1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年五月十九日(木曜日)
午前十時五十四分開会
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委員の異動
五月十八日委員永岡光治君辞任につ
き、その補欠として光村甚助君を議長
において指名した。
本日委員光村甚助君辞任につき、その
補欠として永岡光治君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 柴田 栄君
理事
鈴木 恭一君
手島 栄君
松平 勇雄君
委員
黒川 武雄君
新谷寅三郎君
最上 英子君
谷村 貞治君
鈴木 強君
永岡 光治君
国務大臣
郵 政 大 臣 植竹 春彦君
政府委員
郵政大臣官房長 荒巻伊勢雄君
郵政省電気通信
監理官 松田 一英君
郵政省電気通信
監理官 岩本 巌君
事務局側
常任委員会専門
員 勝矢 和三君
説明員
日本電信電話公
社総裁 大橋 八郎君
日本電信電話公
社営業局長 大泉 周藏君
日本電信電話公
社施設局長 平山 温君
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本日の会議に付した案件
○日本電信電話公社法の一部を改正す
る法律案(内閣提出・衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/0
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001・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ただいまより開会いたします。
まず、委員の変更についてお知らせいたします。
五月十八日、永岡光治君が委員を辞任せられまして、その補欠に光村甚助君が委員に選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/1
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002・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 日本電信電話公社法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続いて、御質疑のある方は順次御発言を願います、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/2
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003・鈴木強
○鈴木強君 ただいま議題となりましたその公社法の一部改正法案であります、が、すでにこの七十二億の外債の募集については、予算総則で予算委員会の際に通っておるわけでありますが、予算委員会においてこの問題に対して詳しく質疑ができませんでしたので、私二、三質問をしておきたいと思いますが、まず、大臣にお尋ねいたしたいのは、日本のこの電信電話事業というものが、公社発足以来もうすでに八年たっておりますが、かなりの実績をおさめつつも、なおかつ需要供給のバランスがとれないという事態にあることは私たちもよく認識しております。そこで今年の予算の編成に際しましても、御承知の通り、自由民主党、社会党、それぞれ特別の委員会を作りまして、この隘路を打開するために一番必要な資金措置についてはそれぞれ考え方を示しておるわけでありますが、どうもこの七十二億の外債、これは額にこだわらず、外資を導入しようという思想、国内の資金をもってしてはどうしても所期の目的を達成できないという御判断を当初からお持ちになって外資導入に対する折衝をやられておった事実も私は知っているわけであります。従って、それとの関係で、今ここに結論的にわれわれが考えると、どうも国内の資金調達が非常に困難であるので、できる限り外資を導入して電話事業の発展を期そうと、こういうふうな思想に立っておると思うのですが、私に言わせると、まだまだほんとうに政府が本腰を入れて建設資金の調達を考えるならば、この程度の外資を導入しなくてもやり得ると判断を私はしておるのですね。どうして七十億や七十二億程度の外資を入れなければならぬのですか、この点一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/3
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004・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) ただいま御意見のように、私たちも政府といたしまして、できるだけ外資を導入しないでやっていこうとは考えましたのですが、ちょうど財政投融資を使ってやりたいいろいろな国内の他の仕事がございますわけで、五千九百四十一億の財政投融資に対しまして公募債に割り当てられましたのが千百十五億、そのうちから八十億だけは電電公社の方に今年度回してもらいましたものの、金繰りの都合上、いたし方なく外資にも頼らざるを得なかったわけでございますが、ただいま御質問の一番の中心点でありますことにつきましては、外資によりますれば比較的長期で、かつ低利でもって借りられるというふうなところから、外資にもよったわけでございます。しかし多少の金利が違いましても、国内でまかない得ますときには、できるだけ国内でまかなっていきたいという考えは、鈴木委員の御指摘と全く同じ考えであったのでございますが、右申し上げましたような事情から、やむなく一部外資にも依存したという次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/4
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005・鈴木強
○鈴木強君 私がちょっと奇異に思うのは、大臣の基本的な思想は私たちと一緒ですから、これはけっこうでございます。ところが、一方あなたが御就任になる前に、これは前の大臣の当時からでありますが、すでに電電公社に外資を導入しようという考え方に立ってこれは政府が意思統一しておったかどうか私は知りませんが、直接の公社当局は熱心に、前総裁等が二度にわたって外国にも行ってそういう働きかけをしておる。こういう事実がございます。ですから、どうも基本的には国内から調達するという思想があるのだが、片や外資導入ということをかなり前から熱心に考えておったところを見ると、一応千五百億なら千五百億という建設資金を計上してみたが、この中にはすでにあらかじめ外資というものを予定して、そうして政府の出資、この八十億だったですか、それとの関係で手心を加えたのじゃないかという、私は極端に言うと、とってもしょうがないと思うのです。そういう動きがあったわけですから、その辺が新しくここへぼかっと出てきて今年の建設資金が所期の通りまかなえなかったので、従ってそれを足すためにやるということは話がわかるのですが、事前にそういう動きがある中で、最終的にあなたが要求した額が取れなかったということがありますと、あらかじめそういうものを準備しておって、それを計算に入れたのじゃないかという、こういうふうなうがつた見方をされることは、これは否定できないと思うのですね。ですから、これは今までの政府としては、公社がすでにそういう動きを外国に向かってやることを認めておったと思うのです。これは正式に認めておったかどうか、話はあったと思うのです、郵政当局に。そういう経過はあなたは御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/5
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006・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 私もずっと前のことは存じませんが、自分の就任以前のことも報告を受けまして了承したわけでございますが、この問題につきましては、四十万加入をまず三十五年度に達成するというこの目標に、建設資金問題を集中いたしまして考えて参りましたために、できるならば、財政投融資をできるだけよけいにしてもらいたい。自己資金を第一にし、第二に財投をできるだけたくさんもらいたい。しかし、万が一のことを考えまして万が一の場合には外資に頼らざるを得ない。もし財政投融資、例年よりは何としてもふやしてもらわなければならないけれども、万が一ふやしてもらえないときにも、そのときになってからほかの方法、ほかの手段で資金を獲得いたしますことを交渉いたしましたのでは、もう間に合わないというところから、あらかじめ外資ということも最後の事態として当たっていた。アメリカ方面の意向を打診し、また大蔵当局の意向も打診しておったわけでございますので、初めにおきましては、できるだけ財投をよけいもらいたいという基本方針につきましては、私どもは全くその方針で参ったということを報告を受けまして、これを了承した次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/6
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007・鈴木強
○鈴木強君 そこで公社当局にお尋ねしたいわけですが、前の梶井総裁がたしか二回外遊された際に、そういう動きをされたことは、この委員会でも、当時帰ってこられてからの報告を承っておるわけです。非常に電電企業というものが堅実ですから、しかも発展性があるわけですから、外国の市場においても電電事業というものはかなり高く評価されておる。従って見通しはかなり明るいという御報告は受けておりました。そこで一般の公募の外債にたよるか、あるいは世界銀行から持ってくるか、こういう道はあったと思います。当初から世界銀行からのかなりの見通しもあったようでありますが、これはまあ日本の世界銀行からの借り入れ等がかなり多くなっておりなますので、日本の政府としての投資額との関係があって、なかなか額がふえないという状況になってきたと思うのですね。そこで、これはまあ世界銀行から借りるか、あるいは一般の市場から起債を起こして借りるか、どちらをとった場合がよりベターであるか、こういうことは論議があります。いろいろ私たちも勉強して参りましたが、世界銀行の場合ですと、かなりいろいろな条件もつくようですから、むしろ外債に頼った方がなおベターであろう、こういう点は私ども理解できます。ただ、たとえ七十二億でありましても、そういう外資の導入をやる場合に、はたして日本の電気通信事業の今後の運営の中でいろいろな支障が出てこないか、こういうことは率直に言って私もまだはっきり確信が持てないわけですね。ですから、こういう質問もするわけです。われわれの立場も、必ずしも後進国の関発のために、あるいはその他の産業の発展のために、持てるものが協力してもらうということについては、その思想は反対しておりません。何でもかんでも反対することはありませんが、ことに電気通信事業という高度の技術の発展の過程においては、まだまだ日本でなし得ないすぐれた技術もアメリカにはあります。従ってそういう技術の導入も、これはケーブルの場合もそうでしょうし、その他の通信機器の場合もそういうわけですから、われわれとして、多少の危惧を持っているわけですね。そういう危惧が完全に解消できるならば、われわれも何もあえて反対しようという気持はありません。ただ、どうしても私たち今まで勉強しております中で、その危供が全然ないとは魯品えない。そういうことから二、三の点が問題になっているわけですが、ですから、今まで公社当局が、総裁みずから回られて、電電事業というものの内容も御説明になったと思いますしするんですが、今アメリカで非常に電電の場合は信用もあるし、好評を博している、こういうお話なんですが、今回特にまた米国の証券業者の代表の方々も来られたようですし、特に電電公社は向こうの代表の方とも会っておられるんですから、今までの二度にわたる梶井総裁が回られた当時の経過は大体わかっておりますが、その後、今度来た人たちが、電電事業というものに対してどういう認識を持って帰られたのか、七十二億というものがもう完全に入る見通しが立ったのか、どうなるのか、そういう点を一つ総裁からでもけっこうですが、お聞かせ願いたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/7
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008・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 以前の梶井総裁の外国に行かれたときに、金融業者といろいろお話し合いになったということは承っておりますが、どの程度まで突っ込んだ話をされたかというようなことは私よく存じませんので、その点むしろ鈴木委員の方がよく御存じだと思います。私が昨年の予算を作るときに今までの経過、先ほど大臣が御答弁なさったと同じ大体考え方で、でき得べくんば、必ずしも外債というものに依存するということを最初から考えておったわけじゃありませんが、しかし過去の三年間の財政投融資の状況から判断いたしますと、三十五年度の予算編成の際に、今までよりも非常に楽に財政投融資がこちらに回していただけるという確信を必ずしも持ち得なかったのであります。しかし、一方、さりとて新規加入の需要に対する状況を見ますと、そのままに打ち捨てておくわけに参りませんので、どうしてもこの四十万という数は、少なくとも三十五年度の予算面に認めていただきたい。それには結局どういう程度にその財源を調達するかということに帰着いたすわけでありまして、従いまして、私ども当時予算の編成の際にも、初めから外債を必ずしもこれだけもらいたいといって大蔵省に要求したわけじゃないのであります。とにかく公募債としてこの程度のものは一つやっていただきたい。しかし、どうしても内国債でそれだけの所期の公募ができない事情があるならば、外貨債の公募を認めていただいてもけっこうだという、それを含んでの公募債ということでこれは交渉いたしておったわけであります。そういうことでいろいろ折衝した結果、御承知の通りあの程度の、国内の財政投融資というものがそれ以上出せないから、お前の方は、いろいろ状況を勘案すると、外貨債の発行を必ずしも不可能とは思えぬし、ある程度まで有望だと思われるから、その方はもし発行ができたらば、それだけのものを追加して仕事をやったらよかろう、こういう御承知のような経過になったわけでございます。そこで昨年私外債の問題について考えましたときに、一番最初の考え方としては、外貨債の公募という考え方でいくのではないかと実は考えておりました、最初は。と申しますのは、世銀の借入金というのは、大体外貨債をまかない得ないようなものに貸しつけるのだ、こういう大体の原則的の何らかの考えがあるように承っておりますので、今日の電電公社の財政状態等から見ますと、その範疇に入るものか、非常にむずかしいのじゃないか、かように考えておりますので、外貨債でいくべきであろうか、こういうふうに考えておったのであります。その後、いろいろアメリカから帰ってきた人の話を聞きますと、どうも初めて公社債などを出す場合には、やはり世銀の借款というものを、少なくとも幾分かそこで負担してもらった方が、外貨債を発行する上においてもいろいろアメリカの市場の信用その他を増す上においても大へん有利なんじゃなかろうか、また今まで世界各国のそういう場合の状況を見ても、抱き合わせでいっている場合が非常に多いのだから、こういう話を聞きましたので、そういうことができるならそれでもけっこうだろうということで、実は大蔵大臣その他大蔵当局に対してその点を一つ御考慮願いたいということをお願いしたわけであります。たまたま昨年の秋、大蔵大臣が世銀の何か総会でアメリカヘおいでになるという話でありました。そのとき承りますと、従来およそ日本で借り入れを約束しておった総額のワクが、大体昨年度でまず一ぱい一ぱい借りてしまうことになる。従って三十五年度以降の世銀のワクというものはあらためて今度申し込むことになる。こういう話を承りましたので、大蔵大臣の御出張前にお目にかかって、その場合に一つ電電の方の借款も入れていただきたいということをお願いを申し上げました。そこで、あとで承りますと、大蔵大臣そのことをよくやっていただいたようであります。ただ、先ほど鈴木さんのお話の中にもあったように、大体世銀のワクそのものが、当時の話によりますと、大体一年一億ドルくらい、それ以上はむずかしい、ことに日本の現在の経済状態から見ると、だんだん立て直ってきている。世銀でなしに、一般公募で原則としてやったらどうかという話もあったということであります。結局いろいろのいきさつがありましたけれども、世銀よりもお前の方は外貨債にたよったらいいのじゃないか、ほかに世銀の申し込みをやらなければならぬところが非常に多いのだから、お前の方は外貨債でいってもいけそうに観測されるからということでありました。結局今年度の問題としては、世銀ということはしばらくおきまして外貨債でいこう、こういうことで今日まできたわけであります。
そこで、昨年あたりからちょいちょい新聞等に外貨債発行をやりそうだという記事が内国新聞にも出ますし、そういうことは自然アメリカあたりにも伝わったものとみえまして、そのとき日本へやってくる証券業者なり金融業者が公社をたずねて、公社の状況はどうだ、あるいは来年——昨年の話で、来年度お前の方では社債を発行するなら、自分の方としてもいろいろ援助する用意があるというようなことを承っておったのであります。しかし、私どもといたしましては、予算が通過し、しかも予算に関連した公社法の改正等がない前にどうするということを言うべきことではないのでありますから、自然今日までそう突っ込んだ実は交渉はやっておりません。最近証券団の一行が参りましたときに、十日の日に、私ども公社側として懇談会の機会を持ちまして約三十五分余り公社の当局と証券団とお話をいたしました。その際、私どもといたしましては、一応日本の電話の拡張の状況、また公社の財政状態、第二次五カ年計画の改訂の状況等について一通りの説明を私がいたしました。それに対して一、二の質問がありましたけれども、特別にこれといった取り立てて申し上げるほどの質問ではありません。そういうことで一応話は終わった参わけであります。それで個々に、今度来られた証券団の各個の人に全部会ったわけじゃございませんけれども、その中で二、三の人たちは、公社にわざわざ個人的にたずねてこられまして、さらに公社の詳しい状況なども聞かれた方もあります。それらの人との印象からいいますと、お前の方は過去の業績も悪くないし、その程度の証券ならばやってやれぬことはなかろう。ただし、これについてはできるだけ早くPRといいますか、アメリカの人を教育をしなければならぬ。できるだけ早く手をつけるべきだ、こういうようなだいぶ注意をなさる方が多いような状況でございます。さようなことで、実はまだこの法案も通りませんので、また、これが通る前にあまり先走って働きかけるということはよくない、こういうことでまだ様子を見て静観している、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/8
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009・鈴木強
○鈴木強君 その総裁の慎重な取り運びはよくわかりますが、いずれにしても、予算もすでに通っておりますし、予算総則においてもその道は開かれておる。もちろん正式には公社法の改正になるわけであります。ですから見通しとして大体大丈夫だ、こういうふうに受け取ってよろしうございますか。その総裁の感得された向こう側の意見として、もう大丈夫だ、こういうふうに判断をされましたか、それとも多少まだ話をする必要がある、そういうふうにお考えになったのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/9
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010・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 私、ことに外債問題などはきわめて知識が浅いのですから、確たることはむろん申し上げかねるのでありますが、私どもの今日まで受けた印象からいいますと、この程度の外債は、年度内の発行は決して不可能ではない、かように実は感じておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/10
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011・鈴木強
○鈴木強君 その際、三十五年度ですね、来年の三月三十一日までの間と、こうおっしゃるようですが、これから引き続いてこういう道を開きたいというような話はあなたおっしゃったのですか。それに対して、言ったとすれば、何か反応があったのですか。それの前に、三十五年度は七十二億で一応お考えになっておるのですが、三十六、三十七年と、昭和四十七年まで第二次五カ年計画、第三、第四と、こういうように続けられていくわけですから、この間において、これは大臣にもあとで聞きたいと思っておりますが、公社としては外債発行、公社債の発行を外資に求める、こういうふうな態度は持っておられますか。持っておられるとすれば、どの程度のものを四十七年度の間までにお考えになっておるのか、これはどうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/11
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012・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) まだ三十六年度以降のことは先のことでありましてこの際必ず外債に依存するかどうかということを断言はしかねるのでありますが、私どもの希望といたしましては、三十五年度限りであとは出さないということではないので、できれば引き続いて、この第二次五カ年計画中はこの程度の外債はやはり出していただけるなら出してもらいたい、かように考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/12
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013・鈴木強
○鈴木強君 これは昭和四十七年度までの長期にわたって、これから十三年間の考え方を聞いても、ちょっとこれは無理かもわかりませんがね。少なくとも第二次五カ年計画というものは三十七年度に終わるわけでしょう。従って第二次五カ年計画を中途にして拡大修正をするという際に、問題は建設資金ですから、加入者から十六万円も取り上げるというようなことになっているわけでしてね、ですから少なくともあと三年間ですね、三十六年、主十七年、この間外資にたよらなければできないというように判断をされておるのか、それとも大体ことし借りれば来年何とかできるだろう、こういうふうな考え方なのか、そのところなんです。第二次五カ年計画に限ってもいいのですが、総裁の率直な考え方はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/13
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014・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 今日の状況から判断いたしますと、三十六年度、三十七年度の予算編成の際にも現血よりも財政投融資が著しく多額を引き受けていただけるということはまずいかがか、従いまして、そういう状態でありますれば、自然足らぬ分は外資に依存せざるを得ないと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/14
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015・柴田栄
○委員長(柴田栄君) この際、委員の憂建ついてお智せいたし峯
五月十九日付をもって光村薩跡君が委員を辞任せられまして、その補欠に永岡光治君が委員に選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/15
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016・鈴木強
○鈴木強君 総裁のお考えは、公社当局の立場からすれば一応わかります。そこで大臣に、三十六年度、三十七年度と、せっかくあなたの方では党としてあんなりっぱな方針を打ち立てられておりますし、国内からの調達が私はできないということはないと思うんですね。総裁もちょっと触れておったように、それならば国内で現在の公社債の額を消化するということも私は必ずしも不可能ではないと思う。ですからアメリカにたよってアメリカで発行して、それがどういうふうに消化されていくか、これは別として、とにかくアメリカの市場に七十億なり百億の金を依存していくなんというそんなみみっちい考え方は、これは私は、ことしはこういう格好で一応予算が削られてやむを得なかったということもわかります。大臣が努力したこともわかっておりますから、そんなに強く責めようと思っておりませんけれども、もっと自信を持って、党の政策で、総務会にかかっているのですから、党の政策としてきめられたわけですから、きめたことぐらいきちっと出せる見通しがあってやったことだと思います。社会党が一やったのとちょっと違うのですから、そういう党の権威から言っても、これ正大里人の責任ではなく、零体としての問題じゃないか、それに対して国民は率直に言って非常に期待しておったわけです。四十万の電話が引けることはけっこうだ、こういう期待を持っておったのだが、資金の調達を見ると、アメリカに頭を下げたか、向こうが下げてきたか、私よく知りませんが、たよってふやそうというそんな考え方、思想というのは、非常に僕らにとってはわからぬです。あなたはどうなんですか。三十六年、三十七年もやっぱりこういうふうな方向を公社にとらせようとすることになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/16
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017・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) 政府といたしましては、この第二次改訂五カ年計画には、来年度の分の外債は載っておりませんので、もっぱら国内で資金調達にうんと努力する。ことに、財政投融資をうんと出してもらうように私は次の予算編成期に努力しようと思っておりますが、もうすでに発表せられました改訂五カ年計画を尊重して、その線で政府はうんと努力する、こう考えておりますけれども、これは実際問題として来年度どのくらいの財政投融資をもらえるかということは、具体的にはまだわかっておりませんので、基本方針は以上述べました通りで、また、それぞれ私も一生懸命努力する。それからまた、もし人事の変動がありましたときには、後任者にもぜひその方針を引き継いで参る所存でございますけれども、何しろ財界の、経済界のことは生き物でもございますので、公社の総裁がただいま述べられましたように、どうしても来年も外債に依存せざるを得ないというような場合には、そのときの事態に応じまして、積滞数解消の五カ年計画の一端としての来年度の分を完成して参りたいということにつきましての、資金計画のまた立て直しをやらなければならないかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/17
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018・鈴木強
○鈴木強君 今大臣は来年はやらぬという方針になっているというのですが、それは間違いないのですか。この予算総則の二十一条の二項の中に、もちろんこれは三十五年度の予算の予算総則としての問題ですから、そう理解すればできるかと思いますが、しかし公社法を改正し、予算総則の中に具体的な額は三十五年度七十二億になっておりますが、来年もこの額を変えて出すという考え方はないというふうに判断をしていいと思うのですが、あなたの今の答弁ですと。三十六年度は外債にたよらないというふうに理解をしていいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/18
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019・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) その努力をいたしますということを申し上げたわけでございまして、できるだけ外債にはたよりたくない、その基本方針をできるだけ堅持するためにうんとがんばって、財投の方をよけいにふやしてもらいたい、さような基本方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/19
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020・鈴木強
○鈴木強君 私は、電話をつけることは非常にけっこうでございますが、それには何回も私がここで触れているように、現在の公社制度なり公社の組織、機構あるいは陣容、その他もろもろの要件があると思いますが、そういうものが伴って初めて四十万架設ということが実現できるのであって、この電話をどんどんふやすのだが、はたしてそれが国民の期待に沿ってうまく消化できるかどうかという点でもかなり危供があるのです。私は何回も言っておりますから、あまり繰り返して言いたくないのですが、はたして千二百八十五億というこの建設財源を国内で調達をし、さらに加えて七十二億といいますと、千三百五十七億ですか、こういう電話架設の工事の消化能力というものは、これはあなた責任を持って繰り越しをしないように、そうして今年度内において消化できるという自信を持っておりますかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/20
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021・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) これは責任を持ってそこまで言い切るということはどうかと思いますが、できるだけ、この予算がきまる、また外債法もきまりましたからには、その範囲内で目的を達成するようにうんと努力をし、さらに次年度はこの改訂五カ年計画の線に沿いましてやっていく、そういう所存でございますから、従って外債にはできるだけたよりたくない。だけれども、財政のことであり、経済界のことでございますから、その経済界の変動のいかんによりましては、やはり公社の総裁の言われますように、よんどころなく、外債にたよらざるを得ないことだってこれは財界の常として、全然そういういうことは責任を持ってないと申し上げるわけには参りません。その点は何とぞ御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/21
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022・鈴木強
○鈴木強君 もう少し大臣、問題を出して聞きますから。公社の方では三十四年度の建設工事、これについては大体現在どの程度進捗しておりますか。それで繰越額の見通しというものはどの程度予想されておりますか。その点わかっておりましたらお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/22
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023・平山温
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。三十五年度の工事の進捗につきましては、まだ結果がわかっておりませんが、三十四年度の結果がどうであったかということに対しましては、前のときもこの委員会で申し上げまして、かなり順調に行っておりますので、繰越額が前年度を上回ることはないと思うということを申し上げたわけでございますが、八十二、三億というところに繰り越しがきまりまして、工事の幅も前年度よりだいぶふえておりまして、多かったのでございますが、前年度よりだいぶ下回った繰り越しになる予定でございます。なお、今申し上げましたのは私どもの方で調べた数字でございまして、正確な意味の決算というものは済んでおりませんから、多少の数字はあれかもしれませんが、大きなところでは、前年度よりも十億以上繰越額は少ないようになることは確実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/23
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024・鈴木強
○鈴木強君 建設工事が、国会を通った予算、原則として年度内にこれを消化する、こういう建前になっておるのですが、なかなかそうはいかぬ。大体九十億ないし百億程度の繰り越しがあることは事実なんですね。新総裁就任以来、非常にその部下を督励されてこの進捗に努力をされていることは私は率直に認めます。だがしかし、それにもかかわらず、年々歳々この繰り越しが出てくるということは、国家の立場でわれわれの予算を審議する場合にもいつも問題になるのですが、せっかくワクをとった予算が年度内に消化できないということは、どこに原因があるのか、こういう点ももう少し究明する必要があろうかと思うのです。私は決して、公社がサボっておって繰り越しができるのだというようなことは毛頭申しませんが、いずれにしても、そういうことは、国民の側から見ても何かしら疑義を持つ。これは当然のことだと思うのです。ですから、ぴたっととった予算を年度内に消化するのが建前であって、それができない原因というのはどこにあるのですか、大臣はどういうふうに考えておられるか。どこに問題があって、そういう繰り越しがなされるのですか、これは大臣に聞きたいね、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/24
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025・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) これは工事上の理由かと思われますので、公社の方からお答えいたさせたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/25
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026・鈴木強
○鈴木強君 それはね、大臣、私は無理なことを言っているのじゃないのですよ。これは、郵政大臣は電電公社を監督していく責任があるのですからね。ですから、私はもう前から言っているように、あなたの就任以来から、この公社法のあり方についても、強くその問題点の解決のために努力を要請しておるのですがね。先般も御見解が発表されて、この方向に努力されていくということを確認してくれたのですがね。その際に——これはもう歴代内閣なんです、これは。あなただけでないのです。あなたの前の平井さん、寺尾さん、田中さんのときからずっとそういう問題がある。これはどこに原因があって、これを克服するためにはどういう対策を立てるべきか、これは公社とも十分連絡とらなければならぬと思うがね。いずれにしても、それを行政的に解決できるという問題じゃない。これは法制度上の問題があれば、これはやつばり解決をして、国民の期待に沿えるような体制を作ることが一番大事なことでしょう。そのことを公社になって八年間、毎年々々そういう点だけはほおかぶりしておいて、そうして資金だけを取ろうというようなそういうやり方はないと私は思うのだ。その原因を大臣がつかんでおらないということは、これはおかしいですよ。欠陥があるのでしょう、どこかに。どういう欠陥があるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/26
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027・松田一英
○政府委員(松田一英君) 御指摘の点、まことにごもっともでございますが、私どもも公社当局といろいろと話し合いまして、繰り越しがなるべく出ないというても、まあ出ないということは無理にいたしましても、少なくなるようにという指導と申しますか、話は従来までも常にやって参ったわけでございます。公社の方といたしましては、何分この電信電話の工事というものの計画が非常に広範囲にわたっていろいろとまたそこに複雑な工事の設計なり、あるいはそれの実施なりという面がございまして私どももいろいろと事情を聞いて参りますときには、まだ公社としてもいろいろ手の打ちようがあるという感じもいたしまして、それにつきましては、もっとしっかりやってもらいたいということを、時々事務的にそれぞれの話もしたわけでございます。そこで、ある時期には相当繰り越しが大幅に出た時期もあったわけでございますが、最近におきましては、それが逐次改善せられまして、まあだんだんと少なく最近の傾向としてはなってきている。毎年こういうわけで前年からの繰り越しが幾らかあり、それを今度はずっと含めて工事を進めていって、今年度全体としてやった中からまた若干繰り越しが出るということで、従いまして三十四年度あたりは、結局前年度の繰り越しからまあ十億ばかり少なくなるというふうな見通しでございますので、実際の工事額といたしますれば、三十四年度の予算としてきまりましたものよりは十億ばかりよけい仕事ができているという現実の姿になっておりまして、実はこの繰り越しをやりますときには、もちろん、私どももその点の資金というものをきちんとにらみ合わせまして、資金を持って繰り越されると、従って、その工事は当然翌年度にはすぐできるという建前にして繰り越さしておりますので、問題はそのことをいかに少なく、技術的にうまく工事上の進捗がはかり得るかという点にかかって参りまして、この点で私どもも要望としていろいろ言いましても、何分実施というものが相当技術的な問題に制約された点でございますために、その点につきましても、やはり公社としての自主性と申しますか、公社としての運営という面につきましては、あまり突っ込んだことも言うのはどうかという感じもいたしましてできるだけそういうことのないように、うまくやってもらいたいということを最後にはまあ申さざるを得ないというような立場にもなりますので、そういう具体的な工事上の理由、その他につきましては、公社の方からお聞き取りをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/27
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028・鈴木強
○鈴木強君 まあ、監理官も苦労されておることは私もわかりますが、問題のあることは認めておられるし、それがまあ工事上の理由だということでまあ言われておるのですがね。ただ単にその工事上の理由だけではないのだ。私は、だから、工事上の理由で、もろちん特殊な技術を導入し、またそれをどんどん設備を近代化していく事業ですからね。不可抗力的にどうしてもできないということもあるでしょう。私は一銭も繰り越しがないようにやれというようなことは、これはむちゃなことだと思うのです。だから十億なり二十億なり三十億なり、せいぜい五十億程度の繰り越しというのは、これは世間も認めます、率直に言って。しかし、百億近いものになりますとね、これはやっぱり疑義を持つのですよ。せっかく取った資金というものがあるのですからね。それを活用して一日も早くつけてやるというのが、これは公社に課せられた使命でしょう。それを監督する郵政省の立場というものは、もっと明細に、この繰り越しというのはどことどことどこに原因があって——これはもちろん行政指導上、あなたが言われておるように、私は公社の自主性を侵啓するようなことをあなたの方でやってくれというようなことは言わないのです。どうしても公社がやってみて不可抗力的になるという問題であれば、それは一つ明らかにしていただくと同時に、そのほかに問題点があれば、時々そのときどきにあなたの方からも注意されておるようですから、その問題はもう少し政府がバツク・アップしてやって、工事、業者とかその他の関係で、そういう点でもし問題があればそれを解決してやるとか、その間の努力をせられて、私どもに聞かれた場合には、これこれこういう理由で、従ってこういうふうになるのはやむを得ないのだというような答弁が、国会を通じて直ちにできるような態勢をやっぱりとっておかなきゃいかぬと思うのです。特に三十五年度の場合は、御承知のように暫定措置法も予定よりおくれまして、二十八日に公布になっておる。ですからもう端的にいえば、四月一ばいというのはつけたいけれどもつけられない、こういうわけで、一方からは苦情がくる。これはいろいろ国会の審議もございましたけれども、これは別に意識的に延ばしたというわけでもないし、審議を尽くして延びたのです。それで大臣の責任もあったのですから、そういうことで延びておるのだから、これは大いに大臣も陳謝をしなきゃ、いかぬと思う。いずれにしても一カ月間というブランクがある。その中で現に八十億なり九十億の繰り越しがあって完全に消化できないという見通しが、まあさらに九十億にふえるような気もするのです、私は。この際に七十二億の外債をあえて導入するというのだが、はたしてその自信があってやっているのかどうなのかということを、この審議を通して私は明らかにしたいのです。もちろん、これは神様でない限りは、絶対的に自信を持つということは無理かもしれませんが、あらゆる努力をして七十二億の外債を入れて、三万の電話をふやして四十万にする。そうして繰り越しも五十億程度にとどめてやれるというほんとうの自信がありますか。これは大臣に、私ら非常に心配しておりますから、これはどうですかね。一ヵ月間のブランクというやつはどうして取り返すつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/28
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029・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) ただいま御指摘のように暫定措置法が約一ヵ月おくれましたので、本年度の工事の進捗上相当の困難を加えたこと、これはどうも否定できないと思います。しかしながら、この一月の間私ども手をこまねいて何もやらずにおったわけではないので、御承知の通り、基礎工程の方の仕事はどんどん進捗いたしておりますが、各加入者の宅へつけるという繕がどうしてもできない、こういうことでございますが、一月の閥十二分の一だけの全く負担が増したということにはならないのです。基礎工程の方はむしろあいた手を利用して、できるだけ初めの予定よりもむしろ進捗さしておった。今度その基礎工程の上に基づて五月以降特に各加入者に架設する方に力をそそぐ、こういうことで、非常に勉強してやっていけば、まあ御心配のようなこともなく私どもはできるだろう、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/29
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030・鈴木強
○鈴木強君 今そこに、総裁、資料がございましたらちょっと御披露いただきたいのですが、もしなかったらあとでもけっこうですが。大体予算も通って暫定措置法はおくれましたが、おおよその各月ごとの架設数というのを、基礎工程とあわせて計画をお持ちになっていると思うのですが、四十万の電話を大体どういうふうに月別につけていこうというのですか。その構想をこの機会に示してもらえば、ある程度自信が持てますが、それを一つ聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/30
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031・大泉周藏
○説明員(大泉周藏君) 加入者開設の点につきましては、年間の工程を通信局ごとに示しまして、その月別の点は実は通信局にまかしております。その報告を求めることになっておるのでありますが、拡充措置法の方も少しおくれたものですから、この辺の点は通信局に今照会中でございますが、ただこの拡充措置法の通る前の状態につきましては、実は通信局に計画を立てるときに私どもの方にある考え方で指示したものがあるわけでございます。その考え方は、御承知の通り、電話局ができなければつかない電話につきましては、これは局のできる時期に合わせる以外にございませんが、その他でできるものは、今度の外債の関係もございますので、できるだけ早期につけるように、既設設備でつけるもの、あるいは端子増設でつけるものというものはできるだけ早くつけるように計画をするようにということを指示したのでございます。従来の年でございますと、三月中には電話申し込みを受理いたしまして四月中につけるものがございますので、今度は法律の関係もございますので、それはできないということでございまして四月の方は割合に少な目に計画して、そしてしかも終わりの方は合うようにということで、まん中の方に固めるように計画をしているわけでございます。具体的の数字は通信局の方で現実の事態に合わせて計画しておられるわけでございますが、今のところ手元にございませんが、ただ四月分のはどういうことになっておるかということだけを御参考までに申し上げますと、実は公社では初め二万五千ぐらいつけてもらいたいものと思っておったのでありますが、どうも法律の方の工合がございますので、現実はにおおむね通信局で計画したものを集計しますと、二万弱くらいつければ来年度にはうまくいくだろうということを考えておったようでございます。ところが四月二十八日から施行になりましたので、できるだけ、先ほど総裁のお答え申し上げました通り、基礎設備の方はやっておりましたので、当初にはこの三日間で全国で二万二千承諾通知を発送したのでありますが、しかしながら、承諾通知を発送しましても、金を払い込んできますには十日の余裕がございますので、それを払い込んでもらいましてからこちらは電話をつけるのでございまして、三日間では実は四千三百七十しかつかなかったわけで、この二万二千というものの相当多くのものは、きょうあたりはずっとついておるのではないかと思うのでございますが、それらのことで、当初は少し出おくれておりますけれども、今のところ基礎設備の方は進捗しておりますので、上半期の間ぐらいには大体架設の方は取り返せるのではないかという見当をつけておりますが、詳細は先ほど申し上げました通り、通信局の方の集計と相待って検討いたしたいと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/31
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032・鈴木強
○鈴木強君 そうしましたら、今のあとで一つ資料を各通信局別の集計ができ次第お届け願いたいと思いますが、四月中はもちろん暫定措置法との関係でいろいろ困難だと思いますが、前の負担法の架設加入者負担金によって架設したという電話というのは一つもないのですか、それとも多少はできたことになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/32
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033・大泉周藏
○説明員(大泉周藏君) 旧法によってもできるだけつけられるものはつけてあるわけでございまして、その総数は四百五十八でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/33
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034・鈴木強
○鈴木強君 これはこの四百五十八つけたというのは、どういうものをつけたのですか。新法がおくれましたが、その問四月中に架設した人でも、一方は安い料金でつけられた。一方は新法によって、待たされて二万何ぼ——一万八千くらいですか、待たされておったわけですね。結果的に見ると、そういう人たちは同じ四月につけても額が違う。非常に不公平ができておると思うのですが、これは法律がおくれておるからやむを得ないと思いますが、それを責めようとは思いませんが、参考のために、どういう基準のものを四百五十八カ所ですか、おつけになったかどうか、参考に聞きたい。これは別に追及しようとかなんとかということは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/34
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035・大泉周藏
○説明員(大泉周藏君) この点につきましては、法律の施行が予定よりもおくれましたので、私の方でその対策を指示いたしたのでございますが、もちろん旧法がありますので、旧法でつけられるものはづけるということは当然である、こういうのでございますが、ただ、実は電話をつけます際に、ことに法規が変わります際に大事なことは、お互いの公平を期さなければなりませんから、たとえば同じ条件の人が十人おって、二人だけつけて、あとで変わるというのが一番困るのでございまして、十人つけるならみな同じでなければならぬ。そこでその条件が、なるべく切りのいいところで、三十四年度内で工事を急いで、きれいに整理しておったのでございます。でございますから、三十五年度に入りまして一部つけると、せっかくの努力が全部混乱するわけであります。しかしながら、この中には第一順位のものなどで、しかもほかに何も競争のない、不公平にならないものもないわけではないのであります。たとえば東京なんかですと、丸ノ内近くでは積沸もない。これはっけられたわけであります。ところが横滑で半年も一年も待っておる方々の中で、承諾通知を発送するということになりますと、それをいろいろ相談してみますと、この際やるとすれば、やはり二万近くは一緒にやらなければ困るのではないかということが全国的な空気が見えたのであります。これを始めますと、その間に新法が通りましても、それを全部片づけるまではほかの人はつけるわけにはいかな。そういう混乱が起こらぬようにと、そういうことを注意しながら指示しておった結果、法律の通る時期がなかなか見当がつかなかったので、もう一日もう一日ということで待っておったわけでございます。事実上こういうことになったので、加入者の方々には全く申しわけなかったと存じますが、そのおくれをできるだけ取り返せるように、二十八日から三日間で承諾通知を二万二千も出すようにした、こういう格好でございまして、これは私どもの方は、あくまで電話を多くつけるようにということと公平を期するという上から考えたのでございまして、旧法で二万をつけたのでは、その間新法が通ってもあとの電話がつけられなくなる。これでは三十七万はつけられなくなる。四十万加入はつけられなくなる。たくさんつけるというということと、公平という上から見まして、その影響しないというものはできるだけつけるようにしたい、こういうことを申し上げておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/35
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036・鈴木強
○鈴木強君 それであなたが言われておるように、現行法というのがあるのですね。その法律に基づいてつけることが、公社の義務なんです。かりに私が加入者であった場合に、現行の負担法が、ただいま東京で、六万円債券があって、あと三万四千円ですか、これを払えばつけるということになっておる。われわれはその法律によって、申し込んでつけてもらう権利があるわけですね。もし訴訟を起こして、現行法というものがあるにかかわらず、なぜ延ばしたかという意地の悪い人が出てきたら、これはどうなる。法律は、今国会で審議しておりますから、それを待って下さい、加入料金が変わりますから、待って下さいということは、これは私は通らぬと思うのですよ。
だから、二万二千という計画をして、わずか四百五十八個しかつかないということは、これはだれが責任を負うのですか。加入者から見れば、現行法はあるし、当然つけてもらう権利があるわけですから、そういう手続をしたにかかわらず、公社は新法があるからというので待たされたということになると、これは、国民の権利というのは侵害されたことにならないですか。やはりそれによって、かりに四十万の架設ができないとしても、やはりそれは計画の変更をすべきだと私は思う。
それを四月中、わずか四百五十八個つけて、あとはっけなかったということの責任は、どうするのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/36
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037・大泉周藏
○説明員(大泉周藏君) 今の先生のお話は、計画変更すべきだという御意見のようですが、もしそういうことが正しいといたしますならば、私ども申しわけないことをしたわけでございますが、私の考えといたしましては、今度の予算で三十七万個をつけるということになっております。新しい法律も、たくさんつけるために、どうしてもあの法律が必要だということでお願いしておったわけでございますが、法律の通り方が、四月中に絶対通らないとか何かわかっておるならいざ知らず、われわれは、いろいろ計算したのでございますが、電話をつけ出しますと、二、三週間というものは、それであとのことは何もできなくなってしまうのです。これは二、三週間、絶対法律が通らぬということがわかっておればよかったのですが、そうでもなさそうだということで、私たち考えて、せっかく三十七万個つけるということは、公社の最大の使命である、またおっしゃいました通り、電話を申し込んだら、つけてもらう権利があるということは、まことにごもっともでございましてその通りでございますが、今申しましたように、申し込んで、すぐつく地域では、割合いに多くついたのでありますが、申し込んでも、半年、一年も待っておる地域は、どうにもならないので、ほんの一部の人たちだけにつけたのでは、かえって不公平になって、混乱が起こるということのために、また全国的にも、そういう地域が大部分でありますので、こういう結果になったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/37
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038・鈴木強
○鈴木強君 あまり私も………。国会の審議もあることですから、公社の諸君も一日一日と、あした通るだろうということでしておったから、平常の状態でないですから、考え方は、よくわかります。
しかし、実際の四百五十八というのは、積滞もない申し込めばすぐつかるというところの人たちに、現に引いてやっているわけですから、ましてや三年も五年も待っておって、二万二千は架設できるという計画をお持ちになっておりながら、一日も早くつけてもらいたい人が、あと回しになって、そうして申し込んで、すぐつかる人が、先についたということは、公平ということを言うけれども、不公平なんですね、だから、どこかで公平、不公平という線を切らなくちゃならぬ、三月までの人たち、今度四月の二十七日ですか、その人たちは、旧法によって引ける権利がある、ところが二十八日以後の人達は、高い額になるわけですから、どこかでやはり加入者負担というものは増大していくことですから、それが四月にやっておったやつが、五月に延びた、こういうふうに考えれば、四月二十八日であっても、それまでの間はああいう格好ですから、通るか通らぬかということで、なかなか計画は立たなかったことはわかりますけれども、しかし、実際意地悪い人がおって、そういうことを言い出したら、どうしますか。三十七万つけるために、がまんしていただきたかったと言ってみたって、法律的に何もない、計画を変更して、四月二十七日まで——法律が通るまでつけてやる、通ったら、こうなりますということを宣伝して、私は協力を求めた方が、むしろよかったのじゃないかと思うのです。
そういう点は、第二次五カ年計画の中途において、拡大をするようなこともやっておるわけですから、実際上政府なり国会というのは、そういう形になってきたのだから、公社の責任でもないでしょう、きめられた法律に基づいて、きめられた架設を、どんどんしていくのが、私は正しいやり方だと思うのです。いろいろの条件がありましたから、私、これ以上言いませんけれども、そういう意味で、四百五十八つけたということと、じゃ一万八千個ばかり残った人たちとのアンバランスを、どういうふうにするかということは、重大問題だと私は思う。
ですから、あまり三十七万、四十万というものが、頭にきているものですから、加入者に、かなり無理をやって、それこそ申しわけない、くらいじゃ済まぬと私は思うのですが、そういう点を、もうちっと大臣あたりにも、これは法律が、ああいうことになっているのですから、その間において、公社が、どういう措置をとるぐらいのことは、考えたことあるのですか。
これは、加入者からみれば重大責任ですよ、大胆、考えたことありますかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/38
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039・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) むろんこれは、何とかして早くつけさしたいと思い、また私のところにも、陳情がだいぶ参っておりましたので、公社を督励して努力したいとは思っておりますものの、現在のような状態で、その点、大へんに恐縮しておりますのですが、幸いに拡充法も通していただきましたし、外債の方も、お通し願いますれば、さらに大いに馬力をかけて、督励して参る所存でございますが、何とぞ一つ御了承お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/39
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040・鈴木強
○鈴木強君 大臣、こういう計画があって第二次五カ年計画は、三年目が始まるわけですから、私は、少くともことしの建設資金の消化については、従来のような考え方でやっておりますと、かなりきびしい批判が出てくると思います。率直に言って。だから私は、七十二億の外債を千二百八十五億にプラスして、千四百億近い建設資金というものが、ほんとうにうまくいくかどうかということに対して心配しているのですよ。これがうまくいかないことになりますと、何のために、繰り越しになる七十二億というものをアメリカまでお願いをして、資金を求めなければならなかったかという、政治的な責任も出てくると思いますがね。
ですからここであなたが絶対やりますということを、さっきから言うように言質をとろうとは思いませんが、非常なやはり決意をもっておやりいただくように、一つめんどうみてもらいたいと思いますね。公社の方も、人員も一万人ぐらいの人を要求したのですが、六千九百なんぼに減らされておりますし、仕事もうまくいかないだろう、これから工事というものが請負に、おそらく今の半々から六、四か、七、三か知りませんが、どうしても建設工事というものが、民間の協力を得なければ、今の体制ではできないような気もするのです。一方それは公社本来の使命から言うと、うまいことではない、公社がみずからやっていくというのが建前ですから、御協力を得なければできないということもありますので、御協力を得る限度というものを、どの線に置くかということが、やはり問題だと思います。はたして、そういう体制が、われわれ国会で皆さんからお聞きしてなるほどそういう体制があって、これならやれるだろうという自信のほどが持てるくらいの、はっきりしたものを持ってもらいたいと私は思うのです。私は無理なことではないと思いますが、その点に対するお考え方はどうでございますかね。これは公社の方でもいいですよ、それは一つ、僕らが審議するに際して自信の持てるような答弁をしてくれませんか、工事の進行については。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/40
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041・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 工事の進捗に対する対策といいますか、どういうことで、これを乗り切るか、こういうお尋ねだと思いますが、どなたかにも、前にちょっと申し上げたかと思いますが、私ども昨年、第二次五カ年計画の改訂をやり、予算を要求いたしますときに、三十五年度の工事幅がこれを認められた場合には、よほど大決心をもってこれに取り組まなければ、万一大へんな積み残しを翌年度まで繰り越すということでは、世間に対して申しわけない。かようなことで昨年中から、ぼちぼちすでにかまえをしておったつもりであります。
その一つの方策としては、従来実施上のいろいろな設計なり、その他のことを一々本社へ地方の方から計画を立てて意見を聞いて、そして本社の意見によって修正して、一ぺん地方へ戻して、その意見に基づいて、さらに新しい設計をしていくというようなことが従来繰り返されておったのであります。まあこれは、万全を期する意味においては、一番理想的な方法であると思うのでありますが、しかしこれをやっておったんでは、先ほどお話のありましたように、要員の関係その他のことで、なかなかこのような膨大な工事を進めるということは、よほど困難であります。
それで私どもとしては、できるだけ地方に仕事をまかせなければいかぬということで、地方分権制度というものを昨年の春断行いたしたのであります。これは、もっとも今度の工事だけのためにやったんじゃありませんけれども、工事についても、やはり同様分権制度ということが、相当の事務の簡捷になり、工事を進捗する上において効果があることと考えておったわけであります。
それから、中央において、建設局というものを新しく作りました。これなども、建設に関する全体の仕事を一手に掌握しまして最も能率よく、これを進めるというかまえで、昨年からすでにこれは実行いたしておるわけでございます。そのほか、ことに従来隘路でありました道路の使用ということにつきまして——これが仕事のおくれる一つの大きな従来の隘路でありましたが、昨年から建設省の当局にお願いして、場合によっては、必要なものについては法律なりあるいは省令を直すというくらいまでの希望を申し述べたのですが、これを待っておったんでは、相当時間がかかりますので、とりあえず昨年から、建設局の当局の方と公社の准行部隊、あるいは本社の部隊のものと小委員会を作って、個々の問題について、便法を講じて、できるだけむだのないような、仕事がはけるような方法を講じて話し合いを進めました。これが今年度の工事の進捗の上において、相当実は効果があると考えておるのであります。
それから、従来、ことに仕事のおくれる一つの原因になりました土地の買収といいますか、電話局を建てる場合に、まず土地を選定しなければなりません。これがまあ適当な場所に適当な坪数の土地を求めるということは、大体大都市などは、ことに困難であります。このために、ずいぶん予定の通り仕事の運ばないということが多かったのであります。これらにつきましても、今後は、何とかできるだけ早く手を打って、いろいろな方法を講じて土地を確保したい。このことの方法を主管の局をして、いろいろ講ぜしめておるわけでありまして、これが直ちに三十五年度の方に百パーセント効果を生ずるかどうかということは、なかなかむずかしいのでございますけれども、おそらく一両年のうちには、相当効果を現わしてくるんじゃないか。これがきまりますと、その上に建てる建物の工合、建物ができたら、その中に入れる機械その他の設計ということが、割合に平均してやれるような計画が立つわけであります。従来は、その方が少しおくれておったために、せっかくやろうと思っておった建築が、半年おくれたとか、一年おくれたということが往々にしてあったのであります。このことが一つの私どもの隘路と考えまして、十分その点を注意するようにと、かように考えておるわけであります。
まあそのほか、設計の注文をする場合の契約上の手続その他の簡素化をはかるとか、また実行部隊においては、車両その他の機械力をできるだけ装備をよくして、その進捗をはかるというようなことも考えておるのであります。なお足らざる部分につきましては、先ほども御指摘のありましたように、民間の工事業者に、ある程度まで期待しなければならぬ場合も生ずると考えます。これらにつきましても、業者の方でも、大体昨年の予算の決定のときから、本年の状況を考えまして、相当の手当をすでにやってかまえをしておるようでありますから、まあこれも、今年度の工事の完遂について、相当の信頼がおけることと考えております。
まあかようなことで、本年度は公社といたしましては、中央、地方を通じて、全社の力を結集してこの完遂を期したい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/41
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042・鈴木強
○鈴木強君 いろいろ御苦心なさっておる点はわかりますが、基礎工程とサービス工程をどういうふうにマッチしていくか。お話によると、四月中は、加入者架設ということはできなかった、事実上……。従ってその基礎工程の方に力を入れておやりになっている、こういう御答弁ですが、まあそういったことも、もう少し——私は総裁が、どういう点をやられたのか資料もいただきたいと思いますが、いずれにしても、陣容の面からしても、非常に拡大をするこの建設工事に対して、電電公社自体の要員対策から見るとマッチしてない。従って勢い、ある程度というよりか、かなり私は、民間の人たちに手伝ってもらわなければならぬ事態になっているのじゃないかと思う。そういう場合に、今あなたの言っておるように公社のすでに拡大修正ということを期待し予期して、それぞれのメーカーや、個々の業者が態勢を作られておるからいけるだろう、こういう御判断のようですが、そういう業者の皆さんの協力態勢についても、公社としてどういう、ふうな指導をされているのか。抽象的な論議では、私たちよくわからぬですよ、たくさん工事業者もあるようですから。片やまた、足りない予算の中で、いかに大橋さんの言うように電話をつけるかということになると、経済比較も考えなければならないし、現在の機材、線材のコスト・ダウンということも、ある程度それぞれ業者の方は考えておるようですから、そういうような一連の公社に対する協力態勢というものは、どういうふうに出ておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/42
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043・平山温
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。
業者の協力態勢が、どういうふうにできておるかというお尋ねと存じますが、大体の考え方としましては、工事幅がふえたからといって、会社の数をふやすという意味の考え方よりも、今まであります一つ一つの会社に対して、この工事幅に応じてある程度増員をして、そして内容的に整備していくという考え方で増強が行なわれたように思いますし、また私どもも、そういう方向を期待し歓迎していくわけであります。
そこで、協力態勢ができたということは、どういうことかということにつきましては、ことしの三月末に、この三十五年度の工事に見合うように、増員が各業者の間において行なわれたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/43
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044・鈴木強
○鈴木強君 個々の問題については、私は触れませんが、そうしますと、大体千三百七十二億程度の工事量を消化する際に、従来の公社直営と、それから民間に依存する度合いというものが、半々程度になっていると思うのですが、その公社に依存する工事量、建設量というものは、多少ふえるでしょう。そういうことを含めて態勢ができたと、こういうふうに考えていいですか。そうじゃなくて、五十五十という線はくずさぬ、しかし五十五十であっても、その五十がふえてくるのですから、その意味において態勢を整えたというのか、それとも、もっと請負工事というものを民間に協力していただく、これを考えて、その態勢を作ったのか。そういう点があると思うのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/44
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045・平山温
○説明員(平山温君) 全体の工事景がふえまして、そしてその場合に、今鈴木先生のお話にも出ておりますが、サービス工程とか基礎工程とありますけれども、確かに加入者の数もふえておりますから、サービス工程もふえますけれども、金額的には、やはり全体として基礎工程のふえ方が多い……。思います。
そういう意味におきまして、結果的に従来の直営と請質の比率がもちろん御指摘のように絶対額がふえて参りますだけでなしに、その比率も、若干請負の方が大臣になるという格好になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/45
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046・鈴木強
○鈴木強君 その点はわかりましたが、線材、機材のメーカーさんの、これは四十万加入になるわけですし、それから線路も同軸、マイクロ、それぞれふえていくと思うのですが、そういうふうな態勢は、メーカーの方に物がなくて作れぬというような、そういう心配はないでし、ようかわ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/46
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047・平山温
○説明員(平山温君) 電気通信設備に使いますところの機材、線材等の製造会社の方の協力ということにつきましては、三十五年度の予算に対応して、十分、何といいますか、力がある、私どもとしては、その方の供給力が不足したりするために、工事が予定通りいかないという事態は全然ないと、こういうふうに予想しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/47
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048・鈴木強
○鈴木強君 その点は安心をするわけですが、そこで私が、いつもうるさく言う利益率の問題に関連がするのですがね。私は、それぞれの工事業者の内容もよくつかんでおりませんから、これは一概には言えませんのですが、何とか量産にもなるし、多少の工夫をこらすならば、御協力をいただく関係の皆さん方に、そう御迷惑をかけない程度において、多少のコストダウンはできるんじゃないか、こういう考え方を、ときに持つのですがね。これは、いろいろ皆さんの方で折衝をされておるようにも聞いておるのでございますが、大よそ公社の方から、こうしてくれというような指導でやっておられるのか、それとも業者自体が自主的に御判断をなさって、ある程度の、そういうことも考えておられるのか、この辺は、どうでございましょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/48
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049・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) それは物によって、進んで業者の方から参与するということを言ってくる場合もありますし、こちらの方で、大体今度はこういうふうに物量もふえるんだから値下げしたらどうかといって指導する場合もございます。まあしかし、大体において公社の方で事情を説明して、どうだという場合の方が多いだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/49
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050・鈴木強
○鈴木強君 利益事の結論は出ましたか、公社も、だいぶ研究されておったようですがね。この利益率が適正だというふうな、一つの資料はできておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/50
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051・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) その御質問の趣旨が、ちょっと私には理解しかねるのですが、各その会社によって、利益率の何というか、見方が違うということなんですか。これはもう結局、物の回転率の多い種目の品物を作る——何といいますか、メーカーは、自然利益率が少なく、それから回転率の少ない種目を作っておる業者に対する利益率は、自然高くなっている、こういうことで、かえってそれが公平を期するものである、こういう、ふうに大体の抽象論としては、さように考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/51
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052・鈴木強
○鈴木強君 もちろんそこまでは、私もよく聞いているのですよ。だから、総資本の回転率によって、平均利益率というものを、各会社で説明しているわけですよ。これは、一つの筋として私はわかりますがね。それだけでも、ちょっと会社の経営の実態というものが、ようつかめませんからね。決算、財産目録をごらんになるのでしょう、あなたの方では、一々………。だけれども、なかなか実態というものは、つかめないということは、事実であろうと思うのです。
ですから、必ずしも総資本の回転率だけで、利益率をはじくのがいいのかどうかどいう御論議は、総裁のおっしゃる通り、何回もやってきているわけですね。それに対して公社は、かなり専門家的な研究をなさっておったのでしょう。これは、他の企業に比べて、私は非常な進歩であると思います。ことに、その随契なんかの問題で、世間からかなり批判も受けている。だから公社も、企業の実態からして、われわれは、われわれの説明もしますし、公社の立場もよくわかる点もあるからして、話はするのですけれども、一般の、どうも随契というものを頭に連想して、うまいことをやっているのじゃないかというふうに、極端に言うと、痛くもない腹を探られるようなこともあるのです。これは現にある。だから、そういうことのないようにしていることは、私らも自信を持っておりますから、話が出たとき言いますけれども、それにしても、やはり科学的に、ある程度の分析というものをなさって、一つの尺度を作ってこれによって第三者的にも、こういうふうにするのが正しいのだという一つの基礎を作ることは、これは日本の全産業にとっても大事なことであるし、それを公社がやりかけているということだから、私らは非常に期待を持っておったわけですよ。
途中の質問を宥略しておりますから、わかりにくいかもしれませんが、そういう意味で、公社が研究されている適正な利益率というものの結論は、できましたかどうですかということを聞いているのです。まだ研究中ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/52
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053・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) これは鈴木先生、すでに御承知の通りでありますが、私の方の資材局には、特に原価調査に関する専門の課を設けまして、年じゅう専門的に研究いたしております。相当、最初は苦しんだようでありますが、だんだんなれてきて、このごろは、よほど上手になったように思うのですが、しかし何といいましても、なかなかこれは、原価調査ということはむずかしいことであります。ことにもともと、しろうとがいろいろ研究して、ようやくなれてきた程度でありますから、さらに専門家からみれば、ずいぶん穴もあるだろうと考えます。
従いまして、実は昨年から、資材調査会というものを実は作りまして、これらの点も、資材調査会で調査審議していただく一つの項目として、実は御相談を願っている。そのいろいろ御審議に基づいて、今後さらに原価調査を厳格に適正にやっていきたいと、かようなことで、原価調査に関する答申は出ているはずでありますから、それに基づきまして、調査会の方で調査をしているのですが、きょうは、その専門家がこちらに参っておりませんから、何かこの次の機会がありましたときに、もし必要ならば、専門家を呼んで御説明したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/53
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054・鈴木強
○鈴木強君 大よその御研究の結果、結論が出ておるように聞いておりますがね。だから、そういうのは、電電公社だけでなしに、大いに世間にも、いい研究結果であれば、発表もしてやったらいいと思うのですが、私は、これはいずれ、また機会をあらためて、もう少し専門の課長さんにでも、よくお聞きしますが、そこで、こういうものが出てくると、今旨つたように業者との関係が非常に微妙になってくるということです。一方業者の方では、コスト・ダウンについてはきらうでしょう、率直に言ってね。できるだけ利益をとろうというのですから、いやだというでしょう。しかしそこを国民の企業であるし、国民の便益のための事業ですから、業者にも理解をしていただいて、向こうが困るといって、どうしても経営上成り立たぬということなら、これは別でございますが、物理的に科学的に研究をして、それでやり得るという結論であれば、それは一つ深く理解をしていただいて協力していただく、こういう措置もとらなければならぬと思うわけですが、そういうことが、変にこじれますと、またこれは対立感情も出てくるでしょうから、私はここで、それを強くやれということは申しませんが、業者の協力がなければ、これはできないことですから、一つ深い理解を持っていただく中で御協力をいただく、こういう方針でやってもらいたいと思いますが、これは総裁のお話ですと、業者の方から自宅的にやられることもあるし、また大部分は、公社の方からお話をされているようですから、その点は、抜かりなくやっていただいていると思いますけれども、なお一つ、十分御研究してもらいたいと思います。大事なことですから、総裁……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/54
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055・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 大体、ただいま御指摘のような考え方で、実爽はやっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/55
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056・鈴木強
○鈴木強君 もう時間が、私らもなくなっちゃったので、一つこの際、——まだ私の質問を継続していただくことにして——大事な点ですから、大臣に、一つ承っておきますが、お聞きの通り、工事の進捗については、公社も非常に御苦心なさっておりますから、一カ月のブランクというものは、これは否定できない、こういう意見もあるわけですから、よほどこれは考えてやっていただきたいと思うのです。
それについては、やはり現行公礼法というものの不備欠陥も多々あるでしょう。で、私はあなたにも何回も言っているように、答申自体が、岸総理大臣にされておっても、長きにわたって、もう五年間も、たなざらしになっておる。これはけしからぬ話で、一つ次の通常国会くらいまでに、現行の公社法の不備欠陥を全部指摘をして、悪い点は、どんどん直していく、こういうことを、あなたの責任において、私は今からやってもらいたいと思うのです。立法措置をやるのは、やはりあなたの方ですから、これは松田監理官もおられますし、ほかにもおられるようですから、そういうことをしてくれますか、くれませんか、はっきり聞いておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/56
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057・植竹春彦
○国務大臣(植竹春彦君) その通りにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/57
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058・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ほかに御発言もなければ、本日は、本件に関しては、この程度にとどめたいと存じます。
これにて散会いたします。
午後零時二十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414816X02119600519/58
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