1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年四月十九日(火曜日)
午前十時四十四分開会
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出席者は左の通り。
委員長 杉山 昌作君
理事
上林 忠次君
西川甚五郎君
大矢 正君
天坊 裕彦君
委員
梶原 茂嘉君
木暮武太夫君
河野 謙三君
林屋亀次郎君
堀 末治君
木村禧八郎君
野溝 勝君
平林 剛君
天田 勝正君
原島 宏治君
政府委員
宮内庁次長 瓜生 順良君
大蔵政務次官 前田佳都男君
大蔵省主計局法
規課長 小熊 孝次君
大蔵省管財局長
心得 武樋寅三郎君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
説明員
農林省農林経済
局参事官 松岡 亮君
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本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠互選の件
○租税及び金融等に関する調査
(貿易及び為替の自由化に関する諸
問題並びに財政金融一般に関する
件)
○一般会計の歳出の財源に充てるため
の国有林野事業特別会計からする繰
入金に関する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
○道路整備特別会計法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特定港湾施設工事特別会計法の一部
を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
○国有財産法第十三条第二項の規定に
基づき、国会の議決を求めるの件
(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/0
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001・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) ただいまから委員会を開きます。
まず、お諮りいたします。
山本米治君から都合により理事を辞任したい旨の申し出がありましたが、これを許可することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/1
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002・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。互選の方法は、成規の手続を省略して、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/2
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003・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないと認めます。
よって、委員長は西川甚五郎君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/3
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004・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) これより、前回の委員会における貿易及び為替の自由化に関する諸問題に関する件について、天田君の質疑が残つておりますので、天田君に御発言をお願いいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/4
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005・天田勝正
○天田勝正君 私は、まず遺憾の意を表したいのでありますが、今まで提示されました資料によりましても、貿易・為替の自由化の具体的スケジュールは、閣僚会議または連絡会議の議を経まして、五月末を目途として決定される、こういうことであります。ところが、五月末決定されたのでは、本委員会におけるこれらの検討というものは不可能、こういうことになるわけでありまして、そこで、私は、特に農林関係の資料につきましては、コンクリートされたものでなくても、大よその検討でも提示願いたいということを委員長まで申し出ておきましたところが、なかなかその資料が今日まで提示されず、途中においては、何かの品目を明示されるならばそれについてはできるだけ申し上げます、こういうような内連絡がありましたが、品目を提示するならばその分についてはわれわれに知らせることができるというならば、全体についても大よその見当を知らせられると私は思うのであって、それが今現在でも出ておらない。こういう状況の中に質問しなければなりません。はなはだ遺憾のきわみであります。
そこで、私は質問いたしますが、私の見るところ、貿易・為替の自由化が断行された際に、いろいろな方面に影響がありますけれども、特に農林関係からいいますと、今現在農林水産物と称するもののわが国の輸入の総額は多分、ここ数年の間、四割近いものが輸入されておる、こういう状況であろうと存じます。それが自由化されたらどの程度さらに輸入がふえ、それに対応して日本の農林水産物に対する影響があるのか、ここが一番私は大きな問題だと存じます。そこで、まず今現在の農林水産物の輸入が全体の輸入の中のどの程度を占めておるか、それをお示し願い、さらに貿易・為替の自由化が断行された際、政府の見込みの貿易・為替の農林関係についての自由化でありますが、それを断行した場合における輸入の伸びというものがどの程度であるか、まず第一に質問したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/5
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006・松岡亮
○説明員(松岡亮君) 天田委員からたびたび資料の御要求がありましたのでありまして、まだ具体的な資料をお示しできないのははなはだ遺憾でございますが、今の御質問の点の、貿易・為替を自由化した場合どのくらい輸入量がふえるかという御質問でございますが、これはまず、現在全体の輸入量の中でどのくらい農林水産物が占めておるかという点から申し上げますと、分類にもよりますけれども、大体総輸入金額の四割から四割を少しこえるくらいのところが農林水産物であろうと思います。しかしながら、この中には、所管を申し上げるのは少しおかしいかもしれませんが、通産省で所管しております原綿、原毛がございます。こういった大きなものがございまして、これは原毛はちょっと違いますけれども、原綿に至りましてはほとんど日本の農業には影響がないといってよろしいかと思うのであります。原毛の方も、局部的には若干の影響がございますが、全体的には非常に影響が少ない方でございます。そういうものが非常に大きな割合を占めておりますので、農林省所管で、しかも日本の農業と競合するような農林水産物と申しますのは、むしろ今申し上げました四〇%の半分あるいはそれ以下になるかもしれないのであります。
そのうちで、何と申しましても、米、麦、あるいは大豆、砂糖が大きな割合を占めておるわけでございますが、かりにこれを全面的に自由化いたしますと、そういう過程は実はわれわれとしては考えていないのでございますけれども、かりに自由化するといたしますと、砂糖は相当高率な関税で守つておりますから、あまり大した輸入量の増加がないかと思いますが、大豆、それから麦、麦のうちで特に小麦でございますが、これは非常な影響がある。だいぶ外国産のものが割安でございますから、相当安価で、しかも大量に入る可能性があると考えます。米につきましては、これは見方が若干分かれておりますけれども、国内産米と競合するようなものは朝鮮、台湾あたりの生産品でありますから、そのほかの地域に対する自由化がどれだけの影響があるかということにつきましては、現在の関税定率がやや低いような感じもございますけれども、見方が分かれておると申していいかと思います。
しかしながら、農林省といたしましては、現在具体的な資料を差し上げることが困難なのは、要するに、前提になります競争力の算定が非常に困難をきわめておりますのと、自由化を手放しでやる、主要のものについては手放しでやる考えがないのであります。特に米、麦、あるいは酪農品のごときものについては、むしろさしあたり自由化する考えはないと申し上げた方がいいわけであります。そういうことから、どのくらいの影響があるかということは、なかなかここで具体的に申し上げることは非常に困難でございます。ただいま各局ともに作業中でありますし、通産省の方も作業をいたしておりますが、小分類に従いますと数千品目にわたりますし、その間に非常に関連の多いものがございます。たとえば砂糖と菓子、あるいはカン詰、ジュース、これらの関連をどういうふうに考えていくかというような非常な複雑な技術的な問題もございますので、なかなか作業が進まない状況でございまして、来週あたりから、各局の一応の作業が終わつたところで、経済局で調整を加える段階に入りたい、かように考えておるのであります。お答えにならぬかもしれませんが、現在の状況を申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/6
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007・天田勝正
○天田勝正君 スケジュールができておらないのに質問するのは無理のようなことにもなるし、といって、聞いておかなければならぬということなんで、そこで、農林水産物については各国とも、おそらく自由化する場合に他の品目よりもずれるというのが普通だと思っております。さればといって自由化という性質上から、こちら側に都合の悪いものだけは不自由にしておく、そういうことでは決して自由化ではないのであって、やはり相手次第で、相手もこれを自由にするならば、わが国の方においてもそれに対応するだけの自由にせよという、こういう要求が出てくるのは当然だと思います。
そこで、私は今知りたいのは、日本の自由化の場合どこを基点としてやるかということですが、かりに五月末に一応それぞれのスケジュールがまとまつた場合に、農林水産物についてはそれとどれくらい差がついて自由化の歩みになるのか、およその見当でもお示し願えれば幸いだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/7
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008・松岡亮
○説明員(松岡亮君) まだ事務的な段階の考え方でございまして、十分なるお答えにならぬかと思いますけれども、今閣僚会議できまっておりますのは、五月末までに具体的なプログラムを作るということでありまして、その際どういうスケジュールを組むかということは、各省の事務当局が一つの目安を考えましたのは、三年くらいの同に段階を踏んで自由化を進める、こういうことでございますが、ただ、その中には三年たってもできないというものがあるかと考えておるのであります。それで、ただいまから、御指摘がございましたように、大体非常に工業的に進歩した諸国では、逆に、農業問題をどこでもかかえておりますので、農産物の自由化については非常に慎重な態度をとつております。欧州諸国なども、工業品についてはほとんど自由化しましても、農産物については輸入制限の品目の数を残されております。それがやはり日本においてもやはり同じでございますし、農業問題というものの深刻さからいいますと、完全雇用の状態にある西欧諸国よりは日本の方がずっと困難な状態にあるわけでございます。西欧でも農業関係の自由化については、だいぶ工業の関係よりもテンポもおくれておるのであります。日本におきましても、かりに外国と比較して申し上げますならば、農業所得の主要な部分を占める米、麦、あるいは今後の農業にとつては大きな育成部門となりますような酪農のようなものにつきましては、ほかのものに比べまして、ずっと自由化がむずかしい、あるいは慎重にならざるを得ない。従って、かりに三年というプログラムを前提にいたしますならば、三年以内にこれを自由化していくというようなことは現在考えられないのではないか、かようにわれわれ事務当局では考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/8
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009・天田勝正
○天田勝正君 こまかいことにわたりますが、砂糖に対応するビートの関係ですが、最近私どもの——私、埼玉ですが、きわめて土質のよい所でありましても、麦作を表作にした場合は大かた十俵とれるといたしましても、粗収入が一万五千円程度、こういうことになります。それから、最近暖地ビートということが盛んに言われまして、これを概算しても、少なくとも二万五千円はこえることができる。しかも、ビートの場合でありますと、これが家畜の飼料にもなりますし、むしろ飼料の自給がはかれる、いろいろな面で、金銭に換算できないでも麦よりも有利であるという計算になります。ところが、それに対して県庁等において折衝する場合に、なかなかこれが推進をいたさないというのが実例として現われております。そこで、これを考えるに、それは砂糖の自由化等を行なうがゆえに、日本の有利作物に転換する場合にも、これをむしろ消極的にサボつておるといいますか、言葉は適当でありませんが、そういうことによって自由化に備えておるのではないかという考えも止まれるわけですが、農林当局としてはそういうお考えであるかどうか、それを何つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/9
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010・松岡亮
○説明員(松岡亮君) 砂糖についてはいろいろ問題がございまして、事務的には、たとえば一方で非常に高率な関税があって、これでもって保護に十分ではないかという考え方もございますし、他方におきましては、関税だけでは価格の安定が期せられない。特に今寒冷地におきましてはテンサイが非常な急速な勢いでふえております。いろいろな寒冷地農業ということからいきまして、西欧諸国においてもそうでございますけれども、農業の輪作の中に入れるということが、表面に出た砂糖の増産ということだけの効果でなく、畜産を興したり、あるいは災害に強い、労力の配分をうまく行なわせる、いろいろな経済効果がございますので、そういう意味で寒冷地においてはなかなかこれを押えるようなことは考えられないのではないか、かように考えるわけであります。それから、西南暖地におきまして、最近ビートの栽培が研究段階が相当進んで参っておりまして、その可能性が出てきておるのではないか、こう見られております。これが技術的に確立いたしますと、非常に日本農業にとつてはまことに画期的な影響があるであろう、かように見られておりますけれども、何と申しましても、まだ技術が確立していないという点があるのでございます。
そういう点から、いろいろな意見がございます。砂糖の自由化については、これはやるべしという考え方と、やる必要なし、むしろ現在の農業を改善する上からいって大いに今後伸ばしていくべきだという考え方、いろいろあるのでございます。今はっきりどちらということを私から申し上げることはできませんが、これもまあ自由化については相当かなりな問題があると申し上げていいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/10
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011・天田勝正
○天田勝正君 そうすると、ビート栽培について行政機関がきわめて消極的であるということについては、別にそこに自由化云々の問題でなくして、まだ技術的に固まっておらないからという理由で消極的であると、こういうお話ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/11
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012・松岡亮
○説明員(松岡亮君) ビートの栽培について積極的か消極的かというような点については、むしろ振興局の方から申し上げなければならないわけでございますが、私はどうも、積極的にやっておりますと、こう申し上げるのがいいかどうか、私はちょっと何でございますが、農林省といたしましては、研究のための機関も作り、そこでかなり今後粘力的に研究を進めたいという体制をとつておりますし、やはり積極的にやっておると申し上げた方がいいと思います。ただ、その問題と自由化の問題とは、若干面を異にしておりますので、先ほど申し上げた点は、自由化の方から見た問題点を申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/12
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013・天田勝正
○天田勝正君 このビートの耕作問題で、きようの質問をつぶすわけにいかないのですが、問題は西南暖地のみでないのです。私の埼玉、また隣の茨城あたりでも、業者及び農民が提携をして、すでにかなりの範囲にその成果はデータとして出ておるのですよ。過日も、実例をあげればいいのですが、私の方の衆議院議員、それから自民党でも佐藤洋之助氏などが埼玉に参って私もそれに立ち会つております。ところが、行政機関の方では、自分がまだ試験していないからどうも自信がないというようなことなんで、だから、それは技術的だけの問題ならきようの質問としては私はやめておく。ただ、そういう消極的な態度というものがどこでも見られるから、それが為替自由化のために、貿易自由化のために、砂糖を自由化するためにむしろ消極的になっておるのか、この点を質問しておるのであって、これが純粋な技術的な問題である、為替自由化の問題云々には全く関係ないという御答弁なら、私はこの問題は一応やめておきますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/13
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014・松岡亮
○説明員(松岡亮君) 自由化するために、テンサイの奨励について消極的だというようなことはございません。先ほど申し上げましたのは、輸入制限、輸入の数量的な制限を廃しても、相当高率な、世界でもあまりほかに例がないような高率の関税による保護をやっておりますので、保護としてはこれだけで十分じゃないかという意見があるということを申し上げたわけであります。砂糖の自由化をはかるために、国内においてテンサイ糖の奨励に消極的になっておるということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/14
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015・天田勝正
○天田勝正君 資料がございませんから、大まかなことしか聞けませんが、問題は、今農家所得と都会の所得との較差がだんだんはなはだしくなって参りまして、過日も私が本会議で農地被買収者問題調査会法の質問の際にも指摘しておいたわけですが、六、七年前には都会が一〇〇といたしますならば、農村は四三%くらいがその所得水準であった。ところが、最近になりますと、三五%が下回るという状況で、ますますもってその開きはひどくなりつつあるのです。そこで、貿易・為替の自由化の問題が全くないにいたしましても、このまま放置することはできない状況になっている。そこへ為替自由化という問題で、これにすぐでも影響があるならば、たちまち、都会の所得と比較するならば、二〇%台に落ちることは明瞭なんです。それは農産物が外国産と平均して二割、三割高いということからしても、推算できるわけです。
こういうことですから、といって、さっき私が言うように、自由化という以上は、多少ずらすにしても、こちらの不利な農産物だけをいついつまでも自由化しないのだということは、自由化の名に値しないことですから、いつの日にかそれが来る。ことに農業のように急に転換できない産業につきましては、三年、五年という話もありましたけれども、それも大よその見当で申されておるのだと思いますが、どつちにしても、三年、五年というようなずれがあるならば、このずれの中に外国の農業と対抗できる力をつけてやらなければならない、こういうことに私はなってくると思います。その一体研究を農林省としてはしているのかどうか、しているならば、今どういう面に向かつて検討しているかということをお知らせ願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/15
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016・松岡亮
○説明員(松岡亮君) ただいまのお話にありましたように、自由化は互恵の原則に立って相互の利益を増進するように進められるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、農雄物の自由化については各国とも非常に慎重でございます。それと、今もお話がございましたように、農業は急激に経済情勢の変化に対応できない。技術的に見ましても、あるいは人口その他の構造上の条件から見ましても、急激に変化に対応できないという根本的な問題がございますので、国際協定の運用の面から見ましても、非常に寛大な態度をとられているわけでございます。それに乗るというわけではございませんが、いずれにいたしましても、日本の農業の構造を激に変えるというようなことは、これは望むことが無理でございます。十分に時間をとつて、また技術の改良その他の施策を進めなければやっていけない、こういうことになるわけであります。
で、将来相当長期にわたり、農業の構造をどう持っていくかということにつきましては、ただいま、御承知の基本問題調査会におきまして、まあ非常に慎重な御研究が進められておりますので、それらの検討も待って、この問題を十分に調整を加えていく必要があるのではないか、かように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/16
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017・天田勝正
○天田勝正君 それは、答弁としては、表向きそういう答弁になるらしいのだけれども、私は、別に貿易為林の自由化の問題がここに起こらなくても、日本農業というものが、都会とその所得において較差がどんどん開きつつある。これだけでも放置しておけないのだが、どつちにしろ、どの程度に影響を押えたり、農産物についての自由化をずらすにしても、必ずそこに影響が出てくることは、これは何というても否定できない。だから、それに対応するやはり農政というものがここに考えられなければならない、こういうふうに推測するのです。これは否定できないと思う。
そこで、でき得る範囲であっても、何かそごに施策しなければならない。そうすれば、私はここに一つの例票を申し上げれば、何といっても日本炭業が零細農でありますから、これを解消する道に向かつていかなければならないという点が一つだと思います。そうすれば、農林省でもうすでに調査済みであります。五百万町歩という開懇可能地をば、それは令部が全部経済的に手がつけられるというわけにはいかないでしようけれども、大体三百万町歩くらいは経済的にも成り立つということが、農林省の研究でも私は出ておると思います。そうすれば、もちろん農林省限りでこの予算がどうできるわけじゃないけれども、農林省がその気になれば、予算折衝を行なって、まず二百万町歩の開墾に手をつけるとか、何かそういうものがなければ、とてもじんわり来た自由化でも、ここまで農家所得というものが較差がついてしまつた上に、わずかでもそれに影響があるという場合には、もう崩壊になるということを私は心配するのですよ。それですから、そういう具体的な、たとえば三百万町歩の国営開墾を行なってこれを与えるというようなものがありませんと安心ができなくなる。そういう何か計画がございますかと、こうお聞きしているんです。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/17
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018・松岡亮
○説明員(松岡亮君) 問題が、私からお答えできる問題よりも広くなっておりますので、お答えにならないかとも思いますが、農林省としましては、とにかく自由化に対しては非常に慎重ならざるを得ない。で、どうしてもほかの部門に比べますとおくれていくのはやむを得ない、こういう考え方をとつておりますが、それと同時に、自由化は、農林関係で自由化するものについては、非常に影響の少ない、あるいは軽微なものもございますけれども、何らかの対策を別途講ずればできるものがあるというようなものもございまして、その対策もあわせて考えておるのであります。関税定率を改正しますとか、あるいは価格支持を強化しますとか、そういう方法によって影響をなくしていく、こういうことも考えておるのでございますが、今御指摘のありました、まあ基本的に、農業の基本的な構造を変えるということになりますと、これは農政のほんとうに基本の問題。自由化問題を考える際に、もちろんこういう面まで考え及ばなければならないものでございますけれども、それはまた基本問題調査会において今せつかくこの目山化問題ともあわせて検討されておりますので、その結論も待って、さらに自由化の方回と調整をはかるように持っていくのが妥当ではないかと考えておるのであります。今、天田委員から御指摘のありましたような零細な経営規模をどうするかということなどにつきましても、基本問題調査会において非常に熱心に御研究が進んでおります。それらの結論も待ちまして、今後の日本の農業をどう進めるかということを考えて参るのがよろしいのではないかと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/18
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019・天田勝正
○天田勝正君 今のことは、私の質問の観点が、何といっても、もうすでに日本の農業が崩壊寸前に来ている。前の農林大臣も、十年このまま推移していくならば日本の農業は救いがたい事態に立ち至る、三浦農林大臣がこういうふうに申されておる。ですから、このままでもそうなるのであって、だから、わずかのそこに影響があるならば、都会と比較しても二〇%台にその所得は下がる、これはもう明瞭なんですから、すでに出ておるし、推移がそう来ておるということを、さっきもまあわずかの例ですが申し上げてあるのであって、そのことをすでに農林大臣も御承知になっておることだと思う。ですから、確かに参事官に聞くのは少しく範囲が広くなったかもしらぬけれども、当然答弁にはそういうこともお考にになって来てもらわないと因るから、だから、この点については、きょうのところはこれはやむを得ないようですから、農林省でもよく研究されて、一つ適当な機会にお示しを願わなければならぬと思います。これは委員長にお願いしておきます。
次に、米、麦は当分百山化しない、こういうふうに承知してよろしいと思いますが、それではこの養蚕の関係——日本農業といえば、まず米、麦、養蚕、蔬菜と、こういうふうに大別できると思いますが、そうすると、養蚕をどうするか。そうすると、まあ支持価格という今おがありましたけれども、実績からいうと、下がつた場合に——支持価格は辰村の一つの保障になるのであって、ところが、下がつた場合はどんどん支持価格も下がつてしまつたので、実際は一向支持されなかったということが実情なんです。そうすると、養蚕の関係では、もう固定してこれ以上下げないとういうその支持価格は、一体今現在で、何ですか、これより上げるんですか、下げるんですか。それを伺っておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/19
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020・松岡亮
○説明員(松岡亮君) 蚕糸対策につきましては、どうも私から申し上げる範囲外でございます。蚕糸局長からでもお聞き願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/20
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021・天田勝正
○天田勝正君 だって、自由化の問題だから。困つちまう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/21
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022・松岡亮
○説明員(松岡亮君) かりに自由化と生糸の関連を言えというお話でございますならば、むしろ蚕糸関係は、かりに日本の貿易の自由化が外国の日本に対する差別待遇あるいは輸入制限の緩和という方向につらなっていきますとすれば、むしろいい影響を受けるものであろう、かように考えておるのであります。ただ、中共の生糸などの問題がございますけれども、これは中共との閥はガット関係にございませんので、必ずしも中共に対して自由化という問題が起きないと考えますので、あまり影響はないのではないか、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/22
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023・天田勝正
○天田勝正君 その観点は、どうもちょっとおかしいな。で、その中共のだって、あなた、あれですよ、生糸は伸びておるんですよ、どんどん。大体、ここへ資料を持ってこないけれども、ここ一年間でも二割ぐらい伸びておるはずなんです。それが国際場裏で競争する場合に、こっちへその影響がないなどということはとても考えられないので、それで、しかも自由化といったって、中国の側では香港を通じて、まあ自由化にひとしいことを今現在もやっておる。そういうことですから、支持価格というならば、この面にきつちりした支持価格を設定してやらなければ、日本の養蚕は守れない。で、若干、また、今度はいいと、上向きの状況になったとしても、急に桑を植えてその年にすぐ繭がとれると、こういうわけにはいかないだけに、長期計画を必要とする。その裏づけの支持価格というものを、今現在でとどめるのか、それ以上に上げるのか下げるのか、こういうことを一つ示してもらいませんと、私の質問の答弁にはならない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/23
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024・松岡亮
○説明員(松岡亮君) どうも、糸価問題については、私どうも答弁するポジションにございませんので、お許しを願いたいと思います。ただ、今その自由化が、中共糸が競合しないということを申し上げましたのは、日本の生糸の輸入を自由化しても、日本の市場において中共糸から脅威を受けることはないということで申し上げたのであります。国際市場におけることを申し上げたわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/24
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025・梶原茂嘉
○梶原茂嘉君 ちょっと関連。農産物の自由化についての作業が進んでおるわけですね。その場合に、中共との関係ですね、中共貿易との関係をどういうふうな検討の対象にしているか。一応これはたな上げにしているのか、ある想定のもとにそれを勘定に入れまして、その作業を進められておるのか。たとえば、大豆の問題にしましても、アメリカ大豆と——ある意味においてはそのウエートは相当私は大きいと思うんです、将来の。ほかの輸出原料にしましても、いろいろ競合する面があると思うんですね。従って、作業をこの自由化を対象にしてされていく場合に、現在は一応たな上げの形にはなっているのだけれども、自山化の問題というものは将来にわたる問題で、作業の段階でどういうふうに、これは事務的ですよ、事務的にこれを取り扱つているか、全然取り扱つていないのか、一応何らかの想定で、影響というものを勘定に入れて作業をされておるのか、その点をちょっと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/25
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026・松岡亮
○説明員(松岡亮君) 対中共貿易の基本は、私どもから申し上げるものでもございませんが、われわれの作業としましては、中共とか、あるいはソ連圏、あるいは韓国、台湾、そういったカット関係にない諸国との貿易も、そのある品目の輸入を自由化した場合は、これらの国からの輸入がどうなるかという影響を見定めるために、十分考慮いたしております。その際に、たとえば大豆のようなものは、中共も含めて自由化してしまつた方が、日本の貿易上有利ではないかというような問題もございますし、逆に魚については、日本はほとんど世界から脅威を受けないのでありますけれども、一部韓国あたりの魚が安く入ってくる心配がある。そういうものはガット関係にないわけでありますから、輸入制限をする自由が日本にあるわけであります。そういうことも考慮に入れて、自由化を地域あるいは国、相手国別にも考えて参っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/26
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027・天田勝正
○天田勝正君 私は、まあ質問ももうやめますが、指摘しておきたいことは、今の生糸の問題にいたしましても、かつて日本の生糸が暴落いたしましたのは、日本と中共との問においてチンコム等の関係があって、この開発機械類を輸出をいたさない、こういうふうな日本の態度から、そこで中共側としてはこれを他の国から輸入しなければならない。しかし、日本の円と同じように、中共の通貨をもってしては、それはそのままでは買えないわけでありますから、結局かわるものとしてどういう経路を経るにしても、農産物をどんどん輸出したという、そのうちに生糸も非常に大量にまざつておつた。これは、ああいう経済を管理している国でありますから、政治的価格でどんどん売れる。その売つて得た外貨によって、御承知の通り、スウェーデンやスイス、西独、こういうところから機械を買い込んだ。その影響が日本の生糸の価格に大きく響いて暴落になった、こういういきさつなんですからね。ですから、別に私は外交政策をこの際議論するつもりはない。問題は、梶原さんが今指御摘になったように、これは計算に入れてかかりませんと、農産物の自由化という問題については、これはいささか勉強不足と、こういうことになるのであってですから、そういう過去の——もう少なくとも、これから起きる問題はまあわからないとしても、過去に起きた事例から推測して、その対策を立てていただきませんと、日本の農業としてはえらいことになる。これはぜひお考え願いたいと思う。
で、今の養蚕の問題でありますが、これは何も中共だけを言うのではございません。で、イタリアあたりでも、御承知の通り、生糸の製品は輸出が伸びておる、こういうことなんです。ですかり、これは自由諸国のうちの一国でそういう事態が起きておるということに対しては、やり方によっては日本の生糸並びに養蚕も伸びる、こういうことがいえる。だから、そういう面をとらえて、農家の所得を確保できるならば、他のものが若干自由化されて影響を受けても、ここで耐える、自然私はこうなると思います。私はきょうのところは言いつぱなしでありますが、そういうこともそれぞれ考慮されて、農産物の貿易自由化ということを御検討願わなければならな。過日も、委員長にも、他の諸君にも、私はお願いいたしましたけれども、近い機会に、資料が出て参つたら、せひ時間を与えてもらいまして、さらに一品ずつ検討していきたい、こう思いますので、きょうのところは、最後に今注文を申し上げただけでやめておきたいと思いますから、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/27
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028・木村禧八郎
○木村禧八郎君 ちょっと関連して。自由化に関する農産物のいろいろな対策の作業は、大体五月末ごろですか。そうすると、国会が閉会した後なんですね。そうしますと、われわれは検討するひまがないのです、国会の終わるのを待つというのでは。何かもう少し、それまでにできたものについて、たとえば大笠なんか一応十月にやるということになっておつたんでしよう。それかまた四月に延びたように、新聞なんかで伝えられております。それから輸出入取引法の改正の中にも、やはり東南アジア等から割高で輸入するものについて、何か補償するような条項もあるわけですね。ですから、もっと作業を早めて、完成しなくてもいいから、その過程において、できたものだけはこの国会開会中に出して、やはりわれわれの審議の対象にしていただきたいと思うのですけれども、今の作業の状況では、やはり五月末でなければ国会に出せないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/28
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029・松岡亮
○説明員(松岡亮君) われわれとしては、実は農村で非常に関心を持たれ、あるいは不安も持たれている向きもございますので、できるだけ早くスケジュールを出して、それでむしろ安心していただきたい、こういうような気持で、上司からも作業を早くするように勧められておりますし、少なくとも考え方ぐらいは早く出せ、こう言われておるのでございます。で、鋭意やっておるのでございますが、何分、先ほど申し上げましたように、小分類で検討いたしますので、数千の品目になるわけです。通産省などは、他の省を引き合いに出しますと悪うございますけれども、五月末でもむずかしいくらいのことをときどき聞いております。農林省としましても、ようやく各局から、近く一応の作業の結果が出そろうのを、来週あたりから調整を始めたいと考えておりますので、今できるだけ早く終らせたいということは申し上げておきますけれども、いつまでにということはなかなか申し上げかねるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/29
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030・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) 貿易及び為替の自由化に関する諸問題に関する件は、本日はこの程度でとどめておきます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/30
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031・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) 次に、一般会計の歳出の財源に充てるための国有林野事業特別会計からする繰入金に関する法律案、道路整備特別会計法の一部を改正する法律案、特定港湾施設工事特別会法の一部を改正する法律案、及び「国有財産法第十二条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」を議題といたしまして政府から補足説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/31
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032・小熊孝次
○政府委員(小熊孝次君) まず、一般会計の歳出の財源に充てるための国有林野事業特別会計からする繰入金に関する法律案の提案理由の補足説明を申し上げます。
昭和三十四年度におきましては、国有林野事業特別会計法第十二条の規定によりまして、十億円を限り、一般会計に繰り入れることといたしましたが、これは民有林及び公有林の治山、造林、林道の各事業につきまして増額措置をとつたことにも関連いたしまして、国有林野の林政協力の一環として行なったものでありまして、このような方策は、これを継続して実施することによりまして初めてその効果が期待されるものでありますので、昭和三十五年度においても、国有林野事業特別会計から十一億百を限り繰り入れる措置を講じようとするものであります。
なお、この会計には、昭和三十四年度末におきまして損失補てん積立金は約二百億円、手持ちの現金は約百九十億円と見込まれますので、十一億円を一般会計に繰り入れましても、国有林野菜業の管理経営にはさしたる支障はないものと認められますので、今回、この法律案を提案した次第であります。
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それから次に、道路整備特別会計法の一部を改正する法律案につきましての補足説明を申し上げます。
道路整備特別会計におきましては、道路整備事業にかかる地方負担金の納付につきまして、地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律の定めるところによりまして地方債証券をもって納付することを認め、これに対する資金的措置としまして、本会計の負担において借入金をすることとしているところでありますが、さきに提案理由で申し上げましたように、交付公債の発行につきましては地方団体の予算に計上されないために負担感が薄い等、地方財政の健全な運営上種々問題がありますので、昭和三十五年度以降に国が特別会計において行なう公共事業につきましては、この交付公債による納付を現金納付に改めることといたしまして、これに要する資金は、一般の地方財政の収入によるほか、資金運用部からの借り入れにより措置することといたしております。
従いまして、この会計の歳入の範囲から、交付公債の償還金及び利子収入並びにこの交付公債を見合いとする借入金収入を、また、歳出の範囲から当該借入金の償還金及び利子支出を除くこととするとともに、これに伴いまして、この会計の歳入歳出予定計算書の添付書類中、前々年度並びに前年度及び当該年度の借入金の借り入れ及び償還実績表もしくは借り入れ及び償還計画表、前々年度並びに前年度及び当該年度の地方負担金にかかる債権の発生及び回収実績表もしくは発生予定及び回収計画表の添付を要しないことといたし、また、歳入歳出決定計算書の添付書類中、地方負担金にかかる債権の発生及び回収実績表の添付を要しないことといたし、その他借入金の借り入れ及び償還に関する手続規定を改める等、関係規定の整備を行なうことといたしております。
なお、昭和三十四年度以前の年度の予算によるこの会計の借入金の償還及び地方負担金にかかる債権収入につきましてはなお従前の例によることとする等、必要な経過規定を設けることといたしております。
次に、特定港湾施設工事特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、補足説明を申し上げます。
特定港湾施設工事特別会計におきましては、特定港湾施設工事にかかる港湾管理者負担金の納付につきまして、地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律の定めるところによりまして、地方債証券をもって納付することを認め、これに対する資金的措置といたしまして木会計の負担において借入金をすることといたしておるところでありますが、道路整備特別会計法の一部改正の補足説明で先ほど申し上げた理由によりまして、昭和三十五年度以降に画が特別会計において行なう公共事業につきましては、この交付公債による納付を現金納付に改めることといたし、これに要する資金は、一般の地方財政の収入によるほか、資金運用部からの借り入れにより措置することといたしております。
従いまして、の会計の歳入の範囲から、交付公債の償還金及び利子収入並びにこの交付公債を見合いとする借入金収入を、また、歳出の範囲からは、当該借入金の償還金及び利子支出を除くこととするとともに、これに伴いまして、この会計の歳入歳出予定計算書の添付書類中、前々年度並びに前年度及び当該年度の借入金の借り入れ及び償還実績表もしくは借り入れ及び償還計画表、前々年度並びに前年度及び当該年度の港湾管理者負担金にかかる債権の発生及び回収実績表もしくは発生予定及び回収計画表の添付を要しないこととし、また、歳入歳出予定計算書の添付書類中、港湾管理者負担金にかかる債権の発生及び回収実績表の添付を要しないことといたし、その他借入金の借り入れ及び償還に関する手続規定を改める等、関係規定の整備を行なうことといたしております。
なお、昭和三十四年度以前の年度の予算によるこの会計の借入金の償還及び港湾管理者負担金にかかる債権につきましては、なお従前の例によることとする等、必要な経過規定を設けることとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/32
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033・武樋寅三郎
○政府委員(武樋寅三郎君) 「国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」につきまして、提案理由に補足して御説明申し上げたいと思います。
現在御住居となっております御文庫は、地上一階地下二階建、延べ七百十三坪の鉄骨鉄筋コンクリート作りで、これは戦時中防空施設として作られたものであり、御住居として適当でありませんので、これに隣接して、耐震耐火鉄筋コンクリート作り二階建、延べ四百十坪の建物を新営し、新旧両方の建物を渡り廊下をもって連接して、これら全体を御住居としようとするものであります。
新営いたします御住居は、先般の提案理由の説明にありましたように、一階には居間、書斎及び書庫、食堂、談話室等のほかサンルームを設け、二階には御寝室、お召しかえ所、納戸及びバルコニー等を設ける計画でありますが、現在御使用中の御文庫は、これを改修して、表食堂、御服調度室、拝謁室、侍従及び女子職員の詰所等に充てる予定であります。
工事は、昭和三十五年度から二カ年とし、総経費は一億六千百二十六万五千円を予定しておりますが、このうち国有財産の増となりますものは一億四千九百八十五万三千円であります。しこうして、昭和三十五年度分といたしましては、過般成立いたしました昭和三十五年度一般会計予算に計上しました通り、総経費一億九十四万二千円、そのうち国有財産の増となりますものは九千五十三万円であります。
以上提案理由に補足いたしまして御説明申し上げましたが、何とぞ御審議の上すみやかに御賛成の議決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/33
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034・杉山昌作
○委員長(杉山昌作君) 本日はこの程度で散会いたします。
午前十一時四十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414629X01519600419/34
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