1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年六月十六日(木曜日)
午後一時五十六分開会
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委員の異動
五月十九日委員鍋島直紹君辞任につ
き、その補欠として前田佳都男君を議
長において指名した。
五月二十日委員前田佳都男君辞任につ
き、その補欠として鍋島直紹君を議長
において指名した。
五月二十八日委員鍋島直紹君辞任につ
き、その補欠として藤野繁雄君を議長
において指名した。
五月三十日委員藤野繁雄君辞任につ
き、その補欠として鍋島直紹君を議長
において指名した。
六月九日委員鍋島直紹君及び西田信一
君辞任につき、その補欠として宮澤喜
一君及び大野木秀次郎君を議長におい
て指名した。
六月十日委員宮澤喜一君及び大野木秀
次郎君辞任につき、その補欠として鍋
島直紹君及び西田信一君を議長におい
て指名した。
本日委員井野碩哉君、小林武治君及び
白井勇君辞任につき、その補欠として
上林忠次君、山本杉君及び近藤鶴代君
を議長において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 新谷寅三郎君
理事
西郷吉之助君
鍋島 直紹君
委員
大沢 雄一君
上林 忠次君
郡 祐一君
近藤 鶴代君
館 哲二君
西田 信一君
山本 杉君
湯澤三千男君
政府委員
自治政務次官 丹羽喬四郎君
自治庁長官官房
長 柴田 護君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
説明員
自治庁長官官房
調査官 大村 襄治君
自治庁財政局財
政課長 松島 五郎君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠互選の件
○昭和三十五年五月のチリ地震津波に
よる災害を受けた地方公共団体の起
債の特例に関する法律案(内閣送
付、予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/0
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001・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る五月十九日付をもって委員鍋島直紹君が辞任され、その補欠として前田佳都男君が委員に選任せられ、同じ五月二十日付をもって委員前田佳都男君が辞任され、その補欠として鍋島直紹君が委員に選任せられ、また、本日付をもって委員井野碩哉君、小林武治君、白井勇君が辞任され、その補欠として上林忠次君、山本杉君、近藤鶴代君が委員に選任せられました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/1
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002・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 理事の補欠互選についてお諮りいたします。
ただいま御報告いたしました通り、鍋島君が委員を辞任せられましたことに伴う理事一人が欠員になっておりますので、この際その補欠を互選いたしたいと存じますが、その指名を委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/2
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003・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 御異議ないと認め、鍋島君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/3
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004・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 本日は、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案を議題といたします。
まず、提案理由の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/4
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005・丹羽喬四郎
○政府委員(丹羽喬四郎君) 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
今回のチリ地震津波による被害が甚大である点にかんがみ、過去の災害の場合に準じて、国におきましては、災害復旧のための諸種の特例措置を講ずる必要があるのでありますが、その一環として、この法律は、チリ地震津波による災害を受けましたる地方公共団体に対し、現在制限されております地方債発行の特例を認め、災害を受けた地方公共団体の財政の運営に遺憾なからしめようとするものでございます。
次に、本法律案の内容の要旨につきまして御説明申し上げます。地方財政法第五条に地方公共団体が地方債を起こすことのできる場合が制限的に列挙されておりますが、今回、同条の規定の特例として、災害を受けた地方公共団体が、地方税、使用料、手数料その他命令で定める徴収金の減免を行ない、そのため生ずるところの歳入の不足を補う場合または災害救助対策、伝染病予防対策その他命令で定める災害対策に通常要する費用であって、当該地方公共団体が負担しなければならないものの財源とする場合に地方債を発行することができるようにしようとするものでございます。なお、当該地方債を発行できる地方公共団体は、災害を受けた地方公共団体のうち政令で定めるものとされておりますが、政令では、従来の例に準じまして指定の基準を定めるようにいたしたいと考えておりまする
以上が、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けました地方公共団体の起債の特例に関する法律案の提案理由及びその内容の要旨であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いを申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/5
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006・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) これより本案について質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/6
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007・鍋島直紹
○鍋島直紹君 簡単に二、三点御質問を申し上げます。
第一番目でありますが、大体この起債の特例による起債の許可の大よその御見当が県及び市町村であると思いますが、大体その金額は幾らであるか。あるいはその内容について、いわば減税、減免によるところの歳入欠陥と、それから実際上災害復旧対策費に使ったもの、そういったもの、もしわかれば、大体の金額をお知らせ願いたい。
第二点は、去年の伊勢湾台風の際にこういった特例法が出ておるし、それに対する措置をせられたと思いますが、何か変わった点があるかどうか。伊勢湾台風の際との対比をしていただきまして、あわせてお願いを申し上げたいと思います。
以上二点をまずお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/7
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008・丹羽喬四郎
○政府委員(丹羽喬四郎君) お答え申し上げます。
ただいまの鍋島委員からの御質問でございますが、被害は、ただいまのところ、調査の結果大体の数字わかりましたところが、該当団体といたしまして三十市町村、私どもの見込みといたしましては、三億円程度で需要を満たし得る、こういうふうに思っている次第でございます。
それから、第二点の伊勢湾台風との対策の相違でございますが、大体精神におきましては、伊勢湾台風のときにとりました対策に劣らぬ対策を立てたいという気持で進んでいる次第でございます。ただ、今回の災害の特徴が、公共災害よりもむしろ個人災害と申しますか、被害と申しますか、その方面に非常に甚大になっております。そういうような関係からいたしまして、伊勢湾台風のときにとりました土木小災害債、農地小災害債というようなものは、この際特に起債特例を設けませんで、通常の災害債として処理いたして参りたい、こう存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/8
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009・鍋島直紹
○鍋島直紹君 もう一つ、次ですが、今回の大体災害復旧の基準は、これはほかの省とも関係ありましょうが、災害復旧事業の進捗の場合におきましても、大体今後、従来の比率である三割、五割、二割ですか、そういった形において一応計算されておられるか。あるいはその他特別な問題がありますか。この点いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/9
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010・丹羽喬四郎
○政府委員(丹羽喬四郎君) 大体やはり従来の例にならって、三割、五割、二割という率で参りたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/10
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011・鍋島直紹
○鍋島直紹君 最後に、もう一つちょっと伺いたいと思いますが、提案されました法律の第一条の第一行目ですが、「地方公共団体のうち政令で定めるものは、」という、この政令の内容、いわば指定基準といったようなものをどういう形でおきめになっておられますか。その点を多少具体的に一つお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/11
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012・松島五郎
○説明員(松島五郎君) 私からお答えを申し上げます。
従来の昭和三十四年災の場合が、当該地域内におきます公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法によって行ないます公共土木施設災害復旧事業費、それから、公立学校施設災害復旧費国庫負担法によって行ないます学校の災害復旧事業費、それから、農林漁業施設災害復旧の暫定措置に関する法律によって行ないます農林施設関係の災害復旧事業費、これらのものの合計額がその団体の標準税収入と同額以上のもの、または、市町村にありましては、さらにその地域において県が行ないました災害救助法の発動の結果支出されました救助費が当該市町村の標準税収入の百分の一をこえるもの、こういう二つの基準をとって団体を指定して参っております。で、今次の災害につきましても、大体従来の線に沿って考えて参りたいと、ただいま存じておりますけれども、しかし、今回の災害には、従来と異なった面もございますので、そういった面をどの程度従来の基準を修正するかについて、なお資料等を収集いたしまして検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/12
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013・鍋島直紹
○鍋島直紹君 最後に、ちょっと事務的なことですが、この地方債は、この二条によりまして、資金運用部資金あるいは簡易生命保険または郵便年金の積立金といったようなものでされるわけですが、この政令で定めます利息それから償還の方法、これは前と変わらないですか、どうですか。どういうふうになっておりますか。その点をちょっと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/13
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014・松島五郎
○説明員(松島五郎君) 従来と同様でございまして、利率は六分三厘、償還方法は一年据置、三年以内年賦償還とする予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/14
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015・西田信一
○西田信一君 一点だけお伺いいたします。徴収金の減免に対して起債の特例を認めるという法律ですね。この減免でなくて、徴収猶予というようなものが相当あるのかどうか。もしあるとすれば、徴収猶予に対しては、その財政措置はどういうふうになるのか。こういう点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/15
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016・柴田護
○政府委員(柴田護君) 従来から、徴収猶予の問題につきましては、こういう扱いを実はずっといたしております。まあ一時的に見ますならば、徴収猶予についても同じような措置を考えるべきではないかという議論はあり得るのでありますけれども、徴収猶予につきましては、いずれは入ってくる。従って、いずれは入ってくるものを歳入欠陥として扱うことは適当でないという形から、大体は特例債の対象にいたしておりません。ただ、非常に徴収猶予のうちで欠損処分等が出てきて、年度末になって徴収に困るという団体については、別途特別交付税の配分等において考慮していっております。今回もおそらくさようなことになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/16
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017・西田信一
○西田信一君 その措置はわかりますが、実際の場合、減免は三億やっておるわけですが、減免よりも、徴収猶予という場合は、金額の方はずっとその方が多くなりはしないかと思いますが、実際の見込みはおわかりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/17
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018・大村襄治
○説明員(大村襄治君) お尋ねの徴収猶予の点でございますが、主として対象になりますのは、事業税、法人税割等で予想されるわけでございまして、今回の災害の性質から見ますと、その関係は比較的少ないんじゃないかと思います。現在までに来ました報告を見ましても、それほど大きなものは見当たらないようです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/18
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019・郡祐一
○郡祐一君 起債の特例の法律がありますが、地方財政に、今度津波の来た所は、相当財政的には貧弱な市町村もあるんじゃないかと思うのですが、そういう見当がついているか。ついていなくても、あなた方の方で、大体こういうような措置を講じてやるというめどなり指示した事柄があるだろうか。それとも、あるいは市町村財政にはそれほどの影響がないという工合に見ておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/19
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020・松島五郎
○説明員(松島五郎君) 今次の災害が御承知の通り主として個人災害に大きなものがございまして、公共施設災害におきましては、ただいま私どもが県から受け取りました報告では、農地関係等まで含めまして七十億前後でございます。これは一応の報告でございますので、実際事業費となりますと、査定の問題もございますので、あるいはこれより下回るというふうに考えております。前回の伊勢湾台風等を含めました三十四年災害は、公共施設関係だけで千八百億を上回っているのではないかと考えておりますので、それらの点から比較しますと、公共施設関係の災害の規模としては、そう大きな額には上っていないのではないかというふうに考えております。従いまして、個個の市町村が公費をもって直接に災害復旧をしていかなければならない部分というものは、それほどの額に上らないのではなかろうかと考えるのでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、個人災害が非常に大きく出ておりますので、これらの個人災害につきまして、国がどれだけ救済の手を伸べるか、その国の伸べます救済の手に対応いたしまして、地方団体が幾ばくかの負担をするということになりますと、その金額がどの程度になるか、問題があるわけでございます。
今回の災害特別立法の中で取り上げられております一つの問題で明らかなのは、小型漁船の被害に対しまして国が復旧費を負担する。それに対して都道府県が、都道府県と申しますか、府県が同じような割合で負担をするというような規定が設けられておりますので、それらの問題は、一部の府県にとってはかなりの負担になるのではないかというふうに考えております。あと、そのほかの問題になりますと、各省の事業費も必ずしも確定いたしておりませんので、具体的にどの程度の地方団体の負担になるかというのは、必ずしも明らかでございませんが、今申し上げましたような点から考えまして、個人被害の救済に地方団体がある程度支出をせざるを得ない面が出て参りますと、その面は、多少の地方団体の負担になるのじゃないかというふうに考えておりますが、公共土木施設関係の被害ではそう大きなものはないというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/20
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021・郡祐一
○郡祐一君 そんなことを言いますのは、私は、その前の山陸の津波、昭和八年というときに宮城県に勤めておったのです。そのときの経験で、今お話のような、もちろん当時は、今と違いまして、国の補助だとか救済というのはほとんどない時代でしたがね。しかし、どうも公共災害とか何とか名のつけられない、しかし助けてやらにゃいかぬことの方がむしろ多いのですな。民家でもどうも補助のしようのない出費をしている。こわされたと、これは市町村としてはほうっておけぬと、こういうことで、おそらく昭和八年の当時は、違った意味合いで東北というものは非常に疲弊しておりましたが、それが後に地方財政にかなり長く続いてきた。だから、そういう点は、また例によって特別交付税といっても、なかなかそうはいくまいけれども、これは何とか考えていただかなければならぬことですから、それを一つ考えていただきたいと思って言うのですがね。
それから、約三十年ぶりでこういう津波があったが、一体どうもこれは、そういう意味合いの災害を必ず受ける土地であり、それから近藤さんにかねがね言われているのですが、岡山県の広戸風というのが局地的にあるのだが、大村さんなんぞよく御存じのことなんだろうが、それで、そういう災害について、やはりもとの内務省というか、地方局というかな。あそこは、とにかく何かそういう災害なんかの問題については中心になってやってくれたところなんだが、これがどうもだんだん仕組みが変わってきてはいるのだけれども、今のその津波だとか、岡山の広戸風ということは、それはあなた方の自治庁の方で、ことに自治庁におなりになって、手広くいろいろなことをおやりになられるだろうと思うから、これを一つ事柄として考えて下さらぬかな。どこでおやりになるか。総務課の方でやおりになるか。ほかの方でやるか知らぬが、そういうことをやはりあなたの方で音頭をとってやってくれということを一つお願いをしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/21
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022・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/22
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023・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。
暫時休憩いたします。
午後二時十七分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X02619600616/23
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