1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年四月八日(金曜日)
午前十時三十七分開会
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出席者は左の通り。
委員長 柴田 栄君
理事
鈴木 恭一君
手島 栄君
松平 勇雄君
森中 守義君
委員
黒川 武雄君
新谷寅三郎君
寺尾 豊君
野田 俊作君
谷村 貞治君
久保 等君
鈴木 強君
野上 元君
山田 節男君
衆議院議員
森本 靖君
国務大臣
郵 政 大 臣 植竹 春彦君
政府委員
郵政大臣官房長 荒巻伊勢雄君
郵政省電気通信
管理官 松田 英一君
郵政省電気通信
管理官 岩元 巌君
説明員
日本電信電話公
社総裁 大橋 八郎君
日本電信電話公
社経理局長 山本 英也君
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本日の会議に付した案件
○郵便局舎等整備促進法案(衆議院送
付、予備審査)
○電信電話設備の拡充のための暫定措
置に関する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
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001・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ただいまより開会いたします。
郵便局舎等整備促進法案を議題といたします。まず、発議者衆議院議員森本靖君より提案理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/1
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002・森本靖
○衆議院議員(森本靖君) ただいま議題になりました郵便局舎等整備促進法案について御説明申し上げます。
郵政事業は、国民文化の向上と経済の急速な伸長に伴いまして、年とともに発展し、最近の五カ年間における取り扱い数の上昇率は一二八%を示し、今後さらに激増することが予想されるのであります。これに対し国民の付託を受けて、事業を円滑に処理するためには、郵政省は適正な要員の配置と執務上の施設を完備することが必要でありますが、とりわけ、郵便局舎の整備は緊急問題と言わなければなりません。現在の郵便局舎の状況は、全国で二万四千五百五十二局(昭和三十四年二月三十一日現在)設置されていますか、そのうち郵政省の所有するものはわずかに千三百五十一局で、他の二万二千二百一局は借り上げによる局舎であります。しかも、その借り上げ局舎の九九%までが個人所有のものであるために、国有局舎に比較して、通風、採光等が非常に悪いというばかりでなく、老朽、かつ狭隘でありまして、公衆の利用上においても、職員の執務上からも早急に整備する必要があります。この法案はこの趣旨に基づいて制定しようとするものであります。次に、この法案のおもな内容について申し上げます。第一に、この法案は公衆の利便を増進し、事務能率の向上をはかるために、老朽、狭隘の郵便局舎を郵政省みずからの手によって建築、修繕、模様がえ等を行なうことを明らかにしています。第二に、郵政大臣は、郵便局舎等整備審議会の議を経て、昭和三十六年度以降十カ年間における郵便局舎等整備計画を作成し、閣議の決定を求めるということであります。第三に、郵便局舎等整備十カ年計画の実施に要する経費の財源については、政府は各年度に新たに積み立てられる簡保積立金の二十分の一を下らない額を郵政事業特別会計に貸し付ける措置を行なうことをきめるとともに、その他においても財政の許す範囲内において必要な措置を講ずることといたしております。
第四に、各省庁の長及び大蔵大臣または関係市町村長は郵政大臣が申し出たときは、郵便局舎等整備計画の円滑な実施に協力をすることにしております。
第五に、郵政省に委員十二名以内で組織する郵便局舎等整備審議会を設置して、郵便局舎等整備に関する重要事項について調査、審議し、また郵政大臣に意見を述べることといたしております。第六に、政府はこの郵便局舎等整備促進法の実施に要する経費の財源に充てるため、郵政事業特別会計法の一部を改正して一般会計からこの会計に繰り入れすることができることとしました。
なお、この法案実施にあたって昭和三十六年度以降十カ年間に必要とする経費は五百六億円であります。以上の通りでございますので、何とぞ十分御審議下さいまして、すみやかに可決下さいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/2
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003・柴田栄
○委員長(柴田栄君) それでは本案につきましては、本日のところ、提案理由説明聴取のみにとどめておきたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/3
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004・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 次に、電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案を議題といたします。
前回に引き続き、御質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/4
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005・鈴木強
○鈴木強君 最初に総裁にお尋ねをいたしますが、今第二次五カ年計画の拡大修正に公社が踏み切りまして以来、そのかなめをなす資金調達の面、さらにまた、それとあわせて、そこに働く職員の労働条件の向上ということが、この法案を拝見してみた場合、どうも職員の労働条件の向上ということがほとんど見られないように思うわけであります。今、組合からも要求が出されて、公社も団交を進めておるわけでありますが、不幸にして昨日も交渉が妥結をしておらない、こういう状況にございます。そこで私たちも非常に東大関心を持って問題の解決を見守っておるわけでありますが、どうも昨日の交渉後の組合の動き等について、公社はかなり強い態度で、弾圧といいますか、処分を行なうようなかまえをしておるわけでありますが、御承知の通り、両者ともこれは真剣に問題の解決のために努力をしていることも事実でありまして、そういうやさきに、いたずらに労働組合を刺激するような高圧的な態度に出ることは、私はとるべきではないと思うのです。そういう点について公社はどうお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/5
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006・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) ただいま公社としての労働問題に対する態度等についての御質問があったわけであります。このことについては、従来とも何回か鈴木先生からお尋ねをいただき、そのつど申し上げていたつもりであります。私どもは、公社の事業の円滑なる運営のためには、全従業員の協力を得なければならぬことは重々承知をいたしておるのであります。従いまして、労働組合との関係も常に正常なる関係に保って、私どもも協力するものであり、また、労組の方々にも協力を願わなければならぬ、こういうことは常に念頭に履いておるつもりであります。従いまして、私どもは決して労働組合の運動に対してこれを弾圧するとか強い態度で臨むということは全然考えておりません。ただその労働運動につきましても、御承知の通り、ルールがきまっておるわけであります。法制上きまっておるわけであります。法規に定められたルールに基づいての労働運動でなければならぬと思っておるわけであります。従いまして、その運動の途上、法規に違反したり、あるいは業務命令に反するような行動のあった場合には、これは仕事の秩序を保つ上におきましても、そのまま見過ごすわけには参らないと考えておるわけであります。かようなことのないように注意をしてもらいたいという警告は発しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/6
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007・鈴木強
○鈴木強君 これはお互いに法秩序を守っていこうということは原則だと思いますから、総裁の言われること、私は認めますが、問題は、今度の拡大修正に移行する態度をおきめになる場合にも問題になりましたように、設備資金の拡充自体も、私はあとから大臣にお尋ねしますが、国会の意思というものを十分に私はくみ入れているとは思いません。これは具体的にあとから私は質問をいたしますが……。だから現段階においても、互いに法秩序を守ろうという態度があってこそ、初めて正常な労使慣行ができてくるわけであります。ややもすると、労働者に対する労働条件の向上ということについても、なるほどお題目にはあがっている、生産が向上し能率が上がっていく場合には労働条件をよくしようと、これはきのうも、おとといも論議になったようでありますが、公礼法三十条はそういう点を明確にきめていると思う。しかし定員措置一つ見ましても、あなたの方で必要だという要員要求というものが、現実には大蔵省の査定によって九千五一名が五千三百十六名に減らされている、こういう事態。さらにまた賃金の問題についても御承知の通り、企業体の妙味というものがほとんどなくなってきている。さらにそういう中で配置転換、職種転換が、いろいろな設備の近代化に伴って労働者にとってはかなりの問題が出てきているわけです。そういう問題を根本的にどう解決していくかということは基本の問題でなければならぬと思う。ところがあなたの方では四十万の電話架設のために七十二億の外債まで導入していこうという態度をとっているわけであります。片や今申し上げたような労働条件については非常に積極性がない、そういうことが問題の根幹だ。だから生産性が上がり、サービスが向上し、水準をかなり上回っている段階においては、もう少しく公社法の精神なり、あるいは公社に移行した当時の基本的な考え方からして、積極的にあなたの方でそういう点を考えて、労働者の協力を得るという態度がなければこれはだめなんです。今出ている要求についても、もちろん論議はあるでしょうが、私たちは現状の公社企業の中から見るならば、そんなに飛びはずれた無理なことを言っているとも考えられません。昨日も森中委員から公社の労務政策に関する例の公社報別冊の資料をいただいたのでありますが、その内容を見ても、かなり一方的にものを判断し、一つの事例を非常に片得って見ている。まあ雑談の中で、これはほごになっている、状況が変わっているというお話もありましたが、いずれにしても、そういう正常な労使慣行を保持していこうという立場に立つならば、ことさらに労働組合を刺激して、それに対して管理者が間違った判断で高圧的な態度に出るということはとるべきでないと思います。現実に実力行使という戦術をかまえると直ちに警告を発し、しかもその状況がいかんにかかわらず、全員の処分をするというような態度で臨んで現にやっているではないですか。私は詳細な把握はしておりませんが、たとえば四国通信局においては、直ちに全員の戒告をしたとか、そういうふうな態度に出てきて、ものがおさまると思ったらこれは大間違い。ですから品にはそう全職員の協力を得なければならぬとおっしゃっているのですが、根本的に法律を守ることに対する基本的な考え方についてだって、これはわれわれから見ると非常になまぬるい点があるし、また、現実に国会の意思等にかなり沿ってない点もある、私はそう思うのです。だから、もう少しく柔軟性のある、やはり労働者の協力を得ていくためには、公社が積極的な態度をとって、なおかつそれでも組合が不当な措置に出た場合には、これはあなたの方の態度が生きてくると思うわけでありますが、そうでない、やることをやらないでおいて、少しやると押える、そういう態度は私は絶対に納得できないんです。言うこととやることと違っているじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/7
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008・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) ただいま私どものやり方について、いろいろ御批判をいただいたのであります。私どもとしては、常に組合の要求に対して、話し合いによっておだやかに、聞くべきものは聞き、聞き入れ得ないものは、これはどうもやむを得ない、こういう理由によって受け入れない、こういうことで、どこまでも話し合いによって事を解決していくつもりで、常に行動しているつもりでございます。ただ、法規の定めた当然のルールを離れた行動、法規違反の行動をやられた場合に、仕事の運行を守るためには、やむを得ず法規違反の行動に対して警告を発し、場合によっては処分をする。決してわれわれはこれを好んでやっているわけではありませんので、万やむを得ざるときに限ってこれを行なっている次第であります。その点をどうぞ御了承を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/8
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009・鈴木強
○鈴木強君 これは了承してくれといったって了承はできません。現実にわれわれが、まあどちらにも片寄らない立場に立ってものを見ておりましても、総裁の言われるような労務政策の基本的な考え方が、どうも実行の面においては非常にゆがめられてきておって、そのために無理なトラブルを起こすことになっていると思う。どうかこういう点は厳に注意をしていただくように、きょう私は強く意見を申し述べて、この問題はこの程度に終わりますが、どうぞ十分御注意をいただきたいと思う。
それから大臣に伺いますが、国会で法律案が審議される場合、よく付帯決議というのがつくわけです。付帯決議というのは、ただ単に文章に文字を羅列したということではなしに、国民を代表する国会が、その法律案を通過させる際に、こういう点は一つ今後考えてもらいたいとか、こういう点は将来こうしてもらいたいとか、そういう国民の総意によって、衆参両院でそれぞれ付帯決議がつくと思うのです。これに対して、どうも付帯決議というものは単なる決議だというような印象が、ややもすると見受けられると私は思うのです。ですから、それらの点についてあなたは、もう法律案自体はもちろん通っておりますが、そのことを事後において実現できるようにあらゆる努力をし、また実現しなければならぬと思うわけですね。付帯決議に対する大臣の考え方を一つ伺っておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/9
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010・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) これはただいまの御意見と私は同意見であります。今回のこの拡充法案につきましても、衆議院から付帯決議が出ております。その第三番目には、ただいまの公社総裁に対する御質問にありました労働条件の特異性につきましても、付帯決議をいただいておりますので、私はこの決議を尊重いたしまして、公社ともよくこの問題を打ち合わせまして、また監督の立場から、その監督という独自の立場からも十分に検討いたしまして、公社と連絡をとりまして、付帯決議が実現されまするように努力する所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/10
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011・鈴木強
○鈴木強君 その付帯決議に沿って、その後具体的にどういう措置を公社はやりましたか。それから郵政六大臣はそれに対してどういう監督の立場からこれを推進するように努力したか、これを具体的に、公社発足以来どうなっておるのか、一つそれをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/11
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012・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) このただいま申し上げました付帯決議の第三番目に、「電信電話事業における労働条件の特異性にかんがみ、労務管理、特に給与、配置転換、労働時間等につき、万般の合理的施策を行い従業員の電信電話拡充計画完遂への協力をはかること。」が決議されておりますので、今回、この間も全電通の組合の方々を帯同されまして陳情にお見えになりました先生方の、また鈴木委員の御意向もよく尊重いたしまして現に起こっております労働問題そのものにつきましては、担当大臣でもあることでございますので、しかしまたこの付帯決議は、これは私に与えられた私の責任または権限の範囲内で、当然私もまた重大な立場にあることを自覚いたしておりますので、労働大臣の権限に入りますことは、これはむろん私として当然差し控えなければならないのでございますが、さきに申し上げました通り、私の権能の範囲内において十分に公社の意見を聴取し、その意見についての検討も加えて参りたいと存じまして、その後何回か公社の最高幹部とも打ち合わせし、またその経過の聴取、意見等を聴取して、今検討はいたしておる、そういう段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/12
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013・鈴木強
○鈴木強君 具体的な点で一つだけ伺いますが、この公社に移行して以来、そういう付帯決議もあり、また公社法制定当時の精神、また法第三十条の給与のあり方、こういうものからいたしまして、公社の特殊性に基づく労働条件の向上ということは、それは私は全然ないとは言いません。公共企業体になりましてからの多少の特異性は私は現にあると思うのです。その一つ一つの具体的なものに私はきょう触れませんが、特に大臣にお尋ねしたいのは、公社になりまして、財務、会計法等はこれは適用を除外され、それから定員法もなくなったわけですね。そのかわりにこの給与総額というものが出てきた。この論議は、私一昨日もちょっと関連質問で申し上げておきましたが、年間の予備費の中にも相当の給与予備費というものを含んで、その年間における経済の動向等に伴って必然的に賃金の引き上げが必要な場合には多少見ていく、こういう含みも入っておったわけです、審議の過程において。そこで、この給与総額というものは、本来公社が、審議会に答申をしている公社の立場からする意見の中にも、給与総額はこれは取っ払ってしまう方がいい、こういう意見も出ていることも御承知だと思うのですね。しかし大蔵省の方は、一方、定員法はなくなったが、そこに働く職員のその予算上の定数といいますか、定員といいますか、そういうものに一人なんぼをかけて、そうして基準内外の給与を給与総額としてきめる、こういう制度になっておると思うのですね。ですから、その問題は、今大臣も、郵政職員の定員法というものをはずせという意見も、これは行政管理庁の方からも意見が出ておるわけでありますが、問題は、公社がすでに給与総額というものを設けて定員をはずしたという中で、なかなか妙味がないということで今問題になっていると思うわけですね。それほど給与総額というものは重大な影響があるわけです。ですから、給与総額そのものをやはり本来は徹底をしていくということが、私は、正しいと思うのですね。しかし、それは公社法の改正全般に関するものでありますから、一応論議はおくといたしましても、給与総額を、そういうどうも実情に合わないという中で設けたにもかかわらず、昭和三十三年以来、御承知の通り、給与総額内の費目の移流用ということは禁止されてきた。具体的に言うと、基準内外の移流用は禁止すると、こういうことになって参っているのです。これは予算総則上そういうふうになっているのです。これは私は非常に不当なものだと思うのです。ですから、端的に言ったら、与えられた給与総額の中で公社が非常に企業努力をし、定員その他の措置についても工夫をこらして、その給与総額の中においてやりくりできれば、これは企業の面はできていくわけですから、必ずしも何方の定員に対して幾らというふうな、しかも、それを基準内外の移流用をしてはいかぬということは、これは当初の精神からいったら非常におかしいことだと思うのですよ。現在では、予算総則が改悪されて移流用が禁止されておりますから、給与総額の中での妙味というものが全然なくなってきている。これは、私は今度の予算委員会でもかなりねばったのですが、もうこんなものは、移流用を禁止するなんということは、やめるべきだと私は思うのです。そうでないと、郵政職員の場合だって、必ずそういう問題が出てくるのです。そのくらいの妙味を与えなければ、定員法をはずした妙味は私はないと思うのです。これは閣内統一した意見はないと思います。今ここで私がお伺いしようとするのは。しかし、所管大臣として、そういったやり方がほんとうにいいものだと思っているのか、不合理があるものだとお考えになっているのか、これはもうあなたが閣内をまとめる場合だって一番やってもらわなければならない人ですから、そういう意味において、私はあなたの意見をこの際承っておきたいと思うのです、これは給与の基本問題ですから。あとの具体的な問題はまあいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/13
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014・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) どうもこれは、給与総額は、やっぱりなければ非常にやりいいので、電信電話の仕事を拡充いたしますにつきましても、ぐんぐんとやれますから、それははずせれば大へんけっこうなことでありますけれども、そうかといって、やっぱり予算をこしらえて、その予算に従って予算生活をやって参りますためには、総額はやっぱりきめておかなければいけないんじゃないか、そういうふうに思いますが、ただ、今移流用の問題であります。移流用の問題については、確かにそれがはずれれば非常に便利でありまして、私たちとすれば、行政監督上非常に楽でありますけれども、この問題は非常に影響も大きいので、私としての最終結論は、もっと政府部内でも打ち合わせもいたしましてからでないとお答えはできないことは、何とぞ今の段階では御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/14
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015・鈴木強
○鈴木強君 私は、給与総額を今直ちに取っ払えということについては、大いに論議のあるところですから、これを大臣にここで私は、取っ払った方がよろしゅうございます、というような意見を求めようとは、まあ今のところでは考えておりません。ただ、あなたも、なるほど所管大臣としてはやりいいという、移流用の問題については、基準内外の移流用については、これは一つあなたがやっぱり現業庁を持っている大臣ですから、これは郵政事業といえども、電気通信事業といえども同じですから、そういう立場に立ってお考えになる場合には、その程度は大臣の裁量でできる程度の道をとっておかなければ、何にも公共企業体になった妙味というものは待遇上出てこないのです。私は、経営というものはそうだと思うのです。もう端的に言えば、勤務時間とか何とか、そんなものは一々何時から何時まで勤めなければならぬというようなことを一律に観念的にきめて押しつけるよりも、むしろ、そこに十人いたら、その十人の諸君に、一つあなた方が一番やりいいようにやって、最高度の能率を上げてくれと、いういうようにやった方がむしろいいのですよ。そうやってみたって、決して業務を渋滞させたり、運行上支障があるようなことは、これはやりませんよ。それくらい——これはちょっと極端な話かもしれませんが、ですから、勤務時間なんというものは、もう少し弾力性を持たして、実情に合うようなものを作っておいて、こういうことをやるのだということを作って、それを押しつけていく。そうすると、各事業場の中でそれぞれの特性があってなかなかうまくいかない、こうした力がいいという意見もあるわけですね。必ずしも電電公社が一律に押しつけないで、実情によってやっているようでありますけれども——これはちょっと余談ですけれども、やはり予算、給与総額内の移流用というものは一つの妙味ですね。端的に言うと、その中でほんとうにその企業がいいものになるように経営者にやらしてみる、こういうのが、定員法をはずしたことでもあるし、予算総額というものを、私は給与総額を設けた趣旨だと思いますから、もう少し大臣は自信を持ってこの情勢を作るように、これは一つ大いにがんばってもらいたい。しかも、それが、当初出発当時それが正しいということで公社法をスタートさせた、それを途中でもって勝手に時の政府が移流用を禁止するなんということを出してくること自体が、もう当初スタートしたときの公社法の精神に反している。だから、法を守るとか守らぬとかいうことを言いますけれども、あなた方の方では、ちょっと工合が悪いということになると、すぐこの精神をひん曲げて、そうしてぐんぐん押してくる。
私どもは、昭和二十七年に公社になりますときには、取っ払ってもらいたいと思った。だめだというならば、移流用は認めてもらいたい、それでなければ公社の妙味がないのだと、こう言ってスタートして、三年、五年たつと、今度はだめだと言って変えてしまうようなことは、最初の約束を途中で踏みにじったということにもなるので、もうちっとあなた自信を持って、そういう情勢を作るように今後格段の私は大臣に期待をしたいのです。そのくらいの決意の披瀝はできるはずです。これは経過から見たって、決して望ましいというような程度の、なまぬるいものではないと私は思う。もっと自信を持って大臣になった以上はやらなければならない。あなたのあとには四十万以上の職員がいるのだから、やはりおやじに一番期待しなかったら、だれに期待できますか。もっと勇気を持ってそのくらいのことは解決するように努力してもらうということをやってもらわなければおさまらない、大臣が先に立ってやらなければ。そんな政府のなまぬるい態度だったら、そんな計画を立ててやれということはおこがましいのじゃないかと思う。そういう労働者に協力してもらうとかなんとかいってそういう付帯決議があっても、ますますゆがめられてしまうものを、全然そのままにしておいて、電話がつかぬから早くやれというようなことをやるのは、近代的な労務管理、経営からいったら、私はむちゃだと思う。自民党の諸君だって、そのことは私は同感だと思うのですよ。公社がもっと労働条件の改善をやる必要があったら、あなたは資金計画を変更してやるべきだということも私は聞いている。そういう形の——ちょっと組合がこれはおかしいじゃないかと言ってやれば、それは違法行為だということを言って押えてしまう。これは片ちんばですよ。それができる、できないは、そのときの情勢であるかもしれない。しかし、所管大臣が、おれはこう思うからおれはやるのだ、情勢がこうなんだから君らも一つがまんしてくれというようなことで、引っ込み思案で、ただ何にもやらないでいるから、あなたのところに突き上げがいく。もっとしっかりせいということを家族がおやじに言わないでだれに言うか。そういう体制をしかないで、今度、拡大修正五カ年計画を、しかも、付帯決議を今からやりますが、まるきり国会の意思を無視して、ますます加入者に負担を転嫁するようなものを出してくることはナンセンスです。私はそう思うが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/15
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016・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 御意見はよくわかりました。民間事業でありますと、そこらはもう鈴木委員のお話の通り、ずばずばと移流用をやってのけることができ、また、自分もそうした体験もございますが、さて、政府の立場に立ってみますと、実に財政法というものは窮屈なもので、御意見は御意見として、まことに同感なんでありますが、それを行政監督して参ります上には、なかなかそうも参りませんで、今日のところでは現行法で縛られてやっておるようなわけでありますが、将来に対しましては、貴重な御意見として、私はただいまの御意見も十分に、さらに自分でその御意見をもとにして検討を加えまして、機会のありますときに、私としてできるだけのことはいたして参る所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/16
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017・鈴木強
○鈴木強君 もう検討を加えるなんということは必要ないのですよ。私は今度の予算委員会で非常に奇怪に思ったのは、これはまあ山田会計検査院長にも来ていただいて、いろいろ論議になったところでありますが、款項目とあるわけですが、たとえば目の移流用なんかについては、これはどこの役所もかなりシビアになっておるのです。ところが、その移流用についても、大蔵省にいくと、大蔵大臣は財政法のたしか三十三条の二項かと思いますが、これに基づいて、大蔵大臣が流用については承認するということになっておりますね、財政法上は。ところが、その法律にきまっている大臣の承認事項が、省内の委任規定によって主計局長にまかされているという。主計局長は、各省から話が出てくれば、それをいいか悪いかして、まあ認可を与えている。これは私は財政法違反だといって大蔵大臣を追及したのですよ。形式的には何か判こを取っているようですが、実際の裁決権、決裁権というものは主計局長が持っているらしい。これは財政法三十三条からいったら、私は明らかに法律違反だと思う。省内の運営についていろいろと複雑多岐の場合に、一一々大臣がやれないから、委任事項があることは、これは認めます。しかし財政法三十三条によって大蔵大臣が承認するということをはっきりうたわれておるにもかかわらず、そういう大事な問題を主計局長が認可しておるということですね。それがいわゆる文部省が今度国家公務員共済組合の国庫の負担金の中から約四千万円の金を流用をして庁費に回した。その庁費を勤務評定の政府側のPRのために流して、それでいろんな宣伝をやった。ときにはどこかで飲んでもいる。これは千葉県や群馬県から、具体的に会計検査院の検査官に指摘されて出てきた。こういう問題もありまして、私は非常に奇々怪々に思っておる。しかも九月の四日に認可したものが一日にすでに支給命令が出ている、文部省からは、これが問題になったのです。非常にでたらめなところは勝手にやっているのですよ。これは筋が通らない。少なくとも国家公務員共済組合の負担金ですからね。いかに共済組合の運営が多少いいとしても、その金はやはり共済組合法の精神によって職員に還元していかなければならない金だと思う。そういうものを今言った流用をして庁費に回すなんということは、これはその精神から言ったって許されないことだと思う。そういうものは勝手にやっている。給与総額というものがきめられて、その給与総額以外のものに使うというなら、これは重大問題であると私は思う、ことに国家予算ですから。しかし、給与総額というものがきめられて、その中でどういうふうに使おうと、それは移流用ですから、この程度はこれは認めて、最終的にあなたが判こを押してもいい。しかし、それもあなたの権利を大蔵大臣の方に持っていかれるんだ。そういうことまでやられておって黙っておるということは、あなたはちょっと人がよ過ぎる。私はそういう不満をずっと持っている。
だから、この費目の移流用というようなことでも、でたらめのところはでたらめにやり、やらなければならないところは、当然理屈の通ることまで押えてくるということは、これはもってのほかのことです。公共企業体というものはそんなものではなかったはずです。そういう矛盾がありますから、私は特に大臣に言うのです。あなたの考えだって、ようもう少し自信を持ってお話しをしてみて下さい。そうすれば、その問題は国会において中に一日置いたら、すっかり連中はつじつまを合わしてしまって、実際には八日の日に文書が出ているやつを、もうそのときに口頭、電話でもって主計局長が了承しておったので、日付の間違ったのは悪かったけれども、まあ不当な行為ではなかったということで、すっかりごまかしてしまって、その前日には会計検査院の第二局長が、あれは不当行為であるということをはっきり言明した。それを月曜日になったら山田会計検査院長が来て、それは誤りで私の申すことが正しいというような、部下の言ったことを何らかばうような態度もなくて、あれは誤りだと、でたらめなところは会計検査院と通謀して適当につじつまを合わしている。こんなものはどこに出ていったって、私は給与総額内の移流用の程度はどこに出たって文句を言われるような筋合いではないと思う。それがしかも初めて出てくるものならいざ知らず、公社法制定当時、昭和二十七年から三十三年までちゃんとやってきた。しかも、そのときの本会議は、そういう予算の、三月の委員会でも移流用が認められて通った。それが四月になったら予算総則を一方的に変えてきて、そういうふうな公共企業体の精神というものをじゅうりんするようなものを出してきたということは、これは重大問題ですよ。これがあまり表面に出ないので私は非常に残念に思っているのですが、予算委員会でもあるいはこうなると言っても、あなたのところにはちっとも通じていない。そういう歴史的な経過があるから、これは私は理論をもって言っているんです。そんなむちゃなことを絶対言っているつもりはない。その程度のものは活路を開いて、そうして全逓の諸君がんばってくれ、それでも文句を言うならば、あなたはちっとは注意してもいい。何も一番大事なところを忘れておって、ちょっといえば総裁から警告書が出る、全部昇給停止、減給をするといっておどかしていって、本末転倒である、それは。出てきた事象だけを考えても、やはりそういう公社法の欠陥というものはたくさん出てきている。
ですから、私はあなたに質問します。そういう問題を整理した上で第二次五カ年計画の方に進みませんというと、土台骨がまるっきりふわふわしている中に家を建てるといったって、これは建てたってつぶれちゃう。ですからもう少し私は信念を持って、あなたが検討をするという時期じゃないと言ったので、大臣就任以来一年にもなる。もう検討という言葉は私はちょっと許しませんし、これは大臣もう少し信念のある御答弁をしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/17
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018・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) まあ執行は電電公社の方できめているわけなのでありますが、この問題はただいまの御指摘の事実は、はなはだ何ですが、私存じませんけれども、今初めて伺ったわけでありますが、十分に一つまあ検討して——検討の段階じゃないと言われますが、さらにそれではまあこの何といいますか、調査、適切な言葉が何ですが、事実も知らない以上は調査いたしまして、それでまあできるだけ一つ御希望に沿ってやっていきたいと思いますが、まあ執行の方は窓口が、窓口と申しますよりは、公社の方で原案を作るのは御承知の通りでありますが、予算原案を作りますときにさらに今後は深い注意をもって監督に当たりまして、遺漏のないように努めて参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/18
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019・鈴木強
○鈴木強君 この内閣というのは非常にこれは私は勝手だと思うんです。大臣になってもまあ長くて二年ですね。一年ぐらいでぼこぼこやめちゃって、それで大臣に就任して一年ぐらいの間勉強して、それで終わってしまうというようなことになる。こういうところにその行政上の欠陥があると思うんです。そこには事務次官なりあなたを補佐する官僚諸君もいるのですから、そういう人たちはかわっていないはずです。あるいはかわることもあるかもしれませんが、大体いると思うんです。ですからそういう諸君の奮起も私はこの際要望したいのです。それで結局行政というものが内閣によってやられて、それは各国務大臣がきめていくわけです。閣議で決定してこれはやっていくわけですね。予算総則なんというのは閣議決定権であるわけですね。国会の承認を最終的にやりますけれども、そういうときにやはりその今までの経過というものを十分に大臣にも持たして、そうしてその閣議の中で予算の編成当時にこれは非常に無理じゃないか、こういう意見ぐらい出なければいかぬです。あなたは今度の閣議で公社の予算総則が出たときに、そういう意見が述べられておったのですか、またその意見を閣議の中で言ってみたのですか。言ったというのなら、私はまだあなたがほんとうに良心的に行政というものを考えて、電電公社の隘路というものを打開するために努力をしていることの実証になると思うんです。私は就任当初、この前も言ったように、公共企業体のあり方について質問しているのです。しかしこれは就任早々ですから、あなたは検討さしてもらいたい、私は無理からぬと思いましたから、よろしゅうございますと言ったのです。その後一年近くたっても返事がないから、私は怒るのですよ——かくのごとく。あなたも、忙しいでしょう、あなたも忙しいでしょうが、もう少し、公共企業体というものの精神がどこにあるか、そうしてこれを行政上どういうふうに指導、監督していったら、国民の期待に沿うようになるのかということを的確に把握していただいて、あなたの就任時代において、これだけのことができたということになると、これは、国民のために喜ばしいことであるし、また、あなたをおやじと思っている全職員は、ふるい立っていくのです。一ぺんに百のものが解決できなくても、百のうち、たとえ三つでも五つでも、いい方向にいけば、それによって従業員は奮起するのです。国民もまた、それを喜ぶでしょう。そういうためであるならば、これは命がけで、あなたにがんばってもらわなければならぬと思う。
そういった私は、行政組織上の今日までの欠陥があると思います。あると思いますけれども、大臣がかわってまた検討いたしますといっては、かわってしまう。また次の大臣がくると、検討いたしますといって、かわってしまう。これでは、いつまでたっても問題の解決にならない。もう少し私は、各大臣が引き継ぎを十分にやっていただいて、そうしてその問題については、かりに大臣をやめても、あなたは国会議員ですから、またその国会議員の立場に立って、自分のできなかったことを、任期を終えても、また国会議員の立場に立ってやっていただくという態勢ができませんと、いつまでたっても、問題はしり切れとんぼになるのです。あなたに、私は別に説教しようとは思いませんけれども、あまりにも、今までの行政組織というものの不備が出てきまして、そのために、正しいことができないということは、これは国のためにも惜しむから、私は言うのです。ですから、ほんとうに、まあいつまでやるか、私はわかりませんが、内閣の改造も、少し延びたようです、おそらく十一月に公選するかしないか知らぬが、それは、その人の勝手なことだから、わかりませんけれども、いずれにしても就任している間は、もう少しあなた自信を持って、閣内でがんばってもらって、いい方向を出しておいてくれぬと、私らも、どうも頼りない大臣で、幾らあなた、信用してくれといっても、信用できなくなる。私は間違ったことを言っていますかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/19
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020・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 公共企業体のあり方ということにつきましては、私も個人意見は持っておりまするけれども、電電公社のあり方ということにつきましては、公の機関の答申、また公社自身の考え方、その公共性、企業性につきましての二律背反的なものを、どういうふうに調和してやっていこうか、予算の問題につきましても、給与総額の問題につきましても、予算、決算の問題につきましても、どうやってやっていこうかというようなことにつきましても、これは省内におきましても、また公社の方からも、十分に意見を聴取いたしまして、現在も聴取はいたしてございますものの、まだ最終結論にまでは達しておらないのでありますが、閣議において、それについての発言は、今までしたことはございませんが、内輪の集まり、内輪の会議におきましては、自分の意見も、遠慮なく今日までも述べてきております。
それから大臣の責任行政の機構の問題につきましては、鈴木委員の御指摘の通りでございますが、私の信念としては、この大きな政治の、長いことかかって大きな一つの仕事を仕上げますその一こま一こまを、そのとき、そのときの大臣が担当しているという考えをもちまして、自分が、在任中だけ適当に糊塗するといったような考えは、毛頭ございません。それからまた自分のイズムを織り込み過ぎまして、そうして郵政省という、郵政省の所管しているという、長期間の仕事を、ゆがめて参るようなことは絶対にいたしません。自分がやめたあとも、長く続いて参ります郵政省の所管の行政が、十分りっぱに行なわれていくような考えを持ちまして、行政に従事しておるということの御了解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/20
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021・鈴木強
○鈴木強君 まだ私の質問をしたことに答えてくれないのですがね。——予算総額の中の基準内外の移流用について、ことしも昨年と同じような予算総則が出てきたのです。
こういうものが出てきた場合、また公社との折衝の中で具体的に、あなたは、これは公社法の精神からいっても、ちょっとまずいじゃないか。従って、本来の設立当初のところに、もう一回戻すというような御意見を持っておられたのですか。そういうことを話してくれましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/21
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022・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) ただいま申し上げました通りに、先ほど御質問のように、閣内において、そういう発言をしたかという御質問でございましたが、先ほど申し上げましたように、閣内におきましては、発言いたしたことはございません。ただ内輪で、予算の問題を検討いたしますときやなんかにおきまして、この給与の総額の問題、また定員との関係の問題、定員のワクをはずす問題等につきまして、また移流用の問題につきましても、私の意見は述べて、意見交換はやって、今日までやって参りました。ただ、閣議のときの発言はいたしたことはなかったということをお答えした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/22
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023・鈴木強
○鈴木強君 それは、まあ内輪の中で話ができたことが、今度あなたが全責任をもって閣議に臨むわけですから、そういう席上であなたが正しいと信じ、かくあるべきだと考えたことは、やはり述べていただきたいのですね。そうしませんと、他の閣僚にはわかりませんよ。今言ったような大臣ですから——それぞれの所管が、皆変わっていくんですから、よう他人のことまで、勉強はいかぬのです。自分の内輪だけの勉強で精一ぱいですから。そのことは、あなたの所管事項として閣議の中で述べていただくということが、やはりみんなの気持が、そこへ反映できることですからね。ですから、そういうことをやらないということは、いかにも私は不満に思いますね。考えたら、なぜ言ってくれなかったのですか、それを。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/23
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024・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) まあその辺の呼吸は、どうぞおまかせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/24
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025・鈴木強
○鈴木強君 まかせられないよ。まかしてくれ、まかしてくれと言ったって、おれはこう言ったけれども、だめだという報告を聞けば、何も私は言いません。さらに大臣一つがんばって下さい、ありがとうございましたと、こう言いますよ。ところが、自分は信じない——こういう話があったが、とんでもないと思ったら——これは別ですよ。そうでなくて、なるほどと思ったら、やはりそういう意見を言ってくれないと、それを、だれが反映してくれるのですか。四十万を代表して言ってくれるのですか。わしらに言ってくれと言ったら、やりますよ。しかし、やるといっても、言わしてくれないでしょう。だから、やはり大臣が、所管大臣として、みんなの意見を、そこに反映してくれないと、行政の中にわれわれの意見が通ずることはないのですね。そこまで付帯決議がついていなかったから言わなかったというなら、これは角度が違いますが、そんなものではないのですね。そういう点がどうも私は不満があるのです、心の中に。
ですから、しつこく、こう大臣に言っておるのですよ。また機会を見て言ってくれますか。大蔵大臣とも話して下さい。答弁して下さいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/25
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026・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) こういうことをきめますのは、一番タイミングとしては、予算の編成のときにあると思うのでありますけれども、今後におきまして、現在も予算もこういうふうに、まあ拡充法案も、だんだん審議が進行いたしましてこういうふうな段階にきておりますので、いつのときに、どういうふうに、それについての措置をするかという点につきましては、しばらく御猶予をいただきたい。私におまかせを願いまして、私としては、所管大臣として、できるだけのことはいたして参る所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/26
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027・鈴木強
○鈴木強君 まあここで、あなたの言質をとろうとも私は思わないのです。思わないのですけれども、ふだん思っておることを、あなたに申し上げておるわけですからね。もちろん私も、予算が決定し、すでに執行の段階に入っておることですから、そういう中で、あなたがどういう時期を選んで言っていただくかは、私はあなたにまかせます。まかせますが、いずれ、三十五年度の予算も補正措置その他の措置をやらなければならぬ時期がくると思うのですね。ましてや、三十三年の話をして恐縮ですが、国会は、総予算の移流用を認めるということで通ったのが、四月に臨時国会で、この流用が禁止されたという経過もあるのですから、これは、政府が腹をきめれば、予算総則の変更を国会に提案できるわけですからね。ですから、そういう意味で、今後タイミングをはずさないように、厳に大臣が、この問題について御検討いただくように、希望をして、きょうは終わっておきますわ、なんぼ聞いてもしようがないです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/27
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028・森中守義
○森中守義君 大臣、どうなんですか。この公社の改訂案が出るときに、大蔵省と予算折衝のときに、あなたは具体的に、どういうような大蔵省と話をしたのか。どの程度手伝いましたか。事こまやかに、一つ話して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/28
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029・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 事こまやかには記憶しておりませんが、私といたしましては、まあ私の立場では、大づかみなことが、主として折衝のやり方でありまして、事務官を帯同いたしまして、具体的なことは事務官の方から折衝させ、あるいは私だけでもって、大蔵大臣と折衝したことも無論ありますけれども、一々、いっこういうふうな発言をしたということまでは、記憶しておりませんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/29
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030・森中守義
○森中守義君 私どもは、与党の政調部会で、いろいろ論議されたり、あるいは社会党の政審で、いろいろやったり、かなり関心をもって、この予算の成り行きを見守っていたんです。寡聞にして、あなたが大蔵大臣あるいは関係の閣僚との間に、この問題について特段の努力をされたように聞いていないのですよ。
そこで今、鈴木委員が、予算総則の問題や移流用の問題等質問されても、その種の問題、あるいはこの改訂計画に必要な問題等については、あまり動いていなかったんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/30
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031・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 森中委員は、みずからを寡聞と言われますが、私は、あなたは寡聞じゃない、よく何でも御存じだと、私はさように思っております。
私の役目は、各事務官も大ぜいおります、手足がたくさんおるわけでございます。その人たちが、十分に力を発揮してくれまして成果を上げますればよろしいんだ、そういう方針で、私は行政をいたしておりますので、今回公社の予算がまあ私としては画期的に、郵政省の予算を、こんなにたくさんもらったのは初めてだ、こういうふうに考えております。公社の予算については、さように考えております。
むろんこれは、私の手柄でないことは、よく私は自覚いたしております。ただ、私の時代に働いてくれた私の部下が、実によくやってくれて、綿密に、また迅速に、円滑にやってくれた、その結果が、こういうふうに現われておるんだということは、よく私自身自覚しておりますが、それならば、私のやりました役割というものは、それらの非常に今までにないような活動をしてくれました人たちの仕事を取りまとめて、また大づかみに指導をしてやっていったのでございましてその一つ一つ、具体的の交渉につきましては、各担当の係から、御聴取願った方がけっこうだと存じますが、私は私の立場において、何もしなかったか、あるいは私が活動したかということは、皆様の御判断、御批判におまかせいたしたいと思います。自分としては、自分の勤めは、果たしてきた、さように御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/31
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032・森中守義
○森中守義君 これは、まだ長い審議の期間もあることですから、その中で一々承わりたいと思いますが、何も、あげ足をとるわけじゃないけれども、前段の質問は、そういうことを聞いているのじゃないですよ、一々事務官のことを——事務官がどうした、こうしたということを聞かなければ、大臣の仕事ができないようなことじゃ、これはまた話になりませんから。
むしろあなたが、大ざっぱな話というのか、肝心かなめの話を、閣議の中なり、あるいは予算関係の際に言わなければ、話は進まぬのじゃないですか。一体、従来まで公社関係で、問題になっておったようなことが、あなたの時代に片づいたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/32
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033・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 結局、私のやりますことは、郵政省の仕事が成果をあげるように、事務系統を指導監督し、督励していくことにあると存じますので、まあみんなが一生懸命に働いてくれまして、その成果があがりますれば、これはほんとうに事務系統の人たちの、ほんとうによく働いた成果であり、しかしこれは、決して事務系統だけでやり上げた仕事ではないので、ことに逓信委員会の委員長初め、委員の皆さんの御協力と御援助と御激励と、いろいろにまた手を分けて御協力下さいました結果であるということは、重々自覚しておるのでございますが、まあ結果が出ましたら、それで一つごかんべん願いたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/33
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034・森中守義
○森中守義君 それは、よろしくも何も、こちらの方できめるのだから、そんなことは、別にどうということはないのですが、しかし感違いをしてはいけませんよ。郵政省の皆さんが、この種の関係にしたとかしなかったとか聞いているのじゃない。あなたは何をやったのか、こう聞いておる。だから、何かこう話を聞いていると、非常に郵政省の皆さんのことを、一生懸命言われておるようだけれども、それは、私どもよく知っております。
しかし物事次第では、あなたは率先して、至上命令だなどといって、いろいろやっているじゃないですか。カラーテレビ、こういうことは、皆さんにまかしてやっていない。だから今、鈴木委員が言われるようなことも、あまり片づいていないようだというようにも、私は考えておるのですが、カラーテレビなんか事務官まかせに、当局まかせにしないで、あなたが率先してやっているじゃないですか。ところが、大事なこういうような問題は、今のお話にもあったように、皆さんが一生懸命やっておるというような答弁では、ちょっと、私は承服しがたい。
まあしかしそれは、何月何日大蔵省へ行って、大蔵大臣と会って、何をやったということまで聞こうとは思いませんけれども、悔いなく、この公社関係の問題の解決に当たったという自負がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/34
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035・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) それは、私が積極的に動きます場合も、自分は消極にしていて、手足の人に、うんと積極的に動いてもらいます場合も、虚々実々、そのときそのときの事案の進行状況によりまして、いろいろな活動の形は、とって参るべきだと、さように考えておりますので、政治に関しましては、その結果から御判断を願いますほかないと存じます。
むしろ私のやりますことには、それは多くの点において、皆様方の御期待に沿わない点が多々あったかとも存じますけれども、その点は、何とぞお許しいただけるものはお許しいただいて、そして今後も、私が、ただいま申し述べましたような方法で、あるいは積極的に、あるいは消極的に、あるいは話し合いを進め、こちらから積極的にお願いに上がったりなどいたしまして、今後も、自分の責任を全ういたしていきたい所存でございますので、何とぞ御了承賜わりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/35
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036・鈴木強
○鈴木強君 昨年の九月だと記憶しておりますが、公共企業体のあり方について、当時の公共企業体審議会等からも、二度ほど答申が出されておる。これに対して郵政大臣は、どういうふうに対処されようとしているのか。
それから、現行の公社法上不備欠陥は、一体どういうところにあるのか。それを、どういうふうに解決していくのか、こういったことを質問してあるわけでありますが、きょう御答弁いただけますか。もしいただけなければ、保留してもけっこうですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/36
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037・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) これは、政府予算の基本問題も、御質問には含まれておりますし、それから、この前、おわび申し上げましたように、私の旅行中に御質問のありましたことが、帰ってからまだ答弁されておりませんことは、本日、また重ねておわび申し上げる次第でございますが、本日は、まだ答弁を一つお延ばしいただきまして、御猶予いただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/37
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038・鈴木強
○鈴木強君 私は、この拡充措置法を論ずる際に、どうしても、その点が基本になりますから、大臣の御所見の御発表がないと、私の自後の質問は、もう率直に言って、できないんです、私は。——まあそうは言っても、審議もやらなくちゃならぬということで、私も、非常に苦境に立っておるわけですが、もう私は、そこから論じないと、この第二次五カ年計画の拡大修正というやつは、まあどういうふうに、今後四十七年度までいくのか。
きのう野上委員から、かなり適当な、私は、りっぱな質問があったと思うんですが、その質疑を、ずっと聞いておりましても、経済の成長率がどういくのか、これは、まあ経済企画庁の統計資料を持ってきてやったというような御答弁もありましたが、まあ現在の公社の立場からすれば、そこいらを、よりどころにしなきゃならぬと思いますけれども、もう少し、明治二十何年以来の、この電話の発達状況も勘案してみて、戦後の状況も勘案してみて、しかも、それには資金が必要ですから、どういう資金の割当をしていくのか。片や、国会等で非常に問題になっております現在の負担法等の問題もあるわけですから、そういう総合的な、やはり立場に立って、日本の電気通信事業が、どうあるべきかということを論ずる場合においても、まず問題になるのは、公共企業体というものは、現在の形でいいのかどうなのか。いいとしても、その中には、かくのごとき欠点がある。しからばそれを直して、そして基礎を作って、一路四十七年に向かって公共企業体というものを動かしていくという、やはり大理念がないと、私は、途中において——まあ監理官も、ちょっとおっしゃったんですが、非常に何といいますかな、大ざっぱとか、大づかみとかいう、ちょっと表現は別だけれども、そういうことを松田監理官もおっしゃったんですけれども、おそらくそれは、一つの大綱でしょう、私もそう思います。しかし、そうであっても、もう少し基本を整理していただいてやりませんと、せっかくやったものが、いろんな、途中で制約も出てくるでしょうし、困難に逢着をして、せっかく作った計画というものが、中途で、また変更されていくということになると思いますからね、それがまあ土台になるわけなんです。大臣はしかし、いつ答弁してくれるかわかりませんがね、私は、それをまた待って、この質疑を続けていきますが、まあしかし、非常に問題が大事ですから、重要な問題ですから、今即答できないとすれば、私は待ちます。できるだけ早く、大臣は、私の質問に答えていただきたいと思います。
それで、まあ審議を、ここで私やらぬということも、また委員長にも、大へん協力しないようなことになっても、私困りますからね、まあ、わかっていることで一つ質問をします。
今度の、今上程されております法案は、過去を申しますと、電気通信省時代に、昭和二十六年の六月九日に、法律二百二十五号で、電話設備負担臨時措置法というものが、五カ年間の期限をもって制定されておるんですね、その後、昭和二十七年の十二月と、三十一年の三月二十日に、それぞれ改訂をされております。これは、本来、電話というものが非常に公共性の強いものであるし、政府は、できるだけ低廉な料金で、早く引いてやると、こういう責任を持っていると思うんです。だが、しかし、なかなか資金調達が困難であるので、ほんとうにこれは、文字に書いてありますように、臨時のものなんですね、臨時の負担法であったはずなんです。しかも、昭和二十七年には、たしか、六万円の債券を買うような、電話加入者負担の過重な方向にいっているのですね。三十一年の三月に、五年間の臨時措置法の期間を、さらに五年間延長して、来年の三月三十一日まで、現行法は生きているわけです。この思想を貫いているのは、根本的な公共性ということから見て、できるだけ国が設備投資をして、加入者からの負担を軽減していくという、こういう大理想から言うと、ますます逆行しているのですね。しかもその格差というものは、だんだん大きくなってきている。今日十六万円の加入者の負担をさせなければならないというような法律案を出してきたことについて、私は非常に問題があると思う。しかも、現行負担法が、本年の三月三十一日において期限が切れるということであれば、また話はわかりますね、内容の額のことは別としても、その思想はわかります。しかし、現に来年の三月三十一日まで現行負担法によってやり得る。しかも、法律を作ったときには、これから五年間は、これでやりますということを、国民に約束しているはずなんですね。それを中途において、まだ一年余裕があるのに、こういう多額の、高額の加入者負担をするような法律案を出すことは、これは私は、これまでの審議の経過から見ても、非常に間違いを犯こしていると思うのです。
で、きょう私は、あなたに聞きたいのは、さっきの、最初に私が質問いたしました付帯決議というものを、政府は尊重し、それを実現するために、万全の努力を尽す、こういう大臣の御答弁がありましたが、なお私はわからなくなりましたから、お聞きするのでありますが、これは、もちろん大臣の御就任の時期ではございませんでしたが、昭和二十七年の十二月の二十三日に、参議院の本委員会において、六万円の電話債券を引き受けてもらう、こういう法律改正があったときに、本院において付帯決議がなされております。これは大臣お読みでございますか。お読みであれば、私は省略いたしますが、これは全会一致、新谷寅三郎氏が——これはまあ当時、与党であったかどうか私知りませんが、あるいは緑風会におられたかもしれませんが、とにかく満場一致で、ここに付帯決議が決定をされ、「本法案は、電話事業の建設資金調達のため加入者に対し一時に高額の負担を課さんとするものであって、差当り暫定的措置としては止むを得ずとするも、電話の国民大衆への普及を阻碍する結果となることは明らかである。」従って「本委員会は、政府が速かに左記事項を実行されることを強く要望する。」「一、日本電信電話公社設立の趣旨に鑑み、建設資金として投入する国家財政資金を大幅に増額すること。」二つ目に、「同公社の公募債券の発行額を増額すること。」三つ目に「適切なる料金制度を確立すると共に、要すれば同公社の資本構成に民間資本の参加を求むるの要否につき再検討すること。」料金改正は、その後具体的に委員会の問題になりまして、まあ決着をしているような格好であります。もちろんまた、現段階においては、さらに森中委員の昨日の質問もありましたように、料金改正を——体系是正であっても、やるべきだという強い国民の要望も出ておりますので、これは本国会に本来なら提案されることになっておったのでありますが、いかんながら委員会においては、本通常国会に提策するという公社当局の言明がなされておったにかかわらず、作業がおくれて、おそらく次の通常国会まで延びている、こういうことも、私はやはり責任を負う立場に立つ政府当局なり、公社当局からすれば、非常に問題があると思います。
しかも昭和三十一年に、この法律案が、さらに五カ年間延長されるときにも、これはやはり同じように付帯決議がなされております。これを、ちょっと読んでみますと、「およそ電話施設の建設に要する資金は、企業体の自己資金をもって賄い得ないところは、国家資金、財政資金の借入或は公社債の公募等の方途によってこれを調達すべきであって、電話加入申込者等受益者の負担にまつことは、事業の公共的性格からいって、努めて避けなければならない。この見地からすれば、電話設備費負担臨時措置法による受益者負担は、急速な拡充を必要とする電話事業の現状と、これに要する資金を十分に供給し得ない国家財政並びに公社収支刻下の状態よりする已むを得ざるに出た措置というべきである。よって政府及び公社当局においては、将来事情が許す限りなるべく速かに、かかる臨時措置を打切る方針の下に、できうれば負担法の延長期間内においても加入申込者等の負担を軽減すべき適当の方策を講ずべきである。」こういう決議案がついておるのです。
この趣旨からしますと、私は、今日あなたは、三十五年度の予算で、かつてない電電公社の予算をとったというようなことを今言われましたが、なるほど千二百八十五億という建設資金と七十二億という外債を合わせますと、千三百億を越えておりますから、額面を見れば、建設資金が多くなっておりますが、そのうち自己資金の占める割合は、依然として三分の二に近い。しかも、この拡大修正に踏み切る際に、自由民主党の皆さんも特別委員会を設置されて、これからの建設資金については、こうあるべきだ。特に三十五年度においては、これだけの国家資金は必要だ、こういう見地に立って、二百十二億という財政投融資の額を要求したのです。にもかかわらず、実際に大蔵承認がなされたのを見てみますと、第一次査定では、かなり切られている。第二次の復活によって、簡保資金の運用について、五十億の要求に対して二十五億、公募割引債の三十億の要求に対してはゼロ、公募債百三十二億の要求については八十億、しかもこの中には、政府の直接な借入金というのは、一銭も入っていない。簡保の運用資金にしても、公募債の問題にしても、これは、すべて債券を引き受ける、公募債を引き受ける金に使われている。直接の政府の財政投融資の中から、借入金として入っている金は一つもないじゃないですか。四十七年度までの遠い将来は私はいざ知らず、少なくとも三十五年度の本予算において、あれだけ拡大修正を研究された以上、私たちも、党の立場で研究しましたが、そうして、現実に三十五年度の予算にしぼって、これだけの国家援助はしてもらいたいという二百十一億が八十億になっている。これで額面だけ見て、これは予算の際にも、電電に対してかなりめんどうを見たというようなことを言っておるのですが、われわれ、事業を少し知っておるものから見れば、何を寝ぼけているのだ、こういうことが即座に言えるのですね、国民は、額を見るから、なるほどこれは、国鉄に近くなるわい、国鉄よりも、少し多いわい、というような印象を持って、電電の資金は拡充した、こういうかもしれませんが、中身をごらんなさい。過去五カ年間の公社の建設資金の財源というものは、三分の二自己資金なのです。ことしも二千二百九億という収入を設定しておりまするが、このすべては、電信電話料金の収入でしょう。これだけの収入をあげ、サービスを向上して、しかも合理化というのを、積極的に公社でやっている。一方そのことが、労働者に非常に労働条件に影響してきておる。にもかかわらず、国民の期待に沿うように、私は公社は努力をしてきていると思う。だから、今までの付帯決議や、その他の国会審議を通じてみましても、もっと国家が、金を出して、そうして、加入者の負担を少なくしなさい、こういう付帯決議があるのにかかわらず、何のことですか、この現状は。私は、具体的な数字をもって、あなたに質問をするのだ。この付帯決議というものは、生かされておりますか。生かされていないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/38
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039・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) これは結局、負担という考え方、概念につきましての御意見と、私たちの意見との相違に基づきますところが、多分にあるように思われるのでございますが、私たち負担と考えておりますのは、加入者が出しきりになってしまう金額について、負担と考えておりまして、その点におきまして、今回の臨時措置法におきましては、負担の金額が軽減されておる、付帯決議の御趣旨に沿うておると、さように考えておるのでございますが、たとえば東京、大阪のように、一級地におきまして十五万と申しますと、それが十五万の負担がかかるというふうに考えられる方も、中にはあるようでございますが、私たちの考え方といたしましては、これは加入者から、お金を貸していただいているのだ。加入者が負担されますのは、一万円のお金である、——まあ登記料もあることでございましょうが、そういうふうに考えておりますので、今回の法律案の方が、現行の負担法よりも負担が軽減されている、そうして、その加入者から貸していただきますお金、つまり電話債なるものは、担保に入れて金融の道か講じられますし、また、これを、電話債を売ることもできるようになっておりますので、負担という点については、さように考えております。
それからまた毎年、毎年と申しますか、年月の終わるに従って、逆に負担がますますふえていっておるというふうな御説につきましては、私たちの考えといたしましては、物価その他の料金、貨幣価値の変動等に比較いたしますと、戦争前におきまする電話架設の負担の費用の方が、今回の新しい法律案よりもずっと安いように思われますけれども、これは貨幣価値の変動からきた結果だと存じます。私たちの立場といたしましては、さように観察いたしておりますのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/39
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040・鈴木強
○鈴木強君 大臣ね、この委員会で、そういう適当な答弁をされちゃ困るですよ、私は。だから私は、もう数字をもって言っているのですから、あなたは、数字をもって答えて下さい。それは大衆の前に行って、あなたがそういうことを言ったら、なるほどと言う人もおるかもしれませんが、現実に、今度のランクを設けて、下級のクラスから上級のクラスまでのあれを見ましても、今まで設備負担法によって、一万円以下であったところも、実際に今度は、一万円にならしてあるじゃないですか。十五万円取っておるところからも、今まで一万何ぼか二万でやってきたところだって、今までは格差があった。それが全部一万円になる。これは下に対する直接の金を取り上げるというのが、多くなってきたのですよ。
私が言っているのは、あなたが、そういう答弁をするならば、まず第一点として伺いたいのは、今後十五万円のやつを、八割か八割五分で売れば、差し引きで大して負担にならぬ、こう言っているのですが、今後、果たして八割五分なりあるいは八割で、このたくさん膨大に発行される電話債券というものが、市場における価値が確保できるかどうかということですよ。私はかりに八割で、現在売れておったとしても、この市場にだぶつく今後の公債のことを考えると、近くこれが、あるいは七〇%になるかもしれない、あるいは七五%になるかもしらぬ。そういうときに対して、あなたが八五%で売った場合には、多少安くなるかもしれない、八〇%に売ったらとんとんかあるいは多くなる、これは私数字を持っていますがね、いいですか、七〇%とか七五%で将来いくという保証が取っつけられますか。そういうようなことは絶対できません。そういう論拠はいかなる論拠でしょうか、私に言わせれば。それから三十一年なり二十七年なりに改正をし、この法律が制定されて以来物価かどのくらい騰貴したか、それに伴い貨幣価値がどれだけ下がったか。それと比較検討して物価が上がっている、だから貨幣価値が下がっているようにあなたは言われているが、一方賃金に言うと、何だか一%みたいな適当な数字を持ってきて、いいですか、一%しか上がっていないから賃金は上げられないのだ、物価が上がっていませんから、というような、そのときそのときの適当な資料を使ってあなた方は答弁している。二十七年から幾ら上がった、この法律案が制定されて、四月一日まで物価が幾ら上がったか、三十一年度まで物価が幾ら上がったか、その当時の何からいってあなた方幾ら安くなったと言われるが、これは一つ数字をもって示していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/40
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041・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 私が今答弁いたしましたのは、ずっと前の時代と今日の比較でございました。先ほどの御意見がそこにあったのだと思いましてずっと前と今との比較を答弁申し上げたのでありますけれども、三十一年あたりと今日を比べますと、これは御意見の通り物価がそうひどい変遷はないのでございます。先ほど申し上げましたように三十一年現行負担法と新法案との区別について申し上げますれば、これは先ほどから申し上げますように、負担という私たちの考えている観念からいたしますと、これはかえって今回の方が軽減されてきて、付帯決議に沿うおる、さように考えるのでございます。また相場につきましてはこれは御意見の通り相場の高低というものは、これはいつも変動はいたしておりますけれども、大体長い目で見ました大づかみのカーブを考えますれば、高低の足取りを見ますならば、大体ただいま御指摘の程度のコーテーションが、相場がだれもが考え得る相場であろうと存じますし、それ以下に下りましたときには、公社の総裁がこの前にも答弁されたかと思いましたが、それに対する万全の措置を考えておられますし、万全と申しますか、できるだけの措置を考えておられますし、私たちといたしましても、その点につきましては非常な相場の変動のないように指導して参りますことは申し上げるまでもないところでありますけれども、よほど経済の恐慌とか、激変するような経済変動のございません限り、大体この相場をただいま御指摘の程度の相場と考えて遺漏はないように思われます。そしてその辺の八五%といったような相場で大体計算いたしましても、今回はたしか、私今ここに、ちょっとどのページにその資料がございましたか、ちょっと今急いで見つけますことが困難でございますけれども、大体一万何千ですか、ただいまの、事務官から具体的にはお答えさしていただきますが、今回の方が負担軽減になっておる、さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/41
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042・鈴木強
○鈴木強君 あのね、数字で一つ示してみて下さい。第一点は、あなたが、この決議案によって政府の資金というものをもっと出して、できるだけ加入者の負担を軽減しなさい、これが二度にわたっての付帯決議でしょう。あなた付帯決議を実行していると言うのだから、いいですか、この国庫の公社に対する資金援助というものが、具体的に公社発足後どうなっていますか。それはちょっと時間がかかるかもしれませんがね。三十五年度の具体的な財政投融資の計画は、これは自民党の方も積極的に協力をしてくれたと思うのですが、二百十二億というものをあなたは予算原案を承認しておるでしょう。そうして大蔵省に折衝したのでしょう。その結果八十億に切られておる。これはあなたは、これから将来五年六年先だったら私は計画を作ってもなかなかそぐわないかもしれませんが、もう公社は第二次五カ年計画を三十三年度以来スタートして、四千五百億の金で電話を架設していこうということで計画を立てたんですよ。そしてスタートした。で去年は御承知の拡大修正するかしないか、ここでもずいぶん論議になったんだが、まだ公社としても拡大修正をするかしないか態度をきめられない。とりあえず三十万の電話をつけるように予算を作って、そうして三十五年度は少しでも電話をつけよう、こういうことで予算が出てきた。いいですか、それを今度は公社が拡大修正に踏み切る際にこの付帯決議も尊重されたでしょう。そうしてできるだけ政府の出資、借入金を期待したい。そういうことからこの三十五年度の予算を組んだ。これはことしのことですからね、二百十二億というものはあなたは認めておるんじゃないですか。これが結果的に見て八十億に切られたということは、この付帯決議の精神からいったら反するんじゃないですか。これは二百十億円なり二百十二億円まで行ったというなら、これはここでこの付帯決議を尊重しましたということは言えるでしょうが、私は言えないじゃないですかということを具体的にことしの予算を見て言っておる。これが一つ。
もう一つは、かりに今の電話債券の相場というものが八割で確保できたと想定しますわね。その場合に十五万円の債券を売ると。そうしてあなたの言うように加入者の負担が減ったということは言えますか。これは数字で示して下さい。現行の九万三千四百円で見て、六万円は債券ですから、三万三千四百円というものを加入者が負担しておる。八割でどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/42
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043・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) ただいまの具体的数字については、係官から答えさせていただきたいと思います。
もう一つの方の予算要求額と決定額とのことにつきましては、これは理想案を持って要求いたしたのでありますが、なかなか理想通りには査定が行なわれませんで、極力努力いたしましたが御指摘の八十億、御指摘のような数字に落ちついたのですが、私たちその落ちつきますときにまずまずこれならば三十七万加入実現できる。あと三万ほどはこれは別に御審議願っております。いわゆる外債法を通過させていただけば、これに三万加えて四十万加入の実現が可能である。さように考えまして、これならばまず実行ができる段階てあるというので落ちつきましたのでございまして、その辺のことは御了承いただきたいと思います。
ただいま具体的の数字につきましては監理官からお答えさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/43
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044・松田英一
○政府委員(松田英一君) ただいま御要求の数字につきましては、今ちょっと準備中でございますので、ただ私どもの考えをここでお許しを得て申し上げさせていただきたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/44
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045・鈴木強
○鈴木強君 いやそれは委員長、発言中ですが、資料が出ないとまたピンぼけになりますから、また意見があったら別に聞きます。時間かからないでしょう、八割で売ったら幾らになるか、子供だって計算できる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/45
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046・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) まことに恐縮でございますが、ちょっと探しましてからお答えさしていただきたいと思いますので、次の御質問を頂戴いたしますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/46
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047・鈴木強
○鈴木強君 それはあなたが法律案を提案しているのですから、この国会でどういう質問が出るかそれはわかりません——わかりませんけれども、そのくらいの答弁できないで議事進行してくれなんて言ったって、それはできませんよ。そんな不勉強なことで私らに責任転嫁されるのは困る。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/47
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048・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) どこかに入っておりますのですが、実はこの間計算いたしまして表をこしらえておきましたのですが、ちょっと暫時御猶予願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/48
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049・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 私の手元にちょっと数字がありますから補足申し上げてよろしゅうございますか、もしお許しが得られれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/49
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050・鈴木強
○鈴木強君 いいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/50
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051・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) つまり先ほどの御質問の一点は、このうちの実質的負担といいますか、今の負担金の問題、それから引受債券の問題、これらを総合いたしまして、従来の負担法によるいわゆる実質的負担と、今度の新法による実質的負担が、果してどちらが負担が大きいか、こういう問題だと、それを数字的に示せと、こういう御質問だと思います。そこでかりに一番負担の大きいと思われます一級地の点について考えますと、現行の負担法によりますと御承知の通り三万円の負担金、これはいただききりの負担金であります。そのほかに装置料として四千円、これは手数料としていただいております。そのほかに六万円の債券の引き受けをしていただく、こういうことでございます。そこで三万円の負担金と四千円の装置料は、これはいただききりのものでありますから、これは明瞭に負担であります。そのほかに六万円の債券がかりに二割引きであればどうか、こういう御質問であったように思います。そうなりますと二割引きで売れた場合は、百円のものは八十円で売れたということになりますので、六万円に対して二割引きだと一万二千円のそこに格差ができるわけです。これを三つ寄せますと、実質的負担は現行法のもとにおいては四万六千円ということになるわけであります。今度の新法によりますと、装置料のかわりに設備料という名前に変わりまして、一万円の手数料をいただくことになっております。これはいただききりのものであります。そのほかに負担金は全然いただきませんが、十五万円の社債を引き受けるということになっておりますので、これが二割引きで売れたとすれば三万円の格差ができるわけであります。合わせますと四万円ということになりますから、まあごくわずかなものでありますが、四万六千円と四万円との比較によって、まず六千円だけは実質的負担が減るとこういう計算ということになるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/51
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052・鈴木強
○鈴木強君 それはちょっとどこから持ってきた数字かしれぬけれども、そうすると今一級局、東京で電話を引く場合に払っている金は幾らなんですか。あなたは今四千円とか何とか言ったけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/52
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053・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 装置料は四千円でございます。そのほかに三万円の負担金、それから六万円の社債引き受け、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/53
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054・鈴木強
○鈴木強君 九万三千四百円でなしに九万四千円かかるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/54
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055・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/55
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056・鈴木強
○鈴木強君 そうしますとかりに八割で債券が売れるとする、十五万円の八割と言ったら十二万円でしょう、三万円そこに損がくるわけでしょう。それで一万円かかるから四万円の負担になるのですね。それから現在は三万四千円、それだけ負担が加重になる。今三万四千円でしょう、結局払う金は九万三千円のうちの六万円が債券ですから。だからその手数料はあなたが言うように安くはならない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/56
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057・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) いや、三万四千円はいただききりの負担金と手数料の装置料でございます。これは三万四千円ではっきりしております。そのほかに六万円の債券を引き受けていただく。その六万円の債券の値段がどう変動するか、私はちょっとわかりませんけれども、先ほどの仮定で二割引きで売れた場合にはどうかという御質問でございましたから、二割引きで売れた場合には、六万円の二割引きに相当する一万二千円というものが負担になる。これをあわせますと、全体で四万六千円の負担になる、こういうわけであります。一方の方は四万円の負担になるから、その差額の六千円だけは現行法より新法が実質的負担が軽くなる、こう申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/57
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058・鈴木強
○鈴木強君 これから昭和四十七年まで十二年間、暫定措置法というのが施行されているわけですね。そうするとこれから昭和四十七年までの間八割引きでいくということが保証できるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/58
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059・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) これは市場の状況によることでありまして、果して八割で売れるか、九割で売れるか、九割五分で売れるかということは、これはどうも今から断言はいたしかねます。しかしながら、昭和三十年以降の今日までの趨勢というものの数字がわかっておりますので、これらから考えますと、どうも二割よりもっと低く——もっとよけいに値が下がるということはまず今日までのところはありませんです。実例を申し上げますと、以前の昭和二十八年から昭和三十年の七月まで、この時代は市場にこれが上場されなかった時代であります。この時代には正規の相場が立たない関係上、多少悪質な金融業者あるいは電話業者等に買いたたかれたために、五十五円とかあるいは七十円という時代もあったようであります。しかし、これはどうも加入者のために非常に困ったことだということで、東京証券取引所にお話をいたしまして、本債券の市場における取引の開始をお願いしたわけであります。それ以後は東京、大阪、名古屋等の市場におきまして気配相場が立つようになりました。それ以後はさような低い値で買いたたかれるということはなくなったという状況であります。それ以後の相場を見ますると、昭和三十年においては最高八十九円四十銭、最低七十六円二十銭、これは平均いたしまして八十三円六十九銭という平均相場になっております。三十一年度におきましては最高が九十五円九十銭、最低九十円五十銭、平均いたしまして九十四円四十四銭という平均相場になっております。三十一年度におきましては最高が八十八円、最低が七十八円、平均して八十二円三十九銭、三十三年度は最高九十円十銭、最低が八十四円十銭、平均いたしまして八十七円十四銭、三十四年度におきましては最高が九十円、最低が八十円、平均いたしまして八十七円三十三銭、かような平均相場が出ておりますので、まずこの状況でありますと、八十円以下に下がるということはまずなかろうと、一応私はかように存じておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/59
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060・鈴木強
○鈴木強君 相場の見通しは総裁が言うように間違いありませんという断言はできないと思うのです。これからどういうふうに経済事情が変化していくかわからぬことですから、そういう断言は私はできないことだと思うのです。それはお互いに神様でない限り見通しぐらいを言うのが適当かもしれませんがね。それにしても今度法律案がかりに通ったとすると、この法律によって幾らの債券を買わされることになりますか、額は全部で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/60
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061・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) もちろん相場のことでありますから、先ほどお話のように、決して将来どれだけ、相場が必ずこれ以上に下がらぬとか、これ以上に上がらぬということは、これはもちろん断言はできません。従って私はこれ以上下がらぬと決して断言しているわけではございません。ただ今日までの市場から考えますと、大体八十円以下に下がることはまずなかろうと、かような見通しを申し上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/61
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062・鈴木強
○鈴木強君 額は幾らになりますか。三十七万引いた場合のこの暫定措置法によって取り上げる金ですが、金の額は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/62
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063・山本英也
○説明員(山本英也君) ただいま三十五年度において加入者に負担していただきます債券総額が四十万、加入者としてどの程度が、というお話でございますが、ただいま御審議いただいておりますところの拡充法によりまして、予算において見積もりましたものは三十七万名で、加入者等に引き受けていただきしますところの債券の総額は、三百八十七億と予定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/63
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064・鈴木強
○鈴木強君 それから、これはもちろん償還になっていくんですが、これから四十七年までの間で一番ピークになるときですね、債券の発行が一番多くなる——償還していくでしょう、それからまた一方で発行しますね、四十七年までの一番ピークになる最大の額は幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/64
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065・山本英也
○説明員(山本英也君) ただいまのことについてお答え申し上げますが、措置法でお願いいたしておりますところの債券、及び拡充法に基づきましてお願いをいたします債券というのは、いずれも償還期限が十年でございますので、今後一番ピークになる時期がいつかというお尋ねでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/65
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066・鈴木強
○鈴木強君 そう。それと額。何年度になってそれが一番大きい額になるのが幾らか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/66
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067・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) ただいまの御質問は、少し計算をしないと正確な答えが出ないと思います。年々発行するかわりに償還する額を差し引きまして、全部年別に比較せぬと、どの年が一番高額で高いか、そうして幾らになるかということは、ちょっと計算をする必要があろうと思います。一つ計算をした後にお答えをすることにして、ほかの御質問をどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/67
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068・鈴木強
○鈴木強君 総裁、あなたが相場を論じられましたから……。私は、やはりある程度百億、二百億程度の債券が市場にある場合と、それから数行億になった場合とは、やっぱり市価売買の値段というのは、これは変わってくるのですよ。それをお調べになって、何十年にはこれだけの額になる、しかし市場にだぶついても、大体八〇%ぐらいの値段は下がりませんと、こういうことであればまた話はわかるのだけれども、そういう基礎資料も何も持たないで、勘で八割は大丈夫でございますと言うから、主客転倒しているのですよ。もう少し国会答弁というのを考えてやって下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/68
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069・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 私は断言を申し上げたわけじゃないので今までの実際はこうであります、将来はこの状況でいきますれば、まずそれより以下にならぬのじゃなかろうかということを申し上げただけであります。ことに、私は金融問題なり相場の問題についてはしろうとでございまして、これに対してむろん断言できるような知識を持っておる者じゃないのですから、さような大胆なことを申し上げるつもりは毛頭ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/69
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070・山本英也
○説明員(山本英也君) 先ほどの御質問にお答え申し上げますが、加入者に引き受けていただきますところの債券が一番多くなりますのは、やはり昭和四十七年に相なるかと思うのであります。これは、第四次の終わりまでの加入者の数等は、予定をいたしましたもので計算をいたしまして、期末のものを申し上げますと、第二次五カ年計画の終わりでございますところの三十七年度におきましては、加入者債券の発行高と申しますか、償還を引きまして三十七年度におきましては千三百二十億円でございます。それから、第三次五カ年計画におきます四十二年度におきましては、三千二百五十億に相なります。それから第四次の四十七年末におきましては、四千八百四十億ということが一応予定をされております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/70
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071・鈴木強
○鈴木強君 この数字を見ましてもわかりますように、最高四千八百四十億という電話債券が市場にだぶつくことになるわけですね。それからこれはもう急速なカーブを描いて電話債券が市場に散布される、こういう結果になると思うのです。そのほかもちろん財政投融資その他の面から公募債の引き受けも加わってくるわけですから、ただ単に加入者だけの負担金でなしに、その面からの債券の過重も出てくる。そうしますと、おそらく五千億近いものが三十七年度末になりますと発行されることになると思うのですね。そうなりますと、やはり現状の数百億の公募債と違いまして安っぽくなるということも考えられるわけですね。しかも現実に十六万という金がなければ引けないことは事実ですからね。金を用意せんことには引けない。あなたの方では勧銀、その他短期融資の道も開いておると言っておりますが、それはけっこうなことだと思いますが、加入者が現実に十六万円という金をそろえなければ電話が引けないということになるわけですから、市場でこれだけ売れるから差し引きこれだけ得になります、損になりますというような論議は、これはこの次の論議であって、少なくともそれだけの金が現実に手元になければ電話がつかぬということが、この暫定措置法の精神だと私は思うのです。ですから何といったってこれは加入者の負担過重になり、その資金は公債を売る、またそこにはブローカーも出てくるのですよ、いろいろなことで買いたたかれる、そういう状況が出てくるのは火を見るより明らかなんです。ですから国民は、また利用者は、非常にこれの負担過重なことに不満を持っておられるし、危惧を持っておると思う。だからなぜもう少し国の財政援助というものができないか、これは問題をそらされては困りますからね。大臣は、付帯決議を二回つけられてあなたは尊重しますと言っておりながら、どうも国家財政投融資からの援助というものは非常に少ないのです。これは第一次五カ年計画をごらんになっても、第二次五カ年計画になってからも、一向に決議の趣旨を生かしておらないということは、これはもう抗弁する余地はないですよ、三十五年度なんか二百十億で八十億、今度は七十五億の外債がある、これは外国の人たちが金を出すわけでしょう。その保証を政府が裏づけるのかどうか、それは別としまして、そういうところは責任のがれをしないで、少ないものは少ないと認めて今後は一つ努力をするというのならいいのだが、どうも答弁を聞いているとああいえばこういう、しろうとを納得させるような答弁をするから、わしらは追及していくのです。実際に決議の趣旨が生かされていない、これは認めなさいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/71
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072・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) これもどうにもいかぬ、おそらく財政投融資はもっとほしかったことは事実でございます。今後もしっかりやります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/72
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073・鈴木強
○鈴木強君 頭を下げて済むものじゃない。これは決議というものは国民の決議だからね、これは。それを無視して加入者の方からどんどんとるようなことを考えて、電通事業というものは大体これからどっちに向いていっちまうのですか。まだそのほかに大臣が答弁しない公社法のやつもあるのですからね。それくらい片づけてやってくれるならまだ私は多少わかるのですがね。あの預託金だってそうじゃないですか。二百億円の資金は三十億が無利子で、あとは日歩八厘で公社から借りておる。年二分九厘二毛くらいのものを六分五厘くらいで出して政府は利息をかせいでおる。そんなことをしておっても、それでこの財政資金になってくると、ああでもない、こうでもないといって金を出さぬ。おかしいよ、あんた。運用委員会にだってあんた責任者で入っておりますからね。これは委員長、大臣も答弁してくれぬし、やはり基本的な公社のあり方についての私は質疑をやった上でないと、どうもしり切れトンボになってしまって質疑ができないのですよ。これは委員長、委員会の通常として一つ考えてもらいたいのです。私はもうせんだって、大臣に大へん失礼だと思いましたけれども、院の権威のことでありますから、鬼になったつもりであんたにも言ったのですけれども、そういうものが、この前の六日の委員会が開会されてから六、七、きょうは八日でしょう。まだそれがきょうも答弁ができないということになると、ちょっと私は質問をやる気がなくなるのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/73
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074・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 実はもう事務当局の方にはできておりますのですが、私と事務当局が調べ合います実は時間がまだ余裕がなかったのでございまして、この次の委員会には答弁申し上げる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/74
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075・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ちょっと速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/75
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076・柴田栄
○委員長(柴田栄君) それでは速記を起こして。
本日は本件に関してはこの程度にいたしたいと存じます。
これにて散会いたします。
午後零時四十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01419600408/76
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