1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十五年五月十二日(木曜日)
午前十時三十七分開会
—————————————
委員の異動
四月二十日委員佐野廣君及び谷口慶吉
君辞任につき、その補欠として手島栄
君及び野田俊作君を議長において指名
した。
四月二十六日委員最上英子君辞任につ
き、その補欠として植竹春彦君を議長
において指名した。
四月二十七日委員植竹春彦君及び久保
等君辞任につき、その補欠として最上
英子君及び山口重彦君を議長において
指名した。
—————————————
出席者は左の通り。
委員長 柴田 栄君
理事
鈴木 恭一君
手島 栄君
松平 勇雄君
委員
寺尾 豊君
野田 俊作君
最上 英子君
谷村 貞治君
野上 元君
光村 甚助君
国務大臣
郵 政 大 臣 植竹 春彦君
政府委員
郵政大臣官房長 荒巻伊勢雄君
郵政省電気通信
監理官 岩元 巌君
事務局側
常任委員会専門
員 勝矢 和三君
説明員
日本電信電話公
社総裁 大橋 八郎君
日本電信電話公
社経理局長 山本 英也君
—————————————
本日の会議に付した案件
○理事補欠互選の件
○日本電信電話公社法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/0
-
001・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ただいまより開会いたします。
過般来の委員変更についてお知らせいたします。
四月二十日、佐野廣君及び谷口慶吉君が委員を辞任せられまして、その補欠に手島栄君及び野田俊作君が委員に選任せられました。
四月二十六日、最上英子君が委員を辞任せられまして、その補欠に植竹春彦君が委員に選任せられました。
四月二十七日、植竹春彦君及び久保等君が委員を辞任せられ、その補欠に最上英子君及び山口重彦君が委員に選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/1
-
002・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 理事補欠互選に関する件を議題といたします。
前理事手島栄君の委員異動に伴いまして、現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠互選を行ないます。
慣例により、互選の方法は成規の手続を省略して、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/2
-
003・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 御異議ないものと認めます。
それでは私より理事に手島栄君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/3
-
004・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 日本電信電話公社法の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより質疑に入ります。質疑の御通告がございますので、順次これを許します。鈴木恭一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/4
-
005・鈴木恭一
○鈴木恭一君 このたび政府並びに電電公社におきましては、電信電話の設備拡充について画期的な方策を樹立されたのでございまして、第二次五カ年計画も大幅な拡大を見まして、なお先般の臨時措置法におきまして、昭和四十七年までの長期計画も樹立せられたのでありまして、この法案はその建設財源を確保するために、外債を発行し、あるいは世銀から借り入れをするという道を開くために公社法の一部を改正する、こういう趣旨のように拝見いたすのでございます。私は根本的にはもちろん賛成いたすのでございまするが、最初にお尋ねいたしたいのは、非常な膨大な資金を獲得いたしますための方策としてこの道がとられることはよくわかるのでありますが、なぜ国内で、言葉をかえて申しますれば、財政投融資なり一般公募債でまかなえないのか、外債に政府が踏み切られたということにつきましての一つ経緯と申しまするか、その御決意されましたことについて、大臣から一つお考えをお述べ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/5
-
006・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 現在電電公社といたしましては、これをできるだけ自主的に自己資金でもってまかない、また加入者の御協力を得まして債券を負担していただくという方法をとりたいとは存じましたが、加入者の協力にも限度がございまするし、また公社経営の大方針といたしましては、長期かつ低利の資金をもって充当していかなければならない、さように考えてその計画を立てたのでございますが、他面におきまして、本年度の財政投融資が五千九百四十一億円で、そのうち公募債でまかなえるものが千百十五億円という金額になっておりますが、それに引きかえまして、電電公社の建設資金が総額では六千二百三十億円という巨額に上りますので、それではこれをまかなって参りますのに、なかなか自己資金と財政投融資、また加入者の御協力だけでは目的の本年度の四十万加入達成が困難と思われましたので、その計算をいたしますと、ちょうど三万加入が二千万ドル、七十二億円相当であります点にかんがみまして、今回外債によりたい、さように考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/6
-
007・鈴木恭一
○鈴木恭一君 そうしますと、外債によりますると、利子が安いとか、あるいは長期であるとか、電電公社の自主的な運営に待つ上におきましてもその方が有利である、言葉をかえて申しますると、まあ電電公社の運営に対しては、財政投融資というようなことはそれほど重点を置かなくてもよろしいのだというようなお考えなんでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/7
-
008・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) ぜひ、その自己資金のほかには、できれば財政投融資で全部やってもらって、加入者の協力はできるだけなくしたいという考えがございまして、その点を努力して参ったのでございますが、何分にも公共事業、また基幹産業方面に対する資金の要請から、政府全体の財政計画といたしましては、この電電公社に対しましては八十億円ということでまあ大蔵省との間の折り合いがつかざるを得なかったような次第で、財政投融資に非常な重点を、そればかりに重点を置くことができなかった次第を何とぞ御了承いただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/8
-
009・鈴木恭一
○鈴木恭一君 結局、政府としては、財政投融資もできるだけ考えてやる。しかし各方面の事情、日本の財政の状態から、外資にまでまあ一つ踏み切ろう、こういうふうに理解してよろしいのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/9
-
010・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/10
-
011・鈴木恭一
○鈴木恭一君 そこで、外債を発行するとか、あるいは世銀から借り入れをするということは、外国の資金が入ってくるわけでございまして、日本の電信電話事業、電電公社の経営ということに影響することがないだろうかということをわれわれは心配いたします。持に世銀から借り入れるような場合には、その運営と申しまするか、経営の内容にまでタッチしてくるという、そういう危険も考えられるので、その辺の事情はどうでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/11
-
012・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) これを私たちは、その心配がないとは考えておりましたものの、前々回の当委員会の御質疑にも、その点が御懸念であったのであります。もしや世銀からお金を融通してもらいました結果、電電公社に対して干渉が加わるようなことがあったらどうするかというふうな御質疑でございまして、ただいまの鈴木委員の御質疑とほぼ大体におきまして同様の御趣旨の御質疑でございました。それに対して答弁を申し上げました次第でございました。政府といたしましては、そういうふうな場合には、電電公社に、世銀からは借りないで外資を求める方法を講ずるように、公社と十分な打ち合わせをいたしたいと存じます。この借り入れにつきましては、政府の認可事項でございます関係上、政府はその条件等につきまして、十分に慎重にそういうことのないように電電公社と打ち合わせるという明確な考えを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/12
-
013・鈴木恭一
○鈴木恭一君 最初そういう話が、外資を導入するというふうな話がありましたころに、電電公社としては、世銀は望ましくないのだ、一般公募に待とう、現に今度も世銀からは借りないでいくのだというふうなお話も聞いておるんでありまするが、法律の上におきまして、あえて世銀の借り入れと並行していかれるということは、どういうわけでございましょうか。もし、世銀ならば、どうしても私はひもつきになると思うのです。従って、その経営の面にもタッチしてくるということはきわめて明らかじゃないかと思うのですが、その併用されたというのは一体どういうわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/13
-
014・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 世銀は、わが電電公社に対しては、そういうふうなことはあるまいと考えてはおりましたものの、今回の外債につきましては、別にそういう懸念からではございませんけれども、まずまずこれは日本電信電話公社に対するアメリカの市場における評判が大へんよろしい、公社に対する信用が厚いという点にかんがみまして、これは世銀をわずらわさないでも、一般公募で、有利な条件で話が展開して参るであろうという予想のもとに公募を考えておったのでございますが、しかし世銀ということは最初は考えておりませんものの、そしてまた世銀の融資いたします目的は、世銀の方できまっておるようでございますが、また話によりましては、アメリカの市場、またただいまの御懸念のないという点の見きわめつきましたような場合には、あるいは世銀からも融資をしてもらうような話も始まる場合も予想いたしまして、そこで公募とあわせまして、世銀のことも考慮いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/14
-
015・鈴木恭一
○鈴木恭一君 ただいまのように、世銀から借りても、電電公社の経営にタッチするような心配はないという見通しで、世銀からも将来借り入れをするというふうにお考えのようでありますが、もしそうであるならば、もしそういう保証があれば、私は世銀から借りるということは非常に簡単じゃないかと思うのですが、何か鉄道は世銀の方から借り入れをするというふうなこともいわれておるのでありますが、その世銀をこの際やめて、一般公募の方に移されたということはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/15
-
016・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) やめたわけではございませんが、やはり私たちといたしましては、国会の質疑応答等におきまする御意向をできるだけ尊重して、万が一にもその御懸念のあるようなことにつきましては慎重を期し、むしろあと回しにいたしましたのが、政府といたしましての公社に対する態度である、さような方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/16
-
017・鈴木恭一
○鈴木恭一君 政府のこの態度は、まさに私どもも了承できるのであります。そこで、今回一般公募の方で考えておられるというのでありますが、今日までいろいろ、政府もあるいは電電公社も、主としてアメリカの市場だと思うのでありますが、そういう方面の研究はされたのでございましょうか。そこいらの経緯について一つお話し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/17
-
018・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) これは昨年第二次五カ年計画の改訂にあたりまして、これはどうしても財政投融資が少ないときには、長期で、しかも低利で借りられる関係上、外債にも待たなきゃならない、さように考えまして、大蔵省との間の折衝をいたしました。また、たまたま大蔵大臣がガットの問題でアメリカへ旅行され、ワシントンにもニューヨークにも参られた。と同時に、私もこれもまた幸いスイスまで出張いたした折に、やはりこの問題もございますので、アメリカを通りましたときに、大蔵大臣とも会いまして、かねて日本を出発する前に、国内におきまして政府間で打ち合わせて参り、大蔵大臣の協力を求めておいたことに基づきまして、さらに当面の交渉すべき立場にある大蔵大臣とアメリカ側との折衝、それに対する大蔵大臣の強い協力を、その際にもお頼みいたしまして、大蔵大臣も十分考えているというふうなことでありまして、そのときのことは具体的には額とか、あるいは条件とか、そういうところまでは、そのときの会話は記憶しておりませんけれども、十分にその問題について協力してくれるという答えを得まして、私もまたいろいろな滞在中の会合を利用いたしまして、この外債問題を打診もし、また頼んで参りました。それからスイスに参りましても、国際会議でございましたので、アメリカの人も幸い来ておりましたので、その人たちにも、ITUが主体ではございましたが、その時間の合間に私からも要請しておいたのでございます。それから外国を引き揚げまして日本に帰りました後も、さらに大蔵省とも、事務当局からも十分に折衝を重ねて参りましたことは、大体今日のところでは、外債は募集可能であるという予想を立てることができるに至った次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/18
-
019・鈴木恭一
○鈴木恭一君 世銀との交渉等につきましては、これは簡単だと思うのですけれども、公募ということになりますと、一般の金融市場と申しますか、投資引き受けの状況は、電電公社の経営とか、あるいは日本の電信電話事業というものの認識というふうなものがアメリカに相当浸透してこなければ、なかなか踏み切り困難だと思うのです。こういう点について政府なりあるいは電電公社は、PRされておるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/19
-
020・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 政府といたしましては、特にPRということはないのでございますが、ただ打診をいたしましたところが、一般に電信電話に対する市場の空気がきわめて信用も厚い、そうして日本の電信電話公社に対しても信用の厚いことを看取して参りました。私の参りましたところでは、日本のアメリカから借りました電力債、これは電話じゃございませんが、電力債に対しまする、太平洋戦争の前後を通じまして、戦争最中においても、日本がアメリカから借りました電力債に対する責任を十分果たした。アメリカと戦争にはなっても、アメリカから借りた借金はこれは必ず守って、戦争の結果がどうあろうとも、必ずこれは返済することに責任を持つということをアメリカに明確に申し入れまして、アメリカの了承を得た。このことなどが、これは電気通信についての信用問題の上にも、非常に好影響をもたらして、日本はいさかいがあっても、戦争状態であっても、借りたお金は必ず返す意気込みで、その債権を留保しておいてくれたというふうなことも聞き及んで、私は非常に欣快に存じて参った次第でございます。さような程度のことでございますが、非常に電信電話公社に対する信用の厚いことを見て取って参りました。なおこの点は公社から御答弁申し上げていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/20
-
021・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) この外資の導入について、公社として何か今までの間にこのことに関するPRをやったかどうか、こういうことでございます。私どもとしては御承知の通り、予算の総則で外債発行のことが認められて、これが国会の通過を見ない前に、外債の話し合い等、これに類似したようなことを言うべきことはむろん避けべきことと考えております。積極的にそういうことについては、働きかけは全然いたしておりません。それからただいまちょうど本委員会にかかっております公社法の改正、これも外資の導入に関連した法案でありますので、これが確定しない前に、これも積極的に働きかけるということは、これはやはり出過ぎたことじゃないかと考えておりますので、そういう点も差し控えておるわけでございます。しかし、ときどき新聞等にいろいろなことが出ますので、その反響が自然アメリカの証券業者その他に伝わっておるものと見えまして、昨年ごろからときどき日本へ証券業者の関係者が参ったときには、公社を訪れて、一体公社の方はどうやるのか、自分の方としては、もしそういう機会があれば、十分力になることができるというようなことを言ってくる向きがちょいちょいあります。従いまして、そういう話のときには、公社の状況がどうだとか財政状態がどうだとかいうことの質問がありますので、私どもとしてはでき得る限り事実を伝えておることはやっておりますけれども、進んでぜひお前の方でやってくれ、そういうことを言うべき筋合いじゃありませんから、先ほど申し上げましたような公社の現状を伝え、財政状態を説明する程度にとどめておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/21
-
022・鈴木恭一
○鈴木恭一君 前々から前総裁がアメリカへ行かれて、いろいろ交渉されたというふうな話も聞いておるのでございますが、それはただいま大橋総裁が述べられたように、法案も通っておらないさきに、そういうことをするのもどうかというふうなことも、私どもも考えられないわけではございません。しかし、ともかくも二千万ドル本年度公募しようというようなことにつきましては、やはり政府並びに電電公社としても、一応の見通しというものは持たれなければならないと思っておるのであります。ことに、きょうの新聞ですかを見ますと、米国の証券投資団が日本に参っておりまして、電電公社等との意見の交換も終わったように書いてあります。どの辺までその人々とお話し合いになっておいででありましょうか、また、そのときの状況等から、見通し等がはっきりいたしておるのでありましょうか、その辺の事情を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/22
-
023・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 先ほどその点を申し落としまして恐縮でありますが、ただいま御指摘のように、アメリカの証券団が数日前日本へ参りまして、各方面の財界の方々とも話し合いをしておられるようであります。また政府当局ともいろいろ話し合っておられるようであります。公社といたしましては、去る十日の日に約四十分にわたって懇談をする機会を得まして、その席上において私から、日本の電話事業の現状と公社の第二次五カ年計画の内容、また資金調達に関する公社の考え方等について概要の説明をいたしました。これに対して証券団の方から二、三の質問があったのであります。これは特にそういう突っ込んだ取り立てて申し上げるほどの質疑応答ではなかったのでありますが、一応私の説明だけは聞いて了解をしてくれた模様に見受けました次第でございます。なお、現在のところでは、これ以上特に全体として話し合う機会はまだ約束したものはありませんけれども、来た人の中には、なお今後プライベートにあるいはさらに公社を訪れて、もう少し詳しく内容等について聞きたいという希望の向きもあるようでありますから、そういう方が見えられたときにはさらに詳しく話し合う、こういうことにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/23
-
024・鈴木恭一
○鈴木恭一君 総裁はその際に相当明るい見通しというものがあるというふうな印象を受けられたでございましょうか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/24
-
025・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 先ほど郵政大臣からいろいろ御説明がありましたように、私ども今日までいろいろな得ている情報では、これは一つはアメリカの電話事業というものが、アメリカ国内においての電話事業が非常に好調でありまして、まあアメリカにおける企業としては第一流の企業である。事業成績も非常によろしい。従ってアメリカの電話債券というものが非常に向こうの方では高く評価されている、こういう関係もあるのだと思います。それから日本へちょいちょい参りました証券業者その他に私ども説明したことが、間接にやはり向こうの方へ伝わりまして、日本の電電公社の業績というものが、相当まあ私どもからいえば少し過大に称賛されているのじゃないかと思われるくらいに、実は向こうの方が高く評価されているように見受けられるのであります。私どもの会った人の話では、よほど有望らしく看取せられるのであります。アメリカの市場というものは、昨年の下半期からすでにそういう傾向があったのでありますが、ことに、ことしの一月以降一時金利も高騰いたしまして、だいぶ金融状態がよくないという報道などが伝わりまして、どうかと思って心配しておったのでありますが、最近の模様でありますと、だいぶまた状態が好転いたしたようなふうに見受けられますし、また、私どもの会った証券業者の話でも、その点はそう心配することはなかろう。二千万ドルや三千万ドルの社債を発行することが、そう困難なことではなかろうということを、まあ彼らの口からは申しております。そういうことから考えまして、私どもとしては、まずこれが発行ができないということはなかろうと考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/25
-
026・鈴木恭一
○鈴木恭一君 まあ、そういう明るい見通しのあることは非常にけっこうなことなんですが、さて、その発行の条件なんでございますが、これは非常に私むずかしい問題だと思っております。ことに、昭和の初め以来、こういうケースは国債を除いてはないと思うのでありますが、これは他の産業にも関係のあることでございましょう。あるいは電力だとか鉄鋼だとか、あるいは電機機械等の方面にもそういう問題がある際でもありまするし、影響するところも非常に大きいと思います。また電電公社といたしましても、これは本年の条件というものが、本年だけの問題でなく、将来にも影響のあることでございますので、今回ばかりではございません。従ってこの条件につきましては、政府等はどういうふうにお考えでございましょう。その点のお考えを一つ大臣からお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/26
-
027・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 一番おもなことは、主眼点は、政府といたしましては、政府は保証する、それからまた、利息に対しましては免税をするという点が一番主眼といたしている点でございますが、なお発行につきましては郵政大臣の認可を要しないということにした点とか、あるいはこれはもう事前に借り入れにつきまして郵政大臣から認可をしておきますから、発行につきましてはもう今さら大臣の認可をしないでいい。失った者からも請求があったときには、日本の国内の社債の場合と違って、外国の慣習通りにまた発行してやられる、あるいは先取特権を認める、また元利金の外債送金に対する制限なども取り除く、それから消滅時効につきましても、元金十年、利子五年というふうなことにいたしましてやって参ります方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/27
-
028・鈴木恭一
○鈴木恭一君 もちろんこの法案にも出ておりますことで、それはまあわかるのでありますが、一体利子をどういうふうにするのか、あるいは期間をどういうふうにするか、やはり私は実際問題としては、非常に、これは単に電電公社——電電公社自体にも問題がございますが、その他の事業にも直接影響する問題でございますので、そういうふうなことに対する配慮は、電電公社にもうすべてまかしてしまっておられるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/28
-
029・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) これはむろん御意見の通り、電電公社だけの問題ではなく、日本の外資を募集いたしますことに対する全体についての影響が大きい。また外資の金利その他の条件は、さっそくにまた国内における金融操作につきましても非常に影響があることでございますから、これは公社が交渉を進められますにつきましては、郵政省といたしましても十分に連絡をとって参りたいと、さように考えておりますが、具体的なことにつきましては、総裁の方から御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/29
-
030・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 今度の電電社債の発行につきましては、その条件等につきまして御質問があったわけであります。これは過去において、昨年の国債の発行の利率なり条件なりというものは御承知の通りであります。そのほかに一般の商社あるいは民間の会社の社債の発行の例はあるのでありますが、政府保証債としての公社債の発行は、おそらく今度が初めてじゃないかと思います。従いまして、今後のこれが一つの目安にもなり、影響するところが非常に大きいと考えますので、私どもはきわめて慎重に、いろんな条件を勘案して交渉に当たらなきゃならぬと考えております。いずれにいたしましても、これは相手方との交渉の場合に基礎になりますものは、やはりアメリカの証券市場におけるそのときの情勢でありまして、これが今からどの程度にどういう情勢になるかということは的確にこれはどうしても握把いたしかねる、今後向こうと交渉を重ねる間に、そのときの状況で最もいい条件のもとに、いい時期を見計らって発行するということにならざるを得ないと思います。今日からおよそこの程度の利率、この程度の条件でということを、ちょっと今予定いたしかねると考えております。いずれにいたしましても、このことに関して私どもしろうとでありまして、いろいろ専門家の意見を聞き、ことに監督官庁あるいは大蔵当局等のいろいろ御意見も承りまして、よく御相談して決定したい、さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/30
-
031・鈴木恭一
○鈴木恭一君 私もその点については、実際政府としても慎重に考えてやっていただきたいと思っております。そこで、これ私よくわからないのでございますが、外資の導入というのは、ここに書いてあります、外国通貨をもって表示する電信電話債券の発行、それから世銀から外貨資金を借り入れる、この二つがここにあるわけでございますが、その他の方法はないのでございますか。外資導入ということを、たとえば短期に三年、五年をほかの銀行から、世銀以外から借り入れられるというふうなことも考えられるのでございましょうし、社債に変わるまで一時的な借り入れというふうなことも考えられると思う。また、そうした方が外国——アメリカの市場を相手にして考えた場合には有利に発行できるのじゃないかというふうなことも考えられるのですが、そこらの点に対する配慮は政府としてはなすっておられるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/31
-
032・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) どうもそのほかにはなかなかむずかしいように考えられる。たとえばワシントンの輸出入銀行とかシティー・バンク等が外国に対して貸してくれる場合があるわけでございますけれども、電電公社といたしましては、輸出入銀行はやはりプロジェクト・ローンでございますので、まあ機械器具類の輸入等の場合には役立ちますが、ちょっと電信電話社債の場合にはこれはむずかしいのじゃないか。それからまたシティー・バンクからといたしましても、短期のつなぎ資金くらいは、これはむろん信用の厚い公社でありますから借りられると思いますけれども、長期低利の資金となりますと、ちょっと目当てがつきませんので、ただいまの社債公募以外にはちょっと手がなさそうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/32
-
033・鈴木恭一
○鈴木恭一君 今まで社債の公募なり、あるいは世銀から借りる——アメリカを対象として考えておられるようでありますが、もちろんこれは外資導入一般のことをここで道を開いておるわけでありますが、アメリカ以外の欧州方面との交渉と申しまするか、配慮と申しますか、そういう方面のお考えはございませんでしょうか、これは電電公社でもよろしゅうございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/33
-
034・山本英也
○説明員(山本英也君) アメリカでドルでもって表示されますものをアメリカの市場で公募いたしたいという考えを持っておりますけれども、その場合におきましても、たとえて申しますと、日本の政府の債券を昨年二月にアメリカにおいて発行いたしましたが、その場合でも、アメリカの市場と申しますのは、やはり国際金融市場といたしまして、欧州等からの資金の流入がございまして、いわゆる世界の社債市場としてニューヨーク市場というものがございます現在でございますので、アメリカにおきまして発行いたしましても、引き受け先は必ずしもアメリカ国内の資金に限られるわけではないようでございます。従いまして、今回アメリカにおいて発行する、あるいはアメリカの証券業者等との折衝を予定いたしておりますけれども、その場合でも、やはり欧州方面での引き受けということは当然考えられることではないかと思うのであります。
またもう一つ鈴木先生からの御質疑の中で、欧州に直接社債の公募というようなことを求める余地はないのかというお話かとも存ずるのでございますが、現在まで欧州で直接社債等が、外国債等が成立したということはあまり大きな額というものはないようであります。ただ前例がないわけではなくして、スイスでありますとかドイツ等におきましては、若干の外国債というものが成立したという例は聞いておりますが、直接公社といたしまして今考えておりますのは、アメリカのニューヨーク市場におきますところの公募ということを考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/34
-
035・鈴木恭一
○鈴木恭一君 話は少しはずれるかもしれませんが、六十二条の第一項のただし書きに関連する問題で、この外債については、もし紛失した場合、失った者から請求があればすぐに電電公社はかわり債券を交付するということになっております。国内の電電公債社あたりと非常に取り扱いが違っておるわけであります。で、まあ前から私もそう思うのですが、日本の電電公社債が公示催告制度を持っておることが、これはあるいはその債務者の保護ということになるかもしれませんが、むしろ流通保護の立場から、かわり債券をどんどん発行したらよろしいと思っておるのですけれども、その点に対しては、政府としてはどういうふうにお考えになっておるのでしょうか。このやり方が私は非常にいいと思うのです。ことに本年度からおそらく四百億も小額債券が出回ると思うのですね。そうした場合に、この流通という点をやはり考えて、国内でも改めていく必要があるのじゃないかと思うのですが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/35
-
036・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) これは、日本の経済道徳もだんだん向上して参りますし、債権者の確保といったような立場から、これは、ただいまの御意見は最も傾聴すべき御意見であると政府としても考え、これは十分に、この外国における慣例等は私たちとして調査して、よく検討して、これに国内的にも結論を出すべきものだとは存じますが、何分にも、どうも政府全体といたしましては、大蔵省方面とのまだ意見交換まではいたしておりません。ただ私の担当いたします限りにおきまして、内国の場合も十分検討を要する、さように考えておりますが、なお具体的には監理官からお答え申し上げさしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/36
-
037・山本英也
○説明員(山本英也君) ただいま大臣から御説明申し上げました通りでございますが、なお若干補足いたしますと、お話しのごとく、今回の臨時措置法によりまして多額の債券が市場に出る、そういたしますと、勢い事故債券の数も多くなっていくということは、これは予想されるわけでございます。従いまして、その処理に要します公示催告の手続をめぐります手続の煩瑣、あるいはそれに基づいて債券の流通の安全を阻害するといったようなおそれも十分に予想されるわけでございましてそういった点は非常に了解されるのでございますが、この問題は有価証券全体の問題として慎重に検討なお尽くすべき問題と考えておるわけでございます。なお庶民の、一般の債権者を保護するといったような対策のことも考えなければならないと思いますので、いましばらく時日をかけて慎重に検討して参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/37
-
038・鈴木恭一
○鈴木恭一君 その点については、郵政省あるいは電電公社としては、大蔵当局なり、そういう方面とこの問題について折衝されておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/38
-
039・山本英也
○説明員(山本英也君) 国会でもかような御意見があるようにも聞いておりますので、若干は私どもといたしましても内部的には検討いたしておりますし、またそれほど深い交渉ではございませんが、若干の交渉は持ったことはございますけれども、何分証券全体の問題でございまするものですから、まだそこまでは進んでいないという状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/39
-
040・鈴木恭一
○鈴木恭一君 いや、実際今度臨時措置法が出ますと、相当のものが市場に出るわけでございますから、そういう点もぜひ一つ考えてほしいと思っております。
なお、これは話がさらにそれるかもしれませんけれども、まあ流通保護の問題で私はちょっと思い出すのですけれども、資金の効率的運用ということが非常に必要なんですね、外債の募集もさることながら。そこで日本銀行への預託金制度、これをはずしたらどうかと思う。これは先般この委員会でも鈴木強委員から御質疑があったと思うので、私も実は賛成なんで、この額もやはり私も相当あるのじゃないかと思っております。ほかの公団あるいは公庫等では自由に一般銀行に預託しておるというようなことも聞いておるので、日本銀行への預託金制度というものの廃止を、政府なり電電公社はどういうふうに考えておられまするか、また実際それをはずすようなことをやっておられるのですか、その点をお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/40
-
041・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) まず政府側の、郵政省といたしましての答弁を申し上げたいと存じます。何しろこれは御趣旨はよく了解できるのでございますけれども、三公社共通の問題でございますので、大蔵省でも検討しておられる最中だということを承知いたしておりますが、郵政省としても、この問題は実はまだ検討最中でございますので、しばらく時間をかしていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/41
-
042・鈴木恭一
○鈴木恭一君 電電公社としてはどうでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/42
-
043・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) この問題は、鈴木委員も十分御承知の通りであります。現在の制度は、国庫預託制度をとっております。公社の収入した資金は全部日本銀行に預託する、こういうことになっておりますが、預託した金は三十億までは無利子である、三十億をこしたのは日歩八厘の利息をつけるという、きわめて低利な利息をつけるということになっております。先ほど大臣からもお話ありましたように、これはうちの公社だけでなしに、国鉄も専売も同様なやはり制度でやっておるのであります。ただ私どもの立場だけから申しますと、同じ公社とは申しながら、それぞれやはり事情が違うのじゃないかと思うのでございます。これを画一的にやるということは、はたして妥当なりやいなやという点に問題がありはしないかと私どもとしては考えております。従いまして私どもとしては、これを一つはずしていただきまして、いま少しく自由に資金を運用できる建前にしていただくことが最も望ましい、かように考えておりますので、従来とも大蔵省当局に対しては私どもの意見は申し述べて、できるだけ早くこれは私どもの希望を達成できるように御考慮願いたいということは、大蔵当局とも話し合っておるのでございます。しかし、まあ先ほど大臣からお話しのように、大蔵当局としては、やはり全体の統一というようなことが、なかなか従来からやかましいのでありまして、そう簡単に、解決がむずかしくて、今日まで延びておるわけでございます。私どもとしても、今後も機会あるごとに十分この点はお願いをしたい。しかし、先ほどもお話がありましたように、大蔵当局でもだいぶ特にこの点については最近調査を進められておるように私ども看取いたしておるのであります。内部的ではありましょうけれども、日本銀行当局ともいろいろ話をし、委員会などを開いて、まあ御相談になっておるように仄聞いたしております。できるだけ早く解決せられることを私どもとしては希望いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/43
-
044・鈴木恭一
○鈴木恭一君 ほかの公団とか公庫では自由にしておる。三公社だけが国庫統一の原則に従わなければならないというようなことは、これはもう公社になった以上は、それはある意味において相当の、二百億か三百億あるのでしょう、一年間には、電電公社だけでもですね。だけれども、公社になった以上は、やはり自由な自主性というものが、私は非常にその事業の運営の上においてもいいことであり、またそういうために公社になったのだろうと思うのですね。まあ政府機関とはいいながら、政府じゃないのでございまするから、そういうふうな点から、私は公社の自主性というふうなものも政府は考えていかなければ、公社としての機能というものが十分に発揮できないのだ。問題はむしろ私はそういうところにあるのじゃないかと思うのです。特にその点については、郵政当局としましても、慎重はけっこうですけれども、勇断を持って解決してほしいと私は強く要望をしておきます。
それからこれはこの条文上読んでいきますると、外債とは直接関係がないように思われるのですけれども、電信電話債券の消滅時効をここに明定されました理由はどこにあるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/44
-
045・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) これは他の場合と同じようにしたので、それからまあこれははっきりと、国鉄の場合もそうであったかと存じますが、これはやっぱりはっきりと書いておいた方がいいかと存じまして、明定したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/45
-
046・鈴木恭一
○鈴木恭一君 従来でも債券の券面にこの条項は書いてあるわけでしょう。従って、それでよろしいのじゃないかと、たまたままあ国鉄の方にそういうことが明記してあるからというのですが、それじゃいけないのでございますか。それとも、この外債に関連して、ぜひともこの際そういうふうな消滅時効を国内法として明定しておかなければいけないのだというふうなことなんでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/46
-
047・山本英也
○説明員(山本英也君) 私から申し上げるのもどうかと思いますけれども、従来の公社法に確かに消滅時効につきましては、公社債につきますところの消滅時効については規定はなかったのでございます。公社法の制定せられました当時におきましては、一般の民法の時効の規定が適用あるものであるということで、国鉄法におきましては明定してございましたけれども、その必要なしということで削除されたように、立法の過程——ではございません。草案の過程におきまして削除されたように聞き及んでおるのであります。従いまして、現在公社の発行いたしておりますところの債券面には、明らかに、消滅時効は、元本については十年、利子については五年ということを約款として明示してございます。しかしながら、その後必ずしも民法の一般原則、民法の百六十七条第一項及び第百六十九条というものによるとは限らないという解釈も、有力な解釈として出て参った次第でございます。それはどういうことかと申し上げますと、公社の社債を発行いたすという行為が、商法で規定いたしておりますところの絶対的商行為にもし該当するものであるとするならば、商法の短期時効の適用——商法の第五百二十二条でございますが、その短期時効、五年の消滅時効の適用がある場合もあるという解釈も成り立ち得るのではないかという御意見もございましたので、国鉄法等にならいまして電信電話債券につきましての元本利子の消滅時効を明定した方が、明らかにしていただいた方がより明確になるのではないかということで、従来の取り扱いと同様のことをこの公社法の改正の際に、債券と関係がございます事項でございますので、改正方をお願いをいたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/47
-
048・鈴木恭一
○鈴木恭一君 外貨債の方はどういうふうになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/48
-
049・山本英也
○説明員(山本英也君) 外貨債の方は、各国によりましてそれぞれ時効制度、除斥期間制度とか、あるいは出訴期限の制度とかというふうに、各国の法令によりまして時効制度というものは異なっておるように聞いておるのであります。ことにアメリカ等におきましては、むしろ時効制度というよりも、出訴期限の制限というような制度が一般的であるように聞いております。従いまして、もしアメリカ等で社債等を発行いたしますれば、それにつきましては現地の法律が適用せられることになりまして、公社法で今回御明定をいただきます十年、五年という消滅時効の規定は、もしアメリカで発行いたしますとすれば、アメリカの法律に従うことに相なりますので、この規定の適用はないことになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/49
-
050・鈴木恭一
○鈴木恭一君 そうしますと、外貨債の方はその券面に書くということですね。従来日本でやっておったような形でよろしいと、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/50
-
051・山本英也
○説明員(山本英也君) いわゆる時効制度というものが、英米法等においては日本のような時効制度というものではないようでありまして、債権につきまして請求の期限というものが、訴訟して争い得る時期というようなものが制限があるようでございますが、従いまして、もし米国におきまして債券を発行いたしますときに、約款上に消滅時効的なことを書く必要はないのではないか、実はそういう工合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/51
-
052・鈴木恭一
○鈴木恭一君 最後にもう一つお尋ねいたしますが、これはわれわれが言うのもどうかと思うのですけれども、さきに設備拡充のあの臨時措置法が一カ月おくれてしまったというので、計画上に非常にそごを来たされておると思うのです。総額が千三百十四億、まあ一カ月平均しましても百三十億というものがマイナスになっておるわけなのであります。今二千万ドル七十二億の外債をというふうなことをお考えのようですけれども、こんなものはふっ飛んでしまって、一切用をなさないのじゃないかというふうに思えるのですが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/52
-
053・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) ただいま御指摘の通り、拡充法の成立がおくれましたために、私どもの建設工程に相当な影響があったことは、これはいなめない事実だろうと思います。しかし実は地方の現場におきましては、きょういよいよ通るかあす通るかと、非常にしょっちゅう張り切って準備を整えておりましたので、月末になって公布になりましたけれども、公布になるやいなや、直ちに従来の準備によってすぐ仕事にとりかかる、この加入受理も四月のうちに二万三千個の受理を決定いたしましてすぐ工事に取りかかる。ことにこの四月中も、この法案が通らないから手をこまねいて全部工事をやらなかったというわけではないのでありまして、新規加入の電話を取りつけるということ自体は、これはやりませんでしたけれども、いわゆる基礎工程に属することはどんどん、予算がすでに成立しておりますから、その工事の方は、ことに馬力をかけてやっております。一年を通じていいますと、各戸の家につける方が相当おくれましたけれども、基礎工程の方はかえって初めの予定より進捗しておるということになるのですから、工事の振りかえによって五月以降加入者宅につける方も大いに勉強いたしますと、一年を通じて考えますと、多少の困難はありますけれども、十分やっていけるんではなかろうか、そのつもりで大いに努力をいたしておるわけであります。
さらに外債の問題も、これも外債発行の時期にもよるわけてあります。もし現在本委員会にかかっております公社法が通りますれば、できるだけ早い機会に私ども今度は積極的に外債の発行に向かって、先ほどお話があったように努力を紡げたいと思いますが、まあこれも適当な時期に発行できますれば、本年度内にまず予定の工事はできると、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/53
-
054・鈴木恭一
○鈴木恭一君 私も、この前の措置法の場合にも申し上げたのでありますが、本年度の工事というものは非常に拡大されまして、大へんだと思うのであります。その段取り等もいろいろ問題があろうかと思います。そこでこの外債の問題も、ただいま総裁のお話もありましたように、なかなか発行を具体化するということに対しては相当私は時間がかかるんじゃないかというふうにも思えます。極端なことを申しますると、三月に話がまとまったというならば、これは全然ことしの三万個は来年に延びるというようなことも考えられます。そういうようなわけで、大体の見通しというものは、工事のでき得る範囲においてこれを取りきめなければならない、さように考えるのでありますが、その辺の見通し等は十分お持ちになっていると思うのでありますが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/54
-
055・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) これは外債の発行の時期によることでありまして、ただいま御指摘のように、三月ごろになって初めて発行、それ以前に発行できぬということになりますれば、これは今お話の通り、結局三万個というものの大部分はあるいは来年度に繰り越さなければならぬということになるかと思います。そこで私どもとしては、できるだけ早くこれの発行を急がなければならぬ、かように考えておりますので、これが年度末相当、数カ月前に発行ができますれば、これは十分こなせることと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/55
-
056・鈴木恭一
○鈴木恭一君 もしそういうふうな、外債が発行できなかったと、結局不足財源ということがここにあるわけでございますが、そういうふうな補てんの方法というふうなものはお考えになっておらないのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/56
-
057・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 御承知の通り、外積発行に伴う予算は、発行された暁には、その発行額に見合う工事をやってよろしいと、こうなっておるのでありまして、発行されない限りその工事はやれない、予算面には認められないことになるわけでありますから、それだけは消滅するといいますか、今年度内にはやれない、こういうことに相なるわけであります。ただしかし、ほかに、外債以外にもし収入が非常に増したとか何とかということがあれば、それに基づく弾力の工事ということは、これはまあ別の予算の規定によってやれる、こういうことになりますけれども、二千万ドルの外債に伴う予算だけは、これは発行されぬ限りは、これは弾力を適用できない、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/57
-
058・鈴木恭一
○鈴木恭一君 私の質問はこれで終わりますが、繰り返して申し上げますが、本年度の計画というものが非常に膨大なものであり、外債の発行ということもお聞きいたしますると、これからスタートしなければならない、この法案が成立してから具体的に動かなければならないというふうな状態でございます。しかもわれわれとしては、四十万の加入ということはぜひともやっていただきたいということを考えておりまするので、政府も電電公社も、本法案が成立いたしました場合には、すみやかにいろいろの条件等をよくお考えになって、どこまでもその四十万は完成するという方向で御努力を心から私お願いいたしまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/58
-
059・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ほかに御発言もなければ、本日の質疑はこの程度にとどめたいと存じます。
これにて散会いたします。
午前十一時四十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X01919600512/59
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。