1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年四月十二日(火曜日)
午前十時五十一分開会
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出席者は左の通り。
委員長 柴田 栄君
理事
鈴木 恭一君
手島 栄君
松平 勇雄君
森中 守義君
委員
黒川 武雄君
新谷寅三郎君
寺尾 豊君
最上 英子君
谷村 貞治君
久保 等君
鈴木 強君
野上 元君
光村 甚助君
国務大臣
郵 政 大 臣 植竹 春彦君
政府委員
郵政政務次官 佐藤虎次郎君
郵政省電気通信
監理官 松田 英一君
郵政省電気通信
監理官 岩元 巌君
説明員
日本電信電話公
社総裁 大橋 八郎君
日本電信電話公
社副総裁 横田 信夫君
日本電信電話公
社運用局長 山下 武君
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本日の会議に付した案件
○電信電話設備の拡充のための暫定措
置に関する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
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001・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ただいまより開会いたします。
電信童話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案を議題といたします。
まず、郵政大臣から発言を求められておりまするので、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/1
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002・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 前回の委員会におきまして、鈴木強委員からの御質問がございましたので、それに対する答弁を申し上げます。
まず、対外電気通信政策につきましての御質問に対してお答え申し上げます。
日本のこの対外電気通信政策につきまして、まとめて答弁するようにとの御質問でございますが、これにつきましては、まず国際通信そのものについての発展という問題がございます。この点につきましては、KDDの活躍によりまして、日本の対外通信連絡は非常に整備いたして参ってはおりますけれども、しかも、なお世界的な通信網の進展に伴いまして、日本としてもこれに立ちおくれてはいけないというその必要から、このために最近の世界におきまする海底同軸ケーブルの布設の盛んな傾向に従いまして、ただいま太平洋ケーブルの問題を国際電電会社をして、アメリカ側と折衝させておるのでございますが、このことにつきましては先般当委員会で御説明申し上げました通りでございます。
なお、わが国から東南アジア方面に対しまする通信網を整備する必要も考えられるのでございますが、この点につきましては、昨年五月東京で開かれましたITUのプラン会議におきまして、東南アジアの各国とよく連絡をして、この問題を解決して参りたいという趣旨の提案を日本からいたしまして、この問題につきましては、将来なお検討の対象とすべきであるということを十分にこの会議におきまして、注意を喚起しておいたのでございます。
その次に、国際社会の一員といたしまして、電気通信面における国際協力の問題でございますが、まず第一の問題としては、電気通信面における国際機関として、国際電気通信連合がございまして、世界各国の電気通信の調和ある発展をはかっていることは御承知の通りでございますが、日本といたしましては、その連合の一員といたしまして、このITUにおきまして活躍いたしますことが、国際社会の一員としての義務でもございますし、また、日本としても、これによりまして日本の電気通信界における世界的な地位が向上するということも考えられますので、従来とも大いに努力いたして参った次第でございますが、先般全権委員会議におきまして、この理事国に選任せられましたし、また、無線通信主管庁会議におきましては、長谷慎一氏がIFRBの委員として選任せられましたこの事実も、この方面における日本としての一つの活動の進展と考えられる次第でございます。
次に、国際協力の一面といたしまして、新興国への技術協力の問題がございますが、この問題はITUにおいてもいろいろ論議されている問題でございまして、この面におきましては、先ほど申し上げましたITUにおける日本の地位の向上によりまして、今後一そう協力することが可能となり、また、しなければならない要請も出てくると考えられます。一方におきまして技術援助の問題は、電気通信ばかりではございません。他の分野におきましても問題とされているところでございますが、その実行は、たとえば国際連合の技術援助計画とか、コロンボプランとか、さらにまた、日本と関係国の協定等によっても行なわれておるのでございます。これは主として外務省が主管しているところでございますけれども、電気通信面におきましては、郵政省はこれと密接に連係をいたしまして、一方には電電公社、また他方にはHDDの協力も得まして、この方面におきます技術援助について実績をあげるように努力いたしておる次第でございます。具体的には電気通信要員の訓練だとか、技術指導等の問題があるわけでございます。
なお、この問題につきましては、アジア通信協力会のことが先般御質問もございましたし、問題にもなりましたのでございますが、これにつきましては、日本の貿易の増進、鬼気通信面について申しますれば通信機器ということになりますが、これに関連しては、通産省とよく協力いたしまして、この通信機器の生産、また海外への進出につきまして監督指導して参りたいと存する次第でございます。次に、電電公社——公共企業体のあり方についての御質問がございましたわけでございます。それについてお答え申し上げます。
公共企業体の審議会の答申について考えてみますと、公社の組織及び運営につきまして、これを民間的センスに切りかえて、企業性と自主性とを強化して、能率的、進歩的な運営をはかるとともに、企業経営の責任を確立することを答申の中に述べておりますが、その趣旨につきましては同感に存じます。
それじゃそのためにどういうふうな措置を行なって参るかと申しますと、まず、第一には、公共企業体の監理委員会を設置いたしまして、役員の業績の考課を行ない、職員の基本給与、業績の手当、能率などの適否を判定して、そのほか監査の結果につきまして、関係各大臣に対して勧告または報告を行なうというふうなことが今考えられて、それで答申にもそういうふりにあるわけでございます。
第二の点として答申にございますのは、予算決算の制度を企業性にふさわしいものに改めて、国会の議決を要しないとすることがあげられます。
第三番目に、監督は大蔵大臣等の監督をやめて、郵政大臣の専管とするという点が述べられております。
第四番目に、公共企業体の運営の利益は、国民と政府と企業関係の三者に均霑するように配分することとして、その給与ベースは、公務員に比準する、と同時に、職員の業績に応じて幅のある賞与制度を採用すべきことが指摘されております。
また、最後には、執行機関を強化していかなければいけない、それによりまして、自主的な企業性を発揮した運営をやっていくというふうなことが答申に盛られておりますが、これに対しましては、まず監理委員会の性格につきましては、やや明確でない点もございますし、監督権限との紛淆、検査院とか行管の検査、調査権との重複等もあるように思われます。また予算決算の国会議決を要しないという点につきましても、ずいぶんと問題があると思われますし、また、その他の点につきましても検討を要するものが相当ございますので、答申全体といたしましては、大体において尊重すべきものと考えられますので、なお努力を続けて参りたいと存じます。
以上、この二つの御質問に対してお答え申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/2
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003・柴田栄
○委員長(柴田栄君) では、引き続いて御質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/3
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004・鈴木強
○鈴木強君 今、大臣から昨年以来の保留になっておった二つの点の御答弁がなされたのですが、何というのですか、経過報告みたようなもので、郵政大臣としてどうあるべきかという御所信ははっきりしないのですね、これは私は非常に不満です、その点は。ですから少し質問をしてみたいと思いますが、まず対外通信政策についてでございますが、通信のオペレーションの方ですが、オペレーションの方については、これからまあ十年なり十五年先を見越した場合に、現行の短波による通信連絡というものがどういうふうな形になっていくのでございますかね。それで今度有線の海底同軸ケーブルを布設するということは、そういうこれから先の通信網というものがどういうふうな計画をたどる中でその必要があるのか、そういう点が非常に不明確に思うのです。ですから、その辺をもう少しはっきりしていただきたいということと、それから現在全世界に短波通信の連絡があると思いますが、まだ戦争前のようなルートというものが確保してあるのかどうなのか、戦前と比べてみて各ルートごとにですね。
それからもう一つは、この技術関係ですが、なるほど、私は日本の優秀な機器を特に後進地域に輸出をして、積極的にその面から協力するということは、これは当然なことだと思うわけでありますが、そういう面に対して、どうも先般のアジア通信協力会議というような、何か商事会社的な性格を持ったものができまして、これが自然発生的にできたのだ、従って政府としては、できるだけの協力をする、こういうようなお話でございますが、もっと政府がこの海外技術援助という面について積極的にやるべきではなかったか、そういう施策の欠如が、一方業界から見ると、待ち切れずにああいうものができたとも思われるわけですね。ですから、基本的に今後どうやってそれを強力に政府は推進されていくのだか、とりあえずこのアジア通信協力会議というものについて、できたことでもあるし、できるだけこれを助長していこう、そのための援助もある程度経済的にも考えているようですが、その基本のあり方が非常にわれわれから見ると不満足ですね。そういう点を一つもう少し、私はこれはまあ電信の機械なり、あるいは電話の機械なり、日本のすぐれた技術をもっと積極的に政府はどういうふうにやっていくのか、その点を一つ明らかにしてもらいたいのです。
それからあと、公共企業体の問題については、私はさらに質問をしますが、それと関連をして、現在の公社法第三条というものは、何回も論議になっておりますように、この二項に「郵政大臣から委託された業務」、これは新しくこれが改正になった際にも問題になりましたが、電電公社が委託による業務ということがここに四つばかり出ておりますが、これも法制定当時の精神からいうと、もちろん、国内の電気通信事業を主体に考えているわけですから、国際的にそういう電電公社が乗り出すことがいいのかどうか、これは非常に疑義があるところです、率直に申しまして。これは大泉周蔵さんの電電公社法の解説なんかを見ましてもかなり限定されているように私は思うのです。先般ベトナムの軍事通信回線の計画のときにも問題になりましたし、現在公社がバンコックに技術センターというのですか、教育センターか何か、出張所を設けているのです、こういうものについても、現在の公社法第三条からいうと非常に疑義がある。あなたの方は法制局あたりの見解を、かなり曲げたような見解をあえてよりどころにして、合法化しようとしておるのですが、これはおかしいと思うのですよ。私はやっちゃいかぬというのじゃないのです。時代は伸びていくわけですし、発展をしていきますから、その間において電電公社が国際的にも協力するという立場に立てば、やはりこれはやるべきだと思うのです。そうであれば、やはり法的に疑義のある点は明らかになくして、堂々と協力できるような道を開いてやるのが、私は大臣の一つのとるべき政策だと思うのです。これは公社法全体を流れる思想というのがそうなんです。私はこの拡大修正に踏み切る場合にも、先ほど大臣が答申について大体は尊重しなければならぬというお考えがあるにかかわらず、答申をされてからもう三年もたっているのだが、一向に公社というものがどういうふうにいくのがいいかということがはっきりしない。公共企業体という性格が国民からも、またそこに働いている職員からも非常に疑義を持たれてきている。何が公共企業であるかという非常に疑義があるのですね。そういう土台をここで整理して、そして法を改正すべき点はして、組織的にも機構的にも陣容的にも、またあなた方の自主性から見ても、思う存分にやはり民間の長所を入れて、もっと自主的な運営がやれるような道を開いてやらなければ、せっかく四十万の童話をふやそうという、そういう考え方が出て参りましても成功しないというのが私の考え方なんです。ですから、あなたの方は何か知らぬが、そういう本質を忘れて、そこにふたをしてしまって、そしてただこの目先の政策だけをやっていこうという、そういうことが根本的にあることを私は非常に残念に思うのです。ですから、その辺をもう少し私は大臣としてしっかり施策をお持ちになって、公社法の改正も、外資導入七十二億の道を開くようなことだけでなしに、それをおやりになるならば、もっと総体的な公社法の改正というものを考えて国会に出すべきではなかったかと私は思うのです。これはあとで質問しますが、この三条と関連して、この技術協力ということに非常に私は疑義を持っておるのです。この点についてもこの際一つ承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/4
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005・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 御指摘の点は、公社が海外のそういったような問題に取り組んで海外援助をやっていくことが決して悪いことではないけれども、それならそれを、公社法を改正してやることがよろしいのだ、堂々とやれという御意見だと存じますが、私もこれはまだ政府としての統一意見にはなっておりませんので何でございますが、実は個人的には私もさように思いますのですが、しかし、これはまだ私といたしましては、もっと検討をいたしたいと思う点がございます。それは公社が、そこまで海外に進出するのを公社にやってもらったものか、それとも、現在のように、公社の仕事、本来の目的に差しさわりのない程度で、頼まれたので今まで海外援助と中しますか、調査に応じたという程度のことで、それ以上のことは、たとえばアジア協力会のようなものにやってもらうといったことがよいかという点につきまして、実は大へん答申後時間がたっておるのに、まだはっきりした結論を出さぬという、ただいまの御叱正もまことにごもっともなこととは存じますけれども、これはまた重要な問題の分岐点であると存じまして、ただいまのところでは、政府といたしましては、新興国の技術協力の問題は、向こうから頼まれました場合に日本が調査には応じていくと。しかし、設計など進んでやるということになりますと、公社がそこまでやっていいかどうかということについて、公社法の精神から、また、条文から考えまして、相当これはよく研究してからでなければいけないんじゃないか、こういうふうなことはむしろアジア協力会のような仕事の方へまかせていくと。しかもまた、電気通信の機器等の製造とか海外への売りさばきとか、海外発展の問題につきましては、これは通産省とよく協力いたしませんければ、こっちの方面のことはやっていくことができませんので、通産省とよく協力いたしまして、共同調査をしてやっていくというふうな方法をとっておりますので、ただいま鈴木委員からの御指摘は、それではむしろなまぬるいんではないか、真に技術援助をしようという熱意があるならば、もっと積極的にやるべきじゃないかという御指摘でございまして、実は前国会におきましても、鈴木委員のその御発言は、私としては非常にこれは貴重な尊重すべき御意見だと思いまして、個人的には何とかそういうふうにいきたいと実は考えておりましたのですが、さて公社を改正することになりますと、手続上から申しましても相当時間もとりますし、それに伴いまして、今後この法律の改正の内容をなす根本問題の技術援助の問題につきまして、もっと法的にも整備する必要が、公社法だけを改正するんじゃなく、法的にももっと整備する必要がある、さようなことをもちまして、先ほど申し上げましたように、ただいま検討を進めておる段階でございます。
なお、それにつきまして、電気通信監理官が来ておりますので、具体的にはお答えさしていただきたいと存じますが、鈴木委員の御意見につきましては、私も同感な点が多々あるということをお答え申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/5
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006・鈴木強
○鈴木強君 大臣はちょっと私の趣旨を正しくとっていていただけないのですがね。私はあくまでも積極的にやるべきだということじゃないのです。これはあくまでも受け身です。本来この公社法の精神を流れているのは、日本の電気通信事業をどう再建し発展さしていくかということが基本ですからね。法制定当時の国会の議事録も私よく調べてみたのですが、残念なことに、各条項にわたっての詳細な点が多少不明確になっているのです。それで、私は法制局の当時の係官の方にもいろいろ話を聞いてみましたけれども、やはり趣旨については大体理解しているのです。ただ、まあ法律運用というものは、そのときの情勢もありますから、ですから必ずしもそれだけでもいかぬ。従って、多少の拡大解釈ということはあり得ると思うんですね、これは。しかし、あくまでも制定当時の精神というものは、戦後四分五裂してどうにもならなかった電信電話事業というものを、ほんとうに必死になって再建していかなければならぬ。それには、国有国営というような官僚的な運営ではまずいということで、公共企業体に変わったわけですね。そういうときにこの公社法が出てきて、その後運営されておるのですが、まだまだ大臣の今言っているように、国内の通信整備ということが、これは問題にならぬのですから、もっともっと馬力をかけて一生懸命にやってもらわぬと、これはもうだめなんですよ。ですから、本来の目的はそこにあるのです。ただ、そうは言っても、現実に東南アジアあるいは全世界的に日本の技術水準というものは高く評価されているわけですし、日本のすぐれた機器を取り入れてやりたいというところもあるわけです。ですから、そういうところについては、公社が本来の目的に支障のない限りにおいて、多少なりお役に立つということが考えられてくると思うんですね。ですから、これはもう昭和二十九年でしたか、いや、三十一年の直後に、あの例のベトナムの問題が出て参りましたし、その後バンコックに海外事務所を設けるというときにもこれは論議になったんです。田中角榮大臣当時に私はかなりこれを追及いたしました。その結果、彼も私の趣旨はかなり理解をしてくれまして、当時公社法の改正もやるべきじゃないかということを個人的には言っておりましたが、長い歴史の中で私は見ております。あなたは大臣に就任されてまだ一年にもならぬかもしれません。ですから、そこにギャップがあるんですね。ですから、私がこの前も育ったように、委員会で審議をされていくことについては、やはりずっと歴代大臣の懸案事項というのは引き継いでいただいて、これはまあこまかいことまでというのはいけませんでしょうけれども、少なくとも、公社経営の基本になる問題については、やはり大臣がかわられても、終始一貫それを解決する方向に熱意を持ってもらうというのが、これが行政の正しい行き方だと思いますからね。
われわれから見ると、あなたが時間的にも間に合わなかったというようなことを言われましたが、これは納得できないですよ、率直に言って。昭和三十一年に、例の第二回目の公共企業体審議会の、あなたが言った答申も出ておるのです、暮れに。国会で何回言っても、検討中だ検討中だと言って、今日まで手がついていない。ですから、所管大臣であるあなたが、この答申をどうするかということを真剣に閣議の中でやっぱり検討してもらわなければ、これは内閣のものにならぬと思うんですよ。岸総理大臣に対して答申されておっても、これは所管大臣が本腰になって解決をしないと、国鉄も、大蔵もそうでしょう、専売関係ですから。そういうふうな一連の今までの企業体に対する政府の考え方がどうもなまぬるくて、われわれから見ると、当然やらなきゃならぬことを放置しておる、こういうふうに言われても、あなたの方は抗弁できないと思うんですよ。ですから、私の言っているのは、積極的に公社がそんないろいろなことを海外まで行ってやるという余裕もないし、また、やつちゃいかぬと思う。ただ、部分的にいろいろな要請もあるでしょうし、そういうものには許す限りにおいてこの第三条の精神というものを適用していくこと、これはまあこれでやむを得ないという、こういう私は精神を持っておるんですよ。ですから、その際に疑義のある点は早く解消して、そうして本来の目的に支障のない限り、設計、測量、その他の問題についてできるだけの援助をしてやる。また、これは、技術援助については、通産省なりあなたなりとの協議の中で、電電公社とまた違った意味において、日本の通信メーカーが積極的に協力するような道を国策としてやっぱりやってやるべきだと思うんですよ。石油の問題だって、東南その他の海外援助については、かなり特殊な会社を設けてやっているわけですよ。ですから、そういうものを国策的にやっぱり作りなさいというんです。アジア通信協力会議みたいな、何か気がねするような格好になるような、商事会社みたいな、そういうものじゃちょっとつじつまが違うんです。長く続くかどうか、私は疑問を持っておりますがね。それは政府の施策がないから、やっぱり待ち切れないでそういうのが出てくる。出たものがいかぬというならば、政府がこう行くのだという政策をお作りになられて、そうして彼らを納得させるだけの努力をせぬと、納得できぬと思うですね。私はそういう意味で、技術援助については、あなたの所管でもあるのだから、通産の所管でもあるのだから、先般も私は通産大臣においでいただいていろいろな御所見も承っておるんですよ。その趣旨は賛成しておるんです。ですから、アジア通信協力会議にも政府から多少の補助金も出してやろうという内田政務次官の御発言がこの委員会であったわけですよ。その目的と行かんとするところは認めておるのだ。だから、もう一歩政府が国策的にこれを考えてもらいたいのが私の考え方なんです。ですから、公社の関係と、メーカーその他の意欲というものもありませんと、これはドイツでもアメリカでもどんどん技術は優秀なものを作っておりますから、日本にある技術が、ちょっと時期を誤りますと、海外市場の中では負けてしまう。チャンスがあったら、そういうチャンスを生かして、日本の産業の発展のために、また相手国の発展に協力するという立場に立って、積極的にそういう施策を打ち出さなければならぬと思う。そういった一連の基本的な政策が対外通信政策の中に抜けていると私は思う。
公社でも実際人も足りない、実際いってそうでしょう。ことしだってそうでしょう。そういう具体的な問題の中で、なおかつ多少の人をバンコックへやって、大使館ででもやれば済むようなことを、この前行ったのです。わざわざ公社が金を使ってあそこまで人をやっておく必要がない。通信や、いろいろな研究の資料を集めるくらいのことは、これはそれぞれの大公使館、領事館にもかなり各省から行っているわけですから、そこでやってもらえばできることです。しかしそれでもどうしてもだめだということなら、これはやはり考えなければならぬ。そういう場合にはやはりこの法律がじゃまになってくる。じゃまになるなら、それをある程度はずしておかなければ、正面から切って堂々と行けないでしょう。何だかうしろ暗いような気持で行くことは私はいかぬと思う。だからベトナムは、これは通信監理官だっておりますけれども、必ずしも政府の内部の統一した考え方をすっきりまとめてやったものじゃないですよ。あれは。それは大臣の個人的なお話の中でもよく私は知っておりますけれども、意識の不統一があって、法制局あたりの意見も聞いて、まあいいだろうということでスタートしたという、これは歴史が物語っている。そういうやはり不統一が暴露されたということも、大事な郵政省自体がその政策についてもう少し理解させるようなことをやらぬからそういうことが出てくるのです。もうちょっと私は本腰を入れて、通信政策というものに対して政府が努力をしてほしいと思う。そういう意味において私は三条というものを今ここに出してきている。大臣答弁に困るでしょう。また検討さしてくれと言うのですか、それも。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/6
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007・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) まことに貴重な御意見を拝聴したわけでありますが、これは積極的に総合施策の策定をまとめ上げる所存であることを明確にお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/7
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008・鈴木強
○鈴木強君 監理官、さっきの私の質問残っているやつを一つ答弁して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/8
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009・松田英一
○政府委員(松田英一君) 御質問は、最初短波通信の将来と関連しての国際通信網の問題でございますが、短波通信に使用できます周波数は、実はまあ非常に何と申しますか、込み入っていると申しますか、周波数の利用が困難な面でございまして、まあ現在使っております周波数というものを極力能率的に使って、幾らかでもふやしていこうということで、若干ずつの増加は可能なんでございますけれども、これを大幅にふやすということは非常に困難な情勢にあるわけであります。そこでこれに対しましていろいろと技術的な解決の方策というものを考えまして、たとえば無線の面につきましては、あるいは散乱波通信とか、あるいは超短波通信とか、いろいろなものも検討されておりますが、また逐次これが実用化にも努められておりますけれども、現在通信の質とそれから量ということを考えましたときに、世界的に今非常に海底同軸ケーブルというものの利用に着目されまして、アメリカ、ヨーロッパの大陸の間にはこれがどんどんと整備されてきておる状況でございますし、また太平洋方面に対しましても、これが逐次伸びてきつつあるという状況でございますので、もちろん短波通信と申しますものは非常に便利でございますし、また、ケーブルを利用するといたしましても、これがあるいは場合によっては故障が起きるということも現実の事態として例もございますので、そういう場合に処するための予備通信路としては短波通信路というものはぜひ残していかなければならぬし、また、その意味で将来もこれに対しての検討というものは続けなければならないわけですけれども、さしむき、これからどんどんふえて参ります通信の量に、あるいは質に対応しますためには、やはり海底同軸ケーブルの面が伸びていかなければならないということが現在の事情でございます。
それで、第二の問題とも関連するわけでございますが、第二に戦前の状況と現在の状況とはどうかということでございますけれども、まあ確かに戦前の状態と戦後の状態とやや国際的な情勢が変わってはおりますが、全体といたしまして、すでに現在の国際電電の対外的な通信路は、戦前よりもむしろ進んでいると言っていいじゃないかと思います。と申しますのは、戦前はもっぱら普通の電報あるいは電話あたりであったわけでございますが、戦後におきましては、それ以外に加入電信——テレックスといっておりますが、世界的にそれが非常に発達して参りまして、その面での通信がどんどん伸びつつある。また通信路もそれの通信路がどんどん開けてきているというところから申しまして、大体現在の日本の国際通信は、今の状況としてはそんなにひどく御迷惑をかけている状況ではないと考えられますので、その面においては、昔と今と比べまして、通信路の数あるいは通信路の質ということにつきまして、従来よりもすぐれておりますが、とにかく、そのときの海外通信の需要に対してそんなにひどく迷惑をかけていないという状況では、昔も今もそう変わっていないところまで今努力して打って参ってきておるというふうに私ども考えておる次第でございます。
それから技術援助の問題につきましては、まあ、ただいま大臣からお答え申し上げましたところで、私からよけいなことを言わなくてもいいかと思いますが、現在まで私ども考えておりましたところは、とにかく技術協力問題というものは、相手国との密接な協力ということが必要でございまして、そのためにいろいろと起こって参ります基礎的な問題の解決というところに、今まで私どもはむしろ力を注いで参りまして、たとえば国際電気通信連合における活躍もその一翼になるし、また各国に日本の事情をもっぱら見てもらう、あるいは各国の留学生を日本で受け入れて、それの教育に力を尽くすというような点として力を注いで参って、これから今後、先生のおっしゃったように、われわれとしてはさらに一歩を進めて努力をして参らなければならぬというふうに考えておるという段階であることを御説明申し上げまして、それでよろしゅうございましょうか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/9
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010・鈴木強
○鈴木強君 戦前と比べて現在の海外通信網というのはかなり整備されてきておると思うのですが、具体的に戦前の各国と日本の間に持たれておった国際ルートですね、これは完全に復旧しておりますか、共産圏を含めて全部……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/10
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011・松田英一
○政府委員(松田英一君) やや戦後世界の傾向が少し変わって参りましたので、そのまま全部というわけではございませんけれども、ほとんど戦前において持っておりましたところのルートは回復いたしておりますし、また、それが回復いたしておりませんところでも、それは最近のいろんな通信連絡の状況あるいは通信路の性質等から考えまして、その直接のルートは回復しなくても、その近くにある別のルートから中継してそれに持って参るというふうなことで十分に事が足りるし、またその方がより能率的であるというふうな形になっておりますので、実際の通信に対応する状況としては、戦前の状況はすでに回復しておるというふうに私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/11
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012・鈴木強
○鈴木強君 ちょっと今対米、対欧、それから対東南アジアですね。このルートは戦前幾つあって、今幾つになっていますか。
それからもう一つ聞きたいのは、国際通信がKDDに移管されてからの電報の送達時分ですね、各国との、それからその誤謬率、そういったものは戦前に比べてどうですか。戦前といいますか、その会社移行前に比べてかなりうまくいっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/12
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013・松田英一
○政府委員(松田英一君) ちょっと手元に戦前の資料を持っておりませんので、比較表をちょっと調べて参りますから、しばらくお待ちをいただきたいと思いますが、大体戦前と通信路の数、それから経過時分等の問題につきましても、決して悪くはなっていないというふうに私考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/13
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014・鈴木強
○鈴木強君 ここでは抽象論ではちょっと困るのです。私は、だから、具体的に戦前何ルートあって、戦後はどれだけのルートが復活して、残っているところはどこで、で、もし残っているところにはどういうルートで行くということを正確に資料で示してもらいたい。それから誤謬率とスピード率ですな。その時間がどうなっているか、会社になった前とあとでどうなっているか、それを一つ具体的に資料を出して下さい。これはもう委員長、きのうも国際通信政策で私は、去年の九月からのこれは懸案事項で、今になっても答弁ができないことではこれは困るんですよ。委員長から注意をして下さいね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/14
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015・柴田栄
○委員長(柴田栄君) これは至急具体的な資料、整備いただけますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/15
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016・松田英一
○政府委員(松田英一君) すぐ調べます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/16
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017・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 促進のために、ぜひ一つなるべく必要な資料を整備をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/17
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018・鈴木強
○鈴木強君 たくさん書類を持ってきているのだから、あの中にあるのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/18
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019・松田英一
○政府委員(松田英一君) 山が当たりませんでした。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/19
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020・鈴木強
○鈴木強君 これは一つ時間のロスですから、本来は質問できないのだけれどもね、まあ一つ促進する意味で続けますが、そういうことでは非常に困るのですよ。もっと国会に親切な、山なんかかけないでさ、どんなことを質問されても答弁できるようにやはり勉強しておいて下さいよ。
それからデリンジャー現象というのが最近非常に多くなっているのですが、過去十年間にデリンジャー現象で何時間通信ができなかったか、これも一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/20
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021・松田英一
○政府委員(松田英一君) それは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/21
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022・鈴木強
○鈴木強君 これも山が当たらなかったですか。——それじゃ委員長、それはちょっと保留しておきまして、公企体のあり方でもう少し大臣に聞きたいのですが、あなたはさっきの一年越しの答弁で、大体において尊重すべきだということなんですがね、これは公社経営の基本になるような監理委員会の設置あるいは拘束予算の撤廃、決算主義に移行するということ、それから利益の公平な分配、それから執行機関の強化、こういうような大体四つに分かれた答申の内容ですがね、これを今あなたは、直さなければ公社の経営がうまくいかぬというふうに思っておるんですか。大いに尊重するということは、そういうことだと私は思うのですね。もう少し明確に説明してもらいたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/22
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023・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 執行機関の強化ということは、私はもっとさらに検討しなければ、最終答弁は申し上げられないのですが、現在ではどうもというように思いますのですが、それをさらに検討いたします。それから監督、郵政大臣の専管ということにつきましては、これはやはり財政関係の問題は、今の行政機構から申しまして、全部郵政大臣とばかりにもいかないじゃないか、それはまあ郵政大臣の専管にまかして下さいますれば、郵政省としては実にやりいいのは申し上げるまでもないのでありますが、全体から考えますと、これについてはもう少し検討を要する点があると思います。それから利益の配分の三者均てんの問題につきましては、これはむろんのこと、こういうふうにありたい、さように考えておりますが、答申のようになっております。しかしその具体的な問題につきましては、むろんもっと突っ込んで結論を出すべきであるというふうに思います。
それから国会議決を要しないようにするということにつきましては、これは先ほど答弁申し上げましたように、もっと掘り下げて突っ込んで、いろいろな監督権限の移行問題、行管の検査、いろいろな問題を重復しないようにやって、やはりこの国会の議決ということにつきましてはどうも必要じゃないかと思いますのですが、しかしなおこれはもっと掘り下げて研究いたします。それから監理委員会を総理府に設置いたしまして、内閣総理大臣及び関係大臣に対しまして勧告並びに報告を行なうというふうなことにつきましては、これも今の行政機構全体とにらみ合わせまして、私としてはもっと研究、今すぐここで結論を出しますることはまだちょっと早いように思いますから、関係各省庁とも連絡をとって検討を進めて参りたい。
それから全体の総結論といたしまして、公共性と企業性の問題、まあ自主性を確立強化するということは、結局企業性を強化するということになろうかと思いますが、企業性を強化するためには自主的にやらなければ、企業をなかなか強化できませんので、企業性と自主性とはこれは両々相待ってやっていく問題であろうと思います。これはまたもっと自主性を強化していっていいのだ、さように考えますので、自主性を強化するような方法についても、御答申全部がそういった方向についての御答申だと思うわけでありますが、まあ以上一つ一つを拾い上げて答弁申し上げますと、そういうふうに考えるのであります。
公共企業体そのものの検討ということになりますと、やはり三公社、あるいはまた五現業につきまして、それぞれの特徴がございますので、ある公共企業体はもっと自主的にやるべきで、また他の公共企業体については現状でけっこうだとか、それからまた、公共企業体に働く人たちの罷業権の問題とか、いろいろ問題点があるわけでありますので、それらと、公共企業体の性格から割り出してくる将来の組織運営の仕方ということにつきましては、これは公共企業体全体として検討していくのはいささかどうであろうか。やはり各公共企業体別にこれを検討していった方がいいだろう。そういうふうに考えておりますので、電電公社につきましては、他の三公社等はむろん参考になることは申すまでもないことでございますが、電電公社の本来の性格ということに基づきまして、この問題につきましても総合的に施策をまとめ上げていく。これはただその場のがれの答弁では——今までその場のがれの答弁をやったことはないつもりでありますが、ことに、この問題につきましては、鈴木さんの御指摘の通り、これまずいぶん時間もたっておりますので、私といたしましても十分に検討いたす所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/23
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024・鈴木強
○鈴木強君 これは昨年の九月二十何日かに、私がこの委員会で質問をして、非常に大事なかなめでございますから、私は大臣に強く、公共企業体のこの経路に対して検討していただきたいという意味において質問したのですが、あなたは答弁を保留されて今日に至っておりますが、一年間何をやつていたのかさっぱり私にはわからないので、それならそれらしく、さっきの御答弁は大体において尊重すべきものであるが、多少検討すべきところもあるというような御意見であったから私は質問したのです。聞いてみると、個々にわたって、これもどうもまずい、これもまずい、一つも趣旨を尊重しようという気持がないじゃないですか。だから結論的にもっと端的に聞きますが、現在の公社法上欠陥があると認めておるのか、ないと認めておるのか、これをはっきりして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/24
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025・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) あると考えております。私は、こういう点が悪い、ああいう点が悪い、これもだめだ、あれもだめだという意味でお話ししたのではございません。この全部をそのままに政府の立場で全部を認めて、これでもって公共企業体を答申通りに改めるということにつきましての、まだ政府としては、もっと掘り下げていきたいという点があるのだということを申し上げましたので、これを大体においてこの趣旨はむろんのこと、けっこうな趣旨でございますので、決してこれを否定する意味で申したのではない。まだ検討する必要なものが残されておりまして、その検討の結果がまだ出ていないという意味のことを申し上げたつもりでございます。その意味にどうぞ御了解をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/25
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026・鈴木強
○鈴木強君 検討々々と言って、あなたはいつも検討で逃げちゃう。だから、きょうあたりの答弁は、少なくとも四つの具体的な項目をあげてあなたが御答弁なさるのですから、たとえば執行機関の強化については、現状においてはここが不備である。従ってこの点だけは直さなければならぬというふうにはっきり答弁してもらいたい。それから利益の配分についても三者が、公平というか、均衡的な配分をすべしということについても、現在の公社の利益から見て、しかも負担法を出そうというときになって、従業員の待遇から見て、これはどういうふうにやるのが一番公共企業体の精神に沿うかどうかということをあなたは検討したはずです。それでここが悪い、私はここはいいと思いますが、こうしなければならぬ、こういうふうにやってもらいたいし、それから公社拘束予算制度の撤廃についても大きな問題ですよ。監理委員会の関係があるから、しからば監理委員会の設置についてはこういう点がまずいと思う。従ってこの点はごうしなければならぬ、公社拘束予算制度の撤廃、その点はこうだ、それを大体どうするのだ、ここまでくれば、もっと具体的にあなたの結論をある程度私は入れたものが答弁されてしかるべきだと思います。何のために一年間答弁を保留して検討しているのですか。まだ今になっても検討すると言って、じゃ、いつ掘り下げて、どこまで掘り下げるか知りませんが、どこまで掘り下げて、これに対するある程度の大臣の考え方は出てくるのですか、あまりにも不親切じゃないですか。公共企業経営体の中に不備があると認めた以上は、その不備を直すべきですよ。今度だって公社法の改正を出しているじゃないですか。この暫定措置法にしても、基本を流れる趣旨はやはりこれに関連してある。だから、そういうものをやはり悪い点は直していくという思想に立って、公共企業体を考えられた上に立って、そうして第二次五カ年計画を拡大推進していっていただいて、国民の期待に沿っていけるかどうかということを総合的に判断しなければならぬ。せっかく三十五年度も、もちろん四十七年度までの長期にわたるものは多少変更はあるかもしれぬけれども、具体的に今年の四月からやる予算について提案されておる。それについても政府の資金というものが二百十二億というものがたった八十億に切られておる。七十二億の外債を持ってきて八十何億と言っておりますが、せめて三十五年度まで公社が要求をし、やはり皆さんも相談されて、これだけやらなければ、四十七年度までには需要供給がとれない状況、バランスがとられなければならないというせつぱつまった中で、真剣によく考えた上で出した予算というものが現にくずれていっておる。だから、その根本というものが私はないからだと思うのです。率直に言って、政府がどれだけ電気通信事業をほんとうに閣内で真剣に討論してくれましたか、出てきた予算を説明されて大蔵省にすぐ回すという、そんな不見識な内閣であっては私はおかしいと思います。抽象論ではない。もうここまでくれば、公社の第二次五カ年計画を拡大修正するということを約束した以上は、それが、実現しなかったならばあなたの重大責任ですよ。そうでしょう。悪いことをそのままにしておいて、そうしてその上にものを作ろうとするから、土台がないところに家を作るからつぶれるのでしょう。あなたが公共企業体については私は現状でいいです、こう言うなら話は別だ、悪いというならば。そうじゃなくて、もっと明確にどこどこが悪い、この点はこうしたいということをはっきり言うべきじゃないですか。あなたは今現実にどこどこが不備だと思っておりますか。この前の経営委員会の委員長の話を聞いても、経営委員会というものがあるのだ、そのスタッフによって不断の調査研究をして、民間のいいところを入れて、経営者諸君から出てきたものに対して、ある程度ぶつかることもあるでしょう。経営委員会として、独自の立場で調査研究した、これがいいと思う。こうしなければならぬ。企業体の中に民間のいいところを入れるには、やはり公共企業体、お役人さんの考え方と民間の考え方は違うのだから、そこに公共企業体の妙味があるのでしょう。経営委員会がまずければ、それで経営委員会にてこ入れして、手足になるスタッフもそろえてやるべきですよ。監事が二人ふえても、監事の答弁をここで聞けば、まるっきり手足がない、そんなもので監事を作ったはずはない。あっちへ行ったり、こっちへ行ったりして聞いて、そういう監事を作る必要はない。すべてが尻切れトンボだ。そういう公共企業体の不備欠陥がわかっておったら、それをもっとせんじ詰めて、そうして解決するという具体的な案を私はここではっきり言ってもらいたいと思う。それがまだできていないというなら話は別ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/26
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027・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) その監事のことにつきましても、前国会で御指摘がございましたのを明確に記憶いたしております。その他の点につきましても御指摘がありましたわけでありますけれども、実はまだ相当機関に諮りましてからでないと、常任委員会におきまして御答弁申し上げるまでの実は段階になっておりませんものですから、その点は大へんのろいという御指摘についてはまことに何とも答弁の申し上げようもない、恐縮なんでありますが、いかにもこれは私たちとしては大きな大切な問題でありますので、御答弁申し上げるからには確たる答弁内容が、結論がかたまりましてからの答弁にさしていただきたいと思います。たとえば党の相当な機関にもまだ諮っていないような段階でございますので、いましばらく御猶余願いたいとお願い申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/27
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028・鈴木強
○鈴木強君 まあ、政党政治ですから、党に十分連絡をとることは、これは私はしかるべきだと思うのです。だけれども、あなたのおやりになっておることを見ると、たとえばカラーテレビになると——これは問題がはずれるかもしれませんが、これは言わざるを得ない。そういう問題について、じゃ与党の諸君とどれだけ意思統一してやったのですか。私が予算委員会で聞いても、あえてそらして答弁してくれなかった。今度こうなると、与党の諸君と十分連絡してからでないと言えないと、まことしやかに言われる。それはあなたは相談するのが正しいですよ。少なくとも与党の諸君くらいには、どういう角度であっても、十分連絡をとるし、また野党といえども、われわれは数は少ないのですが、やがて政権をとろうという政党なんだから、だから特に逓信委員会なんかは、もうほとんど物事は超党派的にどうしたらいいかということでもって悩みながらやっているのですから、もう少し親切に、委員会に対してもあなたの経過的な考え方でも、特には一つ、われわれから発言を求めない先に、これはこうなっている、ああなっているくらいのことを親切に委員会に相談してもしかるべきだと思うのですよ。そうして相談しておやりになれば、物事はうまくいくのですよ。そうじゃないのですか。私は言いたくないのですよ。しかし、どうも見ておると、自分の都合のいいときには与党に相談する、悪いときには自分の独断でやって、行政権だと突っぱねるようなやり方は、実際許せないのですよ、率直に言って。人間ですから百が百うまくいくとは思いません。どんなに神様でも間違いがあるのですから、私は努力をしてみて、その足りない点は追及しようと思いません。
今度の第二次五カ年計画だって、われわれにどれだけ相談したのですか。われわれは党の立場から、第二次五カ年計画を策定して、あなたにも見せている。これに対してどうだ、ここはこうだという親切な相談があったのですか。あれは野党が勝手なことをぬかしているというふうにとったか、私は知りませんが、その配慮が一つもないじゃないですか。私たちは決して無理なことをこの事業に関する限りは言っているはずはないのです。どうしたら今の電話というものが早く安くつかるか、そうしてその企業体というものの妙味がどうしたらいかせるか、その一点にしぼって言っているのですから、これはおそらく、大臣のお考え方と差異はないと思うのだ。そうであるならば、そのやり方についてはいろいろ問題もあるでしょう。しかし、そういう点については、わが党の方が無理であれば、これはちょっと無理じゃないか、そういうことも言ってくれてもいいと思いますし、政党政治らしく、野党であろうと、与党であろうと、もう少しくこの委員会に対する責任というものをあなたが感じて、そうしてわれわれの意見も大いに尊重するとか、尊重してもらえれば、こういう論議はなくて済むと思うのですよ。委員会についても、これは電電公社の場合もそうですよ、郵政省だってそうですよ。平素どれだけの接触をわれわれと保っていますか。そうして一大事になれば頼みにくる。ふだん政党に対してどれだけの配慮をしてやっているのですか。そこらにやっぱり基本的に私はあると思うのですよ。不備だというものを認めておっても、一年もかかってまだその不備がはっきりここで言えない。それを直そうということについても、まだ検討さしてくれ、そんな人をばかにした国会の運営はありませんよ。そういうことだから、わしらのようなあまり怒らないようなやさしい人間でも、時にはやっぱり大臣に対して文句言わなければならぬようになるのですよ。私は決して無理なことを大臣に要求しているとは考えておりません。そんなことじゃ第二次五カ年計画の拡大修正、そうしてその暫定措置法をここに出して、われわれに審議してくれと言ったって、その土台になる不備の点が何も解決せられないでおいて、それを審議せよと言っても、簡単には審議には応じられませんよ。あなたは責任を感じているのですかね、そういう点を。私は了解に苦しむのですよ。そんなら、不備な点をあなたはいつまでに検討して、そうして公社法の改正が必要であれば、いつ出すのですか、これは。まず、どこが悪いと思うのですか、その点を一つ、今の公社経営というものの中で、どこが不備だと思うのですか。それを具体的に言って下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/28
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029・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) その点につきましても、先ほど申し上げましたように、今の公社の機構の問題については、おおむねいいとは申し上げましたが、むろんこれで完全なものだとは思っておりません。先ほど御指摘のあったように、ただし、その監事の問題一つあげましても、その手足が足りないという御指摘も前々からいただいておりますので、ただ、直すべき点は、むろんあると考えておりますが、今ここで一つ一つにつきまして、公社のどういう点がいい悪いということを申し上げますまでには、やはりしかるべき機関に諮りまして、こういう点を直したいと思うから、こういう点についてはどうだと、よく役所の打ちあけでも、また各党のそれぞれの機関へも説明に伺い、それからまた御意見も伺って、それから具体的に述べさせていただきたいと思いますので、時間的に御猶予いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/29
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030・鈴木強
○鈴木強君 まあ非常に、大臣の今までのずっと検討されてきておる段階では、ほんとうに真剣にこの公共企業体というものに対して取り組んで、これを改善し、国民の期待に沿うようにこの事業を持っていこうという努力のあとが、残念ながら私には理解できない。端的に言ってそうです。それなら大臣、そんな一々やれないというのなら、もうつべこべ言わぬで、全部公社にまかしたらどうですか、それは。私はどうも、やるやると言うから、こっちが期待していれば、全然期待はずれになってしまうし、いつまで待っておったらいいのかと聞いても、まだそれはいつのことかわからぬというようなことであって、それなら電電公社はどっちへ向いていけばいいのですか、それは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/30
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031・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 公共企業体のあり方につきましては、いろいろな議論が世間にもあり、また新聞その他の言論機関で、ずいぶんと印刷物も出ておりますし、私も、ことに三公社の問題につきましては、それぞれ勉強の途中でございますが、とにかく、まあ特に関心を持って読んでおりますし、おのおの個人的の考えはございます。たとえば、もっと民営に近づけていくべきか、むしろ官業にもっと近づけていって、そのかわり、働く者の罷業権をどういうふうにやっていこう、いろいろな議論があることも承知いたしております。自分もまたこれについて考えるところはございますが、しかし、今日のように、私が行政の監督者という立場になりますと、やはり個人的意見をここで申し上げますことはどうかと思いますし、それからまた、ことに具体的にどの点はどうということにつきましては、役所の中の考え方の固まっただけでは、ちょっと答弁を差し控えさせていただきたいと思いますので、御猶予をいただきたい。それから時期につきましては、いつまでという時期につきましては、この問題もございますし、それからまだ有線放送の問題もありますし、NHKの問題とか郵便の料金の問題とか、いろいろな郵政関係の重要問題が確かに未解決で、まだ山積いたしておることでございますので、この重要法案が大体通過いたしましたら、さっそくに、今まで役所の方でそれぞれの係でもって検討して参りましたことをまとめ上げて、そうしてまた各党に説明にも上がります。それでこの委員会にも発表する段取りもこようかと、大体そういうふうな目標を置いて仕事を進めて参る所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/31
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032・鈴木強
○鈴木強君 これは本末転倒もはなはだしいですよ。あなたは——この暫定措置法を通してもらってから公社の不備欠陥を直すのだ、何を言っているのですか。私らはこの法案を審議する前提として、公社法の行き方をどうするかということを聞いているのです。それが出なければこの法案は審議できないですよ、私は端的に言えばそう思っているのですよ。まずその公社法の不備欠陥を是正した上に立って、この拡充五カ年計画が、この暫定措置法によってうまくいくのかどうなのか、長期の見通しについても、資金計画についても、あるいはそこに働く職員の問題についても、公社の経営者の独自性と自主性の問題についても、あらゆる問題がひっからんでいるのですよ。そういうものを整備して、この拡充五カ年計画がほんとうに国民の期待に沿えるようにやるために、全体としてこういうものを整備して下さいというのが私どもの終始一貫した主張なんですよ。それを、わしらの言うのは全然たな上げして、まずこれを通してくれ、通した上で検討する、そんなばかな話はない。
私は、あなたにいつまで待っておってもしようがないから、与党の諸君ともよく相談をして、議員の立場に立って公社法の全般的な改正を提案します。それでなかったら、この法律は率直に言って通せませんよ。一生懸命にやって、あなた方に何とかそういう態勢だけでもこの際出してもらって、そして将来、次の国会なら国会に、こういう基本線でやりますと、そうしてとりあえずこれでやってもらって、追いつくようにしますと、こう言うなら、まだ多少、おくれておるけれども、話はわかる。ところが、検討すると言ったって、あなたはいつ検討するのか、ちっとも目安がわからないでしょう。おそらく来年はあなたはおやめになって、(「ことしだ」と呼ぶ者あり)ことしか、どうでもいいですけれども、おやめになって、また次の大臣があとへ来て、私は責任は負わないというようなことを言われたのでは、あまりに無責任だ。こういうものをあなたの責任において国会に提案する限りは、公社法の不備を認める限りは、それをなぜ直さぬか。直した上に立ってこういうものを出すのなら、わしらは一日でも通して上げます。その全体の問題を検討して、いつになるかわからぬというようなことでは、審議ができないから、これは一つ与党の皆さんにも協力してもらって、公社法の不備欠陥は、私は大体資料はできておりますから、いつでも出せるし、それを出してから、さらに審議しましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/32
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033・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) この点につきましては、どうも鈴木委員と私たちとの見解が違うと思いますのですが、私といたしましては、現在の機構のままでも、この拡充法案をお通し願いますれば、この拡充法案に現われましたところは果たし得る、施行できると、さように確信を持っておるので、御審議願っておる次第でございますが、むろん、これはすべてものを改善いたしますことは、早い方がよいことは、もう申し上げるまでもない点でございますが、これは、一応このせっぱ詰まりました際は、お切り離し願いまして、拡充法案の御審議、御可決を願いまして、それで大方の世間の電話拡充に対する要望にこたえさしていただいて、この公社の根本問題につきましては、私も先ほどから申し上げます通りに、この法案の通りました上で、さっそくまとめ上げに着手いたしまして、相当な機関を経由いたして、それから皆様の御審議を願う段階になろうと存じますので、いつ幾日といったようなお答えは申し上げられないことは、御了承いただきたいのでございますが、重要法案も、おかげさまでもう大体こういう段階になりましたので、さっそくにも、ただいま御質問のありました公共企業体のあり方につきまして、ことに公社のあり方につきまして、どんどんと仕事を進めて参ると、そういう所存でございますので、何とぞその点御協力を賜わらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/33
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034・柴田栄
○委員長(柴田栄君) それでは、本案に対しまする質疑は、午前中はこの程度にとどめたいと存じます。午後は三時から再開いたしたいと存じます。
これにて休憩いたします。
午後零時四分休憩
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午後四時八分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/34
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035・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ただいまより再開いたします。
電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案を議題といたします。
午前中に引き続き質疑のある方は御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/35
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036・松田英一
○政府委員(松田英一君) 午前中御指摘を受けました事柄につきまして、実は詳細な資料がまだ整いませんので、一応概数と申しますか、全体を取りまとめての数字だけをここで申し上げさしていただきまして、あとはまた別に申し上げさしていただきます。電信回線につきまして、戦前、つまり昭和十六年の八月と昭和三十五年の一月と比較して申し上げますが、対米回線につきましては、戦前が八回線でありましたのが、現在四十三回線、対ヨーロッパ回線につきましては十九回線でございましたのが、二十二回線、それから対アジア関係におきましては十三回線でございましたのが、三十八回線、対オーストラリヤ関係が一回線が二回線になっておりまして、合計いたしまして四十一回線が百五回線になっております。
電話につきましては、同じく十六年の八月と昭和三十五年の一月と比較いたしまして、対米関係が四回線が十三回線、対欧関係がございませんでしたのが、現在五回線できております。それから対アジア回線が六回線が二十三回線、オーストラリヤの回線が五回線が一回線ということで、合計十五回線が四十二回線になっております。
それから写真電信でありますが、これがやはり同じ時期をとりまして、対米関係が一回線が三回線、対ヨーロッパ回線が二回線が八回線、対アジア回線がございませんでしたのが十二回線ということで、合計三回線が二十三回線になっております。
以上、総計いたしますと、戦前には五十九回線でありましたものが百七十回線になっております。対地別の詳細のものはちょっと間に合いませんので、これは別に御説明申し上げたいと思います。
それから国際承服の誤謬率でございますが、これは非常によくなりまして、昭和十二年を申し上げますと、昭和十二年は一万字当たり五・三字でありましたが、それがその後ちょっと悪くなりまして、十六年ごろには九・五字くらいになっておりまして、それから終戦後は、当初の方は非常に悪くて、たとえば二十一年は二十一字でございますが、それがその後逐次よくなりまして、最近におきましては、二十八年で申しますと四・七字、その後非常によくなりまして、二十九年は二・七字、三十年は二・六字、三十一年は二・三字、三十二年が二・二字、三十三年が一・七字、三十四年が一・二字というふうに非常によくなっております。
それからデリンジャー現象の問題は、実は十年前ころまではちょっと資料がございませんで、一九五五年からの資料しかないのでございますが、それで件数と障害時間を申し上げます。一九五六年が、件数が三件でございまして、四十七分でございます。五六年には二十一件でございまして、時間が二十一時間九分、五七年には四十六件でございまして、二十六時間四十八分、五八年には五十六件でございまして、三十七時間四十九分、五九年には四十六件で二十五時間でございますが、ほかの点につきましては、あとのこまかいことはちょっとまだ整いませんので、別途御説明申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/36
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037・鈴木強
○鈴木強君 松田さんね、最初の戦前と戦後に比べて回線数がふえておりますが、地域別といいますか、国別に見た場合ですね、戦前通信回線があったところがないというところはないわけですね、そこまでわかりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/37
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038・松田英一
○政府委員(松田英一君) その点は、前にありまして、——これ午前中にもちょっと申し上げましたが、前にございまして、戦後はその直通回線をやめて、別の中継でもって間に合っている。それで状態もそんなに悪くないというふうなところがございますので、その辺の事情は、詳細にまだ整いませんので、別にまた御説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/38
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039・鈴木強
○鈴木強君 総体的に今の短波無線にたよって国際通信をやる場合に、周波数その他の割当からいって、行く行く頭打ちになるということは見通しとして言えるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/39
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040・松田英一
○政府委員(松田英一君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/40
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041・鈴木強
○鈴木強君 そうしますと、このデリンジャー現象等見ましても、かなり最近は、一年の間ですが、多きは三十七時間、少なくても二十何時間というのが通信が不能だ、こういう状態も、これは大気のこの電離層のあれでしょう。最近の変化というやつが、戦前から見てもかなり多くなっているように把握できるわけですね。そういったふうな点もあわせて見たときに、やはり海底同軸ケーブルというものの布設の必要を認めてくる、こういうことになると思うんですね。そこで大臣、太平洋同軸ケーブルのことも、どうもKDD、ATTにまかせっ切りのような感もなきにしもあらず、従って政府ももう少し積極的にこれの布設について政策を持ったらどうかということを言ってきたんですがね。もうちょっと、通信政策としての監督権はやっぱりあなたにあるんですから、ですから本腰を入れてリードするぐらいの立場に立ってほしいと思うんですがね、私は。これはどうでございますかね、少しまかせっ切りですよ、向こうに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/41
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042・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) この契約そのものは、国際的な慣例によりまして、コマーシャル・ベースで、会社同士やっておるわけでありますけれども、しかし、これは御意見の通り国策につながることでありますから、日本の政府といたしましても重大関心を持ちまして、電電公社や国際電電と打ち合わせを適当なときに重ねてやっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/42
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043・鈴木強
○鈴木強君 それは一応資料もまだ十分につかめないようですから、いずれまた機会を見て質問することにいたしますが、午前中の保留になっておった二つ目の公企体のあり方ですが、どうも私大臣の御説明を聞いておりまして、非常に心配するのは、検討することはけっこうです。十分にやはりあらゆる角度から御検討いただくことはけっこうでございますが、その検討の時間が長過ぎるんですね。これは何といっても昭和二十九年に例の審議会の最初に出ていると思うんです、答申が。それから三十一年と二回出ておるわけでして、なるほど昭和二十七年以来、公企体に移行してから、いろいろやっぱり公企体自体に対する経営のまずさが出てきていると思いますから、制度上そういう点を、なお、公企体における本来の目的を達成できるようにしてやることが政府の責任だと思いますから、その答申についても政府全体として、これは去年、おととしから検討々々できておるわけですわ。これはまあ専売公社の経営形態についても最近かなり激しい論議が行なわれておりますし、国鉄経営についても確かに問題があると思うのです、しかし総じて言えることは、三公社の中で電電事業はまだ非常に発展の余地を持った事業ですから、それだけにこの発展過程における国民の期待に沿うようなりっぱな政策を打ち立てるためにも、よっぽど真剣に考えていかなければならぬ特性があると思うのですね。ですから大臣は他の公企体も比較検討することもけっこうでございましょうが、所管大臣としてこの電電のあり方についてはどうですか、検討ということですけれども、大体めどがないと、私たちも困るんですよ。できるならば私は今度の国会に出していただきたいと思うのですが、そうもなかなかいかぬようですけれども、少なくとも次の通常国会ぐらいまでには、あなたが、かりにおやめになっても、一つの制度上の欠陥を直すためにそれぞれの措置をして、法改正が必要であれば、それをやっていくという姿を、ここら辺で約束できませんですかね。そういう点について、これはもちろんあなたが態度きめて、いろいろと政府の折衝に入った場合吉に、まだ問題残るかもしれませんよ。しかし郵政省として、企業体に対するあり方にこうだという、一つの基本方針出して、そうして政府全体で検討するというくらいまで、作業を進めてもらわんことには、これは実際言って困るんですね。これらの整理についてもどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/43
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044・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) それは全く、今のお話の通り、御意見の通りに私も、そうしようと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/44
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045・鈴木強
○鈴木強君 例の電電公社の自主性の問題について、私は、最近非常に疑義を持っておるんです。制度はなるほど曲がりなりにも、制度としてあるんですけれども、いろいろな意味で、何と言いますかね、動けなくなるような拘束力が強くなってきておる。
たとえば電電公社の取り扱い現金等に対する国庫への預託の問題にしても、私はもう公共企業体の本質から言って、そこで扱う取り扱い税金は、やはり経営者にまかしたらどうかと思うんです。そうして、やはり資金の効率的な運用をやって、少しでも電話のコストを安くし、またそれによって、一つでも電話を多くつけていく、こういうふうな妙味を公社にやはりやらしてみたらどうかと思うんですね。
そういう意味から言ってみて、これらの問題が焦眉の急務であって、私たちも私たちなりに、かなり大蔵とも折衝してみたんですが、向こうも、われわれの正論にはやっぱり抗し切れずに、その方向は認めていますよ。ただそのいつ法改正するかということについては、いろいろ問題があるようですけれども、そこら辺まで、情勢はきておるんですから、これは、もう積極的に郵政省当局が腹をきめてやれば、そこら辺のことまでできることなんです。少なくとも経営委員会のあり方にしてもしかり、役員の執行部の強化というようなことについても、答申にも出ておりますが、大よそ事業が、毎年五、六千人の人がやっぱり要員的に言ってふえておりますし、足りなくても、ふえておりますし、それから規模も、かなり大きくなっておるんです。ですから現在の役員等の問題についても、もう少し考えておく必要もあろうかと思うんですね。それと同時に、電電公社の組織機構自体についても、経営委員会なり、公社の当局がきめることでございましょうが、もう少し事業の拡大に伴う体制というものがあってしかるべきだと思うんですね。
ですから、そういうようなことも含めて、一つ私は大臣が、もう少し本腰を入れて、今お話になったように、できるだけすみやかに結論を出して、国会の審議を仰ぐような方向にぜひもっていってもらいたい。そういうことを私は強く希望しておきます。あとになって、あれは、また聞きおいたということでは困りますからね、念を押しておきますよ、大臣、それは約束してくれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/45
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046・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 十分、その点心得ました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/46
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047・鈴木強
○鈴木強君 それから、この前の委員会でも私指摘しましたが、電信というものが、四十七年までに、どういう経緯をたどっていくのか、示された案を見ますと、きわめて漠然としておって、われわれを納得せしめるものではないんですが、政策の重点が電話にあることも、これはわかりますけれども、しかし片や経営上は、百十数億の赤字まで出しておる特殊な部門ですから、これを総体的に、どういうふうにマッチして運営できるのか、この点は非常に、あいまいもことしておりますので、もう少し加入電信なり専用線なりを併用していった場合に、日本の産業経済の伸びに合わせて、はたして電報の総取り扱い数というものが、現状を維持できるのか、多少現在の数字よりも上回っていくのか、そういう場合の数字が、どうなって、この赤字の対策については、どういうふうに処理していごうとするのか、こういう点を、もう少しく私は具体的に説明してもらいたいと思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/47
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048・山下武
○説明員(山下武君) ただいまの御質問にお答えいたしますが、電報の傾向といたしまして、加入電話が増加していったり、加入電信や専用線がふえますと、一般電報は減少するものと、私どもかねて考えておりましたのですが、実績を見ますと、実は加入電話が、この数年間に約倍にふえているにもかかわりませず、電報そのものの実通数は減少しておりません。完全な横ばいでやってきておりまして、増加も、わずかの増加でございまして、ほとんど言うに足らない程度のものでございまして、この数年間の傾向から推しますると、将来これが減っていくものやら、ふえていくものやら、必ずしもどちらとも見当つきかねているわけでございます。
その原因の一つといたしまして、私どもの考えておりますのは、加入電話がふえたり、あるいは加入電信、専用線がふえますと、その方に電報通信が吸収されるのであろうと、一般的に考えてはおりますけれども、同時に、加入電話がふえますと、電話によって、電報を発信することが非常にやさしくなりまして、最近は、電報発信の五二%というものが、自宅から電話によって発信されております。これは、この数年間私どもが努力しまして、電話で電報を打ってもらうと非常に便利だということで、勧奨したことも影響していると思いますが、電話がふえていくことによって、今まで電報局まで行かなければ電報が打てないあるいは郵便局まで行かなければ打てないという関係にあった人たちが自分の家から、いながらにして打てるということになったというようなことも、あるいは、原因しているかと存じまするが、現在までのところ、そのように、この数年間電話が大体百五十万から倍ばかりになりましたけれども、電報そのものは増減なしに進んでおりまして、ただいま御指摘のように長期的に見まして、四十七年度あたりを見通しますときに、このままの情勢でいくかどうかということについては、私ども必ずしも確たる見通しはしかねまするが、まずまず多少の増減はありましても、そう大きな影響はないのじゃないだろうかというふうに考えております。
それから加入電信と専用電信の見通しにつきましてでございまするが、加入電信は、将来の電信の経営改善と言いますか、一般の方々の利用の方面から言いましても、非常に有望なものという前提のもとに、今回の第二次五カ年計画におきましても、また長期の計画の構想の中におきましても、この問題を非常に大きく、公社としては取り上げているのでございまして、三十七年度末には約四千、四十七年度末には約一万五千になるであろう。そのようにわれわれも努力をして、これが普及をはかりたいという予定になっております。専用電信の方も、最近非常に需要が増加いたしまして、御承知の、いろんな事務の機械化、——DP方式の採用等に関連いたしまして、非常な勢いで進展しておりまして、現在のところ、予定では四十七年度におきましては、現在の三倍以上の、約九千回線くらいになるであろうという予定になっております。それらを含めまして、収支の見通しはどうだろうかという御質問でございます。
この問題につきましては、いろいろと、将来変化があるものと考えられまして、特に支出の面におきましては、いろいろ人件費、物件費等の変化が予見できますので、あまり確たる数字は申し上げかねるのでございまするが、私の方の各局が、一応の見通しとして持っておりますのは、現在の料金制度で、ずっと今申し上げましたような、電報の方では、あまり増減ないものとし、加入電信においては二万五千くらいにふえるであろう、専用電信も、市内、市外両方含めまして、約九千回線になるであろうという見通しを立てますると、電報の収入が、四十七年度ごろには、約八十億円くらいになり、加入電信が約六十億円くらい、専用電信が五十億円くらいで、計百九十億くらいの収入になるであろう。
これに対応しました支出の面でございまするが、これは、なかなか経費の分計が困難な点がございまするし、はっきりしたこともなかなかつけかねるのでございまするが、現在われわれが計算いたしておりますのでは、電報関係として約三百五十二億くらい、加入電信関係として五十四億円、専用電信四十一億、計四百四十七億くらいになるであろう。
従って、全体としての収支の関係は、収入百九十億に対しまして、支出四百四十七億、収支率約二三五%くらいになりはせぬだろうか。これを最近の状況の、三十三年度の実績と対比いたしますると、収入が百三億、支出が二百二十七億、収支率二一九%に対しまして、先ほどのような数字でございますので、わずかに収支率は悪化いたしまするが、電信事業全体としましては、そう極端に悪くはならぬであろう。これは結局、電報事業としては、非常に収支率は悪化いたしますけれども、加入電信と専用電信の発展によりまして、総合的に電信事業全体としては、そう極端に悪くならぬであろうというような一応の見通しを現在持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/48
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049・鈴木強
○鈴木強君 現在の収支率から見て、少なくとも二〇%以上が悪くなっていくわけですね、見通しとして。その間、料金制度について、何かお考えになっておるのですか。依然として現状のまま、電話に依存してやっていくのだ、こういう御方針でございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/49
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050・山下武
○説明員(山下武君) この点は、実は、一般電報の収支率は、現在よりもむしろ悪化の傾向にあると思われますので、実は非常に重大な問題として、公社においてもいろいろ検討しておるわけでございまするが、電報の利用者層は、非常に国民各層にわたっておりまして、いわゆる公益性が非常に強いために、これの料金の改正、値上げというようなことにつきましては、公社としても非常に慎重に、いろいろ検討しておる段階でございますので、今の段階で料金を値上げするかどうかというようなことについては、検討の段階であるというより仕方ございませんが、公社の考え方としましては、なるべく電信も、収支の関係を改善しなければならない。しかし、電話事業と電信事業を両者総合経営しております関係上、また電話事業と電信事業の利用者層の性格等から見まして、電信において、ある程度の赤字ができて、それを電話事業の収益においてカバーするということはやむを得ないのじゃないだろうか。
ただ、現状並びに長期に見通しましたときに、現在の料金制度のままで進みますると、通数に増減がなければ、収入の額においても、将来ずっと理状のままでいきます。これに反しまして、支出の方は、人件費、物件費等、漸増の傾向にあります関係上、現在でさえも、電報事業は相当な赤字を出しているのが、ますますふえていくようなことになると思われますので、適当な機会に、ある程度料金の問題に関しても改正するような時期があるじゃないか、そうしてもらわないと、いけぬじゃないかというふうな考えでおるわけでございますけれども、現在の段階で、具体的に、どのようにするというようなところは、まだ検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/50
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051・鈴木強
○鈴木強君 各国の電信料金制度というのは、どういうふうになっておりますか。日本のように画一的な料金を課している国と、帯域制をとっておる国とあると思うのでありますが、これはおもな国との比較は、どんなになっておりますか。ちょっと知らしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/51
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052・山下武
○説明員(山下武君) あまり詳しくは存じませんが、アメリカ等の例を申しますると、距離によりまして、国内電報も相当の差を設けてございます。ヨーロッパにおいても、そういうふうに、距離によって、いわば帯域的な料金制度をとっておる所が相当多いと聞いておりまするが、今ここにあまり各国別の具体的な資料を持っておらないものですから、もし御必要があれば、別途提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/52
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053・鈴木強
○鈴木強君 総裁に伺いますが、電話等の技術については、かなり各国の実情の調査視察に公社からも行かれていると思うのですがね。そういう際に、せっかく行くんですから、ただ電話だけでなしに、電信の実情はどうかということも、視察されていると思うのですが、それにしても、やっぱり、もちはもち屋で、電信、電話というのは、多少違いますから、それぞれ専門的の立場に立って見る場合に、持ち帰ってくる報告にしても、多少違うと思いますがね。だから今も、料金制度はどうなっておるか、具体的の資料があるのかないのかわかりませんが、別途説明するというのだから、あるならば示してもらいたいと思うのです。
日本の電信事業というものは、私の把握する限りにおいては、そう他の国に比べて、スピードの点においても、あるいは誤謬率の点においても、負けていないと思う。しかも、全国すみずみまで、電信網というのが長い歴史の中で発展している国だと思うのです。だから、そういう国の中で経営している電信が、収支が、全然合わない、こういうふうな状況ですが、アメリカのウエスタンなんかの実情も私はよく見て来たのですが、非常に懸命な企業努力をしておる。一時赤字だったのが、それを克服して、今日、収支償っているというようなところまで努力されているのですね。ですから、そういうふうな、公社として各国を視察する場合に、やっぱり電信なり電話の運用、施設、こういうような工合に、人も派遣されていると思うのですが、電信なんかの各国の研究は、どうなっておるのですか。
公社になってから、何人ぐらい人を派遣したのですか。海外出張した人は何人で、そのうち電話の研究のために行ったのが幾人というような工合に、出張の目的がはっきりしておりますか。しておったら、一つこの機会に知らしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/53
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054・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 私、実は詳細な、そういう数字をまだよく調べておりませんで、この席で申し上げることはできないので、はなはだ残念でございます。おそらく、ここに局長が参っておりますから、あるいは知っておる者がおりますれば申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/54
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055・横田信夫
○説明員(横田信夫君) 今の御質問の技術系統、電信電話、合わせて行っておる人も相当いますが、手元に、今人数の詳細、持ち合わせておりませんので、調べて、後刻御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/55
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056・鈴木強
○鈴木強君 電信の特に視察を大きな使命として行かれたのは、何人いるのですか。何人行ったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/56
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057・横田信夫
○説明員(横田信夫君) 私の記憶しておる範囲におきましては、大谷電信機械課長、外二、三名電信だけの専門で行った人を覚えておりますが、そのほかの詳細について、今手元に持っておりません。専門的に電信だけについて調査に行った者も、おるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/57
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058・鈴木強
○鈴木強君 資料が間に合わないようですからね、一つ視察に行かれて、欧米を回られて、それぞれの国の電信について、どういう点を学ばれて帰って来たのか、これは復命もあると思いますから、それを一つ、資料としてお出し願いたいと思う。委員長、これ一つ要求していただきたいのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/58
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059・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 御提出いただきたいと思います。よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/59
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060・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/60
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061・鈴木強
○鈴木強君 ですから私は、国際電電なんかを見ておりますと、この点は非常に会社形態になったということも、一つの原因かもしれませんが、活発に人事の交流をしております。人事の交流というか、専門的に二カ月なり三カ月なり、向こうに行って、そして現実にアメリカあたりのすぐれた国際通信の技術、オペレーション、あらゆる面から検討してるようですね。ああいうこと、私は非常にけっこうだと思うのです。
だから公社になったって、出張旅費その他も、かなりあると思いますから、まあそういっても、外貨の割当が少いといえば、それまでですけれども、少なければ少ないなりに、やはり折衝して少しでもふやしてもらうとか、そういうふうにして、金を有効に使う方法を考えてもらいたいと思うのですね。今百何十億の赤字があって、問題になる電信に対して、ほんとうに公社の幹部諸君が、これをどうしようかということで、頭痛はち巻になって検討したということは、私はあまり聞いてないのです。
それはそれぞれ検討していることは認めますけれども、もう一歩進んで、ウエスタンなんかの経営は、ほんとに妙味を発揮してますよ。ああいうものをほんと、一カ月も行って、ようく研究をしてきて、そういう長所を日本に取り入れて、何とか宿命的に、この赤字経理に苦しんでいる電信事業を立て直すというような工夫をやってみたらどうですかね。私は電話なんか、かなり人も行っておるようですしするから、その点は、資料出せといえばかなり出せるようですけれども、電信なんかについては、行ってはいるんでしょうけれども、何を見てきたのかしりませんけれども、私たち国会で、こういうふうな視察の結果学ぶべき点があったというような報告を、私は三年半たちますけれども、一度も聞いたことがないのです。必要がなくて、要求がないから言わなかったといえば、それまでですけれども、しかしそういう、もう少し電信というものの今後の見通しを考えて、この腹をしめてやってもらいたいと、私は特に思うのですがね。
この点総裁、どうですか。あなた経営委員をやられておって、総裁になられたんですから、私がしつっこく電信のことを言うと、どうも機嫌が悪いかもしれませんがね。実際、ただじゃ済まぬですよ、この電信事業というやつは。私は、自分が長いこと経験してきてますからね。そういうために、無用に心配になるのかもしれませんけれども、意識過剰になってるかもしらぬが、私は、ほんとに電信の問題については、どうなるんだろうかということを心配してる一人ですから、そういうふうな方法も、とってみられたらどうですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/61
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062・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 鈴木委員が、かねて特に電信のことについて非常に御関心をお持ちになり、また御心配になっておることは承知しております。私、就任以来も、ほとんど機会のあるごとに、御鞭撻を受けているわけであります。
実は、できるだけ御趣旨に沿いたいとは思うのでありますが、しかしまあ実は、何と申しましても、一方の電話の方の、何といいますか、その需要に対する充足というものが、どんどんおくれているものですから、自然いつの間にか、その方にどうしても力こぶが入るということになりがちであります。まことにどうも、その点相済まぬと思います。しかしながら、決して閑却しておるわけではありませんで、御承知の通りに、ただいまこちらに参っております運用局長の山下君などは、ほとんど電信のために、おそらく相当長く向こうに行って調べて来られたその報告も出ておるように承知しております。またそれを基礎にしまして、日本の電信の現状をいろいろ分析して、将来に対する相当の改革意見なども出されたことを私もよく承知しておりますが、さていよいよ、これを実行に、それじゃどうして移すかということになりますと、なかなか問題がむずかしいので、少しどうも、こういう名案でこういうふうにできるというふうな結論が、なかなか得にくいものですから、結局今日まで、まだ御満足のいくような御報告をいたすことができないような状況で推移して参っておると思うのでありますが、しかしこれ、いつまでも放っておいていいとは決して考えておりません。これからも大いに努力するつもりでありますが、どうも今日までの歴史を見ましても、明治以来約九十年の歴史を振り返ってみても、赤字が解消したということは、ほとんどないのではないかと私は考えております。これは電信の宿命といえば——あるいは宿命というと叱られるかもしれませんけれども、多少なりと、実は匂いがいたすのであります。一方においては料金が安いということも、これはむろん一つの原因かと思いますが、さりとて、えらいぜいたくな人の使い方、ものの使い方を、電信だけについてやっておるのでは決してないのであります。
どうも一方電話の発達に伴うて自然電信の発達というものは、はばまれるというような傾向もありますし、また日本の国の地勢というものは、まだ電信のためには、非常に不利益にできておるということもあると思います。どうしても、これは収支の率を合わせなければならぬということになりますと、場合によって、やり方は非常に切り詰めてやれば、無理にやれば、できないことはありますまいけれども、そうなりますと、結局料金も高くなり、そのことが、一般の公衆に対して迷惑をかけることになり、またたとえば山奥の方の電報を配達することをやめて、距離の遠いところは、すべて局へ取りに来てくれということになれば経費は節約されるかもしれませんが、そういうことをやっておったのでは、御趣旨に沿うゆえんではないと思うのであります。
まあそういうことで、いろいろと苦労をしながらも、実は結論を得られないような状況であります。その点一つ、御了察願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/62
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063・鈴木強
○鈴木強君 総裁は、非常に正直な人ですから、ようまじめに答弁するのですよ、正直に。今までに私は、電話に重点がかかって、電信がおろそかになるのじゃありませんかと言うと、そうじゃありません、そうじゃありませんとばかり言って、聞かぬのですよ。あなたは率直に、その点を認めたから、その点いいですよ。
私は、そういう受けた印象でなしに、何といっても、電話は需要と供給が合わぬものですから、そっちに重点が行ってしまって、どうかすると電信というものは、忘れられる傾向があるのですね。あなたその点、そうでないように、今後幹部会でも、よう一つ肝に銘じて、外国のいい点を勉強する必要があれば、見てもらう。それから、赤字をどういうふうにしていくか、これは四十七年までの間のことですから、そうコンクリートされたものは聞こうとは思いませんけれども、今から、そういう具体的な問題についても、やっぱりどうしても解決しなければならぬ問題があるのです。
たとえばちょっと質問しますが、今四十七年までの見通しを御報告いただきましたが、たとえば加入電信なり専用電信の問題についても、私たちが、これがはたして収支が償うような形になるかどうかを、かなりこれは危惧したわけですよ、施行段階においても。しからば現在加入電信、転用電信の経営は、とんとんにいっておるものか、多少黒字になっておるものか、この点を一つ、はっきりしてもらいたいのです。
それからさらに、今後問題になるのは、各市町村合併等によって、電話が統合され、そうして一里、四キロ以上になると、別使配達になるから、特別な配達料金を取られることになる。これだって、経済の基盤も変ってきたし、そんなに高い金を取らないでくれと、一方意見が出てくるわけですよ。しかし配達に、非常に多くの金が使われているわけです。ですから、そうせなければならぬ事情というものも理解せず、むしろ利用者というものは、もっと、どこでも六十円でやるようにしてくれ、こういう意見が出てくるわけです。
そういうものに対抗して、どういう理論の武装をして国民を納得させるのか、配達地域の再編成もやっているようですが、直配達区域外の、今四キロ以上は別に金を取っておりますが、そういったものも、これから四十七年までに、区画をどういうふうに変えて、その点はどう調整していくのか、これだって、非常に私は大きい問題になるところだと思うのです。
電報の取り扱い通数にしたって、総取り扱い通数の中で、今お話もあったように、商業電報が、一体どの程度のパーセンテージを占めているのか、父死んだ、母危篤、何時着く、こういう電報が、どの程度のパーセンテージをとっているのか、こういった点も、もう少し検討していただいて、私は極端に言うならば、母死んだ、父危篤という電報は、ただにしたっていいと思う、二十円だっていいと思う。しかしそうでなくて、一つの商業の手段に電報が使われるような傾向に逐次移行するならば、適正料金化ということも、ある程度考えていかなければならぬと思うのです。
私たちは、ここで料金値上げをしなさいということは、占えませんけれど、そういう電信の経営の実態というものを認識させれば、国民もおのずから、そこには協力していくという気持が出てくると思うのです。それは決して不当なものでもないし、理解させるという努力もやっぱりしなければならぬと思うのです。そういったものを、これから四十七年までに、どういうふうにあなた方は考えていくのか、さっぱりわかぬですよ、私たちに言わせれば。依然として、最終的には三百五十二億という支出に対して収入は百九十億、この結論だけ聞けば、何にもその間、そういったものに対して、あなた方は再検討しようという気持がないようにも受け取れるのですね、説明がないから。あるならあるで、今指摘したような点を、どういうふうに克服して、電信というもののいく方向をきめるのか、これは一つ、明確にしていただきたいと思うのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/63
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064・山下武
○説明員(山下武君) ただいま御指摘いただきました事項のうち、相当はっきりしているものに対しまして、お答えいたしますが、加入電信、専用電信は、収支どうなっておるかというお話でございますが、これは、先ほど申しましたように、収入はわかりますけれども、支出の点は、いろいろな施設の共用部分等が非常に多うございまして、分計に必ずしも正確を期しがたいのでございますが、私の方の関係各局で検討いたしました結果は、先ほど申しましたように、加入電信につきましては、四十七年ごろには、約六十億の収入に対して支出が五十四億、収支率九〇%、約一割の利益になるであろう、専用電信につきましては、五十一億の収入に対して支出四十一億で、収支率が八〇%、約二割の利益になるであろうという見通しでおります。
なお、今どういう状況かということになりますると、加入電信は、御承知のように、まだ始めまして目が浅いために、利用効率が少うございまして、サービス開始の三十一年度の実績は、一加入当たり収入が、年間二十三万円程度でございまして、それが三十二年度には二十九万円に上がり、三十三年度で二十九万四千円で少し上がり、さらに昨年度の分を平均的に速報によって概算いたしますると、三十五万円に上がっております。
このような関係で、加入電信も、草創の時代においては利用範囲も少ないし、いろいろなまた投資等もございましたために、収支の関係は、必ずしもよくございませんが、現在では、大体収支とんとんになっておるであろう、しかも、このように、一加入当たりの料金収入が、年々ふえていっておりまして、私どもとしましては、一加入当たり、大体年額で四十万円程度の収入は、恒常的に見込み得るという前提に立って、先ほどの収支計算をしておるわけでございます。
それから電信について、あまりいろいろな対策がないじゃないかというお話でございましたが、実は、相当緻密な対策を持っておるわけでございます。先ほど総裁が申し上げましたように、各種の対策を検討いたしまして、特に先ほどから御指摘のように、アメリカにおいてウエスタン・ユニオンが、どのように経営改善に努力をして、今日の成果を上げつつあるのか、あるいはイギリスにおいて、どのような関係を経てきたか、あるいは西ドイツ、フランス等における電信の既往における経過、あるいはそのときどきにおける施策につきましては、いろいろと研究いたしまして、わが国情に合ったような対策につきましても、委員会を設けまして、いろいろの長期的な対策を作っておるわけでございます。そうしてその中でやれるものを機会をみては、逐次実施してきておるわけでございまして、決して対策はないわけじゃございませんが、何を申しましても、電報というものは、国民の各居が利用しておられまして、それで山間僻地すみずみまで、配達取り扱いをしなければならない。一日わずか一通か、二通しかないようなところでも、電報の受付を常時やらなければならぬ、そういう、いろいろな関係がございまして、通数が少ないから、アメリカのように取り扱いをやめてもいいということになりますると、非常に経営的によろしいのですが、日本の実情からみて、現在、現に電報の受付配達をやっている取り扱い局を、わずか一日に一通か二通しかないからやめるというわけにはいきません。やめますと、どうもその土地の人か品は不平、不平といいますか、不満が起きますので、これをやめるわけにもいかないし、まあそういうことで、対策としてはいろいろ考えてはおりますけれども、実際、その対策を実施するとなりますると、一般の国民の方々に及ぼす影響、あるいは従業員関係において、いろいろと労働条件に影響を持つ等のことがございまして、実行上困難なものがたくさんあるわけであります。
それやこれやありまして、なかなか思い切ったように、てきぱきと対策を実施していくことができない状況で、まあわれわれといたしましては、非常に苦労といいますか、苦悶のような状態において、それでも、少しずつでもこの経営改憲をやろうじゃないかということ、さらに最近、これはまだいろいろ内部で検討していることでございますが、電報の通信方式も、かつての手送り通信から、完全な中継機械化が全国的に完成するのもあと二、三年になりました。このような通信作業の画期的な変革に伴いまして、従来の電報の字数というものは、少なければ少ない方がいいというような固定した電報に対する考え方を思い切って転換いたしまして、機会による中継作業の実施に伴いまして、電報は、もっと長くてもいいのだ、もっと打ちやすいものにして、みんなが、平易な気持で書いて利用できるようにしたらどうか。あるいはその他、先ほど御指摘の地方における四キロまでの直配達区域は、その後におけるいろいろな地域の拡大、あるいは交通の発展その他から見て、四キロ以上は特別料金を取るということは、実は実情に即しな部分が相当できてきておりまして、この配達区域をある程度改めて、もっと拡大した方がよかろうというようなことを考えましたり、あるいは電報の託送料というものは、どうも先ほど申しましたように全発信通数の五二%、半分以上も電話で送るようになった時代において、電報を送るために、託送料を別に取るということは、どうもおかしいじゃないか、あれやこれや問題ができてきておりますが、それらの不適当な部分の是正も、今のように赤字の状態に対して、さらに、ただ料金をまけるだけということになったのでは赤字累増の結果にもなりますので、まあ、それやこれやを勘案いたしまして、経営の改善、あるいはサービスの改善その他につきまして、さらに掘り下げて研究しようということで、現在いろいろやっている状況でございます。
一応、実情を御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/64
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065・鈴木強
○鈴木強君 まあそれを検討されて、ある程度結論が出、その結論の中から、実施できるものは実施している、さらにまた検討を加えていこう、こういうことで緻密な対策を持っておられるようなお話も承るわけですから、それならば、それで、私はこの第二次五カ年計画の拡大修正に踏み切って、国会にこういう暫定措置法の提案もする段階でありますから、皆さんのお作りになりました公社の第二次五カ年計画のこの案の内容を見ましても、そういった点が、文章づらを見ただけではないのですよ、特にいって。
そうであれば、書いてなければ書いてないで、一般的な討議の資料として、皆さんの方では準備をしていただいて、そうしてわれわれが審議をする際に、余計な質問をしないでも済むように、やはり審議を円滑にするために事前に、その資料を出していただくとか、何かの方法をとっていただかないと、どうも電信電話拡充五カ年計画と、こういうふうになっているのだが、内容を見ると、童話がほとんどで、電信は何行かしか書いてない、これでは、国民は納得できませんし、電気通信事業というものの、特に電信というものの実態というものがわかりませんわ。これから四十年先、たとえば特定郵便局に委託をしている電報も、現状の形でいいのか、あるいは何か工夫をしなければならぬのか、これは電話の問題と同じように、国民から見れば、心配になるところですから、そういった資料等についても、一つでき得ますものは、すみやかに国会の方に出していただいて、われわれの審議の参考にしていただけるように、一つ取り計らっていただきたいと思うのです。
この点は、委員長、よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/65
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066・柴田栄
○委員長(柴田栄君) よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/66
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067・山下武
○説明員(山下武君) 資料は、けっこうでございますが、ただ、具体的に、どういうことかということにつきましては、ちょっと伺えましたら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/67
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068・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 鈴木委員に、何か特に内容、形式等で、御注文がございますれば、その方が、はっきりしますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/68
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069・鈴木強
○鈴木強君 それは、私が今述べているような具体的問題に対して、緻密な対策をしている、こうおっしゃるから、そうであれば、その対策の結論が出ているものと出ていないものがあるのでしょうから、これは、こういうふうにきまって、実施して参ります、これは、一つの懸案事項で、これは将来どうする、こういうことがあると思います。
そういうものが欲しいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/69
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070・山下武
○説明員(山下武君) わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/70
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071・鈴木強
○鈴木強君 それから中継機械化を、かなり熱心に皆さんの方ではやっておられるのですが、第一次五カ年計画、第二次五カ年計画、さらにまた、大体第二次五カ年計画で終わるのでしょう。
あの計画を見ますと、その閥、中継機械化のために投資した設備資金というものは、大体どの程度あるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/71
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072・山下武
○説明員(山下武君) ちょっと資料を持ってきておりますが、見つかりません。ちょっと失礼します。もう少し探します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/72
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073・鈴木強
○鈴木強君 それは、あとで調べてみて下さい。
それで、さっき質問をした電報総取扱通数のうち、商業電報と、それからその他の電報と分けて、パーセンテージは、どの程度になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/73
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074・山下武
○説明員(山下武君) それも、ここに正確な資料を持っておりませんから、後日提出いたしますが、調査したのがございます。私の記憶にありますのでは、社交電報が大体二、三割で、事務用といいますか、業務川のものが七、八割程度である、そのように記憶しておりますが、正確な数字は、別途提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/74
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075・鈴木強
○鈴木強君 それから配達を、今もお話になったように、できるだけ四キロを取り払って、直配達区域にしたいという御構想があるようですが、それと関連をして、夜間の電報配達を集中するという方針をとってこられておりますね、これは利用者から見ると、従来一つの市の中に二つ電報局がある、二つの局から配達をしてくれると、非常に到着時間が早くなる、夜間に限って、一つに集中しますから、それだけサービスが何といっても落ちると思うのです。わずか八千万円か九千万円の金を節約するために、そういうサービスの低下をきたしておる面があるのじゃないか。これは私の思い過ぎかどうかわりませんが、そういう危惧もあるのです。
それから今後、別使配達の制度をどうするかという「マツ」をどうするかということは、当然検討されると思うのですが、その際、配達を請負に、かなりやろうという御方針があるようですね、これもげた屋のおっさんとか魚屋のおっさんに頼んで、夜だけは一つ、電報が来たよ、頼むよ、よしきた、ということで持っていくことになると思うのですが、信書の秘密、その通信の秘密は、当然のことでありましょうし、そういった面からいっても、多少問題があると思うのですね、
ですから、あなたの方では、これから四十七年先まで各地方末端の局、これは山間僻地もなると思いますが、そういった請負的な配達制度というものは、ますます拡大していこうとしているのか、それとも、現状維持でいこうとしているのか、もっと言うならば、積極的に、公社の社員が配達をしていくようにしていこうとしているのか、これらの点は、どうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/75
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076・山下武
○説明員(山下武君) 配達区域の再編成の問題は、御指摘のように、夜間等におきまして、平素はある局から配達しておったのが、夜間は、他の局から配達するというようなことで、多少利用者の方には変に思われることがあるかもしれませんが、実は、夜間の着信するといいますか、夜間配達しなければならない電報というものは非常に少ないのでございまして、局によっては、全然ない局さえもあるのでございます。あっても、一通か二通という局が、むしろ多いようであります。そのために、夜間も配達人を常時置いておく、夜間置いておけば、睡眠もとらせなければならない、そういうことのために、夜間の電報を配達局全部でそれぞれやる、しかも常特配達人を置いておくということも、経営的に見て非常に大きなロスになるわけでございまして、そういう関係から、近接した都市内であるとか、隣接の局相互間というような場合には、一方の局から、夜間急いで配達しなければならぬ電報については、隣から配達するということにしておるわけでございます。これはサービスの低下じゃないかという点も、一応考えられまするが、実際的には、そういうところはすべてモーター・バイク、その他によってやっておりますので、あるいは数分間とか十数分間くらいのおくれということは、絶無とはいいかねるかもしれませんが、まあまあそう大きなサービス低下というほどにはならぬで済むのじゃないかという、実績は、そのようになっております。
それから夜間の配達を請負にしている、それをさらに拡大するのか、現状通りかという点につきましては、現在のところは、ことさらに変えようというのはない、現在すでに、夜間非常に少ないところにおきましては、請負制度にしておりまして、これ以上、今後さらに拡大しようという意思は現在のところございません。
ただ、また夜間の請負ということは、通信の秘密の問題であるとか、あるいはその他のことについて、御指摘のように問題がないわけではございませんけれども、ただいま申しましたように、電報の配達が、一晩のうちに一通もないという局の方が、実は局数からいえば多いのでございます。あっても一通か二通という局が大多数でございまして、そういうところにまで配達人を常時置いておくということは、要員の足りない最中でありますし、また経営的に見ても非常に大きいロスになりますので、特定の人を頼みまして、夜間に、そういうのがきた場合には、特に配達してもらう、通信の秘密等については確約をしまして、漏洩することのないようにというふうにやっておるわけでございます。
これは一つの電信事業の合理化といいますか、経営改善をはかる段階において、そのようなサービス面その他において、電電公社の職員あるいは郵政省の職員の方が直接配達してもらう場合と、多少狂うことがあり得るかもしれませんが、実害があるというほどの問題ではないだろう。このことは、先ほども申しましたように、夜間、電報がほとんどないにもかかわらず、配達人を常時置いて、きたらいつでも配達しなければならぬという建前をとることは、経営的に現在非常に困難でございますので、やむを得ない対策じゃないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/76
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077・鈴木強
○鈴木強君 ですから、一方においては、公共性というものをかなり強く主張されるかと思うと、片や今のお話のように、公共性というものに対して、ちょっと疑義を持つような御答弁もある。
もちろん、たとえ一通でも二通でも、要員を配置して、電電公社がそのサービスをやるというのが、これが公社法の精神でありますし、そのために公共性と採算性が合わないということも、これは事実です。合わないなら合わないで、そんなこそく的な信書の、通信の秘密についても、法的に私は、公社外の職員が、かりに信君の秘密を侵したという場合に、それがどういうふうな処分ができるのか、それが法的にどうなるのか、これらの点も、やつぱり解明されておらない。
ですから、打つ方からすれば、通信の秘密はどうしても守ってもらわなければならない。ところが、たまたま悪いやつがおれば、この前の郵便のように、十八才くらいの子供を雇ってやるんじゃないが、よそのところに突っ込んだり、あるいは川に流したりするというやつが出てくるので、法的に処罰するという意味からいっても、できないような格好になる、これは電信の場合と違うかと思いますが。ですから、どうせ赤字なんです、どっちみち。そうであるならば、事業の持つ本質からいって、採算を無視されてやっておるわけですから、そんなところまで、私は、多少サービスが落ちるというけれども、これは夜間の配達のときには、一分や十何秒の差じゃない、現実にやってごらんなさい。
たとえば福岡県の博多の駅前の局と福岡の電報局とあるわけですが、博多で、夜間の配達をやめて福岡中央電報局が配達することになり、博多の周辺の人たちは、夜になれば、福岡局から配達されるので、到達する時間というのは、電波は地球を三回り半するのですから、時間的には、問題はないと思う。しかし配達の場合は、バイク・モーターに乗っても、二分から五分くらいの配達のおくれが出てくる、そういうサービスが、多少落ちても、採算性というものを考えて、そこは合理化ということによって乗り切ってしまおう、今の配達にしても、たとえ一通あるかないかにしても、やっぱり夜間の配置をして、公社の社員が持っていくのが建前でしょう。これは、公共性の事業だから、そうあるべきだと思う。
そうなると、そこはちょっと経営から見てロスだからといって、そうしてしろうとを頼んでやるということになると、公共性というものを、どれだけ理解してやっておるかということについて、僕らは率直にいって疑義を持つのです。
だから、そういう国民一般から見ると、事業というのはよくわかりませんから、多少の説明で納得する人もあるし、それはけしからぬといって、議会で否決して反対するところも出てくるかもしれない。国民は、よく知ってくれと、公共性というものを主張しますから、多少は、そこに衝突が出てくると思うが、もう少し公共性なら公共性というものに徹底するなら、そんな中途半端なことはやめて、出た赤字は出た赤字として、別途処理することにして、サービスを落としたり、通信の秘密が多少心配になるような方向に乗り切って、合理化だといって、赤字を少しでも減らそうというのは、枝葉末節だと思う。もっと本道からいくべきだと思う。それは、見解の相違かもしれませんが、私たちは、そういうことを考える。これは山下局長、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/77
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078・山下武
○説明員(山下武君) ただいま御指摘のような公共性と企業性といいますか、専業の面での困難性といいますか、その点は、御指摘のような問題があって、そのために、実は電信の合理化を、多くの赤字を背負いながら、いろいろな対案を考えてみても、実行する上においては、いろいろな世論にぶつかったり、その他のために思うようにやれないのです。
これを、先ほどおっしゃいましたが、私はアメリカの電信が、どのようにして経営を改善しておるかということを調べました結果を、参考までに申し上げますると、実は、以前からありましたアメリカの二大電信会社、ウエスタン・ユニオンの電信会社と、ポスタル・テレグラフの会社が二つありましたが、一九四三年に両方とも経営困難になりましたために、ウエスタン・ユニオンがポスタル・テレグラフを吸収いたしました。吸収して以後においての施策は、どうであるかと申しますと、今申し上げましたよりも、もっと利用の多いところも、どんどんサービスをやめて、併合して、そうして二つの会社がやっておったのを一つにまとめ、また取り扱い数の少いところは、ある一カ所にまとめていくという方針をとりまして、従って局数は、年々非常にたくさん減らしていっております。そのことをアメリカのFCCは、ウエスタン・ユニオンの経営状態を検討した結果、承認しております。取り扱い時間の短編、あるいは取り扱い機関を閉鎖することと同時に、別途、経営が非常に困難であるがゆえに、終戦後、二度にわたって、料金の値上げをFCCが認めて実施しておるような状況でございます。向こうは、民間の会社ですから、それをやってやらなければつぶれてしまう。つぶれたのでは、電報を打つごとが国民はできなくなるから、やはりつぶすわけにいかないから、そういうふうになるわけですけれども、われわれの方は、電信電話を総合経営しておりまして、全体としての収益がありますために、電信事業は赤字であっても、つぶれるということがないということのために、今申し上げたような施策が、なかなか徹底的に行なわれがたい。
そういう実情で、私、先ほどから申し上げておりますように、全国で電報を取り扱う局は二万以上あったと思いますが、一晩のうちに一通もない局が、たしか半分以上ある。一通もないのにもかかわらず、配達人を泊めておく、そうして睡眠時間、休憩時間をやらなければならぬということになりますと、これはどうも、そうまでしなければならぬかという疑問が起きてきまして、自然、そこに、経営上の問題と公共性の問題との調和をはかって、この程度の電報しかないようなところ、たまにしかこないようなところは、特定の人と契約を結んで、その人に配達してもらってもいいじゃないだろうかというようなことになると私は思いまして、そういう線において、現在やっておりますために、いろいろな角度からいわれますと、なるほど、まずいと思われることが絶無ではございませんけれども、しかし、これは、事業の性格からして、ある程度のことは認めていただくよりしようがないだろう、そういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/78
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079・鈴木強
○鈴木強君 これは、わかりますよ、見解の多少相違する点もあるでしょうが、私は、アメリカのような、民間会社の経営する場合は、どうしてもそういう方向になる。もうからぬところはやりませんよ、もうかるところだけやって、採算をとろうというのは、民間会社の特性ですからね。
ところが、日本のような場合に、百何十億の赤字があるにかかわらず、耐え忍んでやらなければならぬ絶対的な公共性というものが使命づけられているわけです。そういう性格の異なる企業経営の中ですから、もう少し配達の問題なんかについても、一通もない一通もないとおっしゃるけれども、一カ月間を通して一通もないということでないと思うのです。ある特定の日を対象に、そういうふうになるということであって、山間僻地は山間僻地なりに、至急電報もあると思いますから、そういう場合に対処して、もう少し公共性というものを貫くなら貫く方向で、やはりそこは、筋を通してやってもらいたいと思うのです。サービスを落としたということではいかぬことですから。経営をやる一つの立場になれば、多少一分や二分おくれても、夜間は配達人を置かないでしょうとか、請負にしようとか、経営者として、何とか赤字の克服をしようという気持はわかるのです。
しかしこの赤字は、根本的に考えて、もっと赤字施策をどうするかという大局的な見地に立って、電信を考え、その方向は方向として、とりあえずこうしなければならんということで、暫定的な措置として認めてくれということなら私たちはわかるのです。
しかしほんとうのあり方を、何か中ぶらりんにしておいて、あとのことが出てくるから、われわれから見るとしっかりした施策がないじゃないかというふうに言わざるを得ない。これは大臣、電信というのは、ここで質疑をすれば、限りなくございます。しかし時間も制約されておることですから、私は電信については、この程度におきますが、とにかく大へんなことなんです。あなた聞いておるように、しかも世界を通じて、どこにも負けないだけの実力は持っておる。そういう中で、なお、もっと先端を行こうということで、中継機械化という方向をとって、これは何人、人が減るか知りませんが、第一次五カ年計画から、東京、大阪終わるまでの間に、五、六千の人が減るかもわからぬが、かなりの要員減をやって、機械化の方向を取り入れているのです。だからこういうことが今日の電話電信の総合経営の中で、はたして電信というものを、そこまで先にやらしていいものかどうかということも、一つの論議だと思うのです。もう少しスロー・ダウンして、電信電話の企業の中で、もう少し国民には、多少サービスが減っても、今世界の水準をいっておるものですから、それを、なおいくものを、がまんしてもらって、総合経営の中で、電信が日のあたるような方向にもっていくとか、知恵をしぼればあると思うのです。それにしても絶対的な赤字というものは、絶対に料金の値上げをしなければ消えないものですね。そこに経営を預かってる人たちの苦しみもあると思う。私はもう歴代大臣に向かって、この赤字について、何か政府の施策はないかということで、意見も伺っているのですが、田中さんは、私の意見の中で、一般会計からの補てんということも、じゃあ、もう相当考えて見なければならぬというところまで、電信を掘り下げてくれたのです。私は期待していたのですが、また、その後の予算を見ても、そういう要求を、公社でしたことも聞いてないし、依然として、電話の黒字によってやられている。一方何百億と債務償還をしても、黒字が出てくるということになると、電話の利用者からみれば、電信に、そんにも取られちゃかなわない。そんなにもうかるなら料金を下げろということも出てくるし、いろんな要求があると思うのです。
だからもう少しこの赤字を、何とかめんどうみるような……。あなたは郵便料金のときにも、私の質問に対して、そういうふうな思想は認めているのです。おそらく、そういう考え方は変らないと思いますが、もう少し、こういった事業を抱えていることを認めて、もう少し電信政策をお考えいただいて、何とか将来に、電信というものがほんとうに樹立していけるような態勢を作ってもらいたい、私は心から念願をして、そういうことを大臣に要望しておきたいのです。ですからもうちょっと、公社と連絡をとっていただいて、真剣に研究してみて下さいませんか。この点、大臣どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/79
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080・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) お話の通りで、電話ばかりではないので、電信、みな重要な、しかもこれをすみやかに検討して、電信政策を具現していくという必要も、私は認めておりますから、しっかりやって参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/80
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081・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/81
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082・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 速記を起こして。
本日は、本件については、この程度にいたしたいと存じます。
これにて散会いたします。
午後五時二十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01519600412/82
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