三十日までの品種別の造石数ですね、予想、これを出してもらいたいことと、それから前年の三十三酒造年度の消費実績ですね、紋別の。これは清酒、合成を含めて出してもらいたいこと、これをお願いしておきます。
それから、まあそれをもらってからの方がいいんですが、何かあと十五分くらいで委員会をやめようという委員長の話もあるんです。ですから、質問をするのは来週に回るわけですから、一、二だけ聞いておきますが、合成清酒の級別廃止というのは、内容の差はあっても減税提案であるということは間違いないと、こう思うのだが、これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/16
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017・原純夫
○政府委員(原純夫君) まあいろいろ考え方はございますが、私どもは、まあ減税というほどのことはないというふうに思っております。ただいま志場二課長から御説明申し上げましたように、一級がわずか〇・六%という程度で、いわば、何といいますか、戦中戦後の異常な状態でできた級別制度の尾てい骨が残っているといった感じなのであります。従いまして、これを一本にして級別を廃止する。そうすれば、九九%をこえる大部分の合成酒が、第二級とこういう「二」をつけられておったのがなくなって、合成清酒一本になれるということでございますので、その〇・六%もそれは減税だというふうにおっしゃれば、まあそれも一つの考え方かもしれませんが、しかし、今までの一級の規格の酒を出さして、そしてそれは二級の税率でやろうというのじゃなくて、規格は従来の二級一本にしてしまって、一級のものはなくする。もう全部それを一本の合成酒というわけでありますので、私どもとしてはこれを減税とは思っておりません。税収見込みも、そういうような整理をすることによって合成酒の売れ行きがどの程度伸びるか、なかなかむずかしいわけでありますが、とにかくある程度いい条件ができるということで、税収も減がないという考え方をいたしておるような次第でありまして、まあ私どもとしては、減税と言われるほどのことはないのではなかろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/17
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018・大矢正
○大矢正君 事実上の問題としてこの数字の計算をすると、税収の面では五千万くらいは違うわけですね、私の計界した範囲。まあ計算の仕方に間違いがあれば……。ですから、五千万円違うということは、税収がなくなるということは、五千万円現実の問題としては減税をするということに通ずるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/18
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019・原純夫
○政府委員(原純夫君) そういう計算もできます。しかし、私どもとしては、五千万円━━一級がいわば整理されて、一本になって五千万減る分は、いつも申し上げる酒の消費に向かうお笠の額は変わらぬということになりますと、その分はやはり、まだ合成酒か側かきまってはおらぬわけですが、まあ合成酒に向かって消費される。そうすると、その五千万を合成酒を買い足せば、その五千万の合成酒の分の税収はあがってくる。そういう計算になるわけです。その上に、二級々々と言われておったのが、今度は合成酒という、何といいますか、「二」というもののついていない今成酒になるというここですと、その二級であったものがこれが幾らふえるかと言われても困るのすが、今申した五千万を埋め切れるかくらいはもう出てくるだろう。これはまあめどのつけようがないものですから、私どもは、そういう意味で、本件によって増減収はない、少なくとも減収はないだろうという考え方をいたしております。
まあ、ものは考えようでありまして、大矢委員のような計算も一応はでざますが、もうそれだけでとまる問題ではなくて、あと減税分をさらに消費する。それから二級が、合成清酒第二級というのが合成清酒となったことによって何らかの影響があるということを、私どもは合わせて見込みをつけておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/19
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020・大矢正
○大矢正君 原さんの言うことは、どうも私理解できないのだが、合成の一級という従来のものを、これだけを生かして、かつての合成の二級というものをなくして、品質は合成の一級にするのだ、合成の一級に足並みをそろえて小売価格は従来通りだと、こういうなら、従来しようちゅうを飲んでいた者も合成酒に変えるとかという、こういう茂論も出てくるし、その中から需要も増大するということも出てくるから、税収に変化は起きないという理屈は出てくるけれども、これは何も品質をよくするのではなくて、従来の合成一級の品質より落として、全部一級を落として、それで全部同じ二級の値段で売るのだから、何にも変化は起きていない。それなのに、合成溜は需要が増加していくという理屈はどこから出てくるのですか。ちょっとしろうとだから、よくわからないのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/20
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021・原純夫
○政府委員(原純夫君) 今までは合成清酒の下に「第二級」と、こう書いてあったわけです。お前は乙だ、乙だと、こう書いてあったわけです。それを今度は、甲も乙もない、合成清酒一本だというわけですから、格好がいいだろう。
これは業界も、先ほど課長から御説明したように、ここ数年合成酒は他の酒類と比べて割合に伸びが悪いのです。横ばいで、そういう意味では酒類の中では若干気の毒な立場にある。合成酒の業界の人も、いろいろ考えてみると、九九%強が二級になっているのだから、この「二」という字がどうも感じが悪い、これをとってもらうとずっと明るい感じになるのじゃないか、ということは、売れ行きもよくなるのじゃないかということで、他のいろいろな諸点ともあわせて、私どもに要望があったわけです。他の諸点はなおいろいろ措置するまでに検討を要しますが、これはまあやろうじゃないかということになりました経緯からいいましても、お前は乙だという「乙」がとれて普通になれば、売れ行きがよくなるだろうということは、私は、まあ程度は非常にむずかしいのですけれども、必ずあると思っておりますし、業界もそれだからこそ頼んできたようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/21
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022・大矢正
○大矢正君 これは必要があってやるのか、それとも、一級、二級というランクをつけるとどうも酒の売れ行きが悪いから、酒をよけい売るために一級、二級という差別をなくしよう、こういうように考えておられるのか、あるいはまた、とにかく一級、二級と分けてやることは、もう業者としてはめんどうくさいから、だから、この際一本にすれば、出た酒はみんな一本のものに出せるならば、そういう点で手数が省けるのだ、業者としてはたいへん運営上楽だというような考え方でやられるのか、その点はどうもわからないのだ。原さんの説明から働いて、業者がそう言ってきたからやったんだ、こういう話ですけれども、それはそういう議論をしていけば、消費者の方は、そんなまずい酒を全部合成酒だと売られるよりは、同じ合成酒の中でも、おれは合成酒の中のいい方を飲みたいという人もいるかもしれないけれども、これはどうも原さんの言うことは理解できない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/22
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023・原純夫
○政府委員(原純夫君) 私どもは、この合成酒の紋別廃止は、いわば酒の級別課税制度についての大きな今後たどるべき趨勢に乗ったものだと考えております。というのは、御記憶の通り、軌前は紋別課税というものはなくて、たとえば、お酒にすれば、全部一石四十円という税率であったわけです。で、小売価格は、高いのはもう二円、三円はおろか、五円というものがある、安いのは一円そこそこというのがあるというようなことであったわけですね。それが戦中戦後、財政需要はかさむ、酒が非常に希少物資になって、作ればどんどん売れるという時代の、同者を合わせ考慮して級別制度。まあかつては特別価格酒というようなかなりどぎつい名前を使った酒を売り出して、そして非常に税収をあげてきたわけです。経済が非常に窮屈な時代と自由な時代との間には、まあ過去においてそういう大きな違いがあった。といいますことは、やはり自由経済、通常の正常な経済では、酒の税率というものに非常に大きな級別格差をつけるというのはやはり問題になって、現に清酒においても準一級を設けております。というのは説明にありましたように、特級、一級の伸びが悪く、特級は絶対量でだんだん減ってきております。一級は絶対量は大体横ばいですか、相対的比率は落ちてくる。これはやはり昔のような一本の税率に戻るんた、戻り切るんだということは申しませんけれども、やはりそういうような方向にだんだん動いていくようなこと、これは自然の勢いだろうと私どもは思っております。
翻って、合成酒の場合について考えますと、もう合成酒ではそういう過程があるといいますか、あまり級別を大きくして、そうしてしかも、上の級をどんどん売って税収をあげるという時代がもう過ぎつつあるということだろうと私どもは見るわけです。これは先ほど来申しております〇・六%という数字にも表われておりまするし、もうそこまで来れば、常識的に考えて、一級というものをどうしても残すということよりも、むしろなくして、合成酒一本にする方がすらっとする。業界からの要望ということは少し語弊があるかもしれませんけれども、私どもとしては、ここ一両年来いろいろ検討の経緯において、この級別制度というものはだんだんそういう意味で平時的な、正常な状態に戻る時期に来ておるという考え方をいたしておりますので、まあそういう意味で合成酒もこの際級別を廃止するということであります。
従いまして、なぜやるかという意味は、大きなそういう趨勢の一環である。端的にいいますれば、やはりそういう趨勢に逆行して、無理に無理を重ねまするならば、紋別の高い方の酒というものは売れなくなる。下がってくる。あまりそういうところで無理をしておりますと、たとえば清酒の特級、一級というもの、二級というものの構成を、今のままで政府ががんばっておるとしますと、業界は、経済の本能的な要求を無視する態度をとるならば、特級、一級を出荷するといいますか、出品するという義務は課していないわけでありまするから、酒税収入としても非常に減ってくるというようなことになります。この辺は、経済の実態を考え、大きな趨勢を考えながら、それにあまりはずれないような配慮をして、だんだん正常化していくということが必要じゃないかというふうに思いまして、今回の措置をとっておるわけであります。そういう意味では、まあめんどうだからというのではなくてやはり大きな趨勢に乗る、その趨勢をほうっておけば上の方の級の売れ行きが悪くなると申しますか、悪くなる以上に、そこで混乱といいますか、業界がかえって反発してしまうというようなことになってもいけない。合成酒のような段階になると、わずか〇・何%の酒が他の九九%の酒に劣等生の烙印を押すというところまで来れば、率直に一本のものにすべきだ、売れ行きのためだということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/23
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024・山本米治
○山本米治君 ちょっと、はなはだしろうとの質問で一点だけしたいのですが、高級油ほどアルコール分というのが多いように見えるのですが、さりとて、値段が比例して、アルコールの純度に比例して値段が高いというのでもなさそうですが、要するに、酒の仙段とアルコールとの、アルコール分といいますか、純分度との関係、それからひいては税抜きのコスト中におけるアルコールの価格はどんなものか、一つ伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/24
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025・原純夫
○政府委員(原純夫君) 税率を盛ります場合に、アルコールの度数に比例さすかどうか、アルコール度数との関係はどうかというようなことは、やはり租税の税率を考える場合に非常に大きな角皮であります。岡によっていろいろありまして、どこでしたか、フランスあたりだったと思いますが、かなりアルコール度数を比例を強く出しておる国があります。日本は割今日に、沿革的に、あまりそれの関係がきちっといっておりません。清酒の特、一、二というので言ってみますと、アルコール分一度当たりの税率が、一キロリットルで、特級が二万三千七百三十一円、一級が一万六千九百七十五円、二級が七千五百七十三円、こう開いておりますから、一級は二級の二、二倍ちょっとになります。それから、特級は二級の三倍ちょっと上になります。そんな関係になっております。ちなみに、酒の中で一番一度当たりが安いのは、何といってもやはり、しょうちゅうで、甲類のしょうちゅう━━乙類はなお安いのですが、甲類のしょうちゅうで二十五度のものが一度当たり二千八百三十六円。一番高いのは、白酒というのがありますが、あまりポピュラーでありません。ビールが二万七千七百円というようなことになっております。
まあ、度数との対応関係は一つの重要な角度であるということと、それから、清酒あたりでは、先ほど大矢委員の御質問に答えましたように、アルコール度数の違い、あるいは品質の違いだけで、この値差が出るかどうかというと、かなり非常にいろいろ議論があると思います。ある論者は、それは何といっても銘柄だ、こういう議論があるわけです。その辺にいきますと、なかなか議論がむずかしい問題になって参ります。今後なおいろいろとそういう点も検討を加えて参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/25
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026・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) 本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X00719600311/26
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